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2016/12/12 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
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2016/12/12 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第192回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成二十八年十二月十二日(月曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     高瀬 弘美君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         藤井 基之君
    理 事
                猪口 邦子君
                山田  宏君
                石橋 通宏君
                竹谷とし子君
    委 員
                石田 昌宏君
                今井絵理子君
                島田 三郎君
                中川 雅治君
                長谷川 岳君
                橋本 聖子君
                松川 るい君
                山本 一太君
                徳永 エリ君
                鉢呂 吉雄君
                藤田 幸久君
                新妻 秀規君
                紙  智子君
                儀間 光男君
                糸数 慶子君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  鶴保 庸介君
   副大臣
       外務副大臣    岸  信夫君
       防衛副大臣    若宮 健嗣君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  宮澤 博行君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        北崎 秀一君
       内閣府北方対策
       本部審議官    山本 茂樹君
       警察庁長官官房
       総括審議官    斉藤  実君
       警察庁長官官房
       審議官      白川 靖浩君
       外務大臣官房審
       議官       相木 俊宏君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       水産庁増殖推進
       部長       保科 正樹君
       国土交通大臣官
       房審議官     桜田 昌之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (経済等日露間の交流拡大の意義に関する件)
 (沖縄振興の意義に関する件)
 (機動隊員による「土人」発言に対する鶴保内
 閣府特命担当大臣の認識に関する件)
 (基地問題と沖縄振興予算との関連性に関する
 鶴保内閣府特命担当大臣の認識に関する件)
 (北部訓練場返還跡地の支障除去に関する件)
 (普天間飛行場の移設経費に関する件)
 (北方領土交渉における政府の取組方針に関す
 る件)
 (北方領土隣接地域の振興に関する件)
 (代替漁法等ロシアによるさけ・ます流し網漁
 禁止への対応策に関する件)
 (在沖米軍のオスプレイによる物資つり下げ訓
 練に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(藤井基之君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高瀬弘美君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(藤井基之君) この際、岸外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸外務副大臣。
#4
○副大臣(岸信夫君) 外務副大臣の岸信夫でございます。
 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、特に、日米同盟の強化に取り組みつつ、尖閣諸島をめぐる情勢については、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意で毅然かつ冷静に対応していきます。
 また、ロシアとの間では、十二月のプーチン大統領訪日に向けて、平和条約締結交渉を含む政治分野、経済分野等幅広い分野で準備を進めています。
 北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、岸田外務大臣を補佐し、外務副大臣としての職責を全うすべく全力で取り組んでまいります。
 藤井委員長を始め理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
#5
○委員長(藤井基之君) ありがとうございました。
 岸外務副大臣におきましては御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#6
○委員長(藤井基之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官北崎秀一君外七名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(藤井基之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(藤井基之君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○猪口邦子君 委員長、質問の機会をありがとうございます。
 本日、私は、まず岸田外務大臣に北方領土についての質問を申し上げます。
 北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結することは、大臣も所信的挨拶でおっしゃいましたとおり、我が国外交の最も重要な課題の一つであります。
 私は、二〇一二年五月二十五日から二十八日まで、ビザなし渡航で択捉島に上陸し、戦没した方々のお墓参りをしてまいりました。様々なことが思い出されますけれども、管理していたロシア人がチシマザクラを植えてくれていて、寒風に耐えるために小ぶりでございますけれども、鮮やかで美しい枝ぶりの桜が咲いていました。
 ロシアが実質的に支配している北方領土の日本への帰属を実現するには、総合的な外交力、交渉力、それも非常に大事ですけれども、我が国の法的立場を害さない形での交流、経済交流、社会交流あるいは文化的な交流、これを深めて、そして、それをもってロシアの国民感情として日本への温かいといいますか明るい感情、これが広がることが必要であると考えます。冷戦期とは異なりましてロシアは民主主義国でありまして、ロシア外交はロシアの国民世論に寄り添う必要があるでしょうから、対日国民感情が良ければ外交でのロシアが妥協できる幅が広がるものと考えます。
 例えば、ロシアから見て日本は見果てぬ夢のような長寿国ではないかと思うんですね。百九十を超える国際社会の国々の中で、我が国は一貫して男女総合で世界一の寿命、これをスイスと分かち合ってきています。二〇一五年も総合では一位、ロシアは百十位であって、男子で見ますと日本人の平均寿命、日本男子の平均寿命八十・五歳、ロシア人は六十四・七歳で十五歳の違いがあり、女子でも十歳もの違いがありまして、ロシア国民の平均寿命を延ばすような協力の視点から、医療、保健、福祉、労働環境あるいは環境対策、食育を含む食生活、雇用情勢の改善、住環境の改善等々の改善。
 日本からの光、昔ヨーロッパではよく東方からの光、オストルストというドイツ語ですけれども、そういう言葉が使われることもありましたけれども、まさに日本からの光がロシアに届くようにと、経済的な交流拡大、これをそのように説明することが重要ではないかと思います。政策の良きを得て寿命というのはかくも拡大することができます。東京オリンピックの頃、我が国の男子の平均寿命は六十七歳ぐらいでしたので、そういうドラスチックな政策の効果というのは期待できます。
 ロシアは不法に北方領土を支配しておりますけれども、そこを外交交渉で譲るときに、交渉の責任者、その人は国内的には多大な批判を受けることになると予想できます。それを少しでも軽減する日本への国民感情の改善、これが最終的な妥協と打開、これをロシア側において可能にすると考えます。
 そのような観点から、今回の日ロ首脳会談と関連の経済協力、国民感情の改善ということに着眼して展開されるのでしょうか。この点をお伺いいたします。
#10
○国務大臣(岸田文雄君) 国民感情について御質問いただきましたが、我が国の対ロ政策の基本方針は、平和条約締結問題を含む政治、さらには経済、文化、こうした幅広い分野において日ロ関係全体を国益に資する形で進めていく、これが基本的な方針です。
 五月に安倍総理がソチで発表しました八分野の協力プランにつきましても、こうした考えにのっとって互恵的な協力関係を強化し、そして相互理解を増進する、もって日ロ関係全体を発展させる、こういったことを目指すものであります。このプランの中には、委員御指摘のように、医療水準を高め、ロシア国民の健康寿命の伸長に役立つ協力、あるいは人的交流の活性化など、ロシア国民が直接裨益するもの、こうしたものが含まれています。
 これらの取組、これは日本との協力の重要性についてロシア側の理解を深めるものであり、こうした取組を通じて両国により肯定的な国民感情が醸成される、こうしたことによって両国関係を後押ししていく、こういったことにつながるものだと期待をしております。
 御指摘のように、ロシアの国民感情というもの、こうした両国関係を進める上で重要なポイントであると思いますし、これを念頭に努力を続けていきたいと考えます。
#11
○猪口邦子君 岸田大臣、ありがとうございます。
 それでは、沖縄振興につきまして鶴保大臣にお伺いしてまいりたいと思います。
 戦後、一九五二年四月二十八日、日本本土占領期を経まして、これを終えまして主権を回復して独立国として再出発、国連加盟も果たして高度成長時代へと邁進し、アジア随一の先進的な経済国家建設をしてきました。
 その高度成長時代、この時代は沖縄を一緒に伴っていなかったわけですね。米国政府の施政権下にありまして、沖縄県民は、安全保障の不安、財政基盤の脆弱性、このような中で二十年遅れての本土復帰となります。私は、このようなことを前提に、本日、鶴保大臣に沖縄振興策、これについての格別の認識、これを質疑してまいりたいと思っております。
 この二十年の遅れ、この間、アメリカ政府は、沖縄に対する日本政府の財政的協力を歓迎するという認識を示しています。池田・ケネディ会談に始まりまして佐藤総理の時代を通じて、例えば一般会計から直接援助の形で、幾らかの工夫の努力はありましたけれども、戦後日本の都道府県の猛烈な発展の原動力となった財政投融資による資金貸付けはもちろん及ばず、また、当時の政策融資機関であります日本開銀や国民金融公庫の融資、もちろん沖縄に及ばず、そのような金融財政措置をフル稼働して成長した日本経済の歴史を、これを共に生きることができなかったということの認識、これは今日に至る振興策の根本になければならないと思っております。
 私たちは、自由と成長への道を走り出すとき、国民の一部をそこに置いてきてしまった。ようやく一緒になって、失われた二十年の国民国家としての歴史をいかに一緒に回復していくのか、これこそが沖縄振興策の本質ではないかと思います。
 現在の沖縄経済ですけれども、目覚ましく発展している面と失われた初期の高度成長の二十年の空白を思わせるものがあります。両方あるんですね。例えば、製造業の力強さの不足、若年層や女性の貧困問題など、その一つの面であります。
 わざわざ引用しなくてもいいんですけれども、たまたま私は千葉県の出身なので、沖縄戦の最後に、県民かく戦えり、県民に対し後世特別の御高配賜らんことをと打電して、五十四歳で自決した大田中将は千葉県の長柄町のお生まれでございました。特別の配慮、これはこのような戦中のことに基づく面もあるかもしれませんけれども、今私が述べましたとおり、むしろ戦後の高度成長時代に含まれなかった国民、県民への思い、そもそもそのことに基づかなければならないと感じております。二十年も分かれていた県民を大切に思う純真な国民社会全体の思いが伝わることがとても大事ではないかと思います。
 沖縄振興予算や税制改正はその一つの表現でありまして、失われた年月の経済成長の回復を願ってのものであります。よって、状況的なことに余り左右されるべきではなく、安定感、安心感を持って推進し続けるべき施策の数々と思いますけれども、大臣のお考えを伺います。
#12
○国務大臣(鶴保庸介君) 委員御指摘のとおり、さきの大戦におきまして沖縄が筆舌に尽くし難い悲惨な地上戦を経験をなさった、そしてまた、空白の二十年とおっしゃいましたが、二十年遅れて様々な苦難の道を乗り越え、今まさに空前の好景気を享受しているという状況であります。私たち国民一体となってこの空白を埋め、そして沖縄が一刻も早く本当の真の意味での振興を成し遂げるよう、ありとあらゆる手段を使って振興策を進めていくべきだということに変わりはございません。
 こうした歴史を十分心に刻みながら、政府としては、沖縄振興特別措置法に基づきまして沖縄県の本土復帰以降様々な施策を講じてまいりました。
 御案内のとおり、平成二十七年度の入域観光客数、とりわけ外国人観光客数は史上最高を記録をしておりますし、有効求人倍率は史上初めて一を超え、また社会資本の整備等々も着実に進めさせていただいております。
 しかしながら、とはいえ、まだまだ沖縄県民一人一人が豊かさを実感できるまでには至っていないというのが私の認識でございまして、県民所得を引き上げるために、一人一人がその豊かさを実感できるようにするために、子供の貧困の連鎖を断ち切るために様々な施策を直接的に打っていかなければならないと考えております。
 このためにも、特に県内の人材育成等々に力を入れ、そして、彼らに新たな企業や、そしてまた様々な産業の中にプレーヤーとして入り込んでいただくということをまず念頭に置きながら、そのための渋滞対策でありますとか、ネットワークの整備や新たな新技術の投入等々も、最先端の新技術の投入等々も考えさせていただいておるところであります。
 いずれにいたしましても、委員御指摘のように、国民全体としてこの沖縄問題に当たっていく、こういう思いが大切なのではないかというふうに考えております。
#13
○猪口邦子君 大臣、ありがとうございます。
 それでは最後に、西普天間住宅地跡地利用につきまして簡単にお伺いしたいと思います。
 沖縄におきます在日米軍施設・区域の縮小、返還交渉、政府、積極的に進めておりまして、我々立法府でも跡地利用の特措法を制定しまして、また改定もしまして、そして、具体の昨年返還された西普天間住宅地区、これ宜野湾市にございますけれども、ここに国際医療拠点構想、これは琉球大学医学部と附属病院の移設を含むものであり、跡地利用のモデルケースとして大きく期待されています。
 これを成功させるためにどのような更なる支援が必要か、また、これを成功させるには、政府と沖縄県と大学など、この三者の連携ですね、今は宜野湾市も含む、その連携の更なる緊密化が必要ですが、その観点からの大臣のお考えを伺います。
#14
○国務大臣(鶴保庸介君) 西普天間の住宅地区跡地における国際医療拠点構想は、今年度の骨太の方針においても、琉球大学医学部及び同附属病院の移設など駐留軍用地跡地の利用の推進を図る旨が明記されており、今後とも、地元の要請等を踏まえ、関係府省連携の下、政府として適切に対応してまいるところであります。
 かねてより沖縄県知事や宜野湾市長及び琉球大学学長が連名により政府に対する積極的な財政支援等を求める要請などもいただいておりますから、今後、沖縄県ともしっかりと連携を取りながら、宜野湾市等とともにこの取組に関して大学移設用地の先行取得への積極的な協力なども進めていきたいというふうに考えております。
 他方、沖縄県等々との協調問題についても懸念が示されておることは委員も御指摘のとおりだと思います、御承知のとおりだと思います。積極的に、今までの、これまでの歴史的経緯を踏まえ、協力関係を国としても要請をし、進めていきたいというふうに考えております。
#15
○猪口邦子君 終わります。
#16
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 まず、ようやく沖北委員会、今日開催に至ったこと、大変うれしく思っております。両大臣におかれましても、大変お忙しい中、要請に応えて御出席をいただいたことに、この場をお借りしてまず感謝を申し上げておきたいと思います。今後、是非、参議院としてもしっかりと沖縄北方問題について議論を深めてまいりたいと思っておりますので、今後ともの御協力をまず冒頭お願いをしておきたいというふうに思います。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 まず、鶴保大臣にお伺いをしたいと思います。既に参議院でも委員会等に来ていただいて御発言をいただいておりますが、改めて本委員会で大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
 それは、十月十八日に東村高江ヘリパッド移設工事現場で大阪府警から派遣された機動隊員が、ぼけ、土人がという大変問題の多い差別発言をした問題について、その後、沖縄県民の多くの本当に怒りの声が上がっておりますし、かなり歴史的に振り返って土人というこの差別発言が持つ意味というものについての分析も重ねて出されてきております。それを踏まえて、大臣、今なおあの発言は差別発言とは言えないという考えをお持ちなのか、改めて見解をただしたいと思います。
#17
○国務大臣(鶴保庸介君) 繰り返し答弁をさせていただいております。
 前提として、私は今回の発言を容認したものでは全くございません。不適当な、しかも威圧的言動を公権力の行使を担う立場にある者がこうした形で行うことは断じて許すまじき行為であるというふうに繰り返し申し上げてきたことは、御理解をいただきたいと思います。
 その意味で、差別という部分に当たるかどうかについては、これも繰り返しの答弁になりますが、人権問題に対し、これが第三者が一方的に差別であるということの認定をするのは大変難しい問題があるというふうに理解をしておりまして、この発言が差別であるかどうかを判断する立場に私はございませんということを申し上げておきたいと思います。
#18
○石橋通宏君 少し矛盾しているような答弁ですね。容認できない、断じて許せない。いや、でも、差別であるか言えない。これ、訳が分かりません。差別であるから断じて容認できないのではないんですか。これ、大事なところなんです。でなければ、じゃ、なぜこういう発言に至ってしまったのか。再発防止に向けて何をしなければならないのか。まず、大前提として、これは絶対に看過できない差別発言であると、そのことから様々な対策がスタートするんではないんでしょうか。
 大臣、改めて、今回、例えば琉球処分の歴史について、一九〇三年に起こった人類館事件について、沖縄戦地上戦で残念ながら起こってしまった軍による住民の皆さんへの差別、スパイ扱い、虐殺、こういう歴史のこの事実、これを踏まえてこの土人発言が捉えられている。それでもなお、沖縄問題を担当する大臣として最も沖縄の皆さんに寄り添って、さっき大臣、猪口さんの答弁で歴史を十分に胸に刻みながらと言われた。刻んでないじゃないですか。それでどうやって沖縄に、皆さんに寄り添った沖縄振興担当大臣としての職責が果たせるのか、甚だ疑問であります。
 私、すごく悩ましいんですね。なぜあの機動隊員が、ああいう状況とはいえ、あの差別用語が口をついて出たのか。大臣、どう思われますか。ああいう発言を若い機動隊員がぽんと出るものなのでしょうか。私が考えるのは、残念ながら、各地から派遣された機動隊員がふだんから、ネット上で拾ったのかもしれません、ああいう差別用語を使いながら会話をしていたのではないか。沖縄の反対住民の皆さんや県民の皆さんに対して、そういう差別的用語を使いながらふだんの会話をしていたのではないか。であるとすれば、大変ゆゆしき事態だと思います。それをしっかりとした調査をして、これが一体どういう事態になったのか。それを検討させるのがあなたの職責ではないんでしょうか。
 今日は警察庁からおいでをいただいております。この当該発言をされた機動隊員、既に処分をされておりますが、その際に調査をされたと聞いています。教えてください。その調査に当たって、ほかの機動隊員、一緒に派遣をされていた、ふだんどういう会話をしていたのか、そういう差別用語は使っていなかったのか、そういう調査もされたのでしょうか。
#19
○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。
 今般の大阪府警察から沖縄県警察に派遣をされた機動隊員の発言は不適切であり、極めて遺憾であるというふうに考えてございます。
 この事案を受けまして、大阪府警察において機動隊幹部からの聴取など必要な調査を行いましたが、議員御指摘のように、差別的であると受け止められるような発言が機動隊の中で日常的になされていたという実態は確認をされなかったというふうに承知をいたしてございます。
 いずれにいたしましても、このような事案を二度と起こすことがないように、今後とも引き続き様々な機会を捉え、人権に配意をした適切な職務執行を期するための教育を徹底してまいりたいと考えてございます。
#20
○石橋通宏君 お答えをいただいていません。幹部からの聞き取り調査をしたというのは私も聞いています。各地から派遣されていた機動隊員の皆さんにもしっかりとした調査をされたのでしょうか。
#21
○政府参考人(斉藤実君) 必ずしも機動隊員それぞれからの聴取は行ってございませんが、日頃から隊員と行動を共にしている中隊長、小隊長等の機動隊の幹部からの聴取を行ったというふうに承知をいたしてございます。
#22
○石橋通宏君 鶴保大臣、全く不十分な調査だと思われませんか。これ、やっぱり隊員の皆さんにもしっかりとした調査をしないと、私は隊員には調査していないというふうに聞いております。これでは実態はつかめません。
 このことが大臣、再発防止を含めて、沖縄県議会、今日、資料の中に二にお付けしております。県議会からこのような決議が行われて、非常に悲痛な叫びです。今回の発言は、沖縄県民の苦難の歴史を否定し、平和な沖縄を願って歩んできた県民の思いを一瞬のうちに打ち砕いたものと言わざるを得ない、繰り返されないように強く要望すると。
 大臣、この決議を受けてどういうふうな対応をされたんでしょうか。県警とか関係省庁に対して、一体いかなる事態が起こっていたのか、こういう問題発言が日常からされていなかったのか、絶対繰り返されないために何をしなければならないのか、それを先頭に立ってやっておられるんでしょうか。大臣、見解を述べてください。
#23
○国務大臣(鶴保庸介君) まず、前提として、私ども沖縄振興策を担当する大臣としての職責は、まず一義的には振興策そのものでございます。したがって、基地問題等々に関わる周辺の事態については所掌外であることは御理解をいただきたいというふうにまず思います。
 その上で、今の御質問にお答えを申し上げますと、これについて、私は、こうした状況の精査も含め、私どもがその判断を、差別についての、発言についての真意を問うその判断をする立場にないということを繰り返し申し上げているのであって、状況としては、今警察部局の方から御答弁なさったそのとおりだというふうに考えております。
#24
○石橋通宏君 全く担当大臣としての責任が感じられない答弁だったと思います。都合のいい、鶴保大臣、使い分けをされているのではないかと思えてしようがありません。
 次の質問で振興策と基地問題のリンクの話をしたいと思うんですが、大臣は所掌外と言われた。しかし、あなた、八月四日の大臣就任会見で、その所掌外であるはずの基地問題と振興策をリンクされた、確実にリンクをしているという発言をされているじゃないですか。なぜ所掌外のこの基地問題、これとリンクをさせて御自身が所管する振興予算が減ることを容認するような発言を、ではあの場でされたのか。
 残念ながら、実際に概算要求で沖縄関連予算、減額をされました。鶴保大臣、まさにあなたが言われたとおり、これリンクをされた結果こういう事態になった、そういうことでしょうか。
#25
○国務大臣(鶴保庸介君) 全くそういうことではございません。
 私の発言の真意についてあえて申し上げるならば、振興策は、基地があるかないか、そしてそこに基地がこれからどういう状況になっていくかどうか等々について、策定の段階から振興策は変化をする、変化を遂げる、これは当然のことであろうと思いますので、そういう真意で申し上げました。
#26
○石橋通宏君 私は、改めて記者会見全文を見させていただきました。そういう真意と言われるけれども、大臣のあのときの記者会見の発言、あたかも沖縄予算が沖縄県によって無駄遣いをされているんじゃないか、そういう趣旨の発言を就任会見でされている、これとんでもない話だというふうに思います。沖縄県を暗に指して、あなた方、この予算を消化しないんだったら要らないんでしょうというような発言もされています。
 大臣、その真意は何ですか。そもそも、もう沖縄県がこの一括交付金等を含めて消化しないんだったら要らないんでしょうか。それが振興策を担当する、まさに沖縄のこれからの振興をしっかりやっていく、全く矛盾した発言だったと思いますが、その真意は何ですか。
#27
○国務大臣(鶴保庸介君) 今まさに委員が御指摘になられたように、振興額については、振興策と基地問題等々とはリンクをいたしておりません。その上で、振興額をいかにしていくかについては、厳しいやっぱり財政状況を勘案をして、しっかりとしたエビデンスに基づいてやっていかなければならないということであります。
 国民の血税を使って行う振興策、そして振興額でありますから、こうしたことに無駄遣いがあってはならないというのは、全国民が期待をし、そして思っていることだというふうなことを理解をいただきたいと思います。その意味で私は申し上げたつもりであります。
 ただ、あえて加えて申し上げるならば、振興策全体については振興額ありきのことではなくて、予算がたとえ掛からないものであったとしても様々な形で振興策を紡ぎ得ることはできると、私は繰り返しこれまでも答弁をさせていただいておるところであります。
 したがいまして、政策を総動員して沖縄振興のために邁進をしていく、そのことの真意を御理解をいただきたいというふうに思います。
#28
○石橋通宏君 私が問題だと思うのは、就任会見でこれを言われた。いや、まさに、じゃ一体なぜ一括交付金、それぞれの自治体でまだ未消化があるのか。大臣、全部御覧になってこの発言をされたんでしょうか。私は、改めて全ての自治体でこの数年間の執行状況、予算の消化、具体的にどのような事業が行われているのか、つぶさに見させていただいております。その上で、大臣、この発言があったんでしょうか。甚だ疑問です、就任会見でそれをやられたということが。
 もう一つ聞きます。税制改正要望も今回どうやら大変残念な結果になりそうです。県が五年の延長を要望された、しかし与党の大綱では多くの事業が二年延長にとどまってしまった。なぜ二年なんでしょうか。これによって企業の誘致が更に困難になる、事業の将来展望が描けなくなる、これ、沖縄県の産業界からの声が既に上がっています。
 大臣、なぜ二年なんですか。これによってむしろ沖縄の振興、成長の可能性をゆがめてしまうことにはならないんですか。
#29
○国務大臣(鶴保庸介君) 延長幅につきましては、与党の税制調査会等々においても専門的な見地から総合的に判断をし、二年間又は三年間の延長とされたというふうに承知をしております。
 さらに、あえて加えて申し上げるならば、平成二十一年の閣議決定によれば、期限の定めがある措置についてはその期限到来時に廃止、ただし、厳格な絞り込みを前提として原則として三年以下の期限を付して存続させることを検討するともされております。これは民主党政権時代であります。
 近年の税制改正における延長幅については二年間とするものが大勢であるということも御理解をいただいていると思いますが、私としては、このことを踏まえ、適用実績が乏しい制度もある中で、本来ならば廃止になってもやむを得ないという声もあるところでありますから、制度そのものの縮減にまで踏み込まず、他の租税特別措置法の措置の延長幅に合わせる形で単純延長をお認めいただいたことから、一定の評価をいただけるものだと信じております。
#30
○石橋通宏君 大臣は重々御存じのとおり、沖縄の場合は特措法があって、振興計画があって、いよいよ折り返し地点になる。あとこれからの後半五年間、どのようにしっかりとこの計画を進めていくのか、そこが問われているわけです。であれば、この特措法、振興計画、これに合わせて延長を検討する、それこそが沖縄の様々な特殊事情に応じた振興策の在り方ではないかと、私は強くそのように思います。
 二年という数字、うがった見方をすれば、これがまさに基地問題と沖縄振興をリンクさせている結果ではないのか、そのことを指摘せざるを得ません。このことについては二十二日に閣議決定あると聞いておりますので、このことも含めてしっかりと対応を見させていただいた上で、沖縄県民の皆さんの声、聞いていきたいというふうに思います。
 改めて、大臣、一括交付金の有効性については大臣もお認めになっているという理解でよろしいんでしょうか。これは県からは、市町村も含めて大変有効だ、是非今後とも続けてほしい、まだ使われていない部分、これからようやく軌道に乗ってきて本格的な事業、これをやっていく、今回減額をされてしまったら、まさにこれからというときにそのこれからの事業の継続が危うくなってしまう自治体も出てくるかもしれない。それは絶対にあってはならないと思いますが、大臣、そこは同じ認識ということでよろしいですか。
#31
○国務大臣(鶴保庸介君) 繰り返し申し上げておきますが、まず、額ありきの議論をさせていただくということではありません。私どもとしては、振興をいかにすべきかということから考えていきたいということを申し上げておきたいと思います。
 その上で、先ほど来御指摘があったことにも関わりますが、執行状況等々を見ますと相当程度の繰越額及び不用額が恒常的に生じているといった事例もございます。こうしたことを全く無視して交付金額を決めていくというわけにもいかないというふうには思っておりますが、最大限の努力をさせていただくということは繰り返し沖縄県当局ともお話をさせていただいておるところであります。
 必要に応じて歳出の見直しを不断に行うべきであり、沖縄振興予算についてもその例外ではないというふうに考えておりますが、平成二十九年度予算概算要求において減額して要求しているという事実もございます。厳しい財政状況を勘案の上、しっかりと対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#32
○石橋通宏君 私が問題視しているのは、今回、一括交付金だけが狙い撃ちされたそのことなんですね。むしろ、沖縄の皆さんの、何が各自治体で必要なのか、それをしっかりして応援していくのが沖縄振興のあるべき姿ではないかと。だから、問題視をさせていただいているわけです。
 このことは引き続き追及していきたいと思いますが、今日、もう時間がなくなりましたので、先ほど猪口委員から西普天間の跡地利用について話がありましたが、私、是非、今日、防衛省、政務官来ていただいておりまして、ありがとうございます。資料の四でお付けをしておりますけれども、まさに北部訓練場の跡地返還について、大変心配な事態が伝えられてきております。
 特措法でもやった汚染除去の問題で、この汚染除去というのがごく一部に限定されてしまうのではないか、この問題が浮上してきております。これ、特措法では、全体についてしっかりと調査をして汚染除去をして返還をするんだ、そういう約束になっているはずです。この今伝えられていることが事実だとすれば、結局、十分な汚染除去がされず汚染されたまま返還され、膨大な労力が今後続いていく、そういう結果になりかねません。これ一体どういう事態なのか、改めて見解をお伺いしたいと思います。
#33
○大臣政務官(宮澤博行君) お答えいたします。
 この北部訓練場の過半の返還に当たりましては、防衛省におきましては、跡地利用特措法、これは沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法というものですが、この第八条の第七項に基づきまして、返還予定地の有効かつ適切な利用が図られるよう、当該予定地を土地所有者等に引き渡す前に土壌汚染調査等の支障除去措置というものを講ずることとしております。
 我々防衛省としましては、支障除去措置の実施範囲を決定するためには、まずは返還予定地全域に係りまして文献の確認を行っております。今後、速やかに米軍に対して土地の使用履歴を確認するとともに、過去の航空写真及び地形図を確認することに加えまして、元米軍従業員等から幅広く聞き取り調査を行うなど、引き続き返還予定地全域に対して土壌汚染等に係る資料等調査を入念に行いまして、その調査で土壌汚染の蓋然性が高いと判断された場合に、当該区域において支障除去措置を行うこととしているものでございます。
 また、北部訓練場の返還予定地におきましては、既存の七か所のヘリコプター着陸帯や過去に米軍のヘリコプターが墜落した現場など、土壌汚染の蓋然性が高いと考えられる場所があらかじめ特定されていることから、そのような場所については資料等調査の結果を待つことなく、返還後直ちに支障除去措置を行う予定でございます。
 このように、防衛省としては、返還予定地全域において入念な資料等調査を行った上、効率的に支障除去措置を進めていくこととしておりまして、地元における当該地域の有効利用を引き続き推進してまいりたいと考えておるところでございます。
#34
○石橋通宏君 これ、しっかりやっていただかなかったら、本当に同じ問題繰り返します。我々もしっかりウオッチしていきたいと思います。
 以上、質問時間終わりましたので我が党の藤田委員にバトンタッチをしたいと思いますが、沖縄振興は本当に日本の将来にとって大変重要な私は戦略だと思っています。国際物流とICTをまた車の両輪にしながら、アジアのハブとして、世界へのハブとして沖縄をしっかりと成長させていく、その思いで我々もしっかり対応していきたいと思いますので、政府のこの点については我々も協力していくことも申し上げて、質問を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
#35
○藤田幸久君 藤田幸久でございます。今日は、沖縄と北方領土について御質問させていただきます。
 まず、沖縄関係でございますが、これまで度々委員会で質問してきたわけでございますが、資料一、御覧いただきまして、普天間飛行場の移設に係る総経費、平成二十七年度予算額が契約ベースで、真ん中の下でございますが、約六百三十二億円とされておりますが、その後、現在までに支出済みの額があるはずでございますのでそれをお示しいただきたいことと、契約ベースについてもこれまでに固まった金額、これを防衛副大臣の方から、数字の部分はゆっくりお答えをいただきたいと思います。
#36
○副大臣(若宮健嗣君) 藤田委員におかれましては、今年も参議院の外交防衛委員会にも度々といろいろと御質問をいただきまして、また非常に熱心に御議論いただいていることに改めて敬意を表したいと思っております。
 今御指摘、御質問いただきました六百三十二億円、こちらの件でございますけれども、まず、その平成二十七年度予算の契約ベース、これがまず、およそ一千七百三十四億円から、様々事情の変更等により契約を取りやめまして、この平成二十八年度に再計上いたしました経費というのが契約ベースで約一千百二億円でございます。これを差し引いた金額というのがこの御指摘の六百三十二億円になってございます。
 それから、この二十七年度の支出済みの額ということでございますが、この普天間飛行場の移設に関します経費といたしましては、新規に発注、契約をいたしましたのが、同年度に支出をいたしました金額としましてはおよそ二千七百万円ということでございます。この二千七百万円に平成二十六年度以前に契約をいたしまして平成二十七年度に支出した金額も加えますと、平成二十七年度の支出済みの額というのがおよそ百四億円ということになってまいります。
 以上でございます。
#37
○藤田幸久君 そうしますと、百四億円というのが結果ということでよろしいわけですか。
#38
○副大臣(若宮健嗣君) はい、平成二十七年度につきましては百四億円ということで数字としてはなってまいります。
#39
○藤田幸久君 資料の二枚目と三枚目を御覧いただきたいと思いますが、これは五月十九日に要求いたしまして、防衛省が出していただいた資料でございます。これ、全ての項目について、アンダーラインを引いておりますが、増額となる可能性がある、増額となる可能性があるということでございます。
 一枚目の資料に戻っていただきますと、右側の@マイナスAの三角のところを御覧いただきたいと思います。つまり、元々の総経費、一番左の縦の@に対して、これまで、平成二十八年度予算額、契約ベースまでを引きますと、一番上の環境影響等評価に関する経費の右側、七十八億円超過、埋立工事の中の仮設工事が三百一億円超過、護岸工事が百五十七億円超過ということでございます。
 そして、今現在、今年のいわゆる支出済みについて数字があったわけですが、さらに一番、その三角の三つの下を見てみますと、全部増額の可能性ということがこの二枚目、三枚目の資料にあるわけです。
 ということは、今まで三千五百億円以上という、少なくともという説明があったわけですが、右の三角三つプラス増額の可能性、そして現在、今年の支出額が出てきましたから、単純に私が小学生の頭で足しましても四千億円以上ということが言えると思いますが、それでよろしいでしょうか。
#40
○副大臣(若宮健嗣君) 普天間飛行場のこの移設に関します経費につきましては、これまでの総経費の見積りの内訳と比較をいたしまして、二十七年度までの支出額で、委員の御指摘のところでございますが、環境影響評価等に要する費用、これが約百億円の見積りから四十九億円増額となってございます。また、仮設の工事につきましてが、これが二百七億円との見積りからこれ約五億円の増額となってございます。
 こういった経費でございますが、環境影響評価等に要する経費といいますか、今後の工事期間中又は工事期間後もこの所要の環境調査あるいは環境保全措置を実施をしていく必要性がございます。また、この仮設工事に関します経費につきましても、今後も、海上、また陸上でもそうですが、安全対策を十二分に配慮をしていかなければいけないということで実施をしていく必要性がございます。
 そういったことからも、今後も所要の経費を想定をしていかなければいけないというふうには考えてございますが、一方で、工事が進捗をいたしまして埋立てを行っていく段階となってまいりますと、これはまた埋立土砂の調達単価ですとかあるいは輸送の経費等、その時点での相場とか様々な要素が加えて加味されてまいりますので、このキャンプ・シュワブ陸上部、また埋立地に関します建設の、各種施設の整備に要する経費につきましても、また、この施設の仕様ですとか構造等を日米間でも調整して、具体的な設計を経て所要額というのが変動してまいる可能性もございます。
 こういった形で、普天間飛行場移設に関する総経費等につきましては、新たに正確な数字というのは今現時点ではお示しをすることは非常に難しゅうございますけれども、大まかな見積りといたしましては、少なくとも三千五百億円以上というところで今考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後の所要経費につきましては予算要求の段階でもきちっと精査をさせていただきまして、また、その後の契約あるいは精算などを通じまして適切な予算執行に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#41
○藤田幸久君 つまり、右の三角について減る可能性はない、それから、その右の三角の下の五つについても減る可能性はないという今答弁ですから、ということは、今以上に増額の可能性はあるという、今の答弁聞いても、単価にしても経費にしても、それから工事が長引くということはそれだけ経費が掛かるわけですね。
 ということは、単純に考えて、今以上掛かるということは、この右側の三角以上掛かるということは、四千億円以上、これを否定する材料はないわけですね。
#42
○副大臣(若宮健嗣君) 現時点では今委員の御指摘のところというのが確かに今プラスで掛かっているところでございますが、トータルで見ていきますと、また今後どういった形で、またほかの工事等も含めまして、できるだけもちろん金額は少ない方がいいに決まっておりますので、様々な時点で、様々相場とかいろんな要素はありますけれども、極力減額をしていく、予算をある程度切り詰めた形でしっかりと見た上で、また、その後の執行につきましても適切なチェックをして予算執行に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#43
○藤田幸久君 時間がないので、要するに、右の三角の部分で超過した部分を減額できる可能性があるのか、それから、その下の部分で、この文書で増額の可能性と、これだけはっきり出ているにもかかわらず、減額する可能性があるんですか。その減額する可能性について答えてください。
#44
○副大臣(若宮健嗣君) 現時点でどこがどのように減額できるかというところが、細かいところがお答えするのは非常に難しゅうございます。
 いずれにいたしましても、掛かるものというのはもう極力掛からないような形で予算についてもしっかりと精査をしてまいりますし、また、今後につきましても適切な執行についても目配りをしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#45
○藤田幸久君 では、二枚目、三枚目に出しました資料、増額の可能性しか書いてございませんので、減額の可能性があるというふうに訂正をこの委員会に出していただきますことを委員長に要望させていただきたいと思います。
#46
○委員長(藤井基之君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議させていただきます。
#47
○藤田幸久君 時間がないので、日ロ関係に移りたいと思います。
 資料の一番最後のページ、岸田大臣、御覧をいただきたいと思います。これは、プーチン大統領の発言をまとめてみました。一番上が一番重要ですが、いわゆる引き分け発言と有名になった発言ですが、これ、ロシアの首相府のロシア語のホームページを見ておりますと、引き分け発言の後に、五六年宣言には二島がいかなる諸条件の下に引き渡されるのか、また、その島がその後どちらの国の主権下に置かれるのかについて書かれていませんと書いてあります。
 一つ飛ばしまして、つい先日のリマにおきます、これもプーチン大統領の発言でございますが、第二次世界大戦後の国際文書でロシアの主権があると承認された領土でと考えていると。それから、少し飛ばしまして、どのような根拠で、どちらの主権の下に置かれ、どのような条件で引き渡すのか書かれていない。
 つまり、いわゆる引き分け発言の後の発言と、二〇一二年と今年、同じことでございますが、この二つ、あるいはほかも見てもそうですけれども、プーチン大統領がおっしゃっていることから見ますと、これは引き分けを前提としていない、一九五六年の共同宣言についてこういう解釈で言っているということで間違いございませんですね。
#48
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、プーチン大統領、様々な場面で様々な発言をされているということ、これは承知をしております。ただ、これについてどう考えるか、どう評価するかということにつきましては、今まさに、三日後ですが、プーチン大統領が日本を訪問されます。その際に、是非我が国としましては、この平和条約締結問題についても一歩でも二歩でも前進を図るべく今ぎりぎりの努力をしているところであります。今現在も、今ぎりぎりの協議、調整を行っているさなかでありますので、これについて、この発言について具体的にコメントをするということは適切ではないと考えます。それについて直接触れることは控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしましても、是非、この平和条約締結問題、戦後七十一年たった今、戦後日本におきます最大の外交課題の一つであります。しっかりと取り組んでいきたいと考えます。
#49
○藤田幸久君 いわゆる東京宣言がございますが、東京宣言にのっとった形での今回の交渉に当たるという姿勢は間違いないでしょうか。
#50
○国務大臣(岸田文雄君) 結論から申し上げますと、そのとおりであります。東京宣言を含めて我が国は様々な取組を行い、今日まで様々な共同声明、宣言を積み重ねてきました。一九九三年の東京宣言を含めて様々な宣言、声明を積み重ねてきましたが、それに基づいて取組を続けていきたいと思います。加えて、二〇一三年の安倍総理とプーチン大統領による日ロパートナーシップの共同声明、これも加えて、全ての諸文書及び諸合意に基づいて交渉を進めていきたいと考えます。
#51
○藤田幸久君 ただ、先ほど来二つほど引用いたしましたプーチン大統領のこの発言は東京宣言と矛盾しておりますが、少なくとも相手方のトップの方が矛盾した発言をしていらっしゃるのに、それを看過しながら交渉に当たるんでしょうか。
#52
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど、二〇一三年の安倍総理とプーチン大統領による日ロパートナーシップ共同声明も含めてと申し上げましたが、まさにこの二〇一三年の共同声明の中に、これまで採択された全ての諸文書及び諸合意に基づいて交渉を進めていく、これが明記をされているわけです。
 よって、この一九九三年の東京宣言ももちろんでありますが、一九九一年の日ソ共同声明、そして一九九八年のモスクワ宣言、二〇〇一年のイルクーツク声明、そして二〇〇三年の日ロ行動計画、これら全てをしっかりと踏まえた上で交渉を進めていくということ、これを二〇一三年、プーチン大統領と安倍総理がまさに確認をしているということであります。
#53
○藤田幸久君 その確認をしたことと違うことをこの間ペルーでおっしゃっているということを申し上げたわけです。
 それを指摘した上で、では、今回のいわゆる共同経済活動の法的な枠組み、日本の法的基盤はどういうことになるんでしょうか。
#54
○国務大臣(岸田文雄君) 共同経済活動についてですが、ちょっとその共同経済活動、どの部分を指されているかは定かではありませんが、いずれにしましても、共同経済活動を行う際には我が国の法的立場を損なうことはあってはならない、これが大前提であるということ、これは再三申し上げていると思います。
#55
○藤田幸久君 つまり、この間プーチン大統領がペルーでおっしゃったことは、これ日本の法的基盤ではなくてロシアの法的基盤に立ったという発言でございますから、そうすると、ロシアの法的基盤に立ったままでのこの共同経済活動の交渉をするということでしょうか。
#56
○国務大臣(岸田文雄君) プーチン大統領のこの発言について、どういった趣旨でおっしゃられたのか、ちょっと私の立場でこの説明することは難しいですが、ただ、いずれにしましても我が国の法的立場、これが損なわれることはあってはならない、これは再三繰り返しておりますように大前提であると考えております。
#57
○藤田幸久君 ペルーでおっしゃったことは、これは要するに平和条約締結後に歯舞、色丹を引き渡すとしても無条件ではないと言っているわけですから、つまり、今、日本の法的立場と言っていることと矛盾したことをプーチン大統領はおっしゃっているわけですから、それを前提として交渉に当たるならば、既にそれは違うということを否定しておかなければまずいんじゃないですか。
#58
○国務大臣(岸田文雄君) ペルーでのプーチン大統領の発言、御指摘の資料のこの二〇一六年十一月十九日、リマでの発言かと思いますが、これについて、いずれにしましても、この中身について解釈するのは控えますが、我が国の法的立場を損なう、こうしたことになるということはあってはならないと思います。
 その上で、今現在交渉が進められています。我が国の立場、大前提、これはしっかり守りながら交渉を今現在行っております。是非これを貫き通したいと考えています。
#59
○委員長(藤井基之君) 時間を過ぎておりますので、簡潔におまとめください。
#60
○藤田幸久君 プーチン大統領がおっしゃったことは、日本の法的立場を前提としていないということをはっきり明確におっしゃっていると、それを放置しないままで、是非交渉に臨んでほしいということを申し上げて、質問を終わります。
#61
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 本日は、北方領土隣接地域の振興について質問をさせていただきたいと思います。
 北方領土隣接地域、実は私、今東京で議員をさせていただいておりますけれども、中学校まで生まれ育った地域でございます。
 鶴保大臣、北方領土を根室市から御覧になられたと思いますけれども、率直な感想を伺いたいと思います。
#62
○国務大臣(鶴保庸介君) 納沙布岬に行かせていただいた方が皆異口同音に言われる感想で、大変月並みではありますが、本当に近い、近くて遠い存在だということでありました。
 元島民の方々との懇談の場もその後いただいて、もう何度も何度も歴代大臣がこうして来たと、政治の関係者も来てくれたと、しかし我々ももういいかげんこういった繰り返しのことに決着を付けるべきときが来ているんではないかという趣旨の御発言もあり、しっかり頑張ってほしいと送り出していただいたことは、大変私にとっても強い望郷の思いを感じるとともに、胸に期すものがありました。
 しっかりと北方領土問題の解決に向けて国民世論の啓発を努力をしていきたいというふうに思っておるところであります。
#63
○竹谷とし子君 ロシアのプーチン大統領との十二月十五日、山口県での首脳会談を控えて、北方領土問題の解決、そして平和条約締結交渉が前進することを私たちは大変期待をしておりますが、一方で、大変難しい交渉であり、安倍総理が静かな環境でとおっしゃられていることを尊重して、島民の方々とともに見守り支えていきたいと思っております。
 外交交渉は相手方の出方があるものでございますので予測が付かないところがございますけれども、この隣接地域の振興ということについては内政の問題でございますので、幾らでも力を入れていくことはできることであると私は思っております。一方で、この隣接地域、人口減少問題に日本全体の中でも特に直面をしている地域でございます。手元のデータでございますと、三十年前、約十万人近くいた人口が二〇一五年には七万六千六百二十一人、二割以上減少していると。そして、二〇四〇年には五万八千人ぐらいに、また二万人近く減るであろうというふうに推測をされているところでございます。
 この地域は、昔からロシアに日本の漁船が拿捕される、そして簡単に帰ってこられないという事件が続いているところでございます。また、ロシア機へのスクランブル発進、過去五年で約千七百回にも及ぶ。これはこの地域も含まれている数でございます。ロシアとの平和条約の締結、そしてその後の交流に向けて仲よくしていくと同時に、しっかり守っていかなければならない境界の地域でもございます。
 人口と社会が維持していくようにするということは国策として取り組むべき重要な政策であると考えておりますが、この地域の人口減少問題への大臣の御認識を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(鶴保庸介君) 竹谷委員が御指摘のとおり、私も同じ思いを持ちました。その隣接地域へ行かせていただいて、この地域の地盤沈下が啓発運動に大変負の影響を及ぼしてしまうのではないかという危惧がございます。
 私は、たまたま行かせていただいたときにはさんま祭りがされておられまして、たくさんの方がにぎわいを見せておられました。大変勢いのある、本来ならば潜在力のある地域なんだなということもその祭りを見て感じたところでありますが、ふだんの生活は非常に閑散としたものだということも市長及び周辺の方々からも聞いております。
 こうした隣接地域の人口減少についてしっかりと対応する何か手だてがないかということで、北方領土隣接地域への訪問客拡大に向けた振興方策の検討会議を先般も立ち上げさせていただき、また、改めて国民の多くがこの地域に関心を持っていただくためにも、北方領土問題に関するホームページ等々を立ち上げさせていただきました。いろんな御意見もそのホームページに書き込みもしていただけるように仕組んでありますので、そういった御意見も踏まえながらしっかりと進めていきたいというふうに考えております。
#65
○竹谷とし子君 この地域の振興が北方領土問題の進展、また啓発活動、それを支える啓発活動のためにも重要でございます。
 また、この地域、大変、北海道の全体がそうでありますけれども、特に自然災害、豪雪地域になっております。また大雨も、過去例がない台風の直撃がこの夏ありました。この地域も大変被害を受けました。さらに、冬場でも爆弾低気圧などで港が大きく損壊するというようなこともございます。
 この地域の五年間の被害状況について、国交省に質問いたします。
#66
○政府参考人(桜田昌之君) お答えいたします。
 御案内のとおり、北海道では今年の八月に観測史上初めて四つの台風が上陸、接近いたしまして道東を中心に大雨となり、家屋や農地浸水、道路冠水や橋梁損傷など甚大な被害が発生したところでございます。
 この一連の台風によりまして、北方領土隣接地域におきましても、羅臼町では、観測史上最大となる月降水量七百九十一ミリを記録し、国道や道道で土砂崩れが発生し、集落が一時孤立するなどの被害が発生してございます。
 近年におきましても、平成二十五年三月に、暴風雪によりまして、北方領土隣接地域を含む道東一帯で、国道延べ二十三路線四十四区間、道道延べ百二十四路線百四十九区間が通行止めになりました。さらに、平成二十六年十二月並びに平成二十七年十月には、急速に発達した低気圧や台風の影響によりまして、根室市街地等で高潮などによりまして家屋の浸水被害が発生してございます。
 このように、近年、北方領土隣接地域におきましても頻繁に災害が発生してございます。
#67
○竹谷とし子君 大変気候も厳しい地域であるということでございますが、これは北方四島においても同様のことがあるのではないかというふうに推測をしております。
 北方四島でロシアの方々が今お住まいの人口が約一万七千人というふうにされていますが、二十五年前はもっと多く二万四千人以上がお住まいになっていたというふうに聞いております。あちらも人口減少問題がある、そして自然環境も厳しい。そうした中で、ロシアではクリル諸島社会経済発展連邦特別プログラムというものを作って、二〇一六年から二〇二五年までの十年間で日本円にして約一千十億円の投資を行うというふうになっております。
 一方で、日本は直近の五年間で、この隣接地域だけではなく根室、釧路全体で当初予算の事業費が三百億円から四百億円という国交省の予算となっております。ここを比較しただけでも、人口はこちらの方がもっと多いわけでございますので、いかにロシアがこの北方四島、またクリル諸島社会経済発展のために投資を行う意欲があるのかということが分かるわけでございます。
 この北方隣接地域、もっともっと力を入れていくべきであると思っております。国交省予算でも様々かさ上げをしていただいているところもございますが、振興策、先ほど鶴保大臣から北方領土隣接地域への訪問客拡大に向けた振興方策、これを検討されていくということで、これ非常に良かったなというふうに思っているわけでございますけれども、実際問題、羅臼の町長さんのところに今年、役場に私伺ってまいりましてお話聞いてきましたけれども、修学旅行がいっぱい来てくれると助かるんだけど本当に来ないですということをおっしゃられていました。
 北方隣接地域への域外からの修学旅行、実績というのはどのようになっているか、内閣府に伺います。
#68
○政府参考人(山本茂樹君) お答え申し上げます。
 内閣府としては、北方領土返還要求運動の原点の地でありますこの隣接地域へ全国の中学、高校生の修学旅行等を誘致する取組をしてきているところではございます。この取組による訪問者の過去三年間の実績を申し上げますと、二十五年度で一千九十四人、二十六年度は千百九十人、二十七年度は千百四十四人となっております。
#69
○竹谷とし子君 やっぱりもっともっと来ていただきたいなと思うんですね。補助金があっても単価が低いと利用されないんですね。札幌から中標津空港に行くにもお金が掛かりますし、バスをチャーターするにも今お金がかなり掛かるようになっております。東京―中標津間の一往復しようと思うと十万円近くなってしまうようなそういう地域でございまして、現実問題としては、啓発だけしていただいても実際足を運んでいただくということが大変難しい地域でございます。
 そうしたことから、協議会をつくっていただいたということは一歩前進であるというふうに評価しているわけでございますけれども、後押しをしていただきたいことがございます。資料をお配りさせていただきました。資料の二枚目の方をまず見ていただきたいと思うんですけれども、北方領土隣接地域周遊・観光ルートの形成ということで、これは北海道の根室振興局が作られた資料でございます。この一市四町の隣接地域、上から羅臼町、標津町、そして少し内陸部に入りまして中標津町、そして別海町、根室市というふうになっていますけれども、大臣も根室に行かれてちょっと寂しい感じがされたのではないかと思いますが、人口が減ってくると、やはり家もぽつんぽつんと空き地が増えてきておりますし、建物も相当古くなっているものが公共施設においてもあちこちに散見をされている状況でございます。
 しかし、様々な観光資源がここにはございます。例えば、羅臼町ではホエールウオッチング、バードウオッチングなどができるわけでありますけれども、観光船の待合所、これ新規整備をしていただきたいという要望が地元から上がっています。そういったものを造ってあげることによって、もっともっとお客様を誘致することもできるようになってくると思います。
 また、標津町ではカリカリウス遺跡の活用ということを検討されています。これ、一枚目の資料のところに標津町の教育委員会が作成した資料、付いていますが、文化財に指定されています。昭和五十四年でございますが、私が小学生の頃でございまして、見学に行ったことをよく記憶にとどめています。竪穴式住居というものが跡が残っておりまして、一万年にわたって人の営みがそこにあったのであろうという証明になっています。穴を掘って、そこに屋根を作って生活をされていたというふうに考えられるわけでありますが、その竪穴式住居というものを復元をしたものをその当時見た記憶がございますが、相当古くなっております。これをもう一度作るということも地元では要望に上がっているところでございます。
 中標津町では、北根室ランチウェイという、地元の方が、佐伯さんという方ですけれども、自費で、自分の財産を使って歩く道を整備して、これ口コミでどんどん広がってきております。中標津町でも後押しをするように今広報活動を支援されているというふうに伺っておりますけれども、これも非常にすばらしい観光資源でございます。
 また、別海町では牛、酪農が盛んで、また漁業も盛んでありますけれども、チーズやバターを作ったりする体験施設、既にございます。
 また、根室市においては望郷の岬公園の整備、これ、もう既に予算の中に入れていただいているというふうにも聞いておりますけれども、整備をする。また、民泊、漁業体験ができる、そういったところもございます。
 こうした地元からの要望に応えてしっかりとこれを推進をしていくと。特に財政面において、ここまでお金が行き渡らなくて放置をされているというものも多いので、これをしっかりと国が後押しをしていくということが北方領土問題の啓発に向けても大きな後押しとなっていくと考えております。
 この点につきまして、道路を始めインフラ保全の予算、そして地域社会の維持のために人口減抑制、新規雇用者の増加のためにも観光客等交流人口を増加させる、その上で航空運賃の低廉化、また雇用機会拡充のための施策、大きく進めていっていただきたいと思っておりますけれども、最後に鶴保担当大臣にお考えを伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(鶴保庸介君) 委員のお話を聞いておりまして、同じ思いでいていただいているなというふうに改めて私も意を強くしたところであります。
 納沙布岬へ行かせていただいて最初に思ったことは、この納沙布へ今訪れている観光客どれぐらいですかと部局に聞きました。年間十五万人ほどだというお話を聞いて、じゃ、これを何とか倍増することできないかというぐらいのつもりで、いろんな施策をちょっと打ち出そうよということを申し上げた記憶がございます。
 もちろん、北海道に関わる様々な方の御協力もいただかなきゃいかぬということで検討会議を立ち上げさせていただき、今に至っておるわけでございますが、そうなると、さあ果たしてこの道東の地域にどういった観光資源があり、そしてなおかつ交流人口を増やすための方策を考え、紡いでいく人たちがいるのかということについては、もうこれ地元の方々の熱意に懸けるしかないわけであります。ただ、検討会議を立ち上げさせていただいてしっかり感じたことは、それぞれの方が本当にふるさとを思い、危機感を持ち、積極的に発言をし行動を始めていただいているという事実は私も感じたところでありますから、しっかりこれらの方々とも連携を取りながら施策を進めていきたいというふうに思います。
 委員御案内のとおり、観光ということになりますと、一地域、一地方、一地点で進めるものではなくて、点ではなく面として打っていかなければいけない面があると思います。そして、なおかつその地域全体として情報発信をしていくということが必要だというふうに思います。こうした総体として、道東の地域の皆さんの総意を私たちも紡いでいくと。
 その上で、人口を増やすために、交流人口を増やしていくために、ボトルネックになっている、隘路になっているところをどうやって手だてを打っていくかと。LCC等々の話も当時現場でも出てまいりましたけれども、アクセスやそしてまたその移動手段や、こうしたことに対してはしっかりと国も、予算等々の問題もありますから制約の中ではありますけれども、しっかりこれも前向きに検討していかなければならないというふうに考えておるところであります。
 いずれにいたしましても、先生が繰り返し御指摘になられておりますとおり、我々、北方領土隣接地域の啓発こそ国内世論の最も大きな応援になっていくんだということを信じてこれからもしっかり取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
#71
○竹谷とし子君 今、隘路になっているところをしっかりとやっていっていただくというお言葉、頂戴いたしました。
 地元からすると、この政策は国交省、この政策は文科省に行けと、そのように縦割りになっていることが、大変遠い地域からの陳情でございますので、苦労しているところでございます。是非とも鶴保担当大臣が地元の思いを酌み取っていただいて、この振興策、密度の濃い振興策を出していただけるように期待をいたしまして、私の質問を終わります。
#72
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 会期延長になってようやっと一回目のこの会議が開けるようになったということであります。ですから、課題はいっぱい、議論しなきゃいけない課題は山積しているという中で、本当は、先ほど民進党の石橋さんが取り上げられたように、機動隊の土人、シナ人という差別発言をめぐっての大臣の認識なども本当は問いたいところだったんですけれども、今日十五分という中なので、それはまた次回ということにさせていただいて、今日は二つの問題を質問させていただきたいと思います。
 一つは、十二月十五日がいよいよロシア・プーチン大統領が来日をされると。日ロ首脳会談が予定されています。
 我が党は、十月の十八日に、日ソ共同宣言から六十周年ということで、日ロ領土交渉の行き詰まりをどう打開するかということで提言を発表して、志位委員長らが菅官房長官に申入れをしました。その内容は、六十年の日ロ領土交渉から教訓を引き出して今後に生かす必要があるということで、三点、基本点を提起しています。
 それを今日やると全然時間がないので今日はその全てについてはできませんけれども、その中の一つなんですけれども、いろいろ議論がされていて、歯舞、色丹の二島先行返還、これについては我が党もあり得ることというふうにしているわけです。その場合は、ただし、中間的な条約などと結び付けて処理することだと、平和条約というのは領土問題が最終的な解決に至った段階で締結すべきということにしているわけですけれども、やっぱり二島返還の段階で平和条約を結べば、それ以上の返還の道が事実上閉ざされる危険性があるというふうに考えているからです。
 そこに行き着くまでの、いろいろあるわけですけれども、ちょっとこのことについての岸田外務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の基本方針ですが、これは、政治、経済、文化を始め幅広い分野にわたって日ロ関係全体を国益に資する形で進める中にあって、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、これが基本方針であります。
 その中で、今御質問は、二島先行さらには中間条約についてお話がありました。この点については、日ソ共同宣言、これ第九条ですが、これは歯舞諸島そして色丹島ですが、日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡される旨これは明記されているところであります。こうした日ソ共同宣言第九条を含めて、我が国としましては、日ソ及び日ロ間の全ての諸文書、諸合意に基づいて、先ほど申し上げました基本方針の下、しっかりとこの交渉を進めていきたいと考えております。
 中間条約について触れられましたが、その点につきましては、今申し上げたとおり、日ソ共同宣言に明記をされていると認識をしておるところでございます。
#74
○紙智子君 日ロのこの領土問題の根本は、やはり領土不拡大という第二次世界大戦の戦後処理の大原則を決めているカイロ宣言ですね、これを踏みにじってヤルタで協定、秘密協定が結ばれたと、そこで千島列島の引渡しを決めて、それに束縛される形でサンフランシスコ平和条約で千島列島の放棄を宣言したというところにあると思います。この戦後処理の不公正にやっぱり正面からメスを入れるということなしには解決することできないんじゃないかというふうに思います。
 我が党は、かねてから全千島が本来は日本に返還されるべき領土だという立場なんですけれども、やっぱり原則に立ち返って交渉してこそ国後、択捉も取り戻す道も見えてくるというふうに考えます。
 ちょっと次のこともあるので、またこの後の議論はこの次ということで。
 次に質問したいのは、サケ・マス流し網漁業についてお聞きします。
 ロシアの二百海里内のサケ・マス流し網漁が今年から禁止をされたということで、サケ・マス流し網漁業の代替漁業や漁法の変更が始まっています。北海道の北方領土隣接地域は、領土返還運動の拠点として重要な役割を果たしてきました。北洋サケ・マス漁は根室市の基幹産業だったわけですから、代替漁業の成否というのは地域経済にとっては重要な意味を持つわけです。
 そこで、代替漁業の現状をお聞きします。
 ロシア二百海里内の水揚げ量と水揚げ金額と、公海サンマ、サバ、イワシ、ホタテ、ベニザケの水揚げ量と水揚げ金額について、ちょっと簡潔にお述べいただきたいと思います。
#75
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方からお話ございました、ロシア二百海里水域におけますサケ・マスを対象としたいわゆる代替漁法でございますが、これについては本年七月に曳き網による試験操業を実施しまして、漁獲量が四トンということで、実働日数九日間でございましたので一日当たり四百九十一キログラム、水揚げ金額につきましては約百七十万円となったところでございます。これについては、従来の流し網による操業一日当たりの漁獲量につきましては、二〇一四年で三千九十キログラムに比べますと約一五%、一日当たり四百九十一ということで約一五%と漁獲効率が落ちる結果となったところでございます。
 現在、試験操業を実施した時期の影響も含めまして、曳き網漁法の経済性等を評価しているところでございまして、その結果を漁業者に提供しつつ、今後の対応について漁業者とよく相談していきたいと、このように考えているところでございます。
 また、もう一つの代替漁業でございますが、例年五月から七月までサケ・マス流し網漁業を行っていた漁業者の代替漁業を、いわゆるもうかる漁業創設支援事業というものを活用しまして実施したところでございます。
 まず、サンマ棒受け網漁業でございますが、漁獲量が約五千トンで計画に対して約四割、水揚げ金額が約二億七千万円で計画に対しまして約三割、サバ、イワシの棒受け網漁業につきましては、漁獲量が約七千トンで計画に対して約三割、水揚げ金額が約三億六千万で計画に対して約三割となっているところでございます。
#76
○紙智子君 今数字を紹介していただきましたけれども、サケ・マス漁が禁止される前、水揚げ量でいうと、二〇一〇年から二〇一四年まで五年間の平均しますと、これ六千六百トンなんですよね。水揚げ金額も平均すると約三十億円ということだったわけです。特に水揚げ金額については、これ三十億円だったのが、今回七億ですよね、そこまで減っていると。地域経済に与えている影響というのは非常に大きいと思うんですけれども、この影響について鶴保大臣に御認識を伺いたいと思います。
#77
○国務大臣(鶴保庸介君) 委員御指摘のとおり、地域の漁業という問題は大きな産業の一つの柱の一つであると考えております。
 繰り返しになりますけれども、その地域振興のために検討会議を立ち上げ、これらについても虚心坦懐に今議論をさせていただいておるところであります。島民の皆さんのみならず、漁業関係者の方々もこの間も大臣室にお越しをいただいて、様々な状況をつぶさにお聞きしたところでありますから、しっかり対応してまいりたいというふうに考えています。
#78
○紙智子君 年間通して三十億入っていたやつが七億まで減っているというのは、時期が限られているとはいっても非常にやっぱり大きな減り方なわけですよね。
 これがやっぱりどういうふうに影響を与えるのかということでいえば、水産加工業についてもお聞きしたいんですけれども、管内の信用金庫が発行しているビジネスレポートというのがありますけれども、これによりますと、収益DIと言っていますけれども、前年の同期から見た収益の傾向、これが四―六月期でいうとマイナス一二・五というふうになっているわけです。減少しているんですけれども、これについて水産庁はどのように分析をされているでしょうか。
#79
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、先ほど私申し上げましたサバ・イワシ棒受け網漁業の漁獲量につきまして、七千トンというような発言いたしましたが、四千トンの間違いでございますので訂正させていただきたいと思っております。
 それと、次に、加工業の御質問でございますが、今先生からお話ございましたこのレポートによれば、四月から六月期の水産加工業の収益DI、前年同期から見た収益の向きでございますが、これがマイナス一二・五と後退した数字になっていることは承知しておるところでございます。
 いずれにしても、このレポート自体につきましては信用金庫が発表したものでございますので、収益DIの後退がどのような原因によるものかについてはコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにいたしましても、サケ・マス流し網漁の禁止によります水産加工業者への影響を緩和するための緊急的な対策ということで、平成二十七年度の補正予算におきまして対策を打ちまして、サケ、マスからの原料転換等を図るために加工機器の整備等を支援したところでございまして、北海道庁が公募を実施した結果、三十二件が採択されているところでございます。
 いずれにいたしましても、先生御指摘のように、この北海道の水産加工業というのは地域経済の中核を担う重要な産業でございますので、今後とも現場の状況を丁寧に把握しつつ、関係府省や北海道庁ともよく連携しながら適切に対応していきたいと、このように考えているところでございます。
#80
○紙智子君 代替漁業における影響で、加工水産業という問題もあるんですけれども、根室市が関連産業から聞き取り調査をやっているんですね。
 平成二十六年、二〇一四年のサケ・マス漁とそれから今年の代替漁業の売上高を比較すると、水産加工業でいうとマイナス八八・八%、それから運輸業はマイナス八一・八%、それから製缶業、缶詰ですけれども、これはマイナス六七・六%と。全体で売上高の減少率マイナス七八・九%というふうになっていて、これ、漁ができなくなったら船を減らすことにせざるを得なくなるのかと。漁師や乗組員は地域を離れて仕事を探さなきゃいけないという事態にもなりかねない。そうすると、関連産業が維持できなくなると人口が減少するということになっていくわけですね。
 現地から聞いた話では、サンマやサバなどの試験操業の収支というのは赤字だと。用船料の手当てというのは相当額というのがあるんだけれども、この補助金を追加しても赤字は解消されない結果となったということで、翌年以降の事業継続に当たっては事業の見直しが必要だという声が出されているんですね。それから、ホタテの漁場の造成という問題も、種苗放流のホタテの稚貝購入代、これがかなり掛かるんですけれども、支援なんか必要だということが漁協などからも出されているわけです。
 このほかにもいろいろと要望というか、あるんですけれども、やっぱり根室とこの隣接地域というのは北方領土返還の拠点の地なんですよね。いろいろ言っても、やっぱり拠点として重要な役割を果たしてきたと思うんですよ。そして、長い歴史の中でサケ・マス漁というのは言わば根室の地域経済を支えてきたと。もちろん観光も大事ですよ。だけど、こういうやっぱり主産業となるところが本当に大変だという状況の中で、そこを支える国の支援というのがやっぱり必要じゃないかというふうに思うわけです。
 北方隣接地域の役割を考えるんであれば、私は、地元北海道ということもあるけれども、それ以上に国自身がもっと責任を持って支援策を強化すべきだと思うんですけれども、鶴保大臣、いかがでしょうか。
#81
○国務大臣(鶴保庸介君) もちろん異は全くございません。今のお話で、私の方からもしっかり水産庁に頑張っていただくように要望をしていきたいというふうに思います。
 ただ、様々な議論の中に、やはり国民的な理解というものも必要だと。根室地域で水産業がどんな状況になっているか、今委員が御指摘をなさったような状況等々についての情報発信も私たち気を留めてやっていかなきゃいかぬなと改めて認識をしたところであります。
#82
○紙智子君 改めて大事だということを認識していただいたということであるというふうに受け止めます。
 やっぱり領土問題という国の主権に関わる問題、日本国民全体の問題を抱えて懸命に頑張って支えてきたわけですよ。そういうことでいえば、一自治体だけでは対応できない問題というのが多々ある中で、やっぱりこのままではもう地域疲弊して崩壊してしまうという悲鳴が上がっているわけで、やっぱり国の手厚い支援を、今までの枠にとらわれない支援をしっかりと考えていただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
#83
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 今日は、待ちに待ったというか、忘れかけた頃に沖縄北方特別委員会が開催されて、質問、短い時間ですが、することができ、機会を得て、大変うれしく思っております。
 しあさって、明後日ですか、日ロ首脳会談が山口県で行われますが、恐らく、どういうことが話し合われるかよく分かりませんが、北方問題もないとはしないと思います。そういうようなことから、まずは北方問題について少しお尋ねを外務大臣にさせていただきますが。
 その前に、奄美や小笠原、沖縄が順々に返ってきましたけれども、その原因は、一番の返還要因になったのは、日本の潜在主権がこのエリアに残されていたということが大きな理由だったと思うんですね。
 一九五一年にサンフランシスコ講和条約が制定されて、その中で、九月八日の調印で、日本の平和条約、つまりサンフランシスコ平和条約の第三条には、アメリカ合衆国が国連への提案のあった場合、つまり、奄美と琉球、南西諸島、北緯二十九度以南、この二十九度というのは奄美の北限を言っていると思うんですが、以南の南西諸島をアメリカ合衆国の信託統治に置くと、これに我が国が同意して規定されたと。そして、その後、アメリカ軍は国連に、二十九度以西というか、琉球諸島、あの諸島、南西諸島の件について国連への申告はなかったんですね。そのおかげで奄美や琉球列島に対する潜在主権が保持されたと。
 この潜在主権を確認しながら平和条約が締結された五二年ですが、翌年五三年、奄美が返還され、それは昭和二十八年です。小笠原が昭和四十三年、一九六八年、そして沖縄が四十七年、一九七二年に返還されるが、こういう返還の歴史を見てみますというと、北方についても、どうしても四島あるいは二島の話、二島は一九五六年の日ソ共同宣言で主権が認められたような感じがあるんですが、含めて、主権、つまり帰属の問題をしっかりとさせなければ、なかなか四島返還とはいかないように思うんですね。
 中にいろんな方法があって、二島返還が先だという議論もあったりして、どうなるかは分かりませんけれど、そういう沖縄や小笠原や奄美の前提に立ちますというと、潜在主権が日本にあるんだという根拠をきちっと示して交渉して合意する必要があると思うんですが、今の状況どうなっているか、外務大臣、ちょっと聞かせてください。
#84
○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員の方から今、潜在主権のお話がありました。
 御指摘のように、サンフランシスコ条約第三条には、御指摘の地域について米国に施政権がある、米国に施政権を与える、こういった規定があるわけです。そういったことから一般的には潜在的主権という言葉が使われるようになったと承知をしていますが、ただ、国際法上は潜在的主権という言葉について何らかの定義があるとは承知をしておりません。
 そして、サンフランシスコ平和条約、これは、第三条は今申し上げたような規定になっているわけですが、一方、当時のソ連はサンフランシスコ条約、御案内のとおり、これは参加をしていないわけであります。よって、この沖縄を始めとする地域とそして北方領土、これは同列に論じることはなかなか難しいと考えております。
 いずれにしましても、我が国としましては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、この基本方針だけはこれからもしっかり守りながら交渉に粘り強く臨んでいかなければならない、このように考えます。
#85
○儀間光男君 日ソ共同宣言、一九五六年、見ますというと、日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島、色丹島を引き渡すとある。
 これは法的拘束力はあるんですか。批准されておるんですか。
#86
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘は、日ソ共同宣言第九条について御指摘をいただいたものだと思います。
 先ほど申し上げましたように、日ソ共同宣言を始め、過去、日ソあるいは日ロの間で結んだ様々な文書、声明等につきましてはしっかりと尊重しなければならないと思います。国際的な約束であり、法的な拘束力もあると認識をしております。
#87
○儀間光男君 これ、九月でしたか、九月三日の読売新聞の記事によりますというと、何か返還交渉の姿勢が決まったような感じの報道がありました。政府は、ロシアと北方領土問題の交渉で、歯舞群島、色丹島の二島引渡しを最低条件として方針を固めた、こういうふうにあるんですが、どういう御認識でしょうか。
#88
○国務大臣(岸田文雄君) 結論から申しますと、御指摘のような事実は存在いたしません。今現在も、今ぎりぎりの協議、調整を続けています。そして、三日後の首脳会談で一歩でも二歩でも前進を示すことができるように最後まで力を尽くしていきたいと考えています。
#89
○儀間光男君 もう一つ聞くと、総理の発言を少し確認させて、総理じゃありませんから分かりませんじゃ困るので、所掌大臣として確認したいんですが。
 総理はよくこういうことをおっしゃっていました。今までとは違うアプローチで問題解決を目指すと言っておられるんですね。今までとは、四島返還を中心におっしゃってきたわけですが、違うアプローチというのは一体どういうアプローチなのか、二島の先行の返還論を言っておられるのか、その辺、総理じゃありませんから知りませんじゃちょっと話にならないので、大臣なりの認識をお示しいただきたいと思います。
#90
○国務大臣(岸田文雄君) 北方領土問題、これは戦後七十一年間、私たちの先輩たちが長い間掛けて努力を続けてきた課題であります。その際に、この北方四島をめぐりまして、法的な立場、歴史的な解釈、これ両国の間で違いが示されてきました。
 私も四年前外務大臣に就任した直後、ロンドンで行われました、当時はG8でありましたが、G8の外相会談に出席した際に、初めてロシアのラブロフ外相と日ロ外相会談に臨んで北方領土問題に取り組んだわけですが、何時間にもわたって延々とこの北方領土の法的立場あるいは歴史的解釈について大議論を行ったのを記憶しています。そして、その後、ウクライナ問題等があり中断はありましたが、昨年の九月に北方領土問題、平和条約交渉を再開しようということになったわけですが、引き続き、法的立場、歴史的な解釈の大議論が続いてきました。その中で、今年四月、この歴史的な解釈や法的な立場には違いはあるものの、是非未来に向けてお互いが受け入れられる解決策を作っていこうではないか、こういったことで外相間で合意をし、そして今年五月、日ロ首脳会談において、そういった考え方に基づいて新しいアプローチでこの問題に取り組もう、こういったことになったわけです。
 そして、それ以上の細かいことについては、まさに今協議も進めているところですので、これ明らかにするのは控えなければならないと思いますが、今申し上げましたような交渉の経緯を経て、新しいアプローチというのを今年五月、日ロの首脳間で確認をし、今、三日後に控えたプーチン大統領の訪日に向けて今ぎりぎりの協議、努力を続けている、こういったことであります。
#91
○儀間光男君 これ、もっとやりたいんですが、次の機会にすることにいたしまして、鶴保大臣に少し苦言も含めてお話を伺いたいと思います。
 大臣、どんな大臣が言葉を換えて申し上げようが、沖縄の県民や国民の、あるいは今たくさん出ましたけど、残された印象は消せないんですよ。僕も相当怒りを持って抗議しようと思ったんですが、年のせいか、抗議よりもあきれ返ってしまいまして、あきれ返ってしまって、むしろあなたが気の毒なような気がしたものですから、なかなか強烈な言葉で迫れないんですが。全然違うんですよ。
 これは山本農水大臣にも申し上げた言葉なんですが、沖縄にこういう言葉があるんです。言葉で言うと、じんのあまいやちかりーしが、くとぅばのあまいやちから。訳します。余った金は使い道はあるけれど、言葉が余れば使い道がないんだと、よって慎みを多く持って丁寧に言葉を使いなさい。
 うぇでー、上代と書くんですが、大臣のことですよ。大臣たちが持つ言葉、大変重みがあるから、しっかりやらぬといろんな誤解が来て、風評被害まで出てくるというようなことですから、もっと言葉をしっかりと使っていただきたいなと、こういうふうに思います。
 そこで、お聞きしたいんですが、予算までしたかったんですけど、時間ありませんから、沖縄のリーディング産業である観光産業、これ見ていると、対前年度で、今インバウンドで、七百四十数万来ておりますけれど、外国からのインバウンドで百六十七万人になっているんですね。前年に比べて六九%ぐらいの急激な伸びなんですよ。この伸びをいかに持続して沖縄振興を図るか、これ、大臣にとって大きな課題だと思うんですね。
 時間ないんですぐ言いますが、今IR法案が取り沙汰されていて、どうなるか分かりませんが、沖縄は観光資源といったってそんな大してない、あるいは島が小さいから物的生産物も少ない、言うなれば観光がメーンの産業になる。総合産業ですから及ぼす影響は大きいですから、このIRの是非を問う前に、こういうものを含めてこの沖縄の観光が持続していくような方策を持たぬといかぬと思うんですが、大臣、どういうものをお持ちか。
#92
○国務大臣(鶴保庸介君) お答えを申し上げる前に、儀間先生からの御指摘、謙虚に受け止めて、しっかり虚心坦懐に頑張っていきたいと思います。県民の皆さんに対して、振興策を担当する大臣として、政策を通じて、様々な施策を通じて、信用していただける、信頼を取り戻すということが私の一番の責務であろうというふうに認識をしておりますから、そこはしっかりやらせていただくことを改めて申し上げておきたいと思います。
 その上で、それに関連しますように、観光事業については私も個人的には大変関与する機会が多かったものですから、これまでも、これからも沖縄の観光政策、振興については特に興味を持って、そして思いを持ってやらせていただいているところであります。
 沖縄は御存じのとおり潜在能力が大変高いところでありますから、北方領土の隣接地域のくだりでも申し上げましたけれども、政策を総動員してやっていくことが必要なのではないか。特に沖縄に関しては、今進んでおります事業、那覇空港の三十一年度末の供用開始に向けて第二滑走路の整備事業でありますとか、大型クルーズ船が大変伸びておりますから、こうしたことに対応する港湾の整備も加速をさせていただきたいというふうに考えておりますし、特に観光客に、観光で訪れられる方々のお声が、御指摘を聞いておりますと、渋滞が大変ボトルネックになっているということでありますから、有識者懇談会を開催して沖縄県内の渋滞対策をしっかりと対応していくということを今打ち出させていただいております。
 いずれにいたしましても、様々な私とそしていわゆる県民の皆さんとの対話の中で、観光政策についてもしっかりと実のある政策を打ち出していきたいというふうに考えております。
#93
○儀間光男君 時間が来ましたので終わりますけれど、ここにメンバーで山本一太元沖縄北方担当大臣がおります。いい行政やられていましたよ、話を聞いたりしてですね。少し、しっかりひとつお願いして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
#94
○糸数慶子君 沖縄の風の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。
 鶴保議員が沖縄北方担当大臣に就任されましたのは四か月前の八月三日です。この間、沖縄では、ヘリパッド建設やそれに伴う差別発言、普天間爆音訴訟の判決など数多くの問題がありました。延長された国会の最終盤でようやく特別委員会が開かれたことについて、余りにも遅過ぎると言わざるを得ません。
 鶴保大臣は七日の特別委員会で、沖縄が自立的に発展することにより、地方創生のモデルとなることを目指し、引き続き、沖縄振興策を総合的に積極的に推進してまいりますと述べていらっしゃいます。
 沖縄県が公表した二〇一五年度の観光収入は、前年度より一二・七%増えております。六千億円に達し、三年連続で過去最高を更新しました。観光産業の顕著な伸びにより、今や基地は沖縄経済の手かせ足かせ、そして沖縄経済の最大の阻害要因であるというふうに言われております。沖縄が自立的に発展する道は基地の撤去、これしかないということを申し上げて、質問に入りたいと思います。
 先ほどもいろいろありましたけれども、まず土人発言に対して伺います。
 今年の十月の大阪府警の機動隊による土人発言についてでありますが、法務省の人権擁護局長は、これは、警備中の警察官がこのような発言を行うことは人権擁護上大変問題があり、残念であり、許すまじきことだということを答弁をしていらっしゃいます。ところが、鶴保大臣はこれまで一貫して差別と認定できないとの見解を示していらっしゃいます。先ほどもございましたが、機動隊員のこの土人のほかにもシナ人という発言を行っております。この発言の際の状況、そしてこの直前の侮蔑的な言葉など、鶴保大臣、映像で確認されましたでしょうか。
 このことも確認されているかと思いますが、この発言の前に、くそだとかぼけだとかという言葉を使っています。その後に続くのがこの土人発言という言葉でございます。この言葉が、侮蔑を込めた意味、差別発言であるということは私は明々白々だと思うわけですが、大臣は十月二十一日の記者会見で、人権問題だと捉えるのは言われた側の感情に主軸を置くべきとおっしゃっていらっしゃいます。土人と言われたその当事者の芥川賞作家、目取真俊氏は差別的発言と言っているのですから、これは差別発言と断定できるのではないですか。
 改めて大臣の見解を伺います。
#95
○国務大臣(鶴保庸介君) まず、映像を見たかというお問いでございますが、私はつぶさには見ておりません。どの映像の部分で見られているか等々、私がその判断をする立場にないということは繰り返し申し上げてきたつもりでありますから、そういう意味においても、私が差別であるという断定をできる、でき得る立場にないということを繰り返し申し上げているにすぎません。
 土人という発言が不穏当なものであるということは私も感じるところでありますし、また、公権力の行使に当たる者が威圧的言動をするということは、県民に対して、あるいは言われた者に対して、どういう思いを想起するかということはもう明々白々であります。
 繰り返しになりますけれども、そういう状況でありますから、私としては今現状はそういうお答えにならざるを得ないということであります。
#96
○糸数慶子君 本当に残念です。沖縄北方担当大臣として、やはり、先ほどもありましたけれども、沖縄に寄り添ってお仕事をする、今の答弁を伺いまして、北方担当大臣としての資質まで疑いたいというふうに思わざるを得ません。
 十二月六日、法務委員会の部落差別解消推進法案に関して、法案審議について、四人の参考人が土人発言は差別との認識を示しました。特に、全国地域人権運動総連合の新井直樹事務局長からは、差別を認めない担当大臣に対する人権教育の方が大切だという発言がありました。また、石川元也弁護士からは、鶴保大臣は大臣としてふさわしくないという趣旨の発言もありました。
 差別問題に取り組む専門家の方々が差別であると判定し、鶴保大臣のこの資質を疑っていらっしゃるということ、ただいまの発言を聞いて、私もそう思わざるを得ませんが、鶴保大臣はこのような人権問題に取り組む方々の発言をどう受け止められたのでしょうか。
#97
○国務大臣(鶴保庸介君) 今委員が御指摘をなさいました十二月六日の参議院法務委員会の参考人の発言でございますが、参考人の中には、京都産業大学の方、灘本教授でございますが、当該警察官の発言は明らかに問題発言だと思うが、それを政府が差別であるかないかというのを決定して言うことがいいのかどうかというのもちょっと、少なくとも大変な問題発言ということさえ認めれば、差別と規定するかどうかは余り重要でないと思うという発言もございます。
 なお、加えて、この不穏当発言に対し、当の沖縄の石垣市でございますが、石垣市の市議会で、高江現場における不穏当発言に抗議し警備体制の改善を求める意見書として市議会の方で決議をいただいております。そのくだりの中で、省略をいたしますが、「しかし、今回の発言は県民に向けられたものではなく、県民への差別発言でもない。」としっかりと書いていただいております。
 こうしたことも踏まえ、総合的に勘案して、私が差別であるかどうかを断定する立場にないということだけを繰り返し申し上げておるのでありまして、御理解をいただきたいというふうに思います。
#98
○糸数慶子君 問題となっているこの土人発言について、先ほど儀間委員からも石橋委員からもありましたが、沖縄では、県民を侮辱している、そして差別というその感想を持った人が大半であると。翁長県知事も、知事としても沖縄一県民としても言語道断で到底許されるものではなく、強い憤りを感じていますということをコメントを出しています。
 鶴保大臣には、沖縄担当大臣として改めて県民に寄り添い、警察に対して抗議を行うといった対応が期待されていました。それが、差別と断定できないというようなそういう発言、土人発言容認とも言われるようなその発言をされています。アイヌや沖縄の問題にも関わる沖縄北方担当大臣は、最もマイノリティーの政策や人権問題に敏感でなければ務まらないというふうに思います。今回のような言動が二度と繰り返されることのないよう、沖縄担当大臣としてむしろ警察庁に対して抗議を行うべきだというふうに思います。
 それから、鶴保大臣には県民を失望させる発言が多々見られます。十月六日に都内で開かれた沖縄県選出の、沖縄選出自民党議員のパーティーで、選挙結果が沖縄振興策とリンクしているというその趣旨の発言がありました。これ、先ほどもありましたが、自民党議員が当選しなければ沖縄振興に滞りが出るというその趣旨での発言でしょうか。大変憂慮すべき問題発言だと思います。
 本来、沖縄振興策は、沖縄戦による壊滅的な被害や、それに続く二十七年間の米軍の異民族の施政権下による様々なインフラ整備や公共の福祉などのその遅れを取り戻すために、さらに沖縄県の一〇%の土地を占めている米軍の基地、それによっての経済振興の難しさ、離島県であることなどが沖縄振興策が作られた理由でありますが、自民党員が選挙に当選しなければ沖縄振興予算は少なくなる、そのように取れるような発言をしておりますけれども、真意をお聞かせください。
#99
○国務大臣(鶴保庸介君) まず、前提として、今先生が御指摘をいただいたことに対して、繰り返しになるようでありますが、私の土人発言についてのコメントは、繰り返し申し上げますが、この問題を容認している、あるいは擁護しているという御指摘については、全くそうではないということだけは申し上げて、強調をしておきたいというふうに思っております。
 その上で、沖縄振興策と選挙結果がリンクしているという趣旨の発言というふうに聞いておりますが、選挙結果というのは、皆さん、県民の、ここにいらっしゃる委員の全員がそうだと思いますが、県民の、市民の皆さんの支持を得なければならない。そして、その支持というのは、地域の、多くのことがあるでしょうけれども、その地域の生活に即した振興策が必要になってくると。
 私は常々思っておりますけれども、沖縄の、沖縄のみならず、地域の振興策というのは、国が、あるいはその行政の側が一方的に策定をしていくだけではなかなか実効的なものはつくり得ないというふうに考えております。特に沖縄県民、沖縄に関しては、その振興策を皆さんこぞってつくっていただいて、そのアイデアを我々が一緒になってつくり上げていくんだという思いを持ってやっていくべきなんだという趣旨で申し上げたつもりであります。たまたまそれが自民党の国会議員の集まりの中での発言でありましたから、その辺は誤解を生んだかもしれませんけれども、これは一般論として、私ども全員がそういう思いでやっていくんだということを皆さんに申し上げたつもりであります。
#100
○糸数慶子君 本当に残念でございますけれども、誤解を生むような発言は慎んでいただきたい。そして、御自身の発言がいかに沖縄県民を傷つけているのか御自覚もないようですが、沖縄担当大臣として適格なのか非常に私は疑問だということを述べて、次の質問に入りたいと思います。
 十二月六日から四日連続で沖縄県宜野座村城原区でオスプレイ機が物資を付けて、つり下げて飛行訓練行っておりますが、オスプレイは墜落事故が多く、真上を飛行するだけでも不安になります。騒音は百デシベルを超え、低周波音でかなりの圧迫感があったと想像できます。今回のこの訓練でつり下げている物資は箱状のものでありますが、つり下げは落下の危険性が度々指摘されてきております。住宅の真上をオスプレイが低空飛行で物資をつり下げて飛行する、もう考えただけでも本当に背筋が凍ってしまいます。
 沖縄防衛局長は、六日の夜間、異例の抗議を米軍に対して行っています。しかしながら、米軍は全く聞く耳を持たず、その後も八日まで、四夜連続でこのような訓練続けておりますが、民間地上空のつり下げ訓練に対して、外務大臣として岸田大臣、米軍へ強く抗議を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#101
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、米軍がオスプレイに物資をつり下げて飛行を行ったこと、承知をしております。そして、その上で、十二月九日に川田沖縄大使からニコルソン在沖縄米軍調整官に対しまして、航空機の運用に際して住宅地上空の飛行を避けるなど、周辺の住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう強く申入れを行うなど、政府として様々なレベルで米側に対して申入れを行ってきております。
 外務省としましては、引き続き米軍に対して、飛行訓練に際しては安全面に最大限の考慮を払うとともに、周辺の住民の方々に与える影響を最小限にとどめるよう、適切な機会を捉えて働きかけていく考えであり、私自身のこの申入れにつきましては、そういった取組を進める中にあって、状況に応じて適切に判断をしていきたいと考えます。
#102
○糸数慶子君 私たち県民がなぜこういうことに大変ぴりぴりするかといいますと、過去に読谷村でこういう米軍がトレーラーをつり下げて訓練を行っていたところ、小学校五年生の棚原隆子ちゃんが、この自宅の庭にトレーラーが落下しました、パラシュートが開かずに落下したそのトレーラーに押し潰されて、下敷きになって小学校五年生の女の子が死亡したという事件があったからです。
 民間地でのこの物資のつり下げ訓練というのは、その危険性からも沖縄県は強く自粛を求めてきている状況であります。特に、宜野座村の民間地で行われている危険な訓練は高江でも行われるのではないかというふうに住民は危惧しております。
 沖縄県民も国民です。日本の国民と私たちは思っておりますが、どうして沖縄の県民だけがこういうふうな状況で危険にさらされていくのか、私たちの生命や生活を犠牲にして成り立つようなこの日米安全保障には賛成できないということを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#103
○委員長(藤井基之君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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