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2016/11/17 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 法務委員会 第8号
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2016/11/17 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 法務委員会 第8号

#1
第192回国会 法務委員会 第8号
平成二十八年十一月十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十六日
    辞任         補欠選任
     猪口 邦子君     朝日健太郎君
     小川 敏夫君     石橋 通宏君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     猪口 邦子君
     石橋 通宏君     小川 敏夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         秋野 公造君
    理 事
                西田 昌司君
                山下 雄平君
                真山 勇一君
               佐々木さやか君
    委 員
                朝日健太郎君
                猪口 邦子君
                中泉 松司君
                古川 俊治君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                元榮太一郎君
                柳本 卓治君
                有田 芳生君
                石橋 通宏君
                小川 敏夫君
                仁比 聡平君
                高木かおり君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   国務大臣
       法務大臣     金田 勝年君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  井野 俊郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤本 康二君
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
       外務大臣官房審
       議官       大菅 岳史君
       外務大臣官房審
       議官       宮川  学君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉本 明子君
       厚生労働大臣官
       房審議官     中井川 誠君
       厚生労働省職業
       安定局次長    大西 康之君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   宮野 甚一君
       経済産業大臣官
       房審議官     三田 紀之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生
 の保護に関する法律案(第百八十九回国会内閣
 提出、第百九十二回国会衆議院送付)
○出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法
 律案(第百八十九回国会内閣提出、第百九十二
 回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、小川敏夫君及び猪口邦子君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君及び朝日健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省入国管理局長井上宏君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(秋野公造君) 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。
 今日は法務委員会で質問の機会をいただきました。先週の厚生労働委員会との連合審査で質問に立たせていただきまして、大臣ともいろいろやり取りをさせていただきました。そのとき、恐らく最後の質問になるだろうなと申し上げたんですが、今日またこうして法務委員会で機会をいただけたこと、真山理事にも感謝を申し上げたいと思います。
 今日、いよいよ最後の質問の機会になると思いますので、積み残しの課題、最後にやはり確認をさせていただかなければいけない課題等について改めて取上げをさせていただいて、とにかく、るる法務委員会でも議論されてきたと思いますが、何としても実習生の本当に保護を確実にしなければいけないと、まさにそれが今回の法案の意義でありますので、それをいかに担保するかという観点で質疑、やり取りさせていただきますので、是非、大臣始め積極的な答弁お願いしたいと思います。
 初めに、介護の職種追加について確認をさせていただきたいと思います。
 私、やっぱりおかしいという、なぜこれ法律の施行と同時に介護の職種追加をするのかということについてやはり納得がいかないですね。これ、検討会の中間まとめでも、介護の職種追加については三点の要請ということで、三点の条件というか要件が示されているわけです。介護職のイメージ低下を招かない、労働環境の改善の努力が損なわれない、そして利用者の不安を招かない、これ当然ですね。初めて対人サービスとして介護の追加をすると。これ、人の命に関わる話です、介護は。そういう意味で、この三要件をしっかり満たす、これ当然のことだと思います。であれば、当然この法案にある適正化策をきちんと実行していただいて、その上でこの三要件が満たされたかどうかを判断をされてから職種の追加を本来決めるべきだというふうに改めて思うわけです。
 大臣に是非確認をしておきたいと思います。閣議決定はありますが、この三つの要件、条件、これ、これまでの政府答弁でもちゃんとやらなきゃ駄目だという政府答弁をされておりますので、この三つの要件が満たされなければ、施行までに、そのときには職種追加はしないということでよろしいですね。
#7
○副大臣(橋本岳君) 今お尋ねの件でございますけれども、技能実習制度への介護職種の追加に当たっては、施行までにその介護サービスの質の担保など、先ほど三つの要請をお話しいただきましたけれども、そうしたことを、介護サービスの特性に基づく要請に対応できる環境を整えた上で職種追加を行いたいと考えているということでございます。
 ただ、同時に、ASEAN諸国等において、高齢化が今後進展をしていき、こうした技術の移転について大変ニーズもあるというふうに考えておりますので、できるだけ迅速に行うべきということも併せて思っているところでございます。
#8
○石橋通宏君 副大臣、整えた上でと言われましたので、整わなければ追加はしないということでいいですね。
#9
○副大臣(橋本岳君) 介護サービスの特性に基づく要請に対応できる環境を整えられるように、介護関係団体とも連携をしながら具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。
#10
○石橋通宏君 答えていただいていませんが、努力をされるのは、それはそうです。閣議決定でそういうふうにしているわけですからね。しかし、整えた上でと言われたわけですから、整わなければ整うまでしっかり協議、整い方を続けていただいて、その上で職種追加をする、整わなければ職種追加はしない、それでよろしいですね。
#11
○副大臣(橋本岳君) 重ねてのお問いになりますので、きちんと整えた上で職種追加を行いたいと申し上げているのはそのとおりでございます。
#12
○石橋通宏君 ありがとうございます。確認をいただいたと思います。整わなければ職種追加はしないんだ、整えるために努力を続けるんだということで答弁をいただきました。
 それでは、副大臣、この三つの要件、どういった要件、条件を客観的に満たせば整ったというふうに判断されるんでしょうか。
#13
○副大臣(橋本岳君) この三つの要請というもの、先ほど御紹介をいただきました、介護職に対するイメージ低下を招かないようにすること、日本人労働者の処遇、労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること、介護サービスの質の担保をするとともに、利用者の不安を招かないようにすること、これが厚生労働省において介護分野の有識者に参集いただいた外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会の取りまとめで示されたところでございます。
 それにどう対応するのか、客観的なことはあるのかというお問いでございますけれども、その検討会の取りまとめの中で、これらの要請に対応するために、例えば必要なコミュニケーション能力の確保、適切な実習体制の確保、日本人との同等処遇の担保、監理団体による監理の徹底などなどについて技能実習制度本体の見直しによる対応に加え、介護固有の具体的な方策を併せ講じることにより対応することが適切であるというふうにされております。
 その具体的に今申し上げたそれぞれの項目について、必要なコミュニケーション能力であれば、一年目、入国時はN3程度が望ましい水準、N4程度が要件、二年目はN3程度が要件であるとか、適切な実習体制の確保であるとすれば、例えば受入れ人数の上限だとか人数枠の算定基準だとかなどなど、具体的な制度設計の考え方についてその検討会中間まとめの方でお示しをいただいております。
 そうしたことを、今後、新たな技能実習制度の政省令、あるいは介護固有の要件を定める大臣告示の制定を行うということになりますが、それに当たってはパブリックコメントも実施をし、広く国民の皆様の御意見を伺いながら、検討会で示された要請にどのように対応していくかについて国民の皆様にもしっかり説明を果たしていきたいと、このように考えております。
#14
○石橋通宏君 今副大臣から最後のところで述べていただいたこと、大変重要なポイントだと思います。とりわけ、利用者の不安を招かない、これはやっぱり利用者の方に意見をいただかないと、これは信頼ある形で技能実習やるのかどうか、これは分からないですから、しっかりと利用者の方の意見も聞いていただく、関係者の意見も聞いていただく、その意味で今パブコメという話もありました。様々な形があろうかと思いますので、しっかりと国民、関係者、利用者、当事者、意見が反映される形で最終的に客観的な判断をしていただく、そういう御答弁だったと思いますので、それを是非確保いただきたいと思います。
 もう一点、これ、一旦確認をして、仮に追加がされたと、追加がされて実際の介護での技能実習生の受入れが始まった、運用が始まった、その上でやはりこれ三つの要請が応えられていないことが判明した、つまりは利用者が不安を抱かれてしまった、様々な要件で。その場合には、職種を外すことは当然起こり得るということでよろしいでしょうか。
#15
○副大臣(橋本岳君) まず、その職種の追加という段階では、業所管省庁の同意の下、同一作業の反復のみではないこと、送り出し国のニーズに合致すること、実習成果が評価できる試験があることといった要件を満たしていることを確認をすることとしております。
 これは、具体的には、専門的、実務的な知見を有する外部有識者から成る専門家会議において、新たに追加を希望する職種の業界団体からこれらの点について適切な資料を用いて説明していただいた上で、同会議としての意見を聞くこととしております。
 御指摘のように、一度追加された職種について、例えば特定の職種で来日する実習生が著しく少数になるとか、技能評価試験を適正に実施できる体制がもはや維持できなくなるなど、先ほど申し上げました当初の要件を引き続き満たしているかどうかについて疑義が生じた場合には、必要に応じ専門家会議の意見を聞いた上で適切に判断をしてまいる、このようなことになろうかと思います。
#16
○石橋通宏君 済みません、要件満たさなければ外すことはあるということでよろしいですね。
#17
○副大臣(橋本岳君) 今申し上げた要件といいますのは、技能実習の追加の段階での要件、すなわち、同一作業の反復のみではないこと、送り出し国のニーズに合致すること、実習成果が評価できる試験があることといった要件について疑義が生じた場合ということでございます。
#18
○石橋通宏君 今、その点も含めて言われましたので、これやっぱり様々、同意のときの要件として先ほどの三つの要請というのがあるわけです。利用者の不安、この辺は非常に重要な点だと思います。是非、そこも含めて、やはりこれ、介護の分野で実習をこれはやっぱり目的を果たすということが難しいということになれば、それはちゅうちょせず見直しをするということだと思いますので、それは重ねてお願いをしておきたいと思います。
 その上で、今、日本語要件の話をされました。これまでも政府答弁で、入ってこられるときにはN4、そして二年目に移行する段階でN3ということで答弁があったと思いますが、これ、私は個人的にも客観的にもこのN3レベルで二年目ということも含めて十分だとは到底思えません。
 検討会でも、やはりN2程度が必要なのではないかという御意見はあったと聞いておりますし、私も実際に日本語能力試験のホームページに行きまして問題をやってみました。N4、N3、N2、これやっぱりN2レベル必要なんじゃないかというふうに、私も改めてその試験問題集をやりながら感じました。
 その点で一つここで特に引っかかったのが、この日本語能力試験って、現行のやつって、読む、聞くという判定はあるんですけど、話す、書くってないんですね。介護の現場で、命に関わると先ほど申し上げましたけれども、これも中間取りまとめの議論やこれまでの政府答弁でも、やはり書いて伝達すること、きちんとした情報を伝える、記録を残す、それは重要な介護の一つの役割ですという答弁もあったはずです。にもかかわらず、この能力試験には書く、話すという試験がありません。
 これ、甚だ不十分なんじゃないでしょうか。これでどうやって介護の分野、対人サービス、命を預かる、それが確保されるのか。全く不十分と言わざるを得ないと思いますが、これ、書く、話す、どうやって基準設定するんですか。
#19
○副大臣(橋本岳君) 先ほど御指摘をいただきましたように、日本語能力試験では、言語知識、読解、聴解の三つの要素によりコミュニケーション能力を測るものというふうになっているようでございまして、話したり書いたりする能力を直接測る試験項目はありませんというふうにされているところでございますが、おっしゃるように、介護の現場で、話す、書くという能力も当然あってほしいものだということは十分に私たちも理解をするところでございます。
 実際、今、現時点でいえば、その各々の介護現場での記録方法が異なることなどもあり、介護の技能実習生の書く能力を確認する観点から実習生の介護記録そのものを一般的な試験で評価することは困難であるという状況ではありますが、記録は介護業務を進める上で必要な能力でございますし、技能実習において実践されるものであります。
 このため、技能実習制度の趣旨に沿って、各年の技能の到達水準に応じ、記録の技能も含めて総合的に介護の技能が移転されているかの適切な評価がやっぱりしなければならないというふうに思っておりまして、それは、今後の公的評価システムの構築の過程の中でそうしたものを具体的に検討してまいるということになります。
 当然ながら、これは各段階のその評価をする、要するに基礎一級とか基礎二級とかそういうのを受けていただくわけですが、そうした評価システムというものをきちんとセットした上で職種追加をするということになるわけでございますから、それまでにそうしたことをきちんと構築をするということで具体的に検討するということでございます。
 加えて、入国後の講習において介護現場で用いられる用語や表現も含め日本語学習を行うとともに、実習実施機関において技能実習計画書に日本語学習計画を盛り込むことなどにより、書く能力も含めて、技能実習の現場で通用する日本語でのコミュニケーション能力が確保できるようにしてまいりたいと、このように考えております。
#20
○石橋通宏君 今、書く能力もこれ必要な能力だということはしっかり認めた答弁をいただいたと思いますし、やっぱりばらばらな基準で、それは現場でいろんな必要な能力どこまで、それはいろいろありつつも、やっぱり標準的な書く能力、これどこまではやっぱり最低限担保されなければいけないんだ、これはしっかりと国で基準を作っていただいて、この能力試験では駄目ですから、やっぱりちゃんと新たな基準をしっかりと施行までに、介護を入れるまでに作っていただいて、その上でそれを現場で徹底していただくというメカニズムをこれしっかりと国の責任としてやっていただきたいと思いますので、それはしっかり検討すると、副大臣、しっかり検討するという答弁だったと思いますので、それは改めて要請をしておきたいというふうに思います。
 あともう一点確認ですが、副大臣、これまで介護報酬上の人員としての取扱いについてるる議論があって、政府からは今後の検討課題だと、検討するという答弁だったと思いますが、検討するということ自体おかしいですね。これ、人材不足を補う制度じゃないんですよね。これはあくまでニーズに応じて、これは国際協力、人材育成に貢献をさせていただくと。つまり、現場で人材が不足しているからそこに当てはめるということではないんだ、これは政府るる答弁されてきたはずです。
 であれば、やはり介護の報酬上の人員としてカウントするということはそもそもその答弁と全く矛盾する話なので、これ検討するということ自体がおかしな話だと思いますが、改めて、副大臣、確認します。介護報酬上の人員としてカウントすることはないということでよろしいですよね。
#21
○副大臣(橋本岳君) 介護サービスは対人サービスでございますから、サービス提供に当たって御利用される方の不安を招かぬようにすることは重要というのは当然のことでございます。
 このため、技能実習制度における介護職種の追加に関しては、二〇一五年版の産業競争力の強化に関する実行計画に基づいて具体的な制度設計の検討を進めていくこととされておりまして、技能実習制度の見直しの詳細や介護固有の要件を踏まえて検討していくことが必要と考えております。
 御質問の介護保険上の人員配置基準の取扱いにつきましては、現段階でどのような決定をしているものでもございませんで、今後、技能実習制度の趣旨なども踏まえて検討していくという段階でございます。
#22
○石橋通宏君 いや、だから、副大臣、もしこれ検討するといって含めるという話になったら、全くこれ話が違うじゃないかということになるんじゃないですか。もしカウントするかのような話になれば、当然そうなれば、介護人材として現場でそういう形で実際に使われる、運用される。まさにこの間法務委員会でも議論されてきたと思います、実態的には人材不足を補うために使うんじゃないか、使われるんじゃないかと。それを逆に国がそうやって肯定してしまうことになりかねません。
 ですので、これ明らかに矛盾した話だと思いますから、そういうことがないように、ここは要請を改めてしておきたいということにとどめておきたいと思います。
 その上で、先ほど現場のニーズに応じて云々という話がありました。この後、有田委員からもその辺の話があると思いますが、ちょっと私から改めて二国間協定、取決めの話について確認をとりわけ法務大臣にさせていただきたいと思いますが、これももう既に様々議論があったと思います。
 私、今回の法案の最大の欠点、欠陥は、二国間協定、これが法律事項として担保されていないことだと思っています。もういろんな議論があったと思いますが、現行の制度の最大の問題は送り出し国側で発生しているんです。送り出し国側の悪質なブローカー、保証金取ったりいろいろ借金取ったり、いろんなことで実習生ががんじがらめにされた上で日本に来てしまう。その結果、大変な人権侵害が起こっても逃げ出すに逃げ出せない、何とか耐えて耐えて働かなければいけない、そういう状況に追いやられる。途中で帰国したら賠償金、違約金、そういう形で本当に人生棒に振ってしまう方もおられる。こんなことあっちゃいけない。これを止めるためには、ちゃんとした二国間条約が本来必要なんです。それによって、きちんと法律上送り出し国側でも実効性ある適正化を担保する。だから、それが担保されていない今回の法案は大欠陥だというふうに私は思っております。
 その上で、大臣、法律がもしこれで成立をすれば、即座に全ての送り出し国側と二国間取決め、協定、向こうサイドが条約にしようよと言ったら条約にしていただければいいと思いますが、そういった取決めの締結に向けてすぐ協議をスタートされる、そういうことでよろしいでしょうか。
#23
○国務大臣(金田勝年君) 委員がただいま御指摘されました点について、二国間取決めについては、技能実習制度の適正化は特に送り出し機関の適正化において重要な役割を担うという点は御指摘のとおりだというふうに思っております。この法案の成立後、速やかに各送り出し国の当局との間で取決めの作成に向けた交渉を開始をしていきたい、このように考えております。
#24
○石橋通宏君 速やかに成立後スタートされるということでした。大臣、これ、どなたがやられるんでしょうか。
#25
○国務大臣(金田勝年君) 外務省、厚生労働省と連携をいたしまして、できる限り早期の取決めの作成を目指していく所存であります。
#26
○石橋通宏君 外務省、厚生労働省連携ということは、そこの二国間協定、取決めなり協議なりに新たな実習機構というのは一切関わらないという理解でよろしいでしょうか。
#27
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 ただいま法務大臣から御答弁をいたしましたとおり、新たな取決めにつきましては、外務省、法務省、厚生労働省三省で共管をして進めてまいりたいというふうに考えております。
#28
○石橋通宏君 答弁ちゃんと確認してください。
 ということは、新たな機構というのは、この二国間取決めの協議、機構ができて以降も関わらないという理解でよろしいんですね。
#29
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、それぞれ相手、送り出し国との協議につきましては、これは今申し上げたとおり、基本的に三省によりまして進めてまいりたいというふうに思っております。
 一方、例えば協定を取り決める背景となります様々な国内の状況ですとか、そういったものについては機構からの情報提供を当然受け、それを参考にしながら取決めを検討していくと、そういったことになろうかというふうに考えております。
#30
○石橋通宏君 少々新たな機構の役割云々のところで曖昧な印象を受けますが、もちろん機構はまだできておりませんので、すぐにこれ、法案成立後、交渉スタートされるということですから、そこの部分は三省で連携してということになろうかと思います。
 機構ができて以降、機構がどう関わるのかということ、これ結構大事なポイントだと思います。というのは、じゃ、現行制度、これまでどうしてきたのかというのを改めて今回質問に立つ上で確認をしたんですね。本当は今日JITCOに来ていただいて、JITCOに答弁してもらおうと。これまでJITCOがどう二国間協議、相手国側とのRD結んで、そして協議してきたのかということについて聞こうと思ったら、出席を拒否されました。出ないと、もう呼ばれても絶対出ないということで言われたんですね。何でって言われたら、いや、私たちこれまで定期協議なんかやっていないし、厚生労働省から定期協議をお願いされたこともないし、答弁する立場にありませんと。いや、驚きました。いや、そうしたら、これまで言ってきたことは何だったのか。
 今日、お手元に、これJITCOのホームページです。僕らもこの資料にあるとおりで理解をしてきたわけです。JITCOが送り出し国側とRD結んで、それに基づいて実習制度スタート、受入れが始まる。それに基づいて、その適正な運用についてはJITCOが、このある定期協議を行って向こうの政府窓口としっかりと協議をいただきながら、まさに先ほど大臣も、これ問題だね、やっぱり送り出し国側のって、それを適正化を図るために協議をされてきたと思っていたんです。それ全部否定されちゃった。いや、そんなことしておりませんと。じゃ、このホームページにあることって、何なんですか。
 これ、今日資料として出してませんけれども、先週の連合審査では出しましたが、ちゃんとこの真ん中辺にある「定期協議等一覧はこちら」、ここクリックすると、これまでの全ての国々との定期協議の一覧が出てきます。定期協議をやってます、やりましたと、甚だ不十分ですが、一応リストとしては出てきます。それ、何の定期協議なんですか。厚生労働省から委託されてない、でもここには書いてある、そういう制度だと理解をされている、でも厚生労働省からは一回も頼まれたことはない。じゃ、これまでどうやって誰が運用してきたんですか。副大臣、お答えください。
#31
○副大臣(橋本岳君) 厚生労働省の認識として申し上げれば、その技能実習生の送り出し国とのレコード・オブ・ディスカッションですね、作成や、定期協議については、厚生労働省からの委託事業ではなく、JITCOが自主的に行っているものでございます。
#32
○石橋通宏君 RDの締結も国が頼んだものではなくてJITCOが自主的に行っている、国には全く責任がないと、中身について。
 RDでこれ実習受入れしているわけですよね。ということは、これもあくまでJITCOが自主的に民間で勝手にやっている話、中身についても国は関知してこなかったし、関知していないし、そういうことですか。
#33
○副大臣(橋本岳君) 今申し上げましたように、JITCOの自主的な取組として行われているものでございまして、厚生労働省として、もちろんJITCOが公表しているものについては私たちは承知をしておりますが、それ以外のことについては把握しているものではございません。
#34
○石橋通宏君 そうすると、これまで送り出し国側との適正化に向けた話合い、協議、対応、様々な向こう側のブローカーへの対応、これ、誰がやってきたんですか。
#35
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 当然ながら、JITCOの自主的な事業といたしまして、今先生からもお話がありましたように、このRアンドDの実施というものを行われていたと思います。それから、あわせまして、当然、私ども国のレベルにおきましても、必要に応じて送り出し国と協議も行っていたというふうに承知をしております。
#36
○石橋通宏君 必要に応じて。これ、全部過去の実績出せるんですか。それぞれの国々で具体的にどのような協議を、国として、政府として、どの機関がどういうことでやってきた、それに伴ってどういう適正化策が取られて図られた、そういうことも含めて、これ資料として出していただけるんでしょうか。
#37
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 今手元に、網羅的に国としてこういうものを行ったというものは今手元にございませんけれども、それは整理をして、後日提出することは可能でございます。
#38
○石橋通宏君 これ、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
 是非、これ現状、これ、残念ながら、やっぱりこういう実態でやられてきたわけです。ここに来てですけれども、いや、RDも向こう、JITCOが民間として勝手にやっていることで、そして定期協議も、いや、向こうがやっていることだから中身関知しない。政府として、いや、やっていた、でもまあちょっとリスト作ってみましょうと。これじゃ甚だ本当に、いかにずさんで、いかに本当に問題ある運用をこれまでしてきたか、放置されてきたか、改めてまざまざと見せ付けられて本当に残念に思いますが、改めて資料を是非委員会で出して協議いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
#39
○委員長(秋野公造君) ただいまの件は、後刻理事会にて協議いたします。
#40
○石橋通宏君 是非、皆さん、改めてこの実習制度、本当に現場で大変な問題、深刻な問題が残念ながらなくならない。それは、結局、こういう運用状況にあるんだということは、これ確認しないと、それ理解しない上で何が適正化だと。本質をついた議論をしないで、だから二国間協議とか送り出し国側の適正化の対応とかすっぽり抜け落ちたままで、適正化、いや、でも拡充もやるんだ、そういう大変残念な問題ある中身になっちゃっているということを、これ改めて指摘をしておきたいと思います。
 なので、その上で、これやっぱり適正化に向けて全力を尽くしていかなければいけないし、それはもう法務大臣も同じ思いでいただいていると先ほど答弁いただきました。なので、ちょっと提案したいと思います。
 これから二国間の取決めへ向けた協議、すぐスタートしていただけるということでした。その取決めの中で是非、今回の法案に含まれている我が国側、日本側の様々な適正化策、これを、例えば監理団体のこれ認定制度を設けるわけです、全部監理団体は認定する、そして取消し事由も作る、ここも是非送り出し国側でもやってください、全ての送り出し機関、ちゃんと認定制度つくって。
 今大臣、現状御存じですよね。認定団体ありますが、今関係ないんです。認定団体ではなくても送っているんです。こちらでは、どの方が認定機関から来て、認定以外の団体から来て、人数すら把握されていないのが現状の制度です。こんなことで適正化できるわけがありません。ですので、認定制度を送り出し国側でも設けていただいて、逆に言えば、何か違反があればちゃんと認定取消しをして、その機関、悪い機関、ブローカーが全て排除をされる、そういう制度を是非つくっていただきたい。大臣、いかがでしょうか。
#41
○国務大臣(金田勝年君) 二国間取決めの具体的内容というのは相手国との交渉の中で決まることになるわけですけれども、当方としては、委員が御指摘ございました、各送り出し国政府が自国の送り出し機関の適格性、そういうものを送り出し国政府において個別に審査をし、送り出し国政府において適正な機関と認められたもののみを認定をしていく、そういう当該送り出し国からは認定された機関のみから技能実習生の受入れを認める仕組みに順次移行していくように努めてまいりたいと、このように考えております。
#42
○石橋通宏君 大臣から積極的な今御答弁をいただいたと思います。是非、きちんとそうやって適正だと認められた機関からのみ実習生が来ていただけるように、それが本来のこの制度の趣旨だと思いますし、不幸な事態を絶対に招かないという趣旨にも合致すると思います。
 その上で、もう一点提案なんですが、大臣、であれば、やはり国の責任ですね。今回、こちら側では新たな機構もつくって、実地の検査もしっかりやっていただいて、それで適正化を図っていく。これ同じことをやっぱり送り出し国側でもしていただかないといけないと思います。
 今大臣、送り出し機関の認定についてはやはりそうすべきだと、その方向で検討したいということで言っていただきました。でも、認定されても、本当にその認定が適切なのか、ちゃんとそれにのっとってやっておられるのか、実地の検査監督がなければこれ意味がありませんので、ちゃんとその協定の中に是非国側の、政府機関の責任、役割として、当然監理団体のチェックをする。もし、悪い送り出し国機関、悪徳ブローカー、こういった悪い方々がはびこってしまう、残ってしまうような制度だと、結局悪い水に流れてしまいます。それをさせないためにも、是非国の方でしっかり責任持ってやっていただく。やっていただけない場合は、やっていただけるまでその間受入れを止める。それぐらいの意思を持ってこの制度をつくっていただきたいと思いますが、大臣、この点、いかがでしょうか。
#43
○国務大臣(金田勝年君) 委員の御指摘もございました。認定された送り出し機関の不正の端緒、これが日本側で得られた場合には、送り出し国政府に対して、不正が疑われる送り出し機関への調査あるいは指導監督といったようなものをしっかりと依頼をし、不正が認められれば送り出し国政府において認定を取り消してもらうという形で不適正な送り出し機関を確実に排除をしていくというような仕組みにしてまいりたいと、このように考えておりますし、いずれにせよ、万一その送り出し国政府が二国間取決めに基づいて適切な対応を取ろうとしない場合には、その政府が認定している全ての送り出し機関について疑義を生じざるを得なくなることを伝えるといったようなことをいたしまして、適切な対応を取ることを強く求めていきたい、このように考えております。
 そして、実際にもうその国が認定している送り出し機関については、技能実習計画の認定等の手続におきまして逐一厳格な審査を行うなど厳しく対応をしていきたいと、このように考えている次第であります。
#44
○石橋通宏君 この点も積極的な答弁いただいたと思います。是非、合わせ技で、今回の法案でこちら側の体制、変なブローカーからの受入れはさせないんだ、したらこちら側の監理団体、受入れ団体、これをペナルティー科すんだと、そういう仕組みをつくっていただいた。でも、やっぱり向こう側の状況は向こう側でないとつまびらかに分からないです。だから、向こう側でも、今大臣言っていただいたとおり、しっかりと制度を入れていただいて、合わせ技で、やはりそういう不適正なことはやらないという決意で新しい制度をつくっていっていただければと思いますので、大臣、今の御答弁、是非しっかりやっていただけるように要請をしておきたいと思います。
 あと、実習法案でもう一点だけ。
 これ今回の適正化策、いろいろと前進的な方向で盛り込んでいただいたと思いますが、やっぱりポイントは、一つは、個々の実習生の実習計画、この実習計画の中身をしっかりとチェックをされて、その上で認定があって、その上でそれがきちんと実習されているかどうかのチェックがある。監理団体もそうです。適正な監理団体が適正な運用をしているのか、これ年一回チェックをされるわけですが、回数がどうかという問題はありますけれども、でもそういう制度を入れていただいた。しかし、これ誰が考えても莫大な作業です。新規の受入れ、一号から二号、その実習計画を中身をしっかり精査をいただくだけでも相当な量です。全ての監理団体そして実習実施機関、これ百五十人体制で現地実地調査をする、一人当たり九十件、年間というような答弁もこれまでありましたけれども、それだけでも相当な負担だと思います。
 それで本当に十分な体制が取れるのか、甚だ不安なんですが、大臣、これ事前に教えていただきましたけれども、改めて、実習生の研修計画のその膨大な量のチェック、これ何名体制でやられるんでしょうか。
#45
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 外国人技能実習機構において業務を行うわけでございますけれども、この機構におきまして、技能実習計画の認定業務を担当する職員といたしましては、地方事務所に配置する約六十名を充てるということを予定をしております。これを仮に現在と同程度の技能実習計画の認定申請が行われるといたしました場合、単純計算をいたしますと、職員一人当たり年間約二千六百件の審査を担当するということになります。
 ただ、この実習計画の認定につきましては、一つの実習実施者が職務あるいは作業内容を同じくする複数の実習生の計画を同時期に提出をするということが多いというふうに考えられることから、ある程度効率的に作業することも期待できるのではないかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、制度発足時を含めまして、この業務を的確に処理できる体制を確保してまいりたいと考えております。
#46
○石橋通宏君 本当に人数ちょっと不安です。これから恐らくこれ拡充策が実行されるようになると、受入れ人数も増えるでしょう。監理団体、実習実施機関もこの間も増えるトレンドですので更に増えていくでしょう。そうなれば、到底今の数字では足りない、もっと一人当たりのチェックする、一人年間二千六百件、効率化図るって、いや、でも効率化図っていいかげんなチェックされたら困るわけで、そこはしっかりやっていただくことを考えれば、もし増えていけばその体制強化も含めてやっていただけると、これはもう既に答弁あったと思いますので、そこは改めて今後のトレンドも含めた体制の強化充実、不十分な場合は即座に対応いただく、そのことも含めて確認をしておきたいと思いますが、それは、副大臣、そういう決意でよろしいですね。
#47
○副大臣(橋本岳君) 今後、対象職種追加という話もございますし、また場合によっては廃止ということもあろうかと思いますから、一概に将来どうなるんだということを今この段階で申し上げるということは難しいかと思いますが、ただ、おっしゃるように、さはさりながら見逃しだとかそういうことがあってはいかぬというのは、もうこれは御指摘のとおりでございますので、限られた体制の中ではありますが、効果的、効率的な業務遂行に努め、新制度を円滑に運用していく上で役割が適切に果たされるようにしていきたいと、このように思っております。
#48
○石橋通宏君 私の時間参りましたので、済みません、入管法の関係も確認幾つかさせていただきたいと思っておりましたが、できなくなってしまって申し訳ありませんでした。あと残りの時間で有田委員にまたしっかりと質問いただけると思います。
 いろいろ今日いい答弁もいただきました、前向きな。本当にこれからが大切だと思います。是非、全力を挙げて適正化に向けて頑張っていただくことをお願いし、質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#49
○有田芳生君 民進党・新緑風会の有田芳生です。
 外国人技能実習生についての議論をずっと聞いてまいりまして、やはり、陳腐な言葉ですけれども、この問題にも光と闇が大きくあるということを実感をいたしました。
 各委員の質問の中で、例えば前回、丸山委員の方から、外国人技能実習生が日本にやってきてどんな仕事をやっているかといえば、例えばオオバを十枚数えて、そしてそれをゴムでまとめて冷蔵庫に入れる、そういう指摘がされました。そういう単純労働。あるいは、仁比委員の表現によれば、これは私も同感しますけれども、実態ではやはり出稼ぎ労働になっているという現実がある。
 だけど、答弁を聞いておりますと、やはりなかなか、説明があるんだけれども、抽象的な言葉、これから検討させていただきます、あるいは、前回の議論を聞いていて、答弁の中では、適切な対応を取ります、検討する、適切な対応を取る、その現実と皆様方の方針との間で物すごく乖離がある。
 確かに光の部分もあるというふうに思います。外国人が実習生として日本にやってきて、本当に能力を蓄えて自分の国へ帰っていく、そして、社長と物すごく信頼関係ができて、その社長も、例えば中国で自分の会社をつくって、そしてそこで日本で学んだ、働いた実習生が役員になると、そういう光の部分があることも確かなんだけれども、衆議院も含めてこの法務委員会でも議論になってきたのは、やはり大きな闇が余りにも残っている。だからこそ、今、石橋委員の質問のように、まだまだ具体的に検討しなければいけない課題を残していると思うんですよね。
 今日で確かに議論は終わる、そして恐らく詳細な附帯決議が付されるんでしょうけれども、やはり、詳細な附帯決議を付けなければならないような多くの問題点があるというのが、衆議院含めてこの委員会でも議論になってきた闇の部分だというふうに私は考えております。
 やはり、現実と方針あるいは理論が間違ったときには、勇気を持って現実に方針なり理論というのは合わせていかなければいけない、その勇気が必要なんだ。ところが、そこがなかなか見えてこないというところに大きな課題を今でも残していると思うんですが、まず、金田大臣にお聞きをしたいんですけれども、今の石橋委員の質問も含めて、るるこの委員会で現実の問題点ということが明らかになってきましたけれども、それをどのように解決していくのか、ちょっと総括的にまずお答えを求めたいというふうに思います。
#50
○国務大臣(金田勝年君) 委員御指摘ございました今までの様々な議論を通じて、現行の技能実習制度につきましてはいろんな問題点があるという御指摘もございました。
 この度御審議いただいております法案は、やはり監理団体の許可制、あるいは実習実施者の技能実習計画についての認定制を設けたという上で、新たに設立します外国人技能実習機構において、その技能実習計画の認定や実習実施者に対します実地検査といった、その管理監督業務を的確に行って、併せて技能実習生からの相談、申告にも対応するといったような、技能実習生の保護をきめ細かく行っていくこととしている法案の内容に努めているわけであります。
 これらの取組によって、技能実習制度の趣旨に沿った受入れの徹底を図って、制度の一層の適正化を図るように努めていくと、こういうことが大切だという思いを持っております。
#51
○有田芳生君 言葉はよく分かるんです。ほかの方々の答弁もよく言葉は分かります。だけど、実態がなかなか見えてこない。後ほど詳しく御質問させていただきますけれども、やはり具体的に問題を解決するために、どういう体制、システムをつくって、どういう人員を配置して問題の解決に当たっていくのか、その解決しなければならない課題というのはもう多くの委員から明らかにされていることなんですよね。
 私は、前回、十一月一日でしたけれども、外国人技能実習生が、中国人に比べてベトナム人が増え続けている、その問題を取り上げました。今日も、ベトナム人の場合を中心にしてこれから質問させていただきたいというふうに思います。
 私は、個人的なことですけれども、一九八八年、今から約二十五年前に、「地球の歩き方 ベトナム」というガイドブックを取材をして書くためにベトナムに行きました。当時、今からもう二十五年近く前ですけれども、この日本でベトナム旅行のガイドブックというのは小さな新書一冊しかなかったんです、旅行会社の人が書いたんですけどね。ベトナムのガイドブックはなかったので、「地球の歩き方」で取材して書かないかと言われて、初版本は実は、書くためにベトナムの北から南まで四十日以上歩いて、多くの人たちと交流をして原稿を書いてきました。
 私は、とにかくベトナムに関心があったというのは、やはり哲学者の吉野源三郎さんがるるかつて主張されたように、世界史の中で、やはりフランス革命、それからアメリカ独立のアメリカ革命、そして小国ベトナムがアメリカに戦争で勝利した、吉野さんの表現でいうとベトナム革命。何であんな小さな国がアメリカ、大国に勝つことができたんだろうかという物すごい興味があったものですから、ベトナムに行きました。
 結論だけ言うと、分かったことは、やはり民族の勤勉性に大きな影響があったというふうに思っております。特に当時は、ベトナム戦争でアメリカに勝てたのは特に女性の力が大きかったというふうに言われていた。だけど、そういう勤勉な民族であるけれども、一九八八年段階では世界最貧国、最も貧しい国の一つだった。国民一人当たりのGDPが当時百六十ドルですよ。
 ところが、それから二十五年近くたって、今では国連の統計で見ますと二千百七十一米ドル、一人当たりのGDP、大きく経済成長をした。一九八〇年代の後半から御承知のようにドイモイという改革政策を取られて、非常にベトナムの町は変わっていきました。ハノイに行ってもホーチミンに行っても、今ではもう高層ホテルが林立しているというところまで経済は発展しているんだけれども、だけど世界のレベルからすればまだまだ低い状況にある。
 だから、ベトナムでは、送り出し機関なんかがベトナム人にどういう声を掛けているかといえば、日本に行って働けば月に日本円にして二十万円ぐらいもらえるんですよ。多くの人たちがそういう思いで出稼ぎ労働、実態としての出稼ぎ労働をしてきている。今は、ベトナムが、前にも御指摘しましたけれども、年間の所得というのは平均すると約三百六十万ドン、日本円にすると月に一万六千円から一万七千円ですよ。だけど、日本に来れば二十万円もらえるんだといって、多くの特に勤勉な人たちが日本に希望を持ってやってくる。だけど、日本に来て行われていることといえば単純労働、そしてひどいときには奴隷労働のような現実があるわけですよね。
 だから、この質問するために調べていてびっくりしたんですけれども、ヘイトスピーチ問題、ここでもるる質疑がありました。ヘイトスピーチが荒れ狂った新大久保、新宿区では何と五年前にベトナム人二百二十人しかいなかった。だけど、今、十一月一日現在の数字でいうと三千五百七十四人、この五年間で十六倍にベトナム人が増えているように外国人技能実習生もどんどん増えたということは、前回の入管局長からの答弁でも明らかになったというふうに思います。二〇一二年には外国人技能実習生、ベトナム人は一万六千人だったのが、昨年は五万七千人を超えた。
 入管局長にもう一度確認したいんですけれども、新規に入国する技能実習生ですけれども、今年上半期、中国人を超えてベトナム人が多かったという答弁だったと思いますけれども、年間通じて中国人よりベトナム人が増えると、そういう推計をお持ちでしょうか。
#52
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 中国人の新規入国者が漸減の傾向にあり、ベトナム人の新規入国者がかなり急激に増えている状況がここ二、三年のうち続いております。その結果、今年の上半期はベトナム人の新規入国者が上回っておりますので、この趨勢が続くとすれば、当然、新規入国者についてはベトナム人の方が上回るだろうと考えられます。
#53
○有田芳生君 もう一度、入管局長そしてさらに法務省にもお伺いしますが、中国人外国人技能実習生を超えてベトナム人がこのように増え続けている、その分析はされていますでしょうか、理由について。
#54
○政府参考人(井上宏君) 分析といいますのはなかなか難しいものでございまして、一概に言えないというところはあると思うんですが、ベトナム人につきまして一つ特徴的なことは、中長期在留者の数で見ますと、技能実習生と留学生の比率が非常に高いんです。全体の中長期在留者の中で技能実習生と留学生の比率が七〇%を超えていまして、これは全国的な、全世界的な平均からはるかに上になっています。
 それは一つのもしかしたら国民性的なものがあるかもしれませんし、あるいはベトナムの経済発展に伴う産業構造の変化とかそのようなものが影響している。ともかく、日本に来てそういう勉強したり技能実習をしたりするという勢いが今非常に強くなっているということは言えると思います。
#55
○有田芳生君 外務省にも。
#56
○委員長(秋野公造君) 外務省。外務大臣官房大菅審議官。
#57
○政府参考人(大菅岳史君) 近年、日本とベトナムの関係、政府レベル、それから民間企業のレベル、さらに国民同士の相互理解、こういったあらゆるレベルで非常に良好に発展しております。ベトナムから我が国への技能実習生の増加、これもこうしたことの反映の一つではないかと認識しております。このように二国間関係が非常に深まっている中で、多くのベトナムの方が日本の技術、文化を学んで、帰国後ベトナムの更なる発展、これに貢献されるということを強く期待しております。
#58
○有田芳生君 「地球の歩き方 ベトナム」を初めて書いたときに、フロンティアシリーズだったんです。世界の辺境という位置付けだったんですよ。
 しかし、一方で、ベトナムを歩いてみてよく分かったのが、日本の三菱商事の皆さん、三井物産など多くの会社員がベトナムで一生懸命働いて、ベトナムの経済発展のために努力をされていた。だから、当時から親日的だったということはある。だけど、一方で、当時の水準でいっても、日本円にして三百万円あればプール付きの一軒家が買えるような関係だった。
 だから、先ほども言いましたけれども、今、都市部はベトナム発展していますけれども、農村部に行けばまだまだ貧困が続いていて、例えばこういう質問されました。日本人というのは、本当のことかどうか聞きたいんだけれども、テレビとか冷蔵庫とか壊れたらもう捨てちゃうんですか、そのことをびっくりするようなベトナム人たちだったんだけれども、今でも農村部へ行けばそういう人たちが多いんですよ。そういう人たちに、日本に行けば、先ほども言いましたけれども、毎月二十万円入るんだよと言われたら、多くの勤勉な人たちは、親日的な背景もありますけれども、やはり日本にやってくるんですよね。だから、ベトナムで送り出し機関には大きな問題があるというのは前回も指摘をしました。
 まず、もう一度確認しておきますけれども、入管局長、上陸許可の条件の中に、例えば送り出し会社が手数料を取ったり保証金を取ったりしたら、これは法的には日本ではどうなるんでしょうか。
#59
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 まず、現在の制度についてのお尋ねでございました。法務省令におきまして、送り出し機関が、技能実習生本人やその家族等から不当に金銭等を徴収し、又はそのような約束をしていることが認められれば、その技能実習生の上陸は認めないこととしております。さらに、送り出し機関が、そのような技能実習生からの不当な金銭徴収等、又はそのような約束をしているにもかかわらず、それがないような虚偽の文書を行使して技能実習生を送り出した場合には、以後五年間、当該送り出し機関が送り出す技能実習生の上陸は認めないこととされております。
#60
○有田芳生君 ところが、現実は全然違う。ベトナムで外国人技能実習生の問題を取材した人たち誰に聞いたって、ベトナムの多くの送り出し機関、会社は手数料を六十万円から百万円、保証金三十万円から五十万円取っている。
 これは、前回の参考人質疑の中で、斉藤善久参考人が、ベトナム政府は日本に渡航する技能実習生については三千ドルを上限としてこれを要求することを送り出し機関に認めている、ベトナム政府はそうやって認めている。
 だから、それに対して日本側は、ベトナム政府がそういうことを認めている事実に対してどう対応されてきたんですか。
#61
○政府参考人(井上宏君) 保証金の徴収等の事実あるいは約束があるかどうかということにつきましては、入管当局といたしましては、技能実習生の受入れに係る申請の審査の段階、あるいはその後実地調査を行うような段階で書面上あるいは実習生本人から確認するなどして、そのような事実の有無を確認しているところでございます。
 これらの措置によりまして、虚偽の文書を行使して技能実習生を送り出したと認めて、その送り出す技能実習生の上陸を認めないという機関が、現在、十一機関あるという状況でございます。
#62
○有田芳生君 ついでにお聞きをしますけれども、そういう機関が十一あるならば、それ以外のまともだと思われている機関は幾つあるんですか。
#63
○政府参考人(井上宏君) ちょっとにわかに具体的な数字を申し上げることはできませんが、かなりの数あることは間違いございませんが、その中でそのような不当な事実がないかどうかの確認に努めた結果、それだけの事実が発見できたという現状でございます。
#64
○有田芳生君 やはり参考人質疑の中で、糸数議員の質問に対して外務省は、ベトナム政府が海外への労働者送り出しに際しまして保証金の徴収を、これを許容していることを把握していますと、外務省の答弁。一方で、日本との関係においては、日本への技能実習生の送り出しに当たっては保証金の徴収は認めていないということを承知しておりますと。現実はそういう保証金を取っているというのは知っている。だけど、日本政府は認めていない。矛盾するじゃないですか。その間にある問題を解決することが大きな課題なわけですよね。
 だから、今、入管局長は、かなりの数の問題あるところはあるだろうとおっしゃった。だけど、それを入管局長、入管の人がベトナム行って調べているわけじゃないんだから、具体的には、現地にあるベトナム大使館あるいはJICAとかジェトロとかそういうところとの協力関係で問題点を発掘していかなければいけないと思うんですが、外務省、今そういう体制って取れているんでしょうか。
#65
○政府参考人(宮川学君) お答えいたします。
 外務省といたしましては、これまでベトナム政府に対しまして技能実習生の状況に関しまして累次にわたり申入れを行ってきております。例えば、領事当局間協議等の機会を活用して我が国の取組、問題意識、ベトナム政府に対して伝達し、制度の適切化に向けた協力を求めてきております。例えば保証金の問題でございますが、日本への技能実習生の送り出しに当たり、送り出し機関が保証金の徴収を行わないようにベトナム側に対して数度にわたって働きかけを行い、日本に対してはそういうことを行わないという旨を確認しております。
 本日いただいた御指摘も踏まえて、改めてベトナム側に説明を求め、仮に保証金を許しているような実態があれば速やかに是正するように申し入れてまいりたいと存じます。
#66
○有田芳生君 その申入れをしたと言うんだけれども、申入れをしたって、それが解決しなければ意味がないわけですよね。お願いします、だけど、ベトナムでは保証金取ったり手数料取ったりするのがもう横行しているという現実がある。だから、その現実を解決していかなければいけないので、申し入れしましただけでは問題解決しないですよね、うなずいていらっしゃるように。
 だから、それをどう今後、本当に問題点がない送り出しになるのかというのは、どのようにシステムとして、組織として考えていらっしゃるんですか。
#67
○政府参考人(井上宏君) 最初に、先ほど現行の制度の答弁の中でちょっと不十分だった点を補足させていただきたいのですが、保証金というのは損害賠償の予約の金銭でございまして、手数料というのは、これは送り出しのために正当に掛かる手数料部分というのが当然あるわけでございます。いろいろな日本語の講習をするとかそういうことがございますので、私どもが不正行為であるとかそのようなものとして取り扱っているのは保証金の部分でございます。手数料については不当に高額であった場合にどうするかという問題が別途あるということ、位置付けとしてはそうなります。
 したがいまして、ベトナム政府としては、保証金は国の法律としては、ほかの国に対する送り出しなどの場合にも取っておるようでございますけれども、法律としては取れるということになっておるようでございますが、日本との関係では取らないというふうに、外務省からの方の申入れも踏まえまして、現在の運用はそうなっているというふうに認識をしております。
 それともう一つ、今後どうしていくかというお尋ねでございますが、これまで累次に答弁をさせていただいている中でございますが、やはり二国間取決めの締結を急ぎまして、悪質な送り出し機関につきましては、送り出し国の政府の協力を得まして、送り出し国の法制を利用して、そちらの中で不適当な機関については排除していくと、適切な機関だけを認定して不適切な機関は排除をしていくと。あるいは、それを実行していく過程で何か不適切な行為の疑いが、情報がこちらで把握できた場合には、それを通知いたしまして、相手国の方で調査や指導監督をしていただく、その二国間取決めに基づく送り出し機関の適正化ということをまず一つ力を入れてやってまいりたいと考えております。
#68
○有田芳生君 ベトナムはドイモイで経済改革がずっと進んできましたけれども、同時に腐敗、非常に広がっている現状の下で、送り出し機関にも様々な問題点があって、癒着まで起きている。
 皆さんにお配りをしましたけれども、先週の金曜日の朝日新聞夕刊、ベトナム、技能実習の闇、偽装申請や違法保証金横行、来日者急増の裏でそういう闇が広がっているという記事です。
 非常に調査をされた内容になっておりますけれども、そこでも明らかになっているように、例えば日本語を勉強するときの手数料など確かに必要でしょう。だけど、多くの取材者たちが明らかにしているのは、手数料六十万円から百万円。さっきも言いましたけれども、月収一万六千円あるいは一万七千円ぐらい。ところが、手数料百万円と。払えないんですよ。払えないからみんな借金して、だけど日本に行って働けば月に二十万ぐらいもらえるだろう、それで多くの勤勉なベトナム人たちが来ている現実がある。
 だから、もう一度外務省にお聞きをしたいんですけれども、申入れをする。で、今後も努力をして、そういう問題点ある送り出し機関については点検をして排除をしていく。それは、方針としては正しいんだけれども、だけど、そのことをベトナム側に申し入れるだけでは問題解決しないわけでしょう。だから、外務省なども、ベトナムの中で多くの問題点が存在しているんだから、今後それをなくしていくためには何ができるのかというシステムをつくんなきゃしようがないんですよ。そういう計画はありますでしょうか。
#69
○政府参考人(宮川学君) お答えいたします。
 外務省といたしましても、関係省庁とよく相談の上、送り出し国との間で速やかに取決めの作成に努めてまいりたいというふうに考えております。
 取決めの作成に当たって、不適正な送り出し機関からの技能実習生の受入れを認めないということについても盛り込む方向で検討しております。
#70
○有田芳生君 それは是非やっていただきたいんですけれども。
 申し入れて、そういう取決めを行って、しかしベトナム政府の側を信じますというだけでは済まない現実があるわけですよね。だから、そこのところに、やはりベトナム政府が調査をして問題ある送り出し機関などを排除していくにしても、それが本当に適切にできているのかどうかということまできめ細かくやはり体制つくんなきゃいけないと思うんですよ。ベトナム人にしても中国人にしてもフィリピン人にしても、同じ人間が日本に希望を持ってやってきて、そこで奴隷労働のようなことが起きる、あるいは委員会でも問題になりましたけれども過労死をする人たちが存在しているということを、やはり日本として避けなければいけない、そのシステムをどうつくるかと。
 申し入れた、向こうがこういうふうにやります、そこでとどまってはやはり問題点というのは解決していかない。もう少し積極的な仕組みというのは考えていただけないものなんでしょうか。これは入管局長にもお聞きをしたいことですけれども、外務省にも、もしこういうことができるんじゃないかということがあればお示しいただければというふうに思います。
#71
○政府参考人(井上宏君) この二国間協定というものにつきましては、先ほど答弁ありましたように、外務省と厚労省と法務省と三者協力して、連携してまず締結をするわけでございますが、締結した後、その内容の運用につきましても三者協力いたしまして、その締結した取決めどおりにちゃんと相手国政府が動いているかどうかをウオッチいたしまして、もしそこが不十分なところがあれば、先ほど大臣からも答弁ありましたように、個別の案件については日本国内でできるような厳格な対応をしつつ、それを背景に相手国にいろいろと是正を更に強く働きかけると、そのようなことを粘り強くやっていくということも一つの道ではないかなと思っております。
#72
○有田芳生君 時間の関係もありますので、介護の問題に進ませていただきます。
 まず、入管局長にもう一度確認をしておきたいんですけれども、技能実習生の条件、基本というのは、送り出し国でも同様の仕事に従事しているという理解でよろしいんでしょうか。
#73
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 技能実習生を新規に日本に受け入れる場合の要件といたしまして、現行法は省令で定めておるところでございますが、申請人が本邦で修得しようとする技能等を要する業務と同種の業務に外国において従事した経験を有すること、これが原則的に要求されておりますが、又は申請人が当該技能実習に従事することを必要とする特別な事情があること、それを満たす場合にも上陸を認めておるというところでございます。
#74
○有田芳生君 例えばのケースですけれども、先ほどお示しをしました朝日新聞の記事、岡田玄記者の取材によりますと、日本に来ている二十六歳のベトナム人技能実習生の女性が食品加工会社で働いている、住所も書いてあったので、その住所に、ベトナムのハノイに行ってみると、架空の食品加工会社で、訪ねてみると、ここは食品加工会社じゃない、喫茶店経営者の自宅だと、こういうケースがやはり現状では多くあるんですよね。だから、それをどう解決していくのかという具体的な問題なんですよ。
 だから、ベトナム政府と今後取決めをする、だけど、それを信用しているだけでは、こういう問題解決できるんでしょうか。これを解決するには、今後どういう体制取られるんでしょうか。
#75
○政府参考人(井上宏君) まず、現状でございますが、前にそういう職業に就いていたという架空のといいましょうか、虚偽の文書を出されるということは、これは不正な行為でございますので、それは排除するようにしていかなきゃならないということで、現在入管の当局で実施している対応といたしましては、審査の案件を見まして、これはおかしいのではないかという疑義があるときには、実際にそういう会社があるかとか裏付けを取る。例えば電話等をいたしまして、そのようなことでやっておりまして、それでおかしい場合には、認定証明書ですね、在留資格認定証明書は交付しないという、そういう審査のやり方もしておるところでございます。
 この上陸の要件、前職要件、前の職業の要件と言いますが、これは新しい法制の下におきましても、いろいろ運用について検討して工夫しなきゃいけないところはあると思いますが、基本的にはやはり要求していくことになるんだろうと思います。それの運用を担うのは、これは技能実習機構ということになりますので、その中で効率的に正しい情報を把握しながら認定作業をしていく、それに努めるということに尽きると思います。
#76
○有田芳生君 参考人質疑で、斉藤善久さんが介護の問題について、日本が技能実習生で介護職、今後行われるということで、斉藤参考人の現地の調査の結果のお話では、二〇一五年、つまり去年の夏辺りから、やはり日本で介護の仕事ができるんだという前提で、例えば看護師の方がお仕事を辞められて日本語の勉強をやっている。だけど、仕事を辞めてしまったのでもう借金ばっかりかさんでしまって、まるで被害者だ、まるでじゃなくて被害者だという発言をなされましたけれども、そういう実態を入管当局あるいは外務省は把握されていますでしょうか。
#77
○政府参考人(宮川学君) お答えいたします。
 外務省といたしましては、現時点で、ベトナムにおいて介護職での技能実習生の養成が昨年夏から始まっていたということは把握しておりません。
 今後とも、技能実習制度の速やかな適正化のため、在外公館等を通じまして必要な情報収集に是非努めてまいりたいと存じます。
#78
○有田芳生君 そこで再び入管局長にお聞きをしたいんですけれども、これは外務省でもいいのかも分かりませんけれども、今、国連の統計によりますと、日本人の平均年齢は四十六・五歳、だけどベトナムは三十・四歳、非常に若い国なんですよね、人口は九千三百四十万人ですけれども。非常に若い国で、これは現地に行ってみれば分かるんだけれども、やっぱりもし介護が必要な状況が起きたときには家庭で面倒を見ているという状況なんですよ、圧倒的に。だから、ベトナムにおいて、介護職あるいは介護の施設というのはほとんどと言ってない現実だと私は理解しているんですけれども、外務省は現地に大使館があるわけですからそういう状況について把握されていると思いますけれども、ベトナムの介護あるいは介護職、介護施設の現実というのはどのようになっていますか。
#79
○政府参考人(大菅岳史君) お答えいたします。
 まず、二〇〇九年にベトナムで制定されました高齢者に関する法律というのがございます。この法律の中には、高齢者のケアはその子孫又は扶養の義務のある者が行う必要があるといった規定がございます。こういったことから、委員御指摘のとおり、ベトナムにおいては高齢者のケアは家族が担うという認識が主流であるというふうに認識しております。
 具体的な介護関連施設の現状でございますが、まず、二〇一四年、一昨年、国際協力機構、JICAが作成しました看護教育分野情報収集・確認調査という報告書がございます。これによりますと、少なくとも、ハノイ市に八か所を含む少なくとも十か所、ベトナムにおいて民間の有料老人ホームの存在、これが確認されております。比較的裕福な都市住民を対象としたものと理解しております。
 また、ベトナムの国家委員会が作成しました高齢化に関する報告書というものが、二〇一三年、ございます。これによりますと、全国約四百三十か所の社会保護施設がございまして、必ずしも高齢者専用というものではございませんが、障害者、孤児等社会的に保護を必要とする人を対象とした施設、これが存在すると把握しております。
#80
○有田芳生君 それが現実ですよね。ですから、技能実習生の基本的な理念である、日本で学んで国に帰って、そしてその技術をまた自分の国で発揮をするという、事介護については、日本とベトナムとの関係はやはりアンバランスな現実があるわけですよね。
 ですから、今後、介護職を技能実習生として育てていく場合、石橋委員の質問にもありましたように日本語をどうするかという問題もありますけれども、やはり客観的にその国の社会経済状況との検証をした上で、ベトナムから例えば介護のための技能実習生入ってもらおう、いや、だけど、ちょっとベトナムではそういう現実だからまだ早いんじゃないかという、そういう判断がこれから必要だと思うんですが、そういう指標というのはどのようにお考えになりますでしょうか。
#81
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、いずれにしても、技能実習制度につきましては送り出し国のニーズがあるかというのが一つの大きな要件でございます。これにつきましては、ベトナム限定ということではなく、いずれかの国、複数の国からそういったニーズがあるということについて公的な機関からの要請書をいただいて判断をするということでございますので、介護の問題につきましても当然これからそういった手続によりまして必要性を判断をするということになるということでございます。
#82
○有田芳生君 そういうことを含めて、るるこの委員会などでも問題点が指摘されてきましたけれども、それを改善するために、外国人技能実習機構の包括的な体制についてやはり具体的な検討を今から進めるべきだと思うんですよね。
 先ほど石橋委員からの質問で、実習計画の認定については六十人が当たると、一人当たり一年間で二千六百件という大変膨大な数が指摘をされましたけれども、技能実習機構、三百三十人ですよね。その三百三十人のうちの六十人がそういう認定に当たる。では、ほかの方々はどういうお仕事をなさるんですか。あるいは、どういうシステムを、機構を今考えていらっしゃるんでしょうか。
#83
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 外国人技能実習機構の業務でございますけれども、今ございました技能実習計画の認定に加えまして、実習実施者や監理団体への実地検査、実習実施者の届出の受理、監理団体の許可に関する調査、技能実習生に対する相談や援助などを行うこととしております。
 こうした業務に対応するため、また実習実施者あるいは監理団体が全国各地に所在をしているということも踏まえまして、本部はもとより、全国十三か所に地方事務所を設置をするということにしております。人員体制といたしましては、本部に八十名、地方事務所に二百五十名、合計で三百三十名を配置をすることとしております。この三百三十名によりまして、今申し上げたような業務を分担をして対応をするというふうに考えております。
#84
○有田芳生君 法務省にお聞きをしますけれども、多くの問題点抱えた外国人技能実習生の課題ですけれども、今後、法務省は実習生が内部告発はできるような仕組みをつくるというふうに聞いておりますけれども、具体的にはどういう内容なんでしょうか。
#85
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 委員が先ほど指摘された報道の中にそのような記載があったわけでございますが、これは新制度におきまして、実習実施者等が法令違反をしている場合に技能実習生がその事実を主務大臣に申告できるようにし、さらに、その申告をしたことを理由として技能実習の中止等の不利益な取扱いをしてはならないと定めていることを指しているのだと考えます。
 その具体的な仕組みといたしましては、外国人技能実習機構の本部にその申告を受け付けるための母国語による通報窓口を設置いたしまして、例えば、地方で技能実習を行う技能実習生は、電話とかメール等の通信手段を用いて本部の窓口に通報できるような体制を整備していく予定でございます。
#86
○有田芳生君 あと、強制帰国の対策とか実習先の変更、あるいはシェルター、隠れ家をつくる課題などをお聞きをしたかったんですが、もう時間が来たのでやめざるを得ません。
 とにかく、問題を解決する機能的なシステム、組織を是非ともつくっていただきたいということをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
    ─────────────
#87
○委員長(秋野公造君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として猪口邦子君が選任されました。
    ─────────────
#88
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 前回に続きまして、監理団体を始めとした各受入れ機関からの不正なブローカー排除についてお尋ねしたいと思います。
 前回、入管局長に、重大な最賃違反、割増し違反を犯し、挙げ句に実習生を解雇すると、こうした重大な事態が蔓延しているということを踏まえた私の質問に、局長からは、労働法令違反になるということであれば労働法令違反という不正行為に当たる、受入れ停止等の措置が講ぜられるという御答弁があったんですが、まず確認しますけれども、これは実習生と雇用関係を結ぶ実習実施機関だけでなくて監理団体にも当たるということですね。
#89
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 賃金の支払とか労働のことは、直接的な契約主体は実習実施者と技能実習生ということになるわけでございますが、監理団体がそのような不正行為に関与してこれを主導していたと認められるような場合につきましては、監理団体も実習実施機関と同様の不正行為に当たることになります。
#90
○仁比聡平君 関与し主導していたというお話が今あったわけですけれども、岐阜のアパレル縫製業界で三千人からのベトナム人そして中国人を中心とした実習生が実習を行っているというふうに伺うわけですけれども、この縫製業界で、さきの本会議で経済産業大臣は、三十五の事業所において賃金の未払があったことや、最低賃金を定める労働基準法の規定に違反していたことは誠に遺憾でありますと認識を示されたわけですが、この岐阜アパレルにおいて、監理団体が不正行為認定を受け処分をされたという件数はどれぐらいあるんですか。
#91
○政府参考人(井上宏君) 平成二十七年の数字でございますが、全国で不正行為を認定した監理団体は三十二機関ございます。このうち、岐阜県内に所在するアパレル業関係の監理団体は五つ、五個でございました。
#92
○仁比聡平君 結局、平成二十七年、つまり昨年の一年間だけで入管が不正行為認定をした監理団体が五件あると。現に横行しているということなんですよね。しかも、三千人からの実習生を受け入れている監理団体というのは膨大な数ありまして、この監理団体に係る不正行為を行っているではないかというこの実習生の相談を受けてその監理団体やまつわるところを調べると、同じ住所に幾つも事業協同組合の登記がなされているということが間々あるわけですね。しかも、その登記簿を見ると、およそ組合なわけですが、その財政的基礎が示される払込出資金、この総額というのは百万円にも届かないほんの僅かな、実態なんかあるはずないと。そうした監理団体がたくさんつくられて、入管が一つの監理団体を不正行為認定をしたら、そしたらその別の監理団体で受入れを続けるということが横行しているわけです。
 私、監理団体といいながら、その実態がない、あるいは実態がないどころか不正な収益を得ようとするブローカー行為、これを排除する仕組みというのが絶対に必要だと思うんですね。
 そこで、今日、金の入り、つまり不正な収益という面とそれから不正な監理というこの二つの面から認識をただしたいと思うんですけれども、前回の質疑で私が、実習生の給料からの水光熱費と称した八千円の天引きだとか、あるいは月実習生一人当たり三万円といった監理費の、この問題について質問をする中で、局長から、運用上も、当局から監理費徴収明示書というものの様式を示しまして、適正な監理費として徴収できる費目の例なども示しておるところでございますという御答弁がありましたので、少し調べさせていただきました。
 お手元の資料に、ちょっとめくっていただくと、JITCO、公益財団法人国際研修協力機構が示している「外国人技能実習制度における講習手当、賃金及び監理費等に関するガイドライン」というのがあると思います。その冒頭の趣旨に、二〇〇九年十二月に法務省入国管理局が公表した技能実習生の入国・在留管理に関する指針に示されているところを具体化したものだ、あるいは書いたものだというこのガイドラインの意義が述べられているわけですが、めくっていただいた四ページ目に、「監理費等の取扱い」という項目があります。大きく、受入れ監理費、送り出し管理費、送り出しに要する諸経費という区分をした上で、その取扱いの原則として、透明の原則、公正の原則、適正の原則とそれぞれ御覧のとおり掲げた上で、監理費等の内容及び取扱いについてこう書いています。「監理費等の額の決定に当たっては、これらの費用項目に必要とされる実際の負担額を勘案した適正なものとする必要がある。」と。
 ここに言う実際の負担額というのは、入管局長が前回私に答弁した監理業務に通常伴う適正な金額の実費というものと同義だと思うんですが、そういう理解でいいですか。
#93
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 現行制度におきましては、監理団体は営利等を目的としない団体でありますが、監査、講習等に要する実費については実習実施機関から監理費として徴収することができるとされておるわけでございまして、このJITCOのガイドラインは、このような法務省の示す徴収可能な監理費、すなわち実費の考え方と同じものと理解しております。
#94
○仁比聡平君 そうしますと、入管がこれまでそれをどのように審査してきたのかということが問題になるわけですが、もう少しめくっていただきますと、八ページ、一番上に、「監理団体における受入れ監理費の明細の明示」というのがあります。「監理団体は、在留資格認定証明書交付申請において、「監理費徴収明示書」を提出することとなるが、同明示書では、受入れ監理費の根拠となる経費の費目及び費目毎の金額を明示するとともに、監理費を負担する機関が内容を確認していることも示さなければならない。」としまして、このJITCO様式の監理費徴収明示書というようなものがA4一枚などの形で示されているわけですね。つまり、費目ごとに金額を書くということになっているわけですよ。在留資格申請のときにこれを入管に出すんだということになっているわけですね。
 局長、伺いたいんですけれども、ここに監理費として実習生月一人当たり三万円とか五万円という記載がある。これ、例えば岐阜辺りなんかでは月三万円というのはこれ当たり前、なので、言ってみれば相場みたいな格好でみんな三万円取られていると、実習先が、というふうになっているんですけれども、この三万円とかあるいは五万円というのがこれ実際の負担額だということなんですか。
#95
○政府参考人(井上宏君) 監理費の審査につきましては、委員も引用していただきましたように、最初はまず、在留資格認定証明書の交付申請を受けた段階でその監理費を支払う実習実施機関とそれを徴収する監理団体が内容を確認した監理費徴収明示書の提出を求めることにしてございまして、その中で監理費の費目ごとに詳細を記載させることとしてございます。
 その審査に当たりましては、監理団体が監理に要する費用を名目として監理とは無関係のものを徴収していないか、監理団体が技能実習生に監理費を負担させていないか、監理団体から送り出し機関に不明朗な金銭の支払いがないかといった観点から確認をしておるところでございます。
 例えば、講習費用とか監査に要する交通費などの項目もございますが、それを監理費用として実習実施機関から徴収する場合、それが社会通念上不自然に高額であるような場合には、結果としてそれは技能実習生の待遇にも影響を及ぼすような事柄でございますので、そのような場合には監理団体に対して追加で説明を求めまして、合理的な説明ができるかどうか等含めて慎重に審査をしておるというところでございます。
#96
○仁比聡平君 慎重に審査をしている、不自然な高額だと良くないなんて言うんですよね。
 この間、局長、この問題について、定期的には上陸の段階、あるいは二号への資格の変更の段階、あるいは期間の更新の段階というようなときに審査をする、個別具体的に不正行為の情報が入った場合には個別に実態調査をして、その場合にはまさに現場に赴いて帳簿を見たり直接に聴取をしたりしてその実態の解明に努めておるところでございますと、現にやっていますと、そういう御答弁をされたんですが、不正行為の認定が、この受入れ監理費が不正であるという認定をしたことはありますか。
#97
○政府参考人(井上宏君) ただいまお尋ねの監理費が適当でないとして不正行為の認定を行った事例の有無につきまして、改めて過去五年間調べてみましたけれども、そのような理由で不正行為認定した事例はございませんでした。
#98
○仁比聡平君 現実には、そんな基準があるとか、やっているとか、それは建前と、それから本来そうやるべきだとお考えになっているのは分かりますよ。それは是非やってほしいと思うんだけれども、現にやれていないでしょうということなんですよ。
 実際、実習生の数だとか、あるいはその実習生をどれだけの実習先に受け入れてもらうかとか、その職種が何かとか、その技能実習の現場のありようで監理業務のコストって違うでしょう。例えば、我々が訪ねたあの大田区の羽田のエリアにたくさん工場があります。私たちが訪ねたところもそうだし、ほかの事業所にも幾つもたくさんの実習生がそこに実習してもらっていると。それを一手に引き受けて監理をしているということなんだったらば、訪ねる回数だとか、その効率性だとか、そういうようなことを考えると、いわゆる監理コストというのは下がっていくんだと思うんですよね。一方で、全国を展開して、あらゆる職種と言っていいぐらいいろんな職種にその実習生を送り込むという、ここにブローカー的な不正な収益が絡み付いていくという、こうした実態がたくさんあります。例えば福山で受け入れて東北の被災地に送る、しかも職種が違うというようなことをやろうとして、それがまさか適正な監理をやろうと思ったら大きなコストが掛かるはずなんですよ。人手も掛かるはずなんですよ。なのに、これが一律三万円でいいとか五万円でもオーケーとか、何でそんなことになるのか。
 元々この監理費の適正さというのは、今私が申し上げたような考え方で言わば定められるべきものなのではないんですか。
#99
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、監理に要する費用の本当の実費の考え方といたしましては、まさに御指摘のように、実習生の受入れの人数の多寡でございますとか、受入れの事業所の数でありますとか場所でございますとか、それらに応じて異なり得るものと考えております。
#100
○仁比聡平君 これ、今後どうしていくんですか。この監理費名目で、実際には実費ではあり得ない、そんな金額を申請して、これまで入管が全く知らないというんだったらまたちょっとよその話になるんだけれども、入管に届け出られて、それが言ってみればよしとされているわけですよね。となると、これが後ろ盾を得て、制度の後ろ盾を得て、当然取って当たり前ということになるじゃないですか。
 実習実施機関にしてみると、工賃は全然上がらない、技能実習生の監理費だといって五万円取られるところが、これがもし一万円で済むんだったら、その残りの四万円の分はこれは実習生に払えるんですよ。そういう重大な問題なんですから、この監理費の水増しだったり不正だったり、これ絶対しないために基準を明確に定めて、これをシビアに審査していく、不正は排除するということがこれから絶対必要だと思いますが、いかがですか、政府。
#101
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 新制度につきましてでございますけれども、法案の二十八条におきまして、監理事業に通常必要となる経費を勘案して主務省令で定める適正な種類及び額の監理費の徴収については許容するというふうにしておるところでございます。この法案二十八条に規定をしております通常必要となる経費を勘案した適正な種類及び額に係る主務省令の規定でございますけれども、例えば、監理団体が行う実習実施者に対する監査及び指導、実習実施者と実習生との間における雇用関係の成立のあっせん、実習生の入国後の講習等の業務について必要となる費用を実費相当額に限って認めることを考えております。
 具体的にこれをどういった形で確認をするかということについては今後検討してまいることになりますけれども、できる限り明確な基準を示すことにより、適正な額の監理費の徴収が行われるように努めてまいりたいと考えております。
#102
○仁比聡平君 おっしゃるように、二十八条にそうした規定があって、その考え方について今具体的に示されたわけですが、この二十八条の二項には、適正な種類及び額の監理費というふうに規定をされているわけですが、具体的な金額を、この適正か否かの判断基準になるものをこれ示すと、そういうふうに受け止めていいわけですか。
#103
○政府参考人(宮野甚一君) これ、具体的な基準につきましては、どういう形でお示しをするかということも含めて今検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#104
○仁比聡平君 どういう形で示すかというのを検討するといって曖昧にしてしまったら、結局、幅があるとか考え方しか示されないとかいうことになると、今私が指摘している問題が繰り返されるわけですよ。そんなことに絶対にしてはならないと厳しく申し上げておきたいと思うんですが。
 もう一点、お金の問題で、そのガイドラインの六ページに、送り出し管理費という項目の意味や在り方が書いてありますが、この送り出し管理費というのは、外国の送り出し機関、例えばベトナムの送り出し機関が実習生の送り出し業務に要する費用として実習先が監理団体に払うというふうになっているわけですよね。監理団体が送り出し機関に払うということになっているわけですけれども、この送り出し管理費というものをどんなふうに規制をしているのか。
 私、いろいろ伺いますと、例えばベトナムの送り出し機関が請求しているもの以上に水増しをする、そういう送り出し費用が掛かるんだと言って実習先から取って、ベトナムの送り出し機関には払わない、そこで不正な収益を手にするというやり方。もう一つには、その送り出し機関と結託して、あるいはその送り出し機関を我が支配下に置いて、大きな水増しされた請求があったようにさせて、その水増し分を母国、例えばベトナムに行って受け取るとか、あるいはベトナムに事業展開して、そこの資金に使って、もう日本にも持って帰らずにやりくりをするとか、そういう手口が存在するのではないかと思うんですね。
 お手元に、今のこのガイドラインの続きに、先ほど来議論になっているJITCOのホームページにある、ベトナム労働・傷病兵・社会省の「日本へのベトナム人技能実習生送出し業務の運営是正について」という通知をお配りをしています。ちょっとめくっていただきまして、三ページ、かなり具体的にいろいろ書いているんですけれども、管理費というのがあります。これが送り出し管理費のことだと思いますが、「管理費は一人当たり一か月五千円を下回らないものとし、」というふうにありますが、これ入管局長、そのとおりですね。
#105
○政府参考人(井上宏君) 突然のお尋ねで、申し訳ありません、ちょっとそこ、今具体的に把握できておりません。
#106
○仁比聡平君 突然のお尋ねじゃないんですよ。昨晩、私が通告をして、少なくともこのベトナム政府の文書としてJITCOが紹介をしているこの文書の、今申し上げた管理費は一人当たり一か月五千円という文書の存在は答弁できるでしょうというふうに申し上げたら、それが答弁できないと言っているから今あえて聞きました。それは、先ほど石橋議員の質問に対する御答弁ぶりも含めて、二国間協定、これから進めると言うけれども、これまでの政府の取組というのは一体何なのかと、その構えが問われているということを厳しく指摘をせざるを得ないからです。
 だって、ベトナム政府が出しているわけですよ、こういう通知を。具体的に金額まで示しているわけですよ。送り出し管理費についても、これは不正があるならば不正行為認定をするのが法務省の立場なはずです。だったら、送り出し側がどういうふうにしているのか、これ、当然知っていて当たり前といいますか、当事者でしょう。それをお答えになれないわけですから、一体どうなっているんだと。
 ここで、管理費一人当たり一か月五千円を下回らないと言っているけれども、この五千円というのがそういう意味じゃ一つの基準になるんです。日本円にすれば一か月五万円になるわけですから、これでも相当な額なんですよね。ところが、これを、一万円と言って水増しして請求をさせたり、あるいは一万円払わなきゃいけないからと実習実施機関に言って送り出し管理費を徴収したりしているというのが今現実です、監理団体が。その現実に対して調査をし、不正行為認定をしたことがありますか。
#107
○政府参考人(井上宏君) 今委員お尋ねの送り出し管理費に係る不正行為認定を行った事例の有無でございますが、この点も改めて調査させていただきましたが、過去五年間に御指摘の理由で不正行為認定した事例はございませんでした。
#108
○仁比聡平君 つまり、不正な収益を得る様々な手口をこれまで入管を始めとした政府は残念ながら見逃してきたわけです。不正行為認定されない、この実習制度の中から排除されないということになれば、それはどんどんどんどん広がっていくわけですよ。
 お手元の資料の一枚目に、そうした中で我が党が衆議院の委員会の質疑でも取り上げてきた、福山に所在する櫻花協同組合という監理団体、受入れ団体の櫻太吉という参与の名前が出た「外国人(ベトナム)技能実習制度説明会」という資料をお配りしました。これ、主催は公益社団法人全国ビルメンテナンス協会で、真ん中の宣伝文にあるように、「建設業をはじめ各産業においては、大変な人手不足となっており、ビルメンテナンス業界においても求人難や人材不足に悩まれる企業も多く見受けられ、少子高齢化の国内供給では、解決が困難な課題となっております。」と。こうした、私、出稼ぎ労働の実態ではないかというふうに申し上げてきましたけれども、そうした中でベトナム実習生を活用しませんかという会だと思うんですが。
 そこで、概要を、制度を説明し、事例報告など、その中心になっているのがこの櫻太吉という人が参与になっている櫻花協同組合なんですね。この櫻花協同組合の組合の中の資産をめぐって刑事事件がありました。その組合の役員が業務上横領罪に問われた事件ですけれども、検察の起訴によれば、櫻花協同組合が設立をされた二〇〇八年から四年ほどたった二〇一二年の一月から翌一三年三月までの一年余りの間に、ある役員が計一億三百七十九万六千円をその組合の口座から引き出し、そのうち約二千万円を着服したという、そうした被疑事実なわけです。
 これ、つまり、四年ぐらいやっていると、それから一年間の間に一億円以上のこの組合の運営費というのが入ってくるということになっているということなんじゃないんですか。監理団体は営利であってはならないわけでしょう。そうしたら、監理業務のそれなりにコストが掛かるわけですから、入ったお金は出ていくというのが当たり前じゃないですか。何でこんなお金がこんなふうにたまっていて、で、着服するなんていうようなことになるのか、理解がかなわないと。
 ですから、労働組合が入管の現場の方に、不正行為として調査をし認定をすべきだというふうに求めてきたにもかかわらず、入管は、事業協同組合なので営利団体ではない、不正の類型にはないとして調査をしていないと伺いますが、これ調査しないんですか。
#109
○政府参考人(井上宏君) 個別具体的な事案に関わることでありますのでお答えは差し控えさせていただきますが、一般的に申し上げまして、入国管理局におきましては、不適正な受入れを行っている疑いのある情報の提供がございましたときには、技能実習実施機関や監理団体に対しては実地調査を実施し、不正行為と認められたものについては受入れ停止などの厳格な対応をしておるところでございます。
#110
○仁比聡平君 そうおっしゃりながら、実際には行ってこなかった、あるいは行うことができない体制だった。様々な問題があって、こうした不正な収益を不正な手段で我が物にして、その犠牲が技能実習生たちに押し付けられていると。その認識に立たなければ、この問題を打開することなんて絶対にできないんですよね。
 もう一方の、適正な監理業務というのは一体何なのか、不正ではないかという角度にちょっと話を移しますと、この櫻花協同組合もそうなんですけれども、全国に実習生を送るんだということで展開をしているわけですよ。ところが、その実態は全然ない。
 ちょっと分かりやすいかなと思って、今のチラシの次のページに、協同組合アキューミューレーションという監理組合のホームページから引用していますが、この協同組合は本社はさいたま市だというわけですね。で、名古屋事務所、新潟事務所というのをそれぞれ置くというわけです。
 この事務所というのが何なのか。監理団体によっては支社とか支所とかいろんな言い方をしますけれども、この支所や事務所が例えば東海・北信越エリアの地域に実習生を送る、日常的に監理をするというふうになっているのであれば、これは法案が監理団体の許可を求めようとする申請の中で必要的な記載事項としている監理事業を行う事業所、これに当たるんだろうと思うんですけれども、いかがですか。
#111
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、新制度におきましては、監理団体の許可を受けようとする者は、申請書に監理事業を行う事業所の名称及び所在地を記載して主務大臣に提出しなければならず、申請書には監理事業を行う事業所ごとの監理事業に係る事業計画書を添付しなければならない、さらに、事業所ごとに監理責任者を選任しなければならないということとされているところでございます。
 したがいまして、こうした監理事業を行う事業所ごとにこうした申請をしていただくという必要がございます。
#112
○仁比聡平君 ところが、この事業所というのは、不正があって労働組合が訪ねてみると、看板も掛かっていないマンションの一室で、ここでピンポン鳴らしてやっと人が出てきたと思ったら、若いベトナム人の留学生が一人いるだけと。もちろん、日常的な監理だったりをする体制なんて全くないわけです。実態はないんですよね。それが、今訪ねていったと言って申し上げたのはこの間の正月の話ですから、現に横行しているわけです、ホームページは昨日これ取ったものですから。そうした監理団体をどう適正化するのかということなんですよ。
 今、法案についてお話がありましたけれども、法案の二十三条で許可を得ようとするときの申請の項目がありますが、監理事業を行う事業所ごとに事業計画書を出さなきゃいけない。その事業計画書には、実習監理を行う実習実施者の見込み数、技能実習生の見込み数、その他監理事業に関する事項を記載しなきゃいけないとなっていて、二十五条に許可の基準として、私大事だなと思うんですけれども、三つの点が記載されています。つまり、営利を目的としないものであるということ、そして、監理事業を適正に行うに足りる能力を有するものであること、監理事業を健全に遂行するに足りる財政的基礎を有するものであることということなんですね。
 私が尋ねている能力という問題でいいますと、三十九条の三項の主務省令で定める基準だというので、その三十九条を見ると、団体監理型技能実習の実施状況の監査その他の業務の実施に関し主務省令で定める基準というふうに言っているんですが、これ、適正な監理事業をやるためにこの主務省令でどんな考え方で体制を求めようとしているわけですか。
#113
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 お尋ねの第三十九条第三項の主務省令についてでございますけれども、これは監理団体の業務の運営基準を定めることとしておりますが、具体的には、団体監理型技能実習の実習状況の監査について三か月に一回以上の頻度で適切に行うこと、技能実習生に修得等をさせようとする技能等について一定の経験又は知識を有する役職員に技能実習計画の作成、指導を担当させること、技能実習生からの相談に適切に対応するために必要な措置を講じていること等を求めることとしております。
 詳細につきましては今後検討していくこととなりますけれども、監理事業が適正に遂行されるよう適切な基準を設定してまいりたいと考えております。
#114
○仁比聡平君 大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、不正な収益を手にしていく手口、これ絶対に排除しなきゃいけないと。そして、監理業務をやるといいながらその実態がない、実態がないどころか逆に実習生を食い物にする、そんなやからを絶対に許しちゃならないと思うんですね。
 それぞれ局長に御答弁いただきましたけれども、大臣の決意を伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(金田勝年君) 監理団体は、団体監理型技能実習におきまして重要な役割を果たすものであるということは申し上げるまでもありません。実態のない団体が監理団体を名のるようなことがあってはならないというのはもちろんでありますし、実習実施者に対します監査等を適正に行うことのできる能力を有する団体に監理団体を務めていただかなければならない、このように考えております。
 そこで、今局長さん方から答弁がありましたが、新しい制度では、主務大臣及び外国人技能実習機構において、監理事業の許可という手続を通じまして、監理事業を適正に行うに足りる能力を有するかどうかなど監理団体の実態を確認することとしているところでありまして、この新しい制度の下で、不適切な監理団体を排除するとともに、監理事業の実施基準を適切に定めまして監理団体の適正化を図っていきたいと、このように考えております。
#116
○仁比聡平君 そうした御答弁にもかかわらず、新制度の下で私が繰り返しこうした問題を指摘することになれば重大だということをあえて申し上げておきたいと思うんですね。
 まずの試金石として、経済産業省製造産業局においでいただいていると思うんですが、本会議で、岐阜アパレル産業の振興に関わって今起こっている事態、これをちゃんと調査するということが必要だと大臣も明確に御答弁をいただきましたが、これどのように、そして速やかに進めるのか、ここは問われていると思うんですね。今の状況をお聞かせいただきたいと思います。
#117
○政府参考人(三田紀之君) お答えいたします。
 ただいま議員御指摘のとおり、十月二十八日の参議院本会議におきまして世耕大臣から、関係府省と連携してその実態を調査していく、この旨お答え申し上げたわけでございますけれども、これを受けまして、岐阜県の縫製企業そしてアパレル企業を対象にアンケート及びヒアリングの調査の準備を今進めているところでございます。
 今回の調査では、まず、アパレル企業から縫製企業に対する縫製工賃単価の切下げが行われているのか、最低工賃が引き上げられた際に発注工賃がきちんと引き上げられているのかどうか、事業者間の取引対価は発注側と受注側両者の協議によって定めるものでありまして、経済産業省からも取引対価の決定に当たりまして下請事業者との協議の上で適切な労務費を含めるよう業界団体等要請しておりますが、このような協議が行われているのか、こういった点について調査する予定でございます。現在、関係府省と連携して具体的な調査事項の詰めなど進めておりまして、準備が整い次第、速やかに調査を実施することとしてございます。
 なお、経済産業省といたしましては、取引慣行の改善を図ることに加えて、アパレル産業の振興として、サプライチェーンの再構築による各工程の付加価値の向上、業界の認証事業であるJクオリティー制度などを活用したジャパン・ブランドの構築等、繊維産業の付加価値の拡大のための必要な施策も併せて講じているところでございます。
#118
○仁比聡平君 これまで入管や労働基準監督の現場の皆さんが、言わば実習生のこの深刻な実態を目の当たりにしながら格闘してこられたと思うんですね。
 やっぱり根っこにあるのは、そうした低賃金、長時間を始めとした深刻な労働条件で実習生に働いてもらわないと成り立っていかないという、そうした産業の現状ということにあるんだと思いますから、この調査を大きな一歩にして、経済産業省を始めとして、この日本の経済と社会と地域が本当にこのままでいいのか、絶対良くないじゃないか、ここを打開するんだということを政府を挙げて取り組んでいただきたいということを強く申し上げて、質問を終わります。
#119
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。
 本日が技能実習に係る法律案の最後の質疑となりますので、確認も含めましてしっかり議論をさせていただきたいと思っておりますけれども、本日、論点が重なることがございますけれども、大事な点ということで御了承をいただきたいと思います。
 先日、十五日の委員会で時間切れとなってしまいました御質問の監理団体についてから順にお伺いをしていきたいと思います。
 では、早速、監理団体についてでございますけれども、今回の技能実習制度におきまして重要な位置を占めるものの一つが私はこの監理団体だというふうに思っております。
 先日、私は、大阪の監理団体の方を紹介していただきまして、その経営者の方にお話を聞くことができました。日本国内には約千九百社ほどの監理団体が存在しているということですけれども、議論がされてきたとおり、なかなかやはり実態がつかめないというのが現実だということでございました。
 この監理団体の中には外国人による監理団体もあるということで、そういった中にはやはり個人的にお金を受け取ってしまうような団体もあると聞き及んでおりました。そういった監理団体はもちろん今回の新制度でしっかり排除されることになるのだというふうに期待をしておりますけれども、まず確認も含めましてお伺いをしていきたいと思いますが、今回、法改正によりまして新制度になりましたら、監理団体の許可制の基準、そして優良の監理団体の基準はどのようなものになるんでしょうか。そして、これらによって本当に適正な監理体制が確保されるんでしょうか、まずは併せてお聞かせください。
#120
○政府参考人(井上宏君) 新制度における監理団体の許可要件についてから御説明を申し上げます。
 まず、現行制度では、これは、監理団体になる要件としては、法律上は、営利を目的としない一定類型の団体であるということのほかは特段の条件を設けておらないんですが、今回の法案におきましては、監理団体の許可の要件といたしまして、監理事業を主務省令の基準に従って適正に行うに足りる能力を有するものであること、あるいは監理事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有するものであること、さらには、実習実施者と密接な関係を有しない外部役員又は外部監査を置くことなどを法律に掲げておるところでございます。その上でさらに、詳細な基準を定める主務省令におきまして、監理事業の実施に関する基準といたしまして、例えば実習実施者に対する指導や監査、技能実習生からの相談対応について定めることを想定しております。
 こうした許可要件を定めることによりまして、実習実施者を適切に監理する能力のない監理団体が排除されることとなり、その結果、適正な監理体制が確保されることになると考えております。
 次に、優良な監理団体の認定の基準につきましてもお尋ねがございました。
 技能実習三号の監理を行うためには、通常の許可要件に加えまして、いわゆる優良性の基準、これ、法文におきましては、実習の実施状況の監査その他の業務を遂行する能力につき高い水準を満たすものとして主務省令で定める基準を満たすものということに規定してございますが、その優良性の要件に適合していることを求めることとしてございます。
 この監理団体の優良性の具体的な内容につきましては、法務省と厚生労働省の合同有識者懇談会の報告書におきまして、過去三年分の実習生の技能評価試験での合格率でありますとか、実習生に対する適切な相談体制の整備、さらには行方不明者が発生しないことといった視点が提示されているところでございまして、こうした意見も踏まえながら主務省令におきまして基準を定めていきたいと考えております。
 このような要件を、基準を定めることによりまして、合格率の向上でございますとか相談体制の整備など、制度の趣旨にのっとった適正な技能実習を行うことへのインセンティブが高まりまして、より適正な監理体制が確保されるものと考えております。
#121
○高木かおり君 今、様々な基準についていろいろと説明をしていただきましたけれども、それによって適正な監理体制が確保されるということだと思いますけれども、今回の法律の第二十八条、今日の議論の中にも出てきましたけれども、この監理費の件でございます。監理団体は、監理事業に通常必要となる経費等を勘案して主務省令で定める適正な種類及び額の監理費を、少しはしょらせていただきますけれども、徴収することができる、この場合を除き監理団体は実習生等からいかなる名義でも手数料又は報酬を受けてはならないとございます。
 監理団体による実習実施機関からの監理費の徴収について、現行制度と新制度ではそれぞれどのような規制が設けられているんでしょうか、お聞かせください。
#122
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 初めに、現行制度におけます監理費の規制でございますが、現行制度上、監理団体は、法律においては入管法の在留資格を定める別表に営利を目的としない団体と規定されているところでございます。そして、これを踏まえまして、技能実習を通じて収益を上げることは認められていませんが、監査、講習等に要する実費につきましては実習実施機関から監理費として徴収することができるものとされてございます。
 法務省令におきましては、この監理費につきまして、技能実習生を受け入れる前に、費用を負担することとなる機関に対して、その金額及び使途を明示すること及び技能実習生に直接又は間接に負担させないことを求めているところであります。
 次に、新制度における監理費の規制でございます。
 今回の法案でも、現行制度と同様に営利を目的としない法人に限定しているところではございますが、さらに、監理事業に通常必要となる経費等を勘案して主務省令で定める適正な種類及び額の監理費を団体監理型実習実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で徴収する場合を除いては、関係者から手数料等を受けてはならないことと明らかにしております。また、監理費を技能実習生に負担させてはならないことにつきましても、現行の規定と同様の規定を主務省令に置くことを予定しております。
#123
○高木かおり君 先ほど御紹介をいたしました監理団体の経営者の方のお話の中に、この監理団体も、日本の監理団体ばかりではなくて、技能実習生を送り出している国の方が日本で監理団体をつくって自国あるいは別の国の実習生を受け入れているというような事例もあると。
 そうしますと、この監理費という名目で実習生から様々、いろいろとこのお金を徴収しているという事実もあったということも先ほど申し上げましたけれども、先日の参考人質疑の折に、ベトナム政府は、日本向けの技能実習生につきまして、送り出し機関が徴収するこの手数料や保証金に関する上限をベトナム政府は定めている、けれども、様々な名目で徴収している送り出し機関というのが少なくない、日本では、我が国の制度上は保証金を納めていると入国できなくなる、我が国としてはこのような制度上の矛盾を送り出し国の各国とも連携して解決していくと、これは保証金についてですけれども、様々こういう御意見が出ておりました。
 このような御意見の方を伺っておりますと、この第二十八条の主務省令で定める適正な種類及び額の監理費というのが具体的にはどのようなものになるのかがこの監理団体を適正に見ていくことにもつながっていくのではないかと思います。
 今後のこの省令次第ということもありますけれども、これについて、できれば大臣、御見解を伺いたいんですけれども、この監理費は実習生にとっても大変負担になるものですから、どこまでが適正なのか、その判断というのが本当に重要になってくると思いますけれども、この御見解についてお伺いしたいと思います。
#124
○政府参考人(井上宏君) 先にちょっと細かい話ですので私の方から御説明させていただきますが、適正な項目と額の内容につきましては、これは、先ほど仁比委員からの質問にもございましたように、具体的に何がその本当の実費なのか、適正な額なのかというのはこれはケース・バイ・ケースになりまして、様々な場合がありますので、これを非常に堅い、細かい数字で規定していくということはなかなかかえって本質から離れてしまうおそれがあるところでございまして、省令の中でどこまで明らかにできるか、具体的に明確にできるかということ、今、厚生労働省等とも共同していろいろ検討しておるところでございます。
 今後、国会での御審議等も踏まえまして、運用しやすく、それが相手方にもなるべく伝わりやすい、できるだけ良い基準を定める方向で引き続き努力をしてまいりたいと思います。
#125
○高木かおり君 この監理費の中身、なかなかケース・バイ・ケースで、きちっと明確にするのは難しいというお話でございましたけれども、監理団体につきまして、どれだけ新制度になっても、やはりこの運用面で良くない監理団体というのは排除していかなければならない、少しでも実習生の保護につなげていくことが大変重要なわけでございますけれども、そこにはやはりこの監理費について、中身や額、こういったこともこれから運用していく中できちんと基準を定めていくということもやはり実習生の保護につながっていくかと思いますので、きちんと御検討をいただきたいと思います。
 それでは、次に、送り出し機関について進めさせていただきたいと思います。
 この委員会でも、送り出し機関につきましては何度も議論が交わされてまいりました。監理団体とともにこの技能実習制度の中でネックになっているのがこの送り出し機関だとも言えます。しかしながら、御答弁の中では、送り出し機関は海外の機関であるから日本で規制することがなかなかできない、国内にある監理団体をしっかり法で規制することで悪質な送り出し機関を排除していく、こういったことが御答弁の中でも繰り返されていたように思います。
 要するに、この監理団体が優良な送り出し機関と契約するということが重要になってくるかと思いますけれども、先ほど申し上げました監理団体さんにお話をお聞きしましたときに、送り出し機関としては、実習生候補を確実に日本へ送り出すために監理団体に選んでもらわないといけない、監理団体は送り出し機関にとってはお客さんであると、送り出し機関は自国で、うちに来たら確実に日本へ行けますよとアピールをしていると、まず将来の実習生から入学金を払ってもらって、それが監理団体に今流れていると、そして一部の監理団体が、実習生を受ける代わりに個人的にお金を受け取っていると、こういった実態があるというお話もされておられました。
 保証金や違約金の契約があることによりまして、実習生は実習が継続できなくなると思って不当な扱いも申告しづらい状況になっているのではないかと考えられます。実際には、送り出し機関は外国の機関ですから、保証金の徴収等の不正が疑われたとしても、その事実を我が国の地方入管局が実態調査するのは難しいでしょうし、外国にある機関に対しまして直接権限行使ができない以上、不適切な送り出し機関の排除にはやはり限界があるのだなというのも理解ができます。
 では、外国の送り出し機関ではあるけれども日本に窓口となる拠点を置いているような場合、日本国内における技能実習生に対する不当な扱いですとか人権侵害等の行為があった場合など、この日本の窓口に対してはどのような対処をされるんでしょうか、お聞かせください。
#126
○政府参考人(井上宏君) 送り出し機関の職員が日本で活動する場合に関する御指摘でございます。
 仮に、そうした送り出し機関の職員が日本国内で、例えば旅券を預かるとか私生活の自由を制限するなど、不正行為に当たるような人権侵害行為等を行っていることが判明したような場合には、まずもって主務大臣、これは新法の下ではどうなるかということで申し上げますと、主務大臣と外国人技能実習機構ということになろうかと思いますが、これは、直ちにまずその当該技能実習生の保護措置を講ずるということが第一でございます。それとともに、当該送り出し機関によるそのような人権侵害行為があったということを記録いたしまして、言わばブラックリストのような、そういう悪い行為の記録というのを残しまして、以後、当該監理団体の許可でありますとか技能実習生の認定手続の中で、その送り出し機関から送られてくるような技能実習生の取扱いを認めないことなどによりまして、そのような送り出し機関の関与を確実に排除するということをしてまいることになります。
 また、それと同時に、送り出し国政府に対しましてもこのような事実があったことを通知いたしまして、送り出し国においても不適正な送り出し機関として排除を求めていくということになります。
#127
○高木かおり君 送り出し国と送り出し機関に対して適正な対処をするということでしたが、私の質問の方は、日本にある窓口に対してどういった対処をされるのかという質問でございましたけれども、その点、もう一度お聞かせいただけますでしょうか。
#128
○政府参考人(井上宏君) 日本にございます、送り出し機関の言わば支所といいましょうか、でございますので、そこの人の活動がすなわち当該外国の送り出し機関の活動そのものであるということで、当該送り出し機関からの受入れを止めるなどの対応策を取るという、そういう考え方でございます。
#129
○高木かおり君 分かりました。是非、日本の送り出し機関に対する対策等も併せて今後講じていただきたいというふうに思っております。
 繰り返しになりますけれども、やはりそもそもが民民のお話であるということから、今まではなかなか適正な送り出し機関を見極めることが難しかったのかもしれません。外国のことでこちらからは手を出せないということもありますけれども、相手政府と協力体制を取りながら適当と認められるものを認定するとなっておりますけれども、どのような点が適当と認められたらよいのか示されていないところも懸念されるところであります。
 適当と認められるものを認定するといったことも含めまして、今後二国間で取り決めていくことになると思いますけれども、分科会報告等では当初は二国間協定となっておりましたけれども、この協定という部分が当局間の取決めということに変更になっている。こういったことで、送り出し機関との間で法的拘束力のある国際約束を結ばずに法的拘束力のない取決めを結ぶことになっているのはどうしてでしょうか、お聞かせください。
#130
○政府参考人(井上宏君) 二国間取決めの、政府間取決めの形とした理由でございますが、これは外務省、厚生労働省等関係省庁とも協議の上で決めたことでございますけれども、まず、この技能実習制度を適正化するために、送り出し機関に関しては速やかに二国間の共通の認識に基づく新しい枠組みに移行する必要があるということがまず第一点目でございます。また、新しい枠組みに移行した後も、その後の運用状況や各国の事情を見て柔軟に見直していく必要があるということが二点目でございます。また三番目に、送り出し国は多数ありまして、一つ一つの国との間でその協定の手続を結んでいかなければならないということがございます。
 そのようなことを総合考慮した結果、二国間取決めの形でありましても、条約でなくてもこの実効性自体は確保できると考えられることから、迅速性とか柔軟性において勝っているという観点で二国間取決めという形で進めていくこととしたものでございます。
#131
○高木かおり君 法的拘束力のない取決めを結ぶ理由として三つ挙げられておられましたけれども、やはりこの取決めの内容はそのままでも取決めの実効力に差が出てくるのではないかなというふうに懸念をいたします。
 きちんと本当に優良な送り出し機関の選定ができるのかということが問題であると思いますけれども、法的拘束力のない二国間取決めであっても厳正な送り出し機関の適正化を図る、実効性は先ほど担保される、できるとおっしゃっておられましたけれども、もう一度、この実効性、本当に担保されるんでしょうか、再度お聞かせください。
#132
○政府参考人(井上宏君) お答え申し上げます。
 法的拘束力はないといいましても、二国間の取決めの作成を通じまして技能実習制度に関する両国間の共通の認識と意図について文書で明示的に一致させることができますので、両国がその内容を誠実に履行することが求められることになりますので、実効性は十分確保されるものと考えております。
 なお、送り出し国によって認定された機関が仮に不適正な送り出し機関であると考えられるような場合には、我が国としましては、相手国に対して事実関係を照会するとともに必要な対応を求めていく考えでございまして、そのような場合には、まずは相手国の対応を待たずに我が国の方で当該送り出し機関からの技能実習生の受入れを技能実習計画の認定の中で厳格にして、そこで排除していくということも考えまして、そういう国内の対応を取りつつ、相手国政府に更に適切な対応を求めていくということも踏まえまして、実効性は十分に確保されていくものと考えております。
#133
○高木かおり君 実効性は十分に確保されるという御答弁をいただきました。是非ともしっかりとやっていっていただきたいというふうに思います。
 それでは次に、この法案の審議の中で何度も失踪について私取り上げてまいりましたけれども、この技能実習制度の問題は失踪問題と切り離して考えることはできないと思っております。
 十一月一日の委員会でもお話をいたしましたように、この制度における研修生及び技能実習生の失踪者の数でありますけれども、平成二十三年度で千五百四十四名、それが平成二十七年度には五千八百八名と約三・七六倍に増えていると。こうやってどんどん失踪者が増えていくというのは一体どういうことかと本当に心配に思うわけであります。
 連合審査の折に我が党の東議員も同じことを申しておりましたけれども、そのとき井上局長からは、失踪の動機といたしましては、技能実習を出稼ぎ労働の機会と捉えてより高い賃金を求めて失踪する者が多数であるということが判明してございますと、そういった御答弁がございました。
 技能実習を出稼ぎ労働の機会と捉えて、より高い賃金を求め失踪する者が多数というこの現状を知りながら、それでも技能実習制度を拡充していくと、これが今回の法案であると思いますけれども、それでは、現行制度では技能実習生の失踪についてどのような対策が今までは講じられていたのか、確認させていただきたいと思います。
#134
○政府参考人(井上宏君) 現在まで行ってきた失踪への対策についてのお尋ねでございました。
 まず一つ目として行ってきたことは、失踪者を多数発生させている送り出し機関とか監理団体に係る技能実習生の受入れの申請があったときにはこれは厳格に審査するということ、それと同時に、実習実施者や監理団体に対して技能修得の意欲が認められる者を選抜するよう指導するというような対応が基本でございます。
 もう少し敷衍いたしますと、厳格な審査とはどのようなことかということでございますけれども、具体的な受入れ申請が参りました場合に、その監理団体が前に多数の失踪を出しているようなときには、その前の失踪の経緯とか原因を、これをまず分析させて、どのような対応を当該機関が取ってきたのかということを検証させるというようなこと、さらには、その送り出し機関をどうして選んだのかとか、その実習生をどうやって選抜してきたのかと、そのような具体的な方法に何か問題はなかったかとか、そのようなことを検討させて報告させるなどのことをして、その中でより適切な、適正な受入れが進むように、それが制度の趣旨にのっとった受入れとなって失踪が減るようなことにつながるようなという意味で、そのような指導をしておるということでございます。
#135
○高木かおり君 今までの現行制度の失踪についての、どのような対策を講じているかということでございますけれども、今後、法改正をされてより厳格化されていくということだとは思うんですけれども、共同通信の調査では、現状、外国人の技能実習生は全国の自治体の七七%に存在するというような状況であると。つまり、技能実習生は今や日本社会に深く浸透している非常に大きな課題だというふうに考えております。
 大半は真面目に技能実習に取り組んで、母国の発展のためになる人材の方たちだと思いますけれども、ですので、私はこの技能実習法案には賛成の立場ではございますが、しかしながら、その一方で、失踪者対策、これが手薄になっているのではないかと、もっとしっかり取り組んでいただきたいというふうに強く思っているわけであります。
 なぜこれだけ何度もお願いしているかと申しますと、失踪者とか不法滞在者、これが増えてきているという現状の中で、やはり犯罪が心配になってくるわけであります。国の治安が悪くなるのを放っておくわけにはいきません。
 その犯罪の件数ですけれども、在留資格別の刑法犯の検挙人数、これを見ますと、在留資格が技能実習である刑法犯は平成二十四年が二百三十七人であるのに対しまして平成二十七年は六百四人、これ、刑法犯の検挙人数見ても二・五五倍に増えてきているわけです。一方、在留資格が技能実習である外国人の数でありますけれども、平成二十四年が十五万一千四百七十七名、そして平成二十七年度が十九万二千六百五十五名、約一・二七倍、人数との対比で見た検挙人数も約二倍になってきている、これが現状であると。
 これを我が党の東議員が連合審査でも指摘したところ、井上局長から、どのような犯罪予防の措置をとるかということはこれ政府全体で取り組むべき側面もあろうかと思いますが、少なくとも、技能実習に固有の問題で入管当局としてできることという観点でお答えしますと、やはりそこは、一つは失踪を減らしていくということがあるというふうに御答弁がございました。
 失踪者を減らしていくという点では一致していると思いますけれども、では、具体的に新制度ではこの技能実習生の失踪を減らすために、何度もお聞きしているかもしれませんが、どのように取り組んでいくのか、再度お聞かせいただけますでしょうか。
#136
○政府参考人(井上宏君) 新制度の下におきましては、現行制度での対応に加えまして幾つかのことを新たにしてまいりたいと考えております。
 まず一つとしては、送り出し国との政府間取決めによりまして、送り出し国や送り出し機関による技能実習生に対する制度趣旨の周知徹底を求めるほか、高額な手数料等を徴収する送り出し機関を排除していくということが一つございます。このほか、技能実習法案では、技能実習生に対する人権侵害の禁止規定や罰則、技能実習生からの相談受付体制の整備等も盛り込んでおりまして、受入れ機関側の問題による失踪にも対応してまいりたいと思います。またもう一つ、入管法の改正法案におきましては、技能実習生の逃亡にも対応できる新たな在留資格の取消し事由を創設することとしております。
 このような対策を総合的に活用いたしまして、失踪の減少に努めてまいる所存でございます。
#137
○高木かおり君 是非ともこの失踪の対策というのはしっかりと丁寧に着実に行っていただきたいと思います。それがひいては実習生の保護にもつながっていくと考えております。
 それでは、次に、介護についてお伺いをしていきたいと思います。
 以前もこの委員会では、日本は、今後、超高齢化社会を迎える中で、介護人材が三十八万人ほどの不足が懸念されるところでありますけれども、今回のこの技能実習生ですとか在留資格の介護、こういったものに頼るのではなく、あくまで国内での掘り起こしというお話がございました。しかしながら、国際貢献として介護を技能実習の一つに加えて、入管法でも介護を加えるというのが今回の法改正であると思っております。介護の人材は、今後、発展途上国でもニーズがあるとのお答えでございました。
 先日、参考人質疑のときにお越しいただきましたレロンソン参考人のお話では、ベトナムの話になりますけれども、ベトナムの平均年齢は二十八歳、三十歳以下の人口が六割ということでございました。ちょうど日本でいえば戦後の復興期の人口構成に近いのではないかと思います。そうすると、ベトナムが現在の日本のような高齢化社会を迎えるのは三十年後、四十年後のことではないかなと。まだまだ若い方々が多い国であると思います。
 そういった中で、有田議員の方からも同様の質問等もございましたけれども、現時点で送り出し国からの介護職種のニーズというのが本当にあるのかどうか。先ほどございましたけれども、二〇〇九年に制定された法律には高齢者は家族が担うということになっていると。ハノイにはそういった高齢者施設が八か所で、全部で十か所、高齢者施設、全体にはあるんだと。ということは、今そんなに働く場所があるのかどうかというのは多少疑問に感じるわけであります。
 そういったことも含めまして、再度、この介護職種のニーズが本当にあるのかどうかについてお伺いをいたしたいと思います。
#138
○政府参考人(中井川誠君) お答え申し上げます。
 開発途上国、特にASEAN諸国におきましては、今後我が国以上のペースで高齢化が進展することが予測されております。
 今御指摘のベトナムでございますが、いわゆる高齢化社会の目安と言われております老人人口比率七%、それから高齢社会と言われています老人人口比率が一四%ということでございますが、いわゆる七%から一四%まで移行するのが十五年で移行するだろうという予測がございます。ちなみに日本の場合、これも急速と言われておりますが二十五年で、日本よりも十年速いペースで高齢化が進展するだろうという予測が立てられているところでございます。このため、これまでに日本が蓄積してきた介護に関する知識、技術の取得でございますとか人材の育成に対するニーズは今後増大しているものと考えております。
 実際にベトナムからは、今後ベトナムでは一層速いスピードで高齢化が進み、介護技術の取得と普及に対するニーズは増大することが間違いないと考えられ、特に認知症のケアや自立支援の技術などの面でケアの方法と事例が既に豊富にある日本の介護技術から大いに学びたいといった趣旨の御要望をいただいているところでございます。
 このように、将来の高齢化を見据えて、その対応の一環として介護職種の送り出しを要望されているものと考えているところでございます。
#139
○高木かおり君 今の御答弁では、高齢化の進展が日本よりも十年早くて、七%から一四%に十五年でなるんだということで、ニーズはあるといった趣旨の御答弁だったかと思います。
 私は、このベトナムの将来の介護職種のニーズという、もちろんそれもあるのかもしれませんけれども、やはりこの日本の現在の介護人材不足の方が喫緊の課題のようにも感じているわけでございます。職種を対象職種に加える理由というのが不足する介護人材確保対策でないとするならば、今後どのようにしてこの介護人材を確保していくのかと前回お尋ねさせていただきましたら、国内には様々な人材がいらっしゃるので、そういう人材をいろいろな形で活用していく、潜在介護人材の呼び戻しのための再就職準備金の貸付額の増額ですとか、また、月額平均一万円相当の処遇改善などを行う、またICTや介護ロボットによる生産性の向上、現場負担の軽減、職場環境の改善、それから保育施設の開設等の職場環境の改善、あらゆる施策を動員して介護人材の確保に取り組んでいくというふうに御答弁をいただいたかと思います。
 本来であれば、様々な理由で失踪者が増えている状況の中で、まずは適正化をきちっと図った上で拡充策へ進むのが本当であるのではないかというふうに思うんですけれども、今回この制度の適正化と拡充を同時に行うのであれば、速やかにこの運営体制を確立して確実に運用していくということが必要になってくるかと思いますけれども、今後の技能実習制度の運用につきまして、是非とも厚生労働副大臣の方から簡潔に御決意、お願いをいたしたいと思います。
#140
○副大臣(橋本岳君) まず、ベトナムの現状についての御質問、先ほどございまして、審議官が答弁を申し上げたんですが、補足をさせていただきますと、実は九月にインドネシアのジャカルタでASEAN社会福祉大臣会合というものがございまして、私の方が出席をしてまいりました、ASEANプラス3という枠組みでございますけど。そこで私の方から下手な英語で発表したんですが、今後ASEAN諸国も、日本も高齢化というプロセスをたどっていますが、ASEAN諸国も今後もっと急速なペースで高齢化をすることが十分予測をされますということを申し上げ、その上で、日本も今後必要な協力を様々なものを含めてさせていただきたいというようなことを申し上げましたら、急に拍手をいただきまして、ちょっと下手な英語で一生懸命しゃべっていて拍手されたので、しゃべっていた方が驚いたみたいなことがあったんですが、本当にそれだけ各国、今はまだ若い国であったとしても、今後どうなるんだろうということに対して様々な心配があるんだなということは肌で感じたところでございます。
 であるからして、しっかりと、この技能実習の制度あるいは今御検討いただいている法案は、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図って、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力をする国際貢献という制度目的を徹底するためのものでございまして、実習生が適正な実習環境と保護体制の下で安心して技能の修得に専念できるよう、制度の適正な運用に取り組むとともに、法令違反がなく、相談、指導体制が優れているなど、優良な受入れ機関について受入れ枠の拡大等の拡充策を適用しているわけでございますけれども、今、先ほど申し上げたような海外からのニーズというものを踏まえて、法案が成立した際には速やかに新しい制度を的確に運用していく、そして、そのことを通じて委員会審議でも様々な御懸念があったということは私たちも受け止めておりますので、そのための体制づくりに着手をしていきたい、このように考えております。
 具体的には、主務省令等の基準の策定、あと、外国人技能実習機構を設立しなきゃいけません。さらに、法務省はもとより、関係省庁とも連携をしながら、地域ごと又は職種ごとに必要な情報の共有や課題解決を図るための協議会の設置など、各般の準備にしっかりと取り組んでまいりたい。そのことを通じて、海外の各国のそうしたニーズ、あるいは実際に来られる実習生の方々にしっかりと技能を身に付けていただいてお国で活躍をいただく。そして、私たちとしては、国際貢献をするんだ、その目的をしっかり果たしていきたいと、このように考えているところでございます。
#141
○高木かおり君 実体験を基に御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 時間もなくなってまいりましたので、最後に、技能実習は適正に運用がなされていくことで日本の国際貢献となり、送り出し国の発展に寄与できる制度だと思っております。制度を運用しながらより良い方向に変えていくということも考えられるのではないかと思いますけれども、最後に金田法務大臣の御決意をどうかよろしくお願いいたします。
#142
○国務大臣(金田勝年君) 委員のただいままでの議論をお聞きしておりまして、まさにそういう思いをよく受け止めた次第であります。
 やはり、委員御指摘のとおり、今言われました適正化と、それからこの制度の拡充というものをしっかりとやっていかなければいけない。そういう意味においては、同時に適正化と制度の拡充を行うためには、新たに設立をいたします外国人技能実習機構、これを含めました運営体制を速やかに確立をしていくことがまず重要であろうと、こういうふうに考えております。
 これと併せて、技能実習を適正に実施できる実習実施者や監理団体のみが優良と認定されるような適切な基準を省令等で設けました上、主務大臣及び機構において厳格な審査を実施していく、そして、真に優良な受入れ機関のみが拡充の対象となるように確実な運用をしていくことで技能実習制度のより一層の適正化を図っていくつもりであります。
#143
○高木かおり君 ありがとうございました。
 時間が参りましたので、これで終了させていただきたいと思います。
#144
○委員長(秋野公造君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#145
○委員長(秋野公造君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として小川敏夫君が選任されました。
    ─────────────
#146
○委員長(秋野公造君) 休憩前に引き続き、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案及び出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#147
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 出入国管理及び難民認定法改正案について伺います。
 まず、先週の私の質問の入管法七十条の二に関連した質問ですが、不法入国等により起訴され、そして刑事裁判となった場合に、条約難民のみが刑を免除され、日本政府が認めた人道配慮による在留許可者は刑が免除されないということがあるのかどうか、伺います。難民としては認定されないものの、人道配慮による在留許可を受けた人は刑が免除されない可能性はあるのでしょうか、また、その場合の対処方法を法務省はどのように考えていらっしゃいますか、お伺いいたします。
#148
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 お尋ねの入管法七十条の二の規定は、不法入国等の罪を犯した者につきまして、難民条約上の難民に当たる場合その他法定の要件を満たす場合にはその刑が免除されるという規定でございます。
 この規定は、難民条約の三十一条という規定を受けて設けられた規定でございますので、同条の趣旨に従って解釈をしておりますので、そこで言うところの難民は条約上の難民に当たりますので、我が国の難民認定手続において、難民とは認められず、人道的配慮から特に在留を許可されたにすぎない者につきましては、ここの条文における難民には当たらないわけでございます。
 では、本法案で新設される不正上陸の罪、これも七十条の二の対象になるわけでございますが、その罪で起訴された場合に刑の免除が得られるのはどのような場合かといいますと、その刑事裁判において条約難民と認められて法律上の他の要件も満たした場合でございます。
 したがいまして、仮に、条約難民ではない、在留特別許可であったとした場合には免除は法律上は得られないわけでございますが、実際の罰則の適用に当たりましては、それは虚偽申告をするに至った事情なども情状として考慮されると思われますし、入国管理局といたしましても、そうした事情を踏まえて、真に処罰に値する事案について捜査機関に処罰を求めていくことになります。
#149
○糸数慶子君 是非善処していただきたいと要望したいと思います。
 次に、UNHCRなどの関係機関との更なる研修協力による人材教育プログラムの充実強化はどのようになされているのでしょうか。難民調査官等には参与員も含むものと思われますが、UNHCRの研修の充実強化としてどのくらいの頻度でやるのでしょうか。実際に充実強化に着手しているのでしょうか。しているとすればどんなことをしているのか、お伺いいたします。
#150
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 委員御指摘の件につきましては、昨年九月に法務省が公表した難民認定制度の運用の見直しの概要において、UNHCRの協力を得て、管理者クラスを対象とした難民認定実務者研修を新たに実施するとともに、これまで定期的に実施している出身国情報に関する研修、事例研究等の実務研修についても、内容の更なる充実や回数の増加を図ることとして取り組んでおるところでございます。
 敷衍して申し上げますと、まず難民調査官等に対する研修についてでございますが、従来から申請者の出身国情報に係る研修でありますとか事例研究に関する研修等を行ってきているところでございますが、その内容を充実させたり回数を増加させるなどしておるところであります。
 また、昨年十一月以降、新たに管理者クラスの職員を対象とした研修を実施しておるほか、今年度からは初任者研修のフォローアップを目的とした研修や、難民調査官のニーズに基づくより実践的な研修も実施する予定にしております。
 次に、難民審査参与員の関係でございますが、従来から年に一回、UNHCRと日弁連の共催による難民審査参与員との懇談会が実施されているところですが、昨年十一月以降、UNHCR本部職員や外国の政府職員との意見交換会を実施したり、UNHCRによる難民審査参与員に対するブリーフィングを実施しております。その結果、研修の頻度としましては、平成二十八年度にはUNHCRの協力を得て行う研修の数が十三件となります。
 入国管理局といたしましては、引き続きこのような取組を通じて難民認定制度に携わる人材の育成に努める所存であります。
#151
○糸数慶子君 形式的なものではなく、現場の調査官にHCRがしっかりと食い込んでいけるような内容そして頻度のものでなければならないと思いますが、改めてお伺いいたします。
#152
○政府参考人(井上宏君) ただいまお答えをいたしました研修につきましては、UNHCRから全面的なその充実についての協力を得ることができておりまして、先方からこんな研修はどうだという御提案もいただいたりしている中でプログラムを増加させておる状況でございますので、今後とも、そのような関係を維持しつつ、中身のより詰まったものにしていきたいと考えております。
#153
○糸数慶子君 ありがとうございます。
 次に、通訳人に対する研修の構築や通訳人の能力を客観的に評価する仕組みの導入はどのようにしているのでしょうか。通訳が粗悪であれば、正しい事実認定は不可能です。
 法務省としては、当然、通訳予算を十分に確保されて、質の高い、また中立的、通訳倫理に従う通訳の確保が必要だと思います。そのための具体的なめど、そして方策の検討には着手していらっしゃるのでしょうか。
#154
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、通訳人の能力というのは非常に重要な要素でございます。
 昨年九月に法務省が公表した運用の見直しの概要におきまして、難民認定行政に係る体制・基盤の強化の項目の中で、難民認定申請手続又は異議申立て手続に携わる通訳人に対する研修を実施することとしておりまして、現にそれを実施しておるところでございます。
 具体的に申し上げますと、有識者の協力を得ながら、昨年十一月、二日間にわたって難民認定手続等に携わる通訳人に対しまして研修を実施いたしました。また、本年七月には二回、UNHCRの協力を得まして、同じく難民認定手続等に携わる通訳人に対しまして研修を実施しておるところでございます。
 このように、当局では、現在、難民認定手続等に携わる通訳人の質の向上などに向けた取組に着手しており、引き続きこのような研修を実施していくこととしておりますが、そのことを通じまして質の向上を図るとともに、今後通訳人の能力を客観的に評価する仕組みの導入についても検討していく所存でございます。
#155
○糸数慶子君 以上のような、政策懇、そして難民問題専門部会から提言があった検討課題は棚ざらしにされずにきちんと実行に向けて実施されていくことが重要と考えます。そこで、大臣にお伺いをしたいと思います。
#156
○国務大臣(金田勝年君) 第六次出入国管理政策懇談会及び難民認定制度に関する専門部会からは、真の難民を迅速かつ確実に保護する観点から難民認定制度の在り方に関して様々な御提言をいただいております。
 法務省では、これらの御提言を踏まえまして制度の運用の見直しを検討し、昨年の九月には難民認定制度の運用の見直しの概要としましてその内容を取りまとめをしております。
 十一月十五日の委員会並びに本日の委員会で私どもの入国管理局長からも御説明をさせていただいているように、現在具体的な施策の実施に取り組んでおりまして、既に実現しているものもあるわけではございます。
 法務省としては、今後も、有識者の方々からいただきました提言を生かしまして、難民の迅速かつ確実な保護に努めてまいるつもりであります。
#157
○糸数慶子君 ありがとうございました。引き続き、しっかりとお願いをいたしたいと思います。
 次に、外国人研修制度の適正化策についてお伺いをいたします。
 対象職種の拡大については、現在、技能実習制度推進事業等運営基本方針におきまして、厚生労働省職業能力開発局長が有識者により構成する技能実習評価試験の整備に関する専門家会議を開催し、同会議におきまして、評価の基準、評価の方法、試験実施体制等を確認の上、認定し、当該評価制度に係る職種、作業を公表するものとするというふうにされています。
 職種の拡大が関係業界の意向に沿った恣意的なものとならないよう、対象職種の拡大について、厚生労働省に置かれた専門家会議での議論を公開し、透明性を確保する必要があると思います。具体的には、専門家会議での対象職種に関わる試験の採点基準や合否の判定基準はともかく、職種の追加に関しては公開し、議事録作成を含めて透明性を確保すべきと考えます。また、同専門家会議には、既存の対象職種の検証を行い、その技能実習ニーズを再確認する機能を持たせるべきと考えますが、どうでしょうか。厚生労働省にお伺いいたします。
#158
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 まず、専門家会議の審議内容でございますけれども、実習生が受検する試験の採点基準など非公開部分を除きまして、現在におきましても議事要旨を公開しているところでございます。今後とも透明性の確保に努めてまいりたいと考えております。
 続きまして、御指摘の既存の職種の検証についてでございますけれども、送り出し国側の技能実習ニーズに疑義がある場合につきましては、必要に応じ専門家会議におきまして議論をしていただくということにしたいと考えております。
#159
○糸数慶子君 送り出し国側の技能実習ニーズについてでありますが、客観的に確認する手続を採用すべきです。既に厚生労働省からは、技能実習のニーズがあることを送り出し国の行政機関からの要望書によって確認をする旨の答弁がなされていますが、それだけでは不十分ではないでしょうか。
 送り出し国にある日本大使館あるいはジェトロ、JICA等の在外機関を通じて送り出し国の社会経済状況等を把握した上で、技能実習ニーズについて判断すべきであると思いますが、いかがでしょうか。厚生労働省に伺います。
#160
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 送り出し国の技能実習ニーズの把握でございますけれども、これにつきましては、複数国の公的機関からの要望書により確認をいたしております。これによりまして、送り出し国におきます技能実習ニーズ及びその背景となる社会経済状況等につきまして、直接かつ客観的に把握できるものであるというふうに考えております。
#161
○糸数慶子君 有識者懇談会報告書では、地域ごとの産業特性を踏まえた職種、企業単独型において社内検定を活用する職種、これを実習職種に追加するとしています。しかし、これらの職種は、地域限定あるいは受入れ企業特有の職種に基づくもので、国際的な技能移転という制度目的との整合性が失われており、対象職種に加えるべきではないというふうに考えますが、いかがでしょうか。厚生労働省に伺います。
#162
○政府参考人(宮野甚一君) お答えいたします。
 御指摘の、地域ごとの産業特性を踏まえた職種や企業単独型において社内検定を活用する職種を追加する場合にも、現行制度と同様に、同一の作業の反復のみではないこと、送り出し国の実習ニーズに合致すること、実習の成果を評価できる公的評価システムがあることといった要件を満たすことを厚生労働省に設置している専門家会議で確認することとしております。国際的な技能移転という制度本来の目的に沿って追加の可否を判断をする、これにつきましては従前と同様というふうに考えております。
#163
○糸数慶子君 では、改めまして、出入国管理及び難民認定法改正案についてお伺いしたいと思います。
 入管法第二十二条の四第一項第五号の在留資格取消し事由の追加に関して質問いたします。
 一点目に、第五号、「他の活動を行い又は行おうとして在留していること」という事由を追加した立法事実をどのように把握しているのでしょうか。
#164
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 まず、現行法のことでございます。入管法第二十二条の四第一項第六号に、三か月以上にわたって在留資格に応じた活動を行っていないと認められる場合には在留資格の取消しが可能であると定めてあります。これは、一定期間にわたり、許可された在留資格に応じた活動を行っていないことから、既に当該在留資格は形骸化していると認められ、そのような在留資格を与え続けることは在留資格制度の適切な管理の観点から適当でない場合に対応できるようにするものでございます。
 しかし、実際には、深刻化している技能実習生の失踪問題等に関連しまして、例えば実習先から失踪した技能実習生が全く別の事業場で就労している場合など、三か月の経過を待つまでもなく、既に当初の在留資格が形骸化していると認められ、在留資格を与え続けておくのが適当ではない事案が発生しているところでございます。
 現行法の規定に基づくと、このような者を発見しても在留資格の取消しを行うことができません。一旦は有効に与えられた在留資格とはいえ、それが既に形骸化していると認められる場合にもこれを是正するための措置がとられないのでは、在留資格制度の適正な管理の観点から問題があると考えられます。また、三か月の経過を待つ間に再び失踪してしまって、その結果、不法就労や不法残留に移行する事例もあり、そのような事態を防止する必要もございます。
 そこで、単に所定の活動を行っていないにとどまらず、正当な理由がないのに他の活動を行い又は行おうとして在留している場合には、本法において行おうとする活動が既に当初の申告内容から変質してしまっており、在留資格が形骸化し、在留資格制度の適正な管理の観点から、もはや当該在留資格を与え続けておくのが適当でないと認められることから、三か月を待たずに在留資格の取消しを可能とする取消し事由を追加することとしたものでございます。
#165
○糸数慶子君 他の活動を行おうとして在留するというのはどのような場合を想定しているのか、具体的かつ詳細に教えてください。例えば、次のようなケースは正当な理由に該当するのでしょうか、それとも第五号に該当する可能性があるとして意見聴取を行う対象となるのでしょうか、お伺いいたします。
 まず、具体的に申し上げますと、在留資格、この留学の例をお伺いしたいのですが、日本語学校や専門学校で学ぶ外国人の中には、夢を抱いて来日したけれども、実際には母国で伝えられた情報とは異なっていたということが少なくありません。以前は、日本語教育振興協会、日振協が日本語学校を認定した上で、留学、旧就学ですが、この留学の在留資格のチェックをしていましたが、現在では日振協による事前チェック機能がなくなったため、悪質な日本語学校が乱立しております。また、専門学校に入学したけれども、学びたい授業内容ではなかったり、専門によっては卒業後日本で就職できないという方もいらっしゃいます。
 このように、自らの夢を実現するために最初に入学した日本語学校に通うのをやめ他の学校へ再入学しようとした場合、新たな第五号の取消し事由に該当するのでしょうか、お伺いいたします。
#166
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 行おうとして在留しているということでございますが、例えば、不法就労先のあっせんを受けて転居した場合のように、まだ他の活動自体は開始されていないけれども行おうとしている在留状態にあると認められる場合のことをいいます。
 具体的に、行おうとして在留していると言えるかどうか、どのように考えるかということでございますが、対象となる外国人が本来の在留資格に応じた活動を行わなくなった経緯などの本来の活動に戻る可能性や、他の活動に向けた準備状況などの他の活動を開始する蓋然性に係る客観的事実を総合的に考慮して、在留の目的が当初の申告内容から変質し、在留資格が形骸化していると言えるかどうかによって判断されます。
 それで、これ、お示しの例についてどうかということでございますが、いずれにつきましても、個別の事案に応じましてその証拠関係に基づいて判断することになりますので、一般論としての御説明で御容赦いただきたいと思いますが、在留資格に応じた活動を開始する現実的な見込み、留学の場合は当初の通っていた学校で再び学び続けるかどうかということでございますが、それがどの程度あるかということと、それから、新たな学校、ここをどのように探そうとしているのか、ただ考えているだけなのか、その新たな活動、他の活動を開始する現実的な見込みがあるのかと、そのような、どのような準備をされているかという、その準備の期間や内容はどの程度のものであるかなどの様々な事実関係を総合いたしまして、これは、その本来の活動を停止している状態が正当な理由と認められるかどうかを判断していくことになります。
#167
○糸数慶子君 現在、技能の在留資格を持って調理師として働いている者が、自らの語学能力を発揮したいと考えるようになり、調理師としての仕事を休んで貿易会社等への就職活動を行い始めた、このような場合、新たな第五号の取消し事由に該当するのでしょうか。法務省にお伺いいたします。
#168
○政府参考人(井上宏君) ただいまのお尋ねも一般的な形での御説明で御容赦いただきたいと思いますが、この場合には、従来の技能の活動を既に休んでおるということと、次に行おうとしている活動が、技能ではなくて別の、技術・人文知識等の新しい、別の在留資格になるということで、そちらの在留資格を得られる具体的な要件を持っているかどうかとか、そのような事実関係なども考慮いたしまして、個別の証拠に基づいて、当初の活動を停止したことに正当な理由があると認められるかどうかを判断することになります。
#169
○糸数慶子君 入管法第二十二条の四第三項で、意見聴取の際にはあらかじめ意見聴取通知書を当該外国人に送達しなければならないわけですが、「ただし、急速を要するときは、当該通知書に記載すべき事項を入国審査官又は入国警備官に口頭で通知させてこれを行うことができる。」というふうにされています。
 これまで口頭通知を行ったケースがあるのでしょうか。ありましたら、これは何件あったのでしょうか。その場合、急速を要するときと判断した事情について、具体的に教えていただきたいと思います。
#170
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 在留資格の取消しの手続に際しましては、意見聴取の手続の期日を設けまして、そこで弁明をきちんと聴くということになってございまして、その意見聴取の期日につきましては通知書を送達して通知するということになっておるところでございますが、その例外として、御指摘のように、急速を要するときには通知書に記載すべき事項を口頭で通知させることができるという規定があるわけでございます。
 この急速を要するときに当たるとして口頭で通知した件数については、これ統計を取っておりませんので数字でお答えすることができません。ただ、ここで急速を要するときとはどのような場合かということにつきましては、例えば、在留資格取消し手続を始めたが所在不明になってしまっていた者を摘発先でたまたま発見した場合などが挙げられると思います。
#171
○糸数慶子君 是非、この急速を要するときと判断した事情について、あるいはまたどういうケースがあったのかということを改めて調査をしていただきたいということを要望いたします。
 次に、入管法第二十二条の四第四項で、「当該外国人又はその者の代理人は、前項の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠を提出することができる。」とあるわけですが、ここで言う代理人の範囲はどこまででしょうか。行政書士や当該外国人を支援してきた団体も含まれるのでしょうか、お伺いいたします。
#172
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 意見聴取の期日において意見を述べること等のできる代理人の範囲でございますが、在留資格の取消し対象となった外国人が代理人として委任した者であれば代理人に当たることになります。入管法令上、当該外国人が委任する代理人の範囲に限定はございませんので、当該外国人を支援してきた団体の職員であっても代理人となることができます。
 ただし、弁護士以外の者が業として当該外国人の代理人としての活動を行うことは弁護士法七十二条に抵触するおそれが高いことから、行政書士が代理人として意見聴取に業として参加することは適当でないものとして取り扱っているところでございます。
#173
○糸数慶子君 在留資格取消しに係る手続において取られる本人への意見聴取の際、多言語対応はどこまで保障されているのでしょうか。具体的に以下の二点について教えていただきたいと思います。
 一点目に、意見聴取の際の通訳者について、そして二点目に、事前に送付される意見聴取通知書のその翻訳文、この二点についてお伺いいたします。
#174
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 最初に、通訳人の関係でございます。意見聴取に際しまして、当該外国人の日本語理解能力が十分でないなど通訳人を必要と認める場合には、通訳人を手配することとしております。
 次に、通知書の点でございます。意見聴取通知書の翻訳の取扱いにつきましては、地方局ごとに取扱いが異なっているのが現状でございます。例えば、在留資格取消し件数が最も多いのは東京入国管理局でございますが、東京局の取扱いについて申し上げますと、英語、中国語、韓国語及びタガログ語に翻訳した文書を利用してございます。
#175
○糸数慶子君 本法案が成立した場合、対象となる別表一の在留資格を持つ外国籍住民に対する多言語による周知を行う責任が法務省にはあります。また、在留資格が取り消された具体的な事例や、正当な理由を除くに関する判断基準を早急に公表すべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#176
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 最初に、多言語による広報でございます。在留資格取消し手続につきましては、現在、入国管理局のホームページにおきまして、日本語のほか、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語及びスペイン語により周知しているところでございまして、引き続き制度の周知を行う取組を行ってまいります。
 次に、正当な理由の判断基準の公表に関するお尋ねがございました。正当な理由の有無につきましては、個別具体的な状況に基づいて判断されるものであり、一般的な形で基準を示すことは困難であると考えております。ただし、どのような場合が正当な理由がある場合に該当するかについて広く理解を得ることは重要であり、同様の規定のある第二十二条の四、一項第七号に関しましては、正当な理由がある場合に該当すること等により在留資格の取消しを行わないこととした具体例を既に入国管理局のホームページに掲載しておるところでございます。
 そこで、今後新設される規定等に係る同様な具体例につきましても、同じように掲載することを検討してまいります。
 さらに、在留資格が取り消された事例の概要につきましても、委員の御指摘を踏まえまして、今後、入国管理局のホームページで公表することを検討してまいります。
#177
○糸数慶子君 この第五号については、外国人が逃亡すると疑うに足りる相当の理由があると法務省が判断したときは出国準備期間も与えずに退去強制に付すことができるというふうにあります。これは第二十二条の四第七項、第二十四条二号の三でありますが、第六号、活動を継続して三か月以上行わないで在留していることの場合は、三十日を超えない範囲内での出国準備期間を指定することになっています。
 第五号において、なぜこれほどまでに厳しい対応を取ることにしたのか、合理的な説明をお伺いいたします。合理的な説明ができないのであれば、退去強制の取扱いについては削除すべきではないでしょうか。法務省に伺います。
#178
○政府参考人(井上宏君) 御指摘の逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある場合につきましては、出国猶予期間を付与しないこととしておるわけでございますが、その理由でございます。
 従来の活動場所から逃亡して他の活動に従事しているような者は、入管当局に発見されて在留資格を取り消されても、出国猶予期間内に出国せず再び逃亡して我が国に不法に残留しようとするおそれが高いと言えるわけであります。このような事案に適切に対処できなければ、在留資格を取り消しても結果的に不法残留を許してしまうことになり、適正な在留管理を実現することができません。
 そこで、外国人が逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある場合には、第五号により出国猶予期間を与えることなく取消しを行い、直ちに退去強制に移行できることとしたものでございます。
 なお、現行法上も、不正な手段で上陸許可等を受けた者について在留資格を取り消すときには、直ちに退去強制に移行する仕組みになっております。
#179
○糸数慶子君 この入管法の改正法案は、これはこれまでの質疑の中でも随分出てまいりましたけれども、在留資格「介護」の新設とそれから偽装滞在者対策の強化を図るものであり、やはり偽装滞在者対策の一つに罰則の整備が挙げられております。
 これまでの質疑でも明らかになりましたけれども、政府は不法残留者についても平成二十七年には約二十二年ぶりに増加に転じ、平成二十八年も増加したというふうに説明しております。しかし、平成二十七年の不法残留者数は六万七人で、平成二十八年は六万二千八百十八人であり、ピーク時の平成五年の二十九万八千六百四十六人の約五分の一の程度になっています。また、最少だった平成二十六年の五万九千六十一人に比べると、平成二十八年の不法残留者数の増加は僅かです。
 今までの質問いたしましたまとめとしても、この罰則の整備の必要性についても政府から十分な説明が行われないままに偽装滞在者対策の必要性が強調されているというふうに考えます。こういう罰則のうち、第七十条第一項第二号の二の偽りその他の不正の手段によりというその構成要件に対しては曖昧であるため、難民支援者から懸念が寄せられております。
 出身国での迫害から逃れてきて庇護を希望した者は、短期滞在などの在留資格で上陸許可を受け、その後に難民認定申請を行う場合が多いというふうに指摘をされておりますが、やはり今回の改正はこうした申請を行う者やその支援者などが罰則の対象となり得る可能性を否定できません。これでは難民認定申請への萎縮効果をもたらすというふうに思います。
 この外国人技能実習法及び入管法改正法案に対しては、まだまだ多くの課題が存在するということを強く指摘を申し上げますが、それに対しまして法務大臣の御答弁をお願いいたします。
#180
○国務大臣(金田勝年君) 委員の御指摘を、偽装滞在に対する罰則整備の必要性をお尋ねになったというふうに受け止めておりますので、これに対しましては、私の方としましては、新たな不法就労の手段として、近年、偽装滞在の問題が深刻化しているという状況、それから二つ目には、不法入国や不法上陸と同程度の悪質性、重大性があるにもかかわらず、現行法上罰則に穴があるということ、それから発見困難な偽装滞在者に対する抑止策が不十分であるということを踏まえまして、かつては不法就労の手段として不法入国や不法残留といった単純な手口が横行していたわけですけれども、近年、単純な手口による不法滞在者の数は大幅に減少する一方、新たな不法就労の手段として偽装滞在の問題が深刻化してきているというふうに受け止めております。
 したがって、例えば、上陸拒否事由に該当する事由があること、あるいは本邦での活動内容を偽って不正に上陸許可等を受けたこと等を理由とする在留資格取消しの件数というものも年々増加してきているわけでございますから、こういう罰則に穴があるということに対しまして、こうした行為に対しましては現行制度でも在留資格の取消しは可能なんですけれども、やはりこの罰則整備をいたしまして、不法入国や不法上陸と並ぶ法の整備を行って罰則を設けることにしたというふうに考えております。
 したがいまして、不法残留者の数の減少により偽装滞在者対策の必要性が増大をしているということを踏まえての対応でございますので、そういうふうに考えて努力をしていきたいと、このように考えているわけであります。
#181
○糸数慶子君 終わります。
#182
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 これまで質疑が進められてきておるんですけれども、この技能実習が、送り出し国あるいは受入れ国両国にとって、あるいは両国民にとって、企業にとってお互いさまでウイン・ウインの関係になればいいだろうなと思うんですが、これまでの質疑を聞いていますと余りにも不十分さを感じます。
 そこで、今回の法改正は、外国人技能実習生の保護が一番の目的と言っても過言ではないと思います。本委員会では、その観点から、賃金や労働時間、移籍などに関していろいろな質問が行われたところでございますが、まだちょっと質問されていないところが少しあると思っていますので、そこについて質問させていただきたいと思います。
 結婚、妊娠、出産等を理由とする不利益扱いからの保護について伺いたいと思います。
 先日の参考人質疑で、旗手参考人の方から技能実習生強制帰国未遂事件についてお話がありました。そこで取り上げられた事例の一例の一つに、妊娠を理由とする強制帰国がございました。
 初めに確認したいんですけれども、妊娠、出産や結婚を理由とする外国人技能実習生の強制帰国は許されるのかどうかについて伺いたいと思います。
#183
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 そもそも、強制帰国ということが、技能実習生の意思に反して一方的に技能実習を打ち切って帰国させるということになりますと、その理由を問わずに許されるものではないとなってしまいますが、さらに、妊娠、出産、結婚を理由とすることについて考えますと、これは雇用機会均等法上も、事業主は、その雇用する女性労働者に対し、結婚、妊娠、出産を理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならないものとされていると承知しているところでございますので、委員御指摘の事情を理由として、監理団体や実習実施機関が技能実習生の意思に反して技能実習を継続させずに帰国を強制する行為は違法なものであり、認められるものではございません。
#184
○山口和之君 旗手参考人のお話では、技能実習生は送り出し機関との間で、「女性の実習生は採用後には妊娠しない事を保証する。」と明記された保証書を交わしております。実習実施機関や監理団体もその存在を十分に承知しているということです。
 そもそも、結婚、妊娠、出産を禁止するような保証書を交わすこと自体は問題ではないのかと思うのですが、どうでしょうか。
#185
○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。
 結婚、妊娠、出産を解雇理由として予定するようなことは、これは男女雇用機会均等法により禁じられておるところでございますので、このような違法な契約が交わされていること、特に、その契約に違反した場合の制裁が定められている場合はより重大なことになるわけでございますけれども、そのようなことが判明した場合には、技能実習が適正に実施されるとは認められないことから、当該技能実習生に係る在留諸申請は認められないこととなります。
#186
○山口和之君 そのような保証書が違法で無効だということでしょうけれども、提出した側は違法かどうか分からないことも多いし、違法であることを認識していたとしても、自分が約束したことなので書いてあることに従ってしまうということになってしまいます。
 保証書の実態、内容について、しっかりと調査、把握しているのかどうかについて伺いたいと思います。
#187
○政府参考人(井上宏君) 入管局の事務の取扱いの現状についての御説明になりますが、入国管理局では、技能実習生の受入れに係る申請におきまして、技能実習生と送り出し機関や実習実施機関との間に締結された技能実習の実施に係る書面の写しの提出を求め、また、必要に応じて、技能実習生の入国後に実地調査において技能実習生本人から事情聴取するなどして、送り出し機関や実習実施機関が不適正な取決めをしていないかどうかを確認しているところでございます。
 これらの過程で不正な行為を行う機関であることが判明すれば、それは当該機関に係る技能実習生の受入れは認めないこととする等の対応を行っているところでございます。
#188
○山口和之君 確認できていないからこういうことが起きているわけなので、確認しておりますと言われても、こういうもの、結構大事なところで、手帳にいろんなことが書いてあったとしても、サインしてそこに書かれたらそれを守らざるを得ないということになってしまいますので、幾ら立派な法改正をしても、そこが適切に運用されなければ技能実習生の保護を図ることはなかなかできないのではないかなと思います。
 法務省も厚労省も技能実習生の保護を第一に考えて、監督官庁としてしっかりと制度が運用されるように管理、指導をしていただきたいと思います。
 次に、結婚はひとまず横に置いて、妊娠、出産をした技能実習生の具体的な保護の在り方について伺いたいと思います。
 まず、外国人技能実習生であっても労働基準法六十五条の適用があるのか、産前産後休暇が取れるのか、お尋ねしたいと思います。
#189
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。
 平成二十二年に改正されました出入国管理及び難民認定法によりまして、雇用契約を締結している外国人技能実習生は入国一年目から労働基準法上の労働者として労働基準関係法令の適用を受けることになっております。
 したがいまして、外国人技能実習生は、労働基準法第六十五条、産前産後休業の適用を受けるものでございます。
#190
○山口和之君 では、外国人技能実習生も育児・介護休業法の適用があるのか、育児休業が取れるのか、お尋ねしたいと思います。
#191
○政府参考人(吉本明子君) 育児・介護休業法上の労働者とは、労働基準法第九条に規定する労働者と同義であるというふうに解釈をしているところでございます。
 したがいまして、先ほど述べましたとおりでございますが、外国人技能実習生は労働基準関係法令の適用を受けますので、育児・介護休業法も適用されるものでございます。
#192
○山口和之君 技能実習生は期間を定めて雇用される者というふうになると思われますが、育児・介護休業法では、有期雇用者が育児休業をすることができるのは二つの条件をクリアした場合に限られるとされていますね。一つ目は同一の事業主に引き続き一年以上雇用されていること、それから子が一歳六か月になる日の前日までに労働契約の期間が満了することが明らかでないことだということになっております。
 しかし、出産をした技能実習生の中にはこの要件を満たすことができない人も出てきますね。これは日本にいらっしゃる方、日本の国民もまさにそうですが、外国から来られて実習しているわけですけれども、そういった実習生はどのように保護されるのでしょうか。
#193
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。
 育児・介護休業法上の取扱いについて御説明申し上げます。
 いわゆる有期契約労働者につきましては、その取得要件を育介法上定めておりまして、先般三月に改正されました改正法によりまして一定の緩和を行ったところでございます。それにつきましては来年一月から施行されるものでございますが、その要件と申しますのが、ただいまお話ありましたとおり、二つの要件、同一の事業主に引き続き一年以上雇用されていること、また二つ目といたしまして、子が一歳六か月になる日の前日までに労働契約の期間が満了することが明らかでないという要件でございます。
 この要件を満たせば、外国人技能実習生の方でありましても育児休業を取得することができるところでございます。
#194
○山口和之君 要件を満たさない人は受給されないわけなんですが、どうやって保護されるんだろうなということなんですが、育児休業の場合、ノーワーク・ノーペイということで無給が原則です。技能実習生はどのようにして生活していくのか。例えば、二〇一四年七月十八日の最高裁判決によれば、永住外国人について、外国人は生活保護法の適用対象ではないとのことで、技能実習生が生活保護を受けるのも難しいと思います。
 技能実習を継続できるようにサポートするような制度、育児休業中の外国人技能実習生への経済的な保護はあるのか、伺いたいと思います。
#195
○政府参考人(大西康之君) 我が国では、育児休業に関しましては、雇用保険法に基づきまして育児休業給付というのがございます。外国人技能実習生につきましても、この育児休業の開始前に雇用保険の被保険者期間の要件を満たしておりますれば育児休業給付の給付対象となります。
 この場合、育児休業開始から六か月の間は休業開始前賃金の六七%、それ以降は五〇%が給付されるということになっております。
#196
○山口和之君 保護されるんですけれども、そこから逸脱すると保護されないわけなんですよね。
 そうすると、先ほどの保証書に戻りますけれども、女性の実習生は採用後には妊娠しないことを保証するという保証書に代わってこれから出てくる保証書は、女性の実習生は妊娠、出産によって日本での生活が困難になった場合には自主的に帰国するというような保証書が出てくるような可能性もあると。
 JITCOの外国人技能実習生労働管理ハンドブックにも、妊娠したこと、出産したこと、産前休業を請求したこと又は産前休業したこと、産後に就職できないこと又は産後休業したことを理由に女性の技能実習生に対し不利益な取扱いをすることは禁止されているとしっかり書いてあります。そのような保護ルールが空文化しないように、何とかそういった方を救うようなシステムをできないかなというふうにも思います。
 結婚、妊娠、出産等を理由として実習生を不利益に取り扱ってはならないことは、実習生でも結婚、妊娠、出産ができるということになります。それがきちんと守られているかは法務省、厚生省による不断の監督が必要であるが、そもそも、そもそもですね、これまでの技能実習中に結婚した方、妊娠した方、出産した方、産休を取った方、育休を取った方の人数とかを把握しているのか、伺いたいと思います。
#197
○政府参考人(井上宏君) 現在のところ、お尋ねのような統計は作成しておりません。
#198
○山口和之君 どうやって帰国するのか、例えばそういう状況になったときですね、日本の法律の中で保護されない人も出てくるし、帰る飛行機代もあるでしょうし、また実習に戻ってくるということも何かしっかり考えなければいけないところではあるのかなというふうにこの前の参考人のお話を聞いて思っております。是非とも、そういった方、大勢いらっしゃるとは思いませんけれども、そうなった方が救われるような、配慮されるような方法を是非考えていただきたいなと思います。
 この法案について質疑をずっとなされていましたが、自分としては、介護は新しい実習対象として入るということで随分質疑をさせていただきました。その間、十日に未来投資会議で、総理の発言に、医療と介護のパラダイムシフトを行う、新しい医療・介護システムを二〇二〇年までにつくるということを発信していただきました。ただし、それはそう簡単なことではございません。
 しかし、日本が本気で取り組めば、これまでの介護の価値が非常に上がってくる可能性がございます。介護保険の理念であります自立支援がちゃんと行われれば、やりがいを持った介護人材も、国内のいらっしゃる方々も戻ってくる可能性があります。価値観が変われば働き手も、働く側も変わってくる可能性があります。ただし、そう簡単ではございません。少ない人数のところでやっとやっている状況ですから、そう簡単にはいきませんが、ただ、これをきっかけに日本の介護は大きく変わってくると自分は思っております。
 技能実習の対象職種に介護が追加されるわけですが、その理由として、政府からは、東南アジア諸国などはこれから高齢化社会を迎えて日本の優れた介護技術に対するニーズがあるという説明があったところです。日本の介護の海外展開については、内閣官房でもアジア健康構想の形で検討が進んでいると聞いております。構想の目的と概要について伺いたいと思います。
#199
○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。
 アジア健康構想の目的は、アジアへの地域包括ケアシステムの構築や日本の民間事業者の進出促進等により、アジアにおいて急速に進む高齢化に対応した健康長寿社会の実現を持続的な経済成長とともに可能とすることです。
 本年七月末に、本構想に関します基本方針が総理を本部長といたします健康・医療戦略推進本部において決定されました。基本方針では、今後急速に高齢化が進むアジア諸国からの日本の高齢者関連産業等への関心の高まりを踏まえ、まずは日本の介護事業者等の海外進出を支援することとしつつ、相手国政府に対し、日本の経験に基づく制度設計の提案等を必要に応じて行うこととされております。
 まず、厚生労働省等関係省庁と一体となりまして、今年中をめどに、アジアに展開する介護事業者等が直面する共通の課題等を検討し、具体的な対応を行うための官民連携のプラットフォームを設けることを検討しております。
#200
○山口和之君 日本の介護を海外で展開する、海外で実行していただくには、向こうで指導してもなかなか難しい。日本で学んでもらって、その技術を向こうで展開していただく、まさに実習になるわけなんですが、これが本当にちゃんと行われたら、自分としてはかなりの期待されるところだと思っております。
 今回の介護について、技能実習による新たな人材還流が始まることに対する期待があれば伺いたいと思います。
#201
○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。
 アジア諸国での介護事業等の立ち上げには意欲と能力のある人材が不可欠であります。アジア健康構想の下、海外展開を図る日本の介護事業者等がアジア諸国の介護産業の立ち上げを牽引する一方、日本で介護を学び、就労経験を積んだアジアの介護人材が帰国後、現地の日本的介護事業等の中核的人材となることも期待できると考えております。
#202
○山口和之君 この構想では、日本の優れた介護をアジアに展開していくことが一つの柱になっていますが、実現に向けた課題についてどう把握されているか、伺いたいと思います。
#203
○政府参考人(藤本康二君) お答えいたします。
 アジア健康構想では、いわゆる日本的介護として、自立支援を柱の一つと位置付けることを検討しております。これは、高齢者が望む限り、身体機能の回復を図り、食事、移動等を自分でできるようにする介護であります。
 こうした先進的な介護は今後日本で一層の普及が期待されており、アジアの介護人材にも、当初から日本でこれを学び、帰国後実践してもらうためには、まず日本の介護の構造化、見える化が重要な課題と考えております。その上で、介護教育の高度化及び自立支援に向けた介護の効率化を図ることのできるICTやロボット技術等の開発、導入の促進が必要と考えております。
 アジア健康構想の推進に当たっては、日本、アジア諸国双方に好循環をもたらすことが重要であり、その鍵は、日本、アジア共通の財産としての高度な専門性と豊富な経験を有する人材の育成と活躍の場をつくることと考えております。
#204
○山口和之君 海外に展開するためには、日本の国内の介護がしっかりとした、根付いたものにしていかなければならないと思います。認知症ケア、自立支援介護を世界一の本物にしていくことが重要だと思われます。
 手前みそであれなんですが、理学療法士とか作業療法士、言語聴覚士等のリハビリテーション専門職、ずっと自分は発言していませんでしたが、それと一体的に提供する介護、それが両輪になるということをまず認識していただきたいと思います。
 また、若い介護職が力ずくで移動したり、まあ力ずくというのは、介助、マンパワーで、力で介助している、いわゆる道具を使わないのが日本の特徴です。現場では腰痛が相当発生しております。そう考えたときに、福祉用具というのが非常に大事なものなんです。ところが、ちょっと福祉用具を抑制するような国の動きが若干ありますけれども、自立を支援していくものとして福祉用具は非常に大事です。海外を見ても福祉用具は盛んに使われているのにもかかわらず、日本ではほとんど使われていないのが現状でございます。
 この福祉用具、それからリハビリテーション機器、自立支援の道具等々を考えていったときに、これも輸出につながっていくことですし、日本で使われた福祉機器あるいはリハビリテーション機器が海外で展開される可能性も秘めております。さらには、今発言していただきましたロボット等々、それから、これから進んでいきます再生医療と組み合わせた新たな回復過程ということを考えますと、相当大きなポテンシャルを持っているものだと思います。
 日本の介護がしっかり価値を生んで、そして働いている方が働きがいを持ってしっかりとその価値に見合う収入を得るというような好循環を是非つくっていただきたいと思います。それでなければこの介護実習の意味はないと思っておりますので、是非そのように、法務省それから厚生労働省一体となって頑張っていっていただきたい、また経済産業省も含めて頑張っていただきたいなと思います。
 時間が大分余りましたけれども、これで終わらせていただきます。ありがとうございます。
#205
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#206
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、外国人技能実習法案、入管法改正案の両案に反対の討論を行います。
 外国人技能実習制度の実態が出稼ぎ労働であることは、当委員会の視察でも明らかになりました。ところが、あくまで建前は技能移転による国際貢献とされ、技能実習生の転籍の自由が認められていないことに付け込んで、様々な名目で真面目に働く実習生を食い物にする悪質なブローカーが横行しています。
 本法案は、制度の適正化と言いながら、この構造的矛盾を解決しないまま制度を拡大しようとするものです。それが本法案に反対する最大の理由であります。新機構は、この矛盾を解決できるものではありません。
 技能実習制度を悪用して不正な収益を得る送り出し機関、監理業務を自らは行わず、監理費などを名目に法外な天引きをするなどの不正な監理団体、それらの受入れ機関を隠れみのにするブローカーを排除するために、監理業務の委託は全面禁止すべきです。少なくとも、営利目的の株式会社などへの委託や、そこからの監理人材受入れは厳しく禁止されなければなりません。入国管理局、労基署、そして新機構がこの構造に切り込めるのか、そこが問われています。
 入管法改正案は、増加する技能実習生の失踪などを理由に、在留資格の取消しと強制退去事由、罰則を拡大しています。これは構成要件が曖昧で、濫用のおそれが否定できません。技能実習制度の構造的矛盾を放置したまま、その責任を技能実習生のみに負わせて国外退去など、何の道理もありません。
 新たに創設される在留資格「介護」についても懸念が示されています。既にEPA候補者に対する国家試験では、試験時間一・五倍、全ての漢字に振り仮名を付記するなどの配慮がなされていますが、その下で、国家試験に合格した後、日本語の壁に改めて苦労するEPA介護者が後を絶ちません。そうした行き過ぎた配慮を在留資格「介護」に持ち込むべきではありません。国家資格の信頼性が問われかねず、結局、介護現場に負担が押し付けられることになるからであります。
 こうした下で、技能実習の職種に介護を追加する政府方針は許されません。技能実習生の日本語能力について、日本語教育の専門家からは、日本語能力試験は読む、聞くという理解能力は測定しているが、書く、話すという産出能力は測定しておらず、介護現場で必要とされるコミュニケーション能力を担保するものではないと指摘されています。介護分野での労働条件と低賃金を放置し続けたまま、技能実習の職種に介護を追加することは、介護サービスの質の低下や新たなトラブルの可能性が大きいのです。介護報酬や配置基準への算入は断じて行ってはなりません。
 以上です。
#207
○糸数慶子君 私は、沖縄の風を代表して、外国人技能実習法案及び入管法改正法案の両法案に反対の立場から討論を行います。
 外国人技能実習制度は、国際貢献のため技能等の移転を図る制度です。この点は政府から繰り返し答弁されてきましたが、同制度に対しては、長時間労働、賃金不払などの労働関係法令違反の問題、実習実施機関等による人権侵害行為の問題、保証金の徴収の問題、技能実習生に対する強制帰国の問題など、数多くの問題点が内外から指摘されております。国際貢献の名の下に外国人の技能実習生が安価な労働力として扱われてきたという実情は、本委員会においても多くの委員が指摘してきたところであります。
 政府は、外国人技能実習法案を外国人技能実習制度の適正化を図るものであると説明し、法案には、技能実習計画の認定制及び監理団体の許可制が新たに設けられ、技能実習生に対する人権侵害行為についての禁止規定や外国人技能実習機構の設立に係る規定などが整備されております。
 しかし、委員会における審査において、保証金の徴収、強制帰国などの問題への政府の対応を確認したところ、それらの答弁には、これらの問題の解決に向けた積極的な姿勢が示されておりません。保証金を徴収する送り出し機関への規制が不十分であるとともに、現行制度においても、強制帰国の実態があるにもかかわらず、法案は強制帰国も想定して規定されていないことなどを踏まえれば、技能実習生が直面する様々な問題を根本的に解決するものではありません。
 加えて、今回の法案は、外国人技能実習制度の適正化を図るとともに、技能実習期間の延長、介護の技能実習の実現などの拡充策をも行おうとするものであります。外国人技能実習制度を国際貢献の制度に改めるには、まずは適正化を行い、その効果を確認してから拡充策を講ずるべきと考えます。
 次に、入管法改正法案は、在留資格「介護」の新設と偽装滞在者対策の強化を図るものであり、偽装滞在者対策の一つに罰則の整備が挙げられております。
 先ほども申し上げましたが、政府は、不法残留者数について、平成二十七年に約二十二年ぶりに増加に転じ、平成二十八年も増加したと説明しています。しかし、平成二十七年の不法残留者数は六万七人、平成二十八年は六万二千八百十八人であり、ピーク時の平成五年の二十九万八千六百四十六人の約五分の一程度です。また、最少だった平成二十六年の五万九千六十一人と比べても、平成二十八年の不法残留者数の増加は僅かです。罰則の整備の必要性について政府から十分な説明が行われないまま、偽装滞在者対策の必要性が強調されていると考えます。
 また、罰則のうち、第七十条第一項第二号の二の偽りその他の不正の手段によりという構成要件に対しては、曖昧であるため、難民支援者から懸念が寄せられております。出身国での迫害から逃れてきた庇護希望者は、滞在期間、短期滞在などの在留資格で上陸許可を受け、その後に難民認定申請を行う場合が多いと指摘されておりますが、今回の改正は、こうした申請を行う者やその支援者などが罰則の対象となり得る可能性を否定できません。これでは、難民認定申請への萎縮効果をもたらします。
 以上の指摘は、それぞれの法案に対する反対理由の一例です。外国人技能実習法案及び入管法改正法案に対してはまだまだ多くの課題が存在するということを強く申し上げ、私の反対討論といたします。
#208
○委員長(秋野公造君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(秋野公造君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、真山勇一君から発言を求められておりますので、これを許します。真山勇一君。
#210
○真山勇一君 私は、ただいま可決されました外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派並びに各派に属しない議員山口和之君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び外国人技能実習機構は、本法の施行に当たり、次の事項について万全を期すべきである。
 一 政府は、技能実習制度が我が国の有する技能等を発展途上国等へ移転するという国際貢献を本旨とする制度であることを十分認識し、本法第三条第二項に規定する基本理念に従って、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保策として悪用されないよう本法を厳格に執行すること。
 二 技能実習生の待遇について、本法の基本理念の実現及び実習実施者による出入国又は労働に関する法令遵守の確保のため、以下の取組を行うこと。
  1 外国人技能実習機構は、技能実習計画の認定に当たり、実習実施者に対し、技能実習生の報酬の額が、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることの説明責任を課すとともに、技能実習生の技能等の修得等に応じてその報酬等も向上するよう、第二号技能実習生及び第三号技能実習生の予定賃金については、それぞれ当該技能実習生の第一号技能実習及び第二号技能実習における賃金を上回るように指導すること。
  2 政府は、技能実習生の報酬にとどまらず、報酬からの控除の実態把握にも努めるとともに、本法第七条第二項の基本方針において、技能実習生に支払われる報酬から、不当な控除が行われることにより技能実習生の生活に支障が生じることがないよう留意すべき旨を定めること。
  3 政府は、労働時間の実態を把握するため、技能実習生の労働時間に関する調査を実施するとともに、長時間労働の是正に向けた措置を講ずること。また、本法第七条第二項の基本方針において、違法な時間外労働など労働時間に係る労働法令違反が行われることがないよう定めること。
  4 政府は、長時間労働により過労死が疑われる死亡事案が発生した場合において、国外に居住する遺族による労災申請を円滑に行うことが可能となるよう、遺族への必要な支援を行うこと。
  5 政府は、技能実習生が負担する食費及び居住費その他強制・半強制的に徴収される手数料等の把握に努めるとともに、本法第七条第二項の基本方針において、休日、休暇、宿泊施設等の技能実習生の待遇について日本人と不当に差別されることのないようにする等、技能実習生の権利が確実に保護され、適正な技能実習が行われることを定めること。
  6 外国人技能実習機構は、実習実施者及び監理団体の実地検査について、適正かつ実効性ある検査が実施できる体制と専門性を確保するとともに、適時、予告をしない検査も含めて行うこととし、その際、1の内容並びに2、3及び5の基本方針にのっとった割増賃金等の報酬の支払の実績、残業時間を含む総実労働時間の実情その他技能実習生を巡る待遇の状況を、帳簿類の点検のほか、技能実習生及び日本人従業員からの意見の聴取など、実態を的確に把握できる方法により確認すること。なお、その際には、技能実習生及び日本人従業員が不利益を被ることがないよう万全の配慮を行うこと。
  7 外国人技能実習機構は、本法を含め、出入国又は労働に関する法令に違反する事実を把握した場合には、地方入国管理局、都道府県労働局等に対し、通報、情報提供等を行うとともに、事案の重大性に応じ、告発を行うことも視野に、厳格な指導監督に努めること。
  8 政府は、本法第七条第二項の基本方針において、技能実習生が実習期間の途中でその意に反して帰国させられることのないよう留意すべきこと、技能実習計画の実施途中で技能実習を中止して帰国する場合については、原則、事前に届け出ることを定めること。また、外国人技能実習機構は、基本方針に基づき、実習実施者及び監理団体に対する指導・監督を徹底すること。
 三 政府は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護のため、速やかに、実習の実施に関する責任者及び監理責任者が受講すべき出入国又は労働に関する法令等の知識の向上を図るための講習を整備し、その受講を義務化すること。
 四 技能実習生の実習先の変更について、本法の目的の達成及び技能実習生の人権保障の観点から、以下の取組を行うこと。
  1 外国人技能実習機構は、実習先の変更を求める技能実習生からの相談に丁寧に応じ、2の基本方針の内容を踏まえ、変更する実習先に関する情報の提供などの適切な支援により円滑な実習先の変更を図り、技能実習生がその意向に反して帰国を余儀なくされる事態が生じることのないように努めること。
  2 政府は、基本方針において、技能実習生が実習先の変更を求めることについてやむを得ない事情があると認めるときは、実習先の変更を認めることとする旨を定めること。
  3 政府は、技能実習生が第二号技能実習から第三号技能実習に移行する際に、技能実習生の意向に基づき実習先を選択することを認めるとともに、技能実習生の選択に資するため、外国人技能実習機構は、必要な情報の提供その他の援助に努めること。
 五 二国間取決めについて、送出機関の適正化に向けた送出国政府との連携の必要性に鑑み、以下の措置を講ずること。
  1 政府は、技能実習生の送出国において、保証金等不当な金銭の徴収や管理が行われ、また、労働契約不履行に係る違約金を定める送出機関が介在する実情があることを踏まえ、全ての送出国との二国間取決めを速やかに作成し、その内容を公表するよう努めること。
  2 二国間取決めにおいて、送出機関に関する基準を設け、当該基準に適合しない送出機関からの受入れを禁止すること、送出国が送出機関に対し本法第四十七条と同様の規制を行うこと、規制に違反した送出機関に対し送出国政府当局が迅速かつ厳正な対処を行うべきことなどを定めるよう努めること。
  3 二国間取決めに違反する行為が認められた場合、当該送出機関に係る技能実習計画について、新たな申請に対する認定をしないことや、事案によっては、既に認定された技能実習計画の認定の取消しを行うことも含め、厳格な対応を行うこと。
 六 帰国後の技能実習生が、技能実習によって得られた知識や技術をいかして送出国の発展に貢献できるよう、技能実習生に対するフォローアップ調査について、その充実を図った上で今後も毎年行うとともに、回答の回収率の目標を定め、二国間取決めにおいて送出国及び送出機関の調査への協力に関する規定を設けるなど、回収率向上に向けた方策を講ずること。
 七 政府は、外国人技能実習機構が適正な運営のために専門性を有した職員を確保できるよう、必要な支援及び財政上の措置を講ずること。また、同機構に対し、毎年一回、その業務に関する報告を求めるとともに、その報告を受けたときは、遅滞なく、その内容を公表するよう努めること。
 八 第三号技能実習生の受入れが可能となる実習実施者及び監理団体については、出入国又は労働に関する法令等の違反事例がないなど真に優良と認められる実習実施者及び監理団体に限定することとなる基準を主務省令等において厳格に定めること。また、優良な実習実施者及び監理団体については、その適正な運用を確保するため、その要件が満たされているかを定期的に確認し、要件が満たされない場合にはその見直しを行うこと。
 九 技能実習制度の対象職種の追加又は削減を行うに当たっては、以下の取組を行うこと。
  1 政府及び技能実習評価試験の整備に関する専門家会議は、単純作業ではないこと、技能実習生の送出国のニーズに合致すること、一定水準以上の技能等を修得したことを公的に評価できることという現行の第二号技能実習の移行対象職種の考え方を踏まえて判断すること。
  2 政府は、意見公募手続など国民に広く意見を募った上で第二号技能実習に移行することができる職種の追加又は削減を実施すること。
  3 技能実習評価試験の整備に関する専門家会議の運営の透明性の確保のため、同会議の議事の速やかな公開に努めること。
 十 技能実習制度の対象職種への介護の追加について、介護がサービス利用者の命や健康、尊厳にも関わる重要な対人サービスであることに鑑み、技能実習生の適切な処遇及び利用者の安全・安心を確保するとともに介護サービスの質を担保するため、以下の措置を講ずること。
  1 対象職種への介護の追加は、国内の人材不足を補うために実施するものではなく、あくまで送出国側のニーズに応じた国際貢献であることに鑑み、基本方針における、特定の職種に係る施策(本法第七条第三項)等において、「外国人介護人材受入れの在り方に関する検討会中間まとめ」の中で、日本語能力などの必要なコミュニケーション能力の確保等、検討を要する事項として掲げられた七点につき、同中間まとめで示された具体的な対応の在り方に沿った適切な対応策を定めた上で行うこと。その際、利用者や他の介護職員等と適切にコミュニケーションを図るためには、例えば、会話の内容をほぼ理解できる程度の日本語能力が求められることを踏まえ、技能実習生の入国時に必要な日本語能力については、指示の下であれば、決められた手順等に従って、基本的な介護を実践するために必要となる日本語レベルを望ましい水準とし、二年目の業務への円滑な移行を図ること。
  2 本法の施行後、介護従事者の適切な処遇の確保や介護のサービスの質の担保等の課題が生じていることが確認された場合には、技能実習の対象職種の見直しを行うこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
#211
○委員長(秋野公造君) ただいま真山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(秋野公造君) 多数と認めます。よって、真山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、金田法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金田法務大臣。
#213
○国務大臣(金田勝年君) ただいま可決されました外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#214
○委員長(秋野公造君) 次に、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#215
○委員長(秋野公造君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、真山勇一君から発言を求められておりますので、これを許します。真山勇一君。
#216
○真山勇一君 私は、ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び日本維新の会の各派並びに各派に属しない議員山口和之君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 「正当な理由」を限定的に解釈するなど、恣意的な判断に基づき改正後の出入国管理及び難民認定法第二十二条の四第一項第五号が不当に適用されることがないよう、十分に留意すること。特に、実習実施者の人権侵害行為等により、やむを得ず一時的に実習を行うことができない技能実習生に対して、同号が不当に適用されることがないよう、技能実習の実情等を十分に調査するなど慎重な運用を行うこと。
 二 同号に基づき在留資格を取り消した件数及びその事例の概要を公表すること。
 三 同法第二十二条の四第二項に基づいて意見を聴取する際には、意見を聴取する入国審査官は、在留資格の取消しの対象とされる外国人に及ぼす影響の大きさを十分に考慮するとともに、その外国人の置かれた生活実態等に配慮して、聴取の期日及び場所を定め、通訳の配置等を行うこと。
 四 同法第七十条第一項第二号の二の運用に当たっては、難民その他の者の庇護の国際的重要性に鑑み、日本に庇護を求めることを躊躇させないよう、留意すること。
 五 難民該当性に関する判断の要素及び人道配慮による保護対象の明確化など難民認定に係る制度の一層の透明性の向上を図ること。
 六 同法第七十四条の六の運用に当たっては、入国・在留手続の適正な支援業務に不当な介入が行われることがないよう、十分に留意すること。
 七 新たな在留資格「介護」の創設については、介護人材として中・長期に日本に滞在し、能力を発揮する外国人介護労働者が増加する可能性に鑑み、社会保障制度の適用や生活上の問題への対応など、日本語能力の向上を含めて、地域における職業上、生活上の支援が確実に行われるよう、政府は関係機関と連携して必要な施策を講ずること。
 八 本法の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況を踏まえ、必要があると認めるときは、検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。
 九 今後の外国人労働者の受入れの在り方について、国内人材の確保を前提としつつ、国民的コンセンサスを踏まえ、政府全体での総合的な検討を速やかに進めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
#217
○委員長(秋野公造君) ただいま真山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#218
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、真山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、金田法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金田法務大臣。
#219
○国務大臣(金田勝年君) ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#220
○委員長(秋野公造君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#221
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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