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2016/05/10 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 環境委員会 第8号
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2016/05/10 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 環境委員会 第8号

#1
第190回国会 環境委員会 第8号
平成二十八年五月十日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     中泉 松司君     林  芳正君
     長峯  誠君     島尻安伊子君
     礒崎 哲史君     櫻井  充君
     田城  郁君     芝  博一君
     藤本 祐司君     直嶋 正行君
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     浜野 喜史君     小西 洋之君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     小西 洋之君     浜野 喜史君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     宇都 隆史君
     浜野 喜史君     大野 元裕君
     杉  久武君     石川 博崇君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     高野光二郎君
     大野 元裕君     浜野 喜史君
     石川 博崇君     杉  久武君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         磯崎 仁彦君
    理 事
                高野光二郎君
                滝沢  求君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
    委 員
                尾辻 秀久君
                小坂 憲次君
                鴻池 祥肇君
                佐藤 信秋君
                林  芳正君
                松山 政司君
                森 まさこ君
                櫻井  充君
                直嶋 正行君
                浜野 喜史君
                杉  久武君
                山口 和之君
               渡辺美知太郎君
   国務大臣
       環境大臣     丸川 珠代君
   副大臣
       環境副大臣    平口  洋君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  鬼木  誠君
       環境大臣政務官  白石  徹君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻井 敏雄君
   政府参考人
       環境大臣官房審
       議官       早水 輝好君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       環境省総合環境
       政策局長     三好 信俊君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
       環境省水・大気
       環境局長     高橋 康夫君
       環境省自然環境
       局長       奥主 喜美君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (日本原子力発電敦賀発電所敷地内破砕帯の評
 価に関する件)
 (小型家電リサイクルにおける回収量向上への
 取組に関する件)
 (水俣病問題における国の責任に関する件)
 (中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開
 発戦略に関する件)
 (鳥獣被害対策に関する件)
○地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四月二十二日、長峯誠君、田城郁君、礒崎哲史君、藤本祐司君及び中泉松司君が委員を辞任され、その補欠として島尻安伊子君、芝博一君、櫻井充君、直嶋正行君及び林芳正君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(磯崎仁彦君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高野光二郎君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(磯崎仁彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境大臣官房審議官早水輝好君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(磯崎仁彦君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。
 本日は、日本原電敦賀の敷地内の破砕帯の評価の関係、そして後半は原子力規制の三年以内の見直しについて御質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、日本原電の敦賀の敷地内の破砕帯の評価についてであります。四月二十一日の環境委員会でも事実確認をさせていただきました。再確認をさせていただきたいと思います。評価書の取りまとめ過程について、これから申し上げることが事実でよいかどうか、再確認をいたします。
 一つ、敦賀発電所の敷地内破砕帯評価書案が初めて有識者に提出されたのは平成二十六年十一月十九日の第五回追加調査評価会合である。二つ、会合の場において評価書案の結論部分の見直しについて議論が行われたのは第五回追加調査評価会合のみである。三つ、この会合では石渡座長から結論部分の記述は見直さないといった発言があり、それが結論となった。四つ、その後、有識者から書換えに関する提起はなかったが、平成二十六年十二月十日のピアレビューにおける岡田先生、粟田先生の発言を踏まえて規制庁が修正を有識者に提案をした。五つ、書換えの理由が分かるのは、昨年四月に環境委員会へ提出された資料のうち、資料六における、有識者会合としても、限られたデータの中でそこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないので、D―1破砕帯と一連の構造という部分を、D―1破砕帯等、原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかにしたという部分と、資料三、資料四における、Kの相方をD―1に限る根拠はないという指摘への対応という部分の二か所のみである。
 以上に誤りはないか、お答えをいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 おおむね今委員の御指摘のとおりでよろしいかと思いますが、正確性を期すために少し補足をさせていただきたいと思います。一番最後のコメントのところでございます。
 昨年四月に環境委員会に御提出した資料でございますけれども、この中にはたくさん資料がございました。その中にございました中で、ピアレビュー会合以降の評価書案の修正の議論に関する資料を、一覧付けてございます。その中に限って申し上げれば、今委員の御指摘の二か所のみということになろうかと思います。ただ、そのほかの資料もございましたので、そこについてはまた別の議論があろうかと思います。
 今申し上げたピアレビュー会合以降の評価書案修正の議論に関する資料でございますけれども、この資料というのは、評価書案の修正の過程において事務局と有識者という限られた関係者の中で用いるという目的のために作ったものでございまして、外部の方々に対する説明を意図したものではございませんということを改めて御理解いただきたいと思います。
#10
○浜野喜史君 私、正確性を期して申し上げたつもりです。誤りがあれば、具体的にもう一度おっしゃってください。
#11
○政府参考人(櫻田道夫君) 先ほど委員の御質問を繰り返させていただきますと、一番最後の部分ですね、書換えの理由が分かるのは、昨年四月に環境委員会へ提出された資料のうち、資料六における、有識者会合としても云々ということと、それから資料三と資料四におけるという部分の二か所のみであるという、そういう説明でございました。
 私が今申し上げましたのは、そのほかに資料一とか資料二という資料もございました。資料二の中には、このピアレビュー会合でのコメントと評価書での対応について説明するために提出した資料でございまして、その中にもこの書換えの理由が分かるという部分がございます。
#12
○浜野喜史君 再確認させていただきますけれども、今日も資料を配らせていただいております。
 櫻田部長おっしゃったのは、二ページの参考資料の、私が今日配らせていただいた配付資料の中の資料一、資料二ということをおっしゃっているんだと思いますけれども、これは事後に、評価書が取りまとめられた後に事後に作られた資料だというふうに理解をいたしますけれども、いかがでしょうか。
#13
○政府参考人(櫻田道夫君) そのとおりでございます。
 したがいまして、事後じゃなくて、ピアレビュー会合以降、評価書が取りまとめられるまでの間に限った話をすれば、浜野委員の御指摘のとおりでございます。
#14
○浜野喜史君 続いて質問をさせていただきます。
 新規制基準によれば、耐震設計上の重要度Sクラスの建物、構築物等は活断層等の露頭がない地盤に設置することが要求されております。原子炉建屋は、この耐震設計上の重要度Sクラスの建物、構築物に該当するということでよろしいでしょうか、お願いします。
#15
○政府参考人(櫻田道夫君) これも少し正確に申し上げたいと思いますが、新規制基準におきましては、将来活動する可能性のある断層等の露頭がないことを確認した地盤に耐震重要施設を設置するということを求めております。原子炉建屋は、耐震重要度Sクラスの施設を支持する間接支持構造物ということになっておりまして、これは耐震重要施設に該当します。
 したがいまして、耐震重要度Sクラスの建物、構築物というような表現ではないんですけれども、耐震重要施設は将来活動する可能性のある断層等の露頭がないことを確認した地盤に設置することを求めているという、大きな意味では委員の今御指摘されたとおりでございます。
#16
○浜野喜史君 続けて質問いたします。
 ということは、原子炉建屋の下に活断層等があった場合、その発電所を運転することはできるのでしょうか、お答えください。
#17
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 今申し上げましたとおり、新規制基準におきましては、将来活動する可能性のある断層等の露頭がないことを確認した地盤に耐震重要施設を設置するよう求めており、この原子炉建屋は耐震重要施設に該当するので、そういう露頭がないことを確認していない、そういう露頭があるというところに原子炉建屋が設置されているという状況になることは認められないということになります。
 これは、新規制基準の作成の過程において、現状の知見では、断層が動く際のずれの量や力の掛かり方をあらかじめ正確に予測することは困難であり、工学的な対応による安全の確保は難しいという、そういう検討がなされまして、こういう基準が定められたということでございます。
#18
○浜野喜史君 ということは、この原子炉建屋直下を通過する破砕帯の評価というのは施設の存続を左右するものであるというふうに考えられると思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。
#19
○政府特別補佐人(田中俊一君) 一般論として申し上げますと、現状の知見では、断層が動く際のずれの量あるいは力の掛かり方をあらかじめ正確に予測することは困難であります。したがって、工学的な対応による安全の担保は難しいというふうに判断しています。したがって、新規制基準では将来活動する可能性のある断層等の露頭がないことを確認した地盤に耐震重要施設を設置するよう求めており、この基準への適合性が確認できない場合は設置許可ができないこととなります。
 なお、敦賀発電所については、現在、設置変更許可申請を審査しているところであり、おっしゃるような重要な、極めて重要な案件なので、事業者から追加データ等の説明も聴取しながら厳正に審査をしておるところでございます。
#20
○浜野喜史君 私の質問にお答えいただきたいと思います。これはもう委員長でなくても、事務方でも結構でございます。
 私が質問申し上げたのは、原子炉建屋直下を通過する破砕帯の評価は施設の存続を左右するものであるというふうに考えますけれども、いかがでしょうかというふうにお尋ねを申し上げております。事務方でも結構でございます、お願いします。
#21
○政府参考人(櫻田道夫君) 施設の存続を左右するというお話でありますが、先ほど来私からもあるいは委員長からも御答弁申し上げてありますとおり、原子炉建屋直下に将来活動する可能性のある断層等が確認されたということになりますと、これは新規制基準に適合しないということになります。したがいまして、その現状をそのままで適合するということにはなりませんので、運転ができない、その施設をそのまま使用することはできないということになろうかと思います。
#22
○浜野喜史君 今の櫻田部長の御説明は、私が申し上げたとおり、原子炉建屋直下を通過する破砕帯の評価は施設の存続を左右するものであるということを違った表現でお答えになられたものだというふうに私は理解をいたしました。
 その上で、今回、評価書の結論部分を書換えをされたわけでございます。
 今日も資料を配付いたしております。平成二十六年の十二月の十日断面では、K断層の連続性については、D―1破砕帯と一連の構造である可能性が否定できないという結論部分の記述でありましたけれども、それが平成二十七年の三月二十五日、原子力規制委員会に報告をされた評価書においては、K断層の連続性については、D―1破砕帯等、原子炉建屋直下を通過する破砕帯のいずれかと一連の構造である可能性は否定されないと、こういうふうに結論部分の記述が書き換えられたわけであります。
 書き換えられた理由が示された記録は、同じく配付資料にもありますように、有識者会合としても、限られたデータの中でそこまで踏み込んだ検討を行ったわけではないので変更した、Kの相方をD―1に限る根拠はないという指摘への対応という、この二つの記録、これが理由と経過を示す記録であるということであります。施設の存続を左右する評価書の結論部分の記述をこの二か所の理由のみをもって書換えを提案をして、そして、そのことに対して有識者はノーコメントだったと。ノーコメントだったということは納得されたというふうに理解がなされるということでありました。
 私は、適正な手続が踏まれているというふうにはどうしても考えられません。こういうプロセスが行政としての適切な対応であるのかどうか、見解をお伺いをいたします。
#23
○政府特別補佐人(田中俊一君) 一般に、有識者会合のような合議体が報告書を作成する際には、事務局がそれまでの会合の議論を踏まえて案文を作成いたします。それに対してメンバーの意見を求め、修正するということを繰り返しながらまとめていくことはごく普通に行われていることであります。
 重要なことは、会議メンバーの意見を適切に反映した評価書を作るということでありまして、今回の評価書の取りまとめのプロセスにおいて有識者の御意見を丁寧にお聞きしながら修正を重ねており、適切にまとめられているというふうに判断しております。特に御指摘の結論部分については、事務局の修正案に対して有識者メンバーから特段のコメントはなかったと聞いております。
 原子力規制委員会は、事業者から提出されている敦賀発電所の設置変更許可申請について、この評価書を重要な知見の一つとして参考としつつ、事業者の説明も求めながら、今後厳正に審査をしていく所存であります。
#24
○浜野喜史君 私の質問に向き合っていただいてお答えをいただきたいと思います。委員長にお答えを絞り込むつもりはございません。事務方でも結構でございますので、私の質問にお答えいただきたいと思います。
 繰り返しますけれども、施設の存続を左右する結論部分の書換えが行われたということであります。書き換えられた最終的な内容の是非論を私はここで問うているわけでは決してございません。書き換えられた理由がどういうものであったのか、これが行政として経過、理由が分かる文書、記録を整理をしていく必要があるというふうに考えますけれども、その必要性について、これ事務方でも結構でございますので、お答えをいただきたいと思います。
#25
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 評価書の修正の過程が後々になってどういう議論を経て行われたものなのかということを、私ども行政機関としても文書に記載をして保存をするということで行政の継続性を担保するということは大事なことだというふうに考えてございます。
 そういう観点からいたしますと、委員からコメントをいただいた記録、それから、それを踏まえて評価書案を修正をして、その修正のポイントについてどういう考え方で修正をしたのかということを記しておくという、これも大事なことだと考えておりまして、そういう意味では、今まで御提出申し上げた保存している文書でその役割は十分に果たしているというのが見解でございます。
 なお、先ほどもちょっと御紹介しましたが、この過程では、それまでの議論が積み重ねられてきたという背景がございますし、その過程においてやられた議論を事務局もそれから有識者の方々も共有をしていたという背景がございます。したがいまして、そういった方々の間で議論が最低限分かるようなものを作るという、こういう目的でこれらの資料がまとめられておりますので少し簡潔な書き方になってございますけれども、後々担当する者もそこのところは十分知見を持っているし、議事録等を見た上で判断をしようと思えばできるという状況にあったというふうに考えますので、現時点において問題はないというふうに考えてございます。
#26
○浜野喜史君 櫻田部長は、一定の記録は残す必要があるというふうにおっしゃったと思います。加えて、検討してきた有識者間で共有をしておくということも必要だというふうにおっしゃいましたけれども、結果的に、残された記録は、国民においてもそれが理解されるというものである必要があるというふうに私は思います。
 有識者だけが経過が分かればいいというふうにおっしゃったんじゃないというふうに思いますけれども、その部分、櫻田部長の方に御答弁をお願いします。
#27
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 現在保存している文書については以上のとおりでございまして、私どもの行政の目的からすると、そこについてはこれで十分だろうというふうに考えてございます。
 ただ、今委員から何度も御質問がありますように、これでは分かりにくいということを、外の方から見るとですね、そういう部分もあろうかと思います。そこについては御指摘に応じて御説明申し上げるということをさせていただきたいと思いますし、そういう意味で、この場の質疑の中でも御説明させていただいているということでございます。
#28
○浜野喜史君 国民においても理解される記録が残されておらなければならないということをお答えになられたんだと私は理解をいたしました。
 振り返ってみて、改めてこれは質問いたしますけれども、書換えの理由、経過が、書換えを提案をされた当時の記録として残っておりますのは、冒頭確認させていただきましたように、二か所のコメントですね、事務局が提案をしたコメント。そして、それに対して有識者からはノーコメントだった、明示的に賛成も反対もなかったと、この記録だけだというふうに思います。それ以外は後から説明をされた資料だというふうに思いますけれども、そういう事実、再確認させてください。櫻田部長、お願いします。
#29
○政府参考人(櫻田道夫君) 今の委員のお尋ねは最初の御質問と同じというふうに受け止めてよろしゅうございますでしょうか。
 現在保存して残している文書の中で評価書を修正していく過程において作成された文書は先ほど御質問されたものだけでございますし、その中で結論部分の書換えの理由が分かるものというのは先ほど委員が御指摘されたもののとおりでございます。
#30
○浜野喜史君 その部分で国民が書き換えた理由、経過を理解できるというふうにお考えかどうか、これも櫻田部長で結構でございます、お願いします。
#31
○政府参考人(櫻田道夫君) 私どもの考えとしては、国民というのもなかなか定義が難しい概念かと思いますけれども、ここに御提示したものと、それからそれまでに行われた議事録、大量にございますけれども、そういったものを分析していただければ、なぜこういう表現が修正されたのかという事務局の考え方についてはお分かりいただけるものと考えてございます。
#32
○浜野喜史君 私は信じ難い御答弁だと思います。
 もう一回質問させていただきます。書換えの理由が示されたのは二か所だけなんです。そして、二か所の理由を付けて有識者に問いかけを行った、それに関してノーコメントだった、賛成も反対も明示的にコメントはなかったと。これだけで、被規制者も含めた国民が、なるほどこういう経過、理由をもって書換えがなされたんだということが理解されるというふうにお考えだという御答弁でよろしいですか、もう一度お願いします。
#33
○政府特別補佐人(田中俊一君) 正確に先生の御質問の趣旨を理解しているかどうかちょっと自信はないんですけれども、つまり、書換えという御指摘されているのは、ピアレビュー会合での意見を踏まえて、より正確に、そこまで結論的な言い方をしていいのかという、そういったような御質問、御指摘があったので、それを踏まえたような表現になっているというふうに、この先生の出している資料でもそういうふうに書いてあると思います。
 ですから、これが本質的にどうかということ、要するに、破砕帯がD―1だけじゃなくて敦賀発電所の場合には幾つかありますので、そういったものとつながっている可能性があるのではないか、何で、D―1とK断層がつながっているということを言うのは言い過ぎではないかという御指摘等を踏まえたものとなっているということでございますので、特に問題があるというふうには承知しておりませんし、そもそも、国民に分かるかということですけれども、この評価会合は全て一切資料も含めてオープンでユーチューブで流されておりますし、その議論の過程とか資料を見ていただければ十分にそのプロセスは理解していただけるものと私どもは考えております。
#34
○浜野喜史君 田中委員長お答えになりましたが、櫻田部長に御質問させていただきます。再度です。
 全てオープンになっている、資料も出していただきました。資料を見た上で、繰り返しますけれども、書換え理由が明示的に示されているのは、もう繰り返しません、二か所です。正直申し上げて、意味不明な表現だと私は思います、失礼ながら。それが付けられて有識者に届けられて、有識者は賛成も反対もしなかった、ノーコメントだと。これで被規制者も含めた国民が書換えの経過、理由が理解されると。最終的な内容の是非論じゃないんです、プロセスが理解できるというふうにお考えかどうか、これを改めて御答弁をお願いします。
#35
○政府参考人(櫻田道夫君) 御通告いただいておらなかったので、今この場で考えて御答弁さしあげることをお許し願いたいと思います。
 行政のプロセス、行政庁がどういう理由でこのような判断をしたのかということについて後々の検証ができるようにということで資料を保存しておく必要があるというのは、それは委員の御指摘のとおりでございますし、そういうことを我々もやっているつもりでございます。
 ただ、その詳細について、残されている文書だけで国民の方々が全てを理解できるようにするということは、これまたなかなか困難なことかというふうに思います。したがいまして、行政文書の公開請求があった後に、ここに書いてあるこういうことはこれはどういう意味なんだということを御質問されることも多々ございます。そういう御質問に対しては丁寧に対応して説明をするということが必要だと思いますし、そういう意味で、環境委員会で浜野議員が提出を要求された昨年の要求に対して、私どもは、先ほど資料二ということを御紹介いたしましたけれども、これまでのそのプロセスについて改めて説明する文書を改めて作成をして御提出したという努力もしているということでございます。
#36
○浜野喜史君 事後説明に御対応いただいているということについては私も承知をいたしております。
 そして、全て克明に残さなければならないか、これも程度問題があろうかというふうに私も理解をいたします。しかしながら、先ほども申し上げましたように、結論部分、施設の存続を左右するような評価書の結論部分の書換えを事務局が提案をされた。提案をされるなら提案をされたで結構なんです。その理由、経過、記録が残されているのはこの二か所だけだと、何回も言いますけれども、何とでも解釈ができる記録である。そして、それにはノーコメントだった、特に議論はなかった。これが理由、経過だということでありますけれども、これで被規制者も含めた理解が得られると私は到底考えられません。
 もう一度だけ、櫻田部長、お答えください、くどいようですけれども。これで適切な対応なんだということでよろしいのでしょうか、お願いします。
#37
○政府参考人(櫻田道夫君) 何度も繰り返しの御質問でございますので、繰り返しの答弁になることは御容赦いただきたいと思いますが、行政文書の目的に照らして、私どもが保存している行政文書として今御提出したものが全てでございますし、それで必要十分なものになっているということを我々は考えてございます。
#38
○浜野喜史君 私はとても十分な記録が残っているとは考えられないということを改めて申し上げておきたいと思います。
 通告をしております質問を少し順序を変えさせていただきまして、質問を続けさせていただきます。
 資料の五ページを御覧いただきたいと思います。十二月二十二日に事務局に寄せられた鈴木先生からのコメント、これは正確に言いますと、ピアレビュー会合後、十二月二十二日に事務局に寄せられた鈴木先生からのコメントということであります。実は、このペーパーは、昨年の四月に提出をいただいた資料の、これ二ページでございますけれども、その中の資料五というところの末尾に添付されていたところでございます。それが、今年の四月に入りまして、この書換え問題について改めて追加資料の提出をお願いをしたところ、このペーパーは、ピアレビュー会合後、十二月二十二日に事務局に寄せられた鈴木先生からのコメントであったということをおわびをされた上で再提出いただいたということでございます。
 ここで質問ですけれども、昨年の四月断面では、プロセスが分かる資料はもう全て提出をしましたということでございました。にもかかわらず、このペーパーが、鈴木先生からのコメントであり、そして、ピアレビュー会合後、十二月二十二日に寄せられたものであるということがどのような調査によって判明したのか、このことについてお答えいただきたいと思います。
#39
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 御指摘の資料は、今委員の御指摘のとおり、本来この昨年提出した資料の中の資料五という評価書案でございますけれども、これとは別の資料が一枚、資料五の中に入っていたということで、その誤りに最近になって気が付いて訂正させていただいたということでございます。
 この別の資料は一体何なのかということについて確認をするためにいろいろ調べたんですけれども、この一枚の資料は、実は、電子ファイルの名前から十二月二十二日ということが分かりますし、当時のその担当者に確認した結果、このときにいただいたのは鈴木先生だけだったという記憶があったということでございますので、記録が残っていてそこを確認したということではなくて、今申し上げたように、ファイル名と当時の担当者への聞き取りということで十二月二十二日に鈴木先生からいただいたコメントであるということが判明したということでございます。
#40
○浜野喜史君 昨年、一旦本委員会に提出をしていただいた資料を訂正をされたということであります。訂正は訂正で私は結構なんですけれども、どのような経過で訂正をしたのかということ。担当者の当時の記憶に基づいて訂正をしたということになりますと、それはどうなのかということになりますので、訂正をされた根拠を改めて資料として本委員会に提出をしていただくようにお取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
 委員長、よろしくお願い申し上げます。
#41
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまの浜野君の要求につきましては、後刻理事会において協議いたしたいと思います。
#42
○浜野喜史君 その上で、この鈴木先生のコメントでありますけれども、ピアレビュー会合後、コメントが寄せられたということであります。
 ここで質問ですけれども、事務局が書換えの提案をされたのは、櫻田部長、このピアレビュー会合が十二月に行われましたので、その翌年の一月だったというふうに思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
#43
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 委員の御提出の資料を使わせていただいて恐縮でございますが、提出資料の二ページ目にその間の経緯に関する資料の一覧がございます。この中で、提出資料のB、ピアレビュー会合以降の議論に関する資料とありまして、この中に幾つか評価書案というものがあります。今委員御指摘のとおり、ピアレビュー会合以降に有識者に送付した資料で、一番最初の評価書案というのは一月二十九日に送ったものということでございます。
#44
○浜野喜史君 事務局が提案をされる前にこの鈴木先生のコメントは寄せられたということであります。
 この五ページ見ていただきたいんですけれども、分かりやすくするように枠取りをいたしております。日本原電の主張に基づけば、K断層はD―1破砕帯と一連の構造であるという記述がなされております。事務局が提案されたように、D―1破砕帯等、いずれかのなどという記述はこの中には入っておりません。
 有識者のお一人がこのような記述でいいんだというコメントを寄せられた後に、あえて書換えの提案をされた経過を御説明いただきたいと思います。
#45
○政府参考人(櫻田道夫君) 御質問でございますけれども、当時、私ども事務局としては、ピアレビュー会合でいただいたコメントを有識者の方々にどのように反映していただくかということを考えて評価書の修正について提案をするという作業をしてございました。その中で、今委員御指摘のとおり、鈴木先生からはこういうコメントをいただいていたことは事実でございますが、そのお一人の一部分に関するコメントのみを反映した評価書案を作るということよりも、ピアレビュー会合でのコメントを踏まえて、そのほかの部分も含めた全体の修正案というものを作って、それを有識者に見ていただいて、またそこにコメントをいただきたいと思っていましたので、そういうプロセスをして、やっていこうということで御提案申し上げたわけでございます。
#46
○浜野喜史君 ピアレビュー会合における岡田先生、粟田先生のコメントを踏まえて提案をされたということを前回も御説明されましたので、それに関しては、どのようにコメントを踏まえたのかという資料を要求させていただいて、それを御検討いただいているというところでありますので、それは資料を提出していただいた上でまた改めて質疑をさせていただきたいと思います。
 今の御説明では、ピアレビューにおけるお二人のコメントがあったと。一方、鈴木先生も、このペーパーにもありますように、結論部分、鈴木先生は一方で、記述はそのままでいいんだということを寄せられてきている。これをどう比べて事務局は提案をされたのか、この御説明願います。
#47
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 前回の質疑で委員から御要求のあった資料については、済みません、少し時間が掛かってございまして恐縮でございますが、間もなくまとめて御提出させていただきたいと思います。
 その内容と全く同じなんですけれども、前回もお答えいたしましたが、ピアレビュー会合では、粟田委員、岡田委員から、本日御提出の配付された資料にも紹介されていますように、K断層とD―1破砕帯とは異なるのではないかとか、K断層とつながるのはD―1破砕帯に限るという根拠はないんじゃないかと、こういう御指摘があったのも事実でありますので、その部分についてやはり何らかの反映をする方が適切なのではないかということを考えて、こういう修正案でどうだろうと。この修正案に対してまた有識者の方々から、それは元に戻すべきだというコメントもあるかもしれませんし、一度提案をして先生方の御意見を聞こうと、こういうことで提案させていただいたということでございます。
#48
○浜野喜史君 敦賀の関係は、本日のところはもう一問だけにさせていただきたいと思います。
 資料六を御覧いただきたいと思います。同じく鈴木先生からのコメントでございます。昨年の四月に提出いただいた資料のうちの資料十一でございます。冒頭部分と最終部分だけこれは切り取って今日配付させていただきました。鈴木先生はこういう意見を寄せられております。結論としてこの案には問題が多く、私は賛同できません、これがリード部分でございます。締めくくりの部分で、したがって、私はこの評価書に賛同できませんというコメントを寄せられておられます。
 最終的に、鈴木先生はこの評価書を承認されたかどうなのか、私は疑問があります。どのように鈴木先生、最終的に承認をしたということを確認をされたのか、そして当然、この記録は残しておくべきだったというふうに思いますけれども、承認がされたというメールが届いたという説明でありますので、それをなぜ残していないのかも含めて御答弁をお願いしたいと思います。
#49
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 配付資料六ページの鈴木先生からのコメントというのは、二月二十日版へのコメントということであります。その後、三月五日付け、それから三月十日付けでまた修正をしたものをお届けをしてございます。これについてもコメントがあればいただきたいということでやってきましたが、この当該部分については、何度も申し上げますけれども、コメントはいただいていないということでございますし、そういう意味で、この二月二十日以降に改めて御提出申し上げた評価書案に対する意見の聴取というのもやった上でこの評価書をまとめたということでございます。
 それから、鈴木先生の承認について、承認メールを保存していなかったのはなぜかということでございますが、コメントをいただいていないということと、それから、最終的に修正する必要があるものはやはりそこは保存しておかないといけないというふうには考えますけれども、何といいますか、証拠を残すという、そういう考えではやっておりませんでしたので、いずれにしても、修正コメントがなかったということをもって私どもは鈴木先生の承認を得られたものというふうに今でも考えておりますし、それで十分であろうというふうに考えているところでございます。
#50
○浜野喜史君 昨年提出していただいた資料においては、各有識者からは承認メールは届けられていたという説明をいただいておりました。それは、櫻田部長の今の御説明だったら、そういう承認メールは届いていないということですか、お願いします。
#51
○政府参考人(櫻田道夫君) ちょっと今この場で資料を確認させていただこうと思ったんですが、持ち合わせていないので、正確なところは差し控えさせていただきたいと思います。
#52
○浜野喜史君 委員長、これはまた確認いただきたいと思うんですけれども、説明いただいていましたのは、有識者から承認メールは届いていると、しかしそれは今後の業務に必要がないので削除をしたということでありますので、説明が、答弁が食い違っているということは指摘をさせていただきたいと思います。
 この件につきましては、資料要求もさせていただいているところでありますので、今後とも質疑をさせていただきたいと思います。
 残りの時間を使いまして、原子力規制の三年以内の見直しについて環境省にお伺いをしたいと思います。
 原子力規制の三年以内の見直し、昨年の秋が節目でございました。原子力規制組織の要件、意思決定過程の透明性の確保など、主な指摘事項を七点に整理をした理由、経過は何なのか、さらに、原子力利用における安全の確保に関する最新の国際的な基準をどのように踏まえて検討をされてきたのか、お答えを願いたいと思います。
#53
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 規制委員会の設置法附則第五条におきましては、原子力利用の安全確保に関する行政組織について三年以内に検討を行い、必要な措置を講ずることとされております。このため、省庁横断的な検討チームであります三年以内の見直し検討チームにおきまして検討を行いまして、昨年九月に最終取りまとめを行いました。その検討に当たりましては、この附則で踏まえるべきものとして挙げられております国会事故調査委員会の報告書の内容、それからIAEA、国際原子力機関の定める安全原則の指摘事項に加えて、規制委員会設置法制定時の附帯決議なども参考にいたしまして、高い独立性などの原子力規制組織の要件、意思決定過程の透明性確保など、七つの課題を抽出したところでございます。
 また、国際的な基準といたしましては、今申し上げましたように、国際原子力機関、IAEAの定めた安全原則を参考にいたしまして、原子力利用における安全の確保に係る事務を所掌する行政組織の検討につきましては、この安全原則が原子力に係る規制機関が利害関係者やその他の全ての機関から実質的に独立であることが求められていることなどを参考にしたところでございます。
#54
○浜野喜史君 この見直しに当たって関係方面からどのように意見集約をされたのかということについてお伺いをいたします。
 広くやはり意見を聞いた上で検討していくということが必要だったかと思います。特に、被規制者の意見を聞くべきではなかったのかなというふうにも考えられます。これは、意見が出たからといって採用するかどうかは別問題で、やはり聞くべきは聞くという姿勢が必要だったのではないかというふうに思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
#55
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 三年以内の見直し検討チームの検討に当たりましては、先ほどお話ししたように、設置法附則で踏まえるべきとして挙げられている国会事故調の報告書の内容、それからIAEAの定める安全原則の指摘事項以外に、当時、三年以内の見直しに関しまして公に表明されておりました全国知事会などの様々な提言や要請等について分析をさせていただきました。その中に、御指摘の被規制者の、あるいはその団体からの特段の意見書というのは公表されたものはございませんでした。
 また、検討に当たりまして、今申し上げましたようなその提言、安全原則や提言など幅広く参考にしておりますけれども、具体的な対応方針の検討は、関係省庁と連携しつつ政府において責任を持って行うとしたことから、個別の団体や事業者の意見を直接にお聞きするというようなことはしなかったということでございます。
#56
○浜野喜史君 確認をさせていただきたいと思うんですけれども、被規制者の意見はそもそも聞くべきではないんだという観点に立って対応されたというわけではないというふうに私は理解するんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
#57
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、当時の検討では、その際に公に表明されていた様々な提言や要請等について分析をしたということでございます。ですから、それがどこからかということを特段考慮はしておらなかったところでございます。
#58
○浜野喜史君 三年以内の見直しの関係、最後の質問にさせていただきたいと思います。今後とも不断の見直しを行っていただくべきではないかという御質問でございます。
 実効ある厳正な原子力規制行政ということにつきましては、ひとしく国民の期待するところだというふうに思います。そのような規制行政に向けて、不断の検討、必要な見直しを行っていくべきだというふうに考えますけれども、前向きな考え方の表明をいただければというふうに思います。
#59
○大臣政務官(白石徹君) 浜野委員にお答えいたします。
 委員おっしゃるとおりでありまして、三年以内の見直し検討チームの最終取りまとめにも、原子力安全に向けた取組には終わりなく、継続的に取り組むものであるというふうに明記させていただいております。ところが、原子力規制庁に関する今後の継続的な改善については、最終取りまとめにも書き込んでありますけれども、まずは原子力規制庁の自らの取組として、国際原子力機関、IAEAによる総合規制評価サービス、IRRSでありますけれども、の指摘なども踏まえつつ進められていくものと考えております。
 また、原子力利用の安全確保については政府全体として取り組むべきものでありまして、このため、原子力利用の安全に係る行政組織の検討については、環境省を中心として、引き続き、今後の状況の変化や新たな知見などを注視しつつ、関係省庁の協力を得て、必要に応じて行ってまいるつもりでございます。よろしくお願いします。
#60
○浜野喜史君 終わります。
#61
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は一般質疑ということで、私からは、現在施行されておりますいわゆる小型家電リサイクル法に関連いたしまして順次質問をしたいと思います。
 平成二十五年四月に施行されましたいわゆる小型家電リサイクル法でありますが、施行から先月でちょうど丸三年が経過をいたしました。この小型家電リサイクル法に基づきます諸施策の進捗状況につきましては私も様々伺っておりますが、この小型家電リサイクル網の構築という点につきましては、環境省の御尽力によりまして着実に拡大しつつあると、このように認識をしております。
 しかし一方で、回収段階での課題を始め、改善すべき点はまだまだ多くあるように見受けられますので、限られた時間ではございますが、これらの点につきまして何点か確認をしておきたいと思います。
 まず、小型家電リサイクルの現状と実績について質問いたします。
 環境省では、実際に使用済小型家電の回収を担う市町村に対して回収ボックスの設置などの支援を行っております。その結果、平成二十七年四月の時点では、既に回収体制を構築しております市町村が千七十三市町村と、全市町村の六一・六%に達し、施行当初の三百四十一市町村と比べますと参加自治体が約三倍に増加したと聞いております。また、これに加えまして、回収実施に向けて調整中の市町村は、昨年時点で二百三十二市町村であるとも聞いております。
 そこで、環境省に質問いたします。昨年の調査結果から一年が経過し、市町村の実際の参加状況はどの程度向上したのか、また、具体的な数字が出ているのであれば、その数値と自治体の参加状況に対する環境省の見解について伺います。
#62
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 平成二十五年四月に施行されました小型家電リサイクル法でございますけれども、市町村が主体となった回収体制を構築するということで、環境省では、広報あるいは回収ボックスの設置などにつきまして市町村に支援を行ってまいりました。その結果、今御質問の中でも触れておられましたけれども、平成二十七年四月の時点では、小型家電リサイクルを実施中の市町村は一千七十三市町村に上り、全市町村に対する割合は約六二%、居住人口ベースで見ますと約八〇%というふうになってございます。
 御質問の昨年の四月そして今年の四月との参加状況の比較という点につきましては、現在、数字については調査中で数値という形では出ておりません。ただ、昨年四月時点の調査で実施に向けて調整中との回答があった市町村が二百三十二、一三・三%ございました。そういうことで、参加状況は更に向上して七割を超えるのではないか、また、居住人口ベースでは九割に近づくというふうに見込んでいるところでございます。
 既に多くの市町村に小型家電リサイクル制度に参加いただいておりますけれども、環境省としては、平成三十年度までに市町村参加率八〇%以上と、こういう目標を立ててございまして、その達成に向けて引き続き市町村への支援を続けてまいりたいと考えております。
#63
○杉久武君 今ございましたとおり、市町村ベースで七割、そして人口ベースで九割になるのではないかということで、市町村の参加状況につきましては着実に増加をしていると。大変好ましい状況にあると思います。
 しかし一方で、回収を実施しないとしている自治体も少なからずございます。その理由として挙げられているのが、例えば、実際に参加しようとしてもそもそも使用済小型家電の排出量が少な過ぎるといった意見や、あるいは回収を行うにも組織体制的に困難であるとする意見があるというように伺っております。これら回収は行わないと表明している自治体の背景にあるのは、例えばコストや手間といった負担の増大に対処できないとか、あるいは使用済小型家電の回収量に見合うだけの収益が得られないといった懸念があるのではないかと考えます。
 そこで、環境省に質問いたします。このような懸念に対処するためにも、例えば複数の自治体が協力して広域的な回収や処理を行うことでコスト削減や収益向上を図るなど、国としてもこういったサポートをすべきではないかと考えますけれども、環境省の見解を伺います。
#64
○政府参考人(鎌形浩史君) 御質問にもございましたように、既に多くの市町村で回収体制が構築されてございますが、市町村へのアンケート調査、私ども行った結果ですと、回収を実施しない市町村からは小型家電の排出量が少量過ぎる、あるいは組織体制的に小型家電の回収が困難である、こういった意見が多く見られているところでございます。そのため、複数の自治体が協力して広域的な回収や処理を行うことにより、コストの削減等を図ることは重要であると、こういうふうに認識してございます。
 このため環境省におきましては、昨年度の支援事業で、徳島県や山口県におきまして、県が主体となって複数の市町村と連携して回収体制の構築を行う都道府県連携型の実証事業というのを行ったところでございます。その中では、例えば事業者の回収日時を複数の市町村で同じ日に調整する、こういったことによりまして回収の回数自体を減らしてコストの削減、輸送コストの削減につなげる、こういったようなこともやっているというところでございます。
 そういうところで、今後もこうした事例を積極的に発信していくということなどを通じて、市町村におけるコスト縮減と収益向上のための支援を行っていきたい、このように考えております。
#65
○杉久武君 今、様々自治体で取り組んでいる実証実験についても御紹介をいただきました。やはり、こういったいい例をできるだけ多くの地域、自治体に横展開をしていっていただいて、この回収実績の向上に役立てていただきたいというように思います。
 次に、小型家電の回収目標について質問いたします。
 小型家電リサイクル法に基づく基本方針では回収目標が定められておりまして、この回収目標は平成二十七年度までに年間十四万トンの回収を目指すとされておりました。この目標に向けて、平成二十五年度では、一万三千トンの回収想定に対し回収実績は二万三千九百七十一トンと、想定の二倍近い回収量を得られました。良い滑り出しとなったと思います。また、その翌年となります平成二十六年度では、五万二千トンの回収想定に対し実績は五万四百九十一トンと、想定より少し下回るものの想定とほぼ同数の回収量となっております。回収量それ自体は堅実に伸びていた、このように認識をしております。
 しかしながら、平成二十七年度までの回収目標は年間十四万トンでございましたので、二十六年度の回収実績と比較しますと、目標との差は三倍近くもの開きになっております。目標達成までには極めて大きな隔たりが生じてしまっている、このように考えております。
 そこで、環境省に確認いたします。平成二十七年度の実績はどの程度となったのか。現在、精査中であるかもしれませんが、少なくとも十四万トンの回収目標に達したのか、あるいは目標に近づいているのか、若しくは目標には程遠い厳しい結果になるのが予想され得るのか。ある程度の感触は、年度も終わっておりますのでつかんでいると思います。これらの点につきまして、環境省の見解を伺いたいと思います。
#66
○政府参考人(鎌形浩史君) 平成二十七年度の回収実績につきましては、現在、全国の市町村などへ調査中でございます。六月には調査結果をいただくということにしていますが、この調査結果の集計には一定の時間を要します。市町村からの回収データ等、あるいはリサイクル事業者からの回収データを突合させるなど、そういった意味の時間を要しますので、取りまとめ後、御報告させていただけるのは本年秋になるというふうに考えているところでございます。
 また一方、自治体関係者や事業者等からヒアリングも行っております。そういったところの感触というところでございますけれども、平成二十六年度の実績値、今御指摘ございましたように、平成二十六年度につきましては、当初想定の五万二千トンに対して実績五万四百九十一トンということで、ほぼ想定どおりでございますけれども、そういった平成二十六年度の実績値は大きく上回っていくだろうという見通しは持っております。
 ただ、平成二十七年度の目標値であります十四万トン、これは非常に大きな数字となってございまして、この達成は非常に厳しい状況にあるというふうに考えてございます。この背景には、参加市町村数は増えていますけれども、市町村のそれぞれの回収量にはばらつきがあって、回収量が少ない市町村も多いという点などが課題であると考えてございます。
 環境省といたしましては、回収実績の調査を進めつつ、課題分析をしっかりと行った上で、引き続き回収量の拡大を図ってまいりたいと考えております。
#67
○杉久武君 今、二十七年度の見込みというかお話がありましたが、二十七年度までは回収目標が設定されておりまして、この二十七年度が終了したところであります。今後は平成二十八年度以降の回収目標をどうするかが課題となってまいります。
 先ほども申し上げましたとおり、小型家電リサイクル法に基づく基本方針におきましては、この回収目標について、目標の達成状況や社会経済情勢の変化等を踏まえて適宜必要な見直しを行うと規定されております。
 そこで、質問いたします。新たな回収目標については、今、平成二十七年度の回収実績は精査中でございますけれども、平成二十七年度の実績が十四万トンに達するのは厳しいという状況でありますが、その目標を引き続き踏襲し、実現を目指していくのか、このようになるのか、また、その際は何年度までに目標を達成する考えなのか、伺いたいと思います。
#68
○政府参考人(鎌形浩史君) 小型家電リサイクル法に基づく基本方針におきましては、平成二十七年度までに年間十四万トンの回収目標を掲げてございますが、この目標につきまして、平成二十七年度までの実績などを踏まえて必要な見直しを行い、次期目標を設定するということとしてございます。その際には、回収実績のみならず、小型家電の流通量、資源価格の動向など、社会経済情勢の変化などを踏まえた上で検討していくこととしてございます。また、自治体関係者やリサイクル事業者からのヒアリングなどを通じまして、回収に当たっての課題などを分析する必要もあると考えております。
 したがいまして、年間十四万トンの回収目標の達成、未達成につきましては、目標見直しに際しての重要な要素ではございますが、社会経済情勢や回収課題の分析などを行いまして、それをしっかり踏まえた上で目標の維持あるいは見直しをその時点で判断していきたいと考えてございます。
 また、新たな目標年度をどうするかということでございますけれども、この点につきましても、小型家電リサイクル法では、平成三十年、法施行後五年を経過した場合において必要な検討を加えて必要な措置を講ずるとされてございますので、そういった平成三十年以降に予定されているリサイクル法自体の施行状況の検討、このタイミングも見据えてその目標年度についても設定していきたい、このように考えているところでございます。
#69
○杉久武君 次に、回収量の向上に向けた質問をしたいと思います。
 回収量が伸び悩んでいる課題の一つに、入口部分である回収段階での問題が大きいのではないかと考えております。すなわち、先ほどの十四万トンの目標値を借りて申し上げますと、まず、私たち一人当たりから一体どの程度の小型家電を回収すれば十四万トンの目標に達するのかといえば、平成二十七年度における想定の数値に基づきますと、一人当たり平均約一・一キロ分の小型家電を回収する必要がございます。しかしながら、この一・一キロの小型家電を確実に回収するには、そのやり方というものが、自治体の考え方と小型家電を出す側の私たち一人一人のニーズとの間に何かミスマッチが起こっているのではないか、このように考えるわけであります。
 具体的な例を申し上げますと、例えば小型家電を回収する際には、家電小売店などに回収箱を設置するボックス回収方式や自治体が粗大ごみや不燃ごみと一緒に回収するピックアップ回収、あるいは、ごみ集積所に小型家電専用の置場を設けて行いますステーション回収などの方法が取り入れられております。
 この中で、自治体の立場から見ますと、一番手間の掛からないボックス回収が最良であるということになるのでしょうが、このボックス回収を取り入れている自治体は五五・九%で最も多くなっております。しかしながら、一人当たりの年間回収量に換算しますと、ボックス回収よりもステーション回収やピックアップ回収の方が回収量が上回っております。これはある意味当然のことだと思います。やはり回収量を増やしていくのであれば、小型家電を出す側にとって出しやすい環境、これを自治体が整備していくことが大事でありまして、行政の側から積極的に回収しませんとやはり回収量の向上は望むべくもないと考えます。
 そこで、質問いたします。自治体によっては様々事情があるとは思いますが、ボックス回収といった言わば受け身一辺倒ではなく、少しなりとも積極的な回収に軸足を移すよう環境省としても後押ししていくべきではないかと考えますが、環境省の取組について伺います。
#70
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のボックス回収、そしてステーション回収、ピックアップ回収、この比較でございますが、平成二十六年度の回収実績を見ますと、ボックス回収により年間五トン以上を回収した市町村数は全体の約二割にとどまっていたということに対しまして、ステーション回収やピックアップ回収により年間五トン以上回収した市町村数は全体の約七割に上ったということでございます。このように、全体として見ればステーション回収やピックアップ回収の方が回収量が多いと、こういうような結果が示されました。
 また、一例でございますが、平成二十七年、鹿児島市の例を申しますと、二十九か所でのボックス回収、そして一か所でのピックアップ回収をしてございますが、この二十九か所では全体の七七%の回収でございましたが、一か所のピックアップ回収で全体の二三%を回収するということでございまして、こういったように複数の回収方法を組み合わせて効果的に回収を行っているという例も見られるというところでございます。
 ボックス回収に比べ、ステーション回収は地域住民との調整が必要なことや、ピックアップ回収は人件費等の市町村の負担が増えるなどの課題がございます。そして、そのため環境省といたしましては、主にボックス回収のみを実施している市町村に対して、複数の回収方法により効果的な回収を行っている優良事例を紹介いたしたり、あるいは各市町村に対して簡易に小型家電リサイクル事業の費用便益を計算するための計算ツールを作成して配布する、こういったことを通じまして複数の回収方法の実施を促すことによりまして回収量拡大の後押しを進めているというところでございます。今後ともこうした取組を進めてまいります。
#71
○杉久武君 積極的な回収促進に努めていただきたいと思います。
 次に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに関連して質問いたします。
 昨年の六月に、秋田県の大館市と青森県の八戸市、そして岩手県の一関市が共同して、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックで授与されるメダルの材料に小型家電から取り出した金、銀、銅を使用してはどうかという提案がオリンピック組織委員会などに提出をされております。これは大変すばらしい話であろうかと思います。例えば金メダル一個につき六グラムの金が使用されるそうでありますが、この六グラムの金は、携帯電話に換算しますと約三百台分で賄える量だそうでございます。
 これらがもし実現することになれば、例えば日本は回収金属を活用したメダルを使用する、言わば環境に配慮した東京オリンピック・パラリンピック大会として全世界にも大きなインパクト、PRになるのではないでしょうか。またさらに、国内的にも小型家電のリサイクル啓発に大きな効果が現れ、国民の小型家電リサイクルに対する認識も好転するのではないか、そして小型家電の回収率向上につながるのではないかと、このように考えているわけであります。
 そこで最後に、環境大臣に伺います。このような小型家電から回収した金属を活用したメダル製造の提案については、実現に向けて積極的に後押ししてはどうかと考えます。また、あわせまして、日本は今や都市鉱山の資源大国と言われておりますが、実際は潜在的な可能性を指し示しているだけにすぎないのが実情であると言わざるを得ません。小型家電を真に都市鉱山とするためには、資源化に向けた更なる技術開発はもとより、回収から再資源化に至るきめ細やかな仕組みづくりが一層必要になってくると考えますが、小型家電回収の向上に向けました大臣の見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#72
○国務大臣(丸川珠代君) 平成二十七年六月に、大館市、八戸市、一関市の三市が共同で、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会に対して、使用済小型家電から回収された金属でメダルを作成することを提案されたことは承知をしております。環境省としては、このような取組が実現すれば、我が国のリサイクルへの取組を国際的にアピールし、また国民の普及啓発を図る上で大変有意義であると認識をしております。
 この御提案については、現在、組織委員会でも認識をされておりまして、今後の対応はこの組織委員会での検討結果を踏まえて進めるべきものと考えておりますが、環境省においては、三市と担当者レベルで意見交換を重ね、必要なデータや技術的知見の提供などを行っております。
 また、小型家電の回収量の向上に向けてですが、小型家電のより効率的、効果的な回収、再資源化のための優良事例の共有や普及啓発等を積極的に進めてまいります。
#73
○杉久武君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#74
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 今日は、水俣病問題についてお聞きをしたいと思います。
 公害の原点とも言われる水俣病が公式確認されてから、今年の五月一日で六十年になりました。各紙もいろんな特集記事を組みましたが、朝日新聞が、熊本学園大学と共同で実施したアンケート結果、これを掲載をいたしました。このアンケートからは様々な患者、被害者らの切実な思いが伝わってまいりますが、今年は節目の六十年ということもあり、改めて水俣病問題の全面解決に向けた取組の基本的な考え方についてただしていきたいと思います。
 まず、環境省にお聞きしますが、一九七三年の熊本水俣病第一次訴訟で原告側が勝訴して、認定患者と加害企業、昭和電工とチッソですね、が補償協定を結びました。それによって認定申請急増しました。
 一九七七年、国は、被害者ではなくて加害企業を救済するために、従来より認定の幅を狭めて、手足のしびれや視野狭窄など複数の症状を要件とする部長通知を出したと。これを契機に申請の棄却割合が大変増えていきました。しかし、それでも認定申請は減らずに、約二千人が損害賠償を求めて裁判に訴えました。
 そういう流れの中で、国は一九九五年にいわゆる政治的解決を図りましたが、それによってどれぐらいの人たちが救済されたでしょうか。
#75
○政府参考人(北島智子君) 平成七年の政治解決の医療費等の支給を受けた人の数でございますが、三県合計で一万一千百五十二人の方が一時金及び医療手帳の該当に、また千二百二十二人の方が保健手帳の該当になってございます。
#76
○市田忠義君 しかし、それで終わることはありませんでした。
 提訴から二十二年間闘い続けた関西水俣病訴訟は、二〇〇四年最高裁判決において、被害を拡大させた行政の責任とともに、国の認定により幅広い救済を認めさせました。しかし、国は、認定基準を見直さないまま、軽い症状の人の医療費等を負担する救済策、いわゆる新保健手帳を二〇〇五年に再開しました。この新保健手帳はどれぐらいの人に支給されたんでしょうか。
#77
○政府参考人(北島智子君) 平成十七年の最高裁判決後に新保健手帳の交付を受けた方は、三県合計で二万八千三百六十五人になっております。
#78
○市田忠義君 それでも認定申請数は激増して、約三千人の人たちが裁判を起こしました。そのために、再び国は事態収拾に乗り出さざるを得なくなったと。その対応策として二〇〇九年に成立したのが水俣特措法であります。これはどれぐらいの人たちが救済されたんでしょうか。
#79
○政府参考人(北島智子君) 特措法による救済でございますが、三県合計で一時金等の支給対象となった方は三万二千二百四十四人、療養費の支給対象となった方は六千十三人となっており、合わせて三万八千二百五十七人が救済の対象となっております。
#80
○市田忠義君 今言われましたように、四万人近くの人が救済されました。
 環境大臣にお聞きしますが、しかしこれで果たして納得のいく救済がされたかと。朝日新聞のアンケートによりますと、患者や被害者らは、いわゆる特措法の対象年齢や対象地域の線引きについてもっと広げるべきだった、そう答えた人が五七・七%、約六割にも上ったと。年齢の線引きはもっと若い人も対象とするべきだった、これ四割、四三%。そして、約六割が申請期限を長くするべきだった、これ三年間で打ち切られましたけれども、長くするべきだった、こう言っています。
 それで、環境大臣の私的懇談会、これは水俣病の公式確認五十年に当たって、水俣病に係る懇談会というのが環境大臣の当時の私的懇談会として提言をしています。これは座長が元東大総長、文部大臣をやった有馬さんだとか、ノンフィクション作家の柳田邦男氏、政治評論家の屋山太郎氏、前の水俣市長なんかも加わっているところですが、そこが二〇〇六年に出した提言書の中に、もし国がチッソを始め産業界全体に対し、有機水銀汚染に対して徹底的な対策を取っておれば、昭和四十年、一九六五年五月に明らかになる第二水俣病の新潟水俣病の発生が防ぎ得たであろう、また、水俣地域の被害者数が増えるのを最小限に食い止めることができたであろうと、そう述べています。
 朝日のアンケートで示された、先ほど紹介した患者や被害者の皆さんの声は、こういう国の不作為を厳しく私は指摘していると思うんですね。これが被害を拡大させた大本であると。大臣もそう認識していらっしゃるでしょうか。大臣の私的懇談会の提言の中でも国の不作為を認めているわけで、被害の大本にそういうことがあるという認識は大臣も共有していらっしゃいますか。
#81
○国務大臣(丸川珠代君) 平成十六年十月に出された水俣病関西訴訟の最高裁判決でも、国及び熊本県に水俣病の被害の拡大を防止できなかった不作為の不法行為責任があると判示されたものと承知をしております。
 そしてまた、新潟水俣病は、熊本県における水俣病の公式確認から九年が経過をして起きた第二の水俣病であり、この発生を防ぐことができなかったという歴史的事実は環境大臣として重く受け止めております。
 今後も国として、水俣病問題に対してしっかりと取り組み、関係地方公共団体と連携をしながら、地域の皆様が将来にわたって安心して暮らしていける社会を実現するために引き続き努力をしてまいりたいと思います。
#82
○市田忠義君 重く受け止めると言われましたので、お聞きしたいんですが、新潟でも患者会から同じような話を私聞きました。特措法は五十歳以下の人を対象としていないために、対象外となる人はほとんど申請しませんでした。しかし、現実はどうか。
 ある四十代前半の男性の方は、一九六五年に新潟水俣病が公式確認された数年後に生まれられました。川魚をすり潰して離乳食にしていた。指のしびれや痛み、目まいなど、様々な症状を感じていた、でも、仕事の疲れのせいだと思っていたと。また、四十代後半の女性の方は、両親は特措法の該当者、偏見の目で見られるのが嫌だったと。歩行時につまずく、しびれで生活に支障が出てきた。四十年以上水俣病を診察しているお医者さんは、二人とも水俣病だと言っていると。
 先ほど紹介した懇談会の提言の中で、新潟水俣病の被害は国の不作為によるものである、そう断罪されて、大臣も重く受け止めるというふうに言われました。重く受け止めるのなら、年齢や地域の線引きによって対象を限定する、こういう行為はやめるべきじゃありませんか。
#83
○国務大臣(丸川珠代君) 特措法の対象地域、また出生年については、ノーモア・ミナマタ訴訟において裁判所が示した和解所見を基本に、訴訟しなかった患者団体との協議も踏まえて定められたものでございます。
 対象地域外の方や昭和四十一年以降に生まれた方でも暴露の可能性が確認をされれば救済の対象とすることとされており、県において丁寧に審査をされているものと承知をしております。
#84
○市田忠義君 私はそういう捉え方が問題の解決を遅らせていると思うんです。依然として潜在被害者はもう多数残されています。
 これは環境省にお聞きしますが、公害健康被害補償法、いわゆる公健法、これに基づく認定患者は、熊本、鹿児島、新潟の三県でどれぐらいいますか。
#85
○政府参考人(北島智子君) これまでに合計二千九百八十五人と承知しております。
#86
○市田忠義君 認定されたのは、今言われたように、たった三千人弱なんですね。
 これも環境大臣にお聞きしますが、患者として認められないで、補償を受けられないで低い額の一時金や医療費などの救済を受けた被害者は七万人以上に上っています。これは余りにも認定基準が厳し過ぎるからであります。現行の認定基準は、申請者が急増して加害企業の負担を軽減するために認定の幅を狭めたものであって、私は、環境省として改めて実態をよく把握した上で、この際、認定基準を見直すべきじゃないかと。ちょうど公式確認六十年を迎えたこの節目の年こそ認定基準の見直しに踏み出すべきだと思いますが、大臣の認識をお聞きしたい。
#87
○国務大臣(丸川珠代君) まず、特措法については、公健法に基づく認定、補償とは別に、多くの方が様々な形で多大な努力をし、そして合意を積み上げてきた結果として、あたう限り救済をするということを意図して制度化をされたものと認識をしております。そして、水俣病特措法によって多くの方が救済されたということについては水俣病対策において大きな前進であったと考えておりますが、一方で、認定の基準についての件でございますけれども、これについては、平成二十五年四月の最高裁判決においては、昭和五十二年判断条件を否定されたものとは理解はしておらず、また認定、補償制度そのものを否定する指摘もされていないと承知をしております。
 環境省としましては、最高裁判決において水俣病の認定に当たっては総合的検討を行うことが重要であることが改めて指摘をされたということを踏まえて、現行の認定基準である昭和五十二年判断条件に示されている総合的検討をどのように行うか具体化をした通知を平成二十六年の三月に出しております。現在、この通知に沿って臨水審及び各認定審査会において丁寧な審査を積み重ねているところでございます。
 今後とも、関係の県、市と密に連携をしながら丁寧な認定審査を行ってまいりたいと考えております。
#88
○市田忠義君 いろいろ言われたけど、現行の認定基準は適正だと。
 最高裁判決にのっとって新しい通知を出したと、幅を広げたとおっしゃいましたから聞きたいと思うんですけれども、現行の認定基準よりも幅広く症状を認めた二〇〇四年の関西水俣病の最高裁判決、最近でいいますと、症状の組合せがなくても認定する余地があるとして基準の運用見直しを求めた一三年の最高裁判決。すなわち、私が言いたいのは、認定基準を見直す機会は何回もあったと。ところが、これらを受けて二〇一四年に、先ほど大臣が言われた、環境省、一つの症状であっても認定する場合あり得るというので新指針の通知を出されたのは私も知っています。
 じゃ、聞きますが、その新指針ができてから何人が認定されましたか。
#89
○政府参考人(北島智子君) 通知を発出いたしました平成二十六年三月から平成二十八年三月までの期間における認定者数は、熊本県で二名、鹿児島県で一名、新潟県で三名の合計六名であると承知しております。
#90
○市田忠義君 何が幅を広げたんですか。たった六名じゃないですか。なぜこんなに少ないと大臣は思われますか。
#91
○国務大臣(丸川珠代君) 認定に当たっての基準というものを総合的に判断する方向に、例えば、暴露歴や生活歴等を十分に考慮すること、具体的な因果関係を総合的に検討すること自体は幅を広げたということであると認識をしております。それが患者様方の認定ということに対して数字の上で直接的な影響を与え得るものかどうかということについては、これはまた別の問題であると考えております。
 条件はあくまで条件でありますし、認定の基準は基準でございますので、この運用に対してはしっかりと因果関係、実態というものを踏まえた上で総合的に判断するものとして、医学的判断のみならず幅を広げたということだと認識をしております。
#92
○市田忠義君 全く認識が間違っているんですよ。幅を広げたのにたった六人しか認定されない、そんなことあるはずがないんですよ。
 なぜこんなに少ないか。それは、環境省が出した新しい指針が、現行の認定基準は全く変えないで、一つの症状で認定する場合の条件にどういう条件を付けたか。できるだけ客観的資料による裏付けが必要だと。
 私も客観的資料があるのが望ましいと思います。しかし、患者側にメチル水銀の摂取の証明求めると。どんなことを求めたかというと、当時魚介類を多食した証明をしろと。そんな何十年も前の魚を買った領収書を保管している人が一体どこにいるのかと。発症当時の毛髪やへその緒、そういう証拠品の提出まで求めたんですよ、新通知は。すなわち、ハードルを上げて認定患者を相変わらず狭める中身になっていると。これ、幅広げたと言うけれども、これじゃ従来と変わらないどころか、かえって厳しくなったと。私は二つの最高裁の判決が全く生かされていないと指摘したいと思います。
 大臣に聞きます。大体加害者が、加害者といえば国と加害企業ですね、加害者が勝手に厳しい認定基準を決めて被害者に証拠の提出を求めるというのは、これ本末転倒も甚だしいと思うんですよ。これは、加害者はチッソや昭和電工と国や県なんですよ。被害者は、あるいは患者は一切何の責任もないんです、何の落ち度もないんですね、魚を食べただけの話ですから。もっと前から分かっていたんだから、ちゃんと規制をやっておけばよかったのに、国の不作為が何度も指摘されているわけですから。患者や被害者などのアンケートでも、一九七七年の現行の認定基準について、回答した人のうちの五割が厳し過ぎると言っていると。
 私は、先ほど来、大臣、言葉では重く受け止めるとおっしゃっているわけですから、やっぱりこういう患者や被害者らの声に耳を傾けて、新指針をこの際見直すべきじゃないか。たった六人しか認定されていないんですから、幅広げたという、これ客観的な事実が示しておるわけで。幅広げたことと人数は必ずしも照応しないとおっしゃったけど、そんなことはないですよ。幅広げたら人数増えるのは当たり前ですよ。一つも広がっていないから、これだけの潜在的な被害者がいるのにたった六人しか認定されていないわけですから、この際、新指針を見直すべきだと思いますが、大臣の政治決断を促したい。
#93
○国務大臣(丸川珠代君) 客観的資料は、委員御指摘のとおり、へその緒であるとか毛髪、そうしたものを求めることもあれば、家族歴を判断したり、また、汚染された魚がたくさん捕れていた地域への高速道路を利用された、その地域に通うのに高速道路を利用された証明、領収書というんですかね、そういうものを証拠として、客観的資料として採用したという例もあるというふうに伺っております。
 いずれにいたしましても、あたう限り全ての方を救済するということは特措法でやらせていただいた一方で、この申請者の状況を判断するに当たっては、行政としては、客観性また公平性を確保する観点から必要な対応であるという認識をしております。
#94
○市田忠義君 特措法に書いてあるあたう限りの救済という言葉が泣くと思うんですよね。日本語の読み取り方からすれば、やっぱり被害を受けた全ての人を救済する、補償するというのがあたう限りという意味であって、できるだけのことをやりましたというのはあたう限りじゃないと思うんですよ。しかも、特措法は我が党は反対しましたよ。三年間で打ち切るわけですから。チッソを救済して、結局水俣病はもうなかったことにしようと。しかもあれは、被害者、患者として認めないけれども、まあ救ってやろうという感じで出されたものですよ。
 それでも、一定の効果はありましたよ。あったけれども、やっぱり現行の認定基準が被害者救済を阻んできたということを、私、環境省が認めないと、こういう政府の姿勢が水俣病の解決を遅らせてきたと。
 これは環境省にお聞きしますが、こういう中でも、チッソや昭和電工、あるいは国や県はその責任認めて謝罪してほしいと、水俣病患者としてきちんと補償してほしい、粘り強く認定を求める人たちが大勢います。あれだけ公健法による認定基準が厳しい下でも、いろんな申請をやっておられます。
 そこで、環境省にお聞きしますが、公健法に基づく認定申請者数ですね、要するに未処分者数は今どれぐらいになっていますか。
#95
○政府参考人(北島智子君) 公健法の未処分者数でございますけれども、平成二十八年三月末時点では、熊本県で千二百六十四人、鹿児島県で八百五十三人、新潟県で百六十人、合計二千二百七十七人となっております。
#96
○市田忠義君 じゃ、加害企業や国、県に対してその責任と損害賠償を求めて裁判も起きていると思いますが、現在はどれぐらいの人たちが訴訟をしておられるでしょうか。
#97
○政府参考人(北島智子君) 環境省が被告に含まれている水俣病関連の訴訟につきましては、水俣病被害者互助会訴訟で原告八名、新潟水俣病第三次訴訟で原告十名、ノーモア・ミナマタ第二次訴訟、熊本で千百五十六人、新潟で百二十七人、東京で六十七人、近畿で八十四人、このほか、個人訴訟で原告一名、以上の計七件の訴訟で、合計いたしますと千四百五十三名となっております。
#98
○市田忠義君 今言われたように、水俣病の公式確認から六十年を経て、今なお四千人近くの人たちが補償、救済を求めていると。
 そこで、環境大臣にお聞きしたいんですが、大臣は四月二十八日の記者会見でこう言っておられます。今もなお認定申請や訴訟をしている人が多くいるという事実は重く受け止めていると、こう述べておられますが、これは水俣病は終わっていないという認識と理解していいのか。だとすれば、どうして終わらないのか、なぜ認定申請が増えて裁判に訴える人が後を絶たないのかと。やはり国の認定制度に問題があったことは明らかじゃないかと。この点、いかがですか。
#99
○国務大臣(丸川珠代君) 多くの方が今もってなお訴訟を提起されている現状というものは、私は救済の終了とは言い難い状況にあると、まだ水俣病は終わっていないということであろうと思います。
 一方で、行政としてこの六十年という長い年月の間に様々な努力をその時々に重ねてきて、そしてこれだけ長きにわたりまだ解決を見ていないということになりますけれども、一言で理由を言い尽くすことはできませんが、原因究明に時間を要してしまったということが被害を拡大してきたこと、そして、環境や健康への深刻な被害は回復が容易ではないことなどがあるのではないかと考えております。
 環境大臣としては、先ほども申し上げましたけれども、地域の皆様方が安心して暮らせる社会を実現する、また、世界全体でも同じ過ちを繰り返さないために真摯に考えまた取り組んでいくということが重要であると考えておりまして、今後とも、関係県と密に連携をしながら、高齢になっていかれる胎児性また小児性患者の生活支援を始めとする医療や福祉の充実、また地域の再生、融和などにもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#100
○市田忠義君 なぜ解決がしていないかと、いろいろ理由があるが、原因究明に時間が掛かったと。原因究明、とうの昔にできていたんですよ。分かっていたのに規制しないで国が必要な対策を取らなかったというのが最高裁の判決でしょう。
 十年前の大臣の私的懇談会の提言の中でも、国の不作為、もっと言っていますよ、企業については高度経済成長のために少々公害が起こっても仕方がないんだと、だから規制しなかったところに大きな問題があると、あなたの先輩の大臣の、たしか小池百合子さんのときだったと思いますよ、その大臣のときの私的懇談会でそういう提言もされているわけで、だから、水俣病の原因の究明に時間が掛かったからこれだけ被害者が残っているんだというのは全く違うと。
 もう時間が来ているので、いろいろ、もっと新潟問題で、今日は傍聴にも来ておられるんで聞きたかったんですが、これはまたの機会にしますが、あと最後一問だけ聞いて終わりますが。
 患者や被害者の皆さんのアンケートでも、六五・八%の人が解決していないと、水俣病は。解決したと答えた人は、何と僅か三・一%なんです。これが私、もう明白な答え出していると思うんです。患者や被害者の皆さんは、水俣病は終わっていないと、そう考えていらっしゃる。やっぱり、現行の認定基準や最高裁判決に基づいて出したと言われる新指針が被害者を切り捨てているということはもう明らかだと思うんですよ。
 再度聞きますよ。大臣が本当にこういう事実を重く受け止めると、被害者の声を、言うんだったら、そういう訴えに応えて、その場限りの救済策じゃなくて、六十年目のこの節目の年に認定基準とか新指針の抜本的に見直しをすると、全ての水俣病被害者の補償、救済に足を踏み出すと、その決意をお聞きして、終わりたいと思います。いかがですか。
#101
○国務大臣(丸川珠代君) 水俣病は我が国の公害、環境問題の原点であり、そして今なお救済の終了とは言い難い状況にあるということを改めて大臣として重く受け止めております。特措法に基づいて多くの方が救済された一方で、公健法については引き続き丁寧な運用をしっかりとさせていただいて、その中でしっかりと対応をしてまいりたいと、このように考えております。
#102
○市田忠義君 時間が来たので終わりますが、健康や環境の調査を、悉皆調査といいますけれども、阿賀野川周辺に住んでいたり不知火海沿岸に住んでいた、居住歴のある全ての人々の調査をやることも提言の中でも言われているわけですし、そういう問題や異議申立ての権利を認める問題など、引き続き追及していきたいと思います。
 今日はこれで終わります。
#103
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口でございます。よろしくお願いいたします。
 今日は、中間貯蔵除去土壌等の減容・再生利用技術開発戦略が公表されましたが、そのことについて質問させていただきたいと思います。
 まず、減容、再利用の目的について伺いたいと思います。
#104
○国務大臣(丸川珠代君) 中間貯蔵除去土壌等の減容、再利用の目的でございますが、これは中間貯蔵・環境安全事業株式会社、いわゆる会社法、いわゆるJESCO法において、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずることが国の責務として明記をされております。これを踏まえて、福島県外での最終処分を実現するために、技術開発、再生利用等の取組を進めて、元来は貴重な資源である土壌を可能な限り有効利用するとともに、最終処分の量を可能な限り少なくしようとするものであります。
#105
○山口和之君 すなわち、三十年以内に福島県外最終処分を円滑に実現することが大目的ということと思います。そのことを前提に質問を続けたいと思いますが、まずはその戦略の概要について示していただきたいと思います。できれば簡潔にお願いします。
#106
○政府参考人(高橋康夫君) 戦略でございますけれども、これは有識者から成ります検討会の議論を踏まえまして、福島県外最終処分に向けた除去土壌等の減容、再生利用に関する技術開発及び減容処理後の土壌等の再生利用の推進等に係ります中長期的な方針として取りまとめたものでございます。
 この戦略におきましては、ポイントといたしましては、まず、減容、再生利用を実施するための基盤技術の開発を今後十年程度で完了するということ、それから、減容技術等の活用によりまして再生利用量を可能な限り増やしまして、最終処分をしなければいけない量の低減を図るということ、それから再生利用の実現に向けまして安全、安心に対する全国民的な理解の醸成を図ると、こういうことが盛り込まれてございます。
 この戦略に沿いまして技術開発、再生利用などの取組を着実に進めることによりまして、中間貯蔵開始後三十年以内の福島県外最終処分の実現につなげていきたいというふうに考えております。
#107
○山口和之君 戦略の報告書では、八千ベクレル以下が再生利用の対象となっていると思います。しかし、これまでの原子炉等規制法のクリアランス基準百ベクレルや砂利等の出荷基準百ベクレル、福島県内における災害廃棄物の再利用の基準三千ベクレルなどと比べて、規制が大幅に緩和された印象を与えています。安全面で問題はないのか、伺いたいと思います。
#108
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。
 今回検討しております除去土壌等の再生利用でございますけれども、これは今御指摘のございましたいわゆるクリアランスレベルの考え方とはちょっと異なってございます。クリアランスレベルの考え方を適用して広く無制限に流通させるということは現実的ではないということから、利用先を管理主体や責任体制が明確となっている一定の公共事業に限定をいたしまして、その中でこの再生資材の放射能濃度の設定でございますとか覆土等の遮蔽措置を講じた上で、適切な管理の下で利用するということを想定をしてございます。
 その上で、今回、対象が一キログラム当たり八千ベクレル以下という原則とする案をお示しをいたしましたけれども、その理由といたしましては、万一の場合でも速やかに補修等の作業が開始、実施できるように確実に電離則及び除染電離則の適用対象外となる濃度とするということ、また、特措法における規制体系との整合も考慮したものでございます。
 今後は、具体的な用途ごとに追加被曝の評価を行いまして、再生資材として適切な濃度レベルを設定をしたいというふうに考えております。
#109
○山口和之君 印象ですけれども、原発事故の後、米の作付け制限の基準が五千ベクレルだったと思います。だから、幾ら性質が違う数字だといっても、八千ベクレルと聞くと直感的に汚染がひどいなというふうに感じてしまうところだと思います。
 さらに、土壌中のセシウムは移動しないと報告書には書かれておりますが、すなわち、土壌そのものが流出する場合等を除き、土壌から溶出により公共用水域や地下水の汚染を生じさせるおそれはほとんどないと考えられているとされていますが、しかし、それは土壌そのものが流出し、汚染が発生するということではないのかと思います。
 地震や津波、大雨など、想定外の災害が起こって土壌そのものが流出したときに安全性が確保できているのか伺いたいと思いますが、お願いします。
#110
○政府参考人(高橋康夫君) 今の御指摘でございますけれども、まずはこの利用先をしっかりとした公共事業に限定をすると。先ほど申しましたけれども、管理主体とか責任体制が明確となっている公共事業に限定をいたしまして、その場所についても、そういう流出のおそれがないしっかりした場所で行うというようなことで、おっしゃられたような大きな影響が出ないような、そういう形でまずしっかり事業をやるということでございます。
 その上で、さらに、万が一そういう流出のようなことが生じても、その周辺に対する影響が少ないように、一定レベルに抑えられるように、再生資材の濃度でございますとか覆土の厚さとか、そういうものをしっかりと安全サイドで設定をして不測の事態にも備えると、そういう考え方で今後具体的な用途ごとに評価を行いまして、適切なレベルを設定をしていきたいというふうに考えております。
#111
○山口和之君 そうしますと、やっぱり厄介物であることは間違いなくて、その厄介物を流れ出さないように、流出しないように安全を確保しますという話になるんですけれども、かつて高濃度PCBの廃棄物を処理する際、海外で広く行われている焼却処理では候補に挙がった全国三十九か所全てが断られたことがありました。その二の舞になる心配はないのかということが自分の中であるんですけれども、これはちょっと質問としませんので、同じような厄介物であるとなると、この二の舞を踏むのではないかというふうにも思います。
 戦略では、再生利用先の創出や社会的受容性の向上のためにインセンティブが不可欠としていますが、利用自治体に交付金を配るのかどうかを教えていただきたいと思います。
#112
○政府参考人(高橋康夫君) 戦略の中でインセンティブに触れてございますけれども、ここで言っておりますインセンティブにつきましては、経済的なものだけではなくて、社会的なものあるいは制度的なものというふうなものも様々あり得ると考えてございます。
 いずれにしましても、具体的な内容については今後しっかりと検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#113
○山口和之君 再生利用先にメリットが余りないことは確かなんですが、しかし、安全だというのにインセンティブ、いわゆる交付金や税制優遇などインセンティブを検討するということではかえって何か怪しいと受け止められるおそれはないのかと思います。厄介物というイメージがやっぱり更に強くなるのかと思います。また、立地自治体への交付金を出して誘致してもらう、原発と同じと受け止められる人も多く出てくるのではないかとも思います。
 報告書で再利用の対象となる土壌を浄化物と呼ぶのは違和感を感じます。分級処理や化学処理で汚染の度合いが減っても、汚染されていることには間違いないと思います。この報告書で初めて使われた表現だと聞いていますけれども、イメージ操作と受け止められるおそれがあります。そうなると、かえってマイナスの効果になるのではないかと心配しますが、どうでしょうか。
#114
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。
 戦略におきましては、適切な前処理でございますとか、今御指摘のありました分級等の減容技術、こういうものを活用することによりまして除去土壌等を処理をすることによりまして放射能濃度の低い土壌を分離をいたしまして、それを管理主体や責任体制が明確となっている一定の公共事業などに限定して再生利用するということにしてございます。その再生利用の対象とする土壌等を浄化物という言葉で表現をしてございます。また、減容処理によって生じます放射能濃度の高い土壌がございます。これは濃縮物ということで表現をしてございます。その両者を区別するため、分かりやすさの観点から浄化物という言葉を使用したものでございまして、イメージ操作をするという意図はございません。
 いずれにしましても、今申し上げましたような安全性評価の中身をしっかりと御説明をして、誤解のないように理解を得ていきたいというふうに考えております。
#115
○山口和之君 浄化物というと、全くそういうものが入っていないというイメージがやっぱりあるのではないかと思いますし、減容物でもいいでしょうし、何か変わった、逆に違和感を感じられるような気がしてなりません。
 戦略報告書では、技術開発戦略の目標に関連し、東日本大震災からの復興・創生期間における各分野の取組、スケジュール等も勘案とありますけれども、どのような意味なのか、福島県で特に積極的に使ってほしいという意味も込められているのかどうか、伺いたいと思います。
#116
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。
 除去土壌等の減容、再生利用の取組は、三十年以内の県外最終処分に向けたまさに福島の復興再生のための取組の一環でございます。そういう意味で、その復興再生に向けたその他の各分野の取組、スケジュール等を勘案をいたしまして、可能なところについては足並みをそろえていくという意味でこういう表現をこの戦略の中では使ってございます。
 環境省といたしましては、この再生利用について、現時点で具体的な場所を想定をしていると、どこか優先的な場所を想定しているというものではございませんで、あくまでも安全性の確保を大前提といたしまして、地元の御理解と御協力をいただきながら、そういう環境が整った場所で実施をするというふうに進めていきたいというふうに考えております。
#117
○山口和之君 そうではないといっても、福島県で積極的に使っていかないと、なかなかほかの県でも使わないだろうとも思いますが、福島県で特に積極的に利用してほしいということだとすると、まるで福島県が県外最終処分を望むなら福島県で使ってくれというふうに感じます。そのように感じます。県民感情として釈然としないことになってくるでしょうし、通告をしていませんけれども、大臣はどう思われるか。もし福島県で使ってほしいということなのであれば、どのように思われるか、お伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(丸川珠代君) 福島県で特に積極的に使ってほしいということではなくて、まずこれは利用していただくに当たって皆様の御理解が大前提でございますので、そうした理解をしていただけたところから使わせていただくということになろうかと思います。
 それが福島県の中か外かというのは、これはもう我々がきちんと説明を、国民に対する説明がどのようにできるかということにも懸かってございますし、また、これから十年間掛けて基盤技術を磨いていくわけでございますけれども、この中でどの程度分離ができて、あるいは減容ができて、濃縮したものがどの程度のものになってと、こういう形が見えてこようかと思います。そうした中で、このぐらいのものはここに使っていただける、このぐらいのものはこうやって使って大丈夫と、それぞれの濃度等あるいは形状等によってどのように活用していただけるかということがより分かりやすく見えてくると思いますので、そうしたものを踏まえて御理解をいただけたところに活用させていただくという思いでございます。
#119
○山口和之君 福島に住む者としては、一日も早く黒いフレコンバッグが町からなくなってほしいとも思いますし、県外最終処分の約束をきっちり守ってほしいという思いもありますが、とはいえ、他県の人が嫌がるような押し付けは本意ではないとほとんどの県民は皆さん思っていると思います。納得がいく形というのは非常に大事なことだと思います。安全性を強調する一方で、交付金を検討したりイメージ操作の疑いを持たれたりすると、結局福島の土は要らないという感情が全国に広がることも懸念されます。最初に確認した大目的である県外最終処分が円滑にできなくなることを福島県民、自分も恐れているところでございます。
 安全性については、更に厳重に確認することが大前提としてありますが、その中で国民大半の理解が得られる方法で中間処理そして最終処分へと進めていただきたいと思います。これは、減容、再利用だけにとどまる話ではなくて、政府の原子力政策に信頼性があるかどうかということも関連してくると思われます。納得が不十分の民意に反して再稼働を進めたり、例外中の例外としてきた四十年を超える老朽原発を、まあ簡単というわけではないとは思いますが、すぐに合格させるようでは、政府の原子力政策への信頼は揺らぐものではないでしょうか。そのことが減容、再利用や中間処理から県外最終処分への流れにも跳ね返ってくるのではないかと心配しております。大臣の所見を伺いたいと思います。
#120
○国務大臣(丸川珠代君) 私ども、原子力規制委員会を抱えております立場でございますので、稼働について言及することは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしても、この減容処理を進めていく上において安全性が大前提であること、それから国民の皆様の理解そして信頼をしていただくこと、そのための我々の努力が不可欠であると考えております。
 今、福島県の皆様の思いを先生が代弁してくださったと思いますので、しっかりそれを受け止めて、私どもがまず、技術的な検討を行っているところでございますので、情報発信や、また国民の皆様に対しての説明、そして実証事業やモデル事業をこれから進めてまいりますので、実際にこういう形で進んでいきますというこの実際の事例をお示しするということは非常に重要だと思っておりますので、こうしたものを重ねて、地域住民の方々また全国の国民の皆様に理解して実感していただけるような取組を丁寧に進めていきたいと思っています。
 そして、この減容化技術を実際に進めていかないと最終処分がどのような形になるかというのは規模も含めて見えてまいりませんので、今後十年程度で実現可能と考えられる幾つかの選択肢を提示をしていくことを目標として、今後とも三十年以内の県外最終処分というお約束を実現するために努力をしていきたいと思います。
#121
○山口和之君 ありがとうございます。まずは安全であるということが大前提となると思いますし、これから最終処分の在り方によっては方向性も若干変わってくる可能性もあると思います。国民が納得できるような、そして福島県民が納得できるような政策にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
#122
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 本日は、鳥獣被害、森、里、川、海、環境教育、環境金融、この四つのテーマで取り上げたいと思っております。
 まずは、鳥獣被害について伺います。
 今、全国的に深刻な鳥獣被害が発生をしております。私の地元である栃木県も年間で二億円を超える農業被害が生じております。環境省では、平成二十六年度に鳥獣法を改正し、全国的に増加をしているニホンジカやイノシシ、これを捕獲する都道府県の事業を実施していると伺っております。
 そこで、まず環境省にこの事業の進捗状況を御説明願いたいと思います。
#123
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。
 環境省といたしましては、ニホンジカやイノシシの生息数増加と分布拡大により被害が深刻化しているため、農林水産省とともに抜本的な鳥獣捕獲強化対策を平成二十五年に策定し、全国のニホンジカやイノシシの生息数を十年後までに半減する目標を定めたところでございます。
 この目標に向けて、二十七年に施行された鳥獣保護管理法において、新たに都道府県が主体となってニホンジカやイノシシの捕獲を行う指定管理鳥獣捕獲等事業を創設したところでございます。指定管理鳥獣捕獲等事業につきましては交付金により支援を行っておりまして、二十七年度は三十三道府県で実施され、二十八年度は三十七道府県で実施される予定となっています。栃木県におきましても、平成二十七年度予算で約八百八十万の交付を受けており、イノシシ及びニホンジカの捕獲に取り組まれており、二十八年度も継続される予定でございます。
 今後とも栃木県を始めとする都道府県や関係省庁とともに連携を図りながら、効果的な捕獲に取り組んでまいります。
#124
○渡辺美知太郎君 御答弁いただきました。交付金による支援ということでありますが、私の地元栃木県では農水省の交付金による有害鳥獣捕獲も進んでおります。
 そこで伺いますが、環境省の交付金事業については農林水産省の交付金事業と連携して取り組んでいるのか、事業の違い等も含め、この連携状況について御説明願えますか。
#125
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。
 環境省が推進している指定管理鳥獣捕獲等事業については、全国的に生息数が増加し、生息域が拡大して被害をもたらしているニホンジカ、イノシシについて集中的かつ広域的な管理を図るため、都道府県が実施する捕獲事業を交付金により支援するものでございます。一方、農林水産省の交付金は、鳥獣被害防止特別措置法に基づき、農作物等の被害を軽減する観点から、市町村を中心とした地域協議会が野生鳥獣の捕獲を行う取組等を支援するものです。
 このように、交付対象は異なりますが、両交付金による事業が連携して効果的な鳥獣の捕獲が推進されるよう、鳥獣被害防止特措法において同法に基づく被害防止計画と鳥獣保護管理法に基づく鳥獣保護管理事業計画等との整合を図る規定が設けられておるなど、都道府県や市町村において計画段階や実施段階で連携、調整がなされる仕組みとなっております。
 また、昨年度は、都道府県と市町村の連携、調整を図るため、環境省と農林水産省が共同して栃木県など八道県に出張し、捕獲や事業の実施状況等について聞き取りや指導を行ったほか、各都道府県の担当者を集めた説明会においても両省で説明を行うなど、連携を図っているところでございます。
 環境省といたしましては、効果的なニホンジカ等の捕獲が行われるよう、引き続き農林水産省と連携して都道府県への指導、助言等、適切な対応を進めてまいりたいと思っております。
#126
○渡辺美知太郎君 是非、この鳥獣被害、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 有害鳥獣、動物の数が増えている一方で、この鳥獣を捕獲する担い手である狩猟者は年々減少しております。私の地元でも、一九七〇年代と比較をいたしますと、まず狩猟する方の人数が五分の一に減少して、また年齢も、六十歳以上の方、一九七〇年代は一割程度だったものの現在は七割を占めると、深刻な高齢化も進んでおります。恐らく全国的にこういった問題が存在していると思いますが。
 環境省に伺いたいと思います。鳥獣を捕獲する担い手不足対策、こちらについてはどのように進めておられるのか、御説明いただけますでしょうか。
#127
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。
 鳥獣の捕獲対策を強化するため、捕獲の担い手である狩猟者の育成確保は極めて重要な課題と認識しています。このため、平成二十七年に施行された鳥獣保護管理法では、鳥獣の捕獲を行う法人による組織的な捕獲を推進するため、捕獲を安全かつ効果的に行うことのできる事業者を認定する制度が導入され、現在までに六十三団体が認定されているところです。また、環境省では、平成二十四年度より、狩猟の魅力を伝え、狩猟免許を取得するための狩猟フォーラムを全国で開催しております。さらに、さきの法改正により、狩猟免許の対象者を広げるため、わな猟及び網猟については狩猟免許の取得年齢を二十歳から十八歳に引き下げたところです。
 これらの対策を通じて、狩猟免許の新規取得者数が近年増加に転じるなどの効果も見られますが、引き続き、鳥獣の捕獲を担う人材の育成確保にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
#128
○渡辺美知太郎君 ニホンジカやイノシシの数は年々増え続けておりまして、鳥獣による農業被害、これは深刻な問題であります。環境省におかれましても、是非この担い手不足の対策を始め、農林水産省と連携をしていただいてしっかりと対応していただきますことを要望しまして、鳥獣被害の質問を終えたいと思います。
 続きまして、森、里、川、海の事業について伺ってまいります。
 鳥獣被害が深刻化している要因の一つには、人口減少、高齢化が著しい地方で里地里山の管理の担い手が急速に減少していることが挙げられます。上流の森や里をしっかり管理することで、鳥獣被害対策はもちろん、豊かな水資源の確保や洪水などの自然災害の防止、さらにはレクリエーションの場の提供といった面でも下流地域に住んでいる方にも恩恵をもたらすことができると考えております。こうした自然の豊かな恵みを将来の世代へ引き継ぐためにも、地方の自然環境の管理を都市を含む国民全体で支えていくことが重要であると考えます。
 そこで、伺います。森、里、川、海の自然環境管理を国民全体で支えていく考え方について、丸川大臣のお考えを伺いたいと思います。
#129
○国務大臣(丸川珠代君) ありがとうございます。
 私たちが森、里、川、海からいただく恵みを将来の世代につないでいくために、国民がどこの地域に自分が身を置いているかということにかかわらず、その価値を認識をして、そして社会、経済の仕組みの中にその価値を守っていくというサイクルを取り入れていくということが、持続的に国民全体で森、里、川、海の恵みを支えていく上で非常に重要なことであると認識をしております。
 このような考え方を実現するために、環境省では、一昨年から「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを実施をしております。昨年度は、このプロジェクトで実施をしました全国およそ五十か所でのリレーフォーラムにおいて、様々な方に御参加をいただいて、お互いに輪をつくって議論をし合うような場をつくったり、あるいはトークショーのようなことをやったりしながら意見交換をして、一つは、私たちのライフスタイルを変えていくということ、またこの取組を担う人材を育てるということ、そして経済的に持続可能な仕組みをつくっていくことが重要であるというような意見をいただいております。
 こうしたことを踏まえまして、特に都市の住民の皆様方を中心に、この森、里、川、海の恵みを支えていくライフスタイルへの変革を促す普及啓発を行っていくことを予定をしております。そして、自然の恵みが持続的に得られるような管理の在り方、まさに今、里地里山を管理する担い手というお話をいただきましたけれども、これが経済、社会のシステムの中に組み込まれているような仕組みづくりについて先進的な地域と連携をしながら具体的に検討を進めてまいります。
#130
○渡辺美知太郎君 大臣がおっしゃるように、住民の方々が、自分がどこにいるか、都市部であれば都市だけを考えればよいといった話ではなくて、国民全体で森、里、川、海のこの恵みを考えるというのは非常に重要な問題だと考えております。恵みあふれる森、里、川、海を次の世代へつなげていくためにも、国民全体が支える仕組みづくりに今後とも注力していただきますことを要望して、終わります。
 次に、環境教育について伺います。
 様々な環境課題を解決していくためには環境教育が重要になってくると考えております。特に企業の人材育成を推進する必要があると考えております。
 そこで、この環境教育について、環境省の取組を伺いたいと思います。
#131
○政府参考人(三好信俊君) 先生御指摘いただきましたとおり、環境教育は環境保全のための国民の取組を進めていく上の基盤となるものというふうに考えておりまして、環境省では様々な取組を進めてきているところでございます。
 対象は様々でございまして、国会では環境教育促進法というものをお作りをいただいておりまして、それに基づきまして、児童、学生を対象とするものやあるいは企業の人材育成に関するものなど、様々な幅広い施策を進めてきているところでございまして、引き続き環境教育の推進に努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#132
○渡辺美知太郎君 持続可能な社会の担い手であるユースの取組を支援していくことは重要であると考えております。今後のこのユースに対する環境省の取組や支援を伺いたいと思います。
#133
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 環境教育といった場合には、やはり若い世代にどのように環境の重要性を伝えていくかということが重要でございまして、持続可能な社会を形成する上で、次世代を担いますユースを育成いたしまして巻き込んでいくということは重要であるというふうに考えております。
 このため、環境省におきましては、従来から、環境教育プログラムの作成等によりまして環境教育の促進等を図るとともに、こどもエコクラブの活動を支援するというようなことをしてまいったところでございます。さらに、平成二十七年、昨年の九月から、独立行政法人環境再生保全機構とともに全国ユース環境ネットワーク促進事業を創設をいたしまして、高校生や大学生に対し相互研さんの場の提供や優良な取組に関わる表彰の実施等を行っているところでございます。また、国際的なネットワークを構築するという観点から、アメリカ、中国、韓国といった諸外国と政府レベルで連携をいたしましてユースの育成に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、このような関係団体、諸外国との連携を強化をいたしまして、次世代のユースの育成に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#134
○渡辺美知太郎君 産学官民が連携して環境人材を育成することが環境課題を解決する鍵になると考えております。更なる人材育成に注力していただきますことを期待をしております。
 では最後に、環境金融関係について伺います。
 環境課題を改善、解決するためにはあらゆる環境政策手段をフル活用することが重要であり、現在の、先ほど質問で取り上げました環境教育面に続きまして、環境金融面の取組についても伺いたいと思っております。
 昨年十二月に採択されましたCOP21、パリ協定は、長い目で見て脱炭素社会を目指すことに全ての締結国が同意したことを意味するものであります。好むと好まざるにかかわらず、炭素社会から脱炭素社会に向けて、各国はそれぞれに産業モデルの抜本的な転換が求められていると言えます。
 我が国の業界がこうした新しいビジネスの潮流に乗り遅れることは、単に環境課題に対する組織対応力の弱さを示唆するのみならず、ビジネスチャンスも逃してしまうという、我が国の企業の持続的成長、ひいては我が国の経済の持続的かつ健全な発展にとって結果的には大きな損失になりかねないと考えております。
 ビジネスを支えるのは経済の血流とも言える金融であり、そうした世界的な新しいビジネスのうねりも背景に、今後、環境、社会、企業統治に関する情報を考慮した中長期的な投資であるESG投資、この重要性は一段と高まるのではないかと考えております。
 そこで、まずこのESG投資について、世界の情勢と、それを受けて我が国の状況を環境省に伺いたいと思います。
#135
○政府参考人(三好信俊君) ESG投資などの状況でございますけれども、まず、世界的には、国際イニシアチブでございますグローバル・サステーナブル・インベストメント・アライアンスがまとめをしておりまして、二〇一四年におきまして、世界全体のESG投資残高は二十一・四兆米ドル、約二千二百兆円という推計がなされているところでございます。
 一方で、我が国の状況でございますけれども、NPO法人の社会的責任投資フォーラムがまとめたところでは、二〇一五年におきまして、ESG投資残高は約二十六・七兆円という試算でございます。
 このように、調査機関と調査年において違いがございますので単純に比較することはできないわけでございますけれども、我が国におけるESG投資残高は世界全体の一%程度ということになりまして、更に促進をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#136
○渡辺美知太郎君 一%程度の今投資額であるとおっしゃいました。
 このESG投資、我が国で増やしていくためには環境省の役割も大きいと考えております。そこで、環境省は今後どのような対応を考えていくのか、伺いたいと思います。
#137
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。
 ESG投資は、環境、社会、企業統治といった、いわゆる財務諸表からは見えにくいリスクを把握、管理などする上で有効と考えられておりまして、そうした取組は、ひいては企業の持続的成長や中長期的収益にもつながることが期待されているところでございます。
 そのESG投資の動向を見ると、欧州を中心に世界的な潮流となっているところでございまして、我が国でも、昨年九月に、年金積立金管理運用独立行政法人、いわゆるGPIFでございますけれども、が投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を取り込むことなどを提唱しております国連責任投資原則に署名するなど、動きが広がっているところでございます。また、そうした動きを受けまして、国内のほかの年金基金等の関心も加速化する可能性があるというふうに捉えているところでございます。
 環境省といたしましては、このような内外の情勢も踏まえまして、ESG投資の拡大を一層促進すべく、企業と投資家が良質な対話をすることができるよう、環境情報をウエブ上で登録、閲覧できる環境情報開示システムの運用や、国内二百八の金融機関が参加するプラットホームでございます二十一世紀金融行動原則を通じまして、ESG投資を含め環境金融に関する相互の情報共有や対外的な情報発信等の裾野の拡大に取り組んでいるところでございます。今後も、これらの取組を通じましてESG投資を促進してまいりたいと考えているところでございます。
#138
○渡辺美知太郎君 ESG投資を我が国で増やしていくためにも、しっかりと取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
#139
○委員長(磯崎仁彦君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#140
○委員長(磯崎仁彦君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。丸川環境大臣。
#141
○国務大臣(丸川珠代君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 昨年十二月、二〇二〇年以降の温室効果ガス排出削減等のための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。これは、歴史上初めて、全ての国が参加する公平な合意です。
 我が国は、パリ協定に先立ち、昨年七月に、温室効果ガスを二〇三〇年度に二〇一三年度比で二六%、二〇〇五年度比で二五・四%削減するとの目標を柱とする約束草案を国連に提出しています。この目標の達成のため、家庭・業務部門においてはおよそ四割という大幅な排出削減が必要です。そのため、国として、地球温暖化の現状や対策への理解と機運を高め、国民一人一人の自発的な行動を促進する普及啓発が極めて重要な施策となります。
 本法律案は、こうした状況を踏まえ、普及啓発を強化するという国の方針を明示し、所要の規定を整備するとともに、国際協力を通じた地球温暖化対策の推進、地域における地球温暖化対策の推進のために必要な措置を講じようとするものです。
 次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、地球温暖化対策計画に定める事項として、温室効果ガスの排出の抑制等のための施策及び活動に関する普及啓発の推進に関する基本的事項を追加します。
 第二に、同じく地球温暖化対策計画に定める事項として、地球温暖化対策に関する国際協力を推進するために必要な措置に関する基本的事項を追加します。
 第三に、都道府県及び市町村が策定することとされている地方公共団体実行計画について、共同して策定することができる旨を規定します。あわせて、地方公共団体実行計画において、その区域の自然的社会的条件に応じて温室効果ガスの排出の抑制等を行うための施策に関する事項として定めるものとして、都市機能の集約の促進等を例示として加えます。
 以上のほか、京都メカニズム関連規定の整備、経過措置その他の規定の整備等を行います。
 以上が、本法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#142
○委員長(磯崎仁彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ─────────────
#143
○委員長(磯崎仁彦君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、来る十七日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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