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2016/03/23 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 財政金融委員会 第6号
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2016/03/23 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 財政金融委員会 第6号

#1
第190回国会 財政金融委員会 第6号
平成二十八年三月二十三日(水曜日)
   午前十時三十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     杉  久武君     西田 実仁君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     水岡 俊一君
     小池  晃君     倉林 明子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大家 敏志君
    理 事
                愛知 治郎君
                石田 昌宏君
                長峯  誠君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
    委 員
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                中川 雅治君
                中西 健治君
                中西 祐介君
                宮沢 洋一君
                山谷えり子君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                白  眞勲君
                前川 清成君
                水岡 俊一君
                竹谷とし子君
                倉林 明子君
                小池  晃君
                藤巻 健史君
                中山 恭子君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  森屋  宏君
       財務大臣政務官  中西 祐介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁監督局長  遠藤 俊英君
       総務大臣官房審
       議官       内藤 尚志君
       総務大臣官房審
       議官       時澤  忠君
       財務省主計局次
       長        美並 義人君
       財務省主計局次
       長        茶谷 栄治君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       財務省関税局長  佐川 宣寿君
       財務省理財局長  迫田 英典君
       財務省国際局長  門間 大吉君
       国税庁次長    星野 次彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     若井 英二君
       特許庁審査業務
       部長       諸岡 秀行君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役総裁    細川 興一君
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役総裁      渡辺 博史君
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十八年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十八年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(金融庁)、財務省所管、株式会
 社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行
 )
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、杉久武君が委員を辞任され、その補欠として西田実仁君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大家敏志君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 竹谷とし子君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に西田実仁君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(大家敏志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁監督局長遠藤俊英君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(大家敏志君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁細川興一君及び株式会社国際協力銀行代表取締役総裁渡辺博史君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(大家敏志君) 去る十六日、予算委員会から、三月二十三日の一日間、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。麻生財務大臣兼内閣府特命担当大臣。
#11
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十八年度一般会計歳入予算並びに財務省所管一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明をさせていただきます。
 まず、一般会計歳入予算額は九十六兆七千二百十八億円余となっております。
 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十七兆六千四十億円、その他収入は四兆六千八百五十八億円余、公債金は三十四兆四千三百二十億円となっております。
 次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十五兆七千五百七十三億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十三兆六千百二十一億円余、復興事業費等の東日本大震災復興特別会計への繰入れは五千七百二十七億円、予備費は三千五百億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも二百一兆五千三百九十九億円余となっております。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し述べます。
 株式会社日本政策金融公庫の国民一般向け業務におきましては、収入一千七百十六億円余、支出一千六十八億円余となっております。
 このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び株式会社国際協力銀行の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 なお、時間の関係もありまして、既に配付をいたしております印刷物をもちまして詳しい説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようよろしくお願いを申し上げます。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 引き続きまして、平成二十八年度における内閣府所管金融庁の歳出予算について御説明申し上げます。
 金融庁の平成二十八年度における歳出予算額は二百四十億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費として二百十五億円余、金融市場の整備推進に必要な経費として十一億円余、国際会議等に必要な経費として四億円余となっております。
 以上、内閣府所管金融庁の歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 よろしく御審議のほどをお願いを申し上げます。
 以上です。
#12
○委員長(大家敏志君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、財務省関係の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○山本一太君 自民党の山本一太でございます。
 今日は質問時間二十分ということだったんですが、五十五分ぐらいまでに終わらせよということなので、五分縮めたいと思いますので、特許庁の方にも来ていただいていますが、全部ちょっと質問が行かなかったら、まず最初におわびをしておきたいと思います。
 麻生大臣、ちょっと質問通告をしていないので、もうできる範囲で結構ですし、コメントを控えるというならそれでも結構なんですが、是非大臣の御感想をお聞きしたいことがあります。
 昨日、政府の国際金融経済分析会合、三回目だったと思いますが、官邸で行われたということで、ニュース報道を見たら麻生大臣のお顔もあったんですけれども、そこに来られたクルーグマン・プリンストン大学名誉教授が来年の消費増税は見送るべきであるというふうにおっしゃって、なおかつ安倍政権の打ち出した三本の矢についても、最初の矢、金融政策に頼り過ぎているのではないかと、むしろここ数年間は財政支出を余り気にせずに財政に重きを置くべきだというふうにおっしゃっていますけれども、これについて財務大臣はどんなふうにお感じになっておられるでしょうか。
#15
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の会議は、少なくとも、この五月に行われますサミットにおいて安倍総理が議長をされますので、その立場上、国際経済、金融等々について知識を得たいという趣旨でこれが開催をされておると存じております。
 これまで三人の外国の方々、一人の日本人の方が挨拶というか講演というか、短い説明等々、意見交換が結構なされたと思いますが、私どもの立場として、海外の学者の方々の意見に対して一々コメントすることはありません。私どもとしては、基本的にはその内容につきまして対外秘ということになっておりますので、今の内容、少し違うと思いますけれども、新聞に書いてある内容とあの種の本当の内容はかなり違うのは毎度のことで別に驚くことはありませんので、私どもとしては、あの内容と今の外に出ている話と少々違うかなという感じがしないでもありませんけど、いずれにしても、私どもの基本的立場は今申し上げたとおりであります。
#16
○山本一太君 ありがとうございました。
 もう一つ、ちょっと経済について、これも通告はしていないんですけど、大臣が過去にこの問題についても言及をされているのでお聞きしたいと思うんですが、私は、もちろんアベノミクス、実績上がっているというふうに思っていますが、昨今、大臣もあらゆる情報を集めておられると思うんですけれども、エコノミスト、ファイナンシャル・タイムズ、ワシントン・ポスト等々で、アベノミクス、特に日銀のマイナス金利について少し厳しい見方も出ていると思うんですね。
 こういういろんなメディアの記者の方々が発信をすることについて、私もそういう、何というんでしょうか、記事を毎回読むものですから、これはちょっと誤解じゃないかというときはツイッター等々で反論をさせていただいていまして、一つは、まず、政策の効果を評価するのに時期尚早ではないかということと、それから昨日、麻生大臣がこの委員会でもおっしゃっていたように、税収は二十兆円以上増えていると、なおかつ企業の収益は過去最高であると、恐らく欧米等々に比べても日本の経済のファンダメンタルはしっかりしているというようなことを反論をしているんですが、このマイナス金利についてのそうした見方について、現時点の、これもお答えできる範囲で結構なんですが、財務大臣はこのマイナス金利の今の状況をどのように見ているのかということは一言お聞きしたいと思います。
#17
○国務大臣(麻生太郎君) いずれにしても、このマイナス金利というのは、ちょっと戦前はそんなに詳しく知らないんですけれども、少なくとも昭和二十年以降で日本ではインフレが続いておったこともこれありで、金利がマイナスになったということは過去七十一年間では初めての政策だったと思いますので、それに対していろいろな反応が出てきている、初めてのことですからみんな面食らっておられる方もいっぱいおられるんだと思いますが。
 少なくとも、今、皆さん方のところの、そうですね、ローンを借りておられる方々、四、五人に聞きましたけれども、ほとんど、四人のうち、聞きましたけど、三人は銀行からローン金利を組み替えませんかという話をしておられます。それで、それによって、三十年のところが残り二十年あった部分が、三千万のところが二千万というところまで返しているとすると、その人の例でいきますと約数百万円安くなります。悪くないなという話になるんですが、それは決して悪いことじゃないですから。じゃ、銀行はどうするかというと、手数料をもらいますので、その手数料が数十万円入ってくるので、手取りはみんなそれぞれ損はないみたいな話で計算ができているんだというように、その話を聞いて自分なりにそう考えたんですけれども。
 いずれにしても、日銀としてはいろいろなことを考えられた上での結論でしょうし、政策委員の中でもいろいろ意見が分かれたというようなお話でもありますんですが、結果として決断をされた以上、私どもとしては、今まだ決まってすぐの段階で、今すぐどうのこうのと言ってその反応を述べているのはいかにも短絡的過ぎるので、この種の話は少々時間掛けた結果どうなってくるかという、時間を掛ける必要があろうかと存じております。
#18
○山本一太君 ありがとうございました。
 それでは、通告をさせていただいた質問に移りたいと思いますが、昨日、大変大きな事件がありました。ベルギーのブリュッセルで連続爆破テロ事件が起こって、三十人以上の方が亡くなったと報道されています。二百三十人以上がけがをしたと。さらには日本人がお二人けがをされているという情報も今日テレビの朝のニュースで流れていたわけなんですけれども、これを見て、全く人ごとではないというふうに思いました。
 特に、昨日、日本時間の夕方にこの事件が起こった後、アメリカのデンバー空港だったと思いますけれども、不審物が見付かって、一旦何か乗客が避難するような騒ぎもあって、調べた結果これは爆発物ではなかったということなんですけれども。この事件についてはISが犯行声明を出していると。これは日本もISの標的の一つになっていて、日本人は何か喉元過ぎればみたいなところがあるんですけれども、テロの脅威は、これはもう安倍内閣を挙げてしっかりと対応していかなければいけない問題だと思うんですが。
 そこで、テロリストを水際で入国させない、あるいは爆発物とか武器とかをしっかり水際で止めるということでいうと、税関、入管の役割というのは極めて重要だと思いますし、税関、入管が警察ともしっかり協力をしていくというのはこれは急務だと思います。
 私、内閣府特命担当大臣辞めた後に、実は、少し前のこの財金委員会でも麻生大臣に御質問しましたけれども、東京税関を視察をして、少ない人数で税関の職員の人たちが本当に一生懸命頑張っているという姿に結構感銘を受けまして、自民党もいろいろ政策のスペシャリストの集団がいて族議員とか呼ばれて、商工族とか農林族とか金融族とかいるんですけれども、私は数少ない税関族だと思っている、一票にもならないんですけど。もう一回言いますが、一票にもならないんですけど、やっぱりこういう地味でも大事な仕事をしている人たちをしっかりサポートしなければいけないという思いを強くしております。
 簡潔でいいんですけれども、まず最初にこの税関業務についての大臣の御認識を伺いたいと思います。
#19
○国務大臣(麻生太郎君) まずは、この国においていろいろな今おもてなしとかいう言葉がはやっているようですけれども、最大のおもてなしは治安かなと、私自身はそう思っています。
 外国から来た人で、例外なく、日本についてサービスがいいとかなんとかいう話の場合に、何を言っても、忘れ物は届く、タクシーの中に置いてきたハンドバッグが届いた、紹介されて行ったレストランで財布ごと丸ごと忘れて、どっかに連れていかれて、気が付いてレストランに電話したら閉まっていた、えらいことになったと思ってホテルに帰ったら、ホテルの紹介の方ですからといってホテルにハンドバッグが届いていた。フランス人でしたけど、フランスの国籍をやめて日本の国籍に変えたいので是非取り方を教えてもらいたいと真面目に大使館に現れた人が連れてこられたので、もうしばらくしてから考えた方がいいと、そんな単純な話じゃないからといって帰しましたけど、真面目な偉い方だったので、正直驚くほど。それが日本の持っている最大の、治安の良さというものこそが最大のおもてなしなんだという例をそのフランス人から教えてもらったんですけれども。
 いずれにいたしましても、日本の場合は、昨年だけで一千九百七十三万人の観光客が一挙に増えております結果、少なくとも、ついこの間まで八百万前後だったんですから、それが二倍近くに一挙に三年以内で増えておりますし、今年自体もう既に、一―二月だけ見ましても、去年に比べまして対前年同期比で一―二月だけで四三%、対前年比ですよ、対前年比で四三%増えておりますから、そういった意味では、私どもとしてはこれはもう極めて深刻な事態になっております。
 何となく我々は成田とか羽田とかしか目に付かないところでしょうけれども、少なくとも地方空港にチャーター便で降りてくる数がめちゃくちゃ増えています、皆さん方の御地元にそういう飛行場をお持ちのところはお分かりでしょうけれども。例えば、福岡だったらみんな板付に目が付きますが、隣の佐賀空港に、板付いっぱいだから佐賀に降りる。佐賀に税関とか、そういう前提で造っていませんから、チャーター便が来たときには税関をどうするかと、CIQ全部そっちに移動させないかぬというような話で、とてもじゃないけど人手が回っておらぬというのが実態でありますから、そういったものを考えますと、いわゆる輸出入はもちろんのことですけれども、税関を含めて人の出入り、テロを含めて、こういったものは極めて重要だと思って、この重要性は、テロに限らず、現実的にその他の通常の業務で極めて厳しい状況になりつつあると思っておりますので、私どもはこれを増員させるという形で、昨年、今年とその対応をさせていただきつつあるところであります。
#20
○山本一太君 ありがとうございます。
 少し細かいこともお聞きしようと思ったんですけれども、時間がないのでもう麻生大臣にお願いしたいと思うんですが、検査機器、ちょっと少し調べてみたんですけど、例の不正薬物・爆発物探知装置、TDSとか、エックス線検査装置とか、埠頭の監視カメラも監視船も全部そうだと思うんですけれども、これ相当増やしていると思うんですが、ここは是非予算を付けていただいて、特に、技術は日進月歩なので、例えばこのTDSも、今までよりも少ない出力で画像をはっきり見える技術とかいろいろありますし、この多分エックス線検査装置も古いところから替えているんだと思いますが、こういうことを是非やっていただきたいと思うんですね。
 昨今は、覚醒剤を何か液体に混ぜるというそういう手口もあったりして、去年、たしかメキシコからのテキーラに覚醒剤を混ぜて密輸入しようとした人がいて、これも、あれですか、このTDSで発見して取り押さえたということを伺っているんですけれども、是非、人員も予算も、二十八年度予算案、拝見させていただいて、増えているんですが、これはもう、伊勢志摩サミットもありますし、一九年にはラグビーの世界大会もありますし、二〇年には東京オリンピック・パラリンピックもあるので、是非、税関の水際対策には、大臣、力を入れていただきたいと思います。
 また、あともう四分ぐらいしかないので一気に次の質問へ行きたいと思うんですが、細かいことは抜きにして、今日は遠藤局長も参考人で来ていただいているのでお聞きしたいと思うんですが、一か月前ぐらいの自民党の知財戦略調査会の産業活性化小委員会というところに高崎さんという社長を呼びました。名前からして高崎の人かと思ったら違ったんですけど、この高崎さんという人がエンジニア株式会社というのをやっていて、ネジザウルスというペンチみたいなやつを開発して、これはもういかにも日本のたくみという感じで私は非常にこれお気に入りなんですけど、外せないねじも外せるネジザウルスが結構商品として大ヒットしたんです。
 その高崎社長が言っていたのは、いやいや、中小企業だって実は、ベンチャーをやるとかイノベーションをやるのに、マーケティングの力はありますと、それから、実は広報戦略もネットを使えばできますと、デザインだって自分たちでできますと。一番やっぱりボトルネックは知財戦略であると。例えば、でっかい企業だったらRアンドDやっているところと知財部が多分連携してやっているんだけど、中小企業は分からないと、弁理士に聞いても分からないと、高崎社長が一生懸命自分で勉強して資格を取ったら分かってきたと。
 やっぱり、中小企業が一番頼りにしているのは、日頃から付き合っている金融機関なんですよね。何でネジザウルスがうまくいったのか。やっぱり、金融機関に知財を管理する資格を持った、三級かな、人がいたということで、例えば、もちろん、今日特許庁にお話を聞く暇がなくて本当申し訳ないんだけど、特許庁、経産省に任せるだけじゃなくて、金融機関をもっと、何というんでしょうか、金融庁が指導して、もうちょっとこういう専門家を、例えば、命令することもできないと思うんですけど、せめてこういう人を持ったらいいことあるんじゃないのと、こういう奨励をもっとやったらどうかと思うんですけど、遠藤局長、いかがでしょうか。
#21
○政府参考人(遠藤俊英君) 金融庁は、今、山本先生がおっしゃいましたように、金融機関が担保、保証に依存するような融資姿勢、これを改めてほしいということを言い込んでおります。取引先企業の事業内容あるいは成長可能性を適切に評価して、融資、本業支援等に取り組むことが重要と考えております。
 この中小企業の事業性、これを評価するに当たっては、不動産担保の不動産の評価ではなくて、経営者の質でありますとか技術力とか販売力とか、あるいはそういった将来の稼ぐ力、そういった目に見えない経営資源、強みというものを、あるいは企業風土、こういうものを考慮することが必要だということを言っております。知的財産は、こうした重要な経営資源あるいは企業の強みの一つとして、これを生かすような経営が行われることが非常に重要だと思っています。
 ですから、この知的財産を金融機関の事業性評価を行う上で非常に重要なものとして、金融機関がその企業を見るときに知的財産をいかに評価するかということは一つのキーだと思っておりまして、委員がおっしゃるように、自分たちの銀行の中にそういった知的財産を評価できる人間、ある資格を取った人間を養う、あるいはそれが直ちに間に合わない場合は外部の専門家と協力してこういったことを行うということが非常に重要だというふうに思っております。
#22
○山本一太君 もう時間なので、最後に三十秒。
 遠藤さんと、今から三十年近く前に一緒に万座温泉にスキーに行って、露天風呂で二人でいろいろ熱く語り合ったんですけど、まさかこういう形で遠藤さんと再会できると思いませんでした。
 もうしゃくし定規じゃなくて、もうちょっと、遠藤さん、やってください、せっかくこの高崎さんが成功したんだから。是非、これは中小企業庁に任せるんじゃなくて、金融庁もやっぱりその地域のベンチャーを応援できることがあるなら是非しっかりやっていただくことを麻生大臣にもお願いして、大体ぴったり五十五分に終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#23
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
 今、山本さんが昨日の官邸での御議論の話を聞いておられたのでちょっと私もお伺いしたいんですけれども、今大臣は、マイナス金利の影響というのはそんなにすぐには見極められないというふうにおっしゃったんですが、昨日かおとといの新聞記事で、石原大臣が、三か月ぐらいで大体効果を見極めたい、ないしは見極めるべきだという趣旨のことをおっしゃったと、私も報道で読んだだけなんですが。
 そうすると、麻生大臣はどのぐらいの期間を取りあえず見てみたいというふうにお考えになっておられますか。
#24
○国務大臣(麻生太郎君) これは、私どもは基本的に中期的に見守っていく必要があると最初から申し上げておりますので、じゃ、中期的は二か月か六か月か八か月かと聞かれるとちょっとなかなか答えのしようがないんですけれども、ある程度時間が必要だとは思っておりますので、それが三か月ぐらいで出るかなという感じは正直しないわけではございません。もう少し時間が掛かるような気がいたします。
#25
○大塚耕平君 私もちょっと、石原さんがなぜ三か月ということをおっしゃったのか意味不明だなと思って報道を読んだんですが、麻生大臣がおっしゃるように、もうちょっと時間掛かるような気がしますが。ただ、この政策は、時間がたってその効果が、あっ、こういうことだったのかとはたと気が付いたときには、実はそれこそマイナスの影響も抜き差しならないところに行ってしまう可能性のある政策であり、そういう展開になりつつあるなと思っているんですけれども。
 経営者でもあられた大臣にちょっとお伺いをしたいんですが、やっぱり世の中の摂理として、お金を借りたら何がしか利息を払うというのは、これは当たり前の現象ですよね。
#26
○国務大臣(麻生太郎君) ユダヤ人は別にして、ユダヤの世界では金利は付かないという、例の何とかの商人というのも、あれは金利を取る取らないでもめたわけですから。金利を取らないという世界がアラブの世界とかあの世界にはありますので、そういったところを除きますと、アラブ、ユダヤとかその辺のところを例外にしますと、普通、借りた金は返す、そのときは何がしかの金利が付くというのは常識と思いますが。
#27
○大塚耕平君 確かに、イスラム金利というのはマイナスもあるんですが、あれはだから、金利という形では貸した方がプロフィットを得ないんですけれども、違う形で事実上プロフィットを得て、やっぱりお金を借りた人は何がしかのお礼をするということになっているので、事実上、金利はあると思うんですね。
 だから、マイナス金利とデフレの関係を、今日は日銀総裁来ておられないんで、むしろ客観的に少し議論をさせていただきたいと思うんですが、マイナス金利とデフレの関係について、どうも最近の日銀総裁の答弁を聞いていると、そこの意識が希薄になっているなと思いながら私拝聴しているんですよ。つまり、二%の物価目標を実現するために、ここまでやっても効果が出ない、ここまでやっても効果が出ないと、だから次はマイナスだと、こうなっちゃっているんですけれども。
 これ、もう山本さんに触発されてちょっとこの質問をさせていただいているので、何も通告はありませんのでフランクに議論させていただければと思うんですが、実質金利というのは、概念上、名目金利から物価上昇率を引いたものという理解で大臣もよろしいですか。
#28
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にはそうだと思います。
#29
○大塚耕平君 名目金利をマイナスにすると、あるいはゼロにすると、これ物価がプラスだと実質金利もマイナスになっちゃうんですよ、これもう単純な計算式ですから。
 だから、さっき大臣もおっしゃったように、普通、お金を借りたら何がしかの金利を払ったりお礼をするのが当たり前だというふうに考えて、これが要するに経済の摂理、人間社会の摂理だとすると、結局、実質金利がプラスになるためには名目金利をゼロとかマイナスにすると、計算式上、物価はどういうことになりますでしょうか。
#30
○国務大臣(麻生太郎君) 一概には言えないんだと思いますが、マイナスの影響の方が強くなり得る可能性が高いと思います。
#31
○大塚耕平君 これは委員の皆さんも計算式想像していただければお分かりいただけると思うんですが、実質金利イコール名目金利マイナス物価上昇率ですから、その実質金利が、つまり、いかなる形であったとしてもお金を借りた人は何がしかの負担をするものだというこの摂理が正しければ、名目金利をゼロとかマイナスにすると、結局、物価上昇率はマイナスになっちゃうんですよ。
 だから、マイナス金利だけじゃなくて、超低金利政策というのが、これがデフレの結果なのか、デフレを中長期的に招いている、ないしは、今もこれだけマネタリーベースを増やしながらなかなか物価が上昇しないというのは、その下押し圧力が掛かっているわけですね。だから、そういうメカニズムが働いているんじゃないかということを私自身はこの委員会では十年も前から申し上げているんですが、最近、経済学者の中でもそういうことをおっしゃる人が出始めていまして、そういうことに対する日銀総裁としての洞察力というものがちょっと希薄だなと思って私はずっと拝聴していて。
 繰り返しになりますけれども、とにかく二年間で実現すると言ってもう三年三か月で、相変わらずゴールが任期中も今見えない、事実上見えない状態なんですよ。だからやむを得ずマイナス金利に突っ込んだんですけれども、これは、財務大臣としても安倍政権としても、日銀総裁に、もちろん金融政策を決めるのは日銀ですけれども、今申し上げているような構造的な現象なども勘案すると、もう少し冷静に、あるいは深く考えて政策の在り方について再検討されたらどうかというふうに御提案ないしは意見をおっしゃらないと、結局、安倍政権のために善かれと思って彼らはやっているわけですが、それを足を引っ張るということになりかねない局面に来ているなと私は思うんですが、麻生大臣の御意見なり御所感をお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(麻生太郎君) これは、日本銀行が少なくとも審議委員の中でも意見が分かれるほどいろいろ激論を闘わされた結果、最終的にこれの方法というのを採用されたんだと思っておりますので、先ほど言われましたように、少々時間を見てその答えを見ていかないかぬところだと思っておりますのが一点。
 もう一点は、今言われましたように、私どもは金融政策について日本銀行に対して介入するということは基本的にはいたしませんので、私どもは、この流れを見ながら雑談の中でいろんな話をしていくという形が最も上品なやり方だろうと思っているんですけれども。
 いずれにしても、今、日本にとってデフレからの脱却というのが一番大きな目的でありまして、少なくとも、この二十年間、失われた何十年とかよく言われますけれども、何が失われていたかといえばこれははっきりしていて、デフレ不況対策。
 デフレというのは七十年間やったことがありませんので、正確に言えば戦後やったことがありませんので、敗戦この方インフレ経済の下でやった人たちは、デフレをやったことがなければ当然のこととしてデフレ対策が分かるはずがないということで、結果として、デフレが、やった経験は一九三〇年代にやっておりますので、その三〇年のときの歴史に学んで今のやり方をということになっておるんですけれども、今の中で、少なくとも景気という面で見ますと、企業業績が好転してきてみたり、雇用の面が好転してきてみたり、税収が増えたりして、それなりの成果は上がってきているんだと思いますが、私どもの予想と全く違っていたのは、石油の値段がこれだけ下がるとは思わなかったのがやっぱり物価という意味におきましては大きなマイナス要素になったとは思いますが、傍ら、経済的には非常に良くなったわけですから、私はこの点に関してはプラスマイナス両方考えられるんだと思っております。
 いずれにしても、この面に関して今後とも世界の中で金融が緩んでいっているという状況の中にあって、今ないのは金ではなくて、需要がないのが一番の問題なんですから、その需要を増やすということを考えない限りは、少なくとも物価とか景気とかいうのはいま一つ伸びていく力がないという感じで、その意味では、財政出動という話はそれなりに決して間違っているわけではありませんし、需要をつくるというのが民間の中でできないのであれば、それはそういう方向で政府もやるという姿勢をきっちり示していくという必要があるのかなという感じがしないでもありませんけれども。
 いずれにいたしましても、金融政策だけで物価がきちんとできるとは思えませんので、私どもとしては、いろんな意味で双方手を取り合ってやっていかないかぬところだとは思いますけれども、少なくとも、今言われましたように、いろんな御意見が多いということを、黒田さんの耳に届いていないとは思いませんけれども、そういった御意見があったというような話をするということは結構大事なことかなと思いますが。
 ただ、これは、重ねて言いますけれども、日銀の独立性というのは、御自分で日銀におられたからよくお分かりと思いますけれども、これは物すごく難しいところなんで、民主党のときには日本銀行と大蔵大臣が会われたこともほとんどないぐらいですから……(発言する者あり)
 いや、そうだったじゃないですか。調べている、数字が出ています。私ども今しょっちゅう、毎月会議がありますが、一月に何回もいろんな会合で会いますので、しょっちゅうしょっちゅう普通に会う機会があるんですけど、それじゃお目にかからせていただきますというような話じゃなくて、普通の会話の中で出てこないと、なかなか今みたいな話はしにくいと思いますので、そういった機会をうまいことつくっていかないかぬかなとは思っております。
#33
○大塚耕平君 余り何回会ったかという議論になると、じゃ、調べて提出してくださいと、また資料をお願いしなくちゃいけないので、そういう不毛なことはしませんけど、我々のときもちゃんと会っていましたので。
 ただ、今大臣がおっしゃるように、我々のときよりもしょっちゅうお会いになるということであれば、それは世間話をするという、あるいは意見交換するという次元ではいいですけれども、しょっちゅう会って、まだかまだかとせっつけば、それは圧力を掛けていることにもなりかねないですからね。だから、適度な回数会うというのも大事なことだと思いますよ。
 その上で、もう一つだけこれに絡んでお伺いすると、昨年の二月二十六日のこの委員会で、やはり日銀の政策の推移を理解するためにもこの国債関係資料を毎月提出してほしいということで、これは財務省と日銀共同で毎月我々委員のところに配られている資料がありまして、これはお願いしてよかったなと思っているんですけれども。
 これは今最新版なんですけれども、マネタリーベースの対名目GDP比は、安倍政権が誕生したときには二九%だったのが、今直近で七二%。それから、日本銀行の総資産の対名目GDP比は、安倍政権誕生したときは三四%、今直近では八一%になりました。
 数か月前にここで黒田総裁に、一体、これどこまで引き上げていくつもりですかということをお伺いしました。それは、目標を達成するということと、やはり今申し上げたような数字のアッパーリミットというものをどうお考えになりますかと聞いたところ、どこまででも上げていきますというふうにおっしゃったんですね。少しニュースの記事にもなりましたけど。
 私はあの御発言もちょっとびっくりしたんですけれども、麻生大臣は、この日銀のマネタリーベースの対名目GDP比あるいは日銀の総資産の対名目GDP比、今、日銀が掲げている目標を達成するまでは青天井でどこまででも上げていくというこの日銀総裁の方針はやむを得ないとお考えですか。
#34
○国務大臣(麻生太郎君) これは正直申し上げて日銀の政策に直接関わりますので、これはちょっと、大塚先生、今の御意見ですけれども、私の立場として、しかもこういった場で、その種に対するお答えは差し控えさせていただきます。
#35
○大塚耕平君 ということも含めて、独立性を阻害するというわけではなくて、そろそろちょっとちゃんと御意見はおっしゃられた方がいいと思います。そういう局面に来ていると思います。
 さっき大臣御自身がおっしゃったように、総裁もずっと言っておられますが、原油価格が予想より下がったということを随分抗弁の理由にしておられるんですけれども、原油価格除くベースのインフレ率もはじいておりますが、完全にははじき切れずに、原油価格が原燃料費になってほかのものにかなり影響していますから、ベースが確かに下がっている面があります。だとすれば、当初予想していたよりも原油価格が相当下がったということであるならば、その影響を完全に除去できないコアインフレ率をベンチマークにして政策をやっているわけですから、二%という目標そのものがもう高過ぎるんですよ、実は。
 それを下げるということも含めて、余りいこじにならずに少し弾力的に考えたらどうですかということをやはりアドバイスされるのが官邸での公式、非公式の御議論の意味だと思うんですが、ここは多分何かお答えいただこうと思っても、同じ答弁ですか、同じ答弁ならもう聞きませんけど、もし御発言があれば。
#36
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、二%の物価目標というのを設定されたということは、これは御存じのように、二〇〇八年のあのリーマン・ショックのときに、少なくとも日本はIMFに当時の金で約十兆円、一千億ドルの金を融資をするというときに、もうあの頃いたのはみんないなくなったので、残っているのはメルケルぐらいだと思いますが、残っている人に向かって約束しようと。為替の通貨安競争はしない、関税障壁を引き上げることはしない、ブロック経済をやらない、この三つだと。なぜなら、この三つがもとで第二次世界大戦に突入したんだから、担当者だから知っているだろうと。だから当然のことで、ドイツも日本もそのときどういうことになったんだと、俺たち被害者だったんだから、あのとき、忘れないでもらいたいと。みんな黙ってうなずいていましたよ。約束だと。それで十兆出した。
 きちんと守りましたよ、日本は。しかし、ほかの国はどうしたかといえば、通貨を大量に出すという裏口入学をやって、結果として通貨下げた、為替を。日本はそういったことをしませんでしたから、金融はそのまま固定してありましたから、きちんと守りました、額を。ほとんど増やしていませんから。結果として、円はすごく高いことになった。インフレのときはともかく、デフレのときにはとても合わない政策だったと、私そう思いますよ。
 だから、日銀も政策を間違えた、財務省も、皆、デフレやったことないから、政策間違えたことははっきりしていますよと、ここからスタートしないと話にならぬと、私はそう思っていますので。
 私どもとしては、デフレというものの対策を考えると、今回の日本銀行のやられた金融の緩和というものにつきましては、これはデフレマインドの払拭につながっていくという意味では、私は、これはかなり固定化したデフレマインド、二十年近く続いたものがかなり払拭していったという意味においては大きかったんだと、意味がありますけれども。
 私は、少なくとも今物価目標というものを上げるというのを仮に取り下げたということになったら、今度はどんな影響が出るかなと。やっぱりデフレかとか、いろんなことを言われかねぬと思いますので、私どもは、金融政策の具体的な手法というものに関しては、これはもう日本銀行に任せるということになるんだと思いますけれども。
 いずれにいたしましても、今後、物価目標というものに関しては、これはヨーロッパもついに、昨日のクルーグマンが、ヨーロッパもデフレ、ディスインフレ、いろんな表現していましたけれども、そういったような形になってきているんだということになって、日本が何で最初にあの一九九〇年以降デフレに入ったかがいまだ俺には理解ができないと。世界中で分かっていないんだと思うが、こういったようなことになってきているんでして、あの頃、俺たちはみんなで日本のことをわあわあ言ったけれども、結果として日本の政策はあれが正しかったんだと、今になってみれば、あれしかほかになかったんだということは、俺も、物に書いてあると、確かに書いてあるので、日本の政策をあの頃批判したけど俺が間違いだったという話を今度、京都でもしていますから、昨日はしませんでしたけれども。そういった話は自分で認めていますので。
 そういった意味では、大塚先生、これは、今の話ですけれども、目標を簡単に引き下げるという話になりますと、これはちょっとなかなか別のハレーションが起きてくる可能性がありますので、ちょっとこれはそのことに関して説明なり、私は発言は差し控えさせていただきたいと存じます。
#37
○大塚耕平君 麻生大臣が総理であったときのリーマン・ショックへの対応、そのときの国際会議での御主張、特に過去を振り返っての御主張は、御見識のある御主張だと思います。
 しかし、結果として、今は残念ながら麻生さんは総理ではなくて財務大臣なので、安倍総理の下では日銀の行った政策、もちろん政策目的はあるんですけれども、リーマン・ショックのときに麻生総理が主張した、為替の通貨安競争はやめようと、それは過去に学んだ経緯があるじゃないかとおっしゃったそのことは、言わばこの三年間は、まあ忘れ去られたとは言いませんけれども、結果としてそれを懸念させるような現象にはつながっちゃっていますよね、現にすごく円安になっているんですから。それが続いたことによって、予算委員会でもここでも取り上げましたけれども、ドルベースでは我が国の国富が相当失われている。だから、一人当たりのGDPも世界の下の方に下がってきちゃった。
 こういう副作用も出ている中で、これ以上は申し上げませんけれども、私は、もう日銀は総裁、副総裁とも残り任期が二年を切って、何しろ自分たちの任期の最終年度でも二%を達成できない。数字のマジックはこの間ここで申し上げましたけれども、審議委員全体の中間見通しが二〇一七年の通年で一・八%なのに、二〇一七年前半に二%に達するという、こんな論理矛盾を言うのは中央銀行としては極めて珍しいぐらいに結構追い詰められていますので、だから、先ほどのマネタリーベースや日銀の総資産の対GDP比も含め、何がしか率直な意見交換をされた方が結果として、別に僕はアベノミクスが成功すればいいとかそういう次元で申し上げているんじゃなくて、日本経済全体のためにはそろそろ政府として中央銀行に、圧力ではなくて、もう少し冷静になれよという御意見をおっしゃってもいい時期だと思いますので、そのことだけ、山本さんに触発されてちょっと時間を消費してしまいましたが、申し上げたいと思います。
 その上で、日銀は今マイナス金利政策をやっているんですけれども、そうすると、例えば来年度予算の国債費計上の前提となっている金利水準は何%でしょうか。
#38
○国務大臣(麻生太郎君) 国債の利払い費の積算に用いる金利という話なんだと思いますが、これは将来の金利動向を正確に見通すというのは極めて難しい話なので、国債の利払いの財源というのは、これはもう我々は常に、万が一にも不足だけは駄目ということで、十分な予算計上を行うという考え方に基づいて設定をさせていただく、これは毎回のことですが。
 具体的には、過去の一定期間の平均金利、二十八年度予算では〇・五%、直近三年間の平均です。これに金利が過去に急上昇したときの例、これはプラスの一・一%上昇したのが平成十五年のVaRショックのときです。あのときが一・一%でありますので、平成十年、平成十五年と、こういったものを参考に決定いたしておりまして、平成二十八年度は〇・五プラス一・一で一・六%ということにさせていただいております。
#39
○大塚耕平君 中央銀行がマイナス金利政策をやり、現実に新発債を発行したときに、政府もマイナス金利状態を享受して、何だか発行したら市場から利益を受け取っているみたいな現象が起きている中で、予算積算のための金利が一・六%なんですよ。おまけに潜在成長率は一・五ですからね。潜在成長率より高い金利を予測しているというのは、これは経済学的に言うとゴールデンルールの逆で、これは経済が破綻するプロセスを想定しているということと一緒なんですよ。
 だから、私は、ちょっと今回の予算、ここに至る数年間もそうなんですけれども、予算の積算金利が高過ぎると思いますが、修正するお考えはないですか。
#40
○国務大臣(麻生太郎君) 今、繰り返しになりますけど、この計上に当たりまして、私どもは常に、何か起きたときに不足するということだけは断固避けねばならぬと思っておりますので、こういったことは、私どもとしては常に、利払い費の財源というものがないから払えないみたいな話だけはとてもできませんので、私どもとしては、保守的な金利設定と言われる御意見なのかもしれませんけど、これを今直ちに変えねばならぬとも思っておりませんし、不適切ということにも当たらないと思っております。
#41
○大塚耕平君 それでは、同様に、財投特会の資金運用収入の前提となっている金利水準は何%でしょうか。
#42
○国務大臣(麻生太郎君) 財政投融資特別会計、財投特会という、この資金の運用収入ということですけど、これは財投機関から受け取る利息収入なんですが、この貸付金利は貸付機関を通じて国債の利回りというのを、利回りって流通利回りですけど、流通利回りを基準として毎月設定をさせていただいておりますが、平成二十八年度におけます資金運用収入につきましては、過去の貸付けについて実際に貸し付けた金利による利息収入と新規貸付けについて国債の積算金利を踏まえた貸付金利による利息収入ということを計上させていただいておるんですが、貸付機関において異なりますが、平成二十八年度における十年物の積算金利は一・六%ということで、先ほど申し上げたとおりでありますので、十年満期一括償還の貸付金利は同様に一・六%ということで積算をいたしております。
#43
○大塚耕平君 政府として、調達金利の積算前提と財投機関の運用収入の積算金利が一緒というのは、これ論理的におかしいと思いませんか。調達の方が低くないと赤字出ちゃいますよね。
#44
○国務大臣(麻生太郎君) 今の意味で特に今おかしいという感じは正直いたしておりませんけれども。
#45
○大塚耕平君 今日は、ここでこういうことを申し上げても、分かったと、じゃ金利水準変更して予算組み直すとはおっしゃってくださらないと思うので、問題意識だけお伝えしておきますけれども。
 同時に、今日、財投機関、財投特会の各目明細こちらにあるんですけれども、財投特会の各目明細よりは収入支出予定額各目明細ですね、沖振開発公庫、日本政策金融公庫、国際協力銀行等の明細があるんですが、これらの機関の二十八年度歳入の前提となっている金利水準はそれぞれ何%でしょうか。
#46
○国務大臣(麻生太郎君) お尋ねの各政府機関においては、それぞれ政策目的において様々な条件とか満期などによって多くの融資事業を行っているのは御存じのとおりなんですが、いわゆる歳入予算における受取利子の見積りに当たっては、実際に貸し付けた金利の利息収入ということを、過去の貸付金につきましては利息収入、それで、新規につきましてはいわゆる政策目標とか貸付条件とかいろいろ異なっておりますし、満期といった融資事業の性格等々を踏まえまして、先ほど申し上げた財投資金に係る積算金利の一・六%を参考にして、融資事業ごとのリスクなどを勘案したリスクを前提といたしておりますほか、外貨建ての融資というのが多いと、そうした方法になじまない場合、国際協力銀行などの場合ですけれども、過去に行った貸付けの実績を参考とさせていただくなど予算の見積りを適切に行っているものと承知をいたしております。
#47
○大塚耕平君 具体的に聞かせてください。
 沖振公庫、政策金融公庫、国際協力銀行及び国際協力機構有償資金協力部門、この四つが各目明細に歳入が計上されていますので、それぞれの前提となっている金利水準を教えてください。
#48
○国務大臣(麻生太郎君) 各貸付事業の詳細が、これを踏まえた積算方法についてのお尋ねですけど、これは具体的な通告をちょっといただいておりませんでしたので、各担当省庁とか関係省庁からお答えさせていただくべきものだと思いますが、それでよろしゅうございますか。
#49
○大塚耕平君 何%ですか。ちょっとこれはちゃんとやってください。(発言する者あり)
#50
○委員長(大家敏志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
 では、大臣、もう一度お願いいたします。
#52
○国務大臣(麻生太郎君) 予算書等における予算額というのは、個々に見積もられた利子収入の合計でありましたりするので、予算額全体について前提とした金利水準を一概にお示しするというのは困難なんだと思いますので、今申し上げましたように、各貸付事業の詳細とこれを踏まえた積算方法についてのお尋ねということですけれども、これ具体的に申し上げて、これは担当省庁、各関係機関からお聞きいただいた方が正確だと存じますということを申し上げております。
#53
○大塚耕平君 じゃ、まあ確かに大臣にお伺いするには細かい数字かもしれませんので、そこまで御答弁いただくなら、事務方の皆さん、これ、ここまで明確に質問しているわけですから、加重平均して数字出してください。(発言する者あり)
 ちょっと、これはどうかなと思いますよ、私は、さすがに、まあ、読んでいただいたとおりなので。ちょっと御検討ください、それは。(発言する者あり)
#54
○委員長(大家敏志君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#55
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
 ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をしたいというふうに思います。
 それでは、続けさせていただいて、大塚耕平君。
#56
○大塚耕平君 いや、本当に、昨日も沖北で島尻大臣に予算書の中身聞いて、公共事業の積算根拠の話、もうこれ当然通告してあるんですけどね、お伺いして、BバイCについて、じゃ、どういうふうに大臣は御覧になっていますかと言ったら、BバイCを知らないんですよね。そういうことも含めて、まあ麻生大臣はいろんなことを御存じですのでそんなことはないんですけれども、ちょっと役所の皆さんも本当に緩みが出ているなという気もしますね。まあ、欠席裁判で恐縮ですが、島尻さんに至ってはBバイCは通告受けていませんのでお答えできませんとおっしゃるので、いや、これは通告してあるとかしていないとか、そういう次元の話じゃないですよというふうにはっきり申し上げましたが。
 今日のこの金利水準も、マイナス金利やら国の財政の行く末を考えて、政府の予算の金利に関わる項目の調達金利の水準と、その歳入に関わる運用金利の水準について議論をしたいから通告しているわけですから、ちょっと事務方の皆さん、しっかりやってください。
 ということになると、じゃ、余り聞く気がなかったんですが、ちょっと詰めておきますけれども、事務方の皆さん、大臣サポートしてくださいよ。例えば、この財投機関、沖振開発公庫とか日本政策金融公庫は、これ役員給与とか職員給与を書いてあるところに対象人数がちゃんと書いてあるんですよ。ところが、一番金額の大きい国際協力銀行の役員給与や職員給与のところは、人数が書いていないんですよ。これは各目明細としての記載漏れですか。予算書出し直しになっちゃうよ。
#57
○委員長(大家敏志君) よろしいですか。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#58
○委員長(大家敏志君) 速記を起こしてください。
#59
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありました各目明細につきましては、給与等にこれは人数の記録がない機関があるのは事実であります。
 それから、政府関係機関の予算書の方につきましては、役職員の予算、定員及び俸給額表が添付をされておりますので、人数と予算額が全ての機関について記載をされておると存じます。
#60
○大塚耕平君 じゃ、この各目明細には書いていないんですが、国際協力銀行のこの役員給与一億二千八百万円については、これは何人分の給与ですか。
#61
○国務大臣(麻生太郎君) 国際協力銀行、いわゆるJBICでありますけれども、昔の輸銀ですが、これ、役員給与八人、職員基本給五百五十七人ということになっていると存じます。
#62
○大塚耕平君 これ、どういうルールで記述をしておられるのか分かりませんが、例えばこの特会のところも、特会ごとに多分その業務をやっている方の人数をやはりそこのところの職員給与にちゃんと載せていらっしゃるところもあれば、この今の財投機関については、載っているところもあれば載っていないところもあると。特に国際協力銀行はちょっと金額が大きいものですからね。今日、実はこれ余りお伺いする気なかったんですが、さっきのところから派生してお伺いしているんですが、予算書に我々審議させていただく議員の方が何か疑義を抱かざるを得ないような記述のばらつきがあるとこれは困りますので、大臣におかれては、記述するんだったらどこの項目についても、人件費のところは対象人数を全部記述するとか、徹底をしていただけますか。
#63
○国務大臣(麻生太郎君) 予算書に関しましては、各目明細等々いろいろあろうと思いますけれども、御指摘のとおり、給与と人数の記載がされていない等々、いわゆるきちんと整理がされていないというか、並べ方が悪い、いろいろな表現があるんだと思いますけれども、これは事実なんだと思いますが、各目明細書の話で、共通部分に関する人数とか、複数の業務にまたがっている人員も存在していますので、明確に人数を事業区分ごとに記載ができないという面もあるという点だけは御理解いただければと存じます。
#64
○大塚耕平君 それは理解します。ただ、JBICは重なっていませんのでね。そのJBICだけがすとんと抜けているので、どうしたのかなというのは別にここで聞かずともいずれ事務方の皆さんに聞くつもりでいたんですが。
 さっきの金利水準のところもこんなに、結構、毎回全部紙で私は質問並べて御通告申し上げていますので、これだけはっきり通告しているのに、何か、まあいいや、これは答えないでおいておこうとか、事務方の、よもや勤勉、スーパーワーカホリックの財務省の皆さんが手を抜くなんてことは私は考えていませんけれども、ちょっとやっぱり緩みがあるかなと。前の私たちの野党のときがよかったか、褒められたものかというと、そうは言いませんけれども、結構厳しく各目明細一個一個やっていましたから、最近そういうことをやらなくなった結果、事務方の皆さんの緊張感が緩んでいるとしたら、また我々もねじ巻いてやらなきゃいかぬなというふうに思っていますので、是非しっかり予算書を作っていただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、大臣、今度は金融担当大臣として、金融庁の二十七年度末の定員千五百六十六人のうち、期間任用等で外部から来ていらっしゃっている方の人数及び金融庁から外部に派遣している人の人数を教えてください。
#65
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる任期付職員、そういったことだと思いますが、金融庁におけます任期付職員とか官民交流等々で外部から採用しております常勤職員の人数というのは三月一日時点で三百六十八人であります。また、これら外部の人材の職種もいろいろあるので、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士とか、情報処理の技術屋とか、金融実務経験者などになっておりますが、逆に今度は金融庁から外部に出しております職員、派遣している職員の人数は、これは国とか地方の行政機関とかを含めますと三月一日時点で百六十人が外部に出ているということでありまして、主に行政機関のほか官民交流によります民間企業、国際機関等に出させていただいております。
#66
○大塚耕平君 金融庁に関わる業務は、これはもう日進月歩の分野ですから、もう随分前から金融庁は外部との人材交流どんどんした方がいいというふうに申し上げ、私も担当副大臣のときにそのようにさせていただいたんですが、全省庁の中で一番外部との交流比率が高くていい傾向だと思いますので、私はもう半々ぐらいでもいいと思っているんですね。半分がプロパーの職員の方で、半分は外部からの人材登用ぐらいの割合で、ようやく金融の最前線なりいろんなものが見えてくるんじゃないかなというふうにも思いますので、今後とも金融庁の職員構成については外部からの人材登用等も含めて積極的にやっていただきたいということを申し上げて、最後に一言いただいて、終わりにします。
#67
○国務大臣(麻生太郎君) いろんな意味で金融庁というところは、例えば女性の役員の採用という話は、おととしたしか五〇%を超えていますかね、一番高かったのは多分金融庁だと思いますので。財務省、昨日もどこかで御答弁申し上げましたけど、昔は中山先生とかその後の片山先生とか、いろいろな才能がおられたんだと思いますが、大概一人です。今は半分、金融庁。財務省がこの間三割を超えておりますので、そういった意味では随分と変わってきているというのが一般の流れ、中でも金融庁が一番その点は積極的かなと思っているのが一点。
 もう一点は、金融庁というところには、いわゆる法案のときはもちろんのことですけど、いろんな意味で、今、大塚先生御指摘のとおり、技術的な話はもちろんのこと、システムとか対外な国際金融の話やら何やら、めちゃくちゃな勢いでどんどんどんどん進んでいる部分がありますので、そういった部分を補っていくというか、それを先回りするぐらいの勢いでやらぬと、とてもじゃないけどいろんな意味で対応し切れぬというところもありますので、私どもとしては積極的にやろうとしておるのに加えて、幸いにして、他業種のところからも金融庁に対しては、人を出すということに関してはそれなりの、自分のキャリアとしてはそれなりの、金融庁に三年いたとか五年いたという経験はそれなりのキャリアとして結構な高い評価をいただけるそうで、結構いい人材を私どもの方に頂戴できている、貸し出していただいている、派遣していただいておるということになっているように思いますので、私どもとしては、そういった人材というものを広く活用し、特に国際的なことに非常に世の中はなってきておりますので、その部分が特に私どもとしては大事なところだというような意識を持って、今後ともそういう方向で対応させていただきたいと考えております。
#68
○大塚耕平君 終わります。
#69
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 まず最初に、待機児童の解消に向けて、財務省が管理をしている国有地の活用について麻生財務大臣に伺います。
 お手元に資料を配付させていただきましたけれども、平成二十五年から年間平均で以前の倍以上の割合で保育施設の拡充を自公政権では進めています。
 しかしながら、女性の就業が進んだこと、また申込要件の緩和などによって、保育施設の拡大以上に保育の申込みが例年の二・五倍の伸びで増加をして待機児童が出ています。待機児童の推移も資料の方に載っておりますけれども、昨年の四月時点で二万三千百六十七人、このうちの約三分の一を東京が占めております。待機児童の原因は、保育施設が追い付かないということで、保育士さんの確保とともに、都市部ではなかなか場所がないという問題がございます。
 二枚目の資料は、この待機児童のうちの東京の保護者の方々の状況でございます。就労中の方が六割で求職中の方が三割ということで、潜在的にこの方々というのは経済財政を就労によって支えていただく、納税者となって保険料を納めていただくということで、次世代を育むと同時に支える側として、社会を経済財政面からしっかりとこれからも長きにわたって支えていただける方々であると思います。
 今、保育施設は、保育に欠けるという一部の方のための福祉施設から、保育が必要なユニバーサルインフラとも言えるそういったサービスとなっております。出産、看護等で必要としている方もこの中では入れないという状況が浮かび上がってまいりますけれども、この保育環境の確保というのは一億総活躍社会に向けて急務の最優先事項であると思います。
 財務省では、国有地活用策によって介護施設の初期投資負担軽減策を実施したと承知をしております。待機児童解消のためにも、国有地活用の保育施設に対して負担軽減策を検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(麻生太郎君) 今、竹谷先生の御指摘のこの紙のとおりなんですが、これ、かなり東京に極端に偏って、待機児童って、少なくとも私の選挙区で待機といったって、何待機しているんですってなもので、全然待機という言葉が通じない地域もいっぱい世の中にはありますので、人口の多いところと少ないところは全然状況は違っていると思っております。
 そういった意味で、東京の特に国有地ということに関しましては、私どもは、社会福祉の分野で優先的に売却するとか、また定期借地権をもって貸付けするとかいうことで国有地の活用を結構積極的に進めてきたんですが、特に二十五年の四月から、待機児童解消加速化プランというのを踏まえまして、今御指摘のありましたように、介護施設の約二倍近い国有地を今提供させてきていただいております。
 今後とも、必要な社会福祉施設の整備に国有地が活用されますように、安くするとか条件を付けるとか、いろいろ緩和するとか、いろんなことをさせていただきたいと思っておりますけれども、これ極端に、何というか、東京に偏っているのが特徴なんですが、東京に行くともっと人が、楽に入れたりするとまた更に東京に人が増えてくるというところも考えないかぬと。いろいろな地方からの御指摘はまた逆の御指摘もありますので、東京ばっかり優遇されたら人が更に近隣県から出ていくじゃないかという地方からの御意見もありますのでこれはなかなか難しいところであるんですけれども、目先、今足りていないことは確かだと、私どもそう思って対応させていただいております。
#71
○竹谷とし子君 地方からのそういった御指摘があることは理解をしておりますけれども、お一人お一人にとっては今が勝負という、そういう問題でございますし、仕事をしたいと思っているのに保育施設がないのでできないというのは、社会にとって大きな機会損失、経済財政面にとっても損失でありますので、是非、御検討いただけるということでありますので検討を加速していただきたいと思いますし、さらには、ニーズの変化に応じて、保育施設から介護施設に転用したいとか、あるいは一体として行いたいという、そういったニーズに対して今厚生労働省でも検討を進めていると認識しております。また、社会福祉法人だけではなくて、NPOや株式会社等にも対象を広げるということは、既にこれは実績ありますので、検討していっていただきたいと思います。
 続きまして、税関の治安対策、不正薬物の水際対策について伺いたいと思います。
 昨年四月に、関税法の輸入してはならない貨物に、いわゆる危険ドラッグが追加されました。危険ドラッグを含む不正薬物全体の摘発が税関においてしやすくなったと認識をしております。
 摘発件数の増加について、財務省佐川関税局長に伺います。
#72
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、昨年、平成二十七年度の関税法改正におきまして、指定薬物、いわゆる危険ドラッグを関税法上の輸入してはならない貨物に追加したところでございます。これによりまして、指定薬物の密輸入に関税法上の重い罰則を適用することが可能になりました。
 昨年の関税法改正以前では、税関でこの指定薬物を発見しますと警察等の関係機関に通報するということにとどまっておりまして、平成二十六年の発見件数約七百件でございました。改正後の平成二十七年、昨年四月、改正後の十二月までの間でございますが、指定薬物の摘発件数が約千五百件と増加しているところでございます。
 したがいまして、平成二十七年は、この指定薬物千五百件と覚醒剤等を合わせました不正薬物全体の摘発件数約千九百件となってございます。平成二十六年の指定薬物と覚醒剤を合わせた件数が約千百件でございましたので、二十六年と二十七年を比較しますと、前年の約一・八倍に増加しておるというところでございます。
#73
○竹谷とし子君 税関では国内の不正薬物の摘発、水際での摘発、もうかなりの比重を占めているという、非常に社会秩序の安定に欠かせない重要な存在であると認識をしております。私も横浜税関、東京税関視察させていただきましたが、非常に意識高く職務を遂行されておられるという、限られた人数の中でしっかりと行っているということを確かめてまいりましたけれども。
 昨日、ベルギー・ブリュッセルで大変残念で痛ましい事件がありました。山本一太委員からも言及がありましたけれども、本年、伊勢志摩サミット、また二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け更に対策を強化していっていただきたいと思っております。この件に関しましては先ほど山本委員からも話がありましたので、通告しておりましたが、この質問は取らせていただきたいというふうに思います。
 最後に、税関における女性の活躍について、麻生大臣に伺いたいと思います。
 税関を視察させていただきましたときに、女性の職員の方が非常にきめ細かい作業をされて、一つ一つの輸入物品についてこれは税率が何%だとか、非常に細かい仕事されておりました。また、知的財産侵害物品についてもしっかりと見抜いて水際で防止をしている。そういったことに非常に感銘を受けましたけれども、税関では、女性、活躍する場が非常に多いという感じもいたしました。女性活躍の模範の場となるように、就労環境、またワーク・ライフ・バランスを更に改善させて、女性の出産、育児との両立が可能な職場環境にしていっていただきたいと思います。
 また、女性の管理職登用、先ほど来、財務省の採用の女性比率が増えている、また金融庁増えているというお話ありましたけれども、税関においても管理職登用を増やすということを目指していっていただきたいと思います。大臣、お願いします。
#74
○国務大臣(麻生太郎君) 税関の職員数ですけど、現在、平成二十七年の七月のあれですけど、約千七百名でありまして、全職員に占める割合も増加してきておりまして約二〇%、十年前は約一五、六%ぐらいだと思いますので確実に増えてきておりますし、新規採用職員に占める女性職員の割合は、直近大体三〇%を超えております。
 それから、管理職のお話ですけれども、管理職、課長相当職ぐらいのところですけれども、十年前で約三・八%ぐらいだったものが今は八%に、二十七年の七月で約八%ぐらいになっており、これも確実に約倍ぐらいに増加してきていると思っております。
 また、女性職員のいわゆる仕事と出産とか育児とかそういったものが両立して活躍できるようにするためには、これは育児の休業取得率の目標値を男子職員でも設けるとかいうような形にして、職員全体の育児休業とか休暇の取得を促進をするようにということと、育児休業取得者が安心して、一回休んでおくとまた職場に復帰できなくなるという話が、これは病院の看護婦なんかはよくある話なんですけれども、技術が進んで扱えないとかいうことになりますので、職場復帰後に更に研修を行うというようなことで、先ほど山本先生言っていたトレース・ディテクティブ・システム、ああいったTDSみたいな機械がどうやって扱うんだという話になりますので、そういった形にならないように、研修、採用というので今後とも女性職員が一層活躍できるように対応させていただきたいと考えております。
#75
○竹谷とし子君 終わります。
#76
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 昨年十一月の政府税調の経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理を見ますと、個人所得課税について大幅な累進緩和がなされたため、所得再分配機能が低下したことは否めないとした上で、「個人所得課税については、所得再分配機能の回復を図り、経済力に応じた公平な負担を実現するための見直しを行う必要がある。」というふうにしております。
 大臣に伺いますが、この政府税調の指摘について、同様の認識でしょうか。
#77
○国務大臣(麻生太郎君) 昨年の六月の骨太方針において、いわゆる低所得者というか、低所得の若年層並びに子育て世代の活力の維持、また格差の固定化防止等々の観点から、個人所得課税について総合的かつ一体的に税負担構造の見直しを行うということになっておりますのは御存じのとおりです。
 こうした方針を受けまして、昨年十一月の政府税制調査会の中間的な論点整理において、個人所得課税につきましては、若年層を中心とする低所得者層の働く意欲を阻害せず、安心して結婚し共に働きつつ子供を産み育てることができる生活基盤を確保するため、経済力に応じ必要な負担を求めるとの方針が示されたところであります。
 政府税制調査会におきましても、この中間的な論点整理を踏まえまして引き続き議論が行われていくものと承知をいたしておりますので、私どもとしても、その議論の方向性を踏まえつつ、引き続き検討を、この線に沿って検討を進めてまいりたいと考えております。
#78
○小池晃君 個人所得課税の分野で、じゃ、どのような再分配機能の回復のための見直しを考えていらっしゃるんですか。
#79
○国務大臣(麻生太郎君) 所得配分機能の回復を図るという観点から、近年の税制改正におきましては、所得税の最高税率を四〇%から四五%に引き上げるとか、また、給与所得控除の見直しということで、控除が頭打ちとなりますのは千五百万円のところを千二百万円にし、今、千万円まで引き下げてきたということだと思います。また、金融所得課税の見直しということで、これは、従来税率で一〇%までにしてあったものを二〇%といったような取組を実施しておりますので、こうした見直しが与える影響というものを注目してまいりたいと思っておりますので、所得再配分機能の回復というものを図って、経済力に応じた応分の負担をされることが必要だろうと思っておりますので、私どももこの方向で引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
#80
○小池晃君 その最後に言われた金融課税の問題なんですが、参議院本会議での私の質問に対して、総理は、二〇一四年から上場株式等の配当、譲渡益の一〇%の軽減税率を廃止して、地方税含めて二〇%の本則税率としたと、これにより所得税の負担率は高所得者ほど上昇する傾向が見られ、所得再配分機能の回復に一定の効果があったという答弁されたんですが、大臣も総理と同様に、証券優遇税制、この軽減税率の廃止が所得再配分機能の回復につながったという御認識でしょうか。
#81
○国務大臣(麻生太郎君) 一部つながったと思います。
#82
○小池晃君 今日、資料お配りしております。これ、やっぱり効果あったというふうにこれ見ると思うんですね。二〇一四年分の申告納税者の所得税負担率と、二枚目が二〇一三年分で、これ、二〇一四年に証券優遇税制が廃止された結果、百億円以上の方の所得税の負担率は一一・一%から一七%に上昇して、これ重ねてこうやって透かして見ると、明らかに上がってきているわけですね。
 総理の答弁のとおり、所得再分配機能の回復に一定の効果があったというふうに思うんですが、これはやっぱり更に見直すべきではないかと、更にもっと踏み込むべきではないかというふうに思うんです。
 主税局長にお伺いしますが、海外の証券税制と比較した場合、例えば上場株式の一億円以上の株式譲渡益に対する税率は、日本、それからアメリカのニューヨーク市、イギリス、ドイツ、フランスでそれぞれ何%になるでしょうか。
#83
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 一億円以上の株式譲渡益に対して課税されます個人所得課税の限界税率ということでございます。日本は二〇%でございます。アメリカは、ニューヨーク市の場合は三〇・七二六%、イギリスが二八%、ドイツが二六・三七五%、フランスが六〇・五%ということでございます。
#84
○小池晃君 日本がやっぱり株式譲渡益課税の税率は最も低くなっているわけですね。
 総理は、本会議での私の質問に対して、この譲渡益課税の今後の税率水準について、社会の情勢の変化や税制全体の在り方の中での位置付けを踏まえて検討するというふうに答弁されているんですが、大臣、高額の株式譲渡益に対する税率は三〇%に引き上げるべきじゃないでしょうか。これは国際的に見ても決して何ら問題ないというか、国際水準ではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
#85
○国務大臣(麻生太郎君) 総理の御答弁にもありましたとおりに、税率の水準につきましては、今私どもとしては、景気情勢とか市場の動向とかいろんなものを考えないかぬところがいっぱいありますし、勤労所得に対する課税とのバランスとかリスク資産への投資促進という面も踏まえて、私どもとしては、金融所得全体というものの、金融所得課税全体の在り方を考えないかぬところと思っておりますので、今直ちに、小池さんに三〇いいですねなんというようなことを言うはずはありませんので、検討させていただきたいと存じます。
#86
○小池晃君 いや、でも、やったこといいって珍しく私も言っているんですから、更にやったらどうかと。国際水準から見たってこのくらいは妥当な線じゃないかということなんですけれども、どうですか。
#87
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、程度の問題だと思っておりますし、時間の問題もありますし、一〇%から二〇%に上げて、翌年三〇%、じゃ再来年は四〇%ですかというような話を言いかねないところの方々とお話をしていると話が難しくなりますので、私どもとしては慎重に答えさせていただいております。
#88
○小池晃君 別に四〇にしろなんて言っていませんから。でも、そういう方向でやっぱり検討するという思いは感じたような気もしますので。うなずくぐらいしてくださいよ。
 やっぱり、株式譲渡益とか配当に対する税率の低さが日本の個人所得課税の再分配機能を低下させてきた最大の原因の一つなわけですから、これやっぱり見直すべきだと。高額の株式譲渡益には欧米並みの三〇%の税率を課し、配当所得に対してはやっぱり総合課税にしていくということを私ども提案しておりますので、格差の是正のための証券課税の抜本的な見直しを引き続き検討していただきたいということを求めて、質問を終わります。
#89
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。
 今日ちょっと質問が多過ぎるかもしれなくて、終わらなければ事務方の方で、ちょっと数字はいただきたいので、後で私の事務室の方に持ってきていただければと思います。
 まず最初に、外貨準備についてお聞きしたいんですが。
 外貨準備、ほとんどが証券なわけですけれども、これ証券と一言で言いましても、トレジャリーノート、トレジャリービル、トレジャリーボンドといろんな期間が交じっていると思いますが、どの期間に投資するかということは外貨準備のプロフィットにかなり影響してくる、またリスクに関してもかなり影響してくると思うんですが、その何年物を買っていくのかというのは、それは担当者に任せ切りなのか、それともある程度の指針を大臣か誰かがやっているのか、その辺をお聞きしたいんですが。
#90
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる外国為替資金特別会計、通称外為特会というものの中において、外貨資産のところで、平成十七年度に公表いたしております外国為替資金特別会計が保有する外貨資産に関する運用についてというところでお示しをいたしておりますとおり、為替介入などに備えて十分な流動性を確保することを目的として、安全性及び流動性に最大限留意した運用を行うこととし、この制約の範囲内で可能な限り収益を追求するというのを基本方針に基づいて運用することと、こういった基本方針を、財務大臣が運用方針を決定し、国際局が実際の運用を行っていることでありまして、その内容や策定、頻度等々につきましては対外秘ということになっておりますのは御存じのとおりです。
 したがいまして、私どもとしては、この点につきましては極めて重要な問題、資産の運用というのは極めて大きな問題だと理解しております。
#91
○藤巻健史君 対外秘ということをお聞きしたんですけれども、かなりどの辺に投資するかによって本当に収益がえらく違うので、やっぱり誰が決めるかというのは非常に重要なことだと思います。
 それに関連してですけれども、韓国ですと外貨準備でMBSを買ったり、それから中国のようにアメリカの金融機関への資本参加をするなど、かなりリスキー、リスクのある資産に投資しているわけですよね。その場合に、きっと外貨準備からその他の外貨資産という項目に変わるんじゃないかとは思いますけれども、何はともあれ、日本のように全て安全を第一にしていないで、それなりのリスクテークをほかの国はしていると思うんですが、そういうリスクテークをする気は毛頭ないのかどうか、その辺についてお聞きしたいと思います。
#92
○国務大臣(麻生太郎君) 韓国のように、いわゆるモーゲージバックセキュリティーというんですかね、MBS、こういったような、何というんですか、あれは不動産担保証券と訳していましたっけね、何かそういうものに関しまして、いわゆるモーゲージバックセキュリティー等々この種の外貨資産について、これは先ほど、最初に申し上げましたように、安全性それから流動性に最大限に留意した上での運用ということを行うことにしておりますので、この制約の範囲内で可能な限り収益性を追求するということにいたしておるのであります。
 こうした方針の下で、先ほど申し上げましたように、償還の確実性が高いとか運用の流動性が高いとかいうことで、基本的には国債、政府機関債、国際機関債及び資産担保債券等の債券とか、信用力が高い内外の金融機関への預金といったものを運用対象といたしておりますが、個別具体的な運用において、市場に不測な影響を与えかねぬというのは常に我々は配慮しておかねばならぬことでもありますので、その内容につきましてはお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#93
○藤巻健史君 ちょっといつのだったか忘れたんですけれども、日経新聞に、外貨準備で証券がほとんどだったものを外貨預金にシフトさせているという記事があったんですけれども、それは本当なのか、そしてその理由は何なのか。ひょっとすると、JBICへの貸付金増加だと外貨準備じゃなくてその他外貨資産に入るようですけれども、そちらへのシフトなのか。要は、新聞記事が正しかったのか、若しくはその理由、どうして証券から外貨預金等にシフトしているのかということをお教えいただきたいんですが。
#94
○政府参考人(門間大吉君) お尋ねの点でございますけれども、二〇一四年以降、外貨証券の保有残高が減少しまして外国中銀等への預金が増加しているといいますのは御指摘のとおりでございまして、毎月公表しております外貨準備の状況においてもこの数字を公表してございます。こうした個別の項目の増減の要因、取引先等についてでございますけれども、市場に不測の影響を与えるおそれがございますので詳細についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思っております。
 いずれにしても、外為特会の運用に当たりましては、安全性及び流動性に最大限配意しつつ、その範囲内で収益性を追求するとの考え方の下、その時々の金融経済情勢を踏まえまして運用を行っております。
#95
○藤巻健史君 そうすると、外貨準備の運用が下手だったのかいいリターンを得たのかという、その結果を我々はチェックできないということになってしまうんですけれども、それはもう全て財務省を信用して、うまくやっていると想像するしかなくなるんでしょうか。
#96
○政府参考人(門間大吉君) 毎年度におきまして外為特会の運用の状況につきまして大体公表してございます。
 例えば、全体として円貨の貸付金はどのぐらいか、外貨の貸付金はどのぐらいか、その外貨の中で、例えば外貨証券ですと、一年以下では一八%ぐらい運用していますとか、一年超五年以下では五四%運用していますとか、五年超では二五%運用していますとか、こういった運用、それから預金につきましても、どういった額なのかといったことを毎年公表しておりますし、結果としての運用資産全体としての利回りも公表してございまして、これ平成二十六年度の運用収入の結果としては、全体の運用収入を総資産で割って計算しておりますが、一・八五%の運用利回りを確保してございます。
#97
○藤巻健史君 じゃ、あとちょっと時間がないのであれなんですが、私の最後の、質問通告の五番目の、米国債の残存一年未満、一年から五年、五年から十年というブレークダウンとその利回りというのを後で教えていただけますのでしょうか。それは公表範囲内になっていますか。その数字を是非知りたいんですけど。
#98
○政府参考人(門間大吉君) 先ほど申し上げましたように、平成二十六年度末時点での運用先、国債の長短については先ほど申し上げたとおりでございますが、この利回りというのを調べようとしますと、実は、例えば五年物であっても残存期間がどんどん短くなっていきますと一年未満になってしまったり、毎月毎月変わってしまいますので、その期間ごとの利回りというのはなかなかちょっと難しい点がございます点を御理解いただければと思っております。
#99
○藤巻健史君 分かりました。
 時間が来ましたので終わりにしますけれども、この資料、じゃ、分かる範囲で是非事務所の方にお持ちいただければと思います。
 以上で終わります。
#100
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 今回、今日、経済財政諮問会議と財務省の役割について御質問いたします。
 もちろん、経済財政諮問会議は経済全般の運営の基本方針、財政運営の基本、予算編成の基本方針、その他、経済財政政策に関する重要事項を決定する場でございます。その予算編成につきましても、八月の概算要求に先立って経済財政諮問会議が経済成長率などのデータを検討した上で骨太の方針を決定し、予算の全体像をまず明らかにした上で、骨太の方針を踏まえて財務省が各府省の概算要求を査定する流れとなっていると考えております。
 その場合、予算編成の骨太の方針を策定する場合、財務省はどのような形で、経済財政諮問会議に対してどのようなことを報告し、どのような形で関わっているのでしょうか。大蔵省を離れて既にもう二十三年近くたちまして、済みません、こんな初歩的な質問でございますけれども、実態だけお知らせいただきたいと思っております。
#101
○国務大臣(麻生太郎君) 経済財政諮問会議のお話でしたけれども、これは基本的には政治が責任を持って政策決定をリードということであると思いますが、国民に明確なメッセージを伝えるというなどの観点から極めて重要なものだと思っており、私どもは財務大臣の立場として、この経済財政諮問会議の委員ということでこれに参加をさせていただいておりますが、この財政運営に関して言わせていただければ、予算の編成などを通じまして健全な財政の確保という任務を果たしていくという財務省の責任には、これは何ら変更はございません。
 また、今後とも経済再生と財政の健全化という両立を図っていくという今の内閣の方針の下で、経済財政諮問会議と連携をしながらきちっと適切な財政運営に努めていくということだと存じます。
#102
○中山恭子君 財務省から関係するとしましたら、やはり財政の健全化という形が主になるのではないかと考えておりますけれども、その経済財政諮問会議が骨太の方針、それから経済成長戦略、歳出歳入の一体改革、税制改革等を作成する場合には、国全体の経済情勢の実情をしっかり把握して、その方向性を打ち出していくということが必要になってまいります。
 その場合、経済全体の全省庁に関するウエート付けというのも非常に重要な作業になってくるんだと考えております。こういった場合、経済財政諮問会議の中で、そのような作業ができる状態にあるのでしょうか。それができるとしたら、それは予算編成を通して全省庁との関わりを持つ財務省の中でしっかりしたものがつくれる、考え出せるのではなかろうかと考えておりまして、財務省が汗を流して全体の方向付けをしていくような、そういった役割が財務省の中にあるであろうと考えております。
 経済財政諮問会議が最終決定するにしましても、その決定するに当たっての取捨選択、必要な資料、A案がいいのかB案がいいのかといった国全体に関わる資料を提出する部署というのが必要であり、その役割を果たせるのは財務省ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、予算編成の基本方針というものがいわゆる財政諮問会議で出される、私ども参画した上で、決定されたものに基づきまして、御存じのように各省庁との予算編成というのを財務省が責任を持ってやらせていただくという形になろうかと存じます。
#104
○中山恭子君 財務省の中で、できれば麻生大臣の下にその各省庁をウエート付けするようなことができるチームをつくっていただいて、経済の方向付け、又は国の発展の方向付けというものを是非行っていただきたい。決定するのは経済財政諮問会議でいいと思いますけれども、こういう形、ああいう形というものがあるということをしっかり対応できるのは、やはり予算措置をとる財務省の中でそういったことができるはずだと考えておりますので、是非、麻生大臣の下にそういったことができる、作業をする、今あるのかどうか分かりませんけれども、大いに活躍していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(麻生太郎君) 現在、基本的には全体、その時代時代に合わせて優先順位の付け方が違ってくるのは当然のことでありますので、私どもといたしましては、そういったものは財政諮問会議で出てくるのは当然のことですけれども、それ以後、各省庁のいわゆるめり張り等々は、これは財政と直結いたしますので、その点に関しましては私どもの主計で主にやることになりますけれども、そこらのところが本来の仕事としてきちんとさせていただいていると思っております。
#106
○中山恭子君 例えば、今の時間ではちょっと足りないかと思います。もう一度午後の時間でお伺いしたいと思いますけれども、公共事業につきまして、公共事業というのは全省庁、防衛省には公共事業という、公共事業の中に入っていないかと思いますが、全省庁の中に公共事業というのが含まれているわけでございまして、こういったことを総合して、国の政策としてどういう形を形付けていけば経済の活性化につながるかというようなことというのも、これができるのはやはり予算を握っている財務省しかないわけでございまして、そういった意味で、これから公共事業を実施していく、又は拡大していくというようなときに、どういう形の方向付けをするのかというようなことは、是非大臣の下で行っていただきたいと思っております。
 また、方向付けをするためだけではなくて、それぞれの公共事業が実施される場合、どういう形で実施されているのかといったことにつきましても、財務省はしっかりと把握しておく必要があると考えております。
 今日、資料を配付しておりますが、これは午後の会議で御検討いただくことにしたいと思っております。よろしくお願いします。
 終わります。
#107
○平野達男君 平野達男でございます。
 十分間でございますので、今日はかなり事務的なことについて質問させていただきたいと思います。
 まず、軽減税率を仮に導入ということでありますと、そのセットとして、いわゆるインボイス、適格請求書等保存方式の導入ということが行われるということになっています。地方の小売店、かなりこれについては警戒心というか、相当事務量が煩雑になっちゃって、こんなもの本当にできるのかというような、そういう勢いでいろいろ私も地元に帰ると言われます。
 これは、三段階というか、二段階に分かれていて、当面は区分記載請求書等の保存方式、平成二十九年四月から暫定措置として入れて、最終的にはインボイス、いわゆる適格請求書等保存方式という、そういうスケジュール表になっていますが、私は別に商売をやったことはありませんからこういう仕入れ書なんというのは見たことはありませんが、私がちょっと見ただけでも、かなりこれは複雑だなという、そういう印象はちょっと受けます。
 そこで、この制度を仮に導入していくというふうに、本当に予定どおり導入していくということになったとする場合のこの制度の認知をどうやっていくかということ、それから、相当やっぱり私はコストが掛かるんじゃないかと思いますね。そのコストというものについてどれだけのコストを見積もっておられるのか。そしてまた、そのコストに対しての支援というものについてどのようなことを考えておられるのかということについて、これをお尋ねしたいと思います。
#108
○大臣政務官(中西祐介君) 平野先生にお答えを申し上げます。
 まず、今おっしゃったように、インボイス制度の導入につきましては、複数税率の下で適切な課税を確保するために導入が必要であるという大きな意義を持っております。
 その上で、インボイス制度を含めまして、軽減税率制度の導入に当たりましては、事業者において複数税率に対応するために必要なレジの導入であるとか、あるいはシステムの改修を行っていただくということが当然ながら必要となってまいりますけれども、その導入に伴う事業者のコスト負担額につきましては、個々の事業者がどのような事業を行っているのかとか、またあるいは、日々の業務をシステムで行っているか手作業で行っているかの違いもございます。さらには、どのようなシステムを保有してどんな改修が必要になるかという個別の事情も勘案をすることが必要でありますので、全体としてどの程度のコストが生じるかというのを一概にお示しをすることは現状困難な状況でございますが、いずれにいたしましても、事業者の実情をしっかりと把握をして、またそれに沿った対応を行うということが極めて大事だろうというふうな認識をしております。
#109
○平野達男君 そうすると、何らかの財政的な支援はあり得るという、そういう理解でよろしいでしょうか。
#110
○大臣政務官(中西祐介君) お答えを申し上げます。
 まず、先般成立をいただきました二十七年度の補正予算につきまして、これは人的な側面でございますけれども、百七十億円ほど積ませていただきました。こちらは、中小の企業団体に対する窓口の設置であるとか講習会の開催等、人的な側面での御支援を申し上げ、さらに、本予算におきましては、インボイス制度を導入するに当たって、予備費の活用をする中で、インボイス制度を導入することとして、事務負担の準備として、一つは、導入を、四年先の準備期間、平成三十三年の四月ということの期間をまず設けるということと同時に、インボイス制度導入までの間に区分経理が困難な事業者、中小を中心とする事業者に対しまして税額計算の特例を設けるというふうな形にさせていただいております。
 さらに、九百九十六億円という形で、システム改修あるいはレジの導入ということで、今年度の予備費という形で手当てをさせていただいているところでございますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げましたが、十分な現場に即した必要な対応を行うということで対応してまいりたいと思っています。
#111
○平野達男君 本当に、これ導入するに当たりましては、二段階でやりますから、二段階ごとに考えていくということもやっぱりこれ重要なことではないかというふうに思います。
 それからもう一つ、今回の場合の、そのインボイスの導入に当たってかなり気になるのは、いわゆる免税事業者の扱いということになります。
 これにつきましては、最終的に、インボイスを入れた場合には、免税事業者からの仕入れ税額控除はできなくなってしまうということになってしまいまして、私が一千万以内の小売店、小売業者、まあ野菜とか何かを売っていて、それを誰か飲食店か何かに売った場合には、私は、仕入れの額の付いているインボイス、請求書というのを出すことができないという仕組みになってしまいます。そうしますと、私から買った人が、料理店か加工業か知りませんが、その人が最終的に確定申告するときに、免税事業者からの仕入れ税額控除は不可になってしまいまして、その人にとってみれば、その部分、真面目にきっちり計算すれば、みんな真面目に計算すると思いますけど、その税額の部分、消費税の分だけちょっと余計な負担が出てくるということになってしまいまして、取引上もやっぱり免税事業者から買うのはやめようじゃないかという、そういうベクトルがというか力がやっぱり働いてくるのではないかということも懸念されます。
 今、小売店というのは、どんどんどんどん小さな一千万未満の小売店というのはなくなってきています。なくなってきてはいるんですけど、この導入が更に商店街の小さな小売店ということを、閉店に追い込むとは言いませんけれども、経営上かなりちょっと厳しい状況に追い込んでしまう、かなりとは言いませんけれども、ちょっと更に厳しい状況に追い込んでしまうのではないかということが懸念されますけれども、そこについては、今、財務省としてはどのような認識でおられるのでしょうか。
#112
○大臣政務官(中西祐介君) 平野先生おっしゃいますとおり、このインボイスを導入することによりまして、免税事業者からの仕入れ税額控除ができないこととなるために、取引から排除されるんじゃないかというふうな懸念の声があるということも事実だと承知をしております。
 例えば、先生が今例示をされましたけれども、農家さんから直接仕入れられる地元のレストランであるとか小規模の小売店、そうしたところでの取引でありますけれども、この免税事業者への影響は様々でございますが、簡易課税を適用している納入先事業者は仕入れ税額を積み上げて計算する必要がなく、インボイスを要しないために免税事業者から取引が除外されることはないというふうに認識をしております。
 ただ、この取引から除外されるのではないかという御懸念に対しては、まさに免税事業者にこうした事情を必ずしも御理解いただいていないという、この認知の徹底がまだまだ行き届いていないということも一因になっているんじゃないかと考えておりますので、政府といたしましては、こうした制度の周知徹底をしっかりと図ってまいりたいと思います。と同時に、この課税事業者への転換の要否を見極めながら準備をできるように、先ほど申し上げた準備期間と、そして事業者への対応をしっかりと行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#113
○平野達男君 いずれ免税事業者から物を買うときは、これからは多分消費税分ちょっと値下げしろとか様々ないろんなことはやっぱり言ってくることは考えられるんですよね。もちろんそれは値下げされたとしても、その免税事業者については元々消費税出していないわけですから、その分についての損失はないということになってはしまうんですけれども、今までの取引の形としてはちょっと変わってくるという意味においては、やはり今までの売上げそのもの、全体の手元に残るお金については微妙な影響が出てくるということもやっぱり考えられるという意味において、この免税事業者というのは小さな小売店業者を大事にするという意味で、政府税調の、政府というか、これから基本方針の中で、これからの導入に当たっていろんなことを見ていくというふうに言っておられますけれども、特にこの免税事業者の扱いについては、やっぱり小さな小売店を守るという意味においてはよく注意して見ていただきたいというふうに思います。
 時間は何分までだっけ、三十分までですので、残りの質問はまた後でちょっとやらせていただきたいと思います。取りあえずこれで終わります。
#114
○委員長(大家敏志君) 以上をもちまして、平成二十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ─────・─────
   午後一時十分開会
#116
○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長佐藤慎一君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#118
○委員長(大家敏志君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君及び株式会社国際協力銀行代表取締役総裁渡辺博史君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#120
○委員長(大家敏志君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#121
○礒崎哲史君 民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 今日は、日銀黒田総裁にもおいでをいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。
 日銀の量的・質的金融緩和政策、始めて三年が経過ということもございましたので、今日は総裁にお越しをいただいたということでございますけれども、実は岩田副総裁にもおいでをいただく予定でございました。というのも、一年前、ちょうど二年がたったときに二年で二%という目標を立てられておりましたので、その振り返りの質疑がしたいということで副総裁にはおいでをいただいたのが昨年。そのときにかなりいろいろなやり取りをさせていただいたものですから、そのときの岩田副総裁のお話に対して改めてまた一年たったところでの振り返りをしたいなと思いまして今日実は出席のお願いをしたんですけれども、先ほどお伺いをいたしましたところ、どうも体調を崩されているということでございました。
 激務だというふうに思います。なかなか政策を含めて思うようにいかないのが常でありますけれども、体調、体あるいは精神的にも御負担があったのかなというふうにもお察しをいたしますが、まずは体を万全にしていただくということを総裁の方からも岩田副総裁の方にお話をいただければというふうに思います。元気になられた暁にはしっかりとまたここで質疑をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 その件に関しまして、これは通告しておりませんでしたが、副総裁一人不在の状態で日銀の政策含めたことを、まあしばらくの間だとは、少しの間だと思いますが進めていくことになろうかと思いますので、ちょっと、日銀の運営含めて、政策決定会合を含めて支障がないのかどうか、その点だけまずは総裁の方に確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#122
○参考人(黒田東彦君) 岩田副総裁は手術をして現在入院しておりますけれども、その後、自宅で療養、リハビリをして、四月中旬頃には出勤して勤務を再開するということになっております。また、その間も必要に応じて業務上の書類には目を通していただいて、電話等で関係者との連絡、打合せも行うという予定になっております。
 なお、次回の金融政策決定会合は四月二十七、二十八日でございまして、出席されるという見込みでございます。
#123
○礒崎哲史君 既に在宅ということで、家には戻られているということですけれども、私も企業で働いていた経験からすると、土日あるいはお休みのときに職場から緊急の連絡があるというのは、これは精神的には余りいいものではございませんでした、正直に申しますと。心身共にリフレッシュできるような環境を総裁には経営者の視点からも整えていただければというふうに思いますので、お願いをいたします。
 その代わりというわけではございませんが、総裁には岩田さんにお願いしようと思っていた点も含めて今日は御回答いただければと思います。よろしくお願いをいたします。
 実は、一年前に質問したときには、なぜこの時点で達成できていないのかという理由を確認したときに、二点お話をいただいておりました。一つは原油価格の下落、これが思った以上のものであったということ、それから消費税の影響、これがやはり思った以上のインパクトであったということでございました。
 その二つのうちの一つ、消費税の影響という観点で、今、今のは一年前のお話ですけれども、目下、足下の状況ということでいきますと、これ前々回の当委員会での大塚委員とのやり取りですけれども、黒田総裁がある講演会で講演をされた際に、一〇%への消費増税時の影響が八%時の半分ぐらいとなるというふうにお話をされたということで報道がございました。前回もやり取りが若干ございましたけれども、改めてこのときの発言の内容について確認をさせていただきたいというふうに思います。
#124
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、消費税の引上げというものは、一つは税率引上げ前後の駆け込み需要の発生とその反動というものがございます。もう一つは、税率引上げに伴う実質可処分所得の減少ということでございます。この二つの経路を通じて実体経済に影響を及ぼすということになると思います。
 具体的には、二〇一四年四月の、消費税率五%から八%へ三%引き上げたわけですが、この際の二〇一四年度の実質経済成長率に与えた影響はマイナス一・二%ポイント、それから二〇一七年四月に予定されております消費税率の八%から一〇%、二%ポイントの引上げ、それに食料品の軽減税率といった、こういった消費税の増税の影響につきましては、二〇一七年度の実質経済成長率に与える影響はマイナス〇・七%ポイントというふうに見ております。これは最新時点の展望レポートでそういった影響の試算を示しております。二〇一七年の四月に予定されております消費税率引上げの影響が二〇一四年四月と比べて小さくなっておりますのは、先ほど申し上げたように、税率の引上げ幅自体が小さいことに加えまして、食料品等に軽減税率が適用されることなどによるものでございます。
 御指摘の発言はこうした試算の結果を踏まえたものでありますけれども、消費税率の引上げが経済に与える影響につきましては、その時点における景気回復のモメンタムや雇用・所得環境などにも依存するため、ある程度の幅を持って見る必要があるとは思っております。
#125
○礒崎哲史君 そうしますと、今の数字というのは、二〇一四年度の消費増税の際に実際にあったインパクトから計算をして出されたということで今理解をいたしました。
 実際に、私も、この日銀のレポートですけれども、展望レポートの方の記載は見ましたけれども、ここの計算、算出というのは、これは日銀独自で行われたものということで理解してよろしいでしょうか。
#126
○参考人(黒田東彦君) そのとおりでございます。
#127
○礒崎哲史君 今、日銀独自のレポートということでございました。
 そうしますと、今、二〇一四年度の数字をベースにして二〇一七年度を推定したということでもありますので、二〇一四年度、今、お話でいきますとマイナス一・二%の下押しの圧力が掛かったということで数字がありましたけれども、実際に五%から八%に上がった二〇一四年度のインパクトに対して、今数字上一・二という数字がありましたけれども、これは、このインパクトというのは二〇一四年度だけで終わっているものなんでしょうか。それとも、今の足下の二〇一五年度に対しても引き続きインパクトとしては下押しの圧力というのはやはり掛かっているものなんでしょうか。この辺の考え方について教えていただければと思います。
#128
○参考人(黒田東彦君) 二つの経路があると申し上げましたが、税率引上げの前の駆け込み、そして駆け込み後の反動減というものは、いろいろな測り方があると思いますけれども、事前の何四半期か、耐久消費財じゃないものにつきましては前一四半期ぐらいだと思いますが、耐久消費財についてはもう少し前から駆け込んでいる可能性がございます。
 逆に申し上げますと、駆け込みの反動減というものも、耐久消費財でないものは比較的一四半期ぐらいで出尽くしてしまう可能性があると思いますが、耐久消費財につきましては駆け込みの期間も長く、また駆け込みの反動減の期間も長くなるというふうに思っております。具体的にどのぐらいかというのは、恐らくその耐久消費財の品目によっても違ってくるのかなと思っております。
 他方、税率を引き上げたために実質所得が低下しているということ自体はずっと続くわけです。ただ、成長率については前四半期との比較ということになっていきますので、成長率に対する影響というのはだんだん、あるいはかなりのスピードで減っていくと思いますけれども、消費のレベルに対する影響はずっと続くと。成長率に対する影響は、これも先ほど申し上げたように、やはり減衰していくということだと思います。
 したがって、何年もその消費税の引上げの影響が成長率に出てくるということはないと思います。
#129
○礒崎哲史君 そうしますと、もう一つは確認という意味合いで聞かせていただきたいんですが、よく今回の五%から八%への消費税増税のインパクト、その反動減というものが、深さそれから長さ共に、その前の九七年であったり、あるいは三%を導入したときと比べても、深さ、長さ共に大きいと、結果的には面積として大きくなっているというような比較の図もよく見ますけれども、今回の八%から一〇%に上げていく段階というものは、深さあるいは長さという観点でいくと、長さも半分になる、あるいは深さも半分になる、どういう観点で半分になるというふうに計算をされているんでしょうか。
#130
○参考人(黒田東彦君) 先ほども申し上げましたとおり、二〇一四年度の三%の消費税率引上げの二〇一四年度の成長率に対する影響はマイナス一・二%程度であったというふうに計算されます。二〇一三年度の駆け込みにつきましては、プラス〇・五%ぐらいだったのではないかというふうに試算をいたしております。
 そういうことで、この二〇一四年度の消費税率引上げによる経済に対する影響というのは、やはり事前に予想したものを上回っていたというふうには思います。そういうことも踏まえまして、二〇一四年度の消費税率の引上げの影響を再計算いたしましたところ、先ほど申し上げたように、マイナス一・二%ぐらいの押し下げ効果があった、影響があったというふうに見ているわけでございます。
 そこで、二〇一七年度に予定されております二%の引上げ、食料品の軽減税率といったことによる影響はマイナス〇・七%ぐらいであろうというふうに現在想定しておりますけれども、駆け込みは二〇一六年度にはプラス〇・三%ぐらいあるのではないかというふうに見ております。
 ただ、これもあくまでも二〇一四年度のときの実績で先ほど申し上げたような計算をして、そのことを踏まえて新たに二〇一七年度の計算をしたわけでございまして、二〇一七年度の先ほど申し上げたように経済動向等によっては、この〇・七%というものはある程度の幅を持って見ていく必要があろうと、これよりも小さくなるかもしれないし、これよりも大きくなるかもしれないということでございます。ある程度の幅が必要だろうと。
 一般的には、先ほど申し上げた二つの経路という場合の後者、実質所得の引下げ効果というのは、これは非常に前回と比較して簡単に計算できるわけですが、駆け込みと駆け込みの反動減というのは、これはなかなか実際どういうふうになるのかは難しいところがあると思いますが、一般的には前回よりも駆け込みも反動減も深くない、より浅いというふうには思われますけれども、これはあくまでも、特に耐久消費財につきましてはいろいろな家電製品とか自動車のサイクルがございますね、委員よく御存じのように。ですから、一概に決め付けることはできないと思いますけれども、基本線としては、前回よりも浅くて、駆け込み、反動減というのもそんなに長く続かないだろうとは言えますけれども、これはあくまでも一般論でございます。
#131
○礒崎哲史君 今、駆け込みに関する数値もお話をいただきました。駆け込みについても、あくまでも前回に対しての推定、消費税の上げる幅が小さくなった分、事前の駆け込みもその分の反動減も小さくなるだろうということの御説明だというふうに思いますが。
 本来であれば、この消費税の影響云々かんぬんというのは違う方に、本当は大臣にお伺いをすべき話、あるいは石原大臣にお伺いすることなのかもしれませんけれども、あえて今、黒田総裁にもこうしてお話を伺っておりますのは、やはり昨年のその二年間の振り返りの中で、二%の物価上昇が達成できなかった原因として何かということをお伺いしたときに、やはり原油価格とあとは消費税ということを二つメーンでお話をされましたので、消費税はあくまでも、導入するしない、やっていくやっていかないというものは、その中身を決定するのは政府の責任においてやるわけではありますけれども、間違いなく日銀の政策に対して影響を受けるということでもありますので、ましてや前回、それによって達成が残念ながらできていないということもおっしゃっていましたので、その振り返りということで改めてこうして確認をさせていただいているということでございます。
 今、そういう形でお話をいただきました。当然、消費に与える影響というものは、これは日銀でコントロールするというよりも、ある意味、昨日これはお話をさせていただきましたけれども、税制の組立て方、増税、減税、そうしたもののやり方、あるいは政府としての財政出動というものでかなり大きく変わってくるわけでもございますので、その点については振れ幅が大きいということは、それはきちんと理解をしなければいけないんだろうというふうには思っております。
 そうした今総裁に御説明をいただきました分析を基にして、また新たな二%達成の時期というものが示されているということだと思いますが、最新のレポートによれば、この物価上昇二%達成の時期というものは二〇一七年度の前半頃ということでよろしいでしょうか。これは確認です。お願いいたします。
#132
○参考人(黒田東彦君) そのとおりでありまして、日本銀行といたしましては、二〇一七年四月に消費税率を一〇%に引き上げるという現行の法律の定め、あるいはそういう政府の方針を前提として経済物価見通しを作成いたしております。
 その上で、二〇一六年一月、最新時点の展望レポートの物価見通しでは、原油価格が緩やかに上昇していくとの前提に立てば、生鮮食品を除く消費者物価の前年比が物価安定の目標である二%程度に達する時期は二〇一七年度前半頃になるというふうに予想いたしております。
#133
○礒崎哲史君 今の目標、この二〇一七年度の前半頃というのは、まず二%に達成するタイミングということだと思いますので、ある意味これは瞬間的な到達というふうに言ってもいいのかというふうに思いますが、安定的な二%の意味ではないということでよろしいでしょうか。
#134
○参考人(黒田東彦君) ここで申し上げておりますのは、先ほど申しましたとおり、生鮮食品を除く消費者物価の前年比が物価安定の目標である二%程度に達する時期について、二〇一七年度前半頃になるというふうに予想しておりまして、その後、また物価が更に上がったり下がったりいろいろな経路をたどると思いますが、日本銀行のマイナス金利付き量的・質的金融緩和というこの政策は、物価安定の目標、二%という目標の実現を目指してそれを安定的に持続できるようになるまで現在の金融緩和を続けるというふうに申し上げておるところでございます。
 ただ、毎月毎月の物価上昇率というのはいろいろな事情によって変動はすると思います。
#135
○礒崎哲史君 当然変動はしてくるものだというふうに思うんですが、今あえてそういう確認の仕方させていただいたんですけれども、実は、一年前に岩田副総裁とやり取りをさせていただいたときもそうなんですが、そのときは実は、一年前ですから、二〇一五年を中心とした期間にということで回答をいただいていたんですけれども、一週間たったらちょうど政策決定会合がございまして、二〇一六年の前半という形で一週間後には回答が変わってしまって、一年たった今回は二〇一七年という形になるんですが。
 それは、先ほど言ったいろいろな様々な経済情勢もあったというふうに理解をしたとしても、ちょっとその後気になる言葉がございまして、その一年前に二〇一五年を中心にという期間を設定されていたと、その後の言葉なんですけれども、二〇一五年を中心とする期間に二%程度に達成する可能性が高いとしたんですが、その後、その後これを安定的に持続する成長経路へと移行していくと見られる、こういう表現を使っておられました。昨年の四月に出されましたレポートの表現も一緒です。二〇一六年度の前半頃になると予想される、その後次第に、これを安定的に持続する成長経路へと移行していくと。共に、安定的に持続する成長経路へと移行と、こういう表現を使っておられたんですが、今の最新のレポートでいきますと、一七年度前半頃になると予想されるの後、その後は平均的に見て二%程度で推移すると見込まれるということで、ちょっと表現が微妙に変わってきております。
 安定的に持続する成長経路という言葉ではなくて、平均的にという言葉に置き換えられているんですけれども、この言葉の違いというものに関してはどのような意味が込められているんでしょうか。
#136
○参考人(黒田東彦君) そこは、同じ展望レポートの中で、それぞれの場所で言わば成長経路との関連で説明しておるところでは、この一月の最新時点の展望レポートでも、二〇一七年度前半頃に二%程度の物価上昇率を実現し、その後次第に、これを安定的に持続する成長経路へと移行していく可能性が高いと判断されるというふうに言っております。したがいまして、基本的な考え方、見方というのは違っていないということでございます。
 ただ、今申し上げたように、物価の月々の変動幅というのはいろんな状況で変わると思いますけれども、我々が見通しておりますような、言わば経済が持続的な成長経路に乗り、物価が二%程度上昇するというような状況になれば、それは引き続きそういった状況になることは期待はされますけれども、もとより経済は生き物でございますので、いろんな状況で変化する可能性はあると、それに応じて常に金融政策は適正に運用していくということに尽きると思います。
 ただ、この展望レポートの時点での見通しでございますので、その見通しとしては、繰り返しになりますけれども、二〇一七年度前半頃に二%程度の物価上昇率を実現し、その後次第に、これを安定的に持続する成長経路へと移行していく可能性が高いというふうに判断しているわけでございます。
#137
○礒崎哲史君 私が紹介したものは、これ日銀が発行している展望レポートの最初のページに書かれている概要から抜き出している言葉です。まさに詳細を見る前に皆さん概要を見られるわけですから、この概要を見て日銀がどのように考えているのかということを推察するわけですから、ここについての表現が今までと変わってきたということは、そこには何らかの意図があるというふうに考えるのが私は自然だというふうに思います。
 その意味で、もう一度同じ質問をさせていただきますが、これはなぜ表現を変えられたのでしょうか。
#138
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、このレポートの中で、いろいろなところで経済の動向あるいは物価情勢、その他いろんなことを述べております。そうした中で、例えば物価につきましても、原油価格の前提を示しまして、その前提の下で、消費者物価の前年比が物価安定の目標である二%程度に達する時期は二〇一七年度前半頃になると予想されると、その後は平均的に見て二%程度で推移すると見込まれるということを述べております。
 先ほど読み上げたところは、この経済政策運営との関係で、経済の見通し等も踏まえた形で言っておりまして、先ほども読み上げたとおり、二〇一七年度前半頃に二%程度の物価上昇率を実現し、その後次第に、これを安定的に持続する成長経路へと移行していく可能性が高いと判断されるというふうに申し上げているわけでございます。
 委員御指摘の一ページ目の基本的見解というのは、この全体を言わばまとめる形で、エグゼクティブサマリーのような形で示しているわけでございます。
#139
○礒崎哲史君 やはり全体をまとめるものに全てが集約されているというのが基本的な考え方だと思いますので、ここの表現が変わったということは何らかの意図があったんだろうと私は理解をいたしますし、今日はなかなか明確な納得いくお答えはいただいておりませんので、この点、何らかの意識の変化があったというような形で私は受け止めて、この後も様々な政策は見させていただきたいというふうに思います。
 それと、マイナス金利についてはこれまでも様々な委員の方から多くの質問があったかというふうに思いますが、ちょっと直近の動きということで、昨日もお話をいたしましたけれども、春闘に絡めまして、マイナス金利、一月の末に発表されたわけですけれども、それが今春闘に対して何か影響を与えたかどうか、その点についてはいかがでしょうか。黒田総裁も様々なインタビューにお答えになられていて、やはり賃金上昇というものを期待するというコメントもどこかでされていたと、記事で私見ましたけれども、されていたというふうに思いますが、総裁自身も期待をされていた春闘でございますが、マイナス金利が与えた影響という点についてはどのようにお考えでしょうか。
#140
○参考人(黒田東彦君) 一月のこのマイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入というものは、御案内のとおり、年明け以降、原油価格の一段の下落に加えまして、中国を始めとする新興国、資源国の経済に対する先行き不透明感などから金融市場が世界的に不安定な動きとなっておりまして、我が国において、企業コンフィデンスの改善あるいは人々のデフレマインドの転換が遅れて、物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大したということに対応して決めたものでございます。
 この政策の導入以降、貸出しの基準となる金利あるいは住宅ローンの金利ははっきりと低下しておりますほか、CPあるいは社債の発行利回りも極めて低い水準まで低下するなど、金融環境は一段と緩和度合いを増しております。そうした下で、今後、実体経済にもプラスの影響が着実に及んでいくというふうに考えております。
 春闘につきましては、現在、労使間においてベースアップやボーナスを含めまして具体的な賃上げ率あるいは賃上げの方法などの交渉が行われているところでありまして、現時点で具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、我が国では企業収益が過去最高水準まで増加し、今、労働市場も失業率三・二%ということで、ほぼ完全雇用ではないかと言われるぐらいまで引き締まっておりますので、賃金が上昇していく環境は十分整っているのではないかというふうに考えておりまして、日本銀行としてはこうした環境を踏まえた賃金の決定が行われることを期待しております。
#141
○礒崎哲史君 様々な影響がといいますか、様々な観点で見られる方もいらっしゃるというふうに思いますし、昨日も御紹介しましたが、ある経営者は潮目が変わったという言い方もされている方もいらっしゃいます。あの日銀の政策、もちろん世の中の景気、環境、それから税金の話、国内だけではなくて海外の影響も受けるということだというふうに思います。
 春闘だけがということではありませんけれども、やはり様々な影響を受けるということは是非引き続き注視をしていただきたいと思いますし、昨日もほかの委員が御紹介されていましたが、メガバンクの労組が今回ベアの要求を見送ったという記事もありました。まさに、銀行、足下の状況では、個人消費を活性化させようという動きに対してブレーキが掛かってしまったという事実もございます。経団連の会長も過剰反応ではないかというコメントも出されておりますので、是非こういった点にも影響が日銀の政策はあるという点も改めて御認識をいただければというふうに思います。
 今日、日銀総裁にこういった形でお話を伺ってきましたけれども、最後の方でも少し触れました。日銀の政策、様々なものに影響を受けるということになります。違う言い方をすれば、日銀の政策だけで物事が進めていけることでもないということでございます。昨日のクルーグマン教授が来られた中でもそういった趣旨のお話はあったというふうにも新聞報道で拝見をいたしましたけれども。
 麻生大臣、これ通告していないんですけれども、市場では、第三弾、第四弾の黒田バズーカがあるんではないかということを期待しながら、手招きをして、あるいは注視をしているお金をいっぱい持っている皆さん方がいらっしゃいます。黒田さんが何か政策を打てば、そのタイミングを計って、いろいろお金を動かして利ざやを稼ごうとされる動きもあるということは重々御承知だというふうに思います。
 ただ、こういう動きがどれだけ活発化しようが、国内の個人消費あるいは企業の経済活動が活性化しなければ、当然アベノミクスで目指されていること、あるいは与野党がデフレ脱却したいというこの共通の課題というのは解決しないということからすると、そういう方たちは黒田バズーカを期待されているのかもしれませんけれども、実際の経済効果としては実は麻生バズーカが必要なのではないか、こういう期待をされている方もいらっしゃるかもしれませんが。
 この財政出動に関して、やはり今、日銀政策、私は正直なかなか行き詰まっているのではないかなというふうにも見ておりますが、こういうときにやはり財政出動というものの必要性というものがぐっと注視されていく、その必要性が高まっていく、こういう考え方もあろうかと思いますけれども、大臣のお考えが、もし聞かせていただければお願いしたいんですが。
#142
○国務大臣(麻生太郎君) 最初からというか、三年数か月前から申し上げておると記憶をしますけれども、少なくとも今回の資産のデフレーションによる不況からの脱却に当たって、いわゆる三本の矢というものの中で、一番が金融、二番が財政、三番が民間ということになろうかと思いますが、金融だけでいわゆるデフレが脱却できないということは、もう前に竹中という人が一回やった経験がおありだと思いますので、十分に理解をされておられる方もいらっしゃる。記憶のいい方だったら御記憶があろうかと思いますが、あのとき日本銀行は三十兆円ぐらいのあれを緩めたんだと思いますが、全く効果はなかったと。したがって、それ引揚げということになったというのが私の記憶です。
 したがいまして、今の場合は金自体はむしろ余っているぐらい、各銀行に余っておるから金利が上がらないんであって、少なくとも実需という需要が出てきていないというところが問題。世の中は需要がないというところの方が問題なんだというのが私の基本的な考え方で、最初から金融の緩和と財政の出動、いわゆる機動的というので第一の矢、第二の矢と申し上げてきておりますとおりなので、私どもとしては、財政というものをバランスを取りながらやっていかなきゃならぬ立場にありますけれども、おかげさまで財政というものを、この三年間の間、そこそこの公共事業等々を、なるべく減らさないようにして、その当時、昔はコンクリートから人へとかいうのが、言っておった人がいっぱいいらっしゃったそうですけれども、まだいるんだと思いますけれども、そういう方たちと我々とは意見が違いますから。コンクリートから人へと、忘れぬですよ。セメント屋に対する当て付けかと思ったぐらいですからな、本当。忘られぬ思いですわ。
 したがいまして、今の時代は需要というものを大事にしていなきゃいかぬというような当たり前の話がやっと出てくるようになったので、そういった意味では、今の時代というものが金融だけで経済が、デフレが脱却できないという実態が現実として起きてきているんだと思いますので、やはり一番目の矢、二番目の矢、そこそこ動いておりますので、三番目の矢の民間がというのが大事で、その民間がということで、少なくとも今年の正月、経済三団体いずれもその傾向で話をされておられましたけれども、現実問題として給与等々は自動車総連始め御存じのとおりの結果しか出ていませんから、そういった意味では、ベースアップとしてはなかなか伸びなかったというのが実態でしょうけれども、少なくとも今はまだ、中小の方がまだ団体交渉というか春闘の最中でもあろうかと思いますので、その答えを見た上でないとうかつなことは申し上げられませんけれども、少なくとも三本目の矢としての大きな部分として給与が、所得が上がる、賃金が上がるというのは消費を活発化させる大きな要素の一つだと思いますので、そういった意味では、こういったものがどういった形で出てくるかというのが、この春闘をよく見た上で判断をさせていただかなきゃいかぬところかと思っております。
#143
○礒崎哲史君 新たな財政出動についてもう少し何かほかのコメントがあるかなと思いましたけれども、なかなかこの点については具体的には言っていただけないということでございますので、また引き続きこの点については論議をしてまいりたいというふうに思います。
 日銀総裁への質問はここまでになりますので、委員長のお許しがあれば御退席していただいて結構でございます。お取り計らいをお願いいたします。
#144
○委員長(大家敏志君) それでは、黒田日本銀行総裁は御退席いただいて結構でございます。
#145
○礒崎哲史君 それでは、内容をがらりと変えまして、今度は消費税について議論をさせていただきたいというふうに思います。
 今回、政府の方からは消費税の八%から一〇%への増税、それに合わせて軽減対策ということで、負担感の軽減ということで軽減税率の導入ということでお示しをされておりますけれども、これは皆さんにも御案内のとおり、法律の中には給付付き税額控除というもの、それと複数税率、これが今回の軽減税率に当たるわけですけれども、この複数税率、二つについて検討するということが法律に書かれていた内容になります。
 以前の委員会でも、私、大臣の方に二つの検討をされているんですかということでは、まだ、そのときは与党内で協議中なのでというお話もいただいたということでございますが、最終的にこういう形で提案がされてきたということでありますので、政府としても検討された結果というふうに受け止めております。
 この二つを比較検討をして、最終的に複数税率、軽減税率に至ったその検討の具体的な項目、判断するに至るその比較検討項目、具体的なものについて確認をさせていただきたいというふうに思います。
#146
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたように、複数税率というもの等々いろいろ検討されておりますのは、三党合意に基づいていろいろ出された中で、この軽減税率制度等々、いわゆる消費税というものを上げるに当たりましては確実に低所得者対策というものをしておく必要があると。そのうちの一つとしてこの軽減税率というのが挙げられております。
 これは、低所得者対策としては、いわゆる効率的かといえば、少なくとも的を絞り切れていない分だけ効率的じゃないという指摘があるのは確かなんですが、他方、日々の生活において幅広い消費者の方々から、消費また活用しておられる商品のいわゆる消費税負担の直接軽減ができるという点が一点と、これによって買物をされるたびにいわゆる痛税感の緩和というものが実感ができるということの利点があろうかと思っております。
 他方、この給付付き税額控除につきましては、これは軽減税率と違って低所得者というのに絞ったいわゆる支援ができるという利点があるのは確かでありますけれども、消費税の直接軽減がなされるものではなくて、消費者にとっては痛税感の緩和というものがなかなか実感しにくいという問題が一点。
 また、アメリカ等々で見られますように、所得、資産の把握とか執行可能性という問題からいきますと、なかなか所得の把握等々は難しいのは御存じのとおりですが、こういったことによって生じます過誤支給とか不正受給とかいうものの問題というのがありまして、現実、マイナンバーの制度もありますアメリカにおいても年間約二割強の過誤、不正受給があるということが推計されておるというのがありまして、こういったものを検討させていただいた結果、軽減税率というのを採用させていただくようになったというのがこれまでのいきさつであります。
#147
○礒崎哲史君 今御説明をいただいたんですが、効率的かどうかという観点、あるいは日々の生活における痛税感という観点、あるいは給付付き税額控除でいけば、実際にお金を還付をするときの手続あるいは実際の資産や所得の把握の難しさという観点であったと思いますが、検討されたのはこの三点のみということでしょうか。これ以外に具体的に何か、それぞれのアイテムでこういう部分がメリットがある、こういうデメリットがある、そうした具体的な検討をされていますでしょうか。
#148
○国務大臣(麻生太郎君) これは実にいろんなことが討議をされたと記憶をいたしますけれども、少なくとも、極めて手間暇が掛かるから不便なことになるのではないかという御意見もありましたし、いわゆる益税の話もありましたし、いろんな意味でこの種の話は多くのことが討論された結果であります。
#149
○礒崎哲史君 私がサラリーマンでいろいろ仕事をして様々なアイテムを検討しようとするときには、手法ですとKT法とかというのがあるんですけど、DA表を作って、こういう項目について検討しましょう、縦軸にはこういうアイテム、こういうアイテム、こういうアイテムというのを並べまして、それぞれ丸、バツ、三角、あるいは一点、二点、三点という点数を付けて、項目には重み付けをして、ウオント項目、マスト項目みたいなものを付けて、最終的にはそれらの項目を全部計算をして、足し算をしてそれぞれのアイテムに優劣を付けて総合判断をしていくという、主観的ではなくて客観的に点数で評価をするという、こういう実際の評価の仕方ということでやり方があるんですけれども、こういったきちんと一元化した表の中にそれぞれのアイテムを並べて、評価項目を並べて検討されたというものはあるんでしょうか。
#150
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われたように、これは痛税感とか言われてもなかなか表現のしにくい、定量的には出せないところでもありますので、なかなかそういったようなことを出しにくい部分も多々ございましたので、今言われたような感じで、企業がやりますような感じというのでやったわけではございません。
#151
○礒崎哲史君 そうすると、先ほどの、こういう項目、こういう項目で幾つかあるというのでも構わないんですが、具体的に何十項目ぐらいにわたって検討されたとか、その辺は、恐らく検討をされて結果を出されているので、私は当然あるというふうに思っているんですけれども。
 総合判断というのは分かります。総合判断されたのは分かりますが、総合判断するためにはその前の詳細検討があって総合判断があるというのが普通の感覚だと思いますので、その検討項目が何項目ぐらいあったのか、教えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#152
○国務大臣(麻生太郎君) 何項目まで正確に覚えているわけではございませんけれども、少なくとも、この軽減税率、給付税等々いろんなものを出された中で、この軽減税率につきましては何といっても重きが多く置かれたのは痛税感というところだったんですけれども、いわゆる五%から八%に上げたときに、結果として気分の問題としてやっぱり三%というのの増税が大きく後を引いた、いわゆる反動減につながっていったという痛税感というのが非常に大きかったという反省が多々あったというのが大きかったので、この点を一番に勘案して、どうしていくかというのが多くなされたところだと記憶をいたします。
 他方、給付税額の開始につきましては、これはどこまでを幾ら絞れるか、また捕捉がどれまでできるか、またどういったところで線を引くかといったところがなかなか難しいところでして、そこらのところの線の引き方もなかなか難しいということになったのが一点。
 傍ら、この軽減税率の方につきましては、食品、加工食品、生鮮食品、外食等々というので、これが一番ふだんの生活になるならこれじゃないかというお話があって、最初、生鮮食品だったんですけど、現実問題として、今、低所得者層の方々が食べられておられるものをよく見れば、加工食品の比率の方が高いんじゃないか、それで、生鮮食品というものの方がむしろ少ないと。したがって、加工食品の方に重きを置くべきではないかという御意見等々が出てきて、いろんな話がそのときに、ちょっと正直言って、つらつら思い出しているとずっとしゃべれるようなことになりますのでいかがなものかと存じますが、随分いろんな話が出されたということを記憶しています。
#153
○礒崎哲史君 今大臣が御説明をいただいたいろんなお話については、それは軽減税率の線引きをどこにするかというお話でありまして、給付付き税額控除の比較においてどういう検討がなされたのかということに対する答えには私はなっていないというふうに思います。
 一年前にこの質疑をさせていただいたときに、私、大臣に伺ったのは、いずれ複数税率か給付付き税額控除かどちらかを選択することになるんですが、この政策の導入の目的は逆進性対策ですかということを実は大臣にお伺いをいたしました。そのときに、大臣のお答えは、一番配慮しておかねばならぬところだというふうに回答されました。まさにそうだと思うんです。逆進性対策、まさに低所得者対策というものが一番私は配慮されねばいかぬものだというふうに、まさにおっしゃいましたし、もう素直に受け取ることができたんですけれども。
 では、その大臣が一年前におっしゃった一番配慮しておかねばならぬ逆進性対策としての効果比較ということでは、これはどちらの方が優れている、もちろんほかにも総合的には判断するんですけれども、一番配慮するべきだといって置かれた項目については、これは優劣を付けると、どちらが優れているという検討結果になっていますでしょうか。
#154
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほども申し上げましたように、これ一長一短、いわゆる軽減税率にするか給付付き税額控除というのにはそれぞれ一長一短ありますのはもう御存じのとおりなので、いわゆる消費税負担というものを直接軽減させるということによって、いわゆる逆進性というものでいきますと、日々払いますお金ですから、そういったものでは間違いなく、ああ安いというのが分かりますし、そういった、年末まとめて来るというのではなくて、きちんとそういったものでは痛税感を緩和を実感ができるという点においては、これはどう考えてもこの軽減税率の方が優れているというのははっきりいたしておりまして、逆進性の緩和で年末何千円か戻ってきたというのでは、何だろう、これ消費税という話になりますので、そういった意味では、痛税感の緩和というものに関しては、少額とはいえ毎日その消費されるたびにということの方が私どもとしては判断をしていただく意味では要素としては大きいと。
 したがって、逆進性の緩和を実感していただくのには、このいわゆる軽減税率の方が優れているのではないかという結論であります。
#155
○礒崎哲史君 逆進性対策と今痛税感のお話を一緒にしてお話を回答されたんですけれども、私はこれは全く別のものだというふうに思います。
 痛税感というのは、あくまでもこれは負担感、まさに先ほど大臣が言われた、日々の買物の中で実際にお金が、ああ出ていっている、ああ軽減された、よかったな、ここが痛税感だというふうに思うんですね。それは日々の買物の中で実際に行われている気持ちに働きかける部分。ただ、逆進性対策というのは、実際に手元にあるお金がどのように出入りをして、どれだけが出ていったのか、どれだけが手元に残ったのか、どれだけ税の再配分機能が発揮をされたのかという部分が逆進性対策だというふうに思いますので、この観点をごちゃ混ぜにしてお話をされてしまいますと、とても私はこの二つについてきちんと検討されたというふうに受け止めることは正直できません。
 逆進性対策ということでは、これはもう、私、実は一年前にグラフを大臣にもこの委員会に提出をしてお見せをいたしまして、逆進性対策としては給付付き税額控除の方が優れていますよねということもお見せをし、そのとおりですねというふうに大臣もお認めをいただいているんですね。ですから、一年前の大臣とのやり取り、そして今のやり取りからすると、明らかに御発言の内容は変わってしまったというふうに思いますし、今のやり取りからすれば、この二つについて、今回、政府できちんと検討がなされたとは私は受け止めることはできませんというのが今のやり取りの中での私の結論でございます。
 この件については、これ以上細かくお話をきっとしても、検討していないということだと思いますので、詰めようがないんだというふうに思います。
 その上で、その上でといいますか、ちょっと細かい、ですのでちょっとここについては一旦切らせていただきまして、非常に細かい話になって大変恐縮なんですけれども、仮にこの複数税率、軽減税率を導入したとなりますと、これはやはりいろいろ事業者に対しては負担が掛かってくるという形になります。端的に考えまして、税率が二種類になるわけですから、スーパーなどのレジ打ちは大変になるというふうに思うんですけれども、当然、これ、レシートには本体分の価格と税額というものは分けて記載がされることになるというふうに思うんですけれども、この辺の対応について具体的なことが決まっていましたら御提示をいただきたいと思います。
#156
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 今先生のお尋ねは、いわゆるBツーC取引、要するに対消費者との取引において価格表示がどうなるかと、こういうお尋ねが基本にあるんだろうと思います。そこ、ちょっと基本的枠組みだけまず説明させていただいた上でお答えをしたいと思いますが。
 まず原則としまして、消費税法上は、消費者の利便性の観点から、消費者が支払うべき総額が分かるようにしなさいということで税込み価格で表示をするということがまず原則でございます。したがいまして、千円と例えば八十円という感じだと、千八十円ということで最低限表示をしなさいというふうになってございます。ただし、その千八十円のうち消費税が八十とあることは別に排除しているわけではございませんので、千八十という数字は最低限書いてくださいという仕組みになっております。
 その上で、消費税率引き上げるこの過渡期の間におきましては、その特例といたしまして、消費税転嫁対策特別措置法という法律によりまして、いわゆる税抜き価格で表示するということも一定の条件の下で認められているところでございます。今の例で申し上げますと、税抜き価格が千円で消費税額が八十円という場合は、原則に従いますと最低限千八十と書いてほしいということでございますが、もちろん、消費者との関係でいくと、うち八十消費税と書くようなケースとかいうのも結構見られるところでございます。
 それから、特例の世界は、例えば千円と書きまして、括弧で例えば税抜きと書くケースも可能だということでございますし、場合によりましては千円と書きましてプラス税と書くケースもございます。いずれにしても、千八十という表示までしなくてもこの特別措置法上は構いませんという今整理になっているというのが現状でございます。
 それで、今お尋ねでございますけれども、軽減税率制度が導入された後、軽減税率の適用物品かどうかということがはっきり分かるのかと、こういうお尋ねだと思います。
 法律上の整理といたしましては、今冒頭申し上げたような法律制度を基本としておりまして、それに新たに義務を掛けるというふうになりますと、事業者がまた大変な事務負担を負うということもございますので、法令上は現状のままとしてございますけれども、もとより事業者にとりましては、先生お話ございましたように、消費者利便という観点からは、これが幾ら消費税が入っているのかということが明確である方が望ましいということは間違いないところでございますので、その点につきましては、最終的には、法律上は義務という形では掛けてございませんけれども、顧客との関係、事務負担を総合的に考えて各事業者で御判断をいただくということに相なります。
 どういう対応が望ましいか等々については、しっかり税務当局にもお尋ねがございましたら対応していきたいという取扱いでございます。
#157
○礒崎哲史君 義務ではないということですね。法律上の取扱いはそうしないということでございました。
 ただ、じゃ、八%なのか一〇%なのか買われた方が分からないんだとすると、これ痛税感の緩和にならないですよね。やっぱり買うタイミングで、八パーだった、ああよかったというふうに思えなければ痛税感の緩和にならないから、さっき言った比較対照の、こっちが痛税感があるから八%にしましたという論理と結び付かないですよね。
 とすれば、これは義務ではないかもしれないですけれども、明確に、いや、消費行動を促すということであれば、僕は、八%ですよと堂々ときちんと表示すべきというふうな方向性を出すということも一つ手なのではないかなというふうには思いましたが、この後またいろいろ具体的には考えられると思いますので、その点はお任せをしますというか、この後、またいろいろと今後確認をさせていただきたいなというふうに思います。
 この消費税、軽減税率についてもほかにもあるんですが、ちょっと時間がないので、この消費税の増税の扱いということで最後に一点だけ確認をさせていただきたいというふうに思います。
 これは、総理始め大臣も、総理の発言としてはこうだということでお話をされております。増税の延期判断があるかないかということについては、あくまでもリーマン・ショックあるいは大震災級の事態にならなければ予定どおり引き上げていくというのが政府の答弁だというふうに理解をしております。
 このリーマン・ショックあるいは大震災級の事態というのは、具体的にどんな状況になるんでしょうか。具体的な内容で教えていただきたいんですけれども。
#158
○国務大臣(麻生太郎君) リーマン・ショックとか大震災とかいう言葉の中で、重大な事態というものがどのようなものかということにつきましては、これは今の段階でこういう段階というのをちょっと予想する方がまた難しいのでありまして、そういった意味では、そのときの政治判断によるところが極めて大きいということになろうかと存じます。
#159
○礒崎哲史君 私が具体的にということであえて申し上げましたのは、私、まだ当時はサラリーマンやっていましたので、企業がやはり大変な状況になっていた。もう生々しくまだ記憶に残っています。あのリーマン・ショックのときにどのようなことになっていたのかというのが生々しく残っています。
 会社の中の事業が様々やれなくなっていった。工場においては、ほとんど生産工場を動かすことができなくなった。出荷をする先がなくなる、要は引取り手がないという状態ですね。そういう状況になって、正直言えば、会社、雇用は大丈夫かなと、何人か解雇まで行くのかどうかは分かりませんけれども、人員整理のようなことがこれは行われる可能性があるんじゃないかと、それぐらい緊迫した状況が何か月も続いたというのがあのリーマン・ショックのときの私の生々しい記憶なんです。
 ですから、今回政府が、リーマン・ショックあるいは大震災級の事態にならなければというコメントを聞いたときには、あっ、これはまず間違いなくもう増税はあるなと、それを例示にするということであれば延期というのはこれはできないなというのが、私の率直な、当時の生々しい記憶に基づく自分なりの今の受け止めなんですけれども。
 ちなみに、今のは私の個人的な受け止めでありますので、経産省の方で、当時リーマン・ショックのときに、製造業に特化してもいいんですけれども、何が現場で起きていたか、その辺の状況について具体的な事例をお示しいただければと思うんですが。
#160
○政府参考人(若井英二君) お答えを申し上げます。
 具体的な事例というよりは個別の様々な指数、指標をもってお答えをするのがよろしいかなと、こう思うわけでございますけれども、日銀でお調べになっておられます業況判断のDI、ディフュージョンインデックスでございますが、これは二〇〇九年三月調査で過去最低のマイナス五八という数字を記録をしてございます。
 生産に関わります鉱工業生産指数、これは二〇〇七年十月を一〇〇とした場合に、二〇〇九年の二月には六四・八という状況でございました。
 それから、雇用についてお話がございましたけれども、完全失業率、これは製造業に限りませんが、二〇〇九年七月に五・五%となっている中でございまして、失業には至らないけれども何らかの雇用調整措置を実施をしている事業所の割合、これは製造業に限定をして調べましたところ、二〇〇九年の第二・四半期には七一%の事業所において何らかの雇用調整の措置が行われていたと、このように承知をしてございます。
#161
○礒崎哲史君 七〇%を超える事業所で雇用に関する対応をしたということであります。企業が積み上げていた雇用調整に関する積立金も、この中から相当な金額が出ていったというふうに思います。緊急事態に対応していた積立金がこのときまさに威力を発揮したというふうに思いますが、やっぱりこういう事態が当時起きていたというのが、私の記憶とも今一致をする数字を御紹介をいただいたというふうに思います。
 改めて大臣にお伺いをいたしますが、こういう状況にならない限り判断をしないのか、それとも、今のはある意味市場の実態だというふうに思うんですが、それをベースに判断をしていくことになるのか、それとも、様々なそれ以外のマクロの経済指数であったり、あるいは国際情勢であったり、総合的な判断をしていくのか。私は、総理のお言葉からすれば、あくまでも市場の実態、ましてや今ベアも取れているわけですから、こういう環境で、とてもじゃないですけどリーマンと同じようにというふうには受け止めることはできませんが、最終的にはどういった観点で判断をしていくことになるか、改めてお伺いをしたいんですけれども、いかがでしょうか。
#162
○国務大臣(麻生太郎君) 繰り返しになるようで恐縮ですけれども、まあ、礒崎さんの世代だとそういうことになるんだとは思いますが、私の世代ではやっぱりオイルショックですな。あれは大きかったです。今よりでかかったと思いますね、石油が来なくなっちゃったんだから。一挙に石油の値段が三倍ですから、それはもう、翌年は更に四倍、三倍の四倍ですよ。だから、それはすさまじい勢いで上がった時代でしたから、私たちのときは一バレル二ドルでしたから、それまで、私どもが社長をしておりました頃は。それが一挙に六ドル、あっという間に、今御存じのように、ついこの間百ドルですから。それは、そういった意味では、急に来たという意味においては、リーマンは直接担当者でしたけど、あの頃は、一会社の社長をしていましたけど、ちょっと正直、ああ、これは潰れるなという、正直これ日本が潰れるというような時代でしたから、あっちの方の方がショックの方がでかかったと思いますけれども。
 いろいろな経済危機というのが起きてきたのを、我々はそれをくぐり抜けて今日まで七十年間戦後やってきたんだと思いますが、いずれにしても、そのときの政治判断というのがなされるんだと思いますので、具体的に申し上げるというのは極めて難しいとは思いますけれども、今私どもは、少なくとも今の置かれている経済状況というのはそこそこのものが我々は維持できていると思っておりますので、基本的には総理が答弁をされているとおりの判断だと存じます。
#163
○礒崎哲史君 これで終わりますけれども、やはり様々な経済指標と、実際に現場で起きた事態というののギャップというものは大変大きいです。その意味では、やはり一年前に総理が言われたリーマン・ショックあるいは大震災級という言葉は、正直言うと、私の感覚からすると、非常に軽々しく使われたのかなという印象を実は私自身は受けました。大きい判断をされるのであれば、言葉に対して、その重みについて、もう少し重々慎重に考えた上で御発言をしていただいた方がよかったのではないかなと、あのときに苦労をした立場からそのようなことをちょっと感想として思いましたので、最終的には様々政府が総合的に判断をされるということですから、今後も様々注視はしてまいりたいというふうに思います。
 以上で終わります。
#164
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 先ほどの礒崎委員の質問に関連して、大臣に一点だけ確認したいと思います。
 消費税引上げ延期のためには、リーマン・ショック並びに東日本大震災並みと、あとは政治的判断といいますが、少なくとも、GDP成長率がマイナスで金融収縮が起こっているというのを私は必要条件だと思いますから、念のために確認しますが、GDP成長率がプラスであっても消費税引上げ延長というのはあり得ますか。
#165
○国務大臣(麻生太郎君) これも度々お答えをいたしておると思いますが、そのときの政治判断というのはGDPだけで決められるものとは思っておりません。
#166
○大久保勉君 政治に対する信頼がなくなりますね。プラス成長率でリーマン・ショック並みというのはあり得ないですよ。
 では、もう一度確認しますが、金融収縮がないという状況でも、リーマン・ショック並み若しくは東日本大震災並みと言えますか。
#167
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもの見解として、私どもは、基本的には、ずっと申し上げているとおり、大きな経済ショックみたいなものがない限りは予定どおり引き上げさせていただきますというお話を申し上げておりますので、今のようにこれだったら、これだったらというのは、度々、そのときの政治判断によるものだということを申し上げてきております。
#168
○大久保勉君 ということは、もういつでも延期する可能性がありますというふうにしか聞こえません。その程度の財務省だということで、がっかりしました。
 やはり、しんがあるところを言ってくださいよ。経済成長率がプラスだったら、もしプラスだったら消費税引上げ延期しないと。金融収縮はしていない、そういう状況だったらリーマン・ショックとは違うと。このくらいは常識だと思いますけれどもね。しんがある麻生大臣でしたら、そのくらいは言えると思いますが、いかがでしょう。
#169
○国務大臣(麻生太郎君) 元々尊敬されていなかったと記憶しますので、今更言われても迷惑ですけれども、私どもがずっと申し上げているのは同じことでありまして、リーマン・ショック、大震災みたいなものがない限りは予定どおり引き上げさせていただきますと申し上げております。
#170
○大久保勉君 そうですか。分かりました。
 この法案に関して消費税というのは極めて大きい項目ですから、その程度の法案提出者ということですね。そのくらいはっきりしないと国民は分からないですよね。経済がプラス成長かつ金融収縮もしていないのに、消費税、突然引上げ延長と。これはもうまさに党利党略以外の何物でもないということを言って、次の質問に入りたいと思います。
 次の質問に関しましては、法人税に関する質問です。
 国会の議論に関しましては、法人税の表面税率が何%だとか、若しくは租特がどうか、こういう議論が中心ですが、今日はもう少し細かい、専門的な話をしたいと思います。特に、企業の間ではタックスプランニングという言葉が非常に重要でありまして、どういう形で企業をコントロールするかということで、まず佐藤局長の方に質問したいと思います。
 まず、タックスプランニングというのは、全員に分かるように簡単に説明してもらっていいですか、どういうことを意味しているか。
#171
○政府参考人(佐藤慎一君) 適切な定義があるとは思えませんが、俗には、税制というものが存在しますので、その税制を使いながらそれぞれの企業の在り方の中で適正な税負担になるようなことを考えるということかと思いますけれども、明確にこれがタックスプランニングだという定義はあるとは承知しておりません。
#172
○大久保勉君 コーポレートファイナンスの世界においては、やはり税引き後の利益をいかに上げていくかと、そのためにはタックスというのも場合によってはコストと考えて最適化を考えていくと。それは、日本のみならず世界中の企業の配置等を考えている、特にMアンドAであったり、若しくは海外との取引、移転価格税制等のことを考えながら適切に企業を運営していくと、こういったことを考えています。
 今日は、こういった点において、日本の税制、いかに透明にしていくのか、さらには、いろんな紛争を減らすのか、こういった観点から質問したいと思います。
 今日は、資料の一の一というのを準備しておりますが、日経新聞の三月七日の朝刊です。各企業グループ、税を使ったことで日本国政府を訴えております。例えば、IBMの訴訟であったり、ホンダ、日産自動車、デンソー、ヤフー等々があります。こういったことを議論していきたいんですが、その前に、法人税がどういうふうになっているかということで、資料の二というのを御覧ください。三ページ後です。
 ここで佐藤局長に対して質問したいと思いますが、こちら、資料二を見てもらったら分かりますが、資本金一億円から十億円の企業の実質法人税の負担率と十億円超の実質法人税の負担率、それぞれ何%になっているか質問します。
#173
○政府参考人(佐藤慎一君) ここに、先生の資料によれば、合計額でよろしゅうございますか。合計額のところですが、実質が一五・六%という数字でございます。表面税率は二五・五%ということでございますので、その差は、ここにありますように、所要によりまして課税ベースが小さくなっているということを示しているものだと思います。
#174
○大久保勉君 そこで質問したかったのは、この表の十億円以下というのが何%になっているのか、さらに、十億円超というのは何%になっているのか、この税率に関して質問したいと思います。
#175
○政府参考人(佐藤慎一君) 十億円以下でございますか。それでは、これ二二・三という数字だと思います。それから、十億円を超える部分につきましては一四・六%という数字だと思います。
#176
○大久保勉君 あえて答弁してもらいましたのは、議事録に残して、これが法人税の実態であるということです。
 この私の資料ということなんですが、これは財務省の方に資料請求をし、一か月以上時間がたって出してもらった数字です。
 今、法人税率が三二%台から二九・七%にすると。もちろんこれは地方税も含んでおりますから、国税に関しては二十数%、二〇%半ばという状況です。
 ところが、企業の払っている実質は、十億円超の大企業が一四・六%です。中小企業に関しては様々な特典がありまして、租特もありますが、中小企業の税制もありまして、実質は一三・六%、一億円以下一千万円以上の資本金が一七・六%、十億円以下一億円以上の資本金の会社が二二・三%と、だんだん税率は上がっていきますが、実は十億円を超えた段階で一四・六%ということです。
   〔委員長退席、理事愛知治郎君着席〕
 ですから、中小企業に手厚い減税措置と言っていますが、そういうふうになっていないと。また、思ったより日本の企業というのは税金を払っていないんじゃないかと。こういった実態がない限りは、今の表面税率が、日本の税率は、世界、シンガポールとか若しくは中国、韓国に対して税率が高いんじゃないかと言ったとしても、必ずしも正しくないという観点で議論したいと思います。
 佐藤局長に質問したいのは、では、どうして十億円以下の中小企業と十億円超の大企業、税率が逆転しているのか、この点に関して質問します。
#177
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 この表を御覧いただきますと、大企業ということで、実態的な税負担と表面税率の差、この部分が、課税ベースが小さくなっている要因というのが、上に、軽減税率から始まりまして、租特、受取配当益金不算入、外国子会社益金不算入制度、欠損金の繰越控除、いろいろ並んでございまして、こういうものの影響によりまして全体としての実質負担が小さくなっている、利益法人について実質負担が小さくなっていると、こういうことでございます。
 大法人の場合、特徴的なのは、益金不算入とされます国内外の子会社の受取配当の話とか、要するに連結納税といったものの影響が効いているんだろうというふうに思いますが、これらの制度につきましては、それ自体が恩恵ということではなくて、例えば受取配当の益金不算入制度ということにつきましては、子会社の段階で法人税が課税されるということで二重課税を避けるという趣旨でございますし、連結納税制度においても、企業のグループ組織形態に影響を与えないといったようなそれぞれの制度的な考え方がございまして、これが国際的にも一般的な制度だと思っております。
 こういうことの部分が効いているという一点を捉えて大企業向けだということにはならないんだろうというふうに思っております。
#178
○大久保勉君 私が言っているのは、大企業の実質税率が低いからけしからぬじゃなくて、こういった実態を踏まえないと法人税の議論はできませんねということなんです。
 例えば、租特に関して、大企業の実態に関しては三%使っているんですか、で、十億円以下一億円以上の会社は〇・五%と。やはり租特等に関しては大企業はうまく使っているということは分かりますから、こういった実態を考えながら一つ一つ租特の税目を議論すべきではないかと思うんです。何かございますか。
#179
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 まさに、そういう問題意識を明らかにするためにできている資料だろうと思っております。
   〔理事愛知治郎君退席、委員長着席〕
 今回の法人税改革というのは、この実際の税負担の割合と表面税率のこの差の部分をいかに縮めるかということなんだろうと思います。例えば、繰越欠損控除などにつきましても、繰越控除限度額を下げることによりまして、それに伴う形で実態的な税負担をしていただくということになりますので、その両者を縮めていくという改正に二十七年度、二十八年度取り組んでいるということでございますので、この表からくるインプリケーションを踏まえまして、我々として法人税改革を組成し、御提案申し上げているということでございます。
#180
○大久保勉君 考え方は全く同感で、是非一緒にやっていきたいと思うんですが、実は国会と政府の間に大きい壁があります。といいますのは、私ども国会の人間というのは、若しくは国民は、この実態の内容が全く分からないんです。財務省は細かい内容が分かります。ですから、そういったデータを分析していろんな提言がありますが、是非私どももその情報を共有して一緒に、税率を下げる代わりにしっかりといわゆる税金を掛けるところを増やしていくということで、より公平かつ競争力があるような税制をつくっていきたいと、こういう趣旨なんです。
 そこで、私ども、実は野党合同で法人税の開示の議員立法を出しました。ここに関しては、本会議代表質問でも麻生大臣の方に質問をさせてもらいました。念のためにもう一度、是非法人税を開示した方がいいんじゃないかと思いますが、是非、大臣、一歩踏み込んだ答弁をいただけたら有り難いと思います。
#181
○国務大臣(麻生太郎君) 情報開示の話だと存じますけれども、法人税に関する情報につきましては、これは税務統計とか租税特別措置の適用の実態調査の報告書などを作成して、もう公表しておりますのは御存じのとおりです。特にお求めがあれば、個別企業ごとの情報を、特定しない形ではありますけれども、推計資料もお示しをしておりまして、今後ともその点に関しましては適時適切に対応をしてまいりたいと思っております。
 また、こうした対応を超えて税制当局から個別企業の納税情報を明らかにするということになりますと、これは守秘義務に関わります問題もありますので、納税者との信頼関係というものを損ないかねないと思いますので、これは税務の執行というものを適正に行っていく上での支障となりかねないことから、そうした対応は行っていないということだと思っております。
 大企業に限って納税情報を公表する新たな仕組みをつくるべきというような御提案もいろいろあるところではありますけれども、私も本会議でお答えをしましたとおり、大企業でありましても、企業のイメージというものなど、日本の企業だけに競争上の不利益が生じるおそれがありますし、また、デメリットを十分に上回る公益上の必要があるかというと、言い換えればなぜそのような対応が必要かということであるんだとは思いますが、そこらも見極める必要があろうかと思っております。
 また、単に国民の理解を得るため大企業の納税実態を明らかにすべきということだけでは、今申し上げたような公益上の必要性を説明をし切れるだけの材料には乏しいのではないかと、基本的にはそう思っております。
#182
○大久保勉君 こちらに関しては、やはり軽減税率を適用するとか、租特を適用するとか、そういったメリットがあるんだったら、その反対に情報を開示することでバランスを取っていったらいいと思いますし、もちろん個別の企業の競争に関する守秘情報が出てくるのでしたら、そこは何とか回避するような方法というのもあり得ると思うんです。例えば、納税情報に関しては五年後に開示するとか、十年後に開示するとか、時間差を付けるとか、いろんなことは是非工夫してもらいたいと思います。
 こういった議論ができますのは、大枠でいいまして、財務省自身は非常に協力的で、先ほど個別の資料をいただいているということだから一歩前進ですが、大臣の強いリーダーシップでもってしっかりと開示することによって更に競争力のある法人税改革をしてもらいたいと、こういった応援の意味での質問でもあります。
 そこで、よく大臣の答弁で出てきましたのは、日本の企業だけが納税情報を開示したら競争的に不利になるのかと。
 じゃ、質問します。これは、佐藤局長、米国、英国、ドイツ、企業の納税情報に関しては一切出てこないか、このことを質問します。例えば、企業の開示情報であったり、様々な統計等。
#183
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 アメリカ、イギリス、ドイツにお尋ねだと思いますが、税務当局が個別企業ごとの法人税額といった情報を公表する制度はないものと承知しております。
 それから、それ以外、恐らく企業情報の開示のお話を先生おっしゃっておられると思いますけれども、各企業が作成する財務諸表において、法人税額等ということで一定の情報が開示されているということはございますが、今おっしゃいました三つの国につきまして、例えば納税の国ごとに税額があると、幾ら幾らの税額を納めているといった詳細情報の開示は義務付けられているというような例は承知をしておりません。
#184
○大久保勉君 企業の財務諸表を見ましたら、少なくとも税引き前利益と税引き後利益は分かりますし、ただ、その税金というのが日本国で払っているのか、若しくは海外で払っているのか、どういう形で払っているかというのは分からないと。
 この辺りに関して、ある程度開示した場合には様々な特権を与えて、その結果雇用が増え、若しくは産業競争力が増すと、こういった工夫があった方がいいんじゃないかと思います。といいますのは、大きい税目で考えましたら、消費税の負担、個人所得税の負担、それに対してどうしても法人税の軽減になると。では、バランスはいいのかということに関して説明する材料になるのかなということで質問しました。
 続きまして、移転価格税制並びにMアンドA、グループ再編税制に関して質問したいと思います。これは資料の一番最初の資料一です。こちらで、様々な係争のケースが出てきています。
 特に、まず委員の皆さんが一番よく問合せがあるケースとしましては、東南アジアとか中国とか海外に行って現地の日本商工会議所の会員と話をした場合に、現地の税当局がかなり厳しい徴税政策をしていると。具体的には、移転価格税制に関してかなり懲罰的に思えるような税金を課せられたと。このことに関して何とかしてくださいという話もあります。実際に北京の方で日本企業と話をしたときにそういった事例もありましたし、バンコクであったり、いろんなところでそういった事例が起こっています。
 そこで質問しますが、移転価格税制の定義と日本企業のトラブルの実態について、これは星野次長、お願いします。
#185
○政府参考人(星野次彦君) お答えいたします。
 移転価格税制とは、グループ内の企業が国境を越えて取引するときの価格が第三者との取引価格と異なる場合に、第三者との取引価格、これは独立企業間価格と申しますが、これで取引したものとみなして課税する制度でございます。
 先生御指摘のとおり、新興国の税務当局と日本企業との間のトラブルといたしましては、例えば、新興国の税務当局が新興国に所在する現地子会社に移転価格税制を適用して、多額の課税を主張する場合がございます。具体的には、新興国における高い購買力など市場の特殊性、マーケットプレミアムを主張し、また、低廉な労働力などコスト削減効果、コストセービングといいますけれども、こういったことにより生じた利益は全て新興国の企業に帰属すべきものと強く主張する場合があると承知をしております。
 国税庁といたしましては、租税条約に基づく相互協議において、相手当局の主張について十分な検討を行い、適切な移転価格税制の適用に向けて粘り強く議論を行うなどにより解決に努めているところでございまして、引き続き新興国等による移転価格課税により生ずる二重課税問題の解決に努めてまいりたいと考えております。
#186
○大久保勉君 ここで企業にとって問題なのは、例えば新興国で税金を課されたと、一方で日本の税務当局も税金を課されると。同じ源泉なのに二重の意味で課税される可能性があります。
 そこで、先ほど出てきました相互協議といいますのは、その新興国、当事国と日本の税務当局がしっかり議論して二重課税を排除すれば、日系企業にとっては損得なしと。ところが、なかなかそれが解決しないから大きい問題になっていると。ですから、この辺りに関して、日本国政府、特に国税の方もしっかりとこのことに対する問題意識を共有し、しっかりとそういったことができる人材を育成してほしいと思います。
 それに関連して、まず日本企業の相互協議申立て件数として、中国、米国、インド、タイ、具体的な件数が開示できたら開示してください。
#187
○政府参考人(星野次彦君) 相互協議申立ての国別の具体的な件数については、相手国との関係などを踏まえてお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 その代わりに、中国、インド、インドネシア、シンガポールを中心とする非OECD加盟国全体で見た件数を申し上げますと、平成二十二事務年度においては六件であったところ、平成二十六事務年度におきましては十七件に達するなど、近年、相互協議事案の発生件数が増加してきているところでございます。
#188
○大久保勉君 件数は増えているということなんですが、例えば実際に係争しますが、解決するまでの期間に関して、先進国と新興国、違いはありますか。
#189
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 非OECD加盟国との相互協議の処理期間でございますけれども、国税庁が毎年平均的な処理期間を公表しているところでございまして、それによりますと、平成二十六事務年度において、全ての条約締結国との相互協議に係る平均的な処理期間が二十二・四か月であるのに対しまして、非OECD加盟国との相互協議に係る平均的な処理期間は三十・六か月となっているところでございます。
#190
○大久保勉君 是非この辺りに関しては人材をしっかりと配置して、日本企業に対してしっかりと応援して、二重課税の問題を即刻解消するように頑張ってもらいたいと思います。
 最初の質問で、法人税の個別開示はなかなか抵抗感があるというのは、実はここにも若干影響していると聞いています。例えば、ある日本の会社が日本国内でかなり大きな納税をしていると。これだけもうかっているんだったら、例えば中国であったり若しくはタイであったりそういった国は、実際の付加価値は自分たちの工場で作っているんだからもう少しうちの国で税金を払えと、こういったことになるから個別開示というのは注意した方がいいんじゃないかと、こういったことで佐藤局長が発言されたと私は理解をしておりますが、そういった微妙な部分もありますから、ただ、一方で、日本国国民、個人の痛税感の問題とのバランスで、何らかの開示方法というのは是非検討してもらいたいと思っています。
 ここまで議論した中で麻生財務大臣に総括的な答弁を求めたいと思いますが、今まで新興国の恣意的な移転価格税制というのがありまして、その適用とか対策、人材育成も含めて、お言葉があったら是非いただきたいと思います。
#191
○国務大臣(麻生太郎君) 日本企業の海外展開というのはこのところ急激に進んでおる、更に進んでおると。さらに、そうですね、TPPなんということになると更に進む可能性があるんだと思いますが。
 この進出した先の税務当局によるいわゆる移転価格税制の適用による同一所得に対する二重課税という話なんだと思いますが、これは現地と日本の双方で課税されるという事態なんですから、これは企業にとっては丸々ダブルで掛かりますので、これはもう十分問題なんだと認識しておりますし、特に最近これ中国で多いかな、そういった国を言うのはいかがなものかと思うけれども、最近特に多くなってきているような感じが正直な実感です。よく企業側から聞かされる話はそこが一番多いような気がしますので。
 したがいまして、日本の税務当局としては、これは租税条約に基づきます税務当局間の相互協議ということが、きちんとしたものがありますので、こういったものに積極的に取り組んで速やかにこの問題を解決していかないかぬというので、こういったものに割きます対応ができる人材の育成というものも併せて考えないかぬところだと思っております。
#192
○大久保勉君 是非しっかりと大臣のリーダーシップを期待したいと思います。
 これまでいろんな議論をしましたが、例えば北京の日本大使館には、恐らく財務省から五名ほど税の専門家を送られているということです。非常に優秀な人材を送って何とか日本企業を助けようとしていると、こういった点に関しては非常に評価したいと思いますし、これと同様にしっかりと頑張っていただきたいと思います。
 続きまして、企業のMアンドA、グループ再編に関する訴訟等に関して申し上げたいと思います。
 これはどういうことかといいましたら、各グループ企業が欠損金、NOLと言っています、ネット・オペレーティング・ロス、これを使って、ある意味で企業側から考えたら節税をしたいと。ところが、税務署の立場から考えたら、これは節税、場合によっては脱税のための企業再編じゃないかと、こういったことで、企業側の考え方と国税側の考え方が違う、最終的には訴訟が起きていると、こういったケースがあります。
 そこで質問したいのは、企業のMアンドA、グループ再編、さらには移転価格税制等に関して、過去五年間で訴訟金額十億円以上の案件で、国税が企業に訴えられたものに関して何件あるか、質問したいと思います。星野次長、お願いします。
#193
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 直近五年間において発生いたしました組織再編、移転価格税制、外国子会社合算税制に係る税務訴訟のうち訴額が十億円を超えるものは八件になっております。発生年度ごとに見ますと、平成二十二年度が二件、二十三年度が五件、二十四、二十五がゼロ件、二十六年度が一件となってございます。
#194
○大久保勉君 こちらに関して、資料一の一にも書いていますが、じゃ、ちなみに訴訟金額が大きい三件の概要を説明してください。
#195
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 過去五年間において発生した組織再編などに関する税務訴訟のうち、訴額が大きい上位三件の概要を順に申し上げますと、まず、グループ法人間で行われた株取引が法人税の負担を不当に減少させたものか否かが争われました、訴額が約千百九十七億円のIBM関連法人事件。それから二番目が、グループ法人間での組織再編が法人税の負担を不当に減少させたものか否かが争われた、訴額約百六十三億円のヤフー事件。三番目が、外国子会社との間で行った取引の対価が独立企業間価格に満たないものか否かが争われました、訴額約六十九億円のホンダ事件となっております。
#196
○大久保勉君 資料の一の一に書いていますが、これは日経新聞ですが、いろんな係争においては、租税回避かどうかの判断基準としては目的、手段、結果があると。目的に関しては、事業の目的の有無は租税回避の判断の決め手にならないとの考え方を示したと、これが最高裁判所の判決内容です。さらに、手段に関しては、独立した当事者間の通常取引か否かで判断する必要があると。つまり、グループ企業の親子間ではなくて、二つの企業が独立しているかどうか。アームズ・レングス・ルールというのがありますが、そういったものにのっとっているかと。一つの判断基準なんですが、まだ分からない、若しくは非常に微妙なケースがあります。
 そこで、ケーススタディーとして、日本IBMのケースに関して、裁判所の判決に関して説明を願いたいと思います。
#197
○政府参考人(星野次彦君) 御説明申し上げます。
 IBM関連法人の訴訟でございますが、裁判の過程で明らかになった事実によれば、この事件では、原告はその一〇〇%子会社の発行済株式の全部を米国親会社から購入した後、その一部を当該子会社に譲渡することにより生じた株式譲渡損約四千億円を、連結納税によって当該子会社の所得と相殺して申告をしたと。これに対し、課税庁は、この一連の行為は法人税の負担を不当に減少させるものであるとして、法人税法百三十二条、いわゆる同族会社等の行為又は計算の否認の規定を適用して否認をしたところ、その更正処分等が争われたものでございます。
 第一審控訴審において国側が敗訴したため、最高裁に上告受理申立てを行っていたところでございますけれども、今年の二月十八日に上告不受理決定が最高裁によりなされまして、国側の敗訴が確定したものでございます。
 東京高裁の判決におきましては、法人税法百三十二条の不当性の判断に当たっては、まず、経済的合理性を欠くか否かという客観的、合理的基準に従って判断すべきであり、第二点目として、経済的合理性を欠く場合とは独立当事者間の通常の取引と異なっている場合を含むと判示した上で、本件の一連の行為については不当なものと評価することはできないとして国側の処分が取り消されたものでございます。
#198
○大久保勉君 今回こういった事例を挙げていますのは、四千億円の欠損金を認めるか認めないかと、恐らく、企業の税率は単純化して三〇%としましたら、一千二百億円の国の税収が増えるか増えないかということで、個人でしたら一千二百億円増税か増税じゃないかというのは相当大きい、国会でも相当議論するテーマです。ここに関してはなかなか判断ができないということで裁判に上がりました。
 国は、仮に一千二百億徴税して、ところが、恐らく四年ぐらいたった段階で最高裁判所が、これは国の敗訴が確定しました。ということは、国は税金を先にもらっていますから、いわゆる利息を付けて返さないといけないと。その利息は幾らになりましたか。
#199
○政府参考人(星野次彦君) 判決により更正処分が取り消されたことを前提に一般論として申し上げれば、更正処分により追加納付された税額が過誤納金として還付される場合、納付の日の翌日から還付金の支払手続を行った日までの日数に応じて還付加算金を計算することになります。
 先生ただいま御提示の仮定に立ちますと、還付される過誤納金の額が千二百億円、納付の日の翌日から支払手続を行った日までの期間が四年間となり、平成二十八年中に適用される還付加算金の割合一・八%を用いて計算をいたしますと、還付加算金の金額は約八十六億円となります。
#200
○大久保勉君 つまり、八十六億円国が余計に利息を払わないといけない事態が発生したということは、企業にとってはもしかしたら税金を払わないでいいという判断で企業再編をしたんだけど徴税されたと。それも非常に不安定な状況ですが、国がそれで徴税したら、場合によっては裁判で負けて八十六億円利息を払わないといけないと、こういう不安定な状況がありますから、国にとっても企業にとってもこういった不透明性を透明化していくといったことが一番重要だと思います。
 そこで、麻生財務大臣に質問したいのは、今回のIBMの敗訴における国の教訓並びに再発防止策に関して質問したいと思います。
#201
○国務大臣(麻生太郎君) これ、自社株買いみたいな話なんですけれども、基本的には、この裁判において国税当局が主張いたしました課税処分というものの正当性が認められなかったということになりまして、これは私どもとしては極めて残念だったと思っております。
 したがいまして、今後、これまで以上に税務上の取扱いについて、今言われましたように、納税者の予見可能性というものを高めていくという必要があろうかと考えておりますし、国税におきましては、納税者の方々から事前の相談等々に適切に対応できるように、いわゆる国際課税の問題やら組織再編成の分野におけますいわゆる専門性の高い人材というものを確保する等々、体制整備を今後図っていかねばならぬというように思っておるところであります。
#202
○大久保勉君 関連して質問したいんですが、大臣が答弁されましたように、しっかりと国が事前にいろんな回答を示すと、こういった制度は極めて重要ですが、それが本当に使い勝手がいいかということです。
 実は、いろんな企業の関係者とも話をして、企業の関係者が文書で私に出したものとしましては、現在、ノーアクションレター制度はMアンドAのケースを含めてほとんど活用できないという声があります。税務当局とも話をしましたら、ノーアクションレター制度というよりも、税務署としては文書回答手続というのでしっかりと制度があるんだと。でも、それが本当に利用されているかに関してはやっぱりいろんな議論があるということで、国税庁ないし佐藤局長、どういう見解か質問しておきます。どちらでも結構です。
#203
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 国税庁におきましては、MアンドAや組織再編などに係る税務上の取扱いにつきまして、各国税局に相談窓口を設けまして納税者からの事前照会に対応しているところでございます。
 また、それに加えまして、一定の要件を満たす事前照会には文書による回答を行うとともに、手続の透明性や公平性に配慮いたしまして、他の納税者の予見可能性の向上にも寄与するよう、その照会及び回答の内容を国税庁ホームページで公表しているところでございます。
#204
○大久保勉君 私も、前、金融機関で企業の買収とかMアンドA等の実務に当たっておりましたが、やはりスピードが物を言う世界です。それも、海外の企業を買収したり、若しくは海外に子会社を売るとか、こういう状況ですから、スピードをいかに上げていくか、このことがその国の企業にとっても競争力になります。そのときに重要なパートナーとしては、国というのも重要なパートナーです。
 例えば、米国企業の場合は、米国にはプライベート・レター・ルーリングという制度がありまして、税務当局にこういうことをやりたいんだと、これの場合に自分たちの考え方は正しいのか、税務上否認されないかということで、事前に確認し、それで実際にMアンドAができるかできないか、場合によっては買収価格まで決まっていくと。
 こういったことが日本において遅れているとしたら、いわゆるアベノミクスの三本目の矢、成長戦略にも影響しますから、是非ここのことはしっかりやってほしいと、ここをしっかりと税務当局が行うことによって日本企業の再編も、さらには戦略的な決断もできますから、その点しっかりとやってほしいということで質問したいと思いますが、具体的には、米国型プライベート・レター・ルーリングというのを導入すべきだと思います。若しくは、それと同様な制度を使えるようにしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#205
○国務大臣(麻生太郎君) プライベート・レター・ルーリングの場合は、これはアメリカにおけます内国歳入庁ですか、IRS、内国歳入庁において、こういったものが納税者からの申請というものに対して、特定のいわゆる事実関係に対して税法の適用、解釈等々の見解を示して文書を発行する制度をまとめてプライベート・レター・ルーリングと呼んでおられるんだと思いますが、日本においても納税者側に立っての予見可能性というのを高めるという観点から、これと似たような文書回答手続というのを設けているところであります。これはもう既に御存じのとおりだと思いますが。
 これは、委員が御指摘になりましたように、この点につきましては、いわゆる活用しづらい、しにくいといった御意見があるということは私どもも承知をしておりますので、引き続き、いわゆる照会者の利便性とか、先ほど言われましたようなスピードもありますけど、同時に透明性とか公平性とかそういったものに配慮しつつ、いわゆる遅いという問題に関しては、これはかなり企業にとってはスピードは大きな問題であろうとも思いますので、適切に対応を努めてまいりたいと考えております。
#206
○大久保勉君 ここは経営者出身の大臣ということで極めて明快な言葉がいただけましたが、やはりスピードこそ命という部分もありますから、スピードを上げるためには、例えば東京国税局でやったり、大阪国税局とか、そういったところに人を増やして専門家を増やすということで、是非大臣として応援してもらいたいと思います。
 続きまして、最後の項目になりますが、その他の税目としまして、例えば金融課税に関して、これは藤巻委員の方が昨日か質問されたことに関連しておりますが、例えばデリバティブを含む金融所得課税の損益通算範囲を拡大すべきじゃないかと、こういった意見が、たしか金融庁であったり、若しくは証券協会等から出ております。これは、私もそういった損益通算を拡大した方が利便性は高まるし、またしっかりと納税ができるということで是非進めてほしいと思いますが、ここに関して財務省に質問します。これは、佐藤局長、お願いします。
#207
○政府参考人(佐藤慎一君) デリバティブについてのお尋ねでございます。
 デリバティブを金融所得課税の損益通算の対象に加えてはどうかと、こういうお尋ねかと思います。
 デリバティブというのは、しかしながら、複数の取引を組み合わせて意図的に損失を生じさせる可能性があるということで、租税回避行為に用いられるおそれがあるということでございますので、その点やはり十分注意した取扱いが必要になるだろうということでございます。
 与党の税制改正の中でも、二十八年度の大綱におきまして、多様なスキームによります意図的な租税回避行為を防止するための実効性のある方策の必要性を踏まえた検討が要るというふうにされておりまして、引き続き多角的に検討してまいりたいと思っております。
#208
○大久保勉君 こちら、デリバティブと言っていますけれども、例えば外国の株を買う、どうも為替が急激に円高になりそうだということで為替でヘッジしたいというようなことを含んでいます。ですから、そういったことをすることによって、投資家としてはリスクが減っていくと。当然、普通のことであります。
 そこで、もう一つ、デリバティブだったらいろんな損益をつくることができると。こういったことは、実はある人が株を百銘柄持っています。そのときには、もうかっているもの、もうかっていないものがあると。それをピックアップして、例えば税金が払わなくていいように売ったり買ったりすると。こういったこととデリバティブを使うということはほとんど等しいと私は思いますから、その辺りも含めてしっかりとしたことを今後検討してもらいたいと思います。ここは意見だけです。
 次に、大きい項目として、税制の課題としましては、サイバー空間で課税をどうするのかと、これは大きな課題だと思っています。こちらに関して、佐藤局長か若しくは星野次長に質問したいと思いますが、例えばネット企業の場合です。
 町のいろんな小売店がどんどん潰れている、若しくはディスカウンターが潰れているという背景としましては、例えばネットで物を、家具を買う、家電製品を買うといったものが急激に増えていると、こういった状況もあります。ところが、電子空間上は、例えば、同じ企業に見えて、ある企業は日本で法人税を払っている、ある企業は払っていないと、こういった差異があります。
 具体名で恐縮でありますが、例えばアマゾンという会社であったりグーグル等に関しては、恐らくは、日本で売買に関する税金をもしかしたら払っていないか、若しくは少なくしか払っていないというケースが指摘されています。一方で、楽天とか若しくはヤフージャパンでしたら税金を払っていると。
 こういったことで、日本の課税当局としては、どういった企業に対して課税し、どういった企業だったら課税しないのか、この点に関して質問します。
#209
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 個別にわたる事柄についてお答えすることは差し控えさせていただきたいんですけれども、一般論として申し上げますと、法人税法上、内国法人は全ての所得について納税義務を負うこととされておりまして、サーバーの設置場所に関係なく、全世界所得について法人税が課税されます。
 これに対しまして、外国法人につきましては、国内に源泉がある所得について法人税が課税されることとされておりまして、外国法人が日本にサーバーその他の恒久的施設、いわゆるPEを有している場合には、全ての国内源泉所得に対して日本で法人税が課税されます。他方、外国法人が日本にサーバーその他の恒久的施設を有しない場合には、その法人の事業所得に対しては日本では法人税は課税されないこととされております。
#210
○大久保勉君 簡単に言われますが、どの会社が内国法人で、どの会社が外国法人かというのが極めて今難しくなっていると。先ほどのタックスプランニングを考えましたら、場合によっては日本企業が子会社を海外につくって外国法人として、実際の売買は日本のお客さん相手と、こういったこともあり得ます。
 ここはもっと時間があるときにしっかりと議論したいと思いますので、時間が参りましたので、私はこれで終了したいと思います。
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#211
○委員長(大家敏志君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として倉林明子君が選任されました。
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#212
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 今日は、消費税の滞納問題についてまず質問をしたいと思います。
 地域経済の主役である中小企業・小規模事業者が事業を継続できるかどうか、これは地域経済の活性化にとって極めて重要な課題だと考えております。
 ところが、今、倒産は減ったというものの、廃業の増加、これに歯止めが掛からないというのが現状となっております。とりわけ小規模事業者に注目いたしますと、ピークの一九八六年には四百七十七万者がありましたけれども、二〇一二年、喫緊で見ますと、これが三百三十四万者ということで、百四十三万者がこの間減少しているというのが実態であります。
 この中小企業・小規模事業者は、今消費税、納付期限を前にしまして、払いたくても払えないという切実な声が寄せられているところです。八%に増税された消費税分、これ本当に重いということで、中小企業・小規模事業者、本当に悲鳴の声を上げているわけですけれども、この中小企業や小規模事業者にとって、消費税、どれほどの負担になっているか、まず大臣の認識を伺いたいと思います。
#213
○国務大臣(麻生太郎君) この消費税率の引上げに際しまして、これは最初から大きな負担をお願いするわけなので、中小零細業者に関しましては、これは売値に対して三%を乗せて売れるか売れないかという、いわゆる転嫁できるかできないかということで、この環境を整備するというのは最も大事ということであろうと考えておりましたので、政府といたしましては、いわゆる適正な転嫁が行えるようにするためには、転嫁対策特別措置法という法律に基づきまして、公正取引委員会並びに経産省、なかんずく中小企業庁だったと記憶していますけれども、六百人ぐらいの人間を増員、いわゆる転嫁対策調査官というのを配置をさせていただいて、いわゆる不当にたたかれるとか、値段を値引きを要求するとか、そういったような話が起こりがちな話ですから、そういった意味では、かなりの数の違反行為に対して指導とか勧告を実施させていただくなどの実効性のある対策というのを結構推進させていただいたところだと思っておりますが。
 今後とも、この種の話というのは別に消費税が上がるか上がらないかに関係なく起きる話だと思っておりますから、そういった意味では、適正に転嫁できる、コストの上がった分を転嫁できる、そういったようなことに対しては、我々としても引き続き転嫁対策に取り組んでまいりたいと考えております。
 ちなみに、指導件数からいきましたら、いわゆるこの間約二千四百件ぐらいのものを指導しておりまして、勧告等々させていただくまでに至ったものが約三十二件ぐらいあろうと思っておりますので、BツーBの取引とかBツーCの取引等々を見ますと、全く転嫁できていないというところがBツーBでは約三・四%ぐらいまで減ってきた、また、BツーCにおいては約五・六%ぐらいのところが全く転嫁できていないという数字のところまで下がってきたのではないかと思っております。
#214
○倉林明子君 率直に大臣が重たいと思っているのかどうかというのを聞きたいと思ったんですけれども、答弁はありませんでした。
 確かに、消費税の転嫁が様々な取組のところで、中小企業の調査で結果を見ましても八割を超えて転嫁できていると、こういう実績を上げてきたということを否定するつもりはございません。ただし、消費税が転嫁できたとしても、本体価格が上がりますと、これ、売れないという構造はありまして、結局円安で材料費、経費、これが上がるということで、全体の利益率が下がっているというのはこれは実態だと、聞いている実態でもあるというふうに思うわけです。
 そこで、いっときにこの消費税が払えないという相談を私のところにもたくさん来ているわけですけれども、こういう事業者の実態を踏まえまして、二〇一五年四月から国税の猶予制度、これが見直しをされております。税金の分納制度でもある納税の猶予、そして換価の猶予、これは具体的にどう見直しがされましたでしょうか、御説明ください。
#215
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の猶予制度の見直しでございますけれども、これは納税者の負担の軽減を図るとともに、早期かつ的確な納税の履行を確保する観点から行われたものでございます。
 具体的には、事業継続、生活維持困難といった状態にある納税者につきまして、納税に誠実な意思があれば、納税者自らが換価の猶予の適用を申請することができるという制度を新たに設けたほか、猶予の際に担保を必要とする基準額の引上げ、分割納付の規定の整備や申請・添付書類の整備などが行われたところでございます。
#216
○倉林明子君 そこで、その実績について確認をさせてください。
 この新制度、今年度直近までの実績はどうなっているか、納税及び換価についてそれぞれお願いします。それに、制度導入前、この平均的な実績との比較も御紹介ください。
#217
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 猶予制度の見直し前の適用実績をまず申し上げますと、平成二十三年から平成二十五年の各事業年度、七月から翌六月でございますが、事業年度の平均で申し上げますと、納税の猶予が約三百件、換価の猶予が約四千八百件でございました。
 猶予制度が見直された後の三か月を含む平成二十六事務年度におきましては、納税の猶予が約六百件、換価の猶予が約一万八千二百件と、いずれも増加をしてございます。なお、直近の六か月、平成二十七年の七月から十二月について、把握が可能な申請による換価の猶予の適用件数は約九千三百件となっておりまして、既に昨事務年度の三か月間の件数、千八百件の約五倍に達しているところでございます。
#218
○倉林明子君 非常に件数も伸びているという効果を上げているかと思います。
 消費税を滞納し、いっときには払えない、もう倒産を覚悟したという事業者が、この制度を活用し分割納付が認められたということで、何とか営業継続の見通しが立ったと、こういう事例も私も承知しております。
 地域経済の担い手である中小企業、そして小規模事業者、これが本当に今広く活用される、こういうべきだと思いますけれども、大臣の所見、お考えをお聞かせください。
#219
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる役所用語で換価の猶予ということですよね。いわゆる滞納処分の開始を猶予してもらうという話で、業界用語で換価の猶予というんですけれども、いわゆる従来職権でこれやらせていただいていたということだったと思いますが、納税者からの申請によるというものも、これは申請するといった猶予制度の見直しというものは、これは納税者の負担の軽減を図ると同時に、早期かつ的確な納税の履行というものを確保するという観点からこれは行われたものであります。
 このような見直しの趣旨を踏まえて、国税庁においては、いわゆるホームページにおいて広報する等々に加えまして、税理士会、青色申告会等々、いろいろ法人会など団体に広報の依頼をさせていただいて、こういった場合にはというような話で、納税者に対していわゆる必要な広報とか、そういった周知を努めておるところで、法令等に定める一定の要件に該当する納税者であっても気が付いておられない方もいらっしゃいますので、こういう制度ありますよということで中小企業者、特に零細が多いんですけれども、今後とも猶予制度を適切に利用していただくべく、いろいろ広報等々にも努めてまいりたいと考えております。
#220
○倉林明子君 本当にその取組進めていただきたいと思うわけですけれども、実際の現場がどうなっているかということなんですね。
 消費税滞納分として、売上げの大半を占める売掛金及びクレジット決済分、これが差し押さえられたという声が相次いで寄せられておるわけです。こうした場合に、一括納付か差押えかという二者択一を税務署から迫られるという事態になっております。一括納付、差押え、これ、いずれにしても直ちに営業中止になるということじゃないでしょうか。大臣、どういう認識でしょうか。
#221
○国務大臣(麻生太郎君) これは、個別にわたる事柄について具体的にお答えすることはちょっと差し控えさせていただきますけれども、一般論で申し上げさせていただければ、国税庁において、納税者から一括納付が困難というような相談というものがあった場合は、これは個々の実情を十分に把握するのは当然のことなんですが、猶予制度を活用し分割納付というのができるんですよというような話など、法令に基づいて適切に対応することといたしております。
 一方、納付を促しても、これは納付の意思が全然認められないという方もいらっしゃいますから、そういった場合や分割納付の不履行が繰り返されるというような場合などにつきましては、これは期限内に納付した納税者との公平性の観点からも、財産の差押えを行うなど、これは厳正に処分する必要があると考えておりますが、いずれにしても、いわゆる滞納の整理に当たっては、いわゆる法律を一律、何というんですか、画一的に適用するというのではなくて、納税者の個々の実情というのは意外と税務署側も知っているところがありますので、そういった実情に即して判断する必要があると考えており、御指摘のありましたとおり、二者択一とか直ちにとかいうような話ではなくて、適切に対応してまいりたいと考えております。
#222
○倉林明子君 元請は一社しかないと、こんな下請業者の話もございました。売掛金の差押えの通告を元請にされる、そういうことになりますと一度に信用を失います。結局、それまで、一旦失った信用って回復はすごく難しいと。一億円の仕事を受けていたんだけれども三割に激減と、こういう事例もございますし、弁当屋さん、これは利用者の利便性もあってクレジット払い、これ三割を占めるというんですね、売上げの。ここが押さえられたらもう食材も買えなくなると、こういうことですから、やっぱり今おっしゃったように、事業者の息の根止めるようなことはしないと、こういう適切な対応を是非お願いしたいと思います。
 現場は一体どうかと。丁寧にこういう制度周知されることになっているかということなんですけれども、実際に困り果てて事業者が税務署に行くと、そういった場合、私、現地、京都ですけれども、京都の複数の税務署を確認させていただきましたが、窓口に置いてあったのは、資料を付けました、一枚目、二枚目で裏表になっております資料、これ国税庁が作成したものですが、現状でもこれしか置いていないんです。本来、ここには新たな制度の周知というのはないんです。
 そこで、今、制度周知のために何使っているのかということで国税庁に求めましたところ、三枚目、四枚目、これが新しいチラシなんですね。さらに、こういう新しいチラシが置いていないだけじゃなくて、手引というものも新たに作成されたということなんだけれども、そういうものがあるだろうというて尋ねても出てこないという現状あるわけですね。
 私、たくさん作ったと聞いているんです、このチラシ。これ、せめて窓口にしっかり置いていただきたいし、手引も、書類書かなあかんのでどうしても必要になるんですよ。そういうものは懇切丁寧に活用されるように窓口にしっかり配置する、これを徹底していただきたい。いかがでしょうか。
#223
○国務大臣(麻生太郎君) 字が小さいね、大体、これ。読めぬ。俺で読めぬような字は小さい、納税している人の立場というのは大体高齢者が多いから。だから、ちょっとそこらのところも一緒に言った方がいいですよ、どうせ言うんだったらね。
 猶予制度については今までお話のあったとおりなのであって、これは全国の税務署の窓口に備え付けるよう言ってあるはずなんですけど、置いていないとすれば、これは我々としての落ち度だと思いますので、そこの点についてはきちんと対応させていただきます。同時に、字も大きくさせるように指導します。
#224
○倉林明子君 私も老眼進んできましたので、その点は本当に直ちにやっていただきたい、強く要望しておきたいと思います。
 そこで、事業者が制度を知った、窓口はなかったけれども制度を知って申請をしに行ったと。ところが、窓口ではどうか。あなたは無理だというて書類さえももらえないと。で、ダウンロードして書類を提出した、ところが受け取ってももらえない。挙げ句の果てに、潰れたらよいとまで言われたと。これ実際の話なんですね。一人や二人やないんです。
 そういう話が出てきているわけで、私、制度の周知徹底という点からいうと、極めてまだまだ不十分だということだと思うんです。新たな分納制度が確実に実施されるよう努力するということでお話もありましたので、各税務署への徹底を重ねて求めておきたいと思います。
 そこで、次の質問なんですけれども、国際協力銀行、JBICに関連して質問をさせていただきます。
 今、JBICが融資を検討していますインドネシア・バタンの石炭火力発電所事業について、私、質問したいと思うんです。発電所の規模、そして事業額、JBIC検討の融資額、これはそれぞれどうなっているでしょうか。
#225
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 今の委員御指摘の案件は、インドネシア共和国ジャワ島、中部ジャワ州バタン県におきまして、発電能力二千メガワットの超超臨界圧石炭火力発電事業を行うものでございます。
 総事業コストにつきましては、現時点の見込みで約四十五億米ドルでございまして、当行に対しましては今のところ約二十一億米ドルの融資というものが期待されていると、そういう状況にございます。
#226
○倉林明子君 石炭火力発電所の予定地ですけれども、二百二十六・四ヘクタールと極めて広大、東京ドームの四十八個分に匹敵するかと思います。ここは農地ということで、年三回お米が収穫できる、ジャスミンについては年中収穫できるという極めて肥沃な農地でございます。先祖から次々と受け継いでこられたものだということで、予定地に面した海も大変有数な漁場ということでありまして、生計手段の喪失につながるという懸念から、石炭火力発電所については当初から反対の声が上がってきたものであります。
 現地の反対派住民を始め、これまでJBICに対し、どんな要請や働きかけがあったのか、御紹介ください。
#227
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 現地の反対派の住民の方からは、当行に対しまして本プロジェクトへの反対意見が表明されるとともに、当行に対しまして融資を中止するような要請がなされているということでございます。
 また、あわせまして、インドネシアの国家人権委員会の方からは、我が国の安倍総理大臣及び大島衆議院議長宛てに二〇一五年十二月二十一日付けで、本プロジェクトに関し、同委員会として人権侵害等の懸念事項が記載された書簡が送られているという状況にございます。当行もその写しを受領していると、そういう状況でございます。
#228
○倉林明子君 二〇一一年から現地では反対運動が起こっていると。二〇一五年には来日されて、直接JBICにも異議申立てを行っているという経過があったかと思います。
 そこで、JBICは、こうした要請も受けまして、現地にも行って、反対派住民からも直接聞き取りを行っていただく、二回行ったと。現地の確認もされております。そこで、現地の住民、反対派住民からの聞き取りの際に配慮されたことがあったと思います。それは何だったのか。そして、直近の反対派住民の訴えはどうだったのか、御紹介ください。
#229
○参考人(渡辺博史君) 今委員御指摘のように、何度か私どもと直接その住民の方々とお話をしているわけでありますが、本年三月初頭におきまして当行関係者が現地訪問した際には、今御指摘の配慮という意味では、県庁、警察を含む政府関係者や事業者を同席させずに、住民の方々と我々が話をしたいということでございましたので、そのような形でのアレンジをさせていただいたというところであります。その場におきまして、改めて本プロジェクトへの融資を中止するよう住民の方々から要請が行われました。
#230
○倉林明子君 JBICも、そういう人権侵害に対する事案が懸念されるということで、配慮をしていただいたということが反対派住民の方からも感謝されているということです。
 一方、JBICの指導を、再々にわたって人権侵害行為がないようにということで指導していただいているんですけれども、農地に入れない、塀で囲ってしまった。この塀を入口は開放してほしいと、農地アクセスできるようにしてほしいと、これも再々やってもらっているんですけれども、再々塞がっちゃっているんですね。最終的にはまた塞がっているということで、再々指導になるのか、していただいたところ、また直後に塞がっていて、今日確認したところでもJBICの指導を受けて開放してもらった塀がまた閉ざされている、今後立ち入ってはならないというような張り紙までされているというような事態がございます。
 そこで、人権侵害についてなんですが、インドネシア国家人権委員会、ここが二〇一二年から複数回にわたって、そういう人権侵害があるから改善しなさいということを勧告を行っている。さらに、先ほど御紹介あったレターを出しまして、人権を重視して慎重な融資の検討を求めるということで、安倍総理、そして国会にもということで寄せられた。
 このレターの、六項目あるわけですけれども、その中の三番目、この項目を紹介していただきたい。
#231
○参考人(渡辺博史君) まず、フェンスの件につきましては、今日現在は、一応、開口部四か所がありまして、そこにゲートを見ている人間おりますけれども、そこへ行っていただければ入れるという状況になっております。ただ、三月二十四日以降については、一応、整理のために立入りをこれで中止させていただくという張り紙がされているというのが、多分、委員の御指摘の点だと思います。
 今御質問の点でございますが、人権委員会からの書簡の第三項目めでございますが、読み上げますが、二〇一三年以降の土地買収プロセスにおいて、地元の人々、地権者、小作人、農業従事者、漁民、その他のコミュニティーの所属者など、プロジェクトサイトに生活の糧を依存する人々に対する脅迫、物理的・精神的脅威を含む様々な人権侵害がある。
 以上でございます。
#232
○倉林明子君 インドネシアの国家人権委員会は、人権侵害の事実を確認しているということだと思うんですね。さらに、予定地に適した用地ではないとまでこのレターの中で指摘している。これは重大だと思います。
 そこで、JBICは、環境社会配慮確認のためのガイドラインというのを定めております。
 大臣は、この問題、昨年三月の当委員会で答弁されておりまして、JBICがこのガイドラインにのっとって、引き続き、現地住民の声をよく適切に聞き環境社会配慮の確認を行うよう監督してまいりたいという答弁でした。このスタンスに今も変わりはないでしょうか、大臣。
#233
○国務大臣(麻生太郎君) ありません。
#234
○倉林明子君 そこで、環境社会配慮の適切性、これを確認するための基準についてですけれども、JBICの基準によりますと、相手国の政府が定めた法令や基準を遵守しているかどうかにとどまらず、更なる基準を設けています。その部分について御紹介ください。
#235
○参考人(渡辺博史君) 今委員御指摘の私どもの環境社会配慮確認のためのガイドラインのうち、該当状況でございますが、今委員がお読みになった後に続きまして、また環境に関する政策や計画に沿ったものであるかどうかを確認する。さらに、本行は、環境社会配慮等に関し、プロジェクトが世界銀行のセーフガードポリシーと適合しているかどうかを確認する。ただし、当該プロジェクトがリミテッドリコース又はノンリコースのプロジェクトファイナンス案件の場合及びその他適切と認める場合には、国際金融公社のパフォーマンススタンダードと適合しているかどうかを確認する。また、適切と認める場合には、他の国際金融機関が定めた基準、その他の国際的に認知された基準、日本等の先進国が定めている基準又はグッドプラクティス等をベンチマークとして参照する。環境社会配慮の在り方がそれらの基準やグッドプラクティス等と比較検討し大きな乖離がある場合には、相手国、これは地方政府を含みますが、借入人及びプロジェクト実施主体者との対話を行い、その背景、理由等を確認するとともに、必要に応じ対応策を確認するというふうに定めております。
#236
○倉林明子君 現地では土地収用法に基づいて強制執行が始まっている。非常に緊迫した状況になってきております。相手国の法令上認められるという行為ではあっても、JBICの環境社会配慮基準から見て私は重大な問題があると言わざるを得ないと思うんです。
 環境レビュー結果は融資等の意思決定に反映するとされております。適切な環境社会配慮がなされない場合は融資を実施しないこともあり得ると、私、当然のことだと思います。度重なる人権委員会からの勧告、そしてJBICからの働きかけにもかかわらず人権侵害が繰り返されている、私は極めて重大だと言いたいと思うんですね。
 何度か延期をしてきたこの融資の期限が、いよいよ四月六日ということで迫ってきております。度重なるJBICの働きかけにもかかわらず、私、適切な環境社会配慮がされていないというふうに言えると思うんですね。こういう状況を踏まえれば、私はこの融資については中止の決断をするときではないかと思います。いかがでしょうか。
#237
○参考人(渡辺博史君) 当行国際協力銀行といたしましては、現時点においてまだ融資の決定を行っているわけではございません。
 それで、今委員御指摘のような状況もございますし、先ほど私が読ませていただきましたガイドラインにおきましても、状況に応じて相手国、あるいは借入人及びプロジェクト実施主体者との対話を行うということになっておりますので、我々としても本プロジェクトに係る環境社会配慮確認を引き続き継続して行って、最終的に判断をしたいと思っております。
#238
○倉林明子君 私、石炭火力発電所については、COP21を受けまして、各国で気候変動対策としての規制強化、この動きが加速しているという世界的な状況も一方であろうかと思うんですね。CO2を排出、これ増やすのが石炭火力発電所、その投資そのものから私は撤退することも重ねて強く求めたいと思います。
 これは強く求めまして、質問は終わりたいと思います。
#239
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。
 軽減税率の話をすると、いつも、財源は何か、財源をどうするのかという話になるんですが、非常に奇異に思うのは、財源という言葉は普通は黒字のときに言える言葉であって、赤字のときに本当に財源という言葉を使っていいのかと。
 例えば、家計で考えますと、収入と支出がバランス取れて、収入以内で支出があって、そのときに十万円の旅行をしたい、財源をどうするか。アルバイトをやって十万円余計働いてそれを財源にするか、若しくは、予備校に行っているけれども、その予備校に今回は行かないで十万円を減らして、それを旅行に使う。こういうときに財源という言葉を使うのであって、例えば九百七十万円を使う家計がある、その家計は六百二十三万円しか収入がない、そして一億四十五万円の借金がある、こういう家計において十万円の旅行をしたいときに、十万円アルバイトをしたと、これを財源と言うか。普通は言わないと思うんですよね。若しくは、そういうふうに支出の方がよっぽど多いときに、支出のうちの塾の費用を十万円減らした、これを旅行の財源にすると言うのか。若しくは、銀行から十万円借りてきた、あっ、旅行の財源見付かったと言うのか。これは決してそうは言わないと思うんですね。
 要するに、通常の感覚であれば、財源というのは収入と支出がバランスされているか、若しくは少なくとも収入が支出よりも多いときに財源があると、こういう話をすると思うんですが、いつもこの極めて大きい財政赤字のときにおいて、軽減税率の財源がある、財源があると。私は、財源は何やってもないというふうに思うんですが、それにもかかわらず財源という言葉を使ってよろしいんでしょうか、お聞きしたいと思います。
#240
○国務大臣(麻生太郎君) 財政全体で多額の借金というものを抱えている中で、軽減税率の財源だけを確保しても意味がないというような御趣旨のお尋ねなんだと思いますけれども、これは大幅な財政赤字を抱えて、これを一度に解消できるなんという話は極めて現実的じゃないと、そう思っております。
 今般のような軽減税率のように、新たに生じます財政の悪化要因というのはないんですが、安定的な恒久財源を求めて今よりも悪化させないよう努力を続けていくということが意味がないなんということは全く考えたこともありません。
 財源については、現時点で具体的な内容が念頭にあるわけではありませんけれども、今後、与党とも相談をさせていただきつつ、歳入歳出両面にわたってしっかり検討してまいらねばならぬと思っております。
#241
○藤巻健史君 いや、私の最初の質問は、別にそういう深い意味があるわけではなくて、単に財源があるという言葉遣いが間違えているのではないかという国語の問題でございましてですね。
 二番目に行きたいんですが、何はともあれ今、日本はかなりの財政赤字ですけれども、昨日も申し上げましたけれども、ドイツとかスイスは財政を均衡させるというのが憲法になっております。日本も財政法第四条で均衡財政、財政を均衡させるのはということをうたっているわけで、全て物事は、国の財政のあるべき姿というのは、最終ゴールにはなりますけれども、均衡するもののはずだと思いますね。
 ヨーロッパのマーストリヒトのときでも、ユーロをつくるときにはGDPのあれは六〇%に抑えるというようなこともあって、本質的には均衡財政があるべき財政の姿だと思うんですが、そのときに、昨日お聞きしました来年度の予算三十四兆円の赤字を消費税だけで埋めるなら幾らの消費税率が必要か、佐藤局長から、機械的な計算ですけれども、二一%の消費税率が必要だというふうにお聞きしました。その後、私は八%の軽減税率を導入するのであれば消費税率は何%必要かとお聞きしましたところ、佐藤局長から二四%必要であると、まあ単純計算ですけれども。
 ということは、消費税だけで物事を考えようとすればチョイスは二つ。要するに、均衡財政にするためには、一律の二一%の消費税か、二四%の消費税プラス八%の軽減税率と、このコンビネーションしかないわけです。消費税だけで均衡財政を達成する必要もなくて、もう一つのほかの考え方としては、歳出を減らす。大体、社会保障費をがたっと減らす。これも一つのチョイスであるし、おととい、昨日でしたか、たしか大久保委員の質問に対して、別に消費税だけじゃなくて他の税も考えるというふうに大臣お答えになったかと思うんですけれども、歳出を抑えるか、消費税を上げるか、若しくは他の税収でそれを埋め合わせるという話になるかと思うんですが、そうすると、他の税収ということであると所得税ということが一つの大きい可能性で出てくるわけです。多くの方は、マスコミ等は軽減税率というのは低所得者層に対し非常に負担が掛かると、だから金持ちが所得税で払えばいいという話にきっとなってしまうんだろうと思うんですが。
 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、これは配付資料の中でお渡ししている、これ財務省のホームページから持ってきたんですけれども、ちょっと古いですね、二〇一一年七月なんですが。この表は何%の人間が所得税何%払っているかという表ですが、一番下の黒い太いのが日本人。日本人の二〇一一年の七月の段階では六五%の人は五%の税金しか払っていない、所得税。八五%ぐらいの人が五%から一〇%払っていると、こういう話になるわけですね。
 それ以上に、元々税金払っていない方もいらっしゃいますが、これは税金を払っている人のうちの六五%は五%しか払っていないということですね。
 ちょっと申し上げると、皆さん源泉税を払っている人はほとんど、多くの人は源泉税を払っているわけです。どういうことかというと、貯金には源泉税一五・三一五%の源泉税払っていますから、全く所得税を払っていないというのはちょっと語弊があるんですが、今銀行預金の金利なんていうのはもう染みみたいなものですから、その染みの染みみたいな源泉税なんてほとんど無視して考えますと、ほとんどの方は所得税払っていないと。払っている人も八五%の人は一〇%以下であると。
 こういう表で、この上の方にはイギリスの例があります。イギリスというのは、税金払っていない人もいますでしょうけれども、税金を払っている人のうちの九〇%近くはもう既に二〇%払っているわけです。
 こういうことを見ますと、その前に、これ、二〇一一年の資料なんですけれども、今現在でもこのように、まあ数字はちょっと変わっているかもしれませんけれども、日本人の多くは所得税をほとんど払っていないか、若しくは払っていてもせいぜい一〇%であると、こういう理解で正しいんでしょうか。他国よりもよっぽど低い税率を払っている人がほとんどだということで、こういう理解でよろしいでしょうか。
#242
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 この資料は二〇一一年でございますが、足下を見ましても傾向は余り変わりません。
 先生御指摘のありましたように、日本の所得税につきましては、このように最低税率五%の適用をされるこの太い線でございますが、これだと六割強、それから一〇%というラインまで含めましても八割強ということでございます。
 イギリスの例がございましたが、イギリスの方は勤労所得の最低税率二〇%ということでございますので、九割近い方々が二〇%ないしはそれ以上という感じになっております。
 ただ、実はこれ所得税だけでございまして、住民税というところも入れたらどうなるかというのも実はございます。イギリスでは住民税はございませんので、恐らくこのままの姿だと思います。日本の場合には住民税が基本的に一〇%のフラット税率でございますので、これ単純な形かと思います。五%のこのラインがプラス一〇%になる、一〇%のラインが二〇%になると、こういうことでございますので、納税者の六割に適用される税率が一五%、住民税を含めてですね、それから二〇%以下となる納税者が八割というような形が実態的なものかと思います。これ、所得税だけを示しておりますので、ちょっと補足をさせていただきました。
#243
○藤巻健史君 今の佐藤局長のお話はよく分かったんですけれども。
 それでは、その前の段階で、これ去年もお聞きしたんですけれども、日本の総人口一億二千六百万人ということで、税金を払っていない方、それは赤ん坊なんかは税金払えませんから、その赤ん坊、払っていない方というのは七千七百万人いたと、総人口のうちの六割は税金を全く払っていないわけですね。残りの四千九百万人が税金を払っているわけですけれども、そのうちの八割ちょっとですから、約四千万人は一〇%、住民税入れれば一五%しか払っていないということで、ごくごく一部、約九百万人が所得税でいえば二〇%、住民税を入れると三〇%の税金を払っているということで、ごく小さな固まりの人間しかそれなりのというか三〇%以上の、住民税入れて三〇%の税金を払っている人はいないというふうに理解するんですが。
 それ以前に、その払っていない人が今七千七百万人、赤ん坊を含めて、一億二千六百万のうちという話を聞きました。この割合、よく日本人は税金を払っていない、所得税を払っていない人が多いというふうに言うんですが、この六〇%という数字は大きい数字なんでしょうか、それとも小さい数字なんでしょうか。要するに、日本人は全く税金を払っていない、さっきの預金の源泉税を除いてですけれども、払っていない人が多いのか少ないのか、それ、ちょっと私も資料がないので、風評というか、話だけ、うわさだけでは払っていないということをよく聞くんですが、その辺についてお聞かせいただけますでしょうか。
#244
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 今先生、所得税を払っていないという人は幾らかというので、人口の恐らく一億二千六百万人から四千九百万人を引いた残りが七千七百万人になるので、七千七百万を分子に、一億二千六百万を分母にすると六一%になると、それで六〇%ぐらいというお話をおっしゃったんだと思います。そこなんでございますけれども、赤ちゃんまで含んでいるというのが本当に正しい比較かというふうに思います。赤ちゃんは稼得能力がないわけでございますので、税金を払いようもないということかと思います。
 稼得能力があるという尺度で考えますと、例えば労働力人口とか就業者人口ということで比較してみたらどうだろうかということで、ちょっと手元、私、持っておりますが、二十六年の就業者数が大体六千四百万人ということでございますので、所得税の総合課税の適用を受けます四千九百万人と比べますと、その差引きが六千四百万から四千九百万を引きました一千五百万人程度ということになろうかというふうに思っておりますが、この方々も、先ほど先生お話ありましたように、預金を持っておれば当然、源泉分離課税を受けているということで、全く払っていないというのはちょっと極端かもしれませんが、少なくとも、その七千七百万という数字よりも今申し上げた方が現実的な数字かなというふうに思うのが一点のコメントでございます。
 それから、税金を払うという話の場合には、結局、課税最低限がどこにあるかということと、その国ごとに所得の分布がどうなっているかというこの二つの掛け合わせで決まってくるんだろうと思います。
 それで、課税最低限のちょっとお話をさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。課税最低限の話は昨年も恐らくお尋ねがございまして、二つの実は示し方があると申し上げたわけでございます。一つは、最近、日本もイギリスも児童手当のような形での手当とか税額控除とかそういうことがあるものですから、そういうものを含めたところで実質的に所得税の負担が生じ始める所得水準、これを実質的な課税最低限と置くという考え方と、単純に所得控除というもののみを考慮して、いわゆる手当とか税額控除を考慮しない形での課税最低限という二つ実はございます。どちらで見るかによりまして、ちょっと見える景色が違ってくるわけでございます。
 前者の言わばちょっと広めに考える課税最低限によりますと、例えば夫婦子二人という世帯ですと、日本の場合は六百三十二万円という数字になります。同じような計算をいたしますと、フランスは七百八十一万円、課税最低限でございますが、アメリカは四百七十七万円、イギリスは四百三十四万円、ドイツは五百八十九万円と、こういう数字になりまして、日本はこの五つの国で比べますと上から二番目の高いレベルだということになります。
 一方、二つ目に示しました所得控除のみの計算を考慮をした課税最低限ということになりますと、同じ夫婦子二人におきましては、二百八十五万が日本、アメリカが四百七十七万、イギリスが二百十八万、ドイツが二百九十六万、フランスが六百七十二万ということで、こう比べますと、今度は下から二番目というふうな数字になるということでございます。
 したがいまして、課税最低限をどう見るかということと、したがって、その課税最低限が低くなれば当然所得税を払わない人が少なくなりますし、課税最低限が高くなれば当然所得税を払わない人の数は高くなるわけでございますが、先ほど申しましたようにこれに所得分布も絡んでくるので、ちょっとなかなか、その分布まで実はデータを私ども持っておりませんので、比較はし難いということだけはちょっと御理解をいただきたいと思いますが、いずれにしても、この問題を考えるときに、課税最低限の位置付けなどもよく考えていただければと思いまして、ちょっと長くなりましたが、補足をさせていただきました。
#245
○藤巻健史君 今のお話聞いていると、これ為替が私の想像どおり円安が進むと、日本の位置えらい変わってきますからね、円で対比しているということは。日本の位置がどんどんどんどん課税最低限が高い方に動いていくんだろうと思うんですけれども。
 それ以上に、私がそれをなかなか判断しにくいということでお聞きしたのは、これは御回答なかったんですけど、今の佐藤局長のお話ですと、六千四百万人の労働人口のうちの四千九百万人が払っているということで、これだったら比べようがあるわけですよ、ほかの国と。そういう資料はないんでしょうか。この資料があれば、多くの方が払っているか払っていないかという数字が出るんですけど。
#246
○政府参考人(佐藤慎一君) 済みません、今手元にはございません。あるかどうか調べて御報告をさせていただきます。
#247
○藤巻健史君 いや、私も別に確たる自信はなかったんですが、多くのところで、日本人は所得税を払っている人が少ない、先進国の中で極めて少ないという話をよく聞くので、その資料があればお聞きしたいなというふうに思ったわけです。
 次に行きますけれども、現実問題としては他国と比べて多いか少ないかは別といたしまして、一五%、この表で見ても、非常に、九百万人の方しか二〇%以上の税金を払っていないわけですね、住民税を入れれば三〇%以上の税金を払っていない。要するに、人数は極めて少ないわけです、九百万人しかいないわけですね。
 軽減税率の財源を消費税に頼れないんだったらば所得税にという話になると思うんですが、所得税でどうやってその税収を増やすかという話になるんですが、二〇%以上を払っている人が九百万人しかいない、三三%以上払っている人はまたもっとぐっと少なくなるわけですけどね。これ、人数が少ないということは、そこで所得税をどうやって収入を上げるかというと、低いところで上げるしかないということですよね。
 どういうことかというと、例えば年収百億円の方が一人いたときに、これ、百億も年収もうかっているやつは生意気だからと所得税をぼんと上げて高額者から取ると。四五%の税率を九〇%に上げて四五%上げたって、一人しかいなけりゃ四十五億円しか増収にならないわけです、国は。それが十人いれば四百五十億円ですし、千人いれば四兆五千億円収入上がりますけれども、三十四兆円という赤字を高額所得者からだけしか取るということは不可能なわけです。だって、金がないんですからね。それは、百億円、その高額所得者が一万人とか十万人いりゃ話は別ですけど、少ないんですから。実際のところ、二〇%以上払っている方は九百万人しかいないんですから。
 試算してみますと、要するに、今ソフトバンクの孫さんであろうがユニクロの柳井さんであろうが楽天の三木谷さんであろうが、もう九百万円以上収入のある人はその上の部分全部税金で没収、国が持っていっちゃうと。日本人全員手取りは最高九百万と。非常に、何というか、共産主義というか平等主義というか悪平等主義というか知りませんけれども、働く気の全くない社会をつくったところで、これ、試算してみますと、四兆八千五百億円しか増収にならないわけです。だって、人数が少ないから、そんなところ幾ら上げても。全員からその九百万円以上の年収を全部没収しちゃったって四兆八千五百億円にしかならないわけですよ。ということは、消費税を上げないから高所得者層のところから取ろうと思ったってそれは無理。ないものはないんですから。
 もし所得税から、消費税の代わりに所得税から取ろうとすれば、これは考えられるのは、やはり、イギリスと比べてどうであろうとこうであろうと、五%の税率か若しくは一〇%の税率のあるところを上げるしかないわけですね、所得税でもし上げたいのならば。これは別に低所得者いじめとかそういうことじゃなくて、可能性の問題だからね。そこしか上げる可能性ないわけです。課税最低限を下げるか、それとも五%を一〇%にし、一〇%を一五%にするか、そこしか大きい財源はないわけです。試算してみますと、五%の税率帯を一〇%に引き上げると三兆三千五百億円増収になるわけです。
 これは別に低所得者いじめじゃなくて、この五%を上げるというのは、四五%払っている方も四〇%払っている方もそこの部分は上がりますから、それは割合は違うかもしれませんけど、絶対金額としては皆さん上がるわけですけれども、そこを上げるしかないという認識が余りにもなさ過ぎるんじゃないか。だから、消費税を上げたくない、じゃ、ほかの税金、税収を上げればいいんじゃないかというふうに皆さんが思い過ぎているんじゃないかと。
 私は、所得税では、上げるんだったらば、それこそ課税最低限を引き下げるか、若しくは五%を一〇%、一〇%を一五%、そこの低い税率帯を上げるしかないと思うんですが、この議論というのは間違っているでしょうか。佐藤局長でも大臣でも、どちらでもいいんですけれども。
#248
○国務大臣(麻生太郎君) 簡単に言えば、所得税で賄うという話を、軽減税率の補填を所得税で賄うとして、課税最低限を引き下げるか最低税率の税額を引き上げるかという御提案なんだと思うんですけれども。
 この軽減税率導入のために必要な、よく言われる一兆円のうち総合合算制度という形で見送りした〇・四兆円を引きました残りの〇・六兆円程度につきましては、これは現時点で具体的な内容がこれというのは念頭にあるわけではないと度々申し上げておりますので、歳入歳出両面にわたってしっかりと検討してまいりたいと思いますが、今言われましたように、法人税とか所得税とか、法人税もありますし、いろんなほかに税金もありますので、クルーグマンじゃない、誰だったっけな、炭素税とかいろいろ言っている話がありますから、所得税に限っている話じゃないということは確かだと思っていますけれども。
#249
○藤巻健史君 認識としては、所得税では難しいと。私は別に提案しているわけじゃないですから、提案なんかすると皆に総スカン食っちゃいますから、私。これしかないという事実を申し上げているだけでね。要するに、もし所得税で賄えというのであれば、そういう課税最低限を下げるか低いところの税率を上げるしかないんだよという、それしかないということを言っているだけで、別に提案しているわけじゃないですから、その辺を誤解されないようにしていただければと思います。
 次に、時間がないのであれですけれども、取りあえず事務的な話を先にちょっと一つお聞きしておきたいんですけれども、平成元年末、それから平成六年末、十一年末、十六年末で、その以前に発行した国債でまだ償還されていない国債の額と平均残存期間、利回りがあれば、ちょっと簡単に教えていただければと思います。
#250
○政府参考人(迫田英典君) お答えをいたします。
 平成二十八年二月末時点の数字で申し上げますが、まず、平成元年末以前、それから平成六年末以前に発行した国債につきましては、全て満期が来ておりますので償還済みでございます。
 次に、平成十一年末以前に発行した国債のうち、まず未償還の国債の金額でございますけれども、八・四兆円、平均残存期間二年三か月、表面利率の加重平均二・九%でございます。
 最後に、平成十六年末以前に発行した国債のうち未償還の国債の金額は五十・四兆円、平均残存期間五年十一か月、表面利率の加重平均一・六%。
 以上でございます。
#251
○藤巻健史君 ありがとうございました。
 次に、一つ感想を大臣にお聞きしたいんですけれども、去年の二月十二日の日経新聞に、国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長の阿部彩氏が「経済教室」を書いていたんですけれども、多くの識者が指摘するように、日本の所得格差の拡大は、富裕層の拡大というよりも貧困層の拡大によるところが大きい。それともう一つ、所得が中央の半分に満たない人の割合である相対的貧困率、これはよく皆さん知っていると思いますけれども、相対的貧困率は一九八五年の一二・〇%から二〇一二年の一六・一%まで上昇した。これもよく言われていますね、相対的貧困率は上昇している。日本の財政の悪化や社会保障費の今後の増大を考えると、一六%の相対的貧困者への給付を拡大するには、富裕層からだけの再配分では十分ではない。ごく一部の負担だけで貧困層への投資を充実させ、将来の世代への社会保障を維持することは不可能である。自分以外の誰かがしかるべき負担をしていないと主張するだけではもう無理だと。要するに、皆さん、格差是正をする、貧困層を助けるために増税をしろ、社会保障しろとか、そういう話あるんですけれども、自分以外の誰かがしかるべき負担をしていないと主張するだけでは結局のところ再配分へとつながらない。もし日本が本当に格差問題に取り組むのであるならば、その政策コストを社会全体で担っていかなければならないと書いていらっしゃるわけですね。
 要するに、一六%の貧困層への給付をするためには、先ほど言った二〇%以上の所得税とかいろんなことだけでなくて、今、俗に言う低所得者層と言われている人たちも負担をしなければ回りませんよと、こういう話をこの方が書いていらっしゃるわけです。
 そういう観点からして、低所得者層への、弱者への軽減ということで軽減税率入っているわけですけれども、この先生の話になると、その方たちも、低所得者層と言われている人たちも相対的貧困者を助けるために負担をしないと日本はもういかないよというふうにおっしゃっているわけです。その辺についてどういうふうに、御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
#252
○国務大臣(麻生太郎君) 藤巻先生の御指摘ですけれども、社会保障費の今後の増大というのを考えますと、富裕層からだけの再分配だけではとても十分ではないという話をずっとしておられるんだと思いますが、低所得者層も含めて負担をしてもらわないとという考えなんだと思いますが、これは年々増加いたします社会保障費、いわゆるよく一兆円とかいろいろ表現がありますけれども、これを安定的な財源で確保するということのためには、これは特定層に負担を集中させることはできません。無理です、そんな話、人口はどんどん減るんですから。
 そのために、勤労世帯などの特定な層だけの負担を集中させるというのではなくて、税収がいわゆる景気とか人口構成とかいうのの変化に左右されにくくて安定している、何というのか、高い財源の調達能力を有するといったような特徴があるのが消費税なんだと思いますが、その税率を引き上げるということで、その税収を全額社会保障の充実に充てるとか安定化に充てるというのが社会保障と税の一体改革というものを出された一番の基のベースはこれであります。
 したがって、ここが今我々が取り組んでいるところなんですが、他方、御指摘のありますとおり、消費税というものは、所得の低い方ほど収入に占めます消費税の負担の割合が高いというのは御指摘のとおりなので、いわゆる逆進性ということなんでしょうけれども、この消費税率の引上げに伴います低所得者への配慮というところから軽減税率というのの導入に至ったというのがこれまでの経緯というように理解しております。
#253
○藤巻健史君 最後に一問だけお聞きしますけど、今日私が申し上げていたのは、別に低所得者層から取れという話じゃなくて、皆さん今まで誰もが、日本人が、要するに格差是正ということで誰かの、ほかの人の金で何とかしろという話ばかり聞くので、これはもう格差是正するためには全員が参加しなくちゃいけないよということを申し上げたかったということであります。
 最後の質問、簡単に言いますけど、補正予算で年金受給者一人三万円の給付がそろそろ始まると思うんですけれども、これって効果があるんでしょうかということ。私は、今、日本の最大の格差問題というのは世代間格差だと思うんですが、これは世代間格差を拡大するだけの政策じゃないかというふうに思ったんですが、いかがでしょうか。
#254
○国務大臣(麻生太郎君) お尋ねの給付金ですけど、賃金引上げの恩恵が及びにくいといういわゆる高齢者の方々にも恩恵が及ぶようにしたいということでありまして、今年の前半にかけて個人消費の下支えというものを行う必要があろうかと思いますので、経済の下振れリスクに対応するということも必要と考えておりますので、今般の給付金というものはこうした観点から実施するものでありまして、いわゆる定量的な経済効果を示されてはおりませんけれども、一般的に高齢者は他の年齢階層に比べたら消費性向が高い傾向にありますことから、消費や経済に一定の効果があるものと期待をいたしております。
 世代間格差ということにも着目をしていると、世代間格差を助長するのではないかという御指摘もこの間からされておられますけれども、この賃金の引上げとか恩恵が及びやすい現役世代につきましては、これは賃金とか最低賃金の引上げに取り組むということにしておりますけれども、平成二十七年度の補正予算とか今回の予算におきまして、保育サービスの充実とか、低所得者のいわゆる一人親家庭、多子世帯に対する支援など公費ベースで約七千億円の子育て支援を行う等々、幅広い支援を行っていくということを今考えておるところであります。
#255
○藤巻健史君 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#256
○委員長(大家敏志君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、白眞勲君が委員を辞任され、その補欠として水岡俊一君が選任されました。
    ─────────────
#257
○中山恭子君 ありがとうございます。日本のこころを大切にする党の中山恭子でございます。
 昨年十一月四日に、私どもは、経済の現状を踏まえた緊急提言というものを出しております。その中で、消費拡大のための減税策というものを幾つか提案しておりますので、今日、その提案について御意見を伺いたいと思っております。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 まず、法人税の中で交際費課税を廃止してしまってはどうかということを提案しております。私どもの試算では減収は二千二百六十億円程度となっておりますが、交際費課税の廃止による消費の拡大効果というのは極めて大きいと考えております。
 交際費課税が開始されましたとき急激に景気が落ち込んだことを覚えておりますし、覚えていらっしゃる方も多いかと思います。
 この点について、では岡田副大臣、よろしくお願いいたします。
#258
○副大臣(岡田直樹君) お許しをいただきまして、私からお答えを申し上げます。
 先生御指摘の企業の交際費は、いわゆる租税特別措置法によって損金算入を認めないということが原則でありますが、一つには、中小法人には一定金額までの損金算入を認めておりまして、二十五年度の税制改正においてその限度額を八百万円まで引き上げておりますほか、二つには、二十六年度税制改正において、消費拡大を通じた経済活性化を図る観点を踏まえて、大法人も含めて飲食費の五〇%までの損金算入を認める特例を導入したところでございまして、これらは中山先生の問題意識にかなう面もあろうかと存じております。
 全額損金算入というアイデアでございますけれども、更なる見直しの御提案をいただいたわけでありますけれども、交際費課税の在り方については様々な御意見が聞かれるところでもございまして、先ほど申し上げたような近年の税制改正の効果をまず見極めさせていただくことが先決と思っております。
#259
○中山恭子君 動いて、少しずつ効果を出すようにという動きがあるということは存じておりますけれども、今、この時期であればこそ、全て廃止するということをお考えいただいてもよろしいのではなかろうかと、その消費拡大効果というのは非常に大きいものであると考えておりますので、御一考いただきたいと思っております。
 また、もう一つですが、現在、中小企業に三十万円までの少額資産の一括損金算入制度というものがありますが、これを全ての法人に対して少額資産の一括損金算入というものを適用して、その額を百万円まで増額するということはいかがでしょうか。これは設備投資の増加の誘因になるということがあると考えておりますが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
#260
○副大臣(岡田直樹君) 先生御指摘の少額の資産を取得した場合の損金算入の特例でございますが、九九%を占める中小法人において資産管理の事務負担を軽減するための租税特別措置でございまして、三十万円未満の少額資産については、毎年度減価償却を行っていくことまでは求めずに、そこまでせずとも、取得時において一括の損金算入を認めることとするものでございます。事務負担の軽減という制度の趣旨に照らしますと、比較的高額の資産まで対象としたり、あるいは大法人であっても利用可能な制度とするということは、事務負担の軽減というこの制度の趣旨に照らせばなかなか難しい、議論すべき課題もあるのではないかというふうに思ってございます。
 なお、中小法人の設備投資を支援するという先生の観点から申し上げますと、もう釈迦に説法というか御存じのとおりでございますけれども、別途中小企業投資促進税制という租税特別措置がございますので、我々といたしましては、中小法人がそうした制度も活用して投資拡大に取り組んでもらうことを切に期待しております。
#261
○中山恭子君 やはり、今、設備投資が進んでいないというような状況でございますし、中小企業の設備投資を増やしていくというのは将来大きな効果をもたらすものと考えておりますので、これを百万円まで上げてみるということも御検討いただきたいと思っております。
 もう一つありまして、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置というものがつくられておりますが、この制度を使って、少子化対策というだけではなくて、適用対象の範囲、それからその使途を、その要件を非常に緩めてみてはどうでしょうかという提案をしております。
 直系親族だけではなくて、必要としている人に贈与をした場合でもこの制度を適用するというようなことをお考えいただくと、贈与を受ける人々の消費に回る額というのは相当増えてくるのではないかと思っておりまして、その辺り、どのようにお考えか、お知らせいただきたいと思います。
#262
○副大臣(岡田直樹君) 贈与税の課税を親族だけでなくほかの必要とする方にもということで、提唱するということも含めた御提言でございましょうか。
 政府といたしましては、デフレ脱却、経済再生の観点から、消費意欲の高い若年層へ資産の早期移転を促し、経済を活性化させるための方策をいろいろ講じておりまして、これは中山先生の御趣旨とも合致する部分があると存じますが、既に、住宅取得や教育、さらには結婚、子育てのための資金の贈与について一元的に非課税とする措置を講じております。住宅取得は三千万円が上限、教育は千五百万円、結婚、子育てについては一千万円ということでございまして、親族だけでなくという御提案は今初めてお伺いをいたしましたけれども、その御党の御提言というものをまたしっかり拝見をさせていただきたいと思いますし、先ほどからいろいろな御提案がございます。これは、私どもと基本的な方向性というものは、ベクトルは同じ部分もあると思います。それで、しかし、様々な課題というものも先ほどから述べておりますようにございますので、ここのところはまた先生と建設的な議論をさせていただきたいと思います。
#263
○中山恭子君 直系尊属だけではなくて、若者の中で勉学に励みたいというような若者がいた場合、ある程度裕福な人からそういった直系尊属ではない若い人たちに何らかの贈与ができるというような、その場合の贈与税の非課税措置というものをつくっておいていいのではなかろうかと、そんなふうに考えたところでございます。
 また、その使途について、非常に、住宅というような限定されたものではなくて、若者に対して直系でない人から資金が流れる場合、その使途についても限定しないというような、そういった贈与というものを考えていくということも、その次の世代の人々、貧しいけれども頑張っているというような若者たちを支援するというような制度が、贈与税をなくしてそういったことを認めるというようなことについても考えていっていいのではなかろうかと思っております。いずれ財務省としてそういったことを御検討いただけたら有り難いことだと思っております。
 続きまして、公共事業について御相談したいと思っております。
 防衛省を除く全省庁に公共事業というものが予算に組まれているわけでございますが、その全容を把握している部署というのが政府の中になければならないと考えておりまして、それは予算を扱う財務省しかできないことだろうと考えております。
 これまでずっとこの公共事業、公共投資というものが低迷を続けてきているわけでございますが、公共事業をこれから新しく実施していこうとした場合、資材費の高騰や労務の逼迫、賃金のアップというようなことが今上がってきていると思います。その中で、今、不調と言っていいでしょうか、入札ができない、不落であるというような事態が相次いでおります。せっかく予算が付いたにもかかわらず工事の着工が遅れているという事例が間々見られています。
 今日、資料をちょっとお配りいたしました。歩切りと言われる形が各地で行われているというのが資料としてお配りしております。
 歩切りといったものは私自身もそんなに聞いた単語ではございませんでしたけれども、こういったことが行われる、公共事業に応札しようと思っても、応札すると赤字覚悟で事業をやらないといけないというような状況が出てきております。こういったことについて、財務省はどの程度把握していらっしゃるのでしょうか。
#264
○政府参考人(美並義人君) お答えいたします。
 今先生おっしゃいました入札不調の問題につきましては、公共事業の円滑な施工確保という観点からも関心を持っております。
 国交省におきましては、労務単価の見直しあるいは資材価格の上昇を反映した単価の設定などの種々の対策を講じているところでございます。こうした取組もありまして、足下の入札不調につきましては、被災三県も含めまして、総じて落ち着いてきているものと承知しております。
 歩切りの問題についても、これも国交省、総務省において適切な対応を取っているというふうに承知しておりまして、今後も、財務省といたしましては、引き続き入札の状況を注視しつつ、必要に応じて国交省において適切な対応が取られることを期待しているところでございます。
#265
○中山恭子君 今、例えば賃金をアップさせようというような努力がなされていますけれども、まさに足下、国が行う、又は地方公共団体が行う事業について、歩切りといいますのは、積み上げた計算から、例えば端数を切るというのはこれはしようがないのかもしれませんが、一割カットしたり二割カットした金額で応札をする、入札をするというような状態でございまして、これでは受けた方の事業者がしっかりした労働賃金を払えないというようなことが起きていると。当然のことなんですけれども、賃金アップしよう、所得を上げようとしている国の政策と全く相反する状況が各地で起きているということでございますので、この点に対して、もちろん国交省だけの問題ではないわけですので、財務省として関係する省庁にしっかり指導していただきたいと考えておりますが、この点についていかがでしょうか。
#266
○政府参考人(美並義人君) 歩切りの問題についてお答えいたします。
 先生の資料にもございますように、平成二十六年六月に改正された品確法において、公共工事の将来にわたる品質確保とその担い手の中期、長期的な育成、確保を図るため、発注者の責務として予定価格を適正に定めるということが位置付けられました。これを受けまして、二十六年九月の閣議決定において、予定価格の設定に際し適正な積算に基づく設計書金額の一部を控除するいわゆる歩切りでございますけれども、これは今申し上げました品確法に違反するということが明記されたと承知しております。
 これらを踏まえまして、国交省と総務省においては、歩切りを行っている地方公共団体に対して、先生の資料にもありますところに対して早期に見直すよう求めてきたところでございます。資料にもありますように、昨年一月時点では慣例や財政健全化のために歩切りを行っている自治体というのは四百五十九団体あったわけでございますけれども、現時点では大幅に減りまして、三団体まで減ることが見込まれているというふうに財務省としても承知しております。国交省が中心になりますけれども、引き続き歩切りの根絶に向けてしっかりと取り組んでいただくことを財務省としても期待しているところでございます。
#267
○中山恭子君 財務省は予算を付けるというだけではなくて、その執行についてもしっかりと見て対応するところまでやはり財務省の役割であろうと考えておりますので、付けた予算が各省庁でどういうふうに執行されているのかについて、そこまでしっかりと把握していただきたいと考えているところでございます。
 やはり、見ておりまして、財務省自体があつものに懲りてなますを吹くような状態になっているのではなかろうかと考えたりしております。ある省の方から、財務省でヒアリングをするわけですが、そのヒアリングの席で説明をしていてお昼どきになったと。そのときに、食堂で食べるお昼御飯であっても一緒には食べられないんです、別々にお昼御飯食べに行くんですよと。もちろん紙で説明はするんだけれども、本音の部分というのを聞いてもらいたいけど、なかなかそういうことまで聞いてもらえないんですというような話を訴えてくるようなほかの省庁の方もいらして、今は少し変わってきているかとは思いますけれども、もう少し、当時非常にたたかれたという私も経験がございますので厳しいかとは思いますけれども、余りそこにこだわらずに、度を過ぎてはいけませんけれども、やはり予算を扱う以上、それぞれの省庁の方と非常に密接な関係でヒアリングをし、場合によっては、以前、私どもよく聞いた話では、主計官が朝早く築地市場に行って実態を調査に動いていたとか、ほかの地方に飛んでその地域の状況を調べに行ったというようなことを聞いておりました。
 主計局として、やはりきちんとしたヒアリング、実態までつかむようなヒアリングをすることをちゅうちょしてはならないと思いますし、状況把握に対して思い切った行動をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#268
○国務大臣(麻生太郎君) これは、この世代よりもうちょっと古い世代で、やっぱり官官接待というのが響いたんですよ。はっきりしていますよ、こんなもの。ノーパンしゃぶしゃぶやら、忘れている人もいらっしゃるでしょうけど、この種の話で全く世の中はばたっと。
 今どんなことになっているかって先ほどのお話でしたけれども、税務署と一緒に、昔はその署長と一緒に青色申告会とか等々の方々は三月納税が終わったらみんなでというのがありました。今ないでしょう。ないですよ。お茶飲めないんだもの。飲めないですよ。ペットボトル持込みですよ、税務署長が。聞いている方、ペットボトルを前へ置いて、どうぞと。話すわけないですよ、そんなもの。だから、みんな青色申告をやめちゃうんです、意味がないから、話が通じませんから。それほど行っちゃったの、話が。
 だから、多分主計も同じようなことになっていて、他省庁との話も全てそういったことになってきているという風潮にあることは事実だと思いますので、こういったようなことは、あつものに懲りてなますを吹くという話がありましたけれども、そういったようなことというのは、もうかなりあちこちにいろいろその弊害が出てきていることは否めない事実だと私も現場でよく聞かされますから、そういう話はそう思いますし、主計局においても同じような話が出てきているんだと思いますけれども、いずれにしても程度の問題だと思いますので、きちんとした対応というのは、どの程度までかってなかなか難しいところだと思いますけれども、努めてそういったことをしない限りは話は聞けません。そう思います。
#269
○中山恭子君 あの当時、やはりおごりというものも主計局関係者にあったように中にいても感じたことがございますので、そういった状況になるということは絶対あってはならないわけでございますが、余りにもそこに懲りてしまってもう机の上だけしか情報がやり取りできないというような状態では、実際の経済の動き、それから必要な公共事業の実施のための予算づくりというのは無理だろうと考えております。
 また、財務大臣、前回、国税庁長官とほとんどお会いになっていないというようなお話もございました。これも周りからの目というのがあろうかと思いますけれども、やはり税務署、場合によってはもう税務署をお訪ねいただく、又は国税庁から長官に週に一回ヒアリングをするとか、そのくらいやはり国税からの情報を財務大臣が直接お知りになるということも非常に大事なことであろうかと思っておりまして、前回のあれは尾立委員でしたか、麻生大臣は全く清廉潔白でいらっしゃるから心配ありませんから、国税庁長官や税の方とお会いくださいというお話があったかと思います。私もそのように思いますし、当然のこととして財務大臣は国税庁長官から週に一回情報を提供してもらうというようなことがあってよろしいかと考えておりますが、いかがでしょうか。
#270
○国務大臣(麻生太郎君) 自分のことを清廉潔白とだけは思ったことがありませんので。
 ちょっと今のあれは中山先生と意見が違いますけれども。話を聞くなら国税庁長官よりもっと現場を預かっている下の方ですな。そちらの方がよほど実があると思いますが。
#271
○中山恭子君 是非、財務大臣も遠慮なく行動なさっていただきたいですし、また、特に主計局が各省庁からの情報ヒアリングに対してもっともっと遠慮なく、お昼御飯も一緒に食べ、各省庁からの情報を収集し、さらに、その実施、執行に当たっても、例えば公共事業が今どこまで行われているのか、多分今の主計局では把握していらっしゃらない部分が多いだろうと考えております、相当部分は持っているかもしれませんが。そういった中で、是非、日本の景気拡大、そしてきちんとした国づくりのために間違いない情報を得てもらいたいと考えております。
 何か御意見があったら。
#272
○政府参考人(美並義人君) お答えというよりも本当にありがとうございますということと、事実関係を申し上げますと、公共事業費、それから施設費など、事業の性格上、執行の調整になじみやすくて経済に与える効果が大きいものにつきましては、地方公共団体も含め、契約や支出がどの程度進捗しているかということを財政当局としてこれきちんと把握しているところでございます。
 ただ、全ての執行の状況について網羅的に把握しているかどうかということにつきましては、これは財政法上の先生も御承知の考え方で、やはり各省各庁の長、大臣が責任を持つと、執行が大臣の責に属すべき事柄なのでそこに委ねるという関係になっております。
 ただし、予算の編成に当たって実情を把握する、現場を把握する、それから各省からの話をよく聞くというのは予算編成に当たっての基本だと思っておりますので、先生の御指摘も踏まえて今後ともしっかりと努めてまいりたいと考えております。
#273
○中山恭子君 予算編成に当たって、これまでは大体シーリングということで各省庁の会計課がほとんど大体決めた形で主計局に予算の数字が集まっていると考えておりますけれども、もっともっと、今、日本にとって大事な政策、必要な政策は何かということを主計局の中で議論をして、その議論に基づいて、今回は、例えば社会保障の在り方があれでいいのかどうか、これは厚生労働省に任せるだけではなくて、やはり財務省として社会保障の在り方、先ほど藤巻先生からもお話がありましたけれども、所得税で全部やれるのか、消費税で全部やれるのか、そういったことについても主計局の中又は財務省の中で議論を進めていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
#274
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には担当の長というのの責任というものと、それに対する越権行為等々、その線引きは難しいところだと思いますけれども、あるべき姿について、主計なら主計の担当なりなんなりが集まっていろいろ意見を交換するというのは極めて大事なことでありまして、これは各省、ほかの省庁においても同じことが言えるんだと思いますが、最近のいろんな仕事というのは各府省にまたがる話がえらく増えてきておりますので。
 例えば、海外でどこかプロジェクトが出るからといって、先ほどの共産党の方からインドネシアの話が出ていましたけれども、インドネシアの話に行ったら、その話を聞きに行くのはJBIC、関係するところでいえば経産省でしょうけれども、経産省が出ていったら、じゃ、あの鉄道の話どうなっているのって一緒にほかのところが聞ける。あの開発の話どうなっているのって話は、各省庁はみんな、インドネシアならインドネシアで三つも四つもプロジェクトを持っていますから、それをまとめて一人で聞きに行きゃ経費は安く済むと思いますけれども、他省庁のは他省庁は聞きませんものね、縦割りの極みですから。聞きゃいいじゃねえか、そんなものって。聞かない。他省庁は教えない等々、どこかで調整してくださいよというので、官房長官のところで調整するようなシステムが今でき上がりつつありますけれども、おかげさまでいろんなことが進みました。
 この国が、日本が競争入札で負けた方、向こうのやった仕事がどんなものの結果になっているかって三年したら答えが出ますから。この結果は、外務省のやつは見てもそれがどう悪いのか見るだけの目はありませんから、公共工事の土木について、どこがどう手抜きになっているかというのは、建設省の技官だったら一発で見抜きますけど、見抜けない。見に行こうって一緒に行く。行ったら、こんないいかげんな手抜きって、もうすぐ分かるわけです、この人たちは。全部資料にして出せといって今面白がってみんな結構やるようになりましたよ。この三年間の物すごく大きな変化だと思いますけれども。ほら、この国に任せたらこんなことになった、結果があるでしょうがって、分かりやすい説得としてこんないい話はないと思いますので、大いに利用されたらいかがですかと申し上げて、動き始めていますけれども。
 他省庁の中でも、ほかのところに対して言うってなかなかちょっと遠慮があって難しいし、ましてや大蔵省といったらただでさえ態度がでかいと言われている役所ですから、それが何かのこのこ出ていったりすると、いよいよ上から目線の極みみたいな話に取られかねないし、またそういう具合に作られますから、話は。だから、すごく遠慮があるんです。それが効率化が悪くしているという面も含めまして、いろいろ考え直さないかぬところは多々あろうと存じます。
#275
○中山恭子君 ありがとうございました。
#276
○平野達男君 平野達男でございます。
 今日は、消費税率のアップに伴う地方税源の偏在の是正ということに視点を当てて、地方税源の偏在そのものの問題点についてちょっと何点か議論をさせていただきたいというふうに思います。
 消費税、今回八%から一〇%へ上げるという前提で今議論をしているわけでありますけれども、それに伴いまして地方消費税、これは地方の財源丸々そのままになってしまうのでありますけれども、これが一・七%から二・二%で、〇・五%上がるということになっています。
 ちなみに、五%から一〇%ということで考えますと、元々五%のときは一%が地方消費税分ですから、一%が二・二%ということで一・二%分上がるということで、金額にすると、五%から一〇%までの間でいくと、二兆八千億円ぐらいの、あるいは二兆七千億円ぐらいの地方消費税の増加と、財源、税源が増えるということになると思います。そのうち四千億程度ぐらいが不交付団体に回るということになってきます。
 そこで、まず冒頭、地方税源の偏在という問題ということについて、総務省としてはどのような観点で捉えているかということについてちょっとお聞きしたいと思います。
#277
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。
 税源の偏在あるいは財政力の格差、これをどのように評価するかにつきましては様々な見方があるものと考えておりまして、例えば人口一人当たりの税収の最大最小、あるいは人口一人当たり一般財源額、あるいは不交付団体のシェアでありますとかジニ係数ということで評価をする方もいらっしゃるかと思います。
 この点につきましては、地方財政審議会の地方法人課税のあり方等に関する検討会で平成二十五年十一月に報告書を取りまとめております。その中で、税源の偏在性や財政力の格差につきましては、特定の一つの指標で捉えるべきではなくて、複数の指標を用いて総合的に判断されるべきものと、こういうふうにされているところでございます。
#278
○平野達男君 今の説明でもちょっと分かりづらかったと思うんですが、一人当たりの様々な税源という観点で考えれば、いわゆる交付団体の間の観点から見ますと、交付団体間の中では地方交付税によって調整されるわけですよね。
 私は、これからの話は交付団体、不交付団体というふうに分けて話を進めさせていただきたいと思いますし、特に税源の偏在という問題については、不交付団体に財源が偏っていくというか集まっていくということについて視点を当てて話をさせていただきたいと思います。
 ちなみに、交付団体、不交付団体の違いというのは何かというと、言うまでもなく、地方交付税を受けるか受けないか、それが必要であるか必要でないか、分かりやすく言えばリッチな自治体とそうでない自治体という、そういう区分けになるわけであります。
 そこで、私は、この税源の偏在の問題というのは、どうしてもやっぱり三位一体改革の話まで戻ってしまうんですね。三位一体改革なんてもう古い、昔の名前で出ていますよみたいな話で、もう忘れてしまった方が多いかと思いますが、私にとっては税源の偏在という問題についてはこの三位一体改革がスタートであります。
 資料の三枚目をちょっと見ていただきたいと思います。
 これは、三位一体改革、もう忘れた方もあるかと思いますけれども、三位一体改革というのは地方交付税改革と補助金改革とそれから税源移譲ということがポイントでありましたけれども、ちなみにそのときの総務大臣はここにおられる麻生大臣でございました。
 そのときに税源移譲というのを三兆円やっておりまして、これは所得税から住民税へ税率を移しまして、住民税は一〇%でフラットにするんですが、総勢三兆円というのをやっております。三兆円を移譲したときに、このときも都道府県単位で見ますと四千五百億円が不交付団体に行っているということです。一方で、地方交付税とか臨時財政対策債は五・一兆どっと削減しています。これは全部交付団体に影響が行くという中で、この今二点だけ取り上げていますけれども、かなり不交付団体に税源がしわ寄せをするといった形になっているわけです。
 ここについての認識についてはちょっと共有いただけると思いますけれども、よろしいですか。
#279
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。
 三位一体の改革におきましては、自立的な地方税財源を目指しまして、補助金改革と税源移譲をセットで実施をいたしまして、交付税改革も併せて進めたものでございます。議員御指摘のありました四千五百億円につきましては、当時の都道府県の不交付団体であります東京都と愛知県の税源移譲の増収額であると承知をしておりまして、交付税が縮小する一方で不交付団体にそうした増収が生じたことについての問題意識を述べられたものではないかと理解をしております。
 ただ、三兆円の税源移譲につきましては、不交付団体も受け取っておりました国庫補助負担金が削減されるということに対する措置、あるいは個人住民税の一〇%のフラット化によりまして税収の偏在是正効果が生じる形で税源移譲を実施した、こういったこともございまして、一〇%比例税率化によります三兆円の税源移譲につきましては、応益課税の性格を明確にするということと、あわせまして、税収の偏在度を縮小させつつ地方税を充実させる税制改正であったというふうな認識を持っているものでございます。
#280
○平野達男君 私、都道府県レベルで今話をしていますけれども、四千五百億が全部そのままその不交付団体の財源に積み上がったということで捉えるのは適切でないと思います。確かに、義務教育費の負担率をちょっといじったりしましたから、その部分についての議論はやっぱり必要だと思います。ただ、いずれ、三位一体改革の中でやっぱり不交付団体にかなりの税源が行ったということはもう間違いないというふうに私は思っています。
 その後、総務省は、地方法人特別譲与税ということで法人事業税を見直しまして、これで税源の偏在を是正するという措置をとっておりました。私は、これは三位一体改革の四千五百億円の流れを受けてやったのかなと思っていたんですけれども、どうも違うということらしいんですが、その趣旨を簡単にもう一回説明していただけますか。
#281
○大臣政務官(森屋宏君) お答えをいたします。
 先生今御指摘をいただきました、地方法人特別税・譲与税制度は、当時、大きく景気を回復をいたしまして、それを反映をいたしまして地方法人二税が大きく伸びたことから、特に都道府県間の税収の差の拡大に対しまして財政力格差の拡大が顕著になったことへの対応としてその創設が図られたものであります。したがいまして、先生お話をいただきました三位一体の改革における税源移譲と地方法人特別税・譲与税制度の創設の間には直接的な関係はないものというふうに考えております。
 御指摘のとおり、平成十六年から平成十八年までに行われました三位一体の改革の直後の平成二十年度におきまして税制改正で地方法人特別税・譲与税が創設されておりまして、時期的には近接をしているということは確かであります。
#282
○平野達男君 ちょっと分かりづらいかと思いますけれども、我慢しながら聞いてください。
 資料の五ページ目をちょっと見ていただきたいと思いますけれども、これは今総務政務官が説明した地方法人特別税・譲与税の概要ということで、どういう形で調整したかということなんですが、法人事業税というのは、これは元々は全部都道府県の税でありますけれども、この部分の当初二・六兆円部分については一旦国税にしましょうということで、それを再配分することで税源を再調整をするということをやったわけです。
 この結果として、下、右側に数字がございますけれども、法人事業税がかなり集まっている自治体から少ない自治体にそのお金が移動しているということで、東京都、愛知県、大阪府の合計で見ると、二十五年、二十六年実績で見ると二千九百億円ぐらいのお金がいわゆる財源の、税源の少ない都道府県にやっぱり再配分されたということをやったということですね。これは三位一体の改革には関係はなかったということであります。
 ところが、今回これは廃止になりますよね、完全に、廃止になってしまいます。ということは、その一点だけ捉えますと、地方法人特別税・譲与税のこの偏在そのものというのはそのまま残すということになってしまうというふうに私は理解をしています。
 そして、その上で、資料の一ページ目に戻っていただきたいんですが、今度は消費税の税率アップに伴う措置についてお伺いします。
 まず、消費税八%段階と今回の八%から一〇%に上がる段階で、この税源の偏在の問題についてはそれぞれ違った考えで措置をしているかと思いますけれども、まず八%の段階でどういうことをやられたかについてちょっとお聞きします。
#283
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 地方消費税率の引上げによりまして、交付団体におきましては増収分が地方交付税の減となりまして相殺される一方で、不交付団体では財源超過額の増となります結果、地方団体間の財政力格差が拡大するということでございます。
 平成二十六年度税制改正におきましては、消費税率八%段階の偏在是正措置といたしまして、税制抜本改革法の規定を踏まえまして、地方消費税の充実に対応して偏在性の大きい法人住民税法人税割の一部の交付税原資化を行い、財政力格差の縮小を図ることといたしました。
 具体的には、地方消費税率の引上げに係る不交付団体の増収の範囲内で法人住民税の交付税原資化を行い、あわせまして、このときに地方法人特別税の規模を三分の二に縮小することといたしたものでございます。
#284
○平野達男君 資料の六ページ目を見ていただきたいんですけれども、今審議官が説明したのが法人住民税法人税割の交付税原資化の考え方です。法人住民税につきましては、これは都道府県税であり市町村税でしたけれども、この中の一部を、これを今度は地方交付税特会に入れるという、完全に国税化するということですね、して、それで財政力の弱いところに再配分するという考え方でした。
 一ページ目に戻っていただきたいんですけれども、一ページ目の一番上なんですけれども、地方消費税引上げによる実質増収額というのが、都道府県、市町村で見ますと、合わせて大体一兆三千三百億円。これは、この段階、この時期での地財ベースの数字ですね。かぎ括弧をしているのが、これは不交付団体です。不交付団体にも行くということでありますが、今回の偏在を是正するために、この段階では法人住民税法人税割の国税化をやって、五千八百億のまず国税化をやると、そのうち一千八百五十億円は不交付団体ですね。
 ですから、八%のときは、不交付団体に行ったほぼ見合いの中で財源調整をやったという、よくこれこんなことできたなというぐらいの措置を総務省さんはやったわけです。自治体を多分説得するのは大変だったと思いますけれども、これは非常にすばらしい措置だったと思います。特に岩手県みたいに、全部交付団体でありますから、これは税源を出していただいた自治体さんに対してはもう本当に感謝をしなくちゃならないということになると思います。
 そして、今度は八%から一〇%で、また似たような措置をするんですが、ちょっと考え方が違ってくると思いますが、その考え方を説明してください。
#285
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。
 二十八年度改正におきましては、消費税率一〇%段階の措置といたしまして、これまでの経緯を踏まえまして、消費税率八%段階と同様の考え方で、地方消費税率引上げに係る不交付団体の増収額の範囲内で法人住民税法人税割の交付税化を行うと、これが一点であります。
 さらに、先ほど出ておりました地方法人特別税・譲与税を廃止します。廃止をいたしますが、その意義や効果を踏まえました法人住民税法人税割の交付税原資化を更に行うということで、偏在是正措置を法人住民税に一本化するというのが今回の改正内容でございます。
#286
○平野達男君 これも短い答弁ですが、なかなか分かりづらかったと思いますけれども。
 資料一の真ん中の表がそうなんです。今回の場合は二つありまして、地方消費税の率のアップに伴って地方消費税が引上げがされるということでのその偏在是正という役割と、先ほども申し上げた、地方法人特別税・譲与税の廃止に伴うそのまた偏在是正の是正をするという二つでやるということでありますね、それがこの表でありますけれども。今回も、地方消費税の引上げに伴う一・七%から二・二%については、ほぼ大体見合いで、七割ぐらいですけれども、是正をしてきているということでありますが。
 問題は、ちょっと話それますけれども、市町村で、不交付団体で一千三百億円のマイナスが出てしまいまして、法人住民税法人税割についてはかなり一人当たりの偏在性が物すごい大きくて、ただ、豊田市辺りは一人当たりが、私がいただいた資料だと、法人住民税法人税割が三百何億、三百三十億ぐらいですか。盛岡は三十億ぐらいしかないんです。だから、十倍ぐらいの開きがあるものですから、今回、法人住民税法人税割の国税化をしたことの影響が実は豊田市に最も出てしまって、豊田市と愛知県がこれはもうおかしいじゃないかと大騒ぎになってしまったということですね。
 これは大変、交付団体にしてみれば申し訳ない話でありますけれども、大企業が本当に一市町村にありますと、それ以外に住民税とか固定資産税とか様々ありますから、それから企業についても、その市町村、地域だけで成り立っているわけではなくて全国で成り立っているというのもありますので、そのことも理解した上で、しかし同時に、やっぱりこの部分についても、交付団体側にいる我々とすれば、やっぱり豊田市さんを始めとした不交付、税源を出したところについては感謝を申し上げなくちゃならないということだろうというふうに思います。
 問題は、こうやってずっと整理してきたんですが、今日の一番私が言いたいのは、実は二ページ目の表なんです。
 確かに、今回は、地方税の税率アップに伴って、地方消費税分の税源が不交付団体に行った部分についてはかなり是正、是正というか再配分するということの措置を、是正というよりも再配分措置をとったということで、しかもこれは地方交付税化していますから、完全に国税化したということでありますね。しかし、これを私流に三位一体の改革から話をまとめるとどうなるかということが二ページ目なんです。
 ここからの話は市町村を外します、都道府県だけにします。私が先ほど言いましたように、税源偏在、三位一体改革による税源移譲によって、私の理解ではやっぱり四千五百億円、不交付団体に行きます。地方法人特別税・譲与税として、これが先ほど言いました税収が偏ったとかということで、これ不交付団体、都道府県の不交付団体から、私の計算では大体二千九百億円と仮置きさせてもらいました。これはいろいろ議論があるかと思います。これで二千九百億円是正されましたと。
 以下は消費税関係なんですけれども、消費税というか、今回の措置に伴う数字なんですけれども、地方法人特別税・譲与税の廃止に伴いまして、二千九百億円また戻ります。ただし、戻りますけれども、法人住民税法人税割の国税化でこの一部八百億円がまた是正されるということになります。そして、あと、以下は地方消費税なんですけれども、地方消費税の引上げ、一・〇%から二・二%というのは、これ五%から一〇%に上がった場合です。これが二千六十三億円というふうに数字出されますけれども、このうち一千九百二十九億円については国税化をしてまた再配分をするという考え方になります。そのほかに、法人事業税交付金の創設と、もうこれ時間がございませんから説明省きますけれども、これで、私の計算では約七百億円ぐらいまた再調整をするということになってきます。
 そうしますと、これ単純でいきますと、これまでに三位一体改革からスタートすると九千億円不交付団体に上乗せして、そのうち約六千億円を再配分するという計算になります。ただし、先ほどの審議官の説明の中では、地方法人特別税・譲与税は三位一体改革とは関係ないというふうに言いましたから、これを関係ないという話になりますと、更に九千億円に三千億円が上乗せされるはずです。そうしますと、私の計算では、数字が全て正しいとは言いませんけれども、傾向として、大まかな数字としては、三位一体改革以降、施策によって不交付団体に一兆二千億円の税源が行っていると。そのうち半分、六千億については再調整をしているということなんですね。
 私は、東京都には復興で人も派遣してもらっていますし、もちろんいろんな形でうんとお世話になっていますから、余り東京都の財布にまで手を突っ込むような気持ちはないんですけれども、これからのいろいろな税の税源の在り方を考えるときに、政策によって不交付団体に更に税源が上乗せされるという結果については、これは総務省として更にもう一段やっぱりいろんな検討をしてもらう必要があるのではないかというふうに思います。
 この表については、今日私初めて出しましたから、総務省の中でもいろいろこれちょっと検討していただきたいとは思いますけれども、ただ、今までのこの三位一体の改革から考えれば、繰り返しになりますけれども、政策によって不交付団体にかなり税源が行っているということでありますから、これからのいろんな税源問題を考えるに当たっての、もうちょっとここの部分については配慮が必要なのではないかというふうに思いますけれども、ちょっとその見解を伺いたいと思います。
#287
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。
 繰り返しになるところもございますが、三位一体改革につきましては補助金が削減されたという部分もございますので、その辺をどのように評価するかというところも併せて考えなければならない部分と、それから、一般論といたしまして税源の偏在の少ない安定的な地方税財源の確保というのが非常に大事でございますので、我々はこの点いつも注意をしながら施策を進めていかなければならないというふうに考えております。
#288
○平野達男君 一つ総務省さんに苦言を呈するとすれば、今回いろんな様々な措置をやっていますけれども、数字での説明がないんですよ。三位一体の改革のときもそうだったの。数字を出してくれ出してくれと言ってやっと出してきて、だから、この不交付団体の四千五百億円の数字というのは総務省から出してもらいました。じゃ、この四千五百億というのが先ほど言った補助金との見合いでどうだったのか。こういうものは数字で出さないかぬと思います。
 それから、全体の中で今回の、また繰り返しますが、様々な措置によって、交付団体と不交付団体の中にどういう税源の、更に偏りみたいなものが、私の言葉で言わせればですよ、不交付団体にすれば偏りじゃない、当然だという話になると思いますから、その反発を覚悟であえて今偏りと言いますけれども、それが拡大したかということについてはちゃんとやっぱり数字でもって示してもらわないと。
 今回のいろんな措置も、私がいろいろこうやって、ここどうなっているんだ、こうだった、どうなっているんだと言ってやっと出てきたんです。総務委員会でどんな議論されているか知りませんけれども、財政金融委員会では税の問題をやったら必ず数字出てきますよ。出てこなかったら出すまでやりますから、出してもらうまで。そうでないと、全体の要するにお金の流れというのはなかなか見えないんですよね。この二ページ目の表については引き続きいろいろ意見交換をちょっとさせていただきたいと思います。
 最後に麻生大臣に御見解を伺いますけれども、いわゆる地方交付税というのは、国税をもって、今四税ですかね、かつては五税でしたけれども、交付税特会に入れて、さらに、あとは起債とか出したりしてそれで財源を確保して、いわゆる財政力の弱い自治体に配分をするということで、ある意味でいえばこれは垂直的調整というふうに言うんだと思いますけれども。
 私、地方法人特別税・譲与税の導入から、いわゆるかなり税源の豊かなところから税源の弱い自治体に税源を動かすという措置を入れて、これをあえて水平的調整というふうに言わせていただきますけれども、これからは人口の動向がどうなるか分かりませんが、やはりいわゆる自治体による税源の偏在というのは進む可能性もあると思うんですね。
 そういう意味において、これは本当は総務大臣、総務省にお聞きするのが筋なんでありますけれども、財務大臣にもこの水平的調整の重要性ということについての御見解をちょっとお伺いしておきたいというふうに思います。
#289
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、平野先生、当然のことですけれども、間違いなく人口構成もありましょうけれども、法人の偏在ということ等々も重なりますので、法人税も大きいものですから、そういった意味では、規模の大きい都市に更に集中していく傾向がある。これは東京に限った話じゃありませんけれども、福岡でも福岡市に集中して、同じ政令都市でも北九州は減っていますから。そういった意味では、首長の経営能力もありますよ、もちろん、いろいろ地域の状況もありますので、場所によっては違うと思いますけど。
 こういったものを是正を図っていかないと、今地方税で見ましても、いわゆる地方法人税でいえば東京と奈良で六対一ぐらい違いますから、たしか六・一倍ぐらい違いますよ、地方税だけで東京と沖縄で二・六倍ということになっていますので。そういった意味では、最初と最初の比較というのはかなり違ったものになってきているのは是正を図っていくということが必要なんだと思いますので。
 今度、地方消費税の引上げに合わせて、法人住民税の一部を地方法人税、国税化して、そして法人税の、いわゆる地方交付税の原資とするという話なんだと思いますので、偏在是正を講ずる措置の方法、まあ手段としてはいろいろあるんだと思いますけれども、少なくともこれによって減るところが一都五十九市町村あるのかな、たしか、一都五十九市町村に、なかんずく愛知県が多くて、これが八市町村あるんだと思いますけれども、あそこの場合が特に多いんですが、福岡県は一町しかありませんと思いますので、地域によってすごく差があることは確かですけれども、岩手を始め東北ほとんどもらう、これは来る方だと思いますが。そういった形で是正をするということを考えるということをある程度やっていかないと更に一都市集中みたいなことが助長されることになりかねぬと思いますので、そういったのは形としてはいかがなものかと思いますので、この措置の基本的な方向としては決して間違っていないと思っております。
#290
○平野達男君 ありがとうございます。
 総務省さんの方も、総務省においても水平的調整ということについては少しこだわりを持ってもらいたいと思いますし、三位一体改革については出し忘れの古証文みたいなものでありますけれども、私自身としてはちょっとこだわりを続けていきたいと思いますので、また引き続きよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#291
○委員長(大家敏志君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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