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2016/12/14 第192回国会 参議院 参議院会議録情報 第192回国会 本会議 第18号
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2016/12/14 第192回国会 参議院

参議院会議録情報 第192回国会 本会議 第18号

#1
第192回国会 本会議 第18号
平成二十八年十二月十四日(水曜日)
   午後一時十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十八号
  平成二十八年十二月十四日
   午前十一時三十分開議
 第一 公的年金制度の持続可能性の向上を図る
  ための国民年金法等の一部を改正する法律案
  (第百九十回国会内閣提出、第百九十二回国
  会衆議院送付)
 第二 特定複合観光施設区域の整備の推進に関
  する法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、議長不信任決議案(小川敏夫君外三名発議
  )(委員会審査省略要求)
 一、本決議案の議事における発言時間は趣旨説
  明については十五分、討論その他については
  一人十分に制限することの動議(牧野たかお
  君外一名提出)
 一、日程第一及び第二
 一、筋痛性脳脊髄炎の診療体制確立と治験の研
  究促進に関する請願(二十八件)
 一、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中
  も継続するの件
 一、事務総長辞任の件
 一、事務総長の選挙


     ─────・─────
#3
○副議長(郡司彰君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 小川敏夫君外三名発議に係る議長不信任決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(郡司彰君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 牧野たかお君外一名から、賛成者を得て、
 本決議案の議事における発言時間は趣旨説明については十五分、討論その他については一人十分に制限することの動議が提出されました。
 これより本動議の採決をいたします。
 足立信也君外四十七名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本動議に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#5
○副議長(郡司彰君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#6
○副議長(郡司彰君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#7
○副議長(郡司彰君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十七票  
  白色票          百六十六票  
  青色票           七十一票  
 よって、本動議は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#8
○副議長(郡司彰君) これより発議者の趣旨説明を求めます。小川敏夫君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小川敏夫君登壇、拍手〕
#9
○小川敏夫君 民進党・新緑風会の小川敏夫です。
 ただいま議題となりました議長の不信任決議案について、会派を代表して、提案の趣旨を説明いたします。
 まず、決議の案文を朗読いたします。
    議長不信任決議案
  本院は、議長伊達忠一君を信任しない。
   右決議する。
 以下、その趣旨を説明いたします。
 伊達議長には、参議院を代表する議長としてのリーダーシップが足らないことを指摘しなければなりません。
 思い出していただきたいのは、伊達議長が自民党の幹事長時代に発議し成立させた参議院選挙制度改革に関する改正公職選挙法です。その附則には、「平成三十一年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて、参議院の在り方を踏まえて、選挙区間における議員一人当たりの人口の較差の是正等を考慮しつつ選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする。」と明記されています。
 次に行われる参議院議員選挙は、平成三十一年に行われますが、参議院議員選挙を改正後の選挙制度で実施するためには、周知期間として少なくとも一年を要すると見る必要があると考えられます。そうしますと、法で明記し国民に約束した選挙制度の抜本的見直しを行うことは、平成三十年の通常国会中には法改正を行わなければなりません。我々が議論する時間は長くはないのです。
 選挙制度の改正論議は、これまでも繰り返し議論してきたのですが、抜本的改正を見送り、先送りを繰り返してきたことが実態だったと言えます。前回改正された現行の制度も、自民党の消極的姿勢から、一部の増減にとどまるびほう策で終わっていたものです。こうした過去の経緯の反省を踏まえて、抜本改革を行うとの強い決意を持って、附則において、「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとする。」と明記して抜本的見直しを国民に約束したのです。
 こうした状況を踏まえ、今こそ正真正銘の選挙制度の抜本的見直しを行わなければならないにもかかわらず、議長は見直しに向けた取組を進めようとせず、議長の下に設置するべき議論の場すら設けていません。このため、伊達議長就任後五か月を経、そして、今臨時国会の閉会日を迎えた今日まで、選挙制度の抜本的見直しを進める議論が全く行われていない有様であります。このままでは、伊達忠一君が自ら発議者となって必ず抜本的見直しの結論を得ると明記して成立させた法律を遵守することが困難な状況に陥ってしまいます。
 参議院議員選挙制度は本院の喫緊の課題であり、国民注視の最重要課題であり、かつまた、選挙制度の在り方について、平成二十六年十一月には最高裁判所から憲法違反状態にあるとの指摘を受けています。
 最高裁判決は、このように指摘しております。
 参議院議員の選挙制度については、これまで、限られた総定数の枠内で、半数改選という憲法上の要請を踏まえて定められた偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする現行の選挙制度の仕組みの下で、人口の都市部への集中による都道府県間の人口較差の拡大に伴い、一部の選挙区の定数を増減する数次の改正がされてきたが、これらの改正の前後を通じて長期にわたり投票価値の大きな較差が維持されたまま推移してきた。しかしながら、国民の意思を適正に反映する選挙制度が民主政治の基盤であり、投票価値の平等が憲法上の要請であることや、さきに述べた国政の運営における参議院の役割等に照らせば、より適切な民意の反映が可能となるよう、従来の改正のように単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、国会において、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなどの具体的な改正案の検討と集約が着実に進められ、できるだけ速やかに、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置によって違憲の問題が生ずる前記の不平等状態が解消される必要があるというべきである。
 そして、改正後の現行法により、本年七月に実施された参議院議員選挙について、各地において提訴された選挙無効を求める裁判についても、多数の高等裁判所の判断で違憲状態が指摘されております。
 こうした状況下にあるにもかかわらず、参議院議員選挙制度の抜本的見直しに向けた議論をせず、議論の場を設けることもしないで放置している伊達議長の責任は重いと言わざるを得ません。今臨時国会の間、何もしないで抜本的見直しに向けた議論の場すら設けないで放置した伊達議長に、これ以上、その職を任せることはできません。
 また、伊達議長は、報道された疑惑に対して、自ら積極的に説明する姿勢に欠けております。
 以上、伊達忠一君が参議院議長としてふさわしくない理由を申し上げました。参議院に対する国民からの信頼を高めるためには早急な取組が必要であります。
 議員皆様の本決議案への御賛同をお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。(拍手)
    ─────────────
#10
○副議長(郡司彰君) 本決議案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。関口昌一君。
   〔関口昌一君登壇、拍手〕
#11
○関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、伊達忠一議長不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行います。
 各委員会での会期末処理が何ら瑕疵なく無事に終わり、第百九十二回臨時国会は閉会になるとばかり思っておりました。ところが、この期に及んで突如民進党の諸君は伊達議長不信任決議案を提出するという暴挙に出てまいりました。このタイミングにおける不信任決議案の提出に一体何の意味があるのでしょうか。
 少なくとも、今までの議長不信任案の提出は、重要法案の採決に当たり、どうしても与野党の合意点が見出せない限り、やむを得ず議長が本会議を開いた場合に提出されてきた事例が多かったことと記憶しております。今回は、議長の手続には何の問題もありません。それゆえに、この不信任決議案は理解に苦しみ、いたずらに時間を浪費するだけのものではありませんか。
 伊達議長は、四十代で北海道議会に初当選し、以降、道議会議員を四期にわたり務めてこられました。平成十三年に国政に転じられてからは、経済産業委員長、参議院自民党国会対策委員長、ODA特別委員長、参議院自民党幹事長など枢要ポストを歴任し、遺憾なくその手腕を発揮してこられました。
 こうした政府、党、参議院での数々の重責を担ってこられた伊達議長は、平成二十八年八月一日に、与野党の皆様からの多くの賛同を得て参議院議長に就任されたものであります。就任から約四か月半、その中立公正、不偏不党の議院運営は多くの方々から尊敬され、批判されることは全く理解できません。
 今回の不信任案は、参議院選挙制度改革が主な理由になっております。しかし、伊達議長は、就任して僅かな期間にもかかわらず、参議院選挙制度改革について、「早急に議論の場を設定し、意見のすり合わせを行わなければならないにも関わらず、伊達君は議長に就任して以降、何らリーダーシップを発揮してこなかった。」などといった民進党諸君の主張は理解に苦しみます。
 選挙制度改革について、参議院自民党では、参議院在り方検討プロジェクトチームを設置して、様々な意見を拝聴し、真剣に議論を交わして検討を続けております。民進党は、議長にだけ責任を押し付けているだけではありませんか。
 また、民進党諸君は、「報道されている自身の問題についての対応が遅く、問題解消に向けて消極的な姿勢である。」と一行だけ抽象的な理由を掲げております。しかし、こうした問題は何ら問題がありません。
 このような前代未聞の、到底受け入れ難い、そして自身の立場を省みない提案理由による議長不信任決議案という暴挙に出た民進党諸君に対し強く猛省を求め、良識の府、熟議の府として権威のある本院議長に対しこのような根拠なき決議案は良識を持って即刻否決すべきものであると訴え、私の反対討論を終わります。
 よろしくお願いいたします。(拍手)
#12
○副議長(郡司彰君) 吉川沙織君。
   〔吉川沙織君登壇、拍手〕
#13
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織です。
 私は、ただいま議題となりました伊達忠一参議院議長不信任決議案に対し、会派を代表して、賛成の立場から討論を行います。
 最初に申し上げたいのは、昨年九月のことを皆さん覚えておいででしょうか、安保法制採決の際に乱発をされた、本決議案の議事における趣旨説明については一人十五分、討論その他の発言時間は一人十分に制限することの動議が与党から今回も提出されたことです。
 確かに、我々は野党第一会派であるとはいえ、この議場においてもお分かりのとおり、議員数は少なくなってしまいました。しかしながら、日本国憲法第四十一条、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」と定めがあり、これらに基づき国会は多くの権能を有しています。これらの権能行使の基礎となる各議員も多くの権能が与えられ、議員には、議案提出、質疑、討論、表決という議事手続上の基本的機能のほかにも幾つかの権能が認められているのです。
 そのうち、この討論については発言権に分類されますが、この議場での発言を始め議員の発言権は最も基本的な権能であるからこそ、先ほどの議院運営委員会の理事会においても発言時間を制限することの動議は出さないでほしい旨、何度も何度も与党に申し上げたのです。多数決原理と同時に、少数派の意見の尊重はあってしかるべきではないでしょうか。
 今、日本は重大な岐路に差しかかっています。国家債務は一千兆円を超え、国内総生産の二〇〇%を超えるまでになっており、国の行く末さえ全く不透明で危機的な我が国の財政状況の中、ただひたすらに金融緩和にひた走り、その理論的旗振り役の学者は最近ではその誤りを認めるなど、アベノミクスとやらは破綻状態に陥っており、心ある専門家はハイパーインフレを強く懸念する声を上げていますが、政府は全く聞く耳を持ちません。
 数十年前に失敗したレーガノミクスを教科書にしたアベノミクス、そしてバブル景気に浮かれた社会で発想しそうな特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるカジノ法案も、アジア地域では中国経済の失速、過剰投資などでカジノ産業が衰退する中、国民を巻き込んで一体どこへ向かうのでしょうか。
 思い出されるのは、今回の特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案に対して、総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法です。リゾート法は、地方振興策の手段として当時の政権がリゾート産業に着目して制定したにもかかわらず、同法に基づいて実施されたリゾート地域開発のほとんどは成果を上げることなく破綻し、地域社会に大きな傷痕を残したのです。
 現政権は、諸外国で失敗した政策を周回遅れでなぞっているだけです。
 競馬、競輪、競艇、パチンコなど我が国のギャンブル、遊技機市場は、その規模では約二十六兆円のギャンブル大国です。カジノの市場規模は世界全体でも約十八兆円とされる中で、日本をこれ以上カジノでどうしようとするおつもりなのでしょうか。
 強い日本を取り戻そうとする総理は、アメリカの悪い例をまねして、時代遅れの政策を看板の掛け替えだけで行っているのです。そのお手本のアメリカでは、次期大統領が強いアメリカを目指しているようですが、願わくば、我が国の轍を踏まないことを祈るばかりです。
 一方、政府は、各種政府施策を説明する際に安心、安全という言葉をまるで呪文のように理由付けとして乱発しておりますが、国の根幹、国の形を抜本的に揺るがすこと必然のカジノ導入を新たな成長戦略と全く根拠のない理由を喧伝し、日本を安全、安心と正反対の環境にしようとしております。
 おもてなしの心で観光大国を目指すという我が国が、カジノで外国人観光客を誘致しようとは何事でしょうか。海外の観光客は、日本らしさを求めて我が国を訪れるのであって、海外発祥のカジノに積極的に行くとはなかなか考えづらいのではないでしょうか。
 それとも、日本国民にカジノを奨励し、国の治安を毀損し、国民の体感治安を更に悪化させたいのですか。それとも、国民の所得格差がどんどん開く中で、カジノでもっと貧富の差を拡大しようとするのでしょうか。
 国民が一致団結して、将来世代が安心して暮らすことができるよう、今ある財政上の難局を乗り切るための長期的視点に立った政策を考えるべきではないでしょうか。
 その上、政府・与党は、国民世論をその都度使い分けており、一回目の消費税率引上げ延期では国民世論を理由とし、カジノ法案については、新聞各紙がこぞってその問題点を数多く指摘する中で、その国民世論を全く無視し、日本社会をカジノやオリンピックに浮かれさせ、厳しい財政状況のことを忘れさせるため、感覚的に麻痺させようとでもするつもりなのでしょうか。
 現政権は、破綻状態の危機に瀕する財政事情と全く反する政策ばかり行っています。東京湾では、東京都の築地市場の豊洲市場への移転、東京オリンピック・パラリンピックに伴う各種施設の新設、カジノ施設やレジャー施設の新設の推進などというのは、バブル時代で財政に余裕があった時代の公共事業乱発、土建国家の復活ではないでしょうか。
 九年前の夏、被選挙権を得たばかりの三十歳で本院に議席を預かった私は、就職氷河期世代の一人であり、必死に就職活動をしたのが平成十年、会社員として社会に出たのが平成十一年、バブル経済は既に崩壊した後のことでした。つまり、右肩上がりの日本社会や経済を知らない世代であり、多くの借金を背負わされる世代でもあります。でも、その借金はこれまでの政権が積み重ねてきたのです。その古い時代の財政手段を駆使した財政手法の復活、これが新成長戦略とはあきれたものです。
 このような間違った行政運営が行われる中で、行政府をチェックする役割が我々立法府に課された重要な機能であることは論をまちません。その機能を担う組織の長が参議院議長です。それも、我が参議院は良識の府です。この現政権を正すのが国会であり、良識ある参議院のあるべき姿です。
 ところが、このような重要な時期にある状況において、延長国会に入ってから、しかも、会期末まで残り一週間しかない時期に、与野党の合意を基本とする議員立法でありながら、衆議院内閣委員会で採決が強行され、異常な形で参議院に送付されてきたカジノ法案の審議入りを議長は容認したのです。
 私は、議院運営委員会の理事会で、本法律案が議員立法であるにもかかわらず、各会派間で丁寧な合意形成を図ることなく、さらには国家公安委員長の常時出席や連合審査会開催の合意をほごにした上、たった五時間三十三分の質疑のみで衆議院内閣委員会で採決が強行され、異常な形で参議院に送付されたカジノ法案の拙速な審議入りは断じて認められないと一貫して強く反対してきました。
 そもそも、現在の政権並びに議会運営は、民主主義イコール多数決という間違った考え方に基づいて、数の力で強引に政策を強行しようとしています。これをただし、少数派の意見を十分反映した慎重な審議が行われるよう指導するのが議長のなすべき仕事です。行政府や与党の意に沿うよう議会運営を、そして議事運営を行うことではありません。
 もちろん、封建時代から近代国家に至るまで、議会制度の発達の歴史の中において多数決原理が議会制度を支える柱として重要であることは認識しています。しかしながら、多数決原理は、あくまでも相対的なものであり便宜的なものです。したがって、ある国会のあるときにおいて決定されたそのものが正しいかということは、歴史によってしか証明されないのです。
 この多数決原理がよく機能するためには、言論の自由の保障、集団のある程度の同質性、集団内の多種多様な利害、主張を統合していくための制度的メカニズム、少数者に決定への参画の自覚を与え、決定受容の心理的準備の機会を与える実質的議論の場、そして決定に対する全構成員の受容が必要です。これらの点を勘案するならば、この多数決原理と同時に少数派の意見の尊重があって初めて議会の公正なる運営がなされると考えます。
#14
○副議長(郡司彰君) 時間が超過をいたしております。簡単に願います。
#15
○吉川沙織君(続) したがって、選挙のときに多数を取ったならば後は何をやってもよいという多数決原理は、一党独裁であると言わざるを得ません。
 良識の府たる参議院を代表する参議院議長の職責としては、少数派の意見を議会の審議にいかにして反映させるかということに重点を置かねばならないにもかかわらず……
#16
○副議長(郡司彰君) 吉川君、簡潔に願います。
#17
○吉川沙織君(続) 少数派の意見を十分に尊重しない議会運営、議事運営となっているのです。
 昭和五十二年十一月に参議院改革協議会が初めて設置されてから約四十年。この間、歴代議長の下で参議院改革のためのたゆまぬ努力が続けられ、参議院の在り方に関する諸問題等について……
#18
○副議長(郡司彰君) 時間が超過をしております。
#19
○吉川沙織君(続) 議会の先人により多くの改革が実施されてきました。多くの参議院改革がなされてきたその理由の一つに、参議院の存在意義が問われた時代があったことは言うまでもありません。
 昭和六十年一月二十一日、「各会派代表者懇談会における議長所見と提案」の中で、「参議院は、憲法上認められた二院制の下において、衆議院の行き過ぎを抑制し、また、衆議院の機能を補完することにより、独自性を発揮し、」……
#20
○副議長(郡司彰君) 吉川君、時間が超過をいたしております。簡単に願います。
#21
○吉川沙織君(続) 「国政の運営を慎重かつ健全ならしめ、民主主義国家の発展に寄与し、国民の負託に応える使命をもつものであることは申すまでもありません。」、そして「議会制民主主義の下において民主主義政治を立派に発展させるためには、憲法に規定されているとおりに二院制の長所を伸ばすことが肝要であり、参議院無用論の如きは甚だ遺憾にたえませんが、こうした批判が出ることについては謙虚に反省する必要があるものと考えます。」。(発言する者あり)もう少しで終わります。
#22
○副議長(郡司彰君) 吉川君、時間が超過をしております。
#23
○吉川沙織君(続) ルソーのように、国民の総意が単一不可分であるとすれば、これを代表すべき議会も単一の議院であるべきだとする一院制の主張が生まれますが、今日でもなお多くの国において二院制が採用されています。二院制の存在意義の論拠は、代表の多様性の確保、議会における慎重審議、二院の間における相互抑制、補完にあると考えます。
 旧憲法下においても貴族院、衆議院両院は相互牽制が想定されていましたし、また、昭和六十一年三月五日、衆議院公職選挙法改正に関する調査特別委員会において、当時の自治大臣も、「本来二院制は、我が国で言えば衆議院と参議院、」……
#24
○副議長(郡司彰君) 吉川君、時間が超過をしております。
#25
○吉川沙織君(続) 「両方とも直接選挙になっておりますけれども、お互いの性格や立場上それぞれの観点に立って、特に参議院は良識の府と言われておりますが、そういう両者の観点からお互いにチェックし合い、あるいは補完、協力し合うことによって政治の理想により一歩でも近づいていこう、そういう知恵の産物として二院制度をとられたものと思いますし、お互いが機能することによって所期の目的に達することができ、そのように機能してきておると考えております。」。
 しかるに、参議院の果たす役割は大きく、そしてまた、参議院の権威を考えたとき、伊達議長の議会運営、議事運営は良識の府たる本院の議長として承服できるものではなく、提出されております伊達忠一議長不信任決議案に対し賛成の意を表し、私の賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#26
○副議長(郡司彰君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#27
○副議長(郡司彰君) これより本決議案の採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本決議案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#28
○副議長(郡司彰君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#29
○副議長(郡司彰君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#30
○副議長(郡司彰君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百三十九票  
  白色票           七十二票  
  青色票          百六十七票  
 よって、本決議案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
   〔副議長退席、議長着席〕
#31
○議長(伊達忠一君) 日程第一 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案(第百九十回国会内閣提出、第百九十二回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長羽生田俊君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔羽生田俊君登壇、拍手〕
#32
○羽生田俊君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、公的年金制度について、制度の持続可能性を高め、将来の世代の給付水準の確保等を図るため、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進、国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料の免除、年金額の改定ルールの見直し、年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し等の所要の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院において、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進に関する規定の施行期日を公布の日から平成二十九年四月一日に改めることとする修正が行われております。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、被用者保険の更なる適用拡大の必要性、年金額の改定ルールの見直しの目的及び影響、財政検証の前提を見直す必要性、基礎年金の給付水準の在り方、GPIFのガバナンス体制及び年金積立金の運用の在り方等について、安倍内閣総理大臣にも出席を求め質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して牧山ひろえ委員より反対、自由民主党及び公明党を代表して熊野正士委員より賛成、日本共産党を代表して倉林明子委員より反対、日本維新の会を代表して東徹委員より賛成、希望の会(自由・社民)を代表して福島みずほ委員より反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。川合孝典君。
   〔川合孝典君登壇、拍手〕
#34
○川合孝典君 民進党・新緑風会の川合孝典です。
 私は、会派を代表し、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
 失われた公的年金制度への信頼を取り戻すことは、国民の老後不安を軽減する上で不可欠であります。安定した公的年金制度の構築によって、冷え込んでいる国民の消費マインドを上向かせる効果も期待できることから、景気対策としても極めて有効だと考えております。
 今回の改正案には、十分とは言えないまでも、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進や国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料免除による次世代育成支援への配慮など、公的年金制度の機能強化に向けた評価すべき項目が含まれております。
 しかし、その一方、限られた年金財政の中で持続可能性を追い求めようとした結果、公的年金制度が本来果たすべき役割である最低保障機能の検証が全く抜け落ちております。また、GPIFの運用ポートフォリオの在り方、多額の公的資金が株式市場や企業経営に与える影響などについても数多くの課題が残されたままとなっております。
 そして、何よりも問題なのは、将来の年金額を推定する上で最も重要となる年金財政検証における経済前提が、実体経済を全く無視した内容となっていることであります。
 前回法改正後の平成十七年から今に至る十二年間で七回も賃金変動率がマイナスになっているにもかかわらず、今後百年間、賃金、物価が共に上昇し続けるという前提に立った試算を行っております。
 これではまともな委員会審議ができないことから、厚生労働委員会では、物価、賃金の実態に即した将来推計資料の提出を要求してまいりましたが、度重なる要求にもかかわらず、審議中に資料の提出はありませんでした。委員会の最終日となった昨日、ようやく塩崎厚生労働大臣からは、物価、賃金がマイナスになった場合の将来推計資料を年内に提出する旨の答弁がございましたが、本来であれば、この資料に基づいて委員会審議を行うべきであり、政府の不誠実な態度には強い怒りを感じております。
 今回の法改正によって国民の皆様が受け取る年金額が一体どのくらいになるのかの検証すらできていない中、到底本法案に賛成することはできません。
 以下、法案の問題点を指摘させていただきます。
 まず、公的年金制度の持つべき最低保障機能が今回の法改正で損なわれるおそれがあることについてであります。
 安倍総理は審議の中で、現在の夫婦での老齢基礎年金の満額支給額は、老齢基礎年金のみを受給する世帯の基礎的消費支出を上回っていることから、年金を減額しても大丈夫である旨の答弁をされましたが、老齢基礎年金の平均支給額は、現在、五万四千円程度であり、現時点で既に不足が生じております。
 また、今回の法改正で賃金・物価スライドが発動することになると、所得代替率に占める報酬比例部分と基礎年金部分との比重が変化し、基礎年金水準が著しく低下することとなります。さらに、この賃金・物価スライドでは、物価が上昇しても、賃金が下落すると賃金の下落率に合わせて年金を減額することとなりますので、老齢基礎年金のみで生活する世帯は、より厳しい状況に追い込まれることとなります。
 今回の法改正によって、将来の老齢基礎年金額は、現在価値に置き換えると、およそ三万五千円から六千円程度になることが推計されております。現在、老齢基礎年金のみを収入とする高齢者は全国に七百六十七万人おられますが、夫婦でおよそ七万円の年金では、とても自立した生活は維持できません。
 現在の受給者の年金額を減額することで、確かに将来世代の年金額の下落を下げ止める一定の効果は期待できるのかもしれません。しかし、公的年金制度が衣、食、住、衛生といった人間が生活していく上での最低限度の購買力を保障することができなければ、今後、生活保護に頼らざるを得ない高齢者が激増するおそれがあります。せっかく年金財政の持続性を多少高めることができても、新たな財政支出を迫られることとなり、法改正の意味が全くありません。
 現実に即した将来推計に基づき、公的年金制度の最低保障機能を守り、国民の自立を支援することこそが現在求められていると思っております。
 次に、GPIFについて指摘をさせていただきます。
 平成十三年、年金積立金管理運用独立行政法人の市場運用開始後の累積運用実績が、現在に至るまで、およそ四十二兆円強に上ることはGPIFの公表資料からも既に明らかでありますが、実は、現在の運用状況は決して楽観視できるものではありません。二〇一四年十月、GPIFの運用ポートフォリオが見直されて以降、本年九月までの八四半期の運用実績は僅か〇・五%、株式への投資比率を高める前に二・八%あったことを考えると、運用実績に急ブレーキが掛かっていることが、GPIFの高橋理事長への参考人質疑で明らかとなりました。
 無論、四半期ごとの運用実績で一喜一憂すべきではありませんが、リスク投資を行っていることによる運用実績の上振れ、下振れの激しさに対して国民の信認が揺らいでいるということを政府は重く受け止めなければなりません。
 安倍総理は、本年五月の伊勢志摩サミットの折、当時の世界経済情勢をリーマン・ショック前の状況とそっくりだとおっしゃいました。ちなみに、リーマン・ショックが起こった二〇〇八年度、GPIFの収益率はマイナス七・六%、損失額は九・三兆円でありました。現在のGPIFのポートフォリオで同じことが起きれば、二十兆円以上の損失が発生することとなります。
 リーマン・ショック再来の懸念を国際会議の場で口にしながら、一方で被保険者の大切な老後資金である年金積立金のハイリスク運用を続けておられる安倍総理に強い憤りを感じております。
 また、政府機関であるGPIFが大株主になることで生じる問題への対応も全く不十分であります。
 GPIFが大株主になることで、当然、企業経営に対して議決権を行使することが可能となります。GPIF法第二十七条の規定によって、厚生労働大臣は、GPIFに運用上の指示命令を行うことができることとされていますので、厚生労働大臣が主務大臣としてGPIFに圧力を掛け、保有株式の議決権を活用して企業経営に影響を及ぼすことが理論上可能となります。他の先進国のファンドでは、政府から徹底的に運用機関を独立させる、又は民間資産への投資を禁止するといった手段を講じることでこの問題に対応しておりますが、GPIFではこうした議論は一切なされておりません。国会の議決も予算措置も何も必要としないまま、企業経営に対する強力な政策遂行手段を政府が持つこととなり、大変危険なことだと考えております。
 最後に、公的年金制度の抜本改革の必要性について指摘します。
 急速な少子高齢化が進展する現在の日本において、老後の生活を支える安定した公的年金制度を再構築する必要性はますます高まっていますが、制度改革が社会経済の構造変化に対応し切れておりません。
 百年安心とした平成十六年の法改正でも、政府の政策目標に寄り添った甘い将来推計試算に基づき法改正を行った結果、僅か数年で制度設計が破綻しましたが、今また同じ轍を踏もうとしております。年金財政検証における経済前提が外れた財政的なツケを支払うことになるのは将来世代であります。
 二〇五〇年代には、日本人の平均寿命は男性で八十五歳以上、女性で九十歳を超えると言われております。こうした超長寿社会を想定して基礎年金の拠出期間を延ばすことや被用者保険の適用拡大を更に進めること、さらには、低賃金で働く労働者にとって過度な負担となっている逆進性の高い定額保険料の在り方などを速やかに検討し、今から措置を講じなければ、近い将来より深刻化した年金財政と私たちは向き合わなければなりません。
 持続的な景気回復のためには、国民の将来不安を取り除き、消費を活発化させることが必要であります。まともな将来の年金額の試算すら行わないまま、目先の財源にとらわれて、公的年金制度のセーフティーネット機能を低下させ、生活保護の増大と将来不安を助長しかねない今回の法案には断固反対である旨申し上げ、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#35
○議長(伊達忠一君) 島村大君。
   〔島村大君登壇、拍手〕
#36
○島村大君 自由民主党の島村大です。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま議題となりました公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論を行います。
 公的年金制度は、世代間の支え合いの制度であります。少子高齢化が急速に進展する今、現在の高齢世代の年金給付と将来世代の給付のバランスを取っていくことは、年金制度を健全に維持していくために大変重要な課題でございます。そのための仕組みとして、これまでマクロ経済スライドが導入されてきました。今回の法案は、この年金制度の持続可能性を更に高め、将来世代の給付水準を確実に守っていくことを目的としています。
 以下、本法案に賛成するべき主な理由を三点申し上げます。
 一点目は、今申し上げましたように、本法案が公的年金制度の持続可能性を高め、世代間の給付と負担のバランスを改善するものである点です。
 安倍政権は、デフレからの脱却と賃金水準の上昇に力強く取り組んでおり、その成果は着実に現れています。しかし、将来にわたって不測の経済変動が起こらないとも限りません。今後、経済が上昇する場面でも下降する場面でも、年金給付と負担のバランスを維持し、公的年金制度を安全確実に維持していくために、本法案の成立は不可欠であります。
 二点目は、本法案がパートタイマーへの被用者保険の適用拡大や国民年金第一号被保険者の産前産後期間の保険料の免除によって、多様な働き方を促進し、一億総活躍社会の実現に資する点でございます。
 本法案によって、中小企業で働く約五十万人のパートタイマーの方々に対し、新たな被用者保険の適用が可能になります。これらの方々が被用者保険に加入することで、将来の年金受給額の引上げにつながり、より一層安心して就労できる環境の整備が進みます。産前産後の保険料免除については、子育て世代への支援策として、少子化対策を推進する観点から、早急に実現すべき制度であります。既に導入されている厚生年金に加えて、国民年金についてもこの制度が必要でございます。
 三点目は、本法案が年金積立金管理運用独立行政法人、GPIFのガバナンス改革を行うことにより、国民の大切な資産である年金積立金の運用体制の強化に資する点であります。
 GPIFは、百三十兆円以上の資産を管理運用する世界最大規模の公的年金運用機関です。これまでも基本ポートフォリオの見直しなど改革を行ってきましたが、本法案は、合議制の経営委員会を設置し、意思決定、監督と執行の分離を実現します。これによって年金運用に対する一層の信頼性の向上が図られます。
 以上の三点が、本法案に賛成すべき主な理由です。いずれも、公的年金制度の持続可能性の向上と国民の年金制度に対する安心と信頼の向上のために必要不可欠な改革であります。本法案を早期に成立させることは、現在及び将来の世代に対する我々国会議員としての責任であると言っても過言ではありません。
 議場に御参集の皆様に本法案に対する速やかな御賛同を呼びかけますとともに、政府に対して法案成立後の円滑な実施を求めまして、私の賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#37
○議長(伊達忠一君) 倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
#38
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案、すなわち年金カット法案に対して、反対の討論を行います。
 高齢者世帯の収入の七割を年金が占め、六割の高齢者世帯が年金収入だけで生活しています。将来の年金受給額に大きな影響を与える重要法案を、衆議院で僅か十九時間余りの質疑で採決を強行した上、臨時国会の会期末前日に参議院に送付し、会期延長によって押し通そうとするなど言語道断です。安倍政権の乱暴極まりない手法に断固抗議するものです。
 本法案は、際限なく年金をカットする賃金マイナススライドというべき新たな仕組みを導入するものです。これまでも、年金の支給額は物価と賃金を指標に改定されてきましたが、既裁定者について、賃金指標がマイナスとなったことを理由に年金を引き下げることはしませんでした。しかし、今回の改定で賃金マイナススライドが導入されれば、たとえ物価が上がっても、賃金がマイナスの場合、年金はマイナス改定となります。物価と賃金が共にマイナスで、賃金の下げ幅の方が大きい場合は、年金は賃金に合わせてカットされます。ひたすら低い方に合わせて年金を引き下げるものにほかなりません。
 政府・与党は、将来世代の年金水準を確保する将来年金確保法案と強弁しています。しかし、政府の言う年金水準の確保とは、将来世代の年金を増やすものではありません。二〇〇四年に導入されたマクロ経済スライド、マクロ調整の仕組みにより、既に基礎年金は二〇四〇年代まで下げ続けることが決まっています。
 その調整が予定以上に長期化し、元々下がる年金が更に下がるのを防ぐ、言わば下げ止まりにするというのが政府の言う将来確保の本当の意味です。安倍総理自身、本院の審議で、将来世代の年金が増えるとは言っていない、むしろ、本法案のルールが導入されれば、賃金に合わせて名目の年金額は下がると答弁しています。これでは看板に偽りありと言わざるを得ません。
 本法案の賃金マイナススライドが導入されれば、現役世代の賃金下落に応じて年金も下げられ、その引き下げられた水準の年金が将来の世代に引き渡されることになります。高齢者と同居し、扶養している現役世代や生活や介護の支援をしている現役世代にとっては、ダブルパンチが襲いかかることになります。賃金マイナススライド導入は、現役世代にとっても何もいいことはありません。
 さらに、賃金マイナススライドと併せて導入されようとしているいわゆるキャリーオーバーは、毎年度のマクロ経済スライドが予定どおりに実施できなくても、その分を繰り越し、物価、賃金が上がった際にまとめて引くことができるようにする仕組みです。これも、マクロ経済スライドを強化し、年金の実質目減りを拡大して、年金の最低保障機能を突き崩す改悪にほかなりません。
 委員会審議では、本法案によって導入される賃金マイナススライドとキャリーオーバーという二つの仕組みが、安倍政権が二〇一九年十月に予定している消費税増税と一体となって国民に重大な被害を与える危険性を明らかにしました。消費税率が一〇%になれば物価や賃金の指標も変動しますが、その際、賃金マイナススライドやキャリーオーバーが発動することで、年金がゼロ改定、マイナス改定になる可能性を政府は否定しませんでした。消費税増税で市中の物価は大幅に上がるのに、年金は全く上がらない、あるいは逆に下がるという、高齢者にとっては悪夢のような事態が起こるのです。
 本法案では、更なる年金削減を進める仕組みの導入とともに、年金積立金管理運用独立行政法人であるGPIFの組織改編も盛り込まれていますが、今求められていることは、国民生活の安心を支える年金財政の安定に貢献する責任と役割を果たし、国民の年金を守ることです。ところが、安倍政権は、年金積立金の株式運用比率を倍増させ、年金積立金の運用を株価つり上げの道具にしました。国民の財産である年金積立金を危険にさらすことは許されません。
 参考人質疑では、年金積立金の株式運用で損失が発生した場合に、損失はマクロ経済スライドの長期化を通じて解消するしかない、三十年、四十年後にツケが回ってくる、今の制度は長期運用に対応していないとの意見が出されました。
 また、GPIFの自家運用については相当慎重に対処すべきとの意見や、根本的な疑義として、巨大な機関投資家が政府機関として存在すること自体立ち止まって考えるべきだという意見も出されたことを真摯に受け止める必要があります。運用で損失が出れば、そのツケは年金削減などで国民に押し付けられることになります。危うい投機的運用からは速やかに手を引くべきであります。
 そもそも、今の積立金を積み増すことを前提とした考え方そのものを転換する必要があります。年金積立金は年金支給開始年齢の引上げや年金抑制のマクロ経済スライドにより二〇四〇年まで増え続けることになりますが、積立金をためてきたのは現在の年金受給者にほかなりません。年金を減らされて暮らしの見通しが立たない中でも、将来世代のためにと今後も積立てを続けるというのは余りに理不尽ではありませんか。年金世代に辛抱と苦労を掛けてまで積立金を積み上げる必要はありません。積立金を維持し積み増すことを前提とした考え方は撤回し、給付抑制を回避する積立金の運用に転換する必要があります。
 国民年金は、四十年掛け続けても月額六万五千円であり、加入期間が欠ければ年金額はどんどん下がります。底なしの低水準の構造こそが最大の問題です。本当に必要なのは、年金財政の帳尻合わせのために貧しい年金給付を更に下げることではなく、老後の生活の基礎的な支えとなり、高齢世代も現役世代も信頼できる年金制度を構築することです。
 低年金の底上げと最低保障年金の導入、高額所得者の保険料上限の見直し、危険なリスクを抱えた積立金の運用の中止と計画的な給付への充当、現役世代の雇用、賃金の立て直しによる年金財政の強化など、本当の改革が求められております。
 最低保障もなく、際限なく減らされる年金制度を将来世代に残すわけにはいきません。年金カット法案は廃案にすべきである、厳しく指摘して、反対討論といたします。(拍手)
#39
○議長(伊達忠一君) 東徹君。
   〔東徹君登壇、拍手〕
#40
○東徹君 日本維新の会の東徹です。
 会派を代表して、本日の議題である公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案について、賛成の立場で討論をいたします。
 我が国の公的年金制度は、現状、国民年金保険料の納付率が六三・四%にとどまっております。このような納付率の低迷は、単に経済状況によるものではなく、国民の公的年金制度に対する不信感の表れであり、その払拭のため、政府は、国民の制度に対する理解が深まるよう努力しなければなりません。特に若年層は、老後の実感が湧かず、年金保険料の納付意欲が必ずしも高くないことから、万が一障害状態になったときへの備えとして、障害年金制度もあることをしっかりと伝えていくことが肝要であります。
 また、厚生労働委員会での質疑によって、国民年金第一号被保険者について、保険料滞納者の九四%は保険料免除の可能性があり、そのため、第一号被保険者の約半数が、保険料の免除を受けているか、その可能性のある者であるという答弁がありました。我が国の公的年金制度は、皆年金である以上、いろいろな方が含まれることも予定しているとはいえ、このような状況でそもそも社会保険として成り立っているのかどうかという疑問があります。実際に保険料を納める方を増やすよう対策を進めることが、納付者本人の将来の年金受給額を増やし、将来の生活保護者を抑制することにつながっていきます。
 国民年金第一号被保険者における保険料を全て納めた完納者、一部納付者、滞納者、それぞれの所得分布を確認すると、全て所得が三百万円未満に大きく偏っております。低所得層を一まとめにして、強制徴収の対象から外し、保険料免除の申請を促し、納付率の向上を図る今の手法は適切ではありません。必ず不公平感が生じてきます。同じ所得層で、なぜ保険料を全て納めた者と保険料を滞納した者とが生じるのか、その分析を行い、実際に保険料を納める方を増やすことで納付率の向上を実現していかなくてはなりません。
 ここで厚労省の言う納付率は、分母から免除者等を除くものであり、事務的な指標としての役割にとどまっております。年金財政への影響を表す指標として分母に免除者等を含む実質的納付率を採用し、国民にその情報を提供していくべきであります。
 我が国の財政状況はもちろん、年金財政も厳しいことを考えると、現在の賦課方式を前提とする場合、本法案に含まれる新たな年金額改定ルールは、将来の年金受給者の給付水準を確保しようとするものであり、世代間の公正を実現する上で必要かつやむを得ないものと言えます。また、本法案における短時間労働者への被用者保険の適用拡大は、短時間労働者本人の年金給付額を増やすとともに、将来の生活保護者の増加を抑制することにつながる点が評価できます。
 しかしながら、少子高齢化やそれに伴う労働力人口減少など、我が国の経済状況の変化を踏まえ、これからの年金制度の在り方を考えると、年金制度の持続可能性と給付の十分性を両立させるためには、我が会派が主張する積立方式への移行や年金支給開始年齢の引上げなど抜本的な改革が必要であり、本法案の成立後もこのような改革の実現に向けた不断の努力が求められていきます。
 そこで、政府に対して、国民が持つ公的年金制度の将来に対する不安を解消するため、甘い見通しによるものではなくて、現在の経済情勢を反映した年金財政の検証、年金制度と密接な関係にある生活保護費負担金の将来推計など政策判断に必要な試算を行い、国民にその情報を適切に提供することを要請いたします。
 特に、生活保護費負担金の将来推計については、平成二十四年三月に厚労省から示されたものが既にあり、年金の財政検証と同様に一定の経済状況を前提とした将来推計は可能であると考えます。今もなお増え続ける生活保護費負担金について、早期にその推計を実施し、国民に公表することを求めていきます。
 また、日本年金機構の保険料徴収コストは国税庁の徴収コストの二倍以上であることから、保険料納付率の向上を図りつつ、保険料徴収コストを削減することが急務であります。そのため、いまだ十分に検討されたとは言えない歳入庁の設置や、住民に一番身近な市町村による国民健康保険料と国民年金保険料のセット方式の導入について、政府は早期に検討を開始しなければなりません。
 日本維新の会は、年金制度の積立方式への移行に関する法案も含め百一本の法案を参議院へ提出させていただきました。本法案は現在の年金制度を持続可能なものとする上で必要なものと考えておりますが、我が会派が提出した百一本の法案も、我が国に求められている改革を内容とするものばかりであります。
 各党の皆様におかれましては、次期通常国会で是非これらの法案についても審議していただくことをお願いし、賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
#41
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#42
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 足立信也君外四十八名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#43
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#44
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#45
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十票  
  白色票          百六十七票  
  青色票           七十三票  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#46
○議長(伊達忠一君) これにて休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後六時一分開議
#47
○議長(伊達忠一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第二 特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長難波奨二君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
#48
○難波奨二君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特定複合観光施設区域の整備の推進が、観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めるとともに、特定複合観光施設区域整備推進本部を設置することにより、これを総合的かつ集中的に行おうとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、我が国にカジノ施設を設置することの是非、本法によるカジノ規制と違法性の阻却との関係、カジノ施設の設置による経済効果と社会に対する影響、ギャンブル依存症の予防策及び依存症患者への対策、カジノ施設の設置者及び運営者を民間事業者に限定した理由、マネーロンダリング対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了した後、自由民主党を代表して上月理事より、政府がカジノ施設の設置及び運営に関し講ずべきカジノ施設の入場者が悪影響を受けることを防止するために必要な措置として、ギャンブル依存症等の防止について明示すること、この法律の規定及び第五条の規定に基づく措置については、この法律の施行後五年以内を目途として必要な見直しが行われるべきものとすること等を内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会の相原理事より原案及び修正案に反対、日本共産党の田村委員より原案及び修正案に反対、希望の会(自由・社民)の山本委員より原案及び修正案に反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、順次採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#49
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。神本美恵子君。
   〔神本美恵子君登壇、拍手〕
#50
○神本美恵子君 民進党・新緑風会の神本美恵子です。
 私は、民進党・新緑風会を代表して、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案について、反対の立場から討論を行います。
 まず初めに、今回のこのIR、カジノ解禁推進法案の拙速な審議に対し、立法府としての重大な懸念を表明いたします。
 依然として国民の多くが憂慮し、参議院の審議を通じてますます不安が高まっている問題だらけのこの法案の成立をなぜこんなに急ぐのか。参議院での参考人質疑も含めた審議で新たに明らかになった問題点、本当に経済効果があるのか、地域振興というが、地域が疲弊し治安の悪化や青少年への影響から人口減少が起きている事例、そして何よりも、各会派から出されたギャンブル依存症がこれ以上拡大することへの懸念など多くが出されたにもかかわらず、答弁のほとんどが、それは実施法で政府が検討する、それはこれから考えるという何ともおざなりな審議で、不十分と言わざるを得ないものでありました。とにかく成立させてしまおうというやり方は、立法府に集う者として大いに恥ずべきところであり、国民の負託を受けている私たち立法府としての責任を果たせないままになっていくのではないかという懸念を持たざるを得ません。
 また、議員立法である本法案の取扱いについても懸念があります。
 本来、議員立法は、事前に各党間で議論を交わし、丁寧に合意形成を図るからこそ、短時間の委員会審議で成立にこぎ着け得るのであります。それを今回のように、与野党での合意も十分に形成しないまま、延長された国会の終盤になって滑り込み提出、審議入りし、衆議院での委員会での審議もそこそこに一気に強行採決をし、こんなやり方は合意形成と手続を重んじてきたこの立法府の在り方を軽んじるものにほかなりません。
 ましてや、ここ参議院は、言うまでもなく、皆様も御自覚のとおり、中長期的な視野を持ち、本当に国民の幸せにつながるのか、子供たち、次の世代が生きる社会がどのようなものになるのか、幅広く、そしてじっくりと考えて結論を出す、それが熟考の府であり、衆議院の拙速を戒めるべき役割を自らの存在意義としてきたのであります。数の力を背景に、合意形成と手続を軽んじて採決にひた走る姿は、先人たちが築いてきたこの参議院の歴史と在り方に自ら泥を塗るようなものであり、到底容認できるものではありません。
 次に、法案の問題点について申し上げます。
 本法案は、安倍政権の成長戦略にも位置付けられ、民間投資を喚起する経済効果への期待が喧伝されています。
 安倍首相は、日本を世界一企業が活動しやすい国にするとして、一昨年のダボス会議において、自分は岩盤規制を打ち破るドリルの刃になる、いかなる既得権益も私のドリルからは無傷ではいられないと発言されています。委員会での参考人の一人は、アベノミクスにおけるカジノ構想とは、刑法で禁止してきた賭博罪という規制を解除して、海外からカジノ資本を呼び込み、民間の賭博場をつくり、経済を活性化させようとするものであると指摘されました。
 また、本法案は、IR整備の推進に係るプログラム法と言われるように、具体的なことは法施行後一年以内に政府が実施法を作るとされ、国民が不安に思っていること、民営賭博の解禁、カジノ解禁による負の影響、マネーロンダリング対策、ギャンブル依存症対策などなどについて具体策は書かれておらず、それは政府が検討します、これから考えますと、まさに丸投げ法案以外の何物でもなく、不十分な審議時間ばかりではなく、立法府の責任を果たしたとは言えない状況であります。さらに、発議者の中には、真摯に議論に向き合っているのか疑問を持たざるを得ない態度の人もいました。
 日本で初めて民営賭博を認めようというのであれば、刑法において賭博を違法としていることとの整合性が当然問われることになります。しかしながら、刑法百八十五条の賭博罪は、偶然の勝負、勝ち負けに関し財物の得喪を争うことにより成立するものであり、IRという特定複合観光施設の中にあれば賭博罪に当たらない、なぜなら、IR施設が八つの要件を満たしているからだというのは、誠にもっておかしな話であります。
 そして、ギャンブル依存症の問題であります。
 参考人として発言をされた新里宏二弁護士は、多重債務問題に取り組まれた経験から、ギャンブルで借金をつくり、仕事を失い、家族を失い、果ては自分の命までも失うという、そういう人の悲劇を前提とした経済政策など、基本的人権が保障され、幸福追求する権利を認められている我が日本の憲法の下では背理であるとまでおっしゃいました。
 カジノにはギャンブル依存症のリスクが付きまといます。日本のギャンブル障害の有病率は、厚労省助成の研究班による二〇一三年調査で、男性八・七%、女性一・八%、全体四・八%となっております。国内の有病者は五百三十六万人と推計されています。この有病率は、欧米が一%未満、アジアでも一、二%にとどまっているのに、日本のギャンブル障害有病率がこんなにも異常に高いのは日本のギャンブル促進政策が関与していると、ギャンブル依存症問題研究会の代表である精神科の帚木医師は指摘されています。また、日本ではほとんど行われていない青少年への予防教育の必要性も指摘されています。
 私も予防教育は大切だと考えます。しかし、一方でカジノを解禁して、さあ、これまで予防教育をしていなかったので力を入れてやりましょうということを言って、青少年にどれだけ説得力を持つでしょうか。
 また、最近、カジノのディーラー学校がはやっているとの報道もありました。ギャンブルに付随する影の部分や危険性を教育しながら、一方で新しい雇用としてディーラーの道があるよというのも矛盾を感じるところであります。参考人の一人は、カジノがもたらす否定的側面は、学説もなく議論も成熟していないとされています。
 現に、松野博一文部科学大臣は、定例記者会見で、IR法案が衆議院で通過しようとしている十二月六日、カジノができた場合に青少年に対する影響をどう考えるのかと記者に聞かれて、青少年に対する影響の分析を詳細に行っているわけではありませんと堂々とお答えになっております。実施法の策定をこれから委ねられるはずの大臣にその御準備がないとしか言いようがありません。これからの日本の社会を担う青少年への影響は何も考えられていないという、それでカジノを解禁するなど断じて許すことができません。
 また、ギャンブル依存症は必ず家族を巻き添えにします。政府が、一億総活躍として、その少子化対策に、今、自治体や企業に予算を付けて婚活、いわゆる結婚支援事業をさせようとしています。とんでもないことであります。これは、セクハラ、パワハラ、プライバシーや人権侵害のおそれがありますが、そうまでして女性たちに結婚して子供を産ませ、増やそうとしている子供たちが、家族にギャンブル依存症の人がいれば様々な困難を抱えて成長していくことは枚挙にいとまがありません。
 これまでほとんど語られてこられませんでしたけれども、こういうカジノ施設ができ、性産業が拡大する懸念があります。かつて、日本の温泉地などは大抵歓楽街がありました。しかし、歓楽街のない、一人でも又は友人や家族と一緒に安心して楽しめるような日本の温泉街をつくり出そうと日本各地で様々な工夫と努力を重ね、今や世界中から観光客が訪れるようになった温泉地、観光地もあります。そのようなところにもしカジノを伴ったIR施設を造ることになれば、どうなるでしょうか。
#51
○議長(伊達忠一君) 時間が超過しております。簡単に願います。
#52
○神本美恵子君(続) 大事なところです。
 マカオでもシンガポールでも、カジノをバックに性産業が発展しています。マカオ行きの切符を販売する旅行会社の前には風俗系のポスターが壁いっぱいに貼られ、若い女性のセミヌード写真に書かれているのは、フェリー往復切符、ホテル、食事、女性込みのパックツアー料金だそうです。
#53
○議長(伊達忠一君) 神本君、簡単に願います。
#54
○神本美恵子君(続) 売買春だけではなく、性暴力を起こさせないためのコストを掛けてまでカジノをつくる意味があるのでしょうか。
 最後に、カジノ解禁とは、日本社会がモラルある経済への道を捨てて、金もうけを何よりも優先する社会へと歩を進め、変貌していくことにほかならないと考えます。
#55
○議長(伊達忠一君) 時間が超過しております。
#56
○神本美恵子君(続) 良識ある、そして未来への責任を果たすべく努力されている全ての参議院議員の皆さん、ここで一旦立ち止まりましょうよ。
 本法案は廃案とし、人々が、家族がギャンブル依存症におびえることなく安心して暮らしていくために、ギャンブル依存症対策をこそ議論すべきであることを申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
#57
○議長(伊達忠一君) 上月良祐君。
   〔上月良祐君登壇、拍手〕
#58
○上月良祐君 自由民主党の上月良祐です。
 自由民主党を代表して、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案、いわゆるIR推進法案に賛成の立場から討論いたします。
 本法案は、本会議での趣旨説明、質疑から始まり、参考人質疑を含め十六時間にわたる委員会審議時間を確保し、再考の府である参議院の内閣委員会らしい議論を行うことができました。難波委員長を始め与野党理事、委員各位の御尽力に、委員会の筆頭理事として心より御礼を申し上げたいと存じます。
 以下、本法案に賛成する主な理由を申し述べます。
 賛成する第一の理由は、IRを整備することによって、国際競争力のある魅力ある観光地の形成が期待でき、インバウンドの活性化を図ることができる点です。
 観光振興は、安倍総理の掲げるGDP六百兆円実現に向けた成長戦略の大きな柱の一つです。特に、地方と地方経済の活性化のためには、一次産業と観光の振興を図ることが不可欠です。政府は、日本再興戦略二〇一六において、二〇三〇年までに訪日外国人観光客六千万人を目標としておりますが、その実現のための重要なツールの一つとしてIRを大いに活用すべきと考えております。
 我が国の豊富で多様な観光資源とIRを結び付けることにより、IRだけでなく、各地域にまで及ぶ観光振興につながります。IRを点としてではなく面の中に位置付けることによって、我が国らしいIRの活用が可能となり、その恩恵を広範な地域にもたらすことができるのです。観光産業を我が国の基幹産業へと成長させ、観光立国日本を実現するためにも、IRを活用しない手はありません。
 賛成する第二の理由は、IRは、カジノという収益のエンジンとなり得る施設によって、国際会議場を始め様々な機能を集約化した複合施設としての採算性を担保し、それにより民間の大規模な投資を呼び込めるという点です。
 さらに、IRでの大きな消費が観光振興や地域経済活性化に貢献します。もちろん、税収が増えれば国、地方公共団体の財政にも寄与しますし、納付金や入場料は、社会福祉、文化芸術の振興、ギャンブル依存症対策等にも充てられることが想定され、厳しい財政状況の中で貴重な財源を得ることにもなるのです。
 地域社会ににぎわいを創出し、大きな雇用や経済効果をもたらす。これを民間主体の力で実行するという、税を使わない地域振興あるいは地域再開発の新たな手法でもあるのです。
 賛成の第三の理由は、IRの活用がオリパラ後の観光の再活性化につながる点です。
 昨年、我が国を訪れた外国人旅行者数は約二千万人に上り、旅行消費額は三兆五千億円弱に達しました。訪日外国人旅行者数と旅行消費額は共に一昨年を大きく上回っており、毎年記録を更新し続けています。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、インバウンドの更なる増加が見込まれますが、一方で、オリパラ後の反動が懸念されます。オリパラ後を見据えた対策を周到かつ積極的に練らねばなりません。
 我々は、切れ目のない対策の一環として、IRを活用していくことは極めて有効であると考えており、第一で述べたような方法により、我が国観光の更なる活性化につなげていくことが求められています。
 IRは、以上述べたメリットが期待される一方で、ギャンブル依存症やマネーロンダリングなど、カジノに関する根強い懸念が国民の間にあることも事実です。
 私たちは、審議を通じ、これらを真摯に受け止め、他のギャンブル、遊技等に起因するものも含め、ギャンブル依存症に総合的に対処するための仕組み、体制の構築、徹底したマネーロンダリング対策やジャンケットの慎重な取扱いなど、多数の要望事項を附帯決議に盛り込みました。
 本法案はいわゆるプログラム法案であり、改めて申し上げますが、この法案によりカジノが解禁になるわけではありません。今後、政府が実施法を策定する際に、この附帯決議は極めて重いものとなります。
 加えて、参議院での審議内容を踏まえて法案の修正がなされたことは重要な意味を持っています。ギャンブル依存症対策の必要性をより明確にし、五年以内の見直し条項を加えたことで、より国民に受け入れられるIR整備が進められるようになります。
 政府におかれましては、こうした参議院審議の重みを十二分に受け止めていただき、実施法策定に際し、国民の懸念を解消するよう誠実に的確に最大限努力していただくことを強く要望いたしまして、私の賛成討論といたします。
 御清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
#59
○議長(伊達忠一君) 大門実紀史君。
   〔大門実紀史君登壇、拍手〕
#60
○大門実紀史君 私は、日本共産党を代表して、カジノ・賭博場解禁法案について、断固反対の討論を行います。
 昨夜の内閣委員会において、これまで理事会でも会派間でも全く触れてこなかった修正案なるものが突如持ち出され、質疑さえせず、採決が押し切られました。まず、このことに厳重に抗議をいたします。
 大体、その中身も修正案と呼べるような代物ではありません。法文に「ギャンブル依存症等の」という言葉を付け足しただけで、何が進むというんでしょうか。施行後五年以内を目途として必要な見直しを行うと言いますが、これからの実施時期を考えると、少なくとも三年間は賭博が放置されることになる。三年も賭博を放置したら、ギャンブル依存症が取り返しの付かないほど増えてしまいます。ギャンブル依存症に対する認識が余りにも浅い。本気で依存症問題を考えるなら、本法案そのものを廃案にするしかないんです。
 明治四十二年、公営賭博法案である競馬法が初めて我が国の議会に提出されました。衆議院では圧倒的多数で通過しましたが、社会的悪影響を懸念した貴族院では見事否決をされました。今や貴族院の面影はありませんが、参議院が本当に良識の府と呼ばれたいのであれば、数々の懸念が示され、国民多数も反対している本法案をきっぱり廃案にすべきであります。
 このカジノ解禁法案に反対する最大の理由は、この法案が、刑法で禁じられた犯罪行為である賭博を日本の歴史上初めて民営賭博という形で合法化しようというものだからであります。なぜ賭博が刑法で禁じられてきたのか。法務省の説明によれば、その理由は、賭博は人々を依存症に陥れ、仕事を怠けさせ、賭けるお金欲しさに窃盗、横領などの犯罪まで誘発して公序良俗を害するから、また、賭博が横行すればまともな経済活動も阻害されるからとしております。
 賭博は、歴史的に多くの事件やたくさんの人々の不幸を招いてまいりました。それは、対策を取れば防げるというような類いの問題ではなく、行為そのものを禁じるしかない、そういう立法事実があったからこそ禁止されてきたのであります。解禁してから対策を取ればいいというような軽い問題ではないということを発議者も安倍内閣もきちんと認識すべきであります。
 実際、賭博を解禁しておいてギャンブル依存症を増やさない方法など、どこにもありません。カジノを解禁している世界のどの国を見ても、あるのは依存症になった後の事後処置だけ、カウンセリングや病院での治療だけです。
 委員会の審議で発議者は、依存症対策としてシンガポールが行っている自己排除制度を挙げました。自己排除制度というのは、本人が私をカジノに入れないでくれ、家族がうちのお父さんをカジノに入れないでください、そういう申告を基に入れないようにしてもらう制度でありますけれども、そんな制度を使わなければならないこと自体、既に本人が相当重症の依存症になっている証拠であります。カジノを解禁しておいて依存症を増やさない対策など、どこにもありません。依存症を増やさない唯一の方法は、カジノ、賭博そのものを解禁しないことであります。
 今回の法案の核心である民営賭博の解禁が、刑法に照らして本当に許されるものなのか。従来、法務省は厳しい要件を示し、公的主体のものに限り、競馬法や競輪法など特別法を定めて賭博を認めてまいりました。民間主体の賭博を認めた例はありませんでした。本法案のように、完全民営の賭博を認めることは、今までの法務省の刑法解釈からすれば不可能であります。にもかかわらず、万が一それを認めるということになれば、憲法の解釈を勝手に変えて安保法制、戦争法を強行したと同じように、刑法そのものの趣旨を踏みにじる暴挙となることを厳しく指摘しておきます。
 発議者は一貫して、カジノが経済成長の起爆剤とか目玉だと言ってきました。しかし、賭博は新たな付加価値を生むものではありません。人のお金を巻き上げるだけの所業であり、経済対策に挙げるような話ではそもそもありません。雇用が増えると言いますが、増えた雇用の何倍もの人生が台なしにされることを忘れてはなりません。
 そもそも賭博が禁じられてきた理由の一つは、さきに述べたように、賭博が勤労の美風を損ない、経済活動を阻害することにあります。その立法事実は、江戸時代末期に遡ります。天保改革町触史料などによれば、江戸後期から末期にかけて、世相は乱れ、町のつじつじで昼間からばくちが行われ、博徒がはびこっていた。明治維新になって、新しい日本の建設、経済発展のためには、まず賭博撲滅、風俗矯正だということになり、明治天皇の下で定められた刑法において厳しく賭博を禁止することになったのです。
 こういう最初の立法時の趣旨を知った上で自民党の皆さんはカジノが経済の目玉などとのんきなことを言っているんでしょうか。明治天皇も雲の上で怒っておられます。共産党頑張れと言っているんではないでしょうか。
 大体、IRの目的は本当に観光立国なんでしょうか。カジノ推進のシンクタンクである大阪商業大学の谷岡一郎学長は、カジノによって高齢者のたんす預金など世の中に出にくいお金が回り始めることが期待される、カジノはギャンブラーだけを相手にしていては経営が安定しない、一定の所得と貯蓄を持つ中間層がいる日本の大都市圏が魅力ある市場、マーケットだ、そう言い放ちました。つまり、ターゲットは外国人観光客ではなく、お年寄りを含む日本人の貯蓄、金融資産だということであります。
 この間、ラスベガスやマカオなどの海外資本が日本のカジノへの投資意欲を示しておりますけれども、彼らもまた、日本の個人金融資産は魅力的な対象であると公言をしております。
 このIR、カジノ解禁法案の本質は、観光立国でも成長戦略でもありません。日本人の貯蓄を特に海外のカジノ資本に差し出すことにほかなりません。TPP同様、売国的な法案だということを厳しく指摘して、反対討論といたします。(拍手)
#61
○議長(伊達忠一君) 清水貴之君。
   〔清水貴之君登壇、拍手〕
#62
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 私は、ただいま議題となりました特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案について、賛成の立場から討論をいたします。
 この法案が対象とする統合型リゾート、いわゆるIRは、会議場、ホテル、アミューズメントパーク、そしてカジノなどが一体となった複合型の観光集客施設です。多くの先進国に存在するこうした施設が日本にはありません。そうなると、日本に仕事や観光で訪れる外国人にとって、日本はほかの国と比べて何か物足りない国ということになりかねません。
 カジノに限らず、日本には数千人を一堂に集めて国際的な会議を開催する施設も少なく、中国、シンガポール等に後れを取っています。東京ビッグサイトの展示場面積は八万平米ですが、展示場面積が十五万平米を超える施設が欧米や中国には二十以上あります。
 少子高齢化と人口減少が続く中で、我が国が文化的、社会的に成熟した先進国として魅力を高め、世界中から喜んで外国人が訪れるようにすることは、成長戦略の重要な要であります。IRは、その起爆剤として期待をされています。
 アジアでの観光ブームで観光客の誘致に関する国際競争は激化しています。最近の各国間の競争は、都市の魅力を競い合う都市間競争となっています。シンガポールのIRなどは新たな魅力創出に成功しました。我が国も、各都市の持ち味を生かして新たな魅力をつくり出す必要があります。そのために、民間事業者が知恵もお金も出そうというときに国がなすべきことは、しかるべきルールをしっかり整備しつつ、そうした民間の力を生かしていくことです。
 本法案について、今国会での議論が拙速ではないかとの懸念も聞かれました。しかし、IRに関する議論はもう何年も続いてきました。
 超党派のIR議連が結成されたのは二〇一〇年四月であり、同年五月には、国土交通省成長戦略会議の報告書に、新しい観光アイテムとしてIRを検討することが示されました。二〇一一年一月には、行政刷新会議において、民間事業者によるカジノ運営について、関係府省の連携の下、できるだけ早く具体的な検討を開始する必要があるとされました。そして、翌二〇一二年八月、IR議連が法案を発表しました。これらの動きは全て民主党政権のときのことです。ちなみに、日本維新の会の設立は二〇一二年九月であり、当時はまだ存在もしていませんでした。
 民主党政権が、行政刷新会議において、カジノ運営についてできるだけ早く具体的に検討すべきと言ってから既に五年、法案が生まれてから四年がたちました。この法案もIR整備の実施を具体的に定めるものではなく、IR整備推進のための国の責務を定めるものであり、実施法の整備はこれからです。最初の一歩を十分慎重に踏み出したと言えるのではないでしょうか。
 私が言うまでもなく、その辺りは民進党の皆さんにも御理解をいただけているようでして、昨日の内閣委員会では、法案には反対の立場でいらっしゃるにもかかわらず、法案の修正と採決に同意をしていただき、先ほど委員長から報告のあったとおり、賛成多数で可決をされました。ありがとうございました。
 さて、本法案が成立し、IR施設ができたからといって、外国人観光客が大勢押し寄せ、税収は増え、地元は潤いというようなバラ色の未来が必ずしも約束されているわけではないことは私も十分承知をしています。様々な懸案事項に対して、社会的観点からの反対意見も出されてきました。
 本法案では、民間企業がカジノを運営することを想定しています。実施法においては、公的機関ではなく民間企業が実施するカジノ等について、刑法上の賭博罪に当たらないと規定することも必要となります。これは、我が国の刑法上は初めてのことであり、懸念する声が上がることは理解できます。
 一方、法律の建前を離れて、我が国のいわゆるギャンブル産業について、現状はどうでしょうか。ギャンブルは本当に公営の形でのみ行われているでしょうか。パチンコやスロットは民間企業が運営をしていますが、これらは、法律上は賭博ではない、ギャンブルではないということになっています。理由は、射幸性の程度等からいって賭博には該当しないとされているからです。しかし、この理由付けに納得する国民の皆さん、どれだけいるでしょうか。パチンコなどが原因の社会的悲劇を報じるニュースに多くの国民の皆さんは胸を痛めています。
 本法案が想定する実施法では、あくまで特定複合観光施設区域でのカジノについてのみですが、厳格なルール化を行うことが想定されています。民間企業のカジノについて想定される規制は相当厳しいもので、事業主体の要件、営業規制、入場規制、依存症対策、自治体の関与、税制・会計規則、納付金徴収等々に至っています。
 こうした厳しい規制が民間企業の運営するカジノについて整備されれば、それらの制度は、同じく民間企業が運営するパチンコ等の法的規制についても、いずれは参考とされていくでしょう。このことが、我が国のいわゆるギャンブル全体の規制の整備につながれば、我が国の社会環境はむしろ改善される可能性があります。本法案成立をそのための契機とするべきであります。
 本法案の詳細な附帯決議や参議院で新たに加わった修正に、様々な懸念への対策が盛り込まれました。ギャンブル依存症対策につき、カジノにとどまらず、ほかのギャンブルが原因となる依存症についても包括的な取組を構築、強化すべきこととされています。
 この点についても、本法案の成立を、我が国の社会を良くするためのきっかけとしていくべきです。既に国会でも繰り返し指摘されたことですが、我が国は、国際比較でいってもギャンブル依存症が多い国とされています。一つの原因は、パチンコ等のいわゆるギャンブルを提供する店舗が町中にあって、青少年でも誰でも立ち寄れるほどに規制が緩いからではないでしょうか。いわゆるギャンブルを含めた依存症対策全体の予算も貧弱ですし、専門的な医療機関もほとんどありません。既に依存症に苦しむ人や家族のための立法と予算措置を早急に行うべきです。
 また、暴力団を始めとする内外のあらゆる犯罪組織、反社会勢力のカジノへの関与を断固排除すべきです。マネーロンダリング等にも絶対に使われないよう、極めて厳しい規制が必要です。この点も附帯決議で、世界最高水準の厳格なカジノ営業規制と執行体制の構築をすべきとされています。国民を守り、国民の懸念を払拭するため、こうした対策につき、実施法で早急に具体化すべきです。
 なお、我が党は、今国会で百一本の法案を作成し、参議院に提出しました。その中には、生活保護を受けている人がパチンコや競馬などへの支出を禁止する法案も含まれています。新たに検討されているカジノだけでなく、我が国のいわゆるギャンブル全体について一層厳格な規制が必要です。本法案とその実施法をそのための大きなきっかけとしなければなりません。
 我が党は、今後もIRの整備を進めるとともに、国民の皆さんの十分な理解も得られるように努力していくこと、そして、今後もギャンブル全体に対して適切なルールを作っていくことをお約束して、本法案への賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#63
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#64
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 足立信也君外四十九名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。
 現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。
 よって、表決は記名投票をもって行います。
 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#65
○議長(伊達忠一君) 投票漏れはございませんか。──速やかに投票願います。──速やかに投票願います。──速やかに投票願います。──このままでは投票時間を制限せざるを得ないことになります。速やかに投票してください。──ただいま行われております投票につきましては、自後一分間に制限いたします。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたします。速やかに投票をお願いをいたします。──間もなく制限時間となります。直ちに投票してください。
 投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#66
○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#67
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十票  
  白色票           百六十票  
  青色票            八十票  
 よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#68
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 本日厚生労働委員長から報告書が提出されました筋痛性脳脊髄炎の診療体制確立と治験の研究促進に関する請願外二十七件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
    ─────────────

    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#70
○議長(伊達忠一君) これらの請願は、委員長の報告を省略して、委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、これらの請願は委員会決定のとおり採択することに決しました。
     ─────・─────
#72
○議長(伊達忠一君) この際、委員会及び調査会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
    ─────────────

    ─────────────
#73
○議長(伊達忠一君) 本件は各委員長及び各調査会長要求のとおり決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、本件は各委員長及び各調査会長要求のとおり決しました。
     ─────・─────
#75
○議長(伊達忠一君) この際、お諮りいたします。
 中村剛君から事務総長を辞任いたしたいとの申出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
   〔中村剛君事務総長席を退く〕
   〔拍手〕
     ─────・─────
#77
○議長(伊達忠一君) この際、事務総長の選挙を行います。
 つきましては、事務総長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、事務総長に郷原悟君を指名いたします。
   〔郷原悟君事務総長席に着く〕
   〔拍手〕
     ─────・─────
#79
○議長(伊達忠一君) 議事を終了するに当たり、一言御挨拶申し上げます。
 この夏の通常選挙から、初の本格的な論戦の舞台となりました今国会では、国民生活に深く関わる諸問題について、参議院らしい真摯な議論が行われましたことを心から敬意を表する次第であります。
 内外の時局ますます多端な折、皆さんにおかれましては、御自愛の上、一層御活躍くださいますことをお祈り申し上げ、御挨拶といたします。(拍手)
 これにて休憩いたします。
   午後七時一分休憩
   〔休憩後開議に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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