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2016/10/27 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 農林水産委員会 第2号
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2016/10/27 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第192回国会 農林水産委員会 第2号
平成二十八年十月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     こやり隆史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡辺 猛之君
    理 事
                舞立 昇治君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                こやり隆史君
                進藤金日子君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                藤木 眞也君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                櫻井  充君
                田名部匡代君
                舟山 康江君
                竹谷とし子君
                矢倉 克夫君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   山本 有二君
   副大臣
       農林水産副大臣  礒崎 陽輔君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       矢倉 克夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房総括審議官   山口 英彰君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省食料
       産業局長     井上 宏司君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     佐藤 速水君
       農林水産省政策
       統括官      柄澤  彰君
       林野庁長官    今井  敏君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (SBS輸入米取引に関する件)
 (攻めの農業に関する政府の政策目標に関する
 件)
 (平成二十八年八月以降の台風による農林水産
 被害に関する件)
 (土地改良事業に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(渡辺猛之君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房総括審議官山口英彰君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡辺猛之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡辺猛之君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○櫻井充君 おはようございます。民進党・新緑風会の櫻井充です。
 冒頭、三笠宮殿下がお亡くなりになりました。衷心より哀悼の誠をささげたいと、そう思います。
 今日は、大臣所信といいますか、大臣の発言について質問する予定だったんですが、ちょっと冒頭二問、ほかのことについて質問させていただきたいと思いますが、まず一つは、週刊誌等に書かれていることなので事実確認をさせていただきたいと思うんですが、元秘書からこういう形で訴えられていることに対して、大臣としてどのようにお考えでしょうか。
#6
○国務大臣(山本有二君) まず、記事では、労働基準法の労働時間等に関する規定、そうしたものに基づいて、当方に、私自身に行政手続的に不備がございました。大変雇用した本人に申し訳なく思っているところでございます。
 今後そうしたことがありませんように万般遺漏なきを、今後、秘書の待遇等につきまして労働基準監督署などにも相談させていただきまして、きちんとこれに対処していく所存でございます。
#7
○櫻井充君 働き方の問題だけではなくて、賃金も低かったんではないかという、そういう指摘もありますが、この点についていかがでしょう。
#8
○国務大臣(山本有二君) 私の基本的、私設秘書に対する賃金につきましては県庁のそれぞれ等級に合わせた考え方で臨んでいるところでございまして、県庁から給与基準、それをいただいて、それで考えていたという現実でございます。これを低いと見るのか、あるいは高いと見るのか、それは様々な意見があるというように承知しております。
#9
○櫻井充君 うちはそんな、県庁並みにも出せません。それから、公設秘書と同じように処遇を改善したいと思っても、正直申し上げてできません。うちは額面三百五十万ぐらいです、大体。ですから、うちで、事務所で裏負担もすると四百万ぐらいがうちの事務所からの支出だろうと思っていますし、ただ、一方で電話代とか、それから車のガソリン代、車の維持費など、こういったものについては事務所で持たせていただいていますが、事務所としてはこれが精いっぱいなので、そうさせていただいています。
 県庁職員並みの給料を出せるかというと、私はとても出せないと思っているんですが、実質的に幾らお支払いだったのか、それについてお答えいただけますか。
#10
○国務大臣(山本有二君) 詳しくは当該秘書、そしてその時期、様々であろうと思っております。手元にその資料はございません。また後日調査して御報告させていただければというように思っております。
#11
○櫻井充君 そういうことで、是非、委員長、よろしくお取り計らいをいただきたいと思います。
 もう一つ、我々野党だからかもしれませんが、政治資金を集めるのは本当に苦労しているんですよ。ただ、大臣は、私の事務所とかから比べるとはるかに多くの政治資金を集められていますよね。大体どのぐらい集められていらっしゃいますか。
#12
○国務大臣(山本有二君) 政治資金の中での運営経費、地元でほぼ年間に二千から三千万円程度であろうという認識でございます。
#13
○櫻井充君 私がお伺いしているのは政治団体での総収入です。政治団体としてどのぐらいのお金を一年間に集めていらっしゃいますか。
#14
○国務大臣(山本有二君) これについても正確な資料がございません。後日また御報告させていただければというように思います。
#15
○櫻井充君 報道によれば、四団体の総収入、二〇一四年で一億三千六百万円ぐらいだということです。しかも、六千九百二十四万円を繰り越しているということであれば、あればですよ、これだけのお金があれば確かに県庁職員並みの処遇ができるはずなんですよ。お金がないんだったら僕もある程度仕方がないと思うところもあるんです。我々も選挙のときには、本当に申し訳ありませんが、相当毎日毎日働いていただきましたから。でも、今は特別なことがないので、一応事務所に確認をしてから来ましたが、今は最低でも週一回以上は休んでいる、土日出勤しているときは平日に振替していますという話だったんですが。
 お金もこれだけあって、なぜそういうようなことで訴えられなきゃいけないのか、これについても、総収入も全部含めて後で御回答いただきたいと思います。
 これ、済みませんが、理事会の方で協議いただきたいと思います。
#16
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議させていただきます。
#17
○櫻井充君 もう一点、SBS米について質問させていただきたいと思いますが、今回のことを受けて農水省として改善されるということをお伺いいたしましたし、御報告いただきました。どこに問題があって、そしてどのような改善をすることになったんでしょうか。
#18
○国務大臣(山本有二君) SBS米の構造、仕組み、それ自体に問題が、既存のSBS米の構造に問題があったというようには認識しておりません。しかしながら、しかしながら大変規模の大きな調整金の授受、この報道がございました。また、その報道において認識するところ、生産者に不安を高めることになったというように考えております。こうした不安のないように生産農家に頑張っていただかなきゃなりません。
 そこで、きちんとした調査を行うということにおいて正確性を期して、十月七日にこの調査結果を公表させていただきました。その意味において、この調査結果からすれば金銭の授受があったことは事実でございます。そして、その授受があったという事実を受けて、少なからず米の販売価格等に影響をするのではないかという懸念に対する払拭の意味で、契約関係において個々の契約ではこの金銭のやり取りをしてはならないという運用を改善させていただいたところでございます。
#19
○櫻井充君 問題点がないということであったとすると、なぜ政府でルールを変えなきゃいけないんですか。
#20
○国務大臣(山本有二君) 先ほど申し上げましたとおり、SBS米の三当事者の食糧法に書いてありますこの構造自体の問題ではなく、調整金が存在し、そのことにおいて報道されました。このことの不安感を払拭するために運用を改善させていただいたということでございます。
#21
○櫻井充君 何でSBS米を買うんでしょうか。そして、米の、これは僕は農水省から説明を受けましたが、日本の米の価格が低いときにはSBS米は十トンまでのまだ制限のところまで行かなくて、かなり数量が少なくなってきているということになると、当然のことですけど、これは価格の問題が一番大きいんですよね、それでいいんですよね、まず。
#22
○国務大臣(山本有二君) まず、原則、米の価格は品質と需給で定まっているものでございます。
 そして、なぜこの米を買うのかという点でございますが、ミニマムアクセス米の十万トンについて、用途を定めずに輸入するというWTOのルールでございます。その意味において、私ども、国家の基本的な条約ルールで決まっているものと解釈しております。
#23
○櫻井充君 済みません、時間がないので、聞いていることに簡潔に答えていただきたいんですが、じゃ、結果的にその十万トンに行く年と十万トンに行かないときがありますよね。ここの差は一体何かというと、私が説明受けたのは、国内産の米の価格が下がってきているときには十万トンに達しないんですと、そういう説明でした。
 つまり、業者側からしてみれば、どちらの米を買った方が得なのかということで判断して買っているんだと、私はそう思いますが、大臣、認識いかがですか。
#24
○国務大臣(山本有二君) 例えば、平成二十二年が三・七万トンでございます。そのときにおける国内産価格はキロ当たり二百二十円でございます。このときには十万トンにはるかに及ばないわけでございまして、言わば、業務用米の国産米が十分に市場に供給されているというところでSBS米についての需要がなく、その意味において輸入量が低かったというように考えております。
 また、二十三年には十万トン行っておりました。二十二年に二百二十円が、二十三年には二百六十四円とキロ当たりなっておりまして、四十円の差がございます。この国内産で言わば需給が逼迫するときにはSBS米が輸入され、十万トンまで達するというような現象になっていると認識しております。
#25
○櫻井充君 済みません、需要と今おっしゃいました。価格は関係ないということですか。私は昨日、農水省からの説明では、価格が低いときにはSBS米の輸入は少ないと、そういう説明を受けましたが。
 済みませんが、委員長、簡潔に答弁してもらえますか。関係ないことをだらだらやらないでくださいよ。
 済みませんけど、もう一度お伺いします。価格が関係しているんじゃないんですか。第一の要素は価格じゃないんですか。
#26
○国務大臣(山本有二君) その価格の形成メカニズムが品質と需給というものでございまして、供給量と需要量とのそのバランスで価格が決まると。価格によってSBS米は確かに国内に輸入需要があるわけでございますけれども、まず最初に、米の価格についてのメカニズムは品質と需給というように認識しております。
#27
○櫻井充君 済みません、委員長、これ以上ひどい答弁だと止めさせていただきますよ。
 済みませんが、私はそんな需要と供給のことで価格が決まっていることぐらい知っていますよ。そうじゃないですよ。SBS米がこれだけ売れるか売れないかということについては国内産の価格が影響しているんでしょうと申し上げているんです。
 繰り返しになりますが、国内産の価格とSBSの価格とどちらが得なのかを選んで買っているんじゃないですかと言っているんですよ。
#28
○国務大臣(山本有二君) 国内産の価格に連動しております。
#29
○櫻井充君 そうなんですよ。国内産の価格に連動しているということは、業者間でやり取りをして、少しでもSBS米の価格を下げることによってSBS米を売ろうとするのは当然の心理だと思いますが、いかがですか。
#30
○国務大臣(山本有二君) 大変繰り返しになって恐縮でございますが、外国産米を輸入するには、国内産米の供給、そのバランスで外国産米、SBS米が輸入される。しかも、価格において、安ければ、国内産よりも安ければ輸入したいという力が働いているという認識でございます。
#31
○櫻井充君 結局、業者側から、輸入業者からすれば、このSBS米を売るためには国内産よりも安く売れるようなシステムをつくりたいと、そう考えますよね。この点はいかがですか、まず。
#32
○国務大臣(山本有二君) 必ずしもSBS米が国内産価格よりも安いという場面ばかりではありません。そして、例外的に国内産価格よりも、レンジで考えますと、SBS米が高い時期もあったということでございますので、一概には言えないというように思っています。
#33
○櫻井充君 済みません、答弁になっていません。そういうことを聞いていませんよ、大臣。そんな紙見ないで、ちょっとちゃんと聞いてくださいよ。
 私がお伺いしているのは、輸入業者から見れば、国内産の米よりもいかに安く売るか、そこに努力をするのは当然のことですよねと申し上げているんです。
#34
○国務大臣(山本有二君) 当然のことでございます。
#35
○櫻井充君 ですから、これを何らかの形でやりたいから、結局のところは、輸入業者からその受給者というんでしょうか国内の業者に対して、調整金というんですか、金銭の授受を行って、こういうことをやるから国内産を買うよりは安くなりますよということでこのようなお金のやり取りをしていたということではないんですか。
#36
○国務大臣(山本有二君) 調査結果を御覧になっていただきますと、全てのSBS取引に調整金があるわけではありません。そして、その調整金につきましても、調整金名下ではなく販売促進費という場面もございます。その意味において、一概に一律にこれを安く誘導するための資金というようには捉えておりません。
#37
○櫻井充君 済みませんが、その販売促進費は何に使われるんですか。
#38
○国務大臣(山本有二君) これは、永続的な民民の取引でございます。したがいまして、長期間、ペアでルール化された取引でございます。その間に当たって、個別には一方当事者が利益を上げることもあれば、また損失になることもあります。そうした意味で、長期的にペアで販売あるいは買受けするようなことを円滑にするための販売促進費というように聞いております。
#39
○櫻井充君 円滑に行うのはそのとおりですよ。それから、民民の取引でそういうのをやっているのも分かっているんですけど、だけど、そこのところで何でそうやってお金を渡すんですか。結局は、少しでも少しでも安く売れるようにするために出しているんじゃないんですか。
 販売促進するためには、結果的には物の値段を安く売るというのが一番ですよね。例えば、大型の家電の量販店だってどうですか。みんな本当はある程度の標準価格があるにもかかわらず値下げ競争をやっているのが実態ですよね。だから、それと全く同じ構図じゃないですか。値下げ競争をやるために、例えばどこかの家電メーカーの方々を従業員に雇えないので販売員として来てもらって、そこに供与を図ってもらって値段を下げるということをやっているわけですよ。
 要するに、今のことも同じでしょう。こうやってやれば少しはSBS米を安く売れるからこういうお金を使っているんじゃないんですか。
#40
○国務大臣(山本有二君) 金銭のやり取りについての分析、そして評価ということになると思いますけれども、販売促進費、販売奨励金などという認識の方も多いわけでございます。そして、落札から実際の調達までの間に生じるコストが、用船料等掛かったりもするわけでございまして、その時期時期の変化に対応したいというプール金としての扱い、そうした場合もございますので、買受け業者が落札後のコスト増を輸入業者に支払うこともありまして、極めて多様な金銭のやり取りというように認識しております。
#41
○櫻井充君 お金はそれは一つの目的で使わないことは確かですよ。だけど、じゃ、この調整金がなくなったら一体どうなるんですか。今までよりは安く売れなくなると思いますが、その点についてはいかがですか。
#42
○国務大臣(山本有二君) SBS米の買受け価格調整金が価格メカニズムに占めるものは、大変、存在しないと思っておりまして、むしろ調整金よりもマークアップの大小で決まっていくということにおいて、既存のこの価格形成におけるSBS米のメカニズムは変化がないと、調整金によって影響していないというように思っております。
#43
○櫻井充君 非常に大事なポイントです。これは、調整金によって、個々の業者間の金銭の授受において価格には影響しないというのが農水省の見解ですね。
#44
○国務大臣(山本有二君) そのとおりでございます。
#45
○櫻井充君 価格に影響しないのであれば、どうして今回こういうルールを決めたんですか。要するに、農家の方々が心配されているとかなんとか言いますけれど、価格に関係ないんだったら、全然そんなこと心配要りませんよと言えば、それで終わりじゃないですか。そういうふうに言えば終わりなのに、何でルールを変えるんですか。ルールを変えるということは、それなりの影響がある可能性があるということですよ。単純な風評被害の払拭ですか。違うんじゃないですか。
#46
○国務大臣(山本有二君) この契約内容の改善を行いましたのは、既存の枠組みはあくまで継続をいたします。この入札をより適正に行いたいという気持ちでございます。そして、農業関係者等の、繰り返しになりますが、この入札制度に対する不信感を払拭したいという、あくまでその目的でございます。
 SBSの契約書の項目に、個々のSBS取引に係る三者契約に関連して、輸入業者及び買受け業者との間で金銭のやり取りを行ってはならないということを明記するものでございます。これに違反した場合、資格の停止又は取消し等の措置を講ずるところでございまして、御指摘のように、この調整金について、個々の契約、個々のあくまで具体的な契約にその調整金が介入することのないように一般的に契約書で定めたと、こういうことでございます。
#47
○櫻井充君 スキーム上問題はないと思っているんです、私も。スキーム上問題があるんだということを申し上げておりません。ただし、欠陥があったんじゃないですかということです。
 例えば、じゃ、別な観点からお伺いしたいと思いますが、業者間でお金のやり取りをするということを農水省は考えておられましたか。
#48
○国務大臣(山本有二君) 農水省は、あくまで関心事項はSBS米の三者契約の円滑な運用でございまして、民民の取引におけるそうした行為がある、ないについては関与すべきではないという意味で関心は寄せておりません。
#49
○櫻井充君 関心がなくて、民民でやることに対して今口出ししているじゃないですか。おかしいじゃないですか。
#50
○国務大臣(山本有二君) あくまで調整金が国内価格を、の米の価格を下げてしまうのではないかという報道ぶりに対して、我々は調査をし、その結果、こうしたことにおいて不安が払拭されるのではないかと判断したところ、契約改善を、契約内容の改善をしたというように御理解いただきたいと思います。
#51
○櫻井充君 済みません、民民の取引には興味がなかったんですよね、昔は。今は興味あるんですか。
#52
○国務大臣(山本有二君) 生産者不安というものに対する扱いを農水省といたしましては大事にしたい、そして不安を払拭したいと。あくまで運用の改善という認識でございます。(発言する者あり)
#53
○委員長(渡辺猛之君) この際、委員長より申し上げます。
 政府は、質疑者の質問に的確、適切にお答えいただくようにお願いをいたします。
#54
○櫻井充君 もう一回質問いたしますが、民民の取引には興味がなかったという趣旨の発言をされましたね。ですから、それは当然だと思いますよ。官が民間と民間の取引に対して一々口出しするのはおかしな話ですから。しかし、そうだとしたら、今回のルール改正は、民間の取引間の中にちゃんと国が関与してルールを定めているんですよ。ですか。つまりですよ、これは元々興味がなかったとおっしゃっていました。今は関心があるから、問題点があると思うからこういうことをしているわけですよね。民民の取引に対して今は関心がおありですよね。
#55
○国務大臣(山本有二君) すなわち、農家不安を払拭する意味で関心が強くございます。
#56
○櫻井充君 そうなってくると、ここの中のルールとして、農家の方々に問題があるということは、今までのルールの中でいうと、問題があるから、いいですか、問題があるから農水省としてルールを変えたということですよね。
#57
○国務大臣(山本有二君) 今回の調査結果におきまして、現行の契約の外で民間事業者間の金銭のやり取りがある、ある程度存在していることが確認されました。
 SBS契約の改善を行うということは既に述べたとおりでございますが、調査結果を踏まえた場合には現行の契約内容では不十分と判断をいたしました。
#58
○櫻井充君 そういうことなんだと思うんですよ。不十分だったんですよ。
 だから、時代が、例えば金融行政なんか特にそうですが、新しいものがどんどんできてきていて、金融庁が考えているルールをはるかに超えるようないわゆるグレーゾーンのところをどんどんどんどんついてきてやってきているわけであって、あくまでこれグレーゾーンだったと思うんですよ。だから、そこのところにやはり問題があったので今回改善を命じていると、簡単にそう言っていただければこんな無駄な二十五分使わなくて済んだんですけどね、大臣。
 やはり、間違っている、間違っていたというわけじゃないんですよ。行政側が定めたことに対して民間側はこうするだろうと思って性善説に立ってやっていたらそうじゃなかったというだけの話じゃないですか。別に、農水省としてそこにやっと気が付いたから改善しましたと言えば私は済む話じゃないのかなと、そう思います。
 肝腎な、本当にこれ僕、大臣発言全部、一行一句全部読ませていただいて、今日は逐条審査するつもりだったんですが、この肝腎な時間が十五分しかなくなりました。
 まず、こちらに、これから本題に移りますが、第一に攻めの農業の展開ですのところに、TPPによる新たな国際環境の下と書いてあるんですけど、まだ我が国批准していませんよね。何でこうやって新たな国際環境の下と言い切れるんですか。
#59
○国務大臣(山本有二君) TPPにつきましては、これまでのTPP閣僚会合、また本年五月のG7伊勢志摩サミット、ここにおきまして、早期発効に向けて各国政府が責任を持って国内手続を進めていく必要性が累次確認されております。
 こうした中で、所信の中、TPPが発効した場合に備えて、そのような国際環境の下においても我が国の農林水産業の発展が図られますように、昨年十一月に取りまとめられました総合的なTPP関連政策大綱を着実に実行して、体質強化対策として攻めの農林水産業への転換に向けた施策を加速させるとともに、経営安定対策の充実を行っていくとの施策の方向について述べさせていただいたものでございます。
 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましても、今国会での早期のTPP協定承認と整備法案の成立、これをお願いしているところでございます。
#60
○櫻井充君 そうなんですよ。成立していないんですよ。大臣、立法府で決めていないんですよ。
 世界の国々で、ここに加盟している国々の中で批准している国ってあるんですか。
#61
○国務大臣(山本有二君) ありません。
#62
○櫻井充君 どこの国もまだ批准していないんです。
 ですから、今後要するにTPPという枠組みが最終的にはできるかもしれない可能性があるから、だから今から準備するんですなら分かるんですよ。この書き方は決まっている書き方です、TPPによる新たな国際環境の下と。
 大臣は、大臣は行政府のトップである、だけど、同時に国民の代表者である国会議員ですよね。国会でまだ議論の最中にこうやって決まったかのように書かれることについて国会軽視だと私は思いますが、国会議員の立場としてどうお考えですか。
#63
○国務大臣(山本有二君) これはあくまでTPPの批准に向けた国会審議の真っ最中であるという認識の下に作成した文書でございまして、新たな国際環境が訪れる可能性があるというように判断いただければ有り難いというように思います。
#64
○櫻井充君 ここはそう書けばよかったんです。TPPによる新たな国際環境ができ得る可能性があると書けばよかったんです。しかし、これは断言しているんですよ。これは私は大問題だと思いますよ、決まっていない中でもう完全に決まったような。まあ、大臣は強行採決しろという派ですから、それに全てつながると私は思いますよ。何でもかんでももう決まってさっさとこれやってくださいよという話になるんですよ。
 大臣、今お話があったような、発言されたような趣旨に変える気ないですか。
#65
○国務大臣(山本有二君) あくまで政府が協定案を提出しておるわけでございまして、政府としての覚悟を込めた文書というように御認識いただければ幸いです。
#66
○櫻井充君 済みませんが、頭が悪いので認識できないんですが、正しくやはりちゃんと書かれるべきだと思いますよ。こんな断言して、ここから始まっていくこと自体おかしいじゃないですか。済みませんが、衆議院は今議論の最中で、参議院まだ議論していませんよ。
 そして、アメリカがどうなるか分からないんでしょう。日本が幾らやってアメリカの背中つっつきますといったって、アメリカはアメリカの考え方があって、日本がやったからといって、アメリカの国益にかなうかどうかという議論をこれからするわけですよね。ましてや、大統領になる候補者お二人とも、今のところは反対だと、そう明言されているわけであって、できるかどうか分からない中でこういうふうな発言をして、これを前提に進めてくることそのものが私は間違っていると思いますが、いかがですか。
#67
○国務大臣(山本有二君) 私どもは、あくまでTPPの早期発効、このお願いをし、審議をさせていただいているという立場には変わりはありません。
 そして、新たな国際環境の下という下については、これは議論をしているという時期も含めて下と言わせていただければ幸いでありまして、幅広に考えられなくもないと私ども思ってこう記述をしたわけでございますが、断言して、このTPP協定が発効したとまでは書いておるわけでは決してありませんし、是非ここは御寛容いただきたいというように思います。
#68
○櫻井充君 済みませんが、決まっていないことを決まったかのように書くこと自体、私は国会議員として怒っているんです。国会軽視ですよ、こんなの。これ行政文書ですけど、要するに行政官がただ適当に書いているものを大臣そのまま読まれているだけでしょう。御自分でチェックされましたか。チェックされて、こんな文章で本当にいいとお考えなんですか。まあいいです、これ多分押し問答になるので。
 じゃ、例えば、ここの中に農家の所得向上というくだりがあるんですよ。私、この間、農水省の役人の方に来ていただいていろいろ議論いたしましたが、済みませんが、今後GDPは幾らぐらいになるのか、農家の総生産額幾らですかと聞いたときに、その数値目標はないということでした。
 ここの文章の中に収入の向上というふうに書いてありますが、現状は幾らぐらいで、どういう具体的な政策を行うとどのぐらい収入が増えるんでしょうか、具体的に答えていただけますか。
#69
○政府参考人(山口英彰君) 平成二十六年におきまして、農家の生産農業所得は二・八兆円でございまして、農業経営体の一経営体当たりの平均農業所得は百十九万円となっております。
 政府といたしましては、農業の成長産業化と農家の所得向上に向け、これまで、アジアを中心に拡大し続ける世界の食市場の需要を積極的に取り込むための輸出拡大を行う、また、担い手への農地集積によりコスト削減を実現する農地中間管理機構の創設を行う、また、六次産業化の推進による付加価値の向上など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてきたところでございます。さらに、農業の競争力の向上を図るため、農業者の努力によっては解決できない生産資材価格の引下げや農産物の流通加工構造の改革につきまして、年内を目途に競争力強化プログラムを取りまとめることとしております。
 所得がどの程度向上するかにつきましては、各経営体の規模や生産する品目も様々でございますので、具体的にお答えすることは困難でございますが、農政新時代を実現し、夢や情熱を持って農業の未来に挑戦する方々を全力で応援し、農業者の所得向上に努めてまいりたいと考えております。
#70
○櫻井充君 まあ、掛け声だけなんですよね、こうやって。掛け声だけは掛けて、あとは各々ですからといって逃げているだけじゃないですか。
 今、輸出というお話がありました。私も米の輸出をしたいなと思って、ある会社に、商社に来ていただいて話をしましたが、米の輸出は相当難しいことが分かりました。現在、農林水産物、これ食品輸出額一兆円とここの中に数字を珍しく盛り込んでくださいましたが、ここ近年増えているのは円安になっているから為替の分で上がってきているだけの話であって、実質は多分ほとんど増えていないんですよ。
 そうなってくると、この一兆円というのは一体どうやって実現するのでしょうか。積算根拠を教えてください。
#71
○大臣政務官(矢倉克夫君) 今委員から輸出の重要性、指摘いただきました。そのとおりであると思っております。
 一兆円という積算根拠と、現在の実績についても含めてというお問いであると理解をしておりますが、本年八月の未来への投資を実現する経済対策において、当初の目標を一年前倒しをいたしまして平成三十一年に一兆円という目標を新たに掲げたところでございます。平成二十五年の八月に農林水産省が策定をした国別、品目別の輸出戦略において、それまでの輸出額の増加やトレンドや今後の増加の可能性などを勘案して輸出額目標を定めさせていただきました。
 今委員から輸出増えていないのではないかというようなお話もありましたが、平成二十七年の農林水産物の食品の輸出実績は七千四百五十一億円でございまして、重点品目ごとの輸出実績につきましては、例えば米又は米加工品がこれ二百一億円でありまして、一億円に対する品目別の目標、これ六百億円の今三四%でございますが、青果物が二百三十五億円で目標の九四%、花卉八十一億円で目標の五四%、茶が百一億円で目標の六七%となっております。徐々に今増えているという状態でございまして、実績も平成二十三年には四千五百十一億円であったのが平成二十七年には七千四百五十億円、今申し上げたとおりの伸びになっているということでございます。
 実績という点では以上でございます。
#72
○櫻井充君 済みませんが、今のを全部足したって一兆円にならないんです。
 時間がないので、委員長、お願いですが、一兆円になる積算根拠をお示しいただきたい、理事会の方に提出いただきたいと思います。
#73
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#74
○櫻井充君 そのほかに、中山間地域に合った収益性の高い農産物とあるんですが、これ一体何ですか。
#75
○政府参考人(佐藤速水君) 中山間地域におきまして、集落営農の組織化によって農地の集積を図りながら、生産基盤の整備ですとか付加価値の高い農産物の生産、六次産業化に取り組んで収益性の高い農業を実現している事例がございます。
 例えば群馬県の昭和村のレタスでございますが、基盤整備、安定的な用水の確保、こういったことを行いまして農業所得が二倍に増加をしております。また、奈良県の五條市の柿でございますが、これは新品種の導入ですとかハウス栽培、さらには加工販売等によりまして所得が二・五倍に増加しているというような例もございます。
 農水省といたしましては、全国各地でこうした取組が展開されるように、平成二十八年度の補正予算におきまして中山間地域所得向上支援対策事業を計上したところでございます。
#76
○櫻井充君 宮城県の中山間地域は何作ったらいいんですか。
#77
○政府参考人(佐藤速水君) まさに大臣所信にも書かれておりますとおり、その地域に合った収益性の高い農産物を見極めるということが重要であるというふうに考えてございます。
 そのために、今申し上げました補正予算に計上いたしました中山間地域所得向上支援対策におきましては、中山間地域においてマーケティングの専門家ですとか第三者の参画を得て計画をしっかり作っていただくと。その際に、農業者あるいは様々な関係者が参画して、どういったものを作っていくかというようなことを計画に作っていただいた上で、基盤整備や施設整備等あるいは生産面での支援をしていきたいと、こういうふうに思っております。
#78
○櫻井充君 済みませんが、私は宮城県で何やったらいいのか教えてくださいと申し上げました。
 今は無理でしょうから、これも後でどういうものがあるのか実例を挙げていただきたいと思います。
 委員長、よろしく理事会の方に提出していただきたいと思います。
#79
○委員長(渡辺猛之君) 後刻理事会で協議いたします。
#80
○櫻井充君 それから、農山漁村地域のインバウンドと書いてあったんですが、現在はどの程度インバウンド需要があるんでしょうか。
#81
○政府参考人(佐藤速水君) 農山漁村地域におけますインバウンドの数を正確に把握することは困難でございますが、日本政府観光局が発表しております各種調査から推計いたしますと、現在、百二十万人程度の方が農山漁村地域を訪れたのではないかというふうに推計をいたしております。
#82
○櫻井充君 こうやって、もう時間がないので終わりますけれど、大臣所信というんでしょうか、大臣の発言をみんな読ませていただきましたが、ほとんどのものが掛け声だけなんです。具体性に欠けるんです。これを本当に農家の方々が見て、安心して生活ができるようになるのかどうか、夢を持って農業をやれるようになるかといったら、僕は、ほとんどの人たちが不安を持ってやっていくしかないんだろうと、そう思えるんです。
 例えばTPPならTPPについてこれだけの不安があるんですといったって、それを本当に払拭できている内容になっているのかというと、一部の人たちはそれは可能なのかもしれないけれど、大半の農家の方々は、残念ながら、これでやっていけるかどうかというのに不安を感じていらっしゃると思うんです。
 私は、今回農水委員会に所属させていただいたのは、宮城県の実態を見て、大臣も高知の選出ですからよくお分かりだと思いますけれども、田舎の方は人口減少して本当に大変なんですよ。これ、基幹産業である農業であるとか水産業であるとか、こういったことを再生しない限り、地域の発展というか、地域の維持すら難しくなってきている。そういう意味でいうと、現実にちゃんと即した内容にしていただかなかったら、とてもじゃないけれど地域の発展はないんですよ。これをやっていくのが僕は農林水産省だと思っていて、これができないようだったら農林水産省そのものが要らなくなるんじゃないのかなと、そう思っています。
 是非、きちんとした形でこれからの農業改革を行っていただきたいと、農業だけではありませんが、農林水産業の改革を行っていただきたいということを御要望申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#83
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、まず最初に、山本農水大臣のこの強行採決をめぐる発言についてお聞きをいたします。
 大臣は、十八日の夜の自民党の佐藤勉衆議院議員、議運委員長の政治資金パーティーに参加をされて、TPP協定の承認案、関連法案について、強行採決するかどうかは佐藤さんが決めると、だから私ははせ参じたわけだと発言をされたようです。批判を受けて、二十一日の記者会見では、あくまでも国会の下で、国会が採決をお決めになるという趣旨で申し上げました、誤解を生じて皆様に御迷惑をお掛けしましたので、十九日、特別委員会で発言を撤回し、おわびを申し上げたというふうに言われました。
 誤解を生じたと言われたんですけれども、何がどう誤解されたとお考えでしょうか。
#84
○国務大臣(山本有二君) 答弁の前にお許しをいただきまして、この度の三笠宮様の御逝去に際し、国民の一人といたしまして心から哀悼の意を表させていただきます。
 また、紙委員の御指摘でございます。私ども、TPPの審議に当たって、丁寧に質問をしていかなければならない職責でございます。にもかかわりませず、誤解を与えたと。この誤解の内容につきましては、そういう立場であるにもかかわらず強行採決に言及した、このことにおける軽率さ、こういったものが私にとりまして大変不手際極まりないところでございます。それについて撤回をし、陳謝したところでございます。
#85
○紙智子君 今聞いたことに対しての答えというのはよく分からないわけですね。
 大臣の発言は、強行採決をするかどうかを決めるのは佐藤さんだと、だからはせ参じたと言われたわけで、これ強行採決する権限を持っているのは佐藤さんなんだと、したがって強行採決も言わばできるということであって、これ、誤解されたと言うんですけれども、誤解の余地がないんじゃないんでしょうか。
 安倍総理も、我が党は結党以来強行採決しようと考えたことはないということを言われているんですけれども、これ、強行採決という言葉がこの間自民党の皆さんの中では頻繁に出てきていて、これ強行採決ということはどういう状態を言うのか、その状態について説明していただけますか。
#86
○国務大臣(山本有二君) あくまで、誤解、不快を醸成したことに対して私ども大変軽率であったというように反省をしております。したがいまして、発言を撤回し、またおわびを申し上げるところでございます。
#87
○紙智子君 謝罪していることの中身が分からないんですよね。
 何が誤解されてどこが悪かったからというふうに思われたのかというのが分からないんですけど、もう一度ちょっとおっしゃってください。
#88
○国務大臣(山本有二君) TPPの審議に当たって、丁寧に、そしてできる限り努力をしながら、この政府における立場を御理解いただくということが行政府の任務だというように思っております。その配慮に欠けたところが私ども大変残念なところでございまして、私自身が反省するところでございます。
#89
○紙智子君 強行って一体どういうことなんだというふうに改めて見てみると、権力や威力で無理に抑え付けると。強行採決というのは、権力、威力で無理に採決することだと。
 行政側の大臣がですね、大臣は行政側の大臣なわけですけれども、立法府に介入して、この強行採決をけしかけたことになるんじゃありませんか。
#90
○国務大臣(山本有二君) あくまで、そのことのないように注意をさせていただきながら努力をいたします。よろしくお願いいたします。
#91
○紙智子君 私は、農林水産大臣が、所管する法律案が議論されているときにこの強行採決を促すというのは大問題だと思うんですよ。農林水産大臣としてあってはならない発言だというふうに思うんですね。
 以前の政権の閣僚であれば、その大臣の発言の重みを真摯に受け止めて、やっぱり辞任していたと思いますよ。今の大臣はお辞めになっていないですけれども、その政治感覚もいよいよなくなってきているのかなというふうに危惧するわけです。本当に驚きだというふうに申し上げておきたい。
 ちょっとこの問題ばかりやるわけにもいきませんので、次に行きたいと思います。
 台風災害についてなんですけれども、今年の夏に四つの台風が襲来した北海道の台風被害についてです。
 私、十一日の予算委員会でも質問をしまして、安倍総理は、できることは全てやる、状況や事情に応じて柔軟に対応するというふうに言われました。この言葉の重みを受け止めた対策がされていると思いますので、幾つかお聞きします。
 加工用のスイートコーンについてお聞きします。
 加工用のスイートコーンで、長雨と台風という自然災害が重なって減収になったものは共済制度の対象になるんだと。その一方で、スイートコーンの加工場の機械設備が浸水したと、操業できないということになって、農家は出荷できない状況になっているわけです。この場合、被災したのは工場ですから共済の対象にならないと。それで、農家はこの会社と契約栽培しているので、どういう形で補償するかというのは、これ加工工場と生産者の関係になるということなんですが、農水省としてどのような対応をされているのかということをお聞きしたいと思います。
#92
○政府参考人(井上宏司君) 御指摘のございました北海道十勝地域のスイートコーンの被害でございますけれども、一つは、スイートコーンが倒れたあるいは浸水したことによって加工工場に納入するだけの品位、品質を保てないことで納入できなかったということと、もう一つは、品位、品質は保てたんですけれども、加工工場の方が稼働を停止せざるを得ない状況になったために納入ができなかったと、この両方がございます。
 これにつきまして、まず工場に出荷できるような品位を満たさなかったものにつきましては、これが納入できませんでしたので、生産農家にとっての減収ということで、共済金が支払われる対象ということになります。
 また、工場に出荷できる品位は確保されていたものの工場の側が受け入れられなかったものにつきましては、これは、不可抗力によって契約が履行できないような場合には当事者間で協議をするということが生産農家と加工工場との間の契約で定められてございまして、現在協議が行われているところでございますけれども、この協議の状況につきましては農林水産省といたしましてもしっかりとフォローをし、納得がいくような解決が得られるように注視してまいりたいというふうに考えてございます。
 なお、加工工場についての支援策はあるのかという点も御質問あったかと思いますので申し上げさせていただきますと、現在、食品工場の方では、どれだけの被害、あるいはそれを復旧するのにどれくらいの期間、コスト等が掛かるのかというのを算定をしている状況でございますけれども、農林水産省の側からは、この被災した食品工場に対しましても、例えば災害復旧貸付けでありますとか、また、休業している間の従業員の方の休業補償を要する場合には雇用調整助成金といったような、御活用いただけるようなメニューの御紹介をさせていただきながら状況を確認をしているという状況でございます。
#93
○紙智子君 工場が被災に遭ったために入れたいんだけれども入れられなかったものについては、今協議中という話がありました。
 それで、工場との契約がもし不履行になったりすると、これ生産者に損失が発生するわけですよね。既に先行投資でやってきたわけで、支払ができないことになったり、あるいは生活が支障を来すということになりかねないということなので、農水省として、やっぱり安心して年を越せるような対策というのが、ただ見ているというだけじゃなくて、そういう対策が、対応すべきじゃないかと思いますけれども、短くお願いします。
#94
○政府参考人(井上宏司君) 加工工場の側も真摯に協議に応じているというふうに承知してございますけれども、必要がある場合には私どもとしても必要な助言等を差し上げたいと思います。
#95
○紙智子君 営農が継続できるように、是非検討していただきたいと思います。
 それで、次に、農地の復旧についてお聞きします。
 十月二十四日に災害特別委員会の委員派遣に私も参加をいたしました。その際、十勝地区の農協組合長会から、農地については行政が主体となって作物を作付けできる状態に原状復帰したいというふうに要望を受けました。
 今回、激甚法による補助率が農地は約九五%かさ上げされているんですけれども、残りの五%で農家の負担、まあ五%ということで少なく見えるけど、それでも農家の負担大変と。しかも、農地を復旧する限度額というのが、北海道の場合六万七千円というふうに聞いています。復旧費が六万七千円を超えたものというのはこれ農家が負担することになるんじゃないかと。農家負担を軽減するための支援が必要なんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(佐藤速水君) 農地の復旧限度額についてでございますが、先生御指摘のとおり、北海道では一アール六万七千円、都府県では一アール三十万七千円でございます。この復旧限度額を超えた部分につきましては国庫補助の対象にならないために、地元自治体ですとか農家の負担というふうになります。したがいまして、できる限り復旧限度額を超えないような工法などを採用する必要があると考えてございます。
 例えばでございますが、土が流出した農地を復旧する際に、その近くにあります河川に堆積している土砂を農地の底の部分、基盤の部分に盛ることによりまして、土の購入費ですとか運搬費を軽減するなどの工夫を行っております。また、農地の復旧工事を排水路等の農業用施設の復旧工事と組み合わせまして効率的に復旧を行って、工事費の軽減に資するような、そういう工法を採用するといったようなことに取り組んでいるところでございます。
 いずれにいたしましても、現在、災害査定官を含む国の農業土木技術者を現地に派遣して、各被災箇所の状況に応じた技術的な支援を行っているところでございます。
#97
○紙智子君 限度額超えないようにコストが安くなるような努力をという話がありました。北海道は大規模な農家が多いので、農家の負担額というのは非常に膨らんでいくという可能性がありますので、是非この負担を軽減する努力をお願いしたいと思います。
 それと、農地の復旧費についてなんですけれども、北海道の事業単価は今お示しになったように六万七千円なわけですけれども、都府県が約三十万円ということで相当開きがあると。組合長会は、費用については現在府県との格差が四倍以上になっていると、農地の復旧事業に関わる上限単価を引き上げて不公平感を是正していただきたいという要望をされているわけです。
 そこで、なぜ四倍以上に差があるのかということ、それから、三十年前に設定した単価基準ですから、この要望に対してはどう対応するのか、お聞きしたいと思います。
#98
○政府参考人(佐藤速水君) 北海道と都府県の復旧限度額の差でございますが、復旧限度額につきましては、被災した農地に代わる農地を新たに造成するために必要な標準的な費用ということで定められているところでございます。委員御指摘のとおり、この農地の復旧限度額の算定方法につきましては、昭和六十年に設定されたものでございます。
 この復旧限度額の見直しでございますが、根拠となるデータの収集、整理に時間を要します。また、査定が始まっている中での限度額の変更といったことにつきましては、現場に混乱をもたらすおそれがあることを考慮いたしますと、直ちに対応することはなかなか難しいのではないかと思っておりますけれども、農林水産省といたしまして、復旧限度額の見直しについて判断するために、近年の農地の災害復旧事業ですとか整備事業の実態、今回の台風災害の被害状況等につきまして引き続き精力的にデータ収集等の調査を進めまして、しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
#99
○紙智子君 今鋭意検討中ということでありますので、是非それを進めていただきたいというように思います。
 既に北海道はもう初雪というか雪も降ってきていて、これから本格的な冬を迎えることになります。農家の方は、冬が来ても次は春が来ると、春が来ればまた頑張れるというふうに言ってきたわけですけれども、その思いがくじけないように、離農者を生まないように、現場に寄り添った支援をお願いしておきたいと思います。
 次に、SBS米についてお聞きします。
 農水省が公表した十月七日の調査報告書なんですけれども、SBS契約は輸入業者及び買受け業者と政府の三者契約であると、今般報道されたSBS米に関する買受け業者と輸入業者との間での金銭のやり取りは三者契約の外で行われた金銭のやり取りというふうにしています。そして、調査は、SBS米落札業者などを対象としたヒアリング、電話、面談をしたというふうに言われています。
 調査するには、やっぱり聞き取る項目を決めていろいろやるんだと思うんですけれども、調査項目などマニュアルを作って調査をしたんだろうと思うんですけれども、どういう項目で調査をしたのか、お聞きいたします。大臣。
#100
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおり、今回の調査におきましては、過去五年間についてSBS米を落札し、廃業者や連絡が付かない業者を除く全業者を対象にしましてヒアリングを行い、過去のSBS米の取引実績といった客観的なデータを基に分析を行いました。民間の取引実態の詳細が分からない中でヒアリングを行い、金銭のやり取りの有無、金銭の活用方法、金銭のやり取りが生じた背景や目的等につきましてヒアリングをしながら、その回答を踏まえて質問の仕方を工夫しつつ進めさせていただきました。
 このヒアリング調査におきましては、業者間の金銭のやり取りは食糧法上違法ではなく、税法上も適切に処理されておりました。販売価格の決定方法など民間ビジネスの機微に触れる内容を調査対象としていたことなどから任意で行わさせていただいたわけでございますが、できる限りの聞き取り調査を行いました。いうように、御指摘のとおり、金銭のやり取りの有無、金銭の活用方法、金銭のやり取りが生じた背景や目的、これを、強制力を使わないやり方ですので、一回聞き、また補充し、また更に補充しながら相手との関係の中で調査が完了したと、こういうことでございます。
#101
○紙智子君 その聞き取りの仕方もよく分からないなと思うんですけれども、ヒアリングをしながら、特に定めていなかったけれどもいろいろ聞き取ったと。普通、私たちいろいろ聞き取りするときに、必ず何をはっきりさせるかということで項目を決めて聞くんですけど、当然そういうやり方しているんだろうなと思っていたら、そうじゃないというふうにおっしゃるわけですよね。そういうことで本当に信頼できる調査というふうに言えるんだろうかと。幾らでもこれ都合よくまとめることができるんじゃないんでしょうか。私は、本当にちょっとこの辺が不思議で、幾ら聞いても、いや、特に決めていないと言うものですから、ちょっとこれはおかしいなというふうに思いながら聞いていたわけです。
 そして、今おっしゃったように、十一日の予算委員会で私、総理に、東京地裁が認定した調整金の総額は、たった二社の数回のやり取りでも、たった数回のこの取引だけでも五千万円になると、調整金の総額が。もっとだからマークアップ、差益を農水省は徴収できたはずなんじゃないかと。国の予算に関わる重大な問題だという認識はあるんでしょうかというふうにお聞きをしたときに、総理は立ってこないで山本大臣がお立ちになって、それで今と同じように、税務上も適切に処理されておるところでございますというふうにお答えになったわけですね。
 それで、大臣にお聞きするんですけれども、税務上適切に処理されているということを何で確認をされたんでしょうか。
#102
○政府参考人(柄澤彰君) 委員長の御指名ですので、お答えいたします。
 今御指摘ございましたように、今回の調査結果の中で税務上どうなのかということにつきましては、金銭のやり取りが過去ないし現在あると回答されました買受け業者及び輸入業者に対しまして、やり取りした金銭の会計上の扱いについて御質問したわけでございます。その結果、顧問弁護士に税法上問題ないことを確認している、あるいは会計士に相談をして販売促進費等として処理しているというような回答が得られた一方で、会計上問題があるというような回答は確認されなかったというところでございます。
#103
○紙智子君 大臣に聞いているので、今事務方が答えられたんですけどね。
 何を見て、書類とか御覧になったんですか。何で確認をされてあのような答えになったんでしょうか。
#104
○国務大臣(山本有二君) 相手との面談形式あるいは電話での応対、しかもこのケースにおきましては三者契約の中で契約が完了した相手当事者でございます。過去においてではございますが、この三者契約の中の取引先という考え方の中で、国として丁寧に応対をさせていただく基本の中で、そのやり取りが顧問弁護士に税法上問題がないことを確認したとの回答を得ているところ、あるいは会計士に相談し販売促進費等として処理し会計上問題はないと、こう回答していただいたところ、こうした点について回答に合理性があるというように判断し、そこで、税法上もこれ、処理は適切であるというように調査結果、判断したところでございます。
#105
○紙智子君 だから、何か調査書を見たわけでなくて、相手の言われたことをそのまま聞いてうのみにしているということになるんじゃないかと。
 マークアップ契約のとおりに徴収していなかったらこれ大問題で、マークアップがもっと取れたんじゃないかと、調整金を少なく見せかけたんじゃないかというふうに、そういうことで聞いたわけですよ。税務上適切に処理されているでは分からないわけで、しかもその報告書にも特に確認したわけじゃないということなわけで、今回の調査というのは、結局のところ聞き取りが中心なわけですよね。聞き取りだから税法上の書類見ていないということになるわけで、それなのにどうして適正に処理されているというふうに、答えになるのかと。これ、証拠もなく答弁しているということになりませんか。
#106
○国務大臣(山本有二君) 先ほども申し上げましたとおり、あくまで取引相手方でございます。その意味において契約当事者としての信義誠実の対象となるわけでございまして、その相手方の回答に合理性があり、しかも詳細にわたって開示をいただいたところでございますので、ここに信憑性があるというように判断したところでございます。
#107
○紙智子君 開示と言うんですけど、御覧になっていないでしょう、聞いただけですよね。それ、開示というように言わないと思うんですよ。
 書類を確認したという事実があるんだったら、それは納得というか分かるわけですけれども、それもやらずに、適正に処理されているというふうな言い方で問題を小さく見せようという意図があるんじゃないかと言わざるを得ないですね。
 それから、裁判記録を読んでいきますと、原告A社は被告の総合商社とSBS輸入米の見積り合わせに共同して参加をし、B社に名義卸として輸入米を落札とあります。この形式はC社、D社とも行われて、三社も名前が出てくるわけですね。
 この名義卸というのはどういう制度なんでしょうか。
#108
○国務大臣(山本有二君) 民事訴訟の中の判決文で名義卸という用語が使用されております。しかしながら、食糧法あるいはSBS契約上の用語ではありません。したがいまして、この名義卸を農林省としてこれを定義するという立場にはありません。
 しかしながら、国がSBS契約を締結している業者は、食用米の場合、いずれも、一定の自己資本、一定の国内産米穀の取扱数量、米穀の流通に関する法令への違反がないこと等、SBS契約を確実に履行するための資格要件が満たしている者に限ってここは契約当事者になるわけでございます。その意味において、もし考えられるならば、この資格要件との関係で名義卸というような概念が生じたのかもしれません。
 しかしながら、このSBS契約というのは、輸入業者、国、買受け業者の三者で締結されておりまして、同契約が履行された後、買受け業者がSBS米を誰に販売するかは契約外のことであります。SBS契約により国から米を買い取った買受け業者が他の卸売業者へ転売することもあり得るのであり、これは食糧法令上、何ら問題のある行為ではございません。
 その意味で、この概念についてのお尋ねでございますが、我々としましては、SBS契約、三者契約がなお円滑に進めるように改善をしてまいりたいというように考えるところでございます。
#109
○紙智子君 ちょっと今の説明聞いているだけでは全然分からないんですよね。
 要するに、三者でもって契約をして進めてくるという中で名義卸ということがあるとすると、これ、SBS契約の三者契約に反することにならないのかなというふうに思いますし、食糧法に違反することにならないのかなというふうに思うんですけれども、今のちょっと説明だけだったらなかなか納得できないんですけれども。
#110
○国務大臣(山本有二君) これは民事訴訟法の判決にある概念、用語でございます。先ほど申し上げましたように、食糧法並びにSBS契約上の用語ではありません。また、この概念を使われている判決は現在も係争中でございます。その意味において、コメントについては抑制的にさせていただきたいというように思っております。
#111
○紙智子君 関係者から話を聞いているんですけれども、卸業者と総合商社がタッグを組んで入札に参加すると。この二者だけで何枚もの札を入れることができないので、落札を確実にするために二社、三社の名義を借りて入札に参加するというふうに言っているわけです。この名義卸というのは名義貸しの可能性もあるんじゃないのかなというふうにも思うわけですよね。
 それで、毎日新聞が「コメ入札 名義貸し横行」という見出しで、輸入米を転売してもらう名義貸しが頻繁に行われていると。一部で入札に参加した卸業者が落札した輸入米を一キロ当たり一円の名義料を上乗せして転売する名義貸しが行われていると、商社は国の契約相手とはならない転売先の業者に調整金を払っているというふうに書きました。
 こういう名義貸しという事実、これはあるんでしょうか。
#112
○政府参考人(柄澤彰君) 先ほど大臣から答弁申し上げましたように、あくまで、私どもが入っておりますSBS契約の当事者になります買受け業者につきましては一定の資格要件を設けておりまして、この資格要件をクリアした方だけ買受け業者になっているわけでございます。
 具体的には、主食用の場合で申し上げますと、食糧法に規定している販売事業者等であること、あるいは国内産米穀の取扱数量が年間二十精米トン以上であること、自己資本が三百万円以上であること、米穀の流通に関する法令の規定等に違反していないこと、こういった資格をしっかりクリアした方がSBSの契約の当事者になっているということでございます。
#113
○紙智子君 これ、やっぱりきちっと調査する必要があるんじゃないですか。調査すべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。
#114
○政府参考人(柄澤彰君) 今回の調査結果におきましても、このSBS契約自体の締結、履行状況をまずしっかり確認したところ、全ての契約につきまして契約どおりに履行されているという点につきましては、今の資格要件も含まれる話でございます。
#115
○紙智子君 ちょっとよく分からないです。これ、引き続き追及していきたいと思うんですけれども。
 調整金とか名義貸しとか、SBSのこの取引というのは不明朗な点が多過ぎると。ブラックボックスだというふうに思うんですね。
 それで、今後の方向について農水省として出したわけですけれども、調査報告書は、問題になった調整金の存在を認めた上で、SBS契約書の契約項目として金銭のやり取りを行ってはならないことを明記するとあるんですけれども、しかし、問題になったのは、この三者契約の外の不正取引、裏取引だと。明記したから守られるという保証はないんじゃないかと。
 そこで、マークアップについて聞くんですけれども、先ほども言いましたけれども、調整金があったということは、マークアップを取り損なったということになるんじゃないか。金銭のやり取りを行ってはならないことを明記したからといって、これマークアップがしっかり徴収できるという効果というのはあるんでしょうか、大臣。
#116
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のように、SBS方式は、マークアップ、輸入差益でございますが、これが大きいものから落札される方式でございます。このため、輸入業者と買受け業者との間で金銭のやり取りが行われましたとしましても、所与のマークアップは取れているというように考えているところでございます。
#117
○紙智子君 その認識というのは全く私、共有できませんね。本当によく分からないというふうに思いますし、これ予算の関わる問題という認識がそもそも全くないなというふうに思います。
 農業新聞が聞き取り調査をしているわけですけれども、調整金でかさ上げされた分、マークアップが拡大するというふうに答えている商社もあると。農水省がつくった制度にどういう問題があるのかまともに調査しないというのは、本当にこれ無責任だなというふうに思うんですよ。
 農業新聞の調査で見ますと、これ、SBS米の相場というのは国産品よりも二割安いんだというふうに言っていて、農水省の調査は実需者への販売価格に十分踏み込まないまま国産相場への影響はないと結論付けたというふうに書いているわけですね。農水省の調査は現場の実感ともずれた欠陥報告だというふうに、言いようがないと思います。
 この問題は、農水省がまともに調査しないんだったら、私はそれこそ国政調査権を使ってでも究明すべき問題だということを主張して、質問を終わります。
    ─────────────
#118
○委員長(渡辺猛之君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、舞立昇治君が委員を辞任され、その補欠としてこやり隆史君が選任されました。
    ─────────────
#119
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 組閣されて最初の委員会で、大臣始め政務三役に向けて最初の質問であることから、質問に入る前に少し、紙では通告しておりませんが、言葉でやってある人事に関するものがありますから、所見を述べ、所見を聞きたいと思います。
 農林水産大臣、山本大臣以下、両副大臣、両政務官、五名の政務三役を発表のときに受けた印象があるんですね。それは後でちょっと言いますけれど、大臣として、この政務三役を組織できたときに一体どういう思いをされておられるのか、あるいは、私は安倍総理や内閣の強いメッセージが皆さんに送られているような感じがしてならないのでありますが、どういう感じでこれをお受けになっておられるかをちょっと所見として賜りたいと思います。
#120
○国務大臣(山本有二君) それぞれお付き合いが既に今まである方々ばかりでございまして、私としましては、能力、識見において極めて頼りになる存在の副大臣、政務官を御選任いただいたというように感謝をいたしました。
#121
○儀間光男君 ありがとうございました。
 私が見るに、決して皆さんが適任者じゃないとは申しませんが、皆さんのキャリアを人権侵害にならない程度で勉強させてもらいました。その経歴を見ますというと、大臣始め三役、農林水産のキャリア組、いらっしゃらないんですね。だからどうってことはないんですが、私、邪推かもしれませんけれど、ここは、安倍内閣が、安倍総理がTPPや農協改革に対する熱意が皆さんに伝えられているような感じがするんですね。きっとこの五名なら、農林水産業あるいはその関係業者、全く利害を共にしてきていないので、しがらみがないからこの国会を強行採決でもやり抜けていけるというような安倍総理の強い期待があったのではないのかなと思ったんです。
 理由は、自民党全体において、たがが緩んでいるかどうか分かりませんが、この今議会に対する姿勢が一貫して見えるような感じするんですね。それは強行採決です。大臣の先にも強行採決を言ってお辞めになった方がおりました。大臣も、うっかりといえばうっかり、あるいは確信犯なのかよく分かりませんが、オープン・ザ・ドアのところで堂々と言ってのけたら、間接的であってもこれは世間に伝わるんですよ。そういう意味では、そのおつもりでいるのかなと、こう思うんですね。
 もとより、TPPについては、私も日本維新の会も、これはトータルで賛成です。いろいろあるんですが、グランドトータルとしては賛成ですが、問題は、さきの安保法制みたいに強行採決で議事録も取れないようなああいうことでは民主国家の国会としては大いに恥じるべきであって、強行採決はやってはならないこと、抜いてはならない刀だというふうに認識をしていて、それを前提に賛成していくというふうに思いますので、どうぞ強行採決だけはおやめになってください。
 それでは、通告もしておりますから、大臣の所信に沿いながらちょっと質問入っていきますが、攻めの農業に関してです。
 安倍内閣は、平成二十六年度に日本再興戦略というものを策定しております。農林水産業を新たな成長産業として位置付けて、攻めの農林水産業として、さらに規制緩和や農業経営の大規模化あるいは機械化を進め効率化を図って、その上に国際競争力を強化していく、農林水産物の輸出額を一兆円にするという目標を掲げてまいりました。その間、一兆円目標は何か順調で前倒しもしたなんということを聞いておりますが、決して課題が解決されてのことではないと思うんですね。これから競争相手国もやってくるわけですから、課題は依然として多く抱える。
 その中で、知れたことですが、我が国の農業就業年齢が六十六歳と非常に高齢化をしている。これ、国民の高齢化と同時に万やむを得ないことだと思うんですね。したがって、後継者の確保が一番大事になるんですが、基幹的農業の就業者も二百万を割って百七十万前後を維持しているというような状況にあります。
 そこで、後継者問題も含めて、政府の統計を見ると、平成二十二年以降、新規の就農者が五万人を推移をしているということのようでありますが、この二十五年度の調査によると、この五万人が、生活が不安定である、将来が見込めないなどという不安から五年間でみんな離農していくんだそうですね。その割合は把握しておりませんが、手元にあるんだったらそれもお知らせしていただきたいと思います。課題の一つですよ。
 さらに、荒廃農地の利活用の状況、更なる省力化や生産効率の向上、五番目に農業所得の向上などなど連動する主たる課題があり、それらの課題は同時に解決を見なければ攻めの農業の展開はないと判断するんです、成功しないと判断します。
 そこで、政府が目標とした種々の目標がありますが、どの程度の進捗か、改善が見られたかをまとめてお答えいただきたいと思います。
#122
○国務大臣(山本有二君) 委員御指摘の課題の認識及びその進捗というところでございます。
 我が国のまず農業は、生産者の高齢化、耕作放棄地の増大、なかなか難しい問題が山積しております。農業の活性化は待ったなしの課題でございます。この農業の成長産業化というのは、なかなか、言うはやすく行うは難い大変難しい問題でございます。しかし、これらを認識しながら、同時並行的に課題解決に向き合っていかなければならぬという覚悟をしておるところでございます。
 具体的には、農業従事者の高齢化と後継者問題について、六十五歳以上が約六割、四十代以下は約一割と著しくアンバランスな年齢構成を是正するため、経営開始直後の所得確保を支援する青年就農給付金や、農業法人等の雇用就農者の研修に対する支援などの施策を総合的に実施をしております。直近では、四十代以下の新規就農者が十九年の調査開始以降で最も多い二万三千人となったところでございます。
 次に、耕作放棄地の活用でございます。
 荒廃農地のうち農用地区域内の再生利用目標は、平成二十七年から平成三十七年までの十一年間で合計四・五万ヘクタールとしているわけでございますが、二十七年に農用地区域内で再生利用された荒廃農地、暫定値では〇・七二万ヘクタールとなっておりまして、目標に対しまして一六%と高い進捗率となっております。
 次に、省力化と生産効率の向上についてでございます。
 ICTやロボット技術の活用等を進めておりまして、二〇二〇年までに、農林水産業、食品産業分野におきまして省力化などに貢献する新たなロボットを二十機種以上導入することを目標といたしておりまして、この目標に向けた研究開発が導入実証を実施しております。
 また、農業者の所得の向上についてでございますが、新たな需要の取り込みや生産性の向上、高付加価値化などの取組を行っていくことが必要でございまして、これまでも、アジアを中心に拡大し続ける世界の食市場の需要を積極的に取り込むための輸出拡大、担い手への農地集積によりコスト削減を実現する農地中間管理機構の創設、六次産業化の推進による付加価値の向上など、農政全般にわたる抜本的な改革を行ってきております。
 これらの課題に取り組むことにより農業の成長産業化を実現してまいりたいと望んでおります。
 以上でございます。
#123
○儀間光男君 これからの話ですから、後継者問題等、今言った含めて、解決を見るかどうかよく分かりませんけれど、その対策をもっともっと具体的にやっていかないと、次に出てくる農家不安を解消できないと思っているんですね。
 そういうことも含めて次へ進みたいと思いますが、少子化時代になって食料需要が変化していきますね。人口が減ると食料市場が小さくなっていく、当たり前の話なんです。そこをどうやっていこうかというと、皆さんはTPPを批准を前提にして、拡大していく世界の、アジアの食市場へ進出するんだというようなことを決まり文句になって言うんですが、この所信にもありますように、国内の食市場が縮小する一方、アジアを中心とした世界全体の食市場の拡大が見込まれる中で、農林水産業が成長産業となるため海外へ出ていく、これが不可欠だとされておるんですが、これね、皆さんそうおっしゃって、今、櫻井委員からもありましたが、掛け声ばかりのような感じがするんですね、具体性に欠ける。
 なぜなら、皆さんが具体的に農家へ説明するんだったら、農家の不安は解消しますよ。全体とは言わぬけど、かなりが解消。この私も八月、九月、いろんな農家を回ってきました。TPPに関することで農家が不安解消したというのは少ない、ほとんど不安だらけですよ。これを思ってやらぬといけないと思うんですね。
 それに対して、皆さんはアクションプログラムだといって七つのプログラムを持つようでありますが、例えば、情報の一元化を始め、日本産の品質の良さを世界に伝える、ライバル国に負けないような品質、戦略的販売をやる、農林漁業者自身が海外においての販売拡大拠点を設けるサポートをする、これは外国でのことでしょうけど。さらには、既存の規制を見直して、国内卸売市場を輸出拠点にしたいと、こういうんですね、これもよく分かりません。諸外国の規制緩和・撤廃のため、省庁横断のチームをつくって戦略的に対応する、これもよく見えてきません。国内の輸出関連手続の改革等々を示していらっしゃるのですが、例えばという話でもってこの七つのアクションプログラム、これの説明をやっていただきたいと思います。
#124
○大臣政務官(矢倉克夫君) 冒頭、儀間委員からのお言葉、しがらみのない発想で、生産者の所得向上に向けて期待をしているというお声であったかと思っております。しっかり受け止めて頑張りたいと思います。
 その一つが今委員から御指摘のあった輸出であるかと思います。
 今御指摘もありましたとおり、先ほど御答弁もした本年五月の農林水産業の輸出力強化戦略で七つのアクションというふうにまとめたところでございます。
 例えばというところでございますが、まず、情報の一元的提供につきましては、輸出先国でのプロモーション等のイベント七百件を集約したイベントカレンダーの公表や作成などをしております。
 二番目の日本産の品質の良さを世界に伝えることということについては、例えば、国連総会時に総理により日本食、食文化のレセプションの実施、輸出については当然食文化も、例えばおにぎり文化であったり、そういうものも広めるという部分も必要かと思っております、そういったもののプレゼン。アフリカのTICADでも日本食を各国の大統領に食していただくというような機会もございました。
 戦略的販売ということでありましては、例えば香港ですが、青果物のリレー出荷の取引の実施です。産地ごとにばらばらで今までやっていたものを、重複したりとかしたところでありますが、それをしっかりとリレー的に行うというような取組もしております。
 海外においての販売拠点を設ける取組でございますが、これ海外での産直市場を設置をして、日本から生産品や一次加工品等を直接輸出、加工……
#125
○委員長(渡辺猛之君) 時間が来ておりますので、簡潔な答弁をお願いします。
#126
○大臣政務官(矢倉克夫君) 失礼いたしました。
 販売する等取組を、その他様々、国内の卸売市場の拠点等でございますが、埼玉の園芸市場の欧州バイヤーが買受人となるような取組、全て様々具体的に進行しているところでございます。
#127
○儀間光男君 どうぞ期待をしますから、頑張ってくださいね。お願いいたしまして、終わります。
 ありがとうございました。
#128
○森ゆうこ君 森ゆうこでございます。三年ぶりに戻ってまいりました。初めて質問させていただきます。
 まず冒頭、質問に入ります前に、私の方からも、この度、三笠宮様の御逝去に際しまして、謹んで哀悼の誠をささげたいと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、強行採決発言についてでございますけれども、私は、大臣のこの御発言、到底許すことはできない、立法府に対する重大な挑戦であるというふうに考えます。辞任すべきであると思いますけれども、大臣、辞任するお考えはないんでしょうか。
#129
○国務大臣(山本有二君) これまでの発言を撤回し、おわびを申し上げたところでございます。
 また、私の進退につきましては、職責を全うし、この任を進めていきたいというように考えております。
#130
○森ゆうこ君 大臣は、何が問題なのか、先ほど紙議員の質問に答弁されましたけれども、この御発言の問題点がお分かりになっていらっしゃらないようですけれども、何が問題なんでしょうか。
#131
○国務大臣(山本有二君) 現在、TPPの国会審議が行われております。この審議に当たって、私の立場は、あくまでTPPの合意内容について丁寧に御説明申し上げ、かつまた、御異論があるならばその点について懸命にまた説いていくというような任務を負っております。その立場にもかかわりませず強行採決という言葉を申し上げたこと、これは不用意でございます。軽率でありました。その点をおわびを申し上げたいというように思っております。
#132
○森ゆうこ君 日本国憲法第四十一条、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」。法律を決めるのは国会です。行政府が決めるのではありません。国会に定められた国権の最高機関に対する重大な冒涜であると、そのことを認識していらっしゃらない大臣は私は辞めるべきであると再度申し上げたいと思います。
 自民党のTPP衆議院の特別委員会の理事福井さんはお辞めになったのに、大臣はなぜ辞めないんですか。
#133
○国務大臣(山本有二君) 私の発言を撤回し、おわびを申し上げ、また国会審議につきましては緊張感を持って丁寧に対応してまいる所存でございます。今後は大臣の職責を懸命に全うさせていただきます。
#134
○森ゆうこ君 辞任、いつかしていただけるんじゃないかなと思っておりますけれども。
 先般、十月十六日に投開票が行われました、私ども新潟県の新しいリーダー、知事が決まりました。この選挙において、原発再稼働を、是か非か、主な争点とさせていただきましたけれども、もう一つの大きな争点はTPPの問題でございました。
 この新潟県知事選挙におけるその民意をどのように受け止めていらっしゃいますか。
#135
○国務大臣(山本有二君) TPPの合意内容や国内対策の内容等につきましては、内閣官房及び農林水産省によりまして現場への説明を現在進めております。全体としては一定の理解をいただいたというように考えているところでございます。
 今回の新潟県知事選挙につきまして、TPPが主な争点であったかどうかについては多少御議論があるように思っておりますが、地元独自の様々な事情も他方あっただろうと、そう想像しております。その結果について一概に論評することは困難でございますが、いずれにいたしましても、TPPに対する生産者の農家の不安が払拭されますように、政府挙げて取り組んでまいりたいというように思っております。
#136
○森ゆうこ君 新潟はまさに米どころでございます。全体の生産量の八%程度を産出しております、お米ですよね。そういうことで、TPP本体そのものもそうですけれども、今般のSBS米、これに対する反発といいますか、怒りというものが私は大きかったというふうに思っております。選対本部長としてこの選挙全てに関わりましたので、県民の皆さんのそのような怒りを重く、強く受け止めてまいりました。舟山康江さんも応援に入ってくださって、主に農業者のところを回ってくださって同じように思ってくださっているというふうに思っております。
 民意に背いた政治は、近いうちに国民から断罪されるだろうというふうに思います。かつての第一次安倍政権のときのことを、あのときは年金の問題だったというふうに思っておりますけれども、いずれにせよ、安倍政権の政治が、特に地方の生活、産業、地方の人々の生活にとって何もいいことがないという、そのことが根底にあって、私は今回の選挙、私どもが勝利をさせていただいたというふうに思っておりますので、安易にTPPを強行採決で成立させようと私はなさらない方がいいというふうに御忠告を申し上げておきたいと思います。
 SBS米の問題について移らせていただきたいと思いますけれども、まず、この経緯について皆様に資料をお配りさせていただきました。この間の経緯を簡単にまとめさせていただいたんですけれども、改めて伺いますけれども、農水省はこの調整金についていつから知っていたんですか。
#137
○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。
 従来から大臣が御答弁されておりますように、この訴訟の関係で、私どもの担当者が、二十六年十月前後の時点におきまして、個別具体の訴訟に関連して事業者間の金銭のやり取りの存在を知っていたというのは事実でございます。しかしながら、この担当者は、訴訟につきまして、その情報につきましては課内で共有しておりましたが、業者間の金銭のやり取りの存在につきましては、SBS契約の履行という自らの担当業務以外の事項でございますので、民民の争いの一方の当事者がその立場を示したとの理解で、課内には情報は共有されておりませんでした。
 したがいまして、二年前に農林水産省の職員が業者間の金銭のやり取りの存在を知ったということではございますけれども、個別具体の訴訟に関連した状況の中の話でございますので、当時の農林水産省が組織として意味のある形で知ったというものではないというのは、従来から大臣も御答弁されているところでございます。
#138
○森ゆうこ君 息を吐くようにうそをつくというのはこういうことを言うんじゃないかなというふうに思いますけれども。
 この資料をお付けしておりますが、農水省が出された輸入米に関する調査結果についてのこの十六ページにメールの内容が添付されておりますけれども、(3)番ですね、今御説明のあったとおり、「民事訴訟を提起する意向を持っていることを課内で共有。」というふうに第一パラグラフの終わりで述べております。その後で、「一方、」ということで、今おっしゃったとおり、「民民間の争いの一方の当事者がその立場を示したという理解の下で、上司への報告をしなかった。」というふうに報告があるんですけれども、私、この報告、十六ページ、物すごい違和感ですよ。
 私も民主党政権時代に文科省の副大臣やらせていただいたので、政府の政務三役と役所の皆さんの情報共有の仕方、まあ農水省と文科省では違うのかもしれませんけれども、これだけ問題になっている。しかも、民事訴訟を提起する意向を持っていることを課内で共有した。課内で共有したのに、民事訴訟を起こす予定なんですってという報告だけで終わったんですか。そういう場合はどういう問題なのか、少なくとも最初の経緯から含めて、関連法規を含めて調べますよね。調べるというか、私は説明を求めましたよ。今の御説明は全く理解できません。
 大臣、どうですか、おかしいんじゃないんですか。前々から当然知っていたはずでしょう。
#139
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のように、この調整金なる存在、これを裁判の一方当事者から知らされたわけでございますが、こうした販売促進費などの金銭のやり取りが行われているという……(発言する者あり)
#140
○委員長(渡辺猛之君) 委員長の許可を得て発言してください。
#141
○国務大臣(山本有二君) 情報共有につきまして、私ども、裁判をしているという極めて強い利害関係がある一方当事者から一方的にお話を承って何か行政的判断をするというような認識ではなく、むしろここは抑制的にこの裁判の推移を拝見させていただかなきゃならぬというように、むしろこの裁判においては、我々は介入すべきではないという立場に立っているわけでございます。
#142
○森ゆうこ君 私が疑問を投げかけたのはそういうことではなくて、要するに、民事訴訟を提起する意向を持っている、訴訟になるというような案件であると、そういう報告を受けた。しかも、この経緯に書きましたけれども、当事者の福井精米というのはちょっと農水省からしたら札付きですよね。問題のある企業じゃないんですか、これ。そうしたら、何かあるんじゃないかと思って、どうなっているのか、何が問題になっていて法律的にはどうなのかとか、全体を聞きませんかと。全体聞かないんですか。じゃ、裁判の意向があるそうです、ああ、そうかで終わるんですか。
 簡単に言いますよ。こういう問題が役所から説明されるときに、裁判になりそうですという説明だけで終わるんですか。
#143
○政府参考人(柄澤彰君) この間の経緯につきましては、報告書の中でも御提示いただいていますように書いてございますが、この担当者につきましては、SBS契約の履行を確認することが、履行自体を担当している担当者でございました。したがいまして、この訴訟の中で争いが生じますと、このSBS契約の履行自体がなされるのかどうかということに関心が強くあったわけでございます。そういった中で、履行が確認されるかどうかというところについて一生懸命確認し、情報を共有しているということでございます。
#144
○森ゆうこ君 課内で共有したんでしょう、民事訴訟を提起する意向を持っていることを。課内で共有しているときに、その部分だけしか確認しないんですか。訴訟をするかしないか、します、しません、その部分しか確認しないんですか。事件の、この事案の全体像、何が問題になっているのか、どのような法令上の問題があるのか、そういうことを確認しないんですかと聞いているんです。
 確認しないんですね、ということは。農水省というのはその程度の情報の共有の仕方ということでよろしいですか。
#145
○政府参考人(柄澤彰君) 繰り返しでございますが、SBS契約の履行について確認していたわけでございます。必ずしも訴訟になるということだけではなくて、自分が担当していますSBS契約がしっかり履行されるかどうかということに強い関心を持って臨んでいたわけでございます。
#146
○森ゆうこ君 だから、訴訟になるという報告があったときに、ああ、そうですかで、それで終わるんですか、上司は。農水省の部局というのは担当者だけで、それは全体の情報を共有しないということでよろしいんですね。答えてください、きちんと。
#147
○政府参考人(柄澤彰君) その履行について確認する際に、一方当事者、この当事者につきましては調査報告にもございますが、米の産地偽装表示に関して不正競争防止法違反容疑で警察による家宅捜索を受け、かつ、その後、JAS法違反による罰金刑が確定している業者でございます。このような業者から、自らの立場につきましていろいろな主張をメールの中でしているわけでございますけれども、その中身を逐一共有はしていなかったということでございます。
#148
○森ゆうこ君 大臣、山本大臣、いいんですか、こういう情報の共有の仕方で。あり得ないですよ。
#149
○国務大臣(山本有二君) 情報共有の問題でございますが、この情報を受けた当事者は、これは上司に報告をしていませんでした。その意味において、私ども全体として省内でこの情報を共有し、また調査をするということには至っておりません。
 特に、繰り返しになりますが、訴訟の一方当事者からの一方的な情報提供でございます。中立を守るべき行政の立場といたしましては、これは何かメール等における情報で、逆に、対応をすることが抑制的にしなければならないという倫理が働いたと、私はそう思っております。
#150
○森ゆうこ君 矛盾していますよ。とにかく、一方で課内で共有していたと言い、この事案については、一方で部分的にしか共有していない。つまり、担当者が上司へここの部分だけは報告していなかった。これはどう考えてもおかしいと思いますけれども、こればっかりやっていられないので。後で虚偽答弁ということにならなきゃいいですけどね。
 で、政府買入れ価格の決定というのは一体どうやって具体的に行うんですか。具体的に。
#151
○政府参考人(柄澤彰君) まず、SBSの入札におけます政府買入れ予定価格につきましては、国際取引価格、海上運賃、為替等を考慮して適切に設定しております。
 実際の買入れ価格につきましては、これはあくまで入札の結果として決定するということでございます。具体的には、買入れ価格が、入札に書いてあります応札の価格が政府買入れ予定価格以下で、かつ売渡価格と買入れ価格の差、すなわちマークアップが大きいものから順次契約の相手方として決定されるわけでございます。
 なお、SBS米の入札につきましては、入札を行った当日又は翌日に産地、種類別に加重平均した買入れ価格及び売渡価格を公表しております。しかしながら、個別のSBS契約に係る取引価格については公表しておりません。
 これは、SBS方式による輸入は、輸入業者と買受け業者がペアとなって入札に参加する仕組みでございます。実質的に民間事業者間の直接取引でございますので、仮に個別のSBS契約に係る取引価格を公開すれば、輸入業者や買受け業者の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるということでございます。
#152
○森ゆうこ君 次の質問にも答えたわけですけれども。
 ここに米穀の買入れ・販売等に関する基本要領というのがあるんですけれども、そこを見ますと、SBSの七というところに、政策統括官は、ここ、資料は付けておりませんが、国際取引価格、海上運賃、為替等を考慮し、輸入米穀の産地、銘柄等ごとに買入れ予定価格を定めるというふうになっているんですけれども、輸入商社のSBS米の仕入価格、仕入価格を農水省というのはどのぐらいというふうに見ているんですか。
#153
○政府参考人(柄澤彰君) 基本的には、政府の、私どもが買います買入れ価格から輸入商社のマージンですとかあるいは海上運賃等の輸入に係るコストを差し引いた価格で仕入れようとするのが普通の輸入商社の行動であると考えておりますが、その際の輸入商社の具体的な仕入価格については行政としては承知していないところでございます。
#154
○森ゆうこ君 仕入価格がどれぐらいか分からなくて政府の買入れ価格を決めるということなんですか、確認ですけど。
#155
○政府参考人(柄澤彰君) 先ほど御指摘がございましたように、私どもの要領上、買入れ価格につきましては、国際取引価格、海上運賃、為替等を考慮した形で毎回の予定価格を定めているところでございます。
#156
○森ゆうこ君 ちょっとよく理解できないんですけれども。
 資料でこのカラーのやつをお付けをしております。これは農水省から出していただいた資料ですが、国産米の価格と米国産SBS価格との比較、このグラフを見たときにすごいなと思ったんですよ。すごいなって何がすごいかというと、例えば二十四年産米、これは十トン丸々買い入れているんですけれども、米国産、米国内の市場価格は六十三円なんですよ。六十三円ですよ。安いですね。で、政府の買入れ価格、百五十六円なんですよね。結構高いですよね。
 その今御説明のあったいろいろな船賃だとか商社のもうけとか、いろんなことを考えても、こんなに値段違うんですか。一体幾らで仕入れているというふうに農水省は考えていらっしゃるんですか、例えば。農水大臣、どうですか。
#157
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘がございましたこのグラフで申し上げますと、まさに二十三年、二十四年の頃は大変国内の需給が逼迫しておりまして、その関係で、このグラフにも表れていますように、ここで言います例えば銘柄一、銘柄二というようなものはかなり高水準にあったところでございます。
 そういった状況ですと、国内の実需者は、国内の適当な米の数量が簡単には手に入らないと、非常に逼迫しておる関係で、かなり高い値段でもSBSを調達しようという行動に出るわけでございます。したがいまして、例えば二十四年におきまして、平均価格でございますけれども、むしろ国内の価格より私どもが売り渡すSBSの価格の方が高くなっていると、そういう状況でございます。
#158
○森ゆうこ君 いや、SBS米の仕入価格を聞いているんですよ。輸入業者の仕入価格です。あえて答えずらしていませんか。輸入業者の仕入価格ですよ。国内の中で、SBSで今度輸入してそれを卸に売った、そういう金額じゃないんですよ。そもそも輸入業者が一体幾らで仕入れているのかということについて、先ほどは知る由もないというか関心がないというか、よく分からない答弁でしたけれども、一体幾らだと思っていらっしゃるんですか。
#159
○政府参考人(柄澤彰君) 私どもに売る価格は一体幾らで仕入れたのかということこそ、まさに商社のビジネスの一番機微に触れる部分でございます。商社というのは、シッパーという実際輸出してくる関係者から商談をしてできるだけもちろん安く買おうとするのが通常の商習慣だと思います。その中で、自らのマージンをできるだけ厚くするという行動を取っているのは誰でも知っている事実であると思います。
#160
○森ゆうこ君 誰でも知っている事実というのは、調整金というのはいわゆるバックマージンでしょう、いわゆるね。そうすると、米の特別な輸入だからと思って考えるといつまでたっても理解できないんだけれども、普通の国内のいろんな商取引の中でバックマージンが発生するという、いわゆる調整金みたいなものを出すということは、その背景に必ず、例えばそれが卸業者が小売に対してバックマージンを出すという場合には、仕入価格が極めて安い、あるいは生産者というか製造会社が通常に、先ほども櫻井さんの中でも出てきましたけれども、一般販売価格というものよりもその原価というものが極めて安い、要するに幅があってそこはどうにでもなると、そういう場合にそれを使ってバックマージンというか、いわゆるマージン、この調整金というものを出すわけですよね。
 そうすると、当然、この農水省の調査ですけれども、普通に考えれば、さっき紙さんから調査項目という話がありましたけれども、まず、本当に仕入価格ってどの程度なのか、それから、そういういろんな経費を引いて、この政府が設定してきた買入れ価格、これでどれぐらいの、何というか、利益というよりも財政的に余裕ができるのかということをきちっとそれぞれの段階で金額を確認しないと、なぜ調整金が生まれたのか、一体調整金というのは幾らなのか、アメリカのお米をそのまま入れちゃうと一体幾らなのかということが分からないじゃないですか。それを解明しない限り、生産者、農業者の不安は当然払拭されないと思いますよ。いかがですか。大臣、答えてください、たまには。
#161
○国務大臣(山本有二君) 政策統括官がお示しいたしましたように、国際取引価格の推移でグラフに提示をさせていただいておりますように、公表するわけでありますから当然認識はございます。また、この価格でありましても、海上運賃あるいは為替リスク等の考慮をしなければなりませんし、また産地、銘柄等でもなかなかそう一律に答えられる話ではありません。
 というようなことで、輸入業者も二十七業者、五年間であったわけでございますが、一業者は廃業しているわけでございまして、言わば輸入業者の利ざや、利回りというものに対して私どもが調査する立場ではないにしましても、だから、この価格であるがゆえに調整金が自動的に発生するというようには考えないところでございます。
#162
○森ゆうこ君 今の資料の七ページですけれども、国産米の価格が比較的高い年はSBS輸入の枠数量の全量が輸入されている一方で、国産米の価格が低い年ほどSBS米の輸入量が減少しているというふうに、これ分析ということで書いてありますから分析なんでしょうけれど、どういう分析ですか。意味がよく分からないんですけど。
#163
○政府参考人(柄澤彰君) 今御指摘いただきましたこの調査結果の七ページでございます。ここのページにおきまして、国産米の価格とSBS米の輸入量を比較した分析を行ったわけでございます。この分析において言いたいことは二つでございます。
 一つは、国産米の価格水準が比較的高い年、二十三年、二十四年というような年におきましては、国産米の需給が締まる中で中食、外食などの国産業務用米の需給も締まっておりまして入手しづらいということから、国内の実需者は手頃な価格の国産米と同等の水準で調達可能なSBS米を求めるために、結果として枠いっぱいの十万トンの輸入が行われているわけでございます。
 一方、国産米の価格水準が比較的低い年、二十五年以降の状況を見ますと、国産米の需給が緩んでおりまして、国内の実需者はSBS米を使用するメリットが少なくて、そもそも応札の数自体が非常に減ってくると。次の八ページ以降に示してございますが、応札の数自体が少なくなってまいりますので、結果として枠数量が埋まっていないと。
 これを考えますと、SBS米の輸入によりまして国産米価格が影響を受けているということではなくて、むしろ八百万トン流通しております国産米の需給、価格水準の動向によりまして十万トンに限定しているSBS米の輸入量が影響されているということが分かるわけでございます。
#164
○森ゆうこ君 その結論が、何か笑ってしまったんですけど、何でそういう結論になるんですか。
 つまり、国内のお米がだぶついている、価格が安いときにはSBS米の需要がないって今説明したじゃないですか、自分で。安いから需要がある、国産米の価格が安くて量があるときには需要がない。だから、新聞に書いてあるとおりですよ、最後に付けた。「商社「安いから」」、これだけですよ。
 なぜこれで、大臣、何にもその影響試算に影響がないと言っているんですか。
#165
○国務大臣(山本有二君) 御承知のとおり、国内市場は八百万トンでございます。SBS米の量につきましては、多くて十万トンというように限定をされております。その間における価格の決定メカニズムは大きい方の国内産価格によるというようなことは、もう御承知おきのとおりでございます。また、業務用米におきましても、作付けで、国内産の業務用米も需給の中で供給をされるように二十二年からつとになってきておるわけでございます。
 そんな中で、SBS米の存在というのは、国内産の逼迫感、つまり業務用に使うお米が少なくなったときに多く輸入されるということになるわけでございます。
#166
○森ゆうこ君 だから、大臣、最後におっしゃった言葉どおりですよ。業務用のお米、つまり安くなければ使えない、そのお米が足りないときにSBS米は出ると。つまり、安いからなんですよ。SBS米の影響は価格に影響を与えるんですよ。どうしてそれを否定するのかが分からないですよね。結論が全然違う。そこの説明までいいんだけど、最後結論ねじ曲げちゃっているんですよ。で、何の説明にもなっていないと。
 私どもは、新潟県、米どころです。死活問題です。備蓄米で、その十万トンを、国産米を備蓄米で買い入れるからいいんだと言うけど、それは比較的高めの……
#167
○委員長(渡辺猛之君) 時間が過ぎておりますので、質疑をおまとめください。
#168
○森ゆうこ君 高めの国産米は備蓄米で買い受ける。しかし一方で、安いSBS米十万トン、七万トン更にプラスして出回る。これでは更にお米の値段が安くなるということを申し上げて、質問を終わります。
#169
○進藤金日子君 自由民主党の進藤金日子でございます。
 本日は、委員長、理事の皆様方、多くの同僚、先輩議員の皆様方の御配慮によりまして質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 貴重な時間でございますので、早速質問に入りたいと思います。
 まずは、農業農村振興の土台を支える土地改良に関しての質問であります。
 土地改良については、大臣所信の御発言の中で、地域全体の収益力向上に向けた体質強化対策の中にしっかりと位置付けられていると認識しておりますけれども、この土地改良、やはりこの事業の内容や効果について誤解をしている方々が多いのではないかというふうに感じております。私はその一因の一つとして、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の関連対策、いわゆるUR関連対策への評価であると考えております。土地改良事業と農業農村整備事業と農業土木というものへの理解や認識が混乱している気がしているわけであります。
 そこで、今回、UR関連対策とTPP関連対策との関連において、土地改良事業と農業農村整備事業と農業土木の整理表を作成いたしました。お手元の資料を御覧いただきたいと思います。
 土地改良事業とは厳密には土地改良法という法律に基づく事業でありまして、農業農村整備事業とは土地改良事業を核とした予算費目上の事業名称であります。この両者は一般的には同義語として用いられておりますけれども、近年は農業集落排水事業などの農村整備分野が少なくなってきておりまして、本来の土地改良事業のウエートが大きくなってきております。なお、お手元の資料にある農山漁村地域整備交付金は、本来農業農村整備事業に含まれていた事業が平成二十二年度に交付金として分離されたものでありまして、実質的には農業農村整備事業と一体と捉えて差し支えないものでございます。
 また、農業土木というのは、資料にありますように、学問分野や技術分野の名称でありまして、各種事業を技術的にサポートする農学的、工学的知見のみならず、合意形成や権利調整などの社会学的な知見も融合しているわけであります。
 ここで御留意いただきたいのが、UR対策での公共事業としての土地改良事業には温泉施設は含まれていないということであります。これらは別事業なのであります。ここを明確にすることが私は大切ではないかと思います。UR関連対策を評価する際には、UR関連対策イコール土地改良事業あるいは農業土木という一般的な誤解があって、そのことがTPP関連対策を議論する際の土地改良事業の誤解につながっている。つまり、土地改良事業といえば、温泉施設を造ったり農業の生産性に直接関係ないものも含まれているんじゃないか、農業の体質強化につながらない旧来型の公共事業のばらまきといった誤解につながるものだと思うわけであります。
 そこで、お尋ねいたします。UR関連対策における土地改良事業の評価について、実際の事業効果をお聞かせいただきたいと思います。
#170
○国務大臣(山本有二君) 御専門の委員のこの表の整理、非常に分かりやすく感心させていただきました。また参考にさせていただきます。
 また、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意関連対策、UR関連対策におきましては、農業農村整備事業のうち土地改良事業として、平成七年から十四年までの間、農業の生産性向上等に資するために使われました、行われました。農地の大区画化等の圃場整備、あるいはパイプラインや畑地かんがい施設の整備等のかんがい排水等の事業を行ったものでございます。
 そのうち、例えば圃場整備実施地区におきます例でございますが、担い手の経営規模が二・九ヘクタールから七・二ヘクタールへと、二・五倍に拡大しております。また、十アール当たりの担い手の稲作労働時間が五十六時間であったものが二十時間へと、約六割短縮することができました。こうした効果を考えていきますと、担い手の規模拡大やコスト削減など、農業の体質強化に大きな効果を上げてきたものというように評価をしております。
 農業農村整備事業といたしましては、このほか農山村地域の活性化の観点から、農業集落排水事業によりまして、中山間地域二千三百七十四集落、ここで行いました農業集落排水事業によって六十四万人の汚水処理施設を整備するなどの生活環境を向上させることができました。言わば農村におけるお嫁さん対策等については、かなり実を上げたものと評価をしているところでございます。
#171
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 UR関連対策につきましては、二〇一四年二月に東京財団が公表した、ウルグアイラウンドと農業政策、過去の経験から学ぶという政策研究成果などを十分踏まえて客観的に評価することが大切だというふうに思います。
 そこで、今回のTPP関連対策におけます土地改良事業の位置付けと期待される効果をお聞かせいただきたいと思います。
#172
○国務大臣(山本有二君) まず、TPP関連対策におきます土地改良事業でございますが、総合的なTPP関連政策大綱に基づいて行われております。
 まず、担い手への農地集積、集約化を加速すること、生産コストを大幅削減するために農地の更なる大区画化を図っております。また、高収益作物への転換を促す水田の畑地化、汎用化や畑地、樹園地の高機能化、さらに畜産クラスターを後押しする草地整備等の農業の体質強化に直結する生産基盤の整備に特化し、支援を行っているところでございます。
 また、事業の実施に当たりましては、米の生産コストの低減や高収益作物への転換による生産額の増加といった成果目標を明確にしておりまして、その達成が見込まれる先進的な取組に対して支援を行っているわけでございます。
 二十七年度のTPP関連対策の実施地区におきまして、六十キログラム当たりの米の生産コストで現況から約五割減の九千三百七円までの低減、あるいは、野菜等の高収益作物の生産額における一地区当たり三億九千万円から四割増の五億四千万円への増加等が見込まれております。
 平成二十八年度二次補正予算におきましてもTPP関連対策予算を一千三十億円計上いたしておりまして、攻めの農林水産業への転換に向けた農業の体質強化を更に進めたいと考えているところでございます。
#173
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 TPP関連対策に限定すると、あたかもTPP関連対策に位置付けられている土地改良事業のみが優等生であって、毎年当初予算で行われている通常の土地改良事業が必要性が低いんじゃないかというような感触を与えてしまうと問題でありますので、土地改良事業全体におけるTPP関連対策の位置付けと今後の土地改良事業全体の展開方向をお聞かせいただきたいと思います。
#174
○国務大臣(山本有二君) 土地改良事業におきますTPP関連対策は、攻めの農林水産業への転換に向けた農業の体質強化を推進していくものでございます。米の生産コストの低減や高収益作物への転換による生産額の増加といった具体的な成果目標の達成が見込まれる先進的な取組を支援していくものでございます。
 他方、土地改良事業全体についてのお話でございます。TPP関連対策に含まれる産地収益力の向上や担い手の体質強化のための農地整備だけではなくて、老朽化が進む農業水利施設の戦略的な保全管理と機能強化、特に豪雨や地震などの災害に対する地域の防災・減災力の強化、こういったものを今後展開方向として重要だと考えております。このことを踏まえて、豊かで競争力のある農業や強くてしなやかな農業、農村、これの実現に向けまして土地改良事業を計画的に推進してまいりたいというように考えておるところでございます。
#175
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 土地改良事業に関しましては、予算は本当に不足しているわけであります。これは、平成二十二年度予算におきまして対前年度比で約六三%と大幅に削減された後遺症がまだ癒えないためであります。最近徐々に予算が回復してはいるんですけれども、安定的な予算として特に当初予算の確保が重要であります。
 農林水産省として、土地改良事業のニーズはどの程度と見込んでおり、今後どのように予算を確保していくのか、具体的方針をお聞かせいただきたいと思います。
#176
○政府参考人(佐藤速水君) 本年八月に策定いたしました土地改良長期計画におきましては、計画期間でございます二十八年度から三十二年度までの五年間におけます目指すべき成果目標並びにそれを達成するために必要となる事業量を設定しております。例えば、産地収益力の向上に関しては、高収益作物への転換による所得向上ですとか生産コストの低減を実現するような成果目標を設定いたしまして、それに必要となる水田の汎用化、大区画化を行う面積、また、水利施設の戦略的な保全管理と機能強化に向けた成果目標を設定いたしまして、それに必要となる更新に着手する基幹的農業水利施設の延長などを設定しているところでございます。
 こうした成果目標の達成に必要な事業の計画的な推進に向けまして、当初予算や補正予算などあらゆる機会を捉えて必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#177
○進藤金日子君 次に、林業についてお尋ねしたいと思います。
 我が国の地球温暖化対策におきまして、森林吸収源対策は極めて重要な役割を担っております。今後、間伐や伐採後の再造林を着実に推進することによりまして吸収目標を達成する必要がございます。このためには、早急に安定的な財源を確保する必要があります。是非とも森林環境税、これは仮称でございますけれども、この早期実現を強く要望したいと考えております。
 財源不足の中で林業関係者は苦慮しているわけでございますけれども、林業の成長産業化を実現していくことが喫緊の課題となっております。そこで、林業の成長産業化に当たりまして、主伐、再造林の一体的実施などによる森林資源の循環利用と齢級構成の平準化の促進につきまして、今後の具体的な支援の方針をお聞かせいただきたいと思います。
#178
○副大臣(礒崎陽輔君) 戦後造林いたしました人工林が本格的な利用期を迎えておりまして、森林資源を循環的に利用していくことが重要でございまして、そのためには特に伐採後の再造林の確保が重要であります。
 このため、農林水産省におきましては、森林整備事業による主伐後の再造林に対する補助を行うほか、コンテナ苗を活用した一貫作業システムの導入の推進、鹿被害に対する防護柵の設置や捕獲活動に対する支援などに取り組んでいるところでございます。あわせまして、再造林された森林の気象災害等への対策として、森林保険の加入促進にも努めているところでございます。
 今後、こうした対策により、森林資源の循環的利用に努めてまいりたいと思います。
#179
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 次に、水産についてでございますが、やはり大臣の所信、御挨拶にありましたように、浜の活力再生プランと広域浜プランの策定、実践、極めて重要と考えております。その中で、広域浜プランに関連する水産業競争力強化緊急事業、これ、現場から漁船のリース事業や機器等の導入に予算が不足しているという声を多く聞くわけであります。この切実な声には是非とも真っ正面から受け止めていただきたいというふうに考えております。
 そこで、水産業競争力強化緊急事業について、現時点での評価と今後の具体的な対応方針をお聞かせいただきたいと思います。
#180
○副大臣(礒崎陽輔君) お答えいたします。
 水産業競争力強化緊急事業は、総合的なTPP関連政策大綱に即しまして、複数の浜の機能再編、中核的担い手の育成等を推進する広域浜プランの策定と当該プランに基づくリース方式による漁船の導入などの水産業の体質強化の取組を一体的に支援するものでございます。本事業は、平成二十七年度補正予算において二百二十五億円を計上したところでございますが、非常に要望が高いことから、平成二十八年度補正予算においても増額し、二百五十五億円を措置しているところでございます。
 なお、広域浜プランについては、来年度末までに百七十地域・業種での策定を目指しており、現在のところ八十三プランが承認されているところでございます。
 今後とも、政策大綱に基づき毎年の予算編成の過程で必要な予算の確保に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#181
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 私は、土地改良は日本の命綱だと、また、農山漁村、これも日本の命綱だと訴えるわけでございます。やはり農山漁村の振興なくして我が国の国土の維持はできないのであります。この点を強調させていただきまして、私の質問を終えたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
#182
○委員長(渡辺猛之君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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