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2016/04/05 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 厚生労働委員会 第13号
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2016/04/05 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第190回国会 厚生労働委員会 第13号
平成二十八年四月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     西村まさみ君
     小池  晃君     大門実紀史君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     大門実紀史君     田村 智子君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     柳澤 光美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                津田弥太郎君
               佐々木さやか君
    委 員
                赤石 清美君
                有村 治子君
                石井みどり君
                太田 房江君
                木村 義雄君
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                足立 信也君
                川田 龍平君
                小西 洋之君
                西村まさみ君
                森本 真治君
                柳澤 光美君
                長沢 広明君
                田村 智子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  竹内  譲君
       厚生労働副大臣とかしきなおみ君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大岡 敏孝君
       厚生労働大臣政
       務官       三ッ林裕巳君
       厚生労働大臣政
       務官       太田 房江君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣府沖縄振興
       局長       藤本 一郎君
       文部科学大臣官
       房審議官     藤原 章夫君
       文部科学大臣官
       房審議官     浅田 和伸君
       厚生労働大臣官
       房審議官     堀江  裕君
   参考人
       日本銀行業務局
       長        野村  充君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び
 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○確定拠出年金法等の一部を改正する法律案(第
 百八十九回国会内閣提出、衆議院送付)(継続
 案件)
    ─────────────
#2
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一日までに、小池晃君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として西村まさみ君及び田村智子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官堀江裕君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(三原じゅん子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本銀行業務局長野村充君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(三原じゅん子君) 戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○羽生田俊君 おはようございます。自由民主党の羽生田でございます。
 本日の法案につきまして質問させていただきますけれども、昨年で戦後七十年ということがなったわけでございますけれども、この大戦で傷を負われた戦傷病者の方あるいはその妻の方々は、戦後の苦難を乗り越えて今日生活をされているわけでございます。
 今般の法案は、長年戦傷病者の方の介助等をしてこられた妻に対する特別給付金に関するものでございますけれども、当然のことながら、さきの大戦で祖国のために戦った戦傷病者の方に対しても、政府としてしっかりとした対策を引き続き実施すべきであります。
 御苦労をされている戦傷病者の方にとっては、国の施策が日々の生活を支える上で重要となります。また、戦後七十年を経て、戦傷病者の方が御高齢になられていることを踏まえれば、国としてその経験や思いを積極的に次世代に伝えていくための取組を進めていくことが必要と考えます。
 そこで、政府に対して、戦傷病者の現状と、戦傷病者の方に関連してどのような施策を講じているかについてお伺いをさせていただきます。あわせて、平成二十八年度予算においてどのような強化策を取っているのか、その点をお伺いしたいと思います。お願いいたします。
#9
○大臣政務官(太田房江君) お答え申し上げます。
 戦傷病者の方々は、さきの大戦におきまして傷を負われたり疾病にかかられたりしたということで、現在もなおその傷病で御苦労をされているというふうに認識をいたしております。
 戦傷病者の方々の現状といたしましては、恩給法の増加恩給や戦傷病者戦没者遺族等援護法の障害年金等を受けている方の人数で申し上げますと、人数が最も多かった昭和三十九年度、このときは約十四万七千人の方がおられましたが、現在ではこれが七千七百人に減っているということでございます。ただ、この七千七百人の方がまだ御労苦続いておられるということは大切なことであり、またこの方々が平均年齢九十二歳という御高齢になっておられるということで、引き続いて御支援をしていくことが必要というふうに考えております。
 戦傷病者の方への施策としては、まずその障害の程度に応じて、恩給法に基づく増加恩給と、戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく障害年金等の支給を行わせていただいております。また、戦傷病者特別援護法に基づきまして、療養の給付、補装具の支給また修理等を行わせていただいておるほか、全国に戦傷病者相談員を配置いたしまして、戦傷病者の生活上の問題等について相談に応じることで御支援を行っているところでございます。
 さらに、戦傷病者及びその御家族が体験した戦中戦後の御労苦、これを次世代に伝えること、これは戦後七十年を経て大変大きな施策の一つになっているわけですけれども、平成十八年三月には都内の九段にしょうけい館という継承をしていくための建物を造りまして、その中に戦傷病者やその御家族の御労苦をありのままにお伝えする実物の資料や証言の展示、それから野戦病院ジオラマや図書、映像などの閲覧提供等を行わせていただいております。
 私もこのしょうけい館行ってまいりました。本当に子供たちが、小中学生が主な来る方々なんですけれども、実はアメリカと戦争をしたことを知らなかった子供たちとか、あるいはそのジオラマの前でたたずんで涙を流し始める子供たちとか、また水木しげるさんという方は戦傷病者でありながらあの立派な作品を残された方でございますが、その作品を前にして本当に知らなかったという声を発する子供たちとか、館長さんのお話を伺いますと、この継承の難しさとともに継承の重要性を感じたところでございました。
 こういうことで、これに併せて今回御審議をいただいております戦傷病者等の妻に対する特別給付金等の施策を講じることによって、全体として戦後御苦労されてきた方々に対してその御労苦に報いる施策を展開しているわけでございます。
 平成二十八年度の予算においてでございますけれども、戦後七十年が経過をして戦傷病者の方が御高齢化される中で、さきの大戦の記憶を風化させることなく次の世代へ継承していくことの重要性が高まっているということを踏まえまして、しょうけい館の展示内容の充実、地方展の開催等を通じまして、小中学生、高校生等の若い方々に来館促進を図っておりますほか、戦傷病者の戦中戦後の御労苦を後世に残すために証言映像の収録を迅速化する努力を行っております。また、戦傷病者等の経験を語り継ぐ語り部の育成、これを行う事業を始めたところでございます。
 このように、厚生労働省といたしましては、全体の取組を通じまして、引き続いて戦傷病者及び御家族への支援とその御労苦の次世代への継承を進めてまいりたいと考えております。
#10
○羽生田俊君 ありがとうございました。しょうけい館のお話まで大変詳しくお聞かせいただきまして、本当にありがとうございます。
 やはり政府としては、この戦傷病者の支援ということを引き続き行うと同時に、戦後七十年を超えたわけでございますけれども、こういった経験や思い、これを風化させることがないように是非取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 実は、私自身、子供のときに、町中に松葉づえをついて傷痍軍人の方がいろいろな形でお立ちいただいていた風景を覚えているわけでございまして、こういったものを風化させないで是非引き続き継承し続けていただきたいというふうに思います。
 そこで、戦傷病者の妻に対する特別給付金について、受給者からどのような声があったのか、また請求手続に関する負担軽減や国債発給までの期間の短縮に努めるべきと考えますけれども、この点、政府についてはどのような取組をされているのかをお伺いしたいと思います。
#11
○大臣政務官(太田房江君) 御指摘の戦傷病者等の妻に対する特別給付金につきましては、長年にわたり大きな負担に耐えてこられた戦傷病者等の妻の御労苦に報い、国として慰藉、いたわりを行うために、昭和四十一年の制度創設以来、支給が継続されてきているものでございます。
 今回の改正に当たりましては、受給者の声を伺った中で、特別給付金は大変有り難い、存命中は続けていただきたいというような声ですとか、夫の傷病恩給とは別に妻の苦労に報いる良い制度だと思うと、このような意見が聞かれました。大変有意義なので続けてもらいたいという御意見が大勢であったと思います。また、夫である戦傷病者の方からも、妻の労苦に応えることができたと思うし、妻も大変喜んでいたと、このようなお声が寄せられました。
 政府としても、受給者にとっての重要性を十分認識して、引き続いてこの事業を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
 今般の戦傷病者等の妻に対する特別給付金の手続につきましては、請求者の負担軽減と支給事務の迅速化……
#12
○委員長(三原じゅん子君) 時間が来ておりますので、答弁をおまとめください。
#13
○大臣政務官(太田房江君) 済みません、を図りますため、三つのことを行いました。一つは、請求書類を記載しやすくするということで、国であらかじめ分かることは印字をした請求書を同封しているということ、また前回提出が必要であった住民票や恩給証書等の写しなどの添付書類を不要としたというようなことを実施いたしまして、さらに都道府県に対する研修会によって実務の迅速化が図られるよう工夫いたしております。
 今般の特別給付金の受給者をお待たせすることがないよう、また漏れが出ることのないよう、国債発給までの期間を短縮できるように引き続いて努めてまいります。
#14
○羽生田俊君 ありがとうございました。終わります。
    ─────────────
#15
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として柳澤光美君が選任されました。
    ─────────────
#16
○津田弥太郎君 津田弥太郎です。
 早速、本日の議題であります戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法改正案に対する質問に入らせていただきます。
 本法案につきましては、施行日が本年の四月一日となっておりますが、御案内のとおり、今日は四月五日でございます。理事会におきまして、与党から施行日修正が提案される旨の話を頂戴をしておりますし、我が会派もこれに賛成する予定でありますが、念のため確認をしたいと思います。
 当初の施行日が若干遅れることによって、受給対象者に対して直接の不利益は生じるのでしょうか。
#17
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 本案につきまして、本年、現行法における最終の支給が行われる戦傷病者の妻に対する特別給付金について、引き続き給付金を支給するために、最終の支給の前に請求手続を開始できる環境を整えるというようなことから四月一日の施行を予定していたわけでございますが、今回、当初予定の施行日が四月一日より遅れることになりますが、当初の予定日に遡って法を適用する規定が法案修正により措置されれば、受給対象者が本年四月一日以降、法律の施行日前に亡くなった場合であっても、受給対象者の権利を守り、受給対象者の権利を引き継ぐ方から請求いただくことが可能になります。
#18
○津田弥太郎君 受給者への具体的な不利益は生じないということでございます。しっかり確認をさせていただきました。
 ただし、ただいまの答弁は、戦傷病者等の妻がお亡くなりになった場合にその遺産を相続した相続人についての不利益の問題ですが、私はそもそも、現状の援護施策における相続という仕組み、これについては抜本的な見直しが必要だと考えます。
 先ほど答弁をいただいた意味は、あくまでも法案の施行日の遅れという受給者や遺族に責任のない理由によって、たまたま特定の短い期間にお亡くなりになった方のみ異なる扱いをするのは、整合性に欠ける、堀江さん、そうですね、という観点からでありまして、本日はこの相続の問題、これについて具体的な質問をさせていただきたいと思います。
 昨年の三月三十一日、本委員会において、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案が可決をされたわけでございます。今日は戦傷病者の妻です。昨年の三月三十一日に審議をしたのは戦没者であります。違うんです。
 その際、私は三項目の附帯決議案を提案をし、全会派の御賛同をいただくことができたわけであります。その中の二項目め、読み上げさせていただきます。「二、特別弔慰金の支給については、年六百億円以上の予算を計上する見込みであること、受給者の国債を相続した者が特別弔慰金の趣旨に照らして真に国が弔慰の意を表すべき者とは必ずしも限らないこと等に鑑み、戦後八十周年に向けて、戦没者等の遺族の心情等を踏まえつつ、国として弔慰の意を表する方策について検討を行い、国民の理解と支持を得た上で必要な措置を講ずること。」、これ非常に重要な点であります。
 そこで、厚労省にお尋ねをしたいと思います。この本法案の十年ぶりの改正に当たって、厚労省は、先ほどの附帯決議を踏まえて国債の交付に関し一部見直しを行ったわけであります。その内容について簡潔に説明してください。
#19
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 今回の改正の中で、戦傷病者等の妻に対する特別給付金について、平均年齢が八十七歳と受給者が高齢化していることを踏まえるとともに、戦傷病者等の妻の御労苦に報い、慰藉、いたわりを行うという制度の目的に、より的確に応え、その戦傷病者等の妻にお渡しできる対応を強めるために、五年国債を五年ごとに二回交付することといたしております。
#20
○津田弥太郎君 十年ごとの国債を五年ごとに二回交付する、今おっしゃいました。そういうことを変更されたということであります。
 実は、本法案の衆議院における審議の際、現在、民進党の初鹿委員が次のような指摘をしたわけであります。戦傷病者の奥さんが国債をもらっていて、その奥さんが亡くなったときに、子供がいない場合はその奥さんの兄弟が相続人になる、奥さんの兄弟なんて戦傷病者の方とは全く関係ないのではないかという指摘をしたわけでありますが、この指摘は先ほどの附帯決議とも趣旨が一致しておるわけで、もっともな内容だと思うわけでありますが、今回、十年ごとの国債の交付を五年ごとにしたことにより、そうした不適切な相続の発生を一定程度は減らすことができるでしょうと思います。しかし、言うまでもなく、抜本的な解決には到底至らないわけです。
 初鹿委員は奥さんの兄弟の話を例示をしたわけでありますが、そもそもこの国債の相続については、交付期間中の名義変更における回数の制限なし、相続人の範囲の限定もなしということでございます。
 本日は、記名国債の事務を行っております日本銀行から野村業務局長にお越しをいただいております。念のため確認をしたいと思います。日本銀行では、記名国債については、正当な相続人であれば回数の制限も相続人の範囲も限定せず記名変更を行う、そのような実務を行っているかどうか、事実関係のみ説明してください。
#21
○参考人(野村充君) お答え申し上げます。
 日本銀行では、記名国債につきまして記名変更の請求があった場合には、関係法令等の定めに基づきまして、請求者が正当な相続人であることを確認した上で記名変更を実施しております。この関係法令等には回数や相続人の範囲に関する独自の定めはございませんので、これらの制限は行っておりません。
 以上です。
#22
○津田弥太郎君 ありがとうございます。
 これ、大変驚くべきことなのであります。昨年改正された特別弔慰金支給法については、対象となる遺族の範囲が広過ぎて、戦没者のことを全く記憶にないような人にまで弔慰金が当初から支給をされている、これはとんでもないということで、廃止を含めた抜本的な見直しを私は提言をさせていただきました。
 ところが、今回の法案では、当初の受給者は戦傷病者の妻という形で明確な限定がされているわけであります。しかし、実態はどうかというと、妻が亡くなって、相続により妻のお兄さんに、例えばお兄さんに記名変更される、ここまでは衆議院での初鹿委員の指摘どおりでありますが、そんなものでは済まないということを今、日本銀行はおっしゃったわけであります。限定が全くないわけですから、そのお兄さんが亡くなってその息子さんに渡り、その息子さんが亡くなったらその奥さん。もうどんどこどんどこ行くわけです。最終的な受給者とそもそもの戦傷病者の方あるいはその妻とはもうほとんど赤の他人と言っても差し支えないような状況になる可能性が現在進行しているということなわけであります。恐らく、誰、その人というようなことなのではないでしょうか。
 衆議院の委員会審議の際、竹内副大臣は、本法案における記名変更の件数も、記名変更した相続人と本来の戦傷病者の妻との続柄についても日本銀行は集計を行っておらず、厚生労働省としても把握をしていないというふうに衆議院の厚生労働委員会でお答えになりました。私は、本当にそんなことがあるのか、これ本当に疑問に感ずるわけであります。
 日銀では、記名変更手続を行う際、亡くなられた受給者と相続人の戸籍上の関係が証明できる戸籍抄本等の提出を求め、個々に確認を行っているわけであります。そうした確認を行う際に明らかとなった続柄について本当に書面に記録していないのかどうか、また記録していないとするならばその理由は何なのか、野村局長、簡潔にお答えください。
#23
○参考人(野村充君) お答え申し上げます。
 法令では請求者が正当な相続人であることを確認するということが求められておりまして、その具体的な手続といたしまして、ただいま委員おっしゃったとおり戸籍謄本の確認等も行っているということでございますが、その際、明らかになった新旧記名者の続柄等につきましては特に記録にとどめることは求められていないというふうに認識しております。
#24
○津田弥太郎君 ここからが問題です。
 竹内副大臣は、衆議院でこのようにも発言をされました。受給者の国債を相続した者が真に国が慰藉の意を表すべき者とは限らないという趣旨は私どもも共有をしております、そういうふうに述べられたわけです。分かります、皆さん、真に国が慰藉の意を表すべき者とは限らないという趣旨は私どもも共有をしておりますというふうに答弁をされているんです。これ、塩崎大臣も同意見だと思うわけですが、先ほど私が指摘したようなとんでもない事例がこの十年間、間違いなく発生しておるわけであります。五年に一回制度変更した場合でも、問題事例の発生件数が減るだけにすぎない、なくならない。
 大臣、日銀が、記名変更の際、記名変更の回数や当初の戦傷病者の妻と相続人との続柄等の集計をこれまでしていませんでした。先ほど野村局長はそういうふうにおっしゃいました。果たしてこのままでいいのか、これ、大臣、問われることではないでしょうか。法案の所管省庁としてそうした実態を今後きちっと把握する必要があるんではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがですか。
#25
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年法改正を行った戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法、この法案審議の際に、参議院厚生労働委員会の附帯決議におきまして、「受給者の国債を相続した者が特別弔慰金の趣旨に照らして真に国が弔慰の意を表すべき者とは必ずしも限らない」という御指摘を頂戴をいたしました。
 このようなことを踏まえて、今回の法案、御提出申し上げている法案におきましては、戦傷病者等の妻に対する特別給付金について、五年国債を五年ごと二回交付ということとしたわけでございますが、今後の制度の在り方を考えていく上で、受給者の状況について把握をしていくことは重要だというふうに考えるところでございます。
 では、どのような形でその実態把握をするのか。これにつきましてはしっかりと検討していかなければならないということで、適切なる実態把握の方法についてよく検討してまいりたいというふうに思います。
#26
○津田弥太郎君 そうですよね、これ今まで分からなかった方がおかしいわけですよ。本当に実態はどういう状況なのか。平均年齢がもう九十歳近くになられるという状況の中で、むしろ途中でお亡くなりになる方の方が多いということになると、十年国債ですから、その後はずっと相続の方々になっていく。しかし、相続になる方も本当に戦傷病者若しくはその妻をよく分かっている方ならともかく、もうほとんど誰だか知らない、だけどたまたま権利があるということで本当にいいのかという問題であります。今大臣がそういうふうにおっしゃいました。実態把握は大変重要であるし、何らかの方法でしていかなければならない。
 そこで、日本銀行にお尋ねをしたいと思います。記名変更の際には、受給者と相続人の戸籍上の関係を証明できる書類の提出を求めるわけでありますから、そこで確認した情報はきちんと今後記録をしていく、そのことは実務上私は困難ではないというふうに考えるわけでありますが、日本銀行は、どこからそのような指示があれば日本銀行として真摯に取り組んでいただけますか。
#27
○参考人(野村充君) お答え申し上げます。
 日本銀行は、国債発行当局であります財務省の指示に従いまして国債に関する事務を取り扱っております。したがいまして、政府において記名変更の際に判明した続柄等の記録を残す必要があると判断されるのであれば、日本銀行の追加的な事務コスト等も踏まえ、関係省庁とも調整をした上で、財務省から指示を出していただくということになるものと認識しております。
#28
○津田弥太郎君 そこで、本日は財務省の大岡政務官に御出席をいただいております。大変お待たせをして申し訳ありません。
 私は大岡政務官とお会いすることができて大変光栄だと思っております。といいますのも、昨年の特別弔慰金支給法改正の際、私は衆議院における大岡委員の発言を引用させていただいたんです。こういう発言です。以下、大岡委員の発言です。「ふだんは何の連絡もないし、遺族としての活動もしていない、ただ、この給付の時期になりますと、施設に入っているおじいちゃん、これが対象者だとすると、その子供から、どうやったらおじいちゃんの弔慰金がもらえるんだという問い合わせが山ほど来るというのが実態なんですね。」。あるいは、こうも大岡委員は発言されております。「戦没者を弔い慰める、戦争の記憶を風化させないということが、この国債を発行して毎年償還をするということで果たして達成できるのかということになってくるわけです。」という発言もされているわけであります。私は大岡委員のこの発言に全く同感であります。
 そこで、信頼する大岡政務官にお尋ねをしたいと思います。施策の検証に資するために、記名変更の回数や当初の戦傷病者の妻との関係等について法律ごとに日銀として把握、集計するよう是非指示を出していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#29
○大臣政務官(大岡敏孝君) 津田委員にお答え申し上げます。
 先ほど日銀から御答弁ございましたとおり、国債に関する事務は、法律上、財務大臣の定めるところによりまして日本銀行が取り扱うこととされておりまして、戦傷病者の妻に対する特別給付金国債につきましても、記名変更を含めた発行・償還事務を事務手数料をお支払いした上で日銀とその代理店業務を行う郵便局等に取り扱っていただいております。
 財務省としましては、施策の検証と見直しに向けまして記名変更の回数や相続人の当初の戦傷病者の妻との関係等の実態把握を行うことは非常に有意義だというふうに考えておりまして、今後、厚生労働省から依頼があれば、日本銀行及び郵便局等に発生し得る事務コスト等も配慮しつつ、どのような形で実態把握に協力できるか、検討してまいりたいということでございますが。
 少し付け加えますと、私も津田議員と全く同じ課題意識を持っておりますので、まして戦後七十年から八十年、この十年間に大きく環境が変わるというふうに考えております。したがいまして、この実態把握をやる方向で、しっかりと調査をする方向で、厚労省、日銀とよく協議をしてまいりたいと考えておりますし、もちろん厚生労働省から依頼があればしっかりとちゃんとやらせてもらいますし、大臣があのようにお答えしていただいていますので厚労省もちゃんとやっていただけるものと信じておりますが、万が一なくても、財務省、予算執行調査ということができますので、そういったやり方も含めて今後しっかりと検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#30
○津田弥太郎君 昨日レクしたときに財務省の担当の方が、いや、これはみんな入力作業があるからシステムの変更をするのに大変だと。その戦傷病者の妻の子供とか孫とかという名前を入れる、続柄を入れるというそれだけの作業に、そんなに大変な作業が本当に掛かるんですか。私はそれ、考えられないんだよね、そんな作業、そんなに大変だとはとても思えない。だから、やる気になればできると思うんですが、去年の大岡委員の発言と今日の政務官の発言と、ちょっとトーンダウンをしているのが残念なんですが。
 塩崎大臣、先ほどから二回も大岡政務官から、厚生労働省から依頼があればというふうに言われました。是非依頼をするという発言をしていただきたいと思います。もう一度お願いします。
#31
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど私が答弁申し上げたように、この実態把握をするということでありますから、当然政府を挙げてやっていかなきゃいけないことで、関連する役所とも当然やっていただかなければならないので、そのようにお願いをしたいというふうに思います。
#32
○津田弥太郎君 四月一日、もう四日前の話ですが、そこからスタートをするわけです。過去の十年間は、その戸籍抄本の保存期間は一年間だというんですね。だから、一年間だけは戸籍抄本なり謄本が残っていますから分かるんだけど、できればこれからちらっと見ておいてもらったらいいと思いますよ。いかに本人じゃなくて相続権者の方が多いか、しかもその続柄がどういう状況になっているか、一回ちらっと、大岡政務官、是非日銀行って見てくださいよ。あなたが去年おっしゃっていることがまさに裏付けされる資料がいっぱい、一年間だけでも私は残っていると思いますよ。是非やってみていただきたいと思います。
 そこで、日銀が相続の実態を集計していただくようになる、これは今、大岡政務官、それから塩崎厚労大臣が実態調査が必要だと、指示したいというふうにおっしゃっておりますから、野村局長、これ具体的に指示があればすぐやっていただけますね。簡潔にお答えください。
#33
○参考人(野村充君) 御指示に従いまして、真摯に検討してまいりたいと思います。
#34
○津田弥太郎君 ということでございます。
 当然のことながら、十年たったときに戦傷病者の妻たちが何人いらっしゃるか、これは神のみぞ知るわけでありますが、極めて少ない、まあ数十人、数百人よりも数十人の可能性が多分強いだろうというふうに思います。当然ながら、そこにおいては、十年たった時点においては、当然抜本的な見直しをしなければならないわけでありますから、本委員会の審議、議論というのは大変私は重要ではないかというふうに思っております。
 そもそも、この戦没者、戦傷病者関係の、四本法律がございます。昭和四十年前後に続けざまに成立をいたしました。その際に、徳永正利という先生、後の第十四代参議院議長であられますが、この方の大変な御尽力があったわけであります。徳永先生は、海軍通信学校を卒業されて、海軍中尉で終戦、戦後は日本遺族会に入り事務局長となっておりますが、その後は参議院議員に転じ、当時は法案を所管する厚生省の政務次官であったというふうにお聞きをいたしております。
 非常に分かりやすい構図でありますが、少なくとも当時は、本来の慰藉を必要とする方の精神的、経済的な御労苦が著しく、国として法律を制定する必要が大変高かった。私はそれは理解をするわけであります。しかし、戦後七十年が経過をして、状況は間違いなく変わったわけであります。国からの給付金、弔慰金の支給というのは、軍人等の御本人あるいはその奥さんやお父さん、お母さん、父母の方などを対象に限定すべきでありますし、相続という形が起こり得ることも基本的には私は排除すべきだというふうに考えるわけです。
 さきの大戦に対する国としての向き合い方というものは、戦争の記憶あるいは戦没者の経験を風化させないということ、そのことにシフトをすべき、これは大岡委員もおっしゃっているわけでありますが、まさに私はそういう流れだというふうに感じるわけであります。その意味では、国債という形を取る限り、相続という問題が必ず発生する。衆議院でも指摘をされましたように、本法案における国債の未償還割合が二・九%、金額にして十億三千万円になっている。こういう問題や、記名国債を受け取るまで八か月も要する。先ほど羽生田先生の質問に対して短くするとおっしゃったんですが、現実は八か月掛かっている、こういう問題でございます。
 そこで、制度の抜本的な見直し策として一つ提言をしたいと思います。
 まず、対象となる方を確定をし、その方には国として慰藉を行うという仰々しい慰藉状を発行する。これ、まさに精神的な慰藉であります。そして、経済的な慰藉としては、例えば同じ厚労省が所管する年金行政と連動させて老齢年金への加算金として当事者に支給をする、例えばですよ。このような改革を行えば、年金ですから御本人に届かないという比率も限りなくゼロになりますし、毎回の手間暇も掛からない。相続という問題そのものももう解決をするわけであります。
 この精神的な慰藉と経済的な慰藉というのを分けて取り組むというようなことが、私は一つの例としてあり得るんではないかというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#35
○国務大臣(塩崎恭久君) 長い間、基本的な制度は変わらずにまいりまして、特に法改正に当たっては全会一致でずっとこのまま大体の大枠は来てしまったわけでありますが、今のお話、そしてまた、ここまで何人かの議員の方々から出された問題提起を契機に、いろいろな問題についての御提案をいただきました。
 戦没者や戦傷病者の妻などへの特別給付金あるいは戦没者等の遺族に対する特別弔慰金、これにつきましては、国として慰藉や弔慰の意を表するために、制度創設以来、記名国債を支給をしてきたわけでありますが、戦後七十年を経て各種特別給付金等の受給者が極めて高齢化をしているということに直面をしております。
 今回の戦傷病者等の妻に対する特別給付金に関する改正に当たりまして、国債による支給方式に関して受給者の声をサンプリングで伺ったわけでございますが、やっぱり長年なじんできた方法であって今までどおり国債による支給がいいという御意見と、国債による支給ではなくてもよいという御意見、どちらも可とする御意見など、いろいろございまして、結果として、従来と同様に今回は記名国債による支給の方式を続けるということに整理をさせていただいたわけでございますが、今後の特別給付金等の制度の在り方につきましては、今、津田先生からも具体的な在り方の御提案もございましたが、これはやはり、昨年の附帯決議なども踏まえて、制度の趣旨あるいは受給者の心情などを勘案をして議論を深めて総合的な判断をしなければいけないのかなと、そんなふうに考えているところでございます。
#36
○津田弥太郎君 実は、珍しく今回は附帯決議を用意をしておりません。昨年の附帯決議が本当に今回のこの法案についても同じことが言えるものですから、あえて同じことを二回やる必要はないだろうということで今回は附帯決議を付けませんでした。
 衆議院における審議、そして今日の審議、いずれも、やはりこの相続という問題が本来の趣旨とはどうも違うということは厚生労働省もしっかり認識をしていただいておりますし、それを、実務を行っている日本銀行は、言ってみれば、今回は、日本銀行は本当は、塩崎大臣、頭脳集団でしょう、だけど日本銀行は言われたままに体を動かすだけということで、指示がなければ特に余計なことはしないということになっているわけでありますから、当然のことながら、どういう人が相続したか、何回変更したのか、相続を、これ、実は本当はちょっとは分かっているんじゃないのかなと私は思うんだけど、記録はないというふうにずっと言い張られますので、そういうことにしておくしかないわけであります。
 ですから、少なくとも、今日の審議を経て成立した新しい改正案に基づいてこれから実務を行っていくに当たっては、是非とも厚労省から財務省にお願いをしていただき、財務省から日本銀行に指示をしていただいてその実態を明らかにしていただく、そのことがこの十年間の後をどうするかということにつながっていくわけでございますので、そのことをしっかりお取り組みいただくことをお願い申し上げまして、若干時間が早いんですが、私の質問を終わります。
#37
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 戦傷病者等の妻に対する特別給付金は、昭和四十一年の制度創設以来、さきの大戦で障害を負った夫の介助や家庭の維持等のため、長年にわたって大きな負担に耐えてきた戦傷病者等の妻の精神的苦痛に対して、国の特別の慰藉として給付をされてきました。
 今回の改正案は、その給付金の支給の継続と支払方法などについて定めるものでございます。法律の趣旨からすれば、受給者の皆さんからの意見などを十分にお聞きをした上で改正を行う必要があると思いますけれども、今回の改正に当たって、そうした当事者の皆さんからのヒアリングなどはどのような形で行われ、その結果が今回の改正案にどのように反映をされているのでしょうか。
#38
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。
 今回の法案作成に当たりましては、以前は受給者の声を代表する立場として財団法人日本傷痍軍人会があったわけでございますけれども、平成二十五年に解散してしまいましたので、受給者等の要望を把握するために、昨年夏から秋にかけまして、当方から出向きまして、戦傷病者等特別給付金の受給者九名、戦傷病者相談員十六名の方に個別にお会いいたしまして、いろいろな御意見をお伺いしてきたということをしてございます。
 給付金制度につきましては、受給者の方からは、特別給付金は大変有り難い、亡くなるまで続けてほしい、それから、夫の傷病恩給とは別に妻の労苦を、報いる良い制度だと思う、大変意義があると思う、続けてほしいといった制度の継続を望む御意見が大勢を占めましたが、この関係の相談員という仕組みを昭和四十年から設けてございまして、その方の一人からは、受給者の心情を考えますと積極的には言えないけれども、ほかにお金を掛けるべきいろいろな政策や課題があるだろうから幕引きを考えてもよい頃だと思うというような御意見も一部ございました。
 償還期間と相続につきましては、償還期間について、十年としているのが長いといった償還期間の短縮を望む御意見ですとか、それから、先ほどもございましたけれども、国債の相続について、自分が先立った場合に残された夫が子らの世話になると想像されるので、子が相続人として受け取ることができるのは有り難いといった相続についての肯定的な御意見もございました。
 支給方法については、国債による支給がよいとする御意見として、今までどおりの国債がいい、長年なじんできた方法を受給者の高齢化が進んだ今変更するとかえって混乱するのではないか、請求手続について負担に感じたことはない、自分で手続しているが特に問題はないといった御意見のほか、国債による支給でなくてもよいとする御意見、どちらも可とする御意見として、今の手続について問題はないが簡単であるにこしたことはない、必ずしも国債でなくてもよいのではないか、現金振り込みになれば手続が楽になると思う、また、現在のように国債をいただくことも有り難いと思っている、どちらも良い点があるといったような声もあり、結果として、従来と同様に記名国債による支給、ただしその支給期間を五年の国債を二回に分けてやるというような仕組みに変えたところでございます。
#39
○佐々木さやか君 様々な御意見があったようでございます。
 そうした意見を踏まえての今回の改正案なわけでございますけれども、先ほどありましたとおり、大きな改正点の一つは特別給付金の支払方法、これは制度創設当初から十年償還の記名国債によるものであったと承知しておりますが、今回の改正ではこれを五年償還の記名国債とすると、五年ごとに二回交付すると、このように変更するものであります。
 この改正について趣旨を確認をさせていただきたいと思います。
#40
○政府参考人(堀江裕君) 昨年法改正を行いました戦没者等の遺族に対する特別弔慰金について、それまでの十年国債を一回お渡しする方式を改め、御遺族に弔慰を表す機会を増やすためということで五年国債を五年ごとに二回交付することといたしました。
 この法案審議の際に、先ほど来御紹介いただいております参議院厚生労働委員会の附帯決議におきまして、受給者の国債を相続した者が特別弔慰金の趣旨に照らして真に国が弔慰の意を表すべき者とは必ずしも限らないという御指摘をいただき、また受給者の方からも償還期間の短縮を望む御意見がございましたと。
 こういうことを踏まえまして、戦傷病者等の妻に対する特別給付金につきましても、受給者の高齢化を踏まえるとともに、戦傷病者等の妻の御労苦に報い、慰藉、いたわりを行うという本制度の目的により的確に応えられるようにするために、五年国債を五年ごとに二回交付することといたしたものでございます。
#41
○佐々木さやか君 本改正案による特別給付金の支給を受ける権利、これは基準日である平成二十八年の四月一日から三年間となっております。三年の間に手続をしないと支給を受けられなくなってしまいます。
 この三年という期間については、必ずしも長いとまでは言えないと思います。例えば、民法上の消滅時効と比べてもそんなに長くはないわけですけれども、この三年の期間を過ぎて時効によって失権してしまったという方はこれまでいらっしゃったんでしょうか。
#42
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省で推計した受給権者総数から実際に請求し支給決定された人の数を差し引いた数で申し上げますと、平成八年に改正した際には約千二百件、それから平成十八年に改正の際には約五百件、平成二十三年に中間年として改正した際にはゼロ件というふうに推計してございます。
 これは、権利がありながら請求を行わなかった方と、それから基準日の前に亡くなってしまって請求権を失った方が若干交じっているため、必ずしも厳密ではございませんけれども、大体そういった数字になってございます。
#43
○佐々木さやか君 平成八年の際には千二百件あったと、それが平成十八年五百件ということで減ってきて、平成二十三年の際には、事前のレクでは、丁寧な対応をきめ細かくやっていただいたおかげでゼロになったというふうに伺っております。
 ただ、平成二十三年から更に五年が経過をいたしまして、受給者の方、対象者の方も更に高齢化が進んでいると思います。加えて、今回はこれまでずっと十年償還だったものを五年に変更するという改正もありますので、十年に一度支給を受けるための手続をすればよかったものが、五年後にもう一度申請の手続が必要になります。
 このときも時効失権にならないように気を付けなければならないと思いますけれども、こうしたことから、今回は更にこの時効失権防止というところについて丁寧な対応が必要となると思いますけれども、どのように取り組まれるんでしょうか。
#44
○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。
 ちょっと整理をさせていただきますが、まず、これまでの時効失権防止対策につきましては、平成十八年改正時におきましては、都道府県を通じて数回にわたり未請求者に対し個別案内を送付するように依頼したということが一点。また、平成二十三年改正時におきましては、国から受給対象者に対し直接個別案内をお送りをいたしまして、請求者の負担軽減を図るために、請求書類の記載のうち氏名、住所、生年月日等の国で確認できる事項についてはあらかじめ印字した書類を同封をさせていただいたと。
 今回も、法案が成立し施行され次第、関係機関の協力を得つつ、この対象者を把握して五月中にも同様の取組を行うこととしたいと考えております。
 もちろん、この案内におきまして、五年国債を五年ごとに二回交付することとした今般の改正内容につきましてもお知らせをすることといたしております。さらに、個別案内を送付した後に請求のない方に対しては、都道府県や市区町村と連携して個別に連絡を行うなど、きめ細かな請求案内に努めてまいりたいと考えております。
#45
○佐々木さやか君 時間が少し迫ってまいりましたので質問を飛ばさせていただいて、最後の質問をしたいと思います。この点は文科省さんにお聞きしたいと思います。
 本年は戦後七十一年ということで、特別給付金による慰藉も重要でございますけれども、戦傷病者とその御家族の様々な労苦を次世代に伝えていく、さきの大戦の教訓を後世が引き継いでいくということが重要であろうかと思います。とりわけ、若い世代や子供たちにどう引き継いでいくのかという点から、厚労省ともよく連携をしていただきながら、平和のための教育を受ける機会を学校教育において確保して、そうした機会を設けていただきたいと思いますけれども、学校教育を通じての取組はどのようになっているんでしょうか。
#46
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。
 戦争が未曽有の惨禍をもたらしたことを児童生徒に理解させ、二度と悲惨な戦争を繰り返すことのないよう、平和で民主的な社会の実現に努めることの重要性を教えることは極めて大切なことでございます。
 学校教育におきましては、学習指導要領に基づいて、小中高等学校を通じ、児童生徒の発達の段階に応じて、主として社会科等におきまして、例えば第二次世界大戦において各地への空襲や沖縄戦、広島、長崎への原爆投下など国民が大きな被害を受けたことや、日本国憲法の平和主義と我が国の安全、国際協調と平和の重要性などについての学習が行われているところでございます。
 また、実際の指導に当たりましては、例えば博物館や郷土資料館などを活用して当時の生活を体験したり、地域の高齢者に話を聞いたり、修学旅行で沖縄や広島、長崎を訪れたりするなど、体験的な学習や調べ学習が行われているところでございます。
 文部科学省といたしましては、昭和館やしょうけい館など関連する施設の活用、周知につきまして、厚生労働省とも連携しながら、例えばパンフレットを小中高等学校の担当指導主事の会議において配付するなど、その周知、活用に努めているところでございますけれども、今後とも学校教育における戦争や平和に関する指導が適切に行われるよう努めてまいりたいと存じます。
#47
○佐々木さやか君 以上で終わります。
#48
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 戦傷病者等の妻への特別給付金の支給については、先ほど公明党の佐々木議員からの指摘もありましたが、やはり対象となる方々が大変高齢であられることから、丁寧な周知を改めて私もお願いしたいと思います。
 過去には申請主義ということが厳格に取られて、手続ができないままに時効失権となる事例が生じ、私も厚生労働委員会でそうした問題をただしてまいりました。現在、先ほどの、ゼロ件というふうにも報告もありましたけれど、やはり恩給を担当する総務省との連携も図られて、お一人お一人を直接につかむというような対策も取られたことでこうした問題が起こらないように進んでいるかと思いますが、更に高齢になっていて、様々な郵便物に対応することが困難な方ということもあり得るかと思います。
 是非、一人の漏れなく手続が取られるよう丁寧な対応を改めてお願いしたいと思います。一言お願いいたします。
#49
○政府参考人(堀江裕君) 戦傷病者等の妻に対する特別給付金はほとんどが継続の受給者であり、また、新規対象者につきましても、戦傷病者等である夫が恩給法の増加恩給、戦傷病者戦没者遺族等援護法の障害年金等を受けていることから、受給対象者はおおむね把握してございます。
 今回の法律が成立し施行され次第、地方公共団体における確認を経まして、五月中にも個別案内を行っていく、また、その際には、請求者の負担軽減を図るということで、請求書類の記載事項のうち国で確認できる事項につきましてはあらかじめ印字した請求書類を同封するというようにしてまいりたいと思っております。
#50
○田村智子君 今日は、こうした戦後の様々な戦争被害に対する援護の対象となり得ていない空襲被害の方々のことについて質問いたします。
 昨年八月、戦後七十年という節目に、与野党超党派議員が空襲被害者等の補償問題について立法措置による解決を考える議員連盟を発足させました。私も立ち上がりからのメンバーの一人です。
 民間の戦争被害者は国との雇用関係がないので現行の援護法の対象とならない、これでよいのかと空襲被害者の皆さんは、長年、国会議員への要請を行い、裁判にも訴えて、声を上げ続けておられます。運動の先頭に立ち続けた杉山千佐子さんは百歳を超えられました。議員立法で一日も早く道を開きたいと私も焦燥感を抑えることができません。そこで、その議員立法を進めることを後押ししていただきたいという思いで質問いたします。
 まず確認をしたいのは、戦傷病者及び戦没者遺族への援護は、軍人あるいは軍や国によって徴用された方だけではありません。国との雇用関係がない場合にも準軍属として援護の対象となっています。それはどのような方々で、そのうち戦傷病者は現在何名いらっしゃるか、お答えください。
#51
○政府参考人(堀江裕君) 国が所管します戦傷病者戦没者遺族等援護法につきましては、国と雇用関係にあった軍人軍属や雇用類似の関係にあった準軍属が、公務等による傷病により障害の状態になった又は死亡した場合に、国が国家補償の精神に基づき使用者の立場から補償を行うものでございまして、国と雇用関係にあった軍人軍属以外の方につきましても、雇用類似の関係があった準軍属としての援護法としての対象としてございます。
 準軍属として援護法に基づく障害年金の支給対象となっている方のうち、内地勤務の陸海軍部内の有給軍属を除きました平成二十七年三月末現在の身分別の支給者数でございますけれども、国家総動員法の関係者五百八十二人、戦闘参加者三百五十六人、国民義勇隊員二十四人、満洲開拓青年義勇隊員、義勇隊開拓団員二十六人、特別未帰還者七人、防空従事者十一人、以上、合わせて千六件というふうになってございます。
#52
○田村智子君 この戦闘参加者三百五十六人というのは、沖縄などで自分たちが地下ごうに、ガマに入って避難していたと、そこに軍がやってきて、君たちは出ていってくれと、ここは軍が使うからといって出ていったとか、あるいは軍に言われておにぎりを差し出したとか、こういう、別に戦った方ではないんですよね。本当に民間で戦火から逃れて、だけど軍から何らかの命令あるいは依頼があってそれに応じたという線引きを行って、これは沖縄戦の犠牲者の方々が声を上げて援護法を改正させたことによって準軍属として援護の対象としたという経緯があります。
 もう一点確認したいんです。このほか、沖縄への米軍上陸が必至となる下で、対馬丸で集団学童疎開をした学童についても犠牲者遺族への給付金がありますが、これが給付された経緯などを内閣府に説明をお願いいたします。
#53
○政府参考人(藤本一郎君) 対馬丸遭難学童遺族特別支出金についてお答えいたします。
 御承知のとおり、昭和十九年八月二十二日に沖縄から九州方面への疎開学童等を乗せた航行中の疎開船対馬丸が沖縄県の悪石島沖で米軍潜水艦の攻撃を受けまして沈没し、学童七百八十名を含む計一千四百八十四名が亡くなられました。この対馬丸事件に関しましては、沖縄戦が目前に迫った時期に政府の軍事政策に協力するという形で対馬丸による学童疎開が行われ、その途中で遭難したという特別の事情があり、この事情を考慮して、このような特別な状況下で死亡した対馬丸遭難学童の遺族に対し、国として弔意を表す措置として、昭和五十二年度から対馬丸遭難学童遺族特別支出金を毎年支給しております。
 その支給額につきましては、平成四年十月以降は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の遺族給与金の十分の七に相当する額を支給してございます。平成二十八年度の予算額につきましては、計約二百七十五万円となっておりまして、一人当たりで見ますと、支給額は年額約百三十八万円となっております。
 冒頭、ちょっと私、対馬丸の経緯、事件について御説明したときに沖縄県悪石島と申し上げましたけれども、鹿児島県の悪石島沖の間違いでした。失礼いたしました。
#54
○田村智子君 この対馬丸の学童犠牲者については、言わば政治決断で法律を作らずに毎年の予算措置によって遺族給付金の支払というのが現在も行われているということなんです。シベリア抑留者、原爆被害者、中国残留邦人など、民間の方を対象とした何らかの援護法も、これは被害者の皆さんの運動によって実現をしてきました。しかし、国内の空襲被害については民間人の援護はずっと対象外とされたままです。
 私も、議員連盟の学習会や全国空襲被害者連絡協議会の集会などで被害者の方々から直接お話をお聞きして、このままにするわけにはいかないという思いでいっぱいなんですけれども、例えば先ほど、百歳を迎えられたという杉山千佐子さん、名古屋空襲で二十九歳で顔の一部を熱風で剥ぎ取られ、左目を失ったと。顔面やけど及び片目失明では福祉手帳の交付もなく、障害福祉年金の対象にもならなかったと。こうお話をされておられます。
 空襲で手や足を失った方々は現在は障害年金の対象ではありますが、その額は基礎年金と同じで、特別な医療手当の対象でもありません。これは、様々な援護法の対象と比べて、社会保障という観点から見ても余りに低い水準ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#55
○政府参考人(堀江裕君) 内地で空襲により障害を負われた民間人の方につきましては、戦傷病者特別援護法の対象とはなってございません。
 戦傷病者特別援護法は、戦傷病者戦没者遺族等援護法と同様に、国と雇用関係にあった軍人軍属、雇用類似の関係にあった準軍属が、公務等による傷病により障害の状態になった又は死亡した場合に、国が国家補償の精神に基づき使用者の立場から補償を行うものでございまして、今御紹介がありました戦傷病者特別援護法の給付内容としては、療養給付、補装具の支給、修理等は行っておりますけれども、雇用関係又は雇用類似の関係になかった内地においての空襲により障害を負われた民間人については、その対象にはなってございません。
#56
○田村智子君 鹿児島県で六歳のときに空襲に遭って左足の膝から下がちぎれてしまった安野輝子さん、赤チン塗っただけの治療で、その後もむき出しの骨を皮膚や肉が覆うのを待つだけだった。小学校には母親に背負われて登校したが、雨が降れば休み、いじめられては休み、勉強にも付いていかれず、閉じこもる日々となった。中学校は家から遠くて松葉づえで通うことはできなかった。なぜ自分は助かったのか、死んでしまった方がよかったと何度も何度も同じ思いにとらわれてきた。けがの治療も十分に受けていなかったので、義足と擦れる部分が痛くて痛くて歩くこともできなくなってきていると。
 また、東京大空襲で片腕を失った方、残った手の指もケロイドで関節が曲がってしまっています。この腕では普通の仕事に就くことはできず、どうにか雇ってもらってもばかにされ、職を転々としながら生きてきた。厚生年金を掛けるような働き方はとてもできなかった。
 空襲の被害というのは、そのときだけではありません。特に空襲によって手や足を失った、ひどいケロイドで顔面や関節がゆがんでしまった、こういう方々は、その後も学ぶ機会を奪われ続け、働くことに大きな制限を受け、それが一生涯の不利益にならざるを得なかったということなんですね。
 塩崎大臣も、こうした被害者の方々からお話聞く機会あったと思います。今もう八十歳とかあるいは百歳とか、それでもなお私たちを見捨てるのですかと声を上げておられます。感想を一言お願いできますか。
#57
○国務大臣(塩崎恭久君) 戦傷病者戦没者遺族等の援護法につきましては、先ほど定義を申し上げたとおりで、雇用類似の準軍属までは対象にしているわけではございますけれども、今御質問の一般の戦災者、いろんな御経験をされてつらい思いをされている方々が多いということは私もよく分かっているわけでございますが、その方々に対する補償ということにつきましては、今申し上げたように、特段の法的な定めは今はないということで今日まで来ているわけでございます。
 今、超党派で議員連盟で先ほど冒頭に先生からお話がありました活動が熱心に行われているというふうに理解をしているわけでありまして、立法府において御議論をいただいた上でこれは国民的に考えていければというふうに考えているわけでございます。
#58
○田村智子君 私、一昨年も決算委員会で、防空法ということに着目して空襲被害者の戦後補償をということを求める質問をしたんですね。このとき一番困ったのは、担当する省がないということだったんです。だけど、私は、例えば中国残留邦人の問題、やっぱり厚労省の援護局がやっていると。あるいは、空襲で手や足を失った、障害を負っていると、こういう方々は本当にこのままでいいのか、これはやっぱり私は厚生労働省が一定の役割を果たせるんじゃないだろうかというふうにも思っています。
 先ほど準軍属のところで、防空従事者、この方々が援護の対象になっている。だけど、この方々は別に消防隊員とかじゃないと思うんですよ。消防隊員は公務員ですから恩給の対象だと思います。見張りをしていたとか半鐘を鳴らしたとか、こういう方なんです。でも、防空ごうというのは、国民みんなに防空の義務を負わせていたわけで、成人男女は事前避難をすることも法律によって禁じられ、逃げるな、火を消せと徹底した防空訓練や消火訓練が行われていた、このことが逃げ遅れから多大な犠牲をつくってしまったということもまた大阪などの裁判では問われてきたわけですね。
 また、戦争孤児の皆さん、この方々も、家族も家も財産も全て失った。しかし、その後、政府は何らの支援策も行わなかった。野良犬扱いし、親族に引き取られた方も……
#59
○委員長(三原じゅん子君) 申合せの時間が来ております。おまとめください。
#60
○田村智子君 はい。
 泥棒猫と言われ続けてきたと。こういうことをやっぱり政治の責任で決着付けるため、是非とも政府の側も御支援をいただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
#61
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法等の改正案について質問させていただきます。
 まず、今日お配りしました新聞記事を資料として提出させていただいておりまして、御覧になっていただければというふうに思います。
 吉成正一さんという今年九十歳になられる方でありますけれども、十七歳になる一九四三年に海軍航空隊に入って、カメラの腕前を買われて、現在高知県の南国市というところの基地で写真班員の養成、指導に携わったんですけれども、さきの大戦でけがをしたということですけれども、この写真では分かりにくいかもしれませんが、まず、右腕は手から先がなくなっておりまして、そして左目も義眼ということであります。記事には、「平和祈り 撮り続ける」、「元傷病兵「幸せな笑顔残す」」ということで見出しがありますが、徳島県で現在も写真店を経営されておりまして、この間ずっと、徳島市ですから阿波踊りの人たちをずっと撮り続けておられます。平成二十四年には地域文化功労賞、文部科学大臣表彰を受賞されておりまして、今年九十歳になるわけですけれども、現在も台湾へ行きまして写真教室を行うなどして現役の写真家として活動をされておられます。
 いろんな方がおられるんだろうと思いますけれども、三千人のうちの一人がこういった方でありまして、今現在、平成二十七年三月三十一日時点で戦傷病者手帳の所持者は一万二千六百十三人ということでありますけれども、その中にはこのように現在も戦争による障害を乗り越えながら頑張っている方も大勢いられるんだろうというふうに思います。そして、その方を支えてこられた戦傷病者の妻にも同様に、戦後七十年以上にわたって頑張ってこられたわけでありまして、実際、吉成さんの奥様にお話をお伺いしますと、この特別給付金について大変感謝をしておりますというふうにおっしゃっておられます。
 そこでまず、この法案に対する特別給付金の意義についてお伺いをさせていただきます。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 戦傷病者等の妻に対する特別給付金は、昭和四十一年の制度創設以来、さきの大戦で障害を負った夫の介助、看護あるいは家庭の維持等のために長年にわたって大きな負担に耐えてこられた戦傷病者等の妻の御労苦に報いて慰藉、いたわりを行うため支給をしてまいったものでございます。
 私どもとしては、戦後七十年を経過し、受給者も減少してきてはいるものの、受給者の平均年齢が八十七歳という御年齢になっておられるわけでございまして、この制度を継続をすることは、戦傷病者やその妻の方々の戦中戦後の御労苦についての国の取組姿勢に変更がないということをお示しする上でも大変重要であると考えているところでございます。
#63
○東徹君 さきの大戦で障害を負った夫の介助、看護、家庭の維持等のために長年にわたって大きな負担に耐えてきた戦傷病者の妻に対して、こういった国として特別の慰藉を行うことというのは非常に大事だというふうに思います。
 ただ、大変皆様高齢になってきておるわけでありますけれども、この平成八年に発行された国債についてでありますが、発行額が三百五十五億円ということだそうなんですが、そのうち約十億円、二・九%が未償還になっているということでありますけれども、国債を償還し現金を受給してもらう必要があると思いますが、この国債は記名国債でありまして、未償還の受給者に対して償還をするよう促す通知などを行ってみるのはいかがと思いますが、どうでしょうか。
#64
○政府参考人(堀江裕君) 平成八年に発行されました国債のうち未償還の受給者への周知についてのお尋ねでございますけれども、今般の改正で戦傷病者妻特別給付金の受給者そのものは約三千人と累々お答えしているところでございますけど、その戦傷病者等が亡くなった場合の妻に対する給付金というのも受給者計約七千人おります。
 要は、合わせまして約一万人の方が今回何らかのこの支給対象になるわけでございまして、厚生労働省から個別に請求の御案内をする際、また財務省と日銀が連携して国債を発行する際に、これまで受け取った国債のうち未償還の国債がある場合には、償還が可能であること、それから、万が一国債を未償還のまま紛失してしまった場合につきましても、これ記名国債でございますので、再発行が可能であることにつきまして個別に周知してまいりたいというふうに考えてございます。
#65
○東徹君 周知しているということですか、済みません。
#66
○政府参考人(堀江裕君) 失礼申し上げました。
 今まではその回の部分だけの御案内をいろいろな形で丁寧にすることだったわけでございまして、過去のものについての入念的な周知というのはしてございませんでしたので、今回法律が成立いたしました暁には、委員の御趣旨を踏まえまして改善したいと思います。
#67
○東徹君 是非よろしくお願いいたします。
 続きまして、この事務処理期間についてちょっとお伺いしたいと思うんですけれども、この特別給付金の請求から国債の支給がされるまで八か月掛かるというんですね。これ非常に皆さん御高齢の方が多いわけでありまして、請求してからやっぱり国債を受け取るまでの間に八か月って、これ非常に長いなというふうに正直思うわけですね。ましてや高齢な方でありますから、待っている間に亡くなられるという方も中にはおられるだろうというふうに思います。
 過去に何回も同様の事務処理がこれ行われてきているわけでありますし、新規の受給者も十人程度というふうに何か想定されるというふうに聞いております。これ、どうしてこんなに八か月という時間が掛かるのか、まずお伺いをしたいと思います。
#68
○政府参考人(堀江裕君) 八か月というのは平成十八年の特別給付金の支給に際して掛かった実績というものでございまして、今回幾つかの改善も行ってございますので、八か月よりも短くしていけるように考えてございます。
#69
○東徹君 いや、まず、なぜそんなに時間が掛かるんですかとお伺いしたんですけれども。
#70
○政府参考人(堀江裕君) ちょっと答えがずれまして失礼いたしました。
 特別給付金の手続が市区町村、都道府県、厚生労働省、財務省、日本銀行、そして日本銀行の代理店たる郵便局とか銀行とか等経由していくことから、平成十八年の支給において請求から国債交付まで八か月の期間を要したということでございまして、これは衆議院でもお答え申し上げましたけれども、その前年の特別弔慰金の裁定手続などとちょっと一緒になって都道府県の方で時間を要したというような話を聞いてございます。
#71
○東徹君 今の仕組みをちょっと見させていただきましたけれども、請求者が市区町村の方に申し込んで、市区町村が居住の地の都道府県の方に請求して、そこから裁定都道府県へ行って、厚生労働省へ行ってというふうな流れだと思うんですけれども。
 この事務処理に八か月って、これはもちろん日本銀行が国債を発行するわけですけれども、これは非常に、八か月って、今どきこんな事務処理に八か月掛かることはないだろうというふうに思っていまして、先ほど御答弁で短くしますということなんですが、それが七か月ぐらいではちょっと何かどうなのかなというふうに思っておるんですけれども、どれぐらい短くされるのか、お聞きしておきたいと思います。
#72
○政府参考人(堀江裕君) 平成十八年の法改正のときと比べまして改善を行っておりまして、具体的には、今回はその対象者と見込まれる全員に個別案内を行うとともに、記入漏れ、記入誤りがないように、国で確認できる事項についてあらかじめ印字した請求書類を同封する。それから、前回は都道府県に未請求者への個別案内を依頼しておりましたけれども、今回は国が対象者に対して個別案内を行いますので、その分、都道府県がその審査に時間をより充てられるようになる。
 それからさらに、審査を行います都道府県担当者への研修会において、慰藉の意を表すべき方に国債を交付することの重要性、それから戦傷病者等の妻の平均年齢が八十七歳と相当御高齢であることなど丁寧にお伝えいたしまして、迅速な処理をお願いするというようなこと等考えてございまして、前回改正時の実施期間よりも早期に、さらに、戦没者との親族関係等の確認のための裁定期間に時間を要します特別弔慰金よりも早期に国債の発行を行うことを可能にするように考えてございます。昨年成立させていただきました特別弔慰金の方は大体六か月ぐらいを見込んでいますというふうに答弁してございますので、それよりももう少し早く進むようにしたいと考えてございます。
#73
○東徹君 そうですね、八か月ですから、前回、六か月よりももうちょっと早くしていただければと思います。本当に皆さん御高齢になっておられるわけでありまして、やはり生きている間に慰藉を表すということの方が本当に大事だというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 これ、あと、実際に受給に渡された国債が一年ごとに償還を迎えて国債を現金化できるわけですけれども、ゆうちょ銀行などで、金融機関で国債を示してから現金化できるまでどの程度時間が掛かるのか、これもお伺いしておきたいと思います。
#74
○政府参考人(堀江裕君) 受給された国債につきまして、支払期日到来後ゆうちょ銀行に国債をお示しいただければ、窓口ですぐに現金化できるというふうに取り扱ってございます。なお、この委員会でも御議論ございましたけれども、確実、簡便に受給できるようにする観点からは、ゆうちょ銀行の口座振替にする仕組みがございまして、現状で受給者の九割以上の方がゆうちょ銀行の店舗あるいは郵便局を償還金のお支払いする場所とされていることから、口座振替なども利用できますので、ゆうちょ銀行等の協力を得ながら周知図って、簡便に給付金が入るようにいたしたいと思います。
#75
○東徹君 最後に質問させていただきますけれども、先ほどの、御紹介しました吉成正一さんという今年九十歳になられる方ですけれども、現役で写真を今でも撮り続けておられまして、本当に私もその方の御家族も知っておるんですけれども、本当に吉成正一さんを皆が大事にしているというような家族でございまして、中には、先ほどからちょっと話がありましたが、不正受給をされている方もおられるのではないかというふうにも思います。
 これ、年金をだまし取ったとかそういったこともありましたけれども、こういった傷病者の妻に対する特別給付金について、戦後七十年以上が経過しているわけでして、受給者である妻も高齢化が進んでいるという状況の中で、戦傷病者の妻が基準日より前に死亡しており、受給権が発生していないにもかかわらず、その子供などが死亡の事実を伏せて特別給付金の請求が行われるという不正が行われる可能性もありますが、これに対してどのような対策を行っていくのか、お伺いしたいと思います。
#76
○委員長(三原じゅん子君) 時間が来ておりますので、簡潔に答弁をおまとめください。
#77
○副大臣(竹内譲君) はい。
 この手続につきましては、まず、代理人による請求を受け付けるときには代理人としての資格と身元の確認を厳格に行っております。その資格を確認するために、まず法定代理人の場合は戸籍謄本その他の資格を証明する書類を提示していただくと、成年後見人であることを示す登記事項証明書などですね。それから、任意代理人の場合は、委任状をそれぞれお示しいただいた上で、身元確認として顔写真の表示された公的な書類の提示を求めております。また、実際に国債をこの受給者の代理人にお渡しする際にも、同様の代理人資格を有していることと身元の確認を同じように行っているということでございます。
 これまでのところ、委員御指摘のような事案は承知しておりませんけれども、今後とも特別給付金事務の適切な遂行に努めてまいりたいと考えております。
#78
○東徹君 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#79
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、戦傷病者、戦没者の妻への特別給付金についての支給について遅れていると、請求から国債交付まで八か月掛かっている例など、是非、私も迅速にやっていただきたいということを申し上げます。
 昨年三月三十一日にこの委員会で決議された戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の第一項目めに、「新たな受給権者の把握及び制度の周知等の請求漏れ防止策に努める」とあります。請求漏れの実態をどのように把握されているでしょうか。
#80
○政府参考人(堀江裕君) 特別弔慰金の方の御質問でございますけど、今回の改正におきます特別給付金、妻に対する特別給付金でございますが、と異なりまして、支給対象となる可能性のある者の範囲が広く、戦没者等の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のほか、戦没者等と一年以上の生計を有するその他の三親等内親族まで含まれるということから、個々の戦没者等ごとに特別弔慰金の受給権を有する遺族がいたかどうかを一律に把握することはできないという実情にございます。
 しかし、昨年の改正では事務手続の改善を行ってございまして、平成十七年の改正時には行っておりませんでした新規の対象者となる可能性がある恩給法や援護法の遺族年金等の失権届を提出した御遺族に対して、総務省から恩給法の失権届出者に関します情報提供を受けまして個別に制度の御案内をしている、あなたはひょっとしてこの特別弔慰金の対象者になるかもしれませんが、お届けいただいているけどいかがですかというような御案内をしているものでございます。
 平成十七年の際には失権届出リストを作って都道府県に渡しただけでしたので、それと比べますと、漏れといいますか、請求に結び付きやすくしたというふうに考えてございまして、いずれにいたしましても、一般向けの新聞広報なども含めまして個別のお問合せを有効に行うなど進めていきたいと考えてございます。
#81
○福島みずほ君 少しは前進していることは分かっているんですが、附帯決議の中で実態把握に努めるべきだとあり、実態把握はしていないという答弁なので、この点は更に附帯決議の遵守に向けてやっていただきたいと思います。
 空襲についてお聞きをいたします。
 この厚生労働委員会は、シベリア抑留者、中国残留孤児、子供たちや大人も含めてですが、いろんなことについて議員立法で様々な問題を解決をしてきました。今残っている問題というか、大きな問題の一つが、この空襲被害者の補償の問題だと考えております。
 それで、戦争中、戦時災害保護法、終戦直後まで空襲被害者救護策が存在をしておりました。お手元に条文を配っておりますが、しっかりこれは救護をしておりました。
 それで、戦時災害保護法に基づいてどのようなことをやっていたのか。給与金の支給、数か月の生活には支障のない金額を支給。法の二十二条では、戦時災害による死亡者遺族や戦災障害者を補償すると。それから、戦時災害により住宅や家財を滅失、毀損させた所有者は二十三条により補償。それから、二十四条、戦時災害を受ける危険性の高い業務従事者及び遺族にも補償すると。
 お手元に資料を配っておりますが、警察巡査の初任給が月四十五円のときに八か月から十六か月分に当たる金額を支給する。遺族給与金は五百円、障害給与金は七百円、五百円、あるいは著しく障害が、顔とか、女性が非常に、障害を負えば三百五十円というふうになっております。
 しかも、戦時災害保護法の実施状況、支出は急増する。空襲が本当に増えるからで、終戦直後に向かって本当に支給が急増していく。軍人軍属への補償より多額です。戦時災害保護法に基づく政府支出は、昭和十七年は千四百六十九件ですが、昭和二十年度は千五百九十七万七千七百四件、本当に増えております。一千六百万近く補償を政府支出はしているわけです。昭和二十年度の費用は七億八千五百五十九万八千七百五十五円。つまり、当時の金額からいってもかなりの金額を空襲に遭われた人に実際ちゃんと支給をし、障害を受けた人にも支給をしているわけです。防空法でも、逃げるなと、ちゃんと消火せよと、勝手な振る舞いはするなとなっておりますし、それで、徹底して国民に、逃げるな、空襲のときは自分で消火せよとやり、ですから、空襲がひどくなるにつれ、このようにやっているわけです。
 ですから、このことについて、空襲の被害を補償すると定めた戦時災害保護法がある、人はこれを信じて生きていたわけですから、このことを、大臣、どう受け止められますか。
#82
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話をいただいたように、この戦時災害保護法について御紹介をいただいたわけでありますけれども、空襲の被害など一般戦災者に対する補償をすべきという御提案は前から先生からいただいているわけであります。
 御存じのとおり、この戦時災害保護法は昭和十七年に制定をされて、戦時災害によって危害を受けた方やその家族、御遺族を対象に、食料、衣服の提供等の応急救助とか、あるいは障害を負った方への給付金の支給などを行う法律であったということでありましたが、昭和二十一年にこれは廃止をされたというふうに承知をしているところでございます。
#83
○福島みずほ君 戦争中は手厚い補償を約束して国民を総動員しながら、この約束が事実上ほごにされて、空襲被害者に対して戦後何ら補償をされていない。これは、法的、道義的に問題があるのではないでしょうか。
 軍人軍属の方たちも確かに大変な目に遭いました。戦後、累積して五十兆円以上支出があります。でも、空襲被害者は、戦争中はやりますよといって保護、保護というか補償しながら、縛って、総動員させて、戦後ゼロなんですね、金額も。これはやっぱりアンフェアではないか。実際、戦時災害保護法というのが、まさに法律があったわけですから、これが戦後何もないというのは、本人たちの、空襲に遭っても補償してもらえると思っていたことが全くされないという状況です。
 これについてやはりもう見直すべきではないか。私も、空襲被害者等の補償問題について立法措置による解決を考える議員連盟に所属し、たくさんの皆さんの被害の実態も聞いてきました。対象や金額を限定するとか、私たちも何か努力をして、せめて百歳を超えた杉山さんが生きててよかった、自分がずっと戦後努力してやってきたことが、国会は受け止めてくれた、政治は受け止めてくれたという状況を生きていらっしゃる間にやっぱりつくりたいというふうに思っております。
 厚生労働省、いつもこれ、空襲被害者を全般的に救済するための所管省庁は存在しない、厚労省はその所管ではないと言うけれども、でも、実際、これ、厚労省、検討していただきたい、議員立法を応援していただきたい、いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回も御議論をいただいておりますけれども、戦傷病者戦没者の遺族などの援護法、これがどういう方々を対象にしているかということはもう何度も申し上げているわけで、国家が強制的に戦地における戦闘行為や軍需工場における就労等に参加をさせたという事情にない一般戦災者についての扱いについての御提案をいただいているわけでございます。
 今の援護法は今先生が言っておられるような方々を対象としていないわけでございますし、それから、一般戦災者に対する補償ということについては、政府の対応に関して法律として特段に定めがあるわけではないというのが現状であるわけでありまして、超党派の議連が今熱心に活動されているということは先ほど田村先生からもございましたが、このことについてもどう思うかということでありますけれども、これは立法府において御議論いただいているわけでありますので、その御議論を受けてまた国民的にどう考えていくかということを考えていかなければならないことではないかというふうに思っております。
#85
○福島みずほ君 戦時災害保護法があって、なぜそれが戦後消滅したんですか。
#86
○政府参考人(堀江裕君) その当時のことについてつまびらかには承知しておりませんけれども、戦時災害保護法が廃止された時期と生活保護の一般法が整備された時期と時期を近しくしているというふうに聞いてございます。
#87
○福島みずほ君 今日、資料を配付しておりますが、空襲被災者を援護する制度は生活保護法へ承継をされておりません。生活保護で面倒を見れるんだったらとっくの昔にやれたのですが、これに関して生活保護法に承継されていないんです。ですから、空襲に遭われた人たちは戦後大変な目に遭ったということなんですね。
 私たちの議連で考えている法律は、もっと対象者を縛るということは考えてはおるんですが、やはり新聞を見ると、例えば当時、浮浪者と言われる人たちは実はみんな戦災者が多い、圧倒的に多いというのもあります。また、一九五二年の衆議院の厚生委員会で戦傷病者戦没者遺族援護法案に対する公聴会をやっているときに、大学教授などは、これはやはり軍人軍属だけでなく全ての戦争犠牲者に同様の援護を行うべきだと言っております。今の答弁で、生活保護法ができたからという答弁でしたが、承継をされておりません。これは今、もう戦後七十一年目になった今年、もう空襲被害者に対して何かやはりやるべきときだというふうに考えております。
 厚労省が、軍人軍属だけでなく、今までも中国残留孤児・邦人に対して施策を打ってきたように、是非取り上げてくださるよう強く要請を、本当にこれはもう最後のチャンスと思っておりますので、是非よろしくお願いします。
 次に、長崎地裁で二月二十二日、被爆地域外住民、住人に対して被爆者と認定をしました。このことに対して厚生労働省はどう対応されるんでしょうか。
#88
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございました長崎地裁の判決でございますが、原爆投下の際に被爆地域の外に住んでおられた方々が放射線の影響を受けたとして被爆者認定を求めて長崎県と長崎市を相手に起こした裁判の判決、地裁レベルの判決というふうに理解をしております。この判決は、原告百六十一名のうち被爆地域の外の一定の区域に住んでおられた十名の方々について被爆者と認める内容であるわけであります。
 これに対して、長崎県、長崎市においては、同種の事案であります平成二十四年六月の二十五日で行われた長崎地裁の判決、ここでは長崎県、長崎市が勝訴をしておりまして、地裁での判断が分かれているということが一つ、それから、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律第一条第三号においては、個別の事情に応じて被爆者として認定できることが認められているわけでありますけれども、今般の長崎地裁の判決では一定地域に居住していたことのみで認定をしておって法令の解釈に重大な誤りがある等の理由から今般の控訴をしていると、長崎県と長崎市がですね、というふうに理解をしているわけであります。
 被爆者援護行政を所管をする厚生労働省としては、今回の判決の内容につきましては、二十五ミリシーベルト以上で健康被害が生ずる可能性があるとした点について、これは確立した知見と評価することは困難だというふうに、そういう問題があるだろうと。また、長崎県、長崎市と同様の理由により問題があるとも考えておりまして、控訴審で主張を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#89
○委員長(三原じゅん子君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
#90
○福島みずほ君 はい。
 今、資料を配付しておりますが、長崎原爆被爆地域図なんですが、やっぱりこれ見直すべきだというふうに思います。行政区画でやっているんですね。つまり、被爆地域は、原爆投下時の旧長崎市とその周辺地域で限られたいびつな形です。でも、行政区画で原爆の被害などを語ることはできません。被爆者健康手帳が取得可能な地域を行政区画でこうやっているのは間違っているというふうに思います。
 また、内部被曝、黒い雨が降ったり、ちりが降って、それを浴びたりして……
#91
○委員長(三原じゅん子君) 時間が過ぎておりますので。
#92
○福島みずほ君 分かりました。おりまして、このようないわゆる被爆地域外でも被爆者認定をした判決を是非厚労省は重く受け止めて認定の在り方を変えていただきたいということを強く申し上げ、質問を終わります。
#93
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 私は、今回、いかに伝承していくのかということについて主に取り上げさせていただきたいと思います。先ほど太田政務官からも御紹介いただきましたしょうけい館でございます。
 しょうけい館というのは戦傷病者の史料館でございまして、戦傷病者とその家族の苦悩を伝えるというところで、実は皆様方にも資料を準備をさせていただいております。皆様方が百聞は一見にしかずということで写真であったり手紙であったりいろんなものを御覧いただくことによりまして、本当にその戦傷病者そして御家族の皆様方がどれだけ御苦労をなさったのかということがもう肌身で感じていただけるというふうに思います。
 実は先日、私も、私の息子とそしてうちの秘書、みんなでこれを一回また行ってまいりましたけれども、やはり若い年代にもそれなりに心に残るところがあったようでございます。
 ところで、大臣、このしょうけい館にいらっしゃったことはございますでしょうか。
#94
○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年の七月に行ってまいりまして、様々見せていただきました。戦傷病者の方々は本当に戦中戦後御苦労をされたわけで、確かに私も両親からよく戦中戦後の話を聞きますけれども、それらが非常に伝わってくるしょうけい館だというふうに理解をしたところでございます。
#95
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もう私もちょっと心に刺さったんですけれども、以前私が見に行きましたときにはそれほど目に止まらなかったんですが、今回、写真の横に、生きる、それは死ぬよりつらいことだったという言葉が掲げてございまして、やっぱりそういう一つ一つ生の声というのが、私どもが真摯に受け止めなければならないのではないかと思っております。
 実は、昨年が戦後七十年であったということで、このしょうけい館、そして昭和館、平和祈念展示資料館とともに三館を連携して様々な事業が行われてまいりました。これ全国三か所、東京、長野そして和歌山で、講演会そして企画展を行ったというふうに私も承知いたしておりますけれども、副大臣、どのような反響がございましたでしょうか、教えていただけますか。
#96
○副大臣(竹内譲君) お答えします。
 まず、東京都では、展示会に延べ二千百八人、講演会に百二十八人が来場されました。長野県では、展示会に延べ一万七百九十七人、講演会に四百三名が来場されました。和歌山県では、展示会に延べ七千八百三人、講演会に八百六十八名が来場されました。
 反響といたしましては、一部の声を紹介させていただきますと、まず、戦争を体験していない世代の方からは、今まで知らなかったことを展示や講演で見聞きして、平和の大切さ、戦争の悲惨さを知ることができたという声がありました。また、戦争を体験した世代の方からは、戦争の恐ろしさや戦争を体験した人々の苦しみを若い人にもっと知ってもらいたいなどの御意見があったものと承知をしております。
#97
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 東京はちょっと人数が少なかったようでございますが、長野、和歌山はそれなりに反応があったというふうに私も受け止めておりまして、しかし残念ながら三県のみでございます。もっともっとやっぱり多くの皆様方に実際に見聞きする機会というものを与えていただきたいと私は考えております。特に、副大臣がおっしゃいましたように、戦争を体験していない、これから成人になっていくような若年世代の皆様方に是非と思っておりますが、大臣、もっとこういう企画、これからも立てていただける計画ございますでしょうか、教えてください。
#98
○国務大臣(塩崎恭久君) しょうけい館の企画展としては、現在、戦傷病とは何かを分かりやすく紹介する展示を中心に行ってきているわけでありますが、さらに、今年の七月以降は戦傷病者を支えた家族の御労苦を伝える企画展を予定をしております。
 今先生からもお話ありましたが、三館連携事業、これにつきましては、平成二十五年度から三館巡りのスタンプラリーというのを開始をして、二十七年度からは合同地方展を、今お話しのように、順次拡大を図ってきておりますけれども、二十八年度は愛知県名古屋市、先生の御地元でありますが、十月頃に合同地方展の開催を予定をしております。
 さきの大戦の記憶を風化させることなく、特に全く、親御さんも戦後派という方々ばかりですから、戦中戦後の苦労を次世代に継承していくために、今後ともしょうけい館の効果的な運営に努めるとともに、三館の間での協議を促進をして、来館者の関心を高める魅力的な事業を企画するなど連携事業の充実に努めて、子供たちにしっかりと伝えていくことが大事ではないかというふうに思います。
#99
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 うちの小学生の息子も実は一緒に参りまして、政務官おっしゃったように、野戦病院のジオラマ、あれを見ましたら、気持ちが悪い、何だこれはとやっぱり声を上げるんですね。こういうものを実際に見聞きするということと、実際に皆様方にも、しょうけい館、来て、見て、学ぶというような、こういった子供向けのガイドブックも出していらっしゃいますし、そして、今、水木しげるさんの人生ということで企画展をやっております。息子にも、これ「ゲゲゲの鬼太郎」を描いた人なんだよと言うと、ああということで、その絵は本当に食い入るようにやっぱり見ておりました。こういう身近なところで、戦傷病者の皆様方、どういう活躍をしていらっしゃったのかということも知らせていくことが、私、一方、とても大事なことだと思っております。
 しかし、この戦争といったようなものがどのように語り継がれていくのかということで一番やっぱり問題なのは教育だというふうに私もこれ認識しておりまして、実際に歴史を学ぶ場合でも、弥生時代、そして江戸時代辺りまではすごく鮮明に覚えている、しかしなかなか、受験が近づいてきたり学期末になってくると、近代史というものが取り上げられなくなったり急に速度が速くなったりということもあったように私自身も記憶をいたしております。
 高校課程におきまして、やっぱり日本史というものは選択肢になっておりますので、日本史を選択している割合はどのくらいの程度なのか。そして、中学、高校におきましても第二次世界大戦以降まで授業を行っている割合というのをどのように把握していらっしゃいますでしょうか。浅田審議官、簡単で結構でございますので、お答えください。
#100
○政府参考人(浅田和伸君) 文部科学省で平成二十五年度に公立高校に入学した生徒を対象に抽出調査を行ったところですが、日本史を選択している生徒の割合は約六二%でございます。
 歴史に関する指導につきましては、今の学習指導要領では、中学校の社会科で授業時数を、歴史分野の授業時数を増やすとともに、近現代の学習を重視する、あるいは高等学校の地理歴史科で世界史、日本史、共に近現代に係る内容を充実するなどの改善を図っているところでございます。文部科学省として個別の状況を把握しているわけではございませんけれども、各学校で学習指導要領に基づき戦後までを含めて授業を実施しているものと考えております。
 文科省としては、今後とも、学習指導要領に基づいて、各学校で近現代も含めて歴史教育がしっかりと行われるように指導に努めてまいりたいと思います。
#101
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 正しい知識に基づいて何かを考えることができるということは私とても大事なことだと思っておりますけれども、残念ながら、なかなか近代史に近づくにつれましてその知識が薄くなっていく、そういうことでやっぱり興味を持たないということになってまいります。私のもう一人の息子なんですけれども、やはり、日本史を取りましたけれども、結局、最後の方、余り自分でも勉強する時間がなかった。実際にそういったことで、一番我々が知ってもらいたいような事実ということが本当に見落とされてしまってはこれから未来を考えていく子供たちにとってもこれは大きな損失だと思っておりますので、是非そこはしっかりと充実をお願いしたいと思います。
 それに当たりまして、今年度から、先ほども御紹介いただきました若年世代の語り部の育成の予算措置がなされているということで、これ九百万円ぐらい設けられているわけでございますけれども、本当にこの事業、私も感謝をいたしております。
 と申しますのも、太田政務官が生まれ育った隣の豊川という、愛知県の豊川市でございますけれども、海軍工廠というものがございました。海軍の工場がございまして、そこが、八月七日、空襲によりまして二千五百人の皆様方がお亡くなりになられたということが分かっております。
 私、昨年、七十周年の、実は子供たちがそこで再現劇をやったというところに参りまして、大変感動いたしました。二千五百名の子供たちです。豊川市の小中高の皆様方挙げて参加をいただきまして、そこで何が起こったのかということを自分たちが体感しながら、実際に砂ぼこりが上がる中、倒れたり、のたうち回ったりしながら、子供たちが私どもにそれをしっかり劇として見せてくれたということです。
 こういうふうに、やはり子供たちが自分たちで何かを勉強し、そしてそれを実際に自分たちで体感できるような、そういう企画がどんどん地方でも私は広がってもらいたいなと思っております。本当にこういった地域地域によっても戦争体験というものは全く違ったような様相を見せておりますし、もちろん、語り部の方も本当に少なくなっている地域もあるかと思いますけれども、是非これから地域における戦傷病そして戦災の語り部育成というものを重視していただきたいんですけれども、まだまだ予算措置というもの、まだ薄いかなと思っておりますが、大臣、その辺り、充実するお考えございませんでしょうか、お願いいたします。
#102
○国務大臣(塩崎恭久君) 去年で戦後七十年、戦中戦後のこういった御苦労を体験した方々が高齢化をして、その体験を世代を超えて共有をしていくというのはなかなか難しくなってきているわけであります。だからこそ、重要な問題として今御指摘もいただいているわけで、平成二十八年度からは当時の御苦労を語り継ぐことができる次世代の語り部を育成しようという事業を開始をすることといたしまして、育成後は、まず、しょうけい館などの来館者に対する語り部による講話会の実施とか、あるいは小中学校への出張講話などによって戦中戦後の労苦の伝承に努めていかなければならないと思っております。
 戦争の悲惨さを身を持って体験された方々の御労苦を、本来はその方々の生の声で伝えていくというのがいいわけですけれども、なかなか難しい。さらには、地域ごとにいろいろな御苦労があったわけでありますので、そういった視点に立って語り継いでいくことは、今お話しのとおり大変重要なことだと認識をしております。
 まず、本年度からは、語り部事業の着実な実施に努めるというとともに、その実施状況を検証した上で、地域ごとの取組など、今後の取組について、地方自治体の皆さん方、各方面の御意見をいただいて、どういうようなことをすればうまく地域のそれぞれの御苦労の語り継ぎができるのかということを検討をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#103
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 是非、豊川の戦争劇のようなものも参考にお願いをしたいと私は思っております。そういった試みも、実際に、今日、文科省の審議官もいらしてくださっておりますので、いかにやっぱり連携をしていくのかと、すごくこれ大事なことだと思います。育成をしても教育の現場で聞いてもらえないようなことがあってはなりませんし、しょうけい館でも、毎年毎年様々な学校が、どういう学校が視察に行ったかというリストも出ておりますが、私はまだ少ないんじゃないかと。実際に、百聞は一見にしかずでございまして、生の声でも、録画をしているようなビデオも常時放映をされておりますし、そういった子供たちがやっぱりどういう感想を持ったのかというようなことももっともっと文科省からも発信をしていただきたいんですね。
 ですので、是非是非これから、これとても大事な取組になってまいりますので、厚労省と文科省と是非連携の上、私は、これからもどのような形で子供たちに伝承したらいいのかということを提案をし続けたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#104
○委員長(三原じゅん子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について羽生田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽生田俊君。
#105
○羽生田俊君 私は、ただいま議題となっております戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党及び公明党を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これより、この趣旨について御説明申し上げます。
 修正の要旨は、この法律の施行期日を「平成二十八年四月一日」から「公布の日」に改めるとともに、これに伴う所要の規定の整備を行うものであります。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
 以上です。
#106
○委員長(三原じゅん子君) これより原案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、羽生田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#107
○委員長(三原じゅん子君) 全会一致と認めます。よって、羽生田君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(三原じゅん子君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#110
○委員長(三原じゅん子君) 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
#111
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました確定拠出年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国の企業年金制度等は、確定拠出年金法及び確定給付企業年金法のいわゆる企業年金二法の成立から十年余りが経過するとともに、長らく企業年金制度の中心的な役割を担ってきた厚生年金基金制度の抜本的な見直しが行われるなど、これを取り巻く状況は大きく変化いたしました。また、働き方の多様化を始め社会経済構造も大きく変化しつつあります。
 公的年金と相まって国民生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的としている企業年金制度等について、こうした変化に対応し、その普及及び拡大を図るとともに、老後に向けた個人の自助努力を行う環境を整備することを目的とした所要の措置を講じるため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
 第一に、企業年金の普及及び拡大を図るため、従業員数が百人以下の中小企業を対象として、設立手続等を大幅に簡素化した簡易型確定拠出年金制度と、個人型確定拠出年金に加入する従業員の掛金に追加をして事業主が掛金を拠出することを可能とする個人型確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度を創設することとしています。また、現行では月単位となっております掛金の拠出規制単位について、年単位に見直すこととしています。
 第二に、個人型確定拠出年金について、国民年金の第三号被保険者、企業年金加入者及び公務員等共済加入者の加入を可能とするとともに、確定拠出年金から確定給付企業年金等への年金資産の持ち運びを可能とすることとしています。
 第三に、確定拠出年金の運用について、加入者の運用商品の適切な選択に資するため、継続的な投資教育の実施を事業主の努力義務とするとともに、運用商品数の上限の設定等の措置を講ずることとしています。また、あらかじめ定められた運用商品に関する規定の整備を行うとともに、当該運用商品の分散投資効果が期待できる商品設定を促す措置を講ずることとしています。
 以上のほか、企業年金の手続の簡素化、国民年金基金連合会の広報業務の追加等を行うこととしています。
 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十九年一月一日としています。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#112
○委員長(三原じゅん子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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