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2016/04/13 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 決算委員会 第5号
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2016/04/13 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 決算委員会 第5号

#1
第190回国会 決算委員会 第5号
平成二十八年四月十三日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月四日
    辞任         補欠選任
     上月 良祐君     古川 俊治君
     島田 三郎君     島尻安伊子君
     二之湯武史君     熊谷  大君
     石上 俊雄君     小川 勝也君
     森本 真治君     江崎  孝君
     仁比 聡平君     井上 哲士君
     山田 太郎君     山口 和之君
 四月五日
    辞任         補欠選任
     島尻安伊子君     島田 三郎君
 四月八日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     相原久美子君
     安井美沙子君     川田 龍平君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     江崎  孝君
     川田 龍平君     安井美沙子君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     古賀友一郎君
     熊谷  大君     山下 雄平君
     荒木 清寛君     杉  久武君
     山口 和之君     松田 公太君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     滝波 宏文君     長峯  誠君
     橋本 聖子君     大沼みずほ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小泉 昭男君
    理 事
                井原  巧君
                石井 正弘君
                中泉 松司君
                礒崎 哲史君
                難波 奨二君
                平木 大作君
    委 員
                大沼みずほ君
                古賀友一郎君
                島田 三郎君
                滝波 宏文君
                塚田 一郎君
                中西 健治君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                橋本 聖子君
                古川 俊治君
                山下 雄平君
                山田 俊男君
                吉川ゆうみ君
                江崎  孝君
                江田 五月君
                小川 勝也君
                大島九州男君
                寺田 典城君
                安井美沙子君
                杉  久武君
                井上 哲士君
                田村 智子君
                清水 貴之君
                松田 公太君
                又市 征治君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        河野 太郎君
   副大臣
       総務副大臣    土屋 正忠君
       財務副大臣    岡田 直樹君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  森屋  宏君
       総務大臣政務官  古賀  篤君
        ─────
       会計検査院長   河戸 光彦君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡  拓君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局地
       方創生総括官補  佐村 知子君
       警察庁生活安全
       局長       種谷 良二君
       警察庁刑事局長  三浦 正充君
       警察庁交通局長  井上 剛志君
       警察庁警備局長  沖田 芳樹君
       消費者庁審議官  福岡  徹君
       総務大臣官房総
       括審議官     稲山 博司君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  原田 淳志君
       総務大臣官房審
       議官       亀水  晋君
       総務省行政評価
       局長       新井  豊君
       総務省自治行政
       局長       渕上 俊則君
       総務省自治行政
       局公務員部長   北崎 秀一君
       総務省自治財政
       局長       安田  充君
       総務省自治税務
       局長       青木 信之君
       総務省情報流通
       行政局長     今林 顯一君
       総務省総合通信
       基盤局長     福岡  徹君
       国税庁課税部長  川嶋  真君
       文部科学大臣官
       房審議官     松尾 泰樹君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   有松 育子君
       国土交通省自動
       車局次長     和迩 健二君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     桜田  桂君
       会計検査院事務
       総局第一局長   村上 英嗣君
       会計検査院事務
       総局第五局長   斎藤信一郎君
   参考人
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十六年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十六年度特別会計歳入歳出決算、平成二十六年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十六
 年度政府関係機関決算書
○平成二十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
○平成二十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (総務省、警察庁及び消費者庁の部)
○国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調
 査
 (国会法第百五条の規定に基づく本委員会から
 の会計検査の要請に対する結果報告に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山田太郎君、二之湯武史君、上月良祐君、仁比聡平君、森本真治君、石上俊雄君、荒木清寛君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として古川俊治君、井上哲士君、江崎孝君、小川勝也君、杉久武君、松田公太君、古賀友一郎君及び山下雄平君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小泉昭男君) 平成二十六年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、総務省、警察庁及び消費者庁の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(小泉昭男君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#6
○委員長(小泉昭男君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○島田三郎君 おはようございます。自由民主党の島田三郎でございます。
 まず、質問に入る前に、今年一月二十一日の本決算委員会での指摘に対しての総務省の対応について御紹介申し上げたいと思っております。
 実は、東日本大震災の被災地に対し交付している震災復興特別交付税について、会計検査院から、まず、見込額を用いた算定額について、実績に基づく精算が適切に行われていないことなど過大交付されていたということ、また、過大に交付された金額について、現行制度では短期間で減額調整を行うことが困難な状態となっていることについて、二十六年度の決算報告において指摘をなされました。これを受けて、同日の参議院決算委員会において高市総務大臣からは、過大な交付税の全額については既に減額措置を講じたこと、また、短期間で減額調整が困難な点については返還規定を創設する法改正を実施するべく検討を進める旨の答弁をいただきました。
 その後、早速検討がなされたようでございまして、震災復興特別交付税の返還規定を盛り込んだ地方交付税法等の一部を改正する法律案が今国会に提出されまして、三月二十九日に成立をしたところであります。
 会計検査院及び本委員会における指摘を踏まえて総務省において過大交付に係る減額措置及び法制度の整備が迅速に行われたことは、この努力については多とするものであり、改めて私自身も御紹介申し上げたいと思っております。現在でも被災地では懸命な復旧復興事業が行われています。震災復興特別交付税の適切な算定及び精算を通じ、今後とも被災自治体の支援を継続していただきたいと思っております。
 では、質問に入りたいと思っております。
 実は、我が島根だけではなく、明治まではこの日本はそれぞれの地域が多種多様な文化を育む彩り豊かな国でありました。現在は残念ながら東京一極集中が進み、地域間格差、過疎の問題が我が国にとりまして大きな問題になっております。東京一極集中を是正し、地方への人の流れをつくっていかねばなりません。
 まず、安倍政権の重要施策であるアベノミクスに関連してお尋ねを申し上げたいと思っております。
 我が国の経済はアベノミクスの効果で穏やかな回復基調が続いており、地域経済においても、第二次安倍内閣発足以降、各地域における有効求人倍率が上昇するとともに、一人当たりの賃金や就業者数が改善をしております。経済の好循環に向けた動きは確実に地方へと波及しつつございます。
 しかしながら、少子高齢化、人口減少は残念ながら急速に進行をしております。東京圏への人口流入も続いている中、地域の将来に対して必ずしも安心できる状況ではありません。地域経済の縮小に歯止めを掛けるためには、今こそ地方公共団体を取り巻く状況に応じた、地域に根差した地方創生の取組を推進することが求められております。
 今年度は、各地方公共団体が策定した地方版総合戦略に基づき、具体的な事業を本格的に推進していくことが期待をされております。国においては、地方公共団体が自由に使える財源である地方一般財源の総額を確保することが重要と考えております。今年度の地方財政対策では前年度を〇・一兆円上回る一般財源総額が確保されており、今後もしっかりと確保していくことが必要と考えますが、高市総務大臣のお考えをお聞かせください。
#8
○国務大臣(高市早苗君) まず冒頭に、島田委員からは、会計検査院の指摘に対する総務省の取組について御紹介をいただきました。本委員会において貴重な御指摘を賜りましたことに感謝を申し上げますとともに、これからも被災地がしっかりと復興を果たしていけるように必要な財源の確保に取り組んでまいります。
 それから、地方が自由に使える財源、これをしっかり確保することによりまして、全国どこに住んでも、安全に生活ができて、そしてまた質の高い教育も受けられ、安心して子育てができ、そしてまた働く場所がある、そういった地域をたくさん増やしていく、これが重要なことだと思います。
 平成二十八年度の地方財政対策におきましては、まち・ひと・しごと創生事業費につきまして前年度同額の一兆円を計上するとともに、島田委員が御紹介いただきましたとおり、地方の一般財源総額について前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保しました。
 これからも、地方団体が必要な行政サービスを提供しながら安定的な財政運営を行っていけるように、地方交付税を始め、地方が自由に使える一般財源総額をしっかりと確保してまいりたいと存じます。
#9
○島田三郎君 続きまして、ローカル・アベノミクスの推進についてお尋ねを申し上げたいと思っております。
 日本再生の鍵は、まさに地方経済にあります。地方の活性化なくして国全体の成長もなく、アベノミクスの成功もありません。我が国経済は、アベノミクスの三本の矢により、デフレ脱却・経済再生に向け大きく前進してきました。地方経済の雇用や所得環境も着実に改善してきており、デフレ脱却まであと一歩というところまで来ております。
 平成二十八年二月の労働力調査結果によれば、就業者数は六千三百五十一万人と前年同月に比べ二十九万人の増加、正規の職員・従業員数は三千三百三十三万人と実は前年同月に比べ五十六万人の増加と、いずれも十五か月連続の増加となっております。また、完全失業率は三・三%と、政権交代時の四・一%から改善をしております。アベノミクスによって我が国は経済の好循環が生まれつつあると思っております。
 しかしながら、有効求人倍率や完全失業率は、全国的には回復傾向があるものの、実は地域ごとにばらつきがございます。しっかりと地方創生に取り組むことが必要であると考えております。戦後最大名目GDP六百兆円の実現に向けて、地方経済の好循環を確立するローカル・アベノミクスはまさに実行の段階に入っております。
 総務省として、地域経済の好循環推進に向けてどのように取り組まれているか、高市総務大臣のお考えをお伺いします。
#10
○国務大臣(高市早苗君) 総務省では、ローカル・アベノミクスを掲げまして、やはり地方に仕事をつくっていく、そしてまた仕事が人を呼び、人が仕事を呼び込む、この好循環を拡大するということで地域経済好循環推進プロジェクトというものを推進しております。
 具体的には、ローカル一万プロジェクト、これは創業支援事業計画に基づいて雇用吸収力の大きい地域密着型企業を立ち上げるものでございます。そしてまた、バイオマスなどの地域資源を活用して地域エネルギー企業を立ち上げる分散型エネルギーインフラプロジェクトも推進しております。さらに加えまして、現在、ふるさとテレワークにも力を入れております。地方に住んだまま都市部の企業などの仕事をテレワークで行うという取組でございます。
 これからも地方からGDPを押し上げる、それから地産地消型の為替変動にも強い地域の経済構造、これをしっかりと構築していくことに取り組んでまいります。
#11
○島田三郎君 次に、地域おこし協力隊についてお尋ねを申し上げます。
 協力隊は、都市部の若者たちが過疎地域などに移住し、地元のニーズに応じて様々な地域おこし活動を行う制度であります。平成二十一年度の制度初年度には、三十一の自治体で八十九名の隊員の受入れがありました。その後、順調に導入自治体数もまた隊員数も伸び、平成二十七年度には全国六百七十三団体が導入し、隊員数も二千六百二十五名に増加しております。
 この地域おこし協力隊員は、全国各地で多種多様な分野において創意工夫に満ちた取組を通じて地域を盛り上げていただいており、導入した多くの自治体や地域からも大変好評であります。島根県は、地域おこし協力隊の受入れが非常に盛んである受入れ先進県であります。平成二十七年度は、県下十九市町村のうち十七団体で百四十九名の隊員が活躍をされております。そして、今年度ではございますが、県庁所在地であります松江市においても、初めて八名の協力隊員が四月の十一日に着任をいたしております。
 ただ、この協力隊の任期は最長で三年であります。何も手を打たなければ、任期が終了した後は協力隊員の人たちも都会の方に戻ってしまいます。せっかく地域のために活躍をして、さらに地域に溶け込んだ若者たちが戻っていくというのは非常に私はもったいないことであると思っております。協力隊の皆さんの多くも、でき得るならばこの地域に残りたいという思いも強いわけであります。
 例えば、島根県の海士町では、協力隊の方が任期終了後も海士町に残っていただいて引き続き地元の高校の魅力向上に取り組んでおり、かつて廃校の危機にあった島前高校は、現在では全国各地から生徒が集まる学校になっております。そして驚くべきことは、今まで一学年一クラスが一学年二クラスまで増えたわけであります。
 改めて私自身は、協力隊の方が任期終了後も地域に残っていただくことで地域の活性化に大きな役割を果たせるだろうと強く思うわけであります。そして、これはあくまで島根県だけの話ではなくて、全国各地の例でございます。この海士町の件はあくまでその一例でしかございません。そのため、任期を終了した協力隊員が地域に定着するため、総務省としてどのように取り組んでおられるんでしょうか、お答えを願います。
#12
○政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、地域おこし協力隊は、平成二十七年度には全国で二千六百二十五名、隊員数にして、委員の地元であります島根県におきましては全国三位に当たります百四十九名ということの状況でございまして、多くの隊員が活躍をされているところでございます。
 地域おこし協力隊の定住、定着の状況は、昨年実施しました調査によりますと、隊員の約六割は任期終了後も引き続き同じ地域に定住をしておりまして、また、同一市町村内に定住した方の約二割はその地域で起業をしておるところでございます。
 隊員に対するアンケートによりますと、任期終了後もその地域に定住していく上での課題としまして、活動資金の確保、技術、知識の習得、任期後の活動計画の具体化といったようなことが挙げられております。そのため、商工会やJAなど地域のキーパーソンと円滑な関係を築いておくことや、任期後の活動計画の具体化を期間内から進めておくことが重要であろうと考えております。
 このため、総務省としましては、平成二十八年度におきましては、全国各地の自治体担当者を対象としました受入れ体制の整備等に対する研修会や隊員向けのそれぞれのステップに応じた研修会を開催しまして、受入れノウハウの向上なり自治体間、隊員間での情報共有を図るということをするとともに、新たに隊員や自治体職員のサポート体制の一層の強化に向けましてサポートデスクを設置することとしております。
 また、委員御指摘の起業というものを支援するために、隊員が起業する際の設備等の初期費用などに対する特別交付税措置を講じておりますほか、隊員の起業プランを支援するモデル事業や、十一日にも発表させていただきましたけど、ふるさと納税を活用して隊員の起業を応援する仕組み、クラウドファンディング官民連携推進事業などによりまして隊員の起業を支援することとしております。
 こうした取組を通じまして、隊員の皆様が任期終了後も地域に定着していけるよう今後ともサポートしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#13
○島田三郎君 次に、地域運営組織についてお尋ねをいたします。
 人口減少や高齢化が進む中、地域住民が主体となって暮らしをお互い支え合う取組が進んでおります。
 私の地元であります島根県安来市では、市内七つの自治協議会、そしてPTAや自主防災組織など多様な主体で構成される、これ地域名なんですが、上山佐地区中山間地域コミュニティ再生会議という組織をつくっております。再生会議では生活、産業、文化・交流の三つの分科会を設置し、地域各種行事の実施やふるさとカレンダーの作成等を通じた地域住民自らの地域づくりの意識の醸成や、天馬山という山があるんですけれども、その登山マップの作成や古民家再生によるIターン者受入れ基盤の整備などによる地域、外部との交流など幅広い活動を実施しております。
 また、同じ広瀬町ではございますが、うなみの里創生プロジェクトという組織は、車を持たない高齢者向けに自宅から最寄りのバス停まで高齢者の送迎サービスを実施するなど住民組織による取組が始まっております。
 こうした組織について、総務省では地域運営組織とおっしゃっておりますが、この重要性と、平成二十八年度地方財政計画において措置をされる高齢者の生活支援等の地域の暮らしを支える仕組みづくりにおける財政支援の内容についてお伺いいたします。
#14
○政府参考人(原田淳志君) お答えいたします。
 平成二十八年度地方財政計画におきまして、高齢者の生活支援等の地域の暮らしを支える仕組みづくりを推進するために、地域運営組織の運営支援のための経費、高齢者の暮らしを守る経費につきまして五百億円の措置をしたところでございます。委員御指摘のとおり、地域運営組織は、地域の生活や暮らしを守るために地域で暮らす人々が中心になって形成され、地域課題の解決に向けた取組を持続的に実践する組織でございまして、高齢者交流など地域住民の暮らしを支える活動を幅広く実施するための住民主体の取組として非常に重要であるというふうに認識しております。
 一方で、地域運営組織は非常に財政基盤が脆弱なため、今回、地方財政計画の中でこの地域運営組織に対する運営交付金等の支援を行う経費などについて措置をしたところでございます。また、地域における住民同士の支え合いによる高齢者支援の取組、これに係る所要の経費などについても措置したところでございます。
 総務省としましても、こうした地域住民の方々主体の地域課題解決のための取組につきましてしっかり支援してまいりたいと考えております。
#15
○島田三郎君 大変ありがとうございました。
 次に、消費者庁についてお伺いをさせていただきます。これまでの消費者庁の取組の成果と、これを踏まえ今後どのような取組を行っていくかという観点から幾つかお伺いをいたします。
 今年度から施行された制度やこれまでに施行されている制度、仕組みなど主にお伺いしたいと思いますが、まず、消費者安全法が改正され、四月一日から施行されました。このうち、高齢者等の被害防止のためのいわゆる地域の見守りネットワークについては、先日の地方・消費者問題特別委員会においても構築を推進していく旨の答弁がございました。既に今、福祉や防災の分野におきましては類似の地域ネットワークがあります。そうした既存の枠組みと連携も含め具体的にどのような構築を推進していくのか、河野大臣にお伺いいたします。
#16
○国務大臣(河野太郎君) ありがとうございます。
 地域の見守りネットワークというのがスタートをいたしますが、これの構築につきましては、例えば介護保険法に基づきます地域包括支援センターのネットワークあるいは消費者教育推進地域協議会あるいは防災関係のネットワーク、こうした地域に既にある様々なネットワークと一体として構築をしていただくのが有用であるというふうに思っておりますので、まず今回の見守りネットワークと地域包括支援センターを始めとする地域ネットワーク、連携を図るよう厚労省と連携をして通知を出したところでございます。
 また、この四月一日の前に、先進的な取組をやってきた地方自治体というのが数ございますので、そうした取組について、こんなことをやっていますよという参考になるような取組事例を今年の一月に消費者庁の方から出させていただきました。
 今後とも、様々な地域がこんな取組をやっていますよという情報提供をしっかりやっていくと同時に、地方消費者行政推進交付金などを通じて地方自治体をしっかりと支援してまいりたいというふうに思っております。
#17
○島田三郎君 食品表示法の施行から一年が経過いたしました。
 食品表示は消費者には非常に身近なものであって、その自主的、合理的な食品の選択のために極めて大切なものであると考えております。
 新たな食品表示制度の運用状況など、これまでの成果と今後の取組について、そして積み残されました課題についてお伺いをいたします。
#18
○国務大臣(河野太郎君) 昨年の四月から食品表示法が新たな食品表示制度ということで施行されました。
 新制度におきましては、加工食品などの栄養成分表示を義務化をいたしました。もう一つは、機能性表示食品制度というのをつくりまして、この機能性表示食品につきましては、昨年度末で二百七十三件の届出をいただいております。こうした新制度の内容につきまして普及啓発をしっかり図るとともに、適正な執行に努めてまいりたいと思っております。
 また、今後どうするかということでございますが、幾つか消費者基本計画の中でも今後検討が必要だとされているものがございまして、一つは加工食品における原料原産地表示でございます。これにつきましては、自民党の農水部会などとも今意見交換をしているところでございますし、有識者会議を今年の一月から立ち上げたところでございます。
 それから、遺伝子組換えの表示、これをどうするか。特に混入率をどうするか、それから、今まではなかなかDNAの検査ができなかったしょうゆといったものについて表示をできないかという調査を今年度からスタートさせていただきます。
 それから、機能性表示食品制度の中で積み残しの課題になっているものが、例えば、ビタミン、ミネラルの表示をどうするのかということと、機能性関与成分が明確でないもの、例えば蜂蜜とか青汁とか、全体としては何となくいいよね、でも、何がその成分の中でどういいのかがよく分からぬというものについて、どうしたらいいのかといったものの検討をこれから進めてまいりたいと思っております。
 きちんとした情報を提供して、消費者が自主的に様々な選択ができるようしっかりとした制度の運用に努めていきたいと思っております。
#19
○島田三郎君 次に、大臣には消費者事故調についてお伺いいたします。
 消費者事故調が調査に着手をしたのは六件、このほか消費者庁に寄せられた様々な事故情報を端緒として五件の調査に着手をされております。この合わせて十一件のうち他の行政機関等による調査結果を評価した評価書は一件、調査を終了して作成された報告書は六件、公表されています。ただ、これはいずれも改善策などを関係省庁へ意見をしておりますが、勧告は実はされておりません。
 先ほど申し上げましたように、調査を終了し報告書を公表した六件はいずれも改善策などを関係省庁へ意見をしていますが、改善策が関係省庁において実現されることが本来は重要であるわけであります。改善策の実施状況について消費者庁としてどのようにフォローアップをされていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(河野太郎君) 再発防止策等を意見をするに当たり、消費者安全調査委員会ではその内容をきちんと報告をするように申し添えているところでございます。
 調査委員会では、関係行政機関の取組につきまして報告書を公表した後、行政機関での検討スケジュールや事案の性質に応じて文書による報告を求め、その内容を調査委員会のホームページに掲載をしております。また、関係行政機関の取組が十分になされているか、再意見が必要ではないかなどの点について審議をいただいているところでございますが、今の時点で再意見に至った事案はございません。
 いずれにしましても、事故の再発防止のためにはこうした提言内容が実現されることが重要ですので、消費者庁としてはしっかり今後とも調査委員会をサポートしてまいりたいというふうに思っております。
#21
○島田三郎君 調査の申出があった百九十五件のうち、いわゆるこの申出案件のうち調査に着手をされた案件は六件。原因の一つとして、人員体制に問題があるという指摘も様々ございます。
 調査をより充実させ、かつ迅速化させるために、ある意味では体制の在り方を含めどのように取り組んでいくのか、そして将来的にはどういうふうにしていくのか。これについて大臣にお伺いをしたいと思います。
#22
○国務大臣(河野太郎君) 調査の案件が少ないのではないかという御指摘はいただいているところでございまして、そこについてどうしたらいいのかなというのは私もちょっと考えなきゃいかぬというふうに思っております。
 委員の定数は七人でございまして、これは変わりませんが、調査の実務を担う専門委員は平成二十四年の二十四人から二十七年度四十五人まで人数を増やしてきたところでございまして、発足当時から徐々に強化はされてきているというふうに思っております。
 消費者の安全確保のためには、背景的な要因を含めて事故の原因究明を行うのはもちろん、できるだけ早く調査を進めるということも重要だというふうに思っておりますので、この調査委員会の機能が十分発揮できるように、必要に応じて体制の整備というのも取り組んでまいりたいと思っておりますし、また職員の知識や調査のノウハウの更なる蓄積を通じた業務の効率化というのもやっていかなければいかぬと思っておりますので、そうしたことができるように特に体制面についてしっかり見てまいりたいと思います。
#23
○島田三郎君 消費者庁は、でき上がりましてまだ六年ちょっとであります。ただ、この消費者庁というのは、ある意味では党派を超えて期待をされている省庁であるわけであります。そして、消費者の方々も恐らく、この消費者庁がどのように発展をし、そして頼れる組織になるかということも期待をされているわけであります。
 やはり私は、消費者庁の在り方というものをしっかりと構築をして、そして将来的に国民の皆様方に、消費者庁というのはこういう組織であり、困ったら、別に「いやや」を電話しろじゃなくて、困ったらもうとにかく駆け込み寺なんだというような組織づくりというものが私は必要であると思っております。
 大臣は、就任直後におきまして、立派な牙を備えることを目的とするというようにおっしゃっておりました。やはり私ども、恐らく国民も含めて、そういう牙をむける組織になるように期待をいたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#24
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。高市、河野両大臣には、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 まず、先月の外交防衛委員会で質問し残しましたサイバーセキュリティーの問題に関連いたしまして、警察庁に伺ってまいりたいと思います。
 サイバー攻撃は我が国においても現実的な脅威となっておりまして、政府機関への攻撃だけを取ってみても、近年は年間四、五百万件にも上っております。民間でも、いわゆる標的型メール攻撃の件数が昨年は過去最多の三千八百二十八件報告され、企業等の機密情報が盗まれているということでございますけれども、私は、これは氷山の一角であって、実際にはもっともっと多くの被害が出ているんじゃないかと、このように思っております。また、海外ではサイバー攻撃による停電が発生するなど、重要インフラに対する脅威も現実の問題となってきております。
 こうした現状を踏まえまして、私、外交防衛委員会では、特に、万が一のことがあってはならない原発の防御対策、それから技術立国日本の土台を支えている中小企業の防御対策について質問をいたしましたけれども、このサイバー攻撃というのはあくまでも犯罪でありますから、防御だけではなく、何とか犯人を検挙したいところでございます。しかしながら、グローバルなネットワークを通じてなされるサイバー犯罪を検挙するのは非常に難しいことでございまして、これまで検挙例はないと聞いております。
 犯人逮捕に至るまでには捜査権限の壁を乗り越えていかねばなりません。一つは外国政府の協力を得るということ、もう一つはネットワークを管理する内外の民間事業者の協力を得るということでありますが、サイバー犯罪の検挙に向けてどのように取り組んでいかれるのか、警察庁に伺いたいと思います。
#25
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 サイバー犯罪の犯人を追跡するためには、国際連携とログの保存に関する民間事業者の協力が重要であるというふうに認識をしているところでございます。
 警察では、国際連携に関し、これまでも国際刑事警察機構、刑事共助条約等、国際捜査共助の枠組みを活用するとともに、各国の捜査機関等との情報共有を推進しているところでございます。また、警察では、ログの保存に関し、総務省による電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインの解説の改正を踏まえまして、総務省と連携し、関係事業者における適切な取組がなされるよう働きかけるなど必要な対応を行っているところでございます。
 複雑巧妙化するサイバー犯罪に対処するため、引き続きこうした取組を推進してまいる所存でございます。
#26
○古賀友一郎君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 サイバー犯罪は、犯人の側からすれば、言わば足が付かない安全な犯罪になってしまっていることが問題だろうと思うわけでありまして、したがって、たとえ一件でも検挙にたどり着けば抑止効果が期待できるわけでございますから、是非とも執念深く捜査をしていただきたいと、このように思います。もちろん、仮に外国政府自身が関与している犯罪であるとするならば、もはやこれは警察レベルの問題ではなくなってしまうわけでありますけれども、それでも証拠をつかむことができれば国際社会全体での対応も取り得るはずでございますから、是非これはもう執念を持ってやっていただきたいと強くお願い申し上げておきたいと思います。
 次に移りますが、これは先ほど島田先生の御質問で頭出しをしていただきましたけれども、食品の原料原産地表示の問題について伺いたいと思います。
 この食品の原料原産地表示につきましては、食品表示法に基づく食品表示基準によって飲食料品に表示が義務付けられているところでございまして、生鮮食品については、輸入品の場合、原産国を表示することになっております。
 一方、加工食品につきましては、平成十三年に八つの品目からスタートいたしまして、順次対象品目が拡大され、現在では二十二の食品群と四つの品目が表示対象となっておりますけれども、まだまだ加工食品全体の二割程度にとどまっているというのが現状と聞いております。
 そもそも、この原料原産地表示の目的は、商品の品質に関する情報を消費者に適切に提供し、誤認させないようにするためということでございまして、実際にも、日本政策金融公庫が平成二十六年七月に実施した調査によりますと、消費者の約八割が加工食品に対して不安を感じており、そのうち約三六%の人が不安解消のためには原産地、原産国の情報が必要と回答いたしております。また、加工食品を購入する際、八割の人が表示を確認し、約三五%の人が原産地、原産国を確認しているという結果も得られています。
 こうした現状を踏まえますと、加工食品についてもできる限り原料原産地を表示することが消費者のニーズに応えることになるわけでありますけれども、なかなか一気に拡大をしてこなかったのは、これは食品産業界の事情によるところでございまして、例えば原料の調達先を変更するたびにパッケージ等を変更するのは過大な負担になるでありますとか、あるいは輸入原材料を使用する場合、原産地を把握できない場合があるといったような懸念を背景といたしまして、長年これは食品産業界と消費者団体側で激しい綱引きが行われてきているというのが現状でございます。
 もとより、私も非現実的な表示義務を食品産業界に負わせることは不当であると思っておりますけれども、両者の折り合いの付く表示方法を工夫して、できるだけ広く表示すべきであると考えております。消費者が原料原産地を認識できる領域を拡大していくということは、これは消費者の利益はもとより、今回のTPPが妥結する中で、価格の安い輸入産品に対して品質や安全性で対抗していこうとする国内の農業、漁業の生産者にとっても利益になると考えるからでございます。
 そこで、この表示をどう工夫したらよいかということで私が自民党内で訴えてまいりましたことは、大くくりの表示にとどめるというやり方でございます。つまり、国名や産地名までの詳細な表示を求めず、一〇〇%国産か一〇〇%外国産かそしてその中間の一部外国産かという三分類ぐらい、あるいは一部外国産を五〇%以上外国産と五〇%未満外国産の二つに分けることもあり得るかも分かりませんけれども、いずれにいたしましても、この三つか四つの大くくりの表示に簡素化すれば、食品産業界に過大な負担を掛けることなく、全ての食品に表示を義務付けることができるのではないかということでございます。
 もちろんそれは義務付ける表示の話でございまして、任意の表示については虚偽、誇大でない限り自由に表示させて構わないと思っております。国産でもどこどこの産地でありますとか、あるいは外国産だったらどこどこの国であるとか、食品メーカーによっては積極的に表示をして消費者にアピールしたいという企業もあるでしょうから、それは任意でやっていただければよいわけでございます。
 消費者サイドにいたしましても、最も知りたい情報というのはやはり国産か外国産かということだろうと思いますから、全ての食品に広く表示されるということであれば、これまで激しい綱引きを行いながらちびちび拡大してきたということを考えれば受入れ可能ではないかと、このように思うわけであります。
 この件につきまして、昨年十一月の自民党TPP総合対策本部による提言並びに政府の総合的なTPP関連政策大綱では、原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ、拡大に向けた検討を行うということで決着をいたしまして、どの程度拡大をするのかにつきましては、平成二十八年秋を目途に政策の具体的内容を詰めることとされまして、要は宿題として残ったわけでございますけれども、先月末、自民党の農林水産業骨太方針策定プロジェクトチームにおきまして、政府に先駆けて、全ての加工食品について実行可能な方法で原料原産地を表示するという結論が取りまとめられたところでございます。実行可能な方法で全ての加工食品に表示するというのは、私に言わせれば、まさに大くくりの表示をするということにほかならないと理解をしておりますけれども、いずれにいたしましても、今後は政府がどのような結論を出すかに懸かってくるわけでございます。
 是非、この党の結論を真摯に受け止めていただきまして、全ての加工食品に表示することを前提に実行可能な表示方法を具体的に詰めていっていただきたいと思いますけれども、河野大臣の御見解を伺いたいと思います。
#27
○国務大臣(河野太郎君) 消費者の皆様が自主的、合理的に選択をするためには、それなりにきちんと情報を出さなければ消費者の選択ができないわけでございます。特に、この加工食品の原料原産地については知りたいという声が多く寄せられているところでございまして、今お話がありましたように、党でも全ての加工品にやるべきだというようなお話をいただいております。
 これを一つ一つ国名を順番に列記しろなんと言うと、順番が入れ替わったらパッケージも全部変えにゃいかぬということになりますので、これはなかなかできないと思いますが、今委員がおっしゃったように、国産なのか外国産なのかを表示してくださいと。これもう一〇〇%国産というなら国産と書いていただければいいですし、全部外国産ですというなら外国産と言っていただければいい、必ず国産の方の割合が多いですというなら国産、外国産というふうに書いていただいて、いや、まあそこは入れ替わっちゃうときもあるんだよねというなら外国産、国産と書いていただくというぐらいの大くくりな表示にすれば、これは多分全ての加工品にやってくださいと言ってもそう問題にはなりませんし、それぐらいの大くくりならパッケージを一々変える必要もないと思いますので、やはりそれぐらいの情報は消費者にしっかりと提供されるべきだと思っております。
 また、何でもいいんですが、例えばイカシューマイなんというときに、じゃ、そのイカはどこから来たんだ、これぐらいはやっぱり特出しをして書いてよというのもやっぱりやった方がいいのかなというふうに思っているところでございます。
#28
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 まさに大臣がイメージしておられることと私非常にマッチしたなという感じがしております。是非、河野大臣のリーダーシップでお取り組みいただきたいと思いますし、この原料原産地の表示というのは特段の財政支出を伴わずに非常に効率的、効果的なTPP対策にもなると、このように私は思っておりますので、是非今おっしゃっていただいた方向でよろしく御検討いただきたいと存じます。
 では、引き続いて、今度は消費者庁の移転問題に関してお伺いをいたします。
 この問題につきましては、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づきまして、東京一極集中を是正する観点から徳島県を候補地として検討が進められておりまして、先月は消費者庁長官等を現地で執務させる実証実験が行われたところと伺っております。今後、いろんな角度から検討されると思いますけれども、今回私が注意喚起させていただきたいのは、人材の確保という観点についてでございます。
 消費者庁は新設の役所でございますので、現在は主に関係省庁からの出向者で構成されているわけでございますが、四年前からプロパー職員の採用も開始していると伺っておりまして、将来的には全員が希望して消費者庁に入ったという職員で構成されて、一層士気の高い組織になることを期待をしているところでございます。
 今回の移転がそれにどの程度の影響を与えるのかはこれは分かりませんけれども、国家公務員の採用は、資格試験をパスした学生がいわゆる官庁訪問を行いましてそれぞれの省庁に採用されるという仕組みでございますので、地方に移転した場合のこの官庁訪問が一体どうなるのだろうかということ、また、地方移転によって消費者庁の人気そのものがどうなるのかということもやはり気になるところでございます。
 当然、消費者庁としてもできるだけ意欲と能力の高い職員を確保したいと考えていると思いますので、地方移転に当たりましては人材確保の観点からの検討も十分に行っていただきたいと思いますけれども、河野大臣の御見解をいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(河野太郎君) 今、消費者庁では七月の試験に向けて鋭意準備をしているところでございますが、今委員がおっしゃったこの人材確保というところがやっぱり一番大きな問題なんだろうというふうに思っております。
 消費者庁がどこにあっても消費者行政をばりばりやりたいんだという意欲のある人を消費者庁に来てもらうためにどういうふうにしたらいいのかということは、これは短期的なスパンでなく中長期的にもしっかり考えていかなければいけないところでありますし、今かなり専門性のある方に消費者庁で仕事をしていただいておりますが、例えば地方に移転をするときにそういう方が御家庭の事情で移れないというようなこともあるんだろうというふうに思っています。
 そういうときに、例えばテレワークでそういう方の知識を生かせるのか、いろんな観点から考えていかなければいけないと思っていまして、この消費者庁の移転問題については、人材をどう考えていくか、これが一番大きなところなんだろうなというふうに思っているところで、そこはこれからしっかり検討してまいりたいと思っております。
#30
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 先ほど、これは島田先生もおっしゃいましたけれども、消費者庁、非常にやっぱり私も重要な役所だと思っております。これからもきちんと優秀な職員を確保してより良い組織づくりを行っていただきたいと、このように期待をいたしておりますので、よろしく御検討のほどお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 基地交付金についてお尋ねをいたします。
 いわゆる基地交付金は、正式名称を国有提供施設等所在市町村助成交付金と言いまして、米軍の施設や自衛隊が使用する施設のうち、飛行場や演習場の用に供する土地が広大な面積を有しており、市町村の区域の多くを占めていることが市町村の財政に著しい影響を与えていることを考慮して昭和三十二年に立法されたものでございまして、その性格は固定資産税の代替的なものとして交付される財政補給金であると、このように説明をされています。
 この交付金の総額は制度創設時の五億円から次第に増額をされてきておりまして、平成に入ってからは三年に一度、米軍資産を対象とする調整交付金と合わせて十億円ずつ増額をされまして、昨年度は二百七十五億四千万円が二百九十六の市町村に配分されたところでございまして、基地を抱える市町村の貴重な財源となっております。三年ごとの年に当たる今年度もきちんと十億円増額していただいたということでございまして、これは政府の取組に心から敬意を表する次第でございます。
 ただ、今日は一つ問題提起をさせていただきたいと思います。それは、交付対象となる自衛隊施設のバランスということでございます。
 現行自衛隊施設のうち、飛行場、演習場、弾薬庫、燃料庫及び通信施設の用に供する土地、建物及び工作物と、法令でこのように規定されているわけでございますけれども、これを自衛隊の陸海空のバランスという観点から見てみますと、陸上自衛隊の主要施設である演習場、航空自衛隊の主要施設である飛行場は対象となっているわけでございますが、海上自衛隊の主要施設である港湾は対象となっていないところであります。
 もちろん、演習場や飛行場のように近隣住民にとって迷惑ともなる施設を優先的に対象とすることについては私も一定理解をしているつもりでございますけれども、そもそもこの交付金の趣旨は、迷惑料ではなくて、自衛隊施設が存在することによって生じる市町村財政への影響を緩和するためのものでありますから、陸海空、どの自衛隊が存在するかによって緩和の程度に差が付くようなことはできるだけ避けるべきであろうと思いますし、そうした格差は総額が大きくなるに従って広がっていくということもやはり私はそろそろ意識をしていく頃になっているんじゃないかなと、このように思うわけでございます。
 もちろん、単に対象施設を追加するだけだとしわ寄せを受ける市町村も出てまいりますので、総額を増やすタイミングでないと難しいことは分かっておりますけれども、今申し上げた視点もこれは無視できないというふうに思っておりますので、今後、総務省を中心に検討を加えていっていただければと、このように思っておりますけれども、高市大臣の御見解をいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(高市早苗君) 古賀委員は旧自治省採用で総務省でも自治部局で長年活躍されましたので、もう今、基地交付金の性質そしてまた要件についてもるるお話をいただきました。ですから全て御承知の上で、これまでの経緯も御承知の上での問題提起かと存じます。
 自衛隊が使用する港湾施設につきましては、これは飛行場に比べて総じて面積が小さくて危険性も高いとは言えないということから、現在、基地交付金の対象とはしておりません。今また問題点についてもおっしゃっていただいたんですが、基地交付金は予算の総額を案分するという形で所在市町村に交付する仕組みですので、仮に港湾施設を新たに基地交付金の対象に追加する場合には既存の対象資産分の交付額を減ずるということになるため、予算総額の相当の増額確保を図らなければならないという非常に大きな課題もございます。
 現在かなり厳しい財政状況の中でそれだけの予算を確保できるかどうかということ、それから基地交付金の対象資産についての考え方をどうするか、これまでの経緯も踏まえますと、申し上げにくいんですが、対象の拡大についてはまだ現時点では慎重に考えざるを得ないという状況でございます。問題提起としてしっかりと受け止めさせていただきます。
#32
○古賀友一郎君 なかなかありがとうございましたというような雰囲気ではなかったと思いますけれども。
 今おっしゃった中で一つちょっと意識しておいていただきたいのは、そもそもこの海上自衛隊の施設というのは軍港を中心に町ができていったという、こういった経緯がございますので、市街地に近いところにこの施設が存在することが多いという事情がございまして、市街地からかなり遠く離れたところにある演習場とか飛行場に比べますと、それに固定資産税が課税されない場合の財政上の影響というのは面積の割に大きいというような、こういった事情もございます。
 その港湾施設を全部一気に対象とするのは、本当、やっぱり総額が相当でかくないといけないと思うんですけれども、港湾施設のどの部分を対象にするかという工夫もこれは考えてみればあり得ると思うんですね。だから、バランスをまず重要と考えるかどうか、それはもういいんだとおっしゃるんだったらそうなってしまうんですけれども、そこはやっぱり一つの意識として、そういったことを念頭に置いてこれからいろんな可能性を探っていっていただければなと、このように思います。
 当然これは総額が増やせるようなときでないとやっぱり既存の市町村にしわ寄せが行っちゃいますので、その点も私は十分分かっているつもりなんですけれども、いろんな方策を、可能性を探るという意味で是非これから前向きに考えていっていただきたいなと、このように思いますけれども、もう一回、今の点も含めまして、大臣にちょっとお考えをいただけたらと思います。
#33
○国務大臣(高市早苗君) やはり日本全体で税収が増えていく、そういう環境もつくりながら、今の委員の御指摘のような視点もしっかり踏まえてまいります。そう短期的に良いお答えを出せる状況に今ないことは御承知いただいていると思いますけれども、一定の対象を限定した形での検討ですとか、そういう御示唆をいただきましたので、一つの検討課題としては私も考えてまいります。
#34
○古賀友一郎君 少し、半歩ぐらい踏み出していただけたかなというふうな印象を受けました。是非お願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移りたいと思いますけれども、公務員の定年制についてお伺いをいたします。
 少子化に伴い、これから我が国の生産年齢人口が減少する中で一定の経済成長を確保しようとすれば、技術革新と併せて労働力をどのように確保していくかが重要な課題となるわけでございます。その場合、高齢者、女性、外国人ということが論点となるわけでございますけれども、今日は高齢者について焦点を当てていきたいと考えております。
 我が国の高齢者の就労意欲が高いことは広く知られているところでございます。平成二十六年十二月の内閣府の調査によりますと、高齢者の就労希望年齢は、働けるうちはいつまでもという回答が最も多くて二八・九%、これに七十歳以上まで働きたいという回答を足し上げますと五五・三%、さらに、六十五歳くらいまでという回答を含めますと実に約七二%の人が六十五歳以上まで働きたいという意向を持っているとのことであります。
 高齢者の就労は、本人の生きがいになることはもとより、支えられる側の人が支える側に回ることによって社会保障負担の軽減につながるほか、マクロ経済スライドの前提条件であります積極的な労働参加にも資することとなって年金の持続可能性にも好影響を及ぼすなど、いろんな方面で良い効果を及ぼすことになるわけでございますから、働く意欲のある高齢者の方々にはどんどん働いていただきたいと思うところであります。
 政府におかれましても、高年齢者雇用安定法に基づきまして高齢者の雇用を促進する取組を進めておられます。六十五歳までの定年の引上げ、六十五歳までの継続雇用制度の導入、そして定年の撤廃のいずれかの高年齢者雇用確保措置をとるよう事業主に義務付けております。その結果、三十一人以上の企業を対象にした昨年六月現在の厚生労働省の調査によりますと、六十五歳までの高年齢者雇用確保措置は九九%以上の企業で実施され、希望者全員が六十五歳以上まで働ける企業も七二・五%に上っているとのことでございます。したがいまして、六十五歳までの高齢者雇用は着実に進んでいるということは言えるわけでございますが、今回はもう少し踏み込んで問題提起したいと思います。
 今、九九%以上の企業で高年齢者雇用確保措置が実施されていると申し上げましたが、その内訳を見ますと、八割以上が継続雇用制度を導入している企業でございまして、定年の引上げや定年の撤廃に踏み切っている企業はまだまだ少数でございます。その理由は、一旦雇用契約を終了させた上で補助的な業務に就いてもらう継続雇用制度の方が人件費コストを低く抑えることができるといった経営上の事情があるわけでございますけれども、私としては、この制度はやや無理のある制度だなというのが率直な印象でございます。
 といいますのも、実は私、総務省在職時代に民間の継続雇用制度に相当する地方公務員の再任用制度というものを担当しておりましたし、また、自治体に勤務していたときはその再任用制度を使いまして実際の職員人事にも関わっておりましたけれども、そのときの実感でございます。
 この再任用という制度は、昨日まで管理職だった人がいわゆる平職員になったりする制度でございますから、本人のモチベーションの問題や、あるいは職場の人間関係の問題も生じてしまうということで、当時から、雇う側、雇われる側、そしてその周囲の職員の人たちにとってもちょっとやりにくい制度だなというふうに感じておりました。やはり定年を引き上げて、その人に最後まで勤め上げてもらうというのが最も素直なやり方ではないかなと思っていたわけでございます。
 実際、人事院も、平成二十三年九月、国会と政府に対して、国家公務員の定年を段階的に六十五歳に引き上げることが適当であるとの意見の申出を行ったこともございました。そのときは民間で定年延長が進んでいないと、今も余り進んでいないんですけれども、そういうことで政府は引上げを見送ったわけでございまして、国家公務員がやらない以上、地方公務員もやれないということで現在に至っているというわけでございます。しかし、私は、もうそろそろ決断を下すときに来ているのではないかなと、このように思っております。
 確かに、幾つか注意を要する論点はあるんです。例えば、定年を延長いたしますと、その分、若年者の雇用にしわ寄せが生じるという問題ですね。あるいは公務員の総人件費が増大してしまうんじゃないかという、こういう懸念もございます。
 しかしながら、若年者雇用の問題については、いわゆる就職氷河期と言われる頃は本当にこれは大変深刻な問題だったわけでありますけれども、近年はむしろ若年者を採用したくても確保できないという状況に変わってきておって、大きく状況は変わっているんじゃないかと、このように思っておりますし、また、公務員の総人件費の問題につきましても、これは人事院も意見の申出で指摘しているんですけれども、六十歳超の給与水準を抑制するということでこれは相当対応ができるんではないかなというふうにも思っております。
 そして、一億総活躍推進の観点から考えましても、高齢者の能力を最大限に生かす方策としてはやはり最後まできちっと勤め上げてもらうということではないのかなと、このように思うところでございまして、先月二十九日の参議院予算委員会におきましても、加藤一億総活躍担当大臣が、総理から、六十五歳までの定年延長や、六十五歳以降の雇用継続を行う企業への抜本的な支援、環境整備策のパッケージについて政府を挙げて検討するよう指示を受けた旨の答弁をなされました。それを聞きますと、総理も六十五歳までの定年延長を促進しようと考えておられるということではないかと思うわけです。
 どのような支援や環境整備策が講じられるかは分かりませんけれども、私は、民間の定年延長を促進する上で最も効果的な環境整備策は公務員の定年引上げではないかと思っております。
 確かに、民間に先行して公務員の定年を引き上げるのはいかがなものかという御意見もあろうかと思いますけれども、思い出していただきたいのは、かつて完全週休二日制は公務員が先行いたしまして世の中に定着していったという前例もあるわけでございますから、少なくとも六十五歳まで生き生きと安んじて働くことのできる一億総活躍社会を構築していくためには、そろそろこの辺で公務員の定年について決断をして民間を牽引していく、そして六十五歳定年制を定着させていく必要があると思いますけれども、まずは国家公務員制度も御担当でいらっしゃいます河野大臣に御見解をいただきたいと思います。
#35
○国務大臣(河野太郎君) 私も定年というものが本当に必要なのかどうか常々思っておりまして、働きたい限り、働ける限り、年齢にかかわらず働いていただいてもいいんではないかというふうに思っておりますし、民間企業が今再雇用というのが定着をしていますが、本当なら定年を引き上げるか定年を撤廃するかしていただきたいなと思ってはおります。
 では、国家公務員の場合はどうなのか。ここはいろんな議論があると思うんですが、まず一つは、今の再任用制度というのがそれなりに定着をしている、再任用をやりたいという方は今のところきちんと対応ができている、それから民間が今再雇用を中心とした制度でやっているということを考えると、私は、まだ国家公務員のところは定年の引上げをすべきだというふうには思っておりません。
 今御指摘もありましたように、やや役所の人事も高齢化しているところもありますし、若年層の意識というところも考えなければいけないというふうに思っておりますので、まず当面はこの再任用制度がうまくいっているのでそれを維持していきたい。逆に、能力や経験をしっかりと再任用後も生かしていただくためには、それなりに官僚の方にも意識転換というのが求められるんだろうというふうに思っております。そこのところをうまくやっていただいて、まずこの再任用制度で年金までの接続をきちんとやっていくということを見ながら、民間の定年引上げあるいは定年の撤廃に向けて様々なことができるんではないかなというふうに思っているところでございます。
#36
○古賀友一郎君 そもそも定年が必要なのかという問題提起もございましたけれども、元々定年制が導入されたのは、やっぱり新陳代謝を強制的に行う制度が必要だということで導入されたということなんですが、当然人口増加期の課題というのはそうだったと思うんですけれども、これから我が国は人口減少期に入ってくる、労働力が非常に確保しにくい世の中になってくるということで、そういった社会情勢の変化もあると思います。
 そういったことも含めて考えますと、これからのこの国の働き方のイメージを、グランドビジョンをどう考えていくのか。今の河野大臣の御見解によると、私が感じたのは、やっぱり当面の雇用制度じゃないかというふうに感じたわけであります。私も過渡的なこれは雇用制度だなというふうな印象を持っておりまして、やっぱり最終的な目標を、イメージをどこに置いていくのかということをしっかり政府としては考えていただきたいというふうに思っているわけであります。
 そういう中で、当面これは仕方がないということであればそれはもうやむを得ないかも分かりませんけれども、しかし、民間が進むことを待っていては、これはいつまでたってもというのが分かりません。だから、そういったことを考えますと、抜本的な策というものが今求められているわけでありますから、やっぱりそれ相応のこれまでにない決断をしないとこれはいけないと思うんですね。
 だから、そういったことを含めまして、ちょっと高市大臣には地方公務員の方でお伺いしたいと思ったんですが、それは国家公務員があっての地方公務員でございますから、今の河野大臣の御見解をもってして私の質問を終わりたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、両大臣におかれましては、これからの日本の定年制のグランドビジョンというものをきちんと認識をして取り組んでいただきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#37
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平でございます。
 質問の機会をいただいたこと、また、この決算委員会が今日開催されたことについて、委員長を始め各党各会派の皆さんの御尽力に感謝を申し上げたいと思っております。
 今日は二〇一四年度の決算審査ということなので、二〇一四年度の事業を中心に質疑をさせていただければと思っております。
 まずは、総務省の所管事業についてお伺いしたいと思います。
 二〇一二年に第二次安倍政権ができて以来、アベノミクスによりデフレ脱却まであと一歩というところまで来ております。人口減少下の中でも経済を成長させて、社会保障など、困った人への支援ができるような財源をつくっていかなければならないと思っております。その経済成長のために、私は、外国人の観光客の誘致というのは非常に重要だと考えております。
 この分野に関しては観光庁が最も中心となられる分野だとは思いますけれども、総務省の方でも海外の放送を通じた観光客の誘致などを推進されております。二〇一四年度から、たしか二〇一三年度の補正予算からだったと思いますけれども、日本のテレビ局だったり番組制作会社が、日本の文化だったり観光地、また名産などを取り上げるような番組を作って、それで海外で放送するときにはその制作費を補助するというような事業が実施されていると思います。この事業がインバウンドに与えた影響についてどのように分析されているのでしょうか、お聞かせください。
#38
○政府参考人(今林顯一君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、二〇一三年度の補正予算で認められました海外展開モデル事業を始めといたしまして、クールジャパンあるいは食の輸出、さらには訪日外国人観光客の増加と、こういったことと連動するような形で放送コンテンツの海外展開モデル事業というものを実施しております。これまで二年間で、七十七件の放送コンテンツ海外展開プロジェクトに対しまして三十七億五千万円の支援措置を講じております。
 こういった放送コンテンツは日本各地の観光情報あるいは地域産品等を取り上げるものでございまして、先ほど申し上げましたとおり、訪日外国人旅行者の増加によるインバウンド効果とともに、地域産品などの海外販路の開拓、拡大によるアウトバウンド効果の双方を狙っているものでございます。
 先生御指摘の二〇一五年度の事業につきましては、二〇一六年三月、この間終えたばかりでございますので、その成果につきましては現在精査中でございます。
 二〇一四年度の事業につきましては、総務省におきましてモデルに基づいて定量的な分析を行いまして、十件の代表的なプロジェクトを抽出して検証いたしました結果、事業費約十億円に対しまして、インバウンド効果については約二万人の訪日外国人旅行者数の増加に貢献し、五十三億一千万円の効果、それからアウトバウンド効果につきましては四十億二千万円、合計で申しますと九十三億三千万円の経済波及効果が認められたところでございます。
#39
○山下雄平君 そのような影響があって、二〇一四年度からこの事業というのは積み重ねられていると思いますけれども、今後はインバウンド向けにどのようなPRをどのような狙いで実施していく考えか、大臣にお聞かせいただければと思っております。
#40
○国務大臣(高市早苗君) 特に放送コンテンツの海外展開に際してなんですけれども、やはり相手国の文化とか習慣、これをしっかりと踏まえると。つまり、現地で多くの方に視聴してもらう番組を作るためには、現地の文化や習慣に精通しているということが必要ですから、そのために現地の放送事業者との番組の共同制作といったことを行うことが有効だと思っておりますので、一点目は、やはり現地の文化、習慣を十分に踏まえること、それから、単に海外でコンテンツを放送するというだけではなくて、旅行業者など関連事業と連動して展開するということで相乗的な効果が得られると考えています。
 今後の事業の展開に当たりましては、更に経済波及効果を高めるために、今申し上げましたような点を重視しながら、関係省庁とより密接に連携をしまして、高い目標の達成に向けて頑張ってまいります。
#41
○山下雄平君 是非、機能的な事業の展開をよろしくお願い申し上げます。
 続いて、ラジオの分野についてお聞かせいただければと思うんですけれども、総務省は二〇一四年度からラジオの難聴地域の解消の支援の事業を始めていらっしゃいます。ラジオが聞こえなかったり、聞こえづらい地域をなくしていこうという趣旨の事業だと思います。
 私の家は佐賀県内の旧郡部の田舎の港町にあります。先日、隣町で町おこしのイベントに参加していたら、ラジオ局の方が取材に来てくださいました。すごくそれで盛り上がったんですけれども、取材の後に、申し訳なさそうにそのラジオ局の方が言われたのは、済みません、残念ながらこの放送はこの場所では聞けませんと言われました。もう少し中心部に行ったら聞こえるんですけどというふうに言われて、ちょっとがっかりしました。
 私の地元は玄界灘に面した佐賀県の北西部にありまして、海の向こうは壱岐、対馬、そして向こう側には韓国の釜山があります。そういったわけで、場所によっては、韓国の放送はクリアに入るのに日本語の放送局を回しても聞こえないというときが多々あります。娯楽としてのラジオであればそれもしようがないかなとは思うんですけれども、ラジオというのは、災害が起きたときにはなくてはならない存在だと私は思います。東日本大震災の際にも、多くの方がラジオで情報を集めていたというふうに聞きます。仮に災害が起こったときに助けを求めている過疎地でラジオが聞こえないというのでは、大変なことになってしまいます。ラジオの難聴解消の支援事業というのは非常に重要だと思っております。
 二〇一四年度からの取組によってどのような効果があったんでしょうか。また、今後はラジオの難聴対策についてどのように取り組んでいくつもりか、お聞かせください。
#42
○政府参考人(今林顯一君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、AM放送のお話だと存じますけれども、大出力で広域に伝えるということでは非常に優れたメディアでございます。しかも、非常時におきましては最後の手段ということで、電池で動くということで大切なメディアでございます。他方で、最近は都市部におきましてもビルで遮られて聞こえない、あるいは先生がおっしゃったように、山合いにあるところではなかなか聞こえづらいというような地域があるというようなことでございます。
 そこで、総務省におきましては、二〇一四年度から民放ラジオ難聴解消支援事業というものを実施しておりまして、二〇一五年度末までに十九社二十九局の中継局が開局し、約千七百五十万世帯のラジオ聴取環境が改善されたということでございます。
 ラジオの難聴対策につきましては、国土強靱化アクションプラン二〇一五におきまして、ラジオ放送局の難聴・災害対策の実施等による情報提供手段の多様化、確実化を着実に推進するというふうにされておりまして、その中でも重要業績指標といたしまして、AM放送局の親局に係る難聴対策としての中継局整備率を平成三十年度までに一〇〇%とするということとされております。
 総務省といたしましては、このラジオ難聴解消支援事業を継続いたしまして、アクションプランに基づくAM放送局の親局に係る対策を進めまして都市部の難聴を解消するとともに、並行して都市部以外の地域についても難聴解消を進めてまいりたいと考えております。
#43
○山下雄平君 是非ともよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、警察庁の分野についてお聞かせいただければと思っております。
 我々が犯罪に巻き込まれることがなく日々幸せな生活を送っていけるのは、事件、犯罪を未然に防ぐ警察の方々の仕事が非常に重要だと思っております。そして、犯罪が起きたとしても、巻き込まれたとしても、必ず解決し、被疑者が捕まり、法の下で罰を受けると確信できることが我々の安心の基盤になるんだというふうに考えております。
 日本は世界の中でも安心、安全な国だと評価されてきました。私の前の仕事は新聞記者で、主に行政、政治の分野で取材してきましたけれども、事件、警察に関して取材した経験もあります。事件を究明するために日夜汗を流されている警察官の姿も見てきました。事件を犯した人間は必ず捕まえる、時間が経過しても無罪放免にはさせないという被害者、被害者家族、捜査関係者などの強い思いから、二〇一〇年、公訴時効が改正されました。殺人であれば、二十五年で時効だったものが時効がなくなりました。傷害致死では、十年から二十年に時効が延長されました。これまで諦めなければならなかった事件の究明の道が残され、社会正義を実現させる大きな一歩になったのではないかというふうに私は思っております。
 ただ、この時効撤廃、時効の延長という制度に併せて、現場の体制強化、予算の拡充がなされているのかという点では、非常に私は疑問に思っております。時効が延びたりなくなったりしたことで捜査を継続して行うことができるようになりますけれども、そのためには証拠品の適正な保存が必要です。しかし、今年一月には大阪府警では、多数の証拠品や捜査資料が不適切に保管されて四千三百件が時効を過ぎてしまったということが明らかになっています。愛知県警では、二〇一四年に三百十三事件の証拠品など二千二百点が放置され、五百点が無断で廃棄されたというふうに報じられています。福岡県警でも、二〇一五年に千点以上が置かれたままになっていたと報道されています。
 証拠品や捜査書類がずさんに管理されていては、挙げられる事件も挙げられなくなってしまうと思いますけれども、頻発する証拠品や捜査資料の不適切な管理について、どう大臣として受け止められていらっしゃるんでしょうか。国家公安委員長としてお聞かせください。
#44
○国務大臣(河野太郎君) 山下委員から御質問をいただいて、それに答えるようになったというのは非常に感慨深いものがございまして、お互い年を食ったなという気もしないではございませんが。
 今例を挙げて御質問をいただきました捜査書類ですとか、あるいは証拠品の不適切な管理というのが多く見られるということについては、警察として厳しく反省をしているところでございます。捜査幹部はもとより、第一線の捜査員一人一人が書類や証拠品の重要性をきちんと理解をし、そして何よりも、定められたルールにのっとってそれを取り扱うというのが大切なことなんだろうと思います。そうしたことを警察の関係者全員がきちんと理解できるように厳しく指導してまいりたいと思います。
#45
○山下雄平君 十六年前に河野大臣と会ったときと変わらぬ社会正義を追い求める姿勢で是非頑張っていただきたいと思っております。
 捜査技術の発達により、事件が発生した後、相当時間が経過した後も証拠品の中から決定的な手掛かりを得ることが可能になっているとも言われています。これまで以上に証拠品を長く、そして適正に保管していかなければならなくなっています。そのためには当然コストも掛かります。
 今回の審査は二〇一四年度の決算ですけれども、公訴時効の撤廃、延長がなされて以降、それに応じた、証拠品が保管できるように、予算面、施設面でどのように対応してきたのか、お聞かせください。
#46
○政府参考人(三浦正充君) お答えを申し上げます。
 証拠物件の滅失又は散逸を防止するためには、十分な広さ、構造等を有する保管施設を確保することが必要であると認識をしております。このため、警察庁では、都道府県警察の警察署の整備に対する補助金の算定の基礎に証拠物件保管庫の設置分を盛り込んでいるところであります。加えて、平成二十三年度からは、公訴時効の廃止、延長に伴う保管証拠物件数の増加に対応するため、都道府県警察が民間倉庫を借り上げる際の補助金を予算措置しているところであります。
 今後とも、必要な証拠物件の保管施設が確実に確保されるよう都道府県警察を指導するとともに、予算面、施設面でも必要な支援をしてまいりたいと考えております。
#47
○山下雄平君 制度をつくるだけではなくて、制度を生かせるようにちゃんと予算、施設面でも手当てしていく必要があると考えています。
 ただしかし、じゃ、予算を拡充すればいいのかという問題でもないと思います。例えば、寝室で人が殺されている事件が発生した、ベッドに血のりが付いていたと。この場合、シーツや布団を保管するだけではなく、もしかしたらベッドそのものを保管しなければならないかもしれません。写真やDNAだけでは分からない、何か決定的なものが潜んでいる可能性もあるわけです。
 そうなると、ではベッドを何十年も保管しなければならないのか、そういった事件が頻発したらどうするのかという問題もあります。公訴時効に関する二〇一〇年一月の法制審議会刑事法部会では、証拠品の保管について、百年保存すると今よりも二万一千平方メートル余分に掛かると、これは東京ドーム半分ぐらいだという話が出たそうです。
 証拠品を永久的に保管するのは難しくて、どこかの時点で線引きが必要じゃないかというふうにも思います。また、予算を拡充するにしても、証拠品の保管にばかりお金を掛けることが未解決事件の解決につながるとは限りません。捜査資源の適正な配分も必要だと思っております。
 証拠品の保存期間の線引きも含め、証拠品や捜査資料の保存に関してどういう方針で臨むのでしょうか。また、長期間未解決の事件については、捜査体制の在り方、また捜査状況の確認について、各都道府県についてどのように指導していくおつもりでしょうか、お聞かせください。
#48
○政府参考人(三浦正充君) これまで警察庁におきましては、長期未解決事件の早期解決を目指すための地方警察官の増員を行ってまいりましたほか、捜査特別報奨金制度の活用などによりまして国民からの情報提供の促進を図るとともに、有力情報の掘り下げ、証拠資料の再鑑定等を実施することで長期未解決事件を一件でも多く検挙できるよう指導しているところであります。
 他方、御指摘のとおり、未解決事件の証拠物件等を長期にわたり保管することは、収容能力や適切な管理の面からは大きな負担になり得るものと認識をしております。
 個々の事件に係る証拠物件等の保管の要否につきまして一律に判断をするということは困難でありますけれども、これまでも警察庁では各都道府県警察に対して、検察庁とも連絡を取りつつ、留置の必要性のない証拠物件の早期還付や、検察庁に送致した証拠物件であって警察で保管をしているもの、こうした物件を検察庁へ移管をするようにという働きかけを指示をしているところであります。また、公訴時効が廃止された罪に係る事件についても、犯罪のときから三十年を超えるなどし、かつ被害者遺族の処罰感情に反しないと判断されるものなどについては、検察官への送致を検討するよう指示しているところであります。
 今後とも、捜査資源の適正な配分の観点から、証拠物件の適正な保管を確保しつつ、その保管、管理に係る負担の軽減が図られるよう、引き続き都道府県警察の指導に努めてまいりたいと考えております。
#49
○山下雄平君 現在の指示だけだと、実は現場の警察署の方々は非常に困っているという話を何度か聞きました。是非とも、なかなかクリアに線引きというのは難しいかもしれないですけれども、現場の都道府県警の方が何とかその指針のようなものが少しでも分かればというふうなことをおっしゃっていたので、是非、大臣も含め検討いただければと思っております。
 これまでは未解決事件の解決にどのように結び付けるかという点で質問をさせていただきました。
 加えて、そもそも事件としてみなされていない、認識されていない犯罪死というものもあろうかと思っております。こうした潜在する事件、犯罪をいかに見逃さないようにするのか。そのためには、最終的には、疑われるものについて法医学の専門家による司法解剖に頼るしかないというふうには思いますけれども、日本は各国に比べて解剖率が低いというふうにも言われています。もちろんその解剖率の高い低いが犯罪死の見逃しに相関関係があるのかどうかについてはいろんな議論があります。ただ、犯罪の可能性がある、疑いがあるというときに、その遺体について司法解剖が各都道府県で必ず行えるというような体制をつくっていくことは必要だと思っております。
 私は、新聞記者の時代に鳥取県に赴任していた時期があります。その間、警察取材も事件取材もさせていただきました。この鳥取県で、昨年、半年以上も司法解剖をできる専門医がいないという時期があったそうです。その間は、司法解剖が必要だとなった場合は島田三郎委員の御地元の島根に送っていたそうです。鳥取県、島根県というのは東西に非常に長いので、多分相当時間が掛かったこともあったのだろうと思っております。報道によると、意識の高い四十代の方が東京から鳥取県に移ってくださったおかげでそうした状況は解消されたということですけれども、一人に頼っているという状況に変わったにすぎません。
 調べたところ、司法解剖ができる担当の専門医が県内に一人しかいないというところは、鳥取県のほかに、青森県、山梨県、長野県、富山県、福井県、岐阜県、和歌山県、広島県、高知県、佐賀県、熊本県、大分県、宮崎県と、十四県もあるそうです。残念ながら私の地元の佐賀県もここに入っておりました。佐賀県は福岡県に近いので、また福岡県に複数の専門の担当医がいらっしゃる大学があるので、すぐ送ることはできますけれども、県によっては、非常に県が大きくて隣の県まで運ぶのにもすごい時間が掛かるところもあろうかと思います。また、一人しかいない場合は、その人が例えば休んで県外、国外に行ったりとか、研修や学会でどこかほかの県に行くということがなかなか非常に難しくなっている可能性もあります。やはり、各県内、常時司法解剖ができる担当医が複数いるような体制をつくっていく必要があると思っております。
 現在、司法解剖を担っていただいている方には、担当医の方にどのような報酬を警察として支払っているんでしょうか。まずお聞かせください。
#50
○政府参考人(三浦正充君) 警察では、大学の法医学教室等の医師に対しまして司法解剖を嘱託をしておりまして、実施した検査の実績等に応じた経費をお支払いしているところであります。このうち、医師個人に対しては司法解剖に従事した時間や提出された鑑定書の枚数に応じて謝金をお支払いしておりまして、その額は、平成二十六年度の執行状況を見ますと、一体当たり平均約七万六千円となっております。
 警察庁では、平成二十八年度予算において、司法解剖に要する経費として前年度に比べ約六千四百万円増の二十億三千四百万円を措置しているところでありまして、今後も必要な予算が確実に措置できるよう努力してまいりたいと考えております。
#51
○山下雄平君 報酬だけではないですけれども、そうした担当のお医者さんに報いるような体制が必要だと思っております。もちろんこれは警察だけの仕事ではないと思いますけれども、日々捜査をして司法解剖に送っている警察当局というのは、担当医の不足状況というのも最も敏感にできる当事者なのではなかろうかというふうに思っております。
 警察当局として、司法解剖の医師が非常に少ない県があるということにどのように認識しているでしょうか。また、各県や大学病院などに担当の医師の確保を働きかけるなど、警察庁としても積極的に体制づくりに取り組むつもりがあるのでしょうか、お聞かせください。
#52
○政府参考人(三浦正充君) 解剖体制の充実は、解剖を嘱託する立場である警察にとってはもとより望ましいものと考えているところ、平成二十八年一月現在、警察が司法解剖を嘱託している解剖医が全国で約百五十人で、十四県においてこうした解剖医が県内に一人しかいないといった状況につきましては、厳しいものと感じております。
 大学法医学教室の体制整備については、一次的にはそれぞれの大学内部の問題でございますけれども、警察庁としても、これまで日本法医学会に申入れを行ったほか、様々な機会にその必要性について説明をしてきたところであります。
 また、警察庁におきましては、解剖体制の充実を始めとする死因究明関連施策は関係省庁が横断的に取り組むべき課題であるとの認識の下、平成二十六年六月に閣議決定された死因究明等推進計画に基づき各種施策を推進しているところであります。
 この推進計画には、政府において、地方公共団体に対し、関係機関が協議する場である死因究明等推進協議会の設置、活用を求めることが盛り込まれておりまして、警察庁では、都道府県警察に対し、同協議会の設置や運営について知事部局にしっかりと協力し、体制整備に向けて実質的な議論が行われるよう、関係機関・団体に働きかけを行うよう指示をしているところであります。
 引き続き、解剖を嘱託をしているという立場から、解剖体制整備の必要性について必要な働きかけを行うとともに、大学法医学教室の体制整備等を担当する省庁と連携するなど、解剖体制の充実に向けた必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
#53
○山下雄平君 文部科学省としては、こうした人材の育成にどのように取り組み、今後どのような対策を取っていくおつもりでしょうか、お聞かせください。
#54
○政府参考人(松尾泰樹君) お答えいたします。
 死因究明の実施に係る体制の充実強化を図るため、大学において死因究明等に係る人材を養成することは極めて重要であると認識しております。
 そのため、文部科学省におきましては、平成二十六年六月に閣議決定されました死因究明等推進計画に基づきまして、各大学における法医学を志す者の増加など死因究明等の推進を促すということとともに、また、法医学を含む死因究明等に係る教育及び研究の拠点整備の取組を支援しているところでございます。特に、二十八年度におきましては、新たに北海道大学の死因究明等を担う法医学的知識を有する人材育成プランということを加えまして、都合合計六大学でございますが、拠点の整備に支援をしているところでございます。
 今後とも、これらの法医学を含む死因究明等に係る教育及び研究の拠点整備などを通じまして、法医学を担う人材が確保されるよう引き続き支援していきたいと思っております。
#55
○山下雄平君 時間がなくなってきましたので、予定した質問を何問か飛ばしていただきまして、暴力団事件についてお聞かせいただきたいと思うんですけれども、山口組の分裂をめぐって事件が頻発しております。最近、ここ数日も事件が起こりました。
 神戸山口組の指定暴力団に指定するための作業に入っていると、もうそろそろ指定されるという話もお聞きしますけれども、そもそも法律に基づいて指定暴力団に指定するという現行の仕組みについて疑問の声も上がっています。国が暴力団にお墨付きを与えているんじゃないかというような指摘もありますけれども、そもそも暴力団組織を非合法化するべきではないかというような指摘もありますけれども、国家公安委員長としての河野大臣のお考えをお聞かせください。
#56
○国務大臣(河野太郎君) 私も我が家で子供から、いい暴力団と悪い暴力団があるのかと聞かれて、いやいや、悪い暴力団ともっと悪い暴力団があるんだというふうに答えましたが、そういう疑問はごもっともだと思っております。
 短期的には、もっと悪い暴力団が分裂をするとただの悪い暴力団になっちゃうというのはおかしな話でございまして、ようやく神戸山口組の暴対法の指定ができるようになってまいりましたが、まず、分裂したら対象から外れるというのは明らかにおかしいだろうと思います。それから、三年ごとに今対象をし直しているわけでございますが、そう簡単にもっと悪い暴力団がただの悪い暴力団になるとも思えませんので、こうした期間の在り方についての見直しはなるべく速やかにやらせていただきたいと思っております。
 もう一つは、全面的に団体を規制をする、これは団体そのものを規制することについて憲法的な問題はどうなのかということと、大規模、広域なもっと悪い暴力団を強制的にどう解散させられるか、実効性をどう担保していくかという問題がありますので、これは各国のこうした組織犯罪集団に対する法律を今研究をしているところでございまして、行く行くはこうした法改正も視野に入れていきたいというふうに思って研究をしているところでございます。
#57
○山下雄平君 ありがとうございました。
 本来であればサミットの警備体制だったりインテリジェンス機能の強化についても質問するつもりでしたけれども、時間がなくなりましたので、ここで終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#58
○難波奨二君 民進党の難波奨二でございます。
 今日は、ふるさと納税制度とマイナンバー制度につきまして、問題点等々を質疑してまいりたいというふうに思います。
 ふるさと納税は平成二十年度にスタートいたしまして、そのふるさと納税の理念をこのように、前文といいますか、うたわれております。
 地方で生まれ育ち都会に出てきた方には、誰でもふるさとへ恩返しをしたいという思いがあるのではないでしょうか。育ててくれた、支えてくれた、一人前にしてくれたふるさとへ。都会で暮らすようになり、仕事に就き、納税し始めると、住んでいる自治体に納税することになります。税制を通じてふるさとへ貢献する仕組みができないか、そのような思いの下、ふるさと納税は導入されました。このようにうたわれておるわけでございます。
 昨年の四月に制度が改正をされまして、控除額の上限も倍増をいたしました。また、年間五つの自治体までなら確定申告というものが不要なワンストップ特例制度も始まったところでございます。
 お手元の方に、所得ごとの寄附額の上限をお配りをしておりますけれども、お配りをした数字は二千五百万が上限といいますか、収入額の一番高額になっておりますが、例えば三千万の収入のある方は、この寄附の可能額というものが、上限額というものが百万円を超えます。五千万の所得になりますと二百万を超えまして、一億円の高額な収入のある方は四百万を超えるという、こうした高額な寄附が可能となっておるのが今の現状でございます。
 本日は、ふるさと納税を受ける側、税収減となる寄附者の居住自治体、高額の寄附者への優遇、高額な返礼の問題等につきまして質問を行ってまいりたいというふうに思います。
 そこで、まず最初の質問でございますけれども、今年の四月の一日に総務省が通知を各地方自治体に出されております。ふるさと納税が経済的利益の無償の供与であることを踏まえ、返礼品の送付が対価の提供との誤解を招きかねないような表示により寄附の募集をする行為を行わないよう要請しておる内容でございますけれども、二年連続で総務省が通知をなされておるわけでございます。前年も同様の通知がなされておるわけでございますけれども、中身的にはそんなに大きく違わない、そういう通知だというふうに思いますけれども、昨年も同様の通知を行って、また今年も通知を再度出されたわけでございますけれども、総務大臣とされまして、二年連続で通知を出されましたその意味合い、問題意識を含めて、まずお伺いをしたいというふうに思います。
#59
○国務大臣(高市早苗君) 地方税法の改正内容につきましては、毎年四月一日に通知を発出しています。その中で、ふるさと納税制度の拡充に伴いまして、昨年から、返礼品送付に係る良識ある対応の要請を含めまして、ふるさと納税についても記述をしております。
 今年は、やはり今委員がおっしゃいましたような制度の趣旨に沿った運用を更に進めていただく観点から、金銭類似性の高いもの及び資産性の高いものについて返礼品としないように記述を明確にした形で通知をいたしました。各地方団体で、この通知を踏まえて、ふるさと納税の健全な発展が図られますように適切に御対応いただきたいと考えております。
#60
○難波奨二君 通知ではこのようなことも記載されておるわけでございますが、返礼品の価格や返礼品の価格の割合を明記しないことを求めておられまして、今もお話ございましたが、金券等々の発行もあるわけでございますが、金券ではなくても、あるいは返礼品の品目や数量によりまして、寄附される方というのはその返礼品がどの程度の価値があるかというのは想定をできるわけでございまして、私は、過度な返礼品の競争というものを抑制する場合、返礼品の価値について、より具体的な基準というものを設けられた方がいいと思います。
 つまり、返礼品の高額なものが増えていっている状況、これが各自治体間の競争になっておるわけでございまして、申し上げたように、高額な返礼品というものを抑制するためにも一定の基準というものを総務省が示されるべきだというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。
#61
○大臣政務官(森屋宏君) お答えをさせていただきます。
 先生今御質問がございましたふるさと納税に係る返礼金送付につきましては、これは各地方団体の独自の取組で行っているものでございます。その上で、総務省といたしましては、返礼金に係る対応につきましては、地方団体自らの判断の下で責任ある対応を行っていただくことが重要であるというふうに考えております。
 その上で、今般、先ほど大臣の方から御説明をさせていただきましたけれども、各団体に対しまして、良識ある対応の必要性を踏まえ、記述を明確化をさせていただきまして通知を行ったところでございます。
 各地方団体におきましては、主体的に制度の趣旨に沿った運用を行っていただき、この制度が健全に発展をしていくことを期待しているところでございます。
 以上でございます。
#62
○難波奨二君 ふるさと納税も、先ほど申し上げましたが、昨年上限を倍増したといったこともございまして、随分伸びが高いわけでございます。
 これは平成二十七年度でございますが、平成二十七年度の上半期、四月から九月、この実績を見ても、約四百五十三億円の巨額な額となっておりまして、これは対前年同期比の約三・九倍、件数も約二百二十八万件に上りまして、これも同期比三・七倍というふうになっております。平成二十六年度の一年間トータルした三百八十九億円の額を昨年度の上半期だけでもうオーバーしているという状況にあるわけでございますけれども、この返礼品というものが非常に還元率が高くなっていっているのも現状でございまして、制度の趣旨からいいますと、やはり少し食い違ってきているような状況だというふうに考えますけれども、こうした実態につきましてどのようにお考えか、お伺いいたします。
#63
○政府参考人(青木信之君) お答えを申し上げます。
 ふるさと納税は、地方団体の様々な取組を応援する気持ち、それを形にしていただくための仕組みでございます。したがいまして、その寄附が地方団体の施策、事業の財源にきちんと充てられているということが大事だろうと思いますし、冒頭委員から御指摘いただきましたように、このふるさと納税により寄附をする場合は、その寄附をされる方の住所地等の税収が減ることになる。その意味でも、この寄附は非常に貴重な寄附であるということだろうと思います。
 したがいまして、この返礼品につきましては、先ほど大臣、政務官からも御答弁申し上げておりますように、行き過ぎた対応がないように、良識ある対応というのを重ねて我々も地方団体に要請しているところでございます。
#64
○難波奨二君 なかなか、今御答弁があるように、常識的な対応といいますか節度ある対応が自治体でできていないのが実態でございまして、今様々な民間のふるさと納税サイト、あるいは指南本等が出ておりまして、よりお得な情報があたかも通信販売のような感覚で紹介をされているサイトもございます。
 高額な寄附でもらえる特典として、真珠のセットとかデジタル一眼レフカメラ、牛一頭なんというようなものもあるわけでございます。また、百万円以上の寄附を行った場合にはヘリコプターで市内周遊ができるとか、一日町長体験とかいう、これもよく分からない特典でございますが、またケーブルテレビのニュースキャスターになれるという、そうした特典も実際あるわけでございます。
 このような制度の利用のされ方というのは、冒頭私が申し上げましたけれども、生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、あるいは自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度、こうした趣旨からやっぱり大きく変わっているというふうに思うんですよね。いかに実効ある制度にするのか、そして本旨に基づく制度にするかということをやっぱり真剣に是非考えていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
#65
○国務大臣(高市早苗君) 確かに、趣旨を外れた対応というのはよくないと考えております。
 例えば、先ほど委員が例に挙げられました一日町長ですとか、またケーブルテレビのキャスターになれます、これもまた、その地域に出向くことによってその地域を好きになり、えにしをつないでいただいて、これからそこから物を買おうとか、また将来的に移住も考えるとか、そういったきっかけになるようなメリットはあるかと思いますが、やはり行き過ぎた高額な返礼品、これによる競争が過熱するということは本来の趣旨を逸脱したものでございます。
 先ほど冒頭におっしゃっていただいたとおり、昨年、今年と総務大臣として通知を発出しました。その結果、現段階で五百十二団体が見直しへの取組をしていただいておりますので、やはり良識的な対応についてより明確にするために再度通知を出させていただきました。地方自治体の良識あるお取組をまずは期待いたします。
#66
○難波奨二君 このふるさと納税の返礼品といったものは、これは一時所得になるわけでございますが、この返礼品の具体的な価格、あるいは返礼品の価格割合、これは寄附額の何%相当になるかといったような価格の割合です、こうしたものを表示しないと、いただいた返礼品というものが五十万円を超えるのかどうなのかというのがこれは寄附した側というのは非常に分かりにくいというふうに思うわけでございますが、こうした表示がないというこの問題について、一時所得として申告をできないというこうした状況につきまして、総務省の御見解をお聞きしたいと思います。
#67
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 総務大臣の通知におきましては、返礼品競争の過熱を加速させることがないようにということで、返礼品の価格や寄附額に対する返礼品の価格の割合、これは表示を行わないようにと要請をしているところでございますし、また高額な、又は寄附額に対して返礼割合の高い返礼品も送付しないよう要請しているところでございます。
 今委員からお話もありましたように、多額の返礼品を受け取った場合、他の一時所得と合わせて五十万を超えるような場合には、これは一時所得としての申告が必要となるわけでございます。この返礼品が一時所得となり得ることは大臣通知の中にも明示しているところでございますけれども、多額の返礼品を受け取った場合、各納税義務者の方々において、返礼品のみならずいろいろな一時所得があり得るわけでございますから、それぞれその物の価値を確認して、他の一時所得と合わせて申告をいただくべきものというふうに考えておりまして、返礼品の価格が明示されずに送付されたということをもって申告に影響を与えるものではないというふうに考えております。
#68
○難波奨二君 まあ性善説の話だろうというふうに思いますが。
 それでは、国税庁として、このふるさと納税の、私が今指摘してまいりました一時所得のこの問題につきましてどのような御認識をされておるのか、また、これは通告しておりませんが、このふるさと納税を利用して一時所得として申告されている実態ですよね、これをちょっと把握されておられたら、併せてお聞きしたいと思います。
#69
○政府参考人(川嶋真君) お答え申し上げます。
 ふるさと納税の返礼品は法人からの贈与となりますことから、一時所得として所得税の課税対象となり、この場合の一時所得の申告は贈与を受けた資産の価格に基づいて行うこととなります。一般的に価格表示のない資産の贈与を受けた場合の一時所得の申告に当たりましては、これは先ほど総務省からも御答弁ございましたが、納税者におきまして価格を確認し、申告していただくこととなっております。したがいまして、ふるさと納税の返礼品につきましても、価格表示がないということが必ずしも一時所得の申告に影響を与えるということにはならないのではないかというふうに考えております。
 それから、ふるさと納税の返礼品の申告状況というお尋ねもございましたけれども、ふるさと納税の返礼品に関する申告状況につきましては、これ申告書では一時所得の記載の際にふるさと納税の返礼品であるというところまで記載することとなっておりませんものですから、ふるさと納税に関する申告というのは把握していないということでございます。
#70
○難波奨二君 今も質問るるしてまいりましたけれども、様々解決しなくちゃならない課題があるというのが明らかになっていると思うんですけれども、金券とか、先ほど申しました一眼レフのカメラの問題とかゴルフバッグのセットとかも、こんなものも入っているんですけれども、こうした金券とか換金性の高い商品というのはふるさと納税にはなじまないという指導をなされたらどうかと思いますが、いかがですか。
#71
○大臣政務官(森屋宏君) お答えを申し上げます。
 返礼金の送付につきましては、ふるさと納税制度とは別に各地方団体が独自に予算を計上されまして実施しているものでございまして、地方団体が自律的に対応することがまずは重要であるというふうに考えております。そのため、制度として禁止するということは想定をしておりません。しかし、一方で、制度の趣旨に沿った運用を推進をしていただく観点から、先ほどからお話がございますように、総務大臣通知によりまして良識ある対応を要請をしているところでございます。
 そしてまた、今回、金銭類似性や資産性の高いものにつきましては具体的な記述の明確化をさせていただきまして、各地方団体に通知を出させていただきました。これを踏まえて主体的にそれぞれ適切な対応を行っていただくことを期待をしているところでございます。
#72
○難波奨二君 ちょっと質問を飛ばしてまいりますけれども、このふるさと納税制度というのは、寄附を受ける自治体と寄附者の双方が利益を受ける制度になるわけでございますけれども、ここで問題となるのは、誰が負担者になるのかということでございます。地方交付税の交付団体であれば、基準財政収入額の控除分の七五%が普通交付税の対象となりまして、二五%の税収減となります。不交付団体にとっては控除額はそのまま税収減となるわけでございまして、これはひいては行政サービスの低下につながるということになります。
 資料をお目通しいただいてもお分かりのとおり、都市部、つまり人口の多い自治体や高額な所得者が多い自治体というものが、非常にその地域というものが税収減が大きいわけでございます。寄附を受ける自治体と寄附者が受ける利益に対しまして、その負担を賄っているのは居住自治体と、地方交付税の増加、つまり国民負担分ということになるわけでございまして、東京二十三区では区長会が、寄附を行わなかった住民には、失われた税収分の行政サービスの低下を甘受しなければならないことになって住民同士で不公平が生じるというふうに訴えられておるわけでございますけれども、この点の大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(高市早苗君) このふるさと納税制度におけます特例控除額でございますが、個人住民税所得割額の二割が上限となっておりますので、各納税者の税額の大半は住所地団体に残るという仕組みになっております。
 今委員が指摘されましたように、非常に寄附者の多いところで減収が生じるという問題がございますけれども、やはりこの減収の動向ですとか財政運営への影響につきましては、今後も、地方団体の実情ですとか今御紹介いただいたような御意見しっかりお伺いしながら注視をしてまいりたいと考えております。
#74
○難波奨二君 今申し上げましたように、住民税の応益性の観点から申し上げましても、本来ならば居住地に支払うべき住民サービスの対価、これが他の自治体に流出をするという構図になるわけでございまして、この応益性の観点からも非常に問題だというふうに思っております。したがって、国税である所得税から控除をすべきではないかというふうに考えますけれども、そうした方向性は、可能性があるのかどうか含めまして御見解をお伺いいたします。
#75
○大臣政務官(森屋宏君) お答えをさせていただきます。
 先生今お話ございましたように、個人住民税につきましては、受益に対する負担としての地域社会の費用を住民がその能力に応じて広く分かち合うという地域社会の会費的な性格を有しているものでございます。今回、それで、一方におきまして、このふるさと納税というのは、納税者が一定の範囲内で自らのふるさとに対してやあるいは被災地への応援などの気持ちを表現できる税制上の仕組みであるということも重要であるというふうに思っております。
 ふるさと納税は、寄附額のうち二千円を超える部分につきましては所得税と個人住民税から控除する仕組みでございまして、所得税の寄附控除制度を踏まえた制度となっております。また、個人住民税における特別控除額につきましては、個人住民税所得割額の二割が上限になっているということを先ほど大臣の方からも答弁をさせていただきましたけれども、個人住民税の一部が住所地以外へ実質的に移転されることにつきましても一定の限度内にとどまるものでありまして、現行制度は合理性のあるものであるというふうに認識をしております。
 以上でございます。
#76
○難波奨二君 次の項目の質問もありますのでこの問題では最後にいたしますけれども、やっぱり高額納税者というのが非常に有利な制度であることは間違いないわけでございまして、ふるさと納税の達人と言われる方がいらっしゃるわけでございますけれども、実際に六百万もの控除を利用して食費ゼロ生活をしているという、こういう現実もございます。
 私は、寄附の文化というものを我が国に更に根付かせていくということは非常に大事なことでございまして、それはやはり、冒頭私が申し上げたような本当の意味のといいますか、心と心というものが通じ合ってといいますか、そうした自分が自発的に行っていくという、そういう寄附制度というのを目指していかなくちゃならないんだと思いますけれども、寄附税制全体で申し上げますと、例えばNPO法人への寄附等は、これは寄附額、寄附の金額の最大五〇%までが減税となるというふうになっております。ふるさと納税というのは、今も御紹介もありましたように、二千円までは自己だけれども、あとは全てが、百万円寄附したら九十九万八千円はもう減税になるということでございますし、今度新しくつくられます企業版ふるさと納税につきましても六〇%の税控除ということになるわけでございまして、そういう意味では、寄附制度全体のやはり見直し、こうしたことも必要じゃないのか、あるいは、本旨に基づいたふるさと納税の在り方というものを、更にやはり各地方自治体と協議を十分なされて、私は、改善して本当により良いものにしていただきますよう要望しておきます。
 大臣、何か最後コメントあれば。じゃ、お願いいたします。
#77
○国務大臣(高市早苗君) 地方自治体の方からは、やはり主に過疎地などにおいて、税収増ですとか、それからやはり地域の活性化にもつながっている、地場産業の振興にもつながっているという高い評価もいただいております。一方で、先ほど委員が御指摘になったような問題もありますから、しっかりとこれからも意見交換をして、課題があればそれを解決しながらこの制度をしっかりと育てていきたいと思います。特に被災地に対する御寄附も随分このふるさと納税制度を御活用いただきましたので、制度自体は大切なものと考えております。
#78
○難波奨二君 それでは、マイナンバーの方に入ってまいりますけれども、本年の一月から個人番号カードというものが順次交付をされる、こういう状況で今運営をされておるわけでございますけれども、この運営の主体でありますJ―LISにおきまして相次ぐシステム障害というものが起きております。私も先月の総務委員会でその質問をいたしましたけれども、私は、総務省はこのシステムトラブルに対しまして少し御認識が甘く見られているんじゃないかという思いをしておりまして、早急に原因の究明あるいは根本的な解決策、これを図られるべきと思いますけれども、大臣、いかがでございましょう。
#79
○国務大臣(高市早苗君) 非常に深刻な問題と捉えております。これはやはりマイナンバー制度そのものの信頼を揺るがしかねない、こういった事象でもあると思っておりますし、多くの方々に不安を与えているということも確かです。
 原因究明それから再発防止につきましては、総務省から累次の要請も行ってまいりましたし、私からも理事長に対して直接の要請を行いました。
 J―LISのシステムの不具合に関する調査においては、中継サーバー障害の原因は中継サーバー内の暗号処理装置の動作に関係する部分にあると考えられているんですが、引き続き徹底した調査を実施しているという状況でございます。ただ、その調査結果を踏まえまして、中継サーバーの二号機については三月四日に、そして他の一号機、三号機、四号機も三月十一日に改修を実施しまして、その後はJ―LISのシステムで重大な障害は生じていないと承知しております。
 これからも、総務省は、このマイナンバーカードの円滑な交付に向けまして、J―LISそれからまた市区町村としっかり連絡を密にして取り組んでまいりたいと思っております。
#80
○難波奨二君 今御答弁ございましたように、やっぱり国民の皆さんの信頼というものが非常に大事でございますので、よりこれからもカードというものを普及しようとすれば、やはりこのシステムの問題というのは大変重要な問題でございますので、一層の取組の強化というものをJ―LISに対して求めていただきたいというふうに思います。
 そして、実際に国民の皆さんにカードが手に渡るのが二か月ぐらい掛かるわけでございますが、私の周りでも、お聞きいたしますと三か月ぐらいまだやっぱりそのままカードが交付されないという、そういうことも実際起きておりまして、是非そうした問題についても解消に向けて併せて取り組んでいただきたいと思います。
 このシステム障害でございますが、その原因というのは、元々、総務省なりが発注されたわけでございましょうけれども、作成過程に問題があったんじゃないか、こういう懸念も生じるわけでございますが、そもそも仕様書の内容あるいは作成過程における様々な協議等々の場の中で問題がなかったのかどうなのか、お伺いしたいと思います。
#81
○大臣政務官(古賀篤君) ただいま委員から御指摘いただきました仕様書ですとか作成過程についてでありますけれども、先ほど大臣からも御答弁させていただきましたように、現在J―LISにおいて障害の根本的な原因究明を行っているということでありますし、その原因調査もしているところでありまして、その障害の原因というのはカード管理システムの中継サーバー内の暗号処理装置の動作に関係するものであったということであります。
 御指摘のその仕様書に関してでありますが、カード管理システムの仕様についてはきちんと仕様を置いたということで、その原因が仕様に起因するものではないというふうに捉えておりますし、適切な事前のテスト等も行われているということでありますので、そういった点では御指摘の点は当たらないというふうに認識をしているところであります。
#82
○難波奨二君 このマイナンバー制度の導入に向けまして、総務省の方は国会における答弁で、初期費用として三千二百億円程度の費用が掛かった、そしてこの後五年間で四百十億円もの運営費の投入が見込まれていると、こういう見解を述べられておるわけでございますけれども、このJ―LISに対して支払われる金額が大体どれぐらいなのか、あるいはこの運営費、四百十億円という運営費ですね、これの妥当性、それから、システムでございますから、恐らく常識的に言いますと都度システムの改修とか大幅な改修というのが五年以内ぐらいには常識的には行われるんでしょうけれども、このシステム障害の改修予定あるいは改修費用の見通し、これを併せてちょっとお聞きしたいと思います。
#83
○政府参考人(稲山博司君) お答えいたします。
 まず、これまで政府答弁で答弁させていただきました制度の初期費用、御指摘ございました三千二百億円のうちJ―LISに係る費用でございますけれども、番号の付番システムにつきまして約百四億円、これはシステムの開発等でございます。それから、マイナンバーの通知費用、これは通知カードについての作成、郵送ということで、これ約二百八十四億円、これが含まれておるものでございます。
 それから、今後の運用に係る経費四百十億円、これは情報提供ネットワークシステムとかマイナポータル等の費用でございまして、J―LISに係るものは含まれておりませんが、ちなみに、二十七年度のJ―LISに対します地方公共団体から支払われた額を申し上げますと、マイナンバー制度に係るシステムに関係いたしまして約百六十七億円、それからマイナンバーカードのこれは発行、交付でございますけれども約六百五十七億円、こういったものを交付することとなっておるところでございます。こういった経費のうち国が補助するものにつきましては、国において必要な経費を精査いたしまして、執行もいたしております。
 また、J―LISの予算につきましては、機構法に基づきまして、地方三団体の代表者なり有識者が参画いたします代表者会議の議決を経ることとされており、そのガバナンスの下に適切に計上すべきもの、また計上されているものと認識をいたしております。
 それから次に、システム障害の改修の費用の関係でございます。
 先ほど大臣より御答弁がございましたように、カード管理システムの原因につきまして調査いたしまして、その結果も踏まえまして一定の改修をしているところでございます。さらに、根本的な障害原因が特定され次第、早急な追加の改修を実施すると聞いているところでございます。こうした改修費用につきましては、カード管理システムの構築事業者における瑕疵への対応でございますので、J―LISに追加費用等は発生しない見込みであるというふうに考えるところでございます。
#84
○難波奨二君 いずれにしましても、多額な費用が投入をされて、今後も、こうしたビッグなプロジェクトでございますので、システムの改修等々、大変な高額な費用が必要となってくるんだろうというふうに推察をしております。
 もう一点お伺いをしたいというふうに思いますけれども、マイナンバーの制度を悪用したといいますか、便乗した犯罪等々への対応でございますけれども、現在までの被害状況の把握あるいは被害者の救済策でございますが、それぞれ消費者庁、警察庁等にお伺いしたいと思いますけれども、対応を含めまして、どのように今行われているのか、お伺いをいたします。
#85
○政府参考人(福岡徹君) 消費者庁でございます。
 マイナンバー制度が始まった昨年度から、その制度に便乗した不正な勧誘や個人情報の取得に関する消費生活相談が全国の消費生活センター等に寄せられております。その件数は、昨年四月から本年四月十日までに四百八十三件となっております。そのうち被害があったと疑われるものは、例えば、マイナンバーが漏えいしているとしてその削除のための費用を要求されて支払ってしまったものとか、マイナンバーに未払履歴が登録されることを避ける費用ということでの架空請求に支払ってしまったものとか、家庭に訪問された方に家族のマイナンバー通知書を封書ごと持ち去られたものなどでございますが、合計十件が寄せられているところでございます。
 消費者庁といたしましては、悪質な行為による被害を防止するため、昨年十月から関係省庁と連携いたしまして制度や相談窓口の周知を行いますとともに、消費者に対する注意喚起を行っているところでございます。今後とも、相談状況等を踏まえて、関係省庁と連携して被害の防止に努めてまいりたいと考えてございます。
#86
○政府参考人(三浦正充君) 警察庁では、都道府県警察において認知をしたマイナンバー制度に便乗した詐欺被害の事案について、これまでに九件を把握をしているところでございます。
 警察では、この種事案を認知した場合には捜査を徹底するとともに、国民の被害を防止するため広報啓発に取り組んでおります。具体的には、警察庁ウエブサイトにおいて、警察が把握した実際の被害のほか、不審メール、電話等に関する相談の事例及び注意ポイントを掲載するなどしましてマイナンバー制度に便乗した詐欺等の被害防止のための広報啓発を行うとともに、こうした事例を関係省庁にも提供いたしまして連携をして注意喚起に当たっているところであります。また、都道府県警察においても、街頭キャンペーン、ポスター、チラシ、防犯メール等、様々な機会や手法により注意喚起を行っているところでございます。
 引き続き、関係省庁と連携をしながら、被害防止のための広報啓発等を適切に実施をしてまいりたいと考えております。
#87
○難波奨二君 大臣、お願いがあるわけですけれども、国民の皆さんからのいろんな問合せが消費者庁にあったり、警察の方にあったり、総務省の方にもある、そういうホットラインがあるわけでございますが、このマイナンバーに関する、今申し上げた犯罪的な問題含めて、窓口の一本化というのも是非検討していただきたいというふうに思います。答弁は結構でございますけれども、そういう方向も少し御議論していただいて、国民の皆さんが一つの窓口でマイナンバーの様々な問題に対して相談ができる、そういうホットラインを、是非一本化というものを御要請をしておきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、委員長にお取り計らいをお願いを申し上げますけれども、今私が申し上げてまいりましたように、このマイナンバー制度につきましては既に多額の費用が投じられているところでございます。この後も多額の運営費、改修費等々が生じることも想定するわけでございまして、今後、マイナンバー制度に係るシステム整備等の状況あるいは更新の見込み、個人番号カード等の交付の状況、こうした事業の実施状況につきまして調査をして、制度自体の適切かつ効率的な運営を図っていくことが重要というふうに考えておりますので、会計検査院に対しましてこのマイナンバー制度に関係した検査を要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#88
○委員長(小泉昭男君) ただいまの件は、後刻理事会で協議をいたします。
 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#89
○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君が選任されました。
    ─────────────
#90
○委員長(小泉昭男君) 休憩前に引き続き、平成二十六年度決算外二件を議題とし、総務省、警察庁及び消費者庁の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#91
○寺田典城君 どうも、民進党・新緑風会の寺田典城でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速質問に入らせていただきますが、地方財政審議会の在り方、これまでも、三回目ですか、これでですね。自治省から総務省に変わったのは二〇〇一年なんですが、この法律は、在り方、審議会は、それこそ一九五三年、六十何年間何も変わっていないということなんですね。この前総理にお聞きしましたら、安倍総理の答弁の内容は、危機的な地方財政状況を踏まえて、持続可能な地方財政基盤の構築及び地方財政の健全化の必要性や人口減少社会における公共サービスの安定的な提供についても盛り込まれているところでございましてというような、なんですよ。これも安倍さんはアベノミクス以外関心ないのかなって、そう思いました。
 それこそアベノミクスは、デフレ脱却まではもう一歩だというんですが、私、アベノミクスを、足を引っ張るつもりはないんです。このアベノミクス失敗しちゃったら、日本の国、私、破産しちゃうんじゃないかなと思っている。日銀に国債まで買わせて、それこそ機動的な財政出動とか、円高がなってきた状況の中で株安ですね、GDPは成長なしと。それこそ二〇二〇年まではプライマリーバランスも取らなきゃならぬということで、交付税の在り方だとか、これからいろんな在り方を検討していかなきゃというときに入っているのに、まだこんなことを言っている状況なんですよ。
 それで、一つ土屋総務副大臣にお聞きしたいと思います。今日は、一旦総務副大臣辞任なさって、市長になったつもりでお答えいただければいい答えが出てくるんじゃないかなと思います。それこそ財政審議会の在り方はどう思っていらっしゃいますか、それをお聞きしたいと思います。
#92
○副大臣(土屋正忠君) 地方自治の大ベテランの寺田先生からの御下問でございますので、なかなか答えにくい点もありますが。
 先般の安倍総理の御答弁並びにまた我が高市大臣の御答弁も私も拝聴いたしましたが、基本的には制度についての、地方財政審議会の制度についての御質問であったわけでありまして、そういう点についてはそういう御答弁になるだろうと思います。
 また、同じような、いわゆる制度についての御質問ということになれば私も同じような答弁になるわけなんで、念のため申し上げますが、地方財政計画の策定、地方交付税の交付額の決定、地方債の許可、同意、法定外普通税、目的税の新設や変更の同意などを始めとした地方税財政制度に係る総務大臣が行う意思決定は地方団体の財政運営や地方団体間の利害に直接関係するものですから、専門的なお立場からこれらを、見識を持つ五名の委員の中から改めて御意見を賜るということになっているわけであります。したがって、ほかの委員会とちょっと違うところはここでありまして、深く日常の行政執行にも関与しているということになるんだろうと思います。
 また、これに加えて、総務省の設置法の規定に基づき、骨太方針の決定や地方財政対策の決定などの時期において地方税財政制度に関する意見を述べる、こういう規定がありますから、これについても逐次述べていただいているわけであります。
 それぞれの五人の委員の方々は、極めて、一つ一つつまびらかに申し上げるわけにいきませんが、日常においても、中長期のテーマについても意見を交わして、必要に応じて御意見をいただいているところであります。
 したがって、地方財政制度、いわゆる地方財政審議会、地財審の在り方としては、法律で決まっていることでもありますから、こういう枠の中でこれからも適切にお仕事をしていただくということになるんだろうと、こんなように思っております。
#93
○寺田典城君 中長期的なことにもわたって、それから深く行政にも関わっているということで。
 ところが、この内容を見てみると、疑問も多いんですよ。給与関係費については、地方公務員の数を減らすことには限界が来ていると、こういうことですね。どういう、何というんですか、行政改革をやろうとかというのを書いていないんです、それは。そして、同じく一般行政経費については、国庫補助事業の増加に併せて地方単独事業についても増加させることが適当と。分権的な考え方は何にもない。ですから、総務省のというか、存在意義がどこにあるのかということなんです、私から言わせると。
 ですから、今一千兆円も借金抱えて、毎年三十兆円も赤字が、要するに借金が増えていくのに、地方の自立だとか分権だとかということが全然出ていないということ自体が、これは、私はもうこのままではやっていけなくなっちゃうと率直に心配しているんです。
 もし財政破綻した場合は、総務省はどういう行動を取りますか、思う範囲で答えてください。副大臣から、今日は市長になったつもりで答えてください。
#94
○副大臣(土屋正忠君) 破綻法制につきましては、十年前に夕張の事例があり、あれで相当苦労をいたしました。夕張市も今大変頑張っているところでございます。それに対して、どうしてあそこまで行かなければその破綻が分からなかったのかという意味において総務省の監督責任もいろいろ問われたところでございます。
 たまたま十年前に、私、菅大臣の下で政務官やって、庁内のチームリーダーやっておりましたもので昨日のように覚えているんですが、それに学んで、一定のルールを決めて破綻法制を作り整備をいたしましたので、現在のところ、つまりあそこまで行ってイエスかノーかみたいな話じゃなくて、事前にいろいろ技術的助言をさしあげたり、いろいろなことの中からそういうものは相当担保されていると、このように考えております。
#95
○寺田典城君 夕張市は私も何回も行きました。それから、菅さんがたまたま秋田県なものですから、寺田さん、あなた、夕張市のことはどう思うということで、私は破綻させるしかないと思いますと言ったら、じゃ、第一号になるななんということを言ったんですが。
 やっぱりそれは、夕張市、十五万人ぐらい住んでおったし、昭和三十五年ぐらい、炭鉱がやめて、それから今一万人、今一生懸命新しい市長が頑張っていますけど、要するに、例えば夕張市に仕事を残すためにも、それから企業を誘致するためにも、夕張市だったら、あそこだったら法人税二分の一にするとか何々にするとか、制度を優遇するしか来ないんですよ、それは。金掛けたものを、そして今度はみんなで、総務省は総務省で交付税を増やす、それから農業は農業の方でいろいろなものをつくってやる、そしてまたオーバースペックになっちゃってあのような形になっちゃったということ。ですから、私は、そういう点については、夕張市というのはある面での行政の、総務省とか国の制度の犠牲だと思いますよ。そう思っています、私は。
 それと、重複行政のことも聞きたいんですよ。
 今、これからは交付税だって、今は一千兆円も日本の国は借金があって、GDPの二・四倍ですか、これ以上交付税だってなかなか増やせないときに来ているのに、これからどのようなことをしていくべきかと。その中で、のうのうと、地方公務員の数を減らすことは限界に来ているとかという、そういう記述をするような財政審なんというのはどうなんだと、何も考えていないじゃないのと。
 それで、問い二の方の重複行政についてなんですが、私、こういう三枚の紙を持ってきました。(資料提示)これが日本国です。赤字で、一千兆円借金あって。これがその権限というか、日本国の権限です。またコストも掛かっているでしょう。地方自治体はある面では青息吐息で。こういうふうに国は県に対してこれだけの権限を持って、重複しているということですよ。重複している行政です。これがある面では市町村ですね。県も市町村に対して重複していると、こういう形です。
 国が全部こういうふうに県から市町村までみんな、道路を造るといったって、揺り籠から墓場までですよ、それこそ。幼稚園造る、保育園造る、義務教育だって負担金だ、それから介護保険制度の中で特養を造るだってどうなんだと。全て国の権限ですよ。こういうふうな重複したら、これでどのくらいのコスト掛かっているかというと、これの横、コストだってこんなに掛かっているはずです、これ。重複行政やっているから。だったら、国はこういうふうな形でサポートしたらいいでしょうと。そして、国は基本的なことで、防衛、外交とかそういう根本的なことをやってサポーターになったらいいんです。そうすると、これだけコストも掛からなくなるでしょうと。
 今、土屋副大臣、市長を経験なさって、重複行政というのはよく分かるでしょう。どう思いましたか。
#96
○副大臣(土屋正忠君) 国と都道府県、あるいは都道府県と市町村の自治体同士、これが重複をしないようにやっていくというのは、一般原則としては当然そうあるべきだし、自治法の物事の考え方もそのようになっているわけであります。
 ところが、何をもって重複かという議論になってくると、これは、何といいますか、法律の字面の話じゃなくて、寺田先生はもっと基本的なお話をされておられるんだと思うので、私なりにお答えしますが、何をもって重複行政かというのは相当難しい話だと思います。
 例えば、東京都なら東京都には都立のコンサートホールはあります。だけど国にもあります、オペラハウスがあります。それから、市町村レベルでも、そんな大きなものではないにしてもコンサートホールぐらいはあります。だから、これはある面で重複しているといえば重複なんですが、みんなそれぞれ目的が、例えばスケールの大きいものはオペラハウスでやり、それ以外はコンサートホールでやり、あるいはガラコンは身近なところでやるとかということになってくると、そしてまたそれが使われているという前提になれば、閑古鳥が鳴いているんじゃしようがないんですが、これは果たして重複行政と言えるかどうかという議論になってくるんだろうと思います。
 ですから、一般論として重複行政はない方がいい。だけど、じゃ、各論としてどこがどう重複行政なのかということになると、個別具体の話として相当いろんな議論が分かれてくるんじゃないかと思います。これは市長会の中でも知事会の中でも今まで繰り返し行われてきたところでありますが、今後とも寺田先生の御指摘を受けながらしっかりとやっていきたいと、このように思っております。
#97
○寺田典城君 憲法では地方自治については九十二、九十三、九十四、九十五となっているんですけれども、それの中でという形になるというよりも、私は、補助金制度から何から含めて、あの手続の面倒くささ、これだってある面での、自分の方で、市町村に権限移譲されれば、何もそういう手続も必要ないですよ。国が基本線だけ決めておけばそういうことでいいことであって、わざわざ、道路を一本造る、橋一本造る、それから農地転用する、今部分的には地方に権限移譲されたんですが。この間どうなのかと言ったら、例えば、今新しく出てくるのは、独立行政法人になりました大学法人ですね。あれは、権限が移譲、大学法人は附属中学校だとか学校も持てなかったんですよ。二〇〇三年に決まった法律です。それを、今頃ようやく出してくるんですよ。
 だから、何でも、法律見ていくと、三十人学級だってそうですよ。文科省と、それから幼保一元化だってそうですよ、この前もそれはちょっと話したことあるんですが、何も別に学校教育法と児童福祉法と一緒にさせたっていいんじゃないのと。それが全部そちらの言いなりにならなければ幼稚園も保育園も運営していけない、認定こども園ということになるには特別な手続が必要だということです。
 だけども、簡単な言い方すると、今、保育園落ちた、何ですか、日本死ねという強烈な言葉、あの言葉は、俺、市長になったとき理解できたんですが、なぜかというと、市民の本人、窓口に来て、介護だとか保育だとか、あしたからにしてくださいというわけにいかないからです。幼稚園から小学校に入るのと保育園から小学校に入るのと、入る時点で五ポイントも点数の格差があるんです。だから私は幼保一元化やった方がいいというので進めたというだけなんです。ところが、文科省は幼稚園、保育所は措置義務だから厚生省だと。だから、何からかにまでつくっていけば、挙げれば切りないぐらいだから、あと時間なくなっちゃうからやめますけど、こういうふうな重複行政というのは今変えていかなきゃもたないでしょうということなんです。
 もう一つ、今度、次に移ります。
 それから、高市大臣、これ、今、地方財政審、変える気ありますか。検討する気ありますか、ありませんか。
#98
○国務大臣(高市早苗君) 地方財政審議会、法律にのっとって必要な事項について審議をしていただいております。
 そしてまた、委員から見られると変わらないことを議論しているんじゃないかと、こういった問題意識から前回御質問をいただいたかと思いますけれども、昨年も私が経済財政諮問会議で他の閣僚ですとかそれから民間委員と議論する際に、非常に新たな、斬新な、力強い視点を与えていただきました。
 その結果、トップランナー方式を始め様々な改革もできましたし、そしてまた、今般、しっかりと地方のために必要な財源は確保すべきだということを前提に、そのために私どももこういう努力をする、こういった筋書に立って議論が進められたというのも有識者の先生方の御指導、審議の結果であると思っておりますので、これからもその役割をしっかり果たしていただきたいし、時代に合った対応、これから時代の変化に応じてまた新たな課題も出てまいりますから、時代に合った対応をしっかりと議論を、審議をしていただくということを期待いたしております。
#99
○寺田典城君 これから、あれの中でトップランナー方式、これも、地方自治体にこういう枠しかないよという話でぽんと一任させた方がいいんですよ。何も別に、手を挙げさせて、トップランナー方式で、目立つ方式なんか必要ないと思うんです。特に上水道、下水道なんかはどうなんだということ、そこ辺りも考えてみた方がいいですよ。
 あと、時間ないからね、4WD、これも二回、三回目ですか、安倍総理にも聞きました。軽自動車について安倍総理の答弁は、軽自動車について一般の自動車よりも負担を軽減していることも事実でありまして、更なる特例措置については課税の公平等の観点から慎重な検討が必要であると思いますと、こういう、これも総務省の役人が書いた文章なんですが。
 これ、私なぜ軽自動車について聞くかというと、中山間地に行ったり、農山漁村、軽トラックの四輪車であの環境を守っているんですよ。4WDになるとどうしても燃料を物すごく食うんだというんです、値段も高いんだと。だったら、その部門の部分での、何というんですか、軽減税率を考えたらいいんだろうと。税軽減するというのは社会に役に立つからやるんですよ。だから、軽自動車が軽減すると言われたらCO2の燃費が少ない車という形でやっていくんでしょうけれども、全く、生活必需品ですよ、そういうところへ行ったら。全国至る所です。
 ところが、青木自治税務局長の答弁というのは、この環境性能については地域によって特例を設けるというのは税制の目的あるいは公平性の観点から難しいと考えておる。頭がちがちなんです、この答えの書き方は。車体課税という税制の中で個別個別に地域ごとに特例を設ける。私なんか、地域ごとに特例を設けてくださいなんて一言も言っていないですよ。それを一個一個追いかけていくのはかなり複雑な税になってしまうことを考えると税制でやるということはおのずから限界があるということで。全く否定する論拠だけ並べているんですよ。税務局長、恥ずかしいと思いませんか、この答弁は。答えてください。
#100
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げます。
 せんだって総務委員会で答弁させていただいたときにも申し上げましたが、軽自動車の環境性能が非常に良くなってまいっております。今委員からは、軽の4WD、燃費も掛かるというお話もいただきました。4WDが寒冷地あるいは中山間地、農林漁業の現場で非常に需要が高い、我々もそれはよく認識をしております。
 その上で、去る三月二十九日、参議院において可決、成立をしました地方税法等の一部を改正する等の法律、この法律に基づきまして平成二十九年四月から導入される環境性能割でございますけれども、非課税となる軽自動車の四輪駆動車、これは相当増えるというふうに見込まれております。
 今、足下の状況で申し上げますと、今年度までは自動車取得税、この中でエコカー減税というものを適用していますが、軽自動車4WD車の中で二三%が非課税になる見込みでございますけれども、環境性能割が導入されますと五四%が非課税となる、4WD車でもですね。かつ、軽自動車の新車販売上位二十車種において、そのほとんどで4WDのグレードが用意されていますが、この4WDの中で燃費のいいものを選んでみますと十九車種のうち十四車種が環境性能割非課税に該当する。そういう意味では、軽自動車の4WD車で非課税のものをかなり広い選択肢の中から選ぶことは可能だと、そういう実情になっておるわけでございます。
 したがって、4WDを乗る場合も環境性能のいいものを、2WDを乗る場合も環境性能のいいものを、そうした税制を組んだところ、実際には4WD車でも相当の車が軽減対象になるということになりますので、そうした点について御理解いただければと存じます。
#101
○寺田典城君 エコカー減税の源は、自慢するわけじゃないけど、二〇〇八年の十二月に私が予算付けた、県が一番先にやったんです。余りにも、雇用問題もあったし、いろいろな問題があったから、雇い止めだとかそれこそあったときですから、それは自動車業界と国が意見が一致してエコカーというような形になったんですけれども。
 その基準の仕方だって、軽と例えば一トン半とか二トンある車と、そうしたら、どっちが環境に優しいですかというと、軽自動車の方が優しいんですよ。だから、別にそれだからといってどうというんじゃなくて、そういう基準値の在り方をもう少し工夫して付けた方がいいと言っているんですよ、私は。
 軽自動車の4WDを買う人は、ある面では、何というんですか、生活の足として使っていると。積雪地帯は冬は車は4WDでなきゃ動けないんです。ここに秋田県の人いたら、うんうんと、そのとおりと言っている人いたんです。何ぼ自民党でもいいから手をたたこうとしたらいかがですか。そういうことで考えていただきたいなと。これも考える気ありますか。もう一度。
#102
○政府参考人(青木信之君) お答え申し上げますが、先ほどと答弁重ねてのお話になりますけれども、軽自動車の4WDでも環境性能割は五四%の車が今もう既に非課税になるだろうと見込まれているこの状況なので、そういう車を選んでいただければ、少なくとも環境性能割については何らの負担ということがないということになるという点も踏まえて考えるべき課題だろうというふうに思っております。
#103
○寺田典城君 五四%の中に軽のトラックの四輪入っていますか、4WD。
#104
○政府参考人(青木信之君) 今私が申し上げたデータは基本的には乗用車の中で比べたものでございますが、乗用車の中で自動車取得税のエコカー減税で二三%しか非課税にならない状況のものが五四%非課税になるということだということでございます。
#105
○寺田典城君 もっと広く、時間ですから、ひとつ検討していただきたいと、そう思います。
 それでは、消費者庁の移転について、また再度なんですが、消費者担当大臣、河野大臣、初めからできないことありきで検討をするのはよろしくないという大臣の考え方は私は尊重します。それはいいことだと思います。
 ただ、中央省庁を丸ごと移転させることについて、私納得いかないのは、地方から手が挙がったからそこに移転させるのを検討しましょうということについては、消費者庁の特性についてよく理解なさっているのかなと思うんです。その辺はどうなんですか。
#106
○国務大臣(河野太郎君) 寺田委員にはもう三回目の御質問をいただくことになると思いまして、関心を持っていただいていることに改めて感謝申し上げたいと思いますが、石破大臣が担当されている地方創生の中で、この消費者庁につきましては徳島県が移転の申出をしてくださっておりますので、これを最初から駄目だと決め付けるのはいかにも石頭だと思いますので、私は、ばりばりとテストをやって、その結果をもってしっかり判断をしてまいりたいというふうに思っております。
 当然、できるものもあればできないものもあるのかもしれませんが、それは試験を見た上でしっかり判断をしていきたいと思っております。
#107
○寺田典城君 私も消費者委員長を短い間だったですけど、裁判特例のときですね、勉強になりました。
 要するに、消費者庁というのは寄せ集めの省庁というような形でよく言われているんですが、それが機能して、全ての省庁に連絡取れて、七年間、何というんですか、裁判特例、集団的訴訟の、それが通していただいたというのは、そういう点では、そういうシステムだったからあれだったし、それから、やはり日本の企業はどちらかというと、シャープだとかパナソニックだとかソニーだとかは垂直統合型のもので考えていきますけれども、どちらかというと、それこそ水平統合型のあれですね、消費者庁というのは、横、全部こう、ここが一つのシンボルとして頭があってですね。まあ携帯電話、こういうアップルみたいな形で世界から、じゃ全部、日本国全部から進めることできると。
 それと、やはり地方行政がサポートしなきゃやっていけないですから、やはり徳島までというのは、徳島県の悪口言うわけじゃない、徳島県を東京に持ってくりゃいいんでしょうけれども、いや、それこそなかなか行けないですよ、徳島までは。羽田まで一旦出てくるとかしなきゃ駄目ですから。岩手県の人なんというのは、新幹線で来て、今度羽田まで行って、こうですよ。だから、まあ秋田県は、飛行機は羽田まで、新幹線が遅いから、羽田まで八本、九本だか飛んでいるから意外と行きやすいかも分からないです、徳島までたくさん飛行機飛んでいればですね。
 だから、そういうことになったら、もう少し行政体の便利なところも考えていただきたいなと思うんです。前向きに少し考えてください。いかがですか、大臣。
#108
○国務大臣(河野太郎君) 地方創生を考える上で大事なのは、羽田とのネットワークとかあるいは伊丹とのネットワークというのは結構できているんですけれども、地域地域を結ぶネットワークというのがやっぱり遅れているなというのは、これは実感をしております。
 ホンダジェットとかMRJとか今新しい飛行機の開発もできていますし、いろんなLCCがローカルの飛行場同士を非常に安い値段で結ぶという動きもございますので、地方創生が先かあるいはローカルのネットワークが先か、これはもう鶏が先か卵が先かというような議論になるかもしれませんが、両方足並みをそろえてやはり前へ進めていかなきゃいかぬというふうに思っておりますので、そういう面も含め、考えていきたいと思っております。
#109
○寺田典城君 そうすると、専用ジェットとか用意してくださるということなんですか。短く答えてください、時間ないから。
#110
○国務大臣(河野太郎君) なかなか専用ジェットを用意してくださいというわけにはいかぬと思いますが、これはLCCがうまくいけば、地域のネットワークを安い値段で結んで、そこにまた需要が出てくるということになってくるんだろうと。今幾つかのLCCがそういうことを考えているという話も聞いておりますので、今月、来月というわけにはいきませんが、それなりの時間を経てそうしたネットワークがこの日本にもできてくるんではないか、期待をしているところでございます。
#111
○寺田典城君 河野大臣の内心の意思はちょっと無理だなということは今理解できました。ひとつよろしくお願いします。
 それでは、テロ対策強化と情報開示について入りたいと思います。
 五月には伊勢志摩サミットが開催されます。テロ対策、広島でもよくテレビに出ておりましたけれども、大変だと思います。
 それで、国民保護法と特定秘密保護法との関連で、万が一事態が発生したときに、国民保護法五十四条の一項に基づき都道府県知事が避難の指示を出すために必要な情報が警察組織から知事に伝達される仕組みが確保されていると、そういうふうにはいうんですよ。そういうことのシミュレーション、国家公安委員会として考えたことありますか。一分で答えてください。
#112
○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁に関しては、内心でもうまくやりたいと思っております。
 この件につきましては、テロの情報があった場合には、きちんと様々な手段を取っていただかなければならないと思いますので、県警から県知事さんにスムーズに情報伝達が行かなければならないというふうに思っております。警察では、きちんとこれができるようにシミュレーションした上で、必要ならば訓練もやってまいりたいというふうに思っております。
#113
○寺田典城君 その辺が、私これ皆さんの前に資料を出したんですが、当時の担当大臣は、この法律作るのには地方とは打合せしておりませんと、素直な大臣おったんです、そういうことを言った大臣、森さんでしたけれども。それから、安全保障特別委員会の方では鈴木さんが、何というんですか、そういう懸念の情報に、すぐ指定解除するという。指定すぐ解除するなんといったって、県警本部長までは情報が行っているけど、解除するといったって、それがシステム的にどうなっているのか、そういうのは全然知らされていないんですよ。
 ですから、例えば、知事は、要人の場合、要するにこの辺は立入禁止だとか通行止めだとか、いろいろ準備あるでしょう、それは。前は、知事は一体的に県警本部とそれを共同作業としてやっておったんです。特定秘密保護法になってから、そういう点についてはいかがですか。それ、警察の方からお聞きします。
#114
○政府参考人(沖田芳樹君) 警察におきましては、常日頃から、警察庁と都道府県警察、緊密な連携を保っております。それは、国民保護法に想定されるような事態に限らず、重大事故、事件あるいは災害等におきましても同様な対応を取っております。
 なお、特定秘密保護法の関係で申しますれば、警察に関する情報につきましては警察庁長官が指定権者でございますので、速やかな必要な対応がなされるというふうに考えております。
#115
○寺田典城君 何かあったときの情報の伝達というのは具体的にどうなっていますか、知事に対して。
#116
○政府参考人(沖田芳樹君) 委員も知事時代よく御存じだと思いますけれども、具体的な都道府県警察の流れにつきましては、本部長から直接御連絡する場合もございますでしょうし、あるいはそれぞれの部局を通じてお伝えするということもあろうかと思います。
#117
○寺田典城君 それでは、連絡が遅れましたとか、それから自治体、行政の長が準備もできていない、腹積もりも何もないというとき、今ここを通行止めしますというときに、何でですかと。警察は要するに公務執行権があるから、何かあった場合は公務執行妨害とか何かでやれるんでしょうけれども、行政体はそういうのはできないですよ。
 そして、例えば国民保護法の場合は法定受託事務ですから、簡単な言い方すると、県警本部長は自衛隊要請できないけど、県の知事が要請しなきゃ駄目なんですね。それはそのとおりですね。連絡遅れて入ってきて、事が、問題が起きてからでは遅いんですよ。だから、特定秘密については、もう少し明らかに分かるような形でそういうマニュアルを作る必要があるんじゃないかというんですよ。そうなんですよ。
 これに書いている、秘密保護法の原形とされる九年の内閣官房の資料では特定秘密は有事を想定して地方自治体を含めて共有することになっていたというのが、今回の法律ではそれはないんです。
 私、過去に、特定秘密保護法じゃなくて、国民保護法のできた場合、それからテロ問題やったとき、要するに、県警本部長それから自衛隊の隊長さん、それから消防庁の方の危機管理の方と、それから海上保安庁ですか、四人でゆっくり話したことがある、どうしようって。どういう場合、自衛隊呼んだらいいんだろうと。警察権の能力を超える、海上保安庁の能力を超えてテロみたいなとか何かが来たと、そういうとき、自衛隊要請しなきゃならぬだろうと。そのときはどうするのということになると、そのときは、もちろん内閣総理大臣がキャップで指揮しているわけなんですが、えいやでやるしかないと言ったんです、あとは知事が責任を取ると。そこまで大きな課題なんですよ。
 それを、そうしたら、もしこれがこのとおりいくんだったら、県警本部が全部責任取った方がいいんですよ。それの方がすっきりするんです。その辺はどうします。どう考えます。
#118
○政府参考人(沖田芳樹君) 都道府県警察、常日頃から県民あるいは国民の安全、安心の確保のために活動しているところでございまして、そうした事態におきまして、当然のことながら、県警としてはその責任を負っておるわけでございますし、もし仮に特定秘密ということが住民の避難あるいは法の観点で支障になるのであれば、そうした支障がないようにきちっと対応してまいる所存でございます。
#119
○寺田典城君 言葉では言い表すことできると思います。実際は行動を伴うことです。
 ですから、言葉だけでなくて何かのマニュアルというか、そういうことをもし、国民保護法の場合、知事が自衛隊要請だとかいろんなことをしなきゃならぬとき、国民の協力得て、それは、速やかに出るようなことを内閣でももうはっきり言って打合せしておかなきゃ駄目なんですよ。聞こえてきていない、何も出ていないでしょう。出ていますか。
#120
○政府参考人(沖田芳樹君) 内閣としての対応につきましてお答えする立場ではございませんけれども、警察といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、委員もよく御案内のとおり、日頃から災害その他の重大事案におきまして、知事の下に関係機関が集まりまして緊密な連携の下に対処しているところでございまして、こうした国民保護法で予想される事態につきましても同様にしっかりした対応を取ってまいる所存でございます。
#121
○寺田典城君 あと、時間なんですが、警察として、そういうマニュアルを作る気がありますか、ありませんか。実際の行動の部門の部分で。
#122
○委員長(小泉昭男君) 手短におまとめください。
#123
○政府参考人(沖田芳樹君) 検討してまいりたいというふうに考えております。
#124
○寺田典城君 分かりました、検討なさるということが。早く検討してくださいと思います。
 沖田局長には久しぶりにお会いしました。お元気で。ありがとうございました。
#125
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、決算の省庁別審査ということで、通告に従いまして順次質問をいたします。
 まず、会計検査院と総務省行政評価局との連携について伺います。
 「会計検査のあらまし」によりますと、会計検査院は、昭和六十二年から毎年、総務省行政評価局との連絡会を行っている、こういった記載がございます。この連絡会の目的として、会計検査院が実施する会計検査と総務省行政評価局が実施する政策評価及び行政評価・監視には密接な関係があるので、相互の執務状況について情報を交換し理解を深めるとともに、それらをそれぞれの活動の参考にする、こう記されておりますが、具体的な中身については特に記載がございません。
 そこで、平成二十七年の会計検査の過程において会計検査院と総務省行政評価局との間で具体的にどのような連携がなされたか、会計検査院と総務省それぞれに伺います。
#126
○説明員(桜田桂君) お答えいたします。
 会計検査院の行います会計検査と行政評価局が行います政策評価、行政評価・監視とはそれぞれ目的や行う立場は異なるものでございますけれども、予算執行の適正化や事務事業の効率的な執行を図るという面では共通している部分もあるものと理解してございます。
 したがいまして、会計検査院といたしましても、限られた陣容で検査の効率を上げるため、政策評価、行政評価・監視の実施状況及びその結果には強い関心を持っております。行政評価局さんとの間で連絡会を実施するなどして、情報の交換や収集に努めているところでございます。
 その連絡会でございますけれども、昭和六十二年より実施しておりまして、近年では春と夏の年二回の開催が通例となってございます。
 御質問のございました平成二十七年でございますけれども、同様に三月と八月の二回開催したところでございまして、具体的には、三月には会計検査院の方から前の年の検査結果の説明を行いまして、八月には行政評価局さんから政策評価、行政評価・監視の結果の説明を受けるなどいたしまして、忌憚のない意見交換を行っているところでございます。
 また、近年は、この連絡会に加えまして双方の局長級の幹部によります意見交換会も実施しておりまして、これは平成二十七年につきましては六月に実施したところでございます。
 会計検査院といたしましては、これらの連絡会、意見交換会を通じて把握した情報を検査活動にしっかりと活用して検査の充実を図っているところでございまして、取組は大変有意義なものと考えてございます。今後とも、行政評価局との情報交換等に一層努めてまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
#127
○政府参考人(新井豊君) 行政評価局でございます。
 会計検査院との連携につきましてはただいま会計検査院から御答弁があったとおりでございますが、行政評価局といたしましては、行政評価局調査の策定等に当たりまして、会計検査院の検査報告を参考にするほか、今御答弁がありました連絡会の機会等におきまして、評価、検査に関する具体的、専門的な事項など、もろもろの事項についてお互いの関心等に応じて幅広く意見交換を行っておるところでございます。
 最近における具体例について申し上げれば、私どもの方から会計検査院からの求めに応じて租税特別措置等に係る政策評価の点検に関しまして情報提供を行ったほか、先般はODAの会計検査について調査手法の御表示などをいただいているというところでございます。
 今後とも、会計検査院との情報共有を通じまして、更なる調査の充実を図ることで国民に信頼される質の高い行政の実現に努めてまいりたいと存じます。
#128
○杉久武君 しっかりとした連携をこれからも深めていただければと思います。
 続いて、統一的な基準による地方公会計、いわゆる新地方公会計について伺います。
 私は、昨年の決算の本会議におきまして、社会資本の老朽化が進んでいる現状からは、やっぱりこれからは新地方公会計が重要であると、こう訴えさせていただきました。高度経済成長期以降、各地方自治体でも多くの施設やインフラが整備をされましたが、今は当時のように多くの予算が使える時代ではございません。限られた財源の中で老朽化した公共施設の建て替えや改修を行うに当たっては、新地方公会計の導入によって無駄なく効率的に実施をする必要がございます。
 まず、これまでの経緯を整理をいたしますと、今日お手元に資料を配付をさせていただきました。一枚目にありますとおり、平成二十六年の四月に総務省が今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書を発表しました。この報告書において、地方自治体への複式簿記、発生主義の導入と固定資産台帳の整備の方針、これが打ち出されたわけであります。我々公明党としては、自治体の現場に即した複式簿記、発生主義の導入、固定資産台帳の整備について様々な提案を行ってまいりました。この公明党の提案が反映された形で平成二十七年の一月の二十三日に具体的な財務書類の作成マニュアルが公表され、このマニュアルに基づき、全ての自治体が平成二十九年度までに新地方公会計に移行する、こういったスケジュールになったわけです。
 本日は、この新地方公会計の導入に向けた進捗を確認をさせていただきたいと思います。
 まず、大臣に伺います。統一的な基準による地方公会計の整備の目的について再確認をさせていただくとともに、これまでのいわゆる総務省の改訂モデルというものがありましたが、それとの主な相違点について伺います。また、なぜ今回そういった変更が必要であったのか、その背景、理由についても併せて御答弁をお願いいたします。
#129
○国務大臣(高市早苗君) 杉委員始め公明党の皆様には、地方公会計の整備促進について様々御指導いただいてまいりまして、感謝申し上げます。
 これまでも、多くの地方公共団体では、現金主義による予算・決算制度を補完するということで、企業会計の考え方に基づいて、総務省改訂モデルなどによりまして財務書類を作成してきていただいたわけでございます。一方で、財務書類の作成方法が複数ありまして、比較可能性の確保の問題があったということがございます。それで、平成二十七年一月、統一的な基準による地方公会計マニュアルを取りまとめまして、統一的基準による財務書類の作成を地方公共団体に要請いたしました。
 この総務省方式改訂モデルと統一的な基準の主な相違点でございますが、発生主義、複式簿記の導入、それから固定資産台帳の整備ということを前提としているという点でございます。これによりまして、減価償却などのこれまで見えにくかった行政のフルコスト、それから保有する施設ですとか土地の情報など、これまで分からなかった自治体のストック情報などが把握可能になりました。住民や議会に対する説明責任をより適切に果たしていただいて、地方公共団体のガバナンスの向上を図るということが可能になるものだと考えております。
#130
○杉久武君 今大臣に御答弁いただきましたとおり、これまでの方法ですと比較可能性がなかったという点と、やはり大きく二つ、私は会計的な視点からいうと問題があったかと思います。その一つが、今お話ありましたように、固定資産台帳の整備がこれまで必須ではなかった。そしてもう一つが、決算統計データを活用して年度末のイベントのように決算書を作るということになっていたと。この二つについては、やはり大きな改善点として今回の統一的な基準においてはそれぞれが必須となったわけであります。
 そういった中で、固定資産台帳の整備についてまず総務省に伺います。
 固定資産台帳の未整備の状況では、先ほど大臣の御答弁にもありましたとおり、固定資産の減価償却も分からず、行政サービスのフルコストも見えない、そういった状況になったかと思いますが、この固定資産台帳の整備状況について、今、地方自治体、どの程度整備できているか確認をいたします。
#131
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 平成二十七年三月三十一日時点で固定資産台帳整備済みの団体は三百三十二団体でございます。現在、平成二十八年三月三十一日時点の整備状況を調査しているところでございまして、これは取りまとめ次第公表させていただきたいと思っております。
 総務省といたしましては、原則として平成二十九年度までに統一的な基準による地方公会計制度を整備するよう、自治体に対して今後とも働きかけてまいりたいと考えております。
#132
○杉久武君 この固定資産台帳の整備、これはどうしても時間の掛かる話でありまして、何を資産として保有をしているか一件一件棚卸しをしていくしか手段がありませんので、この二十八年三月末の導入状況が出た段階で、やはりまだまだ厳しい自治体があればしっかりとしたサポートをしていただきたいと思います。
 続いて、複式簿記の導入について伺います。
 今回の統一的な基準においては、複式簿記の導入が、これが必須となりました。今回の新地方公会計の目的は、複式簿記を入れること自体は手段でありまして、目的はあくまでそういった情報を予算編成や行政上の意思決定に利用する、こういうことであります。
 例えば、資産の老朽化比率から公共施設のマネジメントを行ったり、施設利用料が適切かどうか、実際にその施設に掛かっているフルコストから判断をする、こういった活用が考えられるわけであります。そのためには、できるだけタイムリーに複式簿記に基づいた財務データを蓄積すること、これが非常に重要でありますが、にもかかわらず、残念ながら、今回の統一的な基準による地方公会計においては日々仕訳を奨励はしておりますが、必須とはせずに、期末に一括して複式簿記を実施することも認めました。その理由について確認をいたします。
#133
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 御指摘のように、財務書類の早期作成や適宜の情報把握等の観点からは、個々の取引について発生の都度に仕訳を行う日々仕訳の導入が望ましいというふうに考えておりますが、一方で、職員の事務負担でございますとか、システムの導入、改修経費等も考慮することが必要だというふうに考えております。したがいまして、地方公会計の統一的な基準ではなく、期末に一括して仕訳を行う期末一括仕訳により財務書類を作成することも認めているところでございます。
#134
○杉久武君 今答弁ありましたとおり、総務省としては、日々仕訳を行うことが望ましいとされつつも、事務負担や経費負担、こういった観点で期末一括仕訳方式も認めたわけであります。
 ただ、方向性としては、地方自治体のそういった事務負担や経費負担をできるだけ軽減をして日々仕訳ができる環境をつくっていく、やはり私はこれが国に求められる姿であろうかと思います。そこで今、日々仕訳の導入に向けて総務省として取り組んでいることについて確認をいたします。
#135
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 総務省におきましては、関係団体の協力も得まして、日々仕訳にも対応した標準ソフトウエアを無償提供しているところでございまして、当該ソフトウエアの活用によりまして、日々仕訳の導入経費を抑えることができるものと、このように考えているところございます。
#136
○杉久武君 今お話ありましたとおり、標準的なソフトウエア、これをしかも無償で提供する、これは初めての試みであろうかと思います。これによって各地方自治体の事務負担や経費負担を軽減する、そういう目的があります。
 私も、我が党の地方議員を通じて多くの自治体の方の意見を伺ってまいりました。その中で、やはりこの新しい地方公会計のこれまで導入に消極的な自治体から言われた理由の一番が、システムの改修にコストが掛かって対応できない、これが一番多い理由でありました。今回の標準的なソフトウエアの無償提供はそういった意味で本当に大きな意義があると考えます。
 今日、お手元に、資料の二枚目が今お話ししました標準的なソフトウエアの全体像が分かる資料でございます。まず、この標準的なソフトウエアの全体像について御説明をお願いします。
 また、自治体でこれを今どれだけ導入をできているか。お手元の資料にありますとおり、固定資産台帳の機能は昨年の十月に、そして財務諸表の作成機能は昨年の十二月に、そして活用機能の部分は今年の三月にもうリリースをされておりますので、その導入状況についても併せて御説明をお願いいたします。
#137
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 標準的なソフトウエアの内容でございますけれども、まず各固定資産の取得年月日、取得価額、耐用年数等のデータを管理する固定資産台帳機能、また既存の財務会計システムの現金主義、単式簿記のデータ等を取り込んで発生主義、複式簿記のデータに変換して財務書類を作成する財務書類作成機能、そして財務書類等のデータを基に将来の施設更新必要額の推計や施設別、事業別のセグメント分析等を行う活用機能、この三つの機能から構成されておりまして、この標準的なソフトウエアを平成二十七年度に開発いたしまして、地方公共団体に無償で提供したところでございます。
 平成二十八年三月三十一日時点で標準的なソフトウエアを導入した都道府県、市区町村の数でございますけれども、これは五百九十三団体となっております。各地方団体におきましては、このソフトウエアを今後も活用していただきたいと、このように考えている次第でございます。
#138
○杉久武君 今、五百九十三団体で導入が進んでいるということでありますが、地方自治体は約千七百あると言われておりますので、まだまだ導入率は低いのではないかと思っておりますので、特に、自らシステムを構築できる団体も幾つかはあろうかと思いますが、大多数はやはり今回のこの標準的なソフトウエアに頼って作業されると思いますので、総務省におかれましては更なる周知徹底と導入の促進に努めていただければと思います。
 今日は、この標準的なソフトウエアの外部向けの、外部といっても地方公共団体向けでありますけれども、パンフレットもお配りをさせていただきました。三枚目、四枚目の資料がそのパンフレットになります。このパンフレットには、先ほどお話をしましたように、日々仕訳、期末一括仕訳の選択が可能ですという形でパンフレットにも記載がございます。
 先日、私の地元の大阪の地方議員が自らの市の行政にこの標準的なソフトウエアを使って是非日々仕訳をやるべきだということを訴えたところ、市からは、日々仕訳をするためにはやはり市の側のシステム改修も、この標準的ソフトウエアを使ったとしてもやはりかなりコストが掛かるということでありました。この点について事前に総務省にも確認をさせていただきましたが、やはり今回の標準的なソフトウエアというのは、汎用性を保たせるために、一度、専門的にはこれはCSVという形式で、吐き出しをして読み込みをするという二段階方式になるため、やはり日々でやるためにはある程度そこを自動化するためのシステム改修が要ると、そういったことがあるということでありました。
 そういった意味においては、日々仕訳をやる目的からしても、この標準的なソフトウエアを無償提供してもまだまだハードルが高い、やはり自治体としての費用負担が完全に減らされるわけではないと、そういう状況であると思います。
 そこで、一つ提案をさせていただきたいのですが、なかなか日々仕訳が難しい、そういう自治体は多いかと思いますが、月次、月ごと、また四半期、三か月ごとですね、こういった形での一括での仕訳、これでも目的を達成できる部分は多いかと思います。やはりそのデータをタイムリーに蓄積をしてそれを活用するということが大切ですので、年度一回の行事のようになってしまえば、これまでの総務省改訂モデルと同じことになってしまって、つくったはいいけど活用されないという、そういった結果になってしまうんではないか、そこを私は非常に危惧をしております。
 しかしながら、今日お配りしたパンフレットも見ていますと、やはり期末一括仕訳という言葉を使われておりまして、これはどうしても年一回、年度末の作業を想起させてしまうと思います。そういった意味においては、日々仕訳が難しい自治体でも月次や四半期でできるんだ、それだとコストはそんなに掛からないんだというところについて、やはりパンフレットの改訂も含めて検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#139
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 御指摘ございましたように、標準ソフトウエアでは、年次のほか月次や四半期など、一定期間で仕訳処理を行いまして財務書類等を作成することも可能でございます。この点につきましては、統一的な基準による地方公会計マニュアルにも記述しているところでございます。
 一方、御指摘のパンフレットでございますが、この点については、御指摘のとおり、このことが明確に記されていないということでございますので、月次や四半期ごとでの一括仕訳も可能であることを明記するよう対処してまいりたいと考えております。
#140
○杉久武君 どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、今回の新地方公会計で最も大事な活用の部分についてお話をさせていただきたいと思います。
 私自身も、この新地方公会計の導入に向けて地方議員と連携を常にしてまいりました。地元の大阪やお隣の奈良県で我が党の地方議員向けの研修会、こういったものも開催をしてまいりました。その中でいろんな意見がありましたけれども、その中で一つあったのが、やはり活用機能、これに非常に期待をしていると。そのためには、このソフトウエアを使って数字の羅列が出てきても、単なる数字のアウトプットだとやはり理解ができない、判断ができない、どう分析していいか分からない、したがって、活用機能を充実をさせるためにも、やはりそういったソフトだけの分ではなくて、様々なサポート、それをどう読み解けばいいのか、そういった点も必要であるという意見がございました。
 この点について、総務省としての対応状況について確認をいたします。
#141
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 これまで、平成二十七年一月に公表いたしました地方公会計マニュアルなどにおきまして、公会計の活用事例を紹介してきたところでございます。今年度新たに、自治体職員等に対しまして、財務書類等の活用事例の分析や演習を通して、活用する公会計を学ぶことができる実務的な研修、これを自治大等で行うということにしているところでございます。
#142
○杉久武君 是非精力的にお願いしたいと思います。
 続いて、今回のこの地方公会計整備に関わる特別交付税措置について伺います。
 固定資産台帳の整備や専門家の招聘、職員研修、こういった経費については特別交付税措置が設けられておりますが、その利用状況について確認をします。
#143
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 平成二十六年度におきましては二百九十二団体、平成二十七年度におきましては千二百十二団体に対して措置をされているところでございます。
#144
○杉久武君 多くの自治体で利用していただいていると思いますが、やはり数多くの自治体に是非もっと利用していただけるように進めていただければと思います。
 次に、固定資産の長寿命化について伺います。
 冒頭申し上げましたように、地方自治体においては限られた財源の中で耐用年数が迫った建物や施設、また、当然建て替えを全部できるわけではありませんので長寿命化をして利用する、こういったことも増えていくかと思われます。
 しかしながら、昨年一月に公表されました統一的なマニュアルの中では、固定資産の長寿命化対策と耐用年数との関係については今後の検討課題という整理をされております。でも、各自治体としては、長寿命化をしたらやはり耐用年数が延びるだろうという、そういう財務的な影響を期待するわけでありますけれども、この点について実はまだマニュアル上、答えが出ておりません。したがいまして、この固定資産の長寿命化と耐用年数の関係については今どういう検討状況か、確認をいたします。
#145
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 地方公会計では、減価償却費を算出する際に用いる耐用年数につきましては原則として法定耐用年数を用いるということにいたしておりまして、個別の公共施設等の使用可能年数を用いるということはいたしていないところでございます。
 長寿命化対策を講じた場合においてでございますけれども、民間企業会計や公営企業会計でも法定耐用年数を用いているというふうに承知しておりますが、一方で、法定耐用年数と実際の使用可能年数に乖離が生じているということも想定されるわけでございます。こうしたことから、固定資産台帳整備済みの地方公共団体を対象とした施設の法定耐用年数と実際の使用年数に関するアンケート調査を行っているところでございまして、併せて諸外国の事例収集等も行うことにしておりまして、これらの結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
#146
○杉久武君 是非、平成二十九年度、各自治体での導入期限までに結論を出していただいて、明確な指針を発出をしていただきたいというようにお願いをしておきます。
 続いて、今回の新地方公会計、総務省としてはモデル事業ということで幾つかの自治体でモデル事業を進めていただいていると聞いております。例えば、京都府の精華町などでは一定のシステム改修費で標準的なソフトウエアを使って日々仕訳をやる、こういった話も聞いておりますが、このモデル自治体での導入状況と、今後の展開について確認をいたします。
#147
○政府参考人(安田充君) お答えいたします。
 平成二十七年度でございますけれども、御指摘のモデル事業を関係団体の協力も得まして二団体で実施したところでございます。その結果でございますけれども、日々仕訳につきましては、業務に対する職員のコスト意識の醸成など様々な効果が期待される一方で、やはり各部署の日常業務の中で仕訳等の新たな事務負担が発生するなどの課題、こういうことも明らかになっているというふうに承知しております。
 今年度におきましても、各地方団体が日々仕訳の導入検討を進められるように、引き続き、モデル事業を行いまして、日々仕訳の導入による効果や課題を整理してまいりたいと考えております。
#148
○杉久武君 是非、モデル事業の成果を横展開をしていただいて、ほかの自治体でも活用していただきたいと思います。
 私も、本当にこの件については地方議員とよく議論をするわけですけれども、今日質問できなかったところにおいても、例えば会計知識のある人材をどういうふうに確保すればよいのかとか、やっぱり市町村の職員向けの研修をもっと充実をしてほしい、また、運用開始後何か困ったことがあるときに問合せをできるような窓口を例えば都道府県レベルでも設置をしてほしいなど、様々な意見がございました。
 そういった意味におきまして、平成二十九年度、もう来年度からスタートをするわけであります。まだまだ越えなければならない課題はたくさんありますけれども、やはり、賢くこの財務データを使って効率的に財源を活用して、国民のためにサービスを充実をしていく、そのためにも今回のこの統一的な会計基準の導入というのは非常に大切であろうかと思いますので、最後に大臣に、この導入に向けた決意をお伺いさせていただきたいと思います。
#149
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど安田局長から諸外国の事例もという答弁もさせていただきましたけれども、国際的な視野を持っておられ、また公認会計士としても活躍をしてこられた杉委員から、今日は地方の現場で聞いたお声も御紹介いただきながら日々啓発活動にも御協力をいただいているというお話を伺い、大変勉強になりました。
 地方公会計は、これまでの作って見せる公会計から活用する公会計へとステージが変わってきたということになるかと思います。特に、やはり御指摘ありましたように、将来の施設更新必要額の推計ですとか、施設別、事業別のセグメント分析などが可能になることによって、地方公共団体にとっては喫緊の課題であります公共施設マネジメントに大いに力を発揮すると思います。
 そして、総務省としましては、これも先ほど安田局長から答弁をしましたような財政支援を引き続きしっかり行うとともに、二十八年度は、職員の研修を充実させること、そしてまた、さらに活用事例の掘り起こしと周知をより一層強化していくということで、地方公共団体の公会計の整備をこれまで以上にしっかりと支援してまいりたいと存じます。
 ありがとうございます。
#150
○杉久武君 本当に今回、活用をしっかりやっていく、これがやっぱり最終目的にありますので、私自身もこれから地方議員とも連携を取って、総務省の皆さんとしっかり導入に向けて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
#151
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 公務職場における非正規の問題についてお聞きをします。
 まず、基本的な認識として、自治体の恒常的な公務は正規で充てるべきであると政府は述べてきました。その理由をお聞かせください。
#152
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
 地方公共団体の運営においては、一つには、公務の中立性の確保や職員の長期育成を基礎とし、二つには、職員が職務に安んじて精励することを通じ、能率性を追求し、質を担保することが求められております。このために、基本的に競争試験を通じた成績主義に基づき採用される任期の定めのない常勤職員、いわゆる正規職員が中心となることを原則としているものと承知をしております。
 以上です。
#153
○田村智子君 総務省は、二〇〇五年、八年、一二年に、非常勤・臨時的任用の公務員の実態調査を行っています。
 資料を配付いたしました。これは、総務省の調査を基に、正規、非正規の人数とその割合を計算したものです。
 〇五年と一二年の比較で見ますと、非正規の職員は全体で四十五万六千人弱から六十万三千人超に、割合も一三%から一八%近くにまで増えています。中でも、保育士等、ここを見ていただきますと、市区町村、一番右側になるでしょうか、非正規の割合、これ、二〇〇五年は四二%、二〇一二年は五三%にまで増加をしています。この総務省の調査では、週当たりの平均労働時間、臨時的任用で三十七時間を超えているんです。そうすると、正規職員とほとんど変わらない働き方だということも分かります。
 一昨年も私、決算委員会でこの非正規の問題取り上げました。当時、新藤総務大臣は、非正規の職員増は住民サービスの向上に充てられているのだろうという答弁でした。保育に当てはめていえば、延長保育などに短時間勤務の保育士を充てているという説明だと思います。
 しかし、延長保育等が進んでいるからというだけではとても説明が付きません。五割を超える非正規の職員がいる、これは恒常的業務を非正規の任用の保育士が担っているということになるのではないでしょうか。
#154
○政府参考人(北崎秀一君) お答えします。
 地方公共団体においては、早朝保育や延長保育など多様な行政サービスに対応していく必要があるとともに、働く側におきましても様々な働き方へのニーズがあります。一方、公立保育所の運営に当たって、将来の民営化を見据えたり、一時的な保育需要の増加に対応する必要がある場合もございます。これらのニーズに対応するための人的体制の確保については、各地方公共団体が法令に基づき責任を持って適切に行うべきものであります。
 その際、いわゆる正規職員を適切に配置するとともに、必要に応じ臨時・非常勤職員を任用するなど、それぞれの組織において最適な人員構成を実現することで、最も効率的な行政サービスの提供に向けた様々な工夫が重ねられているものと理解をしております。
 以上であります。
#155
○田村智子君 五割超えて非正規の方が働いていて、今のような説明はとてもじゃないけれども通用しないと。まあ後の方でももっと見ていきたいと思います。
 そもそも自治体の仕事というのは、この間、政策的にも、例えば子ども・子育て新制度が始まっています。介護の要支援の方は地域支援サービスに移行をされました。困窮者自立支援も始まっています。業務量は相当に政策的にも増えているはずなんです。ところが、定員削減は今も止まらない。となれば、基幹的、恒常的な業務を非常勤や臨時的任用の職員が担っているとしか考えられないわけです。
 ところが、こういう実態をつかみたくても、例えば総務省に職種ごとの非正規の割合を示してほしいと、私、この質問に当たって資料要求しました。この配付した資料では、保育士等、看護師等、教員等とありますが、この部分については私の事務所で計算をしたものなんですよ。一向に出していただけないんです。民間については、毎年の労働力調査で非正規労働者の割合など実態の把握がなされています。ところが、地方公務員についてはこれが出てこない。
 是非、これは大臣にお願いしたいんですけれども、実態つかむ必要あると思います、今のような御説明が通用するような実態なのかどうか。まず、毎年定員調査、公務員について行っているんですから、併せて非正規の任用の公務員について、職種ごとに、任用種別ごとに人数等を調査すべきだと思いますが、いかがですか。
#156
○国務大臣(高市早苗君) 臨時・非常勤職員の実態調査につきましては、これまで必要に応じて、平成十七年、平成二十年、平成二十四年の三回実施しました。その後、総務省として平成二十六年七月に通知を発出して、地方公務員の臨時・非常勤職員について、地方公務員法等における制度の趣旨、職務の内容に応じた任用、勤務条件の確保に関して助言を行いました。各地方団体におかれましても、それぞれの実情に応じて、通知の趣旨を踏まえた対応について検討を進めていただいていると考えています。
 このような検討ですが、各方面との様々な調整も必要で、一定の期間は要すると考えています。今後の取組状況をしっかりと見極めますとともに、適切な時期に実態について調査を実施します。取組の進捗状況についてフォローアップは行い、臨時・非常勤職員の必要な勤務条件の確保に取り組んでまいります。
 ただ、毎年調査を実施すべきという御指摘かと思いますが、臨時・非常勤職員の数が約六十万人に及んでおり、また勤務形態が様々でございますので、毎年行うということになりますと、地方公共団体の事務負担も考慮しましたら、そこは少し慎重に検討すべきだと考えております。適切な時期に調査は行います。
#157
○田村智子君 民間ではやっているんですから、公務はできないという話にならないと思いますし、もうコンピューター化されているわけですから、給与支払の実態などを見れば出てくるはずなんですよ。是非やっていただきたいということを重ねて要望しておきます。
 先ほど例に挙げた保育士なんですけれども、今、保育士不足の解決のため、処遇の改善ということが政治の喫緊の課題になっています。公立保育所というのは保育士の処遇を保障してきたし、公私間格差の是正で民間の改善を進めるということが今求められていると思います。
 ところが、この公立保育所にも定員削減が激しく行われている自治体があります。東京都江戸川区、この十五年間正規の保育士の採用はしていません。そのため、今年三月の時点で三十四歳以下の正規の保育士は誰一人いません。ゼロです。三十九歳以下の保育士よりも五十五歳以上の方が圧倒的に多いという、こういう事態にまでなっています。中野区も十年にわたって退職者を不補充、足りない人員は非正規と、こういうやり方で公立保育所を減らす、あるいは中野区は全廃を目指しているわけです。これは保育政策としてもちろん看過できないやり方ですけれども、自治体の専門職の育成という観点からも大きな問題があると思います。
 総務省は、冒頭の質問でも、長期的な人材育成、この必要性が強調されたわけです。通知などでもそのことが示されてきました。公立の施設がありながら、そこで業務が行われていながら、その業務を担当する専門職を長期にわたって採用しない。これでは人材育成が大きくゆがむと思いますが、大臣、いかがですか。
#158
○国務大臣(高市早苗君) 今の個別具体の事例についてお話がございましたけれども、地方公共団体では、質の高い公共サービスを効率的、効果的に提供するという観点から、それぞれの地域の実情に応じて公共サービスの内容ですとか提供方法ですとか、提供主体に工夫を凝らして地域のニーズに応えておられると認識をしています。総務省としましては、各地方公共団体の正規職員の定員管理につきましては、地域の実情を踏まえながら自主的に適正な定員管理の推進に取り組んでいただくように助言をしております。
 この地方公共団体の職員数ですが、平成七年から二十一年連続して減少していますが、各団体においては、厳しい財政状況の中で公共サービスを十分に確保するために、民間の能力ですとかノウハウを活用する民間委託の推進などを計画的に進めていただくことなどによって総職員数を抑制する一方で、行政需要の変化に応じて防災などの職員数、それからまた福祉事務所や児童相談所などの職員数を増加させるといった形で、地域の実情に応じてめり張りのある人員配置を行っておられます。
 引き続き、各団体に応じて、これは地域の実情に応じて適正な定員管理を推進していただく、めり張りのある人員配置によって正規職員の人材育成にも取り組んでいただくということが重要だと考えております。
#159
○田村智子君 若い保育士が全員非正規というのが果たしてサービスの質を向上させているんだろうかと非常に疑問ですし、もう一つ事例を挙げましょう。
 大阪市、二〇一三年度から三年間、やはり保育士の正規採用をしていません。任期付職員、非常勤の職員で補充をしているわけです。ところが、これでは保育士が確保できない。二〇一四年度、三歳児を中心に百三十四人、一五年度、ゼロから二歳児で二百十五人、今年度、ゼロ歳児を中心に四十五人、この三年間で三百九十四人も公立保育所の定員を減らしてしまいました。大阪市は、入所を申し込んでも認可保育所に入れなかったという子供さんは毎年約三千人いるわけですよ。公立保育所が四百人も定員減らしちゃっているんですよ。私、一体何やっているんだろうかと怒りを禁じ得ません。
 大阪市の資料を見ますと、正規の保育士、平均の給与の月額、約三十六万円です。任期付きの方は十八万八千六百円ですよ。これ、正規で募集すれば保育士確保がこれほど困難になるということはまず考えられない。正規の職員を採用しないというこのやり方が、最も切実な住民要求に応える業務を後退させている。こういう実態をどう思われますか。
#160
○国務大臣(高市早苗君) 個別団体が取っておられる方針についてコメントすることは差し控えたいと存じます。
 保育所を含めて、どのような業務に任期付きの職員を充てるか、また処遇などにつきましては、各地方公共団体において制度の趣旨を踏まえて責任を持って適切に判断されるべきものと認識しております。引き続き、やはり各団体において地域の実情に応じて正規職員の適正な定員管理を推進するということとともに、必要に応じて任期付きの職員を含めた多様な勤務形態の職員を適切に活用されて、公共サービスの確保に工夫を凝らして取り組まれるということが重要だと考えております。
 それぞれの自治体において、首長がいらっしゃいます。また議会もあります。そのような中で、住民の声を聞き、そしてまた地域の実情に応じた対応をしっかり取っていかれるということが何より重要だと考えます。
#161
○田村智子君 待機児の問題を解決するためには、自治体が持っている基準を緩和しろということを政府は言ったわけですよ。定員減らしているようなところに対して、だったら正規で雇いましょうよと、保育士の確保に努力してくださいと、私は、それぐらいのことを言ってもいいんじゃないだろうかと本当に思いますね。
 東京の公立保育園、これ非正規の職員について調査が行われて、それをまとめた「私たち非正規保育者です」という本が昨年出版されました。これを読んで、本当に驚きました。
 例えば、非正規の場合、任期は半年以内で、更新回数にも上限があります。まあ実際には上限の年限を超えて任用される人が、空白期間を置くなどして、多いわけですね。そうすると、この中で出てくる実態は、半年働いた後、半年後にまたお願いねと言われる、でも、私も遊んで暮らしている場合ではない、しかも退職扱いになってしまうので社会保険の手続も全てやり直さなければならない、こういう声が出ています。
 また、非正規だからといって子供の家庭情報を教えてもらえないまま保育をやっているとか、トイレ掃除や布団の片付けなど、これは全部非正規がやることになっていて、子供の着替えを手伝っている途中でもその子供のそばから離れてそういうことを非正規の方々、やっていくと。これは私は、子供たちにとっても、あるいはそこで働いている方々にとっても悪影響をとっても広げていると思います。
 安倍総理は、非正規の正規化を進めるんだと、これは強調されているわけですよ。じゃ、公務員どうするのか。まさに政策が問われています。一九五〇年代、六〇年代、定員外の職員という存在が非常に問題となって、このときは財政措置も行って定員化が進められました。常勤職員の比率を上げるために、今も財政措置を含めた具体的で有効な対策を取るべきではないのかということを求めたい。
 また、あわせて、既に十年、二十年、非正規で同じ職場で働いているという方います、同じ業種で。こういう方々がペーパー試験でもう一度ゼロからの出発でいいんだろうかと。その方々の積んできた経験、その知識に見合ったような正規採用の方法も検討すべきじゃないかと思いますが、大臣、是非ここは前向きな答弁をお願いしたいと思います。
#162
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど来、保育の現場のお話をいろいろいただきましたけれども、やはり、例えば今挙げていただいた大阪のお話でございますが、これも民間保育所との連携によって保育サービスが全体として低下しないように努めておられます。公立保育所だけで見ると、入所定員の減少ですとか、またニーズが少ない地域において閉鎖するといった事例もございます。
 また、全国各地、それぞれ地方公共団体で御判断いただくことですけれども、公設民営化によってやはりサービスは低下しないようにと、必ずしも公務員の正規ということではないけれども、それぞれの園で採用するという形で取り組んでおられるところもございますので、やはり地域の実情に応じてしっかりと行政サービスの質の低下がないように工夫をして取り組んでいかれるということが重要だと思っております。
#163
○田村智子君 それでは非正規の処遇改善にもならないし、保育士の処遇改善にもつながっていかないというふうに思うんですよ。
 今日、私、対決というよりもできるだけ提案型で質問をしているのに、こうも冷たく答弁が返ってくるというのは本当に、むしろ腹立たしくなってきます。
 もう一つ提案型で私、お願いしたいことは、恒常的な短時間勤務の職員、これを公務の場でどう位置付けていくのかということ、ここは是非前向きに検討いただきたいんです。
 例えば保育所では、朝や夕方の延長保育を短時間勤務で担う保育士さんが必要です。本人も短時間勤務ということを希望する場合もあります。また、難病を抱えていらっしゃる、あるいは障害をお持ちの方、これ週四十時間では働けないけれど、もっと時間が制限されていれば働けるという方はいらっしゃるわけですね。ところが、短時間勤務の場合、公務では任用期間がどうしても区切られてしまう。大体一年で区切られてしまう。これでは不安定な働き方を余儀なくされてしまうわけです。
 こういう方々の公平な処遇を保障するという観点から、私は是非、短時間、任期なしという雇用の制度化、これを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(高市早苗君) 任期の定めのない短時間勤務職員制度ということですが、長期的な人事管理に困難が予想されるといった御指摘もございます。様々検討すべき課題があると考えています。民間においても契約期間の定めのない短時間正社員制度といった雇用形態については、現時点ではまだ一般的と言い難い状況だと認識をしております。ですから、基本的に任期の定めのない常勤職員を中心とする公務の運営の原則というものは維持されるべきだと考えています。
 やはり、民間労働法制の今後の議論の動向ですとか、あと短時間の正社員制度の普及状況ですとか、あるいは国家公務員における動向、こういったものを踏まえながら、様々な観点から議論、検討していく必要があると思っております。
#165
○田村智子君 ダイバーシティーとか多様な働き方、その本人の状態に応じた多様な働き方というのは、今政策的に進めようと言っているわけですよ。それを公務の職場でどうするかということを問うているわけで、今の御答弁ずっと聞いていますと、これ、公務が最も取り残されていきますよ。非正規の処遇の改善とか非正規の正規化とか、何にも手を打たないということになってしまう。それではとても、何というんでしょうか、本当にもう、安倍政権は雇用を応援します、労働者を応援しますと、全くの看板倒れだというふうに言わなくちゃいけないというふうに思います。
 今日はちょっともう一つ、どうしてもトップランナーについても聞きたいので、次に進みます。
 高市大臣、昨年十一月、経済財政諮問会議でいわゆるトップランナー方式、提起をされました。これは自治体業務の民間委託や指定管理者制度を更に推進するために、歳出を抑えた自治体の事例を基準にして地方交付税を積算するというやり方で、単位費用が計上されている二十三業務について適用する方針だと。今年度予算では既に十六業務について実施が始まり、来年度からは残る七業務について検討をしていくと。
 学校用務員事務、今年度から五年掛けて小中学校一校当たり三百七十万七千円の基準額を二百九十二万七千円に引き下げると。用務員の事務の経費というのは、まさに人件費だと私は思うんですね。
 安倍政権、賃上げとあれだけ強調しながら、じゃ、学校の用務員事務というところは民間委託をして賃下げをしろというふうに求めるということなんでしょうか。
#166
○国務大臣(高市早苗君) 賃下げをしろということではございません。
 地方交付税の算定において、二十八年度から学校用務員事務を含めて十六業務についてトップランナー方式を導入することにしています。具体的にもう既に多くの団体が民間委託などの業務改革に取り組んでいる業務について、業務改革を行っている団体の経費水準を単位費用の算定基礎とするものでございます。この算定に当たりましては、地方団体への影響も考慮して段階的に反映するということで、学校用務員事務については五年間掛けて反映するということにしております。
 また、地方交付税は一般財源でございますから、その業務をどのような手法、そして雇用形態で実施するかということは、地域の実情を踏まえて、これは地方団体において自主的に判断されるべきものでございます。そして、給与につきましても、地方団体が直接雇用する場合には給与決定原則などを踏まえて地方団体において判断されますし、また委託を行う場合も、この委託先の事業者における労働法令の遵守や雇用労働条件等の適切な配慮について、これを業務改革の推進に関する総務大臣通知においてしっかり要請をしております。
#167
○田村智子君 どう説明をされようと、学校用務という仕事を民間委託で経費を減らせと、人件費下げろと言っているのと同じなんですよ。
 学校用務員の方々、毎年国会に要請に来られていて、むしろ定数化を求めておられます。校舎など日常的な管理や修繕は、そのまま教育環境の改善につながっています。仕事は多種多様で、経験や応用力、技術力も問われる仕事だと私も直接お話を伺って実感しています。それを国のこの基準額でいえば年収三百万円に満たない仕事にしてしまうということですから、これは民間に賃上げと要望しておきながら、民間委託で賃下げしろと言っているのと同じだというように言わなければなりません。全く矛盾しています。
 さらにお聞きします。来年度以降のトップランナー方式の導入、図書館の管理について、指定管理者制度導入で業務改革を行うという対象とされています。これ、二〇一〇年の十月に参議院内閣委員会で社民党、又市議員がこの指定管理者制度の問題を取り上げて、当時の片山総務大臣は、御自身が県知事のときの判断にも触れて、図書館でありますとか博物館でありますとか、そういう知に属する部分は指定管理の対象から最初から外した、そんなものは明らかになじまないと、こう答弁をされたわけです。
 当時は、指定管理者に業務委託をした市営プールで死亡事故が起きるなど大きな問題になって、同じ年の十二月には指定管理者制度の運用改善の局長通知も出されています。ここでは、「公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を、議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なる」とあります。制度の趣旨は行政サービスの質を上げることにあるのであって、コストカットのツールとして使うものではないという通知なわけです。
 高市大臣は、この見解を引き継がれますか。
#168
○国務大臣(高市早苗君) まず、片山大臣の御答弁ですが、平成二十二年十月二十八日の参議院内閣委員会ですね、これは、鳥取県知事時代に指定管理者制度を検討されたときの経験を答弁されたものと伺っております。
 それから、指定管理者制度ですが、地方自治法第二百四十四条の二第三項におきまして、公の施設の設置の目的を効果的に達成するために必要があると認めるときに管理を行わせることができるということになっております。
 この点、平成二十二年十二月、これは私ども野党でございましたが、地方公共団体に発出した通知で改めて確認するとともに、「指定管理者制度は、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を、議会の議決を経て指定するものであり、単なる価格競争による入札とは異なるものである」という助言がされています。
 また、昨年八月に発出した地方行政サービスの改革の推進に関する留意事項について、これも助言通知でございますが、平成二十二年通知について、その内容を十分に踏まえて対応されたいとして踏襲することとしまして、民間委託の推進や指定管理者制度の活用等の業務改革を推進するとともに、行政としての責任を果たし得るよう適切に評価、管理を行うことができるような措置を講じるよう要請をしております。
 地方公共団体におかれましては、やはりこれをしっかりと受け止めていただいて、適切に実施方法についても選択をしていただきたいと考えております。
#169
○田村智子君 私は、大臣にこそ受け止めていただきたいというふうに思うんですけれども。
 これは文科省にも、今日、図書館の問題なので来ていただきました。二〇〇八年、社会教育法一部改正法案の審議が行われた際、当時の渡海文科大臣は、図書館の指定管理制度の導入の問題点について、指定期間が短期であるため、長期的視野に立った運営というものがなじまないというか難しい、職員の研修機会の確保や後継者の育成などの機会が難しくなるという趣旨の答弁をしています。また、このときには附帯決議が付いていまして、社会教育施設における人材確保及びその在り方について、指定管理者制度の導入による弊害についても十分配慮し、検討することというふうにされています。
 文科省、この考えに変わりはありませんか。
#170
○政府参考人(有松育子君) お答え申し上げます。
 今先生御指摘の国会答弁ですけれども、それは、図書館におけます指定管理者制度の導入に当たっては、長期的視野に立った運営の観点や職員の研修機会の確保、そして後継者の育成など、人材養成の観点などからの懸念を払拭する必要があるという考えを当時示されたものと承知をしております。
 文部科学省といたしましては、引き続きまして、図書館をめぐる指定管理者制度に関する課題について、制度を所管している総務省とも情報を十分に共有するとともに、適切な制度の運営に配慮をいただくように十分連携を図ってまいりたいと考えております。
#171
○田村智子君 佐賀県武雄市立図書館は、TSUTAYAの経営母体であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ、CCCを指定管理者としてTSUTAYA店舗との一体的施設となって二〇一三年四月にリニューアルオープンしました。このとき、TSUTAYAから大量の古本を購入していたとか、歴史的郷土資料が廃棄されてしまったとか、あるいはスターバックスは併設されたけれど、そのために本の読み聞かせのスペースがなくなったとか、朝九時から夜九時まで開館しているけれど、初年度の経営費は三千万円の赤字。翌年、人件費を一千万円削減しても一千七百万円の赤字。これ、トップランナーと言えるんだろうかと思うわけですね。ちなみに、これを強行した市長さんは現在CCC子会社の社長さんになっておられると。
 高市さんにお聞きしたいんです。図書館というのは、蔵書の選定、資料収集、図書館学に基づく分類、利用者がこういう本をという求めに応じて専門知識と図書館のネットワークを通じてどこまでもこれに応える、あるいは学校教育や社会教育との連携を図る、本当に専門性の高い仕事です。指定管理者制度で一体どのような業者がそのノウハウを生かすことができるのか、どうしたら民間で公共サービスが向上するとお考えなのか、お答えいただいて、終わります。
#172
○委員長(小泉昭男君) 高市大臣、簡潔にお願いいたします。
#173
○国務大臣(高市早苗君) はい。
 この指定管理者制度でございますが、公共サービスの水準の確保という要請を果たす最も適切なサービスの提供者を議会の議決を経て指定するものでございます。ですから、図書館を含め地方公共団体の公の施設を最も効率的、効果的に管理できる主体が何であるかということは、それぞれの地方公共団体の実情に応じて異なるものでございます。直営、民間委託、指定管理者制度といった事業の実施方法はもとより、指定管理者の選定の基準についても地方の実情に応じて適切に選択していただきたいと考えております。
#174
○田村智子君 終わります。
#175
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 まずは、警察庁の方に自動車の事故に関連してお聞きしたいと思います。
 アクセルとブレーキの踏み間違いの事故です。時々ニュースでも、踏み間違えてコンビニに車が突入してしまったとか、ひどい事故になると、立体駐車場から下に落ちてしまって大変大きなけがをしてしまうとか、こういった事故が起きています。死亡事故にも発展する可能性もありますが、まず、この事故の件数なんですが、どれぐらいの件数に上っているんでしょうか。
#176
○政府参考人(井上剛志君) お答え申し上げます。
 平成二十七年中におきますブレーキとアクセルの踏み間違いによる交通事故の件数は、発生件数が五千八百三十件でございまして、そのうち死亡事故は五十八件となっているところでございます。
#177
○清水貴之君 年間で五千八百件余りで、これまでの十年ぐらいもいただいたんですけれども、六千件、多いときだと七千件ぐらいあるということで、決してこれは少なくない数字だと思います。
 じゃ、どうするかということなんですが、対策はどうなっているんでしょうか。
#178
○政府参考人(井上剛志君) お答え申し上げます。
 ブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故を起こす運転者には高齢者が多いということも踏まえまして、警察におきましては、高齢運転者に対する高齢者講習においてビデオ等の視聴覚教材を活用しまして、典型的な事故事例としてペダルの踏み間違いによる事故事例を紹介いたしまして、高年齢になるほどペダルの踏み間違いによる事故率が増加することなどを説明するなど、高齢者への注意喚起に努めているところでございます。
 また、普通免許を取得する際の自動車教習所の教習におきましては、オートマチック車の特性に応じた操作等をカリキュラムの一つとして定めておりまして、具体的には、段差を乗り越える際にアクセルを強く踏むと急発進して事故につながることや、後退時は、バックするときには運転姿勢が変わるものですから、ペダルの踏み間違いに注意を要することなどについて教習が行われているところでございます。
 このほか、各都道府県警察におきましては、アクセルとブレーキの踏み間違いを防止するために、運転者が留意するべき事項をホームページに掲載するなどして広報啓発に努めているところでございます。
#179
○清水貴之君 今、高齢者が多いという話だったんですが、いただいたそのデータですと、高齢者の割合は大体三分の一ぐらいというふうにいただいていますので、決して高齢者にばかり偏っている話ではないと思うんですね。
 ですからこそ、別の意味での対策も、その講習ももちろん大事ですが、対策も必要ではないかと思います。乱暴な運転とか飲酒の事故とか、こういうのは本人の問題の部分が大きいわけですから、もう講習したところでというところもあるのかもしれませんけれども、こういったブレーキとアクセルの踏み間違いのようなものというのは、これは技術的なところででも何とか対応ができないかなというふうにも思うんです。これ、技術的な部分での対応というのはどうでしょうか、できないものなんでしょうか。
#180
○政府参考人(和迩健二君) お答えいたします。
 アクセルとブレーキの踏み間違いはドライバーの操作ミスによるものであり、まずはドライバー自身が十分に注意して運転していただきたいと考えております。しかしながら、絶対にミスをしない人間はおらず、現に年間約六千件の人身事故が発生していることから、車両側でも対策を講ずることが有効であると考えております。
 具体的には、最先端の技術を駆使して事故を未然に防止する予防安全技術の開発普及を進めております。例えば、駐車中や発進中にアクセルとブレーキを踏み間違えても急発進を防止する技術が実用化されております。また、近年普及が進む自動ブレーキも効果があるものと期待しております。
 国土交通省では、平成二十六年度に自動ブレーキなどの予防安全技術を評価、公表する制度を創設し、その開発普及の促進を図っております。今後、この制度をより充実させ、予防安全技術の開発普及を一層促進することにより、運転操作ミスによる事故の防止に努めてまいります。
#181
○清水貴之君 自動ブレーキの話が出たので引き続きお聞きしたいと思うんですけれども、自動ブレーキができるとこれは非常に便利ですし、安心して運転もできると思います。その先には、さらに、恐らく今いろいろ研究は進んでいるんでしょうが、自動運転とか無人で車が動くような世の中にもなっていくのかもしれませんが、ただ、その一方で、そうなったときに、じゃ無人運転の車が横を走っているときに自分はハンドルを持っていたら本当に一緒に安心して動けるものなのかとか、こういった不安の面も非常に大きいと思うんですね。
 こういったことに対する不安も取り除いていかないと、技術はどんどんどんどん進むんでしょうが、もちろんいろいろトラブルもあったりミスもあったりするわけですから、この辺りの対策も同時に考えなきゃいけないと思うんですが、この辺りはいかがでしょうか。
#182
○政府参考人(井上剛志君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございましたとおり、様々な先進的な安全技術が自動車に搭載されつつございます。それの究極の姿が、自動運転ということが将来的にあり得るわけでございますけれども、その過渡期の問題として、そういう一定の技術が搭載された車とそうでない車が混在して走行する場合といった問題もございますし、まさに御指摘ございましたとおり、様々なそういった技術を使いこなす側のドライバーにどのような注意が、また知識が必要となるかといったことにつきましても、我々、ドライバーに安全運転を呼びかける、また道路交通法上の様々な義務が課されている、そういった部門を担当する者として、今後、注意深く様々な調査研究なり検討なりを行ってまいりたいと考えておる次第でございます。
#183
○清水貴之君 死亡事故の件数というのはもう急激に今減っていますので、様々な対策を取ってこられているその成果が出ているんだと思うんですが、一方で、今お話ししたような、今度は新しい技術が生まれてきて、新しい問題というのも発生してくる可能性がありますので、その辺りの対応もお願いしたいと思います。
 続いて、総務省関連ということで、地方公務員の給与についてお聞きしたいと思います。
 先日、三月十七日の予算委員会で大臣の方にもお聞きさせていただきました。そのときの私の問題意識としては、人事院勧告の民間給与の調査というのは大企業がほぼ占めていて、その人事院勧告に合わせて国家公務員の給与が上がる、連動して地方公務員の給与も動いていくということで、こういった動き方をすると、地方に行けば行くほどその調査に入ってこないようなちっちゃな企業が多いわけですから、官民格差、給与の差が開いてしまうんじゃないかということで質問させていただきました。答弁お聞きしていまして、大臣も同じような問題意識を持っていらっしゃるんじゃないかなというふうな認識は受けまして、大臣の答弁としましては、地方公務員給与についても地域民間給与のより的確な反映など適切に見直しをしていただくように要請をしているという答弁をいただいています。
 じゃ、これ以上ちょっと突っ込んで聞けなかったものを具体的にお聞きしたいと思うんですけれども、地域民間給与の的確な反映という、これが一言で、文字で示すともう十文字ぐらいになるんですが、これが非常に難しいことだと思うんですね。これをじゃどうやって指示して、どのように具体的に地方は進めていけばいいということになるんでしょうか。
#184
○国務大臣(高市早苗君) 地方公務員の給与ですが、地方公務員法第二十四条の給与決定原則に基づきまして、地域民間給与や国家公務員の給与等を考慮して定められるべきものとなっています。
 地域民間給与についての御質問でもありますが、まず、国において国家公務員の給与制度の総合的見直しということで、地域ごとの民間賃金の水準をより的確に公務員給与に反映するという観点から、俸給表水準の平均二%の引下げと併せて、地域手当の区分を従来の六区分から七区分とするなどして支給地域、支給割合の見直しなどが行われました。
 この給与制度の総合的見直しの地域における対応については、これは総務省の有識者検討会におきまして、地方公務員の給与制度は国家公務員の給与制度を基本とすべきであるとする地方公務員法の給与決定原則に基づいて検討されるべきものであるということ、それから、地域民間給与のより的確な反映や五十代後半層の水準の見直しなど、国家公務員給与の抱える課題というのは多くの地方公共団体においても共通であることから、各地方公共団体は国の見直しを十分に踏まえて給与制度の見直しに取り組むことが必要だという提言がございました。
 ですから、この提言ですとか国家公務員給与の見直し方針を踏まえて地方公務員給与についても適切に見直しを行ってくださいということで総務省から要請をしています。国の方の具体的な見直しが示されているわけですので、これは地方公共団体において取組が適切に進められると考えております。
#185
○清水貴之君 確かに、その見直しがあって地域の地方公務員の給与も、大分差があるといいますか、財政状況によって厳しいところはやっぱり低く抑えてというような、こういった数字が出ているのも理解はしているんですが、ただ、地域の民間企業とどう比べるかということなんですが、データも各自治体で例えば現業職の給与の比較表なども出していますので、全部とは言いませんが、幾つか見させていただいたんですけれども、実際に各自治体でそういったデータを公表しています。
 ただ、その基礎となるのがやはり基本的には厚労省の賃金センサスの数字なんですね、民間企業の給与というのが。ということは、基本的に、やっぱり地元の相場とか地元の基準とか、こういったものと比べる仕組みにはなっていない、やっぱり今おっしゃったのがそうなのかもしれませんが、基本がやっぱり国なんですよね。でも、これだと的確になかなか反映を、もっと細かく的確に地域地域の実情に合わせたシステムがつくれないかなというふうに思うんですが、これについては、大臣、いかがですか。
#186
○国務大臣(高市早苗君) 地域によっては、残念ながら、ほぼ比較の対象となる規模の企業がないところもございます。また、産業も農林水産業を含め様々でございます。そして、やっぱり役場の仕事ということになりますと、それぞれの部署があって、そしてまたそれぞれの採用の基準となる公務員試験を受けて入ってこられる。そういった中において、それぞれの役職もあり、それと同等に比較をするという意味では、例えばそれぞれの市町村ごとに必ず地元の企業や産業に従事していらっしゃる方と同じようにという形の比較が難しいということから、やはり人事院の方で示されているような、専門的な知見から示されているような形での比較になってしまわざるを得ないと思います。
 ただ、国家公務員の給与が先ほど申し上げましたような基準で引下げも含めて見直しが進んでおりますので、それも十分に参考にしていただきながら、一般的なやはり民間の企業の水準も参考にしていただきながら改革を進めていただくということになるかと存じます。
#187
○清水貴之君 今おっしゃっていただいたその改革の進め方なんですけれども、給与の官民格差、特に技能労務職と言われる方々が非常にこの差が大きい。東京都などですと二倍ぐらいになっている、ほかの地域でも、見たら大体やっぱり一・五倍から二倍の間ぐらいになっているわけですね。
 ただ、この給与の差というのをどう埋めていくかという話なんですが、じゃ、官を一方的に民に合わせて引き下げたらいいかと。これはこれでまた乱暴なやり方のような気もします。労使交渉があって給与というものが成り立っているわけです。特に、長いこと勤められている方も多いです。徐々に徐々に給与が上がってきてというような状況の中で急に引き下げてというのも、これはこれで難しいと思うんですが、じゃ、民の方を上げたらいいかといえば、これはこれで、民はなかなか状態が厳しいわけですから、急に民を上げるというわけにもいかないわけです。
 これ大変難しい問題だなと思いながら、やっぱり官民格差というのは私はなるべく埋めていって、おっしゃったとおり改革で、そこで人件費がもしうまく抑えられて、その分を本当に必要なところに、教育とか今問題になっている辺りに投資ができるような仕組みができたらいいなと思って質問させていただいているんですけれども、ただ、この埋め方というのは非常に難しいなというのもこれは実感はしています。大臣は、この官民格差の埋め方というのはどう考えていらっしゃいますか。
#188
○国務大臣(高市早苗君) 今、技能労務職員の給与を例に挙げられましたけれども、御承知のとおり、一般の行政職と異なりまして、労使交渉を経て労働協約を締結するということができるわけですけれども、それでも、法律上、職務の内容や責任に応ずるものとしなければならない、また、同一又は類似の職種に従事する民間従業者との均衡を考慮して定めなければならないとされています。
 同種の民間事業の従事者に比べ、これも地域によると思いますが、高額になっているという指摘もありましたので、総務省としては、各地方公共団体に対しまして、民間の類似職種の給与との均衡に一層留意して、住民の皆様の理解と納得が得られる適正な給与制度、運用となるようにすること、そして、民間給与データと比較した給与情報を開示するといった取組を徹底することを要請しました。主な職種別の都道府県ごとの民間賃金統計ですとか、民間給与との比較の公表様式もお示しをしております。これらの取組の結果、都道府県それから政令指定都市につきましては、全団体でこのような形での比較、公表が行われております。
#189
○清水貴之君 地方のことですから、基本的には都道府県ごと、自治体ごとで進めていくのが本筋なのかなとももちろん思うんですけれども、その一方で、基準がやっぱり難しかったり、地方にそれを投げてしまう、振ってしまうとなかなか思うように進まないということもあるので、この辺りはやっぱり総務省としてもしっかりと取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。
 もう一つ、NHKの関係についてもお聞きしたいと思います。
 NHKの放送センターの建て替えですね。これも、建て替えを一旦白紙にという話になっています。
 続いて、受信料の方についてお聞きしたいと思うんですけれども、受信料なんですが、二〇〇九年から一一年度の経営計画に、一二年度から受信料収入の一〇%を還元と明記されていました。しかし、景気後退で受信料免除の世帯が増えたことを理由に、下げ幅を七%に今圧縮しているところだというところで、一〇%までは行っていないということなんですね。
 テレビは、うちの祖母なんかもそうですけれども、本当に毎日テレビを見るのが楽しみで、もう朝から晩までテレビをずっとつけてということですから、地域の皆さんとか高齢者の方々などにとっては本当になくてはならないものに今なってきていると思います。ですから、放送センターの建て替えの費用三千四百億、最初出ていた額が非常にやっぱり高いんじゃないかという話もありました。こういうところを何とか抑えてでも、ある意味必需品、生活になくてはならないものになっている、こういった受信料、こういったところに若しくは還元ができたら、これはこれで国民の皆さんに大変喜んでもらえるんじゃないかというふうに思っています。
 この受信料についてなんですが、七%からどうも籾井会長はそれ以上下げるのは難しいとおっしゃっているようですが、受信料についてはいかがでしょうか。
#190
○政府参考人(今林顯一君) お答え申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいました放送センターでございますけれども、昨年の六月の経営委員会におきまして、平成三十七年の一部運用開始を目標に建て替えることということだけが今議決されておりまして、現在の段階では、平成二十八年、今年の夏頃に基本計画をまとめるべく検討を進めているところということで、建設費もその中で算定されるものと承知しております。
 総務省といたしましては、放送センターの建て替えは、先生御指摘のとおり、視聴者の負担する受信料で賄われるものでございますので、放送法第七十条第二項に基づきまして先般御承認を賜りましたNHKの平成二十八年度予算に付した総務大臣意見におきましても、新放送センターの整備については国民・視聴者の理解が得られるよう説明を尽くすことと指摘をいたしました。NHKにおかれては、この総務大臣の意見も踏まえて、建設費につきましても国民・視聴者の十分な理解、納得が得られるように合理性、妥当性について十分検討を行った上で、さらに国民・視聴者の皆様に対して説明責任を果たしていただきたいと考えております。
 受信料につきましては、NHKの維持運営のために御負担をいただいている負担金でございますが、この水準については、まずNHKにおいて国民・視聴者にしっかりと説明をしていただきたいと考えております。
 不断の業務の合理化、効率化、あるいは御指摘いただきました放送センターの建て替え、放送を取り巻く環境の変化も踏まえて、受信料を含めて国民・視聴者への還元全般につきまして継続的に検討していただきたいと考えております。
#191
○清水貴之君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#192
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太です。
 二〇一四年から行方が分からなくなっていた埼玉県の女子生徒が先月、東京都の中野区で保護されました。以前、女子生徒の御両親らとお会いして、諦めずに懸命に捜索をされているその姿を私もかいま見てきたものですから、本当に心からうれしく思いました。
 ただし、見付かるまでに二年間掛かったということ、また自力で救出されたということ、そのようなことを考えると、手放しで喜べる状況でもないなというふうに感じた次第でございます。もっと早く見付けることができなかったのか、また、同じような境遇にいる方はほかにいらっしゃらないのか、そういった方々がいるとしたらどうやって救えるのか。この事件を機にもう一度そこを考え直して行動に移す必要があるのかなというふうに思っております。
 そこで、国家公安委員長にお聞きしたいんですけれども、警察庁として、今回の事件を基に何か改善点を例えば自分たちの行動に課したり、今把握している行方不明者の見直しを行ったり、何か教訓を得たというようなことはあるのでしょうか。
#193
○国務大臣(河野太郎君) この事件につきましては、まだ全容解明のための捜査を進めているところでございますので、捜査がきちっと終わって全容解明した後、様々な教訓を引き出してまいりたいというふうに思っております。
#194
○松田公太君 全容解明、もちろんこれからじっくりやっていただきたいと思うんですが、もう既に分かってきていることも多々あるわけですね。
 例えば、今回の事件では行方不明当日に御家族から捜索願というものが出されまして、三日後には公開捜査に踏み切っているわけです。当初は誘拐の可能性がある、特異行方不明者と言いますけれども、そのような形で扱われたわけですね。ところが、途中から単なる家出として対処されるようになってしまいまして、途中で家出となってしまえば、捜査に掛けるマンパワーとか時間、そういったものが著しく下がってしまうというのは、これは当たり前だと思うんですね。
 そこで、一般論としてお伺いしたいんですけれども、まず、誘拐事件については捜査本部を設置して大々的に捜索が行われるということがあると思うんですけれども、発見に至る前に例えばそのような捜査本部が解散されるということはあるんでしょうか。あるとすれば、どういった理由によってそういった判断となるのか、教えていただければと思います。
#195
○国務大臣(河野太郎君) 都道府県の県警において、誘拐その他重要犯罪と思われる事件が発生をし、特にその捜査を統一的かつ強力に推進をする必要があると思われる場合には、捜査本部を開設して対処をいたします。誘拐事件と認定をされてその捜査本部が開設された場合には、被害者が発見、保護され、被疑者が検挙されるなどの進展がない限り、この捜査本部は継続して所要の捜査というものを行ってまいります。ただし、必要な捜査を尽くしながらもその捜査が長期間にわたる場合には、総合的に勘案して体制を縮小するということはございます。
 いずれにしろ、捜査本部が開設された事件に対しては、警察の総合力を発揮して可能な限りの捜査を尽くし、事件解決に全力を挙げているというふうに認識をしております。
#196
○松田公太君 今回の事件では、朝霞の女子生徒、その捜査本部というものが一度設置されたんですね、された。ところが、途中で解散されたということなんです。
 ですから、お聞きしたいのは、おっしゃるように、一度設置されたものは長期間にわたってずっと継続されるんだろうということなんでしょうけれども、途中で家出と判断を変えてしまう、それによって捜査本部をやめてしまうということ、これが非常に私は問題じゃないかなというふうに考えているわけです。
 家出の場合は、これは御説明するまでもないと思いますが、非常に分かりやすい。例えば荷物をまとめて出ていったりとか私服で出かけていったり、若しくは携帯電話とか所持品、お財布を持っていったりとか、そういったことが、兆候が明確に出てくると思うんですが、今回の事件に関してはそのような兆候が全く当てはまらずにそのまま行方不明になった、制服姿で行方不明になってしまったということなんです。それなのに、途中で捜査本部が解散されまして担当人員の大幅な縮小、こういったことがされていたとしたら、私は、非常に大きな問題だなというふうに感じてしまうわけなんですね。
 殺人とか強盗とかほかの重大な凶悪事件であれば、犯罪行為による新たな被害というものが発生はなかなかしないんだろうと思うんですけれども、やはり誘拐の場合は違いますよね。誘拐の場合というのは、発生した後に被害が発生し続けるわけなんですよ。ですから、早期発見にとにかく全力を尽くさなくちゃいけない。それが重要であって、捜査本部の解散をするということに関しては、やはり非常に慎重な考え方、明確な何か基準がないと私はいけないんじゃないかなというふうに思っているわけです。
 現在出されております行方不明者の届けのうち誘拐の疑いのあるものについても、そういったことをしっかりと考えて、大臣、これからやっていただきたいというふうに思うんですけれども、それについてのお考えをいただければと思います。
#197
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、捜査本部が設置されますと、これは被疑者を検挙する、あるいは被害者を確保するまで捜査本部は解散されません。
 朝霞の事件においては、誘拐事件と認定するに至っておりませんでしたので、捜査本部は開設をされておりません。捜査本部に準ずる体制で捜査に当たり、延べ七千五百人の警察官がこの捜査に当たりました。捜査に関しては、継続して捜査が行われていたというふうに承知をしております。
 そういうことでございますので、捜査が長期間にわたって、総合的に勘案して縮小するということはございますが、捜査本部が立ち上がれば、それは継続して捜査を続けているというのが現状でございます。
#198
○松田公太君 済みません、理解しました。
 準ずる体制だったということなんですが、じゃ、そこの準ずるところの体制で止まってしまう場合と、実際、そこの、何というんですか、ラインというのはどこになるんですかね。今回の件は私は明らかに特異行方不明者として扱われるべき事案だというふうに思っておりまして、なぜそこで、途中で家出だというふうに変わってしまったのか、それを教えていただければと思います。
#199
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 本件の場合につきましては、当初から誘拐事件と認定するに至っていなかったということでございます。当初から誘拐事件ということが明らかであれば、当然、総合的に勘案して、先ほど申し上げましたように、捜査を統一的かつ強力に推進するということで捜査本部という形式を立てて捜査を推進していくということであったろうと思いますけれども、本件については最初からそういうような認定がなされるような状況ではなかったということでございますので、しかるべき体制はきちっと取って捜査をいたしたわけでございますけれども、形式的に捜査本部の看板は掲げていないということでございます。
#200
○松田公太君 ちょっと堂々巡りになっちゃうと思うんですけれども、そこを私お聞きしたいんですね。ですから、なぜ今回のケースが当てはまらなかったのか、捜査本部を明確に設置するに当たらなかったのか、教えていただけますか。
#201
○政府参考人(種谷良二君) ただいま申し上げましたように、当初の段階では特異行方不明者の届出ということでありまして、もちろん事件に巻き込まれた可能性も排除できないということではございましたけれども、様々な可能性があるということで、その段階で事件だという形で、しかも重大な事件だという形を認定する証拠もなかったということでございますので、捜査本部という形式は立てなくて、実質的な体制を組んで捜査、それから捜索に当たったということでございます。
#202
○松田公太君 今回は、でも実際は誘拐であったわけでして、重大な事件だったわけですよね。それに関してどのような反省をされているんでしょうか。
#203
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 先ほど大臣から答弁申し上げましたように、現在、この事件については埼玉県警察において鋭意捜査中ということでございます。全容解明の後、今後の捜査に生かせる部分があれば、それを教訓として生かしてまいりたいというふうに考えております。
#204
○松田公太君 そういう形でやっぱり逃げるだろうというふうに私も大体想定はしておりましたけれども、委員長、これ是非、この委員会で後々やっぱり報告していただけませんでしょうか。お願いします。
#205
○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議いたします。
#206
○松田公太君 今回の事件におきましては、広域の捜査活動も行われなかったと私は聞いたんですね。それが、ですから捜査本部が設置されなかったからだと言われてしまえばそれまでなんですけれども。
 今回の事件とはまた別に、これは河野大臣にお聞きしたいんですけれども、誘拐事件の聞き込み捜査というのは届出の警察署が中心となってできるだけやっぱり広域で行う必要があると思うんですけれども、警察が管轄外や県外で活動することについては何か法律上の制約というものはあるんでしょうか。
#207
○国務大臣(河野太郎君) 行方不明の届出が出されたときに広域の捜索を御家族等が希望される場合、法律上あるいは事実上の支障があるというふうには認識しておりません。
#208
○松田公太君 私も今回の質問をするに当たって現場の意見もいろいろ聞かせていただいているんですけれども、今回の事件でもそうだったんですが、警察官の方から、管轄が違うから聞き込みするのが難しいという話が出たり、例えばほかの地域で聞き込みをするのは目撃情報がなければできないという発言も出てきているわけですね。
 実際、警察法施行令の改正がありましたし、警察法の改正もありましたね。それによって、そこら辺の線引きというものは大分変わったというふうに思うんですけれども、ただ、事実上の制約というのは私やっぱり残っているんじゃないかなというふうに思うんですよ。
 今回のようなケースというのは、もうスピーディーに、とにかくほかの、自分たちの管轄外のところ、他県にまたがって捜索をやっぱりするという必要も出てくると思うんですが、河野大臣、これを、現場の変革がまだなされていないということだと私思いますので、是非指揮を執っていただいて、河野大臣の間にそういった改革を行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#209
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 今回の事案につきましても、当初行方不明届というのが出ましたけれども、出た段階でそれをシステムに入力をいたしまして、各全国の都道府県警察でも照会ができるような形にしてございますし、さらに関係都道府県警察に対しては手配をしております。さらに、御家族の意向も受けて公開手配もしているということで、関係の都道府県警察において鋭意捜査をしていたというふうに認識をしておるところでございます。
#210
○松田公太君 大臣からも是非一言いただきたいんですけれども、そうおっしゃいますけれども、私は現場でいろいろ聞いてきているんですが、実際はやはり難しいという発言が多々あったと聞いているんですね。
 ですから、これは例えばこの場にいらっしゃるキャリアの皆さんの間ではなかなか認識しづらいことかもしれませんけれども、現場のレベルでは私やはりそういう慣行が残っているんじゃないかなと思うんですよ、難しい慣行が。まあそれは行政の縦割りにもよく言われることですけれども、実際私はそれがあると思いますので、是非大臣に現場を見ていただいて、そのような改革を是非していただきたいんですね。いかがですか。
#211
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、全容解明のための捜査が続いておりますので、しっかりと全容が分かったところでいろいろ考えてまいりたいと思います。
#212
○松田公太君 是非お願いできればと思います。
 次に、防災無線についてお聞きしたいんですけれども、これは行方不明者が出た場合は、届出人から防災無線を使って呼びかけをしてほしいという要請が出るというふうに聞いております。しかし、依頼はするんですけれども、例えば警察の方から、流すか流さないかは実際市に任せてありますと、市の考えに委ねますということを言われることもあると。そしてまた、市に行くと、警察の要請があれば、必要であれば流しますよというふうに言われて、結局双方から曖昧なことを言われてたらい回しにされてしまうということもあるんですね。
 確かに、事件性のあるようなものに関しては、安易に防災無線で呼びかけたりしますと犯人を下手に刺激してしまうかもしれないということで、慎重にならざるを得ないという部分もあると思いますが、そういったリスクもしっかりと勘案した上で、もし例えばその届出人、御家族の方々、御親族の方々から是非防災無線を使わせてもらいたいんだという話があった場合は、これはできるんじゃないかなというふうに思うんです。
 これは高市大臣にお聞きしたいんですが、そのような御家族から申出があった場合は是非積極的にそういった防災無線も利用できるようにしていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
#213
○国務大臣(高市早苗君) 同報系の防災行政無線でございますが、これは電波法関係審査基準において、地方公共団体等が主体となり、地域における防災等に関する事務及び地方行政に関する事務の遂行上必要な通信を行うために開設する無線局と規定されています。
 今委員がおっしゃった、市町村が警察など関係者からの御依頼によって行方不明者の捜査、盗難、防犯の警戒に関する情報を提供するということについては、先ほど申し上げた規定の中の地方行政に関する事務に該当すると考えられますから、地方公共団体が同報系防災行政無線を活用していただくということについては全く差し支えございません。
#214
○松田公太君 時間がもう大分なくなってしまいまして、次の質問、まだいろいろこれ以外にもあったんですけれども、この事件に関連してもう一つだけ質問させていただきたいんですが。
 これは文科省にお聞きしたいというふうに思うんですけれども、文科省の学校健康教育行政の推進に関する調査によれば、生徒に防犯ブザーを支給しているという割合が、小学校で約八二%、中学校で約一五%、そして高校でも四%ということですね。防犯ブザー、私はそれでもいいというふうに思いますけれども、誘拐の被害等に遭った場合は、今どこにいるか分かるようなやつ、例えばGPS機能、これが付いたもの、これがあってもよいのではないかなというふうに考えております。
 実際、二〇一四年の七月に岡山県で起こりました誘拐事件におきましては、その小学生が持っていた携帯電話のGPSから発見に至って、事件解決につながったわけです。
 小学校への携帯電話の持込みを全面的に認可するというのは難しいかもしれませんけれども、防犯ブザーにGPS機能が付いているものが今たくさん出回っておりますので、それだったら問題ないのかなというふうに思っております。文科省ではこのような防犯器、これは生徒に支給する、どんどん積極的にやっていくということについては何か検討されているのでしょうか。
#215
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 御指摘のGPS機能付き防犯ブザーの配付については、防犯対策上の一つのアイデアであるというふうに考えております。同時に、地域での見守り体制の整備状況、関係機関との連携、具体的には警察や市町村との連携ですね、この構築状況、また限られた予算状況など様々な要素を勘案する必要がありまして、地域の実情に応じた適切な取組を促してまいりたいと思っております。
 なお、居住実態が把握できない児童への対応については、昨年三月に厚労省、文科省、総務省連名で市町村間での情報共有の方法や留意点等を整理した通知を発出するなど、学校や教育委員会などの関係機関と連携して適切な対応を取るように求めておるところであります。
#216
○松田公太君 おっしゃるように、様々な対応をこれ総合的に考えていくことが非常に重要だと思いますね、見回りパトロールというようなことも含めて。ただ、現在は毎月実は四百円程度でGPS機能が付いたブザー、これリースしているところも増えてきているんですね。例えば、概算ですけれども、日本全国の小学生全員にこれを持っていただいたとしても、実は年間で三百億円ぐらいで済んでしまうんです。年間三百億円の予算で、もう親御さんたちにとって子供の安全、安心、こういったものがカバーできるということであれば、私はこれは積極的に導入していくべきものじゃないかなというふうに思いますが、是非文科省の方で考えていただければというふうに思います。
 もう時間となりましたので、以上とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
    ─────────────
#217
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、橋本聖子君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君が選任されました。
    ─────────────
#218
○又市征治君 社民党の又市です。
 まず、NHKの不祥事について取り上げたいと思います。これについては総務委員会でも質疑を行ってまいりましたが、今日は関連団体の不祥事とNHK本体との関連で質疑を行いたいと思います。
 この決算委員会は、十年前、二〇〇四年度の政府決算承認の際に、NHKが不祥事により国民の信頼を失墜させたことに鑑み、政府に対して、綱紀粛正、内部監査の充実により再発防止に向けた取組の強化等を警告決議で強く求めたところであります。同時に、会計検査院に対してNHKの不祥事と関連団体の余剰金について検査を求め、会計検査院は翌二〇〇七年九月に報告を提出をし、子会社等には協会の財政に寄与させること、関連団体に対して過剰な利益を与えないこと等々が指摘をされました。
 そこで、NHKに伺うんですが、この会計検査院の報告をどのように受け止めて今日まで生かしてきたのか、伺いたいと思います。
#219
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 参議院決算委員会の検査要請を受けました平成十九年の会計検査院報告で、今委員がおっしゃいました等々の御指摘をいただきました。これを踏まえまして、NHKとしましては、平成二十一年度に実施した配当から配当性向を見直し、二〇%から三五%に引き上げたほか、特例配当を実施してまいりました。ただ、平成二十四年からは特例配当を要請しておりません。この結果、平成十八年度以降二十七年度までの十年間でNHKの子会社から受け取る配当金は二百三十億円となりました。NHKの財政にも貢献しており、視聴者の皆様の期待に応える放送サービスの充実に活用されております。
 今後、NHKグループ経営改革の取組の一環として剰余金の還元の在り方について積極的に検討しております。ちなみに、二十八年度予算には、通常配当に加え特例配当も合わせて五十九億円の配当を予定いたしております。
#220
○又市征治君 会計検査院の指摘、これを着実に行っておれば今回のようなことは起きなかったんだと思うんですね。
 検査院報告が出されて九年になります。今年もこの予算案の承認に当たっては衆参両院で附帯決議が付けられて、不祥事の再発防止やコンプライアンスの徹底等が求められました。昨日、NHKの理事、大幅な異動が行われたようでありますけれども、籾井会長、あなた自身の責任も極めて重く問われているということを厳しく申し上げておきたいと思います。
 そこで次に、今回の一連の不祥事や子会社による土地購入問題で関連団体とNHK本体との関係が注目が集まっています。特に、本委員会の警告決議や会計検査院の報告で指摘された利益剰余金は、検査院報告によると二〇〇五年度末現在では八百八十六億円余でしたが、最近の報道によると、一四年度末の子会社十三社の利益剰余金は九百十六億円余と増大をしているわけですね。また、関連団体の売上高、事業収入の五八%はNHK本体からのものだ、こういう報道もあります。
 籾井会長、そこで伺いますが、関連団体の利益剰余金の扱い、今も二百三十億円余という話がありましたけれども、この利益剰余金の扱いやNHK本体との取引、これはどういうふうに変えていくつもりなんですか。
#221
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 会計検査院の御指摘にありますように、財務上の余力をそれぞれの会社ごとにしっかりと検証した上で、まずは積極的に配当をしていくこと、これを含めまして、NHKの財政、それから視聴者の皆様に対する放送サービスの充実に貢献するような施策を検討、実施していきたいというふうに考えております。
#222
○又市征治君 コンプライアンスの徹底なんというのは当たり前のことでありまして、先般、総務委員会での質疑で私は、ここ数年、NHKの予算案の承認に当たって不祥事の再発防止が附帯決議で繰り返し求められている、あるいはまた、NHKは内部監査あるいは外部委員による調査委員会の調査にもかかわらず不祥事を発見できなかった、さらには、改革案が次々に出されたけれども全くその実を上げていないということなどについて指摘をいたしました。
 改めて伺いますが、NHKは関連団体の不祥事続発の要因をどのように分析をしているのか、そして、再発防止に向けてゼロからの見直しというふうにおっしゃるけれども、その中身はどういうことか、簡潔にお答えください。
#223
○参考人(籾井勝人君) NHKの関連企業に対するいわゆるコンプライアンスあるいは内部統制のルールというものはきっちりと存在しているわけでございますが、不祥事が起こった理由としましては、これがきっちりと守られなかったということが最大の原因であります。
 我々としましては、NHK本体におきましてもそういうルールをきっちりと守るように、今最大限の努力をしております。
#224
○又市征治君 NHKは国民からの受信料で賄われているわけですから、したがって国会でもこういうふうに論議をするわけですけれども。
 不祥事が繰り返されている、こういう状況ですから、NHKがやっぱり国民の信頼を得るための一つの方策として、関連会社における事業運営やNHK本体による指導監督について体系的にやはり調査をする、それを基にして改善策を検討して、事業運営の透明度を高めていくことが重要なのではないかと思うんです。
 そのために、本委員会として、NHKの関連団体における事業運営、NHKとの関係について会計検査院に検査要請をすべきだというふうに考えますが、委員長、この点についてよろしくお取り計らいいただきたいと思います。
#225
○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議いたします。
#226
○又市征治君 次に、マイナンバー制度の問題点について伺いたいと思います。
 高市大臣は記者会見で、簡易書留で郵送された通知カードは約五千八百七十六万通で、未交付分が約二百十八万件、三・七%というふうに発表されました。そして、市町村が四月以降も引き続き返戻された通知カードを保管するように要請をされたようですけれども、現在どの程度市町村で保管をされているのか。
 大臣は、当初の返戻率は一〇%ぐらい見込んでおったと、それが三・七%まで減少したというのは良かったというふうな感想をお持ちだったようですけれども、そもそも総務省は返戻率をどの程度だというふうに見積もっていたのか。大臣は、特に東日本大震災の被災者の皆さんに届いていないのではないかというふうに危惧されておったようですけれども、実際、避難者と思われる方々が多いのかどうか。
 そして、市区町村で引き続き保管すれば当面は問題はないわけですけれども、私たちはこれは反対なんですが、総務省は、最終的には自分の番号を知らないと日常生活に支障を来すほどに活用範囲を広げる、こういう考え方で来ていたわけですから、どうしても届かない市民への対応はどうするつもりなのか。
 また、マイナンバーカードの発行状況は現在どうなっているのか。以上四点のことをお聞きをします。簡潔にお答えください。
#227
○国務大臣(高市早苗君) まず、全国では三月三十一日時点で約五千八百八十五万通の通知カードが簡易書留により郵送されています。市区町村における窓口での交付や再送などを通じて、未交付となっているのは約二百十一万件、約三・六%でございます。被災三県の被災地域について申し上げますと、約二百四万通の通知カードが郵送されまして、未交付となっているのが約五・七万件でございます。約二・八%でございます。先ほどおっしゃった返戻率の見積りというのは、これはちょっと発送する時点では正確に予測はできないものであると思います。
 とにかくお届けをしなきゃいけないということで、各市町村には、通知カードを確実に受け取っていただけるように、転送可能な普通郵便によって転送先の住民の方に通知カードの受取について連絡をしていただいたり、あと、被災地ですけれども、居所登録された避難先への通知カードの送付が可能であるという旨、定期的な避難者向けの広報ルートを活用して周知したり、居所登録制度の周知ですとか避難元市町村が被災住宅に出向いて居所登録を支援したり、様々な取組を要請してまいりました。
 それで、今後なんですけれども、マイナンバーカードの発行枚数でしたっけ、済みません。ごめんなさい、ちょっと一旦そこまでで……
#228
○又市征治君 三番目。どうしても届かない市町村への対応どうするんでしょうか。
#229
○国務大臣(高市早苗君) 失礼いたしました。
 届かない市町村への対応なんですけれども、これも保管期間について先般通知を出しまして、本来でしたら年度内、昨年度中をということで保管をお願いしておりました。
 被災地については、もちろんできるだけ避難先が判明してお届けできるまでお願いしますということでしたが、その他の地域につきましては昨年度末ぐらいを目途にということだったんですが、やはり新年度が始まりましてマイナンバーの提出、提示を求められる機会が増えると思いましたので、各市区町村には、御面倒をお掛けしますけれども、できるだけ長く保管していただくということも含めて検討していただくようにという要請をいたしております。
#230
○又市征治君 市町村でずっと保管しておれという話じゃ困るんで、届かないわけで。そういう意味で、どのくらいが個人に届くのか届かないのかというのがどうもはっきりしない。やはり、全て国民に届くようにする具体策がちょっとおぼつかないな、この後混乱が起きるんじゃないのかという心配を、私が心配してもしようがないんだが、そういうことが出てくると思うんですね。対策をしっかりやっぱりやっていただきたい、こう思います。
 マイナンバー制度が始動して以来、当初より警戒されていたマイナンバー制度関連の犯罪も起きているようであります。犯罪の中身は基本的には詐欺ということのようですけれども、これまでの犯罪件数、被害額、相談件数はどのくらいなのか。警察として、いわゆる振り込め詐欺が後を絶たないようにこのマイナンバー制度を悪用した犯罪は今後も続くというふうに思うかどうか。そして、このような犯罪は根絶できるというふうに警察の方は見ているのかどうか。警察庁の方にお聞きをします。
#231
○政府参考人(種谷良二君) お答えいたします。
 マイナンバー制度に関連した不審な電話等があったとして全国の都道府県警察に寄せられた相談の件数についてでございますが、通知カードの送付が開始をされました昨年の十月五日から本年四月十一日までの集計で四百四十九件を把握しているところでございます。
 また、マイナンバー制度に便乗した詐欺による金銭等の被害といたしましては九件を把握しておりまして、その被害額の合計は約五千二百万円ということになっております。
 マイナンバー制度に関連した不審電話等の件数につきましては、最近は以前と比べて減少する傾向が見られますけれども、依然として十分な警戒が必要であるというふうに認識をしております。
 被害根絶のためには国民への広報啓発が重要でありまして、警察庁では、ウエブサイトにおいて警察が把握した実際の被害や不審電話等に関する相談の事例ですとか注意のポイントを掲載するなどして、被害防止のための広報啓発を行うとともに、関係省庁にも提供して連携して注意喚起を図っておりますし、都道府県警察におきましても、街頭キャンペーンですとかポスター、チラシ、防犯メール等、様々な機会や手法によって注意喚起を行ってきているところでございます。
#232
○又市征治君 海外では、システムが違うのかもしれませんが、マイナンバーに関わる様々な犯罪が多発しているようでありますから、この十分な啓発活動を是非しっかりとやっていただきたい。
 NHKで、私はだまされないなんて、あんなのしょっちゅうやっているけれども、それでもしょっちゅう振り込め詐欺がやられている。こういう状況があるわけでありますから、そういう意味で、今お聞きをすると、詐欺として届けられたのは九件ということのようですけれども、やはり四百四十九件もそういう意味での相談が掛かってきている。こういうことがやっぱり起こり得るわけですから、是非他省庁とも連携を取りながら啓発をしっかりとやっていただくように要請をしておきたいと思います。
 そこで、このシステムの不具合の問題について伺っておきたいと思います。
 二月二十二日、地方公共団体情報システム機構は、その二月二十二日当日に起きたシステム障害について公表をしました。しかし、不具合による被害は一月ぐらいから生じていた、こういうふうな報道もあるわけです。
 このシステム不具合によって今日までどのような被害が生じたのか、まずその全容を一つ目に伺います。これに関して、総務省はシステム機構に対してどのような指導を行い、機構は一体全体どのような対応をしたのか、あるいはまた現在しているのか、まずこの点を伺います。
#233
○政府参考人(稲山博司君) システム障害の関係でございます。
 まず、一月中旬以降、地方公共団体情報システム機構、J―LISでございますが、そのカード管理システムが一時不安定な状況となりまして、多くの市区町村におきましてマイナンバーカードの交付などの業務が行えなくなった、こういった事案が計七回発生をいたしております。一月中に、一月十三日から二十五日にかけて六回、それから二月の二十二日一回ということでございます。その場合に、各カード管理システムの不具合が発生した時間帯におきましては、実際にカード交付に関する業務が支障が出たと認識をいたしておりまして、住民の方々に対するカード交付ができなかったり、あるいは交付に時間を要したと、こういったことが生じたところでございます。
 そうした障害に対する対応状況でございますけれども、カード管理システム、原因究明や再発防止につきまして、総務省からJ―LISに対しまして累次の要請を行ってきたところでございます。こうした要請を踏まえまして、J―LISのシステムの不具合に関する調査におきましては、中継サーバー障害の原因につきましては、サーバー内の暗号処理装置の動作に関する部分にあると、こういうふうなところまで考えられるところまで至っております。引き続き、徹底した調査を実施をしていると承知いたしております。
 こうした調査結果を踏まえまして、三月四日と三月十一日、これは金曜日でございますが、サービス終了後にそれぞれ改修を実施いたしまして、その後、J―LISのシステムにおきまして重大な障害は生じていないものと承知をいたしているところでございます。その間、私ども、また大臣より直接J―LISの理事長に対し要請等も行ったところでございまして、いずれにいたしましても、円滑な交付に向けましてJ―LISや関係団体と緊密な連携を取って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#234
○又市征治君 一部報道によると、機構は原因を明らかにすることを拒否しているというふうに伝えられました。このシステム開発、七十億円で落札をされたそうですけれども、機械ですから立ち上がり期に不具合というのは付き物なのかもしれませんが、原因が分からないとか原因を明らかにしないなんというのはとんでもない話で、今、稲山さんおっしゃったのもどうもすっきりしないわけです。
 そこで、私たちが危惧してきたやっぱりこのマイナンバーによる情報の流出ということが、こういう問題が起こってくると疑念が湧くわけでありまして、これ大臣にお聞きをしますけれども、個人情報の漏えいというのは絶対ないんだ、大臣の方で保証できますか。その点をお答えいただきたいと思います。
#235
○国務大臣(高市早苗君) やはり、リスクゼロということについて断言するというのは無責任だと思います。リスクの最小化に向けて、制度面それからシステム面、両面で精いっぱいの対応をしているということでございます。
 J―LISに関しまして、これ住基ネットでございますけれども、カードの管理システムを含めて、マイナンバー制度の基盤となる住基ネットとLGWANを運用していますけれども、これも専用回線の利用ですとかファイアウオールによる厳重な通信制御、それからデータを暗号化した通信ということで、セキュリティーを確保して個人情報の漏えい対策を実施してきましたから、十年以上にわたって安定的に運用することができております。
 ですから、しっかり今後もセキュリティー対策については、J―LISの個人情報保護ですとかセキュリティー対策について総務省としても引き続き支援をしてまいります。
#236
○又市征治君 私たちは、昨年、国民、企業、団体に対する周知徹底が遅れていることから、少なくともやっぱり始動は延期すべきだというふうに主張してきたんですが、ところが、動いたけれども本家本元でトラブルが起きた。マイナンバー制度が実に脆弱な一面ではシステムの上に成り立っているのではないのか、こういうやっぱり懸念が否めないわけであります。
 その点を指摘を申し上げ、早急な対策、万全な対策を取るように求めて、今日のところは終わりたいと思います。
#237
○委員長(小泉昭男君) 他に発言もないようでございますので、総務省、警察庁及び消費者庁の決算についての審査はこの程度といたします。
 高市総務大臣、御苦労さまでした。御退席結構でございます。
    ─────────────
#238
○委員長(小泉昭男君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、国会法第百五条の規定に基づく本委員会からの会計検査の要請に対する結果報告に関する件を議題といたします。
 会計検査院から説明を聴取いたします。河戸会計検査院長。
#239
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき平成二十四年八月二十七日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に関する会計検査の結果について」につきまして、関係府省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき二十八年四月六日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 この報告書は、二十四年十月二十五日、二十五年十月三十一日及び二十七年三月二日に提出いたしました報告書におきまして、引き続き検査を実施して、取りまとめができ次第報告することとしておりました事項に関するものであります。
 検査しましたところ、復旧・復興予算の二十三年度から二十六年度までの予算現額の合計額二十九兆三千九百四十六億余円の執行状況は、支出済額二十三兆九千百三十二億余円、累計執行率は八一・三%となっており、復旧・復興事業の成果の状況につきましては、津波対策におけるハード施策である海岸保全施設の二十六年度末の完成率は、事業を計画している五百十二海岸の一〇・一%となっておりまして、ソフト施策である津波避難計画の策定がなされていない市町があるなどの状況が見受けられました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、復興庁及び関係府省等は連携して、復旧・復興事業につきましては、各種事業が有効かつ効率的に実施されるよう努めること、津波対策につきましては、防潮堤の整備等を着実に実施し、住民等の適切な避難を確保するための施策についても早期の実施が図られるよう、技術的な助言等を行っていくことなどに留意して、復興施策の推進及び支援に適切に取り組む必要があると考えております。
 会計検査院としては、引き続き、被災の状況、復興事業の実施状況等について検査を実施して、取りまとめができ次第報告することとしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
#240
○委員長(小泉昭男君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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