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2016/05/19 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 法務委員会 第14号
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2016/05/19 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 法務委員会 第14号

#1
第190回国会 法務委員会 第14号
平成二十八年五月十九日(木曜日)
   午後三時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     溝手 顕正君
     三木  亨君     柳本 卓治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                西田 昌司君
                三宅 伸吾君
                有田 芳生君
                矢倉 克夫君
    委 員
                猪口 邦子君
                田中  茂君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                柳本 卓治君
                江田 五月君
                小川 敏夫君
                加藤 敏幸君
                真山 勇一君
                仁比 聡平君
                谷  亮子君
   国務大臣
       法務大臣     岩城 光英君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    河野 太郎君
   副大臣
       法務副大臣    盛山 正仁君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  田所 嘉徳君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   平木 正洋君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      斉藤  実君
       警察庁刑事局長  三浦 正充君
       法務省刑事局長  林  眞琴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(第百八
 十九回国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件
 )
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、大沼みずほさん及び三木亨君が委員を辞任され、その補欠として溝手顕正君及び柳本卓治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省刑事局長林眞琴君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(魚住裕一郎君) 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○小川敏夫君 民進党の小川敏夫でございます。
 まず、今回の法案の中で取調べの可視化というものが導入をされております。例えば、日弁連の参考人は一歩前進だというようなことを言っておりましたけど、一歩前進ということは十分ではないけど一歩前進だと、こういう意味だと理解しておるんですが、私自身も大変に不十分な内容だと思っておるんですが、今日はまたこの後、通信傍受について詳細にお尋ねしたいので具体的なことはお尋ねしませんが、今後も、この取調べの可視化に関して、この法案に定められた内容の可視化にとどまるのではなくて更なる検討を行っていただきたいんですが、そうした検討を行うということについて法務大臣の所感をお尋ねいたします。
#7
○国務大臣(岩城光英君) お答えをさせていただきます。
 本法律案の附則第九条第一項におきましては、取調べの録音・録画制度についていわゆる検討条項を設けることとしております。これは、捜査機関に原則として取調べの全過程の録音、録画を義務付けることなどを内容とするこれまでにない新たな制度を創設するものであり、より適切な制度としていくため施行後の見直しが必要であると考えられること、制度の対象とする事件の範囲等について様々な意見がある中で一定の内容で制度を導入するものであるため、施行後の見直しの機会をあらかじめ確保しておくことが相当であると考えられることから、施行から三年が経過した後に必要な見直しについて検討を行うこととしたものであります。
 本法律案の録音・録画制度はこれまでにない新しい制度であり、その効果や課題につきましては実際に制度を運用してみなければ分からないところも少なくありません。そこで、対象事件や対象者の範囲の在り方を含め、現段階で見直しの方向性について定めることとはしておらず、見直しの結果について現時点で確たることを申し上げることは難しいものと承知をしております。
 もとより、取調べの録音、録画につきましては、供述の任意性等の的確な立証に資する、取調べの適正な実施に資するという有用性があり、真犯人の適正、迅速な処罰とともに誤判の防止にも資するものと考えております。見直しに当たりましては、これらの制度の趣旨を十分に踏まえて検討を行うことが重要であると考えておりまして、これまでの経緯等を踏まえますと、取調べの録音、録画についての取組が後退するようなことはないものと、そのように考えております。
#8
○小川敏夫君 丁寧というか、丁寧過ぎる答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 後退することがない、それで検討していただくということをしっかりと受け止めたいと思います。
 録音、録画の映像というものは大変に印象強いものでありまして、一言で申し上げますと、そうしたものを都合よく、いいところだけ都合よく切り出して使うというような運用がなされては困るわけでありまして、そうした面で、また、この法案が提出された後も、例えば今市事件のような例がございました、そうした観点からしっかりと取り組んでいただきたい、施行後三年と言わずに、もう直ちにそうした方向に向けての検討をしていただきたいと思います。
 それでは、また通信傍受のことについてお尋ねいたします。
 いわゆる今日はスポットですね、該当性判断のためのスポットについてお尋ねいたします。
 まず警察庁にお尋ねしますけれども、このスポット傍受ですけれども、具体的には、これまでの答弁ですと、各都道府県警ごとにそのスポットの時間とか待機時間とかそうしたものを決めて行っているというようなことで、一律なスポットの仕組みではないというふうに聞いたんですが、例えば、そういうことですと、一つの例として、スポットの該当性判断のために聞く時間が何秒で、そして待機する時間が何秒だということは、具体的な例としてでも御説明はこれまでもいただけないというような趣旨の答弁だったと思うんですが、やはり説明はいただけないんでしょうか。
#9
○政府参考人(三浦正充君) このスポット傍受を行う際の傍受の時間あるいはその中断の時間につきましては、まず警察庁が基準を示しておりまして、その示した基準に従って事件ごとにあらかじめ都道府県警察の本部長が指定をすると、そういったやり方を取っております。ですので、都道府県が任意にといいますか自由にその時間を定めることができるというものではございませんで、基本的には警察庁が示した基準の中で実施をしているということでございます。
 ただ、この時間が具体的にどれぐらいの時間なのかということにつきましては、それを明らかにいたしますと犯罪組織に通信傍受への対抗措置を講じられ、捜査に支障が及ぶおそれがあるために、これまでもお答えは差し控えさせていただいているところでございます。
#10
○小川敏夫君 それは、警察庁が設けている基準についても説明いただけないということですか。
#11
○政府参考人(三浦正充君) これにつきましても、基準は確かにあるんでございますけれども、その具体的な内容についてはお答えは差し控えさせていただいているところでございます。
#12
○小川敏夫君 その具体的な基準はお話しできないということだけど、それはケースを想定して具体的な時間というものが決められているんでしょうか。
 例えば、犯罪に関連する通信かどうか。例えば、犯罪に関連する通信かどうかなんて全部聞いてみなきゃ分からないよといったら、全部聞いちゃってもいいんですか。具体的にどういう場合がどうかということの言葉の説明はできないにしても、どういう場合は何秒、どういう場合は何秒という決まりがあって、適宜その状況に応じて捜査官の判断で決めてもいいとか、そんな具体的な数字が入っていないようなそんな基準なのか、そこら辺のところはどうなんでしょう。
#13
○政府参考人(三浦正充君) まず、通信傍受を行う際に最初に聞きますのは、これは該当性判断のための傍受ということでございますので、まず最初にどれぐらいの時間を聞いてよろしいということがあらかじめ指定をされるわけでございます。もちろん聞いてみなければ分からないわけですけれども、その該当性が判断をできないという場合には、その一定の時間がたちますと一旦そこで中断をして、またあらかじめ定められた時間中断をするということになります。そして、その時間が経過した後、再びその一部を聞くことができると。
 こうしたことを繰り返していくことになるわけでございますけれども、その途中で該当性の判断ができる、つまり犯罪関連通信に該当するという判断をした場合には、事後はそれをそのまま聞く、聞き続けるということができますし、逆に、犯罪関連通信ではないということが明らかとなった場合にはそこで直ちに中断をすると、そういったような運用をしているところでございます。
#14
○小川敏夫君 要するに、そこら辺の基準が明確でないと、該当性判断、いわゆるスポット傍受が適正に行われているのかどうか議論のしようがないんですよね。やはり基準はあると言いながらその中身を示さないというのは、甚だしくこの国会の議論を妨げているのではないかと思うんですが。
 例えば、通信傍受法を見ると、通信傍受の当事者は原記録を聴取できるというふうになっています。先般、裁判所にお尋ねしましたら、昨年ですか、四件あったというふうにお尋ねしました。そうすると、この通信の当事者は、原記録を聴取すれば、当然その原記録には聴取した状況が全部録音されているんですから、その人にはスポットが何秒だったかすぐ分かるわけですよね。
 ですから、そうしたすぐ分かる情報、それは国民全部が分かる情報じゃないけれども、そうした傍受の対象となった私人には分かる情報をこの国会の審議の場で説明しないというのは、これは国会のこの審議の妨げになると思うんですが、非常に不誠実だと思うんですが、いかがでしょう。
#15
○政府参考人(三浦正充君) 議員御指摘のとおり、確かに、原記録の聴取等請求を行いまして原記録を確認することによって傍受の当事者である被疑者あるいは被告人はスポット傍受の時間をある程度確認をするということは可能だと思われますけれども、それはあくまで個々の当事者が知り得るということにとどまりまして、一般に公の場でそれを明らかにするということとは次元を異にするというように考えております。
 いずれにしましても、このスポット傍受の具体的な時間やその基準について一般に明らかにするといったこととなりますと、やはり犯罪組織にこの通信傍受への対抗措置を講じられ、捜査に支障が及ぶおそれがあると考えているところでありまして、その具体的な時間、これだけの時間をまず聞くといったようなことにつきましては、これまでもお答えは差し控えさせていただいているところでございます。
#16
○小川敏夫君 その傍受の対象となり得る犯罪組織にそうした仕組みが分かると妨げになるというような御趣旨でしたけれども。
 でも、そうですか。要するに、こういうことですか。もし傍受されるということを警戒している者は、傍受を避けるために、スポット時間が分かっていれば、例えばスポット時間が十五秒だと分かっていれば、十五秒はわざとうその電話をして、ああ社長どうですか、新しいいい車が出たんですけど買いませんかみたいな全くでたらめなセールスの話をしていて、十五秒たったら突然、いや、兄貴、話の本題ですけど兄貴の指示どおりいろいろやりましたよ云々かんぬん犯罪の話をして、待機時間四十秒来たらまた、いや、また済みません、車お願いしますよ、社長買ってくださいなんということを警戒しているわけですか。
 だけど、それ成り立たないですよ。だって、全国一律なら、スポット時間が十五秒です、待機時間が四十秒ですと分かっちゃったらそれで知れるけれども、だって各都道府県警ごとに違うんでしょう。それから、各事件ごとにスポットの時間とか待機時間が違うんでしょう。その都度そうしたことで定めているわけでしょう。だから、別に何かこれ一つのことを説明したって、それで全部全国がやっているということにはならないから、結局、通信傍受のその仕組みを、スポットの時間を知ってそれを擦り抜けようなんということは現実にはできないということだと思うんですよ。
 だから、そんな現実的にはあり得ないようなことを言って、この国会の場においてそのスポットの仕組みの、個別なことも話さないけど、個別なことじゃなくても、もう少し大枠なことも、基準についても何も説明しないというのは、これは国会の審議をというか国民をばかにしているんじゃないか、余りにも秘密主義が過ぎるんじゃないかと思うんですが。そして、何でもかんでも秘密にしようとするから、何かまずいことがあっても秘密にしようじゃないかと、私もついつい勘ぐりたくなっちゃうんですよ。
 スポットについて具体的なことは何もお話しできないというその考えはやはり変わらないんでしょうか。
#17
○政府参考人(三浦正充君) スポット傍受の具体的なやり方につきましては、国家公安委員会規則、通信傍受規則で定めているところでございまして、これは公にしているものでございます。
 ただ、具体的に、最初にどれぐらいの時間聞く、あるいはどれぐらいの時間中断するといったようなことにつきましては、これはやはり、その都度事件ごとに変えるということでは必ずしもございませんで、ある程度、おおむね大体最初にどれぐらい聞いてどれぐらい中断をするといったような運用の中でやっているものでございますので、機械もあらかじめそのような時間にセットして自動的に、最初に聞くことができる時間が経過をすると、そこで機械の方で自動的にもう通話を中断をするといったような、そういったセットもしているところでもございますので、そういった時間について、具体的、詳細な部分についてそれをあらかじめ公にしておくということについてはやはり適切ではないと考えているところでございまして、その点につきましては御理解を賜りたいというように考えております。
#18
○小川敏夫君 そこら辺が分からないと、先ほど言ったように、該当性判断なんというのは全部聞いてみなきゃ分からないんだよというような考えで、捜査官が自分の判断でどんどん聞いちゃった場合にもチェックできないんじゃないかと心配するわけであります。
 話を変えます。
 今日は、あらかじめ警察庁の方に、平成二十三年についての、実施した傍受について国会の方に報告がされております。
 その二十三年の傍受の実施例についてお尋ねさせていただきますが、この年は十件傍受がされまして、そのうち五件が麻薬、覚醒剤の薬物事犯でありました。その五件については、傍受をして傍受記録も作成されて検挙人員もあると。まあ検挙人員ない場合もありましたけれども、犯罪関連通信はあって傍受記録も作成されていると。
 一方、残りの五件は、四件が銃砲刀剣類、一件が組織犯罪でございました。この五件に関しては、本当に五件そろって犯罪該当通信が一度もありません。したがって、傍受記録も作成されていない。したがって、傍受したという通知ももちろんされていないというケースでございます。
 五件あって五件とも一度も犯罪関連通信がないというのも非常に異例だと思うんですが、中には本当に一つの回線で二十八日間、千二百六十回も傍受をしたと。だから、犯罪関連通信じゃないんだから、この千二百六十回、全部いわゆるスポット傍受で終わったということですよね。スポット傍受はしたと、しかし犯罪関連通信がないんだから、いわゆる本来の傍受はしないままに終わったということだと思うんですが。
 この千二百六十回、これ、五件の回数入れると二千六百回か七百回ぐらいかな、の通話を傍受しているんですよ。傍受しているというのは、傍受しようとしてスポット傍受をしたわけです。しかし、犯罪関連通信がないから、その後は傍受しなかったという仕組みになっているわけです、建前がね。
 私は、ここで質問したいんですけれども、この千六百回、七百回スポット傍受がされた、そのスポット傍受が法の規定に従って適正に行われているかどうか、これをチェックする仕組みはどのようになっているんでしょうか。
#19
○政府参考人(三浦正充君) まず、スポット傍受のやり方につきましては、先ほども申し上げたように、通信傍受規則、国家公安委員会規則で詳細に定めをしているところでございます。
 例えば、この通信傍受規則の十一条七項というところには、スポット傍受をしている場合において、犯罪関連通信に該当せず傍受すべき通信に該当しないことが明らかである通信が行われていると認めたときには、直ちにスポット傍受を終了しなければならないと定められておりまして、犯罪関連通信に該当しない通信についてそのまま通話を聞き続けるといったことは制度的にも許されていないところでありまして、基本的には、そういった細かなやり方に従ってそれぞれの現場で実施がなされているものというように考えております。
 また、傍受をした結果といいますか、全てそのスポット傍受の経過も含めまして原記録に残されまして、それが改ざん不可能な形で裁判官の方に、裁判所の方に提出をされるということでございますので、事後的な検証も可能であると、そういった仕組みになっているところでございます。
 さらに、傍受の実施の現場におきましては、それぞれその傍受の実施の責任を有する人間が指定をされて、その人間の統括の下にチームとして傍受が実施をされるといったような状況でございますので、そういったルールにのっとって適正に傍受がなされているものというように認識をしております。
#20
○小川敏夫君 法律では適正に行わなければならないという規定になっていることは重々分かっているわけです。私は、ただ、法律にはそのように適正に行わなければならないとなっているものを適正に行われているかどうかを確認する、そのチェック機能があるかどうかをお尋ねしたんです。
 今の答弁の中で、私の質問に対する答えは二つありました。一つは、現場で複数の者が適切に対応しているはずだというものが一つ、もう一つは裁判所に原記録が保存されているからと、この二つのことをお尋ねしました。それが私の質問に対する答えだと思うんですがね。
 じゃ、その現場でそれが適切に行われているかどうか。しかし、現場にいるのは捜査官だけですよね。これまでの通信傍受ですと、通信事業者の場において通信事業者の職員が立ち会っていたと。その通信事業者の職員が立ち会っていたことが不十分ではないかという指摘はあると思いますが、しかし、通信事業者が立ち会っている中でそういったスポット傍受を行っていたと。今度のこの新しい法律では、警察組織の中でこの傍受を行うという仕組みになりまして立会人がいないわけです、今度は立会人がいなくていいということになりました。
 これまでは通信事業者が、通信事業者の、その場において通信事業者の職員が立ち会うということで、不十分ながらも言わばチェックの仕組みがありましたけれども、今度は警察の施設の中で捜査官だけがこのスポット傍受を行うということで、立会人というこれまであった、決して十分とは言わないけれども、しかしこれまであったそのチェックの仕組みが除外されているわけです。これは仕組みとしては、スポットの傍受は犯罪関連通信があるかどうか該当性を判断するだけにスポット傍受するので、なければ聞いちゃいけないというこのスポットの運用が適正にされるかどうかという必要性はこれまでも全く変わらないんだけど、今回は立会人が置かなくていいことになってしまった、こういうことになるわけであります。
 これは法律の仕組みですから法務大臣にお尋ねしますけれども、結局この特定機能電子計算機という仕組みになったとしても、それはただ単に送られてきた通信の内容が加工されたり改変されたりしないということは十分に保証されているでしょうけれども、現行の仕組みでも、特定電子計算機の機能を使っても、それを聞くのは捜査官で、スポットの傍受をするのは捜査官という意味では全く変わらない仕組みであります。なのに、なぜ、これまでは通信事業者の立会いがあったのに、今度は警察の施設の中でそうした立会人がないままにこうしたスポット傍受を行うということに法律を改めたんでしょうか。
#21
○国務大臣(岩城光英君) 本法律案により導入いたします特定電子計算機を用いる通信傍受の実施の手続は、現行通信傍受法において手続の適正を担保するために必要とされている通信事業者による立会いや記録媒体の封印に代わりまして、暗号技術等の進歩に伴い、これを活用した技術的措置により通信傍受の適正な実施を確保することで立会い及び記録媒体の封印を不要として傍受を行うものであります。
 すなわち、傍受の実施における立会人は、傍受のための機器に接続する通信手段が傍受令状に許可されたものに間違いないか、許可された期間が守られているか、傍受をした通信等について全て録音等の記録がなされているかといった外形的な事項についてチェックすることのほか、傍受の中断又は終了の際に、裁判官に提出される傍受をした通信を記録した記録媒体について改変を防止するための封印を行うことなどの役割を果たすものとされております。
 特定電子計算機を用いる通信傍受の実施の手続では、通信事業者が傍受令状により許可された通信手段を用いた通信を許可された期間に即して特定電子計算機へ伝送することとされておりますことから、これにより、傍受のための機器に接続する通信手段が傍受令状により許可されたものに間違いないか、許可された期間が守られているかの点の適正は担保されるものと考えております。
 また、現行通信傍受法におきまして、立会人が傍受をした通信等について全て録音等の記録がなされているかをチェックし、傍受の中断又は終了の際に裁判官に提出する記録媒体の封印を行うこととされていますのは、傍受が適正に行われたかどうかを事後的に検証できるようにするためでありますが、この点は、特定電子計算機が傍受をした通信の全てと傍受の経過を自動的に、かつ改変ができないように暗号化して記録することによって担保されます。
 したがいまして、立会人を置かず、記録媒体の封印を行わないこととしましても、手続の適正が確保されるものであります。
 現行通信傍受法の下で立会人が行う外形的事項のチェックの一つとして、捜査官が該当性判断のための傍受の際の機器のスイッチのオン、オフを行っているかどうかを外形的にチェックすることが含まれるものとされております。もっとも、仮に捜査官が傍受機器のスイッチのオン、オフを行っていないことを立会人が認識し、指摘し得ることがあるとしましても、捜査官が適正に該当性を判断して傍受を継続しているのかどうかは、最終的には通信の内容を踏まえなければ判断することは困難でありまして、現行通信傍受法上、該当性判断のための傍受の適正は、基本的には傍受した通信が全て傍受の原記録に記録され、事後検証が可能となることによって担保されております。
 この点、特定電子計算機を用いる通信傍受の実施の手続におきましては、該当性判断のために傍受をしたものを含め、傍受をした通信が全て改変できない形で自動的に記録媒体に記録され、事後的に検証され得る以上、立会人がいる場合と同様に傍受の実施の適正が確保されます。
 したがいまして、立会人を置かないこととしましても、該当性判断のための傍受が適正に行われることを確保できるものと考えております。
#22
○小川敏夫君 答弁が長過ぎますよね。
 でも、大臣の答弁の中で一つだけありましたね、通信事業者の立会人がいて、これまでの仕組みですと、傍受のスイッチがオン、オフされるという状況を立会人が見ているから外形的にはスポットが行われているかどうか見ることができるというお話が大臣の答弁にありました。
 それに引き続いて、しかし、通信事業者は通信の中身までは分からないんだから外形だけじゃ判断できないみたいなことをおっしゃいましたけど、しかし外形的にも、全くスポットをしないで掛かってきた通信をずっと、全ての通信を全部聞くようなことがあれば、やっぱり外形的にはこれはおかしいということは判断できるわけであります。
 ですから、大臣のお話聞いていると、何か、立会人をなくしてしまった、これまでの立会人も大して十分な役割がないんだから今回なくしちゃってもいいようなお話、最終的には原記録が裁判所にあるからそれでいいんだみたいなお話でありましたけど、しかし、スポット傍受が適正に行われているかどうか、中身は分からなくても外形的に行われているかどうかということは、これまでも通信事業者の立会人がチェックしておったわけであります。今度はその立会人がなくなってしまったということは、やはり通信事業者の立会人の負担とか様々な事情があるんでしょうけれども、しかし、そうした面でのチェック機能が後退したというふうに思うわけであります。
 ここの議論は、では、これ以上続けないで、また長い答弁いただいても時間がなくなっちゃいますから。また、大臣の答弁の中でも、結局出てきた結論は、そこでまた不適切な傍受があれば全て原記録に記録されて、それが裁判所に保管されているというところの説明に行き当たりました。
 それで、大臣にまたお尋ねしますが、この平成二十三年の例、この四番ですか、二千六百回ぐらいスポット傍受をした、しかし犯罪通信はないというのがこの実際の実例であります。ほかにも四件、大分何百回もスポット傍受をした、しかし犯罪通信はないというケースが続いていました。
 で、お尋ねします。
 こうして、この例、二千六百回もスポット傍受が行われた、このスポット傍受が行われたということを事後的にチェックする機能はどこにあるんでしょうか。どこにあるかと聞いているんだから、どこにあるということを端的に短い言葉で答弁お願いします。
#23
○国務大臣(岩城光英君) 捜査官が傍受の実施をしている段階で、犯罪に関連する通信はその後も行われず、したがって傍受記録も作成しないし、そのため通信の記録を捜査、公判で用いることもなく、通信の当事者に対する通知も全く行わなくて済むと確信できるのであれば捜査官は不正の発覚の可能性が乏しいと考えることもでき得るかもしれませんが、傍受令状ですね、この傍受令状は、限定された組織的な対象犯罪の高度の嫌疑があり、犯罪関連通信が行われる蓋然性が認められ、他の捜査手法を尽くし、通信傍受以外の方法では犯人の特定等が著しく困難な状況にある、こうした厳格な要件を満たしていると裁判官が認めた場合にのみ発せられるのでありますので、最初から犯罪関連通信が行われることはないなどと予測できるものではありません。
 したがいまして、結果的に犯罪関連通信が行われない事例は存在するが、以上のような意味で結果論であると、そのように申し上げているわけであります。
#24
○小川敏夫君 私、事前のチェックのことを聞いていません。事後的チェックのことを聞いているわけです。私は当然、大臣から、事後的チェックは裁判所に傍受の全体を記録した原記録があるからという答弁をいただけると思ったんですが、その一言だと思うんですけれどもね。
 大臣からそういう答弁をいただいたら、私はこういうふうに質問しようと思って待っていたわけです。
 じゃ、この二千六百回スポット傍受がなされた件について、誰がどのようにして原記録を確認することができるのかというふうに質問したかったんですが、この二千六百回なされた、この平成二十三年の番号四の件で二千六百回もスポット傍受がなされた。そのスポット傍受がなされたことを、それが適正なスポット傍受だったのか、ここに違法なスポット傍受がないのかどうか、これをチェックするには誰がどういうふうにしたらチェックできるのか、この具体的事例に即して、具体的事例というか、この例を想定してお答えください。
#25
○委員長(魚住裕一郎君) いいですか。岩城法務大臣、どうぞ。
#26
○国務大臣(岩城光英君) 失礼しました。
 通信傍受法は、その傍受が適正に行われたか否かを事後的に検証することができるように、検察、捜査官が傍受をした通信は全て委員御指摘のとおり記録媒体に記録をして裁判官に提出すべきことと定めておりますので、そのため、捜査官が違法な傍受を行えば、傍受の原記録に動かぬ証拠が記録され、裁判官の下で保管されることとなります。そのことが担保される一つの理由であります。
#27
○小川敏夫君 だから、裁判所に保管されても、保管されたままじゃ意味がないわけですよ。保管されたものを、誰かがそれを見て検証できる、調査できるから機能があるわけです。
 では、もっと具体的に聞きましょう。このように二千六百回もスポット傍受がされた、しかし、裁判所の原記録を確認する人は、誰が確認することができるんでしょうか。
#28
○国務大臣(岩城光英君) それは、通知を受けることになります通信の当事者あるいは関係者でございます。
#29
○小川敏夫君 大臣、今の答弁は間違っていますよ。だって、これ、犯罪関連通信がないんだから、傍受記録が作成されていないんだから、誰にも通知が行かないんですよ。この例は、二千六百回スポット傍受をしたけれども犯罪通信がない、犯罪通信がないから傍受記録が作成されていない、通知は傍受記録が作成したときにしか発送されないんだから、傍受記録が作成されていないんだから通知されないんですよ。通知された者が調査することができるというのは、大臣、それは明らかに間違いですよ、通知がないんですから。どうですか。
#30
○国務大臣(岩城光英君) 端的に申し上げますと、通知を受けたか否かにかかわらず、その通信の当事者は原記録の聴取、これをすることはできるわけでございます。
#31
○小川敏夫君 だから、じゃ、通知は受けないということは認めたわけですね。
 じゃ、通知を受けない人が、秘密のうちに行われた、これ、通信傍受は当然秘密のうち、まさに盗聴と言うくらい秘密のうちに行われるわけですから、傍受を受けた人がどうやって自分がそういう傍受を受けたのかということを知ることができるんでしょうか。
 このようにスポット傍受は二千六百回された、しかし犯罪通信はない、傍受記録も作成されていない、誰にも傍受をしたという通知が行かないというときに、傍受をされた人はどうやって自分の通信が傍受されたということを知って、そしてその傍受の記録が裁判所にあるということを知ることができるんでしょうか。
#32
○国務大臣(岩城光英君) まず、次のようなことが考えられると思います。通知を受けた通信の当事者から傍受の事実を知らされた者が自己の通話の傍受状況、これを知ろうと考えた場合、あるいは、知人が警察に摘発されたことを知った者が、自己の通話が傍受されていたのではないかと考えた場合、こういった場合も想定されるものと考えております。
#33
○小川敏夫君 だから、大臣、これは通知を受けた人がいないんですよ。それから、立件された人もいないんですよ。だから、大臣が言っている例は全く当たらないんです。
 通知を受けた人から聞くという話がないんですよ、通知が受けた人が誰もいないんだから。あるいは、立件された人がその捜査か公判の過程で情報が回り巡ったと言うけど、ないんですよ、誰も立件されてもいないし、公判も裁判も受けていないんですから。
 だから、私は、傍受された人は、自分が傍受されたこと、すなわちその傍受記録が、傍受の原記録が裁判所にあることを分かるはずがないんですよ、分かるはずがない。だから、そのことを確認的に大臣にお尋ねしただけです。
#34
○国務大臣(岩城光英君) 確かに、通知を受けていなければ、通常はその原記録を聴取、こういったことをすることはこれは難しいことがあろうと思います。そのことは私が改めてお話をさせていただきます。そして、事後的なチェックの仕組み、これがあることがその適正確保を担保しているものと考えております。
 これも何度も申し上げて恐縮でございますけれども、傍受の実施を行っている捜査官は、その後に犯罪関連通信が行われることを前提として行動しなければならないので、傍受記録に記録される通信が全くないとか、したがって通知は一切行わなくてよい、そういったことを前提とした行動は取れないと言える以上、捜査官は通信の当事者等により傍受の原記録がチェックされ得るという前提で行動をしなければならないと、そのように考えておりまして、不正が行われる余地もしたがいましてないと、そのように考えております。
#35
○小川敏夫君 そういう答弁はこれまでも大臣からいただきましたけど、だから私はあえてこの二千六百回もスポット通信があったけどと、こういう例を挙げているわけです。
 つまり、大臣のお話は、初めにそうした犯罪関連通信がない、したがって傍受記録が作成されないということであっても、更に進めればスポットをやっているうちに犯罪関連通信があることもあり得るから、だからあり得ることを考えて捜査官はそういうことは、つまり間違ったことはしないだろうという大臣の御意見はこれまでもお伺いしました。
 それで、私はこの二十三年の例を挙げているわけです。行った通信傍受のうち五割、半分は多数回に及ぶスポット傍受をしながら、ただの一度も犯罪関連通信がないと。この四番の例では、二千六百回もスポット傍受をしながら犯罪関連通信がないという事例を取り上げて説明しているわけです、お尋ねしているわけです。
 初めのうちは犯罪関連通信がなくても、後々、犯罪関連通信があるかもしれないから、そのことを想定して捜査官は当然、いずれ悪いことをすれば露見するだろうと思って、だから悪いことをしないだろうという大臣のそうした枠組みのお話には当てはまらない例が実際にはこんなにあるじゃないかということでお尋ねしているわけです。
 ですから、こうした始めから終わりまで、二千六百回まるっきり犯罪関連通信がないという場合には、やはり後々そうした犯罪関連通信があるかもしれないから、そういうことを予測すれば適正に行われるだろうという大臣の推測は、そういう例は全くないとは言わないけど、事実上非現実的な説明だと私は思うわけであります。
 実際にこれだけの、二千六百回もスポットがありながら犯罪関連通信がないと、こういうケースの場合、結局は、大臣のお話は一つの仮想の例でしょうけど、このように二千六百回もスポット傍受がされたけど犯罪関連通信がないから通知は行かないと。通知が行かないから、傍受をされた人は自分が傍受されたことを知りようがないでしょうねということは、先ほど法務大臣もお認めいただいたというふうに思います。
 だから、そうすると、知りようがないんだから、当然、裁判所にある原記録をチェックできないわけです。知らないんだから、裁判所に原記録があること自体も知らないんだから、それをチェックするということは考えられません。ですから、その面についてのチェック機能は私は働かないと思います。
 それから、大臣はもう一つ、先ほどこういうふうに言いました。通知を受けた者あるいは傍受を受けた当事者その他の関係者というふうにお話ししましたですね。それらの関係者が原記録を確認するという場合があり得るんだというお話でした。その関係者とはどなたですか。
#36
○国務大臣(岩城光英君) 通知を受けた者と通信をした者と、そういう意味で申し上げたつもりでございます。
#37
○小川敏夫君 いや、だから、通知を受けた者と言うけど、その通知を受けていないんだから。
 そうですか。私は、通信の当事者その他の関係者というのは、例えば、通信傍受法に書いてある原記録を正当に聴取することができる人間がいますよね、そのことを言っているんだと思ったんだけど、そうじゃなかったんですか。
#38
○国務大臣(岩城光英君) 先ほどの答弁の中で申し上げた趣旨は、そういった、通知を受けた者と通信をした者という意味で私は先ほどは申し上げました。
#39
○小川敏夫君 じゃ、私の質問に対する答えには全くなっていないわけですよね。だって、私は、通知が行かないんだから、その傍受をした直接の当事者に通知が行かないんだから、通知が行かないからその人は分かるわけがないですねと言うわけだから。そうすると、その人とまた通信をした話の相手方が分かるわけないですよね。
 だから、通知が行かない以上、その傍受をした人も傍受をした人にたまたま話をした相手方にも傍受があったということを分かりようがないということは、これは大臣もお認めいただけますね。
#40
○国務大臣(岩城光英君) おっしゃるとおりだと考えております。
#41
○小川敏夫君 ですから、大臣、そこまでお認めいただけるのであれば、そうすると、やっぱり裁判所に傍受の記録が全部原記録として保管されているから、だから、いずれ誰かがチェックして、もし間違いがあればすぐ露見するだろうから、そういう露見するという仕組みができているから捜査官は不正な傍受をしないだろうという、そうしたこの話の組立ては実は間違いだったとお認めいただければ、私はもうこの質問は二度としないんですけれども、なかなかお認めいただけないから、もう何回も何回も質問させていただいたわけでありますけれども。
 もうこの質問は最後ですけど、いかがでしょうか。
#42
○国務大臣(岩城光英君) また多少長くなって恐縮でございますけれども。
 傍受の実施を終えた時点から振り返ってみますと、結果的に犯罪に関連する通信が一度も行われなかったということ、これがあり得るということはそのとおりでございます。
 ただ、捜査官が通信が行われるのを待ち受け、また、行われた通信について該当性判断のための傍受をしている時点から見ますと、その後に全く犯罪関連通信が行われないということを予測できるものではありませんので、犯罪に関する通信が行われることもあり得ますし、その後に別の通信が行われ、犯罪に関連する会話が行われることも十分考えられます。
 そうなれば、そのような通信の当事者にとって傍受の原記録がチェックされることにもなり得ますし、公判段階で被告人や弁護人が傍受の原記録を聴取する、そういったことにもなり得るということも御理解をいただきたいと存じます。
#43
○小川敏夫君 理解はしませんけれども。
 私の議論は、まだ捜査官が善意だということを想定して質問しているんです。善意の捜査官が、しかし、間違えてしまってはいけないなと。だから、間違いがチェックできる仕組みが必要だという視点から質問させていただいたんですが。
 例えば、共産党幹部宅に対する盗聴事件などもございました。捜査官が善意じゃなくて、初めから違法な、もう不正は承知の上で傍受しようと思ったら、それもチェックできないんですよ。すなわち、もし捜査官が不正の意思があれば、通知が行かないという制度を十分自分が認容して通知が行かないような傍受をすればいいわけですから。あるいは、通知をしなくちゃいけない傍受があったって、そんなのは犯罪関連通信じゃなかったというふうに判断して傍受記録を作成しなければ、結局誰にも通知が行かない。違法な傍受を仮にした、それが記録されたものが裁判所にあるといったって、裁判所にあることを誰も知らないし、誰もチェックしないと。そこまで腹くくっちゃったら、不正な捜査官が出た場合に、不正な傍受をやった場合にそれをチェックできないという仕組みになっていると。
 初めは、私は、捜査官が善意にやっていると、だけど、チェック機能が十分でないとだんだんルーズに流れると。だんだんルーズに流れると、そのうちに、ああ、ミスをしても発覚できない、発見されないんなら、だんだん、ルーズに流れるだけじゃなくて、ああ、どうせ不適切なことをしたってばれやしないんだからといってだんだん悪い方向に行っちゃうと。だから、そういうふうにならないように、制度的な仕組みとして、間違いがあればそれがきちんとチェックできるという仕組みを設けていただきたいと。残念ながらそれが設けられていないというのは、再三私は述べさせていただいた次第であります。
 スポット傍受に関してだけ言えば、これまでは誠に不十分ながら、通信事業者が立ち会うというその現場での外形的チェックがあったわけでありますけど、今度の新しいこの通信傍受では、特定電子計算機機能、この傍受ではその立会人すらなくなってしまって、スポット傍受をその場で外形的に判断するという、そうしたチェックが取られてしまったわけです。ですから、チェックが更に薄まったというような仕組みになっております。
 ですから、こうしたことについてはしっかりと対応していただかなくちゃいけないので、こうした法案になってきたことは大変甚だ残念でありますが、もうこの議論はやめまして、こうした議論を踏まえて、仮にこの法が施行されることになったとしても、私が指摘したこの通信傍受が濫用されることがないような制度的な仕組みを取り入れるために更なる検討をしていただきたいと私は思っておるんですが、そうした前向きな検討は今後もしていただけるんでありましょうか。法務大臣の所感をお尋ねしたいです。
#44
○国務大臣(岩城光英君) 小川委員から様々な御指摘をいただきまして、いずれも重要な点だと認識をしております。
 この新しい制度に仮に移行しました場合にいろんな取組がなされるわけでありますけれども、不断の見直しといいますか、検討を重ねながら、よりいい制度にしていくべく努めてまいりたいと考えております。
#45
○小川敏夫君 公安委員長にお尋ねしますけれども、いろいろ議論させていただきまして、傍受を行う、私はスポット傍受のことを取り上げましたけれども、法律上チェック機能が不十分であるというような議論をさせていただきました。
 法律の規定上不十分であれば、じゃ、あとは実際に運用する、実際に行う警察において、そうした、法律にはないけれども、警察内部の運用においてきちんと間違いがないようなチェックの仕組みをつくっていただきたい。それが私は必要だと思うんですが、そうした通信傍受に関して間違いが起きない、そうした運用の仕組みを是非つくっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(河野太郎君) 警察におきましては、これまでも通信傍受の適正な実施に努めてきたところでございます。
 今回の新たな制度が導入されたとしても、これまでと同様に適正な通信傍受を行い、国民の信頼を積み重ねていけるよう警察を指導してまいりたいと考えております。
 また、改正法が施行されれば新たな方式による通信傍受が導入されることも踏まえ、それまでの間に、傍受を行う捜査員の指導体制が構築されること、国家公安委員会規則等の内部規則において適正な通信傍受の実施に資する手続をしっかり規定することなど、厳格かつ適正な運用を担保するための措置について確実に講じてまいります。
#47
○小川敏夫君 もう少し具体的に、例えば制度の運用に対して具体的な取決めに踏み込んだ答弁がいただきたかったんですが、いただいた答弁、趣旨としてはもちろん私はそうした趣旨で賛成で異論はないんですけれども、ちょっと抽象的過ぎたものですから、もう少し具体的に、こういう運用の規則を定めるとか実際に傍受をするときの体制はどういうふうに構築するとか、何かもう少し具体的な踏み込んだ答弁をいただきたかったんですが、その点はいかがでしょう。
#48
○国務大臣(河野太郎君) 新たな方式による通信傍受では、技術的に高度な機器を使用することなどから、その適切かつ効果的な実施を担保するため、傍受を行う捜査員に対して専門的知見を有する警察官が、傍受の開始前、実施期間中、終了後の各段階において必要に応じて指導を行うということにしてまいりたいと思っております。
 このように、制度面での適正担保措置に加え、実務上も制度が確実に運用されるよう担保してまいりたいと思います。
#49
○小川敏夫君 今日のこの場の質疑でいきなり具体的なことまで示せといってもそれはなかなか無理がありましょうけれども、是非、訓示とかそういう精神論ではなくて、この運用の仕組みとして、制度として、そうした防止、不正、不当な傍受が行われないような仕組みを制度として、仕組みとして構築していただきたいと、そのように要望いたします。
 法務大臣に、では最後の質問をいたします。
 先回、司法取引で私質問しました。司法取引によって作成された供述調書、これについて引込みとかそうしたことで信用性について疑問がある場合があるということの問題について、公判では、裁判の場においては供述調書のその証拠が司法取引によって作成されたものだということが示されると、そのことによって、そうしたことを踏まえた裁判官の吟味がなされるということでございました。
 私は、そのとき指摘しまして、公判の場合にはそうした裁判官の吟味があるでしょうと、しかし、司法取引によって得られた供述調書は、強制捜査のための令状請求、この資料として提出される場合には、それが司法取引によるものだということの説明なしに証拠資料として使われるということを指摘いたしました。そうした強制捜査の令状請求の場合には、司法取引による供述調書であるということの説明は不要であるという答弁をいただいております。
 そうしますと、後々起訴されないとか無罪になればいいやという話ではなくて、やはり逮捕、捜索、あるいはこの通信傍受もそうでしょうけれども、強制捜索をされるということによる、された者の不利益というものはやはり非常に大きいわけでありまして、例えば普通の社会人あるいは政治家などが、別に起訴されなくても、逮捕などの強制捜査をされるだけで大きな社会的信用を失います。
 そうしたことを考えれば、やはりそうした令状請求などの場合においても、この司法取引によって得られた供述調書は司法取引によって得られたものであるということを説明するというような運用を、将来的には立法措置していただきたいんですけれども、そうした取りあえず法律になければ、その運用面において、これはもう法務省よりも警察なのかもしれませんけれども、司法取引によって得られた供述調書を令状請求等において使用する場合には運用面において必ずそうした説明をするということをしていただきたいというふうに思いますが、そのことについて答弁をいただいて、私の質問を終わります。いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(岩城光英君) 現行刑事訴訟法には令状請求の疎明資料に関する規定は設けられておらず、その点に関する規定は刑事訴訟規則等の最高裁判所規則に設けられております。
 そのため、本法律案におきましても、合意に基づく供述調書を他人の刑事事件における令状請求の疎明資料として用いる場合について、合意内容書面を併せて提出すべき旨の規定は、御指摘のとおり設けておりません。
 そこで、公判廷における合意内容書面の請求義務を定めた本法律案の刑事訴訟法第三百五十条の八の趣旨等に照らせば、当然併せて提出することとなるものと考えられる、そのように私たちは思っております。
#51
○小川敏夫君 終わります。
#52
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。
 私は、今回のこの法改正、大詰めに来ています。このときに思うことなんですけれども、まず、過去の冤罪事件、それから最近は厚生労働省の村木厚子さんの事件など、やはり冤罪というのは本当に繰り返し繰り返し起きてきている。これをなくそうということで今回のこの法改正ということになったわけですけれども、冤罪を防止するという観点からの改正に本当になっているのかなという、そんな思いを感じながら審議をしてきました。また、大改正というふうに言われているのに、十分な審議がやはりなされていないんじゃないかというふうに私は思うんです。
 ちょっと数字を出して比較させていただきたいんですが、衆議院、これ参考人は衆議院四回、それから参議院三回、これはまあまあでしょう。それから、視察については衆議院も参議院も二回視察を行いました。
 ただ、質疑時間です。これを見ていただきたいんですが、質疑時間が衆議院は五十三時間十五分、五十三時間十五分。そして参議院、私たちのこの法務委員会の場での審議ですけれども、今日のこの審議を終えた時点の時間です、終えた時点で二十時間十五分、二十時間十五分。ですから、五十三時間十五分と二十時間十五分、半分以下です、半分以下。
 衆議院に比べて参議院は議員の数が半分だから審議時間半分でもいいというような、そんな意見も何かあったような気がするんですけど、私はそういうことではないと思います。やっぱり、参議院は参議院で徹底的に審議をしなくちゃいけないし、これ見ただけでも本当に審議の時間は不十分だと私は思っています。
 そして、この審議の過程で本当にまだまだ解明しなくちゃいけない、はっきりさせなくちゃいけないところがあるのではないかというように思っています。新しい運用なのでやってみなければ分からないというような大臣の御答弁もありましたけれども、それはそうかもしれないけれども、やってみなきゃ分からないからというのは、やっぱりそれと審議を尽くしていくことというのは別な問題だと思います。私は審議をしていかなくちゃいけないというふうに思います。
 今回のこの改正を、例えば私たち、我が家のリフォームに考えれば、リフォームというのは小さいリフォームと大きいリフォームあります。小さいのは家族の同意も簡単に取れるでしょう。でも、大きなリフォームをするとき、例えば居間をより快適に家族全員で使うために変えたいなんていう提案がある。でも、家族の中には、いや、僕は、私はプライバシーの方が大事だからそういうような改造をしたいとか、いろんなことあると思います。大きなリフォームというのはお金も時間も、それから何よりも家族の議論をして納得いくようなリフォームにするということが必要だと思うんですね。それは、なかなかやっぱり議論を時間掛けなければできない。
 つまり、大きな改正というのは、国民という例えば私たちの家族、この意見を聞いて、そしてやっぱり家族が納得できなければ駄目だ、私はその納得することが、みんなが今回のこの改正、確かに新しいものだけどいいものになるんだと、そういうことが合意できなければ駄目じゃないかなというふうに思っています。
 私は、この法務委員会での審議を通じて、そういうことをずっと感じながらやってきました。
 ただ、具体的に今日は幾つか、もう本当にこれで多分今回は、まだまだ議論しなくちゃいけませんが、今回はこれまでで一応区切りになると思うので、気になっていることをお伺いしたいというふうに思っています。
 二点あるんですが、まず取調べの可視化について。小川委員と重複するところもあるかと思います、それから、私の質問もなるべく短くしますので、是非御答弁の方も短くお願いしたいというふうに思っております。
 私は、この委員会で何回か申し上げたように、私は映像というテレビの世界で仕事をしていたために、映像がどれだけ、つまり文字に比べてインパクトのあるものかということを訴えてきました。今回の可視化というのはまさにそうしたことで、私は、審議を通じて録音、録画というのが私たちが考えている以上の力を持つ大変大きな存在ではないかというふうに感じているんですね。
 だからこそ確認したいことがあるんですが、映像のインパクトというのは強いんですけれども、録音、録画された取調べ、これは使われ方というのは、あくまでもどういう使われ方をするんでしょうか。信用性、任意性の証明、こういうことでいいのか、あるいは証拠として使われるのかどうか、この辺りをまず確認させていただきたいと思います。
#53
○政府参考人(林眞琴君) 録音、録画の記録媒体の証拠としての性格でございますが、一つには、委員御指摘のように、例えば供述調書等があった場合に、その任意性の立証のために使われるということが一つございます。また、実際に録音、録画の記録媒体を実質証拠として用いること、これについても現行の刑事訴訟法上禁じられているものではなくて、実際にこれまでも検察当局において記録媒体を実質証拠として請求し、それが採用されて取り調べられたという実例もございます。そういった意味で、記録媒体の証拠としての性格はその双方があろうかと思います。
#54
○真山勇一君 今のお答えですと、やはり録音、録画がかなり比重が、いわゆる捜査とか公判で大事、大きな役割を占めるということが今後出てくるというふうに考えられるんですね。
 思い出していただきたいんですけれども、今市の事件のことです。この事件は物証乏しいと言われていました。情況証拠だけです。そうした中でこのビデオが再生されて、私はやっぱりちょっと気になるのは、このビデオ再生されたときの皆さんの、裁判に関わる人の印象です。判決、裁判官ですね、取調べ官による誘導を受けた形跡もない、はっきり形跡ないと言い切っているんですよ。検察、容疑認めてからは全て録音、録画されている、容疑認めてからなんですね、から。私は、認めるときが大事だというふうに思って繰り返し申し上げました。それから、これです、裁判員、映像には文面だけでは伝わらない情報がたくさんあった、録音、録画がなければ今回の判断はなかった。
 私は、こういう捜査というのはやはり公判中心主義でいかなくてはならないし、何よりも証拠が大事で、それを補強する意味の録音、録画じゃないかなというふうに思いましたけれども、実質証拠になってしまう。そうすると、物的な証拠が何にもなくても、今申し上げたように、皆さんの心証で黒か白か、こういうことが決まってきてしまうという、そういう非常に危うい部分を私は感じているんですけれども、それはどんなふうに考えられているんでしょうか。
#55
○政府参考人(林眞琴君) 例えば、実務で実質証拠として記録媒体が用いられた場合に、これが公判中心主義の裁判、これから離れるのではないかということの指摘がございます。
 これにつきまして、近時の裁判実務におきましては、まず、裁判員裁判事件を始めとして証人尋問あるいは被告人質問を中心とした審理が行われている現状がございます。したがいまして、まず、録音・録画記録が証拠として提出される場合でありましても、まずはその証人の尋問や被告人質問が行われる現状にございます。
 その上で、検察官がなお録音・録画記録を、立証による、立証の必要性があると判断いたしまして、これを証拠として請求した場合におきましても、これについては公判において弁護人がそれに対する証拠の意見を述べます。これを踏まえて、裁判所がその記録媒体によるその立証の必要性、相当性というものを考慮いたしましてその採否を判断することとなります。その上で、実際に録音・録画記録が実質証拠として取り調べられることになる場合でありましても、その中身の信用性の判断におきましては、公判廷における証人尋問や客観的な証拠の取調べの結果、あるいは被告人質問において直接被告人が取調べの状況や事件の当時の状況などについて供述している内容、結果、これらを総合的に判断する中でその録音、録画の記録媒体の証拠としての信用性という判断が評価されることになります。
 したがいまして、こういった形で検察官が録音・録画記録媒体を例えば実質証拠として請求する、あるいはそれが裁判所が取り調べるということになったといたしましても、そのこと自体、その証拠価値の判断等におきましては公判において出されている証拠を総合的に判断して行われますので、直ちに公判中心主義に反してくるという御指摘は当たらないと考えているところであります。
#56
○真山勇一君 直ちに公判中心主義に違反することは当たらないというふうに今おっしゃいましたけれど、私はやっぱり申し上げたように、映像の人間に与える印象、インパクトってやっぱり強いです。ですから、この映像、今回可視化ということで導入されるわけで、私はこれ積極的にやっぱりやるべきだということを申し上げてきたけれども、本格的にこれを使う場合は、やはり映像を扱う意味、扱うということは、捜査員にしろ、それから裁判の過程にしろ、やはりかなり慎重に使っていく必要があるんではないかというふうに、まず一つこれは何としてもやっぱり申し上げたいというふうに思っています。
 それと同時に、そういうふうに物証として使われる、実質の証拠として使われるということならばなおさら、私が申し上げたように、例えば今市の事件のようなものではなくて、やはり最初の、例えば被疑者、被告が最初にやはり自供したところ、その部分というのが撮れていなかったら、やはりその任意性とか信用性というのはどうしても疑わざるを得ないというふうに思うんですが。
 そういう意味で、冤罪がやはり多くつくられるケースというのは、例えば任意同行してからのことですとか、あるいは、あと別件逮捕、また今市の例を出しますけれども、これも別件逮捕で、ですから、最初に自供したところがなくて、その後供述が撮られているということなんですね。こうした任意同行とかあるいは別件逮捕で冤罪がつくられるということも多いということなんですけれども、私は、やはりこの任意同行から、もし可視化、全ての過程の録音、録画をするというなら、やっぱり任意同行あるいは別件逮捕というところから撮れるなら撮らないと、冤罪を防ぐという、私が最初に申し上げたように、本当にこれ冤罪を防ぐならばそうした方法を取るべきだと思っているんですけれども、これについてはいかがですか。
#57
○政府参考人(林眞琴君) その任意同行、逮捕前の任意同行した後、被疑者の取調べについてもその録音、録画の義務の対象とするかという考え方でいきますと、やはりそれを法律の制度としてその義務の対象範囲を定める以上は、それは厳密に明確な形で画する必要がございます。その点にいきますと、捜査の流動性に鑑みますと、例えば逮捕することをも想定して任意同行した上で行う取調べでありましても、実際に逮捕するかどうか、これは取調べで得られた供述やその裏付け捜査を踏まえなければ、取調べの時点では明らかではございませんので、逮捕前の取調べについて具体的にどのような場合を録音・録画義務の対象とするかの範囲を法律上明確に画することは極めて困難であると考えます。
 そのことから、今回、この義務の対象の範囲とはしていないわけでございますが、もとより、委員御指摘のとおり、逮捕前の任意同行の段階での供述というものについて、また、そこで例えば否認から、当初の否認から自白に転じているような場合、この場合にそのときのその自白という供述の任意性というのは非常に重要な問題でございます。もちろん、そこに録音、録画の記録媒体があればその任意性というものは立証がなされやすいでしょうし、また、そこに問題があればその任意性を排除できるという意味で、その記録媒体がそこの時点で存在するということが非常に有用であろうかと思います。
 そんなことから、捜査機関の義務付けという形では今回しておりませんけれども、先ほど申し上げましたように、近時の実務では、供述の任意性をめぐって争いが生じた場合にはやはり取調べの録音・録画記録による的確な立証というものが求められている現状にございますので、例えば検察当局におきましては、そういった公判の立証に責任を負う立場といたしましては、そのような的確な後に立証ができるようにするために、その運用による取調べの録音、録画というものを積極的に取り組んでおるわけでございまして、実際にその事案に応じて、逮捕前の任意段階の被疑者の取調べについても録音、録画を実施しているものと承知しております。
 そのために、その被疑者の供述が立証上重要である事件などにおきましては、法律の定めを超えまして、検察の運用によって任意段階の被疑者の取調べについても必要な録音、録画というものが行われることとなるものと考えておるところであります。
#58
○真山勇一君 結論的に言うと、任意同行、別件逮捕も、努力をするというふうなニュアンスというか、そういうお答えであったというふうに私は受け止めております。
 やはり捜査というのは、被疑者、容疑者、被告がそれを認めるということが一つと、それからもう一つはそれをきちっと裏付けする物的な証拠をきちっと集めていくという、その二つ、やはりそろわなければいけないというふうに思うんですね。ですから、録音、録画見て恫喝とか暴行がなかったと認められるって、その最初でなくて途中の段階でそういう話が出てきても、やはりそれが、じゃ、どこまで信用できるのか。むしろ映像があったとしても、それは信用できない。そういうふうに言わせられることだって可能なわけです。
 ですから、やはり被疑者、容疑者も被告も、当人もそれから弁護士も、全てがこれが最初できちっと証言をしたんだというところがやはりなければいけないと思いますので、努力をするというよりは全面可視化ということを、今回これが大きなテーマになって、そして冤罪を防ぐという意味でいえば、やはり冤罪の可能性が多い部分、そのところこそむしろ大事に録音、録画を是非していかなければならないということを私は申し上げたいというふうに思っております。
 もう一つ、次に、通信傍受について伺いたいと思います。
 この通信傍受については、本当に小川委員がいろいろと細かいところを、むしろ私も、ああ、なるほどと思うようなところがたくさんあるくらい、やはりまだまだちょっと、きちっと詰めて質問しなければいけないところもあるんですけれども。
 私はやっぱり、先ほども出ているように、例えばスポットで必要なところを取り上げるにしても、やはり通信傍受というのは全体聞かなきゃなかなか、つまり全体聞かなきゃ部分を選べないと、それは私もそう思うんです。ですから、それをどういうふうにやるかということはとても大事なことだというふうに思っています。
 その中で、私は特に、今回、通信傍受をやるために特定電子計算機というのをつくられるという話を出ております。この特定電子計算機というのは私はどうもよく分からないんですけれども、まずこの特定電子計算機についてお伺いしたいんですが、その傍受の対象、対象というのはどんなものが含まれるんでしょうか、もう一回確認させていただきたいんです。一つはいわゆる電話の通話系、言葉、それからもう一つは文字、テキスト系、メールなどというふうにありますけれども、こういうもの全て、今いろんな通信媒体ありますが、この全てが傍受の対象になるわけですね。
#59
○政府参考人(林眞琴君) 通信傍受法は、傍受の対象となる通信につきましては、電話その他の電気通信であって、その伝送路の全部若しくは一部が有線であるもの又はその伝送路に交換設備があるものという規定を設けております。したがいまして、電話等の音声を送る通信はもとよりでございますが、例えば電子メール等のインターネットを介する方式により文字や映像等を送る通信、あるいはツイッター、LINE、あるいはスカイプのようなインターネットを介する方式により文字や映像あるいは音声を送る通信、こういったものが、いずれでありましても、ただいま申し上げました通信に当たる限りにおきましては今回の通信傍受法の規定による傍受を行うことができるという法的な仕組みになっております。
#60
○真山勇一君 今の答弁は私たちが利用しているいわゆる電気通信関係は全て対象になるというふうに私は解釈しましたけれども、そうするといろいろなものがあるわけですね。これまでどおりのいわゆる電話会社がやっているものと、それからインターネットの会社がやっているもの、それから今はインターネットでももう本当にいろんなアプリが出ていますね。いろんなところで通信ができるということがあります。一番よく知られているのはLINEだと思うんですが、それ以外にもいろんなアプリを使って小さなグループでもいろいろやり取りができるような、特にこれはテキスト系と呼ばれる文字だと思うんですが、そういうものがあるというふうに思います。
 このインターネットの、例えばスカイプとかIP電話、あるいはテキスト系のアプリなどを運営している会社は、海外企業、外国の企業が多いと言われているんですが、外国の企業でもこの通信傍受、つまり盗聴というのは問題なくできるのでしょうか、それとも何か障害というのはあるんでしょうか。
#61
○政府参考人(三浦正充君) 外国籍あるいは外国に本社を置く通信事業者でありましても、日本国内に通信事業の拠点となる事業所、施設等を有しており、当該場所において傍受を実施する範囲内では捜査が、管轄権は我が国に属しているわけでありますので、そうした場合に傍受の実施は可能であるというように承知をしております。
#62
○真山勇一君 私がちょっと知りたいのは、例えば今申し上げたように、外国の通信会社、本社が外国にあって、日本は例えば営業所とか出張所とかそういう程度だと、もし通信傍受やらせてくださいと言っても、済みません、こちら現地ではそういうことを受けていいかどうかが判断できないので本社へ問い合わせます、ニューヨークの本社へ問い合わせます、ロサンゼルスの本社へ問い合わせますといったときに、向こうが拒否した場合もあると思うんですが、そういうようなケースというのはどういうことになるんでしょうか。
#63
○政府参考人(三浦正充君) 現行法におきましても、検察官又は司法警察員は通信事業者等に対して必要な協力を求めることができるとされておりまして、現在においても、例えば通信回線の特定、電気通信設備の操作等につきましては同条に基づいて協力をお願いをしているところでございます。
 基本的にはこれはやはり任意のお願いということになりますので、いろいろなケースがあり得るかとは思いますけれども、最終的にその事業者の協力が得られないということであるとすれば、それは事実上傍受はできないということになるのではないかと考えられます。
#64
○真山勇一君 できない。
 それで、皆さんにお配りしている資料一、二を見ていただきたいと思います。これは最近の通信の実態調査をした総務省の資料です、平成二十六年度の。
 資料一を見ていただきたいんですが、これ見ていただくと色でちょっと区別してあります。青が固定電話、紫がIP電話、そして黄色の部分が携帯電話ということで、見てください、やはり全体的に携帯、私、ちょっと先入観を持っていて、携帯増えているのかなと思ったら、携帯のやっぱり通信回数というのは減ってきているんですね、最近、むしろ。もう一番減っているのはもちろん固定電話系ですけれども、携帯電話が減っているというのは非常に意外でした。
 何で減っているのかというのを、今度は資料二を見ていただきたい。資料二、ちょっと複雑なグラフで、これを簡単に説明するのは非常に難しいんですが、真ん中のところを見ていただきたいんです。これは普通の電話、全部を入れていますね、使っている時間です。赤が携帯、緑が固定、茶色がネット通話、それから青の段だらがソーシャルメディア、これがLINEとかそういうものだと思いますね。それから、紫色がメールということになっていて、ここで見てお分かりのように、やはり増えているのがネット通話、それからソーシャルメディア、こうしたものが伸びているんです。ですから、固定と携帯電話が減っている分、どちらに移行しているかというと、これでお分かりのように、ネット通話あるいはソーシャルメディアというところに移ってきていますね。
 そうすると、例えば、今、私ここは外国企業が多い分野だというふうに申し上げました。そうすると、ここはできない可能性があるということですね。
#65
○政府参考人(三浦正充君) 通信の形態というのは大変様々なものが生じているところでありまして、個別の通信手段について傍受が技術的に可能かどうかということにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、先ほど法務省の方から答弁ございましたように、法律上傍受をすることができる通信に該当するものについては、警察といたしましては、法で認められた通信傍受が可能となるよう、技術的にも可能となるよう努めているところでございます。
 また、そうした協力という点につきましては、あくまでも協力をお願いをしていくと、そういう立場でございますので、実際その結果どうなるかということにつきましては、それはそのときになってみないと分からないということだと思います。
#66
○真山勇一君 そのときになってみないと分からない部分がやっぱりあると。私、ちょっと心配しているのは、こうしたところに、つまり捜査当局の手が届かない電気通信手段のところにどんどんどんどん例えば犯罪のものが逃げていくような、そういう可能性だって十分に考えられるわけですね。通信傍受されているということが分かってしまえば、じゃ、されていないところ、こっちの方が安全かなというふうにやって移る可能性があるんじゃないか。
 やはり、通信傍受やるとしたら、この網からやっぱり抜けないように、新しいつまり通信手段、インターネットですとかそれからソーシャルメディアというものに対しても、これに対してもきちっとやはり対応できる、そういう体制をつくらないと、逆に言うと、犯罪を完全に防ぐという意味が少し薄れてきてしまうんではないか。この辺りは、私は、将来的にまた問題が、技術的な問題だと思うんですが、起こるんじゃないか。それから、技術的と、それから外国企業ということなのでどうするかというような問題が残るということを感じたので、指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、この電子計算機なるものが大変優秀なものだという話がこの審議でずっと出てきました。もうハッキングですとかデータの流出など、もう絶対外部からの攻撃には耐えられる、ほとんど、お答えを聞いていると、パーフェクトなものだというようなお答えなんですね。
 でも、この特定電子計算機というのはまだできていないですね。開発に三年ぐらい掛かる。できていないものを完全無欠と言われても、やっぱり余り素直に、ああ、そうですかとは言えないという。やっぱりいろんなミスが起きるんじゃないか。
 実は、先日伺ったデロイトトーマツ社の特定電子計算機に対する調査結果というのがありましたが、機械としては確かに安全だ、ほとんどパーフェクトだというような報告がありました。だけれども、それは人為的なものを除いてという、そういう部分が私は付いていたと思うんですね。
 やっぱり、機械というのは人為的なものが大変問題じゃないかということで、資料三と四を見ていただきたいんですが、いろんなミスがあったときの、例えば、一つは原因で、漏えいの原因というのがありますけれども、この漏えいの原因というのを見ていると、一番多いのがやっぱり管理ミス、それから次が青色のところで誤操作、それから緑色の三番目のところが紛失とか物忘れ。特定電子計算機はパーフェクトでもやはりこういうミスがある。そして、資料四を見ていただきたいんですが、やっぱり最後は人間の問題というんですね。
 この辺り、この機械を、特定電子計算機を扱うならば、やはりその扱う人というのは非常に能力的なものも、それから知識も求められると思うんですが、この辺りはどういうふうにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。
#67
○政府参考人(三浦正充君) 特定電子計算機につきましては、まず、やはり計算機そのものが持つ機能として、例えばプログラムの改ざんができないでありますとか、あるいは高度に暗号化をされておりますので、そういったものが外部に漏えいをするといった心配がないとか、そういった機械そのものに非常に高度なセキュリティー機能を持たせるというものを考えているところでございます。
 また、もとより、最終的に人が操作するものだということはそのとおりでございまして、そうした高度な機械を今後運用していくということに当たりましては、そうした専門的な知識を有する者が現場において指導をしていく、かなり細かいところまで含めて指導していくと、そういった体制づくりなどを考えているところでございます。
 また、この通信傍受、そもそもやはり非常に厳格に運用していく、これまでもそうしてまいりましたし、今後もそのようにしていくということについて更に組織内に意識を徹底をさせて、一つでも間違いのないように、遺漏なきように努めてまいりたいと考えております。
#68
○真山勇一君 時間がなくなりました。
 もう少し本当はこの部分をお伺いしたいと思ったんですけれども、やはり、審議通じて私は、国民の皆さんの多くがまだ懸念とか心配をこの法案に対しては感じておられる、私自身も感じている。
 やはり私は、この立法府に身を置く者として、やはり法律というのは国民を守る、国民のための法律というのを作らなければならないというふうに思っています。作った以上は、それが運用を見守っていくという責任を果たしていかなければならないと思っているので、最後に法務大臣にお伺いしたいんですが、まだある懸念とか心配、こうしたものに対して速やかな例えば見直しなど、先ほども答弁したとは思いますけれども、その覚悟をもう一度お聞かせいただいて、私の質問を終わります。よろしくお願いします。
#69
○委員長(魚住裕一郎君) 岩城法務大臣、時間ですので答弁は簡潔に願います。
#70
○国務大臣(岩城光英君) はい。
 制度的な適正確保、そういったことも踏まえまして、適正、適切な運用に努めてまいりたいと考えておりますし、様々な懸念等につきましてはしっかりと受け止めながら今後検討してまいりたいと考えております。
#71
○真山勇一君 終わります。
#72
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 まず、盗聴の対象犯罪の拡大について、大臣も、そして一貫して政府は、四類型の組織犯罪に限定したと、暴力団が組織的な犯罪の手段として行うもの、あるいは組織窃盗、特殊詐欺、組織的な児童ポルノ事犯、こうした四類型に限定をした、厳格な要件を付していると繰り返してきたわけですが、しかし、その限定したという組織犯罪の性格、言わば組織犯罪性は、法案では令状審査の対象犯罪要件にも傍受要件にも反映されていないということが前回、前々回の私の質問で明らかになったと思います。
 加えて、限定されるどころか、逆に二人以上があらかじめ役割を分担する意思を通じていれば、それだけで窃盗や詐欺など一般的構成要件の容疑で広く通信傍受の令状が発付があり得、実施され得るというのが法案の仕掛けなんですね。市民団体や労働組合もそこからは排除をされません。極めて危険です。それにより膨大な市民のプライバシー情報がひそかに侵害され、蓄積される膨大な情報があらゆる警察活動に利用される危険がある、この重大性も指摘をしてまいりました。
 そこで、更に伺います。
 まず、将来起こるかもしれない犯罪に関する通信の傍受についてです。現行法は、これまでの別表第一の組織的犯罪で将来の犯罪の傍受を認めているわけですが、今度の法案はこの対象を一般的な窃盗や詐欺を含めた構成要件にまで全部広げてしまうわけですね。そこで、将来の犯罪がどんなふうに令状発付の要件になるのか、これは極めて重大な問題になります。
 そこで、お手元に法案そのものをお配りをしていますが、三条の一項の一号、これが、過去行われた犯罪を疑うに足りる状況があるとき、そうした趣旨の規定ですけれども、二号は、それが犯され、かつ、引き続き犯されると疑うに足りる十分な理由がある場合という規定をしています。その具体的なケースとしてイ、ロの二つを挙げるわけですが、イは、同様の態様で犯されるこれと同一又は同種の罪というふうに規定をしているわけですが、まず、林局長、これはどういう場合を指し、何を証拠として疎明をしなければならないんでしょうか。
#73
○政府参考人(林眞琴君) 通信傍受法第三条の第一項第二号イに関しまして、まず、「同様の態様で犯される」というものがございますが、これにつきましては、犯行の客体の同一性とか類似性、また犯行の手段、方法の同一性、類似性、手段、方法の反復性、継続性、またこれらの行為の時間的近接性、こういった諸要素を勘案して判断されるものと考えております。
 そして、その同一の罪とは構成要件が同一の罪のことでありまして、また、同種の罪というものにつきましては、この構成要件的行為とか客体、その結果、また法益などを考慮してこの同種かどうかが判断されるものでございます。
 こういった要件の疎明の方法でございますが、実際に既に犯されている罪と今後引き続き犯されると疑われる罪が、同種の態様で犯される同一又は同種の罪であることを事件の具体的な事情に即して明らかにしていく必要がございます。例えば、営業的に行われている薬物の密売事案や多数の銃器を密輸入して順次売りさばく事案など、こういったものは同一の犯罪行為が繰り返されるという事案でございますので、その事情を明らかにするための供述調書あるいは捜査報告書などを裁判官に提出することによって疎明していくこととなろうかと思います。
#74
○仁比聡平君 今の、そうした具体的事件に即して明らかにする必要があると言われるわけですけれども、そのイの今御答弁をいただいた要件を踏まえた上で、その二号の柱書き、「引き続き次に掲げる罪が犯されると疑うに足りる十分な理由」がなければならないんでしょうが、この疑うに足りる十分な理由というのは、これはどのような場合をいうわけですか。
#75
○政府参考人(林眞琴君) この点につきましては、別表第一又は別表第二に掲げる罪が既に犯されていること、かつ、引き続き、先ほど申し上げましたような罪が犯されると疑うに足りる、このことが、両方とも疑うに足りる十分な理由というものが要求されます。したがいまして、単に疑うに足りる理由があるというだけではなくて、疑うに足りる十分な理由というものを証拠によって疎明していく必要があるということになります。
#76
○仁比聡平君 皆さん、分かりますか。疑うに足りる十分な理由というけれども、過去に起こった犯罪であれば、これが日時や場所によって特定をされるわけですね。何年の何月何日頃にどういう場所で誰が、もし相手がある犯罪行為であれば誰に対して行ったというのが容疑ということになるわけですが、将来発生するかもしれない犯罪というのは、これはそういう日時や場所では特定はあり得ないですよね、いつ起こるか分からないわけですから。これを、いつか起こるかもしれないといってこれ疑って掛かる、それが通信傍受の令状の発付の根拠になると。
 これは極めて私は曖昧であり、濫用のおそれが極めて高いと思うんですけれども、そうした指摘も踏まえて、局長、どんなふうに限定されるんでしょう。
#77
○政府参考人(林眞琴君) 同じように、犯されると疑うに足りる十分な理由というものを疎明するというときに、過去に起きた犯罪について、それを犯されると疑うに足りる十分な理由があるということを疎明するものと同程度に、これから起きる犯罪についても、それが犯されると疑うに足りる十分な理由というものを疎明しなければならないわけでございます。
 将来、今後引き続いて犯されるであろうという犯罪について、過去の犯罪と同様に十分な理由を求めているという点におきまして、ここでの疎明の程度というのは非常に高いものがあろうと考えております。
#78
○仁比聡平君 過去起こった犯罪、しかも、これまでは組織的な犯罪なわけです、例えば覚せい剤取締法違反などの。これは暴力団が行うであろうというような罪なわけです。これが行われたのではないかという容疑というものの具体性、特定性と同様に将来起こるかもしれない容疑を特定するって、これ一体どうやってやるんですか。私は、今おっしゃるとおりなんだったらば、これはあり得ないと思うんですけれども。
 その立場から、続けて二号のロ、一連の犯行の計画に基づいて犯されるという、この一連の犯行の計画に基づいて犯されるという意味とその疎明の仕方、三号の一体のものとしてその実行に必要な準備のために犯されるというこの意味と認定の仕方、疎明の仕方について、それぞれお答えください。
#79
○政府参考人(林眞琴君) まず、通信傍受法第三条第一項第二号のロに関しまして、この一連の犯行の計画といいますのは、各行為の内容、その客体などが個々あるいはグループとしまして識別可能な程度に特定された複数の関連する犯罪行為の計画でございます。例えば、暴力団が、敵対する組織の縄張を乗っ取ることを目的として敵対組織の幹部を殺害するという計画の下に、既に殺人を実行し、さらにまた計画に従って別の殺人を行おうとしていること、こういった事案が考えられます。
 この要件の疎明方法につきましては、やはり一般的には、関係者の供述調書やその犯行の手口などに関する客観的な証拠などを裁判官に提出することによって疎明していくことになろうかと思います。
 もう一つの通信傍受法第三条第一項第三号に規定します、死刑又は無期若しくは長期二年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪が別表に掲げる罪と一体のものとしてその実行に必要な準備のために犯されという内容でございますが、これは、別表に掲げる罪の実行に必要な準備のために既に起こされた犯罪と、当該別表に掲げる罪との間に言わば客観的な一体性が認められることが必要であります。例えば、これについては、無差別大量殺人を行う計画、謀議の下で大量の毒物を違法に製造している事案などが考えられるところであります。
 この場合の疎明の方法でございますけれども、一般的には、それぞれの犯罪自体の性質、それから一連の犯行の計画、謀議の存在に関係する証拠物あるいは供述調書、捜査報告書などによって疎明することになります。
#80
○仁比聡平君 今、林局長が例として挙げた暴力団の事犯などだけを聞けば、そうしたものの計画というのは疎明できるのか、あるいは限定されるのかというふうに思われるかもしれないけれども、定義として述べておられること、例えば、三号の一体のものとしてというのは客観的一体性である、それは、客観的一体性であると言って何を言ったことになっているんですか。あらかじめ犯行の実行の段取りをしていれば二号ロの一連の犯行の計画に基づくというふうに、これ容疑は掛けられ得るんじゃないですか、局長。
#81
○政府参考人(林眞琴君) ここでは、単に過去の犯罪と今後の犯罪が関連性を有するということではなくて、これがまず、その両者が一体のものであること、そして、先に行われた犯罪がその後に行われる犯罪のための実行に必要な準備のために起こされていること、こういったことを疎明しなければならないわけでございます。
 こういったことによって、客観的な一体性とともに、先行する犯罪が後行する犯罪の準備のために犯されているということを疎明しなければならないということでございます。
#82
○仁比聡平君 私が恐ろしいと思うのは、つまり今局長がおっしゃるような捜査官の被疑者、市民に対する容疑の問題なのであって、しかも、令状が発付されたか、通信が傍受されているかどうかはひそかに行われ、知らされないということなんです。
 捜索、差押えであれば、前の委員会でも申し上げましたけれども、現実に踏み込んできてガサを入れるわけですから、誰しもこれは容疑が掛けられているということが明らかになって、不服申立てをする、その不当を争うということができるわけですが、通信傍受は、一貫して議論されているように、ひそかに行われるわけですよ。
 将来どんな犯罪を起こそうとしているのではないか、こんな犯罪を起こそうとしているのではないかと容疑を掛けて、令状さえ出れば当事者には全く秘密のままこの傍受が行われ得るということになるわけですね。
 これを過去起こった犯罪と同じように特定するということは私はできないと思うんだけれども、だけれども、この法はできるということを前提にして、裁判所の令状が出るということを前提にしているわけですね。そういう仕組みなわけです。となると、日時や場所では特定できない将来の行為について、こういうことが起こるかもしれないということで、結局、何でもかんでも通信を傍受できるような令状だって、裁判官が大間違いをすれば、これは出得るんじゃないですか。
 大臣、この過去の犯罪行為と違って、つまり特定性がない、曖昧である、こういうものによって当事者に知らされることのない傍受令状を発付するというのが一体どこが限定されているというのか。大臣、いかがですか。
#83
○国務大臣(岩城光英君) おただしのありました通信傍受法第三条第一項第二号及び第三号は、いずれも、既に行われた犯罪とこれから行われる犯罪から成る一連の犯罪行為を全体として傍受の対象とすることを認めるものであります。これらの各号のいずれかに該当するものとして傍受令状が発付される場合におきましても、これから行われる罪についても被疑事実が特定されていなければならず、また、特定された被疑事実は傍受令状に記載されることとなります。また、そのような被疑事実を前提として傍受令状には傍受すべき通信が特定され、記載されることとなります。
 このような傍受令状に基づき傍受の実施をする捜査官は、当該傍受令状に記載された被疑事実及び傍受すべき通信を前提に、傍受の実施をしている間に行われた通信について該当性判断のための傍受を行うこととなります。その際の該当性判断のための傍受の在り方は、傍受令状に記載された被疑事実がこれから行われる犯罪を含まない場合と異なるところはなく、犯罪関連通信に該当すると判断できる通信以外は、傍受すべき通信として傍受することはできません。
 したがいまして、傍受令状に記載された被疑事実にこれから行われる犯罪を含む場合には該当性判断の適正さの担保が困難になるといった御指摘は当たらないものと考えております。
#84
○仁比聡平君 いや、大臣、これから行われる罪を特定しなければならずというふうにお答えになりましたけど、だからどうやって特定するんですかと言っているんです。
 特定できなければ、私は、裁判所、裁判官の皆さんにこの場を借りて申し上げたいですが、将来行われる行為を特定できない、これ、条文にあっても一切この令状というのは発付すべきではないということを強く申し上げたいと思うんですね。
 加えて、確認をしますが、林局長、十四条においては、一旦傍受令状が発付をされれば、他犯罪の通信に関連するのではないかという通信、これは傍受できるということになっています。これは私は、別件傍受というのが盗聴において行われ得るということだと思います。何らかの罪で令状を取って、そして狙う本罪についての盗聴を行うということだってこれは可能になっている、別件盗聴ですね。その別件盗聴の対象に今度広げようとしている窃盗や詐欺などの罪、これも含まれるということになるわけですが、このときには組織性の要件というのは要求をされない、そういう法文の仕組みになっていると思いますが、そのとおりですか。
#85
○政府参考人(林眞琴君) 委員御指摘のとおりで、その組織性の要件というものがこの十四条の他の犯罪の実行を内容とする通信の傍受を行う要件としては求められておりません。
#86
○仁比聡平君 つまり、この将来犯罪の傍受令状という要件を聞いていただいたら分かるとおり、更に曖昧になる。そこで他犯罪の傍受は可能であって、別件傍受の場合その組織性さえ問われないということになれば、犯罪捜査と、将来起こり得る犯罪の捜査、監視を理由にした市民社会に対する監視、ここへの警察の干渉というのは、これは極めて危険になるわけです。
 そこで、これまで現行法の下で組織的犯罪について行われてきたこの傍受令状の一号の過去犯罪に対するもの、二号のイ、ロ、そして三号、この三つの将来犯罪に対するものについての実施件数は国会には報告をされておりません。それぞれどうなっていますか、警察庁。
#87
○政府参考人(三浦正充君) 傍受を実施した事件が法第三条第一項各号のいずれに該当するかにつきましては、警察においては網羅的には把握をしておりません。
#88
○仁比聡平君 網羅的に把握していないと言って、一件一件は全部警察が請求しているんですよ、令状を。調べれば分かることを答えようとしない。一体、その陰に隠れてひそかに何をやっているんだと。
 その盗聴の実態がこの法案によって一般犯罪にまで拡大をされ、申し上げてきたような盗聴の自由化というべき事態になるならば、その実態を国会に明らかにし、国民に明らかにして、徹底して検証する。違法を絶対に許さない、この監視と、そして濫用を絶対に許さない。もし濫用が明らかになるならば、この法、その仕組みそのものを、これ私は断固として法案、廃案にすべきだと思いますけれども、与党、他の党の立場の皆さんにとったって、こんな制度は廃止するべきだという議論をやる材料を国会でちゃんと報告をさせなければならないのではないでしょうか。
 私、大臣、今申し上げた件数について国会報告をすべきではないかと思いますが、いかがですか。
#89
○国務大臣(岩城光英君) 私でよろしいんですね。
 政府としては、現行通信傍受法第二十九条に定めるところに従いまして、傍受令状の請求及び発付の件数、その罪名、傍受の対象とした通信手段の種類、傍受の実施期間、その間に行われた通話の回数、そのうち犯罪関連通信が行われたものの数や、傍受が行われた事件に関して逮捕した人員数といった制度の在り方や運用状況についての検討に資する事項について毎年国会に御報告するとともに、公表してまいりました。さらに、衆議院における本法律案の修正によりまして、本法律案により新たに導入する方式により傍受の実施をしたときは、その旨も国会に報告することとされたところであります。
 こうした事項は通信傍受の制度の在り方を検討する上で十分有用なものでありまして、現時点において制度上それ以上の項目を加える必要があるとまでは考えておりませんが、さらに、どのような統計的資料を把握することが有用であるかにつきましては引き続き検討してまいりたいと考えております。
#90
○仁比聡平君 いや、引き続き検討するというのではなくて、与党はこの委員会で、今日の委員会で質疑を終局し、採決を求めているわけですよ、私は断固として反対をしていますが。その段階において引き続き検討したいと言っていて、一体どうなるんですか。
 法律上は確かに大臣が言うようにしか書いていませんよ。けれども、私が申し上げているような疑問に真剣に答えようとするのであれば、それは国会にはちゃんと報告しますと約束をするべきではありませんか。大臣、そして河野国家公安委員長のそれぞれの御認識を伺います。
#91
○国務大臣(岩城光英君) 先ほど申し上げましたとおり、通信傍受の制度の在り方を検討する上でただいま御指摘の件につきましては必要なものであるとまでは考えておりませんので、現時点では加える必要があるとまでは考えておりません。さらに、どのような資料を把握することが有用であるかにつきましては検討課題とさせていただきたいと存じます。
#92
○国務大臣(河野太郎君) 警察といたしましては、法第二十九条に定められた事項について確実に国会報告を行っているところでございます。今後とも適切な通信傍受の運用を積み上げ国会への報告を確実に行っていくことが、通信傍受に対する国民の信頼を一層確かなものにする観点からも重要だと思っております。
#93
○仁比聡平君 これまでの使い勝手が悪いと言ってきた、その盗聴をこれだけ自由勝手にやろうとする、そういう提案をしてきて、この段に至って、広くプライバシーが侵害されるではないか、将来の犯罪なんて特定のしようがないじゃないか、その指摘を受けながら実施件数さえ報告を約束をしないと、とんでもないことだと私は思います。
 続けて、スポット傍受について一問、局長の答弁に関わってお尋ねをしますが、前回、五月十二日の質疑で私の質問に対して、スポット傍受というのは必要最小限度の範囲に限るための一つの方法にすぎませんというふうにお答えになりました。私、これ意味が分からないんですね。
 一つの方法にすぎませんというのは、つまりスポット傍受以外に、犯罪関連通信であることの該当性判断を誤らせない手段として、スポット傍受よりほかに強い抑制手段があるという意味が日本語の普通の読み方です。ほかに何があるというのでしょうか。
#94
○政府参考人(林眞琴君) 通信傍受法では、該当性判断のために必要な最小限度の範囲に限り傍受することができる旨を規定しているわけでございます。
 この通信傍受法が予定している必要な最小限度の範囲に限りというものを実施する際、すなわちその傍受の最小化を図るためにスポット傍受が一つの方法としてあるということを申し上げたものでございます。逆を申し上げれば、スポット傍受をやっていることイコール必要最小限度の範囲になっているかということは、それは実際の通信傍受の、実際に傍受がされた通信の内容等によって判断されるということを申し上げたものでございます。
 そして、このスポット傍受で行われるのがその最小化を図る一つの方法であると申し上げた意味といたしまして、では、そのほかに、スポット傍受、他の方法による最小化があるのかということでございますが、例えば、それまでに行ってきた傍受の結果などに照らして、通話の相手方からしてこの当該通話においては犯罪関連通信が行われないと判断して、その後その通話については該当性判断のための傍受も行わないという方法、こういった方法につきましては、これはスポット傍受というやり方ではなくてそれよりも少ない傍受の範囲となりますので、そうした形でその必要性、必要な最小限度の範囲に限りという法の求めをそうやって満たすということもあり得るかと考えております。
#95
○仁比聡平君 結局その捜査官の判断次第ということをおっしゃっているだけで、スポット傍受以外に何か強い抑制手段があるのかといったら、ないわけじゃないですか。
 今の局長のお話は、例えばこの間出した例で言えば、私の携帯電話が傍受されているとする、そのときに、私が娘と電話をするときには犯罪関連の通話は、これは過去行ってきた限りにおいてはない、だから私が娘と話している限りについてはこれはもう傍受はしないというようなことをおっしゃっているんでしょうけれども、けれども、本当に私と娘の間の通話だけは傍受しないというふうにやっているかどうか、その判断の適正というのは一体どうやってただされますか。実際には通信の当事者にさえ通知をしないわけですから不服申立てのしようはないし、結局、将来裁判の有罪証拠として出てきてその違法を争うというとき以外、ただされることないじゃありませんか。
 該当性判断の是非がどこでただされるのかという問題と今の局長の答弁は同じ話でしょう。
#96
○政府参考人(林眞琴君) この通信傍受法は、該当性判断のための傍受も含めて、捜査官による傍受が適正に行われたか否かを事後的に検証することができるようにするために、捜査官が傍受した通信は全て記録媒体に記録して遅滞なく裁判官に提出するということを定めているわけでございます。そして、その傍受をされた通信の当事者はその傍受の原記録の聴取等をしてその内容をチェックすることができ、さらに、傍受記録の内容が公判の証拠として用いられる場合には、被告人やその弁護人もその傍受の原記録の聴取等をすることができるわけでございます。
 この該当性判断のための傍受が必要最小限度の範囲に限定されるということは、このような傍受の原記録の聴取等を通じて通信当事者等により事後的にチェックされ、また、その不服申立て等において裁判所、裁判官による審査を受け得るという事後検証可能性の仕組みによって必要最小限度の範囲に限定されるということが担保されることとなると考えております。
#97
○仁比聡平君 結局、洗いざらいのプライバシーを侵害し得る危険性をはらみながら、その違法、濫用の抑止の実効性を持った闘う機会というのは極めて限られるわけですよ、極めて限定されるわけです。
 ですから、令状さえ出れば、あとは第三者の目による監視のない、警察署にいながらにしての警察による秘密処分、特定電子計算機の設定も前回明らかにしたように警察が行うと言っているわけですから、そうしたものを本当に許していいのかということがここで問われているわけです。警察、捜査機関を本当にそんなに信頼するんですかという問題として、特別部会以来、刑事司法改革だといって進められてきたこの法案の骨格部分について、重大な問題がこの参議院の審議の中で明らかになりました。
 二つ伺いますけれども、まず、司法取引について。元々、密告が他人を引っ張り込む、その危険が制度化されるのかという大問題ですけれども、前回の質疑で私は、捜査段階で被疑者やその弁護人には知らされないままひそかに司法取引が行われる、そこで合意がされた書面、それに基づく供述調書が有罪証拠として裁判に出されるとき、あるいは証人として出てくるとき、その氏名や住所を公判に至っても弁護側に隠し得るという、そういう制度ではないかと二百九十九条の四という条文について問うたら、そのとおりですという確認になったわけですね。
 前回聞く時間が残りませんでしたから改めて伺いますが、林局長、法制審の特別部会ではそのような説明をしていましたか。
#98
○政府参考人(林眞琴君) 御指摘の証人等の氏名、住居を秘匿する措置についてでございますが、法制審議会の特別部会の議論の中で、まず作業分科会における検討結果、それに続いて事務当局の試案、そして最終的な答申案、こういったものが順次出されていくわけでございますが、そのいずれの段階におきましても、証人や供述録取書の供述者等を所定の要件を満たす限りにおいて一般的に秘匿措置の対象者とすることについては、一見して明白な記載となっております。
 そして、そのような今申し上げた三つの文書の議論の中で、委員からは、被告人側の防御への配慮の観点から、秘匿措置をとることができない要件となる実質的な不利益を生ずるおそれがあるときについて例示を設けるべきであるという意見は述べられたものの、この合意制度の下で合意に基づいて作成された供述録取書の供述者や合意に基づいて証言する証人については、これをこの秘匿措置の対象者から除外すべきであるとの意見が述べられたり、これが含まれるのかといった質問がなされたことはなかったことでございます。
 逆に、合意に基づく供述者について、秘匿措置の要件を満たして秘匿措置がとられる場合があることは当然に想定されております。例えば、暴力団による薬物事件などで子分の共犯者が検察官との合意に基づいて親分の指示について供述、証言する場合において、当該子分は暴力団関係者の知らない土地に住居を移しているけれども、その住居を知られれば子分に対して加害行為がなされるおそれがあるというときには、現住居を知らせなくてもこれに代わる連絡先を知らされれば、防御に実質的な不利益を生ずるおそれがないことも想定されるわけでございます。
 そのために、事務当局から特に説明するまでもなく、当然にこの対象者に含まれるという前提で特別部会での議論が行われたものと承知しております。
#99
○仁比聡平君 大臣始め皆さん、後になって今のような説明をするのが法務省当局ということですよ。だって、司法取引というのが捜査段階で被疑者側には分からない形で行われる、そこで出てきたうそかもしれない供述、これが有罪証拠として使われるような段階になっても弁護側には氏名、住所を明らかにしないことがあり得る、法律はそういうことになっているということが弁護側のその防御権を侵害するのではないか、重大な問題なのであって、それが書いてある表現で一見して明らかであったはずだと、特にそこの焦点を当てた議論がなくても全会一致だったんですと、そんなことで物事が通りますか。
 もう一点は、部分録画と、その有罪証拠としての、実質証拠としての利用という問題ですけれども、皆さんのお手元に五月十六日付けの産経新聞、「可視化法案 日弁連内から異論」、「法務省解釈と相違」という記事をお配りをいたしました。もう皆さん御存じのように、日弁連の河津参考人がこの委員会で述べた理解と法務省林局長の答弁、つまり起訴後勾留はこの録音、録画の義務付けの対象とならないという林局長の答弁が日弁連内から異論が出ているわけですね。
 その記事にもあるように、日弁連刑事法制委員会の岩田委員長は、身体拘束下の取調べであることは同じであって法務省の解釈は誤りであるというふうに述べていますが、特別部会では、身体拘束下の、つまり起訴後勾留だって身体拘束下なんですから、その被疑者、被告人に対する取調べは、これは全過程録音、録画するという前提での議論だったんじゃないんですか。
#100
○政府参考人(林眞琴君) 御指摘の点につきまして法制審議会の特別部会の議論の経過を説明させていただきますと、まず、録音、録画の制度の対象について、当時、事務当局から示された試案がございました。その試案の中におきましては、一として、その録音・録画記録の証拠調べ請求義務の対象については、被疑者として逮捕若しくは勾留されている間に当該事件について同法百九十八条第一項の規定により行われた取調べとすること、五といたしまして、録音・録画義務の対象については、一に掲げる事件について逮捕若しくは勾留されている被疑者を刑事訴訟法第百九十八条第一項の規定により取り調べるときとすること、こういったことが明記されておりました。
 このように、事務当局試案の文言上明らかになっていたものが最終的な答申となりまして、特別部会において全会一致で取りまとめられ、また法制審議会の総会においても全会一致で答申がされたものでございます。
 したがいまして、録音・録画制度の対象となるのが、被疑者として逮捕、勾留されている間に対象事件について行われる取調べであるという趣旨は、この答申の記載から、また答申の経過から明らかでございます。
 このように、こういった録音・録画制度の対象が明確に示されて議論されて答申に至ったものでございまして、こういった経過に照らしますと、この特別部会の委員に誤解を生じさせるようなことはなかったものと承知しております。
#101
○仁比聡平君 大臣、法務当局の説明というのはそういうことなんですよ。何が誤解を生じさせるようなことはなかったですか。
 この点は、前にも議論しましたが、この特別部会の委員であった後藤昭教授は、任意同行の問題について、名目は任意同行であっても実質的に身体拘束に当たる状況で取り調べた場合には録音・録画義務の潜脱という違法が生じると法律論文にお書きになっているわけですが、それは、つまり実質的に身体拘束に当たり得る任意同行であればこれは録音・録画義務が課せられるという前提なんですね。学者の委員もそうなんですよ。日弁連の代表は、この参考人質疑で法務当局の解釈は間違っていると言っているわけですよ。ところが、間違っていないと言い張っているのが今の局長。初めからちゃんと説明していたと言うんでしょう、誤解など与える余地がなかったと言うんでしょう。
 大臣、これはだましたと同じなんじゃないのか。これ、全会一致なんといってこの法案を推進したけれども、この法案の提出者の態度自体が関係者に対する説明という意味でも極めて不誠実であり、卑劣だったとは思いませんか。
#102
○国務大臣(岩城光英君) 法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会に関わるおただしでありますけれども、先ほど刑事局長から詳しく答弁をさせました。
 法制審議会の特別部会におきましては、取調べの録音・録画制度に関し、被疑者として逮捕、勾留されている間に対象事件について取調べが行われる場合が録音・録画制度の対象となることが明確に示されて議論され、答申に至ったものと承知をしております。そして、同部会におきまして全員一致により取りまとめられた答申案の記載もその趣旨を明らかにするものであると考えております。
 このような特別部会の調査審議の経過等に照らしますと、委員に誤解を生じさせるようなことはなく、日本弁護士連合会出身の委員を含め、各委員の御理解の下、全員一致で答申案の取りまとめが行われたものと考えております。
 なお、現時点におきましても、日本弁護士連合会は本法律案に全体として御賛同されているものと承知をしております。
#103
○仁比聡平君 そうした法務当局、政府に対して、私はこの法案の断固とした廃案を改めて求めたいと思うんですね。
 国家公安委員長にお尋ねをしたいと思いますが、私が指摘しているようなこの部分録画とその実質証拠としての利用の危険性について、三宅理事が四月二十一日の質疑で、運用できちんと対応すると明言すべきではないかという質問を林局長に行いまして、いろいろ理由はあるけれども、局長は、運用の中で起訴後の勾留の被告人の余罪取調べについても必要な録音、録画を立証責任を負う立場から行っていくものと考えておりますと答弁をされました。これは警察も同じように行うんですか。
#104
○政府参考人(三浦正充君) 例えば、殺人事件及び死体遺棄事件の捜査を行っている場合など、両事件の関連性が高く、公判においても審理が併合されることが見込まれる場合には、裁判員裁判非対象事件である死体遺棄事件についての取調べについても、録音、録画を行うという運用が想定をされます。この点、現在警察において取り組んでいる録音、録画の試行においても同様の運用がなされているところであります。
 さらに、この例で申し上げますと、当該死体遺棄事件の起訴後の勾留中に行われる殺人事件の取調べの多くの場合でも録音、録画が行われているというのが現在の運用でありまして、今後においても同様に考えているところでございます。
#105
○仁比聡平君 何が多くの場合で行われているですか。今市事件において、二月十八日に別件起訴後、六月三日に殺人罪で逮捕するまで三か月半、警察は録画を行っていないじゃないですか、取調べは何度もやりながら。
 この間発表された録音、録画の比率というのは四八%程度でしょう。林局長は、検察においては一〇〇%、ほぼ一〇〇%録音、録画を現に行っているということを前提に、義務付けの対象ではないが行うとおっしゃっているのかもしれないが、警察はそうではないんですよ。こうした捜査機関の運用で濫用を防ぐという議論の仕方、接近の仕方をするのは、私は憲法と刑事訴訟法の大原則を掘り崩すことになると思います。
 大臣、適正手続を保障する憲法三十一条に照らせば、法と令状主義で捜査権限の濫用を防止すべきなのであって、被疑者、被告人の防御権、弁護権の侵害はあってはならないのではないか、その大原則に照らしたときに、私が指摘してきた数々の問題点をどのように理解をしておられるんですか。
#106
○国務大臣(岩城光英君) 仁比委員から様々な御指摘をいただいております。
 憲法第三十一条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」と規定しておりまして、適正手続を保障したものと解されているものと承知をしております。
 刑事手続が適正なものでなければならず、また被疑者、被告人の防御権が不当に侵害されることがあってはならないことは、委員御指摘のとおりであります。本法律案による改正内容は、いずれも被疑者、被告人の防御権にも適切に配慮した適正なものになっているものと考えております。
#107
○委員長(魚住裕一郎君) 仁比君、時間ですのでおまとめください。
#108
○仁比聡平君 とんでもない。繰り返し申し上げてきたとおりです。
 かつて、警察、検察による弁護人の接見妨害が極めて著しく行われてきた時代に、昭和六十二年のことですが、日弁連が、捜査と弁護権に関する決議というのを上げたことがあります。弁護権は、不安動揺の最中にある被疑者に対して、法律専門家として援助の手を差し伸べ、その黙秘権を保護し、適正手続の監視を通じて誤った自白による誤起訴及び誤判を未然に防止することに任務がある。しかるに我が国の捜査機関は、刑事訴訟法の理念とはおよそ相入れない旧態依然たる糾問主義に立ち、被疑者の当事者的立場を認めようとはせず、ひたすらその自白ないし不利益供述を求める密室における取調べを捜査の中心に置く誤りに陥ったまま今日に至っている。このような現状に対し、我々のあるべき対応は、違法、不当な捜査官による接見制限ないし事実上の拒否、妨害に対しては、これに遭遇した弁護士が一人でも多く、当該被疑者の立場、被疑事件の特質などを配慮しつつ、ちゅうちょすることなく準抗告をもってその是正を裁判所に迫ることであると記しています。
#109
○委員長(魚住裕一郎君) 仁比君、時間が過ぎていますので、質疑をまとめてください。
#110
○仁比聡平君 私は、この法案の重大問題に対して、とりわけこの危険な捜査権限の拡大という新たな局面において、私たちがこの濫用を絶対に許さないという闘いが極めて重要だと思います。
 日本共産党は、国会内外の皆さんと力を合わせて、その先頭に立つ決意を申し上げまして、質問を終わります。
#111
○委員長(魚住裕一郎君) この際、お諮りいたします。
 本案に対する質疑を終局することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、本案に対する質疑は終局することに決定いたしました。
 河野国家公安委員会委員長は御退席いただいて結構でございます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#113
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、盗聴法の大改悪など刑事訴訟法等改定案に断固反対の討論を行います。
 本法案は、我が国の刑事司法に問われてきた根本問題である冤罪の根絶をすり替えて、盗聴法の大改悪と司法取引導入を柱にした憲法違反の治安立法というべきです。衆議院にも出席した冤罪被害者の桜井参考人は、昨年の六月の当時と私たちの危機感は全く違います、部分可視化によってますます冤罪をつくるものという確信になりました、私たち国民がどれだけ冤罪に苦しんだら冤罪をなくす法律を作ってくださるのでしょうかと、この委員会で訴えました。この怒りに背を向け、成立を図ろうなど、断じて許されるものではありません。
 反対理由の第一は、盗聴の拡大です。
 盗聴の本質は、犯罪に無関係の通信を根こそぎつかむ盗み聞きであり、憲法が保障する適正手続と令状主義を侵害する明白な憲法違反です。現行法は、一九九九年、厳しい国民的批判にさらされる中、辛うじて、対象犯罪の限定、通信事業者の立会いという与党修正によって強行されました。それが使い勝手が悪いからといって対象犯罪を広く一般犯罪へ拡大するとともに、立会いを廃止し、警察署にいながらにしての盗聴を許し、傍受する情報をあらゆる捜査への利用を許すのが本法案です。この盗聴の自由化というべき拡大は、渕野参考人がプライバシー侵害は聞かれた瞬間に完成していると語ったとおり、携帯電話、メール、SNSなど、憲法が保障する国民の通信の秘密、プライバシーの権利を広く侵害する違憲立法であり、国民監視の社会に変質させる危険があります。
 第二に、捜査官の判断で取調べの部分的な録音、録画と、それを有罪立証の実質証拠としての利用を可能とするものだからです。
 取調べの録音、録画は、憲法三十八条の黙秘権の実効性を保障するため、全事件、全過程を義務付けるものとするのが当然であります。ところが、政府は、義務付けの対象を全事件の三%、ごく一部に限定し、さらに、今市事件のように、非対象事件による別件逮捕、起訴後勾留中の対象事件の取調べや任意同行下での取調べは義務の対象にはならないとしています。これでは違法な取調べが抑止できず、逆に自白偏重の部分録画で新たな冤罪を生み出しかねません。浜田参考人も、そうでなければ虚偽自白は防げないと語ったとおりです。
 第三に、司法取引は、自らの罪を免れようとして他人を罪に陥れ、引っ張り込む危険を本質的に持っています。しかも、密告者の氏名、住所を公判においても弁護人に隠し、防御権を侵害し得る仕組みも明らかになりました。豊崎参考人は、研究者の良心に懸けて、あるべき法改正は、公判中心主義にかなう刑事手続に向けた抜本的な改革であり、端的に捜査、取調べを抑制することでありますと述べられました。
 うその自白の強要や卑劣な非合法盗聴に何の反省もない捜査機関に適正な運用を期待するのは誤りです。本改定案は廃案とし、冤罪事件を生み出す刑事司法の根本問題を徹底的に検証、究明した抜本的改革こそを強く求め、反対討論を終わります。
#114
○委員長(魚住裕一郎君) 傍聴人の御発言は慎んでください。
#115
○三宅伸吾君 自由民主党を代表し、議題となっている本法律案に賛成の立場から討論をいたします。
 本法案は、政府が国民の一層の安全、安心を実現しようと国会提出したものです。ただ、本委員会の審議では、本法案の内容では取調べ・訴追機関の運用次第で新たな冤罪を生むとの懸念が示されました。また、通信傍受制度の見直しによって立会いを不要とする形態の傍受を認めることなどから、プライバシーの侵害、違法な証拠収集の危険性なども指摘がなされました。
 新たな冤罪を生む危険性について少し詳しく述べれば、例えば録音、録画の義務付けられていない任意段階の調べや被告人の取調べにおいて、供述者を不適切な手段によって精神的に参らせ、真実と異なる内容の供述に追い込む、その後において真実でない内容の供述があたかも任意でなされたかのように録音、録画され、法廷でその生々しい供述の様子が再現され、誤判につながる。また、合意制度の導入により、自分の罪を軽くしたり、罪を免れたりするために他人を罪に陥れる供述をなし、加えて、また、証人の氏名等の秘匿措置が悪用されれば、被告人の弁護が十分になされないまま判決に至るという事態を生むといった懸念でありました。今回の法改正により設けられる制度を悪用する形で新しい形の冤罪が生まれる可能性があるといった指摘は、重く受け止めなければなりません。
 どのような制度も完璧ではありません。法を運用する警察官、検察官、裁判官、弁護人も完璧ではありません。人間は不完全、弱いものです。現に、誤った思い込みや、成績を上げようと不適切な捜査、無謀な起訴、公判維持活動などがなされ、裁判官も真実を見抜けず、冤罪を生んできた過去の歴史もございます。
 人間の弱さが冤罪を生まないよう制度的な縛りを掛けることはもちろん必要であり、一定の範囲ではありますけれども、取調べの録音、録画の原則義務付け等が初めて本法案によって実現します。
 大半の警察官、検察官は今も適切に職務を遂行しております。大事なことは、そうでない一部の方が今回の録音、録画の義務付け等によって適切に職務を遂行せざるを得なくなるわけです。この光の部分にも目を向け、プラスの部分も我々は適切に評価しなければなりません。
 どんな制度も、その評価は運用に左右される部分がございます。捜査・訴追機関を始め、刑事裁判関係者の真摯な運用を強く期待し、以上、議案となっております法律案への賛成の討論といたします。
#116
○委員長(魚住裕一郎君) 委員長より申し上げます。
 傍聴人は発言、拍手はできませんから、慎んでいただきたいと思います。
#117
○小川敏夫君 会派を代表して、本法案について賛成の立場で意見を述べます。
 まず、本法案に対する課題を指摘します。
 取調べの可視化については、日弁連の参考人が一歩前進と述べたように、一歩前進ではあっても十分なものではないものであります。不十分な可視化制度を採用の結果、恣意的に録画がなされたり使用されたりして、冤罪防止の理念とは逆に誤った判断を導く危険性が生じます。更なる制度改善の必要性が大であります。
 司法取引により得られた供述については、公判廷においては供述が司法取引により得られたものであることが説明されることにより、これを踏まえた証拠判断がなされることとなっていますが、強制捜査の各種令状請求の資料として提出される場合にはその説明を要しないとされているために、供述に対する適法な、適正な検討が担保されていません。不当な強制捜査が行われる危険を呼び込むおそれがあります。
 通信傍受制度については、不正、不当な傍受を防止する有効な仕組みが設けられていません。不正、不当な傍受が行われた場合、行われた時点で制止する仕組みは実際上全く設けられていません。事後的監視の仕組みも、犯罪関連通信がない場合には傍受対象者に傍受したことの通知がなされない制度になっています。事後的監視が、必要な場合には通知がなされないという仕組みでは、不正な傍受をされた者は傍受をされた事実を知らないため、異議や調査検討を行うということ自体が想定されません。
 このように、不正傍受を防止、監視する仕組みがないため、次第に適正手続遵守の規律が緩み、不正傍受を生む温床となるでしょう。ましてや、捜査官がその意図で不正傍受に出る場合には、実際上これを防止する手だてはありません。また、傍受対象が組織犯罪対象と言いながら、法文上は組織性が十分に要求されているとは認められません。
 このような観点から、本法案は成立後も更なる検討を加えることが絶対に必要であります。
 本法案は、更なる検討を要するものでありますが、一方、本法案では証拠開示などの制度を改善するなど一応評価できる点もあり、残された課題については更なる検討がなされることが考えられることなどを考慮して、本法案に賛成します。
#118
○委員長(魚住裕一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、有田君から発言を求められておりますので、これを許します。有田芳生君。
#120
○有田芳生君 私は、ただいま可決されました刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派の共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び最高裁判所は、本法が度重なるえん罪事件への反省を踏まえて重ねられた議論に基づくものであることに鑑み、その施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 検察官及び検察事務官並びに司法警察職員は、取調べ等の録音・録画に係る記録媒体が供述が任意になされたものかどうか判断するための最も重要な証拠となり得ること及び取調べ等の録音・録画が取調べの適正な実施に資することに鑑み、刑事訴訟法第三百一条の二第四項の規定により被疑者の供述及びその状況を記録しておかなければならない場合以外の場合(別件逮捕による起訴後における取調べ等逮捕又は勾留されている被疑者以外の者の取調べに係る場合を含む。)であっても、取調べ等の録音・録画を、人的・物的負担、関係者のプライバシー等にも留意しつつ、できる限り行うように努めること。
 二 保釈に係る判断に当たっては、被告人が公訴事実を認める旨の供述等をしないこと又は黙秘していることのほか、検察官請求証拠について刑事訴訟法第三百二十六条の同意をしないことについて、これらを過度に評価して、不当に不利益な扱いをすることとならないよう留意するなど、本法の趣旨に沿った運用がなされるよう周知に努めること。
 三 再審が無辜の救済のための制度であることを踏まえ、証拠開示の運用、刑事訴訟法第四百四十五条の事実の取調べの在り方をめぐる国会の審議の状況の周知に努めること。
 四 特定電子計算機を用いる傍受の実施においては通信事業者等の立会いがなくなることから、同時進行的な外形的チェック機能を働かせるため、通信傍受の対象となっている犯罪の捜査に従事していない検察官又は司法警察員を立ち会わせること。また、該当性判断のための傍受又は再生を行うに当たっては、特に通信の秘密及びプライバシーの保護に十分に留意して、厳正に実施すること。
 五 適正に通信傍受が実施されていることについての説明責任を果たすため、客観的に通信傍受の実施状況を検証するための方法について検討すること。
 六 捜査に必要な機器等の費用は捜査機関が負担することが基本であることに鑑み、通信傍受に必要な機器等の整備に係る通信事業者の負担軽減に十分な配慮を行うこと。
 七 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度の実施に関し、検察官は、合意をするため必要な協議に際しては、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、日時、場所、協議の相手方及び協議の概要に係る記録を作成するとともに、当該合意に係る他人の刑事事件及び当該合意の当事者である被告人の事件の公判が終わるまでの間は、作成した記録を保管すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#121
○委員長(魚住裕一郎君) ただいま有田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#122
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、有田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岩城法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。岩城法務大臣。
#123
○国務大臣(岩城光英君) ただいま可決されました刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
#124
○委員長(魚住裕一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#126
○委員長(魚住裕一郎君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。岩城法務大臣。
#127
○国務大臣(岩城光英君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加するとともに、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少しようとするものでありまして、以下その要点を申し上げます。
 第一点は、民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を三十二人増加しようとするものであります。
 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数を三十六人減少しようとするものであります。これは、民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理等を図るため、裁判所書記官等を四十人増員するとともに、他方において、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、技能労務職員等を七十六人減員し、以上の増減を通じて、裁判官以外の裁判所の職員の員数を三十六人減少しようとするものであります。
 以上が、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#128
○委員長(魚住裕一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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