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2016/05/31 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 国土交通委員会 第14号
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2016/05/31 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 国土交通委員会 第14号

#1
第190回国会 国土交通委員会 第14号
平成二十八年五月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     渡邉 美樹君     金子原二郎君
 五月三十日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     井原  巧君
     金子原二郎君     渡邉 美樹君
 五月三十一日
    辞任         補欠選任
     前田 武志君     牧山ひろえ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子 洋一君
    理 事
                豊田 俊郎君
                渡辺 猛之君
                広田  一君
                増子 輝彦君
                河野 義博君
    委 員
                青木 一彦君
                井原  巧君
                江島  潔君
                大野 泰正君
               北川イッセイ君
                小泉 昭男君
                末松 信介君
                山本 順三君
                渡邉 美樹君
                田城  郁君
                野田 国義君
                牧山ひろえ君
                谷合 正明君
                辰巳孝太郎君
                室井 邦彦君
                中野 正志君
                吉田 忠智君
                行田 邦子君
                脇  雅史君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  土井  亨君
       国土交通副大臣  山本 順三君
       環境副大臣    井上 信治君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       江島  潔君
       国土交通大臣政
       務官       津島  淳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田中 利幸君
   政府参考人
       内閣府規制改革
       推進室次長    刀禰 俊哉君
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        伊藤 明子君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局生
       活衛生・食品安
       全部長      福田 祐典君
       国土交通省都市
       局長       栗田 卓也君
       国土交通省住宅
       局長       由木 文彦君
       国土交通省航空
       局長       佐藤 善信君
       観光庁長官    田村明比古君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金子洋一君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、阿達雅志君が委員を辞任され、その補欠として井原巧君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(金子洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省都市局長栗田卓也君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(金子洋一君) 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○野田国義君 おはようございます。民進党の野田国義でございます。
 衆議院の方には、不信任案、午後からということでございますので、しっかり午前中質問をさせていただきたいと思います。死んだふり解散もありますので、緊張感を持って質問させていただきたいと思います。
 私も、この都市再生、非常に注目をしているところでございます。この十年来ずうっといろいろな法案が出されてきたということでございます。しかしながら、それがちゃんと効果があったのかというと、なかなか本当に都市再生あるいは住宅の再生というのは改めて難しいんだなということを感じておるところでございます。今回の法案がしっかりそういった都市の再生につながるということを願っております。
 その中で、私、ちょっと逆質問をさせていただきたいと思うんですけれども、団地の閉じ方、いわゆる集合団地、日本は御承知のとおり、高度成長期からずうっと建てられてきたということであります。しかしながら、もう御承知のとおり、人口減少社会にあって、当然、その後、いろいろな団地が本当、建物をなくすことを私はひとつ考えていかなくちゃいけないんじゃなかろうかなと、それこそが一つの都市再生につながるということを強く思っているところでございますけれども、国土交通省内でこの団地の閉じ方、何らかの検討は逆に行われているのかどうか、お聞きしたいと思います。いかがでしょうか。
#7
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。
 御指摘の点につきましては、平成二十六年七月から有識者等に集まっていただいて組織しておりました住宅団地の再生のあり方に関する検討会におきましてもいろいろ御意見をいただいていたところでございます。例えば、長期的な行政コストの面から、郊外に立地する団地については中心部へ移転していくことも選択肢の一つではないかというような御意見、あるいは逆に、郊外の団地は郊外の生活拠点としてまちづくり上位置付けられるケースも多いため、地域の状況により縮小する場合と拠点化される場合の両方が考えられるのではないかといったような多様な意見が寄せられたところでございます。
 住宅団地の再生に当たりましては、御指摘のように、今後人口が減少していくことを踏まえますと、コンパクトなまちづくりの一環として進めていく必要があるというふうに考えております。例えば、立地適正化計画における居住誘導区域の外に存しますような住宅団地については、今後需要が大きく低下するということも想定されるところでございます。
 このような場合には、やはり少なくとも三つの観点からの検討が必要ではないかというふうに思っております。
 一つは、引き続き居住される方々の居住の安定の確保でございます。これについては、例えばバス網等の公共交通のネットワークの問題等々も同時に生じてくる問題かというふうに考えております。
 二つ目の問題は、既存の建物の減築や除却を行っていくということでございます。これは、現在空き家の問題等出ておりますが、空き家、空き地の管理をどのようにやっていくのか、あるいは集約化を進めていくことができるのかといったような問題でございます。
 三つ目は、やはり全体あるいは部分として他の用途への転換を図ることをどのようにやっていくのかという問題でございます。これは、例えば福祉との連携の問題、あるいは物流拠点を別途整備していく、あるいは農業との連携というものも必要になってくるかもしれません。そうした総合的な政策との連携が必要になってくる問題だと思っております。
 こうした三点、いずれも大変重要な問題でございますが、こうした点については、基本的には地方公共団体が地域全体のまちづくりの観点から総合的に対処していくべき問題であるというふうに考えておりますが、国としても、こういった人口減少社会における団地の再生の在り方については今後きっちりと検討していくべき課題であるというふうに考えているところでございます。
#8
○野田国義君 今御答弁いただきましたように、団地の閉じ方は非常にこれからは重要になっていくと思いますし、また、今お答えになりましたように、他の用途で住宅を、うまく建物を活用していく、このことも非常に日本にとって、なかなか日本はこういった文化が出ておりません。フランスなんか駅舎を美術館にしたりとか、御承知のとおり、そういうものがたくさんあるということでございますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一つ、皆さんもそうかと思いますが、最近東京を中心にいわゆる超高層マンション、超高層マンションですね、おおむね六十メートル以上で二十階以上ですか、こういった建物が本当に乱立をしてきているということでございます。
 この間、ちょうどテレビ見ておりましたら、空中族っていうんだそうですね、空中族。いわゆる建物、超高層ビルのマンションを買って、そこを売却して、そのうちちょっとそこで値段が上がる、またそこで次のマンション、超高層ビルを買っていくという人をそういうふうにいうそうでございますけれども、この問題、私今申し上げました、高度成長期にどんどんどんどん団地が出てきて、今それが大きな問題になっております。すると、数十年後にはこの超高層のマンションが今度また大きな問題になっていくのではないのかなと。人口はどんどん減っていくわけでございますので、いろいろな管理組合の問題とか、大規模の修繕等、非常に超高層ビルになると難しくなっていくという技術的な問題もあるわけでございますので、この辺りのところをどうお考えになっておるのか、お聞きしたいと思います。
#9
○国務大臣(石井啓一君) 大都市圏におけます高層マンションの供給自体は、高齢者の都心居住や若年層の一次取得など、大都市圏内における居住ニーズに対応したものであると認識をしてございます。人口減少傾向が進む中、東京圏など大都市圏におきましても、将来的には建物の老朽化に合わせて空き家が増加したり、また、居住者の高齢化が進むマンションが増えていく可能性もあるというふうに考えてございます。
 ただ、東京においては、国際競争力強化の観点から大都市を強化をしていこうという今発想でいろんな取組をやっておりますので、海外から人材を呼び込んでいくということでは、国内の人口減少が進んだとしても、海外と競争して海外から人材を呼び込むということであれば、将来的にこの東京の高層マンションにおいても需要が確保されるということではないかなというふうに思ってございます。
#10
○野田国義君 しっかりと、超高層マンション、この対策というものも、今申し上げましたように、十年後、二十年後、大きな問題になっていく可能性もあると思いますので、是非とも御検討を、対策をお願いをしたいと思っているところでございます。
 そしてもう一つが、去る三月十四日ですか、国交省におきましてはマンションの標準管理規約ですか、この改正を行ったと聞いているところでございます。地域コミュニティーも配慮した居住者間のコミュニティー形成に要する費用の部分が削除をされたと聞いているところでございまして、今申し上げました、マンションというのは大体がこのコミュニティーの問題が非常にあるわけでございまして、また、大規模災害等への対応もマンション内のコミュニティー形成の重要性は言うまでもないところでございます。
 このような改正に至った背景がどういう背景だったのか、そして本改正を補うための何らかの施策は講じられているのか、お伺いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#11
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 御指摘のコミュニティー活動につきましては、その重要性が指摘をされる一方で、強制徴収の管理費の中から任意負担の自治会費へ支出したことをめぐり裁判において管理組合が敗訴したというような事件が起きております。一方で、飲食への支出をめぐるトラブルも起きていることなども踏まえまして、マンション標準管理規約におきまして、従来のコミュニティー条項など関係規定の再整理を行いました。マンション及び周辺を含めた防犯、防災、美化などの居住環境の維持向上に資するコミュニティー活動は可能であることを明示をしたところでございます。
 具体的に申しますと、管理組合の活動は強制徴収されます管理費で行われるものでございます。これを財源といたしまして、任意徴収でございます自治会費への支出や、あるいは主として親睦目的の飲み会、一部の者のみを対象としたサークル活動等を行うことは適切ではございません。この趣旨から、拡大解釈の懸念がございましたコミュニティー条項は整理をすることといたしました。一方で、例えば防災活動を始めといたしまして、居住環境の維持向上に資する活動については管理組合の業務としてこれを行うことができる旨を明らかにいたしまして、管理費から支出も可能であるということを明記をいたしました。
 あわせまして、マンション管理の適正化推進に関する法律第三条に基づくマンション管理の適正化に関する指針、これを改正をいたしまして、マンションにおけるコミュニティー形成は重要であり、管理組合にあっては区分所有法にのっとり、良好なコミュニティーの形成に積極的に取り組むことが望ましいという旨を今回初めて位置付けをしたところでございます。
 以上でございます。
#12
○野田国義君 都市再生、日本の地域の再生においてもこのコミュニティーというのが一番大切なものであるということでございますので、この位置付けについてはしっかり考えていただきたいと思っているところでございます。
 テーマを変えまして、ちょっと違う質問をこの後させていただきますけれども、パイロット養成のための奨学金制度でございますが、私、実を言いますと、この陳情というか要望を受けたんですね。なかなか、結構裕福な家庭だそうでございますけれども、しかしながら、それでも子供をパイロット養成の学校にやっていてお金が足らないというんで、どこからかお金を借りられないだろうかみたいな質問を受け、そしてまた、今の国の制度なども調べさせていただいたところでございますけれども、平成二十六年の八月ですか、国交省、航空会社それから民間養成機関等から構成された航空機の操縦士養成連絡協議会を設置をされたと。
 そこでいろいろ検討をされておるということはお聞きをしているところでございますけれども、この資金等が、奨学金の原資となるお金なんかが集まるのか、そういった見込みはどうなっているのか、あるいは、パイロットの道をそういった資金的な面で諦めている、諦めなくてはならない生徒も出てくるのではないかと思いますけれども、こういったところの支援はどのようになっているのか。御承知のとおり、大学生の支援の問題等いろいろと国の方でも問題になっておりますけれども、このパイロットについてはどのようになって、どのような改善がされているのか、お聞きしたいと思います。
#13
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、航空需要の増大に伴いまして、将来的な操縦士、パイロットの不足が懸念されているところであります。
 これに対応するため、平成二十六年七月に、国土交通省交通政策審議会の小委員会におきまして、パイロット、操縦士の養成確保策が取りまとめられたところであります。その中で、操縦士の養成確保のための中長期的な取組といたしまして、若手操縦士の供給拡大について産官学の関係者で構成される協議会を設置して検討を行うべきとされたところであります。
 これを踏まえまして、委員御指摘のとおり、平成二十六年八月に、国と航空会社、さらには私立大学などの民間養成機関から成ります航空機操縦士養成連絡協議会が設置され、民間養成機関における高額な学費負担の軽減策や訓練生の技量レベルの向上策、航空を志望する若年層の裾野拡大等について検討が進められておるところでございます。このうち民間養成機関における高額な学費負担の軽減策としての奨学金制度につきましては、同協議会において訓練生を対象とした無利子貸与型の奨学金の創設を目指すこととされており、現在、今年度中の運用開始を目指しまして、運営主体の在り方や奨学金原資の確保等について検討を進めているところであります。
 国土交通省としては、引き続き、関係者とも協力し、操縦士の養成確保に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#14
○野田国義君 二千万から掛かるということですね、学費が。これじゃ、とても本当、家族大変だと思いますので、何とか支援の方を。そして、今御答弁されましたように、無利子貸与型と、これもまた予算委員会等問題になりましたように、本当にそれでいいのかと。やっぱり給付型が必要になってくると思いますけど、その辺りのところを考えておられるのか、お聞きしたいと思いますが。
#15
○政府参考人(佐藤善信君) お答え申し上げます。
 まず、その奨学金の規模でございますけれども、できましたら一千万円程度を目指して奨学金を給付できないかということで検討を進めてございます。
 それから、その給付の仕方につきましては、やはりまずは、原資との関係もございますので、無利子貸与型の奨学金の創設を目指すということで検討を進めておるところでございます。
#16
○野田国義君 是非とも給付型、これを、大学の方でも問題になっておりますけれども、お願いをしたいと思っているところでございます。
 それから、この間から我が党の藤本議員でございましたか、質問がございました民泊の件でございますけれども、これ、この間からフランスの方から宿泊業界団体が見えてシンポジウム等があったということで、ここに資料を持っております。恐らく読まれた委員の方々もたくさんいらっしゃるかと思いますが、これを見て、なるほど、フランス、八千万からの観光客があるということでございますけれども、日本の約四倍、これをどうしていくかということで、民泊を進めていったらいろいろな問題が出てきたということでございます。
 そこで、私もこれ、フランスのそういった提言というものを日本もしっかりと参考にして対策を講じていかないと大変なことになるんじゃなかろうかなと思っております。エアビーアンドビーですか、これで検索をいたしますといろいろなところが出てくるわけでございます。そしてまた、予算委員会で我が党取り上げさせていただいておりましたが、京都の方でその実態を調べたら、五割近くが分からないというような物件が、そういう状況であったということでございまして、この問題は本当に大きな問題であろうと思っております。
 いわゆるフランス、一つちょっと例を紹介いたしますと、観光客が多い地域では、住民が減り学級閉鎖に陥る学校も出てきておるということでございます。こういった問題、そして民間の家賃が高くなるというようなことも出ております。どう捉えておられるのか、お聞きしたいと思います。
#17
○政府参考人(田村明比古君) フランスにおきまして民泊が所在不明のまま急増し、家賃の上昇や脱税、安全面の問題等が生じたという報道があることは承知をしております。日本におきましても民泊の実態が先行し、衛生面や安全面での懸念や近隣トラブル等の問題も生じているため、厚生労働省と共同で検討の場を設け、民泊のルールの在り方について検討を重ねてきているところでございます。
 その結果、現時点では、フランスの民泊の問題点なども参考にして、住宅提供者に対して民泊を実施する場合に行政庁へ所在地等の届出を課すとともに、住宅提供者や受託管理者に対して必要最小限の衛生管理措置や利用者の確認、近隣トラブル防止のための管理責任を課すこと、それから行政庁による報告徴収、立入検査、違法民泊を提供した場合の罰則を整備することなど検討しております。
 それから一方、仲介事業者に対しましては、行政庁への登録を義務付けた上で、消費者の取引の安全を図るため、取引条件の説明義務や、不適正な民泊であることをサイト上に表示する義務を課すとともに、サイトからの削除命令、不適切な民泊であることを知りながらサイト掲載をしている場合の業務停止命令、登録取消しのほか、法令違反行為を行った者の名称や違反行為の内容等を公表できるようにすること等を通じまして、匿名性を排除して民泊の適正な管理を確保する方向性が固まってきたところでございます。
 今先生御指摘の、本年三月にフランスの宿泊業界が来られて、日仏の宿泊業界で共同声明というのも出されておりますけれども、そこに盛り込まれた課題にも対応できるように、我々ルール作りの検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#18
○野田国義君 ほかに、旅館業、いわゆるホテルが潰れたとか、そしてまた脱税を生む、雇用をそのことによってまた奪われたとか、テロリストの潜伏先にもなったというような指摘がなされておるところでございますので、是非ともこれは、本当参考にするということが大切だと思いますので、お願いしたいと思いますし、また、ほかの報道を見てみましても、フロント設置義務ですよね、これ、しかし三十五自治体が緩和せずと。だから、自治体は分かっているんですね。
 結局、この問題、民泊をどんどん広げていったら、騒音の問題を始め今私が指摘してまいりましたような問題が生じるであろうということで、各自治体もあえて緩やかにしないと、いわゆるフロントの設置義務を設けているということでございますが、この点についてはどうお考えになっているでしょうか。
#19
○政府参考人(田村明比古君) 本年四月に厚生労働省から出された通知改正はフロントの設置義務を緩和するものでございまして、簡易宿所の床面積要件の緩和と併せて旅館業の簡易宿所の許可の取得を容易にするものでございますけれども、一方で今回の改正に対する各自治体の対応は、民泊をめぐるそれぞれの事情が異なっていること、それから、現在観光庁と厚生労働省により検討会が設置されて民泊全体のルール整備について議論がなされていること等を踏まえた判断であるというふうに理解をしております。
 観光庁といたしましては、民泊を行政の把握可能な状況に置くとともに、安全面や衛生面、近隣住民とのトラブル防止が図られた上で健全な民泊が提供されるよう、本年六月中をめどに詳細な制度設計を行ってまいりたいと考えております。
#20
○野田国義君 こういう問題、それから白タクの問題、民泊の問題、規制緩和するだけがいいということじゃありません。非常にこういった問題もどんどん生じてくるということでございますので、しっかりとした対応を国交省にお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#21
○増子輝彦君 おはようございます。民主党の、あっ、民進党の増子輝彦でございます。まだ定着しません、申し訳ありません。
 国会も会期末を控えていろんな動きがありましたが、ようやく私の思い入れのあるこの都市再生法案が今日審議ができて、この委員会で採決ができることになりました。百里の道も九十九里をもって半ばとするという言葉がありますが、何とか最後までこの法案がしっかりと成立できることを願っておりますし、また、再三、田端官房長からは、今日は私の誕生日ですので何とかプレゼントをと言われておりますので、その思いを持って私もしっかりと今日は質問をしながら、この法案の成立を皆さんとともに願っておるところでございます。
 さて、地方都市と大都市の格差が非常に激しくなっていることはもう御案内のとおりでございます。そういう状況の中で、今回の都市再生法の改正につきましては、様々な観点から私も大変いい法案だと、しかし若干足りない部分もあるのかなと思いながらも、是非この法案を進めていっていただきたいと思っております。
 そこで、限られた時間の中ですので、三点お聞きをしたいと思っています。
 第一点は、東日本大震災、熊本震災が発生をいたして、大変厳しい現状にそれぞれの地域が依然としてあるわけであります。特に熊本の皆さんには、改めてお見舞いを申し上げ、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈り申し上げたいと思いますが、今回の法案で、防災、これらについてもこの法案でしっかりやっていこうということでありますが、この法案で、この震災から何を学び、そしてこれがどのような形で都市再生に生かされるのか、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(石井啓一君) 東日本大震災の際には、首都圏において避難者、帰宅困難者による大きな混乱が生じたことを踏まえまして、交通結節点等の都市機能が集積する大都市におきまして防災機能を強化するために、平成二十四年の法改正で都市再生安全確保計画制度を創設をいたしました。
 また、東日本大震災では、電力を継続的に供給できなくなる懸念が改めて認識をされました。このため、災害時におきましても、エリア内のビル、病院等にエネルギーを継続して供給する取組を支援をしてまいりましたが、今回の法改正におきましては、これを将来にわたって担保をするために、新たに協定制度を創設することとしたところでございます。
 一方、熊本地震による被害の調査分析はまだ途上ではございますけれども、比較的古い住宅の倒壊ですとか液状化、造成宅地の被害など、我が国の都市の市街地が抱える脆弱性が明らかになりつつございます。
 今般の法改正におきましては、市街地の防災性の向上に有効な市街地再開発事業につきまして、地方都市での柔軟な活用を可能とする措置を盛り込んでおります。都市の安全性向上に寄与するものと考えております。
#23
○増子輝彦君 ありがとうございます。
 東日本大震災においての様々なエネルギーの不足というのは大変大きな問題になりました。ガソリン不足の問題を始め、様々なところが問題として出され、今回の熊本の災害についてはかなり私はその教訓が生かされたと評価をいたしております。
 例えば、LPガスなんかは非常に災害に強いということで、これについては公共施設関係等に設置をするということも我々は積極的にやってまいりました。国交省の方でも先般このことが明確に位置付けられましたので、さらにこれらの問題について、大規模災害に対応する環境整備というものを、大臣、しっかり進めていっていただきたいと思っています。
 次に、先ほど申し上げたとおり、大都市圏と地方の格差が本当に顕著になり、ますます拡大している。ましてや、人口減少という厳しい現状の中で、これからの地方都市は一体どうなっていくんだろうと。人口減少や少子化、高齢化の進展、これが都市政策に大いに影響が出てくると思います。
 今回のこの法案でこれらの問題についてどのようにそれが生かされ、またこの人口減少や高齢化社会あるいは様々な問題点について、どのようにその政策の転換といいますか、大都市圏集中ではなくて、地方が活性化する、これはまさにふるさと創生にもつながってくるんだろうと思いますが、このことについての御見解をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(石井啓一君) 人口減少や高齢化が進む地方都市やまた大都市の郊外部などでは、生活に必要な都市機能を確保し、高齢者も安心して暮らせるまちづくりを進め、地域の活力を維持することが重要でございます。そのために、町の拠点となる地区に医療、社会福祉、教育等の都市機能を誘導し、コンパクトなまちづくりを推進することが重要であります。
 このため、平成二十六年の都市再生特別措置法の改正によりまして、福祉などの生活サービス機能と居住を誘導するための制度を創設をし、コンパクトなまちづくりを進めているところでございます。
 本法案におきましては、従来からの施策に加えまして、再開発手法の多様化などの措置を講じることとしております。これらの施策によりまして、例えば点在していた高齢者世帯を集約することで訪問介護の生産性を向上させたり介護サービスの充実を図ることができると思っています。また、人口が減少する中、公共交通を利用した外出機会を増大させることで町中での消費の拡大、中心市街地の再興を図るなどの取組を進めることができるというふうに考えております。
 関連する施策を総動員いたしまして、人口減少、少子高齢化時代の中でも地方都市ごとの様々な政策課題に着実に対応してまいりたいと考えております。
#25
○増子輝彦君 ありがとうございます。
 次に、この法案が改正される以前に様々な改正が、再生法等を含めてあるいはあったわけであります。その中で、立地適正化計画の作成につきまして今具体的な取組を行っている都市は平成二十八年三月三十一日時点で二百七十六団体と聞いておりますが、今回の改正によりこれらの団体はどのような形になっていくのか。また、この法案によってどのように生かされていくのか。特に、これらの中での地方都市の再生はしっかりできるのか。
 今大臣からいろいろ御答弁をいただきましたが、言うはやすし行うは難し、医療施設の集中化とかあるいは高齢化に対する対策ということ、言葉ではなかなか前向きなんですが、現実、地方都市はそう簡単ではないという現状もあるわけです。計画は立派だけど、なかなかその中に具体的なものが入ってこない。そこのやっぱり、何というんですか、誤差といいますか、非常にずれが、地方都市がなかなか復活できないし、人口を含めた、様々な施設もできても人が集まらない、むしろどんどんどんどん大都市圏に転出してしまうという現状もあるわけです。
 この辺について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、平成二十八年三月三十一日現在で、二百七十六の市町村で立地適正化計画の作成に取り組んでいるところでございます。
 今回の法案におきましては、コンパクトでにぎわいのあるまちづくりを進めるために、一つには既存ストックを活用して地域の身の丈に合った規模の市街地再開発を可能とする手法の創設、さらに町中誘導施設の整備促進を図る地区の追加など市街地再開発事業の施行要件の緩和、また空き地、空き店舗を有効に活用するための協定制度の創設等を行うこととしております。これらの措置の追加により、現在検討が進められております立地適正化計画の実効性が高まり、計画作成に取り組む市町村も増えていくものと考えております。
 さらに、職員が現地を訪問いたしまして、計画作成に向けて重点的にコンサルティングを実施するなど、地方都市の再生を積極的に後押しをしてまいりたいと考えております。
#27
○増子輝彦君 ありがとうございます。
 国交省は、とにかくまちづくりの中核を担っているわけですから、経産省の中心市街地活性化と併せてよく横連携を取りながら頑張っていただきたいと思っておりますし、今大臣の中に話があったとおり、現地に人を派遣して実情をよく聞いて、その上でしっかりとした地域づくり、まちづくり、都市再生をしていく。様々な問題点は、現場に足を運んでいくことによっていろんなことが分かってくるわけですから、ここは積極的に今後とも努力をしていただきたいと思います。
 質問を変えさせていただきます。
 今現場というお話を申し上げましたが、福島の現状も、相変わらず大変厳しい現状にあるわけであります。汚染水の処理がまだうまくいかない、やっぱり原発の収束についても非常に長い時間が掛かる、燃料デブリの抽出、あるいは使用済燃料棒の処理の問題を含め、本当にこれから百年は掛かるんじゃないかと、最低、私は心配をしているわけです。
 そういう状況の中で、特に今大きな問題の一つは、これは何度も何度もいろんな委員会を通して私も政府側とやり取りをしているわけですが、そういう問題意識の中で、特に福島に度々足を運んでいただいて、ある意味では政務三役の中で一番福島に足を運んでいただいているのかなと、しょっちゅう新幹線でも会ったり、現地でもお会いしますが、今日は井上副大臣においでいただいておりますので、中間貯蔵施設関連についてしっかりと、今国会これが最後の委員会になりますので、ここのところを質問させていただき、明快な答えをいただきたいと思っております。
 なかなか地権者との交渉が進展しない、相変わらず大変御苦労されていること、大変だと思います。マンパワーを増やしてやってくれということも何度もお願いしておりますが、これもそれほど十分な体制はできていない。こういう現状の中で、現在、現時点での地権者との契約実数は何人ですか。
#28
○副大臣(井上信治君) 増子委員には……
#29
○増子輝彦君 数字だけでいいです。
#30
○副大臣(井上信治君) はい。
 地元福島のこの中間貯蔵施設事業、様々な御心配、御意見をいつも賜りまして、感謝を申し上げます。
 現在の数字でございますが、地権者との契約に至った件数、百十三人、そして約三十五ヘクタールでございます。
#31
○増子輝彦君 これしか進んでいないんですね、大変ですよね。このままでいくと何年掛かるのか、あるいは何十年掛かるのか、大変心配をいたしているわけであります。
 これは、県内各地に様々な仮置場から運ばなければいけないという状況があるわけであります。ここはもう今まで以上にしっかりやっていただきたい。県内の各組長さんや関係者から聞くと、やっぱり環境再生事務所がだらしない。副大臣、ここはもう少ししっかりと指導して強力な体制つくらないと、多分、ひょっとしたら三十年掛かっても地権者はまとまらないかもしれませんよ。しっかり頑張っていただきたい。
 ところで、現在の除染廃棄物の県内保管量はどのぐらいありますか。
#32
○副大臣(井上信治君) 県内の除染廃棄物の保管量につきましては、平成二十七年十二月末時点で約千三十万立方メートルが保管されております。
#33
○増子輝彦君 今後出てくることも含めて、最終的にはどのぐらいになる予定ですか。
#34
○副大臣(井上信治君) 最終的な量につきましては、今後の除染のやり方等々にもよりますけれども、最大二千二百万立方メートルということで我々は発表しております。
#35
○増子輝彦君 このうち、現在、県内の小中高校、幼稚園、保育所、児童養護施設、障害児施設など、全体で何か所に保管されて、その保管量は幾らになりますか。
#36
○副大臣(井上信治君) 県内において、小中高校、幼稚園、保育所、児童養護施設、障害児施設など、平成二十七年十二月末時点で千八十八か所、約三十三万立方メートル保管しております。
#37
○増子輝彦君 大変な量ですよね。今後また更に増えるのかもしれません。子供の生活圏の周りのこの除染の廃棄物がこれだけ量があるということは我々も大変心配をいたしております。空間線量は随分下がったことは事実であります。これから子供については、内部被曝等の問題も更に心配され、長期的な健康管理が必要になってくることは言うまでもありません。
 それでは、今副大臣から話になられた千八十八か所、三十三万立米における廃棄物をまとめて保管するためには、どのぐらいの保管用地が必要になりますか。
#38
○副大臣(井上信治君) このことについては、保管場の例えばその土地の形状などにもよりますので、あくまで一般論、計算上の一般論として申し上げますけれども、三十万立方メートル程度の除染土壌等を中間貯蔵施設の保管場で保管するために使用する面積、これまでの実績などから約三十ヘクタール程度と考えております。
#39
○増子輝彦君 それでは、副大臣、次にお伺いしたいんですが、パイロット輸送、試験輸送を今一年間やりましたよね。そのときに、子供たちの身の回りの生活圏の場所からパイロット輸送で、できるだけ子供たちの健康のことを考えればこれを運び出そうという考えはあったのか、と同時に、それらを優先的に搬入するということは、環境省の中で、政府の中で検討されたんでしょうか。
#40
○副大臣(井上信治君) パイロット輸送におきまして、どの保管場からどういう順序で輸送していくかということについては、保管をしている各市町村とよく協議をした上で決定をいたしました。その際は、市町村の意向というものを最大限尊重して決定したところです。
 ちなみに、パイロット輸送において小中学校などの保管場から輸送した件数は三か所になります。
#41
○増子輝彦君 副大臣、ここが大変問題なんですよ。やはり子供のことを考えたときに、パイロット輸送から本格的輸送、搬入のプロセスがあるわけですよね。なぜ子供のところを先にやろうという考えにならなかったのか。市町村との協議で、市町村の判断に委ねたというような今御答弁でした。その中で三か所だけ運び出したと、パイロット輸送で。なぜこのことが検討されなかったんでしょう、子供の身の回りの施設の関係から。なぜここは検討されなかった。全く問題意識はなかったのか、あるいは問題意識はあったけれども市町村に任せるということになったのか、ここはどういうふうな形でこのことが進んできたんでしょうか。
#42
○副大臣(井上信治君) どの保管場から輸送するかという優先順位については、これ非常に慎重な判断が必要だと思っておりまして、基本的にはなるべく早く搬出してもらいたいとやはり地権者や周辺住民の方はお考えだと思うんです。そういう中でどこから先に運ぶかということでありますから、やはり地元の意向を最大限尊重するということが我々の考えで、その上で協議をして決めたということになります。
#43
○増子輝彦君 地元の意向を優先するとおっしゃいますけれども、環境省は、やっぱり子供の優先順位は、プライオリティーは最大優先だと私は思うんですよ。それは、政治主導ではなくて、政府主導でこのことはきちっとやるべきだったんじゃないでしょうか。この反省、ありませんか。
#44
○副大臣(井上信治君) そういう意味では、いろんなお考えがあると思うんです。子供たちの健康のことでありますから、やはりそこをなるべく優先していくという考え方というものは、それは尊いことだと思いますけれども、ただ、そういったことも含めてやはり地元でどういった優先順位を付けていただくかということが非常に大事だと思っておりまして、そういう意味では、パイロット輸送の三か所というのも、その三か所の市町村の方から優先して搬出してもらいたいと、そういう意向があった上で我々として決定したということになります。
#45
○増子輝彦君 大変そこが問題なんです。これはこの後の質問につながるんですがね。
 じゃ、今回の本格的搬送、搬入をするということがいよいよ始まりましたね。このことについても、市町村の判断に委ねて、子供の身の回りの施設関連から優先的に運び出すということも全く検討されず、あくまでも市町村の判断に任せているということでよろしいんですね。
#46
○副大臣(井上信治君) そういう意味では、我々も全く国として考えがなくということではなくて、当然のことながら、輸送計画の段階で、じゃ、どういった優先順位を付けていこうかといったことも検討をいたしました。
 例えば、それぞれ市町村ごとに中間貯蔵施設の立地である大熊や双葉を優先していくとか、それから保管量の多いところは少し多めに、早めに搬出しようとか、そういったことをいろいろ考えた上で、その中の国の方針の一つとして、やはり地元の意向を優先していくべきだという、そういう決定をしたということになります。
 ですから、そういう意味では、今回の本格輸送についても昨年のパイロット輸送と同様に市町村とよく協議をした上で決定をいたしました。ちなみに、今回の今年度の本格輸送においては小中学校などは八か所搬出する予定であります。
#47
○増子輝彦君 実は、今回、自民党の政治主導という形の中で、双葉、大熊両町長さんに、教育上の観点からも、人道的な面でも中間貯蔵施設の町の共有地を提供してほしいという政治主導のお願いがあったと。教育上の上でも、人道的な面でも。これ、なぜ政府主導でやれなくて、なぜ自民党主導で両町にこんなことをお願いするんでしょうか。
 これはもう自民党さんが、今までなかなか、加速をしているしていると言う割には、どのアンケートを取っても進んでいないということが明々白々なんです。焦っているんじゃないでしょうか、選挙を前にして。子供をだしに使うような形というのは余り良くないんじゃないでしょうか。
 やっぱり子供のことを考えたら、私、先ほどからずっと申し上げているけれども、なぜ政府が最優先で子供の関係の施設から運び出すということをやらなかったんですか。これ自民党にお任せするんですか、政府は。ここは非常に重要なことなんです。これは政府でやらなきゃいけないことでしょう。そんな市町村の判断に任せるなんという悠長なことを言っていられないんじゃないですか。じゃ、なぜ自民党はこんなことを言い出してきたんですか。あなた方のやっていることが駄目だから自民党が政治主導でやるという、こういう判断をされると非常に困る人がたくさんいるんですよね。誰も子供のためと言われたら反対する人はいません。
 じゃ、例えば双葉町と大熊町、それぞれ保管所を提供します、中間貯蔵施設。しかし、双葉町からも中間貯蔵施設予定の仮保管地に廃棄土壌を運んでいますよね。そこを後にしてでも、子供たちの、ほかの自治体から運ぶということはなぜやれなかったんでしょうか。
 今回の自民党の政治主導という、両町に対する町の町有地を提供しろということについては環境省と事前に協議があったんですか。端的にイエスかノーか答えてください。
#48
○副大臣(井上信治君) 今回の件につきましては、特段我々の方、事前の協議もありませんし、現段階でも正式に我々の方にお話がないという状況です。
#49
○増子輝彦君 ここは、環境省、これからでも遅くないんですから、取りあえず、先ほど冒頭にお聞きしたとおり、地権者が僅か百十三名だけど、三十五ヘクタールでしたっけか、この用地のめどが立ったということですよね。実は、苦渋の決断をした大熊町、双葉町の両町、大変な過程があったことは副大臣もよく御存じですよね。
 その中で、地権者の皆さんのことも考え、町のことも考え、子供たちのことも考え、積極的に地権者との交渉をしていくんだと、そして町もそれが最優先だと、最後に、町の共有地を私たちも出させてもらうと。逆になると、町の共有地だけを先に出してしまうと、取りあえずそれで間に合うんですよ、一定の量は。そうすると、地権者の交渉がますますやりにくくなるという判断もそこにあったんですよ、御存じだと思いますが。
 だから、町の共有地は最後にある程度の地権者との交渉がまとまった段階で提供させてもらいますと、そこは政府と県と両町で合意をしましたよね。そこのところはきちっと守ってもらわないと私はいけないんだろうと思う。むしろ、環境省が早く子供たちの身の回りの生活圏のところからこの廃棄物を搬入するということを今からでもやられたらどうですか、市町村の協議をそこに入れて。そのお考えはありませんか。
#50
○副大臣(井上信治君) 町有地の提供について、ほかの多くの地権者からの提供が終わった後だというような話を我々と県と町で合意したということは特にありません。ただ、町の意向は伺っております。ただ、我々の立場としては、そうはいいながら、早く中間貯蔵施設事業を進めていくためには町有地もなるべく早く提供していただきたいということで、ずっとお願いをしているというところです。
 こういう中で自民党の方々のお話が出てきたということ、これは私も報道で知りましたけれども、そういう意味では、子供たちのためにということは、これは尊いお考えなのかとは思います。
#51
○増子輝彦君 時間がありませんが、副大臣、二つあなたは大事なことを今言いましたからね。
 町の共有地を最後に出すということについては取りまとめをしていない、話はあったかもしれないと。そんなことないでしょう。そんなこと言っちゃ駄目だ、信頼が損なわれる。明確にここは地権者との交渉が進んで、一定のきちっとした形ができて、めどが立った上でなければ出せないと、それで合意したんですよ。ここもう一回、後できちっと確認しないと、これはあなた、うそをついたことになりますよ、政府関係者として。あなたほどの人がそんなことを私言うとは今思えなかった。ここはきちっと確認してください、これは。
 それから、自民党さんとあなた方が事前協議しないということがあり得ないじゃないですか。私もかつて自民党にいましたよ。こういう話がないなんてことがあるはずがない。ここも、もしあなた、今のこの公式の委員会でそんな答弁があって、事実がうそということになったら、これは大変なことになりますよ。
 いずれにしても、時間が来ましたので終わりますが、子供たちのために、もちろん最優先でやってほしいというのは我々の願いです。我々もそう努力をしていきます。だから、きちっと中間貯蔵施設については今まで以上に力を入れて、用地買収や様々な課題を解決をしてください。あなたが一番足を運んでくれていることは、冒頭申し上げたとおり感謝をしていますので、今まで以上によろしくお願いをします。
 終わります。
    ─────────────
#52
○委員長(金子洋一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、前田武志君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君が選任されました。
    ─────────────
#53
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 本法案のうち、都市再開発法の改正は、住宅団地の再生のためとして、住宅団地の建て替えを第一種市街地再開発事業で行う際の要件を、全員合意から三分の二以上の合意に緩和するものであります。マンションの建て替えが社会的な課題であるということは事実であります。しかし、現行法では、区分所有法で五分の四以上の賛成が必要でありますけれども、それよりも要件の緩い三分の二で建て替えができるようになるというのが本法案であります。
 まず大臣にお聞きしたいと思うんですが、これで建て替えをしようとする、また想定されている団地というのはどこに当たるんですか。
#54
○国務大臣(石井啓一君) 市街地再開発事業の活用につきましては、地方公共団体が再開発事業による団地再生の必要性を判断し、法律上の施行区域の要件を満たす場合に都市計画決定を経て行われることになります。本事業の活用の可能性につきましては、地方公共団体等から具体的な相談が複数寄せられておりますけれども、区分所有者間の合意形成等の問題がございますので、現段階で具体的な団地名をお答えすることはできません。
 一般的に申し上げれば、市街地再開発事業は土地の高度利用及び都市機能の更新を図るとの公益性の観点から行われるものでありまして、特に、介護や子育てなど必要な都市機能が少ないため、地域の再生の拠点として整備することが必要な団地で実施されることが想定されるものと考えております。
#55
○辰巳孝太郎君 今大臣答弁されたように、これは元々住民からの発意ではなくて、この再開発事業という別のスキームからの建て替えだということなんですね。都市再開発法第三条には、都市計画に定めるべき施行区域として十分な公共施設がないとか、土地の利用の細分化がされているとか、土地利用状況が著しく不健全だということでありますから、全く別のスキームの建て替えなんですね。
 本法案が想定している第一種市街地再開発事業における権利の変換、これ基本的に等価交換ということになっております。つまり、従前資産がもう大分目減りをしているわけですね、普通であれば。そういうマンションであれば、残存価値は少なくなっております。同程度の部屋を確保するためには、自ら資金の調達をして床を買い増す必要があるわけですね。それができない、年金生活の高齢者などはもう高齢化していますから、追い出される危険があるということであります。そういう状況に追い込まれる権利者が、今までだったら五分の四ですから、二〇%、二割を超えていれば建て替えしないということになったわけですが、このスキームでは三三%の人が建て替えに反対をしても建て替えやるという、これが今回のスキームなんですね。
 今申し上げました第一種、第二種。第二種の市街地再開発事業であれば、これ主に地方自治体がやる事業ですけれども、都市計画法の七十四条で生活再建措置というのが適用されます。住宅や店舗の取得のあっせんから職業の紹介のあっせんまで、施行者である自治体が責任を持って住民を保護する、そういう規定があるわけですね。
 今回想定されている第一種、国交省、聞きますけれども、この生活再建措置、七十四条は適用されるんでしょうか。
#56
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 都市計画法第七十四条の規定は、都市計画事業の施行に必要な土地等を提供したため生活の基礎を失うこととなる者に対する生活再建のための措置でございます。
 お話ございました第一種市街地再開発事業につきましては、権利変換によりまして再開発後の建築物への入居が保証されていることから、同条の規定が適用除外とされているものでございます。今回の団地再生は第一種市街地再開発事業を用いた建て替えでございますので、都市計画法第七十四条の適用はございません。
#57
○辰巳孝太郎君 ということなんですね。適用除外なんですよ。建て替えに反対しても追い出されてしまうという人を増やすわけなんですね。生活再建措置を私は適用すべきだと思うんです。
 こういう区分所有者に更なるより多くの分断を持ち込むやり方では、団地の再生は進まずに、私は合意形成が逆に遠のくんじゃないかと考えております。真の団地再生のためには、マンションの維持や管理に対する公的な支援を充実するということや、安全、快適、長もちするマンションを目指す取組、管理組合団体などの自主的な助け合いの取組への公的支援、行政の相談体制の整備など、そういう体制を充実することが何より必要だと言っておきたいというふうに思います。
 このマンションの管理に関わって、国交省は三月の十四日、マンション管理適正化指針と標準管理規約を改正をいたしました。これに対して、関係者から大きな戸惑いと怒りの声が上がっております。
 まず、この地域コミュニティーづくりについてお聞きをします。
 まず、ちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、大臣、地域の夏祭りとか盆踊りとか参加されますか。
#58
○国務大臣(石井啓一君) 私の住んでいる地域のみならず、選挙区内の幅広い地域の活動に参加をするようにしております。
#59
○辰巳孝太郎君 恐らくここにいらっしゃる委員ほぼ全てがそういう行事に参加されていると思うんですね。
 今回のこの改正、これ三十二条で、地域コミュニティーにも配慮した居住者間のコミュニティー形成というのがありましたが、これが標準管理規約から削除されました。このことが関係者から大きな戸惑いが出て、批判も出ております。例えば、今ありましたとおり、地域のお祭りや盆踊りなどに管理組合が協力できないんじゃないかという意見が出されたわけですけれども、国交省、確認しますが、これ、今までどおりできるということでよろしいですね。
#60
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 御指摘のコミュニティー活動につきましては、その重要性が指摘される一方で、先ほどもちょっと御説明いたしましたけれども、強制徴収の管理費から任意負担の自治会費等への支出をしたことをめぐりまして裁判において管理組合が敗訴したことを踏まえまして、今回は、マンション管理適正化法に基づく指針においてコミュニティー活動を積極的に取り組むことが望ましい旨位置付けるとともに、マンション標準管理規約につきましては、従来のコミュニティー条項など関係規定の再整理を行いました。マンション及び周辺を含めた防災、防犯、美化などの居住環境の維持向上に資するコミュニティー活動は可能であると明記したところでございます。
 管理組合によります地域のお祭りや盆踊り等への協力については、今申し上げましたように、マンション及び周辺の居住環境の維持向上に資する活動として行うことについて、管理組合での合意が形成された場合には実施することができるものと考えております。
#61
○辰巳孝太郎君 基本的に合意は当然必要なんですけれども、できるということでありました。整理というのは、普通分かりやすくするためにするものなんですけれども、非常に混乱がもたらされているということで、何のための整理だったのかなというふうに言わなければならないと思います。
 問題はそれだけじゃないんですね。これまでマンションの標準管理規約では、理事長を含む理事及び監事について区分所有者に限定をしていたわけですね。これを今回、外部の専門家を役員として選任できるようにいたしました。外部の専門家を区分所有法上の管理者として選任し、そして理事会を廃止することができるということも選択肢として出てきたわけですね。理事長は区分所有法上の管理者とする規定を撤廃すると。理事長、理事会に関わる業務、権限を外部の者に委ねると。そして、区分所有者は、この外部の人が管理業務が適正に行われているかどうかを総会で監督をするということにしたわけですね。
 これまでの外部からの助言というのはもちろんできるわけです。だけれども、言ってみればお金の管理はさせなかったわけですね。それをもうこれ外部の人にさせることができるようにする、総会で後は監督するだけということなんですけれども、そもそも、これ、監督できるんですか、問題起こりませんか、国交省。
#62
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 外部の専門家の活用につきましては、特にマンションが古くなる高経年化に伴いまして、区分所有者の高年齢化、あるいは空き室の増加、あるいは賃貸化が進みまして、区分所有者のうちからは役員のなり手がないといった役員不足の問題に直面していることが多々見られるようになっております。こうした状況に鑑みまして、必要に応じ外部専門家の活用が行えるということにしようとするものでございます。
 今回の改正におきましては、基本的なパターンといたしましては外部専門家が理事会の役員に就任をするという方式を可能となるように、その場合の規定を、選択的にこういう規定にできるということを整備したものでございます。また、今の委員の御指摘は、参考資料としてほかの二つのパターンを示しております。一つは、外部の専門家が理事会の外部に置かれる管理者となりまして、理事会がこの管理者を監督するという方式、それからもう一つは、理事会は設けずに、外部の専門家が管理者となりまして、総会がその管理者を管理するという方式、この二つを参考としてお示しをしているものでございます。
 今御指摘いただいたのはこの三番目のパターンだというふうに思っておりますが、この方式につきましては、例えば経年に伴いまして賃貸化がどんどん進んでまいりましたような小規模なマンションで、区分所有者の利益の最大化のニーズは高いんですが、理事長等の役員のなり手がいないようなケースを想定しております。まさに例外的なケースを想定しているものでございます。
 この方式におきましては、その参考資料におきまして、総会による外部専門家の監督が重要であるということに加えまして、他の方式とは異なる監査法人等による外部監査も義務付けるというようなことを想定した形にしているところでございます。
#63
○辰巳孝太郎君 ですから、今もあったように、高齢化なんでしょう、理事会も月一回のがなかなか参加できない、理事長なり手いない、そういうところが何で監督できるのかというふうに聞いているわけなんですね。これなかなか、問題起きることだと思いますよ。
 それだけじゃありません。今回、議決権割合の設定というものもあります。従来、共有部分の共有持分の割合を基礎としつつ、住戸一戸につき一票の議決権で対応するというケースがほとんどでありました。
 ところが、改定された標準規約では、住戸の価値に大きな差がある場合においては、単に共用部分の共有持分の割合によるものではなくて、専有部分の階数、眺望、日照等を考慮した価値の違いに基づく価値割合を基礎として議決権の割合を決めるということが考えられるとしたわけですね。つまり、十倍の価値があるところは一票に対して十票持てばいいと。
 これ、誰が求めているんですか、意図は何なんですか。
#64
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 管理組合の議決権割合は、区分所有法の第三十八条によりまして、専有部分の床面積割合に応じて設定することが原則となっております。あわせて、規約によりこれとは別段の定めをすることもできるというふうに規定されております。
 本来、共有物の管理に関する議決権の割合につきましては、民法二百五十二条によりますと、共有持分の価格によることとなります。しかしながら、区分所有法の制定当時、これ昭和三十七年当時でございますけれども、ここで想定をしておりました区分所有マンションは住戸が均質で価値に差が余りないというものを想定しておりましたので、価値割合に近くかつ算定のしやすい専有部分の床面積割合が採用されたというものでございます。
 これに対しまして、近年は、制定当初には想定されていなかったような例えば超高層マンション等の出現によりまして、同じ面積でも各住戸の価値に大きな差が出る場合が生じてきております。こうしたことから、私どもの方で規約の在り方について検討をお願いしておりました検討会、有識者会議でございますが、ここにおきましても、こうした状況の変化に合わせた議決権の設定方法として、民法本来の原則である価値の割合による議決権の設定についても、区分所有者が選択をすればそういうこともできるようにすべきではないかという問題提起がなされて、そういう報告書がまとめられました。
 こうした議論を受けまして、今回、区分所有者の選択によっては価値割合に応じた設定もあり得るという考え方を示したものでございます。
#65
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、誰が求めているのかということなんですけど、検討会といいますけど、検討会にマンションの管理者は誰もいませんからね。私、マンションの一階に住んでいますけど、上の方と価値が違ってくるということなんですよね、要は。私一票、あなた十票という話でしょう。
 この国交省のコメントがけしからぬですよ。こう書いてあるんですよ。これ、何でやるか。大規模改修や建て替え等を行う旨を決定する場合、建て替え前のマンションの専有部分の価値等を考慮して建て替え後の再建マンションの専有部分を配分する場合等における合意形成の円滑化が期待できると言っているんですよ。つまり、建て替えするときに、後の部屋の配分について、より価値が高い組合員を優先することにすれば建て替えの合意が得やすくなるだろうと、こういう話をしているんですね。
 私、これ、マンションというのは株主総会じゃないと思うんですよ。マンションは人間が住んでいるわけです。管理組合というのは財産の管理だけじゃないわけですよ。そこに人間の生活があるということを忘れたらあかんと思います。
 最後に一点だけ、イエスかノーかだけ。この規約ですけれども、新規約でなくて旧の規約でもそのまま適用してもいいということでよろしいですね。イエスかノーかで。
#66
○政府参考人(由木文彦君) マンションの標準管理規約は、一般の分譲の住居専用のマンション等を想定いたしまして、個別の管理組合が管理規約を制定、変更する際の参考として作成をするものでございます。したがって、標準管理規約の解説でも、マンションの規模、居住形態等それぞれのマンションの個別の事情を考慮して、必要に応じて、合理的に修正して活用することが望ましいというふうにしているところでございます。
 したがいまして、どのような管理規約を使用するかについては、それぞれの管理組合の判断によるものというふうに考えております。
#67
○辰巳孝太郎君 そのままでいけるということですので、私の質問を終わります。
#68
○室井邦彦君 おおさか維新の会の室井でございます。
 この都市再生特別措置法の法案が成立をいたしましたのは平成十四年。以降、今回の一部を改正するということでありますが、九回この間に法律が改正をされておるということで、いかにこの人口減少の中で、少子高齢化、そして、そういう中での居住環境の整備ということについて非常に難しい国交省としても対応をされておるということに対して敬意を表しながら、しっかりと住民の一人でも居住環境を過ごしやすく、また快適に過ごせるように更に御努力をしていただきたい、このように思っております。無論、この法案については賛成をさせていただきますが、一部少し、せっかくの時間をいただいておりますので質問をさせていただきますが。
 まず、地域指定の縮小また解除ということについてちょっとこだわって御質問をしたいと思いますが、大体が、全ての公共事業がそうであるように、一度事業が決定されてしまうと、社会経済状況の変化にかかわらず、この事業の見直しということ、これはもうほとんどされないということであるというふうに私は感じております。その中で、この政令の立案にはこれまで指定地域の拡大、さらに縮小及び地域指定の解除も含まれていると解されてきましたが、実際にこの地域指定を解除また縮小したことがあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
 また、もう一点、地域指定の縮小、解除を行うことを明確化するためにこの政令制定及び改廃の立案と規定に定めていることで、選択と集中の観点から効率的な都市開発事業推進の一助になると言えるのかどうか、その点の実効性についてお聞きをしたいと思います。
#69
○政府参考人(伊藤明子君) お答えいたします。
 都市再生緊急整備地域の指定の解除、縮小の件でございますが、これは解除や縮小した事例は今までございません。なぜかと申し上げますと、都市再生、構想づくりや関係者の合意形成を経て整備をするということでございますが、非常に完了までに時間が掛かるものですから、これまで事業が終了するなど地域指定解除の状況に至る地域が余りたくさんなかったということがありましたのでそういうふうになっているわけです。
 しかしながら、昨今、都市開発事業が完了する地域も見られるようになりまして、地域指定を継続する必要性が薄れた地域も出てまいりましたので、今回、地域指定の改廃についても法律上明確化するということにしたものでございます。
 その上で、具体的には、都市再生緊急整備地域等を指定した地域については定期的に現在の都市開発事業の進捗状況等地域の状況を評価させていただいて、地方公共団体の意見も聞きながら適宜指定の見直しを行うというふうに、そういうふうな形でやらせていただきたいと思っておりまして、この結果、全体としてめり張りのある的確な地域指定が図られ、効率的な都市開発事業が推進されると、そういう形で実効性のある都市開発事業の推進が図られるものと考えております。
#70
○室井邦彦君 ありがとうございます。
 伊藤さんと久しぶりにお会いしまして、たくましくなられて、女性もこれからどんどんどんどん積極的に頑張って取り組んでいただきたいと激励させていただきたいと思います。
 続きまして、都市の国際競争力についての、どのような施設の整備促進策を取っておられるのか、これについてお聞きをしたいと思います。
 その前に、世界銀行は世界百八十九か国・地域のビジネスのしやすさということで順位を付けておりまして、二〇一六年のビジネス環境ランキングを発表しました。日本は三十四位と昨年より順位を四つ下げました。安倍政権が掲げている二〇二〇年までに先進国で三位という目標から随分遠のき、また一段の改革を更に求められると私思っておりますが、その点で質問させていただきたいのは、国際的なビジネス環境及び生活環境の整備を図る観点から、多言語対応の会議機能又は外国語対応の医療、教育、福祉等の生活環境を提供する施設の整備を促進する必要性が特に指摘されておるわけでありますが、この大都市における国際競争力強化の施設はどのような整備状況に現在あるのか、今後更に国交省としてどのように取り組んでいく促進策があるのか、大臣、お聞きをしたいと思います。
#71
○国務大臣(石井啓一君) 海外の企業やビジネスパーソンを呼び込む上で国際会議場や外国語対応の医療施設等は必要な施設であるというふうに考えておりますが、例えば東京都内の特定都市再生緊急整備地域におきましては、国際会議場七施設、外国語対応の医療施設が十一施設にとどまっている状況でございます。こういった状況におきまして、ある民間団体が外国人ビジネスパーソンを対象に行った調査では、医療サービスの多言語対応や子弟の本国と同様の教育サービスの提供などについて満足度が低いといった結果が出ております。
 こうした施設は、拠点性の高い民間都市開発と併せて整備することでその事業やエリアの魅力の向上につながっていくことになると考えております。このため、国際会議場や外国語対応の医療施設等への金融支援制度を創設することとしております。こうした取組によりまして、我が国都市の国際競争力の強化を図り、魅力的なまちづくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。
#72
○室井邦彦君 くどいようでありますけれども、総理は先進国で三位ということを目指しておられるのに、三十四位になったということ、どうかしっかりと対応していただきたい、御努力をいただきたいと、このようにお願いをしておきます。
 続いて、低未利用土地の有効活用について触れさせていただきますが、中心市街地においての空き地、また空き店舗など低未利用土地が増加をする傾向に歯止めが掛かっていないという状況であります。空き地や空き店舗の所有者は、相続により遠隔地に所在していたり、高齢化による店舗を閉じる、もう年がいったのでやれないというような、あらゆるいろんな状況が重なってきておるようであります。また、自ら積極的にこの空き地や空き店舗を再利用、また有効的に活用しようという気力も現れていない。このような状況が重なっておる中で、市町村、また都市再生推進法人等がこの低未利用土地の所有者と協定を締結してその有効活用を図っていく制度を創立するということでありますが、どのように締結までつなげていこうとしているのか、その制度の実効性についてお聞きをしたいと思います。
#73
○政府参考人(栗田卓也君) 今委員から御指摘のとおり、空き地、空き店舗の所有者側にはいろいろな事情がありまして、それらの有効活用が図られていないというような状況がございます。今回創設いたします低未利用土地等の利用促進協定でございますが、空き地などの所有者とそれを有効に活用しようとする例えばまちづくり会社、あるいはNPO、それから市町村の場合もあるかと思います。そういった人との間で協定を結んでいただこうと。その際、その協定の締結に当たって、市町村の認可に係らしめたいという制度を考えておるところでございます。市町村が介在いたします。
 したがって、市町村が空き地等の所有者の土地利用に関する意向ですとか、あるいはまちづくり会社などが空き地などを活用しようとするニーズを把握する、こういう動機をまず持っていただけると思いますし、マッチングさせるというような動きも期待できると思います。このようにより積極的に市町村が空き地等の活用に取り組むようになるという効果があると思いますし、また市町村が介在することによりまして、しばしば、空き地の所有者などが一度貸すと返してもらえないのではないかと、そういった御不安もお持ちであるということがございます。そういったところの安心感を高めるといったような効果もあると考えております。
 この協定に基づく施設整備に対しましては、予算措置も講じておるところであります。関係自治体への優良事例の周知、相談、こういったことも通じまして、積極的な空き地、空き店舗の活用を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
#74
○室井邦彦君 栗田局長、四の質問、時間の関係上ちょっと飛ばして五の方の質問、最後の方の質問に、二十四分までということでありますので。
 この住宅団地の建て替えについて、私どもも、関西も千里ニュータウンとか明舞団地とか巨大なそういう団地があるわけでありますけれども、もう空き家が、また新たな皆さん方が努力をされて、若い人たちに集まっていただくようにいろんな工夫をされているようでありますけれども、追っ付かないというのが現状であると思います。
 そこで、今、全国の住宅団地数が五千団地あるということであります。そこで、戸数ベースでいけば二百万戸存在しておるということで、半端な数字じゃありません。築四十五年を迎える住宅は十年後には約五倍の千五百団地にもなると。二十年後には約十倍というようなことが想定されておる中で、この老朽化した住宅団地の建て替えがなかなか推進ができていない理由の一つに、もちろん合意形成が非常に困難だというのも私も認識をしておりますが、住宅団地の再生に向けた合意形成の円滑化と併せ、老朽化したこの住宅団地、二十年後に今申し上げました十倍の三千団地弱に達する、この建て替えのペースを加速していく必要があると、このように私は感じておるわけでありますが、国土交通省として、この住宅団地の建て替えの実質化に向け、どう取り組もう、また取り組んでいこうと考えておるのか、お聞きをしたいと思います。
 これで僕、質問を終わります。
#75
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 老朽化した住宅団地の多くは、建物自体の老朽化が進んでいるだけではなくて、建物の管理上の問題や、御指摘いただきましたような空き住戸の増加といった問題を抱えております。また、例えばエレベーターが設置されていないとか、あるいは近くに介護施設や子育て施設がないといった、福祉施設等の都市機能が確保されていないなどの必要な居住サービスが受けられないような状況ともなっております。こうした団地の再生に当たりましては、まずは、区分所有者間の合意形成が非常に重要でございます。建て替えかあるいは改修かの選択を含めて、どのような形で再生を行っていくかについて様々な居住者の方々の意向やあるいは個々の団地の実情がございますので、やはり再生のための選択肢を増やすということが重要であると考えております。
 そのため、今回は、再開発事業を使いやすくするという観点から組合員数の算定方法の見直しを提案をさせていただいておりますが、こうした措置によりまして、老朽化した住宅団地において市街地再開発事業が使いやすくなりますので、建て替えや集約によって居住環境そのものを向上させることができる、あるいは地域の拠点として住宅団地の再生を図ることができる、こういうことが促進されるものと考えております。
 あわせて、これまでマンション建て替え法あるいは区分所有法による建て替えも進んでまいっております。特に、マンション建て替え法におきましては、平成二十六年に改正を行いまして、耐震性に問題のあるマンションの建て替えの促進のために敷地売却の制度を新たに創設をいたしました。現在、この第一号の手続が進行中でございます。こうした区分所有法あるいはマンション建て替え法による建て替えは、必ずしも都市計画決定を経ずに管理組合の意思決定により建て替えができる仕組みでございます。
 また、あわせて、既存ストックを活用するという観点からは、耐震改修によって再生を行うという手法もございます。これにつきましては、社会資本整備総合交付金制度等によって支援を行っております。
 いずれにいたしましても、区分所有者が適切な方法を選べるように、基本的に制度の普及啓発を行いますとともに、今申し上げました再開発事業の建て替えや区分所有法あるいはマンション建て替え法による建て替え、あるいは既存ストックを活用した改修の促進、こうしたものを通じまして、引き続き住宅団地の再生が加速できるように積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#76
○室井邦彦君 終わります。
#77
○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。
 消費税は国土交通行政にも重大問題でありますので、まずはそのことから触れたいと思います。
 安倍総理は、来年四月の消費税引上げについて、二年半後の二〇一九年十月まで再延期する考えを自民党幹部らに伝達したということであります。大いに評価をしたいと思います。
 確かに、内閣府が五月十八日に発表した一―三月期のGDP速報値は、物価変動を除く実質で前期比〇・四%増、年率換算で一・七%増、二四半期ぶりのプラス成長ではありました。しかし、個人消費は伸び悩んでいるのが実態でありまして、景気はある意味足踏み状態とも言えるのではないかと考えます。さらに、熊本地震の影響が現れる四―六月期はGDP速報値が落ち込む可能性が強いだろうな、そう推測もいたしております。日本経済の先行き不透明感が変わらない現状では、ましてデフレ脱却のない限り、私は増税すべきではないと改めて申し上げたいわけであります。
 ちなみに、私どもの試算ではありますけれども、消費税の増税がやっぱり民間消費を停滞させた、今もそのことで引きずっていると。あの増税がなければ平成二十七年は三百兆円を超えていたろう、実質は平成二十七年では二百九十三兆円という私どもの試算であります。
 今、しからば社会保障財源はどうするのだとかいろいろな議論もあるところでありますけれども、かえって消費増税で税収は減った、消費増税がなければ経済成長率が五%を超えてむしろ税収は増えていたと、こう申し上げたいのであります。
 ちなみに、私どもの同じく試算でありますけれども、税収弾性値を一・二として増税実施、このときのGDPでありますけれども、平成二十五年は四百八十二兆円でありました。平成二十六年度、四百九十兆円であります。平成二十七年度、五百二兆円であります。そして、税収はどうだったか。平成二十六年度は五十四兆円、平成二十七年度は六十六兆円なんです。これが、増税しなければ、GDPは、平成二十六年度は五百七兆円、平成二十七年度は五百三十三兆円、そして税収は、平成二十六年度で五十九兆円、平成二十七年度は七十五兆円だったはずなのであります。
 今、アベノミクスは失敗だとかいろいろ悪い批判はありますけれども、私どもは、中国経済やロシア経済の大減速を考えたり新興国経済の低迷を考えるマクロ経済を理解すれば、そんな話は出てこないと考えております。まごう方なくアベノミクスは基本的には成功しているのでありますから、自信を持って内閣頑張っていただくのでなければならない、そうも考えております。
 そこで、あえて国交大臣、デフレ脱却のない限り増税すべきではない、今回は評価いたしますという私の考え方、いかにお感じになりますか、御答弁お願いします。
#78
○国務大臣(石井啓一君) これまでも様々な委員会で委員から消費税率お問合せがございますが、国土交通大臣としては、消費税率引上げにつきましてはお答えする立場にはございません。
 なお、総理がサミット後の記者会見においても申し上げていらっしゃいますけれども、総理が与党の関係者の意見を聞いた上で適時適切に判断をされ、夏の参議院選挙前に明らかにされると理解をしております。
#79
○中野正志君 やっぱり石井大臣、真面目なものでありますからそういう御答弁かなと、そう思いつつ、あえて私の考え方も含めて申し上げさせていただきました。
 本題に戻りますけれども、今回改正される都市再生特措法、大都市及び地方の中枢都市において民間の力を中心として都市再生を図るという考え方に立脚しており、政令で指定されている都市再生緊急整備地域、現在六十三地域に上っております。
 例えば我が町仙台市では、仙台駅西・一番町地域、そして仙台長町駅東地域の二か所が指定をされております。こうした整備地域においては、民間事業者が事業計画を練り、それが国によって認定されると、金融支援を受けたり所得税や固定資産税等の税制優遇措置を受けたりすることができるわけであります。しかし、仙台市に二つあるこの指定地域では、現在のところ、民間都市再生事業計画が認定されるには至っていないのが実情であります。これは、事業計画の作成や認定に多大なコストが掛かってしまう、あるいは手間を掛ける割には恩恵が少ないとして、認定を受ける必要がないというビジネス判断が下されるというように、地域の実情に応じていろいろな理由があろうと思います。
 しかし、重要なのは、民間による都市再生を図ることで都市経済を再生をさせる、日本経済の国際競争力を向上させるということであり、そのための手段としてこの民間都市再生事業計画の制度が置かれているということであろうと思います。しかし、実効性がないと意味はありません。今回の法改正で事業計画の認定に要する期間が三分の二に短縮されるということでありますけれども、事業者の負担を減らす工夫がもっと必要なのではないか、国交省としての考え方をお伺いします。
#80
○政府参考人(栗田卓也君) 民間都市再生事業計画についてのお尋ねでございます。
 これまで、この計画は約九十の認定を見ております。ただ、事業区域面積が一ヘクタール以上であるとか、あるいは公共施設の整備を併せて求めるといったような要件もあるというのが現在の要件でございます。その上で、御指摘のとおり、この民間都市再生事業計画の大臣認定制度、ますます実効性を高めていくという意味では、事業者の負担を減らす、この工夫は大変大事なことというように思っております。
 これまでにも、平成二十五年には認定申請に係りますガイドラインを作成しましたり、あるいは建築確認などほかの手続のために作成した図書をそのままこの手続にも使ってくださいということを申し上げたり、前広な事前相談を受け付ける、そういったことで事業者の負担軽減に努めてきたところでございます。
 今御指摘ございました今回の大臣認定手続の短縮でございますが、これも事業者からの迅速化の要望を受け止めてということの措置でございます。今後とも、事業者のニーズの把握に努めまして、負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
#81
○中野正志君 今回の法改正案の主眼の一つに、国際会議場等の施設整備に対する金融支援の導入があります。これは、都市再生緊急整備地域に選ばれたエリア内で国際会議場等を造ろうという事業計画が認定された場合、民間の事業者に対して融資の支援を行うというものであります。民間都市開発推進機構によるいわゆるメザニン、融資と株式取得による出資の中間に位置する特殊な融資だということでありますが、その規模は、平成二十八年度予算でいうと全体で五百二十億円のようです。しかし、不動産開発という事業規模からすると、この額は決して多いというわけではないと思います。
 都市部のビジネス環境整備あるいは都市の国際競争力の強化という観点からは、もっと思い切った財政措置が必要ではないかと。都市の競争力を強化することは我が国の経済再生にとっても重要だと思います。この点について、国交大臣の御所見をお伺いします。
#82
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のメザニン支援業務につきましては、民間市場からの調達が不足をしがちなミドルリスクの資金について民間金融機関を補完するものでございます。政策効果としましては、民間資金を呼び込み大規模な民間都市開発事業の立ち上げを実現をし、都市の競争力強化を図ることを目指しております。これまでの実績からしますと、金融支援額の十倍程度の事業が立ち上がってきております。平成二十八年度のメザニン支援業務の予算額は五百二十億円でございますけれども、まあ十倍となればその支援効果は大きなものになると見込んでおります。
 今後も、事業者のニーズ等を踏まえながら、国際会議場等を伴う優良な民間都市開発事業に対する支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
#83
○中野正志君 国際会議場については、現在はいわゆるMICEですね。すなわちミーティング、会議、インセンティブトラベル、招待旅行、コンベンション、国際会議、学術会議、エキシビションという四つの頭文字を合わせた言葉で表現されるようになっております。
 これは、国際会議や展示会、見本市あるいは国際学会といったイベントを、それ自体として単純に把握するのではなくて、人、物、情報のネットワークの結節点だとして理解する新しい考え方であります。このMICEが都市経済の牽引役になるという考え方は国家戦略にも取り入れられており、政府の日本再興戦略では、二〇三〇年にはアジアナンバーワンの国際会議開催国としての不動の地位を築くという目標が掲げられているのは御承知のとおりであります。
 そこで、我が国のおけるこのMICEの現状について、どのぐらいの実績があるのか、どのぐらいの人数が我が日本に来て、どの程度の経済効果があるのかについて、観光庁長官の考え方をお伺いをいたします。
#84
○政府参考人(田村明比古君) ビジネス目的で訪日する旅行者数は、二千万人の、全体の約二割程度と推計されております。これらの旅行者がいわゆるMICEのいずれかの目的で訪日をしておられるということであります。
 MICEのうち、国際的な統計データが整備されている国際会議の開催件数を見ますと、世界全体では、二〇〇三年には六千四百五件でございましたけれども、二〇一五年には一万二千七十六件と、約一・九倍に増加をいたしました。この間、我が国では、開催件数は百十二件から三百五十五件、約三倍に増加をしております。二〇一五年の我が国の開催件数は世界第七位ということでございます。
 経済効果についてでございますけれども、一般の外国人観光客が一度の訪日旅行で支出する額、これは宿泊、交通費、飲食費、お土産等の合計で約十七万円余りでありますけれども、これに対しまして国際会議参加者は、これに会議場や通訳等の主催者経費が加わるため、国際的な統計によると一人当たりの支出額は約三十万円と算出されております。また、国際会議は、このほかに参加する日本人の消費額も加わりますので、国際会議開催による経済効果は非常に大きいことが分かります。
 観光庁では、世界のトップレベルの誘致能力を持つMICE都市を育成するために、平成二十五年度からこれまでの間、東京、京都、北九州、仙台等の主要十二都市に外国人専門家を派遣して、MICE誘致のための戦略づくりの支援などを行っております。
 本年三月に作成された明日の日本を支える観光ビジョンにおきましても、MICE誘致、開催の促進が重要であると位置付けられているところでございまして、今後は、年内に関係府省連絡会議を新設した上で、将来は民間も加えて官民連携の横断組織を構築し、オールジャパン体制でのMICEの誘致、開催を支援してまいります。
#85
○中野正志君 ちょうど時間となりましたので、終わります。
#86
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。
 都市再生特別措置法は、二〇〇二年、当時の小泉政権時代にミニバブル誘導策としてスタートいたしました。都市の国際競争力の強化や不動産市場の活性化などを名目に、規制緩和され利権化した都市開発が大企業のビジネスチャンスとして民間開放され、ビッグプロジェクトやインフラ整備が強行されてきました。その一方で、本来の都市住民の生活の向上や住民のための住みよいまちづくりの推進、良好な都市環境の保全を目指すという方向はますます弱められております。
 まず大臣に伺いますが、地方創生のスローガンの下で、人口減少への対応、東京一極集中の是正が政府全体で求められる中、本法案で今以上に大都市偏重の施策を推進する必要があるのか、地方都市の衰退につながる懸念はないのか、伺います。
#87
○国務大臣(石井啓一君) 東京一極集中の是正に取り組むことは重要でございまして、昨年八月に閣議決定をいたしました国土形成計画の全国計画におきましても重要な課題と位置付けております。
 今回の改正におきましては、町中への都市機能の効率的な誘導、官民連携による町のにぎわいを創出するための施策を盛り込んでおりまして、全国の地方都市におけるコンパクトでにぎわいのあるまちづくりを促進することになると考えているところでございます。
 一方、経済社会活動のグローバル化が進む中で、我が国の経済成長のためには海外から人材や企業、投資等を呼び込むことも重要であります。そのためには、東京を始めとする大都市について国際ビジネス環境や生活環境の更なる向上を図り、国際競争力を一層強化する必要があると考えております。東京など大都市の国際競争力強化につきましては、地方から大都市に人材等を呼び寄せるということではなくて、むしろ海外から人材や企業、投資等を呼び込む視点が重要と考えております。したがって、地方創生と大都市の国際競争力強化は対立的に捉える政策目的ではなく、むしろ車の両輪と考えております。
 引き続き、地方都市、大都市双方につきまして必要な都市政策の展開に努めてまいりたいと考えております。
#88
○吉田忠智君 地方都市にも適用できるメニューがあるというふうに言われるわけでありますけれども、それだけでは東京一極集中が進むばかりではないかという懸念も強くあるわけでございます。
 次に、民間都市再生事業計画の大臣認定処理期間の短縮について伺います。
 法案では、都市再生特別措置法改正案第二十二条関係で、民間都市再生事業計画の大臣認定期間が現行の三か月から二か月に短縮されます。期間短縮について、具体的な展望、要望があるのでしょうか。一か月短縮することにどのような意義があるのでしょうか。認定処理期間の短縮により、周辺住民等との合意形成などに影響が及ぶことはないのでしょうか。また、これまでの案件で、認定後に周辺住民等から問題を指摘している事例はないのでしょうか、伺います。
#89
○政府参考人(栗田卓也君) 民間都市再生事業の実施に当たりまして、それに先立ちます都市計画手続、それらの中で住民等との合意形成が丁寧に行われる、これは大事なことですし、また当然のことと考えております。この大臣認定もそれを前提として行われるものでありまして、認定に当たっては、住民説明会の開催状況等に関する書類の提出を求めておるところでございます。
 今般の改正、今御指摘ございましたとおり、大臣認定に関する処理期間を三月から二月というようにさせていただきたいと思っております。民間事業者団体からそのような御要望があったということは先ほども御答弁申し上げたところでございます。
 ただ、今回の措置はあくまでも大臣認定手続、これは行政内部の審査、決裁等の手続、その迅速化を図るものでございます。それが周辺住民等との関係、周辺住民等との合意形成に影響を与える、そういった性格の事務ではございません。これまで認定した案件につきまして、認定後に周辺住民等から問題を指摘された事例はございません。
#90
○吉田忠智君 次に、都市再開発法第二十条及び第三十三条関係について伺います。
 住宅団地の再生について、法案では、土地の共有者のみで市街地再開発事業を施行する場合に、各共有者をそれぞれ一人の組合員として扱い、三分の二の合意での事業推進を可能にするということであります。
 まず、これまで、土地が一筆共有の団地で全員の合意を得て建て替えを実施したというのはどこの事例でしょうか。また、このような土地が一筆共有で複数棟の住宅団地は全国で何か所くらい、また特に東京都内では何団地くらいあるのでしょうか、伺います。
#91
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 これまで、土地が一筆共有の団地で全員の合意を得て共有者のみで市街地再開発事業を実施した事例は一地区のみでございます。具体的には東京都墨田区の旧同潤会アパートの事例でございます。
 全国の住宅団地の数でございますけれども、平成二十五年の住宅・土地統計調査を基に私どもで推計を行いましたところ、要件といたしましては、同一敷地内に計画的に複数棟の共同住宅が建っていること、おおむね五十戸以上あること、当該敷地が区分所有者により共有されているものであること、こういう要件に合致する団地は約全国で五千団地あると推計しております。この五千団地につきましては、例えば、関東大都市圏、これは旧東京都庁から七十キロメートル圏内でございますが、これについては約二千六百団地あると推計をいたしておりますが、都道府県別の推計をいたしておりません。
 なお、東京都についてお尋ねでございました。東京都所有のデータに基づきまして、この調査とは別に国土交通省が登記簿調査を行った結果によりますと、二十五年の調査時点で建設後三十年経過した古い団地、具体的には昭和五十八年以前に建設された団地の数でございますが、都内では二百八十五団地確認できたところでございます。
 以上でございます。
#92
○吉田忠智君 現行の区分所有法、マンション建て替え法による建て替えと法案による住宅団地の建て替えは、それぞれどのようなもので、どこがどう異なるのか、伺います。
#93
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 住宅団地を建て替えるための手法といたしましては、今回御提案申し上げております市街地再開発事業のほか、区分所有法に基づく団地一括建て替え及びマンション建て替え法に基づくマンションの建て替え事業がございます。このうち、御提案申し上げております市街地再開発事業につきましては、地方公共団体により、都市全体のまちづくりの観点から必要な事業として都市計画決定に位置付ける必要がございまして、この位置付けられた場合に限り実施が可能な手法でございます。この点がまず大きな特徴となっております。
 これに対しまして、区分所有法は、区分所有者の意思のみで建て替えを可能とするというための民法の特別法でございまして、民法上、共有物の変更に当たります建物の建て替えの際の合意、これを五分の四の要件とするというようなことが規定されているものでございます。また、この区分所有法に基づいて事業を行う際の建て替えは任意に売却をすることにより行われる形になります。
 マンション建て替え法につきましては、この五分の四の区分所有法の建て替え決議を前提としつつ権利変換の手法を手続的に整備をした権利変換手法によるものと、それから、五分の四の合意により耐震性に問題のあるマンションについて敷地売却の制度を定めたものと、この二種類の手法がございます。この区分所有の手法、マンション建て替えによる手法は、いずれも都市計画決定等の位置付けなく、区分所有者あるいはその管理組合の意思のみにより実施することが可能な手法であることが大きな特徴でございます。したがいまして、こうした位置付けが異なりますので、再開発事業では全体の三分の二の地権者の合意で事業が実施できるという合意の特例が設けられているものでございます。
 また、再開発事業、法定事業でございますので、その他のものよりも税財政上の手厚い支援を受けることができる仕組みになっておりますこと、それから、建て替えに伴いまして、敷地の共有関係を変更する、あるいは敷地を分割するといったような柔軟な事業手法が取れるというような点で他の事業とは若干異なる事業内容となっている部分がございます。
 いずれにいたしましても、それぞれの団地の状況あるいは区分所有者の意向等を十分踏まえまして、よりふさわしい手法が選択されるということが適切だというふうに考えておりますので、国土交通省といたしましては、そういった制度の趣旨等を十分周知をいたしまして、より適切な手法により事業が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
#94
○吉田忠智君 国土交通省は従来、マンションの建て替えに当たっては、区分所有者間の合意形成に向けての丁寧な取組が重要であると繰り返し答弁されてきました。この改正により、三分の一の反対住民がいても建て替えが可能になり、最終的には司法による明渡し請求や行政代執行などの強制力の行使も可能になるわけであります。強制力を背景に住民に合意を迫るというのは、これまでの答弁に反するのではないでしょうか。反対住民の追い出しにつながり、居住権や財産権を侵害する懸念はないのでしょうか、伺います。
#95
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。
 市街地再開発事業は、先ほど御説明を申し上げましたが、都市計画を定めた上で行う事業でございます。土地の高度利用及び都市機能の更新を図るという公益性の観点から、全体の三分の二以上の合意で事業を進めることが可能となっている事業でございます。
 一方、事業の実施に当たりまして、権利者の方々に対して事業の各段階で丁寧に御説明を行って、できる限り多くの権利者の合意を得ながら事業を進めていくという姿勢は全くこれまでどおり変わりません。その重要性は変わらないというふうに認識しております。
 ただ、その場合でも、やはりどうしても反対される方が出てまいります。こういった方々に対しては、従前その方がお持ちの資産の価格に応じて補償を行うこととされております。また、移転に伴い生じる、例えば引っ越し費用等の通常生ずる損害についても補償を行うこととされております。
 また、再開発事業の施行に伴いまして、従前の居住者の方が例えば非常に所得が低いというような場合には、公営住宅やURの賃貸住宅にお入りになるという場合もございます。こういった住宅は原則公募によることとされておりますが、このような従前居住者の方々の入居については公募によらずに優先入居ということができることとされているところでございます。
 さらに、一定の基準に照らしまして、従前の居住者の方が取得する床面積が過小となるような場合には、それを適正な床面積まで広げるという居住環境の確保策も用意されております。
 国土交通省といたしましては、こういった様々な仕組みを活用しながら、権利者の方々の居住権や財産権にも配慮しつつ、丁寧な事業進捗を図ることが必要であるというふうに考えております。
#96
○吉田忠智君 先ほど答弁がありましたように、全国で五千、都内で二百八十五か所というと、極めて広範囲に影響が及ぶわけでございます。居住権や財産権を侵害しかねないものであるにもかかわらず、このような重要な改定が都市の国際競争力強化などの付け足しのような形で提案されているということは、国民の権利擁護の観点からも、立法の在り方としても望ましいものではないというふうに考えますけれども、最後に大臣のお考えを伺いたいと思います。
#97
○国務大臣(石井啓一君) これまで政府参考人から答弁をしてまいりましたように、団地の再生におきましてはいろんな手法がございますけれども、権利者の方々の居住権や財産権に十分配慮しながら、丁寧な事業進捗を図っていきたいと考えております。
#98
○吉田忠智君 以上で終わります。ありがとうございました。
#99
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 この度の都市再生特別措置法の改正法案は、都市の国際競争力、そして防災機能強化、そしてまた住宅団地の建て替えの推進が盛り込まれておりまして、私は賛成でございます。
 その上で、まず国際競争力の強化について伺いたいと思っております。
 都市の盛衰また繁栄というのは、ある意味、その国の状態、また国際社会の中での位置付けというものを映す鏡ではないかなと、このように考えております。こうした中で国際的な都市間競争は活発をしております。我が国の大都市におきましても国際競争力を高めていく必要があるかと思っております。
 そこで、まず大臣に伺いたいと思っておりますけれども、本法案の提出に当たりまして、国内様々な都市がありますけれども、その中でもどの都市について国際競争力を一層高めようとしているのか。そしてまた、これは都市間競争でありますので、ただ漠然と強くなろうということではないかと思います。具体的に海外のどの都市との競争を念頭に置かれているのか、お答えいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(石井啓一君) 都市再生特別措置法では、都市の国際競争力強化を図るため特に有効な地域といたしまして、特定都市再生緊急整備地域を全国十二地域で指定をしております。具体的には、日本の経済を牽引する東京都心・臨海地域やアジアのゲートウエー機能となる福岡都心地域等を指定をしてございます。
 また、我が国の都市の国際競争力強化を図る上で念頭に置くべき都市といたしましては、都市機能の集積が高く、観光集客力の観点からも競争力の高いロンドン、ニューヨーク、パリなどの世界的な大都市や、また、急速に競争力を上げてきておりますシンガポール、香港などアジアの諸都市などが挙げられると考えております。
#101
○行田邦子君 これは政府も参考にされていると聞いていますけれども、森記念財団都市戦略研究所が世界の都市総合力ランキングというのを出しています。二〇一四年のその調査結果発表ですと、東京は四位と。一位がロンドン、二位がニューヨーク、三位がパリということです。
 こうした東京よりか高い位置にある、ランキングにある都市に更にそこを追い越していこうということ、それだけではなくて、やはりこの東アジアの地域におきまして、東京は今、東アジアではこのランキングですとナンバーワンですけれども、ただ、シンガポールやソウルが、シンガポールが五位、ソウルが六位ですけれども、こういった都市が近づいてきています。こうした東アジアの中でのライバル都市にも負けないように、追い付かれないように、しっかりと国土交通省としても施策を打っていただきたいと思っております。
 さらに、大臣に伺いたいと思いますけれども、こうした東京などの大都市の国際競争力を高めるためには、ライバル都市と比較して強みと弱みがどこにあるのか、これを把握することが大切だと思っていますが、どのように捉えていらっしゃるのか。そしてまた、この法案におきましてどの分野が強化されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#102
○国務大臣(石井啓一君) 各都市との比較には様々な指標を分析して行われておりまして、幾つかの調査がございますが、今委員が御指摘いただいた民間団体による世界の都市ランキングにおきましては、東京は、ロンドン、ニューヨーク、パリに次いで四位となっておりまして、五位から七位にはシンガポール、ソウル、香港などのアジアの諸都市が位置付けられております。東京は上位三都市と比較をいたしますと、GDPや公共交通の充実、正確さなどに強みがあり、ホテル総数などに弱みがあるとされております。また、アジアの諸都市と比較いたしますと、経済規模等に強みがございますが、国際コンベンション開催件数や外国人の教育環境などに弱みがあるとされております。
 このため、今回の法改正におきましては、国際会議場施設や外国語対応の医療、子育て支援施設等の整備に対する金融支援措置を拡充することとしております。
 二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会もございまして、民間投資が活発することが予想されるため、交通インフラの強化等の関連施策を総動員をいたしまして、都市の国際競争力強化を進めてまいりたいと考えております。
#103
○行田邦子君 この改正法案では国際会議場施設の整備を支援の対象とするということで、このことによって大都市の国際競争力が一層増していくことを期待したいと思っておりますが、一方で、先ほど申し上げました森記念財団のランキングによりますと、東京の弱みは交通利便性といったことも指摘をされているようでありますので、この点、国土交通大臣、所管だと思いますので、しっかりと都市の国際競争力を高めるための施策を引き続きお願いしたいと思っております。
 次に、防災機能の強化について伺いたいと思います。
 東日本大震災の際には、六本木ヒルズが独立した面的エネルギーシステムを維持して話題になりましたけれども、例えば大規模な地震に見舞われて、そして通常の電力系統がダウンをした場合においても継続して機能する都市エリアを整備するということは、これは海外企業が日本にオフィスを持つことのリスクを軽減させることにつながると思っていまして、ひいては国際競争力の強化につながると思っております。
 そこで伺いたいと思うんですけれども、現在、首都圏にこのような面的エネルギーシステムが整備されたエリア、地区がどのぐらいあるのでしょうか。そしてまた、霞が関の官庁においても、面的エネルギーシステム、取り組まれていないと聞いていますけれども、私はこれは取り組むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#104
○政府参考人(栗田卓也君) 今御指摘のとおりの、自立分散型、震災時にも強い面的エネルギーシステムの導入、大変重要な課題と認識しております。若干順を異にいたしますが、霞が関についてのお尋ねでございます。
 霞が関の中央省庁の各庁舎ですけれども、震災前、従前から、大規模地震発生時において、商用電力の配電がなくても三日間は電力使用が可能な非常用の発電施設を備えておりました。平成二十七年三月には首都直下の地震の緊急対策推進基本計画が定められております。これに従いまして、この三日というのを、一週間は継続して業務ができるというようなための燃料タンクの増設を行うというように定められておりまして、現在順次整備を進めてきております。若干、面的なエネルギーシステム、今回の法案に盛り込んでおりますものと手法は違いますが、霞が関、官衙地区の防災性の向上を逐次進めておるところでございます。
 その他、一般の業務市街地についてのお尋ねがございました。六本木ヒルズあるいは新宿副都心など、これまで七地区におきまして、首都圏でございますが、大規模地震発生時の業務継続が可能な面的エネルギーシステムが構築されております。
 まだまだ不十分と思っておりまして、今回の法案に盛り込んでおります措置を積極的に活用して、こういったシステムの普及、促進していきたいというように考えておるところでございます。
#105
○行田邦子君 私は、霞が関においても面的エネルギーシステムの整備すべきではないかなと思っておりますので、そのことを指摘しまして、次の質問に移りたいと思います。
 このようなオフィスビルとか商業施設が集積するエリアにおきましては、災害時にエネルギー供給システムを活用してビジネス活動を継続するだけではなくて、東日本大震災のときの六本木ヒルズのように、帰宅困難者が逃げ込んで一時的に避難する拠点として整備することが重要だと考えております。
 この都市再生特別措置法が平成二十四年に改正されましたけれども、そのときに退避施設協定が制度化をされました。それが施行されて四年弱が経過しているわけでありますけれども、この退避施設協定が締結された実績についてお聞かせいただけますでしょうか。
#106
○政府参考人(栗田卓也君) 今、既に委員から御指摘いただきましたとおり、平成二十四年の法改正によりまして都市再生安全確保計画制度あるいは退避施設協定の制度を設けさせていただきました。都市再生安全確保計画はこれまで十五地区で策定しておりますけれども、残念ながらこの退避施設協定の締結の実績はございません。これは、民間のビルのロビー等で帰宅困難者を受け入れることについて、ビルのオーナー側にとっては、やはり賃料収入の魅力に勝てないといったようなことがあろうかと思いますし、またテナント側にとっても、自分たちの営業スペースの周辺に多くの人が滞留するということについてやはり何がしかの抵抗感がある、こういったことを背景にしているというようなことと考えております。
 ただ、いずれにしても、これ大変重要なことでありますので、この協定制度の活用、ひいては先ほど申し上げました計画制度の活用など、総合的に退避施設の確保が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
#107
○行田邦子君 法が施行されてから四年弱が経過して、まだ協定が締結されていないというのを聞くと、非常にがっかりというか、大丈夫かなという気がするんですけれども、法の運用が何か見直す点があるのかどうか、そういったこともしっかりと検討していただきたいと思いますし、また、せっかく法で定めた協定制度ですので、私これは大切な制度だと思っておりますので、締結がなされるように国土交通省としても後押しをしていただきたいと思います。
 次に、町中への都市機能の効率的な誘導について伺いたいと思います。
 私が住む地域でも、今、再開発プロジェクトが進んでおりまして、様々な多くの地権者の間での合意形成をするというのは、これ、本当に大変な作業だなというふうに思っております。
 そこで伺いたいんですけれども、この度の改正法案では、地権者から見れば、いわゆる再開発ビルの中に新たな所有権を得るというこれまでのオプションだけでなく、既存ストック活用エリアにも行けるという新たなオプションが加わることになるわけでありますけれども、そうしますと、かえって合意形成に向けた調整が難しくなるケースが増えるのではないかと危惧をしておりますけれども、こうした混乱が生じないような対策は考えているのでしょうか。
#108
○政府参考人(栗田卓也君) 御指摘いただきましたとおり、今回の法改正の中で、市街地再開発事業につきまして、従前の原則は既存の建築物を全て除却、新しい建築物に従前の権利者は権利変換を受けるというようなこととは異なります法律上の制度として個別利用区制度というのを設けさせていただきたいと考えております。
 この個別利用区制度を使えるということは法律上要件を明定させていただいておりまして、既に高度利用されている建築物あるいは歴史的な建築物などの有用な既存ストックに限って個別利用区に存置又は移転することが可能というふうに定めさせていただいております。したがいまして、この個別利用区制度の創設によりまして、言葉としてふさわしいかどうかはともかく、その制度が濫用的に用いられて再開発事業そのものの合意形成に支障を生じるというようなことはないと考えております。
 再開発事業、そもそもの目的は、防災性の向上、都市環境の向上、こういった目的がございます。また、既存ストックの活用という今回の個別利用区制度の新しい制度の趣旨、こういったものをきっちりと関係者に周知徹底を図りながら、御指摘のような混乱が生じないように努めてまいりたいと考えております。
#109
○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。
 最後に、官民連携による町のにぎわい創出について伺いたいと思います。
 空き地や空き家活用については、既にNPO法人とかまちづくり会社などが様々な取組を行っていると承知していますけれども、こうした現状の中で、なぜ低未利用土地利用促進協定制度を制度化する必要があるのでしょうか。そしてまた、この制度化によって、実際どの程度制度が活用されると考えていらっしゃいますでしょうか。
#110
○政府参考人(栗田卓也君) 確かに、現状におきましても、例えば空き地の所有者とNPO法人が協定を結び、あるいは何らかの契約を結んでその有効活用をしているという例がございます。今回創設する協定制度といいますものは、市町村が地権者とそれを有効活用する担い手の間の協定を認可するというようなことで、市町村がその関係に介在するということをポイントとしております。
 したがいまして、市町村が、空き地等の所有者の土地利用に関する意向、あるいはまちづくり会社等が空き地等を活用しようとするニーズ、こういったことを把握してマッチングさせるというようなことで、より積極的に空き地等の活用に取り組んでいただけると思いますし、一旦貸したら返ってきにくいといったような所有者の御心配も市町村が介在することで低減されるというような効果があるというようなことを考えております。
 この制度の活用の見込みでございますが、まだまだ地方公共団体にサンプル的にヒアリングをしただけの段階でございます。しかしながら、それだけでも既に十の地方団体、現場から、町の中心部の空き地などをまちづくり活動の拠点として活用したいということで、この協定の活用に関心があるというような声を頂戴しております。
 ますますこの制度の周知徹底を図りまして、積極的な活用に努めてまいりたいと考えております。
#111
○行田邦子君 終わります。
#112
○委員長(金子洋一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#113
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎です。
 私は、日本共産党を代表して、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。
 反対する第一の理由は、都市再開発法改正案が市街地再開発事業で住宅団地を建て替える際の合意要件を緩和するものだからです。
 本来、団地、マンションの建て替えは住民全員の合意を得て進めるべきですが、区分所有法に基づく建て替えは、区分所有者の五分の四以上の合意で建て替えが可能です。本改正案は、この要件を三分の二以上に緩和します。しかも、第一種市街地再開発事業が想定されているため、都市計画法の生活再建措置が適用除外となります。これでは、建て替えに同意できないなどにより財産権が縮小、侵害される居住者が増加するおそれがあります。
 反対する第二の理由は、都市再生特別措置法改正案で期限が延長される民間都市再生事業が、大手ディベロッパーやゼネコンなどの開発大企業を優遇し、住民追い出しや環境破壊、町壊しを一層促進するものだからであります。民間都市再生事業計画はこれまで九十一件認定されています。容積率の緩和に加え、最近五年間で百四十二億円を超える税金の軽減まで行っており、不当な大企業優遇と言わざるを得ません。
 以上の理由から反対とする旨を述べ、討論といたします。
#114
○吉田忠智君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、ただいま議題となりました都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 今回の改正案には、防災対策の強化に資する面があることや、既存ストックの活用による地域の身の丈に合った規模の市街地整備を可能とする手法の創出、にぎわいの創設に寄与する観光案内所やサイクルポート等の都市公園の占用許可対象への追加、空き地、空き店舗の有効活用など、コンパクトでにぎわいのあるまちづくりを進めるなど評価すべき点もあります。しかし、大企業優遇で住民不在の都市再生を進め、住民追い出しにつながりかねないものとなっていることから賛成できません。
 以下、反対の理由を申し上げます。
 第一に、民間都市再生事業計画の大臣認定の申請期限の延長や民都機構の金融支援の対象の拡大、大臣認定処理期間の短縮、道路上空利用の都市再生緊急整備地域への拡充などが、国際競争力強化を名目に激化する国際都市間、特にアジア間競争に勝ち抜き、世界中から人、物、金、情報を呼び込むアジアの拠点、世界のイノベーションセンターとなることを目指すとする大都市イノベーション創出戦略に基づくものであり、容積率の緩和、税負担の軽減などと相まって大企業優遇を進めるものとなっている点です。
 政府が進める都市再生は、ビッグプロジェクトやインフラ整備を強行するお膳立てをつくり、国際競争力の強化と不動産市場の再構築が柱となり都市開発を利権の対象とし、都市生活空間を住民から取り上げ民間事業者に譲り渡そうとする一方、本来の都市住民の生活の向上や住民のための住みよいまちづくりの推進、良好な都市環境の保全に逆行するものとなりかねません。
 第二に、住宅団地の建て替えについて合意要件を居住者の五分の四から三分の二に緩和する点です。
 もちろん、マンションや団地の老朽化対策は必要です。しかし、本来、マンションや団地の建て替えは住民全員の合意を得て進めるべきです。建て替えに必要な住民合意の基準の緩和によって、反対住民の追い出しや居住権、財産権の侵害につながりはしないのかとの懸念が残ります。
 以上で反対討論を終わります。
#115
○委員長(金子洋一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(金子洋一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(金子洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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