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2016/01/19 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 法務委員会 第1号
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2016/01/19 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 法務委員会 第1号

#1
第190回国会 法務委員会 第1号
平成二十八年一月十九日(火曜日)
   午後三時五十一分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事         三宅 伸吾君
    理 事         有田 芳生君
    理 事         真山 勇一君
                有村 治子君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                足立 信也君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                矢倉 克夫君
                仁比 聡平君
                田中  茂君
                谷  亮子君
                輿石  東君
                山崎 正昭君
    ─────────────
   委員の異動
 一月四日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     丸山 和也君
     大野 泰正君     西田 昌司君
     足立 信也君     加藤 敏幸君
 一月十八日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     高野光二郎君
     柳本 卓治君     滝沢  求君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                西田 昌司君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
    委 員
                猪口 邦子君
                高野光二郎君
                滝沢  求君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                加藤 敏幸君
                仁比 聡平君
                真山 勇一君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     岩城 光英君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
       文部科学副大臣  義家 弘介君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  田所 嘉徳君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   堀田 眞哉君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       人事院事務総局
       総括審議官    千葉 恭裕君
       人事院事務総局
       給与局次長    松尾恵美子君
       法務大臣官房司
       法法制部長    萩本  修君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
       法務省矯正局長  小川 新二君
       法務省保護局長  片岡  弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、熊谷大君、足立信也君、有村治子さん、柳本卓治君及び鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として加藤敏幸君、西田昌司君、丸山和也君、滝沢求君及び高野光二郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(魚住裕一郎君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 真山勇一君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 理事の辞任及び委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に西田昌司君及び矢倉克夫君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(魚住裕一郎君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(魚住裕一郎君) この際、岩城法務大臣、盛山法務副大臣及び田所法務大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。岩城法務大臣。
#9
○国務大臣(岩城光英君) この度、法務大臣に任命されました岩城光英です。よろしくお願いを申し上げます。
 法務行政は国民の皆様の安全、安心な生活を守る基盤であり、まずもって堅実に職務を遂行していかなければならないと考えております。他方で、国民生活を取り巻く状況は国内外で急速に変化しており、法務行政も新たな課題を的確に捉えて対応していかなければなりません。
 魚住委員長を始め、理事、委員の皆様方には日頃から法務行政の運営に格別の御尽力を賜っております。
 盛山正仁副大臣、田所嘉徳政務官と協力し、法務省職員と一丸となって様々な課題に取り組んでまいりますので、一層の御理解と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
#10
○委員長(魚住裕一郎君) 盛山法務副大臣。
#11
○副大臣(盛山正仁君) 法務副大臣の盛山正仁でございます。
 法務行政の諸課題については、いずれも国民生活の基本、根幹に関わる重要なものばかりでございますので、田所法務大臣政務官とともに岩城法務大臣を支え、精力的に取り組んでまいります。
 魚住委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。
#12
○委員長(魚住裕一郎君) 田所法務大臣政務官。
#13
○大臣政務官(田所嘉徳君) 法務大臣政務官の田所嘉徳でございます。
 ますます重要性を増しております法務行政前進のために、岩城大臣そして盛山副大臣の下でしっかり取り組んでまいります。
 魚住委員長、そして理事の皆さん、委員の皆様の御指導、御協力をよろしくお願い申し上げます。
    ─────────────
#14
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長萩本修君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#16
○委員長(魚住裕一郎君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岩城法務大臣。
#17
○国務大臣(岩城光英君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。
 これらの法律案は、政府において、人事院勧告の趣旨に鑑み、一般の政府職員の給与を改定することとし、今国会に一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出していることから、裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改定する措置を講じようとするものであり、改正の内容は次のとおりであります。
 一般の政府職員について、平成二十七年の民間給与との均衡を図るため、俸給月額を引き上げることとしておりますので、裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額についても、これに準じて引き上げることとしております。
 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成二十七年四月一日に遡ってこれを適用することとしております。
 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#18
○委員長(魚住裕一郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#19
○小川敏夫君 民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。
 今大臣ほか政務三役の挨拶を承りましたけれども、いつ就任されたのか。これは法務大臣一人に申し上げてもしようがない、政権全体のことだと思いますが、就任されてから今日になって初めて法務大臣の挨拶を聞いて、まだ所信も聞いていないわけでありまして、これは国会軽視ではないかというふうに私は思っておるわけでありますが、政府の一員として、法務大臣、このところはどうお考えでございましょうか。
#20
○国務大臣(岩城光英君) 私が就任いたしましたのは十月の七日でございます。
 そして、ただいまお尋ねがあった件につきましては、私どもがまだ自分自身の考えを述べる機会も設けていないのではないかということだと思われます。具体的に申し上げますと、臨時国会が召集されなかったことに尽きるんだと思っておりますけれども、このことに関しましては、内閣としての判断ということでありまして、既に内閣官房長官等が様々な場面で御説明していると承知をしております。
#21
○小川敏夫君 それでは、また別のことについてお尋ねいたします。
 司法試験の問題の漏えい事件というものがございました。それで、事件そのものについてではなくて、事件そのものは一人の受験生に対する漏えいでありましたけれども、これが受験生一人に対しての漏えいではなくて、もっと広がりがあったりしてはいけないので、そういうことはなかったのか。あるいは、その年だけでなくて、それ以前からそういうことが繰り返されていたのかということの疑念の声も当然上がってくるわけでございます。
 そうしたことについて、これまでの法務省の発表ですとそうしたことはないという説明をいただいておりますが、具体的にどういう調査を行ってそういうことはないんだということの判断に至ったのでありましょうか。
#22
○国務大臣(岩城光英君) まず、今回の漏えい事実でありますけれども、このことは司法試験の公正性、また公平性に対する信頼を根底から覆すものでありまして、本当に深刻に受け止めるべきものと考えております。
 現在、司法試験委員会に設けられました司法試験出題内容漏えい問題に関する原因究明・再発防止検討ワーキングチームにおきまして、原因究明のための調査や再発防止策の検討を進めているところであります。
 このワーキングチームにおきましては、原因究明の一環として、ただいま小川先生から御指摘のありました、ほかに広がってはいないのか、これまでそういったことはなかったのかということの御指摘等の点につきましても調査を進めておりますが、これまでのところ青柳前委員が平成二十七年より前の司法試験において出題内容を漏えいしたことをうかがわせる事実は見受けられないものと報告を受けております。
 そして、これまでの会合におきましては、資料の精査、例えば平成二十七年より前の司法試験においても青柳前委員講義受講者の成績の分析や、平成二十七年司法試験での出題内容の漏えいを受けた教え子の成績分析や答案分析、そういったこともしてまいりました。それを踏まえまして、今のところこの一件であるという判断をしているものと承知をしております。
 いずれにしましても、ワーキングチームにおきまして更に調査検討を進め、それらを踏まえました再発防止策を十分に議論していただきたいと考えております。
#23
○小川敏夫君 こうしたことが二度と起きないようにしっかりと再発防止について検討していただきたいと思いますが、今回の件ははっきりとした問題の漏えいでありました。しかし、いろいろ考えてみますと、現役の指導教官、大学の先生が授業を持っていると、例えば問題を漏えいするというような具体的な明示的な行為はなくても、ここは特に大事だぞと授業のときに殊更言うとか、そんなような暗示的な話とか、あるいはついつい熱がこもってとかいうようなことがあってもそれはまたやはり好ましくないわけでございます。
 幅広い観点から、こうした問題の漏えいとか、あるいはそうした不公平なことになるようなことがないよう、しっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 では、次に質問させていただきます。
 今回、裁判官の報酬、検察官の俸給を引き上げるという内容でございます。人事院勧告に伴って一律に上げるということでございますが、私は、結論から言いますと、そういうことではなくて、裁判官、検察官の非常に重い職責、そしてその職責を全体としてよく果たしているというようなことを考えますと、もう少し、人事院勧告ではなくて、この俸給そのものをもっと上げてもいいんではないかというふうに思っておるわけでございます。
 そうした点、我が国の社会の秩序がよく保たれている、これは国民全体の民度が高いということもありますでしょうけれども、やはりこうした秩序を保つ裁判官や検察官、これがしっかりとその職責を果たしているということも大きな理由であるというふうに思いますが、どうでしょう、裁判官、検察官の処遇をもう少し改善してもと私は思うんですが、大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。
#24
○国務大臣(岩城光英君) もう小川先生、先輩の大臣でいらっしゃいますので、全て御承知だとは思いますけれども、裁判官及び検察官は、その職務と責任の特殊性等から、一般の政府職員とは別個の給与体系が定められております。他方、裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額の改定は、従前より人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給月額と同じ改定率で改定額を定めているところでありまして、今般提出の二つの法案についても同様の方法による改定を行っているものであります。
 そこで、このような方法は、一方で裁判官及び検察官の職務と責任の特殊性を反映させつつ、他方で人事院勧告の重要性を尊重し、国家公務員全体の給与体系の中でのバランスの維持にも配慮するという理由に基づくものでありまして、裁判官や検察官の給与水準の改定の方法として合理的であると考えられておりますので、私自身もそのように考えております。
#25
○小川敏夫君 まあ、ここは余り議論してもと思いますが。
 そうした意味で、私は全体として裁判官、検察官はよく職責を果たしているというふうには思うんですが、ただ、では裁判官あるいは検察官のその全員全てが十分な職責を果たしているというふうにはまた残念ながら思っておりませんで、まあ数的には少ないでありましょうけれども、残念ながら職責を果たさないとか、あるいは果たせないというような裁判官、検察官もあり得るのではないかというふうに思いますが。
 そのような職責を果たさない、あるいは果たせないというような裁判官、検察官がもし現れたといいますか、いた場合に、国民に対する責任という観点からすればやはり適切な対応をしなければならないと思うんですが、こうした点についてはいかがでございましょう。法務省の法務大臣とそれから最高裁の方に、どういう対応をしているのか御説明いただきたいと思います。
#26
○国務大臣(岩城光英君) 仮に勤務成績が良好でない検察官がいた場合には、日頃の決裁や面談等の機会に上司が指導及び助言を行っているものと承知をしております。そこで、検察官の場合、心身の故障、職務上の非能率等の事由によりその職務を執るに適しないときには、検察官適格審査会の議決を経て免職させることができることとなっております。
 私の方からは以上であります。
#27
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 裁判官の方についてお答え申し上げます。
 判事として任命される者として指名されることを希望する裁判官につきましては、最高裁判所は、その指名の適否は最高裁判所に設けられております下級裁判所裁判官指名諮問委員会に諮問をしております。この委員会は学識経験者等から成る委員会でございまして、この委員会において裁判官にふさわしい人材であるかどうかについて審議が行われ、最高裁は、この委員会において能力、資質等の点において指名が適当であると答申がされたということを踏まえて、判事として任命される者として指名をしているところでございます。
 このようにいたしまして、裁判官の質の確保が図られているものと考えているところでございます。
#28
○小川敏夫君 裁判官、検察官が上から気に入らないからといってころころ首にされちゃいけないので、やはりそれはしっかりとした身分の保障が保たれなくてはならないということは重々承知しておるわけでありますが、一方で、やはり裁判官、検察官はその職責を果たすという国民に対する責務があるわけでありますから、国民に対する責務が果たせない、あるいは果たさないというような場合にはやはり適切な対応をしていただきたいというふうに思います。
 では、別の質問に移ります。
 今日、文科副大臣にお越しいただいておりますが、法科大学院の入学に際して適性試験というものが今受験することが課せられておりますが、でも巷間ささやかれているのは、適性試験はあと一、二年でなくなるというようなささやきがいろいろ耳に入ってくるんですが、これはそうした方向になっているんでしょうか、あるいはそういう検討をされているんでしょうか。
#29
○副大臣(義家弘介君) お答えいたします。
 この委員御指摘の適性試験でございますけれども、そもそもの目的が、入学者の適性を的確かつ客観的に評価するために、法律学についての知識ではなく、法科大学院における履修の前提として要求される判断力、思考力、分析力、表現力等の資質を試すものとして実施されており、入学選抜における判定資料として重要な役割を果たしてきたと認識しております。
 一方、近年、法科大学院の志望者が大幅に減少している現実もあります。ピーク時、平成十九年の四万五千二百七人から平成二十七年度は一万三百七十人ということで大幅な減少をするなど、法科大学院を取り巻く状況が制度開設時とは大きく異なってきているのが実際であります。また、適性試験が志願者確保の障害になっている面もあるという意見もございます。
 昨年九月に、これらを受けて中央教育審議会法科大学院特別委員会に新たにワーキンググループを設置しまして、その在り方について今年度中をめどに検討が行われているところであります。現時点で改革の方向性が決まっているわけではございませんけれども、いずれにしましても、文部科学省として法科大学院特別委員会における議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと思っております。
#30
○小川敏夫君 それは、今年度中というと今年の三月ですよね、そこまでに結論が出るということですか。
#31
○副大臣(義家弘介君) はい、その予定でワーキンググループにおいて議論しておるところです。
#32
○小川敏夫君 では、また別の質問ですけれども、今、副大臣の答弁の中にもありました、ロースクールを目指す受験生が激減しているということでございます。なぜ激減してしまったのか、ここら辺についてはどのようにお考えでございましょうか。
#33
○副大臣(義家弘介君) これはいろいろな見方や分析等々がありますけれども、少なくとも、小川委員は判事も検事も弁護士もされているという非常に見識の広い、法曹に対しての理解や見識の高い方でありますけれども、私が学生の頃は、弁護士というのは本当になりたい職業というか、努力して、あるいは判事、検事もそうですけれども、司法試験というのは一番最高峰の試験で、これをクリアすることによって自分の心の中の夢を実現していく等の非常に大きな存在であったような気がします。
 しかし、昨今、なかなかそれが生活の安定に結び付かないだとか、大変な割には転勤も多い等々の様々な思いが、若者たち、これから法曹を目指す若者たちだけではなくて、一般の優秀な若者たちへ広がっていないというところもあるんだというふうに思っております。
#34
○小川敏夫君 私が心配しているのは、法曹を目指す人が減ってしまうということは、結局、法曹の質の低下を招いてしまうんではないかということが一番心配しておるわけであります。
 例えば、単にロースクールの修了生と司法試験の合格者の人数が、ロースクールの実際に学ぶ生徒が減ってきたことによって合格率が上がったからよかったよかったという話ではないんで、やはり、能力がある人間がしっかりと良質な教育を受けて、トレーニングを受けて、そして切磋琢磨の上この司法試験に臨んで、そして法曹になるということによって私は法曹の質が確保されると思うわけであります。
 裁判官、検察官、弁護士も含めて、やはり国民の権利義務に関する大変重要な職責を担っておるわけでありますが、その法曹が、質が低下をするということが決してあってはならないと思うのでありますが、現実には志願者が低下していると。例えば、今の直近のロースクールの入学希望者と実際の入学者というのは数字的にはどういうような状況になっているのでしょうか。
#35
○副大臣(義家弘介君) 平成二十七年度、これ二回試験がございますけれども、志願者数が三千百五十二名、受験者数が二千九百十八名、二回目が、志願者数が三千五百四十一名、受験者数三千百四十六名でありまして、実人数でありますと、三千九百二十八名の志願者数に対して受験者数は三千六百二十一名という形になっております。
 平成十五年度は一万八千三百五十五名でありましたので、その数字はかなり少なくなってきているのが現実であります。
#36
○小川敏夫君 単純な数字だけ比べますと、三千人台の法曹を目指す人がいると。そして、実際に司法試験に合格する、まあ予備試験という別のルートもありますけれども、司法試験の合格者が千五百人から二千人というと、二人に一人とか三人に一人とか、要するに希望した人のそのくらいになるわけであると思うのですけれども、やはりそうするとどうしても、たくさんの人数が志願してその中から切磋琢磨してというときに比べると、法曹になりやすいということは、希望した人がなりやすいからなれるのはいいけれども、やはり質が低下してしまうのではないかと。
 これ、単なるビジネスではなくて、さっきも何回も申し上げていますように、国民の権利義務に関する非常に重要な職責を担っている職務でありますから、どうしても質が低下してはならないと思うのでありますが、しかし現実に法曹を目指す人が減っているという現象は私は非常に深刻に受け止めなくてはならないというふうに思うのでありますが。
 ただ単に就職状況が良くないからとかなんとかというだけでなくて、もっと根本的な原因があったりはしないかとか、いろいろその原因をしっかりと捉えなくてはいけないと思うのですが、そういったところの検討状況はどうなっているのでしょうか。
#37
○副大臣(義家弘介君) 重要な御指摘であるというふうに思います。
 とかく法科大学院の制度改革を論じるときは、いつも数論が次々に出てきて議論されるわけでありますが、問われるべきは質であって、その質がしっかり担保され、名誉と信頼が担保されれば、当然若者はそれを全うしたいという思い、意欲に駆られていくものであろうと思っております。
 その意味では、法科大学院の質をどう担保するかということでこれまで様々な改革を行ってまいりました。具体的には、法科大学院の組織見直しについては各法科大学院の自主的な判断によって前提としては行われるものでありますが、文部科学省としては、司法試験合格率、入学定員充足率などを勘案した公的支援の見直しの強化によってめり張りのある予算配分を実施し、大規模校も含め、法科大学院における自主的な定員削減の取組をし、より入口のレベルを上げるということ、そして中身の質を上げるということ、これを進めてまいりました。
 その結果、平成二十八年度、入学者総員数の見込みはピーク時の半分未満の二千七百二十四名、学生の募集停止を公表した法科大学院が三十校ということで、設立時の入学定員が百名以上の法科大学院についてもピーク時に比べて入学定員が三割以上削減され、入口をまずしっかりと保証すると。そして、中をどう強化していくか努力しているところにしっかりと予算を配分していくという改革の取組を行っております。
 また、小規模校であっても、課題が深刻な法科大学院については組織見直しは避けられないというふうに考えておりまして、その際には地域配置にも留意する必要があることから、公的支援の見直し強化・加算プログラムにおいて、地方設置されていることが評価される指標なども設けて、全国的な適正配置に向けた工夫を行っておるところでありますが、今後とも御指導を賜りながら組織見直しを促してまいりたいと思っております。
#38
○小川敏夫君 補助金等の配分を減らすなどの措置をして退場していったロースクールがあって、定員が減ってきたからいいというような、あるいはしっかりとした取組をしているというような説明に私は受け止めましたけど。
 そもそも、ロースクールをつくり過ぎたのではないかと。そもそもこのロースクールの制度設計は、法曹人口を三千人と置いて、そしてロースクールで学んだ人の七割から八割が司法試験に合格して法曹になるという制度設計でありました。そうすると、ロースクールは制度設計上、法曹の人口が三千人なら大体四千人ぐらいが適正なロースクールの定員ではないかというふうに思われるのに、文科省はそうした制度設計とは全く無関係に、ほぼ手を挙げた学校にあたかも全部認めるかのように、しかも教員の配置とか何かについては非常に緩やかな運用をしてどんどん認めたと。適正なロースクールの定員数が四千人程度ではないかと制度設計上思われるものについて、六千とか七千とか、そのくらい認めたんじゃないでしょうか。
 そのことによって結局、司法試験の合格率が悪いと、数字上は当然そうなるわけで。合格率が悪いから、何だ、ロースクールへ行ってもしようがないという評価も招いて、結局ロースクール全体の評価を下げてしまったと私は思うわけでありまして、今回のロースクール制度が今非常に困難な状況を迎えている一番の責任は、最初の出発点で文科省がロースクールに対して非常に甘い、言わば手を挙げたところに全て認めるかのようなやり方をしたからということが一番の原因だというふうに思っております。
 それについて、今度は認めた後に出来が悪いからといって補助金を減らして退場を迫る。まさに私から見ればいびり出しているような、自分たちのその失敗を棚に上げて、付いてきたロースクールをいびり出している、一部のロースクールをいびり出しているようにも見えるので、補助金の配分でいろいろ施策を取って定員が減ってきた減ってきたと言っているその文科省の説明については、私は素直に受け止めることができないような気持ちであるわけでありますが。
 しかし、そうした気持ちは述べさせていただいて、次に、今それでも頑張って残っているロースクールがありますけれども、当初の制度設計は三千人と、司法試験合格者が三千人という制度設計で進んだわけでありまして、それを当然前提に各ロースクールの定員も決まったものと思います。大手有力校の定員が最大三百人ということでそろったところがあります。中小等はもっと少ない規模だと。
 ところが、実際のその制度設計三千人を今はやめてしまって、これまでの運用でも二千人いくかどうか、最終的には千五百人という数字が出てきますと、この大手校が、三千人という制度設計の中で大手校のロースクールの定員を三百人というふうにしたこと自体を改めなくてはいけないのではないか。三千人が千五百人という構想になったのなら、ロースクールの定員も大手校三百人を百五十人にしないとうまくないんではないかと。
 どうしてうまくないかというと、やはり大手校は有力校ですから、当然周囲の評価も高いわけです。そこがたくさんの定員を取れば、どんどんそこの学校に行ってしまうと。そうすると、中位校の卒業生は、中位のロースクールに行かないで、より偏差値が高いといいますか、あるいは世間の聞こえがいい大学の方にどんどん行ってしまうという、私はストロー現象と言っているんですけれども、どんどん上へ上へと生徒が希望して行ってしまうと。その結果、ロースクールが、中位校、低位校、あるいは地方のロースクールが人が集まらなくなって、あるいは質が低下して困難になるということが起きている、私はそういう現象が起きていると思います。
 そうすると、このロースクール、幅広い人材を地域にも偏らずに法曹を輩出するという理念が全く壊れてしまって、東京を中心とした都会、あるいは関西もありますけれども、そうした大都会の有力校だけが法曹を輩出するような仕組みに事実上変わってきてしまっていると。私は、これはロースクールの制度を全く没却してしまった状況になっているのではないかというふうに思います。
 ロースクールの定員を見直すということでありましたが、総定員を見直すということではなくて、そうした有力校に、あるいは一部の都会を中心とした地域に生徒が、学生が偏在することがないように、やはり幅広いロースクールに、そして地域にも偏在しない、まさに幅広い法曹を養成するためにふさわしいこのロースクール群を私はしっかりと構築しなければならない、そういうふうに思うわけでありますが、その私の考えについて副大臣のお考えを聞き、また、もしできましたら法務大臣の感想もいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#39
○副大臣(義家弘介君) 各地域、各大学でも魅力ある大学院の構築のための取組を行っていて、本当に地域の法科大学院もしっかりと頑張ってくれているというふうに認識しております。
 また、有名大学等々もこれまで計画的に定員の削減を行っております。例えば東京大学でありましたら、平成十六年三百名から二十七年は二百四十名、そして二十八年は二百三十名という形で、ほかの大学も、中央大学、三百名から二百七十名、そして二百四十名、早稲田大学、三百名が二百三十名、そして今二百名という形で定員の削減が行われていますが、これは削減が目的ではなくて、やっぱりしっかりと質を担保して、どのぐらいの人数であればどのような教育ができて、どのような体制があればより法曹としてふさわしい学生らが育成されていくのかということも両にらみで考えていかなければなりません。
 その意味では、逆に地方で特性を生かして頑張っている法科大学院の取組等も学びながら、今後トータルとして議論し、進めてまいりたいというふうに思っております。
#40
○国務大臣(岩城光英君) 御指摘のありました法曹志願者の減少につきまして、昨年六月三十日の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、「法科大学院全体としての司法試験合格率や、弁護士を含む法曹有資格者の活動の場の拡がりなどが、制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなり、法曹志望者の減少を招来する事態に陥っている。」と、こうされておりまして、その同決定では、こうした事態を真摯に受け止め、必要な取組が掲げられております。そして、その中でも、平成三十年度までに行われる法科大学院の集中的改革の進捗状況に合わせて、予備試験の本来の趣旨に沿った者の受験を制約することなく対応していくとか、様々な課題がございます。
 そこで、法務省としましても、文部科学省と連携し、最高裁判所や日本弁護士連合会等の関係機関、団体の必要な協力を得て、法曹養成制度改革連絡協議会等を通じ、推進会議決定に掲げられた取組を速やかにかつ着実に進めてまいりたいと考えております。
#41
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 岩城大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。
 先ほどの就任の御挨拶で、大臣、この度任命されたとおっしゃったんですけれども、この度が三か月余り前かと。安倍改造内閣の所信表明演説、施政方針演説も行われず、法務大臣の所信を聞くこともできないまま今日に至っております。私ども参議院の法務委員会で申し上げますと、新大臣の所信を伺わずに法案を扱うというのは極めてまれなことでありまして、私は異常事態だと申し上げていいと思うんですね。この責任は、挙げて憲法五十三条に基づく野党の臨時国会召集要求を踏みにじってきた政府そして与党にあるということを厳しく申し上げなければならないと思います。
 そうした中で、大臣が就任されて、大きく動いています二つの点について、今日は大臣の基本認識をお尋ねしたいと思うんです。
 一点目は少年法についてです。
 自民党の政務調査会が、若年者に関する刑事政策の在り方について全般的に見直すことも視野に入れて、刑事政策上必要な措置を講ずるための法制的検討を行うことという成年年齢に関する提言を出し、大臣は就任されて、私から見ますと直ちにというふうに感じるんですが、大臣の下に若年者に対する刑事法制の在り方全般についての勉強会の設置を指示をされました。
 この問題について、お手元に「家庭の法と裁判」という雑誌で、少年法特集号の巻頭言として書かれました東京大学名誉教授の松尾浩也先生のエッセイをお配りをしています。
 松尾先生は法務省の特別顧問もお務めになっておられるわけですが、このアンダーラインの部分ですね、そのまま読みますが、「選挙権の年齢引き下げは歓迎すべきこととしても、当該年齢層の国民全員に国政参加の権利を与える選挙法の場合と、極く一部でしかない非行少年を対象としてその健全育成をはかる少年法とでは、視点は異なるのが当然である。二十歳未満までを対象とする戦後改革によって、日本の少年法は刑事政策上の成功を収めており、その成果は維持されなければならない。」と。これは、松尾先生は無論、オール法律家の認識と言ってもおかしくないと私は思うんですが。
 そこで、大臣、選挙権年齢と少年法の適用年齢を連動させるという見解にお立ちなんでしょうか、それとも違うんでしょうか。
#42
○国務大臣(岩城光英君) お答えいたします。
 公職選挙法の選挙権年齢が満二十歳から満十八歳に引き下げられたことによりまして、論理必然的に少年法の適用対象年齢を同様に引き下げなければならないものではないと考えております。
 もっとも、昨年の公職選挙法改正法の附則においては、選挙権年齢が満十八歳とされたことなどを踏まえ、少年法について検討を加えるものとされていることなどからいたしましても、少年法の適用対象年齢を検討する上では選挙権年齢も考慮すべき要素となると考えられます。
#43
○仁比聡平君 つまり、論理的に引き下げることにはもちろんならないわけで、したがって、十八歳、十九歳のこの年長少年に対する少年司法、刑事政策、この積み重ねをきちんと評価、検証をする、その上でないと議論は始まらないわけですね。
 そこで、平成二十七年度版の犯罪白書を見ますと、再非行少年、この人員は平成十六年から毎年減少している、再入院率も減少傾向にあるということが明らかです。
 この中で、少年院における矯正教育の成果について大臣はどんな御認識でしょう。
#44
○国務大臣(岩城光英君) 少年院を出院した後、その出院の年ですね、その出院年を含む二年以内に再入院した者の数は、平成十七年が五百六十一人であったのに対し、平成二十五年は三百六十二人となっており、減少傾向にあります。また、平成二十五年の出院者の二年以内再入院率は一〇・五%でありまして、刑事施設における平成二十五年の出所者の二年以内再入率一八・一%に比べますと、低い水準にあります。
 少年院では、これまでも対象者一人一人の性格、年齢、経歴、心身の状況及び発達の程度、非行の状況、家庭環境、交友関係その他の事情を踏まえた矯正教育を行ってまいりました。出院者の再入院率が刑事施設に比べ低い水準にあることは、少年院における矯正教育に一定の効果が認められることを示すものと考えられます。
 さらに、今般の少年院法の改正を機に、在院者の個々の問題性や課題に応じた各種プログラムの実施や就労・修学支援等の円滑な社会復帰支援の充実に努めております。これからも、したがいまして、個々の在院者の問題性に柔軟に対応しつつ、きめ細かい矯正教育に努めてまいりたいと考えております。
#45
○仁比聡平君 一定の効果をと大臣今述べられましたけれども、そんな謙遜をする必要はない。世界に本当に誇るべき少年処遇の成果をこの日本では積み重ねてきたと。大臣の下で、現場の矯正あるいは保護に携わる皆さん、それから少年福祉や教育に携わる皆さん、地域や家庭の皆さん、みんなの力がそうした成果をつくっているということに私たちは誇りを持つべきだと、そう思うんですね。
 大臣が今お話しになったような言わば人間諸科学に基づく個別的な処遇、これを充実させようということが少年院法改正の大きな柱でもあるだろうと思います。
 そうした中で、少年非行や犯罪学などの研究者の中で、日本の非行の特徴として男子の七割、女子の八割が初発の非行で収束し再犯をしないと、このことが大きな特徴として述べられています。欧米諸国では初発非行の年齢と累犯化との関係が著しい。つまり、幼い頃に非行に走った場合にそれが累犯化してしまうと。ところが、日本ではそれは逆なんだと、初発非行への適切な介入、初犯の段階で適切な介入が行われていることが大事なんだと、そうした大変重要な指摘があるわけですが、我が国の矯正あるいは保護の観点からこの認識はとても大事だと思います。
 大臣、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(岩城光英君) 少年矯正におきましては、初めて少年院に入院した者や低年齢の者に対しては特に心身の発達の程度を見極めつつ、規則正しい生活習慣の習得や他者への思いやりの涵養、義務教育における教科指導など、いわゆる育て直しのための基本的な矯正教育を重点的に実施しております。
 さらに、保護観察におきましては、保護観察官と保護司が共同して、交友関係の改善指導、就学、就労の助言等を行いつつ、日常的な見守りを実施をしております。これらを通じまして、保護観察処分少年、少年院仮退院者のいずれについても約八割の者が再非行なく保護観察を終了しております。
 したがいまして、少年の健全な育成や改善、更生を目的として実施するこうした少年矯正や保護観察は、再非行の防止と立ち直りに一定の機能を果たしているものと認識をしております。
#47
○仁比聡平君 いや、だから、一定の機能ではなくて、誇るべき成果だと、大臣、そうやっぱりこの戦後七十年積み重ねられてきた少年司法を私はしっかりと評価をするべきだと思うんですね。少年法があったればこそ、少年院を退院した少年に二十歳までの保護観察があるわけですから。やっぱりこの制度、これまでの少年法の大きな成果、これが犯罪の少ない社会をつくる基盤となっているということをきちんと共通認識にして議論を進めていきたいと思うんです。
 今日はもう一点お伺いをしたいと思っておりまして、それは性暴力に関わる刑法改正についてです。
 法制審の刑事法(性犯罪関係)部会が強姦罪、強制わいせつ罪等の抜本的見直しについて今審議を行っております、松島大臣が提起をされたものですけれども。
 我が国の刑法は、一九〇七年、明治四十年以来、抜本的な改正は行われてきませんでした。いずれの時期に保護法益などの歴史的な議論もさせていただきたいとは思いますが、今日、性犯罪が個人法益に対する罪であるということは講学上はされながら、刑法の条文上は変わらず、捜査や裁判においてもジェンダーバイアスにとらわれて被害届が受理されないとか起訴もされないとか、そうした被害者の苦しみが後を絶たないわけですね。
 今回の刑法改正に当たって、我が国の刑法の性犯罪の根本的な捉え方、そして水準を真に個人の性的自己決定権を保護する、保障するというものとしていくこと、このことが私は求められていると思うんです。
 そこで、国際社会から、国連関係の様々な人権委員会から、身体の安全及び尊厳に関する女性の権利侵害を含む犯罪として性犯罪を定義すること、あるいは配偶者強姦が明示的に犯罪として定義されていないことに対する懸念、いわゆる性交同意年齢の引上げや、強姦罪の構成要件、これは今抗拒不能な暴行、脅迫を要件としているわけですが、これを見直すこと、こうしたことが求められてきました。
 大臣、法制審への諮問事項というのはこれらの勧告に応えるものになっていますか。
#48
○国務大臣(岩城光英君) 法務省において開催いたしました性犯罪の罰則に関する検討会、ここにおきましては国際機関からの様々な御指摘についても当然幅広く検討を行ったものと認識をしております。そして、その検討会におきましては、それらの指摘事項のうち、性犯罪の非親告罪化、強姦罪の対象行為の拡張、法定刑の引上げ等について法改正をするべきであるとの御意見が多数を占めました。
 今回の法制審議会に対する諮問はそのような検討結果を踏まえたものでありまして、国際機関からの指摘を適切に考慮したものであると考えております。
#49
○仁比聡平君 勧告に正面から応えていないし、今御紹介のあった検討会、この議論を踏まえたというのも一面的なのではないかと私は思うんです。
 実際、先ほど申し上げたような諸点に加えて、公訴時効の停止あるいは撤廃も含めて検討会で、被害者、支援者、あるいはジェンダー視点に立つ刑法学者や弁護士の皆さんからの非常に重い内容の意見陳述が行われました。ところが、そこで提起された問題が諮問に含まれていないんですね。
 例えば、被害当事者の小林美佳さんは、暴行、脅迫の要件について、カッターの刃を突き付けられる前から、車に引き込まれた時点で死の恐怖を感じ、殴られたり脅かされたりしていなくても抵抗することも大声を出すこともできなかったと、そうおっしゃっています。
 さらに、内閣府の調査によりますと、異性からの無理やりの性交被害に遭った八割近くは面識のある加害者なんですね。配偶者や交際相手、知り合い、そして実父や兄弟も含めた家族、こうした現実に目を覆わずに、真剣に向き合うことなしに性暴力の実態をしっかりと踏まえた刑法改正というのは私できないと思うんですよ。
 こうした現実の被害を前にして、支援者や研究者の皆さんが、もう紹介する時間がありませんが、様々な意見を述べられています。こうした被害者、支援者、学識経験者らの要望を法制審においてしっかりと聴取をしてもらう、しっかりと議論をすると、こうしたことが望まれると思いますが、大臣の認識を問うて、質問にしたいと思います。
#50
○委員長(魚住裕一郎君) 時間ですので、答弁は簡潔に願います。
#51
○国務大臣(岩城光英君) 先ほど申し上げました性犯罪の罰則に関する検討会におきましては、御指摘のような性犯罪被害者等のヒアリング、これは当然行っているものと承知しております。そして、その結果は法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会においても資料とされていると考えております。法制審議会の部会でどういったヒアリングを更に行うか否かは部会において判断されるべきものであると考えております。
#52
○仁比聡平君 議事録だけじゃ駄目ですよ。
 終わります。
#53
○真山勇一君 維新・元気の会の真山勇一です。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、今日議題になっております裁判官、検察官の給与法の改正案についての審議、これについての質問を何点かさせていただきたいなというふうに思っております。
 今回出された人事院勧告というのは、去年の八月なんですね。先ほど、大臣が就任されたのが十月で、御挨拶が遅いじゃないかというお話も出ましたけれども、この人事院勧告による給与改定も去年の八月に出された改定で、ちょっとこれも遅い。公務員の人たちのためでしたら、もう少し本当に早めにやっぱり審議すべきものがここまで来てしまっているのかなという、そんな気もしております。
 問題のその去年の八月に出された人事院勧告なんですけれども、俸給とボーナスなどの給与関係の見直しと、それから勤務時間、働き方に関する、フレックスタイムの充実というようなものが柱になった改定、勧告というふうに理解をしております。
 公務員の給与というものについては、民間に合わせるということで一年に一回出されていますけれども、最近言われているのは、やっぱり人事院勧告が民間の実態をなかなか反映していないという批判が大分出てきている。むしろ逆に、人事院勧告をそのまま適用していくと、逆に最近はむしろ民間よりも公務員の方が給料が高くなってしまう、いわゆる逆転を起こしているんじゃないか、むしろ逆の格差が出ているんじゃないかというようなことすらも言われているわけなんです。
 ただ、そうはいっても、今、公務員の方の給与についてのこういう決めるやり方というのは人事院勧告しかありませんし、やはりこれはその方法しかないからやっていかなければならないというふうに私も思いますけれども、余りにも実態と懸け離れていっているということならば、やはりこの人事院勧告の在り方というものをこれから考えていかなくちゃいけない、廃止も含めて。そして、人事院の役割というのはどういうものなのかということを考えるべき、そんな論議もこれからしていかなければならないというふうに私は考えております。
 そういうような現状を踏まえて、人事院勧告を受けて出されている裁判官とそれから検察官、この俸給についての何点か質問、確認というものをさせていただきたいというふうに思います。
 一般公務員には人事院勧告で出されるわけですが、これに、先ほど御答弁にもありましたけれども、やはり裁判官、検察官というのは、職務あるいはその責任、そういうものの特殊性からまた別に俸給表で作られて決められるということをおっしゃいましたけれども、ただ、あくまでも一般公務員の俸給、人事院勧告に従って連動して動かされるということなんですけれども、裁判官と検察官の俸給というのが人事院勧告に連動して改定されていかなければならないという、そういう理由というのはあるのかどうかということと、それからまた、更に進んで何か法的なそういう根拠というのはあるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#54
○国務大臣(岩城光英君) お答えいたします。
 裁判官の報酬及び検察官の俸給については、人事院勧告に基づいて一般の政府職員の俸給表が改定される場合に、これに準じて一般の政府職員と同じ改定率で改定をしております。
 このような改定方法は法令を根拠とするものではございません。もっとも、この方法は、一方で、裁判官及び検察官の職務と責任の特殊性を反映させつつ、他方で、人事院勧告の重要性を尊重し、国家公務員全体の給与体系の中でのバランスの維持にも配慮するという理由に基づくものでありまして、給与水準の改定方法として合理的と考えられますことから、今回提出の二つの法案を含め、従前より同様の方法による改定を行っております。
 重ねてのおただしでありましたけれども、現行法上、裁判官の報酬及び検察官の俸給の改定について人事院勧告に従うことは義務付けられていないものと、そのように承知しております。
#55
○真山勇一君 法的根拠はないということと、一般の公務員とのバランスを取るということで決めていく、これが合理性があるというお答えでしたけれども、そうすると、その俸給の、給与の水準というのは一般の公務員と同じとはちょっと理解していなくて、職務上でやはり裁判官、検察官の方が多少高い水準になるというふうに伺っているんですが、そういうことでしょうか。
 それから、連動しないにしても、一番最初に裁判官と検察官の俸給のための表というのは当然、元々の表というのはあったわけですけれども、そういうものというのはいつどのように決めたのかということと、いつから人事院勧告と連動したのかというのはちょっと疑問に思うんですけど、その辺り、お答えいただけますか。
#56
○政府参考人(萩本修君) 手元にある資料で確認しますと、裁判官の報酬法、これ、昭和二十三年に制定されたものでございます。また、検察官の俸給法、これも同じく昭和二十三年に制定されたものでして、この頃から、裁判官、検察官につきましては、その職務と責任の特殊性から一般の政府職員とは異なる独自の給与体系が定められているところでございます。
 いつから人事院勧告に従っているのかはちょっと正確なデータを今持ち合わせておりませんけれども、記憶の範囲ではもうかなり前から、人事院勧告を受けて一般の政府職員の給与が改定されるのに連動して改定してきていると承知しております。
#57
○真山勇一君 かなり前からということなので、もうすっかり定着しているということなのかもしれません。
 それから、ちょっと気になった言葉の問題なんですけれども、裁判官と検察官で、裁判官の方は報酬という言い方しますね、それから検察官については俸給というふうに言っているんですが、裁判官のこの報酬という言葉の意味はどういうことと考えたらいいんでしょうか。
#58
○政府参考人(萩本修君) 先に検察官の方を御説明した方が分かりやすいと思いますが、検察官について俸給と呼んでおりますのは、他の国家公務員の給与のうち、基本的な給与のことを俸給と称しているのに倣ったものでございます。それに対しまして、同じく給与のうちの基本的な給与について裁判官は報酬という言葉を使っておりますが、これは憲法において、裁判官について、定期に相当額の報酬を受けると、こう規定されていることから、その憲法の報酬という言葉を受けて法律が制定されたものでございます。
#59
○真山勇一君 憲法に基づいている、よく分かりました。
 先ほどのお話ですと、法的根拠がないということは、逆に言えば、人事院勧告に関わらないで、人事院勧告によらないで別の判断で俸給表、裁判官と検察官の俸給表を改定するということはそれは理屈では可能ということになるのでしょうか。
#60
○政府参考人(萩本修君) 適当かどうかという問題は当然ございますけれども、可能か不可能かと言われれば、可能と認識しております。
#61
○真山勇一君 それからあと、やはり人事院勧告のときによく出ることなんですけれども、公務員の労働基本権というのがありますね。こういう問題等、こういうことをしっかりとするということで人事院勧告に代わるものを考えるのはどうかというような意見もありますけれども、裁判官を見てみますと、こうした裁判官に労働基本権というものがあるのかどうか。それから、人事院が更に裁判官の例えば権利を守るというようなこと、これも人事院の仕事としてそういうことがあるのかどうかもちょっと確認させていただきたいと思います。
#62
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) これまで我が国におきまして裁判官の労働基本権が問題となった事例はございませんで、法令の解釈に関わる事柄でございますので意見を述べることは差し控えたいと存ずるわけでございますけれども、従来から、私どもの司法行政部門におきましては、裁判官は憲法によって報酬、身分について強い保障を受けるとともに、職務の執行についてもその独立性が強く保障されておりまして、一般の勤労者のように使用者と対等の立場に立って経済的地位の向上や労働条件の改善を図る必要がないといった理由から、裁判官に労働組合を結成したりあるいはこれに加盟する権利は認められておらないと理解されてきたものと承知しているところでございます。
#63
○政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。
 人事院は、国家公務員法の規定に基づきまして一般職の国家公務員に関する事務を所掌しておりまして、お尋ねの裁判官に関しては所掌しておりません。
#64
○真山勇一君 裁判官、それからもちろん検察官もそうだと思うんですが、ちょっとやはり給料を決めるという体系では、まあ特殊であるなということがよく分かった感じがいたします。逆に言うと、法的な根拠も特にないということになると、新たな例えば裁判官と検察官に対する報酬の体系ということを設けることも可能なのかなという、そんな気もするわけなんですけれども。
 ところで、司法試験というのを見てみますと、司法試験を受けて合格した人がなる職種、三つ大きくあります、裁判官、検察官、そして弁護士ということなんですけれども。これも人事院が適当なのでしょうか、あるいは法務大臣なんでしょうか。弁護士さんというのはやっぱり法廷で裁判官あるいは検察官と同じ職場、民間でいうと同じ職場というんでしょうかね、そういうところで働いている人。そうすると、弁護士さんの例えば収入とか所得、どんなものかということを実際につかんでおられるかどうか、お答えください。
#65
○国務大臣(岩城光英君) 日本弁護士連合会が平成二十二年、ちょっと古いんですけど、平成二十二年に実施した弁護士業務の経済的基盤に関する実態調査では、平成二十一年の弁護士の収入の平均値は三千三百四万円、所得の平均値は一千四百七十一万円という調査結果が出ていると伺っております。
#66
○真山勇一君 そうすると、独自の資料というのは持っていらっしゃらないということですね。
#67
○国務大臣(岩城光英君) 私ども独自の資料は持っておりません。
#68
○真山勇一君 弁護士さんという仕事柄、先ほどもちょっと話出ましたけれども、やはりかなり収入の厳しい弁護士さんもいらっしゃるけれども、ばりばり仕事やって高収入の弁護士さんもいらっしゃるという、かなり要するに弁護士さんの中でも格差というのはあるんじゃないかなというふうに思いますけれども。
 人事院勧告の話に戻りますけれども、民間給与の算出の根拠になっているものについて、最近、先ほども私申し上げましたけど、やはりかなり違う、ずれが出てきているということはあるんですけれども、機能しているというふうに考えておられるでしょうか。それから、弁護士さんというものを、何というんですかね、給与を決めるその一つの基準に入れるということについてはどう思われるかということをお伺いしたいと思います。
#69
○政府参考人(松尾恵美子君) お答え申し上げます。
 給与につきましては、一般的に、職種のほか、役職段階、勤務地域、学歴、年齢等が異なることにより水準が異なることになります。したがって、公務員給与と民間給与の比較を行う際には、単純平均で比較するのは適当ではなく、これらの給与決定要素を同じくする同種同等の者同士を対比させるラスパイレス方式により精確に比較を行うことが適切であるというふうに考えております。
 具体的には、公務におきましては一般の行政事務を行っております常勤の行政職俸給表(一)適用職員、それと、民間におきましては企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の全国の民間事業所に勤務する公務の行政職俸給表(一)に類似すると認められる事務・技術関係職種の常勤従業員の給与を対比させております。
 弁護士につきましては、そのような官民比較の対象職種とはしておらないところでございます。
#70
○真山勇一君 時間になりました。この後採決もありますので。
 私がちょっといろいろ伺っていて感じるのは、この人事院勧告、やはり少し今後形を変えていった方がいいんじゃないか、その場合、裁判官、検察官の俸給の在り方というのも再検討すべきときに来ているんではないかという気がいたしますので、それを申し上げて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#71
○委員長(魚住裕一郎君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#72
○委員長(魚住裕一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#73
○委員長(魚住裕一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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