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2016/11/10 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 総務委員会 第4号
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2016/11/10 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 総務委員会 第4号

#1
第192回国会 総務委員会 第4号
平成二十八年十一月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     山下 芳生君
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     舞立 昇治君
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     舞立 昇治君     こやり隆史君
 十一月八日
    辞任         補欠選任
     杉尾 秀哉君     川田 龍平君
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     山崎 正昭君     佐藤  啓君
     川田 龍平君     杉尾 秀哉君
     森本 真治君     浜野 喜史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                大沼みずほ君
                柘植 芳文君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                山本 博司君
    委 員
                片山さつき君
                こやり隆史君
                古賀友一郎君
                佐藤  啓君
                島田 三郎君
                関口 昌一君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                溝手 顕正君
                伊藤 孝恵君
                杉尾 秀哉君
                那谷屋正義君
                浜野 喜史君
                吉川 沙織君
                宮崎  勝君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    原田 憲治君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  冨樫 博之君
       国土交通大臣政
       務官       藤井比早之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局公務員部長   高原  剛君
       総務省自治財政
       局長       黒田武一郎君
       総務省自治税務
       局長       林崎  理君
       総務省統計局長  會田 雅人君
       総務省政策統括
       官        新井  豊君
       観光庁審議官   瓦林 康人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本
 的な改革を行うための地方税法及び地方交付税
 法の一部を改正する法律等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(横山信一君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、辰巳孝太郎君、森本真治君及び山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として山下芳生君、浜野喜史君及び佐藤啓君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治行政局公務員部長高原剛君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(横山信一君) 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
#6
○国務大臣(高市早苗君) おはようございます。
 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 世界経済の不透明感が増す中で新たな危機に陥ることを回避するためにあらゆる政策を講ずることが必要となっていることを踏まえ、地方税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 その一は、地方消費税率引上げ時期の変更等の改正であります。地方消費税の税率引上げの施行日の変更及び消費税に係る地方交付税の率の変更等を行うこととしております。
 その二は、地方法人課税の偏在是正措置の実施時期の変更等の改正であります。法人住民税法人税割の税率の引下げ時期及び地方法人特別税等に関する暫定措置法の廃止時期の変更等を行うこととしております。
 その三は、車体課税の見直しの実施時期の変更等の改正であります。自動車取得税の廃止時期並びに自動車税及び軽自動車税における環境性能割の導入時期の変更等を行うこととしております。
 その他、個人住民税の住宅借入金等特別税額控除の適用期限の延長を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますよう、お願い申し上げます。
#7
○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党、長崎県選出の古賀友一郎でございます。
 総務委員会では初質問となるわけでございまして、古巣、総務省の皆様方を前に大変緊張いたしておりますので、高市大臣始め当局の皆様におかれましては、何とぞ温かい御答弁を賜りますようによろしくお願いを申し上げまして、質問に入っていきたいと思います。
 まず、昨日、米国大統領選において、ドナルド・トランプ氏が当選をされました。過激な発言で注目を集めてこられたわけでございますし、また、これまで公職に就かれた経験がないという方、軍人の経験もないという、米国史上初めてというふうに伺っていますけれども、そういう方でございますので、まさに未知数の政治家でございますが、いずれにしても、日米両国の関係をこれから深化させていくということは、これは政治的にも経済的にも両国にとって大変意義深いことで、また国際社会の安定にも大きく資するということを、私たち、我が国の国会でも機会を捉えてしっかりと米国サイドと確認をしていくということが必要じゃないかなと、こういうふうに思っているところでございます。多少感想めいた話で申し訳ございませんけれども、そういうことを申し上げた上で質問に入っていきたいと、こう思うわけでございます。
 今日は地方消費税増税延期の法案の審議というわけでございますけれども、これまでも衆議院の方でも、また昨日の本会議でもかなり議論は尽くされてきておりますので、なるべく重複は避けようと思うわけでありますが、やはり今回の法案の基本的な論点というのは、増税を延期することによりまして地方自治体の財政運営に悪影響を及ぼすのかどうかという点でございますので、そういうことはしないということについて、これまた度々の御答弁で大変恐縮でございますが、当委員会におかれても、高市総務大臣の方からしっかりと明言をしていただきますようによろしくお願いいたします。
#9
○国務大臣(高市早苗君) 地方交付税を含めた消費税の引上げ時期の延期による地方の減収額につきましては、平年度でおよそ一・七兆円と見込まれます。
 消費税率引上げ時期の延期に伴って、予定されていた引上げ分の地方消費税収などの歳入が得られなくなりますが、地方団体が地域に必要な行政サービスを確実に提供をしながら安定的な財政運営を行えるように、年末の地方財政対策において地方交付税を始めとした地方の一般財源総額をしっかりと確保できるように取り組んでまいります。
#10
○古賀友一郎君 この辺はもう機会あるごとに言ってもよいぐらいの御答弁だと思いますので、是非しっかりと今の御答弁にたがわぬようにお取組をよろしくお願い申し上げます。
 この地方消費税増税の目的は、もちろん第一には社会保障財源の充実ということでございますけれども、もう一つ大きな狙いは地方税源の偏在是正ということでございます。
 地域に密着をした住民サービスを全国津々浦々で提供する地方自治体といたしましては、できるだけ偏在性が小さく、安定的な税体系が求められるというわけでございます。そのためには、偏在性が大きく、景気変動にも左右されやすい税源、特にこの法人関係税の偏在是正を行う必要があるわけでございますけれども、その場合問題となりますのは、法人関係の税源が豊かな自治体へのマイナス、これをどうするかということでございますので、これをカバーしながら行おうとすれば、この地方消費税を増税する、これは比較的偏在性が小さいわけでありますから、これを増税するときに行うことが絶好のチャンスというわけであるわけです。したがいまして、今回、これを延期されたということでございますけれども、再度仕切り直してしっかりと取り組んでいただきたいと、こういうふうに思うわけでございます。
 この偏在是正は、当然、消費税率が五%から八%まで引き上げられたときにも行われておりますので、本来であれば、これでどの程度偏在が是正されたかということを私伺いたいなと思っていたわけでありますけれども、実際に税収に反映されて平年度化した決算がまだ出ていないということのようでございますので今回はお尋ねいたしませんけれども、いずれにしても、富める自治体がますます富み、行政サービスが向上する結果、そういう自治体に人口の集中がますます進むというのは、これは地方創生の観点からも望ましくないと、このように思いますので、是非着実に偏在是正を進めていっていただきたいと、これは要望をしておきたいと思います。
 そして、これと同様の観点から、地方消費税の関係で是非取り組んでいただきたいのが清算基準の見直しでございます。
 地方消費税の清算といいますのは、本来、地方消費税の最終負担者は消費者でありますので、地方消費税もこの最終消費地の自治体に納められるべきものであるわけでございますが、この消費税というのは、消費段階以外にも生産、流通の各段階で付加価値を発生させた企業等の本店の所在都道府県に払い込まれるということになりますので、この最終消費地の自治体と税金が払い込まれる自治体がずれるということで、これを修正するために清算が必要というわけでございます。
 この清算は、各都道府県に払い込まれた地方消費税を消費統計の金額などを基に消費に相当する額というものを算出して各都道府県に案分して行われるわけでございます。ところが、近年は通信販売でありますとか、あるいはインターネット販売が急速に普及をしておりますので、例えば北海道の消費者が東京に本社のある会社から通信販売で物を買った場合には、北海道の人が消費したにもかかわらず、統計上は東京で消費したかのような形になりますので、案分の基礎自体がゆがめられているんじゃないかと、こういうふうに懸念をするところでございます。
 この点につきましては総務省も問題意識を持っていただいているようでございますが、今後、この地方消費税の清算基準をいつまでにどういうふうに見直そうとされているのかを伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の方からも御紹介いただきましたとおり、地方消費税、これは最終消費者が実質的な負担者となる消費型の付加価値税でございます。税収を各都道府県間で清算ということがそのためには必要になりまして、税の帰属地とそれから最終消費地とを一致をさせる、そういう仕組みになっておるわけでございます。
 この清算の基準に用いる統計に関して、今御指摘ありましたような、消費の場所とは関係なく事業者の所在地にデータが計上される、そういったものだと考えられる業種ございまして、それにつきまして、そのまま数値を用いた場合には地方消費税の的確な帰属を図り難いと考えられます。このため、先ほども御紹介ありましたけれども、近年拡大しております通信・カタログ販売及びインターネット販売につきまして、平成二十九年度に新たな商業統計にデータ更新をしようと考えておりますけれども、そちらに用いる、基準に用いる数値の方からは今の御指摘のようなものについては除外をするということを検討しておりまして、今後与党税制調査会で御議論いただくことになるものと考えているところでございます。
#12
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 この問題は、本来、これは偏在是正の問題ではなくて、単に税収を帰属させるべき自治体に帰属させるという取組であるというのは私も認識しておりますけれども、結果的には大都市圏に集中する税収の偏在を是正することにもつながるというふうに思いますので、是非しっかり取り組んでいただきたいと、このように思う次第でございます。
 次に、地方消費税からは離れますけれども、同じ地方税ということでお許しをいただきまして、固定資産税の調査、評価業務の民間活用についてお伺いしたいと思います。
 先日、二十五日の当委員会でも、自治体の常勤職員が減少している一方で、臨時・非常勤職員を増やしてカバーしていることをめぐって質疑がなされたところでございます。確かに、自治体の総職員数は平成六年の三百二十八万人をピークに減少し続けておりまして、現在は二百七十四万人で、この二十年余りで五十万人以上減少をしているという状況です。この間には行革推進法の成立、施行や市町村合併の推進などがございまして、これはたゆまぬ行政効率化の取組成果とも言えるわけでございますけれども、一方で、自治体が取り組まねばならない仕事もまだまだ多いというのはこれは現実でございますので、人員を抑制する中でどうやってこの自治体の機能を向上させていくかというのは非常にこれは重要な課題だと、こういうふうに思います。
 その有力な方策が民間活用ということでございますけれども、なぜ今日この固定資産税の分野を取り上げるかといいますと、それが市町村にとっての基幹税であるにもかかわらず、その調査に自治体職員の手が回っていないということを私も現場で実感をし続けたからでございます。
 私は、私事で大変恐縮ですが、総務省では珍しく市役所勤務を三回もさせていただきまして、それぞれの市役所で税務行政を担当させていただきました。どこの自治体でもそうでありますけれども、人員を抑制、削減する中で、市内の膨大な量の固定資産をどうやって的確に把握するのかというのはこれは非常に頭の痛い課題となっております。この調査がおろそかになりまして、課税漏れとかあるいは不適切な課税がなされているかもしれないと思いますと、ちょっとこれは不安でたまらないという状況でございまして、その上、これは余り知られていないことかも分かりませんけれども、地方税法四百八条では、毎年市町村内の固定資産の状況を調査することが法律で義務付けられているわけであります。とてもではないけど手が回らないというわけでございます。
 そこで、この固定資産の調査を民間に委託してはどうかと、こういう発想になるわけでございますけれども、実はこの問題につきましては、今からちょうど十年前の平成十八年当時、政府が取り組んでおりました規制改革、民間開放の一環として、経団連からこの調査業務を民間に包括的に開放してほしいという要望がなされたことがございました。
 これに対する総務省の回答は、固定資産の実地調査と評価は公権力の行使である固定資産税の賦課処分と一体を成す業務であること、また、実地調査については立入調査を含む質問検査権を行使するものであることなどを理由として、民間委託になじまないというものでありました。ただ、その補助的な業務、例えば航空写真の撮影でありますとか課税参考資料の作成については民間委託も可能でありまして、また、調査、評価に携わる公務員としての固定資産評価員あるいは固定資産評価補助員に民間の方を選任することも可能であると、そういう御回答であったわけでございます。
 ただ、結局、当時の総務省の対応方針といたしましては、全国規模でこの包括的な委託を行うのは不可能であるとして、これは消極的回答を意味するC回答という分類でございました。総務省からは、平成十九年に、全国の自治体に対して固定資産評価の民間活用についてという通知まで出していただいているのでありますけれども、恐らく現場では、補助的業務だけ委託しても仕方がないんじゃないかと受け止められたんじゃないかと思いますけれども、現在に至るまでほとんど進展をしていないという状況でございます。
 しかし、この調査不足の問題は解決したわけではございませんで、むしろ私は現場では深刻化していっているんじゃないかなと、こういうふうに危惧をするところでございます。
 そういう状況の中で、実は私の地元の方でもこの問題に取り組みたいという首長と民間事業者が出ていらっしゃいまして、改めて私なりにこれをどうすればよいかということを考えてみたわけでございます。確かにこの調査を丸ごと民間委託はできないけれども、補助的業務の民間委託と固定資産評価補助員への民間人起用を組み合わせれば実質的に全体を民間でできるようになるんじゃないか、事実上民間委託と同じ効果を上げることができるんじゃないかと、こういうふうに考えたわけでございます。
 また、具体的には、土地家屋調査士さんなど固定資産の評価に関する知識、経験を有する民間有識者が所属する民間法人に補助的業務を委託するとともに、あわせて、それらの民間有識者を固定資産評価補助員に任命することによりまして、調査から評価資料の作成までの一連の業務で民間を活用するということが実質的に可能になるんじゃないかと、こういうことでありますけれども、こうしたやり方について総務省の御見解を伺えればと思います。
#13
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。
 今委員から御紹介ありましたとおりでございまして、固定資産の実地調査とそれに基づく評価そのもの、これは公権力の行使である固定資産税の賦課処分と一体を成す事務ということで、民間委託にはなじまないと考えているところでございますけれども、他方で、これまた今御指摘いただいたように、固定資産評価に関連する補助的な事務、これにつきましては民間に委託することが可能であると考えているところでございます。
 また、民間有識者を固定資産評価補助員に任命する、これもまた可能でございますけれども、固定資産評価補助員は一般職の地方公務員でございますので、地方公務員法の営利企業等の従事制限の規定が適用されるということになります。民間有識者を固定資産評価補助員に任命しようとする場合には、これを任命権者たる市町村長におきまして、営利企業等の従事の許可について適切に判断することが求められる、そういったことになるわけでございます。
 ただ、るる御指摘いただいたとおり、総務省としても、固定資産評価における公平性の確保、それから専門性の向上、あわせて評価事務の効率的な実施、そういった観点から民間委託や民間有識者の活用につきまして引き続き適切な助言に努めてまいりたいと考えております。
#14
○古賀友一郎君 営利企業等の従事制限、この問題は残るにせよ、そういった問題をクリアすれば、今言った組合せの方法によって実質的に民間を活用する、一連の業務について民間を活用するということについてこれは可能になると、そういう御答弁だったと思います。
 念のため、そういう理解でよいかをもう一回確認させていただきたいと思います。
#15
○政府参考人(林崎理君) 個別の契約内容につきまして私どもから申し上げるということはできませんけれども、今お答え申し上げたとおり、それぞれの論点につきましては、一定の留意をしながら可能であるというふうにお答えをしたところでございます。
#16
○古賀友一郎君 ありがとうございました。一定のことに留意をしながら可能だという全体的な御評価をいただいたと、こういうふうに思います。
 したがいまして、今出てまいりましたこの営利企業等の従事制限、これについてどういうふうにクリアしていくかということが次なる問題になるというわけでございます。
 この地方公務員法三十八条一項では、職員は任命権者の許可を受けなければ報酬をもらう仕事をしてはならない旨規定されておりますので、固定資産評価補助員となった民間有識者の方が、これは当然勤務時間外でありますけれども、所属する民間法人の仕事もできるかどうかと、こういう問題でございます。もちろん、この固定資産評価補助員に任命されている期間は一切民間の仕事には従事しないというならばこれは別でありますけれども、そうでない以上はこの問題が生ずるというふうに思います。
 この任命権者、すなわち固定資産の場合は市町村長でありますが、市町村長が許可すれば従事できるわけでありますけれども、市町村と当該民間法人というのは、固定資産調査の補助的業務について、今私が申し上げた例でいきますと委託契約を結んでいるという関係になりますので、そういう状況の中で許可をすることができるかどうかということを確認しておかなければならないというわけでございます。
 この点については、昔の地方公務員法の逐条解説書によりますと、当該職員が就いている職と当該営利企業等との間に工事請負とか物品購入などの契約関係がある場合には許可すべきでない旨の記述も見られますけれども、最近の逐条解説書によりますと、そういう形式的な判断の記述はございませんで、従事制限の趣旨を踏まえて、当該営利企業等に従事しても支障がないことを実質的に判断すべきといった趣旨でこの記述がなされています。そういうふうに変わっているわけです。
 そしてまた、先ほど触れました平成十九年の総務省通知におきましても、営利企業等の従事の許可については、公務に支障を来したり公務の信用を失墜させたりするなどのおそれがないよう十分留意しつつ、勤務形態等を勘案して必要に応じ弾力的な運用を行うことも可能であると、このように記されているところでございます。
 そこで、今回確認しておきたいことは、この営利企業等への従事制限の許可については、単に当該固定資産評価補助員が所属する民間法人と当該市町村が委託契約を締結しているというだけで許可できないというわけではない、そういう形式的な一律的な判断ではなくて、より実質的にそういった営利企業従事制限がなされている趣旨を踏まえて任命権者がよくよく判断すべきことだと、こういうふうな理解でいいのかどうか、この辺を総務省に確認したいと思います。お願いします。
#17
○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 一般職の地方公務員については、議員御指摘のように、地方公務員法三十八条の規定により、任命権者の許可を受けなければ営利企業の業務に従事できないこととされております。その目的といたしましては、公共の利益のために勤務する地方公務員につきまして、職務遂行上能率の低下を来すおそれがないこと、相反する利害関係を生ずるおそれがなく、かつその他職務の公平を妨げるおそれがないこと、職員及び職務の品位を損ねるおそれがないこと、以上三点を確認することにございます。
 御指摘のような地方公共団体と契約関係にある営利企業に係る兼業許可につきましては、職務の公平性を確保する観点からは、各任命権者において、当該職員の職務の内容と責任の範囲、営利企業との契約の内容などを勘案し、その適否について適切に判断されるべきものと考えております。
 以上でございます。
#18
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今三点おっしゃいました。能率の問題、それから利益相反の問題、それから職務の公正性の問題、こういった点をしっかりと任命権者の方で支障がないと実質的に判断ができれば、たとえ形式的に契約関係、委託契約関係を結んでいるとしても、そこは一律にそれは駄目だということにはならないと、そういう答弁だと理解をいたしましたけれども、これも確認のために、そういう理解でよいのか、よろしくお願いします。
#19
○政府参考人(高原剛君) お答え申し上げます。
 契約関係がありましても、先ほど申し上げました、利益相反を生ずるおそれがなく、職務の公正を妨げるおそれがないことなど三点を満たせば任命権者は許可できるというふうに考えております。
 以上でございます。
#20
○古賀友一郎君 ありがとうございました。大変重要なポイントが確認できたと思います。
 したがいまして、今お二方の答弁を組み合わせれば、現場の市町村長がしっかりとそこは実質的に見て、そういった利益相反等の問題がないと、こういうふうに判断できれば、さっきの組合せの手法によって一連の調査、評価業務について民間を活用することができるということが今この場で確認をできたんだと、こういうふうに思うわけであります。
 いずれにしても、このやり方というのは全く新しいやり方だと私も思っておりますので、うまくいくかどうかは今後次第ではございますけれども、先ほど申し上げました私の地元の首長さんいわく、民間活用によって、OJTの一環として税務職員の専門性の向上にも是非役立てたいんだと、こう言って非常に期待している方もおられます。また、全国でもこの調査については困っている自治体は結構たくさんあるんじゃないかなと私思うんですね。とても人手が足りません。
 したがいまして、もしこれが首尾よくうまくいくことになった場合には、是非総務省でも全国に御紹介いただきまして普及をしていただければなと、このようにお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 先月十八日の当委員会での高市大臣の所信的挨拶の中で、国の消費全般の動向をマクロ、ミクロの両面で捉え、国際的にも高く評価され得るような新しい消費関連指標の開発を目指すというくだりがございまして、私も非常に関心を持ちました。国際的にも高く評価され得るようなということでありますので、これはかなり野心的な取組だなというふうにも感じたわけでございますが、実際どのような指標を開発されようとしておられるのか、そうした指標が必要となってきた背景、あるいはいつまでに開発しようとしておられるのか、こういった時間軸ももしお答えできればお聞かせいただきたいと思います。高市大臣にお願いします。
#21
○国務大臣(高市早苗君) 実はかなり早い時期から問題意識を持っておりましたけれども、準備や自分の中でのイメージの整理もございましたので着手が今年になりましたが、現在、消費動向を捉える政府統計指標というのも総務省の家計調査を含めて幾つかございます。これは、総務省のもの、内閣府のもの、経済産業省のもの、日本銀行のものなどだけでも主要な消費データとして私たちが目にするものは、私が知り得る限り七つはあるわけでございます。
 それぞれに、ミクロ統計であったりマクロ統計であったり、また需要者側のデータであったり供給者側のデータであったり、その両方であったりと、それぞれに役割はあるんですけれども、最近の世帯構造ですとか、あと消費行動の変化があるということ、それからビッグデータといった新しいデータソースも出てきているということを考えますと、新たな視点によるこの消費関連統計の整備というのは重要だという認識をしています。
 今後、経済政策を講じていく上で、我が国の消費の実態をより精緻に捉えていくことができる、そしてまた、なおかつ、速報性があり包括性があるということが重要なわけで、そういう消費関連指標の作成を目指しております。大変難しいテーマなんですが、今年の九月から、私が主宰する有識者研究会を開催して、ビッグデータの活用方法も含めて検討を開始しました。今年度末を目途に、この指標開発について研究会の取りまとめを行っていくという予定でございます。
#22
○古賀友一郎君 ありがとうございました。大臣が長く温めておられた構想ということで、大変意欲が伝わってきたところでございまして、非常に楽しみでございます。
 やはり、昔の成長率の高い時代と比べまして今低成長時代になってきたときに、的確な政策、特に経済政策を打つためには本当に精緻な実態把握というのが必要になってくるんだろうと、こういうふうな時代背景も私はあると思っておりまして、そういった意味でも大変これは期待を申し上げたいと思います。是非お取組をいただきたいと思いますし、先ほど質問した地方消費税の清算基準にも関連をして、本来であればさっきの清算基準も、単に通信販売やあるいはネット販売の金額を除外するだけじゃなくて、そうした金額を本来の消費者の住所地にカウントした上で案分、清算するのが恐らく本来の姿だと思いますので、そういった方面でも使えるような指標になるといいなというふうに思った次第でございまして、是非御期待を申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 今後の政策立案に必要な新たな指標の開発、これも大変重要な課題でございますけれども、どういう政策を立案するにしても、さっきも申し上げたとおり、正確に現状を把握することなしに的確な政策はつくれないわけでございますから、既存の統計の精度を向上させていくということも私は重要な取組だというふうに思っております。
 とりわけ、国勢調査など特に重要な統計として総務大臣が指定する基幹統計につきましては、法律で国民に報告義務を課して、それを罰則付きで担保するほど正確さを追求をしているわけでございます。それだけに、この基幹統計は全ての調査で限りなく回答率一〇〇%に近い水準を期待したいところではございますけれども、実際にはばらつきがございまして、回答率が公表されているものの中でも、ほぼ一〇〇パーに近いものもございますが、七割台の後半というような統計も実はこれはあるようです。特に近年は、オートロックの普及でありますとか、あるいは迷惑訪問販売などの影響によりまして過剰に警戒する国民もいるなど、ますます統計調査員が調査対象者にアクセスしにくい状況になってきているように感じるわけでございますが、総務省としてこの辺りをどういうふうに対応をされていかれようとしているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(新井豊君) 御指摘のような状況、統計調査を実施する上で一定の妨げになっているものと承知しております。
 総務省といたしましては、統計調査をめぐる環境が一層厳しさを増している、こういう中で統計全体の広報啓発に努めているところでございます。また、個別の統計調査におきましては、例えば総務省が実施する国勢調査において、オートロックマンションやワンルームマンションでの調査を円滑に実施するため、マンション管理関係団体等に対しまして調査実施の周知や管理人等の調査員への推薦、調査員が訪問する際の協力といった依頼を実施しているところでございます。
 さらに、調査対象者へのアクセス等の改善ということにつきましては、オンライン調査、その活用も有効と考えてございます。昨年実施された国勢調査のオンライン回答率、三六・九%となっているところですが、今後とも、オンライン調査の推進を含めまして、政府が実施する統計調査の円滑な実施が図られるよう努力してまいりたいと思います。
#24
○古賀友一郎君 ありがとうございました。まずはアクセスができなければ調査は始まらないので、しっかりとお願いしたいと思います。
 ただ、対象者にアクセスできても回答してもらわねば意味がないわけでございまして、多くの国民は調査に協力していただいているようでございますが、中にはこれは拒否する人も出てくるわけでございます。実際、先ほど申し上げたとおり、基幹統計調査でありながらも四分の一近く回答してもらっていない調査もあるわけです。多くの国民が義務を果たしてくれているのに、一部の義務を果たしてくれない国民が何らのおとがめもないということであれば、真面目に協力している国民の中にモラルハザードが生じることも懸念をされるわけでございます。特にこの基幹統計調査につきましては、法的義務を課して罰則で担保するぐらいこれは重要な統計でございますので、なおさらのことというふうに思います。
 ただ、かといって、刑罰の謙抑性の問題もございますし、実際にもこれはほとんど適用事例はないように聞いておりますので、刑罰に至らない程度の不利益といいますか、そういったサンクションで効率、効果的な手段、例えば氏名や企業名の公表など、これは何らかの対策というものを考えていってもいいのではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、お考えを伺いたいと思います。
#25
○政府参考人(新井豊君) 先生御指摘のとおり、統計法では、政府が行う重要な統計調査である基幹統計調査、この報告者には回答義務を課しておりまして、それに違反した場合の罰則規定もございます。したがって、基幹統計調査の対象者にはしっかりと回答をしていただきたいと考えておるところでございますが、個別の統計調査の実施に際して回答をしない方がいる場合、なかなか重い手段である刑罰の適用、これがなかなか難しいところもあるのではないかと考えるところでございます。
 御指摘がございました例えば回答を拒否する者の氏名あるいは企業名等の公表につきましては、これが一定の不利益が生ずるというものもございますので、どのような形で実施していくかなど、十分な検討が必要と考えられるものでございます。
 いずれにいたしましても、基幹統計調査の回収率の向上に向けて、様々な手段について検討をしてまいりたいと思います。
#26
○古賀友一郎君 ありがとうございました。是非検討をしていただきたいというふうに思います。といいますのも、これからこの調査環境というのは恐らくは厳しくなる方向に向かっていくんだろうと思うんですね。ですから、そうなる状況の中で、今からいろんな手を打っていって、きちんとみんなが協力していく環境をつくっていただきたいなと、こういう思いでございますので、よろしくお願いいたします。
 それから、この基幹統計調査は非常に大規模な調査でございますので、国は法定受託事務として地方自治体に事務を執行してもらっているわけでございます。したがいまして、都道府県や市町村の取組姿勢もこの調査の成否を左右する重要なポイントになるわけでございますので、伺いたいのは、都道府県や市町村に対して回答率向上のためにどういうふうな指導を行っているのかというのをお聞きしたいと思います。
#27
○政府参考人(新井豊君) 基幹統計調査の回収率の向上、これにつきましては、統計の精度向上を図る観点から極めて重要なものと考えてございます。その趣旨は、閣議決定である公的統計の整備に関する基本的な計画などにより各府省とも共有されておりまして、全政府的に取り組んでいるところでございます。
 都道府県や市町村に対しましても、実際の調査に当たって督促の強化などいろいろお願いしているところでございまして、例えば本年六月に実施した経済センサス活動調査では、国、都道府県、市町村で役割分担をいたしまして、各種団体への協力依頼や調査票の未回収企業等に対する督促を行って回収率の向上に努めたところでございます。
 これらを通じまして、今後とも基幹統計調査の回収率の向上に向けて努力してまいりたいと思います。
#28
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 ありていに言えば、頑張ってくれる自治体もあればそうでもない自治体もいろいろあろうと思うんですね。ですから、そういったところに対して、例えばお支払いするお金に差を設けるみたいな、そういうことは地方財政法上問題があると思うんですよ。しかし、やっぱり頑張っている自治体とそうでもない自治体、同じ対応というのは、やっぱりいろいろとそれはそれで問題があろうと思うんです。だから、そういった、どういうやり方があるのかしっかり考えていただきたいと、こういうふうに思うところでございます。
 それでは、次に移りますが、統計調査員の方々の顕彰について伺いたいと思います。
 統計調査の成否は、実際に足を棒にして調査を行ってくださっている統計調査員の方々に懸かっていると言ってもこれは過言ではないと、こういうふうに思います。まさに国政を支える縁の下の力持ちでございます。そういう方々にできるだけ報いてさしあげたいと思うのは、これは自然な気持ちじゃないかと思うわけでございますが、それを報酬で実現できればいいわけでありますけれども、どうも伺ったところによりますと、全国的な標準報酬というのは一日当たり六千九百八十円ということで、これはお世辞にも良い処遇とはなかなか言えないんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、かといってこれを大幅に増やすというのはなかなか財政事情から厳しい面もあるんじゃないかと、こういうふうに思います。
 そこで、報酬面で駄目なら、感謝の気持ちを込めて顕彰することで報いてさしあげることができないかと、このように思うわけでございます。それには総務大臣表彰でありますとか、あるいは叙勲があるわけでございますけれども、この大臣表彰の表彰者数は近年百数名、それから叙勲の受章者は五十人台前半で、このところずっと一定しているというか、固定化されているのかも分かりませんが、そういう状況になっております。したがって、今申し上げた趣旨から、これは一気に増やすということはなかなか難しいのかも分かりませんが、少しずつでも表彰してさしあげる方を増やしていってほしいなというような思いがございます。
 この点について、是非、これは大臣表彰の話でもございますので、高市大臣のお気持ちをお聞かせいただければと思います。
#29
○国務大臣(高市早苗君) 統計調査の実施というのは統計調査員の方々によって支えられています。正確な統計を作成するために、全国の調査員の方が本当に足を棒にして歩き、また、先ほど来委員が指摘されましたような困難な環境の中でも頑張っていただいております。
 その御功績に報いるために、毎年、総務大臣名で表彰を行っています。近年見ますと、平成二十五年度で四百七十六名、二十六年度で六百三十三名、二十七年度で七百三十七名の方が表彰の対象ですが、本年度、平成二十八年度におきましては、昨年実施しました国勢調査の調査員の中から顕著な功績のあった方を始め、合計二千三百九十八名の調査員の方々を表彰させていただく予定にいたしております。代表の方々には、十一月十六日に東京で開催される全国統計大会や各都道府県で開催される地方統計大会におきまして、総務省の政務三役や幹部職員から直接表彰状をお渡しして、これまでの御尽力に敬意を表し、感謝を申し上げることにいたしております。
 本当に統計調査員の皆様には心から感謝を申し上げ、今後とも統計調査員の皆様の御労苦に報いる取組をしっかりと進めてまいりたいと存じます。
#30
○古賀友一郎君 大臣の思い、伝わってまいりました。
 是非そういう、まさに国家を土台で支えていただいている方に対する顕彰というのはやっぱり常に念頭に置いていく必要があるんじゃないかなと、こういうふうに思うわけでございまして、まさしく総務省のキャッチフレーズは「くらしの中に総務省」というわけでございます。この意味するところは、私の理解では、国民生活に密着したサービスを幅広く提供する総務省ということで、これは本当に伝統的な現場主義の役所としての自負がよく表れたキャッチフレーズだとは思うんですけれども、まさしくそれを現場で実行されておられるのが今日取り上げました統計調査員の方々でありますとか、あるいは今日先ほど取り上げた税務職員の方々、そういった方々が非常に地味な部分でしっかりと使命感を持って支えてくれているがゆえにこの国家が成り立っているというわけでございます。
 まさに、一隅を照らすという言葉がございますけれども、総務省というそういう役所であるがゆえに、そういう人たちにしっかりと思いを寄せるということ、そういう役所で総務省があっていただきたいと、こういうふうに思いまして、OBの一人としてこの点をしっかりとお願いを申し上げまして、多少時間は残っておりますけれども、準備した質問が全部終わりましたので、この辺りで私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#31
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 今回の法律案に関しまして、大臣並びに関係省庁にお伺いをしたいと思います。
 この法律案は、世界経済が直面するリスクを関係諸国が一体となって回避するために消費税率の一〇%への引上げを平成三十一年十月までに再延期することに伴い、地方税に関して所要の施策を講ずるものでございまして、現下の状況を考えれば致し方のないものと考える次第でございます。
 しかしながら、社会保障の充実と安定化とともに財政健全化の両立を目指してこれまで進めてきました社会保障と税の一体改革の旗は下ろすべきではありません。
 本来、消費税、地方消費税の引上げによる増収分に関しましては、子ども・子育て支援や医療、介護の充実に向けた施策の実施など、社会保障の充実また安定化などに充てることとされておりまして、この税率引上げの再延期によりまして、これらの施策は税率引上げまでその財源は失うことになるわけでございます。また、消費税、地方消費税率の引上げを再延期したとしても、保育の受皿五十万人分の確保、また介護職員等の処遇改善、これに関しましては可能な限りの社会保障の充実を実施すると、こうされておりまして、その費用については安定した財源の確保が重要でございます。地方自治体からも、国が責任を持って財源を確保すべきと、こういう意見も出ている次第でございます。
 大臣として、この地方負担分の財源確保に関しましてどのように考えていくのか、まず認識を伺いたいと思います。
#32
○国務大臣(高市早苗君) 社会保障の充実施策につきましては、消費税率引上げ時期の延期に伴いまして、消費税率一〇%の段階で実施する予定であったものを見直していく必要もございます。その具体的な見直しにつきましては、今後予算編成過程で検討するということになりますけれども、その際には、地方負担分も含めて所要の財源を確保することが必要だと考えております。
 この消費税率引上げ時期の延期に伴って、予定されていた引上げ分の地方消費税収の歳入は得られなくなりますけれども、地方団体が地域に必要な行政サービスを確実に提供しながら安定的な財政運営が行えますように、年末の地方財政対策において地方交付税を始めとした地方の一般財源総額をしっかりと確保できるように取り組んでまいりたいと存じます。
#33
○山本博司君 大臣、是非ともこの年末に向けての財源確保を進めていただきたいと思います。
 今回の法案によりまして、自動車取得税の廃止と、燃費の良い車ほど購入時の税金が安くなる新税でございます環境性能割引制度の導入も、消費税引上げと同様に平成三十一年十月へと延期となります。
 消費税率一〇%の引上げが延期になりますと、引上げ前後における駆け込みの需要とか、また反動減の動向なども先に延びることになりますから、対策も先延ばしになって、その間の燃費の良い車の技術革新、これが停滞するようなことがあってはならないと思います。
 また、自動車取得税などのエコカー減税に関しましても、来年の春に終了期限を迎えていくということでございますので、前年と同じ基準ではこの技術開発、これは促すことはならないと思いますので、基準を厳格にしてしっかり対象を絞った上で、このエコカー減税の延長というのはすべきと考えます。
 どちらにしても、いずれにしましても、平成二十九年度の税制改正におきまして、この自動車の保有に係る税負担の軽減に関しましては総合的な検討を行って必要な措置を講ずると、こうしておりますので、これから本格的な論議、議論が進むと思いますけれども、こうした燃費の良い車への税制の在り方、どのように考えていくのか、認識をお伺いしたいと思います。
#34
○大臣政務官(冨樫博之君) 車体課税に係る税制改正に当たっては、道路等の行政サービスを提供するために必要な税収の確保という視点だけではなく、自動車産業が我が国経済や地域の雇用を支える重要な基幹産業であるとの認識の下、技術開発の促進にも十分に配慮をしながら取り組んできたところであります。
 今回の法案により、消費税率引上げ時期の変更に伴い自動車取得税の廃止も延期されることになれば、今後のエコカー減税の在り方について平成二十九年度の税制改正プロセスにおいても議論されることになります。エコカー減税の延長に当たっては、これまで燃費基準を適切に切り上げてきたことがエコカーの普及や燃費値の向上に一定の成果を上げてきたことを踏まえながら、適切に取り組んでいきたいと考えております。
 また、今回の法案においては、環境性能割の導入を二年半延期することに加え、その導入前に、技術開発の動向、地方財政への影響等を勘案して、環境性能割の税率区分を見直すこととしております。この規定の趣旨を踏まえ、環境性能割の導入により、自動車の環境負荷の低減を図るとともに、地方の安定的な財源確保に資するよう、平成三十一年度税制改正に向けてしっかりと検討してまいりたいと思います。
#35
○山本博司君 今お話ありました。是非ともその推進をしていただきたいと思います。
 地方税に関連しまして、電子納税の今後につきましてお伺いをしたいと思います。
 インターネットを利用して電子的に手続が行えるシステムとしましては、国税におきましてはe―Taxが広く知られておりまして、税務署に直接行かずに手続を完結することができますので、大幅な時間短縮になるということで大変評価をされております。
 これに対しまして、eLTAXとは地方税ポータルシステムの呼称でございますけれども、地方税における申告などの手続をインターネットを利用して電子的に行うシステムでございます。このeLTAXの概要とこれまでの利用状況を確認をしたいと思います。
#36
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。
 いわゆる地方税の電子化は、ICT化が進んだ社会環境を踏まえた納税者の利便性の向上や税務事務の効率化などの観点から極めて重要な課題であると認識しております。
 今御指摘いただきましたeLTAXでございますけれども、平成十七年の一月に稼働しておりまして、現在、全ての地方団体が対応して、今まさに御指摘いただいた電子申告などのサービスを提供しているところでございます。
 平成二十七年度における電子申告の利用率を申し上げますけれども、都道府県の法人事業税などにつきまして、これは五六・一%、五年前、平成二十三年度に比べますと一六・五%ポイントの増、それから市町村の法人住民税は五七・四%、同じく二五・七%ポイントの増、給与支払報告書の提出は三二・六%、同じく二三・六%ポイントの増となっておりまして、着実に向上してきているところでございます。
 電子申告を利用することにより、企業などは複数の地方団体に対しまして書面で申告する必要がなくなりますので、事務作業やコストを大幅に削減できることから、こうしたメリットを更に周知をして利用率の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。
#37
○山本博司君 今お話ありました電子申告に関しましては、五七%近くまで普及をしているということでございます。
 これが更に改善を行っていけば利用者の増加が見込まれると考えますけれども、ここで大きなポイントといいますのは、地方税の支払がインターネットで行えるということでございます。企業がネットで支払える電子納税システム、国税ではこれは既に実現をしておりますけれども、地方税は残念ながら、費用の問題とか自治体の足並みがそろわない、こういう形で導入が大変遅れております。今、全国二十二団体ということですから、九割以上の自治体は電子納税は実施をされておりません。しかし、この法人税、法人二税ですね、企業が従業員の賃金から天引きした個人の住民税を、総額をインターネット決済で一括して入金をする、また自動的に自治体ごとに振り分けていく、こうした部分に関しましては非常に、企業だけでなくて自治体もこれは効率化が大幅に図られると思います。
 この電子納税に関しましては、個別にシステムを導入するというのは大変負担が大きいということでございますので、今、全自治体が利用できる共有システムを検討していこうという、そういう動きもございますけれども、今後電子納税に関してどのように進めるのか、確認をしたいと思います。
#38
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたように、電子申告につきましては全ての団体が対応して利用率も上がってきておるんですけれども、今御指摘がありました電子納税、これにつきましては、納税者の利便性向上、地方団体の事務負担軽減という観点で、今御指摘あったとおり、意義があるというふうに私どもも考えておりますけれども、導入に掛かります手間や費用の観点から現実に今進んでいないという状況、そういう状況でございます。
 特に、国税と異なりまして地方税につきましては、企業は複数の地方団体に納税しなければならないということが多くて、納税先の地方団体の全てが電子納税に対応していないとそのメリットは少ないと考えられるところでございます。このため、地方分権時代にふさわしい地方税制のあり方に関する調査研究会というものが設置されまして、金融機関や地方団体などの委員によって電子納税推進のための実務的な意見交換を現在行っているところでございます。
 共同システムの構築という御指摘ありまして、それももちろん一つの方策でございますが、地方税の課税事務を担っている地方団体におきまして、いろいろ費用も掛かりますので合意形成が必要と考えられます。現時点において、なかなかまだそこまで至っていないという状況ではございますけれども、総務省として、地方団体における電子納税が進展しますように引き続き必要な対応を図ってまいりたいと、こう考えているところでございます。
#39
○山本博司君 これは、海外と比較しましても大変この電子納税に関しましては日本は遅れていると思いますので、様々な課題はあるかと思いますけれども、是非御検討しながら進めていただきたいと思います。
 それでは次に、鳥取県中部地震について質問をしたいと思います。
 十月二十一日に鳥取県中部を震源にしましたマグニチュード六・六の地震によりまして、鳥取県内の公共施設はもとより、農作物の被害や観光施設等にも多くの被害が発生をいたしました。震度六弱を記録しました倉吉市や北栄町、湯梨浜町など、県の中部を中心にして被害が多くなっておりまして、例えば収穫前の梨の落果であるとか、多くの宿泊、ホテル等のキャンセルが相次いでおりまして、観光産業に大きな今後の風評被害が懸念をされているということもございます。
 その意味で、先日現地を視察させていただきまして、知事や市長、町長とも意見交換をさせていただきました。大変建物壊れておりまして、屋根瓦が壊れて、もう一面ブルーシートが至る所に張り巡らされているということで、被害の甚大さに大変驚いたわけでございます。
 鳥取県からは、今回の地震被害に係る緊急対応、また復旧対策経費に対する県及び県市町村の財政措置に関しまして、特別交付税の措置とか新たな財政支援の措置ということの格別な配慮をお願いしたいということの総務大臣に対する要望も出ております。
 そこで、是非積極的な財政支援をお願いをしたいと思いますけれども、高市大臣に認識をお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(高市早苗君) 今回の地震によりまして、公共土木施設を始めとして様々な被害が生じております。被災自治体においては、やはりこの応急対策、復旧対策など、かなり財政負担が生じるということが見込まれます。
 今、山本委員おっしゃっていただきましたとおり、県からも、そして一市四町からも緊急要望書をいただいておりますし、また、知事を始め関係の首長の方々からも総務省で直接状況についてお話を伺っております。
 今後、関係省庁とも連携しながら、被災自治体の実情を丁寧にお伺いをして、地方交付税や地方債によります地方財政措置を講じて、その財政運営に支障が生じないように取り組んでまいりたく存じます。
#41
○山本博司君 大臣、是非とも鳥取県に対する財政的な支援をお願いしたいと思います。
 特にその現場を視察しまして一番要望が強かったものが観光産業への支援でございました。十一月、これからカニ漁解禁をされるということで、やはり書き入れ時でございます。しかし、この中部の三朝温泉以外にも、西部の米子の皆生温泉とか東部の鳥取市全域、予約キャンセルが発生して一万三千件ぐらい予約がもうなくなってしまったということでもございます。
 復旧復興に向けての支援が必要でございまして、鳥取は大丈夫なんだという情報、メッセージの発信とともに、熊本地震の際に実施をされました九州ふっこう割のような割引旅行プラン助成、この制度を是非鳥取県でも行っていただきたい、これも要望でございました。
 今日は国土交通省の政務官に来ていただいておりますので、それも含めましてよろしくお願いしたいと思います。
#42
○大臣政務官(藤井比早之君) お答えいたします。
 鳥取県には、鳥取砂丘、倉吉の白壁土蔵、三朝温泉、松葉ガニなど、魅力的な観光資源が多数ございます。委員御指摘のとおり、秋、冬の観光シーズンを控え、観光客に対する風評被害の防止が何よりも急務であると考えております。鳥取県からも、日本政府観光局、JNTOや観光関係団体による国内外でのプロモーション、鳥取観光キャンペーンを実施し、風評被害を払拭することで鳥取観光を支援することについての御要望をいただいております。
 このため、観光庁やJNTOのホームページにおいて、被害が一部地域のみであること、交通機関や宿泊施設等の利用、特に観光には支障がないことなどの情報発信を国内外に向けて行っております。これに加えまして、より多くの人に鳥取県に観光で訪れていただくために、国内向けには、正確な情報発信のためにメディアを鳥取に招請する、海外向けには、正確な情報とともに、アジアで人気の温泉、松葉ガニ、海外で人気のアニメ、「ゲゲゲの鬼太郎」、「名探偵コナン」など、鳥取県の魅力を発信していくことにより、風評被害を払拭し、観光客の取り込み、特にインバウンドの取組を積極的に図るための取組を行ってまいります。
 なお、鳥取県からも割引旅行プラン助成制度等の創設の御要望をいただいております。これにつきましては、今後の地震の影響を注視しながら検討をしてまいりたいと考えております。
#43
○山本博司君 是非とも、熊本のこのふっこう割も百五十億円の需要創出になったということで、知事も、大変復興に手助けになったということでございますので、是非とも前向きに検討をお願いをしたいと思います。
 それでは、もう時間がなくなりましたので、二つの質問は飛ばさせていただきまして、最後に緊急防災・減災事業債に関しまして伺いたいと思います。
 今回、鳥取県中部地震だけではなくて、近年、大規模な地震、津波、集中豪雨等といった災害が頻発しておりまして、住民生活の安全、安心が脅かされる事態が生じております。国土強靱化に資する社会資本整備につきましては、地方財政においては厳しい財政状況の中でその財源を確保することがますます困難になっております。
 全国防災事業が平成二十八年度になくなりますので、また、緊急防災・減災事業費も平成二十八年度末に終了する場合には、このままでは平成二十七年から二十九年の三年間にかけて一兆円の防災関係の財源が失われることになります。地方単独事業に係るこの緊急防災事業債の期間を延長して、地方の実情を踏まえて拡充をしていく、また、防災、減災を加速するための十分な財源を安定的、継続的に確保すべきと考えます。
 この点、大臣、この緊急防災・減災事業債に関して今後どのように考えておられるのか、御見解をお聞きしたいと思います。
#44
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十八年度までとしておりましたが、延長を前提に考えております。
 今後、来年度以降の対象事業の内容、それから地方財政計画等への計上額、どの程度の期間延長するかなどにつきまして、地方団体の御意見、ニーズも踏まえて、年末の地方財政対策を講じる中で具体的に決定をしてまいりたいと存じます。
#45
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#46
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝です。よろしくお願い申し上げます。
 まず、本法律案に盛り込まれております地方法人課税の偏在是正措置についてお聞きしたいと思います。
 平成二十八年度の税制改正においては、消費税率の一〇%の段階で、地域間の税源の偏在性を是正し財政力格差の縮小を図るため、平成二十九年度から法人住民税法人税割の税率を引き下げ、更なる交付税原資化を進めるとともに、地方法人特別税・譲与税を廃止し、全額法人事業税に復元する等の改正が行われたところですが、今回の法案によりましてこれらの措置の実施時期が延期されることになります。
 高市総務大臣は本年三月の本委員会におきまして、地方法人課税の偏在是正についていろいろな方法を使って取り組んでいくべきではないかとの質問に対しまして、これらの措置によりまして一定の偏在是正策は講じることができたと考えますと御答弁しておりますが、地方からは、今後、平成三十一年十月の消費税、地方消費税率引上げのときに施行されることとなる偏在是正措置の効果等も踏まえ、引き続き、より税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向けて検討すべきである旨の提案がなされております。
 そこでお伺いいたしますが、平成三十一年十月に予定されている偏在是正措置によって見込まれる具体的な効果と、今回の偏在是正措置を実施した後の地方法人税の在り方についても引き続き検討を進めていく必要があると考えますけれども、総務大臣の御見解を承りたいと思います。
#47
○国務大臣(高市早苗君) 平成二十八年度改正法における地方法人課税の偏在是正措置、その内容については今委員がおっしゃってくださいましたので、その効果ということなんですが、これを実行いたしますと、税率引上げによって地方消費税が一・四兆円の増収となる中であっても、法人住民税法人税割のうち〇・九兆円が交付税原資となって、相対的に財政力の低い地方団体の財源確保につながっていきます。そしてまた、法人事業税交付金の県内市町村への交付による効果もありますから、地方団体間の税財源の偏在是正が行われることになります。
 この措置によりまして、消費税率一〇%段階における必要な偏在是正を行うということにしているんですが、今後も地方団体の御意見も踏まえながら、地方税源の充実を図りながら、地方法人課税も含めて、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築するということを目指してまいります。
#48
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 次に、消費税率一〇%への引上げを確実に実施するための地域の活性化策について質問したいと思います。
 平成三十一年十月の消費税率一〇%への引上げを確実に実施するために、ローカル・アベノミクスの推進により地域経済の好循環を確立をして、消費税率引上げに向けた経済環境を地方からつくり上げていく必要があると思います。そのため総務省では、自治体がエンジンとなって地域の有効需要を掘り起こし、所得と雇用を生み出すことで地方からGDPの押し上げを図る地域経済好循環推進プロジェクトを推進しておられます。
 このプロジェクトの一環として、地域の資源と資金を活用して、地域の雇用創出効果の大きい地域密着型企業を一万社程度立ち上げることを目標にしたローカル一万プロジェクトに取り組んでおられますが、この事業による経済効果などの成果はこれまでにどの程度あったのか、お伺いしたいと思います。
#49
○大臣政務官(冨樫博之君) ローカル一万プロジェクトについては、昨年度、平成二十七年度までに二百八十七事業の交付決定を行っております。
 この二百八十七事業の累計で交付決定額九十五億円を上回る地域金融機関からの融資百一億円が誘発され、地域の資金の循環に寄与しているほか、地域金融機関の審査、検証を経た事業計画ベースで、交付決定額に対して七年間で四・五倍の地元雇用創出効果や八・三倍の地元材料活用効果などが見込まれております。
 今後とも、ローカル一万プロジェクトにより地域の資源と資金を活用し、雇用吸収力の大きい地域密着型企業の立ち上げを支援し、地域経済循環の拡大に図ってまいります。
#50
○宮崎勝君 ありがとうございます。今後も期待される成果が上がるように着実な取組をお願いをしたいと思います。
 それに関連いたしまして、地方創生のためには都市から地方へ人、情報の流れを創出することが必要であり、それがひいては地域の活性化につながると考えております。
 総務省は、地方への人の流れを創出する一環として、今年度の第二次補正予算に、都市部の若者などが一定期間地方に滞在をして働きながら地域住民との交流などを通して田舎暮らしを学ぶふるさとワーキングホリデーというのを盛り込んで、先日、この事業を活用した具体的な提案を踏まえて八団体の提案を採択したと承知しております。
 このふるさとワーキングホリデー事業の狙いと地域活性化に及ぼす効果について御確認をしたいと思います。
#51
○大臣政務官(冨樫博之君) 第二次補正予算に盛り込んだふるさとワーキングホリデーについては、都市部の若者などが一定期間地方に滞在し、働きながら地域住民との交流や学びの場を通して田舎暮らしを学ぶ国内版のワーキングホリデーに取り組む自治体のスタートアップを支援し、地域の活力向上に資するとともに、将来的な地方移住を掘り起こしていこうとするものであります。
 先日、今年度の実施団体として、北海道、福島県、兵庫県、奈良県、山口県、愛媛県、佐賀県、熊本県の八道県を採択し、八道県合わせて千人を超える若者を受け入れる内容で、いずれも地域の魅力、特色を生かした創意工夫に富んだ提案となっております。
 今後、各道県において更に事業内容を磨き上げ、ふるさとワーキングホリデーに参加する若者などの心に響く魅力ある事業が実施され、これをきっかけに人、情報の流れの大きなムーブメントが生み出されることを期待しておるところであります。
#52
○宮崎勝君 ありがとうございます。引き続き、取組をお願いいたします。
 次に、ちょっと法律案とは離れますが、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについてお伺いしたいと思います。
 地震などの自然災害が頻発する中で、災害に遭う前からのローンに加えて、生活再建や事業再建に向けた新たな借金を背負う二重ローンの問題が大きな課題になっております。東日本大震災でも二重ローンが問題になり、発災の年の平成二十三年七月にできた個人債務者の私的整理に関するガイドラインに基づきまして、発災前に抱えていたローンを金融機関が減免する措置が実施されました。その際、公務員などが加入している共済組合からの借入れがあった場合もこの二重ローン救済の枠組みが適用されたと承知しています。
 地方公務員等共済組合法施行規程には債権の放棄等の制限という規定があり、通常は債権の放棄ができないことになっていますが、ただし書の部分で、やむを得ない理由がある場合において主務大臣の承認を受けたときはこの限りではないと、そういう例外規定があります。それに基づきまして債権の放棄ができるようになったと認識しておりますけれども、総務省に事実関係を確認したいと思います。
#53
○政府参考人(高原剛君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のとおりでございまして、東日本大震災の際にはガイドラインを適用いたしまして、地方公務員共済組合からの借入れについてガイドラインを適用いたしました。また、地方公務員等共済組合法施行規程十五条で、やむを得ない理由がある場合において主務大臣の承認を受けたときはこの限りでないというふうにされておりますので、ガイドラインによる債務整理が行われる場合にはやむを得ない理由がある場合に該当するとしたところでございます。
 以上でございます。
#54
○宮崎勝君 ありがとうございます。
 共済組合からの借入れがあった場合も主務大臣の承認を受ければ債権放棄ができるということが確認をいたしましたが、その上でお伺いしたいと思います。
 東日本大震災の被災者を対象につくった制度を他の自然災害にも広げるために、全国銀行協会などが昨年の十二月に自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインをまとめまして、これは、災害救助法の適用を受けた地域で、災害の影響で住宅や事業などのローンを払えなくなった被災者を対象にローンを減免する制度がスタートをしております。
 今回の熊本地震の被災者もこのガイドラインの対象となりますけれども、地震で被災して共済組合から借入れがある方から、ガイドラインの適用を受けられないかという相談が私のところにも来ております。共済組合から借入れのある被災者へのガイドライン適用について東日本大震災と同じ対応をすべきだと思いますけれども、この問題についての総務省の見解を伺いたいと思います。
#55
○政府参考人(高原剛君) お答え申し上げます。
 熊本地震について、地方公務員共済組合からの借入れに対する自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインの適用については現在検討しているところでございます。共済組合員から具体的な要望があるということでございますので、委員の御指摘も踏まえて早急に検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#56
○宮崎勝君 早急に検討するということですので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 自然災害によって自宅が再建できずにローンだけが残ったり自己破産に追い込まれたりするケースも、これまでも度々お聞きしたところでございます。政府にはこうした被災者を救済する前向きな対応を是非お願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#57
○委員長(横山信一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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