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2016/03/08 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 予算委員会 第11号
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2016/03/08 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 予算委員会 第11号

#1
第190回国会 予算委員会 第11号
平成二十八年三月八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     愛知 治郎君     中泉 松司君
     杉  久武君     荒木 清寛君
     浜田 昌良君     新妻 秀規君
     紙  智子君     田村 智子君
     荒井 広幸君     平野 達男君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     山本 一太君     羽生田 俊君
     石上 俊雄君     藤本 祐司君
     藤末 健三君     小西 洋之君
     藤田 幸久君     森本 真治君
     室井 邦彦君     儀間 光男君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                宇都 隆史君
                岡田  広君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                堀井  巌君
                長浜 博行君
                野田 国義君
                山本 香苗君
    委 員
                赤池 誠章君
                井上 義行君
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                片山さつき君
                古賀友一郎君
                島村  大君
                高野光二郎君
                中泉 松司君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                小西 洋之君
                田中 直紀君
                西村まさみ君
                藤田 幸久君
                藤本 祐司君
                森本 真治君
                荒木 清寛君
                河野 義博君
                新妻 秀規君
                田村 智子君
                辰巳孝太郎君
                東   徹君
                儀間 光男君
                川田 龍平君
                和田 政宗君
                山田 太郎君
                福島みずほ君
               渡辺美知太郎君
                平野 達男君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     岩城 光英君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     馳   浩君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  林  幹雄君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     丸川 珠代君
       防衛大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、科
       学技術政策、宇
       宙政策))    島尻安伊子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策、男女共同
       参画))     加藤 勝信君
       国務大臣     遠藤 利明君
   副大臣
       財務副大臣    岡田 直樹君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
       原子力規制委員
       会委員長     田中 俊一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       厚生労働省老健
       局長       三浦 公嗣君
       資源エネルギー
       庁長官      日下部 聡君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       藤木 俊光君
       国土交通省鉄道
       局長       藤田 耕三君
       国土交通省海事
       局長       坂下 広朗君
       国土交通省港湾
       局長       菊地身智雄君
       環境省総合環境
       政策局長     三好 信俊君
   参考人
       東京電力株式会
       社代表執行役社
       長        廣瀬 直己君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十八年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十八年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十八年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は一般質疑を百二十四分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党十六分、民主党・新緑風会四十八分、公明党十二分、日本共産党九分、おおさか維新の会九分、維新の党五分、日本のこころを大切にする党五分、日本を元気にする会・無所属会五分、社会民主党・護憲連合五分、無所属クラブ五分、新党改革・無所属の会五分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより質疑を行います。山下雄平君。
#6
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。この予算委員会で質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 今日は、JR東海で高齢の認知症の方が死亡事故に巻き込まれて、その損害を誰が払うのかということに関して出された最高裁の判決についてまずお伺いし、その後に経済財政について麻生大臣にお伺いしたいと思っております。
 先週ですけれども、最高裁の判決が出されました。この事故というのは、JR東海に高齢の認知症の方が事故に巻き込まれ亡くなられ、その損害について、JR東海が家族、奥様と息子さんに損害賠償請求をされて、下級審では家族に損害を払いなさいというような判決が出ました。先週の最高裁では、その賠償請求については認められないという決定が出されました。
 このことについては、もし賠償請求が認められた場合は、今後、介護をどうやっていけばいいのかということで、多くの皆さんが不安に思っていらっしゃいました。この判決については非常に歓迎するムードが強うございます。ただ一方で、問題もたくさん残されていると私は思っております。
 最高裁は、賠償請求がある監督義務者に当たるかどうかについて、六つの要素を示されました。ただ、それを見ても、自分が監督義務者に当たるのか、また監督義務者に準じる立場に当たるのかどうかというのは判然としません。在宅で認知症の家族を見ていらっしゃる方にとっては、非常に不安に感じていらっしゃる方も少なくないと私は思っております。
 介護における監督義務者の線引き、要件について、政府として分かりやすく具体的な指針又はガイドラインなどを示すべきではないでしょうか、お聞かせください。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成十九年に鉄道事故でお亡くなりになられた認知症の方がおられたわけでございまして、改めて御冥福をお祈りをしたいというふうに思います。
 今回の判決につきましては、認知症の方が第三者に損害を与えてしまった場合の介護家族の監督義務の有無の判断、これに際して総合考慮すべき事項として六項目示されたところでございます。
 介護者自身の生活状況や心身の状況とか、これらに対応して行われる看護あるいは介護の実態などの項目を挙げておりまして、今後、これらの事項を踏まえた上で個別の事情を踏まえて判断がなされていくものと考えているわけでありまして、先日の最高裁判決においても、家族の監督義務等についてはすぐれて個別の判断、それぞれの状況に応じた判断というものが示されておるわけでございまして、政府として個々のケースに関する、言ってみれば万能の監督義務者の要件というものを一律に示すということはなかなか難しいのではないかなというふうに考えているところでございます。
#8
○山下雄平君 網羅的に、包括的に指針を示すのが仮に難しいとして、最高裁の判断を読むと、その基準だと献身的に介護をすればするほど監督義務者に当たって非常に賠償責任を負う可能性が高くなるということに関して、介護に関わることを敬遠する人が出てくるのではないかと危惧するような意見も出ています。
 家族のために頑張ろうとすればするほど介護を尻込みさせてしまうというふうになってはいけないというふうに思っておりますけれども、政府としてその点についてはどのように認識されておりますでしょうか。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 認知症の方が第三者に損害を与えるということが起こった場合の介護家族の監督義務の有無については、今申し上げたように、今回の判決を踏まえますと、個別の事情をしっかりと踏まえた判断というものがそれぞれに必要だということだろうと思います。
 御指摘のような懸念につながらないように、つまり責任を負うということなので、介護を敬遠するというようなことがあってはならないということでありますが、在宅で暮らす認知症の方あるいは家族に地域の支援があるという安心感を持っていただくことが大事であります。
 一昨日、私は福岡県の大牟田に行ってまいりました。そこで認知症施策の先進地としての取組を拝見をさせていただきましたし、御一緒に体験もさせていただきましたが、大牟田市では認知症で行方不明になられた方を捜すという模擬訓練を毎年三千人規模で市民総出でやっていらっしゃって、平成十六年から十二回取り組んでいるようでございます。
 また、市民全体を巻き込むという地域ぐるみの試みが大変感銘を受けたところでございまして、今後、認知症の方の増加が見込まれる中で、認知症の方の列車事故のような不慮の事故を、不幸な事故を未然に防ぐということがまさに大事でありまして、地域全体の認知症の方やその家族を支えられる地域づくりを全国で進めていくことが重要であると改めて認識をしたところでございまして、厚労省、昨年一月に、これ政府全体でありましたけれども、新オレンジプラン、認知症施策推進総合戦略というのを作りましたけれども、地域住民による認知症の方の見守りネットワークの構築や認知症サポーターなどによる見守り体制の整備など、自治体が認知症の方を地域で見守り支える枠組みづくりを推進できるよう、しっかりと支援してまいらなければならないというふうに思っているところでございまして、大牟田では、それぞれ認知症の当事者の方とか生徒さん、中学生の生徒さんからとかいろいろ御提言をいただいて、町ぐるみでこういう対応をやっていることに深く感銘を受けたところでございます。
#10
○山下雄平君 大臣がおっしゃったように、地域で、地域ぐるみで認知症の方を見ることによって事故を減らしていく、そういったことは非常に重要だと思います。ただ一方で、こういった事故をまたゼロにするということも難しいというふうに感じております。
 今回の案件は、JR東海という非常に大きな会社で起きた事故でした。ただ、我々の地域の足を支える鉄道というのを運営しているのは必ずしも大きな会社ばかりではありません。第三セクターだったりとか、非常に体力のない会社が鉄道を運行しているところもあります。
 そういったところの話を聞くと、こういった事故が起きたときに、遺族感情だけを考えれば、賠償請求を、賠償の問題について減額したり免除したりというふうなことをやりたいと考える一方で、そういった体力のない鉄道というのは整備に関して国から補助金が出ていたり税金からお金が出ている、そういったことを考えるとどうすればいいんだろうというふうに非常に板挟みになっているというような話も聞きます。
 線路に人が入らないように柵を作れとか、駅から線路に降りてこれないような構造にしろと言われても、なかなかそういったことに手が回らないような会社もあると思っております。今回のように、誰も監督義務者に当たらずに不可抗力の損害を鉄道会社が担わなければならないというふうになった場合、会社によってはもう経営に影響が出るようなところもあるかもしれません。
 鉄道事業者向けのこういった事態に対応するような、例えば官民の基金をつくったりとか新しい保険制度をつくったりとか、そういった何らかの対応を国土交通省として考えられないでしょうか、お聞かせください。
#11
○国務大臣(石井啓一君) 先般の最高裁判決では、認知症の方の介護家族の監督義務の有無に関しまして、個別の事情を踏まえた上で、今回の家族は監督義務者ではなく損害賠償責任は負わないとの判断が行われたものと承知をしております。このような場合における認知症の方の行動により生じた損害の回復につきましては、様々な御指摘がございますけれども、これは鉄道事業者のみならず広く一般的に発生し得る問題であり、まずは社会全体として議論がなされるべきものと考えております。
 国土交通省といたしましては、こうした全体的な議論の方向性や鉄道事業者の意見を踏まえつつ、必要に応じて対策を検討していくべき課題であるというふうに認識をしております。
#12
○山下雄平君 こうした問題というのは、何も日本に限ったことではないと思います。認知症の方が線路の中に入って事故になるというのは、各国、可能性としてはどこもあると思っておりますし、日本ほどではないにしても、主要国では高齢化が進んでおります。
 他国がどのような対応をしているのか、どういう事例があるのかというのを国土交通省として調べておくことも非常に重要だと思いますし、この最高裁の判決がどのような形になったとしても影響が非常にあったと思いますし、非常に注目されていたと思うんですけれども、国土交通省として、他国の対応、他国のルールについて調べておりますでしょうか、お聞かせください。
#13
○政府参考人(藤田耕三君) 認知症の方による鉄道事故に関する損害賠償のルール等でございますけれども、現状におきましては、国土交通省としましては、他国の状況を特段把握はしてございません。
#14
○山下雄平君 先ほど大臣もおっしゃったように、必要とあればまた対策を考えないといけないということだと思いますので、是非とも他国の事例も踏まえて国土交通省としてどのような対策を打ち得るのかということを考えていただければと思います。
 また、大臣がおっしゃったように、こうした問題は鉄道に限ったことではないと思います。例えば、たばこを吸われる認知症の方が火事を起こしてしまうことだってあろうかと思っております。いろんな形が、可能性があると思います。政府としては、今病院や施設から地域、家庭にというふうに旗を振っているところだと思います。政府として、認知症の方が起こしてしまう可能性がある損害の問題について今後ちゃんと考えていかなければならないと思っております。
 このことに関して、現在では個人賠償責任保険など民間の保険も広がっているというふうな話を聞きますけれども、民間の保険が全てに現在対応できているわけでもない現状でもあろうかと思いますし、また、じゃ完全に民間の保険に任せるにしても、政府として何らかの支援が必要じゃないかというふうに考えます。例えば、保険料負担について税制で後押しするなど何らかの政府として支援できる余地がないんでしょうか。厚生労働大臣そして財務大臣にお伺いしたいと思っております。
#15
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の判決を受けて、認知症の方の事故に対する賠償の問題については、民間保険の活用を含めた様々な対応が今選択肢として指摘をされて、議論されているというふうに思います。
 また、与党でも既に、認知症の方やその家族などにどのような支援が考えられるのか、これから議論がなされていくものというふうに聞いているわけでございまして、社会として備えるためにはどのような対応が必要か、今先生が御提起になったような問題も含めて、広く様々な立場から御議論をいただくということが特にこれから高齢化が更に進展をする中で必要であり、また重要ではないかというふうに考えております。
 厚労省としては、先ほど申し上げましたように、自治体が認知症の方を地域で見守り、また地域コミュニティーが支え合うという枠組みづくりを推進できるようにしっかりと支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#16
○国務大臣(麻生太郎君) 三月一日の最高裁の判決というのが出たのを受けまして、認知症の方々が起こした事故に対する損害賠償のこの問題については、今先生御指摘のありましたように、民間保険の活用を含めまして様々なアプローチが今指摘されているものと承知をいたしております。
 この対応につきましては、与党でも今、認知症の方々への対応、今厚生労働大臣からお話があっておりましたが、認知症の方やその家族にどのような支援が考えられるかと、これから議論がなされていくものと承知をいたしておりますので、御指摘の税制上の対応を含めまして、まずはその検討の状況というものを見守ってまいりたいと思っております。
#17
○山下雄平君 この問題に関しては、恐らく全ての人が関わる、当事者になるかもしれないですし、そうした人が家族に出てくるかもしれないということで、全ての国民の皆さんが関係することだと思いますので、省庁横断で是非とも対応を取ることをお願いしたいと思っております。
 続きまして、経済財政問題について、麻生大臣にお伺いしたいと思っております。
 二〇一二年に第二次安倍政権ができたことによって、アベノミクスを掲げられて、デフレを脱却するんだと、もうあと一歩のところまで、本当、経済優先で今来ているところだと思っております。
 私、前職が日経新聞の記者をしておりました。麻生副総理が総理大臣のときは、私は自民党の与党の政調会長、政調会長代理の担当で、政策の担当をしておりました。あのとき、麻生政権ができたときにリーマン・ショックということが起きたわけですけれども、恐らく与党の方も野党の方も選挙選挙だと、解散だと言っていらっしゃったときに、麻生総理は、やはりここは経済を何としても、自民党に不利になったとしても経済を優先させなければならないということで、昨日の予算委員会でもありましたとおり、予算を何度も何度も組まれて、日本のために必死で国政を担っていらっしゃった姿を私は新聞記者として見ておりました。御本人もおっしゃったように、歴史の評価に委ねたいと言われていましたとおり、必ず歴史は私は評価されるんだというふうに思っております。だからこそ、この経済、景気というのを本当にデフレ脱却に向けて頑張らなければならない非常に重要な時期だというふうに感じております。
 現下の経済状況を見ますと、中国の経済の減速だったり、また原油安など、外的要因によって経済の先行きに不透明感が強まっております。さきのG20でも政策を総動員するというような表明を出されました。私は、この今審議している予算の早期成立が最も経済にとって重要だというふうに考えておりますし、早期成立に併せて早期執行も非常に重要だと考えております。二年前の予算については、予算の六割程度を年度の初めに執行するというようなこともやられました。
 こういった早期執行の目標を決めて早期執行を進めていくことというのも非常に重要ではないかと考えておりますけれども、麻生財務大臣のお考えをお聞かせください。
#18
○国務大臣(麻生太郎君) 予算の執行に関しましてはその時々の状況に合わせていろいろな対応をしていくのは、これは当然のことなんですが、今、山下先生御指摘のありましたように、例えば平成の二十一年もありましたし、近くは、今言われたように、二十六年度において、あのときは経済状況を踏まえましていわゆる予算の前倒しとか、いろいろな表現ありますけれども、予算執行に取り組ませていただきましたんですが、今お尋ねあっておりますこの二十八年度のことにつきましては、これは今御審議をいただいている真っ最中のところでありますので、今申し上げる段階ではないというのは、これは御理解をいただかないかぬところだと思いますが、いずれにしても、これを一日も早く成立をさせてその執行を順調にということで、まずは二十七年度の補正予算の執行と併せて二十八年度の早期成立、執行、早めにやるというのが一番大事な景気対策になろうかと思っております。
#19
○山下雄平君 我々も早期成立に全力を尽くしますので、また成立した暁には早期執行についても是非お取り組みいただければと思っております。
 このアベノミクスによってデフレマインドを払拭して、負のスパイラルに陥らないようにしなければなりません。そのために、政府、日銀として目標を持って緩やかなインフレを実現させていくということが非常に重要だというふうに考えております。
 ただ、こうした日本の政策については、アメリカの大統領選に立候補している有力な複数の候補が、日本は通貨安誘導で輸出を増やしてアメリカを脅かしているというような批判もしております。こうした発言について、私は、じゃリーマン・ショックの後の欧米各国の対応はどうだったんだろうかというふうに思わなくもありません。また、麻生副総理も昨日の予算委員会で、リーマン・ショック後、通貨の切下げはしないと各国で約束したのに、日本以外の他国は通貨の大量発行という裏口入学をして結果的に通貨を切り下げ、日本が苦境に陥ったというような趣旨の話もされました。まさにそのことで日本は本当に大変な目に遭ったわけです。そもそも、今、日本が進めている政策について、日銀の黒田総裁は、先週の予算委員会で、為替相場を目的としたものではないというふうな発言もされております。
 是非、麻生財務大臣にもお考えをお聞かせいただきたいんですけれども、アメリカの大統領の複数の有力候補がおっしゃっているような、輸出支援のために日本は不当な円安誘導を行っているのではないかというような批判に対してどのようにお答えするのでしょうか。
#20
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のような報道がなされておるのは知らないわけではありませんけど、アメリカのいわゆる財務長官が言っているとか、USTRの代表のフローマンが言っているとか、ルーが言っているとか、そういう話ならまあ聞かないかぬところもありましょうが、大統領候補ですから、なるかならぬか分からぬ人の話、一々個々の発言についてコメントをしていたらもうとてもじゃない、切りがありませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
 その上で一般論で申し上げれば、G7とかG20とかいうところでもうこの話については既に合意をされておりまして、三年前の二月のモスクワでのG20が最初皮切りだったと思いますが、日本の円安についていろいろ出されておりましたけれども、今この種の話をその立場にいる方々で、我々の通貨政策というものはいわゆるデフレによります不況、正確には資産のデフレーションからによる不況からの脱却を目指すための目的であって、結果として通貨が安くなるのは副次的な話であるということに関しましては、この種の会議に出てくる各国の代表においてこれは合意がきちんとでき上がっておるところでもありますので、少なくとも競争力のために、国際競争力のための為替レートの切下げをしていることではないということに関しましては間違いなく理解がされているということで、既に各国のコミットも終わっておると思っております。
#21
○山下雄平君 麻生大臣らしい答弁をいただき、ありがとうございます。
 この経済成長と併せて、財政再建にも私は取り組む必要があろうかというふうに思っております。未来への責任を果たすためには、財政問題は逃げて通れない話だと私は考えております。日本のような巨額な借金を抱えているということは、毎年赤字国債を発行しているという状態は、割り勘代を払わずに毎日飲み食いをして、そのツケを子供、孫に付け回している状態だというふうに私は考えております。このままでは、利払い費を含めて国債を償還するための負担が後の世代に非常に重くのしかかるのではないかと。そうすると、社会保障などを含めて必要な政策が本当に打つことが難しくなってしまう。だからこそ、未来永劫日本が輝いていくためには、この財政問題というものは逃げて通れないというふうに考えております。また、財政再建のためにもデフレ脱却が必要だというふうに考えております。
 政府、日銀の取組により、デフレ脱却もあと一息というところまで私は来ているんだろうと思っておりますけれども、残念ながら、二%の目標には、インフレの目標には達しておりません。この点については、日銀の黒田総裁も先週の当予算委員会で、二〇一四年以降の原油価格が七割以上下落したことを反映していると解説されて、物価の基調自体は回復だと、しているというふうな認識を示されました。この原油価格の問題というのは、中東各国の外交の問題にも非常に絡んでおって、日本が何とかできる問題でもなかなかない外的な要因だと思っております。だからこそ、外的な要因だからこそ、逆に一転して逆に振れることもあろうかと思っております。最近では、原油の値下がりについては一定の歯止めが掛かってきたというふうにも言われております。原油価格が反転した場合は、一転してインフレ基調に振れていくこともあろうかというふうに思います。
 インフレが進めば、結果的にですけれども、政府の債務というのは実質的な債務の価値が下がって、そのことによって歳入歳出の改革を進めなくてもいいんじゃないか、緩めてもいいんじゃないかというような声も時々聞きます。仮にインフレになった場合、それに合わせて長期金利が上がってしまえば借金も増えていくわけですけれども、現在、マイナス金利を含め量的・質的緩和によって経済成長率よりも長期金利を低く抑えることによって、これで問題ないんじゃないかと。ただ、マネタリーベースを増やしているというのは、投資を含めて促進させることによって経済を活性化させるというのが主目的だと思っております。
 インフレがあれば財政再建の問題はもう半ば休んでしまってもいいんだというような、金融政策への過度の期待を高めてしまっては私は非常に問題だと、政府の意図とは違うんじゃないかというふうに思っておりますけれども、インフレ政策によって債務の目減りを考えているわけではなくて、着実な財政再建への取組を進めていく決意は変わらないという認識でよろしいんでしょうか、お聞かせください。
#22
○国務大臣(麻生太郎君) 今、山下先生御指摘のあったように、いわゆる借金の額というのは、それに伴います金利の額も一定しておりますので、デフレになりますと金の価値というものが上がって物の価値が下がっていくわけですから、当然のことと、その借金の負担というのは重いものになってくるというのはもうデフレの時代、この二十数年間経験済みのところですが。
 インフレによって、高いインフレと言った方が分かりやすいと思いますが、高いインフレによって初期、最初の段階では債務が実質的に減少するということはあるかもしれませんけれども、いずれにしても、新規に発行する国債の金利というものが、インフレ率と同程度か上かどうかは別にして、それ以上に上昇することなどもありますので、必ずしも債務残高が実質的に減少するということは言えないんだと思っております。
 したがって、更に高いインフレによって財政の信認というものがこれは失われるというか、いわゆる損なわれるということになりますと、金利が急激かつ大幅に上昇するということになれば、これは国民生活にも非常に大きな影響を与えるということになろうかと存じます。
 したがって、今御指摘のあったとおりに、基本的には、今我々やっておりますように、経済の再生、経済成長を進めながら、歳出歳入両面で経済というか財政の健全化というのを着実に進めていくということで、今私どもとしては、目安を立てて、きちんとしたいわゆる改革工程表に基づいて今いろいろやらせていただいておる最中なんですが、こういったものをきちんと、二〇一八年、二〇二〇年度と一応年次も目標を定めてやっておりますけれども、こういったものに向けて頑張ってまいりたいと思っております。
 少なくとも、この二〇一五年度までにプライマリーバランスを半分にします、赤字半分にしますという目標を立てて出したときには、これで成功すると思った方は日本経済新聞を含めて一つもありませんでしたから、それが実際にこれが着実にできたわけですから、確実にこの三年間その成功はしているということなので、それをかなり確実なものにしていかねばならぬと。厳しいとは思いますけれども、これをきちんとやっていく、それが今、安倍内閣の姿勢であります。
#23
○山下雄平君 ありがとうございます。いい御指摘ありがとうございます。
 財政再建をするためにも経済を成長させていく必要もあると思いますけれども、経済成長だけではプライマリーバランスを黒字化することはできません。着実な財政再建の取組が必要だと思っておりますけれども、この消費増税に関しては総理も、リーマン・ショックだったり大震災のような事態、世界経済の大幅な収縮が起きている事態を例外とするということは、これまでも何度も言及されております。
 では、消費増税の判断基準に総理が言及された世界経済の大幅な収縮が起きているかどうかというのをどのタイミングでどのように判断するのでしょうか。サミットに向けて開催する国際金融経済分析会合も参考にされる可能性はあるのでしょうか。一昨年のように増税できる状況にあるかどうか専門家に聞くような会合を開かれるのかどうか、お聞かせください。
#24
○国務大臣(麻生太郎君) これは、山下先生、かかって大きな政治判断によるところだと思いますが、どういったものをしてと言われると、これは具体的にこういったものというのが今現実に起こっているわけではありませんし、私どもとして、総理があの例を二つ引いておられるのは、ほかにそういった極端な例が余りないからあの例を引いておられるんだと存じますが。
 いずれにしても、私どもとしては、いつの時期かといえば、私どもとしては、本来の目的は社会保障と税の一体改革ということですので、この国として、人口減少問題というのは長期的にはこの国最大の問題でありますから、これをきちんと正面から取り組もうという姿勢が安倍内閣のこの三次内閣の一番の特徴だと思いますけれども、それに向かってやっていくに当たって、社会保障と税の一体改革というこの基本姿勢が一番大事なところだと私ども思っておりますので、今おっしゃいましたように、基本としてこの姿勢を貫いていくという、すなわち予定どおり実行させていただくという覚悟で頑張ってまいらないかぬと思っております。
#25
○山下雄平君 ありがとうございます。時間が来ましたので、終わります。
#26
○委員長(岸宏一君) 以上で山下雄平君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#27
○委員長(岸宏一君) 次に、西村まさみさんの質疑を行います。西村まさみさん。
#28
○西村まさみ君 おはようございます。民主党の西村まさみでございます。
 まず、依存症予防教育推進事業についてお尋ねしたいと思います。
 御承知のように、近年、飲酒、喫煙、ドラッグ、そういった医学的な依存症に加えて、青少年のスマホですとか、パチンコ、ギャンブル、今では買物依存症や美容整形依存症、自傷行為依存症など、本当に多岐にわたってこの依存症というものが社会現象として起こっています。とりわけ、先月は有名なプロ野球選手の依存症、いわゆる覚醒剤問題というものがありまして、これは野球をやっている子供たち、そして今なお社会人野球等で活躍している皆さん、そしてスポーツをしている皆さんから国民、大変大きな、ショッキングな出来事だったと私は思っています。
 今回、この青少年の健全育成の観点から、若年層への依存症予防教育というもの、これは大変重要であり、学校現場において個別の依存症対策についても学んでいくことはもちろんですけれども、地域をもって周りの保護者、大人の人を囲んでのこの予防教育というものは必ず必要だと思っています。今回、一千五百十二万五千円という僅かな金額ではあっても、この第一歩を踏み出せたということに大いに評価をすると同時に、何より、これから長期にわたってこの教育推進事業は行われていかなければならないと考えます。
 まず、文科大臣にお尋ねします。
 この今までの現象を認識して、この推進事業をどのように進めていくためにこのようなことを予算として計上したのか、教えていただきたいと思います。
#29
○国務大臣(馳浩君) 文部科学省では、平成二十八年度新規事業として、依存症予防教育推進事業に係る経費を政府予算案に計上しております。社会教育施設等を活用した依存症予防教室の開催、それから、各種依存症に関する最新の動向や取組事例等をテーマとしたシンポジウム等の開催、さらに、国内外の依存症に関する青少年等の実態の把握や依存症予防のための取組事例の調査などを実施する予定であります。
 依存症の予防教室は、平成二十八年度にモデル事業として地方公共団体の五か所程度で実施してもらい、その取組の成果を全国に展開することを念頭に入れております。
 今後とも、厚生労働省など関係府省庁と連携しながら、各種依存症予防教育の推進に努めてまいりたいと思います。
#30
○西村まさみ君 文科大臣、今、モデル事業として全国の自治体五か所とおっしゃいました。私は、たとえ千五百万、僅かな予算であったとしても、全国でまず四十七都道府県広くシンポジウム等をやって、まず周知をすることが大事だと思うんですが、なぜ五か所にされたのか、その理由をお聞かせいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(馳浩君) この依存症対策については、やはり社会問題として看過できないということでいよいよ本格的に取り組もうと。しかし、それを一気に全国展開するというよりも、実態をまず見ながら事業を展開をし、シンポジウムなどを行い、また関係府省庁の御意見なども伺いながら、やっぱり徐々に全国に展開していく必要があると。そのまずモデル事業をしっかりやって、実態を踏まえてからやりましょうと、そういう趣旨であります。
#32
○西村まさみ君 大臣の趣旨、非常によく分かったんですが、五か所では選択するのが非常に難しいと思うんですけれども、例えば手挙げ方式で、こういう事業をします、手を挙げてくださいという中で五か所に限られるんですか、それとも複数、五か所以上でも、熱心にやりたいというところがあればそれは認めることがあるんですか。
#33
○国務大臣(馳浩君) その五か所の選定については、もちろん手挙げ方式でもありますし、また、事業をしっかりと行っていただくにふさわしい体制が整っていると、いわゆる関係者が整っていると考えるのが妥当だと御理解いただきたいと思います。
#34
○西村まさみ君 十分に理解はします。ただ、この選定、非常に重要だと思います。
 この五か所なりの箇所数、正しいかどうかはちょっとまだ分かりませんが、そのモデル事業がうまくいってからこそ四十七都道府県に広く広めるわけですから、是非ともその五か所の選定、今までの県の取組、また、その中では民間団体等様々な取組があると思いますから、そういったところまで是非御考慮をいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 そもそもに戻りますが、厚生労働大臣、依存症の定義とは何でしょう。
#35
○国務大臣(塩崎恭久君) 依存症の定義というお尋ねでございますけれども、一般に、我が国ではアルコール、それから薬物などの特定の物質、そしてギャンブルなどの特定の行為に依存をしている精神疾患を総称して依存症と呼んでいるわけでございます。これは、世界保健機関によります国際的な診断ガイドライン、いわゆる国際疾病分類、ICD10において、物質に対する依存が依存症、そしてギャンブル依存が病的賭博と定義をされておりまして、特定の物質や特定の行為への依存が国際的にも精神疾患と捉えられていることを踏まえたものでございます。
 以上です。
#36
○西村まさみ君 厚生労働大臣、それでは、今の依存症を精神疾患と捉えているとおっしゃいました。その数を把握していますか。また、その疾患、診療科、その全ての、例えば何依存症であればどういったところで何名ぐらいとか、そういう数の把握をしているかどうか、教えてください。
#37
○国務大臣(塩崎恭久君) 数でございますけれども、平成二十六年の医療機関を受診している依存症の患者数、これは、アルコール依存症が約四万九千人、薬物依存症が約三千人というふうに承知をしておりまして、ギャンブル依存症については五百人未満というふうに言われておりますが、統計上の制約から、正確な人数は把握ができていないという状況でございます。
 依存症患者につきましては、都道府県及び指定都市の精神保健福祉センター、これ全国に六十九か所ありますけれども、必要な助言、指導、そして地域の医療機関を紹介するなど、依存症患者が必要な医療を受けられるような支援をしておるわけでございまして、数につきましては今申し上げたとおりでございます。
#38
○西村まさみ君 大臣、そうなんです。これ、今大臣が言ってくださった数字、本当に氷山の一角だと思うんですね。実際に例えば病院に行くとかセンターに相談をするとかそういった数で、そこまで至っていない人がその後ろに、はっきり言えば何百万人といる依存症もあるわけです。そこのところの数を把握するという意味でも、しっかりと文科省の今回の事業とは連携を組んでやっていただかなければいけないと思うんですけれども、まず、今大臣おっしゃいました六十九か所、様々な支援、相談等も含めてやっているとおっしゃいましたが、相談内容についてはどのようなものが多いのか、どういった疾患、いわゆる依存症が多いのか、その点のところは厚生労働省として把握をしていらっしゃるでしょうか。
#39
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいまの精神保健福祉センター、全国六十九か所でございますけれども、そこでの相談ですが、依存症に関する相談は、平成二十六年度に対応した依存症に関する相談件数、まずアルコール依存関係が三千七百七十件、そして薬物依存関係が六千六百二十二件、ギャンブル依存関係が二千二百七十三件となっておりまして、具体的なその相談の内容までにつきましては、国において集計はしていないところでございます。
 厚労省としては、依存症の予防、本人や家族に対する相談支援、適切な医療の提供や回復者の支援など一体的な取組が重要だと考えておりまして、引き続き、精神保健福祉センターを中心に、地域レベルで、依存症の方々、そしてまたその家族の方々からの相談にしっかりと対応してまいりたいと考えております。
#40
○西村まさみ君 相談内容を知らずして計画とか推進するというのは非常に難しいと思いますので、是非とも、この事業が始まるのであれば、厚生労働省としてはセンターの中での内容を、どういった相談内容が多いのか、ここが分からないと予防というのはなかなか難しいと思いますから、是非そこのところを連携をして、お願いをしたいと思います。
 このモデル事業、効果がどのぐらいあるかとか、好事例を横に展開して四十七都道府県で進めていく、そのためにはどういう計画をしっかり立てていくのか、依存症の数が減るのか、そして、いわゆるこういったことが数字的に明確にならないと継続的な予算事業として展開していくこと、長期にわたってすることは非常に困難だと思うんです。
 そこで、麻生財務大臣にお尋ねするんですが、財務大臣の御地元は、とりわけ飯塚オート、芦屋ボートとか、競輪のサテライト北九州、飯塚にあったりと、ギャンブル依存症が多いところの一つに挙げられているところであります。財務大臣としてではなく麻生太郎衆議院議員として、やはり依存症対策は教育も含めてしっかりと取り組んでいく、その思いがどうなのか、そして財務大臣として、これを長期にわたるには、今回の文科省が行う推進事業をどのような形で明確に数字として表したら長期にわたった予算化というものに考えが行くのか、お聞かせいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(麻生太郎君) 元々炭鉱屋の町ですから、こういったようなものはいろんな意味で昔から生活の中にかなり広く根付いているものだと思っております。
 したがいまして、今言われましたように、依存症というものに関しましては、それは家族にどれくらいの影響を与えるか、本人が楽しんでやっている分ならともかく、だんだんだんだんそれが高じてきて問題になるという話なんだと思いますんで、今回これで予算ということを陳情いただきましたけど、これ本当に効果ありますかね。どんなことやるんですって、いや、よう見えませんな、私らには。医者が、先生がって、そんなもので止まるんですか、依存症って。私には非常に興味がありますんで、まずはこの予算案を小さく付けさせていただきましたけれども、これが本当に効果があれば出しますよ。あるかないか分からぬじゃないですかと思って、効果の上がらぬものに出すつもりはありません。
#42
○西村まさみ君 麻生大臣、そのとおりだと思います。私も、昨日これ、推進事業のレクを受けました。大変すばらしい事業なんですが、どの程度の効果が見えるかが全く見えてこない。ですから、是非とも、今財務大臣がおっしゃったように、効果がどのぐらいあるかということを明確にこの一年で、最初の一年というものが非常に重要だと思いますので、文科大臣、是非そこのところ、取組をしっかりとやるということを財務大臣にお話しいただかなきゃいけないでしょうし、今ちょっとあったように、教育していくということに一年で効果が出るということは非常に難しい。それをどのように御理解いただけるか、これは文科省の役割だと思うんですが、どうでしょう。
#43
○国務大臣(馳浩君) やはり依存症が、個人だけではなく、家庭に対して、また社会に対してどういう悪影響を及ぼしているのかということについては、厚生労働省はもとより、また犯罪に関わる場合もありますのでこれは警察庁ともですが、そういう現状を十分に理解した上で、依存症に至る原因というのはやはりあるわけですよね。それは心理的なものなのか、外圧的なものなのか、それもあると思います。そういったことを踏まえるからこそ、シンポジウムなどを通じて関係者の方々に、原因、対策、見通し、そして当然予防、抑止と、こういうふうに働いていかないと意味はないと私は思っています。
 麻生大臣がおっしゃっているのは、私はまさしくそのとおりだと思っていますので、したがって、小中高校の学習指導要領の中にも依存症対策についてはそれぞれの年代に応じて書いてございますし、保健の授業などを通じて伝えることになっています。しかし、それを一般的な議論じゃなくて、もし自分がそうなったらどうなるのか、また家族がそうなったらどうなるのか、あるいは親戚であったり職場であったり地域において依存症の方がいたらどうなってしまうのかということをやはり具体的に伝えていかないと、本来の教育的効果は上がらないと私は思います。
 そういうことを含めてまずは五件、五か所だけでも認めていただいた一千五百万円ほどの予算ではありますが、貴重なやっぱり一千五百万円でありますので、より依存症対策、そして依存症予防教育といったことの目的を明確にして、その上で成果を上げて横展開していくことができるように取り組む必要があると思っていますし、改めて関係省庁の連携が求められると思います。
#44
○西村まさみ君 そうなんです。これはこの一年が非常に重要です、何度も言いますが。ですから、必ず成果を上げる努力をするだけではなくて、成果を上げるという決意が必要なんだと思います。
 私は、実は今日資料にお出ししたように、このワンネスグループというところの施設、沖縄県にありました、見てきました。そして、代表からのお話を聞きました。また、いわゆる回復をしようとしている皆さんの現場も見てまいりましたし、こういった事業展開、一生懸命やっているところはこの団体だけじゃなくて幾つもあります。
 回復団体の一つであるダルクというところの上岡陽江さん、母子支援をしているんです。お話を聞きました。回復施設にいる人は自らが虐待を受けてきた経験を持つ人もいる、薬物を使用して自分たちの子供に虐待を加えてきたこともある、多くの一般的な家庭で育つ子供に目を向けたやり方だけではなく、是非、虐待を受けながらも生き抜いている子供たちにも目を向けていただくような事業に展開をしていってほしいと。そういった声も聞こえていますので、まさにこれから第一歩を踏み出すわけですから、長期にわたっての施策、しっかり効果を上げてやっていただきたいということをお願いをさせていただいて、次の質問に移りたいと思います。
 子供への投資、貧困の解消についてお尋ねします。
 これ、何よりも重要であり、喫緊の課題です。改めて厚生労働大臣にお尋ねします。
 連続して減少してきた待機児童数が二〇一五年に増加した理由は何だとお考えですか。
#45
○国務大臣(塩崎恭久君) 待機児童数がなぜ増えたのかと、こういうお尋ねでございますけれども、平成二十七年の四月一日現在の待機児童数は二万三千百六十七人でありまして、これは五年ぶりに増加をいたしました。平成二十六年度の受皿拡大は十四・六万人と大きく拡大はしたわけでございますが、一方で、申込者数も前年と比較をすると十三・一万人増えたと、大きく増えたわけでございまして、その結果、待機児童数が増加をした格好になったということでございます。
 申込者数が大幅に増加をした要因としては、まず女性の就業者、特に保育所等利用者と対応いたしますゼロ歳から三歳までの子供さんを持たれる二十五歳から四十四歳の女性の就業者、これが平成二十四年の十―十二月の、通って、平成二十六年十―十二月、二年後ですね、と比較をいたしますと約六万人増加をしております。平成二十五年十月―十二月と比較をいたしますと、それでも約一万人増えているという格好になっているわけでございます。
 また、平成二十七年四月から求職活動中などの場合にも申し込めるようにするなど、申込み要件を緩和をして申込みしやすくなったということも相まって申込みが増えたのではないかと考えているところでございまして、今後、女性の就業が更に進むことを念頭に、一億総活躍社会実現に向けて緊急に実施すべき対策、これを昨年決めましたが、これによって加速化プランに基づく平成二十九年度末までの整備目標を上積みをして四十万人から五十万人に引き上げたと、こういうことでございます。
 その実現に当たっては、平成二十七年度補正予算、そしてただいま審議をいただいております二十八年度当初予算案におきまして、保育所等の施設整備費の上積み、新たに小規模保育の施設整備補助を創設をする、そして賃借料加算の大幅な改善、さらには企業における多様な働き方に対応しやすい事業所内保育等の企業主導型保育サービスの創設、これは最大五万人分を想定しておりますが、などに取り組むことによりまして保育の受皿の更なる拡大を進めてまいりたいというふうに考えております。
#46
○西村まさみ君 もう一度お尋ねします。
 二〇一五年に待機児童が、今まで減少していたのが増加した理由は何だとお考えですか。
#47
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほど私の方から申し上げましたけれども、受皿を拡大したということと使い勝手を良くしたということ、そして、それの大前提として女性活躍に期待をするということ、さらに、もっとベースになるのは、やっぱり企業活動が活発になってきておるということが就業機会を増やしているというふうに思っているところでございます。
#48
○西村まさみ君 大臣、違います。待機児童数が二〇一五年に、今まで減ってきたのがまた増加した、待機児童が増えた理由は何でしょう。
#49
○国務大臣(塩崎恭久君) それは先ほど申し上げたように、受皿拡大と申込者の拡大というもののバランスで増えたわけでありますけれども、その原因は、さっき申し上げたように、一つは女性の就業者が増えてその保育ニーズが増えたということ、そして一方で、求職活動中などの場合にも申し込めるようにするといった申込みの要件を緩和をしたということなどがむしろ申込みを増やす要因になったということではないかというふうに思います。
#50
○西村まさみ君 受皿の拡大は保育所の拡大と考えていいですか。
#51
○国務大臣(塩崎恭久君) 様々な保育所の形態がございますけれども、基本的には保育所の拡大が受皿の拡大ということであろうかというふうに思います。
#52
○西村まさみ君 今まで衆議院、参議院で様々議論をされてきても、まだ数字的理解というか、受皿が増えているのであれば、待機児童も減る、どちらかといえば減るんじゃないでしょうか。その辺の認識は非常に難しいところでありますが、やっぱり現場、現状というものを知ること、非常に重要だと思っています。九十万人働いたから決して待機児童が増えたというわけではないということは、先週、蓮舫委員からも御指摘をさせていただきましたし、衆議院の方の予算委員会でも山尾委員、また玉木委員からもあったと思います。
 一番増えている、数字をどこで取るかということは大きいと思うんですが、一つ私は先週の総理の御答弁で非常に気になったことがありました。総理は、保育所の利用申込時期が前年秋だったから、二十七年の四月の待機児童の増加を考えれば、前年の十から十二の数字を見てそこが増えてもとおっしゃったんですが、確かに保育園の申込締切りは秋です。でも、決定通知は翌年です。早いところで例えば、調べました、秋田県、すごく早くて一月下旬、大阪が二月五日、例えば三月に入ってから来ることも十分にあります。昨日の朝日デジタルで出ていました。大阪の吹田市、まさか全部落ちるなんてという題名で、保育所で悲鳴、これまさに悲鳴です。四月の入所に対して二千四百八十一人申し込んだ、その結果が決まって通知が来たのが二月十二日。
 とすると、秋以降を見てもこれはやはりちょっと違うんじゃないかなということと、年齢をよく見ていただいて、保育園に預ける、先ほど大臣おっしゃいました、ゼロ歳から三歳までが一番預ける、その年齢のママたちの分布を見てみると、決してそこのところと関係があるとは言えないということで、是非もう一度、もう一度、どの年齢の就業申込み、いわゆる就業者数が増えたのか、そして保育園に行っているお母さんたちがどの年代に多いのかということをもう一度是非御理解をいただかないと、この話、なかなか解決しないと思います。
 塩崎大臣のゼロ歳から三歳というのは度々おっしゃってくださっています。でも、保育園が増えれば、総理も、二十万人、四十万人、更に十万人という形で保育所を増やすとおっしゃっています。加藤大臣も、今我々が考えているのは、各市町村からいろいろお話を聞いたその数字を踏まえながら必要な整備をしますとおっしゃってくださいました。でも、何度も言いますが、保育所が増えても、保育士さんがそこに勤めてくれる、働いてくれるようにしなければならない。そのためには、処遇の改善は必ず必要なんです。
 その前に、加藤大臣、今私が申し上げました、今我々が考えているのは各市町村からいろいろなお話を聞いたその数字を踏まえながら必要な整備をこれまでに上乗せ整備する云々とおっしゃいました。私も昨日いただきましたこの資料を見て、どう整備するのか、御理解いただけるのか、大臣にちょっとお尋ねしたいと思います。
#53
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。この資料というのはちょっとよく分からなかったんですが、済みません。
#54
○西村まさみ君 昨日、レクを受けさせていただいたときに、加藤大臣が、今我々が考えているこの市町村からいただいた数字というのは何ですかと言いましたら、昨日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課から保育拡大量の推移という紙を送っていただきました。これだとおっしゃるんですが、これを見て、各市町村からのいろいろとお話を聞いた数字を踏まえながらというのはどこでできるのかがちょっと分かりにくいんですが、大臣、お分かりになりますか。
#55
○国務大臣(加藤勝信君) それは多分、待機児童解消加速化プラン集計結果というやつでしょうか。ですよね。
 それは、昨年の九月に公表させていただいたんですけれども、待機児童解消加速化プランに基づき、自治体の取組状況を厚生労働省において取りまとめていただいたその結果、平成二十九年度末までの五か年の合計で、当初は四十万ということでありましたけれども、そこに記載ありますように、四十五・六万人分の受皿の拡大が必要だと、こういうことでございますので、それを踏まえ、さらに、先ほどの御議論ありましたけれども、これから、今上がってきております、特にゼロ歳から三歳で保育所に預ける方の率も上がってきていますから、その辺も勘案して五十万人が必要だろうと、こういうふうに考えております。
#56
○西村まさみ君 保育所の拡大、是非お願いしたいと思います。
 私も、実は生後五十八日目から小学校上がるまで保育園のお世話に娘がなりました。大変な探すとき苦労しました。もう十五年前です。でも、今でも同じようなこと、もしかしたらそれ以上に拡大する。保育所が少ない、保育所の数が少ないということは当時から言われていまして、認証保育園なんかができた、それが十五年ぐらい前だったと。まさに、その第一号で入れていただき、今まで本当に感謝をしています。
 ただ、保育所の問題というのは、子供は成長します。ですから、ゼロ歳で預けて小学校上がるまで、その後も、ああ、保育所は大変だなと思いつつも、なかなか、終わってしまうと人の話というふうになってしまう。でも、そこを国がしっかり整備をしないといけないと、そう感じています。ですから、是非とも、保育所を拡大するのであれば、五十万目指してやるならば、保育士の数を増やすということ。
 そこで、厚生労働大臣にお尋ねします。現在、保育士の資格を有する人、そして実際に就業している人の数を教えてください。
#57
○国務大臣(塩崎恭久君) 保育士の資格を持っていらっしゃる方の数でございますが、保育士養成施設の卒業後、保育士試験の合格後、保育士資格の登録を行った、そういう方の累計というのが、平成二十七年四月現在で約百三十一万人累計でおられるわけでありますが、保育所などに保育士として勤務をされている方、これは平成二十六年の十月現在で約四十七・五万人というふうになっているところでございます。
#58
○西村まさみ君 この差、この差を縮めることがまさに大切です。なぜ、今までの質問の中でもあったように、一番の理由はやはり賃金の低さです。保育士もそうです、介護士もそうです。やはり、その現場で一生懸命自分は一生働こうと思って資格を取っても、現実にその賃金では、例えば経済的に非常に厳しいとか、今、保育士も介護士も男性も女性もいます、その中で子供を産み育てていくような環境にはこの賃金の低さでは到底できないということで皆さん離れる。非常に残念だと思います。だからこそ、この保育士の給与体系、必ず見直して処遇の改善をしていかなければならないと思うんですが。
 加藤大臣にお尋ねします。補正予算の第二の矢、希望出生率一・八に直結する緊急対策の中に保育士の給与体系見直し九十三億円あります。これは処遇改善は含まれますか。
#59
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘がありました平成二十七年度補正予算で、保育士等の処遇改善に関して、保育士等の賃金水準を平成二十七年の人事院勧告に伴う国家公務員給与改定に準じて引き上げるためということで、公定価格というのがございますが、その中におけるまさに人件費部分をその分引き上げる、その財源を確保したところでありますし、平成二十八年度予算においてもそれが反映できるように財源を確保しているところでございます。
#60
○西村まさみ君 この補正予算の保育士の給与体系見直し九十三億円の中に処遇改善が入っていると考えてよろしいですか。
#61
○国務大臣(加藤勝信君) 給与体系といいますか、今申し上げたように、人事院勧告に伴う引上げ分として国費ベースで九十三億円を計上していると、こういうことでございます、補正予算において。
#62
○西村まさみ君 大変不十分だと思います。九万円差があるんです、全産業の賃金と比べて保育士の給与。
 だから、やっぱり現場は成り立たないわけだから、保育所が増えても保育士が増えなければ、そして資格を持っていても就業していない潜在的な保育士さん、是非もう一度、自分が将来これで頑張っていこうと思った保育士さんたちがもう一度現場で働けるようにするためには何よりも処遇の改善。だから、子育て支援リストの三千億のメニューが是非とも必要だから財源を付けてくださいということは、もう再三衆議院でも参議院でも予算委員会で申し上げています。
 是非ともこの三千億は重要だと思うんですが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
#63
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう元々自公民で三党合意で、一体改革の中で三千億を加えて合計約一兆円ということで子育て支援を行おうということでございました。これを三党合意したときも民主党政権でありましたが、特定の財源を探し得ていたわけではなかったわけで、引き続き私どもとしてもこの三千億については実現に向けて努力をしていかなければならない、それはやはりしっかりとした財源を見付けていくということにおいてやっていくしかないわけでありますので、是非それについては大事に扱っていきたいというふうに思っております。
#64
○西村まさみ君 大変頼りない。もっとしっかり、厚生労働大臣としては、将来の日本を担う子供たちのための財源を見付けると是非言っていただきたいと思いますが、なかなかそれができないのかなと残念に思います。
 一回三万円、三千九百の財源がアベノミクスの果実で多くの皆さん、年金もらっている皆さんに行くということで、三千九百億円使う、これも大事なことでしょう。でも、これからの子供たち、これにやはり一番の光を当てていくこと、何より大事だと思うんですが、なかなか先に進まないので残念だなと思いますが、是非とも三千億、何とか見付けてほしい。
 厚生労働大臣、もう一度、どうでしょう。
#65
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、女性活躍も含め、そしてまた言ってみれば多様な働き方を進める、これが、多様な働き方改革というものが安倍総理にとってもこれから三年間のうちの最大のチャレンジだと、こう言っているわけでありますので、それが実現するためには、やはり子供を預けられるという環境を整えるという意味において、これはもう皆様方もひとつお知恵も出していただいて、私どももちろん政府ですから、その財源を見付けることをしながらこの対応をしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#66
○西村まさみ君 もう一日も早くしてほしいということをお願い申し上げたいと思います。
 次に、済みません、ちょっと一つ飛ばして、もう一度、希望出生率一・八に直結する緊急対策の三世代同居についてお尋ねしたいと思います。
 地域型住宅グリーン化事業百十億、そしてもう一つ、長期優良住宅化リフォーム推進事業四十億、これ、取組としては非常にすばらしいなと私も思うところはあります。
 そこで、国交大臣にお尋ねします。国交省としての三世代の解釈は何でしょうか。資料に付けさせていただきましたので、三世代、三世帯というものはどういうものかということを踏まえながら、是非、国交大臣、国交省としてこの事業を進めていく中での三世代というものの定義を教えてください。
#67
○国務大臣(石井啓一君) 今御指摘いただきました制度につきましては、三世代同居など複数世帯が同居しやすい住宅ストックの形成を促す住宅政策の観点から、いわゆる二世帯住宅仕様とするに当たり割高となる工事費に対する支援を行うものでございます。具体的には、複数世帯が同居する場合に一般的に行われる工事の内容として、キッチン、浴室、トイレ又は玄関のいずれか二つ以上が複数箇所となる工事を要件としております。
 家族の構成や間柄などについては特に定義を置かず、また一律に要件とせず、子育てしやすい環境づくりという観点から、三世代同居など複数世帯の同居に必要となる工事に着目をして支援を行うこととしているところでございます。
#68
○西村まさみ君 今、大臣、定義を置かずと言いました。では、この事業が出生率一・八にどう効果があるとお考えですか。
#69
○国務大臣(石井啓一君) 一般的には、親との居住距離が近い夫婦ほど出生する子供数が多くなる傾向がある、これは国立社会保障・人口問題研究所の調査等によってもそれが示されております。内閣府の調査によると、約二割の方が三世代同居を理想の家族の住まい方とする一方、三世代同居世帯が全世帯に占める割合は平成二十五年には五・二%ということであり、ニーズと現状に乖離が生じております。このため、補助制度や税制上の措置により、複数世帯が同居しやすい住宅ストックの形成を促す観点から、二世帯住宅仕様とするために割高となる工事費に対して支援を行うということとしたところでございます。
 こうした住宅は、複数世帯が同居して世代間で助け合う共同生活を送りつつも、同時に、ライフスタイルやプライバシーの尊重等を図る上で有効な仕様となっているところでございます。したがって、親世帯と若い夫婦世帯の同居を目的として選択されることが一般的であり、若い夫婦世帯が子育て中であるか子育て予備軍であることが多いというふうに考えております。新婚世帯や子育て世帯への多様な支援の一環として、三世代同居を選択肢の一つとして支援することを通じて出生率の向上に寄与できるものと考えております。
 なお、これは、事業採択時には三世代同居をするかどうかということは現実には確認をしておりませんけれども、この政策効果を事後的に検証することは重要でございますので、例えば補助金の交付先となった中小工務店等から成るグループに対してや、あるいは住宅リフォームを行う事業者の団体に対して、また税制の適用上必要となる増改築等工事証明書を発行した建築士等に対して調査への協力をお願いをいたしまして、どの程度同居を実現をされたのか、またこの支援措置が同居を行うきっかけとなったかどうか等について効果的な検証をしてまいりたいと考えております。
#70
○西村まさみ君 私のことばかりで恐縮なんですが、私、まさに三世代で住んでいます。玄関も二つあります。お手洗いもバスルームもあります。でも、子供がもう一人生まれるということに必ずイコール直結、これ直結ですよ、直結する緊急対策というところで補正に付けています。
 これから調査をするんだと思います。是非とも、その調査の中に、一・八に効果が、出生率一・八に効果があるのかどうか、そして何よりも、この三か月でも相当数の希望の方がいらしたというふうに聞いています、是非ともその調査、内容の中にそこは入れてほしいと思うんですけれども、国交大臣、どうですか。
 子供が生まれたのか、妊娠したのか、若しくは、いろんな調査、アンケートをすると思うんですね。じゃないと、これ一・八になるのかどうか分からないことにこれだけ、十六・八億補正でも付けているわけですから、それこそ財務省としてはもうこれは要らないよと言われちゃうんじゃないかと思うんですけど、どうでしょう。
#71
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど答弁申し上げましたとおり、事後的に、同居が実現したのかどうか、同居をするきっかけになったかについては調査したいと思いますけれども、実際に妊娠をしたのか、子供ができたのかということについては、相当長期的な調査が必要となりますので、直ちにそれを行うことは今現時点では考えておりません。
#72
○西村まさみ君 やっぱり全てのことにおいて、何となく子供ということが付くと違うことに予算が回ってしまう。このお金だって、もしかしたら、やりくりすれば保育士の処遇の改善につながるんじゃないかなと思わざるを得ません。
 是非とも、私はこの事業、すばらしいと思っているんです。ただ、一・八に果たしてつながるかというところが大きな問題だと思っていますので、この事業を継続するためにはきちっとそこのところを検証していただいて、その分のアンケート調査を確実にやっていただきたいということをお願いをいたしまして、国交大臣、ありがとうございました。
 委員長、お取り計らいをお願いします。
#73
○委員長(岸宏一君) どうぞ。
#74
○西村まさみ君 それでは次に、高校生への修学支援についてお尋ねしたいと思います。
 今、高校生の修学支援、非常に広がったとは私たち民主党としては言いにくいですが、継続していただいていることに感謝をして、今現状どんな支援があるか、簡単に教えていただけますでしょうか。
#75
○国務大臣(馳浩君) 平成二十二年度から始まった高校無償化制度は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、教育の機会均等に寄与することを目的として創設されました。
 限られた財源を有効活用する観点から、平成二十六年度に高等学校等就学支援金に所得制限を導入しました。そして、私立高校生等への就学支援金の加算拡充、授業料以外の教育費を支援するための高校生等奨学給付金制度の創設などを行ったところでありまして、なお、授業料を支援する高等学校等就学支援金については、要件として、既に高等学校等を卒業したことがないこと、三年制の高等学校等の場合、三十六月以上在籍していないこと、市町村民税所得割額が三十万四千二百円未満の世帯の生徒であること等の受給資格要件を満たした場合、国公私立高等学校等の学校設置者が生徒に代わって受領し、生徒の授業料に充てるものでございます。
#76
○西村まさみ君 平成二十七年度の予算が三千九百九億円、平成二十八年度予算額が、案ですが、三千八百四十二億円、これが高等学校等の就学支援金。そして、今御説明いただいたようなことがあります。
 先週、この問題、高校生の就学金の問題で、大きなこと、ショッキングなことがありました。ウィッツ青山学園の話です。これ大事なお金です、高校生の子供たちに対して就学の支援をするわけですから。この青山学園に対して、いわゆる文科省としてはきちっと調査をしましたか、していますか。
#77
○国務大臣(馳浩君) ウィッツ青山学園高校について、報道にあるような教育面の問題とか就学支援金の不正受給の問題についてでありますが、これ一連の経緯は御説明しなくてもよろしいですか。
#78
○西村まさみ君 はい。
#79
○国務大臣(馳浩君) 分かりました。
 調査について申し上げます。不正受給の捜査を踏まえ、文科省として、実態把握を進める過程において教育内容等に関しても調査するよう本年一月二十六日、伊賀市に要請したものであります。この要請を受けて伊賀市が調査した結果、二月十日に開催された伊賀市の学校審議会において、同校の設置者である株式会社ウィッツからの報告の中で現在報道されるような不適切な教育実態が明らかになり、伊賀市から文部科学省に対して報告されたものであります。
 このように、文科省としては、所轄庁である伊賀市から適宜情報が得られる関係を構築しておりますので、今後とも必要に応じて情報提供を求めてまいりたいと思います。
#80
○西村まさみ君 現在、このような通信制の高等学校は全国で百二施設あると聞きました。このほかのいわゆる百一施設に対してもこのような実態があるかないかの調査をいたしますか、していますか。どちらでしょうか。
#81
○国務大臣(馳浩君) 今回の就学支援金に関する不正受給の疑いの事案を踏まえ、文科省としては、広域通信制高校については、一、学校所在地と生徒の居住地とが離れていること、二、年齢構成が多種多様であることなどから、生徒の実態把握が他の高校に比べ難しいことを踏まえ、広域通信制高校の全て百二校について就学支援金事務に関する緊急点検を実施することとし、昨年十二月十七日に就学支援金を支給する都道府県等に対し依頼を行ったところであります。
 この緊急点検については、各都道府県が各学校に対して実地検査を実施した上で、文科省に対して報告がなされたところであります。現在、文科省において報告内容の確認や取りまとめ作業等を行っており、当初の予定どおり三月中に公表する予定でございます。こうした緊急点検の結果も踏まえ、就学支援金における不正受給防止策を速やかに講じてまいりたいと存じます。
 なお、就学支援金の申請様式については、虚偽の申請を抑止する観点から、一、記載内容が事実であること、二、不正に支給させた場合には、不正利得の返還や刑罰に処せられる場合があることを確認させる欄を申請書の冒頭に設ける省令改正の手続を進めております。これについては、来年度の申請から適用すべく、三月中旬には公布する予定でございます。
#82
○西村まさみ君 この通信制の高校教育というのは、スクーリング、面接指導を学校の中で例えばやるとか、それからプリント、自宅でやったものを送ってもらって添削をするとか、それからいわゆる試験をするとか、いろいろあるんですが、今回の青山学園、もうテレビ報道で皆さん御存じだと思いますが、大変ひどいんです。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行って入場券を買う、お土産を買う、これは数学だ。それから、いろいろな施設で遊ぶ、この施設を見ることが、舞台を見るから、舞台セットだから美術だと言ってみたり、じゃ途中のドライブインでお土産を買ったりするのはいわゆる家族のことを考えて買うから家庭科だとか、これはやはりもう少し厳しくやっていかなければいけなかったことなんだと思うし、これから是非とも再発防止をしなければいけないと思います。
 しかし、ここで一番の被害者は、この学校で学んできた高校生です。この三月には、全日制もこの学校にはあります、卒業する人もいます。四月から入学しようとする人もいたでしょう。ここに対する手厚い配慮というものは、これは文科省として、しっかりと都道府県、そして伊賀市に対して、もちろん学校に対してするべきだと思うんですが、そこのところはどういう取組をされたか、教えてください。
#83
○国務大臣(馳浩君) まず冒頭に、この通信制広域の高校において行われた今般の教育内容については、私も報道等を通じて知り得る限りではありますが、大変遺憾に思っておりますし、当然残念にも思っております。
 その上でのお尋ねでありますのでお答えします。
 ウィッツ青山学園高校における不適切な教育実態によって、卒業見込みの生徒等が過度な不利益を被ることがないように対応していくことが重要と考えております。
 このため、三月二日に文科省から同校の所轄庁である伊賀市に対し、生徒の学習実態を十分に調査し、不適切な面接指導等についてしっかりとした指導体制の下で改めて生徒に対して学習指導することを求めるよう通知により指導を行ったところであります。この通知を踏まえ、三月四日には伊賀市の学校審議会において、本年度卒業見込みの生徒等の学習状況を早急に調査し、回復措置を行うよう緊急答申がなされたところであり、この緊急答申を受け、同日、伊賀市が同校を指導したところであります。
 今後とも、文科省としては、所轄庁である伊賀市に指導、助言等を行うことを通じて、生徒に対して適正な教育が実施されるように取り組んでまいりたいと思います。
#84
○西村まさみ君 大臣、ここで一番大事なのは、やはり本当はこの三月で卒業できたはず、できるだろうと私は思いますが、その子たちは、就職先も決まっていたでしょうし、進学先も決まっていたと思うんですね。
 学び直しをやっぱりしたからといって、それが三月より先に行ってしまうということがないようにしないといけないんですが、そこのところは間違いなく大丈夫でしょうか。
#85
○国務大臣(馳浩君) この所轄庁は伊賀市でありますので、伊賀市を通じてウィッツ青山の高校に対して指導しているところであります。したがって、私が今のこの立場で、現在全て大丈夫ですとは言い切ることはできません。なぜならば、権限がありませんから。
 したがって、委員おっしゃる心配は重々承知しておりますので、いわゆる回復措置をしっかりやっていただくようにということは、これは伊賀市に対して改めて連絡、求めたいと思います。
#86
○西村まさみ君 是非大臣よろしくお願いいたします。
 文科大臣、そして、ちょっと先ほど忘れてしまいました、加藤大臣、ありがとうございました。
 委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
#87
○委員長(岸宏一君) はい、分かりました。──駄目です。座っていてください。
#88
○西村まさみ君 それでは、済みません、法務大臣にお尋ねしたいと思います、選択的夫婦別姓について。
 再婚禁止期間を六か月から百日に短縮する、そして、いわゆる離婚時に妊娠していなければ再婚を認めるという法案が閣議決定、本日されたと思います。それに伴って、そのときに、夫婦別姓ということについては、合憲であったものの、この種の制度は国会で議論して判断するものだという判決がありました。
 私も、仕事をして、自分で事業をして、旧姓でやっているところと、この西村まさみはまさに旧姓です。戸籍名は山本正美です。やはり、そのやりくりというもの、これが面倒だというわけではありません。しかし今、社会において様々なニーズが出てきた中では、これはもう本格的に議論をしなければいけないと思うんですが、法務大臣、見解だけで結構です、教えていただけますでしょうか。
#89
○国務大臣(岩城光英君) 選択的夫婦別姓ということでございますが、私どもは選択的夫婦別氏という言い方をさせていただきますので、まず御理解いただきたいと思います。
 選択的夫婦別氏制度を導入する積極的な理由といたしましては、御指摘のとおり、夫婦の双方が婚姻後も自らの氏を称することができるという新たな選択肢が設けられることが挙げられます。一方、この選択的夫婦別氏制度の導入に対する消極的な理由としては、別氏を選択した夫婦の間の子が必ず夫婦の一方と異なる氏を称することになるなど、我が国の家族の在り方に影響を及ぼすことが挙げられます。
 いずれにしましても、この問題は我が国の家族の在り方に深く関わる問題でありますので、また国民の間にも様々な御意見がありますことから、国民的な議論の動向を踏まえながら慎重に検討すべきであると考えております。
 また、先ほどお話ありましたとおり、昨年の最高裁の判決におきましても、選択的夫婦別氏制度の導入の是非については、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄であるとの指摘がなされております。そこで、法務省としましては、国民的な議論や国会における議論といった深まりを関心を持って注視してまいりたいと考えております。
#90
○西村まさみ君 これは、先ほどちょっと大臣からもありました子供の姓の問題、氏の問題ということも絡んで、たくさんいろいろな議論があると思います。当然だと思います。ですから、是非ともこれを国会の中でしっかり議論する場をおつくりいただきたいということをお願いしたいと思います。
 時間も少なくなりましたので、厚生労働大臣に、いつものことで大変恐縮ですが、歯科口腔保健についてお尋ねしたいと思います。
 再三再四質問をしてまいりました。とりわけ今回は、平成二十三年、民主党政権下で公布、施行された歯科口腔保健の推進に関する法律に基づいて歯科口腔保健推進室も訓令室として昨年の十月から認められました。
 今回、平成二十八年度の予算案で、歯科口腔保健を推進するための八〇二〇運動・口腔保健推進事業などについて新しい日本のための優先課題推進枠を活用した要求をされてくださいました。その内容について教えてください。
#91
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう繰り返し先生からも御指摘をいただいておりますけど、口腔の健康の保持増進というのは健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしているということで、平成二十八年度予算案では、新しい日本のための優先課題推進枠、これを活用して、歯科口腔保健を推進するための施策につきまして、対前年度比約〇・六億円増の約十億円計上をさせていただいておるわけでございます。
 具体的には、八〇二〇運動・口腔保健推進事業といたしまして、口腔保健支援センターの設置推進事業など地域の実情に応じた歯科口腔保健施策のより一層の推進のために〇・八億円増額し三・三億円、そして歯科保健サービスの効果実証事業といたしまして、口腔と全身の関係に加えて口腔ケアと認知症、この重症化予防の関係について新たに検証するための費用として〇・二億円増額をいたしまして〇・七億円という、高齢化時代にふさわしい予防策として今計上させていただいているわけでございますし、また、後期高齢者医療広域連合が実施をいたします高齢者に対する歯科健診を支援する費用として五・四億円なども計上をさせていただいておりまして、これらの予算を活用して、歯科口腔保健の推進を通じて健康寿命の延伸に努めてまいりたいというふうに思います。
#92
○西村まさみ君 委員会の中で大臣にありがとうございましたと言うことはないんですが、今回は本当に厳しいシーリングの中でこの歯科口腔保健に関する予算を拡充していただく、そして何よりも、この工夫というものが大事な中で推進枠を使っていただいたということに対しては、心から感謝を申し上げたいと思います。
 今おっしゃってくださったように、糖尿病とか認知症とか脳血管障害とか、大きな全身疾患と歯周病との関係、また、かむということが認知症の予防につながるということはもう既に明らかになってまいりました。是非とも、ここのところを推進して、健康寿命の延伸のためにも更に大臣には御理解を深めていただきたいということをお願いし、次に、今まで私は昨年の通常国会では七回にわたって質問、そして主意書も出しました、照会もしました。集団的個別指導、いわゆる指導についてお尋ねしたいと思います。
 何度も提案もさせていただきました。そして、大臣からも大変有り難い御答弁を度々いただいたと思います。平成七年からもう二十年以上たっていて、いわゆる平均点数、高いということだけで個別に呼ばれていくと。高齢のドクターもいます。大変健康寿命は長くなっていますので、元気な先生方たくさんいます。当然、患者さんの診る数は少ない。でも、当然ですが、月になれば点数として、平均点数とすれば高くなる。そういった方になるということは、もうこれ、社会的な構造が変わってきて、疾病構造だけではなく人口動態も変わって様々な要件がある中で、この指導大綱の見直しは必ず早急にするべき。
 大臣もその御理解をいただけたと私は今までの委員会の中での答弁で認識しているんですが、大臣、いかがお考えかどうかをお聞かせいただきたいと思います。
#93
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度となく厚生労働委員会で先生と御議論させていただきましたが、この保険医療機関に対する指導の在り方というのは、やはり議論、議員を始め、私の地元を含めて医療関係団体から様々な御意見を頂戴をいたしているわけでございます。
 今お話のありましたような高い点数について選ぶのはいかがなものかという先生の御指摘はよく分かっておるところでございますが、これらのうちで指導の具体的な運用等に係る事項につきましては見直しの検討を進めております。現在、来年度からの実施に向けて関係団体と調整を図らせていただいているわけでございます。
 今後とも、選定基準、指導方法などについては、指導大綱の見直しを含めて、引き続き関係者の合意を得ながら検討してまいりたいというふうに思います。
#94
○西村まさみ君 大臣、そうなんです。大臣の御地元、結構厳しいんです。皆様からお声をいただきました。
 平成二十七年度の選定用の平均点数、これもなかなか厚生労働省お出しいただけなかったんですが、あれほど再三再四にわたってお願いをしましたらやっといただけました。全国平均千二百二十六点、大臣の愛媛県、それより下、千百四十四点です。
 どういうことが起こるか。この点数より高くなると、いろんなものを持ってきて、一週間前にこれとこれ、前日にこれとこれみたいな感じで準備をして行くわけです。そのいわゆる中の状況は恫喝にも当たるような行為で、自殺者が出たことも大臣は御存じだと思います。
 そうならないために、結局、国民の皆様、患者さんに何をするかというと、萎縮診療をするわけです。本当はこの月で入れ歯まできちっと入れてあげられる、銀歯まで入れてあげられるものを、その月をまたいで平均点数が、月の平均点数が下がるようにする。これは、国民にとっても決していいことではない、良質な歯科医療を提供するということに対する大きな弊害があると思うんですが、これも再三大臣にお話をしてきました。
 口と歯と健康が全身に関わるのであれば、これは是非とも早急にやめるべき。今、来年度に向けてとおっしゃいました。今、日本歯科医師会は指導大綱の見直し委員会があって、もう間もなくその状況が把握できて厚生労働省に行くんでしょう。是非ともここは力強く指導大綱の見直しをすると言っていただくことを最後にお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思いますので、大臣、一言お願いします。
#95
○国務大臣(塩崎恭久君) 口腔ケアの重要さというのは、もう議員立法でこれは皆さんこぞって成立をした法律があるぐらいでございますので、先生の御指摘を含めて、しっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
#96
○西村まさみ君 ありがとうございました。
#97
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後三時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時三十三分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#98
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十八年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
 西村まさみさんの関連質疑を許します。風間直樹君。
#99
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 今日は、まず集団的自衛権の解釈改憲についてお尋ねをいたします。
 法制局長官にお尋ねをいたします。
 配付資料の一枚目を御覧ください。内閣法を記載しております。内閣法第四条第二項ですが、「閣議は、内閣総理大臣がこれを主宰する。この場合において、内閣総理大臣は、内閣の重要政策に関する基本的な方針その他の案件を発議することができる。」と規定しています。
 憲法の基本原理の変更が問われる集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更を内閣が行うことは明らかに憲法を誠実に執行する義務に反し、内閣法第四条二項の内閣の重要政策とはなり得ないと考えますが、法制局の認識を伺います。
#100
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 国家機関であります内閣が、憲法の定めに従ってその職務を行うのは当然のことでございます。それは、内閣法四条の規定もその範囲で行う内閣の職務について規定しているものと理解しております。
 憲法の解釈ということでございますが、行政府におきまして、いわゆる立憲主義の原則を始め、憲法第九十九条が公務員の憲法尊重擁護義務を定めていることなども踏まえますと、その権限を行使するに当たって憲法を適正に解釈していくことが当然のことであると考えております。
 このような行政府としての憲法の解釈については、第一次的には法律の執行の任に当たる行政機関が行い、最終的には、憲法第六十五条において「行政権は、内閣に属する。」と規定されているとおり、行政権の帰属主体である内閣の責任に帰せられるものであります。閣議決定は、内閣がその意思決定を行う最高の形式でございます。
 お尋ねは、平成二十六年七月一日の閣議決定に関連してのことと存じますが、その閣議決定においてお示しした憲法第九条の下での武力の行使についての考え方は、昨年の特別委員会等においてるる御説明しておりますのであえて詳しくは申し上げませんが、内閣の権限と責任において行った適正なものであると考えております。すなわち、憲法の範囲内の解釈を示したものでございます。したがいまして、御指摘の内閣法との関係でも問題はないものと考えております。
#101
○風間直樹君 拍手をするような内容の答弁じゃないですね。
 確認しますが、この憲法解釈の変更は内閣の重要政策となり得ると、こういう認識でよろしいんでしょうか。
#102
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法は、国語というか日本語で書かれております。当然、それを運用、執行するに当たっては解釈というものが必要になってきます。その解釈については一定の幅があるということでございます。
 もちろん、その憲法の改正、規範そのものを変える改正につきましては、憲法改正の手続というものがございまして、国会による御発議の下、主権者である国民の投票ということをもってしなければ、憲法の条文そのものの改正はできません。
 しかしながら、その憲法の解釈というものについては、先ほどお答えしたとおり、行政府としてその責任において行うべき解釈というものがございます。それが合理的な解釈であるならば、それは解釈として行うことは当然できるわけでございます。
#103
○風間直樹君 なぜ憲法の基本原理の変更の解釈がこの内閣の重要政策となり得るんですか。基本原理の変更であれば、これは当然、国会の発議を経て国民投票をやらなければいけない、そうではないですか。
#104
○政府特別補佐人(横畠裕介君) さきの閣議決定が憲法の基本原理の変更をしたものかどうかという点で前提に相違があると思います。政府としては、その基本原理を変更したものではないと考えているわけでございます。
 少し申し上げますと、政府は、従来の自衛権発動の三要件におきまして、我が国に対する武力攻撃が発生した場合には、我が国として武力の行使が許されると解してきたところであります。およそ国際関係において、一切の実力、すなわち武力の行使を禁じているかのように見える憲法第九条の下でも、そのような場合に武力の行使が許されると解してきた法的な理由、根拠は何かと申し上げますと、政府が長年そう言い続けてきたからその限りで合憲になったということなどではなくて、憲法の基本的原理である平和主義を具体化した憲法第九条も、外国の武力攻撃によって我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態、そのような極限的な場合においては、やむを得ない必要最小限度の武力の行使を行うことまでも禁じているものではないと解されるということでございます。
 これが昭和四十七年の政府見解の基本的論理あるいは法理と申し上げている考え方であり、従来の一貫した考え方であり、また昭和三十四年の砂川判決の最高裁判決の、我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないという判示とも軌を一にするものであります。その基本的な考え方を維持しているものでございます。
#105
○風間直樹君 論理的に破綻していると言わざるを得ません。法制局のOBが嘆く気持ちがよく分かります。
 重ねて伺いますが、それでは、憲法が上位なのか、閣議が上位なのか、どちらですか。
#106
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法でございます。
#107
○風間直樹君 では、なぜ憲法上規定がない閣議においてそうした解釈改憲ができるんですか。
#108
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣は憲法上の機関でございます。その意思決定の手続として閣議決定というものがございます。
#109
○風間直樹君 では、憲法の条文上どこに閣議という規定があるか、お示しください。
#110
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 閣議というのは内閣法に規定がございます。
#111
○風間直樹君 憲法上にはないことを事実上お認めになった発言であります。つまり、閣議の上位に憲法が位置する、閣議で憲法の解釈改憲を行うことはできない、従来の政府解釈のとおりであります。完全に横畠長官の答弁は論理的に破綻していると言わざるを得ない、そのことを申し上げて、次の質問に移ります。
 辺野古訴訟の和解についてお尋ねをいたします。
 官房長官に伺います。
 代執行訴訟、係争処理委の不服訴訟、抗告訴訟の三訴訟で県が掲げる自治権侵害について、政府の認識を伺います。
#112
○国務大臣(菅義偉君) 政府としては、辺野古移設について、当時の沖縄県の県知事、また地元の名護市の市長、その同意をいただいて、閣議決定でその方向を示したものであります。そういう中で、一昨年末に当時の仲井眞沖縄県知事から埋立承認をいただいております。このことは、何の法的瑕疵もなく行政判断は示されているというふうに考えております。
 今回、裁判所から勧告という新たな状況を踏まえて熟慮した結果、国と沖縄県との将来にとって最適な選択と判断をし、和解を受け入れたところであります。ですから、政府としては、今回、和解の内容によって今委員から御指摘のありましたこの三訴訟について取下げをしたということでありまして、沖縄県と政府の間では和解条項に基づいて今手続を進めさせていただいているところであります。
#113
○風間直樹君 沖縄県が今回の和解勧告文を公表しましたが、それを見ますと、ポイントは以下の四点だと思います。
 一、国、自治体が対等、協力関係になることを期待した地方自治法改正、平成十一年の精神に反する状況である。二、オールジャパンで最善の解決策を合意し、米国に協力を求めるべきである。三、今後の訴訟で国が勝つ保証はない。敗訴のリスクが高い。四、県が勝っても、沖縄だけで米国と返還交渉し、普天間返還実現をすることは困難であると。
 この勧告が指摘するとおり、地方分権一括法で機関委任事務、地方に対する国の包括的指揮監督権が廃止をされました。国の関与は必要最小限度のものとし、関与する場合、地方の自主性、自立性に配慮することが定められたわけであります。代執行訴訟提起は地方分権一括法の趣旨に反するとの指摘がありますが、認識を伺います。官房長官、お願いします。
#114
○国務大臣(菅義偉君) 翁長知事は昨年の十月に、一昨年末に、今申し上げましたけれども、仲井眞知事からいただいた普天間飛行場の辺野古移設に必要な埋立承認を取消しをしたわけです。
 この取消処分に関しては、我が国は法治国家でありますから、当時の沖縄県の知事からいただいた埋立承認、それは何ら瑕疵がなく、既に行政判断は示されている、そういうことであるというふうに思いますし、国土交通大臣、沖縄防衛局長が行政不服審査法に基づく審査請求を行って、また、国土交通大臣がその取消処分は違法であるとして、地方自治法に基づいて代執行を提起したところであります。
 政府としては、こうした一連の措置は翁長知事が行った違法な処分に対して行政不服審査法及び地方自治法に基づき行った措置であり、地方の自立性、自主性、これに配慮することを定めた地方分権一括法の趣旨に反するものではない、このように考えております。
 いずれにしろ、先般、政府と沖縄県とは和解に合意し、和解条項に基づいて今手続を進めていることであります。いずれにしろ、政府としては、今回の和解条項というものを誠実に実行に移していきたいと思います。
#115
○風間直樹君 今官房長官おっしゃるように、国としては前任の仲井眞知事時代の沖縄県の決定に基づいて法律による解決を裁判所に求めてこられたのだろうと思います。ただ、今回の和解勧告文を読むと、裁判所は法律論のみで根本的な解決はできないですよというふうに主張しているように受け止めます。その点、官房長官はどのように認識をされていますか。
#116
○国務大臣(菅義偉君) 今回、和解条項の概要、沖縄県と国とが和解した内容でありますけれども、その内容については、いわゆる是正の指示、ここは、裁判官のこの和解条項の中にはそれを進めるということも入っています。そして、裁判をしながら、そしてまた話合いを一緒に進めていくと。そして、法的決定が出たらお互いが従うという、そういう和解の内容になっている、このように考えています。
#117
○風間直樹君 裁判所の認識の根底には、地方分権一括法の改正によって国と地方の関係が対等、協力関係に変わったという認識が前提としてあると思います。ですから、この和解勧告文に従って今後国と県が協議を進める上で大切なことはこの点だろうというふうに思います。その点、いま一度官房長官の所見を伺います。
#118
○国務大臣(菅義偉君) いずれにしろ、裁判所から和解条項が示されて、その内容は十点あります。それに基づいて、お互いが誠実にその和解条項に基づいて方向性を出していくということが極めて大事なことだというふうに思います。
 政府としては、その和解案に基づいて誠実にそこは実行に移していきたいというふうに思います。
#119
○風間直樹君 私自身、今回国が和解を受け入れた理由は、国が敗訴する、このリスクを回避するという点にもあったんじゃないかと感じております。
 そこでお尋ねをしますが、和解で定めた解決に向けた協議をしないうちに国は是正の指示を出しましたが、理由は何でしょうか。
#120
○国務大臣(菅義偉君) そこは、今度の和解条項の中に是正の指示というものもはっきりうたわれています。ですから、この順番に基づいて私どもは是正の指示を出させていただきました。それは、訴訟で争うということと話合いというもの、そこの二つが同時にこの和解条項の中には書かれている、並行に私どもは進んでいくものだろうというふうに思っています。そして、最終的に話合いで解決をしなければ、進んできている司法判断に双方が従うという、そういう内容であります。
#121
○風間直樹君 勧告文は、地方、すなわち沖縄の自主性、自立性に配慮するということを暗に求めているわけであります。そうしたことを考えますと、この是正の指示を国がすぐさま出したということは、今後の沖縄県との協議に際して、沖縄県側に対して国の姿勢を疑わせる可能性もなきにしもあらずというふうに私は憂慮をしております。
 続いて、沖縄北方担当大臣に伺います。
 今回の和解案受入れに対する所感をお尋ねします。
#122
○国務大臣(島尻安伊子君) 今のお話のとおり、先週三月四日、安倍総理大臣の下で開催された関係閣僚会議において、国として裁判所の和解勧告を受け入れて沖縄県と和解することが決定をされたわけであります。国としては、今回の和解内容を誠実に実行して、裁判所の提示した手続にのっとり、円満解決に向けて沖縄県との協議を進めていく考えだと。また、司法判断が下された場合には、国も沖縄県もその判断に従って互いに協力をし、誠実に対応するということで合意したものと承知をしております。
 私といたしましては、沖縄振興を担当する大臣として、沖縄の振興あるいは米軍基地返還後の跡地利用の課題について、沖縄県や関係市町村と連携しつつ取り組んでまいりたいと考えております。
#123
○風間直樹君 大臣は、地位協定の現状を沖縄選出の国会議員としてどうお考えでしょうか、改定の必要性についてどう認識されていますか。
#124
○国務大臣(島尻安伊子君) いわゆる地位協定につきましては、沖縄において様々な御意見があるということを承知をしております。
 個々の問題の性質、個々の問題に応じて、日米合同委員会を通じた取組などによって不断の改善を図るべく最大限努力しているものと認識をしております。
 例えば、昨年九月には日米地位協定の環境補足協定が締結をされまして、地位協定締結から五十五年を経て初めて環境基準や立入りについて法的拘束力を有する国際約束により規定をされたというふうに承知をしております。
 こうした取組を積み重ねて、個々の問題について具体的かつ効率的、実効的な改善を着実に図っていくべきものと考えております。
#125
○風間直樹君 九五年九月には沖縄の少女暴行事件、そして一九五九年の六月には石川市の宮森小学校に米軍のジェット機が墜落して死者十七名を出す事故が起きております。
 こうした沖縄の歴史に鑑みれば、沖縄県選出の大臣には沖縄の有権者より地位協定に関する切実な要望、声が届いていると思いますが、そうしたものを大臣はどう受け止めていらっしゃいますか。
#126
○国務大臣(島尻安伊子君) やはり、沖縄において本当様々な御意見があるということを承知しておりますし、今委員が御指摘なさったような痛ましい事件、事故というものはあるわけでございます。一つ一つ、それに対して具体的そして実効的な改善を積み重ねていくということは大事だというふうに考えています。
#127
○風間直樹君 次の質問に移ります。
 両大臣には、お取り計らいで御退席されても結構でございます。
#128
○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。
#129
○風間直樹君 委員長のお取り計らいで、どうぞ。
 では、次の質疑に移ります。
 中谷大臣に伺います。
 緊急事態条項についてであります。自民党案九十八条、九十九条の緊急事態条項は明治憲法の緊急勅令、緊急財産処分権と同内容であり、明治憲法下ではこれが濫用され、国民の人権を侵害したという歴史があります。
 よって、この条項により、非常事態への対処を理由に、内閣が憲法と国会の統制を外れ、人権制限が行われるおそれがあります。同条項は、立憲主義、権力分立原理、人権保障を否定しかねないと考えますが、中谷大臣は憲法を改正して同条項を創設すべきだとお考えでしょうか。
#130
○国務大臣(中谷元君) 自由民主党の憲法改正草案につきましては、自民党として将来のあるべき憲法の姿を世の中に示したものでありまして、その具体的な内容につきましては政府としてはお答えすべきではなくて、また防衛大臣としても、本委員会に出席している私からこの内容等につきまして答弁することは差し控えさせていただきます。
 その上で、大規模な災害が発生したような緊急時におきましては、国民の安全を守るために、国家そして国民自らがどのような役割を果たすべきか、これを憲法にどのように位置付けるか等につきましては極めて重く大切な課題だと考えておりますが、この憲法改正というのは国民の理解が不可欠でありまして、どの項目を改正するか、その内容、改正事項などにつきましては、国会また国民的な議論との、理解の深まりの中で収れんしていくものと考えているわけでございます。
 引き続き、新しい時代にふさわしい憲法の在り方については、国民的な議論と理解が深まるように努めてまいりたいと考えております。
#131
○風間直樹君 答弁を拒まれたわけでありますが、先日の大塚耕平委員、福島みずほ委員の質疑に対しても同様の主張をされました。
 予算委員会では、衆議院の予算委員会は存じ上げませんが、参議院の予算委員会では何を議論してもよいことになっております。総理は、参院選で改憲の是非を国民に問うと明言されています。そして、自由民主党は改憲草案を出しています。内容を不安視する声も国民に多い中、その中身をただすことは国民の利益にかなうと思います。
 大臣、なぜ議論をちゅうちょするんでしょうか。自民党草案は論争に堪えられないものなんでしょうか。
#132
○国務大臣(中谷元君) 自民党の草案につきましては、これは党内の議論で将来のあるべき姿をお示ししたものでございます。
 私は政府としての立場でございますので、答弁をすることは差し控えさせていただきますが、この改憲につきましては、せんだって安倍総理が答弁をいたしたとおり、政府としては憲法改正の原案を国会に提出することは考えていないと。
 憲法改正につきましては、まさにこれは国民投票にかけられるわけでございますので、当然のことながら国民の理解が不可欠でございます。その具体的な内容につきましては、国会、また憲法審査会がございます。各政党間の議論もございます。そういう中で国民の理解が進んでいく中で、おのずと内容についても定まってくるものではないかと考えているわけでございます。
#133
○風間直樹君 今日は自民党草案に関する質疑を多数用意してきておりますが、ここは理事の協議に委ねたいと思いますので、協議をお願いしたいと思います。
#134
○委員長(岸宏一君) ちょっと、じゃ、速記を止めて。
   〔速記中止〕
#135
○委員長(岸宏一君) じゃ、速記を起こして。
 じゃ、風間先生、もう一回質問してくだい。風間直樹君。
#136
○風間直樹君 両党の理事から、自民党草案ではなく一般論として質問をしてはどうかと、こういう御提案がありましたので、それに沿って質問をさせていただきます。中谷大臣、よろしくお願いいたします。
 来る参議院選挙でこの憲法改正草案を自民党として掲げて、改正草案を国民に広く告知した上で国民に憲法改正の是非を問うおつもりでしょうか。選挙で勝利した場合は、自民党改正案が支持されたと認識されるんでしょうか。
#137
○国務大臣(中谷元君) 憲法改正等につきまして、自民党として考え方を示しておりますし、あるべき姿も示しておりますが、これはあくまでも自民党の考えでございまして、政府としてはお答えすべきではありません、これは。まして、防衛大臣として答弁をしている私から答弁することは差し控えさせていただきますが、政府としては、安倍総理からも答弁をいたしましたが、憲法改正の原案を国会に提出すること、これは考えていないということでございまして、その内容につきましては、政党間の協議や、また憲法審査会、また国民的な議論の中で内容的におきましてもおのずと定まってくるのではないかと考えております。
#138
○風間直樹君 一般論として、天皇を元首にすべきとお考えでしょうか。
#139
○国務大臣(中谷元君) これにつきまして、様々な御意見がございますので、政府の立場としてそのことに対する考え方につきましてはお答えを差し控えさせていただきます。
#140
○風間直樹君 一般論として、元首は国政に関する一定の権限を持っているとの認識でしょうか、あるいは持っていない存在との認識でしょうか。
#141
○国務大臣(中谷元君) 閣僚の立場でございます。そのことに対する考え方等につきましては、政府といたしましてお答えすべき立場でもございませんし、防衛大臣として出席をいたしておりますので答弁をすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#142
○風間直樹君 一般論として、天皇を元首にすることと国民主権には対立がないとお考えでしょうか。
#143
○国務大臣(中谷元君) その言葉にいたしましても、様々な意味がございますし、様々な議論の必要もございます。現時点といたしまして、私は政府の立場でございますので、言及につきましては控えさせていただきたいと思います。
#144
○風間直樹君 一般論として、天皇を元首にすれば、国民主権、すなわち民主主義が後退するとの認識はお持ちでしょうか。
#145
○国務大臣(中谷元君) 非常に深い議論がございます。その点につきましては、自民党としてはあるべき憲法の姿の中で議論はされてきているわけでございますが、その内容につきまして、私は政府としてお答えするべきではございませんし、また、防衛大臣として出席をいたしておる私から何かと答弁をすることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
#146
○風間直樹君 戦前の歴史に鑑みれば、一般論として、天皇を元首にすることは、政治と宗教とを混合し一体化する危険があるという声がありますが、どのようにお考えでしょうか。
#147
○国務大臣(中谷元君) この点につきましては様々な御議論、御意見があると私も思っております。この点につきまして、是非、個別の議論につきましては憲法審査会において政党間で大いに議論を深めていくべきでもあるものと考えております。
#148
○風間直樹君 憲法審査会について私から一言申し上げます。
 現在、憲法審査会は、参議院は丸山委員の発言で止まっています。愛知筆頭の御苦労にもかかわらず、丸山議員が挑発的発言を撤回されません。だから進みません。自民党の皆さんには、丸山議員を説得し、審査会が進むようにしていただきたいと思います。
 続けます。
 一般論として、天皇を元首にすれば、戦前同様に天皇が政治目的に利用される危険があるという声がありますが、どうお考えでしょうか。
#149
○国務大臣(中谷元君) その点についても、いろんな考え方がございます。大変深い議論が必要でございます。
 自由民主党は、もう六年も七年も掛けてこの試案をまとめる際に議論はいたしましたが、非常に大変な議論がございます。したがいまして、自民党の考え方等につきましては、私としては政府の人間でございますのでお答えする立場にもございませんし、私からの答弁は差し控えさせていただくべきだと考えております。
#150
○風間直樹君 一般論として、象徴である天皇を元首にすることは、天皇と政治の境界を曖昧にしかねないという声があります。これは天皇の象徴制と矛盾すると考えますが、認識を伺います。
#151
○国務大臣(中谷元君) 委員もこの点のお考えをお持ちのように、この問題につきましては様々な御意見があるというのは事実でございます。
 したがいまして、この点につきましては、国会の場で議論をするということは大変有意義なわけでございます。憲法審査会におきましても、国会のことでございますので、審議等につきましても国会の中で御検討いただきまして、とにかく政治の場、また政党間で大いに議論を深めていくべき問題ではないかと考えております。
#152
○風間直樹君 一般論として伺います。
 現行憲法第三条の国事行為に関する内閣の助言と承認を進言に変えた場合、天皇と内閣の間に憲法上の上下関係が生じ、天皇の権能を強化し、国民主権を後退させるとの指摘がありますが、認識を伺います。
#153
○国務大臣(中谷元君) 個別の言葉とか条文の規定ぶり、文言、これについては、まさに憲法審査会において緻密な議論が行われるべきものでありまして、本委員会で、私、政府の立場の人間でございますので、私から答弁する性格のものではないと考えます。
#154
○風間直樹君 一般論として、今回、憲法論議に際していろんな専門家の話を聞いておりますと、この人権という概念、近代市民革命を経て、特定の身分を持った人の特権から一人一人の個人の人権へと発展してきたと、こう伺います。
 そういう意味では、個人に着目することこそが近代憲法の本質だと考えますが、憲法上、個人と、現行の個人という記載を残したままにすることが個人主義を助長すると一般論としてお考えになりますでしょうか。
#155
○国務大臣(中谷元君) 人権、個人につきましても、大変これは深い議論が必要でございますが、委員の御意見も今拝聴させていただきましたけれども、様々な意見、議論があるのは事実でございます。
 憲法改正というのは国民の理解が必要でありまして、その内容等につきましては、国会、また国民的議論との、理解の深まりの中でおのずと収れんをされているものでございますので、非常に大事なテーマでございますので、是非、政党間、また国会の中で憲法審査会において御議論をいただければと思っております。
#156
○風間直樹君 一般論として、立憲主義からは国民の義務を憲法に明記することは抑制的でなければならないという意見がありますが、どうお考えになるでしょうか。
#157
○国務大臣(中谷元君) そのような御意見があることは承知をいたしております。あるべき姿につきましてそれぞれ議論をしていただいて、内容等につきましても国民に分かりやすく提示をする必要もございますので、是非、憲法審査会等、また各政党間の議論も結構でございます。
 自民党は長年議論をいたしまして、一つの考え方をまとめて提言をいたしております。是非、そういったテーマも、個々に寄せていただくのではなくて、政党の中で議論をしていただいて、民主党はこう考えるんだけどというような見地でお答えをしていただかないと、政党間の議論においても様々な議論になってしまいますので、是非、民主党の政党の中で議論をしてまとめていただきたいと思っております。
#158
○風間直樹君 私は、参議院の憲法審査会で野党筆頭幹事を仰せ付かっております。この間、自民党、そして他党とも様々な議論をしてきましたが、率直な感想を申し上げますと、参議院自民党の皆さんの中にもいろんな御意見がある、決して前向きだけではない、憲法改正に際して。例えば、先日、山東議員がそういった趣旨の発言をされたと報道で伺いましたが、それが一つの例でございます。大臣もこうした現状をよく御承知おきいただいた上で、今後のこの憲法論議に臨んでいただければと思います。
 では次に、東京電力の原発事故マニュアルの問題に移ります。
 この問題、まず、今日、私は新潟県の代表としてこの場に臨ませていただいておりますが、東電の廣瀬社長に質問をする前に一言申し上げます。二〇一一年三月のあの原発事故を国会議員の一人として防げなかったことを国民の皆様に心からおわびをいたします。その上で、廣瀬社長に伺います。
 今回、東電の発表を聞いて、新潟県民から、東電に原発運営を任せていたらこの国が潰れかねないという声が出ています。そして、新潟県の報告書には、東京電力は、事故の状況から事故発生直後にメルトダウンが発生している可能性を認識していたが、事故の矮小化のためメルトダウンの発生を隠蔽していたと考えられると書かれています。この点についてどうお考えでしょうか。
#159
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 皆さん御承知のとおり、五年前の三月十一日に大きな地震、津波に福島第一原子力発電所は襲われまして、いわゆる全電源喪失という状態に入りました。その状態というのは、計器、計測器のデータが読めないということですので、原子炉の状況が全く分からない状態になっていたわけです。
 その後、まず、その計器や計測器の何とか電源を復旧させようということで努力をした結果、三月十四日の朝に第一原子力発電所の一号機、三号機の格納容器内の放射線量がデータとして取ることができました。それに基づきまして計器を解析をした結果、私どもはその時点で原子炉の相当程度の損傷があるという認識をいたしました。例えば、一号機は三月十四日の朝七時の段階で原子炉の約五五%が損傷しているという認識をしております。それを当然すぐ報告をしたわけでございます。
 その後も、原子炉の状態が少しずつ良くなっていくに従いましていろいろなデータが取れるようになってまいってきております。そうした中で、例えば、原子炉の水位の詳細なデータについては四月の末ぐらいになってやっと明らかになってきたということでございます。そうしたデータはもちろん、当時の国との、対策本部でもちろん共有をしていったわけですが、そうしたデータを踏まえて分析、解析をした結果、最終的に五月の十五日になって一号機、それから五月の二十四日に二号機と三号機の炉心溶融を発表したということになっております。
 こうした経緯で私ども状況を認識し、発表をしていったということでございます。
#160
○風間直樹君 東電が炉心溶融したという事実を旧原子力安全・保安院に伝えたのはいつですか。
#161
○参考人(廣瀬直己君) 若干繰り返しになりますが、三月十四日の朝五時にまず三号機の炉心損傷を、当時、当初二五%と発表しましたが、すぐ三〇%と報告いたしました。続いて一号機、翌三月十五日の夕方の四時過ぎに二号機の炉心損傷率三五%をそれぞれ報告いたしております。
 その後の逐次明らかになっていったデータについてはもちろん国の統合本部と共有をしていったということでございます。
#162
○風間直樹君 メルトダウンしたという事実を旧原子力安全・保安院に伝えたのはいつですか。
#163
○参考人(廣瀬直己君) 繰り返しになりますが、五月の十五日に一号機が燃料ペレットの溶融によって溶けたものが下部に落ちているという発表をし、それから二十四日は二号機と三号機が炉心の溶融を一部起こしているという発表をしておりますので、その直前にしております。
#164
○風間直樹君 原子力規制委員長若しくは経産大臣に伺いますが、旧原子力安全・保安院が、この事実、メルトダウンしたという事実を当時の菅総理、担当大臣に伝えたのはいつですか。
#165
○政府特別補佐人(田中俊一君) 東京電力から旧原子力安全・保安院に対して、平成二十三年三月十四日から十五日にかけて、格納容器内の放射線量の指示値から、炉心がある程度損傷している可能性があるとの推定結果が報告されたということは、今、廣瀬社長からあったとおりです。当時、東京電力からの報告は旧保安院から官邸にも送付されていたと承知していますが、それが菅総理や海江田経済産業大臣にどのように報告されたかは把握するものは見付かりませんでした。
 それからまた、五月に東京電力から、解析により、一号機において燃料ペレットが溶融し、圧力容器底部に落下した等の評価結果が公表されたと承知しています。これらの事実が菅総理や海江田経済産業大臣にいつどのような形で報告されたかについては把握しておりません。
#166
○風間直樹君 メルトダウンの事実を当時の総理と経産大臣にいつ伝えたか、それを把握できていないと。驚くべきことですね。
 実は私、当時の状況を昨日まで思い出していたんですが、東電と旧保安院がメルトダウンの事実を官邸に伝えていなかったのではないかという思いを当時ずっと持っておりました。その疑念を今日でも持っています。それが今の規制委員長の発言で裏付けられたと思っています。
 今日、私が東電の社長にこの質問をさせていただいていますのは、あのときの事故で、事業者、そして規制官庁がメルトダウンしたという事実を肝腎要の官邸と担当大臣に伝えていたのかいなかったのか、これを確認したいからなんです。もしそれが伝えられていなかった、あるいは大幅に遅れたということであれば、当然、当時の官邸、政府の対応も遅れざるを得ないだろうと思います。
 東電社長に伺いますが、なぜこのメルトダウンの認識が遅れたんですか。
#167
○参考人(廣瀬直己君) 繰り返しになりますが、三月十四日、十五日の段階で、一号機、二号機、三号機の炉心が相当程度損傷しているという認識の下で、直ちにその内容は通報、報告されております。したがいまして、その時点で遅らすということはございませんでした。
 ただ一方で、今問題となっておりますマニュアルが、当時、東京電力独自で作ったマニュアルでございますけれども、そこには炉心溶融ということの判定の基準がございまして、それで今いろいろ御心配をお掛けしているところでございますが、これについてはなぜできなかったのかということ、さらには用語の使い方の適否等々については、これしっかり調べてその原因を究明し、二度とこうしたことがないようにやっていきたいと思っておりまして、第三者の方々の目線を入れて今後しっかり調査をして、再発防止に努めてまいりたいと思っております。
#168
○風間直樹君 記者会見では、このマニュアルとは別の社内のアクシデントマネジメントの手引に沿い当時事故対応をしていたためという答えを東電関係者がされています。新潟県の技術委員会からは、現場から何も声が出なかったことが恐ろしい、技術者として現場を見ていなかったのか、それとも知らなかったのか、こういう声が上がっているわけであります。
 配付資料の二枚目を御覧ください。原子力基本法第二条であります。この中に、原子力利用は、その成果を公開し、そして二項、前項の安全の確保については、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として行うとあります。つまり、我が国の原子力行政は民主性と公開性を大原則にしています。なぜそうなのか。原発で事故が起きたときに真っ先に被害を受けるのが国民の生命と財産だからであります。
 今回の東電の対応は、この原子力基本法違反じゃないですか。マニュアルの問題、一番大きな問題は、マニュアルをすっかり忘れていたという事実、メルトダウンしていたということを当時判別できなかったという事実を今日まで国民に隠した点にあります。これは原子力基本法違反です。
 東電社長、原子力規制委員長、経産大臣の認識を伺います。
#169
○参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、三月十四日の段階で格納容器の放射線量の数値が分かりまして、直ちに評価をして相当程度の炉心損傷をしているという認識を持ち、すぐに報告をしております。したがいまして、この段階で隠蔽や公表の遅れというようなことは考えていなかっただろうというふうに今私どもは考えております。
 いずれにしましても、マニュアルの存在があって、マニュアルのとおりになされていないのは事実でございますので、これについては本当に申し訳なく思っております。この原因については、繰り返しになりますが、第三者の方々にも入っていただいてしっかり調査をして、原因を追及したいと思っております。
 以上でございます。
#170
○風間直樹君 規制委員長と経産大臣の認識を。
#171
○政府特別補佐人(田中俊一君) 原子力基本法は原子力規制委員会で所管しておりませんので、同法の運用、解釈について私からお答えすることは控えたいと思います。
#172
○国務大臣(林幹雄君) 原子力基本法の所管は、一義的には内閣府でございます。経産省として、個別の事象が同法に違反するかについて判断する立場にはございません。
 いずれにせよ、原子力発電は立地地域の御理解と国民の信頼を得ることが極めて重要だと思います。そうした中、東京電力が今回の社内マニュアルについて五年間気付かなかったことは極めて遺憾であります。二月二十五日に私から東京電力の廣瀬社長に対しまして、なぜマニュアルが五年間も見付からなかったのかについて第三者も入った形で詳細な調査をしっかり行うこと、二点目として、福島、新潟、そして国民に対して丁寧な説明を行うこと、三点目として、二度とこういうことが起きないように徹底すること、この三点について強く指示したところでございます。
 東京電力がしっかりと対応するよう、適切に指導してまいりたいと存じます。
#173
○風間直樹君 この規制委員長の答弁はちょっと余りにも後ろ向きじゃないですかね。原子力規制委員会も当然、原子力基本法の適用を受ける、影響下にあるわけですから、そういう意味では大変残念な答弁だと思います。
 東電のトップ三人が強制起訴されました。今後、公開法廷で審理をされます。被災地の市民、原発立地県の県民、国民がこの裁判を通して証拠や東電の主張を知ることとなります。東電はメルトダウンの認識の遅れをこの過程で明らかにしてほしいと思います。そして、国会と政府は明らかにされた事実を基に対策を講じるべきだと思います。私も、参議院の復興特でメルトダウンを隠蔽した東電の責任の所在を追及し、明確にしてまいります。
 次の質疑に移ります。
 総務大臣の停波発言について伺います。
 高市大臣、この停波発言の問題で、大臣は、従来の政府解釈と大臣の発言は変わらないと答弁をされています。
 以前、平岡秀夫総務副大臣、当時が、同じ問題で答弁をされています。この平岡副大臣の答弁では、総務大臣が業務停止命令を出す要件として六か条ほどを列挙していると思うのですが、その内容、もしお手元にございましたらお答えいただけますでしょうか。
#174
○国務大臣(高市早苗君) 平岡副大臣の答弁でございますけれども、番組準則、現在の新放送法の第四条でございますけれども、この番組準則については、我々としては法規範性を有するものであるというふうに従来から考えているところであります。したがいまして、放送事業者が番組準則に違反した場合には、総務大臣は、業務停止命令、今回の新放送法の第百七十四条又は電波法第七十六条に基づく運用停止命令を行うことができるというふうに考えているところであります。その後、続けられまして、けれども、これも従来から御答弁申し上げておりますように、業務停止命令につきましては、法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであることに加えまして、その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといったような極めて限定的な状況にのみ行うこととしているところであり、極めて慎重な配慮の下運用すべきものであるというふうに従来から取り扱ってきているものでありまして、これまでこの業務停止命令を放送法違反を理由として適用した実績は一度もないというような状況になっているところでございます。
 前半部分に関しまして二月八日の私の答弁、そして後半部分に関しましても二月九日の答弁で同様の答弁をさせていただいております。
#175
○風間直樹君 高市大臣は、この平岡副大臣の答弁を踏襲されますか。
#176
○国務大臣(高市早苗君) 行政の継続性の観点から踏襲をさせていただきます。
 また、放送法第百七十四条、放送業務停止命令は、民主党政権のときに、菅内閣の下で平成二十二年に大改正をされた折に新たに設けられたものでございます。政権が替わりましてもしっかりと踏襲をさせていただきます。
#177
○風間直樹君 次の質問に移ります。
 オリンピックスタジアムの聖火台についてお尋ねをいたします。
 馳文部科学大臣、そして遠藤オリンピック担当大臣にお尋ねします。
 設計図上、聖火台が置かれていなかったとのことでありますが、理由は何でしょうか。また、責任の所在はどこにあるのでしょうか。
#178
○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。
 昨年八月の関係閣僚会議で新整備計画を決定しましたが、聖火台の設置場所については、二〇二〇年東京大会の開会式、閉会式及びセレモニーと密接に関連する事柄であり、セレモニーの内容が決まっていないことなどから、結果として新国立競技場整備事業の公募条件には盛り込まれなかったものと承知しております。
 元来、聖火台の在り方については、大会のシンボルであるとともに、大会後のレガシーにもなることから、総合的な判断が必要と考えており、去る三月三日木曜日に開催された東京オリンピック・パラリンピック調整会議において遠藤大臣をトップに関係者から成る検討チームを設置して、実務的な検討を行い、早急に結論を得ることになったところであります。
 今後、文部科学省として、遠藤大臣の検討チームに積極的に参画し、聖火台が二〇二〇年東京大会のシンボルとなり、後世に記憶されるすばらしいものとなるように、関係者とともに積極的に取り組んでまいりたいと思います。
#179
○国務大臣(遠藤利明君) お答えいたします。
 今、馳大臣お答えしましたので重なるかと思いますが、新国立競技場に設置される聖火台につきましては、従前計画、ザハのあの案でありますが、においては、二〇一九年ラグビーワールドカップまでに完成する前提でありましたので、聖火台を含め、二〇二〇年東京大会のために必要な追加工事を組織委員会が検討し実施する計画でありました。したがって、ザハ案のときにも聖火台に関する計画、予算積算は措置しておりませんでした。
 白紙撤回後の新整備計画では、当初は二〇二〇年春の完成見込みであったために、二〇二〇年東京大会時に必要な追加スペックを組織委員会からの要望に基づき設計段階から織り込むこととしたため、例えばオリンピック時のカメラ取材の場所となるモートなどについて事業者からの技術提案にも含まれることとなっておりました。
 しかしながら、聖火台につきましては、先ほど話がありましたように、開閉会式のセレモニーとも密接に関連する事柄であるため、セレモニーの内容が決まっていない設計段階では対応困難との理由などにより技術提案の要求水準に盛り込むことは見送られ、後日検討する課題として整理されたものであります。
#180
○風間直樹君 これ、先週の両大臣の記者会見などの内容と今の御答弁、かなり違うんです。
 二点お尋ねしますが、馳大臣、四日の閣議後の会見で、建設の事業主体であるJSCが聖火台は競技場外の設置になると思い込んでいたようだとの認識を示されたと報道されていますが、今日の答弁とちょっと違いますけれども、真実はどちらですか。
#181
○国務大臣(馳浩君) 今日申し上げた答弁がいわゆるこれまでの経緯を整理をした答弁でございます。
#182
○風間直樹君 両大臣いずれかにお答えいただきたいんですが、政府が昨年八月にまとめた新たな整備計画にも聖火台に関する記載がなかったわけですけれども、これはなぜでしょうか。
#183
○国務大臣(遠藤利明君) 先ほど申し上げましたように、従前の計画においても、二〇二〇年の東京大会のメーン行事の一つとなりますセレモニーとしての大きな要素を占めます点火、そして聖火台については、セレモニーとの関係もあって、そして盛り込んでおりませんでした。同じように、昨年の八月に作りました整備計画においてもそのような趣旨で、将来、セレモニーの検討の段階で聖火台について検討するというようなこともあって盛り込まれなかったと承知しております。
#184
○風間直樹君 責任の所在を伺いたいんですが、競技場の設計図に聖火台を設置せよという指示を出す責任はどなたにあるのでしょうか。
#185
○国務大臣(馳浩君) 競技場の計画については、もちろんオリパラ担当大臣である遠藤大臣にございます。そして、JSCが整備事業をすることになっておりますから、したがって、整備事業については私に責任がございます。また、開閉会式のセレモニーについては、これは組織委員会が大会の運営に関わることになっておりますから、こういった観点については組織委員会に責任がございます。
#186
○風間直樹君 で、聖火台を設計図の中に位置付けよという指示を出す責任はどなたにあるんですか。
#187
○国務大臣(遠藤利明君) 今、馳大臣からありましたように、まず新国立競技場については、私が議長を務める関係閣僚会議で策定した整備計画に基づき、文部科学大臣が所管するJSCが整備事業を担当しております。また、聖火台の活用を含む二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのセレモニー等の企画運営は組織委員会が責任を有しております。
 聖火台の設置につきましては、今後、関係機関等でしっかりと連携を図りつつ、私の下で責任を持って結論を出してまいります。
#188
○風間直樹君 つまり、これまでは私がお尋ねした責任の所在は不明確だったということですね。今回こういう事実が報道されたので、今後、この件をしっかり話し合っていくと、こういう理解でよろしいですね。──はい、分かりました。引き続き、内閣委員会でもこの質疑をさせていただきます。
 この聖火台の問題、一点ちょっと付け加えますが、これ国民にとって大きな驚きだったと思います。私もめったに報道で驚くことはないのですが、当日の新聞報道を見て、本当にびっくりしました。遠藤大臣、開会式での演出にはサプライズも必要と述べていらっしゃいますが、設置が検討されていなかったことがサプライズだと思います。
 続いて、丸川環境大臣の発言についてお尋ねをいたします。
 日本の法律は、国際基準に倣って放射線に関して一般人の被曝を年間一ミリシーベルト以下にすることを求めています。政府は当然それを守る義務があり、そうでなければ、内閣が法律を誠実に執行することを規定する憲法の規定、七十三条一号に違反すると思います。
 丸川大臣の発言は憲法の規定に違反すると考えますが、認識を伺います。
#189
○国務大臣(丸川珠代君) お答え申し上げます。
 法令の中に明確に公衆の線量限度を一ミリシーベルトにするという記述は存在いたしません。追加被曝線量を年間一ミリシーベルト以下という長期目標については、民主党政権下の除染に関する緊急実施基本方針において暫定目標として決定をされまして、その後、自民党政権下、平成二十五年十二月二十日に、「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」において改めて閣議決定をされたものでございます。
 そして、私は、長期的に追加的に被曝する線量、実効線量でございますけれども、これを一ミリシーベルト以下にするという目標は堅持するということを再々申し上げているところでございます。
#190
○風間直樹君 大臣、お尋ねしますが、日本の法律は放射能の国際基準に基づいてこの法体系が定められているのではないのですか。この国際基準は、年間の被曝量を一ミリシーベルト以下にするという、これが標準だと思いますが、違いますか。
#191
○国務大臣(丸川珠代君) 度々で申し訳ございませんが、法令の中に明確に公衆の線量限度を一ミリシーベルトにするという記述は存在をいたしません。
 恐らく敷地境界の数値基準のことをおっしゃっているのではないかと思いますが、敷地境界においては、工場又は事業所の境界に人が立ち続けるとした場合、あるいは工場又は事業所からの排気又は排水に係る放射性同位元素を公衆が吸入又は摂取し続けるとする場合など、安全側に立った仮定においても公衆の受ける年間実効線量、これは実効線量でございますが、これが一ミリシーベルト未満を満足するための数値基準というものが関係法令において定められております。
#192
○風間直樹君 二〇一一年の秋、たしか十一月だったと記憶していますが、私、この場で、当時の野田総理に同じ質問をいたしました。当時、私の下に全国の母親の皆さんから、学校給食で使用する食材、この放射能数値をこの年間一ミリシーベルトという基準を基にして規制してほしいという要望が多数寄せられていたため、それを総理に要請したものであります。その結果、二〇一二年の四月には、厚生労働省の通知だったと思いますが、として、私が要請した内容が全国に通知をされています。
 丸川大臣はこの経緯は御存じでいらっしゃいますか。
#193
○国務大臣(丸川珠代君) 食品に関する放射線のレベルについて様々な議論があったことは承知をしておりますが、長期的に目標とする追加被曝線量というものは、実効線量として一ミリシーベルト以下を目指すということでございまして、これは長期目標として私どもも堅持をしております。これは閣議決定をされたものでございます。
#194
○風間直樹君 今回の丸川大臣の発言について、大臣は発言を撤回されたと聞いています。なぜ撤回されたんですか。
#195
○国務大臣(丸川珠代君) 何よりもまず、福島を始めとする被災をされた皆様のお気持ちを第一に考えて撤回をさせていただきました。
#196
○風間直樹君 そうすると、気持ちを考えずに発言されたんですか。
#197
○国務大臣(丸川珠代君) 私の発言の趣旨といたしましては、この長期目標というものは、そもそも、これはずっと過去、民主党政権遡ってもこういう答弁ございますけれども、モニタリングや食品の安全管理、リスクコミュニケーション等の総合的な施策を通じて達成すべきものということでございまして、これは私も以前からずっとそういうふうに理解をしておりました。
 ところが、除染だけでこの一ミリシーベルトを達成すべきであるとか、あるいは帰還の際の目標値であるとかという誤解を招いているのではないかということを申し上げたものでございます。
#198
○風間直樹君 今答弁を伺っていますと、大臣御自身の中で、自分が大臣として国民に向けて何を発言すべきなのか、日本の法令、国際標準に基づいてどういった言葉を使うべきなのか、その選択がどうも明確にされていないように感じます。
 もう一回お尋ねしますが、なぜ発言を撤回されたんですか。
#199
○国務大臣(丸川珠代君) 福島の皆様、あるいは福島以外でも被災された皆様方がいらっしゃいますが、その皆様方が私の発言によって不安を覚え、また心配をなさったということに対してこの発言を撤回したものでございます。
#200
○風間直樹君 では、発言が間違っていたということをお認めになるわけですね。
#201
○国務大臣(丸川珠代君) 誤解を招くような論旨の飛びがあったり、表現が、言葉が過ぎていたりした部分もございましたので、撤回をさせていただきました。
#202
○風間直樹君 原発事故当時、我々強く感じましたのは、政治が方針を示さなければ官僚機構が惰性で動くということでありました。
 丸川大臣の一連の発言を伺っていますと、大臣自身に環境省というこの官僚機構を動かす方針があるかどうか、非常に不安を覚えます。もし大臣が明確な知識に基づいて方針をお示しにならなければ、環境省という役所は惰性で動く可能性が出てきます。そのことを十分御留意いただきたいと思いますが、認識を伺います。
#203
○国務大臣(丸川珠代君) 恐らく科学的根拠という点についておっしゃっているのではないかと推測をいたしますけれども、私が申し上げております科学的根拠というのは、疫学調査などの統計的分析に基づく客観的な裏付けを指して申し上げております。
 なお、科学的根拠ということについては、例えば平成二十三年七月七日の予算委員会における枝野官房長官の御答弁に、被曝した放射線量が百ミリシーベルト未満では放射線が……(発言する者あり)失礼をいたしました。
 被災された皆様のお気持ちを引き続きしっかりと受け止めさせていただいて、これまでも取り組んでまいりましたけど、これまで以上に、例えば中間貯蔵施設の事業の加速、あるいは指定廃棄物、今管理型の処分場等を受け入れていただいておりましたけれども、こういうものについてもしっかりと地元の皆様のお気持ちに寄り添って今後とも取り組んでまいりたいと存じます。
#204
○風間直樹君 大臣、質問聞いていますか。全く違う答弁を二回されていますよ。
 私が聞いたのは、大臣の発言からは、日本の法令全体に対する知識、そして方針が感じられないと。原発事故のときに我々が感じたのは、政治が方針を示さなければ官僚機構が惰性で動く可能性があるということです。環境省が、丸川大臣の発言、考えの下、大臣に方針がないように私には見受けられますので、惰性で動く可能性がある。そのことに対して認識をされていますかと聞いているんです。
#205
○国務大臣(丸川珠代君) はい。しっかりと強く認識をしております。
#206
○風間直樹君 何を認識しているんですか。
#207
○国務大臣(丸川珠代君) 先ほども申し上げたことになってしまいますけれども、追加的な被曝線量、これ実効線量でございますけれど、これを一ミリシーベルト以下にするという目標は私も堅持するということを申し上げております。これは行政の継続性という観点からも非常に重要な目標であると考えておりますので、私の方針として、また政治の方針として、しっかりこれを貫かせていただきます。
#208
○風間直樹君 いや、大臣、ちょっと言葉が軽くありませんか。質問をしていてむなしさを感じます。
 次の質問に移ります。
 麻生財務大臣に伺います。日本政府のAIIB加入の是非をめぐる方針について伺います。
 現時点で日本政府が加入をしないという方針に変化はないでしょうか。
#209
○国務大臣(麻生太郎君) ありません。
#210
○風間直樹君 加入に慎重な理由について御認識を伺います。
#211
○国務大臣(麻生太郎君) 仮にも日本の税金投入するんですから、その税金を投入した金をどうやって使われるかに関してはガバナンスがしっかりしておいてもらわないかぬ。そのガバナンスを説明してくださいって、今に至るも説明はありません。
#212
○風間直樹君 分かりました。ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 外務大臣にお尋ねをいたします。拉致問題交渉の現状と経緯について確認をさせてください。
 配付資料を御覧ください。配付資料の四枚目です。
 外務省の田中均元局長は、私が交渉担当者だが、誰かがきちんと記録を取っている、誰かが通訳をする、それはもうマストなんだ、一人で行って、記録を付けないで交渉するなんていうことを北朝鮮とやるなんてあり得ないと、これは毎日新聞からの引用でありますが、こう述べています。
 田中元局長の交渉をめぐってはこれまでも、その交渉記録のうち公電の二つが欠落したと、こう言われています。外務省に記録担当者あるいは通訳が取った交渉記録は存在するのでしょうか。
#213
○国務大臣(岸田文雄君) 田中元局長が関与したいわゆる小泉総理訪朝前の日朝交渉ですが、この交渉については、どこで行ったかとか、いつ行ったか、こういったことは明らかにされていないと承知をしています。ですから、その内容について詳細を説明することは控えさせていただきたいと思いますが、ただ、御質問の二回のこの交渉記録、その間の交渉の中で二回、この交渉記録が存在しない、それはそのとおりであります。
#214
○風間直樹君 この二回の公電文に関して、外務省に記録担当者や通訳が取った交渉記録も存在しないというふうに受け取りました。
 実は、交渉の関係者にいろいろと聞きますと、田中さんが行った交渉の一部が外務省内で引き継がれていないと、こういう事実を強く感じます。北朝鮮が主張する内容の真贋が日朝間の交渉において確認できない部分があるのではないかと、私、強く懸念をしています。
 こうした事実は拉致交渉の進展上、障害になると考えますが、大臣の所見を伺います。
#215
○国務大臣(岸田文雄君) 二回の交渉記録がないということにつきましては私自身も確認をいたしましたが、存在しないということで、その理由については、私自身もその理由については分かりかねております。ただ、こうした事実があるのは、そうした交渉記録がないというのは、そのとおりであります。
 その上で、この日朝関係につきましては、御案内のとおり、昨今もこの大きな動きがあり、そして、引き続き拉致問題については政権の最重要課題としてしっかり取り組んでいかなければなりません。その交渉において、こうした記録の扱い等において不都合が生じないように、これは最善を尽くさなければならないと考えます。
 今後とも、この交渉において万全の体制で臨めるように努力を続けなければならないと考えます。
#216
○風間直樹君 この欠落したとされる二回分の公電の中に、私は推測するんですが、この日朝間、田中さんとミスターXの間で交渉した極めてデリケートな内容が含まれているんじゃないかと感じています。その内容が外務省に引き継がれていないがために、現在の日朝間交渉においても、先方の様々な言い分、要求に対して日本政府側が機敏に応じることができない、こうした可能性を私は危惧をしています。
 大臣、これ、田中元局長に事実確認をするお考えはありますでしょうか。
#217
○国務大臣(岸田文雄君) この記録に関しましては、私自身、私の立場で確認をさせていただきました。詳細、中身については控えますが、これ以上この問題について、改めてこの確認をするということは考えておりません。
#218
○風間直樹君 引き続き、質疑をさせていただきます。
 次の質問に移ります。
 閣僚の靖国神社参拝について、昨年中に参拝した高市、岩城の両大臣にお尋ねをいたします。
 靖国神社参拝に際して、A級戦犯の靖国合祀及びA級戦犯を合祀している靖国神社を参拝すること、そして合祀以降、天皇の御親拝が途絶えていることをどのように認識され、参拝されていますでしょうか。
#219
○国務大臣(高市早苗君) 私自身の靖国神社への参拝は、国会議員になるより前から、一人の日本人として、国策に殉じられた方々に対して尊崇の念を持って感謝の誠をささげるために続けてまいりました。閣僚でありましても、私的参拝は個人の信教の自由であって何ら問題になるものではないと、過去の政府見解でもございます。
 いわゆるA級戦犯とされた方々の合祀につきましては、これは靖国神社が、国家が管理する施設ではなくて、宗教法人でございます。政府の権限の範囲外でございますので、私がお答えする立場にはないと思っております。また、天皇陛下の御親拝についても同様でございます。
#220
○国務大臣(岩城光英君) 私も、それまでも春、秋の例大祭、それから八月の十五日を始め、折に触れて参拝をしてまいりました。そこで、昨年の十月も、私人としての立場で、国のために戦い尊い命をささげられた御英霊に対し、感謝の誠を表すため参拝したものであり、個別の戦没者を念頭に置いて参拝したというものではないということを御理解いただきたいと存じます。
 天皇陛下の参拝についてのおただしもありましたが、そのことにつきまして、私がここでお話を申し上げることは適当ではないと思っております。
#221
○風間直樹君 昨年、「昭和天皇実録」が発行されまして、読みました。衝撃を受けました。
 この実録の中で、戦争指導者の裁判上の扱いについて、当時の昭和天皇・マッカーサー会談でかなり細密に話し合われたようであります。計十一回会談が持たれています。その結果が東京裁判の判決、サンフランシスコ講和条約締結に決定的に影響をしているという研究成果が近年出ています。こうした内容については、研究成果については御存じでしょうか、両大臣。
#222
○国務大臣(高市早苗君) まず、天皇陛下とマッカーサー元帥の会談に関しましては、これは所管外の事項でございます。第一回の会談につきましては外務省で公開をされていると思いますが、以後の会談に対しては、内容も存じ上げませんので、お答えは差し控えさせていただきます。
#223
○国務大臣(岩城光英君) 委員から御指摘のありましたそれぞれのことは、事実としては承知はしておりますけれども、その詳細や相互の関係について私としてお答えする立場にはないことを御理解いただきたいと存じます。
#224
○風間直樹君 最後に、この近年の研究成果につきましては、改めて御一読をお勧め申し上げたいと思います。
 同時に、天皇・マッカーサー会談の記録につきましては、恐らく第三回目の会談がポイントなんだろうと私自身は感じているんですが、この記録が多分外務省に保管をされているだろうと思います。これも可能であれば御一読をされますようお勧めを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#225
○委員長(岸宏一君) 以上で西村まさみさん及び風間直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#226
○委員長(岸宏一君) 次に、河野義博君の質疑を行います。河野義博君。
#227
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 ここ数年、振り込め詐欺などの特殊詐欺被害が深刻化しております。昨年の被害は、認知された件数だけで一万四千件、被害総額は四百八十億円と、大きな社会問題になっております。
 資料一を御覧ください。
 警視庁の調べによりますと、特殊詐欺や闇金事件に使われた電話回線の約八割にレンタル電話が利用されています。
 続きまして、資料二を御覧ください。
 携帯電話不正利用防止法では、レンタル業者が電話を貸出しする際、本人確認を義務付けていますけれども、レンタル業者が二次、三次とつながっていくうちに確認がずさんになり、不正利用の温床となっていると指摘されています。また、現在、電話回線のレンタル事業を開始するに当たっては、行政への届出や許可申請が必要なく、指導監督する制度も整っていません。
 そこで、そもそもレンタル電話の必要性をどのように認識しておられるのか、高市総務大臣の見解を伺います。
#228
○国務大臣(高市早苗君) レンタル携帯電話は、レンタル事業者が携帯電話事業者と契約をして携帯電話を入手した上で実際の利用者に携帯電話をレンタルしてサービスを提供しています。
 このレンタル携帯電話を利用する場合のメリットとして考えられますことは、携帯電話を利用する必要が短期間である場合に、携帯電話事業者と直接契約するよりは便利に利用できるという点にあると考えられます。具体的には、例えば外国人旅行者の方や、あとは一時帰国中の海外在住日本人の方々が日本国内に数日から一か月程度の短期間の滞在をされるようなときに利用する場合、あと、イベントですとか映画撮影など、その実施期間中にスタッフに業務用の携帯電話を支給するような場合、さらには、修学旅行などの学校行事に際して、生徒に私用の携帯電話ではなくて学校から緊急連絡などができるようにするために携帯電話を支給したい場合などが考えられます。
#229
○河野義博君 短期間の利用にメリットを見出しておられるという政府の答弁でございましたけれども、平成二十年、携帯電話不正利用防止法が改正をされました。その附帯決議では、政府はレンタル業者の実態を把握することを求めています。また、決議文におきましては、不正利用の情報提供や犯罪被害の未然防止に努めることが求められておりますけれども、これまで政府としてどういうふうに取り組んでこられたのでしょうか。さらに、通信事業の監督官庁として特殊詐欺に今後どう取り組んでいかれるのか。二点併せて高市総務大臣のお考えを聞かせてください。
#230
○国務大臣(高市早苗君) 総務省としましては、携帯電話事業者からの聞き取りによりまして、携帯電話事業者と直接契約しているいわゆる一次のレンタル事業者数は約七十社、レンタル携帯電話の契約数は約十二万回線と把握しております。
 なお、警視庁におかれましては、平成二十七年中に把握した特殊詐欺などに使われた電話回線二千六百四回線のうち約七九%に当たる二千八十二回線はレンタル事業者が貸し出した携帯電話であり、またその過程で把握したレンタル事業者数は二百六十一社であると聞いています。
 総務省ではこれまで、レンタル携帯事業者による本人確認が徹底されるように、携帯電話事業者に対しまして、レンタル事業者による本人確認体制の確認、この徹底を促すということ、それからレンタル携帯電話の貸与時の本人確認義務違反が認められた回線の役務提供拒否の迅速な実施を求めてまいりました。しかしながら、レンタル携帯電話が多く利用されている特殊詐欺の被害額がなお高水準にあるなどを踏まえまして、迅速に実施可能な更なる対応策を携帯電話事業者と協議しており、速やかに実施をしてまいります。
 具体的な内容、ちょうど現在検討中なのですけれども、特に問題の大きい二次以下のレンタル事業者対策をどうするか、それから携帯電話事業者によるレンタル事業者に対する役務提供拒否の強化、そして総務省への実態報告などを考えているところです。
#231
○河野義博君 更なる強化、やれるところをしっかりとやっていくという御答弁をいただきました。現行法の枠内で進めていかれるということだろうと思います。
 一方で、レンタル携帯電話事業そのものが規制になっていないという点が私自身気になっておりまして、すなわち、資料二に戻っていただきますと、一次レンタル事業者がレンタル事業を開始しますよという場合には任意の申告を携帯電話事業者にすれば済むということになっております。行政はこれで把握しようがないわけですね。これが、本人確認をすれば二次、三次というふうにレンタルができるという立て付けになっているんですけれども、行政としては実態把握する手段すら持ち合わせていないというのが現実だろうと思います。
 詐欺被害の八割にレンタル電話が使われているということを考えれば、これだけ携帯電話が普及している中で、修学旅行や短期のイベントなどに本当にレンタル電話そのものが必要なんだろうか、本当に必要なのであれば、レンタル事業を開始するに当たって業者に対して資格基準を設けるなどして行政へ届け出る、若しくは行政の認可を求める、こういった形式にすべきではないかというふうに考えるわけですけれども、この点、有識者会議を立ち上げるなどして早急に検討をお願いしたいんですけれども、総務大臣の考えをお聞かせください。
#232
○国務大臣(高市早苗君) 特殊詐欺の被害を防ぐ観点から、全閣僚から構成される犯罪対策閣僚会議における検討で、平成二十七年十二月に、今後の特殊詐欺対策の取組として携帯電話を含む犯行ツールの遮断について対策を講じることとしております。これを受けまして総務省でも、携帯電話事業者による役務提供拒否の強化など、まずは迅速に実施可能な対策を速やかに行ってまいります。
 加えまして、ただいま委員から御指摘いただいた点も参考にさせていただきながら、警察庁を始めとする関係省庁の協力も得ながら、更なる対策について引き続き検討をしてまいります。
#233
○河野義博君 引き続き御検討いただけるということでございました。レンタル事業は、許可若しくは届出制にする必要があると私は思っております。立法府の立場からも支援していきたいと思っておりますので、是非とも今後ともよろしくお願いをいたします。
 次に、再生可能エネルギー発電の推進に関して伺います。
 エネルギー自給率の向上やゼロ炭素化社会の実現に向けて、再エネ発電の導入拡大は大変重要な課題です。公明党としても、昨年、新エネ・再エネ推進小委員会を創設し、私は座長に就任をさせていただきました。
 我が国も、二〇一二年の固定価格買取り制度、いわゆるFIT制度を始めて以来、再エネ発電の導入を後押ししてきましたけれども、資料の三ページ目を御覧ください、左側のグラフを見ていただきたいんですけれども、二〇一四年末時点での再エネ比率は僅かに一二・二%。これは、ダムの大型の水力発電所も入れておりますので、いわゆる再エネといいますと三・二%。欧州諸国に比べてかなり見劣りしております。
 その上、右側のグラフを御覧いただきたいんですけれども、FIT制度が始まって以来、再エネ導入増えてはいるんですけれども、その九七%は黄色で示した太陽光発電です。太陽光発電は環境アセスが要りません。青色で示した風力や緑のバイオマス、赤で示した地熱、水色の水力といった発電はほとんど増えておりません。誤差と言っていいかも分かりません。
 今国会ではFIT法の改正案が審議をされまして、法律には直接書き込まれない電力買取り価格の維持、長期的な見通し、また電力系統制約の克服など、運用面において省庁が連携して取り組むべき課題がたくさんございます。このため、政府として総合的な対策を講じていただくよう党として提言をまとめ、先日、菅官房長官、林大臣に申入れをさせていただいたところです。
 そこでまず、再エネの目標設定に関してお伺いをいたします。
 政府は、再エネ発電の目標を二〇三〇年までに二二ないし二四%と設定をしておりますが、主要国の二〇三〇年目標は、例えばEUでいいますと四五%、アメリカ・カリフォルニア州では五〇%と、比較しますと周回遅れ、若しくは二周遅れているといった感が否めません。
 来年四月にはエネルギー基本計画が改定されて以来三年たちまして、必要に応じて見直しができる時期が来ることになっています。長期的な再エネ導入目標を一層、より一層アグレッシブなものとして産業界を牽引していくべきと考えておりますが、林大臣の御意見をお聞かせください。
#234
○国務大臣(林幹雄君) 再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギー自給率の向上を通じた安定供給の確保や地球温暖化対策の観点からも重要でございます。
 昨年七月に策定いたしました二〇三〇年度のエネルギーミックスでは、再生可能エネルギーについて、足下から二倍程度の導入拡大となる二二ないし二四%程度とお示ししたところでございます。現段階では、こうした基本的な方針を定めたばかりでございまして、まずはエネルギーミックスで示した野心的な導入水準の実現に向けて、産業界を牽引しながら取り組んでいくことが重要であるというふうに考えております。
 このため、今国会に委員御指摘がありました固定価格買取り制度を見直す法案を提出するとともに、平成二十八年度予算案においても、再生可能エネルギーの発電設備等の低コスト化やあるいは高効率化のための支援など、施設を総動員して再生可能エネルギーの導入拡大をしっかりと進めてまいりたいと思います。
 なお、エネルギー基本計画に検討を加える際には、こうした取組の進展等を踏まえ議論していくことになろうかと考えているところでございます。
#235
○河野義博君 現在の目標をまずは達成に向けて頑張るんだというお話をいただきました。
 今の日本の目標、二二ないし二四という目標は、野心的というよりは割と控えめな目標じゃないかなと私は思っておりまして、本当に増やす気があるのかなという声も聞かれるわけでございます。
 再エネ適地は多くは過疎地域でございまして、地方創生にも資する取組です。また、産業界の裾野も大変広く、GDP六百兆円の牽引役にもなり得る存在でございます。まさに、本当に野心的な一歩踏み込んだ目標を設定するからこそ産業も付いてくる、メーカーも増産して価格も下がるというふうなことも考えられますので、是非とも来年の基本計画見直しの際にはもう一歩踏み込んだ目標設定をお願いしたいと、こういうふうに申し述べさせていただきます。
 続きまして、環境アセスメントに関して伺います。
 太陽光発電以外の再エネ導入が進んでいない、こういう状況、一つの理由はやはり環境アセスメントです。
 資料四を御覧ください。
 現行制度で法アセスが義務付けられている対象の発電所というのは、火力発電所は十五万キロワット以上でございます。それに対して、水力では三万キロ、地熱、風力は一万キロというふうになっています。したがって、中小再エネを導入するには実質的に大型の大規模火力発電所と同じレベルのアセスが求められているという状況がございます。
 資料五を御覧ください。
 これは環境省の資料でございまして、小規模火力発電所、これは石炭火力発電所の、小規模火力発電所の設置計画が増えていることを表しているんですけれども、火力発電所は十五万キロ未満であれば法アセスの対象になりませんので、石炭火力発電所、十五万キロ未満での開発が数多く進んでおります。私は、この規模要件自体、早急に見直すべきではないかなというふうに考えております。
 昨年五月の参議院本会議でも質問に立ちまして、安倍総理からは必要な対策を検討するという答弁をいただいておりますけれども、検討状況はいかがでしょうか。また、規模要件の見直しに対する環境大臣の御意見をお聞かせください。
#236
○国務大臣(丸川珠代君) 風力発電の導入拡大は重要でございまして、御指摘のあった環境アセスメントに関する課題も踏まえて、環境や地元に配慮しつつ、風力発電の立地が円滑に進められるように必要な対策を検討しているところでございます。
 例えば、環境アセスメントの迅速化のために、地方公共団体の意向を踏まえて全国八十六か所において環境基礎情報をデータベースとして整備し、また公表しております。さらに、導入促進に向けたエリア設定等の支援について取り組んでまいります。これらの施策については、本日開催されました再生可能エネルギー等関係閣僚会議においても議論をされました。
 引き続き、関係者の御意見も伺いながら、関係省庁とも協力をしつつ、必要な施策に取り組んでまいります。
#237
○河野義博君 火力発電所で十五万キロといえば、二十五万世帯の年間の発電量を賄える大規模な発電所なわけでございます。しかも、石炭火力はCO2の排出係数が非常に高い。一方で、風車一万キロといいますと風車四本です。風車四本が一万キロでアセスの対象になって、四年も五年も発電が、開発が進まない。これは大変理に合わないことだと思いますので、是非とも規模要件の見直しを引き続き検討していただきたいというふうに思っております。
 次に、洋上風力発電の取組に関して伺います。
 これまで環境省そして経産省は、浮体式洋上風力の実験を進めていただいております。これには非常に感謝申し上げるところですが、目下大きな課題は、既に技術的に確立された着床式の洋上風力をやれるところは全てやっていくんだ、こういった取組なんだろうというふうに思います。
 今国会で港湾法改正も審議をされまして、港湾区域内で洋上風力発電を行う環境がようやく整います。次は一般海域です。港湾区域を乗り越えて、越えて、そして一般海域でも増やせるような調査研究、そしてルールの整備が求められるわけでございますが、所管大臣として、林大臣そして島尻大臣の見解をお聞かせください。
#238
○国務大臣(林幹雄君) 洋上風力発電を行うに当たっては採算性、これが大きく左右するわけですが、水深、そして海底の地質、風況などの情報を収集し、掌握することの必要がございます。こうした情報は事業者がそれぞれ調査を行うと多大な費用が掛かるというため、洋上風力発電の導入を促進するためには国が一定の支援をする必要があると考えております。
 このため、今年度より調査予算を確保して、NEDOにおいて、河野議員御指摘のように、一般海域も含めた水深、海底の地質、風況などの情報を事業者がまとめて参照できる洋上風況マップを作成しております。平成二十八年度予算案にもこの調査予算を盛り込んでいるところでございます。まず、この三月中にも試行版を公表しまして、平成二十八年度中に最終版を公開する予定としているところでございます。
 さらに、事業者が具体的な開発に着手する際に必要となる、より詳細な海域や風況の調査、環境アセスメント、風車の設計等への補助も平成二十八年度予算案に盛り込んでいるところでございます。
 洋上風力発電の導入促進は、今朝開催されました再生可能エネルギー等関係閣僚会議でも、関係省庁が連携して推進すべき重点分野として位置付けられているところであります。今後も、関係省庁とともにしっかりと進めてまいります。
#239
○国務大臣(島尻安伊子君) 一般海域における洋上風力発電事業の事業化に向けた制度設計に関することでございます。
 洋上風力発電等の海洋再生可能エネルギー利用促進のためには、漁業者を始めとする既存の海域利用者との共存共栄を念頭に置きつつ、海域の利用調整を円滑に進めることが重要であると考えております。
 このような観点も踏まえて、政府におきましては、平成二十六年三月に総合海洋政策本部の下に排他的経済水域等の海域管理の在り方検討チームを設置をいたしまして、海域管理の在り方について検討を行ったところでございます。その結果、海洋再生可能エネルギーの利用促進のためには、既存の海域利用者の事業の実態や環境との調和などに十分配慮をし、様々な地域の特性を踏まえて個別に丁寧な利用調整を行う必要があり、関係者の意見を聞きながら関係省庁が連携して個別かつ丁寧にその円滑化を図る仕組み等について柔軟に取り組む必要があるなどとされました。
 これらを踏まえまして、領海内の一般海域につきましては、一般海域管理のための条例を制定し海域利用の調整を行っている地方自治体もあるということを考慮しつつ、自治体、事業者、漁業者等の関係者の意見を聞きながら、いわゆるゾーニングを含む海域利用の円滑な調整の仕組みづくりについて関係省庁で連携し、検討してまいりたいと考えております。
#240
○河野義博君 ありがとうございます。
 調査が終わって、そしてゾーニングができたらいよいよ建設というふうになるわけですけれども、残念ながら我が国には現在、洋上風力を建てる船がございません。
 国交大臣に伺います。
 建設や保守に必要な船舶、そして開発拠点となる港の整備が今後重要になりますけれども、いずれも時間が掛かるハードの整備となります。国交省としてどのように取り組まれるのか、御意見をお聞かせください。
#241
○国務大臣(石井啓一君) 洋上風力発電施設のためのハード面の環境整備についてでございますが、この分野で先行しております欧州の事例を見ますと、洋上風力発電設備の設置やメンテナンスに当たって船舶が活用されるとともに、部品の陸揚げ、保管、積出しに当たっては港湾が活用されていると認識をしております。
 今後、我が国におきましても洋上風力発電の導入が進展していくことが見込まれますが、そのためのハード面の環境整備に当たりましては、風力発電事業者の事業計画を踏まえ、港湾管理者等の意見を伺いながら必要な施設の整備について検討してまいりたいと存じます。
#242
○河野義博君 なかなか民間が大きな投資をして船を造るというのは、今時点では、現時点では現実的ではありませんので、しっかりサポートをお願いしたいと思っております。
 最後に、官房長官に伺います。
 これまでの議論でもお分かりのように、再エネ導入に向けては複数省庁にまたがる課題が非常に多く、省庁が連携して強力に施策を進めていく必要があります。将来的には開発許認可は全て政府がワンストップで提供できる体制を構築すべきだと考えています。そのためには、関係閣僚会議や、若しくは省庁を超えた新たな司令塔組織を設けて積極的に推進すべきと考えますが、官房長官のお考えをお聞かせください。
#243
○国務大臣(菅義偉君) 河野委員が座長として、公明党の議員の皆さんから提言を先日もいただいたところであります。その中でも書かれておりますように、まさに再生可能エネルギーを導入するには関係府省庁の連携が不可欠である、そして、また皆さんから、そのために関係閣僚会議もできるだけ早く開くべきだというお話がありました。
 たまたま今日会議を開きまして、三点のことを決めさせていただきました。許認可手続の迅速化、事業者の相談に対するワンストップ、この対応に向けた取組を行う、規制、制度の改革、関係府省庁の連携によるプロジェクトの推進をする。そして、総理が今月五日に表明しました、福島県に新エネ社会構想の具体化、こうしたことを関係府省の大臣が具体的な連携と推進に努めていく、このことを今日の関係閣僚会議で決定をさせていただいて、再生可能エネルギーの導入拡大に政府としては全力で取り組んでいきたいと思います。
#244
○河野義博君 終わります。ありがとうございました。
#245
○委員長(岸宏一君) 以上で河野義博君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 次回は明九日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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