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2016/01/19 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 予算委員会 第4号
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2016/01/19 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 予算委員会 第4号

#1
第190回国会 予算委員会 第4号
平成二十八年一月十九日(火曜日)
   午前八時五十九分開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月十八日
    辞任         補欠選任
     島田 三郎君     舞立 昇治君
     山下 雄平君     阿達 雅志君
     相原久美子君     藤田 幸久君
     石上 俊雄君     斎藤 嘉隆君
     辰巳孝太郎君     仁比 聡平君
     片山虎之助君     清水 貴之君
     中西 健治君    薬師寺みちよ君
 一月十九日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     山下 雄平君
     大沼みずほ君     片山さつき君
     神本美恵子君     小西 洋之君
     斎藤 嘉隆君     大塚 耕平君
     広田  一君     藤本 祐司君
     藤田 幸久君     石上 俊雄君
    佐々木さやか君     石川 博崇君
     小池  晃君     井上 哲士君
     仁比 聡平君     辰巳孝太郎君
     清水 貴之君     片山虎之助君
     藤巻 健史君     東   徹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                山本 香苗君
    委 員
                阿達 雅志君
                愛知 治郎君
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                片山さつき君
                古賀友一郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                羽生田 俊君
                舞立 昇治君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                石上 俊雄君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                神本美恵子君
                小西 洋之君
                斎藤 嘉隆君
                田中 直紀君
                西村まさみ君
                広田  一君
                藤田 幸久君
                藤本 祐司君
                石川 博崇君
                河野 義博君
                竹谷とし子君
                井上 哲士君
                小池  晃君
                辰巳孝太郎君
                仁比 聡平君
                川田 龍平君
                山田 太郎君
                東   徹君
                片山虎之助君
                清水 貴之君
                中山 恭子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     岩城 光英君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   森山  裕君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  林  幹雄君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     丸川 珠代君
       防衛大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   高木  毅君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       規制改革、防災
       ))       河野 太郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    島尻安伊子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣     遠藤 利明君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣官房内閣審
       議官       大島 一博君
       内閣官房内閣審
       議官       坪井  裕君
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       内閣官房内閣人
       事局人事政策統
       括官       若生 俊彦君
       内閣府規制改革
       推進室次長    刀禰 俊哉君
       総務大臣官房総
       括審議官     稲山 博司君
       財務省主税局長  佐藤 慎一君
       財務省理財局長  迫田 英典君
       厚生労働省医政
       局長       神田 裕二君
       厚生労働省健康
       局長       福島 靖正君
       厚生労働省政策
       統括官      武田 俊彦君
       経済産業大臣官
       房商務流通保安
       審議官      住田 孝之君
       中小企業庁長官  豊永 厚志君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       観光庁長官    田村明比古君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
○平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)
 (内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十七年度補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日午前は、内政・外交の諸問題に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑時間割当ては百七十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十分、民主党・新緑風会四十七分、公明党十七分、日本共産党十六分、維新・元気の会十六分、おおさか維新の会十六分、日本のこころを大切にする党八分、無所属クラブ八分、社会民主党・護憲連合八分、新党改革・無所属の会八分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。
 また、午後は、締めくくり質疑を四十三分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三分、民主党・新緑風会十六分、公明党四分、日本共産党四分、維新・元気の会四分、おおさか維新の会四分、日本のこころを大切にする党二分、無所属クラブ二分、社会民主党・護憲連合二分、新党改革・無所属の会二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案を一括して議題といたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) この際、麻生財務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。麻生財務大臣。
#5
○国務大臣(麻生太郎君) 昨日、共産党のコバヤシアキラ先生の方から……(発言する者あり)済みません、コバヤシじゃありません、小池でした。大変、大変失礼しました。ちょっと、高齢者は少々眼鏡を掛けぬといかぬですな、やっぱり。
 昨日、共産党の小池晃先生から資料提出の要請があっております。軽減税率導入によります減収額見積りと家計調査との関係についての見解について理事会に資料を提出をいたしましたが、簡潔に御説明をさせていただきたいと存じます。
 消費税の軽減税率制度の減収額見積りにつきましては、消費税収の実績に見合った減収額を求めるとの考え方の下、消費税収の見込額から政府の負担額を控除し、これに家計調査から推計をいたしました課税消費支出額に占める軽減税率対象の消費支出額の割合を乗じることなどによりまして、一兆円程度と見込んでいるところであります。
 なお、家計調査の一世帯当たりの消費支出額に世帯数を乗じて算出をいたしました消費総額は百三十五兆円程度でありますが、家計調査の対象といたしております消費支出に係る消費税収から推計した消費総額二百二十五兆円程度の六割程度と相なります。この相違は、家計調査が国民生活におけます家計構造を明らかにすることを目的としたサンプル調査に基づく統計であるといったことによるものと考えられます。
 今国会の予算委員会におきましては、消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人以上世帯の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など、様々な前提でお尋ねをいただきました。こうしたお尋ねに対しましては、世帯の負担についての御質問でありましたので、世帯の消費支出の状況などを示す統計である家計調査の計数をそのまま用いて算出した世帯ごとの消費税負担額の変動等としてお答えしてきたところであります。
 このような利用可能な統計を活用してお尋ねの内容に最大限お答えするように努めてきたところですが、今後は、どのような統計を活用したのかを含めまして、丁寧に御説明をさせていただきたいものと考えております。
 以上です。
    ─────────────
#6
○委員長(岸宏一君) 内政・外交の諸問題に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。阿達雅志君。
#7
○阿達雅志君 おはようございます。自由民主党の阿達雅志です。
 昨年二月の施政方針演説で、総理は、御地元、長州山口出身の吉田松陰先生の「知と行は二つにして一つ。」という言葉を引かれ、「成長戦略の実行。大胆な規制改革によって、生産性を押し上げ、国際競争力を高めていく。オープンな世界に踏み出し、世界の成長力を取り込んでいく。なすべきことは明らかです。要は、やるか、やらないか。」だと述べられました。
 これは、日本人そのものが閉塞感に覆われている状態から自信を取り戻すための挑戦を宣言されたものと思います。もちろん、一旦海中に沈んだ日本という大きな船を引き揚げるのはそうたやすいことではありませんし、時間も掛かります。実際、地方経済、中小企業では、実質賃金がなかなか上がらず、消費や設備投資も思うようには伸びていません。しかし、成果は着実に出ています。企業収益が上がり、完全雇用に近づいたことによって賃金を上げる、あるいは、設備投資を増やすための環境が整ってきています。船は海面に現れたと言っていいと思います。光が見えてきているものと思います。
 そして、この三年間で、国際的に見ても、政治、経済両面において一度失われた日本の存在感は大きく回復しています。後ほど財務大臣にもお尋ねしたいと思いますが、残念ながら、ここ最近の世界の株価の動きに見られるとおり、世界経済には不穏な兆候も出てきております。これはアベノミクスの政策効果を鈍らせかねない兆候かとも思います。しかし、そういう中で、世界経済の中では日本経済はまだしっかりした方向性を出しており、ここで日本経済がしっかり回復していくということは世界経済にとっても極めて重要であると思います。外的要因に負けることなく、是非、GDP六百兆円の取組を加速していただきたいと思います。
 総理は、地球儀俯瞰外交ということで世界各国を飛び回っておられます。そして、そういう中で日本の存在感は明らかに回復をしてきておりますが、そういう日本の存在感を回復したことをはっきり示すものとして、TPP大枠合意、日印首脳会談を私は挙げたいと思います。TPP大枠合意、日印首脳会談は、経済力といった日本のハードパワーだけでなく、国際ルール作りやソフトインフラの展開といったソフトパワーを戦略的に行使し世界に示したという点で極めて日本外交にとっても画期的な出来事であったと思います。日本の総合力によって日本の存在感を戦略的に示したということであろうと思います。
 そこで、総理にお尋ねします。
 昨年十月に関係者の大変な御尽力でTPP交渉が大筋合意に至りました。TPPには政治、経済両面における大きな戦略的意義があると思いますが、まず、TPPの政治面における戦略的意義について、総理のお考えをお聞かせください。
#8
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPP協定は、単なる貿易自由化の枠組みではありません。自由、民主主義、そして基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々が新しい経済のルールを作る、これは二十一世紀にふさわしい国際秩序を誰が構築をするかという問題であり、国家百年の計であろうと思います。
 大筋合意後、韓国、台湾、フィリピン、インドネシア、タイ等がTPP参加に強い関心を表明しました。アジア太平洋に世界の四割の経済圏が生まれる。その求心力で、TPPは各国の経済改革の目標となり、法の支配が及ぶ範囲が拡大をします。基本的価値を共有する国々が経済のきずなを深め、更にその輪を広げていく。それは地域の安定に資するものであり、安全保障の観点からも極めて重要であろうと思います。そこにTPPの戦略的意義があるわけでありまして、日本の交渉参加は遅れたのでありますが、しかしその後、まさに日本と米国がTPP合意に向けて議論をリードすることができたと、このように考えております。
#9
○阿達雅志君 総理、どうもありがとうございます。
 法の支配による国際秩序づくりに日本が積極的に参加していた、この意義は非常に大きいものと思います。また、それは、価値観を共有する地域、この地域の安全保障にも大きく資するものと私も思います。
 TPPの経済面における戦略的意義については、総理は既に衆参ほかの委員の質問の中でお答えをされていますので、TPPの経済効果についてお尋ねしたいと思います。
 昨年末にTPPの経済効果分析が内閣府から公表されました。そこでは、関税の削減効果にとどまらず、投資、サービスの自由化やグローバルバリューチェーンの創出がもたらす生産性向上効果等を含めた評価結果として、GDPが十四兆円増加するとされています。二年前の関税撤廃による経済効果試算に比べ大幅に増加していることは、TPPの非関税項目の重要性を示しているものと思います。
 この効果を実現するためには、日本もグローバルバリューチェーンを支える物流インフラ整備への投資、特に港湾整備、あるいは生産性が低いと言われる金融、保険、運輸、リテール等のサービス分野の一層の効率化への取組が必要と思います。総理のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPPの合意内容は三十章にも及ぶ広範なものでありまして、その効果は関税の削減、撤廃によるものにとどまりません。このため、貿易関連手続の簡素化に加え、投資、サービスの自由化などにより経済の開放性が高まっていくことを踏まえ、生産性の向上や労働供給増による効果を含め、包括的な分析を行いました。
 これによると、二〇一四年度のGDP換算で約十四兆円の拡大効果が見込まれます。それでもなお、今回の分析結果は対内直接投資の効果を含まないなど、TPPがもたらす経済効果の一端を示すにすぎません。TPP協定はあくまで手段にすぎないわけでありまして、その果実を実際に収穫するためには、TPPが開く新しいチャンスに果敢に挑んでいかなければなりません。政策を総動員して事業者や農林漁業者の積極的な行動を促し、最大限の経済効果を実現していく考えであります。
 その際、御指摘がございました港湾などのインフラ整備、サービス分野の生産性向上など、個々の事業者の自助努力では対応できない課題については、総合的なTPP関連政策大綱や日本再興戦略などを踏まえ、政府として取り組んでいく考えであります。
#11
○阿達雅志君 総理、どうもありがとうございます。
 私はかつて商社におりましたので、ビジネスを拡大するには、そのために必要な物流、ロジスティック、陸海空運の充実や港湾整備といったインフラの整備の重要性を痛感しております。総理は、いろいろなところで景気回復の実感を全国津々浦々にもたらすとおっしゃっています。御承知のとおり、津も浦も港を指します。いかにロジスティックが景気拡大のためにも必要であるかということを示していると思います。景気回復を全国に広げるには、運輸インフラの整備は欠かせません。これらは民間だけではできず、総理御指摘のとおり、官の役割も非常に重要であります。十四兆円のGDP増加試算には、インフラ投資を含めた設備投資が成長を促すメカニズムが今回含められました。是非、政府として、引き続きTPPを支えるインフラ整備に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 総理は、十二月中旬にインドを訪問され、モディ首相との首脳会談で日印ヴィジョン二〇二五を発出されました。そして、ムンバイ―アーメダバード間高速鉄道に日本の新幹線システムの採用が決まりました。これから大いに成長が期待できるインド市場に日本のシステムを展開するだけでなく、ソフトインフラの展開と人材育成が含まれたプロジェクトというところに、政治的、経済的にも非常に大きな意義を有すると思います。
 鉄道、道路、港湾などのインフラシステムの海外展開は、相手国の国づくりに大きなインパクトを与えます。更に積極的に海外展開をしていくべきだと思いますが、総理の御所見をお聞かせください。
#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本のインフラ輸出については国を挙げて支援をしていく必要がありますし、今後もトップセールスを続けていきたいと考えています。
 昨年十二月の日印首脳会談において、ムンバイとアーメダバードを結ぶ高速鉄道に日本の新幹線システムの採用を合意いたしました。インドは急速な経済成長を続けておりまして、まさに十二億もの人々が一気に豊かになっていきます。インドでは急速にインフラ整備が進んでいます。
 開業から五十一年間にわたって乗客の死亡事故ゼロ、四分間隔で運行しながら、定時性の確保、それを支える運行システムなど高い安全性と信頼性を誇る新幹線の優れた技術面、さらには資金面や人材育成等の支援の提案が評価された結果と考えます。
 モディ首相の就任以来、機会を見付けて首脳会談を行い、首脳同士の信頼関係を深めながら、私自身積極的に働きかけてきたところであります。インド経済の更なる発展に資するものであり、日印の二国間関係の強化につながる、まさに日印新時代の幕開けの象徴ともいうべき意義深いものと考えます。
 我が国は、人材育成等のソフト面を含めた質の高いインフラ輸出を推進をしておりまして、今回の合意はその象徴的なものであります。オープンな世界で日本の可能性を大きく開花させ、今後も私が先頭に立って積極的なトップセールスを展開していきたいと考えています。
#13
○阿達雅志君 今回、インドとの関係というのは、やはりこれは戦略的に見ても非常に大事なところだと思いますし、またそういう中でこういう新しいタイプのインフラを展開する、非常に大事なことだと思います。
 そういう中で、今回、日本政府は、この高速鉄道に関して前例のない柔軟なファイナンスを提供するなど、ビジネスリスク軽減に大変な配慮をされていると思います。ただ、こういう鉄道事業あるいはインフラ事業というのは初期投資コストが巨大で、そしてまた運賃収益が公共性で縛られるという特性から、短期的には事業性が非常に成り立ちにくい非常に難しいプロジェクトでございます。実際のプロジェクト実現に向けては、民間事業者においてもまだまだこれからいろいろなハードルもあると思います。
 しかし、時速三百キロの新幹線を列車間隔三分で時間どおりに安全に運行できるという日本のソフトのすばらしさ、これは日本人の誠実さがあってのことだと思います。日本人の勤勉によってこういうハードの輸出にとどまらないソフトパワー、これを世界に展開していくということは、日本の存在感を更に世界に示すことができるかと思います。是非、官民しっかりタッグを組んで、そして一日も早い完成、そして成功のために取組をお願いしたいと思います。
 日本国内においても、昨年は北陸新幹線の開業、この春には北海道新幹線の開業が言われております。また、リニア新幹線の建設など鉄道の話題には事欠きません。そして、今、トラック輸送から鉄道貨物へとモーダルシフトという議論もなされております。地球温暖化対策の一つとして、そしてまた先ほどありましたようなサービス産業での効率化の一環として、やはりこういう鉄道というのが今また着目をされている、世界中で鉄道の時代が再来しているのではないかと思います。
 そして、この鉄道というのは観光にとっても非常に大きな意味を持っているかと思います。そこで、ちょっと観光について御質問をさせていただきたいと思います。
 二〇一三年に初めて一千万人を超えたインバウンド観光客が、二〇一五年、ほぼ二千万人、二年で倍増いたしました。ビザ要件の緩和、免税品の拡大、これを政府が決断された結果、これだけのことが起こりました。
 今回、政府では三千万人に目標を引き上げるための検討を開始をされたと聞いております。また、今回の予算案でも観光予算、関連予算は百四億円から二百四十五億円に大幅に増額をされるなど、観光に対する、今政府は非常に注目をされているものと思います。
 政府には観光ビジョン構想会議が設置され、官房長官がワーキンググループの座長になられました。構想会議設置の目的について、官房長官のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#14
○国務大臣(菅義偉君) まず、我が国は豊かな観光資源に恵まれて、また成長著しいアジア諸国の近隣に位置しております。まさに観光立国の大きなポテンシャルを有しており、その推進は成長戦略の大きな柱の一つであります。
 安倍政権発足をして、今御説明いただきましたけれども、ビザの戦略的な緩和、消費税免税制度の拡充という大胆な規制改革を行いました。さらに、継続した訪日プロモーション、こうした取組によって、この三年間で、前政権の二〇一二年の八百三十六万人から、実は今朝発表しましたけれども、三年目で千九百七十四万人に昨年は達成をいたしております。二〇二〇年の目標であった二千万人がもう目前であります。そして、その消費額も、二〇一二年には一兆八百四十六億円でしたけれども、昨年は三兆四千七百七十一億円まで増加をいたしました。そして、心配しました外国人犯罪でありますけれども、治安当局の大変な御努力もありまして、結果としてこの三年間は足下、減少であります。
 しかしながら、外国人旅行客の増加に、真に我が国の地方創生や成長に資するような観点からは、空港や宿泊等の受入れ体制の整備、さらには地方の魅力ある文化を始めとする観光資源の更なる磨き上げ、そしてまたゴールデンルートに集中している外国人旅行者を地方への誘客、こうしたことを取り組むことはまさに山積をいたしております。
 そのために、次の時代の新たな目標設定のために必要な検討を行うべく、昨年十一月、総理を議長とする観光ビジョン構想会議を設立をいたしました。本会議では、予見を持たずにあらゆる角度から検討を行って、真の地方創生、国際的な相互理解の増進にもつながる大胆な取組をしっかりと打ち出したいというふうに考えております。新たな目標の設定とそのために必要な対応について、年度内を目途にビジョンを定める予定でありますので、三千万になるのか、三千万超えを目指すのか、そういうことも含めて年度内に結論を出したいと思います。
#15
○阿達雅志君 インバウンドの観光客一千万人分の消費というのは国民百二十五万人分の年間消費にほぼ匹敵すると思います。人口が減少する日本の消費を下支えし、地方創生にも大きく資するものと思います。また、こういう観光によって日本の文化、伝統をしっかり世界に訴えていく非常に大きな意味がありますし、成長戦略として是非取り進めをお願いしたいと思います。
 アベノミクスの進展によって、いわゆる六重苦の解消とともに、逆に今、安いエネルギーと人手不足、これが課題として出てきています。こうした問題を解消するために、アベノミクス第二ステージを進める上では生産性革命が非常に大事になってくると思いますが、総理のお考えをお聞かせください。
#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 生産性革命を実現し、人口減少下における供給制約を克服するため、IoT、ビッグデータ、人工知能といった新技術への積極果敢な投資を促していく必要があります。
 昨年十一月の官民対話では、自動走行やドローンの産業利用の実現に向けて安全性と利便性を両立する制度設計に取り組むよう、関係大臣に指示しました。
 自動走行については、二〇二〇年に無人自動走行、高速道路での自動運転を目標としています。目標実現に向けて、ハンドル、アクセルがない車両を制度的に位置付け、それが市販車として備えるべき安全基準を検討します。
 ドローンについては、早ければ三年以内にドローンによる荷物配送を実現することを目指しております。まずは、航空法の運用において個別に認められてきた安全確保策を体系的に整理して事業者に示すことで、民間による多様なドローンビジネスへの挑戦を後押しします。
 生産性革命を実現するため、安全性をもちろん確保しつつ新技術を活用できるよう、規制の在り方を不断に見直しをしていく考えであります。
#17
○阿達雅志君 テクノロジーを利用した規制改革、これはイノベーションを生み出し、成長戦略においても非常に大事だと思います。しかし、不慣れな事業者が急速に参入し、過当競争の結果、安全、安心が守られないようなことがあってはいけないと思います。電力・ガスシステム改革、昨年、総理は進められました。これもやはり健全な競争が行われるように、詳細設計をしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 また、規制改革会議では、ITと規制緩和を組み合わせたシェアリングエコノミーと言われる新しいビジネスも議論がされております。このシェアリングエコノミーは、宿泊スペース、自動車、金融など、それぞれによって、また地域ごとに必要性や課題は全く異なります。私は、ライドシェアについては安全、安心の確保が非常に難しいのではないかと思っておりますが、安全、安心に関わる規制緩和については参入規制の問題とは別に、安全規制に関しては、これが損なわれたり、責任の所在が不明確になることのないよう、慎重に御検討いただきたいと思います。
 また、知的財産をしっかり活用することによって国際的にもいろんな展開ができると思いますので、このGDP六百兆円を、私は、このGDP、頑張ればできるプラン六百兆円に是非していただきたいと思います。
 最後の質問に行かせていただきます。
 これは麻生財務大臣にお尋ねをしますが、まあ非常にお答えしにくい質問だと思いますので、ちょっと問題の提起ということで結構でございます。
 原油・商品価格の低下、中国経済の減速、米国の利上げ、ギリシャのEU離脱の可能性など、現在の世界経済は政府の経済財政運営を超えたところで日本経済に影響を及ぼしかねない不穏な兆候が出てきております。これについてはしっかりと注視し、また取り組んでいく、常に備えを怠らないということをしっかりとお話をいただければと思います。
#18
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたように、一昨年、比べてみますと、百五ドル、十ドルだった石油が、バレル、バレルですよ、バレルで三十ドル切るような話になっておりますいわゆる原油価格の低下とか、そういうのが結果的に各国の株式市場等々に非常に大きな影響を与えておりまして、世界経済としては、全体としては緩やかに回復基調にありますし、もちろん日本の各企業を見ましても経常利益が史上空前というようなことも出してきておりますので、私どもとしては、回復というものは今後とも緩やかではありますけれども確実に続いていくと、まずそう思っております。
 しかしながら、今御指摘のありましたように、個別のリスクというのは必ずありますし、加えて、イランが新たに経済制裁の解除に伴って石油市場に入ってくるということは更に石油価格が下がる可能性を秘めているということだろうと思っておりますので、大きな問題があろうかとは存じますが、同時にそれは、日本にとりましては、まあ御家庭においての光熱費、工場においての原価の下落等々にいい面もあることも確かですが、同時に、新興国の経済というものの減速等々が石油価格の方にマイナスに影響している、買いませんからというようなことも確かにあるのは事実ですから、もう。
 そういったことを考えますのと、もう一点は、やっぱり隣の中国の内容が、今、基本的にはもうG20等々で昨年から何回か指摘しておりますけれども、過剰設備、そして過剰信用等々の構造問題というものが一刻も早く解決を求められているんだと思いますが、そういったことを考えながらも、我々としては、米国の金融が正常化し始めている等々によって金利が少しずつ上がってくるであろう等々、いろんな問題を考えなければならぬとは思っておりますけれども、我々としては、今の市場に右往左往するようなことではなくて、基本としてはG7という国際社会ときちっと連携を取りながら、我々としては、まずは補正予算を早期に成立させていただいて、そして経済の好循環というものを確固たるものにしていくというものによって我々の施策を着実に進めてまいりたいと、さように考えております。
#19
○阿達雅志君 財務大臣、ありがとうございました。
 世界のエネルギーファイナンス、これ二・五兆ドルと言われておりまして、リーマン・ショックのときのサブプライムローンよりもはるかに大きな規模になっております。これが、原油価格六十ドルのときに設定されたファイナンスが今三十ドルを切っている、非常に大きな事態でありますし、これ、財務大臣はリーマン・ショック直後の総理大臣でありましたし、また、長年通貨マフィアとして活躍してこられた、こういうG7における今までの経験、これを生かしていただいてしっかり対応いただき、アベノミクスの政策効果を鈍らせることのないようにしていただきたいと思います。
 時間になりましたので、質問を終了いたします。ありがとうございました。
#20
○委員長(岸宏一君) 以上で阿達雅志君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#21
○委員長(岸宏一君) 次に、斎藤嘉隆君の質疑を行います。斎藤嘉隆君。
#22
○斎藤嘉隆君 おはようございます。民主党・新緑風会の斎藤嘉隆であります。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。
 冒頭、ちょっと政治の話題とは外れますけれども、昨日の夜から、ニュース等を見ていると、SMAPの解散回避の報道がずっと続いております。国民的なアイドルグループでありますし、それから国民の関心も非常に高いということであります。衆議院の解散が先かSMAPの解散が先かと、そういうような話題も出るぐらいの話、大きな話になっておりましたが、解散回避という報が出ました。
 大変通告していなくて恐縮でありますけれども、総理、SMAP解散回避の報についてどのような感想をお持ちでしょうか。
#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) なかなかこれは、政治の世界もそうなんですが、同じグループが長年続いていく上においては様々な課題もあるんだろうと思います。しかし、多くのファンの方々の期待に、また願いに応えてグループが存続するということは、これはよかったのではないかと、こういうふうに思っております。
#24
○斎藤嘉隆君 急な質問で大変申し訳ありませんでした。ありがとうございました。
 では早速、用意をさせていただいた中身に入りたいというふうに思います。
 年初から大変株価の下落も含め、また中東あるいは北朝鮮での問題、そして国内での大きな事故、非常に暗い年のスタートになっているというふうに思います。その中で、長野県で起きたスキーバスについて少しお伺いをしたいというふうに思います。
 今日の未明には新たにお一人の方がまた亡くなったということで、これで、二人の乗務員の方に加えまして、十九歳から二十二歳までの十三人の方、大学生が亡くなるという非常に痛ましい事故になりました。心から冥福をお祈りをしたいというふうに思います。
 絶対に二度と同じような事故を起こしてはいけない、毎回大きな事故があるたびにこういうことになります。三十一年前に同じ長野県で起きましたスキーバス、やっぱり一月でしたけれども、ダム湖に転落をするという事故がありまして、二十五人の方がお亡くなりになったという事故です。実は私、学生時代の恩師が一人この中に含まれておりまして、今も鮮明に覚えております。あのときも運転手の方の過労等が原因ではないかと、こういう指摘がされていたんではないかというふうに思います。
 今回の事故の原因究明は今後具体的にされてくるというふうに思いますけれども、運転手の勤務体系ですとか技量不足ですとか、あるいは法定価格を下回る額での運行の受注など問題点もいろいろ指摘をされていますが、その中で、二〇〇〇年の規制緩和、このことによってバスの事業者数が激増していると、こういったことも原因の一つにあると言われています。
 こういう悲惨な事故を起こさないためにどのような方策、今後取られていくのか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(石井啓一君) お答えをいたします。
 十五日の未明、乗員乗客四十一名を乗せた観光バスが長野県軽井沢で崖下に転落をいたしまして、十五名がお亡くなりになり、二十六名が負傷をされております。改めて亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りをいたしたいと存じます。
 今回の事故につきましては、速やかに事実確認と原因究明を進め、このような悲惨な事故が二度と起こらないよう万全の対策を講じていく所存でございます。
 その一環として、まず、貸切りバスを対象とした緊急の監査を実施をいたします。これは、街頭の監査とバス事業者に関する監査、これを実施をいたしまして、法令遵守の状況を確認をいたします。また、監査の実効性の向上を始めといたしまして、今回の事故を踏まえた対策について早急に検討を進めるため、今月中にも有識者から成る検討委員会を設置することといたしました。
 速やかに対策の検討を進め、順次実施してまいりたいと考えております。
#26
○斎藤嘉隆君 毎回でありますけれども、いろんな会議体をつくって事故の原因究明をする、その上で調査等を事業所等に掛けていろんな形で調べを深くしていくと、そういうことで、ただ付け焼き刃的な対策だとまた同じような事故が起きるというふうに思います。
 私、先ほども申し上げましたが、やはり規制の緩和による弊害というのは非常に大きい。根本的な部分で、是非、国交大臣には具体的な対策、新たに講じていただきたいというふうに思っています。
 そして次に、本題であります補正予算の中身についてお伺いをしたいというふうに思います。
 私たちはこの補正予算について、先般も撤回の上、編成替えを求めると、こういう動議を出させていただいたところです。これは、財政規律の問題もありますけれども、それ以外に看過し難い大きな問題が幾つもこの予算の中には含まれているということが理由です。
 今回審議されている補正予算は三・三兆円、一億総活躍社会の実現に関する予算が一兆一千六百四十六億円ということになっています。もう様々に議論されてきましたが、このうちの三割の三千六百二十四億円がいわゆる市町村民税非課税世帯の年金生活者に配る三万円ということになっています。いわゆる臨時福祉給付金でありますけれども、この臨時福祉給付金について、今回の補正予算に入れなければならないという緊急性がもうよく分からないんです。
 本来は、これは消費増税時に、対象を年金収入が八十七万円以下の方に絞って六万円ということで年金生活者支援給付、こういう形で給付をする予定であったということですけれども、今回は対象がもう二倍になっています。対象が二倍の千百万人、給付の時期は参議院選挙前、六月までにということも言われています。
 対象がこれ大きく変わっていますし、本来の年金生活者支援給付とはもう完全にこれは性質を異にしていると、こう言わざるを得ない。これは税収上振れ分を活用した究極の選挙対策、ばらまきですね、これは。総理、いかがですか。
#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 名目GDP六百兆円の実現に向けて、今年前半にかけて個人消費の下支えを行い、経済の下振れリスクに対応することが極めて重要と考えたところであります。現役世代には賃金の引上げの恩恵が及びやすい一方、こうした恩恵が及びにくいのが高齢者であります。年金額については、デフレの影響もあり、特例水準の解消も含め、伸びなかったのも事実であります。また、一般的には高齢者層は他の年齢層に比べ消費性向が高い傾向にあります。
 こうしたことを踏まえまして、アベノミクスの果実を活用し、低所得の高齢者に対し一人三万円の臨時福祉給付金を支給することとしたわけでありまして、このような趣旨で行われる今回の給付金の支給は、ミクロ的な観点から見ても、あるいはマクロ的な観点から見ても、正しい政策であると考えています。
 一方、年金生活者支援給付金は、社会保障・税一体改革の一環として、法律の規定により消費税引上げによる税収分を財源として実施するものであり、低年金受給者に対しその生活を支援するために支給するものであります。
 一年余り前、消費税の引上げの延期を決断をした際、給付と負担のバランスの観点から年金生活者支援給付金について先送りをするという苦渋の決断をいたしましたが、一昨年の総選挙のとき、私は、経済を成長させていけば税収は上振れをしていく、その果実はしっかりと社会保障の分野に投入していきたいと、こう申し上げたわけでございまして、そのお約束どおり、税収増というアベノミクスの果実を生かして、果実が生まれた今、先送りを決断した年金生活者支援給付金について、対象は広くなり、年間六万円ではなくて三万円とはなりますが、その果実を活用し給付金の支給を行うこととしたものでありまして、したがって、今回の給付金は平成二十九年四月から支給する年金生活者支援給付金の前倒し的な位置付けになるものであると考えております。
#28
○斎藤嘉隆君 今、長く御答弁をいただきましたけれども、総理の言われるように、この三万円給付が、賃金の引上げの恩恵が及びにくい高齢者にアベノミクスの果実を配付をすると、こういうこともおっしゃられているわけでありますけれども、これ、若年の低所得者や子育て世帯、あるいは生活保護受給者というのは、これは対象外なんですね。こういう人たちに恩恵が及んでいるとはもう到底思えないわけであります。
 それで、さっき景気の下支え効果ということもおっしゃられましたけれども、ちょっと一つお伺いをしたいと思います。
 二〇〇九年の麻生政権で、全国民を対象に、これはたしか一万二千円、一部の方は二万円であったと思いますけれども、定額給付金をまさにばらまいています。この後の内閣府、実はこれ調査分析をしていまして、配ったお金の二五%しか消費に回らなかったと、こういうようなことも、これはもう政府が調査分析をした結果として出ているわけです。今回も同様の結果になるのではないかと。
 今、総理は、高齢者の消費性向が高いということをおっしゃられました。今回はこの給付のうちどれぐらいが消費に回るというふうに見ているのか。そうであれば、どの程度の消費の増とか景気下支え効果があるというように見込んだ上でこの政策を打たれるのか、お答えをいただきたいと思います。
#29
○国務大臣(加藤勝信君) 今、二〇〇九年の定額給付金のお話がございましたけれども、御質問の中にもありましたように、それぞれ対象が異なるといったこともございますので一概に比較はできないと思いますが、先ほど総理から御答弁いたしましたように、今回は消費性向の高い高齢者を中心にしているということがまずあるんだろうというふうに思います。
 それからもう一つ、施策の経済的な効果でございますけれども、二十七年度補正予算に計上いたしました個別の政策ごとにどういう経済効果があるかという試算はしておりませんが、内閣府が試算したところによりますと、今回の給付金を含む補正予算全体の経済効果は実質GDP比でおおむね〇・六%、その内訳として、民間最終消費を実質GDP比で見ますと〇・一%程度の押し上げ効果があると見込まれております。
#30
○斎藤嘉隆君 今のお答えを聞いても、本当、具体的な見込みの上でこの政策をされるというふうには到底思えないんです。対象が異なるということと、前回の定額給付金のときとですね、それから、高齢者の方は消費性向が高いということも今おっしゃられました。これは本当ですか。本当ですか、これは。
 二〇〇九年の定額給付金については、まさに加藤大臣の所管でもありますけれども、内閣府が世帯別のこれ分析も行っていますね、消費性向の。高齢世帯と子育て世帯の消費性向では、大臣、どちらが高いんですか。
#31
○国務大臣(加藤勝信君) そのときの報告書によりますと、高齢者世帯が受給額の三七%、子供がいる世帯が受給額の四〇%と、こういうふうになっております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、今回の一連の流れを見る中で、そうした子育て世帯、勤労世帯に対しては賃金の引上げ等も行っているわけでありまして、そうした恩恵が及んでいない高齢者世帯、それに注目して今回の給付金を支給するということにしたところでございます。
#32
○斎藤嘉隆君 いや、今まさにありましたように、前回の給付金の結果を見ても子育て世帯の方が消費性向は高いんですよ、高いんです。今本当に必要としているのはこういう世帯なんですね。もちろん、勤労世帯もこれには含むというふうに思います。何のための前回の調査であり分析であったのか。こういったことをきちんと生かさないと同じ間違いを何回も繰り返す、で、無駄遣いを重ねていく、結果として財政への負担が増していくと、こういうことになります。
 もう一個、この内閣府の調査を見て私から申し上げたいというふうに思いますけれども、この消費というのは、中心は耐久財消費なんです。旅行やいわゆる行楽なども一部多くを占めるんでありますけれども、高齢者世帯はこの耐久財支出というのが子育て世帯に比べて非常に小さいということも、これも内閣府、まさに御自身の調査で分かっているんです。
 私は、景気の下支え効果というのは、さんざんこの委員会でも総理含めて御答弁をされていますけれども、やはり薄い。もし景気の下支え効果をしっかり狙っていくならば、子育て世帯も含めて更に手厚い対応をしていくべきだというふうに思います。やはりこれはばらまきです。無駄遣いです、財政の。このことをあえて指摘をさせていただきたいというふうに思います。撤回の上、編成替えをしていただきたい。総理、いかがでしょうか。
#33
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子育て世帯につきましては、今回の補正予算そして本予算において七千億円の対応を、支援を、幅広い支援を行っていくことを決めているわけでございますし、そしてまた、一年余り前、消費税の引上げの延期を決断した際、年金生活者支援給付金については先送りをするという苦渋の決断をしたところでありますが、子育て世代への支援は、消費税引上げの延期にかかわらず、八%への増収分を活用してそれは実施をしたわけでございます。
 つまり、あのときに、選挙でも大きな争点の一つとなったのでありますが、一〇%への引上げは一年半延期をしますが、しかし、子育て世代への支援は行います、そのまま予定どおり行います。しかし、高齢者への支援については、これは給付と負担のバランスの関係もあり、残念ながら行うことはできない、こう申し上げたわけでありますが、しかし、成長の果実があればそれは実施していきたい、こう申し上げたわけでございまして、そのお約束を実行しているということでございます。
 そして、繰り返しになりますが、消費の下支えも必要であり、ここでしっかりマクロ政策的にも下支えを行わなければならないと、こう考えているところでございます。
#34
○斎藤嘉隆君 今ありましたけれども、七千億円の子育て支援、これは我が党政権の下でも大枠については議論をさせていただいて、方向性を定めたことだというふうに思います。原資もこれ違いますから、消費増税も含めてそれを充てていくと、本来は更に数千億円これに追加をして活用するという方針でした。
 御都合のいいところばかり取り上げられて答弁をされていると、そうやって言わざるを得ません。消費増税分も充てる支援等については国民の痛みの上になされていますので、私は、今回の給付とは性質がもう根本的に違うということを思っています。このことをあえて強く申し上げたいというふうに思いますし、繰り返しになりますが、是非、撤回の上、編成替えを強くお願いをしたいというふうに思っています。
 若い皆さんへの支援ということでいえば、このまさに総理がおっしゃっている新三本の矢、これで保育の充実ですとかあるいは介護離職ゼロと、こういったことを言われているわけであります。これはもうおっしゃるとおり、もう緊急の課題だというように思います。そのためにも、どのように人材確保をしていくかということが非常に重要な課題だというふうに思います。この補正予算でも、中身を見ますと、事業者に対する貸付金制度とかあるいは学生への奨学金制度、復職者への準備金、こういう貸付けを中心に施策が様々並んでいますけれども、私は、やっぱり根本的な解決にはこれはつながらないんじゃないか、人材確保につながるかどうかは疑問です。
 保育でいえば、今四十万人の方が保育所で働いていらっしゃる、保育の仕事に就いていらっしゃる。しかし、七十万人の方が保育の資格を持ちながら仕事をしていない、潜在的保育士と言われています。(発言する者あり)八十万ですか。私の秘書もそのうちの一人です。私の秘書をやっているよりも保育所で働いた方がいいと思うんですけれども、ただ、それを選択しないのはやっぱり給与だと思います。収入が極めて低い、そういう給与水準にある、このことが原因だと思います。
 二枚目のちょっと資料を是非見ていただきたいというふうに思います。(資料提示)
 これは、OECD各国の幼稚園の先生方とか保育士さんの給与、これを示したものなんですけれども、各国、物価も様々ありますので、単純に金額で見るとばらつきが出ますので、今回は小学校の先生の給与に対してどれぐらいの割合かということを調べてちょっと数字にさせていただいたものです。
 これ御覧いただいて分かるように、これOECD加盟三十四か国全て調べましたけれども、多くの国で、このように、例えば保育士さんの給与というのと小学校の先生方の給与というのは一緒なんです。もう同じ教育職ですから、そういったことで一緒です。見ていただくと分かるように、日本だけが突出してこのように低いということが分かっていただけると思います。
 誤解があるといけないので申し上げておきたいと思いますが、小学校の先生の給与が日本は高いからこれが低くなるんじゃないかと、こういった感覚を持たれるかもしれませんが、私が調べた限りでは、日本の小学校の先生方の給与というのは世界的に見て決して高くありません。むしろ、初任給などを見るとOECD平均よりも低いということです。
 ただでさえ低い小学校の教員の給与と比較をして、この保育士さんたちの給与がこのように六割程度になっていると、こういう実態でありますが、総理、率直に、この状況を見て、保育士さんを含めてこの給与水準、どのように捉えられますか。
#35
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 待機児童解消のため、保育サービスの整備量を四十万人から五十万へと上積みをし、これに必要となる約九万人の保育人材の確保に向けて、処遇の改善、就業の促進、離職の防止などに総合的に取り組んでいきます。
 具体的には、今回の補正予算及び来年度予算には、保育士を目指す学生向けの返済を免除する奨学金制度の拡充、一旦仕事を離れた人が再び仕事に就く場合の再就職準備の準備金の創設、保育士の勤務環境改善に取り組む事業者向けの保育補助者の雇用の支援や保育所におけるICTの活用といった仕組みの創設などの措置を盛り込んでいます。
 そして、既に保育の現場で働いている方々については、人事院勧告に従った処遇改善を行うとともに、今年度の当初予算において、消費税財源を活用し、三%相当処遇を改善したところであります。
#36
○斎藤嘉隆君 今、当初予算で三%相当の処遇改善ということがありました。これは後ほど厚労大臣にもお伺いをしたいというふうに思いますけれども、これ、新制度に移行した園全体に行うものですね、この支援を。また、中身を見ますと、例えば長期勤務者の方へ手厚く配分をするというような仕組みが一部であったり、それよりも、例えば私立保育所などでいいますと、もう保育士確保のために給与も含めて今ぎりぎりの努力をそれぞれされていらっしゃるんです。
 今回の処遇改善分がストレートに多くの勤務者に、文字どおり毎月のベアも含めて給与水準のアップにつながっていないんじゃないかと、こういう指摘もされています。実態はどうなっているんですか、厚労大臣。
#37
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、まず第一に、これ一体改革で引き上げるということが合意をされて、民主党の皆さん方とも御一緒に決めたこととして、まず第一に、今回、二十七年度の当初予算で消費税財源を使っての、今総理から答弁したとおりの三%相当の処遇改善をやっているわけでありまして、まずこれが第一歩であって、今後とも、子育て支援については七千億プラスまたアルファということで、これは一体改革の中でも合意をしたことで、そこでまた更なる処遇の向上について取り組んでいきたいということを私どもも当然考えているわけでありまして、先ほど人事院勧告の話もありましたが、いずれにしても、一歩一歩、今年の消費税財源を使う引上げをスタートに、更なる処遇改善に向けて我々としては努力をしていくということを予定をしているところでございます。
#38
○斎藤嘉隆君 いや、処遇改善三%も含めて今の保育士さんたちの給与の実態はどうなっているのか、具体的に厚労大臣としてそこをどのようにつかんでいらっしゃるのかということをお聞きしたんです。もう一度お願いをいたします。
#39
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生がお示しをいただいたような問題があるということがあるからこそこうやって上げてきているわけで、我々は絶えずこの実態把握に努めながら、更なる改善をというのは、当然改善をしなければいけない状況だということを認識しているからこそそう申し上げているわけで、それが他の職種などと比べてどうなのかということをよく見ながらその処遇を改善をしていく方向でまいりたいと思っていますし、それはそもそも三党合意で一体改革の際に決めた方向性であったという認識でございますので、つぶさによく見ろという今先生の御指摘はそのとおりでありますから、私どもとしては、しっかりと調査をしながらやっていきたいというふうに思っております。
#40
○斎藤嘉隆君 今の御答弁をお聞きすると、余り厚労大臣、このことに興味がないんじゃないですか。普通であれば、今、保育の問題がこれだけ政府内で中心的な課題として出ているわけです。そのことについてこのような曖昧な答弁しかなされない。私も別に、空で今の例えば賃金の実態ぐらい言えて普通じゃないですか、全業種と比較をして。
 もう一回お聞きします。今、保育士さんをめぐる処遇の状況というのは具体的にどのようになっていらっしゃるんですか。
#41
○国務大臣(塩崎恭久君) 事前通告をいただいていませんものですから、今ちょっと手元にございませんけれども、これは保育も介護も、いずれも処遇については大変問題だということを御指摘をいただいていますし、私も地元でもいろいろこれまで保育の人たちとの勉強会などでそういう話はつぶさに聞いているわけでございますので、関心がないというような御指摘は全く当たっていないと私は思っていますし、いろいろこれから、財源なくして上げることだけを言うわけにはいかないから、先ほど言っているような御答弁を申し上げたということであります。
#42
○斎藤嘉隆君 いや、ですから、先ほどのようなばらまきをやめて、こういったところに予算を費やすべきではないですかと、このように申し上げているのです。
 これちょっと、余り具体的に今後の方策も含めてお考えでないのかもしれませんので、じゃちょっと視点を変えて、介護の話をさせていただきたいと思います。
 介護職員も、これ年収アップというのは非常に大きな課題だというふうに思っていますが、介護についての賃金も含めた年収アップへの施策というのは、今どのようなものを進められているんですか。
#43
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、御案内のように、介護職が他の介護の現場で介護職以外の方々との比較をしてみてもかなり下回っているではないかという御指摘を私たちもそのとおりと認めた上で、平成二十七年度から、介護職員の処遇改善加算というのを新たにまた一万二千円上乗せをするということにいたしたところでございまして、今、去年の八月時点で、ちょっと古いデータで恐縮でございますけれども、この八月時点で約七割の事業所がこの加算の上乗せを行っております。
 事業所には、特に勤務年数に応じた給与の設定、つまり、今回この加算をしてもらうときに、給与体系をしっかり、賃金表を作れということも一緒に言っていて、つまり、処遇が単なる金銭面での処遇というよりも、そもそも職種としての位置付けの中で賃金表というものをきちっと持ってもらわないと昇格、昇給もしていかないということでありますので、勤務年数に少なくとも応じた給与の設定などを行わせているところでございます。これに加えて、介護報酬では、介護福祉士をより手厚く配置する、介護福祉士をたくさん配置をした場合には更に加算をするということで拡充もさせていただいているところでございます。
#44
○斎藤嘉隆君 厚労大臣、是非現場に出向いていただいて、介護の事業者も含めて、あるいは介護職員も含めて、是非今どういう状況になっているかというのをつぶさに見ていただきたいというふうに思います。
 昨年の四月に介護報酬がカットされました。介護報酬がカットされているじゃないかと私たちが指摘をすると、どういう話になるかというと、いや、介護報酬はカットしたけれども、職員の処遇改善分として一・六五%相当、これを内訳として増やしているんだと、こういうことをおっしゃいます。
 ですけど、おかしな話で、事業者への介護報酬をカットしていて、カットしていてですよ、一・六五%分給料を上げる、この分内訳だと。普通に考えると、カットして内訳分戻すのかと思ったら、全然違うんですよ。介護報酬をカットして、おまけにあとはそれをカットはカットとして、内訳といいながら、更に事業者は努力して今の一・六五%分の給与の改善をしろということをおっしゃっているわけです。事業者にとっては、単価の報酬でいえばもう多分四・五%ぐらいのマイナスになっているということです。
 このことによって、今八割ぐらいの事業者でしたか、が処遇の改善をしたということでありましたけれども、私もいろいろ介護事業者回って状況を見てまいりました。確かに、手取り分というか収入が増えているのは事実だと思います。ただ、これほとんどベースアップにはつながっていません。これ加算分ですので、あくまで。一時的な給付につながっていて、介護職員の皆さんの思いの中では、このことによって、更に仕事を続けていこうとか、あるいは今仕事をしていない資格のある方が職員の仕事に就こうと、こういうことに今つながっていないんですよ。介護報酬の削減によって、介護の仕事そのものをある意味で圧迫をしているような状況もあるんです。
 これ、言っていることとやっていらっしゃることが全く真逆なものですから、結果として今何が起きているかというと、介護事業者、結構倒産しているんじゃないですか。大臣、いかがですか。
#45
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、倒産の数のお話がございましたが、かつて商工リサーチの倒産件数をお取り上げになって御指摘をされることが間々ございましたけれども、実はこれ、介護報酬の申請に向けて請求事業所というのが分かるようになっています。それを見る限りはむしろ逆に増えているわけでございまして、これ、二十七年の五月の審査件数、つまりその前の四月、つまりちょうど介護報酬が今御指摘のように下がったと言われていた四月の提供分、これが十九万四千二百五十三事業所でありますけれども、これが例えば二十七年の十月、去年の十月の、つまりこれは九月分のサービスです、ですからちょうど半年後ですけれども、これで十九万九千八百九十四ということで、むしろ逆に増えているわけであります。
 商工リサーチの調査による介護事業所の倒産件数見ても、例えばこれは二十七年度から介護報酬が下げられたわけですけれども、じゃ二十六年度と比べてみてどうなのかと。同じ四月で見て、あるいは去年の四月から若干、例えば四月は四件、その前の年は六件とか、それから同じように六件、六件、同じようなことでありますが、若干年末にかけて、去年の十月が十件とかそういうふうになっておりますけれども、少なくとも私どもが見ているのは、やっぱり事業所の請求件数というのが事業所の数でありますから、それを見ているので、商工リサーチはまた一定の基準を持ってそこから上の倒産件数がどれだけかということを出しているので、これを見ると、確かに若干二十七年の方がこれは八件、一年前よりは四月から十二月までで八件増えておりますけれども、その前の一月から三月までに十四件、前年比から見て増えているので、そういう意味では商工リサーチベースでも若干増えている程度でありまして、その前の一―三月から見ればむしろ増え方は減っているということであります。
 何よりも大事なのは、やはり本当に請求をしている介護の事業者の数がどうなっているのかということが大事であって、これは明らかに増えているということでありますので、そこはよく我々として見ていかなければいけないし、先ほどの処遇改善の問題については、この三月に向けて今調査を徹底的にやっておりますので、また御報告をさせていただきたいと思います。
#46
○斎藤嘉隆君 いや、数字の上ではなくて、実態をしっかり見てください。多くの、多くのですよ、事業者が倒産しているのは事実です。調査では一・五倍ぐらいになっているんじゃないかということもあります。倒産をしてまた事業が始まっていたり、あるいは、倒産ではないけれども他の事業者と合併をしてそして事業を続けないとやっていけない、そういった事業者も非常に増えているので、今の数字も含めて、現場の実態というのを是非しっかり見ていただきたいというふうに思います。この介護とか保育の問題というのは、特に働く世代あるいは若い皆さん、子育て世代、こういったところにもう本当に直結をする大きな課題だと思います。
 もう一点、今日は是非見ていただきたい。昨日の委員会でも少し話題になったんですが、奨学金の話を少しさせていただきたいと思います。
 先般、大学生や大学院生の方々と党のPTで議論をする場がありました。私、今この学費の問題、いろんな問題点ありますけれども、一つ端的に大きな問題だと思っているのは何かというと、大学院生あるいは大学生、学費を捻出するために例えば大学院生でいうと七〇%の学生が今アルバイトをしているんです、アルバイトをしている。半数以上は週に十時間以上のアルバイトをしているということをそのときの調査結果でお見せをいただきました。これ、学問とか研究どころで今ないんです、ないんです。高い学費のためにアルバイトをして、そのために学業に専念できない、こういう本末転倒、こういう状況が生まれているということであります。早急にこれは改善すべきだというふうに思っています。
 これ見ていただきたいと思います。これは、昨日も福島先生も議論されていましたけれども、給付制の奨学金の今世界的な状況について簡単にちょっとまとめてみました。
 OECD加盟三十四か国中、いいですか、給付制の奨学金がある国は三十二か国です、ない国は日本とアイスランドの二か国だけです、二か国だけです。中身を見ると、アイスランドは大学の授業料というのは基本的に無料です、無料です。一部、年間数万円の施設管理料というのは必要になるんですけれども、授業料という形では徴収はしていません。授業料が高額で給付制の奨学金がない国というのは、これを見る限り、分かっていただけると思いますが、日本だけなんです。
 よく授業料減免と、セットでやるので給付制奨学金よりもまず無利子奨学金を優先してみたいなことを言われますけれども、ただ、多くの国で、例えばドイツとかフランス、デンマーク、スウェーデンもそうです、授業料も無料、授業料も無料であるのに、多くの国で給付制の奨学金があるんです、あるんです。そして、この右のグラフを見ていただくと分かるように、日本以外の国でこれだけの割合の学生たちが給付制の奨学金を受給をしているということであります。
 これやっぱりおかしいと思いませんか。当初予算で給付型の奨学金、導入するお考えはありませんか。総理、いかがですか。
#47
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 三点、給付型の奨学金制度を導入するに当たって課題があるということを申し上げております。
 一つ目は財源であります。二つ目には、じゃ、どういう方に支給すべきかという基準であります。そして三点目は渡し方ということでありまして、給付型の奨学金制度が必要であるということは既に与党側からも指摘をいただいておりまして制度設計に入っておりますが、やはりこの三点を踏まえた上で、十分に検討の上で、この給付型奨学金制度については何とか導入することができるように取り組んでいきたいと思っています。
#48
○斎藤嘉隆君 財源論も今言われましたけれども、今回の補正で所得連動型の新たな新制度、これについて、そのシステム開発に係る予算というのが計上されています、今回の補正で。二十三億円です、二十三億円。これ、こんなの給付型奨学金に回したらどうですか。二十三億円あったら、月の最低額の三万円、これを実に六千人の学生に年間給付できるんですよ、二十三億円で。何も最初から全部やれなんて言っていません。一部だけでも段階的に導入をしていったらいかがでしょうか。
 システムの開発に二十億円ぽんと出すのに、その分を給付制の奨学金に具体的に回すことができない。私、これこそやっぱり無駄であるし、本当に今、国民の生活あるいは子供たちの実態にしっかりマッチをした政策、施策となっていないというふうに思っています。
 先ほどのばらまき三千六百億円、これがあれば、現在国立大学あるいは公立大学に通っている全ての学生の年間の授業料を全て無料にできます、三千六百億円で。こういうことこそ将来への、未来への投資なのではないでしょうか。もちろん、一部で私立大学の授業料の減免も大きく拡大ができるというふうに思います。二〇一六年の当初予算の私立大学生のための授業料減免の予算の増額、一億円ですよ、一億円。片や、ばらまき三千六百億円です。
 私、こういうところがもう今大きな国民の生活に目を向けていないんじゃないか、あるいは若い皆さんの本当に今苦しい状況に目を向けていないんじゃないかと言わざるを得ません。是非前向きに検討していただきたい。総理、いかがでしょうか。
#49
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 給付奨学金の導入につきましてはただいま馳大臣から答弁したとおりでありますが、来年度予算案においても、大学の授業料免除について、国立では二千人増員し五万九千人、私立では三千人増員し四万五千人にするとともに、大学等の無利子奨学金を一・四万人増員し四十七万四千人にするなど充実をすることとしております。今後とも、これらの施策によって学生の経済的負担の軽減に努めてまいりたいと思います。
 また、給付型の奨学金については、先ほど大臣が答弁をいたしましたように、財源の確保や対象者の選定など、導入するには更に検討が必要と考えております。
#50
○斎藤嘉隆君 先ほど馳大臣からも前向きな御答弁がいただけましたので、またこれは文教の委員会でもしっかり議論をさせていただきたいというふうに思います。
 私は、今講ずべき、また予算を使うべき対象というのはもっと幅広いし、ばらまきのこんな額があるのならばもっといろんなところに国民生活の手当てができる、そのことを今日はずっと申し上げてきた、そのようなつもりであります。是非お願いをしたいと思います。
 最後にもう一点、今日は島尻大臣にも来ていただいていますので、沖縄の振興予算に関連してお伺いを一点させていただきたいというふうに思います。
 宜野湾の選挙が始まっています。今回、基地問題が非常に大きなこれ争点だというふうに聞いています。昨年の予算編成のさなかでありましたけれども、大臣は、辺野古の基地移設をめぐって翁長知事の姿勢が沖縄振興予算のありように影響があると、こういう旨の発言をされました。正確には、影響が全くないとは考えていませんと、こういう発言なんです。真意をお聞きをしたいと思います。
#51
○国務大臣(島尻安伊子君) 沖縄振興予算につきましては、歴史的、地理的、そして社会的な様々な特殊事情を沖縄は抱えているということから、本土復帰以降、沖縄振興特別措置法を制定をいたしまして、この法律に基づいて、国の責務として各種の施策を実施してきたというふうに認識をしております。また、沖縄は、東アジアの中心に位置する地理的特性、日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しておりまして、日本のフロントランナーとして日本経済再生の牽引役となる可能性を秘めております。
 そういう中にあって、私といたしましても、しっかりと沖縄担当大臣として、振興は振興としてしっかり取り組んでいきたいと考えておりまして、今委員御指摘の、十二月十五日の会見での発言についての御指摘でございますけれども、これ、振興予算と基地問題はリンクしないということはこれまでも一貫して述べさせていただいておりまして、明確にその会見でも申し上げているところでございます。今御紹介をいただきましたそのときの私の会見を……
#52
○委員長(岸宏一君) 時間がないので、まとめてください。
#53
○国務大臣(島尻安伊子君) 見ていただければ、それは御理解いただけるというふうに思っております。
 振興は振興として、沖縄振興担当大臣として今後ともしっかりと頑張っていきたいと思っております。
#54
○斎藤嘉隆君 委員長、最後に、お願いします、一点だけ。
#55
○委員長(岸宏一君) 時間がないので。(発言する者あり)
 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#56
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 時間は経過しておりますが、諸般の事情に鑑み、一問だけ認めます。
#57
○斎藤嘉隆君 質問はしません。
 沖縄予算と基地問題がリンクしないが影響が、意味が分からないんですよ、リンクはしないけど影響がないわけではない、どういう意味なんでしょうか。
 リンクしない、つながらない、関連しないけれども影響がないわけではない。このことを沖縄の県民の皆さんが、もう半ばこれは恫喝ではないかと、こういう強い反感も出ている。このことをあえて指摘をさせていただいて、県民の気持ちにもっと寄り添って是非政治活動を進めていただきたい、このことをお願いをして、質問を終わりたいと思います。
#58
○委員長(岸宏一君) 以上で斎藤嘉隆君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#59
○委員長(岸宏一君) 次に、山本香苗さんの質疑を行います。山本香苗さん。
#60
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 早速質問に入ります。
 まず、総理にお伺いいたします。
 一人親家庭は今約百四十六万世帯です。就業率は、母子家庭で八割、父子家庭で九割、一般家庭に比べて高いんですが、収入は低いんです。貧困率は五割を超えております。一億総活躍社会の実現のために、こうした一人親家庭を放置するわけにはまいりません。
 そのために、昨年十一月に、公明党といたしまして一人親家庭への支援について具体的な提案をさせていただきました。我が党の提案をこの補正予算、また来年度予算、どう反映していただいたんでしょうか。
#61
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 公明党からも一人親家庭への支援についての御提案をいただきました。昨年の十二月に決定されましたひとり親家庭・多子世帯等自立支援プロジェクトに基づきまして、一人親世帯などを支援する児童扶養手当の第二子以降への加算額の倍増、そして就職に有利な資格の取得を促進する高等職業訓練促進給付金の充実、そして支給期間を二年から三年へ延長する、つまり、このことによって、資格を取ってよりステップアップして収入を増やしていくと、こういうことでございます。
 一人親が利用しやすいよう、求職者支援訓練における託児サービスへの支援、そして一人親家庭特有の課題に対応するため自治体の相談窓口をワンストップ化する、そして一人親家庭の子供の地域における居場所づくりなどに取り組むこととしておりまして、今回の補正予算及び来年度予算に必要な措置を盛り込んだところでございます。
 御党から提案もいただきました。そしてまた、委員は厚生副大臣として役所側でこの案作成に当たっていただいたと承知をしておりますが、今後とも一人親家庭の自立を全力で支援していきたいと考えております。
#62
○山本香苗君 我が党の提案をしっかり反映していただきまして、ありがとうございます。
 ただ、支援付就労支援事業がまだ入っていないんです。これは何かと申しますと、複数の困難を抱えてなかなか就労までたどり着けない一人親に対して、就労支援に加えて生活支援と子育て支援を一体的に同時に行う事業なんです。
 東日本大震災後、岩手県のNPO法人のインクルいわてでは、震災による死別、また子供の不登校、病気、DVなど様々な困難を抱えて外にも出られない、働きたくても働くことができない、こういう一人親の方七名に半年間研修いたしまして、六名の方が事業を終了しました。三名の方はちゃんと就職しました。その他三名の方も外に出られるようになって、生活再建に向けて歩み出したということを伺っております。
 今総理からおっしゃっていただいた資格取得に対する経済的支援、非常に重要です。しかし、それでは就労にたどり着けない一人親の方も多くおられるわけでございます。この春には一億総活躍プランというものをおまとめになると伺っております。そのプランには必ず今申し上げました事業を盛り込んでいただけますよう頑張りますので、その際はよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次の質問に入らせていただきたいと思いますが、今、児童虐待、親の病気、また経済的な理由等々で親元で暮らすことができない児童養護施設等で暮らしている子供たち、いわゆる社会的養護が必要な子供たちというのが約四万六千人おられます。年々増えております。総理はこうした現状をどう認識しておられるでしょうか。
 また、併せてお伺いいたしますが、総理の目指す一億総活躍社会におきまして、こうした社会的養護を必要としているお子さんたち、また、その下で暮らしていた若者たちに対してどういう位置付けを考えておられるのでしょうか。
#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 児童虐待の相談対応件数は、増加の残念ながら一途であります。その中でも、児童養護施設や里親等に養育される児童が増加傾向にあります。これらの社会的養護を必要とする児童は、生活の知識や経験が不足するなど、自立に時間を要する場合が多いと認識しております。国民一人一人が困難な状況を乗り越えて活躍できる社会をつくるよう、一人一人の希望を阻むあらゆる制約を取り除いていきたいと思います。
 こうした思いから、一億総活躍社会の実現という目標を掲げました。社会的養護を必要とする子供たちやそうした環境を経て育った若者たちを支援し、希望を持って社会で活躍できるようにすることは、まさにその一環と認識をしております。
 今回の補正予算及び来年度予算では、子育て世代包括支援センターの全国展開、そしてまた一時保護所の整備や環境改善、里親の開拓や里親に対する相談支援事業の拡充などを盛り込んだところでございますが、まさに、こうした支援を必要とする、養護を必要とする子供たちに対してしっかりと支援をしていきたいと、自立できるような支援をしていきたいと、こう考えております。
#64
○山本香苗君 私は、この一億総活躍社会を実現する上で最も手厚い支援が必要なのはここだと思っております。
 施設にいる子供たちの多くは、高校を卒業するタイミングで施設から出なくてはなりません。自分の力で生活をしていかなくてはならないんです。約八割が就職という選択肢を選んでおりますけれども、半年もたたないうちに離職をして、高い確率でワーキングプアになっております。社会にとって私は大きな損失だと思っています。
 今回の補正予算案には、総理が御説明いただいたこともございますけれども、施設退所後に就職する場合は二年間は家賃を、そして大学や専門学校等に進学する場合は家賃に加えて生活費月額五万円、これを貸し付けると、そして五年間就業継続すれば返還免除するという事業が新たに盛り込まれております。親や家族に頼れずに、経済的にも精神的にも困難な状況にある子供たちにとっては大きな後押しになると期待をしております。
 期待をしておりますが、貸し付けるだけじゃ駄目なんです。貸し付けてほったらかしにしていたら、単に借金するのと全く同じです。ですから、ここは、貸し付けるとともに一人一人を定期的に訪問したり状況をフォローしたり自立をサポートしていく、こうしたアフターケアとセットじゃなきゃ意味がないわけでありまして、是非セットでしっかりやっていただきたいと思いますが、塩崎厚生労働大臣、お願いいたします。
#65
○国務大臣(塩崎恭久君) 山本先生には、副大臣としてこの問題、そしてまた児童福祉法の抜本改正について道筋を付けていただいたことを改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。
 児童養護施設等の入所児童が施設を退所した後社会で自立できるように、就職や進学に当たって自立支援の充実を図るということが大事だという今御指摘がありました。このため、今、補正予算案において児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業を創設をしたんですが、つくっただけじゃ駄目だと、こういうことで、この事業は児童養護施設退所者等に生活費や家賃相当額等を貸し付けるわけでありますけれども、それに当たっては、児童養護施設等が退所した者に対して行う相談等のアフターケア、そしてNPO法人等が生活就業相談等を行う退所児童等アフターケア事業などと効果的に組み合わせることによって児童養護施設等の退所者の確実な自立というのが初めて図られるようになるはずでございますので、このような支援をセットでやっていかなければならないというふうに考えているところでございます。
#66
○山本香苗君 是非必ずセットで行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 アフターケアも大事なんですけれども、私は、もっと大事なのは、施設を出る前にいわゆる自立に向けた生活技能やマナーを身に付ける、本人に自立への強い自覚を持たせることが必要なんだと思っております。しかし、いろいろ調べてみますと、こうした取組というのは実は余りなされておりません。十分実施されておりません。そのために、就職しても本当にささいなことでつまずいて仕事を辞めてしまう、また、実際どういう仕事に就いていいかどうかよく分からなくて、ただ単にホームレスになることを避けるためだけに、住み込みならもう何でもいいと、そういう形で仕事を選んでしまった結果、仕事が続かない、こうした話をよく伺うわけでございます。
 今回、五年間就業を継続すれば返還免除ということでございますけれども、今申し上げたように、施設を出る前、社会に出る前の自立支援というところがしっかり十分なされていないままで社会に出て、仕事を辞めた途端に返還せよというのは余りに酷な話じゃないかなと、新たな借金をつくるだけじゃないかと思うんです。一旦離職しても、次の仕事を見付けるためにちゃんと一生懸命求職活動していますという、こういう場合も就業継続とみなすべきだと、こういう柔軟な運用をしていただくことが必要なんだと考えておりますが、塩崎大臣、どうでしょうか。
#67
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の貸付けの目的というのは、児童養護施設などを退所して就職や進学をする方が安定した生活基盤を築いて円滑な自立を実現するということが目的であるわけでありますから、その趣旨をよく押さえるということがまず第一だと思います。
 厚労省としては、できる限りこの貸付事業を通じた自立が実現できるように、児童養護施設による退所者への支援、先ほどもお話がありましたけれども、NPO法人等が行う退所児童等アフターケア事業による生活や就業面の相談を通じて就業の継続を支援するということがセットで大事だという話でありますが、それとともに、離職してもすぐに再就職するなど就業を継続している場合と同等と考えられるような場合については、できる限りこれは柔軟に扱って、今の目的に沿った制度の運用をしていかなければならないんじゃないかというふうに考えております。
 このことによって貸付対象者にとって過度の負担にならないように、この貸付がですね、ということで配慮して、この事業の趣旨に沿った制度の運用ができるように検討してまいりたいというふうに考えておりまして、先生の、目的をちゃんと踏まえた上で弾力的に運用しろという考え方に私たちも賛同するところでございます。
#68
○山本香苗君 是非ともそうした柔軟な運用を確保していただきたいと思うんですが、もう一つ、この事業は国が行うわけではありません。都道府県が実施主体となっております。ということで、全ての都道府県で確実に実施をしていただけるようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#69
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、今回、都道府県も関心を持ってこの運用をしようということを思っていただいているとは思いますが、自立支援資金貸付事業というのは都道府県に対する補助事業でありまして、平成二十七年度補正予算に計上しておりますが、厚労省としては、都道府県がこの事業に積極的に取り組むことができるように、国の補助率を通常より高い十分の九にまずした、そして都道府県の負担分に対しても特別交付税措置を行うということになると聞いているわけでありまして、厚労省としては、都道府県や児童養護施設等の関係団体に対してこの事業の趣旨そして内容の周知を行うなど、あらゆる機会を通じて都道府県がこの事業を積極的に実施するように働きかけてまいりたいと思いますし、今のように、補助率も上げ、そして特別交付税措置で裏打ちもしているということでありますから、それをよく理解した上で、都道府県にはしっかり対応していってもらいたいというふうに思っております。
#70
○山本香苗君 実質的に、今の御説明のとおり、地方負担分がない形で実施ができるというわけでございますので、全ての自治体で必ず実施ができるように、厚生労働省としてもしっかりと指導をしていただければと思っております。
 最後に、文部科学大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 施設にいるお子さんたちにとっても進学ということがあるわけですが、大学や専門学校に実際進学している若者というのはたった二割です。一般家庭の進学率の約四分の一程度でございます。進学したいけれども、学費もまた生活費も自分自身で賄わなくてはならないために、進学したいけれども進学を諦めているという、そういうお子さんたちも少なからずいるんだ、そういうことをお伺いいたしました。
 また、進学したとしても、民間団体の調査でありますけれども、様々な理由によって、経済的な理由が大変多いとは聞いておりますが、三割が中退しているということを伺っております。中退率、普通の一般家庭における中退率というのは一割ですから、平均の三倍です。文部科学省にこのことをお伺いしましたら、そういった実態は把握していないと伺いました。
 馳大臣にお願いがあります。
 まず、この実態をしっかりと把握をしていただいて、進学を希望する子供たちがしっかりと進学できて、そして、ちゃんと卒業ができるように文部科学省としても、今回厚生労働省頑張りました、文部科学省としても新たな支援策をお取りまとめいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#71
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 しっかりやります。
 基本的に、私も、もう十五年来、児童虐待防止法と児童福祉法改正に取り組んでまいりましたが、これは早期発見、早期対応が中心でありました。しかしながら、子供の自立を支援するということを考えると、児童養護施設で生活していた、十八歳になったら出なければいけないと、その後の人生までフォローアップすること、これは福祉部局と教育の方と連携しながら支援していく制度にしなければ意味がないと思っています。
 幸い、塩崎大臣も社会的養護体制の支援について長年取り組んできておられますので、共に協力しながら、連携をして取り組んでまいります。
#72
○山本香苗君 ありがとうございました。終わります。
#73
○委員長(岸宏一君) 以上で山本香苗さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#74
○委員長(岸宏一君) 次に、仁比聡平君の質疑を行います。仁比聡平君。
#75
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 安倍政権は、九月十九日、ちょうど四か月になりますが、憲法破壊の安保法制、戦争法案を強行いたしました。しかし、市民や学生、ママの会、学者や文化人、宗教者、そして労働者、戦争法は廃止、立憲主義を取り戻せと、この世論は広がるばかりであります。
 総理、改めてお伺いをしたい。この国民多数の声をどう受け止めているのですか。
#76
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この平和安全法制は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために、平和な暮らしを守るために必要な法制でございます。今後とも、国民の皆様に求められればしっかりと説明していきたい、また、理解をしていただくために説明していく努力をしていきたいと、こう思っております。
 衆参の特別委員会におきましても、二百時間を超える審議を行い、私自身も千回を超える答弁、また中谷大臣も二千回を超える答弁をしたわけでございまして、相当の審議の上に、野党からも、三党の野党の方々に賛成をしていただきまして成立をしたわけでございます。その意義、意味についてもしっかりと説明をしていきたいと思いますし、また、多くの国々からこの法案に対する理解と支持が寄せられていることから、戦争法案ではないことは明らかであろうと、こう考えているところでございます。
#77
○仁比聡平君 どうごまかしても、この議場でのあの強行を国民が忘れることはありませんよ。我が国が攻撃されていないのに海外で米国の戦争に参加し、武力を行使する集団的自衛権を柱とした戦争法が国民の理解を得られることはありません。戦争法は廃止すべきであります。
 我が党が法案審議の国会で明らかにした、河野統幕長が一昨年十二月、訪米した際に米軍トップと会談したときの会談記録では、今防衛省が一気に進めている水陸両用部隊についても重要なやり取りがあります。
 河野統幕長は、ダンフォード海兵隊司令官に水陸機動旅団の創設や日米共同訓練に更に積極的に参加する意欲を表明し、米側の支援を要請した上で、大臣、いいですか、集団的自衛権の行使が可能となった場合は自衛隊の役割も拡大することができ、自衛隊と米軍の協力も深化するものと確信していると述べました。これに米海兵隊司令官はこう答えているんですね。水陸両用の訓練、ドーン・ブリッツやアイアン・フィストにおいて水陸両用の能力、相互運用性は高まった、今後は政治的な法解釈の枠組みが整備されることで真の意味で役割が拡大すると考える、オスプレイMV22、水陸両用車AAV7への協力は惜しまないと。
 大臣、これはつまり、戦争法の強行によってオスプレイや水陸両用部隊の役割が真の意味で拡大するということです。会談記録の内容は確認されましたか。
#78
○国務大臣(中谷元君) 昨年の九月二日に参議院の平和安全法制特別委員会で仁比委員が提示した資料につきましては、防衛省においてその存在の有無を調査をいたしましたけれども、昨年の九月の委員会でもお答えをいたしましたとおり、当該資料と同一のものの存在は確認をできませんでした。
 お尋ねのことでありますが、統幕長が米国防省及び米軍幹部と行った一連の会談、この内容を公表することを前提として行われたものではございません。相手方との関係もありまして、会談の記録を明らかにすることはできないということは御理解いただきたいと思います。
 なお、西方に予定をいたしております部隊の配備等におきましては、防衛計画の大綱にも示されているとおり、現下の安全保障環境を踏まえて、島嶼部に対する攻撃への対応に万全を期するために水陸両用作戦能力の着実な整備が重要と考えておりまして、佐世保地区に陸自の水陸両用部隊を配備するという計画を有しているということでございます。
#79
○仁比聡平君 その議論はこれからしたいと思いますけれども、大臣と。
 つまり、水陸両用部隊などの役割が安保法制の強行によって真の意味で拡大すると海兵隊司令官が言っている、これ極めて重要なやり取りでしょう。政府は国民に説明する責任がある。私は、改めてこの会談記録の提出を強く求めたいと思います。
 大臣は答えようとしませんが、実際に具体化が進んでいるわけですね。パネルは佐世保港の様子です。(資料提示)このように、明治以来、強大な海軍基地とされ、米海軍と海上自衛隊の基地と艦船がひしめき合っております。このど真ん中にある、赤で囲みましたけれども、崎辺町の西側の地区、ここを、昨年十二月、防衛省は佐世保重工業から取得をいたしました。
 次に、パネル、防衛省の崎辺地区施設整備構想(案)という資料ですけれども、この佐世保重工業から取得した土地、何のために取得し、どう進めるというのか、大臣、答弁を願います。
#80
○国務大臣(中谷元君) 防衛大綱や中期防に基づきまして今後新編されるこの水陸機動連隊のうちの一つは、西方方面普通科連隊を母体として相浦駐屯地に新編をする予定でございます。
 水陸両用車を運用する部隊につきましては、当該部隊との密接な連携を確保する観点から、水陸両用部隊の保持要領、そして水陸両用部隊と海上自衛隊の輸送艦の連携要領などについて具体的な検討を進めてきたところであります。
 防衛省といたしましては、この水陸両用車を運用する部隊につきまして、水陸両用に搭載、搭乗する水陸機動連隊の近傍、ここに位置をし、海上自衛隊の艦艇に搭載して輸送することになるために、搭載が容易な港湾等の近傍に配備、配置することで迅速に南西地域に展開することが可能であるということが重要であると考えまして、佐世保市崎辺西地区に水陸両用部隊を配置することといたしております。
#81
○仁比聡平君 水陸両用部隊というのは、つまり迅速で大規模な輸送・展開能力を持って本格的な水陸両用作戦を行う、そういう部隊であり、防衛省に伺いますと、この工事に来年度中には着手したいという計画です。
 それだけではないんですね。この東側の地区、昨年夏に日米間で返還を合意をしましたが、ここはどうするんですか。
#82
○国務大臣(中谷元君) 現在、この水陸両用部隊につきましては、この崎辺地区に水陸両用部隊を配備するという計画でございます。
#83
○仁比聡平君 東側。通告しているじゃないですか。
#84
○国務大臣(中谷元君) 崎辺の東地区につきましては、大型護衛艦等の艦艇が係留可能な大規模な岸壁等を整備する予定でございまして、今年度は必要な施設を検討するための調査及び検討を実施するということにいたしております。
#85
○仁比聡平君 この防衛省の資料にも、DDH、つまりヘリ空母ですよ、大型護衛艦や「おおすみ」型輸送艦が係留可能な大規模な岸壁をL字形でこうやって整備すると。この米軍から返還された土地というのは、元々、米軍の上陸用舟艇LCACというのが、駐機場があったところですけれども、これを二百五十億円掛けて移したその跡地なんですね。今度はここに海上自衛隊の基地を造るということになれば、米軍に提供されていない僅かな水域の自由さえ奪われることになります。米海軍や海兵隊と同じように、水陸両用車って二十二トンもあるわけですけれども、これが海で訓練をし、オスプレイも着艦できるヘリ空母で出撃する陸海一体の新たな基地をこの佐世保港のど真ん中に造るという恐るべき新基地建設ではありませんか。軍事に軍事をもって対抗することは軍事的緊張の拡大と悪循環をもたらす危険な道であり、平和的環境をつくることこそ、その外交力こそ私は重要だと指摘をしたいと思うんですね。
 海上自衛隊の香田洋二元自衛艦隊司令官が国会で、上陸作戦能力、大規模な戦略的輸送能力、あるいは水陸両用作戦能力というのは海外派兵につながるということで、つい十年前まではタブーだったとこの国会で述べられたことがあります。これはつまり、憲法九条の下でまさにタブーとされてきた海外派兵につながる水陸両用部隊の基地を造るということなんじゃないんですか、大臣。
#86
○国務大臣(中谷元君) その発言は数年前のものでございましたが、現下の安全保障環境を踏まえますと、島に対する攻撃への対応に万全を期するために、やはり水陸両用作戦能力の着実な整備が必要となっておりまして、これはもう既に防衛大綱に記せられておりますけれども、御指摘のその水陸機動団に加えまして、この水陸両用部隊と連携を図るべく、海上自衛隊の大型護衛艦や「おおすみ」型の輸送艦等が係留可能な大規模な岸壁等を整備する必要があると考えておりまして、しっかりと連携して対応できる、こういう必要性があるわけでございます。
#87
○仁比聡平君 島嶼防衛だと、あるいは専守防衛だと、そんなふうにおっしゃるけれども、我が国が攻撃されていなくても存立危機事態だと政府が判断すれば、海外における武力の行使を自衛の措置だと、これまでの専守防衛の意味も一内閣の閣議決定で百八十度転換して、戦争法を強行したのが安倍政権です。そんなことで、そんなごまかしは、私は通用しないと思うんですね。
 同時に進められているオスプレイの佐賀空港配備問題についても聞いておきたいと思います。
 この問題で私は総理と度々議論をさせていただいてまいりました。昨年二月も、そして、戦争法案審議のさなか、強行された九月にも、総理は現時点で地元の了解は得られていないものと認識しておりますと御答弁をされました。その認識は変わらないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#88
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現時点において地元の了解は得られていないものと認識しております。
#89
○仁比聡平君 了解は得られていない以上、事を進めることはできないと、それが民主主義というものであります。
 なぜ地元の了解が得られないか。それは、佐賀空港の成り立ちの根本に照らして、軍事基地化はあり得ないからです。豊かな有明海の漁場を汚す空港建設は絶対反対、一番怖いのは自衛隊の基地化だと、生活を懸けた漁業者、住民の壮烈な闘いの歴史を経て、この佐賀空港建設に関する公害防止協定書、これが交わされました。「覚書に「自衛隊との共用はしない」旨を明記されたい。「県の考え」県は佐賀空港を自衛隊と共用する考えを持っていない。」、これは極めて厳格な、そして重い約束なんですね。
 大臣に伺いたい。この協定の重みをどう考えているわけですか。
#90
○国務大臣(中谷元君) 防衛省といたしましては、公害防止協定の附属書の中で、佐賀県が佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを有しておらず、自衛隊との共用に伴い、空港施設、また空港の運営を変更するような場合には、佐賀県はあらかじめ漁協と協議をする旨規定をされているということは承知をいたしております。
 防衛省といたしましては、佐賀空港へのオスプレイの配備に当たりまして、あくまでも民間空港としての発展や機能を損なわないことを前提に検討を進めておりまして、騒音、安全といった地元の方々の御懸念に対しまして、引き続き丁寧な説明に努めて御理解を得てまいりたいと思います。また、昨年十一月に私も佐賀県を訪問いたしまして、知事さん、市長さん、また漁協の関係の方々にお話をいたしまして御理解を求めているところでございまして、今後、細部、環境等につきましても、引き続き御理解が得られるように努めてまいりたいと考えております。
#91
○仁比聡平君 御理解を求めてまいりたいと言いますけれど、大臣が十月に訪問したとき、佐賀の有明漁協からは、自衛隊が来ても同じ、事故の可能性は捨て切れないと怒りの声が上がったじゃありませんか。米軍でも自衛隊でも軍事基地化はしない、させない、あり得ないと。その協定の重みを元々知ろうともせず、佐賀空港配備を持ち出したのが防衛省であります。
 約束は重い。だから、オスプレイ配備は白紙撤回しかないのであります。戦争法の具体化の一切をやめ、その廃止を強く求めて、私の質問を終わります。
#92
○委員長(岸宏一君) 以上で仁比聡平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#93
○委員長(岸宏一君) 次に、山田太郎君の質疑を行います。山田太郎君。
#94
○山田太郎君 維新・元気の会の会派の山田太郎でございます。
 昨日の議論に引き続き、国連報告者等の記者会見に関しての、特に児童の性的虐待等についての議論から始めたいと思います。
 先ほど山本香苗議員の方からも児童養護に関して議論がありました。私も大変そのとおりだと思っていますし、是非政府におかれては進めていただきたいと。ただ、児童相談所で年間九万件の相談がある、そのうち、実は日本が親権停止等を処置しているのは三十件以下ということであります。
 私、実はこの問題で、去年の十月、イギリス、ドイツ、そして十二月に韓国の方に参りました。イギリスでは四万五千件の親権停止を行い、ドイツでは一万五千件やっているんですね。そういうことを比べて、果たして日本の対処が今正しいのかどうか。また、里親の問題も、世界の常識は五〇から七〇%、いわゆる施設ではなく里親が預かると。特に乳児院は廃止の方向であるのが世界の常識に対して、日本は一二%以下ということであります。
 何とかしてこの問題を解決しなければいけない、こういうふうに思っておりますし、ただ、児童養護の問題に関してはしっかり厚労省がやられていると思います。ここで論点なのはその前の段階の原因でありまして、国連の方からも指摘されました児童の性的虐待やその搾取に関しての担当部署の問題として、昨日の答弁では、菅官房長官の方から、全体としては内閣官房で取りまとめをされていると、こういう御発言をいただきました。
 念のため確認でありますが、児童の性的搾取や虐待に関しては内閣官房で包括的な戦略を取りまとめるということでよろしいのか、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#95
○国務大臣(菅義偉君) 今、児童の虐待の問題でありますけれども、ここは政府が一丸となって取り組んでいかなきゃならないということは当然であります。そういう中で、犯罪対策閣僚会議の庶務であります内閣官房で全体の取りまとめを行って、各関係省庁がそれぞれ所掌に従って様々な取組を行っているのが現実であります。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 しかし、昨日、委員の御指摘もありました。委員御承知のとおり、昨年、国家行政組織法、これが改正をされましたので、現在は省庁設置法で総合調整できませんけれども、今年の四月からできるようになりますので、そうした御指摘も踏まえて、各省庁等に対して、任務に関連する特定の内閣の重要課題、今の児童虐待は極めて重要な課題だというふうに思っています。そうしたものについては閣議決定で総合調整権限を付与することができる、この四月からなりますので、そうしたことについて、御指摘を踏まえて、政府として責任を持って対応できるような体制というものをつくっていきたいというふうに思います。
#96
○山田太郎君 ちょっとパネルを見ていただきたいと思いますが、(資料提示)本当に官房長官の問題意識、今後四月からということで、大変前進すると思っています。
 ただ、やっぱり国連に指摘されて、私は国連に指摘されたことでも、日本が改善するべきことは改善するべきだと思いますが、見ていただくと、なかなか各省庁、把握していないとか、児相への件数だけ把握しているとか、児童ポルノ対処のみしていると。実は、児童の性虐待と児童ポルノは必ずしもイコールではございません。こういうことで、問題はなかったとは言えない。
 ただ、やっぱり勧告を受ける前に我が国の自浄作用でもってしっかりとこの問題、子供のために取り組んでいくということで是非お願いしたいというふうに思っております。
 さて、もう一件、とはいうものの、私は国連に言われっ放しである必要はないのかなと思っております。
 昨年の十月二十六日、記者会見で、この国連報告者の来日最終取りまとめ資料というのがブーア・ブキッキオ氏から配付されましたが、極端な漫画を禁止すべきという勧告が実はありました。しかし一方、一昨年、法務委員会の内閣府副大臣の答弁でもありましたように、日本政府は、漫画やアニメ、ゲームと実際の性犯罪との関係は確認していないという答弁をいただいています。
 昨日の議論でも、外務大臣が国連に対して客観的データに基づくべきものであることという答弁もしていますし、総理も事実でないことは対応できないと、こういうことで、しっかりと、いわれがないものについては放置しておくべきじゃない、こういう答弁もいただいていますが、では、三月の勧告に備えて、政府は、漫画、アニメやゲームと実際の性犯罪との関係はないと私は反論するべきだというふうに思っております。そうでないと、この文書出ておりますので、確実に指摘がされると思いますが、このことを政府は今後どのようにされていくのか、御答弁いただけないでしょうか。担当大臣、よろしくお願いします。
#97
○国務大臣(岸田文雄君) まず、私の立場からの対応としましては、昨日も説明させていただきましたが、この特別報告者の一三%発言については、昨日、対応について御説明させていただきました。
 それ以外にも、この特別報告者の発言、有罪判決を受ける件数が少ないとか、量刑がかなり軽いとか、沖縄では極度の貧困が見られ、それにより多くの女児が児童売春の被害者となっている、こういった趣旨の発言もありますので、こういった一つ一つの発言について文書にてこの特別報告者そして国連に対して、統計資料を示すべきである、論拠を示すべきである、さらには、どの国との間で何を比較した結果なのか論拠を示すべきである、こういった申入れを行っております。
 しっかり申入れを行いたいと思いますが、今委員の御指摘の点につきましても、政府としてしっかり考え方を整理したならば、私の立場からもしっかり国連に対して日本の現状について伝えることによって、三月のこの特別報告者の報告が客観的なデータに基づいたものになるよう努力をしていきたいと考えます。
#98
○山田太郎君 是非、これ、実は記者会見だけじゃなく残していった資料で、取りまとめ資料であります。これ、外務省しっかり研究してみていただいて、一昨年の法務委員会でも内閣としてそういういわゆる漫画、アニメ、ゲームと実際の性犯罪との関連は確認していないという答弁をされているわけですから、きちっと反論するべきことはしていただきたいと思っております。
 ただ、この表現の萎縮に関しては、私は大変な問題が今日本の中にもあると。特に若者のいわゆる心理を反映してなのか、最近、漫画の中でも政府が表現規制を強化するのではないかというストーリーの漫画も多いんですね。
 ちょっと具体的に披露させていただきますと、これは有名でありますし映画にもなりました有川浩さんの「図書館戦争」、これはメディア良化法というのを作って、政府が焚書のようなことをどんどんやっていくと。それから、筒井哲也氏が最近出しました本では「有害都市」という、まさに有害図書法みたいなものを、健全図書法というものを作ってやっていくんだと。それから一方、これも若者の間では人気がありますが、赤城大空さんの「下セカ」というのがありまして、これは公序良俗健全育成法と、こういうものを作って、次々と政府はいわゆる有害図書とそれから表現の自由を奪っていくというようなことが実は漫画で描かれて、最近顕著でございます。
 せっかく、TPPにおいても著作権の非親告罪化の問題で二次創作は守っていくんだということを総理も力強く委員会で答弁いただきました。漫画やアニメ、ゲームを規制することなく、児童の性的虐待の実態を把握して実在の児童を守るということが本当のあるべき姿だと思います。この点に関して文化振興の観点から、MANGA議連の幹事長をやられている馳文科大臣、それからしっかり二次創作は守るというところで議論させていただきました総理から、それぞれ御答弁いただきたいと思います。
#99
○国務大臣(馳浩君) MANGA議連の幹事長であります。ちなみに、最高顧問は麻生財務大臣であります。
 基本的には、実質的な規制を、規制というかルールといったものに基づいて公序良俗に反しないように活動していただくことが重要だと思っています。
#100
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 表現の自由は、これは憲法によって保障されているわけでございますし、また検閲は行わない、これは既に答弁をしていることでございます。
 漫画等で、まるでそういう法律ができるかもしれないと、そういう、フィクションでありますから、そうなったらどうなのかという世界を描いているんだろうと思うわけでありますが、現実には起こり得ないということではないかと思います。
#101
○山田太郎君 是非、児童の虐待と人権は当然グローバルスタンダードですから国連等が強く言ってくるんでしょうし、我々もそれに対処しなきゃいけないと思います。ただ、漫画やアニメというのはやっぱりその国特有の文化であります。それは私はローカルな問題だと思いますから、世界で同じ価値観ということでもないだろうと。いわれないことを国連に対して私は弱腰である必要はないと思っていますので、今日の力強い各大臣の答弁いただきましたので、しっかり言うべきことは言うということでやっていただきたいと思います。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
 さて、残りの時間、公務員給与引上げに関して少しいきたいと思います。
 資料を見ていただきたいんですが、まず今回、公務員の給与を改定するということが上がっております。
 公務員給与の水準の決定は民間準拠が原則だということでありまして、民間準拠というのはまさに民間の実態に即するというものであります。ただ、この人事院勧告がラスパイレス方式によって行われているということで、どうもこの検討の数字がなかなか民間の実態と乖離しているのではないかなと、こういうふうに思うわけですね。
 ちょっと表を見ていただきたいんですが、これ、国税庁がまとめたものでありますが、民間の給与年収実態は四百七十七万円と。これでも高いんじゃないかなというふうにおっしゃられる方もいるかと思います。男性平均が五百三十二万に対して女性が三百五十九万、これに非正規雇用等も増大しているということでありまして、多分これ以下が実態ではないかなというのは私も感じるところであります。
 ただ、政府が見積もりましたこのラスパイレス方式による公務員の給与、あれを民間としてスライドしてみると、民間試算の平均年収は、一番右側になるんですが、何と六百六十七万円、月額四十一万だということになっちゃうわけですよね。これに比べて、今の公務員の方の平均が六百六十万円だということで、年額にして七万円少ないと。月にして約千円ぐらい合っていないので、今回の改定では、月額千円、ボーナスは四・一か月から四・二か月、これだけのボーナスを今もらえるというのも大変いいなと思うんですけれども、こういうふうに改定しようというふうにしているわけであります。
 このラスパイレス方式、私、とても民間準拠とはなかなか思えませんし、やっぱり庶民感覚から見ても、公務員はやっぱり、官民格差じゃないですけれども、高過ぎるんではないかと。ましてや、今回、それに合わせて千円上げたりとかボーナスも増やそうというのはちょっとナンセンスなような気もするんですが、これは河野大臣担当だと思います、是非御答弁いただけますか。
#102
○国務大臣(河野太郎君) 人事院勧告という制度は、国家公務員の労働基本権が制約されている、その代償措置としてこの人事院勧告制度というのがあるわけでございまして、政府としてはこれを尊重するというのが基本方針でございます。
 この人事院勧告の基になっている調査についても、人事院が行うことでございますので、国家公務員の雇主としての政府は、第三者機関である人事院に対してその勧告内容あるいは調査方式について何か物を申すのは適切ではないというふうに思っておりますが、この人事院勧告という制度がしっかりと機能するためには、国民の皆様の御理解と御納得の前提の上でこの制度があるわけでございまして、国民の代表である議員の皆様に、この制度について、あるいはこの調査について立法府でしっかりと御議論をいただいて、国民の皆様の納得をできる説明を人事院がするというのがあるべき姿だろうと思います。
#103
○山田太郎君 ただ、人事院勧告を無根拠に受け入れる必要は我々国会はないと思っておりまして、実際のラスパイレスの計算は、高学歴が多い、それから正規雇用のみである、大企業中心の構造になっている、男女差がないということで、やっぱりこれは民間の構造とは懸け離れた形での計算がされていると。
 人事院勧告の基となるラスパイレス方式そのものが少しいわゆる問題があるのではないかと。これは昭和三十八年からやっているわけでありますから、そろそろ違うモデルもあっていいのかな。
 一方、いわゆる公務員は、要は団体交渉権とかストライキ権がないといいますが、一方で、降格もなければ首にもなりません。しかも、日本国は企業に例えれば今は大赤字の状態にあると言っても過言ではない、大借金の大赤字の状態にあるということも過言ではないわけでありまして、決して一方的に公務員は権利が奪われているとは私は思っていないんですね。
 そんな中で、政治決断です。こういう状況下の中で、今民間が頑張らなきゃいけないときに公務員の給与をこんな形で上げるというのは私はちょっと理解できないと思っています。
 これは総理に、私は政治決断と思いますが、是非、まあ下げろとは言いません、ただ、据え置いて、こういう公務員改革のいろんな見直しを行うということを先行するというふうに考えていただけないでしょうか。この辺り、是非、安倍総理からいただきたいと思います。
#104
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この国家公務員の給与についての基本的な姿勢、考え方については先ほど河野大臣から答弁をさせていただいたとおりでありまして、今国会に法案を提出をしているところであります。
 なお、国家公務員の総人件費については、厳しい財政事情を踏まえて、職員構成の高齢化等に伴う構造的な人件費の増加を抑制するとともに、簡素で効率的な行政組織体制を確立することとしております。
 引き続き、給与制度の総合的見直し等を着実に実施することにより、総人件費の抑制に努めていきたいと考えております。
#105
○山田太郎君 もう時間になりましたのでまとめていきたいと思いますが、今日、内閣委員会の方でもこの問題取り上げます。私も内閣委員も拝命しておりますので、是非、河野大臣とはここは厳しくしっかり詰めていきたいというふうに思っております。
 是非、こういった形で、表現の自由並びに国連に対する対応、そして公務員制度の見直し、こういうことを政府に是非進めていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#106
○委員長(岸宏一君) 以上で山田太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#107
○委員長(岸宏一君) 次に、東徹君の質疑を行います。東徹君。
#108
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。
 我々、おおさか維新の会、昨年十月でありますけれども、新しく国政政党おおさか維新の会として結党いたしました。政党の名前におおさかという名前が付いておりますけれども、これはただ単に大阪府という地名を指すものではありませんでして、地方から国の形を変えていくという象徴で、そして国家と地域の自立、再生のために、我が国が抱える本質的な課題、中央集権体質であったり東京一極集中であったり、そういったことを本気で解決していく覚悟を示すものであります。
 おおさか維新の会のもう一つの特徴といたしましては、我々、今、国も地方も財政的に非常に厳しいときでありますし、そしてまた、これからの少子高齢社会ということを考えれば、まだまだ社会保障、お金が掛かってくる。そんな中において、政治家自ら律して自分の身を削る覚悟でやっていかなかったら行政に対しても厳しい予算の使い方というのはできない、予算の使い方を厳しくチェックすることはできないというふうに思っております。
 その中で、おおさか維新の会、文書通信交通滞在費の使途を公開していくということで、今月の文書通信交通滞在費から使途公開を、これまでもやってきましたけれども、やっていきますし、そしてまた、この一月からは企業・団体献金も全面禁止ということを行ってまいります。
 まず、その一つであります文書通信交通滞在費の使途公開でありますけれども、これは私、大阪府議会におって、この国会へ来て一番最初にびっくりしたことの一つがこの文書通信交通滞在費でした。月にしたら百万円、五十万ずつ歳費と一緒に銀行口座に振り込まれてくるということでありますけれども、年間一千二百万というお金でありますけれども、これが使い道が公開されず領収書もなく使われているというような現状であります。地方議会でありましたら政務活動費というのがあるんですけれども、これは全部公開をいたしております。国会では何でこれができないんだろうかと、非常に大変驚いたものであります。
 この文書通信交通滞在費の使途公開、我々はこれからも続けてまいりますが、自民党総裁でもあられます安倍総理にお考えをお聞きしたいというふうに思います。
#109
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治活動に係る費用につきましては、議員活動、ひいては民主主義の根幹に関わる重要な問題だと考えています。
 その在り方については、政治活動に係る費用全体について、金額の多寡、使用の範囲、国民への説明責任など、多角的な視点から総合的に議論すべき問題であると考えています。同時に、様々な事情や環境の下にある者が国会議員として活動するための基盤となるものであるということも踏まえていく必要があるんだろうと思います。
 したがって、個々の問題を個別に論ずるのではなくて、国会においてこうした観点から各党各会派で真摯に議論をした上で結論を得るべき問題であると考えております。
#110
○東徹君 まあそういう御答弁でありますけれども、ただ、これはやっぱり国民から見たときに、これはやっぱりおかしいというふうに思われますし、そしてまた、地方議会で、地方ではやっているのに国会の方では遅れているという感覚にあると思います。これはもう安倍総理御自身としては、これはやっぱり使途公開すべきだというふうに考えませんでしょうか。
#111
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 様々な我が党にも意見がございます。そういう中で、先ほど申し上げましたように、民主主義のこれはコストである政治活動費については、先ほど申し上げましたような様々な観点から議論をする必要があると考えておりまして、私は自民党の総裁の立場でありますが、自民党の中でもまだ議論がある中において、私が意見を言うときは最終的にこれは決めるときでございますので、今ここで私の考え方を開陳するのは差し控えさせていただきたいと、こう思う次第でございますが、いずれにいたしましても、我が党を含め、各党各会派においてしっかりとした議論が行われていくことと思っております。
#112
○東徹君 安倍総理は、本当に改革をもうこれまで成し遂げてきた、今までの政権ではやれなかったことを成し遂げてきた政権だというふうに思っております。ただ、やっぱり自民党の会派の中というふうな話になると、なかなかこれは前へ進まないんだろうなというふうに思いました。
 もう一つ、企業・団体献金についてであります。
 補助金を受けた企業からの献金の問題が後を絶ちませんが、このような問題は国民の政治に対する信頼を損なうものでありまして、各政党は、平成七年に施行された政党助成法に基づいて二十年以上国民の税金から政党交付金を受けています。平成二十七年では約三百二十億円、二十一年間、六千五百億円以上の交付を受けておるわけですけれども、この政党助成法というものは、企業や労働組合などから政治献金を制限する代わりに税金を政党交付金として使い、透明性の高い政治を目指すというものであります。
 しかしながら、政治家個人への企業・団体献金は禁止されたものの、政党支部に使った企業・団体献金は禁止されないままというふうになっております。これは実質、企業からの個人、政治団体に寄附されたものと何ら変わりありません。
 おおさか維新の会は、政治の透明性を図るため、今月から企業・団体献金を全面的に禁止して、まず自分たちから政党交付金制度の趣旨を実現していくわけでありますけれども、各党間に温度差はあると思いますが、企業・団体献金の禁止、このことについては、安倍総理、どのようにお考えになられますでしょうか。
#113
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政治活動に対する企業の献金の在り方については、長年の議論を経まして、企業・団体献金は政党等に対するものに限定されるなど種々の改革が行われてまいりました。決して許してはいけないことは、これでもって政策をねじ曲げようとする行為であり、それは個人であれ団体であれ同じことであろうと思います。その意味で、企業、団体が政党等に献金すること自体が不適切なものであると考えてはおりません。
 いずれにせよ、先ほど申し上げましたように、この問題も、民主主義の費用を国民がどのように負担していくかという観点から各党各会派において議論をしていただくべきものと考えておりますが、この問題を考える上で重要なことは、透明性を確保するとともに、国民に対する説明責任を政治家一人一人が十分に果たしていくということではないかと考えております。
#114
○東徹君 パネルを出していただきたいと思うんですが、(資料提示)各党の政党交付金の状況でありますけれども、自由民主党さんが百七十二億円、民主党さんが七十七億円、公明党さんが三十億円、維新の党さんが二十一億円、おおさか維新の会はがくんと減りまして五億円、改革結集が一億円、その他の政党十四億円と、こういう状況になっておるわけですけれども。
 企業・団体献金をもらう、これは先ほど安倍総理も言われましたが、民主主義の費用というものをどういうふうに考えていくのかということだと思うんですけれども、企業・団体献金、自民党さんが幾らもらっているのか、そこまで調べているわけではありませんが、企業・団体献金がたくさんもらったときは、じゃ、この政党交付金、税金でもらっている百七十二億円、これは国庫に返納しますよということもお考えになられてもいいんじゃないのかなというふうに思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#115
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この政党助成制度は、政策本位、政党本位の政治を目指す理念の下に企業・団体献金を政党等に限定することに併せて提案されたものであります。その際、個々の政治家の資金管理団体に対する企業・団体献金については五年後に廃止するものとされ、そのとおり五年後には廃止をされたわけであります。
 他方で、政党等に対する企業・団体献金の在り方については、各党間で合意に至らなかったものと承知をしております。例えば、我が党におきましては、これは政党助成金によって、言わば国民の税金によって入ったこのお金については、更にこの使い方に対して厳しく制限を掛けているところでございます。
#116
○東徹君 今の政治資金規正法では個人も企業・団体献金もらうのと何ら変わらないような仕組みになっておりまして、是非、税金でもってもらうんだったら、こういったことも是非考えるべきというふうに思います。
 続きまして、軽減税率と消費税増税の延期について御質問をさせていただきたいと思います。
 パネルを御覧いただきたいと思います。
 これは各紙の調査でありますけれども、軽減税率導入に賛成の方の割合でありますけれども、これ、一昨年十一月が七九%であったものが、昨年九月には六三%、十二月には五五%ということで下がってきております。報道等によって軽減税率がどういうものか国民の間に知れ渡ったことで、当初は高かった軽減税率に対する評判も下がってきているんではないのかというふうに思います。
 先日の自民党の片山さつき議員と麻生財務大臣のやり取りを聞いておりましたけれども、これは本当に軽減税率というのは大変だなと、つくづく感心をいたしました。これはもう我々も言っていますように、一〇%と八%の線引き、非常に難しいというふうに思いますし、麻生大臣も言っておられた複数税率に対する区分整理、区分経理、こういったことが必要になってきて、これはもう面倒くさいというようなことをおっしゃっていました。これは大変なんだろうと思います。軽減税率を導入してしまえば、消費税率を今後どんどん上げていく環境は整ってしまうということにもつながるという懸念もあります。
 安倍総理も麻生財務大臣もいつも痛税感についておっしゃいますが、痛税感、一〇%で痛税感があって、八%ではなくなるというものではないと思います。是非、こういった軽減税率、この点について評価も下がってきているということについて、安倍総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#117
○国務大臣(麻生太郎君) 多分、読売と朝日の資料を使っておられるんだと思いますが、まず二〇一四年の十一月の設問は、消費税率引上げと同時に、低い、生活必需品など、導入すべきと思う人が七七が、今度、二十五年十二月では酒、外食を除く食品全般が対象となった点というのを評価すると。設問の内容がまず違っております。
 朝日の方がもっと極端に違っていまして、消費税率引上げと同時に食料品等の生活必需品の税率を低く抑える、七九%賛成ということになっているんですが、一年後の十二月の設問は、自民、公明の合意内容を評価するという。まあ新聞というのはそんなものだと思わないでもないんですが、私どもとしては、まず設問の仕方が違っておるというのが、まず私どもとしては、一番、ちょっと条件が違うのではないかという点が一点であります。
 軽減税率の制度というのは、これはもう先生よく御存じのとおりに、税制抜本改革法第七条によって、これは消費税率の引上げに伴いまして低所得者への配慮という観点から三つの案が出されて、総合合算制度及び給付付き税額控除と軽減税率と、三つがいわゆる検討対象と位置付けられておりました。
 その内容からいろいろ我々としては意見が随分中で交わされたんですが、この消費税負担というものを、買物の都度、直接痛税感というものが軽減できるという点に利点があるという点が一点と、もう一点は、いろいろ他国でこれを利用している場合においては、この総合合算制度とか税額控除等々になりますと、その制度の隙間をついていろいろ問題が起きておることは事実でありますので、そういった点を考えますと、我々としてはこういったものを、軽減税率制度というものが今ある中では、二%の段階で、確かに今おっしゃったように手間が掛かるというのは、消費者と業者との間の手間ではなくて業者間同士の手間が物すごく掛かるというところが一番問題なんだと思っておりますが、いずれにいたしましても、こういったものは混乱を最小限に収めてやっていきたいものだと考えております。
#118
○東徹君 この軽減税率の問題もありますし、そして、安倍総理がデフレ状態ではもはやないけれどもデフレ脱却はまだできていないという状況にあるわけですから、これは、こういったことも考えれば、この消費税、これからの社会保障のことを考えれば、将来的には引き上げないといけないときがあるかもしれませんが、今の段階ではやっぱり延期すべきというふうに思いますが、もう時間がないということですので、お答えいただいてもよろしいでしょうか。駄目ですか。
#119
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに五%から八%に引き上げた際には、これは消費に大きな影響が出たのは事実でございます。しかし同時に、世界に冠たるこの社会保障制度を次の世代に引き渡していくという責任を果たしていく必要があります。また、国の信認という観点からも、リーマン・ショックあるいは大震災級のこれはショックがない限り、引き上げていく考えでございます。
#120
○東徹君 時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#121
○委員長(岸宏一君) 以上で東徹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#122
○委員長(岸宏一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
#123
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 昨日、総理から、慰安婦に関する日韓共同記者発表における当時の軍の関与の下にとは、軍が関与したのは、慰安婦狩りなど強制連行や性奴隷化などではなく、慰安所の設置、健康管理及び衛生管理と移送についてのみであるとの御答弁をいただきましたことは、今特段の反応があるわけではありませんが、もちろん日本としてこの点をしっかりと明示していく必要がありますが、さらに、将来、日本の子供たちを救う礎になるであろうと考え、改めて感謝申し上げます。
 さて、北朝鮮による拉致問題でございますが、北朝鮮は、先日の核実験に見られますように、相当せっぱ詰まった状況にあると考えています。拉致被害者救出に当たっては、金正恩第一書記に直接接することのできるグループと交渉することが鍵を握ることになると考えています。外交部とのルートが動いている限り、北朝鮮側から新たな交渉のための動きは出てきません。官邸主導の下で、拉致被害者救出に集中して北朝鮮との交渉を進めていただきたいと思います。総理の御決意を伺います。
#124
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 拉致問題の解決は、安倍政権の最重要課題でございます。全ての拉致被害者の生還を目指して全力を傾けていく決意でございます。
 同時に、先般、北朝鮮が核実験を強行いたしました。この核実験に対しましては、日本は安保理非常任理事国の一員として、安保理においてしっかりと対応していきたい、決議を導いていきたいと、こう考えておりますし、また同時に、我が国独自の制裁について更に強化をしていく考えでございます。
 しかし、拉致問題の解決に向けては、こうした圧力を掛けていくと同時に、我々は対話も求めていきたいと、こう考えているところでございます。
#125
○中山恭子君 是非、今年、ある意味ではチャンスと言えるかもしれませんので、被害者救出に集中した作業を進めていただきたいと思っております。
 拉致被害者の救出は、政府のみならず、国として国民を守れるかどうかの問題であります。国会でも超党派で政府を応援し、後押ししている問題でございます。蓮池透さんの本につきまして、これ、私は国会で取り上げる問題ではないと考えておりましたが、先日、衆議院予算委員会で、この本に関連し総理に対し、事実確認もしないまま総理の名誉を傷つける発言がございました。
 この本については、事実と異なることがたくさん書かれております。違っている箇所を指摘し、抗議をしようかとの意見もございました。例えば、こんなバツが付くような、文章を変えなければいけないような箇所が各所にございます。抗議するかどうか被害者家族の方々や救う会とも相談しましたが、この本は北朝鮮のある種の工作活動の一端であるとの考えから、まともに取り上げるものではないので無視することといたしました。
 緒方議員が取り上げた、安倍、中山両氏は弟たちを一度たりとも止めようとはしなかったといった部分につきまして、当時の安倍官房副長官の部屋で関係省庁のメンバーで開かれていた会議を思い出しました。帰してはならないとの主張に対し、中山参与は、五人の中に北朝鮮に帰りたいという人がいたらひもで縛り付けてでも日本にとどめる、とどめよと言うのかといった議論もございました。そのような中、五人を国家の意思で日本にとどめると決断してくださったのが当時の安倍官房副長官でした。どれほどにうれしかったことでしょう。このようなこと、話し出せば切りがありません。今はその時期ではないと考えております。
 透さんは、御自身では気付かれていないかもしれませんが、工作関係者に利用されていると考えています。ある意味では、透さんも拉致問題の被害者とも言えるかもしれません。当時も北朝鮮側から、安倍、中山、齋木が日本の三悪人と指名されておりました。今回は、安倍、中山、横田を三悪人としたいようでございます。思ったように利益が得られなくなると、このような工作活動が動き出します。日本国内に工作活動をする動きが日常的にあることを日本の人々が知っていることが大切です。特に国会議員がそのような動きに乗せられてしまうことはあってはなりません。
 総理の御見解を伺います。
#126
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時の議論としては、言わば五人の被害者については再び北朝鮮に戻すべきだとの論調は強くマスコミ等にもあったわけでございます。私と中山参与とで、それぞれ拉致被害者御本人との接触の中において最終的に日本にとどまる意思を確認をしたのでございますが、その際、五人の意思でとどまるということではなくて、国家の意思として残すということを外に出そう、そうしなければ五人の被害者の方々の御家族に累が及ぶ危険性があると、そう判断し、我々は国家の意思としてそれを表に出していく、これは政府でも随分議論があったことでありますが、そう決定をしたところでございます。これは中山参与の強い御意見でもあった。しかし、当時は、個人の考え方を国家が超えていいのかという批判を我々は随分受けたわけでございます。
 そこで大切なことは、常に北朝鮮は国論を二分しようと様々な工作を行うわけでございまして、それに乗ってはならないのだろうと、こう思う次第でございます。
 当該の本におきましても、拉致被害者の御両親から、この本についてしっかりと批判をしたいという相談を受けたことがございましたが、しかし、被害者の家族の方々の中でこれは分裂をしているかのごとくの印象を与えるのは良くないと、それはやめておいた方がいいのではないかということも申し上げたわけでございまして、そういうことをしっかりと認識した上で議論をするべきではないかと。
 いずれにいたしましても、声を一つにして北朝鮮に被害者を返せと日本は強く要求していく必要があるんだろうと、こう考えております。
#127
○中山恭子君 明快なお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 私ども、超党派で動いていく必要がございます。今年、是非、被害者全員が帰国できますように、私どもも一緒になって活動をさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#128
○委員長(岸宏一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#129
○委員長(岸宏一君) 次に、薬師寺みちよさんの質疑を行います。薬師寺みちよさん。
#130
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 塩崎大臣、子供の社会的入院という言葉、御存じでいらっしゃいますでしょうか。(資料提示)
 けがや病気で入院した子供が、保護者に虐待や養育力不足の疑いがあるため治療後も退院できない、それがこの子供の社会的入院の定義でございます。
 大阪小児科医会が府内の実態を調査したところ、会員の六十七の病院で、子供の社会的入院はこの三年で延べ百六十八人にまで上ることが分かっております。しかし、これは氷山の一角にすぎません。厚生労働省は、子供の社会的入院について全国調査を行っていらっしゃいますでしょうか、まずお答えいただきたいと思います。
#131
○国務大臣(塩崎恭久君) 子供について、入院を要する医療的ケアが終了したにもかかわらず入院が継続されるケースと。これが親による児童虐待が疑われるケースとか、あるいは親が死亡等により不在であって重度の障害があるとか、あるいは兄弟が入院して親が引き続きこの兄弟の世話に掛かりっ切りになって他にその子供さんのお世話をする家族がいないというような事情などによって、退院後親による適切な養育を期待できない場合などがあるというふうに思われていると思っております。
 この点に関して、今お話がありましたが、一部の報道で一般社団法人大阪小児科医会が大阪府内の医療機関に対して調査を行っていることは私どもも把握をしているわけでありますけれども、厚労省はどうしているんだという話でありますが、御指摘のような全国調査はまだ行っていないわけでありますが、個々のケースの状況に応じて適切な対応が確保されるように、一時保護所の整備とかあるいは里親委託の推進など地域の実情に応じた取組を進めてまいりたいと思いますが、全国的な調査というのはまだ行っていないというところでございます。
#132
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 これ、自治体任せにしているということに聞こえてまいりますけれども、私、この実態、ヒアリングをいたしましたら、病室だけが居場所だという子供でしたり、病室から通学している、そんな実態を耳にいたしました。こんなに心が痛むことはございません。是非これは全国調査をしていただきたいと、今後の課題としていただきますよう私からもお願いを申し上げます。
 なぜならば、このような問題を放置することによって虐待死につながる可能性もあるということからです。児童虐待の相談件数、先ほどからも出ておりますように、これは二十六年度、八万九千件です。ここ最近急上昇しております。これは単に相談件数であって実態ではございません。更に多くの児童虐待というものが行われていることが想定されます。
 家庭で虐待を受けた児童が帰宅することができない場合、本来は、先ほど私が申しました社会的入院というものではなく、乳児院、一時保護所に入所することになっております。しかし、この一時保護所の問題、急増している虐待のために、東京、千葉などではピーク時の定員が一五〇%です。脱衣所や相談所で就寝しているような児童もいるようです。全国に百三十四か所ある一時保護所のうち、入所率一〇〇%を超えているものが六か所もあるんです。人手不足も深刻な状況です。まだまだ施策が足りない、私はそう思って、とてもこの事実を調べて心が痛みました。
 この深刻な児童虐待事件というものが後を絶たず、相談件数も増加しております。これは早急に国として取り組まなければならない課題だと塩崎大臣も受け止めてくださっているかと思いますが、御答弁いただけますでしょうか。
#133
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童福祉法という法律がありますが、これは昭和二十二年に言わば戦争孤児の対策として最初スタートしている法律でありまして、それを直し直しやって、前回の大きな改正は平成十六年にございました。ただいま私どもとして、安倍内閣としてこれはやっぱり正面から受け止めて、今の相談対応件数、正確に書いていただいておりますけれども、これは相談だけではなくて相談に対応した件数ということでありますから、相談だけというのであればひょっとしたら丸が一個多いんじゃないかと言う人すらおられるわけでありまして、私どもとしては、この児童福祉法の抜本改正も含めて、児童の虐待問題についてしっかり対応できる体制を再編成していかないといけないんじゃないか、強化もしていかないといけないんじゃないかというふうに考えているところでございます。
 昨年十二月に政府として子どもの貧困対策会議を開きまして、児童虐待防止対策強化プロジェクトをまとめて、発生予防から自立支援まで一連の対策の強化を図るということにいたしました。これを踏まえて、平成二十七年度補正予算それから二十八年度の予算において、児童虐待の発生を予防するために、子育て世代包括支援センターの全国展開、あるいは養育支援が特に必要な家族への訪問による相談支援など、あるいは児童虐待発生時の迅速的確な対応のための一時保護所、今お話ありましたが、の整備、個室化等による環境改善、これは例えば非行少年と虐待を受けた子供が同室に入れられているというケースが多々あると聞いているわけでありまして、個室の一時保護所というのが実際なかなか十分均てんしているわけではないということであります。
 それから、弁護士の活用の促進ということでありますが、常勤で今弁護士を置いている児童相談所は三か所しかないという状態でありますから、弁護士は本来どこの児童相談所でもあって、親権との闘いですから、ここのところは法律の面でしっかりと武装していかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
 いずれにしても、児童相談所の法的機能の強化を図る、それから児童虐待児の自立を支援するために、里親、今お話ありました新規開拓、あるいは里親への相談支援を行う事業の拡充、それから施設整備による児童養護施設の小規模化などの施策を取り組んでいるわけでありますけれども、いずれにしても、今、児童相談所では燃え尽き症候群になるほど虐待対応で忙しいというふうに聞いているわけでございますので、これをどう本当に解消して児童虐待が、ただの対応件数ではなくて、しっかり全体に対応できる体制をどうつくれるか、そこが問われているというふうに考えております。
#134
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは本当にまだまだ子供に対しての手当てが、予算措置が少ないというふうに私は主張したいと思います。
 最後に一問、安倍総理に質問させていただきたいと思います。
 アベノミクスの果実を得るためにやっぱり生じてしまった社会のひずみ、そしてストレスフルな社会という犠牲者がこのような子供たちではないのでしょうか。であれば、アベノミクスの果実というものを一番先に食べてもらわなければならないのが私はこのような子供たちだと思いますが、総理の方から御意見いただきたいと思います。
#135
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も自民党の児童養護を考える会の会長をしておりまして、塩崎さんが幹事長をしていたわけでございますが、昨年末に児童虐待防止対策強化プロジェクトを取りまとめまして、児童相談所の体制強化や里親委託の推進など、発生予防から自立支援までの一連の対策を強化することといたしました。
 今回の補正予算及び来年度予算では、子育て世代包括支援センターの全国展開、そして一時保護所の整備や環境改善、里親の開拓や里親に対する相談支援事業の拡充などの施策を盛り込んだところでございますが、我々、しっかりと経済成長の果実を生かしていくことも含め、これらの政策を総動員して政府を挙げて全力で取り組んでいく考えでございます。
#136
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
#137
○委員長(岸宏一君) 以上で薬師寺みちよさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#138
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
#139
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 憲法改正についてお聞きをいたします。
 総理は、憲法改正の発議ができるように参議院選挙で改憲勢力の三分の二以上の獲得を目指すとおっしゃっています。自民党は既に日本国憲法改正草案を発表しています。どれも極めて問題ですが、この中の一つ、緊急事態宣言条項についてお聞きをします。(資料提示)
 まず、緊急事態宣言からやるのではないかと私は思っておりますが、この新しく自民党が設けている第九章緊急事態、これはまさに効果のところがとりわけ問題です。これは、内閣で、九十九条一項、「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」、「内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。」となっています。
 総理、国会は唯一の立法機関です。しかし、内閣が法律と同じ効力を持つことができる政令を出すのであれば、立法権を国会から奪うことになる。国会の死ではないでしょうか。
#140
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この草案につきましては、我々野党時代、谷垣総裁の下で作られた草案でございます。
 これ、大規模な災害が発生したようなこれは緊急時のことを言っているのでございまして、平時に行政府がこれは権限を持ってやるということではないわけであります。大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題と考えております。
 そして、他方、自民党の憲法改正草案の個々の内容について、政府としてお答えすることは差し控えたいと思います。
 いずれにせよ、憲法改正には国民の理解が必要不可欠であり、具体的な改正の内容についても、国会や国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくるのではないかと、こう思っておりまして、引き続き新しい時代にふさわしい憲法の在り方について、国民的な議論と理解が深まるよう努めてまいりたいと考えております。
#141
○福島みずほ君 総理が改憲勢力の三分の二以上の獲得を目指すと既に言っていて、しかも日本国憲法改正草案が出ていますので聞いております。
 この中の自民党の草案の中で、事後に国会が不承認をする、国会の承認を求めるとなっておりますが、国会が承認しなかった場合、その政令の処分によって行われたことはどうなるんでしょうか、政令の効力はどうなるんでしょうか。
#142
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、私が今ここに座っているのは内閣総理大臣として座っているわけでございまして、憲法の改正案の中身については、まさにこれから憲法審査会において御議論をいただきたいと、このように思うわけでございまして、こうした議論が深まっていく中において、おのずとどの項目から改正をしていこうかということが定まっていくわけでありまして、それ以上個々の条文について私はここで述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
#143
○福島みずほ君 極めて問題ですよ。なぜならば、総理は、今度の参議院選挙で憲法の改正の発議ができるように三分の二以上の獲得を目指すと言い、既に自民党は発表しているわけで、自民党総裁としてどういうふうになるのか議論をすべきではないですか。
 参議院選挙の一つの争点は、戦争法廃止法案、これに賛成か反対か、そして憲法改正についてどう考えるか、もちろん新自由主義か社会民主主義か、一%のための政治か九九%のための政治かはありますが、憲法改正は極めて重要なテーマです。
 先ほど申し上げましたが、これ、国会が不承認にした場合、承認が得られなかった場合の効力について規定がありません。これは極めて問題です。憲法審査会でも学者はこのことを指摘をしております。
 この緊急事態宣言条項ですが、総理、五年前の東日本震災、原発震災は、憲法に緊急事態条項がなかったために問題があったというふうにお考えですか。
#144
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、例えばこの緊急事態について自民党の中で議論があったのは、あのときも地方選挙についてはこれは延期をするという措置がなされたのでございますが、国会議員についてはそういう対応ができない中においてどうしていくかということも議論になったと、こういうふうに承知をしております。
 いずれにせよ、憲法につきましては、三分の二以上の賛成が衆参それぞれあり、そして発議ができるわけでありますが、その上において国民投票を行い、まさに国民が決めるわけでございます。その意味におきましては、国民的な議論の広がりがなければこの憲法改正はなし得ない。
 自民党は立党以来、党是として憲法改正に取り組んでいくということでございまして、当然、私も自民党総裁でありますから、その観点から我々が、今御紹介いただいたように、自民党の憲法改正草案をお示しをしながら憲法改正に取り組んでいきたいと、こう考えておりますが、しかし、これは逐条的に投票していくわけでありますから、どこからということについては、そしてどういうふうに改正するかということにつきましては、言わば三分の二の多数派を形成する上においても、国会、憲法審査会において議論を進めていく中においてだんだん収れんされていくだろうと、このように考えているところでございます。
#145
○福島みずほ君 逐条的にですから議論して、これはどうなのかを聞いているんです。総理は、今日の天気は曇りでしょうかと聞くと、おととい晴れだったような気がするみたいな答弁じゃないですか。ひきょうですよ。憲法改正について三分の二取るんだと言いながら、どうなのかと言ったら、答えない。ひきょうじゃないですか。一つ一つ、憲法、重要ですよ。
 これは憲法審査会において、この緊急事態宣言条項、必要だ、必要ないという両方の学者が、呼んで憲法審査会で参議院やりました。入れることが必要だという西先生も、今の憲法がなかったからといって対応ができなかったということには直接ならないと言っています。そのとおりだと思います。まさに内閣限りで法律と同じ効力を持つことができるのであれば、これはナチス・ドイツの国家授権法と全く一緒です。これは許すわけにはいきません。
 もう一つ、自民党は、基本的人権についても問題であり、常に公益及び公の秩序に国民は反してはならないとしています。公益って何でしょうか。公の秩序って何でしょうか。
 総理、お聞きします。今、宜野湾市長選が行われておりますが、辺野古の新基地建設は公益ですか。
#146
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどナチスの授権法という、いささかちょっとこれ限度を超えた批判がございました。我々が出している緊急事態に関する憲法改正のこの草案につきましては、これ諸外国に多くの例があるわけでございまして、まさに国際的に多数の国が採用している憲法の条文であろうと、こう考えているところでございますから、是非そうした批判は慎んでいただきたいと、このように思うところでございます。
 そして、もう時間が参りましたから簡潔に申し上げますが、憲法改正の草案について個々にお答えすることは差し控えたいと思います。その上で、誤解を与えないように申し上げますが、個人が人権を主張する場合には他人に迷惑を掛けてはいけないという当然のことを明確にしたものでございます。
#147
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。国家授権法と一緒じゃないですか。
 終わります。
#148
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#149
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
#150
○荒井広幸君 新党改革・無所属の会の荒井です。
 総理に端的にお尋ねしたいと思います。
 世界経済の新しい成長軌道をつくっていくと、このリーダーシップに私は大変共鳴をいたします。
 そこで、日韓のスワップを復活してはいかがかと。これによって経済の安定と成長が図られるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#151
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国と韓国との間ではこれまで短期内に外貨等を融通し合えるよう累次の通貨スワップ取決めを結んできたところであります。
 日韓通貨スワップ取決めのうち昨年二月に最後の一つが終了したのは、当時の両国の金融市場及びマクロ経済の状況を踏まえて、両国が延長の必要がないとの見解を共有したためであります。
 日韓通貨スワップ取決めの再締結については、もう一度締結をしてはという御提案でありますが、まずは日韓両国及び世界経済の状況をよく注視してまいりたいと思います。
#152
○荒井広幸君 麻生内閣総理大臣のときに、福岡で、いわゆるシャトル外交で日中韓のスワップを、これを決めて、非常にそれから円滑にいったということがあったと思います。どうぞ必要に応じて検討していただきたいというふうに考えております。
 私の時間はもう既にNHK中継からは外されておりますので、新聞は誤報を打ったということになります。私は存在しないというようなことになりますが。
 国立成育医療研究センター、今日かなりテーマになりましたが、子供の貧困あるいは難病、子育て世帯の支援あるいは一億総活躍ということで、子供あるいは難病の方々という観点でお話を進めさせていただきたいと思いますが、この国立成育医療研究センターというのは、言ってみれば、子供のがんセンターと難病の治療、研究、そして薬に結び付ける、そうした機関です。理事長も病院長も、そして研究所長も職員の皆さんも一生懸命やっていらっしゃいます。
 そういう中で、私は若干気になっているんですが、厚生省の態度と言った方がいいんでしょうか、国立系の病院は赤字のところが多いんです。ですから、なかなか本省に物を言えない、そういう空気をつかまえて、かなり、やっていないものをやっていると役所は言っているんではないかと。特に、例えば昨年ですと、安全保障法制、これは非常に重要な問題で効果がありましたね。間一髪でした。北の核実験、その前に備えとしての安倍内閣でのこの安保法制ができたので、かなりのこれは効果を持ってきたというのは国民の皆さんが分かったわけですが、こういう観点に立っても、そういう議論をしているときに、官僚の皆さん、それは善意ではありますが、善意ではあるんですが、やっぱり様々なところで力を抜いていったり、自分たちの権益をこれを押し付けよう、自己正当化しようとしている、そういう嫌いがあります。
 それが、例えば相談業務なんです。難病の方は非常に少ないんです。全国で何人とかあるいは一万人、そういう方のいわゆる相談業務と、そしてお医者さんの研修業務というのをやることにしているんですが、やっているやっていると厚生省は言うんです。特に担当課、原課といいます。
 お尋ねします。詳しくはまた三月の委員会等で、あるいは予算委員会でさせていただきたいと思いますが、大臣、結論的にもう、中継が飛んでいますから結論的に言いたいんですが、相談とかあるいは研修業務というのが一体にならないと、治療と創薬には結び付かないんですね。その原点は患者と家族の立場に立って体制をつくっていくということだと思います。厚労大臣、そうなっていますか。
#153
○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども、例えば小児慢性特定疾病などについての相談あるいは支援、こういったことについて、児童福祉法において都道府県などが患者の自立に向けた相談支援を行うことになっておりますけれども、国は都道府県等が行う相談支援に必要な費用の支援を行うとともに、先進事例や好事例等の情報提供を行うと。
 一方で、国立の今おっしゃったセンター、成育医療センターなどで自らそれに対応しているわけでありますので、万全を尽くしているつもりではございますけれども、絶えずそれが行われているかどうかは点検をしていかなければならないというふうに思っております。
#154
○荒井広幸君 是非点検してください。
 そして、同じように、研究と臨床、そして創薬に結び付ける、これはアベノミクスのみならず難病の皆さんも健康である方にも必要なことですが、このところを大きく安倍政権で変えました。そこにAMEDというのがあります。
 しかし、そのAMEDというのは、今回、千二、三百億円の予算を組むはずなんですが、文科省から五割分のお金を持ってき、そして厚労省から四割の大体お金を持ってき、一割は経産省なんですね。そこから全部出向、天下り的にメンバーが決められていくんです。本当に大胆に一歩進めていくということをこの予算配分と出向者でできるのか、単に役所の定員を外郭団体に下ろしたというだけではないか、こういう疑問があります。
 どうぞ、各省が縦割りのコントロールをそのままAMEDに持ってこないようにチェックをしていただきたいというふうに思いますが、二十六番になりますが、大臣、いかがでございましょうか。これは甘利大臣になりますか、どうなりますか。
#155
○国務大臣(甘利明君) 健康長寿社会の実現というのは安倍内閣の成長戦略の柱でありまして、医療分野の研究開発は最重要課題の一つであります。
 このために、医療分野の研究開発につきましては、これまで、御案内のとおり、文科省と厚労省と経産省がばらばらに支援をしておりましたけれども、昨年四月に日本医療研究開発機構を創設をしまして、国の研究費を集約をして基礎から実用化まで切れ目ない研究支援を一体的に行うという仕組みを構築したところであります。
 あわせまして、内閣に司令塔として安倍総理を本部長とする健康・医療戦略推進本部を設置をしまして、各省の縦割りを超えて医療分野の研究開発予算の総合的な予算要求、配分調整を行うこととしておりまして、こうした枠組みの下で、関係者が一体となって我が国発の医薬品や医療機器の研究開発を進めまして、医療分野にイノベーションを起こすべく、積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
#156
○荒井広幸君 よく注意をして見ていただきたいと思います。総理もお願いします。
 最後に官房長官……(発言する者あり)あっ、時間になりましたかな。こういうときだけは時間でしっかり終わってくれと言うんですね。残念です。
 どうぞ国民の皆さんも、次回の私、新党改革を楽しみに、そして注目して見ていただきたいと思います。
 どうぞ閣僚諸兄にはしっかりやっていただきたいと思います。
#157
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて内政・外交の諸問題に関する集中審議は終了いたしました。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#158
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十七年度補正予算二案を一括して議題とし、これより締めくくり質疑に入ります。高橋克法君。
#159
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。
 平成二十七年度補正予算二案について締めくくりの質疑を行います。
 一刻も早くこの補正予算を成立させたいと願っていた一人として、今日締めくくり質疑まで来たこと、委員長を始め与野党の理事の先生方、委員の先生方、大変感謝を申し上げたいと思います。
 なぜか。第二次安倍内閣が成立をしてからこの国の状況は全て回復基調にあります。これは数字が如実に物語っている。しかし、その回復基調が地方にはまだ実感としてなかなか及んでいないことも事実です。私の地元である栃木県も、中小企業者の方々の話を聞けば、そういうお話が出てくる。ただ、これは実体がないから実感がないんではなくて、実体はあるんだけれども実感がないんです。だから、実体を実感につなげるための方策を次から次に打っていかなきゃならない、そういう意味で、総理がおっしゃるように、二度ともうデフレに戻らないような強い経済構造をつくるための正念場である、そういう観点から一刻も早い成立を願っていたわけです。
 そして、財政法二十九条に該当しないという批判もあることは承知をしていますけれども、今の想定を上回るこの少子高齢化の中で、希望出生率の実現であるとか介護離職ゼロの実現、さらには昨年秋に大筋合意されたTPP、これへの対応についても先手を打たなきゃならない。これ地方の声でありますので、そういう意味で財政法上の問題は生じないと理解をしていますけれども、改めて、政府による法律的な見解とともに政策的必要性についても所見を伺います。
#160
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われました財政法二十九条ということになろうかと存じますが、義務的経費の不足を補うということのほかに、予算作成後に生じた事柄などに基づく、また特に緊要となった経費の支出などを行うという場合には、補正予算を編成して予算の追加を行うことができるとされておりますのが、いわゆる財政法第二十九条であります。
 今回の補正予算は、平成二十七年度の予算編成後、昨年の十一月に一億総活躍国民会議において、緊急に実施すべき対策や、また、昨年の十月のTPPの大筋合意を受けて、TPP関連政策大綱に基づくいわゆる施策でありまして、直ちに実施すべきものを盛り込んだと考えておりまして、財政法上にのっとった対応だと考えております。
 また、委員御指摘のとおり、ただいまデフレ脱却から、デフレ不況からの脱却が正確だと思いますが、デフレ不況からの脱却が今進んでおります中、更に強い経済というものに向けて、少子高齢化という構造的課題を抱えております我が国にとりまして、真剣に取り組まねばならぬ問題が多々あります。TPPの効果を真にいわゆる経済再生、地方創生に直結させていかねばならぬと思っておりますので、日本の最重要課題に対処するための補正予算であり、速やかな成立をお願いいたしたいと考えております。
#161
○高橋克法君 今回のこの補正予算二案は、野党の皆様からはばらまきだろうというような批判も寄せられていることも承知していますが、何をもってばらまきと言うのか私にはちょっと明確な定義がないので分かりませんけれども、今回のばらまきと言われている部分というのは、賃上げの恩恵が及びにくい年金生活の方に、しかも低所得の方に限定をして一定の配慮をするということでありますので、ここをばらまきと言われてしまうと、ちょっと見当違いかなというふうな気は私はいたします。
 しかも、本補正予算では、財政法の規定に基づいて、前年度の純剰余金の二分の一、純剰余の二分の一を国債償還に充てているだけではなくて、国債発行そのものも〇・四兆円減額をしているわけです。
 このような補正予算の中身しっかりと見ていけば、これがばらまきであったり、財政健全化に反するとの指摘は当たらないと考えますが、総理の見解をお伺いします。
#162
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 臨時福祉給付金については、今年前半にかけて個人消費の下支えを行い、経済の下振れリスクにも対応することが必要と考えているわけでありますが、同時にまた、私たちが進めているアベノミクスにおいて、これは企業が最高の収益を上げ、そして十七年ぶりの高い賃上げ率となっているわけでございますが、しかし他方、高齢者、年金生活者にはこの恩恵は及んでいないのは事実であります。物価が上がる中において、デフレにスライドさせていったために年金は上がらないという中にあって、こうした皆さんにアベノミクスの果実をしっかりとお配りをすると同時に、景気の下支えもしていく。マクロ政策上も、そしてまたミクロ政策上も正しい政策であるということは間違いないんだろうと、このように思う次第でございます。
 また、ただいま麻生副総理から御説明をさせていただきましたように、TPPの効果を経済再生、地方創生に直結させるため、攻めの農林水産業への転換を後押しするほか、災害復旧や復興など必要な対応をこの補正予算によって行うこととしております。
 加えまして、ただいま高橋委員が御指摘になったように、前年度の純剰余の二分の一に当たる〇・八兆円を国債の償還に充てるとともに、新規国債発行額を二年連続で減少させるなど、経済再生と財政健全化と両立させたものとしているわけでございまして、このように本補正予算の中身を見ていただければ、財政規律を守りつつ、しっかりと政策目的の下で日本の課題に対応するものであり、速やかな実施が必要であると考えております。
#163
○高橋克法君 終わります。ありがとうございました。
#164
○委員長(岸宏一君) 以上で高橋克法君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#165
○委員長(岸宏一君) 次に、大久保勉君の質疑を行います。大久保勉君。
#166
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まず、安倍総理に対して質問したいと思います。
 安倍内閣の閣僚は、アベノミクスで日本の株が上がったということをこれまで何度もこの場あるいはいろんなところで公言されております。株高がアベノミクスの成果であるとするならば、株安によって政府が無策であれば、このことはアベノミクスの失敗でしょうか。安倍総理に質問します。
#167
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現下のこの株の変動についてコメントすることは差し控えたいと、こう思いますが、しかし、この最近の株価の変動につきましては、中国の先行きに対する不安等が反映されているもの、あるいはまた中東の情勢、そしてまた先般の北朝鮮のミサイル発射もございましたが、さらには原油安等々のそうした経済の不確実性が反映されているとの分析もあるわけでございますが、日本経済のファンダメンタルズは依然としてこれは確かなものがあると、このように認識をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、我々、しっかりと経済を成長させていく、この政策を前に進めていきたいと考えているところでございます。
#168
○大久保勉君 私の質問は、やはり株が下がったときに政府の政策が無策であればアベノミクスは失敗ですかと、この部分です。
 ですから、何かあった場合に、本当に必要でありましたら補正予算を組む若しくは中小企業対策を組まないといけないです。しかし、残念ながら、今回の補正予算に関しましてはばらまきとしか言えないと思っております。本当に経済にとってプラスか、私は大いに疑問であると、このことを申し上げたいと思います。
 何か、今回の中国危機に関しまして、例えば著名投資家でありますジョージ・ソロス氏は、中国危機は長期化、リーマン・ショック級の危機となると、こういったことも言っております。原油の方はWTIが二十ドル台に突入しましたが、場合によっては二十ドル割れということも様々な識者が言っております。この場合に、産油国のいわゆるソブリン・ウエルス・ファンドの方が株式を大量に売却する、日本株を売ると、こういったこともありますから、何が起こるか分からないということですから、是非、補正予算は本当に必要なときに取っておいてもらいたいなと、こういった思いで質問したいと思います。
 是非、安倍総理の御見識を聞きたいと思います。
#169
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員から現状の世界の経済情勢についての分析がございました。
 我々といたしましても、もちろん株式市場の動向については注視をしているところでございますが、リーマン・ショック級のあるいは東日本大震災級のショックがあればこれは直ちに対応していくことが大切であろうと、こう考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、政府と日本銀行が一体となって二%の物価安定目標の達成を目指していく、そしてまた経済をしっかりと成長させていく、この目標に向けて、現下の足下の経済情勢についてもしっかりと注視をしつつ適切に対応していきたいと考えております。
#170
○大久保勉君 昨年は経済を忘れた安倍総理でありましたが、是非、経済の安倍ということで、しっかりと景気対策、若しくは金融市場に異変が起こりましたら速やかに対応してもらいたいと思います。
 もし、リーマン・ショック並みの経済危機になった場合、安倍総理は、来年四月に実施されます消費税の一〇%引上げ、景気判断条項が落とされておりますので、この法律がある限りは消費税は八%から一〇%に上がります。この法律の改正はしないという認識でよろしいでしょうか。
#171
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 景気判断条項はこれは外しているわけでございますが、これは従来から申し上げておりますように、リーマン・ショック級あるいは東日本大震災級の経済に対するショックがあった場合は、これはこの状況を勘案しながら分析をし、引き上げるかどうかということを考えなければならないと考えているわけでございまして、その際には、当然、もし必要となれば法の改正を行うということではないかと思います。
#172
○大久保勉君 そうですか。必要なときには法律改正をしてでも八%から一〇%に消費税を引き上げないこともあり得るという認識いたしました。
 是非、経済の判断は極めて重要です。あるたしか自民党の閣僚は、リーマン・ショックのときに蜂に刺された程度という発言もありましたが、しっかりと経済がどういうふうになっているのか、このことはしっかりと認識してもらいたいと思います。一国の経済が懸かっております。
 続きまして、日本銀行総裁に質問したいと思います。
 実は、日銀と一緒に安倍総理はしっかりと経済を支えると、でも、日銀の方はそろそろ打つ手がなくなっているということに関して議論したいと思います。
 是非、黒田総裁、今日はしっかりと話をしてください。といいますのは、私どもは選挙で選ばれています。責任を取っています。ただし、日銀総裁はしっかりと説明しない限りは日本銀行の独立性を維持することはできない、その意味でしっかりと説明責任があると。予算委員会は最も公式な場であります。是非このことをお願いしたいと思います。
 まず、物価総合指数二%になるめど、このことに関して、資料を御覧ください、資料一。日銀総裁ないしは参考人、この表を説明してください。
#173
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は、量的・質的金融緩和の導入に当たって、二%の物価安定の目標を二年程度の期間を念頭に置いてできるだけ早期に実現するというコミットメントを行っております。同時に、この量的・質的金融緩和は、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続するということも申し上げております。
 この表につきましては、今申し上げました二〇一三年四月の量的・質的金融緩和を導入した際の公表文の文章と、その後の展望レポートにおける物価の見通しについての文章でございまして、二〇一四年の十月の展望レポートまではほぼ同様な見通しをしていたわけですけれども、その後、原油価格の大幅な下落ということが続いたことから、二%程度に達する時期について後ずれをしているということであります。最新時点の二〇一五年十月の見通しでは、原油価格がその時点の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、二〇一六年度後半頃に二%程度に達するという予測をしております。
 今申し上げましたとおり、こういった後ずれは基本的に二〇一四年夏以降、原油価格が大幅に下落したことによるものでありまして、物価の基調自体は着実に改善してきております。景気が緩やかに回復を続ける下で失業率は三%台前半まで低下しておりまして、労働面を中心に需給ギャップが改善しておりますし、予想物価上昇率もやや長い目で見れば全体として上昇しているということでありまして、例えば生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比で見ますと、二十六か月連続でプラスを続けて、最近ではプラス一・二%まで上昇しているということでございます。
#174
○大久保勉君 この表を、資料一を御覧ください。
 これは、よく日銀文学と言われておりますが、結論としては、二〇一三年四月の段階で二年、二〇一五年四月、去年の四月に二%に達するということを全力でやるということでした。ある副総裁、名前は言いませんが、就任時に、もし二〇一五年の四月に二%にならなかったら私は職を辞職すると言っています。その方はまだいらっしゃいます。
 結局は日銀は、だんだんだんだん目標を後ずさりして、別の言い訳をすると。このことが本当に説明責任になっているか、私は大いに疑問です。直近でしたら、二〇一五年十月の展望レポートによりますと、二〇一六年度後半に二%に達成すると。少なくとも、二〇一七年四月一日には二%になっていると。私は、今の状況ではかなり難しいと思っています。
 このことに関して、もし二〇一七年四月一日までに二%に達成しなかった場合、何か金融政策の変化はありますか。
#175
○参考人(黒田東彦君) 先ほどから申し上げておりますとおり、物価の基調というものは着実に改善をしてきております。ただ、物価の基調が変化して二%の物価安定の目標を達成するために必要だということであれば、ちゅうちょなく金融政策の調整を行うということは、毎回の公表文でも申し上げているとおり、日本銀行の政策委員会の意見でございます。
#176
○大久保勉君 ちゅうちょなく金融政策を行うということなんですが、本当にできる政策はあるのかと、このことに関して議論したいと思います。
 総裁に質問しますが、もし今の金融政策を継続した場合、日本銀行の保有の国債金額は二〇一六年度末、二〇二〇年度末に幾らになりますか。また、GDP比率と国債市場残高に占める比率はどうなっているか、質問します。
#177
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、御案内のとおり、量的・質的金融緩和の下で、長期国債について、保有残高が毎年八十兆円、約八十兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行っております。この結果、日本銀行の長期国債保有残高は、二〇一五年十二月末で二百八十二兆円となっております。これを長期国債の発行残高に占める割合で見ますと、三三%になっております。また、対名目GDP比率を直近で入手可能な二〇一五年第三・四半期における名目GDPを用いて計算しますと、五六%となります。
 先行きの金融政策運営につきましては、二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで量的・質的金融緩和を継続するという方針を明らかにしておりまして、その際、経済・物価情勢について、先ほど申し上げたように、いろいろなリスク要因も点検して必要な調整を行うということになっておりますので、御質問の二〇一六年度末あるいは二〇二〇年度末における日本銀行の国債保有残高は、今後の経済・物価情勢の展開、その下での日本銀行の金融政策によって変わり得るものでございますので、現時点で申し上げることはできないということを御理解いただきたいと思います。
#178
○大久保勉君 私は財政金融委員会に十二年属しておりますが、数年前まではこういった予想は簡単に出てきました。ところが、この一、二年は全く出てこないと。何か問題があるんじゃないかと思います。つまり、二年後、GDP比どのくらい日銀が国債を持っているのか、若しくは国債の発行残高全体で何%持っているのか、場合によっては、日銀が全体の四〇%、五〇%国債を持っていましたら財政ファイナンスじゃないかと言われるおそれがあると、そういったことがありますので話を進めたくないと、若しくは資料を出さないと、こういったことを何度もやり取りしました。
 是非、岸委員長にお諮りしたいと思いますが、私が黒田総裁に対して要求しました内容に関して資料提供を求めることを議論してもらいたいと思います。よろしくお願いします。
#179
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
#180
○大久保勉君 実は市場では分析があります。例えばアメリカのブルームバーグ社の予想では、このまま国債を八十兆円日銀が購入し続けますと、二〇二六年には全ての国債を日本銀行が持つということです。
 ちなみに、二〇一四年九月が保有が二三%、単純計算で毎年六・四%保有残高が増えます。ですから、機械的に計算すると、二〇一六年度末は三九%、二〇二〇年度でしたら六五%、二〇二〇年度で全体の六五%も日銀が買っておると。こういう政策はもうできっこないんです。それも、日銀総裁は二%になるまで金融緩和を続けるということでありますから、年間八十兆円ないしそれ以上国債を買わないといけないと。でも、国債を買い過ぎたら日銀が全て国債を持つと、こういう状況ですから、日銀ができることは少ないんじゃないですか。
 このことに関して国民に対しても明らかにしないと、このことに対して説明責任として十分ですか。総裁に質問します。
#181
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げましたとおり、現在の量的・質的金融緩和というものは、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現し、それを安定的に維持できるようになるまで続けるということを二〇一三年の四月にこの量的・質的金融緩和を導入して以来申し上げているわけでありまして、具体的に二〇一六年度末等、将来の国債保有残高というものは、先ほど申し上げたように、経済、金融の状況、特に日本銀行の金融政策の動向によって変わり得るものでございますので、仮定に基づいて数字を申し上げるというのは適切でないと思います。
 いずれにいたしましても、日本銀行の行っております量的・質的金融緩和というもの、この下で行っている長期国債の買入れというものは、あくまでも物価安定の目標を実現するという金融政策の目的で行っているものでございます。
#182
○大久保勉君 総裁に質問しますが、もし日本銀行が市場の国債五〇%以上を買い占めた場合は財政ファイナンスとあなたは思いますか。
#183
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げていますとおり、日本銀行の量的・質的金融緩和の下で行っている長期国債の買入れというものは、あくまでも物価安定の目標を実現するという金融政策目的で行っているものでございまして、財政ファイナンスとは考えておりません。
#184
○大久保勉君 日銀が考えなくても市場参加者は非常に気にしています。
 例えば、財務省が主催しております第五十八回国債市場特別参加者会合の議事録によりますと、中央銀行が発行する国債の大半を購入する状況は正常ではなく、市場の価格発見機能及び流動性が低下する中、市場は外的ショックに対してもろくなっている面があるという意見があります。
 こういったことに関してどう思われます。
#185
○参考人(黒田東彦君) 国債市場の流動性ということにつきましては私どもも常に関心を持っておりまして、市場参加者との対話等を通じて、その問題については常に意見交換をし、状況を観察しております。
 現時点で国債市場のいわゆる市場流動性というものが非常に低下しているとか、問題が生じているということはないというふうに理解をしております。
#186
○大久保勉君 それは間違いです。日銀は公式に、前回の金融緩和に関しましては、国債の、債券の購入銘柄、特に長期国債を買うようにしました。これは流動性が枯渇する銘柄が一部出てくると、こういった対応だということを発表されています。ですから、日銀は相当追い込まれています。
 そこで問題なのは、中国の景気が悪化してリーマン・ショック並みの危機が起こった場合に日銀はどういう打つ手があるかということです。総裁、どうされます。
#187
○参考人(黒田東彦君) 金融政策につきましては、常に経済・物価情勢について上下双方向のリスクを点検して、二%の物価安定の目標の実現のために必要であればちゅうちょなく調整を行うという、これは常に申し上げているわけですけれども、今委員御質問の、仮にリーマン・ショックあるいはそれに相当するような規模のショックが起こった場合にどうなるかということでありますが、委員よく御存じのように、経済・金融市場のショックの様相というのは一つ一つ異なるものでありまして、どのような政策対応が適切かということを事前に申し上げることはできないと思います。
 ただ、二%の物価安定の目標を実現するために必要であればできることは何でもやるということでありまして、またそのために必要な政策手段は十分に有しているというふうに考えております。
#188
○大久保勉君 実は、昨日は別のことを言われました。中西委員の質問に対して日銀は、付利金利を下げることがあるかと言ったら、ないと。つまり、二つの矛盾があります。将来の何をするかに関してはっきりと発言することはないと言ったのに、金利を下げることはないと。いろんな手があるといっても、事実上は国債を買い増すしかないと私は思います。こういった矛盾がありますから、非常に脆弱であるということです。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 こういう状況でもし株式市場が更に下がった場合、どういう影響があるか。ここに関して、安倍政権になってどの程度株式が増えたかに関して、財務省理財局長、説明をお願いします。資料の方がありますので、これを見ながら。資料二です。
#189
○政府参考人(迫田英典君) お答えをいたします。
 国内株式の保有額につきまして、GPIFを所管する厚生労働省を始め関係省庁等において整理された資料に基づいて、平成二十四年十二月末の数字と平成二十七年九月末の数字の対比で申し上げますけれども、まずGPIFでございます。二十四年十二月末十四・五兆円、二十七年九月末は二十九・七兆円でございますが、この二十九・七兆円は二十七年度第二・四半期運用状況の運用資産別の構成割合及び年金積立金の全体額より機械的に算出をしたものだと承知をいたしております。この十四・五と二十九・七でございますので、この間の増減は十五・三兆円の増ということでございます。
 次に、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、日本私立学校振興・共済事業団の合計でございますが、二十四年十二月末五・五兆円、二十七年九月末八・七兆円、この間の増減は三・二兆円の増でございます。
 ゆうちょ銀行は、二十四年十二月末の保有額は不明とのことでございますけれども、二十七年九月末は二・二兆円でございます。
 次に、かんぽ生命、二十四年十二月末〇・二兆円、二十七年九月末一・二兆円、この間の増減は一兆円の増でございます。
 最後に、日本銀行でございますけれども、二十四年十二月末三・三兆円、二十七年九月末十・五兆円、この間の増減は七・一兆円の増ということでございまして、以上、ゆうちょ銀行を除いて合計をいたしますと、二十四年十二月末は二十三・五兆円、二十七年九月末は五十・一兆円でございますので、この間の増減は二十六・六兆円の増ということでございます。
 以上でございます。
#190
○大久保勉君 安倍総理に質問したいと思います。
 アベノミクスで株が上がりました。といいますか、アベノミクスで株を買い上げたということで、こういう理解でよろしいでしょうか。
 もし株が下がった場合、国民に大きい負担が発生します。年金が減る、若しくは保険料が上がると、こういったことが将来的に発生しますが、このことのリスクに関してどう思われますか。
#191
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 株価につきましては、これはあらゆる要素が反映されているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、最近の株価の変動につきましては、委員もおっしゃったような国際的な様々な要因が影響を与えているのではないかと、そうした評論があるわけでございます。
 そこで、例えば年金の積立金の運用につきましては安全かつ効率的に行うことが重要であるのは言うまでもないわけでありまして、株と国債はそれぞれ資産としての特性があり、単一の資産で運用するよりも、国内債券や株式等を適切に組み合わせた分散投資を行うことにより、リスクを抑えつつ、年金財政上必要な利回りをしっかり確保していくことが重要であると考えております。
 デフレから脱却をし、物価が上昇していく局面では、国内債券だけでは実質的な年金給付を確保することが困難となると予想されるわけでありまして、ポートフォリオの変更は、このような想定の下で、国内債券に偏っていた従来の基本ポートフォリオから株式等への分散投資を進めたものであります。
 変更前の基本ポートフォリオと比較して、長期的に見れば、変更前の基本ポートフォリオを維持した場合と比べ、年金財政上必要な積立金を下回るリスクは少なくなったと理解をしているところでございます。
#192
○大久保勉君 時間の関係で次に行きたいと思います。
 資料の三、四、五を御覧ください。これは内閣府地方創生推進室が作った資料です。その中で、自動走行に関して質問したいと思います。
 資料の四。自動走行に関しましては、自動走行の公道実証実験について、一定の条件の下、道路交通法第七十条に規定されている車両等の運転者に課されている安全操作履行義務等の適用を免除するという大きい目標になっています。
 その結果、資料の五というのがありまして、レベル4というのがあります。無人、つまり、全てロボットで車の運行をすると。実際に仙台市がこれに手を挙げています。これが東京オリンピック前に実現するといったことも閣僚が言っております。
 ここに関して、安倍政権の成長戦略、しっかりとIT若しくはこういった技術に対して注目している、これは私は評価したいと思います。ただ、本当に各役所の縦割りを調整してやっているか、ここに関して今日は質問したいと思います。
 そこで、石破担当大臣の方に質問しますが、完全自動走行に向けた国家戦略特区プロジェクトに関して、無人ロボットタクシーの交通事故における損害賠償、誰が責任を持つのか。また、ジュネーブ条約、既存の道路交通法、こういったことの整理はできているのか、質問したいと思います。
#193
○国務大臣(石破茂君) これは、責任は運転者が負うということになっております。これは挙証責任の転換がなされておるものでございまして、今回のこのような事案におきましても、それはいささかも変更はございません。条約の方が優先するというふうに考えております。法律よりも条約が優先するという立場に立って、今実証試験を行っておるところでございます。ですから、委員御指摘のレベル4というものを見据えた、視野に入れた完全自動走行に向けて今実証試験を行っておるところでございまして、現行法の枠内で実証を行っておるものでございます。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
#194
○大久保勉君 ということは、国家戦略特区と銘打っても、普通の、日本全国どこでもこの実験はできるということでよろしいでしょうか。
#195
○国務大臣(石破茂君) 現在、地域を指定してやっております。それは、復興の地域等々、そういうようなことに着目をして地域を指定をしておるものであって、全国どこにおいてもということも、それは理論的にはあり得ないことではございませんが、今回この地域において行っているものでございます。
 ですから、事は当然、交通の安全、そういうものに関わることでございますので、少しほかの特区とは趣を異にするところもあろうかと思っております。委員御指摘のように、ジュネーブ条約との関係もございます。レベル4を見据えてそういうような実証を行いませんと、レベル4の段階に到達をすることはございません。今の実証でいろんな知見を得ながら、レベル4を目指して努力をしてまいりたいと考えておるところであります。
#196
○大久保勉君 石破大臣は本当に正直な方です。
 ポイントは、特区と銘打って、さもすごいことをやろうとしていますが、どこでもできると。若しくは、本当に特区でしたら、条約を日本が主導的に変えていく、ジュネーブ条約を変えていく、若しくは国内法との調整をする、そこまでやってこそ戦略特区です。大臣の能力若しくは実力を評価したいと思います。そのためには、是非、本当のレベル4で運行できる特区をつくってください。残念ですが、安倍政権の成長戦略は、今のところは看板に偽りありですね。
#197
○国務大臣(石破茂君) いや、別に偽りの看板を掲げておるわけではございません。
 これは、我が国が主導してジュネーブ条約というものについて働きかける、改定を行うということも当然やっていかねばならないことであります。ただ、事が歩行者の安全、全体の安全に関わることでございますから、きちんとした実証をして、その上で条約の改正あるいは道路交通法の改正というのに取り組んでいきたい、これをやらなければ次のステップに行けないということであって、偽りの看板を掲げておるわけではございません。
#198
○大久保勉君 そう言っても、例えば、元部下でした小泉内閣府大臣政務官の資料にもレベル4を実現すると。
 例えば、議事録があります。近未来技術実証特区におけるプロジェクトに関して、例えば平副大臣は、第三回近未来技術特区検討会で、最初からレベル4なのです、今の枠組みの中で何をやろうかとなるとつまらない話になると。つまり、今レベル3とかレベル2だったら意味がないと、レベル4でやりましょうと言っています。でも、実際、役所等の調整ができていないんじゃないでしょうか。どうぞ。
#199
○国務大臣(石破茂君) 済みません、御説明の仕方が悪いのかもしれませんが、レベル3においてきちんとした知見を得たい、どのような状況で例えば歩行者がどのように出てくるか、あるいは対向車がどのように動くかということをきちんと実証した上で、なるべく早くレベル4に移っていかねばならない。ただ、レベル4になりますと完全自動運転でございますから、今までと概念が全く変わってまいります。ジュネーブ条約との整合も考えていかねばなりません。当然、道路交通法の改正というものも考えていかねばならないものであります。ですから、レベル3におきまして、今の実証実験におきまして可能な限りの知見を得て、安倍政権の成長戦略であります例えば自動走行というものに向けて、私どもとして力を尽くしていきたいと思っております。更なる御教導を賜りたいと存じます。
#200
○大久保勉君 成長戦略に関しては、フィンテック並びにガバナンス改革の質問も準備しておりましたのが、あと三分しか残っていませんので省略させてもらいまして、マイナンバーに行きたいと思います。
 高市大臣に質問します。
 日本郵政の速報によりますと、五千六百八十五万件郵送しましたが、約一割が返ってきたという状況です。総務省、今の状況に関して説明をお願いします。
#201
○国務大臣(高市早苗君) 総務省が行いました全市区町村を対象とした悉皆調査によりますと、一月十二日時点で約五千八百三十九万通の通知カードが送付されました。初回お届けで交付したのが五千二百四十八万通、返戻されたものが約五百九十一万通、返戻後、転出、死亡などが確認されたことによって廃棄されたものが約十二万通、そして交付、再度送付等を行ったものが約二百十六万通でございます。ということで、現在、市区町村に保管されている未交付の通知カードは約三百六十二万通、未交付率が六・二%となっております。
#202
○大久保勉君 三百六十万通が地方自治体にあるということです。これはいつまで保管して、もしその保管義務期間を超えたらどうされますか。
#203
○国務大臣(高市早苗君) この約三百六十二万通、六・二%の通知カードでございますけれども、この通知カードの送付はマイナンバー法の規定によりまして市区町村長の義務ということになっておりますので、各市区町村において、休日開庁、臨時窓口の設置、転送可能な普通郵便によって転居先に通知カードの受取についてのお知らせをするということで、今かなり返戻率は低くなってきております。
 そして、この通知カードの保管期間なんですが、特に東日本大震災の避難者の方々などは本人と連絡が取れずに通知カードを交付することが困難な事態もあると考えますので、少なくとも今年度末まではまず保管していただく、さらに、可能な限り御本人との連絡又は居所の把握が可能となるまで保管期間を延長するように各市区町村に要請をいたしました。
#204
○大久保勉君 こういった費用に対してしっかりと補正予算を付けるとか、地方自治体をしっかりと応援して、最後の最後まで国民に届けると、この努力をしてもらいたいと思います。
 続きまして、マイナンバーに関連して個人情報の問題がよく議論されました。
 例えば昨年五月、日本年金機構における年金情報漏れ、これは海外からのサイバー攻撃です。昨年の三月、私も予算委員会で質問したんですが、それに関連しまして、過去三年間の政府機関に寄せられましたサイバー攻撃の実態、特に大量情報流出など不審な通信が検知された件数に関して質問したいと思います。参考人お願いします。これは遠藤大臣ですね。
#205
○国務大臣(遠藤利明君) お答えします。
 内閣サイバーセキュリティセンターは、政府機関へのサイバー攻撃等について二十四時間体制による監視を行っております。この監視活動により政府機関への脅威と認知された件数は、平成二十四年度は約百八万件、平成二十五年度は約五百八万件、そして平成二十六年度は約三百九十九万件として、依然高止まりしている状況であります。
#206
○大久保勉君 大量情報の流出に関しては答えられましたか。
#207
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 大量の情報が漏えいする等深刻な事案になる可能性があるもの、つまり不審な通信を検知した際に、当該政府機関に対しまして私どもNISCから通報を行い、対処を促しております。その件数につきましては、平成二十四年度が百七十五件、平成二十五年度百三十九件、平成二十六年度は二百六十四件となっているところでございます。
#208
○大久保勉君 それに対して通知をした、対処されたところに関してはいいんですが、対処されなかった件数はありますか。ちゃんと処置されていない件数。
#209
○国務大臣(遠藤利明君) 委員御指摘の結果につきましては、いろんな不審な通信として通知される不正プログラムの解析情報の提供などを含め、いろんな必要な助言を行っておりますが、委員御指摘の結果通報については、万一対応が遅い場合には当該省庁に対し督促をしてきており、その結果、NISCに対して全て報告されております。
#210
○大久保勉君 一番問題なのは、日本年金機構、通知したんだけれども適切に処理しなかった、その結果大量の情報漏れと、こういったことが起きないように是非頑張ってもらいたいと思います。
 実は、国会の方でサイバーセキュリティ基本法というのを通しております。これに基づいてNISCが監査をすることができるようになっております。この監査の現状に関して、また監査の結果、二十三省庁中十省庁に対していろいろ監査しているということでありますが、様々な知見が出てきたと思いますが、このことに関して開示をお願いしたいと思います。
#211
○国務大臣(遠藤利明君) お答えします。
 NISCによるサイバーセキュリティー対策の監査としては、政府統一基準に基づいて各府省庁が策定、運用するセキュリティーポリシーを適切に運用できる体制等が整備されているかどうかの検証を行うこと等を目的としたマネジメント監査があります。当該監査における助言等を通じ、各省庁におけるサイバーセキュリティー対策の強化、自律的かつ継続的な改善の実施を支援をしております。今委員御指摘のように、全ての府省庁に対する監査を実施する予定ですが、本年度は十省庁程度について実施しております。
 なお、本年度これまで実施した監査を踏まえますと、例えば各府省庁においてサイバーセキュリティーを担当する人材の数や専門的知識等の不足、サイバーセキュリティー対策を着実に進めるための推進体制の強化等が課題であると認識しております。
 今後、各府省庁におけるセキュリティー人材の育成、確保等について、積極的かつ速やかに取り組んでまいります。
#212
○大久保勉君 最後になりますが、アベノミクスの成長戦略の一つとしまして、法人税の引下げというのがございます。法人税三〇%を二九・九四%に下げると。
 本当にその必要があるかに関して議論したいんですが、主税局長の方に、現段階で実質的にどの程度税金を払っているか、主要十社に関して説明をお願いしたいと思います。
#213
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 利用可能な直近二十五年度の法人税、国税でございますが、それにつきまして、議員のお求めに応じまして、建設業、化学工業などの八つの業種ごとに利益の計上法人のうち売上金額上位十社のデータを集計をいたしました。
 それを基に税引き前の利益に対する法人税の割合を計算をいたしましたところ、業種によりまして当然ばらつきがございます。例えば、電気機械等の製造業であれば八・一%、総合商社を含む卸売業であれば八・六%、金融保険業でありますと二一・〇といったような結果となっているところでございます。
#214
○大久保勉君 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、次、しっかりと議論したいと思います。
#215
○委員長(岸宏一君) 以上で大久保勉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#216
○委員長(岸宏一君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
#217
○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
 まずは、補正予算の早期執行の必要性に関しまして伺います。
 安倍総理は、一月四日の国会召集と同時にこの補正予算案を国会に提出されました。予算案は、アベノミクス新三本の矢を一刻も早く実現させるために必要な、バランスの取れた予算案となっています。
 少子高齢化に対応するため、希望出生率一・八の達成には保育所の整備や保育士の増員は欠かせません。十万人の方が介護のために離職している現状を改善するために、介護サービスの基盤整備に関する予算も計上されています。
 TPP対策や軽減税率対策も待ったなしの状況であり、平成二十七年度補正予算は早期かつ着実な執行が求められると考えられ、政府を挙げてお取り組みいただきたいと思っていますが、安倍総理の御決意をお聞かせください。
#218
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣は、これまで三年間の成果の上に新たに一億総活躍社会の実現という大きな目標を掲げ、GDP六百兆円に向けて、少子高齢化という構造的課題に真っ正面から取り組むことといたしました。
 この方針の下、今般の補正予算では、保育や介護のための施設の整備や人材確保など、一億総活躍社会の実現に向けた対策第一弾として、希望出生率一・八の実現、介護離職ゼロの目標達成に直結する施策を実行することとしています。
 また、昨年十月のTPP協定の大筋合意後、多くの中小企業や農林水産業者から、TPPを活用した海外展開の準備を進めたい、是非支援をしてほしい、あるいはまた体質強化策を早期に示してほしいという声が上がっています。こうした声を受け止めまして、できるだけ早く対応を行っていくため、補正予算において、TPPの活用促進や攻めの農業への転換に資する施策を盛り込んでいるところであります。
 さらに、二十九年四月の軽減税率制度の導入、運用に当たって混乱が生じないように万全の準備を進める必要があります。補正予算において百七十億円を計上し、事業主に対する制度の周知徹底や相談への対応等を丁寧に行うこととしているわけでありまして、これらの施策を含め、まさに待ったなしのものであり、速やかに実施してまいりたいと考えております。
#219
○河野義博君 早期かつ着実な執行をお願いいたします。
 次に、財政健全化との関係についてお伺いします。
 補正予算の財源は、景気回復などによる税収の増加や前年度剰余金を充てようとしております。あわせて、国債の発行も減額する内容となっており、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化という財政健全化の目標にも資する予算案となっています。
 そこで、改めて本補正予算案は財政健全化にもしっかりと配慮した予算であること、国民に改めて安倍総理から御説明ください。
#220
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権においては、厳しい財政状況の下、社会保障制度を持続可能なものとして次世代に引き渡していくとともに、国の信認を確保していくため、デフレ脱却、経済再生に全力で取り組みながら財政健全化を着実に進めてまいりました。
 二十七年度補正予算においてもこの方針は全く変わっていません。アベノミクスの果実である税収増等を財源として必要な経費を賄っており、新規国債発行額については二年連続で減額するとともに、基礎的財政収支の赤字半減目標もしっかりと堅持をし、今年度はこの目標を達成する予算を組みました。
 本補正予算は、財政健全化にしっかりと配慮しつつ、日本の重要課題の解決に向けた必要な施策を講じるものであり、こうした点について国民の皆様に是非御理解をいただきたいと考えております。
#221
○河野義博君 次に、福祉臨時給付金に関して伺います。
 安倍内閣の掲げる一億総活躍社会は、国民全てが輝ける社会の実現を目指すものです。現役で働いている方はもちろん、高齢者の方や低年金受給者の方も全てがアベノミクスの成果を受けなければなりません。
 今回計上された年金生活者等支援臨時福祉給付金は、賃上げの恩恵が及びにくい方々に配慮したものであり、個人消費を下支えして景気の活性化にも役立てようとするものであり、安倍総理は御答弁の中で、来年四月の消費税率引上げの際に低所得者への福祉的な措置として年間最大六万円を支給する年金生活者支援給付金の前倒し的とも位置付けられるというふうに御答弁されておられますが、想定されるその具体的な効果をお示しいただいた上で、改めて、年金生活者等支援臨時福祉給付金は何のために実施するのか、その意義につきまして、総理から御説明ください。
#222
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたわけでございます。力強く経済を成長させてきたこの三年間ではあったわけでございますが、先般の消費税の引上げにおいて、消費には大きな影響があったわけでございます。
 そして、今年前半にかけての個人消費の下支えを行っていく必要、これは、GDP六百兆円の実現に向かって進んでいく上においても必要でありますが、経済の下振れリスクにも対応する必要があるわけであります。
 また、現役世代には我々の政策によって十七年ぶりの賃上げ率となって恩恵が行き渡っている、現役世代には行き渡っているわけでありますが、一方、こうした恩恵が及びにくいのは高齢者の皆さんであります。
 本来であれば、デフレであれば年金はデフレによってスライドさせて減額をさせなければならなかったわけでございますが、これは長い間それをやってこなかった。これを、やはり年金の安定性、持続性のためにはこれをしっかりとルールどおりにやらなければいけないと、こう判断をいたしまして、今回、特例水準の解消を行った、先般ですね、この特例水準の解消を行ったために年金額は伸びなかったのも事実であります。
 また、一般的には高齢者層は他の年齢層に比べ消費性向が高い傾向にあるわけでありまして、こうした点を踏まえまして、アベノミクスの果実を活用し、低所得の高齢者に対し一人三万円の臨時福祉給付金を支給することとしたわけでございます。これは、借金をして給付金を出すのではなくて、まさに我々の経済政策によって得た果実を、この果実が及びにくい人々に給付をしていく、さらにそれは消費の下支えにもつながっていくという意味におきましては、これはミクロの政策からいってもマクロの政策からいっても正しいと、こう考えているわけであります。
 今回の給付金は、社会保障・税一体改革の一環として平成二十九年四月から始まる年金生活者支援給付金の前倒し的な位置付けになるものであります。我々は、こうした考え方についてもしっかりと丁寧に説明していきたいと考えております。
#223
○河野義博君 マクロ的にもミクロ的にも正しい政策であるというふうな御説明をいただきました。
 最後に、復旧復興、防災・減災の観点から伺います。
 東日本大震災の発生から間もなく五年がたとうとしています。被災地では、復旧復興はまだ道半ばというのが実情です。補正予算案では、東日本大震災復興特別会計に対して一千億円余りの復旧復興予算が追加されました。産業を再生し、被災した事業者の方々の自立を支援するための事業費に充てられると伺っております。
 また、近年、自然災害が激甚化をしております。昨年九月の関東・東北豪雨では、鬼怒川は氾濫し、多くの犠牲者を出しました。今回の補正予算案では、台風、豪雨災害等に係る復旧事業費などとして一千百二十四億円が計上されています。また、防災・減災のための対策費として二千六百四十二億円が計上されるなど、国民の安全、安心を守るために必要な措置が施されています。
 一方で、手厚い予算が組まれているといいましても、実際にそれが事業として進まなければ国民の生活を守ることはできません。政府が一体となって、スピード感を持って、災害からの復旧復興、防災・減災に取り組む必要があると考えております。
 災害大国とも呼ばれている我が国でございます。国民の生活を守り、安心、安全を確保するため、総理の決意を最後にお伺いして、質問を終わります。
#224
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 様々な災害から国民の生命と財産を守るために、常に最新の科学的知見を取り入れつつ的確な体制整備を行うとともに、あわせて、情報伝達や防災訓練などの対策を適切に組み合わせることが重要であると考えています。
 場所を問わず様々な自然災害が発生しやすい我が国において、大切なことは、発生した災害から得られた貴重な経験を踏まえ、迅速に制度を見直していくとともに、決して風化させることなく、総合的な防災対策を不断に見直しをしていくことであります。
 今後とも、私が国のリーダーとして先頭に立ち、政府一丸となって安全、安心を確保すべく、自然災害への対策に万全を期していきたいと考えております。
#225
○委員長(岸宏一君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#226
○委員長(岸宏一君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
#227
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 昨日の続きです。
 麻生大臣、冒頭で御説明ありましたが、総務省の家計調査は消費実態の六割程度しか把握していないということになるわけですね。これちょっとにわかに信じ難いんですけど、ということは、逆に、今まで家計調査を基にした統計、様々ありましたが、これは実態に合わない数字だったということになるわけですね。
 この間、我が党の議員が、増税した場合、どれだけ負担増になるのかを質問して、私もしましたが、これは実態に合わせるとどういう数字に変わるんでしょうか。
#228
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税の軽減税率制度の減収額見積りについてということなんだと思いますが、消費税収の実績に見合った減収額を求めるとの考え方の下で、消費税収の減収額から政府の負担額などを控除して、これに家計調査から推計したいわゆる課税、何て言うの、消費支出額に占めますいわゆる軽減税率対象の消費支出額の割合を乗じるということで、これによって一兆円程度と見込んでおるというのがいわゆる我々財務省側の考え方であります。
 なお、家計調査の一世帯当たりの消費支出額に世帯数を乗じて算出した消費総額というのは百三十五兆円程度であるということなんですね。それで、家計調査の対象としている消費支出に係る税収から推計した消費総額二百二十五兆円程度の約六割と、今言われた程度になりますので、この相違は、家計調査が国民生活におけます家計構造を明らかにすることを目的としたサンプル調査ということに基づく統計であるといったことによるものではないかと考えられるというところであって、これは正確にまだ、これ正直、分析ができているわけではありませんので、そういったものが考えられると申し上げておきます。
 このため、家計調査に基づきます総世帯一人当たりの負担軽減額四千八百円程度に人口約一億三千万人を掛けました場合に〇・六兆円程度となりまして、先ほど申し上げました消費税の軽減税率制度導入によります減収見込額一兆円程度とはならないということになってくるということで、掛ける基の数、百三十五と二百二十五の違いから出てくるんだと思っております。
 今国会におきましては、この消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人世帯以上の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など様々な前提でお尋ねをいただいてきたところですが、こうしたお尋ねに対しましては、世帯の負担についての御質問でしたので、世帯の消費捻出の状況などを示す統計であります家計調査の計数をそのまま用いて算出した世帯ごとの消費税負担額の変動としてお答えをしてきたところであります。
 したがいまして、利用可能な統計を活用してお尋ねの内容に最大限お答えするように努めてきたところではありますけれども、今後、どのような統計を使って説明したのかということに関しては、もう少し丁寧にこの統計を使ってこう説明したということを申し上げぬといかぬのかなと思っております。(発言する者あり)
#229
○委員長(岸宏一君) 麻生財務大臣。
#230
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、割り戻したらの話、済みません、間違えました。
 この国会におきましては、消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人以上世帯の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など様々な前提でこれまでお尋ねをいただいてきたところですが、我々はそれに対しまして、世帯の負担についての御質問でしたので、世帯の消費支出の状況などを示す統計であります家計調査というものの計数をそのまま用いて算出いたしました世帯ごとの消費税額の変動などをお答えしてきたところですが、このような形でやりました結果、今回差異が出てきたところだと思いますが、今後、どのような統計を利用したかを含めて更に丁寧に説明したいと考えておりますが、なお、お尋ねのように、総世帯の一世帯当たり及び一人当たりの消費税負担増減額につきまして、消費税収の見込額、税率一%当たり約二・七兆円及び軽減税率導入によります減収見込額一兆円程度を世帯数や人口で除すということなどによりまして機械的に算出をすると、軽減税率制度を導入して標準税率を一〇%に引き上げることによる負担増は一世帯当たり六万二千円程度、一人当たり二万七千円程度ということでありまして、軽減税率の導入によります負担軽減額は一世帯当たり一万八千円程度、一人当たり八千円程度になるものと見込まれるということであります。
#231
○小池晃君 全く数字違いますよね、今までの説明とは。
 今、それと、要するに食料品、新聞を軽減税率の対象とした場合の負担増はどうなりますか。
#232
○国務大臣(麻生太郎君) 六万二千円から一万八千円を引いた差になりますので、四万四千円ということになるということだと存じます。(発言する者あり)
#233
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#234
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 麻生財務大臣。
#235
○国務大臣(麻生太郎君) 六万二千円に一万八千円を足しまして八万円ということになります。
#236
○小池晃君 だから、今まで、一世帯当たり、答弁としては三万五千円と言っていたんですよ、一世帯当たり三万五千円と。これ、全然違う数字じゃないですか。
 ちょっと、三万五千円に対応する数字は幾らですか、じゃ。言ってください。三万五千円に対応する数字は新しくなるとどうなるんですか。
#237
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#238
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
#239
○国務大臣(麻生太郎君) 三万五千円と申し上げた分が、今の申し上げている数字では六万二千円ということになる、六万二千円ということになるんだと存じますが。
#240
○小池晃君 いや、だから、結局全然違うということになるわけですね、これ、衆議院でも答弁してきたことと。要するに二倍近いじゃないですか。
 総理、今までこの数字出てこなかったんですよ。こういう形で実際の負担を小さく見せかけてやってきたことの責任、重大じゃないですか。
#241
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会においては、消費税の軽減税率制度の家計への影響として、例えば二人以上世帯の収入階級別の一世帯当たりの消費税負担軽減額など様々な前提でお尋ねをいただいてきたわけであります。こうしたお尋ねに対しては、世帯の負担についての御質問であったので、世帯の消費支出の状況などを示す統計である家計調査の計数をそのまま用いて算出した世帯ごとの消費税負担額の変動等としてお答えをしてきたところであります。
 このように、利用可能な統計を活用してお尋ねの内容に最大限お答えするよう努めてきたところでありますが、今後は、どのような統計、これは財務大臣からお答えをしているわけでありますが、どのような統計を活用したかを含め、丁寧に説明してまいりたいと思います。
 なお、お尋ねのように、総世帯の一世帯当たり及び一人当たりの消費税負担増減額等について、消費税収の見込額、税率一%当たり二・七兆円及び軽減税率導入による税収見込額一兆円程度を世帯数や人口で除すこと等により機械的に算出すれば、先ほど麻生大臣から答弁させていただいたとおりでございますが、いずれにせよ、いずれにせよ、これは、それぞれの質問に対応してお答えをしてきた数字ということで、家計調査をその場合は用いたのでございますが、総額においては、先ほど申し上げましたように一兆円で間違いないだろうと、こう考えているわけでございます。
#242
○小池晃君 これは、今のは開き直りひどいですよ、はっきり言って。だって、機械的な試算だと言ったかもしれないけれども、実態とはこんなに違いますよなんということは一切メンションしていないですよ。これが負担増だってやってきたじゃないですか。責任認めてくださいよ。
#243
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは機械的に、まさに機械的に計算したものであるということはお伝えをしている、答弁でそう申し上げているわけでございます。言わば、九千ですから、約九千のサンプルから全体を見ていったものと、まさにその中において、これは機械的にお示しをしていたわけでございます。
 他方、一兆円というものにつきましては、先ほど申し上げましたように、これは言わば実数として、この八%のときの実績から考えてお答えをしているわけでございます。
#244
○小池晃君 私は、こういうことを言われたら、政府の答弁とか統計とかって信用しないでくれということになると思いますよ、国会でのね。
 それから、ちょっと混乱しちゃったけど、一人当たりの負担増は一万四千円程度と答弁していたのは、じゃ、幾らになるんですか。ちょっと整理して答えてください。
#245
○国務大臣(麻生太郎君) 一万四千円と申し上げていたものが二万七千円ということになるんだと存じます。
#246
○小池晃君 結局、もう全部二倍あるいは二倍近いということなんですね。本当にこれひどい話だと思いますよ。こんな形で国会に説明してきて、それでもう採決だなどということをやっていいのだろうかというふうに思いますよ。
 それから、一兆円は間違いないんだと言うけれども、逆に、ちょっとまた疑問になってきたのは、内閣府の国民経済計算で家計最終消費支出の項を見ると、平成二十六年、食料・非アルコール飲料は四十兆六千七百十億円なんですね。財務大臣、聞いていてください。四十兆円なんですよ、財務大臣。これだと二%で八千億円ですね。これもまた一兆円と合わないじゃないですか。これはどう説明されるのか。
#247
○委員長(岸宏一君) 小池さん、もう一回ちょっと、じゃ、財務大臣、今ちょっとあれだったから、もう一回やってください。(発言する者あり)
 じゃ、速記を止めて。
   〔速記中止〕
#248
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
#249
○国務大臣(麻生太郎君) 今の御質問ですけれども、これは多分、内閣府と財務省との統計の取り方が違っているとしかお答えのしようがありませんですね、今の段階では。
#250
○小池晃君 どうなっているんですか。だって、これGDPの基礎でしょう。じゃ、国民経済計算も実態に合っていないんですか。
#251
○委員長(岸宏一君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#252
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
#253
○国務大臣(麻生太郎君) 財務省の場合は、これは税収から逆算をしてこういった形で申し上げてきているんだと思いますが、内閣府の場合は様々なものを統計から逆算をして推計して形をつくってきておりますので、前提条件がかなり差があるから結果としてこういう形になってきているのかなと、今の段階ではそれしか申し上げようがありません。
#254
○小池晃君 こんなの駄目ですよ。だって、同じ政府ですよ。同じ政府の内閣府の数字と財務省の数字がこう来たら一緒にならないという、こんな、政府であり得ますか。これは説明になっていない。
#255
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#256
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
#257
○国務大臣(麻生太郎君) 小池先生のお話の、今御質問なので、いろいろ御疑問を持たれているんだと思いますけれども、いわゆる国民経済計算から我々が出してきた推計とか、我々、予算によって若しくは税収によって出てきた額から逆算したものとでは、我々、税収から取ってきたものの方が基本的には、一兆と申し上げておりますけれども、この方が基本的には正しい、常に正しいものなのだと私どもがそう思ってこれまでもやってきておるのは御存じのとおりであります。
 今言われましたような、いろいろな、国民経済白書からの推計とかいわゆる家計調査からの推計というものとの間に差が出てきているということだと思いますが、我々は実入りで、入ってきた税収から逆算をして申し上げてきておりますので、我々の申し上げている数字の方がきちんと合っているんだと、そうだと、私どもはそう思っております。
#258
○小池晃君 GDPの基礎になる数字が、じゃ、正しくないとおっしゃっていることになりますよ。それでいいんですか。
#259
○国務大臣(麻生太郎君) 我々はGDPを直接やっているわけではありませんけれども、いわゆる内閣府でやっておられるGDPの計算というものは、それはGDPの計算というものに対して我々が直接それを計算しているわけではありませんが、私どもは、このことに関しましては少なくとも税収から見積もって逆算をしておると思っておりますので、私たちのは実質の数字でございますので、私たちの数字の方がきちんとしておると、そう思っております。
#260
○小池晃君 軽減税率、本当に一兆円なのか、一兆円が家計に届くのか、私、本当に疑問になってきますよ、これ。これはやっぱり重大問題だというふうに思う。
 それから、総理は昨日、来年四月の一〇%引上げは、引き上げられる環境をつくっていくと言いました。じゃ、今はその環境にないということですか。
#261
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この引上げが行われるのは来年のことであります。ですから、今年はまだ、言わば例えば、我々政権を取って四年目に入るわけでありますが、一年目、二年目、三年目と賃上げが実現をしました。特に、二年間は高い水準の賃上げを得ることが、賃上げを実現することができました。
 そしてまた、今年四月に賃上げをして、来年また更に四月にしっかりと賃金が上がっていくという環境をつくるという意味において環境をつくっていくということを申し上げたわけでありまして、そして同時に、投資が進んでいく、設備投資等が進んでいく状況をつくっていく中において引上げを行っていく。ですから、来年の時点のことと今の時点のことを、これ同じ条件で比較することはできないわけでございます。
#262
○小池晃君 来年どれだけ賃金が上がったら環境できるんですか。
#263
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、今我々が達成をしているというこの高い水準の賃上げを目指していきたい。
 つまり、なぜ今年と来年が比較できないかといえば、それは三年連続と四年連続になっているかどうかということでございまして、三年連続になっているからといって四年連続とは違うわけでありますから、しっかりとそうした環境をつくっていきたいと、こう思っているところでございます。
#264
○小池晃君 今年の四月も来年の四月も実質賃金が上がらなければ環境はできないということですね。
#265
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今年の四月は高いこれは水準で賃上げが実現できるのではないかと、こう見込んでおりますが、来年も是非そういう環境をつくっていきたいと考えています。
#266
○小池晃君 リーマン・ショックのような事態と言うけれども、これ、分かったようで分からないんですよ。どういう事態なんですか。
#267
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済がこれは緊縮をしていく危険が生じるという、そういうショックであったと、こういうことではないかと思います。
#268
○小池晃君 それじゃ分からない。具体的にはどういう事態なんですか。今だって株価はどんどん下がっていますよ。これは違うんですか、じゃ。
#269
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一定の株価の、例えば株価の変動幅ということのみではなくて、まさにこれは世界経済の収縮ということが実際に起こっているかどうかということについて、これは専門的な見地からこれは分析をし判断をしていかなければならないと思っております。
#270
○小池晃君 今言われたことをちょっとよくこれから見守っていきたいと思いますが、私は、今のような情勢、これから今のこの経済情勢でいけば消費税増税するような環境には絶対ならないというふうに思いますよ。しかも、増税の問題、これだけでたらめな数字が出てくる。これではもう議論にならないと。
 こんなことを放置したままこの補正予算を採決することだって私は許されないと思うし、これからの議論の中で徹底的にこの問題は追及していくということを予告をしておきたいというふうに思いますので、これで質問を終わります。
#271
○委員長(岸宏一君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#272
○委員長(岸宏一君) 次に、川田龍平君の質疑を行います。川田龍平君。
#273
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 いわゆるこの一兆円の軽減税率、その九割は年収三百万円以上の方に恩恵が行ってしまう、また、半分の五千億円は年収五百万円以上の方に行ってしまうということが財務省の試算で明らかになっているということですが、総理も同様の認識でよいですね。
#274
○国務大臣(麻生太郎君) 川田先生の御指摘は、この軽減税率によります負担軽減額に着目をしておられて、例えば今言われました、全体のうち約五割が年収五百万円以上の世帯に対するものであるということをもって軽減税率が低所得者対策としてはいかがなものかという御疑問をお持ちなんだと思っておりますが、これは、逆進性というのをいわゆる軽減額ではなくて、収入を得ておられる方々、それ一人一人違いになるんですが、その収入を得ておられる方々のいわゆる負担の割合というもので考えるべきものなんだと思っております。
 その点で、今般の酒類とか外食を除きます飲食料品などを対象とした軽減税率を導入するということによりまして、いわゆる消費税負担の割合というのは、家計調査というものを基に計数で一定の前提を置きますけれども、機械的に換算をいたしますと、千五百万円以上の世帯につきましては、二・五%から〇・一下がって二・四%ぐらいの負担割です。また、収入が二百万円未満の方にいきますと、これは七・二%から六・七%と、いわゆる〇・五という割合で下がるという計算になろうかと思いますので、所得の低い方の方が負担軽減の割合は大きいということを我々としては考えておりまして、やっぱり額もありましょうけれども、割合の点も考えていただかないかぬところかと思っております。
#275
○川田龍平君 総理もそのような認識でしょうか。
#276
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 財務大臣と同じ認識であります。
#277
○川田龍平君 この額については、やっぱり年収一千万円以上の方に一千億円以上の財源が使われてしまうという試算もあるので、全く低所得者対策とは言えないと思います。
 さらに、問題は財源にあります。
 この一兆円の財源のうち四千億円は総合合算制度の導入に予定していた予算を振り分けるとのことですが、総合合算制度は、三党合意の段階では元々社会保障の充実策の一環として検討されていたということでよろしいですね。
#278
○国務大臣(甘利明君) 三党合意におきましては、社会保障・税の一体改革における社会保障の充実の個別の項目や範囲といった詳細な事項は明示されておりません。
 その上で、税制抜本改革法におきましては、低所得者に配慮する観点から、総合合算制度、給付付き税額控除及び軽減税率について検討することとされ、仮に総合合算制度を実施することとなれば、社会保障の充実に含まれ得る一つの候補であったわけでありますが、当初から社会保障の充実として実施することが決まっていたわけではありません。
 いずれにいたしましても、税制抜本改革法における低所得者対策として軽減税率制度を導入することとしたものでありまして、今回の総合合算制度の見送りは、実施を決めていた施策を取りやめるといったことではないと思います。
#279
○川田龍平君 このいわゆる軽減税率はとても社会保障の充実の一環とは呼べないわけで、そうすると、社会保障を削って、この社会保障の充実を一部取りやめていわゆる軽減税率を行うということになります。つまり、いわゆる軽減税率の財源には社会保障予算を削って充てるんだということで、この充実が四千億円減って、この社会保障の充実が四千億円減って、二・八兆円ではなく二・四兆円になってしまうのではないでしょうか。この配付資料の一の一番左側の使途のところを御覧ください。総理、いかがでしょうか。
#280
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、重点化、効率化によって生み出すことができるかどうかということでありますが、現時点においては〇・四兆円を重点化、効率化によって生み出したわけでございまして、つまり、二・八兆円とは別に〇・四兆円の効率化、重点化による財源を得たわけでございまして、そこで、この〇・四兆円は二・八兆円とは別ということでこの軽減税率の対応の一部に充てていくということになるわけでありますが、これは、そのことによって二・八が二・四になるわけではないということは明確にしておきたいと思います。
#281
○川田龍平君 この社会保障改革プログラム法に基づく重点化、効率化、これによってちょうど四千億が生み出せるということですけれども、いわゆる軽減税率の財源に充てた同額を賄えるのでこの二・八兆円の社会保障充実予算が工面できるということですね。
#282
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この〇・四は、今申し上げましたように、重点化、効率化をしっかりと行うことができるかどうかということで検討を始めた結果、重点化、効率化を行うことができるという中において、この〇・四ということが二・八とは別に確保されておりますので、二・八を削り込んでいくということはないということでございます。
#283
○川田龍平君 では、この重点化、効率化四千億円の中身は何かといえば、この配付資料の二を御覧ください。サラリーマンの全面総報酬割で二千四百億円、さらに、介護保険利用者負担の引上げで四百億円、特養入所者の補足給付の見直しで三百五十億円、入院時の食事代の見直し四百億円などなど、全部これ国民の負担じゃないですか。総理、いかがですか。
#284
○国務大臣(塩崎恭久君) 川田議員に釈迦に説法でありますけれども、この社会保障は、当然のことながら、保険料収入と税と自己負担で成り立っている助け合いの仕組みであるわけであります。したがって、それは、今三つの財源のどれかの負担でもってやっていただくということになるわけですから、それを決めるのがこの国会ということだと私は理解をしております。
 その意味で、今お話がありましたが、原則は、負担能力に応じた負担をするというのが大原則だというふうに思っています。したがって、この重点化、効率化についても、所得の低い方々にはきめ細かく配慮し、そして負担能力に応じた負担をお願いするということで、今の例えば全面総報酬割の問題についても、報酬の高い方には御負担を増やすことになりますが、逆に、報酬水準の低い被用者保険者の御負担は減少するという格好になりますし、それから、介護保険の自己負担の一割から二割への引上げも、もちろんこれは高齢者の世代内の負担の公平化を図るということで、負担能力の高い一定以上の所得の方に御負担をいただくということにしています。
 そして、これまで既に所得の低い方々に対しては、消費税財源を活用して、平成二十六年度から国民健康保険料の軽減の拡充も行ってまいりました。平成二十七年度からは介護保険料の軽減の拡充、これも行ってきていまして、国民に一方的に負担を押し付けるんじゃないかというお話でありましたけれども、先ほど申し上げたとおり、能力に応じて御負担をいただくということをこの三つの財源の中から考えてまいったと、こういうことでございますので、引き続き、この社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たしていくために、必要な給付が適切に行われるように、制度の重点化、効率化には取り組んでいかないといけないというふうに思っております。
#285
○川田龍平君 これ以上総理には答弁を求めませんが、総理はこの軽減税率の財源のために医療や福祉といった社会保障予算は削らないと度々強弁していますが、サラリーマンの保険料アップや入院時の食事代の負担を国民に押し付けるということで四千億円をひねり出して、巡り巡って高額所得者にもメリットの大きい、多い、いわゆる軽減税率を実現することになったのではないでしょうか。これでは何のためのいわゆる軽減税率なのかと。これは据置きだという話もありますが、国民を欺いてはならないと思います。
 次に、時間がありますので、公害の問題について質問させていただきます。この公害も命の問題です。
 熊本県が水俣病被害者の救済に係る特別措置法による処分結果を公表しましたが、特措法の定めている対象地域外で救済されたのは、一時金等該当者、療養費対象該当者、それぞれどれくらいになりますでしょうか。
#286
○国務大臣(丸川珠代君) 一時金の対象者が約三千百名、療養費対象者が約七百名の方が救済対象となりました。
#287
○川田龍平君 先ほども政府の統計の数字が問題となりましたけれども、この数字は、水俣病の健康被害が行政や加害企業の想定をはるかに上回り、いまだに大量の水俣病被害者が存在することを明らかにし、特措法のデータに基づく新たな救済の仕組みが求められていると考えます。そのためには、まずは特措法による処分結果を市町村ごと、地区ごとに詳細に分析して検証することが水銀暴露の実態と被害状況という水俣病の全容解明にとっても被害者救済にとっても極めて重要であり、加害者たる国と熊本県の責任ではないでしょうか。
#288
○国務大臣(丸川珠代君) 委員御承知のことと思いますけれども、既にこの特措法の結果について判定作業を終えた熊本県及び鹿児島県においては、その詳細を公表しております。
 どのような基準でどのような公表をするかということについては県の判断を尊重したいと思いますが、一方で、全容の解明に向けた取組というものは国としても引き続き行っておりまして、特措法には、政府が、メチル水銀が人の健康に与える影響等に関する調査研究を行う、その実施のため、まずは手法の開発を図ると定められておりますので、国としては、これらの手法の開発に向けて研究を行っているところです。
#289
○川田龍平君 県が一九七〇年代に行った健康調査で感覚障害を訴える住民の割合が八代海や有明海の沿岸で最も高かったことが、このほど国立水俣病総合研究センターの医学的な分析で分かりました。当時の調査を受け、汚染の広がりを詳しく調べていたら、狭い門戸の誤った認定基準が作られることもなかったのではないでしょうか。国や県は被害実態を把握していたのに隠してきたのではないでしょうか。
#290
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘の住民調査は、熊本県が昭和四十六年から四十九年度に水俣湾の周辺地区、有明海の沿岸地域、八代海沿岸地域の全三十四市町村、およそ八万六千人を対象に実施をしたものです。この調査結果は昭和四十八年から五十年版の熊本県の公害白書に掲載をされておりまして、その詳細な報告書も求めに応じて提供していたと熊本県からは聞いておりまして、隠していたというような事実はございません。
#291
○川田龍平君 また引き続き委員会の方でも取り上げていきたいと思います。
 ありがとうございました。
#292
○委員長(岸宏一君) 以上で川田龍平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#293
○委員長(岸宏一君) 次に、東徹君の質疑を行います。東徹君。
#294
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。
 まず最初に、平成二十七年度補正予算に入っております、少子化対策としてのUR賃貸住宅における近居割、家賃減額の制度について簡単に説明をお願いいたします。
#295
○国務大臣(石井啓一君) お答えをいたします。
 UR賃貸住宅における近居の促進といたしまして、子育て世帯、高齢者世帯等と支援する親族の世帯がUR賃貸住宅に近居する場合、新たに入居する世帯の家賃を、従来、五年間五%割引であったものを二〇%に拡充をするということでございます。また、ニュータウンなどの地域では、近居割ワイド、一方の住宅がUR賃貸住宅以外でも可能だということを実施するところでございます。
#296
○東徹君 これがなぜ少子化対策なのかというふうに思うわけですね。四十六億円を掛けてやるわけですけれども、これ、効果はどのように考えておられるんですか。
#297
○国務大臣(石井啓一君) 一億総活躍国民会議の取りまとめにおきまして、三世代同居、近居の環境づくりが位置付けられております。
 これを受けまして、先ほど申し上げたUR賃貸住宅の近居割の減額幅を拡充し、近居する世帯の家賃負担の軽減を図るところでございます。これで約七千六百世帯分の家賃の減額を行う予定としておりまして、これに関連する予算額として四十六億二千百万円を計上しているところでございます。これらによって子育てをしやすい環境づくりにつなげることにより、出生率の向上に寄与できるものと考えております。
#298
○東徹君 これは三世代同居というわけではありませんし、また、少子化対策というのもちょっと理解できないんですね。これは単なるURの賃貸住宅の空き家対策でしかないんじゃないですか。
#299
○国務大臣(石井啓一君) 近居によりまして、三世代近居によりましてやはり子育て支援をしていただく家族を増やすということで、これが子育て支援、子育てをしやすい環境づくりにつながるという考え方でございます。
#300
○東徹君 環境をつくるとおっしゃいますけれども、実際に本当にそれでもって少子化対策が進むのかどうかというのはこれは分からないわけでありまして、きちっとそれに結び付くようなことに本来予算を使っていただきたいと思います。
 今回ずっと質疑を聞いておりまして、やはりどこの会派も言っておられましたのが子供の貧困対策ということであります。日本では子供の六人に一人が貧困ということでありますけれども、これ、貧困対策として、一つやっぱり教育ということが非常に大事だというふうに思います。
 例えば、これ資料に配付させていただいておりますけれども、大阪府では、約二百億円の予算を掛けて、一定の所得制限を、基づいて、私立高校、私立の高校の授業料無償化制度というのをやっております。これ、全国で進めても二千九百億円程度というふうに思いますが、これを全国にやっぱり進めていく、取り組んでいくということが必要じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#301
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 大阪府の取組は、大変意欲的な取組であるということで高く評価をしております。しかし、今おっしゃったように、財源の問題があります。全国で展開するとなると、それ相当の安定的な恒久的な財源の確保が必要となりますので、残念ながら、今のところ国として展開するということは検討しておりません。
#302
○東徹君 安定的な財源ということになれば当然必要になってくるわけでありますけれども、ただ、やはりこれからの未来の子供たちに投資していくこと、非常に大事なわけでありますから、是非ここは財源をひねり出して、検討していただきたいというふうに思います。
 もう一つ大事な制度がありまして、大阪市では、大阪市内在住の中学生を対象に、平成二十七年度で約十四億円の予算で塾代助成というのを行っております。これは、経済的に厳しい家庭においては、塾に行ける環境を整えていくということで、月一万円を支給しております。現金で一万円支給してしまうと、家庭によってはほかのことに使ってしまう家庭もあるかもしれませんので、これは塾代助成カードというものを支給をして、そしてきちんと子供たちが本当に塾に通うことができるように、塾だけではなくて習い事も行けるんですけれども、そういう制度なわけですけれども、こういったこともやっぱり貧困対策として是非進めるべきと思いますが、いかがですか。
#303
○国務大臣(馳浩君) お答えします。
 いわゆる教育バウチャー制度ということで、意欲的なまさしく取組であるということはこれもまた高く評価しておりますが、先ほどから申し上げておりますように、やはり安定的な恒久的な財源をいかにして確保するかということが課題となりますので、これは十分研究をさせていただきたいと思います。
#304
○東徹君 税収の上振れ分というのもありますけれども、やはり我々としても、経済を好循環させていくということで是非とも実施していっていただきたいというふうに思っております。
 あともう一つ、補正予算案では、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金ということですけれども、これ四年連続で一千億円以上、補正予算に計上しているんです。四年連続ですから。これ、緊急対策のはずなのに、なぜ四年連続これを補正予算に入れるのか、全く訳分かりません。御説明お願いします。
#305
○国務大臣(林幹雄君) いわゆるものづくり補助金は、当初予算編成時には見通せなかったその時々の経済課題に翌年度の予算編成を待たずに迅速に対応するため、補正予算に計上したものであります。
 例えば平成二十四年度は、同年十二月に発足した安倍政権として、長引く円高やデフレ不況から早期に脱却を図るため、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金を一千七億円、補正として計上しました。
 また、二十五年度は、同年四月の消費税率引上げ後に生じた消費低迷に対応するため、支援対象を商業、サービス業に広げ、千四百億円の補正予算を計上しました。
 また、二十六年度は、円安による輸入物価の上昇に対応し、速やかに経済の好循環を地方に行き渡らせるため、千二十億円の補正予算を計上しました。
 今年度は、昨年十月に安倍政権が掲げたGDP六百兆円の実現する鍵である中小企業の生産性革命を、IoTの急速な発展など国際競争の激化に備えて緊急的に実施するものでありまして、千二十一億円の補正予算案を計上しております。
 以上のとおり、当初予算の編成時には見通せなかった経済課題に迅速に対応するために講じたものでありまして、補正予算で計上することに問題はないと考えております。
#306
○東徹君 四年連続補正予算に計上するわけですから、これはもう五年目は本予算に計上してはいかがですか。
#307
○国務大臣(林幹雄君) 本予算に執行する前にもう公募するなりいろいろ準備段階がございまして、その体制でいきますので、本予算執行後では遅いということもございまして、現実にはそういう対応で進めてきてございます。
#308
○東徹君 補正予算ですから、緊急な対応ということですから、これは四年連続こうやって同じものを上げてくるというのは本来おかしいわけでありまして、こういったところは是非改善をしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#309
○委員長(岸宏一君) 以上で東徹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#310
○委員長(岸宏一君) 次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
#311
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
 今回の補正予算につきましては、我が党が昨年十一月四日、菅官房長官に提出いたしました補正予算案、これは十一兆円規模でございます。これに比べて三兆五千億円という、非常に規模が小さくなっていると考えております。緊急な景気対策として考えましても、これで景気の下振れを支えることができるとお考えでいらっしゃいましょうか。財務大臣、お願いいたします。
#312
○国務大臣(麻生太郎君) 中山先生のところから昨年、十一兆の補正予算案の原案が提出をされておりますということは存じ上げております。
 私どもは今回、この補正予算に関して言わせていただければ、我々は基本的には最初に規模ということではなくて、まずはこの補正予算はTPPとか、またいわゆるそれに伴います地方創生とかいろいろな関連するものでまず生産性の向上につながりますものとか、またいわゆる今年の前半にかけての経済の下振れというものに関しまして、中国の問題とかいろいろな我々の予想していたものをはるかに超える状況がいろいろ変化しておりますので、それに対応するというようなもの等々を主に思って、経済としては基本的には我々のこの三年間の政策の結果が確実に出てきつつあるという状況にございますので、私どもとしては、今企業を見ましても経常利益過去最高等々、言うまでもないことですが、緩やかな景気回復が続いているという前提に立ちまして、その上で、今我々としては、構造的に少子高齢化等々長期的に取り組まねばならぬ問題の中で、介護の話とか出生率一・八とかいろいろな話が出てきておりますけど、そういった構造的なもの、また今申し上げたようなところ等々を考えてやっておりますので、基本的に経済のいわゆる景気対策というのを主に主眼に置いているわけではないというように御理解いただければと存じます。
#313
○中山恭子君 景気対策は主眼ではないとおっしゃいますが、今、この近い時期だけを見ましても景気が停滞してきている、下に落ちる可能性だって見えているわけでございまして、この点についてもよりしっかりした補正予算を組む必要があろうかと考えております。
 また、その財源でございますが、私どもの案でもお示ししましたけれども、さほど無理しなくても十分確保できるすべがございます。どうぞ是非御参考にしていただけたらと考えております。
 また、補正予算の内容、景気対策が入っていないということからでしょうか、公共事業の規模が小さ過ぎると考えております。次の世代の人々が快適に生活するためにも、また事故を防ぐためにも、現在もう老朽化している、老朽化が急速に進んでいる社会インフラの整備はこれは必要な公共事業であると考えておりますので、是非進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
#314
○国務大臣(麻生太郎君) 中山先生がおっしゃるように、デフレのときにおける対策として、歴史を見ましても、何といってもインフラというものは、大きなインフラというのは、一九三〇年代、世界でいわゆるデフレというものが起きましたときに、アメリカの三大大陸鉄道にいたしましてもドイツのアウトバーンにしましても等々、パナマ運河、スエズ運河は言うまでもなく、いろいろな大きなインフラというものはデフレのときにでき上がっているということは私どももよく頭に入れて対応していかねばならぬものだと思っております。
 また、もう一点、デフレのときにはやっぱり生産性というか、技術革新とかイノベーションとか、最近いろんな言葉がありますけれども、そういった新しい付加価値の高いものを創造するということがデフレのときにとっては非常に大きな意味があろうと存じますので、私どもとしては経済産業省に対するいわゆる補助金等々、いろいろな意味で新しい技術革新等々に関しましては私どもとしては積極的にこれを支援する立場でやりたいと思っておりますので。
 今言われましたように、公共工事がいろんな形で、あれでアメリカのときは三〇年代にやったものが全部五十年たってわあっと駄目になっていったのと同じように、いわゆる東京オリンピックのときにばたばたやっていったものが今ちょうど年度を迎えてきているというようなものが多々ありますのは私どもよく知っているところでありますので、厳しい情勢の中、経済財政状況の中ではございますけれども、そういったものに十分配慮しながら事を進めてまいりたいと考えております。
#315
○中山恭子君 名目GDP六百兆円を目指すというお考えが示されておりまして、このデフレの状況下、デフレから脱却しつつある状況下では六百兆円という名目GDPをめどに置いていただいたことは大変評価したいと思っております。
 消費税増税には今は無理だろうと、来年の四月は無理だろうと考えておりまして、更に延期する方向で進めていただきたいと、また、延期することを早い段階でお示しいただくことが大事であろうと思っております。よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#316
○委員長(岸宏一君) 以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#317
○委員長(岸宏一君) 次に、薬師寺みちよさんの質疑を行います。薬師寺みちよさん。
#318
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 予算委員会は国民の血税の使い道を決める委員会です。一円たりとも無駄にするわけにはまいりませんので、緊張感を持って議論に臨みたいと思います。総理、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 介護離職ゼロの矢についてでございます。
 一昨年の医療・介護総合法案、私も議論をさせていただきましたけれども、なるべく住み慣れた自宅で自立できることということを目的としていたはずなんですけれども、どうも今回施設増強の方向に方向転換したように思われますが、いかがでしょうか。まず、その点について教えてください。
#319
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護離職年間十万人という数字を深く我々は憂慮しておるわけでありまして、介護離職により介護する側も介護を受ける側も共倒れにならないようにする必要があります。もちろん、今おっしゃったように、住み慣れた地域で最後まで心豊かに暮らすことの大切さは十分理解をしておりますし、その実現に努力していくことは当然でございます。
 言わば在宅の介護ということに、これは介護保険が導入された当時より努力をしてきたところでございますが、一方で、地域では十分な介護を受ける環境になく、特養など施設入所を希望される方がいることも事実でございまして、これは地方においては、私の地元なんかにはまだ十分に施設があるわけでありますが、東京都内では非常に施設が不足をしていることも事実であります。そうした希望に応えていくことも必要であろうと思いまして、介護をする側も介護される側も双方が納得し、心豊かに過ごすことが大切でありまして、そのためには施設・在宅サービスの整備量を大きく上積みして、介護離職の防止、特養待機者の解消を同時に成し遂げていきたいと思っております。
 今回の介護離職ゼロでは十二万人分当初の予定より整備量を上積みをし、約五十万人分といたしました。この中で、特養など施設とともに、地域での二十四時間見守りの在宅サービスや小規模多機能といった地域に密着したサービスの整備も盛り込んでいるところであります。また、サービスを支える介護人材の育成確保、そして待遇改善、介護事業の生産性向上に総合的に取り組むことによって、必要な介護サービスの供給確保を目指してまいります。これは施設に重点を置き換えたということではないわけでありまして、しっかりとバランスを取りながら進めていきたいと思います。
#320
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 バランスを取りながらというのは分かったんですけれども、施設を造れば介護離職の減少につながる、この根拠についてお示しいただけますでしょうか。手厚い介護というもの、これから長期化させるような要介護の状況というものにつながるのではないかという危惧もなされておりますが、いかがでしょうか。
#321
○委員長(岸宏一君) 厚生労働大臣まず答えて、それから総理、何かあれば御答弁してください。
#322
○国務大臣(塩崎恭久君) 基本的には今申し上げたように施設に重点を置き換えたということでは決してないわけでありますが、今回の介護のあと十万人サービスを確保するということに関しては、さっきお話があったとおり、都市部においてはやはり施設が足りないという中でのことでございますので、施設ができたらなぜ介護離職が減るのかということでありますが、そこはやはり足りないところだろうと思うんです、足りていないというのが都市部ですから、そこはそれで補っていかなきゃいけない。
 ただ、私たちの調査などで分かることは、離職をする理由の中で、施設が足りないということももちろんありますが、むしろ仕事の、働き方の在り方、労働環境の問題で、これは介護休業の問題を含め、そちらの方がむしろ理由が多いという方も多いので、したがって、施設が必要なところには施設も整備をする、しかし同時に働く環境も整えていかなきゃいけないということで、今回の緊急対策の中でもそれらのメニューを御用意をしたということでございます。
#323
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般も、介護しておられる方々、介護離職に至った方々からお話を伺った、昨年お話を伺ったところでございますが、介護離職に至る状況になった方々の場合は、多くは御両親が痴呆症の状況になってきたという方……(発言する者あり)いや、失礼しました、認知症ですね、失礼いたしました、認知症になってきたという方々が大変多いわけで、主にそういう方々でございまして、なかなかこれ自宅で介護するのは非常に難しいという中において、では施設に預けよう、お願いをしようとしても、認知症の方々についてはなかなか十分な、特に都市部においてはそういうサービスがないという状況があったと。そうなりますと、これは仕事を辞めざるを得ないという方々が多い。そういうニーズにもしっかりと応えていくことによってこれは介護離職をゼロにしていくことに十分に資するのではないかと、こう考えているところでございます。
#324
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 なってからでは遅いので、予防策にしっかりと力を入れていかなければならないと思うんですけれども、実はもう介護職員というものが既に不足しているんです。ですから、箱物を造ってもその中身が伴わないということが言えるかと思いますが、いかがでしょうか。
#325
○国務大臣(塩崎恭久君) 人材のお話が今出たところでございますが、介護離職ゼロは一億総活躍社会の実現のための重要な政策の柱であることはもう何度も申し上げているわけですけれども。
 施設サービスを確保するといっても、やっぱり人材の確保がなければできないわけでありますので、就業促進、それから離職の防止などに総合的に取り組まないといけないというのが今の我々の考え方でありまして、今回の補正予算も、それから来年度予算も、いずれもそれらの手だてを入れておりまして、例えば、まずは、介護福祉士を目指す学生さんが最近減ってきて定員が今半分以下になっているというところも議論の中で出てきていますが、介護職に五年間の勤務で返済を免除する奨学金制度の拡充をしようということで、これは国庫負担率を今まで四分の三を十分の九に引き上げ、なおかつ予算規模も三千人から一万二千人に増やすということでこの奨学金を充実をするということ。
 それから、一旦介護の仕事を離れた方がもう一回返ってこられるということを我々も大いに期待をしたいわけでありますけれども、この方々についても、二年間働けばこの返済を免除をするという再就職準備金貸付制度というのをこれは新たにつくります。
 それから、地域医療介護総合確保基金というのをこのところ使っておりますが、七百二十億ぐらいのものがありますが、働きやすい職場づくりに取り組む事業者のコンテストとか表彰とか、そういったものも一つの手だてとして考え、介護施設等における職員のための保育施設というのもかなりいろんなところで希望が出ていながら今まで十分じゃなかったということで、この開設支援の実施をしたいというふうに思っております。
 それから、もちろん介護ロボットで介護の現場の生産性をどう上げるのかと、それが大事であり、その中の一つとして、今ロボットと並んで、やっぱりICT化が進まないといけない、ペーパーワークばかりでたまらないということも苦情として随分聞くわけでございますので、それについても手当てをしていこうと思っています。
 これは先ほど来議論も出ていましたが、処遇改善加算の拡充を行っているわけで、七割の事業所が大体上乗せを行っているということでありますし、また、さっき申し上げたんですが、この賃金体系というものをちゃんと、つまり職場環境を整える意味でもこれをやっていただかないといけないということを条件としたりしておりまして、介護福祉士をより手厚く、要するにレベルの高い介護人材を採用すればこれも加算をするといったようなことで、人材を確保するということを最優先にやっていきたいというふうに考えているところでございます。
#326
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 介護の職場を希望がある楽しい職場へと変貌させていかなければならないと私は考えております。
 皆様方に資料をお配りいたしましたけれども、その資料にございますように、六〇%以上の国民が自宅で療養したいと希望しているということが調査結果として分かっております。この当事者の意思をどのように今回の介護離職ゼロに反映されているのか、教えていただけますでしょうか。
#327
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護サービスの提供に当たっては、介護を受ける方の意思を尊重することが重要であることは、もうこれは言うまでもないと思います。今回の介護基盤の整備においても、介護が必要となっても自宅で住み続けるための日中、夜間を通じて訪問介護や訪問看護を受けられるサービス、定期巡回あるいは随時対応型訪問介護看護も含めた上積みを行うこととしております。
 今後とも、利用者のニーズがしっかりと反映されるよう自治体と連携し、介護施設と在宅サービスの整備を進めていきたいと思っております。
#328
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これまでの介護政策の中でやっぱり日本が反省すべき点というものは、自ら家事を行い、地域社会に活動をするというような自立支援というものが立ち遅れていたんではないかと思います。そのような施策としっかり組み合わせていっていただけるということを宣言していただけますでしょうか。
#329
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、自立のことを御指摘になられたんだろうと思うんですが、やっぱり介護保険の基本としては自立支援をしていくということで、自らが自らのできることはやれるように支援をしていくということで、これは段階によっていろいろあろうかと思いますので、要支援を今地域に戻してやっていただくというのもこの自立の発想からきて、できるだけ要介護度が上がらないようにしていくということも大事でありまして、そういった面での支援というものをしっかりやって、アウトカムを大事にしていくということが基本ではなかろうかというふうに思います。
#330
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 やはり、施設を造ってしまえば、預かってしまえば働けるんではないかという短絡的な考え方は大変危ないと思います。ですから、しっかりと健康寿命の延伸というところに力を入れ、そして施策を実行していただきますよう、私から最後、お願いを申し上げます。
 ありがとうございました。
#331
○委員長(岸宏一君) 以上で薬師寺みちよさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
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#332
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
#333
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、消費者庁の徳島への移転問題についてお聞きをします。
 各省庁の監査役の消費者庁が移転すれば、消費者問題の地盤沈下を招くと考えますが、いかがですか。
#334
○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁、国民生活センター並びに消費者委員会につきましては、徳島県から移転の申出がございましたので、これから先、例えば消費者庁や消費者委員会の中でテレビ会議を行っていただいたり、あるいは三月に消費者庁長官に徳島県に短期間行っていただいたり、あるいはこの夏には少し長期間消費者庁の職員に徳島県で勤務をしていただいたり、様々なテストを繰り返し課題を抽出し、その課題が解決できれば移転をしてまいりたいと思っております。
#335
○福島みずほ君 一番初めの消費者基本計画では、消費者庁は司令塔でありエンジン役だというふうにしました。私も消費者担当大臣やりましたが、経済産業省に来てもらったり企業に来てもらったり、ライターの構造の転換では消防庁も含めたくさんのいろんな役所やチームをつくるとか、やる必要があります。
 消費者庁は、どこよりも役所を監視しなければならない。全員移転するならいいんですが、消費者庁だけ移転する。最も移転してはならないところを移転させるということではないですか。
#336
○国務大臣(河野太郎君) 司令塔が移転すると司令塔の役割を果たすことができないというのは、頭の中で考えればそういうことがあるかもしれませんが、実際にテストをしてみて、本当にそうかどうか確認し、司令塔が移転しても司令塔の役割が果たせるならば、何の問題もないと思います。
#337
○福島みずほ君 消費者庁は、企業や各役所に食い込んでいったり、説得したりしなければなりません。テレビ会議でそれができるとは思いませんし、また、様々な役所が集まって知恵を出し合うということで成果を出したこともあります。
 消費者庁、これやっぱりつくるときに、消費者問題というのでみんなの思いがありましたので、是非消費者庁を移転することには考え直していただきたいというふうに思います。
#338
○国務大臣(河野太郎君) 私も、当選して最初にやった仕事が遺伝子組換え食品の表示問題でございましたし、今の消費者基本法を議員立法で作るときには、岸田外務大臣と一緒にその提案者の一人でもございました。この消費者庁の創設にも多少なりとも関わってまいりました。消費者庁が非常に大事だと思っておりますし、司令塔であると思っております。
 しかし、だからといって、何のテストもせずに、それが移転をするとその力を発揮することができないというのはただ頭の中で考えているだけのことであって、実際にやってみたらどうなるかというのは、きちんとテストを繰り返して課題を抽出し、その課題を解決してまいりたいと思っております。
#339
○福島みずほ君 テストの結果を待ちますが、経産省やいろんな役所を呼び付ける、あるいは行く、乗り込んでいく、企業に乗り込んでいくということが果たしてできるでしょうか。やっぱり、これは消費者庁の地盤沈下を招くと反対をしております。
 次に、夫婦別姓選択制、再婚禁止期間について最高裁の判決が出て、ボールは国会に投げられました。今国会、民法改正案、出していただくように要請したいと思います。
#340
○国務大臣(岩城光英君) 二問のおただしであります。
 まず、再婚禁止期間を定める民法の規定についてでありますが、違憲立法審査権を有する最高裁判所において憲法に違反する旨の判断が示されました。したがいまして、速やかに違憲状態を解消する措置を講ずる必要があるものと認識をしております。
 そこで、法務省におきましては、最高裁判所の判決の趣旨を十分に踏まえ、必要な法案を今国会へ提出することを目指して検討を行っております。
 それから、選択的夫婦別氏制度の導入につきましてですが、これは平成八年に法務大臣の諮問機関であります法制審議会から答申を得ています。法務省は、平成八年及び平成二十二年に、法案の提出に向け、法制審議会の答申を踏まえた改正法案を準備いたしました。しかしながら、この問題につきましては、国民の間に様々な御意見があり、また与党内においても異論があったことなどから、改正法案の提出にまでは至らなかったものであります。
 他方、最高裁の判決におきまして、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については国会で論ぜられ判断されるべき事柄であるとの指摘がなされております。
 私としましては、最高裁判決における指摘を踏まえ、まずは国会における議論の動向、そういったものを注視しながら、慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
#341
○福島みずほ君 多くの女性たちが待ち望んでいます。是非よろしくお願いします。
 指定廃棄物の処理について、現在どうお考えでしょうか。
#342
○国務大臣(丸川珠代君) 環境省といたしましては、指定廃棄物の保管状況が逼迫している五つの県については、災害等に備えた長期にわたる管理を確実なものとするため、各県一か所に集約して管理するとの方針に変わりはありません。地元の御理解が得られるように、引き続き丁寧な説明に努めていく所存です。
#343
○福島みずほ君 現地では反対運動が起きています。やり方も含め、問題であるということを申し上げます。
 いわゆる慰安婦問題の日韓合意についてお聞きをいたします。
 河野談話は、「われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。」としております。岸田外務大臣は、軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題と表明をしております。教科書を始め、教育や啓発で繰り返し共有していく必要があると考えますが、いかがですか。
#344
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 学校教育においては、小中高等学校を通じ、学習指導要領に基づき児童生徒の発達の段階に応じて指導することとしており、例えば中学校の社会科では、大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させたり、世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てることとしております。
 文部科学省としては、今後とも我が国の歴史について子供たちがしっかりと理解を深めていくことができるように取り組んでまいりたいと思います。
#345
○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#346
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#347
○委員長(岸宏一君) 次に、荒井広幸君の質疑を行います。荒井広幸君。
#348
○荒井広幸君 改革の荒井です。
 通告をいたしておりますので、質問項目だけ申し上げます。
 質問の七の一です。政策統括官を置く省は、どのような考え方、目的で政策統括官を置いていますか。
#349
○政府参考人(若生俊彦君) お答えいたします。
 御指摘の政策統括官、これは官房や局の所掌に属さない事務を能率的に遂行するために置かれる局長級の分掌職の一つでございます。
 当該職につきましては、時々の状況に応じて局間の割り振りや移動を機動的かつ柔軟に行う必要がある業務について、固定的な局を複数設置する代わりに政策統括官を複数設置し、所掌事務や分担を職務命令で臨機に変更できるようにする、そういった場合、あるいは、高度な企画業務や調整業務など専門的知識を有するハイレベルなものの判断や調整力などが求められる一方、下級の職員が処理する作業が少ない業務について、局の代わりに政策統括官に担わせて、最小限の体制で迅速な処理ができるようにする場合、こういった場合に設置されることとしております。
#350
○荒井広幸君 政策統括官の下で施策を機動的、弾力的に、先ほどお話しされたように実施しようとしても、結局のところ、原課が予算を握っておりますから、実際の影響力を持てるのかと。政権の方針に、総理、ここですよ、政権の方針にのっとった行政の遂行で、省庁、課の縦割りを超えられるのかといった疑問があります。
 そこで、河野行革担当大臣に聞きます。
 政策統括官については、中央省庁等改革基本法の考え方に基づき、政府が構想する政策方針に向けて省内各部局を調整し、政策の力の入れどころを変えていける、このように活用するように検討をしてください。
#351
○国務大臣(河野太郎君) 政策統括官は、戦略的な意思決定に資する機能的で簡素な組織として、行政の総合性、機動性の向上を図るための組織として中央省庁等改革の際に導入した組織でございます。再編以来、各省には、このような趣旨にふさわしい業務について、固定的でかつ相当程度の規模となる局をつくるのではなく、政策統括官を活用するように促してまいりました。
 国家公務員制度改革で新設された内閣人事局には、内閣の重要政策に迅速かつ的確に対応できる体制の構築が従来以上に強く求められているというところもございますので、毎年の機構審査の機会を活用し、既存の政策統括官を含め、各省の既存機構の不断の見直しを一層徹底してまいります。
#352
○荒井広幸君 常に行政国家、官僚主導ということを申し上げていますが、我々が法律を作っても、委任立法という形で、ほとんどは省令、政令、そして予算も分配というのは実質官僚に行っているんです。ここを変えないと本当の私は改革ができない、このように思っているから申し上げております。
 官房長官に聞きます。
 各省の人事に対する適切な評価、この評価をして、政策統括官のみならずですが、政策統括官が機能するよう、国民目線から官邸がしっかり監視をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
#353
○国務大臣(菅義偉君) 安倍政権発足して、一昨年の内閣人事局、この発足と同時に、幹部人事の一元管理というものを導入をいたしました。その中身は、適格性審査において私が各大臣が実施する人事評価の客観的資料によって審査対象者が幹部職にふさわしい能力を有しているか否かを確認をし、この審査をパスした者のみが幹部候補者名簿に記載されることになっています。
 そして、任免協議において、各大臣が幹部候補者名簿に記載された者の中から任用候補者を選抜して人事案を作成した後、その人事案について総理と私と協議して、その結果として人事案を決定をすることになっています。まさに政策統括官を始めとする各省庁の幹部人事においては、政治主導の下にまさに改革意欲のある人を任命をしていきたいというふうに思っています。
#354
○荒井広幸君 是非そのような形でグリップを利かせていただきたいというふうに思います。
 最後になります。国交大臣。
 エスカレーターは、関東では左に立って例えば上っていきます。右側は急ぐ人がカタカタって走っていきます。関西は逆です。そもそもエスカレーターの構造というのは、片方が走っていけるような構造で安全対策基準になっているんでしょうか。
#355
○国務大臣(石井啓一君) エスカレーターの安全に関する構造基準については、建築設備に係る技術基準の一つとして建築基準法令において規定をされております。この基準においては、構造強度に余裕を持たせるため、例えば踏み段の強度には三倍の安全率が見込まれていることから、片側を歩いたり走ったりすることで直ちに構造耐久上支障があるものではございません。
#356
○荒井広幸君 ということでございますが、そうなりますと、だんだん、外人も多いんです、日本は二つのルールがあるんだなと、こういうふうに思うかもしれませんが、私はそれはそれでいいと思うんですが、けがのないようにしていただきたいというふうに思いまして、今日最後の質問にいたしました。
#357
○委員長(岸宏一君) 以上で荒井広幸君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 以上をもちまして、平成二十七年度補正予算二案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#358
○委員長(岸宏一君) それでは、これより討論に入ります。
 討論の通告がありますので、これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。風間直樹君。
#359
○風間直樹君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました平成二十七年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
 反対の第一の理由は、平成二十七年度補正予算が株価対策を主たる理由として打ち出されたものであり、喫緊の政策課題を伴わないことであります。
 そもそも、補正予算は、財政法第二十九条により、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うために編成できるものとされています。
 しかし、委員会審議でも指摘されたように、この補正予算には、発効していないTPP関連施策、基金化されるもの、防災対策、宇宙インフラ整備、森林事業整備など、緊急性のない予算項目が多々あります。なぜなら、景気対策ではなく、株価対策のため総額を組むことを目的に各省庁に項目を出させたからではないでしょうか。
 昨年九月のチャイナ・ショックによる株価急落以降、マーケットでは、異次元緩和第三弾を求める声以上に補正予算を求める声がにわかに高まりました。事実、十月三十日の日銀金融政策決定会合当日は、金融政策の現状維持決定を受け、後場開始直後、日経平均、債券先物、共に下げる場面がありました。しかし、午後一時前には補正予算三兆円超で調整との報道が流され、下げ幅が小幅にとどまった経緯があります。マーケットの趨勢を察知し、株価下落に機敏に対応する安倍内閣の嗅覚には大変恐れ入ります。
 しかし、本補正予算総額のうち実に四割以上がこの三月末までに支出が終わらないもの、緊急に執行されない補正予算を緊急性を要するとして認めることには有権者に対し良心の呵責を感じます。
 反対の第二の理由は、参議院選挙に向けた大盤振る舞いが目に余ることです。
 三万円の低所得年金受給者向け臨時給付金は、一億総活躍予算のうち実に三割以上を占めています。政府はこの目的を、アベノミクスの果実が及ばない年金受給者への給付によって消費を喚起することと説明しました。しかし、かつて麻生内閣が定額給付金を支給した際の消費拡大効果は受給額の二五%にすぎませんでした。経済効果がないのです。
 しかも、給付金の執行のほとんどは来年度に繰り越され、実際の受取は四月から夏頃、補正予算を利用して集票にしゃにむに邁進する、驚くべきことです。目的が露骨過ぎて恥ずかしくないでしょうか。本補正の性格を一言で表せば、旅の恥はかき捨てならぬ集票の恥はかき捨てと言えるでしょう。
 参議院選挙に向けた自民、公明両党の政治力学は軽減税率適用範囲を急拡大させました。手当てできない財源に対する自民党内の疑念、抵抗に蓋をし、民主、自民、公明の三党合意を白紙にし、さらに、補正予算を組み、相場を下支えして、選挙必勝を至上目的とする、財政規律より選挙が安倍内閣の政治哲学なのでしょうか。
 軽減税率適用問題で税制、予算の異常さに新聞が異論を表明しにくい中、本補正予算案の本質的問題を指摘し、反対討論を終わります。(拍手)
#360
○委員長(岸宏一君) 河野義博君。
#361
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 私は、自由民主党及び公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十七年度補正予算二案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 賛成の第一の理由は、一億総活躍社会の実現に向けた力強い施策が盛り込まれている点であります。
 本補正予算には、希望出生率一・八、介護離職ゼロに直結する緊急対策等として三千九百億円が措置されております。一人親家庭支援として九十二億円、社会的養護に関して、児童養護施設退所者等に対する自立支援金貸付けに六十七億円などが計上されております。さらに、年金生活者等支援臨時福祉給付金として三千六百億円を措置しており、少子高齢化や低所得の高齢者への的確な対応として強く支持いたします。
 賛成の第二の理由は、軽減税率の導入に備えた施策が盛り込まれている点であります。
 税制改正大綱において、二十九年四月から消費税の軽減税率制度を導入することになりました。本補正予算には、中小企業への周知のための相談窓口の設置などに百七十億円が措置されております。軽減税率は消費税の逆進性や痛税感の緩和に必要不可欠であり、その実施を円滑にするものとして高く評価するものであります。
 賛成の第三の理由は、災害復旧や東日本大震災からの復興を加速するための施策が盛り込まれている点であります。
 昨年は関東・東北豪雨により甚大な被害が発生しましたが、本補正予算には、豪雨などの災害によって被害を受けた公共土木施設等の災害復旧に一千億円、防災・減災対策に二千六百億円が措置されております。自然災害から国民の生命、財産を守るため、どれも緊急で不可欠な予算であります。
 また、東日本大震災復興特別会計に被災事業者の自立支援のための二百億円を含む一千億円余りの復旧復興予算も措置されております。これにより、福島を始め被災地の復興に資する施策が進められるものと確信しております。
 そのほか、TPPへの対応や二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化という財政健全化目標に資する予算となっている点からも賛意を示すものです。
 以上、本補正予算に賛成する主な理由を申し述べました。
 政府におかれましては、本補正予算が成立した後には適切かつ速やかに予算の執行に取りかかることを要請し、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#362
○委員長(岸宏一君) 辰巳孝太郎君。
#363
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の二〇一五年度補正予算二案に反対の討論を行います。
 安倍総理は、アベノミクスで経済の好循環が生まれ始めた、第二ステージに進むとし、一億総活躍社会なるものを実現し、今回の補正予算はその皮切りとなると表明いたしました。
 しかし、暮らしや経済の実態は、好循環とは程遠いのが実態です。国民生活基礎調査では、生活が苦しいと答えた人は六二・四%で年々悪化しています。ところが、総理は、どんなに景気が悪くなろうが来年四月から消費税を一〇%に引き上げると明言しています。
 さらに、本会議の質疑で、本委員会の質疑で、軽減税率について、一人当たりの軽減額を大きく見せる誇大広告同然の説明をしてきたことが明らかになりました。国民の暮らしに心を寄せるどころか、国民を欺いて負担増を押し付けるなどもってのほかであり、審議を一からやり直すべきであります。
 家計を温め、真の好循環を実現するためには、国民の将来不安をなくし、格差と貧困を縮めることこそ緊急に必要です。にもかかわらず、安倍政権は、社会保障改悪を続け、来年度は、年金給付の切下げ、入院給付費の負担増、福祉給付金の半減、診療報酬の減額など、更なる改悪を狙っています。暮らしに追い打ちを掛け、家計を冷え込ませることは明らかです。
 格差と貧困の拡大も深刻です。
 本委員会でも、我が党を始め各会派が相次いで取り上げました。安倍総理は、こうした貧困の現状に正面から向き合おうとせず、トリクルダウンに固執し、貧困を加速させる消費税増税に邁進しています。アベコベミクスとはこのことであります。
 軍事費も問題です。
 補正予算と合わせると総額で五兆一千七百十八億円となり、軽装甲機動車三十八両、九六式装輪装甲車八両、NBC偵察車一両の購入など、大軍拡予算そのものと言わざるを得ません。
 また、TPP対策費も問題です。
 私たちは、農業関係者の反対の声を押し切り、自民党自身の公約もほごにして大筋合意したTPP批准、署名に断固反対するとともに、TPPからの撤退を求めます。日本語訳はやっと公開されましたけれども、関税や非関税の条件を記載する肝腎の附属書の訳はまだ公開をされておりません。TPP交渉の具体的交渉経過も主権者である国民に知らせず国会に承認を求めるなど言語道断であり、認められません。
 以上、指摘し、日本共産党の反対討論といたします。(拍手)
#364
○委員長(岸宏一君) 荒井広幸君。
#365
○荒井広幸君 新党改革・無所属の会を代表して、賛成を表明します。
 理由の第一は、全ての世代、全ての地域にアベノミクスの成果をあまねく行き渡らせるため、保育所等の整備、三世代同居、近居の推進、介護人材の育成、地方創生の加速化を入れた点です。これらは我が党が先立って提唱した家庭ノミクスの方向と一致しており、評価いたします。一方、一億総活躍あるいは貧困の観点から、治療から創薬までの難病対策などについてはもう一段の工夫を求めたいと思います。
 賛成理由の第二、TPP関連政策として、あらかじめ、ここが大切なんですが、あらかじめ今回、農業、農家支援策強化を打ち出した点です。これは、ガット・ウルグアイ・ラウンドでかつての反省を取り入れており、極めて適切であると評価をいたします。TPPに不安を感じている農家、水産業者を勇気付けるものと考えられます。
 第三の理由は、財政再建に向け、国債発行額を当初予算よりも四千億以上減額した点です。
 以上、賛成討論を終わります。(拍手)
#366
○委員長(岸宏一君) 川田龍平君。
#367
○川田龍平君 私は、維新・元気の会を代表して、ただいま議題となりました平成二十七年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
 安倍内閣は、食料品、新聞の消費税率据置きを言い訳にして消費税率の一〇%への引上げを強行しようとしておりますが、アベノミクスによる物価上昇等で消費が低迷する中で消費増税を行えば、景気が腰折れすることは目に見えております。消費税率の引上げに強く反対し、増税の前にやるべきことがあることを申し上げ、本補正予算に反対する主な理由を申し述べます。
 第一の理由は、参院選挙を目前にして、一回限り三万円をばらまく年金生活者等支援臨時福祉給付金が盛り込まれている点です。
 第二の理由は、補正予算の年度内執行率が低い中、漫然と歳出を追加し、緊急性が疑わしい基金への積立てを計上している点です。税収の上振れ分は国債発行の減額や国債償還に充てるべきであります。
 第三の理由は、国会が承認しておらず、関係文書の日本語による開示も不十分なまま、TPP協定を前提とした対策経費を計上している点です。
 以上、平成二十七年度補正予算に反対する主な理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
#368
○委員長(岸宏一君) 東徹君。
#369
○東徹君 おおさか維新の会の東徹です。
 私は、おおさか維新の会を代表して、平成二十七年度補正予算案に対し、反対の立場から討論いたします。
 我が党は、少子高齢化や人口減少の中、国民に負担をお願いするためには、まず議員自ら身を切る改革をするとともに、厳しく行政及び公務員制度改革を行うことを基本的な考えとしております。
 今回の予算案では、緊急に行う必要性のない三千六百億円もの臨時給付金や、TPP対策という名の一千七百億円以上の新規基金事業、国の財政事情や民間の企業事情を無視した約七百億円の国家公務員給与の増額、少子化対策と言いながらURに対する補助でしかない事業など、我が国財政状況が非常に厳しいにもかかわらず、必要な改革が行われておりません。
 このような予算は、来年四月の消費税を引き上げる、国民にお願いできる状況にもないことを指摘いたしまして、反対討論といたします。(拍手)
#370
○委員長(岸宏一君) 福島みずほさん。
#371
○福島みずほ君 福島みずほです。
 社民党を代表し、二〇一五年度補正予算二案に対し、反対の立場から討論を行います。
 二〇一五年度補正予算案は、二〇一六年度当初予算案と合わせ、事実上、四年連続の十五か月予算として編成されました。安倍政権下における補正予算は財政法二十九条の定める緊要性に反し、政府・与党の便利な財布としてばらまきの温床となっております。
 年金生活者等支援臨時福祉給付金については、参議院選挙目当てのばらまきであると批判せざるを得ません。他方、来年度から子育て世帯臨時特例給付金を廃止することも問題です。
 TPP関連政策大綱実現に向けた施策も盛り込まれましたが、TPPの全体像はいまだに不透明です。条約承認案の国会審議もなされていません。TPP対策を先行実施することは断じて容認できず、これまた選挙対策のばらまきであると言わざるを得ません。
 この間、安倍政権下での補正予算は当初予算からの前倒し計上も問題視されてきました。災害対処能力の向上を理由に戦争法による新たな任務を見据えた装備の前倒し計上も、当初予算で防衛費の増額を小さく見せる粉飾的手法です。
 また、安倍政権下で基金の新設、積み増しが実施されてきましたが、今回も、補正予算の緊要性や予算の単年度主義の観点から、問題の多い基金の積み増しが実施されたことも看過できません。
 以上、二〇一五年度補正予算案は、アベノミクスの失敗を隠すための選挙目当てのばらまき予算にほかなりません。社民党は、アベノミクスを抜本的に転換し、トリクルダウンではなくボトムアップの予算を求める立場から反対であると申し上げ、討論を終わります。
#372
○委員長(岸宏一君) 以上で討論通告者の発言は全て終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#373
○委員長(岸宏一君) 多数と認めます。よって、平成二十七年度補正予算二案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手)
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#374
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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