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2016/03/31 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 国土交通委員会 第5号
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2016/03/31 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 国土交通委員会 第5号

#1
第190回国会 国土交通委員会 第5号
平成二十八年三月三十一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     田中  茂君     末松 信介君
     高野光二郎君     小泉 昭男君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     伊達 忠一君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     伊達 忠一君     大野 泰正君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子 洋一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                渡辺 猛之君
                広田  一君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                阿達 雅志君
                青木 一彦君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                金子原二郎君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                末松 信介君
                山本 順三君
                田城  郁君
                野田 国義君
                前田 武志君
                谷合 正明君
                辰巳孝太郎君
                室井 邦彦君
                中野 正志君
                吉田 忠智君
                行田 邦子君
                脇  雅史君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  土井  亨君
       国土交通副大臣  山本 順三君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       江島  潔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      松尾  勝君
       法務大臣官房審
       議官       辻  裕教君
       国土交通大臣官
       房長       田端  浩君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   池田 豊人君
       国土交通省総合
       政策局長     毛利 信二君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  谷脇  暁君
       国土交通省都市
       局長       栗田 卓也君
       国土交通省道路
       局長       森  昌文君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       運輸安全委員会
       事務局長     松原  裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、高野光二郎君及び田中茂君が委員を辞任され、その補欠として小泉昭男君及び末松信介君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金子洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省道路局長森昌文君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(金子洋一君) 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○田城郁君 おはようございます。民進党・新緑風会の田城郁です。
 三月二十七日、あくまでも憲法にのっとって政治を実践する政党として、そして民とともに進む政党として民進党、誕生いたしました。どうかよろしくお願いをいたします。
 民進党としては初めての国交委員会での質問となります。踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
 昭和三十六年の踏切道改良促進法の施行から五十年余りがたちまして、これまでに十回ほど踏切道の指定期間の延長等を内容とする法改正がなされてまいりました。今回十一回目の改正となるわけですが、ここで道路法との改正ということで一括して行われる予定となっておりますが、本改正案の目的と内容について、国交大臣、御答弁をお願いいたします。
#7
○国務大臣(石井啓一君) 踏切につきましては、今委員御紹介いただいたとおり、昭和三十六年の踏切道改良促進法の制定以降、その数が半減をいたしまして、遮断機のない踏切も大幅に減少してまいりましたが、踏切事故は依然として約一日に一件、約四日に一人死亡するペースで発生するなど、その安全確保が急務であると認識をしております。また、踏切を含む駅周辺におきまして、交通の安全確保等の観点から道路管理の一層の充実を図る必要があります。このため、本改正案では、踏切やその周辺等における交通の安全性、円滑性を向上させるための措置を講じることとしております。
 具体的には、踏切道改良促進法の改正により、課題のある踏切について着実に指定を行い、協議会を通じたプロセスの見える化も行いつつ、当面の対策、踏切周辺対策なども取り組むことができることといたしまして、踏切対策を促進することとしております。
 また、道路法の改正により、民間団体等が踏切を含む駅周辺の環境整備を始め道路の維持管理等の公的な活動を行いやすくするため、道路協力団体制度を創設するとともに、危険な不法占用物件への対策の強化を図ることとしております。
#8
○田城郁君 御答弁にもございましたとおり、今回の踏切道改良促進法の改正によって、地域の関係者と連携をして地域の実情に応じた踏切対策を検討するための協議会制度が創設をされたという特徴があると思います。しかし、直轄国道と鉄道が交差する踏切道においては、鉄道事業者と道路管理者が国踏切道改良計画を作成する際には、そのような協議会のスキームが、規定は設けられていないということであります。
 そのような制度設計となった理由についてお伺いをいたすとともに、地域の関係者の意見を国踏切道改良計画に適切に反映させるような方法についてお伺いをいたします。
#9
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 直轄国道と鉄道が交差する踏切に係りましては国踏切道改良計画、そしてそれ以外の、直轄国道以外の道路との交差の部分については地方踏切道改良計画というもの、この二種類を作ることとなっております。特に、この直轄国道と鉄道が交差する踏切に係ります国踏切道の改良計画、これについては鉄道行政を所管します国土交通大臣、そして道路行政、要は直轄国道を管理しております国土交通大臣、それぞれが、双方を所管する立場で国土交通大臣がその計画を作るということになっておりますので、地方の踏切道改良計画とは趣を異にするということでございます。
 しかしながら、法定協議会というのは特に今回設けておりませんけれども、実際の計画に当たりましては、当然利用者の方々の利用のしやすさ、あるいは不具合さ、またその後の事業の協力といったようなことを加味いたしますと、国土交通大臣自らが地域の関係者の意見を聞きながら計画を、あるいは改良方法を練り上げていくということが必要だというふうに認識しております。
 実際には、地方踏切道改良協議会というものを設けて議論をさせていただくわけでございますが、その開催と併せて、地域の関係者の意見も私たちとして一緒に幅広く聞かせていただいて、国踏切道改良計画の中にしっかりと反映をさせていただくということを考えている次第でございます。
 以上でございます。
#10
○田城郁君 是非、国の踏切、これの工事についても地域の住民の皆さんの声を十分に反映させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 踏切事故の件数は、踏切道改良促進法の施行を通じて、長期的には減少傾向にあると言えます。しかしながら、踏切事故は一度発生すると大きな輸送障害にもなりますし、痛ましい死傷事故にもつながります。実際に、踏切事故による死亡者数は鉄道事故による死亡者数の約三割を占めているという状態であります。
 こうした状況を踏まえて、政府は平成二十八年三月決定の第十次交通安全基本計画において、平成三十二年までに踏切事故件数を平成二十七年と比較をして約一割減、これを目標にして掲げております。この目標を達成するためには、工程表等を作成するなど計画的な取組が求められると思いますが、どのように取り組まれるのでしょうか。その道筋などありましたらお示しをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#11
○政府参考人(藤田耕三君) 今お話ございましたように、第十次交通安全基本計画におきましては、これまでの踏切事故の件数の推移あるいは踏切の数、保安設備の整備状況等を勘案いたしまして、平成三十二年における踏切事故件数を平成二十七年と比較して約一割削減することを目指すということにいたしました。
 このための取組といたしまして、まずは踏切自体の除却に努めることが基本的な考え方でございます。それから、第三種、第四種踏切、これの事故防止のために、遮断機や警報機を設置する第一種化も重要な視点だと思っております。さらに、近年高齢化が進む中で、高齢者の踏切対策として、今般の法改正を機に、踏切保安設備の補助対象施設に非常押しボタンを追加するなどの措置を講じております。
 今回の法改正では、まず踏切事故の可能性の高い踏切道を指定し、その後、立体交差化、第一種化を含む踏切保安設備の整備などの改良方法が定められることになっております。さらに、具体的な改良時期などが記載された改良計画が作成され、改良が行われるという手順となります。
 国土交通省といたしましては、改良計画に従って踏切道の改良が行われ、踏切事故に関する目標が達成できるように取り組んでまいりたいと考えております。
#12
○田城郁君 さて、その第三種、四種の踏切ということが出てまいりました。
 踏切事故を防止する抜本的な改良というのは立体交差化ということになりますけれども、要するに踏切道の除去、これが究極的な対策でありますが、しかし一方で、踏切道の立体交差化ということには多額の費用と長い時間を要するということも事実であります。早期に踏切事故を減らすには、踏切道が抱える問題を踏まえた効果的な当面の対策を実行していかなければならないというふうに考えます。
 そこで確認をいたしますけれども、踏切道の総数のうち遮断機が設置されていない第三種踏切と第四種踏切道の箇所数が占める比率、直近の十年間でどのように推移をしているのでしょうか。また、踏切事故件数は、第一種踏切から第四種踏切道の種類別で比較すると、何か特徴がありましたらお伺いをいたします。
#13
○政府参考人(藤田耕三君) 平成十六年度から平成二十六年度までの十年間におきまして、第三種踏切道は、箇所数が千百十七か所から七百七十五か所に減少しておりまして、踏切道の総数に対する比率で見ますと三%から二%に減少いたしております。それから、第四種踏切道は、箇所数が四千四十七か所から二千九百十七か所に減少し、総数に対する比率は一一%から九%に減少しております。三種、四種合わせますと一四%から一一%になっていると、こういう状況でございます。
 それから、踏切事故件数につきまして踏切道の種類別で比較いたしますと、平成二十二年度から二十六年度までの五年間における踏切道百か所当たりの踏切事故件数は、五年間の平均で、第四種踏切道が一・二八件、第三種踏切道が一・〇三件でございます。遮断機が設置されている第一種踏切道の〇・八二件よりも高い数字となっております。
#14
○田城郁君 では、もう一つ確認をしたいと思います。
 近年、高齢者の方が踏切道を渡り切れずにお亡くなりになられるという事故に対する関心が社会的にも高まっていると思います。踏切事故件数と踏切事故による死亡者数を年齢別に見てみますとどのような傾向が見られるのか、これもお伺いいたします。
#15
○政府参考人(藤田耕三君) 平成二十六年度における踏切事故の件数は二百四十八件、それから踏切事故による死亡者数は九十二人でございました。このうち、六十歳以上の方が関係する踏切事故件数は百二十四件でありまして、全体の五割を占めております。また、六十歳以上の方が関係する死亡者数は五十一人でございまして、全体の約六割ということになっておりまして、高齢の方の比率が高いという傾向が見て取れます。
#16
○田城郁君 御答弁をいただいたように、踏切事故が発生しやすい第三種あるいは第四種踏切道の絶対数は減少をしてきておりますけれども、全体の数に対するその比率は約一〇%を占める状況が続いているということであります。また、踏切事故のほぼ半数を高齢者が占めております。
 高齢化が進む我が国においては見過ごすことができない問題、傾向であると思います。つい先日も、流山線の遮断機や警報機がない踏切道において高齢の女性が電車にはねられてお亡くなりになるという事故がありました。大変痛ましい事故であったと思います。こうした傾向に鑑みますと、今後、危険な第三種踏切道と第四種踏切道において遮断機等の踏切保安設備の整備を促進し、高齢者等の踏切事故を防止することが重要であると考えます。
 その一方で、この保安設備の整備に対する補助金は、これまでは踏切保安設備整備補助金ということで約一億円毎年計上されておりましたが、今回、平成二十八年度の予算からは、鉄道施設総合安全対策事業費補助ということで、全体としては約三十六億円なんですが、踏切関係についてはその内数として計上される予定となっておるようであります。
 まず、このような取扱いとなった経緯と理由について、国交大臣、お伺いをいたします。
#17
○国務大臣(石井啓一君) 踏切保安設備の整備に対する補助金については、平成二十七年度予算までは踏切保安設備整備費補助金として単独で約一億円の予算を計上しておりました。一方、平成二十八年度予算におきましては、この補助事業を鉄道施設総合安全対策事業費補助の中の一つと位置付け、三十六億円の内数として計上したところであります。
 鉄道施設総合安全対策事業費補助は、文字どおり、鉄道施設に関しまして安全性向上に資する施策を総合的かつ重点的に行うことを目的に平成二十年度予算で設立した制度であります。当時は、施設の老朽化対策、耐震対策、地下駅の火災対策から構成をされておりました。その後、火災対策が一定の目的を達したことから平成二十年度をもって終了いたしましたが、一方で、平成二十七年度には、今後の重点的な取組課題の一つとして地下駅の浸水対策を追加をいたしました。
 さらに、近年では、高齢化の進展に伴い高齢者等の踏切事故が社会的な関心事となってきております。このため、今回の踏切道改良促進法の改正と併せ、平成二十八年度予算では踏切保安設備の整備についても総合安全対策事業の一つとして位置付け、所要の予算を確保しながら踏切事故防止対策をより一層重点的に推進することとしたものでございます。
#18
○田城郁君 ありがとうございます。
 平成二十八年度予算において鉄道施設総合安全対策事業費補助に計上された金額は、確かに前年度より増加をしております。しかし、この補助金は、元来、今後発生が予想される大規模地震、御答弁にもありましたが、備えた鉄道駅の耐震補強等に要する経費の一部を補助するものであると。そちらの対策も現在当然急務となっているところでありますが、そうした予算の内数となることで保安設備の整備に十分な補助金が回らないと、どうしてもやはり懸念がされるわけであります。
 一方で、政府は、今回の法改正を機に保安設備の整備に対する補助の対象を拡充するとしており、例えば踏切内に閉じ込められた歩行者を検知しやすい高性能の障害物検知装置や、閉じ込められたことを通報する非常押しボタン等を補助の対象に追加する予定だということでありますが、予算の計上方法の変更によってこうした保安設備の整備の充実が阻害されないことがやはり重要だと思います。
 繰り返しになりますが、もう一度確認の意味で石井国土交通大臣にお約束をしていただきたいと思いますので、くどいようですけれども、もう一度是非お願いいたします。
#19
○国務大臣(石井啓一君) 踏切保安設備の整備に対する補助につきましては、今般の法改正を機に鉄道施設総合安全対策事業費補助の中の事業の一つとして位置付けましたが、その中で所要の予算をしっかりと確保して、対策を重点的に行ってまいりたいと思います。
 踏切道における保安設備の整備が適切に進められるように、この補助制度を適切に運用し、踏切事故件数の防止が着実に図られるようにしてまいりたいと存じます。
#20
○田城郁君 是非よろしくお願いいたします。
 障害物検知装置につきましては、面的に又は立体的に検知範囲を広げた場合に小動物や飛来物等も障害物として検知する可能性がございますが、不要な輸送障害が発生するおそれがあるとの指摘もされておりますし、運転士経験者としても十分に予想がされるんですけれども、逆に輸送障害を恐れて小さい物体を検知しない設定にしてしまうと、今度は踏切道に人が取り残されているにもかかわらず検知が反応しないなどという問題も生じてまいります。実際に、二〇一三年十月、横浜市の川和踏切におきまして、検知器が反応しなかったこと等を原因とする死亡事故が発生をしてしまいました。輸送障害の発生も重要な問題でありますが、安全の上に初めて安定運行が成り立つものだと考えます。
 そこでお伺いをいたしますが、現在開発されている高性能の障害物検知装置は踏切道内に取り残された人と小動物等を区別して検知できるほどの精度になっているのでしょうか。その辺りのことをお伺いをいたします。
#21
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の高性能の障害物検知装置といたしましては、ミリ波方式及び三次元レーザーレーダー方式があります。
 従来の光学式では、踏切道の中に閉じ込められた自動車の検知を念頭に置いたものであり、人を検知することは困難でしたが、これらの新しい方式では人を検知する確率が高くなるため、歩行者等の踏切対策に貢献するものと考えております。ただし、人か小動物かを明確に区別することまでは技術的に困難と承知をしております。
 高性能の障害物検知装置を設置している鉄道事業者は、このような検知能力を踏まえて送受信機の設置位置等を適切に調整をし、またソフト面の対策も組み合わせながら、歩行者や車椅子の横断者などが取り残された場合に適切に検知できるように取り組んでいるところでございます。
#22
○田城郁君 少しちょっと細かく聞いてみたいと思うんですが、例えば川和踏切の事故の場合、お年寄りの方が倒れていてそれを検知できなかった、そこを踏切を待っていた方が助けに行って悲惨な事故に遭ったということでありますが、その高さというのは、赤外線で検知していたときには五十センチぐらいにたしかなっていたと思うんですが、この3Dとかミリ波というところの新しいものについてはどの辺に設定をされているのか、技術的なことで済みませんが、分かる方がいましたらお願いいたします。
#23
○政府参考人(藤田耕三君) メーカーのカタログ等によりますと、ミリ波方式では直径十六センチ以上で高さ百十センチ以上の大きさのものを一〇〇%検知できるというふうにされております。それから、三次元レーザーレーダー方式では百センチメートル角程度以上の大きさのものを一〇〇%検知できると、こういうふうにされております。
#24
○田城郁君 ということは、高さ、3Dの場合一メーター、やっぱり人が倒れているという状況だとちょっとつらい、つらいというか、検知できないという状況なんでしょうかね。
 線から面になったという意味では進歩だろうし、高さも含めて三次元になるというのは大きな進歩だろうと思うんですけれども、だとしたら、次にも例出しますが、やはりそういうものなんだということを世の中の人が承知をしておく必要があるなというふうにも今聞いて改めて感じております。
 それで、見守り体制ということに入りますけれども、高齢者や障害者の方の踏切事故を未然に防ぐためには、保安設備の設置や充実に加えて、やはり限界がありますから、人による見守りも極めて大切であると考えます。直前横断をしてしまう高齢者等の方に声掛け、あるいは踏切道で転倒してしまった人の迅速な救助などは人の手が必要となるということもあります。
 特に近年、政府は在宅介護を推し進めておりまして、高齢者が踏切道を横断するケースは今後増加していくのではないかとも思われる中で、踏切道における人による見守りの重要性というものは高まっていくのではないかと考えます。
 そのため、鉄道事業者には、危険性の高い踏切道において保安要員を配置をするでありますとか努力が求められると思いますし、ボランティアによる踏切道の見守り活動の普及も有効な対策の一つではないかと考えます。
 鉄道事業者の監督官庁である国土交通省には、鉄道事業者への働きかけなど、踏切道における見守り体制の充実を図っていただきたく思いますが、どのようにお考えでしょうか。国交大臣、お願いいたします。
#25
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者や障害者の方の踏切事故防止には、ハード対策に加えまして、人の手によるソフト対策も重要だと認識をしております。委員御指摘のとおり、鉄道事業者におきましても、交通量の多い時間帯に保安要員を踏切の長さが長い踏切に配置している例があると承知をしております。
 国土交通省におきましては、高齢者等の踏切安全体制を検討するため、平成二十六年の七月に学識経験者、鉄道事業者、道路管理者及び警察庁から成る高齢者等による踏切事故防止対策検討会を設置をいたしまして、昨年十月に原因と対策について取りまとめ、公表をいたしました。
 この中で、事故防止を図るための観点の一つとして啓発活動等を位置付けまして、具体的な対策としては、高齢者施設や病院等へパンフレットやDVD等を配付し、踏切事故防止の理解を深める、また、踏切道周辺の住民、自治体と連携した地域ぐるみの介助ボランティアの活用、こういったことを示しております。
 国土交通省といたしましては、今回の法改正により、新たに設置される協議会や、また道路協力団体制度も活用しながら、踏切道周辺の住民や自治体と鉄道事業者が連携をし、検討会で取りまとめた対策を推進していくことによりまして高齢者等の踏切事故の防止に努めてまいります。
#26
○田城郁君 是非、CMの活用なども含めて、企業などが積極的に踏切道の危険性などをアピールするような御指導も含めてよろしくお願いしたいと思います。
 では次に、事故防止のための啓発活動というお話も出ましたので、そこら辺のことについて質問いたしますが、あえて、石井大臣、時速百キロで走行している列車がブレーキを掛けてから完全に停止するまでにどの程度の距離が必要なんでしょうか、お伺いいたします。
#27
○国務大臣(石井啓一君) これは車種ごとに異なりますけれども、一般的に時速百キロで走行している場合には、制動距離、完全に停止するまでの距離は四百メーターから五百メーター程度になります。
#28
○田城郁君 百キロですと、最近の新車ですと四百、そして古い車両ですと五百メーターぐらい掛かってしまうと。意外となかなか止まりにくいんだという電車のブレーキ性能というものが一般の方々には浸透していないような、そういう状況もあると思うんですよね。
 御答弁いただいたように、運転士が踏切道内に取り残されている人を視認をして急ブレーキを掛ける、列車はすぐ止まれない。これは、こうした事実を知らない人をどうするかという問題になってくると思いますけれども、このほかにも、自動車で踏切を横断中に遮断機が下りてしまったと、遮断機があるのでそのまま身動きが取れない状態で電車とぶつかってしまうなどということもあるんですが、遮断機が自動車に、押し当てて、折れないでそのまま斜めに素直に上がって、自動車にも余り、傷は多少付くかもしれませんが、損害がないような中で通り抜けられるという構造になっているんだということも余り知られていないと思うんですね。閉まった段階でパニックになってしまうというような状況も結構あるわけであります。
 そうしたことを踏まえますと、高齢者等による踏切事故を防ぐためには、学校、医療機関、高齢者施設等において鉄道や踏切道に関する理解を深めるための啓発活動が更に更に必要になるんではないかと思いますが、先ほども御答弁いただいたとは思いますが、是非企業には、CMも含めた、あるいは先ほどの高齢者施設などでの教育といいますか、そういうようなことも含めて是非積極的な啓蒙活動をやっていただければと思いますが、もう一度、確認のためにお願いいたします。
#29
○国務大臣(石井啓一君) 踏切事故防止のためには、鉄道事業者による安全対策に加えまして、踏切道を安全に通行するためのルール等について踏切通行者等の理解と協力が必要と認識をしております。
 このため、鉄道や踏切道に関する理解を深めるための啓発活動といたしまして、現在、踏切事故防止キャンペーン等の一環として、鉄道事業者、地方運輸局及び自治体等の関係機関が連携をし、例えば平成二十七年度におきましては、模擬踏切等を使用した体験等の講習会、自動車学校、小学校等への訪問活動、高齢者に対する事故防止チラシの配付等を実施をしております。
 国土交通省といたしましては、今後とも、高齢者等の踏切事故防止のために関係機関と連携をしてこのような啓発活動に精力的に取り組んでまいります。
#30
○田城郁君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、踏切事故を減らすためには、事故の背景に構造的な要因があるかないかなども含めて綿密な調査、検証が必要であると考えます。例えば、見通しが悪いなど現場の状況次第で、踏切道内に取り残された人や取り残された障害物を運転士に知らせる特殊信号発光機というものがありますけれども、この点滅に対して運転士の視認が遅れざるを得ないというケースも条件によってはあります。
 そこでお伺いをいたしますが、現在、踏切事故に関する調査、検証をする体制はどのように整備をされているのでしょうか、お伺いいたします。
#31
○政府参考人(松原裕君) 運輸安全委員会では、鉄道を始め、航空・船舶事故につきまして、責任追及という立場からではなく、どうしてそのような事故が起きたかという原因究明を通じて、事故等の再発防止、被害の軽減へ寄与するということを目的としまして、科学的そして客観的な観点から調査を進めております。
 お尋ねの踏切事故の調査を行うに当たりましては、一つは鉄道側の要因といたしまして、運転士による運転操作等の運転要因のみならず、軌道、信号等の鉄道施設あるいは車両の状況、さらには鉄道事業者の安全管理体制といった組織的な要因、さらには自動車や通行者といった道路側の要因も含めまして、事故原因に関わる可能性がある様々な事実情報を幅広く収集しまして、それを総合的に分析を行い、事故原因を究明しているところでございます。
 こうした調査を迅速かつ的確に行うに当たりまして、様々な専門分野の委員による多角的な審議を委員会を通じて行っております。また、高度専門的な技術を有する事故調査官を配置しております。さらに、必要に応じて専門組織や専門家の知見を活用する等の事故調査体制を構築してまいりました。
 今後とも、責任追及から分離された科学的かつ客観的な調査を的確に行いまして、踏切事故を始めとする鉄道事故、この再発防止及び被害の軽減に寄与してまいりたいと考えております。
#32
○田城郁君 ありがとうございます。
 責任追及から原因究明へということで徹底をしているということでした。
 ところで、陸海空、事故が結構最近起きておりますけれども、人員体制など非常に忙しいのではないかというふうに思いますが、例えば陸海空に分かれて調査官がいるのか、あるいは鉄道関係というのはその中で何人なのか、教えていただけませんか。
#33
○政府参考人(松原裕君) 事務局体制としては百八十名の体制がありまして、そのうち事故調査官として鉄道分野には十八名配置をしております。それぞれ専門家がおりまして、車両あるいは軌道、運行、その他それぞれの専門家を配置しております。
#34
○田城郁君 事故が重なったりすると、結構忙しいというか大変な状況にもなるということもお聞きしておりますので、十分な調査のできる、そういう体制を是非取っていただきたいし、そこら辺の御配慮を是非国交大臣、お願いいたします。
 次に、ボトルネック踏切の解消ということについて質問いたします。
 現在、歩行者の滞留が多く発生しているいわゆる歩行者ボトルネック踏切や歩道が狭隘な踏切が全国で多数残されております。そのような危険な踏切道において、踏切道の拡幅やカラー舗装等による歩車道の分離、緩衝材の設置によるレールと路面の隙間の解消など、安全性を高めるための措置を講じることが喫緊の課題となっております。
 こうした踏切は、様々なハンディキャップを抱える障害者の方々に特に危険な状況です。最近では歩行者ボトルネック踏切や歩道が狭隘な踏切も対策が進んでいるようでありますけれども、この取組を加速化して問題を解消するための政府の方針をお伺いをいたします。
#35
○国務大臣(石井啓一君) 歩行者ボトルネック踏切を始めとしまして課題のある踏切道につきまして、ハンディキャップを抱える障害者の方々に踏切道を安全に通行していただくための対策を進めることが重要と考えております。
 今回の改正案におきましては、当面の対策や踏切周辺対策を法律上位置付けることとしておりまして、歩道の拡幅やカラー舗装、歩行者等立体横断施設のバリアフリー化等の対策を推進することで障害者の方々の一層の安全性向上を図ってまいりたいと考えております。
#36
○田城郁君 是非よろしくお願いいたします。
 では、次に踏切道内における点字ブロックの設置ということで御質問させていただきますが。
 手元に資料が届けてあるかと思います。一番最後のページをめくっていただきますと、大阪府は、二〇一〇年に、目の不自由な方が安全に踏切道を通行できるようにするために全国で初めて踏切道内に点字ブロックを試験的に設置をいたしました。樹脂製の点字ブロックであれば滑りにくく強度が高いため、今のところ通行者の転倒や点字ブロックの破損など、大きなトラブルの報告はされていないようであります。一番表の新聞記事は、これから四年ぐらいたった後の記事ですけれども、特に問題は報告されていないというようなことで報道がされているということでありますが。
 お伺いいたします。踏切道内における点字ブロックの設置につきまして、その課題や今後の方向性など、国土交通省の御見解をお伺いをいたします。
#37
○国務大臣(石井啓一君) 点字ブロックは、歩道上を原則としまして、一つは視覚障害者を誘導する線状の誘導ブロック、もう一つは段差の存在等を警告する点状の警告ブロックの二種類がございます。視覚障害者の方々の御意見を伺いながら設置基準を定めているところであります。しかし、踏切道内の点字ブロックの設置に関しましては障害者の方々から様々な御要請をいただいているところでありまして、視覚障害者の方が誤認しないような点字ブロックの形状、形や設置方法などへの配慮が必要であると認識をしております。
 国土交通省としては、今御紹介いただいたような大阪府の取組も参考にしつつ、障害者団体など各方面の様々な御意見を伺いながら、踏切道内において障害者の方が安全に通行できるよう、適切な誘導策の在り方も含め、様々な視点で検討してまいりたいと存じます。
#38
○田城郁君 ありがとうございます。
 確かに、不完全なものであれば逆に危険な状況にも誘導してしまう可能性もありますから、十分なこれは研究が必要でありますけれども、是非前向きに取り組んでいただければと思います。
 次に、障害者割引についてお伺いをいたします。精神障害者の運賃割引制度について質問いたします。
 身体障害者、知的障害者の運賃割引は広く実施をされておりますが、精神障害者の運賃割引はJRを始めとする多くの鉄道事業者やバス事業者で実施をされておりません。障害者の方からも、身体・知的障害者に適用されている運賃割引から精神障害者が除外をされていることは、精神障害者に対する差別ではないかとの声も上がっております。このように、まだ障害者割引が使いやすいものとなっていない現状が残されております。折しも、国連障害者権利条約に基づき、障害者の社会参加の重要性を鑑みて制定された障害者差別解消法の施行日を明日、四月一日に控えております。
 障害者の社会参加を促進するためにも、精神障害者の皆さんへの障害者割引の適用の重要性、高まってきているものと考えますので、石井大臣の御見解、前向きな御見解をよろしくお願いをいたします。
#39
○国務大臣(石井啓一君) 障害のある全ての方々が鉄道やバス等の公共交通機関をスムーズに御利用いただけるようにすることは、大変重要な課題であると考えております。
 障害者に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという事業者の自主的な判断の中で理解と協力を求めてきたところであります。特に、障害者団体から要望の強い精神障害者への割引については、こうした取組の結果、精神障害者への割引を実施している事業者数も増加をしてきたところであります。一方、経営状況の厳しい事業者においては、精神障害者への割引の導入に当たっての負担も大きいことから、社会福祉施策の観点からの支援の検討も必要と考えております。
 引き続き、障害者割引につきましては、精神障害者も含めて更に使いやすいものとなるよう、厚生労働省を始めとした関係省庁と連携しつつ、各事業者や事業者団体等の関係者に対して働きかけてまいります。
#40
○田城郁君 是非よろしくお願いします。
 中小の厳しい経営状況の会社などには是非国からの補助金なども出すなどして、あるいは最高益を更新し続けているような大きな鉄道会社については是非前向きに取り組むように指導していただければと思いますし、今、SuicaやそのほかのICカードなどで技術的には共通化する、そういうことが比較的容易にできるような状況にもなりましたから、是非よろしくお願いをいたします。
 次に、JR東海の認知症事故訴訟に関連することについてお伺いいたします。
 責任能力がない認知症の男性が徘回中に電車にはねられ死亡した事故で家族が鉄道会社への賠償責任を負うかが争われた訴訟の上告審判決についてですけれども、最高裁は、三月一日、男性の妻に賠償を命じた名古屋高裁判決を破棄をして、JR東海側の逆転敗訴を言い渡しました。高齢者の四人に一人が認知症の予備軍とされておりまして、平成二十七年で五百二十万人、これが十年後、三十七年には七百万人まで増加するという試算もございます。同様の事案が今後数多く発生する可能性も十分に考えられます。
 国交省は、この問題を社会福祉の問題として人ごとと捉えるのではなく、厚労省を始め全省庁的な対策に向けて、公共交通分野における認知症高齢者の問題等を提起するなど積極的にこの問題を取り組むべきであると考えますが、いかがお考えでしょうか。大臣、お願いいたします。
#41
○国務大臣(石井啓一君) 政府においては、認知症を取り巻く課題に対応するために、厚生労働省を始めとしまして十二の関係府省庁が共同いたしまして、平成二十七年の一月に認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランを策定をいたしました。さらに、御指摘のあった最高裁の判決を受けまして、認知症の方による事件、事故に社会としてどのように備えていくのか、実態把握の方法などを関係省庁連絡会議において検討することとなっております。
 国土交通省といたしましても、会議における全体的な議論の方向性や事業者の意見も踏まえつつ、関係省庁とも連携し、公共交通分野における取組をしっかり検討してまいります。
#42
○田城郁君 是非お願いいたします。
 踏切道の見守り体制、踏切番といいましたか、そういう方々がどんどん効率化されていく、あるいは最近はこの東京の二十三区の駅でも改札の無人化というものが進んで、いろいろとそういう障害者の方やあるいはお年寄りの方々を見守る体制が非常に手薄になる方向になっています。非常に私は問題だと思いますので、そういうことも含めて、実態把握も、やはりしっかりと職員を配置するなどして、安全、その先の安心という体制を是非取っていただくよう、鉄道会社に御指導よろしくお願いいたします。
 次に、勝手踏切について、最後の質問ですが、移らせていただきます。
 鉄道事業者が踏切道として認めていない場所で線路を横断する行為は大変危険であり、鉄道営業法の法規にも抵触するおそれがあります。しかし、このいわゆる勝手踏切は、鉄道事業者が確認したものだけでも全国に約一万九千か所存在するわけであります。
 こうした勝手踏切が存在する理由としてどのようなものが考えられているのか、また、勝手踏切における安全対策について、国土交通省としてどのように取り組まれるのか、お伺いをいたします。
#43
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道事業者が踏切道として認めていない横断通路、いわゆる勝手踏切が存在する理由について、鉄道事業者によれば、踏切のある箇所まで行って線路を横断することが煩わしいため、近道として勝手踏切の箇所で線路を横断している場合が多いのではないかということでございます。
 勝手踏切を含めまして、いかなる理由であったとしても踏切道以外で線路を横断する行為は危険であります。鉄道事業者は、線路を横断しないよう注意喚起する看板の設置や侵入防止のための柵の設置などの対策を講じております。
 このような対策については、鉄道の安全確保の観点から、基本的には鉄道事業者において取り組むべきものと考えておりますけれども、国土交通省としては、このような鉄道事業者の取組を支援すべく、自治体等の関係機関にこの問題についての理解を求めるなど、可能な協力を行ってまいりたいと思っております。
#44
○田城郁君 ありがとうございます。是非、積極的に対策も含めて進めていただきたいと思います。
 人の命を奪う、そういう事故にも発展しかねませんし、人影を見ると非常ブレーキを掛けなくてはいけないのが運転士の立場の取扱いでありますから、安定輸送ということからしても遅れの原因となったり、そういう混乱に結び付くということでありますから、是非御指導をよろしくお願いをいたしまして、私からの質問を終わりにいたします。
 ありがとうございました。
#45
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 まずは、踏切道改良促進法の改正に関しまして伺います。
 昭和二十年代後半から三十年代前半にかけまして急激な都市化が進み、モータリゼーションの進展、また鉄道運転が高密度化する、こういったことが相まって、踏切事故や踏切による交通渋滞が多発しました。こうした状況を受けまして、交通事故の防止と交通の円滑化のため、本法律、元々の法律でございます踏切道改良促進法に関しましては、昭和三十六年に成立、施行されました。以来、五十年間で踏切数は半減しまして、事故も大幅に減少いたしましたが、依然として四日に一人死亡するペースで踏切事故が発生しております。開かずの踏切や遮断機のない踏切への対策など、引き続き事故根絶に向けての課題は多く残されています。
 また、安全対策に加えて、生産性向上という観点からもこの取組は非常に大切だと思っておりまして、踏切渋滞を解決することは、生産性の向上に大きく貢献をし、本年、石井大臣の下で生産革命元年と位置付けられて、本部も設置をされ、取組が進められていますけれども、様々な観点からこういった取組が必要だと思っております。
 改正法案の内容に関しましては、改良すべき踏切道の指定期限が五年間延長され、踏切改良の方法も拡充されまして、協議会制度が創設されるなど、本改正の内容は妥当なものであります。また、従来は安全面で課題がありながら大臣指定がなされなかったような踏切道に関しても議論のテーブルにのせることができるようになる、これは画期的な取組だと承知をしております。
 そこで、大臣に二点伺います。
 今般の改正により、改良すべき踏切とされる法指定踏切、この踏切の指定は一体どのように進んでいくのか、今後の見通しを教えていただきたいと思っております。また、今回新たに指定が今後進んでいく踏切は元々改良方法について合意が得られなかった踏切が多いということを考えると、大臣指定後の協議が難航することも予想されるわけですけれども、その対処方法が課題となりますが、そういう大臣指定後の協議が難航した場合、国土交通省はどのように対応していかれるのか、大臣の御所見をお聞かせください。
#46
○国務大臣(石井啓一君) 現行の踏切法では、改良の方法を定めて指定することとされているため、事実上、鉄道事業者と道路管理者が改良の方法を合意できなければ指定できないのが実態となっております。
 今回の改正案では、これを改めまして、課題のある踏切については、鉄道事業者と道路管理者の間で改良の方法が合意できていなくても国土交通大臣が指定をし、期間を定めて対策を促進することとしております。
 現行法では五年間で二百二十八か所の指定にとどまっておりますが、今後は、改正案に基づきまして、開かずの踏切など自動車交通の支障となっている踏切、歩道が狭隘であったり保安設備が十分でないために歩行者の安全な通行が確保されていない踏切について、五年間で少なくとも一千か所以上を指定してまいりたいと考えております。
 また、協議が難航した場合どうするかということでありますが、今回の法改正では、新たに創設される協議会において指定された踏切道の改良方法が検討されますけれども、協議会には国土交通省の機関である地方整備局及び地方運輸局が参加することとなっております。これらの機関は、道路行政、鉄道行政についての知見も生かし、踏切道の改良方法の検討に当たっての助言を行うことや、必要に応じて道路管理者や鉄道事業者に指導することなどにより、関係者の合意形成を促進し、踏切対策の推進を図ってまいります。
 また、鉄道事業者及び道路管理者が正当な理由なく踏切道の改良を実施していないと認められる場合には、国土交通大臣が必要に応じて勧告を実施する等、責任を持って踏切対策を進めてまいります。
#47
○河野義博君 大臣、今後一千か所ということで、かなりのハイペースの指定になっていくと思います。また、協議が調わない場合には助言また指導、さらには大臣勧告という御説明もございました。従来から大臣勧告というのは項目に設けられておりますけれども、実施に至ったケースはない中で、やっぱり助言、指導というのが大切になっていくんだろうというふうに思っております。道路管理者、鉄道事業者、言わば利害が相反するところの調整になりますので、しっかりと現場に寄り添って御指導いただきたいというふうに考えております。
 次に、道路法改正について伺います。
 道路管理の充実や利便性の増進に向けて、今回新たに道路協力団体制度が創設されまして、オープンカフェやレンタルサイクル、そして広告などの収益活動を財源に道路活動を行えることになります。また、道路協力団体が道路を占有する場合、従来の道路管理者が行っておりました占有手続が大幅に簡素化されるというふうになっておりますが、その簡素化される手続、これ具体的にはどのように簡素化されるのか、具体的に説明をいただきたいと思っております。
#48
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 道路の清掃、こういった身近な課題の解消、あるいは道路利用者ニーズのきめ細やかな対応ということに当たりまして、行政の取組に加えて地域の自発的な取組が重要であるというふうに認識しております。
 このため、今回、道路協力団体制度を法律の中に組み込ませていただいて、駅周辺の商店街などの民間団体の方々、あるいは道路管理者との連携強化によります道路管理の一層の充実を目指していきたいというふうに考えている次第でございます。
 今回の改正によりまして、例えば、今御指摘のありましたオープンカフェあるいはレンタサイクルの施設の設置につきまして、従前でありますと占用許可ということを行っておるわけでございますが、それを道路管理者との協議という形で行うということが可能としているところでございます。
 具体的にはどういうことかと申しますと、実際、通常の占用許可の要件になっておりますけれども、どうしてもその場所の占用をしなければならないのだという無余地性の原則という、そういう仕組みがございます。どうしてもそこを占用しなければならないのだという説明をしないといけないわけでございますが、そういった審査の省力化、あるいは道路協力団体の意向を踏まえた、現場の状況に応じた柔軟な方法によります協議といったようなものもできるようになってまいると思います。こういう中で、手続の負担が大幅に軽減されるのではないかと期待されているところでございます。
 以上でございます。
#49
○河野義博君 従来の許可制から協議に移ったということで、一歩前進ないい取組だと思います。従来、自治体の行政の判断によってまちまちで、民間としてはオープンカフェ、レンタルサイクルやりたいんだけれどもなかなか進まないという事情もございましたので、円滑に進むようになるということを期待したいというふうに思っております。
 次に、不法占有物件対策に関して伺います。
 占用許可を得ずに不法に看板や商品陳列棚などを設ける例が後を絶ちません。今回の改正によって不法占有物件の取締りが強化されることには歓迎をいたします。
 一方で、違法放置物件を除去した後の処理方法に関しまして、撤去後にその名称、種類、形状等を公示するということになっているんですけれども、個人的には、明らかに違法な看板とか、明らかに違法な通行の妨げとなるものにまでこういった丁寧な対応というのは本当に必要なんだろうかという思いもするわけですけれども、監督官庁としてどういった議論をしてこられたのか、検討を行った内容をお聞かせいただければと思います。
#50
○政府参考人(森昌文君) 今回の違法の放置物件を撤去後のその取扱いについて、今までもいろいろ様々議論があったところではございますが、違法に道路上に放置された物件でありましても、その所有権はやはり占有者にあるということがございます。撤去した物件をその占有者の権利を不当に侵害することなきよう、やはり保管等の手続は定めているというのが実態でございます。
 実際の公示の手続でございますけれども、保管した違法放置等の物件の占有者の申出を促し、返還を円滑にするためということでの必要な手続だというふうに認識しております。
 実際の運用に当たりましては、当然これからも公示の仕方あるいは返還要請の実態等も踏まえながら様々な改善は行っていきたいとは思っておりますが、やはり法的な手続をしっかり行った上で、その方々に対する実際のその権利をしっかりと確保した上での対応をさせていただければというふうに思っている次第でございます。
 以上でございます。
#51
○河野義博君 自転車やバイクの例ですと必要な手続だと私も思うんですけれども、明らかに道路の邪魔をしている捨て缶なんかを撤去したから告示しなきゃいけないのかというのは、そもそもやや私は疑問が残っておりまして、これは引き続き弾力的に検討いただけるということでしたので、引き続きの御検討をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、立体道路の活用促進に関して伺います。
 立体道路活用促進のため国有財産法等の特例措置の創設がなされまして、新たに道路区域以外の上部空間について、既存の一般道路についても区分所有権の設定が可能となります。
 今回、新たに設定可能とする背景、そして今後取組が進むと想定しているエリア、これはどこになるんでしょうか。
#52
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 立体道路制度、昨今、既存の一般道路において本制度を活用した建物を建てたいという、そういうニーズが様々なところで起こってきているところでございます。今般、今回のこの法律の中で行政財産における私権の設定の制限を解除し、区分地上権の設定を可能とするという形で、より一層の円滑な活用を図ることとしております。
 特に、今回の活用によりまして、踏切あるいはその駅周辺等の交通がふくそうするような通路の整備、そういったことが、整備が待たれます交通結節点、そういった場所や、あるいはまた、開発ニーズがあるものの利用可能な敷地が十分でないといった、特にこれは駅前周辺の商業施設が中心になろうかと思いますけれども、そういったエリアにおきまして道路空間の有効利用が進むものというふうに理解をしております。
 これによりまして、町の環境の整備、また、これによって道路利用者の利便性にも寄与するのではないかと期待しているところでございます。
 以上でございます。
#53
○河野義博君 道路整備、通路の整備とまた開発ニーズに応えるという、これは国有財産を活用する非常に大きな取組だと私高く評価をします。
 都心の利便性の高いところでは再開発の推進の牽引役にもなり得ると思いますし、非常に関心が高いわけですが。
 そこで、そもそもこの区分地上権、具体的な内容はどのようになるんでしょうか。そもそもこの権利というのは流通可能なものになるんでしょうか。すなわち、売買可能かということ、若しくは登記ができるんでしょうか、これを担保にお金を借りることができるんでしょうか。また、抵当権の設定が可能なのか、様々、また有効期限はあるのか、具体的なこの権利の内容、どういったものになるのか、お聞かせください。
#54
○政府参考人(森昌文君) 今までの取扱い見てまいりますと、区分地上権は、売買や登記また抵当権の設定が可能であるというふうに認識をしているところでございます。
 具体的な運用に当たりましては、今回設定となります区分地上権が道路に設定されるものということになりますので、道路空間の有効利用も図りながら、また道路の管理に支障を来すようなものになってはまずいわけでございますので、私どもとしても、期限の設定の在り方あるいは売買における必要な手続といったものにつきましては、他事例も参考にさせていただきながら今後検討してまいりたいというふうに思う次第でございます。
 以上でございます。
#55
○河野義博君 期限などは今後の検討課題ということでございましたので、特に駅前の一等地なんかは非常にニーズも高いと思いますので、よく意見を聞きながら速やかに決めていただくことを希望いたします。
 次に、関連しまして、自転車の活用を促す取組に関して伺います。
 自転車走行空間の整備方針でございますけれども、当然、自転車は車両に位置付けられておりまして車道を走ることが原則でございます。一方で、車道は往々にして車優先な現状もございまして、自転車専用走行レーンというのを設置を求める声も多いわけでございます。
 自転車活用を促進する意味でも、自転車専用走行レーンの整備を行っていただきたい、是非とも国交省として支援していただきたいというふうに考えますが、道路局長、御意見をお聞かせください。
#56
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、自転車の活用を推進するため、また歩いておられる歩行者の安全も確保しながら自転車活用を推進するという視点に立ちますと、自転車道あるいは自転車の専用通行帯といった、歩行者から分離した自転車の通行空間を確保することが重要であるというふうに認識しているところでございます。
 しかしながら、まだ、残念な状況ではございますが、都市部ではやはり新たに用地を買うということがなかなか難しい、あるいはまた時間が掛かってしまうということもございまして、専ら自転車が走るための道路のための拡幅といったようなものが非常に難しい状態にございます。そのために、車道通行を基本とした自転車の通行空間の整備延長、これはまだ約一千キロという状態にとどまっているという状況にございます。
 私ども国土交通省といたしましても、今、警察庁さんと連携しながら、限られた道路空間の中で自転車の専用通行帯の確保をいかにしていくのかということ、また、自転車の通行位置を示す矢羽根といった路面標示をしっかりと整備をさせていただいて、道路交通環境、様々な場面がございますので、その環境に応じた柔軟な方法で自転車の安全で快適な利用、そしてまたその通行空間の整備に努めてまいりたいと考えておる所存でございます。
 以上でございます。
#57
○河野義博君 最後になりますけれども、自転車に関連しまして、レンタルサイクル、シェアサイクルに関してでございます。
 多くの実証実験から、コンパクトシティーづくりの大きな施策と位置付けられております。今回の道路法改正にもシェアサイクル設備を造りやすくするような制度の創設もうたわれているわけでありますけれども、利用料金だけではなかなか収支が厳しいという現状でございまして、建設、ランニングコスト、こういった財源不足に対して国庫の負担を求める意見というのが出ているわけですけれども、このレンタルサイクル、シェアサイクルに関する支援方針、お聞かせください。
#58
○政府参考人(栗田卓也君) お答えいたします。
 シェアサイクルについてのお尋ねでございます。これは、都市内に設置されました複数のサイクルポートを相互に利用できる利便性の高い交通システム、世界の多くの都市で導入が進められています。我が国でも、公共交通の機能を補完する、そういった位置付けもございます。あるいは、今委員御指摘のとおり、コンパクトシティーという政策にも資するものと考えています。観光振興、地域の活性化に資する新たな都市の交通システムとして我が国でも近年導入が進められております。
 シェアサイクルの建設整備に関しましては、国の支援として、社会資本整備総合交付金などによりまして地方公共団体に対し財政的な支援を行ってきております。また、ランニングあるいは事業の運営ということにつきまして、これは事業主体に自立的に行っていただいておりまして、基本的に国の財政的な支援は現時点ではございませんが、事業の効率的な運営が可能となるように、地方公共団体などに対しまして様々な技術的支援を行ってきております。
 例えばでございますが、これまでにも、さいたま市、岡山市では交通系ICカードをシェアサイクルでも利用できるようなシステムを導入しておられます。あるいは、高松市ではシェアサイクルの利用で付与されたポイントで商店街で割引を受けられる、こういった仕組みを導入しておられまして、こういった仕組みの導入についても支援してまいりました。このような料金収入の増加につながるような具体的な取組、ノウハウにつきまして他の地方公共団体にも情報提供を行っていく、こういったことで効率的な事業運営をサポートしていきたいと考えております。
 引き続きまして、シェアサイクルが効果的に導入、運営されますように、もろもろの支援に努めてまいりたいと考えております。
#59
○河野義博君 ありがとうございました。
 設備に関しては国費が導入されております。ランニングに関しては様々制度面でのサポート、それをまた横展開というふうに承りました。これからもしっかりとよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#60
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 私は、一昨年六月、当委員会において踏切事故問題について質問をいたしました。警報機が鳴ってから遮断機が下りるまでの時間が余りにも短過ぎて、高齢者や障害者の皆さんが踏切を渡り切れないという問題点を指摘をしまして、検討会の設置を求めました。これを受けて国交省も検討会を設置をしていただきまして、防止策ということでまとまりました。ただ、検討会のメンバーに被害者や遺族の代表などが入っていなかったと認識をしておりますので、引き続き、検討会、様々な知見を集めるということからも開催というのも検討していただきたいというふうに思っております。
 そもそも、この踏切について、なぜこれほどまでに一旦は増えたのかということについて確認していきたいと思うんですが、道路法が制定をされた一九五二年当時から、この第三十一条におきまして、道路と鉄道の交差である踏切はこれは立体交差だと、立体交差としなきゃならないと、つまり、原則踏切は造ってはならないというのが道路法制定当時からの規定となっておりました。
 国交省に確認しますが、そもそも踏切よりも立体交差の方が安全だからという理由でこういう規定といいますか法律になったんだと思いますけれども、それでよろしいですか。
#61
○政府参考人(森昌文君) 道路法三十一条におきまして、鉄道、道路との交差の規定がございます。
 道路の新設又は改築により道路と鉄道とが相互に交差する場合の方式につきまして、立体交差を原則という形にさせていただいております。これは、今委員御指摘のように、平面交差に比べまして立体交差の方が安全であるという、そういう趣旨のほかに、立体交差によりましてまた円滑な道路交通が確保をされるといったような趣旨も踏まえての対応ということで理解をしておるところでございます。
 以上でございます。
#62
○辰巳孝太郎君 ですから、安全だからということなんですね。
 本来であれば、踏切というのはこの道路法が作られた時点で増えないということになるはずだったと思うんですが、なのになぜ踏切がそれ以降も造られてきたのかということをお答えいただきたいと思います。
#63
○政府参考人(森昌文君) 今答弁させていただきましたように、道路法三十一条におきましては、道路の新設、改築により道路と鉄道とが相互に交差する場合の方式について立体交差を原則としておりますが、一部の例外的な場合には平面交差とすることが認められておりまして、具体的には、道路の交通量又は鉄道の運転回数が少ない場合、地形上やむを得ない場合という、こういう規定がございます。
 それ以外に、道路法施行令第三十五条というところでございますが、交差が一時的である場合、暫定的に多分使うということでの、例えば工事で使うとかそういったようなことだろうと思っておりますが、交差が一時的である場合。そして二つ目としましては、臨港線又は市場線である鉄道が港又は市場に近接して道路と交差する場合及び鉄道が停車場に近接した場所で道路と交差する場合で、立体交差とすることによって道路又は鉄道の効用が著しく阻害される場合。そして三つ目に、立体交差とすることによって増加する工事の費用がこれによって生ずる利益を著しく超える場合と、こういう場合には平面交差によることができるというふうにされているところでございます。
 以上でございます。
#64
○辰巳孝太郎君 今紹介いただきました施行令の三十五条ですね、法律では原則立体なんだけれども、例外というのがありますよと。今紹介いただいた中で、最後の三つ目ですね、立体交差とすることによって増加する工事の費用がこれによって生ずる利益を著しく超える場合は立体じゃなくてもいいということになっておりまして、これ、よくよく考えてみますと、つまり工事費用、莫大なものが掛かるんですが、この費用と、踏切でいえばやはり人命リスクということですから、ここをてんびんに掛けて立体交差としなくていいよという規定がここに入り込んでしまっているわけですね。そもそもこれがどうなのだという問題意識が私にはあります。
 今のが道路法なんですが、一方で、鉄道関係法令上はどうなっているのかということを調べますと、鉄道に関する技術上の基準を定める省令というものがありまして、ここでも原則はこれは立体なんだと、踏切ではないんだが、しかし例外としては少しあると。一九八七年にこの省令ができた当時も、例外はあるんだが、この道路法上の施行令のような工事費用と人命リスクてんびんに掛けてのような例外はこの鉄道の方にはないわけですね。ですから、そこにはやはり踏切を造らないと、踏切そのものが人命のリスクがあるんだというのがこの一九八七年の鉄道法の精神だったのではないかというふうに思います。道路法ではこの例外規定はまだ残っております。
 大臣にお聞きをしますけれども、やはり踏切によって人命が奪われていること、この本改正案は踏切を減らすためのものですから、これに鑑みれば新たな踏切はもう造らないということでよろしいでしょうか。
#65
○国務大臣(石井啓一君) 道路の新設、改築により道路と鉄道が交差する際に、この交差部の安全の確保を図ることは極めて重要でありまして、立体交差が望ましいものと考えております。
 御指摘の規定については、財政上の制約もある中、あらゆる場合に立体交差を求めることも現実的ではなく、交通の安全性確保や円滑化の観点から、立体交差によって見込まれる利益と比べ立体交差に要する費用が過大である場合に平面交差とすることはやむを得ないとの考え方に基づく規定であります。ただし、例外的にこの規定を適用する場合にも、平面交差により踏切を設置せざるを得ない場合の安全性を軽視してよいということではなく、保安設備の整備その他必要な措置を講ずべきことは言うまでもありません。
 いずれにいたしましても、道路法の原則は立体交差であり、交通の安全確保を最優先に考え、踏切の新設については慎重に対応し、立体交差が原則という考え方で取り組んでまいります。
#66
○辰巳孝太郎君 その原則を逸脱することがないように注視していきたいと思います。
 続いて、道路協力団体について数点確認をしたいというふうに思います。
 改正法第四十八条の二十一、一項において、道路協力団体は、道路管理者に協力して、道路に関する工事又は道路の維持を行うものとすると規定をされております。確認しますが、この工事というのはどのようなものが想定されているんでしょうか。
#67
○政府参考人(森昌文君) 今回の改正案では、道路協力団体の業務の一部といたしまして、道路管理者に協力をして、道路に関する工事又は道路の維持を行うことと規定しておりまして、清掃その他の維持のほかに簡易な工事の実施というのを想定しております。具体的には、従来より行ってきているものとして、例えば植栽升の整備あるいは歩道段差解消のためのステップの設置、例えば商店街での身障者の誘導シールの貼付けといった極めて軽微なものを想定しているところでございます。
 以上でございます。
#68
○辰巳孝太郎君 軽微なものをということなんですが、幾つか確認をしたいと思います。
 この道路協力団体は、いわゆる民間業者、事業者ですね。例えば、地域の建設会社が道路協力団体になることも可能であります。その場合、道路の改変を発注するのは道路管理者である自治体などになるわけでありますけれども、その場合であっても入札という手続を取るのかということと、あとは、公共事業ということになりますと、いわゆる入札及び契約の適正化の促進に関する法律や住宅の品質確保の促進等に関する法律、これの対象になるのかということを確認したいと思います。
#69
○政府参考人(森昌文君) 私たちは、当然、道路管理者が工事を発注する場合には公平公正な競争の下で入札を実施して手続を行っていくということになりますので、結果的に道路協力団体の方々がその手続の中で受注するということは、これは制度上あり得るというふうに思うところでございます。当然その際にも、今御指摘ございましたような、例えば公共工事の入札、契約の適正化の促進に関する法律、あるいは品確法といったような法律、それぞれの法律の法令にのっとりまして入札、契約を適切に実施をしていくということになると思っております。
 先ほど来の繰り返しになりますけれども、道路協力団体が実施する工事というもの自身は、清掃あるいは非常に簡易なものとしてのボランティアの域の、エリアの工事というふうなものを想定しているのが基本というふうに御理解いただければと思います。
 以上でございます。
#70
○辰巳孝太郎君 簡易なものをということでありますが、改めて管理責任の所在ということについてもちょっと確認をしておきたいと思うんですね。
 道路協力団体が道路管理者の依頼によって例えば凸凹を直すとかバリアフリーにするために何か造ったものが破損をして通行者に損害を与えた場合、これは一体どちらの責任ということになるんでしょうか、管理者なのか協力団体なのか。
#71
○政府参考人(森昌文君) 今回、道路協力団体の方々に行っていただいたものを、これを私たちがしっかりとした手続を経て引き取ったものは、当然これは私たちの施設ということでございますので、それで万が一いろいろ事故が起こったりというようなことになれば、当然これは私たちの責任という形になると御理解いただければと思います。
#72
○辰巳孝太郎君 もう一つ、四十八条二十一では、六つの業務を行うものとしております。国交省は全てを行う必要はないんだという説明をしておりますが、では、この一項で道路管理者に協力して道路の維持とありますが、これも行う必要がないということになるのか、また、そうなれば、二項に規定している収益活動のみを行うことができるということなんでしょうか。
#73
○政府参考人(森昌文君) この道路協力団体制度自身は、沿道における身近な課題の解消あるいは道路利用者ニーズへのきめ細やかな対応をするために、私たち道路管理者と連携をして地区の自発的な取組を一層促していただく、あるいは発揮していただくということを期待する制度でございます。
 そのためでございますが、当然、道路協力団体の制度趣旨を、こういった趣旨を踏まえれば、この協力団体の指定に当たりましては、道路管理者と連携をして行った道路に関する活動実績あるいは提案された活動内容というのをあらかじめ私どもとしても確認をさせていただきたいというふうに思っている次第でございます。
 よって、オープンカフェといったような、例えば収益活動しかやらないというような方々に関しては、私たちとしては団体を、これを指定するというつもりはございません。
 以上でございます。
#74
○辰巳孝太郎君 今オープンカフェということをおっしゃっていただきましたが、営利活動を行っている企業も協力団体として指定が可能となるわけですね。
 私、いろいろ考えてみますと、例えば歩道上に様々な、例えば大手コーヒーチェーン店があると。そういうコーヒーチェーン店が協力団体として指定をされた場合に、これも可能になるわけですね。もちろん道路の維持やりますよと、お掃除やりますよということを言うと思うんですけれども、その場合、民間企業ですから、今までだったら例えば占用料金の徴収の基準というのを皆さん設けておられるわけですけれども、これについてはどういう考えをお持ちですか。
#75
○政府参考人(森昌文君) 今まで沿道でそういう営業活動をされてこられた方というのも、先ほども御紹介しましたように、御説明をさせていただきましたように、まずは私たちの活動の実際、道路の維持管理等々の活動実績をしていただいたということがまず基本になっております。
 また、その後、オープンカフェ等々のいろいろな活動をしていただく上での協議に関しましては、先ほどの一連の私どもの方の占用活動あるいは協力団体としての活動をしていただく議論の中で、先ほど御紹介したような、例えば占用の条件等々を一緒にお話をさせていただくというような形になっておりますので、今までの占用という手続であれば、先ほどの無余地性という、それ以外の場所で占用をすることがなぜできないのかと、そこで占用せざるを得ないのは理由はなぜなのだというようなことを理由として申請をしていただき、許可をするという、そういう手続があったわけでございますが、今回、それについては協議という形に変わっていくということになりますので、その協議の議論の中で、今お話をされているような彼らの意向、またこれからの活動についてはしっかりとお話を聞かせていただくという所存でございます。
#76
○辰巳孝太郎君 大臣、やはり民間企業にとっては、そこで営業ができるわけですね、オープンカフェで。土地を占有することで、そこでできるわけですから、利益が莫大なものになるケースも私出てくると思うんですね。
 そうなりますと、収益の確保が優先してしまうということになりますと私は法の趣旨に反すると思いますけれども、歯止めといいますか、大臣のお考えを最後に聞きたいと思います。
#77
○委員長(金子洋一君) 時間ですので、お答えは簡潔に願います。
#78
○国務大臣(石井啓一君) 道路協力団体は業務内容から利益を得ることが可能な制度でありますが、その利益については道路の管理に還元いただくことを基本とする仕組みであります。
 このため、道路協力団体の指定に当たっては、道路管理者と連携して行った道路に関する活動実績や提案された活動内容とともに、活動によって得られた収益の使途についても確認することとしております。また、活動中においても業務状況に対する報告を求めることを可能としており、公的活動等に対する取組状況を確認、検証した上で、必要に応じて適切に指導してまいります。
#79
○辰巳孝太郎君 ありがとうございました。
#80
○室井邦彦君 おおさか維新の会の室井でございます。
 この日本の国の面積は三十七万平方キロメートルですか、一億三千万人の人口でありますけれども、世界から見ましても、旅客輸送量というのは、一番がインドで、二番目が中国、三位が日本という、ある調査機関のデータでありますけれども、この小さな島国でこれだけの鉄道が走り、そして道路が横断しているという、本当に網の目のごとく大変な業務だなというふうに思っております。国土交通省、また道路局、また鉄道局の皆さん方には敬意を表したいと思っております。
 そこで、もう単刀直入に、時間もございませんので、今回のこの法改正によって、平成三十二年までに踏切事故数は約一割削減と、後でこの一割ってどういう数字なのかはお聞きしますけれども、踏切遮断による損失時間約五%、ここも確認したいところでありますけれども、今後、削減を五%達成して、今後五年間という一つの区切りを付けておられますけれども、この五年間で達成させようとする目標、この設定はどのような根拠で決められたのか、まずお聞きをしたいと思います。
#81
○政府参考人(森昌文君) 私どもの方のこの踏切対策に関しましては、元々交通事故の防止あるいは交通の円滑化に寄与するということを目的としておりますので、その対策の効果をしっかり図るという、そういう指標をしっかりつくるということを前提としておりまして、今委員御指摘のように、踏切事故、あるいは踏切遮断時間を例えば五%削減するというものを平成三十二年までの目標という形にさせていただいているところでございます。
 これ、元々、私どもとしては、過去の実績並びに大きな個別の箇所に関しましてはその個別の実際の実績データ、これを基にこの将来目標を掲げさせていただいているところでございまして、例えばこれは踏切事故の件数でございますが、過去の実績で、平成二十年から二十五年の間に三百三十三件を二百九十七件という形での一割削減をしっかりと達成できたということをベースに、今回もその一割削減を、しっかりまずは最低限の目標としてセットさせていただこうと。また、踏切遮断時間につきましても、私どもの今まで持っておりますデータとして、平成二十六年度と平成十九年度比の部分の八%削減という、こういう実際の実績データをベースに、今回の五年分につきましては五%程度の削減が最大限これは可能であろうと。当然、この目標値というのは別にこれを達成したらこれで終わりというわけではございませんで、これを最低限のベースとしまして更にまた一層の効果が発現できるように私どもとしてもしっかり頑張っていきたいというふうに思う所存でございます。
 以上でございます。
#82
○室井邦彦君 そうですね、ひとつそういう方向で頑張っていただきたいんですが。
 この損失時間は、約五%削減というのは一日六万人時間削減という考え方で、数字でいいのかな。この五%ということを、そういう解釈でよろしい、一日六万人時間という表現でよろしいんですか。
#83
○政府参考人(森昌文君) 私どもの方の今の計画の内容でございますけれども、一日としては全体として六万人時間の削減を目標としているということでございます。委員の御指摘のとおりでございます。
#84
○室井邦彦君 それでよかったわけですね。はい、理解できました。ありがとうございます。
 続いて質問をいたしますが、この未着手にある抜本的踏切の今後の取組についてお伺いをいたしたいと思います。
 この抜本対策踏切、いわゆる立体化等による踏切の除却ということでありますけれども、この対策を実施できなかった千二十五か所、約七割の踏切のうち、平成二十六年度末までに何の対策も取ることができなかったという百九十六か所について、今後、法改正によってどのような取組ができるのか、どう進んでいくのかお聞きをしたい。
#85
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 今委員御指摘の立体化など抜本対策に着手できなかった一千二十五か所というものでございますが、これ平成十八年、十九年当時に私たちがやはり緊急に対策が必要ではないかというふうに抽出をさせていただいた千九百六十か所のうち、抜本的な対策ができていないものが千二十五か所存在するという、その数字であろうというふうに思います。
 その中でも、特に、何も正直言って手を着けられなかったというふうに言われております、速効対策も実施できなかったという箇所が百九十六か所まだ残っているということではございますが、その差、この速効対策というのは、踏切の歩道拡幅を少ししたりカラー舗装をしたり、あるいは列車速度に応じて遮断時間を調整する賢い踏切という、これはそういう電子制御をした賢い踏切装置というものを設置していくという、そういう努力を緊急対策として、速効対策として行ってきたという実績がございます。とはいいながらも、この中でも、やはり歩道拡幅等々につきましては用地買収が必要であったり、あるいは鉄道事業者あるいは道路管理者との協議が調わなくて実施ができないというような箇所があった結果、結局は百九十六か所についてはまだ手が着いていないというのが実態でございます。
 今後は、そういったところに様々な知見を持った関係者が一堂に会することで、しっかりとそういう対策が全く講じられないで放置されることのないように努力をしていきたいというふうに思う所存でございます。
 以上でございます。
#86
○室井邦彦君 くどいようですけれども、何の対策も取ることができなかったというこの百九十六か所について、しっかりと今回の法改正をうまく使うというか利用しながら解決を図っていっていただきたいと、手を加えて改良していただきたいと要望して、次の質問に移ります。
 次は、大臣がお答えをいただけるようでありますので。この国土交通大臣指定による改良方法の下で、地域の事情に合った踏切対策ということで、しっかりとしたその指定を大臣が行うという、踏切の改良方法について、これは非常に一歩前に進むといいますか、半歩前に進むといいますか、すばらしいことだなというふうに私は感じております。
 そこで、この踏切対策の促進に大臣の権限が大きくなるということはすばらしいことでありますが、一方で、この踏切改良方法の指定を国土交通大臣が行うということで、踏切の改良法に地域住民の意向がどのくらい反映させることができるのか、また、地域の事情に合った踏切対策等をすることができるのか、この辺がちょっと心配な部分になるわけでありますけれども、その点は、大臣、御所見をお聞かせください。
#87
○国務大臣(石井啓一君) 改正法におきましては、一定の踏切遮断時間や踏切交通遮断量等の課題のある踏切については国土交通大臣が指定を行うこととしております。指定後の対策の実施に当たっては、御指摘のように、地域住民の意向を踏まえて取り組むことが重要と考えております。
 このため、改正法におきましては、鉄道事業者、道路管理者のみならず、地域の関係者も含めた踏切道改良協議会において、地域一体となって協議する仕組みを取り入れたところでありまして、踏切道の実情に応じた踏切対策の検討がこれまで以上に進むものと考えております。
#88
○室井邦彦君 どうか地域住民の意見も十分に取り入れ、反映できるようにお願いをしたいと思います。国土交通省の言葉で、常に、現場力というか、現場の力といいますか、現場を非常に大切にされておりますし、やはりそれが基本になっておるようでありますので、是非、地域住民の意向、声を反映できるような措置をとっていただくように御要望させていただいておきます。
 続いて、道路協力団体による道路の占用手続について質問いたしますが、先ほど来いろいろと質問が出ておりますので重複いたしますけれども、御容赦ください。
 この自治会、商店街、商店会ですね、NPO団体、ライオンズ等奉仕団体のような、地域と密着している、また平素から地域に貢献している団体であれば、道路協力団体に指定されなくても道路管理者との協議で道路の占用を認めるべきではないのかと思っておりますが、なぜこの道路協力団体でないと駄目なのか、その点をお聞きをしたいと思います。
#89
○大臣政務官(江島潔君) まず、この道路協力団体制度でありますけれども、これは道路管理者と連携をして道路の管理に資する活動を行うものというのがこの制度そのものでございます。
 この指定に当たってでありますけれども、道路管理者と連携して行った道路に関する活動実績あるいは提案された活動内容等をあらかじめ確認した上でこの指定を受けることになるわけであります。
 したがいまして、この占有でありますけれども、まずこの道路協力団体というものに指定をされますと、幾つかの前提条件をクリアされるわけでありまして、まず道路の管理に資する活動を担っている団体、実績がある団体であるということと、それと、指定段階におきまして様々な今後の活動計画についても既に管理者と確認をし合えているという、そういう前提条件がありますので、だから道路協力団体には円滑で柔軟な手続をもって占用許可を与えようということであります。
#90
○室井邦彦君 了解しました。
 しかし、商店街、商店会とかライオンズ、NPOは地域に非常に密着していろんな行事また道路の清掃とかしている。それを一つの行事というか、そういうふうにしている団体もありまして、その点がちょっと私気になったもので確認をさせていただいたということであります。よろしくお願いしたいと思います。
 最後の質問になります。
 このボランティア・サポート・プログラムの今後の取組について、こういう状況の中で道路協力団体の創設によってボランティア・サポート・プログラムの今後の取組がどのようになっていくのか、お聞きをしたいと思います。
#91
○政府参考人(森昌文君) ボランティア・サポート・プログラムでございますが、これは、今までも、委員御指摘のように、民間団体の方々に道路の清掃あるいは除草といったようなものを御協力いただいている団体でございます。今回、道路協力団体制度というものがまた別途できることではございますが、ボランティア活動としてこのボランティア・サポート・プログラムの方々に引き続き活動していただくことは当然可能だというふうに私どもの方は認識をしているところでございます。
 また、それに加えて、協力団体として活動していただいて、一層道路利用者へのニーズのきめ細かな対応といったような活動にも参加していただくことも可能ということでございまして、今までどおり、あるいはまたそれを一層高める活動も可能というふうに御理解いただければいいと思います。
 以上でございます。
#92
○室井邦彦君 終わります。
#93
○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。
 最初に、踏切道改良における法指定についてお伺いします。
 従来は改良の方法を定めなければ国交大臣が踏切道を指定できなかった、これを対策の必要性が高いものについて改良の方法を定めずに指定を行うことができるようにするというのが今回の法改正のポイントであるようです。
 確かに、踏切道改良に多くの時間が掛かり、より迅速な対応が求められていることは理解はできます。しかし、具体的な改良の方法ということになると、やっぱり具体的な改良の方法を定めないで指定できるということになりますと改良のめどが立たない踏切が指定される可能性も当然あります。法指定をすることと実際の施行が円滑に進むということは別問題でありまして、まさに言うはやすし行うは難しということであって、法指定に当たってはやっぱり鉄道事業者による施行がいかに大変かという実情に配慮することが重要だと考えます。
 具体的には、踏切道を改良する場合、先ほど来お話がありますように、立体交差化、それから踏切道の拡幅という二つの主要な方法はあります。
 立体交差化は、用地を取得し地権者の同意を得るだけでなく、町が立体交差で分断されることに対する地域住民の合意形成に大変手間が掛かります。また、列車が走らない時間帯に工事を行うということでありますから、一日おおむね二、三時間という限られた時間帯で施工しなければならない。また、夜間に貨物列車が走る線区も当然あるわけでありまして、更に短い時間になるという状況もあります。また、線路や架線がある狭い空間に立体交差を造る工事ということですから、特殊な工法が要求される、このような事情から、立体交差化の設計から完成までは少なくとも数年から十数年、あるいは二十数年掛かっておりますのが普通であります。
 これに対して、踏切道を拡幅する場合も、当然、用地の取得で地権者の同意を得なければならない。踏切道の幅が広がることに伴って、列車と自動車の衝突防止の保安設備がきちっと動作するのか、これを専門技術者が確認する作業も必要となってくる。したがって、拡幅工事であっても協議に数年要し、設計から完成まで最低でも一、二年掛かるのが普通であります。私の地元仙台では、もう地元から強い要請をいただいておるのでありますけれども、地権者の同意が得られないで三十年以上掛かっても踏切道の拡幅がままならないところも数か所実はあるのであります。
 このような踏切道改良工事の実情に照らすと、法指定をする際は、計画の策定や施行における実効性を確保できるかどうかという観点から鉄道事業者の事情を確認する必要が大いにありだと思います。
 改良のめどが立たない踏切が数多く指定される事態は混乱を招くだけだと思いますけれども、国交大臣の御見解をお伺いします。
#94
○国務大臣(石井啓一君) 今回の改正案では、一定の踏切遮断時間や踏切遮断交通量等の課題のある踏切については、国土交通大臣が指定し、期間を定めて対策を促進することとしております。
 その上で、対策の検討に当たっては、従来の立体交差化や踏切道の拡幅等の手法に加えまして、カラー舗装等の当面の対策や駅周辺の駐車場等の周辺対策を法律上位置付けることによりまして、鉄道事業者や道路管理者が取り得る対策の選択肢を広げることで、現場の状況に応じた対策を取りやすくする工夫を行っております。
 改良すべき踏切の指定に当たりましては、踏切遮断時間等に基づく指定基準への該当を判断することはもちろんでありますけれども、指定による対策の実効性が上がるよう、現場の状況も勘案しながら適切に指定してまいりたいと考えております。
#95
○中野正志君 しっかり御答弁いただかなかったんですが、鉄道事業者の事情はしっかり確認をするという理解でよろしいんですね、大臣。
#96
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道事業者の事情も含めて、現場の状況もよく勘案しながら適切にしてまいりたいと存じます。
#97
○中野正志君 次に、改良計画策定の運用についてお伺いいたします。
 今回の法改正で、少なくとも一千か所以上の踏切を指定することになると承知をしておりますけれども、法指定踏切の増加によって、改良計画をまとめるまでに今まで以上に時間が掛かってしまう可能性があるとも思います。
 踏切道改良促進法が制定された昭和三十六年度から昨年十二月までに指定された踏切道三万五千三十四件のうち、いまだ工事に着手していない箇所は、先ほど来のとおりたくさん残っているということであります。指定はされたものの着工に至っていない箇所がそこほどまでに多いということは、やっぱりなかなか容易ではないなという事情を端的に表すものであります。
 そこで、この改良計画の運用に当たっては、道路管理者と鉄道事業者との間で、もう一発でぼんと指定するのではなくて、例えば向こう五年間ではもうこの箇所、何十か所、何百か所ということで優先的に改良工事を進めるものを中心に議論をして計画策定をして改良を進めるという工夫が必要ではないのだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(石井啓一君) 踏切対策の実施に当たりましては、考えられる様々な対策の中から、時間軸を意識して優先順位を付けながら取り組むことが重要と考えております。
 踏切道改良計画には、立体交差化等の抜本的な対策だけでなく、カラー舗装等の、先ほど御紹介いたしましたように、カラー舗装等の当面の対策や駅周辺の駐輪場整備等の踏切周辺対策といった比較的時間の掛からない対策も盛り込むことができることとなっておりまして、これらの対策の緊急性や要する期間に応じ、優先付けをしながら計画が作成されるものと考えております。
#99
○中野正志君 時間の関係で提案だけ申し上げますけれども、協議会制度を創設する点についてお伺いをいたします。
 協議会の運用に当たっては、都道府県単位で意見を調整することで実効性を確保することが大切だと認識をいたしております。そのためには、やっぱり地方整備局や地方運輸局がイニシアチブを取るといった工夫が重要ではないかなと思いますので、あえて答弁を求めないで提案だけいたしておきます。
 航空局長さんにおいでをいただいておりますので、かねてから質問したい一つだけ取りあえずお伺いをいたしておきたいと思います。
 羽田空港発のアメリカ便路線の拡大をめぐる日米交渉についてお伺いします。
 先月、日米航空当局間協議が合意に達し、今年、二〇一六年十月末から羽田空港の昼間時間帯に日米双方一日五便ずつ、深夜早朝時間帯では双方一日一便ずつ運航することが決まったようであります。昼間の時間帯でアメリカ便が新設されますと、羽田を昼間に出発すれば、アメリカ東海岸のニューヨークに現地時間の夕刻には到着するということになり、大変便利になる。私たちは歓迎をいたしたいと思います。
 国交省としては、都心上空の飛行制限を緩和するなどの工夫で羽田発の発着枠を更に拡大するおつもりだと、こう承知をいたしております。滑走路の利用効率を高めた羽田空港が成田空港と適切に役割分担をして、結果として、我が国のこの首都圏含めて空港機能が一層強化されるということは大いに期待をいたしておるところでもあります。
 しかし、国内の航空会社に対する発着枠の割当てがどうなるのか、あるいはアメリカ側はどうなのか、また今後の更なる拡大枠の基準は何なのか、明らかにしていただきたいと思います。航空局長、よろしくお願いします。
#100
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 羽田空港の国際線発着枠に関する我が国と米国との航空当局間協議は、御指摘のように二月の十八日に合意に至りました。今後、本年十月末から始まる冬ダイヤからの運航開始を目指しまして、日米双方が発着枠配分の準備を進めていくということにいたしております。
 御指摘の発着枠の我が国の航空会社への配分につきましては現時点では決定しておりませんが、今後、各航空会社の要望や、日本航空の企業再生に関する国土交通省の対応方針について定めましたいわゆる八・一〇ペーパーの趣旨等を踏まえまして、適切に判断をしてまいりたいと考えております。
 また、米国の航空会社への配分につきましては、米国運輸省によってなされるものと承知をしております。
 今後の羽田空港の機能強化による発着枠の拡大につきましては、現在、国際線の発着枠を二〇二〇年までに年間約四万回増やすということを目指しまして関係自治体等との協議を行っている段階でありますので、その発着枠の配分につきましては今後検討してまいりたいと考えてございます。
#101
○中野正志君 今朝の新聞でも、二千万人を更に四千万人に倍増したいと、インバウンドでありますね。そういうことを考えますと、今、羽田、更に四万回増やすという御決意もありましたけれども、またこの割当ての中身の議論は、時間がありませんので次回にお願いをいたしたいと思います。
 時間ですので、終わります。
#102
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 本法律案の内容の質問の前に、関連をしますけれども、認知症患者の鉄道事故の対応について質問いたします。
 二〇〇七年に認知症患者が徘回中にJR東海の電車にはねられて死亡した事故で遺族が賠償責任を負うかが争われた訴訟で、最高裁は去る三月一日、JR東海の請求を棄却する判決を下しました。
 今回のケースは、営業黒字の大企業であるJR東海が御遺族に対して賠償請求するという世間の理解も得難い訴訟でしたが、一方で鉄道事故により損害が生じたことも事実であります。国交省によれば、鉄道事業者が事故に関し亡くなった方やその遺族に損害賠償請求をするか否かは事業者の個別判断に委ねられているようであります。しかし、公共交通機関としての鉄道事業者は、経営の安定確保に向けて損害の回復も必要ですし、国民や利用者の信頼も維持しなければなりません。
 どのような場合に請求権を行使し、どのような場合に請求権を放棄するかには、ある程度客観的な線引きが必要ではないでしょうか。また、そのためにも、国交省としての国内の事故及び損害補償、賠償請求の実態、あるいは諸外国における実態の把握が必要ではないかと考えますが、見解を伺います。
#103
○政府参考人(藤田耕三君) 鉄道事故が発生した場合の損害賠償請求につきましては、鉄道事業者と当事者による民事上の問題でございまして、各鉄道事業者が個々のケースごとに個別の事情を踏まえて企業として判断すべき問題であると認識をしております。
 すなわち、損害賠償請求権の行使につきましては、極めて個別の事情ごとの問題でありますので、なかなか客観的な線引きをするということについては難しい面があるのではないかと考えております。また、基本的には、これは民間企業である鉄道事業者がそれぞれの企業の自律的な判断に基づいて決定すべき問題であると考えております。
#104
○吉田忠智君 難しい課題であることは理解をしておりますけれども、是非様々な実情を調べて、国交省としても今後また対応を検討していただきたいと思います。
 次に、法案について質問いたします。
 本法案についてはおおむね妥当な内容であると考えております。今回、踏切道の改良方法を検討するための協議会制度を創設しますが、法案の資料でも、地域の関係者と連携してプロセスを見える化しながら対策を検討すると説明されておりまして、地域住民の参加や協議の中身への住民の意見の反映が期待されるところであります。
 協議会はどのような構成になるのでしょうか。住民の参加は保障されるのでしょうか。また、協議のプロセスを公表すべきと考えますが、いかがですか。
#105
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 今回、改正の中に盛り込まれております地方踏切道改良協議会、ここには、関係する鉄道事業者、道路管理者に加えまして地域の関係者の方々にも参加をしていただいて、改良の方法を検討する場としてこの協議会を設置するということを規定させていただいているところでございます。
 この中で、当然、当面の対策あるいは踏切周辺の対策といったような幅広な議論もしていただけるものということで、踏切道の改良が更に進むことを期待しているところでございます。また、実際に事業に移りましたときには現場におけます事業内容の協議の円滑化といったようなことも期待されるところではないかということでございます。
 実際、協議会の運用に当たりましては、協議プロセスを見える化していくということで、地域住民の方々にも関心を持っていただいて、さらにまたその意見の反映をしていただけるよう、また意見をいただけるように努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 具体的には、関係市町村長さん、そしてまた先ほど来議論が出ております道路協力団体の方々、そして警察あるいはPTAの方々といったような方々にも入っていただいて御議論いただけることを期待しているところでございます。
 以上でございます。
#106
○吉田忠智君 協議会制度の創設は、この踏切道の改良が更に促進されてそして安全の確保につながるという点で評価をしておりますし、是非これが効果が上がるように進めていただきたいと思います。
 平成二十七年度から踏切安全通行カルテが作成されています。踏切道の現状を見える化をして、透明性を保ちながら個別の状況を踏まえた対策を推進していくためのものと伺っております。踏切安全通行カルテの制度の概要、カルテの作成に当たって地域住民や利用者の声は反映されるのか、どのような活用方法を想定しておられるのか、また現在の作成の進捗状況についてお聞かせをいただきたいと思います。
#107
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 この踏切安全通行カルテでございますけれども、本年度より新たな試みとしまして、例えば踏切の諸元、あるいは踏切での事故の発生や、どのような要望が寄せられているか、また今まで行ってきた対策がどういうものがあるのか、そしてまた今どのぐらい進んでいるのかというのを一覧にまとめて整理をさせていただいているものでございます。これ、当然、今後の協議会等々で議論していただく上での最も一番基礎的となりますデータになるわけでございますが、一方で、そういうデータを総覧性の下で作らせていただくことで、地域住民の方々にも、あっ、こういう言い方をしている人たちがここにいるんだなというようなことも含めて御理解いただき、また、その中から新たな提案あるいは要望といったようなものも寄せられることを期待しているところでございます。
 まだ今は作成途上ということでございますので、今後、指定と相まってこのカルテの作成を一層加速させていきたいと思っておりますが、一つの新たな取組といたしまして、是非とも効果の上がるように一生懸命頑張ってまいりたいと思う所存でございます。
 以上でございます。
#108
○吉田忠智君 ちなみに、幾つぐらいの踏切でこのカルテは作られているんでしょうか。
#109
○政府参考人(森昌文君) 今、現状におきましては、緊急対策踏切等々を中心に約一千か所強のカルテを作成途上ということでございますが、ひいては将来その対象踏切は拡大をしていきたいというふうに思う所存でございます。
 以上でございます。
#110
○吉田忠智君 更に生かされるように取組を進めていただきたいと思います。
 踏切道改良に当たって、このカルテあるいは協議会を通じて地域住民の意見、要望が着実に反映されるようにまたしていただきたいと思います。
 次に、鉄道に対する鳥獣害について質問をいたします。
 地方の特に山間部の鉄道路線では、鹿やイノシシなどの鳥獣の衝突事案が頻発しております。私の地元は大分でありますが、JR九州管内では、平成二十六年度は五百十五件、二十七年度は五百十九件と、依然として深刻な状況が続いております。二十二年には、肥薩線において、鹿の衝突後に状況確認に降車した運転士が重傷を負うという事故も起きております。乗客乗員の安全上の大きな問題となっているわけでございます。夜間は特に衝突後の状況確認に危険が伴いますが、当該列車の運転士ではなく、後続列車による確認など、柔軟に対応できるよう国交省からも事業者に働きかけていただきたいと思います。
 当面、侵入防止柵やセンサーとパトライトの設置、誘鹿材など事業者による様々な対策がなされておりますが、柵の設置には七キロで約一億円、そして誘鹿材も一個五千円、狩猟者への報酬にも費用が掛かります。衝突しても巻き込まず、はね飛ばすような構造への車両改造は費用負担も重く、取組が進んでいないということでございます。
 JR会社法の改正の際にも議論されましたように、JR九州は鉄道事業単体では赤字であります。鳥獣害が頻発している他の鉄道事業者の路線も、山間部で赤字ローカル線というところばかりであります。あってはならないことでありますけれども、事業者任せではコストと鳥獣害に伴うリスクをてんびんに掛けるような判断にもなりかねないわけであります。十分な鳥獣害対策を実施して、乗客乗員の安全を確保するため、国交省としても財源も含めた支援を検討すべきだと、そのように考えます。
 国交省として鉄道に関する鳥獣害についてどのように認識をしておられるか。事業者による対策を国として支援することも必要と考えますが、いかがでしょうか。
#111
○政府参考人(藤田耕三君) 鹿やイノシシなどの動物との接触によりまして旅客列車で三十分以上の遅延等が生じた輸送障害の件数、これを見ますと、平成二十六年度において五百四十三件発生しております。年によって違いはありますけれども、近年増加傾向にございまして、鉄道の安定輸送という面からも取組が求められているというふうに認識をしております。
 鉄道事業者におきましては、これらの動物との衝突を防止する対策としまして、動物が線路に侵入することを防ぐための柵の設置、あるいは動物がよく侵入する要注意箇所における列車の徐行等の対策を行っております。
 これらの対策、基本的にはやはり鉄道事業者の責任で行っていただくべきものと考えておりますけれども、国土交通省といたしましても、各鉄道事業者と、これら動物による被害の発生状況や対策等について、情報共有、意見交換等を行っております。引き続き、効果的な対策等について情報交換を行うなどの取組を行ってまいりたいと考えております。
#112
○吉田忠智君 財源も含めた支援も必要だと考えますが、その点についてはいかがですか。
#113
○政府参考人(藤田耕三君) 鉄道の安全、安定輸送というのは、これは基本的に鉄道事業者の責務でございますので、まずは基本的には鉄道事業者の責任で行っていただくべきものと考えております。
#114
○吉田忠智君 鳥獣害の被害については、大変深刻な問題になっているのは御案内のとおりであります。そして、それが結果としてこういう鉄道における鳥獣害の問題ということで増えているわけでございます。
 改めて、大臣、この鳥獣害対策について、一段、二段踏み込んだ対策が必要ではないかと思いますが、その点についてのお考えを伺いたいと思います。
#115
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど鉄道局長答弁いたしたところでありますけれども、鉄道事業者ともよく情報交換をしながら、今後とも効果的な対策について検討してまいりたいと存じます。
#116
○吉田忠智君 先ほど、大臣がちょっと退席されているときに、認知症患者の鉄道事故への対応について質問をいたしました。鉄道局長にお答えをいただきましたが、なかなか難しい課題であることは承知をしておりますけれども、やっぱりこれはある程度のガイドラインというか目安というか、私はこれが必要ではないかと思っております。
 この点について、大臣の見解を伺いたいと思います。
#117
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道事故のみならず、認知症の方の事故というのは社会全体で起こり得べきことでございますので、社会全体でどのように考えていくのかと、そういったことも踏まえながら、今後検討してまいりたいと存じます。
#118
○吉田忠智君 踏切道の事故が減りますように、この法律がしっかり生かされますように取組の強化を要請をしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#119
○脇雅史君 鉄道事故、踏切事故につきましてこれまで論議がなされてまいりまして、鉄道はいつも勝手に走っているわけでありまして、そこを渡る人が気を付ければいいわけですけれども、適切な注意義務を果たしていたのに事故が起こるといったことは避けなければいけない。適切な注意義務を果たしていたら大丈夫かといっても、今のお話のように、幼少者でありますとか高齢者でありますとか、適切な注意義務そのものを果たせない人も増えてきたと。これは今大臣の御答弁でもありましたが、鉄道事故だけではありませんけれども、社会全体として考えていかなくちゃいけない。ですから、踏切道の改良もそういった意味で総合的に考えなくちゃいけない状況になったのかなという感想を持ちましたが、いずれにしても、この法案、実行することには大賛成でございまして、更に対策が的確に進むことを希望しております。
 この法案に対する質問は終わりまして、この間の続きをちょっとさせてもらいたいんですが。
 談合問題といいましょうか、入札契約に関する問題というのは、実は私も国会議員になって以来ずっと継続的に質問してまいりまして、最近は余りやっておりませんが、十二年前ぐらいには頻繁にやっておったんです。その頃と余り状況は変わっていないんですが、品確法という法律ができて、その改正もできて、客観的には明らかに変わってきたはずなんですけれども、行政の実態としてまだ対応できない部分もあるのではないかなという思いもあって、久しぶりにまたこの問題について少し触れたいと思っているわけであります。
 入札契約問題を考えるときにやはり大きな要素は、予定価というやつですね。この間もちょっと触れましたが、どんな契約をするときでも、あらかじめそれを造るのには幾ら掛かるかというものを予定価としてつくりまして、その予定価に対して、これ予定価は秘密になっているわけですが、入札をさせて一番安い者と契約をしましょうと、まあその前段としていろんな過程はあるわけですが。
 この予定価というのは、会計法に基づく予決令、予算決算及び会計令ですけれども、「予定価格は、契約の目的となる物件又は役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めなければならない。」と。要するに、実勢価格をちゃんと見なさいよと、誠にまともな当然な規定なんですけれども、実際いろんな場面でこれが本当にできるかというと難しいことがあるんですよ。
 車を購入します。トヨタを買うんだとか日産を買うんだとかというわけにいきませんから、車を購入するときに、例えば二千ccクラスぐらいでこんな能力のある車を買うんだといって予定価決めるってどうしますか。まさか自分で積算積み上げて車一台これだけ掛かるだろうなんてことはできませんから、定価を見たり、幾らなら売ってくれるかということをあらかじめ販売店に聞いて、そのうち安い辺を取っておくかとか様々ないろんな工夫があるんでしょうが、そんなことで予定価って定まるんですよね。だから、なかなか簡単じゃないんですよ。人によっても変わってくる可能性があるんです。
 また、この間、囲碁のソフトでプロ棋士を負かしたのがありましたね。あれをもし国が開発しようとしたら、その開発に関する予定価はどうします。できますか。そういうものはいっぱいあるんです。原子炉なんかもそうですし、ロケットを打ち上げるのもそうですし、初めてやるようなものは実勢価格なんかないんだから、それはいろんな工夫が要るんです。しかし、法律は一本だから、適正に定められたものによってそれより低けりゃいいというようなことになっているんですが、実態がそうでないのが明らかなんですね。
 ですから、この間申し上げましたけれども、実際何が起こっているのかということをしっかり見た上で、税金ですから無駄な使い方をしてはいけません。しっかりと適正にうまく決めていくという知恵は常に求められているんだということを、特に担当する行政、本省レベルの方にはそのことに十分留意してほしいんです。現場でそんなこと考えてこの法律おかしいからなんて思ったってできませんから、法律、法文どおり実行することが本当に国民の利益に一致するのかということを常に行政の現場の人は考えなければいけないんで、おかしかったら法文を変えるんですね。内閣、閣法はいっぱいあるんですからそういう努力が必要なんです。
 我々は立法府ですから、当然、どういう法律が正しいのかということを見ながら様々な意見を拝聴した上で変えるべきものは変えるという努力が常に要るということは申し上げておきたいんです。ですから、会計法とか予決令なんというものは全然変わりません。ずうっと一緒ですよね。だから、本当にこの中身が何なのかということはしっかりと考えていっていただきたい。
 そこで、まず、発注者が予定価格で入札したときに、その発注者、最終的には納税者ということになりますけれども、予定価格どおりだったら一体国は損したということになるのかということについて、どうでしょうか。
#120
○政府参考人(田端浩君) 国土交通省においては、公共工事等を発注する際に、今御指摘ありましたように、取引の実例価格や需給の状況等を考慮して予定価格を定めております。この予定価格とは、国が契約金額を決定する際の基準となるものであり、会計法令に従い、予定価格の制限の範囲内で最も有利な申込みをした者を契約の相手方としております。このため、仮に予定価格と落札価格とが同額であったとしても、そのことをもって発注者に損害が生じているものではありません。
#121
○脇雅史君 そのとおりなんですね。ところが、世間には、予定価と落札額が一緒だったら必ず不正が起こったはずだと思う人たちがいっぱいいらっしゃるんですね。オンブズマンなんという人がいて、実際にそういう裁判を起こしているんです。驚くべきことに、一審でそれが有罪とされて、その後、高裁で無罪と逆転判決があった例があるんですが、事情を知らない人は、一致するはずがないからきっと悪いことしたに違いないと、どうせ建設業者が悪いことしているんだと、やっちゃえ、やっちゃえというような話になっているんですが、予定価で契約しても決しておかしくない。
 そこで、予定価というと、今言ったように正しく定められているかというと、最近でこそ良くなってきましたが、歩切りというのがあるんですね。例えば、計算をして積み上げて、この工事幾ら掛かるか、十億八千万円掛かります、それを持っていくと、役所ですと事務所長とか局長が実際に計算した値を見て予定価というところへ書き込むんですね。予定価を書いて、そして封筒に入れて金庫に入れて、落札するまできちっと保管をする。町長さんとか市長さんも同じですよね。事務方から上がってきて、十億八千万ですと。そうか、ちょっと八千万邪魔だな、なかなか地方の財政も厳しいから十億にしておこうかと。で、十億と書いちゃうんですね。それ、もう封をして金庫入れちゃうから誰も分からない。そうすると、予定価は十億なんですよ。これは適正かと。おかしいだろうということをずうっと言ってきたんですが、そのことは誰も言わないんです。
 実は、予定価をそういうふうに決めるということは、私は取引においては発注者が優越的な立場を利用した悪事ではないかと。公取、答えはいいですけれども、公正取引という面から見たら明らかにおかしいだろうと、優越的地位の濫用だと罰するべきなんですが、そんなものを罰したって国民誰も喜びません。どうせ建設業者は悪いことしているんだし、地方は財政が苦しいんだからいいじゃねえか、それぐらい、出せば受けるんだから。それで、十億八千万だったのが、それが九億何ぼで実際は落札されたと、ほれ見ろと、俺は正しいんだという自信を持って次は更に歩切りを進めていくということがずうっとなされてきたんですね。
 しかし、品確法の改正をして、そういうことをやってきた結果、安過ぎる契約をずっとしていると、特に建設業者が多過ぎましたから、過当競争が起こってどんどん潰れていくと、どんどん人件費が下がるという実態が起こったわけですね。
 これではいけないというわけで、品確法を改正して、適正な利潤を上げられるようにしなくちゃ駄目ですよということを言ったんです。その法改正によって、国交省頑張っていただきまして、歩切りは根絶しようと、歩切りは法律違反だということにして頑張ったんですね。で、実態はどうなりましたか。
#122
○政府参考人(谷脇暁君) 今御指摘がございました歩切りでございますけれども、改正された品確法によりまして、適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除して予定価格とするいわゆる歩切りにつきましては品確法に違反するということが明確化された、こういうことを受けまして、総務省とも連携をいたしまして、いろいろな機会を通じましてこの早期の見直しを要請をしてきたところでございます。
 昨年の一月の段階でいわゆる歩切りをしております団体が四百五十九団体ございましたけれども、この年度末の時点で全ての団体がこの歩切りについては廃止をするという方針を固めていただいたところでございます。
#123
○脇雅史君 大変な努力だったと思いますが、歩切りについては根絶をされる方向に向かったということですね。
 元々、品確法が、平成十七年だったですかね、適用されるようになるまでは、安けりゃいいんだ、それは、百億しようが何だろうが、一円でも安かったらそこと契約した方がいいんですよという建前になっていたわけですが、実態は、こいつ大丈夫かなという人もいれば、これだったら大丈夫だろうと、ある程度資格を入れたことをやっているわけですが、資格のある人でも、明らかにこの工事はこっちの方がいいんじゃないかというようなことがあるわけですよね。ですから、総合評価をして決めましょう、価格だけではないんですよと。
 しかも、まだこれから造るものの話ですから、結局は過去の実績が物を言うということになるんですね。過去の実績だけ言っていると、今度は、俺たちは新規参入したいのに新規参入できないじゃないかという不満も出て、なかなかここは難しいところなんですが、しかし実績を見る以外にはないんですね。安過ぎるということはいろんな弊害が起こってきたわけですよ。
 そこで、これは公取にお聞きしますが、予定価格に比して安過ぎる契約というのは、今は品確法がありますから、過去はともかく、品確法の第七条では適正な利潤を上げさせる責務を負っているわけですね、発注者は。そこが負えないような契約であったら、これは公正な取引とは言えないのではないかと。今までは、安い契約に対してそれが公正を害しているとは公取も言わなかったと思いますが、今の新しい品確法の下ではいかがでしょう。
#124
○政府参考人(松尾勝君) お答えいたします。
 独占禁止法の観点から申し上げさせていただきますと、公共工事に係る入札につきましては予定価格の制限の範囲内における競争を前提としているものでございまして、落札価格が予定価格に比して低いものであったといたしましても、その事実のみをもって直ちに独占禁止法上問題となるものではないというふうに考えておるところでございます。
 ただし、採算を度外視した極端な安値受注が繰り返されることによりまして競争事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるような場合におきましては、独占禁止法で禁止されております不当廉売として問題となるというふうに考えております。
#125
○脇雅史君 そうなんですよね。出血大サービスで赤字覚悟でやりますよということは、通常の商行為の中ではあるんですよね。これは、損したって、将来的に、長期的に見れば企業としては成り立つんだという経営判断は当然にあり得るから、一件だけ安くやったから法律違反だということはなかなか言えない。かつて、皇居で一万円だか何かで落札した例がありましたけれども、皇居の仕事ができるんなら採算度外視だ、ほかでもうけたやつは全部つぎ込むんだという人がいたって、必ずしも不正かどうかは分からない。
 しかし、公取は、しっかりとした公正取引という目で見れば望ましくないのは明らかなんで、安ければいいんだという会計法に基づく精神は捨ててほしいんです。品確法も法律ですよ。同じ法律の中でそういうのがあるんだから、場合によるとおっしゃいましたけれども、場合によっているかどうかしっかり見て、明らかにおかしいやつは駄目と。
 しかし、確かに一件だけ起きたからすぐやるというのは、法的な手続を取っておかしいとは言えないかもしれないけれども、全体の我が国の法体系からいえば望ましいことではないですよというようなことはむしろ言うべきなんですよね。俺たち知らない、安いほどいいんだ、税金使っているんだからそれが正しいんだというふうに是非思い込まずに、新しい法体系の中での独禁法の適用ということを更に考えていただきたいと思います。
 時間が来ちゃったんですが、八問用意していたら二つしか聞けなかったので、また次回やらせていただくようお願いいたします、委員長。
 ありがとうございました。
#126
○行田邦子君 無所属の行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 踏切といいますと、ちょっと私事ではありますけれども、私の青春時代は踏切に悩まされたと、踏切との闘いであったというようなことを覚えております。私が住んでおりましたところというのは、利用する駅に行くまでに必ず、どう迂回しても必ず踏切を通らなければ駅にたどり着けないと、しかも、第一京浜国道と環状八号線という環状道路とそれから鉄道が入り組んでいるというような地域でありました。それが子供の頃だったんですけれども、もしかしたら私が生きている間に立体交差にならないかもと思っていたんですが、平成二十四年にこの鉄道は完全な高架化して、二十八か所の踏切がなくなったということでありました。本当に格段に交通の利便性が高まったということを実感をしております。
 今日のこの踏切道改良促進法の改正案、私は賛成でございますけれども、これを機にさらに、踏切事故がなくなる、そしてまた踏切がなくなるということの一助になっていただければということを期待を申し上げまして、質問に入らせていただきます。
 まず、大臣に伺いたいと思うんですが、お手元にお配りしております資料一も御覧いただきながらなんですけれども、日本は、減ったとはいっても、まだ全国で三万四千の踏切があります。そして、東京二十三区と海外の主要都市を比べますと非常に踏切が多いと。パリの九十倍、ニューヨークの十三倍ということであります。
 なぜ日本は、また東京二十三区は踏切がこんなに多いのか、その理由についてお聞かせいただきたいのと、そして、これだけ踏切が多いということがいかがなものかと思うんですが、都市交通の安全性、利便性の視点から御所見を伺いたいと思います。
#127
○国務大臣(石井啓一君) 我が国におきましては、明治期以降、近代国家としての交通の基盤を速やかに整えるべく道路や鉄道のインフラ整備に取り組んでまいりました。これらの整備の過程で、ヨーロッパとは異なり、鉄道網の整備が道路の整備に先行したということ、また、東京外縁部におきましては、敷設済みの鉄道沿線において急速な市街地化が進んだこと等から、立体化がなされぬまま平面構造の踏切が増えたという経緯があると認識をしております。
 このため、東京二十三区内は先進諸国と比較しても踏切が大変多く、昭和三十年代以降、踏切対策を進めてまいりましたが、遮断機の設置等の対策が中心であったこともありまして、依然として多くの踏切が残されている状況にございます。こうした踏切は、踏切事故の多発に見られるとおり、都市交通の安全性を損なっているとともに、開かずの踏切など、交通の流れを阻害することで多くの方々の時間的損失をもたらすなど、都市の利便性を損なっているものと認識しておりまして、その対策が急務であると認識をしております。
#128
○行田邦子君 明治になって鉄道が整備されまして、そして戦後になって新たにどんどんと道路が拡幅されたり、また新しくできたりという中で、人の移動や輸送も増えていくという急速な都市化が進むわけでありますけれども、ここで私が政府参考人に、局長に伺いたいんですけれども、都市化が進む中で、もっと早期に立体化を促すという方針を打ち出して対応していくべきではなかったのかと今更ながら思うわけでありますけれども、その点についてお聞かせいただけますでしょうか。
#129
○政府参考人(森昌文君) お答えいたします。
 全体の都市化の状況、あるいはまた鉄道、道路の整備の状況、今大臣から御説明をさせていただいたとおりではございますが、その以前からもやはり立体化を推進する動きというのはあったようでございます。ただ、やはり厳しい財政状況の下、立体交差でお金を使うよりは先に線を延ばすということにやはり腐心をしてきたということの結果の表れかなというふうに思っているところでございます。
 特に、踏切の事故は昭和二十年代後半からやはり急増してきておりまして、その当時からやはり渋滞あるいは事故の解消といったものが急務であるということで、昭和三十六年に踏切道の改良促進法が制定されたということでございます。ただ、その中でも大多数が保安設備のないいわゆる第四種踏切、遮断機もなければ警報機もないというような踏切がたくさんあったということで、その設置あるいは設備の高度化を中心に行ってきたということが現状として言われているところでございます。
 立体交差につきましても、今も現状におきましても、財政状況が非常に厳しい中で道路管理者あるいは鉄道事業者のそれぞれの努力が行われてきているところでございますが、なかなか負担が大きいということもあって十分な手当てあるいは実施が行われてきていないという実態にございます。
 以上でございます。
#130
○行田邦子君 都市化が進んでまた人の輸送量が増えたり移動が増えると、より一層立体交差化というのはお金も掛かるし、また時間も掛かると、地権者との合意も必要になるという、都市化が進めば進むほど難しくなるわけでありますので、これをもっと早期に立体化ということでしっかりと取り組んでおくべきではなかったのかなというふうに思っております。
 また、道路法三十一条におきましては、道路の新設のときには原則鉄道と交差する場合には立体化ということも明記されているわけでありますので、その例外ばかりを増やしていくというのも政策上いかがなものであったのかなということを考えております。
 次の質問に移りたいと思いますけれども、改良すべき踏切道ということで大臣が指定するということ、これまでも昭和三十六年以降行われてきたわけでありますけれども、五年ごとに指定をするということで行われてきて、で、今般の改正でもあるわけでありますけれども、平成二十三年から二十七年のこの五年間の以前、つまり平成二十三年度以前に改良すべき踏切道として指定されたにもかかわらず、未着工が三百二十四か所あります。このうち立体交差化のような大掛かりなものは、これはもう年月を要するというのは、これは理解できるんですけれども、一方で、保安設備をしなさいと指定されておきながらまだ未着工のものが三十九か所あります。これはどういうことなんでしょうか。
#131
○政府参考人(藤田耕三君) 御指摘のとおり、平成二十三年度以前に保安設備を設置する予定として指定された踏切道のうち未着工のものが三十九か所ございます。
 その主な理由でございますけれども、基本的にはこれ事情、環境の変化ということでございまして、例えば第一種化を予定していた踏切につきましては、その後の道路交通量や列車通過本数の減少に伴って整備の優先順位が低くなったといったこと、あるいは警報時間制御装置の設置が必要とされた踏切、これは通過速度が異なる列車がある場合にそれぞれの速度に応じて適切なタイミングで踏切を鳴動させる装置のことでございますけれども、これについては、その後、列車種類が同一化したとか、あるいは道路交通量が減ったということでその設置の必要性が乏しくなったと、こういった事情でございます。
#132
○行田邦子君 であるならば、今後指定の見直しといったことも状況の変化に応じて行っていくべきではないかなというふうに思っておりますし、またそれほど困難ではない、時間を要しない、また費用を要しない保安設備についてはしっかりと進めるように適切な指導をお願いしたいと思います。
 鉄道など、また道路などの輸送について、まず第一に考えるべきことというのは、これは安全の確保だと考えておりますけれども、他方でですけれども、やはり鉄道の輸送というのは利便性の供与といった役割も担っていると考えております。そういう視点で質問したいと思うんですけれども、平成二十六年度の踏切事故が二百四十八件発生しているということであります。
 そこで、これによる電車の運休、そして遅延が起きています。資料二を見ていただきたいと思うんですけれども、平成二十六年度で踏切障害事故による運休、遅延が、運休本数が三千七百十八本、遅延本数が四千二百九十二本、最大遅延時間計二万一千六十八分ということで、結構な時間が失われているということであります。
 先ほどからの審議の中でもありましたけれども、指標としまして、踏切遮断による損失時間というのはこれは試算をされていますし、そしてまた、平成三十二年度までの目標ということも掲げられているわけでありますけれども、踏切事故による電車の運休また遅延による損失時間というものをどのように試算をされていますでしょうか。
#133
○政府参考人(藤田耕三君) 踏切事故が発生したことに伴う損失時間というものは、結論的に申し上げますと、算出はしておりません。
 これは列車の遅延あるいは回復、あるいは乗客の行動、なかなか複雑なものがございまして、技術的に難しいという面もございますけれども、基本的には、踏切事故ということに関してはその件数そのものを減らすということを指標にしてまいりたいというふうに考えておると、こういった事情でございます。
 ただ、御指摘のとおり、鉄道にとりまして定時性、信頼性、これ大変大事なことでございますので、踏切事故に限らずいろいろな要因でこれ発生いたします。そういったトータルの観点から、こういった遅延対策というものに取り組んでまいりたいと考えております。
#134
○行田邦子君 先ほどからの議論の中でも立体交差化が望ましいけれども、それなりにお金が掛かると。掛かる費用に対しての効果がどうなのかといった御答弁もございましたけれども、費用対効果ということを見るときに、輸送については安全性の確保というのが第一ではありますけれども、一方で、利便性ということの視点で、どれだけ電車が運休したり遅延をすると失う時間があるのか、経済ロスがあるのかといったことを是非試算をしていただきたいと思います。そうすれば、いかに踏切を除去しなければいけないのかという結論にたどり着くというふうに思っております。
 最後の質問なんですけれども、大臣に伺いたいと思います。
 電車の運休、遅延というのは踏切事故以外にも起きております。どのぐらい起きているのかということをお手元の資料を眺めながらと思うんですけれども、まず平成二十六年度の輸送障害は五千二百九十一件でした。輸送障害というのは、電車の運休そしてまた三十分以上の遅延なんですけれども、結構起きています。また、それ以外にも人身事故は四百四十九件起きていますので、それによる遅延、運休も起きているかと思います。
 そして、ちょっとこれは私がいつも利用している宇都宮線・高崎線なんですけれども、一か月でどのぐらい三十分を超える遅延があったのかなというのを見てみますと、午前七時から十一時の間で、三十日で六回、三十分を超える遅延が起きていると。結構起きているわけであります。
 というような状況で、これを見ますと、私は電車の運休、遅延が人々の生活や仕事に与える影響、そしてまた経済ロスというのは大きなものがあるというふうに推察をしております。輸送において何よりも優先されることというのは、それは安全の確保でありますけれども、他方、鉄道輸送というのは利便性の供与という役割も担っている点を踏まえまして、電車遅延についての実態把握や、また国土交通省としてのお取組についてお聞かせいただきたいと思います。
#135
○国務大臣(石井啓一君) 鉄道輸送の信頼性を向上させるためには、定時性の確保が重要であります。
 近年、東京圏の都市鉄道におきましては、混雑による乗降時間が増えることに伴う慢性的な遅延や、異常気象、機器故障等に伴う長時間かつ広範囲にわたる遅延が発生をしておりまして、対策の必要性が増しております。
 現在、交通政策審議会におきまして、東京圏における今後の都市鉄道の在り方について議論をされておりますが、遅延対策は重要なテーマの一つとされております。具体的には、遅延の現状と改善の状況を指標等により見える化し、それを踏まえて各鉄道事業者が対策を強化する、降雪時等において利用者の行動判断に資するよう情報提供を拡充するなどの方向で議論が行われていると聞いております。
 国土交通省といたしましては、鉄道事業者と連携し、安全運行を大前提としつつ、利用者からの信頼が厚く、いつでも安心して利用できる都市鉄道を実現すべく、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
#136
○行田邦子君 終わります。
#137
○委員長(金子洋一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(金子洋一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、広田君から発言を求められておりますので、これを許します。広田一君。
#139
○広田一君 私は、ただいま可決されました踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党、社会民主党・護憲連合の各派並びに各派に属しない議員行田邦子君及び脇雅史君の共同提案による附帯決議案を提出をいたします。
 案文を朗読をいたします。
    踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 国土交通省が平成十九年に緊急対策踏切を千九百六十箇所公表しているが、現在までに指定されているのは約六百箇所であることから、本法に基づく指定を速やかに行うとともに、踏切道の改良が円滑に進むよう、道路管理者と鉄道事業者の協議を促すなど一層の措置を講ずること。
 二 道路管理者と鉄道事業者が地方踏切道改良協議会を組織する場合においては、地域の関係者の意見が適切に反映され、円満に合意形成が図られるよう、必要な助言・支援を行うこと。また、国踏切道改良計画の作成に当たっては、地域の関係者の意見が適切に反映されるよう努めること。
 三 立体交差事業の推進が根本的な解決策ではあるものの、完成までに長期間を要することから、早期に踏切事故を防止するために、道路管理者と鉄道事業者が協力し、完成までの当面の対策として、各踏切道の状況を踏まえつつ、地域住民の目線で、踏切道の拡幅やカラー舗装等による歩車道の分離、軌道の平滑化、迂回路対策等の種々の安全対策を総動員できるよう指導すること。
 四 高齢者の踏切事故が多い現状に鑑み、認知症の人を含む高齢者等の様々な特性に十分配慮した対策を検討し、踏切事故の防止に努めること。
 五 鉄道事業者による踏切保安設備の整備の一層の促進を図るため、適切な支援措置を講ずること。
 六 跨線橋等の老朽化が課題となっていることから、点検・修繕を計画的かつ効率的に進められるような仕組みを構築すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#140
○委員長(金子洋一君) ただいま広田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#141
○委員長(金子洋一君) 全会一致と認めます。よって、広田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
#142
○国務大臣(石井啓一君) 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
#143
○委員長(金子洋一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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