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2016/04/21 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 内閣委員会 第12号
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2016/04/21 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 内閣委員会 第12号

#1
第190回国会 内閣委員会 第12号
平成二十八年四月二十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     宮本 周司君     世耕 弘成君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     岡田  広君     吉川ゆうみ君
     酒井 庸行君     島田 三郎君
     世耕 弘成君     山下 雄平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         神本美恵子君
    理 事
                井上 義行君
                上月 良祐君
                相原久美子君
                山下 芳生君
    委 員
                石井 準一君
                岸  宏一君
                山東 昭子君
                島田 三郎君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                山下 雄平君
                吉川ゆうみ君
                風間 直樹君
                藤本 祐司君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                江口 克彦君
                山田 太郎君
                山本 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   参考人
       恵泉女学園大学
       学長
       NPO法人あい
       ・ぽーとステー
       ション代表理事  大日向雅美君
       国立大学法人横
       浜国立大学大学
       院国際社会科学
       研究院准教授   相馬 直子君
       京都華頂大学現
       代家政学部教授  藤井 伸生君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○内閣の重要政策及び警察等に関する調査
 (子ども・子育て支援等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、宮本周司さん、岡田広さん及び酒井庸行さんが委員を辞任され、その補欠として山下雄平さん、吉川ゆうみさん及び島田三郎さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(神本美恵子君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のうち、子ども・子育て支援等に関する件を議題といたします。
 本日は、本件について、三名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介いたします。
 恵泉女学園大学学長・NPO法人あい・ぽーとステーション代表理事大日向雅美さんでございます。
 国立大学法人横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授相馬直子さんでございます。
 京都華頂大学現代家政学部教授藤井伸生さんでございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、大日向参考人、相馬参考人、藤井参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと思います。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人及び質疑者ともに御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず大日向参考人にお願いいたします。大日向参考人。
#4
○参考人(大日向雅美君) 恵泉女学園大学の大日向と申します。
 本日は、保育、子育て支援等に関して意見陳述の機会をいただきましたことを感謝申し上げます。
 保育問題、中でも待機児問題は、子育て中の親にとってまさに今解決してほしい問題であり、可及的速やかな対策が求められています。今般厚生労働省から打ち出された施策は、待機児解消に向けた緊急施策としてまとめられたものと認識しております。
 私は、子供の発達、子育て支援、女性と家族の問題などを専門としておりますが、保育問題はそのいずれにとっても要でして、保育の質の維持向上を図ることは議論の余地のないことでございます。その一方で、現に今子供の預け先に困っている親をどう救済するかという問題に直面しているのが実態だと思います。単に保育園を増やせば済む問題ではなく、これまでの子育て支援施策の経緯に基づいて、企業や地域社会の在り方全体も視野に入れた根本的な対策が必要と考えます。
 まず、国はこれまで待機児対策に何もしてこなかったわけではありません。九〇年の一・五七ショックを契機として、今日までの四半世紀余り、様々に試行錯誤を重ねています。この間には政権交代もありましたが、待機児対策、子育て支援に関してはその基本的方向性はぶれることなく貫いていただいてきたと思っております。
 その結果、受入れ枠は飛躍的に増加しています。二〇一五年度は、保育所と幼保連携型認定こども園で前年比約十三万九千人の増、新制度によって地域型保育事業に位置付けられた小規模保育や家庭的保育なども入れれば約十九万六千人の増です。それでも待機児童は二〇一五年四月で二万三千百六十七人、前年四月比で千七百九十六人の増加です。
 受入れ枠を増やしてもなぜ待機児は減らないのか。まず、待機児童の定義が変わったことです。保育所入所基準を従来の保育に欠けるから保育の必要な児童として、パートタイムの方、求職中の方、祖父母同居の方も含めて対象を拡大いたしました。ライフスタイルの多様化の一方で、出産後も働き続けたい、子育てが一段落した後できるだけ早く復職したいといった希望も増えている昨今です。女性の経済的自立と社会貢献はこれからの日本社会にとって重要ですので、保育を必要とする対象を拡大したことは適切と考えております。
 しかし、待機児問題は決して全国共通の問題でないことも事実です。七割強は都市部に集中しています。全国的には受入れ枠二百五十三万人に対して利用児童は二百三十七万人です。二〇一五年現在、定員割れを起こしている市町村は六百二十八あります。首都圏でも立地によっては定員割れを起こしているところもあります。待機児を抱える自治体は、需要と供給のアンバランスにも配慮して主体的な取組が不可欠だと思います。
 もう一つの問題は、多様な働き方が認められていないことです。そこに、保育所入所のために無理をして育児休業を切り上げることで、更に多様な働き方が阻害されるという悪循環も生じています。
 こういう状況に対して何をすべきか。認可保育園をつくれる自治体は是非つくっていただきたいと思います。しかし、都市部では土地の確保や建設費用などを考え、その即効的な実現可能性に疑問も禁じ得ないのは残念ながら事実です。むしろ、私は、既存施設の活用と地域の実態に即した、小回りの利く、質を担保した多様な保育を増やすことだと考えております。
 既存施設の活用としては、幼稚園の認定こども園化の促進が必要だと思います。新制度の前身の新システムのとき、私は、全ての保育園が三年以内に、幼稚園も可能な限り速やかに、幼保一体の総合施設に移行することを提案いたしました。昨年四月時点で、約二千八百の認定こども園のうち幼稚園由来の認定こども園は約千五百施設です。幼稚園は、認定こども園化のほかに預かり保育の充実などで待機児の受入れに一定の役割を担ってくださっています。
 今からでも遅くないと思います。園の御判断もあるかと思いますが、都市部の幼稚園で余裕のあるところは、認定こども園となること、そして一時預かり事業を活用することで、保育を必要とする子供の受入れに更に積極的に協力していただきたいと思っております。
 こうした幼保一体化の推進は待機児対策だけではありません。親の就労の有無にかかわらず、学校教育法上の幼児教育と保育を一体で受けられる環境を整備することでして、それがかなえば親も安心して働けるということです。
 次に、新制度では小規模保育や家庭的保育を地域型保育事業に組み入れてその充実を図っておりますが、その一層の注力を求めたいと思います。待機児の多くはゼロ歳から二歳までです。この年齢では少人数できめ細やかな保育を受けることが大切です。単なる対症療法的な待機児対策ではない意義があると思います。そのためにも、質の確保にはくれぐれも留意をお願いしたいと思います。小規模保育で三歳以上の子供の保育を行ったり人数枠を拡大することは、子供の行動範囲や行動量の観点から本来はあるべき姿ではないと思います。むしろ連携園の確保に注力をお願いしたいと思います。
 また、地域の実情に即した保育の整備には子育て世代の親のニーズをきめ細やかに把握することも大切です。例えば、一歳まではうちで育てたい、週三日、短時間勤務がしたいなど、必ずしも全ての親が全日保育を希望しているとは限らないのです。多様な保育ニーズを的確に把握するためには、新制度で発足した利用者支援事業、子育てコーディネーターや保育コンシェルジュの育成と配置に一層注力していただきたいと願っております。
 次に、待機児対策には保育を担う人材の確保も大きな課題です。保育士等の処遇改善の必要性は言うまでもありません。
 私は若い頃、十一年余り保育専門学校に勤務した経験があります。学生たちが保育に夢を持って就職しても長く勤められない現実を見てきました。特に男性保育士は、お給料が低くて結婚できないからといってほかの職種に就職することが少なくなかったのです。三十年近くも前のことですが、その状況は今も余り変わっていないことに愕然とする思いでおります。
 ここ二、三年、保育士等の給与アップ一応なされています。公務員給与改定に対応した公定価格の単価アップが、平成二十六年度はプラス二%、二十七年度プラス一・九%。また、二十七年度に平均三%の処遇改善も行われていますが、これで十分でないことは言うまでもありません。
 しかし、保育士不足はお給料の低さだけが原因ではないと思います。親の就労に合わせて保育時間がどんどん長時間化し、また発達上留意が必要な子供、親のクレーム対応も増えているなど、保育士の勤務状況は厳しくなっています。勤務年数も短く、職員構成が若年層に偏っていてOJT的機能が働かないために、保育の喜びを現場で深めることが難しくなっていることも実態です。
 給与、職場の環境改善は、保育士の定着、確保に関わります。そのためには、新制度施行後もあと三千億円必要とされていますが、その確保が決まっていません。是非とも恒久財源確保に頑張っていただきたいと思っております。
 こうして待機児対策に財源確保の必要性は言うまでもないことでございますが、同時に、公費の投入増は国民の負担増も避けられないという覚悟も必要ではないかと思います。子育て支援は社会にとって決してコストではない、むしろ未来への投資です。その未来への投資、国、行政府だけに任せて解決できるのか。国民、市民との協働体制をいかに確かなものとするかも重要だということは、長年私はNPO活動で地域の子育て支援に携わってまいりました者としての実感でございます。
 まず、企業に対してです。少子化は企業にとっても深刻な影響が及びます。仕事と家庭の両立の推進は言うまでもありませんが、この度、子ども・子育て支援法の一部改正として、事業主拠出金制度を拡充して最大五万人の保育の受皿の整備がなされたことは評価したいと考えます。そこでは、自社従業員の子供だけでなく地域の子供にも枠を広げることで、企業市民としての在り方も是非御検討いただきたいと思います。
 また、基礎自治体と住民の協働体制の推進も今後の課題です。例えば、多様な保育ニーズに応えるために、保育士だけに頼るのではなくて地域の人々の活用も検討すべきです。具体的には、子育て、職業経験、人生経験豊かな中高年男女の活躍です。もちろん、幼い命に関わる仕事ですので、乳幼児の発達、保育、子育てへの理解、親や家族への支援に関して十分な知識と技術を習得する研修を大前提とすることは言うまでもありません。
 私が代表理事を務めておりますNPO法人あい・ぽーとステーションでは、二〇〇四年から地域の人材養成に取り組み、既に港区、千代田区、浦安市、戸田市、高浜市で千六百人余りの認定者が誕生し、施設内の一時保育、訪問型保育、子育てひろばの見守り、子育てコーディネーター等で活躍しています。昨年度から厚生労働省の子育て支援員研修制度がスタートいたしました。こうした地域住民の相互扶助システムが全国に展開し、実を結ぶことを期待しております。
 最後に、今回のブログをきっかけに若い世代がやっと声を上げました。政治はそれに応える番です。国や自治体は、待機児対策、保育士不足に全力で取り組んでいただきたいと思います。ただ、それを行政府に求めるだけでなく、市民にもできることはないかを共に考える、そんな市民力の育成も必要だと思っております。
 子供の声が騒音だといって保育園建設を阻んだり、公園で子供が声を上げて遊ぶことを禁止させるような国民の意識をどう変えていけるんだろうか。待機児対策、確かに喫緊課題です。しかし、少子高齢化の中で社会保障費確保も厳しい今日、全国的には、過疎や人口減少地域に住む子供の問題、子供の貧困対策、学童期の放課後対策、虐待や要保護児童対策、被災地の親子の方々への支援等々、課題も山積しています。
 新制度は、九〇年の一・五七ショック以来四半世紀にわたって、全ての子供と子育て世代を社会全体で支援することを目指して、超党派の議論と試行錯誤を重ねていただいた集大成です。子供がいるいない、子育て中か否かを問わず、子育て支援に全ての国民が理解と協力を惜しまないコンセンサスをいかにつくれるか。仮に国や自治体だけではできないことがあるとすれば、それを率直かつ真摯に説明し、国民に求める努力もまた避けてはならないと考えております。そのためにも、どうか子育て支援に今後とも先生方が超党派で取り組んでくださることを心から願っております。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(神本美恵子君) ありがとうございました。
 次に、相馬参考人にお願いいたします。相馬参考人。
#6
○参考人(相馬直子君) 本日はよろしくお願いいたします。
 「ダブルケア(ケアの複合化)時代における子ども・子育て政策」というタイトルで意見陳述させていただきます。
 まず、ダブルケア、ケアの複合化とは何か。私ども、狭義と広義の意味でダブルケアという言葉を用いています。
 狭義の意味では、育児と介護の同時進行下におけるケア負担、ケア責任、ニーズの複合化と複合的課題ということを意味します。これは、二〇一二年度から科研費による東アジアの共同研究から分析概念として出発をして、今使っているものです。育児と介護の同時進行における実態やその構造、世代内、世代間のケア複合化を問題化するために概念化した言葉でございます。
 一方、広義の意味として、家族や親族など親密な関係下の複数のケア関係におけるケア責任、負担、ニーズの複合化と複合的課題という意味でも発展させて用いています。夫のケア、自分のケア、障害を持つ兄弟のケアと介護、非正規シングルと親のケア、障害を持つ成人と親のケア、多文化家庭におけるケア関係、今ダブルだけではない実態、トリプルケアといった現状もございます。育児と介護の同時進行を始めとするケアの複合化問題、それをダブルケアとして問うていくことが求められていると考えます。
 さて、この研究をしておりますと、昔からダブルケアはあったから何が問題なのかという御批判をいただきます。もちろん、ダブルケアという言葉がなかった時代も家族や親族の中には複合的なケアは存在していました。男性稼ぎ主型家族の中で、家族が、嫁がダブルケア責任を果たすのが当たり前という規範、それを前提とした制度状況がございました。しかし、現在、家族、親族、地域関係の変化、介護保険制度、子育て支援制度下の状況であり、男性稼ぎ主型雇用が劣化する中で、もはや男性稼ぎ主型家族のダブルケアは終えんしています。
 では、なぜ今ケアの複合化が生じているのか、問題なのか。
 その構造的な要因の一つ目が人口学的要因です。少子化、高齢化の同時進行、具体的には晩婚化、晩産化、高齢化の同時進行により育児と介護というライフイベントのタイムスパンが短縮し、両者の重複可能性が高まっています。量的側面から見ますと、二〇二五年問題は団塊世代の介護と団塊ジュニア世代の育児が、二〇五〇年問題として団塊ジュニア世代の介護と未来世代の育児のダブルケア問題が挙げられます。
 二点目として、労働市場の構造要因です。雇用の質の劣化により、非正規化、非正規共働きの増大。若年層の非正規化、ニート問題は、これは親の子育て責任の長期化につながります。ホームヘルパーが介護に入ったら引きこもりの子供がいたという話もよく聞くケースです。
 また、女性の就業率の上昇によって団塊世代は、介護、孫支援、あるいは子育てと仕事の両立、団塊ジュニア世代以降は子育て、介護、仕事というケアの複合化と仕事の両立問題が発生しています。男性の長時間労働、ケアと仕事の両立困難な実態があり、出産・育児離職、介護離職が問題となっていますが、両者は蓋を開けてみるとダブルケア離職と言うべき実態ももしかしたらあるかもしれません。
 三点目は、地域・親族ネットワークの縮小と家族機能の変容です。頼れる親族、近所の知り合いがいない、兄弟数の減少により介護や育児を分担できるネットワークの不在という状況がございます。
 四点目としては、縦割り制度の構造要因です。子育て、介護の縦割り制度設計の死角問題としてダブルケア問題は考えられます。
 現在、二つの包括、地域包括支援センター、子育て世代包括支援センターがあり、縦割りの改善はまさに模索途上です。また、専門分化した事業の総合化が求められ、生活困窮、自立支援制度などが始まり、各地域で取組が進行している途上でございます。ただ、介護、子育て両制度が縦割りで領域横断的でないことにより、制度からこぼれ落ちるダブルケアラーが一定数存在していることが私たちの共同研究から明らかになってきました。ダブルケアラーの複合的負担、孤立という状況です。
 では、ケアの複合化、何が問題なのかというところに移らせていただきます。
 第一は、雇用機会の喪失、またダブルケアと仕事の両立困難により、生活困窮ダブルケア世帯の増大、労働からの排除という問題が指摘できます。
 次に、ケア責任、負担の複合化です。一足す一が二ではなく、一足す一が三以上という実態がございます。孤立したダブルケアラーの存在、これは社会関係からの排除につながっています。
 さらに、複合化するケア課題に柔軟かつスピーディーに対応が難しい縦割り制度の限界が顕在化していることも否定できません。
 介護費が次世代の人的資本投資を抑制している状況がございます。既にマクロな次元で社会保障費の世代間格差が存在しているという意味で、介護費用が次世代の人的資本投資を抑制しています。しかし、ダブルケア世帯でのミクロな次元でも、学資保険を解約して介護費用に回すなど次世代への投資抑制が発生している実態が浮き彫りになってきました。
 では、こうしたダブルケア、ケアの複合化に対しどう社会で対応していくか。
 まず、複合化するケア、それは課題、ニーズが複雑化しているということです。この複合的な課題を多世代と多主体が協働してどう解いていくかということに懸かっていると考えます。縦割り制度を領域横断的な制度へとしていくために、多世代の当事者と当事者に最も近い支援者たちと一緒に構想、構築していくこと、公民連携、公的部門、社会的連帯経済部門、民間部門の深化が求められること、当事者を真ん中とした多職種連携の深化、そのために多世代、多主体コーディネート人材の発掘、育成が鍵となってくると思います。
 ダブルケアとは、世代間のケア複合化から、その複合的な責任、負担、ニーズの在り方と課題を捉える一つの切り口であり、複数の課題や主体を引き寄せる磁石と考えています。自治型、包摂型、多世代型地域ケアシステム構築へのソーシャルイノベーション、世代間連帯への構想が求められます。
 次に、介護と育児の間の優先順位、交渉過程、役割葛藤の理解が社会的に求められます。
 介護と子育ての異なるニーズを同時に満たすことを要求される、これがダブルケアの特徴です。その中でも、イギリスのブリストル大学の山下順子先生らとともに進めてきた共同研究で注目しましたのは、ダブルケアに従事する人は常に介護と育児とどちらを優先させるのかの選択を迫られ、その優先順位、交渉、葛藤が見られるということです。
 介護と育児の優先順位は、規範、資源、制度によって規定されるのではないかと考えます。規範とは介護や子育ては誰がすべきかという社会的な通念で、私たちの行動や在り方に影響を持ちます。資源とは、友人、親族や地域のネットワーク、あるいは地域におけるサービスの利用可能性などであり、そのような資源の多寡もダブルケアの状況や優先順位に影響しています。そして、制度も中立的ではありません。制度にもそれぞれ意図があり、人々の生活や人生の選択を制限し、時には拡大します。ダブルケア交渉過程において、母、妻、嫁、労働者、娘という多重な役割の中での葛藤があり、常に調停を求められ、思考停止状態の毎日であるといったような声もヒアリング調査から聞かれてきました。
 ダブルケア負担が高まるポイントとして、子供にしわ寄せが行ったときに負担や葛藤が高まる傾向が見えてきました。また、都市部では、保育供給不足のためにもっと介護をしたくても育児に集中せざるを得ず、育児がストレスになることも見られています。介護は身内がすべきだという親族の期待に応え、子育てを優先したいにもかかわらず介護をしているため、負担感が強いことも挙げられます。また、保育所の入所と介護施設入所のダブル待機の問題、私はそこまで介護していないからダブルケアではないという介護規範の問題がダブルケアの実態を更に見えなくさせているというふうに思います。
 では、縦割り制度を領域横断的な制度としていくために、ダブルケア当事者によるニーズ定義、状況定義を踏まえたダブルケア問題の社会的認知がまず求められます。また、各支援領域における支援員の連携、特に利用者支援員、生活支援コーディネーター、自立相談支援事業の相談員という、子ども・子育て新システム、介護保険制度、生活困窮者自立支援制度間での連携の深化が求められます。また、各制度領域間の連携を可能とする情報の統合、各制度間でのダブルケア視点の認知、ダブルケア事例としてのケース分析やケースワーク、縦割り行政を超えた総合的な相談機能、介護施設や保育施設の入所基準をダブルケア視点から見直すという動きも自治体から始まっています。
 市民生活のケアの多様化、複合化を踏まえた政府や自治体によるダブルケア実態の把握の必要性も指摘できます。政府統計として、就業構造基本調査の介護の定義がややもすれば身体的ケア責任に限定されています。また、国民生活基礎調査の実態からは、同居の介護は把握できますが、それ以外の実態の把握には限界がございます。また、中高年縦断調査、途中までは介護と育児と両方聞いていましたが、途中から育児の項目が消えて、団塊世代のダブルケアの実態がもはや縦断調査からは把握できないような状況がございます。そのような背景から、研究者として非常に限定的なサンプル調査を重ねてきた次第です。
 また、ダブルケアしながら働くことが当たり前な雇用環境の整備。第一ステージとして育児と仕事の両立支援、第二ステージとして介護と仕事の両立支援、まさに現在、第二ステージでないでしょうか。ダブルケアは第三ステージ、ケアの複合化と仕事の両立支援を求めるものだと思います。社員のマネジメントにダブルケアの視点を、また育児支援、介護支援と両方充実させている企業を包摂的ケア支援企業として表彰していくことなども検討課題になると思います。
 また、地域雇用対策として、ダブルケアしながら柔軟に働ける雇用の創出、これが今後非常に重要な課題となってくると思います。市民事業の育成のために、地域金融の役割はもっと重要になってくると思います。
 複合的ケア課題に対応する介護労働、保育労働、子育て支援労働の適正評価も大事な課題です。介護職員、保育士の処遇改善、また子育て支援者の処遇改善、特に長時間労働の子育て支援者の方々、ソーシャルイノベーションのまさに担い手です、が一定数おられ、その処遇改善は保育士の処遇改善とともに喫緊の課題だと考えます。また、介護、保育、子育て支援といったケアワークを包括的に捉えたフレームの在り方を考え、社会経済的評価を上げていく、これが非常に根本的な問題だと考えます。
 最後に、育児と介護と仕事。ダブルケアラーの方たちは、子供へのしわ寄せが行くことが最も負担感が高まるポイントです。介護費が子供への投資を抑制する悪循環を是正するために、人生前半の生活保障が求められます。ダブルケア時代において、良質な保育・幼児教育環境の整備、児童手当、児童扶養手当の拡充、OECD最低水準レベルの就学前、高等教育への公的負担の引上げが、ダブルケア時代、より重要性を増しています。
 ダブルケアが負担ではない、人間らしい働き方、生き方が可能な社会を未来世代へ、そのための世代間連帯を進めることが重要だと考えます。
 以上です。
#7
○委員長(神本美恵子君) ありがとうございました。
 次に、藤井参考人にお願いいたします。藤井参考人。
#8
○参考人(藤井伸生君) 失礼いたします。
 お手元に資料が行っているかと思うんですけれども、「「福祉は人なり」といわれるが、その「人」はどう扱われてきているか」というふうに書いたものです。私、十五分間ということでありますので、もうここに書いたものに沿ってお話しさせていただきますので、この資料の方に目を通していただければ有り難いと思っています。
 子ども・子育て支援新制度に関しては、私は様々な問題を含んでいると認識しております。ただ、今日はその人の問題、保育士の問題に焦点を当てて、どのように扱われてきているのか、そしてどういう課題があるかということについて述べさせてもらいたいと思います。
 委員の皆様方においてはもう既に御存じのことが多いかもしれませんけれども、少し今までの制度を振り返ってみたいということで、一番目に、保育士の配置の一九四八年以降の流れを一覧表にしました。
 私は、ある意味この時代は、保育士の配置の拡充路線、保育士をしっかりと配置し、保育の質を高める努力が国においてなされたというふうに考えております。一九四八年において、ゼロ歳、一歳児十対一、子供十人に保育士一人という、当時は保母と呼んでいたと思いますけれども、十対一、二歳以上で三十対一であったわけですけれども、それが年々充実していき、直近では一九九八年、ゼロ歳児三対一、一、二歳児六対一、三歳児二十対一、四歳児以上は三十対一というふうになってきました。
 こういう整備があったんですけれども、しかし保育を担当する市町村レベルにおいては、もっとより良い保育をしていきたいという自治体の意向もあり、各自治体において国基準以上の職員配置をするということをやってきています。例えば八王子市におきましては、一歳児においては六対一でいいところを五対一に基準を上げております。私が住んでおります京都市におきましても、一歳児について五対一、三歳児において十五対一、四歳児二十対一、五歳児は二十五対一というふうに、自治体独自の財源を出し、このような配置基準を整備してきています。完全に調べ切れておりませんけれども、全国の市町村ではこういう努力がたくさんされているというのも実態であろうかと思います。
 こういう中で、保育士の配置の問題につきまして、政府が待機児童解消緊急対策を三月の末に出されておりますけれども、その中で、八王子市とか京都市のように上乗せをしている基準、これを国基準どおりに引き下げて、そこまでのレベルにして子供を入所させるようにという、そういう対策を提起しています。これは私はびっくりしたという思いがとても強いです。保育士の配置について、このような前進をしてきたということがあったことをひっくり返すようなことがあったことに非常に驚きの念を隠せません。
 そして、こういう保育士配置の流れがあったんですけれども、一九九八年において、私は規制緩和路線へ変更というふうに二番目に書きましたけれども、このような職員配置を高め質をより良くしていこうという流れがあったんですけれども、九八年辺りからどうも方向性が変わってきているという認識をしております。
 細かな話ですけれども、九八年におきまして、ここに示された職員配置基準上の保育士さんたち、これにつきまして、例えば一九九八年のところの例として書いておりますけれども、これちょっと分かりやすくするためにこういう単純な式にしていますけれども、百十三人の子供に対して保育士十名であるところを八名でもよいというふうに、要するに短時間保育士を二割まで入れてもいいということにして、常勤を削減してしまうようなものへと変わってきております。二〇〇二年においては、更にこのことが拡充され短時間保育士の導入を、各グループに一名おればよい、ゼロから五歳児まで六組とすれば常勤は六名でよいというふうに変えていき、短時間保育士、結局非正規職員を拡充する方向へと変えてきているということがあります。
 次のページですけれども、さらに二〇一五年度、子ども・子育て支援新制度がスタートしたわけですけれども、ここにおいて公的保育として家庭的保育、小規模保育事業等が位置付けられました。小回りの利く少人数の保育、これは私は否定しませんけれども、この事業において保育士の配置の考え方が大きく変わりました。家庭的保育につきましては研修修了者でよい、小規模については、A型は全員保育士ですけれども、B型は配置基準上二分の一の保育士がおればよい、C型も研修修了者でよい、事業所内保育においては、十九人以下の場合、小規模のA型かあるいはB型を使ってくださいというような基準へと変わってきています。二十人以上のところは、これは保育所と同じ基準が適用されるということで、全員保育士ということになっております。
 ここで見て分かるように、保育士を一〇〇%配置しなくてもいいような基準が設けられ、そういう運用がされているということが私は大きな問題を含んでいると思っています。研修修了者、子育て経験の方を研修してもらって子育て支援員にしていくということでやっているわけですけれども、既に研修が始まっておりまして、私が見させてもらっている中で、子育て支援員という方は三十・五時間の研修を受ける、プラス見学実習が二日という、これで研修修了ということになります。ちなみに、私どもの大学でも養成しておりますけれども、保育士養成というのは、最低二年間大学に在籍し、千二百九十七・五時間の学習をするということになっております。研修修了者と比べて随分大きな開きがある。そういう研修の、私的に言わすと不十分な中での研修修了者をもって保育士に充てていくということは大きな問題を持っているというふうに認識しております。
 そういう中でありながら、今回、今皆さんのところでも議論なさっているかと思うんですけれども、企業主導型保育事業が法律として通過しました。この内容について、まだ細かい運用についてはこれからというふうにも聞いておりますけれども、その中で、ここに書いておりますけれども、人数に関係なく保育士二分の一でオーケーと書いていますのは、企業主導型の保育、事業所内保育と言い換えてもいいんですけれども、今まで事業所内保育においては、二十人以上の場合は認可保育所の基準を当てはめるということで保育士でなければならないというふうになっていました。そこを今回、二十人を超えても小規模保育のB型の基準、保育士は二分の一おればよいという基準に当てはめるという運営案の要綱が示されております。一五年度において保育士の配置を規制緩和したことを更に規制緩和をするという方向性で企業主導型の保育事業が進められようとしていることに大きな矛盾を感じています。
 このように保育士の配置が緩くなっていくということは、三番目に書きましたけれども、子供の命が危ないということを言わざるを得ません。
 最近、内閣府におかれまして保育施設等での事故の件数が発表されました。私はこの事故件数どうなったかということを非常に関心を持っておったんですけれども、今年におきましては発表が何か遅かったみたいで、数日前に発表をされました。
 その数字を見たわけですけれども、ここに少し書いておりまして、全容ではありませんけれども、認可保育所において二件の死亡事故、認可外保育施設において十件の死亡事故が発生しています。認可保育所というのは、基本的に配置基準上は全員保育士を置きなさいということになっています。認可外保育施設というのは、保育士は配置基準上三分の一おればよいということになっております。この保育士の配置基準の緩い認可外保育施設において十件という多くの死亡事故が発生しております。
 認可保育所、認可外保育施設、それぞれの入所児童から換算していきますと、実に認可外保育施設での死亡事故の発生率は認可保育所の六十倍という非常に高い比率になります。やはり保育士の配置が少ないということが残念な事故につながっているということを物語っているのではないかと思っております。そういう見地からしましても、やはり保育士の配置が非常に重要であるということも指摘しておきたいと思います。
 四番目に、保育士の配置において、小規模保育事業等、全員保育士でなくてもよいというものが導入されたわけですけれども、このことについて私は、児童福祉法に抵触しているのではないかという、そういう認識をしております。
 児童福祉法第一条第二項というのは、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。」となっております。「ひとしくその生活を保障され、」、その保育園での生活が保育士以外の人でもよいという扱いはやはり等しい扱いではない、そういう意味で一条二項に抵触しているというふうに言わざるを得ないと私は考えております。法解釈がなされているわけではありませんけれども、一研究者としてこういう見解を持っております。
 やはり今後の保育士整備はとても重要なことであろうかと思いますけれども、保育士の配置をきちんとし、認可保育所を中心に整備する、そして保育士を一〇〇%配置するということが欠かせないと思っています。小規模の保育も、先ほども述べましたけれども、私は否定するものではありませんけれども、認可保育所の設置基準が二十人以上となっております。この基準をある意味下げて、五人でも十人でもいい、そのような認可保育所をつくることも可能でして、そういうことをすれば保育士一〇〇%の制度ができます。こういった点での整備が私はとても重要ではないかということをお伝えしたいと思います。
 このように述べていきますと、お金の問題がどうしても出てこようかと思います。財源をどうするのかということになるわけですけれども、今回、企業主導型保育事業におかれましても、事業主負担の比率というものが増えるということが出てきました。仕事・子育て両立支援事業において、事業主の拠出金、これが今回、標準報酬の〇・一五%であったものを〇・二五%へと上げて財源を確保し、企業主導型保育をやっていくということを聞いております。このことは非常に、企業が一定責任を持って負担をし、経済発展のためにも女性労働力を使うという政府方針にも合致していることで、当然事業主が負担することは私は理にかなっていると思います。
 そういう意味で、こういう拠出金を引き上げたことはいいことではないかなと思ったんですけれども、一方で、新聞報道を見ておりますと、雇用保険の保険料率を一%であるものを〇・八%へと下げました。これで、合わせますと結局両立支援事業の引上げは相殺されてしまうということで、企業にとっての負担は結果的には上がらないということが用意されていたのかなというふうに思いまして、やはりまだ事業主負担をきちんと上げるという方針までなり切れていないというふうに私は思いました。
 子ども・子育て支援新制度、これが政権が替わりながらいろいろ議論をされてきました。当初新システムというふうな言葉で言われ、その後新制度というふうに定着をしていったわけですけれども、新システムとして議論されていたときに、今回も導入されましたけれども、特別会計として、子ども・子育て支援に関するところの特別会計、子ども・子育て勘定というものをつくろうという議論がありました。その中でモデルがフランスの全国家族手当金庫を使われていまして、この内容も紹介されていました。このフランスの手当金庫から見ますと、事業主が歳入総額の五一・四%を負担するという、半分以上事業主が負担をするという仕組みを持っています。そして、賃金の五・四%を事業主が負担をすると。多く事業主が責任を持ってやるんだという中身があるわけですね。
 こういうことを国も資料として出されたということは、事業主負担を何とか増やしたいという意向もあったかと思いまして、このことがより実現することを私は願っていましたけれども、先ほども申しましたように、十分な財源確保を事業主に求めるというところまでは行かずじまいに今なっているのが現状かと思っております。
 新システムとして議論されていたときに、社会全体、国、地方、事業主、個人により必要な費用を負担するという、こういうことが文章でも述べられていました。やはりこのことを誠実に全うしていただきながら、財源確保をし、保育士の配置をしっかりと賄い、命を大事にした保育現場をつくっていただきたいということをお願いして、私の発言を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#9
○委員長(神本美恵子君) ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○二之湯武史君 私は、自民党の二之湯武史と申します。
 今日は本当に、三人の参考人の先生方、お忙しい中、この内閣委員会までお越しをいただきましてありがとうございました。
 私はこの制度の専門家ではありませんので、もう少し基本的な認識とか、そういうようなところのお話を是非お聞きしたいなと思うんですけれども、私もこれ常に考えておりまして、私も幼子が三人おりまして、日々子育てにも追われているところでございますけれども、やはり日本のこの社会というのは、現役世代においてもいわゆる社会満足度というか生活の満足度、国際比較しても大変低いわけですね。特に若年層の未来への見通しというものは、これも諸外国と比べると、若年層が未来に対して希望を持てますか、夢を持てますかと質問すると、非常に低いデータが出てくるわけですね。この戦後七十年、非常に経済は成長して規模も大きくなり、所得という意味でも非常に豊かになり、物もあふれて、そして様々な制度が整ったという一方で、現役世代においての満足度も低いし、これから未来を担っていく人たちの将来への見通しが非常に暗いと。
 こういう基本的な、根本的なことを私も日頃からずっと哲学者のように考えておりまして、制度論というのは非常に専門的な議論になりますし、特に今のこの待機児童の問題というのは非常に短期間でスピード感を持って対応しなければいけない話なので、どうしても量的な議論になってしまいます。何人の受皿を確保するとか、今回の制度も五万人の新しい保育の受皿を企業が拠出金を積んでやると、そういう話なんですけれども、今申し上げたように、例えば負担率という観点でいっても、これやはり、日本の国民って公共サービスの給付とそしてそれに対する負担という感覚がかなりやっぱりギャップがあるというか、それを正しく負担するという覚悟をなかなか持ちにくい社会になっていると、これはもう政治も大きな責任があるわけですけれども。
 よくよく紹介されるように、例えば福祉という観点でいうと北欧のモデルとか言われますよね。しかし、国民負担率は六割ないし七割という水準に達しているわけですけれども、日本は四割にも満たない水準です。それでも満足度という意味では、これは一部のメディアとかで切り取られて、そういう方々だけの報道なり若しくはそういうものが、番組が流されるのかもしれませんけれども、やれデンマークだとかスウェーデンだとかノルウェーだとか、現役世代のお父さんとお母さんが子供を朝保育所に預けて、そして生き生きと働いて、そして三時か四時には帰宅して、お父さんが食事を作って、お母さんがちょっとその日は六時ぐらい遅くなったみたいな、そういうふうな定番型のテレビなんかもよく拝見しますし、そういった意味では負担率は高いのに満足度は高いと。日本の場合は、負担率は低いのに満足度は低いと。
 こういう非常に根本的な状況を考えたときに、一体どこに現在の日本のこの問題の解決の糸口というものですね、制度論とかそういうことではなくて、もう少し今の社会をどう捉えるかというようなお話を是非私は、本当に端的で結構ですので、非常に難しい質問かもしれませんけれども、でも、やはりこういうことが私は大事だと思っていまして、本当に一言ずつで結構でございますので、どんな問題意識を皆さん持たれてこの分野に取り組んでおられるのかということをもう一度改めてお聞きしたいなというふうに思います。
#11
○委員長(神本美恵子君) 三人の参考人ですか。
#12
○二之湯武史君 はい、そうです。
#13
○参考人(大日向雅美君) 制度ではないということでという御下問でいらっしゃいましたので申し上げますと、なぜ北欧は高負担に耐えているか。そこには相互扶助の哲学があると聞いています。例えばスウェーデンでオムソーリというのがありまして、支え支えられてお互いさまという考え方。ですから、特に支える方に喜びが多いという哲学があるということは考えられると思います。
 その哲学を醸成するために一つの、今度は制度のお話になりますけど、先般、二〇一二年に税と社会保障の一体改革をしてくださった。そこで今まで医療、年金、介護だけだった社会保障を全世代型にして、特に若者、子育て世代のことを重点的に入れようとしてくださった。これも私は期待をしているところでございます。
#14
○参考人(相馬直子君) いろいろと調査研究を重ねていますと、地域社会には若い方々で非常に変革者、ソーシャルイノベーションの担い手となって、柔軟にしなやかに、大学や学校に通いながら社会的な課題の解決に取り組んでおられるイノベーターの若者の方々と非常によくお目にかかります。ですので、将来の見通しが暗いといったような認識が一方でございますけれども、一方、そういった社会を新しい手法で新しい連携を模索してイノベーションを起こしていこうといったような機運やその人材というのも一定程度この日本社会に存在しているんではないでしょうか。
 ですので、その方たちの育成、あるいはそういった方たちがもっともっと社会的に発信をして参画して、政治の現場にも関わったりですとか、社会を若者の視点から風通しの良い透明性のあるものに変えていく。そのために、キーワードとしては、やはり社会の信頼、お互いの信頼感を高めていく、政府への信頼感を高めていく、それが根本的な問題ではないかなというふうに認識しています。
#15
○参考人(藤井伸生君) 今日、育児とか家事におきましてかなり夫婦で協力してやっていくという考え方は広まってきているんではないかなと思うんですけれども、ただ一方で、男性の家事、育児を阻む要因が非常に日本は大きい。要するに、今、政府も、労働時間の問題、労働基準法の見直し等を含めて、三六協定を廃止しようとかいうような議論出ておりますけれども、まさにその辺が大きく問われていると思っていまして、労働時間が、特に男性の労働時間が長過ぎる、家事、育児に参加できないという問題が大きいと思うんですね。
 私は、保育を始め社会福祉というのは、社会福祉制度単独で制度拡充ができるわけじゃなくて、社会福祉制度というのはある意味その前提になっている労働者の働き方に大きく左右されると思うんですね。今保育所の保育時間も十二時間とか、十二時間開所するようになっているわけですけれども、これはかつてから見ても随分長くなってきました。かつて国も保育はおおむね八時間というふうに言っているわけですけれども、それが開所時間が十二時間、十四時間開けなければいけないというのは時代に逆行していると思うんですね。なぜ長時間オープンしないといけないかというと、やはり働く親の労働時間が短くならない、ここに大きな理由があると思っています。
 私は保育園の関係者からもいろいろと制度充実で何を必要とするかといって聞きますと、病児保育をする場所を増やしてほしいという声が大きいんですね。子供が熱が出たときに親が仕事が思うように休めない、これはどう考えてもおかしい。先ほど北欧のことも言われましたけれども、子供が病気したときに看護休暇という制度が随分北欧では整備されています。日本ではそこが非常に貧弱である。
 要するに、社会福祉制度以外の労働者への対策、労働問題対策のところの整備、これが非常に日本は遅れているという特殊状況が生まれているんじゃないか、そこをいかにメスを入れるかということが大きなテーマじゃないかなということを思っております。
 以上です。
#16
○二之湯武史君 ありがとうございました。
 やはり家族を持つこと若しくは子供を持つことというのは、前回の委員会でも質問したんですけれども、人間のというか、もっと遡ると、もうホモサピエンスとして最も根源的な幸せの一つだと思うんですね。そういった喜びを感じられないような社会というのはやはりもっと制度論の根本にある哲学とか文化とかそういったところに問題があるんだろうというふうに思って、先ほどの一問目の質問をさせていただいたんですが、やはりそれぞれのお立場から非常に深い示唆に富むお答えいただきまして、ありがとうございます。
 例えば先ほど大日向参考人がおっしゃった、相互扶助の文化というか哲学があるんだというふうにおっしゃったんですけれども、私は先生のこの資料も読ませていただいてなるほどなと思ったところが一つありまして、私も、日本の文明史的な特質をどんどんひもといていきますと、やはり重層的にいろんなものが重なっていると思うんですが、その中にやはり儒教的な価値観というか影響というのは、私、日本の社会は非常に大きいと思っていまして、その中でもやはり儒教といえば年長者を敬うという文化がありますね。そういう意味でいうと、やっぱりお年寄りを敬うということは我が国は非常にコンセンサスを持っていると思っていまして、介護保険という一つの保険制度にまでお年寄りを敬う若しくは介護する制度、仕組みというのはでき上がったと。
 誰でも老いを迎えるリスクはあるんだと、それはそのとおりなんですけれども、一方で、誰もが人間として生きるためには、生まれて、そしてある程度人間的に独り立ちするまで教育を受けなければいけないと。これも誰もが経過しなければいけない人生の儀式であって、特にゼロ歳から六歳という、就学前児童というこの期間は、最近も非常に大きないろいろな研究の成果によって、その後の人生に非常に大きな致命的な影響を与える、非常にその土台をつくる重要な時期なんだというようなものも我が国若しくは諸外国問わず研究成果が出ていると。
 先ほど相馬参考人がおっしゃったように、それは社会の費用ではなくて投資なんだと、まさに私はそのとおりだと思うんですけれども、やはりこういった、これ大日向参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほどおっしゃったような国の若しくはある種の文化圏のそういった価値観、文化、そういったものが、今、日本の子供を取り巻く環境において日本の国のそういった伝統的な価値観みたいなものが何かの阻害になっているとか何かの障害になっているというような、そういうようなものをお感じになることがもしあるのであればお聞かせいただきたいなと思います。
#17
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 地域でやはり相互扶助の仕組みをつくっていくために必要なことは、互いに他の世代に尊敬を持つことだと思うんですね。高齢者の方々を若い世代が敬うことも大切、でも高齢者も逆に若い世代や子供たちの生活が自分たちと違っていることに対する理解もしていく。温故知新の心ということをいかに深めていくことが大事かと思います。
 そういたしますと、教育の問題、小さいときから失敗をしたりしながら皆さんに助けて、育っていくんだというような、そういう教育の問題も必要ですし、ですから、少子化の問題というのは少子化対策だけで済む問題ではなく、国全体の教育の在り方、社会システムの在り方ということも含めた哲学の醸成ということを私は先ほども考えてお答えさせていただいた点でございます。
#18
○二之湯武史君 もう少し私も個人的にしっかり考えていきたいと思っております。
 今日の三先生方の、特に先ほど藤井参考人も、これは労働問題とセットにしなければ解決できない、まさにそのとおりだと思いますし、相互扶助の精神が北欧にあって日本にないということもこれはないと思うんですね。若しくは、世代間の敬意、尊敬、こういったものも日本社会にはないということはないと思うんです。ただ、社会のコンセンサスとして、若しくは政策とかいうところまで仕上げる段階にまでは至っていないというのはこれは事実かもしれませんし、なぜそういう時代になっているのかと。
 実は私は、もうそういうもっと基本的な社会の風土や文化のところから掘り下げて考えないと、なかなかその場その場の政策のパッチワークになりがちなところもあるのではないかなと思いますので、これからも思考、思索を続けていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#19
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 参考人の皆様方には、本日はお忙しい中、大変ためになる御説明ありがとうございます。
 先ほど藤井参考人から保育士の配置のお話がありましたけれども、私は二人子供がおりまして、一人は十三歳で一人十二歳で年子なんですね。いっとき子育てに専念していたことがあるんですけれども、特に赤ちゃんのときだったんですけれども、その頃のことをこの表を見ながら思い出していたんですけれども、ゼロ歳児、一歳児、二歳児のときは、熱を出したりあるいは夜泣きをしたり、そのときはそれなりの悩みがあったなと思い出していたんです。一人を病院に連れていったら、もう一人も連れていかなくてはいけないので、そうすると風邪とかほかの病気がうつってはいけないとか、いろんなそのときの、二人同時に見るというのはすごく大変だなというのを思い出してみたんですね。それから、今度は三歳のときはどうだったかって思い出すと、もう歩けるようになったり走れるようになるので、同じ方向に走ってくれればいいんですけど、別々の方向に走ったりすると、やっぱり私一人で二人を追っかけるというのは無理だったなということを思い出していたんですね。
 そうすると、この比率が急に二十対一とか十五対一って、幾らプロの保育士さんでもすごくこれ、二十か所に同時に走っていったらどうなるんだろうって想像してみたんですけれども、私のこういった体験についていかがでしょうか。
#20
○参考人(藤井伸生君) 職員配置に関することだと思うんですけれども、どうなんでしょうかね。この数字から見て、三歳の子供を二十人見るなんていうことはやはり非常に難しいと思うんですけれども、ここも、小学校の一クラスの学級が四十人学級というようなことで、三十五人を一年生やったりしていますけれども、そのレベルもヨーロッパなどと比べると非常に高いわけですよね。そういうものが保育所のところにも影響しているんだろうなと思うんですけれども、こういう人数をやはり何とか少なくしていく。
 私も保育士の先生たちの一番の悩みを聞いてみますと、一人一人の子供に丁寧に向き合いたい。保育士の養成校でも、やはり一人一人丁寧に向き合って子供の思いを大事にしなさいということを教育の中でも言うわけですけれども、しかし、たくさんいる中で、待ってねという言葉になってしまわざるを得ない。これ介護現場でもよく言われることなんですけれども、待ってねということを言わざるを得ないというのはやはり手が足りないということでありまして、このことは子供の思いに沿えないことでありまして、こういったところをもっともっと改善しなければいけないということを強く思っております。
#21
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 今や、グローバル経済拡大によって競争の激化、それから行き過ぎた雇用の規制緩和などによって格差の拡大が進行しております。この格差の壁が人々の能力の発揮を阻み、社会の基盤ですとか経済の潜在力を弱めているというのは御承知のとおりです。将来の希望を奪う格差の壁というのはますます高く厚くなってきているように思います。
 しかも、近時の傾向としましては、貧困の連鎖と言われるように、格差が親から子へ引き継がれ固定化しております。現在の子供の相対的貧困率は約一六%、それから六人に一人の子供が貧困状態にあると言われております。生活保護世帯の子供の四人に一人が成人しても生活保護から抜けることができないのが実態なんですね。とりわけ一人親世帯の相対的貧困率、これは五四・六%とOECD諸国の中でも最悪の水準なんです。
 子ども・子育て支援の貧困差は収入的に恵まれない家庭を直撃します。現在克服しなければならない格差は数多くあるんですけれども、この子供の貧困に起因する格差はやはり人生の出発点からの格差だと思うんですね。子供たち本人の努力ではどうにもならない。ですので、この格差は政治の役割としてやはり何としてでも解消しなくてはいけないと強く私は感じております。ですが、現状はと申しますと、日本は就学前の教育における私費負担の割合が五四・六%、これはOECD諸国の中でも最も高いんですね。OECD諸国平均一八・七%ですので、実に約三倍ぐらいあるんです。
 私たちは社会全体で子育てを支援するという理念を持っていますが、そして全ての子供たちが安心できる環境で育つことができるようにチルドレンファーストを掲げております。この理念について、総論では大きな反対は出ないんですけれども、いざ具体的な措置となりますと、予算がないと言われたり政党間で足並みがそろわなかったりするんですね。また、世論という意味でも、ほかに優先して子育て支援をという、政治が動かざるを得ないレベルでのコンセンサスが得られているとは言い難いものがございます。その結果、社会による子育てがカバーすべき領域が縮小し、その分家庭による子育てに過重な負担が掛かってしまって、親の格差がそのまま子の格差に連鎖するという、そういった構造ではないかと考えております。
 私は以前、先ほどフランスのお話もありましたけれども、子育て政策に関してフランスに視察に行ったことがあるんです。フランスでは、一番大事なものは家族である、人口減少は好ましくないという、そういった意識が国民の間で共有されているように感じました。そのために、子育てをする親が働きやすい環境を意識的につくろうという試みが昔から行われてきたというふうに聞きました。このような国民意識、伝統に基づいて、フランスでは本当に、もう本当にたくさんの種類、バラエティーに富んだ育児支援の制度や環境が整えられているということを知りました、私もレポートを書いたんですけれども。
 日本において社会全体による子育てという理念が政治意識や国民意識としていま一つ根付かないような気がするんですが、それはどうしてなんでしょうか。諸外国との比較の視点から相馬参考人にお聞きしたいんですけれども、この点についていかがでしょうか。
#22
○参考人(相馬直子君) ありがとうございます。
 私は、日本と韓国の子育て支援や保育政策の具体的な比較研究に従事してまいりました。その中で、お隣の韓国は、まさに子供の間の不平等や子供の間の格差に非常に敏感な、いつもそれが争点になり続ける社会でありました、あり続けています。一方、日本の状況、子供の貧困、阿部彩さんなどが御研究で突破口を開かれた、あるいは岩田正美先生などが地道にずっと社会福祉領域で調査研究されてきた、ようやく社会が再発見したというのが日本のここ数年の状況だと思います。
 日本と韓国との比較から常々思いますのは、韓国の場合は、子供の不平等や格差に非常に敏感な社会で、常に政策や制度がターゲティングされている、貧困児童対策、貧困対策と。一方、日本の場合は、政策対象をターゲティングするよりかは非常に大きな枠組みの中でこれまで取り組んできたというような、制度、政策の対象化やターゲティングのやはり大きな違いがあるのかなというふうに思ってきました。そういった中で、研究者が幾つか貧困の調査結果を示して、それがやはり社会的にも再発見されないような一定の社会状況が日本の中でずっとあったということだと思います。
 よく言われますのは、日本の場合は、男性の問題にならないと社会問題として認識されない、高齢者の問題にならないと社会全体の問題として認知されにくいということです。非正規問題もずっと女性労働、パート労働として問題化されてきましたが、男性の労働あるいは若年の男性の問題となって社会的な問題となってきたと。少子化の問題も、ずっと子ども・子育て関係の研究や社会運動はございましたけれども、それが高齢者の年金、社会保障の問題になって、社会全体の問題としてコンセンサス、認識がなされたと。
 ですので、なぜ根付かないのかという御質問は、やはり世代間の問題として、子供の問題が高齢者の問題でもある、女性の問題が男性の問題でもあると、世代間の問題、ジェンダー、両方の問題としてやはり社会的にその問題の認知を進めていくことというものが非常に大事ではないかなというふうに思います。逆に言うと、それがやはりこれまでなされてこなかったというような部分も否定できないのではないかと認識しています。
#23
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 最近、保活に失敗したママたちがアップした保育園落ちた日本死ねというタイトルのブログが大きく注目を浴びましたけれども、子育て支援策の緊急性について大きなコンセンサスが生まれたように思います。この動きをやはり一時的なものとはせずに、チルドレンファーストを政治の世界でのコンセンサスにしていきたいと私は考えております。
 大日向参考人にお伺いしたいんですけれども、この社会全体による子育てという理念の浸透とも関連しますけれども、子供の声がうるさいなどとする地域住民の懸念によって保育所の開設が困難になっているケースがあるかと思うんですけれども、このような課題に対する対処法について解決へのヒントをいただければと思います。NPO法人の代表理事も務められておられる大日向参考人にお伺いしたいと思います。
#24
○参考人(大日向雅美君) あの問題は大変胸の痛む問題でございますね。ただ、私は期待も持っているんですね。地域には、やはり若い親、子のために尽くしたいと考えている中高年世代もたくさんおられるわけです。地下にマグマのように眠っていらっしゃる。その方々をどうやって発掘して、その方々の活躍の場、その方々の声をいかに生かしていくかということも非常に大事で、すぐ、保育園を反対した方々に駄目だとか、そうやって懲罰的にするのではなく、逆にみんなで子供を守ろう、子供は未来の宝なんだということを思っている人は決して少なくないんです、そこをどうやって発掘し力を与えていくかということもある意味政治の力ではないかなというふうにも、もちろん地域住民の私たちがすべきこともたくさんございますが、共に力を合わせていかなくてはいけないと思っております。
#25
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたフランスの事例では、経済効果の面からも、子育て支援を手厚くすることによって、親、特に家庭内にとどまりやすい母親が働けば税収が伸びて年金制度も支えられるというメリットがあります。さらに、子供が増えれば将来的に税収増が見込まれるという期待もあるようです。そのような実利的な側面からも日本において子育て支援策は更なる拡充が必要かと思います。
 以上で私の参考人質疑を終わらせていただきたいと思います。今日はありがとうございました。
#26
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 今日は、参考人の先生方、本当に貴重な御意見賜りましてありがとうございます。冒頭に二之湯委員から深い話がございましたので、私の方は制度の方をちょっと聞いてまいりたいと思います。
 まず最初に大日向先生にお伺いしたいと思うんですけれども、今日のお話の中でも、まさしく現下の大都市部におけます待機児童問題をどう取り組むべきかということで、具体的な例も挙げていただきました。政府の出した緊急対策も資料に付けていただいておりますけれども、この中で、是非大日向先生に御経験からお話をお伺いしたいと思うんですが、大日向先生のところで、代表理事をお務めになっていらっしゃるあい・ぽーとステーションでは以前から派遣型の一時預かり事業というのをなさっていらっしゃったと伺っておりますけれども、今回、この一時預かり事業について待機児童の定期利用に活用していくというようなことが緊急対策の中に盛り込まれております。この点を先生はどうお考えになられるのか、これをうまく全国の自治体というか、本当に緊急的にやらなくちゃいけないところでうまく拡充していくに当たってどういうことが必要だとお考えになっていらっしゃるのか、お伺いさせていただきたいと思います。
#27
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 一時預かり事業の必要性というのは、親のニーズが多様化しているということをまずしっかり押さえることです。九時―五時あるいはそれ以上の全日保育を望む親ばかりではない、その親にきめ細やかに応えていくというためにはニーズを的確に把握する利用者支援事業等の活用が必要かと思います。
 その上で、出てきたニーズに対して私がやっておりますことは、地域の方々に活躍していただくということです。もちろん、地域の方々がすぐ一時預かりをできるとか訪問型をするということでは決してございません。かなりの長時間にわたって保育あるいは子育て支援のことを勉強していただきます。それも、派遣型、訪問型になりますと三級では駄目で、その上の二級ということや、しかもバックアップを毎月やっているという、OJT的なことをやっていくという、こういう人材養成を十数年やっております。
 当初はそんなことをしても現代の日本社会に人のために貴重な時間と体力使って尽くす人はいないと言われていたんですが、先ほど申し上げたことと関連いたしますが、仕掛けてみたら本当にマグマが当たったみたいに湧いてきてくださって、その方々にとっても地域に尽くせる喜びを今語ってくださっている、地域が豊かになっていくということが考えられます。
 ですから、及び腰の自治体においては、まず住民を信じていただきたい、うちにはそういう人はいないじゃなくて。上手に仕掛けていただきたい、その仕掛け方を昨年度、厚労省が子育て支援研修ということでなさってくださったので、それをうまく活用していただくとよろしいかと思います。
#28
○山本香苗君 ありがとうございます。
 まさしく、次に子育て支援員のこともお伺いしようと思ったんですが、やはり今のこの中で、保育士不足という中で、もちろん、先ほど来お話が出ておりますとおり、保育士の処遇と職場環境の改善ということを図ることは極めて重要で、私たちとしても、五月に取りまとめられる一億総活躍プランの中に我が党としてもしっかり安定的でかつ恒久的な財源を確保して盛り込んでいきたいと考えております。頑張っていきたいと思っております。
 しかし、やはりそこだけで賄おうとすると大変なことになると。地域のまさしく担い手というのを、そこにいらっしゃる方々の力も活用していくことが必要で、子育て支援員という制度は先生のところから言ってみたらモデルにさせていただいて制度化させていただいたんですけれども、かなり地方自治体によって取組状況に差がございます。これを、全国展開する仕組みはつくったんですが、根付かせていく、発展させていくと、その上でどういったことが必要だとお考えでしょうか。
#29
○参考人(大日向雅美君) 基礎自治体の方々の意識をまず変えていただきたいと思います。よく地方に行くと、うちの地域には人様に子供を預けて働きたいとか何か時間を使いたいというお母さんはいないとおっしゃいます。それはもっと調べればいらっしゃるわけです。専業主婦で子育てしている方に限って、もう御自分の時間がなくて、いっときでもいいから預かっていただきたいという希望は必ずあります。一方で、先ほど申しましたけれども、役に立ちたいという方がいらっしゃる。そこをどういうふうにマッチングさせていくかということです。
 ただ、子育て支援員研修も非常に研修時間が長いんですね。で、高度なものです。そうしますと、大学等がたくさんある地域はできるかもしれない、地方へ行くと難しいというお声も聞きます。広域連携をしていただきたいと思います。幾つかの市区町村が集まって、その地域にいらっしゃるいわゆる保育系の方、教育系の方々のお力をお借りしながら連携をしていくということで、そういう汗をちょっとかいていただくとうまく動くかなというふうに思っております。
#30
○山本香苗君 大変にありがとうございます。しっかりこれ取り組んでいきたいと思っております。
 それで、あともう一つ、保育の質という話がずっとこの間もありますけれども、私はこの間、二之湯先生ほどではありませんけれども、保育の質ということをずっといろいろと考えていく中で、従来、どっちかというと入口のところで、人の基準だとか配置の基準だとか面積基準だとか、そういったものばっかりに焦点が当てられているんじゃないか、本当にそれが要するに子供たちにとっていいのかと。これで絶対、それが守られたら安全なのかというものでもないと思うんですね。
 先生は子供の発達支援と発達心理学の御専門でもいらっしゃいますけれども、私はもうちょっと、本来であったらきちっと子供の安全とか発達とかそういう実質的な成果に結び付いているかどうかといったところからの評価みたいなものがなされるべきじゃないんだろうか、その点が弱かったんじゃないだろうかと。だから、今こういった増やそう増やそうという議論の中で何かすごく錯綜した議論になってしまっているので、本来は今後の保育の質とかそういったものの監査とか評価の在り方、これ保育園も幼稚園も認定こども園ももうばらばらでやっている状況を、私はここを何とかしていかなくちゃいけないんじゃないかと考えているんですが、先生のお考えをお伺いさせていただけますでしょうか。
#31
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 私は、保育の質というのは海に浮かぶ氷山みたいなものだと思っているんですね。海面上に浮かんでいるものは見えるものです。それは設置基準で、広さとか保育士さん一人に子供が何人という、そういうもので測れるもの。それから、水面下にあって、もっともっと大きなもので測りにくい、見えにくいものがある。その両方を測っていくことが必要です。
 そうしますと、例えば見えにくいものをどう測っていくか、これとても大事なんですね、子供の発達にとっても、あるいは親の家族支援にとっても大事。そこには、評価には三段階あっていいと思います。まず働いている方々の自己評価です。一番御自分たちの職場の問題を分かっているのは働いている保育者さんたち、自己評価です。二つ目は利用者評価です。親等の評価ですね。そして第三者評価。こうしたステップを踏むということを全ての保育機関等に徹底していただくことが、先生がおっしゃるとおり、子供の発達を本当に守るために、そして親を支えていくために必要かなというふうに考えております。
#32
○山本香苗君 ありがとうございます。
 またいろいろとお伺いしてまいりたいと思いますが、相馬先生、済みません、本当に今日は貴重なお話ありがとうございました。もうダブルケアの研究者の第一人者でいらっしゃいまして、大変新しい視点を提起していただいたと思っております。
 まさしくこのダブルケアという言葉が最近になって先生たちの研究のおかげで見える化されてきつつあるところで出てきていると思うんですが、先生の資料の中の十九ページのところにダブルケアラーの支援の実態というところがございますが、ここでやっぱり、これからそのダブルケアに直面している人たちを支援していくに当たって、どういう方々がその支援者として適任なのかというところをちょっと御説明いただければなと思っております。
#33
○参考人(相馬直子君) ありがとうございます。
 ダブルケアラー支援の実態という資料の十九ページの下のスライドでよろしいでしょうか。
 何人かキーパーソンの支援員の方いらっしゃると思いますけれども、まずはその御家庭に訪問されるケアマネジャーやホームヘルパーさん、非常にダブルケアラー支援のキーパーソンとしてまず挙げられると思います。
 ダブルケアラーさんへのヒアリングを通じて、ダブルケア視点を持ったケアマネさん、ヘルパーさんに非常に支えられたと。高齢者の方のためだけの料理を作るのではなく、ちょっと料理を多めに作るようなヘルパーさんですとか、ダブルケアラーのその世帯の状況に合わせて、実際現場には非常に、ダブルケアラー支援、ダブルケア視点を持ったヘルパーさんやケアマネさんが一定数おられるということも分かってきました。逆に、そういった視点をお持ちでないケアマネさんやヘルパーさんに当たった場合には、なかなか自分の子育てと介護と同時に起こっている葛藤やその状況を理解してもらえない、また更に精神的な負担感が高まっていくというような状況もございます。
 二番目が、発表でも触れさせていただいた子ども・子育て新制度における利用者支援員の方の重要性です。最近出た「利用者支援事業のための実践ガイド」、これ、NPO法人子育てひろば全国連絡協議会の方たちが編集されたものですけれども、そこを見ても、やはり利用者支援事業において家族全体を包み込むような支援の重要性、あるいはそこでのケースアセスメント、ケースワークの重要性というものが指摘されています。ですので、今子育て支援の制度もいろいろと多様化、複合化する中で、介護保険制度における支援員とこの子ども・子育て支援制度の中の利用者支援員の方との連携というものは非常に重要になってくると思います。また、生活困窮者自立支援制度における相談員も自治体によっては育成や配置が進んでいますね。
 私たちの調査実態からは、ややもすれば、介護保険制度のコーディネーターと子ども・子育て新制度におけるコーディネーターと生活困窮者自立支援制度における相談員との連携においては、もっともっと連携を深めていくことの重要性あるいは課題というものも浮き彫りになってきましたので、地域ケア会議というものをやはりもっともっと連携を深めていくこと、その地域での地道な取組においてそういったことが深化していくことが今後大事になってくると思います。
#34
○山本香苗君 おっしゃるとおり、今自治体においてそういう観点から、どうにか相談員の方にもそういう観点を持ってもらおうという形で配置をし始めているところも、うちの地元の大阪府の堺市もそういうのを今回、今年度からやろうという話になっているんですが、ただ、相談来た後の支援策どうしようというところが物すごい手探り状況になっていまして、この間、横浜市が介護施設の入所基準の緩和をするというのが出ていましたけれども、支援策のところが、要するに落としどころをどうするかというところがちょっと見えないもので、何かいいお知恵がありましたら最後にお伺いしまして、終わりたいと思います。
#35
○参考人(相馬直子君) 実質的な訪問型ダブルケアヘルパー支援なんかもNPOさんや市民事業の方がなさっていたり、大日向先生がおっしゃっていた派遣型の一時保育事業なんかも実質的なダブルケア支援につながるものだと思います。そういったNPOさんや市民事業の方々が柔軟でスピーディーな支援というものをもっともっと供給量を増やしていく、そのための市民事業の育成というものがやはり大切になってくるんではないかなというふうに思います。
#36
○山本香苗君 ありがとうございました。
#37
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 三人の参考人の皆様、ありがとうございました。
 大日向先生が保育専門学院の先生をされていた頃から、夢を持って保育士を希望しながらなかなかそれが続かないという実態、今も余り変わらないということで、大変残念なという御意見が出されまして、私も自分の子供は三人とも保育所でお世話になりました、育休明けあるいは産休明けからつながって、当然共働き家庭にとって非常に仕事をする上でなくてはならないのが保育所であると同時に、子供の成長、発達にとっても非常に大きな関わりをしていただいたと思っております。
 生活発表会というのが年に一回ありますけれども、やはりそこに行きますと、自分の子供だけ見るんじゃなくて、ゼロ歳児から五歳児までずっと連続して演技や発表を見ることができることによって、自分の子供が幼い頃は、例えばゼロ、一歳のときにはカスタネットをたたくぐらいだった子供が、もっと大きなお兄ちゃんになったらすばらしい演技をして、「島ひきおに」で大人を泣かせたり、そういうすばらしい子供というのは能力、発達する力を持っているんだなと思いましたし、運動会も、やっぱりゼロ、一歳、年少と年長、こんなにも運動能力が発達するのかということを親として非常に感動的に学ぶ場でもありました。
 それから、先ほど大日向参考人が、障害を持つ子供さんたち、ハンディキャップを持っている子供さんたちへの関わりということもちょっと触れられましたけれども、やはり保育所というのは、そういう子供さんがいるときに、その動きを見ながらそういう心配があるんじゃないかということを早期に発見して親御さんに適切に伝えて、早期のそういう環境をつくればいろいろまた発達が保障されていくということなんかを見出し、アシストする場所でもあるというふうに感じていました。また、そういう子供さんがいることが他の健常な子供さんと親にとってもむしろプラスになるんだという環境をつくっていってくださっていたと思っています。そういう点でいうと、保育士の皆さんは、単に子供を預かっているというんじゃなくて、子供の成長と発達に非常に積極的に関わり、成長と発達を保障してくれる専門家集団というふうに私は思っております。
 ところが、その人たちが長く働くことができない、非常に評価が低い。先ほど大日向参考人は賃金だけではないんだというふうにおっしゃっていましたけれども、どうすればそういうせっかくの専門家である保育士の皆さんがもっとその能力を生かし意欲を生かすことができるのか、お感じのことがあれば、大日向参考人、それから同じく藤井参考人にも、同じような関わり方をされていると思いますので、伺いたいと思います。
#38
○参考人(大日向雅美君) 御質問ありがとうございます。
 今先生のお話伺って、従来、保育に欠けると用語で使っていたことがどんなに間違っていたかということを感じました。子供は親が働いているから保育に欠けて、それで保育園で暮らすのではなくて、子供は集団でいろんな方の目に触れ、手に守られて育つ権利があるんだということでございますよね。そういうことをサポートする保育者の方が長く働いていただける環境の整備は、先ほども申しましたように、いろんな面からサポートしていくことが必要だと思っています。
 一つは、もちろん給与の改善です。それからもう一つは、研修あるいはその職場の中で若い方ばかりではなくいろんな年齢構成の方がいらしてお互いに切磋琢磨できるようなこと、そしてもう一つ、私はNPO活動をしておりますので特にそう思うんですが、保育所は保育士だけで構成されるのではなく、そこに地域の方もどんどん入っていけるような仕組みが必要かと思います。
 私がしておりますのは子育てひろばで、保育園ではないんですが、一時預かりもやっております。そこに中高年の子育て家族支援者さんがたくさん入ってくださって、二年前からは団塊世代の男性も入ってくださって、もう雰囲気ががらっと変わってきて、もう親も子も生き生きとするし、何より保育を担当しているスタッフがいろんな方に学ばせていただいて保育に携わる喜びもまた経験できるということですから、多重にいろんな観点からこの問題は取り組んでいただきたいと思います。
 一つ本当に感謝なんですが、三十年以上、それ以前は保母と言われて、保育は、子育ては、介護もそうだと思いますが、女性がやるものだから低くていいんだ、専門職でなくていいんだみたいな考え方があったんですが、今回、残念なことではあります、待機児対策がなかなか厳しい、でも、それをきっかけに保育の専門性、あるいは今申し上げたような地域の方々がみんなで関わる大切さを改めて考える機会になったことは大変有り難いことでございます。
#39
○参考人(藤井伸生君) 保育士ができるだけ長く勤めていけるような条件をということですけれども、かなりこれは課題が大きいなといいますか、難しいなということも思っていまして、例えば特に短大を卒業する学生なんかはもう結婚まででいいとか腰掛けでいいという感覚が物すごく広がってしまっています、残念ながら。多分そういうふうに扱われてきたからそうなっているんだろうと思うんですけれども、そこを変えて、キャリアを積んでより質の高い保育をしていくんだというふうに切り替えていくのには、本当に大きな抜本的な対策を打たないと変わらないんじゃないかなということを強く思っています。
 具体的に、賃金の話も出ておりますけれども、やはりこの賃金も大きいと思います。例えば京都市では、公民格差是正ということで、公務員に匹敵するような待遇ができるように京都市単独で四十億のお金を出して民間の保育園の職員の待遇をしております。このことがある一定成果も上がり、京都市では、ちょっと今日データを持ち合わせていませんけれども、民間園でありながらも長年勤務されている方はいらっしゃっています。
 こういうことから見ても待遇はとても大きいと思いますし、それから、先ほども述べましたけれども、保育所の保育時間が非常に長くなっているんですね。朝七時から夜七時、八時まで、十二時間、十三時間、それを八時間で働いていくわけですけれども、三十分刻みのシフト勤務です。早出があったり遅出があったり、労働者ってやはり決まった時間に働く方が非常にリズムはいいわけですよね。それが早出、遅出があるというのはとても厳しい。そして、御存じのように、保育所というのは三百六十、まあそこまで言いませんけれども、日祝以外のところは開いているわけですから、そういうところでも勤務があります。
 そしてさらに、先ほど私は保育士の配置基準のことを言いましたけれども、やはりそこで子供にしっかり向き合えない、理想的な保育ができない、丁寧に向き合いたいけれどもできない、こういうことも含めて様々な矛盾が保育所にもう山積してしまった。ここを一つ一つ剥がしていくということをやっていかなければいけないという、非常にこの二十数年間、二十数年というか、児童福祉法ができて以来の五十年にわたる長年の積み残しが今の問題をつくっており、そこを抜本的に変えるという作業は本当に真剣になってやらないとそう簡単には変わらない、そんな思いもしておりますし、是非そこに問題意識を持っていただいて、一つでも二つでもより良い方向にし、やはり保育という仕事というものに、やはり保育の仕事の良さというのは子供の成長に寄り添えるということが保育士さんとても充実感感じるわけですけれども、それが体を壊さずにやれるようにしていけたらということを願っております。
 以上です。
#40
○山下芳生君 ありがとうございました。
 実は私の妻も保育士をしておりまして、保育専門学院を卒業して保育の現場に入って、本当にやりがいと生きがいを持って関わってきて、民間の保育園に入っていたわけですが、結婚したらみんな辞めていくと。私の妻は初めて、結婚して辞めずに、子供ができたらみんな辞めていく、子供がすぐできて辞めずに、労働組合をつくって頑張れるようになったんですが、やっぱり多くの民間の保育所の経営者の皆さんは、経済的、財政的な問題から、できればもう継続年数の短い保育士さんをたくさん使った方が経営的に楽になるという面もあるのでしょう。しかし、それが社会でそれでいいのかということをやはり政治が考えて、子供にとってそれが非常にマイナス、もったいないことになっているということも受け止めなければならないなと今思いながら聞いておりました。ありがとうございました。
 それから、大日向参考人と藤井参考人にもう一問聞きたいと思うんですが、保育所をつくる必要があると同時に、即効性に疑問があるので、大日向参考人は、既存の施設を活用する、幼稚園の認定こども園化が大事ではないかということをおっしゃいました。緊急対策として私それはあると思うんですが、そのことをそれでずっとこの今の待機児童問題を解決する根本対策にする点で問題はないんだろうかということを少しお聞かせいただきたいんです。
 例えば、保育所に子供を預けている親はやはり朝から夕方あるいは夜まで、幼稚園の場合は例えば午前中だけとか、子供の施設にいる時間が違うわけで、その子供たちが同じ施設でいることによって子供にどんな影響があるんだろうか、保育者にとってどういう影響があるんだろうか、その辺りは少し今問題あるのではないかと思うんですが、両参考人からお聞かせいただきたいと思います。
#41
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 私は、幼稚園の認定こども園化を待機児対策の対症療法、一時的な対症療法とはむしろ考えておりません。むしろ根本的にそれは理想的なことだというふうに考えております。
 先ほども申しましたとおり、新システムのときに、全ての保育園が三年以内、幼稚園もできるだけ早く幼保一体型の施設になってほしいということを提案いたしました。そこには、子供の発達を考えるときに、学校教育法で位置付けられた幼児教育と保育を一体で受ける権利が子供にあるわけです。ですから、親が働いていらっしゃるいないにかかわらず、コアタイムは幼児教育と保育を一体で受けられる時間帯にする、一方、朝早い時間あるいは夕方の時間はこれは保育の時間というふうにすることで全ての親が一つの施設に関わることもできます。今の現状ですと、働いていると保育所、専業主婦の方は幼稚園と、地域の中でも分断されてしまっているという問題があります。
 それから、もう一つ先生がお尋ねくださいました、子供にどう影響を与えるかと。既に幼保一体の認定こども園をやっていらっしゃる施設を幾つか私も見学をさせていただきました。余り問題はないということですね。子供はコアタイムは一緒に楽しく遊ぶ、そして朝と夕方の時間帯はそれはそれで、自分のお母さんお父さんは働いているんだからということで、また別の楽しい保育を心掛けるということで子供は順応しているというような報告もいただいております。
#42
○参考人(藤井伸生君) 認定こども園化の問題ですけれども、私自身も幼稚園と保育園を一体化することが絶対駄目だとまでは思っていないんですけれども、非常に疑問に思いますことは、新制度におきまして、認定こども園、これ二〇〇六年からできている制度ですけれども、児童福祉法におきまして、児童福祉法の二十四条二項に位置付いて認定こども園ができているわけですね。で、保育所は二十四条一項です。この違いが何か。二十四条一項というのは、市町村の保育実施義務というのが二十四条一項です。この市町村の保育実施義務というところに位置付けて認定こども園があるならばまだよいんですけれども、二十四条二項に位置付けられていると。二十四条二項というのは、一般的に言うと、利用者と園との直接契約の仕組み、市町村の責任で実施しない仕組みということになっているんですね。この法的な根拠が非常に甚だ疑問に思うところです。
 やはり市町村責任が曖昧になっていくということは、そもそもの認定こども園の整備が果たして今後できるんであろうか。今幼稚園が空いてきているから取りあえずそこを認定こども園化するぐらいであって、認定こども園というものを通して必要な保育に、担っていく責務が国や自治体にこの法律上から構成されているのだろうかということも非常に疑問に思っています。そういう意味で、二十四条一項の国や市町村の責任の下、認定こども園化するということであればまだとても理解しやすいと思うんですけれども、そこが分かれているというこの紛れもない事実、ここはやはり大きな問題を持っていると思います。
 そして、認定こども園のコア時間のところで、うまくいっているというお話もございましたけれども、やはり国が示すところですと、幼稚園の利用者的なお子さんたちは四時間程度、保育園関係は八時間ないし十一時間そこで過ごすということになっていまして、この仕組みをどうやってするかということの苦労は現場にたくさんあると思います。午前中、保育園であれば散歩を重視していたものがそれが十分できないとか、昼寝のことをどういうふうにリズムをつくっていくのかとか様々あって、やはりこれほどの大きな時間の差は問題、やはりもっとこの時間を、差を縮めていくようなことをしていくなどの努力をしているところもあるみたいですけれども、そういうものもとても大事じゃないかなと思っております。
 済みません、ちょっと十分にしゃべり切れませんが、以上です。
#43
○山下芳生君 ありがとうございました。
#44
○江口克彦君 おおさか維新の会の江口克彦でございます。
 今日は、お三人の参考人の先生方、ありがとうございました。大変参考になりました。
 御質問というよりも、ちょっと今日は私の日頃思っていることについて聞いていただいて、どう思われるかお伺いしたいというふうに思います。
 私、少子化問題少子化問題というふうに言われていますけれども、日本にとっては少子化は国難だと思っているんですね。国難だという意識をやっぱり持たなきゃいけないし、そういう言葉をやっぱり国民の中に浸透させていく必要があるのではないだろうかというふうに思っているわけでございます。
 質の問題とかそれから支援の問題とかについては、今までの先生方がいろいろと御質問をされました。問題は、もう一つ、量的な問題があるのではないだろうかと。保育園の量とかそれから介護ホームの量であるとか、そういうのが問題ではないだろうかというふうに思うんですけれども、その量も増えないし、それからもう一つは、保育士、介護士もなかなかこれ足らない、不足している。
 これどうして不足しているかというと、低賃金とそれから厳しい勤務状況にあるんだということを、お三方、先生方、なべて共通に御指摘があったというふうに思うんでありますけれども、そういうことからすると、私は企業の活用というか、とりわけ大企業の活用ということを考えるときではないだろうかというふうに思うんです。
 なぜならば、これは国難ですから、国とか民間とかということではなくて、国も民間もこぞって力を出していかなければならない、協力していかなければならないということであるとするならば、とりわけ、中小企業はこれはちょっと私の経験からまあ難しいと思いますけれども、大企業では可能だというふうに思うのが、保育士資格者あるいはまた介護資格者を大企業で定期社員として採用するということを義務付けるということですね。要するに、社員として入社をさせるということですね。そして、その入社させた社員を一般社員と同等に賃金的にも待遇的にも扱う、けれども五年間はそれぞれの保育所に派遣するというようなこと。だから、一人が五時間ずつということになれば、三人で一組チーム組めば一日で十五時間という時間ができるわけですね。それを年々全雇用者の二%とか。というのは、これは障害者法定雇用率が二%ですから、民間で。ですからそういうことになって、五年たったらもう完全に会社に戻る、業務に戻ると、けれども、その五年間はいろんな保育所あるいはまた介護老人ホーム、そういうところへ行って仕事をしていくというようなことをすることによって、低い賃金というか、それを解消することが可能になってくるんじゃないだろうかというふうに思うんですね。
 今、保育士の方の給料というのは十六万ぐらいじゃないでしょうかね。大卒の初任給というのは今二十一万ぐらいだと思うんですよね。これ年々、会社の方はベースアップなり、あるいはまた賃上げで上がっていく。この頃特に上がって、自民党政権になって上がるように努力をしているわけでありますから、そうすると、民間のビジネスマンと保育士あるいはまた介護士の賃金格差というものはなくなってくるというふうに思うんですね。そういうことをやるということで、これできるかということになるわけですけれども、これは私は企業の理解があれば可能ではないだろうかというふうに思っているわけです。
 それから、要するに私の提案は、保育士それから介護士の人たちの低賃金はもう目に余るものがあるというふうに、私も京都の保育園の園長先生と随分長いお付き合いでよく聞かされていますので、低賃金と厳しい勤務状況というのはよく理解していますけれども、そういうようなことを考えるということについてどう思われるかということと、二点目は保育所を会社の中に設置するということ。大企業ではこんなスペース幾らでも考えられるわけですよ。
 私が申し上げたいのは、税金を使ってどうのこうのということよりも、民間の企業がそういうことについて取り組んでいく。何せ内部留保のお金が今三百兆円もあるわけですよね。要するに会社がため込んでしまっているというところもあるわけですよ。だから、そういうところは、それが企業の社会的責任ですよと。今日も三菱の、今朝からもあれですけど、自動車の、問題になっていますけれども、企業の社会的責任というのは、きっちりした製品を出すということが一つですよね。それから二番目に、利益を上げて税金を納めて、国全体に、国民全体に貢献するということですよね。三番目は国民に奉仕するというか、それが企業の社会的責任だというふうに私は習ってきたわけですけれども、その社会的責任を果たすため、要するに社会に奉仕するということのためにも、そういう保育士とかあるいはまた介護士を社員化してという、だから直接雇用がなくて、全部企業からの費用で保育士を賄っていく。だから、大変な数の保育士と介護士が誕生するわけですね。
 それからもう一つ、二つ目の提案は、保育所を企業の中で義務付けるという、これは申し上げたかもしれませんけど、これを今進めていると。国でも進めていると思いますけれども、いろいろ問題があるとは言いますけど、近隣の子供たちも受け入れるということをやったらいいと思うんですね、自分のところの会社だけじゃなくて。大企業だったら余っているスペースいっぱいあるんですよ、そんなものは。それは幾らでもありますよ、私の経験からするならばね。だから、そういうようなところを保育所にして、義務付けて、そして近隣からの子供たちも受け入れるというようなことをやっていく。税金ではなくて民間で何とかしなければいけないので、そういう国難だということをやっぱり企業に、民間に理解させる必要があるんじゃないかというふうに思うということですね。
 それからもう一つ、三点目には、保育所、特に保育所は私は駅につくるべきだと思っているんですよ、駅に。それは、JRでも私鉄各駅でもそうですけれども、いただいた資料の中で、七割が都会の問題だというような御指摘があった。まさにそうだと思うんですね。
 そうすると、例えばJRなんかは、新宿の乗降客というのは一日三百六十万いるわけですよ。それは定期買う人も切符買う人もだからどういう形かは、乗降客だから降りる人もいるからということですから、半分としても百八十万人が切符買うわけですよ、定期買うわけですよ。それに十円オンしてもらって、それでそれぞれの駅が保育所なりあるいはまた介護ホームをつくる資金をつくっていくということですね。新宿だと年間で六十億円ぐらい出てくるわけですよ。それで、それを毎年毎年やって、そして不足の、それだけの乗降客のいないところにどんどんどんどん続けていって、ほかに回していけばいいわけですから、鶯谷だとか、あるいはまた、池袋は相当いますね、大塚とかそういうところに回していけばいいわけで。
 場所はどこがというのは、私はいつも思っているんですけど、線路のその空間というか、その上の部分は丸っぽ空いた空間なんですよ。線路またいでビルを建てるというのは今可能なんですね。現に、阪神高速道路は一つのビルの土手っ腹を貫いているわけですよ。一度も事故起こったことないですよ、本当に、阪神高速走られた方おいでになると思いますけどね。要するに、私は線路の上が物すごくもったいないと思うんですね。お母さん方は、駅に子供を預ける、あるいはまた乗って近くの駅に預ける、降りるときに預ける、どっちでもいいですよ。
 そういうことをやっていくということが、私は、だから今日の問題は、質の問題はいろいろ先生方が質問されましたし、私は質の問題も質問したいんですけど、それはやめますけどね。だけど、とにかく量的にどうやって、しかも税金使わずにどうやって民間がこの保育所それから介護老人ホーム、あるいはまた保育士それから介護士の待遇を良くしていくかといったら、もう私はそれしかないんじゃないかというふうに思っているわけですよ。要するに、大企業の責任を、大企業に責任をやっぱり押し付ける、押し付けるということではないんですけれども、大企業にも協力してもらうということをやらないと、これから掛け声ばかりで予算ではなかなか割り振りができないということになってくる。
 そういう考え方をずっと私は持っているんですけれども、三人の先生方に一言、一言、一言で、嫌だとか、面白いとか、考えられるとか、それだけでいいですから。
#45
○参考人(大日向雅美君) 私、冒頭、意見陳述の中で、この問題は単に保育園を増やせば済むだけではない、もう地域や企業全体含めて取り組むことが必要だと申しました。その点に関して貴重な御意見、御提案を聞かせていただきましたこと、一つ一つに感想を申し上げる時間がないようでございますが、感謝申し上げます。
 一つだけ申し上げたいことは、先ほどフランスの事例がいろいろ出ました。フランスに学ぶべきこと、たくさんあると思うんですが、是非先生方にも自信を持っていただきたいことが一点ございます。
 二、三年前、少子化対策のことでフランスの担当者の方々が日本にいらして、御一緒にシンポジウムをしたことがございます。そのときに、私が日本の待機児は何万何千何百何十何人だと申しました。大変驚かれたんです。何を驚いていらっしゃるんだろうか、人数が多いことを驚いていらっしゃるのかと思ったら、違うんです。どうして日本は二万何千何百何十何人まで把握しているんだと聞かれた。逆に、じゃフランスは分からないんですかと。全く把握していないというわけです。ということは、自治体がきちんと把握し、それをもう政府が、政治が把握しているからこそ、今待機児の問題がこれだけ深刻になり、先ほど伺ったようないろんな御提案をいただけたということを思いまして、これから私たちはそれを対策打つための土壌はフランス以上に持っているんだというふうに思ったところでございます。
 御意見ありがとうございます。
#46
○江口克彦君 もう時間がありませんので、あとお二方はペーパーか何かでちょっと出していただくということで、ちょっと委員長、お願いできないですか。ちょっと時間が過ぎちゃっていて申し訳ないので。
#47
○委員長(神本美恵子君) それでは、ペーパーで後でというのはちょっと困難ですので、一言ずつ。
#48
○参考人(相馬直子君) 一点目は、大企業の責任ということで、藤井先生が最後におっしゃっていた企業の拠出を増やすということが大事かと思います。
 二つ目が、待機児問題、一方で土地問題というふうに言われています。固定資産税の減免や相続税の支払猶予又は減免の優遇措置など民間の土地の供給促進、また国有地の賃料を引き下げるといったような土地問題の解決というのも大事であると思います。
#49
○参考人(藤井伸生君) 大企業に目を付けていただいていることはとても良いことだと思います。ただ、今保育所整備のときに、私は小学校単位というのを、校区というものも大事にしていただきたい、そういう意見を持っております。
 以上です。
#50
○江口克彦君 ありがとうございました。
#51
○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。
 皆さんどちらかというと大きな話が多かったので、私、個別の具体的な話について、この辺り御質問等させていただければと思っていますが、まず保育所の配置ということで、藤井参考人の中で病児保育の話が出ました。私、大変ここは関心を持っておりまして、前回の内閣委員会でも厚労省それから内閣府に対して強く申し上げた点があるんですが、どういう形でやっていけばいいのかということについてちょっと御意見をいただきたいと思って、この辺り少し藤井参考人にお話伺いたいと思います。
 事実関係、少しだけ私の方からも述べさせていただきますと、二万四千か所の保育所がある中で病児保育をやっているのが千八百三十九か所だと、全体の七・五%ということだそうです。ただ、その中を細かく見てみますと、病児対応ができるのは六百八十九か所、病後児対応型が五百七十三か所、体調不良が五百六十三か所ということで、事実上、もう保育所に、病気になっちゃうと面倒見れませんと言っているのとほぼ同じだと。今回の法案の、前回の展開で、病児保育の場所というか対応する人数は三倍に増やすと言っているんですが、実際には箇所数では二百か所増やすということだけでありまして、僅か一%未満ということであるわけであります。
 私、じゃ、全部の二万四千か所に病児保育対応をするというのは多分非常に難しいので、訪問型というのは一つ可能性があるのではないかなと実は思ったんですね。訪問型についても調べましたらば日本で五か所しかないと。大阪で二か所、長崎とそれから徳島、鳥取の五か所だけということでありまして、もうちょっとこれを増やせるんじゃないかなという感想も持っています。
 そんな前提を数字として並べたんですが、今言った病児保育、本当にどうしていくのか。待機児童の問題でも、実際にはゼロ歳から二歳までの子供が八五・九%待機児童で待っているということは、ほぼこの子たちは通常病気にかかるのは当然でありまして、これじゃ現実的には預けられないと。先ほど参考人の中からもありましたが、結局預けても、病気になりました、熱になりましたというと、会社休んで、もう電話掛かってきて、子供の面倒見に帰らなきゃいけないと。そうなるとやっぱり病児保育というのを充実するということは絶対に必要かなと思うんですが、現実問題として訪問型、こういうものが普及できるのかどうか、あるいはきちっと保育所には病児保育対応型というのを普及させるべきなのかどうか、この辺り、まず藤井参考人の方、お願いできますでしょうか。
#52
○参考人(藤井伸生君) 病児保育のことですけれども、私、専門的に詳しくは知らない面があるんですけれども、確かに病気をするということは、医療的な目も要りますので、手厚いケアがなければなかなかできないというふうに思っています。私の知り得ているところは、やはり多くが病院に病児保育室を併設をして、看護師や医師が常に監視のできるような状況をつくって保育をするという方が適切というか、私が知っている京都市辺りでは大体一般的にそういうやり方をしています。
 ただ、おっしゃるように、そうなってきますと、自分の保育園で病児は扱ってもらえなくて、事前登録をして、そして病気になったときに今から行きたいんだけどということでやらないといけないし、非常に効率が悪いということは聞いておりますので、確かに保育所にそういう機能が備えられればいいかもしれないんですけれども、委員がおっしゃるように訪問型ということも考えられればいいのかもしれませんけれども、いずれにしてもここはなかなか対応の難しい内容が含まれているなというふうに思っております。
 私は、どちらかというと、冒頭にも述べましたけれども、親が休暇できる看護休暇制度を充実する方がより優先されなければいけない。ただ、看護休暇がすぐに制度化、充実化しない中で、病児保育は喫緊の課題であることはそうだと思いますので、何らかの医療的なスタッフも一緒になった対策をすることが必要、こういう両方の視点でもって考えていくことが大事ではないかなというふうに思っております。
#53
○山田太郎君 では、病児保育に関して、大日向先生の方、もし何かコメントあれば。
#54
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 病児保育は二つ、子供の状態によって分けて考えることが必要だと思います。非常に熱が高かったり伝染性のある状態のときには親がやはり休めるような働き方が必要だと思います。しかし、今働いている親が悩んでいることのもう一つは病後児なんです。症状がある程度収まっても保育園に通わせることができない、そういうときにどうしたらいいか。
 私のNPOの取組を一つ御紹介させていただきますが、そこに訪問型として地域の子育て・家族支援者さん、今でいうと子育て支援員さんが向かいます。ただ、そのときに支援者さんだけではやはり不安なんです。港区でやっていることは、地域の医師会が全面的にバックアップしてくださいます。そして、この子供はその支援者に預けて大丈夫、ただし、こういうところを気を付けて保育しなさいというような診断書を必ず書いていただく、その診断書は区の方が補助金を出してくださるので親は無料という、そういう仕組みを地域の中でつくっているということで、ある程度ですが病後児に対して手当てをさせていただいているということを御報告させていただきます。
#55
○山田太郎君 ありがとうございます。
 もう一つが、障害児保育に関しても少し触れていきたいと思いますが、御案内のとおり四月一日から差別解消法が通りまして、特に知的障害、精神障害、発達障害、こういう子たちがたくさんいるわけです。ただ、残念ながら、この問題にしっかり光が当たっているとは到底思えませんし、この障害児保育に関しては、国の方は対応をいわゆる地方財政としては一般財源化してしまいましたので、国はほとんど地方に任せっ放しという形に今なっているようなので、これに関してはきちっと国の方でもしっかりするべきじゃないかなと、こういうことで前回実は質疑をしています。
 ただ、この障害児保育、確率的に言うと、障害児が今含まれてくる可能性は自治体によってもまちまちでありますが七%前後というふうに言われていて、かなり多くの子たちがいるわけでありますが、この障害児保育の問題をどうしていけばいいのか、それをちょっと御意見等をいただきたいと思うんですが、この辺りはちょっとどなたが御専門か分からないので、もし──じゃ、藤井参考人、お願いできますでしょうか。
#56
○参考人(藤井伸生君) 障害児保育については、本当に、今回新制度になって、ポイント制ということで入所に当たっては点数化されまして、障害を持っているお母さんなど長時間働けないこともあって後ろの方になってしまいまして、なかなか保育所そのものにも入れないというような課題を持っておられます。
 そういう中で、障害を持っているお子さんに対する保育をどうするかというのは非常に私も大きな課題だというふうに思っております。そのときに、やはり障害児保育というのは、一人一人障害も違いますし、保育士の質がとても問われると思うんですね。やはり新卒でいきなり障害児保育というのは非常に難しいでしょうし、五年、十年という経験、そして障害児保育の経験のあるような方が保育に当たることができなければいけないと思うんですね。
 京都市の例で申し訳ありませんけれども、京都市ではやっぱり圧倒的にベテラン保育士の多い公立の保育所、京都市営の保育所が障害児をしっかりと受け止めています。現に、民間でも受け止めてくださいというふうに行政は言うんですけれども、園長さんの判断で民間としてはなかなかそういう体制がないと言えばそれで終わってしまうというような現状があります。公立はそこは違いまして、きちんと障害児保育をやるというスタンスを持っておりまして、そういう意味で、私は、公立の保育所をしっかりつくっておくということがとても大事ではないか。
 しかし、京都市はこれを民間移譲したりしていまして、全国的にも公営保育所が随分減っているわけですから、そのことが、やはり障害児保育のしんどさが今クローズアップされてきているんじゃないかなというふうに思っております。
#57
○山田太郎君 ありがとうございます。
 次に、家族関係社会支出の辺りちょっと触れていきたいと思うんですが、要は、多分もう一つの議論の中で、高福祉高負担なのか低福祉低負担なのかという議論をすると、日本は中福祉中負担ですよねと、こういう話なんだと思います。
 実は私、ヨーロッパにも住んでいたことがありますし、アメリカにも住んでいたことがありまして、各国の社会保障制度の違いというのは肌身で非常に感じてきたので、じゃ、さて日本はどういう道を進むのかと。今日も北欧型モデルみたいなことが何かいいというふうに言われますが、実際、私もヨーロッパに行って、スウェーデン、フィンランド、いろいろ去年も回りましたし、社会養護の関係でずっと見てきたんですが、必ずしも満足できている今状況かというと、不満もすごく多いですし、医療問題で日本に比べれば遅れている面も実はあるというのは私は見ているわけなんですね。
 なので、何が言いたいかというと、高福祉高負担であればそれでいいというわけではないんですが、ただ、その中身のちょっと構造を見ますと、やっぱり家族関係社会支出が日本は低いというのは事実だというふうに思っておりまして、日本はGDP対比で一・三六%と。ただ、ドイツは二・一一ですし、今日いろんな議論が出ていますフランスは二・八五、イギリスにおいては三・七八ということで、確かにヨーロッパ各国は二%以上三%台ということなんですね。こうして見ると、GDP対比で日本が仮に一%増やすとすると、五兆円ももうちょっとお金が充てられるということになってくるわけでありますから、これは非常に大きいと。もちろん、そうなると財源はどうなるのかという議論がありますけれども、各国は社会支出として何とかやりくりをしているというわけですから、モデルとしてトップダウンでこういう構造もありじゃないかなという議論は私はできるというふうに思っているんですが。
 さて、じゃ、日本の着地点はどの辺りなのかなということが非常に問われると思うんですけれども、もちろん、アメリカは〇・七二ということで極めて低いんですが、ドイツ、フランス並みにやっぱり日本は高福祉高負担という形でもう社会構造を考えていった方がいいのかどうか。多分この辺り大日向先生が構造的に御意見お持ちなのかと思っていますのでお伺いできればと思いますが、今後の家族関係社会支出というんですかね、その辺りの構造的な問題、高負担高福祉の問題、どういうふうに今後日本は価値観というか考え方を変えていくべきなのか、御意見があればお願いします。
#58
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、家族関係社会給付費低いです。そこをどういうふうに手当てしていくかということは、一方で社会保障全体のお金も低いということですね。そういう中で、負担と給付の割合をどういうふうにバランス取っていくかということを全世代で考えていくことだというふうに思っています。
 今、子供の問題が確かに厳しい、よく高齢者の方をじゃ低くしたらいいじゃないかという議論がありますが、そうではなく、高齢者が安心して人生を送ることができなければ、相馬参考人がおっしゃったようにダブルケアの問題も出てくるわけです。ですから、全世代で全世代型の社会保障を築いていくときに、国民に、中負担中福祉を望むのか、高なのか低なのか、その辺りをしっかりと議論をさせることが必要かと思います。そういうコンセンサスを取るための政治の仕掛け、政治の発信ということを是非していただきたいと思います。
 先ほど私がオムソーリということを申し上げた哲学なんですが、悲しみの分かち合いということなんです。人生には喜びも多いけれども、それ以上に苦しいこと、つらいこともある。子育てとか介護は喜びも多い、でも大変なことも多いんです。その大変なことをどれだけみんなが分かち合えるかというこの哲学を醸成せずに家族関係給付費の何%という議論はできないんではないかというふうに考えております。
#59
○山田太郎君 ありがとうございます。
 最後、相馬参考人にお伺いしたいと思いますが、ダブルケアの話は本当に深刻だと思いまして、前回も、NHKで、団塊の今度世代が自分の子供も面倒を見、老老介護もせにゃいかぬというようなことに追い込まれていることで、いわゆる育児だけではなくて、成年になってもまともに働けない子供を何とか親の貯金を切り崩してやるということで、とんでもない時代に入ってきちゃったなというふうに思っています。
 時間がないので、もう、済みません、簡単にしか質問できないんですが、ばっくりちょっと聞いちゃうと、どこから手を付ければいいのかなと。介護も重要だし子育ても重要だし、いわゆる若者の貧困問題も重要で、同時にやるというのが政治だというふうに思うんですけれども、比較的どんなプロセスが考えられるのか。秘策はないのかもしれませんが、資料も多くて、それを読み取ろうと思ったんですが、いっぱいいろいろ書かれているんで、一言二言でもし何かポイントがあれば、難しいと思うんですけれども、ちょっと最後質問、もう時間がないので、御案内いただければと思っていますので、よろしくお願いします。
#60
○参考人(相馬直子君) 多主体の連携がポイントになってくると思います。新しい何かハードを造るとかそういうものではなく、現状の子ども・子育て新制度、介護保険制度、生活の困窮者自立支援制度における様々な人材、また地域福祉の中にも民生委員さん、地域を守っていらっしゃる人材いらっしゃいます。また、社会福祉協議会等も現状ありますよね。そこが、やっぱりしっかりと多主体が連携していくためのところが一番のポイントだと認識しています。
 以上です。
#61
○山田太郎君 時間になりました。ありがとうございます。
#62
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎と申します。
 参考人の先生方、本当に御貴重なお話をありがとうございました。全ての法案に参考人質疑があればいいのになと思ってしまうほどすごく勉強になるお話の数々でした。ありがとうございました。
 私からは三人の先生方に同じ質問をさせていただきたいと思います。
 最初の質問なんですけれども、先日成立いたしました子ども・子育て支援法改正案に対してなんですけれども、私が提出した修正案というものがございまして、恐らくお手元に配られていますかね、修正案の方は、それについて御意見を伺えればと思うんですけれども。
 この修正案の内容というのが、政府の責任で保育士さんの処遇改善と保育所の施設の整備を行うという二項目なんですけれども、保育士さんの処遇については、二十歳から六十歳まで、全ての年齢において国家公務員福祉職一級の俸給表を基準とする、その水準に達しない保育士さんに対して政府が格差の是正の措置をとるとしたんです。現在も国家公務員福祉職一級二十九号俸というもの、年収三百六十三万円というのが基準になっているというようなんですけれども、実態はその基準には程遠いと。しかも、十年で頭打ちになってしまうという現実があるというふうに聞いています。二十歳から六十歳まで、年収では三百二十三万円に始まって五百四十六万円までを保障すべきなんじゃないかなというふうに思うんですよね。これ福祉職ですから、もちろん介護士さんにも当てはまると。
 出生率一・八ということを政府として掲げているわけですし、少子高齢化ということを見てみても、本当に持続可能な国づくり、社会づくりをしていくとするならば、ここを国家戦略一丁目一番地と捉えてそれぐらいの大胆なことをしていく必要があるのかなと思うんですけれども、そのことに関してお聞かせ願えますか、御感想を。ありがとうございます。
#63
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 保育士等の処遇改善というのは、待機児対策、保育の受皿確保のために本当に重要だと思っております。いろいろな解決策あると思いますが、是非新制度の〇・三兆円のメニューの中の処遇改善をまず具体化していただきたいと思います。
 また、先ほども申しましたけど、給与の改善大事です。同時に、就業促進とかあるいは離職防止のための職場環境の整備、研修制度の整備など、地域挙げて取り組んでいくことが必要だと考えております。
#64
○参考人(相馬直子君) 保育士の処遇改善については、今の御意見、非常に賛同するところが多くございました。
 発表にも挙げさせていただきましたが、保育、介護、子育て支援とケアの包摂的なフレームの社会的な議論、ケアワーク全般として処遇改善を求め、その中で保育士の処遇改善といったように、国全体としてケアワークの中での問題なんだという、その社会的な評価を上げていくこと、経済的な評価を上げていくこと、そういう議論が重要だと考えます。
#65
○参考人(藤井伸生君) 給与の改善問題ですけれども、国家公務員における給与表、それを全面実施ということですけれども、私も賛成です。
 これもちょっと京都市のことを言って恐縮ですけれども、京都市の園長先生たちの組織、保育園連盟というのがございますけれども、この予算要求の中でも常にそれは出ております。国が示している福祉俸給を完全実施する、そこに見合っていない運営費、そこが最大の問題だということは言われていまして、具体的な一つの提案であるというふうに思っております。
 さらに、私は、給与問題について言えば、同一賃金同一労働が議論されている中で、年功序列の賃金をずっと維持するかどうかということについては課題を少し感じています。子供のお金、医療のお金、住宅のお金、そういう社会保障を充実していくという方法がヨーロッパ型でありますけれども、そういうことが日本では全然頭の中に抜け落ちている。そういうところで生活費を保障していくということも大事ではないか。同一賃金という議論もあると思いますので、そんなこともあるだろうと思っています。
 それと、施設整備に関して言うと、児童福祉施設、保育所の整備なんかについて、基本的に保育所をつくるときには、土地は自分で用意しなさい、建設費用は四分の一は自分で出しなさいという、これは最大の欠陥だと思います。要するに、国や自治体が保育をきちんと整備するという法体系になっていないという大本の問題をずっと引きずっているわけでして、公の土地を貸与しなさいとかということが言われていますけれども、根本のところがなっていないということを私は感じております。
#66
○山本太郎君 ありがとうございます。
 公務員の俸給表に従って右肩上がりにというのは、なかなか実現というものにはかなりの覚悟が要ることだと思うんですね。藤井参考人がおっしゃったとおり、本当に同一労働同一賃金という部分を実現させていくためとしても、例えば国が基準を提示する、何ですかね、その職に対して、その産業やそれぞれの職に対して大体これぐらいの給与は絶対に払わなきゃいけないというような、職務給をはっきりと示していくということが必要なんだということを受け取りました。ありがとうございました。
 そしてもう一つ、私が出した修正案の中の施設整備について書かれたことを藤井先生少しおっしゃっていらっしゃいましたけれども、保護者の皆さんから最も強く求められている認可保育所についてなんですよね。
 政府が、公的機関が保有する土地、建物等の活用を図るなど所要の措置を講ずるとしたんですけれども、この質疑のときには、特にUR都市機構からも参考人に来ていただきまして、URは要請があれば検討するというお話なんですね。というのは、UR、首都圏に二万五百戸の空きがあるというような状況なんですね。だから、先ほど藤井先生がおっしゃっていた、要は十九人以下でも認可ということを認めていくというような、小規模でそういうような形がしていけるということならば今の状況は少し緩和されるのかな、そして子供たちの命の安全というものも守られるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、URも要請があれば検討するとおっしゃってくださっています。この修正案、その部分に関してはいかがお考えでしょうか。
 じゃ、次は、藤井先生からでもよろしいでしょうか。
#67
○参考人(藤井伸生君) そこまでの議論が進んでいるということを認識しておらないんですけれども、確かにそういう公有地等でUR等が提供できるということを言ってくださっていることは非常に大きな励みになると思いますし、その方向性の検討をしていただくことはとてもいいことだと思っております。
 そして、指摘していただきましたように、多くの親は、どこでもいいから預かってもらえればいいというわけじゃなくて、やはり認可保育所に、きちんと保育士によって保育をしてもらいたいという要求を持っているわけです。そうなってきますと、この十九人以下のところを小規模等で対応しているということになってしまっていること自体も大きな問題をはらんでいまして、十人規模、十五人規模でも認可保育所の基準を援用する、持ってくるという形が基本的ではないかなと思っております。
 認可保育所の基準だって決して高いものじゃなくて、皆さんも御存じだと思いますけれども、園庭というのはそもそも設置しなければいけないとなっていないんですね。近所に公園や神社仏閣等で安全に遊べるところがあればよいという、そんな低レベルの基準になっている。それをやはり問題視しなければいけませんし、認可保育所の基準だって十分ではないんですけれども、やはりせめてその基準を持っていって、そういう公有地等でできるような仕組みをつくっていただきたい、そのように思っております。
#68
○山本太郎君 済みません、ありがとうございます。時間もないので藤井先生のお話だけになってしまいましたけれども、今は。
 子育て支援の今までの質疑、時間がなくてちょっと質問できなかったんですけれども、厚生労働省は保育と介護の一体型、そういう施設を検討しているというお話を聞いたんですけれども、この介護と保育の一体型施設について御意見をいただければと。そして、もしそうなっていった場合、今の保育士であったりとか、何ですかね、研修受ければオーケーだというような緩和がどんどん行われている中で、この一体型という部分が進んでいった場合、ひょっとしたら保育士と介護士のこのダブルの資格がもっと規制緩和された形で認められていく危険性みたいなものというのはございますかね。
 続きまして、じゃ大日向先生からお話を伺ってもよろしいでしょうか。順に、皆さんにお願いいたします。
#69
○参考人(大日向雅美君) 保育と介護の一体化を厚労省が進めているという、その詳細を私は承知しておりませんが、一般的に、今ある一つの動きは、幼老一体化ということで、小さい子供とお年寄りが一緒に過ごせる施設のメリットも注目されているわけですね。小さい子供あるいはその親にとって高齢者と触れ合う、高齢者も小さい子供と触れ合って元気になるというような、そういう幼老一体化によって地域が活性化していることがあるというふうなことは聞いております。
 その場合に、そこでケアをする方々の資格あるいは研修をどうするかということはこれから大きな課題だと考えておりますが、同じくケアという点で共通する部分、それから一方では乳幼児の保育、高齢者のケアで違う部分、その辺りは上手に加味していくことが必要ではないかと個人的には思っております。
#70
○参考人(相馬直子君) ありがとうございます。
 フィンランドにおける資格の統合などもいろいろと研究が進んでいて、笹谷先生が中心に御紹介をされていますけれども、やはりそのダブルの資格が規制緩和につながらないような在り方というのが重要になってくると思います。繰り返しな面が多くて恐縮ですけれども、保育、介護、子育て支援と、やはり全体、ケアワークとして包摂的に社会経済的な評価を上げていくような議論の中で、ダブルの資格でより保育の質、介護の質、子育て支援の質が上がっていくような、そういう議論の中で保育、介護一体型施設、これはダブルケア時代の一つのやはり重要な施策になってくるんではないかと認識しています。
#71
○参考人(藤井伸生君) 私も相馬参考人とほぼ同様の意見です。
 規制緩和として、足らないから介護の職員、保育の職員で間に合わせをするというようなことは避けるべきであって、ただ、共通部分としてのケアに関する資格をつくり、さらに子供向け、お年寄り向けのステップアップでつくっていくような仕組みをつくっていって、どちらでも対応できるようなことは今後検討に値するというふうに思っております。
#72
○山本太郎君 ありがとうございます。
 保育の問題とは少し離れるんですが、子育てのお話でもあります。この委員会の中でも質疑の中で度々取り上げさせていただいているんですけれども、生活保護受給者に関してなんですね。大学進学はすべきでないというのが政府の方針のようなんです。正確に言うと、高校を卒業した後はその高校への就学を通じて得られた技能や知識を生かして就労すべきものでございまして、大学進学後の保護を受けながらの就学というのは認めていないのが現状でございますと、これ厚生労働省の政務官の答弁なんですね。もう本当にびっくりしちゃうといいますか、貧困のスパイラルから抜けることさえも許されない、高校まで出たらもう働けというような話だと思うんです。
 もうこのまんまの話なんですけれども、これちょっとひどいよなと。これではもちろん貧困の連鎖も断ち切れないわけだから、ここを変えていかなきゃやっぱり、何というんですかね、社会としてもっといい雰囲気といいますか、貧困家庭に生まれようともやっぱり平等の、何ですかね、チャンスを与えられ、そして社会にどんどん進出していけるというようなことをバックアップするというのも、これ何ですかね、子育ての部分として非常に重要なんじゃないかなと思うんですけれども、先生方の御意見をお伺いしてもよろしいでしょうか。
#73
○委員長(神本美恵子君) どなたですか。
#74
○山本太郎君 皆さんに。
#75
○委員長(神本美恵子君) 全員。
 では、大日向参考人からお願いします。
#76
○参考人(大日向雅美君) ありがとうございます。
 とかく子育て支援といいますと、乳幼児期にどうしても焦点が当たりがちなんですが、実は高等教育の方が親、家庭の負担が大きいという現実がございます。したがいまして、高等教育に社会的支援が必要だということは私も同感でございます。
 ただ、それを国の公費だけでやるのかどうか、いろんな考え方もあろうかと思いますね。例えばフィンランドなど、あるいは北欧、ヨーロッパは、本人が一旦就職をして、そこで学費などをある程度補充してからまた大学に入るというようなこともなされている。フィンランドなどは三十歳ぐらいまでは大学生なんですね。それが、やり直しが利くとかサイクルが利く社会だからそういうことができるんだと思います。ですから日本も、幾つになっても学び続けられる、学び直せるという仕組みも同時につくっていくことが大切かというふうに考えております。
#77
○参考人(相馬直子君) 東洋大学森田明美教授と一緒に生保受給者の一人親世帯の千葉県八千代市の全世帯の調査に関わったことがございますけれども、やはり就学前あるいは就学期からの親だけではなく子供も合わせた支援計画、あるいは寄り添い型の支援というものがとても大事になってくるんではないかと思います。
 以上です。
#78
○参考人(藤井伸生君) 大学等の進学については、やはり奨学金とか、授業料をもっと安くするとか、そういうことも含めて総合的な対策が要ると思います。そして、生活保護世帯であっても大学に行きたいということは、希望がかなえられる方が本来いいと思います。
 現に私どもの大学でも、世帯分離をして、もう非常に無理無理そういう形にしてやっているという理不尽なやり方もあって、理不尽というか不自然なやり方があるということにも少し疑問を持っているところです。
#79
○山本太郎君 ありがとうございました。終わります。
#80
○委員長(神本美恵子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御礼の御挨拶を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり御出席を賜り、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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