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2016/10/11 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 総務委員会 第1号
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2016/10/11 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 総務委員会 第1号

#1
第192回国会 総務委員会 第1号
平成二十八年十月十一日(火曜日)
   午後三時四十八分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         山本 博司君
    理 事         大沼みずほ君
    理 事         石上 俊雄君
    理 事         横山 信一君
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                石井 正弘君
                礒崎 陽輔君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                柘植 芳文君
                二之湯 智君
                藤川 政人君
                松下 新平君
                森屋  宏君
                伊藤 孝恵君
                江崎  孝君
                羽田雄一郎君
                藤末 健三君
                吉川 沙織君
                三浦 信祐君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
                中野 正志君
    ─────────────
   委員長の異動
 九月二十六日山本博司君委員長辞任につき、そ
 の補欠として横山信一君を議院において委員長
 に選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十六日
    辞任         補欠選任
     藤川 政人君     こやり隆史君
     石上 俊雄君     那谷屋正義君
     羽田雄一郎君     森本 真治君
     藤末 健三君     杉尾 秀哉君
     三浦 信祐君     宮崎  勝君
     中野 正志君     塚田 一郎君
 九月二十七日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     溝手 顕正君
     井原  巧君     山崎 正昭君
     石井 正弘君     古賀友一郎君
     礒崎 陽輔君     片山さつき君
 十月五日
    辞任         補欠選任
     山下 芳生君     仁比 聡平君
 十月十一日
    辞任         補欠選任
     塚田 一郎君     高橋 克法君
     吉川 沙織君     平山佐知子君
     仁比 聡平君     井上 哲士君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                大沼みずほ君
                柘植 芳文君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                山本 博司君
    委 員
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                高橋 克法君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                伊藤 孝恵君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                平山佐知子君
                森本 真治君
                吉川 沙織君
                宮崎  勝君
                井上 哲士君
                仁比 聡平君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       内閣府副大臣   松本 洋平君
       総務副大臣    原田 憲治君
       総務副大臣    あかま二郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  金子めぐみ君
       総務大臣政務官  冨樫 博之君
       総務大臣政務官  島田 三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      緒方 俊則君
       総務省自治行政
       局長       安田  充君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省情報流通
       行政局長     南  俊行君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  奥田  透君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言御挨拶を申し上げます。
 去る九月二十六日の本会議におきまして総務委員長に選任されました横山信一でございます。
 本委員会は、行政制度、地方行財政、選挙、消防に加え、情報通信や郵政事業など国民生活に密接に関わる重要な事項を所管しており、その委員長たる職責は誠に重大であると痛感しております。
 委員長といたしましては、委員各位の御指導、御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営に努めてまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(横山信一君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日までに、石上俊雄君、羽田雄一郎君、藤末健三君、藤川政人君、中野正志君、三浦信祐君、青山繁晴君、井原巧君、石井正弘君、礒崎陽輔君及び山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君、森本真治君、杉尾秀哉君、こやり隆史君、塚田一郎君、宮崎勝君、溝手顕正君、山崎正昭君、古賀友一郎君、片山さつき君及び仁比聡平君が選任されました。
    ─────────────
#4
○委員長(横山信一君) 理事の選任を行います。
 去る八月三日の本委員会におきまして、一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事に柘植芳文君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(横山信一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動及び私の委員長就任に伴い現在理事が三名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に森屋宏君、江崎孝君及び山本博司君を指名いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(横山信一君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(横山信一君) この際、高市総務大臣、あかま総務副大臣、原田総務副大臣、冨樫総務大臣政務官、金子総務大臣政務官及び島田総務大臣政務官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。高市総務大臣。
#10
○国務大臣(高市早苗君) 総務大臣の高市早苗でございます。
 副大臣、大臣政務官、そして職員共々精いっぱい働いてまいりますので、横山委員長、理事、委員の先生方の格段の御指導をよろしくお願い申し上げます。
#11
○委員長(横山信一君) あかま総務副大臣。
#12
○副大臣(あかま二郎君) 総務副大臣を拝命いたしましたあかま二郎でございます。
 委員長始め理事並びに委員の先生方の特段の御配慮、また御指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。
#13
○委員長(横山信一君) 原田総務副大臣。
#14
○副大臣(原田憲治君) 総務副大臣を拝命をいたしました原田憲治でございます。
 委員長始め理事の皆さん、そして委員の皆さんの格段の御指導を賜りますように、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
#15
○委員長(横山信一君) 冨樫総務大臣政務官。
#16
○大臣政務官(冨樫博之君) 総務大臣政務官を拝命いたしました冨樫博之です。
 皆様方の格段の御指導、よろしくお願いを申し上げます。
#17
○委員長(横山信一君) 金子総務大臣政務官。
#18
○大臣政務官(金子めぐみ君) 総務大臣政務官を拝命いたしました金子めぐみでございます。
 皆様方の格段の御指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
#19
○委員長(横山信一君) 島田総務大臣政務官。
#20
○大臣政務官(島田三郎君) 総務大臣政務官を拝命いたしました島田三郎です。(発言する者あり)ありがとうございました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#21
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官緒方俊則君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#23
○委員長(横山信一君) 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
#24
○国務大臣(高市早苗君) 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 平成二十八年熊本地震による災害に係る復興基金の創設のための特別の財政需要に対応するため、五百十億円を一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れて平成二十八年度分の地方交付税の総額に加算し、その全額を特別交付税とする特例を講じることとしております。
 次に、東日本大震災に係る復興事業等の実施のための特別の財政需要に対応するため、百六十五億円を東日本大震災復興特別会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れて平成二十八年度分の震災復興特別交付税の額に加算することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
#25
○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#26
○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。
 この度、長野県選挙区、参議院選挙にて初当選させていただきました。前職は、御承知の方もいらっしゃるかと思いますけれども、ニュースキャスターをやっておりました。テレビでお目にかかった方、たくさんいらっしゃると思うんですけど、ちょっとニュースと国会は勝手が違いますもので、とにかく初質問ということで若干緊張しているんですけれども。
 私も、前職時代、本当に、あの東日本大震災、そしてあの阪神大震災も含めて、いろんな災害現場で取材をしてまいりました。
 そして、先般、あの北海道と東北を襲った豪雨被害、本当にたくさんの皆様が被害に遭われた、まずもってお見舞い申し上げます。
 また、それとともに、先週の八日ですか、阿蘇山の爆発的噴火がありまして、今年四月の熊本地震との関係も専門家によって指摘されています。住民の皆さんの不安、そして農業や観光などへの打撃も大変なものがあろうかと思います。行政、そして国としても全面的に被災者の皆さんにサポートしていかなければならないと思っております。
 その熊本地震による災害復旧を目的とした基金創設のため、今回の補正予算では地方交付税の総額に五百十億円加算する措置がとられております。私どもも、一日も早い震災からの復興と、そして地域主権を推進すると、こういった立場からも、被災地に自由度を認める復興基金の創設が必要であるというこの基金の創設の趣旨には賛同しておりますし、今回の予算措置も評価するところであります。
 ただ、幾つかの点について確認しておきたいことがあります。
 まず、この五百十億円という金額はどのような根拠に基づくものなのでしょうか。具体的に言いますと、どのような財政需要の積み上げによって算定されたのか。可能な限り定量的に示していただかなければ、この五百十億円という金額が過大であるのか、それとも過小であるのか、少ないのか、国会が判断できないということになります。いかがでございましょうか、見解をお願いいたします。
#27
○政府参考人(黒田武一郎君) 復興基金でございますが、現在の低金利の状況を踏まえまして、東日本大震災と同様、取崩し型基金により対処することとしまして、基金に対する交付税措置につきましては、東日本大震災における被災三県と同様の算定方法によって算出したところでございます。
 具体的には、阪神・淡路大震災復興基金事業を現行の制度等の下で実施した場合に必要となると見込まれます交付税措置額九百二十四億円と算出いたしまして、その額と兵庫県と被災市町村の標準財政規模の割合を求めまして、この割合を熊本県と被災市町村の標準財政規模に乗じまして総額五百十億円を算出したところでございます。
 ただいま積み上げという御指摘ございましたが、なかなか、阪神・淡路の経験等もございまして、今の時期に長期間を見越しまして個別の事業を積み上げるというのは非常に難しい点がございます。それを踏まえまして、基金によります具体の事業内容につきましてはそれぞれとなることを前提としながら、熊本地震の甚大な被害状況に鑑みまして、阪神・淡路大震災と同程度の水準の事業態様となると見込んでの措置でございます。
#28
○杉尾秀哉君 そこで、過去こういった基金方式を取ったのは、例えば雲仙・普賢岳、それから阪神大震災、そして新潟中越、東日本大震災ということですが、東日本大震災については継続中だと思いますけれども、さきの三つの基金については、これはどういう状況になっているんでしょうか。
#29
○副大臣(原田憲治君) お答えをいたします。
 過去、大規模災害時に復興基金を設置し、それに対し国として地方財政措置を講じた長崎県、兵庫県、そして新潟県におきましては、基金の創設により、きめ細かな対策が迅速かつ弾力的にできたと存じております。多岐にわたる事業を被災者、被災地のニーズの変化に応じて機動的かつ積極的に展開することで、復興に大きな役割を果たしてきたと存じております。そして、その上で、阪神・淡路大震災の兵庫県においては、我が国の従来の枠組みの中では困難な課題にも対応できたことは特筆すべき成果であったと思っておるところでございます。
 総務省としても、復興基金により、地域の実情に応じた国の制度、言わば隙間の事業が適切に行われるなど、復興基金は被災地の復興に大きく寄与したものと考えており、熊本県においても有効に活用していただけることを期待をしておるところでございます。
#30
○杉尾秀哉君 もう一つ、今回の補正予算、東日本大震災からの復興事業に係る百六十五億円、これを震災復興特別交付税の総額に加算することとされております。
 そこで伺います。この百六十五億円の具体的な事業の内訳と地域ごとの特色などあれば教えていただきたい。また、震災復興特別交付税については、過去に執行が滞ったり不用な額が生じたりしている、こういう指摘もあります。今回はそういう懸念、心配がないのかどうなのか、お答えください。
#31
○政府参考人(黒田武一郎君) 今回増額をお願いしております百六十五億円につきましては、専ら道路関係の事業でございます。
 御指摘のように、過去かなり繰越し等ございますが、これは、補助事業を執行しますときにできるだけ弾力的に行うという前提も踏まえましてやっております関係で、復興特交もそれに合わせまして繰越しが増えているという状況でございます。この百六十五億円につきましては、当然今年度に執行されるという見込みで計上させていただいております。
#32
○杉尾秀哉君 冒頭申し上げましたとおり、私どもとしてはこの今審議中の案件については賛成の立場を取っているんですけれども、補正予算本体については、先ほど委員会で採決ありましたけれども、私どもは反対という立場でございます。
 例えばその理由の一つなんですけれども、未来への投資と言いながら従来型の公共事業が多い。また、不要不急と見られる事業も散見される。例えば、この総務省関連でいいますと、マイナンバー制が始まってちょうど一年たちました。先般も報道がありましたけれども、今回の補正予算にマイナンバーカード等の旧姓併記のためのシステム改修費九十三億八千万円が計上されています。実は、私もマイナンバーカード持っておりません。皆さん持っていらっしゃいますか。私の周り、実はいないんですね。
 このマイナンバーカードの申請件数と実際に交付された枚数は幾らなのか。そして、これは新聞報道ですけれども、申請件数頭打ち傾向と聞いているんですが、現状はどうなっていますでしょうか、お答えください。
#33
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 マイナンバーカードについてでございますけれども、十月六日の時点で約一千百四十七万件の申請がされておりまして、そのうち約八百五十七万枚が交付されているところでございます。
 マイナンバーカードにつきましては、昨年度末から今年度の初めにかけまして交付の遅延が発生したところでございますけれども、本年五月に立ち上げましたカード交付促進支援チームにおきまして交付促進マニュアルを作成いたしまして、全市町村に交付計画を作成いただいたところでございます。その結果、交付通知書の送付状況で見ますと、本年八月末時点では千七百二十二団体、九八・九%で交付通知書の滞留が解消いたしております。また、交付通知書の送付率につきましても九四・一%となっているところでございます。
 また、ただいまの申請が頭打ちではないかというお尋ねございましたけれども、申請件数の月ごとの平均、一日単位で見ますと、例えば一月の時点では七万八千件申請がございました。それが徐々に減ってまいりまして、七月が一番ボトムでございまして七千三百件という件数でございました。九月になりましてから少し回復いたしまして八千八百件と、こういう状況でございます。
 今後はこの申請促進というのが大きなテーマになってくるというふうに考えておりまして、そのためには多くの国民の皆様にカードの利便性を実感いただくということが不可欠であるということで、様々な取組を進めているところでございます。
#34
○杉尾秀哉君 私が聞いているところでは今年度中に三千万枚の交付を目指しているということなんですけれども、今の申請状況を聞きますと、一日一万件もないという状況の中で、もうこれは到底三千万件の到達というのは無理ですね。
#35
○政府参考人(安田充君) ただいま申し上げましたように、現時点での申請件数、一千百四十七万件でございまして、九月における平均が八千八百件ということでございます。単純に伸ばしていきますとそれほど大きな数字にはなってこないということでございますが、先ほども申し上げましたように、申請促進に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#36
○杉尾秀哉君 先ほど申し上げましたが、今般の補正予算で九十三億八千万円、システム改修費、これ女性の活躍のためということなんですけれども、旧姓の併記ができるようにシステム変更するということで予算が組まれています。さらに、同趣旨で、来年度予算の概算要求でも三億四千万円が計上されていると思います。この九十三億と三億を足すと、ほぼ百億円近い予算措置ということになります。
 そこで、伺います。システム改修のために総額で一体全体幾ら掛かるのか。例えば、今の時点で、カードの発行枚数一千万枚としてシステム改修費が百億円掛かるとすると、このシステムの改修費だけでカード一枚当たり千円の追加の支出ということになります。これは幾ら何でも高過ぎると思いますし、一体全体この旧姓併記のカードがいつから使用になるのかということも含めて大いに疑問なんですが、いかがでしょうか。
#37
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 マイナンバーカード等への旧姓併記のために全国システムと市町村のシステムの改修が必要でございます。
 まず、全国システムといたしましては、マイナンバーカードに旧姓を併記するためにカード管理システムの改修が必要でございます。このほか、住民基本台帳ネットワークシステムの改修、公的個人認証システムの改修が必要でございます。
 さらに、全国千七百四十一市区町村の既存住基システムの改修が必要でございまして、これは、これまで取り扱われたことのない旧姓を住民票に記録管理いたしまして、住民票の写しに旧姓を併記することができるようにするためでございます。また、これらのシステム改修の後、各システム内及び各システム間でのテストを行う必要もございます。
 以上のように、今回新たに導入される旧姓を適切かつ円滑に使用できるようにするために、全国千七百四十市区町村の既存住基システムを始めとする様々なシステム改修が必要となるということから、相応のシステム改修の経費が必要になるものでございまして、平成二十八年度第二次補正予算案に九十三・八億を計上したほか、御指摘ございましたように、二十九年度の概算要求で三・四億円を要求しているところでございます。
 今後、更に必要な経費があるのかというお尋ねでございますが、各市町村のシステム内、システム間でのテスト等に係る経費も必要となるということを考えておりまして、引き続き予算の確保に取り組む必要があるというふうに考えているところでございます。
#38
○杉尾秀哉君 一体全体幾ら掛かるんですか、言ってください。
#39
○政府参考人(安田充君) 相当額が必要となると考えてございますが、今の時点で具体的には、精査が必要でございまして、数字を申し上げることができないことをお許しいただきたいと思います。
#40
○杉尾秀哉君 今の答弁にもありましたけれども、一体全体幾ら掛かるかも分からない。こういう状況のマイナンバーカードで、しかも申請件数がこれだけ低調な状況で、本当に住基カードの二の舞になるんじゃないかという心配する声がすごくあります。
 そもそも、そもそも、これ女性の活躍のための旧姓併記をするんだったら、選択的夫婦別姓を選択した方が私はよっぽど女性の活躍のためになると思うんですが、高市大臣、見解を伺います。
#41
○国務大臣(高市早苗君) まず、先ほど交付について、マイナンバーカードの申請数について伸びが少ないという御指摘でございました。実は、マイナンバーカードは、そのものは作成されていても、各市区町村役場で通知を出すのが遅れていて随分滞留しておりました。これが解消する前にマイナンバーカードを申請していただいたらという広報をしてしまいますと、ますます滞留が多くなってしまいますので、滞留が解消するまでは広報を行わないようにという指示を私が出したものでございます。
 今後は、やはり一番働く女性も含めて多くの方に喜んでいただけるのはマイナポータルを活用した子育てワンストップサービスであると思いますし、また、戸籍や住民票などのコンビニ交付サービス、マイキープラットフォームなど、全国の市区町村で取り組んでいただくということで利便性を向上させていくということ、そして、通知カードそのものもそうですし、マイナンバーカードもそうなんですが、たちまちまた年末調整ですとか確定申告で番号の提示を求められることがありますので、ようやく滞留が解消してまいりましたから、これからしっかりと利便性について広報してまいります。
 それから、旧姓併記についてでございますが、これは働く女性の中に、これ民間のアンケートですけれども、相当数旧姓で仕事をしている方がいらっしゃいます、四分の一超になります。このような女性の方々が勤務先など社会の様々な場面で旧姓を用いられる場合に、旧姓が併記されたマイナンバーカードや、住民票の写しも、マイナンバーカードに併記されますと住民票の写しにもそれが出てきますね、そういう写しがあるということは、本当に簡単かつ確実に旧姓を確認できるための基盤となると考えました。勤務先での旧姓使用や、あと旧姓名義の銀行口座の住所更新など、それからまた今後旧姓での手続などが広まった場合に対応できると、そのように考えました。
 民法改正、選択的夫婦別氏制度については、民法など法務省所管の制度に関わることでもあり、また国民の間でも様々な御意見がありますし、最高裁判決における御指摘、国民的な議論の動向を踏まえながら対応していかなければなりません。そういう意味では、マイナンバーカードにまず旧姓の併記をということで、少しでも利便性を高めたいと考えました。
#42
○杉尾秀哉君 本当は大臣御本人の見解を伺いたかったんですけれども、ちょっと時間が余りないということなので、私は元々前職がテレビの仕事だったもので、ちょうどBPOの放送倫理検証委員会の活動が十年目に入ったばかりですので、このBPOと、それから言論、表現の自由との問題について質問したいというふうに思っております。
 さきの参議院選挙の後にこういう報道ありました。皆さんのお手元にありますでしょうか。
 まず、毎日新聞ですね。これ、エム・データという調査会社なんですけれども、NHKを含む在京地上波テレビ六局の参院選関連の放送時間を集計したものです。ここに二つ棒グラフが比較してありますけれども、左側が前回、そして右側が今回ということになります。NHKと民放で分けて表示がしてあります。これ、NHKと民放を足しますと、今回の参院選関連の総放送時間、二十六時間一分でした。ところが、前回、二〇一三年ですね、三十五時間五十七分ということで、三割近く、二七・六%も減ったと、こういう記事でございます。
 そして、二つ目の資料ですけれども、これは上智大学新聞学科のチームがテレビ各局のニュース番組を調査したものです。これは夕方のニュースと夜のニュースに分けております。このブルーの方が参議院選挙、グレーの方が都知事選関連ということなんですけれども、特に、夜のニュースは参院選がやっぱり多いんですけれども、夕方のニュースが圧倒的に都知事選関連が多くて、参院選の報道が物すごく少なくなっているんですね。しかも、これ元々、ジャーナリズムという本なんですけれども、ここに掲載されていたものなんですが、ちょっと今日持ってきませんでした、済みません、なんですけれども、この中で指摘されているのは、例えば街頭のインタビューが減ったという、そういう指摘もされております。こうした選挙報道が減る傾向にあるというのは何も参院選だけではございませんで、おととし暮れの二〇一四年の衆議院選挙、その前の二〇一二年の衆議院選挙に比べて四割減ったというデータもあります。
 そこで、高市大臣に伺いたい。こうしたテレビの選挙報道の減っている減少傾向について、テレビを所管する大臣としていかがお考えでしょうか。
#43
○国務大臣(高市早苗君) 放送法でございますが、放送事業者の自主自律を基本とする枠組みになっていますから、放送番組は放送法に沿って放送事業者が自らの責任において編集されるものだと考えております。したがって、この選挙で報道時間が減ったということなんですが、放送番組における選挙の取上げ方につきましては、これは放送事業者が自ら判断されるものでありまして、私からのコメントというのは差し控えさせていただきます。
#44
○杉尾秀哉君 私が申し上げているのは、こういう報道が減ることによって、選挙、政治に対する有権者の関心が薄れて、それが投票率の低下につながるんじゃないかという、その危惧なんですね。私自身もテレビにいましたので、よく分かるんです、肌感覚として。
 そして、今、その取上げ方の問題にされましたけれども、今年二月八日の衆議院の予算委員会、高市大臣、我が党の奥野総一郎議員とのやり取りの中で、電波停止、いわゆる停波の可能性についてこういうふうにおっしゃっています。行政指導しても全く改善されず、公共の電波を使って繰り返される場合、それに対して何も反応しないと約束するわけにはいかない、電波停止の可能性が全くないとは言えないと、こういうふうに答弁されています。さらに、翌九日の委員会でも同じ趣旨の発言をされています。
 そこで、高市大臣に伺います。このとき、高市大臣は、私のときにするとは思わないがというふうに注釈は付けていらっしゃいましたけれども、こうした発言をテレビ局の関係者が聞いて一体全体どう思うのか。これ、私、当時勤務しておりましたからよく分かりますけれども、これ、言葉は悪いかもしれませんが、テレビ局への恫喝と受け止められかねないと思うんですが、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(高市早苗君) これまで国会で何度も申し上げておりますが、私が、放送法の解釈については説明を申し上げましたけれども、電波を止めると言ったことは一度もございません。私としては、行政の継続性の観点から、平成二十二年の十一月の参議院総務委員会での当時の民主党政権下での政府の見解と同様の答弁をさせていただきました。二月八日の答弁は、電波法七十六条及び放送法百七十四条の解釈について申し上げました。
 私のときに止めるとは思わないけれどもと注釈を付けた理由でございますけれども、翌日の予算委員会でも申し上げましたが、運用が非常に厳しいものになっているということです。放送法百七十四条の放送の業務停止命令も電波法七十六条に基づく無線局の運用停止命令も、法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであることに加え、その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといった、極めて限定的な状況にのみ行うことが可能となるということになっております。これは過去の答弁でも同じです。
 ですから、現にこれまで、番組準則などについて、この違反を理由として放送の業務停止命令、無線局の運用停止命令を行った例はございません。こういうことを申し上げてまいりました。
#46
○杉尾秀哉君 今、高市大臣は、私は停波と言っていないというふうにおっしゃいましたけれども、これ、やり取りが停波の可能性についてのやり取りなので、私は言っていないというのは、全くそれは答弁になっていないというふうに思います。
 今、放送法のお話されましたけれども、四条、これ、ここにありますけれども、もう一度確認します。第一条では放送の不偏不党により表現の自由を確保することと、こう書いてある。そして、三条で番組編集の自由というのが規定されている。したがって、この四条の中の番組準則の政治的公平性の原則も、これは多くの学者が、倫理規範であって、これ単なる倫理規定なんだと、規範規定ではない、高市大臣がおっしゃるような放送事業者に対する義務を課す規範規定ではないという見解をほとんどの学者が持っていらっしゃいます。
 そこで、伺いますけれども、この四条の解釈について、これまでの考え方を変えるおつもりはございませんでしょうか。
#47
○国務大臣(高市早苗君) 既に四条につきましては法規範性を有するということが閣議決定されておりますので、その点について変更するつもりはございません。
#48
○杉尾秀哉君 それからもう一つ、この予算委員会の中で、今もちょっとおっしゃっていましたけれども、これまでは放送法のあの四条について番組全体で判断すると、こういう考え方が定着していたわけですけれども、高市大臣は一つの番組だけで判断する可能性に触れられている。さらに、ここに行政指導、注意とかですね、それから停波というものをちらつかせられると、これ放送業者にとっては極めて脅威となる。
 私はいたから実感としてあるんですけれども、こういう受け止め方についてはいかがでしょうか。
#49
○国務大臣(高市早苗君) 政府統一見解で示しましたとおり、放送法第四条の政治的に公平であることの適合性の判断に当たっては放送事業者の番組全体を見て判断するとしており、この解釈については何ら変更はなく、政府統一見解はこれまでの解釈を補充的に説明し、より明確にしたものであるということはこれまでも累次委員会で申し上げてまいりました。
 これは、電波法七十六条、放送法百七十四条の適用にすぐ結び付くというものではなくて、番組全体を見るとしても一つ一つの番組を見ながら判断していかなければならないからということで、電波法七十六条の無線局の運用停止命令をちらつかせたという御指摘は当たらないと考えております。
#50
○杉尾秀哉君 私は三十五年近くテレビ局で飯を食ってきましたけれども、第一次安倍政権のときもそうだったんですが、特に第二次安倍政権になってから、これメディアと政権をめぐる問題が次々と起きている。本当に次々と起きている。
 私は一種異常な状態だと思っているんですが、例えば、おととし暮れの解散・総選挙の際、私も、「NEWS23」の担当ではなかったですけれども、安倍総理が解散の当日、当夜、「NEWS23」に出演して、生放送中に、街頭インタビューを意図的に編集したと、こういうふうに文句を言った。
 実はこれ、この街頭インタビューは四人だったんですけれども、四人中三人がアベノミクスの恩恵を感じていない、こういうふうに答えている。一人はアベノミクスで景気がいいですよと、こういうふうに言っている。この恐らく編集は、当時の世論調査の数字をベースにして作っていると思います。大体七〇%から八〇%近くの方が景気が良くなったと実感していない、だから四人中三人がそういう厳しいインタビューを使い、そして一人はやっぱりアベノミクスの恩恵を感じていると、こういう人も実際にいらっしゃるわけですから、そういう意見も入れたということです。それに総理は生放送中にかみついたということです。
 そして、その二日後、自民党からテレビの各局に、私もこの文書を見ました、局にいるときにですね。政治的公平を期してほしい旨のこういう文書が出されて、この中で、今言った街頭インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏る、あるいは特定の政治的立場が強調されることがないよう、こういうふうな文書を書かれている。
 これまでもこういう申入れというのはありました。野党側からの申入れもあります。だけど、具体的に街頭インタビューだとか資料映像だとか、ここまで書いている文書って、私見たことないです。最後にこう書いてあるんですよ、以上、御無礼の段、御容赦賜りと。これ、どういうことなんですか。これは総務省と直接関係あるわけじゃないです。これは自民党としての申入れですけれども、こういうことも実際には物すごく影響している。
 そして、今度は去年の四月、自民党がテレビ朝日とNHKの幹部を呼んだ。そして、二十八日には総務省がNHKに対して厳重注意した。これに対して、この国会でも取り上げられておりますけれども、BPO、このクローズアップ現代、出家詐欺報道に関する意見、この中で非常に厳しい、政府・自民党に対して圧力だと断定するような非常に厳しい意見を出している、こういうことです。これは異例のことだと思います。
 さらに、もっとあります。去年の十一月、放送法の遵守を求める視聴者の会なる組織が、これ実は安倍総理のいわゆる応援団というか、応援している皆さんですけれども、「NEWS23」の岸井キャスターの安保法をめぐる報道を取り上げて、違法な報道を私たちは見逃しませんと、こう言って違法な報道だと断定している、そういう意見広告です。しかも、この目見てくださいよ。僕、これ見てぎょっとしましたよ。俺たちは見ているぞということですね。
 こういうことがあって、こういうことが続いて、そして高市大臣の先ほどのあの予算委員会でのやり取りになるわけです。
 ちなみに、この意見広告、御存じだと思いますけれども、政権寄りの読売新聞と産経新聞の二紙にしか出ていない。二紙にしか出ていない、これは事実です。
 こういったことが繰り返されていて、今テレビ報道の現場に萎縮、自己規制、それから、政権に盾突くのはやめよう、事なかれ主義、こういうのが広がっている。これは一義的にメディアの側の責任です。私にも責任があると思う。みんな、やっぱりびびっちゃっているんですね、面倒なことにはやっぱり関わりたくないと。だから、これは今、日本で、やっぱり商業ジャーナリズムですから、個人個人で生きていくのはなかなか厳しい時代でもありますけれども、商業ジャーナリズムの限界かもしれませんけれども、やっぱりまずメディアの人間が気概を持たなきゃいけない。それでも、だけど、外形的な事実としては、こういうことが繰り返されて自粛ムード、そして事なかれ主義が広がっているのは間違いないんですよ。
 私が冒頭に申し上げた、選挙報道が減っている、例えば街頭インタビューやなんかにしても、選挙に行きますかとか行きませんかとか、そういうインタビューはしているんですけど、選挙の争点については、例えばアベノミクスがどうですかとか、それから安保法どうですかとか、こういうインタビューが本当になかったんですよ。なかったか、若しくは物すごく少なかったんですよ。これがリンクしているんじゃないかという、その危惧の念があるから私は聞いているわけです。高市大臣、見解いかがでしょう。
#51
○国務大臣(高市早苗君) 例えば、私の発言であったり今紹介をされた広告であったり、そういったもので放送事業者の方々、ふだん矜持を持って報道すべきことを報道されている皆さんが萎縮されているんだろうかということは、私自身は実感としては分かりません。現場におられた委員だからそのようにお感じになっているのかもしれませんが、昨日も私はたっぷりたたかれていましたし、まあ余り私自身がテレビで褒められることもなく、新聞にもテレビにもそうですけれども、とても萎縮をしていただいているとは思えない。しっかり伝えるべきことを伝え、批判されるべきことを批判していただいているんだなと受け止めております。
 とにかく、私自身が法律の条文を変えたわけでもないですし、行政の継続性の観点から従来の総務省の見解を申し上げてまいりましたので、それをもって放送事業者が萎縮しているという御指摘は当たらないと思います。
#52
○杉尾秀哉君 総務省はテレビ局の免許の許認可権を持っているわけですから、権力の行使はやっぱり極力抑制的にしてほしいということなんですね。
 それと、冒頭申し上げましたBPOの委員会ができて十年ということなんですけれども、ちょうどこのBPOの意見が出た後です。これ、例えば、もっとこのBPOに対して政府も関与すべきじゃないかと、こういうことを例えば自民党の川崎二郎さんとかはおっしゃっている。このBPOが、今純粋な放送局が自主的に設置した第三者機関ということになっているわけですけれども、高市大臣は、このBPOの果たしている役割、機能についてどういうふうにお考えか、聞かせていただけませんでしょうか。
#53
○国務大臣(高市早苗君) BPOは、放送事業者による放送番組の質の向上に関して御貢献をいただいていると思っております。自律的な取組の一環としてNHKや日本民間放送連盟によって設立された組織でございます。
 先ほど一部、自民党の議員の意見を紹介されましたけれども、運営というものについては放送事業者が責任を持って行うべきものでございますから、少なくとも総務省としてBPOの組織ですとか業務の在り方についてコメントをするということはございません。
#54
○杉尾秀哉君 とすると、BPOに例えば政府関係者を入れてくれとか、そういうことはないというふうな理解でいいんでしょうか。
 それともう一つは、今のままのBPOの組織、今おっしゃいましたけれども、大臣、今のままでいいとお考えなのか、それとも改善すべき、こういうふうに変えてほしいという具体的なことはありますでしょうか。
#55
○国務大臣(高市早苗君) これはNHKと民放連によって設立された自律的取組の一環でございますので、政府としてこう変えてほしいとか、あるいはこういう人を入れてほしいと申し上げることはございません。
#56
○杉尾秀哉君 ということは、今のままの組織でいいし、今のまま、果たしている役割をそのまま続けてほしいということですね。
#57
○国務大臣(高市早苗君) 政府としてその可否、まあ是非についてコメントをするということは控えさせていただきます。
#58
○杉尾秀哉君 これ、民主党時代からずっと出しているんですけれども、やっぱり日本は総務省、これ、監督官庁が電波の許認可権を握っている。しかも、それが行政指導とか、要するにいわゆる役所の胸先三寸、大臣の胸先三寸でいろんなことが、例えば厳重注意なりなんなり出ていくという、こういう今の日本の放送の在り方自体が私は疑問がありまして、これはアメリカのFCCがまさに典型なんですけれども、こういった電波の許認可権なんというのはやっぱり第三者機関に置くべきだというのが私どもの意見ですので、これはずっと訴えてまいりたいと思っております。
 残りの時間があと四分ですので、一つ二つ伺います。
 これ、一般の皆さんに非常に関心が高いと思うんですけれども、携帯のワンセグ放送の受信機をめぐる問題なんですね。今年の八月、さいたま地裁、ワンセグ携帯の所有者がNHKと受信契約を結ぶ義務がないと、こういう画期的な注目すべき判決を出している。その判決後、大臣は、従来、携帯受信機も受信契約締結義務の対象と考えていると、こういうふうに発言されましたが、この判決について、その後の経緯も含めて、今NHK控訴はしておりますけれども、見解をもう一度お示しいただきたいと思います。
#59
○国務大臣(高市早苗君) 恐らく九月二日の私の記者会見のことをおっしゃっていると思います。私は、この判決に対しましてNHKは直ちに控訴するというコメントを出しておられますので、総務省としては訴訟の推移を見守ってまいりたいと思っていますということをお断りした上で、昭和三十七年三月三十日に認可した総務省の日本放送協会放送受信規約について紹介を申し上げた上で、最後に、いずれにしましても、今後、訴訟の推移をしっかりと見守ってまいりますと申し上げました。今も係争中の案件でございますので、コメントはできません。
#60
○杉尾秀哉君 これ、素人目で考えても、ワンセグの携帯で見る画面というのは本当に見にくいし、しかも画面がよくフリーズしたり音が止まったりして、そういう放送に対する課金と、家にあって例えば4Kとか8Kみたいな形、ああいう大きな要するにブラウン管で見る、これが全く同じ要するに料金体系だというのは、これが仮にこれだとしたら、やっぱりおかしい。何らかやっぱり差が付ける、若しくは、もうワンセグ携帯については要するに受信契約の対象ではないというふうな認定をして取らないという考え方もあると思うんですよね。
 一部報道にも、減額若しくはもう課金しないようにと、こういうふうなことをNHKの側に申し入れると、こういう報道もその後にあったんですけれども、事実関係いかがでしょうか。
#61
○政府参考人(南俊行君) 事実関係も含めまして、私の方から御説明をさせていただきたいと思います。
 ワンセグ放送は、先生御案内のとおり、十年前から我が国の地デジ方式の一つの大きな特色として、携帯電話、タブレット、カーナビなどの移動体で安定した受信が可能な放送サービスとして広く普及、定着をしているものだというふうに考えております。
 これにつきましては、ワンセグ放送がスタートした十年前から、私どもの解釈、運用の実態としましては、質問主意書に対する答弁でございますとか国会の答弁で、携帯電話につきましてもワンセグチューナーが付いているものにつきましては受信契約の締結義務があるというふうに解釈、運用をしてきたところでございます。
 先生御指摘のように、品質がいいとか悪いとかということは、受信料というのは御案内のとおり公共放送を支える国民の皆さんの負担金でございまして、画質がいい悪いのその視聴の対価として徴収されているものではない性格でございますので、そういうものとしてこれまで実務的に運用させていただいているということでございます。
#62
○杉尾秀哉君 これ、実はカーナビもそうなんですよね。これ、一般に物すごく影響があって、しかも、今度、今はネットの同時配信、こちらの方の話も出ていますので、これまでと全く、技術の進歩によってこのテレビをめぐる環境って変わっていますので、これ、NHKの受信料の問題というのはこれも大きな問題だろうと思いますので、今後も引き続き追及していきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
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#63
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、塚田一郎君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君が選任されました。
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#64
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 熊本地震からもうすぐ半年になりますが、復興に懸命に取り組む住民、自治体を、お話もありましたけれども、八日、阿蘇山の爆発的噴火がまた襲いました。心からのお見舞いを申し上げますとともに、被災者支援に全力を挙げる決意を改めて申し上げたいと思います。
 この法案で創設される熊本復興基金は、復興のために被災自治体の判断で運用されるものでありまして、賛成です。同時に、国の責任でやるべき支援は国が具体化すべきことは当然でありまして、熊本地震による被害の特徴、課題に応えて国の対策を前進させるということが今改めて問われていると思うんですね。
 そこで、今日、絞って二つ伺いたいと思います。
 まず、農地、農業用施設の甚大な被害は皆さん御存じのとおりです。農水省の方から、現時点の把握されている被害の箇所、面積、金額と、それから査定などの進捗に関わる資料をお出しいただきましたけれども、つまり、市町村は必死で頑張っているんだけれどもやっと査定の準備を整えてきたところというのが現実で、これからの発注や施工、そもそも査定ということを考えますと、来年の作付けに間に合わせるためには、これ国が相当乗り出して応援をすることが必要だと思っているんですね。
 そこで、農水省、進捗状況がどうなっているか、そして今後どう取り組むか、お話を伺いたいと思います。
#65
○政府参考人(奥田透君) 御指摘のとおり、熊本地震で被災した農地、農業用施設の災害復旧事業に係る災害査定については、八月より本格化し、現在鋭意進めているところでございます。
 具体的には、災害査定を本年内に完了させることを目指し、地元九州農政局のみならず各地方農政局から災害査定の実務経験のある国の職員を査定官として派遣することにより、災害査定の加速化を図っているところであります。
 こうした取組により、今後とも速やかな復旧の進捗を図り、できる限り来年の作付けに間に合うよう市町村等を支援してまいりたいと考えております。
 以上です。
#66
○仁比聡平君 全力で頑張ってもらいたいと思うんですけれども、特に中山間地の甚大な被害について伺っておきたいんですが、お手元の二枚目の資料に、御船町の元禄・嘉永井手、これ、井手というのは熊本の言葉で用水路、水路のことなんですけれども、「水送れず 田植え断念」という熊本日日新聞の六月の記事をお届けをしています。
 私も現地を訪ねてきているんですが、江戸時代に先人が山を手掘りして、その後ずっと集落で維持されてきたこの用水路が、今度の地震で土石流、あるいは破壊をされて塞がれてしまって、流域の三百五十三人の受益農家が田植を見送ったという状況にあるわけです。この幹線になる用水路とともに、当然そこの支線になる水路だとか、それぞれの方の棚田だとか、道路だとか、それが全部山じゅう壊れているという状況で被害が甚大なんですが、先週、町の担当者に伺いました。そうしますと、復旧事業の査定がこれから始まるところだと。
 そこで、生産者の方々から次々に問合せがあっているのは、国庫の補助になる限度額を超えてしまって自己負担になるのではないかという不安なんですね。これは、山なんかの傾斜度によって国が補助をする限度額が定められているわけですが、もしそれを超えて自己負担になるということになってしまえば、これはもう莫大な金額になって到底自己負担できないと。ということで、それが負担できずに農業をもう諦めるという方が出てしまうと、そこは耕作放棄地になり荒れ地になるわけで、鹿だとかイノシシの被害なんかも含めて集落の多面的機能がもう損なわれてしまう。これが現実の実情で、あっちこっちにこういう状況があると思うんですね。
 そこで、農水省に、この問題について国が乗り出して実情をつかんで、県や市町村の相談に乗って、農家負担がなくなるようにしてほしいと思うんですが、いかがでしょうか。
#67
○政府参考人(奥田透君) 農地の復旧限度額は、被災した農地に代わる農地を新たに造成するために必要な標準的な経費として定められています。そして、これを超えた部分については国庫補助の対象とならないため、地元自治体や農業者の負担となります。また、中山間地域においては、地形的な条件から工事費が大きくなってしまう傾向があることも御指摘のとおりでございます。
 したがいまして、農林水産省としては、できる限り復旧限度額を超えないよう工夫する必要があると考えております。例えば、農地の復旧工事を復旧限度額のない水路等の農業用施設の復旧工事と適切に組み合わせること、あるいは農地の被災箇所が百五十メートル以内で連続している箇所をまとめて申請すること、あるいは農地のり面の復旧に当たっては簡易な土止め工といった経済的工法を選定することなどの工夫ができないか、災害査定官を含む国の職員を現地に派遣し、技術的な支援を行っているところであります。
 農林水産省としては、今後とも、このような取組により熊本県、市町村等と密接に連携し、中山間地域における農地、農業用施設の復旧を推進してまいりたいと考えております。
 以上です。
#68
○仁比聡平君 NHKのニュースで熊本のある農家が、復旧費が四千五百万円に上って、そのうち三千万円以上が自己負担になるのではないかというインタビューに答えておられまして、そうした不安というのは、これ多くの被災農家のものなんですよね。これに対して、例えば先般台風の被害を受けました鹿児島県の垂水市などは、激甚指定をされたら農家負担はゼロにする覚悟でやっている、そうしないと生産者の意欲を励ますことができないとおっしゃっていて、私は、そうした自治体、そして国の構えが被災者を励ますんだと思うんです。
 こうして地名も取り上げましたが、御船町、この七滝の地域ですね、中山間地の復興の言わばモデルとして、先ほど部長おっしゃったような負担を限りなくゼロにする、なくすという構えで取り組んでいただきたいと思いますが、もう一度、いかがですか。
#69
○政府参考人(奥田透君) 先ほど申しましたとおりに、災害査定官も含めまして国の職員を更に現地に派遣するということで、今、市町村、熊本県と調整しております。
 今後とも、しっかりと現地の実情を把握しながら災害復旧に取り組んでまいりたいと思います。
#70
○仁比聡平君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 もう一問は、衆議院の総務委員会でも我が党の田村議員が大臣にも迫りました一部損壊の住宅に関する支援の問題なんですけれども、この問題は切迫した課題です。
 そこで、内閣府副大臣に是非お尋ねをしたいと思うんですけれども、住まいは生活の基盤なわけです。この再建の支援のために行う住宅被害の認定とその基準というのが、支援しない切捨ての線引きになってしまっていると、それが熊本地震ではっきりしたわけですね。これは、応急修理、仮設住宅の入居、公費解体の適用、義援金の配分、いずれもこの認定が支援をしないという形で働いてしまう。
 そこで、考えていただきたいのは、この基準というのはそもそも不動のものではないでしょうということなんですよ。二〇〇四年に新潟、福井の豪雨がありました。その後、中越、中越沖地震など相次ぐ災害の経験の中で、経済的、社会的に住み続けられるか否かという観点から、被災者の立場に立って弾力的かつ積極的に適用ができるようにとずっと運用し、積み重ねてきたものがこの基準ですよね。
 翻って、熊本の現場で何が起こっているかというと、実際に修理費が百万円以上三百万円まで掛かるという方が、私どもの今取り組んでいるアンケートで三六・八%に上ります。中には、瓦が剥がれ落ちて内壁、外壁にもひびが入っている、つまり住み続けるためには屋根や壁の修理というのは絶対しなきゃいけないわけですね。その修理費が五百三十万円掛かるのに、一部損壊としてしか認定されないという現実があるわけですよ。にもかかわらず何の支援も受けられないと。これでいいとお考えなのか。
#71
○副大臣(松本洋平君) お答えをいたします。
 内閣府におきましては、市町村が被害認定を迅速かつ的確に実施できるように災害に係る住家の被害認定基準運用指針を定めておりまして、屋根、壁、柱などの住家の主要な構成要素の被害が住家全体に占める損害割合によって判定を行うこととしており、これによって客観的、公平に判定を行うことができるものと思っております。
 なお、この運用指針による調査、判定の方法につきましては、これまでも被害の実態などを踏まえまして必要な見直しを行ってきております。今回の熊本地震では、その特徴に鑑みまして、地盤の沈下、斜面の崩壊などが多数発生している実情に鑑みまして、住宅の不同沈下や地盤面下への潜り込みが発生している場合には、主に地盤の液状化を念頭に置いた調査、判定方法を適用できることを改めて周知をさせていただいております。
 また、被害程度の小さい一部損壊の被害を受けた方々に対しては、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資等の支援措置がございます。こうした制度をしっかりと活用していただくとともに、引き続き、関係省庁や地方公共団体などと連携をしながら、被災者の住まいの再建に努めてまいりたいと思います。
#72
○仁比聡平君 とんでもない御認識なんですよね。現場の被災自治体の最大のと言ってもいい悩みなわけですよ。だって、今おっしゃるような認定がほぼ終えた段階で、三次判定までやって、今お話ししたような、つまり経済、社会的に言って支援が必要な被害は現にあるわけです。そこに何の支援策もなくていいのかということが被災住民から突き上げられているわけですね。
 ところが、国は下で、自治体で判定された結論の数字だけしかつかんでおられない。自治体は、この国の基準に基づく判定に、被災者を目の前にしてもう格闘しているわけでしょう、必死の思いなわけでしょう。それでも、支援が必要だと思うような被害でも一部損壊としてしか判定できないというその実情、そして、実際そういう判定をされたおうちがどんな支援が必要なのか、県や自治体と協力して国がちゃんと調査すべきじゃありませんか、副大臣。
#73
○副大臣(松本洋平君) 被害認定調査の実情につきましては、これまでも日々の業務の中で地方公共団体からの問合せをいただいております。また、地方公共団体向けの説明会やアンケート調査などを通じまして運用実態の把握に努めさせていただいております。今後とも、一部損壊と判定された方々を含めまして、地方公共団体向けのアンケート調査などによって被害認定調査の運用実態をしっかりと把握をしてまいりたいと思います。
 また、先ほどお話がありましたように、過去の災害においてこの基準の設定の見直しというものも随時行ってきたというような実績もあるわけでありまして、今後とも、必要がある場合には、以降の災害に備えまして見直しを行ってまいりたいと存じます。
#74
○仁比聡平君 いや、ちょっと答弁がそういうふうに前進したのかなと期待はしたいと思うんですけれども、時間がなくなっていて。
 アンケート調査おやりになる、それを踏まえて今後の運用を考えるというやつを、上から目線になっちゃ駄目ですよ。それから、熊本地震と、それから現に今年も相次いでいる台風を始めとした被災者にちゃんと届くようになるものにしないと駄目ですよ。
 そのことを申し上げた上で、最後に一点、感想を伺っておきますけれども、そうして被災者に向き合う自治体の中で、お手元に資料を配りました、別府市が復興建設券というのの発行事業を取り組んでいます。もう紹介ができませんが、つまり、熊本地震の被災者に対して、実質、一部損壊の方でも二五%、上限二十万円の補助を行うということなわけですね。建設券ですから、修理額に応じた支援が実現する。当然、地域経済の循環の力にもなるわけです。こういう取組について、副大臣、どう思いますか。
#75
○委員長(横山信一君) 松本内閣府副大臣、時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#76
○副大臣(松本洋平君) 別府において行われている取組というものは我々としても承知をしているところであります。
 別府市の事例でありますけれども、配付された資料を拝見させていただきますと、少し工夫が必要な部分はあるのかなとは思いますが、自治体独自の積極的な取組事案の一つであり、私としては評価できるものと考えております。
#77
○仁比聡平君 であれば、国として実現すべきだと。大臣にお伺いする時間はなくなりましたが、是非そういう自治体を応援してもらいたいと強く求めて、質問を終わります。
    ─────────────
#78
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉川沙織君が委員を辞任され、その補欠として平山佐知子君が選任されました。
    ─────────────
#79
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 本法案は熊本地震による災害対策及び東日本大震災に係る復興事業のための財政手当てのためのものでありますから、何点か確認の上で賛成をしたいと思います。
 まず、これまでの災害に対応した基金には、先ほどもありましたが、雲仙・普賢岳噴火の問題、あるいは阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、そして東日本大震災の基金などがあるわけですが、このような基金を設けるか否か、これの何か判断基準というのはあるのかどうか、この点をまず第一点。
 二つ目に、各基金の総事業費は、最低金額でいうと雲仙・普賢岳の場合は三百二十三億円、最高額が阪神・淡路大震災の三千五百四十億円だった。今回、熊本復興基金に五百十億円ということなわけですけれども、先ほどの答弁だと、何か知らぬが基準財政需要額の大きさということが強調されているようなんですが、もう一度改めて、私は少な過ぎるという立場から、この根拠はどういうものか、改めてお聞きをします。
#80
○国務大臣(高市早苗君) まず、どういった場合にこの基金をつくるのかということですが、災害への対応というのはできるだけ迅速に行われるべきものでございます。被災団体に生じる財政需要については、それぞれの年度において的確に、国費による措置に併せて地方財政措置を講じるということが基本でございます。しかしながら、極めて大きな災害が発生して、その対応に相当の期間を要すると見込まれる場合の例外的な対応として基金の造成に対する財政措置がございます。
 今委員がおっしゃったとおり、雲仙・普賢岳噴火災害においては、あのときは火山の噴火によって災害自体が長期化して、災害の終息とそれに伴う復興の時期的な見通しが立ちにくかったということ、それから、阪神・淡路大震災では大規模な地震で極めて広い範囲にわたって面的に甚大な被害が生じましたから、復興のための事業が長期にわたって必要と見込まれたということでございます。ですから、こうした大規模災害に対しては単年度予算の枠に縛られずに複数年度において弾力的に対処できる基金の設置が有効な手段だということで、被災団体が行う復興基金の設置について交付税により支援をしてまいりました。
 この算定基準につきましては、黒田局長から説明をさせます。
#81
○政府参考人(黒田武一郎君) 先ほどの御答弁と少しかぶさるところがございますが、例えば阪神・淡路大震災のときにつきましては、被災団体、特に兵庫県、神戸市とどういう事業が基金事業になじむかということをかなり議論いたしました。それで、発災直後の非常に混乱している状況ですので、中長期的な事業を見通し切ることは、これなかなか難しい点がございます。それから、共有財源であります交付税を使いますので、端的に言いますと、ここまでこの事業を措置すべきかという議論があるような事業もございました。
 そういうことを踏まえまして、仕切りといたしましては、当時は、運用基金の事業規模につきましてまず六分の五を交付税の対象にしまして、その九五%を措置する、ですから総事業費の大体八割方を措置すると、そういう仕組みにいたしました。
 ですから、今御指摘いただきましたように、確かに、阪神・淡路でございましたら総事業費は三千五百四十億円でしたが、交付税措置は二千七百三十億円ということになります。この二千七百三十億円の中に、後になりまして法の制度化されました被災者の生活再建支援制度、この経費が入っております。こういうふうに後になりまして法制度化された事業費を除きますと、阪神・淡路大震災につきましては二千七百三十億円は九百二十四億円に大体相当するだろうと。この九百二十四億円を基にしまして熊本県の基金の五百十億円というのははじいておりますので、大体内容的には同程度のものであるというふうな認識でございます。
#82
○又市征治君 熊本県の調査によると、地震による建物、道路等の被害総額は三兆七千八百五十億円に達するとのことでありまして、これは新潟県中越地震の被害金額を上回っていますね。これに対し国は、第一次補正で七千億円を計上しましたが、第二次補正では熊本地震復旧等予備費で四千百億円を減額し、復旧復興経費として、復興基金の創設のための今回の五百十億円を含んで四千百三十九億円が計上されている。これだけで被災自治体の財政支援は十分かといえば、不十分だ、こう言わざるを得ないと思うので、熊本県始め被災自治体では、現行法の災害対策の支援事業の負担で基金が全て枯渇をし、財政はパンク寸前だという声さえも聞かれている、こういう状況にあります。
 総務省は、この熊本地震から復旧復興に向けた被災自治体財政に与える影響をどのように今考えておられるのか。また、報道によると、これは内閣府にお聞きしますが、松本防災担当大臣は八月の会見で、特別な法律を制定しなくても十分な措置を講じている、被災自治体は心配せずに復旧復興に取り組んでほしいと、こう発言されているが、この根拠は一体どういうことなのか、併せてお聞きします。
#83
○政府参考人(黒田武一郎君) 今御指摘ございましたように、現段階で把握できる復旧事業費あるいは復興関係の事業につきまして今回の補正予算に計上しているわけでございますので、これから先、また、県あるいは被災市町村の方から様々な要望が出てくると思います。それにつきましては国の制度を精いっぱい活用した上で地方財政措置を的確に講ずると、そういうことで被災団体の財政運営に支障が生じないように対応していきたいと思っております。
#84
○政府参考人(緒方俊則君) お答えいたします。
 熊本地震での被災自治体の財政負担に関しましては、まず、この四月に熊本地震を激甚災害として指定をいたしまして、道路、河川等の公共土木施設、農地、農林業施設等の災害復旧事業に対します国の補助率のかさ上げなど、広範な分野での特例措置を講じておりまして、残りの地方負担分につきましても手厚い地方財政措置を行っていることから、実質的な自治体の負担は相当程度軽減されているものと承知をいたしております。
 続きまして、五月に成立いたしました補正予算に計上いたしました熊本地震復旧等予備費を活用いたしまして、中小企業、農業、観光業等の事業再開支援、公共土木施設の災害復旧、熊本城の応急復旧を含みます文化財の災害復旧などにつきまして約二千四百七十七億円を措置いたしております。
 さらに、八月二日に取りまとめを行いました未来への投資を実現する経済対策を受けまして、今国会に提出しております補正予算案には、熊本地震からの復旧復興の経費といたしまして、公共土木施設、学校、医療施設等の災害復旧、復興基金の創設などにつきまして約四千百三十九億円を計上いたしております。
 こういったように、政府としましても広範な財政特例措置を発災直後から数次にわたりまして講じてきているとともに、ただいま御審議いただいております復興基金によりまして、国の制度の言わば隙間の事業につきましても、被災自治体が地域の実情に応じまして弾力的に対応できますように対応していこうとしていっております。今後とも、復興復旧に向けまして政府としましても全力を挙げまして取り組んでまいります。大臣の御発言は、こういったふうな状況を踏まえたものと承知をいたしております。
#85
○又市征治君 復興大臣の発言というのは重いわけで、何か思い付きや何かで言われたんじゃたまらぬわけで、いずれにしましても、今回の震災、その後の長雨での水害やら、あるいはまた今度の噴火やらと、熊本はもう大変な被害状況なわけで、熊本県であるとか大分県が大きな財政負担にあえぐようなことのないように努力をいただきたい。
 とりわけ、くまもと復旧・復興有識者会議がまとめた提言では、東日本大震災において到達された国の手厚い復興支援の基準を切り下げることなく、国、地方、国民が一体となって熊本地震の復旧復興に取り組まなければならない、こういうふうに指摘されているわけですが、この熊本の思いというものを裏切ることのないように是非とも措置いただくように強く求めておきたいと思います。
 次に、先ほども出ましたが、生活再建支援法の関連について伺いたいと思いますが、これ、平成二十七年度の被災者生活再建支援法関連調査報告書によりますと、この制度そのものを評価をするというのは約二九%、あるいは、非常に不満だ、あるいは不満であるというのが合わせると約二七%。不満の理由のうちの八割以上が、金額が少なく必要な経費が賄えない、こういう格好なわけですね。
 そこで、今の熊本の状況を見ますと、先ほども申し上げましたが、被害総額が三兆七千八百五十億円、そのうち住宅や宅地の被害が二兆三百七十七億円と、こう見積もられているわけで、全体の半分以上。ここからも県民の生活再建にとって住宅再建というのは喫緊の課題だと、こういうことだと思うので、先ほど仁比さんからも指摘がありました。
 熊本県の調査では約十七万戸の住宅が被災をして、被害状況は、全壊が約八千二百戸、半壊が約三万戸、その他十三万戸以上が一部損壊、こういう格好ですね。現在の再建支援法では、全壊、大規模半壊だけが再建支援金の支払の対象となるわけで、半壊は原則対象外、一部損壊は何の支援も受けられない、こんな状況でしょう。
 地元の投書欄に、こんなのが載っています。一部損壊でも修理費は二百万円、ごく普通の話だ。しかし、資力のある方は何とかなる額かもしれないけれども、年金暮らしの高齢世帯や低所得世帯にはそんなお金はない、修理すら頼めない、こういう声が載っています。
 そういう意味で、生活再建支援法の今の支援対象、この一部損壊は駄目よというところはやっぱり見直すべきではないのか、少なくともそのことが求められていると思うんだけれども、この点について、これは内閣府の答弁もあるんでしょうが、これは総務大臣、どのようにお考えになるか、その点も併せてお伺いします。
#86
○国務大臣(高市早苗君) 住宅、それも一部損壊のものについての扱いでございますが、確かにお住まいになる場所がなくなってしまったということ、もう本当に切実な問題であると、どんなにおつらいことかと存じます。
 総務省だけで対応できることではございませんので、また関係各省とも協力をし合いながら、私どもができるのは地方自治体の財政運営に影響が出ないように力を尽くしていくことだと考えております。
#87
○又市征治君 先ほどもありましたけれども、復旧復興という場合の核心はやっぱり何といっても国民の生活再建ですからね。国民の生活再建という場合に、住環境の整備はやっぱり一番肝腎要な問題、こういうことだと思うんです。
 そういう意味では、この住宅再建については、これまでの経験からいっても、各自治体も独自の支援、先ほども紹介が若干ありました、そういうことを行ってきている。そういうものを国がしっかり受け止めて、国の制度としてやっぱりつくり上げていく、この努力が非常に大事だと思うので、内閣府には答弁求めません、問題は、大臣、もちろん総務省だけでできる話じゃありませんが、是非この今の政権の中でしっかりとそういう意見を出していただいて、本当に各自治体レベルで一生懸命やっている問題を取り上げて、全部調査をいただいて、それをやっぱり政府としてしっかり制度を確立していく。
 一部損壊、さっき申し上げたように、大量の一部損壊ですよ。だけども、それに全く手が着けれない。高齢者なんか本当に大変な思いをしている。我々へもいろいろと声が上がってまいります。そういうことを是非応えていくような努力をしなかったら、一億総活躍だとか、あるいは地方創生といったって全くそれは絵に描いた餅だと、こう言われるんじゃないでしょうか。是非そのことを強く求めて、何か今日、委員会随分と押しているようですから、私は少し審議は協力して、早めに終わりたいと思います。
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#88
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、仁比聡平君が委員を辞任され、その補欠として井上哲士君が選任されました。
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#89
○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#90
○委員長(横山信一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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