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2016/11/21 第192回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第192回国会 決算行政監視委員会第二分科会 第1号
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2016/11/21 第192回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第192回国会 決算行政監視委員会第二分科会 第1号

#1
第192回国会 決算行政監視委員会第二分科会 第1号
本分科会は平成二十八年十一月十七日(木曜日)委員会において、設置することに決した。
十一月十八日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      神田 憲次君    木村 太郎君
      河野 太郎君    新谷 正義君
      村上誠一郎君    山際大志郎君
      石関 貴史君    西村智奈美君
      石田 祝稔君    中村喜四郎君
十一月十八日
 石関貴史君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成二十八年十一月二十一日(月曜日)
    午後一時開議
 出席分科員
   主査 石関 貴史君
      神田 憲次君    木村 太郎君
      新谷 正義君    村上誠一郎君
      山際大志郎君    武正 公一君
      長妻  昭君    濱村  進君
      中村喜四郎君
   兼務 大平 喜信君 兼務 吉田 豊史君
    …………………………………
   財務大臣         麻生 太郎君
   総務大臣         高市 早苗君
   文部科学大臣       松野 博一君
   防衛大臣         稲田 朋美君
   財務副大臣        大塚  拓君
   外務大臣政務官      武井 俊輔君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       山下 修弘君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       吉田 裕治君
   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       堀川 義一君
   会計検査院事務総局第四局長            寺沢  剛君
   会計検査院事務総局第五局長            斎藤信一郎君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  林崎  理君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          有松 育子君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原  誠君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            小松 弥生君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            田中 正朗君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 岡  真臣君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局長)  深山 延暁君
   政府参考人
   (株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁)    細川 興一君
   政府参考人
   (株式会社国際協力銀行代表取締役副総裁)     前田 匡史君
   総務委員会専門員     佐々木勝実君
   財務金融委員会専門員   駒田 秀樹君
   文部科学委員会専門員   行平 克也君
   安全保障委員会専門員   林山 泰彦君
   決算行政監視委員会専門員 塚原 誠一君
    ―――――――――――――
分科員の異動
十一月二十一日
 辞任         補欠選任
  西村智奈美君     武正 公一君
  石田 祝稔君     中川 康洋君
同日
 辞任         補欠選任
  武正 公一君     長妻  昭君
  中川 康洋君     角田 秀穂君
同日
 辞任         補欠選任
  長妻  昭君     西村智奈美君
  角田 秀穂君     濱村  進君
同日
 辞任         補欠選任
  濱村  進君     吉田 宣弘君
同日
 辞任         補欠選任
  吉田 宣弘君     石田 祝稔君
同日
 第一分科員大平喜信君及び第三分科員吉田豊史君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成二十四年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十四年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十四年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十四年度政府関係機関決算書
 平成二十四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成二十五年度一般会計歳入歳出決算
 平成二十五年度特別会計歳入歳出決算
 平成二十五年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成二十五年度政府関係機関決算書
 平成二十五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成二十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (総務省、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫、株式会社国際協力銀行、文部科学省及び防衛省所管)
     ――――◇―――――
#2
○石関主査 これより決算行政監視委員会第二分科会を開会いたします。
 私が本分科会の主査を務めることになりました石関貴史でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本分科会は、総務省所管、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫、株式会社国際協力銀行、文部科学省所管及び防衛省所管について審査を行います。
 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。
 平成二十四年度決算外二件及び平成二十五年度決算外二件中、総務省所管、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫、株式会社国際協力銀行、文部科学省所管及び防衛省所管について審査を行います。
 これより財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
#3
○麻生国務大臣 平成二十四年度及び平成二十五年度財務省所管の決算について、その概要を御説明申し上げます。
 最初に、平成二十四年度財務省所管の決算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げさせていただきます。
 財務省主管の一般会計歳入決算につきましては、収納済み歳入額は百六兆二千三百五十八億円余であります。これを歳入予算額と比較いたしますと、六兆九千二百四十一億円余の増加となっております。
 収納済みの歳入額のうち、租税額は四十三兆九千三百十四億円余となっております。
 財務省所管の一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額二十四兆四千百七十二億円余に対し、支出済み歳出額は二十三兆六千九十五億円余、翌年度繰越額は三十五億円余であります。不用額は八千四十一億円余となっております。
 支出済み歳出額のうち、国債費は二十兆二百十一億円余となっております。
 次に、特別会計歳入歳出決算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきまして、収納済み歳入額は二百十四兆六千八十四億円余、支出済み歳出額は百九十二兆一千五百九十二億円余であります。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出決算につきましては、決算書によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、平成二十四年度財務省所管の決算の概要であります。
 続きまして、平成二十五年度財務省所管の決算について御説明申し上げさせていただきます。
 まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。
 財務省主管の一般会計歳入決算につきましては、収納済み歳入額は百四兆二千四百四十億円余であります。これを歳入予算額と比較いたしますと、七兆四千四百二十七億円余の増加となっております。
 収納済み歳入額のうち、租税等は四十六兆九千五百二十九億円余となっております。
 財務省所管の一般会計歳出決算につきましては、歳出予算現額二十五兆五千百二十六億円余に対し、支出済み歳出額は二十四兆六千八百三十億円余、翌年度繰越額は四十三億円余であります。不用額は八千二百五十二億円余となっております。
 支出済み歳出額のうち、国債費は二十兆四千四百八十八億円余となっております。
 次に、特別会計歳入歳出決算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきまして、収納済み歳入額は二百二十五兆九十九億円余、支出済み歳出額は百九十八兆六千二百二十九億円余であります。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出決算につきましては、決算書等によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、平成二十五年度財務省所管の決算の概要であります。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#4
○石関主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院山下審議官。
#5
○山下会計検査院当局者 平成二十四年度財務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一件、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項二件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 これは、租税の徴収に当たり、徴収額に不足があったものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 これは、債務に関する計算書に計上される国庫債務負担行為に係る債務額に関するものであります。
 検査いたしましたところ、債務に関する計算書における国庫債務負担行為に係る年度末の債務額について、官庁会計システムへの必要な情報の入力漏れなどにより、同計算書において誤謬が発生していた事態及びそれを防ぐための取り組みが十分に行われていなかった事態が見受けられました。
 したがいまして、財務省において、債務に関する計算書の計数の正確性が確保されるよう、各府省の本府省において、その所管する各官署に係る債務額の一覧表を一括して出力できるようにするとともに、支出負担行為担当官が分任官の一覧表も出力できるような方策について検討し、その結果等に基づき、債務の計数の確認体制を充実させるなどするよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、普通財産の貸付料債権に係る長期の収納未済事案について、進行管理体制の構築を図るなどすることにより、収納未済事案の解消に向けた取り組みが適切に行われるよう改善させたものであります。
 その二は、日本酒造組合中央会における単式蒸留焼酎製造業に対する近代化等支援事業について、製造業者からの助成金の受給申請に対する審査を十分に行うなど事業執行体制を整備するよう同中央会に対して指導したり、設置された蒸留廃液処理設備の稼働状況等を確認する体制を整備したりすることなどにより、事業効果が十分に発現するよう改善させたものであります。
 なお、以上のほか、平成二十二年度決算検査報告に掲記いたしました社会保険診療報酬の所得計算の特例に係る租税特別措置について意見を表示した事項、平成二十三年度決算検査報告に掲記いたしました輸入事後調査によって非違が判明した場合における修正申告等または更正等による税額の確定について処置を要求した事項並びに租税特別措置の適用状況等、歳出予算における繰り越し、沖縄振興開発金融公庫による省エネルギーの促進に係る貸し付け及び株式会社日本政策金融公庫による省エネルギーの促進に係る貸し付けについて、それらの意見を表示した事項並びに販売用貨幣の販売価格について改善の処置を要求し、及び意見を表示した事項につきまして、それらの結果を掲記いたしました。
 続きまして、平成二十五年度財務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二件、意見を表示しまたは処置を要求した事項三件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号二〇号は、租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったものであります。同二一号は、国有港湾施設有償貸付契約において、貸付料の算定を誤ったため、契約額が低額となっていたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、特定調達に係るガスの契約事務の実施に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、株式会社日本政策金融公庫が中小企業事業で行う証券化支援業務の実施に関して意見を表示いたしたもの、その三は、国有財産台帳等における報告漏れ及び誤謬訂正に関して意見を表示いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、消費税の申告審理等に関するもの、その二は、国有資産等所在市町村交付金の対象となる貸付財産に関するもの、その三は、廃止決定された合同宿舎の退去期限日の設定に関するものであり、これら三件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#6
○石関主査 次に、会計検査院斎藤第五局長。
#7
○斎藤会計検査院当局者 平成二十四年度株式会社日本政策金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。
 これは、移転登記業務に係る委託契約の契約方式に関するものであります。
 検査いたしましたところ、移転登記業務に係る委託契約について、抵当権の抹消登記等を行うために債務者が任意に選定した司法書士と同一の司法書士を相手方として個々に随意契約により締結している事態が見受けられました。
 したがいまして、同公庫において、移転登記業務に係る委託契約について、公正性、透明性及び競争性を確保するよう、原則として、契約の対象をまとめて一般競争契約とするよう是正改善の処置を要求いたしたものでございます。
 なお、本件につきましては、同公庫において、本院指摘の趣旨に沿い、二十五年度から、移転登記業務に係る委託契約をまとめて一般競争契約により締結する処置をとっております。
 続きまして、平成二十五年度株式会社日本政策金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件であります。
 これは、東日本大震災復興特別貸し付けにおける低利貸し付けの実施に関するものであります。
 検査いたしましたところ、株式会社日本政策金融公庫において、借り受け者が低利適用限度額を超えて貸し付けを受けていないかについて、実効性のある確認を行うような仕組みとなっていないなどしていて、低利適用限度額を超えて低利貸し付けが行われている事態が見受けられました。
 したがいまして、同公庫において、低利適用限度額を超えて低利貸し付けが行われている貸し付けについて、差額利息のうち、まだ徴求していないものを徴求するよう適宜の処置を要求するとともに、同公庫と他の融資機関との間で、低利貸し付けの貸付金元高の合計金額を把握するための協力体制がとられるよう、他の融資機関との間で協定等を締結し、内規において、この協定等に基づくなどして、他の融資機関や同公庫の他の事業から貸付金元高に係る証憑の提供を受けるなどの低利適用限度額の確認を行い、その内容を記録するなどのための具体的な方法を財務省及び中小企業庁と協議した上で定めて、各支店に周知するよう是正改善の処置を要求いたしたものであります。
 続きまして、平成二十四年度株式会社国際協力銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
 続きまして、平成二十五年度株式会社国際協力銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
#8
○石関主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。麻生財務大臣。
#9
○麻生国務大臣 平成二十四年度及び平成二十五年度に関し、ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、財務省のとった措置について御説明をさせていただきます。
 会計検査院の検査の結果、不当事項として、税務署における租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったこと等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。これらにつきましては、徴収決定等適切な措置を講ずる等の対応をいたしておりますが、今後一層事務等の改善に努めたく存じます。
#10
○石関主査 次に、細川株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁。
#11
○細川政府参考人 ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、御説明申し上げます。
 平成二十四年度の移転登記業務に係る委託契約及び平成二十五年度の東日本大震災復興特別貸し付けにおける低利貸し付けにつきまして、処置要求事項として御指摘を受けましたことは、遺憾であります。
 それぞれにつき、既に改善のための措置を講じておりますが、今後とも適正な運用に努めてまいる所存であります。
#12
○石関主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○石関主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#14
○石関主査 以上をもちまして財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#15
○石関主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。神田憲次君。
#16
○神田分科員 自由民主党の神田憲次でございます。
 本日は、質疑時間を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。主査の石関先生初め我が党の山際先生、そして理事の先生方に心から感謝申し上げます。
 さて、本日は、災害関連の税制について伺いたいと考えております。
 よく我が国は災害大国であると申しますが、実際この二十年間を振り返ってみますと、阪神・淡路の大震災、それから新潟中越地震、東日本大震災、そして今回の熊本の地震といった大規模災害のほか、水害でしたら昨年の利根川流域の洪水や本年の北海道大規模水害、それから台風、地すべり等、たくさんの被害が発生しておるわけでございます。
 災害は忘れたころにやってくるとよく申しますが、我が国に限って言えば、忘れる前にやってきているというのが実情でございまして、忘れることもできませんし、忘れさせてももらえないといったものではないでしょうか。国民の多くの方々も、心のどこかに地震や大規模災害への恐れを日々抱いてお暮らしになっているのではないかと思います。
 私みずからは愛知県出身の議員ですが、愛知県では何といっても、もう五十年間にわたって南海トラフ地震が叫ばれ、毎年、来るぞ来るぞと言われて地元自治体は防災訓練に励んでおる、こういうのが実情でございます。事前の防災活動ですが、恐ろしい災害が起こってしまったときに国として被災者や被災法人に対してどうすべきなのか、本日は特に税制に焦点を絞って御質問をさせていただきます。災害が発生した際には被災者や被災法人に対する税制上の対応をしっかりと行って生活再建や復旧復興を支えていくことが重要と考えておりますが、こうした観点から質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、現行の災害関連の税制についてですが、どのような体制がとられているのかを質問させていただきたいと存じます。
 現行の税制においては、災害減免法、国税通則法あるいは所得税法、法人税法といった各税法において災害発生時の対応が規定されておるわけでございます。例えば、災害が広範な地域にわたる場合には、災害通達という形で、国税庁長官が地域と期日を指定して、申告や納付の期限を延長できる規定がございます。また、住宅や家財などに損害を受けたときは、雑損控除、これも繰り越しでできるというような形で、ないしは所得税の減免を行う等の規定があります。
 こうした災害関連の税制の中で代表的なものである災害減免法については、いつ、どのような目的で設けられたのかをお伺いしたいと存じます。
#17
○大塚副大臣 神田先生は、税の専門家であるのと同時に、南海トラフのリスクを住民の方々が大変気にされている地域からの代表として国会に来られているという観点で、税の観点からそうしたリスクに備えようということで、大変大事な御質問を承っているというふうに考えております。
 御指摘の災害減免法、これは正式名称は災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律という法律でございますけれども、この災害減免法は、昭和二十二年の十二月に、当時全く同じ名前の法律があったわけですが、これを全文改正して創設されたものというふうに承っております。
 これは、震災、風水害、落雷、火災などの被災者の納付すべき国税を軽減、免除すること等を目的としておりまして、具体的には、住宅、家財に大きな被害が生じた場合の所得税の減免、相続財産が被災した場合の相続税の免除、酒税、たばこ税等を課せられたものが災害によって亡失した場合の還付等の措置が規定されているものでございます。
#18
○神田分科員 御答弁、まことにありがとうございました。
 窮民救済は我が国の有史以来のテーマでありまして、古くは日本書紀の聖徳太子伝に推古天皇七年の別府地方地震において調庸を免ず、すなわち税金を取らないことにしたという記述があるほど、古くからの重要な政治テーマでした。
 峻険な山岳を抱え、変化に富む気候を持つ我が国では、災害の種類も、地震、津波、台風、水害、地すべり等、多岐にわたるわけでございます。歴史をひもとけば、災害の種類や実情に応じて時の政権がその都度税の減額や免除を行ってきたことがわかるのですが、現行の税制においては、災害一般に適用される特別な規定がある一方、阪神・淡路大震災や東日本大震災の際には特別な立法を行い、追加的な税制上の対応を手当てしております。
 現在こうした対応を行っている背景、理由についてお伺いできますでしょうか。
#19
○大塚副大臣 阪神・淡路大震災や東日本大震災の際には、通常の災害と異なって、地域経済や生活の拠点が根こそぎ、広範な、甚大な被害を受けたということがございました。その復旧復興に向けて、現行法で規定されている一般的な措置では必ずしも十分な対応ができないのではないかという認識のもとで、被災地や復旧復興を担当する関係省庁の意見を踏まえて、特別立法によって追加的な対応を実施してきたところでございます。
 このように、これまでの災害への税制上の対応の検討に当たっては、災害の種類や規模、被害状況等を踏まえ、その都度、被災地の声も聞きながらきめ細かく対応するという方針で、当局としても臨んできているところでございます。
#20
○神田分科員 ありがとうございます。
 それでは、これから一つ具体例を挙げて、災害税制に関する政府のお考えをお伺いしたいと存じます。
 阪神・淡路大震災及び東日本大震災の際には、住宅ローン減税に関連して幾つかの特例が設けられました。このうち、住宅ローン減税の居住要件の緩和に係る特例について、住宅ローン減税の居住要件そのものの意義及びその特例の意義についてお伺いをしたいと思います。
#21
○大塚副大臣 住宅ローン控除は、そもそも、持ち家の取得の促進等を目的とした制度であるわけでございますけれども、原則、納税者が住宅ローン控除の対象となる住宅に現に居住しているということが適用要件とされているところでございます。
 他方で、阪神・淡路大震災及び東日本大震災においては、広範にわたって地域経済が甚大な被害を受けるとともに、多くの住宅が滅失、損壊し、生活基盤が失われるといった状況の中で、早期の復旧復興、被災者の生活の再建を後押しするために、居住できなくなった場合でも、住宅ローン控除の残存期間について継続して控除を受けられることとしたものでございます。
#22
○神田分科員 ありがとうございます。
 住宅ローンの減税の特例を例に出しましたが、地震にせよ津波にせよ、恐ろしい経験をした後に、住んでいた家までもがなくなって途方に暮れる状況の中で、住宅ローンだけが残って、さらには住宅ローン減税も受けられなくなるというような状況は余りにも酷でございます。その意味においては、阪神・淡路大震災及び東日本大震災の際の対応には絶対に必要なものだと考えております。
 他方、防災の観点や財源の部分を勘案しましても、災害による被害の回復、これを全て国や地方自治体が担うというわけにもいきませんので、自助による災害への備えということを整えていくことも重要な課題であると考えております。
 こうしたことを踏まえまして、今後の災害関連の税制上の対応を検討するに当たっては、災害の性質上、現行の災害減免法のように災害一般に適用すべきものと、それから一定の災害が発生した際に適用すべきものとがあるのではないかと考えておるんですが、御見解はいかがでありましょうか。また、このように災害によって対応を変えることとした場合には、両者を分ける基準があるのか否か、あわせてお伺いしたいと存じます。
#23
○大塚副大臣 御指摘のように、自助という観点ももちろん重要になってくるわけでございますけれども、災害関連の税制上の対応は、公平性や必要性の観点から精査しつつ、まさに自助による災害への備えを税制としていかに補完するかという観点に立って検討を進める必要があるというふうに考えております。
 こうした観点からは、御指摘のように、災害減免法などのように、災害の種類や規模などにかかわらず、災害被害があった場合にすべからく適用すべきものと、一定の災害が生じた場合に適用すべきものがあるのではないかということについて、委員と認識は同じでございまして、他方、特定の基準で災害を差別化するということもなかなか困難が伴うものだろうというふうにも思ってございます。
 今後の災害関連の税制上の対応を検討するに当たっては、そうした中でも、例えば、一定の災害が生じた場合に、被害の規模に応じて国や地方公共団体が被災世帯に支援金を給付する枠組みである被災者生活再建支援法というのがございますけれども、こうした既存の制度との整合性なども勘案しながら検討していくということが必要なのではないかというふうに考えております。
#24
○神田分科員 副大臣、御答弁ありがとうございます。
 次に、少々運用面に踏み込んだお話も伺ってしまうのですが、先ほど申し上げたように、災害発生時の対応は、災害減免法、それから国税通則法及び所得税や法人税などの各法で規定されておるわけです。
 こうした対応の中で、まず、災害減免法において、家財や住宅に大きな被害があった被災者については、所得金額に応じて所得税が減免されるということになっております。他方で、所得税法においては、災害損失を雑損控除として所得から控除して、さらには、引き切れなかった場合の繰越控除ができるものとされておるかと思います。この両者の運用については、被災者みずからが選択適用できるものということになっております。
 このように、選択適用を認めること、これは、ある程度所得を得ている被災者については雑損控除を選択した方がより大きな所得税の減免効果を得られ、結果として災害減免法の規定が余り使われないということが起きるのではないかと思われますし、実務の世界ではそのように勧められていると仄聞しておるんです。
 こうした観点から、恣意的な選択が発生したり、災害減免法の法の趣旨を損ねることも考えられ、それぞれの制度が整合的になるよう一つの法体系の中で規定することも一案ではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。
 災害減免法で所得税の減免の規定を設ける一方で、所得税法で同じ趣旨の雑損控除という異なる規定が設けられた背景、理由について、お伺いをしたいと存じます。
#25
○大塚副大臣 雑損控除というのは、そもそも、委員もよく御存じのとおりだと思いますけれども、災害のみならず、盗難ですとか横領といったやむを得ない事由による損失の発生に伴う税負担能力の減少というのを考慮したものでございますので、損失額を正確に算定した上で所得金額から控除する、こういう仕組みになっているわけでございます。
 一方で、災害減免法というのは、平時ではない状況ということを前提に組んだ制度でございまして、損害額が住宅、家財の二分の一以上である場合にその年の税額について減免を受けることができるという簡便な制度になっております。これは、災害によって正確な損失額を算定することがなかなか難しい、こういう状況になった場合でも被災者の負担を簡便な方法によって軽減することができるようにしようということで設けられている制度でございます。
 このように、税制の原則的な取り扱いの中で災害損失に配慮する雑損控除の仕組みと、こうした対応ができない被災者に配慮した災害減免法の仕組みを設けることによって、その時々で納税者の方が置かれている環境はさまざまでございますので、そうした環境にも対応して、通常は想定し得ないような大きな災害が起きた方、被災者にも対応ができるようにしようということでございますので、両方ともおのおのの目的があって存在している制度ということだろうというふうに思っております。
#26
○神田分科員 副大臣、ありがとうございます。
 話を住宅ローン減税の要件緩和の点に戻します。
 住宅ローン減税の居住要件の緩和のように、阪神・淡路大震災及び東日本大震災の際に手当てをいたしました税制上の対応の中には、災害一般にも適用すべきものもあるのではないかと考えます。
 災害の都度特別立法によってどのような対応を行うのかを検討するということでは、被災された方や被災法人も不安に思われるでしょうし、タイムリーに対応できるのかといった点がどうしても懸念として拭えない部分でございます。
 一つ、阪神大震災の例なんですが、阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律というのが、震災発生から三十四日後の同年二月二十日に施行しておるわけです。
 一方で、東日本大震災の際には、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律が同年四月二十七日に施行しておるわけですが、震災発生から四十七日の期間を要しております。その後、二重ローン解消のために、東日本大震災事業者再生支援機構法案が同年十一月二十一日に成立しておりまして、法案の根幹をなす機構の調整や、さらには各政党間の調整もありますから、震災発生から二百五十五日という長期かかっての成立となっておるわけです。
 被災者の二重ローンの回避につきましては、阪神・淡路大震災の際には救済はありませんでしたので、その時々の状況で追加的な対応を行うのか否かを決めている今の状況では、必ずしも公平な対応とは言えないんじゃないかと思うわけです。
 東京の数寄屋橋の交差点にひっそりとたたずむブロンズ像があるかと存じます。そこには不意の地震に不断の用意と刻まれておりまして、関東大震災十周年の戒めとして市民の募金によって建立されたもので、作者は、長崎原爆の平和祈念像をおつくりになった北村西望さんの作品だそうです。災害ですから常に切れ目なく備えよ、先人の教えはそう伝えているように感じるわけであります。
 また、阪神・淡路大震災では、御自身も被災者でありながら、三千七百有余の遺体の検視をなさって、大規模災害による建物倒壊の世界で初めての人的被害データの論文をお書きになった、監察医の西村明儒先生が以下のようにおっしゃっております。応急対応でたくさんの人が救えると思うのは間違いである、ほとんどの人は何をやっても無理、だから事前の対応しかないのであるというふうにおっしゃっています。
 ことしは、熊本、大分の地震もありました。被災された方や被災法人への対応も検討する必要があるかと存じます。
 災害税制には、先ほど申し上げた、被災された方、被災法人の救済の側面もあると思います。今後の災害への備えとして、より公平的で、かつ予見可能性のある仕組みづくりとして、阪神・淡路大震災や東日本大震災の際の対応を精査して、特別立法によって対応するのではなくて、いわば恒久的な対応とすることを検討すべきものと考えておるわけなんですが、この点についてはぜひとも前向きな御答弁をお願いしたいと存じます。
#27
○麻生国務大臣 これは、神田先生、今まで副大臣との間にいろいろ御議論をいただいたところでありますけれども、災害を受けられた方々に対して、現行の税法上からも、申告などの期限の延長とか、所得税や法人税につきましてはいわゆる発生した損失についての税額が減額できるというような手当てはされております。その上で、阪神・淡路とか今回の熊本、その前の東北等々、災害の規模とか災害の状況などを踏まえて、被災地の声等々、いろいろなものを勘案しながらきめ細かく対応していくとの考え方で、特別な立法というのをこれまで行ってきたんだと思っております。
 他方、今、神田先生の御指摘にありましたように、国民に税制においても万が一の備えがあるのだと安心してもらうということと同時に、災害が生じた場合には適時に対応できるようにするなどの観点から、特別な立法というものが別になくてもきちんと対応できるように、適用できるように、あらゆる現行税制を超える何らかの手当てをしておくことも検討すべきではないかという御意見は前からあるところなので、これはよく認識をいたしております。こうした点につきまして、私ども財務省としても同じ問題を持っているところであります。
 これまで災害ごとに特別な立法で対応してきた税法上の対応につきまして、これは常設化するのがふさわしいのではないかということを言っておられるんだと思いますけれども、ことし、年末の税制改正がありますので、それに向かって検討いたします。
#28
○神田分科員 大臣、大変前向きな御対応、御答弁、ありがとうございました。
 ちょっと早いんですが、本日は、御多忙のところ、麻生大臣、大塚副大臣に足をお運びいただきまして、大変ありがとうございました。
 自民党では本日から税調の平場がスタートいたしますので、先ほど来の御答弁いただいた内容も私なりに十分考えまして、これから税調の場で発言をしてまいりたいと思います。
 本日は、まことにありがとうございました。
#29
○石関主査 これにて神田憲次君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#30
○石関主査 これより文部科学省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。松野文部科学大臣。
#31
○松野国務大臣 平成二十四年度文部科学省所管決算の概要説明をさせていただきます。
 平成二十四年度文部科学省主管の一般会計歳入決算並びに文部科学省所管の一般会計歳出決算及び特別会計歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 まず、文部科学省主管の一般会計の歳入決算につきましては、歳入予算額二百八十一億六千五百九十九万円余に対しまして、収納済み歳入額は三百四十四億九千六十二万円余であり、差し引き六十三億二千四百六十二万円余の増加となっております。
 次に、文部科学省所管の一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算額六兆三千三百六十八億九千四百十四万円余、前年度からの繰越額五千二百四十三億五千五百七十一万円余、予備費使用額八百五十七億九千二百九十八万円余、予算決定後移しかえ増額五十七億二千二百七十万円余を合わせた歳出予算現額六兆九千五百二十七億六千五百五十五万円余に対しまして、支出済み歳出額は五兆九千七百七十三億一千四万円余であり、その差額は九千七百五十四億五千五百五十一万円余となっております。
 このうち、翌年度へ繰り越した額は八千四百五十四億三千九百九十七万円余で、不用額は一千三百億一千五百五十三万円余となっております。
 次に、文部科学省所管のエネルギー対策特別会計電源開発促進勘定の歳入歳出決算につきましては、収納済み歳入額一千三百二十三億二千四百五十九万円余に対しまして、支出済み歳出額は一千二百億七千四十二万円余であり、その差額は百二十二億五千四百十六万円余となっております。
 このうち、翌年度へ繰り越した額は十四億八千四百二十一万円余で、平成二十五年度予算に歳入計上した剰余金は五十一億六千九百二十四万円余であり、これらを除いた純剰余金は五十六億七十万円余となっております。
 次に、文部科学省所管の東日本大震災復興特別会計の歳入決算につきましては、収納済み歳入額三億九千五百三十九万円余となっております。
 次に、文部科学省所管の東日本大震災復興特別会計の歳出決算につきましては、歳出予算額二千七百九十九億五千七十三万円余、予備費使用額五百八十六億八千六百四十九万円余を合わせた歳出予算現額三千三百八十六億三千七百二十二万円余に対しまして、支出済み歳出額は一千三百五十三億三千三百五十二万円余であり、その差額は二千三十三億三百七十万円余となっております。
 このうち、翌年度へ繰り越した額は千九百四十一億七千九百六十五万円余で、不用額は、九十一億二千四百五万円余となっております。
 続きまして、平成二十五年度文部科学省主管の一般会計歳入決算並びに文部科学省所管の一般会計歳出決算及び特別会計歳入歳出決算の概要を御説明申し上げます。
 まず、文部科学省主管の一般会計の歳入決算につきましては、歳入予算額三百十一億三百三十万円余に対しまして、収納済み歳入額は三百三十五億四千八百四十万円余であり、差し引き二十四億四千五百十万円余の増加となっております。
 次に、文部科学省所管の一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算額五兆六千七百二十二億七万円余、前年度からの繰越額八千四百五十四億三千九百九十七万円余、予算決定後移しかえ増額四億三千四百十二万円余を合わせた歳出予算現額六兆五千百八十億七千四百十七万円余に対しまして、支出済み歳出額は六兆二百二十三億八千二百七十九万円余であり、その差額は四千九百五十六億九千百三十八万円余となっております。
 このうち、翌年度へ繰り越した額は四千二百六十八億五千十四万円余で、不用額は六百八十八億四千百二十三万円余となっております。
 次に、文部科学省所管のエネルギー対策特別会計電源開発促進勘定の歳入歳出決算につきましては、収納済み歳入額一千二百十億三千八百十万円余に対しまして、支出済み歳出額は一千百四十四億三千七百三十二万円余であり、その差額は六十六億七十八万円余となっております。
 このうち、平成二十六年度予算に歳入計上した剰余金は五十六億七十万円余であり、これを除いた純剰余金は十億七万円余となっております。
 次に、文部科学省所管の東日本大震災復興特別会計の歳入決算につきましては、収納済み歳入額二十八億六千四百六十七万円余となっております。
 次に、文部科学省所管の東日本大震災復興特別会計の歳出決算につきましては、歳出予算額二千四百八十七億六千五百二十五万円余、前年度からの繰越額千九百四十一億七千九百六十五万円余、予算決定後移しかえ増額十二億五千三百四十七万円余を合わせた歳出予算現額四千四百四十一億九千八百三十八万円余に対しまして、支出済み歳出額は二千七百三十億七千八十二万円余であり、その差額は千七百十一億二千七百五十六万円余となっております。
 このうち、翌年度へ繰り越した額は千二百六十七億八千三百四十四万円余で、不用額は、四百四十三億四千四百十一万円余となっております。
 以上、平成二十四年度及び二十五年度の文部科学省所管の一般会計及び特別会計の決算につきまして、その概要を説明させていただきました。
 何とぞ御審議のほどお願いを申し上げます。
#32
○石関主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院寺沢第四局長。
#33
○寺沢会計検査院当局者 平成二十四年度文部科学省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 まず、不当事項でございますが、科学技術試験研究委託事業に係る委託費の経理が不当と認められるもの、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものなど計二十四件につきまして検査報告に掲記しております。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項でございますが、義務教育費国庫負担金の交付額の算定に関するもの、文化芸術振興費補助金による映画製作支援事業における収入の納付に関するものなど計六件につきまして検査報告に掲記しております。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項でございますが、日本私立学校振興・共済事業団に対する特定健康診査及び特定保健指導に係る補助金の交付額の算定方法に関するものにつきまして検査報告に掲記しております。
 続きまして、平成二十五年度文部科学省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 まず、不当事項でございますが、スポーツ振興委託事業において、事業を契約の締結前に実施させ、契約決裁の日付からさかのぼった日付を契約締結日とした契約書を作成するなど不適正な会計経理を行っていたもの、環境放射能水準調査の委託において、委託業務の実施に要した費用の額から履行遅滞金による収入金に相当する額を控除していなかったため、委託費の支払い額が過大となっていたものなど計三十三件につきまして検査報告に掲記しております。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項でございますが、義務教育費国庫負担金の交付額の算定に関するもの、私立学校施設における耐震補強事業の補助対象経費の取り扱いに関するものなど計四件につきまして検査報告に掲記しております。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
#34
○石関主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。松野文部科学大臣。
#35
○松野国務大臣 平成二十四年度及び二十五年度予算の執行に当たりましては、予算の効率的な使用と経理事務の厳正な処理に努力したところでありますが、平成二十四年度及び二十五年度決算検査報告において会計検査院から御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。
 御指摘を受けました事項につきましては、適切な措置を講ずるとともに、今後、この種の事例の発生を未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図ったところであります。
#36
○石関主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○石関主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#38
○石関主査 以上をもちまして文部科学省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#39
○石関主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。武正公一君。
#40
○武正分科員 民進党の武正公一です。
 文科省についての決算行政監視委員会、質疑を行わせていただきます。
 まず、大臣、御就任おめでとうございます。大学奨学金、貸与型から給付型への転換など、積極的な発言をされている大臣に御期待を申し上げたいと存じます。
 それで、まず、お手元の資料にございますが、高等学校等支援事業補助金について質疑をさせていただきます。
 一ページの資料、予算額が計上されておりますが、海外の日本人高校生への支援については、平成二十七年度で六十一名が対象ということでございまして、ごらんのような七校、日本法人設立の高等部、高等学校、そしてまた上海日本人学校、これも高等部が唯一存在するということで、千百六十五名のうち、所得制限によっては、割合からいきますと五%、六十一名ということでございます。
 ただ、二ページ以降に外務省が行った調査結果を載せてございますが、高校生相当年齢、十六歳―十八歳といたしましたが、四万二千人海外にいるというのが在留邦人の調査結果でありますので、四万二千人のうち六十一名ということでありますと、余りに少ないということになろうかと思います。
 国内では六割、七割、八割というような受給率、所得制限の中でということでありますので、これはいかがなものかというふうに思い、外務委員会でも、あるいはまたそれぞれの委員会でも取り上げ、これにかかわるのは外務省、文科省を中心としたところですので、義家副大臣にも外務委員会にお見えいただいて、外務省が実態を把握すればというようなことで、過日、倫選特では政務官から、そうはいってもなかなか難しいんだ、所得の把握が難しいんだというようなお話もいただいたわけであります。
 文科大臣、改めて、高校授業料無償化から所得制限を入れて高校支援金、私は今非常に効果を上げているのではないかというふうに思っておりまして、それに加えて大学奨学金ということも、給付型を取り入れようとされておりますので、海外在留高校生相当年齢者も対象に加えるべしと考えますが、御所見を伺いたいと思います。
#41
○松野国務大臣 お答えをいたします。
 海外に留学している高校生については、日本国内に住所を有し、日本の高等学校等に在籍し、授業料を払っており、所得等の要件を満たす場合に高等学校等就学支援金で支援を行っております。
 また、平成二十六年度より、高等学校等就学支援金と同等の支援を、文部科学大臣が認定する在外教育施設の高等部に在籍する日本人高校生に実施していることは、委員から今、例示、御指摘をいただいたとおりであります。
 授業料の支援の対象を文部科学大臣が認定する在外教育施設以外に広げるということでございますけれども、対象生徒の特定、把握をどのように行っていくか、対象となる学校の課程の状況についてどのような方法で確認をするのかなど、多くの問題点があり、十分慎重に検討する必要があるため、現時点では困難ではないかと考えております。
#42
○武正分科員 外務省も在外公館を通じて、これは国別でいえば、高校生相当年齢が五十名以上いる国について当たりました結果がお手元のような概要になっております。五十名未満についても引き続き調査を求めております。
 倫選特でも指摘をいたしましたが、海外における日本人の投票環境の改善、これは後ほど触れさせていただきます主権者教育、海外で十八歳、十九歳の投票率、これが大変少なかったのがこの参議院選挙でございます。〇・二%でしょうかね、こういう投票率だったものですから、やはり、海外に在留する日本人、あるいは、特に十八歳、十九歳、そして十八歳が特に重なります高校生相当年齢四万二千人への対応は、国内にいようと海外にいようと同じ日本人、しかも、主権者教育の対象、そして十八歳年齢引き下げ、こういった大改革のもと、果たして今のような御答弁でよいのかどうかというふうに考えるんです。
 そこで、きょうは会計検査院から先ほど決算の指摘があったわけでありますが、最近出ました会計検査院の指摘では、この高等学校支援金について、海外で勤務をされている方の所得の把握ができていないために過重に高校生へ支援金を支払っているという指摘があり、会計検査院からは、「高校等の生徒の保護者等が国内に在住している場合と国外に在住している場合で就学支援金の支給が可能な限り公平に行われるよう、都道府県及び学校設置者の事務負担に配慮した上で、国外在住保護者の収入の把握方法やその収入を考慮した受給資格の認定等の方法を検討すること」という指摘がされております。
 これは、過重に支払っていた場合もそうですが、一方、国外に在住している場合で、子供たちがそれによって過少に、あるいは何も支払われていない場合も、逆に読みかえれば指摘の対象と私は把握をしておりますが、改めて、この「認定等の方法を検討すること」という指摘を文科大臣としてどのように受けとめておられますでしょうか。
#43
○松野国務大臣 高等学校等就学支援金において、保護者が海外に在住する場合の受給資格の認定等については、在住先の税制や為替の影響をどう考慮するかといった課題がありますが、会計検査院の意見も踏まえ、保護者の収入を考慮した認定法について、今後、専門的な観点も交えて検討してまいりたいと考えております。
 就学支援金制度の対象となる生徒は、日本の高等学校等に在籍していることから、対象となる生徒の特定、把握や、在籍する学校の課程の状況について把握することが可能でありますが、一方、授業料の支援の対象を海外に在留している日本人の高校生相当年齢者全体に広げるということについては、先ほども申し上げましたとおり、対象生徒の特定、把握の問題、対象となる学校の課程状況の確認の方法等でまだ多くの課題があると考えておりまして、十分慎重に検討する必要があると考えております。
#44
○武正分科員 ただ、先ほども触れましたように、前段については検討するというふうに言っておられて、そして、この指摘をもう一度読みますと、「高校等の生徒の保護者等が国内に在住している場合と国外に在住している場合で就学支援金の支給が可能な限り公平に行われるよう、」と。もちろん過重に支払ったことを今回会計検査院は指摘していますが、海外で学ぶ日本人高校生は、国外に保護者が滞在していることを理由に、所得が把握できないからと、過少に、あるいは実際支払われていない。ただ、日本法人については多分、日本法人の学校だから所得の把握が可能だということで六十一名には支給をしているということからいえば、この会計検査院の指摘からいうと、後段の方は難しいというふうに言ってしまうと、前段の検討するということとそごが生じるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#45
○松野国務大臣 繰り返しになりますけれども、就学支援金制度の対象は、今の現状においては国内の日本の高等学校に在籍をしていることというのが条件になっておりますから、保護者が海外にいらっしゃって所得の把握が正確かどうかという点に関しては、これらの御指摘を受けて、検討していかなければいけないと思います。
 一方で、海外に高校相当の年齢者が在住する場合はどうかという御質問でありますけれども、対象生徒の特定、把握、学校課程の状況の把握については今申し上げました。あわせて、これは代理受領の問題等もあり、現状においては、海外に在住されている高校生相当年齢の皆様に対してこれを支給していくということに関しては、なかなか困難ではないかと考えております。
#46
○武正分科員 再度伺いますが、この表を見ていただくように、私の母校である慶応のニューヨーク学院とか、早稲田のシンガポール校あるいは立教の英国学院とか、こういったところの日本人高校生は対象だけれども、それ以外は対象でないということは、先ほどの御説明からいうと、やはりいかがなんでしょうか。海外の日本人高校生で、この生徒たちだけはいいけれども、それ以外はと。
 それはなかなか難しいという理由はわかりますが、やはり何らかの検討もこの分野についても、外務省もこうやって調べてくれていますので、私もまだまだ外務省に求めていきたいと思いますし、先ほど言ったように十八歳選挙権もこれまた絡んでまいります。また、やはり海外の日本人に対するサポート体制というのは、この高等学校支援金それから主権者教育、いろいろな分野が出てくると思うんですよ。ですから、先ほどの会計検査院の指摘も、逆に読めば、やはりこれを考慮するということを言っておられますので、他省庁との連携を深めて、前向きに何か御検討を少しでもいただければと思うんです。再度伺いたいと思います。
#47
○松野国務大臣 今、武正委員から御指摘をいただきました、文部科学大臣が認定する在外教育施設に対しては支給がというお話でありますが、これはもう御案内のことでありますけれども、高等学校等の就学支援金が支給をされているということではなくて、同等の補助金がそれらの学校に在住する生徒には出されているというのが事実関係であります。
 海外にいる学生に対して、国内の学生と扱いが違うのはという御指摘であります。
 ただ、これは繰り返しになりますが、現状の方法論として、さまざまな条件の把握は、代理受領等々がなかなか難しいということもございますので、現状においては慎重に検討することとなるということでございます。
#48
○武正分科員 高等学校等支援事業補助金、そして先ほど言った国内の高校生、高等学校等就学支援金ということで、名称は違いますが趣旨は同じということでありますので、会計検査院の指摘も検討するという中で、この所得の把握ということに努められる中で、ぜひ御検討を進めていただきたいとお願い申し上げたいと思います。
 次に、スクールカウンセラー等活用事業に話を移りたいというふうに思います。
 お手元に、スクールカウンセラー等活用事業実施要領、また、さいたま市の募集要項がございますが、これについて伺いたいと思います。
 まず、大臣には、スクールカウンセラー制度についてどのように御所見があるか伺いたいということと、私が改善の余地ありというふうに考えておりますのは、やはりいじめの認知件数、発生率の推移あるいは不登校児童生徒数の推移がこの三年、四年、右肩上がりでふえているという状況があるからでございます。また、きょう義家副大臣は横浜市の方に行っておられるように、大変残念な状況が横浜市で発生をしたということもありまして、問題発生で対応するこれまでのスクールカウンセラー制度がございますが、やはり問題を未然に防ぐというような対応が必要ではないかという観点から、御所見を伺いたいと思います。
#49
○松野国務大臣 武正委員御指摘のとおり、学校現場が複雑化、困難化している中において、心理学の専門家、高度な見識を有するスクールカウンセラーの存在というのはますます重要さを帯びていると考えておりますし、今後、文部科学省としても、さらなる拡充を図ってまいりたいと考えております。
 昨年の十二月に、文部科学省で教育相談等に関する調査研究協力者会議を設置いたしました。その中でスクールカウンセラーの今後のあり方について議論をしておりますが、スクールカウンセラー職務につきましては、児童生徒及び保護者に対する相談対応援助、学級や学校集団に対する援助、教職員、組織に対するコンサルテーション、児童生徒への理解、児童生徒の心の教育といったものが挙げられております。
 あわせて、委員から御指摘がありました、現状今起こっている問題以外に、これからさまざま起こり得る問題に対しての対応も含めて、スクールカウンセラーの職務の内容として捉えてはどうかということに関しては、まさしくその御指摘どおりだというふうに考えておりまして、スクールカウンセラーの専門的な知見を使いながら、今子供たちが置かれている状況をしっかりと把握しながら、事前にその予防に努めるということは重要な観点であると考えております。
#50
○武正分科員 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 そこで、このスクールカウンセラー等活用事業実施要領なんですが、文科省さんのには、発達段階におけるガイダンスカウンセラー、あるいは、どちらかというと問題が起こってから対処する臨床心理士の皆さんの対応よりも、問題を未然に防ぐといった観点からのガイダンスカウンセリングが実施要領には入っておりません。
 一方、さいたま市のスクールカウンセラー募集要項を見ていただきますと、例えば職務内容の(四)教職員と協働して発達課題に関する予防的活動に関すること、あるいは前文の三行目にも、発達課題に関して高度に専門的な知識・経験を有する、そして応募資格の(四)にはスクールカウンセリング推進協議会認定に係るガイダンスカウンセラーと明記がされております。
 先ほど大臣が触れられた学校における教育相談等に関する調査研究協力者会議、これが今報告書をまとめておりまして、児童生徒の教育相談の充実について、学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくりということで、その十三ページにはこのような記載があります。
 スクールカウンセラーに必要な資格としては、心理の国家資格である公認心理師が挙げられるが、これまでスクールカウンセラーとして担ってきた臨床心理士等の実績を踏まえるとともに、不登校や問題行動等の未然防止や集団に対する取り組みを主な職務とするガイダンスカウンセラーの実績等を踏まえた上で、ふさわしい資格を判断すべきであるという指摘があるんです。
 この文科省の実施要領に、ガイダンスカウンセラーということで、問題が起きてからではなく問題を未然に防止すると。アメリカでは、発達心理学ということで、子供の職業教育あるいは進路指導、アメリカではよく、三カ月ぐらい夏休みがありますから、ボランティアで夏休みにどんな活動をするのか、そういったところも指導するようなこともあって、将来の進路をアドバイス、カウンセリングすることで、それがいじめとか何かに行かないように未然防止、ですから、対象は全校生徒ですよね。片や、いじめの問題が起きてからの対象はやはりその生徒とあるいは生徒周辺ということになりますので、ちょっと心理学のアプローチが違うわけです。
 こういったことで、まだまだ右肩上がりのいじめの発生あるいは不登校の発生を抑えることができるんじゃないかと思うんですが、このガイダンスカウンセラーを募集要項に入れていくことについての御所見を伺いたいと思います。
#51
○松野国務大臣 現在のスクールカウンセラー等活用事業実施要領におけるスクールカウンセラーの選考項目は、臨床心理士、精神科医、大学教授等となっておりまして、御指摘のガイダンスカウンセラーの資格のみを持つ方はスクールカウンセラーに準ずる者として位置づけられております。
 一方、昨年公認心理師法が成立をし、現在、その施行に向けて、心理職の国家資格となる公認心理師の養成カリキュラム等が検討されている状況であります。
 十二月に設置された教育相談等に関する調査研究協力者会議においての内容は、御説明をいただいたとおりでありますが、文部科学省としては、同会議において今後取りまとめられる最終報告及び公認心理師の養成カリキュラム等の検討状況を踏まえまして、今後のスクールカウンセラーに求められる職務を担うにふさわしい資格を検討していきたいと考えております。
#52
○武正分科員 先ほどの後段をちょっと読みますと、今、公認心理師のことを言われたんですが、公認心理師は、現時点においてその養成カリキュラムが決定していないことから、今後、国においてそのカリキュラムの内容を踏まえて検討する必要があるということで、時間差があるということと、公認心理師は、医療、保健、教育、福祉、司法、警察、非常に汎用性があるものですから、もしスクールカウンセリングということで公認心理師を対象にしたとしても、やはりこういったガイダンスカウンセリングといったことは、重ねて、この応募要領、実施要領に必要だということだと思います。
 加えて、今、準ずる者の御指摘がございましたが、平成二十三年に文部科学省の通知を発出して、それまで臨床心理士あるいはまた精神科医などに限られた対象を、準ずる者ということを通知で文部科学省から発出しまして、学校の実態に合わせて見直すようにという文書を出したわけです。その文書に応じて、先ほど触れたさいたま市がこのように変えたり、準ずる者というかガイダンスカウンセラーの採用を大体十四名ぐらい、それから埼玉県も十名ぐらい採用しております。
 全体のスクールカウンセラーの中で準ずる者の割合は大体一六%と聞いておりますが、ただ、問題は、待遇が違うんですね。臨床心理士、精神科医などの待遇とこの準ずる者の待遇を調べると、それこそ報酬が半分あるいは三分の一、こういった実態があるんですよ。埼玉県とさいたま市は、準ずる者でも臨床心理士でも同じ待遇なんです。同じ報酬を出しているんです。ですから、まずはそこを同じにしていく必要があるというふうに思いますし、ぜひ文科省さんにおかれましては、実態を調査していただきたいと思うんですね、準ずる者と臨床心理士の皆さんとどう違うのか。これはいかがでしょうか。
#53
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 スクールカウンセラー及びスクールカウンセラーに準ずる者につきましての待遇についてのお尋ねでございます。
 現在、文部科学省といたしましては、まず、スクールカウンセラーの総数をふやすということで、毎年概算要求で予算を増加して、人数をふやしているという経緯がございます。しかしながら、問題点といたしましては、勤務形態が非常勤ということで、予算についても非常勤の形態で計上されているということから、その単価がまずそんなに高くないという状況がございます。
 その意味で、現在文部科学省として、概算要求中ではございますが、スクールカウンセラーについて常勤化が図れないかということで、その調査研究の経費をまずは求めたいと考えております。これは、実態として常勤になれば、子供たちの相談にも応じやすくなるということのほかに、委員御指摘のとおり、処遇の改善も一つ図られるかなということで考えている次第でございまして、そういった調査研究をまずはした上で、今後の対応を検討していきたいと考えております。
#54
○武正分科員 私も、これまで国会では、政務三役のみにお答えいただいて、控えていただくのはいいというふうにしてきたので、ちょっと遺憾であります。御答弁を大臣に求めておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ガイダンスカウンセラーということでこの要領を変えていかないと、実態がやはり改善されないのではないかということを改めて申し上げたいというふうに思います。
 それでは、さらに質問を移らせていただきます。
 六ページ、「教職員定数の増員及び配置基準の見直しについて」ということで、これまで、学校ごとの学級数をもとに算定しております義務標準法に基づく教職員定数の算定方法ですが、上位を見ていただくと、私の埼玉県あるいは大臣の千葉県など、どうしても都市部は教員一人当たりの生徒数、児童数が多いといったことになっております。
 教職員定数算定基準の見直しは、児童生徒数を基礎とする基準の追加によって、教職員の増員による子供と向き合う時間の拡充、確かな学力の育成及び一人一人の個性を尊重したきめ細かな教育の実施が可能と思いますが、これについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
#55
○松野国務大臣 委員御指摘のとおり、教職員定数の算定根拠になる義務標準法では、学校における教育活動の基礎である学級を単位として算定する場合が多くなっております。
 このため、比較的大規模校が多い地域において学級規模が大きくなって、その結果、教員一人当たりの児童生徒数が相対的に多くなるという傾向がございます。
 文部科学省としては、学校全体の指導体制を充実するため、平成二十九年度概算要求において、障害のある児童生徒への通級による指導や、日本語に課題のある児童生徒への指導にかかわる教員の定数について、対象児童生徒数に応じて基礎定数化することを初め、計三千六十人の定数改善を要求しております。
 今後とも、学校現場を支援し、子供たちの教育環境を改善充実していくために、教職員定数の確保、充実に取り組んでまいりたいと考えております。
#56
○武正分科員 最後の質問を伺いたいと思います。
 参議院選挙における主権者教育の検証についてでございます。
 先ほども触れましたように、十八歳、十九歳の投票率。今回、全体で五四%。一方、十八歳、十九歳は四七%。十八歳、十九歳の全数調査でございます。十八歳は五一%、ただ、十九歳が四二%ということで、十八歳が高かったのは、やはり高等学校における主権者教育が功を奏したのかなというふうに思います。
 これはまだ総務省も調査中ということでありまして、文科省さんも調査をされているようですが、学校基本調査のような調査ではなく、学校に任意で調査をしているということなんですが、もう参議院選挙から四カ月を経過しておりますし、先ほど触れたように、海外の十八歳、十九歳は何と投票率が〇・二%といったこともあって、場合によっては解散・総選挙ということを与党幹事長あるいは官房長官などが触れているだけに、やはり早くこの十八歳、十九歳、とりわけ主権者教育の調査が必要ではないかと思うんです。
 文科省としての取り組み、より積極的に進めていただきたいと思うんですが、御所見を伺いたいと思います。
#57
○松野国務大臣 七月における参議院選挙で十八歳、十九歳の投票率が他の世代に比べて高かったというのは、委員御指摘のとおり、高校における主権者教育の実施、大学における期日前投票所の設置等の施策が功を奏したものではないかと思います。若い世代の政治に対する意識が高まったということも大きな要因であったと考えております。
 文部科学省といたしましては、高校生を対象として実施した主権者教育実施状況調査の結果、また、委員からも御例示いただきました、総務省において選挙管理委員会を対象として行っている主権者教育に関する調査の結果を踏まえて、今後も、総務省と連携しつつ、主権者教育の推進について力を入れてまいりたいと考えております。
#58
○武正分科員 一番高い東京都が五七%、最下位の高知県が三〇%ということで、約三〇%近い差があります。この分析もあわせて、やはり学校に話を聞いていかないと、今、総務省は選管からの調査ですから、やはり文科省さんがより主体的に調査を行っていただくということが肝要でございますので、お取り組みをお願いして、質問にかえさせていただきます。
 ありがとうございました。
#59
○石関主査 これにて武正公一君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#60
○石関主査 これより総務省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。高市総務大臣。
#61
○高市国務大臣 平成二十四年度及び平成二十五年度総務省所管の決算について、その概要を御説明申し上げます。
 最初に、平成二十四年度総務省所管の決算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。
 総務省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額一千五十六億一千百四十八万円余に対し、収納済み歳入額は一千三百四十七億五千七百三十万円余であり、差し引き二百九十一億四千五百八十二万円余の増加となっております。
 次に、総務省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額十八兆四百十二億五千五百六十二万円余に対し、支出済み歳出額は十七兆八千六百八億三千七百三十一万円余、翌年度繰越額は一千四百五十七億六千四百五十一万円余であり、不用額は三百四十六億五千三百七十九万円余となっております。
 次に、総務省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計の決算について申し上げます。
 この特別会計には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、収納済み歳入額は五十五兆六千四百六十六億二百九十四万円余、支出済み歳出額は五十四兆二千五百九十四億三千八百七十二万円余であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、収納済み歳入額は七百三十三億八千八百九万円余、支出済み歳出額は六百八十三億四千六百八十七万円余であります。
 続きまして、平成二十五年度総務省所管の決算について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入歳出決算について申し上げます。
 総務省主管一般会計の歳入につきましては、歳入予算額八百十九億二千八百四十万円余に対し、収納済み歳入額は九百三億六千二百三十三万円余であり、差し引き八十四億三千三百九十三万円余の増加となっております。
 次に、総務省所管一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額十九兆九千六百十七億九千三百八十万円余に対し、支出済み歳出額は十九兆八千八百四十四億二千九百七十二万円余、翌年度繰越額は四百七十六億四千四百三十三万円余であり、不用額は二百九十七億一千九百七十四万円余となっております。
 次に、総務省所管の交付税及び譲与税配付金特別会計の決算について申し上げます。
 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、収納済み歳入額は五十六兆六百十二億六千六百九十一万円余、支出済み歳出額は五十三兆七千四百九十二億四千九十七万円余であります。
 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、収納済み歳入額は六百九十九億五千七百十六万円余、支出済み歳出額は六百五十二億六千八百三十七万円余であります。
 以上が、平成二十四年度及び平成二十五年度総務省所管の一般会計及び特別会計の決算の概要であります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#62
○石関主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院山下審議官。
#63
○山下会計検査院当局者 平成二十四年度総務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十六件、意見を表示しまたは処置を要求した事項三件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号五号から一〇号までの六件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。
 このうち五号は地域活性化・経済危機対策臨時交付金が過大に交付されていたもの、六号は住民生活に光をそそぐ交付金が交付の対象とならない事業に交付されていたもの、七号及び八号の二件は地域情報通信基盤整備推進交付金等の交付対象事業費が過大に精算されていたなどのもの、九号は地域情報通信技術利活用推進交付金事業の実施に当たり、デジタル案内板の整備費が過大になっていたもの、一〇号は情報通信技術地域人材育成・活用事業交付金事業の事業費を過大に精算していたものであります。
 同一一号から二〇号までの十件は、特別交付税の額の算定に当たり、算定の対象とならない経費を含めていたなどのため、特別交付税が過大に交付されていたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、特別交付税の額の算定における過疎債ソフト経費の確認等に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、震災復興特別交付税の額の算定における一般単独災害復旧経費の確認等に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その三は、地上テレビジョン放送のデジタル化に伴い発生した空き周波数帯の利用に関して意見を表示いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、携帯電話等エリア整備事業の実施に関するものであり、これについて指摘したところ、改善の処置がとられたものであります。
 続きまして、平成二十五年度総務省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十件、意見を表示しまたは処置を要求した事項四件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号四号から一三号までの十件は、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものであります。
 このうち四号及び五号の二件は地域活性化・経済危機対策臨時交付金等で改修等を行った施設が利活用されておらず、補助の目的を達していなかったなどのもの、六号から八号までの三件は地域情報通信基盤整備推進交付金等の交付対象事業費が過大に精算されていたなどのもの、九号及び一〇号の二件は地域活性化・生活対策臨時交付金の対象としていた事業を実施していなかったなどのもの、一一号は情報通信利用促進支援事業費補助金等により造成した基金の使用が適切でなかったもの、一二号は情報通信技術地域人材育成・活用事業交付金事業の交付対象事業費に交付の対象とならない経費を含めていたもの、一三号は沖縄特別振興対策事業費補助金により造成した基金を補助の目的外に使用していたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、重要物品の帳簿価格の改定に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、特定調達に係るガスの契約事務の実施に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その三は、無線システム普及支援事業費等補助金により実施しているケーブルテレビ幹線対策事業に関して意見を表示いたしたもの、その四は、防災情報通信基盤整備事業等の実施に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 これは、普通交付税の恩給費に係る基準財政需要額に関するものであり、これについて指摘したところ、改善の処置がとられたものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#64
○石関主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。高市総務大臣。
#65
○高市国務大臣 ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、総務省のとった措置について御説明申し上げます。
 最初に、平成二十四年度に御指摘のありました事項について御説明申し上げます。
 所管事業に係る予算につきましては、その適切な執行を図るよう常に心がけているところではございますが、会計検査院の検査の結果、地域活性化・経済危機対策臨時交付金が過大に交付されていたもの等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。
 これらにつきましては、既に地方自治体等から補助金を返還させるなどの是正措置を講じたところであります。
 続きまして、平成二十五年度に御指摘のありました事項について御説明申し上げます。
 会計検査院の検査の結果、地域情報通信基盤整備推進交付金が過大に交付されていたもの等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。
 これらにつきましては、既に地方自治体等から補助金を返還させるなどの是正措置を講じたところであります。
 以上が、平成二十四年度及び平成二十五年度決算に関する会計検査院の指摘について講じた措置の概要であります。
 内容を真摯に受けとめ、今後なお一層事務の改善を求めるとともに、厳正な態度で事務の執行に努める所存でございます。
#66
○石関主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○石関主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#68
○石関主査 以上をもちまして総務省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#69
○石関主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。濱村進君。
#70
○濱村分科員 公明党の濱村進でございます。
 きょうは、決算行政監視委員会の第二分科会ということで、質問の機会をいただきました。
 まずは、高市大臣が所管なされておられる総務の分野については、地方税収というものが非常に大事なポイントを担っておられるというふうに思うわけでございます。この地方税収、地方にどのように権限を託して、その上でどのようなことをするべきなのか、こうしたことをしっかりと議論していくというのは非常に大事なんですが、やはりこの大もとになるということで、税収においてどのような措置をとるべきか、これはしっかりと議論をしていかなければいけないというふうに思っている次第でございます。
 その上で、きょうから与党においても税調が始まるわけでございますけれども、そうしたところを踏まえて、自動車取得税そしてまた車体課税についてきょうは議論をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 まず、自動車取得税についてでございますが、自動車取得税の中でエコカー減税というものがなされております。こうした制度、平成二十一年度からずっと制度が導入されているわけでございますけれども、これは、エコカー、つまり環境性能、燃費性能にすぐれた自動車を普及させていこう、そうした観点であろうかというふうに思うわけでございますが、この制度を導入して、さまざま目的として果たしたかったことがおありかというふうに思います。
 まず、このエコカー減税導入の趣旨について確認をさせていただきたいと思います。
#71
○高市国務大臣 エコカー減税は、自動車取得税の特例として、まさに今、濱村委員がおっしゃっていただきましたとおり、環境性能にすぐれた自動車の普及を図り、低炭素社会の実現を目指すということとともに、平成二十年に起きましたリーマン・ショック等に起因する景気の後退への対応ということを目的として、平成二十一年度税制改正において導入されたものでございます。
 特例導入後、ハイブリッド自動車の台数が二倍以上に増加し、ガソリン車の平均燃費値が年六%以上向上するなど、エコカー減税の導入によりまして、自動車メーカーの技術開発が促され、新型車の燃費値が向上するとともに、次世代自動車や環境性能にすぐれた自動車の普及が急速に進展したと評価できると考えております。
#72
○濱村分科員 今、大臣から非常に大事なポイントをおっしゃっていただきました。リーマン・ショックがあった後に、自動車メーカーの新車の売り上げが落ち込むのではないか、そうしたことがあると日本の経済に非常に大きな影響があるということも踏まえて、しっかりとこのタイミングで環境にいい自動車として販売を促進していこうということでございました。これは非常に大事なポイントであろうかと思っておりますし、そしてまた、その結果得られた成果も今大臣から御披露いただきました。
 そして、次世代の自動車についてもどんどん普及がなされているという状況を私も認識しておるわけでございますが、これはリーマン・ショックのすぐ後の段階では極めて自然な話であろうかと思いますが、その後、二度ほど延長をされておられるわけでございます。当初は二十一年度から二十三年度ということでございましたが、二十四年から二十六年も一度目の延長がございました。その後、現在、二十七年から八年という二カ年にわたっての延長がなされているわけでございます。
 今も延長されているわけでございますけれども、この延長の意味合いについて、その趣旨を確認させていただきたいと思います。
#73
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員から御指摘があったとおり、平成二十一年度のエコカー減税導入以来、平成二十四年度に三年間、二十七年度に二年間の延長を行っているところでございまして、これは、より環境性能にすぐれた自動車の普及を促進することにより低炭素社会の実現等を引き続き図るため延長したものでございます。
#74
○濱村分科員 低炭素社会の実現をしっかりと進めていくということでありました。
 そうした意味でいうと、今なされている措置は二十八年度末で切れるというわけでございますが、二十九年度以降延長するのかどうか、確認したいと思います。
#75
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 先週、十一月十八日に可決、成立いたしました地方税法等改正法によりまして、消費税率一〇%への引き上げ時期変更ということになりました。これに合わせまして自動車取得税の廃止も二年半延期されたところでございますので、今後のエコカー減税のあり方につきましては、平成二十九年度税制改正のプロセスにおいて議論されることになると考えております。
#76
○濱村分科員 今、平成二十九年度税制改正のプロセスの中で議論をするということでございましたので、与党としてはしっかりと議論をしていかなければいけないなというふうに思うわけですが、当然、消費税増税が二年半延期となったわけでございますので、これはしっかりと延長するべきじゃないかと個人的には考えているわけでございます。
 さらにちょっとここで確認したいわけですが、エコカー減税をするということは、すなわち、地方団体にとっては、減税しているわけでございますので、減収になるというわけでございます。そうはいっても、その減収になった部分の財源については何か明示的に代替財源が確保されているかというと、決してそういうわけではございません。
 そういう前提のもとでなされている制度であるわけでございますけれども、燃費基準の見直しを行ったりすると、実は、この二度ほどの延長のときも、燃費基準というのは二十七年度基準であったり三十二年度基準であったり、ずっと基準自体は更新をしていって、さらに燃費性能がすぐれているものに変えていこうというような措置をとってきたわけでございます。当然、基準を見直すことによって前年度より税収がふえたり減ったりすることになろうかと思いますが、これまでであれば、恐らく税収は残念ながら減っていっているんじゃないかというふうに思ったりするわけです。減税制度となるわけでございますので、地方公共団体にとっては減収となるわけでございますが、このあたりの影響について、現状についてお伺いをしたいと思います。
    〔主査退席、山際主査代理着席〕
#77
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 自動車取得税の税収、それとエコカー減税の関係でございますけれども、技術開発によりまして燃費値が年々改善していきますと、税収は御指摘のとおり減収ということになりますし、また、延長の際に、より技術開発の促進を目指して基準を切り上げるといったようなことを行いますと、それにより税収が増収となるというものでございます。
#78
○濱村分科員 これは本当に基準が大事であろうかというふうに思うわけでございます。
 その上でお伺いしたいのは、今現状の状況についてですが、今、平成三十二年度基準というものがあって、それについて何%達成とかということで基準が設けられているわけでございますが、こうしたエコカー減税の対象になっている自動車というのは全体の比率としてどれぐらいになるのか、御確認をさせていただきます。
#79
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十七年度の新車販売のうち、約八四%がエコカー減税の対象となっているところでございます。
#80
○濱村分科員 八四%、非常に高い割合であろうかというふうに思うわけでございます。
 これは恐らく自動車メーカーの努力というものが非常に大きく貢献しているわけでありまして、私は、この努力、しっかりと評価するべきであろうかというふうに思っておりますし、その上でしっかりと低炭素社会の実現についても寄与しているということでは非常に評価できる制度であろうかというふうに思っておりますが、今、八四%もの高い割合で対象がふえているわけでございますので、次、もし仮に延長がなされるのであるならば、燃費基準についてはしっかりと見直しをしていくべきではないかというふうに思うわけでございます。その上で政策効果をしっかり発揮していく、このようなことが必要であろうかと思いますが、いかがでございましょうか。
#81
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十九年度以降のエコカー減税のあり方ということでございますけれども、先ほども申し上げたとおり、これからの税制改正プロセスにおいて議論されることになるものと考えておりますが、延長するといった場合におきましては、やはり、先ほど来お話がありますエコカー減税、この制度の趣旨に鑑みますれば、より環境性能にすぐれた自動車の普及促進を図る観点から、基準を一定程度切り上げることによって対象車を重点化するといったことが基本になるものと考えているところでございます。
#82
○濱村分科員 延長する場合にはという条件つきというか、当然、二十八年度末で切れる予定でございますので、そのあたりも含めてしっかりと議論をしていかなければいけないわけでございますが、あくまでやはり目的といたしましては、低炭素社会の実現に対してどのように貢献できるのかというところでございますので、これをさらに促進して加速していくためにはどのような燃費基準が適当であるのか、しっかりと議論をしていくべきであろうかというふうに思うわけでございます。
 エコカー減税という制度については、実は、新車に対しては効果を発現するわけでございますけれども、新車は当然、売った後は中古車になって乗られるわけでございます。その後、車検を繰り返して長く乗っていくというのを基本的に消費者が行うわけでございますが、実はこうした新車販売のマーケットと同等ぐらいの市場規模で広がっているのがアフターマーケットと言われるところでございまして、中古車販売もそうですが、自動車の整備、そしてまた消耗品、そうした部品のサプライチェーンについてもアフターマーケットと呼ばれるわけでございます。同等ぐらいの規模がございますので、しっかりとこのあたりも考慮した上で、ここにおいてもしっかりと低炭素社会を実現しなければいけない、私はこのように考えているわけでございます。
 自動車取得税というのは新車購入時にかかるわけでございます。その後、毎年毎年、自動車税、あるいは軽自動車であれば軽自動車税というものが課されるわけでございますが、自動車税についても実はグリーン化特例という制度がございます。グリーン化特例、実は二つあるわけでございますが、特に新車の後すぐに、まだ二年目、三年目というような状況のときは軽課をなされるというようなことでございます。
 この軽課の制度について、その趣旨、そして制度について詳しく教えていただけますか。
#83
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のありました、いわゆる車体の保有に係る税ということで自動車税、軽自動車税があるわけでございますけれども、その中で、グリーン化特例、これは御指摘のとおり、低炭素社会の実現、それから地域における環境対策のためにより燃費性能等のすぐれた自動車の普及を促進するという観点から、平成十三年度の税制改正において導入されたものでございます。
#84
○濱村分科員 十三年度から導入されているわけでございます。十三年度から軽課をなされる制度が入っているわけでございますが、一方で、二十六年度に創設された、重課をなされる制度がございます。これについてもその趣旨を御確認させていただきたいと思います。
#85
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 重課についてのお尋ねでございますけれども、平成二十五年度の与党税制改正大綱、それから同じく平成二十五年度に総務省の地方財政審議会に設置をされました検討会報告書がございまして、車体課税のグリーン化機能の強化に関する提言がなされてきたところでございます。
 その中で、軽自動車につきまして、登録自動車と比べますと総排気量などは小さいとはいいましても、環境に対しまして一定の負荷を与えるものであるということ、また、軽自動車税においても経過年数による重課について導入を検討すべきことなどが指摘をされたところでございます。
 このような観点から、その翌年になりますけれども、翌平成二十六年度の税制改正におきまして、登録自動車と同様に、軽自動車に対しましても経年車に対する重課が導入されたところでございます。
#86
○濱村分科員 経年車に対する重課は、初年度登録から十三年たったらというわけでございます。
 先ほどエコカー減税の話を私はさせていただきましたが、エコカー減税というのは、燃費の値について基準を設けて、それに対してどのような税制優遇をするか、それによって低炭素社会を実現していくというものでございました。
 一方で、経年車に対する重課については、どちらかというと、年数がたったら自動的にということでございますので、燃費性能がどうであろうが年数がたっていたらそうなりますよ、今はそのような制度になっているというわけでございます。
 もちろん、買いかえを促進して新車が売れればメーカーは燃費改善に対する研究に対しても投資できるということで、これはある一定効果が見込めるのであろうかというふうにも思うわけではございますが、やはり大事なポイントは、地方の方々に目を向けますとどうあるべきかということなんだろうと思います。
 その上で、私も活動エリアが兵庫県でございますけれども、兵庫県は広うございまして、山間部に行けば、軽自動車に乗っておられる方々、地域の足なんかでいうと公共交通がないところはたくさんあるわけでございます、そうしたところで長いこと大事に車を乗っておられる、そしてそういう方々は大体軽自動車を大事に乗っておられるというようなこともございます。そういう意味でいうと、非常に大事なところではありますけれども、経年車に対する重課はもう少し何とかならないものかというふうに思っておるわけでございます。
 ここでちょっと一点確認しておきたいのが、軽自動車税の平成二十八年度地方財政計画計上額というものは二千四百四十二億円と想定しておられます。その中で経年車に対する重課によってどれぐらいの金額が見込まれているのか、確認したいと思います。
#87
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がありました軽自動車税に係ります平成二十八年度地方財政計画計上額二千四百四十二億円のうち、経年車重課につきましては百十六億円と見込んでいるところでございます。
#88
○濱村分科員 今、経年車重課による効果は百十六億円と。実は、軽自動車税全体で二千四百四十二億円でございますので、そこまで大きくない額なんじゃないかなと私なんかは思うわけですね。さらに申し上げますと、自動車税、普通の四輪とかでございますけれども、こうしたところは一兆五千二百四十八億円ということで、これも二十八年度の見込みでありますが、一兆のものと、軽自動車は二千四百四十二億円、そしてさらに、その中でも重課によっての効果は百十六億円ということでございました。これはしっかりと確認できたので、大事なポイントであろうかと思いますが、私、先ほども申し上げたんですけれども、軽自動車は地域の足でございます。
 少し、ちょっとだけ大きなお話をいたしますと、今、英国におきましても、ブレグジットということで、ロンドンシティーかいわいの方々は、割と都心部でEUに残留すべきだという意見が強かった。一方で、地方の方々においては、残念ながら、EUにいる意味なんかなかなか見受けられないということで、EUからの離脱を望む声が多かったということで、EU離脱の方が国民投票で多くなってしまったという結果が出ました。
 そしてまた、アメリカ大統領選挙におきましても、恐らく東海岸と西海岸というアメリカ合衆国の中で都心部だと言われるようなところにおいては、割とクリントン候補への支持が多かったのであろう。一方で、現状に不満を持っておられるような方々が合衆国の中ほどにおられて、そうした地域はことごとくトランプ候補が勝って選挙人を獲得した。
 こうしたいわば都市部対地方部という対立が全世界的にも起こっているんじゃないかというふうに感じている次第でございます。
 日本は幸い、政府の力強い主導によって、そしてまた高市大臣も強く進めておられるわけでございますが、地方をどのように活性化していくのか、地方創生の取り組みが、まだまだこれからも必要であろうかと思いますが、今はまだなされていて、対立がそこまで深まってはいない、先鋭化はしていないというふうに感じるわけでございますが、私は、これをしっかりと、やわらかく対立を解きほぐしていかなければいけないというふうに感じているものでございます。
 そうした観点から、先ほど申し上げた経年車に対する重課の制度、これは財源規模としてもそこまで大きくはないんじゃないかと私は思っております。これを廃止しても税収として余り問題ないんじゃなかろうかというふうに思うわけでございますが、どのようにお考えでしょうか。
    〔山際主査代理退席、主査着席〕
#89
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 軽自動車につきまして、地方において公共交通機関が不十分な地域におきまして、生活の足として大変重要な役割を果たしている、御指摘のとおりだと思います。
 他方で、先ほども申し上げましたけれども、軽自動車であっても、環境に対して一定の負荷を与えるものであるという認識のもとで、車体課税のグリーン化機能の強化の一環として経年車重課が実施されたという経緯がございます。地方税収として見たときに、規模についてのお話がございましたけれども、その税収規模といった点ももちろんでございますけれども、今申し上げたような制度の趣旨ということもございますので、御提案につきまして慎重に検討する必要があるというふうに考えているところでございます。
#90
○濱村分科員 今、慎重にというお話がございました。よくわかります。それはもちろん、税収の規模だけじゃなくて、政策の趣旨が非常に大事であるということも私も重々承知をしているわけでございます。
 そこで、やはり私、この質問の冒頭申し上げましたのは、エコカー減税の燃費基準、いわば都市部における新車買いかえができ得る資力、財力のあるような方々、こうした方々によってしっかりと燃費基準がいいものに買いかえていただき、そしてその上で低炭素社会の実現というものを行っていただきつつ、もう一方で、経年車に対する重課、これを、一%でも二%でもよろしゅうございますので、今、実は二〇%重課なされているわけでございます。実はこれは軽自動車をお持ちの方々は一万八百円毎年毎年お支払いなされるというわけでございますが、二〇%重課されますと一万二千九百円ということになってございます。ですので、こうしたところ、今二〇%になっているここのところを一%でも二%でも和らげることは、地方におられる方々あるいは軽自動車をお持ちの方々に対する気持ちに対しては非常に効果があるんじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。
 少しでもいい、エコカー減税の対象に見合う率に、少しでもこの重課を引き下げていただけないものかと思いますが、いかがでございましょうか。
#91
○林崎政府参考人 お答え申し上げます。
 グリーン化につきましては、先ほど御説明申し上げたとおりの中で今の制度があるわけでございます。
 税収という観点で見て、確かにエコカー減税の方は、先ほどお話がございましたけれども、こちらの基準切りかえといったようなことをことしやるということになりますれば、恐らくことしよりは来年以降一旦税収はふえるということになろうかと思いますが、これにつきましても、その後の環境性能のすぐれた自動車の販売状況などがどうなっていくかといったような点もなかなか見通せないといったことがございます。
 こういった点にも留意が必要な中で、また御議論いただくべきものかなというふうに考えているところでございます。
#92
○濱村分科員 質問はこれで終えますが、引き続き与党といたしましても税調の中で議論をしてまいりたい、このように思うところでございますので、高市大臣にもぜひお力をおかりできればというふうに思う次第でございます。
 以上をもちまして質問を終わります。ありがとうございました。
#93
○石関主査 これにて濱村進君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして総務省所管についての質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#94
○石関主査 これより防衛省所管について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。稲田防衛大臣。
#95
○稲田国務大臣 平成二十四年度における防衛省主管の一般会計歳入決算及び防衛省所管の一般会計歳出決算並びに東日本大震災復興特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、防衛省主管一般会計の歳入につきまして御説明申し上げます。
 収納済み歳入額は千百二十七億八千四百万円余となっております。
 次に、防衛省所管一般会計の歳出につきまして御説明申し上げます。
 歳出予算現額は五兆七百二十六億三千七百万円余でありまして、支出済み歳出額は四兆七千六百八十七億千五百万円余、翌年度へ繰り越した額は千七百五十一億二千九百万円余でありまして、差し引き不用額は千二百八十七億九千百万円余であります。
 次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳入につきまして御説明申し上げます。
 収納済み歳入額は三千六百万円余となっております。
 次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳出につきまして御説明申し上げます。
 歳出予算現額は千三十五億六千七百万円余でありまして、支出済み歳出額は八百三十五億二千三百万円余、翌年度へ繰り越した額は百七十二億千六百万円余でありまして、差し引き不用額は二十八億二千七百万円余であります。
 続きまして、平成二十五年度における防衛省主管の一般会計歳入決算及び防衛省所管の一般会計歳出決算並びに東日本大震災復興特別会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、防衛省主管一般会計の歳入につきまして御説明申し上げます。
 収納済み歳入額は七百七十六億二千九百万円余となっております。
 次に、防衛省所管一般会計の歳出につきまして御説明申し上げます。
 歳出予算現額は五兆四百五十八億千百万円余でありまして、支出済み歳出額は四兆九千七百八十四億二千八百万円余、翌年度へ繰り越した額は千七百五十八億六千二百万円余でありまして、差し引き不用額は七百十五億二千万円余であります。
 次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳入につきまして御説明申し上げます。
 収納済み歳入額は一億四千万円余となっております。
 次に、防衛省所管東日本大震災復興特別会計の歳出につきまして御説明申し上げます。
 歳出予算現額は千四百二十七億九千四百万円余でありまして、支出済み歳出額は千三百十四億八千七百万円余、翌年度へ繰り越した額は八十五億六千九百万円余でありまして、差し引き不用額は二十七億三千八百万円余であります。
 なお、主な事項につきましては、お手元に配付してある資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして御説明を省略させていただきたいと存じます。
 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 以上です。
#96
○石関主査 稲田大臣。
#97
○稲田国務大臣 一点補足させていただきます。
 防衛省所管一般会計の歳出につきまして御説明申し上げます。
 支出済み歳出額は四兆七千九百八十四億二千八百万円余でございます。
#98
○石関主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院吉田審議官。
#99
○吉田会計検査院当局者 平成二十四年度防衛省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、意見を表示しまたは処置を要求した事項七件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項六件であります。
 まず、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、違約金の賦課を定めた資料の信頼性確保に関する特約条項の取り扱いに関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、潜水艦用ディーゼル機関に使用される連接棒大端部軸受けの製造請負契約等が適切に履行されていなかった事態に係る処置に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その三は、火薬庫保有会社に保管させている防衛火工品の管理に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その四は、第三者行為により療養の給付等を受けた場合における診療委託費に係る債権管理等に関して是正改善の処置を要求いたしたもの、その五は、米国に派遣された防衛省職員が行う前渡資金に係る会計事務等に関して是正改善の処置を要求し、及び改善の処置を要求いたしたもの、その六は、有償援助による役務の調達に係る受領検査の実施等に関して改善の処置を要求いたしたもの、その七は、予備自衛官手当の支給に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、改修した魚雷の性能向上に伴う補給業務に関するもの、その二は、国庫債務負担行為により行う艦船の定期検査等に係る契約に関するもの、その三は、海上自衛隊の監督を受ける自衛隊地区病院における医薬品等の管理に関するもの、その四は、航空ヘルメット等の調達所要量の算定に関するもの、その五は、駐屯地等における津波対策の実施に関するもの、その六は、会社に保管させている航空機用エンジンに関するものであり、これら六件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。
 続きまして、平成二十五年度防衛省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項六件、意見を表示しまたは処置を要求した事項五件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項七件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号三七七号から三八〇号までの四件は、単身赴任手当に係る支給事務において、事実の確認が十分でなかったなどのため、長期間にわたって支給の要件を具備していない者に対して手当を支給していた結果、認定を取り消した後も一部が国庫に返納されておらず、不当と認められるものであります。
 同三八一号は、物品の調達に当たり、契約物品が納期までに納入されていなかったにもかかわらず、納入されたとする虚偽の検査調書を作成するなどの不適正な会計経理を行い、契約金額を支払っていたものであります。
 同三八二号は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。
 その一は、F15戦闘機の近代化改修用通信電子機器の修理等に関して適宜の処置を要求し、及び是正改善の処置を要求いたしたもの、その二は、インクカートリッジ等の調達に関して意見を表示いたしたもの、その三は、役務に関する有償援助調達に係る引き合い書の請求及び確認に関して意見を表示いたしたもの、その四は、防衛装備品等の調達に関する契約における資料の信頼性確保に関して意見を表示いたしたもの、その五は、住宅防音事業における契約手続等の公正性等の確保に関して改善の処置を要求いたしたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一は、レセプトのオンライン化に関するもの、その二は、一般借り受け宿舎に関するもの、その三は、携帯無線機で使用する二次電池及び充電器に関するもの、その四は、大規模災害等に備えて調達した携帯無線機に関するもの、その五は、防衛施設用地に係る賃貸借契約事務に関するもの、その六は、艦艇に搭載している計測器等の校正検定に関するもの、その七は、備蓄している抗インフルエンザウイルス薬に関するものであり、これら七件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
#100
○石関主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。稲田防衛大臣。
#101
○稲田国務大臣 平成二十四年度及び平成二十五年度決算検査報告において会計検査院から指摘を受けました事項につきましては、まことに遺憾に存じております。
 不当事項として指摘を受けましたものにつきましては、会計法令の遵守を図るとともに、綱紀粛正のより一層の徹底に努め、かかる事態の再発防止に万全を期する所存であります。
 次に、意見を表示されまたは処置を要求された事項につきましては、直ちに是正措置を講じたところであります。
 今後このような御指摘を受けることのないよう、より一層事務の適正な執行に努めてまいる所存であります。
#102
○石関主査 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○石関主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#104
○石関主査 以上をもちまして防衛省所管についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#105
○石関主査 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。大平喜信君。
#106
○大平分科員 日本共産党の大平喜信です。
 被爆地広島の出身で、核兵器廃絶を初め、平和を守る課題をライフワークにして取り組んできました。
 安倍政権は、今月十五日の閣議決定で、南スーダンPKOに関して、安保法制、いわゆる戦争法に基づく自衛隊の新任務として駆けつけ警護などを付与することを決めました。
 それを受けて、稲田防衛大臣は十八日、南スーダンPKOに派遣する自衛隊部隊に対し新任務に関する命令を出し、きのうその第一陣が出発をしました。憲法九条を踏みにじり、自衛隊創設以来初めての殺し殺される事態になりかねない今回の閣議決定と、そしてそれに基づく命令に、私は断固抗議をし、撤回を求めます。
 さて、政府は、去る八月二十二日、米国が二〇一七年一月から米海兵隊岩国基地へ戦闘機F35Bを配備する計画を山口県と岩国市に伝達、説明しました。F35Bの岩国配備計画は今から約四年前に米側から方針が示されておりながら、配備まで半年もない時期での地元自治体への伝達、説明になりました。
 岩国市民や周辺住民を初め訓練空域直下住民からは、これまで政府はF35Bの岩国配備は正式に決まっていないと繰り返してきた、余りにも唐突過ぎる、住民無視も甚だしいという声が上がるとともに、米国外では初の配備であり、政府の説明や地元自治体からの照会に対する回答をもってしても、今なお住民から不安の声が上がっています。
 昨日は、岩国配備反対の集会も行われました。私も参加をして、地元の皆さんを初め七百人の怒りの思いをたくさん聞いてまいりました。きょうは、このF35Bの岩国配備問題について稲田防衛大臣に質問いたします。
 F35B岩国配備計画については、去る二月二十五日の衆議院予算委員会第三分科会において、私の質問に対し岸田外務大臣は、まだ正式な通報等は受けていないと答弁をされました。
 きょうは、地元自治体に説明に出向かれた外務省の武井政務官においでいただいております。武井政務官にお尋ねしたいと思います。
 岸田外務大臣が言うこの米側からの正式な通報等というのは、いつ、どういう形で行われたのですか。さらに、この点について地元自治体にはどう説明をされたんでしょうか。
#107
○武井大臣政務官 お答え申し上げます。
 日米両政府は、F35Bの我が国の配備につきまして、平成二十五年十月及び平成二十七年四月の日米2プラス2の共同発表において確認をいたしたところでございます。
 その後、この配備先の詳細につきまして日米間で協議を進めてきたところでございますが、先般、米国政府からF35Bを岩国飛行場に配備することについて説明がなされたことから、本年八月の二十二日でございますが、宮澤防衛大臣政務官とともに山口県及び岩国市を訪問いたしまして、地元に対し、知事さん、市長さん、また議会等を通じて御説明させていただいたところでございます。
 その際でございますが、私から地元の皆様に対しまして、米側から得られた情報としまして、この配備計画の概要につきまして、次のとおり御説明をさせていただいたところでございます。
 一つ、平成二十九年一月現在、岩国飛行場に配備されておりますFA18ホーネット三部隊のうち、一部隊十二機を十機のF35Bに機種の更新をするということ。また、その後、同年八月、同じく岩国飛行場に現在配備されておりますAV8Bハリアー部隊八機を六機のF35Bに機種更新をするということ。また、機種更新の対象となる現行機種は、F35Bの到着及び米軍の部隊交代の計画を踏まえまして、日本国外へ移駐する予定であるということ。結果といたしまして、このF35Bの配備に伴いまして、約四百六十名の軍人及び家族が岩国飛行場へ移動する予定となっておること。その一方で、現行機を日本国外へ移駐するということになりますので、約三百三十名が減少するということ。以上を山口県及び岩国市に御説明させていただいたところでございます。
 以上であります。
#108
○大平分科員 そうした日本政府の対応に、地元自治体、地元住民からは大きな怒り、憤りの声が上がっております。
 二〇一七年一月に、FA18ホーネットのかわりにF35Bを岩国配備する計画は、約四年前から米海兵隊の海兵航空計画で方針が示されてきたものでした。また、ことしの三月二十三日には、米海軍省のスタックリー次官補が、ステルス戦闘機F35が米軍岩国基地に配備されるのは二〇一七年一月になる、この見通しを米下院軍事委員会小委員会の公聴会で証言しております。にもかかわらず、配備まで半年もないこの時期での米国からの通報、地元自治体への伝達、説明になったことは、私は重大だと言わなければならないと思います。
 地元住民からも地元自治体からも、これまで日本政府からの情報発信がなかったことに不満が述べられております。
 稲田大臣にお伺いいたします。
 地元自治体への説明が、配備が目前に迫って行われたことについて、日米交渉の当事者のお一人である防衛大臣としてどうお考えになりますか。御所見をお伺いいたします。
#109
○稲田国務大臣 日米両政府は、米海兵隊F35Bの日本への配備について、平成二十五年十月及び平成二十七年四月の日米2プラス2の共同発表で確認をし、その後、具体的な配備先等の詳細について協議を行ってきたところでございます。
 F35Bの岩国飛行場への配備につきましては、先般、米国側から必要な情報が得られましたことから、先ほど武井外務大臣政務官から御答弁申し上げましたとおり、本年八月二十二日、地元に対して速やかに説明を行ったものです。
 政府といたしましては、地元に対する速やかな情報提供という観点から、米側とのやりとりを踏まえつつ、可能な限り早いタイミングで地元に御説明をいたしているところでございます。
#110
○大平分科員 配備まで半年もないこの時期での伝達、説明というのが、先ほど大臣がおっしゃいました可能な限り速やかな説明、住民は全くこんなふうに捉えられないですよ。やはり、日本政府、防衛省は、米国に対して、遅過ぎる、そんなこと認められないとはっきり物を申さなくてはならないのに、それもせず、そのまま地元に押しつけてくる。まさに住民軽視、住民無視の対応そのものだと、地元でも怒りの声が上がっております。
 そこで、F35Bの配備の影響、問題点について具体的にお聞きしたいと思います。
 まず、F35Bの安全性についてです。
 アメリカ現地時間の十月二十七日、アメリカ・サウスカロライナ州の海兵隊ビューフォート基地所属のF35Bが、飛行中に出火事故を起こしました。米海軍安全センターは、最も重いクラスA、重大事故に登録をしました。
 この事故について、防衛省は、十一月八日になって山口県など地元自治体に情報提供をしています。事故が起こって十日ほど経過しての情報提供となっております。
 地元自治体が同計画について検討しているさなかですから、防衛省としては当然米側に、事故などが起これば即座に情報提供をしてもらうようにしていたはずだというふうに思いますが、米軍からはこの事故についていつ報告を受けたのでしょうか。
#111
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 議員から御指摘がありました事案に関しましては、米側とのやりとりの詳細につきましては、相手側との関係もあることでございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#112
○大平分科員 では、防衛省はこの事故をどうやって情報収集されたのでしょうか。お答えください。
#113
○深山政府参考人 詳細については岡次長から今申し上げたとおりでありますけれども、我々は、この情報を防衛省の担当部局が承知いたしました後、速やかに、先ほど地元へ御連絡した日付についてはお話がございましたが、各関係自治体に御連絡を差し上げたところでございます。
#114
○大平分科員 要は、皆さん方が岩国に押しつけようとしているその直前の時期に同じ機種が重大事故を起こしているのにもかかわらず、米側からの報告はあったのかなかったのかも含めて明らかにすることはできない、そういう姿勢を示されました。この一点をとっても、地元からすればとんでもない許しがたい姿勢だと言わなければならないというふうに思います。
 稲田防衛大臣に伺いたいと思います。
 少なくとも、このF35の出火事故が起こりましたから、この原因究明が行われ、その再発防止策がとられるまでF35B岩国基地配備は強行しない、その立場はいかがでしょうか。明確な答弁を求めたいと思います。
#115
○稲田国務大臣 今般のF35Bの出火事案につきまして、現在、米側において原因等を調査中と承知をいたしております。
 防衛省といたしましては、米側に対して、事案の関連情報の速やかな提供と原因究明等の申し入れをしているところでございます。
 今般、米側から情報が得られれば、関係自治体に対し適切に説明をさせていただき、その上でF35Bの配備計画について御理解を得たいというふうに考えております。
#116
○大平分科員 改めてもう一度確認したいと思いますが、原因究明が行われて再発防止策がとられるまでは配備の計画を強行されるということはありませんね。明確に御答弁ください。
#117
○稲田国務大臣 現在、防衛省から、その原因を含め、関連情報の速やかな提供、もちろんその中には安全確認も含まれておりますけれども、そういったことの情報提供の申し入れをしているところであります。
 したがいまして、そういった情報が得られれば、しっかり関係自治体に説明をさせていただいて、御理解を得たいというふうに考えております。
#118
○大平分科員 再発防止策がとられるまで強行されることはありませんかという質問に対して、なかなか明確な答弁をしていただけませんでした。
 万が一でもそうしたものが明らかでないまま配備が強行されれば、関係住民の理解を得られないどころか、怒りが沸騰することは間違いないというふうに思います。少なくとも原因究明と再発防止策がとられるまで絶対配備をしてはならない、このことを重ねて申し上げたいというふうに思います。
 F35Bの岩国配備にかかわる問題はこれだけではありません。
 F35戦闘機配備に伴って、米国では、アラスカ州、バーモント州、フロリダ州などの基地で環境影響評価が実施されたと聞いております。
 岩国基地の場合は、この環境影響評価、米国による環境レビューは実施されたんでしょうか。お答えください。
#119
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 F35Bの岩国配備に当たって環境レビューを米側が行ったかどうかという御質問でございますけれども、この点につきましては、米側からは、F35Bの岩国基地への配備に当たって環境レビューは行っていない旨説明を受けているところでございます。
 なお、米国外の軍事施設におきます艦船、軍用機等の配備について米政府が行う環境レビューは、大統領令等に基づき一定の場合に実施することとされておりますけれども、常に義務づけられているわけではないと承知しているところでございます。
#120
○大平分科員 ならば、お伺いをいたします。
 岩国基地はこれまでにさまざまな軍用機が配備をされてきましたが、では、そもそも、岩国基地における米国による環境レビューがこれまで一度でも実施をされたことがあるでしょうか。お答えください。
#121
○岡政府参考人 現時点におきまして防衛省として知り得る範囲ということでお答えをいたしますと、過去、米側が岩国飛行場に関連して環境レビューを行ったとは承知しておりません。
#122
○大平分科員 これまで米側による環境レビューは一度も実施されたことがないとのことでした。
 では、日本政府は、そもそもこれまで岩国基地関連の環境レビュー実施を一度でも米側に求めたことがあるでしょうか。私たちは、もとより配備そのものには絶対反対ですが、少なくとも米側に岩国基地における環境レビューを実施するよう求めることは日本政府として最低限の責任だと考えますが、稲田大臣、いかがでしょうか。
#123
○稲田国務大臣 米政府の環境レビューは、大統領令等に基づいて米政府が主体的に実施するものであり、常に義務づけられているわけではないと承知をいたしております。
 防衛省として、F35Bの岩国配備に対して環境レビューの実施を求めることは現時点では考えておりません。
 他方、防衛省としては、米軍が周辺住民の方々に与える影響に妥当な考慮を払って活動することは当然のことであると考えております。今後、F35Bの実際の運用に関して、可能な限りの把握に努め、米側に必要な申し入れを行ってまいりたいと考えております。
#124
○大平分科員 なぜ求めないのか。重大な変更が行われると思いますよ、このF35Bの岩国配備は。
 先ほど、一定の条件と言いましたか、一定の範囲と言いましたか、そういうときにはやる可能性はある、そんな答弁がありましたが、今度のF35Bの岩国配備は重大な変更が行われる。これは、少なくとも環境レビューを行うことは最低限の責任だと私は思います。妥当な考慮を図るというのであれば、大臣、まずこれを米軍に求めることは当然だと思いますが、もう一度お答えください。
#125
○稲田国務大臣 米政府の環境レビューは、大統領令等に基づいて米政府が主体的に実施するものであります。
 いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、今後、F35Bの実際の運用に関して、可能な限り把握に努め、米側に必要な申し入れを行っていきたいと思っております。
#126
○大平分科員 まさに米軍への追従ここにきわまれりと言わなければならないというふうに私は思います。決して住民は理解することはないということもはっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 防衛省のごまかし的なやり方はこれだけではありません。
 騒音の問題で、防衛省は、現在の騒音予測とF35B配備後の騒音予測コンターは示しているものの、今後予定されている厚木からの空母艦載機移駐後の騒音予測は示しておりません。艦載機移駐後に騒音がどうなるのかということは、周辺住民はもちろん、私の地元の広島県側などにとってみても、大変重大な関心事です。
 稲田大臣、F35B配備も、そして厚木からの空母艦載機の機種更新も含めた騒音予測コンターを速やかに示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#127
○深山政府参考人 やや技術的な点もございますので、私からまずお答えを差し上げます。
 御指摘のとおり、岩国飛行場へのF35Bの配備につきましては、本年八月、米側から配備計画が示されましたので、同飛行場周辺において予測される航空機騒音による影響の変化を考慮した上で、航空機騒音予測コンターを作成し、御地元の皆様に御説明いたしました。
 他方、空母艦載機の移駐については、より具体的な移駐計画の内容について米側へ確認しているところでございます。その結果を踏まえ、その後、速やかにF35Bを含む空母艦載機移駐後の航空機騒音予測コンターを作成し、御地元に説明いたしたいと考えておるところでございます。
#128
○大平分科員 やはりここでも、騒音に苦しむ周辺住民の被害に真剣に向き合おうとしない、そういう態度だというふうに言わなければならないと私は思います。
 次に、F35Bの性能、訓練場所、運用の問題に質問を移りたいというふうに思います。
 F35戦闘機は核兵器が搭載可能な戦闘機だと私は聞いておりますが、間違いありませんか。稲田大臣、お答えください。
#129
○稲田国務大臣 米国防省が二〇一〇年四月に発表した「核態勢の見直し」によれば、米国は戦術戦闘爆撃機及び重爆撃機に核兵器を搭載し前方展開する能力を保持するとされており、これは、将来的にはF35を含むとされていると承知をいたしております。
 なお、現時点において、米軍が保有するF35戦闘機がそのような能力を有するには至っていないと認識をいたしております。
#130
○大平分科員 将来的には含む、そういう性能を持ったF35Bがこの岩国に配備される、被爆地広島をまさに範囲とする、そういうところに配備されるという重大な事項だと言わなければならないというふうに私は思うんですね。
 そうしたF35戦闘機、それでは、岩国基地に配備されると、どこで、どのような訓練を行うんでしょうか。
#131
○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 米側からは、F35BはFA18ホーネットまたAV8Bハリアーからの機種更新であり、これらの機種とほぼ同様の方法と場所における訓練が見込まれる旨の説明を受けておりますが、具体的な飛行運用について説明を受けているわけではございません。
 防衛省としては、引き続き、米側に対して情報提供を求め、得られた情報については御地元に対し丁寧に説明するとともに、米軍機の飛行に際しては、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけを行ってまいりたいと考えておるところでございます。
#132
○大平分科員 現行の戦闘機とほぼ同様の方法、場所において訓練が見込まれるという御答弁でした。
 ということは、中国山地にある自衛隊の訓練空域、いわゆるエリア567を初め、訓練空域でもない中国地方の山間地、いわゆるブラウンルート、また四国のオレンジルート、こういうところで低空飛行訓練などをF35Bも行うということになります。
 米国防総省のF35Bの騒音データを見ますと、ミリタリーパワー時の騒音は、F35Bの方がFA18ホーネットやAV8Bハリアーよりも二デシベルから五デシベル大きいとなっております。つまり、訓練直下の住民の被害や苦しみはさらに増すことになる。
 稲田大臣にお伺いしたいと思います。
 F35B岩国配備に伴って、こうした訓練における住民への影響を調査検討されたことがあるでしょうか。
#133
○稲田国務大臣 米軍が訓練を通じてパイロットの技能の維持及び向上を図ることは、即応態勢を維持する上で不可欠な要素であって、日米安保条約の目的達成のために重要だと思います。他方、米軍が我が国において飛行訓練を行う場合には、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであることも言うまでもありません。
 なお、防衛省としては、F35Bの訓練の場所や方法について、米軍の運用にかかわることであるため承知はいたしておりませんが、今後、同機が配備された後の運用状況を踏まえ、住民から苦情等があった場合には、米軍への問い合わせや申し入れを行い、必要に応じ騒音調査を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、米軍の運用にかかわる事項ではありますが、防衛省としては、引き続き米軍に対し、米軍機の飛行に際しては、日米合同委員会合意を遵守するとともに、騒音面や安全面に最大限配慮しつつ、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいります。
#134
○大平分科員 F35Bが岩国に配備された後に騒音が増加しました、これじゃ困るんですよ、大臣。
 低空飛行訓練というのは日本の航空法では禁止をされているにもかかわらず、アメリカ軍機はこの航空法の適用から除外されています。世界を見ても、米軍機の自由勝手を許しているのは日本など一握り。私は、直ちに低空飛行訓練を中止させるべきだと強く求めておきたいというふうに思います。
 こうした訓練を行う米軍戦闘機ですが、これまでの戦闘機とF35Bとの大きな違いは、レーダーによって捉えづらいというステルス戦闘機だということです。レーダーで捉えられないのであれば、どこを飛んでいるかわからないとなるわけです。空の安全を守るためF35Bの位置情報を把握する手段というのは、レーダーのほかにあるでしょうか。
#135
○岡政府参考人 お答え申し上げます。
 F35B、これをレーダーのほかに位置情報を把握する手段があるのかという御質問でございますけれども、通常、航空機は機体識別のための装置を搭載しておりますので、これによりまして位置情報を把握することができるものと承知しているところでございます。
#136
○大平分科員 稲田大臣にお伺いいたします。
 米軍のステルス機は、日米共同訓練時も含めて、敵味方識別装置、トランスポンダーなど位置情報把握装置をオフにして飛行訓練することはないとはっきり言えますか。また、自衛隊は、F35Aを来年導入しますが、位置情報把握装置をオフにした飛行や訓練を命ずることはないというふうにはっきり言えるでしょうか。お答えください。
#137
○深山政府参考人 やや技術的な点がございますので、私からまず御答弁申し上げます。
 米海兵隊のF35Bについて、自機の飛行に関する各種情報を発信する装置、今、岡次長からも答弁のありましたトランスポンダーでございますが、これをオフにすることはあるかどうかにつきましては、現在、米側に確認を行っているところでございます。
 また、自衛隊について申しますと、自衛隊に配備するF35Aにつきましては、トランスポンダーをオフにして位置情報を発信しない状況での訓練を行う予定はないと承知しております。
#138
○大平分科員 どこを飛んでいるかわからない、そんな訓練をやられたんじゃ困るということで私は質問しています。オフにすることはないということが確認もされていない、こんな基本的なことが確認もされていないのに配備すると言っている。もちろん訓練空域以外は論外ですが、訓練空域であっても、識別装置をオフにして、どこを飛んでいるのかわからないという訓練を許せば、訓練空域に民間航空路が近接、密集しているこの日本で空の安全を守ることはできないではありませんか。
 大臣にもう一度お答えいただきたい。
 オフにした訓練など絶対に許されないと、アメリカ、米軍に求めるべきではないでしょうか。はっきり答弁をお答えください。
#139
○稲田国務大臣 現在、米海兵隊のF35Bについて、自機の飛行に関する各種情報を発信する装置をオフにするかどうか、確認中でございます。
#140
○大平分科員 はっきりした答弁がいただけませんでした。やはりここでも、国民の安心、安全よりも米軍を優先するという許しがたい態度であると言わなければならないと私は思います。
 F35Bの岩国配備は、軍事力の増強であり、岩国基地の機能の強化にほかなりません。日本が攻められていないにもかかわらずアメリカの戦争に協力する憲法違反の安保法制のもとでは、周辺諸国にとって軍事的脅威になるわけです。軍事力の増強に対して軍事力の増強で対峙すれば、とどまることのない軍拡競争、負のスパイラルに陥ることは明らかだと言わなければならない。
 きょうの質疑でも私が指摘をしてきたように、米軍による突然の通告、安全性の問題、環境レビューも行われない、核兵器も搭載できる戦闘機、低空飛行訓練でこれまで以上の被害をまき散らす、空の安全も守れないなど、まさに問題だらけ、問題山積のF35B岩国配備は絶対に認められない。岩国の皆さん、全国の皆さんと力を合わせて私は断固阻止をする、この決意を申し上げて、きょうの質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#141
○石関主査 これにて大平喜信君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして防衛省所管についての質疑は終了いたしました。
 午後五時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後三時四十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時一分開議
#142
○山際主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 文部科学省所管について審査を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田豊史君。
#143
○吉田(豊)分科員 日本維新の会の吉田豊史です。
 本日は、主に、文部科学省所管の独立行政法人の事業と科学研究費補助金についてお伺いいたします。
 少子高齢化と人口減少が続く我が国が国際的な競争の中で今後も先進国としての国民生活を維持していけるようにするためには、科学技術に対して適切な支援を行うことは極めて重要だと考えております。
 科学技術の発展のためには、短期的な効果が見込めない場合であっても中長期的な投資を行うべき場合も多いことは当然です。一方で、厳しい財政状況の中で効果的な支援を行うためには、研究や事業の価値については専門家の判断に委ねつつ、予算の使い方についてどのような事業でも共通するような適正な方法によるべきこともまた当然です。
 以上のような視点から質問させていただきます。
 まず、深海地球ドリリング計画推進に関する事業についてお伺いいたします。
 この事業は、独立行政法人海洋研究開発機構によるものです。この機構は、みずから保有する、地球深部探査、ドリリングというものを行う船である「ちきゅう」を活用して、運営費交付金を主な財源として、我が国近海における科学掘削を実施しております。加えて、掘削技術等の向上や自己収入確保の観点から、資源開発会社等より掘削を受託して実施しているということです。
 ここで質問いたします。
 まず、運営費交付金という制度について確認させていただきます。
 独立行政法人の運営費交付金は、国の事前の関与を受けることなく中期目標の範囲で予定の使途以外の使途に充てることもでき、年度内に執行残額が生じた場合であっても中期目標期間内であれば翌年度に繰り越すことができる、そういう仕組みという理解でよろしいでしょうか。
#144
○松野国務大臣 委員が今挙げていただいたとおりでございますけれども、独立行政法人運営費交付金は、独立行政法人制度の趣旨を踏まえ、使途の内訳は特定せず、国の事前の関与を受けることなく中期目標の範囲内で予定の使途以外にも柔軟に使用することを可能とした制度です。毎年度の運営費交付金の未使用額は、原則として、不用額を国庫納付する以外は、翌年度に繰り越して使用が可能となっております。
#145
○吉田(豊)分科員 改めて確認させていただきましたが、運営費交付金というものはそういうようなお金であると。そして、この使い道については独立行政法人の裁量の余地が非常に大きく、だからこそこの使途や執行の適正さについて厳しく問われる性格のものであろうと理解させていただきます。
 そこで、独立行政法人海洋研究開発機構は、この探査船「ちきゅう」の運用に当たり、日本マントル・クエスト株式会社との間で運用委託契約を締結したということをお聞きしておりますけれども、これは随意契約になっているということです。
 そこで、この機構が日本海洋掘削株式会社という会社との間で資源掘削の受注活動のためのマーケティング契約を締結していますけれども、このマーケティング契約というものについての内容を改めてここでお聞きしたいと思います。確認させてください。
#146
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 海洋研究開発機構が日本海洋掘削株式会社と契約をしておりますマーケティング契約でございますけれども、これは、アジア太平洋、アフリカ、中東、地中海、メキシコ湾及び南米におきまして石油、天然ガスの掘削、探鉱及び開発を実施する日本の石油会社を含む全ての石油会社に対して、「ちきゅう」を独占的にマーケティングする権利を有するものでございます。
#147
○吉田(豊)分科員 それで、この機構による深海地球ドリリング計画推進事業について、平成二十五年度に九十七億二千二百万円、平成二十六年度には百三億一千二百万円という大きな予算がつけられているわけです。この二つの年度の予算について財務省が平成二十六年度に予算執行調査を行っていますけれども、この結果における今後の改善点、検討の方向について述べているわけです。
 以下、この調査結果と、指摘された改善点や検討の方向性、そして文部科学省の対応状況についてお伺いしていきます。
 まず、先ほど述べました日本マントル・クエスト株式会社との間の運用委託契約が随意契約であるべき理由、ここを確認したいと思います。
 機構は、第一に、日本人掘削技術者養成が必要との指摘があるということ、それから第二に、「ちきゅう」の運用委託会社の要件を全て満たす企業が日本マントル・クエスト以外にないと判断したこと、そして第三には、これまで委託して経験が蓄積された同社以外では運用に支障を来す可能性があることをこの理由としているということなんですが、これらの理由に対しては財務省が指摘をしているわけです。これについてお聞きします。
 第一の、日本人技術者養成の必要性についてですけれども、「ちきゅう」と同様の型の掘削船は日本の海運会社等が出資する会社により運航されているということですので、必ずしも「ちきゅう」のみが日本人技術者養成の場ではないというふうに指摘されているわけです。この指摘に対する文部科学省の認識を確認させていただきたいと思います。
#148
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 「ちきゅう」の運用につきましては、平成二十年に、建造、運用のための技術につきまして我が国に蓄積するため、運用受託業務を希望する業者について広く公募を行いまして、その結果として、日本海洋掘削株式会社及び日本郵船株式会社の二社で新会社を設立し、その新会社が委託業務を遂行するとした応募が一件のみございました。この応募の結果、新会社として日本マントル・クエスト株式会社が設立されまして現在運用を行っており、このことからも、掘削船の運用を学ぶ場を提供できる者は少ないものだというふうに認識してございます。
 財務省の御指摘にございました同様の型の掘削船と申しますのは、日本郵船株式会社を初めとした日本法人を含む複数の国の法人が共同出資したものでございます。これはあくまで米国法人でございまして、そこが保有、運航する掘削船のことを指すものと考えております。この掘削船につきましては、今申し上げましたように、米国法人が保有、運航しているということがございます。
 また、あわせて、この掘削船の運航に当たっては、日本郵船が主な出資者となっているということもございまして、「ちきゅう」を通して得られたノウハウあるいは育成された人材が活用されているというふうに承知しているところでございます。
 このように、「ちきゅう」が日本人技術者の養成の場として重要であるというふうに認識しているところでございます。
#149
○吉田(豊)分科員 随意契約とした理由の二つ目に挙げられた点についてです。運用委託の要件の決め方が妥当か否か。
 機構による運用委託範囲の指定が多岐にわたっており、最初からこの会社以外に要件を満たしようがないような決め方がされている可能性があるという指摘があります。
 そして、今後の検討の方向として、日本マントル・クエスト株式会社以外の者の参入余地を拡大するためには現在の運用委託業務の範囲の見直しを図るべきだ、こう言っています。また、運用委託会社の要件についても見直しを図って、その際には運用委託に係る経費の効率化に資するよう留意すべきだ、このように指摘しているわけですね。
 これらの点について、文部科学省としての御認識、そして現在の状況についてお聞きします。
#150
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 運用委託業務の範囲につきましては、船舶の運航業務及び掘削の作業として一体的に安全かつ効率的に行う必要があると認識しております。これを例えば一部の業務を機構の直接契約というふうにいたしますと、例えば掘削作業の指示が分断されて、全体を一連の作業として円滑に進めることが困難になるということが想定されております。このため、現在は、基本的に現状の業務範囲が適切と考えているところでございます。
 ただ、いずれにしましても、今後、外部有識者の意見も聞きつつ、次期の契約に向けて、これは平成三十一年度になりますけれども、さらに検討していきたいと思ってございます。
 なお、経費の効率化につきましては、これは現在も行っておるところでございます。現在の運用委託業務の範囲や仕様を変えることなく、例えば、平成二十六年から二十七年度では約五%、平成二十七年から平成二十八年度では約七%、固定費を削減させていただいております。
#151
○吉田(豊)分科員 そうすると、今の答弁では、運用委託業務の範囲ですとか、それから運用委託会社の要件については見直しをもうしっかりと検討している、そういうような理解でよろしいですか。
#152
○田中政府参考人 運用委託契約に係る業務につきましては、現在、海洋研究開発機構の方で検討させていただいているところでございます。
#153
○吉田(豊)分科員 そうすると、検討させているという中にあって、当然、文部科学省としても報告を受けたり何らかの指導、やりとりをしていく、そういう考え方でよろしいですね。
#154
○田中政府参考人 先ほど申し上げましたように、次の契約を締結するに当たりましては、海洋研究開発機構が現在、中で検討しているところでございますけれども、その際、新たに外部有識者による検討組織を設置し、業務内容あるいは調達方法、契約の妥当性についても審査を行う取り組みを検討しておるというふうに聞いておりますが、これらにつきまして、文部科学省としても、予算執行調査フォローアップの機会等に適切に海洋機構から報告を受け、指導を行っているところでございます。
#155
○吉田(豊)分科員 続いて、随意契約とされた三番目の理由、これまでの経験の蓄積が豊富であるということについてですけれども、これについて、財務省の執行調査では、蓄積された経験は契約を引き継ぐ会社に適切に承継させることもできるはずだ、こういうふうに言うわけです。
 一般的に言って、多額の税金を使った事業で、ある会社に蓄積された技術や経験は、競合他社も含めた他の会社等にある程度公開して、社会一般に還元すべきではないかというふうに考えます。この事業についてもそのように考えるべきではないかと思うわけです。
 文部科学省のこのことについての御認識、一般論、そして具体的に個別のこのケースについて、両方についてのお考えをお聞きしたいと思います。
#156
○田中政府参考人 まず、一般論についてお答え申し上げます。
 国及び独立行政法人等の公的機関の委託事業の成果につきましては、基本的に公開をし、幅広く活用できるようにすることが必要と考えております。ただし、その委託事業を実施するに当たりまして事業受託者が得たノウハウなどの知見あるいは養成された人材については、当該事業者のものと考えております。
 「ちきゅう」の運航に関して申し上げれば、日本マントル・クエスト株式会社は「ちきゅう」の運航業務を海洋研究開発機構に提供するという業務を行っているものでございまして、その業務を提供することにより得られる便益につきましては、海洋研究開発機構は、「ちきゅう」の幅広い研究者への利用や研究成果というような形で広く社会に還元する必要があると考えております。
 一方、日本マントル・クエスト株式会社が当該受託事業を実施する中で得られたノウハウなどの知見あるいはそこで育てられた人材といったものは、基本的に日本マントル・クエスト株式会社のものでございますので、それを競合会社を含めて公開するというのは直ちには困難ではないかと考えております。
#157
○吉田(豊)分科員 お聞きしていますと、非常にここはバランスが重要だということは私としても理解できるわけです。けれども、やはり、特に随意契約をしていくという形をとるわけですから、改めて、今ほどおっしゃったような、一般に公開していける部分と、それからきちっと国家としての財産にしていく部分と、ここはバランスをとっていただく、その考えのもとに進めなくちゃいけない、こう思うわけです。
 契約審査委員会等において随意契約の内容がより十分に審査される必要性を感じますが、機構の関連内規等、それを受ける側の主体としての改正、さまざまな改善はなされているかということを確認したいわけです。
 財務省の執行調査によれば、平成二十六年度内に改正予定というふうになっておりますけれども、現状についてまずお聞きしたいと思います。
#158
○田中政府参考人 申し上げます。
 海洋研究開発機構の契約審査委員会につきましては、随意契約の内容がより十分に審査できるように、契約期間の妥当性についても審査委員会の審議事項とするよう、平成二十七年一月に契約審査委員会運営細則を改正したところでございます。
 また、改正に当たりましては、事前に文科省とも調整をした上で、改正後、速やかに我々の方に報告をいただいているところでございます。
#159
○吉田(豊)分科員 やりとりをしっかりなさっているということですけれども、具体的にはどのような改正を行っていくのかということをまた改めてお聞きしたいと思います。
#160
○田中政府参考人 既に改正が行われたものにつきましては、契約期間の妥当性についてもきちっと審査するようにということでございます。
#161
○吉田(豊)分科員 それでは次に、受託会社の免責条項についてということでお聞きしたいわけです。
 運用委託契約においては、受託者であるマントル・クエスト社が契約違反または重過失での責任を負う場合、当該年度の同社が受けるマネジメントフィーを上限として責任を負うというふうな形になっているということなんですが、なぜこのような形の契約なのかということを確認したいわけです。通常の過失の場合は免責され、責任額もなぜ同社の受け取るフィーが上限なのかということ、これをまず確認したいと思います。
#162
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 海洋の掘削事業におきましては、一度事故が発生いたしますと責任額が巨額になる可能性が高いということがございまして、重過失や契約違反の場合を除いて受託者が免責になることや、受託者の免責条項については限度額を設定し、それ以上は保険でカバーをするというのが一般的になっているところでございます。
 このため、「ちきゅう」の運用委託に当たりましても、受託者の責任限度額を設定し、その額については、別途付保しております保険の免責範囲も勘案し設定してきたところでございます。
 今回の予算執行調査の御指摘も踏まえて、海洋研究開発機構におきましては、保険の免責額と受託者の責任限度額のバランスに注意しながら、例えば保険の免責額を上げ、受託者の責任限度額も上げた方が全体としてコストが最適となるかどうかなど、引き続き検討を進めさせていただきたいと考えております。
#163
○吉田(豊)分科員 おっしゃるとおりで、随意契約になっているという部分、それをきちっとやはりこういう形においても、バランスがそれで合っているのかどうか、これを常に確認しつつ進んでいくということは、契約自身が随意であるということの納得要素になるというふうに思いますので、今ほどおっしゃったように、保険の免責の部分ですとか、このあたりもきちっと常に精査していくという姿勢で進んでいただきたいと思うわけでございます。
 次に、日本海洋掘削株式会社とのマーケティング契約についてお聞きしたいと思います。
 この契約について、予算執行調査では、経済社会状況や資源掘削市場の変化を見据えた契約内容の妥当性の検証を適切に行わないまま契約の更新が続けられているというふうに指摘しているわけです。同社と機構との報酬配分のあり方も含めてここは指摘されているということなんですけれども、こういう指摘に対して文部科学省はどのように認識しているか、まずここをお聞きします。
#164
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 日本海洋掘削株式会社とのマーケティング契約でございますが、これは平成二十一年一月に締結をされまして、その後、平成二十二年度から石油天然ガス・金属鉱物資源機構からの業務受託を受注するなど、成果を上げてきているということもございましたので、特段の見直しは行わずに契約を更新してまいりました。
 今回の予算執行調査の指摘を踏まえまして、まず、個別の受託事業に係る報酬配分等の定めにつきまして日本海洋研究開発機構と日本海洋掘削株式会社との間で交渉を行いまして、状況に応じて支出負担の調整をすることで実質的な配分比率を見直すことができるということを合意しまして、ことし終了いたしましたインド資源掘削におきましては、日本海洋掘削株式会社への実質的な配分比率を引き下げたところでございます。
 さらに、日本海洋掘削株式会社に対するマーケティング契約の全体の見直しに係る協議の打診を引き続き行っておりまして、今後、配分比率の見直し等についても協議を進めていきたいと考えているところでございます。
#165
○吉田(豊)分科員 ぜひそのようにして、継続的にそれを確認していくという作業は進めていただきたいと思います。
 そもそもなんですけれども、このマーケティング契約というところで、過去にどの程度の効果が上がったというふうに文部科学省としては認識しているのか、これを改めて確認させてください。
#166
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
 日本海洋掘削株式会社にマーケティング業務を委託することによりまして、既に、石油天然ガス・金属鉱物資源機構やインド政府などから平成二十二年度から二十七年度にかけまして九つの資源掘削のプロジェクトを受注いたしましてこれを実現し、「ちきゅう」の能力の活用と海洋研究開発機構における知見、技術の蓄積等に貢献しているということでございますので、十分に成果は上がっていると考えております。
#167
○吉田(豊)分科員 特に、テーマとなっています海洋の地下資源を調べるというのは、日本の国が今置かれている国際状況そして国家間のさまざまな関係においても非常にベースとなる情報だと思うわけですね。
 ですから、今こうやってその予算がつけられて、さまざまなことについて当然スパンを置いてやっているというのは正しい認識だと思いますけれども、こういうことの成果をきちっと出していくというためには、やはり、すぐに結果が出るものでない以上、常にそれについて意味があるということの確認を一回一回していく、この姿勢が、改めてその理解を得て、そして、もしかしたらもっと予算が必要じゃないかという話にもなっていくわけで、ぜひここについては、私がこうやって聞くというよりは、あるいは指摘されるというよりは、先にみずから、自分たちでこの形について意味があるということを訴えていく、そういうことも必要だと思うわけです。
 大臣、この考えについてはいかがでしょうか。
#168
○松野国務大臣 委員からの御指摘をいただいて、今後とも、効率的かつ効果的な予算執行を確保する観点から、また「ちきゅう」の運用に係るさまざまなリスクに適切に対応する観点から取り組んでまいりたいと考えております。
#169
○吉田(豊)分科員 よろしくお願いいたします。
 それでは次に、科学研究費補助金についてお伺いいたします。
 総務省の行政評価局が平成二十五年十一月に文部科学省に対して、科学研究費補助金等の適正な使用の確保に関する行政評価・監視の勧告を出しているわけです。既に改善措置状況について二回目のフォローアップまで発表されている、こういう状況で、多岐にわたる報告、勧告がなされておりますけれども、きょうはここで、特に間接経費の使途の透明性の確保という点について確認させていただきます。
 競争的資金を獲得した研究者の属する研究機関に配分される間接経費というものは、研究開発環境の改善や研究機関全体の機能向上に活用することとされている、具体的には管理部門、研究部門両方の施設等の整備費、運営経費、人件費、会議費、旅費等、文科省のホームページを見てもきちっとこういうふうに出てくるわけですね。配分を受ける機関は、間接経費の使用に関する方針等を作成し、それにのっとって計画的かつ適正に執行するとともに、使途の透明性を確保すること。繰り返します。使途の透明性を確保すること、研究者には間接経費の趣旨及びその使途を十分に周知することが必要とされております。間接経費の運用状況について、一定期間に評価を実施すべきだと。当然、この間接経費の位置づけはこういうふうにはっきりと書かれているわけですね。
 けれども、総務省の調査結果においては、六十一大学の調査の結果、計画的、適正な執行の前提である使用方針が未作成の例が七大学あって、間接経費の使途を研究者に未周知の例も二十四大学あったということです。文部科学省で、大学における使用実態を未把握で、運用状況の評価も未実施という実態も指摘されております。
 こういう状況に対して文部科学省が講じた改善措置について確認させてください。
#170
○松野国務大臣 御指摘の点につきまして、関係府省と連携をし、競争的資金に係る間接経費執行実績報告書の様式を平成二十六年五月に改正し、各機関における間接経費の使用方針の作成状況、執行管理方法、執行実績報告書の作成方法等について報告を求めたところであります。現在、文部科学省において各機関からの報告内容について分析を行っているところです。
 今後、その結果を踏まえ、必要に応じて間接経費の執行に関する関係府省の申し合わせを改正し、間接経費の適正な管理や効果的な運用のために必要な事項について盛り込むとともに、関係機関に周知をしてまいりたいと考えております。
#171
○吉田(豊)分科員 今ほどのように幾つかの改善をもう進めていらっしゃるということなんですが、共通指針の作成ですとか報告書様式の改正で具体的にどのような効果が上がったということが言えるのか、文部科学省の認識を確認したいと思います。
#172
○小松政府参考人 報告書の様式改正の効果につきましては一概には申し上げにくいと思いますけれども、使用方針の作成状況、執行管理方法、報告書の作成方法等について新たに質問項目を設けたことによりまして、各機関の意識づけとなり、取り組みを促進することとなるというふうに考えております。
#173
○吉田(豊)分科員 報告様式の改正、それからさまざまな改革を行っていくわけですけれども、やはり、もとに戻りますと、この間接経費というもの自身が非常に、全体としての研究に資するものの中で、客観的にわかりにくい要素を持っているわけですね、どれをどこに区分していくかということについて。
 だからこそ、先ほどの一つ目の問題のところでも指摘しましたけれども、研究費そのものというものはすぐに結果が出るものではないから結果についての確認ができないというこの大前提のもとで、毎年毎年使われていく予算については、より厳格な姿勢でさまざまな、みずからが予算をつけたものについてはみずからの手で確認をしていくという、このことをぜひ実行していきたいというふうに思うわけです。
 これらの対策が具体的に間接経費の効率化の決め手になっているかというと、まあ、その辺についての御認識を改めてもう一度お聞きしてよろしいですか。
#174
○小松政府参考人 先ほど大臣の御答弁がございましたように、現在、各機関から提出のあった報告書について分析を行っておりまして、その結果を適切に関係府省の申し合わせに反映していきたいと考えております。
 それから、このような取り組みを行うことによりまして、間接経費の趣旨でございます研究者の研究開発環境の改善、それから研究機関全体の機能の向上、こういったことにきちんと反映されて、そのことにより間接経費の効率化が図られるよう最大限努力をしてまいりたいと考えております。
#175
○吉田(豊)分科員 改めて、今回は間接経費というところに焦点を当てましたけれども、繰り返すようですけれども、やはり、研究費というものの位置づけということの重要性、それを理解していただくための平生の使い方について、厳格な利用の仕方、そこはぜひバランスをとっていただいて、今後また進めていただきたい、このようにお願いする次第です。
 ちょっと時間が切れますけれども、終わらせていただきます。ありがとうございます。
#176
○山際主査代理 これにて吉田豊史君の質疑は終了いたしました。
 次に、長妻昭君。
#177
○長妻分科員 松野大臣には初めて質問をさせていただきますけれども、よろしくお願いをいたします。
 私が今強い懸念を持っておりますのが、強い危機感と言っていいかもしれませんけれども、子供たちの道徳心や愛国心を評価する、つまり成績をつけるというようなことが、小学生では、私立も含めて全国の小学生に一年半後の四月から始まる、中学生は、私立も公立も全ての中学生に対して二年半後の四月から始まるというようなことであります。
 私も、当たり前ですけれども、道徳心とか愛国心というのは最も重要な価値の一つだというふうに思う人間でございますけれども、果たして、小中学生一人一人に道徳心とか愛国心について評価する、つまり成績をつけるということがいろいろな意味で私は大きな弊害をもたらしてしまうのではないのかというふうに強く思うわけであります。
 これはそもそも、道徳というものが、特別の教科、ある意味正式な教科として、戦後七十年、初めて位置づけられるということに同期をして始まることなんですけれども、これは、大臣にぜひ、大臣の見識に基づいて御答弁いただければと思うんですが、大臣は、評価をするということについて、幾ら何でもこれは大丈夫なのかという御懸念というのはお持ちではないのでございますか。
#178
○松野国務大臣 道徳の必要性については、委員もその方向においては認めるという御発言をいただきました。
 問題は評価についてだということでありますが、今、この評価に関して、道徳に関しては数値化した評価は行いません。そして、道徳の中に置かれている各項目ごとの個別評価もいたしません。生徒児童が、年間、一定期間の中において、例えば、他者に対する思いやり、また、他者の意見の受け入れ等々も含め、どうやって成長してきたかということに関して、その子の個別的な問題に関して記述式によって評価をするということでございまして、評価することによって、指導する側の教師の立場も含めて、その子の成長に期するということで、今回、道徳において記述式の評価を導入するということだと承知をしております。
#179
○長妻分科員 今のは、淡々とそういう評価のやり方をお答えになったんですけれども、評価をされる、その中には愛国心も入るということなんですが、ただ、政府からいただいた資料を見ると、「個別の内容項目の評価はしないので、「愛国心」を評価することなどあり得ません。」と断言をされておられるんです。ただ、大臣がおっしゃったように、個別の評価はしないんだけれども、大くくりなまとまりを踏まえた評価はすると。
 これは、道徳科で扱う項目が二十二項目あるんですけれども、その中の一つが愛国心でありますから。その中にはいろいろな項目が入っているわけでありまして、例えば、善悪についてどういうふうに考えるのか、あるいは、よりよい学校生活とか、相互理解とか友情とか、親切、思いやり、感謝、正直、誠実、節度、節制とか、二十二項目あるんですけれども、そのうちの一つの項目が愛国心なのであります。ということは、個別に一々一つ一つ評価するということはしないわけですけれども、当然、愛国心の評価というのも、全体の大くくりなまとまりを踏まえた評価のうちのファクター、要素の一つであるということは間違いないわけでありますか。
#180
○松野国務大臣 先ほど申し上げましたが、道徳の評価は、一人一人の内面、価値観といったものに優劣をつけるようなものではございません。道徳の評価に当たって、「国や郷土を愛する態度」など、個々の内容項目について行うものではないということは、先ほど申し上げたとおりであります。(長妻分科員「要素」と呼ぶ)要素。
 年間を通して、児童生徒が多面的に多角的な見方や発展をしているか、道徳的価値の理解を自分自身との関係の中で深めているか、こういった子供たちの成長の様子を丁寧に見取ることが必要であると考えておりまして、その旨、都道府県教育委員会などに通知して指導の徹底を図っているところでございます。
#181
○長妻分科員 ちょっとお答えになっていないんですけれども、小学校の学習指導要領では、「国や郷土を愛する心」というものが道徳科の項目になっている。中学校の学習指導要領では、「日本人としての自覚をもって国を愛し、」ということで、これが評価の対象になるのではないかというのが私の大きな懸念なんですけれども。
 文科省の資料でも、個々のものは内容項目ごとの評価はしないと。ですから、善悪の判断とか正直とか節度とか、希望と勇気とか真理の探求とか、個別にはしないんでしょう、愛国心もこの中にありますけれども。ただ、当然、その二十二項目の、愛国心も含めて、大くくりなまとまりを踏まえた評価の一要素が愛国心も入ると。つまり、自覚を持って国を愛すとか、国や郷土を愛する心も、一要素として、評価のファクターとして入るというのは間違いないわけでありますか。
#182
○松野国務大臣 個々の項目に関する評価はしないということでありますが、例えば、今委員の方で例示をされました愛国心について、要素として評価するのかということになれば、例えばその愛国心が、その子がいいとか悪いとか、そういう評価をするわけではありません。(長妻分科員「成長したか」と呼ぶ)成長というのは、個別の事案ではなくて、その子の物の見方に対して、多面的な、多様な見方ができるようになったかどうかということに関して記述式で評価をするということでございまして、御懸念の、それぞれの要素に関して、あなたの愛国心に関して、このぐらいですね、このぐらいですというような評価をするようなことは一切いたしません。
#183
○長妻分科員 いやいや、ですから、それはわかったんです。
 要素の一つとして、では何を評価するのか。当然、周りの生徒とは比べないというのはよくわかりました。その生徒が去年よりもことし、道徳科の授業を受けたことで、あるいは来年、成長するわけでありましょうけれども、そのときの、去年より、前よりもここが成長したよというような前向きな評価ということも聞いておりますけれども、その中に何にも基準がなかったら、何を評価するのか。その子供の、一年前のその子と一年後のその子をある意味では比較することだというふうにも思いますから、そのときのファクターの中に愛国心というものの評価も要素としては入ると、二十二項目の中の一つですから。それはお認めになっていただきたいんですよ。
#184
○松野国務大臣 繰り返しになりますが、個々の今挙げていただいた愛国心等を含むものを要素として捉えるかということですが、その評価というよりも、その子がその子の考え方において、他人からのさまざまな意見をどう受け入れられるようになったか、そういったことをその子の成長内で評価していくということでございますから、今、個別の二十二項目の要素について、それぞれに対して、それがいい、これが悪いというような評価をするわけではないということでございます。
#185
○長妻分科員 いやいや、ですから、例えば、今おっしゃいましたよね、他人からの意見を受け入れるというようなものも今例示としておっしゃいましたけれども、それも二十二項目の中のうちの一つに入っているんですね、「相互理解、寛容」という項目があるわけでありますから。
 ですから、何にも二十二項目全く頭に入れずに、何か授業中の態度が、態度もこれは入っているんですね、礼儀とかいろいろなものも。ですから、基本的に二十二項目を一個ずつ評価するのではないけれども、その中の、二十二項目のうち、ここは伸びたなと思うようなところについて、それは包括的に評価するわけですから、その次の質問もあるわけで、愛国心が要素に入るとまずいという思いがあるのかどうかわかりませんけれども、何でそういうふうに、普通に答弁していただけないんですか。次にスムーズに進もうと思っているんですけれども。
#186
○松野国務大臣 特に個別の要素が、これが入るとまずいということではなくて、委員の方から例示的に挙がったものですからそれを言わせていただきましたが、要は、個々の子供たちの成長を促すように、肯定的にそれぞれの子供たちに関して記述式で評価をしていくということでありますから、その二十二項目が評価の構成をするものではないということでございます。
#187
○長妻分科員 では、ただ、先ほど例示で挙げられた大臣の話は、「相互理解、寛容」というところにかかわるお話をされたと思うんですね。自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にする。ですから、二十二項目を全く頭の中に入れずに評価なんかするわけないじゃないですか、成長の評価でも。
 何でこれが先に進まないのかというふうに思うわけですが、では、一個ずつ聞いていくと、例えば、「善悪の判断」というのもあるわけですね。善悪の判断、よいことと悪いことの区別をし、よいと思うことを進んで行うというのもあるんですが、これも当然、個別にこれを見ないですけれども、大ぐくりの評価の中の一つの要素として、例えば、この部分が伸びていれば、それに成長として触れることもあり得るわけですよね、それは。
#188
○松野国務大臣 今例示をいただいた善悪等々、何が善か何が悪かということに関しては、これはもちろん法的な問題はありますが、個人としての価値観において善悪というのはそれぞれにあるんだろうというふうに思います。ですから、一定の評価を持って、これを善と評価するから評価が上がるということではありません。
 しかし、その善悪を考えるに当たって、先ほど申し上げたとおり、単に自分の主張だけ、自分の価値観だけということではなく、全体の意見もよく聞きながら総合的に考えていく、そういった力を伸ばしていく、それに関して記述式で評価をしていくということであって、先ほどお話を申し上げた他人の意見等々に関しては、それは、その項目として私がお話をしたわけではなく、全てを通して、個人の考え方の成長においてそういった側面があるという意味でお話をさせていただいたということでございます。
#189
○長妻分科員 これもちょっと質問を曲解されているんですが、私は善悪の価値を判断するとは言っておりませんで、これを忠実に読んだわけでありますけれども、「よいことと悪いこととの区別をし、よいと思うことを進んで行う」と文科省の学習指導要領に書いてあるわけでありますから、そうすると、この日本人としての自覚を持って国を愛すというようなことは、一切、全くそれは念頭に置かずに成長の評価をするということでよろしいんですね。
#190
○松野国務大臣 ちょっと、その念頭に置かずにというのがどういう意味であるか、私の方でわかりかねるところがありますが、二十二要素が道徳を構成する中に入っているというのは、もちろんそのとおりであります。ただ、個々の要素に関して評価をしないということは申し上げたとおりであります。
 例えば、お話にあった、国を愛する気持ち、態度を養成していくというようなことに関して、その子供本人の方向性、その問題に関する方向性を評価するということではないということであります。
 それは、個々、全て二十二項目を道徳の中の要素として取り上げていくわけでありますけれども、その中において個人としての見方の多面的、多様性を認める、そういった成長を記述式で評価を行っていくということでございます。
#191
○長妻分科員 ですから、結局、評価の要素に入るわけですよ、二十二項目は。それを排除して、二十二の個別項目を全く捨象して大ぐくりな評価なんというのはできないわけですから、道徳科で扱うというふうに指導要領に書いてあるわけですから、これはちょっと誠実な御答弁をいただきたいんですね。
 文科省が行ったパブコメでも、非常に懸念する意見がたくさんあります。例えば、子供の価値観や心情を、記述式であっても一定の基準等により評価すべきでないという意見。そして、評価を保護者に公表する形で行った場合、教師の求める発言をする子供がふえる、道徳は、本音で語れる場とすることが重要だという意見。
 そして、今のは平成二十七年の二月、三月に行ったものなんですが、もう一つ、二十六年の八月、九月に文科省が行ったものについても、道徳性の評価は極めて難しく、成長過程における児童生徒の評価は記録に残る形でなされるべきではないと。これは指導要録に入るわけですから、ずっと残るわけですね、子供たちの道徳心、愛国心の評価が。
 もう一つは、現在でも、子供のよさや頑張りを認め、励ましながら道徳教育を行ってきていることからも、新たに記述による評価を行う必要はないという意見。あるいは、記述式であるとしても、心の変容を評価することは可能なのか疑問。適切な評価は難しい。評価が導入されることによって、画一的な指導や評価になることに危機感を覚えると。これは相当懸念する意見が来ているわけでありまして、私はこの要素の中に愛国心が入っていると。
 ですから、愛国心は、私は重ねて言いますけれども、重要だと思いますけれども、子供たちの愛国心、単体ではないけれども、それも含む総体を評価するというのは大丈夫かな、気持ち悪いなと私は強く思うわけで、ある意味ではそれがどんどんどんどん、資料なんかを読むと、国というのは総理大臣とか内閣とか松野大臣とかそういう統治機構を指すものじゃなくて、それは郷土とか国の伝統とか、全体の総体としての国だということは注意書きで書いてあるのも私も承知しておりますけれども、ただ、やはり評価となると、国の方針とか、あるいは特に外交、国が海外に我が国の立場を発信するときの外交方針、これらに対する批判を封じ込めるような圧力になるんじゃないのか。
 やはり外交方針でもおかしいと思っている国民の皆さんはいっぱいおられるわけで、それはちゃんと批判するということは私は重要だと思うんですけれども、この評価ということになると、国の方針とか、特に海外に対して日本の立場を言うときの外交の方針とか、これについて批判が封じ込められるんじゃないかというふうに強い懸念を覚えるわけです。批判を忘れた国はいずれ大きな過ちを犯すというのは戦前の反省でもありますので。
 ある人と話していましたら、ちょっとこんな笑い話をおっしゃっていた方もいるんです。こういう評価が入ってくると、例えば小学校、中学校の子供がいる家で、お父さんが酔っぱらって家に帰ってきて、総理大臣がテレビで答弁しているときに、これはとんでもない答弁だ、こういう批判をしたらお母さんが、あんた、うちの子の成績が悪くなるから政府の批判とかそういう悪口を余り子供の前で言わないでよというような、笑い話であってほしいんですけれども、私はそういう無言の同調圧力を呼ぶことになるんじゃないかと。
 せっかく道徳科ということでいろいろ頑張っておられるのはわかっていますけれども、だからその評価のところを本当に一旦立ちどまって考えた方がいいんじゃないのかということなんですね。
 そしてもう一つ、やはり多い意見は、私もいろいろな方と意見交換しましたけれども、評価すれば子供が本音を言わなくなるんじゃないのか、例えば先生に対して込み入った相談とかをしなくなっちゃうんじゃないのか。
 ちょっと大臣にお伺いしますが、この道徳心の評価というのは、例えば子供の休み時間の言動とか、そういう授業中でないときの行動も先生が観察することができれば、ずっと追っかけるわけじゃないですけれども、たまたま観察することができればそれも入るという理解でいいんですか。
#192
○松野国務大臣 今回、道徳科における評価においては、道徳の授業内においての評価であって、それ以外の面までその評価が及ぶということではございません。
#193
○長妻分科員 でも、そうですかね。先生に対する休み時間の言動とか、休み時間に質問するわけですからね、職員室とかで、授業中も質問しますけれども。ですから、そういうところで例えばいいところがあれば、褒めるという意味で書き込むということも私は十分あり得ると思うんですが。
 そこで、もう一点の懸念というのを申し上げると、配付資料の一番最後のページでございますけれども、これは、文科省が、「心のノート」を変えて、「私たちの道徳」という名前で全国の小中学校に配っている副読本があるんですね。これは、いろいろな学者の先生と意見交換をいたしますと、この「私たちの道徳」という副読本が、今検定されておられますけれども、道徳科の教科書のモデルの一つになるんじゃないか、こう言われているものであります。
 私、これを全部読んでみまして、小中学校全部、相当びっくりしたんですね。今、うちの子は相当大きくなっているので、余り小中学校のこういうものは読んでいないんですけれども。
 というのは、いろいろなびっくりすることがあったんですが、一つは、家族のところで、どの副読本の「私たちの道徳」を見ても三世代同居の家族が出てくるんですね。おばあちゃんとおじいちゃんと両親と子供。いや、それは理想は理想なんですけれども、そういう御家庭が今どのぐらいあるのか。今、離婚が三組に一組になって、母子家庭あるいは父子家庭が相当急増しているわけであります。
 その中で、例えば、お配りしたのは、小学校三、四年生「わたしたちの道徳」から抜粋した、「大切な家族 あなたにとって家族とは、どのような人たちですか。あずささんは、次のようにまとめてみました。」と右の方に例示があるんですね。あずささんという女の子はこういうふうに書いたから、左に同じスペースの空欄があって、そこにあなたの家族も似顔絵とともにちょっと書いてみなさいというものなんですね。
 ところが、そのあずささんの例示は、あずさちゃんが真ん中にいて、おじいちゃんはどう書いてあるかというと「こまっているときは、いつもいっしょになやんでくれる。」おばあちゃん「元気がないとき、はげまして、おうえんしてくれる。」そしてお父さんも出てきて「わたしたちのために仕事をがんばってくれている。いろいろな遊びを教えてくれる。お父さんが作ってくれる料理はおいしいよ。」お母さん「わたしたちのために仕事をがんばっている。食事の用意やせんたくをしてくれる。しかられることもあるけど、何でも話せる。」お姉ちゃん「勉強や遊びを教えてくれる。けんかもするけど、いっしょに遊ぶととても楽しい。」という三世代の御家族があって、非常にバラ色な話なんですけれども。
 私は、家族を愛せということを上から言っても、例えば、家族を愛せない子供たちは原因がどこにあるのかということも考えないといけないと思うんですね。
 道徳について、小学校の学習指導要領を見ますと、二十二項目の一つに、道徳科で教えなきゃいけないもので「家族愛」という欄があって、「父母、祖父母を敬愛し、家族みんなで協力し合って楽しい家庭をつくること。」と。ただ、子供だけで楽しい家庭をつくりたいと思うけれども、なかなかこれはつくれないわけであります。
 そういう意味では、私が申し上げたいのは、いろいろな、これは例示かもしれませんけれども、全ての「私たちの道徳」で三世代同居が出てくる。物語でも、熱が出たときにお母さんとかおばあちゃんが家で看病してくれたと。ですから、そういう子供たちの心情にきちっと配慮をしていただきたいということもありますし、楽しい家庭をつくることというのが道徳科の目標でありますから。
 私は、例えば、自分の家庭内で両親が不和になっているとか、離婚の問題が発生して大変苦しいとか、そういう踏み込んだ相談を子供たちが先生にしようとしたとき、成績というか、評価されちゃうんじゃないのかということについて非常にちゅうちょが広まって、仮面少年少女を量産するような、むしろ逆効果になるんじゃないかというふうに強い懸念を私は持つわけでありますけれども、この三世代同居だけの例示というのはどうお考えですか。
#194
○松野国務大臣 もちろん、長妻委員が今お話をされたように、家族の理想型はこうでなければならないというようなことはあり得ませんので、それぞれに家族のあり方というのはあるんだろうと思います。
 そして、この解説の方に当たっても、指導に当たっては、多様な家族構成や家庭状況があることを踏まえ、一人一人の生徒の実態を把握し、十分な配慮を欠かさないようにすることが重要であるというふうにもしてありまして、私も当然こういった配慮というのはあってしかるべきだというふうに考えております。
#195
○長妻分科員 最後にお伺いするのが、道徳心、愛国心の成績、評価をするということが中学校受験、高校受験の内申書にどういうふうに影響するのかということなんです。
 私自身は、内申書作成というのは自治事務なので、これは配付資料にもありますけれども、十六ページに文科省のをつけさせていただきましたが、内申書にはこれは記載しないというふうに書いてあって、これを「都道府県教育委員会等に周知・指導します。」こういう書き方にとどまっているわけで、それは周知、指導なんですね、お願いベースになるわけでありまして、ですから、私の懸念というのは、都道府県の教育委員会の強い意思があればこれは内申書に入ってしまうということだと思うんですが、いかがでございますか。
#196
○松野国務大臣 入学試験は都道府県の教育委員会などの実施者が客観性、公平性を担保した上で行わなければならないことは、憲法、教育基本法、学校教育法の趣旨から当然であると考えております。
 したがって、他者と比較できない個人内評価である道徳科の評価を入試の調査書に記載することはできないと考えます。
 文部科学省としては、通知などによりこのことの指導を徹底しているというところであります。
#197
○長妻分科員 ですから、さっき私が申し上げましたように、その通知というのは、ここにもありますけれども、周知、指導ということなので、これは、いろいろ法律の専門家、衆議院の法制局等と議論いたしますと、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四十八条で、必要な指導、援助、助言を行うことができるというような法的な根拠があるんだと思いますが、これに反した場合、できる法的規定がないんですよね。第二百四十五条の五、是正の要求というのもありますが、これも法律の専門家と議論しますと、ここは、法令に違反しているという場合、あるいは著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると。ただ、どちらにも当てはまらないんじゃないかというふうに言っているわけです。
 もし、学力テストについて、もう大臣はよく御存じだと思いますが、文科省の要領で学校名を公表しないということだったんですが、ところが、二つの府と県が教育委員会の同意なく公表しちゃった。つまり、自治事務ということもあるんでしょう、そういう発想もあるのかもしれませんけれども公表しちゃった、こういうこともあるわけで、文科省がだめだと言っても全部そうならないわけでありまして、ぜひこのことについてもよくよくお考えをいただきたい。
 先ほど大臣は、客観性、公平性を担保する入試にはそぐわないとおっしゃったんですね、客観性、公平性を担保する入試にはそぐわないと。自己矛盾じゃないですかね、今の答弁は。
 道徳科の評価というのが客観性、公平性を担保する入試に向かないというのは、つまり、評価そのものが客観性、公平性がないということをおっしゃっているのと同じなんじゃないかなというふうにも思います。入試は他人との比較だけじゃなくて面接だってあるわけで、それは子供の将来の可能性とかそういうものも面接で見るということも聞いておりますので、ですから、客観性、公平性、こういうものがないものについて評価をするということは、ぜひこれは撤回をしていただきたいということを強くお願い申し上げるところであります。
 時間も参りましたので以上といたしますけれども、大臣におかれましては、よくよく精査をしていただいて、私はこの評価の問題が相当深刻な事態を招いてしまうんじゃないかというふうに強く思いますので、この一点について、ぜひお考えを直していただければありがたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#198
○山際主査代理 これにて長妻昭君の質疑は終了いたしました。
 以上をもちまして文部科学省所管についての質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の審査は全て終了いたしました。
 この際、一言御挨拶申し上げます。
 分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。
 これにて散会いたします。
    午後五時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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