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2016/03/31 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第17号
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2016/03/31 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第17号

#1
第190回国会 本会議 第17号
平成二十八年三月三十一日(木曜日)
   午後四時十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十七号
  平成二十八年三月三十一日
   午後四時開議
 第一 地震防災対策特別措置法の一部を改正す
  る法律案(衆議院提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術
  総合開発機構法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 一、子ども・子育て支援法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 一、踏切道改良促進法等の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 一、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力
  及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区
  域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に
  関する協定第二十四条についての新たな特別
  の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との
  間の協定の締結について承認を求めるの件(
  衆議院送付)
 一、平成二十八年度における公債の発行の特例
  に関する法律案(大久保勉君外七名発議)
 一、東日本大震災からの復興のための施策を実
  施するために必要な財源の確保に関する特別
  措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図
  るための公債の発行の特例に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 一、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承
  認を求めるの件(衆議院送付)
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 地震防災対策特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長長沢広明君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔長沢広明君登壇、拍手〕
#4
○長沢広明君 ただいま議題となりました法律案につきまして、災害対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震防災対策の強化を図るために制定された地震防災対策特別措置法の実施の状況に鑑み、地震防災緊急事業に係る国の負担又は補助の特例等の措置の有効期限を平成三十三年三月三十一日まで五年間延長する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者衆議院災害対策特別委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#6
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#7
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#8
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長小見山幸治君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小見山幸治君登壇、拍手〕
#10
○小見山幸治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法附則第一条の二に規定する廃止期限の到来に伴い、同機構が行う国連気候変動枠組条約の京都議定書に基づき参加する排出量取引等の業務に係る関係規定を削除する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、機構によるクレジット取得業務に対する評価と今後の取組、パリ協定を踏まえた地球温暖化対策の在り方と原子力発電の位置付け、我が国のエネルギー・環境技術の開発促進とグローバル展開の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#12
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#13
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百三十七  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#14
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長神本美恵子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔神本美恵子君登壇、拍手〕
#16
○神本美恵子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、子ども・子育て支援の提供体制の充実を図るため、事業所内保育業務を目的とする施設等の設置者に対する助成及び援助を行う事業を創設するとともに、一般事業主から徴収する拠出金の率の上限を引き上げる等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、政府は、財源を確保しつつ、幼稚園教諭、保育士及び放課後児童健全育成事業に従事する者等の処遇の改善に資するための所要の措置並びに教育・保育その他の子ども・子育て支援に係る人材確保のための所要の措置を講ずるものとすること等を内容とする修正が行われております。
 委員会におきましては、幼児期の教育・保育の重要性、子育て支援における企業の役割、事業所内保育所に対する行政の支援及び関与の在り方、保育士の処遇改善の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了した後、生活の党と山本太郎となかまたちの山本委員より、政府は、保育士の処遇の改善に係る措置として、その給与の水準が国の常勤の職員である保育士の給与の水準に達しない保育士に係るその格差の是正のための措置を講ずることを明記すること及び政府は、公的機関が保有する土地、建物等の活用を図るための措置等を講ずるものとすることを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#18
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#19
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百二十三  
  反対              十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#20
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 踏切道改良促進法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長金子洋一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金子洋一君登壇、拍手〕
#22
○金子洋一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、踏切道における交通事故の防止及び交通の円滑化を図るとともに、道路管理をより適切なものとするため、引き続き平成二十八年度以降の五か年間においても踏切道の改良を促進するための措置を講ずるとともに、鉄道事業者及び道路管理者が地方踏切道改良協議会を組織することができることとするほか、道路協力団体制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、法改正の意義、踏切事故の防止に向けた取組、踏切道の改良に係る地域関係者の合意形成、道路協力団体制度の運用の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(山崎正昭君) 
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#26
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長佐藤正久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤正久君登壇、拍手〕
#28
○佐藤正久君 ただいま議題となりました在日米軍駐留経費負担に係る特別協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、現行の特別協定の有効期間が本年三月三十一日までとなっていることに鑑み、我が国の二〇一六年から二〇二〇年までの会計年度において、在日米軍従業員に対する基本給等の支払に要する経費、在日米軍が公用のため調達する電気等の料金又は代金の支払に要する経費、及び我が国の要請に基づき、在日米軍が訓練を移転する場合の追加的に必要となる経費を、引き続き、我が国が負担することを規定するとともに、米国がこれらの経費の節約に一層努めること等について規定するものであります。
 委員会におきましては、在日米軍従業員の安定的雇用の確保と我が国労働法制の適用、日米の経済財政状況の変化を踏まえた駐留経費負担の在り方、接受国支援の諸外国との比較、我が国の駐留経費負担に対する米国の認識と評価、労務費負担に対する政府の認識、在日米軍駐留の意義等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の井上委員より反対、各派に属しない議員の糸数委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百二十三  
  反対              十五  
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 平成二十八年度における公債の発行の特例に関する法律案(大久保勉君外七名発議)
 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長大家敏志君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大家敏志君登壇、拍手〕
#34
○大家敏志君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、大久保勉君外七名発議の平成二十八年度における公債の発行の特例に関する法律案は、平成二十八年度における国の財政収支の状況に鑑み、同年度の適切な財政運営に資するため、同年度における公債の発行の特例に関する措置を定めようとするものであります。
 次に、政府提出の東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案は、東日本大震災からの復興のために実施する施策に必要な財源を確保するため、復興債の発行期間を延長する等の措置を講ずるとともに、平成二十八年度から平成三十二年度までの間の各年度における公債発行の特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、一つの法律案で復興財源確保法と特例公債法の改正を行う問題点、複数年度にわたる特例公債の発行を規定することの是非、プライマリーバランス黒字化目標の達成に向けた道筋等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して礒崎哲史委員より、大久保勉君外七名発議の平成二十八年度特例公債法案に賛成、政府提出の復興財源確保法及び特例公債法改正案に反対、日本共産党を代表して小池晃委員より、政府案に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。
 討論を終了し、順次採決の結果、大久保勉君外七名発議の平成二十八年度特例公債法案は賛成少数により否決すべきものとし、政府提出の復興財源確保法及び特例公債法改正案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、復興財源確保法及び特例公債法改正案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(山崎正昭君) 両案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。白眞勲君。
   〔白眞勲君登壇、拍手〕
#36
○白眞勲君 民進党・新緑風会の白眞勲でございます。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました民進党及び生活の党が共同で提出した平成二十八年度における公債の発行の特例に関する法律案に賛成の立場から、また、政府提出の東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 まず、復興債についてですが、我々は、被災者に寄り添って震災復興、被災地再生をやり遂げるという立場から、発行期間を五年間延長し、復興財源確保を確かなものとしていくことには賛成の立場であることをはっきり申し上げておきます。
 しかし、安倍政権は、震災復興財源確保と毎年の財政赤字を補填するための赤字国債の話を一緒くたにして法案を出してきました。これは本当に問題であります。去年の安保法制の審議でも十一本の法律を一つにまとめて出したりして、この悪い癖、早く直した方がいいですよ。こうした安倍政権のよこしまでこそくなやり方に、まず強く、強く抗議をするものであります。
 この震災の関係においても、放射線量の見通し、住民の帰還の意向、産業ビジョンなど様々な課題が山積しており、その費用に見合った財源の確保に議論が必要であります。さらには、高速道路の復旧工事において談合した疑いが明らかになるなど、様々な課題も山積しております。
 しかし、それをほとんど議論もしないような法律の出し方は、口では被災者に寄り添うと言っておきながら、実際には被災者をないがしろにしているのではないか、そういうふうにしか言いようがありません。これが安倍政権の方針なのでしょうか。政府には猛省を促すものであります。
 さて、特例公債の発行期間を五年間可能にするとのことについてですが、それについては我々は断固反対であるということを明確に申し上げておきます。
 政府側は、本法案について、民主党政権末期に、二〇一二年度から二〇一五年度まで四年間特例公債発行を容認する法律を成立させたことと同じという説明をしました。しかし、そのときと現在とでは全く状況が異なります。二〇一二年当時は、政権側が特例公債発行を容認する期限のところまでの財政再建に向けた具体的なプランを示し、なおかつ三党合意という安定的な枠組みの下でそのプランが担保されていました。したがって、財政再建に向けた歩みがこの三年間着実に進むという前提の中でそうした対応を進めました。
 しかし、この度の法案は、単に特例公債を五年間発行可能とするというだけであり、財政健全化に向け責任あるプランは全く示されておりません。昨年六月の経済財政運営と改革の基本方針二〇一五の中で、一応経済・財政計画なるものが示されましたが、それは非常に甘い前提に基づいたものにすぎません。
 何が甘いのか。民主党政権下の二〇一二年八月の中長期試算では、今で言うベースラインケースを基本としていました。それは、国民生活を左右する経済財政運営の見通しは堅く見積もることが適当であるという考えからであり、国家経営上、当然の態度であったと思います。
 一方、安倍政権は、経済再生ケースを基本にしています。経済再生の実績を出しているなら変更することにも納得がいきます。しかし、これまでの安倍政権の経済財政運営の実績はほぼベースラインケースどおりじゃありませんか。実質経済成長率については、日本再興戦略で十年間の平均を二%程度にすることを掲げていました。でも、現実はというと、二〇一二年十―十二月期から二〇一五年十―十二月期において、年平均でたった〇・六%しか成長していないじゃありませんか。
 安倍総理は、アベノミクスにより税収が大幅に増え、新規国債発行額が税収を上回るという異常な状態を解消することができたと、さも財政健全化が進んでいるかのような国会答弁を繰り返しています。でも、二〇一二年八月の中長期試算でも、二〇一四年度には歳出と税収等との差額を税収が完全に上回る姿が示されていましたし、事実そうなりました。リーマン・ショックから徐々に回復していけば、税収が新規国債発行額を上回る状態になることは前から予想されていたことなのです。
 結局、安倍政権の実績とベースラインケースとが大きく異なるのは物価上昇率と名目長期金利だけであり、それにより、試算よりも歳出が伸びずに助かっているというのが現実の姿なのです。それも、日本銀行による異次元緩和、国債の爆買いの結果にすぎません。その異次元緩和ももう限界に来ていることもはっきりしています。つまり、安倍政権は、実績をはるかに上回るずさんな計画に基づいてだけでなく、異次元緩和の限界というリスクを無視して財政健全化の議論を行っているのです。そろそろアベノミクスは失敗したとお認めになったらいかがでしょうか。本当に、国家国民のことを考えず、政局ばかりに目が向いている総理には愕然といたします。
 麻生大臣と同じ派閥の大先輩で、なおかつ大臣が初当選したときの総理大臣であった大平大臣が、昭和五十一年当時、この特例公債の発行について毎年議論することの必要性について、このように答弁されています。私どもといたしましては、毎年毎年、こういう特例公債論議というものは、真剣な国会の論議を経て、そして緊張した財政運営に資するということが行政府の在り方として正しいのではないかと考えておりますと。まさに真っ当な考え方だと思いますが、ちょうど四十年後に、まさか自分の後輩が、毎年毎年どころか何と五年まとめて出してくるなんて、誰が想像したのでありましょうか。
 さらに、今年の参議院選挙を前にして消費税引上げ再延期を言い出しましたが、安倍総理の責任感の欠如には驚き、あきれるばかりであります。思い出してください。二〇一四年十一月に、安倍総理はこう語っています。平成二十九年四月から確実に消費税を引き上げることといたします、今回のような景気判断による延期を可能とする景気判断条項は削除いたします、本当にあと三年で景気が良くなるのか、それをやり抜くのが私たちの使命であり私たちの経済政策でありますとどや顔で語り、さらに、再び延期はしないと断言すると語ったのではないでしょうか。経済状況次第で増税延期に道を開く景気条項を消費増税法から削除するように命じたのもその決意の表れだったんじゃないのでしょうか。衆議院総選挙まで行ったのは一体何だったのでしょうか。
 アベノミクスはうまくいっているが、世界経済が停滞しているので消費税引上げを再延期せざるを得ないなどといったへ理屈はもう通りません。アメリカの実質経済成長率はプラス、ヨーロッパもプラス、中国も緩やかに減速しているもののプラスであり、主要国でマイナス成長を直近で記録しているのは日本だけなんですよ。中国の経済が落ちるのは織り込み済みです。むしろ、日本経済の低迷が意外だったという意見もあるくらいです。人のせいにしないでもらいたい。
 消費税引上げを再延期するなら、そろそろアベノミクスの失敗も認め、国民に謝罪すると同時に、内閣は総辞職をするべきであります。
 安倍総理は、もう一つ罪深い所業を行っています。三党合意という財政健全化に向けた安定的な枠組みを破壊したことです。
 自民党政権は、バブル崩壊後、景気対策を名目に建設国債を乱発し、不要不急の公共事業を大規模に行ってきました。加えて、少子高齢化で財政状況が苦しくなることが明らかであったにもかかわらず、国民に不人気な歳出削減、増税を先送りし、赤字国債という禁じ手を使い続けてきました。その結果、昨今は、もはや赤字国債の発行なくして国家経営が不可能な経済財政状況に陥ってしまったのです。そうした過去ものみ込み、次世代、将来世代にツケを回すことはできないという一心で三党が歩み寄ってできた枠組みを、安倍政権は党利党略でいとも簡単に破壊したのです。
 さらに、新年度予算が二十九日に成立しましたが、既に翌日には、新たな経済政策という報道が出ています。何ですか、これって。二か月間、国会で熱心に予算審議してやっと成立した途端、翌日にはもっと必要だと声が上がる。つまり、来年度予算はこれでやりましょうと国会が判断した翌日には、政府内で既に景気対策を十兆円規模で一度にどかんとやればいいとの案が出ているとの報道です。国会をばかにしていませんか。
 そもそもこの金、どこにあるのですか。まさか赤字国債出すわけじゃないでしょうね。ちょうど外では桜が満開、花咲かじいさんの犬、ここ掘れワンワンみたいに、穴を掘ったらお金が出てくるのでしょうか。お札を刷る機械を持っている日銀に頼んでお金を刷らせるんじゃないのでしょうか。
 借金することだけ先に決めてしまう、そして、何か言われると、民主党政権ではと人のせいにする。大体、さんざ散らかし放題散らかしたのは過去の自民党政権じゃなかったのでしょうか。それをこちらは一生懸命処理していたんですよ。消えた年金なんかそうじゃありませんか。この民主党に対して、ちゃんと片付けていないと批判しているようなものですよ。こんな無責任な安倍政権にはくみできるわけがありません。
 我々民進党は、未来への責任を果たす政治を実現するため、国民無視で政局しか頭にない安倍総理の退陣に向け、参議院選挙に勝利することを国民の皆様にお約束して、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#37
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#38
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 まず、平成二十八年度における公債の発行の特例に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#39
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#40
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成             六十九  
  反対            百六十九  
 よって、本案は否決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#41
○議長(山崎正昭君) 次に、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#42
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#43
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成            百五十三  
  反対             八十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#44
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長山本博司君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山本博司君登壇、拍手〕
#46
○山本博司君 ただいま議題となりました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。本件は、日本放送協会の平成二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めるものであります。
 収支予算においては、一般勘定事業収支は、事業収入が七千十六億円、事業支出が六千九百三十六億円で、事業収支差金は八十億円となっております。
 また、事業計画においては、三か年経営計画の二年目として、公共放送の原点を堅持し、公平公正で正確、迅速な報道、国際社会の日本への理解の促進、4K、8K等の推進、受信料の支払率の向上等に取り組むとしております。
 なお、本件につきましては、総務大臣から、収支予算等についてはおおむね妥当なものと認められるとしながら、子会社を含むグループ全体としての改革に取り組むこと、国民・視聴者への説明責任を果たしていくことが必要である旨の意見が付されております。
 委員会におきましては、関連団体の不祥事と再発防止策、受信料の公平な負担の実現、放送の不偏不党及び自律の確保、インターネット活用業務の現状と課題、放送センター建て替えの検討状況等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、民進党・新緑風会を代表して石上俊雄理事、日本共産党を代表して吉良よし子委員、社会民主党・護憲連合を代表して又市征治委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本件に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#47
○議長(山崎正昭君) 本件に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。難波奨二君。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
#48
○難波奨二君 民進党・新緑風会の難波奨二です。
 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました平成二十八年度NHK予算案に対し、反対の立場から討論を行います。
 冒頭、放送法に対する政府の姿勢について、一言申し述べておきます。
 高市総務大臣は過日の衆議院予算委員会で、放送事業者が極端なことをして行政指導をしても全く改善しない場合、何の対応もしないとは約束できない、違反した場合の罰則規定も用意されていることで実効性を担保すると考えていると述べ、テレビ局の放送を止める停波の可能性に言及しました。
 政府が政治的公平を判断基準として放送事業に介入できるとしている姿勢や、これまでよりも大臣の権限を前面に押し出していることは、放送法第一条における放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図るという目的を逸脱するものと考えます。
 日本においては、放送局の免許の許認可権限は総務省が持ち、放送法や電波法の所管もまた総務省にあります。そうであるからこそ、放送法の運用は抑制的に行うべきであり、放送番組の編集は放送事業者が自律的に行うべきものでなければなりません。
 そもそも、放送法は、戦時中に放送が国策宣伝機関化した反省を踏まえ、放送局は政府とは独立した情報を国民・視聴者に提供しなければならないという思想の下に制定されたものです。それゆえ、放送法第一条において、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保することを規定しているのです。
 放送法により設立されたNHKは、国が直接管理経営を行う国営放送ではなく、公共の福祉のために放送を行う公共放送であるとの認識を強く求めます。
 さて、平成二十六年一月二十五日にNHK会長として籾井現会長が就任されてから二年が経過いたしました。就任当初からその資質に疑問符が付く言動を繰り返してきた籾井会長の下で、NHKの混迷が続いています。
 昨年は、会長のハイヤーの私的利用の問題、報道番組「クローズアップ現代」において事実に基づかない報道が行われたことなどが発覚いたしました。このような状況もあり、籾井会長の就任以来、平成二十六年度及び平成二十七年度のNHK予算は全会一致とはなりませんでした。
 にもかかわらず、昨年から本年にかけて、またも信頼を揺るがすような事案が続発をしております。昨年十二月に、NHKの子会社である株式会社NHKアイテックの職員による架空業務発注及び約二億円に上る多額の着服が発覚いたしました。子会社における不祥事は今に始まったことではなく、平成二十六年三月には、株式会社NHKビジネスクリエイトにおける架空売上げ計上事件、株式会社NHK出版における架空外注費計上事件が相次いで報じられました。
 こうしたことから、平成二十六年三月には会長直属の機関であるNHK関連団体ガバナンス調査委員会が設置され、五千六百万円にも及ぶ多額の費用を掛けて調査が行われました。しかし、結果として調査委員会ではNHKアイテックにおける不正を見付けることができませんでした。
 また、驚くべきことに、このガバナンス調査委員会のほかに、別の監査法人にもほぼ同時期に関連団体の不正について四千九百五十万円で調査依頼が行われていたことが今国会で新たに明らかになりました。
 合計約一億円の費用は、会長のポケットマネーから支出されたわけではありません。NHKの経営は国民・視聴者の負担する受信料で成り立っており、調査費用も受信料から支出されていることから、結果として一億円の受信料が無駄になったと言えるのです。
 NHKは、アイテック不正事案を受けて、NHKグループ経営改革の方針や構造的な原因究明と再発防止策を次々と発表していますが、その内容たるや、なれ合いを排除したグループ各社の規律ある経営の確立、コンプライアンス、不正防止策の徹底など、至極当たり前のことが並んでいるばかりです。
 NHKグループにおいては、これまでの不祥事の反省を踏まえ、数次の改革や制度改正を行いつつ、コンプライアンスの徹底に努めてきたはずであります。また、子会社に関しては、平成十三年の特殊法人等整理合理化計画以降、その在り方の見直しは十分認識されてきたはずであります。にもかかわらず、会長は、一年後になって明るみに出た四千九百五十万円の内部監査について、役に立っていないことはないなどと答弁しているのです。
 さらに、平成二十七年十二月に、株式会社NHKビジネスクリエイトが東京渋谷のNHK放送センター近隣に所在する土地の取得に対し、経営委員会に諮らずに優先交渉権を得た後、土地取得を撤回するという事案が発生しました。土地取得に際し優先交渉権を得るためにNHK側が提示した金額は三百五十億円とされ、相場に比べて非常に高い金額となっています。購入資金は元をただせば国民・視聴者の負担する受信料であり、ここまで高額の資産取得にもかかわらず、価格の精査を含めた検討が不十分であったことは明白であります。
 この土地取得計画は、理事会や経営委員会における議論の後、撤回されましたが、そのプロセスも非常に不透明です。土地取得に関する審査が行われた十二月八日の理事会会議録には非常に短いやり取りしか掲載されておりません。
 続いて開催された経営委員会は、不動産取引に関わる交渉中の事案であること等を理由に議論の内容は非公開とされています。何より、最終的に土地取得計画の撤回が決定されたのは非公式な役員連絡会の場であり、その議論の状況は公表されていません。検討状況が不透明なままの状態では、国民・視聴者の信頼を得ることができるわけがありません。
 ここまで申し述べましたことを鑑みるに、現在のNHK執行部には、国民から受信料を受け取り、公共放送を運営しているという自覚や責任感が欠如していると言わざるを得ません。実際の国会での質疑においても既に公表された事実をなぞるのみで、国民に対する説明責任を放棄したとしか思えないような対応であります。本日の総務委員会に至っても、籾井会長から国民と国会を愚弄するかのような不規則発言が飛び出したことは遺憾の極みです。
 本来こういった事態を立て直すべき執行部自らが不祥事を引き起こし、十分な説明を行わず、それを監督、是正する立場にあるはずの経営委員会、監査委員会による歯止めも掛かっていません。
 特に、平成二十年四月にはNHKのガバナンス強化を盛り込んだ改正放送法が施行され、経営委員会の権限がより一層明確化されたにもかかわらず、国会での全会一致の承認が三年連続で崩れてしまったことは、経営委員会の在り方にも問題があることを指摘しておきます。
 このような状況にあっても、NHKの優れた放送番組は世界でも第一級の水準にあります。いまだ誰も見ることのできなかったダイオウイカの雄姿を世界で初めて捉えたのはNHKのクルーでした。この奇跡とも言える成果は十年にも及ぶ取材のたまものであり、世界中から絶賛を受けました。質の高い番組作りは現場の職員の真面目でひたむきな努力のたまものであり、その高い職業意識を支えているのは放送法の理念にほかならないでしょう。現場の職員には、政府や執行部の姿勢に左右されることなく、誇りを持って職務に励んでほしいと思います。
 全視聴者から受信料を徴収するNHKは不偏不党でなければなりません。NHK執行部が行うことは国民や視聴者への説明責任を果たすことであり、自己改革はもはや待ったなしなのであります。
 我々政治家もまた、生物界最大と言われるダイオウイカのごとき大きな目を持って政治に臨まなければならないことは言うまでもありません。来年こそ国民の理解と納得が得られるNHK予算となりますことを願って、私の反対討論を終わります。(拍手)
#49
○議長(山崎正昭君) 吉良よし子君。
   〔吉良よし子君登壇、拍手〕
#50
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、NHK二〇一六年度予算の承認に反対する討論を行います。
 現在のNHKは、視聴者・国民からの信頼を全く得られていません。
 二年前に就任した籾井会長は、公共放送の会長としてふさわしくない発言を繰り返してきました。慰安婦問題、秘密保護法などをめぐって、政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない、政府のスタンスがよく見えない、今放送するのが本当に妥当かを慎重に考えなければなどの発言をして、放送法に対する著しい不理解ぶりを露呈しました。会長は弁明を繰り返していますが、視聴者・国民の不信感は強まるばかりです。
 こうした籾井会長の下で不祥事が相次いでいることも指摘しなくてはなりません。
 中でも、子会社で起きた架空発注による着服の事案は、NHK本体にも子会社にも監査体制がありながら見逃されるという、NHKグループ全体の構造的な問題が浮き彫りになった事案でした。
 そもそも、NHKが関連団体に営利活動を行わせて配当を得る一方で、非営利のNHKが営利団体である子会社や関連団体の監督を行うという矛盾があります。この矛盾こそ繰り返される不祥事の背景にあると、会長自身が立ち上げたNHK関連団体ガバナンス調査委員会が調査の中で指摘しています。
 籾井会長は、具体的に実行あるのみと、組織改編先ありきの姿勢を取っていますが、繰り返される不祥事の根本に何があるのか、非営利であるNHKが関連団体、子会社とどう関わるべきか、その矛盾について徹底的に検証し、視聴者・国民に説明責任を果たしながら自浄能力を発揮することこそ再発防止に必要なことです。ところが、それは極めて不十分です。
 NHKの経営姿勢への視聴者・国民の不信は深刻となり、会長の辞任、罷免を求める声は一層強まっています。このような状況では、今回の予算を承認することは到底できません。
 また、二〇一六年度予算において、NHKは、初めて株式会社海外通信・放送・郵便事業支援機構に二億円を出資するとされています。これは出資事業者の中で最高の金額です。この機構は、我が国の民間企業が、海外において民間だけでは事業展開ができないような、高いリスクのある事業への参入支援を目的としており、政府の成長戦略に位置付けられています。受信料で成り立っているNHKでは、本来、営利目的の活動はできないはずです。公共放送の立脚点を崩す機構への出資には反対です。
 次に、NHK予算に対する総務大臣意見についてです。
 大臣意見は、「クローズアップ現代」という個別の番組名を挙げ、昨年四月二十八日付けで行われた総務大臣による行政指導を踏まえ、再発防止に向けた着実な取組を求めています。これは極めて異例なことであり重大です。
 事実に基づかない放送など番組内容に問題がある場合、まず放送事業者の自主的、自律的な検証によって解決すべきです。さらに、NHKと民間放送連盟が設置する放送倫理・番組向上機構、BPOが、第三者の立場から調査、検証して、再発防止策の提出とその実効性を求めていくこと、これが言論と表現の自由を確保しつつ正確な放送と放送倫理の向上を図るルールです。
 にもかかわらず、昨年四月、大臣による行政指導が行われたことは、放送事業者に対する事業免許の認可権限を背景にした番組内容に介入したものと言わねばなりません。
 これに続き、予算に対する大臣意見で行政指導を踏まえた再発防止を繰り返し求めたのは、NHKの番組内容に対する露骨な介入であり、看過することはできません。しかも、重大なことは、こうした大臣意見が、番組内容に対する介入発言を続ける高市大臣の下で行われたということです。
 そもそも放送法は、戦前、国民を戦争へと導くプロパガンダの道具とされたことへの痛苦の反省の下、戦後、憲法二十一条が保障する言論、表現の自由を保障する立場から作られたものです。そして、当時の政府も、国会で法案の概要説明において、放送に対する表現の自由を根本原則といたしておりまして、政府は放送番組に対する検閲、監督等は一切行わないとはっきり述べているのです。
 だからこそ、放送法を根拠に政府が番組内容に介入することがあってはなりません。放送法の成り立ち、歴史を見れば、政府の役割は、放送における表現の自由を放送事業者に保障することです。番組作りについては、あくまでも放送事業者の自主自律に委ねられていて、その番組内容を判断するのは政府ではなく視聴者である国民なのです。
 今、放送に対する表現の自由を守るため、民放の報道現場の人々が立ち上がっています。著名なジャーナリストの皆さんは、三月二十四日に再び記者会見を開き、大臣の発言は憲法と放送法の精神に真っ向から反する、言論統制への布石だなど抗議の声を上げました。
 こうして声を上げているジャーナリストの一人である「報道特集」のキャスター、金平茂紀氏は新聞のインタビューに答え、権力を監視することがジャーナリズムの最大の役割だと言い、政治権力からやっぱり黙っている連中なんだなんて思われたくないので声を上げたと話しています。
 政府は、こうした報道現場の声こそ真摯に受け止めるべきです。放送法の成り立ち、現場の声も踏まえて、放送への政府介入となる大臣の発言、政府統一見解の撤回を改めて強く求めるものです。
 昨年十一月、BPOは、「クローズアップ現代」の報道に関して、NHKと政府に対して、「放送に携わる者自身が干渉や圧力に対する毅然とした姿勢と矜持を堅持できなければ、放送の自由も自律も侵食され、やがては失われる。これは歴史の教訓でもある。放送に携わる者は、そのことを常に意識して行動すべきである」と述べています。
 このようなときだからこそ、NHKは憲法と放送法に基づき、国家権力から独立し、放送における表現、言論の自由を確保する姿勢を貫くべきであることを最後に強く申し上げ、討論といたします。(拍手)
#51
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#52
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#53
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#54
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            百五十二  
  反対             八十四  
 よって、本件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#55
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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