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2016/03/10 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 経済産業委員会 第2号
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2016/03/10 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 経済産業委員会 第2号

#1
第190回国会 経済産業委員会 第2号
平成二十八年三月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小見山幸治君
    理 事
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                山下 雄平君
                安井美沙子君
                倉林 明子君
    委 員
                岩井 茂樹君
                北村 経夫君
                松村 祥史君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                柳澤 光美君
                秋野 公造君
                浜田 昌良君
                清水 貴之君
                和田 政宗君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  林  幹雄君
   副大臣
       経済産業副大臣  高木 陽介君
       経済産業副大臣  鈴木 淳司君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       北村 経夫君
       経済産業大臣政
       務官       星野 剛士君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   原  敏弘君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   田中 繁広君
       経済産業大臣官
       房政策評価審議
       官        丸山  進君
       経済産業大臣官
       房地域経済産業
       審議官      井内 摂男君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       経済産業省経済
       産業政策局長   柳瀬 唯夫君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       渡辺 哲也君
       経済産業省製造
       産業局長     糟谷 敏秀君
       経済産業省商務
       情報政策局長   安藤 久佳君
       資源エネルギー
       庁次長      高橋 泰三君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       藤木 俊光君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
       国土交通大臣官
       房技術参事官   津田 修一君
       環境大臣官房審
       議官       深見 正仁君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     大村 哲臣君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  山田 知穂君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (経済産業行政等の基本施策に関する件)
 (公正取引委員会の業務に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小見山幸治君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局取引部長原敏弘君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小見山幸治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小見山幸治君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○宮本周司君 皆さん、おはようございます。自由民主党、宮本周司でございます。
 まずは、明日、東日本大震災から丸五年を迎えようとしております。改めまして、その犠牲となられました多くの尊い御霊に対しまして心から哀悼の誠をささげますとともに、また、被害に遭われました皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 いよいよ被災地の復興もいわゆるこの春から復興・創生期間に入っていきます。災害公営住宅であったり高台移転若しくは復興町づくり、これが改めてスタート、始めるわけでございますし、やはり、特に被害の大きかった東北三県におきましては、未来に向けて着実な成長を果たしていく、その期待が寄せられていると思います。
 余談ではありますが、私、また松村先輩が過去に会長を務めた全国の商工会青年部という組織があるんですが、今年十一月に福島の地で、女性部組織と合同で大規模な五十周年の創立式典も開催しようと思っておりますが、そういった大規模な大会であったり若しくはイベント、そういった各種コンベンションがこの東北の被災三県で過去のように当たり前のようにまた開催をされる、その日に本当に期待を寄せたいところでございます。
 経済産業省におかれましては、当初より担っておりますその責務、着実に全うして政策を進めていただけますように強くお願いを申し上げます。
 第二次安倍政権が誕生しましてから約三年間、アベノミクス三本の矢によりまして、デフレと戦い、経済再生に取り組んでまいりました。その間、デフレ脱却まであと一歩というところまで確実に国内経済も成長、またその地盤固めをしてきたと思いますが、ちょっと昨今、世界的ないろいろな経済不安、また不安定な部分が出てきておりまして、実体経済であったり金融市場であったり若しくは原油価格といったトリプル不安、こういったものにも各国が影響を受けているところでございます。
 ただ、先般、予算委員会でも安倍総理がおっしゃっておりますとおり、日本経済のファンダメンタル、これはしっかりとしており、好循環は着実に生まれている、このことを信じ、これからこの経済産業分野を、じゃ、いかに進めていくのか、このことが課題になってくると思っています。
 大臣に、先日、所信の演説をいただきました。中小企業・小規模事業者、中堅企業がアベノミクスの成果をしっかりと実感し、攻めの姿勢に転じることが我が国の成長に不可欠である、このように力強くおっしゃっていただきました。世界経済の様々な影響に耐えながらグローバル化を進み、そして激化する国際競争にもしっかりと勝ち抜く、そういった希望を生み出す強い経済を成長させていくために、地域に根を下ろして頑張る中小企業、また小規模事業者、中堅企業への我が国経済の屋台骨としての期待が寄せられていると思います。
 今国会で中小企業等経営強化法案が提出をされました。これは、合理化を図って省力化を促進させるといったような類いのものではなくて、地方創生をしっかりとその原動力として活躍することが期待されております地域に根差した中小企業・小規模事業者が生産性を高めていく若しくは経営力を向上させていく、こういったことを実現するために、商工会などの地域支援機関も機能した抜本的な支援の在り方を具現化するための法案であると、このように認識をしております。
 林大臣のこの法案に対する思い、考え、また強い経済を実現するための意気込みを是非お聞かせをいただけたらと思います。
#6
○国務大臣(林幹雄君) 日本経済を持続的な成長軌道に乗せていくためには、全国津々浦々の中小企業あるいは小規模事業者の生産性向上を力強く後押しすることが必要でございます。
 このため、ものづくり補助金によりまして、新たな商品やサービスの開発に取り組む中小企業を支援しておるところでございます。また、小規模事業者持続化補助金によりまして、商工会、商工会議所の支援を受けて行います販路開拓などを支援をしております。さらに、都道府県のよろず支援拠点で、売上げの拡大や経営の改善など様々な経営課題の相談にきめ細かく応じているところでございます。
 こうした取組に加えまして、今先生御指摘の中小企業等の経営力を強化するための法案を国会に提出しております。具体的には、政府が小売業、運送業、製造業といった業種ごとに生産性向上の優良事例を指針の形で分かりやすく示す、これに対して中小企業者がこれに沿った計画を作り取組を行う場合には固定資産税の軽減や金融上の支援策を講じる、商工会、商工会議所等は計画の策定などを支援すると、こういうものでございます。
 本法案は、ITの利活用や設備投資などにより生産性の向上を促すものでございまして、中小企業の人手不足問題にも有効と考えております。なお、生産性向上には人減らしにつながるのではないかという懸念が一部にあることを承知しているわけでございますが、本法案は、人員削減のためのものではありませんで、合理化による余力を新たな事業の経営力強化につなげることを支援するというものでございます。こうした趣旨を法案の基本方針の中に定めることによりまして、このような懸念にも対応していく考えでございます。
 中小企業・小規模事業者の生産性向上と賃上げができる環境整備のために、これらの施策を総動員しながら取り組んでまいります。
#7
○宮本周司君 ありがとうございました。
 是非、いろいろな中小企業・小規模事業者の取組を力強く支え、そして自律的な経営力強化、また生産性の向上につながるような法案であってほしいと願うところでございます。
 ただ、そういった経営力の向上、また生産性の向上という部分でも重要だと当然思いますが、先ほど大臣の方からも業種ごとに政策をというお言葉もございましたが、中小企業による価格や若しくは取引条件の交渉力を高めていく、こういったことも喫緊の課題ではないかと思っています。
 林大臣の先日の所信にもございましたが、下請取引の適正化を図ることも不可欠ということに言及をしていただいております。現在、中小企業庁の方を中心に、下請等の中小企業の取引条件の改善に向けた調査、大規模企業向け若しくは中小企業向け、発注者側また下請側といったことで、いろいろな調査を実施していただいておりますし、また、三次、四次下請といった非常に取引上立場が弱いおそれのある事業者に対しては、いろいろな地域の支援機関と連携して実際にヒアリングを行うといった丁寧な調査も今実行していただいていると確認をしております。
 私も今、党の方で下請取引の中小・小規模の対策小委員会で事務局長を務めておりまして、いろいろな関係団体のヒアリングであったり、また、各地域のいわゆる中小企業、下請企業の経営者の生の声をしっかりと聞き取りするなど、私なりに実態の把握も進めてまいりましたが、産業や若しくは地域によって格差はあるものの、優位的な地位の濫用による不公正な取引の方法であったり、不平等な取引関係、またコストとリスクのしわ寄せなど、やはり不合理な行為が今もあるということを把握してきたつもりです。
 経産省、中小企業庁の方では、まだ取りまとめの段階に入っていないと聞いておりますが、今後、調査結果を正確に取りまとめて内容を把握した上で、どのような措置をし、また抜本的な改善に向けてどのように取組を進めていくおつもりなのか、是非お聞かせをいただけたらと思います。
#8
○副大臣(鈴木淳司君) 今お話賜りましたように、御党におきましても中小企業ヒアリング、精力的にやっていただいておりますことは承知をいたしておりますが、私どもとしましても、取引条件の改善に向けて、御指摘のように、まずは下請中小企業からの切実な声をしっかりと把握をしてまいりたいと思います。
 このため、現在、中小企業約一万社を対象としましたアンケート調査を行うとともに、取引上立場の弱いおそれのある中小企業を経済産業省の職員が自ら訪問をして個別に聞き取り調査を行って、実態把握をしているところであります。
 聞き取り調査で聞こえてまいります声としましては、例えば、毎年のように一定率の原価低減要請が来る、あるいは親事業者の都合で金型を保管するコストが下請中小企業の重荷になっている、あるいは実際の発注は少量しかないのにもかかわらず大量発注を前提として見積もった取引価格が強いられるということがございます。
 今後、こうした問題を一掃できますように、調査結果を踏まえて取引条件の改善を進めていきたいと思いますが、具体的には、取引条件の問題点が分かりやすく伝わるチラシを新たに作成をして、改善に向けて周知徹底することを検討してまいりたいと思います。
 また、今後、調査結果を踏まえて、課題が確認された大企業に対しては、国土交通省あるいは農林水産省などの担当省庁と協力をしまして、面談形式でヒアリングを行っていく、またその上で、十六業種の下請ガイドラインの改訂や対象業種の拡大など、更に必要な対策を検討してまいりたいと思います。
 いずれにしましても、下請中小企業の切実な声に向き合って、課題の改善に向けて下請取引対策に万全を期してまいりたいと思います。
#9
○宮本周司君 ありがとうございます。
 あわせて、公正取引委員会の方にもお伺いをいたします。
 下請取引において信義則に反するような要請、行為、こういったものを受けまして、また優位的な地位の濫用、これがやっぱり現実のものであり続けているそういった現地、現場を公取の方でも確認していると推察をいたします。
 やっぱり今なおこういった悪質な秩序が当たり前のように存在しております現地、現場の状況をどのように捉えているのか、また、通達における具体例の追加をするとか、若しくは独占禁止法や下請法の更なる周知若しくは運用の徹底強化、こういった取組を具体的に進めていくべきと考えますが、公正取引委員会におけます答弁をちょっと求めたいと思います。
#10
○政府参考人(原敏弘君) お答えいたします。
 まず、現場の声でございますけれども、私ども、各地域の下請取引等の実情に明るい中小事業者の方々、全国で百五十三名の方々でございますが、下請取引等改善協力委員に委嘱いたしまして、その方々といわゆる意見交換をしたりとかいうような形をしております。
 またさらに、中小事業者の求めに応じて現地まで私どもの職員が行って下請法の内容ですとか又は相談の受付とか、そういったようなことも行っているところでございます。
 また、公正取引委員会は、下請法及び独占禁止法違反行為に対して厳正かつ効果的に対処しているところでございまして、平成二十六年度におきましては、下請法違反行為については、下請事業者が受ける不利益が重大であると認められる七件の勧告、公表を行うとともに、五千四百六十一件の指導を行っております。また、独占禁止法に違反する優越的地位の濫用行為につきましても、一件の排除措置命令を行うとともに、四十九件の注意を行っているところでございます。
 さらに、下請法などの普及啓発のため、毎年度、全国で講習会を開催しており、平成二十六年度におきましては百十二回の講習会を開催しております。また、講習会において使用いたしますテキストを公正取引委員会のホームページにおいて誰でもダウンロードできるようにしているとともに、毎年度、状況に応じて具体例の追加等の修正を行っているところでございます。
 公正取引委員会といたしましては、このような取組を不断に行うことにより中小企業の取引環境の改善を支援してまいる所存でございます。
#11
○宮本周司君 是非、効果がある形で、その運用も含めてしっかりと前に進めていただきたいと思いますので、このことに関しましては強く重ねてお願いをしたいと思います。
 あと、不平等という部分におきまして、これは結果論なのかもしれません、地方創生であったり市区町村による取組、これをしっかりと具現化させて前に進める、その取組の上での不具合と認識はしておるんですが、創業支援に関しまして、私の把握では昨年からちょっと不具合が起こっているんじゃないかと。
 どういうことかといいますと、創業・第二創業補助金に関しまして、昨年から、産業競争力強化法に基づく支援を受けた者への重点化が図られております。平成二十八年度事業で予定されているものにおきましても、産業競争力強化法に基づく認定市区町村で創業、第二創業を行う者、また創業予定の認定市区町村又は当該認定市区町村の認定連携創業支援事業者による特定事業を受ける者、この者に申請の対象が限定されると聞いています。
 今、産業競争力強化法に基づく創業支援の認定を受けている市区町村は大体全体の三分の二ぐらいだと把握しています。ということは、残りの三分の一の認定を受けていない市区町村におきまして、補助金ありきでは当然ないですが、こういった創業補助金の支援を受けたい、また、いろいろな総合的な創業支援を、スキームを受けたい、こういった声があった場合に関しましても、認定を受けていない三分の一の地域では実質的に受けられないという現状に陥っているんじゃないかと思っています。場合によっては、そういった空白地域で創業を元々希望されている方が、いや、この地域だと具体的な支援を受けられないから、例えば支援が認定を受けている市区町村で創業をしようとか若しくはその地域の方に移住をしようとか、若しくは認定を受けていない地域においての創業の機会を喪失するとか、まさに地方創生を進めていく上で若干足かせにもなるんじゃないかということを私は危惧しております。
 個人的にも、女性活躍推進の一環で、地元の石川県であったり北陸の方で女性起業家の育成事業にも応援をさせていただいているところでございますが、創業若しくは起業段階におきましては、経営資源が乏しいとか、やはりスタートアップでの支援を強く希望される方が多いです。特に近年は、補助金事業に対して申請すらできないと、私の町は、私の市は認定されていないから申請すらできないという、そういった嘆きの声も聞くようになってまいりました。
 現在、中小企業庁の方でも、商工会とか商工会議所に対しまして、一昨年六月に制定されました小規模企業振興基本法、これをしっかりと着実に前に進めていくために、いわゆる伴走型の支援を全ての商工会、全ての商工会議所で計画を作ってもらって認定を取ってもらって前に進めていくということで、空白地域がないように徹底した取組を推進していただいていると認識しておりますので、是非この創業支援という部分におきましても、力強く、全ての市区町村がそれぞれの強み、魅力を生かした形での創業支援の認定を取れるようにお取り計らいいただきたいなと考えるところでございます。
 開業率がやっぱりなかなか上がってこない。でも、日本再興戦略で欧米並みの開廃業率一〇%という目標も掲げている中で、やはりこの創業支援というのは大切だと思います。もし、なかなか空白地域で認定が取れないという場合におきましては、例えば今、国所管、中小企業庁の方でよろず支援拠点事業もされていると思いますが、よろず支援拠点の場合は都道府県全域を対象としておりますので、仮に空白地域で創業を希望する方がいらっしゃった場合にこのよろず支援拠点が受皿となって、まあ一定の条件を付加するということも必要になるのかもしれませんが、やはり創業支援をする、創業支援を受けるこのチャンス、これが平等に存在する環境を整備する必要があると強く感じておりますけれども、この辺りについて是非検討していただきたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。
#12
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 中小企業庁では、創業につきまして、創業・第二創業、御言及のありました補助金による創業費用の補助のほかに、無担保無保証を含めた政府系金融機関の低利融資、また一〇〇%の創業関連保証、創業者の育成及び優良事例の公表並びによろず支援拠点による相談など、様々な施策で創業支援をしているところでございます。
 一方、今のお話に関しましては、平成二十六年一月に産業競争力強化法に基づきまして、市町村が作成する創業支援事業計画を経産大臣と総務大臣が認定をすることで、地域における創業支援体制の整備を進めることとなり、本年一月までにちょうど千の市町村が認定されております。
 中小企業庁では、市区町村の努力に呼応するとともに、創業者に対する支援をより効果的なものとする観点から、認定市区町村における支援が相談事業、人材育成、資金繰りの面のものにとどまっていることを踏まえ、国としては、創業・第二創業補助金につきまして、平成二十七年度から創業支援事業計画の認定を受けた市区町村と一緒になる形で事業者を支援することとしたところでございます。
 さらに、平成二十八年度予算案では、昨年の秋の行政事業レビューを受けまして更なる効率化の要請を受けましたので、創業支援事業計画に位置付けられた創業に必要な知識の習得を支援するという特定創業支援事業を受講する者を重点的に支援するとしたところでございます。
 宮本委員の御指摘の趣旨は十分理解しておりますが、こうした背景、目的がある点を御理解いただければ幸いでございます。
 今後につきましては、いまだ計画を策定できていない市区町村が、多くの場合、町や村であるということも踏まえまして、総務省とも協力して、一日も早く全ての市区町村において創業支援体制が整備されますよう全力を挙げて取り組みますとともに、計画認定の有無にかかわらず、多様な施策、また多様な支援機関の協力を得て、全国津々浦々での創業支援が全うできますよう尽力してまいりたいと考えております。
#13
○宮本周司君 いろいろな形で認識もしていただいていると思いますが、やはりしっかりとした予算措置、予算配分も含めて、この創業支援をしっかりと持続的に各地域において実現していただけますことを強く大臣の方にも求めたいと思います。
 いろいろな形で中小企業が経営力とか生産性を高めていくということにおきまして、最近非常に明るい話題が私の地元から発生をいたしました。皆さん、CLTというのを御存じでございますか。新しい集成材でございまして、実は、浜田委員の方にも御理解をいただいているかと思いますが、私の地元、石川県能美市の商工会青年部の先輩の会社なんでありますが、中東という会社があります。もう間もなく北陸新幹線開業から一年がたとうとしておりますが、金沢駅ございますね。金沢駅、世界で美しい駅十四駅のうちに唯一日本から選ばれたところでございますが、その象徴として、鼓門という鼓の形をした大きい門があります。あれは構造用の集成材で造られたもので、この会社の仕事なんでありますが、この会社が今回、集成材とあとCLTを同時に製造することができる日本で初めての装置を導入いたしまして、先般から稼働を始めたところでございます。
 CLTそのものは一九九〇年代からヨーロッパで開発、実用化が図られてきた新しい木質構造材料でございますし、これまでの木材材料になかった多くの利点を持っております。そういう意味では、やはり生産性を高めていく、経営力を高めていくところで、その事例となる、強みとなるものであると思いますが、例えばコンクリートに代わるぐらいの強度であったり耐震性であったり耐火性であったり、また建設期間とかコストも短縮する、縮減することも可能になるということで、今、マンパワー不足のこういった建設や建築の業界にとっても非常に注目をされている技術でございます。断熱効果であったりカビ防止であったりアレルギー防止であったり、いろいろな高性能が今確認をされて、これからいわゆる実地段階で世の中の具体的な建造物、建築物に使われていくことが期待されているものでございます。
 木材を使った業種ということでは、主管はやっぱり国交省であったり林野庁であったり農水省になるとは思いますが、生産性向上若しくは強い経済を実現する、従業員数五十名ぐらいの中小企業がこういった日本で初めての取組に着手して今全国から注目されているということも踏まえまして、経産省でも、今後、こういった事例も注目して、いろいろな支援若しくは発信、また各地域でのいろんな新たな価値を創出するということにお取り組みいただきたいと思いますが、是非御所見をお伺いしたいと思います。
#14
○大臣政務官(北村経夫君) 今、宮本委員が詳細にわたって御説明をいただきました。
 CLTは、高い強度、耐震性、施工性などの特徴を持つ木質建材でございます。建築物の構造部材として使われているものということは承知しております。また、木質建材の特徴であります高い断熱性による建築物の省エネ性の向上に資するものであると、経産省も注目しているところでございます。
 このような特徴から、CLTは、今後、中高層建築物へ活用されることによりまして需要拡大が期待されるところでございます。CLT製造の主な担い手であります中小企業の事業拡大、そして地域経済の活性化に寄与するものと期待しております。
 こうしたことを踏まえまして、経産省といたしましては、住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業において建築物のゼロエネルギー化を促進する観点から、CLT等の断熱性の高い建材の導入を促進してまいります。さらに、中小企業の支援の観点から、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金、そして中小企業投資促進税制を措置しております。こうした措置も活用いたしまして、CLTの生産などに取り組む中小企業の技術開発並びに設備投資を支援してまいります。
 こうした取組によりまして、建築物によるCLTの活用を促すことで、中小企業そして地域経済の活性化を図り、我が国の強い経済を実現してまいりたいと考えております。
#15
○宮本周司君 ありがとうございました。
 是非、各地域で有益な事業、産業が新生してきていると思いますので、いろいろな形でまた支援をお願いしたいと思います。
 時間も少なくなってまいりましたので、最後にもう一問だけお聞かせをいただきたいと思います。
 こういった内需をしっかりと強くしていくことも含め、現在、TPPを契機といたしまして海外展開を図る日本の中堅若しくは中小企業を支援するため、過日、新輸出大国コンソーシアムが設立されました。個々のニーズに応じて、いろいろな事業を推進、展開していく様々なステージに応じて、このコンソーシアムも含めた複数機関の連携若しくは機能的な支援が求められると思います。
 経産省として、具体的にどういったところに重点項目、また重要な要素として捉えているのか、また、どのような支援を具現化していくのか、そして、それを全体的にどうマネジメントをして結果を生み出していくのか、この辺りについて最後にお聞かせいただきたいと思います。
#16
○副大臣(鈴木淳司君) 御案内のとおり、TPPには、工業製品の九九・九%の関税撤廃のみならず、中堅・中小企業が海外展開するに当たりまして直面する様々な課題に対応するためのルール、例えば模倣品対策、通関手続の迅速化、技術移転要求の禁止などが盛り込まれてございます。こうしたTPPによってもたらされるチャンスを生かしながら、海外展開しようとする中堅・中小企業を支援することが新輸出大国を実現する上で不可欠でございます。
 我が国の中堅・中小企業は多様な事業を行っておりますが、海外展開の際に直面する課題もそれによって様々であろうかと思います。例えば、現地でのビジネスパートナーをどう探せばよいか分からない、あるいは、そもそも海外市場に関する情報が不足しておりましてどのように海外展開を進めればよいか分からない、あるいはまた、場合によっては海外市場のニーズを踏まえた製品開発を行う必要があるといった課題があろうかと思われます。こうした課題に応えるためにも、関係機関が連携をし、きめ細かく総合的な支援を行う必要がございます。
 このため、去る二月二十六日に、ジェトロ、中小企業基盤整備機構、日本商工会議所、日本弁理士会、AOTS、HIDAなどの機関の参加を得て新輸出大国コンソーシアムを設立したところであります。その新輸出大国コンソーシアムに海外ビジネスに精通した専門家を配置をいたします。そして、これらの専門家が個々の企業の担当となり、海外事業計画の策定あるいは支援機関の連携の促進確保、現地での商談や海外店舗の立ち上げなどのサポートをハンズオンで行うこととしております。
 中堅・中小企業がTPPで開かれる新しいチャンスをつかんで飛躍ができますように、そして地域が元気になりますように、私ども政策を総動員して支援をしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
#17
○宮本周司君 ありがとうございました。
 総合的に我が国の強い経済を実現するために、大臣を筆頭といたしまして、経産省が力強く政策を前に進めていただくことを強くお願いを申し上げまして、私の質問、ちょっと早いですが、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#18
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 本日は、一昨日の大臣の所信に対しての質問、経済産業分野の多岐にわたる分野について質問させていただきます。初めてのやり取りになりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、大臣が就任されたのは、安倍第三次改造内閣の発足の十月でございました。昨年の十月からもう半年がたっているわけですけれども、所信表明の時期がこの時期になったということは大変異例のことだと思います。これはひとえに野党の再三の要請にもかかわらず臨時国会が開かれなかったからなのですけれども、所信表明が今の時期にずれ込んだことについて大臣はどのようにお考えでしょうか。
#19
○国務大臣(林幹雄君) 一昨日、三月の八日に私の所信を述べさせていただきました。所信聴取の時期につきましては国会運営の中でお決めいただくものと承知しておりまして、私からその時期について発言させていただくことは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、小見山委員長を始め理事、委員各位の御理解と御協力を賜りながら、経済産業行政の諸課題の解決に取り組んでまいりたいと存じます。
#20
○安井美沙子君 今大臣は、所信の時期、臨時国会の開催の有無については国会が判断することという趣旨のことをおっしゃったと思いますけれども、この臨時国会を開かなかったのは内閣の決定によります。野党が憲法五十三条の手続にのっとりまして、衆参いずれかの議院の四分の一以上の議員の要請があれば、これに基づいて内閣は国会の開会を決定しなければいけないという規定が憲法五十三条にあるわけです。そうしますと、この要請があったことを受けて臨時国会の開会を決定するのは内閣であります。そして、林大臣は安倍内閣の一員であります。そのことを基に私は質問をさせていただいております。各つかさつかさの大臣が所信表明を行わないままにその行政の指揮をするということは非常に国民にとっては不安が大きいです。
 例えば経済産業分野であれば、原子力行政を始め多くの方々が関心を持っていることでありますし、どの分野に力を入れる方なのか等々、経営者も株主も、多くの方が興味、関心を持って注視している分野でございます。その中で林大臣がどんな見解を持っていらっしゃる方なのか、どんな大臣なのかということを知らないままに、半年間の間、粛々と指揮をされていたということはやはり私は非常に違和感を覚えます。
 改めまして、大臣の見解をお伺いいたします。
#21
○国務大臣(林幹雄君) 一般的な考え、一般論でございますけれども、臨時国会の召集要求について定める憲法第五十三条の後段には「内閣は、その召集を決定しなければならない。」と規定してございますが、召集時期については何ら触れていないことから、時期の決定は内閣に委ねられているというふうに承知しております。国会で審議いただく事項等を勘案しまして、召集のために必要な合理的な期間を超えない期間内に国会を召集すれば憲法上の問題は生じないものと承知しております。
#22
○安井美沙子君 この問題にこんなに時間を掛けるつもりはございませんでしたけれども、召集については、自民党さんの憲法草案において、開会の要求から二十日以内に臨時国会を開くべきだという提案がなされています。そういった意味では、憲法問題に今立ち入ることはいたしませんけれども、日程についてもむしろ与党側から前向きな提案があるということを念頭に置いていただきたいと思います。
 ただ、私が今、憲法の問題を議論したかったわけではなくて、大臣にお聞きしたかったのは、やはり半年の間、国民に対して、国会に対して御自身の見解を表明する機会がなく、そして、私、今回大臣と議論をするに当たって、どんな方なのかということを一昨日の所信表明以外にもいろいろ調べましたけれども、一般の方はますますもってその情報がないわけですから、例えばニュースで大臣のお顔を見ても、ああ、今この方が大臣だったのかという方が多いんじゃないかと思いますよ。そういう意味では私は、大臣個人としてもそういった所信の表明が、臨時国会が開かれなかったことで機会がなかったこと、そして実際に一月四日に通常国会が開かれましても所信表明が三月まで実際ずれ込むわけですから、この時期になってしまったことは私は大臣には残念だったというふうに思っていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#23
○国務大臣(林幹雄君) 臨時国会の召集につきまして、もういろいろ総理なり官房長官なりからも発言があったと思いますが、総理の外交日程、あるいはまた来年度の税制改正及び予算編成、さらには補正予算の編成作業といった様々な要素を考慮いたしまして、昨年の国会召集は事実上困難であると判断したものというふうに承知しておりまして、私もそういうふうに理解をしたところでございます。
#24
○安井美沙子君 議論がかみ合わなくて、この先の議論が非常に不安になってまいりましたけれども、臨時国会の召集についてはもう結構ですというふうに申し上げまして、大臣個人として、所信の表明時期が遅れたことは大臣として残念ではないかという個人的な見解をお聞きしたわけでございます。この問題はもう結構でございます。
 さて、先ほども申しましたように、私は今回、林大臣との政策議論をするに当たって、大臣のこれまでの御経歴等も拝見をさせていただきました。その中で、一部の報道も含めて林大臣の政治資金問題について少し気になることがございました。報道は大きなものはございませんけれども、私自身が大臣の政治資金収支報告書を拝見する中で少し疑問に思ったことがございますので、率直にお伺いをさせていただきます。
 まず、大臣の政党総支部であります千葉県第十区総支部と、それから政治資金管理団体であるダイジュカイというのかタイジュカイというのか、ちょっと読み方は分かりませんけれども、それぞれから一定の額が大臣の個人宛てに支出されております。このことについて大変気になったんですけれども。
 まず、十区総支部の方からは、組織活動費として大臣に毎月幾らかが入っています。額は月によってまちまちでございますが、合計金額は、ざっと言うと、公開されている三年分でいいますと、平成二十四年で百五万円強、平成二十五年で八十六万円強、平成二十六年で十万円強と、こういった個人宛ての支出があるわけでございますが、これらは何に使っていらっしゃるのでしょうか。
#25
○国務大臣(林幹雄君) 私が代表を務める政党支部から私宛てへの支出でありますけれども、それぞれの年の政治資金収支報告書に記載されたとおりでございまして、組織活動費などでございます。
 支出されたこの組織活動費は、私が政党支部の代表として政策立案や広報などに資する経費として支出しております。政治資金規正法に従って適正に処理をして報告しているところでございます。
 いずれにしても、この原資ですけれども、原資は個人寄附や企業団体からの寄附でございまして、税金を原資とする政党交付金ではございません。このことは、政党交付金使途等報告書を御覧いただければお分かりになると思います。
#26
○安井美沙子君 かつて、いろいろな事務所費問題なんかがありましたことから、政治資金の使途の透明性を高めるために二〇〇七年に政治資金規正法が改正されまして、各事務所とも一円からの領収書が求められるようになりました。一万円を超える分については提出の義務がありまして、それ以下については保管義務が課せられていますので、開示請求があればそれを提出しなければならないことになっています。どの事務所もこれ大変苦労していると思います。
 しかし、大臣の事務所のように、もし個人が立て替えた分をまとめて議員に対して支出するということをすれば、例えば安井美沙子という領収書で十万円、来月も十万円ということをしていますと、この政治資金規正法が意図します政治資金の透明化ということに反するのではないかと思うんですよね。一円からの領収書がなくても、安井美沙子に十万円ということにすれば事務所はとても楽です。しかし、それでは国民の要請に応えられないと思うのですが、いかがお考えですか。
#27
○国務大臣(林幹雄君) 今ほども答弁いたしましたけれども、この組織活動費に関しましては、支部の代表者として政策立案やら企画など、あるいは広報、そういったものの経費を一部立て替えたわけでございまして、それを政治資金規正法に従って適正に処理しているところでございます。
 加えて申し上げれば、支払先の記載をより明確にする観点から、事務所におきまして昨年から、二十七年ですけれども、それよりもう最終支払先を記載するようにしておるという報告がございました。
#28
○安井美沙子君 今は少し改善をしていらっしゃるということが先ほど言われましたけれども、それ以前は、大臣に対して支払われていた個人の支出、これは雑所得として申告をされていたのでしょうか。
#29
○国務大臣(林幹雄君) 政治活動費、つまり組織対策費でございますので、所得申告はしてございません。
#30
○安井美沙子君 確かに、こういった収入に関して、政治活動に使っていれば経費として認められるわけですけれども、この経費の詳細がなければ税務調査に堪えることはできません。もし政治活動に使った残りがあればそれは私的流用とされ、追徴課税がされるわけですけれども、この明細について、事務所でなくても大臣御自身が管理をされていたのでしょうか。
#31
○国務大臣(林幹雄君) 組織活動費としていろいろ計上したわけでございまして、掛かったものの実費を立て替えたという形の中で、政党支部から立替金みたいな形で支払いしていたものですから、余剰金はございません。
#32
○安井美沙子君 その割には丸まった数字がずっと続いておりまして、十万円、八万円、三万円という感じになっておりますけれども、もしその立替えをされているのであれば、なぜ、実際に支払った先の領収書を事務所に出してそれを政治資金管理団体が支出すると、そういうノーマルな形を取らないのでしょうか。
#33
○国務大臣(林幹雄君) 例えば、政策立案、広報などをするために、マスコミやら、あるいは有識者あるいは政党関係者等と意見交換をするについて、そういった意味で、座談会などを開催する湯茶とかあるいは交通費だとか場所代とか、そういったものの諸経費が主であったと思いますので、領収書そのものはいただかなかったし、またいただけなかったこともありました。
#34
○安井美沙子君 また後でお聞きはしますけれども、そういった交際費的なもの、会合費、食事代というのはまた別途これはこれで支出されておりますので、なぜ一部のものが大臣宛ての支出になっているのかというのはまだちょっと理解しかねるところであります。
 次の質問に行きますけれども、今度は政治資金管理団体の方の支出でございます。こちらからも林大臣個人宛てに、月によって額はまちまちですけれども、支出がされております。こちらの方は合計金額でいいますと、平成二十四年で五十五万円強、二十五年で十五万円強、二十六年はなしということになっております。これらは先ほどのとは違って何に使っていらっしゃるのでしょうか。
#35
○国務大臣(林幹雄君) 交際費等というよりも交際接待費のことをおっしゃっていると思うんですが、これはいろいろとお世話になった方々、もちろん東京を中心に、選挙区外でありますけれども、これらに対しての贈答品に充てているところでございます。
#36
○安井美沙子君 今お聞きしましたのは、政治資金管理団体から活動費として毎月大臣に出ているお金でございます。贈答費あるいは交際費というのはまた別途後でお聞きしますけど、今、大臣個人に出されているものについてお伺いをしています。大樹会からの活動費のことをお伺いしております。何に使っていらっしゃるんでしょうか。
#37
○国務大臣(林幹雄君) 当たっているかどうか分かりませんけれども、多分、活動費というと、議員連盟の会費だとかそういうものを自分のところの歳費から引かれているんです。それを立て替えているものですから、いただいているということで、活動費として計上しています。
#38
○安井美沙子君 それがもし本当だったらまたそれはそれで困るんですけれども、議員連盟費というものは別に計上されております。ですから、活動費は別だと思います。何に使っていらっしゃるんでしょうか。
#39
○国務大臣(林幹雄君) 議員連盟費というのは、まず私の方が、議員歳費から自動的に引かれているんです、自民党、いろいろの議員連盟、たくさんありますので。それは後で議員連盟費として事務所の方から頂戴するという仕組みにしております。
 それから、それ以外の活動費は、先ほど言ったように、いろいろ茶菓代とか意見交換会の場所代とか、そういったものに使用しております。
#40
○安井美沙子君 議員連盟費という名目で大樹会から支出されております。これは、大臣おっしゃったように、どの議員も歳費から議員連盟費というのは引き落とされております。それを私は戻してもらったことはありませんし、戻しているという習慣がもしほかの党の方はあるんであれば、それはそれで、ああ、面白いことを聞いたなというふうに思いますけれども、大樹会というところから議員連盟費としてこれはこれで大臣に還付されています。それとは別の大樹会の活動費についてお伺いをしています。
#41
○国務大臣(林幹雄君) ちょっと詳細についての通告はいただいていなかったものですから、そこの中身がどこの部分なのかちょっと分からないんですけど、私が今言っているのは、一つは今そういった答弁したとおりでありますし、活動費かどうか分かりませんけれども、銚子の事務所が、狭いところですけれども、その地代として月々頂戴している部分もございます。
#42
○安井美沙子君 本日は、一応大臣がお答えされやすいようにということで、通告は二本に分けてさせていただきました。一つは大臣個人への支出、もう一つは交際費、それぞれの名目で出されている交際費、これを分けてお伺いをするということは通告してあります。
 今は、前半の大臣個人への支出についてお伺いをしています。一問目は政党総支部からの組織活動費、二問目は政治資金管理団体からの活動費、この二問目で今混乱が生じております。二問目の答弁の中で大臣がおっしゃった議員連盟費は、また別途大臣個人に対して支出されています。それは後で聞こうと思っていました。それから、今おっしゃった地代、これも別に支出されています。毎月二万五千円、これは平成二十六年だけなんですけれども、公開されている中では。
 つまり、大臣個人への支出が、総支部の組織活動費、政治資金管理団体の活動費、総支部の事務所地代、それから政治資金管理団体の議員連盟費、この四本あるんです、定期的には。ですから、大臣に行くポケットが四つあるんですよ。これが私は非常に違和感を覚えたものですから今回質問をしているんですね。
 ですから、今回、もしこの大樹会活動費の使途の内容がお分かりにならないということであれば、これは調査の上、速やかに調査の上、御報告をいただきたいんですが、いかがでしょうか。
#43
○国務大臣(林幹雄君) 報告いたしますけれども、何年分でしょうか。つまり、大樹会の活動費、ちょっと今詳細にないものですから、報告、委員長の方に出せということであれば提出いたしますので、何年分か指定していただければ、平成二十六年、五年分なのか、四年分なのか、指定いただければと思います。
#44
○安井美沙子君 調査に資するという意味では、公開されている平成二十四年、二十五年、二十六年の三年分が適切かと思います。
 先ほどの質問を確認しますけれども、最初に大臣がお答えくださいました総支部の組織活動費と、それから大樹会の活動費、これの違いも含めて使途を教えていただきたいのと、それから、この大樹会の活動費についてもやはり雑所得として計上していらっしゃるのかいないのか、これも含めて、今御答弁いただける分、いただけない分は後に報告していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(林幹雄君) 政党支部の活動費、つまり組織活動費でございますけれども、これに関しては先ほど答弁したとおりでございます。大樹会の方の活動費に関しては、どれを指しているか今定かに分かりませんので、それはまた報告をいたします。
#46
○安井美沙子君 この大樹会の活動費については、それでは後の調査をお待ちしたいと思います。
 委員長、どうぞよろしくお願いいたします。
#47
○委員長(小見山幸治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#48
○安井美沙子君 それから、大臣宛ての支出として、これは定期的なものではないので先ほど申し上げませんでしたけれども、平成二十四年に十区総支部から大臣に八百万円、二十六年に八百五十万円が寄附金として支出されています。これは何に使われたのでしょうか。
#49
○国務大臣(林幹雄君) 私に対しての寄附ですか。
#50
○安井美沙子君 はい。
#51
○国務大臣(林幹雄君) いや、心当たりがありませんので、それも調査します。
#52
○安井美沙子君 それでは、これについても、後の調査の上、報告をお願いいたします。
#53
○委員長(小見山幸治君) ただいまの件につきましても、後刻理事会にて協議をいたします。
#54
○安井美沙子君 先ほど大臣が触れられました事務所の地代ですけれども、これは毎月二万五千円が林大臣個人宛てに支出されております。これ、恐らく事務所の所有者でいらっしゃるのではないかと拝察いたしますけれども、これ銚子の事務所と先ほどおっしゃっていました。なぜ、これ平成二十六年から急に発生したんですか。
#55
○国務大臣(林幹雄君) もう何年も銚子の事務所は閉鎖というか、ほかのところを借りておったものですから、改めて、以前の事務所を取り壊しておりまして、そこに新たなプレハブ的な事務所を建てたものですから、その土地代といいますか地代といいますか、その辺を、周りのあれを勘案していろいろお聞きして、いただかなきゃ違反になるという、寄附行為につながるということの指摘があったものですから、それではその地代としていただくということで、その事務所を建てた段階からそういうふうに進めているところでございます。
#56
○安井美沙子君 そうしますと、これ年間で合計三十万円になるんですが、これは不動産所得として申告されているんでしょうか。
#57
○国務大臣(林幹雄君) 申告してございます。
#58
○安井美沙子君 では、先ほどの議員連盟費ですけれども、これは歳費から引き落とされたものを戻しているということですけれども、これはどういうお考えに基づいてされているんですか。
#59
○国務大臣(林幹雄君) 政治活動費として捉えておりまして、そして戻してもらっているという考え方でございます。
#60
○安井美沙子君 私たち国会議員は、みんな文書通信交通滞在費というのを月に百万円いただいておりますが、これも、年間千二百万円になるわけですけれども、これについても国民の間では使途の公開を求める声が高まっています。そういう意味では、議員連盟費もそこから出している議員もかなり多いとは思います。それは事務所によって処理の仕方は様々だと思います。それはお考えですのでこれ以上は申しませんけれども。
 今まで申し上げたことを総合しますと、先ほどの八百万といった大きな寄附金は別として、これはもう二回しかないことなのでイレギュラーなものとしましても、レギュラーなものとしても、政党総支部と資金管理団体から大臣に、年にもよりますけれども、二百三十四万円、あるいは百六十二万円、百四万円と、百万円から二百三十四万円ぐらい、このぐらいのお金が大臣個人に入っているわけですね。
 文書通信交通滞在費もあるし、ほかの名目でいろいろ支出しているものもあるのに、なぜあえてこういった政治資金の透明化という時代の流れに反するような資金の処理の仕方をしているのか、この御見解をお願いいたします。
#61
○国務大臣(林幹雄君) 私も結構議員生活しているものですから、以前からの流れの中でそのまま継続しているという部門もあったかと思います。そういう中で、法に違反していない、法にのっとっているという理解の下でこういうふうに長いこと進めてきた慣習みたいなものでございまして、法に違反しているという意識が全くなかった次第でございますし、今でも法の範囲内で対応しているというふうに理解をしてございます。
 と同時に、先ほども答弁しましたけれども、十区支部、政党支部の組織活動費は、昨年度から方向を変えて、委員御指摘のような適正に処理して報告をするということにしているつもりでございます。
#62
○安井美沙子君 分かりました。
 次に、個人宛てではない各費目別の支出についてお伺いいたします。
 総支部と大樹会から頻繁に会合代や食事代が支出されています。平成二十四年では、総支部から百九万円、大樹会から百四十八万円、合わせて年間二百五十六万円、月平均で二十一万円程度。二十五年は、総支部から四十八万円、大樹会から三百五十八万円、合わせて年間四百六万円、月平均で三十三万円程度。平成二十六年は、総支部から五十三万円、大樹会から四百六万円、合わせて年間四百五十九万円、月平均で三十八万円程度。連日のように領収書が切られている状況が分かりましたけれども、一回の金額も多いときには十万円を超えることがあります。
 大臣の政治経歴からすれば、お付き合いの範囲も広く、また大変地位の高い方との会食等も多いんだろうと思いますが、選挙区の場合、事務所スタッフ以外にどういう方とお食事をされるんですか。
#63
○国務大臣(林幹雄君) それはもう様々でございまして、政党関係者もあれば、各団体の方々もいらっしゃれば、普通の方々も、普通のと言ったらおかしいですけれども、農家の方々もおれば、漁業関係者の方々もおれば、また後援会の方々もおるという、様々でございます。
#64
○安井美沙子君 選挙区の方と食事をするときは割り勘にするものではないですか。
#65
○国務大臣(林幹雄君) 基本的には、お酒を伴うものに関しては会費制という形で対応してございます。例えば、お昼の会合でお弁当程度の場合にはその政党支部で持つということも時にはございます。
#66
○安井美沙子君 一回の支出が七万、九万、十万というふうになってきますと、なかなか、お弁当程度で済んでいるのかなという少し思いもありますけれども、あくまで選挙区内では賄賂に当たるということを政治家は常に心配をするわけですから、そういったことがないと信じて、この辺にとどめておきたいと思います。
 それから、総支部と大樹会から贈答品の購入費として、先ほど大臣も少し触れられましたけれども、平成二十四年には合わせて百六十四万円、二十五年には百九十五万円、二十六年には二百九十三万円、一回の購入費が数十万円に上ることもあります。
 やはり政治家は人に物を差し上げることについては慎重でなければいけないわけですけれども、どんな理由でどんな方にどんなものを贈ることが多いんでしょうか。
#67
○国務大臣(林幹雄君) 様々な方々と交流をしておりまして、また大変お世話になっている方々もいらっしゃいます。特に贈答品に関しましては、選挙区外で東京を中心にいろいろな方々との交流の中で、その都度お世話になった方々に、地元の名産を考えたり、あるいはデパートでしかるべきものを考えたりして贈答しているところでございます。
#68
○安井美沙子君 そうであろうと思います。
 一件だけ気になったのが、平成二十六年十二月二十三日に三越伊勢丹日本橋本店に対して五十万円ジャストの支出がございました。これは、私は推測するに商品券ではないかというふうに思ったわけですが、選挙後で年末の御挨拶の時期でもありますけれども、どのように使われたのでしょうか。
#69
○国務大臣(林幹雄君) 中身に対して細かくは覚えていませんけれども、やはり先ほど申し上げたように、いろいろとお世話になった方々に、暮れでもありましたから、様々な方々に贈答をしたということではないかと記憶しています。
#70
○安井美沙子君 これについては、ちょっと気になりますので、後ほど調査の上、御報告いただきたいと思いますが。
#71
○委員長(小見山幸治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#72
○安井美沙子君 私、今回、誰に何を贈ったとか誰と何を食べたとか、そういうことをお聞きしたかったわけでは決してないんです。なぜこうした接待費や贈答品というものを取り出してきたかといいますと、あくまで先ほどの大臣個人への支出が気になったからなんです。大臣個人への支出が、こういった会合費や接待費や贈答費が別にありながら、更に見えないポケットとしてあるというところがどうも腑に落ちないんですね。
 私みたいな弱小な事務所ですと、やはりそれぞれの、例えばレストランに払った領収書、あるいは三百円のコインパーキングでも三百円のパーキング代、そういったものを全て事務所に出してそれを返済するというような流れになっているものですから、例えば私に一万円という形で出すというようなことは考えたこともありませんし、また、明らかに今の政治資金規正法の流れ、政治資金の透明化という国民の要請に応えられないと思うんですね。
 大臣は、先ほど少し見直しを図っているとおっしゃいましたけれども、活動費、組織活動費の部分についてちょっとそういうことをおっしゃられたと思うんですけれども、大臣の個人への支出及びそれとは別になっている接待費、会合費、この全体の大臣の事務所の支出の状況を少し見直すおつもりはありませんか。
#73
○国務大臣(林幹雄君) 見直すべきところがあれば当然見直していきたいと思っています。
 ただ、政治資金規正法なりあるいは公職選挙法なりに触れていないということの中で、そういう概念の中で来たというちょっと流れも見受けられますので、今委員の指摘があったところで直すべきところは正していきたいなというふうに思っております。
#74
○安井美沙子君 法に違反していないというところが大臣の御主張かと思います。
 実際に、この政治資金規正法というのはざる法とも言われています。これがいいか悪いかというのはなかなか難しいところではありますけれども、やはり問題は、政治不信をこれ以上招きたくないと、これに尽きると思います。政治家は何か非常にたくさんのお金をもらって好きに使って豪勢な生活をしているというような誤解が一般の方々の間にあることは間違いないと思います。
 今年、大事な国政選挙も控えておりまして、さらに選挙権年齢が十八歳に引き下げられるという大変重要な年だと思います。若い方々が政治は別世界、全く信頼を置けないというようなことを印象を持たないように、私は必要であれば、政治資金規正法、もしざる法であればこれも見直す必要があるかと思いますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(林幹雄君) いろいろ御議論はあろうかと思いますけど、ただ、政治活動をするについてすごくお金が掛かります。例えば政策を広報にするにしても、ゼロ円では配布できません。いろんな形で郵送料も掛かるし、印刷代も掛かりますし、様々な、そういった一点取っても政治活動費というのは掛かるものですから、やはりそこは理解していただきたいなと思う点はございます。
#76
○安井美沙子君 私もそこは同感でございます。毎月のように広報誌発行しておりますし、大変お金が掛かります。そのお金の入りと出を明確にしていさえすれば、国民の皆さんも納得していただけると思うんです。そういった方向に向けて政治家が努力をすれば、私は必ず国民の皆さんの御理解いただけると思いますので、そういった方向で今後もやってまいりたいと思います。
 それでは引き続きまして、今度は政策について大臣といよいよ議論をしてまいりたいと思います。
 まず経済問題。所信の中でアベノミクスについてお触れになっておりました。その中で、GDPや就業者数は増加し、賃上げ率も十七年ぶりの高水準となるなど、経済の好循環は着実に回り始めていますと述べられました。
 安倍総理もこういったことを繰り返しおっしゃっているわけですけれども、民主党としてはこの見方は大分変わってまいりまして、実質GDP成長率は、安倍政権が誕生してから三年間の伸び率は二・四%というのに対し民主党政権時代の三年間は五・七%で、むしろ成長率としては下がっているのではないか。また、就業者数はこの三年間に百二十八万人増加したのですけれども、非正規雇用がほとんどでありまして、正規雇用はむしろ一万人減っていると。それから、賃上げ率は一・八%なんですけれども、実質賃金は十八か月連続で下がっていると。
 こういったデータを見ていますと、安倍総理が当初期待していたトリクルダウン効果、最近では経済の好循環というふうにおっしゃっていますけれども、これは実現していないんではないかというふうに思います。金融緩和をしても公共事業主体の財政支出をしても、これだけ待っても設備投資や消費に波及しないところを見ますと、アベノミクスというのは、今のこの成熟社会を迎え、少子高齢化を迎えている日本には効果のない経済モデルなのではないかと思わざるを得ません。この見解をお願いいたします。
#77
○国務大臣(林幹雄君) いわゆるアベノミクスが始まって三年が経過するわけでありますけれども、経済の好循環が着実に回り始めているというふうに考えているところでございます。
 具体的には、二〇一五年の企業経常利益は過去最高水準でありますし、倒産件数は二十五年ぶりの低水準でございます。また、有効求人倍率は二十四年ぶりの高水準、失業率は十八年ぶりの低水準というふうになっておりまして、この好循環を更に回していくことが不可欠だろうというふうに思っております。
 もっとも、中小企業の足下の状況については、着実に改善傾向にあるものの、地域や分野、あるいは事業者の規模によってばらつきがあるというふうには認識をしているところでございます。
 こうした中、経産省としては、成長戦略の実行や中小企業・小規模事業者の生産性向上支援、あるいは下請中小企業の取引条件の改善などなど、あらゆる施策を総動員して経済の好循環の拡大に全力を挙げてまいりたいというふうに思っております。
#78
○安井美沙子君 見方の違いというのは平行線のままかとは思います。ただ、中小企業や地方を元気にしたいという思いは同じでございます。ただ、そのトリクルダウン、経済の好循環が今のこの日本ではアベノミクスモデルがどうもワークしないということが三年間で分かってきた以上は、中小企業や地方、あるいは個人に直接働きかける政策の方が大事なのではないかというふうに思うわけです。
 民主党は、トリクルダウンよりもボトムアップではないかというふうに考えます。
 例えば、新三本の矢の中で待機児童の解消とか介護離職ゼロといったことをうたっておられますけれども、現実に何が起きているかといいますと、新しい保育園や特別養護老人ホームは造られるわけですけれども、保育士さんや介護の職員を確保できないという、これが現実です。
 私の地元でも、先日、大変すばらしい特養がオープンしたんですけれども、そのうちのワンフロアは職員が確保できないために開くことができません。こういうことがいろんなところであるわけです。保育園でも同じようなことがあります。一億総活躍というならば、まずは、今一番求められているのは保育士さんや介護職員の待遇を改善して人材を確保するといった、そういった直接的で即効性のある対応ではないかと思います。
 民主党は先日、維新の党と共同で、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案というのを出しました。また、政権時代にも、子ども手当や高校無償化等、家計を直接支援する制度を積極的に導入しました。これはいろいろ評価はありますが、子ども手当は、私個人は現金支給よりも現物支給の方がいいと思っておりますし、また給付付き税額控除の導入を前提として所得制限を撤廃するなど、詳細設計は改善の余地はあると思いますが、こういったボトムアップ的な政策が今最も必要ではないかというふうに思っています。
 今回見送られた総合合算制度も、特に低所得者の皆さんにとっては家計支援の手段として非常に有効だったと思います。今、こういったことをるる述べてまいりましたけれども、こうしたボトムアップ型の経済政策について大臣はどうお考えでしょうか。
#79
○国務大臣(林幹雄君) アベノミクスの三本の矢のうち、経産省としては、第一の矢であります希望を生み出す強い経済の実現であると思っていまして、これに全力を尽くしてまいりたいと思っています。
 これに向けて、賃上げを通じた消費の拡大、あるいは取引条件の改善などを通じた下請中小企業の収益力の向上、そしてまた設備投資の拡大に結び付けていくことが重要であるというふうに思っておりまして、今ボトムアップの発言がございました。やはり家計への直接支援を通じて個人消費の下支えを行いまして経済の下振れリスクにも対応することは重要だろうというふうに思っております。
 その一環として、安倍政権としては、低所得の高齢者に対して一人三万円の給付金の支給を行うこととしたところでございます。総理が答弁しているように、一般的には高齢者層は他の年齢層に比べて消費性が高い、こういうことから、こうした給付金支給は正しい政策であるというふうに考えているところでございまして、アベノミクスによる成長の果実を生かして、安心できる社会基盤を築き、成長と分配の好循環をつくり出すことが重要だろうというふうに考えております。
#80
○安井美沙子君 ボトムアップ型の経済政策を一部お認めいただいたようにも思いますが、その手法は明らかに違います。私たち民主党は、そういった給付金、商品券も含めて、そういったものは経済効果がないということが分かっておりますので、そういうものは採用することができません。経済効果のある、ボトムアップ的に経済効果が生まれてくるような経済政策、今後とも提案してまいりたいと思いますので、またこれについては議論をしてまいりたいと思います。
 それでは、消費税の増税についてお伺いします。
 最近いろいろなところでも議論されていますけれども、消費税増税について閣僚や自民党幹部の皆さんの間で微妙に温度差を感じさせるような発言が相次いでおります。安倍総理は現段階では消費税を予定どおり引き上げていくというふうに述べられておりますし、麻生大臣もそうです。例外として、当初は東日本大震災かリーマン・ショック級の突発事態が起こらない限りはという表現だったものが、最近では世界経済の大幅な縮小というのも税引上げ延期の条件に加えられたようでございます。これは微妙なニュアンスの違いを感じます。
 菅官房長官は以前記者会見で、税率を上げて税収が上がらないようなところで消費税を上げることはあり得ないというふうにおっしゃったほか、稲田朋美政調会長はテレビで、日本の経済が壊れてまで増税するということではないと。いろいろ温度差がございますけれども、林大臣はどのようにお考えでしょうか。
#81
○国務大臣(林幹雄君) 消費税率の一〇%引上げについては、政府としてはリーマン・ショックのような重大な事態が発生しない限り実施する方針でございます。日本経済は雇用情勢や所得の改善が続いておりまして、総じて言えば景気は緩やかな回復基調にあると考えております。もっとも、先ほども答弁申し上げましたけれども、中小企業の足下の状況については、着実に改善傾向にあるものの、地域や分野、あるいは事業者の規模によってはばらつきも見られます。こうした中、消費税率引上げを行うことができるだけの経済状況をつくり出すことが重要だろうというふうに思います。
 経産省としては、成長戦略の実行や中小企業・小規模事業者への支援等によりまして、経済の好循環の拡大に全力を挙げてまいります。
#82
○安井美沙子君 明快な御答弁、ありがとうございました。
 続きまして、軽減税率について伺います。
 消費税増税の逆進性対策として政府は軽減税率を導入することを決めましたけれども、これについてどう評価されていますか。
#83
○国務大臣(林幹雄君) 軽減税率制度は、日々の生活において消費税の負担を直接軽減することにより、買物の都度の痛税感の緩和を実感できるとの利点がございます。この点が特に重要であるとの判断によりまして導入が決定されたものというふうに認識をしているところでございまして、この痛税感の緩和を実感していただくことで消費者の消費行動にもプラス作用することを期待しているところでございます。
 経産省としては、軽減税率制度の導入に当たりまして混乱が生じないよう、事業者の支援にきめ細かく取り組んでまいりたいと存じます。
#84
○安井美沙子君 痛税感の緩和、買物の都度の痛税感の緩和ということが繰り返し安倍内閣の閣僚から発言されるわけですけれども、これ、今の税率が下がるわけではなくて、食品や新聞の税率がキープされるわけですから、ああ、よかったわと思う人は一人もいないと思います。しかも、一回の買物で数円、数十円単位の差額、それも本来上がっていたものが下がったという仮定の差額です。ですから、お買物のたびに実感する人はいないと思います。しかも、年間では一万五千円、そういったレベルの話ですから、これ痛税感の緩和効果よりも、いろいろ指摘されております問題点の方が多い、私は天下の悪政だと思っております。
 大臣は所信の中で、あるいは今も、軽減税率制度の導入に向けて中小企業・小規模事業者の準備が円滑に進むように支援をされるというふうにおっしゃっています。これ、具体的にどのような支援を予定しているのでしょうか。イメージが湧くように御答弁をお願いします。
#85
○国務大臣(林幹雄君) お尋ねの支援ですけれども、九百九十六億円の予備費を使用するということが既に閣議決定しておりまして、まず、中小の小売事業者に対しまして複数税率に対応したレジ導入等の補助をするというのが一点。それから、複数税率への対応ができない電子的な受発注システムを用いている中小の小売事業者また卸売事業者に対してシステム改修の補助を行うということにしておりまして、この補助率ですけれども、原則として三分の二、ただし、三万円未満のレジ購入に関しては、規模の小さな事業者への特段の配慮の観点から、高い補助率四分の三を今設定しているところでございます。
 また、補助金申請を円滑に行えるように手続負担にも配慮した制度設計を進めてまいります。具体的には、申請書類の枚数を最小限とする、あるいはレジメーカーに補助金申請事務のサポートあるいはレジの操作の指導などをお願いするということなどを検討しているところでございます。
 なお、支援制度の利用を確実にする観点から制度の周知が大事だろうというふうに思っておりまして、この補正予算のうち百七十億円を活用いたしまして、パンフレットの配布やら説明会の開催、そういった広報を行うのに加えまして、商工会、商工会議所と連携いたしまして相談窓口の設置、全国約二千三百か所でございます、あるいは専門家派遣などを通じて準備を円滑に進められるよう丁寧なサポートを行っていく予定でございます。
#86
○安井美沙子君 軽減税率が導入されることになれば、もう本当にそれは必要な措置だと思います。でも、そもそも本当に必要ではないと私は思っておりますので、大変だなというふうに思うしかございません。
 消費税の増税が一〇〇%実施されるという保証はありません。大臣は今のところ増税をするべきだという御見解を先ほど伺いましたけれども、何か突発事故があったときには消費税を増税しないケースもございます。そのときには当然、複数税率も導入されないわけですけれども、もしこうなった場合には、今しようとされている様々な設備のシステムの変更等、これをまた再改修しなければならなくなります。この場合はどうなさいますでしょうか。
#87
○国務大臣(林幹雄君) 先ほども答弁申し上げましたけれども、この消費税の引上げは、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り着実に実施するということでございまして、今委員がお尋ねの、そうした仮定のお尋ねにはお答えできませんし、個々の事業者に対して一度決定した支援を事務的に取りやめることは今のところ考えておりませんで、事業者におかれては必要な準備を進めていただきたいというふうに考えております。
#88
○安井美沙子君 これは仮定の質問という意味で言っているのではございません。消費税が上がらないという可能性がある以上は、やはりこれは一度システムを改修したり、いろいろな設備をそれに合わせて準備をした中小企業者はきちっと救ってあげなければいけないというふうに思っています。もし余計なコストが掛かった場合には、きちっとそれに対応していただくことをお願いしたいと思います。
 次に、車体課税についてお伺いをいたします。
 消費税の再引上げがあった場合には自動車販売に与えるネガティブな影響があると思いますが、それをどの程度見積もっておられるのかという質問です。
 また、来年度の政府税制改正大綱に消費税を一〇%に再引上げする際には自動車取得税を廃止することが明記されましたけれども、それによってこの消費税増税のネガティブな影響がどのくらい相殺されると分析されているでしょうか。
#89
○国務大臣(林幹雄君) 消費税が八%に上がった前後の新車販売台数の統計は、平成二十五年度の五百六十九万台から二十六年度の五百三十万台と四十万台減少しております。
 要因は、やはり増税前の駆け込み需要、それに対する反動減だと思いますが、その反動減が十分に回復されなかったことが大きく影響しているのではないかと考えられます。
 消費税率が一〇%に引き上げられる際の影響については、同様に一定程度の販売が減少する懸念はございます。しかしながら、今後講じられる税制の影響やそのときの経済の状況などにも左右されるものと考えられます。
 経産省としては、今後の新車販売の動向についてはしっかりと注視しながら必要な対策を考えてまいりたいと思います。
#90
○安井美沙子君 自動車産業はやはり現実には日本の産業を牽引している大事な産業ですので、是非とも、今注視されるとおっしゃいましたけれども、よろしくお願いいたします。
 車体課税全般に言いますと、取得と保有の両方に対して複雑で重層的な税が掛かっていることからユーザーにとっては非常に重税感がありまして、車が今ではとっくの昔に普及品となっている、あるいは地方ではもう足として欠かせない生活必需品であるにもかかわらず、そういったことから今のこの税体系が納得を得にくいものになっていると思います。
 これから自動車重量税の廃止、エコカー減税の拡充や恒久化、グリーン化特例の延長など様々な自動車関連諸税について選択の余地があるわけですけれども、自動車ユーザーや自動車販売の観点から経産省としてはどうあるべきだとお考えでしょうか。
#91
○国務大臣(林幹雄君) もう安井先生御案内でありますが、自動車は出荷額約五十二兆円でございまして、全製造業の約二割を占めます。地方に立地する自動車工場が多いわけで、幅広い裾野産業が存在してございまして、関連産業を含めて全国で五百五十万人に上る雇用を支えているわけでございます。
 そういった中で、自動車に対して複数の税金が課されておりまして、これが複雑かつ負担が大きいという声もユーザーの間には存在しているのも事実でございます。
 経産省としては、ユーザー負担の軽減そして簡素化を図る方向で車体課税を見直すことで、自動車需要の喚起、経済、雇用へのプラスの影響につながるというふうに考えておりまして、こうした点が実現できるよう、消費税率一〇%への引上げを控えまして、足下の販売状況もよく見極めながら平成二十九年度税制改正に向けて精力的に検討を行ってまいります。
#92
○安井美沙子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 特に軽自動車、これは私も今地方に住んでいて実感しています。普通自動車の購入、維持に対する重税感が大きいから余計軽自動車の方にシフトするわけですけれども、その軽自動車の課税も強化されますと、もう車離れにつながることは間違いないです。
 そうはいっても地方ではどうしても車というのは欠かせないものですから、是非、消費税増税に当たって、この自動車税の見直し、特に軽自動車も含めて、経産省は力強く推していただきたいと思いますし、私たちも応援してまいりたいと思います。
 さて、TPPについてお伺いをします。
 経済産業分野、特に車の関係がこちらも大きいわけですけれども、政府は一昨日、TPP承認案と関連法案を閣議決定して国会に提出しました。衆参両院に特別委員会が設置する方向で話が進んでいると聞いております。その関連法案が、著作権法や独占禁止法など国内の制度改正を伴う七法案と農林水産関連四法案の十一本を一括法案として提出したそうです。
 もうこれ、いいかげんにしてほしいと思います。安保のときと全く同じです。法案を束ねるというのは、原則として、それぞれの趣旨や目的が同じだったり密接に関わったりする場合に限られるんですよ。もうこんな全く方向の違う分野の法律が十一本束ねられたら、私なんかは賛成したい法案がほとんどなのに、恐らく、何か反対のものがあったら反対せざるを得ないじゃないですか。これじゃ議論になりません。立法府は機能しません。
 これはもう私は政府に猛省を促したいと思いますが、TPPの大きな一翼を担う経産大臣として、このことをどうお考えになりますか。
#93
○国務大臣(林幹雄君) 今一括で提出されたというのをお聞きしたわけでありますけれども、それはそれとして政府の方針でございますので、その中で、今先生がお話ししたように、基本的なあるいは具体的な議論を、その問題問題に応じて進められたらいいんではないかというふうに考えております。
#94
○安井美沙子君 この一括法案ということには本当に憤りを覚えますけれども、この経済産業委員会では少なくとも経済産業分野に関わるTPPの交渉の意味合いをしっかり審議してまいりたいと思います。
 一つちょっと時間がなくなりましたので質問を飛ばしますけれども、今回のTPP交渉の冒頭に当たって日米首脳会談で、アメリカとのバイの首脳会談で、お互いのセンシティビティー分野についての決め事がございまして、その際にアメリカ側のセンシティビティー分野として自動車の完成品について非常に厳しい条件が提示されまして、結果的に二十五年も掛けて乗用車の関税を撤廃することとなりました。
 一方で、部品については八割以上の即時撤廃で合意しましたけれども、ある意味完成車を犠牲にして部品の交渉に力を入れた、この意図について御説明をお願いしたいと思います。
#95
○国務大臣(林幹雄君) 御案内のとおり、自動車産業は消費地に近い場所で完成車を生産する地産地消を基本としてございまして、日本の技術、生産能力、現地の市場規模、輸送コストなども考慮いたしまして、各社の経営判断でグローバルに最適な生産供給体制の構築を進めております。大きなマーケットでありますアメリカ市場においても、販売している自動車の七割強を現地で生産してございます。このような実態を踏まえれば、完成車の生産のために日本から輸出する自動車部品の関税の引下げが極めて重要でございます。
 交渉の結果、自動車部品につきましては、対米国では約二兆円に迫る輸出総額の八割以上が、対カナダでは約二千四百億円の輸出総額の九割弱の関税が即時撤廃されることになっております。これは、アメリカ市場における日本の自動車メーカーの競争力を高めるものになります。また、部品メーカーにとっても、日系の完成車のメーカーのみならず、アメリカの完成車メーカー向けの輸出機会が広がるわけでございます。加えて、完成車一台で約三万点の部品が必要とされているわけでありまして、これらの部品メーカーに部素材などを納入する中堅・中小企業の受注拡大も期待できるところでございます。
 完成車について言えば、アメリカは今先生が指摘したとおりでありますが、カナダの関税六・一%が五年目で撤廃されるわけでありまして、日本の自動車メーカーの競争力が高まることが見込まれるところでございます。
 また、原産地規制につきましても、我が国自動車メーカーが現在のサプライチェーンの下で十分に対応できる内容を確保したところであります。
 自動車工業会あるいは自動車部品工業会では、米国の自動車部品関税の大部分が即時撤廃されること、カナダの自動車関税が短期間で撤廃されること、原産地規制について現行のグローバルなサプライチェーンの下で十分に対応できる内容になったことなど、歓迎する声明が出ているところでございまして、自動車分野全体では総じて大きな成果が得られたものと考えているところでございます。
#96
○安井美沙子君 私も部品については非常に期待をしておりますが、今御説明いただいたこの定性的な評価、これを是非定量的にもお示しいただきたいと思うんです。TPPの経済効果については、以前の内閣府の、全体で十三・六兆円辺りという数字しかございません。特に、経済産業分野、自動車分野での経済効果というものをある程度数値化していただきたいのですが、いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(林幹雄君) 一般に個別品目の輸入への影響については、その製品の需要がどうなのか、あるいは競合製品との関係がどうなのかなどによって変わってくるわけでございまして、例えばアメリカへの自動車輸出については、需要がアメリカの自動車市場の動向や見通し、製品の競合関係については関税撤廃によって日本のどの車がアメリカのどの車に対してどの程度の優位性を持つかなど、様々な要素を勘案する必要がございます。
 したがって、個別品目の輸出入の影響については、こうした個々の事情について仮定を置かざるを得ず、試算を行うことは非常に困難でございます。したがって、今具体的な数字を出すということは難しく思っております。
#98
○安井美沙子君 国民の皆さんはTPPに関する情報に飢えていると思います。そして、デメリットばかりが伝わっているように思えてなりません。
 先ほどおっしゃった部品や完成車におけるこれからの自動車産業への影響など、こういったことをしっかりとお伝えしなければいけないと思いますし、できないできないと言っていてはしようがなくて、何かの仮定を置いてやっぱり計算せざるを得ないんですね。
 こういった経済効果を算出しないことによって、後にこの交渉の成果を評価することができないというデメリットもあります。何年後かにこの交渉の成果を私たちが評価しなければいけないときに、経済効果は結局幾らだったんだろうね、それはどのぐらいとして算出されていたんだろうねという指標がなければ評価もできないし、それよりも何よりも問題はやはり国民の皆さんがTPPの効果について知るすべがないと、これが最大の問題だと思います。
 私は、政府が国民に対してTPPの理解を深めたいのであれば、もう少しこういった具体的な数字を基にした政府広報に努めるべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 さて、次にエネルギー問題についてお伺いをいたします。
 原子力について、所信の中で、「資源に乏しい我が国が、経済性、気候変動の問題にも配慮しつつ、エネルギー供給の安定性を確保するためには、原子力はどうしても欠かすことができません。そのため、国民の原子力に対する懸念に真摯に応え、その信頼を高めてまいります。」とおっしゃっています。
 資料をお配りさせていただきました。経産省が用いていますエネルギー政策の基本的視点、3EプラスSという、このフレームワークに今の大臣の所信のお考えを乗せますと、ここにある丸バツは私が書いたものですが、大臣の所信によれば、原子力は、最初のE、環境負荷軽減は丸、次のエコノミーも丸、次の安定供給・エネルギー安全保障も丸、ただしセーフティーのところが三角あるいはバツなので、この国民に対する説明を真摯にやっていきたいと、こういうお話だったんじゃないかと思います。
 私の考えは少し違うんです。時間がないので今日は申しませんが、ここにあるように、3Eそれぞれに原子力は今少し問題が出てきてしまったのではないかと思います。大津地裁の判決も、仮処分の判決も出ましたので、またそういう議論はこれからあると思いますけれども、いろんな意味で、今度これは議論したいと思います。
 私がもし大臣であれば、この原子力は、私が大臣であれば違う所信になったかと思います。資源に乏しい我が国が、安全性、気候変動の問題にも配慮しつつ、エネルギー供給の安定性を確保するためには、再生エネルギーの拡大が不可欠です、そのため、再エネの経済性を高めるために研究政策を、研究投資を最優先にしてまいりますと、こういう言い方もできます。所与の条件は変わらないんですけれども、その中でどの方向に向かうかは政府の考え次第です。
 私は、原子力を否定するものではなく過渡的な電源として必要と考えていますけれども、原子力に対する国民の不安を払拭し安全性をクリアすることよりも、再エネの経済性を高めることの方が現実的に思われます。大臣の見解はいかがでしょうか。
#99
○国務大臣(林幹雄君) 昨年七月にエネルギーミックスが策定されたわけでありますけれども、エネルギー基本計画において位置付けられているわけでございまして、その基本計画では、原子力については、安全性の確保を大前提に、安定供給の確保、電力コストの引下げ、CO2排出の抑制、これを実現する観点で優れておりまして、エネルギー需要構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付けられているところであります。
 再生可能エネルギーにつきましては、現時点ではコスト面等で課題が存在しますが、エネルギー自給率の向上を通じた安定供給の確保や地球温暖化の観点から、重要な低炭素の国産エネルギー源と位置付けられております。
 なお、各電源の発電コストにつきましては、最新のデータを用いて専門家により検証を行っていただいたところでございます。
 その中で原子力につきましては、事故が起こった際の賠償費用など合理的に見積もることができる費用を入れても、他の主要電源と比較して低い水準であるとされております。また、再生可能エネルギーについては、機器の単価が高いことに加え、設置工事費用が高い水準にあることなどから、相対的に高いと今されているところであります。
 エネルギーミックスの電源構成は、こうした各エネルギー源の特性を踏まえ、再生可能エネルギーを最大限導入して原発依存度を低減させた結果として得られたものでございます。
#100
○安井美沙子君 政府のお考えは分かりました。
 これからこの3EプラスSのフレームワークに基づいて詳しく次回にでも議論をさせていただきたいと思います。
 最後に、次世代エネルギーについてお伺いをいたします。
 これまで議論したように、資源に乏しい我が国においては、この3EプラスSの条件を満たすエネルギー源を将来にわたって追求し続けなければなりません。大臣は所信の中で、別に、攻めのイノベーションを実現するとおっしゃっています。イノベーションによって近未来の世界の様相が激変することが予想されますが、エネルギーも例外ではありません。原子力でも従来型の再生可能エネルギーでもない革新的な新世代エネルギーの実用化が、次世代スパコンの開発によってより現実味を帯びているという認識がありますでしょうか。
#101
○国務大臣(林幹雄君) 将来を見据えて次世代のエネルギーの開発や実用化に向けての取組を進めることは重要であるというふうに考えております。
 次世代エネルギーを含め、最先端の研究開発においては、より効率的かつ迅速に研究開発を進める観点から、例えば新材料を開発する際、膨大な数の材料の組合せからどのような特性を持った物質ができるかを予想するなど、高度なシミュレーションが有効となっております。このため、そうしたシミュレーションを実現するスーパーコンピューターの活用も広がっていくものと考えているところでございます。
#102
○安井美沙子君 おっしゃるとおり、このエネルギー供給における今の制約課題を一気に克服する可能性のある次世代スパコンというのが期待されるわけですけれども、政府として、中でも経産省としてはこれに具体的にどのように取り組んでおられるのでしょうか。
#103
○国務大臣(林幹雄君) 我が国においても、スーパーコンピューターを製造、販売しているIT関連の民間企業が複数ございます。各社において、自社の製品の競争力強化の観点から、計算能力や消費電力性能の向上のための研究開発に取り組んでいるものと認識しているところでございます。
 経産省においては、中長期的な観点から、民間企業等のみでは取り組むことが困難なリスクの高い技術の研究開発を行っているところでございます。民間企業の取組も踏まえつつ、より少ない電力で高い計算能力を持つ革新的な半導体研究開発を進めております。具体的には、NEDOを通じて百億円を超える関連予算を要求させていただいているところでございます。
#104
○安井美沙子君 我が国が抱えるこのエネルギー制約という問題は日本の将来を本当に左右するものだと、一番深刻な課題ではないかというふうにも思います、少子高齢化とともにですね。
 ですから、私は、経産省には、このエネルギー問題とそれからイノベーションを、それぞれ縦割りで考えるのではなく、日本が抱える制約を乗り越えるために、これを同時並行でというか組み合わせてしっかり考えていただきたいと思うんです。
 今抱えております現実問題の解決という出口のビジョンを描いた上でイノベーションの投資を行っていただきたいと思うんですけれども、このイノベーションにおける大臣の御見解を最後にお聞きして、私の質問を終わります。
#105
○国務大臣(林幹雄君) 冒頭申し上げましたとおり、こういうスーパーコンピューターも含めて、IoTの活用やら次世代への挑戦は、我が国の技術力から見ても大変取り組むべきだというふうに思っておりまして、これからも、そういった意味で経産省としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思っています。
#106
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水貴之と申します。今国会から正式にこの経済産業委員会のメンバーとなりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 私ども、おおさか維新の会のメンバーで、二月の十九日なんですけれども、高浜原発の視察へ行かせていただきました。関西電力の皆さんに御協力いただきまして、どういった安全対策をしているかというのを見せていただいてきましたので、そういったことに関連して今日は質問をさせていただこうというふうに思っていたんですが、昨日、その高浜原発運転差止めの仮処分の決定というものが出ました。その処分が出た、今日はその次の日でありますので、まずは大臣に、この処分、この決定についてどのように考えていらっしゃるかお聞きしたいと思います。
#107
○国務大臣(林幹雄君) 昨日、大津地裁におきまして高浜原発の運転を差し止める仮処分命令がなされたことは承知しております。
 これに関しましては、原子力規制委員会が専門的な見地から十分に時間を掛けて世界最高水準の新規制基準に適合すると判断したものだというふうに思います。こうした原発について、政府としては、その判断を尊重し、再稼働を進めるという方針には変わりございません。
 仮の処分でありますけれども、いずれにしても当事者である関西電力の対応をしっかり見ていきたいと思っています。
#108
○清水貴之君 今日は規制委員会の方にも来ていただいていますので、ここについてお聞きしたいと思うんですけれども、今話がありましたように、その新基準についても、過酷事故対策の設計思想や外部電源に依拠する緊急時の対応、基準地震動の策定方法に関する問題点に危惧すべき点がある、津波対策や避難計画にも疑問が残ると、その新基準に対しても疑問を投げかけられているんですが、これについてはどう受け止められているでしょうか。
#109
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 私どもも、先ほどの林大臣の答弁と同じように、昨日の大津地裁の仮処分の決定については承知しているところでございますが、何分訴訟の当事者ではございませんので、その場でどのようなやり取りがあった末の結論かということも分かりませんので、それに対するコメントについては差し控えさせていただきたいと思います。
#110
○清水貴之君 今後も、この異議申立てをするという話になっています。裁判が続くことになると思います。最終的にはまた裁判所の判断がということになると思いますので、ここでそういったことを議論するのは難しいといいますか、適切ではないというふうに思いますので。
 ただ、その高浜原発なんですが、我々視察したのが二月十九日、金曜日でした。翌日の二十日には、四号機で汚染水漏れというのが見付かりました。そしてまた、動かそうとして点検をしている最中、二十九日なんですが、これは、テレビ中継といいますかテレビのカメラも入っていた目の前で起きたことですので、ニュースなどで御覧になった方も多いかと思いますが、電源を入れたときにもう警報音が大きく鳴り響いて緊急停止をするということが起きました。
 実際、我々も見せていただきました。確かに、もう大体三号機、四号機で一千億円ぐらい使ったということですから、津波の対策であるとか地震の対策、何か非常時、緊急事態が起きたとき、突発的な出来事に対して何重にも対策を張り巡らせている、これは実際に見せていただきました。
 ただ、それとはまたこれは別の問題で、様々なミスが連なってしまっているのがこれは現状なわけです。これに関して、先日の予算委員会の方でも私は総理などにも質問をさせていただいたんですけれども、林大臣にちょっとお話を聞く時間がなかったもので、この高浜原発のトラブルについて大臣のお考えお聞きしたいと思います。
#111
○国務大臣(林幹雄君) 高浜原発四号機で相次いだトラブルは、担当あるいは所轄する大臣として大変残念だというふうに思っております。このようなトラブルを起こさないように、関西電力には細心の注意を払って慎重に取り組んでいくべきことは当然だと思っております。
 経産省としても、関西電力に対しまして徹底した原因究明と機器の点検を行って安全をしっかり確認するよう指示をしているところでございます。今後とも、関西電力が安全を最優先に取り組むよう指導してまいりたいと思っています。
#112
○清水貴之君 その安全最優先、これがやっぱり、もう誰が考えてもそうだと思うんですけれども、絶対にやらなければいけないことでして、何かが起きたときの対策というのは、今回、昨日、大津地裁の処分が出ていますので、裁判所の判断とかはまた違うのかもしれませんけれども、私が見た限りではかなり厳重にはやっていらっしゃるなというのは、これは実際感じました。それで十分かどうかというのはまた別の様々な意見があると思いますので、私が述べることではないと思いますけれども。
 実際に見せていただきましたが、今回のトラブルに関して、本当に手前の部分で大丈夫かなという、トラブルにはもう様々な種類やものがあると思いますけれども、その近隣に住んでいらっしゃる方とか原発に対して不安を持っている方にとっては、大きなトラブルであろうが小さなトラブルであろうが、これはもう変わりないと思うんですね。こういったことが続くとそういった不安感というのはどんどん大きくなると思いますので、この辺はしっかりと見ていっていただきたいと思います。
 その上で、私がやっぱり、とはいえ、しっかり取り組んでいかなければいけないと思っているのが最終処分場の問題です。私ですとかおおさか維新の会のスタンスとしましては、今すぐに原発を全て止めてしまうということは現実的ではないというふうに考えています。将来的には代替エネルギーを使ってどんどんどんどんなくなっていく方向に進めばというふうに考えているんですが、すぐに止めるということには賛成はしていないんですけれども、とはいえ、最終処分場が決まっていないのに動かし続ける、これはやはりかなり無責任ではないかと。将来にツケを残すことになりますので、この辺りも早急に取り組んでいかなければいけない課題だというふうに考えています。
 その上でなんですけれども、大臣の所信の中で、その最終処分場なんですが、科学的有望地を年内にお示しするというような発言がございました。そのまずは科学的有望地なんですが、これはどういったものを指すんでしょうか。
#113
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。年内に提示することを目指すと申しております科学的有望地についてのお尋ねでございます。
 御案内のとおり、この最終処分につきましては、二〇〇〇年に最終処分法という法律ができ上がりまして、そしてNUMOという組織ができ上がりまして、自治体の方々で御協力いただけないかといういわゆる手挙げ方式を取ってまいりました。しかし、この十五年間、十六年間進んでこなかったと、こういう経験があるわけでございまして、法律上は文献調査から始まる三つの法定プロセスというものが決まっております。これを手を挙げていただく自治体が現れてこなかったということで、昨年五月に改定いたしました基本方針の中で新しいプロセスとして追加したものでございます。
 この科学的有望地と申しますものは、我が国の中で地層処分を行うにふさわしい、科学的に見てより適性の高い地域というものを、客観的な要件、基準というものを作りまして、それでお示しをしようというものでございます。現在、この具体的な要件、基準につきまして、専門家の方々によって審議会で御議論をしているところでございます。
 したがいまして、この科学的有望地そのものは具体的な最終処分地の候補地とかそういうことではございません。その点をきちんと国民の方々にも御説明していく、そうしたところからきっちり始めていきたいと思っております。
#114
○清水貴之君 その示し方なんですけれども、どういった形で示すことになるんでしょうか。その場所である、どれぐらいの範囲を例えば示すとか、あとは箇所もあります、何か所かをまとめて示すのか一か所だけに絞るのか。この辺りはどういった考えでしょうか。
#115
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 この要件につきましてはまだ結論は得られていないところでございますけれども、私ども今現在想定しておりますのは、この科学的な適性の高さによりまして日本全体の地図を三つのカテゴリーに分けるということを考えております。適性の低い地域、これは火山に近いとかそういったことで考えている、そして適性のある地域、それからその中でもより適性の高い地域、これが今いわゆる科学的有望地と私どもが考えているものでございますが、こうした三つのカテゴリーといいますか三つの分類をいたしまして、この三つの、分かりやすく申し上げると地図を三色に塗り分けてお示しをするといったことを考えているところでございます。
 したがいまして、何か所とか何地点とかそういったものではなくて、もう少し広がりを持った形でお示しをさせていただくということを想定しているところでございます。
#116
○清水貴之君 今の話ですと、確かに広い範囲で示されるわけですが、ただ、造るとなりますとその中の絞られた箇所にはなると思うんですが、となりますと、その後の交渉方法なんですけれども、どういった交渉の仕方をしていくんでしょうか。
#117
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 交渉という概念がふさわしいかどうかちょっと私はコメントできないんですけれども、我々が今想定しております手順をちょっと申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、法律上は文献調査、それから概要調査、さらには精密調査という三段階のプロセスを経ることになっております。文献調査はその名のとおり文献で調査をしていくということでありますが、その後、ボーリングで地下を掘っていくというようなことを概要調査の段階でやり、精密調査の段階では実際に地下に施設を造ってみるというところまでやって、最終的に二十年ぐらいの調査の過程を経て場所を決定すると、こういうプロセスでございます。
 その文献調査に御協力いただける自治体を探すプロセスに今あるということでございまして、この前の段階でございます。そこの一つのきっかけといたしまして科学的有望地という地図をお示ししたいということでございますので、私ども、この科学的有望地をお示しする前とそれから後と、これ非常に大切なプロセスだと思っております。
 その中で、先ほどのちょっと繰り返しに一つなるんですが、今申し上げたようなプロセスの最初の入口が今回の科学的有望地でございますので、科学的な有望地をお示ししてすぐにどこかの自治体の方々と、先生のお言葉で言えば交渉といいますか、何かお願いをするといったことは全く想定をしておりません。むしろ、この科学的有望地をお示しをすることで我が国でも地層処分をする場所がこれだけの広がりがあるんだということをまず理解をしていただく、それから、その地域の中に入った自治体、住民の方だけではなくて、そこに外れた方々にも、我が国の中でどこかに一つは造らなければいけない場所を、自分たちはもう関係ないよということではなくて、これからも、どこになっていくんだろうか、どこに御協力をいただけるだろうかということを我が事のように御関心を持っていただけるようにするのがこの科学的有望地の提示の大きな役割だと思っております。
 したがって、この地図を出したときに、入った入らないとか、受け入れる受け入れないといったことがすぐに大騒ぎになるようなことがないように、冷静に受け止めていただける環境づくりをする、これがまず提示の前に大変重要なことだと思っております。
 そして、先生お尋ねの提示後どうするかでございますが、今申し上げたような国民の理解が十分得られている環境の中でお示しをして、その上で、地域に入ったところ入らないところ、いずれに対しましてもしっかりとこの位置付けといいますか、そうしたものを御説明し、その過程でこの文献調査等々の次のプロセスに入っていただけるような地域が出てくるかどうか、そこをしっかりと丁寧に御説明をし続ける、これしか各国とも悩んでおりますこの取組に答えを出すことはできないと、こう考えておりまして、愚直かもしれませんが、そのように取り組んでまいりたいと思っております。
#118
○清水貴之君 今おっしゃっていただいたように、人ごとではなくて、これは、電力というのはみんなが使っているもので、もう押し付け合いとかいう話ではないというふうな、私もそこは賛成なんです。大阪の松井知事も、そういった調査に関して、造る造らないはまた別の話です、調査に関しては、これはやっていただくことには異議は唱えないというふうに言っておりますので、やっぱり誰かがどこかでやらないと。
 ただ、とはいえ、自分のところとなると、やっぱりなかなかこれは難しい問題があるので交渉が大変なんじゃないかなと思うんですが、今のお話でしたら、でもまだ何十年も掛かっていくという、二十年という言葉が出ましたけれども、でも、今実際に使用済みの燃料プールというのはかなりもうぱんぱんといいますか満杯の状態で、数年とか、長いところでももう十年未満ぐらいでいっぱいになってしまうというふうに言われていますので、それでタイムスパン的には大丈夫なんでしょうか、タイムスケジュール的には大丈夫なんでしょうか。
#119
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 この問題、一日も早く解決しなければいけない課題であることは先生御指摘のとおりでございます。ただ、スケジュールを決めて、いつまでに決めなければいけないといって各地域の方々とコミュニケーションしていくというのも、これもまたなかなか難しい話だと思っておりまして、御理解を得る積み重ねを丁寧に丁寧に積み重ねていくということが我々の念頭にございます。
 他方で、御指摘のとおり、使用済燃料プールの貯蔵能力の問題はございます。したがいまして、この最終処分場を見付けていくプロセスと並行しまして、私ども、使用済燃料対策アクションプランというものを昨年策定させていただきまして、各事業者に対しまして使用済燃料の貯蔵能力の拡大に向けて具体的なタイムスケジュールを示すようにと、このように努力を求めているわけでございますが、これを事業者任せにすることなく、国も自治体とのコミュニケーションにおいてしっかりと関与をしながら、一定の時間の猶予をつくるということでございますけれども、併せて使用済燃料対策にも取り組んでいきたいなと思っております。
#120
○清水貴之君 その原発の稼働年数なんですけれども、運転期間ですね、原則四十年とされていたものが、申請して最大二十年は延長が可能ということで、今その申請なりが進んできているか、くるのかというところかと思いますけれども、そこで、二十年とする根拠はちょっと飛ばさせていただいて、私が思っているのは、この二十年という年数で区切ると、使用済燃料というのがその間どんどんどんどん出続けてしまって、最終処分場の規模とか、どれぐらい、どういったものを造ったらいいのかというのがなかなか定まっていかないと思うんですね。
 そこで、一つ思っているのが、総量で規制したらどうかと。使用済燃料をどれぐらいあと出したらもうこの原発は稼働を止める、年数ではなくて量でその稼働年数というのを決めていったらどうかというふうに考えているんですが、総量規制ということに関しては、大臣、いかがでしょうか。
#121
○国務大臣(林幹雄君) もう先生御案内のとおり、エネルギーミックス策定に当たっては、省エネやら再エネを最大限導入して、そして、どこまで原発依存度を下げられるかというふうに設定して議論をしたわけでございまして、その結果が、安定供給の確保、電力料金の引下げ、CO2の排出抑制といったところから、原発への依存度は最大限下げていくがゼロとするわけにはいかないという結論に至ったわけでございまして、先生御指摘のような使用済燃料の総量規制という御意見があることは承知しております。
 できるだけこの廃棄物を抑制するためにも、徹底した省エネの推進、再エネの最大限の導入、火力発電の効率化などで全力で取り組まなければならないわけであります。また、廃炉すべき炉は廃炉するための環境を整えまして、原発依存度は可能な限り低減していくことが重要だというふうに考えております。
 また、他方では、この総量規制ですが、一定の数量に達した時点でそれ以降の発生をなくすことになりまして、原発をゼロにすることは難しい以上、導入は難しいというふうに考えているところでございます。
 もちろん、我が国は既に相当量の使用済燃料を保管しておりまして、原発稼働の有無にかかわらず最終処分場の確保が必要であります。なおさらこの課題に対し真っ正面から向き合わなければならないものというふうに考えておりまして、最終処分の実現に向けて、国が前面に立って、全国の国民や地域の理解を得ながら一歩ずつ着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
#122
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#123
○委員長(小見山幸治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#124
○委員長(小見山幸治君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#125
○和田政宗君 日本の和田政宗です。
 今国会より経済産業委員会の所属となりました。日本の産業、特に物づくりを一層強くし、日本経済の発展に寄与する質疑ができればと思っておりますので、何とぞよろしくお願いをいたします。
 まず、東北経済産業局が中心となって構築を図っている三陸ブランドについて聞いていきます。
 東北地方の三陸沖というのは世界的漁場でありまして、国内では三陸産といいますと良い海産物だなというイメージがありますが、世界の消費者には知名度というのはまだありません。そして、過去、私は様々な地域の地域ブランドというものを見ておりますけれども、せっかくブランドとして構築したのに売り方が下手で全然売れないというものもあるわけです。三陸ブランドを具体的にどのように売り込むのか、国内、海外、それぞれの戦略を伺います。
#126
○政府参考人(井内摂男君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、三陸地域で東北経済局が中心となりまして三陸ブランドの売り込みを図ろうとしているところでございますけれども、御案内のとおり、三陸地域におきましては、グループ補助金の活用などによりまして震災からの設備の復旧などは進んでいるところでございますけれども、沿岸の被災地域の基幹産業でございます水産加工業につきましては、販路が途切れて、売上げの回復はほかの業種と比べても遅れている状況にございます。そのため、東北経済産業局におきまして、非常に幅広い関係者の参加を得まして研究会も開催しながら、三陸地域一体となって水産加工品を三陸ブランドとして国内外に売り込む取組を進めているところでございます。
 今後の方向性といたしましては、三陸の水産物の質の高さ、そして加工技術の高さを強みといたしまして、主にアジアの諸国をターゲットとして売り込みを進めたいと考えているところでございます。しかしながら、現状では、一社当たりの取引量が非常に小さいということもございまして、こうした水産加工品を海外に運びまして商流の構築を担うようなプレーヤーが不足しているというのが大きな課題でございます。
 このため、商工会議所などとの連携の下によりまして官民による協議会を設置いたしまして、複数の事業者が連携して三陸地域の水産加工品をまとめて輸出できるような枠組みを整備できないかとか、あるいは広域で一体的に情報発信することはできないかという、そういったことを今目指しております。また、関係予算の活用も促しながら三陸地域の事業者の販路拡大を支援していくこととしているところでございます。
 引き続き、東北経済産業局を中心に関係者一丸となりまして、三陸ブランドの内外への売り込みを後押ししてまいりたいと思っております。
#127
○和田政宗君 まだ構想が進んでいる段階ですのでそういったお答えになるかというふうに思いますけれども、海外での国際間競争の中で日本が負けたりある産地が負けたりするというのは、例えば、行政がそこに行きました、フェアをやりましたで終わりというような形で、結局何も具体的な成果を得ず帰ってきてしまって、その後はそういった地域の自助努力ということなんですが、結局つなぐ相手もつながないでそれで終わってしまうというようなことがありますので、これ、更に進んでいきましたら具体的な戦略をしっかりと構築をしてもらいたいというふうに思います。
 こうした水産物の輸出に当たりまして原産地証明書が必要になることが多いわけですけれども、EPA税率の適用を受ければその分安くなるわけです。しかし、EPA対応の原産地証明書を発給する商工会議所は全国の二十四か所にとどまっておりまして、地方の中小の業者は各地商工会議所で発行される非EPA、非特恵の原産地証明書を使うことが多くなります。
 こうした際、少しでも早く輸出先に届けることが重要である案件も多く、国際間競争に勝ち抜くためには原産地証明書が即日、短時間で交付されることが重要になります。しかしながら、こうした発給人員の確保は各地の商工会議所に任されているために、発給に当たる職員が足りない商工会議所もあると聞いております。
 輸出戦略の強化のためにも、各地商工会議所がこうした人員を確保できるように、政府として人員補強の費用を補助することなど手助けができるかどうか、そういったことをお聞きできればというふうに思います。
#128
○大臣政務官(星野剛士君) お答えいたします。
 全国各地の商工会議所は、地域の企業の身近な相談先でもありまして、中小企業の海外展開を支援をする上で重要な存在であります。
 今までも、商工会議所と国の支援機関、自治体、金融機関等が相互に連携をして支援を行ってまいりました。例えば、海外展開一貫支援ファストパス制度などを通じて、商工会議所が解決が困難な問合せがあった場合でも、知見のある他の支援機関の協力を得ることで中小企業に対して一貫したサービスの提供を行っているところでございます。また、中小企業の海外展開を支援をしていくために、情報収集、そして計画準備、進出後の各段階に応じて、海外の市場動向等の提供や分かりやすいハンドブックの作成など、また海外展開の戦略策定支援や農商工連携等による新商品、新サービスの開発、海外展示会等への出展支援、また海外ジェトロ事務所において現地の法務、労務、知的財産等への支援などを行っております。
 さらに、小規模事業者と商工会議所が一体となって経営計画を策定をして、その経営計画に基づいて行う販路開拓を支援をする小規模事業者持続化補助金においては、平成二十七年度補正予算事業から、海外で行われている展示会への出展など海外展開を目指す取組について、補助金の上限額を通常の五十万円から百万円に引き上げる措置を導入をしております。
 経済産業省としては、地域中小企業が産地間競争に打ち勝つために政策をこれまでも行ってきておりますが、総動員をしてしっかりと後押しをしてまいりたいと考えております。
#129
○和田政宗君 この人員補強については、例えば経営指導員であったかと思うんですけれども、これは各都道府県からのいわゆる人員確保についての補助というようなことであったかというふうに思うんですが、やはり政府の戦略としても、こういった海産物を更に売っていこう、GDP六百兆円の達成ということでありましたら内需だけではなく輸出で稼ぐということも必要になってまいりますので、これは細かいところも含めて、しっかりとまずは経済産業省が全体的なものを把握して手当てをしていただきたいというふうに思いますので、引き続き御検討をお願いいたします。
 先ほど水産物の輸出に当たって各企業がまだ小さいというようなところがありましたけれども、例えば地域の水産物の輸出に当たって官民が連携協力して地域商社のようなものを立ち上げて、例えば三陸ブランド商社のようなものを立ち上げて、海外に駐在員を置いて、海外で注文を受けて即日、例えばイカだ、タコだ、マグロだといったら別々の会社になるかもしれないですけれども、そういった注文を受けて、その三陸ブランドの地域商社内に投げて、即日三陸から発送できるような地域ブランドというもの、海外に売り込む仕組みというのをつくるべきだというふうに私は考えるんですが、こうしたものについてのサポート、考え方について、政府の見解はいかがでしょうか。
#130
○大臣政務官(星野剛士君) お答えさせていただきます。
 農林水産物、食品の輸出については、農林水産省とも連携をしつつ、農商工連携や地域資源活用による新商品、サービスの開発やブランドづくり、クールジャパンによる取組など、様々な支援を展開をしております。また、ジェトロにおいては、国内四十五か所、海外七十三か所の拠点を通じた海外需要開拓の経験を生かして、市場調査から販路開拓に至るまでの各段階に応じてきめ細かな支援を展開をしているところでございます。
 議員御指摘のように、農産物、そして食品の輸出においては、三陸ブランドのような地域ブランドとしての取組が有効な場合もあると考えております。
 農林水産物、食品の海外展開に当たっては、地域の事業者が各市場の消費者の味覚やニーズに合わせて試行錯誤で商品開発や改良を重ねて成功するケースが多く、事業者の創意工夫を最大限に引き出すことが極めて重要だというふうに考えております。また、こうした地域の事業者の力を活用しながら、ジェトロの国内外のネットワークを活用した海外有数の見本市への出展や支援、又は有力なバイヤーの招聘等により支援を図ることが重要だと考えております。
 いずれにいたしましても、地域の実情に応じてジェトロにおいても最適なやり方で取り組むよう万全を期してまいりたいと思います。
 私自身、昨年十一月にCOP21に出席をするためにフランスのパリを訪れました。日本の優れた地域産品を展示して販売をするサスエニスというところ、店舗ですね、この会社も視察をさせていただいて、海外需要開拓支援機構、クールジャパン機構の出資を受けてヨーロッパにおけるクールジャパン推進の一翼を担っている店舗ですが、私も新潟県三条市産の爪切りばさみをそこで購入をさせていただきました。
 委員御関心のある農産品についても、例えば米国においては、日本茶カフェの展開を通じて長崎県産品の販売も支援をしております。
 いずれにいたしましても、しっかりと全力で取り組んでまいりたいと考えております。
#131
○和田政宗君 やはり、これについてはしっかり現地で売れる、すぐに例えば注文が取れるとか、そういった仕組みの構築ということが必要でありますので、引き続きジェトロの協力も得ながら、そういったものが進めていければというふうに思っております。
 次に、沿岸の工場地域の防潮堤について聞きたいというふうに思います。
 宮城県気仙沼市の商工岸壁、お手元の資料の写真ですけれども、被災地では工場を守るためという理由でこのような、塀のような巨大な防潮堤が築かれています。これで約五メートルの高さで、この委員会室の天井より少し高いぐらいですけれども、南海トラフの地震対策などでこうしたものが日本各地にできれば日本の海岸が塀で囲まれてしまいます。南海トラフの地震対策で工場やコンビナートを守る場合、防潮堤の高さや形状も含め、国はどうあるべきと考えますでしょうか。
#132
○政府参考人(津田修一君) お答えいたします。
 南海トラフ地震による津波につきましては、短時間で到達し、浸水が広域に及ぶおそれがあります。そのため、事前の防災・減災対策により、背後の生命、財産の安全の確保は重要と考えております。
 このため、津波から人命を守ることを最優先とし、住民が速やかに避難できる体制を確保する等のソフト対策とともに、できるだけ浸水被害を減らすためのハード対策を進めていくことが必要であります。
 工場やコンビナートを守るための防潮堤の計画につきましては、海岸管理者であります県などが適切に定めることとなっております。具体的には、その高さ、形状、位置等の計画については、町の安全、ハード、ソフトの組合せ、環境保全や市町村による町づくりの議論などを踏まえて定めると承知しております。
 以上でございます。よろしくお願いします。
#133
○和田政宗君 その説明はこれまでも何度も説明を受けてきていますのであれなんですけれども、各海岸管理者が、これは当然国の直轄のところもあるとは思いますけれども、都道府県などの自治体に投げてしまったために、今宮城県ではもう人が住まないところに高さ十四・七メートルの巨大な防潮堤、これ三百億円超える予算で造っているわけですけれども、こういったものができていますので、やはり国としてもう一度考え方をしっかりと示していただく必要があるというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、政府のエネルギーミックスの計画ですけれども、二〇三〇年度に原子力発電の比率を二〇%から二二%としております。これ、かなり大きい数字だと思いますけれども、達成が可能なのか、原発は合わせて何基動かす必要があるか。お願いいたします。
#134
○国務大臣(林幹雄君) 二〇三〇年度のエネルギーミックスに占める原発比率二〇から二二%を達成するためということですが、規制委員会の審査を経て、既存の原発を再稼働して、一部の炉については政令で定められた、認められた四十年を超える運転期間延長を行い、震災前の平均七割のところを例えば八割程度まで稼働率を向上させることによってこの原発比率は達成可能であるわけですが、原発ごとに出力規模や実際の稼働率も異なりますので、確定的なことを示すことはできません。例えば稼働率を八〇%と置けば三十基程度という計算にはなるわけです。
 なお、これはあくまでも一定の仮定に基づく計算でありまして、具体的にどの原発が再稼働するのか、あるいは何基再稼働するかは、事業者の判断あるいはまた原子力規制委員会の審査次第であります。
#135
○和田政宗君 三十基と聞きましても、これ、これから動かしていくとなると相当数に上るわけですけれども、いまだに東電福島第一原発の事故でふるさとに帰れず苦しんでいる被災者がいるわけです。原発をもし再稼働をこのままどんどん続けるのであれば、福島の被災者の方々の帰還や生活再建のめどが全て立ち、被災された方の問題が解決に向かうのでなければ、被災者の方々で納得できない方というのも多いというふうに思うんですね。
 福島の被災者の方々の生活再建や帰還についていつまでにめどを付けるのか、最新の状況をお願いします。
#136
○副大臣(高木陽介君) 今委員御指摘がありましたように、福島の被災者の皆様方の生活再建等々は、原発再稼働どうのこうのではなくて、全力を挙げて取り組まなければいけないことだと思っています。
 現在、国が指定した避難指示区域で約七万人の方々が避難をされておりますけれども、政府としては、昨年の六月に閣議決定をいたしまして、帰還困難区域以外、いわゆる避難指示解除準備区域、さらには居住制限区域と言われるところを遅くとも平成二十九年三月、来年の三月までに避難指示を解除して、住民の方々が帰還を可能にしていけるよう環境整備の加速、除染を含めて、取り組むこととしております。
 ただ、この避難指示の解除というのは、今避難されている方でふるさとに帰りたいと思われている方がいらっしゃいます。そう考えている方々が帰れる状況をつくる。さらには、それはあくまでも再建のスタートでもありますので、復興のスタートということでこの避難指示を解除して、住民の方々が安心して戻れるように、一日でもそういう生活が早く取り戻せるようにということで、除染、インフラ、生活関連サービスの復旧の環境整備に向けて、今政府一丸で取り組んでいます。
 その中で特に、帰還したときに仕事がないという方々がいらっしゃいますので、事業、なりわいの再建というのは最も重要であると。そのために、昨年の八月に、国と県、さらに民間から成る官民合同チームというのを創設いたしまして、これを約三千四百、今事業所を個別訪問しております。それを受けて、事業再開に向けた例えば人材確保、又は様々な設備のこういうことが必要だということをしっかり受け止めながら、今回、補助金、補正予算と本予算で約二百四十億円を計上させていただきました。こういったことをやりながらしっかり取り組んでいくと。
 一方で、避難生活を継続せざるを得ないという方々に対してもしっかりとした応援をしようと、生活拠点の形成又は復興住宅の整備、これらも含めてやっていきますし、特に移住先でお住まいを確保する方のために東京電力は住居確保損害賠償ということも措置をしておりますので、明日五年を迎えますけれども、政府を挙げて全力で取り組んでまいりたいと思います。
#137
○和田政宗君 一番弱いのはやはり仮設住宅に入っていらっしゃる方だと思いますので、そういった方々に手の届くようにしていただきたいというふうに思います。
 最後、短く質問しますが、IoT、物のインターネットについて政府も強力に推進していく方針を示しておりますが、推進のためには、ドイツのインダストリー四・〇のように、国全体で親しみやすいネーミングを付けるべきではないかと思います。過去、政府はクールビズなど、これは一般公募でありましたが、こういったネーミングで成功しておりますが、この物のインターネットについて名案はあるでしょうか。
#138
○国務大臣(林幹雄君) IoTとは、あらゆるものがインターネットにつながることで産業や社会の在り方が根底から変化することの概念と認識しております。
 その変化は、自動走行、ドローン、医療・健康分野など幅広い分野において、産業のみならず国民の皆さんの身近な生活にも大きな変化をもたらすものでございます。
 例えば、私自身も視察に行ったんですけれども、コマツの建機を使った建設現場の取組を拝見いたしました。事前にドローンで作成した地形図と設計図を照らし合わせて、センチメートル単位の精度で熟練工並みの作業が短時間で可能となっておるのを目の当たりにしました。
 こうした変化を捉えて未来投資を促すため、現在、新産業構造部会において、自動走行、物づくり、健康、医療など様々な分野における産業の将来像や、産業構造や就業構造などの経済社会システムの変化の姿、ビジネスチャンスの可能性、官民が行うべき対応の検討を進めているところでございます。
 しかし、IoTという言葉が広まる一方で、一般の方から見れば必ずしも親しみやすいというふうには言い切れないのではないかと思っておりまして、今先生が提案、提言出されたように、もっと国民に分かりやすいネーミングというかキャッチフレーズというか、そういったものの必要性やら具体的なアイデアがあるのか、そういったものを産業構造審議会やIoT推進ラボなどの場で有識者からも検討していただければというふうに思っております。是非、先生の方からも提言してください。
#139
○和田政宗君 終わりますが、格好いいネーミングを付けようと思えばできると思いますし、べたな名前で例えばひこにゃんとかふなっしーみたいなものもありますので、そういった、何か限定にするんじゃなくて、広くしっかりと考えていただければと思います。
 終わります。
#140
○荒井広幸君 御苦労さまです。新党改革の荒井です。
 五年目を迎えますが、福島原発事故からどんな経済的損失が今日まであるのか、項目にまとめたような試算はあるんでしょうか。
#141
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 経済的損失という名称を使っているわけではございませんが、昨年の七月に変更の認定を受けました新・総合特別事業計画、この計画の中で東京電力が必要となります賠償額というものを見積もっております。
 その中では、精神的損害、就労不能損害など個人の方々に係る項目といたしまして約二・一兆円、それから営業損害、風評被害など法人・個人事業主の方に係る項目として約二・四兆円、さらには財物価値の喪失又は減少、さらには先ほど高木副大臣の方からもお話がありましたけれども住居確保損害、このようなものを含めました形で約一・六兆円、さらに除染などに係ります項目として〇・九兆円と、合計で約七・一兆円という必要な賠償額、要賠償額と申しておりますが、そうした金額を見積もっているところでございます。
#142
○荒井広幸君 そうしますと、これは企業とそれ以外ということでは大ざっぱには分けられるんでしょうかね。
#143
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今、四つに分けて申し上げました。この中で、企業といいますか法人への要賠償額は、先ほど法人・個人事業主の方に係ります項目として約二・四兆円と申し上げました。これは確実に法人・個人事業主向けというふうに申し上げられるかと思います。
 そのほか、財物価値の喪失又は減少でございますとかこの辺りの項目につきましては、企業、それ以外というふうに分けるのはちょっと難しい項目でございます。
#144
○荒井広幸君 そうしますと、今、大臣、全体的な損失額というのは七・一兆円程度ということなんですが、これらを合わせまして、どのように経済的な損失というものを捉まえているのか、そしてまたどういうお考えをお持ちなのか、大臣の御見解を聞かせてください。
#145
○国務大臣(林幹雄君) 賠償額についてだけでも、現在までに東京電力からお支払いした額は五・九兆円に達しているということで、大変大きな額だと認識しております。引き続き、今回の事故によって損害を被られた方々には東電により適切に賠償が行われるよう指導してまいります。
 また、被災地では、今なお住民避難に伴う顧客の減少など様々な苦難に直面しているところでございまして、被災市町村における産業やなりわいの再建、自立に向けて、新たな企業誘致あるいは事業再建支援など地域の復興の後押しになる取組を引き続きしっかりと進めてまいりたいと、このように考えております。
#146
○荒井広幸君 これは先ほどもお話がありましたように、大臣、結局東電が賠償しているということを基に損失を測っているんですね、専ら。ということになりますと、これは経済産業省の所管としてそういうつくりになっていますから、お金がないから国が機構を通じて東電に払ってということなんですよね。そういう金額でいうと、東電が払った分だけでも五・九兆円と、全体で要賠償総額七・一兆円という、大体そういう数字が見えるんですね。
 これは、ちょうど一年前から一年半ぐらい前の経産委員会でもすごく多い議論だったんですが、原発を再稼働しないと三・五兆円の国富が海外に飛んでいると。これは原料費ですよ。ところが、今誰も都合が悪くなったから言わない、政府は。誰も言わないですよ、原油が安くなっちゃったから。これぐらい、経済に足場を置くと、状況次第で全く原発の置かれる位置というのも変わってくるんですね。
 ですから、私は、いわゆる社会改革、価値観の変換というところが実は広く起きてきているんだろうと思うんです。それがやはり、安倍内閣は支持するけれども、例えば六割の方は再稼働反対なんですよね。そういうことに表れているその意識とか社会を変えようという力をもっと、私は、経済産業省が取り込んでいくと、実はイノベーションが起きて豊かな社会や家庭が実現できるんじゃないか、企業がそれによってまた好循環に今度は入ってくるんじゃないかというふうに思うんです。
 そういう観点からいいますと、私は原発ゼロということをやっぱりしっかりやっていただきたかったなというふうに思うんですね。そして、そういうふうな、みんなで原発に、私から言うと、逃げ込むんです。簡単なんですよ、一番、危険だけど。安いんですよと表向きなるから駆け込みたくなるんだと思うんですね。そこをぐっと我慢するところにイノベーションが本当は起きてくる。社会全体が成長というよりも、むしろ質が豊かな社会というものがつくられていくんじゃないか、それで経済というのが回っていくんじゃないかというふうに思うんです。それを私は超原発社会というふうに呼んでいるんです。脱原発では脱いだだけです、原発を。お風呂場の脱衣所、脱いだと脱では同じなんです。やっぱり社会というのがくっついてくるわけで、原発社会、原発に委ねるような、そこに逃げ込むようなことも含めて、それを超えていく社会をつくっていきたいというのが私たちの考えということになります。
 もちろん多くの意見があるんですが、少なくとも我が国が与えた、私は、影響多大だったと思いますね。イタリアの経済委員長に会ってきました。日本は原発やめないのかと。イタリアは国民投票で原発やめたんですから。ドイツはメルケルさんが、こんな状況を見て誰が原発に委ねるのかと、やめたわけですね。いや、そうじゃない、大陸はみんな電源つながっているから、融通が利くからそれで言っているんだと、いろんな見方がありますが、これだけ世界に大きな価値観を含めて影響を与えているのに、日本は相変わらずのことをやって、昨日、今日の裁判の話がまた出ていると、こういうことだと思います。
 そして、この賠償ははるかに過小見積りなんです。なぜですか。東電が出し渋りしているからです。ADR訴訟にかかっているものだけでも今三万人いるでしょう。裁判を起こしている人たちで大体一万五千人いるんじゃないですか。
 こういったことを見ると、まだまだのまだまだ。五年を迎えて、復興の祈念の公園を造るというのも一つのお考えでしょうけれども、ちょっと岩手、宮城とは違いますね。何か祈念をするというのなら、まだだ、駄目だぞという祈念碑を建てるようなことでないと祈念にならないと思っております。
 そこで、言うだけではこれは温泉場になってしまいます、湯だけですからお風呂だけになっちゃう。そのお風呂、お湯に関係するのは、ガスで電気がつくられ、お湯が沸くという優れ物の話です。エネファームです。
 久しぶりに登場させていただいて拍手も起こっているんですが、水素社会の優等生は、実は水素自動車よりも家庭の風呂釜、給湯器などのいわゆるコジェネレーション、水素燃料電池のエネファームです。日本だけが家庭用で実現しているわけですね。諸外国でも随分まねてきました。私が言ったせいもあるかもしれませんが、これは日本の技術の成果が評価されてみんながまねてきたということですが、事務局に聞きますが、大体、現在どういう実績にエネファームはなっていますでしょうか。
#147
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 家庭用燃料電池、エネファームに関しましては、二〇〇九年の市場投入以来、順次価格の低下それから品質の向上ということが図られまして、昨年、平成二十七年の十二月末の段階で累計導入台数が十五万台を超えたというふうに承知してございます。
#148
○荒井広幸君 これは、大体四人家族の方が効率いいんです、エネファームの場合の発電、熱などの場合は。大体四キロワットアワー四人家族だと起こすところを〇・八とか一ぐらい電気ができるんです。
 となると、百万キロワットということでいえば、百万台で一基の、百万キロワットの原発は要らなくなるということですね。日本に四千八百万戸あるんです、四千八百万戸、家は。ですから、家庭に入ってくれば原発は要らないんです。先ほどのお話のように、三〇年目標で二〇から二二、それは効率を上げていけばそれによって違うが、八〇%で三十基ぐらいだというふうな話になりましたけれども。もう大臣、これだけやっただけだって、今言ったように、家庭で大体四割ガス料金下がっているんです。二割の電気量を稼げるんです、自分で使うという意味で。こんなの、FITを直したら売電なんかしなくたっていいです、自分で使えばいいんですから。
 そういう形になっていきますと、そっちの方にみんなが進んでいった方がはるかに豊かな社会であり、経済が回ってくるんですよ。自動車の次ぐらいにエネファームというのは、自動車とは比べにならないんですが、非常に裾野が、関連業態が、業種多いところです。あるメーカーに出してもらったら大変な数字が上がってきます。
 こういったことをやっていく。東芝が今度どうなるか。東芝も優秀なものを作っていましたから、本当にこれ残念な今結果になっているなというふうに見ているんですが。こういったことを含めて、加速させる。家庭によるイノベーションです。家庭で自ら電気をつくれる、買うんじゃない、自分がつくれるんだ。プロシューマー、そういう社会に進めていきたいというふうに思うんですが、ちょっと値段がまだ高い。
 エネファーム普及を加速させるための全体像を大臣からお願いします。
#149
○国務大臣(林幹雄君) エネファームは、二〇二〇年に百四十万台、二〇三〇年に五百三十万台という導入目標を達成するには官民で力を合わせて取組を実施する必要があるわけでございまして、現在、水素・燃料電池戦略協議会において官民での普及への課題を共有しながら具体的な対策を議論しているところでございます。
 今、荒井先生からも指摘がありましたけれども、このエネファームの値段が、価格が依然高い、と同時に、既に建っている既築の戸建て住宅への普及が遅れている、それからメンテナンスの頻度が結構高くてユーザーの利便性を損なっているなどが今挙げられておりまして、そこで、まずコストダウンの徹底でありますけれども、現在、工事費込みで百四十万程度と言われていましたが、二〇二〇年頃までに八十万円程度までに引き下げる。七、八年で投資回収が可能となる水準とするというのがまず第一でございます。このために、国として来年度から事業者に価格低減を促す補助スキームを導入することにしておりまして、来年度予算に盛り込ませていただいておるところでございます。
 第二番目として新規市場の開拓を図るということでありまして、小型化などを図ることで既に建っている既築の戸建て住宅など普及が遅れている市場を開拓する、国としても民間の取組を後押しする補助スキームを導入をするということにしてございます。
 また、三番目はメンテナンスの技術改善でありますけれども、例えば遠隔でエネファームの運転状況を監視できるように、メンテナンスコストの低減とユーザーの利便性の向上を図るということが大事だと思っておりまして、こうした取組を官民挙げて行うことでエネファームの普及拡大を強力に進めてまいりたいと思っております。
#150
○荒井広幸君 最後に出てきたユーザーの利便性というところは、やはり入れてみて分かってきた部分も実はあるんです。ですから、そういったところを、新たに出た課題でもありますし。
 また、方式も二つほどあって、効率のいい方式に持っていく。そのときに白金が必要なんですね。それに代わる代替が出るとうんと値段が下がるということも言われておるものですから。
 いずれにしても、まさに日本の技術力、アイデア、おもてなし、メンテナンス、そういったもののこれは総和だと思うので、是非これは進めていっていただきたいと、大臣にも引き続きお願いするんです。
 なぜかといえば、発電するというところが非常にコジェネレーションで魅力なんです。それで、今、民宿開放しようということになって、これ、どういう電気、福島の電気なんて聞く外国のお客さんも、あるいはオリンピックに来たときに聞くアスリートもいるかもしれません。いや、これはうちでつくっているんですよ。ええっ、汗流した上にこの電気ですよ、こういうことを発信するのが日本のこれからのやっぱりスマートな超原発社会のモデルになるということですから、力を入れていきたいと思うんです。
 福島県に、どのような水素社会のモデルにする、どういうものをやるのかというのを一番最後に聞くとして、そこで、もう一つ、大臣、二百ボルトのところがございましたですね。
 皆さん、我々、本当に、コンビニに行きますと、コンビニのチンはうんと早いでしょう、並ぶだけにチンが早いんですね。電子レンジですね。大体これ、日本語のチンというのが電子レンジというのは世界用語になるんじゃないかなと思うぐらいですけれども。このチンが早いんですね。これ、二百ボルトなんです。我々の家庭の電気は、皆さん、チンは百ボルトでしょう。ところが、家の外まで二百ボルトで大概来ているんです。家の中を百ボルトにしているんですね。だから、我々、海外に行くとき、先生方もそうですよね、コネクトのところと何ボルトのあれかなといって、昔だとアイロンまでどうするかなんて持っていったぐらいでしたけど、今は大体何とかなりますが。携帯だって一時はそういうときがありました。
 世界標準は二百ボルトです、大体。二百ボルトに転換をしていくということをやってみたらどうかと。家のすぐそこまで来ていますから、外付けまでは。そして、それをやると炊飯器は炊き上がりがうんと早いんです。ボルトというのは言ってみれば電気の押し出す力ですから、どんと倍になります。朝急いでいますから、大臣だって急ぐでしょう、また我々に質問されるから大変だといって朝早く行かなくちゃいけないというようなことになる。そのときの一分、二分、いかに重要なことか。チンがすぐ終わるんです。炊飯器がすぐ炊き上がるんです。
 そして、世界仕様にしていくと。製造は日本だけでしているわけではありませんが、製造、組立てをしているわけじゃありませんが、白物家電が今苦しんでいるのはそういうところもあるんです。日本方式で一億人のマーケットでやっていけたからやっていけた。今度はオープンで、だあっとグローバリズムの中でやるという場合には、二百ボルトの家電も作りながら二百ボルトに家庭も変えていく。こういうことをやると、私は貴重な時間を有効に使えるんではないか、経済も良くなるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(林幹雄君) 今、荒井先生御指摘の、電圧百ボルトが、二百ボルトのコンセントを設置できる方式が今主流になってきているところでありまして、これによって消費者が二百ボルトのコンセントを家庭に設置することを選択することが可能になってきているわけでございます。
 こうした中、現在では二百ボルトに対応しているエアコンあるいはIHクッキングヒーターが普及してきているところでありまして、他方、既存の住宅や家電製品は百ボルト方式が中心でございまして、これらを一律に二百ボルト方式に転換することは、消費者、事業者に多大なコストを課すものになりまして、現実的には非常に困難かなというふうには考えております。
 したがって、個々の家庭内で使用する機器のニーズに合わせて必要な電圧のコンセントが選択されていくものではないかというふうに考えております。
#152
○荒井広幸君 残り少々になりました。
 そういう中でも、うまく業界とユーザーの声を聞きながら調整を図っていただきたいなという気持ちはあります。
 最後になりますが、総理が福島県を水素社会のモデルにすると、こう言っておりました。今言いましたように、二百ボルトにするというようなやり方もあるでしょうし、加速させるというのもあるでしょうし、そして先ほどのエネファームを導入する、自動車だけではありません。
 大臣、最後に一言。経産省としては、福島県の水素社会、これをモデル地域にすると言っています。どんなものでしょうか。
#153
○国務大臣(林幹雄君) 福島の思いをしっかりと受け止めまして、福島が再生可能エネルギーや未来の水素社会を切り開く先駆けの地になるよう、自分としても最大限力を尽くしてまいりたいと思っております。
 福島新エネ社会構想においては、一つは、再生可能エネルギーについて、福島での最大限の導入拡大の支援、あるいは郡山の産総研福島再エネ研究所での世界最先端の太陽電池などの研究開発を進めてまいります。
 水素については、一万キロワット級の水電解装置を用いまして、風力や太陽光などの再生可能エネルギーから水素を大規模に製造する実証を行います。実証規模として世界最大でありまして、燃料電池自動車一万台分に相当する水素を作ることに相なります。
 また、これを県内において、ため、運び、使う、福島において世界に先駆けて、未来の水素社会において必要な製造から利用に至るまでのトータルな仕組みの構築を目指しているところでございます。
 さらに、この福島で作られるCO2フリー水素については、県内のみならず、東京オリンピック・パラリンピックで利用していくということでございまして、総理からの指示を受けて、今月中にも官民一体の構想実現会議を設置しまして開催し、具体的なアイデアについても検討を深め、直ちに実行に移したいと思っているところでございます。
#154
○荒井広幸君 終わります。
#155
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますよう質疑をしたいと思います。
 まず、中小企業対策について伺いたいと思います。
 私、先日、佐賀県嬉野市の肥前夢街道というテーマパークをちょっと尋ねました。学生の頃から足を運んでいた場所でありまして、その地域の歴史や文化を紹介するところでありますが、最近は忍者ブームということで、一時期はちょっと元気がなくなっておりましたが、今は入場者数も倍増をしたということで、非常に盛り上がっているテーマパークでありました。
 非常にうまくいっておりましたので何も問題はないのかと思っておりましたら、やはり設備投資の備えは不十分であるということでありまして、うまくいっているところもうまくいっていないところも、やはり資金繰りの課題というのは常に存在をするんだということは改めて学んだところであります。その意味では、中小企業の方々、困ったときというのは、資金繰りの課題というときはやはり金融機関を訪ねるんだろうと思います。
 こんな話も伺ったところでありますけれども、例えば、年末年始のお正月の挨拶ぐらいしか来ないような状況で、自然災害に見舞われたようなときにも支援をしてもらえなくて、一方で、そういう困ったときに助けてくれた銀行さんにメーンバンクを移し替えたところ、ずっと長きにわたっていい関係がつくられており、うるさいんだけれども周りの成功事例なども御指導をいただいて大変助かっていると、こんなようなお話もいただいたところであります。
 現状では、そういう金融機関に求められる金融仲介機能というものが全国津々浦々で発揮できていないような現状もあるのではないかと思います。
 そんなことも経産省の方で御検討いただいていると承知をしておりますが、現在の信用保証制度がその一つの原因になっているのではないかということで、この制度が、中小企業の金融機関からの借入れ、一〇〇%又は八〇%を一律に金融機関に対する保証する仕組み、この一律の保証の存在が、金融機関に対しては中小企業に寄り添ったり支援に取り組む姿勢に水を差したり、結果として中小企業としては経営改善になかなか取り組めないといったような事態を生んでいるという懸念も聞いたところであります。
 現在、経済産業省において信用保証制度の見直しが進んでいるかと思いますが、今後の見直しの方針について、大臣から、まずは伺いたいと思います。
#156
○国務大臣(林幹雄君) 信用保証制度は、中小企業者、小規模事業者が金融機関から借入れを行う際に、その信用力を補完することで資金繰りを円滑化する重要な制度でございます。一方、委員御指摘のように、現在の制度が、金融機関が中小企業に寄り添い、支援に取り組む姿勢を引き出しにくくしているのではないかといった御指摘もございます。
 このため、経産省として、中小企業政策審議会の下に金融ワーキンググループを設置しまして、信用保証制度の在り方について議論を行いました。昨年十二月十六日に中間的な整理を行ったところでございます。この中間的な整理では、例えば一律に八〇%保証する仕組みを見直して、金融機関と信用保証協会が企業の成長段階に応じて適切にリスクを共有するということで、事業者と金融機関が共に経営改善に取り組むことを後押しする仕組みとすることが示されているところでございます。
 今後、これらを踏まえて、中小企業や地域の金融機関など関係者の御意見を引き続き十分に伺いながら、中小企業者の成長、発展をしっかりと支える観点から、詳細な制度設計を進めていく方針でございます。
#157
○秋野公造君 今大臣御答弁をなさいました金融機関と保証協会が企業の成長段階に応じてリスクを適切にシェアをするといったこと、お言葉は本当に私もそうだなと思っているところでありますが、これ、もうちょっと具体的に御答弁をいただけたらと思います。
 一律の二〇%ではないということでありますれば、例えば一律に五〇%にするというお考えがあるのかとか、あるいは創業して十年たったところはもう一律五〇%にするとか、そういったような方針をお持ちなのか、ちょっと確認をしておきたいと思います。
#158
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 一律八〇%保証する制度を一般保証と申しますけれども、この保証につきまして、全体として見れば、今大臣の答弁にありましたように、企業の成長段階に応じて適切にリスクを共有するというのが基本的な観点だと思っております。
 恐らくは、そうした観点に立ちますと、金融機関の負担割合を高める方向での議論になるのではないかと現時点で考えてございますけれども、これ以上の具体的な制度設計につきましては現段階で結論を得られていないという実情でございます。
 引き続き、委員の御指摘の点も参考にしながら、中小企業・小規模事業者、また地域の金融機関の意見なども幅広く伺った上で、審議会の場での議論を今後とも続けて検討を深めてまいりたいと考えてございます。
#159
○秋野公造君 一律にというところが一つのキーワードなのかもしれないんですけれども、確かにこの信用保証制度というのは、百四十万もの中小企業の方が利用をしておりますので、大変に重要な制度であります。中小企業が活性化するような、そんな取組を進めてほしいと思うんですが、今、一律の五〇パーとかそういったような話を聞いた理由は、例えばこれが小規模のところはどうなるのかとか、あるいは創業したばかりのところはどうなるのかとか、こういったことも一律に検討が行われるのかという懸念がちょっと広がっているからであります。
 ちょっとそこらを踏まえた、そういう小規模で信用力がないところはむしろ一〇〇%、こういったところを保証していく必要性というのが私は存在するんじゃないかと思いますが、これについて見解をお伺いしたいと思います。
#160
○大臣政務官(北村経夫君) お答えいたします。
 創業期の事業者、これは過去の財務データがないことや実績が少ないことなどから金融機関においてリスクの判定が困難であります。今御指摘の小規模な事業者につきましては、主要取引からの受注減少など外的な経済状況の影響を受けやすい、こうしたことから民間金融機関だけでは融資を行いにくい状況にあります。このため、十分な融資を受けることが難しいものと認識しております。
 この点につきましては、昨年十二月の中小企業政策審議会金融ワーキンググループの中間的整理において、創業期は手厚く支援し、成長とともに徐々に保証利用を減らすといったこと、また、市場原理だけでは十分に資金が行き渡らない創業期や小口向けなどには引き続き一〇〇%保証を維持すべきとの方向性が示されました。
 この方向性に沿いまして、引き続き中小企業や地域の金融機関などの関係者の御意見を丁寧に伺いながら、とりわけ創業者や小規模な事業者の資金繰りにつきまして十分な配慮を行いつつ具体的な制度設計を慎重に進めてまいりたい、そのように考えております。
#161
○秋野公造君 私は、今、小規模そして創業期には一〇〇%の信用保証を求めておきながら、これは大きな安心につながるものと信じますが、一方で、この安心に乗っかってしまって経営改善の努力ができないといったことでは困るわけであります。そういったことも見かじめていただいた上で、一〇〇%保証であったとしても金融機関や信用保証協会が経営改善などをサポートしていただくということでよろしいか確認をしておきたいと思います。
#162
○政府参考人(豊永厚志君) 先生の御趣旨でよろしいかと考えます。
#163
○秋野公造君 ありがとうございます。
 保証協会による経営改善をしていただくということでありますから、改めて、全国、委員の先生方の御地元にも必ず信用保証協会があります。この五十一の協会が各都道府県で保証制度を支えているということでありますが、金融機関が中小企業に寄り添って金融仲介機能を発揮していただくためには、当然、地域の金融機関だけで支えるというのはやっぱり無理がありますので、その意味では、保証協会が創業の手伝い、過剰債務に悩む事業者の再生支援を行っているような先進事例もあると聞いておりますので、こういった取組はどんどん強化をしてもらいたいと思っています。
 各県ちょっと伺いますと、非常に人気の職種といいましょうか、求人が二十倍ぐらい集まっているようなところもあると伺っております。これは優秀な人材が集まってきてくれているんだということの裏返しではないかと思います。そういった彼ら彼女らの能力を最大限発揮していただくためにも、この保証協会こそ正面から中小企業の資金繰りに全面的に支援をして、債務の保証だけでなく様々な点で中小・小企業に寄り添う存在となるべきではないかということを思いますが、御見解を伺いたいと思います。
#164
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 実は、私もこれまで二十ほどの信用保証協会にお邪魔してございます。そこで気付きますのは、多くの保証協会で創業に関する支援コーナーを設けましたり、条件変更先の経営状況が良好でない中小企業や小規模事業者に対する経営診断、それから事業の再生のための専門チームなどをつくったりしているのが目に付きます。こうした取組の結果、今年度だけを見ましても、全国の信用保証協会で約一万三千件の創業関連保証が実現してございますし、約二万件の企業訪問や三千五百回の経営改善計画の策定支援なども行われております。
 また、先生の御指摘を踏まえてもう少しお話ししますと、また近年、各都道府県で地域の金融機関や商工団体が集まって中小企業の経営改善や事業再生を円滑に進めるためのネットワークが構築されつつございます。ほとんどの場合、各地の信用保証協会がその事務局機能を担っておりまして、中心的な役割を果たしていると言っても過言ではないと認識してございます。
 こうした中、中小企業政策審議会の中間的な取りまとめの過程でも、議論の一環で、信用保証協会に対して中小企業者の経営改善支援により一層力を入れて取り組むべきではないかという指摘もなされていると認識してございます。
 中小企業庁では、信用保証制度の見直しやその具体的制度設計のための議論を審議会の場で今後とも続けてまいりますけれども、今後の信用保証協会の在り方につきましても、こうした近年の取組動向や事業者の期待を踏まえつつ、検討を深めてまいりたいと考えてございます。
#165
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 私は、三月の三日の予算委員会で、アベノミクスによって景気は良くなってきているということ、少なくてもデフレではないという状況になってきているということ、賃金の上昇も見られているということで、大企業においては約八千円程度、中小企業においては約五千円程度の、そんなデータも示しながら、一方で、二十歳から二十四歳の若年者に目を移しますと、中小企業においては三千円程度の賃金の上昇であって、社会保障費の二千五百円程度の上昇で相殺されてしまう場合、場合によっては、二千円ぐらいでありますとマイナスになってしまうような場合があるといったような形で、全ての人が賃金の上昇といったものを実感してもらうためにも、政府としても様々な手だてを打つべきではないかと総理に質疑もさせていただいたところであります。
 思い切って、賃上げの、引上げの環境を整えるために、特に若者も含めて、全ての人がひとしく賃金の上昇を実感をしてもらうために中小企業庁においてもできることがあるのではないか、御見解を伺っておきたいと思います。
#166
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 雇用の七割を中小企業・小規模事業者の方々が支えておられます。そこでの賃金の上昇が行われることが日本経済の活性化に当たりましては大変に重要なことだと考えてございます。
 委員からは今も、若年層における賃上げが小幅にとどまると社会保険料の上昇により効果が相殺され得るという指摘もございました。私どもは、御指摘のような趣旨も踏まえながら、より大幅な賃上げが実現できるよう、これに資する支援策を講じてまいりたいと考えてございます。
 具体的には、賃金の引上げに向けた原資を確保できるというのが私どもの役割だと思っておりますけれども、この観点から、ものづくり補助金の実施やよろず支援拠点の整備なども精力的に取り組んでまいりたいと考えてございます。また、今般、中小企業の経営力や生産性を向上させるための新たな枠組みという観点で、所要の法案を国会に提出させていただいたところでございます。
 引き続き、賃金引上げの環境を整備し、経済の好循環の実現に資するために、あらゆる施策を動員して尽力してまいりたいと考えてございます。
#167
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いします。
 次に、沖縄の海洋資源開発について伺いたいと思います。
 これまで、沖縄の海底資源が存在をするということが分かりましてより質疑を繰り重ねてきたところでありますが、先月、JOGMECが沖縄の海域で新たな二つの海底熱水鉱床を発見したと、うれしいお知らせを伺いました。昨年度も二つの鉱床を発見しておりまして、この開発に向けて大変喜ばしいニュースと思っております。
 これまで発見されたこの海底熱水鉱床の品質、非常に高いと聞いておりますが、今回も含めまして、この具体的な品位についてお伺いをしたいと思います。
#168
○政府参考人(高橋泰三君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、先月、JOGMECは、沖縄の伊平屋島北西の海域に、これ田名サイトと呼んでおりますけれども、海底熱水鉱床を発見しております。また、久米島の北西沖に比嘉サイトというサイトを発見してございます。また、昨年度におきましても、沖縄海域に野甫サイト、それからごんどうサイトというものを発見してございます。
 品位についてお尋ねがございましたけれども、本年発見をいたしました田名サイトについて申し上げますと、採取した試料の単位重量当たりの含有率につきましては、銅が三・七%。鉛が八・一%、亜鉛が二四%、金が〇・〇〇〇四%、銀が〇・〇五三%でございます。これは、これまで発見した海底熱水鉱床の中で比較しますと、これらの金属がそれぞれ高い含有率でバランスよく分布しているというふうに考えてございます。
 また、昨年発見をいたしましたごんどうサイトから採取した試料の含有率でございますけど、銅が一三%、鉛が五・二%、亜鉛が一二・三%、金が〇・〇〇〇二%、銀が〇・〇三三%でございまして、こちらにおきましては特に銅の含有率が極めて高いということが分かっております。
#169
○秋野公造君 ごんどうサイトの品質を今御答弁いただきましたが、極めて高いように感じます。
 世界の陸上の鉱山と比較をしてどうなのかということについてちょっと教えてください。
#170
○政府参考人(高橋泰三君) 御指摘のございましたごんどうサイトでございますけれども、これ、現在世界で開発されております陸上の銅鉱山の銅の含有率につきましては大体一%から二%ということでございますので、ごんどうサイト、一三%ぐらいということでございますので、これに比べても十倍程度の含有率となってございます。
 他方で、先生も御案内かと思いますけど、海底熱水鉱床は陸上の鉱山と比べましてヒ素等の物質が入っているということでございますので、こういった点の処理については考慮する必要があるというふうに考えてございます。
#171
○秋野公造君 ごんどうサイトは陸上鉱山と比べて桁違いということでありまして、一方、ヒ素という問題もあるわけでありますけれども、平成二十九年度からは、採鉱、揚鉱ということで、いよいよ陸上に揚がってくる試験を行うわけでありますが、その揚がってきた鉱石がその後どのように処理されてどういった金属になるのか、そして、その作業がどこで行われる予定となっておるのかということについてお伺いをしたいと思います。
#172
○政府参考人(高橋泰三君) 海底熱水鉱床の商業化に向けましては、その海底の鉱石を掘る採鉱というものと、掘った鉱石を海底から引き揚げる揚鉱ということが大きな技術的な課題となっております。このため、平成二十九年度に、この採鉱技術それから揚鉱技術を組み合わせたパイロット試験を実施することとしてございます。
 一般的に、鉱石の処理は、まずは採掘した鉱石を細かく砕いた上で有用物質を分離する選鉱を行いまして、次に、その選鉱で得ました有用物質を熱で溶かして金属を取り出した上で、電気分解などによって金属の純度を一〇〇%近くまで高めていくいわゆる製錬ということを行うことになります。
 二十九年度に予定しておりますパイロット試験で引き揚げた鉱石につきましては、この選鉱試験と製錬の試験を行うこととしてございます。選鉱試験につきましては、国内には海底熱水鉱床の鉱石の選鉱に適した選鉱所がないことから、これ、秋田県に新たに選鉱のパイロットプラントを設置しまして、ここで実施することを予定してございます。製錬の試験につきましては、選鉱された有用鉱石を国内の既存の製錬所で製錬をすることを予定しております。
#173
○秋野公造君 大臣にお伺いをしたいと思います。
 私は、この沖縄の海底熱水鉱床の開発は大変注目をしております。どんどん広がっており、そしてどんどん深く、そして質も高くということでありまして、このことが沖縄の新しい新産業の創出につながればと、そして、それがひいては日本全体を引っ張っていくことになるぐらいの大事業になるのではないかといったようなことを期待して、もうどうしても成功させていただきたいと強い熱望を持っております。
 大臣には、この海底熱水鉱床の開発を御担当される大臣として、将来的な商業化へ向けた意気込みなどについてお伺いをしたいと思います。
#174
○国務大臣(林幹雄君) まず、秋野委員におかれましては、昨年沖縄で開催されました未来をひらく海底資源シンポジウムにおいて基調講演をいただいた、また、この開発に大変熱心に御支援をいただいていますことをまずもって感謝を申し上げたいと存じます。
 海底熱水鉱床の将来的な商業化に向けて、海洋基本計画では、平成三十年代後半以降に民間企業が参画する商業化を目指したプロジェクトを開始することが目標とされているところでございます。この目標達成に向けて、資源量の把握と深海からの金属鉱物を採取し引き揚げる採鉱・揚鉱技術の開発が大きな課題となっておりまして、そのため現在は、既に発見された鉱床の資源量の把握を進めるとともに、新たな鉱床の発見に向けた調査を進めているところでございます。
 平成二十九年度には、今答弁ありましたように、世界初の採鉱、揚鉱のパイロット試験の実施が予定されているわけでありまして、その実施に向けて着実に準備を進めてまいりたいと思います。
 秋野先生におかれましては、更なる御支援をお願いしたいと存じます。
#175
○秋野公造君 私も頑張りたいと思います。
 次に、インフラ老朽化の取組について一言お伺いをしたいと思います。
 インフラが老朽化しておりまして、非破壊検査の推進が求められているところだと思います。道路には道路の、そして橋には橋の、河川は河川、様々な分野で非破壊検査が導入をされているところでありますが、その場その場に合うといったような検査の推進が行われている状況でありまして、例えばそれを横串を刺すような技術的な開発みたいなものを今後経済産業省としてしっかり行っていただくべきではないか、そういう非破壊検査の基盤みたいなものをきっちりつくってインフラを長寿命化させる取組に資するべきではないかとの思いで、見解をまずは伺いたいと思います。
#176
○政府参考人(糟谷敏秀君) インフラの老朽化が進む中で、人口減少が進んで、点検をする技術者の確保がますます難しくなっております。そういう中で、ロボットが人に代わって点検、調査を行ったり、インフラを破壊しないで内部を迅速かつ正確に把握できる非破壊検査技術がますます重要になってきております。非破壊検査の業界も、今本当に成長されている非常に大事な業界ですし、それから社会的な重要性もますます増していく業界であります。
 ただ、非破壊検査、まだいろいろと課題があります。非常にパイプが密集したような狭いところになかなか入っていけない、そのためにはエックス線を発生する装置を小型化をしなきゃいけないという問題があります。また、配管の中の摩耗を可視化できるような技術開発、これも必要です。そういう基盤的な技術開発の必要性がまだまだあるものですから、経済産業省としましては、平成二十六年度から五年間の計画でこうした基盤技術の研究開発を始めております。しっかりとこれを進めて、着実に成果を上げていきたいと考えております。
#177
○秋野公造君 ありがとうございます。
 この産業インフラの点検なんですけど、ベテランの人材が非常に不足をしておりまして、保安水準の維持向上、重大事故の撲滅を図るために、効率的かつ正確な検査手法であるこの非破壊検査技術の活用といったことは、ユーザー側でも積極的に進めるべきではないかと思います。そういった観点から、経産省の御見解を伺いたいと思います。
#178
○政府参考人(住田孝之君) 我が国におきましては、御指摘のとおり多くのプラントで老朽化が進んでおりますし、またベテランの従業員が引退をされる時期を迎えているということで、御指摘のとおり重大な事故のリスクというのが増大するおそれがあるということだと思います。
 こういった中で、プラントの検査あるいは運転におきまして、人を補完するためのIoTでございますとかビッグデータとか、あるいは人工知能といったものの活用が一層重要になってきております。具体的には、今御指摘がございました非破壊検査技術の一例とも言えますセンサーの技術を活用いたしまして、設備の状況あるいは運転の状況を常時監視をしてビッグデータとしてそれを集める、今度はその集めたビッグデータを解析をして異常や予知を検知をする、それに基づきまして今度は人に対してアラームを出す、こんなようなことを進めておるわけでございます。
 経済産業省といたしましても、産業保安、製品安全のスマート化というものをこうした観点から進めておるところでございます。これはまさにこのプラントにおけるIoT関連投資を推進をしようというものでございまして、先進的な取組を支援をするということとともに、制度上もこれを後押ししようということであります。例えば、高圧ガス保安法におきましては、IoT、ビッグデータの活用によって高度な保安を実現する事業所を国が認定をいたしまして、プラントの連続運転期間を延長することが可能になるといったような優遇措置も検討しておりまして、昨日の審議会でも考え方を整理をさせていただいたところでございます。
 今後、必要な制度の見直しを行っていこうと思っておるところでございます。
#179
○秋野公造君 よろしくお願いします。
 医療の現場ではラテックス、天然ゴムを使ったグローブ、手袋が用いられておりますが、これはちょっとアレルギーを起こすことがよくありまして、医療従事者だけではなくて、例えば患者さんの手術のときにラテックスのグローブを使いますと手術を受けている患者さんもアレルギー反応を起こしたりといったようなことで、医療の現場では取扱いが、極めて注意をしながら使用がなされているところであります。
 一方で、家庭用の手袋、これもラテックスを使われているものがありまして、アメリカに住んでいたときはラテックスフリーといったような表示なども店頭ではなされていたような記憶もありますが、我が国においても、こういった一般的な家庭用手袋、アレルギーの予防対策としてラテックスグローブについては進めるべきではないかと考えますが、御見解を伺いたいと思います。
#180
○政府参考人(糟谷敏秀君) 天然ゴムラテックス製の手袋を原因とするアレルギーは、製品に残留したたんぱく質が原因で起きるということでございます。
 業界ではこれまでも、第一に天然ゴムラテックス以外を原料とするラテックスフリーの家庭用手袋の製造でありますとか、第二に天然ゴムラテックス製であっても残留たんぱく質を減らす取組でありますとか、第三に家庭用手袋の使用上の注意事項を表示して注意喚起をするということでありますとか、こういうことを進めてきたところであります。
 現状では、業界団体の統計によりますと、国内で販売されている家庭用手袋の三分の二は既にラテックスフリーになっているということでございます。残りの三分の一の天然ゴムラテックスを使っている家庭用手袋につきましても、このうちの八割以上のシェアが大手の四社で占めているわけでありますが、この四社各社とも製造工程の中で洗浄を行って残留たんぱく質を減らすという取組も行っております。加えて、業界団体におきまして家庭用手袋の品質表示要領というのを作りまして、使用上の注意事項として、家庭用手袋の使用によりアレルギー反応があり得るといったことを明記することによって消費者への注意喚起を図っております。
 こうした取組を今後とも徹底をするとともに、更に何か対策が必要であるということであればそういう対策を検討していきたいというふうに考えております。
#181
○秋野公造君 ちょっと確認ですけれども、洗浄を行いますと、この残留のたんぱく、どれぐらい低減できるのかということをお分かりであれば教えていただきたいと思います。
#182
○政府参考人(糟谷敏秀君) 洗浄前の家庭用手袋は、通常、一グラム当たり千マイクログラム以上のたんぱく質が含まれているということでございます。アレルギーの発症というのは、使用状況でありますとか、それから使用する人の健康状態とか、個人差で大きく左右されるので、一体どこまで下げればどうかということは明確な基準があるわけではありませんけれども、例えばマレーシア、これは天然ゴムラテックス製の手袋の主要生産国でありますけれども、ここでは、長期間長時間の着用が求められる医療用の手袋について、製品一グラム当たりのたんぱく質量について二百マイクログラム以下を推奨していると、そういう基準を決めているということでございます。国内の大手製造業者においても、こういった点を踏まえて洗浄を行って、製品一グラム当たりのたんぱく質量を二百マイクログラム以下とするということを社内の出荷の目安としている企業もあるというふうに理解をしております。
#183
○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
#184
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 東日本大震災から五年。あの原発事故さえなければと書き残して自殺された方がおられました。この悔しさが私の胸を離れないと。今なお同じ思いであしたを迎える、こういう人が一体どれだけおられることかと思うわけです。福島の避難者はいまだ十万人。未曽有の被害は継続、拡大しているという状況だと思います。
 原発は取り返しの付かない事故を起こすことが国民の常識になったと私は思います。原発の再稼働反対は国民多数の声。昨日も大津地裁が高浜原発三、四号機の運転差止めの仮処分を決定いたしました。稼働中の原発が初めて停止することになったわけです。
 私、改めて、全ての原発を直ちに、再稼働はもとより、運転は断念すべきだというふうに、この東日本大震災から五年たった今、大臣の決断を求めたいと思います。
#185
○国務大臣(林幹雄君) 痛ましい原発事故で、福島を始め多くの方々に多大な御迷惑をお掛けしております。復旧復興はいまだ道半ばでありまして、国民の間に原発に対して様々な御意見があることも承知しております。
 他方で、我が国を取り巻くエネルギー環境に目を向けますと、事故後、国内の原発が全て停止したことによりまして、まず第一に、火力発電の依存度が九割にもなったと。運転予定のなかった古い火力発電所も稼働させている状況でありまして、何とか供給力を確保しているわけでありますが、トラブルが多発すれば停電が起きる可能性があるという脆弱な状況でもございます。
 第二に、化石燃料の輸入増加などによりまして、電気料金の上昇といいますか、全国平均単価が家庭用で二五%、産業用で四〇%上昇しているわけであります。これによって、国民生活はもとより、中小企業を始めとする企業の経営を圧迫しているわけでございます。
 第三に、電力分野からのCO2排出量については、震災前に比べて年間約〇・八億トン増えておりまして、これは日本国内の総排出量を約六%押し上げているわけでございます。
 こうした我が国が直面する課題を踏まえて、原発への依存度は可能な限り低減させますが、他方で、安定供給の確保、電力コストの引下げ、CO2排出の抑制、この三点を実現しようとすれば原子力への依存度をゼロにすることはできませんで、やはり一定程度の原発は稼働させなければ責任あるエネルギー政策を実行できないという判断を行ったところでございます。もちろん、安全性は最優先でありまして、原子力規制委員会によって再稼働に求められる安全性が確認された原発についてのみ地元の理解を得ながら再稼働を進めるということにしているところでございます。
#186
○倉林明子君 今、経済性のことを考えればやめられないという、つづめて言えばそういうことだったかなというふうに聞きました。
 人の命と安全は経済性に優先されなければならないと、こういうことが今度の大津地裁の判断の中でも示されたというふうに思います。安全性は、じゃ担保されるのかということでいいますと、規制委員長は繰り返し、この規制基準を満たしたとしても事故は起こり得るということを指摘しているわけです。そこで、避難計画が義務付けられたという経過がございます。避難計画はできたとしても、確実に避難できなければ住民の命と安全は守れない、これ当然のことだと思います。
 既に、今日止まるということですけれども、三号機も稼働したという関西電力、この高浜原発について伺います。
 これは、地図を改めてお示ししています資料です。五キロ圏内、三十キロ圏内、いずれも、五キロが赤、三十キロはオレンジで示しております。十八万人が三十キロ圏内に居住しており、そのうち十二万人は我が京都府内ということになっています。
 一体ここの避難計画どうなっているかということで、福井県も試算されたようでございます。そうすると、舞鶴若狭自動車道、高速道でありますけれども、この舞鶴東インター、激しい渋滞が起こるということが既に判明しておりまして、夏は海水浴客が非常に増えるところで、五キロ圏内の住民の避難時間、これが何と七時間半掛かるということです。
 国道二十七号、これも重要な避難道、もう唯一と言っていい避難道になってくるわけですけれども、冬の状態どうなるか。以前、経済産業委員会でも紹介しましたところ、冬の日だけでしょうとおっしゃった大臣もおりました。しかし、この冬のときに事故が起こらないという確率は、全く保証はないわけで、実態は冬は身動き取れない渋滞がある。これは舞鶴市から毎年出されている要望書でもあります。結局、三十キロ圏内十八万人、この避難は極めて困難だと、一番責任持たなければならないという地元からそういう声が上がっているわけです。
 私、過酷事故が発生した場合、規制委員会も想定していると、住民の被曝が避けられない計画になるんじゃないかと思っているんですけれど、大臣、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(林幹雄君) 避難計画を含む地域防災計画は、原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針に従って、地域原子力防災協議会の下、地域の事情に精通した自治体と国が一体となって策定するものでございます。現行の指針では、放射性物質の放出前の段階で五キロ圏内の住民は即時避難することになります。また、五キロから三十キロ圏内の住民は、まずは屋内退避を行いまして、緊急時モニタリング結果に基づき避難をすることになるわけでございます。こうしたアプローチは、できる限り被曝のリスクを回避して円滑に避難できるようにしていくことを基本としております。
 なお、高浜原発の地域防災計画につきましては、昨年十二月、総理を議長とする原子力防災会議で各地域の計画の内容を確認し、了承されております。
 原子力災害対策にこれで完璧ということはございません。政府としては、地域防災、避難計画に対する支援と確認を継続して行いまして、その改善強化を図ってまいります。
#188
○倉林明子君 いや、完璧どころか全くこれでは不十分だという声が上がっているということを強くしっかり受け止めてもらわないと困ると思うんですね。
 福島でどんなことが起こったかというと、情報は伝わらない、汚染地域に避難路を選んだ浪江町というのはいまだに後悔していますよ。それに、屋内退避の指示に従ったら、今度は流通、物流が全く止まって、もう本当に逃げるに逃げられず、入院患者さんの死亡が起こった南相馬。五年たってもその苦しみは多くの人が引きずっておりますよ。政府は結局支援できなかった、これが、避難時、あの福島原発事故の大きな教訓でした。
 現状では避難計画できたけれども、避難する側の宮津市、そして避難者を受け入れる側の京田辺市、いずれも市議会で再稼働反対、明確な意見書を採択しております。それなのに、避難計画義務付けた三十キロ圏内どころか、五キロに位置する舞鶴もあるのが京都府です。原発の再稼働に対して物を言う権利、これが与えられておりません。三十キロ圏内の自治体から繰り返し、物が言えるように法制化してほしい、こういう要望が上がっているはずでございます。正面から応えるべきじゃないかと。いかがでしょう。
#189
○国務大臣(林幹雄君) 地元自治体の同意は、法令上は原発再稼働の要件ではございません。ただし、原発再稼働に当たっては、地元の理解を得られるよう丁寧に取り組んでおります。
 なお、理解を得る範囲や方法については、各地の事情が様々でありまして、国が法令等により一方的あるいは一律に決めるものではなくて、各地とよく相談して対応することとしているところでございます。例えば高浜原発につきましては、舞鶴市や綾部市など周辺自治体における住民説明会にも関係省庁の担当者が赴きまして、国の方針や対応について説明をしております。また、各地の事情や要望にきめ細かく対応をしまして、丁寧な理解活動を行ってきたところでございます。
 今後とも、立地自治体など関係者とよくコミュニケーションを取りつつ、適切に対応してまいりたいと存じます。
#190
○倉林明子君 そういうことをされてもなお物が言えないままだということで法制化の要望が上がってきているということは、大臣も御承知のとおりじゃないかと思います。それなのに深刻なリスクだけを押し付けているというのが実態じゃないかと思います。私、再稼働を拒否できるという権利があって当然じゃないかというふうに思うわけです。
 川内、高浜、再稼働される中で、高浜で起こった相次ぐトラブルと。大臣は所信でおっしゃいました。国民の原子力に対する懸念に真摯に応え、その信頼を高めていくというわけです。原発に対する国民の不信と不安、こうしたトラブルが起こっているという事実そのものが不信と不安を逆に広げているんじゃないでしょうか。いかがですか。
#191
○国務大臣(林幹雄君) 例えば高浜原発四号機で相次いだトラブルでありますけれども、これに関しましては、所管する大臣として大変残念に思っているところでございます。このようなトラブルを起こさないよう、関西電力においては細心の注意を払って慎重に取り組んでいくことは当然だと思います。今後とも、関西電力が安全を最優先に取り組むよう指導してまいりたいと思います。
 また、相次いだトラブルによって国民の間に不安の声が高まっているというのは感じているところでございまして、地元や国民の皆様の信頼を得られるよう、安全対策や避難計画などの防災対策、再稼働の重要性などについて丁寧に粘り強く説明してまいりたいと存じます。
#192
○倉林明子君 不安が広がっているという、感じているという答弁があったので、本当にそこは深刻に受け止める必要があると思います。
 そこで、かつて、過去の問題も確認しておきたいと思うんですけれども、高浜三、四号機で法令上報告義務のあるトラブルというのは、一体それぞれ何件起こっているでしょうか。
#193
○政府参考人(大村哲臣君) 高浜発電所のトラブルの発生件数についての御質問でございますが、これまでに高浜発電所で発生した原子炉等規制法に基づく法令報告事象は、三号機で十一件、四号機においては、先般二月二十九日に発生したトラブルも含めまして十二件でございます。
#194
○倉林明子君 合計二十三件ということになります。
 法令上報告義務のあるものということに限定しましたが、義務のないトラブルということになりますと更に多くなるんじゃないかというふうに思います。そこで、一九八四年以降、三、四号機だけを振り返ってみても、死亡事故が一件、原子炉の自動停止三件、そして手動停止一件と重大トラブルも起こしています。
 さらに、事故後初めて毒性が高いということで心配もされていますMOX燃料の使用、これに対する不安というのも今回あるんですよね。そこで、高浜三、四号機がMOX燃料の使用が可能な施設だと、これ認可したのはいつだったか、そして三、四号機、MOX燃料を使用した実績はどうか、確認させてください。
#195
○政府参考人(山田知穂君) 高浜発電所三号機、四号機におきましてのMOX燃料の使用を認める設置変更許可でございますけれども、いずれも平成十年十二月十六日に許可をしてございます。
 それから、MOX燃料の使用の実績でございますけれども、高浜発電所三号機におけるMOX燃料体の使用実績については、前回の施設定期検査において八体が装荷をされてございまして、さらに今回の施設定期検査において十六体が装荷されてございますので、計二十四体の使用ということで確認をしてございます。
 それから、高浜四号機におけるMOX燃料体の使用実績については、今回の施設定期検査においてMOX燃料体四体が炉内に装荷をされ、平成二十八年二月二十六日に原子炉が起動し、この四体が使用されているという状況にございます。
#196
○倉林明子君 確認ですけれども、四号機については、認可された後、今回の装荷が初めてということでよろしいでしょうか。
#197
○政府参考人(山田知穂君) 御指摘をいただきましたとおり、高浜発電所四号機におけるMOX燃料体の使用につきましては、設置変更の許可以降、今回が初めてということでございます。
#198
○倉林明子君 三号機、四号機、いずれも同じ時期にMOX燃料の使用の許可が出ていると、使用してもよいという許可が出されている。三号機については使用実績があるけれども、四号機はその後十八年使っていないと。それは何でだったのか、つかんでいますか。確認です、分からなければそれで結構です。
#199
○政府参考人(山田知穂君) 申し訳ございません、確認はしてございません。
#200
○倉林明子君 確認の上、御報告を願いたいと思います。
#201
○委員長(小見山幸治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#202
○倉林明子君 関西電力は、かつてMOX燃料のデータ改ざん事件ということを起こしております。直接四号機の使用がなかった件とリンクするかどうかは確認をさせていただきたいと思います。
 施設認可から十八年、これ、一度も四号機においては使用していなかったのがMOX燃料だと、四号機について言えばそうだと。それを、三号機についてはこれまでも使っていて、今回も装荷して使った、しかし四号機については、長期間にわたって使っていなかったものを初めて使うことになったと。こっそり使ったのと違うのかというふうに思わざるを得ないわけですよ。何で十分な説明もないまま四号機について初めての装荷となったのか。私は、こういうことをやるから一層国民の信用や信頼を失うことになるんじゃないかと思うわけです。
 そこで、高浜原発の四号機、三号機、今回使用停止ということで司法の処分が下されたわけです。しかし、この司法判断を正面から受け止めるということも含めて、国民の世論をしっかり受け止めるのであれば、三、四号機の再稼働は断念する、さらに、老朽原発である一、二号機、この再稼働はきっぱりやめるように、私、大臣から関西電力に要請すべきじゃないかと思います。いかがですか。
#203
○国務大臣(林幹雄君) 今回の仮処分命令を受けまして、関西電力は三号機を停止することにしたというふうに承知しています。四号機は停止中でありまして、引き続き当事者である関西電力の今後の対応を注視したいと思っております。また、高浜原発一、二号機につきましては、現在、原子力規制委員会による審査が進んでいるところでございます。
 いずれにしろ、原子力の利用に当たっては、いかなる事情よりも安全性を最優先しなければなりません。政府としては、原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるという方針に変わりはございません。
#204
○倉林明子君 その安全だという説明が国民の信頼を勝ち得るに至っていない、それは本当に事実だと思います。原発ゼロの決断をやっぱり直ちに行う、再エネ中心のエネルギー政策への転換、もうかじを切るときだというふうに思います。速やかな原発の再稼働を断念することを強く求めて、質問を終わります。
#205
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 明日で東日本大震災から五年となります。関連死を含めましてこの震災でお亡くなりになられた約二万人、皆様の御冥福をお祈りするとともに、今もなお避難生活を余儀なくされております十七万四千人の方々にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
 大臣の所信では、福島第一原発の廃炉・汚染水対策と福島の復興は経済産業省が担うべき最も重要な課題とされておりますが、各報道機関の調査等では復興が進んでいないという回答の方が圧倒的に多いんですね。NHKが二〇一二年、二〇一四年、そしてまた二〇一六年と二年ごとに行っているアンケート調査では、復興が想定よりも遅れている又は進んでいる実感がないと答えた人の割合が今回実は過去最高の八五%になってしまったんです。ですから、どんどん増えているんですね。復興に時間が掛かれば掛かるほど、当たり前のことですが、流出人口というのはどんどん増えていきますし、地域の産業も廃れてしまうということです。復興の遅れというのはその負のスパイラルをどんどん大きくしてしまうわけですから、この震災から五年たったわけですけれども、引き続きしっかりとした対策を打っていく必要があるんだろうというふうに思っております。
 経済産業省の平成二十八年度の予算では、被災地の中小企業へのきめ細かな支援ということで約四百億円の復興関係予算、これが計上されているんですけれども、実は平成二十七年度と比較しますと百億円減っているんですね。
 また、除染の費用負担、これを定められている東電が、もう御案内のとおり二〇一三年以降の分はもう払わないと、環境省から二百億円超の請求があったわけですが、払わないということを言い出しておりまして、それに対して経済産業省が支持するという立場を取っていらっしゃるという報道も拝見させていただきました。
 林大臣は復興の現状についてどのようにお考えなのか。順調に進んでいて、この予算を減額してもいいというふうに考えていらっしゃるのか。また、東電が除染、これを費用負担しなくていいということを言っているわけで、それに対して支持するということですから、そのような認識を持っていらっしゃるのか、お答えいただければと思います。
#206
○国務大臣(林幹雄君) 二点あったと思うんですが、復興が順調に進んでいるのかいないのか、それから予算が減額された件に関しまして、東電の除染に対する支払をしていない云々ありました。
 まず、所信でも申し述べましたけれども、福島の復興なくして日本の再生なし、この認識の下、やはり福島原発の廃炉・汚染水対策と福島の復興を最重要課題として位置付けて全力で取り組んできているわけでございます。一つ、廃炉・汚染水対策については、課題はありますけれども着実に進展しておりまして、今後も中長期ロードマップに基づいて、国も前面に立って安全確保を最優先に取り組んでまいります。
 復興の取組としては、まず昨年九月に、全住民の方が避難された自治体では初めて楢葉町の避難指示の解除が実現いたしました。一方、地元でいまだ復興に向けた道筋が見えないとの声も存在することも事実でございます。こういった声に寄り添いながら福島の復興再生を一層加速していくために、政府として、平成二十九年三月までに帰還困難区域を除きまして避難指示を解除して、住民の帰還が可能となるよう環境整備の加速に関係省庁一体となって取り組んでいるところでございます。さらに、イノベーション・コースト構想の実現、あるいは被災した市町村における産業やなりわいの再建に向けて地域の復興の後押しとなる取組を進めていっているわけでございます。
 新エネルギー分野については、未来の新エネルギー社会実現に向けたモデルを福島において創出すべく福島新エネ社会構想を取りまとめ、直ちに実行に移してまいりたいと思っているところでございます。課題はたくさんありますけれども、一歩一歩進んでいるというふうに認識しているところでございます。
 そして、予算の減額についてでありますけれども、被災地の平成二十八年度中小企業支援予算について、前年比で減額となっております。例えば、中小企業の施設復旧を支援するグループ補助金が百億円減となっています。しかしながら、これは減少幅を超える繰越し百六十億円が見込まれているためでありまして、執行は前年度を上回る見込みとなっております。このように、被災地の復興の状況を踏まえ必要な額を確保しているところでありまして、これからもしっかり進めてまいります。
 また、議員御指摘と思われる大熊町の復興拠点の除染費用でありますけれども、いまだ東京電力に対し求償が行われていないものと承知しているところでございます。
#207
○松田公太君 ありがとうございます。
 私の質問は、それについてどのように大臣としてお考えかということなんですが、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(林幹雄君) 復興について様々な課題があるものの、一歩一歩進展してきているというふうに認識しておりますから、一つ一つ福島に寄り添って取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#209
○松田公太君 除染費用が問題になっている件についていかがお考えかということですけれども。
#210
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 先ほど林大臣の方からございました大熊町の復興拠点の除染費用でございますけれども、これはまだ求償が行われていないものと承知をしております。
 それで、その上で申し上げますと、帰還困難区域、この除染につきましては、公共事業的な観点から復興再生のために実施するとされているところでございますけれども、私ども経済産業省といたしましては、東京電力が、今申し上げた点は実は閣議決定をされておりますが、この内容などを踏まえまして迅速かつ適切な賠償などが実施されますように、関係省庁と協議をしながら適切に対応していきたいと思っております。
#211
○松田公太君 明確にお答えいただけないわけですが。
 復興予算は、未執行の問題とか流用の問題とか多々出ておりまして、いろんな、国民から見てもちょっと不信感を持たれてしまっているんだろうなというふうに思っております。
 また、実質公的管理下にあると言ってもいいような東電、ある意味国の孫会社じゃないかなと私は思いますが、ここが、昨年、中間期として過去最高の利益出しているんですね、三千六百五十一億円。その中で、除染費用、これを払わないというのは、私はいかがなものかなというふうに思っておりますので、是非そこら辺をもうちょっと精査していただいて適切な指導をしていただきたいというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#212
○国務大臣(林幹雄君) そういう滞りがないように、適切に指導してまいりたいと思っています。
#213
○松田公太君 続きまして、先ほども倉林委員から話がありましたが、大津地裁について、仮処分決定についてお聞きしたいと思います。
 もう既に何回か今日も出ておりますが、昨日の菅官房長官の記者会見であったり、また本日の大臣の委員への答弁を確認しておりますと、今回の決定の後でも、やはり政府は、原子力規制委員会が世界最高水準と言われる新規制基準に適合すると判断した原発は引き続き再稼働していくと、方針に変更はないということを繰り返しおっしゃっているんだと思います。
 質問なんですが、その新規制基準が世界最高水準であるというのは、誰がどのような根拠を持ってそう評価されているのでしょうか。
#214
○政府参考人(多田明弘君) 事実関係として私の方から申し上げたいと思います。
 委員御案内のとおり、福島の事故の経験を踏まえて、その後、我が国の自然現象、それから地震、火山等が多いといったようなことも踏まえまして、さらにはIAEA等の国際的な標準というようなものを比較しまして、世界最高水準の厳格なレベルであるというふうにこれまで認識をして政府として御答弁を申し上げていると、このように認識をいたしております。
#215
○松田公太君 つまり、原子力規制委員会が、また政府がそれを聞いて、自分たちで世界最高水準であるという判断をされているということだと思うんですが、余り説得力がないのかなというふうにずっと思っております。少なくとも、二つの異なる裁判所から、もう既に決して世界最高水準だとは認められないんじゃないかという話が出ているわけですね。
 先ほども倉林委員から話が出ましたが、私も以前から指摘しております避難計画、これを定めていないという点ですね。誰がそこの責任者かということが全くいまだに不明確である。また、コアキャッチャーや二重の格納容器が要求されていないという点、他国の基準から見てもまだまだ不十分な点が多いんだろうというふうに考えております。本当に何をもって世界最高水準とおっしゃっているのかなと疑問が残ってしまうわけですけれども。
 現在の規制基準のままでは、原子力事業者は司法リスクがある意味高い中で原発再稼働を、私、進めなくちゃいけない、そういうことだと思うんですね。もう既に二回仮処分の決定が出されているわけですから。それでも原発推進のこのままでの方針を果たして見直さなくてもいいのだろうかということに私は疑問を持っているわけです。
 また、政府の方針に従って再稼働を進めた原子力事業者が司法判断によって損害を被ってしまった場合、例えば国家賠償、これを請求される私は心配もあるんじゃないかなというふうに思っておりますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。大臣からお答えいただければと思います。
#216
○国務大臣(林幹雄君) 今回の仮処分の決定は民事手続でありまして、国は直接の当事者ではございませんで、先生が言わんとしていることは分かりますけれども、決定の内容についてコメントは控えたいと思っております。
#217
○松田公太君 もし、今回は地裁ですけれども、高裁に行って、最高裁にこの話が行ってしまって、そこで最終的な結論、同じような判決が出た場合は、原発はもう稼働できなくなるという御認識はおありでしょうか、大臣。
#218
○国務大臣(林幹雄君) やはり仮定の話についてはちょっとコメントを差し控えたいわけでありますけれども、一般論で申し上げれば、仮に最高裁で原発の運転差止め判決が出たという場合には、その原発は動かせないものというふうに認識しております。
 個人的には、そうならないように期待しております。
#219
○松田公太君 そのとおりでして、そうなって、最高裁まで行ってしまったら、これは完全にデッドロック状態になってしまうというように思うわけですね。
 先ほども申し上げましたが、例えばそこまで掛かった費用、新規制基準で、これに合致すれば再稼働できるんだということでやってきた電力事業者さんが、何千億円と今掛けてやっているわけですけれども、じゃ、それでも再稼働できないとなったら、これは私は国家賠償されても致し方ない状況になってしまうんじゃないかというふうに危惧しているわけですね。
 今の新規制基準というものをやはり私、海外、もう一度、IAEA以外も含めて、いろんな第三者機関に協力要請して見直すということが必要な時期に来ているんじゃないかなというふうに考えております。様々な科学的根拠を持って、もうちょっと明確にこれは世界最高水準であると、他のどの国よりも厳しいんだということを一つ一つ証明できるような状況にしていっていただきたいと、このように考えているわけです。そうでないと、原子力事業者もそうですし、政府もそうですし、あと国民も、やはり大きなリスクを背負ったまま再稼働ということに直面しなくてはいけなくなるんだというふうに思うんですね。
 是非そのような形で検討していただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
#220
○国務大臣(林幹雄君) 私の範疇というよりも、むしろ規制委員会の、その基準云々であるとすればことになるんではないかと思いますので、コメントは差し控えたいと存じます。
#221
○松田公太君 じゃ、一言だけ、短くお願いします。
#222
○政府参考人(多田明弘君) 私の方から、先ほどの世界最高水準、自分で自分の評価をしているのではないかという先生からの御指摘でございまして、一点補足させていただきます。
 先ほど自然現象と申し上げましたけれども、地震、津波、火山、こういった自然条件の厳しさを勘案して、シビアアクシデントを発生させない対策を盛り込んでいる、それから、万が一重大事故が発生した場合であっても放射性物質の拡散を防止するような対策を要求している、さらには、これは世界各国に比べても進んでいるものでございますけれども、バックフィット制度、これを新たに規定をして、最新の知見を基準に反映してやっていく、こういったことを決めているわけでございます。
 具体的なことで一つ、二つだけ申し上げますと、非常用電源についても、七日間という、アメリカ、フランスよりも長い期間を設定しているところでございます。
#223
○松田公太君 それでは次の質問に移らせていただきたいんですが、所信の中で言及のありましたイノベーション・コースト構想ですね。その本来の意義というのは、福島浜通り地域の多くの自治体では、原子力関連企業が地域経済の中心だったわけでして、震災、原発事故によって産業基盤が失われてしまったため、そこを新たな技術や産業の拠点にしようというものだったと認識しております。県民の強い反対もあり、福島では原発の再稼働はあり得ない、それが元々この構想の建前だったんじゃないかなというふうに思います。
 林大臣にお聞きしたいんですが、このイノベーション・コースト構想というものと福島第二原発の再稼働、これは両立し得るものなんでしょうか。
#224
○国務大臣(林幹雄君) イノベーション・コースト構想は、福島浜通り地域に廃炉やロボットなどの先端技術を中核とした新たな産業集積を創出して、地域経済の復興を実現するものでございます。
 福島第一原発の廃炉を安全確実、迅速に進める上で、ロボットなどの最先端技術が不可欠でございます。これらの技術は、災害対策などの他の分野でも活用可能なポテンシャルがありまして、新たな産業創出の牽引役となることが期待されているところでもございます。こうした観点から、二十八年度予算案では、災害対応ロボットやドローンなど実証拠点の整備などのため、約百四十三億円を計上したところでございます。
 このように、この構想は、イノベーション・コースト構想は、福島第一原発の廃炉をきっかけとはしていますが、福島第二原発の再稼働の有無とは関係がなく、第二原発の再稼働がないとの認識の下、開始されたとの御指摘は当たらないと思っています。
#225
○松田公太君 ありがとうございます。
 中途半端だと私、実は思っているんですね。先ほど申し上げましたが、第二原発、これが再稼働するかもしれないという可能性が残った中で浜通りでの新技術とか新産業の創出、これは私は力が入らないんじゃないかなと。原発の周りにできた町、原発がまた再稼働するということであったら、じゃ何でそこに原発を否定しながら、ある意味新しい新エネルギーの拠点をつくっていこうとするのかということだと思うんですね。
 ですから、本気でイノベーション・コースト構想を実現するのであれば、私は、福島第二原発の再稼働はないと、もうこのまま廃炉にするという結論を出すべきなんじゃないかなというふうに考えております。
 第一原発では、政府の意向もあってそのような決断ができたわけじゃないですか。ですから、第二原発の廃炉も国が前面に立って指導して実現するべきじゃないかなと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#226
○国務大臣(林幹雄君) 第二原発に関しましては、ほかの原発が再稼働を申請しているような、それとは同列に考えることはできませんけれども、福島の心情に真摯に向き合って、事業者の東電そのものが決めるべきものというふうに考えております。
#227
○松田公太君 同列には考えられないということですが、やっぱり福島県民のことを考えても、私は再稼働はやっぱりあり得ないというふうに思うんですね。
 繰り返しですが、第一原発、これはしっかりと政府の方で指導力を発揮してできたわけですから、先ほど申し上げました、東電というのはある意味国の孫会社みたいな私は存在だと今思っておりますので、国が決断をすれば、政府が決断をすれば、第二原発もやはり廃止、再稼働しない、廃炉にするということが実現できるんじゃないかなというふうに思っておりますので、それを強く提言して、今日の私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#228
○委員長(小見山幸治君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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