くにさくロゴ
1947/06/22 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 厚生委員会 第13号
姉妹サイト
 
1947/06/22 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 厚生委員会 第13号

#1
第002回国会 厚生委員会 第13号
昭和二十三年六月二十二日(火曜日)
    午後二時零分開議
 出席委員
   委員長 山崎 岩男君
   理事 有田 二郎君 理事 中嶋 勝一君
   理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
   理事 武田 キヨ君    大石 武一君
      近藤 鶴代君    太田 典禮君
      福田 昌子君    松谷天光光君
      師岡 榮一君    荊木 一久君
      小野  孝君    最上 英子君
      野本 品吉君    榊原  亨君
 出席國務大臣
        厚 生 大 臣 竹田 儀一君
 出席政府委員
        大藏政務次官  荒木萬壽夫君
        大藏事務官   原  純夫君
        厚生事務官   木村忠二郎君
        厚生事務官   久下 勝次君
 委員外の出席者
        総理廳技官   小森弘太郎君
        厚 生 技 官 慶松 一郎君
        專門調査員   川井 章知君
    ―――――――――――――
六月十九日
 恩給法の一部を改正する法律案(内閣提出(第
 一六一号)
同月二十一日
 医師法案(内閣提出)(第一六七号)
 保健婦助産婦看護婦法案(内閣提出)(第一六
 八号)
 歯科衞生士法案(内閣提出)(第一六九号)
 歯科医士法案(内閣提出)(第一七〇号)
 公衆浴場法案(内閣送付)(予閣第一三号)
同月十九日
 藥事法の一部を改正する請願外四件(齋藤晃君
 紹介)(第一五〇〇号)
 同(徳田球一君外三名紹介)(第一五一八号)
 同(野本品吉君紹介)(第一五一九号)
 同(高倉定助君紹介)(第一五二〇号)
 同(荊木一久君外一名紹介)(第一五二一号)
 療術師法制定の請願(武田キヨ君外一名紹介)
 (第一五二四号)
 消費生活協同組合法中消費金融事業削除に関す
 る請願(櫻内義雄君紹介)(第一五三七号)
 医藥制度合理化に関する請願(松本眞一君紹
 介)(第一五五三号)
 藥事法の一部を改正する請願(有田二郎君紹
 介)(第一五五五号)
 医師の処方箋発行義務制度実施に関する請願(
 有田二郎君紹介)(第一五五六号)
 藥事法の一部を改正する請願(徳田球一君外三
 名紹介)(第一五七四号)
 遺族の援護に関する請願(齋藤晃君紹介)(第
 一五七六号)
 樺太引揚歯科医に免許状下付の請願(竹尾弌君
 外一名紹介)(第一五七七号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
六月十九日
 優生保護法制定反対の陳情書(北海道川上郡標
 茶村字阿應内南一線一八一番地内谷権一郎)(
 第七四八号)
 社会保險事務費國庫補助の陳情書(東京都千代
 田区神田花房町千代田社会保險事務研究会会長
 鈴木総二)(第七五一号)
 藥剤師法制定等に関する陳情書(医藥制度合理
 化推進連盟中央委員長伊藤董)(第七六二号)
 民生委員法制定に関する陳情書(東京都澁谷区
 原宿三丁目全國日本民生委員連盟会長原泰一)
 (第七七七号)
 営團住宅購入に対し補助金交付の陳情書(大分
 市新高松居住者組合代表多田正太郎外二百七十
 四名)(第七九五号)
 癩患者の生活保護に関する陳情書(宮城縣登米
 郡新田村國立癩療養所東北新生園患者代表川村
 與七)(第八三八号)
 生活協同組合法制定促進に関する陳情書(佐賀
 縣学校生活協同組合代表柳川善光外四千五百
 名)(第八三九号)
 地区船の船員保險に関する陳情書(日本機帆船
 業会会長竹内義台)(第八四〇号)
 引揚同胞の援護に関する陳情書(台湾引揚者会
 廣島縣支部長奧田達郎)(第八四三号)
 船員保險脱退手当金制の改正反対に関する陳情
 書(日本機帆船業会会長竹内義台)(第八四八
 号)
 兒童福祉法の一部改正に関する陳情書(大阪市
 議会議長田村敬太郎外四名)(第八七〇号)
 民生委員法制定に関する陳情書(大阪市議会議
 長田村敬太郎外四名)(第八七三号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 藥事法案(内閣提出)(第八八号)
 民生委員法案(内閣提出)(第一〇〇号)
 厚生年金保險法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)(第一三一号)
 國家公務員共済組合法案(内閣提出)(第一六
 〇号)
 医師法案(内閣提出)(第一六七号)
 保健婦助産婦看護婦法案(内閣提出)(第一八
 六号)
 歯科衞生士法案(内閣提出)(第一八九号)
 歯科医師法案(内閣提出)(第一七〇号)
 医療制度に関する件
 医療資材に関する件
    ―――――――――――――
#2
○山崎委員長 ただいまより会議を開きます。
 まず民生委員法案を議題といたします。本案は前会において質疑を打切つたのでありましたが、重大問題について発言を求められておりまするので、これを許すに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○山崎委員長 御異議なければこれを許します。有田委員。
#4
○有田委員 民生委員法につきまして、附帶決議をつけることに先般の委員会で決定をみたのでありまするが、その筋の方の達しによりまして、附帶決議はなるべく遠慮してくれということでありますので、ここにその附帶決議を読みまして、政府の御協力をお願いする次第であります。
    附帶決議
  新憲法下議会の議員の職責は重大であり、かつその職務も繁忙を極め、一方において民生委員の諸君もいよいよ重大かつ繁忙を予想せられるので、議会の議員が民生委員の職を兼ねることに対し、今後十分考慮せられたい。なお現在議会の議員にして民生委員の職にある者については、兼職はこれを努めて遠慮してもらうようにすること。官公吏の民生委員との兼職についても右と同樣なること。
 以上の附帶決議をこの法案につけるつもりでありましたけれども、先刻申しましたような事情によりまして、附帶決議として法律にはつけませんが、この趣旨に対して政府は十分なる処置をおとりになることをお願いする次第であります。(拍手)
#5
○竹田國務大臣 ただいま有田委員のお述べになつた御趣旨の線に沿いまして、善処いたしたいと思います。
    ―――――――――――――
#6
○山崎委員長 次に前会において質疑を打切りました民生委員法案及び厚生年金法案等の一部を改正する法律案を一括して討論にはいります。まず民生委員法案についての討論にはいります。山崎委員。
#7
○山崎(道)委員 この民生委員法に対しましては、すでに各委員から十分愼重審議せられたのでございます。それにつきましてわが社会党といたしましては、この際質疑の内容が、主として民生委員に対し非常に監督的な非難の声の方が多かつたように思うのでございます。これに対しましては、一部にそうした不正なことをする当を得ざる民生委員のあるのは事実でございますけれども、民生委員の本質的なものを十二分に心得て、涙ぐましい努力をしておられまする多くの民生委員のあることを、この際われわれはよく考えなければならないと存じます。この意味におきまして、民生委員の仕事がいかに困難であり、いかに重大であるということを考えまして、はるかに、この職責に從事していてくださいます民生委員に、私たちは感謝の誠を捧げなければならない、かように存じているものでございます。それに加えまして、私は民生委員のとかく非難を受けますることを防ぎまする意味において、ぜひとも第十三條にございます「民生委員は、その市町村の区域内において、担当の区域又は事項を定めて、その職務を行うものとする。」という條文の運営にあたりまして、現行の担任区を少し拡大いたしまして、これを一人で担任するのでなく、二人制を採用してほしい。一担任区を二人で運営してまいりますれば、足らざるところはお互いに補い合つていく。とかくそこに生じがちの情実も防ぐことができる。それから物資の横流し等々の惡評に対しても、これを是正していくことができる。かような意味でぜひ当局におかれまして、こういう精神を加味されまして、今後の運営に考慮していただきたいということを私たちは考えているのでございます。民生委員を非難するばかりでは、正しい人は得られません。ほんとうにこれを育成していくには、どうしたら弊害を除去することができるだろうか。どうしたら正しく法を運営することができるだろうかということを眞劍に考えてやつていただきますよう、私は心から希望するものでございます。それに併せて、第八條の二項の民生委員の推薦会のことでございますが、この中に「市町村長が市町村の議会の議員、社会事業の実施に関係のある者、その他学識経驗のある者の中から、市町村の議会の意見をきいてこれを委嘱する。」とございます、「その他学識経驗のある者」の下へ「受益者の民主的團体の代表者」をも含めていただきたいという意味に解釈して、法の運営にあたつていただきたいということを希望いたしまして、私は討論を終りたいと思います。
 なお附け加えて申し上げますが、この民生委員の職責がいかに重大であるかということは申すまでもありませんが、とかく不正が起きがちなのは、ほんとうに民生委員の本質を十分に教育していくという面に欠けるところがあるからだと思うのでございます。最後に希望しておきたいことは、今後の民生委員の教育指導という面に、十分に力をいたしていただくことを重ねて要望いたしまして、討論を終りたいと思います。併せて本案に賛成の意を表するものでございます。
#8
○山崎委員長 野本委員。
#9
○野本委員 私は一、二の希望を申し上げてこの案に賛意を表するものであります。第十五條には「民生委員は、その職務を遂行するに当つては、個人の人格を尊重し、その身上に関する祕密を守り、人種、信條、性別、社会的身分又は門地によつて、差別的又は優先的な取扱をすることなく、且つ、その処理は、実情に即して合理的にこれを行わなければならない。」また第十六條には「民生委員は、その職務上の地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。」と規定してあるのでございます。これは民生委員の活動の上におきまして、現実的にあらかじめ予想し得る事態に備えての規定であると私は思うのであります。民生委員の実情を見ますと、大部分の方がきわめて熱心に、献身的に、社会福祉の増進のために努力せられていることに対しましては、衷心敬意を表するものでありますけれども、また一部その職務上の地位を私するがごとき者もないではないということは、本委員会の今までの論議において明らかに見ることができると思うのであります。從つて私は民生委員会が新しく生れるにあたりまして、政府は各地方機関に対し、民生委員の推薦、また委員の職務の遂行があくまで適正公平に行われて、いやしくも立法の本旨にもとることのないようにということ、また委員で好ましからざる行動があつた場合には、断乎として第十一條の規定を適用いたしまして、さような者を排除する措置を講ずるように、地方に対して指令を発して、あらかじめこの民生委員法が眞に社会公共福祉の増進のための立法精神を遺憾なく生かしていかれるように、適切有効な措置を講じていただきたいことを希望いたします。
 以上希望意見を申し述べまして賛意を表します。
#10
○山崎委員長 本案についての討論は終局いたしました。
 次に厚生年金保險法等の一部を改正する法律案の討論に移るのでありますが、別に討論の通告もございませんので、ただちに採決にはいります。
 便宜上両法案を一括して採決にはいります。民生委員法案及び厚生年金保險法の一部を改正する法律案を可決いたしますことに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#11
○山崎委員長 起立総員。よつて両法案は原案の通り可決いたしました。
 なお議長に提出いたしまする報告書の作成につきましては、委員長に一任していただきたいしと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○山崎委員長 御異議なければさよう取計らいます。
    ―――――――――――――
#13
○山崎委員長 次に有田委員より医療制度に関する件につき、ホルモン剤の課税について質疑を求められておりますのでこれを許します。――大藏当局がただいま見えておりませんので、その先にお諮りいたします。山崎理事より医療機械に関する件に関連して緊急質問を求められておりますので、これを許したいと存じます。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○山崎委員長 御異議ないのでこれを許します。
#15
○山崎(道)委員 私は最近茨城縣下に行われておりますララ物資の横流しの問題につきまして、大臣にお伺いいたしたいと思います。
 申すまでもなくこのララ物資は、敗戰日本に対する海外からの心からなる同情心より、枯渇せんとしております愛の泉に対する呼水のような貴い物資が送られてあるものと私は信じておるものであります。つきましてはこれを流してまいります上には、嚴重なる取締と、その精神を尊重してなされなければならないということは申すまでもないことでございます。ところが最近茨城縣におきましては、民生課長以下職員全員が共謀いたしまして、ララ物資を横領いたしまして、殊にはなはだしいのは一名で百五十万円くらいの現金をもつて高利貸を営んでいるような実例を、私は昨日水戸市へ参りまして調査してまいつたのでございます、こうしたことが約一年間にわたつて行われてきたということを何ら知らなかつたのでございましようか。それとも監督の地位におられます厚生省におきましては、これに対していかなる監督と、いかなる処置をその後に講じて來られたかということを、私はまず第一にお伺いいたしたいのであります。
 茨城縣におきましては課長初め職員ほとんど全員が、現在縣廳内から刑務所へ移動しているというような、好ましからざる状態にございます。これの調査に当つております檢察廳に対して、軍政部から表彰状を出して、もつとしつかりやれと言われていることを私たち非常に残念なことに存じます。これに対しまして厚生大臣の責任ある御答弁をお伺いいたしたいと思います。
#16
○竹田國務大臣 ただいま山崎委員からララ物資の問題について御質疑をいただいたのでありますが、まことに恐縮に存じております。仰せの通りララ物資は、愛の結晶と申しますか、愛の泉と申しますか、外國から日本の困窮者に対するまことに貴い贈物でありまして、これらの物資の配給につきましては、いささかの不正があつてはならぬことは申すまでもありません。私の聽いておりますところによると、諸外國へもララ物資はまいつているのでありますが、日本へまいつておりますララ物資の配給が、比較的公正に行われているということを聽きまして、安心をいたしておつたのでありますが、今回茨城縣下におきまして、思わざる不祥の事になりましたことは、まことに遺憾に存ずるのであります。從來ともこういうことがあろうとは夢にも思わなかつたのでありますが、現に起りまして、今仰せの通り檢察廳の手を煩わして取調べをしなければならぬようなことになつたことを、まことに残念に思つております。將來はこういう貴いララ物資のごとき物の配給には、嚴重なる警告を発しまして、こうした不祥事の起らないように、十分の処置を講じたいと思うのであります。なお詳細のことにつきましては、政府委員が詳しく存じているようでございますから、その方からお答え申し上げたいと存じます。
#17
○木村(忠)政府委員 ただいま山崎委員から御質疑のありましたララ物資の点でございますが、ララ物資が一昨年こちらえまいるようになりまして以來、一切の救済物資について、不正不当の取扱いがあつてはならぬことは、言うまでもないことでありますが、特にララ物資につきましては、國際的な関係も非常に大きく、またこれの國内的の問題につきましても、非常に重大なものがあると存じますので、これが取扱いにつきましては、非常に嚴密なる取扱いをするように措置いたしてまいつておつたのでありまして、これが配分につきましては、常に警察官に立会わせるとか、いろいろの方法を講じまして、これらの物が横領されたり、横流しされたりするようなことのないように、十分な注意をいたしてまいつておつたのであります。從いまして從來におきまして、二、三盜難のありましたことはあるのでありますが、それらにつきましても大きな問題になるようなことはあまりなくて済みまして、現在までに至つておつたのでありますが、昨年の中ばごろから後にかけまして、茨城縣下におきまして、不正な事件が起りまして、これが本年の初めに発覚いたしました。これにつきましてはちようど昨年の水害のころから、警察官が手薄になりましたことも、一つの原因になつておつたかのごとく見受けられるのであります。これは全体が通謀いたしておつたものでなく、一、二の者がいたしておつたのでありますが、それが全体の者にだんだんと影響を及ぼしてきたという状況であるようであります。これらにつきましてわれわれの方の監督不行届の点につきましては、まことに申訳なく思つております。この点につきましては十分檢察当局において処置いたされますと同時に、われわれとしても嚴重な処置をとるようにいたすつもりであります。茨城縣におきまして、関係者は全部更迭して新しい顔觸れで、新しい氣持でやつております。他の地方においては、現在はそういうことは全然ないようでございますが、今後においてもそういうことが絶対にないようにするために必要な措置を講じております。また昨日ありました民生部長会議においても、この点については、特にララ物資について申したのでありますが、一般の救済物資については、非常な注意をしなければならないということをさらに強調いたしまして、今後はそういうことが絶対にないようにしたいと思つております。
#18
○山崎(道)委員 私たちももとから、ララ物資については特別な考慮が拂われていて、間違いなく配給されているというふうに聞いて安心していたのでありますが、たまたま茨城縣下においてこういう重大なことが行われていたということに鑑みまして、今後なお嚴重なる監督が望ましいのでございます。もしこうしたことがしばしば起るようでございましたならば、外國の人人に対して私たちはどうして申訳をするかということを考えますとき、ほんとうに恐ろしい心持がいたすのでございます。政府ではほとんど間違いなく運営されておるというのでございますが、こういう例があつたということを見まして、ほかにも十分警戒をしていただかなければなりません。私がこの際特に申し上げたいことは、民生委員の職務においてもその通りでございます。その運営の上におきまして、私たちがしばしば厚生省へ参りまして、各地方にある問題を申し上げますると、いやその点はこういうふうにいたしておると言われる、そうするとなるほど政府が言われるような氣持であるならば、私たちは異議がないと思うのでございますが、これが決して下部に浸透していないという恨みがたくさんございます。今後はそういうことのないように十分にひとつ御考慮を願わなければなりません。ここに一國民からとして投書が参つております。これを読みますることは非常に長い時間を要しまするので、あとで社会局長にお目を通していただきたいと存じまするが、この投書にもございますように、非常に情実に流れておるという面が多い。そうしてほとんどその取扱いその他に対する監督と申しましようか、監査というような機関がないというようなことも、一つの欠陷ではないかとも考えますので、今後こういう救援物資の配給その他に対しましては、十分監査をやられることを私は強く要求しておきます。それからこれは靜岡縣のある町村でやつておるのでございますが、配給物資が参りますると、要保護者の代表者会議というものを開きまして、こういう物が配給になつたからどう分配しましようということで、ほんとうに民主的に運営しておりまして、非常になごやかにいつております。こういう例をお考えになりまして、再びこういう不祥事を繰返えさないように、私はお願いいたしておきたいと思います。この茨城縣のは特別のものであろうと存じまするが、腐りきつていたと申しましようか、水害の救援物資等も相当横流しをいたしております。新たなる発足をしたといつて安心しておいでにならないで、とことんまで注意を拂つていただきまして、眞に革新的な運営ができますように、特に社会局長に私は強く要望いたしておきます。私の質問を終ります。
    ―――――――――――――
#19
○山崎委員長 次に本委員会に追加されました医師法案、歯科医師法案及び保健婦助産婦看護婦法案を一括議題といたします。提案理由の説明を聽取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○山崎委員長 御異議なければ順次提案理由の説明を求めます。竹田厚生大臣。

#21
○竹田國務大臣 ただいま議題となりました医師法案、歯科医師法案、保健婦助産婦看護婦法案についてその提案の理由を説明いたします。
 國民医療法は、新憲法施行下の現在の事態には適合しない点が多々ありますとともに、一方終戰後の社会情勢の変化に対應する新たな医事制度の確立が必要でありますので、國民医療法を改正し、新たな医事法規を制定いたしますことは各方面の要望であつたのであります。このため、政府といたしましては、本年三月医藥制度調査会に対し、國民医療法改正の具體的方針をいかにすべきかにつき諮問いたしたのでありますが、同会における愼重審議の結果に基きましてその答申を得ましたので、右答申に基きまして政府において法案を整備の上今國会に提出することといたしたのであります。
 以下これら三法案についてその内容の大略を申し上げたいと存じます。まづ、医師法案及び歯科医師法案について申し述べます。
 第一にこの両法案は、いわゆる医師、歯科医師の身分法とも申すべきものでありまして、医師及び歯科医師の業務内容の異るに從い、これを別個の法律といたしますとともに、その規定の内容にも若干の差異がありますのでありますが、一面医師及び歯科医師の業務は相互に密接な関連がありますので、從前の例にならい、両法案の内容は大体において、その軌を一にしているのであります。
 第二に、両法案はいずれも医師及び歯科医師の職分、免許、試驗及び業務等につき規定を設けておりますが、その内容はおおむね現行の規定を踏襲しているのでありまして、改正のおもなる点は、
 一、医道審議会を設けて免許の取消、停止等に関してその意見を聽くこととしたこと。
 二、医師といえども歯科医業を行うためには歯科医師免許を受けなければならないこととしたこと。
 三、医師または歯科医師の処方箋の交付に関する從來の規定に若干の修正を加えたこと等であります。
 次に保健婦、助産婦看護婦法案でありますが、本法案の内容は、昨年七月三日に制定公布されました政令、すなわち保健助婦看護婦令の内容とほとんど同樣であります。右政令は現行の省令である保健婦規則、助産婦規則及び看護婦規則とは相当異つた劃期的とも申すべき内容のものであり、今回本法案の立案にあたつても、特に右政令の内容に著しい変更を加える必要が認められませんので、大体その内容を踏襲いたしたのであります。本法案と從前の制度との内容の差異のおもなる点を申し上げますと
 第一に、これらの医療関係者の素質の向上をはかるために、免許を受けることのできる者の資格を相当程度高めたことであります。すなわち現行規則によりますと、免許は都道府縣知事の指定した学校もしくは講習所を卒業した者、または都道府縣知事の行う試驗に合格した者に対して、都道府縣知事がこれを與えることになつており、しかもその学校試驗等の内容も必ずしも滿足すべきものでなく、比較的程度の低いものであつたのであります。本法案においては、看護婦を甲種乙種に分け、甲種看護婦、保健婦及び助産婦についてはいずれも文部大臣または厚生大臣の指定した新制大学程度の学校または養成所を卒業した上、さらにそれぞれの國家試驗を受け、これに合格した者に対し厚生大臣が免許を與えることとしたのであります。また乙種看護婦については、文部大臣または厚生大臣の指定したほぼ新制高等学校程度の学校または養成所を卒業した上、さらに都道府縣知事の行う試驗に合格した者に対し都道府縣知事が免許を與えることとしておるのであります。
 第二に、これらの者の業務の内容でありますが、保健婦助産婦及び甲種看護婦については、それぞれ從來の保健婦、助産婦及び看護婦と実質的には何ら変りはないのでありますが、新たに助産婦は当然に甲種看護婦の業務をなすことができることとし、乙種看護婦については、甲種看護婦に比し業務の内容を制限いたすことといたしたのであります。
 以上が三法案の内容の大要でありますが、何とぞ愼重御審議の上、可決せられんことを希望いたします。
 続いて歯科衞生士法案の提案の理由を御説明いたします。
 わが國民の多数が歯科及び口腔疾患のためにその健康を害われていることは御承知の通りでありまして、歯牙疾患の一つである、むし歯を例にとりましても、世界各國との比較において、わが國にはこれを有する者の数が特に多い実情にあるのであります。
 かような現状を打開し、國民のすべてが健康な歯をもち、かつ口腔疾患から免れるためには、歯科医学の発達による治療面からする措置が必要であることはもちろんでありますが、疾患の治療と予防とは常に並行して行われなければその効果は十分でないのでありまして、歯科疾患の予防については、今日までのところ十分積極的な措置が講ぜられていなかつたのであります。この意味において歯科医師との緊密な連繋のもとに、もつぱら歯科及び口腔の疾患の予防処置をなすことを業とする者の資格を定め、これを普及させることによつて歯科疾患の予防及び口腔衞生の向上をはかる必要があると考えられるのであります。これがその法律案を提出する理由であります。
 以下その内容の大略を申し上げますと、第一に、歯科衞生士になろうとする者は、都道府縣知事の免許を受けなければならないこととし、免許は、文部大臣または厚生大臣の指定した学校、養成所等を卒業した者であつて、さらに厚生大臣の行う歯科衞生試驗に合格した者に対してこれを與えることとしております。これはいやしくも口腔疾患の予防等の処置に関する業務に從事する者は、一定の学術技能を有しなければ衞生上危害を生ずるおそれがあるからであります。第二に、歯科衞生士の業務は、歯石の除去、予防のための藥剤の塗布等、予防上の一定の措置のみに限られ、しかもその業務を行うにあたつては、歯科医師の直接の指導下においてすることを要し、独立してはその業務をなし得ないことにしております。これは治療と予防との一体的運営をはかることが必要でもあり、また歯科衞生士が單独で処置をすることによつて衞生上の危害を生ずるようなおそれのある場合が考えられるからであります。
 以上が本法案の内容の大要でありますが、本法案の成立は今後のわが國における歯牙疾患の予防に相当大きな役割を果すことを期待いたしておるのであります。何とぞ愼重御審議の上可決されんことを希望いたす次第であります。
#22
○山崎委員長 それでは先ほど発言を許しておきました有田委員の発言を求めます。
#23
○有田委員 ホルモン・パスターの課税の件でありますが、御存じの通りに、皮膚医学、並びにホルモン医学は相当進歩いたしておるのでありまして、その面におきまして、ホルモン・パスターというものが市場に出ておるのであります。しかるところ政府当局はこれに対して化粧品と同じように、一率に五割の課税をすることに方針が決定になつたやに私どもは聞いておるのでありますが、その例をあげますと、化粧品のクリームはマル公が三十円でありまして、これの五割の課税はすなわち十五円でありまして、四十五円であります。しかるにホルモン・パスターの方は最高のマル公が百二十円、從つてこの五割で、課税が六十円かかりまして百八十円ということになるのであります。從つてこういう面からいきまして、ホルモン方面の医学、あるいは皮膚方面の医学の進歩を妨げるものとかように私は考えるものであります。厚生当局といたしましては、医藥品の面と化粧品の面にどういう方法によつて一線を画しておるか、またこの課税の点につきましても、厚生省としてはどういう御方針であるか承りたいと思います。
#24
○慶松説明員 ホルモン・パスターという仰せでございますが、それは大部分が女性ホルモンを含有したパスターのことであると存じます。これは大体におきまして卵巣の機能がなかつたり、あるいは不十分である場合に、このものを皮膚に塗擦することによりまして、それをだんだん続けてまいりますと、女性ホルモンが皮膚面から吸收されまして、これらの原因によりまして種々の症状を治す作用があります。そうして場合によつては、皮膚に塗擦する方法の方が内服いたしますよりもよい場合がございます。しかしながらこういうパスターは化粧品とはなはだまぎれやすい点があります。それで厚生省といたしましては、これの製剤につきましては、殊にこういう製剤で女性ホルモンの効果を標榜しておりますものの取扱いは、大体次に申しますような基準によりまして医藥品として取扱つてまいつておるのでございます。すなわち、まず御存知の通りに、現在医藥品の製造は許可になつておりますので、その許可をいたします基準といたしましては、こういうパスター製品一グラムの中に女性ホルモンが一千國際單位以上含有していること。第二の点でその用法、あるいは使います量、あるいは効能の記載というようなもの、あるいはそのレッテル等が化粧品とまぎらわしくないようにするということ。それからそのほかの点といたしましては、女性ホルモンが現在あまり生産量が多くございませんので、その入手その他につきまして十分精査いたしまして、許可をいたしておる状態でございます。
 次に販賣につきましては、これも容器とかあるいは包装等は化粧品とまぎらわしくないようにする。現行藥事法第二十七條の規定によりまして、内容のいかなるものがはいつておるかという公示を嚴守した次第であります。それから廣告とかあるいは宣傳等は化粧品とまぎらわしくないようにいたしておりまして、これらの品は藥事法によります藥品でございますので、医藥品の販賣業者に限つて販賣さしておりまして、医藥品の販賣業者でないもの、すなわち一般の化粧品の販賣店等での販賣は行わないようにいたしております。
 最後にこれらに対しまする監督の方法といたしましては、必要と認めましたときは製品の檢査を行うほかに、販賣者につきましても十分な指導、監督をいたしまして、本品の取扱いにつきまして、万遺憾なきを期しておる次第でございます。なお次に課税の点につきまして、当省側の希望といたしましては、これがはつきり医藥品でございまして、しかもまた実際必要な面がございます。ただいま申しましたような取扱いをいたしておりますので、原則的に申しますならば、課税の対象にされることは避けていただきたい。こう考えておる次第でございます。
#25
○有田委員 厚生省の御方針は大体了承したのでありますが、物價廳の方でこういう課税が妥当であるかどうかという点につきまして、小森説明員の御説明を承りたいと思います。
#26
○小森説明員 簡單に御説明いたします。先ほどお話のうちの普通クリームが三十円で、五割の課税をしますと四十五円になるというお話でございましたが、これはただいまのところは八割の税込みで三十円なのであります。その点ちよつとお話に行き違いがございましたので訂正いたします。
 それから全般的な問題でございますが、化粧品と医藥品との取扱いの区別につきましては、物價應では次長の名前をもちまして、本年三月二十三日にその取扱い方を各地方長官並びに地方の物價事務局長あてに出しております。それによりますと、医藥品または医藥部外品として製造発賣されたものであつても、実質化粧の用に供せられるものであつて、しかも医藥品としてマル公の設定していないものは、すべて化粧品として扱うということになつておりますので、ホルモン・クリームといえども、化粧品と認められるものは、ただいまの税込み三十円で処理してまいつたのであります。ところがその内容につきましては、もちろん一般医藥品と同樣相当價格が高くなりますので、この取扱いにつきましては大藏省と打合せの上、近く價格を改訂いたしたいと考えております。ただいまのお話につきましては、以上で大体説明が終ると思うのでありますが、なお私の方といたしましては、厚生省が医藥品として許可したが、あるいは部外品として許可したが、あるいは化粧品として扱つておるかということに關係なく、大藏省と同樣な歩調で、一般國民が化粧の用に供しておるか、あるいは医藥品として用いておるかによつてそれぞれ價格をきめたいと思います。以上であります。
#27
○有田委員 ただいま物價廳の方針を承つたのでありますが、先刻私が申しましたように、皮膚医学並びにホルモン医学の建前から、厚生省としては一つの方針をとつてやつておる。これに対してやはり私どもから考えますと、厚生省も大藏省も政府の一部でありまして、政府が医藥品として、それらの医学の進歩のために一つの方針を立ててやつておるのでありますから、その課税についても厚生省の意のあるところを十分体して課税せらるべきであると私どもは考えますが、大藏省の御方針を承りたいのであります。
#28
○原政府委員 お答えいたします。この問題につきましては、結局税法の適用の態度といたしましては、対象となる女性ホルモン含有の膠剤が社会通念において化粧品であるか、医藥品であるかという点の判断にかかつてまいると思います。現在までの状況においては、われわれの見解においては化粧品であるということで、化粧品として課税してまいつております。先ほどからお話が出ておるようでありますが、今回これを一定の規格を定め、それから包装等も特殊なものにして、監督を嚴重にして医藥品にされるというような厚生省の御方針のようであります。これがただいま申しますように、社会通念としてはつきり医藥品になりました暁においては、医藥品として課税しない扱いにいたすということにしたしたい。要はその辺の実際上の判定の問題に相なると思います。これはそういう意味におきまして、今後の実際上の発展をよく檢討して、ただいまの態度をもつて可否を決定いたしたいと考えております。
#29
○有田委員 大藏省の御方針もよくわかつたのでありますが、大藏省と厚生省におきまして、どうかこの点の連絡を十分おつけになりまして、そうしてホルモン医学並びに皮膚医学の進歩のために御協力あらんことを希望いたしまして、私の質問を終る次第であります。
#30
○山崎委員長 ちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#31
○山崎委員長 速記を願います。
    ―――――――――――――
#32
○山崎委員長 次に國家公務員共済組合法を議題といたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○山崎委員長 御異議なければ政府の提案理由の説明を求めます。荒木政府委員。
#34
○荒木政府委員 ただいま議題となりました國定公務員共済組合法案に関する提案理由を御説明申上げます。
 まず初めに申し上げねばなりませんのは、現行の政府職員共済組合令は、昭和二十三年法律第七十二号によりまして暫定的に法律たる効力を認められておりますが、近くその期限が満了いたしますので、新たに共済組合の組織とかその活動とかを律します統一的な法律を制定する必要が生じまして、ここに從來の根拠法規を統一して國家公務員共済組合法を制定することといたした次第であります。
 まず國家公務員共済組合法の内容についてでありますが、大別いたしますと大体四点ぐらいになるかと考えられます。その第一点は、組合の人格及び運営に関する点であります。すなわちこの法律におきましては共済組合を法人といたしまして権利、義務の帰属を明確ならしめ、各省各廳の長がその組合を代表し、その事業を執行することにいたしました。これらの各省各廳の長は、この法律に基いて運営の準則とも申すべき運営規則によりまして、共済組合の運営を行うことになつております。
 第二点は、組合の運営機構において、その民主的運営をはかるために運営審議会の制度を設けまして、組合員をしてその運営に参加させる方法を講じまとすとともに、また給付の決定とか掛金の徴收とかにつきまして異議がある組合員の苦情を処理するために、大藏省及び各現業廳に共済組合審査会を設けました点でございます。運営審議会はその委員を組合員の代表者から選びまして、運営規則の制定改廃とか、重大な財産上の処分とか、その他重要事項を審議し、種々各省各廳の長の諮問に應じまた建議できるのであります。また共済組合審査会は組合員を代表する委員、政府を代表する委員、公益を代表する委員各同数からなる審査委員により構成せられまして、苦情の公正な処理をはかることになつております。
 第三点は組合の行います給付についてでありますが、その從來のものと比較し、改正された点の大略を申し上げますと、第一に健康保險給付に相当する給付につきましては、健康保險法改正案と実質的権衡をはかるため給付を増額いたしました。第二に退職給付、癈疾給付、遺族給付につきましては、現在までは終戰前の俸給程度のものを基準俸給といたしておりますのを、退職当時現に受ける俸給に改めました。
 第三に弔慰金、家族弔慰金の給付でありますが、これは現在鉄道共済組合のみに行われているのでありますが、これを他の組合にも一律に行わしめることにいたしますとともに、災害見舞金を以前より若干増額いたしました。
 第四は休業給付を設けまして、法定のやむをえない欠勤の場合に、俸給に代る手当を支給することにいたしました。組合の給付につきましては、現在はその種類や額が組合により異なつておるのでありますが、この法律によりまして、公務員は組合から統一した給付を受けられることになつたのであります。
 次に申し上げますのは國庫負担金でありますが、これは民間の社会保險と権衡をとりまして、短期給付については五割、長期給付については五割五分をそれぞれ國庫が負担するとともに、組合の事務に要する費用は國庫が全額負担することになつておりまして、これに要します財源はすでに本年度予算に計上せられ、御審議を願つております。
 以上申し述べました点のほか、特に附け加えて申し上げなければなりませんのは、地方職員の取扱いでございます。すなわちこの法律におきまして共済組合の組合員となりますのは「國に使用せられ、國庫から報酬を受けます常時勤務の職員」でありますが、地方職員でも從來共済組合に加入しておりました系統の職員は、地方公共團体におきまして、これに代る施設ができますまでは、この法律によります共済組合の組合員となることにいたしました。
 また恩給法との関係でありますが、この法律に規定いたします給付は、國に使用せられ國庫から報酬を受ける全職員に対し行うことを原則といたしますが、現在恩給法の適用を受ける公務員及び準公務員並びに非現業の雇傭人につきましては、当分の間、退職給付、癈疾給付及び遺族給付等の長期給付はこれを行わないことといたしておりますが、このうち恩給法の適用を受けます公務員及び準公務員につきましては、恩給法改正の際考慮することとなつておりまして、さらに非現業雇傭人につきましては本年度中に成案を得て実施に移したいと考えております。何とぞ御審議の上速やかに御賛成あらんことを御願い申し上げます。
#35
○山崎委員長 暫時休憩いたします。
    午後二時五十七分休憩
    ――――◇―――――
    午後三時二十七分開議
#36
○山崎委員長 休憩前に引続いて開会いたします。
 藥事法案を議題といたします。討論にはいるのでありますが、討論は通告順にこれを許します。有田委員。
#37
○有田委員 ただいま議題となりました藥事法案について、民主自由党を代表いたしまして、各派共同一致の修正案を提出いたします。
第六條の第二項
  「前項の免許証は、厚生大臣の定める手数料を納めて、毎年十二月三十一日までに、その更新を受けなければ、その効力を失う。」
という項に対しまして、
  「前項の免許証は、省令の定めるところにより、毎年十二月三十一日までに、免許を受けた藥剤師の住所地を管轄する都道府縣知事を経て、厚生大臣の登録による更新を受けなければ、その効力を失う。」
と訂正いたすのであります。さらに第十三條の第二項、
  「学説、試驗には、左の課目を含むものとする。
    数学
    物理学
    化学
    藥用植物学
    生藥学
    製藥化学
    衞生化学
藥事に関する法規(藥局法を含む。)以上を削りまして、
  「藥剤師國家試驗は、省令の定めるところにより、藥剤師として具有すべき知識及び技能について、これを行う。」
と訂正するものであります。さらに第三項を消して、
  「学説試驗に合格したものでなければ、実地試驗を受けることができない。」
と訂正するのでございます。さらに第四項はこれを全然抹殺するのであります。さらに第七十五條の次に第七十六條を新しく設けまして、
 第七十六條 旧法の規定により藥剤師免許を受けることができるものであつて、やむを得ない理由により、この法律施行の日までに、免許を受けることができなかつたもの、又は旧法の規定により單に未成年であるの故をもつて、藥剤師免許を受けることができなかつたもので、この法律施行の後、成年に達したものに対しては、第三條第二項の規定にかかわらず、厚生大臣は、藥剤師免許を與えることができる。
かように修正をするものであります。
 さらに民主自由党を代表いたしまして、一言厚生当局にお願いいたしたいことは、第四十一條の厚生大條の指定するズルファミン、あるいはペニシリンにつきまして、厚生当局としましては、國民大衆の敗戰後における経済能力その他を十分お考えの上、この運営に万遺憾のないように御処置ありたい。かように希望するのであります。さらにこの修正案を含めまして本藥事法案に賛成するものであります。
#38
○山崎委員長 次に田中委員。
#39
○田中(松)委員 日本社会党を代表いたしまして、本法案に対する意見を申し述べます。多くの意見をもつておりますが、それはすでに質疑應答に際して詳しく申し述べて、それぞれ政府当局の意見を伺つておりますが、ともするというと、ここで審議するときに答弁されたことが、後日施行さるるときにあたつては、どうも軽視されるおそれが少くないのでございます。この案件は、実に國民の医療上における重大なる関連をもつ法案でございまするから、どうぞあの節言明されましたようなことを、実施の面について確実に実行されるように希望する次第であります。
 次にこれは日本社会党だけの意見ではございません。できれば附帶決議をつけたいとまで考えておつた案件でございまするが、政府当局は医藥分業が本來の建前である、こういう意見を述べられましたが、しかしその医藥分業ということを自然発生的に任しておりますと、百年経つてもいわゆる理想とする医藥分業というところに達することができないと思うのであります。でありますから、政府は速やかなる機会において、医藥分業の徹底をはかるように、積極的に努力をしてもらうこと、次いで医師法、歯科医師法あるいは歯科衞生士法、保健婦助産婦看護婦法というような独立の身分法ができようとしておるときに、同じような立場に立つておる藥剤師だけが身分法がないということは、何としても私ども納得のできないところでございます。政府は藥剤師の身分法に関しましても、歯科医師法、医師法その他関連の法律と同樣に單独なる藥剤師法を近き將來において提案されるよう努力せられたい。以上を切に希望いたしまして、修正を含む本案に賛成するものであります。
#40
○山崎委員長 次に武田委員。
#41
○武田委員 民主党を代表いたしまして修正を含む本案に賛成いたします。
#42
○山崎委員長 次に榊原委員。
#43
○榊原(亨)委員 私は日本自由党を代表いたしまして、ただいま有田委員の御提案になりました修正案に賛成するものであります。なおこの際希望を述べておきたいと思いますが、ズルファミン系藥剤、あるいはペニシリン等厚生大臣が指定されるものの範囲につきましては、たびたび政府が言明されましたように、藥事委員会によつて決定せられるということでございますが、この藥事委員会の運営にあたりましても、正しい民衆の希望と同時に科学的立場に立ちまして、そして常に正当なる立場並びに嚴正中立の立場に立ちまして、藥事委員会におきましてこれらの藥剤を指定されることを希望する次第でございます。なお藥剤師の身分法たる藥剤師法の制定に対しましては田中委員が言われましたように、私どもも一日も早くこれらの法案が提出されることを望んでおる次第であります。
 最後に、もう一つは、藥の小賣業者の中には、引揚同胞その他のごく零細なる資本をもつている方々が多いのでございまして、それらの指定にあたりましても、特別なる親心をもつてこの法案の完全なる運用をしていただきたいということを希望するものであります。
#44
○山崎委員長 これにて討論は終局いたしました。採決にはいります。有田二郎君より提案いたされました各派共同一致の修正案について採決をいたしたいと存じます。本修正案を可決いたすことに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#45
○山崎委員長 起立総員、よつて本修正案は可決いたしました。
 次に本修正部分を除いた他の部分を原案通り可決いたすことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。これにて本案は修正議決いたされました次第でございます。
 なお議長に提出いたします報告書の作成に関しましては、委員長に一任していただきたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#47
○山崎委員長 御異議なければさよう取計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後三時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト