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2016/05/10 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 経済産業委員会 第9号
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2016/05/10 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 経済産業委員会 第9号

#1
第190回国会 経済産業委員会 第9号
平成二十八年五月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月九日
    辞任         補欠選任
     長浜 博行君     大塚 耕平君
 五月十日
    辞任         補欠選任
     丸川 珠代君     島田 三郎君
     大塚 耕平君     長浜 博行君
     秋野 公造君     河野 義博君
     浜田 昌良君     新妻 秀規君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小見山幸治君
    理 事
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                山下 雄平君
                安井美沙子君
                倉林 明子君
    委 員
                岩井 茂樹君
                北村 経夫君
                島田 三郎君
                松村 祥史君
                吉川ゆうみ君
                渡邉 美樹君
                大塚 耕平君
                小林 正夫君
                長浜 博行君
                柳澤 光美君
                秋野 公造君
                河野 義博君
                新妻 秀規君
                浜田 昌良君
                清水 貴之君
                松田 公太君
                和田 政宗君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   林  幹雄君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       北村 経夫君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      中西 宏典君
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        山田 昭典君
       文部科学大臣官
       房審議官     板倉周一郎君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       資源エネルギー
       庁長官      日下部 聡君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       荻野  徹君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  山田 知穂君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  青木 昌浩君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       廣瀬 直己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○原子力発電における使用済燃料の再処理等のた
 めの積立金の積立て及び管理に関する法律の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小見山幸治君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、長浜博行君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小見山幸治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、資源エネルギー庁長官日下部聡君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小見山幸治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小見山幸治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(小見山幸治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(小見山幸治君) 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。おはようございます。
 本日はいわゆる使用済燃料再処理法の審議でございますが、その前に少し、前回もこの場で質問させていただきましたものづくり補助金について質問をさせていただきたいと思います。
 これにつきましては、前回、熊本の震災も受けまして、こういう補助金の活用なんかも是非御検討いただきたいと大臣に御要請させていただいたところでございますけれども、各地を回らせていただきまして、このものづくり補助金は総じて評価は高いです。中小企業の方々が生産性の向上をする上で活用されているということですが、幾つか、でも少し危惧する声とか問題点も聞いておりますので、その点について少し最初お聞きしたいと思います。
 まず、このものづくり補助金、補正予算で大体今まで計上されてきているんですが、今まで基金化をしてきたので割と執行については柔軟にできたという面もあったんですが、昨年度の補正予算からこれが基金化でなくなったということがあります。その辺によって、公募スケジュールだとか、またいわゆる事故繰越しといいますか、年度内に終わらないときにどうなってしまうんだろうかというようなところの危惧も聞こえたりしますし、また申請書類の関係でもあります。かなり簡素化もしてきていただいているんですが、いろいろ聞いてみますと、慣れている事業者と慣れていない事業者が大分ちょっと二分化してきている状況もあるようでございまして、まあ慣れている方々はこの補助金を二回、三回と御利用されて、非常にこれいいなという形もあるんですが、なかなかこの書類になじめないという方もおられるのも事実だと思うんですよね。
 それで、まず最初にお聞きしたいのが、今回のこの補正予算が基金化ではなくて普通の予算になったということによって公募回数が減るなどの使い勝手が悪くならないのか、その辺についてどのような工夫がなされているのかについて中小企業庁長官にお聞きしたいと思います。
#9
○政府参考人(豊永厚志君) お答えさせていただきます。
 今委員の御指摘のございましたとおり、ものづくり補助金につきましては二十七年度補正から基金化ではないという方式を取らせていただいてございます。
 これは、過日、行政改革推進会議において取りまとめられました基金の点検の強化というルールがございますけれども、これに照らしまして関係省庁間で真摯な検討が行われた結果、この本補助金については基金方式を取らないということになったものでございます。そのために、私どもといたしましては、委員の指摘にございましたように、交付金の交付事務の短縮化など、全面的な見直しを行っているところでございます。
 まず、具体的には、申請書類の簡素化でございますけれども、申請者情報、事業の概要、それから経費の明細書という三枚で足りますということを徹底しているところでございます。また、今回、新たに見積書を添付していただければ、費用の積算が適当であるというところの確認を合理化することによって速やかに交付決定するという措置を導入することとしております。また、二十六年度からでございますけれども、ミラサポにおいてオンライン出願を認めてございますけれども、これによりますと自動的に数字の整合や入力漏れがないという形のシステムを整備してございます。
 また、申請書類の書き方のマニュアルという要請もございまして、これにつきましては、公募要領の中でどうした記載例が適当かということをお示しすることで対応させていただきたいと考えてございます。
#10
○浜田昌良君 今、申請書類のマニュアルという話もありました。これ非常に重要でございまして、実は、確かに申請書類見させていただきました。裏表で三枚、合計六ページの申請書なんですが、この中で、5.の具体的な事業内容、この項目についてこういう注意書きがあるんですね。主にこの内容について審査委員会で審査をしますと書いてありまして、その一として、革新的な試作品開発、生産プロセスの改善、具体的な取組内容、その二として、将来の展望、特に本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待される効果と、こう表はなっているんですが、これをどこまで詳しく書けばいいんだろうかというのが非常に事業者の方が迷っておられるところでございまして、ある事業者はこの項目で数百ページ書いたりする方もおられますし、また数十ページの方もおられますし、しかも、審査員の方が必ずしもこの分野に御専門でない方も審査されるかもしれないので、割と専門用語をなるべくかみ砕いて書く必要があるのかなとか、いろいろ迷われているんですね。
 その結果として、ある事業者の方々は、特定のこういう書類作成にたけた方が従業員におられない方も多うございまして、経営者自身が書けないということで、今、外部のコンサルを使われたりもされています。どれぐらいコンサルが使われているかと相場観を聞きますと、補助金の一割ぐらい掛かっているらしいという話も聞いたりはします。
 そういう意味では、そういう書類の良しあしではなくて、やはり技術の良しあしで採択されていくというのが本来の趣旨だと思いますし、経営者の方々はなかなか、書類にたけているよりもやっぱり経営なり技術の開発にたけた技術者、経営者の方々の案件を選んでいただくのが非常に重要と思いますので、このマニュアルの整備を是非お願いしたいと思っています。
 もう一点は、先ほども冒頭申し上げましたように、これがいわゆる基金化ではなくて普通の予算になったことによりまして、年度末に発注した設備がたまたまこれが納入できなかったということによって、これが、補助金を受けられないんじゃないだろうか、そういうことで本来、我々もよく役所にいた時代には事故繰越しという手続も取ったりしたわけでございますけれども、これを非常に弾力化してやってほしいなという声もあるわけです。この辺につきまして、もう一度長官から御答弁いただきたいと思います。
#11
○政府参考人(豊永厚志君) まず、マニュアルについてお答えしますと、私どもは三枚で結構ですと申し上げても、たくさん書いた方がいいという風評というのはなかなかなくなりませんで、どうしても熱心に書かれる方がおられるのは確かでございますので、うまい言い方で過剰な記載内容は不要ですということを改めてお示ししたいと思っています。
 実は、過去、モデル例を示したことがあるんです。フォーマットに記載して、これに似た様式で出していただければといったら、全く同じ文言でかなりの数が返ってまいりまして、これに苦慮したこともございますものですから、その上で、今回申し上げましたように、募集要項の中で例えばこういう記載という形で丁寧に参考になるような情報を提供していきたいと思ってございます。
 また、委員からお話のありました事故繰越しの類型化でございます。これは東日本大震災のときのグループ補助金などに適用になってございます。これは、先々がほとんど予測できないという特異な状況下で可能となったということで、政府、省庁を超えた会議の中で認められた制度でございますけれども、こうしたこともトライしましたけれども、残念ながら、ものづくり補助金についてはそうした特殊な環境下にはないということで見送られた経緯がございます。
 いずれにしましても、事業者の利便の観点から最大限の努力をしてまいりたいと考えてございます。
#12
○浜田昌良君 是非、事業者の置かれている状況を、つぶさに寄り添う視点でそういう対応を取っていただきたいと思います。
 それでは、本題の方に移りたいと思います。
 本日の法案でありますけれども、いわゆる使用済燃料の再処理法案でありますが、実は、この元々の法案は、今から十一年前、この経産委員会で審議がされていまして、平成十七年五月十二日なんですね。実は、そのときも私、質疑をさせていただきました。当時は、焦点は何かといいますと、いわゆる日本の全量再処理をするのか、それとも直接埋設をするのか、またそれを判断をしないのか、そういう当時の原子力委員会の中間報告が出ておりまして、四つのオプションというのが出たわけですね。それの中で、当時の中間報告は、全量再処理というのがいろんな観点からいうと最適であるという判断をされて、それをベースにして積立金法案というのを審議していったというのは覚えているわけでございますけれども。
 当時の議事録を見させていただきますと、じゃ、なぜ日本が全量再処理がいいかというと、いろんな国が、これ全量再処理をしている国もあれば、また直接埋設している国もあったわけでございます。
 当時のエネ庁長官の答弁なんですが、総じて申し上げますと、フィンランド、スウェーデン、ドイツ、ベルギーといった原子力発電の規模が小さい国でございますとか、あるいは原子力発電から撤退をするということを基本方針にいたしております国、それからアメリカ、カナダのように国内にエネルギー資源が豊富な国は直接処分を選択しております一方、フランス、ロシア、中国など原子力発電の規模が大きい国や原子力発電を継続あるいは拡大利用することを基本方針としております国、あるいは国内のエネルギー資源が乏しい国は再処理を選択しているという傾向が見られるわけでございますという答弁もございました。
 当時は、福島の事故の前でございましたし、我々自身も原子力発電についてはかなり、むしろ比率を高めていくことが地球環境にも優しいと判断をしておりましたし、また、一定の規模になるかなというあるいは予測の下で、そのオプションの中で全量再処理を前提としたこの積立金法案という議論をさせていただきました。
 その後、残念なことに五年前に福島の事故がありまして、原子力規制委員会の方で新しい基準も作られまして、その基準をクリアしなければ再稼働はできないとなりますと、福島原発前はたしか五十四基あったかもしれませんが、かなり基数も減ってくるのかなと、ウエートもかなり減ってくるのかなということもありまして、そういう意味では、この当時の原子力政策大綱が平成十七年十月に示されていた四つのシナリオの中で、そういう福島事故であったりとか、一方でまた高速増殖炉の「もんじゅ」につきましてもなかなかうまくいっていないという状況もある中で、このシナリオの現時点での評価について、まず内閣府からお聞きしたいと思います。
#13
○政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、平成十七年当時に原子力政策大綱というのが作られまして、四つのシナリオをベースにいろんな観点で評価を行いました。その結果、使用済燃料を再処理し回収されるプルトニウム、ウランを有効利用するという方針が示されたところでございまして、その後、福島原子力発電所の事故以降、いろんな視点から更にまた我が国の原子力政策が見直されました。
 その結果でございますけれども、平成二十六年にエネルギー基本計画というのが閣議決定されましたけれども、その中でも核燃料サイクル政策は推進するというふうに位置付けられているということでございまして、その後、いろんな原発の稼働の状況を見ますと、先生御案内のように川内原発のみが現在稼働しているという状況でございます。
 他方で、中長期的には、二〇三〇年においては依然原子力依存度を二〇から二二%程度というふうに考えているところでございまして、現在、川内原子力発電所以外の原子力発電所につきましても再稼働に向けた審査等々が進められているというふうに認識しておりますし、また、「もんじゅ」につきましても、いろんな指摘を踏まえて検討会が設置されて議論が進められているということでございますので、こういったものを踏まえながら、今後の取扱いにつきましても、引き続きいろんな状況を勘案しながらしっかりとした形で注視をしていくというのが現在の状況になってございます。
#14
○浜田昌良君 今の点につきましては、衆議院の審議の際に附帯決議がなされています。どういうことかというと、「核燃料サイクル政策の将来における幅広い選択肢を確保する観点、さらに、すでに発生している研究炉の使用済燃料や福島第一原子力発電所の使用済燃料対策の観点から、使用済燃料の直接処分や暫定保管を可能とするための技術開発や必要な措置など、多様なオプションの検討を進めること。」という附帯決議がなされました。そういう意味では、あくまでもエネルギー基本計画の観点からいえば全量再処理をベースにしておりますけれども、多様なオプションは検討していくとなったわけであります。
 そういう意味で、今回の法律はまた衆議院の段階では法案修正もされておりまして、見直し規定が五年から三年になったわけでございます。そういう意味では、今回多様なオプションの検討を行いまして、この附帯決議も踏まえまして、その結果を、この法律の三年見直しがあるわけですから、その法律見直しに反映すべきと考えますが、この辺につきましては是非大臣にちょっとお考えを述べていただきたいと思います。
#15
○国務大臣(林幹雄君) 先生御案内のように、我が国は利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を堅持しておりまして、プルトニウムの回収と利用のバランスを十分に考慮しつつ、プルサーマルの推進等によりプルトニウムの適切な管理と利用を行うものでございます。この趣旨は、エネルギー基本計画にも明記しているところでございます。
 これまでも我が国は、利用目的のないプルトニウムを持たないとの原則を遵守するために、事業者がこの原則の下、プルサーマルや再処理等を実施するよう指導しまして、原子力委員会が事業者が策定するプルトニウム利用計画の妥当性を確認するとともに、核不拡散条約に基づきIAEAとの協定を締結し、その厳格な監視の受入れなどを行っております。さらに、この法案が成立すれば経産大臣が再処理等事業の実施計画を認可することになるわけでありまして、政府の方針に反する計画が策定されることは想像し難いのでありますが、万が一そういう計画が策定された場合には、当然のことながら認可しないということになります。
 これらの取組により長期的にプルトニウムが漫然と増加するようなことはあり得ないし、今後ともプルトニウムの適切な管理と利用を行ってまいります。
#16
○浜田昌良君 大臣から今プルトニウムの適切な管理の方の答弁をされたんですが、今質問させていただいたのは法律のいわゆる見直しのところでございますので、そこはもう一度、再答弁お願いしたいと思います。
#17
○国務大臣(林幹雄君) 核燃料サイクルを進める上で、多様なオプションを検討することは大変重要であるというふうに思います。エネルギー基本計画においても中長期的な対応の柔軟性を持たせるということとしているところでございまして、これは様々な要素を総合的に勘案して、状況の進展に応じて戦略的柔軟性を持たせながら対応を進めるという趣旨でございまして、この方針で適切に取り組んでまいります。
 その上で、将来的に状況が変化して政策の見直しが必要になるというような場合には、浜田先生からの御指摘や、あるいは衆議院の経産委員会における附帯決議の内容なども踏まえて、本法案についても見直しを検討し、必要な措置を講じていくということは当然だろうというふうに考えております。
#18
○浜田昌良君 多様なオプションを検討していただきまして、その後の事情変化も踏まえてしっかりと三年見直しについてはしていただきたいと思います。
 今大臣からも総括的に御答弁いただきましたが、少しテーマを区切って質問をさせていただきたいと思います。
 プルトニウムバランスについて内外に危惧があると、その中でこの法案であります。これについては、やはり明確なスタンスを今回政府としてはっきりしていく必要があると思っています。
 今、国内外に我が国が保有するプルトニウムは四十八トンと言われていますけれども、その中で核分裂性のものは三十二トンであります。このMOX化を事業者に優先させるべきじゃないかという御意見があるわけですね。
 といいますのも、今回の法案の、再処理等というのが法案の対象なんですが、等にはMOX燃料化も含まれるという意味ではこれは一歩前進だと思っていますが、ただし、この再処理なり再処理等のMOX燃料化というのは、あくまで既存契約分の再処理とか既存契約分のMOX燃料化は一応外れるということに法案上なっているわけですね。つまり、拠出金の対象外となってしまうことによって既存プルトニウムの消費が遅れてしまうことにはならないんだろうかということが危惧されるわけですが、これにつきまして大臣政務官に御答弁をお願いしたいと思います。
#19
○大臣政務官(北村経夫君) お答えいたします。
 御指摘の海外におけるMOX燃料加工事業につきましては、本法案における拠出金制度の対象外となっております。これは、海外におけるMOX燃料加工事業について、拠出金単価の算定の前提となります費用の特定が困難であるという技術的な制約を理由としております。
 この費用の特定が困難であるという理由でございますけれども、これは、海外におけるMOX燃料加工事業というのは、現状におきましては民民の交渉に基づきまして加工料金が決定されている、情報開示がなかなかされてこないという、そういったことから、費用の総額、これが原子力事業者も把握できないということがございます。このために、技術的な制約を理由として今回の対象外としているところでございます。
 他方、我が国は、大臣も答弁で触れておりましたけれども、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を堅持しております。海外で回収、保管されるプルトニウムもその対象であることは当然であろうかというふうに考えております。
 したがいまして、本法案の対象であるか否かにかかわりませず、海外分も含めてプルトニウムの適切な処理と利用を行うものであります。このため、政府として、事業者によるプルトニウム利用計画の内容をしっかり確認するとともに、プルサーマルの円滑な実施のための対応を進めるなど、引き続き適切に対応してまいりたい、そのように考えております。
#20
○浜田昌良君 先ほども大臣からは、中長期的にプルトニウムが増えていくことはないと明確な答弁もあったわけでありますけれども、二〇一八年度上期までに再処理施設が稼働予定となっておりまして、そのときまでに電気事業者はプルトニウム利用計画を策定すると、そういうことになっているわけでございますね。
 その内容として、先般、一定の時間軸の下、プルトニウムの消費を進める内容が盛り込まれるものと認識と大臣は答弁されました。これについて経産省として、一定の時間軸という話もあったんですが、何年ぐらいの時間軸を認識としてお持ちなのか、大臣政務官に再度答弁いただきたいと思います。
#21
○大臣政務官(北村経夫君) 委員御指摘のとおり、電気事業者は、六ケ所再処理工場でプルトニウムの回収が開始されるまでに新たなプルトニウム利用計画を策定することとしております。この計画には、一定の時間軸の下、プルトニウムの消費を進める内容が盛り込まれるものと認識しております。
 ちなみに、二〇一〇年に策定されましたプルトニウム利用計画では、二〇一五年までにといった時期が設定されております。したがいまして、新たな計画におきましても何らかの時期や期間が設定されるものと考えており、例えば五年か十年といった期間を念頭に置きまして、一定の時間軸の下でプルトニウムの利用を示していくことになるのではないかと考えております。
 こうした一定の時間軸の設定はプルトニウムの適切な管理と利用を行っていく上で重要な要素の一つと考えておりまして、そのような対応を事業者が行うことを期待しているところでございます。
#22
○浜田昌良君 今政務官の方から、事業者が策定するプルトニウム利用計画につきましては、二〇一〇年のものについては二〇一五年という年数があったことから、今後策定されるものについても五年とか十年という年数が一定明確にされると。このことは重要だと思います。このことが、日本がいわゆる明確に利用目的のないプルトニウムは持たないということをよりはっきりさせるということでございますので、是非そういう方針で臨んでいただきたいと思います。
 そういう意味では、今般の法律によりまして、認可法人が策定する再処理等事業の実施計画の認可につきましては、大臣はこう答弁されていますね。利用計画のないプルトニウムは保有しないという政府の方針に反する計画が策定された場合には認可しないと、こういう明確な答弁を今までもされているわけでございます。
 そういう意味では、中長期的に見てもプルトニウム保有量が明らかに増えていくような計画は認可はしないということを、再度もう一度、この点については重要な点でございますので、大臣から御答弁をいただきたいと思います。
#23
○国務大臣(林幹雄君) 先ほども申し上げたところでありますけれども、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を堅持しているわけでありまして、その上で、今、浜田先生御指摘のように、中長期的にプルトニウム保有量が明らかに増えていくような計画を策定した場合、これは新たな認可法人は当然のことながら認可しないということになります。
#24
○浜田昌良君 今大臣から、当然のことながら認可しないという明確な答弁がございました。
 その認可しないという条文上の根拠なんですけれども、これについては法律の四十五条二項一号に、再処理等が適切かつ確実に実施されると見込まれるものであることということに該当しているかどうかで判断されるという答弁もあるわけですけれども、この再処理等というのは、一応これはこの法律上の再処理等でありますので、あくまでもいわゆる民民契約のものは含まないものと定義上なっているんじゃないかと思うんですが、この条項で十分と言えるんでしょうか。これは政府委員の方から、ちょっと細かい話なので答弁いただきたいと思います。
#25
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 先生今御指摘のとおり、海外におけるMOX燃料加工事業、これにつきましては、先ほどもございましたように、技術的な理由ということで拠出金の対象から除外をしているところでございますが、他方で、海外で回収、保管されるプルトニウムも、利用目的のないプルトニウムは持たないと、この原則の対象であることは、これは議論するところのないところだと思っております。
 したがいまして、海外で回収、保管されるプルトニウムを念頭に置きました上で、政府の方針に反するような計画が策定された場合には、先ほど来大臣からも御答弁されておりますけれども、認可しないということでございますが、その根拠は、今先生御指摘の法案の第四十五条二項一号の規定、これは使用済燃料の再処理等が適切かつ確実に実施されると見込まれるものであることということに該当するかどうかということでございます。
 法案の対象として、拠出金の対象としては海外におきますMOX燃料加工事業が対象となっていないわけでございますけれども、しかし、計画の認可に当たりましては、再処理等の事業全体を適切に実施できるかどうか、それに支障がないかどうかをきちんと勘案して判断することは当然のことだと思っております。
 したがいまして、海外について何か不測の事態といいますか、消費がされていかないとかそういったようなことがある場合には、これは認可しないということになろうかと思います。
 ちょっと参考までに申し上げますと、六ケ所再処理工場あるいはMOX燃料加工工場の竣工はそれぞれ二〇一八年度上期、二〇一九年度上期と予定されております。また、これもすぐにフル稼働するわけではございません。したがいまして、当面は、事業者のサイドから考えますと、海外で回収されたプルトニウムをMOX燃料に加工してプルサーマルを進めていくということになるということが想定されるところでございます。
 したがいまして、海外分のプルトニウムの消費あるいはMOX燃料の加工というものが後回しになるとか、そういった状況等は私どもとしては想定をしていないところでございます。
#26
○浜田昌良君 是非そういう方針で取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、エネルギー基本計画の部分に質問を移りたいと思いますが、エネルギー基本計画、平成二十六年四月十一日に閣議決定されておりますけれども、ここにおきましては、再処理やプルサーマル等の推進についてはこういうふうに記載があります。「我が国は、資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化・有害度低減等の観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する核燃料サイクルの推進を基本的方針としている。」ということで、先ほどございましたように、四つのシナリオの中でも再処理をベースにするということを再確認したわけでございますけれども、この中で再処理を選択する理由としては三つ挙がっているわけですね。資源の有効利用、高レベル放射性廃棄物の減容化、そして有害度低減ということの話があるんですが、これにつきまして、幾つか、軽水炉プロセス、また高速炉プロセス、それぞれについてどれぐらい有害度が低減するんだ、またいわゆる減容化ができるんだについては数字があるわけであります。
 これについては、まず軽水炉プロセスについてお聞きしたいと思いますが、放射性廃棄物が四分の一に低減すると、また有害度が十分の一に低減すると言われているわけでございますけど、これの根拠はどうなっているんでしょうか。特に、一部では、いわゆるプルサーマルにすれば使用済MOX燃料というものも出てくるわけでございますので、その処理を踏まえてもこの有害度なり廃棄物の低減効果は言えるのかについて御答弁いただきたいと思います。
#27
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今御指摘の点でございますけれども、こちらにつきましては、直近では平成二十四年に文部科学省さんの審議会におきまして提出されたJAEAの方で試算したものがございます。現在もその試算結果に変更はないと承知をしております。
 軽水炉において、その減容化、要は量を減らすという部分でございます。こちらにつきましては、直接処分をする場合を一としたときにどの程度に軽水炉だと圧縮されるのかと、こういうことでございます。
 ちょっと、これも補足でございますけれども、まず、直接処分をするのとそれから再処理をするのでは、九五%を有効利用いたしまして残り五%の廃液が出るという状況になります。したがいまして、この時点ですと二十分の一になるわけでございますが、実際には、廃液をガラスに固化するというプロセスと、それを更に、ガラス、オーバーパックにし、粘土で囲みと、こういったプロセスをやるということで、全体として容器ごと比較した場合にどうなるかというものを試算していただいております。その結果、直接処分を一とした場合に軽水炉ですと大体〇・二二ということで、これで四分の一ぐらいに減容化すると、こういうふうな試算がなされております。
 それから、有害度の低減につきましては、これは実は二つのやり方がございまして、一つは千年後の有害度がどうなっているかというものを比較する場合と、それから天然ウラン並みになるまでの期間がどれだけ掛かるのかと、こういった両方の、二つの数字が出されております。
 千年後の有害度という観点からいたしますと、直接処分を一とした場合に軽水炉は〇・一二、これは大体十分の一ぐらいになるということでございますし、他方で、天然ウラン並みになるまでの期間といたしますと、直接処分が十万年に対しまして軽水炉は八千年、これは大体十二分の一になる。この二つの数字が示されているところでございます。
#28
○浜田昌良君 今、軽水炉プロセスについての御説明があったわけですが、次に、いわゆる高速炉プロセスについての研究の状況について文科省にお聞きしたいと思います。
 これについては、高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度の研究として進められている核変換技術、高速炉利用型というのと階層型というのがあるらしいですが、それぞれ二十八年度の予算、実用化のロードマップはどうなっているんでしょうか。また、これらについて実用化時期を早めるためにはどのような手だてがあるのかについて答弁いただきたいと思います。
#29
○政府参考人(板倉周一郎君) お答えいたします。
 エネルギー基本計画におきましては、放射性廃棄物の減容化、有害度低減のための技術開発としまして、高速炉を利用する核変換技術、もう一つは加速器を利用する核変換技術の二つの方式の研究開発が位置付けられております。
 一つ目の高速炉を用いた核変換技術につきましては、平成二十八年度予算に研究開発費としまして約六億円を計上してございます。この研究の中核となります「もんじゅ」でございますけど、これは運転再開しました後、もんじゅ研究計画で定められた研究を進め成果を取りまとめていくこととしておりますが、そのためには、まずは原子力規制委員会から発出されました運営主体に関する勧告などの課題を速やかに解決するようしっかりと対応してまいりたいと考えてございます。また、高速実験炉「常陽」につきましても、新規制基準へ対応した上で研究を再開してまいりたいと考えてございます。
 他方、加速器を利用する核変換技術、これは階層型とも呼ばれておりますが、これにつきましては平成二十八年度予算には約九億円を計上しております。
 平成二十五年十一月に文部科学省科学技術・学術審議会の下にある作業部会が取りまとめました群分離・核変換技術評価についてという報告書ございますが、これにおきまして、おおむね二〇五〇年頃に実用プラントの運用によるマイナーアクチノイドの核変換を想定したロードマップというのが示されてございます。
 これらの技術開発につきましては長期の取組が必要でございまして、現時点では様々な要素技術開発に取り組むことが実用化のために必要であると考えてございます。このロードマップに従いまして、着実に取り組んでまいりたいと考えてございます。
#30
○浜田昌良君 今答弁にマイナーアクチノイドという言葉がありましたが、いわゆる半減期が非常に長いものを短くしていくという研究は重要なんですが、数億円程度の研究というのはちょっと、もうちょっと拡充した方がいいんじゃないでしょうかね。これについては、そういう高速炉を使ったプロセスについて、本当に実用化できるのかという懸念もあるわけですから、再考をお願いしたいと思います。
 今日は、質問の内容は、主に今回の積立金を認可法人に変えていくというのは非常に、これは電力の自由化の中で必要な法案だと思っておりますが、今回のいわゆるプルトニウムバランスであったりとか、いわゆる核燃料サイクル全体についてのやっぱり国民の信頼性、これをしっかりベースに御理解いただくことが今回の法案のベースになると思いますので、その辺について更に経産省また関係省庁を挙げて国民理解の推進に取り組んでいただくことをお願いしまして、私の質問を終えたいと思います。
#31
○小林正夫君 おはようございます。民進党・新緑風会の小林正夫です。
 法案の質疑に入る前に、熊本の地震の関係で二点質問をさせてください。
 今日は田中原子力規制委員長にお越しいただきたいとお願いをしたんですが、環境委員会と重なっているということで、原子力規制庁に来ていただきました。まず、規制庁にお伺いをいたします。
 田中原子力規制委員長は、熊本地震に関して、四月の十八日の記者会見で、川内原子力発電所の運転を今のところ止める必要はない、この旨の記者会見を行ったと、このように報道されております。委員長が止める必要がないと、こういうふうに判断した理由は何だったのかということと、四月十八日の記者会見から今日まで二十日間ほどが経過しております。そして、今日の朝八時現在で震度一以上の地震が千三百六十六回起きていると、このように報告されておりますけれども、こういう状況でも四月十八日の記者会見の見解は変わらないと、このように受け止めていいかどうか質問をいたします。
#32
○政府参考人(山田知穂君) 今回発生をいたしました地震で川内原子力発電所に及んだ影響ということでございますけれども、今回の地震では、観測をされました最大の地震動が数ガルから数十ガルといったような値になってございます。この値は、原子炉を自動停止させる、いわゆるスクラムさせる設定値が八十ガルから二百六十ガルということでございますので、それと比べても小さな値ということでございます。
 さらに、新規制基準で適合性の審査をしてございますけれども、その中では、この川内原子力発電所については、地震加速度六百二十ガルに対しても安全上重要な設備については影響はない、機能は損なわれないということを確認しているところでございます。これが今回の地震で影響がないというふうに委員長が発言をしております根拠でございます。
 今申し上げました値というのは、最大の地震動がありました本震の際に観測されました地震動でございますので、それ以降の地震動はこれ以下ということでございますので、現時点、問題がないという判断は変わっているところではございません。ただし、今後の状況については引き続きしっかりと確認をしていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
#33
○小林正夫君 もう一点、経産大臣に質問をいたします。
 今回の地震でインフラの設備が相当被害に遭った。水道を始めとして、ガス、それと電力、この復旧は、大変現場の人、本当に危険な状況の中でよく頑張ってくれていると、このように私思っております。電力については停電は解消できた、そして、ガスについても復旧ができた、水道がごく一部給水車で給水していると、こういう状態だということを聞いておりますけれども、本当に現場で頑張ってくれた人に対しては改めて敬意を表したいと、私はこのように思います。
 そこで、今回、電力の停電への対応なんですけれども、電力システム改革の第三弾の審議で、送配電分離という審議を行いました。そのときに、私は、送配電分離することに相当リスクがある、こういう趣旨の質問を何点かいたしました。
 今回、電力会社はこの四月からライセンス制になって、発電部門と送電部門と小売部門と、このようにライセンスとして一応分かれた、こういう状況があったんですけれども、本当に全国の電力マンが結集をして、おおよそ千五百名規模だと、このように聞いておりますし、百十台の発電機を積んだ車ですね、こういうやつを北海道から沖縄の電力会社が持ってきてこの復旧に当たったと、このように聞いております。
 そういうことで、四月の二十日の十九時十分には、崖崩れや道路損壊箇所などの復旧の困難箇所を除いて高圧配電線の送電が完了したと、このように報告を受けました。そして、四月二十七日には阿蘇大橋付近の送電鉄塔の仮工事が完了して、発電機車から商用の電源に切替えもできたと、このように聞いております。
 そこで、先ほど言ったように、大臣、今回、電力システム改革で二〇二〇年の四月から送配電を別会社にすると、このようなことが法律で決まったわけなんですが、要は、分離しても今回のように迅速に停電復旧ができるのかどうか、このことが大変私は心配という思いがあって、システム改革の中で質疑をさせていただきました。その結果、この参議院の経済産業委員会の附帯決議の中に、災害時などの緊急時における電力の安定供給確保に向けた仕組みの確保、これをきちんとしなさいと、こういう附帯決議を付けさせていただきました。
 したがって、この検討に当たって、今回迅速に停電復旧ができた、このことをしっかり踏まえた上でこれらの検討を進めるべきだと、私このように思いますけれども、大臣の見解と、それと、今回迅速に停電復旧ができた、このことに対して大臣がどのように受け止めているのか、お聞きをいたします。
#34
○国務大臣(林幹雄君) 今回の震災では約四十七万七千戸の停電が発生したわけでありますが、九州電力は最大三千六百人を動員しまして復旧作業を実施いたしました。経産省としては、本震直後の十六日の朝、全国の電力会社の電源車による応援が行えるよう、電気事業連合会及び電力広域的運営推進機関に対しまして必要な準備を要請するなどをしたところでございます。
 こうしたことから、九州電力からの依頼を受けた北海道から沖縄までの全国の電力会社により、電源車百十台のほか、高所作業車など関係車両約八十台、応援人員延べ七百人以上が被災地に派遣されたわけでございます。そして、相次ぐ余震や豪雨といった悪条件の下でも、復旧作業をこうした多くの関係者が支えまして、連携協調して取り組んだ結果、停電発生から五日でその停電をおおむね解消させることができたわけでございます。
 電力自由化が行われまして、今後、発送電分離が行われた後も、災害時の対応において各電力事業者間、各部門間が連携協調して対応していくことが重要だろうというふうに考えます。
 今回の熊本の停電復旧は、全国の一般送配電事業者、十電力の送配電部門でありますけれども、これが連携協調して対処したものでございまして、一般送配電事業は、自由化が進む中でも総括原価方式などにより費用回収が保証された事業でございまして、今後もこうした枠組みの中で連携協調が図られていくものと期待しているところでございます。
 また、災害時には、送配電部門同士のみならず、発電部門、送配電部門が連携協調して停電復旧などに対応することが必要な場合も予想されるわけでございます。そのため、平時からの情報共有も含め、昨年四月に発足した電力広域的運営推進機関において、事業者が協力して対処する仕組みを整備しているわけでございます。
 今回の停電復旧の経験と教訓を踏まえて、災害時対応の更なる強化に向けて引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
#35
○小林正夫君 今回の事例、経験を参考にして、停電が起きた場合でも迅速に復旧できるような、こういう体制を送配電分離した後も構築できるように、しっかり政府としても検討を進めてもらいたい、このことをお願いをいたします。
 それでは法案の審議に入ります。
 まず、今法案が原子力事業者へ与える影響についてお聞きをいたします。
 大臣、事業環境に与える影響なんですけれども、これは昨年の電力システム改革法案の中で、私は、総括原価主義が撤廃されることに対して、原子力の事業環境整備として制度的な措置が必要だと、このように委員会で求めました。大臣から、今後、自由化により事業者間の競争が進み、また原発依存度が低減していく中においても、安定的、効率的な事業が確保されるよう、各事業者からの資金拠出の在り方などを検証し、その検討を踏まえて必要な措置を講じていくことが必要である、こういう旨の答弁がありました。
 私は、今法案は大臣の答弁に沿って提案がされたものだと受け止めておりますけれども、今法案が原子力事業者の事業環境にどのような影響をもたらすと大臣考えているか、お聞きをいたします。
#36
○国務大臣(林幹雄君) 今回の法案は、使用済燃料の再処理等に要する資金を安定的に確保するということと、国の一定の関与の下、将来にわたり責任を持って再処理等の事業を遂行する、この体制を構築することを目的としているわけでございます。本法案が成立すれば、電力自由化によって競争が進展した新たな環境下においても使用済燃料の再処理等を着実かつ効率的に実施できることが可能となるというふうに認識しております。
 こうした電力自由化に伴う一つ一つの課題に着実に対処していくことは、原子力事業にとっても必要なことであるというふうに考えているところでございます。
#37
○小林正夫君 次に、財政面に与える影響について参考人にお聞きをいたします。
 拠出金制度が創設され、発電時に再処理等に必要な資金を認可法人に納付することを原子力事業者に義務付ける、そして、再処理工程と不可分な関連事業の実施に関する費用も拠出金の対象とすると、このようにされておりますけれども、積立てから拠出に制度移行されますけれども、これまで積み立てていなかった部分を追加拠出することなどが原子力事業者の財政面にどう影響を与えるのか、これをどう考えているのか、参考人にお聞きいたします。
#38
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今回の法改正によりまして、今後発生する使用済燃料をMOX燃料加工、これに要する費用などを新しく拠出金制度の対象とすると、こういう御提案をさせていただいております。その意味で、現行の制度に比べますと、原子力事業者の資金負担という面で見ますと、MOX燃料加工に要する費用は、いずれお金は必要なんですけれども、これをいつ払うかというタイミングで負担のタイミングが早くなるという問題が生じます。
 しかしながら、これらの費用につきましては、現行の制度の下でも料金の回収のタイミング、それと事業者が資金を負担するタイミング、実はこれは一致しておりませんでした。といいますのは、MOX燃料加工に要する費用、これはMOX燃料加工するときに、委託するときにお金を払うわけでありますが、回収はその燃料を使って発電するときに初めて回収すると、こういうタイミングのラグがあったわけでございます。したがいまして、今回も少し早くなるわけでございますけれども、大きな意味では事業者の収支に影響を与えるものではないと、このように承知をしております。
 他方で、過去に発生をいたしました使用済燃料、これにつきまして同じようにMOX燃料加工に必要な費用というものを、お金を出していただくということもございます。これにつきましては、これまでやっていなかったものについて一度に出せとなりますと、これは大きな資金負担になるということは我々としても推察されるわけでございまして、したがいまして、そうしたところを考えた上で、今回の法案の中では、激変緩和措置といたしまして一定期間での分割納付というものも可能なような仕組みの提案をさせていただいております。
 以上のようなことにしておりまして、制度の対象となる範囲の変更、これは拡大するわけでございますけれども、事業者の財務に特段の影響を与えるものとは考えていないところでございます。
#39
○小林正夫君 次に、今回機構を新たにつくると、こういうことになるんですが、その機構と地元との関係について質問をいたします。
 大臣、今日、資料として、原子燃料サイクル施設の立地への協力に関する基本協定という資料を用意をいたしました。これは、二ページ目見ていただくと、昭和六十年の四月十八日の日に、ここに書いてある四者と電事連が立会人になってこの協定を結んだというあかしであります。
 特に、二ページ目の地域振興の第八条ですね。この八条に書かれていることは、例えば、荷役だとか輸送等の諸業務に係る地元参画並びに地元雇用を積極的に推進するものとする。二つ目には、地元雇用を促進するため、こういう表現も使われている。三つ目には、サイクル三施設に関する企業の立地について積極的に誘致、支援するものとする。四つ目に、原子力関連教育、研究機関の設置等広く地域振興施策の推進に協力するものとする。こういうことが当時地元との協定で結ばれているということでございます。
 今、四者と言いましたけれども、これは平成四年の七月に日本原燃サービス株式会社と日本原燃産業株式会社が合併して現在の日本原燃株式会社になっている、こういう状況があるということは変化がありますけれども、私は、今言ったようなことは大変大事にしていかなきゃいけない、このように思います。
 そういう意味で、私は、この地元との関係は後退させることなくむしろ維持発展させていくべきだ、そのためにはやはり地元とのこういう協定について何らかきちんと関係していくことが必要だと、このように私思いますけど、大臣の見解はどうでしょうか。
#40
○国務大臣(林幹雄君) 使用済燃料の再処理等を実施するに当たっては、立地自治体など関係者の理解と協力が極めて大事だろうというふうに考えます。
 再処理等の事業はこれまで民間主体による事業として実施されてきておりまして、新たな認可法人が設立された後も、その事業は日本原燃に委託されることを想定しております。したがって、電気事業連合会の立会いの下、日本原燃と青森県、六ケ所村が締結している立地基本協定の趣旨は従来のとおり継続されるものと認識しておりますし、今回の制度見直しにより、現在日本原燃が担っている地元雇用や地域振興が損なわれることはないと考えております。
 なお、国は、認可法人に対しまして、その設立や実施計画に対する認可等の措置により一定の関与を行うことになります。こうした関与を通じて、国としても認可法人による立地地域への貢献を促してまいりたいと、このように考えております。
#41
○小林正夫君 どこの原子力施設も地元との関係をしっかり結んでいかなきゃいけないし、地元の理解が大変必要だということを痛感しております。そういう意味で、今回新たに機構をつくるわけですけれども、この機構も、核燃料の再処理を行うという、そういうことが法律にも書かれておりますから、実施主体としてやはり地元との協定関係、しっかり関わっていくことが必要だと、このように私思いますので、是非そういう方向で指導していただければと、こういうふうに思います。
 次に、第二十二条で、運営委員会についてこの法律でうたわれております。機構には、外部有識者を構成員に含む委員による適切な運営の担保として、意思決定機関として運営委員会を設置すること、このようになっております。そして、第二十二条で、運営委員会は、委員八名以内並びに機構の理事長及び理事をもって構成するとしている。第二十三条で、委員は、機構の理事長が経済産業大臣の認可を受けて任命することと、このようになっております。
 そこで、委員の任命について大臣が行うわけなんですけれども、事業効率化に重点を置いた運営になって、安全だとか事業推進とか地域対応がおろそかにならないように、しっかりそのことを考えて任命する必要があるんじゃないか、このように私思います。
 そして、再処理だとかMOX燃料加工などの事業の重要性だとか、その国家的意義をしっかり理解している人、そして一般の発電とは全く異なる現場技術が必要だということ、サイクル技術全般を俯瞰できる技術有識者、そして、先ほど言った、地元の思いを受け止められる人、こういう人を任命する必要があると私は思います。任命する大臣としてはいかがでしょうか。
#42
○国務大臣(林幹雄君) 御指摘のように、運営委員会の委員の任命は認可法人の理事長が行いますけれども、経産大臣はその任命を認可する形で関与することになります。その際、再処理事業の特殊性、専門性を踏まえれば、運営委員として再処理等に関しての専門的知識と経験を有する者が参画することが事業の性質上当然だというふうに考えております。
 またさらに、再処理等の事業を取り巻く立地地域の現状、また、その環境を適切に認識しながら対応することが大変重要でございまして、例えば地域経済や地元情勢等に詳しい有識者が運営委員のような形で認可法人の運営に関わることは大切であるというふうに考えております。
 いずれにせよ、新たな認可法人の運営委員の任命については経産大臣が認可するものでございまして、必要な人材が適材適所で参画できるよう、しっかりと確認してまいりたいと存じます。
#43
○小林正夫君 委員は理事長が経済産業大臣の認可を受けて任命すると、こういうことですので、任命は理事長かもしれませんが、それを認可するのは大臣ですので、是非今言ったようなことをしっかり踏まえて検討していただき許可をしていただくことが大事じゃないかと思います。改めてそのこともお願いをいたします。
 次に、政府参考人にお聞きをいたします。
 機構による日本原燃の管理監督についてであります。
 今後、機構ができると、委託を受けて日本原燃は仕事をすると、こういうことになっていくんですけれども、原子力施設は地元の理解だとか協力がなくては先ほど言ったように成り立っていきません。地元雇用だとか地域振興が損なわれることがあってはならなくて、今までどおり民間事業者として地域対策などができる環境を維持することが大変私は不可欠だと、このように思います。
 日本原燃は、法が施行されれば拠出金から必要な費用を機構に請求することになりますけれども、地域貢献を果たしていくために、民間企業として地元対策を始めとして諸活動の自由度あるいは裁量権が制限されないようにすべきだと、このように私思います。
 経営や人事等について制度的な現状の枠組みを維持すべき、私はこれが必要だと、このように思いますけれども、政府はどのように考えているのか、お聞きをいたします。
#44
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今回の法案によりまして新しい認可法人が設立されることとなります。その上で、日本原燃の扱いでございますけれども、これはこれまでどおりの別の法人として存続をするということを前提としておりまして、その上でこの法案の中では、実際の再処理の事業につきましては新しくでき上がります認可法人が日本原燃へ事業を委託するということを想定しているわけでございます。この際、当該認可法人と日本原燃との間ではいわゆる委託契約というものが結ばれることになるわけでありますが、この法案におきましては、その契約の内容といいますか、そうしたものにつきまして特段規定を設けているわけではございませんで、日本原燃の経営や人事に関与する規定は存在しないという状況でございます。つまり、制度的に、日本原燃の今先生御指摘の経営でありますとか人事面について法の枠組みの中で関与をすると、そのような規定は存在いたしません。委託契約については、委託の根拠にする規定は法案の中にございます。
 したがいまして、今回の法改正によりまして制度変更が行われた後も、先生が御懸念されております日本原燃の経営や人事に関する枠組みには制度的には何ら変更はないと、このように申し上げたいと思います。
 ただ、他方で、一点ちょっと申し上げたいと思いますが、制度的には変わらないというふうに申し上げましたけれども、今回の法案の仕組みを御審議いただいた審議会の中では、これまで、例えば六ケ所の再処理工場がスケジュールが遅れてきた、あるいは費用が増加してきたと、こういったことが実際に事実として起きておりますことから、そうしたことも踏まえて、日本原燃に対します電力会社のガバナンス、この在り方につきまして様々な御指摘があったことも事実でございます。これは当然自主的なものということで申し上げたいと思いますけれども、関係者の中でこうした御議論も踏まえましてより良い体制の構築に向けて検討が進められることは期待していきたいと、このように考えております。
#45
○小林正夫君 日本原燃、竣工の遅れということは様々な事情で今日まであったと思います。ただ、地元との関係が非常に良好で地元雇用も大変多く雇用しているということ、そういう意味では、やはり私は、株式会社として地元でしっかり根付いて仕事をやっていくということになれば、地域対策だとかあるいは事業の自由度、こういうものをきちんと民間としては確保した上で事業を行っていくこと、この体制が必要だと思いますので、是非そういう方向になることを望んでおります。
 あともう一つ、参考人にお聞きします。
 日本原燃の労使自治と団体交渉権への影響なんですけれども、新法人による日本原燃の管理監督に際して、憲法並びに労働基準法、労働組合法に基づく日本原燃の労使自治や団体交渉の保障が担保される、もう当然だと思うんですけれども、こういうことでよろしいですね。
#46
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 先生の方から先ほども御紹介ございましたが、日本原燃は平成四年に二つの会社が合併する形で設立されましたいわゆる会社法に基づきます民間の株式会社でございまして、他の民間企業と同様の労使関係に関する保護といいますか、そうしたものは適用されようかと思います。今回の法案につきましてそこの部分について何か規定を設けているわけでは全くございません。したがいまして、先生今御指摘の日本原燃の労使自治あるいは団体交渉権に対して国や認可法人、これが関与する規定はこの法案の中には何ら設けていないということでございます。したがいまして、今般の法改正によって制度変更が行われた後も日本原燃の労使関係に対しては影響はないと、このように申し上げておきます。
#47
○小林正夫君 次に質問移ります。
 我が国の核燃料サイクルについて大臣に質問をいたします。
 私は、昨年の十二月三日のこの経済産業委員会で、核燃料サイクルに関する質問をいたしました。そのときに大臣は、核燃料サイクルを推進していくことに変わりはない、フランスなどと国際協力を進めて高速炉などの開発に取り組む方針には変わりありませんと、このように答弁をされました。
 核燃料サイクルは、プルサーマルによるサイクルと高速炉のサイクルと二つ私はあると思います。そして、我が国はこの二つのサイクルを行っていくこと、ここが変わりないと、このように私は理解をしているんですけれども、この二つの核燃料サイクル政策をどう進めていくのか、大臣のお考えをお聞きをいたします。
#48
○国務大臣(林幹雄君) 我が国は、エネルギー基本計画で閣議決定したとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ、使用済燃料の再処理等を行う核燃料サイクルを推進する方針でございます。
 まず、再処理、MOX燃料加工、プルサーマルの実施を通じた軽水炉サイクルを実現することが重要でございまして、六ケ所再処理工場やMOX燃料加工工場は、現在、原子力規制委員会による審査が進んでおりまして、軽水炉サイクルの実現に向けて取り組んでいるところでございます。
 その上で、高速炉サイクルについては、将来の実用化を視野に入れて、現在フランスとの協力プロジェクトでありますASTRIDへの参画など国際協力を進めながら研究開発に取り組んでいるところでございます。
 核燃料サイクルにつきましては、安全確保を大前提に、まずは軽水炉サイクルの実現を図りまして、さらに将来の高速炉サイクルへの実用化へ向けた取組を着実に進めてまいりたいと思います。
#49
○小林正夫君 引き続き大臣にお聞きをいたします。
 日本原子力研究開発機構が高速実験炉の「常陽」の再稼働に向けた設置変更許可申請を二〇一六年度中に提出すると、このような報道が今年に入ってされました。この「常陽」は、二〇〇七年に炉内でトラブルが発生して運転が止まっていましたけれども、炉内に残された実験装置の回収などの復旧作業が昨年の六月に完了したと聞いております。この設置許可申請の動きに対する大臣の所見、お聞きをいたします。
#50
○国務大臣(林幹雄君) 「常陽」につきましては文部科学省の所管でございまして、高速炉開発に必要な燃料や材料に関するデータの取得に有用な高速実験炉というふうに認識をしております。今後、JAEAにおきまして、「常陽」の新規制基準への適合性検査に関しまして、その申請に向けた取組が着実に進むことを期待したいと思っています。
#51
○小林正夫君 「常陽」の開発というのも大変私は必要だというふうに思っています。そして、この「常陽」の施設も新しい新規制基準に適合したものに直していかないと実際使うことが難しいということになっていくと思います。したがって、そういう費用だとか、あるいは今後「常陽」について実験炉として再稼働させていくということになれば相当な費用も必要だと思います。是非この費用についても政府としてはしっかり構築をしてこの「常陽」について取り組んでいただきたい、このことをお願いをいたします。
 原子力規制庁にお伺いをいたします。
 原子炉施設設置変更許可申請に対する審査体制についてお聞きをいたします。新規制基準への適合を図るため、原子力事業者は原子炉施設設置変更許可を申請することになっておりますけれども、審査が順番待ちになっていると、このように私聞いております。今年一月に国際原子力機関が規制委員会の取組の評価を行いましたけれども、その中で、職員の力量の向上も指摘をされた、このようになっておりました。
 二〇一二年九月に規制委員会が発足して三年半が経過をいたします。この審査体制充実についてどう今日まで取り組んできたのかということと、また、川内原子力の審査の知見を今後どのように生かして審査の加速化を進めていくのか、お聞きをいたします。
#52
○政府参考人(荻野徹君) 原子力規制委員会における審査体制の充実の取組、それから川内原発等で得られたノウハウの活用についてお尋ねがございました。
 原子力規制委員会は、発足以後、専門性向上の観点から、独立行政法人であった原子力安全基盤機構を統合する等により、原子力発電所の審査、検査体制、検査等に係る組織の強化を図っておりまして、現在、実員で約九百二十名の体制となっております。
 これまでも、即戦力となることが期待される経験者を累次にわたる中途採用により確保するなどによって体制の強化を図っております。現在、実用発電炉の審査体制でございますけれども、平成二十五年四月八日の審査開始時点では約八十名であったところを、現在では約百名の体制で審査に当たってございます。
 また、審査の効率化という観点でございますけれども、川内原子力発電所等の審査で得られた知見の審査チーム間での共有でありますとか、審査の結果のみならず主な論点等も記載した審査書の作成でありますとか、それから審査における確認事項の整理、あるいは状況に応じた集中的な審査の実施等により、審査の効率的な実施に努めております。
 いずれにいたしましても、規制委員会といたしましては、引き続き、実務経験者の中途採用でありますとか関係省庁からの人的な支援のお願いでありますとか、こういったことを通じまして、審査を担当する職員の増強を図るべく、懸命な努力を続けてまいりたいと思います。
#53
○小林正夫君 原子力については、もう安全が最優先です。これはもう間違いございません。ただ、川内原子力の審査に当たって、あの当時、私の記憶ですけど、政府あるいは田中規制委員長も、審査期間、おおむね半年ぐらいかなと、こんなような話を聞いた記憶がございます。実際には、川内原子力、いろんな審査が必要だったと思いますけれども、おおむね二年ほど掛かったということになって、先ほど言ったように事業者からの申請は順番待ちになってしまっていると、このようなことが現状だと思います。是非、そういう意味で、今おっしゃったように人的な補強が必要ならばしっかりやった上で、また職員の方の力量も高めていく、このことも大変必要ですので、そのことを私の立場からもお願いをいたします。
 時間が来ましたので、私の質問はこれで終わります。ありがとうございました。
#54
○大塚耕平君 民進党の大塚耕平でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 今質問された小林さんと私は、三・一一のときに厚労省の副大臣と大臣政務官という仕事をさせていただいておりました。一号炉が爆発した瞬間は副大臣室でちょうど二人で話をしている最中でしたので、私がテレビの画面の見える方にたまたま座っていて、小林さん、今一号炉爆発しましたよと言いましたら、小林さんは原発詳しい方ですから、そんなはずはないと、そんなことが起きたら大変なことだと言って絶句をしておられたんですけれども、そこから私も、小林さんにもいろいろ御教示いただいて、かなり原発の問題も関心を持って対応させてきていただいております。
 同時に、そのとき、一Fの対応のために多くの作業員、東電さんだけじゃなくていろんな企業の方にお入りいただく、もちろん自衛隊や警察や消防関係の方々もですが、作業員の方の被曝線量の上限を上げないと緊急対処できないわけですよ。これは、百ミリシーベルトを最終的には二百五十ミリシーベルトまで上げて対処していただくという判断をする、この重圧というのは体験した私たちが一番よく理解をしておりますので、原子力政策、安全の上にも安全をしっかり確保して、しかも誤りなき対応をしていただきたいと。そういう意味で、今回の法律も少しでもいい法律にしていただきたいと、そういう趣旨でたまたま予算委員会のときも質問させていただいたんですけれども。
 今日はお手元に資料を配らせていただきましたけれども、これは予算委員会で私が大臣と質疑させていただいて、資料請求させていただいたものに対するエネ庁からの回答です。大臣はこれ御覧になっているということでよろしいですか。
 エネ庁から、予算委員会の私の資料請求に対して正式に御回答いただいたものが、この五分の一から五分の四ページまでの、これが今回の法案の九条が機構の責任は経済的責任に限定されるということのエビデンスですといって持ってきたんですね。それから、五分の五というのは、なぜ、今回の積立金、つまり拠出金を確保するだけであれば、新たに機構をつくらなくても優先債権化するだけでも大丈夫じゃないかということを申し上げたのに対して、いや、それではなかなか対処が難しいんだということに対する回答が五分の五です。それから、反対側からスタートしている三枚が、これが、衆議院で大変いい附帯決議を作っていただいたので、衆議院の附帯決議です。
 これは当然大臣も御覧になっているという前提でお話をさせていただきますが、まず最初に規制委員会の委員長にお伺いしたいんですが、核燃料サイクルというのはあと何年ぐらいで技術的に実現可能だと思っておけばよろしいでしょうか。
#55
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生からの御指摘の核燃料サイクル、幾つかの概念がありますので一概に答えるのは難しいんですが、技術的に実現可能の意味するという意味ですけれども、私ども、今、六ケ所の再処理施設やMOX燃料加工施設について審査を進めているところであります。これはいずれ審査が終わると思いますが、いつ終わるかということは分かりません。
 ただ、それだけで核燃料サイクルが全て完成するかどうかということについては私の申し上げるところではないので、答弁は控えさせていただきたいと思います。
#56
○大塚耕平君 じゃ、同じことを大臣にもお伺いします。
 核燃料サイクルはあと何年ぐらいで技術的に実現可能ですか。
#57
○国務大臣(林幹雄君) 核燃料サイクルにつきましては、まずは再処理、MOX燃料加工、プルサーマルの実施を通じまして軽水炉サイクルを実現することが大事だというふうに思います。
 軽水炉サイクルの中核となる六ケ所再処理工場やMOX燃料加工工場については、現在、原子力規制委員会において審査が進められております。両工場の竣工予定時期は、それぞれ二〇一八年度上期、二〇一九年度上期になっておりまして、審査と工事が順調に進みまして予定どおり竣工できれば、おおむね二年か三年後には軽水炉サイクルを実現できるものというふうに期待しているところでございます。ただし、原子力規制委員会における審査やそれを踏まえた工事の進捗に予断を持つことは適切でないため、あと何年と明確に申し上げることは難しいわけでございまして、いずれにせよ、軽水炉サイクルの実現までにそう時間は掛からないものというふうに考えております。
 今後とも、軽水炉サイクルの実現に向けまして、日本原燃が安全確保を大前提に取り組んでいくことはもちろんですけれども、経産省としても日本原燃をしっかり指導してまいりたいというふうに思います。
#58
○大塚耕平君 高速増殖炉も含めた核燃料サイクルの実現可能な期間というのは大体どのくらいですか。大臣にお伺いします。
#59
○国務大臣(林幹雄君) 高速サイクルはまだ実験段階でございますので、ちょっと今何年後と言うのは難しい、答えは難しいというふうに理解しております。
#60
○大塚耕平君 念のため確認ですが、委員長、つまり、なかなか定義も難しいので答弁も難しいし、回答は差し控えるということだったんですが、要するに核燃料サイクルの完成とは何ぞやというその定義及びそれが、じゃ、技術的にいつ頃実現可能かということは、率直に言ってなかなか答え難い問題だと、こういう理解でよろしいですね。
#61
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私の立場からいつ完成するかとか実現可能性とかということについて言及するのは適切ではありませんので、重ねてですが、回答を控えさせていただきたいと思います。
#62
○大塚耕平君 大臣、軽水炉サイクルのことは先ほどの話で分かりましたので、今の委員長に対する質問と同じですが、全体としての核燃料サイクルの定義及び技術的に実現可能な時期については、これはもう言及するのは難しいという理解でよろしいですね。
#63
○国務大臣(林幹雄君) 軽水炉サイクルについては今ほどのとおりでございますが、そう遠くない将来に可能だろうというふうに理解しておりますが、高速炉サイクルに関しましてはまだまだ研究段階でございまして、時期は明言するのは難しいというふうに理解しています。
#64
○大塚耕平君 そういうことであるからこそ、完成するかどうかも分かりませんが、完成時期には恐らく大臣も委員長も私も生きていないわけですよ。だから、後世の皆さんに解決不能な問題を残してはいけないという思いは多分委員会に参加していらっしゃる党派問わず全員の共通した思いだと思いますので、それまでの間、この原子力政策に関わる様々な法律や制度というのはやっぱりきちっと作り上げて、かつ間違っても法律や制度がずさんであるために様々な問題が生じるというようなことは避けるべく国会としては最善の努力をしなくてはならないと、こういう思いはもう共有していただいていると思いますので、そこでお伺いしたいと思います。
 今回の法案ですけれども、衆議院でも随分議論がされました。私も予算委員会でお伺いさせていただきました。大臣にお伺いしますが、この法案、改善を要する点があると思われますか。あると思う場合には、どのような点を改善すべきだとお考えですか。
#65
○国務大臣(林幹雄君) 政府としては、内容を精査した上で提案している法案でございまして、経産大臣としても改善すべき点は特段ないというふうに考えているところでございます。
 その上で、衆議院において……(発言する者あり)いいですか。
#66
○大塚耕平君 それはそう答弁せざるを得ないと思いますよ、今の時点でここを見直すべきだと言ったら修正しなきゃいけないですからね。それはいいと思うんですが、私、今会派の政策審議会長という立場なものですから、全省庁、法律の説明に来てくれるんですよ。この法律も役所の皆さんが説明に来てくれたときに、説明聞いていたら、どうもやっぱり法律として腑に落ちないなという点が幾つかあったんですね。
 例えば、大臣、これ、機構は第四条に最初に出てくるんですよ。第四条の第一項に使用済燃料再処理機構という言葉が出てきて、以下機構と呼ぶと。条文お持ちでなければ、役所の方、条文ちゃんとお渡ししてくださいよ、これ法律の審議しているんですからね。
 ところが、その時点では機構というのは定義されていないんですよ。登場していないんです、法律に。まだ法律に登場していなくて、何の定義もされていない機構が第四条に突然出てきて、機構が改めて定義をされるのが第十条からなんですよ。これはだから、組立てとして、まず法律としておかしいと思いませんか。
#67
○国務大臣(林幹雄君) 専門的なことはちょっと分からないですけど、十条に出ていればそれは四条に出ていなくても理解できるのではないかというふうに考えられます。
#68
○大塚耕平君 大臣、今日、別にちょうちょうはっしやろうなんて思っていませんので、ここでお考えいただければいいんです。そのための国会審議ですから。国会をやっつけ仕事だと思われたら困りますよ。
 もう一回聞きますよ。機構というのがこの世の中に存在していない中で第四条にいきなり出てきて、法律上の定義はその後の十条から始まるんですが、これは法律の作りとしておかしくないですかと聞いているんです。大臣は、この法律は役所としては問題ないと思って出しているということですから、そこの矛盾を説明してくださいと申し上げているんです。
#69
○国務大臣(林幹雄君) 法律の言ってみれば立て付けの問題ではないかというふうに理解しておりますので、大きな問題ではないというふうに理解をしています。(発言する者あり)
#70
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#71
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#72
○国務大臣(林幹雄君) 機構の役割は後に出てくるわけでございますし、法律の技術的な問題だろうというふうに思っておりますし、また、法制的にも法制局とも打合せしておりまして、別段、立法上問題ないんではないかというふうに思いますし、また、ほかにもこういった例はあるというふうに聞いてございます。
#73
○大塚耕平君 どうぞ役所の方、サポートしていただいて結構ですから。
 だから、私に説明していただいたときにこれを指摘したところ、これは行政作用法だから問題ないんだという説明を担当官がされたんですよ。これは行政作用法ですか、この法律は。行政組織法ですか、どっちですか、この法律は。
#74
○国務大臣(林幹雄君) 行政作用法でございます。
#75
○大塚耕平君 大臣、大臣がこの法律は役所としてはパーフェクトだとおっしゃったので私は聞いているんですよ。これは行政作用法だから組織法のように組織が冒頭から定義されていなくてもいいし、こういう例はあるという御答弁で、それは矛盾はないと思います、私も。
 そこでお伺いしたいんですが、この法律のどの部分が行政作用なんですか。
#76
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#78
○国務大臣(林幹雄君) 四条から八条に至る拠出金の問題が作用法に当たるというふうに理解をしています。
#79
○大塚耕平君 いや、私がお伺いしたいのは、これ予算委員会のときにも、一番のポイントは、この法律の九条に定めるところの、機構は再処理等を行わなければならないという、これは機構につまり再処理の責任があるのかないのかということを議論させていただいたところと関係してくるわけですよ。
 結局、皆さんから御説明を聞いていると、これは単に今まで原子力事業者が積立金としてプールしていた再処理のための費用を拠出金として預かるだけで、この預かったものはまた原燃に委託するので、何も、行政側には、この認可法人側には責任は生じないと言っているんですが、だったら、行政作用じゃないじゃないですか。なぜこれが行政作用法なんですか。
#80
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#81
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#82
○国務大臣(林幹雄君) この件、第九条でございまして、使用済燃料の処理、処分についての責任はそれを発生させた事業者が負うものでございまして、また事業者は原発及び再処理施設の運転主体としてそれを安全に運転する責任を負うと、こうした責任は本法案ではなく、原子炉等規制法に基づくものであるということで、これを前提とすれば、第九条によって新法人が負うのは資金の管理、支払、そして事業の工程管理といった、現業以外の事務の責任に限られるという解釈をしているところでございます。
#83
○大塚耕平君 いや、ちょっと大臣、少し御説明がずれているんです。つまり、そういう法律であるということは理解しているんです。ところが、これを行政作用法だからさっきのようないびつな条文の組立てでも問題ないという説明を私も受けたので、だから、一体これの、再処理に関わる拠出金を預かるという、この一連のプロセスのどこが行政作用なんですかと聞いているんです。
#84
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#85
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#86
○国務大臣(林幹雄君) 認可法人も、電力会社、事業会社も民間主体でございまして、これらの間の資金の拠出などの権利義務を定めるので行政作用法だというふうに国は言っているところでございます。
#87
○大塚耕平君 なるほど、資金の権利義務、つまり、そういうことになると、今日お配りした資料の五分の五、左側から開く横書きの方を見ていただくと五分の五、現行制度における債権を優先債権化することが困難である理由としてエネ庁から私がこれいただいたものです。アンダーラインは私が引いたんですけれども。
 おっしゃるように、これまでの御説明が、積立金として原環センターに預けているだけだと、これ、いざというときにこれを再処理に使えないかもしれない、だから拠出金として預かる、預かるための認可法人をつくるということなんですが。
 ここに、アンダーラインのところをちょっと読み上げさせていただきますが、優先弁済権を設定したとしても、弁済順位が同順位又はより上位となる債権も存在し得ることから、原環センターに置いておくままでは困るので認可法人をつくるということですよ。この法律はこうなっているんです、法案は。
 じゃ、この認可法人の拠出金が他の債権に優先して守られるという法的根拠は何ですか。
#88
○国務大臣(林幹雄君) 優先弁済権というのは、やはり一般担保付社債あるいは従業員の給料などがもう既に設定されているわけでございまして、再処理以外の債務がある上、倒産手続においては共益費用なども発生するわけでございます。したがって、仮に優先弁済権を設定したとしても、その順位が上位になる債権も存在し得るわけですから、資金の確保が万全とは言えないわけでありまして、債権債務関係の整理には時間をまた要するわけであります。こうした資金面でやはり……(発言する者あり)
#89
○大塚耕平君 今大臣がおっしゃったのは、原環センターに預ける、積み立てる方式のままだとそういうことが生じるので、この認可法人をつくるという理由の部分を答弁されたんです。
 私がお伺いしているのは、そういう理由でこの認可法人をつくったのは分かりますので、じゃ、その認可法人の拠出金が他の債権に優先して守られるという法的根拠はどこにあるんですかと聞いているんです。民法上はそんな規定ないですよ。
#90
○国務大臣(林幹雄君) 事業者が破綻した場合における積立金の扱いにつきまして確立した裁判例があるわけではありませんけれども、少なくとも、現行法上、再処理に関する債権が他の債権よりも優先的に弁済されるといった明文の規定はございません。このため、金融機関からの融資や通常の取引債権の弁済に充てられるような事態も否定できないわけでございます。
#91
○大塚耕平君 バックベンチの皆さんは私の質問の趣旨を分かっていると思いますので、もう一回質問しますので、ちゃんと相談して答弁してください。
 この認可法人に預ける拠出金が、原子力事業者に万が一の経営破綻等があった場合に、他の債権に優先してこの認可法人の拠出金が守られるという法的根拠は何ですかと聞いているんです。
#92
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#93
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#94
○国務大臣(林幹雄君) この拠出金は機構に帰属するわけでございまして、機構はほかに債務がございません、存在しませんので、そういった意味でございます。
#95
○大塚耕平君 機構に帰属するのは法律の立て付け上理解できます。
 しかし、例えば原子力事業者が破綻した場合に、原子力事業者はいろんな債権者がいますので、その債権者は、そういえばこの認可法人に拠出金として預けていた数百億円があるじゃないか、これもちゃんと弁済費用として使わせてくれといって訴えられたときに、なぜここが優先的にこれが守られるのかという法的根拠を聞いているんです。
#96
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#97
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#98
○国務大臣(林幹雄君) これは機構に預けたものじゃなくて、もう納めたものでありますから機構そのもののものになっているということでありますので、ほかの債権からこちらに来るということはできないという理解でございます。
#99
○大塚耕平君 しかし、私法上の原子力事業者の再処理に対する責任関係は変わっていないという立て付けでこれつくっているわけですから、その再処理に関する私法上の原子力事業者の責任が変わっていないのに、その費用として彼らが拠出したものの所有権だけが変わって、再処理に対する責任は原子力事業者が負いながら、そのために彼らが拠出したその資金の所有権はないというのは、これは論理的にはおかしいんじゃないんですか。法的にはこれは認められませんよ、多分。
#100
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#101
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#102
○国務大臣(林幹雄君) 先生も納得できないかもしれませんけれども、拠出金というのはもうそういう性格のものであると。要するに、出しっ放しと言ったら言い方は悪いんでしょうけれども、そういったもので、もう機構のものということで位置付けているというふうに理解しています。
#103
○大塚耕平君 いや、大臣、これ、法律の審議ここでやっているわけですから、私が納得できるとかできないとか、そういう話じゃないんですよ。
 渡邉さんが一番よく分かるでしょう、民間企業の経営者として。民間企業の経営者として、言わば製造物責任、PLなんかを問われる立場から、自分たちの製造物に対する最終処理までの費用を、例えば減価償却とか何かで計上するわけですよ。計上しているのがこの積立金であり、今回は拠出金というふうに名前を変えますけれども、その製造物責任の責任自体は事業者に残したまま、積み立てたもの、拠出したものの所有権は失うというのは、これは日本の法律体系上どういう論拠によって、あるいは条文によってこの今回の法案の行為が許されるんですかということを聞いていますので、ここはちゃんと答弁してください。私が納得できるとかできないとか、そういう話じゃないんです。こういう前例つくったら、ほかの分野でもそういうことが起き得るんです、原子力だけじゃなくて。
 だから、これ大臣、本当は事務方を怒った方がいいですよ。よくこんな法律、俺に答弁させているなと。どういうことなんだと、この法案は。言われてみればそのとおりだといって、少し一回考えてもらえませんか。おかしいですよ、この法案。
#104
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#105
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#106
○国務大臣(林幹雄君) これまでの積立金は会社においてバランスシートに残りますけれども、拠出金は会社、事業者のバランスシートから外れることになります。しかし、機構は責任持ってその再処理をさせるという責任があるわけでございまして、その再処理をするのは原燃でございますけれども、させるという責任を持っています。
#107
○大塚耕平君 そうすると、この今日お配りした資料の、二月十日の方ですね、積立金及び管理に関する法律の一部を改正する法律案についてというタイトルの、五分の二からのやつですよ。これはつまり、なぜ九条が経済的責任に限定されるんですかというのを聞いたのに対する回答なんですけれども、今のお話だと、機構の九条のこの「再処理等を行わなければならない。」というのは、予算委員会のときには、いやいや再処理を行うのは原子力事業者ですとおっしゃっていたんですが、今の答弁だと、再処理を行わせる責任はここに含まれているという理解でいいですね。九条に。
#108
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#109
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#110
○国務大臣(林幹雄君) 事業者はその再処理をする責任を負うわけでありますけれども、拠出金を払う限りにおいて経済的な責任は機構に移るわけでございまして、機構は原燃に委託しますので、その処理をさせるという責任はあると理解しています。
#111
○大塚耕平君 つまり、この資料は、ちゃんと、これ私が書いたんじゃないですからね、エネ庁の方が、九条が経済的責任に限定されることを担保するということについての理由として持ってきたんですが、そうすると、経済的責任だけじゃなくて、間接的とはいえ、再処理をさせる責任を負っているという理解でいいですね。
#112
○国務大臣(林幹雄君) 再処理させるという責任はあると思いますが、事業そのものに関しての責任そのものは原燃にあるということに、もしも事故が起きたとかあるいは遅延したとか、そういった事業そのものに関しての責任は事業者の原燃があるということになると思います。
#113
○大塚耕平君 いや、しかし、再処理を行わせる責任が、責任がこの機構にあるとしたら、行わせる過程で起きる事故等についても一定の責任を負うんじゃないんですか。
#114
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#115
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#116
○国務大臣(林幹雄君) 機構は規制法上の対象とはなりませんので、事故や安全に関しては事業者並びに日本原燃が負うということになりますが、もちろんそれを拠出金と同時に請け負ったわけですから、そこのやらせるという責任範囲はあるというふうに理解しています。
#117
○大塚耕平君 議論を聞いていただいていて問題点は皆さんも御認識いただけると思うので、これ、委員長の御差配で今日は採決するのかしないのか私は分かりませんけれども、資料要求しますけれども、そうすると、この九条の「再処理等を行わなければならない。」というこの意味は、厳密な意味で経済的責任だけには限定されないというふうに今私は理解しましたし、今ほかの皆さんもそう聞こえているはずですから、正式な回答を書面で提出してください。
 委員長にも、よろしくお取り計らいください。
#118
○委員長(小見山幸治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#119
○大塚耕平君 そうすると、この三月の日付で、二月十日付けのこのペーパーを私のところに持ってきたわけですけれども、ここの部分の不整合が問われるわけですよ。
 多田さん、大臣に教えていただいて結構なんですが、この二月十日という日は、この法案を法制局の審査を通した後ですか前ですか。
#120
○国務大臣(林幹雄君) 閣議決定が二月の五日で、これはその後になります。
#121
○大塚耕平君 つまり、閣議決定の後の二月十日に、五分の二のところのアンダーラインの最初を見ていただくと、「両庁の共通認識を整理すると、以下のとおり。」と。普通こんな文書は作りませんよ。いかにこの法案が実は定義が曖昧で欠陥法案だったかということで、慌ててこの文書を作っているというふうにしか私には思えない。
 それから、例えばですよ、五分の四を見ていただくと、一番上に「安全を確保する上で必要な資金供給が滞る事態が生じた場合」と書いてありますが、これ、そういうことがないようにこの法案を作っているわけでしょう。にもかかわらず、法制局の審査が通った後の二月十日に、両庁の共通認識といって経済的責任に限定されるということを慌ててこういう書面をまとめて、五分の四のところは、安全を確保する上で必要な資金供給が滞る事態が生じた場合って、そういうことが生じないようにこの法案を作るのに、こういうことが生じた場合というふうに書いてあるのは、これは矛盾じゃないですか、大臣。
#122
○委員長(小見山幸治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#123
○委員長(小見山幸治君) 速記を起こしてください。
#124
○国務大臣(林幹雄君) 前段の、機構も再処理をさせる責任があると言ったのは、経済的責任や再処理等の計画策定等の現業以外の事務に関する責任、この中に入るものと理解をまずしております。
 それから、今の、安全を確保する上で必要な資金供給が滞る事態が生じた場合という場合には、いろいろ規制が厳しくなってそういう資金需要が厳しくなるという万が一のときのためでございます。
#125
○大塚耕平君 時間も迫ってきておりますので、大臣、ちょっと気分転換に、この法案は全部で何条ですか。
#126
○国務大臣(林幹雄君) 本則は六十八条でございます。
#127
○大塚耕平君 決して条文の多い法案じゃないですから、全部読んでくださいね、条文、是非。私たちも、短い期間ではありましたけれども政府側を経験させていただきましたので、やっぱり読みますよ、全部。それは読んでいただかないと困ります。
 最後になりますが、衆議院の附帯決議、これを重く受け止めていらっしゃるという理解でいいですか。
#128
○国務大臣(林幹雄君) はい、重く受け止めております。
#129
○大塚耕平君 この附帯決議に沿って対応するという理解でいいですね。
#130
○国務大臣(林幹雄君) 最大限の努力をいたします。
#131
○大塚耕平君 附帯決議の九番、三分の二から三分の三にかけて、これ、主語は国なんですよ。国は、「認可法人が使用済燃料の再処理等を適正に実施できるよう、適切に関与すること。」という附帯決議を重く受け止めて最大限の努力をするというふうに今もおっしゃったので、つまり、機構が金は預かるけれど責任はないんだみたいな対応は、これは許されないということなんですよ。国権の最高機関が決めた附帯決議を大臣が答弁として重く受け止めるとおっしゃったわけですからね。
 大臣、在任中に、原子力政策についてやっぱり大臣なりにおかしいと思うところは是正していただかないと困ります。経産省は経産省なりに一生懸命やっていると思いますけど、エネ庁も。しかし、どうも日本の原子力政策は、結局、何かあったときの責任、あるいは再処理のサイクルが未完成で終わるようなときの責任は一体誰にあるんだということをみんな押し付け合って、結局、ここにいる人たちはみんな順番にいなくなっていくわけですよ。後になって困るのは後の世代ですから、在任中におかしいと思う点は是非是正をしていただくことをお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#132
○委員長(小見山幸治君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#133
○委員長(小見山幸治君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、大塚耕平君及び浜田昌良君が委員を辞任され、その補欠として長浜博行君及び新妻秀規君が選任されました。
    ─────────────
#134
○委員長(小見山幸治君) 休憩前に引き続き、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#135
○松田公太君 参考人との時間の調整で質問の順番が変わってしまいましたけれども、調整に御協力いただきました皆様、ありがとうございます。
 また、廣瀬社長、お忙しい中お越しいただきました。早速質問に入らせていただきたいと思います。
 まずは、三月十四日の参議院予算委員会でもお配りしましたこのお手元の資料、覚えていらっしゃると思いますけれども、廣瀬社長は、二〇〇二年から二〇〇四年頃、当時の東電社長や会長、そして経産省の広瀬事務次官、また幹部が出席した下で、この資料が配られて開催された会議については承知していないとのことでした。
 少し違う角度から本日はお聞きしたいと思うんですけれども、もしそのような会議が東電、経産省の幹部出席の下でこの資料を使って行われていたとしたら、それはどのような理由があってのことだと思われますでしょうか。
#136
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、予算委員会で御指摘の会議については承知していないとお答えいたしておりますので詳細は分かりかねますけれども、一般論として、サイクル事業のエネルギー確保の問題、エネルギーセキュリティーの問題、コストの問題等々について様々議論をされていたんだろうということは考えられると思います。
#137
○松田公太君 私は、やっぱり七千六百億円だった当初の計画、これが三倍になって二兆円を超すようになってしまった。また、使用済核燃料の貯蔵用プールの問題が当時続出しておりまして、そのような問題が本当に止めどなく続いてしまった。二〇〇〇年代の初頭には、この核燃料サイクル、再処理事業、ここから撤退したいという思いがやはりあったんではないかなというふうに思うわけですね。その検討の中で作成された資料がこれではないかというふうに考えております。
 廣瀬社長が執行役員になられたのが二〇〇六年のことだと思うんですけれども、役員に就任されてから、六ケ所村の中止、また核燃料サイクル、これは午前中の審議でもありましたが、軽水炉のサイクルだけじゃなくて全般のことを指すわけですけれども、また、原発からの脱却等について社内で話し合われたことがありますでしょうか。
#138
○参考人(廣瀬直己君) 私の記憶にある限りでは、そうした議論はされていたことはございません。
#139
○松田公太君 二〇〇四年頃の経営陣というのは、この資料からも見て取れるように、相当苦悩されていたんじゃないかなというふうに思うわけですね。ところが、二〇〇六年以降、廣瀬社長が当時役員になられて以降は、余りそういう疑問も感じなくなって、見通しの立たないこの核燃料サイクル、こういったことに邁進しようというコンセンサスが社内で取れていたということなのかなというふうに感じてしまうんですが、そう考えると、少し怖いなというふうに思うわけですね。
 廣瀬社長は、個人的にもこの核燃料サイクル事業に関して少しでも疑問を持たれたことはありませんでしょうか。
#140
○参考人(廣瀬直己君) もちろん、私、担当が営業であったり企画であったりということで、直接の担当でなかったということもございますが、社長になってからも含めて、核燃料サイクル事業につきまして、その目的であるとか狙い、高レベル放射性廃棄物の減容化であるとか、それから放射線の危険度を減らしていくとか、あるいは有効な回収物質を再活用していくとか、そうしたようなことの十分目的は認識しておりまして、核燃料サイクルをこれからもしっかり進めていくという認識でおるところでございます。
#141
○松田公太君 この資料には一つ一つごもっともなことが私は書かれていると思うんですね。御覧いただければと思いますけれども、原子力発電を安定して継続するために、SF、SFというのはこれはスペントフュエルの訳でして、使用済燃料のことなわけですけれども、その対策に関する国の責任の明確化が必要だということであったり、国の政策変更により六ケ所は中止せざるを得ないというシナリオが必要だということが書かれていたり。また、廣瀬社長、主な課題の一番下を見ていただきたいんですが、これは再処理債務が確定することはIR上プラスである、SF問題が未解決ではトータルではマイナスというふうには書かれてありますけれども、それはそうだと思うんですよね。
 先が見えないこの事業、これはもう積立金を今までずっと払い続けてきた。今後はそれがもっと確定してしまう、拠出金というものになってしまうわけですけれども、いつになったらこの核燃料サイクルが回り始めるのか全く見通しが立っていない。そんな中でお金はもうどぶに捨ててしまっている可能性があるということなわけですから、IR上マイナスでしかそれはないわけです。もしそれを止めることができれば、そしてその最終処分、これも決めることができれば損失も確定するので、少なくともこのマイナスということは止めることができるんじゃないかなというふうに思います。
 政府は、核燃料サイクルの費用を考えた上でも原発は低廉なエネルギーだと、こう言い続けているわけですけれども、果たして本当にそうなんでしょうかと。これは経営者として、廣瀬社長、先送りにするんじゃなくて、本当にその真実を私は精査する必要があるんじゃないかなというふうに思っております。
 その中でお伺いしたいんですけれども、現時点で東電の再処理事業における収支計画、これがどうなっているのか、それを基に算定される許容可能な拠出金というものができるわけですが、それは幾らぐらいだと見積もっていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
#142
○参考人(廣瀬直己君) この資料そのものは私承知していないところでございますが、その上でお話をさせていただきますと、今先生御指摘のように、再処理事業の収支ということですけれども、改めて、ですから、再処理というのは使用済燃料を再処理することで、使用済燃料になる前に発電という行為が行われております。
 したがいまして、いわゆる収と支、便益とそれに対する費用という観点からいいますと、先に便益が出て、発電をしたということがあって、その後費用が後々追っかけてくるということでありますので、したがいまして、現在の会計規則上も原子力の発電の時点で再処理費用というのを引き当てているという仕組みになっております。したがいまして、原子力発電コストの一部として再処理費用というのを認識すべきだというふうに考えております。
 そうした考え方の下で、昨年国がまとめられました原子力発電検証ワーキンググループで、今先生御指摘のように、各電源別の発電コストというのを比較しておりますけれども、当然のことながら原子力発電費用の中には再処理費用を含めておりますけれども、含めた上でも他の発電、電源と遜色のない十分競争力を持つコストとなっているというふうに思っています。
 拠出金の額については、この改正法の下で設立される認可法人がお決めになることでございますので、私どもがここまでということ、そういう仕組みにはなっておりませんけれども、当然もう既に発電の中に再処理引当金という形で、着々と今既に金額を積んできているという状況の下で今後も運営されていくものだというふうに考えております。
#143
○松田公太君 つまり、今おっしゃっているのは、今のところ二兆円以上積み立てられていますよ、これからこういった詳細が決まるわけですから、全体としてのめどもまだ分かりませんよということだと思うんですね。
 これ個人的に考えて、経営者として非常に怖いなと、これ逆に無責任なんじゃないかなというふうに感じてしまうわけですね。本当に原発が何基稼働して、そのうち東電の所有する原発の中で何基でプルサーマルを実施することができるのか、その場合は例えば拠出金がこのぐらい負担しても損益分岐点を超えることができるんじゃなかろうかと、そういった計画を本当に、ボールパークフィギュアという言葉がありますが、大体でもいいのでこれは作っておくべきじゃないかなというふうに思うんですね。そういったものも全くないんじゃないかなと、今のお話をお伺いしていると思ってしまうわけです。
 逆の立場から見てみますと、そもそもこの再処理事業というものは、もう民間にやらせているというのは日本ぐらいなんですね。イギリス、フランス、ロシア、インド、中国、こういった国々は国の機関や国営企業がこれを行っているわけなんです。
 私、基本的に小さな政府を志向しているわけですけれども、莫大な費用と途方もない時間が掛かるようなこと、また危険が大きく伴うものに関しては、やはり資本主義の原理原則にさらされている民間企業に任せるのはちょっと難しいんじゃないかなというふうに思っておりまして、もうどうしてもこれを行うというのであれば国がやるべきだというふうに考えているわけです。東電の法的整理と廃炉に向けた福島原発の国有化という対案を以前参議院でも出させていただきましたが、それはそういう観点からなんですね。
 林大臣、なぜ再処理は民間の事業者に託しているんでしょうか。
#144
○国務大臣(林幹雄君) 政府として、核燃料サイクルを進める方針については、昭和三十年代から原子力開発利用長期計画において決定しているところでございます。
 当初は、政府が中心になって再処理等に関する基礎的な研究が行われていたものと認識しております。その後、民間企業側から、再処理の実用化段階においては民間でそれを進める意向が表明されまして、我が国では民間主体による事業として実施されてきたものと認識をしております。
 なお、再処理をしている諸外国においては国営企業が事業を進めている場合が多いわけですが、我が国においては関連技術、人材は民間に蓄積されておりまして、事業効率の観点からも民間活力を活用することが望ましいというふうに認識をしているところでございます。
#145
○松田公太君 端的に言うと、民間事業者が自分たちがやると言ったから民間事業者にやらせたということだと思うんですけれども、しかし、当初は、その当時のやり取り、私も詳細にはもちろん分かりませんが、電力事業者も、これだけ難関続きになると、また何十年たっても稼働すらできないということを私は想定していなかったんじゃないかなというふうに思うんですね。
 もちろん、政府からの強い要望もあったんじゃないかなとこれは推測されるわけなんです。今は、そのサイクルの要と言われています「もんじゅ」、これでさえ全くもう見通しが立っていない。今の段階では稼働が二〇五〇年と言われているわけですが、もうその時点で七十年、もうこれは下手したら百年のプロジェクトになってしまうと、それでももしかしたら稼働できないということになるかもしれない。
 やっぱりこういった長期のものを、危険がまた大きく伴うものに関しては、やるのであればですよ、やるのであれば、私は反対ですけれども、国がそろそろ覚悟を決めて、私は完全にテークオーバーして行うべきじゃないかなというふうに思うんです。いかがでしょうか、大臣。
#146
○国務大臣(林幹雄君) 核燃料サイクルにつきましては、「もんじゅ」のトラブル、あるいはまた六ケ所再処理工場の竣工遅延などが続いてまいりました。このような現状を真摯に受け止めまして、これら技術的課題やトラブルの克服など、直面する問題を一つ一つ解決することが大事であろうと。その上で、核燃料サイクルについては、エネルギー基本計画で閣議決定をしたとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ推進する方針でございます。
 また、使用済燃料の再処理等の事業はこれまで民間主体による事業として実施されてきた経緯がありまして、民間に技術や人材が蓄積されております。したがって、こうした民間の技術あるいはまた人材を活用して効率的に事業を進めるなどの観点から、引き続き民間事業者が主体的に再処理等事業を行っていくべきだと考えております。
 なお、本法案は、使用済燃料の再処理等に係る拠出金制度の創設、認可法人の設立などを規定しておりまして、その際、拠出金単価の決定や認可法人による実施計画の策定等の認可プロセスを通じて再処理等の事業への国の関与を強化することにしているところでございます。
#147
○松田公太君 今のお話をお伺いしていても、また午前中の大塚委員のこの話をお伺いしていても、やはり非常に矛盾を感じざるを得ないんですよね。機構がこれから責任を持ってやっていくと、その監視をする、ある意味命令を下すことができるような話になっているわけですけれども、でも実際の技術やノウハウというのは民間にあるということで、どうやってそんなところが民間に命令、指令を出すことができるのかなというふうに考えてしまうわけです。それは無理だと思います、私は。
 電力事業者がやっぱり責任を取るのか、これは政府が責任を取るのか、今のままでは本当にあやふやなんですね。これは原発事業全般に言えることなんですよ、この核燃料サイクルだけじゃなくて。このままではやっぱり責任の所在が明確じゃない。そのような統治システムによってこういったものが運営されると、必ずと言っていいほどもうこれはトラブルは続出するんです。私は、やっぱり国が覚悟を持って、一〇〇%責任を持って私はやるべきだというふうに思っております。
 次の質問、ちょっと時間がないということもありますし、また午前中の質問で大体分かりましたので飛ばさせていただきますが、どういう質問だったかというと、拠出金がたまって、その後、電力事業者が原発をやめるという決断を仮にした場合はその拠出金は戻ってくるのかどうかということだったんですが、多分戻ってこないということだと思うんですね、午前中の話では。
 ちょっと次に行きますけれども、原子炉規制法を確認したところ、民間事業者が原発建設の際に事業計画を提出して、ワンススルーにするか若しくは再処理にするかというのはそのときに選択できることになっているんですね。現在は全ての事業者が当たり前のように再処理を選んでいるということですが、それを変更するということは可能なのでしょうか。これは田中委員長にお聞きしたいんですが。
#148
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、原子炉規制法上は再処理するかしないかということを規定しているものはありません。ただ、現在、事業者は使用済燃料を再処理する前提で発電用原子炉施設の設置の許可を受けております。これを変更しようとするのであれば、改めて設置変更許可の申請が必要になります。
 許可に当たっては、事業者が使用済燃料処分の方法に関する許可の内容を変更する申請を行うこと自体は妨げられるものではありませんけれども、原子炉規制法上に定める許可の要件に適合しているかどうかが判断の基準になります。
#149
○松田公太君 今のちょっと御答弁をお聞きしてもやっぱりあやふやだなと。何となく、設置変更の許可が必要だと、ただ、それを妨げるものはないと、出したければ出してもいいよと。ところが、現状はやっぱり最終処分も多分決まっていませんし、バックエンドのことも明確に決まっているわけじゃない。あやふやになっている状況だから、どうもそういったものを出してもこれは通らないんじゃないかというのがこれは明確なわけですね。ですから、非常にこのあやふやな状況が続いているということがここでも分かるんじゃないかなというふうに思います。
 この再処理の拠出金等法案は、電力事業者を核燃料サイクルの中にがっちりと組み込んで抜けられなくする、それは、よく答弁に出ている電力自由化をしたら倒産する可能性があるから云々という話がありますけれども、そういうことじゃなくて、もういやが応でもとにかくこの核燃料サイクルを絶対にやめない、ワンススルーは認めないという、問題をある意味先送りする、責任をお互い取りたくないと、そういうことが生んでしまった、これは私は機構法のような気がするんです。
 廣瀬社長も、本当は、核燃料サイクルといういつまでも実現しようのない迷路のような状況から抜け出したいと思っているんじゃないかなと私は思うんですよね。いかがですかね、廣瀬社長。先ほどもちょっとお聞きしましたので、多分同じ答えになって明確にはお答えいただけないと思うんですけれども。本当は実は抜けたいと思っている人たちも多い、それが過去のこの会議の記録にもあるんじゃないかなと。
 もちろん、原子力事業者としては、経産省との関係を考えますと、それはなかなか言えることではないと思いますし、これは、そんな話をしたら今までの事業を全部責任を押し付けられるという心配もあるでしょう。しかし、東電もやっぱり民間企業なんですね、本来。しかも、あれだけの事故を起こしてしまったわけです、福島で。それを機に、本来は、おかしいことはおかしい、できないことはできない、そういう毅然とした態度を取ってもいいんじゃないかなというふうに思うんです。今、東電というのは国民に救われて企業が存続しているわけですから、もう本当にそれこそ国民のためにゼロベースでそういった核燃料サイクルについても見直す、そういう気概を見せていただいてもいいんじゃないかなというふうに考えるわけです。
 もう午前中の質疑でもありましたが、やはり皆さんが何となくあやふやになっていて、責任の押し付け合いをしている。そのような状況がずっと続いてしまっているのが私はこの核燃料サイクルだというふうに思うんです。
 廣瀬社長にはもうこれ以上質問がありませんので、もしよろしかったら、委員長、御退席いただいても結構ですが。
 ちょっと時間がないので、それでは、続けさせていただきます。
 「もんじゅ」に関する質問をさせていただきたいと思うんですが、原子力規制委員会から運営主体変更の勧告を出されました日本原子力研究開発機構、保守管理のトラブルが相次ぎまして、改善がなされなかったことが理由に挙げられているわけですけれども、田中委員長はなぜそのような理由になったと思われますでしょうか。
#150
○政府特別補佐人(田中俊一君) 「もんじゅ」につきましては、保守管理等の不備に係る種々の問題が繰り返し指摘されてきました。機構が「もんじゅ」の出力運転を安全に行う主体として必要な、そういったことを踏まえて必要な資質を有していないと考えるに至ったため、昨年十一月十三日に文部科学大臣に対して、安全確保の観点から、機構に代わる実施運営主体の具体的な特定等の勧告を行ったところでございます。
 以上です。
#151
○松田公太君 昨年の十一月十三日に原子力規制委員会から出されました高速増殖炉「もんじゅ」に関する文科大臣に対する勧告というものがあるわけですが、それは半年をめどにということですが、もうそろそろ半年たつわけですけれども、まだ出ていないというふうに思いますが、是非、期限をまずは守らせていただきたいというふうに思います。
 最後に、時間がなくなりましたので、なりますけれども、「もんじゅ」は運転開始からやっぱり二十年以上たつ、運転実績は御案内のようにほぼゼロということで、それにもかかわらずもう二兆円以上のお金が、税金が投入されているわけなんです。一九八〇年代に建設が開始されたわけで、一九九五年にはナトリウム漏れによる火災爆発事故が発生し、それから十四年以上の定修を経て運転を再開した二〇一〇年には落下事故が起きる、本当に運転ができない状況というのが続いておりまして、現在は、先ほども言いましたが、二〇五〇年の開始も危ぶまれているというような状況だと思います。
 核燃料サイクル、この中核を担うはずの「もんじゅ」がどんどん先延ばしにされてしまう、こういう状況になっている、維持だけで一日五千万以上掛かっている、そして、これは六ケ所村、二十三回も延期になっている、そこも同じような状況であると私は思っておりまして、具体的にやはり投資回収とか損益分岐の目標も立てずに、減容化や有害度を低減する、そういったことを大義名分に進められているんですけれども、これは最終処分が決まっていない以上はもう絵に描いた餅になってしまっていると私は思っているわけです。私はやっぱり核燃料サイクルから脱却するべきだというふうに思っていますし、そこから脱却しなければいつまでも原発を減らしていくことができないというふうに思います。
 是非、その負のループから抜け出すために、私は、東電、電力会社の皆さん、また政府、そして規制委員会の皆さんにもう一度これ考えていただいて、どうやったらこの核燃料サイクル、夢のサイクルと言われたものから、この負のループから抜け出すことができるのか、是非それを真剣に考えていただきたいというふうにお願いをして、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#152
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。
 本日は、バックエンド法、使用済燃料再処理等積立金積立て管理法改正法案ということで、改正後は名前が変わって再処理等拠出金法と呼ばれるようになるということでございますけれども、この法案、今後の電力の、これもう既に、始まるわけですが、完全自由化の時代においても核燃サイクル事業が安定的に続けられるように、言わば国家の関わりを強化するとともに、既に再処理などの技術、人材が蓄積されている民間企業の活力の発揮、これを促進することとの両立を図る、これが狙いだと考えております。
 その法改正の対象である核燃サイクル事業の中核となります六ケ所再処理工場、私も昨年の年末、クリスマスイブ、狙ったわけではないんですが、たまたま日程の関係でそうなりましたけれども訪問してまいりまして、冬の厳しい下北半島であります、ホワイトクリスマスならぬブリザードクリスマス、これを覚悟して参ったわけでありますが、たまたま晴れ間もある良い天候に恵まれた視察となりました。
 その六ケ所再処理工場、九三年に着工しましたが、セル内での高レベル廃液漏えいですとかガラス固化試験のトラブル等々に見舞われまして、これまでの道のりは決して平たんなものではありませんでした。それでも、日本原燃、原子力事業者などによる人的、技術的サポート、時に海外からのアドバイスなども受けながら、そして何より地元の立地自治体等とのコミュニケーション、配慮、これをしっかりと重ねて、様々な課題を克服してきたと聞きました。そして、一三年五月には全ての試験を終え、安定的な運営が可能であることが確認され、現在は規制委員会の適合性確認を申請しており、一八年上期の竣工を目指しているところであるということを私も先日現地で直接確認してきたところであります。
 本日は、こうした点も踏まえまして、この法案の内容についてまず質問をさせていただきたいと思います。
 原子力立地自治体地域と事業者との信頼関係、これは私の地元福井県においても極めて長い期間にわたって醸成されてきました。再処理事業等についても、地元青森県並びに六ケ所村の皆様の大変な理解と協力の下に今日に至ったものと承知しております。
 今回の法改正の内容である事業改革の一つは、先ほども申しましたが、電力自由化という新しい競争環境下でも核燃料サイクルを安定的に運営していくために使用済燃料再処理機構、これを新たに設立するとともに、その機構が原子力事業者からの拠出金によって核燃サイクル事業を民間委託する、こういう仕組みであります。
 立地現地からの視点では、この機構が設置されても地域振興を含む立地自治体地域との関係を引き続き大切にしていただくことが極めて重要と考えられます。特に事業者と地元との間で締結されている立地基本協定、午前中にも小林先生からも資料も出されてございましたけれども、この当事者として機構がその中でしかるべき役割を自ら果たしていくことが欠かせないんじゃないか、こういうふうに考えておりますけれども、この点、経産大臣のお考えをまず問いたいと思います。よろしくお願いします。
#153
○国務大臣(林幹雄君) 使用済燃料の再処理等を実施するに当たっては、立地自治体など関係者の理解と協力が極めて大事だというふうに思います。拠出金制度の移行後もこの考え方に変わりはありませんで、国としても、設立や実施計画に対する認可等の一定の関与を通じて、認可法人が立地地域との関係をしっかりと尊重するよう促していきたいと考えております。
 なお、新たな認可法人が設立された後もその事業は日本原燃に委託されることを想定しております。したがって、拠出金制度の移行後も、現在、日本原燃が担っている地元雇用あるいはまた地域振興が損なわれることはないものと認識しているところでございます。
#154
○滝波宏文君 地域の思いをしっかりと受け止め、そしてまた現場の技術を十分に理解している人、こういった人たちにきちんと目配りのできる体制をつくることが大切なんだと思います。それができなければ全てが絵に描いた餅になりかねない。今回つくる機構についても最初の組織づくりと人事は極めて大切であり、じきに機能しなくなってリフォームが必要だ、そういったことがないように徹底した配慮とまた検討をお願いしたいと思います。その際、何より現地主義、現場主義、これを忘れないようにお願いしたい。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、機構という認可法人の形態、これは例えば株式会社ですと撤退が自由というふうなことで、いろんな懸念、こういったものも大きいわけでありますけれども、それに比べて核燃サイクル事業の安定的運営の観点からは、認可法人、これ好ましい法人形態であるかなというふうに考えております。
 この機構が行う業務として再処理等を行うことと拠出金を収納することが挙げられており、再処理等の一部を委託することができるとなっているわけでありますが、委託ということになりますと、機構が委託の発注者として民間委託先に対し一定の管理監督機能を果たすこと、これはもちろん重要なのではありますけれども、その一方で、監督関与が余りに強過ぎて、例えば人事までに介入してくることになると民間企業としての活力が今度は発揮しにくくなる、こういったことも十分考えられるわけであります。
 その視点からは、民間企業が持つ技術、人材を毀損することなく育成、発展できる体制、それから効率向上へのインセンティブを持って、委託先が自主的にかつ一定の裁量を持って柔軟に様々な環境変化に対して迅速な対応ができる経営、それが可能となる体制を確保することが極めて重要ではないかと思ってございます。
 この点につきまして、我が同期の北村大臣政務官に見解と具体策をお伺いします。
#155
○大臣政務官(北村経夫君) 今委員が御指摘になりました民間活力を生かすというのは、大変重要な視点だろうというふうに私も認識しております。
 その上でお答えいたしますけれども、新たな制度下におきましては、再処理の現業、これは日本原燃が委託先として引き続き行うことが想定されます。その一方で、認可法人は再処理等の事業全体の工程管理等を行うこととなります。その際、再処理等の事業全体を滞りなく運営するためには、単なる効率化にとどまらず、中長期的な技術開発、そして人材育成、安全への投資も必要となってまいります。認可法人は、こうした視点を含めまして、日本原燃の民間企業としての自主性を尊重しつつ、事業全体を客観的かつ継続的にチェックしていくことが重要だと考えております。
 これによりまして、日本原燃の技術や人材、引き続き最大限活用されることに加えまして、民間企業としての創意工夫や効率化のインセンティブが促されることで着実な効率的な再処理等の実施に資するものと考えております。こうした認識を踏まえましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#156
○滝波宏文君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょっと順番変えて恐縮ですけれども、プルトニウム消費とプルサーマル、高速炉推進についてお伺いしたいと思います。
 平和利用に徹して原子力の利用を進めること、これは我が国の原子力開発の原点でありますけれども、六ケ所再処理工場では、この平和利用の監視体制、すなわち保障措置の面に厳重を期してIAEAの要件などを尊重し、完全に確立しております。具体的には、先日私も現地で確認してまいりましたが、IAEAの査察官が常駐し厳しい査察を行っているほか、核物質の流れを自動検証し監視するシステムや、IAEAと日本の当局が現地でタイムリーな核物質分析を行うためのオンサイトラボ、こういったものが整備されております。
 それでも、再処理工場で発生するプルトニウムを消費し、使用目的のはっきりしないプルトニウムを持たない、これは平和利用に徹する我が国の基本方針でありますので、プルトニウムを確実に消費するプルサーマルの、そして高速炉の実施、これは極めて重要だと考えております。
 一方で、プルサーマルが予定されている発電所の再稼働申請、これは現在十基でなされておりますけれども、審査が終了し再稼働されたのは高浜三、四号だけで、その三、四号も運転差止めの仮処分決定がなされている状況だと理解しております。また、高速炉についても「もんじゅ」の運営について規制委員会から勧告が出ている、こういった現状であります。
 二年後、二〇一八年七月に控えております日米原子力協定の改定時期も、これを念頭に置いて、いわゆる余剰プルトニウムをつくらないため、安全性の確認を実現してプルサーマルの原子力発電所の再稼働、そして高速炉の推進、これを早期に実現することが急務であると考えますが、この点についての政府の見解、対策、そして展望をお伺いします。
#157
○政府参考人(日下部聡君) 今御質問いただきました点、元々、エネルギー基本計画では、安全最優先かつ利用目的のないプルトニウムは持たないという原則の下で、二つの方針、今御指摘にありましたプルサーマルの推進と、それから将来的にはフランスとの国際協力などを進めながら高速炉の開発を進めていくと、この二つの方針を明示しております。このうちプルサーマルにつきましては、今御指摘ありましたように、今、合計十基がプルサーマルの計画を有する原発として新規制基準の申請がなされている最中であり、かつ電力会社は、六ケ所再処理工場が操業を開始するまでに新たなプルトニウム利用計画を策定、公表するということになっております。
 政府としては、やっぱり電力会社のこのプルサーマル事業を円滑に進めていくために国民の理解をきちっと取っていく、進めていくということが重要であると考えております。この点につきましては、政府自身も主体的に貢献をしていきながら円滑なプルサーマルの実施に努めていきたいというふうに考えておりますし、また一方で、プルトニウムの供給サイドにつきましては、今回の法案が成立いたしますれば、この法律を活用いたしましてより確固とした形でプルトニウムバランスを確保していきたいというふうに考えております。
 一方で、高速炉でございますけれども、これは将来の実用化を視野に入れて進めていくことが非常に大事でありまして、国際協力を進めながら研究開発に取り組むことが重要だと思っております。経済産業省自身も主体的に、フランスとの協力も含めて、高速炉の研究開発を推進していきたいと、こういうふうに考えてございます。
#158
○滝波宏文君 今お話もありましたけれども、一昨年四月に閣議決定されたエネルギー基本計画、これにおいても、資源の有効利用、高レベル放射能廃棄物の減容化、有害度低減などの観点から、使用済燃料を再処理し、回収されるプルトニウム等を有効利用する、この核燃料サイクルの推進というのは基本方針とされているわけであります。
 この方針、立地地域、そして国際社会との信頼もこの国策に基づいているわけでありますので、しっかり国策として核燃サイクルを進めていただきたいと思います。
 続きまして、新しい拠出金制度について少し議論したいと思います。
 新たな制度における拠出金というのは、直接は原子力事業者が毎年度の発電量に応じて再処理等の実施に必要な費用として拠出することになるわけでありますが、最終的な負担、これは電気料金を通じてその負担者である国民からいただくわけであります。そういう意味で、負担者である国民からの理解、これは不可欠なわけでありますが、その国民の理解を得ていくには、拠出額に合理性があるということは欠かせないポイントではないかなと思います。先ほど来、話してございます六ケ所再処理工場、これの建設工事費というのも、まさにサイクル事業の中核施設でありますので、拠出金とも密接な関係を持っているわけでありますが、当初見込額七千六百億円が、地震対策や飛来物対策など様々な要因のために二兆円超えに増加せざるを得なかったというふうに聞いてございます。
 拠出金のこういった変動、そしてまた拠出金のこういった妥当性というものについて、どういうプロセスでやっていくのかについては、機構による拠出金の金額決定と、それから、それに対する国の承認、こういう形で担保されることになっておりますが、どういう具体的なプロセスを踏んで合理性の判断がなされるのか、そして、先ほど申し上げたように、負担者である国民の理解をどう得ていくのか、この点について経産省の見解をお伺いしたいと思います。
#159
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今回御提案しております拠出金制度についての国民の理解と、こういうお尋ねでございます。
 今先生御指摘のとおり、拠出金単価の決定に当たりましては、機構の役割と、それから国の役割とございます。
 まず機構の役割について申し上げたいと思いますが、認可法人が決めていくわけでございますけれども、その中で、拠出金単価の決定といいますものは、外部有識者を委員といたします運営委員会、こちらの方で議決をいただくと、こういうふうな仕組みとさせていただいております。そして、この運営委員会、今申し上げました外部有識者ということで、外部の目を活用するという形で、事業に要する費用、今お話がありましたように、三倍になってしまっているような費用の総額等につきましても改めて外部の目を活用して精査をしていただくと、このようなことをまず認可法人、機構の段階でやらせていただこうと思っております。
 加えまして、国におきましても、拠出金単価の決定、これだけではございませんけれども、重要事項につきまして認可を行うという形にさせていただいております。この形でいわゆるダブルチェックを利かせるということで、今回の拠出金単価というものの妥当性を確認するというプロセスにしていこうと思っております。
 この際、この拠出金の合理性を確保していく際に、やはり適切な情報の開示というものも非常に大切だと思っておりまして、広く国民の皆様に御理解をいただけるよう努めていかなければいけないと思っておりますし、加えまして、恐らくこの拠出金単価の水準というものの数字を御覧いただくだけではなくて、先ほど来御議論ありますように、今回の拠出金制度、再処理という、あるいは核燃料サイクルという政策に絡むものでございますので、国の考え方、政策、どうしてこうしたことを進めているのかといったことも併せて御説明をしていくことが国民の方々の御理解を得るために必要不可欠だと、このように考えております。
#160
○滝波宏文君 続けて、拠出金の負担の公平性の話等に進みたいと思います。
 こういったプロセス踏んで決められます拠出金ですけれども、新たな安全性の知見ですとか規制委員会の新しい視点の判断、こういったことによって追加の対策費用が必要になること、これは十分あるかと思います。午前中もちょっと議論ありましたが、そういったことについて、今後、事業者の予測可能性を超えるものが発生することもあり得るわけで、それが事業者の自助努力などでは到底対応できない可能性もこれまた否定できません。こうした不測の事態で拠出金が増加する場合の対応の仕組み、ルールをどうするのかをお伺いしたいと思いますし、併せてお伺いしたいのは、拠出金負担の公平の問題であります。
 原子力事業者からの電気を、今後、電力自由化の中で購入しない、そういう需要家の方も出てくるわけですが、こういった方々は拠出金を一切負担しない可能性もあり得るわけであります。
 エネルギーの安定供給など国益につながる核燃サイクル事業の推進、こういう視点では国民がひとしく負担すべきだという意見もあるわけでありますが、国民の間で拠出金負担について不公平が生じることがある、これは問題じゃないかと思いますけれども、この点についてもどのように解決していくおつもりか、併せて経産省の見解をお伺いいたします。
#161
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 予見可能性を超える費用という点についてでございますが、まず、先ほど申し上げました拠出金単価の決定というところ、精査をしていくということを申し上げました。したがいまして、今回の原子力事業者が負担すべき費用というものについて拠出金を納付すべき義務を課しているわけでありますが、その中で、まずはこの新法人が事業に要する費用の総額、これをしっかりと精査する、これはある程度将来の様々なことを予測しながら試算の精度を高めていくと、こういうことがまず最初にあるべきことかなというふうに思っております。
 その上で、御指摘のように、将来全てそれが保証されていることではないかと思います。再処理等に必要な総額が、これは増減両方あるかと思います。上に行く場合、下に行く場合、両方あるかと思いますが、その時点時点でしっかりとこの拠出金の単価を決定するというふうなことをこの機構の方で考えていかなければいけないというふうに思っております。
 その際、大切なことは、時点時点で精査をしていくわけでありますが、先生の先ほどの御指摘にもちょっと関係しますが、事業者間の公平性というのもしっかり勘案していかなければいけない。一部の事業者がその時点での総額の見直しといったことで不利益を被ることがないように、しっかりと決定をしていくということが大事かと思っております。
 それからもう一つ先生の御指摘の中で、公平性と、これは利用者の公平性ということかと思います。原子力を使われている利用者、それから原子力を使っていない方々、この公平性をどういうふうに確保していくか、これは大変難しい問題でございまして、現時点で私ども何か具体的な回答を持ち合わせているわけではございません。費用の回収手段といったものについてどのようにしていくかということについては、今後の検討課題だと思っているところでございます。
#162
○滝波宏文君 本日の議論も踏まえながらしっかり検討していただければと思います。
 そして、先ほど、この拠出金の決定に当たっても、回答の中でございました機構にできます運営委員会、このメンバーについてちょっとお伺いしたいと思います。
 外部有識者を、外部からの目というのが先ほどありましたが、構成員に含む運営委員会を意思決定機関として設置するということでありますが、途中の議論の過程で、こういった外部有識者としては、再処理を含む原子力事業や関連する技術、また経営、金融の専門家、プロジェクトマネジャーの専門家の必要性が議論された、こういうふうに伺っておりまして、改正法案では、再処理等、電気事業、経済、金融、法律又は会計に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから任命する、こういうふうになっていると承知しております。
 ただ、スペックとしてそれだけではちょっと足りないんじゃないかというふうに思ってございます。今回の対象となる商業用の再処理施設というのは世界的に見ても非常に例が少なくて、現在我が国のほかで動いているというのはフランスのラアーグ再処理工場だけであり、しかも非核保有国で再処理が認められているというのは、これは我が国だけであります。
 この貴重な技術を有することはすぐれて私は国益に沿うものであり、有効に使っていく必要があるんじゃないかというふうに思ってございますけれども、先ほど、そういった法律上整理されている専門的な知識、そういうものに加えて、再処理やMOX燃料加工などの核燃サイクルの国家的事業の意義ということをきちんと理解していること、また、通常の原子力発電事業とまたプラスアルファの技術がありますので、この部分をしっかりと理解している、こういった人材が運営委員会にメンバーとして欠かせないんじゃないかというふうに思ってございますけれども、この点について経産省の見解をお伺いします。
#163
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 運営委員会のメンバーの構成についての御指摘でございます。
 御指摘の中でもございましたけれども、私ども、この運営委員会、外部の目の活用ということで、必ずしも原子力事業あるいは電気事業に限らずに様々な分野の知見の方々に参加をしていただく、こういうことを法律の中で定めているところでございまして、その一つの観点といたしましては、この実務に通じた役職員に任せ切るわけではなくて、事業の効率性だとか透明性を担保することも極めて重要だと、こういう観点からこうした仕組みを御提案させていただいているところでございます。
 この運営委員会の委員につきましては、先ほども御指摘がありましたけれども、これは理事長が任命する、ただし経済産業大臣が認可をするという法律上の仕組みとなっております。したがいまして、この時点で私の方から何か具体的なことを申し述べるということは一定の制約があることは御承知おきをいただきたいと思いますけれども、やはり再処理事業という特殊性あるいは専門性というものを鑑みますと、この法律の中にあります経済、金融、法律又は会計といったことだけではなくて、ほかにも法律上は再処理あるいは電気事業といったことも書いておりますけれども、こうした原子力事業や関連する技術を熟知した方々にも当然参加していただくことが必要になってこようと思います。
 最終的にこれは大臣の認可マターでございますのでこれ以上申し上げることは難しいわけでございますけれども、今御指摘のような原子力の重要性、あるいは再処理事業を日本の国が担っている、そうしたところの意義といったようなことについても御理解をいただいた方々にも参加をいただくということは、バランスを全体として取る意味では重要な御指摘かと思っております。
 いずれにしても、今後の理事長の任命あるいは大臣の認可の過程でしっかりバランスを取って判断されていく、適材適所を確保されるようにしていくと、こういうことかと思っております。
#164
○滝波宏文君 外部からの目ということでありますので、様々なバックグラウンドを持つ方々に入っていただく、これは大事なことだと思いますが、いずれにせよ、これ、再処理事業、核燃サイクル事業、このことについてちゃんと理解があるということが必要じゃないかと思いますので、先ほどお答えいただいた点しっかり踏まえて、今日の議論を踏まえて今後やっていただければと思います。
 それでは、この法案からちょっと変えさせていただきまして、今日は田中原子力規制委員長にもおいでいただいてございますけれども、残り時間ちょっと少ない中で恐縮ですが、ゴールデンウイーク直前、先月の二十七日ですけれども、規制委員会が有識者会合の評価書を受理した志賀原子力発電所敷地内破砕帯についてちょっと質問をしたいと思います。
 まず、この有識者会合の評価書の位置付けについてなんですけれども、規制委員会は、二十六年十二月三日の同委員会において、適合性審査に当たっては原子力規制委員会が審査を行い許認可の可否を決定すると、この際、有識者会合による評価を重要な知見の一つとして参考とするほか、事業者から追加調査等による新たな知見の提出があれば、これを含めて厳正に確認を行っていくというふうに整理していると承知しております。これは、敦賀原発の破砕帯案件等々で有識者会合の位置付けが問題になったことを踏まえた後の整理というふうに理解しておりまして、要は、有識者会合評価書はあくまで参考であって、規制委員会で責任を持って一から検討するというふうにしたわけであります。これについては私も適正な整理なんだと思ってございます。
 ところが、その四月二十七日に志賀原発の有識者会合の評価書を受理したときの規制委員長の定例記者会見、これをちょっと拝見すると、田中委員長は評価書を尊重するというふうに発言されておりまして、これでは参考ではなく、その評価書の結論を適合性審査で踏襲するというふうにちょっと聞こえております。
 規制委員会の審査前にこのような予断を与えるということは私はゆゆしき問題じゃないかというふうに思ってございます。この点、見解を伺いたいなというふうに思いますが、田中委員長、いかがでしょうか。
#165
○政府特別補佐人(田中俊一君) 志賀の破砕帯の評価書についての内容は先生多分御覧になっているんだと思いますけれども、この重要な結論は、十分なデータがないので、可能性があるという判断はあります。六つの点ですけれども、今後、こういったデータを補充して、それを基に審査を進めるべきというような、そういう指摘があります。
 そういう意味で、単なる参考というよりは、そういった指摘もきちっと尊重して今後の審査に臨むべきだという意味で申し上げているわけでございまして、基本的には以前から私が申し上げていることと何ら変わるところはありません。
#166
○滝波宏文君 そうしますと、確認なんですが、先ほど私が申し上げた二十六年十二月三日に規制委員会が整理されたラインというのは、変更はされていないということでよろしいんでしょうか。
#167
○政府特別補佐人(田中俊一君) 一般論として、そういう参考ということですけれども、今回の評価書をよく読んでいただけば分かりますけれども、有識者会合自体が十分なデータが得られなかった、十分な決定的な、結論的な判断をするに至らなかったということで、そのためには、細かいことは申し上げませんけど、六つの点について更にデータの補充が必要であるということを最後の結論のところに触れられていますので、そういった指摘を尊重すべきということを、繰り返しですけれどもそういうふうなことですので、そういった指摘を十分尊重して今後の評価会合に臨むべきであろうということを記者会見ではお答えしたわけでございます。
#168
○滝波宏文君 済みません。もう一度別の言い方で確認しますが、ほかの既に四つの有識者会合が進んできていると理解しておりますけれども、それらとこの志賀についての有識者会合の評価書の位置付けというのが志賀用に変わったというわけではないということでよろしいんでしょうか。
#169
○政府特別補佐人(田中俊一君) 特に本質的にそこの趣旨が変わったというわけではありません。最終的には、我々の責任において審査会合で最終的な判断をするということであります。
#170
○滝波宏文君 私は、適合性審査でやっぱり規制委員会が責任を持って厳正に審査をするということを考えますと、有識者会合の、当然ながらですが、評価書だけをベースに審査をするんではなくて、ピアレビュー会合も開かれたわけでありますし、また事業者から追加的な調査結果、こういったものも出てくるわけでありましょうし、従前、事業者の方が主張してきたこと、それについてもきちんと踏まえて十分な議論を行いながら、まさに科学的な、技術的な、総合的な審査を進めていくべきであり、また今日はちょっと時間がないので細かくはいきませんけれども、有識者会合というのは法的根拠のない会合でありますので、そこはきちんとした権限を持っている規制委員会が白紙の状態からきちんと責任を持って判断をしなきゃいけないというふうに思ってございますけれども、その点についての御覚悟を田中委員長にもう一度お願いします。
#171
○政府特別補佐人(田中俊一君) こういった破砕帯に対する判断とかというのがかなり専門的なところがありまして、私ども委員会だけではそれを十分にそしゃくできないというか判断できない場合には有識者、専門家の助言とか意見を求めることは、この破砕帯の調査に限らず今までも行っているところでございます。
 ですから、そういった意見は、もちろんそういったものをしんしゃくし尊重しつつ、最終的には私どもの責任において判断をするということには変わりないということであります。
#172
○滝波宏文君 今日はちょっと時間が十分じゃなかったので、資料は一応配付したんですが、改めて、また当委員会、時間のあるときに志賀原発のシーム、破砕帯の問題について具体的に議論をさせていただきたいと思いますけれども、先ほど来、有識者会合の評価書のことについての尊重を委員長ずっと強調されていらっしゃいますが、やっぱりピアレビューは、これも有識者会合でありますし、事業者もしっかりとしたいろんな調査を踏まえて、真剣になって議論を提出してきているわけであります。そういったものをきちんとひとしく尊重していくべきじゃないかというふうに私は思います。また改めて先ほど申したように志賀原発としては取り上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。
#173
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 この法案によって原発事業者が拠出することになる総額、これが一体幾らになるのかということで本会議で質問をいたしましたが、答弁ありませんでした。
 改めて確認をさせていただきたいと思いますが、現在の積立金で対象としている総事業費は一体幾らになるのか、そして、今回新たに対象となる事業及び額はどうなるんでしょうか。
#174
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 まず、現行の再処理積立金法の対象事業の総事業費は幾らかという点でございますが、事業者からの最新の報告によりますと、六ケ所再処理工場における再処理事業に要する費用は、現時点で明らかになっている新規制基準への対応に必要な費用も含めまして約十二・六兆円であると承知をしております。
 本法案におきましては、現行の積立金法で対象としていた事業に加えまして、そのほかに、現時点で具体的な計画を有していない使用済燃料の再処理に関連する事業、それからMOX燃料加工に関連する事業を制度の対象として追加をしているところでございます。
 これら追加したものを含めました事業に要する費用の総額でございますけれども、これは本会議でも答弁があったかと思いますけれども、法案成立後、認可法人の運営委員会におきまして専門家等の外部有識者にも加わっていただき精査することとしておりますので、政府として予断を持ってお答えすることは控えたいと考えております。
#175
○倉林明子君 六ケ所の再処理工場の建設費だけで、先ほど自民党の委員からも御指摘あったとおり、七千六百億円と当初見込まれていたものが二兆二千億円ということで、三倍にも達しているという状況ありますし、これまだ竣工しておりません。さらに、新たに対象となると今御説明ありましたMOX燃料加工工場、これ、額、時期いつかということありませんでしたけれども、新たなものも見込んでも一・二兆円だということで伺っているわけで、本当に巨額になるわけですね。これまでも増えてきたけれども、これから今後どこまで増えるかというのもはっきりしないというのが御説明の中身だと思うんですね。
 それで、これまで積立金の対象、これは法文上どうなっていたかというと、「再処理」ということになっておりました。ところが、今回拠出金の対象ということで、「再処理」と「再処理関連加工」というふうに追加の規定がされております。MOX燃料、これを使用した後に生じるのが使用済MOX燃料ということになると思いますが、これも将来的には再処理が必要だということで検討しているという旨の政府参考人からの答弁が衆議院でもあったというふうに思います。
 そこで、この新たな規定、対象となる再処理関連加工、ここに、法文上の規定からいって、これから必要となると、検討している使用済MOX燃料の再処理加工、これら除外することにはならないんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
#176
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今般の法案におきましては、競争が進展した環境の下におきましても使用済燃料の再処理等を滞りなく進める、こういう観点から、使用済MOX燃料も含めまして今後発生いたします全ての使用済燃料、これにつきまして再処理等、これは再処理とそれに伴います関連加工でございますが、これに必要な費用を電力会社から新たな認可法人へ拠出させると、こういうことを想定しております。
#177
○倉林明子君 何ぼでも増えるということですわ。
 今回対象となるMOX燃料加工工場、これに加えて新たな再処理関連加工費用と、今、使用済MOX燃料の再処理加工についてまで言及あったわけだけれども、一体本当にどれだけ増えるんだろうかということが非常に国民的には大問題になるということだと思うんです、私。
 回収について、大臣は託送料金への転嫁も否定されなかった。これ、答弁の到達だと思うんですけれども、公共料金なんですね、電気料金は。この電気料金が国民生活に直結するという問題を鑑みれば、私は、一体どれだけの拠出総額になっていくのか、これは法案出すという時点で明確に説明があるべきだと思います。こういう額の説明がない、対象の説明も、いや新たにこういうことも考えられると次々出てくるって極めて無責任だと、これは強く指摘をしておきたいと思います。
 そこで、更に重大だと考えておりますのは、使用済燃料、これを再処理しますと出てくるプルトニウムの問題です。
 原子力委員会に来ていただいております。確認をしたいと思いますが、我が国のプルトニウム利用の原則、どうなっているか、プルトニウム利用計画にも触れて御説明をください。
#178
○政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。
 平成二十六年の四月に閣議決定をいたしましたエネルギー基本計画において定められておりますけれども、我が国は、平和利用を大前提に、利用の目的のないプルトニウムを持たないという原則を引き続き堅持するというとともに、プルトニウムの適切な管理と利用を行うことなどが明確化されてございます。
 我々原子力委員会の方では、プルトニウムの平和利用に対する考え方や利用目的の明確化のための措置といたしまして、これは平成十五年八月に、我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方についてというものを決定してございます。これに基づきまして、電気事業者に対してはプルトニウム利用計画を策定、公表するということを求めておりますし、その利用目的の妥当性につきましては我々原子力委員会において確認を行ってきているという状況にございます。
#179
○倉林明子君 その計画をきちんと出してもらうと同時に妥当性を確認すると、プルトニウム利用計画についてはそういうことだと思うんですね。これ、今、現時点で新たなプルトニウムの利用計画はない、公表もされていないということは事実であります。
 そこで、プルトニウムの利用計画が策定されないと再処理工場の操業はないという趣旨で大臣、衆議院で答弁されているかと思います。
 そこで、大臣にお聞きしたいんですけれども、計画の策定だけじゃなくて、原子力委員会がその計画の妥当性、これを確認しなければならないとなっているわけですから、こういう計画の策定と原子力委員会による妥当性の確認、これがない限り再処理工場は稼働しないと、こういうことでいいのかと。さらに、確認したいのは、この妥当性が確認された利用計画がないという場合に再処理しないと、これは法文上担保されているのかどうか。いかがでしょうか。
#180
○国務大臣(林幹雄君) 電気事業者は、政府の方針であります利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を明確に認識をして、六ケ所再処理工場でプルトニウムの回収が開始されるまでに新たなプルトニウム利用計画を策定するとしているところでございます。プルトニウムの適切な管理と利用を進めていく上でこうした事業者の対応は当然のことと認識しておりまして、利用計画が再処理工場の操業前に策定されないようなことは全く想定しておりません。その前に必ず策定されるものと考えております。
 その上で、原子力委員会による利用計画の妥当性の確認については、法令上は再処理工場が操業する前になされることが求められているものではありませんが、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を担保するためにも、この確認は六ケ所再処理工場の操業前に行われることが適切であるというふうに考えております。むしろ、電気事業者は、利用計画の策定に加えて、原子力委員会による確認が六ケ所再処理工場の操業前に間に合うように対応を進めるものと、こういうふうに認識をしております。
#181
○倉林明子君 プルトニウムの利用の原則というのは、国がアメリカ等も含めて確認しているという、国の責任でやるべきことだと思うんですね。当然、事業者にそれを求めていくということについては、私はきっちり縛りを法文上も求められる性格のものだと、これは言っておきたいと思います。
 そこで、原子力委員会に改めて確認をしたいと思いますけれども、前回策定されたプルトニウムの利用計画、これについて確認をしたいと思いますが、プルサーマルで利用する量と再処理で発生するプルトニウム量、これ、それぞれ年間でどれだけになるか、そして総量でどうか、御説明ください。
#182
○政府参考人(中西宏典君) お答え申し上げます。
 平成二十二年三月に電気事業者が策定、公表いたしましたプルトニウム利用計画によりますと、平成二十七年度以降において利用する核分裂性のプルトニウムの目安の量は年間五・五トンから六・五トンとされているところでございます。また、平成二十二年度におきまして、日本原燃の六ケ所再処理工場で回収を予想しておりました核分裂性プルトニウムの回収量につきましては、平成二十二年の三月に電気事業者が原子力委員会に一回報告をしてございます。そのプルトニウム利用計画に基づきますと〇・五トンというふうにされておりました。
 しかしながら、これは平成二十年の九月に六ケ所の再処理工場の竣工時期の見直しということが行われまして、それに伴いまして平成二十二年度のプルトニウムの回収量はゼロとなってございます。以降、分離されたプルトニウムは国内で発生していないという状況でございます。
#183
○倉林明子君 フル稼働すれば再処理工場で回収できる核分裂性プルトニウムは四トン強だということで伺っております。
 いろいろ計画どおりにならなかったということで先ほどの数字出たかと思うんですけれども、妥当だと原子力委員会が評価したこのプルトニウム利用計画で、計画段階とはいえ、プルトニウムが一体いつになったら減るのかと。余分なプルトニウムを増やさないという観点から、妥当性の判断として大事な指標だと思うんですけど、いつ減るという計画になっていたのか確認できますか。
#184
○政府参考人(中西宏典君) 先ほど申し上げましたように、大体二十七年度以降、年間五・五トンから六・五トンという使用の目安といった量が示されていたところでございます。
#185
○倉林明子君 つまり、いつになるかということでいうと、極めて不確定要素が多過ぎて見えていないというのが、現状、これまで認定したプルトニウム利用計画でもはっきりしていると思うんですね。
 そこで、資料を今日は一枚用意いたしました。これは電事連が今年の三月に新たなプルトニウム利用計画策定できませんということで出してきたものとセットになっていたものだと思います。
 この状況を見ますと、前提条件としてプルトニウム利用計画では十六基から十八基のプルサーマル発電できる原発の稼働が必要だということになるわけだけれども、全くそんな状況は見通せません。さらに、現在どれだけ稼働しているかといったら、先ほど御紹介あったとおり、プルサーマルはゼロです。原発の新増設はしない、これが今の政府の方針です。さらに、法の原則は、四十年で廃炉にするというのが原則となっています。結局、プルトニウムが消費できる、消費される、この見通しは私は全く現時点でないというふうに思うわけです。
 そこで、経産省に聞きたいと思います。
 再処理工場が稼働すれば、発生するこのプルトニウムの総量、これは年間何トンになるか、そのうち核分裂性プルトニウムは何トンでしょうか。
#186
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 六ケ所再処理工場が竣工し、フル稼働した暁でございますけれども、年間約八百トンの使用済燃料を再処理するわけでございますが、その結果、約八トンのプルトニウムが回収されるということになります。そのうち核分裂性プルトニウムは約四トン強と、このように承知をしております。
#187
○倉林明子君 結局、発生するプルトニウムはフル稼働で八トンだと、年間。ところが、プルサーマルで、電事連が元々立てた計画でも、利用する核分裂性の、核分裂性なんですよね、プルサーマルで使うということでいうと、年間五・五から六・五ということになると思います。残りが出てくると、プルサーマル発電でフルに使うということでも残りが出てくるというふうに思うんですね、フル稼働した場合。一体これどこに使うんでしょうか。
#188
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 私先ほど申し上げましたけれども、八百トンの使用済燃料を再処理し、その結果、約八トンのプルトニウムが回収されますけれども、これは核分裂性、それから非分裂性の両方を足したものでございます。したがいまして、核分裂性のプルトニウムはそのうち約四トン強でございますので、先ほどの五・五トン等々の電事連の計画であれば、この約四トン強を上回る消費がなされるということになります。
#189
○倉林明子君 非核分裂性のプルトニウムがあるんじゃないですかと。その使い道あるんですか。
#190
○政府参考人(多田明弘君) 失礼しました。
 今御指摘の非核分裂性プルトニウムにつきましては、他の回収ウラン等々と同様にして備蓄をしていくことになろうかと思います。
#191
○倉林明子君 そういうのは当面の使うめどがないプルトニウムということになると思うんですね。
 私、唯一のプルトニウム消費の手段としている通常の原発の利用が、もう計画立てられないと、これ現状だと思います。その上、いつ使えるか分からない、長期保管というようなことになっている使い道が定まらないプルトニウムを、これ発生するのが再処理だということだと思うんですね。
 安倍総理は、今年開催されました米国核セキュリティ・サミットで、核物質の最小化、適正管理に関し、日本は利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を実践と、こう発言されたと聞いております。それならば、私は、再処理をすれば当面使い道、使うめどのないプルトニウムをつくることになるわけですから、決断としては再処理をしないということになるんじゃないかと思います。
 大臣、いかがでしょうか。
#192
○国務大臣(林幹雄君) 我が国は、エネルギー基本計画で閣議決定したとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ、使用済燃料の再処理等を行う核燃料サイクルを推進する方針でございます。
 使用済燃料を再処理する場合、使用済燃料を直接処分する場合に比べて高レベル放射性廃棄物の量の減少、放射能レベルの低減、回収されるプルトニウム等の資源の有効活用などの効果がございます。具体的には、例えば軽水炉サイクルの場合、高レベル放射性廃棄物の体積を直接処分する場合に比べて約四分の一に減らすことができますし、その放射能レベルについては十分の一以下にすることができます。また、残存する核燃料物質を有効利用し、新たに一、二割程度の核燃料を製造できるといった効果がございます。
 こうした効果のある核燃料サイクルは、原子力を重要なエネルギーとして使用してきた資源に乏しい我が国にとっては必要なプロセスであるというふうに考えております。
#193
○倉林明子君 もう使い古された説明だと思うんですね。私、国民にそれで説得できるんだろうかと思います。
 現在日本が保有するプルトニウム四十七・八トンで、世界が保有している民生用プルトニウムの何と一八%にもなっているというわけですね。私、そこに再処理で新たに発生させると、これフル稼働したら年間八トンだと、利用目的のないプルトニウムを持たないという原則を実践しているというようなことは到底言えないと思います。
 核兵器に利用可能なプルトニウム、これを大量に持ち続けることに国際的な批判が強まっている、まして唯一の被爆国である日本でプルトニウムを増やすと、こんなことに国民の理解というのは得られないと、明らかだと思います。
 原発の再稼働、核燃料サイクルはきっぱりやめるように求めまして、質問を終わります。
#194
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水と申します。よろしくお願いいたします。
 まずは「もんじゅ」についてお聞きをしたいと思います。
 先ほど松田委員からも「もんじゅ」に関する質問というのがありました。
 昨年ですけれども、原子力規制委員会から、原子力機構に代わる新たな運営主体を特定するよう求める勧告が出されました。先ほどその理由について、田中委員長ですけれども、原子力機構ですね、運営する資質がないということをおっしゃっていました。これは大変異例なことだと思います。「もんじゅ」、もう二十年以上にわたって運営してきて、その間様々なトラブルがあって、その都度やはりいろいろと問題を解決する方向に向いてきたと思うんですが、ここに来て、もう一兆円もお金使って、これだけの時間使って、それで結果、資質がない、運営主体見直しなさいと、こんな異例なことが起きてしまったのは残念でなりませんが、まずこの勧告に対して文科省の受け止め、聞かせてください。
#195
○政府参考人(板倉周一郎君) お答えいたします。
 「もんじゅ」につきましては、昨年十一月に原子力規制委員会より、おおむね半年をめどとして、原子力機構に代わって「もんじゅ」の出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体的に特定すること、その特定が困難であるのならば、「もんじゅ」が有する安全上のリスクを明確に減少させるよう、「もんじゅ」という発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直すことを求める勧告が馳文部科学大臣に対して発出されたところでございます。
 文部科学省としましては、このような勧告が発出されたことを重く受け止め、これまでの課題の総括、「もんじゅ」の在り方の検討、さらには具体的な運営主体の検討という三段階で検討を進めることとしております。昨年十二月には文部科学大臣の下に「もんじゅ」の在り方に関する検討会を設け、委員には「もんじゅ」の現地を視察いただき、これまで七回にわたる会議で議論をいただいております。現在は検討会としての取りまとめに向けて議論を深めているところであります。
 文部科学省としましては、検討会での議論を踏まえ、可能な限り速やかに課題が解決されるよう前面に立って対応を進めてまいりたいと考えております。
#196
○清水貴之君 今も課題という言葉が出てきました。馳大臣からもこれまでも、課題を解決できるようにと、課題という言葉が何度も出てきています。
 その課題なんですけれども、今検討会にもちろんある意味投げられているという状況ですから、そこから出てくるのかもしれませんが、ただ、これまでにもその課題というのは文科省でももちろん認識していて当然だと思うんですね。今、現時点で文科省はその課題というのはどういったところ、まずこの課題が分からないと解決しようがないと思うんですね。課題について、文科省はどういったところが課題だというふうに感じているんでしょうか。
#197
○政府参考人(板倉周一郎君) 今委員から御指摘ございましたように、まさに勧告を踏まえて開催しております「もんじゅ」の在り方に関する検討会におきまして、「もんじゅ」のこれまでの課題の総括に議論を行ってきているところでございます。その中で出てきている課題としましては、拙速な保全プログラムの導入や脆弱な保全実施体制、長期停止の影響や人材育成の課題、情報力や統率力の課題、東京電力福島第一原子力発電所事故を経ての社会的要請の変化への適応力不足などの点について指摘がなされているところでございます。
 これらの指摘を解決しながら、「もんじゅ」が果たすべき研究成果の取りまとめが可能となるよう文部科学省が前面に立って対応を進めてまいりたいと考えているところでございますので、こういった課題をしっかりと受け止めていきたいと考えてございます。
#198
○清水貴之君 今その検討会で、今度の新たな運営主体、今月中にでも報告書が出るというふうな話も聞いていますけれども、じゃ、その報告書に対してなんですけれども、どういう対応を文科省としてしていくんでしょうか。その運営主体をこうしなさい、ああしなさい、どういう結果が出るかはまだ分かりませんけれども、その結果に対して文科省としては、そのまま、はい分かりましたと丸のみして一〇〇%実施をしていくのか、それとも文科省でまたその後いろいろと検討して進めていくのか、どういった方針で臨んでいくのでしょうか。
#199
○政府参考人(板倉周一郎君) 「もんじゅ」の勧告を踏まえまして、検討会におきましてこれまでの課題の総括、さらには「もんじゅ」の在り方について活発な議論を進めていただいているところでございますが、今後はこれらの委員の議論を踏まえ、「もんじゅ」に係るこれまでの課題と新たな運営主体が備えるべき要件について検討会で取りまとめが行われるということを考えてございます。その後、この取りまとめを基に具体的な運営主体について文科省として検討してまいるということを考えてございます。
 以上でございます。
#200
○清水貴之君 ということは、出た結果を踏まえてですから、そのまま実行するということではないということですか。
#201
○政府参考人(板倉周一郎君) これは、検討会の結果を踏まえて、それを基に文科省として判断をするということでございます。
 以上でございます。
#202
○清水貴之君 結局、どういう結果になるか分かりませんけれども、運営主体、これだけ課題があって、今までのやり方に問題があるというふうに言われているわけですから、上だけ、トップだけを替えても、これはそもそもの体質とかいう話になっていくんじゃないかと思うんです。ここが変わらない限りは、また同じようなことが起きるんじゃないかというふうにも思っています。
 運営主体の部分は、分かりました、検討会から出てきます。その「もんじゅ」の働いている皆さんとか研究施設で研究されている方とか、こういったものの体質面とかモチベーションの部分とか、この辺りについては文科省はどう認識しているんでしょうか。
#203
○政府参考人(板倉周一郎君) 「もんじゅ」の運営主体が抱える課題につきましては、今委員の御指摘のような職員のモチベーション、さらにはその運営の在り方全般について様々な指摘をいただいているところでございます。そういった課題も総括し、それを踏まえて解決できるような方策を考えていくということでございまして、それは運営主体の在り方の中で改めてどういう運営主体がいいのかという検討結果を検討会で出していただいた上で、それを踏まえて文科省として対応をしていくということを考えてございます。
#204
○清水貴之君 二十年間ほとんど動いていないわけですね。働いていた職員の方、生え抜きの方、三十人ほどいたそうですが、異動や定年で現在は十人程度と、大半の職員の方は実際は運転経験がないわけです。こういったところで、さあ頑張っていこう、国のためだといって働ける方って、やっぱりなかなかモチベーションの維持というのも難しいと思うんですね。そういった状態で、じゃ運営主体だけ替えたところで、僕は、その仕組み自体とか組織全体が活性化するとか、何かきりっと引き締まった組織体になるかというと、決してそうではないと思うんです。
 ですから、そういったところまで文科省としてしっかりと、まあ検討会に投げて、検討会が今検討している、それは分かりました。でも、それを受けてやらなければいけないこと、文科省というのはたくさんあると思いますけれども、その辺の対応というのもすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#205
○政府参考人(板倉周一郎君) まさに今委員の御指摘のあったように、モチベーションの問題は非常に大きな問題でございます。これは、長い間停止してきたということは課題の中にも指摘がされていることでございますので、そういったことも前提としながら、ではどうしたらいいのかということもまさに検討会の報告書の中に盛り込んでいただけるということを考えておりますので、それを踏まえながら、より良いといいますか適切な運営主体の在り方について、まず報告書が出る、それを踏まえて文科省としてはどういう運営主体がいいのかということを具体的に検討していきたいと考えているところでございます。
#206
○清水貴之君 政府のエネルギー基本計画では、「もんじゅ」ですけれども、放射性廃棄物の減容に向けた研究拠点、国際的な研究拠点というふうに規定をされています。
 「もんじゅ」の二十年間、一兆円使った研究成果、あれば教えてください。
#207
○政府参考人(板倉周一郎君) 「もんじゅ」のこれまでの代表的な成果を申し上げますが、例えば設計及び建設の段階においては高速増殖炉の安全評価手法の整備やポンプなどのナトリウム用の大型機器の開発、さらには性能試験、これはゼロ%出力、さらには四〇%出力両方ございますが、この性能試験の段階においてはプラントシステムとしての四〇%出力の発電能力の実証や増殖比などの炉心特性の確認といった成果を上げていると承知しているところでございます。
#208
○清水貴之君 それはいつ頃出した成果でしょうか。
#209
○政府参考人(板倉周一郎君) この四〇%出力の発電能力を確認した時期でございますが、これは平成七年の八月から十二月の、これは四十四日間にわたる期間、実際に発電をしているところでございます。発電時間は八百八十三時間ということで、この間、様々なデータを取っております。
#210
○清水貴之君 そこに、平成七年ですから、二十年ほどトラブルで動いていないわけですから、その後なかなか成果というのはもうこれは出ないのは当然かなとも思うわけですけれども。研究拠点としているならば、これはある程度、やはり、様々研究って行われると思うんですけれども、期限を区切って、若しくは予算をしっかり定めてやっていくべきだというふうに思います。大体五年とか十年とかでプロジェクトって組んで、そこに予算が付いて、成果をしっかりと発表して、成果があればまた更に次の研究に進んでいけばいいですし、なかったら普通はそこで終わってしまうものですね。
 いつまでも、どんな成果が出るかも分からないし、動かし続ける、そこにお金を入れ続けるということに対して、国民の理解が果たして得られるのかなという、これはもう大変疑問なんですけれども。研究とするならば、成果をしっかり求める、予算をしっかりと決める、期限を区切る、こういうことをするべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#211
○政府参考人(板倉周一郎君) まず、エネルギー基本計画には、「もんじゅ」は、もんじゅ研究計画に従って研究を実施するということが書かれてございますが、このもんじゅ研究計画におきましては、「もんじゅ」の運転を通じて、高速増殖炉としての成果の取りまとめ、二番目は廃棄物の減容化及び有害度の低減、三つ目は高速増殖炉、高速炉の安全性強化の三つの研究開発を柱として行うこととしておりまして、高速増殖炉プラントとしての最低限必要な技術を取得できる五サイクル終了時点、これは六年程度というふうになっておりますが、これを成果の取りまとめ時期として定めておりまして、技術達成度やコスト、安全性などの観点から評価をし、その後について判断をするということになっております。
 他方、予算につきましては、「もんじゅ」に対する研究開発予算は、平成二十八年度予算としましては百八十五億円を計上してございますが、今後につきましては、高速炉の新規制基準が原子力規制委員会において明確になっていないこと、さらには周辺地域の基準地震動が定まっていないことなどの不確定要素があるため、現時点においてお答えすることは困難でございます。
#212
○清水貴之君 ということは、毎年大体二百億円と言われていますけれども、これがいつまで掛かって、若しくは単年度にがっと掛かる費用が、予算が上がるということも可能性としてはあるというふうに考えていいわけですか。
#213
○政府参考人(板倉周一郎君) これについても、先ほど申し上げましたとおり、新規制基準の在り方が決まっていないということから、どのような形で今後の予算が必要となるかということについては明確にお答えできませんが、現時点では、繰り返しになりますけれども、維持管理のために百八十五億円計上しているというところでございます。
#214
○清水貴之君 今後、その検討会の結果が出るということです。運営主体がどうなっていくのか分かりませんけれども、相当これに関しては国民の皆さんも厳しい目で見ていると思いますので、引き続きまた機会がありましたら質問させていただきたいと思います。
 続いて、使用済核燃料についてお聞きをします。
 使用済みの燃料プールですけれども、相当埋まってきていると。大体平均で七割ぐらい埋まっている。もうあと数年したら、稼働した場合ですけれども、数年したら全て満杯になってしまうというところもあるというふうに聞いていますが、今後はどう対応していく予定でしょうか。
#215
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、国内の原発のサイトの中に、全体で今一万五千トンほどの使用済燃料が貯蔵されているという状況でございます。一方で、各原発の貯蔵容量、これを全部足し上げますと約二万一千トンという状況でございまして、全体でマクロで見ますと一定の貯蔵の余地が確保されていると言えるかと思います。ただし、各個別のサイトを見ますと、やはり余裕のない原発も存在してきておりまして、再稼働が進み、あるいは廃炉が進展する、こういう中で、使用済燃料対策は喫緊の課題だと思っております。
 このため、昨年の十月でございますけれども、政府といたしまして、使用済燃料の貯蔵能力の拡大を目指しまして、使用済燃料対策に関するアクションプランというものを策定をいたしました。これは、これまではどちらかといえば使用済燃料対策については事業者任せであったという面があったわけでございますけれども、このプランに基づきまして、昨年の十一月、電力事業者の方から、使用済燃料対策推進計画というものの報告を政府として受けたわけでありますが、この前提といたしまして、計画を作ってくださいという要請も政府からいたしましたし、政府と事業者との協議会というのも立ち上げまして、その場でこの報告を受けた次第でございます。
 この計画によりますと、事業者は、二〇二〇年頃には四千トン程度、二〇三〇年頃には六千トン程度と、こうした使用済燃料の貯蔵容量を確保することを目指すとしているところでございます。
 今後とも、この使用済燃料の貯蔵能力の拡大、これは大変重要な課題でございますので、事業者が計画を作っただけではなくて、これを実現していけますよう適切にフォローアップするなど、国としてもこれまで以上に積極的に関与して対応をしっかり進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#216
○清水貴之君 その使用済核燃料に掛かる税金についてもお聞きしたいと思います。
 これまでは原発で燃料が使われる際に税金を掛けて自治体の税収にするというのが主だったということなんですが、今原発が動いていないところも多いですから、そうすると、その立地の自治体からしたら税収が減って大変だということで、使用済核燃料に対しても課税をしている自治体というのが増えてきていると。全国の八市町村で、私が調べたところでは毎年計二十九億円が、茨城県とか青森県とか薩摩川内市など、県でやっているところもあれば市町村でやっているところもあるんですけれども、増えているということなんです。
 これはこれで各自治体の財政状況を考えれば分からないでもないんですが、一方で、これをどこまで認めるべきなのかな、認めていいのかなというのも疑問です。結局はこれは電気料金に跳ね返って国民の負担になるわけですから、これを自由に、使用済核燃料が増え続けているのでそこに課税するということを認めていいのかなというのは大変疑問ではあるんですが、これに対してはどういう考え方でありますでしょうか。
#217
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今御指摘の使用済核燃料税を始めといたします核燃料に関する税につきましては、地方自治体、これが自らの課税自主権というものを活用して課税するものでございまして、今まさにございましたように、各地の財政事情等々も考慮しながら個々の自治体で御判断をされているものと、このように考えております。
 この核燃料に関する税につきましては、制度上は電気料金の原価に含まれるものではございます。したがいまして、先生の御懸念というのはあろうかと思いますけれども、仕組み上は、例えば法律で定められました消費税、あの税率のアップといったものにつきましては、これは値上げ申請等とともに簡便に行われている形になっておりますが、こうした法律に基づかない地方自治体の課税自主権を活用しました税金につきましては、電力会社から値上げ申請があることが前提となります。もし仮にそうした申請がありました場合には、電気事業法に基づきまして、私ども、料金原価全体について最大限の経営効率化を踏まえたものとなっているか、他の場合と同じですけれども、厳正に審査を行ってきているところでございます。
 したがいまして、こうした仕組みになっていることを前提に、事業者としてこうした課税がなされた場合にどう振る舞うのかといったことは各事業者が御判断されていると、このようなことかと思っております。
#218
○清水貴之君 最後に、今回の法案に関して、新しくできる機構、認可法人についてなんですけれども、拠出金が出されて相当な額のお金というのを管理するようになると思います。その管理をしかも長期にわたってということになると思うんですけれども、実際どうやって管理をしていくのか、運用していくのか、こういった問題がありますし、再処理業務をするのと資金管理、これを同一主体でやるということに対しても問題がないのかというふうにも思います。
 そういった認可法人の運営が、じゃ、適切にされているか、じゃ、誰がそういったものを監視するのかというのもしっかりと見ていかなければいけないと思うんですが、これについてはどういう考えでしょうか。
#219
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 拠出金の管理運用という点についてのお尋ねでございます。
 まず、規模感で申し上げますと、これは現行法でも積立金を持っておりまして、その積立金の残高は今二・四兆円ほどになっております。この二・四兆円ほどの資金につきましては、現在指定法人制度というものを使いまして、原子力環境整備促進・資金管理センター、これが管理運用していると、こういう状況になってございます。
 今回、この法案が成立した暁でございますけれども、私ども想定しておりますのは、この認可法人が自ら行うということを想定をしております。したがいまして、現行法の資金管理法人の方から二・四兆円は移管されて、そしてこの認可法人が自らそれを管理運用していくと、このような仕組みでございます。
 今、この運用の仕方については、これは認可法人がしっかり考えていくということかと思っておりますが、適正な運用がなされるように長期的に資金を安定して確保するということは大変重要でございますので、国債でございますとか地方債等のリスクの低い運用方法が取られるというものを想定をしているところでございます。
#220
○清水貴之君 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#221
○和田政宗君 日本の和田政宗です。
 法案の質問に入る前に、最近報道されております新聞の押し紙問題について、公正取引委員会に短く聞いていきます。
 押し紙は、新聞発行者が販売店に余分な新聞を買わせるものですが、この押し紙をめぐり、三月末に朝日新聞社が公正取引委員会から注意を受けたとの報道がありますが、これは事実でしょうか。また、注意の内容はどのようなものでしょうか。
#222
○政府参考人(山田昭典君) お答え申し上げます。
 公正取引委員会は、調査を行いました結果、独占禁止法に違反すると認定した場合には排除措置命令等を行っておりますけれども、独占禁止法違反の疑いのある行為が認められなかった場合におきましても、違反につながるおそれが見られる場合には、違反行為の未然防止を図るという観点から当事者に注意を行っております。
 今お尋ねの朝日新聞社に対する件でございますけれども、個別の事案の中身でございますので詳細は控えさせていただきますが、当委員会が朝日新聞社に対しまして、三月に販売店に対する新聞の販売方法について注意を行ったということは事実でございます。
#223
○和田政宗君 個別の案件はということでありますので、それではお聞きをいたしますけれども、押し紙行為が行われていることが判明した場合には、公正取引委員会はどのように対処するんでしょうか。
#224
○政府特別補佐人(杉本和行君) お答えさせていただきます。
 独占禁止法は、不公正な取引方法を禁止しております。新聞紙につきましては、新聞業における特定の不公正な取引方法というものにおきまして、発行業者が販売業者に対して、正当かつ合理的な理由がないのに、販売業者が注文した部数を超えて新聞を供給すること、又は、販売業者に自己の指示する部数を注文させ、当該部数の新聞を供給することにより販売業者に不利益を与えることを不公正な取引方法として禁止しているところでございます。
 公正取引委員会といたしましては、このような行為が行われている場合には厳正に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#225
○和田政宗君 ありがとうございます。
 それでは、本法案について質問していきます。これまでの質疑と一部重なるもの、そして基本的な質問もありますけれども、新たな組織をつくるわけでありますので、審議の中でしっかりと答弁をいただくとともに、議事録に載せるという意味でも聞いていきたいというふうに思います。
 まず、使用済燃料再処理機構でありますけれども、これを認可法人とした理由は何でしょうか。
#226
○大臣政務官(北村経夫君) お答えいたします。
 本法案により新たに設立される法人は、競争が進展した環境下においても使用済燃料の再処理等を着実かつ効率的に行うため、これまで再処理等事業が民間主体で実施されてきた経緯、関連技術、人材が民間に蓄積していることを踏まえまして、民間を主体とし、運営に国が必要な関与を行いつつ、事業を将来にわたり確実に実施するため、自由な解散に歯止めが掛かる法人であることが必要でございます。
 こうした観点から、総合資源エネルギー調査会に設置されました審議会での議論においても、法人の類型として、独立行政法人や特殊法人といった国の機関ではなく、認可法人が適切とされました。こうした議論も踏まえまして、本法案で新たに設置する法人を認可法人とすることにいたしました。
#227
○和田政宗君 それでは、再処理機構の職員数はどれくらいになるんでしょうか。
#228
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 新しい再処理機構でございますが、これは認可法人でございますので、民間の発意によって設立されるところでございます。したがいまして、組織の在り方についても今後発起人を中心に検討されるものと認識をしておりまして、現時点で政府としてその規模を具体的に想定をしているわけではございません。
 他方で、今回、再処理機構と類似という意味では、賠償の支援機能と資金管理機能とを併せ持っております原子力損害賠償支援機構、今は廃炉もやっておりますけれども、この機構が当初数十名規模で業務を開始したと、こういう事実がございます。
 今回の再処理機構も再処理等の司令塔の機能と資金管理機能を併せ持っておりますので、こうしたものを参考とした規模で発足するのではないかと、このようなイメージを持ち合わせております。
#229
○和田政宗君 では、その再処理機構の役員に当たる方々についてお聞きをしたいというふうに思いますが、理事長や監事につきましては、これは経済産業大臣が任命するわけです。そして、理事長が任命する理事という者がいますけれども、こうした役員につきまして、どのような属性の人物が就任する見込みであろうかということ、そして、懸念されるところとしまして、この組織が省庁の天下り先になるのではないかという指摘もございますけれども、そういった懸念についてはどういうふうに考えているのか、大臣、お願いいたします。
#230
○国務大臣(林幹雄君) 新たな認可法人の役員人事につきましては、経産大臣として、今御指摘の理事長と監事については任命、その他の役員については理事長による任命について認可することを通じて関与することになります。
 こうした認可法人の組織の在り方については、今後、民間の発起人を中心に検討されるものと認識しておりますが、任命や認可に当たっては、再処理事業という特殊性、専門性、実務能力、組織マネジメント力などを勘案した上で判断することになると考えております。
 この際、国家公務員の再就職については、国家公務員法上、いわゆる天下りあっせんは禁止されておりまして、これに反した再就職が行われることはございません。
 今後、適材適所の組織設計が行われるよう、任命等を通じてしっかり対応してまいりたいと思います。
#231
○和田政宗君 済みません、そうしますと確認ですけれども、経済産業大臣が任命する理事長や監事につきましては、経済産業省のOBが就任するということもあり得るということでしょうか。
#232
○国務大臣(林幹雄君) 新たな認可法人の組織の在り方につきましては、民間の発起人を中心に検討されるものと認識しておりまして、その上で、新たな認可法人の役員人事については再処理事業という先ほど言った特殊性とかいろいろなものを勘案した上で判断することになります。
 人事の基本は適材適所でありまして、国家公務員OBだからといって直ちに排除すべきものではないと考えておりますが、他方で、現時点において新たに設立される認可法人の役員に国家公務員OBが就任するということを想定しているわけではございません。(発言する者あり)
#233
○和田政宗君 これは、今いろいろ声も上がっておりますけれども、やはりしっかりと組織を運営していくというのは適材適所というようなことであろうということはまず第一でございますけれども、また、あらぬ疑念を抱かないようにするということも重要であろうというふうに思いますので、その点はしっかりとした任命をお願いしたいというふうに思っております。
 この再処理機構につきましては、人材がいわゆる数十人単位になるのではないかという推測であるということでありますけれども、この人材、職員というものはいかに集めて育成をするのか、答弁願います。
#234
○政府参考人(多田明弘君) 再処理機構の役職員につきましては、今後、その組織のトップであります理事長等を中心に具体的な人材募集、あるいは法人内部での人材育成の方法、こうしたものについて検討されることになると思っております。
 このうち、運営委員につきましては、これは先ほど来ございますけれども、様々な各分野での、幅広い分野で専門性を持つ外部有識者を充てることとしております。また、認可法人の実務に当たります役職員につきましては、これは再処理事業あるいはその資金管理、この機構が行います実務に専門的な知識を有する人材の確保が不可欠だと考えております。
 こうした人材の確保、この人材のプールというのが我が国においてどれぐらいあるのかというところを考えますと、原子力事業者の協力というのも極めて重要なところだと思っておりまして、原子力事業者が認可法人の設立や組織の構築に向けて積極的に協力する考えであると、このように私どもは承知しております。
 政府といたしましても、役員あるいは運営委員の人事、これは大臣の方で一定の関与が行われるわけでありますけれども、認可法人全体として、この役職員、実務がしっかりと回る、機能していくような適材適所の組織設計が行われるようしっかり見守ってまいりたいと思っております。
#235
○和田政宗君 実務が回るということと、いざというときにやはり独立性というものもしっかり担保されるようにお願いをしたいというふうに思っております。
 六ケ所の再処理工場について聞いていきますけれども、これが稼働いたしますと、核分裂性プルトニウムの生産というものが消費を上回る形になるわけでありますけれども、これに対して政府の認識を改めて伺います。
#236
○大臣政務官(北村経夫君) これまでの答弁と多少重複いたしますけれども、六ケ所再処理工場はほぼ二年後の二〇一八年度上期の竣工予定であります。また、稼働後も五年を掛けてフル稼働に至る予定でございます。このため、直ちに年間約四トンの核分裂性プルトニウムが回収されるわけではございません。
 一方、高浜原発三、四号機の二基を含めて、合計十基がプルサーマルの計画を有する原発として新規制基準への申請がなされております。今後も申請は増えることが期待されているところでございます。さらに、事業者は六ケ所再処理工場が操業を開始するまでに新たなプルトニウム利用計画を策定、公表することとしておりまして、政府といたしましては、その妥当性をしっかりと確認していく計画でございます。
 当然のことながら、我が国の方針として、利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を堅持しております。漫然とプルトニウムが増加するようなことはあり得ないと認識しております。その上で、今回の法案が成立すれば、経産大臣が、認可法人が策定する再処理等事業の実施計画を認可することとなるわけでございます。万が一政府の方針に反するような計画が策定された場合には、当然のことながら認可しないこととなります。
 このような取組を通じまして、今後ともプルトニウムの適切な管理と利用を行っていきたいと、そのように考えております。
#237
○和田政宗君 今、答弁にありましたように、これは全てがうまくいった場合というような観点ということも答弁を聞いていると思うわけでありますけれども、我々が想定しなくてはならないのは、うまくいかなかったときの状況も含めてということであろうというふうに思っております。
 そのサイクルといいますか、いろいろなものが稼働していくのかどうかと、これはプルサーマル等も含めてですけれども、稼働していくのかどうかという観点を考えてみた場合に、核分裂性プルトニウムというものが、これがどんどんどんどん積み上がっていく、これは将来的にそれは解消されるんですよという場合の一定の一時期だというふうに思いますけれども、そういった場合にその保管についてはどういうふうにやっていくのか、場所も含めて、スペースも含めてどうなんでしょうか。
#238
○政府参考人(多田明弘君) つまり、暫定的な点についてであろうかと思いますが、核分裂性プルトニウムのその保管についてのお尋ねでございます。
 今、政務官の方からもお話がございましたように、我が国としては、利用目的のないプルトニウムを持たないという原則で、したがって、適切な管理と利用を行うという方針はそのとおりであろうかと思いますが、その中で、いわゆる核不拡散の対象となります核分裂性プルトニウム、これはどうなるのかというところでございますが、実際の保管につきましては、それが粉末の状態であるにいたしましても、あるいはMOX燃料の形であるにいたしましても、いずれにいたしましても原子炉等規制法、これに基づきまして、再処理等の事業を行う事業者等が安全に管理、保管することとなります。
 したがいまして、今普通に想定いたしますのは、六ケ所村で再処理工場が稼働いたした暁には、そこにこの粉末状態のものが基本的に安全管理されていくと、MOX燃料となった場合には、それを使う原子力発電所のサイトの方に動くということになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、この六ケ所再処理工場で回収したプルトニウム、これが一番海外からの懸念も強いところでございますが、これらにつきましては、プルトニウムの単体ではなく、ウランと混合させた形、つまりMOXの形の粉末といたしまして、六ケ所再処理工場内のウラン・プルトニウム混合酸化物の貯蔵設備、こちらにおいて保管するということになっていると、このように理解しております。
#239
○和田政宗君 では、プルサーマル発電について聞きますけれども、これもこれまでに各委員からも質問をしておりますけれども、このプルサーマル発電の計画につきましては、原発の多くが止まっている現状におきまして、政府の推進の考え方は変わらないのか、計画どおりいけるのかということも含めて、今後の政府の考え方を改めて大臣からお聞かせください。
#240
○国務大臣(林幹雄君) 我が国は、エネルギー基本計画で閣議決定したとおり、自治体や国際社会の理解を得つつ核燃料サイクルを推進する方針でございます。したがって、安全確保を大前提に、六ケ所再処理工場やMOX燃料加工工場の竣工などを進めるとともに、プルサーマルについて推進していく方針に変わりはございません。
 この方針の下、現在、合計十基がプルサーマル計画を有する原発として新規制基準への申請がなされておりまして、審査が進めば順次プルサーマルが進んでいくことになると考えております。また、電気事業者は、六ケ所再処理工場でプルトニウムの回収が開始されるまでに新たなプルトニウム利用計画を策定し、同計画に基づきプルサーマルを進めていくものと考えております。
 政府としても、この計画の内容をしっかり確認するとともに、理解活動を丁寧に行うことなどを通じてプルサーマルを着実に進めてまいりたいと考えております。
#241
○和田政宗君 政府の考えはそれはそれとして我が党も受け止めたいというふうに思いますけれども、被災地選出の議員ということで申し述べますと、新党改革の荒井代表も福島でありますけれども、やはり被災地の感情としましては、福島の被災者の方々の生活再建というものがまだ道半ばであり、先が見通せない状況の中でなし崩し的に再稼働でありますとかプルサーマルがどんどん進んでいくということに関しては、被災地の感情としては余り快く思わない、そういった方々が多くいるというのはこれは現地の声であろうというふうに思っております。しっかりとそういう道筋を付けた上でやはりこの問題には対処をし、しっかりと安定的なエネルギーが供給されるように政府の施策としても行っていただきたいというふうに思っております。
 そして、最後にお聞きしますのは、海外からの返還廃棄物についてです。
 高レベル放射性廃棄物、低レベル放射性廃棄物の海外からの返還計画ですけれども、それぞれにつきまして、当初計画どおり進んでいるのかどうか、またいつまでに終わる見込みなのか、この点をお答えください。
#242
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 高レベル放射性廃棄物、低レベル放射性廃棄物の海外からの返還計画でございますが、まず高レベル放射性廃棄物について申し上げますと、フランスとイギリス、この両国との関係がありますが、フランスからの返還は二〇〇七年、既に終了をいたしております。イギリスからにつきましては二〇〇九年から開始されまして、その後約十年間掛けて返還をされる予定でございまして、現時点で順調に返還されていると承知をしております。
 これらの高レベル放射性廃棄物につきましては、日本原燃、これは本法案の対象となっています再処理工場を持っている日本原燃が、同じ敷地の中にあります高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、こちらにおきまして安全に貯蔵管理されているものと認識をしております。
 他方で、低レベル放射性廃棄物の方でございますが、こちらにつきましては、返還後、安全に貯蔵管理するための施設、これをどこに造るのかということでございますが、現在、日本原燃が原子力規制委員会の新規制基準の適合性審査を受けている段階でございます。具体的な返還の開始時期は、この審査の進捗状況等を踏まえながら、今後、当事者間、この当事者間と申しますのは日本とフランスの会社でございますが、こちらとの間で検討されているものと承知をしております。
 高レベル放射性廃棄物については、フランスは済んでおりまして、イギリスも順調に進んでいるというふうに御理解をいただければと思っております。
#243
○和田政宗君 間もなく時間なので質問は終わりにしたいというふうに思いますが、私も最後に申し述べたいのは、例えば原発の賠償のADRの問題等も含めまして、やはり責任の所在をしっかりと明らかにし、どこが責任を持つのかということをしっかりと確保をしていただきたいというふうに思っております。
 これは、やはり今回の東電福島第一原発で被害を受けた人たちも、じゃ責任の所在どこなのかと、もう極めてまたがっているような形で、結局、国が味方をしてくれるのかしてくれないのかも分からないというような形の当惑ということがあるというふうに思いますので、この原子力、原発、核燃料サイクルということも含めて推進をしていくのであれば、そういったところの整理、責任をしっかりと明確に示してほしいというふうに思っております。
 以上で終わります。
    ─────────────
#244
○委員長(小見山幸治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、丸川珠代君及び秋野公造君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君及び河野義博君が選任されました。
    ─────────────
#245
○荒井広幸君 新党改革の荒井でございます。
 まず第一問でございますが、この法案はMOX燃料加工についても機構が全て実施することにしておりますし、また全量のMOX燃料加工に伴う費用を拠出させるということは適切なのか。
 結局、冒頭に本質的なことを、私の考えを申し上げれば、MOX燃料が生産されてしまえば必然的にこれを使用し続けていくことになり、長期的な原発依存度低減にならないのではないかと、これに安住してしまうのではないかということなんですが、いかがでしょうか。事務方はどう思いますか。
#246
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 本法案、使用済燃料の処分方法として再処理を選んだ事業者、この事業者に対しまして使用済燃料の発生者としての責任を果たさせると、こういう観点から再処理、そしてこれと一体不可分なMOX燃料加工に要する費用、これらの拠出を求めるというふうにしたものでございますが、他方で、我が国は利用目的のないプルトニウムを持たないということを原則といたしておりまして、使用済燃料を再処理し回収したプルトニウムにつきましては、それをMOX燃料に加工してプルサーマルで利用する一連のプロセスと、こうしたものを確実に進める必要があると考えております。
 したがいまして、再処理により取り出されるプルトニウム、これをMOX燃料へ加工することといたしまして、使用済燃料の発生者である原子力事業者に資金の拠出を義務付けるというのはこうした考えからきているものというふうに御理解いただければと思います。
 他方で、今先生が御指摘ございましたけれども、我が国は五年前に福島第一原発の事故を経験しております。安全神話に基づく原子力に安易に依存してはならないと、こういった教訓を得たわけでございまして、これを踏まえて、原子力発電への依存度、これは可能な限り低減させるという目標を掲げているのは御承知のとおりであろうかと思います。
 政府といたしましては、こうした目標に反してまでMOX燃料の加工、消費を優先するといったようなことは考えておりませんで、MOX燃料を生産してしまえば必然的にこれを使用し続けていくことになるというふうな趣旨でもし御指摘があるとすれば、そうしたことではないというふうに御理解いただければと思います。
 その上で、今回の法案、成立いたしましたら、経済産業大臣が再処理等事業の実施計画を認可することとなるわけでありますが、その際には、プルトニウムそのものももちろんでございますし、利用する予定のない過剰なMOX燃料を製造するような計画が策定されたような場合には当該計画は認可をしないということになろうかと思っております。
 こうした取組を通じまして、御指摘のありましたMOX燃料の製造も含めましてプルトニウムの適切な管理と利用を行っていく、こういった考え方に立っているところでございます。
#247
○荒井広幸君 今日はキーワードとして、私二つの言葉を用意したんですね、一つはガルブレイスの悪意なき欺瞞、それからもう一つは合成の誤謬。合成の誤謬の場合は、どちらかというと、一つ一つは正しいんだけれども、全体を合わせてみたら思わぬ方向に行ってしまった、悪い方に行ってしまったと。一つ一つは正しい、ミクロの世界は。マクロにしたらちょっと問題があった。いわゆる悪意なき欺瞞というのは、これはいわゆるガルブレイスがアメリカの軍産複合体に対して警鐘を発しているんですね。ある程度知りながらやっぱりだましていると、こういうことなんですね。これはどっちを選ぼうかなというのを最後に発表したいと思います、大臣。そういうことで進めていきますよ。
 今話を聞いていきますと、結局、話飛ばしますが、今のところ、玄海三、伊方三、福島一Fの三、それから高浜三、四ですね。これでやってもプルトニウムの実際の消費量はほんの微量ですね。電事連が計画しているのは五・五から六・五プルトニウムトンですね。六ケ所の能力が約四・四プルトニウムトン、四トン、これからトンで言いますが、四トン強ですね。適合審査申請分でいうと約同等だと、こういうふうに釣り合うということを言うんでしょう。しかし、実際には五・五から六・五、電事連は出ると言っているんですよね。
 こういうふうなことになりますと、全然、全部処理できないんじゃないかという素朴な考えなのですが、この点、簡単に言ってください。
#248
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 先生が今、最後におっしゃいました電気事業連合会が計画しております五・五から六・五トンのプルトニウムトン、これはプルトニウムを消費する側でございます。そして、プルトニウムを生産する側といいますか、回収する側は、再処理工場の稼働に伴って、御指摘のありましたように、四トン強、年間フル稼働した暁には出るというような状況でございまして、順調にこの計画が進めば、これはプルトニウムバランス上は問題がないということかと思っております。
 他方で、現在、新規制基準に対して申請がなされておりますのは、高浜の原発三、四号機の二基を含めまして合計十基でございまして、この十基が全て認められた場合には三・九トンの消費が年間で可能になると、こういうことであろうかと思います。この十基で申請が止まるということも恐らくはなく、今後も申請は増えることが期待されるところでございます。
 いずれにいたしましても、電気事業者、六ケ所再処理工場でプルトニウムの回収が開始されるまでには新しいプルトニウムの利用計画、これを策定してプルサーマルを進めていくというふうに、そういう立場に立っておりまして、政府といたしましても、この新しく作られますプルトニウムの利用計画の内容、これはこれまでも何度かここで議論あったかと思いますが、この内容をしっかり確認するとともに、理解活動、これを丁寧に行うことを通じましてこのプルサーマルを着実に進めて、そしてプルトニウムがたまっていくのではないかといったような御懸念が内外で起きないような形にしっかりしていきたいと、このように考えているところでございます。
#249
○荒井広幸君 通告していませんからお答えいただかなくても結構ですが、北海道電力の年間消費量の今回の電事連で出してきた積み上げ、単純に書いているだけだろうというふうに思うのですが、北電は〇・〇七二プルトニウムトンなんですよね。それしか保有していないんですよ。消費量は三倍の〇・二トンで出してきたりということで、そもそも数字自体が相変わらず私からしたらいいかげんだなと、こういうことなんですね。
 いいかげんな上に、作られた数字をもって目的達成しようといえば、さっきのどっちかに行く以外にないんですよ。最初から分かっていて引っ張っていくか、それとも、あら、大変だったなと後で気が付いて、そんな数字だったのと、これでも無責任なんですよね。
 こういう問題点がやっぱり多々あるんですね。そうすると、大臣、結果的には、今十基ほどと言っているけど、十六から十八基プルサーマルしないといけないという前提にもう立っているんですよね。今申し上げましたように、各社の値を単純に足しているだけなんです。根拠が薄いんです、非常に。先ほど来から、許可をするとかしないとかということで、計画どおりやらなきゃ許可しないんだからなんていうようなことで言っていますけど、法律上はそうなっていないから。
 そうなりますと、大臣にお尋ねしたいんですが、結局、プルトニウムを貯蔵するという懸念からMOX燃料を貯蔵するということに懸念が変わるだけじゃないんですかと、こういうことを申し上げたいんですが、いかがでしょう。
#250
○国務大臣(林幹雄君) 何回も繰り返すようですけれども、我が国は、MOX燃料となっているものも含め利用目的のないプルトニウムは持たないという原則を堅持しておりまして、MOX燃料を利用するプルサーマルの推進などによりまして、プルトニウムの適切な管理と利用を行うものであります。
 政府としては、これまでも事業者がプルサーマルを適切に実施するよう指導し、原子力委員会がプルサーマルの実施を内容としたプルトニウム利用計画の妥当性を確認するなどの対応を行っているところでございます。さらに、先ほども答弁ありましたけれども、この法案が成立すれば経産大臣が再処理事業の実施計画を認可することとなりますが、万が一、政府の方針に反するようなことが、計画が策定された場合には、当然ですが認可はしないと。これらの取組によりまして、MOX燃料になっているか否かにかかわらず、中長期的にプルトニウムが漫然と増加するようなことはあり得ません。
 今後とも、MOX燃料の利用促進、すなわちプルサーマルの推進などにより、プルトニウムの適切な管理と利用を行ってまいります。
#251
○荒井広幸君 ならば、先ほど来から、ずっとこれも何遍も慎重論の方々が言っているように、それなら、国の関与を強めたと言いたいのであるならば、国が責任を持つという体制をなぜつくらなかったのかということにもなるんですね、ということなんですね。
 次に参ります。結論を申し上げなくちゃいけないので、質問終わらないと結論が言えないものですから進ませていただきますが、Qの五番に行かさせていただきたいと思うんですが、MOX燃料加工をしないでプルトニウムを粉末で持っていますと利用目的のない余剰プルトニウムになる、大臣が常におっしゃっているところです。これは核不拡散上の問題にもなりますし、同時に、MOX燃料製造工場の稼働率も落ちたり、それから拠出金を求めると、そこにまた矛盾が出てくるということなんだと思うんですね。根拠が曖昧になります。だから、結局つじつまを合わせるためにMOX燃料加工をさせると、こういうことなんじゃないんですか。
#252
○政府参考人(多田明弘君) 繰り返しは避けたいと思いますけれども、利用目的のないプルトニウムは持たないという原則を堅持している我が国といたしまして、今御指摘のありますそのMOX燃料の部分につきましても、粉末の状態にあるにしても、MOX燃料に加工するにいたしましても、余剰プルトニウムは生ずることは想定をしておりません。したがいまして、まずは核不拡散上の問題が生ずることにはならないと思っております。
 そして、今先生御指摘の、MOX燃料加工工場の稼働率が落ちて拠出金を求めた根拠が不明となってしまうことを避ける、あるいは何か他の目的のためにMOX燃料加工を必要以上に進めると、こういった趣旨ではございませんで、そうしたことを私どもとして今回の立法趣旨、政策の提案の中では考えているものではございません。
#253
○荒井広幸君 政府として全量再処理を基本方針とする核燃料サイクル政策は、平成十七年の原子力政策大綱以来、他の政策と比較して検討、見直しというのはされていないと私は認識しております。プルサーマル計画が政府の想定どおりに進まなければ、実際に進んでいないわけですよね、そこに三月十一日も来ている。先ほどのMOX燃料の保有数の過剰の問題もあり、生じたプルトニウム全量のMOX燃料加工ではなく、やっぱりプルトニウムを廃棄するという選択肢は随所にあったと思うんですね、三月十一日を境にしなくてもですね。
 したがって、全量再処理ではなくて、一部直接処分するという方法もやっぱり現実論としてはあったのではないかと。余剰プルトニウムを持たない、出さないとか、そういう言葉で言ったところで可能性があるわけですから、これはコスト面から見てもそうだったのではないかというふうに思うので、直接処分というのも必要だったのではないかと、こう思いますが、結論は見えていますが、改めて聞いておきます。
#254
○政府参考人(日下部聡君) 今先生御指摘になりました、一部直接処分等いろんな選択肢、確かにございます。
 ただ、我が国は、今回の法案も含めまして、プルトニウムバランスを確固としたものにしていくと、こういう大前提の下で、コストは確かに直接処分より高くなりますけれども、廃棄物の減容化、あるいは毒性の低下、資源の有効利用といった点に着目してサイクル政策を着実に進めていくと、こういう方針にあります。
 ただ一方で、この委員会でも何度か御指摘受けておりますけれども、事態の変化に応じて中長期的な対応の柔軟性を確保するということも重要だと考えています。この点は実はエネルギー基本計画でも述べておりますし、また衆議院でいただいた附帯決議でもうたわれておると考えておりまして、したがいまして、将来の選択肢を多様な視点で検討して調査研究を進めていく、その一環として例えば直接処分についても調査研究は行われていると、こういうスタンスでおります。
#255
○荒井広幸君 私は原発事故前にも六ケ所にも行ってまいりました。ちょうどアレバが引き揚げたところでした。もちろんフランスのラアーグにも行ってきましたし、いろいろと見てまいっております。
 一九九七年完成予定の六ケ所の再処理工場ですけれども、もう二十数年以上遅れているし、「もんじゅ」の事故というのは先ほど来からあったとおりということを考えてまいりますと、私はもう一つのワードがあると思うんですね。それは、想定外というものをもういつの間にか安全神話だったということで我々は忘れていた。同時に、それは、毎日次の日が来ました、事故がないので。いつの間にか次の日も事故がないまま来たんです。いつの間にか安全というものを我々も忘れてきましたし、それは想定外に深く結び付くところで、惰性という言葉だろうと思うんですね。次の日も安全で、次の日も来たんですよ。
 私も進めていた張本人です。説得もしてきた方ですよ。私の町からもみんな原発に勤めていました。経済も必要だ、働く場も必要だ、集団就職、出稼ぎに行かなくてもいいようにしたい、それは分かります。しかし、原発は頼りたいけれども頼ってはならない、経済的にもエネルギー的にも、代物だ、技術だというふうに私は思うんですね。
 惰性なんです。大丈夫だ大丈夫だで来ているんですよ。一回やったら、またリセットして、大丈夫だ大丈夫だがまた続いているんです。また想定外になりますよ、これ。そういうことを私は教訓として我々は学んでいくべきだと思うんですね。
 新しい経済手段、エネルギー手段は政治の新しい方程式によって生み出すべきなんです。相変わらず同じところに戻って食べていこう、エネルギー対策をやっていこうということが、いかにも私から言ったら政府の情けない姿勢なんです。それを変えていけるじゃないですか。水素燃料電池にしても、多少高く付くけれどもみんな我慢してくれということじゃないんですか。そういったところがなくて惰性で走っているというのが私は非常に感じられるんですね。だから、気が付いている人は、悪意はないけれどもこれをやっていかなければならないんだという欺瞞に走るし、もう一つは、いや、これは正しいことなんだ、食べる人もいるんだ、エネルギーは高かったら大変なんだ、その人たちのためには大切だ。これは大切ですよ。しかし、全体として本当にそれがその人にとっても我々にとっても、将来、子供たちにとっても地球環境についても本当に実のあるものなのかなと、こういうふうに考えないといけないだろうというふうに思っております。
 そこで、大臣、最後になりますけれども、核燃料サイクル、八番になりますけれど、核燃料サイクル政策全体の中止とか見直しというものを、先ほども若干議論するところはあったと、そこはないのかな、要するに直接処分があったかないかというような話ぐらいはあったとしても。松田さんがいろんなことを申し上げました。電力会社の方でもいろいろあったんじゃないかというようなものもありましたが、まあ最初からもう全量再処理、MOX加工ありきで、そして拠出金制度を今後整備していく、それがないとやっていけない。それは私は半歩理解しますよ、半歩は理解します、それはね。しかし、それも惰性じゃないのかと。ある人は悪意なき欺瞞を知っていてやっているんじゃないかと、みんなのためだからと。ある人は今言いましたように合成の誤謬で、いや、本当にいいと思って信じてやっている。それはどこを見るかにもよりますよ。こういう中に私は入っているというふうに思うんです。
 今回の制度改正を踏まえて、もうどんどんどんどん塗り固めていくんですよ。既成事実化、こういうもの、私は問題だと思うんですが、今回の制度改正もその上塗りの惰性延長のものであり、私は適正ではないと思っておりますが、大臣、大臣の立場として御見解を聞いておきます。
#256
○国務大臣(林幹雄君) もう荒井先生、全部お見通しでしょうけれども、核燃料サイクルにつきましてはエネルギー基本計画で閣議決定したとおりでございまして、推進する方針には間違いございません。そして、総合資源エネルギー調査会に設置された審議会において、この基本計画は海外有識者や需要家あるいは供給者からのヒアリングを含む十七回に及ぶ議論を行ったわけでございますし、さらにエネルギーに関係する各分野の行政に責任を持つ閣僚による議論なども行いました。十分な検討を行った上で閣議決定したものでございます。その上で、本法案は、この方針を前提に、電力自由化により競争が進展した新たな環境下においても、原子力事業者の経営状態にかかわらず必要な資金を安定的に確保して、使用済燃料の再処理等の事業を着実かつ効率的に進めることを目的としたものでありまして、今般の措置は適切であるというふうに考えているところでございます。
#257
○荒井広幸君 しかしながら、核燃料サイクルについての議論は平成二十五年十月十六日の一回だけです。そのほかに多少あったかもしれませんから、一回だけとは申し上げません。核燃料サイクルについての議論は、平成二十五年十月十六日の一回プラスアルファ程度だと思っております。これに大臣は違うことを、十七回と言っておりますが、この点、私の確認は間違っていますか。事務方で答えられますか。できなかったら、時間がありますから後でも結構です。回答をよこしてください。
#258
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 今大臣の方から答弁がございました十七回というのは、総合資源エネルギー調査会でエネルギー基本計画全体について議論をしていった回数が全部で十七回ということでございまして、その全ての回で核燃料サイクル政策そのものを議論したかというと、そういうことではないと思っておりますが、議題にしたのは一回かもしれませんが、何回か議論はあったかと思っております。
#259
○荒井広幸君 ちょっと重要なので。
 十七回に、大臣、及ぶ議論をしているといっても、こうやって一つ一つ詰めていくと、いいですか、核燃料サイクルについての議論というのをテーマにしたのはたった一回なんですよ。その十七回のほかで多少触れたのもあったとして私は若干プラスアルファと言っただけなんですから。これぐらいお粗末な議論だということは言っておきたいと思います。
 私はこの法案に反対をいたしますし、我々は原発依存をしない、即そういう体制に移行したいと思っています。
#260
○委員長(小見山幸治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#261
○倉林明子君 日本共産党を代表して、原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、原発の再稼働を前提とし、破綻が明らかな核燃料サイクル政策にしがみつき、国の関与を強めて推進する仕組みをつくるものだからです。
 高速増殖炉「もんじゅ」は行き詰まり、再処理工場もMOX燃料加工工場もいまだ完成すらしていません。原発事業者自らが明らかにしているように、完成しても使用済燃料を再処理してできるプルトニウムを使い切れるめどは立っておらず、余剰プルトニウムを持たないとした日本政府の原則は崩れています。再処理と核燃料サイクルの政策の土台となってきた日米原子力協定の破棄を求めるものです。原発を使い続ける限り、処分の見通しがない核のごみが増え、更に再処理すれば使い道のないプルトニウムが増えることは明らかです。これ以上負の遺産の後始末を将来世代に押し付けることは許されません。
 反対の第二は、今後の再処理事業や関連事業に係る費用の全体像を国民に示さないまま、将来発生する使用済燃料の再処理に加え、MOX燃料加工工場の運転や解体費まで電気料金という形で国民にツケを回そうとするものだからです。
 再処理等の費用を最終的に誰が負担するのか、託送料金で回収することになれば全ての電気利用者の負担となります。自由に電気を選べるとうたった電力自由化の下で、原発でなく再生可能エネルギーを使いたいという消費者にも原発固有のコストを負担させることになるもので、認められません。今後、再処理等の事業費が増大することは明らかであり、際限のない国民負担につながりかねず、到底容認できません。
 東京電力福島第一原発事故から五年、ふるさともなりわいも奪われた避難者は、昨日の段階でも九万四千人以上に上り、被害は深刻です。事故収束の見通しも全く見えません。痛苦の経験から国民は原発ゼロの日本を願っています。政府はこの声に応え、原発、核燃料サイクルからの撤退を決断することを強く求め、反対討論といたします。
#262
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 会派を代表して、再処理等拠出金法案に反対の立場から討論します。
 今年で福島第一原発事故から五年となりましたが、事故のあった二〇一一年の六月に原子力損害賠償支援機構法が法案として出てきた際、強い懸念を抱いたことを今でも鮮明に覚えております。あの法案は、国民の負担の下に東電やその株主を救済し、どんなことが起ころうと今までどおり原発推進を既定路線として進めていくための法律だったからです。私は反対をして、廃炉するための原発一時国有化と東電の法的整理を実現するための対案を提出し、何とか真の電力自由化と再生可能エネルギーを中心としたベンチャー企業の育成、そしてエネルギーの地産地消化を進めようとしましたが、実現することができませんでした。
 今国会では、その原賠機構法のときと同じようなことが起きようとしています。
 本日審議を行った再処理等拠出金法案が成立すれば、再処理やMOX燃料加工のための拠出金が電力会社からいや応なく入り続けるようになり、原発だけではなく核燃料サイクルが既定路線としてより強固に推進されるようになります。六十年も前からの国策が実現していないために、たまりにたまった使用済燃料は一万八千トン、それらを再処理すると百八十トンものプルトニウムが発生し、既存の四十八トンと合わせると保有量は優に二百トンを超えます。利用目的のないプルトニウムは保有しないこととなっていますので、再処理を進めるということは、そこから分離されるプルトニウムを消費するために原発を四十年ルールを超えて長期にわたって維持し、増設も行っていくということを意味します。
 私はそもそも原発から脱却するべきだと思っていますが、それが直ちに実現できないのであれば、少なくとも、アメリカやドイツ、イギリスでも撤退していて、いつ実現するかも分からない、トラブルと事故続きのいわゆる夢の核燃料サイクルからの撤退を早急に決断し、たまっているごみを直接処分するワンススルー方式へかじを切るべきです。
 今回の再処理等拠出金法案は、政府の掲げる原発依存度の低減に反し、原子力事業者を核燃料サイクルから抜け出せなくして、ひいては原発からの脱却もできなくするものです。そのような負のスパイラルを加速する本法案には賛同することはできないと申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
#263
○委員長(小見山幸治君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#264
○委員長(小見山幸治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、安井君から発言を求められておりますので、これを許します。安井美沙子君。
#265
○安井美沙子君 私は、ただいま可決されました原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び日本のこころを大切にする党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一 核燃料サイクル政策は、今後の原子力発電所の稼働量、再処理施設の稼働時期、技術革新、国際情勢等と密接に関係しており、事業期間も長期にわたるため、将来の状況の変化に適切に対応できるよう柔軟性を確保すること。そのため、将来において状況が変化し、政策の見直しが必要となるような場合には、国として責任を持って、本法についても見直しを検討し、必要な措置を講ずること。
   また、本法附則第十六条の規定に基づく見直しに当たっては、政府答弁や附帯決議を踏まえて行うこと。
 二 核燃料サイクル政策の将来における幅広い選択肢を確保する観点、さらに、既に発生している研究炉の使用済燃料や福島第一原子力発電所の使用済燃料対策の観点から、使用済燃料の直接処分や暫定保管を可能とするための技術開発や必要な措置など、多様なオプションの検討を進めること。
 三 プルトニウムの需給バランスに関して、「利用目的のないプルトニウムは持たない」との原則を堅持するとともに、原子力事業者に対して、この原則を認識した上で再処理を実施するよう指導すること。
   使用済燃料再処理機構が策定する再処理等事業の実施中期計画を認可する際には、この原則に反する実施中期計画は認可しないものとするとともに、原子力の平和利用やプルトニウムの需給バランス確保の観点から、原子力委員会の意見を聴き、その意見を十分に斟酌して認可の適否を判断すること。
   なお、本法の対象とならない海外に保管中のプルトニウムについて、原子力事業者が発生者責任を果たせない場合においても、所要の措置を講ずること。
 四 再処理等事業が及ぼす影響は、地域振興から国際安全保障に至るまで幅広いため、その推進に際しては、事業を総合的・大局的な観点から評価する仕組みを構築すること。
 五 使用済燃料の貯蔵能力の強化や高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定を巡る課題の解決に向け、国の責任と役割をより一層明確にしながら的確に対応すること。
   また、使用済燃料の安全な貯蔵は、短期的のみならず、中長期的にも必要なものであり、国の積極的かつ責任ある関与の下、乾式貯蔵施設等による中間貯蔵能力の拡大を進めるものとすること。
 六 安全確保を大前提に、再処理等事業を適切かつ効率的に進めていくためには、これまで蓄積されてきた再処理等に係る人材・技術等を散逸させることなく最大限に活用することが不可欠であることを踏まえ、再処理等の現業を担う再処理事業者に対する認可法人による管理・監督等に当たっては、適切な安全管理はもとより、民間企業の自主性に配慮し活力発揮を損なうことのないよう留意すること。
 七 使用済燃料の再処理等を進めるに当たっては、青森県、六ヶ所村など立地自治体等関係者の理解と協力が不可欠であることに鑑み、今後とも再処理等事業が、再処理事業者等の主体性を尊重しつつ、これら立地自治体等関係者との信頼関係の下で、円滑かつ連携して進められるよう留意すること。
 八 電力システム改革以降の競争の進展や原発依存度の低減など新たな環境下においても、原子力事業者が、必要な人材・技術を維持しながら、今後国内において増加する廃炉の安全かつ確実な実施や新規制基準への対応、使用済燃料の処理、地球温暖化対策及び電力安定供給への貢献等の課題への適切な対処が可能となるよう、事業環境の整備について、更に検討を行い、必要な措置を講ずること。
   特に、原子力損害賠償制度について、これまでの附帯決議等を踏まえ、国と事業者の責任分担や発災事業者とその他の原子力事業者との間の負担の在り方等を含め、速やかに検討を行い必要な措置を講ずること。
 九 使用済燃料の再処理等に要する費用については、再処理等の適正な実施が図られるよう検討し、その積算に係る具体的な考え方と根拠を明らかにするとともに、適時その検証を行うこと。
   なお、原子力事業者における事業環境の変化等の個別事情も十分踏まえて、納付方法の変更等に可能な限り柔軟に対応すること。
   また、認可法人の事業計画書や業務方法書の記載については、使用済燃料の再処理等の実施及び拠出金の収納等の業務に関する事項のほか、財務に関する事項、安全対策に関する事項及び立地自治体との協力に関する事項を含めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#266
○委員長(小見山幸治君) ただいま安井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#267
○委員長(小見山幸治君) 多数と認めます。よって、安井君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林経済産業大臣。
#268
○国務大臣(林幹雄君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
#269
○委員長(小見山幸治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#270
○委員長(小見山幸治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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