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2016/03/31 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 総務委員会 第9号
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2016/03/31 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 総務委員会 第9号

#1
第190回国会 総務委員会 第9号
平成二十八年三月三十一日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 博司君
    理 事
                大沼みずほ君
                島田 三郎君
                藤川 政人君
                石上 俊雄君
                横山 信一君
    委 員
                井原  巧君
                石井 正弘君
                礒崎 陽輔君
                関口 昌一君
                柘植 芳文君
                二之湯 智君
                松下 新平君
                森屋  宏君
                江崎  孝君
                寺田 典城君
                難波 奨二君
                羽田雄一郎君
                林 久美子君
                藤末 健三君
                吉川 沙織君
                吉良よし子君
                片山虎之助君
                又市 征治君
                主濱  了君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    松下 新平君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  輿水 恵一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       総務省情報流通
       行政局長     今林 顯一君
       消防庁次長    西藤 公司君
   参考人
       日本放送協会経
       営委員会委員長  浜田健一郎君
       日本放送協会経
       営委員会委員(
       監査委員)    上田 良一君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
       日本放送協会専
       務理事      板野 裕爾君
       日本放送協会専
       務理事      福井  敬君
       日本放送協会理
       事        森永 公紀君
       日本放送協会理
       事        井上 樹彦君
       日本放送協会理
       事・技師長    浜田 泰人君
       日本放送協会理
       事        坂本 忠宣君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山本博司君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長今林顯一君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(山本博司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長浜田健一郎君外八名を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山本博司君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 本件の説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○藤川政人君 おはようございます。自由民主党の藤川政人でございます。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 衆議院では今年もNHK予算は全会一致の承認が得られず、これで三年連続、全会一致とはなりませんでした。参議院では、特に昨年の総務委員会では可否同数となり、最後は委員長採決でNHK予算が承認されるという異常事態でありました。
 一方で、受信料収入は堅調な伸びを見せ、朝ドラ「あさが来た」は聞くところでは今世紀入って最高の視聴率を記録しつつあり、「真田丸」、大河ドラマでは久々のヒットになっているようであります。収入は伸び、番組も好評、好調であるのであれば経営者として結果を出しているとも言えますが、アイテックを始めとする不祥事が連続しており、本当に評価していいのか、受信料のお支払をいただいている皆さんの叱責をやっぱり正直にぶつけなくちゃいけないという、これはやはり真剣に考えていただかなくちゃいけない事態だと私は思います。
 そうした中で、本日、三月三十一日は年度末であり、待ったなしの状況なんです。本日のNHK審議の総務委員会に臨む会長と経営委員長の所感と決意をまずもって伺いたいと思います。
#8
○参考人(籾井勝人君) 朝の連続テレビ小説などの番組がよく見られて、受信料収入も、公平負担の徹底に向けて委員を始め組織を挙げて取り組み、おかげさまで順調に推移しております。職員が本当に一生懸命やってくれている、そのおかげであるというふうに思っております。
 新年度はNHKにとりまして大事な年でございます。関連団体の改革はもちろん、4K、8Kスーパーハイビジョンの試験放送やインターネット展開など、視聴者の皆様に新たな価値を提供できるサービスに取り組んでまいりたいと思っております。
 今御指摘のように、衆議院でNHK予算の承認が全会一致でなかったことは誠に残念でございます。我々としましても、参議院においては、何とか皆様の御理解を頂戴し、全会一致を目指すという気持ちで、最大限の努力をする決意でございます。
#9
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会におけるNHK予算の議決の際に、私から執行部に対して、しっかり説明責任を果たし、国会で全会一致で承認していただけることを目指していただきたいと伝えております。しかしながら、NHK予算が国会での全会一致の御承認が衆議院で三年続けて得られなかったことは、経営委員会としても大変遺憾なことだと思っております。
 NHKは受信料で成り立っている公共放送でございます。放送法で定められた理念を実現するためにも、全会一致での御承認をあくまで追求すべきだと考えております。
 本日の御審議も、誠意を持って丁寧に御質問にお答えし、御理解を賜れるよう最大限努力することが重要だというふうに考えております。
#10
○藤川政人君 これから今日は四時間の審議ということでありますので、それぞれ委員の先生方の質問に対して、今、会長そして委員長がおっしゃられたように、真摯なる態度で答弁をお願いしたい、これは与党からも強くまずもって御要望をさせていただきたいと思います。
 そうした中で、関連団体の不祥事についてまずもって触れさせていただきたいと思いますが、NHKの関連団体、NHKアイテック社員の二億円着服を始め、関連団体では不祥事が相次いでおります。関連団体で不祥事が起こった原因についてどのように捉えておられるのか、伺いたいと思います。
#11
○参考人(籾井勝人君) 関連団体で起きました不祥事につきましては、改めて深くおわびを申し上げたいと思います。再発防止に向けて最大限の努力を続けてまいりたいと思います。
 NHKアイテックにつきましては、ルールや内部統制の仕組みは整備はされていたんですが、全体のコンプライアンス意識が極めて低く、ルールを逸脱した行為があったということでありまして、また、管理職が部下の行為を確認しなかったという実に弛緩した企業風土がございました。また、NHK本体による子会社のコンプライアンス体制に対する指導監督も不十分であったと認識いたしております。
 視聴者の皆様の信頼を取り戻すため、不正を許さない意識改革とNHKグループ全体の抜本的な経営改革に不退転の決意で取り組んでまいりたいと思います。
#12
○藤川政人君 不退転の決意でこれからということではなくて、もう現在でその対応は十分進めていただいていなくちゃいけないというのが正直な感想でありますが、若干その胎動感というか、そういうことは会長は感じておられますか。
#13
○参考人(籾井勝人君) NHKアイテックの不祥事を受けまして、再発防止に向けて緊急に打つべき手は既に着手いたしております。出金管理の徹底、常勤監査役への外部人材の登用など、既に着手いたしております。
 今月、我々としましては、関連団体運営基準というものを改正し、関連団体に対する指導監督の強化を図るとともに、NHKグループ経営改革に取り組むための具体策を策定いたしました。この中では、今申し上げましたように、外部人材やNHK若手幹部の経営陣等への登用、これによる規律ある経営の確立、本体から就任する非常勤取締役の強化等に指導監督機能の強化、子会社等の業務を精査して、統合、廃止などを視野に組織の在り方も含めて構造改革を断行することに取り組むことといたしております。
 改革施策は可能なものから順次着手いたしております。視聴者の皆様の信頼を取り戻すため、スピード感を持って抜本的な経営改革に取り組む決意であります。
#14
○藤川政人君 今後の指導監督体制の強化、そしてこのグループ改革を、経営改革をどういう形で進めていくのか、いつまでに進めていくのか、それぞれについての具体的な工程などをやはりどこかでお示しをいただきたいと思いますので、工程表等の作成について、また委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
#15
○委員長(山本博司君) これに関してはまた対応したいと思います。
#16
○藤川政人君 続きまして、セキュリティー強化について伺いたいと思いますが、昨今、世界はテロの脅威にさらされております。ベルギーでも痛ましい事件が起こったばかりであります。そして、テロの標的は通信、放送の分野まで及んでいる、それが事実ではないでしょうか。
 フランスでは昨年の四月、国際放送のTVサンクモンドが大規模なサイバー攻撃を受けております。日本を含む二百か国以上の国や地域にフランス語の番組を提供している放送局だそうですけれども、通常の番組の視聴ができなくなったそうであります。このような事態が正直現実に起きている、それを直視しなくてはいけないと思いますが、日本においてもテレビ局がサイバー攻撃されない保証はどこにもありません。
 二十八年度予算では、NHKはシステムのセキュリティー強化として、サイバー攻撃に対する情報漏えいの防止や放送の継続のためのセキュリティーを強化するとありますが、今後、具体的にどのような対応、対策を講じていかれるのか、伺いたいと思います。
#17
○参考人(浜田泰人君) 御指摘のとおり、サイバー攻撃の脅威は高まっていると我々も認識しておりまして、NHKとしましてもセキュリティー対策の強化に取り組んでおります。とりわけ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて一層の対策強化が必要であると考えております。
 二十八年度の予算での具体的なセキュリティー対策としましては、幾重にも組み合わさった防護措置の導入あるいはセキュリティー運用監視体制の強化を進めてまいります。さらに、大規模なサイバー攻撃を受けても放送を継続できるよう、システムの強化や運用訓練なども実施いたします。
 また、サイバーセキュリティ基本法やサイバーセキュリティ経営ガイドラインにのっとりまして、内閣サイバーセキュリティセンターや戦略的イノベーション創造プログラムなどと連携いたしまして、情報共有を図りながらセキュリティー対策の一層の強化を進めてまいります。
#18
○藤川政人君 今サイバー対策基本法等々の法律のお話も出ておりましたが、これはやはりNHKのみならず民放含めて全ての放送媒体に対してのセキュリティー強化が必要かと思いますが、総務省としてどのような取組を今後講じていかれるのか、伺いたいと思います。
#19
○国務大臣(高市早苗君) 昨年四月の、フランスのTVサンクモンドにおきましてサイバー攻撃で放送が中断しました。この事案発生後直ちに、NHKを含む放送事業者に対しまして、放送システムの安全性、信頼性について再度点検を行い、必要に応じて取組を強化するように文書で要請を行いました。
 特にNHKは、公共の福祉のため、あまねく日本全国において受信できるように豊かでかつ良い放送番組を放送する、そして災害報道を全国に迅速かつ正確に届けるといった公共放送としての社会的使命を果たしていただかなければなりませんので、NHKではもう何があっても放送を継続することができるようにあらゆる手段を講じていただくことが必要だと思います。平成二十八年度のNHK予算で、放送継続のためのセキュリティー強化や個人情報を管理するシステムのセキュリティー強化のための経費が盛り込まれており、それは今御説明があったとおりでございます。
 総務省としましては、昨今、官公庁ですとか民間企業の機密情報を狙ったサイバー攻撃の脅威がますます深刻化しているということを踏まえまして、実践的なサイバー防御演習や、それから情報共有の促進といった取組を行っております。もちろん、公共放送のセキュリティーについても、NHK、そして関係機関と密接に協力をして万全を期してまいります。
#20
○藤川政人君 大臣から力強い御答弁をいただきましたけれど、先ほどあったように、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、その開催に向けての対応ももちろん必要でありますが、もう五月末には伊勢志摩サミットが開催されます。そちらには世界中から主要国の代表がお越しになられますので、是非その直近の課題についても大臣始め最大限の対応を進めていただきたいと心から祈念を、お願いを申し上げます。
 続いて、インターネットの同時再送信の実験について伺いたいと思いますが、NHKは昨年の十月から今年一月にかけて、放送番組と放送を同時にインターネットに提供する配信実験を行ったと聞いております。四週間続けての配信を試験的提供B、スポーツ中継の単発番組の配信を試験的提供Aと名付けたそうでありますが、その結果についてどのように捉えておられるのか、まず伺いたいと思います。
#21
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 NHKは、インターネットの実施基準に基づきまして、放送と同時にインターネットでコンテンツを提供するサービスの改善、向上の検討に資する目的で、試験的提供と言っておりますけれども、同時配信の検証実験を二十七年度から実施しております。
 今委員御案内のように、試験的提供Aというふうに言っておりますのは、広く制限を設けずに一般に視聴していただくというもので、これについては昨年十一月のNHK杯フィギュアスケートを始め三つのスポーツ中継で実施いたしました。それからもう一方の、試験的提供Bと言っておりますけれども、これは受信契約世帯の方約一万人を対象に、昨年の十月から十一月にかけて総合テレビについて四週間続けて毎日最大で十六時間の配信を行いました。このうち、この試験的提供Bでは、特に平日の朝、昼、夕方から夜にかけての時間帯で、特に移動中や外出先でよく利用されたことが分かりました。一方、試験的提供A、これはスポーツの方ですけれども、これは平日夕方のスポーツ中継などでたくさんの方に利用していただきました。
 この検証の結果なんですけれども、権利処理の問題ですね、これが非常に重要だというふうに認識しております。契約の関係でネット配信の権利がない番組やニュースの項目については、途中でお断り画面というものに切り替えまして配信を行いませんでした。この実験に先立ちまして、権利者の皆さんには番組制作担当者から丁寧に説明をして、配信の際には、ニュース、情報番組で人力、人の力でお断り画面に切り替える体制を取りました。こうした実施体制の確保も今後の大きな課題と認識しております。
 このように、放送番組を今後、将来、インターネットで同時配信するためには、法律の制度などを含めた幅広い検討が必要ではないかというふうに考えております。
#22
○藤川政人君 そうしますと、ネットへの配信は、一般的には著作権、この問題が大きな課題と聞いておりますが、今回実証してみて、そのようなところはどうであったのか、お答えいただきたいと思います。
#23
○参考人(井上樹彦君) 実際、この権利処理の関係で配信できなかったものが全体の二〇%ありました。その間、静止画面で、結局情報もコンテンツも送れなかったというふうなことでありましたので、ここの課題をこれからどうやって関係の各所と対応していくかということが大きな課題になっていきます。
#24
○藤川政人君 このインターネットの同時再送信実験がこれからもしっかり行われていくことを期待しますが、総務省としてもこちらの件についてはどういう思いを持っておられるのか、補足的に伺いたいと思います。
#25
○政府参考人(今林顯一君) 先生御指摘のとおり、インターネットの活用は、放送においてもこれはこの後、時代の流れということで必須かと存じます。
 他方で、いろいろな課題があることも事実でございまして、先ほどNHKさんの方から御説明のありました技術的な課題、あるいは著作権法上の課題などのほか、例えば今スマホだけで御覧になっている方々から例えば受信料をどうするのかというような問題もございます。あるいは、純粋にやっておられる民間の方々との競争といったような側面もございます。
 こういったことがございますので、昨年、放送法を改正してインターネット活用業務について実施を可能としたところでございますけれども、総務大臣の認可を受けた実施基準に基づいて行うこととしておりますが、その際に、条件を付してお願いをしております。その際の条件というのは、例えば、そういった官民の競争の状況ですとか、あるいは視聴者への理解を深めるための取組ですとか、そういったことでございます。
 こういったことについて、まずはその検証実験について、今先生の方に御質問ございましたような件についても、視聴者に丁寧にまず御説明をいただいて、それからその成果を共有していただくということがまず必要だと思います。その上で、必要な課題の洗い出しなどを行っていただいて、セキュリティー、コスト、視聴者ニーズ、こういった検討を行っていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#26
○藤川政人君 ローカル番組の対応等々について非常にやはり有意義なものだとも考えますので、しっかり対応して進めていただきたいと思います。
 もう最後の質問になりますが、二十八年度の予算で、NHKは受信料支払率を七八%まで向上させるとしております。経営計画には、二十九年度末に支払率八〇%達成を目指すと明記をされました。
 受信料の支払率や収納額が増える一方、大都市と地方との間では契約率の格差がいまだ大きいと聞いております。受信料の公平負担の観点からも、大都市における受信契約活動が重要だと考えますが、今後どのような対策を取っていかれるのかお伺いしまして、私の質問とさせていただきます。
#27
○参考人(福井敬君) 御指摘のとおり、受信料の公平負担の徹底に向けまして支払率八〇%を達成するためには、支払率の低い大都市圏での営業活動を強化していくことが必要と考えております。
 このため、大都市圏におきましては、これまで推進してきました外部法人委託の更なる拡大、それからオートロックマンション対策を強化するとともに、都市ガスなどの公益企業との連携強化等によります訪問によらない対策も推進してまいります。さらに、事業所、世帯に対します民事手続を着実に実施をするとともに、営業だけではなくNHKを挙げて受信料制度の理解促進活動に取り組むなど、あらゆる施策を通じまして大都市圏の支払率の向上に向けていきたいと思います。
#28
○藤川政人君 じゃ、しっかりと取り組んでください。
 終わります。
#29
○二之湯智君 自民党の二之湯智です。藤川議員に次いで質問をいたします。
 平成二十八年度NHK予算における受信料が過去最高額となりまして、そしてまた、受信料を契約、収納するための営業経費も下がっていると聞いております。このような努力の結果、来年度も黒字予算となっていることは大変喜ばしいことであります。
 そこで、お伺いをいたします。福地会長以後でよろしゅうございますけれども、受信料の支払率の経緯についてお聞かせをいただきたいと思います。
#30
○委員長(山本博司君) どなた。答弁者、どなたですか。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#31
○委員長(山本博司君) 速記を起こしてください。
#32
○参考人(福井敬君) 受信料の支払率につきましては、毎年一ポイントずつ向上させる取組を続けておりまして、現在、二十六年度末におきましては七六%まで上昇してまいりました。
#33
○二之湯智君 籾井会長の就任以後、NHKの不祥事がいろいろとたたかれておりますけれども、籾井会長になってから非常に不祥事が増えたのか、あるいは歴代会長時代も同じように不祥事が発生しておったのか、福地会長以後でございますけれども、その在任中のいわゆる不祥事の件数をお聞かせをいただきたいと思います。
#34
○参考人(福井敬君) 不祥事につきましては、件数の推移で申しますと、歴代の会長以降そんなに変動はございません。逆に言いますと、平均しますと月一件程度の発生となっております。
#35
○二之湯智君 私は、ここで経営委員長にお伺いしたいと思います。
 経営委員というのは、非常に広い経験と見識を持つ方が国会において同意されまして就任されるわけでございます。そういう経営委員の皆さん方から構成される経営委員会によってNHK会長が選ばれるわけでございます。そういう今のいわゆる支払率の向上とか、あるいは不祥事、こういうことでありますと、歴代の会長とそれほど大差がないというか、突出した不祥事でもないと思うんですが、ここで会長にお伺いしたいんでございますけれども、期待されるNHKの会長像とはどういうものなんだろう、あるいは今の受信料の向上、あるいはこの不祥事の横ばいと、こういうことになりますと、こういうことから考えて籾井会長をどのように評価されるのか、お伺いしたいと思います。
#36
○委員長(山本博司君) 籾井会長に聞いているんですね。
#37
○二之湯智君 経営委員長、経営委員長。済みません。
#38
○参考人(浜田健一郎君) NHKは、経営計画の下、会長以下執行部が全力で国際放送の充実や放送と通信の融合時代の新しいサービスなどの取組を進めていると認識をしております。その中で受信料収入が堅調なのは、会長以下役職員が一団となって努力した成果であるというふうに考えております。
 一方で、放送業界を取り巻く世界の動きは急速に速くなっております。放送と通信の融合時代に向けた公共放送のあるべき姿について、国民的合意に向けた議論を行うべき段階に来ていると考えております。
 会長には、これらの経営課題に積極的に取り組んでいただくとともに、この場での様々な御指摘を真摯に受け止め、誠意を持って対処するよう努めていただきたいというふうに思っております。
#39
○二之湯智君 次に、NHKと地方創生という形で質問したいと思います。
 地方創生は、今、日本にとって喫緊の私は課題だと思います。非常に大きな影響力を持つNHKはどのような努力をされているのか。地域発で全国へ、あるいは世界へと発信する、その機会をもっと私は増やすべきだと思っております。具体的な取組についてお伺いしたいと思います。
#40
○参考人(籾井勝人君) 委員御指摘のとおり、やはり地域の問題について我々はもっともっと今以上に発信を増やしていくべきだというふうに認識しております。またさらに、日本全国はもとより、世界に対してもいろんな発信を地域についてしていきたいと。分かりやすく言えば、地域の実情あるいは魅力を世界に発信して、世界の皆さんに日本全体、各地域の魅力を理解していただきたいと。これは我々のネットワークを生かせば相当効果があるのではないかというふうに自負しております。
 新年度からは、総合テレビの平日午後二時台に、地域の放送局で制作しました番組に解説などを加えまして生放送で行う番組を新設いたします。さらに、BSプレミアムでは、地域を舞台としたドラマ、いわゆる地域発ドラマを年間八本程度制作する予定でございます。何とか我々としても、各地域地域がこの放送で好影響を受けるように頑張っていきたいというふうに思っております。
#41
○二之湯智君 次に、朝ドラや大河の題材、タイトルはいかなる仕組みで決められているのか、その選考過程が明らかでない。よく全国の知事や市長が会長の元にこういうタイトルで大河ドラマを採用してほしいと一生懸命運動をされているようでございますけれども、どのようにしてこれが決まるのか、全く国民にはその選考過程が明らかではありません。その辺のことについてお聞かせをいただきたいと思います。
#42
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 大河ドラマの場合、視聴者のニーズあるいは時代の動きを酌み取って、一年間にわたって視聴者の興味を引き付けられる主人公は誰なのか、そうしたことを考慮しますとともに、毎年の時代設定が偏らないように配慮しながら番組制作部門が検討して企画を決定しております。
 確かに、委員御指摘のとおり、いろいろな自治体から御要望があることも確かでございますけれども、私どもとしましては、やはり現場の考え方、特に大河は我々にとって大変大きな看板番組ですので、これで失敗することは許されないというところもございますので、そうしたところから現場の方で企画を決定しております。
 また、連続テレビ小説につきましても、大河ドラマと同様に、視聴者のニーズ、時代設定、地域的な偏りなどを踏まえて企画を決定しております。
#43
○二之湯智君 次に、NHKの国際放送についてお伺いしたいと思います。
 外国で日本人に向けられる質問は、日本に関する話題が圧倒的に多いわけでございます。その質問に的確に答えるのに必要な素養は、広い意味での日本の歴史、文化、そして日本の政治、経済、社会に関する知識だと思います。それを英語で外国人に分かりやすく説明するには、日本のグローバリゼーションにとって非常に私は必要なことじゃないかと、このように思うわけですね。
 そのためには、私は、NHKの国際放送、NHKが作った国際放送を日本の子供たち、学生が聞いて、そして、どのようにして日本のことを外国の人に伝えるかということが大変私はいいことだと思うんですね。私は、そういう意味においては英語教育のいい教材ではないかと、このように思うわけでございます。学校教育で活用してもらえるように具体的な取組をされているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
#44
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。
 NHKワールドTVは、海外だけではなくて、日本国内でもインターネットで二十四時間視聴することができます。アプリをダウンロードすれば、これは無料のアプリでありますけれども、スマートフォンなどで簡単に視聴できるということで、現在、NHKが出版しております語学テキストなどでPRの広告を今掲載しているところであります。NHKワールドTVをこうした形で活用していただけるように、今後も取り組んでまいりたいと思います。
 ワールドTVの内容ですけれども、日本のニュースあるいは文化など、視聴者になじみの深いものが多くなっております。今年度、平成二十七年度ですけれども、週末を使いまして、英会話学習のためのアニメーション番組「リトル・チャロ」、それから、子供向けの教育番組の「ピタゴラスイッチミニ」などを放送しているところであります。英語教育にも十分活用していただけているというふうに考えているところです。
 一方、Eテレ、教育テレビと、それからラジオ第二放送ですけれども、「ニュースで英会話」という番組を放送しております。これは、NHKワールドTVの英語ニュースを活用して放送しているもので、こちらについてもより幅広い年代の方に英語の学習として活用していただいているところであります。
 引き続き、こうした取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
#45
○二之湯智君 次に、東京オリパラについてお伺いしたいと思います。
 私、大学に入ったのが昭和三十九年でございまして、ちょうどオリンピックの年でございました。そのときに、渋谷にある東急文化会館の映画館で大型スクリーンに映し出されるテレビ中継を見ておりまして、随分と迫力があるなという印象をいまだに持っておるわけでございます。
 そこで、私は、今NHKの各地方局、そう多くはありませんけれども、例えば京都放送局なんかに8Kの大型スクリーンのテレビが備え付けてあるわけでございますけれども、二〇二〇年の東京のオリパラのときに各放送局にあれを設置して、そして市民の方に見ていただいたら、地方の方が東京にわざわざ足を運ばなくても臨場感あふれる競技が見られるんじゃないかと、このように思うわけでございますけれども、そういう取組についていかがお考えですか、お聞かせをいただきたいと思います。
#46
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 今年八月から、4K、8Kのスーパーハイビジョンの試験放送が始まります。これに向けて今準備を進めているところでありまして、NHKでは、この試験放送開始までに全国の放送局に試験放送が受信できる設備を整備したいと考えております。京都局には既に、今御案内のように、新会館の建設に合わせて8Kの施設がありますけれども、今回、全国の放送局に、できるだけ多くの視聴者の皆様にこのスーパーハイビジョンの魅力を体験、体感していただきたいというふうに考えております。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、まさに8Kスーパーハイビジョンを知ってもらう絶好の機会だというふうに捉えております。海外から日本を訪れる方々にも、こうした放送局やあるいはパブリックビューイングの会場などで日本ならではの新しい放送サービスを体感していただきたいというふうに考えております。
 なお、今年八月にありますリオデジャネイロのオリンピック・パラリンピックでも、試験放送を全国の放送局やパブリックビューイングの会場で御覧いただくように準備を進めているところでございます。
#47
○二之湯智君 次に、受信料の減免について質問をしたいと思います。
 よく私、年末に、京都市消防団の各詰所に激励訪問に行くわけですね。そのときにいつも質問を受けるのは、そこに備え付けられているテレビの受信料は団員が、それぞれの団が支払わなきゃならぬ、自分たちは、これボランティアで一生懸命頑張って、テレビを見るためにテレビを置いているんじゃなくて、何か災害があったときに情報を逐次得なければならないからテレビが備え付けてあって、これを団の負担で受信料を支払うのはおかしいんではないかと、二之湯さん、何とか減免できるようにひとつ頑張ってほしいという陳情をいつも受けるわけでございます。
 この辺についてどのような、これはNHKかあるいは消防庁か分かりませんけれども、今日は消防庁に来ていただいておると思いますけれども、消防庁の見解をお聞かせをいただきたい。消防団の充実強化というのは日本の今、安全、安心を推進するために非常な大きな課題でございますから、ひとつ前向きに考えていただきたいなと、このように思うわけでございます。
#48
○政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。
 災害時における消防団の役割を踏まえますと、迅速かつ的確に災害情報を収集することは必要でありまして、そのためにテレビ、無線機器、インターネット機器などの機器を市町村が主体的に確保することは重要であるというふうに認識しております。
 こうした機器のうち消防団が所属する市町村が必要と認めるテレビにつきましては、市町村においてNHKの受信料を負担する必要があると考えております。消防庁としては、こうした考え方を都道府県を通じ既に市町村及び消防団に通知しているところでございまして、今後とも、各種機会を捉え、こうした考え方を周知してまいりたいと思っております。
#49
○二之湯智君 次に、最後の質問になります。
 今のNHKの放送センターは、ちょうど東京オリンピックを境に建設されたと思います。もう既に五十年近く時間が経過しているわけでございます。そのために、二〇二〇年の東京オリパラの放送に十分対応できるのか、あるいは、ひょっとしたらその前に首都直下型地震が起きるかも分からない、そういう大変心配があるわけでございますけれども、この老朽化対策についてお聞かせをいただきたいと、このように思います。
#50
○参考人(井上樹彦君) 放送センターの建て替えにつきましては、去年の六月九日に経営委員会で現在地での建て替えが議決されたことを受けまして、現在、施設の配置や機能、規模、工期などについて検討しておりまして、今年の夏には建設基本計画としてまとめる予定にしております。その後、業者の選定や設計に必要な時間を考慮しますと、着工が二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの終了後になるというふうに見込んでおります。
 なお、現在の放送センターは、建物の耐震診断と補強を行いまして、阪神・淡路大震災や東日本大震災級の地震でも、人命の安全確保に加えまして、放送局の十分な機能の確保が図られる耐震安全性を有しております。
 東京オリンピック・パラリンピック、そして防災・減災報道の対応など、公共放送としての役割はしっかり果たしてまいりたいというふうに考えております。
#51
○二之湯智君 最後に、まあいろいろあるでしょうけれども、籾井会長の任期もあと一年弱と思います。職員一丸となって、国民の信頼を獲得するために一生懸命頑張っていただくことを要望し、質問を終わります。
#52
○江崎孝君 民進党・新緑風会の江崎と申しますが、今日はいろいろ苦言のような質問をさせていただきますが、先ほど、大河ドラマのお話がありました。私も今、NHKの番組、ほとんどNHKしか見ないと言っていいと思いますけれども、「真田丸」とか「新日本風土記」とかは録画をさせていただいて見ているんですけれども、今日は報道の姿勢についての質問に限らせていただきます。
 さて、会長が就任記者会見で話されたこと、政府が右と言っていることを左とは言えないという認識に大変な危機感を持った人は多かったと思います。実は私もその一人でありました。もちろん、政府が右と言っていることを左だとうそをつくことは放送法や番組基準違反なのは、これは当たり前のことであります。会長のあの発言は、それまでのNHKが、政府が右と言っていることをあえて左とこれまでのNHKは伝えているのではないかというふうに思われたのか、あるいは公共放送というものは政府が右と言えば右と伝えるべきものと思っての発言なのか、いずれにしても、NHKという公共放送の会長になられた方の認識に不安と不信を抱いたのは事実であります。
 重ねて言いますけれども、NHKは政府の立場を主張する報道機関ではありません。その頃、総務委員会で質問に立った私は、当時の新藤総務大臣に質問いたしました。そのとき、公共放送としてよく比較されるイギリスのBBCのことを例に出して質問をさせていただきました。政治は古今東西、放送に介入しようとするものであります。これはイギリスも同じことであります。安倍政権における官邸や与党のメディアに対する様々な圧力と取られる対応は批判されるべきでありますけれども、これはどうしようもない政治家のさがであることも事実であります。本当はもう少し大人になっていただきたいというふうに思うんですけれども。
 さて、一九八二年のフォークランド紛争の折の戦争の報道方法をめぐって、時のサッチャー政権はBBCに介入いたします。この後、ブレア政権、労働党政権になっても政権とBBCの対立はありました。今回はフォークランド紛争のときのお話をさせていただきますが、政府は戦地の取材を制限しようとしました。厳しい戦地の現状を国民に見せることは国民の戦意を低下させ、軍事行動への支持を喪失させると懸念したためです。これはベトナム戦争とアメリカの国内報道の事例で明らかになっていた、そういうこともありましてそういう状況を取るんですけれども、ところがBBCは、イギリス軍の士気を高揚させたり、国民を国旗の旗の下に結集させることがBBCの役割ではないとし、政府の行動をあらゆる角度から報道しなければならないとの考えを明確にします。
 サッチャー首相は、テレビ番組がイギリスとアルゼンチンを平等に取り扱っており、イギリスの政策が十分反映されていないと非難をするんです。しかし、BBCは、国内の世論も政治も賛成と反対がある、分かれている、紛争が公平性に基づき正当に報じられるべきものであり、そうしなければ公共放送としての役割を放棄したと国民が受け取るとして、放送を続けたんです。
 これは、「イギリスにおける放送の公平性」という名古屋大学大学院における水野道子さんという方の論文の中の引用であります。
 そのとき、新藤大臣は答弁でこうおっしゃいました。私もまさに、何人からも干渉され、また規律されることのない中でNHKが公共放送としての役割を全うするというふうに思っておりますし、それを期待していると、こういうふうに答えられました。その後の国会の中でも、質疑の中で、この場でも再三会長は、公平公正、不偏不党、これを約束、誓っておられます。
 改めて、あの発言後のNHKの放送、報道に関する放送はどうなっているでしょうか。今の率直な思いを尋ねます。公平公正、不偏不党の放送は実現できているのでしょうか。
#53
○参考人(籾井勝人君) 改めて私どものNHKの放送姿勢というものを述べさせていただきたいと思いますが、今委員がおっしゃったように、私どもは、放送をするについて、放送法にのっとり、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人からも規律されることなく放送を行っていくと、これがNHKの大原則でございます。引き続きこの方針は続けていくつもりというよりも、続けてまいります。
 NHKは番組を制作する事業会社でございますので、放送事業者としまして、個々のニュースや番組の中で対立する意見の双方を伝えるなど、バランスを取るようにベストを尽くしてまいりたいというふうに思っております。
 これは聞かれたことでもないんですが、我々は年二回、十四指標の世論調査で公平性の達成状況を調べておりますが、昨年七月の調査でも七割を超える方から公平公正を実現しているとの回答をいただいております。
#54
○江崎孝君 七割を超える、少々大きな数字だと思いますけれども。
 冒頭に私からお話をしておきますけれども、私は、私個人としてNHKの放送内容に疑義を差し挟むつもりは毛頭ありません。政治家が放送内容に介入してはならない、このことは原則であります。それぐらいの認識は持っておりますが、これからお話しするのは私の私見ではなくて客観的なものからのお話ということで是非御理解いただきたいと思います。
 元NHKのディレクターの戸崎賢二さんという方が、「法と民主主義」という月刊誌の今月号に安倍政権の圧力とNHKの政治報道の偏向という論文を書かれております。NHKの政治報道の問題点、あるいは公共放送としての危機認識を提起されておられます。その一部を紹介をさせていただきます。
 籾井さんが会長に就任された間もなく十か月後のことです。安倍政権は衆議院を解散をして、十二月に総選挙が行われました。当時、NHKスペシャルは、「子どもの未来を救え 貧困の連鎖を断ち切るために」という番組を制作をしておりました。十一月末に放送する予定だったと聞いておりますが、言っておられますけれども、それを選挙後に延期したんですね。戸崎さんは、貧困の拡大は安倍政権のアキレス腱であり、選挙への影響をおもんぱかって延期したという見方が当時のNHKの現場で一般的だったと、このように言われています。
 もう一つ。昨年、衆議院で安保法案の議論が白熱をしていた二〇一五年六月の話です。NHKは、七月三日締切りで安保法案についての憲法学者に対する大掛かりな調査を実施しているはずです。一千百四十六人に調査を依頼をして四百二十二人から回答が寄せられました。そのうち三百七十七人、つまり九〇%以上の方が違憲若しくは違憲の疑いというふうに答えられています。二十八人が合憲と答えているわけです。与党が衆議院で採決をしたのが、強行採決したのが七月の十五日ですね、衆議院でですね。普通に集計すれば採決前に放送できたはずですけれども、なぜか放送は七月の二十三日の「クローズアップ現代」まで待たされます。そして、僅か二分程度、二分程度だけなんですね。
 戸崎さんは、結果自体、つまり、これだけの大掛かりな調査であります、結果自体がニュースであって、それを基に企画したニュースがあってもしかるべきものだ、採決前に発表してこそ意味があったのではないかと疑問視されています。疑問視されています。ちなみに、同じような調査は「報道ステーション」でも実施され、こちらは採決前に十分時間を割いて放送をされています。政治の放送への圧力は国を二分するような政治課題のときに大きくなります。
 さて、会長、このような批判、懸念は、NHKの放送が当時、これは今も続いていると思いますけれども、公平公正、不偏不党を貫いてはいないということの言明のような気がいたします。先ほどはそうではないとおっしゃいました。今の私の話を聞いて、どうお考えになりますか。
#55
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 ニュースや番組で何をどのように取り上げるかということにつきましては、報道機関としての編集権に基づいて私ども自主的に判断しているところでございます。
 個別のニュース判断につきましては、取材、制作の過程に関わることでございますので詳細は差し控えさせていただきますけれども、ニュースの内容や放送時間などを考慮して現場が総合的に判断をしているところでございます。
#56
○江崎孝君 会長にお答えいただきたかったんですけれども、放送総局長の専務理事なら多分そういう答えになるだろうと思いますが、次の質問をします。
 では、もう一つ紹介します。
 今年の二月の一日に、放送を語る会という団体が冊子を出版しています。この団体は、市民、放送研究者、放送従事者などの視聴者の団体で、一九九〇年に結成されております。昨年の二〇一五年五月から九月までの安保法制の国会審議と併せて全国で抗議行動が行われていたことは皆さん御承知のことだというふうに思いますが、この会はこの五か月間、独自でNHKと民放キー局のニュース番組を手分けして録画をして精査をしています。それを細かく分析して、「安保法案 テレビニュースはどう伝えたか」にまとめたのがさきの御紹介した小冊子です。
 その冊子には、国会審議期間中の対象ニュース番組全体の傾向の一つとして、NHKニュースの政府広報化、政府の広報化の進行を指摘しています。政権にとってマイナスになるような出来事や審議内容を極力伝えない傾向であると結論付けており、一つの比較表を出しています。それがこれです。(資料提示)
 これは一部ですけれども、まず、お手元にあると思いますが、五月の二十日、安倍総理がポツダム宣言についてはつまびらかに読んでいないという答弁をされたとき、「報道ステーション」、これは「ニュースウオッチ9」と同じような報道の番組の時間の在り方、姿勢について「報道ステーション」と「NEWS23」を比較しているんですけれども、これ映していただきたいんですが、つまびらかに知らないんだ、読んでいないんだと言ったときに、「報道ステーション」は放送した。「NEWS23」は、その日はしなかったんですが、間違った戦争との認識示さずと報道しています。NHK「ニュースウオッチ9」は全く報道していません。
 二十八日、これはよく有名になりました、衆議院の特別委員会で安倍総理が早く答弁しろよというふうにやじを飛ばしたときの報道なんですけれども、「報道ステーション」はやりましたけれども、「ニュースウオッチ9」は当日はやっておりません。翌日報道にしています。
 六月一日に入りまして、中谷防衛大臣、日本に対して攻撃の意思のない国に対しても攻撃する可能性があるということ、これ集団的自衛権の大きな問題でありましたけれども、これは両方はやっていますけれども、「ニュースウオッチ9」は全くこれも報道していません。
 七月に入って、これは自民党の文化芸術懇話会、つまり与党の中で、マスコミを懲らしめるには広告収入をなくすのが一番といった、ある面では威圧的、圧力的発言があったということで大分報道されました。このときも「ニュースウオッチ9」は全く報道していません。
 八月五日、飛ばしますけれども、八月五日の参議院特別委員会、これの中谷防衛大臣です。後方支援で核ミサイルも法文上運搬可能、これも大変なニュースになりました。これも「ニュースウオッチ9」は全く触れていないんですね。
 これ、放送内容のここだけはスペースがあるからちょっと私が省略した部分がありますけれども、これは全くまま、原文のまま、冊子に載せられた文であります。
 そして、七月の十五日と九月の十七日、これは御承知のとおりそれぞれの特別委員会で強行採決された日です。ほとんどのマスコミは強行採決、あるいは採決が強行されたというふうに報道していますけれども、NHKの「ニュースウオッチ9」では強行という表現をしておりません。
 さて、こういう現状なんですね。これは、先ほど言ったとおり、客観的に皆さんが見て録画をして、そしてそれをまとめられた分です。それで、会長、これが実際の内容なんですね。
 もう一度お聞きします。これは、公平公正、不偏不党の報道姿勢と言えますでしょうか。会長、お答えください。
#57
○委員長(山本博司君) 板野専務理事。
#58
○江崎孝君 会長、お答えください。会長、お答えください。会長。
#59
○委員長(山本博司君) 板野専務理事から答えて、それから会長に。
#60
○参考人(板野裕爾君) ニュースや番組で使う言葉や表現につきましては、視聴者の分かりやすさなどを考慮して現場が適切に判断して決めているところだと思っております。先ほどの御指摘の中でも、例えば民主党などが抗議、強行採決と、そう民放さんがお使いになっているという御指摘でも、私どものニュースの原稿では、民主党などが抗議する中、採決が行われ可決されたと。つまり、事実関係を客観的な表現で私どもはお伝えするように努めているところでございます。
#61
○参考人(籾井勝人君) 誠に申し訳ございませんが、会長としましては、そういう言葉遣いの点までは関与しておりません。つまり、いわゆる放送の実態とか編集とか、そういうものは全部放送総局長以下に分掌されておりますので、私が一々そのときの放送について関与することはないということは御理解いただきたいというふうに思います。
#62
○江崎孝君 僕は言葉遣いを言ったわけじゃありませんよ。もう一回言いますと、客観的にこういうふうに分析されている。確かに戦争法案に対してはいろいろ意見がありますけれども、一方の人たち、いろんな意見の中で、客観的に見てこういう報道の姿勢だったということを僕は説明をしたわけです。強行という言葉云々というのは、たった七月十五日と九月の十七日の話だけなんです。
 もう一度お聞きします。この現状、これだけではありませんよ、この現状を、不偏不党、公平公正だとおっしゃっている会長からしてこれはどう思われますか。そのことをもう一回、会長、お答えください。会長、お答えください。
#63
○参考人(籾井勝人君) 今申し上げましたように、私はそれに直接関与しておりませんので、それについていろいろコメントするということは適切でないと思います。それが客観的なデータなのかどうかということについては私も承知しておりませんけれども、あくまでも私の立場からいきますと、放送は、放送法にのっとり、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人からも規律されずと、こういうことで行われているというふうに確信いたしております。
#64
○江崎孝君 今会長は、放送の内容については、一々という言葉を使われましたけれども、余り関与していないと。つまり、全て放送総局長の責任だということをおっしゃったように私は聞きました。
 もう一つ、それでは、ニュースキャスターのお話をさせてもらいます。NHKにおけるキャスターの降板の話です。
 先ほどの「報道ステーション」も「NEWS23」も、もう既に「NEWS23」はキャスター降板していますけれども、「報道ステーション」もあしたから替わるというふうな、非常にそういう状況になっているんですが、この中身については今回触れませんが、NHKでも、長い間「クローズアップ現代」のメーンキャスターを務めてこられた国谷キャスターが突然降板されることになって、話題になりました。安保法制に関して厳しい姿勢で報道していたことがこれは原因のように私は言われているように聞こえております。
 これはどうでしょう、会長、この関係に関しては御承知おきありますか。会長、お答えいただけませんか。僕は、会長の判断がここで入っているか入っていないかを聞きたいわけでありますから、是非会長がお答えください。知らなかったなら知らなかっただけで結構です。
#65
○参考人(籾井勝人君) もとより、私が関与したことはございません。これは断言いたします。
 同時に、国谷キャスターというのは長い間NHKの「クローズアップ現代」で番組に貢献された方で、実際に番組も相当の好評を博したものでございます。しかしながら、もう始められて二十何年たっているんですね。こういうことでありましたから、多分現場が、もう長い、長く働いていただいたということで交代していただいたというふうに理解していますし、そう聞いております。
#66
○江崎孝君 そうですか。
 ちょっと僕は違うお話を今からさせてもらいますが、NHKにはキャスター委員会というものがあるんですね。各番組のキャスター、司会者を決定することになっているようです。これも先ほどの元ディレクターの戸崎さんがさきの論文の中でおっしゃっていますけれども、「クローズアップ現代」、クロ現を担当する大型企画開発センター、報道局社会番組部、制作局経済・社会情報番組部、つまりクロ現を現場で仕切っている全ての部局なんですが、これはキャスター委員会に国谷キャスターの続投を提案をしているんですよ、続投を。
 さて、そこで、今これだと、会長は、二十数年間、長い、長過ぎた、そのことが現場でも同認識だったというふうに言われておりますけれども、今の私の話を聞いてどうお考えになられるでしょうか。これ、現場の元ディレクターの方が現場の皆さんの話を聞いてこういうふうにおっしゃっているわけです、書かれているわけでありますから、そのことに関して、先ほど会長は、長かったから、現場もそれと同じだから、こういうふうに言われましたね。でも、現場は国谷キャスターの続投を提案をしていた、これも事実のようでありますが、これを聞いて会長はどう思われますか。会長、お答えください。会長の判断です。よろしくどうぞお願いします。
#67
○参考人(板野裕爾君) 番組改定に当たりましては、「クローズアップ現代」に限らず全ての番組についてその分析と検討を進めた上で最適な配置を目指しているところでございます。「クローズアップ現代」につきましても、改定に向けた様々な検討会や会議など局内の所定の手続を経て決まったものでございます。
 今回の改定は、世の中の変化が速く、視聴者の生活習慣も変わってきている中で、日中働いている方々にもじっくり見てもらえるよう夜十時台に移すとともに、演出なども含めて一新しようとすることになったものでございます。
#68
○江崎孝君 会長、お答えいただけますか。私の最初の質問、今の質問、専務理事の恐らく回答はそういうことだと僕も予想できますから、これ、会長として、最高責任者として、現場から、現場を知っている人から、いや、現場は皆、国谷キャスターで提案を、続投を希望していたんだというようなニュースも、ニュースって、僕が今言ったとおりの情報もあります、それを聞いた上で、会長、どう思われますか。
#69
○参考人(籾井勝人君) 先ほども言いましたように私は報告を受けているわけでございます。多分今の説明、専務が説明しましたけど、内容はそのとおりだというふうに思います。
 私は、キャスター委員会の存在は知っております。しかし、そこでどういう議論がされ、どういう結論を出したかということについては、私はこれは知る立場にないのでございます。結果を報告を受けるだけでございます。
#70
○江崎孝君 ますます不可解になってまいりますけれども、板野専務理事の今の回答は非常に通り一遍、確かにそうでしょう、言葉にすれば。だけど、全く説得力がないんですね。現場は、現場は全てが国谷キャスターの続投というふうに言っているのにかかわらず、このキャスター委員会は昨年十二月に担当セクションに、十二月ですよ、担当セクションに国谷キャスターの契約継続しない旨を通告しているわけですね。現場からは続投が上がっている。
 先ほど、板野専務理事は二之湯委員の質問に対して、大河ドラマの決定については現場を、考え方を最も大切にしているとおっしゃったわけでありますね。しかるに、先ほどから何回も例に出しているNHKの内部をよく御存じの方の話では、現場は全て国谷キャスターで続投を提案をしていた。まさしく現場は国谷キャスターの続投だったわけですが、それがなぜ突然の降板になったのか。今会長は、自分は全く関知していない、関与していないとおっしゃった。
 ということは、板野専務理事、あなたの決定でということでよろしいですか。これ、キャスター委員会を仕切っているのは放送総局長板野専務理事でございますね。ということは、板野さんの判断ということでよろしいでしょうか。
#71
○参考人(板野裕爾君) 先ほども繰り返して申し上げて、あれでございますけれども、この「クローズアップ現代」に限らず、様々な番組のキャスターあるいは出演者につきましては、様々な検討、会議などを経て、局内の所定の手続を経て決まったものでございます。もちろん私は、番組の全体の責任者としてその決定に責任を負うものではございますけれども、繰り返して申し上げますけれども、現場の様々な議論を経て決まったということでございます。
 そういう意味では、先ほど二之湯委員の御質問でお答えしたように、あくまでも現場の判断というものを私は優先してこのようになったというふうに承知しております。
#72
○江崎孝君 私は、先ほどのBBCの事例をお話ししましたけれども、「クローズアップ現代」での集団的自衛権に関する安保法制関係の追及、あるいはキャスターの、報道番組のキャスターとしての国谷さんの追及というのは、BBCの事例からするとこれは評価されるべきであって、決して問題ではないと僕は思いますが、政府広報化が進行して、そのようなキャスターの降板、そして、今お話ししたとおり、政府広報化が非常に顕著だというふうに見える報道番組、報道内容の総責任者はこの板野専務理事だということが今はっきり明確になったわけでありますね。
 つまり、政府広報化が、いろいろ価値判断があると思いますけれども、とにかくいろんな方から政府広報化が進んでいるんだと言われている指摘はこれは客観的な事実でありますから、これは是非重く受け止めていただきたいし、その報道内容の最高責任者が板野専務理事だということを今はっきり会長もおっしゃったわけです。
 じゃ、質問を変えます。
 「選択」という月刊誌があります。三月号に、「NHK「反籾井派」と官邸が結託」という途方もない記事が出されました。これは、NHKにとっては非常に不名誉な記事です。読まれた方があると思いますが、そこに板野専務理事、あなたの名前が出てくるんですよ。御存じでしたか。
#73
○参考人(板野裕爾君) そうした情報誌の報道につきましては、一々コメントをするつもりはございません。
#74
○江崎孝君 コメントしなくてもいいんですけれども、実際、本当はしてほしいんですけどね、中身を、記事の内容が事実であったかどうか。相当大変辛辣な中身です。是非読んでいただきたい、会長も。反籾井派が動いているというふうにここに書かれているわけですから。果たしてどうかというふうに思いますが。
 もう一度お聞きしますね。
 板野理事、今言ったように、報道の内容の全ての責任はあなたにあるということであれば、五月から九月までの報道の、「ニュースウオッチ9」のニュースの記事がこのように捉えられている、これに対して総責任者である板野さんはどのようにお答えになりますか。先ほど会長に質問しましたけれども、もう一度改めて、専務、板野さんが最高責任者であるということの事実を会長から聞いた私からして、もう一度お聞きします。
#75
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 安全保障関連法案につきましては、賛成、反対、様々な立場から私どもNHKにも意見が寄せられているところでございます。私ども、先ほどから繰り返し申し上げましているとおり、放送法に基づいて、不偏不党、あらゆる自主独立の判断で編集権を行使しているところでございます。このように、しかし、安保法案のような国論が非常に二分されているような事柄につきましては、私どもは公共放送として公平、公正、中立の立場を取れば取るほど双方からのいろいろな御批判を頂戴するということもこれまた事実でございます。ですから、私どもは、そうした批判の声をいろいろと頂戴しながら今後の放送の更なる充実に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#76
○江崎孝君 少し質問の内容、中身を変えますけれども、今お話をした国谷キャスターの降板、そして先ほどの報道内容に対する批判でありますけれども、これには、今専務理事おっしゃったとおり、これ、NHKにはきちっと答える義務があると思うんですね、双方からの質問あるいは懸念に対しては。受信料で成り立つ公共放送ですから、これは当然のことであります。視聴者の質問や懸念に答える、その答える責任、それは果たして今おっしゃったとおり現場にあるんですか、それとも放送総局長としての板野専務理事にあるんですか。
 私は、今るる説明したのは、こういう批判、懸念が出ているんですよということをお話をしました。それに対するNHK側の答え、あるいは弁明も含めて、それは現場にあるんでしょうか、それとも放送の最高責任者である、放送の内容の最高責任者である板野専務理事にあるんでしょうか。どちらにあるんですか。
#77
○参考人(板野裕爾君) 基本的に、今御指摘になったような様々な御意見というものは、私どもはやはり、ニュースでありますとか番組でありますとか、放送の場を通じてそれはお答えしていくということになると思います。
 先ほどから籾井会長も申し上げておりますとおり、私どものその編集権の所在というものは、会長を頂点として、私でありますとか、あるいはそれぞれの局長でありますとか、さらには現場のディレクターに分掌されているところでございます。そうした現場のディレクターやそうした者たちの様々な判断というものは、結果として様々な視聴者の方々からの御指摘に答えていくと、そういうものだろうというふうに思っております。
#78
○江崎孝君 それはどういうことでしょう。現場にあるということですか。どちらのことですか。現場にあるのか、それとも最高責任者である板野専務理事にあるのか、どちらにあるということですか。
#79
○参考人(板野裕爾君) そこは、繰り返し御説明申し上げておりますけれども、最終的にはそれは編集権というのは会長に帰属するものなのでございます。それを私が総局長という立場で分掌して、更にそれをまたそれぞれの局長、それをまた部長でありますとかディレクターでありますとか、そういうところにまた分掌していくということですから、それはそれぞれ全て一体のものであって、分離することはできないというふうに思っております。
#80
○江崎孝君 こうやっているときも、現場の皆さんは、例えば受信料徴収に動いていたり、報道あるいは動いていたりするわけですね。実際、そういう現場からこういう声が聞かされるわけですね、当然、質問されるわけですよ。そうしたときどう答えるんでしょうか。それは間違いなく、自分の、NHKの放送責任者である、放送の責任者である板野専務理事の言葉で答えてもらわなきゃいけないんですけれども、実はそれを代弁して僕は質問しているんですが、全く普通、全く私自身に対する、質問、すとんと落ちるような回答をしていただいていません、通り一遍な内容で。これだけの懸念される材料が出されているのに対して。
 質問を変えます。NHKには番組審議会という会がございます。受信料で運営されているのですから、国民・視聴者の意見を聞いて番組内容にこれ役立てなければならないからなんですが、会長、放送法に規定されたこの中央番組審議会、これは平成二十六年度、二十七年度は何回開催されていますか。会長、御存じですか。
#81
○参考人(籾井勝人君) 原則月一回開催いたしております。
#82
○江崎孝君 ということは、二十四回ということでよろしいですか。
#83
○参考人(籾井勝人君) 二年間でですね、二年間で。ただ、八月は夏休みでございますので、それは御留意していただきたいと思います。
#84
○江崎孝君 はっきり答えていただきたい。二十一回ということ、二十二回ということですね、そうしたら。(発言する者あり)はい。
 この中央番組審議会でも、委員からデモや強行採決の報道の在り方で疑問と言える質問も出されています。私も読ませていただきました。相当出されています。
 じゃ、板野専務理事、放送の責任者である板野さんは、この二十二回と今会長がおっしゃった中央番組審議会に何度出席されていますか。
#85
○参考人(板野裕爾君) 私は二年間放送総局長をやっておりますので、その期間、中央番組審議会は月に大体一回のペースで、月一回のペースで開かれておりますけど、欠席したのは一回だけだというふうに記憶しております。
#86
○江崎孝君 それは、一回だけだということは、二十一回出席されているということですか。間違いございませんね。間違いございませんね。はっきり、はいと答えていただけますか。
#87
○参考人(板野裕爾君) そのとおりでございます。
#88
○江崎孝君 そうしたら、先ほどから僕が、私がるるこうやって話をしてきた中身というのは、番組審議会の委員の皆さんからも出ているわけですね、出ているわけです。どうお答えになっていますか、その質問の内容に対して。
#89
○参考人(板野裕爾君) この中央番組審議会というものは、もちろん会長以下、放送系の理事が出ているものでございますけれども、基本的には、私どもの放送番組の内容について委員の方々からいろいろな御意見をいただくという場でございますので、その返答というのは、当該の部局の局長あるいはその担当のチーフプロデューサー等が答えるということになっております。
#90
○江崎孝君 これは本当にもう専務理事には申し訳ないんですけれども、私の方のいろんな情報聞くと、板野専務理事ってほとんど出席されていないというふうな情報だったんです、僕には、私の方には。これは間違いであるということであれば、是非是非。僕、NHKに問い合わせたんですけれども、誰が出席して云々とかというのは公表していないというふうな話なんですよ。それ、なぜ公表されないかってよく分からないんですね。法律で云々だというふうに答えられたんですけれども。
 是非、委員長、板野専務理事の出席された番組審議会の曜日、いつのやつか、それで、それと板野専務理事が回答されているあるいは発言されている内容について、是非委員会に提出をお願いしたいというふうに思います。
#91
○委員長(山本博司君) ただいまの件に関しましては後刻理事会で協議をいたします。
#92
○江崎孝君 もう最後のお話にさせていただきますけれども。
 今、これ質問する予定でしたけれども私の方の発言に止めたいと思いますが、今、NHKは、これ総務省もそうだと思うんですけれども、受信料の義務化というか、そういう方向性で議論が始まっている、あるいはその方向性で今後も検討していく、あるいは会長もそういう思いでおっしゃっていると思いますけれども、義務化となれば、これ突然、国民は受信料を払うことがこれ義務でありますから、払わなければ罪になってしまいます、当然。悪いのは視聴者だ、つまり払わない視聴者だということになってしまいますね。
 今僕がるる説明したとおり、いろんなNHKに対する不安、不信あるいは報道姿勢に対する懸念、これが表明されている中にあって、今のようなNHK側の姿勢では、視聴者の意見を逆にもっと聞かなくなるのではないか、逆に、義務化になってしまえば。義務化でない場合は、受信料は払わないという方法も、これだってあります、今法廷闘争されていますけれども。しかし、義務化になってしまえば払わない方が悪くなってしまいますから、非常に危惧を抱く視聴者が増えるのはこれは当たり前でしょう。
 BBCは受信料の支払は義務になっています。はるかに支払わなければ厳しい罰則規定があるのはもう会長御存じのとおりだと思います。その体制を英国民が受け入れているのは、BBCを信頼しているからです。今のように、仮に私が説明したとおり、政府広報化の批判があるNHKでは絶対に築けない視聴者との信頼関係であるということを私は指摘をしておきます。
 義務化を考えるならば、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するため、総務省が所管する通信・放送行政のうち、放送免許の付与、更新や番組規制などを行う規制監督部門を独立機関に移すなど、国と放送を切り分ける、これ民主党が提案していました日本版FCCの設置や放送法の改正も絶対に必要であるということを指摘をしておきます。
 最後に、さきのフォークランド紛争時にサッチャー政権と公平公正を守るため対峙した、対決をしたわけですけれども、当時のイアン・トレサワン会長、イアン・トレサワンBBCの会長の言葉を引用いたします。籾井会長、そして報道の全責任を負う板野専務理事始めNHK関係者の方に是非伝えたい言葉なんですね。
 フォークランド紛争はイギリスとアルゼンチンの紛争でした。当時、アルゼンチンは軍事独裁政権でした。御存じのとおりです。イアン会長は、当時与党だった保守党議員の皆さんに対してこう言っているんです。イギリスのような民主主義とアルゼンチンのような独裁体制の違いの一つとして、違いの一つとして、我々国民が真実を聞くことを希望するならば、たとえどのような不愉快な、たとえどのような不愉快な真実であろうと知ることができることにある、こう答えています。
 これ、全くそのとおりだと思うんです。真実を伝えるという確固たる姿勢に裏打ちされた責任感と自信にあふれた言葉だと私は感じています。今、NHKが総力を挙げて歩まなければならない、歩もうとしなければならない道を示していると僕は思うんですよ。一日も早くそんなNHKになってもらうことを私は強く願ってやみません。
 本当に、国民の皆さん、深夜にもかかわらず見ていただいていると思いますけれども、日本放送協会と国民の皆さんとの間の信頼関係を高めるには、国民の皆さんの熱い思いが必要なんですね。これは論をまちません。一部の権力者の都合で道を誤ろうとしているならば、これ全力で勇気を持ってそれを止めなければなりません。これは全ての組織に言えることだと思います。
 そのことをお伝えをして、質問を終わります。
#93
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。NHK予算案の審議に立つのは久々でございます。
 国会は、行政はもとより、NHKの予算案や経営委員任命についての同意だけではなく、NHKが法令を遵守し、国民・視聴者の負託に応えているかについてチェックしていくことも重要な役割であります。NHK予算案は残念ながら今の会長になってから三年連続で全会一致にならない見込みである、このことは国民・視聴者の負託に応えられていないとの証左であるとの観点から、放送法という大きな枠組みから順次質疑を行いたいと思います。
 会長は、この平成二十八年度NHK予算案審議に当たり、「公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。」と当委員会で説明を行いました。まず、会長が考える放送法について所見を伺います。
#94
○参考人(籾井勝人君) 放送法、たくさん書いてあるわけですが、我々としましては、放送法第一条から第四条、これが極めて重要でありますし、そういう意味におきまして、何度も申し上げておりますが、我々の放送の基本姿勢、これは事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人からも規律されず、自主独立の放送をやると、これが非常に重要な、大きな柱でございます。今後ともこれを続けていくつもりでございます。
#95
○吉川沙織君 今会長は、放送法第一条から第四条までを引いて答弁をされました。ただ、公共放送NHKの目的規定は第十五条にあります。第一条は民放もNHKも含んでおりますが、よって立つNHKの目的規定は第十五条でありますので、お忘れなくよろしくお願いいたします。
 放送法の目的規定は今申し上げたとおり第一条でございますが、放送法は戦前の反省に立って制定されたものであり、この前提として憲法二十一条の表現の自由があることは言うまでもありません。放送法に関する総務大臣の発言について、二月八日以来大きな議論が生じています。
 放送法第四条第一項に規定されたいわゆる番組編集準則は、放送事業者が放送番組の編集を行うに当たり、「政治的に公平であること。」、「報道は事実をまげないですること。」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」等を求めています。
 大臣は、従来の国会答弁にも触れながら、解釈に何ら変更はない旨答弁されています。それでは、なぜ、今回同じような答弁をされているのに国会でも様々な議論が続き、学者や放送界、市民団体等から抗議の声が相次ぐなど大きな問題となってしまったのか。この放送法の解釈について、こうした混乱が生じている理由について大臣の御所見を伺います。
#96
○国務大臣(高市早苗君) 二月八日の衆議院予算委員会で最初に放送法の四条の関係について御質問がございました。民主党の奥野総一郎先生から、放送法第百七十四条の業務停止や電波法七十六条について、こうした四条の違反については使わないということで、今、もう一度明確に御発言いただきたいんですがという御質問をいただきましたので、どんなに放送事業者が極端なことをしても、また、公共の電波を使って、全く改善されない、繰り返されるという場合に、全くそれに対して何の対応もしないということをここでお約束するわけにはまいりませんとお答えしたのが最初でございました。
 私自身が電波を止めると申し上げたことは一度もございません。現行法の規定、現行法に規定されている条文について、全くこれが無効なものであるという答弁を法所管大臣がするわけにはまいりませんでしたし、また、奥野議員は、御承知のとおり、旧郵政省採用で放送行政に通じた方でいらっしゃいますので、これまでの放送法の解釈、そしてまた放送法百七十四条や電波法七十六条の運用については相当これは厳格な手続が必要であるということについてもよく御承知の上だと思って、衆議院の予算委員会は往復方式ですから、長い答弁をしたら大変理事の方から叱られてしまうこともあり、少し簡単に答弁をし過ぎたのかもしれません。フルセットで読み上げた方がよかったのかもしれませんが、これまでの解釈に変わりがないことを申し上げます。
#97
○吉川沙織君 これまでの解釈に変更はない、このことだけ御答弁いただけたら大変うれしく思いました。
 番組編集準則に違反する行為があった場合に、今大臣の御答弁にもございましたとおり、電波法第七十六条による免許の運用の停止が可能であるかとの点については、平成二十二年十一月二十六日の当委員会での総務副大臣、平成十九年十一月二十九日の総務大臣、電波法第七十六条に基づいて放送局の運用停止又は制限の可能性があると、同じような答弁あったんですが、今ほどいろんな議論は巻き起こりませんでした。
 今大臣から御答弁をいただきましたように、従来の解釈から変更はないとされているが、例えば、従来の答弁読んでみますと、総務副大臣は業務停止命令を行うことができると考えているけれども、極めて限定的な状況にのみ、かつ極めて慎重な配慮の下運用すべきものであるとして、逆説の接続助詞を用いて後半部分に答弁の重点を置いています。総務大臣の答弁は、電波の停止をしないとは約束できない、それがあり得ないということは断言できないという表現であって、従来と少し答弁のトーンが違う、これも一つの今議論となっている要因ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
#98
○国務大臣(高市早苗君) 翌二月九日の総務委員会では、また別の議員からの御質問がございました。運用につきましては、法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであることに加え、その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止のための措置が十分でなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといった、極めて限定的な状況のみに行うこととするなど、極めて慎重な配慮の下運用すべきであると従来から取り扱ってきている旨答弁をいたしております。
#99
○吉川沙織君 同じ趣旨だ、今までと変わらないということを改めて確認をいたしました。
 去年五月十二日の参議院の総務委員会において、大臣は、「放送法第四条第一項第二号の政治的に公平であることに関する政府のこれまでの解釈の補充的な説明として申し上げましたら、一つの番組のみでも、選挙期間中又はそれに近接する期間において殊更に特定の候補者や候補予定者のみを相当の時間にわたり取り上げる特別番組を放送した場合のように、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合といった極端な場合におきましては、一般論として政治的に公平であることを確保しているとは認められないと考えます。」と答弁なさっています。
 先月十二日に、総務省は政府統一見解を提示をされています。一つ一つの番組を見て、全体を判断することは当然のことであるとの見解をお示しになっています。平成二十二年十一月二十六日の総務副大臣の答弁を踏襲されていると大臣は今もおっしゃいました。この答弁を踏襲されつつも、実態は少し踏み込んだ形の見解になっているのではないか。
 この見解は、番組全体を見て判断するというこれまでの解釈を補充的に説明し、より明確にしたものと説明されています。昨年五月十二日の当委員会での総務大臣の答弁や先月十二日に示された政府統一見解は、一つの番組のみでも政治的公平性に反する可能性があることを示しているとも読めますが、今回示された見解は、過去の答弁、現在発行されている逐条解説の内容に比べ、踏み込んでいるようにも見えますが、大臣の見解を伺います。
#100
○国務大臣(高市早苗君) 放送法第四条第一項の政治的公平に関する解釈は、従来のもの、現在発売されている平成二十四年版逐条解説集と変わりはございません。
#101
○吉川沙織君 ありがとうございます。今までと変わらないということをまた確認をいたしました。
 改めてもう一度確認をさせていただければと思います。
 政府統一見解では、政治的公平性について、従来の番組全体を見て判断するとの解釈に加えて、一つの番組のみでも判断する場合があるとしています。でも、今大臣はそれはないとおっしゃいました。大臣も、業務停止命令の要件として公共の電波を使って繰り返されている場合と明確に述べていらっしゃいますので、一つの番組のみの判断で業務停止命令がなされることはないということでよろしいですよね。
#102
○国務大臣(高市早苗君) それは一〇〇%ございません。
#103
○吉川沙織君 放送倫理・番組向上機構、BPOの委員長が今月十六日、「制裁を受けるのではと考えて、(放送局が)萎縮することで、国民の正しい判断ができなくなる。今以上に萎縮が発生すれば、もっとひどいことになる」と発言したと三月十七日の読売新聞が報じています。
 ここで、会長に伺います。
 NHKに関しては、会長は、二年前の一月二十五日の会長の就任会見における発言で、政府が右と言っているのに我々が左と言うわけにはいかない等の発言をされました。これはつまり、政府と同一の立場にしか立っていないという意味で、逆の意味で政治的公平性が疑われる発言とも言えますが、公共放送たるNHKの自律性の確保、政府の介入の是非について、会長の御所見を伺います。
#104
○参考人(籾井勝人君) ただいま御質問いただきまして述べられました点につきましては、私は国会で全部取り消させていただいておりますので、改めてここで私の考えを申し述べることは差し控えたいというふうに思います。
#105
○吉川沙織君 取り消したということは、その発言が適切ではなかった、だから取り消した。でも、会長の就任会見発言は、あの一月二十五日、二年前の一月二十五日の後、この総務委員会でも大きな議論になりました。衆議院の総務委員会でも何度も議論になり、私も何度も質疑に立たせていただきました。
 取り消したとおっしゃるなら、そう解釈をします。ただ、今申し上げた質問に対して何ら答えていないんですけれども、そこに関してはいかがでしょうか。
#106
○参考人(籾井勝人君) ですから、私が就任時に申し上げたことは取り消しましたと、これは国会で明確に取り消しておりますので、その点については差し控えたいというふうに申し上げているわけでございます。
#107
○吉川沙織君 質問の最後をお聞きいただきたかったんですけれども、公共放送たるNHKの自律性の確保、政府の介入の是非についてどうお考えですか、会長御自身の見解で結構でございます。
#108
○参考人(籾井勝人君) もうこれは私何回も申し上げておりますし、私が個人的な意見を差し挟む余地もなく、放送法を遵守しということを申し上げているわけです。これは、委員が何回も参照されております放送法一条から四条、四条の一項から四項、放送法十五条、全部含めて私はそれを遵守して表現の自由を確保しながらやっていくということは何回も申し上げているとおりでございます。
#109
○吉川沙織君 意見が分かれるものを一方しか取り上げない、他方を取り上げる取り上げないというのが大きな問題にもなりました。二年前のこの総務委員会でも、会長がNHKの理事会で一つの番組の中でそれを判断すべきだとおっしゃったという点について、かなりの時間、質疑をさせていただきました。そして、今大臣からは、一つの番組だけで判断をすることはない、全体を見てという今までの政府統一見解はちょっと踏み込んだようにも見えなくはないですが、これまでの見解は変えていないという確認答弁もいただきました。この萎縮効果が生まれるかもしれないとBPOの委員長は三月十六日の講演でおっしゃっています。
 放送事業者たるNHKの会長としてこういった動きについてどうお考えかということをもう一度お願いします。
#110
○参考人(籾井勝人君) 何回もお答えしておりますけれども、もちろん委員の質問じゃないんですが、いろんな場面で申し上げておりますが、我々は放送を作っている事業者でございます。したがいまして、我々としては、常にバランスを取るべく、そういう姿勢で番組を作っていかざるを得ないんです。それでなければ、全体でバランスを取るといっても不可能なんですね。したがいまして、我々は、番組を作るときには常にバランスを取るということを大きな目標として番組を制作しております。
 もちろん、番組がバランスが取れていないというケースもあるかもしれません。しかし、これはあくまでも全体の中で調整をしていく。例えば五週連続のシリーズだとしますと、これでもって我々はシリーズの中でバランスを取っていくということで、我々が実際にできるバランスを取るということはそれ以外にないと私は思っております。
#111
○吉川沙織君 今会長がおっしゃったのは、それを一つの番組の中でバランスを取るということではないということでよろしいですか。
#112
○参考人(籾井勝人君) 我々は制作者でございますので、あしたの番組を想定しながら今の番組でバランスどうでもいいなんて考えられないんですよ。やはり今作っている番組の中でバランスを取ると。その結果、これの積み上げで年間通したらバランスが取れているという、こういう話だと思うんです。
 第五回シリーズとか十回シリーズのときには、もしかするとこの中で、ある週はこっち側の意見を、ある週はこっち側の意見をということもあるかもしれませんが、これはシリーズ全体の中でバランスを取るような番組制作を心掛けていくということでございますから、やっぱり最終的には全体としてNHKの放送はバランスが取れているという結果にならなきゃいけないんですが、その結果を得るためには一つ一つで我々はバランスを取る努力をしなきゃいかぬというふうに私は確信いたしております。
#113
○吉川沙織君 今までの歴代の総務大臣の答弁と、じゃ、違ってしまうことになりますが、この話をしても延々とこの繰り返しになってしまいますので、次に行きたいと思います。
 私、初めてNHKの予算案の審議の質疑に立たせていただきましたのは、今から八年前の平成二十年度予算案で、福地会長のときでございました。私、前職は会社員で営業をしておりました。視聴者との接点を大事にすべき、こういう観点で質問をさせていただきました。
 今、報道の現場、これはNHKに限らず民放においても萎縮はしていないかもしれない。ただ、いろんな動きがありました。例えば政権与党による放送局の事情聴取、それから様々な問題がありました。現場ではどうなっているか、私は放送現場の出身ではありませんので分かりません。ただ、実際は萎縮していないとしても、視聴者がもしそうでないと感じたならばテレビ報道は信頼を失い、例えばこれまで熱心に寄り添っていた視聴者が離れていってしまうのではないか、こういう疑問を持っています。
 そこで、NHKと視聴者の接点という観点から現在のNHKを見てみたいと思います。
 昨年十二月十五日のNHKの理事会で、「二〇一五年十一月全国個人視聴率調査の結果について」が報告されています。昨年十一月九日から十五日までの一週間でテレビ視聴時間等の調査を行ったものでありますが、民放は横ばいです。NHKは視聴率、視聴時間下がってしまっています。更に言えば、NHKを比較的よく見ているとされている五十代以上でNHKの視聴時間が短くなってしまっていますが、会長、いかが御感想お持ちでしょう。
#114
○参考人(籾井勝人君) NHKの場合は、いろんな番組で特徴がございます。我々は、やはり報道番組、これが一つ、それからドラマ、これが一つ。我々が極めて弱いのは娯楽番組でございます。
 そういう意味におきまして、我々としては、もう少しバランスの取れた放送をしなきゃいかぬと思いつつも、やはり我々に課されている課題は、やっぱり事実に基づいて正しい報道をしていくということが一番ではないかというふうに思っている次第でございます。
#115
○吉川沙織君 今会長は、報道、ドラマ、それから、娯楽番組が弱い、報道とドラマは強いとおっしゃいました。
 同じ今申し上げた調査結果によれば、「NHKニュース7」も、「ニュースウオッチ9」の夜間ニュースは視聴率が物すごく落ちてしまっています。若年層においては元々テレビ離れ、従来からずっと言われていましたので、若年層が低いのは前からの傾向です。今申し上げた調査結果、NHKを比較的よく見る五十代以上について、特に夜間のニュースである「NHKニュース7」において、昨年から五%以上、会長が就任された以降、男性七十歳以上、女性七十歳以上で物すごく数値が下がっていますが、御感想をお伺いします。
#116
○参考人(籾井勝人君) 申し訳ないんですけど、私の認識と大分違うと思います。
 「ニュース7」については、私、大体毎日視聴率見ていますが、一五%以上、「ニュース7」についてはあると思います。これは、一五%というのは報道番組の中ではかなり高い数字でございます。おっしゃるとおり、「ウオッチ9」は一〇%前後でございますから、私としては、この時間帯で一〇%というのはちょっと低いというふうに思っております。しかし、7はそうではないです。
#117
○吉川沙織君 今申し上げた、NHK自身が調査、文研が調査しているものを見ると、「NHKニュース7」、高いとおっしゃいましたが、全体で見たら、二〇一四年一一・四%、二〇一五年一〇・一%、下がっています。「ニュースウオッチ9」に関しても物すごい下がっています。
 ですから、会長、これはデータをちゃんと取って調べたものです。対象者も全国的に明確にしています。年齢層も幅広く取っています。その数値が下がっている。もう一度お伺いできますか。
#118
○参考人(籾井勝人君) ここで今、視聴率の話を議論するつもりはありませんけれども、私、毎日視聴率を見ているんですよ。それでも「ニュース7」はきっちりと一五%ございます。そういう意味において、我々が相当力を入れている「ニュース7」、この時間帯でございますから、これについては一〇%ということはないと思います。
#119
○吉川沙織君 今申し上げたのは、二〇一五年十一月全国個人視聴率調査、対象は一週間、全国七歳以上の男女三千六百人、有効数六六・九%、しっかりデータを取って出された客観的な数値です。会長が大好きな客観的な調査、この結果で「ニュース7」も「ニュース9」も落ちてしまっている。
 別の観点から、では伺いたいと思います。
 経営委員会では四半期ごとに四半期業務報告というものがなされています。NHK三か年の基本方針と、その達成状況を測る世論調査結果が掲載されています。
 昨年十月二十七日、第千二百四十七回経営委員会で報告された四半期業務報告によれば、これ、先ほど会長も答弁で十四指標についておっしゃっていました、この十四指標の中の「正確・迅速な情報提供」における期待度と実現度の差、この期待度と実現度は、期待が高ければ、この実現度が合っていれば、それは達成できているというふうに読めるものですが、この「正確・迅速な情報提供」における期待度と実現度の差が残念ながら大きくなってしまっています。平成二十七年一月調査まではこの期待度と実現度の差は一桁台でとどまっていたんですが、去年の一月調査では初めて二桁に乗ってしまって一〇・三%。最新の報告では、これが更に開いて一二・四%となってしまっています。
 この四半期業務報告は経営委員会でも報告をされています。経営委員会でも報告されて議論となっているのは議事録にしっかり残っていますが、先ほどの調査結果と併せて、経営委員長、御感想をお伺いします。
#120
○参考人(浜田健一郎君) 受信料を財源とする公共放送として、国民・視聴者の皆様からいただく御意見や御要望は大変貴重なものだと認識をしております。
 委員御指摘のように、放送法に基づき、視聴者の皆様から寄せられた声は執行部から経営委員会に四半期ごとに報告をされております。報告の中に経営関連の意見、要望への対応についての項目を新たに設けるよう経営委員会から求め、実現するなど、視聴者の声を真摯に聞く姿勢を大切にしております。
 また、経営委員会では、全国各地で視聴者のみなさまと語る会を開催し、いただきました御意見や御要望については執行部との情報の共有化を図るとともに、経営委員会の活動に反映させるよう努めております。
#121
○吉川沙織君 数値が良くなっているものももちろん、十四つの指標がありますので、あります。ただ、「正確・迅速な情報提供」で期待度と実現度の差がどんどん開いてしまっているというのはゆゆしき事態でありますので、経営委員長も、経営委員長として、経営委員会としてしっかり職務執行、監督していただければと思います。
 この差が大きくなっていたり、それから視聴率が残念ながら下がっていたりするのは、もしかしたら、先ほど来議論になっております、NHKで不祥事が残念ながら多く起こっているということも関係しているかもしれません。
 平成二十六年八月二十六日に、NHK関連団体ガバナンス調査委員会報告書が出されています。その内容もさることながら、費用についても国会で大きな議論となり続けました。
 この報告書、約五千六百万ということでございますが、私はこの数字について、弁護士でもなければ専門家でもありませんので、高いとか安いとかいうことは論評できません。ただ、国民の感覚からすると、五千六百万あれば一生掛けてローン組んで家を買ってもまだ余る、それぐらいの金額ですので、高いということには違いないと思います。こういった国民の感覚からすると、これに五千六百万円も掛けて、この調査報告書で調査報告の対象だったNHKアイテックの不正経理問題を見抜けなかったのはやはり問題ではないかと思います。新規に、この後に不祥事が発生したのであればいざ知らず、不正は六年前から行われていたわけで、そういったうみを全部出し切るのがこのNHK関連団体ガバナンス調査委員会に求められ、この調査報告書に期待された役割だった。そうであるならば、全く機能しなかったと言わざるを得ません。
 会長も経営委員長も監査委員も民間企業でトップ、トップに近い立場であられた方です。例えばそれぞれ所属されていた社の命運を懸けた調査が結果的に何も見付けられなかったというようにずさんだったとしたら、どう対応されたのでしょうか。NHKは視聴者・国民の受信料によって運営されて潰れることはないでしょう。株式会社だったらば大変なことだったと思います。会長、いかがでしょう。
#122
○参考人(籾井勝人君) 委員仰せのとおり、五千六百万円という数字はそんなちっちゃい数字ではないです。これは私も同じような認識をしております。
 ただ、あの時点におきましては、私も着任間もなかったんですが、やはりこれは原因究明と再発防止をしなきゃいかぬということで、名前のとおり、ガバナンス調査委員会、これはNHKのガバナンス体制が適当かどうかということを基本的に調べてもらったわけです。今委員は言及されませんでしたが、不正防止のために内部の監査委員会がもう一つ調査をやったわけです。これは実際の伝票を本当に繰って調べる調査でございますが、その二つを合わせてということなんですが、結果としてアイテックが分からなかったというのは、これはもう本当に誠に申し訳なく思っております。
 ただ、ガバナンス調査委員会というのはそういうことで、NHKのガバナンス体制が子会社に対して有効にできているのかどうかということを調べたわけです。それについてはそれなりにきっちりしたアドバイスがございまして、これを今実行している最中でございます。アイテックでそういうことが起こりましたので、まずアイテックで実行いたしますけれども、あと順次、関連企業、加えて、ひいてはNHKの中も更にもう一回精査していく、そういうきっかけになったということは間違いございません。
#123
○吉川沙織君 ガバナンスの調査のためにこれはある、それからこの提言を基にしっかりやっている、こういう御答弁でございました。
 ただ、これ見てみますと、株式会社N13、これNHKアイテックのことでございますが、このガバナンス調査委員会の報告書を五千六百万掛けて、アイテックの記述はたった十行。書いてあることは、内容は貸倒れと債権の回収方法の再検討を促すのみでございます。これで見付けられなかった、仕方ないというのは、私は一般国民の感覚からしたら到底容認できるものではありません。
 会長は、三月二十四日、当委員会で、不祥事に対処するためには、「やはり今や我々としては実行あるのみ」、こう身ぶり手ぶり付きで答弁をされましたが、平成十六年七月にNHKでは番組制作費不正支出、これが発覚しました。この際には、会長、副会長、理事、全員が減給処分の後、会長辞任にまで発展し、以来、衆議院、参議院の総務委員会でガバナンス強化が附帯決議や決議で指摘され続けてきました。もちろん、不祥事はそれぞれ内容は異なります。必要な対応策も異なると思いますが、これまで様々取り組んできたのが結果がなくて、新たなものをやったとしても変わらないんじゃないんでしょうか。ですから、これは仕組みの問題というよりも意識や体質の問題ではないでしょうか。
 平成十六年七月に不祥事が発覚した後の当参議院総務委員会の予算案審議で、附帯決議にはこうあります。平成十七年三月三十一日の附帯決議、「二、協会の全役職員は、公共放送に携わる者としての自覚を新たにするとともに、高い倫理感を確立すること。」。当時のNHK予算案審議を知る人に言わせれば、とにかく変わらなければいけない、答弁席はもちろん、ここにいらっしゃるNHKの関係者はみんなそういう意識を持って次の年から改善をされていったと聞いています。
 この後、高い倫理観は確立されたんでしょうか。会長が実行あるのみと言うだけで全役職員に高い倫理観は確立できるんでしょうか。会長の見解を伺います。
#124
○参考人(籾井勝人君) 我々としましては、今まで不正防止のためのルールや内部統制の仕組みということについては一生懸命整備してきたつもりですが、委員御指摘のとおり、これが実行されるかどうかというのは職員一人一人がしっかりと実行できているかどうかという問題だと思います。そういう意味におきましては、まだまだ意識が足りないと言われれば、私もそれについてそうではないと言うだけのものは持ち合わせておりません。
 したがいまして、私は、全ての職員が緊張感を持って業務に当たるということが大事でありまして、改めてNHKの関連団体の隅々にまでコンプライアンスの徹底を行っていくわけでございますけれども、NHK全体の職員が弛緩していいかげんにやっているということではありませんで、大半の職員は真面目に仕事をしているわけです。それが収入の増加にもつながっていますし、番組も、先ほど低いという、ちなみに個人視聴率と世帯視聴率の違いじゃないかと私は思っているんですけれども、それはさておきまして、そういうことで……(発言する者あり)そういうことで、私としては、もう本当に実行してやっていくのみだというふうに思っておりますし、できると思っております。
#125
○吉川沙織君 今会長は、大半の職員とおっしゃいました。ほとんどの職員は、会長が二年前に就任会見であんな発言をして、苦情の電話いっぱい掛かってきました。この委員会でも何回も議論になって、何万件という数字の電話、この対応に追われたということが大きな議論にもなりました。ほとんどの役職員は必死に頑張っています。
 例えば、今日はしっかりこれまでに比べたら答弁をされているように感じますが、衆議院の会議録読めば何だかびっくりするような答弁がたくさんあって、例えば現場で頑張っている職員が、不祥事あったけれどもどうなんだと視聴者から、国民から問われたときに、会長の答弁そのまま伝えられるでしょうか。私はそうは思いません。ですので、そこは受信料によって成り立っている公共放送NHKであるということを忘れないでいただきたいと思います。
 今までも指摘をしてきましたが、公共放送NHK、受信料で成り立ち、視聴者や国民によって支えられています。ただ、不祥事が続き、様々な問題が起きて混乱が続いています。役職員一人一人が高い意識と強い倫理観を持たなければならない状況だと考えますが、その先頭に立つのは、言うまでもなく、会長を始めとする役員です。
 現在、会長以下副会長や理事は、放送法第二十九条第一項第一号ハ(4)に基づき、その分掌された職務が効率的に執行されているかどうか、会長にお伺いいたします。
#126
○参考人(籾井勝人君) 役職員、役員、特に役員でございますが、皆自分の担務に向かってベストを尽くしているというふうに私は思っております。
#127
○吉川沙織君 ここで資料を御覧いただきたいんですけれども、現在の理事の人数を教えてください。(資料提示)
#128
○参考人(籾井勝人君) 全部で十二名でございます。ただ、今二人が欠員になっております。
#129
○吉川沙織君 全部で十二名という決まりはどこにあるんでしょうか。
#130
○参考人(籾井勝人君) 会長、副会長を入れております。
#131
○吉川沙織君 日本放送協会の定款第三十五条、「本協会に、役員として、経営委員会の委員のほか、会長一人、副会長一人及び理事七人以上十人以内を置く。」とありますので、全部足せば十二名ですが、今は副会長一人と、理事が空いています。専務理事が二月にお辞めになって、ここはぽっかり空いています。でも、今会長はその前の問いで、この体制でしっかりとした職務執行は行えている。このことはこれでよいのですね。
#132
○参考人(籾井勝人君) NHKの役員は、大体皆四月、会長、副会長を除きまして四月二十五日の任期、改選となっているんですが、二人だけは、六か年おられましたせいで二月の任期になっていたわけです。したがいまして、これは二か月間確かに空きますけれども、四月二十五日、全員そろえて新たに任命する予定にしております。
#133
○吉川沙織君 今、最初会長にお伺いしたとき、この専務理事は二月で退任をされました。悲痛な退任挨拶も経営委員会の会議録に残っています。でも、この二人、専務理事です。専務理事は理事とは違います。専務理事が欠けた状態でもしっかりと職務執行ができている、だとするならば、四月の二十五日までに補充人事を行う必要ないんじゃないでしょうかということも言えると思います。
 他方、理事の担務というところで見ますと、今までは専務理事が例えば経営企画統括や関連事業統括、別々の方が専務理事でやっていました。でも、今は一人の理事が例えば経営企画統括と関連事業統括を担当されています。関連事業といえば、今申し上げたNHKアイテックの不正問題、様々なコンプライアンスの問題があります。これらの職務分掌でしっかりとした職務執行が行えているのか、そう見ているのかどうかを監査委員と経営委員長に一言ずつ伺います。
#134
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 監査委員の立場といたしましては、役員の職務の執行を監査するということで、担務に関しましては、経営委員会と一緒になって基本的には執行部が適切に判断して行うべきものと、こういう理解をいたしております。
#135
○参考人(浜田健一郎君) 理事の担当業務の決定は基本的には会長の執行権の範囲内だと認識しておりますけれども、経営委員会といたしましては、執行部からの業務報告を受けるなど、役員の業務の執行の監督を行う中で担当業務の適切性についても注視をしてまいりたいと思っています。
#136
○吉川沙織君 会長は理事の担務を決める権限があると今経営委員長おっしゃいました。実際、それに基づいて偏った担務になって、二人専務理事が欠けてもしっかり職務執行は行えているという、こういう御答弁でございました。
 会長は、先月二十三日の第千二百五十五回の経営委員会において、「理事の責任も明確にするところからスタートしなければいけないと思っています。」、「会長の権限を分掌しているという、格好だけの話ではなく、本当に責任をとってもらうということ。これは会長として必ず実行したいと思っております。」とおっしゃっていますが、この真意を伺います。
#137
○参考人(籾井勝人君) お話は伺いましたが、人事の話でございますので、これ以上はちょっと控えさせていただきたいと思います。
#138
○吉川沙織君 であるならば、責任を取ってもらいたいと思いますということを発言すること自体が人事の件に触れているのではないかと、こう思います。
 現在審議をしている平成二十八年度NHK予算案は、私は初当選以来、会長になるまでは、もちろんどんなに意見が出たとしても、どんなに厳しい意見が出たとしても全党で全会一致で賛成をしてまいりました。でも、今回、残念ながら三年連続の全会一致の原則が崩れてしまうということが見込まれてしまっています。
 会長は、放送法第五十一条、NHK定款第三十六条に基づけば、協会を代表し、協会を総理する会長であります。そうあるならば、責任は重いと言えます。
 監査委員は評価・報酬部会の部会長でいらっしゃいますが、この件についてしっかり評価に反映すべきと思いますが、そうであるかどうかだけお答えいただければと思います。
#139
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 会長の業績評価は、放送法に定められた経営委員会の重要な業務であると認識いたしております。
 今委員からおっしゃいましたように、私は評価・報酬部会長としてこれまでも会長業績の適切な評価に努めてまいりましたが、今後、本年度は五月に行われる業績評価におきましても、いろいろな種々御指摘ありましたけれども、こういった点を踏まえまして適切に検討していきたいというふうに考えております。
#140
○吉川沙織君 最新のNHK自身の調査を先ほど引きましたが、NHKの視聴者・国民離れが一方では進んでいるとも言えなくはない、こういう客観的な数値が出ています。公共放送として今ほどNHKの在り方が問われているときはないんではないでしょうか。
 視聴者・国民に真に寄り添うNHKにこれから本当に変わっていただくことを切に願いまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#141
○寺田典城君 民進党・新緑風会の寺田典城でございます。
 当初はみんなの党から始まりまして、結いの党、それから維新の党、これは分裂しまして、これが最後だと思いますので、分裂ないように一生懸命頑張っていきたいなと、そう思っています。
 それで、籾井会長にお聞きしますけれども、先ほど二之湯議員が福井理事に話しました、歴代の、不祥事があり過ぎるんじゃないかと。そうしたら、歴代の会長として不祥事は変わりはないという返事が返ってきました。私はそれを異常な感覚で聞きました。会長はどのように思いますか、このことは。
#142
○参考人(籾井勝人君) 数字は数字としまして、私自身は過去にどれだけの不祥事があったとかということより、私の時代の不祥事、これについてどういうことなのかということが非常に大事だと思っておりますので、起こりましたことについて、もしかすると過去に遡ることもあるかもしれませんが、対応を考えていきたいと、いや、実行していきたいというふうに思っております。
#143
○寺田典城君 私、今の返事は正常な答えだと思います。
 福井さんがこのような答弁するというと、専務理事がですよ、いや、ちょっとピントが狂っているのかなと。不祥事というのは、それこそ一つあっても二つあっても変わりがないんですから、ひとつ、それを統括する専務理事、しっかりしてくださいよ。
 あと、次に女性の登用ということで、平成二十八年度の事業計画では、NHKでは女性の積極登用を進める、仕事と生活の調和を実現し、多様な働き方ができる組織に改革するとあります。具体的にはどのような策を講じるつもりですか、会長。
#144
○参考人(籾井勝人君) 残念ながら、今のNHKにおきます女性比率というのは低うございます。管理職比率にしましても、やっと六%台に乗ったということでございます。それから、採用人数も過去大体三〇%くらいで推移してきているんでございますけれども、私自身は個人的には人口比率で採用されてしかるべきではないかというふうに思っていますが、ただ、応募者の数とか比率とかそういうことで必ずしもそのようにはならないんですが、我々としては最大限女性比率を上げていきたいというふうに思っています。
 ただいま目標としましては、現在の管理職比率が五・二%でございますが、三十二年には二倍以上にするという目標を具体的に掲げております。その他、在宅勤務、それから人事制度におきましても、女性が働きやすいように最大限の努力をしているところでございます。
#145
○寺田典城君 いや、これが、要するにNHKさんのみんな理事さんたちは全部男性なんですが。
 それで、今お話聞きました、採用が三〇%で管理職が五・二%だという話なんですが、具体的にどうやって女性を登用していくか、それが話聞こえてきていないんですよ。女性の能力を活用しなければ今の社会やっていかれないということは会長は理解していると思うんですが、具体的にどうします、それを、女性を能力活用するために。
#146
○参考人(籾井勝人君) 現在、NHKにおきます管理職資格者、しかしながら、いわゆる管理職としてのラインの長であるとか管理職ポストに就いていない人が約百四十名おります。したがいまして、これを順次管理職ポストに就けていくことによって管理職比率は上がっていくというふうに思っていますし、そういうふうに指示も出しております。
#147
○寺田典城君 それでは女性はこれからの理事だとか局長にはならない、なかなか登用できないですよ。率直に言って、主流、難しい部門というか、人事だとか財務だとかコンプライアンスする法務だとか、こういうポストに女性を登用しなければ、登用することによって十年、十五年後にはこういう、何というんですか、理事とかそういうふうな形になっていけるんですよ。
 私、過去の経験で少し話させていただきますけれども、私、二〇〇四年ですから平成十六年ですよ、今から十数年前なんですが、女性を人事課長にいたしました。そうしたら、やはり二年ぐらいしたら山が動いてきました。男性も言うことを聞くようになったし、残業時間も減ったし、二代続けて人事課長を女性にしました。そうすることによって、その方々はもう県庁で部長職になっています。九人だかいる部長の中の二人です。
 ですから、その場合は、やはり人事課長なら人事課長、もちろん庁内でできる人ということで中から選ばれて、やっぱり一、二年前に課長職にして課長の主要ポストに就けていくと。それと、サポートする人方をきっちり周りに付けなきゃ駄目なんですよ。そうやって育てていかない限りは、恐らく延々と理事というか経営陣になれないと思いますよ。その辺は、会長、来年はNHKは人事課長は女性にしますと言ってください。
#148
○参考人(籾井勝人君) 実は昨年、人事局長は女性にしました。課長じゃないんですよ、局長です。同じクラスの女性をもう一人上げております。今年はもう少し増えます。放送局長も、もう既に七名に昨年現在でなっております。
 ですから、外に見えない部分で相当女性登用は進んでいるというふうに御理解いただけると、私もいつも怒られてばっかりなんで、今日ぐらいは褒められてしかるべきじゃないかという気がしますけど。よろしくお願いします。
#149
○寺田典城君 そうすると、財務とか法務、コンプライアンス、コンプライアンスなんかばちっとやったら今までみたいな不祥事ないでしょう、どうなんですか、それは。
#150
○参考人(籾井勝人君) どうもいろいろアドバイスをありがとうございます。そういう意見を参考にさせていただきながら人事を進めていきたいと思います。
#151
○寺田典城君 それでは、あと、次に移ります。
 江崎議員も吉川議員も頭抱えながらNHKの、何というんですか、放送の在り方について聞いておりました。NHKは受信料で成り立っていますね。それに対するあるべき姿と責任というのはどのように考えていらっしゃいますか。
#152
○参考人(籾井勝人君) 私自身、こういう受信料というお金の取扱いについての私の理解は、やはり自分たちのお金ではないということですね。これを預かっている、したがってこのお金は公共放送のために使わねばならないと、こういうふうに思っております。受信料に関していえば、そういうことではないかと思います。
#153
○寺田典城君 いや、残念ながら、自分たちの金ではないなんという一言で、それで終わっちゃうんですけど、主人公は誰ですか、NHKにとっては。
#154
○参考人(籾井勝人君) もとより、お金を払っていただいているのは国民の皆様でございます。しかしながら、その執行を任されているのは我々でございますから、我々はその期待と信頼を裏切らないような放送をやっていくということが我々の仕事ではないかというふうに思います。
#155
○寺田典城君 受信料という言葉は出てこないですね。主人公は誰かというと、それは確かに国民であるということも事実です。
 ところが、NHKの報道というのは、それこそ、この間、ある女性の方々の集まりの中で私聞かれたのは、安保法案って何か憲法学者の九割近くが違憲だと言っていますねと、こう言うんですよ。だけど、NHKは、デモの状況だとかそういう違憲だとかという報道をほとんどしていないねと、こう言うんです。先ほどのこういう感じのあれですよ。それで、そうしたら、ある人がこんなことを言っていました。ああ、あれはね、安倍御用達放送だからねって、こう言う女性がいた。これになったら情けないと思いますが、どう思います。
#156
○参考人(籾井勝人君) 何回も言っておりますけれども、我々は本当に放送法にのっとって公平公正に放送しているつもりでございます。それはもういろいろ見方によっては、その人の立場とか考え方によって批評も評価も違うでございましょう、違うと思いますが、我々としましては真面目に国民の皆様に事実を客観的に伝えているつもりでございます。
#157
○寺田典城君 事実を述べていますと言うけれども、国民はそう見ていなければどうなります。それが理解できないという、NHKの在り方。だから、視聴率も下がっているんです。
 会長は、公平性もあると言う。だけれども、そんたくして政府の言うことを放送しているというような形で見られているんです。だから、国民が政治の問題を例えば考えていくには、必要な情報をきっちりと提供するのが放送の在り方で、NHKの責務なんです、それが。その辺、どうなんですか。
#158
○参考人(籾井勝人君) もう委員おっしゃるとおりでございます。
#159
○寺田典城君 だったら、何というんですか、安倍御用達放送なんて言われなくなると思いますよ。どうなんですか、それは。
#160
○参考人(籾井勝人君) 少なくとも我々はそういう気持ちではやっておりませんし、まあそうおっしゃる方もおられるでしょうし、そうでない方もおられると思います。我々は、そういうふうな政権にそんたくして放送をやっているという意識は全くございません。
#161
○寺田典城君 いや、だから、今回は、私も予算委員会だとか、安倍総理にも直接話しました。安倍総理、あなたのやっていることは立憲主義国家を破壊してしまったって、立憲主義に対するテロ行為だって、それも言いました。
 そういうふうなことが国民からもたくさん出ているのに、それをしっかり取り上げないで、それで公共放送の役割って務まりますか。それを率直に答えてください。
#162
○参考人(籾井勝人君) 委員が総理とどういう話をされたかは別としまして、我々としては常に放送法にのっとって放送をしているつもりでございます。本当に、人から指を指されるような、そういうふうな放送姿勢は全くございません。
#163
○寺田典城君 指を指されるようななんというのは、何というか、不倫関係みたいな話をしたって、あれなんですよ、そこがやっぱり会長はちょっとおかしいでしょう、ピントが。放送法、放送法と話して、公平だって、公正だって。
 それから、もう一つ聞きますけれども、安倍総理が記者会見を開くというと、最初から最後まで放送しておりますね。政権のプロパガンダみたいな形というか、特にそういう宣伝に使っているんじゃないかという、そういうことも言う人もいます。
 だから、番組の編集権はNHKにあるんですが、それはどうなんですか、その辺はどういう決まりがあるんですか、教えてください。
#164
○参考人(籾井勝人君) 我々は、特別誰の、あるいはどこのプロパガンダをやっているということは全くございません。
 我々は、常に放送法にのっとって、また文句を言われるかもしれませんが、我々としてはそれしかないんです。放送法にのっとって、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人からも規律されず、これに尽きるということでございます。(発言する者あり)
#165
○寺田典城君 ちょっと……(発言する者あり)
#166
○委員長(山本博司君) 籾井会長、籾井会長、発言には注意をしていただきたいと思います。
 籾井会長、今の発言に関して。
#167
○参考人(籾井勝人君) はい。御指摘の点は十分頭に置きながら答弁いたします。(発言する者あり)
#168
○委員長(山本博司君) 今の発言に関して訂正をしてください。
#169
○参考人(籾井勝人君) 先ほど、ちょっと気付かずに、文句という言葉を使いました。これは不適切でありますので、取り下げさせていただきます。
#170
○寺田典城君 いや、だから国民は不幸だと思います。あなたみたいなそれこそ答弁をする会長が存在しているということですよ。(発言する者あり)そうなんですよ。だから、情けないというと、情けないんです。
 あと、時間になってきましたから、もう五分ありますけれども、次に移らなきゃならないので。
 この間、放送センターの建て替えに関して、今の放送センターというのは震度七の地震でも大丈夫だということで、井上理事から答弁がありました。そうであれば、放送センターの建て替え自体は不要でないのかと。NHKの見解をお聞きしたいと思います。
#171
○参考人(井上樹彦君) 現在の放送センターは建物の耐震診断と補強を行いまして、今御指摘ありましたように、阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災級の地震でも、センター内で働く職員や出演者の安全確保に加えまして、放送局の機能の確保に必要な耐震安全性を確保しております。
 しかし、最も古い、これ東館と呼んでおりますけれども、ここが運用を開始しましてから既に半世紀、五十年が経過するなど、施設の老朽化、狭隘化、狭くなっているということですね、あるいは機能の陳腐化が進んでおります。
 老朽化につきましては、進行を食い止めるための外壁の塗装、屋根の防水の更新などの補修対応を続けておりますけれども、年月によります劣化を完全に防ぐことはできておりません。また、この狭隘化、スペースが狭いということは、これから将来、インターネットの活用業務あるいは8Kスーパーハイビジョンなど、新たなサービスのための設備、機能の整備がなかなかできにくいというふうなことで、これからこれらのスペースも確保が困難になっております。
 こうしたことから、将来にわたって、大規模な災害のときに放送サービスを継続し、また、新しいサービスにしっかり対応して公共放送の使命を果たすためには、放送センターの立て替えが必要と判断しまして、昨年の六月に経営委員会で議決されたということでございます。
#172
○寺田典城君 いや、四、五千億も現金、預金があって、ゆとりもあるし、それに今度、やっぱり少し辛抱してやっていくというか、将来大規模な災害への対応と、それだったら公共的な危機対応施設を追加すればいいんですよ。四十何年以降、五十年近くなったと。
 私の経験則からちょっとしゃべらせていただきますが、あの喉自慢なんかやるあの、横手の市長の時代なんです、市民会館、文化会館ありますけれども、これは昭和四十三年に建築されたんですが、平成五年に全部これリニューアルしました。全国で初めてリニューアルの地方債というのも発行させていただいたんです。それ、制度を認めてもらったんですけど、今までは新築新築と来たんですけれども。
 それで、躯体が大丈夫だったら、あとは直下型対応の危機管理施設とか何かを付け足して、そして受信料を還元する、視聴者にですね、そういう考えも、すぐ新しいものに建て替えるなんというよりもそっちの方が大事じゃないですか、知恵を絞ることが。
#173
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありましたようなことも踏まえまして、この夏に基本計画の策定に向けて今検討を続けております。
 最もNHKにとって重要な使命は、五年前の大震災のときのような防災、減災の報道だと考えております。また、そういったことを最優先に、計画も立てながら、今後も使える施設についてはできるだけ長くもたせていくというふうなことも含めて、計画の検討を進めていきたいというふうに考えております。
#174
○寺田典城君 国民のお金で運営されているわけですから、それこそ直下型地震とかいろいろ言われていますけど、危機対応型の施設を早めに対応、造って放送センターはリニューアルすると、そのような形で、やはりNHKさんというのは、もう時間ですので、何か不祥事起きるのも何起きるのも金があり過ぎるからだと思うんです。ハングリーもいい意味でのハングリーというのが、けち精神ね。だから、そういう点ではやはり体質を変えていかなきゃならぬと思いますよ、何か言えば文句付けると言う会長もおりますしね。謙虚にやってみてください。
 以上です。終わります。
#175
○委員長(山本博司君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十八分開会
#176
○委員長(山本博司君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 この際、籾井日本放送協会会長から発言を求められておりますので、これを許します。籾井日本放送協会会長。
#177
○参考人(籾井勝人君) 午前中の私の答弁の中で不適切な発言がございました。大変申し訳ありませんでした。撤回しておわび申し上げます。
 寺田委員始め委員の皆様方に深くおわび申し上げます。国会審議に多大な影響を与え、誠に申し訳ありませんでした。
    ─────────────
#178
○委員長(山本博司君) 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#179
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 まず初めに申し上げたいと思います。
 ただいま籾井会長からも訂正とおわびの発言があったばかりでございますけれども、昨年十二月のNHKアイテックの社員による不正取得、あるいはまた本年一月のNHKアナウンサーの危険ドラッグ所持による逮捕、さいたま放送局の記者三名によるタクシーチケットの私的使用と、一連のNHK及びNHKグループの不祥事が続いている中でのこのようなNHK予算の審議だということをしっかりと肝に銘じていただいて、もちろんこれらに関しましては、企業風土の一新、あるいはまた監督機能の強化等がまとめられているわけでありますが、単にその制度を改めるということだけではなく、常に強い意識を持って実効性を確保するように求めておきたいと思います。
 それでは、質問に入ります。
 本年は東日本大震災から五年であったことを踏まえて、震災時に有効に活用されたラジオ放送を中心にお聞きをしたいというふうに思います。
 私にも若いときがあって、受験生のときには深夜放送を聞いたものでありますが、今の若い世代の人たちは、ラジオというよりは、インターネットあるいはスマホの普及によってラジオ離れが進んでいる状況にあります。ラジオを聞く世代というのは、首都圏の調査によりますと、首都圏を中心とした調査では、ラジオを聞く世代というのは五十代、六十代ということで、高齢者に支えられたラジオ放送という現況になっているということであります。
 ラジオ接触率、これはラジオを常に聞くということをこういうふうにいうんでありますが、ラジオ接触率は、一九八五年には三八・九%でしたが、二〇一〇年には二六・一%と漸減傾向にあります。これを他国と比較をいたしますと、二〇一三年のデータでありますが、オーストラリアではこのラジオ接触率というのは九五・六%、スウェーデン九四・一%、オランダが九一%と、非常に高い割合が出ております。また、アジアの国々ではどうかといいますと、フィリピンが九八%、シンガポールが九二%、タイ七八%と、やはりアジアにおいても日本の二〇%台とは比較にならないほどラジオを聞いているという現状にあります。
 NHKにおきましては、このラジオの特性を踏まえて、今後、ラジオをどのようなメディアとして位置付け、そしてまたどのような情報を提供していくのか、またラジオの聴取率向上に向けてどのような取組を行っていくのか、お聞きをします。
#180
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 東日本大震災でラジオの役割が見直されて、ラジオの機能強化を進めてまいったところでございます。今後も、命と暮らしを守るメディアとして、防災や減災につながるニュースや番組を出していきたいというふうに考えております。
 ラジオ第一では、二十七年度から「週間どこでも安心ラジオ」を土曜日、日曜日の夜に放送して、災害関連のほか交通事故や生活に潜むリスクなども取り上げ、対策も提言しているところでございます。また、平成二十八年度からは、月曜日から金曜日の夕方五時台を地域応援ゾーンと位置付けまして、各地方局が地域に密着した安心、安全に役立つ情報を提供する時間帯としております。
 このほかにも、トーク番組や音楽番組、若者向け番組から高齢者向けの「ラジオ深夜便」までバランスよく配置をして、多くの人からふだんからラジオに触れていただいて、NHKラジオの聴取率を高めていきたいというふうに考えているところでございます。
#181
○横山信一君 ラジオの接触率が下がっているとはいっても、震災のときには多くの人がラジオを聞きました。ラジオ放送は被災者に多くの貴重な情報を提供したのも事実であります。また、復旧復興に向けて勇気を発信してくれたと、そういう声も聞いております。これは、避難所生活が長引いた中で、毎日同じアナウンサーの声が放送されると、その同じ声を聞くことで被災者の皆さんが安心感を与えられたという、そういったお話も聞いているところです。
 災害発生時のメディア利用調査では、地震発生後最初に利用したメディアは何ですかという問いに対してラジオを挙げた人が五一%ということで、やはり災害が発生したときのラジオの有効性というのは極めて大きいと。また、災害時のラジオの有用性も見直されているというふうに思っております。
 そこで、今後、南海トラフあるいは首都直下というのは必ず起きると言われているわけでありますので、そうした大規模災害に備えてラジオ放送をどのように考えているのか、また災害対応のラジオ放送にどのように取り組もうとしているのか、お伺いします。
#182
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 大規模災害が発生した際には、停電のためテレビを見ることはできない、また、スマートフォンや携帯電話は通信がふくそうして機能しない可能性がございます。このため、ラジオは重要な情報源となり得るわけです。このため、災害発生時においてラジオは、人々の生命、財産を守ることを最優先に、正確、迅速できめ細かい情報の発信に努めているところでございます。
 例えば、先ほど御指摘ございましたように、南海トラフ巨大地震では三十メーターを超える津波も想定されております。地震発生直後には、ラジオ第一、第二、FMの三波全てで避難を強く呼びかける、場合によっては全国放送にローカル放送を上乗せしましてきめ細かい情報を伝えることにしております。時間の経過に合わせまして、第一やFMのローカル時間では帰宅困難者向けの情報やライフラインの情報も伝えていくほか、第二では外国人向けの放送も行ってまいります。
 また、首都直下型地震では、放送センターの機能が万が一失われた場合に備えまして、首都圏の住民がラジオでNHKの災害放送を受信できますよう、大阪発のBSテレビの音声を埼玉県にあるラジオ放送所で受けて放送することにしております。また、非常用のラジオ放送機能を備えましたさいたま局報道別館での体制が整い次第、首都圏ローカル向けの放送を開始するという段取りになっております。
 大規模災害に備えましてラジオでも定期的に訓練を実施しておりまして、津波のテレビ中継映像を見ながら様子を描写するなど、聴取者に情報が分かりやすく伝わるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#183
○横山信一君 私も、東日本大震災があったときのことを今思い出していたんでありますけれども、ちょうど私、飛行機で羽田から飛び立つ直前に地震が発生いたしまして、しばらく機内に待機した後、空港ロビーに戻ったんですが、そのときにNHKに報道されていたのが津波が来るところの映像だったんですね。機内に閉じ込められていたときには一体何が起きているのかよく分からなかったんでありますが、かなり大きな地震でしたから、大変な被害が起きているということは想像に難くないわけでありますけれども、実際に大きな津波が押し寄せてくるところの映像が流されていたのを見て、これは大変なことになったと。そういう意味では、非常に情報が素早く届くという意味では、今はテレビの話ですけれども、そういう意味では、メディアというのは非常に重要だというふうに思っております。
 今の御答弁の中にもありましたが、様々な形で放送を発信する場所が被害を受けてしまう場合もあります。そしてまた、聴取する側が元々難視聴地域という場合もありますし、また、そこが被災地域に、住んでいる場所が被災地域になる場合もあります。様々な状況が想定をされるわけでありまして、そういう意味では、災害時にラジオを聞ける体制を取っておくということが非常に大事であります。
 今も、東京が首都直下のときに被災したときにということで、大阪発のBSを使ってラジオ放送をするという、そういう御紹介もあったわけでありますけれども、平時に聞いてもらえないのではラジオ放送を災害時にも維持はできないわけでありまして、そういう意味では、今、FM補完放送というのが行われておりまして、これ私、非常に興味深いものだというふうにも思っておりますが、このFM補完放送というのは、AM放送局がFM波による同時放送を行うものでありますけれども、これは難聴対策あるいは災害対策として有効というふうに言われております。受信端末の普及というのがこれからという状況にあるというふうにも聞いておりますけれども、コンテンツの充実などによってラジオの活性化が期待をされております。
 このラジオ放送の魅力や役割を周知、広報することが有効でありますが、このFM補完放送についてどのように考えているのか、お伺いします。
#184
○参考人(浜田泰人君) お答えいたします。
 放送ネットワークの強靱化の制度整備によりまして、平成二十六年度から、これまで離島における外国電波混信対策に限られておりましたAMラジオ局を補完するFM波による中継局の設置が、これ以外についても可能となりました。
 NHKでは、この制度を活用したFM波による中継局を、山間部などの難聴対策として十一局、また、南海トラフ地震などによる津波被害が想定されている中継局への対策として一局設置してきております。
 引き続き、地域の要望を踏まえまして、こうした対策を積極的に進めてまいりたいと考えております。
 一方、民放ラジオ社は、東京、大阪、名古屋などで都市難聴対策や災害対策としてラジオ親局を補完する大規模なFM波による中継局を設置してきております。
 NHKに対しては、現在、このような大規模なFM波による中継局を設置するための周波数が割り当てられていないという状況ですけれども、災害時における公共放送の使命達成と視聴者の利便性を考慮すれば、民放ラジオ社と同じように、今後はFM波による中継局の設置が可能となるよう周波数の割当てを要望していきたいと考えてございます。
#185
○横山信一君 イギリスのBBC放送のことについて触れたいんですが、このBBC放送は他国に先駆けてラジオのデジタル化というのを行っているということでありまして、それによってラジオ放送が多チャンネル化されておりまして、チャンネルによって世代別に放送内容を変えているということであります。NHKのラジオ放送ですと、時間帯によって想定している世代層をターゲットにして流しているわけでありますが、BBCの場合は、もう最初からそういう世代層専門のチャンネルがあるということであります。
 世代別リスナーの獲得に成功しているということでありまして、先ほど冒頭申し上げましたように、NHKラジオが五十代、六十代によって支えられているということから見ると大変に羨ましい状況にもなっているというふうにも思えるんですが、そこで、先ほどもちょっと触れてもらいましたけれども、若者世代に聞いてもらえるようにするにはどうしたらいいのかということを改めてお伺いしたいと思います。
#186
○参考人(板野裕爾君) 先ほど委員が御指摘ございましたように、災害のときにラジオを聞いていただくためには、ふだんからやはり聞いていただく必要がございます。そういう意味でも、若い世代の方々にラジオを聞いてもらうことは、私どもにとりまして大きな課題というふうに認識をしております。
 若い世代向けの番組としましては、現在、土日の夜にラジオ第一で放送しておりますが、新年度からは、同じくラジオ第一の夜、またFMでも新番組として若者向けの放送を予定しております。
 それから、先ほどBBCの例を引かれましたデジタルの利用のことでございますけれども、若い世代の間ではラジオを見たことも聞いたこともないという方もいらっしゃいます。パソコンやスマートフォンを通じてラジオを聞くことができるインターネットラジオ、今私ども「らじる・らじる」という名称で運用しておりますけれども、これの活用も考えてまいりたいというふうに思っております。こちらは、パソコンやスマートフォンを通じてラジオを持たない若い世代に聞いてもらうことを目的とした番組も多様なものをそろえております。また、番組と連動してツイッターやブログを活用して、双方向性を生かした番組作りも進めております。
 こうしたことを進めながら、若い世代も含めて、ラジオの聴取率の向上を図ってまいりたいというふうに考えております。
#187
○横山信一君 若者に聞いてもらうにはやはりインターネットというのが大事だということでありまして、やはりふだんから聞いてもらうということが大事であります。
 私も、国会議員になる前でありますけれども、車で通勤しておりましたので、結構長時間、一時間弱ぐらい車を運転して職場に向かっていましたのでラジオをずうっと掛けっ放しでいたんでありますが、大変に面白い番組も結構あって、一度ドラマ番組を聞き始めるともう聞かないといられなくなるみたいな、そういう面白い番組もあったりもするので、是非多くの人に触れてもらいたいなというふうにも思うわけでありますが。
 今も出ましたけれども、このインターネットと公共放送、これ非常に将来伸びる分野だというふうにも思っております。午前中にもこの質疑が出ておりましたけれども、電車に乗っておりますと、スマホでやはり通勤時にテレビを見ている方というのは大変に、大変にというか意外に多くて、そういうインターネット放送のニーズというのはこれからますます高まっていくんだろうというふうにも思うわけであります。
 昨年十月に、在京の民放事業者五社が共同でTVerというのを始めたというふうに聞いております。NHKにおきましても、放送法の改正を受けまして、昨年十月から今年一月までインターネットの検証実験を行っております。この検証実験の結果をどのように分析しているのか、また、今後インターネットをどのように活用しようとしていくのか、お伺いします。
#188
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 午前中の審議の中でもお伝えいたしましたけれども、試験的提供A、それから試験的提供Bという二種類の同時配信の実験を行いました。Aの方は、スポーツ中継を広く見てもらうということで、NHK杯フィギュア、それから天皇杯サッカー、それからラグビーの日本選手権と、三つのスポーツの中継を実施いたしました。それから、試験的提供Bの方は、一日最大十六時間で四週間続けて行いました。これは対象を受信契約世帯の一万人に限定して行い、日常のネットの利用、活用などを調べたものであります。この試験的提供Bの方は、やはり平日の朝、それから昼休み、昼ですね、それから夕方から夜にかけて、つまり移動中とか外出先でよくスマートフォンなどを通して見られております。やはり、テレビがない場所で番組をモバイルで見たいという利用のニーズがあることがよく分かりました。
 一方で、これも午前中お話ししましたけれども、契約の関係でネット配信の権利がない番組を配信できなかったということで、これが、対象時間の約二割でこういうことが起こりました。これについては、まず著作権の問題がやはり非常に大きな課題になると。それから、こうした配信を行う際の配信システム、ネットシステムに負荷がどれぐらい掛かるのか、コストがどれぐらい掛かるのか、そういった課題をこれからも検証実験を続けながら検討していく必要があろうと思っております。
 こうしたNHKのインターネットの活用業務は、今後も放送を補完してその活用と効用を高めて、国民共有の財産でありますNHKの放送番組等を広く国民に還元する、放送法第十五条に掲げられましたNHKの目的を達成するため、着実に実施してまいります。
#189
○横山信一君 このインターネットとの関係をやはり考えますと、どうしても受信料の問題に行き着いてしまうんですね。受信料の公平負担の観点から、NHKのインターネット活用業務というのは国民の理解を得ながら進めていかなければいけないというふうにも思うわけでありますけれども、今後の受信料制度の在り方についてどのように考えるのか。これは籾井会長とそれから総務省と、両方にお聞きをいたします。
#190
○参考人(籾井勝人君) インターネットに関わります受信料の在り方については我々今でもいろいろ検討しているんですが、スマートフォンやパソコンで番組を視聴する、インターネットでのテレビ放送の同時配信、受信料制度と、これは非常に重要な課題でございますので、今後も重要なアイテムとして認識いたしております。現在、三か年計画に基づき、放送と通信の連携などメディア環境や放送サービス展開を踏まえて、受信料制度の在り方を研究していきたいと思います。
 いずれにしましても、この料金につきましては視聴者の理解が大事でありますので、様々な検証を重ねるとともに、有識者の専門的な意見なども踏まえて、丁寧に研究してまいりたいというふうに思っております。
#191
○政府参考人(今林顯一君) お答え申し上げます。
 先ほど先生からお話がありましたように、若い世代では特にスマートデバイスの活用が進んでおりまして、逆にテレビ受信機の普及割合というのが減少してきております。
 こういうことを考えましても、今後、情報通信環境が変化する中で、NHKが先導的な役割を果たしてそういったインターネットの活用というところを切り開いていくということは期待されるところだと存じます。
 他方で、先生もお触れになりましたように、受信料を財源としておりますので、そのインターネット活用業務の実施に当たりましては、昨年二月、大臣が実施基準の認可をするに当たりまして条件を付させていただきました。一つ目は、先導的役割を踏まえて、視聴者の放送番組の視聴に有効なものとなるよう取り組むこと、二点目は、放送サービス向上の観点から、民間放送事業者などの関連事業者との成果の共有、積極的な連携に努めること、三点目は、市場競争への影響や受信料の公平負担との関係、それから透明性の確保を十分考慮して行うことと、こういうことで条件を付したところでございます。
 今NHKの方から御答弁ございましたように、今回の検証実験で……
#192
○委員長(山本博司君) 時間が来ておりますので、簡潔に。
#193
○政府参考人(今林顯一君) はい、承知しました。
 いろんな検証をやっていただいておりますが、総務省においても検討会を開催しておりますので、その中でその活用業務の実施状況について御報告も頂戴しながら、今後の公共放送における受信料制度の在り方と併せて考えてまいりたいと存じます。
#194
○横山信一君 時間が来ましたので、終わります。
#195
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 まず、NHKの予算案について伺います。
 現在、NHKにおいて職員の給与制度の改革を行っていると聞いておりますが、その内容、そしてそれを行う理由をお答えください。
#196
○参考人(福井敬君) 給与制度改革につきましては、平成二十五年度以降全職員を対象としまして、年功序列的な要素を抑えまして、努力や成果による、幅広く的確に反映させるように見直すものであります。改革を進めることで賃金カーブを抑制しまして、基本賃金の一〇%を目安におおむね五年間で引き下げる方針であります。
 また、給与制度改革を進めるとともに、職員の評価をより適正に行うため、人事考課の充実にも取り組んでおります。納得性が高く、努力した者が報われる評価を行いまして、その結果を職員一人一人の育成や成長の実現につなげ、モチベーションの維持向上に努めております。
#197
○吉良よし子君 納得のいくもの、またモチベーションのというようなお話もありましたが、一方で基本賃金おおむね五年で一〇%削減というお話もありました。
 NHKは放送法十五条によって、公共の福祉のため豊かでかつ良い放送番組を作ることと併せ、放送事業の進歩発達に必要な業務を行うこととされております。それらを支えるのはNHKグループで働く職員の皆さんだと思うわけです。その職員の賃金の水準というのはどのようにあるべきと考えていらっしゃるのか、現時点での賃金水準がどうなっているのかという点と併せて、会長、お答えください。
#198
○参考人(籾井勝人君) 給与水準につきましては、受信料で運営される公共放送であることは当然我々としても考えなければならないと思っております。一定レベルの水準のまた確保も必要だというふうに考えております。
 現状では、平均年間給与では、在京民放と比較しますと、まあ一概にはなかなか言いづらいんですが、大体二割から三割程度低い水準となっております。同業他社であるとか社会水準を注視しながら、我々としては給与水準を適正なものにしていきたいというふうに考えております。
#199
○吉良よし子君 同業他社とも比べながら、バランス取りながらというお話もありましたけれども、やはりNHKの番組制作、質の向上には、それを支える職員、社員に対する適正な水準というのは保障されてしかるべきだと思うわけです。公共放送として豊かでかつ良い放送番組作っていくために職員の賃金について適正な水準確保すること、強く求めまして、次に移りたいと思います。
 放送法についてです。この間、放送法をめぐって様々な議論がなされていますが、ここで改めて私はその成り立ちについて確認をしたいと思います。
 戦前、放送は、無線電信法により規律されていました。それが新たに、戦後、放送法を制定するに至ったと。その理由は、また歴史的背景、どのようなものがあったのか。放送法の逐条解説改訂版の二ページ、十一行目から二十四行目までのところ、御紹介ください。
#200
○政府参考人(今林顯一君) 御指摘の部分を読ませていただきます。
 このような無線電信法改正の動きの中で、放送分野については、一、昭和二十年に民衆的放送機関設立ニ関スル件についての閣議決定がなされ、社団法人日本放送協会以外に民間放送事業者に対し許可を与えるという考え方が明らかにされた。これを受けて民間から放送事業の許可申請が多数なされたことから、放送事業の在り方について早急に法制化する必要があったこと。二、社団法人日本放送協会を国民の声を反映したものとし、公共の福祉に資するものとするため、この組織の在り方について明らかにする必要があったこと。三、無線電信法の規定は広範な裁量権を主務大臣に与えており、言論の自由を保障する新憲法の精神にそぐわないことから、民主主義的な考え方に立脚したものとする必要があったこと。四、放送の社会的影響力の大きさから、無線電信法に規定する電波の監理の面からの規律のみでは不十分であり、放送の自由、不偏不党、放送の普及等について規律する必要があったこと等から、放送分野については無線電信法とは異なる考え方により規律することが適当であるとの考え方に至ったというところでございます。
#201
○吉良よし子君 様々あるわけですけれども、やはりまず新憲法に照らしてというところ、また広範な裁量権を主務大臣に与えていた無線電信法では、言論の自由を保障するという、それが保障できないというところで放送法が必要だというところに至ったという話がやはり重要だと思うわけです。
 NHK出版から出されている「二〇世紀放送史」には、戦前の放送事業を唯一担っていたNHKの前身である日本放送協会がどのような形であったかということが書かれています。国営でも政府機関でもなかったにもかかわらず、その役員人事、事業計画、そして予算などについては、国が逓信大臣による承認、認可、命令、そして行政指導などを通じて細かくその事業運営に関与していたということが書かれておりました。さらに、逓信省内に置かれた放送監督官がその放送原稿を事前に検閲する、放送中も番組の監視が行われていた、問題があるとされた発言があれば放送監督官が中止を命じて放送が遮断されていた、東京中央放送局の聴取用の部屋が用意されていて、そこには押しボタン式の遮断装置まで置かれていて、その押しボタンも実際に何度も押されたというわけですね。例えば、一九三一年、三二年度、両年度中に二十六本の番組で四十回もその押しボタンが押されて放送遮断も行われたということでした。
 やはりこうした放送が、第二次世界大戦の進展とともに国民に当時の国策を徹底させて、そして国民の一致団結、士気の高揚をもたらしていくという情報操作とプロパガンダの道具として使われていった、そういう歴史があったということなんです。そうした戦前の反省に立って、改めて言いますが、新憲法に合わせて表現の自由守るために制定されたのが放送法なわけです。
 では、その放送法についてその当時の政府はどのように説明しているのか、法案が提出された際、国会での法案の補足説明のうち、第一条の根本原則に関わって政府が説明している部分、昭和二十五年二月十五日の電気通信・文部連合委員会会議録第一号四段目の十八行目から二十二行目までお読みください。
#202
○政府参考人(今林顯一君) 周辺ちょっと併せて読ませていただきますと、放送番組につきましては、第一条に、放送による表現の自由を根本原則といたしておりまして、政府は放送番組に対する検閲、監督等は一切行わないのでございます。放送番組の編集は放送事業者の技術に委ねられておりますが、これを全然放任するものというものではございませんで、この法律でいわゆるラジオ、コードの根本と申しますか、その要点を規定いたしまして、放送の準則というようなものを定めてございます。
 以上でございます。
#203
○吉良よし子君 指定しているところ以上に読まれたわけですけれども、私が申し上げたいのは、やはり戦前の反省に立って、政府が放送番組に検閲、監督等一切行わないということを明言したということです。これが私、大事だと思うわけです。
 そして、その準則についても先ほど触れられましたが、この間繰り返し取り上げられている放送法第四条の放送編集準則についても、一九六四年に出された臨時放送関係法制調査会答申書に添付された政府提出の放送関係法制に関する検討上の問題点とその分析において触れられております。
 読み上げますが、法が事業者に期待すべき放送番組上の準則は、現実問題としては、一つの目標であって、法の実際的効果としては精神的規定の域を出ないものと考える、要は、事業者の自律にまつほかない、こうあるわけです。これを見れば、放送法は政府が政治介入する根拠にはなり得ないと、あくまでも番組内容については事業者の自律に委ねられているということは明らかだと思うわけです。
 今、この間の大臣の発言に対して様々な抗議の声が出されています。メディア論学者、憲法学者、そして著名なジャーナリストの皆さんからも声が上がっているわけです。三月二十四日には、外国特派員協会で再びこの著名なジャーナリストの皆さんが会見を行って、大臣の発言は憲法と放送法の精神に真っ向から反する、言論統制への布石だなどの声を上げました。
 大臣、こうした放送法に関するあなたの発言に対する批判、懸念の声、どのように受け止めるのでしょうか。
#204
○国務大臣(高市早苗君) 当初、一部のマスコミが停波発言という表現で報じられましたので、しかしながら、私自身が電波を止めると申し上げたことは一度もございません。
 放送法第四条に定める番組準則ですが、御承知のとおり、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」、「政治的に公平であること。」、「報道は事実をまげないですること。」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」の四点でございます。
 この放送法は、平成二十二年、菅内閣時代に抜本的な改正が行われまして、その審議の際にも本委員会におきまして、平成二十二年十一月二十六日、第四条の番組準則が法規範性を有すること、番組準則に違反した場合には、総務大臣は、放送法第百七十四条に基づく業務停止命令や電波法第七十六条に基づく無線局運用停止命令ができること、さらに、それらの命令について極めて限定的な状況のみに行うこととするなど、慎重な配慮の下運用すべきであることということについて、当時の副大臣が答弁をしておられます。私といたしましては、行政の継続性の観点から、同様の答弁を何度もさせていただいております。
 また、ジャーナリストの御批判ということでございますけれども、一部、憲法に違反するといった御指摘もあったかと思いますが、改正放送法案につきましては、当時の菅内閣が内閣法制局の審査を経て閣法として提出しておられます。そして、やはりこれが憲法に違反する違憲立法なのかどうなのか、この審査をする権限は最高裁判所にあるわけでございますので、私といたしましては、閣法を引き継ぐ者として、これが憲法違反の法律であるとは考えておりません。
 なお、これまで放送法第四条違反として放送法第百七十四条や電波法第七十六条を適用した例はないということも度々申し上げております。また、運用に当たっての非常に厳格な要件についても申し上げております。
#205
○吉良よし子君 放送法が憲法違反だということは誰も言っていないと思うわけですね。放送法を使って停波のようなことをちらつかせるような、政治介入するような発言をされているというところに対して懸念、批判の声が上がっているということなんだと思うわけです。
 こうした声を上げたジャーナリストの一人であるTBSのキャスター金平茂紀氏は、政治権力からやっぱり黙っている連中なんだなんて思われたくはない、だからこうして声を上げたんだというふうに語っているわけなんです。そういう報道現場の皆さんのその声に対して、やはり政府は真摯に耳を傾けるべきなんじゃないでしょうか。そして、その現場の皆さんがこういう声を上げているという背景には、やはり大臣の発言が政治介入と取れる部分があるということだと思うわけです。
 そして、そういうメディアや国民に政権批判をしてはならないというような、放送への政治介入もするのではないかと思わせるような発言があるということですから、その懸念、批判の声、払拭するには、私、やはり大臣の発言、撤回するしかないと思うのですが、いかがでしょうか、大臣。
#206
○国務大臣(高市早苗君) まず、私が電波を止めると申し上げたこともありませんし、安倍政権及び与党に対する批判を行う番組に対して大臣として何らコメントを申し上げたこともございません。
 電波法及び放送法に関しまして、現行法の条文について従来どおりの解釈を申し上げているだけでございますので、行政継続性の観点から私は発言を撤回する必要はないと思います。仮に撤回が必要だとしたらどの部分であるのか、明確に御指摘を賜れたらと思います。
#207
○吉良よし子君 大臣、停波という発言はしていないし、停波をするつもりもないし、これまでの解釈と何ら変わりないとおっしゃっていると。しかし、私、今までどおりで停波のような政治介入する意思が全くないのであれば、それが疑われるような発言そのものはしなければいいわけであり、そのもの全体を撤回すればいいと私は思うわけです。にもかかわらず、やはりその発言、撤回しないというところに私、重大な意図があるように感じざるを得ないんです。そこを指摘したいんです。
 というのも、言論の自由を奪う方法というのは、先ほど紹介しました、放送中止のボタンを押して、そして停波してという、そういう直接的なやり方だけではないからなんです。将基面貴巳さんという方による「言論抑圧」という本を私、読みました。そこには、放送ではなくて出版の分野での言論弾圧の在り方が紹介されておりました。戦前、内閣情報局の監督下で出版統制の実施機関として機能していた日本出版文化協会というものがあったと。この協会は出版社に対する用紙の配分を役割としていたと。じゃ、その用紙の配分どうするかというと、雑誌や新聞の企画内容によってその配分を決めていたというわけですね。出版物は印刷する紙がなければ発行しようがありません。そうして、出版手段である紙というものを政府の側が掌握、コントロールすることによって、新聞や雑誌は自主的に政府批判をしそうな人物の論文を載せないなどの対応を図る、そうやって出版現場は萎縮、自主規制の方向へと流れていったというわけです。
 戦前のこうした出版業界における紙というのは、現代の放送における電波と同じだと私、思うわけです。そうしたときに、放送を所管する総務大臣が、電波を止める、その可能性を否定しない発言をするというのは、私、やはり電波という放送手段を政府の側が握ってコントロールすることで、現場を萎縮させ、言論を抑圧しよう、そういう意図に聞こえるわけなんです。
 先ほどのジャーナリストの皆さんの記者会見の中でも、今既に一種のマスコミの萎縮現象が起きているとの意見も出されております。もし政府が、放送法の成り立ちや趣旨にのっとって戦前の轍を二度と踏まない、言論、表現の自由を守り抜くというのであれば、やはり電波を人質に取るような大臣の発言全体そのものを撤回するしかないと思いますが、いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(高市早苗君) まず、これまで放送法第四条に関しまして、放送法第百七十四条の放送の業務停止命令や電波法第七十六条の無線局の運用停止命令が行われたことはございません。しかも、その運用につきましても、これまで私が何度も国会で答弁したとおり、法律の規定に違反した放送が行われたことが明らかであることに加え、その放送が公益を害し、放送法の目的にも反し、これを将来に向けて阻止することが必要であり、かつ同一の事業者が同様の事態を繰り返し、かつ事態発生の原因から再発防止までの措置が十分ではなく、放送事業者の自主規制に期待するのでは法律を遵守した放送が確保されないと認められるといった極めて限定的な状況のみに行うこととするなど、極めて慎重な配慮の下、運用すべきであると従来から取り扱ってきております。さらに、仮にこういった事態に陥ったときにも、放送事業者側には弁明の機会の付与など行政手続法に基づく手続がございます。放送事業者は、例えば運用停止命令、電波法七十六条に基づく運用停止命令といったものが万が一にも出された場合に異議申立てを行うことができ、総務大臣は電波監理審議会に付議しなければなりません。
 これまで適用例がないというのは、やはり放送法というのは、放送事業者の自主自律によってしっかりと放送法を遵守していただくということ、これが基本でございますので、委員がおっしゃいましたような、戦前のような検閲といった形でこれから放送するかもしれないものを事前にチェックして放送を禁じるといったことは、決してこれは政府としてもあり得ないことでございます。日本国憲法に基づいて対応していくことは当然のことでございます。
#209
○吉良よし子君 停波があり得ないというのであれば、やはり発言そのものを撤回すべきである、そのことを私、強く求めまして、質問を終わります。
#210
○片山虎之助君 片山虎之助でございます。
 それでは、順次質問いたします。前の集中審議のときに少し残しましたので、その残した問題から入りたいと思いますが、まずは新放送センターの建て替えの問題ですね。
 これがいつの間にやら三千四百億円という数字が出て、オリンピックの後に建て替えるので、かなりな長い年月を掛かってやると、こういうことですね。それで、NHKというのは大変国民の関心の大きな的の一つですから、これがどう建て替えられるというのは大変な関心事なんですよ、新国立競技場と勝るとも劣らない。こっちより高いですわね。しかも、こっちは全部受信料を積み立てた結果ですよ。新国立競技場の方は、これはいろいろな金が入るから、サッカーくじや都の金が入ったりね。
 そういう意味では、これがどうなるのかが関心事なんですが、私が不思議なのは、どういう手続、手順で物が決まっていくかということなんで、会長が大きな影響力があるということは確かだと思いますけれども、それを簡潔に事務的に説明してください。誰が発案して、どう決めて、予算は国会の承認が要るんだから、いずれにせよ。御説明ください。
#211
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 去年の六月に現在地での建て替えが経営委員会で議決されたことを受けまして、現在、事務局の中で施設の配置、機能、規模、工期などについて詳細に検討し、建設基本計画を今まとめているところであります。このまとめるに当たっては、それぞれの事務棟とか情報棟のプロジェクトチームやワーキンググループをつくりましてまとめております。これと併せて、今回の建て替えに係る費用につきましても改めて一から算出しております。
 この両方の検討結果は、今年の夏頃に建設基本計画としてまとめ公表する予定であります。この建設基本計画につきましては、NHKの理事会の議決を経て、経営委員会で議決を受ける予定でございます。
#212
○片山虎之助君 それ何で三千四百億かというと、民放で新しい放送センターを造った、このくらいの規模、建物なんかね、あるいは機器、システム、そういうものを入れると三千四百億円になるんだという。これは決まっているわけじゃないんでしょう。いかがですか。
#213
○参考人(井上樹彦君) 今お話ありました三千四百億円という数字は、平成二十六年度のNHKの予算策定時に、このときはほかの場所への一括移転ということを想定いたしまして、今ありましたように、建物の経費と機械・設備経費を合わせて三千四百億円と想定したものでありますけれども、これはあくまでも積立ての目安にするための数字でありまして、今、一から現在地での建て替えを前提に算出しているところでございます。
#214
○片山虎之助君 それで、とにかく国民の関心も高いし、とにかく全体のスケジュール感というものをちょっと国民に説明してもらわにゃいかぬと思いますよ。どこか国民のよそのところでがっがっがっがっ進んでいくものはね。
 それから、全体の建て替えについての決意について、しかも十何年掛かるとかという話なんで、会長、どうぞ答えてください、その点は。
#215
○参考人(籾井勝人君) 新しいセンターは、新しい公共放送の象徴であると思っております。国民の生命、財産を守るための防災・減災報道の強化や、スーパーハイビジョンやインターネットといった新しいサービスを充実させて、将来にわたって公共放送としての役割をしっかり果たしてまいりたいと思っております。
 建て替えに当たりましては、その原資が視聴者からいただいた受信料であるということを肝に銘じまして、建設基本計画についての視聴者への説明や、無駄なコストを掛けないということなどに努めていきたいと思います。そして、視聴者の皆様に親しみを持って受け入れてもらえる新しい放送センターにしたいというふうに思っております。
 一番大事なことは、これは受信料で建てさせていただくということ、それから今委員がおっしゃいました透明性、これも極力透明なものにしていきたいというふうに考えております。
#216
○片山虎之助君 余り時間がないから次に進みますけれども、そこで、総務大臣、今回のNHK予算に対する総務大臣の意見の中に、この新放送センターのところに、機能の地方分散を積極的に検討するとあるんですよ。これ、今までないわね。今年の意見に初めて出てきた。機能の地方分散ですよ。施設の機能分散じゃない、放送センターの機能を地方分散するんですから。どういう意味ですか。
#217
○国務大臣(高市早苗君) 放送法第八十一条第一項において、NHKが放送番組の編集及び放送に当たって、地方向けの放送番組を有するようにすること、我が国の過去の優れた文化の保存並びに新たな文化の育成及び普及に役立つようにすることが義務付けられています。これまでも、NHKでは、放送番組の制作、イベントなどを地方局で行っていただいておりますけれども、まずはこういった地方創生に資する取組をしっかりとやっていただくこと。
 それから、NHKを始めとする放送事業者は、災害時における情報提供主体として極めて重要な役割を担っていただいております。NHKは、首都直下地震などで万が一渋谷の放送センターが使えなくなった、放送できなくなった場合に備えて、今でも大阪放送局から全国にニュースを放送できるようにはしていただいておりますけれども、こういった役割を一層発揮していただきたいということを考えますと、今回の新放送センターの整備に際しまして、地方発信、地方での発信、それから災害への備えといった機能を充実させていただくことが必要だと思いました。
 この新放送センターの整備の項目に記載をさせていただいた理由は、機能の地方分散ということになりますと、ネットワーク、番組制作取引、要員配置の見直し、放送センターのネットワーク設備、番組制作設備、事務スペースなど、少なからず影響を与える場合もあると思いましたので、ここで、約五十年ぶりとなる新放送センターの整備の機会でございますので、この機会に検討していただくということを考えました。
#218
○片山虎之助君 いろいろ言われるんですが、地方創生のためにというと、地方の番組をもっと作れということ、それはどこで作るのかということ。それから、バックアップ機能は確かにそうですよ。それは、NHKがおかしく、大災害でもあったらバックアップをどこでするかというのがあるんで、それを考えるということは必要だけれども、遅いじゃないの。今回何で、今まで何にもやらずに、突然出てくるの。私は遅いと思うんだけど、それはさておきますが、何、その地方創生というところは、最初の。
#219
○国務大臣(高市早苗君) 今も割と、地方を舞台にした放送番組、地域発ドラマの制作、これも各地の放送局でやっていただいております。一部番組の制作を地方局で実施するといった取組、あと大阪放送局で朝の連続テレビ小説の制作をしていただくといったことがございますけれども、やはり地域の情報発信をいかにしていただくか、強化していただくかということ、これを検討していただくのは、私は地方の創生、地域の活性化に貢献するものだと考えております。
#220
○片山虎之助君 まあ、それはよろしく頼みます。
 そこで、オリンピックがもうすぐですよね、四年後ぐらいになる。オリンピックというのは、現場でちゃんと見るという人も大勢おるんだけれども、それはテレビやラジオなんですよ、見るのは、スマホや。そういう意味で、4Kや8Kをしっかりやってもらわなきゃいけませんが、これNHKだけで全部やるというのは大変なので、私は、民放との連携はどうなっているのか。特に今、もう放送権料というの、権利金がどんどん高くなっているでしょう。
 もう既に報道されていますけれども、一八年から二四年までの夏と冬のオリンピックの放送権料、千百億円で話ができたというんですが、これは恐らく民放と分け合うんでしょうけれども、NHKの場合は受信料ですからね、その辺のお考えについてちょっとお聞かせください。
#221
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 オリンピックの放送権は、NHKと民放連でつくりますオールジャパンのジャパン・コンソーシアムがIOC、国際オリンピック委員会と交渉して取得をしております。二〇一八年冬の平昌、二〇二〇年の東京、二〇二二年冬の北京、それからまだ開催地は未定でございますが、二〇二四年の夏の大会、合わせて四つの大会について既に放送権を取得しております。
 今委員御指摘ありましたように、放送権料は四大会合わせて一千百億円、このうち平昌と東京は六百六十億円、北京とその次の夏の大会が四百四十億円でございます。
 オリンピックは視聴者の関心も極めて高く、それに応えることは公共放送の役割だと考えておりますが、放映権料は世界的に高騰する傾向にございます。受信料からの支出であることに鑑みて、できるだけ抑制すべく、粘り強くIOCとの交渉に当たってまいりました。
 NHKと民放連、協力し合いまして、このオリンピック、特に東京大会、盛り上げてまいりたい、様々な競技につきまして、民放さん、NHK共々、手を携えてやってまいりたいというふうに考えております。
#222
○片山虎之助君 専務理事、私よく分かりませんが、一千百億円という今回の妥結は今までと比べてどうなんですか、やり方や額。
#223
○参考人(板野裕爾君) こうしたコンソーシアムとして放送権を取得してまいりましたのは一九八四年のロサンゼルス大会でございますけれども、直近の例でいいますと、二〇一四年冬のソチと二〇一六年の夏のリオデジャネイロ、合わせて三百六十億円でございました。やはりそれに比べるとお高くなっていることは事実でございます。やはり、自国開催でありますとか時差の少ない地域での開催の場合は放映権料が世界的に高くなる傾向であることは事実でございます。
#224
○片山虎之助君 それから、技術開発みたいなことについては、オリンピックまでの、民放との連携というのか、それはどのように進めていますか。
#225
○参考人(板野裕爾君) 御指摘のとおり、私ども、東京オリンピックに向けましてスーパーハイビジョンを推進をしているところでございます。この放送の形式につきましては、やはり民放さんとも手を携えて普及に当たっていきたいというふうに考えております。
 また、こうしたスーパーハイビジョン以外にも、例えば放送に当たりまして様々な中継のその中にデータを入れていくような考え方、あるいは水泳でも、画像は通常ですと水面の上と水中とでずれて映ってしまいますが、それを一体で放送するような技術開発、そうしたものも進めてまいりまして、民放さんと併せて盛り上げてまいりたいというふうに考えております。
#226
○片山虎之助君 そういうことの中で、国際放送ですよ、今日もこの委員会でいろいろ議論が出ていますけれども。確かに予算は伸びていますよね。しかし、私は効果の方はもう一つじゃないかという気がしてしようがないのよ、外国にここのところ行きませんが、今まで行った経験では。
 どうもその辺がどうなっているのかというのと、今、要請放送というのがあるでしょう、三十五億円、何か政府からもらって。これは何をやっているんですか、どういう効果があるんですか。
#227
○参考人(籾井勝人君) 平成二十八年度は、「日本を世界に、積極的に発信」という経営計画の二年目に当たりますが、英語によるテレビ国際放送、NHKワールドTVは見たくなる国際放送を目指しております。毎正時から放送しておりますニュースを「NHK NEWSLINE」としましてNHKを冠したタイトルで、より本格的な日本発の国際ニュースとして強化いたします。また、平日午後八時台には、日本や世界の旬の方々にインタビューとする新番組「Direct Talk」で、世界が注目する人たちのメッセージを発信してまいります。
 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、日本により関心を持っていただくことを目指した番組も新設いたします。例えば、東京や京都などの有名観光地だけではなく、日本各地の実用的な観光情報を取り上げました「J―Trip Plan」や、日本のビジネスの最前線を紹介する「Biz Buzz Japan」などの番組を始めます。
 インターネットでは、国際放送番組のビデオ・オン・ディマンド・サービスの番組数を今年度の十三番組から倍増し、二十七番組で展開します。
 二十八年度も引き続き、国際放送を更に充実強化して全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
#228
○片山虎之助君 私、集中審議のときに言いましたけど、日本に来る外国人はどっと増えるんですよね。去年が二千万人でしょう。それを三千万人にする、四千万人にする、六千万人にすると、大計画で、なるかどうか知りませんよ、日本の人口は減るのに、そのうち一億人になるとか一億人切るとか言っているときに。日本に来る外国人に対する、いろんなテレビやラジオの外国人向けの放送というのを私は本気で考えるべきだと思うのよ。その連中、残るかもしれぬけど、ほとんど帰るんだから。その方がはるかに、外国で投資をして向こうの会社といろいろジョイントやってもそんなに効果が上がってるというような気がしない、私個人は。会長はあるでしょう、商社か何かおられたんだから、それ専門じゃないの。いかがですか、その辺のは。
#229
○参考人(籾井勝人君) NHKワールドTVを世界中で見てもらうためにどうすればいいかという一つの大きな方策としまして、日本におけるNHKワールドTVの、何といいましょうか、もっと普及といいましょうか、こういうことに今相当、力を費やしております。
 おかげさまで、ケーブルテレビでも大きいところ二社がNHKワールドTVを放送してくれていますし、それから各ホテルもいろいろ、NHKワールドTVを入れてくれる。そうすると、外国のお客さんたちが来て、見て、そしてさらに帰られてまたそれを見るという、こういう今好循環になりつつあります。更にこの辺は努力していきたいというふうに思っております。
#230
○片山虎之助君 それから、私はもう受信料については昔から義務化論者なんですよ。それで、七五・六に徴収率がなって、大変皆さん努力があったと思いますけど、集中審議で言ったように。外国と比べてくださいよ、九五、六、八ですよ。韓国だって九十何%なんだから、徴収率が。何でこんなに違うんですか、義務化をしているところもしていないところも高いの。
 それからもう一つ、徴収コストが日本が一番高い。努力はしているのは認めますよ。認めるけれども、高い。何度も何度も私はしつこく言っているんだけれども、総務委員会で。目を見張るほどの改善はないわね、ちょっとの改善はありますよ。大変御苦労さんですけど、どなたか答えてください、ちゃんと。
#231
○参考人(福井敬君) イギリスなどの海外の公共放送と比べまして、現状のNHKの支払率は低いです。それから、営業経費率も高い傾向にあることは認識をしてございます。
 それらの公共放送の場合は、未払者に対します罰則規定があること、それから住民票登録データなどの外部情報が活用できること、それからフランスでは住民税と一括徴収されていることなど、制度的な違いが支払率や営業経費率の違いに大きく影響しているものと考えております。
 NHKとしましては、現行制度の中で公平負担の徹底に向けて最大限の取組を行うことが必要と考えておりまして、支払率の低い大都市圏における営業活動の強化、それから事業所、世帯に対します民事手続の着実な実施、NHKを挙げた受信料制度の理解促進活動などに取り組んでおります。それから、効果的、効率的な契約収納活動など営業改革にも積極的に取り組んでおります。
#232
○片山虎之助君 今ずらずら言われたことをやってくださいよ。とにかく結果が出なきゃ駄目なんだから、幾ら意気込んでも。結果を是非伴って出していただくようにお願いします。
 それで、通告していないけれども、私はNHKの朝ドラと大河ドラマのファンなんですよ。このところ、朝ドラはずっと視聴率高いわね。本当、あれ癖が付いているのか、番組がいいのかね。大変私は結構なことだと思うし、あの時間に国民のかなり見るんですよ。だから、朝はみんなに元気を与えるような、勇気を与えるような、そういう是非番組にしてください。もうくよくよややこしいのは駄目。分かりやすくて明るくて元気になるやつ、朝ドラは。そうすると視聴率ずっと上がりますよ、視聴習慣もあって。
 それから、大河ドラマも、今は「真田丸」というのが調子がいいのかもしれませんが、これもよろしくお願いしますよ。ここはやっぱり日本人の歴史や伝統や文化についてみんな誇りを持つような、郷土について愛郷心がみんな奮い立つような、そういうことに是非してもらいたい。それは視聴率が高い低いありますよ、高い方がいいに決まっていますけどね。それは是非そういう努力してもらいたいんだけど、どうも気になるのは、ドラマだからというけど、歴史的事実と違うものがいっぱいありますよ。私、しょっちゅう言うんだけど、坂本龍馬と近藤勇が一緒に酒なんか飲みませんよ。友達なんだよね、ドラマで見ると。子供は信用するんだから。それが会ったこともない人が会ったようなことになっているんですよ。子供は信用しますよ、NHKのブランドを。
 だから、是非そこはできるだけ史実に沿って、勉強にもなるというような、そういうあれに是非してもらいたいね。これは、会長と大臣、両方、はい、答えてください。会長、まず。
#233
○参考人(籾井勝人君) なかなか難しいんですが、御意見はよく分かりましたので、極力史実に基づき矛盾がないように、子供をミスリードしないようにドラマを作っていきたいと思っています。
 今後とも、朝ドラ、よろしくお願い申し上げます。
#234
○国務大臣(高市早苗君) 良い御指摘をいただいたと思っております。特に日本の歴史、文化、そしてそれぞれの地域の魅力を発信できる良い番組を作っていただくことを期待します。
#235
○片山虎之助君 終わります。
#236
○又市征治君 社民党の又市です。
 先日の大臣所信に対する質疑の中で、先ほど来出ていますが、高市大臣の電波停止発言と報じられた件についてただしました。高市大臣は、先ほど来からも答弁されているように、従来の総務省の見解を繰り返したもので、慎重に対処することは当然だ、こういう旨の御答弁があったと思います。
 そこで、大臣、放送法第一条の趣旨に立つとすれば、これは、第四条の遵守というのは放送事業者の自主的取組に期待をする、こういうことの意味でおっしゃっているんだというふうに私は理解するが、簡潔にまずこれをお答えいただきたい。
#237
○国務大臣(高市早苗君) 又市委員御指摘のとおりでございます。
#238
○又市征治君 そこで、次にNHKに伺いますが、高市発言について、どこでどう曲がったのか、あるいは誤解を与える発言だったのか、民放各社を含めて、あるいは文化人などからもかなりの批判が上がってまいりました。多くの中で、番組内容に関して行政指導あるいは行政処分は望ましくない、当然のこととしてそのような声が上がったんですが、一体このときにNHKとしては高市大臣の発言についてどのような見解を持たれたのか、そのことについて伺います。
#239
○参考人(籾井勝人君) 我々は、放送事業者として番組を作っている立場でございます。そういう意味におきまして、国民の知る権利に応えるため、放送法にのっとり、何回も申しておりますが、公平公正、不偏不党、何人からも規律されず、自らを厳しく律して放送に当たっている、これに尽きると思います。
 今後もこの姿勢に変わりはなく、公共放送の役割を果たしていきたいと思っております。
#240
○又市征治君 つまり、民放各社などは全部大臣の発言を批判的に捉えて発言しているんですが、あなたの言っているのは、同じことを繰り返して公平公正云々かんぬんと、こうおっしゃっているが、どうもNHKの姿勢が、あなたが就任されたときのあのときの発言、政府が右と言うものを我々が左と言うわけにいかないと、こう発言されて以来、この自主自律ということが本当に生きているのか、国民の中に大変NHKに対するそうした疑惑、こういうものが広がっているということをしっかりと私は認識をして対応していただくように、このことを強く求めておきたいと思います。
 次に、関連会社の不祥事再発防止問題について伺います。
 先日のNHKに関する集中審議において、私は、不祥事再発防止の改革策は幾つも幾つも出されてきた、だけどそれがおざなりになっていなかったかということを指摘をしました。会長は、あとは実行あるのみだ、こういうふうに答弁をされているわけですが、今後どのようなスケジュール感で改革を実施されていこうとしているのか、また、今後同様な不祥事が繰り返された場合の責任についてはどのように考えておられるのか、この見解を伺います。
#241
○参考人(籾井勝人君) NHKアイテックの不祥事を受けまして、再発防止に向けて緊急に打つべき手は既に着手いたしております。出金管理の徹底、常勤監査役への外部人材の起用、これは形式的にはまだ取締役会を経ていませんので、でも人材はもう具体的に決まっております。
 また、今月、関連団体運営基準というものを改正しまして、関連団体に対する指導監督の強化を図るとともに、NHKグループ経営改革に取り組むための具体策を策定いたしました。この中では、一つ、外部人材やNHK若手幹部の経営陣等への起用による規律ある経営の確立、合同入社式、あしたでございますが、や研修の強化によるNHKグループ意識の醸成、本体から就任する非常勤取締役の強化や子会社の事業を所管する部門の責任の明確化による指導監督機能の強化、子会社等の業務を精査して、統合、廃止などを視野に組織の在り方も含めて構造改革を断行すること等に取り組むこととしております。
 改革施策は可能なものから順次着手いたしております。視聴者の皆様の信頼を取り戻すため、スピード感を持って抜本的な経営改革に不退転の決意で取り組んでまいりたいと思います。
#242
○又市征治君 再び起こった場合の責任問題に何もお答えになっていない。
 会長、本委員会はこの間連続して、NHK予算に関する附帯決議の中で不祥事の再発を求めてきたわけですよ。また、あなたは経営委員会からも再三にわたって注意を受けてきました。私は、やっぱりちょっとあなたの認識がちょっとおかしいんじゃないのか。例えば、さっき、我々が、謝罪されたけれども謝罪して済む問題じゃないんですよ、委員会でいろんなことを我々はただす、国民に代わってあなた方にいろんなことをただしている、そのことを文句だというふうに受け止めたあなたの本音がぽろっと出たんだろうと思う。これ失言の類いじゃないんですよ。
 そういう格好で注意を何回も受けておいでですが、そういう経過を踏まえながら、もし再び同様の不祥事が起こった場合の責任はどうするのかということについてもう一度お答えください。
#243
○参考人(籾井勝人君) NHKや関連団体で起きました不祥事については誠に申し訳なく思っております。改めて深くおわび申し上げたいと思っております。
 公共放送NHKにとりまして、視聴者・国民の皆様からの信頼は何よりも重要だということは先ほどから申し上げております。けれども、国民の皆様の信頼を回復するため、私が先頭に立ち、不正を許さない意識改革とグループ全体の抜本的な経営改革に不退転の決意で取り組んでまいりたいと思っております。
#244
○又市征治君 やっぱり答えになっていないんですが、時間の関係もありますから次に進みます。
 次に、NHKのインターネット活用業務について伺っていきます。
 NHKは昨年四月に、二〇一四年の放送法改正を受けて、インターネットガイドライン二〇一五を公表していますね。また、それを踏まえて、年度ごとのインターネットサービス実施計画が作成されているというように思います。他方、在京民放五社のネットの活用状況を見ますと、各社ごとに番組の有料、無料の配信を行うと同時に、昨年十月に民放公式テレビポータブル、TVerとかというそうですけれども、これを立ち上げて、五十番組を、テレビで放映後一週間程度、無料配信を行っています。NHKが行っているオンデマンド放送を民放ではCM入りで今無料で行っているということのようです。
 民放とNHKが同じようなことをする必要はないと思いますが、公共放送NHKならではの役割もあるんだろうと思います。
 そこで、このガイドラインあるいは実施計画に基づいて実施される現在のインターネット活用業務は、公共放送としては具体的にはどのような点に重点を置いているのか、伺いたいと思います。
#245
○参考人(森永公紀君) お答えします。
 NHKは、三か年経営計画に基づき、インターネットサービスにおきましても、公共放送が果たすべき役割に重点を置いて、放送と通信の融合の時代にふさわしい新たなサービスに取り組んでいるところでございます。
 国民生活や社会全体に大きな影響を及ぼすニュース、それから人々の命と暮らしを守る防災・減災情報の正確、迅速な提供は、公共放送の使命であります。
 今年度は、関東・東北豪雨関連のニュースや北朝鮮ミサイル発射関連のニュースなど計八件をインターネットで放送と同時に提供いたしました。また、国民的関心の高いニュースの理解増進情報として、ノーベル物理学賞受賞者の記者会見や桜島噴火の映像などを、放送とは別にリアルタイムで提供しました。
 さらに、教育分野では、学校放送番組のポータルサイト、NHK・フォー・スクールなどを通じまして、幼児、青少年向けのコンテンツを幅広く提供しているところでございます。また、様々なジャンルのスポーツを伝えることも公共放送の役割でありまして、例えば今年夏のリオデジャネイロ・オリンピックでは、リアルタイムで放送しない競技の映像、音声もネットで提供することにしております。
 今後も、公共放送にふさわしいインターネットサービスの提供に取り組んでいきたいと思います。
#246
○又市征治君 何よりも国民の利便性を考えると同時に、何をネットで流していくかについては国民目線を配慮すべきだろうと、このように思いますし、また、オンデマンドにしても、より多くの人に利用いただくようにすべきなんだろうと、こう思います。
 NHK予算等に対する総務大臣の意見が出されておりますが、その中でも、このインターネット活用業務の方向性について触れられています。さらに、今後の検討課題についても、情報セキュリティー、コスト、視聴者ニーズ、新サービスの可能性、市場競争への影響、受信料の公平負担との関係及び透明性の確保等々挙げられています。
 そこで、まず総務省に伺いますが、今後の放送とネットとの相互関係、相互利用についての協議、議論のスキームはどこで論議をされていくべきだと考えているのか。
 次にNHKに伺いますが、NHKの業務は放送法に当然規定をされますけれども、公共放送として今後の放送とネットとの関係について、また、受信料というか利用料金の在り方についても独自に調査研究することも必要だろうと思います。その点どのように考えているのか。調査研究して、一定の見解、方向性を提示する場合は、やはり国民の理解を得るためには、NHKが公共放送であることが、単に形式的なことではなくて、内容的にも国民に認められることが必要かと思いますけれども、その点の認識についても併せて伺いたいと思います。
#247
○政府参考人(今林顯一君) 先生御指摘のとおり、NHKのインターネット活用業務が、民放事業者さんと違いまして法律の根拠を必要としておりますが、これは、NHKの業務が受信料を財源としているということに鑑みまして、今お述べになりました視聴者の御理解を得るということとともに、広く公共的な役割を果たしていただく必要があるからでございます。
 受信料制度との関係でございますが、放送法第六十四条第一項におきまして、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定されておりまして、放送番組のインターネット配信を受信することのできるパソコン、スマホ、こういったものを設置した方には契約義務がない、したがって受信料支払の対象とされないという問題がございまして、これがまた公平負担の問題であるわけでございます。
 今、NHKにおきましてインターネット同時配信の実験をやっていただいておりますが、先生が大臣意見の中でも触れていただきましたように、こういったパソコン、スマホの問題でありますと同時に、本格化したときには、民間放送事業者さんとの競争関係のほかに、技術、ニーズ、権利処理、システム負荷、費用などについても課題となってくることが想定されております。
 したがいまして、まずはNHKにおかれましてこうした課題を検証していただき、国民・視聴者の理解が得られる形を模索していくことが必要と考えております。
 総務省としましては、何度か御説明申し上げましたが、放送を巡る諸課題に関する検討会を開催しておりまして、その中で公共放送の在り方もテーマの一つとされておりますので、このインターネット活用業務の実施状況などについても御報告をいただきながら、公共放送の今後の役割あるいは受信料制度の在り方について検討してまいりたいと思います。
#248
○参考人(井上樹彦君) NHKのインターネット利用につきましては、経営委員会で議決されました三か年の今の経営計画において、放送と通信の融合の時代に、新しい技術を積極的に取り入れて、放送を太い幹としつつ、放送だけではなくインターネットも積極的に活用して、より多くの人々に多様な伝送路で公共性の高い情報や番組などのコンテンツを届けるというふうに記しております。
 これを受けまして、実施基準の下で先ほどからありました試験的提供というものを行いまして、同時配信の実験を行って、視聴者ニーズ、著作権の処理、あるいはそのための、実施のための経費ということについて研究を深めているところであります。今後も、有識者の専門的な知見などを踏まえつつ、NHKとして主体的に研究してまいります。視聴者・国民の理解が大事だということで、丁寧に進めてまいります。
 こうした取組と併せて、これからスマートフォンそれからパソコンで番組を視聴する、このテレビの同時配信と受信料制度との関係というのが今後の重要な課題であるというふうに我々も認識しております。この今の三か年計画に基づきまして、放送と通信の連携などメディア環境や放送サービスの展開を踏まえて、受信料制度の在り方を研究ということも記しているところであります。
 いずれにしましても、今後は視聴者の理解がこうした制度の見直しについては非常に重要であります。様々な検証を重ねながら、有識者の専門的な知見なども踏まえまして、丁寧にこの件については研究してまいりたいというふうに考えております。
#249
○又市征治君 NHKのネット活用については広く国民に門戸を広げた形での論議が必要でしょうし、役所主導で進めるような問題ではないということだけはNHKさんに強調しておきたいと思います。
 次に、総務省が昨年十一月に設置した放送を巡る諸課題に関する検討会について伺います。
 資料によると、この検討会は、近年の技術発展やブロードバンドの普及など視聴者を取り巻く環境変化等を踏まえ、放送に関する諸課題について、一つに、日本の経済成長への貢献や市場サービスのグローバル化への対応、二つに、視聴者の利益の確保、拡大等の観点から、中長期的な展望も視野に入れつつ検討を行うということのようであります。何か漠然とした問題意識、こんなように印象を持ちます。つまり、経済的視点から放送あるいは放送産業について論じようというのか、あるいは放送、そのあるべき姿について検討するのか、どうもはっきりしません。
 そこで、この検討会設置の背景、問題意識は一体何なのか、また、過去にもこのような検討会を設置したことがあったとすれば、その検討結果はどのように施策に反映をされるようになったのか、ちょっと簡潔にお答えをいただきたいと思います。
#250
○政府参考人(今林顯一君) 検討会についての趣旨は先生が御指摘になったとおりでございます。様々なスマートデバイスも出ておりまして、通信、放送をめぐる環境が大きく変化しております。これを受けて、NHKさんだけでなく民間放送事業者さんの環境も随分変化しておりまして、今後の日本にどのように貢献していただくか、これは、経済問題だけでなくて、地域での情報発信の在り方、こういったことについてもお考えをいただく必要があるということで御議論をいただくこととしたものでございます。
 これまでの会合におきましては、テレビ視聴率が、接触率が低下している現状ですとか、マルチデバイス化、ネット配信などへの対応、地方の放送局の地域に密着した情報発信の役割、あるいは地方における情報発信力を強化するための放送局の経営基盤の強化などについて議論が行われたところでございます。
 それから、過去にどのような検討が行われたかということでございます。
#251
○又市征治君 短く。
#252
○政府参考人(今林顯一君) はい。
 二、三に限らせていただきますと、例えば平成二十四年十一月から平成二十五年十二月までは放送政策に関する調査研究会というものが開催されまして、平成十九年の改正放送法の附則において定められておりました施行から五年後の検討ということを求められております事項を中心に議論をいただきました。この議論の結果は、平成二十六年の改正放送法案に反映したところでございます。具体的には、例えば国際放送の番組の国内放送事業者への提供業務の恒常化、NHKのインターネット活用業務の拡大などでございます。
 以上でございます。
#253
○又市征治君 もうちょっと質問したかったんですが、長い説明なものだから時間が掛かって。
 いずれにしましても、NHKや民放を問わずに放送業界は自主自律的に国民の理解が得られるコンテンツを提供していくかが問われているんだろうと思うんですね。
 総務省が今後の放送業界の方向性を論議する場を提供すること自体、これには反対はしませんけれども、いかに国民にも開かれた形で議論を進めるかということが問われているということは、これは検討会への注文としては申し上げておかなきゃならぬ、こんなふうに思います。
 最後に、NHK側に申し上げたいと思いますが、不祥事が本当に相次いで、ずっとこの委員会でそんなことを議論しておらにゃいかぬということは情けない話、それも毎年続いている。ただ、私は、そういう中にあっても、国民の視聴者から厳しい批判を浴びてはいるけれども、先ほど来もありましたけれども、受信料収入は伸びている。これはなぜか。やっぱりひとえに、良質な番組を作るために日夜努力している現場の皆さんの努力、あるいは受信料を納めてもらうために、それこそ体を張ってと言ってもいいぐらいに大変な努力をしている徴収員の皆さんの努力、こういうことがあるんだろうと思うんですね。
 不祥事といっても、このことで、やっぱりNHK全部が不祥事をやっているわけではないんで、残念ながら、一万人余りおいでになるんだろうと思うが、関連を含めて、その中のごく一部、だとすれば、九九・九九%ぐらいの人々が日夜真面目にこういう仕事をなさっている。そのことのおかげでこうなっているんだということを経営陣がやっぱりしっかりと肝に銘じて、本当にその先頭に立って改革をやっていく、そして実を上げていく、こういう努力をやることを強く求めて、今日の討論を終わりたいと思います。
#254
○主濱了君 生活の主濱了であります。
 早速質問に入りますが、実は、籾井会長に御着席いただいておりますけれども、籾井会長に対する質問は当初から準備はしておりません。
 早速質問に入ります。まずは、受信料を支払わない方々への対応と、こういうことで伺いたいと思います。
 NHK関連の不祥事が報道されるたびに、NHKを見ていないのだから受信料を払う必要はない、あるいはスクランブル化せよ、受信料は徴収するな、こういったような意見が出てくるところであります。このような声にどのように対処しているか、また、特に現地で受信者と直接接触する地域スタッフや徴収業務の委託先に対してはどのように対処をさせているか、まずは伺いたいと思います。担当の理事さん、お願いいたします。
#255
○参考人(福井敬君) 不祥事を理由にしました解約や不払の申出があった場合も、受信料制度に基づきましてお支払が必要であることを丁寧に説明しまして、御理解をいただくように努めております。特に、お客様と直接お会いする地域スタッフや法人委託に対しましては、お客様の御意見をしっかりとお伺いするとともに、不祥事の再発防止に向けた取組についても説明するなど、丁寧なお客様対応に努めるように指導してございます。
#256
○主濱了君 次に、受信料の支払率に地域差があると、こういうことに関して伺いたいと思います。三点伺いますので。
 まず第一点目、支払率の最高と最低、お示しをいただきたいということ。第二点目は、この地域差の原因の多くは、受信者、支払う側にあると考えるのか、あるいは支払をお願いをする、要するにNHK側にあると思うのか。この辺、伺いたいと思います。
#257
○参考人(福井敬君) 平成二十六年度末におきます都道府県別の推計世帯支払率につきましては、最も高いのは秋田県でして、九七・〇%であります。最も低いのは沖縄県でございまして、四六・八%となっております。
 それから、支払率につきましては、主に大都市圏において低く、それ以外の地域においては高い傾向となっております。大都市圏におきましては、世帯の移動が多いこと、それから単身世帯や共同住宅の割合が大きく、面接が困難であることなど、NHKの契約収納活動が困難な環境にあること等が影響をしていると考えております。
#258
○主濱了君 受信料は、NHKは、総務大臣の認可を受けた基準により免除することができると。これは放送法第六十四条第二項のちょうど逆を言ったところなんですけれども、そういうふうなことが、免除することができるわけであります。
 真に受信料の支払が難しい方々には的確に免除を適用する、こういうことがまずは必要だと。それから、免除に該当しない方々には厳格に対処し、早い時期に支払率一〇〇%を私は実施すべきであると、こういうふうに思っております。
 役職員の努力により、今ずっと各委員が御指摘しているとおり、支払率は上昇しております。しかし、経営計画では平成二十九年度で八〇%を目指すと、こういうふうなことが目標になっているということであります。より早い時期の支払率一〇〇%実現、何が問題でできないんでしょうか、何が問題なのか、この点について伺いたいと思います。
#259
○参考人(福井敬君) 経営計画で掲げております平成二十九年度末の支払率八〇%という数値は、営業を取り巻く環境が厳しさを増す中でも過去最高の率を目指すべく設定したものでありまして、実現可能な数字として高い目標としております。それから、海外の公共放送では一〇〇%に近い支払率を実現しているところもありますが、これは罰則規定や外部情報の活用など、制度的な違いが大きく影響していると考えられます。
 現行制度の中で支払率八〇%の達成を目指して、今後最大限に取り組んでいきたいと考えております。
#260
○主濱了君 罰則といいますか、民事裁判というのはこれはもう当然使えるわけでありますよね。罰則ではないんですけれども、そういったような手だてもあるということ、これは十分活用していただければよろしいかなというふうに思います。
 先を急ぎます。
 支払率八〇%ということは、四人で五人分の必要経費を払っているということなんです。四人で五人分を払っている、単純に言うとそういうことだというふうに私は認識をしております。
 問題はここからなんですけれども、支払率一〇〇%を達成した場合、総支出が現在を上回らないと仮定した場合、理論上、受信料金はどこまで下げることができるのか、これを伺いたいと思います。
 今、衛星契約二か月支払の受信料、これが四千四百六十円と、こういうことになっておりますけれども、大体日本経済というのはもう平成九年をピークに下降しております。現在も低迷をしております。そして、名目GDP、それから可処分所得、実質賃金指数、いずれも平成九年をずっと下回っている、こういう状況にあるわけであります。現在、広告料も減少し、民放は厳しい状況に置かれていると、こういうことであります。このような中にあって、国民生活でも受信料の負担は決して軽くはないというふうに思っております。
 このような観点から伺うものでありまして、どこまで下げることができるか、これを伺いたいと思います。
#261
○参考人(井上樹彦君) お答えを申し上げます。
 今お話ありました、支払率が一〇〇%に達した場合、あるいは総支出が現在を上回らないといった仮定に基づいたお答えについては差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
 ただ、一般論として申し上げますと、収支の状況を見極めながら、財政的に余裕がある場合には受信料の値下げも検討すべきものだというふうに考えております。
#262
○主濱了君 かつて受信料を実際に引き下げたことがあるわけですよね。でも、それは計画に対してまだ一〇〇%引き下げたわけではなかったと、こういうふうな経緯があるわけであります。
 これは大いに頑張っていただきたいと思います。まずは、すぐ一〇〇%にしていただきたい、支障がないのであれば一〇〇%にしていただきたい、これはもうNHK、総意を尽くして頑張っていただきたいなというふうに思っております。
 次は、NHKグループ全体の業務推進体制について伺いたいと思います。
 NHKの経営を見る場合、予算も併せてNHKの経営を見る場合は、私はやっぱりNHKグループ全体のことを見ないといけないというふうに思っております。これは、職員数にしても、それから事業量の推移にしても、やはり全体を見ないといけないというふうに思っているわけであります。
 それで、具体的に、この十年間でグループ全体及びNHK本体と子会社のそれぞれの職員数と総事業費あるいは売上げ、どちらでもいいですね、これは、がどう変化しているかと、こういうことを伺いたいと思います。実は、去年同じ質問を私させていただいております。やはりNHKの経営を見るためにはグループ全体を見ないといけないと、こういうことから伺ったわけですが、改めて伺いたいと思います。
#263
○参考人(福井敬君) まず、職員数と要員数の状況の変化について御説明しますと、まずNHK本体の職員数は平成二十六年度末で一万七十四人となっておりまして、十年前と比較しまして千五百九十人の減となっております。それから、子会社の従業員数は平成二十六年度末で五千三百四十九人となっておりまして、十年前と比較しますと千四人の増加となっております。その結果、グループ全体の職員数、従業員数は十年前と比較しまして五百八十六人の減となっております。
 次に、売上げの変化で申しますと、まずNHK単体では、平成十七年度の事業収入が六千三百四十三億円に対しまして二十六年度は六千八百七十一億円となりまして、五百億円以上の増となっております。NHKの子会社の売上げにつきましては、平成十七年度二千百八十二億円に対しまして二十六年度は二千四百九十九億円となりまして、三百億円以上の増となっております。NHKグループ全体の売上げで申しますと、連結決算ベースでは、平成十七年度七千四百七十一億円に対しまして平成二十六年度は七千四百六十三億円となり、ほぼ同規模となっております。これは、受信料収入の増加がしている一方で、地上放送のデジタル化対策の終了等で子会社の売上げが減となっている状況でございます。
#264
○主濱了君 分かりました。
 大体去年聞いた数字と傾向がまだ同じでありまして、グループ全体では職員数は減っている、これは本体の減り方が大きいから減っていると、そして事業量全体は伸びています、こういうふうにまとめてよろしいかなというふうに思います。職員数が少ない中で事業量だけは伸ばしていると、こういうふうに理解をいたしました。
 ただ、私は、職員数をむやみに減らすということはいかがなものか、やはり職員数とその業務量というのはこれはバランス取れていないと私はいけないなというふうに思っております。実績を上げながら職員数もしっかりと補充をしていくということが必要ではないかなというふうに思っております。
 先を急ぎます。
 次は、子会社について何点か伺いたいと思います。
 端的に、子会社を置くメリットは何か、こういう問題であります。これがまず第一点目。それから次は、子会社が行っている事務事業と同じ種類の事務事業を子会社以外に、別なところに発注することはあるかどうかと、こういう問題であります。
 具体的に申し上げますと、籾井会長が三月二十四日の本委員会で表現をいたしました土建会社、土建会社と表現をした例えばアイテックの業務と同様の業務をアイテック以外の建設業者に発注すること、これまず支障があるのかどうかという問題。経営上、アイテックに出すのとそれからそれ以外のところに出すのとどちらが有利かということについて、まずは伺いたいと思います。
#265
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 最初の御質問なんですけれども、子会社を置くメリットということでございますけれども、NHKの子会社等は、NHKグループの一員として、公共放送の業務を補完、支援することを基本といたしまして、一、NHK業務の効率的推進、二、NHKのソフト資産やノウハウの社会的還元、三、これらを通じた経費の削減と副次収入によるNHKへの財政的寄与、視聴者負担の抑制をその役割、目的としております。
 NHKの番組のコンテンツやノウハウにつきましては、子会社等を通じまして番組のDVDなどを市販したり関連書籍の発行やイベントの実施等によりまして、広く社会に還元を図っているところでございます。
 こうした子会社の事業活動による副次収入や子会社からの配当は、NHKの放送サービスの充実に充てております。
#266
○参考人(福井敬君) じゃ、後半の質問の、アイテックの業務と同様の業務をアイテック以外に発注することの意義についてですが、NHKでは競争契約を原則としておりまして、子会社に随意契約で発注する業務につきましては、子会社固有のノウハウが不可欠なものに限っております。子会社以外でも実施可能な業務につきましては競争で発注先を決めておりまして、子会社が入札に参加して落札をする場合もあります。
 NHK本体からアイテックへの契約につきましては、公共放送の大きな使命の一つであります緊急災害時の確実な番組送出、電波確保を最優先に考えまして、やむを得ず随意契約とする工事があるということでアイテックに随意契約してございます。
#267
○主濱了君 まさにそのとおりだというふうに思います。
 アイテックの社長さんというのは久保田さんですよね。前、理事をされていて技師長をされていた、大分御丁寧な答弁をいただいた方であります。ただ、やはり建設業、建設会社ということであれば、ほかにも本当に優秀な会社がたくさんあるわけですから、どんどんどんどんそれは活用するべきであるというふうに私も思うところであります。
 もう一つ、この子会社について、NHK出版、あるいはNHK文化センターというのがあるわけであります。資料を見させていただきますと、この両社についてはNHKとの取引は〇・三%、そして〇・四%と極めて低いわけであります。
 しかしながら、出版部門あるいは文化部門で、NHKと視聴者・国民、これを結ぶ役割を果たしているのではないかなというふうに思っております。取引率は低いんだけれども、英語のテキストとか、あるいは料理番組のテキストとかいろいろ作っているわけですけれども、非常に重要な役割を果たしているんだろうというふうに思いますが、現実の経営面あるいは経理面でどのような関係になっているのか。例えば、原稿はどちらが主体で作っているのかでこれ大きく変わってきますよね。その辺の実態を伺いたいと思います。
#268
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 まず、NHK出版の方なんですけれども、NHKが編集又は監修している放送番組のテキスト、教材を編集、発行、販売しております。この業務はNHKとの取引ということではございませんので取引率の中に入っておりませんけれども、NHKとの関わりが非常に深い業務でございます。
 もう一つありましたNHKの文化センター、これも、NHKの放送番組に関連した教養、趣味、実用、健康等に関する各種講座によって生涯教育と自己啓発の機会を提供するということで、NHKの番組の利用促進、視聴者サービスの向上に資することを業務の目的としております。これもNHKとの取引はございませんので取引率の中には入っておりませんけれども、やはりNHKとの関わりが深い業務を行っております。
#269
○主濱了君 経営の更なる改革の観点から、現在の事務事業の進め方を見直す必要があるというふうに思っております。
 NHK本体及び子会社全体を俯瞰をしまして、現在の事務事業の進め方を今後更に見直す必要があるというふうに思いますけれども、その予定はありますか。
#270
○参考人(井上樹彦君) お答え申し上げます。
 このグループ経営の改革については、今回の一連の不祥事ということもありまして、会長以下一丸となって、NHKグループ全体あるいはNHK等関連団体について、不正を許さない意識改革とともに、抜本的な経営改革をできるところから順次速やかに取り組んでいきたいというふうに考えております。
 このグループ全体の抜本的な経営改革につきましては、今月、関連団体運営基準というものを改正しまして、NHKグループ経営改革に抜本的に取り組むための具体策を策定したところであります。
 この中では、外部人材の登用、若手幹部の積極起用による規律ある経営の確立、それから、明日、四月一日の合同入社式や研修の強化によるNHKグループ意識の醸成、それから、本体から就任する非常勤取締役の強化、あるいは子会社の事業を所轄する部門の責任の明確化、これは縦の管理の強化というふうに我々考えておりますけれども、こういったものの機能の強化、それから、子会社等の業務を精査しまして、統合、廃止なども視野に組織の在り方も含めて構造改革を断行するといったことなどにも取り組んでいきたいというふうに考えております。
#271
○主濱了君 NHKが事務事業を見直ししまして、そしてすばらしい番組を作る、さらに、低廉な受信料でそれを提供すると、こういったようなことは当然のことなわけであります。
 総務委員会の全員の皆さんにお願いしたいわけですけれども、やはり、低廉な受信料で番組を提供する、こういうこと、それから受信料を一〇〇%にして公平な負担を国民にお願いをするということ、これはしっかりと私どもが今後見ていかなければいけない、しっかり監視をしていかなければいけない、こういうふうなことだというふうに思いますので、どうぞ今後ともしっかり注目していただくようにお願いをしたいなというふうに思います。
 以上で私の質問を終わります。
#272
○委員長(山本博司君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#273
○石上俊雄君 民進党・新緑風会の石上俊雄です。
 会派を代表し、平成二十八年度NHK予算案に対し、反対の立場から討論を行います。
 籾井会長が就任されてから二年が経過いたしました。就任当時の記者会見の時点から公共放送たるNHK会長としての資質に疑問を持たざるを得ませんでしたが、本日も本委員会で不適切発言があり、謝罪と訂正があるなど、一向にNHKにおける混迷は収まる気配がありません。
 昨年十二月に、NHKの子会社である株式会社NHKアイテックの職員による架空業務発注及び約二億円に上る多額の着服が発覚いたしました。また、同じ時期に、株式会社NHKビジネスクリエイトが、東京渋谷のNHK放送センター近隣に所在する土地の取得に関し、経営委員会に諮らずに優先交渉権を得た後、土地取得を撤回するという事案が発生いたしました。さらに、本年一月には、記者が業務用のタクシーチケットを私的な目的で使用したという問題が発覚しました。そもそも昨年、会長が私的に利用したハイヤー代金を、秘書室に一時的とはいえ支払わせたことも問題であります。加えて、同じく一月には、NHKアナウンサーが危険ドラッグ所持により逮捕されたという事案もあります。
 現在のNHKにおいては、国民の皆さんからいただいた受信料によって公共放送を運営しているという自覚や責任がグループ全体を通じて全く欠如していると言わざるを得ません。本来、こういった事態を立て直すべき執行部自らが不祥事を引き起こし、それを監督是正する立場にある経営委員会並びに監査委員会による歯止めも掛からない状態にあります。本来であれば全会一致で承認されるべき予算案が、二年連続で多くの野党から反対されているにもかかわらず、この不始末の連続は異常事態、緊急事態、非常事態そのものであります。
 実際の国会での質疑においても、既に公表されている事案をなぞるのみで、不誠実な対応に終始し、国民に対する説明、信頼回復を放棄したとしか思えないような対応でありました。このような対応では、到底平成二十八年度の予算案を承認するわけにはまいりません。こうした状況の全ての責任は、やはり籾井会長御本人にあるわけで、まずは御自身が潔く辞任しておわびすることから新生NHKが始まるのではないかと考えているところでございます。
 以上、私が平成二十八年度NHK予算について不承認とする理由を申し述べ、反対討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。
#274
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、NHK二〇一六年度予算の承認に反対の討論を行います。
 NHK予算の承認に当たっては、予算の内容とともに、予算の立案、執行における経営姿勢が問われます。放送法に基づき、国家権力からの独立、放送における表現の自由を確保する基本が貫かれていること、視聴者・国民の信頼が得られていることが求められますが、今のNHKにおいてこうした姿勢が貫かれているとは言えない事態が続いています。
 まず、相次ぐ不祥事とNHKの対応です。
 職員のタクシー券の私的利用、子会社における空出張や架空発注による着服、土地購入問題など、不祥事が繰り返され、後を絶ちません。会計上の信頼も揺らいでいます。にもかかわらず、NHKが示している対応策は組織改編先ありきです。徹底的な全容と原因の解明、視聴者・国民への情報公開と説明が尽くされないままの組織改編や、実行あるのみとの掛け声だけでは根本的な解決にはつながりません。
 そして、海外通信・放送・郵便事業支援機構に対する二億円の出資も問題です。そもそも、受信料収入で成り立つNHKは、営利目的の活動やリスクの高い事業には関わることはできないはずです。同機構は、各国の政治情勢の変動や制度の変更などによるリスクが高く、民間だけでは展開できない海外における電気通信事業、放送事業、郵便事業等を実施する現地事業を支援し、事業者の利益確保に寄与するものですが、公共放送として政府の成長戦略や商業主義にくみしないという基本的立場を貫くべきです。
 こうした中、籾井会長の発言への視聴者・国民の批判がますます強くなっています。就任以来、放送法に対する著しい不理解について国会で追及されている会長は、個人的な見解を放送に反映しないとの弁明を繰り返してきました。しかし、昨年二月、戦後七十年の節目に慰安婦問題を取り上げるかと問われ、政府のスタンスが見えないので慎重に考えると発言し、国会での弁明がごまかしであることが明白になったのです。さらに、この間、連続して起きている不祥事などを受け、視聴者・国民の不信は高まるばかり。会長の辞任、罷免を求める声も一層強まっています。
 以上、このような経営体制の下での予算は承認できない旨を述べ、反対討論といたします。
#275
○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、日本放送協会二〇一六年度予算案、事業計画、資金計画に対し、残念ながら承認に反対をせざるを得ない、その立場から討論を行います。
 本来、公共放送としてのNHK予算については、NHKの独立性や自律性を財政面から保障するものとして、放送番組の在り方等への意見や立場の違いを超えて全党全会派一致で議決が行われることが基本であります。しかしながら、籾井会長以下NHK役員の言動等に対し国民・視聴者から厳しい批判が寄せられ、NHKの信頼は今なお大きく揺らいでいます。
 加えて、昨年明らかになった放送番組の過剰演出問題の後も、子会社の架空工事の発注横領事件、関連会社の土地取得をめぐる問題、職員の危険ドラッグ使用やタクシー乗車券の不正使用等々の不祥事が頻発しています。
 さらに、役員の業務執行を監督、監査する立場にある経営委員会、監査委員会も、国民・視聴者の負託に十分応えているとは言えません。執行体制の姿勢と予算は不可分であり、残念ながら、このような状況でNHK予算を承認することはできません。三年連続して全会一致が崩れたことについて、会長以下役員全員が重く受け止めるよう重ねて求めるものです。
 さて、来年度予算案では、国際放送やインターネットサービスの強化、スーパーハイビジョンの実用化に向けた試験放送に大きく踏み出しています。他方、主たる財源を受信料に求める公共放送としてのNHKがどこまで業務を拡大すべきなのか、あわせて、その負担をどうしていくのかなど、課題も多く残されています。業務の在り方や財源、受信料の在り方等について、国民・視聴者の理解と納得が十分に得られるようにすべきです。また、受信料について、公平負担の徹底とはいいながら、在日米軍関係の軍人、家族等に対する対応は極めて不十分なものであり、今後の改善を強く求めます。
 最後に、NHK自らが掲げている公共放送の原点の堅持、事実に基づく公平公正で正確、迅速な報道、視聴者の幅広い期待に応える豊かで質の高い多彩な番組の充実に全力で取り組み、営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、真実を報道し、国民の知る権利に奉仕し、国民全体の福祉と文化向上に寄与する公共放送としての使命を果たすよう強く求めるとともに、政府においても、憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性に鑑み、公共放送の自主自律を尊重することを強く求め、討論を終わります。
#276
○委員長(山本博司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#277
○委員長(山本博司君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 この際、石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
#278
○石上俊雄君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、おおさか維新の会、社会民主党・護憲連合及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
    放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、協会に対する国民・視聴者の信頼に基づき、公共放送の使命を全うできるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、協会は、役員の言動等により、国民・視聴者から厳しい批判が多数寄せられ、信頼が揺らいでいる現状を重く受け止め、かかる事態の一刻も早い収束と信頼回復に向け一丸となって全力を尽くすこと。
   また、昨年明らかになった番組の過剰演出問題を含む不祥事の頻発を踏まえ、綱紀を粛正し、再発防止策及びコンプライアンスの徹底に努めるとともに、公共放送を担う者としての役職員の職業倫理を高め、組織一体となって信頼確保に取り組むこととし、その取組状況については、広く国民・視聴者に分かりやすく、丁寧に説明すること。
 二、協会の役員は、公共放送に携わる者として、協会の名誉や信用を損ねるような発言や行動は厳に慎むこと。
 三、経営委員会は、協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対して一層実効ある監督を行うことなどにより、国民・視聴者の負託に応えること。
   また、会長の選考については、今後とも手続の透明性を一層図りつつ、公共放送の会長としてふさわしい資質・能力を兼ね備えた人物が適切に選考されるよう、選考の手続の在り方について検討すること。
 四、監査委員会は、放送法に定められた調査権限を適切に行使し、役員に対する監査機能を十分に発揮すること。また、役員に不適切な行為がある場合、または、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、経営委員会と十分に連携しながら、時宜を失することなく厳格に対処すること。
 五、政府は、経営委員の任命に当たっては、社会に対する職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、全国、各分野を考慮して幅広く選任するよう努めること。
 六、協会は、子会社の相次ぐ不祥事等を踏まえ、国民・視聴者の信頼回復に向け、情報を十分に開示し、説明を尽くすこと。あわせて、組織の在り方について統合・廃止も含めた抜本的な見直しを行い、グループとしてのガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に取り組み、子会社等からの適切な還元を図るとともに、重複業務の整理等を推進し、透明性の高い効率的なグループ経営を構築すること。
 七、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性に鑑み、放送事業者の番組編集については、引き続き事業者の自主・自律性を尊重するとともに、協会が放送法に基づき公共の福祉と文化の向上への寄与を目的として設立された公共放送事業体であることを踏まえ、公共放送の自律性を尊重すること。
 八、協会は、我が国の公共放送としての社会的使命を認識し、国民・視聴者の多様な要望に応えるとともに、放送番組の編集に当たっては、政治的公平、事実を曲げない報道、意見が対立している問題についてできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなど、放送法の原則を遵守すること。
   また、寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表し、国民・視聴者からの信頼の維持に努めること。
 九、国際放送については、我が国の経済・社会・文化等の動向を国際社会に向けて正しく伝えることが、これまで以上に重要度を増していることを踏まえ、一層の充実を図ること。特に、協会が行う外国人向け映像国際放送については、我が国の文化・経済活動等に係る情報発信の拡大を図り、番組内容の充実、国内外における国際放送の認知度の向上等に努めること。
 十、協会は、受信料により支えられていることを十分自覚し、国民・視聴者に対するサービスの低下を招かないよう配慮しつつ、業務の確実な実施及び更なる効率化等の取組を適切に行い、収支予算、事業計画及び資金計画の確実な達成に努めること。
   また、政府は、その取組が確実に実施されるよう配意すること。
 十一、協会は、公共放送の存在意義と受信料制度に対する国民の理解の促進と信頼感の醸成に努めつつ、公平負担の観点から、受信料支払率の一層の向上に努めること。
   また、受信料制度の在り方については、コスト構造、視聴行動の変化、技術革新の動向等を踏まえ、受信料負担の公平性の確保を念頭に置きつつ、広く国民の理解が得られるよう検討すること。
 十二、現状の放送においては障がい者、高齢者に対し、必ずしも十分な情報が伝達されていないため、デジタル・ディバイドの解消が喫緊の課題であることから、字幕放送、解説放送、手話放送等の一層の充実を図ること。
 十三、協会は、首都直下地震や南海トラフ地震等に備え、本部やその代替機能を担う大阪局等の放送局の機能や運用・実施体制の強化を図ること。
   また、東日本大震災の復興に資する震災報道と震災の記録の伝承のため、保有する番組アーカイブの保存・活用に努めること。
 十四、協会は、受信料で運営されている特殊法人であることを踏まえ、経営委員会及び理事会等における意思決定に至る過程や財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営の状況、調達に係る取引等について、議事録を含め、国民・視聴者に対する説明責任を十分果たすこと。
   その観点から、新放送センターの整備計画は、その具体的内容を速やかに明らかにするとともに、建設積立資産積立ての考え方を含め、国民・視聴者の理解が得られるよう説明を尽くすこと。
 十五、協会は、受信料で実施するインターネット活用業務について、放送法に定められた公共放送としての協会の目的に照らしつつ、市場競争への影響、受信料負担の公平性及び透明性の確保等に十分留意して実施すること。
 十六、協会は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成三十二年を見据え、スーパーハイビジョンの実用化に向けた研究開発、普及促進等に積極的かつ計画的に取り組み、公共放送として先導的役割を果たすこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#279
○委員長(山本博司君) ただいま石上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#280
○委員長(山本博司君) 全会一致と認めます。よって、石上君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、高市総務大臣及び籾井日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市総務大臣。
#281
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#282
○委員長(山本博司君) 籾井日本放送協会会長。
#283
○参考人(籾井勝人君) 日本放送協会の平成二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。
 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹を成すものでございますので、十分踏まえて業務執行に万全を期したいと考えております。
 本日はありがとうございました。
#284
○委員長(山本博司君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#285
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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