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2016/04/06 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 国の統治機構に関する調査会 第4号
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2016/04/06 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 国の統治機構に関する調査会 第4号

#1
第190回国会 国の統治機構に関する調査会 第4号
平成二十八年四月六日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     高橋 克法君
     滝波 宏文君     武見 敬三君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     西村まさみ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         山崎  力君
    理 事
                猪口 邦子君
                島村  大君
                渡邉 美樹君
                柴田  巧君
                野田 国義君
                新妻 秀規君
                倉林 明子君
    委 員
                井原  巧君
                衛藤 晟一君
                古賀友一郎君
                酒井 庸行君
                高橋 克法君
                武見 敬三君
                柘植 芳文君
                堀井  巌君
                石橋 通宏君
                田城  郁君
                津田弥太郎君
                西村まさみ君
                水野 賢一君
                秋野 公造君
                儀間 光男君
                山本 太郎君
                荒井 広幸君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        宮崎 清隆君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○国の統治機構等に関する調査
 (「時代の変化に対応した国の統治機構の在り
 方」のうち、二院制議会における今日の参議院
 の役割)
    ─────────────
#2
○会長(山崎力君) ただいまから国の統治機構に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二月二十四日、高野光二郎君及び滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として高橋克法君及び武見敬三君が選任されました。
 また、昨日、安井美沙子君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(山崎力君) 理事の選任についてお諮りいたします。
 会派の変動に伴い理事の数が一名増えておりますので、その選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(山崎力君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、理事に柴田巧君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(山崎力君) 国の統治機構等に関する調査を議題といたします。
 本日は、これまでの調査を踏まえ、最終報告書を取りまとめるに当たり、「時代の変化に対応した国の統治機構の在り方」のうち、「二院制議会における今日の参議院の役割」について委員間の意見交換を行います。
 議事の進め方でございますが、まず各会派からそれぞれ十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員間で意見交換を行っていただきたいと存じます。
 意見のある方は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、意見を表明される方は順次御発言願います。
#6
○渡邉美樹君 自由民主党の渡邉美樹でございます。
 当調査会では、「二院制議会における今日の参議院の役割」について、これまで六名の参考人に意見をお聞きし、それぞれ積極的な意見交換、質疑がなされてきました。六名の参考人との議論を踏まえて、会派として取りまとめた意見ではございませんが、私なりの意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 先進各国において二院制の国は数多くありますが、二院制を採用する理由として、下院とは異なる役割を上院に持たせるということは多くの国で共通したことでございます。
 岩崎参考人は、カナダを例に、カナダは上院の役割を熟慮の議院とし、下院を補完することとした、中長期的視野による立法活動、下院通過法案に対する大局的観点からの再検討等の役割を持たせた、そのためには議員の見識、専門性、中立性、独立性が必要であり、政権から距離を置く議員で構成される必要があった、そのため、選出方法は選挙によるものではなく任期を定めない任命制を採用したと述べられています。
 しかし、我が国日本におきましては、選挙制度並びに議事手続等において衆議院と参議院の両院が類似しており、実際の審議内容も似通っていることから、参議院は衆議院のカーボンコピーであるといった批判の声が様々な有識者から聞こえてまいります。当調査会におきましても、複数の参考人から、参議院は独自性を発揮できていない、このままでは参議院はその存在意義を問われ続けることになると厳しい意見もございました。私も三年前に参議院議員にならせていただきましたが、衆議院と同じような議論が繰り返される今の参議院の在り方には大変疑問を感じております。あえて誤解を恐れずに極論を言わせていただければ、今のままの参議院は必要ないというのが私の率直な意見でございます。
 私は、選択肢は二つしかないと考えております。一つは、先ほど申しましたように、参議院を廃止し一院制に移行するというものです。しかし、一院制への移行は大幅な憲法改正が必要であり、憲法改正には参議院の三分の二以上の賛成となります。それは参議院議員が自らを否定することであり、現実的には難しいと思われます。もう一つの選択肢は、衆議院のような与野党対決色を薄めて、参議院の役割を政策の有効性評価、行政監視、決算といった機能に特化するというものです。こちらが現実的かつ望ましい姿だと私は考えております。
 勝山参考人も、参議院がその独自性を発揮するために、与野党対立から距離を置いた客観的な立場での行政監視が参議院の持つ機能として重要であると述べられました。政策評価や法律の施行状況の調査は議員の本来の責務である、政策の実施を承認し、その実施状況を監視して是正を図るのは議会の職務であるとも勝山参考人は述べられました。
 この行政監視についての私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 私は行政監視委員でもあります。一昨日も質問をさせていただきました。私が大きな危機感を持っておりますのは、この国の行政にはマネジメントが欠如しているということでございます。
 マネジメントが欠如しているということは、具体的には次のような状態を指します。ビジョン、目標が欠如している、目標を達成するための具体的なKPI、キー・パフォーマンス・インディケーターが設定されていない、目標達成のための責任者が不明確で目標が未達でも誰も責任を取ろうとしない、PDCAを回すスピードが遅くPDCAが形式的になってしまっている、目標達成のための効率的な組織体制になっていない、同じような機能を持つ組織が乱立し責任の所在が不明確になり、非効率になり予算の無駄遣いが行われている。
 日本経済が力強く好転しないのも、地方創生や財政再建が思うようにいかないのも、私は行政のマネジメントの欠如が大きな原因の一つだと考えております。
 確かに、各省庁では、毎年原則として全ての事業で行政事業レビューを行っております。この行政事業レビューでは、外部有識者も参加し、外部の客観的な視点で事業の有効性を評価する仕組みになっております。しかし、実際に一つ一つの行政事業レビューの議事録を拝見すると、外部有識者からの本質的な問題提起や改善提案がされているにもかかわらず、そのような本質的な意見が行政事業レビューシートに必ずしも記載されておらず、事業の見直しに反映されていると言えない案件も多々見受けられます。
 一つ例を挙げますと、平成二十六年度の中小企業庁において、中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業を行っています。これは中小企業の海外展開を支援するために補助金等を出す事業でございます。
 この事業に対して平成二十七年度に行政事業レビューが行われ、外部有識者から次のような意見が出ております。中小企業基盤整備機構とジェトロで役割が重複しているのではないか、ジェトロの本来的機能やリソースの見直しが必要なのではないか。この二つの指摘は、この支援事業の妥当性だけを評価したものではありません。中小企業基盤整備機構とジェトロの本来的機能やリソースの見直しを示唆しているものであります。しかし、この指摘を基にこの二つの組織の本来的機能やリソースの見直しは全く実施されておりません。
 また、総務省の行政評価局においても、毎年行政評価等プログラムに基づいて政策評価や行政評価が実施されております。しかし、アベノミクス新三本の矢、希望を生み出す強い経済、GDP六百兆円、夢を紡ぐ子育て支援、希望出生率一・八、安心につながる社会保障、介護離職ゼロやプライマリーバランスの黒字化といった政府目標を達成するために必要十分な政策評価、行政評価が行われているとは思えません。
 今本当に必要なことは、過去の延長線上に解を見付けることではなく、現状肯定ではなく現状否定から入らなければ政府目標を達成することはできないということです。行政の現状否定から議論ができるのは官僚ではなく政治家だと思います。今こそ、参議院における政策評価、行政監視機能が強く発揮されなければならないと私は強い問題意識を持っております。
 しかしながら、参議院における行政監視委員会は、直近三年間では、平成二十五年に五回、平成二十六年に五回、平成二十七年に四回しか開催しておりません。予算委員会が同じく直近三年間で毎年二十回以上開催されているのと比較すると、参議院として行政監視に注力しているとはとても言えない現状だと思います。これでは、国民から政治の怠慢だとお叱りを受けても仕方のない状況だと思います。
 また、元企業経営者の視点から言わせていただくと、国の決算の仕組みは明らかに問題があります。上場企業であれば、月次決算や予算管理という仕組みの中で予算項目ごとに費用対効果や妥当性を検証し、その結果を踏まえて次年度の予算を作成します。つまり、この国の決算と予算編成はそのようにはなっておりません。
 この点について、飯尾参考人は次のように述べられました。IT化が進むと決算までの時間はどんどん短くなるというのが各国の傾向である、海外では決算の仕組みを電子化し、四半期ごとに執行状況の報告があって、それを基に議論するという国も増えてきている、しかし日本はいまだに紙の時代のやり方で、一年で締めて、それから決算が出てくるということになっている、日本はどこから手を付けてよいか分からないから明治以来のやり方をいまだにやっている、アメリカでは十年以上掛けて決算システムを転換した、大きなシステムなので転換には十年以上掛かる、政治も行政も民間企業から学ぶべきところはたくさんあるとおっしゃいました。
 国の決算のシステムは諸外国に大きく差を開けられてしまっております。決算がスピーディーに行われていないということは、結果として多くの政治行政に、税金を使わせてもらっている、一円も無駄にしないという感覚の欠如をもたらし、予算は水膨れ化し、財政再建が遅々として進まない大きな原因になると私は考えます。
 参議院には解散はなく六年の任期を全うできるからこそ、本来であれば、決算システムの改善のような期間の長いテーマもじっくり取り組むことができるはずです。
 一票の較差ばかり話題になりますが、国民の最大多数の幸せのために参議院の役割はどうあるべきか根本から議論すべき時期であると私は考えています。参議院の役割が明確になれば、選挙制度もそれに合わせて変更があってしかるべきです。同時に、憲法四十三条等の改正の要否についても議論されるべきだと思います。
 今回の調査会の「二院制議会における今日の参議院の役割」の議論を決してこれで終わらせることなく、私たち参議院議員自らが積極的にこの問題に取り組んでいくことへの必要性を訴え、私の意見表明とさせていただきます。
 以上です。
#7
○水野賢一君 民進党・新緑風会の水野賢一でございます。
 「二院制議会における今日の参議院の役割」というテーマに沿って意見を表明をさせていただきたいと思います。
 二院制の問題になりますと、どうしても必ず出てくるのが、一院制が優れているのか若しくは二院制の方が優れているのかということが話題の論点の一つになるところでもございます。諸外国を取ってみましても、一院制を取っている国としても、例えば韓国やフィンランドなどもありますし、二院制は、言うまでもなく日本、そして米国若しくは英国、フランスなど多くの先進国などでも採用されているところでもございます。
 また、日本国内を取ってみましても、国会におきましては衆議院と参議院の二院制という形でありますけれども、地方議会などにおいては一院制、県議会若しくは市町村議会などにおいては一院制が採用されているわけですから、国内でも様々な制度がある。若しくは、米国の場合などでは多くの州議会においても二院制を導入していたりするようなことがございますから、これはやはり一長一短があるということでもありましょうし、それゆえに、各国の事情や各国の歴史などによって決まってくるものだというふうに思うところでもございます。
 私自身も以前は、一院制の方が例えば効率性等々の面などで優れているのではないかというふうに思ったこともかつてございますし、そうしたような主張をしたこともございます。これは必ずしも参議院の廃止という意味ではなく、衆参統合をした一院ということも考えてもいいのではないかというふうに思ったこともございますけれども、これは私自身も、個人的なことでありますけれども、衆議院議員並びに参議院議員の両院の議員を経験させていただく中で、様々な国会の運営などに携わる中では、現在において二院制にはやはり二院制の意味や歴史やその意義というものがあるというふうにも考えているところでございます。
 また、この現状において二院を改革をしていくということ、つまり、現在の二院制を前提としつつも、もちろんその制度の在り方などについては不断の見直しというものは必要でしょうから、参考人の先生方からいただいた様々な御意見などを参考にしながら、二院制を前提として、それをより充実したものにしていくべく努力をしていくことは必要だというふうにも思っているところでもございます。
 さて、日本の二院制において一つの特徴、これは参考人の先生方からも御意見としてあったところでありますけれども、参議院の権限が諸外国の第二院に比べても強いというような話もありました。これはこれで、多くの意味で、参議院議員の人たちが国民から選ばれてその意見を反映をしていくということで結構なことでありますし、ねじれ国会などにおいては、特に参議院の権限の強さというものが話題になったところでもありますけれども、それだけに一言申し上げておかなければいけないことがあるというふうに思っております。
 衆議院と同様に、参議院の権限も非常に国政の中で大きい影響があるという以上は、やはりそこにおいての一票の較差というものもしっかりと是正をしていく必要性というものが衆議院と同様にあるというふうにも考えております。
 特に、衆議院は定数、一票の較差によって較差というものはあるにせよ、曲がりなりにも約二倍にまで抑えられてきたところでありますけれども、参議院は四倍以上が常態化してきたという問題もございました。四倍の較差というのは、別の言い方をするならば、一人が一票を持っているのに対して、ある一人は〇・二五票しかないということと事実上同じ意味であって、これはやはり民主主義国家として問題があるというふうにも考えております。
 もちろん、今申し上げたことは、比例区の話は直接的な関係にはございませんので選挙区の中の話ではありますけれども、選挙区の制度というのを取る以上、完全な一人一票というものができないことはやむを得ないところはあるというふうには思いますけれども、しかしながら、その較差というものはできる限り是正をしていくということが当然目指すべき本筋ではないかというふうに思っております。
 その点で申し上げますと、今年行われる参議院選挙からは、確かに都道府県単位の選挙区というものが合区によって見直され、それによって定数は、平成二十二年の国勢調査の確定値によればということでありますが、一対二・九七にまでは是正をされましたが、これはやはり事実上三倍を前提としている、約三倍ということになるわけでありますので、その点はこの法案が成立したときに、当時の民主党・新緑風会並びに公明党、無所属クラブ、そのときは私、水野もこの無所属クラブに所属をしていたわけですけれども、若しくは生活の党などが共同提出した法案などは、同じ合区を前提としながらも、いわゆる二十県十合区によりまして二倍以内に定数を是正するという案でございました。正しい数字でいえば、一・九五三倍になるわけでございますけれども、若しくは住民基本台帳に基づく住民の人口で比べるならば、一・九四五倍にまで縮小する案だったわけでありますが、こうしたような権限が強いがゆえに、参議院においても一人一票を目指していくということが求められているということだというふうに思っておりますし、残念ながらそうした案にならずに、一部の都道府県だけを合区した形での約三倍案が成立してしまったということについては残念なことだったというふうにも思っているところであります。
 さて、参議院においては六年の任期があり、また解散がないということで、よく長所として挙げられるものとしては、長期的に物事を考えられるというような利点が言われるところでもあります。確かにそうした長所があるというふうにも思っておりますし、その院に身を置く者としては、そうした条件の下でより良い国づくりや地域づくりや世界をつくっていくということのためにも努力をしていきたいというふうに考えますが、六年の長い任期がある又は解散がないということが、ともすれば怠惰になってしまう、若しくは民意から懸け離れるようなこととなってしまうというようなことに陥りがちなものと裏腹の関係にあるわけですから、そうならないように、これは自戒を込めてそのようなことを申し上げて、より良い国づくりや地域づくりのために今後も力を尽くしていきたいということも申し上げながら、私の意見の表明とさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#8
○新妻秀規君 まず、決算の参議院として重要な当院での決算審議の充実について意見表明をいたします。
 自民党の渡邉美樹委員は、先ほど御本人からもございましたが、民間企業の経営者の観点から国の決算の問題点を指摘しました。すなわち、本来決算をしてから予算を組むのが当たり前なのに国会では順番が逆になっているという問題提起です。これについて飯尾参考人は、他国ではITの活用により決算までの距離が短くなっているとの傾向を紹介した上で、旧来のやり方を続けている日本政府は民間に学ぶべきとの意見表明をされました。海外では四半期ごとに執行状況が報告をされ、それを基に議論をしているという国も多くなっているそうです。
 決算の参議院としての役割をよりしっかりと果たすためには、当院として、政府に対し、他国の好事例や民間に倣い、IT化を促進し、会計のやり方を改善し、決算までの距離を短くするように促していくことを検討すべきと考えます。
 次に、調査会及び委員会での審議結果をどう国民に分かりやすく開示していくかについて意見表明をいたします。
 勝山、大山、竹中の各参考人は、調査会での調査結果及び委員会での審議の結果を国民に分かりやすく提供する工夫を求めましたが、この指摘は真摯に受け止めるべきだと思います。確かに、今でも参議院の委員会、調査会の議事録はインターネット上で公開されていますけれども、アピール性、分かりやすさで課題があることは事実です。他国の例も参考に、国民に分かりやすく提供する工夫について検討すべきと考えます。
 次に、衆参の役割の違いを踏まえ、参議院の望ましい選挙制度について意見表明をします。その際、現行憲法の下での二院制、そして両院議員の国民代表原則を前提条件として考えたいと思います。
 この前提条件の上で望ましい選挙制度としては、竹中参考人が提示いたしました単記式の大ブロック制を挙げたいと思います。大ブロックとは、例えば東海とか近畿とかいった方面単位の区域のことです。この大ブロック制は、かつて参議院の西岡議長が提案したものでもあります。以下に三つ理由を挙げます。
 理由の一つ目は、一票の較差を是正するためです。最高裁の度重なる一票の較差への違憲状態判決を重たく受け止めなければいけないと考えますが、大ブロック制であれば劇的に一票の較差を解消できるからです。平成二十四年判決、平成二十六年判決とも違憲状態かつ都道府県単位の選挙区見直しと断じています。
 最高裁のこの一票の較差についての判決の経緯を詳しく見ていきますと、昭和五十八年には参議院選挙地方区における都道府県単位の選出は立法裁量として合理的としてきました。しかし、平成十六年判決の補足意見二におきまして、都道府県単位を見直さないのは合理的ではなく、このまま一票の較差を放置すると次回は違憲判断もあり得るとの意見が提示されて転機を迎えまして、この補足意見は平成十八年判決で主流意見となりました。そして、平成二十四年判決にてこの昭和五十八年判決、つまり、都道府県単位は立法の裁量内とする判断は完全に上書きをされて、都道府県単位の仕組み自体の見直しを立法者に求める厳しいものとなりました。それがそのまま平成二十六年判決に引き継がれています。
 これについて、大山、竹中両参考人とも、参議院の権限が強いからこそ一票の価値の平等が求められるようになっているとの認識を示しています。竹中参考人は、一票の較差の解決策として、ブロックごとに定数を振ればかなり一対一に近い一人一票の原則を貫く形で定数配分ができるとして、比例区をなくし、全議席をブロック別の大選挙区制に一本化した制度を提案をしています。二つの合区を含む昨年の選挙制度の改正でもまだ約三倍の較差がありますが、この大ブロック制によって選挙区での一票の較差を大幅に改善できると見込まれます。
 理由の二つ目は、多様な民意を反映するためです。衆議院が政権選択の民意の集約の院なのに対し、参議院はそこでは拾えない多様な民意の反映の院であるべきと考えますが、大ブロック制なら中小政党、また無所属といった少数者が当選しやすくなります。
 飯尾参考人は、衆議院は政権の安定のために多数代表制、これに対し、参議院はバランスを取るために少数代表的、少数者がたくさん出てくるような選挙制度を考えることと述べています。竹中参考人は、衆議院の選挙制度との関係も考えるべきで、衆議院の小選挙区は政権選択、参議院は多様な民意を反映させることと述べています。このように、飯尾、竹中の両参考人とも、参議院は多様な民意を反映する役割を果たすべきとの見解であることが分かります。
 大ブロック制であれば、竹中参考人が述べているように、中小政党も無所属も当選しやすい。また、この多様な民意の反映は、参議院の度重なる議論、例えば、昭和六十三年の参議院制度研究会、平成十二年の参議院の将来像を考える有識者懇談会、そして平成十七年の参議院憲法調査会の下での二院制と参議院の在り方を考える小委員会の検討で大方の同意を得ている意見でもございます。
 理由の三つ目は、参議院は、政党ではなく人物本位の選出をすべきなので、単記の記名式を導入すべきと考えます。
 飯尾参考人は、参議院の選挙のときに人物本位で選ぶ選挙への移行を一つの案として提示をしています。竹中参考人は、ブロック別にする場合にも比例代表制と大選挙区制に行くという二つのオプションがあるが、比例代表制にすると政党に所属している人しか当選できない、多様な意見の最たるものは個人、政党に所属しない人、大選挙区制だと当選のハードルが低くなるので無所属でも当選しやすくなると述べています。飯尾、竹中両参考人とも、参議院は政党よりも人物本位と求めています。
 なお、議員個人の意見を重視という観点は、さきに述べました昭和六十三年、平成十二年、そして平成十七年の参議院自身の検討にて大方の同意を得ている意見でもございます。
 最後に、なぜ参議院を地域代表の院にすることに反対するのかについて意見表明をいたします。
 岩崎参考人、大山参考人は、参議院を地域代表の院にすることを提唱していますが、これから述べますように課題は多く、個人的には賛成できません。
 岩崎参考人の提案は、現行憲法の下での国民代表の原則の下では一票の較差が必ず問題になるので、憲法を変えて参議院を地域代表の院にする、そして、参議院議員の選出方法は必ずしも直接選挙によらなくてもよいのではとのことでありました。
 参考人の念頭にあるのは、その参考人の著書からアメリカのような連邦制国家と想定しますが、日本は連邦制国家ではありませんし、また、アメリカでは州それぞれが別個の国のような独自性と歴史を持っていますが、日本の都道府県はそうではありません。こういう根本的な違いがあるので、アメリカ上院における州と同じ地域代表の性格を参議院における都道府県に当てはめるのはやはり無理があると考えます。
 また、直接選挙ではなく間接選挙か任命制もあり得るのではという提起については、第二院の議員を選ぶ権利を国民に放棄させることになりまして、国民の支持が得られるかどうか疑問が残ります。
 大山参考人の提案は、現行憲法を変えるA案と現行憲法の下でも可能なB案の二つございます。
 A案は、都道府県を全て二人区にしまして男女各一名を選出をする、四十七都道府県掛ける二の定数九十四、若しくはその倍数の百八十八にするというものです。これは人口比例原則を無視した制度なので憲法を変えることが必要とのことです。
 B案は、拘束名簿式比例代表制と都道府県代表を選ぶ都道府県単位の小選挙区制を併用する案です。都道府県の小選挙区の候補者は全て比例代表との重複立候補とし、各政党の名簿への議席配分は完全に比例代表としますが、先に小選挙区の候補者は当選となるので、残りの数を名簿登載順で当選とするという提案です。政党の議席配分は完全に比例代表となるので、都道府県代表は比例代表で決まった当選者の中から、我々の都道府県はこの人を指名しますよという形になるということです。一人名簿を認めることが可能で、無所属の当選でも可能ということでした。
 A案については、参議院が本来果たすべき多様な民意が反映されず、問題が多いと考えます。参考人質疑でも、民主党の石橋通宏委員より、衆議院にない制度を使って参議院が多様な民意を反映するのが参議院の意義と考えたときに、参議院を都道府県二人区案としたときに多様な民意を反映できないのではないかと指摘したのに対し、大山参考人は、衆議院が現状の小選挙区中心の選挙制度を維持しているときに参議院を二人区にしたら、おっしゃるとおりと発言されております。
 B案においては、現行憲法の下でも実施可能であり、比例代表なので得票数に応じた議席配分になり、小政党でも議席の獲得が可能になるという点では多様な民意の反映がある一定程度確保ができ、検討の余地はあると考えますが、以下の理由で課題が残ります。
 まず第一に、このB案では、これまで参議院自身が昭和六十三年、平成十二年、十七年と積み重ねた議論のうち、議員個人の意見を尊重するという大方の合意が政党の名簿では実現できず、また第二に、どのみち政党ごとの議席配分は拘束名簿式比例代表制で決定するので、小選挙区での選挙は形骸化する懸念があるからです。
 以上で意見表明を終わります。ありがとうございました。
#9
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 「二院制議会における今日の参議院の役割」を考えるに当たって、憲法の国民主権の原則を根本に据えることが最も重要です。今日、参議院が国民の代表として多様な民意をいかに国政に反映できているのか、憲法の要請に応えられているのかという視点からの検証が必要です。
 国会は、唯一の立法府として、国政調査権の行使、議員の質問権を十分に保障した国会審議によって強大な行政権力を監視する重大な任務を果たしていくこと、そして衆参両院がそれぞれ多様な民意を反映する選挙制度によって選ばれた議員で構成されることが重要であり、それが憲法の求めるところです。同時に、国会には、質疑の内容を国民に広く知らせ、それに対する国民の声を審議に反映し合意形成を図るという責務があります。世論を二分するような法案であればなお徹底審議が求められることは当然です。
 今、国会は、参議院は、その責務を十分に果たせているのかが問われています。昨年、安倍政権は、歴代内閣の憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認するという閣議決定を行い、多くの反対世論も憲法学者の声も押し切って安全保障法制を強行成立させました。国民に分かりやすく説明するとの約束は全く果たされておりません。東京電力福島第一原発事故から五年が経過しても、事故原因の解明も増え続ける汚染水対策も見通しが立っていません。こうした状況にもかかわらず原発再稼働と輸出に突き進む政府に対し、国民は納得しておらず、司法からも待ったが掛かる事態となっています。さらに、来年四月の消費税一〇%への増税に、世論調査では六、七割が反対しています。
 二〇一四年の二月、本調査会に参考人として出席された野中廣務元内閣官房長官は、ここ数年の政治の実態は、憲法が規定し、期待するものと相当に異なったことが平然と行われているとして、与党での議論と国会での野党の議論が形骸化していけば、議会制民主主義は機能不全となる、今日相当危険な状態だと警鐘を鳴らされました。国会と民意の乖離は、その後ますます広がっているのではないでしょうか。
 議会制民主主義の根幹である選挙制度が、小選挙区制によって民意の反映がゆがめられ、第一党が圧倒的多数の議席を独占し、得票率と獲得議席に著しい乖離が起きていることが最大の問題です。現状は違憲状態であるとの最高裁判決を繰り返し受け、見直しが衆参に求められました。参議院では昨年見直しが実施されましたが、当面の較差を三倍以内に収めようというものにすぎず、合区に対しては対象県から地方軽視との反発を招いています。衆議院では、定数削減ありきで小選挙区制を温存した見直しの方向が示されています。参考人からは、国会議員の数を減らせばよいという考え方に対する危機感や内閣に対するチェック機能が弱まることへの懸念から明確に反対するとの意見、一票の較差是正がより困難になるなどの意見があり、これは重要な指摘です。多様な民意が議席に正確に反映される比例代表を中心とした制度へ抜本的な見直しが必要です。
 国会への民意の反映という観点から、女性や若者の政治参加を促進していくことは喫緊の課題です。国際的には圧倒的な数の国々で導入が進んでいた十八歳選挙権が、次回の参議院選挙からようやく日本でも導入されることとなりました。これまで反対が多かった若者の意識が変化し、七割の若者が良いことだと答えているとの紹介があり、参考人からも賛意と期待が示されました。
 一方で、日本の女性国会議員の比率は、OECD加盟国三十四か国中最下位という事態が続いています。参考人からは、女性の国会議員が増えれば政策の中身が変わること、有権者の信頼を回復するという意義があるとし、女性議員を増やすために選挙制度の見直しの提案もありました。
 戦後初の衆議院選挙が実施された一九四六年、初めて女性が参政権を獲得した選挙で三十九人の女性議員が誕生しました。自らの体験から戦争反対を訴え、食料事情や労働環境の改善など生活に根差した声を国会で伝える役割を果たしました。
 予想外とされた多数の女性議員誕生の背景には当時の選挙制度もあったとされています。その後、選挙制度の見直しにより女性議員が減少し、戦後初の三十九人を超えるまでに何と六十年間を要した事実、重く受け止めるべきです。これは参議院でも同様に問われる問題であり、各政党が候補者の女性比率を高める努力が求められるとともに、この点からも選挙制度の抜本的な見直しが求められることを指摘しておきます。
 国会と民意の乖離を生んだ要因として、政党交付金の問題が挙げられます。
 一九九四年、金権腐敗政治に対する国民の大きな怒りを受け、企業献金の廃止と引換えに導入されたのが政党交付金でした。ところが、禁止されたのは政治家個人への企業献金だけで、事実上、企業献金を継続するだけでなく、政党交付金も受け取れることとなり、政治と金の問題は繰り返し浮上し、閣僚の疑惑も後を絶ちません。経団連は企業献金への関与を再開する方針を決め、金融危機の下で巨額の公的資金の注入を受け、一九九八年から政治献金を自粛してきた銀行業界もなし崩し的に再開する可能性も出てきています。政党交付金と企業献金の二重取りの状態は今も続いています。企業・団体献金及びパーティー券も含めてきっぱりやめることが国民の政治不信を払拭することにつながるものであることを改めて指摘します。
 さらに、今や政党交付金は日本共産党以外の政党の主な収入源となっています。政党の再編、離合集散を促進し、国民の目線から見れば政党交付金を受け取るためかと見え、政界の劣化につながっているのではないかとの参考人からの指摘は深刻に受け止めるべきです。
 政党は、国民の中で活動し、その政策を訴え、国民の支持を得て、その活動資金は国民一人一人からの個人献金によるのが常道です。企業・団体献金の禁止と併せて政党交付金を廃止することが政治の信頼回復につながるものであると強調しておきます。
 安倍政権が強行した原発再稼働や安全保障法制に対し、全国で国民が立ち上がり、ノーの声を上げています。立憲主義とは何か、民主主義とは何か、多くの国民が真剣に考え、国民こそこの国の主人公だと自覚を深め、行動しています。
 憲法前文は、そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表がこれを行使し、その福利は国民が享受する、これは人類普遍の原理であるとしています。衆参両院がその原理を深く自覚することが今日強く求められていることを指摘いたしまして、意見表明といたします。
#10
○荒井広幸君 新党改革の荒井広幸です。
 一院制と二院制との比較でよく引用されるのがシェイエス。シェイエスはフランス革命のときの理論的指導者です。彼はこう言います。第二院は何の役に立つのか、もしそれが第一院に一致するならば無用であり、もしそれに反対するならば有害である。これが極めて有名な二院制否定論の原点にあります。しかし、そこには第一院が常に正しいという前提が置いてあってこそ成り立つ話です。
 与党の場合、法案を国会提出するときに、あらかじめ党の政務調査会や総務会で細かく審査して了承を得る事前審査、承認制度が慣例化されております。参議院も政党化が強化されることになったのは、ここに由来します。結局、衆議院と同じようなやり方で党の中で議論をもみますから、法案の賛否を国会で議論する前に決められている。結果、国会審議は甚だ形式的なものになっています。だから、二院制は必要のない議論とも言えるわけです。
 政権交代を経験して、我が国も、それぞれに与党内での事前審査制度を持つようになりました。非常に不安を覚えます。あらかじめ決められた党の方針に従うということで党議拘束が徹底されていくからです。法案の賛否については、憲法に保障される議員の個人の意見は軽視されがちです。つまり、制度論より、未熟な政党、与党が国会を形式的、形骸化をつくっているという現状を、少数政党の党首ではありますが、反省の念を込めて申し上げたいと思います。
 一方で、英国の政治学者で貴族院議員でもあったブライスは、第二院が議案に対し再度の検討を行い、恐らくは改善をも与えるものであるから、単なる拒否よりも好ましいものであると二院制を評価しているのは有名な言葉です。
 参議院は、再考の府、良識の府と言われますが、権威の府です。解散がありません。政府から一定の距離を置き、国民と将来に対して、数の力ではなく理性の力によって大所高所から時間を掛け諸課題を解決に導いていくことができる、その可能性を持っています。
 さらに、賢者の府でもあるべきです。政府と衆議院が衝突すればそれを緩和し、国民に不安があればそれを緩和し、一緒になって、政府の暴走をしかねないときには参議院が、衆議院が暴走しかねないときにはこの参議院が安全装置の役割を果たすことができる大いなる可能性を持っております。これが参議院の使命ではないでしょうか。
 例えば、官僚主導とよく言われる弊害は、まさに行政国家の問題です。我々国会が、立法府であるにもかかわらず、細かい細部においては官僚にその法案作成、省令、政令を委ねてしまっているという、委任立法をしているというところが最大の問題です。参議院はそれをせず、きちんと細部にわたって法制化していくことによって、行政国家、官僚が力を持つということに歯止めを掛けることができると考えます。
 また、昨今の安全保障法制です。戦争法案とも我々は呼びませんし、平和安全法制とも呼びません。安全保障法制と呼ばさせていただいています。
 衆議院の段階では、戦争の反省から、政府と自衛隊に対する暴走の歯止め措置がありませんでした。それは国会の関与です。国会が事前に自衛隊を派遣する場合の是非をただす、国民とともに監視をする、その必要性の是非をきちんと明らかにするのが国会に求められています。これが戦争の教訓です。衆議院ではなし得ませんでした。我が参議院において国会の事前承認という歯止めをつくったということは記憶に新しいところであろうと思いますが、そうした役割が現在も行われているということを申し上げたいと思います。
 では、どのような解決策が更にあるだろうかと、こう考えますときに、一つは、会派ばかりでなく個人が法案の提出権を持つことにする、党議拘束はこれを廃止する、決算重視の審議を強める、そして請願審査のための常任委員会をつくり、民意を吸収することに徹底する、同意人事は参議院だけに与える、こうした改善点が考えられます。そのためには、思い切って我々も権威の府として権力を手放さなければなりません。参議院は首相の指名権を返上する、そして閣僚を送り出すことをやめるということを提案して久しくなります。
 最後に、国民の熱狂が国論の暴走を生み、国民自らを苦しめたという歴史を学びます。
 戦後、GHQは衆議院のみを提案しましたが、多くの教訓から参議院を置く二院制にこだわりました。よって、天皇の国事行為、第七条の四、これには国会議員の総選挙を公示するとあります。一院制を前提にしていたからです。衆議院は総選挙ですが、参議院は通常選挙です。
 このように、諸先輩は参議院を置くことにこだわりました。近衛文麿総理は、軍部の力をバックに、国家総動員体制のため全政党を解党して大政翼賛会をつくり、太平洋戦争にのめり込みました。ドイツは、ナチ党のヒトラー総統がワイマール体制下の民主主義選挙によって国会で多数派を形成し、その結果、排外主義は第二次大戦の引き金を引くことになりました。どちらにも共通するのは国民の熱狂的な支持です、熱狂的な支持。
 私は、小泉人気と言われるこの熱狂を痛感した一人でもあります。政府と衆議院、あるいは国民にまでも冷や水を浴びせる役割があろうと思います。憲法国会で、我々の先輩は、この冷や水を浴びせろということを国会で議論しているようです。熱狂しやすい国民に冷や水を浴びせる府という役割を自覚していきたいものと思います。
 政党はもとより、我々国会議員一人一人の見識によってまだまだ生かせる制度がこの二院制であると考えて、意見開陳を終わります。ありがとうございました。
#11
○儀間光男君 おおさか維新の会の儀間でございます。
 今日は、二院制について三つのテーマを提言し、議論をしていきたいと思います。
 一つには参議院の先議制度についてです。二つ目は参議院は党束を掛けないという問題、三つ目に参議院は内閣には参加しないというような三つのテーマで意見を述べたいと思います。
 地方の意見を国に反映させるためには国の統治機構改革も必要になります。我が党は、結党時の基本方針に掲げたとおり、首相公選とその下での一院制の実現を目指してまいっております。ただし、当面、一院制の実現が難しく二院制が続くならば、衆議院と参議院のそれぞれの権限や構成を変えて役割分担を明確にすべきだと考えます。
 そもそも、我がおおさか維新の会は、旧会、旧党の結党時より、今申し上げましたように、首相公選を始め、衆参統合による一院制を党是としてきております。その結果、二院制議論には基本的には違和感を持つものでありますが、しかし現実的に、今直ちに憲法が改正され、これらのことが実現することの無理さも認識をしております。したがいまして、過渡的対応をしなければならないことも併せて認識をするところであります。ならば、現行の二院制にどう対応し向き合うかについて提言し、議論を進めることができればと考えます。
 まず第一は、現在制度として行われている両院の法案審議システムを見直すこと。つまり、先議の在り方の一部を改正する。衆議院の優越性は、憲法六十条で言う予算案あるいは五十九条で言う法案等々がございます。この憲法の現行のままで先議を、参議院が先に行い採決をし、衆議院は最終的に採決をするという方法であります。
 このことは、憲法に触れることなく国会法の見直しで可能ではないかと考えるからであり、もう既にお気付きのとおり、現行の三十日条項、六十日条項は、その制度の意味するものは大いに理解、納得するものの、ややもすると参議院がカーボンコピーあるいは第二の衆議院とやゆされるゆえんでもあるわけであります。参議院の存在意義を問われるからにほかなりません。
 参議院を抑制機関、つまり、言われるところの抑制と均衡の確保、あるいはその機関としての参議院の独自性の確立を図る。つまり、内閣提出議案の先議は、憲法に定めたものを除き両院議長協議で決めるものとする、又は国会法でこれを定めるとする。そのことは、参議院で与野党の構成にねじれがあったにせよ、最終的には衆議院に差し戻し最終決着が見られるし、あるいは両院合同会議等の方法も確保されているからであります。現行のままでの審議では法案の決定にまず時間が掛かり過ぎ、国民の目からすると参議院の審議は無駄な時間で、スピード感からも、不必要な経費を税金で払っているとしか映らないのであります。
 参議院審議の意義は認めるものの効果はなしとするのが国民目線の現実であり、また、私自身、参議院以前に地方での行政、政治に携わった経験からの立場からもそのように見えて仕方がないのでありました。参議院に参加をしてますますそのことを感じているところであります。
 次に、参議院においては、議員の政党からの独立性を強め、参議院議員は原則として党議拘束を受けないものとする。衆議院と内閣から離れた位置に存在し、国務大臣及び政務官は参議院から選出しないようにすることで、常に権力の抑制と均衡の機能を確保すると考えるからであります。
 さらには、参議院の決算審議機能を強化し、その報告書の作成及び公開を行う、あるいは参議院に調査会を増設するとともに、その活動に関する報告書を作成する、さらには内閣提出議案の先議の院は、憲法に定めるものを除き、両院の議長の協議によって決めるということでございます。
 最後になりますが、参議院はその生い立ちから、常に良識の府、理性の府としての独自性を発揮すべきである。かつて参議院議長を務めた斎藤十朗先生は、参議院は政局から半歩離れたところで物事を考えるべきである、さらに斎藤氏は、そもそも参議院は衆議院に対して抑制、均衡、補完という機能を果たすとも主張されているのであり、私たちは、私たちの参議院の現場を取り仕切った先輩の残された言葉として参考に供したいものでございます。また、そのことは竹中参考人やその他の学者からもお話を聞けた事柄でありました。
 以上申し上げまして、意見の発表といたします。ありがとうございました。
#12
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 私たちは二院制を支持しておりますが、今回の本調査会では、私が参議院一年生としてこの二年半で感じたこと、考えたことを参考人の先生方に質問をさせていただきました。私は、まず参議院議員が内閣総理大臣になるということをどのように考えられますかと、また、参議院議員が内閣総理大臣に指名されるとしたら制度上どのような点が問題になるでしょうかということを四人の参考人の先生方に質問をさせていただきました。皆さんは、法的には問題はないというお答えでしたけれども、やはり衆議院から選出されることが望ましいと言われる先生も中にはいらっしゃいました。
 私は、先日、NHKの「日曜討論」という番組に出演する機会を得ることができたんですけれども、当日出席された九党の党首そして党首級の方々のうち、衆議院議員は三名、参議院議員が六名もいらっしゃったと。非常に責任ある立場に参議院議員の先生方、先輩方が就かれているということですよね。私は、そう遠くない将来に参議院議員の内閣総理大臣が誕生する可能性というのが大いにあると思うんですよ。是非、先輩方に頑張っていただいて、そして末永く仲よくしてくださいという言葉も添えておきたいと思います。皆さんとともに頑張っていきたいと思います。
 そして、私は、去年に続きまして、参議院こそ予備的調査の制度が必要であると申し上げさせていただきました。衆議院には、少数者調査権として、四十名以上の議員の要請による予備的調査の制度が存在しています。二〇〇八年に当時の民主党が、国家公務員の再就職状況、いわゆる天下りに関する予備的調査の報告を求めました。その結果、四千五百四の独立行政法人、公益法人に二万五千二百四十五人の国家公務員のOBが再就職、天下りして、それらの天下り先法人に合計十二兆一千三百億円余りの税金が交付されているということが報告されました。しかし、この調査はその後、継続しなかった。天下りの実態の詳細は現在不明です。
 私は、行政監視機能が重要な参議院こそ予備的調査の制度が必要であり、参議院議員十名若しくは二十名以上の要求で予備的調査ができるようにすべきではないでしょうかという質問をさせていただきました。この点につきましては、参考人の同志社大学大学院法学研究科教授の勝山教子先生にも、政策研究大学院大学教授の飯尾潤先生にも賛成をしていただきました。
 そして、もう一つ、参議院の機能について、私は六十日ルールについて質問をいたしました。これ、私自身、六十日ルールが適用されればいいのになと思いながら昨年の安保の期間を過ごしたという気持ち、個人的な気持ちが強いんですね。全くもって今から言うことは個人的な気持ちなんですけれども、もう右も左も分からず参議院議員になった私としまして、政治とは何であるのかということを詳しく知らずに参議院議員になった私を、何とか参議院のメンバーとして恥ずかしくないレベルにまで育てようという熱意をひしひしと感じる、そんな党派を超えた先輩方お一人お一人からの御助言、その数々に支えられた二年半でもあったんですよね。尊敬する先輩方の手を汚さずに、あのような強硬な手段を決して使わずに何とかならないかなという思いが非常にあったので、六十日ルールが何とか適用されないかということを祈るような思いであの日々を過ごしたというような記憶があります。その六十日ルールについても質問をいたしました。
 安保法制、戦争法制が昨年の九月十九日午前二時十八分に成立したことについて、その成立後に考えたことは、憲法五十九条の、参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の時間を除いて六十日以内に議決しないときは、衆議院は参議院がその法律案を否決したものとみなすことができるという、いわゆる六十日ルールですよね。
 野党、今回の安保、戦争法案について適用させるべきだったんじゃないかなということなんですけれども、もちろん六十日を超えれば、もう皆さん御存じのとおり、同じ憲法五十九条の規定で、衆議院の三分の二以上の多数で成立してしまうんですけれども、参議院ではこの憲法違反の法律を否決したことになると。当時、参議院では、与野党共に、六十日ルールを適用することは参議院無用論につながるということで、与野党とも六十日ルールが適用されないように必死で頑張っていたというようにも何となく感じられる部分もあるのかなと。とにかく九月十九日の未明までに採決するんだというようなことが、ひょっとして暗黙の了解があったんじゃないかな、私はそういうふうにも感じました。
 私は、今から考えると、廃案にはできなかったかもしれませんけれども、少なくとも九月の二十日、それから二十三日までの連休明けまで参議院の採決を延ばして、六十日ルールの適用で衆議院に三分の二以上で再議決させるということができたんじゃないかなと思うんですね。
 私的には、憲法違反ですよ、多くの憲法学者、ほとんどの憲法学者が口をそろえるような、本当に国の根幹に関わる法律案に対しては参議院では採決させない、それが良識の府と言われる参議院の役割であり、六十日ルールによって衆議院に三分の二以上の多数の横暴で再議決させるというのが参議院の独自性の発揮であり、参議院の役割だったのではないかなと思いました。この私の考えにつきましては、参考人の先生方の賛同は得られませんでした。昨年夏の安保、戦争法制の国会の検証は今後もしていかなければならないんじゃないかなとも思います。
 憲法につきましては、現在、憲法改正問題で議論されている緊急事態条項について質問をさせていただきました。
 緊急事態に際しましては、既に現憲法五十四条二項に参議院の緊急集会の規定があり、衆議院選挙が災害と重なった場合に国会の議員の空白が生じるという理由で憲法を改正する必要はないんじゃないでしょうかという私の質問に対しまして、駒澤大学法学部教授の大山礼子先生は、その理由だけからでは必要ないと私も思います、そのようなお答えをいただきました。政策研究大学院大学教授の竹中治堅先生は、私も、議員のおっしゃるとおりですね、大山先生と同じで、議員の空白が生じるというのは緊急集会で手当てされているはずなので必要ないんではないでしょうか、その理由からはと、お二人の先生方にはそれぞれ明確に答えていただきました。
 参議院、衆議院に共通する問題といたしまして、十八歳選挙権と女性の議員を増やすことについて質問をいたしました。
 今年の参議院選挙から実施される十八歳選挙権については、私は、立候補できる権利、被選挙権も十八歳に引き下げるべきではないかと質問をさせていただきました。
 世界を見てみても、十八歳に被選挙権を与えている国は五十か国を超えているそうです。オーストラリア、オランダ、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェーなど。若い世代が、投票するだけじゃなく仲間から立候補者が出るということは、政治に対する関心も深まり、選挙運動に参加する機会も増えて、若者の投票率も向上することと思います。この質問に対しましては、筑波大学大学院教授岩崎美紀子先生は、被選挙権を選挙権と同様の十八歳に下げるということについては賛成です、ただし、国の選挙では、衆議院は選挙権と同じ年齢、参議院はもう少し上の被選挙権年齢の方が適切とお答えいただきました。
 私はもう一つ、市民の政治参加、若者の政治参加を進めていくには、高過ぎる供託金の問題があり、少なくとも供託金を現在の十分の一以下にすべきではないでしょうかと質問をさせていただきました。
 早稲田大学政治経済学術院教授の日野愛郎先生は、大変重要な点で、日本は供託金が国際比較の中でも異常に高い国で、新しい政治勢力がどのように政治過程に参入していくのかということをイギリスの大学院で博士論文を書いたときに研究していたので、この供託金がいかに高いかということをよく認識しているので、供託金は下げた方がいいと答えられました。
 最後に、駒澤大学法学部教授の大山礼子先生が提出された「議会に女性を送ろう」というタイトルの参考資料について質問をさせていただいたことについて述べたいと思います。
 これによると、フランスの県議会選挙で、男女がペアで立候補する制度になって女性議員の比率が一遍に五〇%になったと。本当に劇的な方法で、私は日本でも検討すべきではないかと思いました。このペアで立候補という劇的な方法以外で女性議員を増やす方法がありますかと私の質問に大山先生は、すぐにでも取り組むというのは残念ながら無理で、これはやっぱり憲法を改正しないと無理だと思います、そのほかの取組は、もうどこでもやっていることなんですけれども、政党が競争し合って女性候補を立てている、そこの競争が日本では全くこれまでなかったということが致命的だったと思いますとお答えになりました。
 私たちは是非女性候補を立てていくということについて競い合いたいということを申し上げて、私の意見表明を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#13
○会長(山崎力君) 以上で各会派の意見表明は終わりました。
 これより委員間の意見交換を行います。
 多くの委員の方が発言の機会を得られますよう、一回の発言は三分程度でお願いいたします。
 それでは、意見のある方は挙手を願います。──よろしいですか。
 それでは、秋野公造君。
#14
○秋野公造君 機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 私は、ある国の外交官の方の意見交換での言葉をちょっと紹介をしたいと思います。
 それは、その方の国の一院制より日本の二院制の方が機能しているというものであります。その理由ですが、その国が取る一院制では国会の解散を行うことができず、任期満了の年は選挙を前にして意思決定が困難な時期が生じ、政治を前に進めることができにくい一種の政治空白が生じる時期が生じてしまうというものであります。
 しかし、我が国が取る二院制では、下院の解散があり、任期の終わりが見えない下院議員は全力で仕事をしつつ、短い選挙期間で新たな構成を整えることができる、空白を少なくする最高の取組ではないかというものでありました。さらに、上院の存在が下院の空白を補い、その上に半数改選で常に政治に打ち込める存在を確保しているということも我が国が取る二院制の優れた仕組みではないかと。国会で空白を生じることがないように、外交や安全保障など様々な危機管理を行わなくてはならない国会でそのような仕組みを整えている我が国の仕組みは優れているものではないかというものでありました。
 それだけでなく、私自身もこの憲法に基づいた二院制自体は機能していると思います。荒井先生も言及なさいましたけれども、カーボンコピーであっては意味がなく、合意形成につながらないならば有害であるとの指摘は正しい側面も持つと思います。しかし、法案の修正が伴わないから、又はドラスチックな変化が見えないからカーボンコピーであると指摘することは余りにも皮相的であると申し上げたいと思います。
 それは、閣法も議法も、質疑には立法趣旨を細かく確認するという作業が含まれているからであります。背景の異なる議員がそれぞれ異なる視点に基づいて、そしてその調査に基づいて質疑が現行では行われていると思います。今日参加の先生方も、衆議院では議論されなかった観点を選んで法案審査に臨むことの方が多いのではないでしょうか。衆議院と同じ質疑が繰り返されているというのであれば、それは、多様な背景の議員が選出されていないか、又は国民のより深くて専門的な議論を求める参院の役割に応えていないということであって、一院でよいという議論の前に改善をどうするかという議論が先のような気がいたします。
 ただし、参議院が合意形成を障害する存在ならば、それは国民の期待に応えていないと言わなくてはなりません。六十日又は三十日という期間を制限する制約がある以上、参議院は結論を出すということは非常に重要な役割であり、合意を図らず政局にするようなことが絶対にあってはならないと思います。
 さらに、憲法はねじれさえも想定しており、両院協議会という仕組みも整えています。よって、政府提出法案の立法趣旨の確認も、また議員立法の作成も、一院よりも二院の方が有利であるということが言えると思います。
 質を高める取組に終わりはないと思います。制度の変更を検討するとともに、憲法が期待した参議院の役割を果たすことにも注力を置くべきであるということを申し上げて、意見表明としたいと思います。
 ありがとうございました。
#15
○会長(山崎力君) 津田弥太郎君。
#16
○津田弥太郎君 民進党の津田弥太郎です。アドリブで発言をさせていただきます。
 私は、十二年間の参議院議員生活の中で十一年間、厚生労働委員会をずっとやってきました。与党も野党も、委員長も、野党の理事も与党の理事も全部やってきました。いつも心掛けてきたのは、衆議院とは違う議論を必ずしましょうね、違う観点から分析をして議論しましょうねということをやってきました。私は、そのことがこの参議院の大変重要な役割だというふうに思ってやってきました。
 私は今期で引退をするんですが、やっぱり参議院のあるべき姿としては、どちらかというとポピュリズムに走らないプロフェッショナルの集団であってほしい。はっきり言えば、衆議院はポピュリズムに走っています。したがって、参議院はそうあるべきではない。
 そのために、参議院のあるべき姿としては、山本さんとちょっと私、意見が違うんだけれども、今、衆議院は被選挙権が二十五歳、参議院は三十歳になっている。逆に、参議院は五十歳以上、社会人として三十年くらいしっかりプロで経験をして、いろんな酸いも甘いも分かっている人がここに来て議論する、これが一番望ましいんですよ、参議院の在り方として。ミーハーは要らない。
 それから、二つ目。衆議院で落選したから参議院に来るというのは駄目。こういう何か身過ぎ世過ぎでやろうというのは一切入れない。それから、世襲は一切駄目、世襲。これ当然、私はプロフェッショナルの集団と言いましたから、世襲は駄目に決まっているんです。こういうことをやると、参議院の特徴というのはすごく分かるようになってくるわけであります。
 当然として、党議拘束をしない、あるいは選挙は比例代表を基本とするということになれば、本当にプロフェッショナルが中心に集まってくるようになるわけで、現在もそういう傾向が私は参議院はあると思うけど、更にプロフェッショナルの集団になっていくという意味で、最後っぺみたいな言い方で申し訳ないんですけれども、議事録に残していただければと思います。
 以上で終わります。
#17
○会長(山崎力君) 他に御発言はございませんか。よろしゅうございますか。
 それでは、山本さん。
#18
○山本太郎君 ありがとうございます。
 先ほども私の話の中で出てきたものなんですけれども、参考人の先生方にも御賛同いただいた、参議院にも予備的調査の制度をつくっていただけませんか、つくりませんかという提案なんですけれども、特に参議院の行政監視の機能強化のためにも。これぞ独自性というものが、小さなグループでもやっていけるという、この予備的調査ということは本当に参議院にとって、行政監視にとってプラスになっていくんじゃないかなと思うんですけれども、是非、会長の下で、参議院の予備的調査、この制度を設けることについて御検討していただけないでしょうかというお話なんですけれども、いかがでしょうか、会長。
#19
○会長(山崎力君) この際、質問ですから申し上げますけれども、今回のこの調査会の運営については会長の方でいかようにでもさせていただきますけれども、その中身については、これは自由な討議の場でございますので、会長宛てのそういった発言というものを私としては受けかねるという状況にございます。
#20
○山本太郎君 済みません、ちょっとよくルールを分かっていなかったですね、私。申し訳ございません、今日で覚えました。
 例えばですけれども、これは本当に参議院の予備的調査というものを実現していくような方向に持っていくためには、これどのような段取りといいますか、というものを踏んでいけばいいのかということを今日、先輩方でもしもそれを教えてくださる方いらっしゃったら是非教えていただけませんか。
#21
○会長(山崎力君) 申し訳ございませんけれども、会長として申し上げるのは、それはこの会議録に載らないところでも十分できることでございますので、そういったところで先輩の方々から御意見を承ればいいというのが……
#22
○山本太郎君 個人的に。
#23
○会長(山崎力君) ええ。党派を代表しての質問というふうな形ではちょっと、これはほかの国対、議運、そういった組織で動いておりますので、本調査会の今の議論にはなじまないと私は判断させていただきます。
#24
○山本太郎君 失礼をいたしました。
 意見交換ということだったので、いろいろな交換をできるのかなというふうに思っちゃいました。今日でルールが分かりました。勉強になりました。
 ありがとうございます。
#25
○会長(山崎力君) 他に御発言はございませんか。──他に御発言もなければ、私、調査会長でありますが、委員の一員でもありますので、最後に一言だけ感想といいますか、意見を申させていただきたいと思います。
 いろいろな御意見ございまして、本当にありがとうございました。非常に皆さん方の、参考人の方々の意見を本当に参考にされて、それぞれ意見を開陳されたものというふうに理解させていただきたいと思います。
 一点私から申し上げたいことは、ちょっと観点が違うかもしれませんが、いろいろな意見の背景に、衆参の選挙母体といいますか、選挙の母体が違っていたこと、それが今いろいろな改正で比例代表の導入等変わってきたということをどう捉えるかという視点が一つ必要ではないかと思っております。
 それと同時に、これは我々の参議院の選挙改革で導入されたことですが、合区ということでございます。一言で言えば、同じ一人当たりのという表現をすれば、地方自治体においても、知事の選ぶところ、もちろん人口が違うからといえばそれまででございますけれども、我々は、何百万票を入れなければ知事を選べないところに住んでいるという人と、それから全県を入れても何十万人というところで知事を選べる自治体があると。そういった地方公共団体の選挙制度、そういったものと比べたときに公平性だけでいいのかという問題があります。明治以来のこれはもう所与の条件として我々は受け止めているんですが、議論を進めていくとそこに行かざるを得ない。
 特に、我々参議院がそういう合区をした時点において、皆様方、比例の方は別として、選挙区で出られている方はどうしても地元の都道府県というのが念頭にあります。それと同時に、比例の方々は、全国の組織、職域の代表としてのプロフェッショナルとしての立場で選出された方がほとんどだろうというふうに思っております。そういったところの選ばれ方というものが特に参議院においては顕著だったと思いますが、それが先ほど来の判例変更だと私は思っていますけど、最高裁の、参議院の権能が非常に衆議院に近いので、やはり選ばれる方々は比例という、較差を、何というんでしょう、できるだけ少なくした衆議院と同じような形にしたらどうかという考え方に最高裁が判例変更したというふうに理解しております。そういった中で、衆参でどういうふうな役割分担をするか。
 最後に申し上げたいのは、これ私、自戒を込めて言うんですけれども、どうも我々の議論というのは、一院の衆議院の連中がこういうことをやっているから、我々参議院はそれと違ったこういうことをやらなきゃいかぬのじゃないかという、そういう発想の御意見が多かったように感じました。その点、私にいい知恵があるわけではないんですが、そもそも衆参の役割分担はどうなのか、それで我々は何をしたいのかということを今度の報告書において少しにじませることができたらというふうに思っておりますということで、私の、ちょっと長くなりましたが発言とさせていただきます。
 以上をもちまして、委員間の意見交換は終了いたしました。
 委員各位からは貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。本日の御意見も含め、これまでの調査の論点を整理し、各理事とも御相談の上、最終報告書を作成してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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