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2016/04/21 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 環境委員会 第7号
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2016/04/21 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 環境委員会 第7号

#1
第190回国会 環境委員会 第7号
平成二十八年四月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     藤本 祐司君     芝  博一君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     野田 国義君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     島尻安伊子君     長峯  誠君
     林  芳正君     中泉 松司君
     芝  博一君     田城  郁君
     直嶋 正行君     藤本 祐司君
     野田 国義君     礒崎 哲史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         磯崎 仁彦君
    理 事
                高野光二郎君
                滝沢  求君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
    委 員
                尾辻 秀久君
                小坂 憲次君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                中泉 松司君
                長峯  誠君
                林  芳正君
                松山 政司君
                森 まさこ君
                礒崎 哲史君
                田城  郁君
                野田 国義君
                浜野 喜史君
                藤本 祐司君
                杉  久武君
                山口 和之君
               渡辺美知太郎君
   国務大臣
       環境大臣     丸川 珠代君
   副大臣
       環境副大臣    平口  洋君
       環境副大臣    井上 信治君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  鬼木  誠君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   政府参考人
       経済産業大臣官
       房審議官     福島  洋君
       経済産業大臣官
       房審議官     三木  健君
       国土交通省航空
       局航空ネットワ
       ーク部長     和田 浩一君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       環境省水・大気
       環境局長     高橋 康夫君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  山田 知穂君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進
 に関する特別措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 この度の熊本県熊本地方等を震源とする地震被害により亡くなられた方々とその御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 ここに、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(磯崎仁彦君) 黙祷を終わります。御着席ください。
    ─────────────
#4
○委員長(磯崎仁彦君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、藤本祐司君及び櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として芝博一君及び野田国義君が選任されました。
    ─────────────
#5
○委員長(磯崎仁彦君) この際、丸川環境大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丸川環境大臣。
#6
○国務大臣(丸川珠代君) 参議院環境委員会における御審議に先立ちまして、熊本地方を震源とする地震への現在の対応状況について御報告を申し上げます。
 初めに、今般の地震により被災された皆様に改めてお見舞いを申し上げますとともに、亡くなられた方々に対して心よりお悔やみを申し上げます。
 十四日夜の地震の発災直後、私から事務方に対しまして、関係省庁と連携して対応に当たるよう指示をいたしました。
 被災地に所在いたします環境省の施設や職員については、特段の被害等は確認をされておりません。また、原子力規制委員会からも、九州電力の川内原子力発電所、玄海原子力発電所、四国電力の伊方発電所及び中国電力の島根原子力発電所の施設への影響はないとの報告を受けております。
 被災地においては、廃棄物の処理が重要な課題となります。一昨年の広島土砂災害や昨年の常総市水害に鑑みますと、先手先手の対応が必要であると考えております。環境省では、発災翌日の十五日に、九州地方環境事務所に災害対策本部を設置するとともに、熊本県庁に現地支援チームを派遣し、全力で被災自治体の支援に当たっております。
 し尿については、避難所の仮設トイレの設置状況や処理施設の稼働状況を確認し、現在、熊本県内にある二十一施設全てで受入れを実施できております。
 生活ごみについては、集積場に積み上がっている状況が一部見受けられることから、大都市自治体の協力を得つつ、円滑な収集について被災自治体を支援するよう指示し、益城町に本日、神戸市からごみ収集車を九台、熊本市に本日、福岡市から三台、広島市から七台、明日、京都市から三台をそれぞれ派遣し、ごみ取集を支援いただきます。また、熊本市内で収集した生活ごみについては、福岡市内のごみ処理施設において順次受け入れていただくこととしております。
 支援自治体の皆様に対し、厚く御礼を申し上げます。
 現在、県内各地の現地調査を行っており、益城町及び熊本市以外の市町村においても、し尿や生活ごみの収集が円滑に行われるよう自治体支援を着実に実施をいたします。さらに、月内にも災害廃棄物の仮置場への搬入が本格化すると考えられることから、熊本の現地支援チームに加え、十八日に大分県庁と環境省福岡事務所にそれぞれ現地支援チームを新たに設置をいたしました。今後、これらのチームが中心となり、現地調査や技術的支援、廃棄物の発生量推計、処理計画の策定支援などを実施いたします。
 引き続き、関係自治体と緊密に連携をしながら、し尿、生活ごみへの対応、円滑、迅速な災害廃棄物の処理など被災地が直面する様々な課題について、環境省として全力で取り組んでまいります。
    ─────────────
#7
○委員長(磯崎仁彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(磯崎仁彦君) ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○小坂憲次君 おはようございます。自由民主党の小坂憲次でございます。
 質問に先立ち、ただいま委員長の御指示によって黙祷をささげさせていただきましたけれども、現在も継続して発生しております平成二十八年熊本地震及び大分県等大震災による犠牲者の皆様に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者並びに関係者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復興への取組を願うところであります。
 また、ただいまは環境大臣から迅速な対応の御説明がございました。心から敬意を表し、また引き続き更なる御努力をお願いするところでございます。
 それでは、さきに提案理由説明のありましたポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに原子力防災に関する質問をさせていただきたいと思います。
 先日、私の衆議院時代の同僚議員から、ごみ処理施設で放射性のセシウムが排ガスとともに漏れているのではないかという話を聞きまして、那須塩原クリーンセンターの焼却炉における調査資料とともに説明を受けました。そのときの説明では、当該施設の焼却炉のバグフィルターを通過した後の排ガスの中にもセシウムが含まれているのではないだろうかと。それを調査するために試料を採取しようとしたけれども、バグフィルターは直接に立ち入ることができなかったので、排気口までの間の煙道、いわゆる排ガスの通り道で採取した残渣物を検査した結果、相当量のセシウム137が検出されたという話でありました。また同時に、福島県内の一般廃棄物焼却施設及び代行事業における測定実績では、排ガス中の放射性セシウムは全て不検出であったとの資料も見たわけでございます。
 その御説明の後、私なりに考え、また説明のあった内容における問題意識というのは、一般に焼却炉の排ガスはバグフィルターでNOxやSOxやあるいはセシウム等を捕捉してクリーンなものにして排出する、またその基準も定められているということなんですけれども、その説明の中であった一つは、排ガスは排気ファンによって空気と混合して強制排気されているという結果、排気口で計測しても薄められて全てガイドラインの基準値である立方メートル当たり二ベクレル以下であるという状況になっているんだと。
 ここで、以前にもこの問題は指摘されていると思うんでございますが、安全性をどう確保しているのか、また、そういったいまだにそういうことを懸念される方がいるということを考えますと、再度検証を行うべきではないかと思うんですが、この点について伺います。
#11
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 御指摘のごみ焼却施設での放射性セシウムの排ガスにおける扱いでございますけれども、放射性物質汚染対処特別措置法に基づきまして、ごみ焼却施設の排ガス中の放射性セシウム濃度について基準を設けております。このごみ焼却に当たりましては、当該基準の遵守とともに、周辺の生活環境や人の健康への影響がないことを確認しているというところでございます。
 今御指摘もございましたが、環境省が行ったバグフィルターを備えた一般廃棄物焼却施設における調査結果では、排ガス中の放射性セシウムは全て検出下限値未満ということを確認してございます。また、焼却施設の安全性については、昨年度、有識者による放射性物質汚染廃棄物に関する安全対策検討会におきまして、排ガス中のセシウムの挙動や測定データ等の新たな科学的知見を収集した上で改めて検証し、安全性を確認しているというところでございます。
 具体的なその検証の内容でございますけれども、約二百度以下で制御されているバグフィルター付近では放射性セシウムは固体状で存在するということ、そしてバグフィルター前後における濃度に基づく除去率につきましては九九%以上ということでございます。ということから、バグフィルターを備えた施設では排出口において放射性セシウムの濃度が基準を超過しないように、このように管理されていると、こういうような評価でございます。
 以上でございます。
#12
○小坂憲次君 今お答えをいただいた内容はその説明の中にも確かに含まれておりまして、そういうふうに説明されたんだということであったが、なおかつ幾つかの疑問が残ると言っておりました。
 今お話にも出ました有識者の検討会でありますけれども、この検討会に提出されている資料そのものの信頼性というものが一つはあるわけですね。それはすなわち、どのような計測方法を取ったのか、いろんな計測方法、機器があるわけでございます。それが最も最新のものであって、その知見が十分に信用されるようなレベルのものであるかどうか、これは不断の見直しが必要だと思いますので、その点を一つお願いをしておきたい。
 それから、あわせて、これまでもバグフィルター、バグフィルターと出ますが、そのバグフィルターによるセシウムの捕捉ができるかどうかという、この有効性についてはいろんな研究論文や意見もあるということで、私も論文を幾つか読んでみました。ネットへ出ているものもあり、また説明のときに添付されておりましたいろんな論文が出ておりましたので、それも見てみました。そうすると、やはり全くないとは言えないんだなという気がいたします。なぜならば、バグフィルターを通過した後でも、その残渣の中からセシウム137が検出されていることだけを取っても、ゼロではないということなんですね。
 セシウムは半減期三十年ですから、当然、どんなに薄くても飛散して周辺に時間とともに積み重なれば、それなりの濃度になって人体にも影響を及ぼす、生態系にも影響を及ぼす、こういうことになるんでしょう。しかし、現在の技術で可能なもの、最大限のものを使ってやっていくということ以外に当面なかなか方法がないことも事実であります。
 そこで、一つ大臣にも聞いていただきたい話なんでございますが、セシウムにもう限らないんでありますけれども、我々はこれまでも経済優先や工業化の進展によって、我々人類が生態系に、我々自身の手で有害なものを作り出して、それでそれを、当面、有害であるから薄めて、直ちに人体に影響を及ぼさない、あるいは生態系に及ぼさないような形にして放出し続けてきた結果が今日の海洋汚染や大気汚染や地球温暖化の問題につながってきているということだと思うんですね。
 したがって、大臣には、こういった意識を持って、これまでやってきたことだからとか、現実的にはこれはやむを得ないんだということではなくて、地球というのは生きておるわけですから、生きた地球、人類生存、いつまでも生存できるとの見地から環境浄化、生態系の一層の保護に当たっていただきたい、このことを取りあえずお願いをしておきたいと思います。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。
 ポリ塩化ビフェニル、すなわちPCBの毒性が社会問題化したカネミ油症事件から半世紀近くが既に経過をいたしておりますし、また製造が中止されてからでも四十年以上が経過しているにもかかわらず、期限内に処理を完了することはほぼ不可能というふうに言われてきたわけでございます。それが今回の法律の必要になってきたという根拠にもなっているわけでございますが、これを考えると、政治の無力感を感ぜざるを得ないわけであります。無論、特措法の制定やいろいろな対策も講じられてまいりましたし、油症被害者の救済のためには、自民党、公明党が法案を提出したり、いろいろな努力はされてきておりますが、いまだ適正処理も、また被害者救済も多くの課題を残していることは事実であります。
 このPCB廃棄物の処理はなぜここまで遅れてきたのか、この点についてまずお答えをいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 PCBは、御指摘ございましたように、昭和四十三年のカネミ油症事件を契機にその毒性が社会問題化して、昭和四十七年以降は製造が中止されております。その後、民間主導で全国三十九か所においてPCB廃棄物の高温焼却処理施設の立地が試みられました。しかしながら、分解されずに残ったPCBが排ガス中に含まれるのではないかといった不安、あるいは副生成物質としてダイオキシンが発生するのではないかといった不安、こういった不安から住民同意が得られず、三十年以上にわたり処理が滞ることになったというのがまずございます。
 そうした状況を踏まえまして、平成十三年にはPCB特別措置法が制定されました。これによりまして、立地地域の関係者の御理解と御協力の下、国が中心となって、国出資一〇〇%のJESCO、環境安全事業株式会社を活用して全国五か所に拠点的な処理施設を整備し、平成二十八年三月までの事業完了ということを目標としたというところでございます。これは、平成十三年の法施行後五年間で施設整備を行って、その後十年間で処理を完成させる、そういう想定で設定したものでございます。
 ただ、しかしながらでございますが、JESCOにおける高濃度PCB廃棄物の処理は世界でも類を見ない大規模な化学処理方式によるものであったため、処理開始後に明らかとなった様々な課題への対応などにより、当初予定していた平成二十八年三月までの事業の完了が困難となってしまったということでございます。
 このため、立地地域の関係者の御理解、御協力の下に、平成二十六年に基本計画の見直しを行いまして、各施設の操業開始時期が異なることや各事業所の処理見込みを踏まえて、五つの処理事業所ごとに計画的処理完了期限を延長という形で定めたというのがこれまでの経過でございます。
#14
○小坂憲次君 今のお答えを聞いておりますと、それは行政の責任だけじゃない、政治の責任も大きいと思いますから、政治家として無力感を改めて感じざるを得ないですね。
 確かにいろいろやられたんでしょう。そして、住民の反対もあり、化学処理という非常にコストも掛かり手間の掛かる方法を採用した。その経過も分かりますけれども、それでは今までに、焼却処理は非常に手軽でコストも掛かりません、それの新たな住民同意を得られるような方法の技術開発というものにどれだけ力を尽くしたんでしょうか。
 そういった点から見ても、やはり行政に、もっと真剣に努力をして、二十八年を定めた以上二十八年に何としても間に合わせるんだという努力が、すなわち、これから新たに定めた期限内には何が何でもやるというんですから、それを何でもっと早くやらなかったかという疑問にたどり着くんですね。この点について、部長、どうですか。
#15
○政府参考人(鎌形浩史君) 今申し上げましたとおり、化学処理につきましては、処理開始後に様々な課題が明らかになってしまったということがございまして、その課題、例えばJESCOの作業環境におけるPCBの揮発量が想定よりも多くて作業員の安全対策が必要になったこととか、あるいはPCB廃棄物中の紙や木などの部材に含まれるPCBの洗浄には想定よりも時間を要す、こういうことがございまして、これ一つ一つ解決して、できる限り早期に処理をするということで進めてきたところでございます。
 それで、今御指摘がございました焼却施設についても理解を得られるようにということがございましたけれども、高濃度のPCBを扱うということで、全国三十九か所で三十年間試みながら、やはり住民の方々の不安から同意が得られなかったということがございます。そういうことでございますので、この化学処理という方式でしっかりと対応するということでこのような事態に至っているということだと思います。
 いずれにしても、その化学処理についてもしっかりとした安全性の確保をした上で早期に処理するということで進めてまいりたいと思います。
#16
○小坂憲次君 PCBを扱うこと自体に対しては大変な反対があったけれども、最終的に施設を造るところで受け入れているわけですよね。
 ただ、化学処理でやった方が焼却処理よりは周辺に飛散しないだろうという、そういうようなこともあって、あるいは、処理後の計測が可能なのは化学処理の方だというような理由もあって化学処理を採用したと。そういうことなんでしょうが、しかし、今私が言ったのは、その化学処理よりもより確実に住民の理解を得られるような更なる新しい技術開発にどれだけ力を尽くされましたかということを言ったんですね。これは今責めてもしようがないのかもしれませんが、これからについては是非ともそういうことをやらなければ本当に間に合いませんよ。
 私のいただいた資料を見ても、平成十三年度における処理費用の見積りをちょっともらったんですが、重量三百五十キロのトランスの処理費用として推計いたしますと、化学処理においては約六十万から七十万円台です、焼却処理においては約二十万円台です。また、重量五十キロのコンデンサーですね、今度は、コンデンサーの方の、トランスではなくてコンデンサーの処理費用としての推計値は、化学処理だと七十万円掛かるけれども、焼却処理だと約四万円で済む。これは、高濃度だけではなくて、低濃度のPCB廃棄物の焼却処理としての推計値だというんですが、これだけ大きな違いがあるんですね。
 この差額を研究費用につぎ込んだらどうですか。必ず誰かが、今の日本の科学者たちの、ノーベル賞を取るようないろんな基礎科学も、いろんなレベルの研究がなされている中でもう少し進むんではないでしょうかね。やはりそういうことも踏まえて、更なる努力をお願いしたいと思います。
 そういう意味では、今回の法案は今度こそ高濃度のPCB廃棄物の期限内処理を確実に達成するために必要な措置を盛り込みましたというふうに考えるわけでございますけれども、新進気鋭の丸川大臣には、この問題解決に向けて今までにないスピード感を持って取り組んでいただきたい、このように期待を申し上げるところですが、期限内処理の確保に向けた大臣の決意を伺いたい。
#17
○国務大臣(丸川珠代君) 現在、JESCOの各処理施設の計画的処理完了期限は、平成二十六年にPCB廃棄物処理基本計画を見直して、そして当初の期限を延長させていただいた際には、二度と延長しないという旨を環境大臣名で地元の関係者の皆様にお約束をして設定されたものです。これは、国として必ず守らなければならないものであります。
 そして、今回の特措法の改正案においては、この期限内の処理のために必要な措置を盛り込ませていただきました。具体的には、これまで環境大臣が定めることとしておりましたPCB廃棄物処理基本計画を閣議決定計画に格上げをするということ、それから、計画的処理完了期限前における高濃度PCB廃棄物の処分や高濃度PCB使用製品の廃棄の義務付け、そして、届出がされていない高濃度PCB廃棄物等に係る事業者への報告徴収や立入検査の都道府県等の権限の強化、そして、保管事業者が不明等の場合における都道府県等による高濃度PCB廃棄物の処分の代執行といった措置を新たに盛り込んだところです。
 こうした措置は、これまで期限を延長するまでの間にも処理をするべく取り組んできたその中で、どうしてもこれが必要だと、これがあれば必ずやり遂げられるという思いを持って盛り込ませていただいたものでありまして、改正法案をお認めいただいた場合には、これらの措置を最大限活用させていただいて、政府一丸となってこのPCB廃棄物の期限内処理に向けて万全を尽くす覚悟でございます。御指導よろしくお願い申し上げます。
#18
○小坂憲次君 今大臣から決意を表明されまして、その中に、今般の改正案ではPCB廃棄物の確実かつ適正な処理に向けて政府一丸となって取り組むと、こういうお話もありました。
 従来、環境大臣が策定することとしていたPCBの廃棄物処理基本計画を閣議決定に格上げするということにしましたけれども、これによって、経済産業省や幅広い事業を所轄する関係省庁も含めて、政府を挙げてPCBの廃棄物の処理には取り組むという認識でよろしいんでしょうか。これまでも、関係者の連絡会議というようなものをつくろうと、かなりそういう動きで、連絡会議があったんじゃないですか。まずこの点からちょっとお答えいただけますか。これは部長の方がいいかな。
#19
○政府参考人(鎌形浩史君) PCBの廃棄物の処理を進めるために、各地域ブロック別に関係者、経済産業省も含めて連絡会議を立ち上げて、今、処理のための情報交換なりをしているというのが現状ございます。
#20
○小坂憲次君 そういうことであれば、そういう動きをもっと早く加速していれば今回の閣議決定も要らないし、また新たにこういう形で基本計画を練り直す必要もなかったのかなとも思うんですが、この点についての認識を改めて伺いたいと思います。政務官、いかがですか。あっ、失礼。
#21
○副大臣(井上信治君) 連絡会議もそうなんですけれども、それを引き続き行っていくとともに、今回、現行のPCB廃棄物処理基本計画は専らPCB廃棄物の処理に関する事項について規定をしておりますけれども、改正法案をお認めをいただいた場合には、新たな基本計画に新たに規制対象となる使用中の製品への対応強化についても盛り込みます。特に、電気事業法の電気工作物に該当する高濃度PCB使用製品については、改正法案においては電気事業法により経済産業省が対応することとしておりまして、新たな基本計画には電気事業法に基づく措置についても新たに盛り込むこととしております。
 PCB使用製品を使用する事業を所管する省庁も含めて、閣議で基本計画を決定することによって、政府一体となって事業者に対する働きかけも強化していくことになります。
#22
○小坂憲次君 井上副大臣は経済産業関係にも明るい副大臣ですから、是非とも横の連絡を密にしていただいてそういった方面にも対応していただきたい、こう思うわけですが。
 この高濃度のPCB廃棄物というものは、これは自分たちの持っている製品がそれを含んでいるということを知っている事業者もあり、中にはそれを知らない事業者もいるのではないかと思うんですね。あるいは、その高濃度のPCB使用製品を持っているという認識のない事業者もあるかもしれない。そういうものがあったからこそ、逆に言えば今まで処理が十分に進んでこなかったというようなこともあるんだと思うんですね。
 こういった事業者に対してどのように働きかけてそれを掘り起こしてくるのか、全ての高濃度PCB廃棄物、使用製品の期限内処理を進めていくのか、この点について環境省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#23
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘ございましたとおり、まだ届出のされていないPCB廃棄物などが存在するということは当然に見込まれているところでございます。そういう中には、御自分が高濃度PCBの廃棄物あるいは使用製品を持っているという認識のない事業者も存在するかというふうに思います。
 こういったことで、現在もでございますけれども、各自治体で掘り起こし調査というものを行っています。こうした掘り起こし調査を徹底することにより意識のない方についても届出に至っていただくと、こういうことが大事なわけでございますが、現在の調査はいわゆるアンケート調査によるものでございまして、行政指導ベースのものでございます。回答率五割という程度にとどまるということで、調査が難航しているということでございます。そういう意味で、この掘り起こしを徹底していくことが必要でございます。
 まず、この掘り起こしにつきましては、調査効率を徹底するために電気事業法の届出データを活用するということを考えてございます。電気事業法の電気工作物を保有しているという場合に届出がなされるということになりますので、こういった届出データを整理いたしまして、調査対象事業者はこういうところにいるんだということをしっかりとしたデータで環境省がまとめます。そして、それを都道府県に提供して掘り起こし調査で活用していただく、こういうことをまず考えてございます。
 また、届出をされていない高濃度PCB廃棄物等につきまして、今回の法案で、お願いしている法案でございますが、先ほどもございました事業者への報告徴収、立入り権限の強化を行うとか、あるいは現行法では緊急時のみに環境大臣の立入検査、報告徴収の権限が限られていましたが、これを特に必要な場合という形で拡大いたします。ということを法案で提案させていただいてございますけれども、こういった場合に、特に必要な場合には地方環境事務所も活用して国も立入検査、報告徴収を実施する、こういったことで掘り起こし調査を徹底していきたいということでございます。
 さらに、環境省としても、地方環境事務所を通じた普及啓発に取り組むとともに、関係団体、都道府県市、経済産業省、あらゆる関係者を通じて広く事業者に協力を呼びかけていく、普及啓発の取組も強化していくということでございます。
 先ほどございました連絡会でございますが、PCB廃棄物早期処理連絡会というものを立ち上げてございまして、こういったところを活用いたしまして、例えば電気保安の関係の団体でありますとかが加盟してございます、そういったところのルートも活用して、徹底的に普及啓発、掘り起こしを進めてまいりたいと考えております。
#24
○小坂憲次君 今回、中間貯蔵・環境安全事業株式会社、いわゆるJESCOですね、JESCOにおける高濃度のPCB廃棄物の処理は世界に類を見ない化学的な処理方法を採用してきたわけですね。これによって費用も非常に高いものを採用して、今お話がありましたけれども、また更に指摘をしたいとも思っておりますが、この化学処理方式というのは非常にユニークな方式だと聞いておりますが、大臣はこれを御覧になったことありますか。是非とも、もしまだ御覧になっていないのであれば、一度足を運んでその現場を自ら把握されることが必要と思うわけでありますけれども、もし行ったのであれば、どのような感想をお持ちになったか、お聞かせいただけますか。
#25
○国務大臣(丸川珠代君) 先月、三月の十九日にJESCOの豊田事業所を見せていただきました。一連のPCBを化学的に無害化する工程、全て見させていただいて、作業員の方の安全を確実に守る様々な工夫、あるいは運用プロセス等を聞かせていただいたり見せていただいたりいたしまして、改めて、PCBというのはいかに外へ漏らしてはいけないものかということについて認識を新たにしたところです。
 ですので、この現場において確実に作業員の皆様方の安全を守りながら、なおかつそれを管理する側としてもきちんとこの意識が徹底をしていることというのは非常に重要でありますし、加えて、高濃度PCB廃棄物処理の国内唯一の受皿がこのJESCOの事業所なわけでございますので、早期処理の基盤というのは安全そのものだということを改めて感じました。
 安全かつ確実に処理が進むように、これからもしっかり目を光らせて尽力をしてまいりたいと思うところでございます。
#26
○小坂憲次君 大臣の意欲は感じさせていただきました。
 しかし、実際にこの技術関係について事務方の皆さんのちょっと意見を聞きたいんですが、先ほどから申し上げたように、化学処理と焼却処理の間に大きな差額があるのであれば、その差額を活用するぐらいのつもりで研究開発にもっと力を注いで、焼却によっても更にいい方法が見付けられるのではないかと言いましたが、このJESCOは、そういった技術革新に向けて自らその研究を行う機関というか、今までやってきたんでしょうか、あるいはその責任というのはどこにあるんでしょうか。
 これは環境省がどこかにそれを委託しなきゃ進まない話なのか、JESCO自らがやる責任があるのか、その辺についてどうですか。
#27
○政府参考人(鎌形浩史君) JESCOにつきましては、化学処理ということを採用しての処理の取組を進めてきたということでございますので、その化学処理を進める上での技術的な観点につきましての調査なり研究なりということを行うということはあろうかと思いますけれども、今御指摘のとおり、全く違った方法で処理をしていくということになりますと、私ども環境省の方で道筋を示していくということが必要になろうかと思います。
 ただ、済みません、先ほどから申しましたように、化学処理ということが住民の同意を得る上で利点があったということでございますので、私どもとしては、そこでの技術をしっかり磨いていくということが大事なのではないかと考えております。
#28
○小坂憲次君 ある意味のうがった見方になるのかもしれませんが、JESCOは株式会社ですよね。非常に高額の処理費用の掛かる方式を採用し続けるということは、すなわち株式会社にとってメリットがあるというようなことになったのでは、これは本末転倒なんですね。
 今大臣が決意を述べられたように、安全な方法を着実に進めることが必要だということは第一義的な問題としてあります。しかし同時に、このPCBの処理に関しては、処理費用がかなり高額になっているこの方式を採用している以上、特に中小企業の皆さんにとってはこの処理費用は大変な負担になってくる。中小企業でなくても大変な負担なんですね。ですから、自分では保有しているけれども、先延ばし先延ばしにして今日に至ってしまったということもそこにはあるのかもしれない。
 そういう意味も含めれば、これを生産した企業あるいは使用して利益を得てきた企業がこの処理に負担をするのはやむを得ない部分があるでしょうが、中小企業にとって、その負担のために会社が潰れてしまって、あるいは利益が全く出ないということでは、これは全く前へ進んでいかない原因にもなってしまいます。
 これには国がその費用負担を支援していくということが重要だと思うんですが、この点についてはいかがですか。
#29
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、中小企業者等につきましては費用負担能力が小さいということで、その負担の軽減を図っていくということが必要でございます。そういった負担の軽減を図ることにより計画的に確実かつ適正な処理が推進できる、促進できるということでございます。
 このため、独立行政法人環境再生保全機構にPCB廃棄物処理基金を設けまして、中小企業者等につきましては処分料金の七〇%を軽減する、そして、特に費用負担能力が脆弱な個人につきましては処分料金の九五%を軽減するという措置を講じてございます。現在、基金の規模は出捐総額五百六十億円というふうなことで進めてございますが、こういった大規模なものになってございまして、この助成を継続していくということで引き続き中小企業者等の負担を軽減していくということを考えてございます。
#30
○小坂憲次君 今のお話のように、これ、費用負担というのは個人の場合には九五%まで軽減しますよと。分かるんです、個人ならばね。しかし、中小企業は個人ばかりじゃないので。そういう意味では、先ほどの費用負担、この価格を積み上げてみますと相当な重荷になるだろうなと思われますので、中小企業の負担割合も今は三〇%になっているわけですが、さらに、意見を聞いて、必要があれば更に軽減する措置をとっていただきたいと、このことは要望しておきます。
 それから、先ほどから申し上げている研究開発については、大臣に是非ともそのことについて、今後取り組んでいきたい、検討させてもらうというような、そういう前向きの御回答をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
#31
○国務大臣(丸川珠代君) 実際に今JESCOで行っております処理の方式も幾つかございまして、それぞれの企業から御提案いただいた中で、安全でコストの面に見合うと、見合うといいましても、委員御指摘のとおり、焼却処分に比べますとかなりの高いコストが掛かるわけでございますが、地域の皆様や国民の皆様の御理解や御要望、安心、こうしたものを踏まえた上で採用した方式についてかなりの程度運用についても安定してきておりますので、これはこれとしてしっかりと処理を進めたいと思いますけれども、今後も、常日頃から、我々がこれを安全に処理していく上においてどのような方法がより望ましいかということについては不断の研究が必要であろうと思いますし、また期限を延ばすわけにもいきませんので、この期限の中で一体どういうことができるかということも含めながら、必要な研究、検討を行ってまいりたいと思います。
#32
○小坂憲次君 いまだに使用中の高濃度のPCB使用製品は昭和四十年代から使用し続けられている、そういったものなんですね。しかし、その中でも、高濃度ばかりではないんですが、特に蛍光灯の安定器、これは安定器の中のコンデンサーの部分にPCBが使われているわけですので、こういったものがずっと照明器具として使われていると。今はLEDの時代に変わってまいりました、電気代もうんと安くなります。そういう意味では、このLEDに切り替えることによって安定器が不要になる。
 そういうことで、エコの観点からも、またPCBを早く減らす観点からもこういった切替えが必要なので、そういうことを促進するような施策が必要だと思いますが、この点について大臣の御認識をいただきたいと思います。
#33
○国務大臣(丸川珠代君) PCB使用安定器入りの蛍光灯を含む高濃度PCB使用製品については、期限内の廃棄義務を新たに設けさせていただくということをこの法改正に盛り込んでおります。
 そして、この代替器として高効率なLEDに交換いたしますと、高濃度PCBを処理していくということと、それと同時に地球温暖化問題にも対処することができますので、是非とも、御指摘を踏まえまして、我々の、この使用実態ですね、高濃度PCB使用安定器入りの蛍光灯の使用実態に応じたLED化の可能性やまたそのコスト、そしてCO2削減効果というのを取り急ぎ調査をしたいと考えております。その結果を踏まえてLED化を促進する施策について検討をしてまいります。
#34
○小坂憲次君 高濃度のPCB使用電気工作物でありますけれども、これは電気事業法において、それ以外の高濃度のPCB使用製品、これにつきましてはPCB特措法でそれぞれ規制すると、こういう形になっているんですね。
 いわゆる電気工作物はPCB特措法のすなわち適用除外となっているということになるわけですが、電気事業法において期限内の処理の取組が進められるという、その具体的な取組はどのようになっているのでしょうか、経済産業省。
#35
○政府参考人(三木健君) 経済産業省からお答え申し上げます。
 高濃度PCB使用電気工作物につきましては、これまで電気事業法におきまして、昭和五十一年以降の新規設置を禁止するとともに、それ以前に設置された電気工作物につきましては、使用判明時や廃止時における届出を義務付ける措置を講じてきております。
 経済産業省では、今般のPCB特措法の改正と併せまして関係省令等を改正し、既に設置されている電気工作物につきまして、それぞれ期限までの廃止を義務付けることに加えまして、新たに、毎年度、使用中の電気工作物の廃止、処分の見込み、処分事業者との委託契約の有無等につきまして国への届出を義務付けるなど、PCB特措法改正案と同等の措置を講ずることとしております。
 さらには、現時点で判明していない高濃度PCB使用電気工作物の掘り起こしを行う観点から、電気工作物の保安を担う電気保安法人等に対しまして、毎年度、現在使用中の電気工作物がないか点検する義務を課すこととしております。
 これらの取組につきましては、公布後三か月以内とされておりますPCB特措法改正案の施行に合わせまして措置できるよう、関係省令等の改正作業を着実に進めてまいります。
#36
○小坂憲次君 今、経産省の方から説明がありましたように、電気事業法とそれから特措法と、それぞれ根拠法が異なって二つの省にまたがっているわけですね。したがって、この両省間の連携ということが必要であると同時に、都道府県という話も出てまいりまして、都道府県との間の連絡も密にしなきゃいけないということで、先ほどの関係者連絡検討会みたいなものが必要になってくるんでしょうが、先ほどもう既に申し上げましたように、井上副大臣には、是非ともそういった点を直に注意して、連携を強化するように事務方に指示をしていただくようよろしくお願いをしたいと思います。
 また、保管をいろいろなところでしておりますけれども、高濃度PCB廃棄物が、保管事業者、自分が認識している保管事業者はいいんですけれども、その事業者が倒産してしまったり、あるいは貸し倉庫の中に放置されて、そのまま倉庫が返還されて、管理者はそれがPCBの保管であるという認識がないような場合ですね、この場合はどうなのかというと、それぞれその調査を命じて、都道府県が調査をした結果として国はそれを代執行をすることもできるような規定を今回盛り込んだと。ただ、その代執行した費用はどうするかというと、本来の責任である都道府県に求償すると。そうすると、都道府県は突然そんなものを請求されても困るという話になってくるんですね。この辺について端的にお答えをいただけますか。
#37
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の、保管事業者の破産などで事業者不明になった場合の対応策として代執行が行えるような措置を今回提案させていただいてございます。
 これに関連いたしまして、本年二月に、PCB廃棄物の関係での検討委員会、有識者の検討委員会の報告書がまとまってございますが、事業者が不存在、資力不足等の場合であって、行政代執行に要した費用を事業者から徴収することが困難な場合、この場合は都道府県が負担することになってしまいますが、その場合について、支援の在り方を併せて検討する必要があるとされてございます。
 これを踏まえまして、環境省におきまして新たに有識者等から構成される検討会を設置して、都道府県が行う行政代執行に対する支援の在り方について今議論を開始したところでございます。速やかに検討してまいりたいというふうに考えております。
#38
○小坂憲次君 速やかに当然検討していただきたいんですが、検討が進んで結論が出るまで都道府県は手を掛けないかもしれませんよね。そうすると、代執行も増えるわけですね。代執行が増えても、その費用求償がどうなるか分からないと都道府県は更に戸惑うということになって、それで、一生懸命やったけれども結論が出るのが三年先だったと、三年後に結論が出て、それを予算化して二年たって、その予算化した処理のための法案も通って実際にお金が回っていくということになると、五年、六年と、こうたっていっちゃうんです。
 そうやって考えていくと、検討、検討と言うのは、これは大変なことなんですよ。どんどん先延ばしと同じなんですね。ですから、検討と言った以上は、一年以内に検討するとか半年以内に結論を出すとか、その期限を限って検討をしてもらわないと困る、そこは、大臣、副大臣おいででございますので、しっかり指導していただきたい、このようにお願いしておきます。
 時間も残り少なくなりましたので、少しポイントを絞って質問の残す時間を使いたいと思いますが。
 今の話と同じような話ですが、期限内処理の完了に向けてはロードマップを明らかにして、そのロードマップに従って定期的な検証をしていかなければ、またしても、もう何が何でも今回は、後ろを切られて、ストックホルム条約があるから、まあいろいろと口では言うけれども、最終的に、それぞれ役人の皆さんも大臣も一定期間で交代をするということになると、パス・オン・ザ・バックとよく言いますが、ツケを後ろに回すということになって誰も責任を取らない結果が出てしまうということでは困るんで、それについて定期的に点検を行うということをお願いをしておきたいと思います。
 最後に、今の熊本の地震でございますけれども、大臣から、これについては、直ちに被災された皆さんの生活を、復旧のために、廃棄物も出てまいりますから、そういったものの処理には迅速に対応していきたい、このようなこと、また、災害廃棄物処理支援ネットワークの専門家を派遣したりして現地の支援体制を強化したということでありますけれども、いつまで続くか分からないんですね、これ。それが一番の被災者の皆さんの不安にもつながっていると思います。
 是非とも、身近な生活ごみの処理に向けても、本来の自治体だけでなく環境省もそこに目を配って努力していただきたい、このように思いますが、こういった点には非常にきめ細かく気の付かれる大臣に最後に一言お言葉をいただいて、この質問を締めくくりたいと思います。
#39
○国務大臣(丸川珠代君) 震災の直後から間もなく一週間がたとうとしておるわけでございますけれども、その時点時点において局面が変わってまいります。その局面に応じて先手先手を打つ形でこれからも対応を進めていきたいと思っておりますし、特に三か所、今、現地支援チームがございますけれども、今後、廃棄物の発生量の推計あるいは災害廃棄物処理実行計画の策定支援ということが重要になってまいりますので、これらについて今の時点ではしっかりと取り組んで、その発生の時点から早めに対応ができるようにということを進めてまいりたいと思っております。
 今後とも御指導よろしくお願い申し上げます。
#40
○小坂憲次君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#41
○水野賢一君 民進党の水野賢一でございます。
 まず、熊本を中心とする震災での被害者、被災者に対してお悔やみ、お見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 それでは、このPCBの法案について質問をしていきたいというふうに思います。
 PCBは、新たな製造というのはもう四十年以上前に禁止をされたわけなんですけれども、使い終わっても処分できないということで、廃棄物としてずっとたまり続けてきたわけですよね。これを何とかしなきゃいけないわけなんですけれども、まずお伺いしたいのは、PCB廃棄物というのは、例えばトランスとかコンデンサー、こういうものが中心になるわけでしょうけれども、全国にどのぐらいあるんでしょうか。
#42
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、全国にどれぐらいあるかという御質問でございますけれども、私どもとしては、PCB特別措置法に基づきまして、PCB廃棄物を保管する事業者が毎年度PCB廃棄物の保管の状況について届出をする義務を負っておりますので、この届出データがベースになります。
 ただ、ちょっと数字御紹介する前に申し上げておきたいと思いますのは、PCB保管事業者に対しては、そのPCB廃棄物の量に加えて、PCB使用製品、つまりまだ使用しているものの使用状況についても届け出ていただいている。ただ、逆に、PCB廃棄物を保管していない事業者の方でPCB使用製品を使用中の方については届出義務もないため把握できていないと、こういう関係でございますが、以上のような前提の数字でございますが、こうした届出により把握されている現在未処理の高濃度PCB廃棄物及び使用中の高濃度PCB使用製品の総量は、平成二十六年三月末現在で、トランス類六千三百二十二台、コンデンサー類十一万八千五百七十五台、安定器四百七十万一千百九十八個、この安定器につきましては九千九百六十七トンということでございますが、そういう数字になってございます。
#43
○水野賢一君 今部長がおっしゃられたように、このPCB特措法に基づいて、廃棄物として持っている人たちは届出義務があるわけですよね。だから、数としては把握していらっしゃるわけでしょうけれども、どの事業者がどれだけ持っているというのも当然データとして持っているわけなんでしょうが、具体的にはどういう、会社名でも事業所名でもいいんですけれども、どういうところに一番多くあるのか、その辺を教えてもらえればと思います。
#44
○政府参考人(鎌形浩史君) 今申し上げましたPCB特措法に基づく届出の内容は公表されてございます。お尋ねの点につきまして、平成二十六年三月現在の届出情報を確認いたしました。
 まず、高濃度の高圧トランスについては、百五十台以上を保管、使用している事業所の例として挙げさせていただきます。例でございますが、東海旅客鉄道株式会社浜松工場、それから東日本旅客鉄道株式会社仙台支社郡山総合車両センター、こういったところが百五十台以上の高濃度の高圧トランスを保有しているということが分かってございます。
 高濃度の高圧コンデンサーについて、二千台以上を保管、使用している事業所が幾つかございますが、その中では、例えば大阪府庁というものが挙げられます。
 それから、安定器について、これは五万個以上を保管、使用している事業所の例ということでございますが、西日本電信電話株式会社旧淡輪中継所、あるいは東日本電信電話株式会社南下浦ビルALC局舎・線路内庁舎というのが、例としてでございますが挙げられるということでございます。
#45
○水野賢一君 今おっしゃっていただいたようなところが多く保管しているということは分かったんですけど、鎌形部長に引き続きお伺いしたいのは、今この届け出られたデータは公表しているというふうにおっしゃったんだけど、確かに公表はしているんですね。
 法律上も、法律の第九条では、このPCB廃棄物の保管及び処分の状況を公表するものとするというふうに書いてあるんですね。書いてあるんだけれども、その前に、環境省令で定めるところによりというふうに書いてあるんだけれども、環境省令を見ると、公衆の縦覧に供するという書き方してあるんですが、要するにこれは、書類を公衆の縦覧に供するというのはあれですか、要するに、県庁とかそういうところに行って、行ったら見れますよという、そういう形になっているという理解でいいんですか。
#46
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、県庁なり指定された場所に来ていただいて書類を閲覧いただくという、そういう形でございます。
#47
○水野賢一君 それは別に公表には違いないかもしれないけど、やっぱりこういうのは、どこにどれだけあるということというのは届け出られている情報なんですから、行政機関が持っている情報というのは普通はもっともっとオープンに、それは県庁に行ったら見れますというのも公表には違いないかもしれないけれども、これ法律にちゃんと公表するって書いてあるのを、具体的なやり方は環境省令で定めるときになると、そういう県庁とか指定された場所へ行けば見れますというのは、インターネットで公開するとかもっとオープンなやり方というのが、その方が国民の啓発にもなるんじゃないですか。
#48
○政府参考人(鎌形浩史君) 現在は省令におきまして、御指摘のような公衆の縦覧に供するという形でやってございます。
 御指摘の点も踏まえまして、情報提供の在り方あるいは情報公開の在り方について、関係者あるいは地方公共団体の御意見もよく伺って検討してまいりたいと思います。
#49
○水野賢一君 そこはしっかりと、やっぱり情報はオープンにした方がいいというふうに思いますし、危険物だからこそオープンにした方がいいんじゃないかというふうには思いますが。
 こうしたPCB廃棄物というのは特別管理産業廃棄物ですよね。特別管理産業廃棄物ですからきちんと本来管理しなきゃいけないんだけれども、そうは言っても、何十年も保管しているうちに紛失してどこへ行ったか分からなくなっちゃったものが多いとか、そういうものが一万台以上もあるとかということが十数年前にいろいろ明らかになってきたからこそ、このPCB特措法というのが十五年前に成立したわけですよね。
 それ以降も、まあ数は減ったかもしれないけど、紛失している例というのも頻発、ある程度あるわけなんですけれども、これはあれですか、やっぱりちゃんと管理していなきゃいけないPCB廃棄物が紛失したりどこへ行っちゃったか分からないというような場合には、管理者の責任というのはこれはやっぱり、部長で結構ですけど、何法に違反するのかとか、若しくはそれによって責任が罪に問われた例とかというのはありますか。
#50
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のように、PCB廃棄物を保管する場合には、廃棄物処理法におきまして、漏えいや飛散などを防止するための保管基準が規定されております。保管事業者は、この法令に則して適正に保管するということが義務付けられているということでございます。
 ただ、御指摘のございました紛失の事案が発生しているということも事実でございまして、環境省が毎年都道府県市にアンケート調査実施してございますが、年度によって多かったり少なかったりありますが、毎年四十件程度の紛失の事案が発生しているということでございます。
 こうした紛失事案に関しましての対応でございますが、各都道府県市におきまして、てん末書の提出、あるいは紛失廃棄物の捜索、あるいは再発防止について文書又は口頭による行政指導が都道府県市に行われていると、こういうのが現状ということでございます。こうした指導が徹底されることが重要だというふうに考えております。
#51
○水野賢一君 それは何でもかんでも処罰すればいいとかという形とは思いませんけれども、これは明らかに廃棄物処理法に違反する疑いは非常に強いわけですから、そういうような形でちゃんと管理していなかったということは。しっかりとした指導を行っていただきたいと思います。
 さて、大臣にお伺いしたいと思うんですが、今までは環境大臣がPCB処理基本計画というのを定めていたわけですよね。それを、先ほど来の質疑にもありましたけれども、今後は、この法律が改正されると閣議決定に言わば格上げされるという形になるんですが、今も処理基本計画ってあるわけですから、それが閣議決定になるときというのは何か内容面でというか、今のものをそのまま新たに閣議決定、法律がもし施行されたらですよ、今のものをそのまま閣議決定されるのか、何か内容を変更した上で閣議決定されるのか、するつもりなのか、どうお考えなんでしょうか。
#52
○国務大臣(丸川珠代君) 計画の変更についてということでございますけれども、現行の計画は専らPCB廃棄物の処理に関する事項について定めておりましたけれども、今般の改正案で使用中の製品についても規制対象としておることから、使用中の製品への対応強化についても盛り込むことにまずしております。
 特に、電気事業法の電気工作物に該当する高濃度PCB使用製品については、改正法案においては電気事業法によって経済産業省が対応することとされていることから、電気事業法に基づく措置についても新たに盛り込むこととしております。
 それから、PCB廃棄物の期限内の処理に向けて、政府が自ら率先垂範して保管するPCB廃棄物の処理に取り組むということが必要でございますので、この点についても含めて計画を定めることにしております。
 また、計画の見直しに当たっては、期限内の処理の達成に向けたロードマップ、そして関係者の役割分担を明らかにしたいと考えておりまして、その上で、見直し後の基本計画に基づく取組の進捗状況については定期的にフォローアップを行って、こうした措置の実効性についても不断の点検を行うこととしております。
 確実に期限内で処理するということのために、閣議決定に合わせてこの計画の内容もしっかりと見直してまいりたいと存じます。
#53
○水野賢一君 そうすると、今ある処理基本計画をその文言のまま閣議決定するというわけじゃなくて、新たに追加することとかいろんなものが加わるということは分かったわけなんですけど、今までの処理基本計画で約束していた年限とかそういうようなもの、何年までにトランスの廃棄物はJESCOの施設では処理するとかって、こういうような言わば肝の部分というか、そこら辺は変わったりはしないという、そういうことでいいんでしょうか。
#54
○国務大臣(丸川珠代君) 処理期限は最も肝になる部分で、これは変わりません。
#55
○水野賢一君 分かりました。
 では、法律が施行されて新たな閣議決定を多分されるという方向なんでしょうけれども、これはいつぐらいに実施したいというふうにお考えなのか、そのめどをお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(丸川珠代君) この改正案をお認めいただいた場合に、基本計画を改正法の施行前に閣議決定をさせていただきたいと思っております。
#57
○水野賢一君 分かりました。
 そして、PCB特措法というのは、ある意味においてはストックホルム条約という条約の国内担保法的な性格を持っているわけですよね。要するに、ストックホルム条約でPCBというものはいついつまでには廃絶しなきゃいけないんだということになっているわけですから、それを国内担保する法律の性格もあるんですが、条約とこの特措法は対象に微妙な違いがあるわけですよね。例えば、条約の方はppmでいえば五〇ppm以上を対象にしているけれども、特措法は〇・五ppm以上を対象にしているから、より厳しいといえば厳しいわけなんでしょうけど。
 そうすると、形式的なことを言うと、〇・五ppmから五〇ppmまでの間というのは、言わば廃絶するのを二〇二八年ということは条約に書いてあるけれども、五〇ppmよりも下のものに関しては条約の義務はないんだという、少なくとも条約の義務ではないというものというのはあるんでしょうが、それでも、今まで法律に基づく計画とかできちんと処分すると言っているものはきちっとやるという、そういう理解でよろしいんですよね。
#58
○副大臣(井上信治君) おっしゃるとおり、この条約とそして特措法が対象にしているPCBについては差があるということであります。
 しかし、我々といたしましては、やはりPCB、問題性の多い物質だということで、そういった点を踏まえまして、現行の特措法においては、五〇ppm以下のものも含めてPCB廃棄物全般を対象にその処分を義務付けております。その処分期限が同法施行令において平成三十九年三月末までとされているということであります。
 今回の改正法においては、JESCOでしか処理ができない高濃度PCBについて規制を強化する一方で、低濃度PCBについては従来の取扱いを変えるものではありません。低濃度PCB廃棄物については、民間の無害化認定業者によってその処理が現在進められているところでありますので、五〇ppm以下のものも含めて平成三十九年三月末までの処理に向けてしっかり取り組んでいきたいと思っています。
#59
○水野賢一君 しっかりと努めていただければと思います。
 ちょっと今の答弁の中で気になったんですが、これ鎌形さんでいいんですけど、高濃度はJESCOでしか処理できないというような言い方があったかと思うんですけど、これ、JESCO以外が別にやってもいいんですよね。法律上、民間事業者が別に乗り出したっていいんじゃなかったでしたっけ。ただ、それを今のところ民間事業者がなかなか手を出さないというだけのことであって、やっちゃいけないということではないですよね。
#60
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、現在、化学処理という形で高濃度の処理をできる能力を持っているのがJESCOだけということでございまして、その他の事業者が法律上、処理、もちろん許可を得るということが必要になりますが、そういったことが禁じられているわけではございません。
#61
○水野賢一君 さて、今回の法律で新たに、先ほどもちょっと話がありましたけど、使用中のものについてもいろいろと、しっかりともう使用を中止させていくんだというようなことが入ってきたわけなんですけれども、それはそれでPCB対策としては評価しますけれども、これは経産省に聞くべき話だと思うんですが、使用中のトランスとかコンデンサーがどれだけあるかということの報告というのは、電気事業法に基づいて経産省側が所管しているわけですよね。
 今は、廃棄物として使用は終わっちゃってごみになっているものは環境省の所管だけど、まだ使っているものというのがあるわけだから、そっちは経産省が所管しているんだと思いますけど、こちらはどのぐらいあるんでしょうか。
#62
○政府参考人(三木健君) 経済産業省からお答え申し上げます。
 PCB使用電気工作物につきましては、平成十三年以降、電気事業法の電気関係報告規則に基づきまして、一定水準以上の濃度のPCBを含有している電気工作物の使用が判明した場合及びこれを廃止した場合、国に届け出ることとしております。これは高濃度のものも低濃度のものもございます。
 本年三月末時点でこの届出情報を集計いたしましたところ、現状では、高濃度PCB使用電気工作物を抽出しましたところ、約二万台が使用中と承知をしております。このうち、トランス類が千台弱、残りがコンデンサー類となっております。
#63
○水野賢一君 こういう使っているものについても使用期限を定めるとなると、議論としては、これはごみじゃなくて使っている、今も使っている有価物だということで、それを強制的に使えないようにするとなると、財産権の侵害じゃないかという議論も出てくることは出てくると思うんですね。別に私がそう言っているわけじゃないですよ。私はやっぱり、それはPCB対策しっかりやらなきゃいけないと思っていますけど。
 この辺についての政府の議論とかというのも当然内部であったんじゃないかと思いますが、当然大丈夫だということで法案出しているんだと思いますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(丸川珠代君) 憲法二十九条の第二項は財産権が公共の福祉による制約に服するということを明らかにしており、一定の期限を設けて高濃度PCB使用製品の廃棄を義務付けることは財産権に対する合理的な範囲内の制約として是認されるものと考えております。
 まず、高濃度PCB廃棄物については、JESCOの全国五か所の事業所において、立地自治体の関係者の皆様の御理解と御協力の下でその無害化処理が現在行われております。しかしながら、高濃度PCB廃棄物の処理期限後はJESCOで処分することができないため、処理期限後に高濃度PCB使用製品が廃棄物となった場合、事実上、その処分が困難になってしまいます。
 また、高濃度PCB使用製品は昭和四十九年に製造が禁止されており、既に製造禁止から四十年以上が経過をしております。この結果、現在ではPCBを使用しない代替製品が一般的なものとなっています。
 さらに、高濃度PCB使用製品のうちトランス及びコンデンサーについては、電気事業法上、昭和五十一年以降、その新たな使用は既に禁止をされており、更新推奨時期や法定耐用年数も既に過ぎているため、劣化によるPCB漏えい等が生ずる危険性が高まっております。
 高濃度PCB使用製品のうち安定器についても、その安全確保の観点から、十年以上使用されているものは交換することが推奨されております。現に、老朽化した安定器からの漏えい事故等が発生している状況です。
 こうした点を踏まえて、今回のPCB特措法改正案においては、高濃度PCB使用製品について一定の期限を設けてその廃棄を義務付けることとしたものでありまして、財産権に対する合理的な範囲内の制約として是認されるものと考えております。
#65
○水野賢一君 経産省の方にお伺いしたいんですが、PCBというのは、これは商品として作られたわけですけれども、これは具体的にはどこの会社が何トンぐらい作ったんでしょうか。
#66
○政府参考人(福島洋君) お答え申し上げます。
 PCB処理技術ガイドブックによりますと、PCBを製造していた会社は、三菱モンサント化成株式会社と鐘淵化学工業株式会社の二社であります。生産量はそれぞれ、三菱モンサント化成が約二千五百トン、鐘淵化学工業が約五万六千トン、合計約五万九千トンであると承知しております。
#67
○水野賢一君 ですから、日本国内で作られたのは五万トン台になるわけですが、さて、これ、今PCB処理を推進するための基金がありますよね。先ほど来の質疑の中でも出てきた基金の話ですけれども、この基金に対しては国や都道府県がいろんなお金を出しているわけですが、PCBの製造業者はどのぐらい拠出していますか。
#68
○政府参考人(鎌形浩史君) 基金への拠出に関してでございますが、まず、財団法人電気絶縁物処理協会の基本財産に出捐、過去でございますが出捐いたしましたPCB製造者及びPCB使用製品の製造者など、つまり今御紹介ございましたPCBそのものを製造した事業者以外も含めた数字になってしまいますが、こうした事業者の拠出といたしまして、PCB廃棄物処理基金への拠出は約四億八千万円の資金が拠出されているというところでございます。
#69
○水野賢一君 この基金には国や都道府県は毎年二十億円ずつぐらい出しているんじゃなかったでしたっけ。
#70
○政府参考人(鎌形浩史君) 全体で五百六十億円を拠出するということでございまして、平成二十六年までに、国としては二百五十億余り、都道府県も二百五十をちょっと欠けますけれども二百四十七億というものが拠出されているということでございます。
#71
○水野賢一君 私は、この処理基金に、つまりPCB製造業者の出す額は全体の五百何十億のうち一%にも満たないというのは少ないと思っているんですが、ちょっとそもそも論なんですが、ちょっとこれ大臣に通告していなくて申し訳ないですが、PCBというのは自然界にそもそも存在しているものなんでしょうか。
#72
○国務大臣(丸川珠代君) 化学的に合成をされたもので、自然界には存在しておりません。
#73
○水野賢一君 そういう意味では、まさにおっしゃるとおり、そうなんですよね。
 だから、有毒物質、有害物質という中でも、例えばカドミウムだとかヒ素だとかというのは自然界にそもそもあるわけですね。だからといって、それによって被害があるわけだから、例えばイタイイタイ病なんかカドミウムで起きているわけですから、それはそれで、そういうものを公共用水域なんかに出したりしたらけしからぬ話なんだけれども。
 しかし、そういうものと違って、若しくはダイオキシンなんというのは、別に意図的に作ったというよりは、意図しているわけじゃないけれども焼却のときには出てきちゃうとかという、そういうのが問題になったんですけれども、PCBというのは商品としてわざわざ作ったんですから、これは意図的に商品として作ったということにおいて、カドミウムとかヒ素とかそういうものとは違って、これを作って、つまりもうけていた人たちがいるわけですから、それはやっぱり当然、払うというのは、お金を出すというのは製造者として当然のことだというふうに思いますけれども。
 私は、そういうことから勘案すると、今の基金に対して、要は、その何とかかんとか財団という、電気絶縁物何とか財団が解散するときに四億円入れたからそれで済ますというのは少ないというふうに思っていますけれども、大臣、いかがですか。
#74
○国務大臣(丸川珠代君) 今、委員やあるいはうちの廃リ部長から話がありました。PCB製造者及びPCB使用製品の製造者等から基金に拠出された四億八千万円についてはPCB廃棄物処理の研究等に係る費用に充てられておりまして、今、平成二十七年三月末時点の残高がおよそ一億二千万円となっております。
 様々な御意見があるということを承知をしておりまして、そうしたものも踏まえつつ、今後の取扱いについては、現行のPCB特措法第十五条の趣旨や、あるいはPCB廃棄物の処理状況等を踏まえて、改めて検討をしてまいりたいと考えております。
#75
○水野賢一君 それは様々な意見はあると思いますよ。
 それで、当然お金に関することだから、利害に関するから様々な意見はあると思いますが、私は、自分が言ったことは非常に筋としては当然のことだというふうに思っていますし、これ、大臣若しくは政務三役のどなたかでも結構ですけれども、この法律によって行政代執行の道が開かれるわけですよね。それはそれで僕はいいことだと、というか必要なことだと思っています。
 しかし、行政代執行というのは、そのとき、最終的には、本来であれば責任者に対して求償していく、あくまで代執行したことに対して求償するという。求償の相手というのが、普通は廃棄物の場合は排出事業者なわけですよ。ところが、排出事業者が分からぬとか潰れちゃっているとかということで代執行していくわけだから、そのときはこれ、代執行したときの求償する相手としては、やっぱり製造者に対して、今言ったように、商品としてわざわざ作っているんですから、これで金もうけしているんですから、それは製造者に求償するということは当然あり得るというふうに思いますけれども、いかがですか。
#76
○副大臣(井上信治君) 委員おっしゃるとおり、代執行に係る費用については、排出事業者責任に基づいて保管事業者から徴収することができる旨が規定をされております。
 こうした中で、本年二月に取りまとめられたPCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会の報告書では、事業者が不存在、資力不足等の場合であって、行政代執行に要した費用を事業者から徴収することが困難な場合について、支援の在り方を併せて検討する必要があるとされております。
 これを踏まえて、環境省において有識者等から構成される検討会を設置し、都道府県が行う行政代執行に対する支援の在り方について議論を開始したところであります。この検討会にはPCBやPCB使用製品の製造事業者にも御参画をいただいているところであり、速やかに検討を進めてまいります。
#77
○水野賢一君 これは議論を開始したのは結構なことだと思います。結構なんですが、製造事業者にも入ってもらってといっても、それは、彼らはそれは払いたくはないわけですから、その人たちの意見に余り引きずられちゃいけないわけであって、基本的には、筋としてやっぱりこれは製造者責任、つまり、大臣もいみじくも答弁されたように、世の中にそもそもないものをわざわざ化学的に作って商品として作ったんですから。それによって金もうけをしたということを考えれば、これはやっぱり責任を一定の範囲の中で取ってもらうのは当然のこと、その処分に関してもというのは当然のことだというふうに思っております。
 さて、ちょっとPCBから話を変えますけれども、騒音問題についてちょっと伺いたいと思うんですが、羽田空港の話なんですが、羽田空港の、東京オリンピック・パラリンピックを前にして、羽田の都心上空を飛ぶ飛行ルートの話がありますが、例えば、大井町の上空なんかでは三百メーターぐらいのところを飛ぶというような、つまり東京タワーよりも低いところを、人口密集地、しかも学校や住宅が多くあるところを飛ぶ飛行ルートを今、国土交通省が提案をしていますよね。これは、あれですか、例えば騒音とかそういうような問題とか、法令上は何ら問題はないわけなんでしょうか。
#78
○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。
 現在お示しをしております新しい南風時の飛行経路案では、御指摘のとおり、大井町駅付近、約三百メーターで通過をいたします。そのときの飛行経路の直下で発生する騒音の最大値は、約七十六から八十デシベルというふうに見込んでおります。それから、Lden値に関しましては、住民説明会で住宅防音工事の目安となる六十二デシベル、これを超えると想定される範囲をお示ししておりますけれども、大井町付近はそのエリアの外側になるというふうに想定をしております。
 それから、対策についてでございますけれども、現在、この防音工事の在り方も含めまして、新しい飛行経路の運用方法全般について地元自治体と協議を行っているところでございます。
#79
○水野賢一君 飛行機というのは基本的に風の方向に向かって飛んでいくわけだから、それはだから、今の話というのは南風の場合の話ですよね。その場合に、特に着陸をするときの話なわけですけれども、これはそうすると、航空機騒音防止法なんかもありますけれども、それによる措置を新たに何か講じるかということについては、今のところは決まってはいない形なんですか。
#80
○政府参考人(和田浩一君) 御指摘のとおり、現在地元自治体と協議をしているところでございまして、現時点で決まったものはございません。
#81
○水野賢一君 これ、ちょっと環境省に全く関係ないわけじゃなくて、環境大臣にお伺いしますけれども、航空機の騒音についても環境省が環境基準を定めてはおりますよね。
#82
○国務大臣(丸川珠代君) 定めております。
#83
○水野賢一君 そういう意味においては、これはやっぱり東京タワーよりも低いところを住宅地の上を日常的に飛ぶということについては、何か意見というか、ただまあ飛行ルートとかそういうことについては直接的にそれは国交省の所管かもしれませんけれども、何か御見解ございますか。
#84
○国務大臣(丸川珠代君) 所管外でございますが、どの程度そのルートを頻繁に利用するか等、ルートも具体的に確認をしておりませんので、確認をさせていただきたいと思います。
#85
○水野賢一君 この問題は、またしっかりと主張させていただくことは主張させていただければと思いますが。
 ちょっと話また飛びますけれども、これは原子力規制委員会になるんですかね。昨日、おととい辺りの報道で、福島第一原発からの、要するに、そこの汚染水問題ですね。福島第一原発の汚染水でトリチウム水を海洋放出するということが一番それが、海に流すのが一番安くていいんだというようなことなんかを報告書をまとめようとしているという、まとめようとしていると言うと言い過ぎなのかもしれないけれども、そういう報道もありましたけれども、これは、法令上は水質汚濁防止法とかそういう問題との関係はどうなるんでしょうか。
#86
○政府参考人(高橋康夫君) 水質汚濁防止法につきましては先般改正がございまして、放射性物質の常時監視について水質汚濁防止法の中で実施をするということになってございますけれども、いわゆる原子力施設のそのものの規制については引き続き炉規法に委ねるという整理になっておると理解してございます。
#87
○水野賢一君 じゃ、規制庁で結構なんですけど、これは、トリチウムを海に流す場合というのは数値がどれ以下ならば構わないとかって、何かそういう法令はどうなっていますか。
#88
○政府参考人(山田知穂君) 原子力施設から放射性物質を含む排水を流す場合につきましては、原子炉等規制法第四十三条の三、二十二で、液体状の放射性廃棄物の廃棄に当たってというような規定がございます。これで原子力規制委員会の定める濃度限度を超えないようにということを要求をしてございます。
#89
○水野賢一君 その限度の濃度というのはどのぐらいなんですかということです。
#90
○政府参考人(山田知穂君) ちょっと複雑になりますけれども、原子力施設の周辺、周辺監視区域と申しますけれども、そこでの線量が一ミリシーベルト・パー毎年になるように、液体放射性廃棄物とそれから気体放射性廃棄物、それから固体放射性廃棄物から出てきます放射線、これを全て合わせて一ミリシーベルト以下にするというのが規制上の要求でございまして、トリチウム自体の濃度についてはたしか六万ベクレル・パー立方センチとかと、そういう数字でございまして、それは、液体放射性廃棄物のパートとして、それが全てであればその数字でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、固体廃棄物ですとか気体廃棄物と合わせた形で一ミリシーベルト以下にするようにというのが規制上の要求でございます。
#91
○水野賢一君 そうすると、基本的にはその六万ベクレル、その一定の量の中に六万ベクレル以内とかという、そういう濃度で規制をしていると、そういう理解でいいわけですか。
#92
○政府参考人(山田知穂君) はい、そのとおりでございます。
#93
○水野賢一君 ちょっとこれは伺いたいのは、この問題は濃度規制だけでいいのかという話があり得ると思うんですよね。つまり、濃度規制というのは、希釈しちゃえば、薄めちゃえば幾らでも多く出せるわけですから、だからこそほかのいろんな、NOxでもSOxでもそういうのでも、総量規制といって、量を薄めようが何だろうがこれ以上のものは出しちゃいかぬとかというのがある中で、そういう規定があるんですけど、これは総量規制的な発想というのはこういう放射性物質を海に流すというときにはないわけですか、今の現行法では。
#94
○政府参考人(山田知穂君) お答えとしては、ございません。
 その理由につきましては、放射性物質につきましては被曝を制限をするという考え方でございますので、濃度が被曝の線量に関係をしてまいりますので、濃度の方で規制をしているということでございます。
#95
○水野賢一君 時間ですので、終わります。
#96
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。
 本日は、前半はPCB特措法についてお伺いをし、後半は原子力規制委員会に対して質問をさせていただきます。
 まず、PCB特措法についてお伺いをいたします。処理期限の延長についてであります。
 平成十三年のPCB特措法及びPCB廃棄物処理基本計画に基づく処理完了期限は、当初は本年三月とされておりました。しかしながら、平成二十六年には基本計画の改訂で期限を延長し、最短で平成三十年度末、最長で平成三十五年度末とされています。その際には、環境大臣が事業処理自治体に対して期限の再延長は絶対にしないと約束されました。先ほど丸川大臣からも御説明がございました。
 しかしながら、それから二年たった今になりましても、環境省資料には処理期限の達成は決して容易ではないと記載されております。様々な御苦労もおありかと思いますけれども、今回の法改正でその容易ではない状況を克服できるのでしょうか。地元との約束は確実に果たせるとお考えでしょうか。改めて見解をお伺いいたします。
#97
○国務大臣(丸川珠代君) お地元との約束は、決してこれを守れないということがないようにしなければいけない私どもの重要なお約束でありまして、必ず果たしてまいる所存でございます。
 これまでの我々の取組の中で中心だったのは行政指導ベースの取組でございましたけれども、これに限界があるということが認識をされ、また結果として期限の延長をお願いせざるを得ないという大変地元の皆様には申し訳ない状況になってしまったわけでございまして、強制力を伴う取組が可能になる、しかもこれは地方公共団体からの要望も踏まえた取組、措置というものを期限内の処理を確実にするために盛り込んだところでございます。
 環境大臣名で地元の皆様方とお約束した期限でございますので、確実にこれを達成するために、これまでも議論の中で出てきておりますけれども、例えばPCB廃棄物処理基本計画を閣議決定計画に格上げをするということや、あるいは高濃度PCB廃棄物の処分や高濃度PCB使用製品の廃棄の義務付けを、これを計画的処理完了期限前に義務付けるということ、そして未届けの高濃度PCB廃棄物等に係る事業者への報告徴収や立入検査の都道府県等の権限の強化、そして保管事業者が不明等の場合における都道府県等による高濃度PCB廃棄物の処分の代執行といった措置を、この法案をお認めいただいた暁には最大限に活用させていただきまして期限内の処理の達成に万全を尽くしてまいりたいと存じます。
#98
○浜野喜史君 次に、自治体の掘り起こし調査についてお伺いをいたします。
 そもそも、昭和四十三年のカネミ油症事件の発生地となり、この問題への意識の高いと思われる北九州市においてさえ、市内の全事業所の掘り起こし調査には平成二十年から五年掛かりました。
 今回の法改正によって、事業者への報告徴収や立入調査権限の強化を図り、掘り起こし調査のスピードアップを図るとお聞きしていますが、他の自治体においても期限までに調査を終えることが可能でしょうか。国として情報周知などを行っていることは承知しておりますけれども、財政措置も含めた一層の加速化を図るべきではないでしょうか。また、仮に掘り起こし調査が終わらなかった場合、その責任はどこにあるとお考えでしょうか。国でしょうか、それとも地方自治体でしょうか。御見解をお伺いいたします。
#99
○政府参考人(鎌形浩史君) 掘り起こし調査についてのお尋ねでございます。
 現在行われているものは、アンケート調査などによってやっておりますので調査が難航しているということでございまして、まず私どもといたしましては掘り起こし調査の効率化を図ると、そういう意味でスピードアップを図っていきたいと考えております。
 具体的には、電気事業法の届出データなどを基に調査対象事業者を絞り込んだデータを環境省で作成いたします。そして都道府県に提供するということでございまして、予算といたしまして、平成二十七年度補正予算で一・七億円を確保してこれに対応していくということでございます。
 それから、未届けの高濃度PCB廃棄物などについて報告徴収、立入検査の権限を強化するわけでございますけれども、環境大臣の立入調査、報告徴収の権限も拡大していくということを法案で提案させていただいてございまして、こういう意味で、環境省も地方環境事務所を活用して立入検査、報告徴収を実施するということで、更にスピードアップを図っていくということで考えているというところでございます。
 このほか、先ほど来話題になってございます関係者を集めました早期処理連絡会議で、各事業エリアごとに立ち上げておりまして、関係者間の連携を図っていくということで、こういったことを含めまして、期限内の処理ができるように掘り起こし調査をしっかりやっていくということでございます。そういう意味で、国も責任を持ってしっかり取り組んでいくという体制を取っていくということでございます。
#100
○浜野喜史君 次に、高濃度PCB廃棄物の処理についてお伺いをいたします。
 高濃度PCB廃棄物の処理につきましては、今回の改正案では、処分委託の義務付けや都道府県の立入調査を定めております。しかしながら、JESCOへの処分委託には百万円から三百万円の費用が掛かることから引渡しが進んでいないという報道もありました。
 国民の健康のために本腰を入れた一刻も早い処分を実現するのであれば、高濃度PCB使用製品を所有している事業者に対して処分費用の補助や代替品の購入支援などを行うべきではないでしょうか。先ほども負担軽減についての御説明がございましたけれども、更なる補助が必要だという観点からの御見解をお伺いをいたします。
#101
○副大臣(井上信治君) おっしゃるように、一部の事業者につきましてはPCB廃棄物の処理費用の負担が大きいことを理由にJESCOへの処分委託を行っていない状況であるとも指摘をされておりまして、特に中小企業者等の負担軽減は重要な課題と認識しております。
 このため、独立行政法人環境再生保全機構にPCB廃棄物処理基金を設立し、費用負担能力が小さい中小企業等については処分料金の七〇%を軽減するとともに、特に費用負担能力が脆弱な個人については処分料金の九五%を軽減しております。今後も当該助成を継続することによって中小企業者等の負担を軽減していくこととしております。
 また、あわせまして、特にPCB使用安定器入りの蛍光灯について、LED照明に交換することでより一層の省エネルギー、CO2削減効果が期待でき、PCB廃棄物の適正処理問題と地球温暖化問題に同時に対処できるとも考えられます。このため、使用中のPCB使用安定器入り蛍光灯の使用実態に応じたLED化の可能性、コスト、CO2削減効果を取り急ぎ調査をいたしまして、その結果を踏まえつつ、LED化を促進する施策も検討してまいります。
#102
○浜野喜史君 PCB特措法関係につきましては以上とさせていただきます。この後は原子力規制委員会に御質問をさせていただきます。
 平成二十八年熊本地震に関する原子力規制委員会の対応についてお伺いをいたします。
 熊本地震を受けまして、四月の十八日、臨時会議が開催されたということであります。的確な対応と私は考えますけれども、どのような議論をされたのか、御説明を願いたいと思います。
#103
○政府特別補佐人(田中俊一君) 十八日の原子力規制委員会は、一連の熊本地震に関連する原子力施設等の状況について情報をより詳細に発信することが適切であると考え、急遽開催させていただいたものです。
 委員会では、近隣の原子力発電所に対する地震の影響について原子力規制庁が整理した情報を踏まえて議論し、現状において川内原子力発電所を停止する必要はないこと、また、玄海、伊方及び島根の各原子力発電所についても施設への影響は認められないことを確認しております。
#104
○浜野喜史君 その後の記者会見の中で、規制委員長は、今回の場合、国民への情報提供が不足していたのではないかという反省もあるといったようなこともおっしゃっておられます。どのようにお考えなのかということを改めてお伺いしたいとともに、今後、国民への情報発出をこういうような場合にどのように行っていこうとされているのか、御見解をお伺いいたします。
#105
○政府特別補佐人(田中俊一君) これまで地震等が発生した場合の対応として、原子力施設の立地市町村において震度五弱以上の地震があった場合は、情報収集事態に至ったと判断し、警戒本部を設置し対応してまいりました。今回は、立地市町村における震度は最大で四であったため情報収集事態に至らず、原子力施設への影響に関する情報についてはプレス及び官邸等政府関係者にメールで連絡することにとどまっておりました。しかし、今回、震度六クラスの地震によって国民は原子力発電所に不安を感じているという状況もありますので、より丁寧に、なぜ大丈夫かという意味を含めて情報を発信すべきであったという反省をいたしました。
 その上で、十八日に臨時の規制委員会を開催した際、原子力施設の状況に関する原子力規制委員会としての見解を発表し、情報発信の仕方についても議論させていただきました。それを受けて、十九日夕刻以降は、たとえ異常がなくても毎日二回、朝十時と夜二十時の定時に原子力施設の状況を情報提供し、また九州で震度五弱以上の地震が発生した際には、原子力発電所の立地市町村において大きな地震が確認されていなくても、異常情報が入っていないことや計測された地震計の指示値等について詳細に速やかに情報を提供していくという活動を続けております。
#106
○浜野喜史君 今後とも科学的、技術的見地に立ってしっかりとした評価を行い、的確な情報を発出されるようお願いを申し上げます。
 続きまして、日本原電敦賀の敷地内破砕帯の評価について質問をさせていただきます。昨年の十二月の環境委員会におきましても質問をさせていただきましたが、通告内容に従って、まずは事実関係をお伺いをしてまいります。事務方で結構でございます。
 まずは、評価書案が初めて有識者会合に提出されましたのは平成二十六年十一月十九日の第五回追加調査会合ということでよろしいかどうか、お願いいたします。
#107
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 追加調査会合において最初に評価書案が提示されたのは、委員御指摘のとおり、平成二十六年十一月十九日に開催された第五回追加調査会合でございます。
#108
○浜野喜史君 次に、今日も資料をお配りをいたしております。平成二十六年の十二月十日の会合から最終的な二十七年の三月十五日の原子力規制委員会で報告された評価書、結論部分の書換えが行われております。評価書案が提出された後、議論が行われましたのは、先ほど申し上げた平成二十六年十一月十九日の会合のみということでよろしいかどうか、お願いします。
#109
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 評価書案の結論部分の見直しに関する議論、今議論とおっしゃいましたのは、多分国会の会合における議論ということだと解釈いたしましたが、このような議論は、委員御指摘のありました第五回追加調査会合、追加調査の評価会合、それから十二月十日に開催されたピアレビュー会合においてもなされてございます。
#110
○浜野喜史君 ちょっと確認させていただきますけれども、評価書案の書換えに関して議論が行われたのは十一月十九日に加えてピアレビュー会合でも議論が行われたという御答弁でしたか、確認させてください。
#111
○政府参考人(櫻田道夫君) 書換えをするかどうかという、そういう観点での議論ということで申し上げれば第五回追加調査評価会合のみということになろうかと思います。
#112
○浜野喜史君 明示的に書換えの議論が行われたのは、平成二十六年十一月十九日の調査会合だけであるということでございました。
 そして、結論部分の書換えに関する議論が平成二十六年の十一月十九日の会合で行われましたが、最終的には変更しないというふうに結論付けられたということでいいかどうか、お願いいたします。
#113
○政府参考人(櫻田道夫君) 委員の御指摘のございました第五回追加調査評価会合におきましては、その時点の最終的な方針として、石渡委員から基本的に結論部分の記述を見直さないという発言がございました。委員の言葉をお借りすればそういう結論であった、この時点における結論はそういうことであったということだと思います。
#114
○浜野喜史君 平成二十六年十二月十日のピアレビュー会合以降の有識者と事務局のやり取りの分かる資料は昨年四月に環境委員会へ提出されたものだけであるということでよろしいかどうか、お願いいたします。
#115
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 平成二十六年十二月十日のピアレビュー会合以降のメールのやり取りなどを含む議論のプロセスについて、文書、資料を、昨年四月七日の環境委員会における浜野議員からの資料要求を受けまして五月七日に提出しております。
 その中の資料の、ピアレビュー会合以降の評価書案修正の議論に関する資料、御提出された資料を拝見して、恐縮でございます、議員御提出の資料の二ページにその一覧が書いてございますけれども、これのBというところに、御提出資料のBというところに該当するもので全てでございます。
#116
○浜野喜史君 全てということでございました。
 次に、昨年四月に環境委員会へ提出された資料のうち結論部分の書換えの理由が分かる箇所は、四月の提出資料六における、有識者会合としても、限られたデータの中でそこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないので、D―1破砕帯と一連の構造という部分を、D―1破砕帯等、原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかにしたという箇所と、加えて、昨年四月の提出資料三、四における、Kの相方をD―1に限る根拠はないという指摘への対応という、この二か所であるということでよろしいかどうか、お願いします。
#117
○政府参考人(櫻田道夫君) 先ほど御答弁申し上げました資料二ページ目の御提出資料Bの資料の中で、評価書案の結論部分の見直しの理由が明確に読み取れる箇所はどこかということを申し上げれば、御指摘の二点というふうに考えられます。
 ただ、一方、資料のそのほかのBの資料の中には、資料の七から十一という形で、各有識者の先生からのコメントという資料もございます。この中には、この部分について何かコメントがあったわけではないので、そこは読み取り箇所というのはございません。これは裏返して申し上げますと、この部分については先生方からコメントがなかったということで、この事実も認識すべきかというふうには思います。
#118
○浜野喜史君 明示的に書換えの理由が分かる箇所は、先ほど申し上げた資料六と資料三、四であるというふうに認識しますけれども、それ以外にもあるという御答弁でしたでしょうか。確認させてください。
#119
○政府参考人(櫻田道夫君) 少し委員の御質問の趣旨を取り違えているのかもしれませんが、この書換えの部分に関して議論が行われたのかという御趣旨と考えれば、それについてのコメントがなかったというところも認識すべきではないかということを申し上げました。
 明示的にこれらの資料の中で、どういう理由でここのところを変えたのかということが確認できる箇所というのは、今委員の御指摘のこの二か所というふうに考えてよろしいかと思います。
#120
○浜野喜史君 明示的な箇所は二か所のみということでございました。
 事実確認、もう一つさせていただきます。
 平成二十六年十二月十日のピアレビュー会合以降、結論部分を書き換えた評価書案を事務局が有識者に提案をする以前に、有識者から書換えに関する提起がなされたのかどうか、お伺いします。
#121
○政府参考人(櫻田道夫君) 十二月十日のピアレビュー会合の後に、評価書案の修正案ということで事務局から各委員に資料をお届けしてございます。その過程において、委員、有識者の方々からこの結論部分の見直しにつながるようなコメントをいただいたということではございません。
#122
○浜野喜史君 以上、事実確認をさせていただきました。
 結論部分を変更する理由は、今日お示しをした資料の一枚目、有識者会合としても、限られたデータの中でそこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないので変更した、Kの相方をD―1に限る根拠はないという指摘への対応、この箇所を根拠として事務局としては提案をしたと、こういうことになっております。
 ここでお伺いします。この結論部分の箇所は、原子炉建屋直下を通過する破砕帯の評価ということでありますので、極めて重要な内容であるというふうに理解をいたしますけれども、田中委員長の見解をまずお伺いします。
#123
○政府特別補佐人(田中俊一君) 御趣旨がどういう視点でかということを少し取り違えているかもしれませんけれども、こういった報告書を、会議体が報告書を作成する際に、事務局がそれまでの会議体の議論を踏まえて案文を作成して、それに対してメンバーの意見を求め、修正するという進め方をするのはごく一般的なこととして行われております。
 有識者会合の評価書作成に当たっても、当初案の作成やその後の修正に関して、このような一般的な作業の進め方と同じように事務局が今回も案文を作成し、メンバーの意見を求め、修正していったというものであり、全く問題はないと考えています。重要なことは会議メンバーの意見を適切に反映したものを作るということであり、今回の評価書の取りまとめのプロセスにおいても有識者の御意見を丁寧にお聞きしながら適切にまとめられております。
 原子力規制委員会は、事業者から提出されている敦賀発電所の設置変更許可申請について、この評価書を重要な参考の一つとして、事業者の説明を求めながら厳正に審査していくこととしております。
 それで、原子炉直下の破砕帯の問題ですけれども、敦賀地区は、原子力発電所の前には浦底断層という非常に大きな断層が二百メートルぐらいの近傍にあります。こういったこともありますので、今回の熊本地震の経験等も踏まえれば、こういったものについてはきちっと今後審査の中で確認をしていくことが大変重要だというふうに思っております。
#124
○浜野喜史君 まともに御答弁いただいておりません。原子炉建屋の直下の評価というのは極めて重要な問題である、これはもう当然のことだと思います。そのお答えをはぐらかすというのは極めて不適切な御答弁だということを申し上げておきたいと思います。
 その上で、そのような重要な内容を、有識者からの意見提起もない中で事務局が提案をして、そして変えてしまう、このような形で評価書を最終的にまとめ上げたということ、ずさん極まりない手法だというふうに思わざるを得ませんけれども、改めて御答弁をお願いします。
#125
○政府特別補佐人(田中俊一君) 事務局だけでまとめたという御指摘ですけれども、事務局である原子力規制庁の原子力規制部長、櫻田部長、それから安全規制管理官地震・津波担当、それから石渡委員といろいろ相談しながらこの修正作業を行い、その後で各委員にその案文を諮っているということでございます。
#126
○浜野喜史君 とても重要なことをおっしゃいました。どのような提案をするかを相談されたという御答弁でございますけれども、その相談の内容を記録されたものがあるでしょうから、それ御提出を願いたいと思います。いかがですか。
#127
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 今、田中委員長が答弁申し上げたのは、事務局の中における案文の作成における議論のことを申し上げたわけでございます。このような議論はもう日常茶飯事の形で行ってございますので、一つ一つの記録を取っていくということは行ってございません。
#128
○浜野喜史君 戻りますけれども、明示的に書き換えた理由が分かる箇所は先ほどの二か所だけなんです。二か所だけのこの理由をもって重要な箇所を書き換えた、これはこれでいいというふうにおっしゃるわけですか。事務方でも結構です。
#129
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 浜野議員の御質問が、先ほど来、二か所だけだというふうにおっしゃるのは、平成二十六年十二月十日のピアレビュー会合以降の有識者の間における議論という、そういうことかというふうに考えます。しかし、この評価書の今御指摘の部分の書換えというのはなぜ行ったかというと、これは、十二月十日のピアレビュー会合において、K断層と関連付けるのはD―1破砕帯だけでいいのか、ほかにもあるのではないか、あるいはK断層とD―1は違うのではないか、こういった御指摘があったということを受けたものでございます。
 それから、最終的に、平成二十七年三月十五日とあります、これは二十五日が正確ですけれども、三月二十五日の原子力規制委員会に示された評価書というのは、この問題に関しての評価書の二回目のものでございます。一回目のものはもう少し前にまとめられてございます。その一回目の評価書をまとめる際から、このD―1破砕帯とK断層の関係については種々議論がございました。そういったことも踏まえて、それから、ピアレビュー会合の中で、D―1破砕帯以外にも原子炉建屋の下にはほかにも破砕帯がある、これとの関係は考えなくていいのかという、こういったような御趣旨のコメントがあったことを踏まえて、事務局としてふさわしい表現はどういうことかということを考えて御提案を申し上げたということでございます。
 そして、その御提案申し上げたことに対して、この部分については、先ほど少し申し上げましたが、明示的に書き換える必要があるとか明示的にここは元に戻した方がいいとか、そういった類いのコメントも含めて全く御意見をいただいていないということは、これは裏返せば、この部分については事務局が提案したことで有識者の先生方が御納得いただいたというふうに考えてよろしいものというふうに評価をしてございます。
#130
○浜野喜史君 櫻田部長の御答弁、確認させていただきますけれども、事務局が提案をしたと、これはもう前々からおっしゃっています。事務局が提案した根拠はピアレビューアーのコメントであるという理解でよろしいですか。
#131
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 ピアレビューというのは、ちょっと釈迦に説法で恐縮でございますが、評価書をまとめるに際してこの活動に参加をしていない別の有識者の方から御意見をいただく、第三者的な御意見をいただくという、こういう趣旨で、評価書の内容を整理するだけではなくてより良いものにしていこうと、こういう趣旨でやってございます。
 その中で先ほど申し上げましたようなコメントがあったということは、これを評価書の修正の中に反映するのかしないのか、こういったことをきっちりと考えまして、有識者の方々にお諮りをして最終的にまとめるということをやるのが作業かというふうに考えます。そして、その準備作業として、事務局としては、通常の会議体の報告書の作成のときに普通やりますけれども、事務局が修正案を考えてこれをメンバーの方々にお諮りをして御意見をいただくと、こういうプロセスを踏んだということでございます。
#132
○浜野喜史君 ちょっとよく分からないんですけれども、先ほどの御答弁では、この資料にもありますように、平成二十六年十一月十九日の第五回会合で結論部分は書き換えないという結論が出たと、それ以降、事務局が二か所の理由を付けて御提案をしたということなんです。
 その御提案をした動機は何なのか、材料は何なのかということについては、ピアレビュー会合の中におけるコメントであると、こういう理解でいいのかどうか、お願いします。
#133
○政府参考人(櫻田道夫君) シンプルなお答えは、そのとおりでございます。ピアレビュー会合においてこの部分について明示的にコメントがございました。したがって、ピアレビュー会合におけるコメントをどのように扱うのかということは大事な問題だと考えました。
 それから、ここの表現については種々いろいろと御意見もございました。御指摘の十一月十九日の会合でも議論があったところでございます。したがって、そんなふうに書き換えた方がよろしいのではないかということを事務局としては考えて先生方にお諮りをしたということでございます。
#134
○浜野喜史君 ちょっと確認いたしますけれども、今日は資料を付けておりませんけれども、四月に提出をいただいた資料の中、ピアレビュー会合でのコメントと評価書での対応についてという資料、資料二を提出していただいております。その中で、今、櫻田部長がおっしゃったコメントを付けられた方は粟田さんと岡田さんということだと思いますけれども、それでよろしいですか。
#135
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 そのお二方の先生のコメントでございます。
#136
○浜野喜史君 そこで、私は資料要求をさせていただきたいと思います。
 粟田さん、それから岡田さんのピアレビューのコメントでは、原子炉建屋直下のいずれかと一体であるのではないかということは一切出ておりません。むしろ、ピアレビュー会合の中では、K断層は消滅してしまって原子炉建屋の方までつながっていないとの趣旨の発言をされています。それにもかかわらず、事務局はどうして原子炉建屋直下のいずれかと一体であるという言葉を提案したのか分かりません。原子炉建屋直下に活断層があれば、それは発電所の将来を左右するような結論となりかねません。
 それほど重要な言葉を、ピアレビューアーのコメントのどの部分をどのように解釈し、どのような経緯で提案されたのかが分かる資料を委員会に提出を願いたいと思います。
 委員長、よろしくお願いします。
#137
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまの浜野君の要求につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#138
○浜野喜史君 あと、この件、もう一つだけお伺いします。
 先ほどの二か所の限られたデータの中でそこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないというのは、どこまで、どういう意味なのか、御説明願います。
 さらに、Kの相方をD―1に限る根拠はないということでありますけれども、Kの相方と。この相方というのは専門用語なんでしょうか。相方という意味もお願いをいたします。
 このように相方という表現がなされているということは、Kの相方があるという前提に立って物事を進めているのではないかというふうに疑わざるを得ませんけれども、御見解をお伺いします。
#139
○政府参考人(櫻田道夫君) まず、後段の相方という言葉ですけれども、ちょっと私もこの分野の専門家ではございませんので、この世界で離れたところで見付かっている断層の関係について相方という言葉を使うのが一般的かどうか、これについては私は分かりませんけれども、ここで表現したかったのは、K断層というものが発見された、認められたところとD―1破砕帯が認められたというところとは大分離れてございますので、それぞれの関係があるのかないのかということを考えるときに、Kに相当するD―1破砕帯が見付かったところにおいて、そことつながっているというか同じものかとか、何かそういうものを指す言葉として相方ということを申し上げたということでございます。
 それから、最初の御質問ですが、ちょっと今私も記憶が定かではございませんので、御指摘の、いただいている、配られた資料の三ページのところのことをおっしゃっているんだと思いますが、対応する岡田先生あるいは粟田先生のコメントということを考えたときに、例えば岡田先生は細粒物質を伴っていないとか、そういうような少し細かなこともおっしゃっているので、そういうところまで踏み込んだデータを要求をして精査したということではないということをこの資料の中で書いてございます。
 もちろん、有識者の先生方はずっとこの評価に携わっていらっしゃいますので、私どもが少しはしょった書き方をしているところはあっても御理解いただけるようになっているというふうに、若干甘えているんですけれども、そういう趣旨の、ある種それまでの議論を頭の中に入れている方々に通じる程度の文書として書いたものでございます。
#140
○浜野喜史君 この敦賀の件につきましては、資料要求もさせていただきました。それを踏まえて今後とも質疑をさせていただきたいと思います。
 それから、お伺いいたします。原子力発電所の運転制限について、昨年の七月の八日、田中委員長は、本院の復興・原子力問題特別委員会においてこのように述べておられます。私の質問に対してお答えをいただきました。「いわゆる運転期間延長の制度については、我々、規制委員会の発足時の国会での議論の中で、規制委員会が発足したらそこで議論をするというふうな、そういう議事録は拝見しておりますので、私どもは、それは私どもの一つの今後の課題であろうというふうには思っております。」。この認識に変わりはございませんか。
#141
○政府特別補佐人(田中俊一君) そういう認識ではありますけれども、現在──もうそれだけでよろしいですか。高浜一、二号機の……
#142
○浜野喜史君 そういう認識に変わりはあるかないかで結構です。
#143
○政府特別補佐人(田中俊一君) はい、変わりはありません。
#144
○浜野喜史君 一方、田中委員長は記者会見で、四月十三日の記者会見でありますけれども、こういうこともおっしゃっています。これは、国際アドバイザーのお一人からのコメントに関わる記者会見における田中委員長の御答弁ですけれども、四十年について疑問を持つのは向こうの勝手だけれども、四十年というのは法律で決められた、私たちにとっては与えられた条件だから、私たちが議論してもしようがないことですと。これは、規制委員会、規制庁の議事録であります。
 この御発言と先ほどの御答弁、私は食い違っているというふうに思いますけれども、どのように理解したらよろしいでしょう。
#145
○政府特別補佐人(田中俊一君) 改正された原子炉規制法の規定の中ではこのように書かれています。施行の状況を勘案して速やかに検討が加えられ、必要な場合は、その検討結果に基づき所要の措置が講じられると規定されております。
 今後、原子力規制委員会としても、これに基づき運転期間延長制度も含めて所要の対応をしていくという、そういう基本的な考えは変わらないんですが、現在、高浜一、二号機について運転延長の申請が、審査が昨日、許可を出したところでありまして、その後、美浜三号炉の申請が昨年十一月に提出され、現在審査中であります。
 こういった審査の過程で、今私どもとしては、四十年の年限が適切か、あるいはもっと延長していいのか、もっと短くすべきなのかというようなことも含めまして、経年劣化、あるいはそういった発電所施設の健全性について十分な蓄積があるわけではありません。世界的に見ても五十年程度の運転経験しかありませんので、今後、高浜一、二号機が今後仮に寿命を延長されて動くとしたら、そういったものを見ながら、そういった技術の蓄積を踏まえて先ほどのような見直しをしていくということであります。
 ちょっと言い方が間違ったようですが、昨日は設置変更許可を出したので、延長許可についてはこれから審査していくということでございます。
#146
○浜野喜史君 もう時間来ておりますけど、もう一つだけ最後に確認させてください。
 今後の一つの課題であるという委員長の認識にお変わりはないという理解でよろしいですね。
#147
○政府特別補佐人(田中俊一君) 運転期間延長だけに限らず、原子炉規制法の各適用については今後の経験を踏まえて検討を図っていくということには変わりはないということでございます。
#148
○浜野喜史君 今日のところは終わります。ありがとうございました。
#149
○委員長(磯崎仁彦君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#150
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまから環境委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、島尻安伊子君、林芳正君、野田国義君及び直嶋正行君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君、中泉松司君、礒崎哲史君及び藤本祐司君が選任されました。
    ─────────────
#151
○委員長(磯崎仁彦君) 休憩前に引き続き、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#152
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日はPCB特措法の一部改正案につきまして順次質問をしてまいりたいと思いますが、質問に先立ちまして、一点触れておきたいことがございます。それは、先ほど来お話がありますように、一九六八年の十月に発生したカネミ油症事件のことでございます。
 これは、PCB類やダイオキシン類を経口摂取したことによって生じた世界でもまれな我が国最大規模の食中毒事件ですが、この空前の食品公害事件が発生したにもかかわらず、国による救済は遅々として進まなかった、こういう事実がございました。その結果、被害者の皆様は、健康被害に加え、いわれのない差別を受けながら絶望のふちで長い年月を過ごしておられましたが、このような中、被害者の公的救済の突破口を開いたのが、私と同じ大阪選挙区選出の大先輩であります我が党の山下栄一元参議院議員でございました。
 二〇〇一年の十二月の山下議員の質問と、この質問の答弁に立たれました当時の坂口力厚生労働大臣の、厚労省作成の答弁書をはねのけて発言された答弁が契機となり、長年にわたり苦しんでこられた被害者の皆様に対する被害認定の門戸が大きく広がり、風化しつつあった油症事件に再び光が当たったわけであります。
 しかしながら、その後の被害者に対する公的救済に向けた法制化の道のりというものは大変険しいものがございました。それは、責任は全て原因企業にあるとの国のかたくなな姿勢によって一切の公的支援が阻まれたことが原因でありましたが、それでもなお政治決着に向け、後に坂口元大臣が会長を務めた超党派議連の下で救済法案の策定が進められ、ようやくカネミ油症救済法として参議院本会議で全会一致による可決成立に至ったのが、事件発生からまさに四十四年経過した二〇一二年でございました。
 これらの経緯につきましては、私も議員の一人としてしっかり記憶にとどめていかなければならない、このように決意をしておりますが、事件発生から既に半世紀近く経過した今でもなお全身の倦怠感や関節痛、しびれなど様々な症状に苦しんでおられる被害者の皆様がおられます。また、先月も公明党のカネミ油症問題対策プロジェクトチームが開催をされまして、被害者団体と意見交換を行いました。事件発生以降に生まれた方で油症被害に苦しんでおられる、いわゆる患者二世の方の救済を始め様々な御要望をいただきました。改めて、このカネミ油症事件は終わっていないということを痛感しております。
 公明党は、事件被害者の人道的救済に一貫して取り組んでまいりましたが、私も先輩議員の心を引き継ぎまして被害者救済に全力で取り組んでまいりたい、このように決意をいたしまして、質問に入らせていただきたいと思います。
 さて、今回議題となっておりますPCB特措法でありますが、カネミ油症事件を背景として成立した法律ではありますが、他方、PCB廃棄物の処理につきましては、今日までの間、多くの関係者の御努力、とりわけJESCOの五事業所の開業に当たっては、先ほど来お話がありますように、地元自治体との合意に向けた関係各位の大変な御尽力によりまして今日のPCB廃棄物の処理体制が構築されておりますことに深く敬意を表したいと思います。
 その上で、処理期限という待ったなしの状況の中、いかに次の世代に負の遺産を残すことなく我が国の環境を未来に引き継げるかどうかの正念場でありますので、環境省を始め関係各位には一層御尽力いただきたく、まずは冒頭強く要望をさせていただきたいと思います。
 そこで、初めに、先ほど来、午前中も他の委員の方から御質問がありましたが、掘り起こし調査について質問いたします。
 各自治体では、平成二十六年度の改訂基本計画に基づき、高濃度のPCB使用製品や廃棄物の使用実態あるいは保管状況を把握するための掘り起こし調査を行っておられます。
 そこで、環境省に確認をいたします。本年二月に公表されたPCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会が作成した報告書では、調査対象とされる百十三都道府県市における平成二十六年末の時点での掘り起こし調査の実態状況が掲載をされておりますが、直近の実施状況はどうなっているのか、伺います。
#153
○政府参考人(鎌形浩史君) 環境省では、PCB特措法に基づく事務を執行する都道府県市に対しまして掘り起こし調査の実施状況等に関するアンケート調査を実施してございます。今御指摘ございました平成二十六年十二月時点での都道府県市における掘り起こし調査の実施状況につきましては、管内全ての地域で調査を実施したとの回答が三十二自治体、管内の一部の地域で調査を実施したとの回答が七自治体、実施予定であると回答したのが八十六自治体、現時点で実施を予定していないと回答したのが三自治体となってございます。
 その後の状況でございますけれども、平成二十七年十二月の状況について、現在取りまとめの最中でございますが、精査が必要ということでございますが、今まとまっているところを申し上げますと、同じような分類でございます。管内全ての地域において作業が終了したと回答したのは四十五自治体程度、管内一部の地域において作業が終了したと回答したのは五自治体程度、作業中と回答したのは三十五自治体程度、未着手と回答したのは三十自治体程度となってございます。
#154
○杉久武君 この掘り起こし調査でありますが、この報告書の中で、掘り起こし調査の先進的事例として北九州市の調査が掲載をされております。具体的には、掘り起こしのためのアンケート調査を市内五万三千六百十六事業所に対して行ったところ、アンケートの回収率が四九%、二万三千百六十四事業所であったということを踏まえ、未回答の事業所には個別に督促をしていったとか、あるいは総ざらいして市内の全法人約二万法人を対象に再度掘り起こし調査を行うなど、大変積極的な調査を行ってこられました。そして、その結果新たに見付かった高濃度PCBトランス、コンデンサーの総計は、北九州市内でPCB特措法に基づいて届出されていた高濃度PCBトランス、コンデンサー、安定器の約一割に相当する量が新たに出てきたと、このようになっております。
 この報告は実に大変重い課題を明らかにしたことにほかなりません。要するに、PCB特措法に基づいて届出がなされていないPCB廃棄物等が相当量存在することが白日の下にさらされたということでございます。全国に存在するであろうPCB廃棄物や使用製品の全量把握を行うためにはとにかく人海戦術でしらみ潰しに当たっていくしかない、このように考えますが、それでも、この北九州市では五年も掛かった上に、調査を進めるうちにPCBの含有が疑われる蛍光灯安定器が多数使用されていたケースが新たに判明したことで、その結果、これらの調査に更に四年程度が必要とも指摘がなされております。
 そこで、環境省に質問いたします。掘り起こし調査に必要な人員を各自治体が確保できるかどうか環境省としてしっかり把握すべきと考えますし、人員不足の自治体には国として何らかのバックアップ体制を構築しませんと調査すら満足にできない事態が生じるのではないかと危惧をいたしますが、これらの点について環境省の見解を伺いたいと思います。
#155
○副大臣(井上信治君) 委員御指摘のとおり、期限内処理のためにはPCB廃棄物等の全容を把握すること、大変重要でございますが、必ずしも十分な把握ができていないのが現状でございます。
 このため、現在、各都道府県市においてアンケート調査による掘り起こし調査が行われていますが、その回答率も五割程度にとどまるなど、調査が難航している状況であります。このため、掘り起こし調査の効率化のため、電気事業法の届出データ等を基に調査対象事業者を絞り込んだデータを環境省で作成をし、都道府県市に提供することとしております。
 また、未届出の高濃度PCB廃棄物等について、都道府県市等による事業者への報告徴収や立入検査の権限を強化するほか、現行法では緊急時のみに限られていた環境大臣の立入検査、報告徴収の権限を拡大をし、特に必要な場合には、地方環境事務所も活用して国も立入検査、報告徴収を実施することとしております。
 さらに、環境省や都道府県市のみならず、経済産業省、電気保安関係団体等も加えた早期処理連絡者会議を各事業エリアごとに立ち上げたところであり、関係者間の連携協力の具体的な進め方について協議をするとともに、掘り起こし調査の進捗状況について定期的にフォローアップを行うなど、関係者の連携体制を一層強化をしてまいります。
 このように、都道府県市の取組を後押しするとともに、国としてもしっかり必要な措置を講じてまいります。
#156
○杉久武君 今御答弁いただいた様々な国としてのバックアップ体制、全力で取り組んでいただきたいと思います。
 この掘り起こし調査の対象でありますけれども、理論上は各自治体に所在する全事業者が対象でありますので、その数は膨大であります。その意味からでしょうか、環境省策定の掘り起こし調査実施マニュアルでは、調査対象をPCB使用製品の保有の蓋然性が高い自家用電気工作物設置者に限定をしている、このように伺っております。しかしながら、調査対象を限定してもなお全国では約八十六万事業者が対象となります。
 この自家用電気工作物設置者の情報は経済産業省から提供されたデータを利用しているとのことでありますが、一部の自治体からは、これらのデータが古いといった指摘や、データに記載されている事務所の住所が不備なためにその住所に郵送したアンケート調査票の相当数が宛先不明で返送されてしまう、あるいは、電気工作物の製造年月日などの基本情報が整理されていないために調査効率が非常に悪い、こういった指摘がなされております。
 そこで、環境省に質問いたします。調査効率を上げるためにも、これら指摘を踏まえてしっかりとした対応が必要であると思いますが、経産省との連携も含め、環境省としてどのように取り組むお考えか、伺いたいと思います。
#157
○政府参考人(鎌形浩史君) 今御指摘ございました自家用電気工作物設置者の情報についてでございますが、電気事業法第四十二条に基づく自家用電気工作物の保安規程に関する届出情報など、経済産業省からの提供データを使用しているところでございます。
 しかしながら、今ほどお話ございましたように、そのデータが古くて、また電気工作物の設置場所に係る情報のみが整理されており、事務所のデータが整理されていない、こういうことで相当数の調査票が未達となって返送される。あるいは、製造年月日等の掘り起こし調査に資する情報が整理されていないということで、調査効率が悪いという問題がやはり一部の都道府県市から指摘されている、これは事実でございます。
 このため、調査対象事業者の選定に当たっての基礎とすべき自家用電気工作物設置者の情報につきまして、PCB特措法の届出情報、JESCOへの登録情報、電気事業法の届出情報等を国において整理、突合いたしまして、要調査対象事業者の絞り込みや連絡先住所のアップデートを行ったデータを環境省で作成して都道府県市に提供することといたしております。
 また、環境省や都道府県市のみならず、経済産業省、電気保安関係団体も加えた早期処理連絡会議を各事業エリアごとに立ち上げてございます。ここにおきまして、関係者間の連携協力の具体的な進め方についての協議、そして掘り起こし調査の進捗状況についての定期的フォローアップを行うなどして、関係者の連携体制を一層強化してまいりたいと考えております。
#158
○杉久武君 次に、PCBの届出データについて質問いたします。
 PCB特措法に基づく届出の内容とJESCOへの登録機器に関する情報を比較すると、本来高濃度PCB廃棄物であるのに低濃度PCB廃棄物に区分されるなど、届出データとJESCOの登録データに不一致が生じているケースが一部あると伺っております。
 そこで、検討委員会での報告書では、PCB使用の電気機器を製造した製造者の協力を得ることで、高濃度及び低濃度のPCB廃棄物の判別に必要な情報の整理を行い、これら整理された情報を用いて、PCB特措法に基づく届出情報を一元的にデータ管理をするシステムの構築の検討をする必要があると指摘をされております。
 そこで、環境省に質問いたします。システムの一元化は正確なデータ把握に不可欠ですし、保管事業者の届出事務の煩雑さを緩和することにもつながると考えますが、登録データの一元化に対する環境省の見解を伺います。
#159
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、届出データと登録データでございますが、PCB特措法に基づく届出は、PCB廃棄物の保管事業者に対して、PCB廃棄物の保管状況等を確認するため、年一回、都道府県市に届け出るように義務付けているものでございます。一方、JESCOへの登録は、高濃度PCB廃棄物を保管する事業者に対しまして、JESCOへの処分委託手続の一環として、その保管する高濃度PCB廃棄物を登録するように求めているものでございます。
 このように、両者は、その趣旨、目的が異なるものでございますけれども、共通する部分も多くございます。正確なデータ把握を図り高濃度PCBを漏れなく期限内に処理するためには、御指摘ありましたとおり、この二つのデータ、両データの一本化を図ることが重要だと認識しております。このため、PCB特措法に基づく届出情報とJESCOの登録処理情報のそれぞれの管理手法を共通化、一体化するということにより、正確な情報を関係者間で共有できるようにしてまいりたいと考えております。
#160
○杉久武君 次に、代執行について伺います。
 まず、中小企業者が高濃度PCB廃棄物の処分をJESCOに委託して処理を行う場合は、費用負担の軽減措置として、PCB廃棄物処理基金からJESCOに対して中小企業者等の負担軽減に要する額を支出することになっております。
 この基金は、国と都道府県で二分の一ずつ負担をし、総額五百六十億円の基金を運用して、中小企業者等へは七〇%の費用軽減、そして個人に至っては九五%までの費用負担の軽減措置を行うなどして回収率向上を後押ししておりますが、それでもなお、四十年以上の年月が経過した中で保管事業者が倒産あるいは不明等で処理が滞っている事案については、今回の法改正で行政代執行という非常に強い権限を都道府県に与えて対処する、このようになっております。
 しかしながら、代執行に係る費用については、最終的には義務者への徴収で賄うとはいえ、一旦は自治体で持たなければなりませんし、しかも代執行といいますと、例えば不法投棄のケースなどでも指摘されるとおり、費用求償ができないケースが多々ある、こういった問題もございます。
 私が危惧いたしますのは、費用求償の難しさから、例えば自治体の熱心な調査の結果、PCB廃棄物が新たに大量に出てきてしまった、しかも持ち主不明で求償できそうにない、費用はどうするのか、うちの自治体では賄い切れない、その結果、代執行に慎重になってしまう、こういったケースも発生するのではないかと強い懸念を抱いております。
 そこで、環境省に質問いたします。これら代執行の支援の在り方については、現在、環境省で有識者などから構成される検討会が設置され、議論されていると伺っておりますが、今後の議論の方向性と、いつまでに成案を得る予定なのか、伺いたいと思います。
#161
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のように、保管事業者の破産などによりPCB廃棄物の処理が滞っているものが現在でも一定数存在いたします。高濃度PCBの廃棄物の処分に係る代執行が円滑に行えるということにすることは非常に重要なことだと思いまして、法案におきましてもこういった規定を設けているというところでございます。
 これに関連して、本年二月に取りまとめられましたPCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会の報告書では、事業者が不存在、資力不足の場合であって、行政代執行に要した費用を事業者から徴収することが困難な場合につきまして、支援の在り方を併せて検討することが必要であるとされております。このため、環境省におきまして、今御指摘もございました有識者等から構成される検討会を設置いたしまして、都道府県市が行う行政代執行に対する支援の在り方について議論を開始しているというところでございます。
 議論の検討の項目といたしましては、支援の必要性でありますとか支援の仕組みでありますとか、あるいは費用負担の考え方、こういったことを総合的に検討していくということとしてございます。私どもといたしましては、本年夏を目途に一定の取りまとめが行われるように検討を進めてまいりたいと考えております。
#162
○杉久武君 是非自治体が積極的に動けるような下支えをお願いをしたいと思いますが、もし最終的に費用求償ができない場合は税金で補填せざるを得ないのでしょうけれども、モラルハザードの観点からも極力回避すべきであることは当然であります。
 そこで、更に環境省に伺います。例えば、循環型社会形成推進基本法に取り入れられているような拡大生産者責任の考えを導入して、過去に製造したPCB事業者からも言わば社会的責任として一定の資金を出資いただいて基金等を造成し、処分措置などを要した費用の一部又は全部に基金等を充当するといった制度についても検討してもよいのではないかと思いますが、環境省の見解を伺います。
#163
○政府参考人(鎌形浩史君) まず原則から申し上げますけれども、PCB廃棄物は、排出事業者責任に基づいて排出者が責任を持ってそのPCB廃棄物を産業廃棄物として処分し、排出事業者がその費用を負担することが原則である、このように考えてございます。
 しかしながら、高濃度PCB使用機器の製造から四十年以上が経過する中で、保管事業者の破産、死去、相続などにより保管事業者が不明あるいは保管事業者が資力不足、こういった事例が出てまいりまして、排出事業者責任を徹底的に追及しても、行政代執行に要する費用を事業者から徴収することが困難と見込まれる事例もやっぱり存在してまいります。また、廃棄物処理法に基づく不法投棄の除去に係る代執行につきましては、基金を設置して都道府県市に支援を行う、こういう仕組みが設けられているということでございます。
 こうした例も参考といたしまして、先ほど申しました有識者等から構成される検討会におきまして行政代執行の在り方について議論を行っているところでございますが、この検討会にはPCBを製造した事業者あるいはPCB使用製品を製造した事業者にも参画いただいて、一緒に議論をいただいているというところでございます。こういったことで速やかに検討を進めてまいりたいと考えております。
#164
○杉久武君 次に、計画的処理完了期限について確認をいたします。
 この計画的処理完了期限はJESCOの各事業所でそれぞれ設定されておりますが、これらは立地自治体が要求したいかなる理由があろうと処理期限の再延長はないとの条件を当時の環境大臣が承諾をして初めて結ぶことができた期限であります。
 そこで、環境省に確認をいたします。処理完了期限の再延長は絶対に行わないとの約束はいささかもたがえることはない、このような認識でよいでしょうか。仮に処理事業の終了後に新たなPCB使用製品が発見された場合、これは容易に想像できる事態でありますけれども、この場合一体どうするのか、誰がどこで処理をするのか、また、これら可能性とその対応について検討等が行われているのか、お伺いをいたします。
#165
○副大臣(井上信治君) PCB特措法では、廃棄物の排出事業者責任に基づいて、事業者に対して、保管するPCB廃棄物を自ら処分するか、処分を他人に委託することを義務付けております。したがって、JESCOの計画的処理完了期限の経過後は、事業者の責任でPCB廃棄物を民間主導で処分することを求めることとなります。
 しかしながら、PCB特措法制定以前に全国三十九か所で高濃度PCB廃棄物の処理施設の設置が民間主導で試みられたものの、いずれの場合も地元の御理解を得られず、操業に至りませんでした。この経過に鑑みれば、民間主導でPCB廃棄物を自ら処分することは現実的には極めて困難であります。
 こうした事態を生じないよう、今般の改正案に盛り込んだ措置により計画的処理完了期限内に確実に処分委託が完了するよう全力を尽くしてまいります。
#166
○杉久武君 現時点においては全力を尽くしていただくしかほかありませんので、期限内の決着に不退転の決意で臨んでいただきたいと改めて強く要望しておきたいと思います。
 他方、現実問題としては、いまだPCB使用製品、廃棄物等の全容把握ができないことを考えれば、先ほど指摘した可能性は当然予見されるわけですから、不測の事態にも対処できるよう万全の体制を構築いただきたいと思います。
 次に、PCB廃棄物処理の周知と広報活動について質問いたします。
 自治体に対する周知としては、環境省としては平成二十六年八月に掘り起こし調査マニュアルを策定後、都道府県市に周知するとともに、担当者説明会を開催しております。また、平成二十七年二月にはPCB廃棄物早期処理関係者連絡会が開催されまして、関係機関が連携して調査を行う旨の認識が共有され、その後は、地方版のPCB廃棄物早期処理関係者連絡会が全国五か所で開催されております。さらに、一般社団法人日本電機工業会や日本照明工業会では、掘り起こし調査のサポートとしてPCBの使用製品の判別に必要な情報をホームページ上に掲載し、相談窓口の設置も対応されております。
 このような周知活動は大変重要でありますが、あえて申し上げれば、これらは全て調査する側へのサポートでありまして、調査される側にとっては、製造中止から四十年以上たっている話でありますので、うちの会社にPCB使用製品があるかもと意識を持って考えてくださる事業者は多分ほとんどいないのではないかと、そのように考えます。私は、調査する側のみならず、調査される側も巻き込んでPCB使用製品の把握に努めた方が一層効果的に、また効率よく調査できるのではないか、期限が迫る中、調査される側にも積極的な啓蒙活動を行うべきであると考えます。
 そこで、一つ提案をさせていただきたいと思います。
 今回、基本計画を閣議決定する以上、政府が一丸となって取り組むという意味では、例えば処理完了期限までは年に何回か、あるいはカネミ油症事件を想起する意味からも、例えば十月とか期間を決めて、集中調査期間のような推進期間を設け、政府広報などを利用して新聞やテレビCMを通じて啓蒙活動を行ってはどうかということであります。特にテレビCMであれば、数日掛けて、例えば商品のリコールCMなどの参考にしていただいて、短期間で集中的にコマーシャルを打つ、そして相談窓口を設けて、フリーダイヤルを設置すれば国民の皆様にもひとしく意識を持っていただけますし、その中から、例えばうちの会社にもあるかもしれない、相談してみようかと、そういった現場の調査にも相当な援護射撃になろうかと思います。
 そこで、質問をいたします。もはや待ったなしの状況でありますので、これは国民的な啓蒙運動としてこのような対策を講じるべきではないかと考えますが、環境省の見解を伺います。
#167
○副大臣(井上信治君) 高濃度PCB廃棄物の現在の進捗状況を踏まえれば、相当アクセル踏まなければ処理期限内に処理を終えることは困難であって、危機意識を持って現時点で可能な手だてを全て尽くすことが必要であると認識しております。
 委員からも御紹介をいただきましたが、そういった考えに基づいて現在様々な広報や啓発の取組を行っておりますけれども、そういう意味では、全て手だてを取っていくということで、委員も今日いろんな御提案もいただきましたので、そういったものも受け止めて、更なる広報や啓発の強化ができないか検討した上で、引き続き行っていきたいと思っております。
#168
○杉久武君 是非前向きに御検討いただきたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いをいたします。今回、PCB廃棄物処理を政府一丸で取り組むという意味では大変結構な話でありますが、裏を返せば、残念ながら環境省だけでは対応し切れなくなったとも受け止められるわけでございます。今日まで様々な困難があったにせよ、政策は結果が全てでありますので、ある意味、ここまで追い詰められた状況に至ったという点については、環境省は環境省としての責務を全うできたのか、きちっと総括をしていく必要があろうかと思います。
 その上で、今回は閣議決定にもなりますので、今まで以上に厳しい認識を持って取り組まなきゃいけないことは言うまでもございません。大臣にも十分に御認識いただいていると思いますが、改めてPCB廃棄物処理の貫徹に向けた大臣の決意を最後にお伺いをいたします。
#169
○国務大臣(丸川珠代君) これまでの歴史の積み重ねの中でやはり反省すべき点が多々あったということだろうと思いますし、今回の改正法案にはそうしたことの中で得たものを盛り込ませていただいております。
 そして、何よりも立地自治体、事業所の立地自治体の皆様、関係者の皆様には本当に御理解をいただいてこの処理をやらせていただくわけでございますから、この延期した期限のお約束というものは、政府が一丸となって、環境省がその先頭に立って必ずこれをやり遂げるということのために全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 今回、PCB廃棄物処理基本計画についても速やかに見直しを行いまして、ロードマップを作るということ、そして関係者の役割分担を明らかにして、一年ごとに、必要があればそれよりも短い期間でもフォローアップを行いまして、実効性について確認をしながら前に進んでまいりたいと思います。
#170
○杉久武君 時間になりましたので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#171
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 PCB特措法が施行されてちょうど十五年がたちました。国やJESCOによってPCB廃棄物行政がどのように取り組まれてきたのか、そして今教訓とすべきことは何か、その点に絞って今日はお聞きしたいと思います。
 PCB特措法は二〇〇一年に制定をされました。まず、事実確認ですけれども、その第十条で、事業者は、政令で定める期間内に処分を終えなければならないと、こう規定されていますが、元々施設整備とPCB廃棄物の処理をいつまでに終えようということだったのでしょうか。
#172
○政府参考人(鎌形浩史君) 平成十三年の特措法制定当初でございますけれども、JESCOを活用して処理をするということで、平成二十八年三月までに事業完了するとされたところでございます。これは、平成十三年の法施行後五年間で施設整備を行い、その後十年間で処理を完了させることを想定して設定されたものでございます。
#173
○市田忠義君 ところが、施設整備は順調に進まないで、トラブルが続いて、処理も計画どおりに進みませんでした。
 結局、処理期限を延長せざるを得なくなったわけですが、いつまで延長したんでしょう。
#174
○政府参考人(鎌形浩史君) 平成二十六年にPCB廃棄物処理基本計画の見直しを行いました。各施設の操業開始時期が異なることや各事業所の処理見込みなどを踏まえ、五つのPCB処理事業所ごとに計画的処理完了期限がそれぞれ定められました。最も早いものは、北九州事業所におけるトランス類、コンデンサー類の計画的処理完了期限が平成三十年度末とされてございます。その他、それぞれ五事業所ごとに期限が定められております。
#175
○市田忠義君 PCB廃棄物適正処理推進に関する第二回検討委員会、ここでJESCOが処理期間についての事業所ごとの見通しを作成しています。現状のまま処理が推移すると、各事業所はどのくらい処理期間を延長しなければならなくなるのか、五つの事業所ごとに主なものを簡潔に述べてください。要するに、予定よりもかなり延びるというところがあるはずです。
#176
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の検討会は、法施行後十年を経過した場合に、法の施行状況を検討を加えるということで行われたものでございまして、平成二十三年十月から行われたものでございます。
 それで、ここで平成二十四年八月に取りまとめられた報告書では、高圧トランス、コンデンサー等のJESCOにおける処理につきまして、新たな対策を行わず、現状の年間処理台数で今後処理が進んだ場合の処理期間といたしまして、例えば豊田事業所で車載トランスの処理が平成四十八年まで、東京事業所で大型トランスの処理が平成四十九年まで掛かると報告されておるところでございます。
#177
○市田忠義君 今言われましたように、西暦で言いますと、処理期限は二〇一六年三月なのに、豊田事業所の車載型トランス、これは二〇三六年三月ですね、今、平成四十八年とおっしゃった、二〇三六年三月。それから、東京事業所の大型トランス、この場合は、二〇三八年三月まで延長しなければならない。すなわち処理期限が二〇一六年三月なのに、二十年以上も期限をオーバーすると。安定器等、汚染物については、北九州事業所で二〇〇九年に処理が開始、操業されただけであります。北海道は一三年開始予定で建設中、東京事業所は稼働に問題ありで停止したまま。これではストックホルム条約は私遵守するどころの話ではないというふうに思うんです。
 そこで、これは大臣の認識をお聞きしたいんですが、ここまで処理が遅れたのは、国が全くノウハウも技術もないJESCOに丸投げをして、JESCOも運営管理を新日鉄の子会社の北九州環境プラントサービス、これ略称KEPSといいますけれども、KEPSに丸投げしている、そのKEPSも実質的な作業は請負や派遣等に丸投げしたことにあるんじゃないかと。
 私、処理がこれほど遅れた国の責任について大臣がどう認識しておられるのか、大臣の認識を問いたい、遅れた国の責任について。
#178
○国務大臣(丸川珠代君) これまで長い期間が掛かってきたことには様々な原因がありまして、もちろん、国に全く責任がないということを言うつもりはございませんが、この処理の方法については、世界でもまれに見る非常に大掛かりな化学的な処理を行うということで、方式も事業所によって違うわけでございまして、実際に始めてみてから分かったことというのがたくさんあったというふうに理解をしております。そうしたものの作業工程を見直したり、あるいは作業をやり方を検討したりというようなことがあったり、こうしたことをやっていく中で、やはり想定していた以上に時間が掛かってしまったというところはあろうかと思います。
 今後はこうしたことが許されないわけでありまして、一方で、重要なのはまだ掘り起こしが十分に行われていないということであります。自治体の皆様に意識を持っていただくというところからのスタートになりますし、その人手をしっかり支援していくためにどういうスキームがあるかというのも、これもまた我々が検討せねばならぬ課題であると思っておりますので、しっかり取り組んでまいります。
#179
○市田忠義君 様々な要因はあるでしょうけれども、その中で特に国の責任はどうお感じになっているかという問いに、全く責任がないとは言わないがと、極めて中途半端な、余り潔さのない答弁だったと思うんですけれども。
 大臣おっしゃったように、世界に類のない開発途上の化学処理技術だったことは間違いないと思うんです。そういう化学処理技術による処理施設の建設だったと。そのため、各事業所で様々なトラブルが起きたわけですけれども、その際、やっぱり私は、JESCOを活用して新日鉄エンジニアリングなどのプラントメーカーに丸投げした国の責任は私重いと思うんです。
 今日、具体的に、最近起きたJESCOの北九州のPCB処理事業所の事故の問題について少し詳しく聞いていきたいと思います。
 昨年の十月十四日、北九州事業所において、北九州市がPCBの処理施設排出口でベンゼンの測定を行いました。そうしましたら、北九州市とJESCOの協定値、これを十一倍超える五百二十ミリグラムのベンゼンが検出されました。
 私、ここにJESCOから環境省に提出された原因と再発防止についての報告書を持ってきましたが、これ見てみますと、こう書かれています。当社は、環境保全を目的として事業を行う会社でありながら、地域の皆様に安全を約束して立地させていただいたにもかかわらず、大変な御心配、御不安をお掛けし、おわびのしようもなく、深く反省しておりますと、こう述べています、少なくともJESCOはこう述べています。
 そのJESCOの管理監督責任を持つ環境省、環境大臣として、今度の北九州のPCB処理事業所の事故について国の責任どうお考えになっているか、大臣、お答えください。
#180
○国務大臣(丸川珠代君) 私どもの立場から、JESCOがしっかり仕事をしているかどうかということについての管理監督責任というものはあったろうというふうに理解をしております。
 私どもがJESCOに任せっきりだったかというと、そういうわけではないと思いますが、JESCO自身がコンプライアンスについて十分高い意識を持てるような、そういう我々からの監視、指導というものが十分であったかといえば、そうではなかったからこそ今回のようなことが起きたのではないかと思っております。
 私はこの話を聞いてすぐに、外の目を入れてくださいと、第三者の目を入れて、これまでのプロセス、それから環境省とJESCOの関係等についてもきちんと検討してくださいということを申し上げました。やはり外の目が入ることによってお互いの緊張感も生まれてくるわけでございますし、改めて襟を正してこの事業の重要性というものを認識もできるだろうと思ったからでございます。
#181
○市田忠義君 コンプライアンスの問題をおっしゃいました。あるいは、衆議院の委員会なんかではガバナンスの問題についても指摘しておられますが、設備の不備についてはどういう認識ですか。設備に不備があったと。たしか衆議院の答弁で、設備の不備にとどまらず、JESCO本社のコンプライアンス、法令遵守あるいはガバナンスの問題でもあるという受け止めをしているとおっしゃっています。ということは、設備にも不備があったと、これはそういう認識ですね。
#182
○政府参考人(鎌形浩史君) 今回のベンゼンの協定値以上の排出につきましては、設備につきまして、ベンゼンの排出が想定されないような設備の状態があったということは事実でございます。
#183
○市田忠義君 設備に不備があったということをお認めになりました。
 先ほど紹介した報告書には、設備の不備について、固形物充填槽排気については、ベンゼンの存在を前提としていない排気処理施設であったため本事案が発生してしまいましたと。これ、鎌形さん今おっしゃいました。これは間違いありませんね、報告書にそう書いてあることについては。
#184
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、ベンゼンの存在を前提とした排気処理設備の対策がなされていなかったということは報告書に記述されてございます。
#185
○市田忠義君 さらに、報告書に、最初から、一期施設、二期施設とも、固形物充填槽内の固形物中にベンゼンを微量含む処理済油が付着することはあったとしても、付着した処理済油からベンゼンが揮発するとの認識はなかったと、こう書いていますが、これも間違いありませんね。
#186
○政府参考人(鎌形浩史君) 固形物充填槽の排気について、当初の設計においてということでございますが、御指摘のような、ベンゼンが揮発するとの認識はなかったということは報告書に記述がございます。
#187
○市田忠義君 設備上の不備があった固形物充填槽の排気については、二〇一一年五月以降、換気ダクトから油垂れが発生したことを受けて、何回か改修工事や運用方法の変更を行っています。高濃度のベンゼンが発生したのは、この改造工事などを行った固形物充填槽の排気ラインからのものということでよろしいですか。
#188
○政府参考人(鎌形浩史君) 報告書によりますと、今般検出されたベンゼンは固形物充填槽系排気ラインからのものと判断されるというふうに記述がございます。
#189
○市田忠義君 そこで、今の事実確認に基づいて大臣の認識をお聞きしたいんですけれども、北九州事業所では、設備の改造や運用方法の変更に伴って行われるべき環境安全のための十分な審査が行われていませんでした。設備の不備や安全意識の欠如は、結局、設備は新日鉄等のプラントメーカー、運転は新日鉄の子会社、これ多分九割ぐらいが新日鉄が株を持っている子会社ですが、ここのKEPSへと実際の運転は丸投げにしてきた。
 私は国やJESCOの責任は重大だと思う。同時に、実際の施設を造ったプラントメーカーや、それと一体となっている運転会社の責任、これも非常に重いと思うんですが、この点については大臣はどう認識されているでしょうか。
#190
○国務大臣(丸川珠代君) プラントメーカーの子会社が運転をしているということに関しては、先ほども申し上げましたように、各事業所によって処理の方法が異なる、そのプロセスを一番よく知っているのはそのプラントを受注して造ったメーカーであるということであるので、それを運転していく上で一番安全に運転できるのはその造った、中身を知っている人たちであるということで、その子会社が中心になって、単体ではなく幾つかの事業所が入っているという認識でございますけれども、運用を実際に行っているという理解でございまして、そのベンゼン対策の認識がなかったということについては、プラントメーカーはもちろんでございますが、発注した側のJESCOにも問題があったというふうに考えております。
 いずれにしても、このJESCOが、最も現場に近い運転会社が持つ情報を吸い上げて、現場で生じている事業経営上のリスクをきめ細かく把握し必要な対策を講ずるということについて更に能力を高める必要がございますし、その責任をしっかりと、今後、安全な運転の中で果たしていくということが重要であると考えております。
#191
○市田忠義君 設備に不備があったということは先ほどお認めになったんです。
 じゃ、プラントメーカーにも責任があったというのを改めて確認しますが、それは確認していいですね。当然、不備な設備を造ったんだから、運転会社が子会社だというのはさておくとしても、そういう機械を、設備を造ったプラントメーカー、これは当然責任はあるというふうに環境省は認識されているんでしょうか。
#192
○政府参考人(鎌形浩史君) 責任という言葉で表現するかどうかはともかく、ベンゼンの存在を前提としていない排気処理設備であったということでございまして、これにつきましてはプラントメーカーもあるいは発注側のJESCOにも認識はなかったと、こういうことでございます。
#193
○市田忠義君 プラントメーカーの責任はあったということは端的にお認めにならないんですか。それはお認めになるんですね。
#194
○政府参考人(鎌形浩史君) 責任という言葉の意味合いがちょっと、先生の言われる意味合いもいろいろあるかと思いまして申し上げましたけれども、いずれにしても、ベンゼンの存在を前提としていない、ベンゼンが存在するということを認識していなかったというのは、プラントメーカーもJESCOも両者同じように認識していなかったということだと考えております。
#195
○市田忠義君 なぜ、私、そこまでプラントメーカーをおかばいになるのか分からないんですが、元々、設計上、ベンゼンの存在を前提とする排気処理設備ではなかったんですよ。ベンゼンが付着した処理済油からベンゼンが揮発するとの認識もなかった。実績もノウハウもないJESCOが分からないのは僕はある意味で当然だと思うんです。一番よく知っているのは、設備を製造していたプラントメーカーである、この場合は新日鉄エンジニアリングなんですよ。そして、運転会社である新日鉄の子会社のKEPSなんです。私、彼らの力なくして改造などできるわけはないわけで、そこまでどうしてかばわれるのかと。
 大臣にお聞きしたいんですが、それだけではないんです。KEPSもこのトラブルが起きた箇所の点検、整備等を請負会社の三島光産に任せていました。これは、丸川大臣は厚労委員長もしておられたので釈迦に説法ですけれども、請負の場合、これ指揮命令はできません。ですから、指揮命令をきちんとやってこなかった、そういうところにも事故を起こした要因の一つ、全てとは言いません、事故を起こした要因の一つがあったことは明らかだと思うんですが、その辺の認識はいかがでしょう。
#196
○国務大臣(丸川珠代君) 請負という形態が必ずしも何か問題を必然的に発生させる構造だとは申し上げませんけれども、請負で事業をする場合、自分たちが発注する場合はそれをきちんと、成果物がきちんとした形で上がっているかどうかという責任は当然問われるわけでございますし、また、発注する側の能力も問われると思います。
 加えて、プラントの件に関しましても、これ造った側のみならず、やはり発注した側もその能力に欠けていたと言われれば、その点は反省せざるを得ないというか反省するべきであって、それは私どもがこれから一体となってこのプラントをしっかりと改修をし、現場に手を入れ、そして運用面でも改めていくということだと思います。
#197
○市田忠義君 私、請負の全てが悪いと言っているんじゃないんです。こういうやっぱり人の命に関わるような問題はきちんと責任を持ってやるべきだということを言いました。大臣も責任という点ではお認めになりました。
 やっぱり、元々JESCOは、処分事業を自らやったという実績がなくて、PCB廃棄物処分のノウハウも持っていないところであったわけで、やっぱりPCB処理施設は国内でも世界的にも初めての技術であるわけです。ですから、その施設を造った新日鉄のプラントメーカーや運転している新日鉄の子会社KEPSの責任は重いということも指摘しておきたいと思います。
 じゃ、いろいろ改修してこられましたが、今回、ベンゼンが発生したというので、改修のための費用は幾ら掛かって、その費用はどこが負担されるんでしょうか。
#198
○政府参考人(鎌形浩史君) 今回の事案を受けまして、JESCO北九州事業所では、ベンゼンを排出するおそれのある排気処理系統について、油分を除去する金属フィルターや凝縮器を設置するとともに、排気処理設備として、吸着塔等を二段の活性炭槽を経るように改造を行うこととしてございます。
 この改造工事には六千六百七十万円が見込まれてございまして、うち六千六百万円を国庫補助により賄うこととし、七十万円がJESCOの負担ということとしてございます。
#199
○市田忠義君 大半が国民の税金ということですね。約七千万のうちの大半が税金だと、国からだということでいいですね、今の答弁はね。いいです。
 じゃ、念のために聞いておきます。
 いろんな改修工事、何回かやられていますが、平成二十四年十一月、二〇一二年の改造工事、これはどこが負担しましたか。これちょっと通告していなかったんですが。
#200
○政府参考人(鎌形浩史君) 二〇一二年、平成二十四年十一月の改造工事では、換気ダクトの油垂れ防止対策として改造工事を行いましたが、ここでは、JESCOとメーカーが協議し、メーカー負担で工事を実施したということでございます。
#201
○市田忠義君 平成二十四年の改修工事はメーカーが負担したんですね。じゃ、平成二十五年、二〇一三年の改造工事、これはどこが負担しましたか。
#202
○政府参考人(鎌形浩史君) 平成二十五年六月の改造工事でございますが、全てJESCOの負担で行ってございます。
#203
○市田忠義君 そうなんですね。平成二十四年の改修工事はメーカーが負担し、平成二十五年の場合はJESCOが全額負担。今度は大半を、七千万近くを国が負担する。
 国が負担するということは、結局国民負担なんです。私は、先ほど来言っているように、プラントメーカーや運転会社に責任を取らせるべきじゃないかなと。そもそも、固形物充填槽の排気系の不備は設計当初からあったと。安全だといって運転してきたにもかかわらず、改修するたびにトラブルを起こして、高濃度のベンゼンを排出したと。私は、明らかに新日鉄エンジニアリング等のプラントメーカーや運転会社である子会社のKEPSの責任は大きいと思うんですよ。
 一時的に国が負担するということは私はあり得ると思うんです。一時的に国が負担することはあっても、プラントメーカーやそれと一体化している運転会社に責任を取らせることが当然だと思うんですが、これは事務方じゃなくて、政治判断の問題です。大臣か副大臣、どちらでも結構ですが、いかがでしょう。
#204
○政府参考人(鎌形浩史君) JESCOのPCB処理につきましては、施設整備につきましては国が相当の補助を出すということで現在までやってきているところでございます。
#205
○市田忠義君 全然答えになっていないじゃないですか。そんなこと知っていますよ。そこが問題だということで聞いている。その点について、事務方が答えられなかったら、それは政治的な判断だから。
 これまではプラントメーカーやJESCOがお金出していたのに、今度の改修の工事では七千万近いほとんどを国の予算、国の税金でと。そんなことしないで、前はプラントメーカーに任せていたんだから、プラントメーカーにどうしてお金出させないのということを聞いているだけなんです。
#206
○国務大臣(丸川珠代君) 今回、改修が必要であったことが、そもそも、ベンゼンの揮発を前提にした場合にこれらの設備が必要であって、当初それが欠けていたので、もしベンゼンの揮発を前提にして設計を行っていた場合にそもそもこれらの費用が掛かるものであったのか、あるいは全体の設計として別の設計があり得たのかという点についての検証が必要であろうかと思います。もし、その六千七百七十万円というものをどこがどう負担するかということについては、そうした全体を見通した上で判断することが必要だと考えます。
#207
○委員長(磯崎仁彦君) 鎌形部長、補足どうぞ。
#208
○政府参考人(鎌形浩史君) 済みません。PCB特措法、現行でございますけれども、特措法の二十一条、国の措置という条文がございまして、国は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理施設の整備を推進し、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の確実かつ適正な処理の確保を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとすると、こういう条文がございます。処理施設の整備を推進するということは国の講ずべき措置の一つということでございまして、JESCOに対する補助もその下で出されているということでございます。
#209
○市田忠義君 そんなことは分かっているんですよ。
 設備上不備があったということをお認めになって、その不備な設備で事故が起こっているわけですから、以前はその改修費用をプラントメーカーに出させたりJESCOに出させていたのに、今度はその大半を国民の税金で賄うというのはおかしいじゃないかと。なぜ、過去の二回と今回、違うんですか。
 じゃ、説明できますか。過去はプラントメーカーに責任持たしたんです、改修工事。二回目はJESCOが全額持ったんです。今回はそうでない理由は、じゃ何ですか。聞きたくなかったけど、そこまでおっしゃるなら言ってくださいよ、明確に、分かりやすく。三回のどこが違うのか。
#210
○政府参考人(鎌形浩史君) 先ほど大臣からもお話し申し上げましたとおり、ベンゼンの存在を前提としないと、それを認識していない施設になったということに関しましては、プラントメーカーもJESCOも認識しておりませんでしたし、国も認識していなかったということでございます。こういうことに応じて費用というものの負担というのは考えていくべきだと、こういうふうに考えてございます。
#211
○市田忠義君 全然納得できませんが、私、プラントメーカーや運転会社にきちんと責任取らせないということが事故に対する認識をやっぱり甘くする、モラルハザードを生む要因になると思うからくどく指摘しているんです。やっぱり、そのようなプラントメーカーや運転会社に施設整備や運転丸投げにした国やJESCOの責任重大だということを指摘して、次の問題に移ります。
 もう一つは、管理の問題があります。
 報告書を読みますと、北九州事業所の日常管理不足の問題が指摘をされて、運転会社との運転上のリスクの情報の共有、全てのリスクが情報として提示されていなかったと、こう書かれています。
 事実、地元の市会議員が内部告発に基づき北九州市当局に調査させたところ、事業所内において、次の三つの点、第一、PCBの処理作業を行う中で発生する運転廃棄物が施設内で放置されている、要するにPCBを拭き取った布なんかが施設内で放置されている、二番目に真空加熱炉の腐食漏れが発生したこと、三番目に洗浄設備において小爆発があったことなどのトラブル隠しが日常的に行われていたことが判明したと。
 これは内部告発があって初めて分かったことで、私は重大だと思うんですが、大臣も同じように重大だというふうに認識されているでしょうか。
#212
○国務大臣(丸川珠代君) ガバナンスという範疇に入るかと思いますけれども、事業所の中あるいはその事業所とJESCOの関係において十分風通しが良くなかったということは私どもの方でも全体像として認識をしておりまして、これがあるからこそ、ガバナンス、コンプライアンスについての刷新を図るべく第三者の目を入れるべきだということを私は申し上げて、そうした外部委員会をつくっていただいたわけでございます。
#213
○市田忠義君 風通しが悪いという程度の話じゃなくて、私隠蔽体質と呼んでもいいと思うんですよ。
 JESCOの隠蔽体質はそれだけではありません。各事業所は、事故やトラブル、労働災害などを未然に防ぐためにヒヤリ・ハット活動を実施しています。しかし、北九州事業所だけは、その件数や概要を市や監視会議に公表していません。軽微なトラブルを事前に把握をして事故や施設のトラブル、労働災害などを未然に防ぐのは私非常に大事なことだと思うんです。市民や監視会議等に報告してその内容を共有してこそ安全対策を強化できると。そのためにも監督官庁としての指導責任を環境省、環境大臣などが果たすべきだと思うんですが、この点についてはどうでしょう。
#214
○政府参考人(鎌形浩史君) 今御指摘ございましたヒヤリ・ハット事例や軽微なトラブル、これをしっかりと報告していくということでございますけれども、今回の再発防止策におきましてそういったことも徹底していく、幅広く報告していくということを位置付けてございまして、私どもとしてそれを徹底するようにさせていきたいと思っております。
#215
○市田忠義君 もう時間がないので、次に掘り起こし調査についてお聞きしたいと思います。
 まず、掘り起こし調査で何よりも大事なのは、他の委員も述べられましたように、全てのPCBを把握することだと思います。環境省は、掘り起こし調査を実施している自治体に対してデータを提供しておられますが、これ本当に実効性のあるものなんでしょうか。事務方で結構です。要するに、提供しているデータは実効性ありますかと。
#216
○政府参考人(鎌形浩史君) 自治体への提供データでございますけれども、電気事業法のデータなどもまとめて出していくということを今考えてございますけれども、先ほど来議論もございました、そのデータが古いとかそういうこともございますので、実効あるデータにするように、今、電気事業法のデータにかかわらず、PCB特措法の届出データとかあるいはJESCOの登録データ、こういったものを突合させてしっかりしたデータをつくっていくということが今、現段階で課題でございまして、それをしっかりやっていきたいと思います。
#217
○市田忠義君 各自治体の実態を環境省としてしっかり把握をして、実効性が上がるようにするために責任を果たしていただきたいというふうに思います。要するに、一刻も早く整理、突合したデータを都道府県や政令市に提供するように要請しておきたいと思います。
 さらに、これも他の同僚委員からも出されましたが、電事法の届出データが古くて、電気工作物の設置場所の情報だけで事務所の住所が突き合わせされていないと。これは埼玉だけじゃなくて他の自治体でも相当数が未達となり返送されることが予想される。それに加えて、製造年月日が不明確で調査効率が非常に悪いと。回答があっても、記載内容には既存の届出の有無やPCB汚染の有無の不明点がある。個別訪問による調査作業、精査作業が不可欠になっている。さらに、未回答の事業者に対する追跡調査も必要であります。
 今度の改正案は、都道府県市による事業者への報告徴収や立入検査の権限を強化していますが、それに伴った国の支援体制がなければ実効性が高まらないんではないかと思うんですが、この点については国はどういう支援体制をやろうとお考えでしょう。
#218
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、都道府県が立入りなり報告徴収でしっかりとした情報をつかみ取るというためには、やはり私どもの方で、先ほど申し上げましたが、届出データをしっかり整理した上で自治体に使っていただく、これがまず一つの大きな支援ということでございます。
 もう一点は、国、環境大臣の立入り権限につきましても拡大いたしました。そういった拡大したものを使いまして、都道府県の力が及びにくいというところに関しましては国が率先して出ていくと、こういうようなことで支援していくということでございまして、そういう意味で都道府県がしっかり掘り起こし調査できるように国が支援してまいりたいというふうに考えております。
#219
○市田忠義君 国がしっかり支援していきたいとおっしゃいましたが、改めて大臣の御決意をお聞きしたいんですけど、北九州では、四回の掘り起こし調査を行って、一回当たり数百万円掛かったそうです。埼玉県は、臨時職員を三名雇い入れました。報告徴収や立入検査の権限拡大、これは今度、私いいことだと思うんですけれども、財政状況の厳しい自治体では調査がどうしてもずさんにならざるを得ない。全てのPCB機器を掘り起こそうとするならば、私は地方自治体任せにしないで、それに伴う国の財政支援等を検討すべきだと、これ一つ。
 さらに、使用中の電気設備の場合、接触などしたら感電のおそれがあるわけで、立入検査は誰でもやれるというわけではありません。国はやっぱり立入検査を実効性あるものとするために、専門的人員を配置するなど、国としての責任をきちんと果たすべきだというふうに思うんですが、埼玉県などは電気主任技術者の資格を持つ職員が検査を行っていると。
 やっぱり専門的知識を持った職員が調査しないと実効性伴わないと思うんですが、この財政支援と専門的な技術、知識を持った人の配置、そのために国がいろいろ支援、援助すると、この辺の決意は、大臣、どうでしょう。
#220
○国務大臣(丸川珠代君) 財政支援ということに関しては、事行政代執行の件もございますので、有識者等から構成される検討会を設置して、都道府県に対する支援の在り方について議論を開始をいたしております。
 加えて、専門的人材ということでございますが、都道府県に人材がおられる場合はもちろんでございますけれども、電気保安関係団体の皆様方にも是非御協力を賜れるようなことを、経済産業省を通じてになりますけれども、お願いしていくことも必要ではなかろうかと思っております。
#221
○市田忠義君 時間が来ましたので、終わります。
#222
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。よろしくお願いいたします。
 質問の前に、先ほど大臣が、熊本の地震について先手先手でいきたいということをおっしゃっていただきました。今回の震災で、例えばエコノミー症候群、深部静脈血栓、そういう症状が出るということは、もう阪神・淡路、あるいは中越地震、それから東日本大震災で分かっていることです。ちょっとしたことで注意ができることですし、また今後出てくる可能性があるとしても、生活不活発病、トイレに行くのがおっくうだ、水分取らない、それから、床に寝たままで、ほこりが舞う高さで寝ているわけですから、マスクをしていない方もたくさん見受けられます。そういうことが起きる前に、対応できることはとにかく先手先手で行っていただきたいと思います。病院に食料がなかったりあるいは経管栄養がなかったということもSNSとかで見かけるんですけれども、これも、東日本大震災のときに食料が病院になかったということがありました。
 是非、各省庁一丸となって先手先手で、亡くならなくても済む方々を助けていただきたいと思います。
 さて、質問に入ります。環境省の取組は遅れたのではないかということで質問させていただきます。
 民間主導の焼却方法にこだわった一九七〇年代から約三十年間の空白のことはおいておくとしても、平成十三年PCB特措法成立以降の環境省の取組について振り返ると、対応が後手後手に回っていた印象が否めない。チャンスは幾つかあったと思います。
 最初のチャンスは、北九州市が掘り起こし調査を開始した平成二十年です。この年は、総務省事業所・企業統計調査結果に記録された市内の従業員十名以上の八千九百十二事業所を対象に調査して、五千百二十八事業所から回答を得ました。宛先不明で返送された調査票を除いた回収率は六〇%で、その結果、新たに八十八事業所が、高濃度PCBを含有するトランス七十八台、コンデンサー八十四台、微量のPCBを含有するトランスが二十八台保有されていることが分かりました。
 この初年度の結果が出た段階で動けばよかったんですけれども、環境省が掘り起こし調査マニュアルを作り全国の自治体に通知したのは、六年後の平成二十六年だということです。掘り起こし調査の全国展開について対応が遅れたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#223
○政府参考人(鎌形浩史君) 北九州市の掘り起こし調査は、御指摘のとおり、平成二十年から始まってございまして、平成二十年、二十二年、二十三年、二十四年の四か年にわたっての市内での事業所の調査、そしてさらに、二十六年には総ざらいという形で、五年掛けての調査ということでございました。その結果、PCB特措法に基づき届出がされていた高濃度PCBトランス、コンデンサー、安定器の約一割に相当するものが新たに見付かったということでございます。また、北九州市を含む幾つかの自治体について掘り起こし調査が実施されたほか、環境省でも平成二十四年、二十五年にモデル事業として掘り起こし調査を実施いたしました。こういった北九州市の調査や各地の調査、また、モデル事業で得られた知見を踏まえて、二十六年に掘り起こし調査マニュアルを策定し、都道府県市に周知した、これが経過でございます。
 御指摘のとおり、もっと早くできなかったかということはございますが、私どもといたしましては、きちっとした調査のやり方について一定の知見が蓄積した上で、それを全国的に展開するという趣旨で平成二十六年度に調査マニュアルを策定して周知したというところでございます。
#224
○山口和之君 もう少し早くできなかったのかということは思います。
 次のチャンスは、平成二十三年十月に法の附則に基づく検討が開始されて、翌年報告書が出されました。しかし、報告書は、期限の延長を提言したほかは、法改正による取組の強化について触れてはいませんでした。なぜこのような検討で終わってしまったのか、お伺いしたいと思います。
#225
○政府参考人(鎌形浩史君) 平成二十三年十月からその検討が開始されて、翌年報告書が出されたわけでございますが、この結果は平成二十六年のPCB廃棄物処理基本計画の見直しに際して活用されておりまして、この提言を踏まえて処理期限の延長をした一方で、その達成のための具体的な対策としては、掘り起こし調査の実施、使用中のPCB使用製品廃棄に向けた働きかけ、意図的に処理を行わない事業者への働きかけなど、行政指導を中心とした取組を盛り込んだところでございます。当時は、こうした行政指導を中心とした取組で計画的処理完了期限内の処理の達成は可能と考えて、法改正までは考えていなかったということでございます。
 しかしながら、新しいPCB廃棄物処理基本計画に基づく取組を進めていく中で、やはり法的強制力を伴わない行政指導ベースの取組には限界があることが明らかとなったということで、地方公共団体からの要望も多々ございました、こういったものを踏まえまして今回の法案を提出させていただくことに至ったということでございます。
#226
○山口和之君 基本計画の変更が行われた平成二十六年にも法改正が行えたのではないかと考えます。なぜ改正を行わなかったのか。衆議院における審議では、このような質問に対し、行政指導ベースの取組で対応可能と考えたためとの答弁がありましたが、その際の行政指導などの取組においては何が環境省の想定どおりにいかなかったのか、今後の取組の教訓とする意味でも、その際の把握した問題点をまず明らかにしていただきたいと思います。どうでしょうか。
#227
○副大臣(井上信治君) 行政指導ベースの取組には限界があるということで、例えば具体的には、各自治体において主としてアンケート調査により、高濃度PCB使用製品、廃棄物の使用実態、保管実態の全容を把握するために掘り起こし調査を行っております。その一方で、使用中のPCB使用製品の所有者やPCB廃棄物を保管しているかどうか分からないものについては、自治体に立入調査権限などがありません。
 また、高濃度PCB使用製品の製造が中止されてから四十年たった現在においてもなお使用中の高濃度PCB使用製品が相当数存在している一方、使用をいつ廃止するかは事業者の任意に委ねられているため、行政指導だけでは対応に限界があります。さらに、法律に基づく届出を行った事業者のうち、一部の事業者は処理費用の負担が大きいことを理由にJESCOとの処分委託契約の締結を行っていない状況であり、これも行政指導だけでは対応に限界があると考えております。
 こうした状況を踏まえて、今回の改正案においては、より強制力の強い措置を講ずるための措置を盛り込んだところでございます。
#228
○山口和之君 是非今回の改正で後れを取るようなことがないようにお願いしたいと思います。
 掘り起こし調査関係について伺いたいと思いますが、今後のPCB処理を進めるに際しては、まず高濃度PCB廃棄物及び同使用製品の完全な把握が最重要と考えられます。
 先ほど来出ている質問ではありますけれども、改正案では、そのため、報告徴収、立入検査権限の強化を含む掘り起こし調査の強化が盛り込まれているところでございますが、北九州の調査では一割の漏れを発見し、環境省の今後の処理の見込み量もこの一割増を基に計算しているとの答弁がありましたが、報告徴収、立入調査権限を強化するのならば、場合によっては一割以上になるケースもあるだろうし、手間暇掛け次第では一割に満たない場合もあるのではないかと考えます。それによって今後のロードマップやスケジュールも変わってくる場合もあると思いますが、どうか、北九州の体験に寄りかかり過ぎているような気がしなくもないところでございます。スケジュール感についてお答えいただければと思います。
#229
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、現在の今後の処理見込み量の推計につきましては、北九州市の調査で届出されたものの一割程度が出てきたということを踏まえたものとなってございます。現時点では北九州市における調査が最もしっかりした調査ということでございますので、これを参考に、これを踏まえて見込みをしているというところでございます。
 ただ、ほかの県、市で、あるいは環境省のモデル事業として実施されたものも含めても、大体新たに判明するものは一割程度の範囲内だと見込んでおりますが、処理の見込み量についてはやはり引き続き精査が必要というふうに考えてございます。電気事業法に基づく届出データも含めて改めて見直していきたいというふうに考えてございます。
 そういう意味で、北九州市のデータ、一割程度というデータも含めまして改めて見直していくということで、これは有識者の検討会において早急に議論をしていきたいというふうに考えております。
#230
○山口和之君 うまくいっての例でしょうから、うまくいかないケースもやはり考えられるわけですから、バランスよくスケジュール感をつくっていただきたいと思います。
 掘り起こし調査では、北九州の場合、五年掛かっておりました。各自治体の調査に掛ける日数についてどのように考えているか、把握しているか、教えていただきたいと思います。
 自治体により事業所数に違いがあり、一概に言えないとは思いますけれども、環境省としての目安は持っているのか、また都道府県等による報告徴収権限、立入調査権限の強化と併せ、これまで緊急時のみに限られていた環境大臣の立入検査、報告徴収の権限も必要に応じて活用できるようにしたが、自治体による立入りと報告徴収と国のそれとの使い分けについてどのようなイメージを持っているのか、教えていただきたいと思います。
#231
○政府参考人(鎌形浩史君) まず、掘り起こし調査に要する期間についてのお尋ねでございますけれども、掘り起こし調査を実施する際には、調査対象事業者数やアンケート調査の回収状況など、地域により事情が異なってまいります。このため、各自治体の調査に要する日数を一概にお答えすることは難しいというところでございます。
 いずれにせよ、期限内に処理が終わるように調査を完了させることが重要ということでございまして、私どもといたしましては、計画的処理完了期限の一年前までには掘り起こして、しっかりと処理を終えていただくように持っていくということが目標でございます。これに向けて都道府県が動けるように支援していくということでございまして、そのために、掘り起こし調査効率化のための届出データを整理したデータを環境省で作成いたしますとか、あるいは早期処理関係者連絡会の各事業所ごとでの掘り起こし、各事業エリアごとに立ち上げた連絡会におきまして掘り起こし調査の進捗状況について定期的にフォローアップしていくと、こういうことで早急に調査ができるようにしていきたいというふうに考えてございます。
 次に、国の立入り、環境大臣の立入検査、報告徴収権限についてのお尋ねでございます。
 これは、現行法では緊急時のみに限られていた権限を拡大いたしまして、特に必要な場合には国も立入検査、報告徴収を実施するということを法案に盛り込んでいるということでございます。
 報告徴収や立入検査につきましては、産業廃棄物に関する規制権限を有する都道府県等が行うことが原則ではございますが、計画的処理完了期限が迫っているにもかかわらず都道府県等による対応が困難な場合には、国としても積極的に対応していくことが重要と認識してございます。
 例えば、都道府県市の区域をまたがり高濃度PCB廃棄物、高濃度PCB使用製品を保有、所有している事業者に対して迅速な対応が必要な場合とか、あるいは、期限が迫っておって都道府県市単独では期限内の迅速な対応が困難な場合、こういった場合に国が出ていくということが想定されるところでございます。
#232
○山口和之君 是非国の関与をしっかりして、漏れのないようにしていただきたいと思います。
 JESCO関係について質問させていただきます。
 環境省の答弁によれば、PCB廃棄物として届出を行っているが、JESCOへの処分委託をしていない事業所が存在するということでした。数としてどの程度ということをつかんでいるのか、また、どのような事業者に特徴的に見られるのか、環境省は事態の改善のためにどのような施策を実施してきたのか、教えていただきたいと思います。
#233
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、PCB廃棄物につきましては、PCB特措法に基づく届出がなされているPCB廃棄物であっても、JESCOへの登録がいまだになされていないものが相当数存在するというふうに考えられます。現に、PCB特措法に基づく届出量とJESCOへの登録量、それぞれ比較してみますと、トランス類につきましては届出量より登録量が約三千台少ない、あるいはコンデンサー類につきましては届出量より登録が約九千台少ないと、こういうように届出量と登録量の間には差がございます。
 こうした差異がある理由の一つとしましては、意図的にJESCOへの登録を行わない事業者が存在することによるというふうに考えられます。JESCOへの登録や処分委託契約の締結を行わない理由の一つとしては、自己負担の費用を負担する準備ができていないというふうなことが考えられます。特に費用負担能力が小さい中小企業者等につきましては、高濃度PCB廃棄物の処理が相対的に遅れているものと考えられます。
 このための対策ということでございますが、独立行政法人環境再生保全機構にPCB廃棄物処理基金を設立いたしまして、中小企業等については処分料金の七〇%を軽減するとともに、特に費用負担能力が脆弱な個人については処分料金の九五%を軽減して助成をしているということでございます。
 こういったことを今講じてございますが、こういった助成を継続することにより、引き続き中小企業者等の負担を軽減していくことで処分委託の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#234
○山口和之君 ほとんどの事業者はそういう基金があるということは存じているんでしょうか。済みません、もう一度。
#235
○政府参考人(鎌形浩史君) 周知には努めているというところでございますけれども、具体的にどの範囲の事業者が御存じかということについては把握してございませんけれども、しっかりとした周知に努めたいと思います。
#236
○山口和之君 遅れる要因にもなりかねないことだと思いますので、是非周知徹底を図っていただきたいと思います。
 JESCOが北九州地域を皮切りに処理に非協力的な事業所に対する処理料金の値上げを計画しているということですが、その狙いと予定している値上げ幅について伺いたいと思います。
#237
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、JESCOにおきましては、早期処理完了に向けた取組の一つとして、意図的に処理委託を行わない保管事業者について十分な告知期間を持った上で処理料金を値上げすることを計画して、昨年八月にその旨をホームページで公表しているところでございます。これは、現行のPCB廃棄物処理基本計画におきまして、意図的に処理委託を行わない者に対しては、処理料金が上がることを早期に告知すること等により、計画的な処理委託を促進することを検討するものとするとしていることを踏まえたものでございます。
 ただ、その一方で、今回の法案を提出させていただくに当たり議論いたしましたPCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会、この報告書が二月に取りまとめられておりますが、ここでは、中小企業等に対する支援方策の検討に当たっては、意図的に処理委託を行わない者に対する処理料金の値上げが基本計画に盛り込まれていることの取扱いについても併せて検討をする必要があるということでございます。かみ砕いて言いますと、改めて検討し直すということでございます。検討会の中では、処理料金を上げるということが処理委託の促進にしっかりつながるのかどうか、そういったことについてもしっかりともう一回検討すべきだと、こういう議論がなされました。
 そういう意味で、この報告書を踏まえまして、意図的に処理委託を行わない者に対する処理料金の値上げの取扱い、今後改めて私どもとしても検討することとしたいと考えております。
#238
○山口和之君 値上げすることによって促進されるかどうか、しっかり検討していただきたいと思います。
 PCB廃棄物処理が遅れている原因の一つに処理費用の高騰を挙げる指摘もあります。安定期の処理費用は、かつてキログラム千八百十円だったのですが、二〇一〇年には二万九千四百円と十六倍に値上げし、十分な説明がないと批判が起こったことがあります。
 処理コストについてJESCOはこれまで十分な説明を行ってきたのか、また、国が一〇〇%出資する特殊会社なのでコスト抑制のインセンティブが働きにくいとの批判もあります。どのように答えるのか、お願いします。
#239
○政府参考人(鎌形浩史君) JESCOにおけるPCB廃棄物の処理は、世界でも類を見ない大規模な化学処理方式を採用せざるを得なかったということで、焼却方式と比べて処理費用が高額となっているところでございます。
 処理料金につきましては、処理施設の整備費等の経費を基に、収支相償、すなわち事業収入がその実施に要する費用を超えない形で全国一律に設定しているというところでございます。このことは、JESCOのホームページでも、現在の料金体系になった根拠、考え方として示してございますほか、保管事業者等に繰り返し説明しているところでございます。
 また、JESCOにおきましては、処理コストの抑制を図るため、例えば複数の事業所で用いる資材を共同購入することによる購入単価の抑制でありますとか、高濃度PCB廃棄物の処理過程で発生する運転廃棄物の処理を無害化認定施設、JESCO以外の施設ですね、そこで、民間の施設で行うことにより処理コストの削減を行うということなども行ってございまして、コスト抑制の努力もしているというところでございます。
 引き続き、このようなコスト抑制に取り組むよう指導してまいりたいと思います。
#240
○山口和之君 可能であれば、コスト抑制のインセンティブが働きやすいような環境をつくっていただければと思います。
 一方で、JESCOの処分委託を行っても順番待ちでなかなか処理してもらえず困っているとの声もあります。ある業界紙では、JESCOに申し込んでもすぐに処理はできませんので注意してくださいと大きく書いてあったりします。事業者が郵送で書類を提出した後、JESCOから登録確認書が送付されてくるのが数週間から数か月後、さらに、処理時期の連絡があるのは処理委託の半年から一年前と大ざっぱになっています。
 このような事態が処分委託をためらわせている面はないのか、また、実態として委託から処分までどの程度の時間を要しているのか、お伺いしたいと思います。
#241
○政府参考人(鎌形浩史君) JESCOにおきます高濃度PCB廃棄物の処理は当初予定より遅れておりまして、保管事業者には相当程度長い間お待たせするということになってございましたが、近年は順調に処理が行われるようになってきているというところでございます。
 その順調に処理が行われている結果でございますが、東京事業エリア以外における通常のトランス、コンデンサー類につきましては、保管事業者の希望に沿っておおむね処理が可能となっております。収集運搬費用低減のために重点搬入期間を設けていると。一年中受け入れるというよりは重点的にまとまって搬入を受けるということでございますが、そういうこともあるのでお待ちいただく場合もございますが、新規登録から一年程度で処理が可能になっているというところでございます。
 一方、東京事業エリアのトランス、コンデンサー類につきましては、東京事業が安定的な操業に至るまで時間を要したということから、また全体の処理量も多いということで、立地自治体である東京都の処理を優先させたということで、特に千葉、神奈川、埼玉といった三県の処理が遅れておって順番をお待ちいただいているという状況があることは事実でございます。
 また、安定器あるいは汚染物につきましては、平成二十六年の基本計画の改訂に伴いまして、東京事業エリアのものは平成二十八年度から北海道事業所で、大阪、豊田事業エリアのものは平成二十七年度から北九州事業所でそれぞれ受入れが開始されたということで、これにつきましても、そういった事情で今順番をお待ちいただいているという状況でございます。
 こうした状況を踏まえて、東京事業所並びに安定器及び汚染物についての北九州事業所、北海道事業所においては、処理能力を最大限活用して処理を急ぐということとしてございます。
 いずれにいたしましても、環境省としては、受入れが円滑、迅速に行われるように指導してまいりたいと考えております。
#242
○山口和之君 次に、低濃度PCB廃棄物について伺いたいと思います。
 今回の法改正では、低濃度廃棄物に関する変更点はなく、環境省としては、まず掘り起こし調査により実態をしっかり把握した上で対応を決めていくという方針だと思います。
 平成二十四年の適正処理推進検討委員会報告書でも、微量PCB汚染廃電気機器は処理に最も時間が掛かる見込みとされているところです。平成三十九年の処理期限は迫っており、より具体的なスケジュールや段取りが示されるべきではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
#243
○政府参考人(鎌形浩史君) 低濃度PCB廃棄物につきましては、平成十三年のPCB特措法の制定以降に問題が発覚したということもございまして、現在に至るまで使用の実態が十分に把握できておらず、また、処理体制も整備の途上にございます。この処理自体は、民間の事業者の施設により処理をされているということでございますが、その体制も整備の途上にあるということでございます。まずは、そういった処理体制の整備の充実、多様化を図っていくということが重要でございます。こういった形で、高濃度PCB廃棄物とは状況、事情が異なるという点がございます。
 そういう意味で、今御指摘もございました、まず使用実態の把握を十分行うということが必要でございまして、それに基づいて低濃度PCB廃棄物の処理体制の充実、多様化を進め、計画を立てていくと、こういうことが必要になろうかと思います。
 こういったことを踏まえまして、今般の改正案では、附則に検討規定というのを設けてございます。改正法の施行後五年以内に、低濃度のものを含むPCB使用製品の施策の在り方について検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということとしたいと考えております。
#244
○山口和之君 最後に、これまで様々な指摘をしてきましたけれども、午前中も大臣の所見を含めた早期処理へ向けた決意を伺っておりましたが、また改めてPCBの早期処理に向けた決意を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
#245
○国務大臣(丸川珠代君) 高濃度PCBの処理期限は、地元の関係者の皆様と約束をして設定されたものです。しかも、一度延期をさせていただいて設けた期限でございますので、国としては必ず守らなければならないものだと思っております。
 関係の皆様方には、是非この期限の中で登録をしていただいて、そして、処理をしなければもう処理するところがなくなってしまうのだと、事実上処理することは大変難しくなるのだということを御理解いただかなければなりませんで、そのための努力というものをまずしっかりやってまいりたいと思います。
 掘り起こしをやっていただく自治体にしても、やはり自治体がまず御理解をいただいて御協力をいただく必要がございますし、その自治体に対してどのような支援ができるかということについては、有識者等で構成される会議も始めておりますけれども、こうしたもので早急に結論を出してしっかりと支援をしながらしっかり後押しをしてまいりたいと思っております。
 そして、進捗状況を小まめに確認するということが重要だと思っておりまして、最低でも一年ごと、できれば私はそれよりも短い期間の中でも必要に応じて進捗状況をフォローアップするとともに、是非私どもの中にも目標を設けて、その目標が、一年ごとの目標と言わずに、もっと短期間で繰り返し繰り返し小まめに見ていくような目標というものを設けるべきではないかなということを改めて思っているところでございます。
 いずれにしましても、実効性についてこれらの措置を、実効性について不断の点検を行いまして、万全を期してまいりたいと存じます。
#246
○山口和之君 是非PDCAサイクルをしっかり回して、総力戦でこのPCBの問題を解決していただきたいと思います。また、せきが多いようなので、先手先手で治療していただければと思います。悪化しないように祈っております。
 以上です。
#247
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 質問に先立ちまして、この度の九州地方で発生した地震により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、今現在、復旧復興に御尽力くださっている皆様におかれましては、安全に十分御留意いただきました上、しっかり御活躍くださいますことをお祈り申し上げます。
 それでは、質問に移らさせていただきます。
 高濃度PCB廃棄物の処理は、これまでの経緯や、最短で平成三十年度末に迫った計画的処理完了期限を考えますと、もはや後がない状況であります。今回の改正案は、計画的処理完了期限までに完了させるという強い意思を感じさせる内容だと私は思っております。
 そこで、大臣にまず伺います。PCB処理を進める上で、本改正案の狙いと概要をお聞きしたいと思います。
#248
○国務大臣(丸川珠代君) 現在のJESCOの各処理施設の計画的処理完了期限は、平成二十六年にPCB廃棄物処理基本計画を見直して当初の期限を延長した際に、二度と延長はないという旨を環境大臣名で地元の関係者と約束をして設定をされたものです。
 今回のPCB特措法改正案においては、期限内の処理を確実に達成するために、我々がこれまで取り組んできた中で必要だと思われる措置、また自治体から御要望のあった措置を盛り込ませていただいております。
 具体的には、これまで環境大臣が定めることとしておりましたPCB廃棄物処理基本計画を閣議決定計画に格上げをすること、計画的処理完了期限前における高濃度PCB廃棄物の処分や高濃度PCB使用製品の廃棄の義務付け、そして届出がされていない高濃度PCB廃棄物等に係る事業者への報告徴収や立入検査の都道府県等の権限の強化、そして保管事業者が不明等の場合における都道府県等による高濃度PCB廃棄物の処分の代執行といった措置を新たに盛り込ませていただいております。
 改正法案をお認めいただいた場合には、こうした措置をできる限り最大限活用させていただいて、政府一丸となって高濃度PCB廃棄物の期限内処理に向けて万全を尽くしてまいります。
#249
○渡辺美知太郎君 政府として、何としても期限内に処理をやり切りたいという姿勢はよく分かります。PCBが製造中止になってから四十五年がたとうとしております。再度の処理期限の延長がないように、処分に向けて環境をしっかりと整えていただきたいと思っております。
 次に、掘り起こし調査の後押しについて御質問いたします。
 高濃度PCBの処理は、その前段階として高濃度PCB廃棄物及び使用製品がどの程度存在しているかという全体像の把握が必要不可欠であります。現行法の枠組みでも調査を行っていますが、各地方自治体によるアンケート調査が中心となっております。しかし、このアンケートの回答率は五〇%ほどと、回答しない事業者も多いというのが今の現状であります。現在の枠組みでは、PCB製品の所有又はPCB廃棄物の保管をしているか分からない事業者に対して、自治体は立入検査の権限がなく、アンケートに回答しない事業者についてはそれ以上の調査が難しいというのが今の現状になっておりまして、この部分がまだまだ把握をしていないというのが現状であります。
 一方で、PCBの計画的処理完了期限が最短で平成三十年度末に迫っており、現状の正しい情報の把握が喫緊の課題と言えます。今回の改正案では、都道府県等による立入検査の権限が強化され、現状把握できていない部分も含めてPCB廃棄物や使用製品の全体像の把握につながる内容になっているかと思います。
 そこで、実際に調査を行う都道府県に対して国はどのように掘り起こし調査を後押しをするのでしょうか。鎌形部長にお聞きします。
#250
○政府参考人(鎌形浩史君) 期限内処理のためには、御指摘のとおり、PCB廃棄物等の全容を把握することが何より重要でございますが、現状、必ずしも十分な把握ができていないということでございます。このため掘り起こし調査が各自治体で行われておりますが、アンケート調査によるということで、回答率五割など調査が難航しているということでございます。
 こうした実態を踏まえまして、先ほど御指摘いただきました立入調査権限の強化なども踏まえた上ででございますが、掘り起こし調査を効率的に行っていくというために、電気事業法の届出データ等を基に調査対象事業者を絞り込んだデータを環境省で作成して都道府県に提供する、そういう意味でのまずバックアップをしていきたいと考えております。
 また、さらに、環境省や自治体のみならず、経済産業省、電気保安関係団体等も加えた早期処理連絡者会議を各事業所ごとに立ち上げておりまして、これを活用して関係者間の連携、協力の具体的な進め方について協議するとともに、掘り起こし調査の進捗状況について定期的にフォローアップを行うなど、関係者の連携体制を一層強化していく、こういったところで国もしっかりと対応してまいります。
 また、加えて、現行法では緊急時のみに限られていた環境大臣の立入検査、報告徴収の権限を拡大いたしまして、特に必要な場合には地方環境事務所も活用して国も立入検査、報告徴収を実施するということができるようになりますので、これもしっかりと対応していくということで、以上のことを通じまして国として自治体の取組もしっかり後押ししてまいりたいと思います。
#251
○渡辺美知太郎君 今までは、自治体の持つリストが古く、調査をしようとしても無駄足になってしまったというケースもあると聞いております。新しいリストの作成、精査は自治体にとっても調査の足掛かりになるものであると思っておりますので、是非とも進めていただきたいと思います。
 次に、掘り起こし調査における省庁と自治体との連携について伺います。
 現在、コンデンサーやトランスについては電気事業法の電気関係報告規則で規制されており、事業者は、昭和五十一年以降もPCB使用製品を使っている場合、経済産業省に届出を行っています。PCBを使用しているコンデンサー、トランス類の処分に向けて、これを所管する経済産業省やPCB特措法の事務を行う都道府県との情報共有等の連携が必要不可欠であります。この情報共有、連携についてどのようにお考えでしょうか。また、PCB特措法と電気事業法の間で関係省庁がまたぐことで情報共有や対応が不十分になって処分が遅れてはいけないと思っております。経済産業省と環境省に、情報共有や連携についてそれぞれお聞きしたいと思います。
#252
○政府参考人(三木健君) まずは、じゃ、経済産業省からお答え申し上げます。
 高濃度PCB使用電気工作物の期限内処分に向けましては、関係省庁や都道府県等と情報共有をし、緊密に連携して取り組んでいくことが不可欠であると認識をしております。
 経済産業省では、従来から、環境省や都道府県等に対しまして、当省が把握する電気工作物の設置やPCB使用電気工作物の使用の状況について情報提供を行ってきているところでございます。また、平成二十七年度からは、環境省、都道府県等、当省に加えまして、電気工作物の点検を担う電気保安法人等が一同に参画する地域PCB廃棄物早期処理関係者連絡会を通じまして、適時に情報共有しながら取組を進めてきているところでございます。
 今般のPCB特措法改正案を踏まえまして、当省では高濃度PCB使用電気工作物の届出義務を強化することとしております。具体的には、新たに、毎年度、使用中の高濃度PCB使用電気工作物の数量や廃止、処分の見込み、処分事業者との委託契約の有無等について国への届出を義務付けることとしております。今後は、この届出による情報につきましても環境省や都道府県等に随時提供してまいります。
 電気工作物を含め、高濃度PCB使用製品全体の期限内処分の実現に向け、環境省、都道府県等への情報共有をしっかりと行うとともに、緊密に連携して取り組んでまいります。
#253
○政府参考人(鎌形浩史君) 環境省からお答え申し上げます。
 高濃度PCB使用製品廃棄物の全容を一元的に把握するという上で、経済産業省さんあるいは都道府県市などとの連携、情報の共有、極めて重要であるという認識は共通でございます。こうした観点から、今回提案いたしております改正案では、高濃度PCB使用製品である電気工作物の期限内処理の達成のため、必要がある場合には環境大臣が経済産業大臣に必要な協力を求めることができるという旨の規定を置いてございます。また、環境大臣、経済産業大臣、都道府県知事、事業者など関係者の連携協力に関する規定も改正案に盛り込んでいるところでございます。
 改正案をお認めいただきましたならば、こうした規定を踏まえて、経済産業省や都道府県市などとこれまで以上に協力いたしまして、全体像の把握、そして期限内処理に万全を期してまいりたいと考えております。
#254
○渡辺美知太郎君 環境省に伺いたいと思います。昨年より、電気関係事業者やトランス、コンデンサーの製造業者が集まった早期処理関係者連絡会というのを開かれているとお聞きしております。お答えできる範囲で結構でございますので、今現在の進捗や御評価などをもしお答えできるのであればちょっとお聞きしたいのですが、いかがでしょうか。
#255
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のとおり、五か所において早期処理のための連絡会議を開いて、取りあえず立ち上げてというところでございますので、情報交換などに努めているというところでございまして、今後こうした、この法律お認めいただけましたらば、この法律に基づいてどうやって対応していくか、こういうことについてしっかりと議論を深めていくというふうにしたいと考えております。
#256
○渡辺美知太郎君 再質問になってしまいました。自治体への情報共有や関係者での意見交換、これは有効に有益に行っていただきたいと思っております。
 次に、掘り起こし調査のノウハウの共有について伺います。
 改正法では、PCBの適正な処分に向け、地方自治体による事業者への立入調査や代執行などの権限が強化されます。しかしながら、高濃度PCB廃棄物やPCB使用製品を所有しているか分からない事業者に対しての立入調査は自治体にとっては初めての試みと言えます。
 一方で、北九州市では、処理を進めるべく過去五年間にわたり掘り起こし調査を行っており、ノウハウが蓄積されているかと思います。このようなノウハウのある自治体のやり方を共有できればより廃棄物処理が進むかと思いますが、国としてこのノウハウの共有についてどのようにお考えか、伺いたいと思います。
#257
○政府参考人(鎌形浩史君) 環境省におきましては、平成二十六年に掘り起こし調査マニュアルというものを策定いたしまして、都道府県市に周知しているところでございます。
 このマニュアルは、その策定に当たりまして北九州市などの先進的な取組を行っている自治体の実績や知見も踏まえたというところでございます。こうして策定いたしましたマニュアルでございますが、現在、各都道府県市ではこのマニュアルを踏まえて、電気事業法に基づく届出データも用いまして、PCB使用製品を保有している蓋然性が高い自家用電気工作物設置者を調査対象としてアンケート調査票を送付することにより掘り起こし調査が行われているというところでございます。また、この調査結果に基づき個別の事業者に対する電話や訪問調査を実施して未処理事業者への指導を行うということとしているところでございます。
 今後も、こうした自治体においてより効率的かつ実効性のある掘り起こし調査が実施できるように、掘り起こし調査のマニュアル、これは改訂について検討してまいりたいと思ってございます。様々な経験、知見を踏まえて改訂を行って、改めて自治体に対して周知を図ってまいりたいと考えております。
#258
○渡辺美知太郎君 積極的に取り組んでいる事例を是非活用して、全国的に処理を進められるよう政府としてもマニュアル作りを更に進めていただきたいと思っております。
 掘り起こし調査や代執行など、計画的処理完了期限につれ都道府県市の負担が増加することとなります。必要な人員と費用を確保し、確実な事務執行を行うための国からの御支援についてお聞かせいただければと思います。
#259
○政府参考人(鎌形浩史君) まず掘り起こし調査でございますけれども、やはり効率的に行うということで、先ほどもお答え申し上げましたけれども、電気事業法の届出データなどをしっかりと整理して、それを都道府県に提供する、そういう意味で、都道府県の負担をなるべく軽くしていくということが必要かと思います。
 また、先ほど来御質問がございました早期処理連絡者会議ということも立ち上げてございますが、ここで掘り起こし調査の進捗状況についての情報交換、フォローアップをしっかりしていく、これもまた都道府県の取組を促すということになる、こういうふうに考えてございます。そういう意味の後押しをしていくというのがまず考えられることでございます。
 また、報告徴収、立入調査権限の強化や代執行など、今回の改正案に伴い都道府県等に生じる事務執行に必要な経費の確保ということに関しましては、総務省などともよく相談して対応してまいりたいと考えております。
#260
○渡辺美知太郎君 こちらの方も関係者の皆さんと協議を進めていただきたいと思っております。
 また、現時点で破産や所有者が明らかでないPCB製品も存在しております。改正案では行政代執行による処分が可能となります。PCBの処分は排出事業者が負担することが原則であり、PCBそのものやPCB製品の製造は四十年も前であるものを考えれば、製造事業者に処理費用の負担を求めるということは難しいといった意見があります。
 しかしながら、所有者が明らかでないPCB製品を自治体が代執行で処分した場合、その代執行を行う都道府県や市が費用負担をするということも適当ではないとも思えますが、政府は、この行政代執行の費用についてはどのようにお考えでしょうか、伺いたいと思います。
#261
○政府参考人(鎌形浩史君) PCB廃棄物は、排出事業者責任に基づいて排出事業者が責任を持って処理していくということが原則でございますが、御指摘のように、保管事業者の破産などでPCB廃棄物の処理が滞っているというものも存在しますので、今回の法案では、代執行が円滑に行えるような、そういった規定を設けたというところでございます。
 そこで、代執行につきましては、PCB廃棄物適正処理推進に関する検討委員会の報告書でも、事業者が不存在、資力不足の場合などであって、行政代執行に要した費用を事業者から徴収することが困難な場合があると、そして、このような場合について支援の在り方を併せて検討する必要があると、こうされているところでございます。
 このため、環境省において有識者等から構成される検討会を設置しまして、都道府県が行う行政代執行に対する支援の在り方について議論を開始したというところでございますので、速やかに検討を進めて取りまとめていきたいというふうに考えております。
#262
○渡辺美知太郎君 この代執行のコストの問題、非常に難しい問題だと思っております。有識者の方々の意見も踏まえた上で、公正な、公平な負担になるようにしていただきたいと思っています。
 高濃度PCBを用いた安定器は、オフィスや工場など小規模の事業者でも製品の使用や廃棄物の保管をしております。中小規模の事業者にとってはPCBの処分のコストが重たく経営に響いているという指摘もあり、環境省としてこういった現状を把握しておられるんでしょうか。環境省に伺いたいと思います。
#263
○政府参考人(鎌形浩史君) 高濃度PCB廃棄物の処理に当たりまして、自己負担分の費用を負担する準備ができていないためにJESCOへの登録や処理委託を忌避している事業者が存在するということにつきましては、都道府県市やJESCOから指摘を受けているところでございます。
 そのJESCOの処理が、焼却によらず処理費用の高額な化学処理方式を採用せざるを得なかったということから、中小企業者等の負担軽減を図るということは非常に重要なことだと考えております。
 こうした中、独立行政法人環境再生保全機構にPCB廃棄物処理基金を設立いたしまして、中小企業者等については処理料金の七〇%を軽減するとともに、特に費用負担能力が脆弱な個人については処理料金の九五%を軽減するということで対応してございます。
 今後とも、こうした事業者により処理委託を促進するためにも、この基金を活用した支援を引き続き継続していきたいと考えております。
#264
○渡辺美知太郎君 御答弁にもありましたとおり、現行法でも確かに軽減措置というのもあります。
 しかし、一方で、今でも使えるものを費用を投じて処分するというのは、企業経営上、やはり二の足を踏んでしまうという事態が懸念されます。私も、地方の中小企業で働いておりましたので、そういった中小企業の気持ちというのは多少は理解ができます。そこで、処分ではなくて買換えについて伺いたいと思っております。
 PCBを使用していない代わりの製品への買換えを促進する対策はお考えでいらっしゃいますでしょうか。また、高濃度PCB使用製品が四十年前に作られたものと考えると、新しい製品に買い換えることでCO2の削減、CO2排出量の改善も考えられると思うんですが、この買換えについては現在、環境省はお考えでいらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#265
○政府参考人(鎌形浩史君) 改正案におきましては、高濃度PCBの使用製品、使用中のものについて期限内の廃棄義務を設けるということで、買換えということも一つの大きな課題になってまいります。
 午前中の質疑におきまして大臣からも答弁ございました。PCB使用安定器入りの蛍光灯につきましては、代替機器として高効率なLEDに交換するということが考えられまして、そうしますとより一層の省エネあるいはCO2削減効果が期待できるということでございます。PCB廃棄物の適正処理問題と地球温暖化問題の同時対処というようなことになるということでございます。
 このため、使用中のPCB使用安定器入り蛍光灯の使用実態に応じたLED化の可能性、コスト、CO2削減効果を取り急ぎ調査いたしまして、その結果を踏まえつつ、LED化を促進する施策、買換えということでございますが、これを促進する施策を検討してまいりたいと考えております。
#266
○渡辺美知太郎君 今、衆議院の方で温暖化対策法の改正案が議論されていますが、PCBを使った安定器は照明に使われるものであります。PCBの処理も非常に重要で、かつ処理完了の期限が迫っているものでありますが、それと同じように、地球温暖化対策についても、政府は、二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%削減するという高い国際的な目標を持ち、また、その先の長期目標として二〇五〇年で八〇%の削減を目指すとしています。このような長期的な目標に対しては、単に一つの視点から政策を実行するのではなく、重層的に手を打っていくことが肝要かと私は考えております。
 PCBを使用した安定器の付いている照明というのは四十年以上前に作られたものであり、このような古い照明を最新のものに買い換えることでCO2削減や電気代などのランニングコスト削減にもつながるかと思います。また、民生部門のCO2削減では、照明の切替え、つまり今まで蛍光灯であったものをLEDに切り替えるということは、誰が聞いても分かりやすく、かつCO2削減の幅の大きい部分です。
 温暖化対策では、そういう分かりやすい切替えが一つのシンボル的な役割を果たすかと考えております。そういった温暖化対策の面からも、新しい設備への切替えに対して告知を是非強化していただきたいと考えております。
 次の質問に移ります。
 平成十六年に発効したストックホルム条約では、高濃度PCB、低濃度PCBと分けず、平成三十七年までにPCBの使用の全廃、平成四十年までに適正な処分を求めています。
 国内においても低濃度PCBについて今後処分を進めていくかと思いますが、現時点の状況と方針についてお聞かせ願えますでしょうか。
#267
○政府参考人(鎌形浩史君) 低濃度PCB廃棄物についてのお尋ねでございますが、現在、民間の事業者、これは環境大臣が認定する無害化処理事業者、あるいは都道府県が許可する特別管理産業廃棄物処理業者により処理が行われているということでございます。しかしながら、この低濃度PCBにつきましては、平成十三年のPCB特措法制定以降に問題が出てきたというところがございます。また、使用中の製品も相当数ございます。ということで、まず実態を把握した上で処理体制の整備をしていくということが重要だといった段階だということでございます。
 こういった形で、今JESCOでの処理を進めております高濃度PCB廃棄物とは状況が異なるということでございます。そういう意味で、まず低濃度使用製品の使用実態の把握を十分に行って、処理体制の充実、多様化を進めていくことが必要でございまして、その早期処理に向けた追加的方策に基づきましては、今回の提案しております法案の附則五条の規定に基づきまして検討を進めていきたいというふうに考えております。
#268
○渡辺美知太郎君 低濃度PCB使用製品はどこにどれだけあると把握するのが難しいと思います。是非民間の力も活用して処分を進めていただきたいと思います。
 次に、JESCOによる処理事業完了後について伺います。
 JESCOによる計画的処理完了期間は、最短で平成三十年度末で完了する予定でありますが、その後にもしPCB製品が見付かった場合、所有者が処理をすることができないから不法投棄してしまおうとなってしまうのが最悪のケースだと思います。破産など所有者不明状態で時間がたってからPCBや使用製品が見付かる場合もあるかと考えられます。この場合、処分する施設が国内にない上、国外に持ち出しすることは難しい状況であります。
 もちろん、計画的処理完了期限にしっかり完了することが第一でありますが、仮に完了期限後について意図せずPCBが見付かった場合、どのような対応になるのか、井上副大臣に伺いたいと思います。
#269
○副大臣(井上信治君) PCB特措法では、廃棄物の排出事業者責任に基づき、事業者に対し、保管するPCB廃棄物を自ら処分するか処分を他人に委託することを義務付けております。このため、JESCOの計画的処理完了期限の経過後は、事業者の責任でPCB廃棄物を民間主導で処分することを求めることとなります。しかしながら、現在までの経緯に鑑みれば、民間主導でPCB廃棄物を自ら処分することは現実的には極めて困難と考えられます。
 こうした事態を生じないよう、法案を認めていただければ、今般の改正案に盛り込んだ措置により計画的処理完了期限内に処分委託が完了するよう全力を尽くしてまいります。
#270
○渡辺美知太郎君 しっかりと完了させていただきたいと思っております。
 では最後に、今後の取組について伺いたいと思います。
 目の前に迫った計画的処理完了期限に向けて取組を進めるよう、ロードマップを明らかにし、取組状況について進捗の点検を行うことが必要だと思いますが、井上副大臣のお考えをお聞かせください。
#271
○副大臣(井上信治君) 立地自治体と約束した処理期限は必ず守るべきものであって、処理期限内に確実に高濃度PCB廃棄物の処理を終えることが不可欠であると認識しております。このため、国会での御審議も踏まえ、現行のPCB廃棄物処理基本計画について速やかに見直しを行い、期限内の処理の達成に向けたロードマップと関係者の役割分担を明らかにしてまいりたいと思います。
 その上で、見直し後の基本計画に基づく取組の進捗状況について定期的にフォローアップを行い、講じた措置の実効性について不断の点検を行い、高濃度PCB廃棄物の期限内の処理の達成に向けて万全を期してまいります。
#272
○渡辺美知太郎君 しっかりと処分に向けた体制をつくっていっていただきたいと思っております。
 私の質問は以上で終えたいと思います。ありがとうございました。
    ─────────────
#273
○委員長(磯崎仁彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、芝博一君が委員を辞任され、その補欠として田城郁君が選任されました。
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#274
○委員長(磯崎仁彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#275
○委員長(磯崎仁彦君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#276
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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