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2016/03/10 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 内閣委員会 第3号
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2016/03/10 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 内閣委員会 第3号

#1
第190回国会 内閣委員会 第3号
平成二十八年三月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     岸  宏一君     井原  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         神本美恵子君
    理 事
                井上 義行君
                上月 良祐君
                相原久美子君
                山下 芳生君
    委 員
                井原  巧君
                石井 準一君
                岡田  広君
                酒井 庸行君
                山東 昭子君
                世耕 弘成君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                風間 直樹君
                藤本 祐司君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                江口 克彦君
                山田 太郎君
                山本 太郎君
   衆議院議員
       発議者      古屋 圭司君
       発議者      濱村  進君
       発議者      遠藤  敬君
       修正案提出者   泉  健太君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    河野 太郎君
       国務大臣     石破  茂君
       国務大臣     遠藤 利明君
       国務大臣     島尻安伊子君
       国務大臣     加藤 勝信君
       国務大臣     石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  黄川田仁志君
       文部科学大臣政
       務官       堂故  茂君
       厚生労働大臣政
       務官       三ッ林裕巳君
       国土交通大臣政
       務官       宮内 秀樹君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣官房内閣参
       事官       小野 功雄君
       内閣官房内閣参
       事官       蔵持 京治君
       内閣府政策統括
       官        田和  宏君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局長      松尾  勝君
       警察庁交通局長  井上 剛志君
       警察庁警備局長  沖田 芳樹君
       総務大臣官房審
       議官       讃岐  建君
       外務大臣官房儀
       典長       嶋崎  郁君
       外務大臣官房審
       議官       水嶋 光一君
       外務大臣官房審
       議官       滝崎 成樹君
       外務大臣官房参
       事官       山田 重夫君
       財務大臣官房審
       議官       井上 裕之君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働大臣官
       房審議官     堀江  裕君
       厚生労働大臣官
       房審議官     谷内  繁君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    藤井 康弘君
       経済産業大臣官
       房審議官     若井 英二君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      多田 明弘君
       国土交通大臣官
       房審議官     宮城 直樹君
       国土交通省航空
       局安全部長    島村  淳君
       観光庁次長    蝦名 邦晴君
       防衛省防衛政策
       局長       前田  哲君
       防衛省整備計画
       局長       真部  朗君
       防衛省地方協力
       局長       中島 明彦君
   参考人
       独立行政法人日
       本学生支援機構
       理事長      遠藤 勝裕君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (内閣官房、内閣府及び沖縄基地負担軽減の基
 本方針に関する件)
 (国家戦略特別区域の基本方針に関する件)
 (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピ
 ック競技大会の基本方針に関する件)
 (科学技術政策、宇宙政策、海洋政策・領土問
 題、情報通信技術政策及びクールジャパン戦略
 の基本方針に関する件)
 (一億総活躍、女性活躍、再チャレンジ、少子
 化対策及び男女共同参画の基本方針に関する件
 )
 (経済再生、社会保障・税一体改革及び経済財
 政政策の基本方針に関する件)
 (警察行政、行政改革、国家公務員制度、食品
 安全及び規制改革の基本方針に関する件)
 (マイナンバー制度の実施の基本方針に関する
 件)
 (特定秘密の保護に関する制度の基本方針に関
 する件)
 (平成二十八年度人事院業務概況に関する件)
○国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重
 要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周
 辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁
 止に関する法律案(第百八十九回国会衆議院提
 出)(継続案件)
    ─────────────
#2
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岸宏一さんが委員を辞任され、その補欠として井原巧さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(神本美恵子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久さん外十九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(神本美恵子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人日本学生支援機構理事長遠藤勝裕さんの出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(神本美恵子君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る八日に聴取いたしました国務大臣の所信等に対し、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○藤本祐司君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤本でございます。
 時間が、私、持分三十分なので、ちょっと時間が短いのでさっさと本題に入らせていただきたいというふうに思いますが、所信に対する質疑ということで、余り一つのことに私の主義としてこの段階では入るつもりはありませんが、ざっくり所信の中身をイメージできるようにしたいという思いでやらせていただきたいと思います。
 まず、官房長官にお聞きしたいことがございます。
 内閣官房、内閣府というのは、当然のことですが、内閣の重要政策に関する企画立案、そして総合調整を図る役割を持っているという中で、最近の官房長官の様々な活動をいろいろな報道も含めて見させていただくと、かなり観光に御熱心だなというふうに思うんですね。具体的にどういう観光政策をやるかということに私が関心があるというよりは、むしろ観光政策に熱心な官房長官の姿にとても関心がございまして、かなり前向きにやられているということを感じているんです。
 私の見立てとしては、菅官房長官は殊更その観光に熱心に取り組んでいるというふうに思うんですが、その他いろんな重要政策がある中で、私の目から見るととても熱心にやっているなという思いがあるんですが、その見立てというのは正しいんでしょうかね。イエスかノーかでお答えいただければと思います。
#9
○国務大臣(菅義偉君) 最高に正しいと思っています。ありがとうございます。
#10
○藤本祐司君 やっぱりそういう取組をされているということは、何らかのきっかけがあるとか、もう前々から考えていたのか、いろいろな理由がある、あるいは原因があってその結果があるんだろうというふうに思うんですね。
 観光政策それ自体よりも官房長官の姿というか姿勢に興味があるというのは、正直申し上げると、観光政策それ自体というのは、私も観光は親の代からずっとやっているので、もう五十年ぐらいそういう環境の中で育ってきて、シンクタンクのそれをやっていましたので、おおよそ何となく見当が付く。そうはいっても、例えば三十年前、四十年前と比べれば、WiFiの環境をどうするかなんていうのはそのときはなかったわけですけど、そういう新たなテーマ、課題というのが出てきているということも間違いがないんですが、大体そんなに大きく変わっているものではないんですね。
 昭和初期の頃から、通訳ガイドどうするんだという議論が国際観光局ができたときからあるわけで、地域限定でやったらいいじゃないかというのは、これはもう、そのとき、百年ぐらい前から続いている話なので、何となく想像は付くんですが、そうはいっても、やっぱり理由があって官房長官が熱心にされていると。
 安倍内閣の発足当時と比べても、ここ一年ぐらいはかなり御熱心だなというのが見受けられるので、その何らかのきっかけがあったのか、あるいは、何といいますかね、今世の中の動きがこうだからこうなんだという、その理由といいますか、熱心に取り組まれているその根本的な、基になるような原点というか、理由があれば教えていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(菅義偉君) 私は、今横浜選出の衆議院議員ですけど、日本という国はなぜこんなに訪日の観光客が少ないんだろうと、これずうっと思っていたんです。これ、野党のときももちろんそうです。そういう中で、時間がありましたので、様々な研究する中で、やはり少なくとも隣の韓国、当時韓国は一千二百万人ぐらいだった、日本は八百万人ぐらいだった。いわゆる観光資源比較しても、はるかに日本の方に魅力あふれる、歴史、伝統、文化、自然、そういうものがあるというふうに思っていました。
 なぜ駄目だったのかと。これは、多分普通の日本人の方が考えられることだったというふうに思いますけど、それはビザが厳しかった。それと、町場になぜ日本は免税品売場がないんだろうと、これも私ずうっと考えておりました。そしてまた、例えば、議員も赤坂迎賓館行かれたかと思います。私は最初に行ったときに、こんなにすばらしいものをなぜ国民の皆さんに開放できないんだろうと、こういう全く素朴な思いをしておりました。
 そして、官房長官に就任しましたので、早速総理の指示をいただきまして、まずビザ緩和、これに手を付けてみたい、そういうことで、これは長年ビザ緩和しようとすると治安当局が大反対でありましたので、当時、法務大臣谷垣さんでありました、国家公安委員長古屋委員長でありました、この反対を予測される両閣僚に事前に説明をさせていただいて、了解をいただいて、所管大臣であります国土交通大臣、外務大臣、そして私と、五人でビザ緩和を十分も掛からずに決めたんです。そして、治安当局の事務方の責任者に対しては、とにかく徹底をして治安を万全の体制で取り組んでほしい、そういう実は指示をしました。そうしたら、翌月から緩和したタイはたしか八〇%以上伸びたんです。どんどんどんどん伸び始めました。
 そして、免税店売場というのは、当時四千五百軒ぐらいしかなかったんです。海外に行くと、行けば百メートルに一つぐらいあるぐらいその看板がありました。それはなぜかと。それも免税品が限られていたんです。電気製品だとかそういうのが主でした。例えば化粧品だとか薬だとかお酒だとか、まさに地方にもたくさんある、そうしたものも入れるべきだという、それも官房長官としての指示で一挙に開放しました。そうしたら一挙に増え始めたんです。八百たしか三十数万だったと思いますけれども、昨年は千九百七十四万まで増えました。
 まさに我が国が今求めている地方創生、そして成長戦略、こうしたものにこの観光というのは最も資する、そういうふうに思いまして、それはただ観光庁でやるのではなく内閣全体として取り上げるべきだ、そういう中で、総理を議長とする観光ビジョンの研究会を立ち上げて、今まで疑問に思ってきたことをその中で一つ一つ解決をし、今取り組んでいるところであります。
 ですから、発想は全く、おかしいという、一般的に、世の中の常識かもしれません、思ったことから発して、それでビザ緩和をしたら一挙に増えて、やはりそこは、日本というのは世界から見て魅力がある国なんだなというふうに今思っておりまして、拍車を掛けてどんどん今やっているところです。
#12
○藤本祐司君 ビザの緩和は本当に難しくて、私も当時前原大臣のときに政務官やって、中国ビザを何とか発給要件を緩和できないかという、それはそのときからスタートしたわけなんですけれども、ちょっと細かいお話は今日はやめておきますけれども、この観光について質問するというと、大体国土交通委員会でしかできなくて、今回、官房長官が先頭に立ってやっていらっしゃるということもあって、そこのところをちょっとお聞きしたかったんですが。
 ちょっと時間も関係ありますので、あと二問だけお聞きしたいんですが、一つは、有識者会議とか観光ビジョン構想会議ってかなり熱心にやられて、本当に多くの方々から意見を聞き取っているというふうに認識をしているんですね。それをやっていく中で、ここ数か月なのか、一年ぐらいなのかもしれませんけれども、いろんな方の意見を聞く中で、官房長官としては、ああ、こんなことがあったんだとか、例えば自分が考えていたこととはこれが違ったなという何か新しい気付きというのが当然あったんだと思うんですよ。新しい気付きがなかったら、別にそんなのやらなくてもそのままやっていけばいい話なので、何か新しい気付きがあったということがあれば一つ二つ御紹介をいただければと思うんですが。
#13
○国務大臣(菅義偉君) 私、今までやっていまして最高にええっと思ったのは、どうしても日本の売りというのは治安がいいとかあるいはおもてなしだとか、そういうことを私どもは思って観光のセールスの一つにしてきました。
 しかし、アトキンソンさんという方から話を聞いたときに、それはもう一変したんです。そういうものだけで外国の方が観光地には行かないと。やはり観光には四つの条件があると。それは、やはり自然、気候、文化、食、この四つを兼ね備えている国に外国人の方は高い旅費を支払って訪れたいんだと。ですから、まずその四つのことを充実をさせるべきだということだったんです。そして、日本という国はフランスと並んでこの四つの条件が最高水準である。ですから、今二千万ですけれども、そんなものじゃなくて、その人は八千万人ぐらい来てもおかしくないという実は示唆がありました。まずその四つの条件、日本というのはもっともっと自信を持っていいということであります。
 それと、やはり日本の歴史、伝統、文化、行った施設の中で外国語の説明が全くなってないということでした。例えば日光東照宮、これは有名ですけれども、それは日光東照宮と書いているだけで、歴史的背景というのは全く書いてないと。なぜここにこの東照宮ができたかと、そういう歴史的背景をもっともっと日本の文化財、国宝、そうしたものについて背景を書く。すると、外国人の人というのはそうしたものを最も知りたいんだという。
 そういう意味で、まずこの四条件ということが、私どもの拙い知識では治安がいいからだとか親切だとか、そういうことではないという、ああ、なるほどなというのが一番の、私、ショッキングなことでした。
#14
○藤本祐司君 確かにそうだと思います。もちろん、いろんな戦争が起きているところに行こうということはないと思いますけれども、治安が多少悪くてもやっぱりそこに魅力があれば行くと。また、例えばペルーのマチュピチュなんというところは、遠いしそんなに治安がいいわけではないにもかかわらず行っているということを考えれば、治安ということだけがやっぱり売り物にはならないんだろうなということはよく言われることなんだろうと思いますし、自然と言えば、日本ぐらいなものですよね、今流氷があってサンゴがある国という、両方持ち合わせている国というのはそうあるわけではなくて、アメリカぐらいしか多分ないのかもしれないんですが、そういうところ。
 ただ、文化に関して言うと、今の訪日外客を見てみますと、実は文化を本当に知ろうと思って行く人という割合がまだまだ、爆買いが注目を浴びているだけにちょっとそこのところが少ないので、それをどう売っていくのか。私もちょっとウィーンなんかに行ったことがあるんですが、博物館、美術館に行くと、十か国、十一か国のいわゆるオーディオガイドで済むんです。別に通訳いなくてもオーディオガイドだけあれば、それとパンフレットがあれば、表示なんというのは英語だけでも意外と済んじゃうというところがあるんですが、どちらかというと日本の場合は案内表示を多国語化しろとかという話があって、その施設、京都に行って、じゃ英語で聞けるかというとそれもないという、そういう状態でおもてなしとか言っている状態ではないんだろうなというのはつくづく思うわけなんです。
 最後の質問に、官房長官には最後の一つなんですが、やっぱり観光庁だけでは限界があるというのは、私、もうずっと前から、もう何十年も前から、あっ、何十年前には観光庁はありませんでしたが、国土交通省だけでは限界があるんだろうと。元々の観光の成り立ちは鉄道省から始まっているわけなんですけれども、その流れをくんでやっている。国際観光局を一九三〇年につくったときも、実は内閣の中につくった方がいいんじゃないかという意見もあったというふうには資料には載っているんですけれども、そのぐらいやっぱり総合的なんですね。
 農水省にしても厚労省にしても経産省にしても、文部科学省、特に文化庁、スポーツ庁なんかも、スポーツも教育という側面とオリンピック・パラリンピックで人を呼ぼうという、これはまさにスポーツで人を呼びましょうということになるのでかなり観光的な要素があるので、それで内閣あるいは内閣官房、内閣府で今やられるというのは非常に分かるんですが、そうなってくると、内閣、内閣府が肥大化しているからもっとスリム化しようというと逆行することになるので、やっぱりもうそういうのを総合的にトータルで、今の観光庁だけではなくて、やはりいろんな省庁のそういうツーリズム、観光に関連するようなところが、例えば経産省なんかにしても、最近、健康ツーリズムの認定をしようという話があったり、ヘルスツーリズムは実は厚労省に関係があったり、あるいはヘルスツーリズムも、最近は田んぼを耕したり畑耕したり土いじりするのがツーリズムだってやったり、もう本当に広がりがあるので、何か総合的な機関というか、内閣府あるいは内閣官房ではない何かそういう機関が省庁の中に必要な気がするんですね。これは私、もうずっと前からそう思っていたんですが、それに対してどういうふうに御認識をお持ちでしょうか。
#15
○国務大臣(菅義偉君) 認識は委員と全く同じであります。
 ですから、この観光ビジョン構想会議というものを設置をしました。そして、その責任者に内閣官房副長官補を配置し、観光庁がその事務を取り扱うという、そういう中で、今委員から御指摘のありました省庁ですね、そうした省庁ほぼ全て、今名前を挙げていただいたのは全部入っています。そういう中で、局長クラスのワーキングチームというものをつくって、そこで政府全体として方向性を示して、この日本のすばらしい魅力、そうしたものを発信をし、国民の皆さんはもちろんですけれども、海外の皆さんからも一人でも多く日本にお越しいただいて、地方にも行ってもらう。特に静岡なんかすごいですよね。静岡空港にどんどんと飛行機が今入ってきています。
 いずれにしろ、そういう意味で、地方創生と、そういうのを考える成長戦略、こうしたものを実現できるように全力で取り組んでいきたいというふうに思います。またいいアイデアがありましたら是非拝借をさせていただいて、この日本の観光を、まさに観光立国として恥ずかしくない国にしたいと思います。
#16
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 想定していた時間をかなり超えてしまいまして申し訳なかったんですが、今、訪日外客の話が中心ではありますけれども、やはり人口減少、そして地方創生ということを考えたら、いわゆる国内旅行の活性化というのも一つの軸になってくるんだろうと思いますので、それも含めて是非積極的に取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 官房長官は次の御予定があるということですので、委員長、取り計らっていただきたいと思います。
#17
○委員長(神本美恵子君) 官房長官、御退席なさって結構です。
#18
○藤本祐司君 続きまして、石原大臣に質問させていただきたいというふうに思います。
 想定していた質問が全部多分時間の関係でできないので、幾つかピックアップさせていただきたいと思うんですが、TPPのことです。
 この間、小川敏夫議員と、三月二日、予算委員会で議論していたことを聞いていて、ちょっと自分としては納得いかないなという部分があるので、その点に絞って今日はちょっと質問したいと思うんですが、自動車の完成品の関税率についてなんですが、大臣、そのときの答弁で、完成車については現地生産が七割だということで、TPPというのはトータルで考えなければいけない、それはそのとおりなんだろうと思うんですが、自動車の完成品に関して言えば、七割も現地生産だから、二・五%、二十五年先でもある意味仕方がないよ的な発言があったんだろうというふうにちょっと認識をしたんですが、七割だからそれでいいのか、三割だったらそうじゃないのか、二割だったらどうなんだろうなというふうに思ったんですね。
 私は、これ七割だからいいとか悪いとかという話ではないような、要するに、産業構造として、自動車を造る、あるいは自動車を完成させて販売するというその流れ、フローから見て、農業とはちょっと性格が違うんだという認識だったんですけれども、ちょっとその辺りの御認識、確認させていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(石原伸晃君) 藤本委員の御懸念は、完成車、トラックに対する関税の撤廃が二十五年、三十年、そして、それが早ければ、当然現地というか日本から造っているものの関税が下がるから、そういうものをもっとなぜ求めなかったのかという趣旨での御質問だと思うんですけれども、自動車メーカーの方にいろいろお話を聞かせていただきますと、今の海外への自動車の輸出というものは、消費地に近い場所で完成車を造る、地産地消というんですか、これが各社とも基本であるというようなお話でございます。
 日本国内の技術、生産能力、現地での市場規模、それと、当然、日本から運ぶとなると輸送コストが入ってくる、それを全体で考慮されて自動車メーカーが今のような体制を取っているんだということでございます。当然、それは各自動車メーカーによって、例えば富士重工などは四輪駆動という特別な車を多く北米に輸出しているんですけれども、台数等の関係でやはり国内生産が中心である。やはり自動車メーカーが個別の判断で、現地生産するのか、日本で造るのか、あるいは第三国で造るのかということを決めているのが現状だと思います。そうした結果、我が国のメーカーがアメリカの市場で販売するおよそ六百万台の車のうち四百五十万台は北米で造り、一方で日本からは百五十万台が輸出している。その数が七割ということを私は申し述べたのであります。
 我が国のメーカーの生産実態、先ほど自動車メーカーの判断によって造っているというお話をさせていただきましたけれども、完成車の生産のために日本から輸出する自動車部品の関税が下がれば、現地で造っていますので、現地というのは北米で造っていますので、メリットがあるという話を多く聞いております。交渉の結果、自動車の原産地規制については、我が国のグローバルなバリューチェーンというものが各自動車メーカーあると思いますけれども、その中で十分に対応する内容を確保いたしましたので、委員の御懸念の、七割だからいいじゃないか、三割というようなその御懸念は、メーカーサイドにお話を聞かせていただきますとそういう御懸念はないわけでございます。
 また、特筆すべきことは、これももう既に委員会でお話をさせていただいておりますけれども、自動車部品の関税は輸出総額に対して八割がTPPが仮に発効しましたら即時撤廃となるわけであります。
 そういうことを考え併せますと、交渉結果は、我が国の自動車産業のビジネスの実態ですか、これに十分即しておりまして、しっかりした成果を上げた、こういうことをトータルで見ていただきたいと、こういう意味で御発言をさせていただいたわけでございます。
#20
○藤本祐司君 よく分かります。だから、私は、逆に言うと、二割でも三割でも、余り関係なくと言っちゃおかしいんですけど、七割だからという話には多分なっていないんじゃないかなと思ったんですね。
 これ、そのときの予算委員会で、自動車メーカーの方々はある程度御納得、ある程度満足されているというような、多分安倍首相の中の答弁があったと思うんですけど、それは当たり前といえば当たり前で、やっぱり市場に近いところで、そこの、今回アメリカであればアメリカで、私もちょっとデトロイト近郊に留学していたので、あのときかなり、一九八六年、七年代、どんどん出ていった時期だと思うんですけれども、そのときにもお聞きしましたけど、現地で、市場に近いところで造って、そこの人たちを雇って、それでいわゆる部品調達コストが安くて輸送コストが安ければ、メーカーにとってはそれはプラスの話だから、だからメーカーからすれば特段問題はないし、我々は、トヨタ、日産、ホンダとか、それは日本の企業だというふうに思っていますが、基本的にはもうグローバル企業というかマルチナショナル企業というか、そういうところがあるんだと思うんですね。だから、日本の企業であるけれども世界の企業だというふうに考えていけば、メーカーとしては今回のTPPの結論というのは納得がいくところなんだろうと、そういうふうには思います。
 例えば、最近、H&Mなんかが出ていますが、あれスウェーデンの企業だなんということはみんなすっかり忘れていまして、あれは日本だと思っている人たちもいるぐらいで、だから自動車なんかもそれに近いところがあるんじゃないかなというふうには思うんですが、ただ、そうはいっても、やっぱり現地生産の割合を、日本に戻ってくるようなインセンティブを持たせないと、これは石破大臣と加藤大臣なんかの関連もそうだと思いますけれども、日本の雇用が生まれる機会というのが増えていかないということに実はなるんだと思うんですね。
 だから、メーカーとしては納得しているけど、日本国、国として見たときに、やはり日本で雇用を生み出す、創出するような機会が増えていかないというところにつながっていってしまうんではないかという懸念は若干残っていると思うんですが、それに対しては、石原大臣、どう思いますでしょうか。
#21
○国務大臣(石原伸晃君) 委員の問題意識は、先ほどと同じで、完成車の関税が撤廃されるまで長い時間掛かるわけですし、自動車メーカーとしては七割が現地生産していると。そうしますと、国内の生産が増えないで、その間、それに伴って、このTPPによって雇用が拡大しないと、そういうことを示唆されての御質問だと思うんですけれども、これまで日本は数多くの自由貿易交渉というものを結んできたと思います。その対象の範囲というのは実は余り広くないので、このまま放置しておりますと国内の産業の空洞化というおそれがあるということはもう委員は十分に御承知のことだと思います。そこを今回のTPP協定によりまして、我が国の貿易あるいは投資の拠点ですね、戻ってくる、今委員の御懸念に応えられるように、戻ってくるようになることが可能となるというのが実はこのTPP協定の狙いの一つであると思います。いわゆるメード・イン・TPPという話でございます。
 少し具体的にお話をさせていただきますと、締約国の十二か国の生産であれば関税引下げのメリットというものが実は受けられるようになります。自動車の場合、その原産地規制については、もう既に我が国のメーカーが持っていますグローバルなバリューチェーンの中で十分に対応できる内容になっておりますし、我が国企業が国内にいながらにしてその自動車メーカーの関連する部品メーカーの人たちも海外市場を獲得することが可能になる、そういう部分において、もちろんメーカーはもう既に七割北米で造っておりますから戻ってくるというようなことはやりませんけれども、そこに供給している側の企業は、国内にいても今度は関税が部品については八割がすぐ掛からなくなりますので、国内回帰が起こると。こういう動きが広がることによりまして、貿易と投資が拡大して、当然、貿易と投資が拡大するということは経済が拡大するということを意味しておりますので、経済が拡大すれば経済が活性化し雇用が拡大すると、こういうメカニズムを考えているわけであります。
 一つの例だけを最後にお示しさせていただきますと、もちろんこれからTPP協定と関連する法律案は国会で御審議をいただくわけですけど、もう既に見越して、あるメーカーがインドネシアでベトナム用の二輪車用のエンジンの製造をしていたんですけれども、もう既に神奈川県の方に工場を戻してくるみたいな動きが起こっておりまして、メーカーだけではなくて、もう少しトータルに物を見ていただきますと、このTPPのメリットというものも御理解をいただけるのではないかと思っております。
#22
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 あと一分しかなくなってしまいまして、お二人、大変申し訳ないんですが、島尻大臣は同じ参議院議員ということで御容赦いただきたいと思うんですが、加藤大臣、一問だけ、じゃ聞かせていただきたい。
 今、TPPと関連するんですが、いわゆる雇用の拡大ということで、一億総活躍社会、このイメージがやっぱりどうも湧きにくいんですね。所信をお聞きしていて思ったのは、かなり現実と懸け離れている部分があったり、共通認識ができないほど抽象的な発言にしかまだなっていないということと、あとは、一億総活躍の中で、女性も男性も、あるいは一度失敗した人もそうでない人もみたいな話があって、その後にまた女性活躍の政策があり、再チャレンジがあって、これ全部本当はトータルで一億総活躍の中に入るものが、個別に並列に並んでまた別に出てくるので、ちょっと分かりにくくなってしまっているんですね。
 だから、この一億総活躍、ちょっと時間がないので短くなってしまうと思いますが、具体的にどういう社会をイメージすればいいのかというのをお答えいただきたいと思います。
#23
○委員長(神本美恵子君) 加藤大臣、時間ですので、簡潔にお願いします。
#24
○国務大臣(加藤勝信君) はい。
 今の御指摘で、まず、我々がこの一億総活躍社会の実現ということを意識したのは、御承知のように、我が国の経済成長、これを更に進めていくときに、少子高齢化という構造的な課題があって、この隘路をやはり乗り越えていかなければならない、こういう思いであります。
 具体的に、一億総活躍社会そのものは、もう総理がいろいろ言っておられますけれども、誰もが個性が尊重されて、家庭、地域、職場で将来の夢や希望に向けて取り組める、多様性が認められる社会であり、また、その実現のために一人一人の希望を拒むあらゆる制約を取り除き、活躍できる環境を整備していきたいと。そういう流れの中で、今、第一の矢である強い経済の実現、この成長果実、これを、第二、第三の矢であります子育て支援や社会保障の基盤強化、これを図っていく。そして、それによって子育てや介護と仕事が両立しやすくなることで、様々な人材が参加する、例えば働くことができるようになっていく。まさに、そうした社会というのは多様性が生まれてくる。
 そして、多くの方々がより働くことが例えばできるということになれば、そうした多様性とあるいは労働参加率の向上、そういったものがイノベーションを通じた生産性の向上を促して、経済成長を加速していく。そして、そのことがまた成長を生み出し、果実を生み、そして子育て支援、社会保障の基盤を強化していく。こういう成長と分配の好循環をつくっていきたいと、こういうふうに思っております。
 その中で、今、女性活躍と再チャレンジ、どういう関係かということでありますけれども、女性やあるいは一度失敗を経験した人を支援をしていく施策というのは、もちろん一億総活躍社会の実現に資するということであります。しかし、女性活躍は女性活躍として、今、男女共同参画基本計画に基づいた施策、あるいは、女性活躍推進法を去年成立していただきました、そういったものを一つ一つやる。
 あるいは、再チャレンジについても、フリーターの常用雇用化、ニートの職業的自立、あるいは罪を犯した人の社会復帰、こういった施策を進めていくということで、それはそれぞれの分野で一つ一つ施策を更に深掘りをしていきたいと思っておりますし、また、一億総活躍における様々な、例えば希望出生率一・八の実現などの目標に向けた取組というのは女性活躍や再チャレンジの支援にも資するのではないかなと、こういうふうに思っておりまして、まさに一億総活躍という中に包摂していく部分はもちろんありますけれども、それぞれの施策というものをやっぱり一つ一つ深掘りし進めていく、そういうことで並行して一つ一つを進めていきたいと、こういうふうに思っております。
#25
○藤本祐司君 終わります。
#26
○上月良祐君 自由民主党の茨城県の上月良祐です。
 先ほど藤本先生の御質問で、観光振興の話が随分出ておりました。私も本当に同じ思いでございます。しっかり、インバウンドを含めて、国内旅行も含めてでありますけれども、観光をしっかり振興を図って、それで国内で適切に稼げないといけないと思いますし、日本国民が適切な給料をもらって働く場所が増えるということにならないと、つながらないといけないんだと思っております。厳し過ぎる給料で、厳し過ぎる労働条件でしか働けないといったようなことでは困りますし、さらに、その結果、大きな事故がこれ以上また起こるということになっては絶対にいけないんだというふうに思っております。
 そういう意味で、規制緩和の在り方ということの一つの局面として、今日はバスの問題について議論をさせていただきたいと思っております。
 まず、河野大臣にお聞きしたいと思います。
 規制改革については、先日の所信の中で触れられておられまして、成長戦略の中核であるということで、私も全く同感でございます。特区であるものも含めてしっかりやっていくべきだと思っておりまして、更なる改革に迅速に取り組んでいただきたいと心から思っております。
 その中で、これまで進めてきた改革が着実に実施されるよう、万全のフォローアップを行うということでおっしゃっておられました。まさに、もっと進めていくという意味でのフォローアップも必要だと思いますし、規制改革の結果をよく見て、必要な、何というんでしょうか、見直しというんでしょうか、そういったものも適切に講じていくべきだというふうに私は思っております。
 規制の中には、経済規制と、参入規制みたいな経済規制と、安全規制、社会規制、そういったものがあると思っておりまして、原則緩和というのは、経済規制については大いに当てはまるんだと思います。チャレンジをしてみるべきだと思いますが、その結果、安全に影響があってはやっぱりいけないんだと思っております。安全規制についてはやはり少し考え方を、同じようには考えられないんじゃないかと思っておりますが、平成十二年の貸切りバスの規制緩和以降、平成十九年にあずみ野観光バスの事故、平成二十四年には関越の事故、そして平成二十八年、今年には軽井沢のスキーバス事故と、本当に大きな事故が定期的に相次いでいるわけであります。今回の事故では前途ある多くの若者が命を失ってしまったわけでありまして、十五人ということであります、そういう方々を含めて。本当に重たく受け止めないといけないというふうに私は思っております。
 貸切りバスは、参入規制という経済規制、需給調整という経済規制をやめてしまった結果、思わぬ形で安全にまで影響が及んでしまった例だと思っております。事前規制から事後チェックというのはキャッチフレーズではありますけれども、こういった問題に関しては、事故が起こってしまうと、それで事後チェックというふうに言われてもなかなか手がありません。失われた命は戻ってこないものですから、やはりバスのような安全とか人命、特に人命に関わるようなものは、安全が確保できる意思や能力のある人しか参入できないし続けられないというような、事前の規制あるいは事後の規制というんですか、途中段階の規制が必要ではないかと思っております。
 規制緩和について、その経済的規制と社会、安全規制に関してどんなふうに大臣が思っておられるか、お考えをお聞きしたいと思います。
#27
○国務大臣(河野太郎君) おはようございます。
 規制というのは、やはり状況に応じて不断の見直しが必要なんだろうというふうに思っております。
 おっしゃるように、経済規制というのは、少しいろんなものにチャレンジしていくというのが、これは前向きな姿勢が必要だと思っておりますし、一方、安全、安心あるいは公衆衛生といったものについては、これはやはりきちんと確保すべきものは確保されなければいけないんだろうと。少し経済規制と安全、安心に関する規制というのは分けて考える部分というのも必要なところはあるだろうなというふうに思っております。
 ただ、事前チェックがいいのか事後チェックがいいのかというのは、様々な環境、取り巻く情勢といったものを見ながら個別具体的に判断していく必要があるのではないかなというふうに思っております。
#28
○上月良祐君 まさに個別具体的に考えていくべきでありますので、この問題につきましても、是非丁寧にといいますか、しっかりこの機会に大臣も所掌の観点から関わっていただいて、どういうふうに対応していくか、一緒になって考えていただきたいと思っております。
 LCCとかは確かに、何というんですか、安い値段で乗せてくれますけれども、ローコストキャリアの飛行機は、しかし安全のところはやっぱりしっかり守っているわけで、そういったことと同じようであるべきだと思っておりまして、安くて、安全の方ががたがたでは困ってしまいますから、是非そういう点、御配慮いただきたいと思います。
 国交省にお聞きします。
 イーエスピーさん、個別のミクロの話でありますが、イーエスピーさんは既に今年の一月から車両の停止処分を受けていたというふうにお聞きしております。しかし、バスの停止処分というのは必ずしもバス会社にとって、全部のバスが常に動いているわけではありませんから、必ずしも重たい処分という受け止めになるのかどうかというところが微妙かなというふうにも私としても思います。そういう声もあるようであります。事故の前に処分や監査を受けていたのに、何で今回のようなこんな事故が起こってしまったんだろうかというふうに、本当に悔しくてなりません。
 処分の実効性をどういうふうに担保しようとされていたのか、それから、何というんでしょうか、監査の在り方ってこんなのでいいのかなということに関して、国交省、政府参考人で結構です、御答弁お願いします。
#29
○政府参考人(宮城直樹君) 今お話のございました株式会社イーエスピーでございますが、これにつきましては、お話のありましたとおり、去年の二月に実施いたしました監査の結果、例えば点呼の未実施、こういった違反がございました。これによりまして、今年の一月十三日に行政処分、今ありましたとおり、車両停止一台の二十日間でございます、これを科すとともに、改善措置を指示するやさきでございました。そのやさきに事故が起きたということでございます。極めて遺憾に感じてございます。
 この事故の原因につきましては、現在、警察等におきまして究明のための調査を行っておられるところでございますが、今ありましたように、バス事業者に実効性のある、実効性のあるといいますのは、本当にこの法規を守らないと仕事ができないと、このように心から思ってもらう、こういった処分が、科すことがなければ安全確保のための措置を徹底することは難しいと、このように考えてございます。
 このような考え方を踏まえまして、国土交通省といたしましては、今回の事故を踏まえた軽井沢スキーバス事故対策検討委員会がございます。ここにおきまして、例えばでございますが、複数回にわたりまして法令違反を繰り返す、言ってみれば遵法意識の乏しい、その結果非常に危ない事業を行う、こういったマーケットにいてもらっては困る、こういった者を速やかにマーケットから出ていっていただくと、こういったことが可能なようにするための事業許可の取消し等の処分の在り方について検討いたしているところでございます。この検討委員会の検討内容を踏まえまして、今後、事後チェックの在り方について改善を進めてまいりたいと、このように考えてございます。
#30
○上月良祐君 私がすごく問題だと思っていますのは、その一車両掛ける二十日間という処分を受けられたわけです。そのときのチェックリストみたいなものがあるんですね。その後、今回、免許の取消しになったわけですよ。そのときのチェックリストもあるんです。まあ特別監査に入られたチェックリストを見ると、全部バツですよ、はっきり言って。ほぼ全項目バツですよ。それが最初の監査に入ったときに気付かなかったのかということですよ。どんな監査の仕方をしているのかというふうに私は問いたいんですよ。確かに、一般監査と特別監査は違うんですよ。違うけれども、入ってそんなものが見抜けないような監査でいいんですかということですよ。それをしっかりやられてほしいと。今度、今おっしゃったように、民間の力も活用してみたいな話がありますけれども、それはそれでいいけれども、その人たちだってその監査やらなきゃいけなくなるわけで、国交省がやってもできなかったようなことを民間にやってくれと言ったってなかなか難しいですよ。
 そういう意味で、監査の在り方、やり方というのも考えなきゃいけないし、後でお話ししますけれども、やっぱりそもそもの参入のところの在り方を考えないと、できない監査をやるような話になっちゃうわけですよ。なので、そこを僕はもう非常に問題だと思っていますので、今の御答弁は、官僚の方の答弁としてはそれは仕方のないことだとは思いますけれども、まず申し上げておきたいと思います。
 あわせまして、今度は、キースさんの方というのは、今処分というのはどうなっておるんでしょうか。
#31
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。
 貸切りバスの事業者が届け出た運賃の下限を割る運賃で運行するということは道路運送法の違反でございまして、これに旅行業者が関与した場合には旅行業法の禁止行為に当たりますので行政処分の対象となります。また、旅行業者が貸切りバス事業者と運送契約を結ぶ際には運送申込書・引受書の保存義務を義務付けておりまして、これを怠った場合には、旅行業法上の旅行業務取扱管理者の職務上の義務違反になりますので、行政処分の対象となります。
 今回、旅行を施行いたしましたキースツアーは、東京都知事登録の事業者でもございまして、今後、法令違反の事実が確定し次第、東京都において行政処分が行われるものと承知しておりまして、国土交通省といたしましても東京都と連携して速やかに対応してまいりたいと考えております。
#32
○上月良祐君 ありがとうございます。
 ちょっとね、東京都さんが所管されているということなんで、それはそれで仕方がないことかもしれませんが、よく連携をして、迅速なというんでしょうか、その辺の対応ぶりにやはり私は問題の一端が表れているというふうに思っておりまして、バスとキースさんへの対応ぶりが、そういった点から迅速、的確に、まあ何も急いでくれとだけ言うつもりはありませんが、的確にやっていただきたいと思っております。
 それで、個別の会社が悪かったというのは、これはまあそうなんだと思います。だから、そこは厳しく責任を問われざるを得ないと思うんですね。しかし、今ではもう人口に膾炙していますよ。この問題が、ミクロの会社の問題ではなくて、これは構造問題の、要するに規制緩和以降の非常に問題の表れだということはマスコミでもよく言われていますけれども、私は去年の四月の十六日の質問でこのことをしっかり質問させていただいて、国交省さんからも御回答をいただいていたんですね。私はこの問題をその前から取り組んでいて、こうなりますよ、こういう事故が起こるよ、ちゃんとやらないとということを申し上げてきたつもりなんです。与党なので、藤本先生が与党のように非常にいろんなことをちゃんと広く聞いていただいて、私、こういう立場で何かこういうふうな質問をするのは非常にじくじたる思いがありますけれども、観光でちゃんと伸びていってもらって日本国内がもうけていくためにも、こういうふうな観光のインフラ、ソフトもハードもですけれども、しっかりやっていただきたいということをやっぱり言わなきゃいけないという立場で去年も言ったつもりなんですよ。しかし、こんな事故が起こってしまったということなんです。今国会でも絶対質問しようと思っていましたから、申し上げておいたんですけれども。
 それで、更に言うと、平成二十二年に総務省から行政評価で勧告されているんですよ。非常に厳しい勧告をされていますよ。これはよく見ると大変よくできた勧告というか、結果報告で、網羅的にきちっと問題点を指摘していますよ、総務省は。そして、直せと言われているんですよ。それに対して国交省さんは一体どういう対応をしてきたんですか。その後、こんな大きな事故が起こってしまったわけです。関越が起こったんですよ、その後。そして今回も起こったんですよ。どういう対応をしてきたんですか。
#33
○政府参考人(宮城直樹君) 今ございました総務省からの勧告でございますが、この勧告の内容といたしましては、一つは、貸切りバス事業における安全確保対策の徹底というのがございました。それから、収受する運賃の実態把握の実施と公示運賃の検証という話がございました。それから、旅行業者への指導監督の強化という話がございました。そして加えて、貸切りバス事業者に対する監査の効率的、効果的な実施と、こういった項目について指摘いただきました。
 これを受けまして、これと併せまして、平成二十四年のあの関越自動車道の事故を踏まえまして、平成二十五年の四月、この年でございますが、このときに高速・貸切バスの安全・安心回復プラン、こういったものを作らせていただきました。この中におきまして、一つは、高速ツアーバス、これは実は旅行業者とそれからバス事業者と必ずしもその責任がはっきりしない状況でお客さんを乗せると、こういった形のものでございました。これにつきまして、こういった形の事業を廃止いたしまして、新高速バス、これは乗り合いバスでございます、こういったものに移行する一本化という形の対策を取りました。
 あわせまして、この貸切りバスの安全性の向上といたしまして、これまでは参入時は基本的には書類審査だけであったものを、これを実地に見に行く、営業所を見に行く、それから参入後には原則一年以内に監査へ入る、こういったことをすると、こういったことで安全性のチェックの向上を図ってまいりました。あわせまして、今度は経営者の側から安全性の向上策を図るために、運輸安全マネジメント、こういった仕組みをつくりまして、これによりましていわゆる経営者の方の安全意識向上を図ると、こういったことをやってまいりました。それに加えまして、安全コストを反映した新運賃、料金の制度も導入いたしました。
 ただ、いずれにしましても、こういったものが必ずしも十分な効果を上げなかったということは、今回、非常に重く受け止めているところでございます。
#34
○上月良祐君 御答弁を聞いていても早口でよく分かりません、済みません。
 まあいろいろやられたんだと思いますけれども、現にこういうふうになってしまっているわけです。まあこれまでのことはもう言ったってしようがありませんから、私は、今回のこの事故は、もうこれを最後にしてほしいんですよ。なので、それを最後にしてきちんと対応していただける、その責任を負っていただきたい、今回。だから、ちゃんと踏み込んで、インバウンドの対策を受け止めなきゃいけませんよ、増えているから。しかし、だからといっていいかげんなことをやっていては、今度はインバウンドの旅行客に大きな事故が起こる可能性だってあるんですよ。そんなことにしちゃいけないから、なので、そこの、大変難しいナローパスだと思いますけれども、そこを是非しっかりやっていただきたいと。政務官にもそういったところをよく目を付けておいていただきたいと思います。
 問題がある、法を守る意識のない、いろんなパターンがあるんだと思います。これはもう大変実態は難しいことがあることを、私、現場でもいろいろお話を聞かせてもらいました。一律に全部何もかにも取り締まってくれとまでは言いませんけれども、本当に遵法意識のない会社は、やっぱりこれはやめていただかなきゃいけないんだと思うんですよ。
 ただ、非常に問題なのは、何というんでしょうか、例えばバスの協会に入っている、四千五百ぐらいあるうちの半分ですね、そっちの人に幾ら義務を課しても事は解決しないんですね。何というんでしょうか、小さいから悪いと言うつもりは毛頭ないんですけれども、遵法意識が足りないというんでしょうか、そういう人たちをどう監査するのかが問題だと思うんですよ。
 そこのやり方は非常に工夫をしないと、これまでも監査やられたけれども、監査へ行っても、相手が何回か行ってもいないから監査ができないとか、それで終わらせちゃったりとか、行くのがちょっと怖いから行けないみたいなことがあっちゃいけないので、労基署との連携とかも含めて、これどういうふうにそういうバスの皆さん方を監査していくのかというのは、どんなふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
#35
○政府参考人(宮城直樹君) 監査の体制でございますが、現在、三百六十五名、これでやってございます。
 お話のございました労働基準監督署のネットワークでございますけれども、これは昨年度は合同で百八十三件監査してございます。さらに、情報共有といった形で、これはこちらからの通報件数でございますけれども、三百五十三件の通報をしている。このような形で協力体制を組んでございます。
 そういう中で、御指摘のありましたとおり、遵法意識にのっとってきちんと事業運営をしているところ、そうではないところ、これきちんと分けて監査をしていくということが重要と考えてございます。そのために、現在、委員会においても、いわゆる民間の力を使って監査をしていくということを考えてございます。
 この場合にどんな役割を持ってもらうか。例えば、現在でも監査というものは、規模の小さいところ、それから営業を開始してから間もないところ、それからもう一つ、いろんな形で通報があるところ、こういったところを重点的にやってございます。こういった現在は国の方の監査の中だけでやっている仕分といいますかスクリーニング、こういったものを民間の団体と協力しながらやっていくと、こういったことについて検討し、かつ進めてまいりたいと、このように考えてございます。
#36
○上月良祐君 そのときに、私、ちょっと注意してほしいというか、まずお聞きしたいんですけれども、そのコストは誰が負担するんですかね。遵法意識のない会社がどれだけいるか私分かりませんけれども、そういう方々を監査するお金を民間の方々に出してくれということは、消費者が負担することに最終的にはなるんですけれども、規制緩和をするとやっぱり行政の仕事って増えるんですね、すごく増えるんです。これもうある意味、規制緩和の結果で出てきた話でして、本来であれば全部国の監査の三百何十人かのそれをもっと増やしてやってくれって言いたいところだけれども、そんなわけにいかないのはよく分かっていますので、そうすると民間の力を借りようと。
 しかし、民間の方からすると、これはまたちょっと困るといえば困りますよ。誰が監査するかといったら、その人をどう確保するのか。そして、委託費みたいになるのか分かりませんけれども、その超過負担なんかがあっちゃったら、みんなぎりぎりでやっていて、バスドライバーの給料も上げられるかどうかという、これもまた構造問題になっているところへまた負担を押し付けて、そして行く先は小さな遵法意識のないところを探していかなきゃいけない。
 その監査をというのをある意味で押し付けになっちゃったらまずいので、その辺についてどんなふうに考えていらっしゃるか、これは政務官にお聞きしたいと思います。
#37
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 民間の機関を活用してやるということで進めていく場合は、道路運送法によりまして、輸送の安全確保や法令遵守に関する指導等を行う民間機関を指定することができるということになっておりまして、トラック事業はそのような体制を取ってやっておりますけれども、この事業参入後の安全確保のチェックに民間機関を活用することについては大変有効な方策と認識をしておりまして、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会におきまして、先生御指摘のコスト負担の在り方も含めまして、具体的にしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
#38
○上月良祐君 大変分かりやすい御答弁で、本当にありがとうございます。
 国土交通部会でも、私、随分申し上げておりまして、何も誰かをたたきたいとかということではなくて、やっぱりある程度の規制を掛けながら、業界がウイン・ウインの中で適切に拡大していってもらいたいと思っているんです。そして、インバウンドが増えれば、その収入が日本国の会社や国民にうまく回転していくようにしていかなきゃいけないんだと思うんですね。数も増やしていってほしいと思うけれども、数が増えても支える方がぼろぼろでは困っちゃうので、そこをしっかりやってもらいたい。そのための監査の在り方について、是非そこは本当に真摯にというか、うまく検討していただきたいと思います。
 監査をやっている方が、私、質問レクのときに来られて、どういう自信でそう言われるのか分からないけれども、自分たちが見ていないところもしっかり遵法していますみたいなことを、法を守っていますみたいなことをおっしゃったんで、ちょっと私もさすがに厳しく申し上げましたけれども、なかなか自分たちでも入ったって見切れなかったわけですよ。それを、全部見れていないのに守っているという前提での監査だと、それはまたうまくいかないですよ。
 なので、何というんでしょう、厳しくし過ぎることもないと思います、私は。だから、うまくやっていただきたいと思うんですが、そこは本当に難しい仕組みだから、しっかり考えていただきたい。特に財源について、トラック協の、トラックの方の話も言われましたけど、これは財源が違うのも御存じだと思いますから、そういったこともよく検討して考えていただきたいと思います。
 それから、参入といいますか、まず、どうしても法律を守る気がない、守らない人には、これはもうやめていただかないといけないんだと思いますけれども、例えば、かつて大きな事故を起こした会社の運行管理者がまた別の大きな事故に関わった会社で運行管理者をやっているとか、かつて大きな事故を起こした会社と同じ住所で、以前からの関係者が代表者となって、会社名は変わっていますから、その連続性は私分からないから個別名称は言いませんよ、言いませんけれども、またやっていらっしゃるというような例があるんですね。
 これは、一旦退場していただくということになったとしても、今の参入規制ではまた名前を変えて入ってくる可能性があるんですよ。そうなったら何の意味もないわけですよね。だとすると、やはり参入の在り方も併せてどういうハードルをつくるかということを丁寧に議論しないといけないと思うんですね。
 そのときに、別に僕は本当に小規模だから悪いとは言わないですよ、小規模でも一生懸命やっている方がいらっしゃるし、地域にとってそういう会社が重要であることは重々認識をいたしておりますけれども、例えば運行管理者を二十四時間張るといったら、バスの台数が余り少なかったらなかなかペイできないんだと思うんですね。そうすると、一定規模みたいなことはやっぱりどうしても必要になってくるんじゃないかなというふうに思います。そういう意味での、特に新規参入する場合、その台数の規制で、車齢の規制とか台数の規制とか、有蓋車庫がちゃんとないと点検もできないからそこをどうするかとか、そういったことを、何というんでしょうか、参入のハードルとしてある程度課していかなきゃいけないんじゃないかなと思うんですね。
 その場合に、そういうふうな参入規制を掛けますと、既存の業者の方でそれをクリアできていない、既存不適格的な業者の方々も出てくるんですが、その方でも中にはちゃんとやっていらっしゃる方もいるんだと思うんです。そういった方々を経過期間を設けて何かチェックをしていくのかとか、その辺、要するに退場しなきゃいけない人に出ていってもらうことと、監査ですね、それは、に併せて、再参入のところをどういうふうに考えていくのか、既存の不適格になる人をどういうふうに考えていくのか、その辺はどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
#39
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 深刻な事故が起こって、安全性をどうやって担保していくのかということにつきましては、委員の御指摘とまさに問題意識を共有するところでございます。安全運行を確保する観点から、最も重要な視点は、事業者に安全に事業を執行する能力が備わっているかどうかと、こういうことを参入時にしっかりチェックをするということが大変重要なことだというふうに考えております。
 改めて、安全に事業を執行する能力の事前チェックの在り方につきまして、御指摘のように事業規模の問題も含めまして、軽井沢スキーバス対策事故検討委員会において総合的に検討をいたしておるところでございます。その場合におきましては、既存事業者にどのような義務付けを行うことが適当であるか等も併せまして検討していくということにしております。
#40
○上月良祐君 しっかり検討していただきたいと思います。
 それから、安全面については、バスの点検とか、そういったことについてはバス事業者の問題なわけですけれども、運賃とかバス料金の方は相対的に立場がどうしても弱い、テレビなんかでも特集が何回もありますけれども、バスの方だけを見ていてもやっぱり駄目で、旅行業者の方々の方もちゃんと見なきゃいけないんだと思うんです。もちろん旅行業界というのは手数料のビジネスですから、旅行業者が適正な手数料をちゃんと取っていただかないと業界が発展しないことはこれは当然のことです。なので、しっかりその手数料というもので適切に稼いでいただくということは大いにやっていただきたいと思っております。
 ただ、今回のキースさんの例ですね、軽井沢の例は、二十六万か七万かの下限運賃に対して十九万だったというふうに聞いております。そういったものは、何というんでしょうか、新料金規制の下限を大幅に超えちゃうような、手数料という名の下の、何か手数料と違うような、やや脱法的なというんでしょうか、そういったものは、そのまま手数料だからいいよと言っていいわけではないんだと思うんですね。そういったものとか、あと、例えば高速の代金とかガイドさんの代金も込みでやってくれみたいなものはやっぱり非常に良くないんだと思うんです。また、下限運賃の幅だから、じゃ何十%も取っていいのかと、五〇%取っていいのかというとそれもちょっとどうかなと思うんですが、この手数料の在り方についてどんなふうに考えていらっしゃるか、政務官にお聞きしたいと思います。
#41
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 旅行業者が過大な手数料や名を変えた手数料等を求めることによりまして運賃が実質的に下限割れとなったり、安全な運行に必要なコストを賄えなくなるということは大変に問題であるというふうに考えております。
 また、御指摘の高速道路の料金等につきましては、貸切りバスの運賃制度上、旅行者から旅行業者が徴収して貸切りバス事業者に支払うべき費用とされております。旅行業者が支払わない場合は問題であるというふうに考えております。
 国土交通省といたしましては、委員の御指摘の事例も含めまして、旅行業者と貸切り事業者の取引を貸切りバス事業者と旅行業者の双方から調査を行いまして、不適切な取引の実態の把握に努めてまいります。いわゆるBツーBだからこれはなかなかチェックができないということではなくて、こういうところにしっかり踏み込んで、国土交通省といたしましては、貸切りバス運賃制度の遵守徹底に加えまして、手数料その他、旅行業者とバス事業者間の取引を明記した書面の取り交わしをし、支払明細の作成、保存を徹底し、両者の取引の適正化を図ってまいる所存であります。
#42
○上月良祐君 BツーBの話が出ましたけれども、ちょっと何か、都市伝説なのか何なのか私はよく分からないんですが、手数料の問題というのはBツーBであると。
 これは公取の方にちょっとお聞きしたいんですけれども、だから、そこについて国交省が指導すると、それが独禁法に触れるんじゃないかというような話を何か思っていらっしゃるんじゃないかという話があって、脱法的な手数料で物すごく下限割れをしちゃっているというような、そういったものを指導しては独禁法上何か触れるんでしょうか。
#43
○政府参考人(松尾勝君) お答えいたします。
 国土交通省が、バス事業者から旅行業者に対して支払う手数料の水準につきまして、安全運行の確保等の観点から道路運送法に違反しないように指導を行うこと、これ自体が独占禁止法上問題となるものとは考えておりません。
 ただ、本来、事業者間において自由に決められるべき手数料の水準に関わる行政指導でございますので、これを行う際には、事業者による独占禁止法違反行為が誘発されることのないよう十分留意していただきたいというふうに考えておるところでございます。
#44
○上月良祐君 何というんでしょうか、独禁法の問題を誘発しないようにそれを指導するのは、それは当然のことだと思うんですけど、明らかにおかしいものをですよ、下限割れでこれはもう法律に違反しているようだというふうなものを指導することは、もちろん別に独禁法上何も問題ないんですよ、それは。なので、そのことを今確認できましたので、そこはきちんとやっていただきたいと思うんです、国交省にも。
 あわせて、例えば、これもう何回もNHKでも特集がここのところ出ているんですけど、バス会社の人が、これぐらいの料金でやってくれというようなことを言われる、言われるんだけれども、すごいもう下限運賃割れしていると。いや、おたくやらないんだったらほかに回すからと、やらないんだったらいいよと言われるような形での、何というんでしょうか、営業というのか取引とかというのは、これは優越的地位の濫用みたいなことには当たり得るんでしょうか。その辺はどうでしょう。
#45
○政府参考人(松尾勝君) 優越的地位の濫用に当たるか否かにつきましては、個別のケースに即して判断する必要がございますが、一般論として申し上げさせていただければ、バス会社にとって旅行会社との取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため、旅行会社がバス会社にとって著しく不利益な要請を行ったとしてもバス会社がこれを受け入れざるを得ないというような状況にあります場合には、当該旅行会社は当該バス会社に対して取引上優越した地位にあるものと考えられます。
 このような場合に、取引上の地位が相手方に優越している旅行会社が、取引の相手方でありますバス会社に対しまして協議もせずに一方的に著しく低い対価を強制することなどによりまして正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合には、優越的な地位の濫用として独占禁止法上問題となるというふうに考えられます。
#46
○上月良祐君 分かりましたけれども、もう一遍、後でよく議事録を、文字をよく見たいと思います。
 それで、ちょっと一つ飛ばしてといいますか、ちょっと順番逆にして、ランドオペレーターのことをちょっとお聞きしたいんですね。
 僕は、旅行業界の方と、よく現場でも話を聞いて、東京でも話を聞いたら、どうも旅行業界の方にもやっぱり非常に複雑な事情があって、バス会社の人も、この値段で受けられないんだったら、じゃ、ほかに頼むからなんて言われるのは非常に怖いですよね。うちの実家も小さな印刷屋さんだったので、倒産したこともあるし、立場が弱かったのでそういうふうに言われるところの厳しさというのをすごく感じるんですけど。じゃ、旅行業界の方はそんなことないのかといったら、その方々もやっぱり苦労されていて、バスの新運賃規制で値段がぱんと上がっちゃったので、何というんですか、地元の団体とかから、この値段じゃもうおたく出せないからと、おたくに出せないから、じゃ、ほかの旅行会社探すからなんて言われるのはやっぱり怖いんですよね。
 そうやって一回離れていったお客さんというのはやっぱりなかなか戻ってこれないから、じゃ、ちょっとうちで何とかしましょうかみたいなことになってしまうという、何かある意味で泣く泣くやらざるを得ないようなケースと、それと、このランドオペレーターの人は相当悪くて、と私は思っているんですが、電話一本で、何というんでしょうか、これ法の網が全く掛かっていないから、日本人じゃない人も多分やっていて、しかもその人の店がどうなっているかもよく分からないような、そんな人たちがやっているわけですよ。静岡なんかどうも多いようでありますから、そういった人たちは、これは日本国民の経済を拡大していくためには本当にまずいと思うんですね。ここについてはどんなふうに今回指導していき、取締りというんでしょうか、規制の網をかぶせていくのか、その辺お聞きしたいと思います。
#47
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたします。
 現在の旅行業法におきましては、旅行者に直接サービスを提供する旅行業者を対象としておるということもありまして、旅行業者の依頼を受けて運送や宿泊等のサービス等の手配を行うランドオペレーターは同法の対象外となっているのが今現実でございます。
 しかしながら、今回の軽井沢スキーバス事故のように深刻な事故を受けまして、旅行業者からの依頼を受けたランドオペレーターが安全性に問題があるバス会社を手配し、結果的に多くの旅行者が事故の犠牲になるなど、ランドオペレーターが旅行の安全と質に大きく関わっており、その結果、旅行者に影響を及ぼしている事案が生じておるというのは委員のおっしゃるとおりでございます。インバウンドに関するランドオペレーターについても様々な問題があると認識をいたしております。
 このため、国土交通省におきましては、従来、旅行業法の適用がなかったランドオペレーターが旅行商品の企画や手配にどのように関与しているか、その実態の把握を今急いでいるところでございます。今後、速やかに、ランドオペレーターを含め、旅行の安全と質を確保できる規制の在り方を検討してまいりたいというふうに考えております。
#48
○上月良祐君 手数料も、私、去年の質問で申し上げて、国交省が調査しますというふうにおっしゃっていたんです。あえてそのことはもう聞きません、更に発展解消して網羅的な調査をやっていただいておりますから。これは、手数料もそうだし、ランドオペレーターもつぶさに中身をよく見てほしいと思うんですね。悪いものだと思い込んでやるとまた規制の在り方を間違うと私は思いますから、例えば手数料平均がこれぐらいだったと、でも、それは繁閑の差、時期の差もあるでしょうし、いろんなケースがあるんだと思うんです。幅があるものだと思いますから、その辺をうまく適切に規制ができる仕組みというのは、これはなかなか大変だと思うんですけれども、これなしに日本の観光業の適切なというんでしょうか、健全な発展は絶対ないと思います。なので、そこをしっかり是非やっていただきたいと思っております。
 それで、河野大臣にも是非もう一問聞かせていただきたいんです。
 手数料の監視も、先ほどの、何ですか、バス料金の方の、バスの方の監視もそうなんですけれども、民間を使うということは大いに結構なことだと思っております。ただ、そこに何かまた大きな、私、一回ちょっと何かお話をしたときにちらっと見せられた別の枠組みでは、役人、役人というか理事が、相当大きな組織だったんですね、それは。そこには理事がいたり何がいたりとかということで、これはまさか天下りの機関をつくるんじゃないでしょうねということになってはいかぬと思うんですよ。
 ただ、私は、例えば今やっていらっしゃる方で、もう習熟されているわけですから、能力のある方は大いに使っていただきたいと思っているんですよ、しっかり働ける方は。これは役人のOBであれ会社のOBであれ、それは誰でもいいと思います。しかし、その辺はコストの在り方もよく考えて、そして今言ったようなことを言われないように、天下りがどうだこうだなんということを言われないように、活用するのは結構ですから、そういったことも考えて、これは行革の観点から、この規制緩和の後の対応、フォローの中で、ここは河野大臣にも是非チェックをしていただきたいと思っておりまして、その点についてお考えをお聞きしたいと思います。
#49
○国務大臣(河野太郎君) 今、国交省の中で、こうした手数料その他に関する様々な監視の検討が行われていると思っておりますし、それはまた民間が第三者機関をつくるというような案もあるというふうに聞いております。
 おっしゃったように、せっかくそうしたことが行われたときに、そこが何か天下り機関と呼ばれるようなことになったのでは、いいことをやっていても批判されることになりかねないと思いますので、そうしたことがないようにそこはしっかり見てまいりたいというふうに思います。
#50
○上月良祐君 くれぐれも、念のため申し上げますけれども、全然使っちゃ駄目だなんて言うつもりはないです。しっかりやった方で、この方だったらと思うような人がそこにうまく使ってもらえるということはもう非常にいい、ある意味でいいことだと私は思っておりまして、そういう意味で、その点、うまくバランスを取って是非やっていただきたいと思います。
 それから、もう一つお聞きしたいのは、スクールバスのことなんですけど、これも去年お聞きしたんです。これは、文科省さんは今日呼んでおりません。それは、文科省さんは極めて適切に対応していただきました。スクールバスの補助金はもう見るも無残な状況になっていて、コストが上がり、本数もたくさん増えという中で、補助率がもう物すごく下がっていたと、全然足りない状況になっていたということだったわけです。これはもう文科省さん、適切に対応していただきましたので、これ二十九年度に向けてちゃんと状況を二十八年度もまた教えてくださいねと言ってありますので、これは適切に対応していただきたいというふうに思っておりますが。
 そもそも何でこんな上がったのかというと、スクールバスというのは同じコースを日中回るわけですね。そして、夏休みは休みであったりするわけです。それと、観光バスというのは、貸切りバスはどこまで行くか分からなくて、それも深夜走ることもあるわけですね。行った先で休憩を何度も取りながら、そこでバスを出たり入れたりしながら、ガイドさんがいないような場合には運転手さんが自分でその注意も払いながら、そして行った先の観光のことなんかにもちょっと頭を回しながらと、大変重たい責任があったりするわけですね。それとこれを同じ基準で規制しちゃっているところが、それによって新規制が掛かり、新料金体系に掛かっているからこそ高くなっているんです。
 もちろん、スクールバスだって安全が守られていなければ、子供たちの命が懸かっているので重要だと思いますけれども、同じでなくてもいいんじゃないかというのは、普通の人はそう思うと思うんですよ。今も若干だけ運用で緩和してもらっているところがあります。私がいろいろ調べていったら、途中まではそんな議論もあったと、しかし最後、何だか分からないうちに一緒になっちゃったと。家で料理するのに、超一流のコックさんが使っているような調理道具を全部そろえて、包丁もすごい高いのを使っていて、そこまですることはないんだと思うんですね。なので、適切な言わば規制の在り方というのをやっぱり丁寧に議論をしてやっていってもらいたいと思うんです。
 スクールバスの料金が上がると、それを負担するのも国民です。しかも、学校統合が行われているようなところというのは非常に地域も厳しくなっていて、何というんでしょうか、働くところだってなかなか厳しいようなところがどうしても相対的には多いわけですね。そういったところの親御さんの負担なんかが出てくるケースだってあるわけです。そういう意味では、市町村の負担が大幅に出るんですね。スクールバスの経費は相当大きいですからね、これは、市町村の財政を見た場合に。だから、そういう意味で、そこのところの規制の在り方についてどう考えているか、これは政府参考人で結構です、ちょっとお答えいただきたいと思います。
#51
○政府参考人(宮城直樹君) 今御指摘ございましたように、スクールバスの運賃が大幅に上昇しておるという御指摘があることは非常に重く受け止めてございます。
 ありましたように、現在、そのスクールバスの合理的な計算の特例、これは通常の貸切りバス契約よりも低い額とすることができるということでございますが、これを実施しているところでありまして、現在もそのありようについて更に検討を続けているところでございます。ただ、スクールバスにおきましても、いわゆる特定の経路を反復継続的に運用する、比較的短い期間、短い距離を運用するものでございますが、このような運行形態のバスにおきましては、一日に運行できる回数がどうしても制限されるということから、いわゆる安全コスト、コストの点から考えますと、これを観光バスとは全く別の扱いにすることは難しいだろうと、このように考えてございます。
 したがいまして、今申し上げたようなスクールバスの特殊性というものを料金の方でどれだけ、何といいますか、個別に見ていけるかと、こういったことにつきまして更に検討を進めてまいりたいと、このように考えてございます。
#52
○上月良祐君 後でゆっくりまたちょっと議事録読ませてもらいます。
 それで、インバウンドの需要を適切に取り込んで日本の成長戦略に是非結び付けていただきたい。それが、さっき官房長官がおっしゃっていたように、我が国の発展には本当になっていくんだと思うんです。これはインフラとしてハードもソフトもしっかり支えていかなきゃいけない面だと思いまして、そこは是非しっかりやっていただきたいというエールの気持ちで申し上げております。
 今日はもう質問しませんけれども、実はいろいろ問題がありまして、僕、この件ずっと勉強してきていると、例えばバスはこれから二千万超えてどんどん増えていくと、東京都内をバスが走り回るわけですね。例えば、浅草でバス止めるところありますかねという問題があるんですね。二重駐車、三重駐車になっていっちゃったら非常に困るし、また、例えば札幌だとバスの運転手さんが、オーバーナイト、泊まって、ちゃんとバスが止まれるところがきちっとあるらしいんですね。ところが、東京にはそういう場所がなかなかないということなんです。やっぱりゴールデンルートも増えてくるでしょうから、もちろん大阪もそうですよ、京都だって似たような状況でしょう。そういったところでバスをしっかり止められるような場所というのは、これは交通安全の観点からも重要だし、観光客の利便性の観点からも大変重要だと思うんですね。
 そういう意味で、今回はソフト面だったんだと思いますけれども、ハード面も一緒になってやっていかないといけないし、何といってもドライバー不足ですよ。これは、やっぱり今の価格が崩れてしまっているからドライバーの給料が支えられなくて、そしてなかなか次の人が入ってこられないことになっちゃっているわけですね。その点については、今、新料金体系になって運転手さんの給料も徐々に上がり始めているわけですね。ここで新料金が崩れちゃったらまた本当元のもくあみですから、そういったところもないようにしっかり見ていただきたいと思っております。そういう意味で、ソフト面、ハード面共にしっかり支えていただいて、私は成長戦略というのがすごく重要だと思っておりまして、それをやりたくて国会議員にもなりたかったということもありますので、是非しっかり頑張っていただきたい。
 政務官の御答弁非常に分かりやすかったので、是非目を付けていただいて、自動車局と観光庁との連携が今までどうもちょっと悪かったところがありますから、両方を見ていただいて、いい答えを出していただけるように頑張っていただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
#53
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 ちょっと通告の順番を変えまして、まず最初に世耕副長官にお伺いしたいと思います。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの前年の二〇一九年に、兵庫県神戸市で国際義肢装具協会、ISPOと申しますが、この世界大会を開催することとなりまして、この世界大会誘致に当たりましては、世耕副長官に大変にお世話になりました。ありがとうございました。
 本大会に合わせまして、パラリンピック応援イベント、また介護リハビリロボット見本市、WHOとのシンポジウム等特別企画が開催されることとなっております。先月末に、この特別企画の方を兵庫県と神戸市等の地元の自治体が支援する特別企画推進委員会というのが設置をされました。
 そこで、世耕副長官にお願いしたいんですけれども、このISPO世界大会をプレパラリンピックとして位置付けていただいて、兵庫神戸特別企画推進委員会に厚生労働省だとか経済産業省だとかスポーツ庁だとか関係する省庁がオブザーバーとして参加をしてサポートをする、そういう体制を是非ともつくっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#54
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今御指摘の国際義肢装具協会の世界大会については、山本議員も厚生労働副大臣時代に大変な御尽力をいただいたというふうに思っております。また、官邸の方でも、本件につきましては、総理を先頭に日本政府全体で誘致に協力をした結果、二〇一九年に神戸市での開催が決定したわけであります。
 この大会と、先ほど御指摘のありましたいろんな各種関連のイベントにつきましては、私も地元に設置されました推進委員会の陳委員長の方からお話を伺っておりまして、政府全体で支援をするべく、既にスポーツ庁、そして経済産業省、厚生労働省などの関係省庁に対して、まずは積極的に御協力をするようにという指示をしているところであります。
 これらのイベントの成功は、まさに二〇二〇年のパラリンピックへ向けた機運の醸成につながる、まさにプレパラリンピック的な位置付けもあるというふうに思っておりますし、また、この義肢装具等に関する日本の先端技術を世界に発信する貴重な機会だと思いますし、また、介護ロボット分野の発展というのは、この少子高齢化社会における生産年齢人口の減少問題対策にも資するというふうに考えております。
 委員御指摘のように、先月、兵庫県神戸市では、このISPO世界大会とその関連イベントを推進するための推進委員会が設置をされまして、今後具体的な取組を進めていかれるというふうに聞いております。これを受けまして、今御指摘、御要望がありましたように、国としても、地元や関係者の御意見を踏まえて、必要な支援の調整、推進を行っていくために関係省庁を構成員とする会議をなるべく早期に立ち上げまして、このイベントの成功に向けて政府一丸となって積極的に協力、支援をしていきたいというふうに思っております。
#55
○山本香苗君 ありがとうございます。
 本当に、今御指摘いただきましたとおり、我が国の大変優れた技術をしっかりと発信するいい機会にもなると思いますので、是非よろしくお願い申し上げたいと思います。
 副長官、この一問だけなので、自席に、委員長。
#56
○委員長(神本美恵子君) 世耕副長官、御退席いただいて結構です。
#57
○山本香苗君 ありがとうございました。
 次に、認知症のドライバーの運転事故の削減についてお伺いをさせていただきたいと思いますが、認知症ドライバーが運転中に引き起こす事故というのが多数報道されますし、大変増えておりまして、不安にも感じているところが多々声が寄せられております。
 そこで、まず警察庁にお伺いしたいんですけれども、認知症ドライバーの運転実態、これをどう把握、認識されておられるのか、また、今後どのように推移をしていくとお考えなのか、お伺いいたします。
#58
○政府参考人(井上剛志君) お答えいたします。
 認知症ドライバーの運転実態につきましては、正確には把握しておりませんが、認知症の有病率につきましては、厚生労働省の研究によりますれば、七十歳から七十四歳で四・一%であるのに対しまして、七十五歳から七十九歳では一三・六%、八十歳から八十四歳では二一・八%などと推計されているところでございます。
 この高齢者全体の有病率と運転免許の保有者の有病率を仮に同一と仮定をいたしました場合、七十五歳以上の運転免許保有者のうち認知症に該当する者は約七十五万人と推計されるところでございます。また、日常生活自立度二以上の者につきましては運転免許を保有していないと仮定した場合には、七十五歳以上の運転免許保有者のうち認知症に該当する者は約二十九万人と推定されるところでございまして、七十五歳以上の運転免許保有者のうち認知症に該当する者の数としましては、大変幅のある数字で恐縮でございますけれども、二十九万人から七十五万人程度と考えておるところでございます。
 今後の見通しでございますが、今後、高齢の運転免許保有者数が増加することが見込まれておりますことから、認知機能の低下に着目した交通事故防止対策が重要であると認識をいたしておるところでございます。
#59
○山本香苗君 かなり幅のある数字なんですけれども、七十五歳未満というものの実態は把握されておられるんでしょうか。
#60
○政府参考人(井上剛志君) 七十五歳未満の認知症ドライバーの運転実態につきましても、正確には把握しておらないところでございますが、警察におきましては、七十五歳未満の方も含めまして、認知症に該当している方やその御家族等からの相談への対応を行っております。こうした機会や免許の更新手続その他の警察活動を通じまして認知症の方を把握した場合には、運転免許の取消し等の適切な対応を行っているところでございます。平成二十六年中には、認知症に該当したということで九百八十六件の運転免許の取消し等の行政処分を行っているところでございます。このうち交通事故を端緒としたものが七十五件ございまして、この七十五件のうち七十五歳未満の方は二十一件でございました。
 引き続きまして、御指摘を踏まえ、七十五歳未満の方を含めまして、認知症やその疑いのある運転免許保有者の把握に努めるよう都道府県警察を指導してまいりたいと考えておるところでございます。
#61
○山本香苗君 河野委員長にお伺いしたいんですが、今答弁聞いていただいていたように、七十五歳以上のところでさえもこの二十九万人から七十五万人、物すごい幅の広い数字でございますし、事前にお伺いしたときは七十五万、今いろいろと調べて御答弁してくださったんですが、要するに把握していないんですね。そういう状況なんです。でも、これは必ず急増します。今行政で、要するに、認知症による免許取消し等の処分件数というのを御紹介いただきましたけど、これ年齢区切っていないんですね。その中で、今、九百八十六件ですか、とおっしゃいましたけど、これ年度年度を見ていけば急増しているんですよ。
 やはりこういった、年齢に限らず、しっかりこの認知症ドライバーの実態というものをきちっと把握しないと効果的な対策が取れないんじゃないかと思うんです。その実態に応じてやっぱり政策も異なってきますので、是非ここはしっかりと把握をする、気付かないで運転してしまっているケースとかはどうするのかとかも、非常に悩ましいケースもあるんですが、できる限り把握して調査をしていただくようなことが必要なのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるように、認知症のおそれのある方がどれぐらい今運転をされているのか、免許証を持っておられるのかというのは、これはどれぐらいのボリュームなのかというのはやっぱりしっかり把握していかないといかぬとは思っております。
 今、免許の更新ですとか運転適性相談窓口などで、いろいろと御家族を含め相談を受けている中で把握をしようと。この運転適性相談受理件数、平成二十二年、一万三千件だったのが、平成二十六年には六万五千件までかなりの勢いで増えております。それから、昨年六月の道交法の改正によって、これは、七十五歳以上の方の高齢運転者は認知機能検査をやって、認知症のおそれがあるという場合には医師の診断を受けてくださいということになっております。これで恐らく年間四、五万人の方が医師の診断を受けることになるんだろうというふうに思っております。そうした中で、どれぐらいの認知症のおそれのある方がいらっしゃるのか、もう少し正確なボリューム感というのをつかんで政策立案につなげていきたいと思っております。
 これは極めて重大なことだと思っておりますので、他方では自動運転をしっかり実用化できるように前向きに取り組んでいくというようなことも含め、この問題に取り組んでいきたいと思っております。
#63
○山本香苗君 今、河野国家公安委員長が御紹介いただきましたとおり、昨年、この委員会におきましても道交法の抜本的な改正をしていただいているわけなんですが、今その御準備と、施行の準備をしていただいているところだと伺っておりますけれども、去年のこの法改正で、今後、認知症ドライバーの運転事故、これがどれぐらい、なかなか定量的に申し上げるのは難しいかもしれませんけれども、どの程度削減できるという見込みをお持ちなんでしょうか。
#64
○政府参考人(井上剛志君) お答えいたします。
 平成二十六年中のデータでございますが、七十五歳以上の運転者の方が第一当事者となった交通事故、これは死亡事故、負傷事故、双方入れてでございますが、三万三千九百五十五件発生をいたしております。このうち死亡事故は四百七十一件でございました。この四百七十一件の死亡事故の第一当事者のうち、より責任の重い側の当事者でありますが、事故の前に認知機能検査を受検しておられた方が四百三十八人おられまして、その認知機能検査の結果、約四%、十七人の方が認知症のおそれがあるとされていたということがデータとして残されております。
 まさに今御指摘のとおり、これらの情勢を踏まえまして、昨年の六月の道路交通法改正によりまして、七十五歳以上の高齢運転者についてでございますが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、認知機能検査の結果認知症のおそれがあると判断された場合には違反の有無を問わず医師の診断を要することとするという制度、さらに、認知機能が低下した場合に行われやすい一定の交通違反を行われた場合には臨時に認知機能検査を行う制度などが導入されまして、来年施行されることとなっておるところでございます。
 この改正法の施行によりまして、認知症のおそれのある方をより適時適切に把握することが可能となることから、運転免許の取消し等を適時に行うことにより、こうした方が第一当事者となる交通事故の発生の未然防止に資するものと考えているところでございます。
#65
○山本香苗君 昨年の法改正によって対策は進むと思います。ただ、何度も御答弁いただいているように、七十五歳以上というところなわけであります。なので、これだけで事故が削減できるわけではない、防止できるわけではないと。先ほど国家公安委員長がおっしゃったように、丁寧な相談体制も必要ですし、また様々な技術革新も必要でありますし、また、やはり返納した場合の様々な、足がないというところがありますから、きめ細やかな公共交通網の整備といったことも必要であろうと思いますし、様々な対策が必要であるわけです。
 熊本県で、先ほどの丁寧な相談体制という中では、昨年の二月から免許センターの、先ほどおっしゃっていただいた運転適性相談窓口というところに看護師を二名配置して、専門的な見地から病状を早期に発見して認知症などによる事故を未然に防ぐ、これ全国初の取組だと伺っておりますけど、こういうことを既に始めておられます。
 伺ってみますと、実際、免許更新の際に質問票を渡して、過去五年以内に意識を失ったことがありますかとか、こういう五項目、項目をチェックして、一つでも該当すればすぐに看護師さんが相談に対応するという形を取っておられて、この取組が始まってから、何というか、相談がすごく増えたと。特に家族からの相談というのが物すごく増えたと伺っております。また、自主返納の件数も着実に増えていると。やはり、取り上げるというんじゃなくて、御本人にしっかりと納得していただいていくということが大事なんですけれども、この自主返納の数も増えてきていると伺っております。何でこれを導入したのですかという話を熊本県にお伺いしましたら、専門知識が乏しい警察職員が認知症などを早期に発見することは難しいということをはっきりおっしゃっておられたわけなんですが、相談する方にしても、また特に家族の方々からも、専門家に相談できるのは大変有り難いといった声も上がっていると伺っております。
 こうしたいい取組は、全国初で終わっているとかいう話じゃなくて、どんどん横展開していっていくべきだと考えるんですが、河野委員長、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(河野太郎君) おっしゃるとおり、この熊本の取組は大変先駆的なものだと思っております。警察としては是非これを横展開したいと思っておりまして、各都道府県警にこうした事例を積極的に紹介をしております。
 鳥取県では、熊本県と同じ厚労省の予算の基金を使いまして、やはり保健師さんを配置をし、あるいは鳥取大学と協力して認知症のスクリーニング機器というのを導入をしております。それから、茨城県警は、警察官の健康管理をやっていた保健師さんを、看護師さんを運転免許課に配置換えをしてそうした相談に当たれるようにするという取組をやってもらっておりますので、できればこれ四十七都道府県、きちっと運転免許のところにそうした専門職の方を配置をしてまいりたいと思っております。
#67
○山本香苗君 おっしゃっていただいたとおり、熊本県とか鳥取県ぐらいがやっているわけですけれども、厚労省の予算をうまく活用しているわけですね。厚労省の地域医療介護総合確保基金を活用して実施をしていると。厚労省はこのことを余り知らないと。
 ここでしっかりとやはり連携を取っていただいて、もう国の予算措置もあるわけですから、是非とも全都道府県でこれが実施できるように、いろんな形で紹介していると、口頭で紹介しているということで伺っていますので、全国の自治体でこういう形できちっと、この予算を使って、活用してこれができるんだということをまた改めて文書でも周知していただきたいと思います。
#68
○国務大臣(河野太郎君) そこはしっかり文書その他でやってまいりたいと思います。
 先ほど、私、鳥取県の取組で保健師と言ったかもしれませんが、鳥取県は看護師を配置をし、茨城県は保健師さんを配置転換をしているというところでございますので、訂正をいたします。
#69
○山本香苗君 今お話ししてまいりましたとおり、認知症ドライバーの運転事故削減というのは警察だけでできる話じゃありませんと。厚労省もあります、国交省もあります。様々各省庁にまたがることで、政府を挙げた取組というものが必要なんだと考えております。
 ちょうど今、第十次の交通安全基本計画の策定というものが進められております。この交通安全基本計画って、もう古い交通安全対策基本法に基づく計画でありまして、我が国の交通安全対策の私は根幹になるものだと思っております。この計画に是非ともこの認知症ドライバーによる運転事故の削減という目標を新たに掲げていただいて、政府を挙げて、共通認識を持ってこの問題に取り組んでいただきたいと思うんですが、この担当は加藤大臣だと伺ったんですが、よろしくお願いいたします。
#70
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話ありますように、第十次の交通安全基本計画、今策定をしているところでございます。今委員から御議論ありました認知症が疑われる運転手による重大な交通事故、度々マスコミでもそれが報道されておりますし、その抑制、特に高齢化が進む中ではしっかりした対応が求められていると思います。
 今回の、今の議論の中においても、自動車の安全な運転に支障がある方はまずは運転を控えていただくということが大変重要でありまして、そういう意味からも、認知症の疑いがある運転手の把握に努めるとともに、必要に応じて運転免許の取消し等を行っていくということ、これ盛り込ませていただいております。
 それから、認知症に限らず、運転に不安を有する方々には運転免許証の自主的返納ということもございまして、計画案では、免許証を返納しやすい環境を整えるため、運転経歴証明書制度の周知等々について引き続き取り組んでいくことも記載をさせていただいております。
 さらに、今回は自動走行技術の開発普及まで視野に入れた先端技術の活用といったことも記載させていただいておりまして、そうした先端技術を活用することによって、運転手の不注意や運転者に異常が生じたことによる交通事故、この抑止に大きく貢献することが期待をされております。
 引き続き、認知症が関係する交通事故の抑止にもつながる様々な施策をこの計画案の中にも盛り込んでいきたいと思っておりますし、また、施策を進めるに当たって、今私も聞いていて、ああ、厚労省のこの医療に関する基金が交通安全の方にもつながっているのかなというのを認識をさせていただきましたけれども、よく関係省庁連携して、積極的に取り組ませていただきたいと思います。
#71
○山本香苗君 私も案を見させていただいて質問をさせていただいているんですが、要するに羅列しているだけなんです。要するに、この認知症ドライバーの運転事故の削減というところで目標を掲げていかないと足並みがそろわないと、その足並みをそろえるのがこの交通安全基本計画じゃないかということなので、そこの目標をきっかり掲げていただくということをお約束いただけないでしょうか。
#72
○国務大臣(加藤勝信君) 交通事故全体の件数、特に死亡事故を減らしていくということでありますので、起因はいろいろな状況があると思いますので、それはそれぞれに対策を講ずることによって、トータルとしての交通事故数を減らしていく。そして、その中で、やはり一つ大きなポイントとして、今御指摘あるように認知症ということがございますので、それに対する施策を今のような形で、直接認知症ということもあります、それから認知症を含めて様々な運転に不安を有する方々ということに対する対策もあろうかと思いますけれども、そういった具体的な施策を盛り込ませていただきたいと、こう思っております。
#73
○山本香苗君 今日の質疑を踏まえて、もうちょっと党の方からもしっかりと御意見申し上げていきたいと思いますけれども、是非、やはり目標を掲げない限り、施策のところで各省の足並みをそろえるというのはなかなか難しいんじゃないかと私は思います。加藤大臣のリーダーシップに期待をしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが。
 もう一つ、認知症の方の鉄道事故も大きな社会問題となっております。つい先日も裁判もありましたけれども、認知症の男性の方が貨物列車にひかれてお亡くなりになられました。認知症の患者の方の鉄道事故削減についても第十次交通安全基本計画盛り込んで、政府全体での取組を検討、推進していくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどの交通事故の場合には認知症の方が加害者になるという可能性もあったわけでありますが、鉄道事故の場合には基本的には被害者ということになるのだと思います。先般、三月一日にも、二〇〇七年に認知症を患った男性が列車にはねられて亡くなられた事故に関する最高裁の判決がありまして、大変社会的にも注目を浴びたところであります。こうした事故が少しでも減っていくように対策をしっかり進めていく必要があると思います。
 第十次の交通安全基本計画においても、認知症を患った方の安全確保にも資するよう、駅のホームドアの整備、非常押しボタンの操作等の緊急措置の周知徹底、踏切における非常押しボタンの整備、障害物探知装置の高規格化、あるいは高齢者の見守り活動を活用した地域ぐるみの安全確保など、ハード、ソフトの両面から取組を推進するということにしておりまして、引き続き、新たな交通安全基本計画の下で関係省庁とも連携を取りながら、そうした事故が起きないように、また認知症の方々が被害に遭わないように取り組ませていただきたいと思います。
#75
○山本香苗君 一昨日、我が党内にも、認知症患者やその家族を社会全体で支えるための仕組みについて広く検討するためのプロジェクトチームを立ち上げさせていただきました。今回の鉄道事故も、もちろんまた今申し上げてきました運転事故といったことも当然のことながら扱っていくことだと思っておりますので、また政府においてもしっかりと御検討していただきたいと思っております。
 では、この交通安全基本計画というのは四月一日以降は推進を国家公安委員長がなさることになると、国土交通大臣と、ということでありますので、切れ目なく河野大臣のところでしっかりとやっていただきたいと思います。
 あともう一つ、今度、加藤大臣に、一億総活躍担当大臣としての加藤大臣にお伺いさせていただきたいと思いますが、この春に取りまとめられるニッポン一億総活躍プラン、働き方改革とかそういったことがよく表に出ておりますけれども、この中に実はテーマとして子供の教育問題ということも盛り込まれると伺っておりますが、子供の教育問題というと何を想定しておられるんでしょうか。
#76
○国務大臣(加藤勝信君) 子育てや教育にお金が掛かり過ぎている、言わば教育費の負担というものが少子化の要因の一つになっております。家庭の経済事情に左右されることなく誰もが希望する教育を受けられる、そのためにも教育費負担の軽減を図っていく。それから同時に、学校、地域を通じてその子供の、いろんな状況があります、その個々の状況に応じた教育を推進していく必要があるというふうに考えております。特に、特別な支援を要する子供さんも含めて、全ての子供さんが社会で自立し活躍する力を育むための教育の充実や安全、快適な教育環境の整備、これに取り組んでいく必要があると考えております。
 これからニッポン一億総活躍プランの策定、国民会議でも議論をいただきながら進めてまいりますけれども、文部科学大臣ともよく連携を取って対応していきたいと、こう思っております。
#77
○山本香苗君 今おっしゃっていただきました、特別な支援を要する子供たちが社会で自立し活躍する力を育むための教育の充実ということでありましたら、是非とも学習障害等読みに困難を抱えている発達障害の子供たちに、その子供たちが読める教科書を着実に届ける仕組み、これDAISY教科書といいますが、それを作っていただくことを必ずプランに盛り込んでいただきたいなと思っているわけです。
 DAISY教科書って御存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、教科書の内容をパソコン等を活用しまして音声と文字が同時に再生できるようになっているので、発達障害で読みに困難を抱えているお子さんたちって字が普通に紙の教科書だと読めないんですが、そこがハイライトされることによって読めるということなんです。これがあって、この学習障害等読みに困難を抱える子供たちは自力で教科書を読むことができると、自力で、ほかの人たちの力を借りずに読むことができると。読む又は学ぶ楽しさを初めてこれによって知ることができて、持っている力を発揮できるようになるわけです。まさしく一億総活躍だと思うわけでございます。
 文部科学省におかれましても、馳大臣中心にしっかりとこれ進めていただくことにはなっておりますけれども、是非このDAISY教科書を必要とする子供たちに届ける仕組みを構築すること自体をまたこのプランに入れていただいて、一億総活躍社会を実現する上での一つの大事なパーツなんだということで進めていただきたいと思いますが、加藤大臣、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(加藤勝信君) 私も、党にいる頃に馳大臣と一緒に特別支援教育をいろいろ勉強させていただきまして、そのときにこのDAISY教材というものの存在、そしてその効果ということも聞かせていただきました。
 特に、今お話がありましたように、自立して学習ができるという意味で学習意欲の向上につながっていく、それだけではなくて、そのことが自尊感情を高める、あるいは友達との関係を非常に円滑にしていくと大変高く評価されているわけでありまして、文科省でも今いろんな取組を進め、また検討が行われているというふうに承知をしております。一億総活躍という意味においても、大変意義ある施策だというふうに思います。
 よく馳文科大臣とも相談しながら検討を進めていきたいと思います。
#79
○山本香苗君 終わります。
#80
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、子供の貧困問題を質問させていただく予定にしておりますが、その前に菅官房長官に。
 昨日、大津地裁は、関西電力高浜原発三、四号機の運転停止を命じる仮処分決定を行いました。新規制基準に合格して再稼働した原発の運転停止を命じる仮処分決定は初めてであります。明日がちょうど福島第一原発事故から五年、いまだに広大な地域で人が住めない。子供は外遊びができない。農家は作物を作れず、漁師は魚を捕ることもできない。たった一回の事故でこれだけの災禍をもたらし続けるのが原発だということであります。
 私は、今回の決定は、安易に原発を再稼働することに対する国民の不安が届いた決定であり、そして福島で今起きていることを正面から見据えた決定だと感じますが、まず、官房長官の昨日の決定への受け止め、伺いたいと思います。
#81
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、そうした福島の事故の教訓を生かして、まさに世界最高水準と言われます新しい規制基準、こうしたものを、原子力規制委員会が専門的見地から十分に時間を掛けて、それに基づいて判断をしたものであります。そうした三、四号機についてはその原子力規制委員会の判断を尊重する、このことについては変わりませんし、その尊重をし、再稼働を進めていくという方針は変わらないのであります。
 いずれにしろ、本件は仮の処分であります。当事者である関西電力がやはりしっかり説明を尽くすことが大事だというふうに思います。
#82
○山下芳生君 余りにも軽い受け止めだなと思わざるを得ません。仮処分とおっしゃいましたけれども、仮処分というのは直ちに止めよという決定なんですよ。それほど危険だということなんですよ、逆に言えば。それほど差し迫った危険があるからこそ仮処分で直ちに止めよと司法は判断したんですよ。これ、軽いどころか重いんですよ。そう受け止めるべきだと思います。
 大臣、判決文をお読みになったかどうか分かりませんが、非常に重い中身であります。今日、二点だけ、少し大臣の意見を伺いたいんですが。
 まず、規制基準について、先ほど大臣も触れましたが、昨日の決定はこう言っております。福島事故の原因究明は、建屋内での調査が進んでおらず、今なお道半ばの状況で、津波を主たる原因として特定し得たとしてよいのかも不明である。その災禍の甚大さに真摯に向き合い、二度と同様の事故を防ぐとの見地から安全確保対策を講ずるには、原因究明を徹底的に行うことが不可欠である。この点に意を払わないのであれば、そしてこのような姿勢が関電ひいては規制委員会の姿勢であるとするならば、そもそも新規制基準策定に向かう姿勢に非常に不安を覚えるものと言わざるを得ない、こう述べております。
 原因がまだ分かっていないのにこれで安全だなどという姿勢は問題だということでありまして、先ほど官房長官は、政府として、この新規制基準を世界で最高水準だと、こうおっしゃいましたけれども、そうじゃない、不安を覚えざるを得ないと司法は判断しているわけですから、この新規制基準に合格したことをもって安全だといって再稼働をどんどんやる、このやり方、政府の姿勢をやはりここは再検討すべきではないかと思いますが、いかがですか。
#83
○国務大臣(菅義偉君) 原子力規制委員会は専門的見地から十分時間を掛けて世界最高水準の新規制基準に適合するという判断をされたわけでありますので、政府としては、こうした原発について、その判断を尊重をし、再稼働をしていくという考え方に変わりはありません。
#84
○山下芳生君 先ほどからこれまでそうだったという説明に終始しているんですけれども、そうではないという司法のこの決定が下ったわけですが、それについてどう思われるんですか。
#85
○国務大臣(菅義偉君) 本件は仮の処分であります。いずれにしろ、当事者である関西電力が更にしっかりと説明を尽くしていくということが大事でありますので、そこはしっかり指導していきたいというふうに思います。
#86
○山下芳生君 あの福島から五年たって、こういう司法の判断が出て、しかしいまだにそれに真摯に耳を傾けようとしない姿勢、私は、福島の方だけではなくて、オールジャパンでいかがなものかと見ると思いますよ。
 もう一つ、昨日の大津地裁の決定の中身を少し紹介しますが、避難計画についてこう述べております。福島事故を経験した我が国民は、事故発生時に影響の及ぶ範囲の圧倒的な広さとその避難に大きな混乱を生じたことをよく知っている。安全確保対策としてその不安に応えるためにも、地方公共団体個々によるよりは、国家主導での具体的な可視的な避難計画が早急に策定されることが必要であり、この避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準が望まれる。過酷事故を経た現時点においては、そのような基準を策定すべき信義則上の義務が国家には発生していると言ってもよいのではないだろうかと、こういう判断ですよ。
 確かに、今、各自治体で避難計画策定してますけど、なかなか策定が困難だし、それが実践できるのか、極めて危うい状況に置かれたまま再稼働が次々されようとしているわけですね。そういう状態でいいのか、やはり国がこの避難計画に責任を持って基準作るべきじゃないかと。
 この司法の判断、どう受け止められますか。
#87
○国務大臣(菅義偉君) この避難計画の段階から、国は地方自治体としっかり連携をして避難計画を策定をし、総理を議長とする原子力防災会議で了承するという、国が前面に立ってしっかり地方自治体を応援するという体制により、ここは国はしっかりと関与し、そして責任を持って行っている、そういうことであります。
#88
○山下芳生君 責任なんか持てないですよ。だって、バスの台数確保できないし、運転手確保できないというのがこの地裁の判決のあった滋賀県で起こっているんですよ。だから、国がちゃんと責任持った基準を作らないと、それ誰が責任持つんだというこの指摘、今の答弁で済ますんですか。受け止めないんですか。
#89
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、避難計画策定の段階から国は地方自治体と一緒になってこれ作っているんです。そして、その計画に基づいて原子力防災会議、これは総理が議長でありますけれども、そして閣僚が出席して、そこで了承を得るわけであります。結果として、まさに国が前面に立ってしっかりと地方自治体を支援していく体制をつくらさせていただいている、このように考えております。
#90
○山下芳生君 私は、本当にこの司法の判断をそのように軽く受け流す姿勢は残念でなりません。明日、福島は五年目迎えますけれども、恐らく多くの国民の皆さんがこの決定を生かしてほしいと願っていると思いますよ、行政に、国に。今の姿勢ではその国民の期待に応えることはできない。私は、そういう姿勢を転換すること、そして原発ゼロに向かった方向転換することを、引き続き多くの皆さんと一緒に求め続けていきたいと思います。
 次に進みたいと思います。子供の貧困問題であります。
 山形大学の戸室健作准教授が調査をされまして、資料一枚目に載せておりますけれども、少子化で子供の数が減少しているにもかかわらず、生活保護以下の収入で暮らす子育て世帯が倍増していると、この二十年間でですね。これは、総務省の五年ごとに実施する就業構造基本調査などを分析して、生活保護費の受給対象となる最低生活費以下の収入しかなく、かつ十七歳以下の子供がいる世帯数の二十年間の推移を調べたもので、その結果、一九九二年に約七十万世帯だった子育て中の貧困世帯数が、直近の二〇一二年の調査では約百四十六万世帯に倍増していたという調査結果であります。なお、この同じ期間に子育て世帯自体は二割減っているわけですから、二割減っても貧困世帯の数が倍になったというのは非常に深刻な事態だと思います。
 政府の調査より実態に近いものだというふうに見られておりますが、官房長官、こういう実態について、認識伺いたいと思います。
#91
○国務大臣(菅義偉君) 政府として、ジニ係数の動向を見てみますと、我が国の当初の所得に比較して、税や社会保障による再分配後の所得の格差はおおむね横ばいで推移しているというふうに思います。また、相対的貧困率については、二〇一二年までのデータであり、第二次安倍内閣以降における状況を示すものではありませんけれども、長期的な傾向としてはおおむね緩やかに上昇しているというふうに認識をしております。
 いずれにしろ、政府として子供貧困対策は極めて重要な課題であるというふうに認識しておりますので、総合的な施策をしっかり推進をしてまいりたいというふうに思います。
#92
○山下芳生君 緩やかな上昇じゃないんです。二十年で倍以上になっているんですからね。
 加藤一億総活躍担当大臣に伺いたいと思います。
 私、この間、東京都内の子供食堂を運営されているグループ訪ねました。今全国に広がっておりますけれども、私が行ったところは、月二回、子供さんが親子で食事ができるように、せめておなかいっぱい温かい御飯を食べてもらえるように、そんなことができない子供さんたちがなくなるようにということで、地域のボランティアの学生の皆さん、シニア世代の皆さん、近所の女性たちが腕を振るって御飯、夕食を作っておられました。次々と自転車に子供さん乗っけてお母さんがやってきて食べておられました。私も一緒に机を挟んで食べたあるシングルのお母さんは、いつもは二人だけで娘と寂しい食事しているけど、ここに来るとにぎやかで、子供も明るくてたくさん御飯食べますと言っておられました。
 加藤担当大臣、こういう子供食堂の全国の営みについて、どう評価されますか。
#93
○国務大臣(加藤勝信君) 議員御指摘のように、各地で子供食堂が増えております。また、今年の一月十二日には、豊島区と豊島子どもWAKUWAKUネットワークの共催で第二回の子ども食堂サミットが開催されて、大きな広がりを見せているというふうに承知をしております。
 私も一度、子供食堂、視察をしていきたいと思いましたが、今おっしゃったように間が空いているものですから、なかなかうまくフィットしないんですが、是非直接行って私自身もじかにそれを見ていきたいと思っておりますが、貧困の状況にある子供の抱える困難やニーズ、様々であります。貧困であるということがなかなか表に出てこない、実態が分かりにくいということでありまして、そういう意味では、行政の支援が必ずしも手が届くということには限らず、こうした子供食堂のように、草の根の皆さん方が子供たちにまさに寄り添って細かな支援をしていただくということは大変重要だというふうに考えております。
 現在、国を挙げて子供の貧困対策を推進するため、官公民の連携・協働プロジェクトである子供の未来応援国民運動を展開をさせていただいておりまして、国民運動の事業である子供の未来応援基金、今いろいろとお願いに回っておりますけれども、そうした基金や、あるいは企業等の支援リソースと民間団体の支援ニーズを合わせるマッチングサイト、これも運営しております。こういったものを使って応援ネットワークをつくり、民間団体の取組をしっかりと後押しをしていきたいと、こう思っております。
#94
○山下芳生君 私、訪ねた子供食堂のリーダーの方に聞いたら、何を一番行政から支援してほしいですかって、そんないろいろ、何といいますか、手取り足取りは必要ないんだけど、一番困っているのは場所の問題だというふうにおっしゃっていました。その方がやっている子供食堂も、その方の御自宅を改築して食堂を二つ、何といいますか、ちゃんと賄えるようにそれ用のキッチン造って、そこにたくさん人が集まっているんですね。公民館借りようと思っても、月二回ですからなかなか常時設備を置いておくわけにはいかない、またそういう設備がないところが多い。場所が一番何とか応援してくれたら有り難いとおっしゃっていましたが、そういう点どうでしょうか。
#95
○国務大臣(加藤勝信君) 今申し上げた民間の取組に加えまして、二十七年度補正で地域の子供未来応援交付金というのを設けさせていただいて、この中には、貧困の実態を把握していただく、計画を策定したりとか、あるいはそれを支える運動をしている方々のネットワークをつくっていただくというのに加えて、言わば自治体の取組として地域のいろんな取組を応援していく、そういったものも対象にさせていただいておりますので、それぞれの自治体においてもそういったものも活用していただければと思います。
#96
○山下芳生君 次に、子供の医療費の問題について伺います。
 厚労省に聞きますが、子供の医療費への無料化を含めた助成をしている自治体、都道府県、市町村、どうなっていますか。
#97
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 平成二十六年四月一日時点におきます自治体によります子供医療費の助成の実施状況でございますけれども、自治体によって対象年齢が異なっているなどの違いはありますけれども、全ての都道府県及び市町村におきまして子供医療費助成を実施しているところでございます。
#98
○山下芳生君 全ての都道府県、市町村で実施していると。いろいろ実施の状況は違いますけれどもね、そういうことであります。
 就学前までではもう一〇〇%助成しております。それから、小学校卒業まで八五%の自治体で、中学校卒業まででも八一%の自治体で実施されているわけですが、群馬県が相当頑張っておられるんです。
 群馬県の子供の医療費無料化の制度は四つ特徴がありまして、一つ、入院、通院共に中学校卒業までを対象としていること、二つ、所得制限がないこと、三つ、受診時に自己負担なしで医療を受けられること、四つ、県内の全ての市町村で実施されていること。この四つともやっているのは、全国で群馬県が初の取組だそうでありまして、ここで利用されている保護者の方の、どのような点で生活に役立っていますかというアンケートに対して、子育て家庭の経済的負担が軽減される、九五・七%、安心して早期に治療が受けられ子供の健全な成長が促進される、八九・四%、子供を産み育てやすい環境が整備され少子化対策の効果が期待される、五〇・九%というふうになっておりますが、加藤大臣、自治体のこういう取組、どう評価されますか。
#99
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれ自治体でそうした地域の実情に応じて対応はしていただいているというふうに思いますし、また、今、基本的には厚労省の方でいろいろと御議論があるんだろうと思いますけれども、子供たちが健やかに成長できるようにやはり政府としても様々に対応はしていきたいと、こう思っております。
#100
○山下芳生君 二月二十五日、子どもの医療費無料化制度を国に求める全国ネットワークのお母さんたちと、私、一緒に加藤大臣を議員会館の部屋に訪ねまして、要望をさせていただきました。そのときの要請では、中学校卒業まで国の制度として子供の医療費の無料制度を実現することを目指しつつ、当面、就学前までの早期の創設をという要望でした。
 お母さんたちからは、同じ県内でも自治体によって制度が違うのはおかしい、国の制度として誰もが安心して医療を受けられるようにしてほしいという声が出されて、加藤大臣、真剣に受け止めていただいて、子供の貧困が次の世代につながっていくことがないようしっかり対応していきたいという御答弁もいただきました。踏み出すべきじゃありませんか。
#101
○国務大臣(加藤勝信君) 今、子供の医療費に関していろんな論点があるというふうに承知をしておりまして、それを今厚労省において御議論もいただいているというふうに思います。
 それをまず我々としてはしっかり見ていきながら、ただ、基本的な流れとして、最初に申し上げましたけれども、やはり子供たちが家庭環境に左右されることなく健やかに成長していけるようにしっかりと取り組んでいきたいと思います。
#102
○山下芳生君 その加藤大臣に訪ねた際、あるママから歯の問題が出されたことを覚えておられると思うんですね。子供の友達が歯医者にも行けず、虫歯で少し臭いもするということでいじめの対象になってしまっていますという声でありました。
 ここがかなり衝撃的な中身だったので、加藤大臣も相当真剣に聞いていただいたという印象を持っているんですが、資料二枚目に、子供の歯の実態の、ちょっとリアルに見ていただくために、口腔崩壊と言われておりますけれども、ほとんどの歯がもうなくなっちゃっている子供が今残念ながら増えているという写真を載せてあります。これはもう四歳児ですけれども、右上の乳歯に急性症状があって、頬をぱんぱんに腫らせて来院したと。乳歯二十本中十四本が虫歯状態だったということでありますが、大阪府歯科保険医協会が子供の歯の健康についてずっと系統的に調査をした結果を毎年出しております。
 資料三ページに、これは二〇一五年の学校歯科治療調査なんですけれども、これ見ていただきますと、小学校では、二〇一四年に学校歯科検診を受けた児童のうち三四・〇%が要受診と診断され、このうち歯科を受診した児童は五〇%なんですね。中学校では、三二・三%が要受診と診断され、このうち歯科を実際に受診した生徒は三一・〇%。高校になりますと、三〇・一%が要受診とされ、うち歯科を実際受診したのは一三・〇%ということになっておりまして、受診しなければならないのに受診できていない子供さんが小学校でも五割。もっと多いわけですね、中高となるにしたがって。その結果、この大阪府歯科保険医協会の調査では、小学校で六年生で既に永久歯十二本が虫歯、歯がないと一目で分かる児童がいる、虫歯が十本以上ある児童が十数人いるなどの事例があったというふうに報告されております。
 加藤大臣、何でこんなことが広がっていると思われますか。
#103
○国務大臣(加藤勝信君) 今の資料、ちょっと初めて見させていただいたところでありますけれども、歯や口腔の健康というのは、食べる喜び、話す楽しみを保つ上でも重要でありますし、単に身体的なということだけではなくて、やはり精神的な、あるいは社会的な活動にもいろいろと寄与するものであります。特に子供にとっては健全な育成に大変重要だというふうに思います。
 子供の齲歯、虫歯全体については、歯科医師の皆さん方等の努力もあってかなり下がってきているという統計は一方であるわけでありますけれども、今御指摘のあったような点、あるいは足立区においても、何か貧困と子供の虫歯との関連があるかないか含めて実態調査をしているというふうにも聞いております。こうした調査もしっかり見て必要な対応を考えていきたいと、こう思います。
#104
○山下芳生君 大阪府歯科保険医協会の調査の結果の一つのコメントというか評価として、こう言っているんですよ。口腔崩壊の事例の子供たちの多くが経済的に困難な状況に置かれ、ネグレクトや生活習慣などに様々な問題を抱えているということだと。これは毎回の調査で同様の傾向が出ていると。要するに、経済的困難な状況で、歯医者さんにかかる必要があってもかかれない。つまり、内臓の疾患とかとまた違いまして、直接命に関わる問題ではないということもあるんでしょう。どうしても歯の治療というのは後回しにされるということはよく聞きます。その結果、こういう状況が、家庭の貧困が増えるに従って子供の口腔崩壊が広がっているというのが専門医の皆さんの分析なんですね。
 学校の先生方が行政に望むことは何ですかと。まず治療費を何とかしてほしいという声が寄せられていると。窓口負担の軽減だけでこういうことが起こっているとは言いませんが、しかし、窓口負担の軽減は子供たちの健康の大前提となるというふうに歯科保険医協会の先生方も結論付けております。
 この点からも、国の制度としての医療費の助成制度、踏み切るべきではないかと。もう一度、どうでしょうか。
#105
○国務大臣(加藤勝信君) 今の点については、そうした地域の中で様々な調査も行われているということでありますから、その辺もしっかり把握に努めさせていただきたいというふうに思います。
 その上で、改めて国の対応ということでありますけれども、今、先ほども御答弁させていただきましたけれども、厚労省においていろいろ御議論いただいているということでございますので、その議論もしっかり見極めながら対応させていただきたいと思います。
#106
○山下芳生君 さっきから厚労省においてと言うんですけれども、私、何で加藤さんが、わざわざ少子化を克服するために、出生率一・八と、安倍総理から直々に任命されてこういう大臣になられたのかと。やっぱり厚労省が今までもやってきたから見守りますでは、私はこの大臣が特設された値打ちがないと率直に言って思うんですね。ですから、私、今いろんなことをお示ししながら、また、大臣、本当に真剣に聞いていただきましたので、お母さんたちの声を、しかもそのポジションにおられるわけですから、大臣がイニシアチブを発揮すればかなり大きな後押しになると思いますので提起しているわけですから、そういうふうに受け止めていただければと思いますが。
 例えば、就学前までの子供の医療費を国の制度として無料化した場合にどのぐらい予算掛かるのかと。国費として負担するのに二千四百億円、厚労省が試算出しております。この額の多い少ないというのはいろいろ評価ありますが、例えば法人税の減税、安倍政権の下でこれまで三年間でも三兆円ですから、これからまた新年度で更に拡大して一兆円上乗せしようとしておりますから、そういうことも含めれば決して出てこないお金ではない。もう子供の命と健康、成長、発達に関わる問題として、これ思い切って判断いただきたいというふうに思います。
 もう時間が迫ってまいりました。せっかく石破大臣来ていただいていますので、私は、子供の医療費の無料化に踏み込むべきだということをまず、いろんな方が要求されながら、もう一つ、直ちに自治体がそういうことを独自で踏み込んだら、これは政府がペナルティーを科しているという問題があるわけですね。窓口で無料化した場合など、国は自治体に対する公費負担を減額措置している。もうペナルティーなんです。
 何でこんなことをやっているんですか、厚労省。
#107
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 国保の国庫負担金の減額調整措置はどういう趣旨で実施しているのかというお尋ねでございますけれども、これは地方単独事業によりまして医療費助成によって窓口負担が軽減される場合に、一般的に医療費が増加するため、限られた財源の公平な配分や国保財政に与える影響などの観点から、増加した医療費分の公費負担を減額調整しているところでございます。
#108
○山下芳生君 次のページ、資料を見ていただいたら分かるんですけれども、今の言い分書いてあるんですけど、箱の中の下ですけれども、国庫の公平な配分という観点からというふうにあるんですが、もう全ての自治体でやっているんですよ、医療費の無料化は。公平も何もないです、みんなやっているんですから。それを国の制度としてやっていただいたらもっとバージョンアップできるじゃないかという要望なんです。公平に欠くからなんていうのはもう理屈にならない。
 石破大臣、来ていただいていますが、地域創生事業において子供の医療費助成事業も活用されておりますが、どのぐらいの自治体で活用されていますか。また、もう時間になりますから、どういう思いで自治体はそういうことをやっているんでしょうか。
#109
○国務大臣(石破茂君) はしょって申し上げますが、御質問のありました医療費助成につきましては、交付決定ベースで申し上げますと、七十四の市町村におきまして、合計十三億円ということになっておるわけでございます。
 これは、少子化対策もメニュー例の一つとしてお示しをしておるわけでございまして、出会いの場づくりですとか結婚相談、不妊治療助成、保育料軽減、保育士の保育環境の拡充、育休取得促進など幅広い事業で活用されておるところというふうに承知をしております。
 各地方公共団体、子育て支援に有益な取組であるというふうに考えまして、これを活用しておるという認識を持っておるところであります。
#110
○山下芳生君 この場合、減額措置はされているんでしょうか。
#111
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 現行法令上、国保の減額調整措置でございますけれども、国の負担金又は補助金の交付を受けないで地方自治体が実施する医療の窓口負担の軽減のための事業について実施することとされております。
 したがいまして、国の地方創生先行型交付金の交付を受けまして、地方単独で医療費助成につきまして例えば年齢要件や所得要件を緩和するなど対象者の拡大を行った場合などには、その拡大部分については減額調整措置の対象にしないこととしております。
#112
○山下芳生君 要するに、国が認めればいいけれども、認めなかった、勝手にやったらペナルティーだと。おかしいですよ。どっちも思いは一緒なんですよ。子供のために、地域のためにと、こう思ってやっているのに、片やペナルティー、片やペナルティーじゃないと。これどっちに合わせるかというと、やっぱり全部ペナルティーなんかなくすのが当たり前なんですね。もうそういうところまで来ている。
 石破さん、頑張ってください。
#113
○国務大臣(石破茂君) いや、それはペナルティーというふうに考えるかどうかというお話であります。ですから、今の政府参考人から答弁がありましたように、公平というものをどのように考えるかということに最後は帰着するものだと思っています。だから、ペナルティーという意味合いを持っているとは私は思いませんが、何が公平なのかということについて議論を突き詰める必要はあるというふうに認識をいたしております。
#114
○山下芳生君 終わります。
#115
○委員長(神本美恵子君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#116
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#117
○江口克彦君 おおさか維新の会の江口克彦でございます。
 いつも石破大臣にはお答えを丁寧にしていただきまして、ありがとうございます。
 地方創生は、平成二十四年暮れに成立した第二次安倍内閣における施策のキーワードであるということで、その取組がスタートして既に三年が経過しているというふうに思います。
 そこで、改めて地方創生の目的を整理していただいた上で、これまでの取組について担当大臣としての総括と、地方創生の目的達成への歩みという観点から満足しておられるかどうか、その評価をお聞かせいただきたいと思います。
#118
○国務大臣(石破茂君) 能力も足りないものですから、いまだに満足する段階には至っておりませんが。
 要は、戦後、日本の国の歩みを考えたときに、冷戦構造の下で経済は成長し、人口は増え、地価は上昇しという、日本が日本人の営々たる努力を支えるいろいろなバックグラウンドに恵まれていたと思うのですね。そういうのがほとんどなくなったという状況の下において、今までと同じ手法は通用しませんと。公共事業と企業誘致に依存をして雇用と所得がある、一時期それで地方は栄えたわけですが、その仕組みが完全に変わっているので全く新しい取組をしなければいかぬという基本認識を持っております。
 目的は、東京の一極集中の是正。過度な一極集中と言った方がいいかもしれません、集積の利益をはるかに超えておりますので。東京の過度な一極集中の是正と人口急減をいかに抑制をするか。そして、地方を今までとは違う新しいやり方でいかに活性化をし、衰退、消滅を食い止めるかということがこの地方創生の目的だと思っております。
 歴代内閣は、列島改造であり、あるいは田園都市構想であり、ふるさと創生であり、いろんな地方振興策を講じてきたわけでありますが、それとは全く取組を異にするという思いで臨んでおるところでございます。実際、今、魔法みたいに急に地方が活性化するということはあり得るはずはないとは思っておりますが、私も今まで千七百幾つの市町村のうちで二百数十は回ってきましたが、地域によって、今までは行政に対してあれやってこれやってという市民であったのが、あれをやらせてくれ、これをやらせてくれ、そういう市民に変わってきたというようなお話、あるいは、本当に中国山地の山合いのちっちゃな町で高齢化の率というものに歯止めが掛かった、あるいは移住者が増えてきたという、それは点ではないかという御指摘をいただくかもしれませんが、少なくとも点が密になりつつあるという認識は持っております。
 しかし、他方、全くそういう取組が見られないというところがないとは申しません。それは一体何の話でしょうかみたいな、従来のやり方というものから脱却できない、意識が変わらない、そういうところが全くないとは思っておりません。それを変えていくのが私どもの仕事であるというふうに考えておるところでございます。
#119
○江口克彦君 今までのやり方というか、地方活性化とは異なったやり方だというふうに認識しているというふうに言われましたけど、今までの地方活性化とこの地方創生の異なったという、どういうことで異なっているということなんですか。
 それは、今までは政府の方からあれをやってくれ、これをやってくれ、こうした方がいいですよ、ああした方がいいですよと言っていたのを、地方創生ということになって、地方からどうぞ提案してください、それに対して対応しますよという程度の異なったという取組というふうに捉えておられるんでしょうか。いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(石破茂君) 程度と言われるとなかなかつらいものがございますが、例えば列島改造、田中角栄総理、私、高校生でございましたが、列島改造は、日本国中に新幹線を走らせ、日本国中に高速道路網を張り巡らし、この間、久しぶりに田中角栄先生の日本列島改造論というのを読み返してみましたですが、そこには一極集中の是正というふうにきちんとうたってあります。先見性があったことだと思いますが、高速道路の発達と新幹線網の充実が、かえってストロー効果、バキューム効果、スポンジ効果みたいなものをもたらしたところもたくさんございます。
 むしろ、考え方としては、竹下総理のふるさと創生に近いものがあるかもしれません。あのときに、一億円のばらまきだというふうに批判を受けましたが、竹下登総理から、いや、石破やな、それは違うんだわな、これで地方の知恵と力が分かるんだわなと出雲弁で言われたことを私はよく覚えております。
 東京にお願いをして、道路付けて、橋架けて、新幹線引いてと、あるいは丸の内や大手町で是非ともうちの地元に企業を持ってきてという、そういう東京にお願いをして地域の発展を図るというやり方から、その地域ならではの発想というものがある。国のいろんな補助金のメニューの中から、どれが一番事業が大きいかしら、どれが一番自己負担が少ないかしらということで、効果の発現というものを検証することなしにいろんなものを選んできたというような状況から、自分の地域にしかないものを使って、今だけ、ここだけ、あなただけみたいなことで地域の活性化を図るということだと思っております。
 つぶさに四十七都道府県の労働生産性を見ましたときに、一番高い東京から一番低い私の鳥取県まで、これは倍半分の違いがございます。そこにおいて、ずらっと並んでいるのを見ますと、やはり製造業の比率が高いところが労働生産性が高い、もうほとんどニアリーイコールですが、県民所得が高いという相関関係にございます。他方、地方に多く立地をしております製造業以外の産業の労働生産性が極めて低い。アメリカと比較をしますと、飲食、宿泊というのはアメリカの四分の一しか労働生産性はないわけで、そこに相当の伸び代があるのではないかというふうに思っております。
 今まで、では、山形県なら山形県、宮崎県なら宮崎県の労働生産性というものをよく分解するとどういうことなのだろうかという議論がそれぞれの自治体で精緻に行われてきたかというと、それは決してそうではない部分があったと思っております。そこにおいて国が何をすべきか、地方は何を発案すべきかというような考え方というのは、少なくとも、私、三十年国会議員をやっておりますが、余り見たことがございません。そういう意味で新しい取組というふうに申し上げたところでございます。
#121
○江口克彦君 今のお話で、総論としてはよく理解することもできたのではないのだろうかというふうに思いますけれども、二〇一四年に社会に衝撃を与えた増田レポートがございますけれども、それを取り上げるまでもなく、地方創生の取組にもかかわらず、地方の衰退には実際のところ歯止めが掛かっていないんじゃないかというふうに思うんですけれども、それが大半の国民の正直な感想ではないだろうかと。地方は、活性化というか地方創生で石破大臣が一生懸命やっておられてそれなりかもしれないけれども、実感湧かないよねと。それから、実際のところ、それぞれの地方も、人口は減っていくし、何となく一部の人は面白がって取り組んでいるというか、興味を持って取り組んでいるというか、熱心に取り組んでいるというか、そういうところでしょうけど、多くの地方の人たちというのは、どうも地方創生が着実に進んでいるというような、そういう実感といいますか、そういうものが持てていないんではないだろうかというふうに思うんです。
 国民に分かりやすい成果というか、具体的にその実績というものを、こういうことをやっているんだよ、こういうことをやっているんだよと。地方活性化ということで以前やっていたことは、いわゆるプレミアム付き商品券というのも前もやっていまして、また今度やっているわけですよね。それから、学校に教育の材料としてタブレットを配るとかというのは、これも前やっていたわけですね。そういうことではなくて、大臣がお回りになって、これは面白かったな、目新しかったな、目新しいなという、新しい地方創生のための事業というか、そういう具体例があれば教えていただきたいと思います。
#122
○国務大臣(石破茂君) これは語り出すと一昼夜ぐらい掛かりますので、ダイジェストで申し上げますと……
#123
○江口克彦君 あっ、主なもの。
#124
○国務大臣(石破茂君) はい。
 ですから、私がいつもお話をいたしますのは、島根県隠岐諸島にあります海士町という、海の士と書きますが、ここはやはりすごく私みたいに感性の鈍い者でも感動したところでございます。すなわち、町村合併もしませんでしたので、国からの交付税もどんどん減ると。そして、公共事業もあらかたやり尽くしたので、これから先なかなか公共事業が増えるということに相ならないと。
 十数年前に町長さんが引退されて、新しい町長さんを選ぶという選挙が行われた。私は前の町長の路線を引き継いで、公共事業の誘致拡大とそして交付税の獲得に努めますと言って、後継者たる助役さんが出られた。いや、そんなことはできるはずはないだろう、公共事業はこれから先増えないのだ、合併しなかったから交付税というのも増えないのだ、さすれば自分の町でしかないものをつくるしかないのだということで、町会議長さんが立候補されて、ほとんどの町会議員さんは助役さんの方に付いたと。選挙を終わってみたらば、相当の差で町会議長さんが勝ったということであります。
 その町会議長さん、今の町長さんですが、応援をされたのは、その島で一番の建設会社さんだったと。何であなたね、私は公共事業、これから先増えないんだ、交付税は増えないんだと言ったのに私を応援してくれるのと立候補者たる議長が聞いたらば、いや、あんたの言うことが本当だからだよと。これから先、そういうことであるとするならば、我が何々建設は公共事業と交付税のおかげで今日があると、それがもうこれから先望めないとするならば、新しいものを考えるのが我が社の島に対する恩返しだと言うんですね。そういう話をされた。
 私、疑り深いものですから、見に行ってきた。そうすると、本当にそうで、今まで夏場に捕れる、我々日本海側では大きな岩ガキがあります。結構高いです。これ、今まで養殖も冷凍もできないと言われたものが、新しいシステムで養殖と冷凍に成功して、今や全国ブランドだ。そして、そこの隠岐牛という牛は、もう大阪市場でやっていてもしようがないので、東京市場で松阪牛よりも高い評価を得なければ駄目だということで、高い評価を得て、今やブランドです。
 閉校寸前だった県立高校は、今や一学年二クラス。北海道から九州までそこに入りたいという子供たちが集まってくるのはなぜなのかといえば、この島は離島である、だけれども日本国も世界から見れば大きな離島なのだ、我が島が生き残るということを考えるのは日本国が生き残ることを考えることだということで、民間の方々を多く入れて全く新しい教育をやった結果として、一学年二クラスになったということであります。
 ここが偉いなと思うのは、成功例なんて言わないでくれと。まだまだ試行錯誤の最中なのだということを常に思っています。どこへ行っても優秀なリーダーとそれに呼応する人はいて、この三月が締切りになっていますが、地方版総合戦略でも高校生や中学生たちが一緒になって作っているということであります。
 ですから、先生おっしゃいますように、実感がないのかもしれません。だけれども、地方創生がうまくいかないのは、やりっ放しの行政と頼りっ放しの民間と無関心な市民、これが三位一体になったらば絶対に失敗します。新しい総合戦略なんて言うと、いや、おまえね、何々市何か年総合戦略というのは、総合計画というんですか、どこも作っているとおっしゃるところいっぱいあるんですけれども、じゃ、駅前に出て市民に聞いてくださいと。あなた、その計画知っていますか、何が書かれていますか、前の計画できましたか、できませんでしたか、誰か責任でも取りましたかと言うと、誰も知りませんから。
 ですから、本当に、これ民主党の逢坂議員が衆議院でおっしゃったことですが、お任せ民主主義からの脱却というのが私は一つのキーワードだと思っておるところでございます。
#125
○江口克彦君 そのお任せ民主主義ということにつきまして、今脱却しつつあるというふうに御認識になっておられますか。
#126
○国務大臣(石破茂君) それは、恐らく今の中央集権システムの中でお任せ民主主義にならざるを得ない部分というのは私は否定はいたしません。それぞれの地域が本当に独自の施策をやるという場合にも、やはりいろいろな事業を行うに際しまして国の定められた制度の中でやらねばならないとするならば、そこの地方自治体において財政民主主義が本当に利いているだろうかといえば、そうではない部分が私はあると思っています。地方交付税も、今のままの結果平等を志向する仕組みで、これでパーフェクトだとは思っておりません。
 しかし、いきなり例えば中央集権を打破するというところまで飛べるかというと、それまでもどんどんどんどん地方は疲弊し衰退をし、東京の一極集中は進むわけで、お任せ民主主義ではない民主主義というのをそれぞれの地域においてどう具現化するかという取組によって地方創生の不可逆的な流れというのをつくりたいと思っております。
#127
○江口克彦君 それでは、今後の地方創生の推進はどのように実施されていかれようとしているのか。平成二十八年度の予算における地方創生の取組や今国会における地方創生に関連する立法について、具体的に分かりやすく御説明をいただきたいと思います。
#128
○国務大臣(石破茂君) 済みません、事実関係ですので、読み上げて大変失礼ですが、お許しをいただきたいと思います。
 昨年末、地方創生の深化のための政策パッケージ、個別施策の拡充などを盛り込み、総合戦略、国の総合戦略ですが、改訂をいたしました。また、先ほど申し上げましたが、平成二十八年度より、つまり三月三十一日が締切りとなっておりますが、地方版総合戦略は、平成二十八年度よりこの地方版総合戦略に基づきます地方創生事業を本格的に実施していくと、そういう段階に入ってまいります。
 これを一層推進しますために、二十八年度当初予算、今御審議をいただいておるところでございますが、地方の自主的、先駆的な取組を支援する地方創生推進交付金を始め、まち・ひと・しごと創生に関連する各府省庁所管の事業、総額二兆六千億円計上しておるところであります。
 そのほか、地方創生推進交付金のほか、いわゆる企業版ふるさと納税、地方創生応援税制、あるいは中高年齢の方々が御希望に応じて地方や町中に移り住んでいくという生涯活躍のまち推進のための措置等々、これを入れておりますがところの地域再生法の改正案というものを提出して御審議を賜りたいと思っております。
 特区につきましては、報道にもございますが、企業による農地取得の特例、あるいは過疎地等での自家用自動車の活用拡大など七項目を盛り込みました特区法改正案を近々国会に提出をする予定でございます。
 地方分権につきましては、地方版ハローワークの創設等々今までできなかったことをやってまいりたいと思っておりますし、また中央省庁の地方移転というものも三月中に方向性について結論を得たいと思っております。
 そういうようなものを一つ一つ着実にやっていくことによって地方創生を進めていきたいと考えておるところであります。
#129
○江口克彦君 平成二十八年度におきまして、一億総活躍社会の実現が大きな政策目標として掲げられていますけれども、地方創生大臣として、一億総活躍社会の実現と地方創生とはどのような関係として捉えておられるのか、お話お伺いできればと思います。
#130
○国務大臣(石破茂君) 昨日の衆議院の地方創生特別委員会でも同趣旨の御質問を賜ったところでございますが、これは、地方創生というのは一億総活躍の相当の部分を成すものだというふうに私自身は理解をいたしておるところでございます。何せ一億二千七百万人いる国民が、それぞれが自分の居場所、自分の生きがいを持って生きていける社会をつくりたいということでありますし、その目標としてGDP六百兆でありますとか、出生希望率一・八の実現でありますとか、介護離職ゼロでありますとか、そういうものは入っているわけで、むしろ地方創生がその一部でないとかえっておかしなことになるだろうというふうに思っておるところでございます。
 地方創生という切り口で東京の一極集中の是正、そして人口減少に歯止めを掛ける、地域を活性化するということは、例えて言えば、トヨタでありますとかパナソニックでありますとか、そういう誰でも知っている大企業に雇用されている人は労働者の二割しかいないわけで、そこが稼ぎ出す経済というのはGDP全体の三割しかないわけで、労働者の八割、そしてGDPの七割を成します、主に地方に立地しておる、そういうような、先ほど申し上げました産業というものを活性化し、仕事をつくり、人の流れをつくっていくということが一億総活躍と地方創生との関係だと理解をしておるところであります。
#131
○江口克彦君 大体分かりました。
 参議院議員の選挙における合区の導入や衆議院議員の選挙制度をめぐる議論でも焦点になっておりますように、我が国の人口の都市部への集中はますます、先ほども大臣がおっしゃいましたけれども、顕著になってきている。かつ、二〇一五年の国勢調査では、我が国が人口減少社会に突入したということ、明らかになったわけであります。
 こうした状況を踏まえて、今後の地方創生の取組においてはどのようなことが重要になってくるとお考えなのか。また、地方創生の担い手の規模の配慮というようなことがあるのではないかというふうに思います。つまり、地方行政単位の広域化と地域住民の理解の促進が急がれるのではないかというふうに思うのでございますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
#132
○国務大臣(石破茂君) 人口の急減は、恐らく人類が経験したことのないような規模とスピードでこれから日本に起こるものだと考えております。
 今一億二千七百万人いるんですが、二百年後に大体日本の人口は十分の一になります。三百年後には日本の人口は三十分の一になります。今の出生率あるいは死亡率をそのまま伸ばしてまいりますとこういう数字になるわけでありまして、西暦二九〇〇年には日本人は四千人になります。西暦三〇〇〇年には日本人は千人になって、やがてこの国はなくなるということになっておるわけでございます。
 人口が減って何が悪いんだとおっしゃる方がある。確かに、明治維新のときは日本人三千万人ぐらいでした。一億人を超えたのは一九六八年のことであったと思います。同じ三千万人でも、その頃の三千万人とこれから迎えるであろう三千万人は全く構成が違っておりますし、先生が何かの本にお書きになっていらっしゃいましたが、国債の残高というものを考えたときに、人口が減るということは一人当たりの国債残高は物すごく増えるということを意味するものでありまして、これはかなり深刻、かなりどころか極めて深刻な事態であると認識をしております。
 東京に一極集中しますのは、高校から大学あるいは専門学校に進むときと、そしてそれを了して地方へ帰らないということ、あるいは逆に申し上げれば地方で修学した人がまた東京へやってくると、そういう若い世代の流入というものが一番顕著なわけでありまして、そうすると、それをどうやって止めるんだということを考えたときに、どうやって地方で高校まで学んだ人が東京に行かないで地方で学び地方で就職できるかということは、大学のキャパを上げていかねばならないと同時に、地方において就職できる魅力ある職場というものをつくっていかねばならぬ。それは、例えば広島なんというのはオンリーワンの企業っていっぱいあるんです。ですけれども、広島で学んだ子供たちが帰ってこないのはなぜなのだろうか、広島で学んだ子たちが勤めないのはなぜだろうかという、そういう一つ一つの問題を解決をしていく以外にないのだろうなというふうに思っております。
 また、これは全ての市町村にお配りをしておりますが、出生率でも一番高いところと一番低いところは三倍ぐらい違うわけですね。あるいは、これと密接に関連いたします平均初婚年齢でも、一番若くして結婚される町村と一番遅く結婚される町村は、男性で五歳、女性で十三歳ぐらい開きがあるわけでございます。
 そうすると、何でこんなことになっているのだろうかということを考えたときに、もちろん国の政策もございますが、それぞれの地域でなぜだろうかということを考えていただかねばならないという取組は私は必要なことだと思っております。住民の方々が身近に感じられるというのは極めて大事なことだと思っていますが、例えば東京で東京都知事に会おうと思うと下手すれば何か月も掛かるわけですが、鳥取県で鳥取県知事に会おうと思うと多分一日で会えるはずでございます。地域の方が行政や議会との距離は短いはずなのに、何でそれを実感してもらえないのだろうか、何で首長があちこちで無投票であり、地方議員が無投票であり、ともすると欠員みたいなものが生じるのはなぜだろうかということを考えてみる必要は私は大いにあるだろうと。
 それがお任せ民主主義というのを脱却するためには、首長や議員に対して立候補したいという人が大勢出なければおかしいはずで、地方の方はそっちの方が距離が短いはずで、あるいは大統領制であれば議院内閣制よりもいろんな要望の具現化はかなり容易だと思っているのですが、なぜこういうことになるのかという根源的な問題はよく突き詰めて考えるべきだと思っております。
#133
○江口克彦君 もう時間がありませんので最後の質問になるかと思いますけれども、地方創生についてですけれども、抜本的なこのままだと私は改革に至らないのではないだろうか。いわゆる地方移転だとかなんとか、地方移住とか今やっていますけど、そこそこそういった情報もというか、そういった様子もテレビとかあるいはまた新聞とか雑誌とかでいろいろと書かれていますけど、私はひょっとしたらこれはブームになっちゃうんじゃないかというふうに思っているんですね。
 そういうことからすると、移住したわ、そこにどうやって生活するんだ、今補助金とかいろいろサポートが各市町村やっていますからね、だからそれはそれで、ですけど、どこまでいつまでサポートできるのか、あるいはまたどうするのかというと、やっぱり移住した先で生活していけるような環境をつくっていかないといけない。その環境をどうつくっていくかということが、ここが問題ではないだろうかというふうに私は思っているんです。
 そこで、提案ですけれども、地方にやっぱり道州制を導入するというか、主体的主体的と言うんだったら、やっぱり道州で主体的に行政が行われるような、そういう道州を地方創生の中核的な主体とすることが私は有益ではないだろうかというふうに思うんですね。先ほど中央集権でお任せ民主主義というようなお話もありましたけど、全くそうなんですね。要するに、今のアベノミクスでも、これ成功させるためには、もう道州制をやったら一遍に解決するんじゃないかと思うぐらい私は一つの秘策ではないかというふうに思うんですけれども、地方創生と道州制とはセットで推進すべきじゃないかというふうに私は思っているんですが、大臣、いかがでしょうか。
#134
○国務大臣(石破茂君) 冒頭御指摘の移住については、とにかくうちの町に来たら百万円あげますって絶対駄目です、これは。石川県に羽咋市という市がございます。TBSの「ナポレオンの村」というモデルになったところですが、そこではもう面接するんですってね、あなた来ていいか、あなた来ちゃいけないか。何でもいいから来たいなんという人は駄目で、村のしきたり、村の風習、村の人たちと一緒にやりますか。つまり、戦争中に疎開で大勢の人がやってきたと、そのときにかなりつらい思いをしたんだそうです。私はほほうと思ったのですが、やはり誰でも来ていいわけじゃないし、行く側にも来る側にも、一種のルールというのかたしなみというのか、そういうのがあって、誰でもいいというわけじゃないって一つのポイントだと思います。
 道州制のお話につきましては、私ももう一回きちっと考え直してみたいと思っております。先生が書かれた御著書も、もう一度私拝読してみようと思っておるところでありますが、昔はさらっと読んだだけなので、ごめんなさい。
 問題は、基礎自治体たる町村会あるいは町村議長会がなぜ反対するのだろうかということでございます。それは、平成の大合併の再来みたいな形になるんじゃないかというお話があるのですが、やはり基礎自治体たる町村が絶対反対ということをおっしゃるとするならば、なぜなんだろうかということを私どもよく理解をし、納得いただけるようなスキルというものを積まなければいけないということが一つ。
 もう一つは、国が外交であれ安全保障であれ通貨であれという国でなければできないことをやるとするならば国会はどうなるのか、衆議院は、参議院はどうなるのか。例えば経済産業省であれ農林水産省であれ国土交通省であれ、これはどのように変わっていくのかという一つの完成形というものを示していかないと、議論が感情の交錯みたいな形になるんだろうと思っております。
 私、道州制担当大臣でもございますが、今までの国の形を変えるという意味であれば、道州制というのは一つのアイデアであり、それを採用するしないは別として、憲法に書く書かないは別として、やはり国会の場でいろんな御議論を賜りたいというふうに思いますし、私どもはそれを拝聴しながら知見を深めていきたいと思っておるところでございます。
#135
○委員長(神本美恵子君) 江口克彦さん、時間ですので、おまとめください。
#136
○江口克彦君 今、はい、お話しいただいて、私の本をさらっと読んでいただいたということですけど、やっぱりさらっとだなというふうに思います。それについて、道州制ということで、ちゃんと読んでいただけるんだったら御説明に上がりますので、呼んでください。
 どうもありがとうございました。
#137
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 まず最初に、遠藤大臣、今日は予算委員会に続きまして聖火台の件で質問させていただきます。官房長官がこの後見える予定ですので、ちょっと聖火台の質問、途中で一回中断してまた戻る可能性がありますが、よろしくお願いします。
 この聖火台の報道、朝日新聞で最初にされたわけですけれども、報道後、ワーキングチームをつくって検討を開始されるという表明をされました。その様子を拝見すると、忘れていて慌ててワーキングチームをつくったかのような印象を抱くんですけれども、この計画に対する国民の不信感が高まっていると思います。
 これまできちんとした検討を行わず、今月になって、三月三日以降ですか、急に動き出した、この理由は何でしょうか。
#138
○国務大臣(遠藤利明君) 大変お騒がせいたしまして、申し訳なく思っております。
 新国立競技場に設置される聖火台につきましては、前のザハ案、従前計画においては、聖火台を含め、二〇二〇年東京大会のために必要な追加工事を組織委員会が検討し実施する方針でありました。したがって、ザハ案時には、もちろんいろんな議論はしておりましたが、聖火台に関する計画、予算措置は措置しておりませんでした。
 今回の白紙撤回後の新整備計画におきましても、二〇二〇年東京大会時に必要な追加スペックは組織委員会からの要望に基づいて設計段階から盛り込むこととしたために、例えばオリンピック時のカメラ取材の場所であるモートなどについて事業者からの技術提案にも含まれることになりました。ただ、聖火台につきましては、開閉会式のセレモニーとも密接に関連することであるために、セレモニーの内容が決まっていない設計段階では対応困難というふうな理由で技術提案の要求水準に盛り込むことは見送られ、後日検討する課題として整理されてきたものであります。
 そもそも、申し上げますが、開会式の演出や聖火台に関するスケジュールについては、組織委員会によりますと、IOCの推奨では、開会式のセレモニーの準備を始める活動開始は大会の二、三年前、そして演出内容については最終的にIOCの承認を受けなければならない。ちなみに、ロンドン大会の開会式及び聖火台については大会の二、三年前に検討を開始したということでありますから、今後、組織委員会において過去の大会を参考として検討していくと聞いております。
#139
○風間直樹君 この聖火台の設置主体、そして費用負担者、それぞれどなたでしょうか。
#140
○国務大臣(遠藤利明君) 今申し上げましたように、私の下でワーキングチームをつくりましたので、その中で設置主体あるいは費用負担についても検討してまいります。
#141
○風間直樹君 この競技場の設計がもうできていますので、今後の検討次第で設計の一部変更、これ必要になる可能性が出てくると思うんですけれども、総工費の拡大ですとか工期の延長等、影響がないと言い切れますか。
#142
○国務大臣(遠藤利明君) ただいま申し上げましたように、私の下でワーキングチームをつくって検討いたしますが、元々セレモニーに始まって、そしてそれによって聖火台が決まってきますから、大会前の二、三年前、あるいは聖火台が決定するのは一、二年前というようなことになると思います。
 当面必要なのは、中で設置をするか外で設置をするかということを検討しなきゃなりませんから、そういう問題について私の下で整理をしていこうということでこのワーキングチームをつくりました。ですから、今回、新競技場の工費の上限あるいは工期について変更することは考えておりません。
#143
○風間直樹君 この新しい競技場、屋根が木材なんですよね。我々が慣れ親しんでいる様々な競技場に比べても、木材の使用比率が非常に高いと聞いています。そうすると、そこに後から聖火台の設置を行う場合、例えば消防法上、競技場内に設置ができるのかどうか。あるいは、選手や観客の安全を考えれば、聖火台の設置場所は開会式、閉会式の演出よりもこの競技場の設計との関係を優先して考えるべきじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(遠藤利明君) 先生御指摘のように、聖火台の設置場所を決めるに当たっては、何よりも選手や観客の安全を最大限確保するために、消防法上あるいは警備上その他の様々な観点から万全の検討を行うことは最優先の事柄であります。その上で、開閉会式における聖火台の点火の場面はオリンピック・パラリンピック大会の重要なイベントでもあり、国民や海外の皆様方の期待も大きいところでありますから、セレモニーの中でしっかりと組織委員会で検討していただきたいと考えております。
 今、木材の利用の話がありました。当然、それも踏まえながら場所について設置を考えていきますし、消防法等いろんな問題点を私のワーキングチームの中で踏まえて、具体的な場所については先送りになりますが、大体のあらかたの設置場所については決めなきゃならないと思っております。
#145
○風間直樹君 この設計責任者である隈研吾さんとは、大臣、もうこの点については打合せをしているんでしょうか。隈さんの認識では、御自分が作られたこの設計において、聖火台をこの競技場の中に設置しても問題ない認識を大臣に伝えていらっしゃるんでしょうか。
#146
○国務大臣(遠藤利明君) 直接はお伺いをしておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、私たちはそういう点も踏まえて、そして設計については変更しないということで済むような形で場所については考えていきたいと思っております。
#147
○風間直樹君 つまり、まだ隈さんとは詳細な打合せはされていないということですね。これから打合せをする中で問題がないようにしたいと、こういう認識でよろしいですか。
#148
○国務大臣(遠藤利明君) これは、関係閣僚会議の議長として、私、整備計画を作りましたが、具体的な、隈さん始め大成建設さん、業者の皆さんとは、スポーツ振興センター、いわゆる発注元でありますJSCがいろいろ協議をしておりますから、その中で話をされていると思っております。
#149
○風間直樹君 予算委員会でも感じたんですけれども、遠藤大臣がいらっしゃる、それから馳文科大臣がいらっしゃる、組織委員会がある、JSCがあると。どうも四者の間でエアポケットができてしまって、今回、この聖火台の設置については今日まで検討がなされなかった、遅れたのではないかという印象を私は受けております。
 重ねて確認をするんですが、消防法上は大丈夫なんでしょうか。これだけ木材を多く使っている競技場で聖火台の設置が消防法上問題ないという、この確認はもう取られていますか。
#150
○国務大臣(遠藤利明君) 隈先生の、報道を見ておりますと、いろんなやり方がありますよとおっしゃっているようであります。
 しかし、少なくともスポーツ振興センターの中でこれから設計の皆さん方と話をするわけでありますが、私のところで今回ワーキングチームをつくって、そういうことも踏まえていろんな意見を聞き、それから法律上の問題も検討し、そこで決めてまいりますので、消防法上は問題ないと思っております。
#151
○風間直樹君 この聖火台を競技場の外に設置するということも検討されているという報道が出ています。ただ、その報道によると、夏のオリンピックで聖火台がメーン会場の外に設置された例はないと。オリンピックの伝統の継承という観点からも聖火台を競技場の中に設置することへの要請が非常に強いと思うんですが、大臣、御見解いかがでしょうか。
#152
○国務大臣(遠藤利明君) IOCのルールにおきましては、聖火台はオリンピックスタジアム内の観客全てから見える場所に配置すべきで、同時に、競技期間中はスタジアムの外にいる人々からも見えるよう、可能な限り目立つ場所に配置するべきというふうになっております。ここは承知をしております。
 一方、IOCのルールでは、スタジアムが、これは元々はこういうすり鉢型のスタジアムでありましたが、最近、屋根付きとかいろんな形がありますから、スタジアムが屋根で覆われているなど、スタジアムの構造に左右され、スタジアム内外全ての観客の希望を満たすことは不可能な場合であっても、IOCの承認を得て設置場所を決定することができるとしております。
 ちなみに、過去の大会においては、夏季のロンドン・オリンピックでは、スタジアム内で点火をし、スタジアムの中で設置をしておりましたので、スタジアム内の人だけにしか見えない位置に設置をされました。そしてまた、冬季のソチ・オリンピックではスタジアム外の人だけに見える位置に設置をされ、それぞれの組織委員会においてIOCと協議を行った上で配置している例があると承知をしております。
#153
○風間直樹君 予算委員会の質疑でも、具体的な聖火台の設置場所については演出が固まるまでは決定しないという答弁をされています。今日も同様ですね。
 その演出の決定は、大臣、いつまでになされるのでしょうか。
#154
○国務大臣(遠藤利明君) これも先ほど申し上げました。
 IOCとのいろんな打合せの中で、これは何日ということは決まっておりませんが、開会式の演出や聖火台に関するスケジュールについては、組織委員会、これはIOCといろいろ議論をしておりますが、組織委員会によると、IOCの推奨では、開会式のセレモニーの活動開始は大会の二、三年前、そして演出内容については最終的にIOCの承認を受けなければならないと。ちなみに、ロンドンの大会では、開会式及び聖火台については二、三年前に検討を開始したということであります。
 今後、組織委員会において、過去の大会を参考にして検討していくというふうに聞いております。
#155
○風間直樹君 そうすると、具体的な年月まではまだお決めになっていないということですね。
 今回の件を受けて、今、大臣、概略のスケジュールはるる御説明いただきましたが、この決定時期を、オリンピック、IOC等が求める範囲において、時期を早めるということは考えていらっしゃるんですか。
#156
○国務大臣(遠藤利明君) 実は、三月三日に調整会議を開きましたが、それは、例えば昨年整備計画が、作り、そして今年の一月に設計業務の契約をした、あるいは調整会議の委員に馳大臣が新しく就任をしたと、あるいは組織委員会の人事が替わったと、そうしたことをいろいろ報告をした中で、聖火台についてはあらあらの情報は共有しようというようなことで議論をさせていただきました。そのときにも、当然、セレモニーについては大会開催の二、三年前に検討を開始するということでありますから、あらあらの具体的、あらあらの場所を決めておけばいいと。
 ただ、皆さん方が大変心配されましたので、改めて私の下でチームをつくってそうしたものについて決めておこうと。ただ、それにしても、やっぱりセレモニーとの関係がありますから、具体的な場所あるいは予算、そしてどういう点火の仕方については、その二、三年前の検討開始から決めるものだというふうなことで整理をしたいと思っております。
#157
○風間直樹君 朝日新聞の最初の報道が出て以来、大臣がこの件で正式に答弁をされるまでの間に、いろんな国会外での発言が相次ぎました。
 私がそうなのかと思ったのは、森元総理がこの件に触れられて、馳文科大臣が悪いんだと、こういう趣旨のことをおっしゃっているんですが、この森さんの御発言は間違いということでよろしいんですか。
#158
○国務大臣(遠藤利明君) 間違いかどうか、私、正確にその言葉を聞いておりませんが、分かりませんが、森会長、大変政治家として優秀な方でいらっしゃいますから、例えば馳大臣と森会長の関係は親子のような関係ですから、少したまにはハッパを掛けたり、馳さんにそういう話をすると、私も含めてみんながぴりっとするだろうと、そんなこともあってそういう発言されたものだろうと思っております。
#159
○風間直樹君 今回、予算委員会と二回にわたってこの質疑させていただきまして感じるんですけれども、本来であれば、大臣御説明のように、このIOCの基準等々、もう事前に分かっている話ですから。しかも、開会式、閉会式といったセレモニーとの連動性も先刻承知の話ですよね、当然、政府関係者には。であれば、この設計案の公募、選定の段階で、組織委員会とセレモニーの演出にしてもある程度協議をした上で、設計上の配慮を含めて聖火台の設置に関する検討を行うべきじゃないかなと、責任者として、そう思うんです。それが、その計画決定後二か月たって慌てて検討を始めるというのは、やっぱり国民から見ると忘れていたんだろうと言われてもしようがないと思うんです。
 この再検討の閣僚会議、遠藤大臣指揮されますが、遠藤大臣の責任は特に重いと思うんですけれども、御見解を伺います。
#160
○国務大臣(遠藤利明君) 事務的な検討はされていたんです。ただ、先ほど申し上げましたように、これは前の従前計画からそうですが、セレモニーの検討を始めてから聖火台の検討が始まりますから、それはまだ先ですよねと。当面必要な分、さっき申し上げましたモートとか、そういうものについては設計の中にしっかり盛り込みますということで議論をさせてもらいました。
 ですから、私も、実は具体的には検討していないと申し上げましたが、全体の流れはもちろん我々も承知はしています。ただ、今具体的な検討する必要はないということで先送りしたわけでありますから、今度、関係閣僚会議の議長でありますが、少なくともこの問題については整理がきちっとできておりますから、皆さん大変御心配をお掛けしましたが、私の下で整理をして、それで調整会議にしっかり報告させていただきます。
#161
○風間直樹君 今日の御説明を前提とすれば、この新しい競技場の設計、公募が終わって設計案が決まった時点で当然公表し、記者会見もされていると。その場で普通であればこういった御説明を簡単にされるんだろうと思うんですね。聖火台については盛り込んでいないけどこういう理由だと、こういうスケジュールで今後これは協議していくんだと。それがなかったのはなぜでしょうか。
#162
○国務大臣(遠藤利明君) 先ほど申し上げましたように、必要なものはちゃんと報告をさせていただきました。ただ、先で検討しようということですから、あえてそのとき、ましてや、委員御承知かと思いますが、点火というのはオリンピック・パラリンピック開催時の最高の花形のセレモニーですから、例えば矢で点火をしてみたり、それから、前回のロンドンでは二百五の点火をして、それがまとまっていって一つの聖火台になったり、これは大変神秘性があって、サプライズがあって、皆さんの共感を呼ぶわけですから、あえてその聖火台については今触れなくていいというふうな思いでおりました。
#163
○風間直樹君 それが逆に国民にとってはサプライズだったわけでありまして、今後そういうことがないように、十分関係機関と連携を取って進めていただきたいと思います。
 では、次の質疑に移ります。遠藤大臣、ありがとうございました。
 続いて、沖縄の基地関係の問題に入らさせていただきたいと思います。
 今日は、菅官房長官と島尻大臣、よろしくお願いします。
 先日、福岡高裁の那覇支部の和解勧告が出て、国と県が受入れをしたと。我々、現在の自民党政権においても、私どもの民主党政権当時も、この辺野古の新基地をめぐる問題は非常に苦労している、お互いに苦労している問題だというふうに認識をしております。
 私も、昨年一年間、沖北の委員長を仰せ付かりまして、沖縄に随分伺いました。今日はちょっと歴史をたどって、今日のこの問題にお尋ねを進めていきたいと思います。
 私も国会議員になるまでは、沖縄の米軍基地の問題というのは内容を詳細に把握していたわけではありませんし、国会議員になりましてからいろいろ勉強しまして、歴史的な経緯についても学ばせていただきました。その中で、一体沖縄の基地の根源、根本的な歴史的な理由、沖縄に米軍基地が置かれた理由というのは一体どこにあるんだろうという問題意識を持っていたんですが、最近それについての新しい歴史的な事実が公になりましたので、まずそこからお尋ねを始めたいと思います。
 昭和天皇のいわゆる沖縄メッセージであります。去年の秋に宮内庁から「昭和天皇実録」が発行をされました。この実録は非常に大部にわたる書籍でありまして、記録されている期間も非常に長年にわたるわけですけれども、沖縄に関して非常に強く関係する部分が記載されているのが、一九四七年九月十九日の「昭和天皇実録」の記録であります。今日は配付資料で当該部分をお手元にお配りをさせていただきました。そちらを御覧ください。
 ここに記載されている記録が沖縄メッセージでありますが、これが戦後沖縄の軌跡を決定付けたと言われている内容であります。ちょっと議事録に残すためにこの内容を読ませていただきます。
 一九四七年の九月十九日の記述です。金曜日午前、内廷庁舎政務室において宮内府御用掛寺崎英成の拝謁をお受けになると、昭和天皇がお受けになったと。なお、この日の午後、寺崎は対日理事会議長兼連合国最高司令部外交局長ウィリアム・ジョセフ・シーボルトを訪問する。シーボルトは、このとき寺崎から聞いた内容を連合国最高司令官及び米国国務長官に報告をする。最高司令官は当時マッカーサー元帥であります。この報告には、天皇は米国が沖縄及び他の琉球諸島の軍事占領を継続することを希望されており、その占領は米国の利益となり、また日本を保護することにもなるとのお考えである旨、さらに、米国による沖縄等の軍事占領は、日本に主権を残しつつ、長期貸与の形を取るべきであると感じておられる旨、この占領方式であれば、米国が琉球諸島に対する恒久的な意図を何ら持たず、また他の諸国、とりわけソ連と中国が類似の権利を要求し得ないことを日本国民に確信させるであろうとのお考えに基づくものである旨などが記されると、このように「昭和天皇実録」が記載をしています。
 この沖縄メッセージは、最初に発見をされましたのは、御案内のとおり、現在の筑波大学の進藤榮一教授でありまして、それが一九七〇年代に雑誌の「世界」に掲載をされました。以来、非常に注目を集めたメッセージであります。
 ここに記されている内容をかいつまんで要約をしますと、昭和天皇が御用掛の寺崎さんを通して当時のGHQのシーボルトを訪問させて、寺崎さんからシーボルトに対して昭和天皇御自身のメッセージを伝達させたということです。
 その内容は、天皇御自身がアメリカによる沖縄及び琉球諸島の軍事占領を継続してほしいと希望されていること、これがまず第一点。二点目としては、その占領がアメリカの利益となり、また日本を保護することにもなると考えているということ。そして、三点目に、アメリカによる沖縄などの軍事占領は、日本に主権を残して長期貸与の形を取るべきだということ。この長期貸与は、原文では二十年から五十年というふうに記載をされています。そして、次の点として、この占領方式であればアメリカが琉球諸島に対して恒久的な意図を持たないということ、また、ほかのソ連や中国などの国が同様の権利を要求しないということにつながるだろうと、それを日本国民が確信し安心できるだろうと、これがポイントであります。
 私もこのメッセージを今までいろいろと考えまして、当時の昭和天皇がお考えになった目的を一言で言えば、敗戦後の日本において、当時のソ連やあるいは中国といった共産主義の脅威に対して我が国の国防をいかに図るかというこの意識、認識を強く昭和天皇がお持ちになっていたということだろうと考えています。
 一方で、私自身は、今日の在沖米軍基地の問題を始め、我々政治がまさに直面している安全保障上の問題の多くが実はこの沖縄メッセージから来ているということも一部事実なんだろうと感じております。
 そこで、菅官房長官と島尻大臣にお尋ねをするんですが、お二人はこの沖縄メッセージが日米の地位協定の締結に与えた影響というものをどう認識していらっしゃいますでしょうか。
#164
○国務大臣(菅義偉君) 今委員から御指摘をいただきましたいわゆる沖縄メッセージでありますけれども、これは米側が作成をされた文書に記載をしている、そういう中で承知はしておりますけれども、政府としてこのことについてコメントする立場にはないというふうに思います。
 また、昭和天皇が沖縄に関する自らのお考えをGHQに伝えるという指示をしたことを裏付ける政府の記録、これについては事実関係は確認できていなかったというふうに、このことも承知をしております。
 また、沖縄はさきの大戦において悲惨な地上戦を経験をし、またサンフランシスコ平和条約の発効以降も一定期間我が国の施政権の外に置かれていた、そして米軍基地が設置をされてきたと。そういう中で、沖縄の本土復帰後も我が国を取り巻く安全保障環境というのは一層厳しさを増しており、日米安全保障体制の下に米国が日本防衛義務を負う一方、米軍に対して我が国の施設・区域の使用を認めてきたという歴史があるわけであります。
 いずれにしろ、戦後七十年を経てもなお沖縄に大きな負担を負っていただいている、その現状は決して是認できるものではなく、一つ一つ改善をしていかなきゃならないという、その思いは強いものであるというふうに思っています。
#165
○国務大臣(島尻安伊子君) 委員御指摘のいわゆる沖縄メッセージについては、米側が作成した文書に記載されていると承知をしておりまして、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 なお、昭和天皇が沖縄に関する自らのお考えをGHQに伝えるよう指示したことを裏付ける政府の記録や事実関係は確認できなかったと承知をしております。
 御指摘の「昭和天皇実録」については、宮内庁において編集されたものと承知をしておりますが、個別の内容についてお答えすることは差し控えたいと思っております。
#166
○風間直樹君 この実録の当該日の最後に、幾つか沖縄メッセージがこれまで記載をされた書籍あるいは記録が列挙されています。それを読みますと、侍従日誌、それから米国国務省の記録、寺崎による「昭和天皇独白録 御用掛日記」、「資料日本占領」、それから雑誌の「世界」、そして書籍である「沖縄問題の起源」と。これらの書籍あるいは記録にこの沖縄メッセージが記され、そして、今回、宮内庁が「昭和天皇実録」にこの記述を盛り込んだということで、事実上、沖縄メッセージの存在が確認されたと言っていいと思います。
 官房長官にお尋ねしますが、今の御答弁で非常に大切なことをおっしゃったと思うんですが、戦後この方の沖縄県が負担をしてきたそのことの重み、この重みを官房長官として決して是認はできないんだという答弁をされました。これは非常に貴重な御答弁だと思います。
 そういう認識を官房長官がお持ちになるようになるまでには、官房長官御自身の国会議員としての沖縄とのそれまでの様々な接点、あるいは政治家としての様々な御経験があったと思うんですが、その点をちょっと御説明いただけないでしょうか。
#167
○国務大臣(菅義偉君) 私がこの沖縄問題というものを意識するようになりました、私の政治の師でありました亡き梶山静六官房長官、まさに官房長官当時というのはこの沖縄問題に大変な心血を注がれて、ある意味で苦悩している、そういう表情というものを、私はそばにいてそうしたものを感じておりました。まさかその私が同じ官房長官としてこの沖縄問題の対応を行うことになるということは当時は全く夢にも思っていなかったのでありますけれども、今日、官房長官として、そしてまた沖縄基地負担軽減担当大臣として今当たっておるわけであります。
 特に私自身が承知をしているというのは、まさに橋本亡き総理大臣とモンデール米国大使との間のまさに日米合意、あのとき以降、多くの政治家、あるいは沖縄県の知事、また普天間の宜野湾、名護の市長、そして経済界の皆さんを始め多くの皆さんがこの問題に悩み苦しんで、そしてもう二十年にこれなるわけであります。
 いろんな出来事がこの沖縄問題をめぐってあったわけでありますけれども、私たち政権の中で行うべきことは、まさにできることは全て行う、そして目に見える形で負担軽減というものを実現をしなければ沖縄の皆さんには信頼をしてもらえない、そういう状況まで来ているというふうに私は考えて、まさに全力で取り組んでいる次第であります。
#168
○風間直樹君 官房長官のその御認識、私も共有するものでありまして、私も去年、沖縄にいろいろ足を運ぶ中で、どうして沖縄の県民がこれだけ様々な負担を負って、それに日々生活上悩み苦しんでいらっしゃるんだろうということを強く感じました。でも、これは、官房長官も島尻大臣も先刻御承知のように、やはり根底には日米地位協定がございます。
 官房長官、今こういうお立場で、沖縄県からの地位協定を何とか改正してほしいという強い要望を受けて、同時に米国との間で辺野古の新基地そして普天間の移設をめぐる交渉をされていらっしゃる。多分、相当お悩みになるときもあるだろうと思いますし、今おっしゃったように、時には苦しまれることもあると思うんです。この沖縄県民が求める地位協定改正、改善に対する切実な声というものを、官房長官、どう受け止めて、それを米国との間で交渉されていますでしょうか。
#169
○国務大臣(菅義偉君) この問題も極めて重要であり、そしてまた困難な問題であるということは私も認識をしております。
 そういう中で、日米首脳会談、私たち政権の座に就いて二か月後だったと思いますけれども、行われました。そうした中にあって、総理はオバマ大統領に対して、沖縄県における基地負担軽減というものを首脳会談で強く申入れをいたしました。その結果として、嘉手納以南、まさに沖縄の人口の約八割の皆さんが集中している中である米軍基地の約七割を返還する、具体的に二二年、その以降とか、初めて具体的な形が実は出てきたわけであります。
 そしてまた、普天間飛行場辺野古移設、その交渉の中にあっても、事前の米軍基地への立入検査が、立入りをすることができるまさに環境補足協定、事実上の地位協定の私たちは見直しにつながる、見直しだと言ってもいいのかなというふうに思いますけれども、そうしたことも交渉の中でまさに米軍が沖縄に基地に入ってから初めてそこはできたわけであります。
 こうしたことを私たちはまさに一つ一つ着実に実現していくと、そこのことが大事だというふうに思っております。まだ地位協定にいろんな問題がありますけれども、一つの風穴を開けることができたのかなというふうに思っています。
#170
○風間直樹君 昨年、沖縄県内の米軍基地、二十八あるというふうに私は承知をしているんですが、そのうちの約二十の基地を回らせていただきました。実際に米軍基地の中に入って視察をし、司令官と意見交換をする中で私自身も見えてきたものが多々あります。
 辺野古、キャンプ・シュワブに行きましたときに強く感じたんですけれども、辺野古の新基地というものが本当のところ、どのようなものがここにできて、将来、何のためにここが使われるのだろうかという問題意識を強く持ちました。
 そこで、その問題についてお尋ねをしたいと思います。
 元知事の大田さんが書籍を出していらっしゃいます。この本で、「こんな沖縄に誰がした」という本を大田さん書いていらっしゃるんですが、この本の中で大田さんが、辺野古の新基地をなぜ米軍があの場所に現在求めている機能で日本政府に対して要望しているのか、その理由が詳しく書かれています。
 大田さんの主張によりますと、この辺野古の新基地というのは、元々はアメリカの海軍が作った、一九六六年作成のマスタープランの内容をほぼそのまま現在建設しようということだというふうに述べていらっしゃいます。正式名称が、琉球列島、沖縄における米海軍施設マスタープランという名称です。
 官房長官にお尋ねしたいんですが、このマスタープランが辺野古の新基地構想につながっているのかという点をお尋ねしたいんです。このプランが作成された当時の米国政府の資料、琉球列島米国民政府渉外局作成には、以下の記録があります。これらの記録が、普天間返還合意以降の日米間の辺野古移設協議の中で同様の内容について協議がされた事実があるかを御答弁お願いします。
 その内容というのは、一点目は、那覇港、那覇空軍基地など別々の施設を最終的には一つに統合することが目標だという記述。一九六六年三月十日付けの会議メモ。二点目は、この沖縄の港湾施設、つまり辺野古の新基地を横須賀基地の代替施設か、横須賀と並行して使用する案があるという記述。三点目が、大浦湾に全軍、つまり沖縄駐留の米軍全軍の最も危険な訓練、作戦行動を集中させ、市街に近い用地で危険でない訓練を実施するという記述。これは、六六年の九月十九日付け、太平洋米軍司令官宛ての記述であります。最後、四点目が、近接する場所に米海軍の桟橋も計画したいという記述。これは三月二十四日付けのメモにございます。御答弁をお願いします。
#171
○国務大臣(菅義偉君) 今委員が御指摘をされましたアメリカ海軍大浦湾新基地建設マスタープラン、この存在が報道されたことは承知をしております。五十年も前に米海軍が作成したものである、このことについては政府として承知はしておりません。
 普天間飛行場の移設・返還については、日米間の中で様々な議論を行っていることは事実だというふうに思っています。そして、その具体的内容については、米軍との関係もありますので、明らかにすることは控えさせていただきたいというふうに思います。
 いずれにせよ、この普天間飛行場の移設については、先ほど申し上げましたけれども、まさに当時の橋本元総理大臣とモンデール駐日大使の間で、沖縄県内に代替施設を建設することを前提として全面返還を合意をしたと。その後に、当時の稲嶺沖縄知事とそして岸本名護市長の同意を得て、閣議決定をして辺野古への移設が決定をされたわけであります。
 政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境というのが厳しさを増す中、もう今日も北朝鮮からミサイルの発射がありました、そういう中にあって、日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険除去、固定化を避ける、そうしたものを考え合わせたとき、辺野古移設が唯一のこの解決策である、その考え方に変わりはありません。
#172
○風間直樹君 官房長官、国会議員になられてもう何年でしょうか。もう私どもから見ると大先輩でいらっしゃるわけですが、議員になられてから、沖縄を始めとする全国の米軍基地というのは何か所ぐらい視察にいらっしゃったことがございますでしょうか。
#173
○国務大臣(菅義偉君) 私はかつて、岩国、あるいは木更津、三沢と、北海道も一か所行ったというふうに思っております。
#174
○風間直樹君 私も昨年回ってみて思ったのですが、この在日米軍基地、合計で、これは資料請求して確認しましたら、日本全国で八十一か所あるそうですけれども、この八十一か所の中で日米安保条約上の日本防衛義務に当たる部隊というのが一体どこにあるんだろうというのが私の一つの問題意識だったんです。
 官房長官は、これまで視察をされた中で、この安保条約上の防衛義務に当たるその兵力、部隊というのがどこに存在しているというふうにお考えでしょうか。
#175
○国務大臣(菅義偉君) 私は、どこの基地ということについては今知識は持っておりませんけれども、当然地元ですから横須賀にも行きました。そういう中で、全体、あるいは首都の横田とか、そういう近県は別にしまして、そうしたところに総合的な形で私はあるのではないかなというふうに考えております。
#176
○風間直樹君 在沖の米軍基地というのは、合計、私の承知をするところで約二十八か所。この機能が持つ米軍の展開力というものはすさまじいものがありますね。
 例えば北部演習場では、日本国内の米軍部隊のみならず、ほぼ全世界から、全世界に展開している米軍部隊があそこにやってきて、ジャングル戦闘訓練を非常にシステマティックに、計画的にやっている。あるいは、中部のキャンプ・ハンセン、あそこにコンバットタウンというところがあります。これは島尻大臣も御存じだと思いますが、ここでは市街地訓練を非常に綿密にこれもやっています。そういう基地機能を含めて、私はこの米軍の世界展開の機能というものの規模と能力に非常に驚きました。
 問題は、今日議論しているこの辺野古の新基地なんですが、我々国会で議論をしていましても、この新基地にじゃどういう機能が移設され、また新たに盛り込まれ、最終的に完成形はどのような形を見るのかという、その全体イメージがこの国会でも余り伝わってこないんです。それがイコール沖縄県民の不安にもつながっているんだろうと感じます。
 そこでお尋ねをするんですが、いわゆる普天間飛行場の代替施設に付与される機能、沖縄における在日米軍施設・区域に関する統合計画というのがありますけれども、機能移設後に返還するとされている施設・区域として、普天間飛行場のほかにも、那覇港湾施設、キャンプ桑江、それから牧港補給地区、キャンプ・キンザーですね、この一部などが含まれていると。それらの機能の一部や沖縄県内又は県外の米軍基地が有する機能の一部までもが、普天間飛行場の代替施設、つまり辺野古の新基地に付与されることはないんだろうかと、この点を官房長官にお尋ねしたいと思います。
#177
○国務大臣(菅義偉君) 現在、従来、普天間の飛行場の機能としては三つの機能があると。空中給油機の運用機能、緊急時の受入れ機能、そしてオスプレイなどの運用機能、この三つの機能を有しているというふうに考えておりますし、これらの機能のうちに、空中給油機については岩国に十五機移設を行いました。そしてまた、緊急時の受入れ機能、これについても、福岡県の築城基地、宮崎県の新田原基地へ移す、このようになっています。そして、これらによって、残る機能というのは、オスプレイなどの運用機能のみ辺野古に移転をする。辺野古の機能は、私たちは、そういう意味において大幅に縮小されるというふうになっております。
 辺野古の代替施設については、あくまで普天間飛行場が有しているオスプレイなどに運用に必要な機能、これが移転されるというふうに考えています。
#178
○風間直樹君 私は、沖縄を回ってみまして、今官房長官がおっしゃった政府のその説明が果たしてそうなのかなと、本当に米軍自身が将来のプランとしてそこにとどまる計画しか持っていないんだろうかということを実はちょっと疑問に思っています。
 といいますのは、先ほど御紹介したこの一九六六年の米海軍作成のマスタープランには、海軍の桟橋も辺野古の新基地に造るという当時計画を考えていたようです。現在、在沖の米軍の基地の中で桟橋といいますと、これはもう島尻大臣御承知のように天願桟橋ですね。それから、あとホワイト・ビーチにもそれらしきものはありますが、恐らくこの六六年のマスタープランで米海軍が欲しいと言っている海軍の桟橋は現在の天願桟橋が一番近いんだろうと。ただ、あそこもかなり老朽化というか、必ずしも新しい桟橋じゃありませんので、その機能を辺野古の新基地に米軍が現在盛り込みたいとしていても決して不思議ではないと私は感じています。
 そこで、次の質問に移るんですけれども、この辺野古の新基地を、将来、日本の自衛隊が使用する予定はあるのかどうか、この点、お伺いします。
#179
○国務大臣(菅義偉君) 考えておりません。
#180
○風間直樹君 官房長官、今いわゆる日米合同の離島訓練というのをやっていますよね。これ、アメリカでやったり、またその他の場所でもやっているのかもしれませんが、これちょっとうがった見方で恐縮なんですが、辺野古に造る新しい基地というのは、日米共同のこの離島演習、訓練に私は非常にふさわしいような基地機能を持つようにも受け取るんですけれども、この可能性は将来ないですか。
#181
○国務大臣(菅義偉君) 私が承知している限りにおいては、現時点においてそういうことはないというふうに承知をしております。
#182
○風間直樹君 続いて、外務省にお尋ねをします。
 この辺野古の新基地が完成して運用が開始された場合ですけれども、基地に関わるホスト・ネーション・サポート、これ年額およそ幾らになるんでしょうか。
#183
○大臣政務官(黄川田仁志君) お尋ねについて、辺野古代替施設の運用が開始されていない段階でもあり、お答えすることは困難であります。
 いずれにしても、政府としては、普天間飛行場の一日も早い返還に向けて全力で取り組むという考えに何ら変わりはございません。
#184
○風間直樹君 良しあしは別としてですけれども、大田元知事の御著書の中には、年額でおよそこの部分で二百億円程度という目算が記されていると承知をしております。
 次のお尋ねですが、在沖米軍の移転に伴う費用負担、基地の移設・返還に際して費用負担が出るわけですけれども、この諸費用、移設費、新基地建設費、労務費、原状回復費などは地位協定に基づいて全て日本側が負担するのか、それとも一部はアメリカが負担するのか、確認したいと思います。
#185
○国務大臣(菅義偉君) 全体として、在沖米軍の移転に伴い発生する費用を日米のどちらかが負担するかについては、この地位協定に基づいて個別具体的な事案に基づいて決まっていくというふうに承知をしています。
#186
○風間直樹君 このいわゆるホスト・ネーション・サポートにつきましても、国会にもいろんな意見がありますし、国民の中にも様々な意見があります。私は、日本全国八十一の米軍基地、あるいはキャンプその他の施設で日本政府が負担をし、米側に対して拠出しているこのホスト・ネーション・サポートの費用については、広く国民に周知をして、どういう目的で政府が地位協定上負担をしているのか、それが我が国の防衛上どういった意味、メリットがあるのか、これをより国民に伝えるべきだろうと思っています。
 私の認識では、同時に、このホスト・ネーション・サポートは、恐らく日本国政府として支出する我が国の防衛費、その金額総額とも密接に絡む問題だと思っておりますので、今後、私自身もその努力をしたいと思っております。
 次の質問に移ります。普天間飛行場の五年以内の運用停止の問題です。
 官房長官にお尋ねします。
 平成二十五年十二月十七日の沖縄政策協議会におきまして、当時の仲井眞知事からこの五年以内の運用停止の問題、提起をされました。その起算点に関して沖縄県側は、翌二十六年二月十八日の普天間飛行場負担軽減推進会議において国と沖縄県との間で同飛行場の危険性の除去等について認識を共有したことより、同日から起算されると認識していると、こう承知をしています。すると、平成三十一年の二月までに運用停止が行われるべきことになりますが、最近、アメリカ側からはこの五年以内の運用停止は考えていないという発言も出ています。
 この運用停止の起算日、運用停止の具体的内容、その見通しについて認識を伺います。
#187
○国務大臣(菅義偉君) まず、この普天間飛行場の五年以内の運用停止についてでありますけれども、仲井眞前知事に対して辺野古移設に必要な埋立申請を行っている中で、平成二十五年の十二月十七日、知事から要望が出されました。
 そして、その後に知事から埋立ての承認をいただいたわけでありますけれども、政府としては、埋立承認をいただいて工事を進める中で、特に移設までの間における普天間飛行場の危険除去を中心とした負担軽減は極めて重要であるという認識の下に、平成二十六年の二月、仲井眞前知事及び佐喜眞宜野湾市長、その要望に基づいて、普天間飛行場負担軽減推進会議、このことを設置をし、相手のあることではありますけれども、できることは全て行うという姿勢で、沖縄県、宜野湾市と協議を行ってきたところであります。
 そして、今委員から御指摘ありましたけれども、この五年の起算の点でありますけれども、沖縄県から平成二十六年二月から五年をめどとする考えが示されたということも事実であります。政府としては、この沖縄県の考え方を基に取り組んでいくことにいたしております。
 そして、その具体的内容でありますけれども、五年以内の運用について仲井眞知事との間で厳密な定義が合意をされていることではありません。ただ、政府としては、既に先ほど申し上げましたけれども、普天間飛行場にある三つの機能、一つは空中給油機の運用機能、それを平成二十六年の八月、山口県の岩国基地に十五機移駐を実現をしました。そして、緊急時における航空機の受入れ機能、これについても、福岡県、宮崎県のそれぞれの自衛隊基地に移すこと、これは既に決定をいたしておりますし、了解もいただいております。
 そして、先ほど来申し上げていますけれども、残るのはオスプレイの運用機能であります。そして、オスプレイの整備機能、これについても、千葉県の木更津にあります自衛隊基地でこの整備を行う、このことも決定をいたしており、地元からの御理解もいただいております。
 普天間基地移設をめぐるこの状況は、知事が交代をしたことによって大きく変化していることも事実であります。政府としては、普天間飛行場五年以内の運用停止の実現については、普天間飛行場辺野古移設について地元の協力が前提である、このことも私、度々申し上げているところであります。
 いずれにしろ、普天間飛行場の危険除去、固定は避けるという、そしてまた日米の間のこの抑止力の維持を考えたときに、沖縄県に粘り強く説明をさせていただいて、辺野古移設、一日も早く実現をしてまいりたいというふうに思います。
#188
○風間直樹君 終わります。ありがとうございました。
#189
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎と申します。
 まず、一億総活躍担当大臣であられる加藤大臣に質問いたします。
   〔委員長退席、理事相原久美子君着席〕
 一億総活躍とは何ぞやということを、中学生でも山本太郎でも理解できるように三十秒ほどで教えていただけると助かります。無理言って申し訳ございません。
#190
○国務大臣(加藤勝信君) 我が国の経済成長を妨げている根本は、少子高齢化という構造的な問題です。少子高齢化の進行が、将来に対する不安、悲観に随分影響しているということでございます。一億総活躍とは、誰もが活躍できる社会、またその実現のために一人一人の希望を阻むあらゆる制約を取り除き、活躍できる環境を整備していくということが必要だと思っております。
 具体的には、第一の矢である強い経済の実現をすることによって成長を図り、その果実によって第二、第三の矢である子育て支援、社会保障の基盤を強化してまいります。これによって、子育てや介護と仕事が両立しやすくなるということなどによって、様々な人材が例えば働くという形で参加をしていただくことができ、社会に多様性も生まれてまいります。そうして、それが労働参加率の向上のみならず、そうした多様性がより高まっていくことによってイノベーションが生まれ、生産性の向上が促されて経済成長もまた加速をしていく、そしてまたその強い経済が社会保障等の基盤を強めていく、こういう成長と分配の好循環を築き上げていきたい、そしてそういう中で一億総活躍できる社会をつくっていきたいと、これが私どもの思いであります。
#191
○山本太郎君 ありがとうございます。
 大臣、日々の生活がぎりぎり、経済的に一日二食食べるというのもちょっと微妙だな、かつかつで何とか今月乗り切った、貯金なんてとんでもないという状態の人は活躍と呼びますかね、活躍している状態だと言えますかね。言えるか言えないかでお答えいただけると助かります。
#192
○国務大臣(加藤勝信君) どういう状態を活躍しているかしていないかというのは、別に私どもがこういう定義をするべきではないと思います。基本的には、その方がその方の夢、希望、思いに向けて一歩前に進んでいけている、こういう状況だというふうに思います。
#193
○山本太郎君 ありがとうございます。
 経済的にかなり困窮している、仕事はあるけれども十分ではない収入ということをちょっと例えて言ってみたんですけれども、そのまま行きます。
 昨年の十一月二十六日付け、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策、この中には高等教育に係る奨学金についてもその充実を図る旨が書かれています。そして、昨年二月、安倍総理の施政方針演説の中、「大学生への奨学金も、有利子から無利子への流れを加速し、将来的に、必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるようにしてまいります。」と明言されました。しかし、今年の施政方針演説では、無利子奨学金については触れられていないんですよね。
 加藤大臣にお尋ねしたいんですけれども、安倍総理が昨年の施政方針演説で明言された、「将来的に、必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるようにしてまいります。」というのは、現在でも安倍内閣の施政方針、公約であるということでよろしいでしょうか。
   〔理事相原久美子君退席、委員長着席〕
#194
○国務大臣(加藤勝信君) 教育再生というのは、安倍内閣最重要課題で取り組んでおります。子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがないようにしていかなければならないと思います。
 子供たちが希望すれば、誰もが高校、専修学校、大学に進学できる環境を実現していくため、奨学金の充実による学生の経済的負担の軽減について、今の所信表明も含めてこれまで安倍総理から御発言があり、それに向けて内閣全体で協力して取り組んでいるところでございます。
 奨学金については、引き続き無利子奨学金の拡充を図るとともに、本年採用する大学等進学予定者からは、卒業後の所得に応じて返済額が変わる新たな所得連動返還型奨学金制度の導入も進めていこうとしているところでございまして、これまでの総理の御発言、何ら変わるものではございません。
#195
○山本太郎君 何ら変わるものではない、安心したいところです。
 「大学生への奨学金も、有利子から無利子への流れを加速し、将来的に、必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるようにしてまいります。」と総理が明言された後、実際にこれ、二十七年度、二十八年度予算で奨学金無利子化が動き出しました。さすが安倍政権、仕事が速い。
 二十七年度予算、安倍政権の特別措置で新たに増えた新規無利子奨学金貸与者は八千六百人。無利子奨学金受給者四十六万人の全体数からの割合でいうと、たった一・八二%、一・八二%しか増えていない。二十八年度予算案、安倍政権の特別措置で新たに増えた新規無利子奨学金貸与者は六千人。無利子奨学金受給者四十七万四千人の全体数からの割合でいうと、たったの一・二七%、一・二七%増える予定だということです。
 二十七年、二十八年度共に、特別措置で新規で増えた無利子奨学金受給者は全体の一%ちょっと。一%ちょっとって、これもう誤差の範囲じゃないのと思っちゃいますよね。文科省は二十八年度は新規無利子奨学金貸与を三万人ほど増やすようお願いしたそうなんですけれども、残念ながら、二十八年度は二十七年度と比べて新規無利子奨学金貸与者の数を減らしているんですよね。びっくりです。
 安倍政権、この国に生きる人々のために、いつ本気を出してくださるんでしょうか。大企業、太平洋の向こうのお国のために尽くす誠意、努力を、是非、一億総活躍を通して、未来を開く若者にも示していただきたいと期待をしております。
 多くの若者が、低賃金と毎日の暮らし、奨学金の返済などで首が絞まっています。貯金なんて無理です。家族を持つ、子供をつくれ、無理です。現実を見れば、自分が生きるだけで精いっぱいです。こんな状況を生きる若者が大勢いるこの国で、高齢化社会をどのように迎えることになるんでしょうか。先ほど、少子高齢化ということもこの一億総活躍という部分には含まれていると、これを改善していくことが必要なんだと言われていましたけれども、今の状況を見ている限りは、持続可能な社会づくりをしているとはみじんにも思えない状況だと。
 少子化対策、一丁目一番地。本人とその家族に対して教育に掛かる負担が極力掛からないようにする。世界の先進国が国家戦略として取り組んでいる、少子化対策のイロハのイだと思うんです。
 文部科学省の方々に、安倍政権の特別措置、平成二十八年度予算の増員ペースで無利子奨学金を増やしていったとすると、有利子が全て無利子になるのは何年後になりますかね、計算をしていただきました。六十年です。六十年掛かるそうです。そのとき私は百一歳。内閣委員会の諸先輩方はお元気でしょうか、その頃。将来的に必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるようにと宣言した安倍内閣、そうすると宣言した安倍内閣、六十年掛けて全て無利子にするおつもりではないですよね。
 具体的にどのように実施するのか、財源はどうするのか、いつまでに実現するのか、説明いただけますか、手短に。
#196
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話ありましたように、大学等の無利子奨学金については、来年度予算で貸与人員は、二十七年度で増員した分も今年また引き続き継続しなければなりませんから、予算枠としては一・四万人増加すると、こういう形になって、四十七万四千人に拡大することが盛り込まれているところであります。
 スケジュールのお話ありましたけれども、今後できるだけ早期に必要とする全ての学生が無利子奨学金を受けられるよう、文部科学省とも連携しながら充実に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
 ただ、ちょっと今の御議論の中で、私どもが念頭に置いておりますのは、現時点において学力及び家計に関する奨学金の貸与基準を満たしてはいるけれども貸与が受けられない、平成二十八年度では二万四千人が見込まれておりますけれども、まずそういう方々を解消していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#197
○山本太郎君 お手元の資料一に移ります。
 平成二十六年度の日本学生支援機構の利息収入と延滞金収入の資料。利息収入が三百七十八億千二百万円、延滞金収入四十億六千八百万円、合計四百十八億八千万円です。毎年の利息収入と延滞金収入の合計額を利子補給金として予算に計上すれば、これ即座に全て無利子化できそうなんですよね。
 これ、財源どうするんだ、財源はと言われそうですけれども、これ、何も生み出さない、役に立たないことに税金をつぎ込むということをやめればいいだけじゃないのかなと思うんですけれども。例えば高速増殖炉「もんじゅ」、これ廃止して、「もんじゅ」の年間事業費二百億円、核燃料サイクル研究開発費二百億円、合計四百億円財源にすれば、奨学金の全員無利子化、すぐにできると思うんです。
 加藤大臣、今申し上げたのはもちろんほんの一例なんですけれども、財源はもちろん別でつくっていただいても結構です、一億総活躍社会実現のためにも、奨学金の即時全員無利子化、そして低所得者に対しては返済猶予の無期限化を緊急に実施すべきと思いますが、いかがでしょうか。
#198
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたけれども、まずは、現時点で学力及び、本来であれば奨学金の貸与基準に満たしている、しかしながら予算の枠がないから貸与が受けられない、そういう方々がまずはしっかりと奨学金が受けられるように、これは財源を確保しながらでなければできませんけれども、まずそれに努力をしていきたいと、こう思っております。
#199
○山本太郎君 お手元の資料二に移ります。
 文部科学省作っていただきました、制度開始以来の有利子奨学金の利子率の推移、現在一%以上の利息を払い続けている有利子奨学金を受けた人の利子率ごとの人数でございます。
 有利子奨学金の利息は、制度開始以来、利用者の負担の上限三%となっていますよね。現在の超低金利時代、マイナス金利の時代、一%以上の金利を払っている人、百四十二万八百五十二人もいる、百四十二万人もいる。
 平成二十七年三月の利率は、見直し方式の場合、〇・一%。住宅ローンと同じように借換えをすれば負担が大きく減ると思うんですけれども、有利子奨学金の借換えはできるのかできないのか、できないならその理由を中学生にも分かるように端的にお話しいただけると助かります。
#200
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 日本学生支援機構が実施いたします有利子奨学金についてでございますが、借換えは認めておりません。
 その理由でございますけれども、有利子奨学金の借換えは、これはすなわち、学生のときに借りた奨学金を一旦繰上げで返済していただき、再度新たに金利の異なる奨学金をお貸しすることになります。一方で、日本学生支援機構は学生に奨学金をお貸しするという制度になっておりまして、借換えの場合には学生ではない社会人に奨学金をお貸しするということであり、制度上の課題がございます。
 また、先生御指摘のとおり、有利子奨学金の貸与利率につきましては、現在、金利が変動したときの負担を考慮いたしまして、学生御本人が貸与終了時までに御自身の責任で利率固定方式か利率変動方式を選択することになっております。
 なお、仮に有利子奨学金の借換えを認めた場合には、金利の差額分、そして、現在、有利子奨学金の返還者約二百三十万人に上りますけれども、その方々の諸手続について新たに国民の負担を求めることになります。
 いずれにしましても、有利子奨学金を返す際の利率につきましては、分かりやすい形で説明、広報にしっかりと努めていきたいと思っております。
#201
○山本太郎君 ありがとうございます。
 有利子奨学金の財源となっている財政融資資金、これ、たとえ奨学金であっても借換えは認めない。財政融資資金から出た資金は利子を付けなきゃいけないんだ、色を付けて返さなきゃならないというルールだから、例外ないのなんて当然じゃないかというお話ですよね。
 そもそもの話ですけれども、商売ベースの融資の枠組みから原資を引っ張ってくれば、機関を通して借りる末端の奨学金貸与者がこのような事態に陥る可能性というのは容易に想像できたんじゃないかなと思うんですよね。金の出どころが違うんじゃないの、金の出どころが元々間違いだったんじゃないのかという話ですよね。利息や延滞金で首が回らない状況が生み出される財源を奨学金に充てたことが悲劇の始まりでしょう。教育関係の資金は財政融資資金ではないところから財源を引っ張る必要があるようですよね。国にとって財産である若者たちに国が先行投資しなきゃ、持続可能な社会づくりなんて不可能ですよ。それを実践しているのが先進国の多くの国々ですもんね。
 安倍政権が目指す一億総奴隷化計画、そうじゃない、一億総活躍社会なんだよ、そうおっしゃるならば、奨学金の即時全員無利子化、低所得者に対して返済猶予の無期限化を緊急に実施する必要があると思うんですよ、これ。まずは小さいところから、まずここら辺からやっていきましてというよりも、もっと大胆な改革というものをやっていかなきゃいけないと思うんですね。
 借換えが無理だとしても、まずは徐々にやっていくというスタンス、これは大きくは変わらないですか、加藤大臣。
#202
○国務大臣(加藤勝信君) 今、文部科学省から、有利子奨学金の借換えについては、そもそもこの制度、あるいはその財政支援等も含めていろいろ課題があるという御指摘もございました。
 したがって、今委員の御提案ではございますけれども、なかなか実現というのは難しいんではないかなというふうに思っております。
#203
○山本太郎君 本当に若い人たちは首が絞まっているという状態、たくさんの悲鳴、もう社会問題になっています。皆さんももう御存じのことだと思います。
 ちまたでは、世間では、国がやっている武富士とも言われている、誉れ高い日本学生支援機構でございますけれども、返済困難に陥った場合には救済制度というのが用意されていますよね。二〇一四年度からは、返済猶予の通算期間が五年から十年に延長された。延滞金の利息、年一〇パーから五%に引き下げられた。制度改革というのも行われているんですよね。こう聞いたら、貸与者のことも考えているじゃないかって感じられますよね。
 学生支援機構にお聞きしたいんですけれども、これ、もう時間の関係上、イエスかノーかでお答えいただきたいんです。返還期限の猶予、この制度の利用は学資金の貸与を受けた人の権利である、イエスかノーかでお答えください。
#204
○参考人(遠藤勝裕君) その学生の経済状況等によりますけれども、経済状況等によりましては、当然権利ということになります。
#205
○山本太郎君 ありがとうございます。救済制度の利用は貸与を受ける人々の権利であると結局は言っていただいたと思います。これ当然の話ですよね。
 学生支援機構の救済制度は、中身を知れば問題だらけです。返済を一時的に猶予する返還期限猶予制度、これ、十年間の返還猶予なんですけれども、どんなに経済的に苦しくても、限られた期間、十年間しか利用できない、延長はなしね。でも、十年後に自分自身の所得が上がっている保証ありますかね。ここ数年の最低賃金の上がり方を見ても、毎年十二円から十八円ぐらいずつしか上がっていませんよ。もちろん、安倍政権、最低賃金千円を目指すと。二〇二〇年代にはって、まあ随分のんきな話に聞こえますけれども。でも、時給千円といったところでも、計算してみたら年収大体どれぐらいですか。約二百万円程度じゃないですか。これワーキングプアですよ。時給千円って胸張って言ったとしても、これワーキングプアなんですよね。時給千円でも、安倍政権になって四十九万人以上も増えたワーキングプアになってしまうんですよ。十年の猶予期間を過ぎても十年前と所得がほとんど変わっていない、そんな方々たくさんいらっしゃるでしょう。これからもっと増えていくでしょう。
 現実を見れば、大臣、低所得者に対する返済猶予の無期限化、これ必要だなと。財源のこととかいろいろあると思います。スケジュール的なこともあると思います。でも、無期限化という考え方というのも必要だなって思われませんか。
#206
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど説明がありましたように、あるいは議員からもお話がございましたけれども、これまで経済困窮等の理由によって、卒業後、奨学金の返還が困難な方に関しては、毎月の返還額を減額したり長期間掛けて返還する減額返還制度、あるいは経済困窮による返還期限猶予制度、こういったところで対応しているわけであります。さらに、二十六年度からも救済措置をとってきているところでございます。
 今、現状、こういう対応をしている中で、さらにそうした方々の状況を見ながら、必要な措置というものはその状況に応じて考えていかなきゃならないと思いますけれども、ただ、委員のおっしゃるような無期限ということではなくて、やっぱりそれぞれの状況に応じた対応が必要になってくるんじゃないかなと、こう思いますけれども。
#207
○山本太郎君 ありがとうございます。
 先ほどの機構の話に戻りますね。
 払うお金がないから猶予を求めているんですよね。でも、先ほどのお話、要は十年間猶予されるよ。この返済猶予制度を利用するために、延滞している元金、そして延滞金を全て支払うまで適用されないって。いや、払うお金がないんですよ、だから猶予を求めているんです。でも、それを利用するためには、延滞している元金と延滞金全て支払うまで適用しません。まるで追い剥ぎのような運用がなされてきました。これ問題になりました。
 二〇一四年四月から、年収二百万円以下などの人を限定して、延滞があってもそれを据え置いたまま猶予が認められると、延滞据置型猶予。ところが、同じ年の二〇一四年十二月、学生支援機構理事長決裁で運用を変えた。時効を主張した人、督促状を既に送付した人などに対して延滞据置型猶予を使わせない、不当な運用まで開始された。その制限、二〇一四年四月に遡って適用することって、これもう後出しじゃんけんじゃないですか。十二月に出しているんですから、その年の、この決裁を。その犠牲になった人たち、なる人たちの中には、もちろん家には暖房がない、冬場でも、入退院繰り返している、精神的にも不安定、就職できない、家族が送る物資で何とか生きている、そんな方々もいらっしゃいます。
 機構は、規則には猶予するではなく猶予できるとあるから、自分たちが裁量で決められるというふうに主張されているんですね。これ実際の訴訟手続において機構の顧問弁護士が書面で主張した文章らしいんですけれども、すごいですね。規則には猶予するではなく猶予できるとあるから、どんな場合に猶予するか否かは私たちが裁量で決めるよって。
 じゃ、お聞きしますよ。学生支援機構、機構の裁量で何でも制限できてしまうものなんですか。短めにお答えください。
#208
○参考人(遠藤勝裕君) その場合、個別のケースによると思いますけれども、機構が、今委員御指摘のような状況というのは、それぞれの訴訟案件によって出てきたことだと思います。そのケースケースによって対応は異なってくると思いますけれども、私どもが私どもの裁量で勝手にやるということではなくて、全て訴訟案件になった場合の司法判断に基づいて行動しているというふうに御理解いただければと思います。
#209
○山本太郎君 ありがとうございます。
 奨学金で苦しんでいる人たち、何とかしていこうということで、奨学金問題対策全国会議というものがつくられているわけですよね。たくさんの悲鳴が寄せられています。どんな悲鳴か。
 自分は自己破産していますが、連帯保証人である母が返済しています。母は高齢であり、いつまで払えるか分かりません。自分は障害があって働けないので母を助けられません。
 そのほか。失業中です。返還猶予の利用を繰り返してきましたが、年数を使い切ってもう猶予ができないと言われた。連帯保証人である父のところに請求が来ています。おじも保証人になっており、迷惑を掛けたくありません。自分が死んで支払を免れられるなら死んでしまいたい。
 卒業後、父が支払うと言ってくれていた。けど、突然、機構から膨らんだ延滞金も含めて請求を受けた。離婚や仕事の不安定などが重なりうつになって支払が苦しく、過去に遡って返還猶予を求めようとした。五年以上は役所の所得証明が取れないとして拒否された。無理して返済を続けていましたが、精神的にも追い込まれ、自己破産しました。
 ほかにも。障害一級で働くことができません。機構から裁判を起こされ、免除の申請をしました。障害が発生する前に延滞金が生じていたとして、免除を認めてくれません。連帯保証人の父にも請求が行き、僅かな年金の中から無理をして支払うことになりそうです。父はほかの兄弟三人の奨学金の保証人にもなっている。そちらも裁判を起こされて、その支払もしなければなりません。父は実家の土地、建物を所有しているため、破産もできない状態で苦しんでいます。
 そのほかにも。娘さんが突然心肺停止になって、そして両上下肢、両手両足機能全廃となった。そんな人に対しても、返還の免除を求めているのに、回復の可能性があると言われているんですって、申請用紙さえ渡してもらえないんですって。
 これ、現実ですよ。ケースケースでやっているって。じゃ、これもオッケーなケースなんですね。訴訟を起こして、ここからお金を取って。だから社会問題になっているんでしょうって。一%そこそこ増えましたというところで、どうやって少子化対策とか、どうやって一億総活躍とか言うんですかって話じゃないですか。ケースケースでちゃんとやってますって話じゃないんですよ。規定からは外れて運用という面で、それを恣意的に拡大し過ぎているからここまでの社会問題になって、みんな苦しんでいるってことが表面化してきたんじゃないですか。これ政治で何とか変えていかなきゃならないんじゃないですか。元々のお金の引っ張ってきている場所違うでしょうって。分かっていたんじゃないかって。
 今、機構がやっていることは、二〇〇五年の六月に、首相直轄、参与会議がまとめた指摘事項、機構の奨学金事業について、金融業としてのマネジメントが求められると明記されたと書いてある。これ素直に守っているだけなんですよ。金融業のマネジメントとして、悪徳金融業者としてのマネジメントをそのままやっているだけなんですよ。
 ここ解決しなきゃどうするんですか。少子化対策、口だけじゃないですか。じゃ、将来誰が見ますか。僕、第二次ベビーブーム生まれですよ、誰が面倒見てくれる。今の人たち、子供なんかつくれないですもの。住む家もない、フルタイムで働いて十二万、十三万、家賃払える。家借りるのには敷金、礼金要るじゃないですか。親がお金持っていなかったらどうする、借りられないですよ、家なんて。友達の家転々とする。
 以前、菅官房長官にもお話をさせていただきました。若者の住宅、ここにしっかりと補助をしていかなきゃいけない。教育にもしっかりした補助をしていかなきゃいけない。そして、所得にも補助をしていかなきゃいけない。ヨーロッパはみんなそれやっている、国家戦略としてって。持続可能な国の運営をしてくださいって。今のままじゃ、今だけ、金だけ、自分だけということでみんなが前進していっている。十年後、百年後のこと考えてくれていますか。このバトンはもう放棄するんですかというような状況なんですよ。悲鳴がいっぱい聞こえている。助けてください、力を貸してください。政治家が動けば、これ変わりますよね。お願いします。
 じゃ、先ほど言われたとおり、これらも規則どおりの運用だと言えるわけですね。言える言えないでお答えください。時間ないです。言えるか言えないか。今挙げた例は規則どおりの運用と言えるか。これ恣意的拡大でしょう。規則どおりの運用と言えるか言えないか。もういいです、思ったとおりのことを言ってくださいよ。
#210
○参考人(遠藤勝裕君) 規則どおりの運用をしておりますが、その規則の中には、傷病とか先ほど御指摘のもろもろのケースについては、それを相談に私どもに来てくださいということで対応しております。
#211
○山本太郎君 でも、ちゃんと確認が行っていないんですよ、実際の運用では。延滞がいつの時期に発生したかということもどうかも確認することもなく、延滞があれば免除させないということだけのカテゴリーでやっちゃっているんですよ。ちゃんと見ていない、現場を。まさしく先ほど言った金融商品にしちゃっているんですよ、みんなを。言われたとおりにやっている。そういう意味で、機構ばかりが責められる話じゃない、そう思うんです。
 これほどまでに奨学金が社会問題化したのは、学生支援機構による救済制度の恣意的運用も大きく関係していると思います。この問題一つ取っても、一億総活躍の実現、大きく遠のいていますよ。これ解決するには、裁量権を持った機構に救済制度を恣意的運用させないために、第三者による審査を行う不服申立て制度、これ設けるべきだと思うんです。これ大至急だと思うんです。全て機構の判断じゃ危険、だからこれだけ問題化している。だから、第三者による目、審査を行うという目を入れていただきたいんです。
 大臣、一億総活躍大臣として、この件について旗振っていただけないですか。
#212
○国務大臣(加藤勝信君) その所管省を直接私が指示する立場ではございませんので、ここで答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、委員御指摘のように、その方の状況というものはしっかり踏まえながら、その返済についてもそれを求めていくというのがやはり基本的な姿勢ではないかなと、こういうふうには思います。
#213
○山本太郎君 他省庁がやることは他省庁のやることだ、それぞれが頑張るしかないということであれば、今のポジションは余り必要性がないということになってしまう。でも、やはり安倍政権のエースと言われている加藤さんですから、だからこそこれを横断的に結ぶことができるんだということを見初められてのこのポジションがつくられたと思うんです。是非お願いします。この今苦しんでいる若者たちが本当に活躍できるようにならなきゃ、この国、もう本当に沈んじゃいますよということですよね。是非お力を貸してください。お願いします。
 そして、お手元の資料三に移ります。もう時間がないので、手早く行きます。
 東京新聞の記事です。この内閣委員会で昨年質問したことが少し記事になっています。
 どういうことなのか。当時、私の質問に対して、厚労省の政務官がこう答えた。高校を卒業した後は、その高校への修学を通じて得られた技能や知識を生かして就労すべきものでございまして、大学進学後の保護を受けながらの修学というのは認めていないのが現状でございます。何を言っているか。生活保護家庭は大学に行けないということがこれタイトルになっているんですね。要は、もう高校卒業までしか見ないよということが言われている。
 これ、厚労省、この政務官の発言に間違いがありますか。それとも、もうこのまんまですか。お答えください。
#214
○政府参考人(堀江裕君) お尋ねの昨年九月三日の橋本政務官の答弁の考え方に変わりはございません。
#215
○山本太郎君 ひどいじゃないですか、これ。諦めろって言うんですかって。才能があったりとか一生懸命頑張ったりとかという人たちも報われないんだって。生活保護世帯の中からは大学行けない、世帯分離という形になる。だから、生活費、学費、全部自分で稼がなきゃならなくなる。じゃ、どうなるって、一日中バイトすることになるんですよ、朝から晩まで。勉強なんてできない。メンタルやられる、健康やられる。一億総活躍というならば、ここに是非光を当てていただきたいんです。
 じゃ、どうすればいいんですかということですけれども、生活保護の大学進学後押しするためには、一つ、給付型奨学金、バイト代等を大学進学のための模擬試験、受験料、入学金、初年度受験料等に充てる場合、収入認定除外してくださいよ。これ収入として認められるんです、民間からこの奨学金与えられたとしても。国がやらないことを民間がやっているんです。でも、生活保護世帯だったら、これ収入として認められて、元々のものが削られちゃうんです。こんな理不尽な話ありませんよね。
 そしてもう一つ、生活保護費から給付してくださいよ。せめて生活扶助費、生活費だけは支給するとか。大学に通いながら、生活保護世帯にいる大学生が、本当は勉強のために大学に行くのにバイトしかしていないという状況が生まれちゃうって、これ活躍しようもないですよ。
 是非お力を貸していただけないですか。関係大臣にこのことを伝えていただけないですか。ここを解消しないことには、まず、生活保護世帯の子供たちも大学に通えるんだ、それを確立していただきたいんです。これが一千万人大活躍という大臣なら僕はお話ししません。一億総活躍という話だから、だからこそ、この人たち、本当に光を当てなきゃいけない人たちにも力を貸していただきたいんです。
 是非、先ほど言った収入認定除外、そして生活扶助費、これを与えていくということに力を貸していただけませんか。いかがですか、加藤大臣。
#216
○委員長(神本美恵子君) 時間を過ぎていますので、簡潔にお願いします。
#217
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘の点、それぞれについては、先ほど厚労省からも御説明ありましたように、生活保護を受けながら大学に就学するということ、一方で高校を卒業して働いておられるという方もいらっしゃるわけでありまして、そういったことも含めながら今の取扱いになっているんだろうというふうに思います。
 ただ、生活保護を連鎖させていかないという意味においても、希望がある方は大学で勉強していけるという環境というのはやはり大事だろうというふうに思います。ですから、今の制度の中において云々ということではなくても、例えば今進めております無利子の奨学金、こういったものも拡大を含めて、そういった環境づくりには引き続き努力をしてまいりたいと思います。
#218
○山本太郎君 終わります。
#219
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。
 今日はちょっと多岐にわたっていろいろと、各大臣に対する、所信に対する質疑ということですので、ちょっと多岐にわたるかと思っています。
 まず、先日出た記事の中で、皇室典範に関して、国連の方が少しいろんな報告を、要望してきたということでありまして、国連の女子差別撤廃委員会が日本に関してまとめた最終見解に、皇位継承権が男系男子の皇族だけにあるのは女性への差別だということで、これを、皇室典範を改正するようにと求める勧告を盛り込んだということであります。これ、菅官房長官の方も記者会見等をされて、外務省の方も動いて一応削除されたということではありますが、実はこれ以外も、どうもちょっと最近の国連は私からするとおかしいんではないかなと思うようなことがいろいろありまして、かつて人権委員会関係の援助交際一三%問題ですとか、あるいは先日も、さらに、同じ人権委員会なんでありますが、日本は空想上の子供の性的搾取描写の中心的な製作国だと指摘されていると、こういうふうに言いたい放題というか、日本のどこを見てこういうふうに言っているんだろうと。
 どうしてこういうふうに日本ばかりがこんな感じで言われているのか。うがった見方をすると、欧州的な価値観なのか、あるいは日本の国際的な理解がある意味で進んでいないのか、いろんな問題がはらんでいると思いますが、私は、政府を挙げてこれちょっと何とかしていかないと、国連といわゆる仲たがいをしていくということ、あるいは国民の国連に対する信頼を失うということは必ずしもプラスではありませんので、これは菅官房長官に、是非この辺りの問題、お答えいただけないでしょうか。
#220
○国務大臣(菅義偉君) 政府としても、反論すべき点はしっかり反論してそこは正していくという、この基本姿勢で、こうした問題には外務省だけでなく政府挙げて取り組んでいきたいというふうに思っています。
#221
○山田太郎君 そうですね。私もこの件は外務省に対しても是非反論すべしということをすぐ申し伝えたんですが、ただ、もう反論のレベルではなくて、大きな誤解がされているということなので、何か午前中の答弁では、菅官房長官の方は観光庁に一生懸命で、日本に対する理解と、日本に諸外国の人を引っ張ってくると、こういう発想でもって世界中に対する日本への理解ということを、特に皇室に対する理解も是非進めていく必要があるのではないか。こんなことを含めてやらないと、なかなか根っこにあるものが直っていかないような気がしております。
 さて、次に移りますが、一億総活躍ということで、やっぱり一億総活躍となると、先日の予算委員会の方でも少しやらせていただいたんですが、知的障害者の雇用という部分についても少し光を当てていく必要があるだろうと。先日の予算委員会で、テレビ入りだったというケースもあったと思うんですが、障害者ハートフルポイント制度というのを少し提案させていただいたところ、大変な反響になりまして、メール等私の事務所の方にも、是非すぐできないものなのかと、こんなようなことを問合せが殺到いたしました。
 これは簡単に言うと何かといいますと、今、法定雇用ということで、企業の二%障害者を雇いなさいと、こういうことなんですが、ただ、残念ながら、雇うのがうまい会社、あるいは勤めやすい業種、業態、障害者にとって優しい会社、そういうものもあれば、なかなか障害者にとってみると勤めるのが難しい職場、現場で、これは二%に達していないということで、しかも、中では少し悪質だということで指摘された八社、社名公表されているもの、それを少しつぶさに分析させていただきましたら、中にはベンチャーがあったりとか、研究開発中心であったり営業主体の会社であったり、逆に言うと勤めにくいというのも事実だなと。これをもって、二%、必ずここで勤めなさいということになれば、企業にとってもその障害者にとっても非常に厳しいのではないかと。ということであれば、いわゆる勤めやすい業種、業態、うまくやっているところの商品やサービスをいわゆるなかなか達成ができない会社が優先的に購買するような形でもってやれば埋まるのではないかということで、それをポイント制度みたいなものにしたらどうかということを実は提案させていただきました。
 そういう提案を受けながら、実は、お手元資料の方を見ていただきたいと思うんですが、昨日、早速、日本理化学工業さんに予算委員会の合間を取って行ってまいりまして、ちょっと知的障害者の働いていらっしゃる、逆に言うと雇うのがうまい会社の現実がどうなのか、一億総活躍の本当の現場だと思いますので、少し皆さんと見ていただきながら問題を明らかにしていきたいというふうに思っているので、ちょっと資料を見ていただきたいと思います。(資料提示)
 まさにこのチョークがこの会社が作っている実物でありまして、七割の雇用者が知的障害者です。障害者の中でも非常に厳しいというか、多くがIQ五〇以下という方々が勤めていらっしゃるということであります。
 写真の上段中口を見ていただきたいんですが、赤いバケツに入っている、これも工夫でありまして、実はこの現場の方々は字が読めない方も多いんですね。そういう意味で、赤とか青のバケツに袋を入れておいてあげると。我々健常者であれば、ちゃんと私も袋を見たんですが、赤とか青とか書いてあるので特段困ることはないんですが、こういう気付きが必要だと。
 それから、右上なんですけれども、太過ぎても細過ぎても駄目だということで、これチョークをはめてみて、すとんと落ちると細過ぎ、入らないと太過ぎで、はまると大体そのサイズだと。長さも横で、ちょっと写真が失敗しちゃっているので、撮りにくいんですけれども、こんなもので分かりやすくやっていますと。
 それから、左下なんですけれども、これは何かというと、プレスする工程をやっていらっしゃるんですが、これは実はちょっと右側が写っているとよかったんですが、両手でボタンを押さないと動かない機械ということでありまして、これ通常の健常者ではもう片手や足でやるんですけれども、それをやっちゃうと残しちゃった手を機械の中にはめ込んじゃうと、これで事故が起こりますので、両手で押せば事故が起こらないという工夫であります。
 あるいは、写真の真ん中はおもりなんですが、実は目盛りとはかりの仕組みが余り分からない方もいるということで、青色のいわゆる色素のものであればこのおもりを付けてください、赤ならばということで、色を付けておもりがあると。
 こういうふうに、現場の工夫というのは結構きめ細かいんですが、ここまでやって初めて知的障害者の方が働けると。何とこのライン、全て知的障害者の方、ライン長まで知的障害者の方々が全部やっているというところでありまして、これがまさにそういう方々が働ける環境を整えていくという現場の事実なんだというふうに思います。
 そう考えたときに、残念ながら、なかなかこういうのを不得意な会社が、ここまでやってくださいというふうに言っても非常に難しいわけでありますし、私もかつて勤めていた会社、大手にいたことがあるんですが、そこではやはり中にそういう法定制度の問題があって、障害者の方々、一緒にいたんですが、残念ながら、正直、別の部屋に押し込められて、何をやっているか分からないような状態の中で、お互い、社員等も不幸だったという事実もあります。そういった意味で、こういったことをやっぱり進めていく必要があるのではないかな、これは非常に現場にも行って思ったところであります。
 それから、社長さんに聞いて、もう一つ、そういったような制度をしたときに非常に重要だと言ったのは、ここもチョークだけではこれから勝負になりません。というよりも、今まではチョークだったからこそ大手が参入しないで、どちらかというとよく斜陽と言われたプロセスだからこそ対応ができたということだったんだけれども、さすがにそれでは将来がないということで、ここはキットパスという、こういうクレヨンのようなものを開発しておりまして、例えばグラスにこういうふうに書いちゃうと、こう書けるんですね。後で水で取ることができます。
 これ、私、ホワイトマーカーでやったら物すごく売れるんじゃないかというふうに言ったんですが、社長さんが一番恐れているのは、これを逆に今の段階で量産できないうちにどんどん売り込むと大手が参入してきてしまうと。こういうことで、結局何が言いたいかというと、優先購買みたいな形でもってやっておかないと、某大手のインク会社みたいなところがどんどん作って、ここが一応開発して特許も持っているとはいうものの、似たようなものを作って、やっぱり駆逐されてしまうと。
 ですから、何というんですか、自助でやれというのは正直難しい。ここは公助から共助というんですかね、ある程度はいろんな会社がそういうハートフルポイントみたいなものを購入する。もちろんいわゆる雇う数がある程度法定に足りていないところはそういったものを優先的に買えますし、あるいはCSRみたいな形でもってもやるということによって共助の世界ということができる。あくまでも現場の人たちは、単に公助でもって支援金をもらうということではなくて、売上げを上げて、雇用を生んで、楽しんで、しっかりとした生活ができる、これが一億総活躍の流れではないか。
 こうなったときに、これは一つの例の工夫ではあるんですけれども、今後の障害者差別解消法並びに改正障害者雇用推進法を考えたときに、こういった障害者ハートフルポイント制度、勝手に名前を付けさせていただいたんですが、こういうことはとっても大事だと思うんですが、一億総活躍という観点からも加藤大臣、それから厚労の方も来ていただいていると思いますので、先日もちょっとやったんですけれども、是非コメント等を、こういうことを是非やっていただきたいということでお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#222
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えします。
 障害者雇用率制度は、社会連帯の理念に基づき、全ての事業主に自ら障害者雇用の責任を果たすよう義務を設けているものであります。この制度により、多くの業種、業態において、障害のある方の雇用の場が拡大していくことが期待されております。ここ数年、全ての企業規模、業種において、障害者雇用は着実に推進されているところであります。
 委員の御提案については、製品を購入する側の企業には製品の購入により障害者を直接雇用する必要がなくなり、一方で、委員御指摘の障害者雇用がうまい会社に障害者が集中してしまうおそれがあります。慎重に検討する必要があるものと認識しております。
 本年四月一日から、雇用の分野における障害者の差別禁止と障害者に対する合理的な配慮の提供義務を規定した改正障害者雇用促進法が施行されます。事業主の理解、協力を一層求めていくとともに、障害者雇用の促進のための方策について今後とも検討してまいりたいと考えております。
#223
○国務大臣(加藤勝信君) この理化学工業、私も従前から非常にこの障害者の雇用を含めて取り組んでおられる会社だというふうに承知をしておりますし、その姿が、写真で見させていただいて、更にその認識を深めさせていただきました。
 今答弁ございましたように、こうした取組を、一番大事なことは、もっと横に展開をしていって、それぞれの企業においてこうした取組をしていただくということが私はやはり大事なことではないかなと。そういう意味で、委員の御提案も、関心を持っていただくという面において一つの利点はあるのかなという感じはいたしますけれども、しかし、大事なことは、それぞれの会社がまさに直接障害者の方々を雇用していただく、あるいは雇用できるような環境をつくっていくということにやはり基本を置いて取り進めるべきではないかなと、こういうふうに考えております。
#224
○山田太郎君 ちょっと厚労省にそれじゃ聞きたいんですけど、B型事業所に、ちょっと質疑通告していないんですけど、行かれたことありますか。現場で知的障害者がどんな形で働いているか見られたことあるか、ちょっと説明してもらえないですか。
#225
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) 就労継続支援B型事業所、このB型で働いている方、そしてそれを支援している企業、これには本当に敬意を表したいと思っております。
 障害者が地域で自立した生活を送るためには、就労継続支援B型事業所などで働く障害者の工賃水準が向上するよう支援していくことが重要と考えております。このため、平成二十七年度障害福祉サービス等報酬改定においては、工賃向上に向けた体制整備に積極的に取り組む就労継続支援B型事業所を評価するため、目標工賃を達成するための指導員を配置した場合の報酬を引き上げたところであります。また、厚生労働省におきましては、事業所が提供する物品等の品質向上に向け、事業所職員に対する専門家の技術指導や品質管理に係る助言などを行う工賃向上計画支援事業に取り組んでいるところでございます。
 今後も、こうした施策を通じて、就労継続支援B型事業所等で働く障害者の工賃水準が向上していくよう支援してまいりたいと考えております。
#226
○山田太郎君 そういう質問をしたんじゃないんです。知的障害者が働いていらっしゃる職場を直接見られたことはあるのかというふうに聞いたんですが、いかがでしょうか。
#227
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) それは承知しております。
#228
○山田太郎君 承知というのは、行かれてみたことがある。私、別に責めたいわけじゃないんですので、正直言っていただければいいと思います。行ったことがなければ私説明しますので、そういう形でちょっと建設的にやりたいんですね。これ、別に与党も野党も障害者の前では私はないと思っているから、問題を解決したいんでやりたいので、是非ちょっとそういう形で建設的にお願いできないですか。ごめんなさい、私も少し落ち着いてやりたいと思いますので。
#229
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) 視察はしておりません。
#230
○山田太郎君 現実の世界をいいますと、もう知的障害者の場合は一人か二人に付きっきりなんですよ、健常者が。現実的に、正直言って仕事の状況ではありません。そういうことを何とかこなしているのがこの理化学工業さんということで、これだけ取材されたり、でも、ここも非常に厳しいんだと、このままほっておけば正直言ったら社長さんも潰れますと。要は、先ほど言った、なぜかといえば、結局は大手が参入をしてこないで、このチョークだからこそやっているといったところもある。それの中でも、もちろんシェアは四〇%を占めていますから極めて強いわけでありますが、だからといって一生懸命こういう開発をやって、やっていると。横展開するんであれば、こういう会社こそ育てて横展開をしなければいけないんだけど、こういう仕組みは、二%一律で、健常者も多い中でちょろっとつくったところでできるわけがないと、こういうふうに言いたいんですよね。
 それから、障害者もきちっと切り分けなきゃいけないのは、実際に二%達成している会社の七一%は実は身体障害者でありまして、いわゆる知的障害は一〇%ぐらいなんですよ。現実的に非常に厳しい。でも、今回の障害者差別いわゆる解消法が通ってくれば、当然、知的障害者の人たちもおのずといろんなところに勤めたいというふうに来るはずでありまして、それを企業はこれから断れないというような状態になるわけじゃないですか。それを建設的に解決するためにどんな手だてがあるんだろうか、ここを是非いろいろみんな知恵を出し合ってやる必要があると、私はそう思っております。
 何か厚労省さんの、二%はよく分かります、逃れて雇わないという会社があっちゃいけない。でも、二%をやめようと言っているわけじゃないんですよ。多くの幅広の企業がきちっと社会を支え合う、これが一億総活躍だというふうにも思います。ですが、厳しい現実というものにもっと目を向けていただいて、どうしていったらいいのかということを私はやっぱり考えていくところに来たんではないかな。四月から新しい法律が通って現実の世界を迎える中で、やっぱり乗り越えていかなきゃいけないところだと思います。
 これ、もう一度、加藤大臣の方に御答弁いただけないですか。
#231
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘ありましたように、障害者の法定雇用率、この二%というのはやはり各それぞれで実行していただく、そういう中で、それぞれの会社で障害のある方々を受け入れていただく、そういうことを進めていくことが必要なんだろうと思います。ただ、その上で、こうした、特に例えばこの理化学工業のように積極的に取り組んでおられるところをどうやって言わば応援をしていくのかという御指摘だと思います。
 ちょっと今手元に資料がないんですが、政府については、たしかハートフル購入法という略称だったと思いますけれども、こういう施策で政府の調達においてそういったところを勘案してやっていくというのはたしかあったというふうに思います。一般の方々にどこまでどういうふうにそれをお願いしていくのかということはいろいろ考えていかなきゃならないとは思いますが、ただ、やはりこうして先駆的に取り組んでいただいているこういったものを我々もいろんな意味で推奨し、そしてまた、こういう取組が更にほかのところでも取り組んでいただけるように、言わば横展開という言葉をよく使いますが、そういったことも含めて努力はしていきたいと、こう思います。
#232
○山田太郎君 ハートフルの調達の方は、公的機関が調達する場合の法律が既にあるということであります。ただ、残念ながら、それも大きなパイにはまだなっていません。年々は伸びているというのは事実ではあります。
 そういった雇用に成功している事例というのはたくさんあります。二ページも見ていただくと、この間も口頭ではお話ししましたが、こういうところを是非サポートする。ただ、私は、これは単にお金を入れればいいとかそういうことではなくて、あくまでもその製品とかサービスを買ってあげる、これを通じて働く喜びを持って、やっぱり社会の中に吸収していくという仕組みが絶対に必要だと、こういうふうに思っています。
 さて、時間がもう全然なくなっちゃいましたので物すごい飛んで、今日、石破大臣にも来ていただいていますので、道州制の辺りの少し話をしていきたいというふうに思っております。
 全くちょっとがらっと話が変わっちゃって恐縮なんでありますけれども、一番最後の紙を見ていただきたいと思いますが、地方創生、石破大臣の方も一生懸命やっていただいていることはよく分かるんですが、担当の部局から、どんなことができたかということで提案型でいろいろ挙げられていて、実績を上げていますということをおっしゃっていたんですが、やっぱり見てみると何となく小粒なものが多い。もちろん、小粒だから駄目とは言いません。小粒も積み重ねていけば大きな変革につながってくると思いますが、何でこんな状況なのかなということを私どももつぶさに考えたところ、実は私どもの方で、もし道州制等と、あるいは基礎自治体、広域自治体、国、それから民間に移管するべき仕事はそれぞれ何なのかというのを実は全部仕分けてみた表を作ったことがあるんです。
 これを見てみると、なるほど提案してきている内容はやはり基礎自治体の仕事なんですね。それは当たり前ですよね、基礎自治体から挙げているわけだから。でも、それを幾ら積み上げていったとしても、大きな意味での、例えば地域の産業クラスターの変革であったり、それを支えるようにはなかなかならない。つまり、改善、改革はできるものの、本当の意味で自立、自活をするような地方活性化の流れになるのかなという意味においては、やはり道州制並みのいわゆるトップダウン型というか、全体の統治機構をもう見直す時期に来たんではないかと。江口先生の方も先ほどそういう質疑をされていたんですけれども、私もそれは非常に強く思うところであります。
 ところで、第一次安倍政権は一生懸命やっていたような感じがするんですが、二次、三次となったときに、道州制の話はどこへ行っちゃったのかなと。担当大臣ということではあると思うんですが、あれだけ議論を積み重ねて丁寧にやっていた安倍政権、道州制、今後本当にどうしていかれるのか。先ほど江口議員の方も質疑がありましたけれども、これは石破大臣の方に是非お答えいただきたい。
 私としては、もうちょっときめ細かく、基礎自治体、広域自治体、国、あるいは民間に移管するもの、すぐに移管できるもの、業務移管、いろいろあると思います、こういったことをつぶさに分析をするという作業ぐらいは始めてみてもいいんではないかと。こういうことがなければ、先ほどちょっと質疑がありました、いろんな知事会なんかの賛同もやっぱり得られない。始めてみなければやっぱり前に進まない、こういうふうに思いますので、是非その辺りの御答弁いただけないですか。
#233
○国務大臣(石破茂君) 私は、道州制というのは一つのあるべき姿だと思っています。
 江口議員にもお答えをしたのですが、やはり一番の理由は、基礎自治体たる町村会はもう絶対反対でして、委員もおいでになったことがあるかもしれませんが、全国町村長大会とか全国町村議長大会なぞに行きますと、道州制絶対反対という垂れ幕が一番大きなところに、目立つところに掲げてあるわけですね。道州制賛成などと言おうものならばえらいことが起こるわけでありまして、これはなぜなんだろうということを、大体お話を聞いていますと、平成の町村合併の再来であると。都道府県の合併になるのである、都道府県のアイデンティティーなるものが損なわれるのであるというようなお話で、どうもその議論の本質とは違うところなのではないか。そうすると、町村合併とこれはどう違うのだということをもう一度きちんと分析をして、我々としてこの方向だと申し上げるわけではないが、なぜこういうことになるのか、感情的な反対というものは消していかねばならぬのであって、理論的にきちんと納得を一つずつ得ながらやっていくことだろうと思っております。
 小粒と言われるとすごく悲しいのでありますが、やはり基礎自治体が、これは困ったねというのがあるわけでございます。委員が御指摘のように、都市公園運動施設の基準弾力化なんというのは、ちょっと超えたらもう駄目というような話になるわけでございますね。空き家向けの旅館業法改正にしてもそうであります。これは困ったなというのを一つ一つ解決をしておるし、それを全部束ねることで変わるんですけれども、ただ、量的変化が質的変化を来すかというと、そうでもない部分があるんだろうなという感じは私自身実感をしておるところであります。
 道州制の議論につきましては、もっとしっかり読めと江口議員のお叱りもいただきましたが、もう一度きちんと私なりに整理をさせていただきたいと思っております。
#234
○山田太郎君 道州制の話は、時間がありませんので、今後、引き続き江口議員と一緒になって話を、この委員会でも盛り上げていきたいというふうに思っております。
 さて、最後の質問になるかと思いますが、ちょっと重要なところで、各関係大臣等来ていただいているのでやりたいのが、福祉型カレッジの問題を少し最後にやらせていただきたいと思っております。
 これは何かというと、今、障害を持った子が特別支援学校を出ますと、就職を基本的にするというケースが多い。一部は進学をするということではありますが、就職するケースが多いんですね。ただ、就職に失敗していわゆる離職してしまうと、なかなかその子たちが再就職が非常に難しいとよく言われています。
 理由はいろいろあるんですが、高等教育、大学のような、趣味だったりとか自分自身を見詰め直す、磨くというような、やっぱりなかなかそういったプロセス、あるいは、我々健常者もそうですけれども、今の若者は三年か四年で三割ぐらいの人たちが一回は会社を辞めるなんというふうに言われるぐらい、これ辞めちゃうのは当然あるわけでありますが、その子たちがもう一度再教育を受ける場ということも必要だと思っておりまして、何が言いたいかというと、職業訓練学校という枠組みではなく、特別支援学校の上にきちっとした福祉型カレッジというものを位置付けてもいいのではないかと。御案内だと思いますが、海外では知的障害者を受け入れる大学というのはたくさんありまして、アメリカの大学四千校ぐらいのうちの実は三百校ぐらいは実際そういうコースを持っているわけであります。
 これ、実は文科なのか厚労なのかといろいろ議論がありまして、レクの段階でもずっとぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ、ああでもない、こうでもないという話になっちゃったんですが、是非この辺りは文科省と厚労省、もしかしたら一億総活躍ということで加藤大臣のところでも音頭を取っていただいて、この方々がきちっとまた職に就ければ総活躍できるわけでありますから、単にいわゆる障害者を福祉の対象だということではなく、共助でもって社会に受け入れていくんだと、こういう姿勢に変える必要があると。
 こういうことから、福祉型カレッジ、実は福岡なんかでは鞍手ゆたか会さんなんというのがすごく有名で、今頑張っていらっしゃる。でも、あそこも結局大学ではなく、要は支援型のいわゆる職業訓練という形で多分許可をぎりぎり得ながら運営されているというのが現実だと思いますが、あくまでも大学カレッジという形で位置付けられないのだろうかと。
 これは、加藤大臣、それから文科、厚労、簡単なコメントで結構でございますので、是非答弁いただけないでしょうか。
#235
○大臣政務官(堂故茂君) 先ほどから御紹介いただいておりますように、大学における知的障害者の受入れについては、本当に少数ですけれども、大変大事な考え方だと思います。
 この四月から予定されております障害者差別解消法の趣旨を踏まえ、知的障害者本人からの申出を受けて、どのような対応が可能かについての本人との調整を行った上で、各大学において適切に判断がなされるものと考えますが、文部科学省としては、知的障害者を含め、大学が障害者に対して多様な学びの機会を提供できるよう引き続き理解を促してまいりたいと思います。
 以上です。
#236
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えします。
 知的障害のある方を含めた全ての障害者の自立と社会参加を促進することが厚生労働省としては重要と考えております。関係省庁と協力して、この問題に対処してまいりたいと思います。
#237
○国務大臣(加藤勝信君) 今御議論いただいたように、特別支援学校を出た後、それぞれ、もちろん仕事に就くと大変またそこ悩みが深いという話を私もよくお伺いをするわけでありまして、中には、勉強していきたい、しかしなかなか大学そのものでというのは難しいかもしれないけれども、大学の例えば中でという、そういったやり方もアメリカの方ではあるというふうに承知をしているわけであります。
 まさに、そうした知的障害のある方を含めて全ての障害者の方々が、個々の障害の状態や特性、そしてその教育的ニーズに応じ適切な配慮が受けられるよう、今、文科、厚労それぞれお話がありました、よく連携を取っていきたいと思いますし、また、今回の障害者差別解消法を踏まえて合理的な配慮をこれするようになっております。
 それぞれの大学がどういう対応をしているのか、その具体例をしっかりとよく横展開し共有して、今の流れをしっかり進めさせていただきたいと、こう思います。
#238
○山田太郎君 最後ですが、まだ時間がありますので一点だけ、文科省にお願いしたいことがあります。
 知的障害者のキャンパス利用とか聴講生の要請があった場合に、特に国公立大学であったら積極的に対応していただきたいんですね。場所を貸していただくだけでも非常に彼らは喜びますので、その辺り是非御配慮いただきたいと思いますが、文科省、いかがですか。
#239
○大臣政務官(堂故茂君) 検討させていただきたいと思います。
#240
○山田太郎君 本当にありがとうございました。
 ちょっと済みません、途中熱くなっちゃったところもあるんですけれども、非常に大事な話を今日はさせていただけたと思います。引き続きどうかよろしくお願いします。ありがとうございました。
#241
○委員長(神本美恵子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#242
○委員長(神本美恵子君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#243
○委員長(神本美恵子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁警備局長沖田芳樹さん外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#244
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#245
○委員長(神本美恵子君) 国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律案を議題といたします。
 本案につきましては先国会において既に趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#246
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 この法案は、ちょっともう随分はるかかなたの話なものですから、ついついちょっといろいろ忘れてしまっているところがあるんですが、これは私にも一つ責任の一端はあろうかというふうには認識はしておりますが。
 少し、この法案を提出した、何でこの法案ができて提出をしたんだというところを最初に説明をいただいた方が、記憶のかなたになっている部分があるものですから、教えていただきたいと思うんですが、まあ私の記憶ではというか、そうなんでしょうが、昨年の四月のことで、四月二十二日に首相官邸の屋上にいわゆるドローンですね、ドローンって英語で何か雄蜂をいうらしいので、ビービービービー言っている、そのことをいうらしいんですが、そのドローンが、不時着と言っていいんでしょうか、そこに落ちていたということに気が付いて、あっ、この首相官邸の警備まずいんじゃないのというところからスタートしたというふうに認識をしておるんですが、法案提出者に、これはちょっと通告していませんが、イエスかノーかで答えられることなのでお聞きしますが、そういう認識でまずはよかったんでしょうか。
#247
○衆議院議員(古屋圭司君) 今委員御指摘のように、この法案を提出させていただいた背景は、四月二十二日に、政府の中枢施設の一つである総理官邸にドローンが不時着というか落下をしたと。やはり、こういう重要施設にこういったドローンが入り込むことによるリスクというものを考えた場合に、やはりこういった法案による対応が必要なのではないかということでこの法案の取りまとめをスタートをさせていただいたというのがその背景であります。
#248
○藤本祐司君 そういうことだろうと思いますけれども、多分、そのときに、何日間かそこに置かれたままというか、発見されないまま放置されていたということも、ある意味、別の意味で問題だったということだと認識していますが、その辺りについて少し警察庁の方から御説明いただけますでしょうか、どういう状況だったのかということを。
#249
○政府参考人(沖田芳樹君) お尋ねの事案につきましては、今先生からお話のありましたとおり、二十七年の四月九日、男が、港区赤坂所在の駐車場におきまして、放射性物質の存在を示す標識を貼付した容器等を搭載した小型無人機一機を遠隔操作いたしまして、これを総理官邸屋上に落下させ、四月二十二日にこれを同事務所の職員が発見したというものでございます。
 四月二十五日、警視庁におきまして、同人を威力業務妨害容疑で逮捕いたしまして、五月十五日、東京地方検察庁において起訴され、その後、有罪判決が確定したものと承知いたしております。
#250
○藤本祐司君 はい、分かりました。
 そのときに、ドローンは良くないみたいな話とかがいろいろ出回ったんですが、その一方で、この委員会だったかどうだったか忘れましたけれども、そのドローンもかなりいろんなところで活躍の場があるんだと。活躍の場というか、日本の科学技術の進歩にもつながっていくんだとか、いろんな使い方があるんだというような意見が当時もあったかというふうに認識をしておるんですね。
 その後、いろいろ報道なんかでも分かるとおり、私もドローンの実は見本市を見に行ったりもさせていただいたりもして、本当にこんな小さいのから物すごい大きい、このテーブル以上に大きいものまでいろんなドローンがあって、いろんな使い方があるんですね。
 最近でも新聞等々でいろいろ宅配をやるんだとか、アマゾンなんかは古くからやっている、やろうとしているとかいろいろあったり、ピザを配達するとかそんな話もあるんですが、これは経済産業省にお聞きするのがいいのかもしれませんが、現在どういう、実際に、実験も含めてなんですが、活用された例があるのか。活用されている、あるいは活用されようとしている、そういう実際の例があるのかどうか、分かれば教えていただきたいと思います。
#251
○政府参考人(若井英二君) 我が国におけるドローンの活用事例についてのお尋ねでございます。
 ドローンの活用事例といたしましては、従前から無人のヘリコプターを利用いたしました農薬の散布、これがかなり先行的事例でございますけれども、最近では、建設現場での測量でございますとか災害の調査、こういった分野に活用されるなど、多様な分野で活用が広まっている、こういう状況でございます。
 一つ具体的な事例を挙げさせていただきますと、ある建設機械メーカーでは、熟練技能者の減少が大変大きな課題になっております建設の現場におきまして、ドローンで測量をした三次元データを用いて建設機械を自動制御をする、こういったことによりまして土木工事の作業の省力化と工期の短縮を実現している、こういう状況でございます。
 経済産業省といたしましても、社会インフラの適切な維持管理等が求められる中で、ドローンが橋梁等の点検を行うための技術開発でございますとか、長時間の測量が可能なドローンの技術開発等を支援をしてございます。
 今委員からお話ありましたように、物流における活動ということにつきましても、昨年の十二月にも千葉市が国家戦略特別区域に指定をされまして、ドローンによる配送の技術実証を目指すなど、地域における取組も進んできておるところでございます。
 経済産業省といたしましても、安全確保を大前提とした上で、ドローンの様々な場面での活用が進むことを期待しているところでございます。
#252
○藤本祐司君 ドローンに限らず、様々ないろいろなものが開発されると、使い方によっては本当にいい方向にも行く場合もあるし、逆に使い方によって大変危ないもの、危ないものというか、危険なことを引き起こすようなことにもなるというのは、もうこれは当たり前といえば当たり前の話なので、そこのところをどううまく線引きしていくのかというところが恐らく問題になってくるんだろうと思います。
 法案提出者にまずお聞きしたいのは、この第一条の「目的」で、これらの施設、これらって幾つか挙げられている、その施設に対する危険を未然に防止しという、危険を防止するという、そういうところがあるんですね。先ほどのきっかけとなったドローンについては、放射性物質が付いていると思われるようなという、そういう話がありましたが、飛んでいるときはそれはよく分からないんでしょう。だから、この危険というのはどういうことを指すのかなと。これ幅広いんだろうと思いますね。
 実際、先般もありましたが、スキー場でスキーのレース中にドローンが落ちたという、これも危険といえば危険ですけれども、首相官邸の上にドローンが落ちたのとはまたちょっと別な意味での危険なんですが、これ飛んでいるものですから、落下する可能性というのは絶対にないとは言えないものですよね。だから、飛んでいるもの全部危険なのかというとそういうものでもないんだろうと思うので、危険があるかどうかって、未然にというのがどうやって分かるのかがちょっととっても不思議なんですね。放射性物質のものは付いているかどうかなんて飛んでいるときは分からないわけなので、この危険というのはどういうことをイメージされていたんでしょうか。
#253
○衆議院議員(古屋圭司君) 今、二つの御指摘があったと思うんです。
 まず、危険とは何なのか。これは法律で、国会議事堂とか内閣総理大臣官邸あるいは三権の長の施設等々、そういったところに対して物理的な破壊、あるいは施設内に所在をする要人に対して危害を加えることを目的としたテロ行為の対象となる危険などを念頭に置いているわけでありまして、だから、したがって、単にあれがころんとおっこちてきたというようなことだと、それはそれほどの、こういった法案の対象にはならないんではないかと。
 ただし、後段の質問ですけれども、じゃ、それどうやって判断するのということだと思うんですけれども、実際にそういった対象の施設の周りに、区域のところに小型無人機、ドローンがいわゆる飛んできた場合、それが本当に今私が申し上げたような危険に入るのかどうかというのを外形上判断するということはなかなか難しいというふうに思いますので、そこで、対象施設に対する危険の未然の防止というところに着目をして、対象施設周辺地域については、対象施設の管理者が行う小型無人機の飛行などの一定の例外を除き、飛行の目的や意図にかかわらず、その区域の小型無人機の飛行を禁止すると、こういう規定にさせていただいたということです。
#254
○藤本祐司君 概念的には分かるんですけれども、実際問題として、じゃ、今回指定したところ以外のところで飛んだものは危険なものではないという判断をするのかというと、そういうものでもないんだろうと思うので、非常にそこは分かりにくいところではあると思うんですね。
 幾つか、私、二十分しか時間がないので、何か四、五十分の質問を作っちゃったものですから、済みません、結構飛ばしますけど。
 外国公館を指定するということですが、これは外国公館というのはどこを想定して法案を作ったんでしょうか。
#255
○衆議院議員(濱村進君) まず、外国公館等の指定につきましては外務大臣が行うものでございまして、提案者といたしましては具体的な国名を挙げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、そうはいっても、全ての外国公館等について小型無人機によりもたらされるリスク、これが高いとまでは言えないという前提を我々としては立てておるわけでございます。
 その上で、良好な国際関係の維持という本法案の目的に照らし、その施設に対する小型無人機等による危険を未然に防止することが必要であると認めるものを外務大臣が対象外国公館等として適切に指定するものと考えておるところでございます。
#256
○藤本祐司君 今の御説明で、良好な国際関係の維持に資することを目的とするということで指定をするというお話なんですが、じゃ、指定をしていないところに仮に落ちたら、そのところに落ちて狙われても良好な国際関係の維持には影響がないと、そういうふうに捉えてしまうんですけど、その辺りはどうなんでしょうね。
#257
○衆議院議員(濱村進君) いずれにいたしましても、提案者としては、全ての外国公館等について小型無人機によりもたらされるリスクが高いとまでは言えないということは前提としておりますが、良好な国際関係の維持という本来の法案の目的に照らし合わせますと、その施設に対する小型無人機等による危険を未然に防止することが必要であると認めるものを外務大臣が対象外国公館等として適切に指定するものであると考えております。
 その上で、仮に対象外国公館等として指定を行わなかった場合においても、事前に当該外国公館等との間で指定をするか否かについては十分調整をしているはずでありますので、直ちに国際関係に悪影響があるというようなことは考えにくいのではないかというふうに考えておるところでございます。
#258
○藤本祐司君 外務大臣が指定をするということで、外務大臣をお呼びできないのでちょっとこの場ではお答えできないのかもしれないんですが、外務省としてはどういう基準でこれを指定することになるのか。相手と話をしながら決めていくことというのは当然なんだと思いますが、何か基準を設けるということにならざるを得ないんでしょうかね。
#259
○政府参考人(嶋崎郁君) 本法案の対象となります外国公館の指定に当たりましては、全ての外国公館等に小型無人機によりもたらされるリスクが高いとまでは言えないということを前提としつつ、小型無人機の飛行により危険性が発生する可能性の評価、それから当該国からの警備上の要請、当該国の情勢を含む国際情勢等を踏まえまして総合的に検討し、当該施設に対する小型無人機による危険を未然に防止することが必要と認められるものについて、対象外国公館等として適切に指定する予定でございます。
 なお、参考までに申し上げますと、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律、いわゆる静穏保持法では、同法の目的に照らしまして、静穏を保持する必要があると認めて外務大臣が外国公館等周辺地域を指定しておりますのは、米国、ロシア及び中国の三か国の施設に関わる地域になります。
#260
○藤本祐司君 ありがとうございます。総合的に判断というのがよく分からないんですが、結局そう答えざるを得ないんでしょうね。
 修正案の提出者にちょっとお聞きしたいんですが、せっかく来ていただきましたので。
 原子力事業者、これを追加されたと。そのときに、やはりテロということを意識されてだというふうに認識してはいるんですが、原子力事業者のみを追加をしたその意図というか、理由をお聞かせください。
#261
○衆議院議員(泉健太君) ありがとうございます。
 法案を作るに当たっては、確かに様々な施設が検討の対象ではありました。例えば自衛隊の駐屯地ですとか、あるいは鉄道事業者、様々にそれぞれもし何かあれば影響はあるんですけれども、今回、この原子力事業所ということについては、もし放射性物質が拡散する等の汚染等があれば、これはもう国民の生命、身体に対する甚大な被害ということで、数十万人がその避難の対象になるような極めて影響の大きい施設であるというふうに考えております。その意味では、国家の中枢機能等を維持することと同程度の重要性という判断をいたしまして、このことから、原子力事業者についても、他の対象施設と同様に小型無人機等の飛行による危険を未然に防止すべきと考えて、対象施設に追加するという修正を行いました。
#262
○藤本祐司君 要するに、そこにもし何かがあった場合には、影響が、範囲が広い、あるいは人の命というところとか、そういったところにも影響を及ぼすようなところにするということですが、裏を返せば、そうでないところはやはりドローンを余り制限をきつくしない方がいいんじゃないかという意図があるというふうに解釈してよろしいんでしょうか。
#263
○衆議院議員(泉健太君) おっしゃるとおりでして、やはり官邸にドローンが落ちたというのは大変な衝撃でしたけれども、かといって、ドローンの有用性ですとか、あるいは国民の自由ですとか、当然、報道の自由ですとか、そういったものはしっかりと守る形で法を整備していかなければいけないというふうに考えておりまして、その意味では対象施設をできる限り限定をした形で今回書かせていただいたという趣旨であります。
#264
○藤本祐司君 ドローンは、先ほど申しましたように、本当にちっちゃなものから大きなものまであります。以前、防衛省の中で実験をしていたら、それが風で飛ばされて渋谷の駅の方まで行っちゃったと。風で飛んでいっちゃうようなものも実際にはあるわけですね。
 今回、三百メートルの区域を区切っていますが、どこかから行って風で飛んできちゃったということも十分考えられるし、そうなってくると風船爆弾と何が違うんだろうかということにもなってくるんですね。ですから、この三百メートルの区域に限定することにどれだけの意味があるのかよく分からないなということが一つあります。
 それと同時に、今回、処罰の対象で、これ罰金若しくは懲役ということになっているんだろうと思いますけれども、大体、悪意があるかないかというのは、ただ飛ばしているだけだと多分悪意がない、遠くから風でふわっと飛んできちゃったというのはいっぱいあるんだろうと思うんですけれども、その辺りは余り意味がないなというふうに思うんですが、三百メートルに限定したその辺の理由というのはどこにあるんでしょうか。
#265
○衆議院議員(古屋圭司君) 二点御質問だと思いますけど、風船のような、玩具のようなドローンはどうなのか。これについては、玩具のようなドローンということですと、やはり概念的には操作性能というのは極めて低いと。そういう機器であれば、いわゆる遠隔操作であるとか自動操縦により飛行することができるものという範疇には入らないだろうというふうに考えられますので、本案で飛行が禁止されているという小型無人機には該当しないと、こういうふうに捉えることができるというふうに思います。
 それから、あと三百メーターのことですけれども、対象施設に対する小型無人機による危険を未然に防止するためには、小型無人機が対象施設に到達する前の段階で飛行を禁止して、さらに、いわゆる即時強制とか、すなわち小型無人機の飛行の妨害又は破損その他の措置をとる必要はあると考えているわけでありまして、それらの措置をとるために必要な距離が大体、専門家等々に、意見を総合すると二百メーターから三百メーターと、こういう見解でございましたので、こういうこととさせていただいたということです。
 それからもう一つは、三百メーターと、悪意がない場合という、そんなような趣旨のことでしたよね、はどうなのかということについては、やはりこれは、対象施設に対して危険の未然の防止という点に我々は着目をしておりますので、一定の例外を除きまして、飛行の目的とか意図にかかわらず、一律にいわゆるこの法案で規定する小型無人機、ドローンの飛行を禁止するというふうにしておるわけでございます。
#266
○委員長(神本美恵子君) 藤本祐司さん、時間ですので、おまとめください。
#267
○藤本祐司君 もう時間ですのでまとめますが、四、五十分分作ったというのは、これ意図的に作ったというよりは、いろんな疑問がぼんぼんぼんぼん出てくるものだからその分になってしまったわけなんですが、是非とも、これ余りどんどんどんどんこの禁止区域を広げていくような、そういうようなことがないようにお願いを申し上げて、質問を終わりにします。
#268
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 まず、無人航空機、ドローンの技術の発展あるいは普及を踏まえて、昨年、航空法が改正されて、ドローンの飛行ルールが設定されました。その概要を説明いただけますでしょうか。
#269
○政府参考人(島村淳君) 御説明いたします。
 無人航空機は昨今急速に普及し、撮影、農薬散布、インフラの点検分野で利用が広がっています。一方で、人が密集している場所へ落下する事案が発生するなど、その安全性に懸念が生じているところでございます。このため、無人航空機の飛行に許可を必要とする空域や飛行の方法など基本的なルールを定めることにより、無人航空機の安全な飛行を確保し、航空機の運航や地上の人への影響を防止することが改正航空法の目的でございます。
 具体的には、航空機の往来が見込まれる高度百五十メーター以上の空域や空港周辺、さらには人口密集地域の上空において、国土交通大臣の許可なく無人航空機を飛行させることを禁止しております。また、飛行可能な空域においても、例えば日中において飛行させること、目視の範囲内で飛行させること、人又は物件との間に距離を保って飛行させることなど飛行の方法を定め、これによらない場合は国土交通大臣の承認を求めております。
 禁止されている空域、また、これらの飛行の方法によらない無人航空機の飛行は、必要な安全対策を取った上で国土交通大臣の許可、承認を取得すれば可能ですが、一方で、許可、承認を得ずに行った場合は五十万円以下の罰金が科せられます。
 以上です。
#270
○山下芳生君 要するに、航空法の改正は、航空機の航行の安全、それからそれがおっこちた場合の地上の安全を目的とした法律だと理解していいですか。
#271
○政府参考人(島村淳君) お答えいたします。
 おっしゃるとおりでございまして、航行する有人の航空機の安全、それから地上の安全でございます。
#272
○山下芳生君 続いて、衆法の提出者に伺います。
 それでは、今回の衆法はどういう目的からドローンの飛行規制を行う法案となっているのでしょうか。
#273
○衆議院議員(古屋圭司君) 今御質問の趣旨は、何を対象としているかということでしょうか。そういう……
#274
○山下芳生君 目的ですね。
#275
○衆議院議員(古屋圭司君) 目的ですね、分かりました。
 これは、今事務方から、政府委員から答弁がありました航空法に基づくものと我々とは、これは対象が異なっております。例えば、この法案は、国の重要施設周辺地上空における小型無人機の飛行を禁止をすることによって、そういった重要施設に対する危険を未然に防止をして、そして国政の中枢機能等の維持に資することを目的としているという、ここで明らかに航空法とは違うということでございます。
#276
○山下芳生君 分かりました。
 それでは、その国の重要な施設とは具体的にどういう施設でしょうか。
#277
○衆議院議員(古屋圭司君) この法案で指定する重要な施設は、いわゆる三権の長、それから、そのほかは赤坂御所、それからあとは、先ほども答弁がございましたが、外務大臣と外国公館との協議の中で指定をする外国公館等がその対象となっております。
#278
○山下芳生君 今説明のあった国の重要な施設を、その上空でドローンの飛行を禁止することによって未然に危険を防止するという目的なんですが、じゃ、どのようなやり方でその飛行を禁止するということになるのか。事前にいろいろレクチャー受けますと、いわゆるレッドゾーンとイエローゾーンという区域の概念に基づいてそれぞれ飛行禁止の対応をするということのようですが、レッドゾーンというのはどういう区域で、そのレッドゾーンの上空で飛行させた場合どういう対応をされるのか、御説明いただけますでしょうか。
#279
○衆議院議員(古屋圭司君) 今委員御指摘のように、いわゆるイエローゾーン、これはその施設から三百メーター以内ということで区域を限定をしております。そして、レッドゾーンと言われるところはまさしくその施設の上空ということが仕切りになっております。
 それだけで、まずそれでよろしいでしょうか。
#280
○山下芳生君 処罰の点、対応。
#281
○衆議院議員(古屋圭司君) 処罰の方ですね。分かりました。
 処罰については、その上で、まず、その施設上空で小型飛行機を飛行させた場合は、まず退去命令が警察官によってできます。小型無人機の飛行の妨害又は破損その他必要な措置を講じることもできることになっています。この命令の違反に対しては、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処することができます。
 さらに、対象施設及びその敷地の上空で小型の無人機を飛行させた場合、これは要するにレッドゾーンというところですね、これについてはいわゆる直罰、すなわち直ちに一年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金に処するというふうに規定をさせていただいております。
#282
○山下芳生君 要するに、これは先ほど藤本さんの御質問とも関連するんですが、目的を問わないわけですね。飛ばしただけで直罰なんですよ、懲役一年、罰金五十万円。これ、かなりきつい。きついんですよね、これ。何も被害が出てなくても、上空をドローン飛ばしただけでそういう状況になるということであります。
 それからもう一つ、その外側の、重要施設及び敷地上空の外側、いわゆるイエローゾーン、これは先ほどいろいろ質疑の中でも、三百メートルを基準にした区域を、いわゆるイエローゾーンを設定するということなんですが、ここではどういう対応をされることになりますか。
#283
○衆議院議員(古屋圭司君) いわゆるイエローゾーンで、周辺地域の上空で飛行が認められた場合は、警察官は小型無人機等の飛行を行っている者に対して、対象施設及びその周辺の上空から小型無人機の撤去、その他の対象施設に対する危険を未然に防止するために必要な措置を講じることができると。これは八条の一項に規定されていますが、じゃ、その具体的な措置命令の実施体制については、今警察庁等においてあらゆる状況を想定をしながら適切に対応をしていくということでございます。
#284
○山下芳生君 要するに、周辺地域、イエローゾーンで上空飛行させた場合は、まず排除命令、排除措置と、もう飛ばしてはなりませんよという命令を課して、命令に従わなかったらこれまた一年以下の懲役、五十万円以下の罰金ということになっているんですが、そうしますと、その三百メートル基準のエリアですと、かなり広いエリアだと思うんですね。今、大臣、どういう体制でというのは今警察庁の方でというふうにおっしゃいましたけれども、かなりこれは広い範囲、常時監視しないと実際ならなくなるんじゃないでしょうか。
#285
○衆議院議員(古屋圭司君) 私は提案者でございまして、大臣ではございませんので。
 警察においてやはり、今この法案がもし成立をされたならば、あるいは成立後、この問題が起きたときから、発生したときからいろいろなケースを想定をして、その警備体制、そしてどういう対応をしていくかということは検討をされておるというふうに私も承知をいたしております。適切な対応をしていただけるものと我々も期待をいたしております。
#286
○山下芳生君 もう一つ、イエローゾーンに関わって、今御説明あったイエローゾーンの上空でドローンを飛行させた場合は排除命令の対象となるわけですが、飛行はイエローゾーンの上空でも操縦はイエローゾーンの外、かなり遠く離れた場所からドローンを操縦しているという場合はかなりあると思うんですが、その場合も排除命令の対象となるんでしょうか。
#287
○衆議院議員(古屋圭司君) これは、あくまでもこの法案上は、当該小型飛行機が飛んでいるエリアに着目をして対応することになっておりますので、操縦がその対象の地域であるのかどうかということは問いません。あくまでもその飛行機が飛んでいる場所が三百メーターのイエローゾーンなのかどうかということで判断をされるということです。
#288
○山下芳生君 そうしますと、これは相当広範囲になるわけですね。遠隔操作をしている者がそのイエローゾーンで飛ばしているかどうかも判断するのもなかなか難しいでしょうし、そういう者がどこにいるかを探すとなると、相当広範囲に監視体制をしかなければならなくなるわけですね。本当にそういうことをやろうと思ったら、これかなり警察官の監視体制強めなければできないんじゃないですか。
#289
○衆議院議員(古屋圭司君) これはむしろ警察の方からお答えしていただいた方がよろしいかもしれませんが、そのためにあらゆることを想定をしながら適切な対応をするということで、先ほど私が答弁をさせていただいたとおりでございます。
#290
○山下芳生君 警察庁、そういう相当広範囲なエリアで常時監視体制すると、可能ですか。
#291
○政府参考人(沖田芳樹君) いわゆるドローン対策につきましては、ドローンの発見という面と、その排除あるいは阻止ということでございますけれども、発見につきましては、大きく警察官の目によるもの、この目も、直の目というか、いろいろ、双眼鏡その他暗視スコープ等を用いることもございますし、その他機材を用いたドローンの探知ということも検討しているところでございます。
 また、排除につきましては、具体的なものとして、例えばドローンキャッチャーというものが、警視庁が導入しておりますけれども、ドローンに網を付けまして、これで飛んできた違法なドローンを捕獲すると、こういったものも使っているところでございますけれども、その他ほかにいろいろと有効な方策につきまして更に検討を進めているところでございます。
#292
○山下芳生君 今のは上空で見付けたり捕まえるという説明であって、遠隔操作している人にどう排除命令出すんですかというお答えはなかったんです。もしこれ本当にやろうと思ったら、相当な警察官の増員とか常時監視の体制つくらなきゃならない。そうなりますと、これはもういわゆる監視社会みたいな雰囲気になっちゃう。町の雰囲気が非常に緊張した息苦しいものにもなりかねないという心配を私はいたします。
 それからもう一つ、先ほど冒頭質問した航空法というのがあるんですね。航空法では、ちゃんと許可を得た空域や場所、あるいはイベントの上空であっても申請を出して認められた、そういう取材だとか測定、監視などの目的であれば飛ばせるわけですよ。それはどこで飛ばしているか。いろんなところで飛ばしているでしょう。そういう方も、ひょっとしたらその人が国の重要施設の上空あるいは三百メートルぐらいで飛ばしている人じゃないのかと。
 正当な目的でドローンを扱っている人に対しても、これは監視の目が注がれることになりませんか。提出者の方。
#293
○衆議院議員(古屋圭司君) これは、規制、禁止あるいは制限区域においても、例えば事前にその申請をする等々によってその飛行が可能になるわけでございまして、そのためには、例えば取材とか報道活動というのが想定されるかと思いますけれども、そういった場合には、国家公安委員会規則が定められておりますので、都道府県公安委員会に通知をして、そして具体的な方法についてはその公安委員会にてルールに基づいて対応していく、要するに飛んでもいいですよという許可を出していくと、こういうことになっております。
#294
○山下芳生君 そうすると、ドローンを飛ばしている人が、その許可をもろうていますよということを常に腕章か何か巻いたりして分かるようにして飛ばしておくことになるんですか。
#295
○衆議院議員(古屋圭司君) それは実際の運用でございますので、これはむしろ私よりもこちらの方に聞いていただいた方が間違いないと思いますけれども、我々の法律の考え方というのは、今私が申し上げたとおりの考え方で対応していきたいと思っております。
#296
○山下芳生君 要するに、遠隔操作ですから、どこで飛ばしているかが分からないということでちょっと聞いているわけですが。
 実は、日本民間放送連盟がこの問題で、心配だという意見を出されております。小型無人機の使用目的には、報道、学術、設備点検、測量、映画制作など国民の利益に資する正当な業務があり、一方で、テロなどの違法行為が考えられます。全て一律に捉え、同じ規制を掛けようとしていますが、合理性がないことは明らかです。取材・報道活動に配慮した規定がなく、非常時における国民の情報アクセスの妨げになるおそれがあるものと、強く憂慮いたしますという御心配なんですね。これは、単に取材する側だけではなくて、そういうことによって少しでもちゅうちょされるようなことがあったら、規制されるようなことがあったら、これは国民の知る権利が阻害されるということを私は心配するわけです。
 もう時間ありませんので、関連して、原子力事業所も対象に加えられました。
 私、福島第一原発の事故の直後の状況を思い起こすんですが、東電も政府も情報を本当に出そうとしなかったんです。水素爆発の直後、自衛隊がヘリコプターで水をわっと掛けようとしましたが、うまくいかないので、次の取られた方法は各自治体の消防ですよね。東京消防庁のハイパーレスキューなんかが決死の覚悟で放水作業を行いました。
 しかし、そのとき東電は、福島第一原発の敷地内でどれほど爆発によって大きなコンクリートの瓦れきなんかが散乱しているのかという情報を東京消防庁に伝えなかったんです。それから、政府も、衛星があるわけですよね、写真見たらそれちゃんと分かるはずなのに、それも東京消防庁の方には伝えられずに、現場に行って大変な状態になっていて、消防車が通ることができずに、人海戦術で海からホースを何百メートルもつないで決死の放水活動をやったということが実際にありました。そういうことが現に原発施設では起こっているんですね。
 私は、この法律案が通ったことによって一層、原発施設が対象になることによって、ドローンというのは恐らく有用だと思うんですね、事故が起こった際の情報の収集、あるいは放射線の測定なんかには大変有用だと思うんですが、そういうことが残念ながらこの法案によって規制されるようなことがあったら、万に一つもあってはならないと思うんですが、法案提出者、その点はいかがでしょうか。
#297
○衆議院議員(泉健太君) 原発施設を追加させていただいた修正案提出者ということで、私の方から答弁させていただきます。
 まず、今ほどお話のあった福島原発の例でいきますと、画像情報を共有をするというのはとても大事なことだというふうに我々も認識しております。だからこそ、しかしながら、一般の方がその場所で画像情報を収集するということはなかなか困難だと思いますので、原発で事故が起こった場合には、恐らく何らかの行政機関なり公権力が画像を活用するということになると思います。そういった意味では、管理者はもちろん飛ばすことはできますし、そして行政機関であれば、そこは意思疎通の中でしっかりとそういうものを活用して情報収集をすることは可能だというふうに思います。
 昨日もちょうど、海上自衛隊が福島原発にゲージを寄せて、そして水をどんどん送る作業の画像がニュースで流れていましたけれども、それは一般に公開されるのは初めてであっても、当時から映像として残しておいたんだというふうに思うんですね。そういったことの共有はしっかりと進めていっていただきたいというふうに思っております。
 ただ、一般の方々が重要施設においてこういったドローンを飛ばすということは、どんな目的かということが非常に判断しにくいということがありますので、極めて限定的にでありますが、今回の重要施設というところにおいては、一般の方のドローンの活用、飛行ということに関しては規制を掛けさせていただくという考え方に至ったということです。
#298
○委員長(神本美恵子君) 山下芳生さん、時間ですので、おまとめください。
#299
○山下芳生君 今、非常に大事なことを答弁されていなかったんですよ。要するに、公的機関だけじゃないはずなんです。報道機関、それから大学や民間の研究者、放射線測定ですね、そういうものが、ドローンを使って事故現場の上空を飛びたい、飛ばなければならない使命なんです、それは。それ今答えなかったけど、そんなことはあってはならないと。いかがですか。
#300
○衆議院議員(泉健太君) 事故直後は恐らくやはり避難ということが最も大事であると思いますし、ドローンを飛ばして調査をすぐできるという状況には恐らく至らないんだと思うんですね。しかし、事故後数年たって調査をするときに、やはり学術団体が調査をしたいと言っているときに、例えば管理者というか施設の所有者がそれをむやみに確かに断るということは望ましくないことだというふうには思います。
 ただ、やはり、繰り返しになりますが、事故直後等々であれば管理者や行政機関以外が私が調査をしたいというふうに手を挙げて調査を自由にできるというのも、これもやはりなかなか難しいのではないかというふうに思います。
#301
○山下芳生君 もう時間が来たので、河野大臣、済みません、終わります。
#302
○山本太郎君 よろしくお願いします。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。
 いわゆるドローン規制法案について質問いたします。
 先ほど山下先生の方からもお話がありました修正案、修正案提出者の方にお伺いしたいと思います。
 この法案の衆議院通過時、昨年の七月九日、日本民間放送連盟から、災害や重大事件の発生時における取材・報道活動に配慮した規定がないと、非常時の国民の情報アクセスの妨げになることが懸念される、このような意見がありました。この民放連の意見に対してはどのようにお答えになりますかという話なんですけれども、ここで先ほどの山下先生の話と加えてお聞きしたいのが、要は、その一番起こったとき、その初動というときに取材ができなきゃ意味がないんだということなんですよ。だって隠したがるじゃないですか、皆さん。どうなっているか分からない、パニックになるとかいうことをきっかけに隠したがるんだから、それを開放するのがマスコミであり、願わくばですよ、マスコミであり、そして研究者であり、フリージャーナリストだと思うんですね。
 非常時の国民の情報アクセスの妨げになることが懸念されるとの意見がありますと、この民放連、そして市民の方々の意見について、どのようにお答えになりますか。
#303
○衆議院議員(泉健太君) 実は、衆議院段階では、菅官房長官に対して法案提出者で申入れを行いに行ってまいりました。これはあくまで、公的な行動ではないのかもしれないんですが、そのときにも報道に対する規制にならないようにということの申入れをさせていただいております。
 今の御質問にお答えをさせていただきますと、あくまでその対象施設においてこのドローンを規制するということでありますが、例えばヘリコプターですとか有人の飛行機での取材活動というのは従来どおりしていただくことも可能であります。
 また、状況によると思うんですが、いわゆる施設管理者の同意があれば、当然ながらその施設の取材もドローンを活用してしていただけるということでありまして、いわゆる取材、報道が一切規制されるということではなくて、もちろんあの原発の事故のときにも、遠方からのカメラ、あるいは上空からのカメラというものは、原発の被害を考慮しながら恐らく取材を最大限していただいたと思いますので、今後もそこは変わらないというふうに考えていただいていいと思います。
#304
○山本太郎君 済みません、ふと浮かんだ疑問なんですけれども、施設管理者の方に許可を取ればこれは撮れることなんだよというお話だったと思うんですけれども、例えば災害時とか何か不測の事態というときに、施設管理者と連絡取れるかなと思うんですよね。これどうしたらいいですか。何かホットラインを教えてもらえたりとかするんですかね、ドローンを保持している人は。どうやって連絡取ればいいですか、そういうとき。施設の管理者と連絡が取れないと想定されるようなとき、どうしたらいいですかね。(発言する者あり)どなたか答えられる方が。
#305
○衆議院議員(古屋圭司君) いかにして連絡をしていくかということでございますけれども、これはあらゆるケース、それからいつその事案が発生するか、いろんなことが想定されると思いますよね。二十四時間、昼なのか夜なのか、ウイークデーなのかあるいは週末なのか、それぞれによって違うと思います。
 したがって、もしこの法案が施行されるということになるならば、関係者あるいは関係省庁がしっかりその辺を連携をして、そういった速やかな対応ができるようにシステムをつくり上げていくということが何よりも大切だというふうに思っております。やはり我々の基本的な法案の考え方は、施設の管理者等々が了解をした場合にはその禁止区域でも飛べるようにしていくという法律の立て付けでございますので、その運営に当たっては関係者がしっかり連携をしていただきたい、このことを期待します。
#306
○山本太郎君 済みません、これまた通告もせずに思い付いちゃったことなんですけれども。済みません、こんなことばかり言っていて。
 原子力施設が恐らく入ると。その原子力施設というのは、本当に原子力発電所のみなんですかね。それ以外の原子力関係、例えば中間貯蔵施設だったりとか、原子力関連といったら広く言えば原子力関連でもあるわけですよね、そういう部分にも広がっていったりとかする可能性はありますかね。答えられる方。ごめんなさい。
#307
○政府参考人(沖田芳樹君) お答えいたします。
 法案によりますと、国家公安委員会は、原子力事業所であってテロリズムの対象となるおそれがあり、かつ、その施設に対してテロリズムが行われた場合に、広域にわたり、国民の生命及び身体に甚大な被害を及ぼすおそれがあるものとして政令で定めるもののうち、具体的に指定するということでございますので、この点、関係省庁等とも協議した上で、法案が成立した場合にはそういった指定作業が行われるものというふうに認識いたしております。
#308
○山本太郎君 ごめんなさい、ちょっと余り理解できなかったんですけれども。
 例えばですけれども、今の話でいくと、じゃ、中間貯蔵施設などはそれには入らない、入る。ごめんなさい、ちょっと聞き逃しちゃったかもしれない。入るか入らないか。
#309
○政府参考人(沖田芳樹君) 恐縮でございますが、今の段階で私の方から入る入らないという明確なお答えは、申し訳ございませんが、差し上げられません。
#310
○山本太郎君 だとしたら、入るおそれもあるかもしれないという考え方が正しいですよね。
 だとするならば、例えばですが、中間貯蔵施設、どこになるかという話もあって、今動き出しているという話もありますけれども、それ以外にもフレコンバッグ、要は汚染というものを集めたフレコンバッグ、本当にとんでもない広範囲にわたって広がっていますよね、東京ドーム約十三倍から十四倍に相当みたいなもの。ある意味、あれってちょっと撮られたくない絵なのかなとも思うんですよ。だって、余りうれしくないじゃないですか。汚染はまだまだあるんだと、処理し切れないものがこれだけあるんだというのはネガティブな一面なのかなとも思うんですよね。だから、それ、もしも原子力施設ということが拡大されていったとするならば、中間貯蔵であったりとか、それがどんどん広げられていくというようなことになっていくと、もちろん報道の自由であったりとかいろんなものにも広がっていく可能性はあるのかなと思うんですけれども、中間貯蔵施設にも広がるおそれはあると。分かりました。
 続いて、修正案提出者にも伺います、引き続き。
 修正案で原子力事業所を対象として指定したのは、原発に対するテロのリスクが理由とされています。具体的にドローンによるどのようなリスク想定されておりますか。例えば、ドローンに爆弾積むとか、原子炉とか使用済燃料プールなどの配管爆破するとか、ドローンで原子力事業所内にサリンまくとか、そういったことも想定されているということでしょうか。
#311
○衆議院議員(泉健太君) 具体的にどんなことを想定して、具体的に原発でどんな対策をするのかということは、当然、私自身もそれを聞ける立場にはありませんし、これは原発の側でしっかりとした万全な安全対策を取られているということだと理解をしますけれども、あらゆるテロを想定はしながら、ドローンで特に考え得るというのは、外部から今おっしゃっていただいたような爆発物であるとかあるいは有害物質であるとかが運ばれるということが、それが人的に、あるいは何かの機器に影響を及ぼす可能性があるというところだというふうに考えますので、そういったもろもろの対応を考えるということになると思います。
#312
○山本太郎君 じゃ、田中規制委員長にお伺いします。
 原発に対するテロのリスクについて、ドローンに爆弾積んだり、原子炉や使用済燃料プールなどの配管を爆破されるようなテロというのは想定されていますか。
#313
○政府特別補佐人(田中俊一君) テロの想定については、これを公に御説明することによって原子力施設の防護措置の強度が推定されるおそれがありますので、具体的にお答えするのは差し控えたいと思います。
 その上で、原子力施設の安全性を確保する上でテロなどに対する対応は重要であると認識して、原子力規制委員会においては、原子力事業者に対して原子炉等規制法に基づき種々の防護措置を求めております。また、テロによって重大事故が発生した場合の影響緩和についても新規制基準により求めているところです。
 原子力規制委員会としては、引き続き関係機関とも連携し、原子力施設に対するテロの未然防止対策及び影響緩和策に万全を期す所存であります。
#314
○山本太郎君 ありがとうございます。
 委員長、ドローン使う場合、使わない場合に限らず、原子炉使用済燃料プールの配管とか、何かによって爆破された場合、最悪の場合はどれぐらいのものが放射性物質の放出というのが想定されますかね。
#315
○政府特別補佐人(田中俊一君) どの配管とかどういったプールがどの程度破壊されるかということ、個別具体的な状況によって異なるため、一概にお答えすることは困難です。
 なお、新規制基準では、重要度が高い安全機能は多重性を確保することを求めており、万一重大事故が発生した場合を想定し、その拡大を防止するための様々な対策を求めております。
#316
○山本太郎君 ありがとうございます。
 昨年の安保の特別委員会で田中委員長とも少し議論をさせていただいた、お話をさせていただいたんですけれども、十分で届くよと言われていたミサイル、それが届いたときにどうなりますかという質問で、国側が何もそれを想定していない、準備していないということが明らかになった話なんですけれども、ミサイル着弾によって原発にどのような影響が生まれるのかという質問に対して委員長は、「結論から申し上げますと、評価はしておりませんし、今後もやるつもりはありません。 ミサイルはいろんな種類がありますので、どういったものが飛んでくるかも分かりませんし、どういう状況になるかということも想定できませんので、やるつもりはありません。」というお答えをされているんですね。
 じゃ、一方で、このドローンに関しては、想定はされています、テロ関連に関してはという話ですけれども、ドローンがどのような爆発物、どのような火薬量というものを積んだものを持ってくるか分からないんだけれども、それについては想定できるというお話なんですか。
#317
○政府特別補佐人(田中俊一君) ドローンということではありませんけれども、大型航空機の落下があった場合に対しては、それを緩和する措置ということは規制基準の中で求めておりますので、いわゆる今先生が御指摘の、対外、外から飛んでくるミサイルということになりますと、ミサイルがどの程度のものかも想定できませんので、そういうことをするつもりはありませんし、ミサイルが飛んでくるという事態は原子炉規制法上で何か対応すべきものとは考えておらないという意味で申し上げております。
#318
○山本太郎君 どこから何が飛んでくるか分からないという意味ではドローンも同じだと思うんですね。しかも、何を積んでいるか分からないという意味では同じだと思うんですけれども、まあいいですか。まあいいですかというのもおかしいですけどね。
 これ、じゃ、次行こうかな。
 田中委員長、昨日、大津地裁で関西電力高浜三号機、四号機運転差止めの仮処分決定があったと。この裁判ではテロ対策というのも争点になっていますよね。委員長、決定理由では、新規制基準について、福島原発事故の原因究明不十分である、十二分に余裕を持った基準にすべきだと指摘されています。
 委員長、見解いかがですか。
#319
○政府特別補佐人(田中俊一君) テロのことでしょうか、福島の調査のことでしょうか、どちら。
#320
○山本太郎君 いえいえ、今言ったとおりです。もう一回言いましょうか。
#321
○政府特別補佐人(田中俊一君) ちょっと違う内容ですので、どちらでしょうか。ちょっと確認させて……
#322
○山本太郎君 いえいえ、テロ対策……
#323
○委員長(神本美恵子君) 山本太郎さん、もう一度質問をしてください。
#324
○山本太郎君 失礼しました。もう直接しゃべりそうになりました。済みません、失礼しました。
 だから、昨日、大津で判決が出た、仮処分の決定が出たじゃないかと。これ、テロ対策というのも争点になっていましたよね。だから、今ドローンによるテロ行為があったらどうするとかという延長線上でしゃべっていますよという話なんですけれども、新規制基準についてはこのテロというのは考える必要がないと。要は、それはもう国の、テロじゃないわ、武力攻撃という部分に関しては国の範疇だろうというようなことが言われていますよね、その仮処分の中ではという話ですよね、今言われていたのは、それは違うよというのは。その全体的な話として、仮処分自体が出た話としてのお話を今しているんですけれども。
 福島原発事故の原因究明が不十分である、十二分に余裕を持った基準にすべきだと指摘されていると。いかがお考えですかという話です。
#325
○政府特別補佐人(田中俊一君) 失礼しました。
 新規制基準に関しての御指摘ということであれば、これまでの福島原発事故についての調査によって明らかになった、そういったものの教訓を踏まえて基準を策定するということについては十分な知見は得られていると考えております。
 原子力規制委員会は、これまで明らかになった福島の事故、それからIAEAとか諸外国の規制基準も確認しながら、外部専門家の協力も得て新規制基準を策定したところであり、最新の科学技術的知見を踏まえた新規制基準は合理的なものと考えております。
 なお、福島第一原子力発電所事故の結果どのような事象が生じたかについては、今後も継続をして調査分析を行い、新たな知見が得られれば基準に反映することとしておるところでございます。
#326
○委員長(神本美恵子君) 山本太郎さん、時間ですので、まとめてください。
#327
○山本太郎君 はい、ありがとうございます。
 このドローンを取り締まる、これ素早く話がどんどん進んでいきましたけれども、これぐらいのテンポと同じように、外部からの攻撃には脆弱な、しかも核施設、再稼働の、違うな、八年前に締めたボルトがそのときは大丈夫だった、定期検査で。その後、緩んでいて水が漏れている。それを通過した、世界一水準の高い安全基準でというような、もうむちゃくちゃな内容なんですよね。
 ドローン攻撃もテロも、そして近隣諸国からの攻撃ということも考えて、いろんなことを考えたとしても……
#328
○委員長(神本美恵子君) まとめてください。
#329
○山本太郎君 済みません、ありがとうございました。
 いろいろ考えていかなきゃいけないなと思いました。ありがとうございます。
#330
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について上月さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。上月良祐さん。
#331
○上月良祐君 私は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律案に対し、自由民主党及び公明党を代表して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。
 これより、その趣旨について御説明いたします。
 修正の要旨は、内閣の重要政策に関する総合調整等に関する機能の強化のための国家行政組織法等の一部を改正する法律が施行されることに伴い必要となる規定の整理その他所要の規定の整理を行うものであります。
 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
#332
○委員長(神本美恵子君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#333
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、重要施設等の周辺地域上空における小型無人機の飛行禁止法案に反対の討論を行います。
 本案は、昨年四月二十二日に総理官邸屋上で、小型無人機、いわゆるドローンが発見されたことを契機としたものです。
 その内容は、国会議事堂、総理官邸、最高裁等をレッドゾーンと設定し、国政の中枢機構だからという理由だけで、その上空で小型無人機の飛行を禁止し、処罰するものです。実際の飛行による危険や被害の内容を問わず、ただ小型無人機を飛ばす行為に対して直ちに懲役刑を含む刑罰を科すことは、刑罰法規としての合理性を欠くものです。
 修正により、防衛省など危機管理行政官庁、原子力事業所がレッドゾーンに追加されましたが、このような法体系のままレッドゾーンを拡大することは、国民の知る権利や正当な業務を広範囲に制限することにつながり、認めることはできません。
 ドローンの定義に関して、本案の小型無人機と航空法における無人航空機の定義が異なります。法律によって定義が異なれば、混乱を招きます。
 外国要人の所在する場所をレッドゾーンに指定する場合、国賓来日や国際会議などの期間を区切って各地で指定するものであり、これを周知できるのか疑問が残ります。同時に、外国要人の所在場所を周知することにもなり、かえって要人警護に支障が生じる懸念も残ります。
 法案は、対象施設地域の周辺三百メートルをイエローゾーンと設定し、この区域で小型無人機を飛行させた場合、排除命令を出し、それに違反した場合、懲役を含む刑罰を科し、イエローゾーンでの警備強化を行うものです。質疑の中で、その警備の区域が更に広がる可能性のあることも明らかになりました。こうした警備強化が国会、官邸周辺での国民の請願行動や集会等に影響を及ぼす可能性も否定できません。
 航空法で許可を得た正当な飛行でも警備取締りの対象となることも懸念されます。日本民間放送連盟は、取材・報道活動に配慮した規定がなく、非常時における国民の情報アクセスの妨げになるおそれがあると憂慮しています。国民の集会の自由、言論の自由、表現の自由が脅かされないかとの懸念は拭えません。
 最後に、ドローンなど小型無人機が一般に購入できるようになり、人口密集地での墜落事故や盗撮によるプライバシー侵害などが起きている下で、今必要なのは、国民生活への具体的な被害に対応した国民の安全対策の観点からのルール作りであります。この観点からは、既に航空法が改正されているところです。
 官邸周辺の警備強化のために、とにかく刑罰規定を導入することに突出した本法案は認められないことを表明し、反対討論を終わります。
#334
○委員長(神本美恵子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律案について採決に入ります。
 まず、上月さん提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#335
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、上月さん提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。
 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#336
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。
 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#337
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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