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2016/04/01 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 地方・消費者問題に関する特別委員会 第5号
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2016/04/01 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 地方・消費者問題に関する特別委員会 第5号

#1
第190回国会 地方・消費者問題に関する特別委員会 第5号
平成二十八年四月一日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     中川 雅治君
     二之湯武史君     森 まさこ君
     馬場 成志君     野村 哲郎君
     吉川ゆうみ君     若林 健太君
     倉林 明子君     大門実紀史君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     吉良よし子君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     堀井  巌君
     中川 雅治君     舞立 昇治君
     若林 健太君     石田 昌宏君
     小西 洋之君     神本美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         熊谷  大君
    理 事
                島田 三郎君
                藤川 政人君
                三木  亨君
                森本 真治君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
    委 員
                青木 一彦君
                石田 昌宏君
                尾辻 秀久君
                滝沢  求君
                野村 哲郎君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                森 まさこ君
                森屋  宏君
                山田 修路君
                金子 洋一君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
                寺田 典城君
                難波 奨二君
                林 久美子君
                河野 義博君
                横山 信一君
                吉良よし子君
                和田 政宗君
                吉田 忠智君
                平野 達男君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地方創
       生))      石破  茂君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        牧島かれん君
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
       国土交通大臣政
       務官       津島  淳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        伊藤 明子君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長
       兼内閣府地方創
       生推進事務局審
       議官       末宗 徹郎君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長              
       兼文部科学大臣
       官房審議官    松尾 泰樹君
       内閣府地方創生
       推進事務局長   佐々木 基君
       文化庁文化財部
       長        村田 善則君
       経済産業大臣官
       房審議官     若井 英二君
       国土交通大臣官
       房審議官     水嶋  智君
       国土交通大臣官
       房審議官     平垣内久隆君
       国土交通省総合
       政策局公共交通
       政策部長     蒲生 篤実君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○地域再生法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(熊谷大君) ただいまから地方・消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、倉林明子君、豊田俊郎君、馬場成志君、二之湯武史君、吉川ゆうみ君、小西洋之君及び太田房江君が委員を辞任され、その補欠として野村哲郎君、森まさこ君、吉良よし子君、神本美恵子君、堀井巌君、舞立昇治君及び石田昌宏君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(熊谷大君) この際、石破内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石破内閣府特命担当大臣。
#4
○国務大臣(石破茂君) 前回の委嘱審査におきまして、委員長の御発言の前に退席をいたし、誠に失礼をいたしました。心からおわびを申し上げる次第でございます。失礼いたしました。
    ─────────────
#5
○委員長(熊谷大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地域再生法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長伊藤明子君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(熊谷大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(熊谷大君) 地域再生法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。石破内閣府特命担当大臣。
#8
○国務大臣(石破茂君) 地域再生法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国の地方創生をめぐる現状は、若者の雇用環境が改善する一方で、二〇〇六年から上昇傾向にありました合計特殊出生率が九年ぶりに低下に転じ、また、東京一極集中の傾向に歯止めが掛からないなど厳しい状況が続いております。
 このような状況を踏まえ、国におきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略に掲げられた基本目標や重要業績評価指標、KPIの達成に向けた進捗状況を検証し、政策パッケージ、個別施策の拡充を盛り込んだまち・ひと・しごと創生総合戦略二〇一五改訂版を昨年末に閣議決定をいたしたところであります。
 地方公共団体におきましては、地域の実情に応じて地方創生に取り組むための地方版総合戦略の策定が進められており、今後、これに基づく地方創生事業が本格的に実施されていくこととなります。
 この法律案は、そのような地方公共団体の自主的、主体的な事業で先導的なものを支援する地方創生推進交付金の交付や、地方公共団体が行う地方創生プロジェクトに対する企業の寄附を促進する地方創生応援税制、中高年齢者が希望に応じて地方やまちなかに移り住み、多世代の地域住民と交流しながら健康でアクティブな生活を送りつつ、必要に応じて医療、介護を受けることができるコミュニティーづくりを目指す生涯活躍のまち推進のための措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、認定地域再生計画に基づく事業に対する特別の措置として、次の措置を追加することといたしております。
 第一に、認定地域再生計画に記載されている事業で地方版総合戦略に位置付けられた先導的なものに対して交付するまち・ひと・しごと創生交付金の規定を追加することといたしております。
 第二に、認定地方公共団体に対してまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附をした法人に対する課税の特例を追加することといたしております。
 第三に、生涯活躍のまち形成事業計画の作成及びこれに基づく介護保険の事業者の指定等の手続の特例等を追加することといたしております。
 また、地域再生の担い手となる地域再生推進法人の指定の際に求められる政令で定める要件を削除することといたしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに成立いたしますようお願いを申し上げます。
 以上であります。
#9
○委員長(熊谷大君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○斎藤嘉隆君 民進党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
 地域再生法の一部を改正する法律案、今の趣旨説明をいただいた中身についてお伺いをさせていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 今回の法案は、大まかに三つの大きな柱で構成をされているというように認識をしています。順々に、若干気になる点を数点、お伺いをしたいというふうに思います。
 まず一点目は、まち・ひと・しごと創生交付金についてです。地方創生を深化をさせる先導的な事業に対して交付を行うという形になっています。全てこれ、地域再生計画の中身によって交付をするのかしないのかと、こういうことだろうというふうに思います。
 実は、今回の法案に示されているこの地域再生計画の内容とは若干違いますけれども、本年度の会計検査院の指摘によりますと、従来型の地域再生計画、終了した計画のうち、実に半数ほどが計画が達成できていない、あるいは達成状況不明ということになっています。これ、極めて見通しが甘い計画に、見通しがあったのかなかったのか、甘い査定で財政的な支援をし、自治体が財源確保ができない、あるいは想定した状況とは実は異なっていた、あるいは調整に時間が掛かってできなかった、こういう理由で多くが未達成であると、こういうことになっています。この種の事業にありがちな、ある意味想定内の状況なのかなというようにも思います。
 今回のこの法案の中で同様のことが起きないように具体的にどう改善をするのか、これ、自治体に改善を促すとか自治体に指導していくとか、そういうことではなくて、政府としてどのような点を具体的に改善しようとしていらっしゃるのか、冒頭お聞きをさせていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(石破茂君) 事実関係は委員御指摘のとおりであります。
 つまり、平成十七年六月、随分昔の話ですが、平成十七年六月から平成二十七年三月、地域再生計画に設定された目標達成率は五一%であったというふうに、二十七年十月、会計検査院から指摘をなされておるところでございますが、私どもとして、既に二十六年十二月に、進捗状況の検証及び実施段階での目標見直しを図るため、地域再生計画について、中間目標の設定、PDCAサイクルの徹底を求めるなど、運用の改善を進めているところであります。
 何でこんなことになるかといいますと、おっしゃるとおり、関係者との調整に時間を要しました、事業実施箇所が当初想定した条件と異なるなどで対策を図る必要があったというようなことがございます。つまり、関係者の方々との調整というものに更に密にやっていただきたいということ、それからまた、場所が変わっちゃいましたよということになると、最初からもう少しきちんとそういうところを設定してくださいなというお願いもあるわけでございます。
 私どもとして、これもう地方のお話ですよというふうに切って捨てるようなつもりもないのですが、やはりKPIというものがきちんと身の丈に合ったというのか、リーズナブルというのか、そういうものが設定されておりますでしょうかと。そして、PDCAサイクルというのは基本的にそれぞれの地方で回していただくものでございます。もちろん議会によるチェックも行われるわけですが、住民の方々あるいは有識者の方々できちんとチェックがなされるというような体制をつくっていただくということが大事なことだと思っております。
 今までやりっ放しみたいなところがなかったとは言わない。きちんとチェックがなされる体制が構築されるということが、こういうような御指摘を受けないための一種の抑止力として必要なものだと思っておりますし、それがきちんとワークいたしますように、私どもも地方の立場に立って、よくこれから先も協働してやってまいりたいと考えておるところでございます。
#12
○斎藤嘉隆君 今の御答弁にもありましたけれども、今回の地域再生計画作成の条件ということで、KPI、PDCAという視点、効果的に実施される事業ということになっているわけです。
 KPIですから、プロセスの段階を含めてしっかりチェック、評価をしていくということだと思いますが、若干、法案の中身や今の大臣の御説明等をお聞きをして、このKPI、どういう指標が望ましいのか。もちろん、これ申請をしてくるわけですから、ある程度高い目標を持ってこのKPIの指標というか、そういったものを作っていく必要があるとは思います。ただ、それが本当に身の丈に合ったものであるのかどうか、なかなか難しいところがあると思います。
 KPI、こういう指標が整備されている事業を、大臣、どのような視点でチェックをされていこうとしていらっしゃるのか、そういう基準を今役所の中でいろいろ議論されてもう既にある程度持っていらっしゃるのか、この辺り、いかがでしょうか。
#13
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 事業の申請に当たりましては、地方公共団体が自主性を発揮しまして、地域の実情に応じまして、それぞれの地方公共団体にふさわしいKPIの設定を行っていただきたいというふうに思っているわけでございます。したがいまして、KPIは当然、その団体の規模でございますとか、あるいは地域特性、あるいは事業の性質、こういったものに応じまして様々でございます。
 一例を御紹介させていただきますと、例えば島根県浜田市では、介護職の未経験のシングルペアレントを移住者として受け入れまして、介護サービス事業での雇用につなげることによりまして定住に結び付けたいと、こういう事業を考えているわけでございますけれども、この場合には、平成三十一年度にこの事業で二十五件の世帯が移住すると、こういうことをKPIとして設定しているところでございまして、このように多様なKPIの設定があるというふうに私どもは思っております。
 こうした事業の効果検証につきましては、地方公共団体においてやっていただくということになるわけでございます。
#14
○斎藤嘉隆君 KPIですので、従来型のKGIというか、そういう手法では、先ほど冒頭私申し上げたみたいに、何といいますか、最終的な結果の評価だけでは今回会計検査院が指摘をされているような状況が生まれてくると、さっき大臣がおっしゃったとおりだと思います。だからこそKPIの手法で評価をしていこうと、こういうことだろうというふうに思います。
 複数年度にわたる今回計画も対象になるということであります。五か年度以内ということでありますけれども、ちょっと確認させていただきたい。
 これは、自治体側からこれまでのように毎年毎年申請をしてくる、こういう手間は自治体の側にとっては省かれるということで理解をしていいんでしょうか。それから、KPIによる評価ですので、例えば五か年度であれば、その年度年度、その途中途中の様々なプロセスを評価をしていく、その段階で、基準を満たしていない、極端に満たしていない、そういう状況があれば、これはもう計画途中であっても交付そのものを打ち切っていくと、大臣、これまでも委員会の答弁でもそういった旨の御答弁をされていらっしゃるようでありますけれども、こういったことで基本的な考えはよろしいんでしょうか。
#15
○国務大臣(石破茂君) 基本的にはそういうことでございます。ただ、余りに懸け離れているので打ち切るというようなことになりますと、もうそれは最初は何だったんだいということになるわけでありますから、最初にKPIを設定していただく時点から私どもと自治体との間で、これは一体どのようにして達成されますか、具体的な手法というのは何ですかということはやはり私どもの方としてお尋ねをし、それが余りにアンビシャスというのか、これはちょっと無理ではないですか、これをこのまま続けていった場合に本当に地域の実情と乖離したことになりませんかというようなことは事前に私どもとしてもお話はさせていただくことにいたしております。
 ですから、余りに乖離をしたので打ち切るというようなことは、当然私どもの責任でもございますので、そういうことがないように心してまいりたいと思います。
#16
○斎藤嘉隆君 是非その点、どういう基準を持ってどのような評価をして交付のあるなしを定めていくのかというのは非常に難しいと思いますけれども、やはり申請の段階でいろんな意味でのコミュニケーションをしっかり取っていただいて議論をしていただくということも必要だなと改めて思っております。
 私、今回のこの交付金についてですけれども、ちょっと根本的な部分で、これは本会議でも我が党の安井議員からも指摘があったところでありますけれども、国に申請を上げて、国が認可し、そして財政的な支援をすると。ややもすると、地方、私もかつて地方の役所にいた経験がありますけれども、国の意向を見ながら、その意に沿う計画を作っていく、地方の自主的、自発的な事業だといいながら現実そうなっていないケースも多々あるのではないかと、ここに私はもう一つ計画未達が出る大きな原因がある。計画が立って、その計画が通って交付が受けられれば、それである程度の自治体としての目的が達成をされてしまう、従来の補正予算を活用した年度ごとでの計画はそのようになるというふうに思っています。
 今回、一つのポイントとして複数年度にわたる計画が対象となるということでありますので、その点、繰り返しになりますけれども、先ほど大臣がおっしゃったような視点を十分大切にしていただきたいなというふうに思います。
 ただ、これ、自主裁量を広げたかつての一括交付金、こういうことによって地域の創意工夫を促すというのも私は今やっぱり本当の意味で必要じゃないかなというふうに思っています。これはどの政権がどの時代にやったとかそういうことではなくて、地方のニーズ等を踏まえて、この一括交付金について改めて大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
#17
○国務大臣(石破茂君) 一括交付金の考え方を私は全否定するものではございません。
 これは、私どもが与党でおって、当時の野党民主党からこのような問題というか構想が提起されたときに、それはかなり魅力的なものだと正直言って思っておりました。地方分権でありますとかそういうことが議論をされたときに、そういう方が使い勝手がいいということは認識はいたしておるところでございますが、実際にやってみると、これは先般本会議で安井議員からも御指摘をいただいたところでありますが、なかなか市町村というものに対して対象が拡大をしないということがございました。また、既存のものというものを、要はそれを、ハードの部分も相当に入っておりましたので、結局、本来の理想とはかなり違う形で運営をされたのではないかと思っております。
 今回の私どもの新型交付金等々の考え方はそういうようなものと基軸はそんなに離れていないと思っておりまして、更に御指摘をいただきながら、もしより良いものがありとせば、そういうものに変えていかねばならないと思っております。
 要は、ユーザーフレンドリーであるかどうかということが第一でございまして、そこにおいて実際に使われる自治体の方々、特に基礎自治体の方々が使いやすいもの、やはりそれぞれの地域の、千七百十八あります基礎自治体の使い勝手がいいということに配意をして今回の設計としているものでございます。
#18
○斎藤嘉隆君 大臣のお考えは今理解をしました。ユーザーフレンドリーというふうにおっしゃいましたけれども、そういう視点を是非役所内でしっかり共有をしていただいて議論をしていただきたいというふうに思います。
 二つ目のこの法案の柱に移りたいというふうに思いますが、企業版ふるさと納税について少しお伺いをさせていただきます。
 これ、私ちょっとイメージがまだ持てないんです。どのような企業がどのような規模で寄附をするのか、大企業なのか中小零細企業なのかあるいはオーナー企業なのか、都市部から地方へのいわゆる税の移転にどの程度つながっていくのか、それはいいことなのか悪いことなのか。
 役所内での議論や大臣の持っていらっしゃるイメージというのをちょっと冒頭お聞かせをいただきたいんです。お願いします。
#19
○国務大臣(石破茂君) これ、よくある話で、地方から志を持って、どこでもいいのですが、企業を起こして成功して財を成しましたと、ついては自分のふるさとに例えば体育館を寄附したいとか、あっちゃこっちゃにありますがグランドピアノがあってみたり、あるいは自分の出身地に工場を建てたりとか、そういうのはよくあるお話でございます。
 それはやはりオーナー企業に多いというふうに考えておりますが、今回、対象をオーナー企業に限るとか大企業に限るとか、そのような考え方を持っているものではございません。それぞれの自治体が、こういうことをやりたいということを総合戦略あるいは地域再生計画の中に位置付けて、こういうことに対して賛同してくださいというふうに企業に呼びかける。それは広くあまねく北海道から沖縄まで呼びかけるというのもあるんでしょうけれども、こういうようなプロジェクトであればこの会社ならば賛同してくれるはずだという目星をやっぱり付けるんだと思います。そこへ行ってお願いをする。
 これはまた後ほど委員の御質問に出ようかと思いますが、経済的な利益を与えてはならないということになっていますので、そこにおいては、それに賛同し、それにその寄附を行うということによって、企業の経済的利益ではない、イメージアップのようなそういう利益が得られるというものは何だろうかというのは、企業の側も自治体の側も相当に考えることになるんだろうと思っております。
 応益原則というものはよく認識しながらやってまいるつもりでございまして、これに反しないような税制を組んでおるものでございますが、それは、やはり財政が非常に厳しい自治体に対してそういう寄附が行われる、トータルとして地方財政全体には寄与するような、そういう設計にしておるものでございます。ですから、それによって、何か企業が経済的利益を得るので、ばんばんと寄附がなされて、そういう企業が所在している自治体がえらく減収して困っちゃったというようなことが起こらないようによく配意をしておるものでございます。
#20
○斎藤嘉隆君 一つ、例えばオーナー企業の方が自分の出身地の自治体の例えば学校教育に対して何かの支援をしたい、寄附をしたいと、そういうようなことを考える。しかし、今回のこの枠組みでいうと、あくまでも自治体が立てた計画に関して寄附をするわけになりますので、そのオーナーさんの思いというのは具体化はしないわけです。
 そうしますと、例えば事前のところで、自治体と非常に有力な企業のオーナーさんがいらっしゃって、いや、実はこういうことをしたいんだというオーナーさんの御意向を踏まえて計画を立てると、こういうことも当然あるのかなというふうに思っています。今大臣おっしゃいましたけれども、決してそれは経済的な利益ではない。経済的な利益ではないですけれども、この寄附を使って自分の思いをかなえるという、ある例えば個人の方や企業の経営者の方が、そういったこともあるわけで、こういうのはある意味でも個人的な見返りを、見返りではないですが、そういったものを求めることにつながるんじゃないかとか、自治体間で計画を立てる段階で企業の寄附を得るべく何らかのいろいろな工夫が競って行われるんじゃないか、それは本当に地方創生交付金の趣旨に合致をしているんだろうかという、そういう危惧を持つんですね。
 改めて、これ、どうでしょうか、企業といわゆる自治体の計画、今それも踏まえてということも若干おっしゃいましたけれども、そこの関わりについて少し危惧する部分があるんですが、いかがでしょうか。
#21
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 まず、この地方創生応援税制につきましては、あくまでも最初に地方版総合戦略があるという前提に立っております。既にもうほぼ全国の地方公共団体で策定を終えているところだと思いますけれども、その策定プロセスにおきましては、産官学金労言、地元住民が参画をして、自分たちの町をどのように人口減少を克服して活性化をしていくかという、多様な人たちの声を入れて地方版総合戦略を作っていただく。その中で、例えば定住者を増やしていくとか雇用を創出していくといった、そういった事業の財源として関連するであろう企業の寄附を、安いものとかをセレクトしていくということですので、企業のオーナーさんからの意向が先にあるというよりは、最初に今もう作り上げている地方版総合戦略に基づいて、その一つの財政手法としてこれを御活用いただきたいと、そのような発想に立っているところでございます。
#22
○斎藤嘉隆君 多くの皆さんが指摘をされていますので、この経済的な利益をどう捉えるのかということも含めて、少しまだ、引き続きこの点についてはちょっと議論が必要なのではないかなというふうに思っています。
 それから、もう一点の視点は、これ、寄附をされた自治体は一〇〇%その寄附分が増収になるということだと思います。寄附をした企業が所在をする自治体については減収になりますが、減収のうち、ちょっと確認をさせていただいたら、七五%は交付税措置をされるということだと思います。ただ、それでも二五%は減収ということなんだろうと思います。これ、企業の寄附という不確定変動的な要因によって自治体の税収が上下をする、これは額の多寡ではなくて、そのことについては違いないというふうに思います。
 見込んでいた税収が減少するという状況が自治体の運営にどの程度影響していくのか、特に、税収の、言わば国が関わって、ある程度国主導で税の移転がこうやって行われていることについては、私、前々からいろいろ申し上げておりますけれども、極めて慎重な議論が必要だというふうに思います。これ、今回の法案の中身とは関係ありませんけれども、先般通った法律の、例の法人住民税の法人税割の国税化の拡大の問題、一部の市町村で偏在是正の名の下に最大で予算額の六%、予算額の六%ですよ、を超える額の減収が見込まれていると、こういう状況があります。
 これは、済みません、総務省の担当だと思いますので、大臣は直接所管をしていらっしゃるわけではないんですけれども、今回のこの法案も含めてですが、私、さすがにここまで行くと行き過ぎではないかなと。この法案による税のやり取りというのはこういうことはない、そのことは十分認識をしておるつもりでありますけれども、地方創生の担当大臣として、あるいは、多くの大臣職を歴任をされてきた石破大臣のこの点についての御見識をお伺いをしたいと思います。
#23
○国務大臣(石破茂君) 基本的に総務省の所管でございますので、そのことはあらかじめお断りした上で申し上げるのですが。
 結局、余りに過大なものを見積もって予算を組むということになると、やはりその計画自体に相当無理があったんじゃないんですかということだと思っております。予算案というのは、当然のことでございますが、それぞれの自治体の議会において審議をされ議決をされるものでございますので、そこはやはりその地域地域における、言葉が適当かどうか迷うところですが、財政民主主義というものがどれだけ確立をされているのかということであって、それで議会のチェック機能というものが生かされることによって、そういう、この税制そのものが不安定性を持っているということだとは私は認識をいたしておりません。この税制を仕組むことによって、これは本邦初演であって、個人版ふるさと納税と違って、これだけ寄附をするとこれだけのものがもらえますよというのがインセンティブになるわけではございません。そしてまた、それを受け取る側は地方の公共団体ということに限定をされているものでございます。
 そして、先ほどの答弁でも申し上げましたが、七五%という御指摘もいただきましたが、地方財政全体にとってはプラスになるもの、そしてまた応益原則に決して抵触のすることがないように、つまりサービスに対する対価が税であるというような、そういうような基本的な考え方に抵触するようなことのないように制度設計をしたつもりでございますが、また委員の御指摘をいただきながら、もし足らざる点があれば改めてまいりたいと思います。
#24
○斎藤嘉隆君 一般的に裕福な自治体と言われるところから、それは都市部が中心なのかもしれません、地方の自治体への税の移転と、それは当然交付税を活用して偏在の是正ということは必要だと思いますが、どの程度まで許容するのかというのは、これはもう本当に政府を挙げて是非議論をしていただきたいなというふうに思います。
 私は愛知県の人間ですので、自分の地域の自治体の首長さんたちといろいろお話をさせていただくと、もう本当に大変な状況が起きることが想定をされているということでありますので、そんなのは裕福なんだからいいじゃないかと、こういう総務省さんのお考えもあるのかもしれませんけれども、是非このことは引き続いてやっぱりしっかり議論していきたいなというふうに思っています。
 三つ目の柱についても少しお伺いをします。日本版CCRCについてでありますけれども、これ、五十代とか六十代、七十代のいわゆるアクティブシニアという、五十代もシニアですかね、こういう方が、私もそうなんですが、元気なうちに地方に移住をする。ただ、いずれこういった方々も、いつまでも元気であるわけではないので、介護や医療を受ける、そういう年齢、そういう状況になる。しかし、大都市圏で受ける介護や医療サービスよりも地方で受けるサービスの方が安くて手厚いものがある。そして、自治体もそのことによって財政的なインセンティブがあると。
 こういう仕組みが伴うものであればかなりうまくいくんだろうというふうに思いますけれども、逆に、むしろ年々地方の負担が増えていく、増していく。先ほど申し上げたように、移住をした方が、その後、病気にかかられる方、介護が必要になる方、こういった方々が増えることによって地方の負担が年々増していくということになりかねないのではないかなというふうに思います。これが一点。それと、地方間で単なる人の奪い合いになっては何の意味もないと思います。
 これ、かなり手ごわい難しい制度だと思っていますけれども、うまくいきますか、これは。
#25
○国務大臣(石破茂君) これは、私どものみならず、厚生労働省あるいは文部科学省、国土交通省等々の担当者によります連絡協議会的なものを発足をさせているのですが、その冒頭の会に出て、この事業は失敗することは絶対にあってはならないということを申し上げたのです。なぜならば、人一人一人の幸せ、人生の後半における幸せに関わることですから、これ失敗しました、ごめんなさいで済む話ではないので、想定されるあらゆる事態に対応できるように、各省において施策というものをきちんと用意をしていかねばならないということを申し上げました。
 ですから、委員のお尋ねは、うまくいきますかと言われて、いきませんと答えるわけには絶対いかないのでありまして、それはうまくいかせなければならないものだと思っていますが、アメリカのCCRCというのも二千か所あると承知をいたしておりますが、これはどちらかというと、七十代、八十代の方々で富裕な層の方々を対象としたものであると。私も五十代をシニアと言われると何となく悲しい思いがしないわけではなくて、この言い方は何とかならないのかと役所で言いましたらば、シニアというのは決して否定的な言葉ではありませんと言われて、ああ、そうですかといったようなこともございましたが。
 それはさておき、私どもとして、五十代、六十代のアクティブな方々が、第二の人生を地方で送りたいという御希望をお持ちの方が、首都圏に御在住の方々の男性の五割はそういうことを検討したことがある、あるいはそのようにしたいと思っておられるわけで、そういう方々の御希望をかなえる形で選択肢を、実現を可能にするための仕組みを整えたいと思っております。
 つきましては、富裕な方々ではなくて、もちろん全ての方がこれが利用できるのが一番いいに決まっているのですが、国民年金、厚生年金を受給された方々が過度の御負担なくお住まいいただけるようなこと、そして、そこにおいて五十代、六十代から第二の人生として、中央で得た、別に名古屋でも大阪でもいいのですが、そこで得たいろんな知見を地方において生かせる場をつくりたいと思っております。そこにおいてある程度の収入がある、すなわち、最近、半農半Xとか、そういうような言葉もございますが、あるいは、それぞれのかつて住んでおられたところのおうちが家賃収入を十万とか十五万とか、中古住宅の流通市場を更に活性化させることによってそれが加わる、それに年金がプラスされる、そしてそこにおいて半農半Xみたいな形で何かの仕事をお持ちになるということで、本当に豊かな老後というものを送っていただける。
 その際に配意しなければならないのは、高齢者の方々がたくさん来られることによって、その自治体に過度の負担、財政負担が生じないように、これは厚労省ともよくお話をしながら体制を整備してまいりたいと考えておるところでございます。
#26
○斎藤嘉隆君 十分な資産をお持ちのシニア世代というのは、都市部で、ある程度大きな負担があっても、質の高い高齢者向けのサービスを恐らく受けることができる。
 だから、今大臣がおっしゃったみたいに、そうではないアクティブシニアの世代の皆さんが地方や町中に移り住んだときにどうしていくのか、こういうことが大きな課題だと思います。働き口の問題ですとか収入の問題、今言及をしていただきました。それと、あとはやっぱり、ある程度自由な時間をどうやって過ごすか、どうやって自己実現を地方地方でしていくかという、これも大きな課題だというふうに思います。
 御提案ではありません、ちょっと、お考えされていると思いますのでお聞きをしたいと思いますが、私、一つは、学びというのが一個のキーワードになってくるんではないかなというふうに思います。
 今回の基本コンセプトを見ると、その中にあるんですけれども、若者などの多世代の地域住民との協働、交流というのが挙げられています。大学との連携とか、こういったものも効果的なんだろうというふうに思います。高齢の皆さんというのは、若者以上に私は学ぶことにすごく貪欲であって、若者との交流というのをすごく望んでいらっしゃる、こういう面もあるというふうに思うんですね。
 文科省さんも、これ地方の大学を活用した地(知)の拠点、COC、最近はCOC+ですか、こういったことを地方創生事業として展開をしていらっしゃいますけれども、この制度の進捗状況や、この制度と今回のCCRCとの連携というのはどうなっているんでしょうか。
#27
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘のとおり、地方創生に関しまして地方大学が果たす役割は極めて重要だというふうに認識しております。
 それで、具体的には、文科省におきまして、先生御指摘のCOC+、これは、平成二十七年度から、複数の地方大学が自治体や地域の企業、民間団体等と協働し、それぞれの強みを生かして雇用創出や学卒者の地元定着率向上を図る取組を支援する拠点事業として設立をさせていただいております。現在、四十二拠点、二百五十六大学の支援を始めたところでございまして、これは、まさに昨年十二月に改訂をいたしましたまち・ひと・しごと創生総合戦略の中において明確に指摘をされているところでございまして、しっかりとここの、CCRC始め、地域拠点ということで連携をさせて取組をさせていただいているところでございます。
#28
○斎藤嘉隆君 今、松尾さんがそうやっておっしゃるんですけれども、ただ、大学のことについて少しフォーカスして議論したいと思うんですけど、十八歳の年齢人口が今後急激に減っていく、十八歳人口は減っていくわけですね。国立大学も今、いわゆる中期計画の下で今後恐らく再編をされていくと思います。地方の大学が少なからず消えていく、こういうことが見込まれているわけです。
 地方で果たしている地方大学の役割というのは非常に私、大きいと思うんですよ。地方の若者が地方の大学で学んで、地元で就職をして、地元で子育てをする、それは地元の大学に行ったからこそそういうことが起きている、こういうケースも一般的にあるわけですね。大学自体がまた雇用の受皿になっているようなケースもあるというふうに思いますし、地方の産業振興をリードしていく、こういったのも大学の役割だろうというふうに思っています。これは、我が国の目指す一つの方向なんじゃないでしょうか。こういう地方大学を拠点として地方創生を図っていく。
 ところが、大学がどんどん減っていく。東京にばかり大学が集中をして若者を集め続けているわけです。東京に出た若者は、残念ながら地元には余り帰りません。特に女性が顕著です。これ、何かやっぱり大きなビジョンを持って手を打つべきだと思います。
 例えば、具体的に言えば、地方に移転をする私立大学とかそういったところに財政的なインセンティブを打つとか、あるいは国立大学の再編についてもそういう地方創生という視点を更に色濃く打ち出していくと。こういったことというのは非常に重要なことだし、ひょっとしたらCCRCよりも効果的かもしれない、地方創生に関して。これ、いかがでしょうか、こういう考え方は。
#29
○政府参考人(松尾泰樹君) 大学の移転、それから設置の改廃につきましては、これは学生の需給状況を見ながら学校法人の設置者が主体的に考えるべきだと思っておりますが、先生御指摘のとおり、地方における地方大学の果たす役割は極めて重要だと思っております。したがいまして、私ども文科省といたしましても、大学の都市部における集中、その現状を踏まえまして、入学定員の超過を抑制するための措置を段階的にやらさせていただいているところでございます。
 また、加えまして、地方大学の活性化という観点から申し上げますと、先ほどのCOC+の事業もございますけれども、そのほかにも、地域活性化に貢献する国立大学、私立大学等への支援、それから奨学金の関係、それから「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」地域人材コース等々、それからまた学び直しにつきましてもいろんな事業をさせていただいておりまして、地方大学の活性化、拠点化というのを務めさせていただければというふうに思ってございます。
#30
○斎藤嘉隆君 地方大学の活性化といいながら、繰り返しになりますが、中期目標、計画の下で、どう考えても今後地方の大学は減っていく、再編をされていくと、こういう状況なわけですよ。是非ここは、政府全体というか、国の将来の地方の在り方というのを考える上での一つのキーワードにしていただいて、この大学というのを、是非御検討いただきたいと思います。
 大臣はいかがお考えですか、この点について。
#31
○国務大臣(石破茂君) 政府の立場は今参考人からお答えをしたとおりですが、実際そういうことはどうしたらできるのかなという思いは実は私は個人的に持っております。
 ですから、例えば早稲田大学がかなり地方移転というのをやっているわけですよね、本庄早稲田なんかもそうですが。そうすると、例えば私が出ました学校でも、創立者に非常に御縁の深いところは大分県の中津であるわけで、中津からは何度も来てくれ来てくれみたいな話はあるんだけれどもなかなか難しいというようなことはそれなりの事情があって、それは政治家は余り理想ばかり語っているわけにもいきませんが、地方において、そういう、ここ行きたいなと思う大学があるというのも大事なことだ。
 しかし、今政府からお答えしましたように、例えばそれぞれの、鳥取大学であり、島根大学であり、あるいは山口大学であるというところの魅力化を高めるということも大事なのではないか。いわゆる世に言うブランド大学なるものが地方に移転することが大事なのか、今一生懸命COC+等々で頑張っている大学、特に地方創生学部みたいなものをつくって頑張っている大学の魅力化を進めることが大事なのかといえば、私は、一概にブランド大学と言われているものを地方に移すということだけが道ではないのだろうというふうに思ったりしております。
 何が一番いいのか。やはり首都に大学がいっぱい集まっているというのは多分日本だけの現象だと思っておりまして、諸外国の例も研究しながら、より良い方向をまた委員の御意見も承りながら模索してまいりたいと考えております。
#32
○斎藤嘉隆君 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#33
○和田政宗君 日本の和田政宗です。
 まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五に関連したものをまず聞いていきたいというふうに思います。
 農林水産業の成長産業化についてお聞きをします。
 成長産業化、これは主に六次産業化ということになろうと思うのですけれども、六次産業化といっても、飛躍的な成功事例というのは実は少ないのではないかというふうに私は分析をしております。売上げを一定程度伸ばしたという成功事例については承知をしていますけれども、成長産業化をうたっているわけですから、飛躍的な成功につなげていかなくてはならないというふうに考えております。
 その飛躍的な成長ということを考えた場合に、農林水産業と異業種の連携というものが必要なのではないかというふうに思います。しかしながら、一農家、一漁業者ではマッチングのきっかけというのはなかなかつかめない。そこで、マッチングに行政が積極的に関与してはどうかということを提案したいというふうに思います。
 例えば、宮城県においてなんですけれども、ある農業生産法人が、仙台に本社のある電気製品や生活用品の製造販売会社、これ売上げが二千億円規模の会社ですけれども、そこと組んで共同出資をしまして米の精米流通会社を立ち上げました。農業生産法人単体では十億円の売上げだったものが、農業生産法人グループ全体ということになりますとこの精米流通会社を含める形になりますので、グループ全体で二百億円規模の売上げをうかがうというように大いに飛躍をさせたわけであります。
 この農業生産法人の社長さんにお話を聞きますと、この電気製品の製造販売会社の社長さんと会える一回のチャンスを逃さずに共同出資の企業設立につなげたわけですけれども、全てがこううまくいくわけではありません。マッチングの一番大きな阻害になっていますのは、やはり大企業の社長さんともなりますと一農家ではなかなか会えない、そもそも名刺交換すらその機会というものがないのが現状だろうというふうに思っております。
 ですので、マッチングできそうな事例を研究、発掘を行政の方でしっかりやっていただいて、マッチングに力を入れる体制を更に構築すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#34
○大臣政務官(佐藤英道君) 和田委員御指摘のとおり、農林漁業者が六次産業化に取り組もうとする場合には、異業種とのマッチングが重要であると認識しております。今委員御指摘の企業には私も宮城県にお伺いした際に見学をさせていただきまして、敬意を表するぐらい本当に模範的な取組をされているなということを実感をさせていただきました。
 農林水産省としては、六次産業化サポート事業により商談会の開催を支援をしているところでありますけれども、これによって、六次産業化の取組により開発された新商品の販売先を探している農林漁業者と流通業者とのマッチングを推進しているところでございます。
 具体的には、参加者が事業の内容や商談を希望する相手方を事前に登録をしていただきまして、事務局がその希望に沿って商談のスケジュールを定めるなど、限られた時間を有効活用して参加者の個々の事業ニーズに即した商談が確実に行われるような工夫もさせていただいているところであります。これによって、平成二十七年度におきましては三百七十件を超える成約があったところであります。
 農林漁業者が加工販売事業者と合弁事業体を設立して六次産業化に取り組む場合、国等が出資をして設立をしている農林漁業成長産業化ファンドによる出資の対象ともしているところでございます。
 今後も、農林水産省として、委員の御指摘踏まえまして、農林漁業者と流通業者との積極的なマッチングを実現する取組、しっかりと推進してまいりたいと思います。
#35
○和田政宗君 本来はこれは民間企業、民間事業者の自助努力でということになろうかというふうに思うんですけれども、私も様々な商談会、見学をさせていただいておりますけれども、やはり従来の形式であるとなかなかマッチングしにくいというのが、繰り返しになりますけれども、現状だというふうに思いますので、様々御研究いただいて、農林水産業が成長産業、飛躍化するようにしっかりと御支援をいただければというふうに思っております。
 次に、政府機関の地方移転について聞きます。
 私は、政府機関の地方移転はすべきという考えです。例えば、仙台に一定程度集中して移転をさせて、国家的災害のときには政府機能のバックアップ機能を持たせるべきというふうな考えを持っております。
 現状、この地方移転に際しまして、手挙げ方式ということになりますと、省庁がぱらぱらと分散をしていくというような形で、これは効果の面で果たしてどうなのかというところが実は私思うところでございます。
 移すのであれば、関係省庁を二つですとか三つですとか、場合によっては四つ、五つまとめて地方移転をすべきではないか、こういったような考え、これについては、大臣、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(石破茂君) これだけが全て正しいやり方だというふうなことを申し上げるつもりは私はございません。
 ただ、明治維新以来、本格的な中央省庁の移転というのは行われたことがなかった。竹下内閣、私、当選一回でしたが、あの頃に確かに幾つか移りました。でも、それは例えば関東農政局をさいたま市に移すとかそういうものであって、要は都心の、何しろバブルの時代でしたから、この地価の異常な高騰を抑制するというのが政策目的だったので、地方創生ということは目的ではなかったので、大宮とか、今でいうさいたま市とか横浜市に移っていったわけでございます。
 今回の、例えば文化庁を京都に全面的に移転するというようなことは、実は京都市はもう十数年前からこのことをずうっと言ってきた。でも、それが実現することは今までなかったわけでございます。これを、どこでもいいからばらばらとまさしく効果も検証せずにばらまくというお話ではなくて、なぜそこなのだろうかという、地方の、いや、うちにはこういうようなバックグラウンドがあってと、あるいは研究機関であれば、こういう産業が集積し、こういう学問が集積しということを言っていただいて、我々の側としても、それはそうですねというふうに言えないとするならば、一体なぜなのだということが真剣に中央と地方との間で対等の立場で議論が闘わされるということが大事だったのではないかというふうに思っております。
 ですから、一種の分都的、都を分けるという字を書くのでしょうが、分都的なやり方というのも私は一つのやり方だと思います。ただ、そうした場合に、本当に今回のような効果が得られたかというと、なかなかそれは難しかった。将来的にはそういうことがないとは言いません。
 ですから、やはり中央機関を地方に移すということをやらないと、民間の方々にそんなことをお願いしても、何だと、政府もやらないくせに何で俺たちにそんなこと言うんだみたいなことになる。そこにおいて、北海道から沖縄まで広くあまねく公正で高度な行政が展開されるということをきちんと担保をしながら今回のやり方を取ったものでございます。
 ですから、そういうような、政府がイニシアティブを取ってやっていくというやり方を決して否定はしません。それをどうやって実現していくかということについてはまた勉強してまいりたいと思います。
#37
○和田政宗君 この後、動きが具現化していくわけでございますから、私もしっかりと注視をして、勉強をして、実際のお話も聞きながら、また質問につなげていきたいというふうに思っております。
 次に、プレミアム商品券や旅行券、これは昨日で終了しているわけでございますけれども、この効果についてどのように分析をしているか、中間報告的なものでも構いませんので、その効果についてどういうふうに分析しているのか、答弁を願います。
#38
○国務大臣(石破茂君) 私どもとして、自治体によりますアンケート調査の集計、分析結果などを、事業は御指摘のように昨日で終わっておりますので、なるたけ早く取りまとめて御提出をいただきますように三月九日に自治体に依頼をさせていただいたところでございます。その結果が集まり次第、全国的な規模での集計と分析というものを進めたいと思っています。乞う御期待みたいな話なんでありますが。
 実際にこれを見てみますと、今までとは違う効果が得られたのではないかなというふうに私は思っております。例えば、愛知県でいきますと、この旅行券をお使いになった方の六七・五%は新しいお客様でしたと、そういう効果が得られましたと。そしてお住まいの場所も、愛知県のみならず、東京であるとか大阪であるとか。岐阜でも、旅行券をお使いになった方の七三%は新規のお客様でした。佐賀では七六・四%が新規のお客様でした。私の鳥取ですと七六・九%が新規のお客様で、今まで来なかったようなところの地域の方々が、じゃこれを使って岐阜に行ってみようかな、鳥取に行ってみようかなというお気持ちを持っていただいたのは大きな効果だったというふうに思っております。
 これは自画自賛的で、先般本会議でもお答えをしたところでありますが、私どもめったに褒められるということはないのでありますが、先般、主婦の方々を中心といたします、そういう読者の方々が投票をされましたと。十万人の女性の読者の方々が、前の年の九月までの一年間にこれがあって便利だった、助かったと実感した商品に投票をされたと。十万人の方々が投票をされたわけでありますが、何とこのプレミアム付き商品券、ふるさと名物商品・旅行券というものが一般サービスの部門で金賞を得られましたということで、トロフィーなんかいただいちゃったりしたわけですね。
 私も長い議員生活の中でこんな体験は初めてなのでありますが、やはりそれを使ったことによって、家族みんなで三世代で旅行に行けましたね、ふだんだったら泊まれないようなところに泊まりましたね、どこへ行こうかねということで、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供たち、そこでいろんな話がなされて、その結果として初めて行ったという方が増えて、それで、この後これを契機としてリピーターになっていただくというのは地域地域の御努力だと思います。この券がなければリピートできないということであれば、それはなかなか問題なしとはしませんが、新しい需要を喚起する、そういうようなきっかけにはなったのではないか。
 これからきちんと数字を集計して、また委員会に御報告をさせていただきたいという機会を得たいと思っております。
#39
○和田政宗君 これは、私も地元でプレミアム商品券の効果というのも実感をしておりまして、消費の喚起に有効であったのではないかなというふうに思っておりますので、分析を待ちたいというふうに思っております。
 商品券や旅行券でない事例というものをちょっと見てみたいというふうに思うんですが、例えば山形県庄内町では、住宅リフォームに当たり、祝い金という名の給付金制度を行っておりまして、リフォームが増えることによりまして地元の工務店、そのほかの電気設備の会社でありますとか林業にも影響を与えまして、地元経済に対して大きな効果が上がっております。
 これ、商品券や旅行券といいますと、ちょっと厳しい言い方をすると、各地である意味、向こうでもプレミアム商品券、こっちでもプレミアム商品券というようなことで同じような施策になってしまうわけでございますけれども、例えば、この山形県庄内町のように各自治体の特性を生かした給付金などについて国としてアイデアを募って支援をしてみてはいかがでしょうかということを大臣にお聞きをしたいというふうに思います。
#40
○国務大臣(石破茂君) それも効果のあることだと思います。リフォームしたらそれに対して助成をしますという使い道もそれはあるのだと思います。ただ、その支援がなくなっちゃったらもうやめますよということであれば、金の切れ目が縁の切れ目みたいなことになりかねないと。それは果たして公金の使い方として正しいのであろうかというと、私として、あえてこういう言い方をすることをお許しをいただければ、疑問なしとしないということでございます。
 また、先ほど、そういういろんな競争をあおるのではないかという御指摘がありましたが、じゃA町ではリフォームをしたら百万円、じゃお隣のB町では二百万円、そうすると、もう一声みたいな形で三百万みたいなことになると、これは収拾が付かない話になりますねと。そうすると、単にお金の多寡で決まっていくということになって、そのほかの創意工夫を生かして、先ほど浜田の例を参考人の方から御説明申し上げましたが、そういうお金で勝負というよりも、本当に地域で一生懸命考えてその地域に人を定着させようとしている試みの効果が減殺されることも懸念をされるところでございます。
 それは、私は、委員の御指摘のことを決して否定はしませんが、全体的に考えた場合に、そういうことをなさろうとすれば独自財源でお願いする方が適当なのではないかと考える次第でございます。
#41
○和田政宗君 では続いて、地域再生法に関連をして聞いていきます。
 企業版ふるさと納税についてですが、被災地の自治体に対しては国からも様々な財政支援が行われております。復興のために掛かるお金はただまだまだあるというのが現状です。自治体としては、復興のために使えるお金が更にあればという思いが実際のところはあります。この企業版ふるさと納税を被災地自治体に寄附をすることに対する優遇措置、これを設けることができないか、これ、大臣にお聞きをしたいと思います。
#42
○国務大臣(石破茂君) 政策論としてはあり得るんだろうなというふうに思っておりますが、これ言うと縦割りだとかいうお叱りをいただくのだと思いますが、宮城、あるいは岩手、福島、茨城等々を中心といたします被災地に対する支援は復興庁を中心として、総理がよく申しますように、全大臣が復興大臣のつもりでやってくれというような総理の意思を体してみんなで努力をしておるところでございまして、今回のこの政策というのはどうやって疲弊している地方の活性化をし人の流れをつくるかということであって、これは広くあまねくオールジャパンを対象とした政策でございますので、被災地についてはそれはまた別の政策で支援をさせていただくということになるんだろうと思います。
 ただ、その交付金の活用等々に当たりましては、それぞれの被災地の自治体において本当に真剣に総合戦略もお立てになり、まさしく被災地から新しい日本をつくるんだということで、我々が気付かなかったようないろんな御提案がございます。それは被災地であるからということではなくて、その計画が新しい日本の例えば農林水産業、あるいは新しい交通体系、そして小さな拠点等々をつくっていくなどということに着目をして、それにふさわしい支援は当然させていただくものでございます。
#43
○和田政宗君 次に、生涯活躍のまちについて聞きます。
 全国各地では、地方の集落、山合いの集落が消滅したり消滅する危機に瀕しております。私は、今こそこうした地方の集落、山合いの集落を残す取組をしていかなければならないというふうに思います。今やらなければ、日本が伝統的に受け継いできた里山であったり各地の多様性、こういったものが失われてしまうのではないかというふうに考えております。
 私が尊敬する政治家であります田中角栄先生、石破大臣も深い関わりのあるお方でいらっしゃいますけれども、雪に閉ざされ、山合いの集落から病院に行くのが一日掛かりというところに道路を通していきました。私も新潟の血が入っておりまして、新潟に住んでいたこともありますので、特に新潟は本当に有り難いなという思いを持つ人が多いというふうに思うんですが、まあ地元への利益誘導だとか、そんな一つとか二つしか家がないところに道路を通すのは無駄だというようなことを言う人もいますけれども、じゃ、無駄だと言うのであれば、そこが生けるように活用していけばいいというふうに私は思っております。
 この生涯活躍のまち、地方の集落、山合いの集落を残して活性化させるためにはどういった取組をしていくのか、御答弁をお願いいたします。
#44
○国務大臣(石破茂君) このCCRCというのは、まさしく地方の疲弊した自治体というものに対して一つの方向性を示唆するというか、与えるものになるのではないかと思います。
 委員がお読みになったかどうか、これ、私、存じませんが、楡周平さんの書かれた本に「プラチナタウン」という本がございまして、これWOWOWでも放送されておって、この小説は七、八年前に書かれたもので、まだCCRCとかそんな言葉が全然出てこない頃のすごく先見性のある小説だったなと思って、私は本当に一晩で読了したのですが。
 地方の自治体において、例えばいろんな公共施設はあります、農業もあれば漁業もあれば林業もありますと。あるいは、病院も完備しています、教育の体制も完備しています、待機児童はゼロでありますみたいなところで地域を再活性化させる一つの手段たり得るのではないかというふうに思っておりますが、じゃ、誰が事業者になるのだ等々、それはいいことだねだけで実現することではございませんので、それぞれの地域においてそういう集落の活性化も視野に入れた形で、ただ、なかなか限界集落みたいなところに突如としてCCRCが登場することにはならないんだと思います。そこは、CCRCの最後のCはコミュニティーでございますので、そこにおいて多くの世代の方々が交流していただく。ですから、よく、やや山奥っぽいところに何々幸せの里みたいなものがあるわけですが、そういうものを私はCCRCとしてイメージをしておりませんので、余り限界集落のようなところではないが、そういうふうな地域のいろんな環境も生かしていきながらCCRCを活用していくというのは当然あることだというふうに思っております。
 また、とにかく、集落がなくなっていくということは、本当に食料という点からも国土保全という点からも決していいことだと思っていませんし、どうしても自分はこの集落に住みたいんだという方々のお気持ちは、憲法上の要請からもそれはかなえていかねばならないものでございます。さればこそ、小さな拠点というものをつくり、いろんな機能を、地域のかつての村役場があったようなところですが、そこへ集約をし、そこへデマンドバスとかデマンドタクシーとかネットワークを張ることによって集落を維持していくということは、私どもにとって課せられた使命だと思っております。
#45
○和田政宗君 ある程度、地域として面という中でどういうふうにやっていくかというような考えであろうというふうに思うんですけれども、今大臣の方からデマンドバスというようなことも出ました。これ、鉄道とかバスなどの公共交通網というのは、これ採算が取れなければ路線を廃止するというのが企業体としての通常の考え方です。地方に住んでもらって、そういった昔の村役場を中心として、山合いの集落をバスでつないでいくというようなことを考えた場合に、これはそういった考えの下の地方の公共交通網の再構築ということが必要になるというふうに思うんですね。赤字だから廃止ということになれば、もう過疎化は更に進むわけでございます。
 この赤字路線への助成も含めて、国、自治体一体となってどの地方交通網を再生させるのかを私はもう決めて、積極的にそういったことをやっていくべきだというふうに思いますけれども、これについて国の考えはいかがでしょうか。
#46
○政府参考人(蒲生篤実君) 地方の集落も含めまして地域の活力を維持していくに当たりましては、御指摘の公共交通網の再構築を図ることが大きな役割を果たすものと考えております。このような観点から、国土交通省といたしましては、一昨年、地域公共交通活性化再生法を改正いたしまして、地方公共団体が関係者と連携して地域の公共交通に関する計画を作成し、面的に地域公共交通ネットワークの再構築を図るための仕組みを設けたところであります。
 こうした計画作成のための地域の協議会には、地方運輸局も含めまして積極的に参加し、助言を行うなど、地域の関係者と一体となっての取組を進めております。既に全国各地で数多くの計画が作成されてきておりますが、これらの計画によりまして、デマンド交通やコミュニティーバスの導入など多様な交通モードを組み合わせつつ、地域の足を確保するための取組が推進されるものと考えております。
 国土交通省といたしましては、引き続きこのような取組につきまして、地域公共交通確保維持改善事業、これは予算制度でございますが、これによります助成を行うとともに、人材、ノウハウ面も含めましてしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。よろしくお願いします。
#47
○和田政宗君 これは、行政がそういうような協議会に参加をしてということになろうかというふうに思うんですが、例えば被災地のJR気仙沼線については、国も関与をしていながら、やはりJR東日本の企業体としてのコストというものが優先されるというか、押し切られるような形になってしまった。民間企業が生きていくためにそういった選択をするということは理解はできるんですけれども、それであると、やはり地方の路線というのはどんどんどんどんなくなっていってしまうというふうに思いますので、その辺りをどういうふうに食い止め、再構築していくのかというところをしっかりと見ていただければというふうに思います。
 次に、日本版DMOに関連しまして、明日の日本を支える観光ビジョンについてお聞きをしたいというふうに思います。
 先頃決定されたものでございますけれども、これは二〇二〇年に訪日外国人観光客を四千万人というようなことでありまして、これは私、すぐ読ませていただきましたけれども、非常にこれ夢のあるプランで、日本の地域でありますとか観光の在り方がまさに変わってくるんだろうというふうに思っております。
 この中で東北の観光復興がうたわれておりまして、東北観光の拠点として、仙台市及び仙台空港を含む周辺エリアを復興観光拠点都市圏としまして重点的な支援を実施というふうにありますが、これはどのような支援になるんでしょうか。
#48
○大臣政務官(津島淳君) 和田政宗委員にお答え申し上げます。
 復興観光拠点都市圏ということでございまして、まず仙台市の認識についてお答えを申し上げたいと思います。
 私も地元の行き帰りに利用するんですが、東北新幹線、その拠点駅の仙台駅がございまして、また近傍には七月には民営化をするということが決まっております仙台空港を有するなど、言わば東北のゲートウエーと位置付けることができるんではないかと思っております。つまり、東北各地へ向かう拠点となる都市であるという認識を持っているということでございます。このため、仙台市及び仙台空港を含む周辺エリアを復興観光拠点都市圏といたしまして、多言語案内表示板の設置や広域の観光案内所の設置など、地域における受入れ環境を整備することによって、東北全体の誘客の鍵になるようにということを意図して取り組むものでございます。
 今年度の予算におきましては、この東北地方の観光復興に関し、地域からの発案に基づいて実施する取組を支援する新たな交付金制度、東北観光復興対策交付金を設けたところでございます。この新たな交付金制度を始めといたしまして、既に策定を進めている広域観光周遊ルートの形成など、ほかの事業制度も活用しながら地域の取組を重点的に支援してまいります。
 以上です。
#49
○和田政宗君 関連してお聞きしますが、仙台空港のLCC拠点化の促進とありますけれども、これはどのような取組を行うんでしょうか。
#50
○政府参考人(平垣内久隆君) お答えさせていただきます。
 国土交通省としては、空港のサービスの向上や航空ネットワークの充実を図るため、滑走路とターミナルを民間企業に一体運営させるという空港経営改革を進めております。その中で、先生御案内のとおり、国管理空港の第一号案件であります仙台空港につきましては、運営者であります仙台国際空港株式会社が本年七月一日より運営開始、委託ということでございまして、それに向け準備を進めているところでございます。
 同社では、平成二十六年度で約三百二十四万人の旅客数でございますけれども、これを三十年間で五百五十万人にするという目標を掲げております。このため、新規需要のターゲットと位置付けますLCCの新規就航を促進し、あるいはLCCの拠点化を促進するということが肝要となっているわけであります。そのため、当社が今考えております施策といたしましては、旅客減少時にエアラインの料金負担を軽減する非常にフレキシブルな料金体系や、新規就航時に割引をするなどの割引の導入もお考えになっておるようでおります。あるいは、LCC用に非常にコストを抑えた旅客搭乗施設の新設ということも検討中ということでございます。あるいは、地方自治体等で組織いたします仙台空港国際化利用促進協議会と連携して、航空路線誘致を図っていくというような取組をされるということの計画を持っておられるということを承知しております。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、これらの取組について最大限の協力をしてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#51
○和田政宗君 では最後に、この明日の日本を支える観光ビジョンに書いてあります文化財の観光資源としての開花ということについてお聞きをしたいというふうに思います。
 従来の保存を優先とする支援から地域の文化財を一体的に活用する取組への支援に転換するというふうに書かれておりまして、日本遺産を始め、文化財を中核とする観光拠点を全国二百拠点程度整備、支援制度の見直し、地域の文化財を一体的に整備、支援とあるわけでございますけれども、これを読んだときに、例えば仙台城のような、明治維新や戦災によって失われてしまった各地の城郭の復元などもこれは支援対象に入るんでしょうか。
#52
○政府参考人(村田善則君) お答え申し上げます。
 今お尋ねがございました史跡等の往時の姿をしのばせる歴史的な建造物を十分な歴史的な根拠に基づいて復元するということは、地域の活性化や文化振興、さらに今お話がございました観光振興ということにも資するものと考えておるところでございます。文化庁におきましては、歴史的建造物の復元を含め、史跡等の整備に関して専門的助言や財政的な支援を行っているところでございます。
 お尋ねのございました史跡、仙台城につきましては、これは仙台市においても中期的には復元整備をしていきたいというお考えであるということを承知いたしておりまして、文化庁としても、文化財の積極的な活用を図る観点から、仙台市からの具体的な御相談の内容に応じまして、技術面、財政面も含めた支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#53
○和田政宗君 終わります。ありがとうございました。
#54
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 私は、役目柄、全国を回って、地方自治体にも伺いますけれども、どこの自治体に行っても、地方版地方創生戦略の策定、あるいは地方創生に関わる業務などで悲鳴を上げているという状況でございます。担当大臣としてそのことについてどのように認識をされておられますか、まず伺います。
#55
○国務大臣(石破茂君) 地方版総合戦略をお願いしましたときに、これはかなり異例のことでございますが、法律によって努力義務というものを課したものでございます。そこにおいて、大変だ、時間もないし、人もいないし、金もないし、情報もないしというようなお話がございましたが、自治体によってそれはいろいろなタイプがあるんだと思います。
 先般、ある用事で熊本へ行ったのですけれども、それは全ての自治体がそうだとは言いませんが、まさしくこれは、この地方版総合戦略の考え方は熊本がずっと前からやってきたものなのだというお話があって、ですので、やるのは非常に容易なことであった、地方創生の総合戦略を作るという流れがまさしく追い風になったのだというお話で、いろんなデータを見ますと、交付金の採択率とか出た金額見ると、やっぱり全国一位、二位というのを熊本が取っておるものでございます。
 ですから、そこはいろんな自治体があって、私どもとして、自治体の方々が住民の方々のために総合戦略を作る、昼夜を分かたず働いていただいておる、それに対して、産官学金労言という、役場の皆さん、みんなやってちょうだいということではなくて、信用金庫の方々にも、あるいは高等学校の方々にも、大学があれば、高専があればそこの方々にも、地域挙げて作っていただくという体制、そして当然その所要の予算も確保したものでございます。
 人口五万人以下の自治体には今まで国家公務員なんて出したこともなかったのですが、そういう事業もやらせていただきましたし、多くの御活用をいただいていると思いますが、この霞が関でも、例えば大分県なら大分県の担当、宮崎県なら宮崎県の担当ということでコンシェルジュというものをつくり、その名簿も作らせていただいて、それの利用実績というのはきちんと把握をしようと思っております。
 あるいは、RESASシステム等々、国として自治体の方々の御努力が十分実るような支援はさせていただいていると思いますが、また、委員、お仕事柄、全国の自治体を多く回っておられると思います。いろんな御負担が過剰になっていることがあれば、また御指摘をいただきたいと思います。
#56
○吉田忠智君 大臣が熊本の例を言われましたけれども、私も全国を回って、首長、市長や副市長あるいは町長など、そうした方々と、あるいは担当の方々とお話ししますと、もう自治体はやっぱり生き残りを懸けて計画を作ってやっているから、国にわざわざ地方創生などと言われなくてもそれはやっている、だから地方創生戦略というならば、今作っている計画をそれに当てはめて、そしてむしろそれを利用すると、後で私も新型交付金の質問もしますけれども、そういうふうに考えて前向きに捉えているところもあります。
 一方で、一人の担当が、小さい自治体は幾つの事業も抱えなければならない。そして、御案内のとおり、この地方創生戦略だけじゃなくて、いろんな事業ができたり変えられたりしたときにはまず計画を作れ、そして補助金を交付しますと。だから、そういう重なっている部分もあるんですね。
 でも、もう御案内のとおり、連年にわたる地方行革、定数削減で厳しい定数事情にあります。地方自治体といっても千差万別でございますし、是非、そういう実態も大臣として十分御留意をいただいて、また仕事をしていただきたいと思います。
 それでは、地域再生法の改正案について、気になる課題、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まず、地方創生推進交付金、いわゆる新型交付金について質問をいたします。
 新型交付金は、官民協働、地域間連携、政策間連携等の先駆的な事業が対象とされております。なぜこれらが先駆的な事業と言えるのでしょうか、伺います。
#57
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 地方公共団体がいろいろ事業を取り組むに当たりまして、単独の市町村が民間とも連携せずに行政だけで事業をやっていくとなりますと、なかなか、移住者の増加ですとか、雇用者数を増やしていくという意味では成果が上がりにくいと考えているところでございます。
 そのようなことから、今回の新型交付金におきましては、KPIそれからPDCAサイクルを備えていただくことを前提に、行政と民間が協働して事業を行っていくという官民協働の視点、それから自治体間が連携をして広域的なメリットを発揮して事業を行う地域間連携の視点、例えば観光の場合でいいますと、複数の市町村が協力することによって周遊型の観光ルートをつくって、日帰りではなくて滞在型の事業を仕組んでいくとか、そんなことが考えられますし、また三つ目には、政策目的を一つだけではなくて、複数の政策目的を関連付けて効果をより発揮させていくという政策間連携、これも先ほどお話がございましたけれども、浜田市の例のように、福祉人材を確保しつつ移住者を増やしていくと、そういうような工夫をしていく。そういったことをすることによって、将来的にこの交付金に頼らずに自走していけるような自立性、こういった観点を先駆性ということで重視して取り組んでいきたいと考えております。
#58
○吉田忠智君 一千億円という交付金の規模ですね、この根拠は何でしょうか、どのような試算に基づいて一千億円となったのでしょうか、伺います。
#59
○国務大臣(石破茂君) これは、かくかくしかじか、かくなる積算根拠で一千億円としたものではございません。これは、とにかく金がないもので、内閣府がもちろん一番出す、で、経産省あるいは農水省、総務省、国交省、いろんな役所に御理解をいただく形でそれぞれお金を出していただいて、国費一千億、総事業費二千億というのを確保したものでございます。
 これは、もっと多けりゃ多い方がいいだろうという議論は政府内にもございました。もうこの倍でもいいんじゃないのとか、三倍でもいいんじゃないのという話になるんですけれども、どこからその金出すんだよということになると、内閣府もそんなに潤沢にお金を持っているわけではありませんし、そのもっと出すべきだよとおっしゃっておる官庁も、では、おたく、もっと出していただけますかと言うと、それはほかを当たってくんなみたいな話になるわけでありまして、なかなかそこは厳しいものがございます。
 やはり、私どもとして、この国費一千億というものは、もちろんそれで十分と胸を張るつもりもございませんが、この各省からお金を出していただくという手法は今までにないものでございました。ですから、中央省庁出身の首長の方々は、苦労したんだねとかいって同情していただいたりすることもございましたが、それはさておき、六団体からは、地方が強い決意と覚悟を持って地方創生をスタートできる額が確保されたことを評価するというふうに言っていただいて、有り難いことだと思っております。
 もちろん、二分の一でございますので、何で地方が二分の一出すんだね、補正みたいに十分の十じゃないのかねという御指摘もいただくところでございますが、やはり基本的に地方が良くなるためのお金でございますので、地方に二分の一の御負担はいただくということであります。また、それに対しましては適切な地財措置を講じたいというふうに考えておるわけでございます。
#60
○吉田忠智君 確かに多いほどいいんですけど、苦労して一千億何とかかき集めたというふうに受け止めました。
 現在、全国の自治体には、御案内のとおり、約七十万人の非正規の職員の皆さんが働いておられます。多くは年収二百万円以下であります。また、先日議論しましたトップランナー方式のように、水道やごみ処理、学校給食など自治体業務の外部委託も進められており、歳出の効率化を目的として委託代金が安く抑えられ、賃金水準も低くなっております。いわゆる官製ワーキングプアの改善、自治体非正規職員の処遇を改善し、外部委託など公契約の代金を適正な水準に是正することは、地域の雇用の質の向上のみならず、地域経済の活性化にもつながるわけであります。
 しかし、このような目的に新型交付金を使うことはできないということでありますね。新型交付金はもっと地方の自主性に委ねるべきではないかと、そのように思います。今のお話を聞いても、先駆的な条件を課すことにより、政権にとって地方交付税よりも使い勝手のいい交付金をツールにして、まさに安倍政権が骨太方針で打ち出した公的サービスの産業化に誘導しているように思えてならないわけであります。真に地方創生を実現するには、地方自治体の使い勝手のいい財源を、しかも安定的に確保すべきである、そのように思います。
 やはり、新型交付金ではなくて、本来は地方交付税の法定率の引上げや地方交付税総額の引上げこそ必要だと考えます。石破大臣からも是非働きかけて内閣としても取り組んでいただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#61
○国務大臣(石破茂君) 本当にこういうお答えをして恐縮ですが、総務省の所管でございます。また改めて総務委員会等々で現場の実情をよく御存じの党首の御指摘をいただきたいし、それに対しては総務省としても真摯にお答えをするものと承知をいたしております。
 それから、私は、ここから先は閣僚の立場を離れて申し上げるのですが、やはり、先般も答弁申し上げましたが、結局、地方においてどうやって一番いい形でお金が使われるかということ、それが効率化とか重点化とかいうとネガティブな響きになってしまいますが、それは地方自治法にそのように定められたものでありまして、いわゆるトップランナー方式というのはその趣旨を体したものだと理解をいたしておるところでございます。
 また、あわせまして、地方財政を考えますときに、本当にその地方において財政民主主義というものが機能しているのだろうか、ともすれば、今まで地方の側が、とにかく事業が大きなもの、そしてまた補助率の高いもの、自己負担の少ないものというものに重点を置いて中央との関係を構築してきた部門がなかっただろうか。地方交付税というのはもう独自の財源でございますが、そこにおいて、それぞれの自治体においてどのようにしてそれを、納税者の代表として、議会においての財政民主主義が機能するのかなということは私ここ数十年考えていることですが、そのきちんとした解が見当たらないところでございます。更に御教導いただきたいと存じます。
#62
○吉田忠智君 大臣も問題意識は持っていただいていると、私と共有していると思っております。
 次に、地方創生応援税制、企業版ふるさと納税について質問いたします。
 企業の資金を地方創生に活用するという趣旨で企業の寄附に税制優遇措置を創設するということであります。まず伺いますが、企業からの寄附額は幾らくらいを見込んでおられるのか、減収になる自治体ではどのように対応されるのか、伺います。
#63
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 まず、一点目の寄附額がどの程度かとのことでございますが、これ今の時点でなかなか正確に見込むことは難しいわけでございますが、できるだけいろいろPRをしながら努力をしようと思っているんですけれども、今の時点では、既に現行制度の下でも年間二百億円程度の寄附がございます。それに加えて、今回の新しい制度で寄附のインセンティブを高めることを考えますと、四百億を超える規模の寄附が期待できるのではないかと考えているところでございます。
 二点目の減収になる自治体への対応でございますけれども、これにつきましては、その点は十分配慮した制度設計をしているつもりでございまして、まず、寄附の控除の限度額を税額の二割に設定をしていますので、寄附を行った企業が所在する地方公共団体の税収に過度の影響を与えないような仕掛けにしております。それに加えて、減収分につきましては地方交付税の基準財政収入額に反映されるということでございますので、交付団体にあっては適切な補填がなされるというふうに思っておりますし、あと全体的なことを申し上げますと、今回の制度というのは、地方間で寄附の収入が増えたところと税の減収が出てくるんですが、これはゼロサムということではなくて、企業が自ら負担をする部分、手出しの部分がありますので、地方財政全体で見るとプラスになる仕組みになってございます。
 したがいまして、企業が所在する地方公共団体が寄附によって一部減収がなされたとしても、この応援税制を使って新たな寄附を受けることによってプラスのメリットもあるわけですので、できるだけそういった制度を活用していただいて、有効な財源措置にしていただければと考えております。
#64
○吉田忠智君 全体としてはプラスになる、地方税収全体という答弁でありましたけれども、それぞれ自治体レベルで見ると、やっぱり元々企業が所在していた自治体は税収が減って、そして寄附先の自治体は税収が増えるわけですね。納税する企業の側の恣意的な税源移転になるのではないかと。
 地方税の本質というのは、先ほど大臣からもお話がありましたが、行政サービスを提供する地方自治体に納税するという応益原則ですよね。企業版ふるさと納税は、この地方税の本質にそもそも反するのではないかという思いがあるわけでありますけど、その点についてはいかがですか。
#65
○国務大臣(石破茂君) これは、制度として、税額控除というのは法人住民税及び法人事業税の税額の二割を限度としておるわけで、応益原則の本質は、税は当該自治体から受けるサービスに対する対価であるということですから、限度を二割としておりますので、応益原則には反しないという考えを私どもとして取っておるところでございます。
 加えまして、企業の恣意的な税源移転になるのだということは、その恣意的を何と考えるかということなのですけれども、るる御説明しておりますように、ある自治体がこんなことをやりたいんだと、ついては是非是非賛同して寄附をしてちょうだいということに、そこがうまくマッチングして寄附をするということに限定をするわけで、それをもってして恣意的な税源移転というかというと、それは当たらないのだと思っておるところでございます。
 これで一体幾らを見込んでいるのだという御指摘があって、今政府からお答えをしたところでございますが、本当にその自治体の志に反応して応えてくださるところが多ければいいなというふうに願っておりますが、恣意的な税源移転というものを企図してそういうことをやる企業が出るとは私どもは想定をいたしておらないところでございます。
#66
○吉田忠智君 営利企業は、そもそもふるさと納税も含めた全ての活動で経済的利益を求めるということがやっぱり使命であり、そのことを出資者に説明する責任も有しているわけですよね。企業版ふるさと納税を集めたい自治体の間で、返礼は原則ないというふうに言われますけれども、やっぱりサービス合戦とか、あるいは企業と自治体の癒着であるとか、自治体の消耗のおそれがないのかということも懸念されるわけであります。どのような予防措置をとられるのか、伺います。
#67
○国務大臣(石破茂君) それは本会議でも答弁申し上げましたが、経済的な利益を与えてはならないと、こういうふうに内閣府令で定めるということでございます。
 そうなりますと、委員御指摘のように、何で寄附するんだ、ここにそんなものをという話を、企業としては、株式会社の場合には株主に対して責任を負わなければいかぬわけでありまして、下手すると株主代表訴訟が起こりますから、もう相当考えに考えなければいかぬものだと思っておりまして、経済的利益がないのに、経済的利益の追求を目的とするがところの営利企業がどうやって寄附するのというと、かなりパラドックスみたいな話になってくるわけでございます。そこにおいてこそ本当にいい事業というものがあり、企業がそれに応え、なおかつ、株主に対して、あるいは従業員に対してもそうなのかもしれません、労働組合に対してもそうなのかもしれません、きちんとした説明を行うということはかなりハードルは高いんだというふうに私自身思っておるところでございます。
 また、仮にそういうようなのが経済的利益というものを与えたというようなことになれば、一義的には、そこの議会においてそこは指摘をされ、執行部としてはそれに対する説明責任を負うということだと考えております。
#68
○吉田忠智君 地域再生法第三十七条に基づく委任により、内閣府令に、自治体は寄附の代償として経済的利益を供与するような行為をしてはならないと書き込むということですが、この法律の実施に関して必要な事項は内閣府令で定めるとする三十七条は、いわゆる実施府令に関する規定であります。
 一般に実施府令とは、法律を実施するために必要な細目的事項、主として手続事項を規定することができるにとどまり、実質的に国民の権利を制限し、義務を課すこととなるようなことを規定することは許されません。三十七条を根拠に自治体の行為を規制することはできないのではないでしょうか。
 また、地方自治法は第二百四十五条の二で、自治体は法律又はこれに基づく政令によらなければ国の関与は受けないとする関与の法定主義を定めておりまして、法的根拠なく自治体の寄附に対する代償行為を規制することは地方自治法違反に当たると考えますが、この点はいかがですか。
#69
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、内閣府令で今回、経済的な利益の供与を禁止することを書くわけでございますが、その根拠規定は法律の三十七条でございます。
 この点につきましては法制的にも議論をいたしまして、地域再生法全体の規定ぶりの中から、整合性を考えてこの三十七条を根拠にするということにしたところでございまして、法制的に問題はないものと考えております。
#70
○吉田忠智君 私は問題があると思っています。
 仮に企業版ふるさと納税に対する自治体の返礼を規制するというのであれば、修正してきちんと法律に書き込むべきだ、そのように思います。実施府令で自治体の行為を規制するのは、法律の留保を侵害するものであります。
 そもそも企業に余剰資金があるというなら、先般、法人税率がまた下げられましたけれども、法人税率の引下げなどを行わずに、きちんと応益原則に基づいて法人税を納めていただいて、交付税を増額するというのが本来の筋ではないか、その点を改めて指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、生涯活躍のまち制度、いわゆる、先ほども議論がありました日本版CCRCについて質問をします。
 日本版CCRCは、昨年六月、増田寛也氏が座長を務める日本創成会議が、二〇二五年に高齢化の進行により東京など一都三県で介護施設が十三万人分不足するとして、高齢者の地方移住を提言したことが背景にあります。
 一方、生涯活躍のまち構想最終報告にも掲載された二〇一四年の東京在住者の今後の移住に関する意向調査によれば、移住を検討したいと思っている人は全体の約四割、検討したいと思わない人は六割です。
 私は、この四割思うという人よりも、思わない六割の人が大変気になるわけですよね。六割が反対しているということをどういうふうに考えればいいのか。日本版CCRCはそもそも、住み慣れた土地で暮らし続けたい、介護を受けたいという高齢者の希望に反しているのではないかというふうに思うわけですが、その点についてはいかがですか。
#71
○政府参考人(伊藤明子君) お答えいたします。
 先ほど委員からいただきましたとおり、平成二十六年八月に、私どもの内閣官房において東京在住者の今後の移住に関する意向調査を行っております。
 これによれば、東京都在住者のうち地方へ移住する予定又は移住を検討したいと考えている方が、五十代では男性が五割、女性では三四%、六十代では男性が三六・七%、女性では二八・三%に上っておりまして、こういう意向のある方を念頭に置きまして、この生涯活躍のまちというのを議論させていただいているところでございます。
#72
○国務大臣(石破茂君) この数字は、私どもとして把握しているのは、今、伊藤次長からお答えをしたとおりでございます。
 その四割いるというのをどう見るかなんですが、やはり四割もいるんだという見方も私はあるんだと思うんですね。移住したいと思っておられる方が四割おられたとする、その中の一割でもそれをかなえることができたとすれば、それはかなり大きな政策的な進歩ではないかと私は思っているのです。
 移りたくない人に無理やり地方に移住してくれなんてことができるはずもありませんし、そんなことは考えておりません。移りたいなと思っておられる方々が移れないとするならば、一体それは何なのだということを考えたときに、地方に行って仕事があるんでしょうかというお話、これは先ほど斎藤委員にもお答えしましたが、いろんな、半農半Xとか、そういうのがあるでしょうし、あるいは、今住んでおられるおうちを誰かに貸す、中古市場の流通の活性化を図ることによって、それで収入が得られるとせば、地方の方が物価は半分ぐらい安いところも多くあるわけで、そういうことって考えられませんかと。あるいは、せっかく手に入れたマイホームって誰が買ってくれるの、誰が住んでくれるのということもございましょう。
 また、男性は五割が地方で暮らしてもいいなとお思いなわけですが、女性の方は三割でしかないというのは、やはり女性の方々は地域においていろんな関係を築いておられるわけで、行きたきゃあなた一人で行きなさいみたいなことになるわけでございますね。
 そうすると、これはJRとか航空会社にお願いをしなきゃいかぬことですが、頻繁に東京と移住したところを行き来できるようなそういうシステムって何だろうかとか、要は、御希望があるのにそれがかなえられない、その要因を政策によって除去することによって、選択肢というものを可能にしたいと思っておるところでございます。無理やり移住とか、そのようなことは全く考えておりません。
#73
○吉田忠智君 この日本版CCRCの最後の質問に、もう全体で最後の質問になりますけれども、この日本版CCRCによって、高齢移住者を受け入れる自治体の負担増になったり、地域の医療や介護の需要が増加をして元々の住民がサービスを受けられなくなったり、医療費や介護費が自治体の財政を圧迫するおそれはないのか、そうしたことについてはどう対応していくのかについて伺います。
#74
○国務大臣(石破茂君) これは、なるべく移住した方々が要介護状態にならないようにというような、そういうものをつくりたいと思っております。ですから、CCRCというのは、多世代と交流をし、生きがいを持って生涯活躍できるという、看板自身が生涯活躍と言っておりますのは、なるたけ要介護にならないような、そういうようなコミュニティーにしたいと思っておるところでございます。
 全員の方が要介護になられるわけではありません。要介護にならないで人生を全うしていただくということはやはり大事なことだと思っていますが、それでも要介護の方は、それは出ます、出ないはずがないと思っています。努力にもかかわらずそういうことになってしまわれた方々に対して必要な、CCRCのもう一つのCはケアでございますから、その体制というのを整えていかねばなりませんが、そのことによって、受け入れた自治体が過度な財政負担を被ることがないように、そこは厚労省ともよく協議をしながら、受け入れる自治体にとって、そういう方々を受け入れた、でも財政負担は増えちゃったねということにならないようによく心してまいりたいと思います。
#75
○吉田忠智君 もう一点、地域再生推進法人について質問をする予定でありましたけれども、もう時間になりましたので、質問という形はしませんけれども、三%出資規定が廃止されるという理由などもちょっと分かりにくい点がありますので、これはまた、あと討論で私の考えは申し上げたいと思います。
 以上で質問は終わります。ありがとうございました。
#76
○平野達男君 本日最後のバッターということになります。
 まず、地方創生推進交付金、この点から質問を始めさせていただきたいと思います。
 この交付金についての懸念といいますか、あえて言えば問題点といったものについては先ほど吉田委員からも様々指摘ございましたし、前々回ですか、所信表明に対しての私の質問でも同じような趣旨でちょっと指摘をさせていただきました。
 今日の答弁聞いていても、基本的に従来の補助金の枠組みは出ていないなという印象を私はやっぱり個人的には持ちます。だから、むしろ一つの考え方として、この間も提案申し上げましたけれども、交付金という言葉を使うのであれば、算定基準を明確にして、それを公表して、一千億、実際には今度五百億ぐらいしかないようですけれども、一千億なら一千億ということで、額を確保する形を明示した形で、向こう何年間こういった考え方で交付金を配分するという考え方で配分をして、私はそれだけで十分だと思うんですが、それでもやっぱりPDCAサイクルという形で効果を確認するということであれば、効果だけは確認するという方向で持っていった方が多分自治体はうんと喜ぶと思いますし、地方創生にふさわしい形になるのではないかというふうに思いますので、今日は答弁結構でございますから、引き続き検討いただきたいと思いますし、そういう形で持っていった方がより発展系の形になるのではないかというふうに私自身は思っています。
 それから、二つ目の地方創生応援税制、これは本当にいい制度だと思います。制度設計も、かなりしっかりした制度設計されています。
 ただ、一点だけ指摘させていただきますと、税制優遇措置の内容で、損金算入、軽減効果約三割、それからあと税額控除と合わせて寄附額の約六割を負担するということで、これはこれで大変な制度で、よくこんな制度をつくったなというぐらいに、かなりのいい制度ですね。ただ一点だけ、ここはもうちょっと国税の、法人住民税と法人事業税、地方税のところに負担を掛けていますから、もうちょっと国税の法人税の方に負担を掛けてもよかったのではないかなということだけはちょっと意見として申し上げさせていただきたいと思います。
 それから、先ほど説明ありましたけれども、寄附額の六割を負担軽減ということは、残りの四割については地方財源が増えるということですから、これも非常にいいことでありまして、私のように、全部の岩手県の団体は交付団体でありますから、こういう財源が増えるというのはどんな形でも非常に有り難いということであります。
 それからもう一つは、これはある意味では税源の偏在是正という効果ももたらしますね。これは裏を返しますと、持っていかれる方の自治体さんにとっては大変迷惑な話なんでありますけれども、交付税措置で基準財政収入額のところに反映させるという制度設計でありましたから、これはこれで非常に良かったと思いますし、こういう点でも評価できると思います。だから、むしろ不交付団体の側の方については、この制度をつくっていただいたことに感謝を申し上げると同時に、感謝というか、感謝しなくちゃならないと思いますし、税を出す側の自治体に対しても何らかの形でやっぱり感謝をしなくちゃならないなという思いはやっぱりありますですね。
 それで、ただちょっと気になるのは、企業がどういう基準でその寄附金を出す先を選ぶんだろうかということなんですね。そしてまた、この制度は是非拡充してもらって大きく育てていっていただきたいと思いますけれども、その企業が特定の団体のこの事業とかこういうふうに選ぶといったときに、なかなかちょっとちゅうちょする面もあるのではないかなというふうに逆にちょっと心配するんですが、その点に関してはどのようなことを考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#77
○国務大臣(石破茂君) 御評価いただきまして誠にありがとうございます。光栄の至りであります。
 これは何せやってみないと分からぬというところがありまして、それは委員が御指摘のような効果を生ずるものでございます。ただ、持っていかれる側としてはたまったものじゃないので、そこは応益原則の範囲内でやっていきたいというふうに考えています。
 多分、委員の御指摘は、ある自治体にある企業が立地しております、とてもお世話になっているのでそこの自治体に対してはいろんな寄附をしておりますよというところがあったとして、いやいや、ほかにいいプロジェクトがあったので自分はそっちに寄附をシフトしますということになると、自分が所在している自治体には寄附はできませんから、そうすると、いや、お世話になっている自治体に申し訳ないことであると。やはり、何でしょうか、直接経済的な利益ではないにしても、いろんな情報の提供とか従業員の確保とか、そういうことでお世話になっている自治体に申し訳ないなというところがないとは私は思いません。
 ですから、そういうところに対してどういう配慮をお願いをするのかということ。だって、経済的利益が入らないわけですから。魅力的なプロジェクトがあって、それに応援するんだと。でも、それによって自分の企業のイメージが上がり、売上げが伸び、社会から愛されということが実際に今所在している自治体にとってもプラスになるんだ等々、いろんな御説明をなさることになるんだと思います。それでもなお、自分の住んでいるところに不義理をするのは嫌だからということで寄附をためらうということがあれば、もうそれはそれで企業の御判断ですから、それはやむを得ないものだと割り切るしかないと私自身は考えております。
#78
○平野達男君 今大臣の御答弁にあったように、自分の会社のある自治体に対してちょっと申し訳ないということで、それが若干のブレーキを掛けることになるのではないかという指摘は、やっぱりそのとおりあると思います。
 ちょっと、私がお聞きしたかったのは、質問の仕方が悪かったかもしれませんけれども、出すときにどこを選ぶのかというときに、全国三千市町村があって、いろんな事業をやるわけです、どういう基準でやるのかなということなんです。だから、企業としてもなかなか大変だと思うんですね。
 そこで、私は、一つの考え方なんですけれども、一つの考え方としていえば、パブリック性のあるもの、例えば事業をやるとかというと、それはもう通常の地方交付税とかいろんなものがありますから、そういうものじゃなくて、例えば伝統芸能を守るとか地域の景観を守るというような、例えば棚田に対して、これもいろんな補助金出ていますけれども、地域の財産を守るというパブリック性のあるものについての一つのカテゴリーをつくりまして、それを、例えば地方再生なりの事務局が、全国の自治体にこんなものがあります、そこで企業の皆さん方、お金を出してくださいと言う。これを発展させていくと、実はトラスト制度みたいなものができる可能性も出てくるんですが、そこまで行かなくても、むしろパブリック性のあるものに出して皆さん協力していただけませんかということになると、企業としても何か、ああそれはということで、一歩というか二歩というか、前に踏み出しやすいのではないかなというふうに思います。
 実は、これは私のアイデアかといったらそうじゃなくて、イギリスなんかはもうとっくにこれに似たようなことをやっているわけです。グラウンドワークとかといって、地域の景観それから資源、それを企業とのパートナーシップということで企業から出していただいて、そしてそこに一つのトラスト制度をつくって、それで地域のそこの伝統のある景観を守っていくとか、イギリスに伝統芸能あるかどうか知りませんが、いずれにしてもそういうものを守っていくという仕組みを大々的につくってやっていますね。
 だから、私的には、個人的には、これをそうやって発展させて日本版のグラウンドワーク、実は日本にもグラウンドワーク協会というのがあって、ほとんど寄附金が集まらないから活動できなくて今困っているところなんですけれども、そういったところまで発展するぐらいの方向でやっていただければ、これは非常にいい形になってくるのではないかなというふうに思います。
 大臣、一言、御感想でいいですから、ありますか。
#79
○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおりで、これ、手引書を作るのがいいかどうかは別として、こんなのあるんじゃないんですかと。まさしくパブリックでなければ駄目なので、伝統芸能であるとか景観であるとか自然であるとか環境であるとか、やはりそういう話になるんだろうと思います。
 自治体の側としても、全国にもう何十万とある企業にお願いをするといってもなかなかそれは難しかろうというふうに思っておりまして、目当ての企業というのはやっぱり自治体において一生懸命お考えいただくんだろうと思います。ですから、まず最初に、我が町の出身の社長は誰でしょうかとか、我が町にいろんなゆかりのある企業はどこでしょうかとか、こういうようなプロジェクトに賛同してくださるところはどこでしょうかとか、そういう絞り込みをやっていくことになるんだろうと思います。
 それに対して、企業の側も経済的なメリットあっちゃ駄目って言っているわけですから、どういうのだったらマッチングをしてこの事業に乗りやすいのかということが自治体の側にも企業の側にも分かっていただけるようなPR、ですから、企業版ふるさと納税始めましたというポスターを貼っただけでは何のことだか訳分からないので、そこにおいてきちんとした手引というのか示唆というのか、そういう制度の趣旨もよく御理解した上で、この税制の実効を上げるように努めていく必要はあると思っています。
 イギリスにおいて田園回帰というのが起こっているのは、何も天から降ってきたわけではなくて、元々イギリス人は田園が好きだということもあるんでしょうけれど、グラウンドワーク等々いろんな仕組みというものがあって、イギリスにおいて田園回帰というのが起こっているのだと認識をいたしております。
 私は、自分個人としては、イギリスの田園回帰というのはきちんと自分なりに勉強をして日本の政策に反映したいと思っておるところでございます。
#80
○平野達男君 これ、寄附をいただくだけじゃなくて、今日伝統芸能の話出しましたけれども、伝統芸能の保存に企業がそこにサポートしていますよと言ったら、今年何月この伝統やりますから会社の方々来てくださいという、そっちの方にも話も発展して、そこから企業と地域との交流なんかも生まれてくる可能性も出てくるはずなんですね。そういったいろんな可能性がやっぱり広がる余地というか、あれもありますので、繰り返しになりますけれども、これは是非大きく育てていただきたいと思います。様々な懸念もありますけれども、これのもたらす効果を是非生かすような方向でやっていただければというふうに思います。
 それから、三番目の生涯活躍のまち制度で、この考え方は特にあえてああだこうだという点はないと思いますけれども、一点だけちょっと指摘させていただければ、地域包括ケアシステムというのは、旗は上がっていますけれども、各自治体でまだこれできていないんですよね、これなかなか難しいシステムですから。この制度、生涯活躍のまちの制度を提出すると同時に、これはもう皆さんお分かりと思いますけれども、地域包括ケアシステムそのものをまず全国津々浦々につくるという努力は厚生労働省と一緒にやっていただくということもやっぱり必要だと思います。
 あわせて、ここからは石破大臣にちょっと御意見をお伺いすることになるんですけれども、これは予算委員会でもちょっと議論させていただきましたが、そのぶり返しになりますけれども、生涯活躍のまちという中で一番やっぱり大事なのは、特に地方なんかでは高齢者の方々をどういうふうに地域参加、それで働いていただくかということだと思います。
 言うまでもなく、地域農業の主体は、三、四年前までは六十五歳以上と言っていましたけど、今は七十歳前後ですね。その人たちがとにかく、米価は卸で一万三千円ぐらいですけれども、農協の手数料を取ってしまえば生産費がやっと出るか出ないかぐらいの、場合によったら生産コストを割るぐらいの米価の中でもやっている人もいます。ただ、残念ながら後継者いない。後継者いないから、最終的には農地の流動化を進めて、生産法人等々をつくっていってやっていかないと大変だと思いますが、そこまで行く前に、俺は体が続く限り働きたいと思っている人結構いるわけです。そういう方々が働けるようなシステムというか状況というのは、環境というのは、是非やっぱり、生涯活躍のまちというか、生涯活躍の村でもいいですけどね、そういうことの視点も是非忘れないでやっていただきたいというふうに思います。
 外から呼んでくるのもいいですよ。だけど、地域で働いている七十歳や六十五歳の人たちは、私たちはまだこの地域を支えているという自負もありますからね。そういう中で、今の、どちらかというとこれは農政に対しての注文を付ける形になると思いますけれども、余り中間機構とか、あんなものは今進めてやる必要なんかないですよ。
 むしろ、農業者戸別所得補償制度を持ち出して恐縮ですけれども、今回半額、七千五百になりましたけれども、あの制度をやって、とにかく高齢者の皆さん方、どんなに小さくてもいいからやれる限りやってくださいというふうに持っていった方が、地域としては活力多分出ると思います。そういうことをこの生涯活躍のまち制度の中にもっと入れてくれれば、恐らく全体の地域の活性化にもっと役に立つのではないかなというふうに思いますけれども。
 石破大臣のまた御意見、ちょっと。
#81
○国務大臣(石破茂君) この話は、農林水産大臣当時も平野委員と随分と議論をさせていただきました。
 委員の問題意識はもうよく承知をいたしておるところですし、私が宮澤内閣で政務次官をやっていたときは、基幹的農業従事者の平均年齢はたしか四十五歳だったと思うんです。それが副大臣のときは五十五歳になり、大臣のときには六十五歳になり、ひょっとしたら今頃は七十五歳になっているんじゃないかという気がしているんですね。
 要するに、基幹的農業従事者、あなたの仕事は何ですかと聞いたときに農業ですと答える人のことですわね、平たく言っちゃえば。ですから、それは基幹的農業従事者といえども不老不死ではないので、ある日突然この国から農業者がいなくなったときに、幾ら農地を守るだの何だのかんだの言ってもどうにもならぬでしょうということで、自分が生きている間の方々を大事にすることも重要ですが、後継者がいる農業とは何なんだということは、やはり、コストを下げ付加価値を上げるということをどうやって具体的にその地域において実践するかということなんだと思います。
 先ほど和田委員の御質問に答えて、楡周平さんの「プラチナタウン」のお話をしましたが、あれの続編が去年出ているわけですね。つまり、楡先生は、その「プラチナタウン」なるものが大成功したというのが第一部の終わりなんですが、その次にその地域の農業者はどうやって生きていくんだということが次の小説のテーマなんです。「和僑」という、華僑の華という字を大和の和に変えたものですが。
 ですから、そこにおいてどうやって農業の後継者をつくっていくかということを考えたときに、私の選挙区でもそうですが、おいしいものは作れるんです。中山間地で、水はきれいで、寒暖の差はあって、そして天日干しなんかやったら本当においしい米はできるんですが、それをどうやって売るかというところはやはり工夫の余地はあるんじゃないんでしょうか。
 そこにおいて、ネット販売というのは必要なことではないんでしょうか。これから先、人口がとにかく二十年間は恐ろしく減るわけで、日本の場合に。そうすると、海外に市場を求めていかなくてどうやって農業者を維持し農地を維持するかということは真剣に考えるべきことであって、じゃ、岩手で世界相手に農業の商売できるかというと、私はできないことはないんじゃないかと思います。ですから、岩手の実情をよく御存じの委員が、岩手短角牛、欧米人の方はあんなにサシがいっぱい入った肉はお好きではないので、じゃ、岩手短角なら岩手短角をどうやって外国に売るかというようなことは、そういう委員の知見等々を使って、いかにして、だって岩手短角牛の生産がそんなにがんと増えたという話も聞いていないわけです。だけど、あれには無限の可能性があると思っておって、そういうものを生かして農地を守り農業者を守り、その中においてCCRCというものを活用していくというのは、私どもとしても非常に重要に考えておるところでございます。
#82
○平野達男君 ありがとうございます。
 本当に言いたかったことは、農業の規模拡大というか効率化というのも図っていかなくちゃなりませんけれども、少なくとも今のこの段階では、規模は小さくても自分の体が続く限りはやりたいと思っている方もたくさんいるということ、そういう方々に是非もっともっと視点を当ててもらいたいということでした。
 それから、短角、指摘していただいてありがとうございます。冬なんかは和牛を外に放牧したらすぐ死んでしまいます。短角は鼻水垂らしながら生きるんですよ。物すごい飼料効率もいいし、ただサシがちょっと少なくて味がというのはちょっとありますけれども、私は短角は日本の畜産を救う品種だと思っていまして、今ちょっと頭数が減っていますけどね。是非、短角を、鹿児島の和牛にも負けませんので、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#83
○委員長(熊谷大君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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