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2016/01/20 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第4号
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2016/01/20 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第4号

#1
第190回国会 本会議 第4号
平成二十八年一月二十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四号
  平成二十八年一月二十日
   午前十時開議
 第一 平成二十七年度一般会計補正予算(第1
  号)
 第二 平成二十七年度特別会計補正予算(特第
  1号)
 第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第六 検察官の俸給等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第七 防衛省の職員の給与等に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第八 地方交付税法の一部を改正する法律案(
  内閣提出、衆議院送付)
 第九 国務大臣の報告に関する件(平成二十六
  年度決算の概要について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第八まで
 一、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一
  部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、日程第九
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成二十七年度一般会計補正予算(第1号)
 日程第二 平成二十七年度特別会計補正予算(特第1号)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長岸宏一君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔岸宏一君登壇、拍手〕
#4
○岸宏一君 ただいま議題となりました平成二十七年度補正予算二案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算二案は、去る一月四日に国会に提出され、衆議院から送付の後、一月十五日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日から昨日まで、安倍内閣総理大臣及び関係大臣に対し、質疑を行ってまいりました。
 質疑は、臨時会召集要求への政府対応、一億総活躍社会実現への取組、補正予算編成の要件、軽減税率導入の課題と問題点、年金生活者福祉給付金の妥当性、TPP協定への対応、名目GDP六百兆円の実現可能性、伊勢志摩サミットに向けた取組、北朝鮮の核問題、日韓関係の改善に向けた取組、若年層の雇用促進策、子供の貧困対策、給付型奨学金制度の必要性など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論、採決の結果、平成二十七年度補正予算二案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(山崎正昭君) 両案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。西村まさみ君。
   〔西村まさみ君登壇、拍手〕
#6
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみでございます。
 私は、ただいま議題となりました平成二十七年度補正予算二案に対し、会派を代表して、反対の立場から討論を行います。
 安倍総理は、年頭、六十年前の経済白書の表現を用い、もはやデフレではないと宣言されました。しかし、個人消費や実質賃金の回復が見られない現在、果たして本当にデフレから脱却したのか、国民の生活は本当に良くなったのか甚だ疑問であります。
 平成二十六年度の実質GDPは前年度比一・〇%減と五年ぶりのマイナス成長に転落し、二十七年四―六月期も〇・五%減とマイナス成長が続きました。また、第二次安倍政権の三年間で実質賃金は減少し続け、最新公表分の平成二十七年十一月においても前年比マイナスという状況にあります。
 私は歯科の開業医であります。診療所や病院のほとんどが公的価格である保険診療でなりわいを立てています。二十四年、二十二年と、診療報酬改定で二回連続で民主党政権時は全体のプラス改定を実現しました。ところが、平成二十八年診療報酬改定では、全体でマイナス〇・八四%、消費増税分の補填があった平成二十六年に続いて実質は二回連続のマイナス改定であり、昨年十一月に公表された医療経済実態調査においても、歯科の診療所を始め医療機関の経営状態は改善しておらず、厳しい経営状況の中で、日々、国民に必要な医療を提供するために大変な思いで診療されている全国の医療関係者の悲痛の声を多く聞きます。
 国民にとってこのように厳しい経済情勢が続く状況においては、本質的な景気回復に向けた補正予算を編成すべきであり、それにもかかわらず、盛り込まれた施策の多くは平成二十八年度当初予算の概算要求・要望に含まれていたものの前倒しであります。当初予算を見かけ上圧縮する一方で、時間的制約から査定が甘くなりがちな補正予算での安易な予算計上を助長するものであり、財政規律を大きく損なう手法との批判は免れません。
 国民生活の厳しい現状を直視せず、有効で具体的な経済政策を打ち出せない安倍内閣に猛省を促し、以下、本補正予算案の反対する主な理由を申し述べます。
 反対の第一の理由は、平成二十七年度補正予算が緊急性の低い予算であるという点にあります。
 そもそも補正予算とは、財政法第二十九条により、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出又は債務の負担を行うために編成できるものとされています。一億総活躍社会の実現に向けた対策やTPP関連の施策が盛り込まれておりますが、これらは果たして補正予算で対応するべきものなのでしょうか。
 そして、待機児童の解消や介護施設の整備といった社会保障に関わる重要な施策は、制度全体と財政規模を俯瞰して、その優先順位を吟味した上で恒久的な施策として当初予算に計上するべきものと考えます。
 また、保育、介護の現場では人手不足が大きな問題となっています。依然として保育、介護に従事する人たちの処遇改善は不十分です。そこで働く人がいなければ全く意味はありません。人への投資が何より重要であり、一人一人が働きたい分野で安心して活躍できる社会こそ実現すべき社会なのではないでしょうか。
 TPP協定についても、参加国が大筋合意した段階にすぎず、発効の時期はまだ決まっておりません。政府は、平成二十七年秋に総合的なTPP関連政策大綱を決定したものの、より具体的な内容は二十八年秋をめどに詰めるとしており、本補正予算に関連対策を計上する必要性を見出すことは到底できません。さらに、過去のウルグアイ・ラウンド関連対策において、毎年度の補正予算で措置する手法が国会でも度々批判されてきたにもかかわらず、今回もその轍を踏もうとしていることを見過ごすこともできません。そもそも、秋の臨時国会を開かず、TPPの議論を避けておいて、今になって予算だけ通せとは、誠に勝手な話ではありませんか。
 反対の第二の理由は、過去の経済政策の失敗を直視せず、ばらまきを繰り返している点にあります。
 安倍総理は、昨年九月に突如、新三本の矢を掲げましたが、元々の三本の矢である金融緩和、財政政策、成長戦略の成果をしっかりと見極めたのでしょうか。物価上昇率は年率二%に達せず、成長戦略も芳しい効果が見られない現況を直視すべきであると考えます。新たなスローガンを次々と打ち出して拙速に予算を付ける前に、これまでの三本の矢が失敗したことを率直に認めることが必要です。
 また、一億総活躍予算のうち三割以上を占めることとなる三万円の低所得年金受給者向けの臨時福祉給付金の目的を、政府は、賃上げの恩恵が及ばない年金受給者への給付によって消費を喚起することとしています。しかし、臨時給付金の消費への効果は極めて疑わしい。
 かつて麻生内閣が平成二十一年に定額給付金を支給した際の消費拡大効果は、受給額の僅か二五%にしかすぎませんでした。政府が過去の失敗を反省していれば、同様の政策を繰り返そうとするはずがありません。仮にこの補正予算が成立しても、この給付金の執行のほとんどは来年度に繰り越され、年金生活者の方々が実際に受け取るのは五月、六月となります。つまり、これは合理的な政策とは程遠く、ひとえに夏の参議院選挙対策であることは誰の目にも明らかであります。
 安倍内閣は、昨年六月に経済・財政再生計画を策定し、年金、医療等のいわゆる自然増を毎年〇・五兆円程度に抑制するとの目安を設定いたしました。これを踏まえ、平成二十八年度予算における社会保障関係費の伸びは、概算要求時点から約二千億円が削減され、目安の範囲まで抑制されたのであります。安倍総理は削減額がありきではないと説明をしていますが、これは、小泉内閣において国民から厳しい批判を受けた年間二千二百億円の社会保障の機械的な切捨てと実質において何ら変わりはありません。
 かつて社会保障費の一律カットが、産科、小児科、救急医療の医師を不足させたり、救急搬送のたらい回しを生じさせ、地域医療の崩壊につながり、国民が必要な医療を受けることができなくなったことを、昨年の五月の本会議質疑において総理にも財務大臣にも厚生労働大臣にも私は申し上げましたが、その認識がいまだにないのでしょうか。
 当初予算で社会保障関係費の切り詰めをする一方、補正予算で選挙対策のばらまきをしようとする財政政策は、断じて容認できません。
 第三の理由は、税収の上振れ分や前年度の剰余金を借金の圧縮ではなく歳出拡大に回し、財政健全化から目を背けている点であります。
 この補正予算においては、約四兆円に上る税収増や前年度剰余金の多くが新たな歳出に充てられ、公債発行の減額は僅か四千億円余りにとどまっています。日本の国と地方の債務残高は名目GDPの二倍を超えており、財政健全化を進めるというのであれば、増収分は歳出増ではなく新たな借金の抑制や返済に充てるのが筋であります。
 政府は、国と地方の基礎的財政収支対GDP比を平成三十二年度に黒字化する目標を立てる一方、内閣府の中長期試算において、その目標が達成できない見込みであるということを示しています。歳入増の多くを歳出増に充てる放漫な財政運営を続けていけば、財政再建目標の達成が更に困難になることは明白であります。
 以上、補正予算に反対する主な理由を述べさせていただきました。
 政策の緊要性や実効性を吟味せず、安易な歳出拡大に終始している本補正予算は、私は断じて容認できません。一億総活躍社会の実現の看板の下に十分な検討のないまま思い付きのように並べられた政策、見切り発車のTPP国内農業対策、若年者、子育て世帯をないがしろにした選挙対策のばらまき、果たして持続可能な経済成長が可能なのでしょうか。
 私たちは、未来への責任を果たすべく政治に向けて全力で取り組むという決意を申し上げ、私からの反対討論を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○議長(山崎正昭君) 宇都隆史君。
   〔宇都隆史君登壇、拍手〕
#8
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。
 自由民主党、公明党を代表いたしまして、平成二十七年度補正予算二案に対しまして、賛成の立場から討論いたします。
 第二次安倍政権が誕生してから三年が経過いたしました。安倍政権がデフレ脱却・経済再生を目標に掲げ、アベノミクスを推し進めた結果、企業の収益は過去最高の水準、有効求人倍率は二十三年ぶりの高水準となる等、多くの経済指標で確かな改善の傾向を見ることができます。アベノミクスの成果により、我が国は、もはやデフレではないという状況にまで経済を取り戻すことができました。
 しかしながら、現状においては、地方や中小企業を中心に景気回復の実感はまだかすかで、個人消費や企業の設備投資の伸び悩みなど、完全にデフレから脱却したと言い切れない状況であるのも事実です。経済再生の妨げには、少子高齢化の進行による人口減少という我が国が抱える構造的な課題があります。このまま人口減少が続き、国内の労働力や国内需要が縮小していくのを放置すれば、日本経済及び日本の国家財政は成り立たず、それが社会保障も含めた各種政策の将来に対する不安へとつながっています。アベノミクスによる成長の果実が得られつつある今こそ、更なる追加政策を行い、確実なデフレ脱却を実現させなければなりません。
 そこで、昨年、安倍総理は一億総活躍社会を打ち出し、その実現のためにアベノミクスの第二ステージとなる新三本の矢を放ちました。第一の矢である強い経済では、名目GDP六百兆円達成を目標に掲げ、その実現に向けた取組から得られる果実を第二、第三の矢の目標である希望出生率一・八、介護離職ゼロ実現のために分配し、子育てや介護の基盤を強化します。子育てや介護に対する不安が解消され、将来に対する見通しが明るくなれば、消費や投資が促され、経済の好循環が一層強化されます。このように成長と分配の好循環を強化し、持続させることによって確実なデフレ脱却を実現することができるのです。
 また、昨年十月にTPPが大筋合意されました。政府が、TPPを我が国の経済再生を進める上での有効なカードとすべく、国会決議を重く受け止め、国民生活と国益を守り抜くための粘り強い交渉を乗り切ったことを高く評価いたします。TPPが最終締結されれば、我が国の八倍の人口、六倍のGDP規模を有する世界最大の市場を手にすることにより、国内の経済、産業を活性化させ、GDPを押し上げる効果が期待できます。アベノミクスの成果が現れ始めた今こそ、TPPを最大限に活用した経済の押し上げを早期に現実のものとし、アベノミクスによる経済再生の実体を国民の実感につなげていくようにしていかなければなりません。実体を実感につなげるのです。
 一方、TPPは日本経済が飛躍するための大きなチャンスでありますが、他国にとってもそれは同様で、厳しい競争にさらされる業種、特に農林漁業者の方々には大きな不安があるのも事実です。しかし、販路や輸出を拡大し、各種業界が主導する体質強化、攻めの農林水産業へと転換を図ることは、日本の山野、里山、海を守る上でも非常に重要なことです。攻めるべきところは攻め、守るべきところは守る、農林漁業者やこれからの担い手が将来に夢を持って経営に取り組めるような措置を講じていかなければなりません。
 本補正予算案は、一億総活躍社会を推し進め、TPPを活用し、日本が大きく飛躍するための第一歩であります。この第一歩を力強く踏み出すため、一日も早い成立が求められます。
 以下、本補正予算に賛成する主な理由を三点申し述べてまいります。
 第一に、一億総活躍社会の実現に向けて、緊急に実施すべき対策に的確に対応している点であります。
 国民一人一人が活躍できる社会づくりを進める上で、結婚、出産への希望が実現しにくい環境や介護と仕事が両立しにくい環境を改善することは喫緊の課題です。本補正予算案では、地域における結婚に向けた活動の支援や保育所等の整備、保育士の確保など、結婚、子育ての対象となる若者世代の支援のための経費を計上するとともに、介護基盤整備の加速化、介護人材の育成確保をするなど、介護と仕事を両立するための、お年寄りや介護従事者の支援のための経費が計上されており、希望出生率一・八と介護離職ゼロの実現に直結する対策がなされております。
 また、本補正予算案には、アベノミクスの成果の再配分の観点から、景気回復による賃金引上げ等の恩恵が及びにくい低所得高齢者世帯に支援を行うために、年金生活者等支援臨時福祉給付金が計上されております。昨年の春闘での賃金引上げ率は一九九八年以来十七年ぶりの高い水準でありました。安倍政権発足後の最低賃金の引上げ率も春闘の賃上げ率とともに上昇傾向にあります。
 その他、中小企業・小規模事業者への投資促進、生産性を高めるための経費、地方創生の本格展開のための経費が計上されており、我が国の経済の根幹を支える中小企業の強化は地方創生に直接寄与するものであり、大いに評価いたします。
 賛成する第二の理由は、TPP関連政策大綱実現に向けた施策、特に攻めの農林水産業への体質強化対策に予算が計上されている点であります。
 攻めの農林水産業への体質転換を図るためには、その足腰を強化する必要があります。農林水産業には高齢化や担い手不足等様々な問題があり、一刻も早く対策を打たなければなりません。政府は、農林水産・食品の輸出目標額一兆円を前倒しして実現することを目標に掲げ、我が国農林水産物の一層の輸出拡大、六次産業化、地産地消による地域の収益力強化等により、攻めの農林水産業を推進しております。
 本補正予算案では、今後の農業界を牽引していく優れた経営感覚を持った担い手を支援、育成し、人材力の強化を進め、力強く持続可能な農業構造の実現に必要な経費を計上しております。また、畜産、酪農の収益力強化のための経費、林業、漁業の体質強化のための経費等が計上されております。魅力ある農林水産業をつくり出していくことは、農林水産業の抱える諸課題の解決にもつながってまいります。
 賛成する第三の理由は、災害復旧、防災・減災、東日本大震災からの復興加速化のための的確な経費が計上されている点であります。
 昨年九月の関東・東北豪雨は各地に大きな被害をもたらしました。特に、鬼怒川の氾濫によって茨城県常総市では大きな被害を受けており、一日も早い復旧復興が望まれます。また、東日本大震災から間もなく五年が経過いたします。本年三月で集中復興期間も終了いたします。いまだに多くの避難を続けられており、復興を一層加速させなければなりません。国民の安心、安全は政府が取り組むべき最優先事項であり、速やかな成立が望まれます。
 以上、賛成する主な理由を三点述べてまいりましたが、付け加えて、本補正予算案の財源は税収増、前年度剰余金で確保されており、平成二十七年度のプライマリーバランス赤字半減目標は堅持されていることも評価いたします。
 最後に、本年平成二十八年のえとはさる年です。「申」という漢字は、果実が成熟していく状態を表しているといいます。その果実を一億総活躍社会へとつなげるため、今回の予算は時宜を得た内容となっております。
 多くの皆様からの御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、私の賛成討論といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#9
○議長(山崎正昭君) 辰巳孝太郎君。
   〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
#10
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 会派を代表して、政府提出の二〇一五年度補正予算二案に反対の立場で討論を行います。
 まず冒頭、十五日未明に起きた長野県でのバス事故において十五名の尊い命が失われたことに心からのお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りいたします。
 運行管理や安全対策に関する問題、バス会社が法定運賃未満で受注していたことなどが明らかになっています。更なる事故原因の真相究明とともに、大本にあるバス事業参入の規制緩和とバス運転手の長時間労働を抜本的に見直すことが必要です。このような事故が二度と起こらないよう、国会がその責任を果たすことを強く求めるものであります。
 日本共産党は、昨年、戦争法、TPP、テロ対策、沖縄新基地建設、原発再稼働問題など、国政、外交の山積する問題をただすため、野党議員と共同で憲法五十三条の規定に基づき臨時国会開会を求めました。ところが、安倍政権は明確な理由なくこれを拒否しました。集団的自衛権を認める違憲立法のためには国会を延長し、都合が悪くなれば臨時国会召集をしない。まさに憲法無視の体質をむき出しにしたのが安倍政権です。
 我が党議員が委員会質疑で指摘したオスプレイの佐賀空港配備や佐世保における水陸機動団の陸自、海自一体の新たな基地計画など、戦争法具体化の一切を安倍政権はやめるべきであります。
 日本共産党は、米国の無法な戦争に加担するための戦争法を廃止するため、党派を超えた共闘を進め、学生やママたち、学者、文化人、宗教者など、広範な市民の皆さんと結び付いて最後まで闘い抜いてまいります。
 この間の予算委員会の審議を通じて、安倍政権の国民生活軽視の政治姿勢はより一層明らかになりました。総理は、アベノミクスで経済の好循環が生まれ始めた、第二ステージに進むとし、一億総活躍社会なるものを実現し、今回の補正予算はその皮切りとなると表明しましたが、暮らしや経済の実態は好循環とは程遠いのが実態です。
 国民生活基礎調査では、生活が苦しいと答えた人は六二・四%で、年々悪化しています。現在の税率から一%も下げないのに、軽減などと国民をごまかしながら消費税増税を強行すれば、家計に深刻な打撃を与え、内需を更に冷え込ませ、日本経済を悪化させるのは明らかです。政府も、消費税率を上げれば上げるほど逆進性が強まることを認めました。逆進性の緩和を言うのなら、一番の有効策は消費税増税を中止することであります。
 しかも、審議を通じて、これまで一世帯当たり三万五千円と説明していた増税時の負担増は、実際は倍近くの六万二千円になることを政府は認めたのです。国民を欺いて増税するなど、これほどの背信はありません。消費税増税は中止しかありません。
 一方、大企業には相変わらずの大盤振る舞いです。
 安倍政権の下で実施してきた企業減税は、復興特別法人税の一年前倒し廃止や法人税率引下げなどで年間三兆円にも上り、来年度以降はこれに一兆円が加わります。しかし、減税分は賃金には回らず、その大部分が海外投資家への配当へと流れ、大企業の内部留保はとうとう三百兆円を超えました。トリクルダウンの破綻は明らかであります。
 また、経団連が政治献金の呼びかけを再開し、二〇一四年、自民党が受け取った企業献金は二十二億円を超えました。自動車産業など法人減税の一番の恩恵者からの多額の政治献金は、まさに税金の還流であり、経済の好循環は自民党にもたらされたということではありませんか。政治を金でゆがめる企業献金をなくすとの口実で導入された政党助成金との二重取りも許せません。
 そして、極め付けは、低所得者の高齢者一千百万人に対する三万円の臨時福祉給付金です。安倍政権は六月までに配り終えるとしております。税金を使った露骨な選挙対策ではありませんか。本会議で安倍首相は、一回だけなのでばらまきではないと答弁しましたけれども、一回だけだからばらまきなのです。苦しい年金生活者の暮らしを気遣うのなら、マクロ経済スライドを撤回し、最低保障年金制度の創設に踏み出すべきではありませんか。
 次に、軍事費の問題です。
 補正予算案と本予算案を合わせると、過去最高の五兆一千七百十八億円となりました。軽装甲機動車三十八両、九六式装輪装甲車八両、NBC偵察車一両の購入など、補正予算と一体に二〇一六年度本予算が増強され、極めて異常な軍拡補正予算となっております。国民の多数の反対を押し切って強行採決した戦争法を財政面から支えるものであり、到底認めることはできません。
 さらに、辺野古新基地建設問題です。
 普天間基地をより一層危険にしているのは、県民の暮らしや安全よりも米軍の運用を最優先させる日本政府の態度であり、解決するためには、移設条件なしの撤去以外にありません。政府は、沖縄県民の総意である建白書を受け入れ、基地政策の転換を図るべきであります。
 次に、TPPです。
 本会議代表質問で、我が党の井上議員が、政府が大幅譲歩し、国会決議をほごにし、協定案全文の日本語版すら公表していないと、その姿勢を追及いたしました。政府は直後に暫定仮訳版を公表しましたけれども、TPPの全容を知る上で欠かせない附属書などが訳されていないことに加え、交渉経過の詳細も国民に明らかにされておりません。
 日本共産党は、農業関係者の反対の声を押し切り、自民党自身の公約もほごにして大筋合意したTPPの批准、署名に断固反対するとともに、TPPからの撤退を求めるものであります。
 最後に、社会保障費の削減と格差と貧困の問題です。
 小泉政権では、消費税は増税しないので痛みに耐えよと、毎年二千二百億円の社会保障費自然増抑制を強行いたしました。ところが、安倍政権においては、消費税増税に加え、社会保障費自然増抑制は小泉政権時をはるかに上回るものになっており、その結果、医療崩壊、介護難民をより深刻にしました。最後の命綱である生活保護費も無慈悲に切り下げ、来年度は、年金給付の引下げ、福祉給付金の半減、診療報酬の減額など、更なる改悪のオンパレードです。
 そんな中、格差と貧困が広がり、とりわけ女性と子供の貧困は深刻です。一人親家庭の子供の貧困率は五四・六%で、OECD加盟三十四か国で最悪です。就労世帯ほど貧困率が進むという、世界でも類のない異常な状態です。
 ところが、安倍政権は、こうした貧困の解決を口では掲げながら、現実から目を背け、貧困率改善の数値目標さえ掲げておりません。貧困問題を自助努力で解決することはできません。格差と貧困は政治がつくり出したものであり、解決する責任は政治にある、この立場に立ち切ることができるのかが問われているのです。
#11
○議長(山崎正昭君) 辰巳君、時間が参りました。簡単に願います。
#12
○辰巳孝太郎君(続) 税制、社会保障制度、教育制度、雇用政策など、あらゆる政策を総動員して関連予算を抜本的に増額して取り組むこと、これこそが緊急の課題であります。
 以上、日本共産党は、大企業と富裕層優遇を改めて能力に応じた税制への転換を図り、消費税の増税は中止し、国民生活を応援して経済の好循環をつくり、そして日本国憲法に違反する戦争法は廃止にするために全力を尽くす決意を述べて、反対討論といたします。(拍手)
#13
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#14
○議長(山崎正昭君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成            百三十七  
  反対             九十六  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(山崎正昭君) 日程第三 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
 日程第四 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長神本美恵子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔神本美恵子君登壇、拍手〕
#18
○神本美恵子君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院の国会及び内閣に対する平成二十七年八月六日付けの職員の給与の改定に関する勧告及び職員の勤務時間の改定に関する勧告に鑑み、一般職の国家公務員について、俸給月額、初任給調整手当及び勤勉手当の額の改定を行うとともに、職員の申告を考慮して勤務時間を割り振る制度の対象を拡大する等の措置を講じようとするものであります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与の額を改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、現行の官民給与の比較方法の妥当性、給与法改正に伴う国の非常勤職員給与の取扱い、国の給与改定の遅れが地方に与える影響等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了した後、生活の党と山本太郎となかまたちの山本委員より、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、一般職の職員の給与に関する法律に定める指定職俸給表の俸給月額及び同俸給表の適用を受ける職員に係る勤勉手当の支給割合の改定は行わないことを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の原案及び修正案に賛成、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百二十二  
  反対              十三  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#22
○議長(山崎正昭君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#23
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#24
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成             二百九  
  反対             二十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#25
○議長(山崎正昭君) 申し上げます。
 賛成、反対のことにつきましては、簡潔に願います。
     ─────・─────
#26
○議長(山崎正昭君) 日程第五 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第六 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長魚住裕一郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔魚住裕一郎君登壇、拍手〕
#27
○魚住裕一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 両法律案は、一般の政府職員の給与改定に伴い、裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額の改定を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、裁判官及び検察官の職責と処遇、法曹志願者減少の原因と法科大学院が抱える課題、裁判官の報酬及び検察官の俸給の決定の在り方、少年法による少年の更生の成果等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#28
○議長(山崎正昭君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#29
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#30
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成           二百二十二  
  反対              十二  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#31
○議長(山崎正昭君) 日程第七 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長佐藤正久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤正久君登壇、拍手〕
#32
○佐藤正久君 ただいま議題となりました防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、一般職の国家公務員の例に準じて、防衛省職員の俸給月額等を改定する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、自衛官の給与改定が一般職国家公務員の給与改定に準拠する理由、医官及び歯科医官に対する給与の在り方、自衛官を含む防衛省職員へのフレックスタイム制の拡充、運用の見通し、自衛官募集の現状とその強化策、女性自衛官活用のための対応策、自衛官の勤務環境の改善等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#33
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#34
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#35
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十四  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#36
○議長(山崎正昭君) 日程第八 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山本博司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山本博司君登壇、拍手〕
#37
○山本博司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方財政の状況等に鑑み、震災復興特別交付税のうち、東日本大震災に係る復興事業等の実施状況により平成二十六年度の決算において不用となった金額を減額するほか、補正予算により増加した平成二十七年度分の地方交付税の額の一部を平成二十八年度分の地方交付税の総額に加算して交付することができることとするものであります。
 委員会におきましては、地方交付税による年度間調整の在り方、震災復興特別交付税の不用額の減額による復興への影響の有無、復興・創生期間における人的支援等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林明子委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#38
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十六  
  反対               十  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#41
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長松山政司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔松山政司君登壇、拍手〕
#43
○松山政司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告を申し上げます。
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案は、政府職員の給与改定に伴い、議員秘書の給料月額及び勤勉手当の支給割合をそれぞれ改定しようとするものでございます。
 委員会におきましては、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#44
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#45
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#46
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十四  
  反対              十二  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#47
○議長(山崎正昭君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
#48
○副議長(輿石東君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第九 国務大臣の報告に関する件(平成二十六年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#49
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十六年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成二十六年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告をいたしておりますので、その概要を御説明させていただきます。
 まず、平成二十六年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は百四兆六千七百九十一億円余、歳出の決算額は九十八兆八千百三十四億円余であり、差引き額は五兆八千六百五十六億円余の剰余を生じております。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成二十七年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、平成二十六年度における財政法第六条の純剰余金は一兆五千八百八億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額九十九兆三億円余に比べて五兆六千七百八十七億円余の増加となります。この増加額には、前年度剰余金受入れが予算額に比べて増加した額三兆七千九百五十三億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は一兆八千八百三十四億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額九十九兆三億円余に、平成二十五年度からの繰越額四兆八千二百九十八億円余を加えました歳出予算現額百三兆八千三百一億円余に対し、支出済歳出額は九十八兆八千百三十四億円余であり、その差額は五兆百六十六億円余となります。このうち平成二十七年度への繰越額は三兆六千四十八億円余であり、不用額は一兆四千百十八億円余となっております。
 なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は二千五百億円であり、その使用額は一千六百八十三億円余であります。
 次に、平成二十六年度の特別会計の決算でありますが、同年度におけます特別会計の数は十五であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、平成二十六年度におけます国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は六十七兆五千三十九億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は六十五兆九千二百九十九億円余でありまして、差引き一兆五千七百四十億円余が平成二十六年度末の資金残額となります。
 次に、平成二十六年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十六年度末における国の債権の総額は二百二十八兆八千七百五十六億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十六年度中における純増加額は千百三十八億円余であります。これを前年度末現在額十二兆九百四十五億円余に加えますと、平成二十六年度末における物品の総額は十二兆二千八十四億円余となります。
 以上が、平成二十六年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 なお、平成二十六年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用や経理の適正な処理に努めてきたところでありますが、なお会計検査院から五百七十件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たりましては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#50
○副議長(輿石東君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。藤井基之君。
   〔藤井基之君登壇、拍手〕
#51
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之です。
 私は、参議院自民党を代表して、平成二十六年度決算と重要課題について質問いたします。
 参議院では、二院制の下、参議院の独自性を発揮すべく、決算審査の充実とODAをめぐる諸問題の調査に積極的に取り組んでおります。
 決算の質問の前に、まずODAに関して質問いたします。
 私も、平成二十三年に参議院ODA特別委員会の委員長を務め、また、平成二十五年九月にガーナ、ブルキナファソに派遣団の団長として訪れた際、経済インフラや保健、農業開発、教育の質の向上など、多岐にわたりODAや青年海外協力隊が貢献していることを強く実感いたしました。
 日本、そして国際社会が大きな転換期の真っただ中にある今、日本による開発協力は、我が国の外交政策に基づき、より戦略的に進めるとともに、一層積極的に行っていく必要があります。これを実現するため、昨年二月、新たに開発協力大綱が策定されたものと理解しております。
 日本は、二〇一四年実績で、ODA支出総額がOECD開発援助委員会加盟国において米国、英国、ドイツに次ぐ第四位ですが、対国民総所得比では加盟国中第十八位と、存在感をアピールし切れていないのが現状です。
 来年度政府予算案では、五月の伊勢志摩サミットや初のアフリカ開催を予定しているTICADYに臨むに当たり、二十七年度比で一・八%増の五千五百十九億円を計上しています。ODA予算の増額は実に十七年ぶりのことです。日本はこの予算を積極的に活用して、国際機関や市民社会などとも連携し、テロ対策、防災等グローバルな課題への取組やインフラ整備、人材育成等において、質の高い成長の実現に向けて一層積極的な役割を果たすことができるでしょう。
 ODAをてこに地球儀を俯瞰した更なる積極外交を展開しようとのお考えかと存じますが、総理の今後のODAの展望についての御見解をお願いいたします。
 ODA同様、日本が国内外の課題の解決に貢献できる分野は科学技術イノベーションであります。例えば、昨年ノーベル賞を受賞した大村智博士が開発した、寄生虫による風土病の治療薬イベルメクチンは開発途上国を中心に多くの人々を救っています。
 今世紀、ノーベル賞の自然科学系部門における受賞者数世界第二位である日本でございますが、これは一朝一夕に成し遂げられたことではありません。平成八年度から四期にわたる科学技術基本計画において、政府研究開発投資の明確な目標を掲げて研究開発環境を着実に整備してきたからであります。
 日本の高いレベルの科学技術イノベーションを国際社会の中で戦略的かつ効果的に活用するためにも、人材力、学術研究や基礎研究、資金改革等の強化は必要であります。政府研究開発投資について、対GDP比の一%を目指すべきと考えますが、総理の御見解をお聞かせください。
 次に、平成二十六年度予算、決算について伺います。
 平成二十六年度予算は、政権に復帰した自民、公明両党が概算要求基準からじっくりと策定し、消費税率引上げの影響緩和と経済の好循環等の成長を目的とする平成二十五年度補正予算と連動して編成されました。経済の成長力を底上げし、持続的な成長軌道につなげるべく、歳出見直しを果断に実行しつつ、民間需要やイノベーションの誘発効果が高いもの、緊急性の高いものを重視し、選択と集中を徹底いたしました。経済再生と財政健全化の両立を目指す内容でした。
 また、本予算は、社会保障・税一体改革を実現する最初の予算でした。消費税増収分を着実に高齢者や子育て世代等の安心、安全な暮らしのための社会保障の充実、安定化に向け、役立てる内容にもなっています。
 その結果、平成二十六年度一般会計歳出決算は九十八兆八千百三十四億円と、平成二十四年度決算以来百兆円を切りました。一方、税収も五十三・九兆円と、消費税引上げや景気の回復傾向を背景に前年度と比較して七兆円増となり、七年ぶりに五十兆円を超えました。
 そして、平成二十六年度決算でもう一つ注目すべき点は、新規国債発行額が三十八・四兆円と、六年ぶりに四十兆円を下回り、公債依存度も三九・〇%と、二年連続で改善しています。
 日本再生に向けた歩みを力強く進めた平成二十六年度予算、決算を安倍総理はどのように評価されたか、御所見をお伺いいたします。
 国、地方の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスは、平成二十六年度二十一・五兆円の赤字でした。これは、対前年度比では六・三兆円縮小しています。一方で、黒字化の目標年である平成三十二年度のプライマリーバランスは、経済再生が達成した場合であっても依然として赤字となる見込みであり、プライマリーバランスの黒字化までは更なる収支改善が必要です。
 日本の財政再建は待ったなしの状況であります。しかし、プライマリーバランスの重要性について国民への理解が深まっていない部分もあるのではないでしょうか。国の借金が増え続けていることは何が悪いのか、財政健全化を成し遂げるためには何をすべきなのか、改めて、プライマリーバランスの黒字化達成の必要性について、麻生財務大臣より国民に分かりやすく御説明をお願いします。
 次に、参議院における決算審査について伺います。
 決算審査の目的は、国会で議決された国の予算の執行実績を審査することにより、その結果を次年度以降の予算編成や政策遂行に反映させることにあります。その厳正な審査の結果、平成二十六年度決算検査報告では、全体で五百七十件、一千五百六十八億円の指摘がありました。前年より指摘金額は一千億円以上減少し、件数も微減しました。しかし、これら指摘されたお金は大切な税金の一部であることを我々は忘れてはなりません。
 まずは、この決算検査報告全体を受けての総理の御見解をお聞かせください。
 平成二十六年度決算検査報告の中には、東日本大震災からの復興に向けた施策への指摘事項もありました。
 東日本大震災に係る災害復旧事業等の実施のため、総務省は道府県及び市町村に特別交付税を交付していますが、算定対象とならない国庫補助事業の経費を含めたため二十八億五千三百五十九万円が過大に交付されたなど、震災復興特別交付税の精算が不適切だったという指摘です。
 我が党においては、被災者の方々が希望を持って前進していくことができるように、東日本大震災復興加速化のための第五次提言において本年四月から五年間を復興・創生期間と位置付け、政策展開の方向性を示しています。
 これらを踏まえ、復興加速化をどのように実現していくお考えか、安倍総理に伺います。
 総理は、一月四日行われた年頭記者会見において、内政においても外交においても本年は挑戦、挑戦、そして挑戦あるのみと述べておられます。挑戦のためにも、PDCAサイクルが非常に重要であります。決算は、政策を評価、点検するチェック機能を有します。そして、アクションとは、その政策を改善し、次の挑戦の計画、実行につなげます。
 この平成二十六年度決算検査報告等を生かし、未来へと果敢に挑戦する一年となることを祈念いたしまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#52
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 藤井基之議員にお答えいたします。
 ODAについてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、青年海外協力隊や円借款、人道支援など、我が国のODAは開発途上国で高く評価されており、地球儀を俯瞰する外交を積極的に展開していく上でODAは外交上の大きな柱となっています。
 我が国は、人間の安全保障を指導理念として世界に提示し、教育、保健、人材育成、インフラ整備などの分野において大きな貢献を行ってきています。
 特に、本年は、G7伊勢志摩サミットを主催し、安保理の非常任理事国を務めるとともに、初めてアフリカでTICADを開催します。アジアやアフリカの国々が必要とする質の高いインフラを提供し、国づくりに欠かせない人材育成を推進するなど、ODAを積極的かつ戦略的に活用し、世界が直面する開発課題や難民などの人道問題について、国際社会と緊密に協力し、リーダーシップを発揮してまいります。
 科学技術イノベーションについてお尋ねがありました。
 少子高齢化など困難な課題を克服し、経済を力強く成長させていく、そのため、科学技術イノベーションが絶え間なく生み出される環境を整備していきます。
 国際競争が激化する中、リスクの高い基礎研究を中心に、これまで以上に政府の役割が求められています。政府研究開発投資については、策定中の第五期科学技術基本計画においても、経済・財政再生計画との整合性を確保しつつ、対GDP比一%を目指します。
 平成二十六年度予算及び決算についてのお尋ねがありました。
 政権交代後、安倍内閣が初めて概算要求段階から編成を行った平成二十六年度予算においては、科学技術や農業など各分野における経済成長を促す施策に重点化しつつ、消費税率引上げによる増収分を全額社会保障の充実、安定化に充て、財政健全化も着実に進めるものとしました。
 平成二十六年度決算においては、税収は、御指摘のように、五十四兆円と二十一年ぶりの高水準となり、新規国債発行額も政権発足後二年連続で減額しており、当初予算で目指した経済再生と財政健全化の両立や社会保障・税一体改革の理念がしっかりと実現しているものと考えております。
 決算検査報告についてお尋ねがありました。
 平成二十六年度決算検査報告において、会計検査院から、五百七十件、千五百六十八億円の指摘を受けたことは誠に遺憾であります。
 昨年十一月の検査報告を受け、私からも各大臣に対して、検査報告事項について確実に改善するよう指示を行ったところであり、指摘の内容に応じて一つ一つ着実に改善策を講じ、その後の予算や会計事務などにしっかりと反映させてまいります。
 東日本大震災からの復興の加速化についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復興は、安倍内閣の最重要課題であります。
 昨年五月に与党から、本年四月から始まる復興・創生期間においても国が必要な支援を引き続き行うことや、福島の原子力災害被災地域の再生について、避難指示解除等の着実な実施に向けた環境整備を加速化することなどの提言をいただきました。
 いただいた御提言も踏まえ、住宅再建をしっかりと進めるとともに、被災地のなりわいの再生や心身のケアにも取り組んでまいります。福島の原子力災害被災地域については、本格復興再生の段階に向け、引き続き国が前面に立って環境整備の加速などに取り組んでまいります。
 なお、会計検査院から、震災復興特別交付税について、適切な精算が行われなかったことにより過大交付の事例があると指摘されたところです。既にその全額を精算しましたが、いずれにせよ、今後の復興事業の実施に当たり適切な執行に努めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#53
○国務大臣(麻生太郎君) プライマリーバランスの黒字化目標についてのお尋ねがあっております。
 御存じのように、日本の財政は歴史的に見ましても国際的に見ても大変厳しい状況にあり、財政健全化は避けて通ることができません。財政が経済や国民生活に悪影響を及ぼさないためにも、債務残高を経済規模に応じた水準に安定させ、中長期的に引き下げていく必要があろうと存じます。
 このため、政府としては、まずは借金に頼らずその年度の政策経費を賄う基礎的財政収支、プライマリーバランス黒字化を目標としているところであります。目標達成に向け、安倍内閣の下でこれまでの取組を更に強化し、デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の三本の柱の改革を一体としてこれを推進してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#54
○副議長(輿石東君) 難波奨二君。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
#55
○難波奨二君 民主党・新緑風会の難波奨二でございます。
 私は、ただいま議題となりました平成二十六年度決算について、会派を代表して、安倍総理並びに関係大臣に質問いたします。
 冒頭に、去る十五日未明に起こりました長野県軽井沢町におけるバス事故で亡くなられた方々の御冥福と、負傷された皆様の一日も早い御回復をお祈りいたします。
 ツアー会社並びにバス会社が法令により厳しく処罰されることは当然であります。しかしながら、このような痛ましい事故が起きた背景には、過度な規制緩和による競争激化が要因の一つと考えられます。平成十二年の貸切りバス事業への規制緩和は、新規参入の事業者を激増させ、運賃の下落を招くと同時に、適正な価格による契約が行われないため、雇用環境の劣化等を招き、ドライバー不足により慢性的な過労によって事故が引き起こされるという悪循環が生み出されました。
 安全がないがしろにされることは絶対に許されません。そのためには、過度な規制緩和を改め、行政による指導と監視の強化が必要と考えます。前途有為な若者たちの命を奪ったこのような事故が二度と繰り返されぬよう、再発防止策について総理にお聞きいたします。
 次に、総理がアベノミクスの成果であると胸を張る株価について質問いたします。
 今年に入ってから、二営業日を除いて東京株式市場の日経平均株価は下落し続けております。菅官房長官は、十八日の記者会見において、このような現状に対して、市場の変動に左右されず、内外の情勢を直視しながら、必要な政策を着実に進めていくと発言されていますが、株価の下落基調は止まりません。
 円安誘導などにより高騰してきた株価が、投資マネーの減少、原油安や中国経済の減速など、海外における要因で下落してきたことについて、今後どのような手段で対応されようとしているのか、一連の株価下落をどのように受け止めているのか、また、株式市場におけるアベノミクス相場の終えんが近づいてきたとの認識はありますか。総理、お答えください。
 さて、安倍総理が、野党の憲法五十三条に基づく臨時国会の召集要求を無視したことは、明らかに憲法違反であります。
 平成二十六年度決算は、本来ならば、昨年秋に臨時国会を開催し、提出されるべきでした。本院では決算審査を重視しており、決算審査の充実を図るため、与野党合意の上、決算の早期提出を内閣に求めてきたからです。その結果、平成十五年度決算以降は十一月の二十日前後に決算が提出されるようになり、決算審査の充実が図られてまいりました。
 にもかかわらず、私たちの臨時国会召集要求は無視され、決算の提出は一月まで遅れました。総理は、参議院の要請は無視しても構わない、予算ならまだしも、決算の審査は重要でないと考えているのでしょうか。
 決算審査を重視してきた参議院を軽視していることに対し、安倍総理に猛省を促すとともに、決算審査に対する総理の認識を伺います。
 次に、債務抑制策について伺います。
 平成二十六年度一般会計決算は、二十五年度比で新規国債発行額が四・九兆円の減となるなど、一見すると財政改善が進んでいるように見えます。
 しかし、ばらまき的な予算編成によって、税収の増加分を国の債務抑制へと結び付けられず、多額の債務負担は将来世代に先送りされているのが実情です。その結果、二十六年度の新規国債発行額は三十八兆円と依然として高い水準にあり、累積債務残高は、平成二十六年度末において一千五十三兆円にも上り、税収の約二十年分もの規模となっております。
 将来の世代に債務負担を先送りすることは許されません。実効性のある国の債務抑制策と利払い費の増加への対応について、総理、お答えください。
 平成二十五年八月に閣議了解された中期財政計画によると、三十二年度までに国と地方のプライマリーバランスの対GDP比の黒字化が目標に掲げられ、昨年六月に閣議了承された骨太の方針においてもその方向性は堅持するとされています。しかし、昨年七月に内閣府が公表した試算によると、経済が再生するケースにおいても三十二年度のプライマリーバランスの対GDP比の黒字化は見込めないという結果が出ており、政府内での見解が一致しておりません。
 このような事態は、政府内における債務残高の抑制に対する見通しが全く現実にそぐわないことを表している証左ではありませんか。総理は、それでも三十二年度のプライマリーバランスの黒字化を達成できるというお考えなのでしょうか、お答えください。
 平成二十六年度決算において、社会保障関係費は三十・一兆円となり、歳出決算総額の三〇・五%を占める規模となっております。また、少子高齢化の進展の中で今後も更なる社会保障関係費の増加が見込まれ、その財源をいかにして確保するかということは、まさに喫緊の課題であります。
 我が国の財政は債務残高が一千兆円を超えるという危機的な状況の中で、総理は、衆議院予算委員会等の場において、社会保障分野の抑制も聖域ではないと述べられております。しかし、憲法が第二十五条で保障する生存権や第十三条で保障する幸福追求権は、国民一人一人がこの国で尊厳を持って暮らしていく上で必要不可欠な権利であり、これらの権利がおろそかにされることは断じてあってはなりません。
 財政再建と増大する社会保障費の財源確保という二律背反する時代的制約の中で、ナショナルミニマムやシビルミニマムをどのように確保していこうとするのか、総理の見解を求めます。
 安倍政権は、消費増税によって国民負担を求める一方で、度重なる税制改正により、法人実効税率の大幅な引下げを行っております。実施した企業減税が本来の目的であるべき企業の設備投資や労働者の所得の向上に結び付くことなく、二十六年度の内部留保額は二十五年度に比べ八・一%増加して三百五十四兆円と多額に膨らんだにもかかわらず、設備投資額は一・六%増、給与総額は一・四%増にとどまっております。
 税制改正が単に企業の内部留保を増やす結果になっている現状に対して、その是正のためにどのような手段を講じる必要があると考えているのか、また政府・与党の一部に意見があるとされる内部留保課税について、その適用の可否を含め、総理、お答えください。
 平成二十七年九月末時点において、国庫短期証券を含めた国債一千三十九兆円のうち、外国人投資家による保有は約一割に相当する百一兆円となっております。特に、国庫短期証券においては、百四十一兆円のうち五十五兆円が外国人投資家に保有されています。そのシェアは約四割と非常に高いものとなっております。
 そもそも、日本の国債の信頼性は、その大半が国内で消化されていることに由来しています。しかし、株式市場から逃避した投資マネーは比較的安全な資産とされる円や日本国債に向かっています。外国人投資家による国債の保有は、投機的な要素が強く、金利の上昇や不安定化につながるおそれはないのか、外国人投資家の国債保有に関する総理の御認識を伺います。
 特定秘密保護法に基づき秘密指定された文書に関して、会計検査院から要請があれば提供するように定める通達を内閣官房が昨年の十二月二十五日に関係機関に発出していたとのことです。
 通達内容は、法案提出の際に整理しておくべき課題であったとともに、二年以上にわたって放置された事態は安倍政権の会計検査院軽視の姿勢の表れ以外の何物でもありません。これほど長い間適切な措置がとられず、検査院からの指摘を受けて後手の対応となったことについて、菅官房長官に説明を求めます。
 決算審査においては、詳細かつ明確なデータが必要不可欠なものであることは論をまちません。
 平成二十六年度決算では、一般会計における歳出決算額九十八・八兆円に対して、特別会計における歳出決算額は三百九十・二兆円となっていますが、両会計の間には重複額などが含まれているため、歳出の純計額は二百二十六・七兆円となっております。両会計間における重複額の存在などにより、各施策における予算額や執行額が非常に分かりにくいのが現状です。
 このような決算審査における問題点の解決の方法として、かねてより決算書の各目明細書を作成することを提案させていただいているところでありますが、その必要性は政府においても共有されていると認識をしています。
 総理は、昨年の本会議で、実務的な問題も含めて検討を行っているところと答弁されていますが、決算の各目明細書の作成と国会への提出に向けた具体策の検討状況についてお述べください。
 政府が戦前に設けた旧外地特別会計のうち、終戦間際の昭和十九、二十年度の二年度分の決算が、約七十年を経て、本年一月四日、今国会に提出されました。
 当該決算は、当時の予算書、日本銀行の国庫金出納記録等を踏まえて可能な限り記載したにすぎない、言わば不完全なものであります。実際に決算の中身を見ましても、歳入歳出の合計額については記載があるものの、歳入歳出共に各科目の内訳についてはほぼ空欄となっており、そもそもの妥当性、適正性を検証することはできません。その取扱いについては、決算委員会においても協議いたしますが、通例の是認とは決し難い案件であります。
 両年度決算書の不備に関する政府の説明責任について、麻生財務大臣、お答えください。
 質問を終えるに当たり、一言申し上げます。
 少子高齢化による人口減少と税収減という難問への答えは大変困難なものであります。現在、政府の言う景気回復の実感は全国民に共有されておらず、また地域間格差も生じています。このような中、国や行政の支援が全国民、全世代に実感できるような予算編成が求められています。そのためには公平公正な富の分配や税の再配分が極めて重要と考えます。
 政府が編成した予算が適正に執行されているかを監視し、財政民主主義を推し進めるためには、本院における決算審査の充実と次年度予算への反映が必要不可欠であることを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#56
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 難波議員にお答えをいたします。
 バス事故の再発防止の取組についてお尋ねがありました。
 十五日に長野県で発生した観光バスの事故では、多くの若者たちの未来が突然失われました。誠に痛恨の極みであり、心から御冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々にお見舞いを申し上げます。
 政府は、現在、原因の究明に全力で取り組んでおりますが、国土交通省の特別監査では、始業点呼の未実施や運行指示書の未作成など、安全管理上の問題が確認されたと承知しています。このような悲惨な事故を二度と起こさせないよう、徹底した原因究明を進め、その結果を踏まえ、再発防止に万全を期してまいります。
 金融市場の認識についてお尋ねがありました。
 現下の株価の変動についてコメントすることは差し控えます。最近の株式市場の変動は、中国経済や原油価格下落に対する懸念などを背景としたものとの見方もありますが、日本経済のファンダメンタルズは確かなものと認識しています。
 いずれにしても、政府、日銀が一体となってデフレ脱却を目指し、しっかりと経済を成長させる政策を進めてまいります。その際、足下の経済状況にもしっかりと注視しつつ、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
 参議院の決算審査についてお尋ねがありました。
 昨年の臨時会の召集の要求については、政府としてこれに適切に対応するため、現下の諸課題を整理して、補正予算、当初予算の編成などを行った上で、新年早々、本通常国会の召集を図ったものです。
 こうした中、平成二十六年度決算については、会計検査院の検査を経て早期に提出できるよう準備を進め、国会召集後直ちに提出し、本日審査をいただくこととなりました。決算審査は極めて重要なものであると認識しており、参議院においてこれまでも決算審査の充実に取り組まれてきたことに対して敬意を表します。政府としては、引き続き参議院の決算審査の充実に最大限協力してまいります。
 実効性のある国の債務抑制策についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、デフレ脱却・経済再生に全力で取り組みながら、財政健全化を着実に進めてまいりました。平成二十五年度決算、平成二十六年度決算と二年連続で新規国債発行額を減額しており、当初予算で見ると、平成二十八年度においては、平成二十四年度から十兆円減額しております。
 一方で、財政健全化に向けては、いまだ道半ばにあります。金利上昇に伴う利払い費の増加リスクへの対応という観点も踏まえ、今後とも、二〇二〇年度の基礎的財政収支の黒字化目標に向けて、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行し、国に対する市場の信認を確保してまいります。
 プライマリーバランスの黒字化についてお尋ねがありました。
 安倍内閣としては、経済と財政の双方の一体的な再生を目指しており、二〇二〇年度の財政健全化目標はしっかりと堅持しております。今年度は、補正予算も含め、基礎的財政収支の赤字の半減目標を達成する予算を組むことができました。
 今後、経済・財政再生計画に基づいて、二〇二〇年度の財政健全化目標達成に向けた取組を更に進めていきます。その際、計画の中間時点である二〇一八年度において改革の進捗状況を評価することとしており、必要な場合は、デフレ脱却・経済再生を堅持する中で、歳入歳出の追加措置等を検討し、二〇二〇年度の財政健全化目標を実現することとしております。
 社会保障制度の充実についてお尋ねがありました。
 急速な高齢化の進展に伴い社会保障関係費の増加が見込まれる中で、安定財源を確保し、世界に冠たる国民皆保険・皆年金を始めとする社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していく必要があります。
 このため、社会保障と税の一体改革に取り組んでおり、消費税率引上げによる増収分は全額を社会保障の充実、安定化に充てるとともに、制度の重点化、効率化に不断に取り組むことで社会保障制度の充実と財政健全化の同時達成を目指します。こうした取組を通じて、国が社会保障の向上、増進に努める責務をしっかりと果たしてまいります。
 企業の内部留保の増加への対応についてお尋ねがありました。
 企業の内部留保が増加する中、経済の好循環を確実なものとしていくためには、投資拡大や賃上げを一層促すことが重要であり、未来投資に向けた官民対話などの場において経済界に対して働きかけを行うとともに、成長志向の法人税改革や規制・制度の改革など事業環境の整備に取り組んでいるところです。御指摘の内部留保課税について、政府として具体的な検討を行ってはおりません。
 いずれにせよ、今後、経済界の投資拡大や賃上げについて、実際の取組状況を見極めつつ、必要があれば、企業の意識や行動を変革していくための更なる方策について検討を行ってまいります。
 外国人投資家による国債保有に関するお尋ねがありました。
 外国人投資家による国債保有に関して、御指摘のような見解もあることは承知しておりますが、その一方で、外国人投資家を含む多様なニーズを持つ投資家が国債取引することは、市場の取引が一方向に流れることを防ぎ、市場を安定させる効果があると考えられます。また、外国人投資家の中には、中央銀行、年金基金、生命保険など、国債の安定的な保有が見込める投資家も多数存在しているところであります。
 政府としては、こうした観点を踏まえつつ、今後とも、国債管理政策の適切な運営や財政健全化の取組の着実な推進を通じて国内外の投資家による国債の安定的な消化に努めてまいります。
 決算の各目明細書の作成等についてお尋ねがありました。
 決算の各目明細書を作成することについては、実務的な問題点も含め各省庁において検討を行ってきたところであります。国の会計処理が広範多岐にわたっている中にあって、全体の予算額全ての執行実績を詳細に管理、把握することについては、作成事務の効率性も含め、様々な課題が出てきたところであります。したがって、その作成、国会への提出の可能性について確たることを申し上げることができる状況ではありません。いずれにせよ、充実した決算審査が行われるためにも、できる限り分かりやすい形で決算をお示しできるよう努めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#57
○国務大臣(麻生太郎君) 旧外地特別会計の決算についてのお尋ねがあっております。
 旧外地特別会計の決算を作成するに当たりましては、終戦時の混乱によりまして、当時の会計資料の大半が残っておりません。詳しい項目ごとの計数が検証不能であることは事実であります。
 しかしながら、国会において御審議をしていただくため、法令上、戦時中における会計法の特例を定めた会計法戦時特例や、またそれらを踏まえた当時の一般会計やその他の特別会計の決算書の作成基準に沿いまして、当時の予算書、日本銀行の国庫金出納記録などを基にして、可能な限りの整理、記載を行ったものであることを御理解いただければと存じます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#58
○国務大臣(菅義偉君) 会計検査院に対する特定秘密の提供についてお尋ねがありました。
 政府としては、憲法上の会計検査院の役割の重要性について十分に認識しており、会計検査院への秘密事項の提供に関する従来の取扱いについては、特定秘密保護法の施行により何らの変更がないと考えております。それを踏まえ、内閣官房においては、一昨年十二月の法の施行前に、法の逐条解説に関する資料を作成し、各行政機関に周知したほか、昨年末、改めて関係行政機関に通知をしたところであります。
 このように、適切に政府としては対応していると考えます。(拍手)
    ─────────────
#59
○副議長(輿石東君) 秋野公造君。
   〔秋野公造君登壇、拍手〕
#60
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十六年度決算について、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
 デフレ不況からの脱却・経済再生と財政健全化の両立の実現を目指し編成された予算の執行結果である平成二十六年度決算は、いわゆるアベノミクス二年目の総括として位置付けられるものです。
 二十六年度の一般会計歳出決算総額は、対前年度で一・三兆円減少し、歳入決算総額は、税収が前年度に比べ七兆円も増加した一方、公債金収入は四・九兆円減少しました。歳入に占める税収の割合が五一・五%と五〇%を上回ったのは、平成十九年度以来七年ぶりのことであります。
 アベノミクスの二年目の総括として位置付けられる二十六年度決算に対する評価とアベノミクスの完遂に向けた決意について、安倍総理にお伺いをいたします。
 平成二十六年度の一般会計のプライマリーバランスは十六・三兆円の赤字で、前年度に比べ赤字幅は五・八兆円縮小し、三年連続で改善しています。公債依存度も三九%と、前年度から一・八ポイント低下し、二年連続で改善しています。政府においては、平成三十二年度までに国と地方のプライマリーバランスの対GDP比を黒字化することを目標に掲げられておりますが、中長期の財政健全化に向けどのように取り組んでいくのか、安倍総理の財政再建に懸ける決意をお伺いいたします。
 急激な高齢化を背景に増加している社会保障給付費を効率化する観点から、がんと生活習慣病を始めとする疾病の予防及び合併症予防を含む重症化予防対策について伺います。
 まず、会計検査院より、厚生労働省が約二十八億円を掛けて導入し、平成二十一年四月から運用を開始したレセプト情報・特定健診等情報データベースシステム、NDBシステムに収集、保存されているデータの多くがレセプトデータと突合できない事態がある等との指摘がありました。
 NDBシステムは、健診による早期発見と医療による早期治療によって、国民においては健康な生活と、国においては医療費適正化により、その後の介護、障害の需要を減らし財政の改善を両立させるための重要なツールです。NDBシステムを早急に改善して、収集、保存されたデータを十分に活用して適切な評価を行い、がんと生活習慣病の予防及び合併症予防を含む重症化予防につなげ、国民の健康と医療、介護、障害の社会保障費全体の抑制の両立を目指す取組が必要と考えますが、総理の見解を伺います。
 がんは死因の第一位であり、対策の強化に取り組むことは重要です。
 このうち、胃がんについては、公明党の主張で、平成二十五年二月二十一日に、悲願である胃がん予防のためのヘリコバクター・ピロリ菌の除菌が保険適用として認められ、これまでに三百万件を超える除菌が行われました。胃内視鏡を保険適用の要件としたことから、除菌により、将来の胃がん予防だけでなく、現在の胃がんも発見し、早期治療につながりました。
 ピロリ菌検診を先進的に導入した大分県豊後高田市では、二十六年度の受検者三千三百二十一名のうち、ピロリ菌陽性者は千八百九十一名、そのうち胃がんが十名の方に発見されました。東京都町田市では、二十六年度の受検者二万三千六百九人のうち、ピロリ菌陽性者は八千六百五十六名、うち百二十四名に胃がんが発見されています。ピロリ菌陽性者の約百九十名に一人又は七十名に一人に胃がんが発見されており、例えば千人に一人胃がんが発見されているバリウム検診とは異なり、極めて高率な状況となっています。
 医療給付実態調査によると、胃がんの医療費には約三千億円も掛かっておりますが、ピロリ菌除菌の推進によって削減が可能です。今こそ胃がん検診にピロリ菌検査を早急に導入を進め、陽性者には保険適用となったピロリ菌除菌につなげ、将来の胃がんの予防と現在の胃がんの早期発見につなげるべきだと強く求めますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 肝がん対策について伺います。
 我が国では、肝がんの原因は肝炎ウイルス感染によるものが多くを占めるとされていたことから、平成二十六年度においてもウイルスを原因とする対策のみが行われてきました。近年、ウイルスによらない飲酒や肥満等を背景とする脂肪肝炎を原因とした肝がんが徐々に増加し、その割合は二〇%になろうとしています。肝がん予防のために、国は脂肪肝炎についても併せて対策に着手すべきと考えますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 生活習慣病の合併症予防を含む重症化予防対策について伺います。
 糖尿病の患者数は約九百五十万人です。合併症としては、透析に至る糖尿病性腎症、失明に至る糖尿病性網膜症、足の切断に至る糖尿病性壊疽があり、障害施策を必要とする糖尿病の合併症の予防は極めて重要であります。二十六年度においては腎症の予防だけに偏った対策が行われておりますが、透析に至った後の足切断率も年々増加しており、透析導入後も重症化予防は重要な課題であることを指摘します。
 糖尿病対策は、予防に始まり、糖尿病発症後の合併症予防を含む重症化予防、さらには合併症発症後の重症化予防を総合的に進めていく必要があります。なお、透析の医療費を減らすことに注力するならば、死後腎移植の推進にも本腰を入れるべきです。なぜならば、腎移植後には医療費も削減でき、何よりも患者にとっては透析の必要性がなくなり、尿が出るようになり、生活の質は格段と向上するからです。
 生活習慣病の合併症予防を含む重症化予防に総合的に取り組む厚生労働大臣の見解を求めます。
 一億総活躍社会づくりに向け、セーフティーネットの構築は不可欠です。
 家族、地域社会の変容や高齢化の進展等の複合的な要因により生活困窮が発生し、中でも、資力がなく国民年金のみで暮らす方への支援は喫緊の課題です。国には、家賃を減免することを可能としたサービス付き高齢者向け住宅を認めていただいたことにより、鹿児島県内の二施設において資力がなく国民年金しか収入がない高齢者が安心して暮らす仕組みが整いましたが、全国には広がりません。
 社会福祉法人等がこうした生活困窮者に対する重点的な支援として医療費の負担を減免する仕組みが重要であると考えますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 公明党は、家賃負担の軽減を図るため、民間空き家等を活用した低所得の子育て世帯等向けの住宅を十年間で百万戸供給するよう求め、二十四年度には住宅セーフティーネット整備推進事業が創設され、二十四年度から二十六年度までに約二万九千戸の住宅が供給されました。
 希望出生率一・八の実現に向け、政府が主導して、既存の民間賃貸住宅四百三十万戸や一定の質の確保された民間空き家四十八万戸を活用した低所得の子育て世帯や住宅困窮者への住宅供給を強力に推進すべきです。
 住宅セーフティーネット事業を安定的かつ必要な戸数を供給できるよう、法制度化を見据えた取組が必要と考えますが、国土交通大臣の見解をお伺いします。
 我が国の高速道路においては、対面通行の暫定二車線区間が約三割を占めており、諸外国でも例を見ない状況です。昨年の会計検査でも、暫定二車線区間は安全性などの課題を指摘されています。長崎自動車道については、長崎インターチェンジから長崎多良見インターチェンジ間の十一キロが暫定二車線区間であり、さらに残り三キロは未着手のまま残されています。
 長崎道を含めた高速道路の暫定二車線区間の機能強化を早急に図り、安全性の課題を解決することが重要と考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。
 全国に約七十二万ある道路橋のうち、建設後五十年以上となるものが、今後十年で約一八%から四二%へと急増していきます。二十六年度には約六万橋の道路橋の点検が行われ、うち約一万橋について緊急若しくは早期に修繕等の措置が必要との診断結果が出ました。
 今後も道路や河川等で大量の既存インフラを確実かつ効率的に維持していくためには、国、地方公共団体において、公共工事の品質管理、あるいは既存インフラの点検、診断を的確に実施するために、それぞれの施設に応じて非破壊検査などの技術を的確に活用できる十分な知識と経験を有する技術者が従事する仕組みづくりが必要であると考えますが、国土交通大臣の所見をお伺いします。
 決算審議は、予算の執行状況を検証して、その結果を次の予算編成に反映させる機能を担っています。本決算審議を通じて、デフレ不況からの脱却・経済再生と財政健全化の両立の実現を政府に強く求めて、私の質疑を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#61
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 秋野公造議員にお答えをいたします。
 二十六年度決算に対する評価と今後の決意についてのお尋ねがありました。
 安倍政権が初めて概算要求段階から編成した平成二十六年度予算は、科学技術や農業など各分野における経済成長を促す施策に重点化しつつ、財政健全化を着実に進めるものとして編成しました。
 平成二十六年度決算においては、御指摘のとおり、歳入に占める税収の割合が五〇%を下回る状況を逆転でき、決算においても財政健全化を進めることができました。アベノミクス第二ステージにおいても、経済再生なくして財政再建なしの基本方針の下、全力で取り組んでまいります。
 中長期の財政健全化についてのお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、経済再生と財政健全化の両立を目指しています。これまでデフレ脱却を目指し、三本の矢の政策を進めることにより税収を増加させるとともに、社会保障の改革を含め、徹底的な重点化、効率化など、歳出削減にも取り組んできたところであります。
 今後とも、経済・財政一体改革を不退転の決意で断行し、経済再生を図りながら二〇二〇年度における国、地方の基礎的財政収支の黒字化を実現し、債務残高の対GDP比についても中長期的に着実に引き下げてまいります。
 データを活用した疾病予防などの取組についてのお尋ねがありました。
 急速な少子高齢化の下、予防、重症化予防や健康づくりを積極的に進めていくことは重要な課題です。このため、ナショナルデータベースにある健康診断のデータとレセプトデータを活用してより効果的な予防や健康づくりに取り組み、国民の健康な生活を確保し、あわせて医療費などの社会保障費全体の適正化を目指してまいります。
 ナショナルデータベースの運用については、会計検査院からの指摘を受け、現在、システム改修による対応を進めています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 秋野公造議員にお答えを申し上げます。
 ヘリコバクター・ピロリ菌の検査についてのお尋ねがございました。
 ピロリ菌が胃がんのリスクを上げることは疫学的には既に明らかになっておりますけれども、このピロリ菌の検査を胃がん検診に導入することについては、昨年九月にまとめられたがん検診のあり方に関する検討会の報告書において、その導入によりリスクに応じた検診が可能となるなど一定の評価はできるものの、引き続き検証が必要であると提言をされております。
 厚生労働省では、本提言を受け、昨年秋より、一部の市町村が実施をしているヘリコバクター・ピロリ菌の検査の実態把握を開始するとともに、来年度には有効性を検証するための研究を実施したいと考えております。その研究結果等を踏まえ、がん検診のあり方に関する検討会で死亡率減少効果を検証いただき、それが明らかになれば、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に盛り込みたいと考えております。
 非ウイルス性肝炎についてのお尋ねがございました。
 肝炎につきましては、近年、ウイルス性の肝炎ではなく、飲酒や肥満、糖尿病等を背景とした脂肪性肝炎などの非ウイルス性肝炎が原因となった肝がん患者が徐々に増加している状況にあることから、平成二十七年度からその疾病解明や治療に関する研究を進めているところでございます。また、議員の御指摘のとおり、非ウイルス性肝炎は、飲酒や食事、運動等の生活習慣の改善を図ることが効果的であることから、健康日本21などの取組を通じて普及啓発を進めてまいります。
 生活習慣病の予防、特に糖尿病対策についてのお尋ねがございました。
 第二次健康日本21では、九百五十万人から一千四百十万人に増加すると推計をされている糖尿病有病者数を平成三十五年時点で一千万人に抑制することを目標とし、生活習慣の改善の普及啓発などの対策に取り組んでおります。加えて、糖尿病による腎臓の病気、目の病気、さらに足の障害などの合併症対策も重要です。厚生労働省では、合併症に関する実態調査や糖尿病性腎症の早期診断に向けた研究等を進めております。
 糖尿病性腎症の人工透析については、腎移植を行った方がQOL、生活の質の満足度が高く、また、移植に係る医療費等の合計が移植を受けなかった場合の医療費の合計に比べ安くなるといった研究もあることは承知をしているところでございます。腎移植を含めた移植医療について、臓器提供施設への支援等、適正な移植医療の実施のための必要な施策を推進してまいりたいと思います。
 生活困窮者に対する医療費の窓口負担の軽減についてのお尋ねがございました。
 生活困窮者が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されないようにすることは重要であり、医療保険においては、保険料の軽減措置と併せて、所得に応じて高額療養費制度の上限額も低く設定し、過大な負担とならない仕組みとしております。
 また、社会福祉法人等においては、社会福祉事業に位置付けられている無料低額診療事業により生活困窮者に対する医療費の窓口負担を減免することが可能となっており、社会福祉法人等に対し積極的に減免を行うよう促してまいります。
 なお、医療費の窓口負担の減免以外にも、社会福祉法人等において社会福祉事業として、日常生活に関する経済的援助や相談支援が行われているところであり、同様に周知を図ってまいります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#63
○国務大臣(石井啓一君) 秋野公造議員にお答えをいたします。
 空き家を活用した低所得の子育て世帯等向けの住宅供給についてお尋ねがありました。
 希望出生率一・八の実現に向け低所得の子育て世帯等向けの住宅供給を推進することは、一億総活躍社会の実現のため重要な政策と認識しております。
 このため、民間空き家を活用し、低所得の子育て世帯等向けに賃貸住宅を供給する際の改修費への補助を行っております。また、地方公共団体との連携を前提に、住宅の整備費や家賃低廉化への支援を通じて、新婚、子育て世帯が利用できる良質な公的賃貸住宅の供給を引き続き促進してまいります。
 さらに、本年三月末の改定を目指して検討している新たな住生活基本計画におきまして、子育て世帯を含めた住宅の確保に特に配慮を要する方々に安定した居住を確保することを目標の一つとして打ち出したいと考えております。今後、その具体化に向けて、民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティーネットの強化について、御指摘の点も含め検討を深めてまいります。
 高速道路の暫定二車線区間の四車線化についてお尋ねがありました。
 これまで、高速道路の暫定二車線区間については、交通量の増加に合わせて四車線化を行ってきたところであります。一方、暫定二車線区間には、交通量の観点のみならず、中央分離帯がないため、四車線の区間と比較して死亡事故が発生しやすいなど、安全性の課題があるのは御指摘のとおりであります。国土交通省の有識者委員会でも同様の指摘がなされており、昨年十一月、暫定二車線区間を四車線化する際の手続の見直しを行ったところであります。
 長崎道の残りの区間を含めた暫定二車線区間については、四車線化を含む機動的な付加車線の設置など、効果的な対策を有識者の意見も聞きながら進めてまいりたいと存じます。
 インフラの信頼性と安全性の確保における技術者の活用についてお尋ねがありました。
 我が国の国民生活と経済活動を守る上で、その基盤となるインフラの信頼性と安全性を確保することが大切であります。特に、今後の老朽化の進行を踏まえると、インフラの点検、診断を的確に行っていくことが重要な課題と考えております。その際に、御指摘の非破壊検査など、民間が有する技術は大変有用であり、そうした技術に精通した技術者を活用することが効果的と考えております。
 このため、国土交通省において、インフラの点検や診断に必要な技術水準を満たす民間資格を登録する制度を平成二十六年度に創設をいたしました。現時点で五十の資格が登録をされており、登録された資格を有する技術者を点検等の業務に活用する取組を進めております。
 今後とも、こうした仕組みを活用しつつ、我が国の産学官の技術力を結集して、インフラの信頼性と安全性の確保に万全を期してまいります。(拍手)
    ─────────────
#64
○副議長(輿石東君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
#65
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 日本共産党を代表して、二〇一四年度決算について質問いたします。
 二〇一四年度予算の特徴は、消費税率を五%から八%へ三%引き上げたことです。二〇一四年度決算の税収は、消費税が十六兆二百八十九億円と、前年度から一・五倍に増えています。歳出では、防衛費が五・六%増と突出しました。
 政府は、消費税の増税分は全額社会保障に充てると宣伝してきましたが、社会保障は充実するどころか、年金の減額、七十から七十四歳の医療費の窓口負担の引上げ、介護報酬の削減、生活保護の減額など、社会保障の改悪が行われました。決算を見れば社会保障関係費にほとんど活用されなかったことは明瞭です。総理の見解を求めます。
 アベノミクスは大企業と一部の富裕層には恩恵がもたらされましたが、国民の暮らしと営業は恩恵どころか悪化し、さらに消費税の増税が追い打ちを掛けました。大企業は二〇一三年度、二〇一四年度と二年連続で史上最高の利益を更新しましたが、労働者の平均賃金は横ばいで、物価上昇を差し引いた実質賃金は落ち込んだままです。アベノミクスの円安誘導によって、輸入物価、原材料価格は上昇し、国民生活と中小企業の経営、農業の経営を窮地に追い込みました。内閣府が発表したミニ経済白書は、二〇一四年四月に消費税率を上げてから個人消費は低迷している、増税に伴う物価上昇が実質所得を減少させ、消費を一兆円弱押し下げたと述べました。
 総理、アベノミクスと消費税の増税が景気を悪化させ貧困と格差を拡大したことを認めるべきではありませんか。答弁を求めます。
 それなのに、総理、あなたは消費税を一〇%に引き上げようとしています。暮らしと営業に大打撃を与える消費税一〇%への増税は中止すべきです。答弁を求めます。
 私たち日本共産党は、消費税増税に反対するとともに、応能負担の原則に立った税制改革、大企業の内部留保の一部を活用して、賃上げを始め国民の所得を増やす抜本的な改革など、消費税に頼らないで社会保障の財源を確保し、財政危機の打開に踏み出す別の道を提案するものです。
 今年は、東日本大震災、福島原発事故から五年目を迎えます。被災者が第一の復興が求められています。
 二〇一四年度の東日本大震災復旧復興財源の大きな特徴は、消費税を増税した四月一日に復興特別法人税を廃止したことです。国民には、復興特別所得税として二十五年間、住民税は十年間の上乗せ負担を求めました。企業に求めた復興特別法人税は一年前倒しで廃止し、しかも、その穴埋めに国民の税金を充てました。消費税の増税が被災地の復興にも大きな影響を与えているのに、歳出を見れば、復旧復興とは関係のない防衛省の武器車両整備費など、温存されたままです。
 予算は、被災者が第一の復興に充てるべきです。特に、最も要望の強い医療、介護の負担減免措置を復活させるべきではありませんか。答弁を求めます。
 被災地では今でも十八万人が避難生活を余儀なくされ、災害関連死は三千四百七人に達しています。住まいは今も深刻で、宮城ではまだ五万人が仮設住宅に入居し、六千世帯の行き場所が決まっておりません。岩手県では、災害公営住宅の整備は四三・四%です。商店街の再建に向けて、仮設店舗から本店舗への支援、グループ補助の充実、拡充、小規模事業者への支援などが求められています。
 政府は、五年間の集中復興期間を終了し、被災自治体の自立を求めるとして、来年度から復興事業費の一部を自治体に負担させると言います。これでは進みかけた復興のブレーキになるのではありませんか。答弁を求めます。
 福島原発事故は、住民に苦難を与え、放射能汚染による安全性への脅威は地域経済に深刻な影響を与えています。政府は、福島復興指針を改訂し、福島県内の避難指示区域のうち、放射線量が高い帰還困難区域を除く地域の避難指示をあと一年後に解除する方針です。避難者や事業者の賠償並びに自主避難者を含む仮設住宅の提供が打ち切られます。
 福島を切り捨てるのはやめて、原発事故の被害に対して全ての被災者の暮らしとなりわいを取り戻すまで国と東電の責任を果たすように強く求めるものです。
 TPPについて質問します。
 二〇一三年三月、安倍総理は、環太平洋経済連携協定、TPP交渉に参加すると表明しました。二〇一四年は、国民には情報を示さず、専ら秘密協議に明け暮れました。二〇一五年十月、TPP大筋合意を発表しましたが、農林水産物全体で八割が関税撤廃であり、聖域として断固守るとしてきた重要五品目も三割が関税撤廃です。分かっている内容でも驚くべき公約違反、国会決議違反です。
 一月四日付けの日本農業新聞のJA組合長アンケートでは、国会決議は守られていないと答えたのは九一・六%です。総理は国会決議に違反していることを認めるべきではありませんか。答弁を求めます。
 TPP関係文書は、英語、フランス語、スペイン語で正文が作られますが、なぜ日本語は作られていないのですか。TPPは、日本の国の形を変え、農業、地域に重大な影響を与えます。しかも、TPP加盟国の中で日本は人口も多く、経済規模も大きいにもかかわらず、正文が作られないのは納得できません。なぜ日本語の正文を求めなかったのですか。答弁を求めます。
 総理、国民との約束は守った、国会決議を守ったなどと胸を張って語りましたが、そんな抽象的な説明では何の説得力もありません。農家はもちろん、多くの市民団体や学者、私たち野党議員が出している懸念に答えるべきです。我が党も再三求め、やっと先々週、協定文書、日米の交換文書の暫定仮訳は出されましたが、附属書は出ていません。附属書を含め、全ての交渉文書を公表すべきではありませんか。
 TPPの影響試算について聞きます。
 総理は、二〇一三年に出した試算と今回の試算が大幅に違っている理由を聞かれて、新たな成長軌道に乗ることでGDP十四兆円の拡大が見込まれる、農林水産物については品目ごとに十分精査し積み上げた数値だと答えましたが、これでは答えになっていません。誰も理解できません。なぜGDPが前回の試算から四倍も拡大するのか、農林水産関連への影響は三兆円の減少と言っていたのに、なぜ牛肉、豚肉、乳製品など三十三品目の生産額は一千三百億から二千百億円程度の減少にとどまるのか、具体的で明確な説明を求めます。
 政府は、影響を小さく見せるだけで、まともな検証も行わないまま国会を乗り切ろうとしています。しかし、分かっているだけでも多くの問題点が浮かび上がっています。国民の利益と経済主権をアメリカと多国籍企業に売り渡すTPPの本質が分かれば分かるほど反対世論が広がると確信しています。
 TPPはまだどの国も批准していません。アメリカも議会で承認されるのかも分かりません。日本が批准しなければ発効はしません。これからが正念場です。日本共産党は、徹底的にTPPの本質を国民に知らせ、批准を阻止するために力を尽くす決意を述べ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#66
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 紙智子議員にお答えいたします。
 消費税増税と社会保障についてお尋ねがありました。
 消費税率の引上げは、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡すとともに、国の信認を維持していくためのものであり、増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てられます。
 平成二十六年度においては、消費税増収分を活用して、基礎年金国庫負担割合の二分の一への引上げや国民健康保険等における低所得者の保険料軽減の拡充、高額療養費制度の自己負担限度額の引下げ、そして難病対策の充実などを実施しました。
 以上のことから、消費税増収分が社会保障関係費にほとんど活用されなかったとの指摘は全く当たりません。
 アベノミクスと消費増税についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、三本の矢の政策によりデフレではないという状況をつくり出す中で、全ての都道府県において有効求人倍率が上昇するとともに税収も増加するなど、全国において明るい動きが見られています。また、特に雇用環境の改善に取り組んだ結果、就業者数は百十万人以上増え、正社員の有効求人倍率は昨年十一月に〇・七九倍と、平成十六年の調査開始以来最高となりました。働き盛りの五十五歳未満では、平成二十五年から十一四半期連続で非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っており、パートで働く方々の時給も二十二年間で最高の水準となるなど、大きく改善しています。
 一昨年の消費税率八%への引上げが消費に大きな影響を与えたのは事実でありますが、だからこそ我々は、一〇%への引上げを延期し、その間、三本の矢の政策を進めてまいりました。その結果、賃上げも順調に行われ、成長軌道に戻ってきています。
 また、今般の消費税率引上げによる増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てることとしており、特に所得の低い方々に対しては、国民健康保険料等の保険料軽減の拡充等を講じています。安倍内閣の政策が貧困と格差を拡大させたとの御指摘は全く当たりません。
 消費税率引上げについてのお尋ねがありました。
 来年四月の消費税率一〇%への引上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するため、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り確実に実施します。経済の好循環を力強く回すことにより、そのための経済状況をつくり出してまいります。
 東日本大震災に係る復旧復興予算についてのお尋ねがありました。
 御指摘の復興特別法人税の前倒し廃止は、企業収益を賃上げにつなげるきっかけとするために行ったものです。復興財源は決算剰余金を活用して補填しており、復興には支障を生じさせておりません。また、御指摘の武器車両等整備費など全国向け事業については、平成二十四年十一月の復興推進会議において使途の厳格化が図られたところです。なお、医療保険や介護保険については、窓口負担や保険料を自治体が減免した場合にその費用については国が財政支援を行い、自治体の負担が過度にならないよう配慮しているところです。
 安倍内閣においては、引き続き、閣僚全員が復興大臣であるとの意識を共有し、被災者の方々の心に寄り添い、従来の発想にとらわれることなく、スピード感を持って全力で復興を加速してまいります。
 復興事業費への地元負担の導入についてのお尋ねがありました。
 二十八年度以降の復興については、一部の事業について自治体に御負担をお願いすることとしたところですが、御負担をいただくに当たっては、自治体の財政状況に十分配慮しているところであります。被災自治体におかれては、今後とも安心して復興に進んでいただきたいと考えています。
 福島原発事故への対応についてお尋ねがありました。
 ふるさとへ戻りたい、こうした被災者の方々の気持ちを大切にし、安心して戻れるふるさとを一日でも早く取り戻せるよう全力で取り組んでいます。
 仕事がなければふるさとへは戻れません。八千の事業者を対象に、官民で個々に訪問し、相談を受けて、実情に応じた支援を行っています。避難指示が解除された地域に戻られる方に対しては、災害公営住宅の整備等により住宅環境の確保をしっかり行ってまいります。安心して買物や医療・福祉サービスが受けられるよう、地域のニーズに応じたきめ細かな対応を行います。
 賠償の実施に当たっては、個々の被害者の方の状況をよく伺って丁寧な対応を行うよう、引き続き東京電力に対し指導してまいります。
 国会決議との関係についてお尋ねがありました。
 TPP交渉においては、重要五品目を中心に、関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割当てやセーフガード等の措置を獲得しました。昨年十一月、総合的TPP関連政策大綱を取りまとめ、緊急に実施すべき施策を補正予算に計上しました。重要品目が確実に再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置と併せて、引き続き万全の措置を講じていきます。
 御指摘のアンケートは、農業者の不安を払拭するための対策の具体的内容が十分明らかでなかった段階で行われたものと承知しています。政策大綱をまとめる過程で現場の声を丁寧に伺い、それを大綱や補正予算に反映しており、かなり現場の理解も進んでいると考えています。
 交渉結果が国会決議にかなったものかどうかは最終的に国会で御審議いただくこととなりますが、政府としては、国会決議の趣旨に沿うものと評価していただけると考えております。
 日本語の正文についてお尋ねがありました。
 日本がTPP交渉に参加した時点で、既に英語のほか多数国間の通商関連条約で正文として採用されることが一般的なフランス語及びスペイン語のみを正文とすることが決まっていました。新たに日本語を正文として追加するよう交渉することは全く現実的ではありませんでした。日本語を正文としない条約については、国会提出に当たり日本語の訳文を作成、提出してきており、TPP協定についても同様の対応をする予定であります。
 TPP協定の仮訳の公表についてお尋ねがありました。
 TPP協定の内容については、大筋合意の直後から協定本体及び附属書の概要資料や関税交渉結果等を公表するとともに、国民への丁寧な説明に努めてきています。現在、協定条文の法的精査が続いており、最終的な条文は確定していませんが、法的精査が最終段階にある協定本体については、取り急ぎ暫定的な仮訳を作成し、先日公表しました。TPP協定の附属書については、法的精査の作業が協定本体よりも遅れていますが、和訳の作業は鋭意行っています。準備でき次第、公表したいと考えています。
 TPP協定の経済効果分析についてお尋ねがありました。
 平成二十五年の試算は、TPP参加予定国の関税が全て即時撤廃され、国内対策を講じないとの前提で、関税撤廃の効果のみを対象としていました。今回は、関税削減、撤廃の効果を交渉結果を踏まえて分析しました。農林水産物については、個別品目ごとに精査し積み上げた数値を組み入れました。その上で、TPPの合意内容が三十章に及ぶ広範なものであることを踏まえ、生産性向上や労働供給増の効果を含め、より包括的な分析を行いました。
 TPP協定はあくまで手段にすぎません。政策を総動員し、事業者や農林漁業者の積極的な行動を促し、最大限の経済効果を実現してまいります。(拍手)
    ─────────────
#67
○副議長(輿石東君) 松田公太君。
   〔松田公太君登壇、拍手〕
#68
○松田公太君 日本を元気にする会の松田公太です。
 維新・元気の会を代表し、安倍総理に質問をさせていただきます。
 決算といえば、民間や経営では最も重要な指標となります。PDCAでいえばC、つまりチェックに当たり、本来はそれがなければ次のP、プランを作ることもできないはずです。残念ながら、国会ではその決算が軽んじられていると言わざるを得ません。
 その根底にあるのは、お金が足りなくなれば増税しよう、国債を発行しようという安易な考え、危機感のなさではないかと考えます。また、今の流れでは決算審査の結論が二年前のものとなってしまい、情報としての鮮度が低いのも問題です。
 現在、民間では日次決算を導入する企業も増えており、国としてもその検討を始めるべきだと思います。現在のICTを駆使すれば、それは可能なことです。日次決算が実現すれば、少なくとも概算での決算はリアルタイムで行うことができ、政府の予算編成や国会での審議で最新のデータを使うことができるようになり、また、透明性の向上や不正の防止等にも役立ちます。
 日次決算の検討は政府内で行われたことはあるのでしょうか。まだであれば是非検討を始めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 また、昨今議論が活発になってきている憲法改正を視野に入れるのならば、最重要課題である財政健全化を真剣に進めるために、憲法九十条の見直しを行い、決算の内閣提出時期と国会での審査時期を早めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、チェックとしての質問になりますが、マイナンバーが今年から導入されることになり、住基ネットの役割は終了に向かいます。これは自民党政権が進めたものですが、何千億円もの税金をつぎ込んで開発、推進してきたにもかかわらず、全く普及しませんでした。
 開始から今日までの十三年間で、国と地方自治体合わせ、この住基ネットに幾ら使ったのでしょうか。あわせて、失敗の原因と反省があれば述べていただければと思います。
 本日、本会議で公務員給与法が可決されましたが、現在の人事院勧告制度には様々な問題があります。
 そもそも人事院がラスパイレス方式として参考にしている民間企業は、日本にある全三百八十六万社のうち、上位約一%に当たる五・五万社でしかありません。また、株式会社日本は、世界でも極めて高い千二百兆円もの債務を抱えていて、赤字の状態が続いています。もし民間企業との比較をするのならば、大借金を抱えていて大赤字の会社と比較するべきではないでしょうか。そのような会社で給与やボーナスを上げているところなど聞いたことがありません。
 労働基本権の制約について再検討し、人事院勧告制度は廃止にするか大幅に見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか。また、国が基礎的財政収支を黒字化し、債務残高を安定的に引き下げることができるようになるまで国会議員の歳費を三割カット、国家公務員の総人件費を二割カットするべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 現在、大きな争点になっている軽減税率、私は新聞の軽減税率導入はおかしいと考えています。
 その根拠は知る権利の保障だと言われていますが、それでは公共放送であるNHKについてはどのようにお考えでしょうか。現在は受信料に消費税八%が加算されていますが、一〇%への引上げ時にはNHKも軽減税率の対象になるのでしょうか。
 また、知る権利といえば、今はパソコンやスマートフォンの普及率が七、八割で、多くの人がニュースをネットで見ています。このネットは、情報の送り手と受け手が固定されていた状況を打破し、国民全員に発信者になれる可能性も与えてくれました。今や、表現の自由、政治活動の自由を保障する上で不可欠なものになっています。そのようなことを考えると、ネットの接続料にも軽減税率が適用されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 安倍総理、御存じのとおり、なぜか日本を元気にする会の所属議員の一人が先月、突然自民党へ移籍を希望して離党したため、我々は政党助成法上、政治資金規正法上、そして公職選挙法上の要件を失い、政党助成金をいただけない政党になってしまいました。しかし、政党であることには違いがなく、今後も我々の理念や政策を実現するために活動を続けていく所存です。
 昨年の戦後七十年における安保法制、元々反対の立場でしたが、余りにも強引な安倍総理の進め方に危機感を覚え、少しでも危険性を取り除くために、入口、中口、出口の修正案を考えました。そして、日本への直接的な武力行使が起こる事態ではない存立危機事態の認定には例外なく参院と衆院での可決を必要とし、自衛隊の派遣中も終了後も国会の関与が強化されることを附帯決議と閣議決定を通じて約束をしていただきました。
 それを基に設置された五党による修正協議会、先ほど述べたとおり、政党要件を失ったとしても元気会は政党であることには違いがありませんので、よって、我々がその協議会から外されることはよもやないと思いますが、安倍総理の見解をお聞かせください。
 また、その協議会ですが、昨年から何度も要望しているにもかかわらず、一向に開催される気配がありません。安保関連法の施行期限は三月末となっていますが、一日も早く始めないと間に合わなくなります。いつになったら始まるのでしょうか。この場で、早急に開催するということ、そして合意したとおりに厳しい仕組みをつくり上げるということをお約束していただきたいと思います。その上で、開催時期の明確な期限をお示しください。
 これは、我々にではなく、国民に対する約束なのです。しっかりと実施していただくよう強く要請をして、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#69
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 松田公太議員にお答えをいたします。
 日次決算についてのお尋ねがありました。
 決算は、憲法や財政法の規定により、毎会計年度作成し、会計検査院の検査を経て国会に提出することとされており、政府としては法令の規定に沿って決算を作成しているところです。
 国の決算をできるだけ詳細に把握することは極めて重要と考えております。しかしながら、国の事務事業は広範で、かつその会計処理も多岐にわたる中にあって、議員御提案の日次決算につきましてはこれまで検討を行ったことはありませんが、その必要性のほか、現実に実施する場合の制度面やコスト面での問題など、様々な課題があるものと考えます。
 憲法九十条の見直しによる決算の早期提出及び国会での速やかな審査についてお尋ねがありました。
 憲法改正は最終的には国民が決するものであり、どの条項をいつ、どのように改正するかについては国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくるものと考えております。
 御指摘の決算の国会への提出については、会計検査院とも協力し、できる限りの早期提出に努めてきたところであります。また、決算の国会審査の時期については、与野党間で御議論をいただくべき問題ではありますが、いずれにせよ、政府としては今後も決算の速やかな国会提出に努めてまいります。
 住基ネットについてお尋ねがありました。
 平成十一年度から平成二十七年度まで、住基ネットの初期投資及び運用のため地方財政措置をした額は約二千五百六十億円となっているところです。
 この住基ネットは、全国共通の本人確認情報を利用するための基盤として行政効率の向上や国民の利便性の向上に資しているところですが、今後もマイナンバー制度の基盤として運用していくこととしています。
 国家公務員の労働基本権についてお尋ねがありました。
 国家公務員については、その地位の特殊性と職務の公共性に鑑み労働基本権が制約されており、その代償措置である人事院勧告を尊重することが政府としての基本姿勢であります。
 国家公務員の労働基本権の在り方を見直すことについては、多岐にわたる課題があることから、これまでの経緯などを踏まえ、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。
 国会議員の歳費及び国家公務員の総人件費の削減についてお尋ねがありました。
 政治活動に係る費用の問題は、国会活動ひいては民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、その在り方については、歳費のみならず、費用全体について多角的な観点から各党各会派で議論し、結論を得るべき問題であると考えています。
 また、国家公務員の人件費については、厳しい財政事情を踏まえ、構造的な人件費の増加を抑制し、簡素で効率的な行政組織体制を確立することにより、総人件費の抑制に努めてまいります。
 いずれにしても、政府としては、経済と財政の一体的な再生を図りながら二〇二〇年度までの基礎的財政収支の黒字化を目指し、また債務残高の対GDP比についても中長期的に着実に引き下げてまいります。
 軽減税率の適用対象についてお尋ねがありました。
 軽減税率の適用対象品目については、消費税率一〇%への引上げに伴う低所得者への配慮との趣旨を踏まえ、日々の生活の中での消費、利活用の状況、消費税の逆進性の緩和、合理的かつ明確な線引き、社会保障財源である消費税収への影響等の諸点を総合勘案し、今般、軽減税率の適用対象品目を酒類及び外食を除く飲食料品並びに一定の新聞の定期購読料としたところです。
 なお、NHK受信料やネット接続料について御指摘をいただきました。軽減税率対象品目を拡大することについては、特定の物品やサービスのみを対象とすると代替品との間でゆがみが生じ得ること、こうしたゆがみを回避しようとすれば、際限なく対象が広がり、社会保障財源となっている消費税収を減少させるおそれがあること等の問題があり、慎重であるべきものと考えております。
 平和安全法制に関する五党合意についてお尋ねがありました。
 平和安全法制の成立に際しては、与党のみならず、日本を元気にする会を始め野党三党の皆さんの賛成も得て、より幅広い合意が形成されたことは大きな意義があったものと考えています。
 昨年九月十六日の五党合意に関しては、五党の間で判断すべき事柄ですが、私は、日本を元気にする会は今後とも当然合意の当事者であり、これは法律上の政党要件の有無によって左右されるものではないと考えております。また、合意の内容については五党の間で実現に向けて努力をすべきものであり、御指摘の開催時期を含め、政党間で十分に議論を行い結論を得るべきものと考えています。政府としては、閣議決定でお示ししたとおり、五党合意の趣旨を尊重し、適切に対処してまいります。(拍手)
    ─────────────
#70
○副議長(輿石東君) 室井邦彦君。
   〔室井邦彦君登壇、拍手〕
#71
○室井邦彦君 おおさか維新の会の室井邦彦です。
 私は、おおさか維新の会を代表して、平成二十六年度決算について質問をいたします。安倍総理、麻生財務大臣には六問質問をさせていただきます。
 我が党は提案型責任政党であります。政府・与党の政策に対し、単なる反対のための反対に終始するのではなく、自ら政策を提案し、未来への責任を果たしてまいります。今後、我が国が厳しい少子高齢化時代を乗り越えていくために最も大事なことは、日本財政の真実を国民に知っていただくことであります。そうした観点から、本決算の歳出歳入それぞれについて質問いたします。
 歳出面では、国債費、簡素な給付措置について質問をいたします。
 国債費は、予算補正修正減少額が一兆五千百四十二億円と過剰に計上していたことになります。まず、この積算金利と実際の金利が幾らであったのか、麻生大臣に伺います。
 予算編成では、国債費を財務省が財務省に要求して、身内に甘い査定が長年続いており、不用額が出るのを見越して予算に過大計上しているのは、補正予算の財源づくりではないでしょうか。しっかりと査定すれば、国債発行額を当初から減額ができ、その分を他の諸経費に充てられたのではないでしょうか。
 簡素な給付措置及び子育て世帯に対する臨時特例給付措置の不用額は二百四十三億円ですが、地方公共団体からの交付申請額が予定を下回ったことを理由にしております。この点について財政当局はどう考えているのか、麻生大臣にお伺いをいたします。
 この制度でまずまずの成果を上げているとお考えなら、昨年の軽減税率をめぐる議論で、マイナンバーを活用して還付という、国民にとって回りくどい案を財務省はどうして検討したのですか。そして、多くの人が軽減税率の対象となる食品を購入しますが、それらの全てに還付を強いるのは国民に負担を掛け過ぎており、簡素な給付措置であれば一応国民になじんでおり、制度としての実績もあります。多少不用額があったとしても実行しやすい制度ではなかったのか、麻生大臣に伺います。
 歳入面では、税収と政府資産整理収入の回収金等収入について質問をいたします。
 政府は、平成二十六年四月からの消費税増税について、景気などへの影響は軽微であると説明しておりました。しかし、実際は、景気が大きく落ち込み、平成二十六年度はマイナス成長となっております。
 こうした現状にもかかわらず、租税及び印紙収入の純増加額は二兆二千四百四十七億円となっており、景気予測を下方に外したにもかかわらず、結果として税収が増えたことは不自然な見積りと言わざるを得ません。政府は、景気の落ち込みを知りながら、実際は税収を過小に見積もっていたのではないか。
 そして、国民には消費増税となっても影響は限定的と説明しながら、最終的に税収の上振れがあったという政府の説明は、国民にあらぬ疑惑を抱きかねません。政府は、もっとマクロ経済について正しい情報を国民や国会に提供すべきであります。安倍総理に御所見をお伺いをいたします。
 政府資産整理収入の回収金等収入は、歳入予算額に対して一兆九百七十六億円の増加、回収金等収入のうち特別会計整理収入も一兆五百八十二億円増加となっています。
 決算の説明資料では、その理由を、特別会計整理収入において平成二十五年度の社会資本整備事業特別会計の歳入歳出決算上の剰余金のうち、特別会計に関する法律等の一部を改正する等の法律附則第十二条第二項の規定により一般会計に繰り越して使用する経費に係る財源の受入れがあったことなどとしております。
 こうした特別会計の一般会計化に伴うものは、国民から財源隠しの疑惑を持たれないよう、当初予算で正しい見積りを行うべきではありませんか。麻生大臣にお伺いをいたします。
 我々おおさか維新の会は、平成二十六年度の決算に限らず、無駄が多く、透明性を著しく欠いている現在の予算、決算について厳しく追及し、将来世代のために、予算制度全体の改革を目指してまいります。国民の皆様方の御理解、御支援を心からお願いを申し上げまして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 室井邦彦議員にお答えをいたします。
 マクロ経済の情報提供及び平成二十六年度税収についてお尋ねがありました。
 平成二十六年度の経済については予想よりも消費税率引上げの影響が大きくなりましたが、当初、堅調な内需に支えられた景気回復を見込んでいたのは、政府の経済見通しのみならず、民間の経済見通しにおいても同様であります。
 また、平成二十六年度決算税収は、補正予算における見積りに比べ二・二兆円の増加となりましたが、これは、景気の回復力に弱さが見られる中でも企業業績が想定より好調だったことから法人税収や所得税収が増加したことなどによるものです。したがって、景気の落ち込みを知りながら、実際は税収を過小に見積もっていたとの御指摘は当たりません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#73
○国務大臣(麻生太郎君) 国債費の積算金利についてのお尋ねがあっております。
 平成二十六年度の積算金利は一・八%、実際の金利は、結果として平均で〇・五%程度でありました。これは、将来の金利動向を正確に見通すことが困難でありますのはもちろんですが、国債の利払い財源が万が一にも不足することのないよう十分な予算計上を行うという考え方によるものでありまして、不適切なものであったとは考えておりません。
 次に、国債費の不用についてのお尋ねがあっております。
 国債費につきましては、先ほども申し上げましたように、利払い財源が万が一にも不足することのないよう十分な予算計上を行うという考え方に基づいて所要額を予算計上したものであります。その上で、不用は結果として生じたものでありまして、補正予算の財源づくりといった御指摘は当たりません。
 次に、簡素な給付措置及び子育て世帯臨時特例給付金の不用額についてのお尋ねもあっております。
 二十五年度補正予算では、予算税率引上げによります反動減に対応するという観点から、簡素な給付措置三千四百二十億円及び子育て世帯臨時特例給付金一千四百七十三億円を計上いたしました。
 決算では、簡素な給付措置につきましては支給実績が当初の見込みを下回ります一方、子育て世帯臨時特例給付金につきましては支給実績が当初の見込みを上回ったということなどから、差引き二百四十二億円の不用が生じたということであります。これらの経費につきましては、支給対象者を一定の仮定の下で推計したものでありますが、初めて実施する給付であったことからやむを得ない面があるとは考えております。
 いずれにせよ、今後とも適切な予算計上に向けて不断の努力を行ってまいりたいと考えております。
 消費税率引上げに伴う低所得者への配慮についてのお尋ねがありました。
 御指摘の還付ポイント制度につきましては、簡素な給付措置について過去の実施例はないものの、事業者の事業負担等に配慮をいたしつつ、ある程度消費者の皆様に負担軽減を実感していただけるのではないかとの考え方の下で、検討過程の中で一つのアイデアとして提示をしたものであります。
 いずれにせよ、検討の結果、日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税負担を直接軽減するとともに、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるとの利点を特に重視をいたしまして、この点に優れた軽減税率を導入するということとしたところであります。
 最後になりますが、特別会計整理収入の増加についてのお尋ねがあっております。
 これは、平成二十六年度の一般会計の歳入決算において、御指摘のとおり、平成二十五年度限りで廃止をされました社会資本整備事業特別会計からの整理収入が、予算額に比べて約一兆一千億円増加をいたしております。
 これは、歳出面においては使途の決まっております約一兆一千億円が同じ特別会計から二十六年度の一般会計に繰り越されたということに伴いまして、歳入面におきましても、これと見合いの約一兆一千億円を整理収入として二十六年度一般会計で決算処理をしたことなどによるものであります。そもそも、繰越しに係る歳入歳出を改めて予算計上しませんのは、繰越予算の二重計上を避けるための技術的な取扱いであり、何ら疑惑を招くものではないと考えております。(拍手)
#74
○副議長(輿石東君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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