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2016/04/22 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第22号
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2016/04/22 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第22号

#1
第190回国会 本会議 第22号
平成二十八年四月二十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十二号
  平成二十八年四月二十二日
   午前十時開議
 第一 社会保障に関する日本国とフィリピン共
  和国との間の協定の締結について承認を求め
  るの件(衆議院送付)
 第二 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理
  の推進に関する特別措置法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、独立行政法人日本スポーツ振興センター法
  及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律
  の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。文部科学大臣馳浩君。
   〔国務大臣馳浩君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(馳浩君) 独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 国際的な規模のスポーツの競技会における日本人選手の活躍は、国民に誇りと喜び、夢と感動を与え、国民のスポーツへの関心を高めるものであります。また、これらを通じて、スポーツは、我が国社会に活力を生み出し、国民経済の発展に広く寄与するものであります。
 この法律案は、こうした国際的な規模のスポーツの競技会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設の整備に必要な財源を確保するため、所要の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、平成二十八年度から平成三十五年度までの各事業年度のスポーツ振興投票に係る収益において、国際的な規模のスポーツの競技会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるようにするために行うスポーツ施設の整備に必要な財源に充てるために控除されることとなる金額の上限を、売上金額の百分の五から百分の十に変更することとしております。
 第二に、平成二十八年度から平成三十五年度までの各事業年度のスポーツ振興投票に係る収益のうち国庫に納付しなければならない金額を、当該収益の三分の一から四分の一に変更することとしております。
 第三に、国際的な規模のスポーツの競技会の我が国への招致又はその開催が円滑になされるようにするために独立行政法人日本スポーツ振興センターが整備を行うスポーツ施設のうち、地域の発展に特に資するものとして政令で定める施設の整備に要する費用について、当該スポーツ施設が存する都道府県がその費用の三分の一以内を負担すること、また、当該都道府県が負担する費用の額及び負担の方法は、独立行政法人日本スポーツ振興センターと当該都道府県が協議して定めることとするとともに、当該協議が成立しないときは、当事者の申請に基づき、当事者の意見を聴いた上で、文部科学大臣が裁定することとしております。
 第四に、平成二十八年度から平成三十五年度までの各事業年度のスポーツ振興投票に係る収益のうち地方公共団体又は地方公共団体の出資等に係るスポーツ団体に対する資金の支給に充てる金額を、当該収益の三分の一から八分の三に変更することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。堀内恒夫君。
   〔堀内恒夫君登壇、拍手〕
#7
○堀内恒夫君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。
 質問に入ります前に、熊本県、大分県を中心とした九州地方の地震により犠牲となられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、その御遺族に対しまして、衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
 本年は、オリンピック・パラリンピックの開催年であり、リオデジャネイロ大会まで残すところ百日余りとなりました。そして、その四年後には、いよいよ我が国にオリンピック・パラリンピックがやってきます。
 来週月曜日、二十五日には、大会エンブレムが公表されます。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、鼓動が日増しに高まっていくことが感じられる一方で、東京以外の地域では、盛り上がりから置き去りにされるのではないかと不安を持つ方もいらっしゃるのではないかと思います。
 しかし、オリンピック・パラリンピックの開催は、世界の注目が日本全体に集まる絶好の機会であります。この機を捉え地域の魅力を発信していくことは、地域の活性化はもとより、グローバル化や文化振興の起爆剤になると期待されます。
 私自身も、スポーツの世界で生きてきた者として、人々に夢と希望を与えるスポーツの持つ力を心から信じています。大会の前後を通じ、多くの人たちが、世界の一流選手の頑張っている姿に触れ、交流していくことは、地域を元気付け、勇気付ける原動力になると考えます。
 そこで、遠藤大臣に質問いたします。
 二〇二〇年東京大会を日本全国の祭典にするため、開催効果を全国津々浦々までどのように波及させていくか、遠藤大臣の御所見をお伺いします。
 次に、スポーツ振興くじについて質問させていただきます。
 今回の法改正は、新国立競技場の整備に必要な財源を確保するため、スポーツ振興くじの売上金額のうち新国立競技場の整備に要する費用、いわゆる特定金額の上限を平成二十八年度から平成三十五年度までの間、五%から一〇%へ変更するとともに、いわゆる収益のうち国庫に納付する金額の割合を三分の一から四分の一へ変更するものであると承知しています。さらに、この法改正に併せて、広告宣伝費を含むスポーツ振興くじの運営費をおおむね二十億円程度削減する予定であるとも聞いております。
 現在、スポーツ振興くじは、平成二十六年度に過去最高の千百八億円を売り上げるなど好調に推移していると思いますが、今回の運営費削減によりその好調な売上げに水を差してしまうのではないかと危惧をしております。また、今回の法改正で特定金額が一〇%に引き上げられることにより、地方公共団体やスポーツ団体に対する助成金が減額にならないのかといったスポーツ関係者からの不安も聞いております。
 スポーツ振興くじは、新国立競技場の整備だけでなく、我が国のスポーツ振興に大きな役割を果たしていると承知しておりますが、運営費が削減される中、スポーツ振興くじの売上げ拡大にどのように取り組んでいくのか、また、今回の法改正によりスポーツ団体等への助成にどのような影響があるのか、文部科学大臣から答弁していただきたいと思います。
 次に、障害者スポーツの振興について質問させていただきます。
 二〇二〇年東京大会の成功の鍵となるのは、何といってもパラリンピックの成功です。夏季のパラリンピックが同一都市で二回開催されるのは今回が史上初であり、東京大会において我が国の障害者アスリートが他国の選手と切磋琢磨し活躍することが、国民の感動を呼び、大会を契機とした共生社会の実現にもつながると考えます。しかしながら、障害者のスポーツ実施率は一般の方と比べると低調であり、また、スポーツをする場所も不足している状況です。
 このような状況の中、活躍が期待されている将来のパラリンピアンを育成する観点から、障害のある子供たちがスポーツをする環境を整備することが重要であると考えます。そして、そのためには、全国に千か所以上ある特別支援学校を活用し、障害のある子供たちがスポーツを楽しめる環境を整備することが有効な施策となるのではないでしょうか。このような環境の整備に向け、政府としてどのような施策を講じる予定か、文部科学大臣に伺います。
 次に、スポーツ選手のキャリア形成支援についてお伺いします。
 二〇二〇年東京大会や国際的なスポーツイベントでの活躍に向けて、選手の方は競技力向上に励んでいると認識しております。その一方で、現役引退後のキャリアパスについて不安を抱え、現役時代から計画的に準備する者も少ないと聞いております。選手が引退後の人生に不安を抱くことなく競技に取り組んでいける環境づくりを行っていくことは極めて重要です。
 また、若いうちから選手としての競技力向上に励む余り、学業経験や社会経験が不足し、選手の引退後の人生、いわゆるセカンドキャリアの場面で非常に苦労しているという声も聞くところであります。さらには、諸外国では現役引退後にエンジニアや弁護士になるなどのキャリアを歩む者がいる一方で、我が国では現役引退後に指導者を希望する声が多く、多様性に乏しいと感じているところです。
 そこで、アスリートが引退後のキャリアに困ることがないように、そして、若いうちから将来のことをしっかりと見据え、適切なキャリアを選択できるようにキャリア教育を充実していく必要があると考えますが、文部科学大臣の見解を伺います。
 最後に、スポーツビジネスの拡大についてお伺いします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京大会などの大規模なスポーツイベントの開催や、本年秋に開催するプロバスケットボールリーグの創設など、今、我が国スポーツ界では活発な動きが起き始めているところであります。このようなスポーツ界が新しい動きをし始めている中で、国民や企業もスポーツへの関心が高まっており、スポーツの有する様々な魅力、価値を生かしていく絶好の機会が訪れていると考えます。
 私自身、長くプロ野球の世界に身を置いてきた経験から、スポーツには興行や用品、メディアなど多様な関連産業が存在し、スポーツの経済的価値は非常に多くの可能性を持っていることを実感しています。まさに今こそ、スポーツの産業としての力を発揮させていただくときであり、国としてしっかりと取り組んでいくべきだと考えております。
 自民党の日本経済再生本部からも提言を出したところでありますが、スポーツ産業の成長産業化について、先般の産業競争力会議においても、安倍政権が掲げるGDP六百兆円の実現に向けた新たな有望成長市場の一つとして取り上げられたところです。
 スポーツ界全体の発展のためにも、スポーツをもっと稼げるものにしていき、そして収益をスポーツに再投資していく環境をつくっていく必要があると考えますが、我が国のスポーツ市場規模の拡大に向けた文部科学大臣の見解を伺います。
 二〇二〇年東京大会に向けて、政府、与野党はもちろんのこと、企業や関係団体を含め、国民全体が一丸となって取り組み、大会が成功することを確信して、私の質問とさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣馳浩君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(馳浩君) 堀内議員から四つ質問がございました。
 最初に、スポーツ振興くじについてお尋ねがありました。
 スポーツ振興くじによる助成は、地域のスポーツ施設の整備やスポーツ団体の各種事業への助成など、スポーツ振興に重要な役割を果たしてきました。このことを踏まえ、本法案では、平成二十八年度から三十五年度までの間、特定金額の上限の引上げに併せて国庫納付に係る割合を引き下げることなどにより、スポーツ団体等への助成財源が減少しないようにしているところであります。
 また、この改正に併せてスポーツ振興くじの運営費も削減しますが、広告宣伝の見直しなど効率的な運営に努めるとともに、本年四月から新たに百円BIGを販売するなど売上げの拡大に取り組んでいるところであります。
 次に、障害者スポーツの振興についてお尋ねがありました。
 文部科学省では、障害者スポーツの裾野を拡大するため、今年度から、特別支援学校等を有効に活用し、地域における障害者スポーツの拠点づくりを推進する事業を新たに実施することとしています。具体的には、特別支援学校を拠点に地域スポーツクラブを設置したり、特別支援学校の体育、運動部活動等に障害者スポーツ指導者を派遣するなどの取組を行うこととしており、今後とも障害者スポーツの振興に努めてまいります。
 次に、アスリートに対するキャリア教育のお尋ねがありました。
 誰もがスポーツに打ち込みながら勉学や仕事に励み、同時に生涯の人生設計を考えることが当然になることが重要です。
 文部科学省としては、選手としてのキャリアと引退後を含めた人生設計全体を考えるデュアルキャリアという考えの下、アスリートを個別具体に支援するアドバイザーの育成や、スポーツ団体、大学、企業等の多様な関係者が連携してアスリートをサポートするコンソーシアムを構築する取組を進めているところであります。引き続き、その推進に努めてまいります。
 最後に、スポーツ市場の規模の拡大についてのお尋ねであります。
 スポーツ産業が活性化すれば、その収益をスポーツ団体や環境の充実に再投資する好循環を生み出し、国民の健康増進や地域の活性化を図ることができると認識しております。
 このため、文部科学省としては、収益性の高いスタジアム、アリーナの整備、複合施設化、競技団体等のコンテンツホルダーの経営力強化、スポーツ経営人材の育成確保、IT、観光、健康、ファッションなどの他産業との融合等による新しい市場の創出などにより、スポーツ産業が大きく成長していくよう関係省庁やスポーツ関係者などと連携して取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣遠藤利明君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(遠藤利明君) 堀内議員にお答えいたします。
 東京大会の開催効果に関するお尋ねでありますが、私は、今回の大会を、東京オリンピック・パラリンピックだけではなくて、日本オリンピック・パラリンピックとして位置付け、開催効果を全国津々浦々まで波及させていきたいと考えております。
 この一環として、日本人オリンピアン、パラリンピアンとの交流に加え、事前合宿の誘致等を通じ、大会参加国との相互交流を図る自治体をホストタウンとして全国各地に広げる取組を推進しております。本年一月に第一次登録団体となる四十四組を公表したところであり、今年度については第二次及び第三次登録を予定をしております。
 リオ大会以降は、各国各地域の競技団体も日本に目を向けてくることから、事前合宿の具体化に向けた動きは一層加速すると考えられます。政府としても、関係府省庁と連携し、取組を充実させていくとともに、多くの自治体にホストタウンになっていただけるよう、私が先頭に立って自治体に働きかけを行ってまいります。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(山崎正昭君) 大島九州男君。
   〔大島九州男君登壇、拍手〕
#11
○大島九州男君 質問に先立ち、この度、熊本県等を震源とする地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、その御遺族に対しまして衷心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 私は、民進党・新緑風会を代表して、独立行政法人日本スポーツ振興センター法及びスポーツ振興投票の実施等に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
 一九六四年に開催されたさきの東京大会は、戦災からの復興を世界にアピールするとともに、高度経済成長のシンボルとして、国民生活の向上や全国的なインフラ整備の契機となりました。日本中が感動や一体感を共有した歴史的大会として、今なお国民の間で語り継がれています。
 くしくも、二度目の東京大会においても、東日本大震災からの復興を遂げ、原発の風評被害を克服し、前回大会のように次世代に有益な有形無形の遺産を創出していくことで、大会を国民から祝福されるものとしていく必要があります。
 一方で、前回大会と異なり、我が国が成熟社会を迎え、国民生活に様々な課題を抱えている中での開催であることから、政府は、東京大会の意義をいま一度国民に分かりやすく示していく必要があります。
 平成二十五年九月、日本中が歓喜の輪に包まれた二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催決定から既に三年近くが経過し、本年八月のリオ大会以降、我が国における大会準備もいよいよ本格化していくことになります。政府は、組織委員会などと一体となって、アスリートがベストのパフォーマンスを発揮できるよう大会の成功に必要な全ての準備を遅滞なく実行し、世界中の観客を魅了する夢の祭典を実現する責務を負っています。
 にもかかわらず、非常に残念なことに、国民の大会への期待感に水を差す事態が繰り返し起こっています。昨年明らかになった新国立競技場の建設費高騰問題では、国民から怒りの嵐が巻き起こり、旧整備計画は白紙撤回へと追い込まれました。 その後も、エンブレムの盗用疑惑や聖火台設置場所の検討漏れ、開催費用の膨張問題など、大会に関する不祥事、アクシデントは後を絶たず、このままでは、広く国民の間に大会の開催そのものへの嫌悪感が蔓延することにもなりかねません。
 オールジャパンで東京大会を成功に導くためにも、これまでの負の流れを直ちに断ち切らねばならないという問題意識に基づき、以下質問させていただきます。
 今回の改正は、新たな国立競技場整備計画の策定を受けて、東京都に費用の負担を求めるとともに、totoの売上げから競技場の建設費に充てる金額を現行の五%から一〇%へと拡大するというものです。
 このような措置を行うに当たり、政府は、白紙撤回された旧整備計画の失敗の原因をもう一度真摯に見詰め直す必要があると思われますが、全く不十分であると言わざるを得ません。
 昨年九月に発表された新国立競技場整備計画経緯検証委員会の報告書では、プロジェクトの推進体制に関する問題点として、多くの関係者、組織間の役割分担、責任体制が不明確であったことなどを挙げています。しかし、残念なことに、聖火台の設置場所をめぐる騒動においても、政府、大会関係者の役割分担の不明確さや当事者意識の欠如がまたしても浮き彫りになりました。政府は、過去の計画の失敗から何も学んではいないのではないか、このまま政府と組織委員会に任せておいたのではまた何か問題が起きるのではないかと、国民は不安を感じております。
 今回の法律案も、元をただせば、過去の計画に見られた費用計画の見通しの甘さからくる法改正であると考えます。このような点を含めて、政府は、一連の国立競技場建設問題における反省点についてどのように総括をしているのか、文部科学大臣、お答えください。
 また、本法律案では、totoの売上げから競技場の建設費に充てる費用を五%から一〇%に増額することで、toto本来の目的である地方公共団体やスポーツ団体に対するスポーツ助成金が減少するのではないかと多くの関係者は不安に陥っています。政府は、totoからの国庫納付金を削減することなどにより、改正前と同規模の助成財源を確保できると説明していますが、この見通しは、totoの売上げが今後も高水準で維持されるという希望的観測に基づいたものであり、言わば絵に描いた餅です。現に、二十七年度のtotoの売上げは、前年度から何と二十三億円も減少しています。
 楽観的な見通しにより法改正を行った結果、スポーツ助成の財源が年々減少していく事態となれば、我が国のスポーツ振興に重大な影響を及ぼしかねません。そうなったら、一体誰が責任を取るのでしょうか。各関係者の認識の甘さが計画見直しの遅れを招いた新国立競技場問題における失敗を、totoにおいても繰り返そうとしているのではありませんか。この点について、文部科学大臣の見解を求めます。
 また、本法律案に伴う省令改正により、totoの業務に関するJSCの運営費が二十億円削減され、これにより広告宣伝費などが大幅に削減される見通しとなっています。totoの国民への普及に大きな役割を果たしてきた広告戦略を見直すことは、今後の売上げにダメージを与えかねません。
 広告戦略の見直しに当たっては、今後、馳文部科学大臣や鈴木スポーツ庁長官が先頭に立って全国を巡り、スポーツ振興におけるtotoの役割をアピールするなど、気概を持って真剣に取り組んでいくべきと考えます。文部科学省、JSCは、どのような具体的戦略を持ってtotoの売上げの維持拡大に当たっていくのでしょうか、文部科学大臣、お答え願います。
 次に、totoの収益から国庫納付する金額の割合を、平成二十八年度から平成三十五年度までの間、三分の一から四分の一に変更する点です。
 そもそも、totoは、誰もが身近にスポーツに親しめる環境整備や国際競技力向上、国際的なスポーツ活動への支援など、新たなスポーツ振興政策を実施するための財源確保の手段として導入されたものです。よって、totoの収益はスポーツ振興に全て充てるべきと考えますが、収益の一部を国庫納付する明快な根拠をお示しいただきたいと思います。
 totoに対する国民の理解を一層深めていくためにも、将来的には、totoからの国庫納付金は廃止し、その収益の全額をスポーツ振興を目的とする支出に充てるべきと考えますが、文部科学大臣の見解はいかがでしょうか。
 次に、totoの対象拡大について伺います。
 totoの売上げは、宝くじや海外のサッカーくじと比べてまだまだ少ないのが現状です。馳文部科学大臣も、totoはスポーツへの国民の小口寄附と表現されています。東京オリンピックを契機に、totoを通じてスポーツに対する個人の寄附の文化の醸成につながればとのお考えがあるようにお聞きしております。私も同感であります。
 そのためにも、この機会を通じて、国民の皆様にtotoに関する徹底したアピールが必要であり、スポーツ振興に対する理解を求めていかなければなりません。スポーツ振興の間口を広げるためにも、ラグビー、バスケット、野球にもtotoを導入したらどうかという意見があります。
 その一方で、現在、野球賭博事件や闇カジノ問題などの発覚により、スポーツ界における倫理が問われるとともに、競技団体の選手指導を始めとするガバナンス強化の必要性が議論されています。
 一部の識者には、野球等の競技を対象としたスポーツくじを導入し、それに合わせて選手への教育、競技団体のガバナンス、公的な監視体制等を一体的に強化していくことで、非合法なスポーツ賭博を排除することができるとの意見もあります。どんなスポーツであっても不正があってはなりません。totoによってファンの試合に対する注目度が高まると同時に、全試合の結果を的中させなければならないという仕組みが結果的に不正を抑止する効果があるのではないでしょうか。
 野球等も、このtotoの対象になることによって、チーム関係者、選手が厳しい倫理観で臨んでくれるのではないかと考えています。この点について、文部科学大臣の見解を求めます。
 安倍総理は、集団的自衛権を行使することで武力行使の抑止力が高まると詭弁を弄していますが、逆にテロの標的になる可能性が飛躍的に高まることに気付いていません。
 オリンピックは平和の祭典であり、安心、安全の確保は大会の成功に向けて最も重要な課題の一つです。無差別テロの脅威が国際的に強まる中、全世界からアスリートや観客が訪れるとともに、世界中の注目を集める東京大会は格好のテロの標的になりかねないことから、政府としてテロ対策に関する総合的な取組を進めていく必要があります。
 政府は、二〇一七年七月をめどにセキュリティ情報センターを設置し、関係機関の緊密な連携の下、情報の共有、対策の検討、実施、訓練等に努めるとしていますが、集団的自衛権の行使によってテロの脅威が増し、その対策のために以前よりテロに対する対策費が増大すると考えますが、菅官房長官の見解はいかがでしょうか。
 馳文部科学大臣、あらゆるスポーツを振興くじの対象に加えて不正防止の抑止力を高めることの効果は、安倍総理の集団的自衛権行使の抑止力より効果があると思いますが、大臣の見解はいかがでしょうか。
 次に、オリンピックと文化について伺います。
 オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典として捉えがちですが、オリンピック憲章が、「スポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求する」と明記しているように、人間の祭典として文化芸術の果たす役割は非常に大きいものです。
 二〇一二年のロンドン大会においては、かつてない規模と内容で文化プログラムが実施され、文化芸術の活性化だけではなく、若者の社会参加や都市、地域の活性化など、文化芸術を社会的な課題の解決につなげていきました。
 二〇二〇年東京大会の文化プログラム実施に当たっては、政府は、文化力プロジェクトとして、イベント数二十万件、参加アーティスト数五万人、参加人数五千万人と、ロンドン大会を上回る数値目標を掲げていますが、目標達成に向けた戦略や推進体制等について、具体的に文部科学大臣に説明をお願いします。
 次に、パラリンピックについて伺います。
 二〇二〇年東京大会の成功の鍵を握るのは、パラリンピックの成功であると考えます。多くの国民が、あらゆる障害を乗り越えて競技に取り組む選手の姿に、困難に直面した人々は背中を押され、勇気付けられ、感動を与えていただいていることは皆さんも御承知のとおりです。
 しかしながら、日本パラリンピック委員会が二〇二〇年東京大会で金メダル数の順位七位という目標を掲げている一方、競技団体及び選手個人は競技の継続が危ぶまれるほど経済的に厳しい状況に置かれている現実があります。政府に対しては、選手強化費や拠点整備の更なる拡充など、オリンピック競技並みの競技力強化策を求めます。
 その上で、競技としての障害者スポーツの魅力を国民に伝えていくことは、企業による障害者アスリートの雇用や財政面も含めた支援の拡充につながるなど、競技力向上の好循環を生むと考えますが、政府は障害者アスリートに対する支援をどのように推進していくのか、文部科学大臣、お答え願います。
 さて、二〇二〇年東京大会開催決定の際、国民の間に巻き起こった歓喜の声は、決して政府、関係者の大会準備、運営に対する白紙委任を意味するものではありません。オリンピックを大義名分に国民の声を無視し、強引なやり方で準備、運営を進めて過去の失敗と同じ轍を踏むようなことがあれば、東京大会を国民から祝福される大会とすることは不可能であると考えます。
 私たち民進党は、大会の準備、運営に関する施策について、政府が国会に定期的に報告すること等を主な内容とする大会特別措置法の改正案を提出しています。大会に関する施策の透明性を確保し、国民の広範な理解と支持を求めていくためには、国会がチェック機能を果たしていくことが最善の策であり、国民の信頼の回復につながるものと考えます。
 最後に、度重なる不祥事により失われた国民の信頼を回復するための方策と今後の大会準備に向けた政府の決意について伺うとともに、東京大会の成功に向けて我々民進党も全力で取り組むことをお誓い申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣馳浩君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(馳浩君) 大島議員から八つ質問がありました。
 最初に、新国立競技場整備計画に係る反省点についてお尋ねがありました。
 従前の整備計画について、検証委員会の報告書は、プロジェクトの推進体制や情報発信の在り方などの問題点を指摘しており、教訓として重く受け止めております。これを踏まえ、実施主体のJSCにおいては、プロジェクトマネジャーや専門性を有する広報担当者の設置に加え、運営点検会議による法人運営の外部評価など経営改革を図ったところであります。
 政府としても、JSCの整備プロセスを点検し、透明性を確保して国民の理解を得ながら、新国立競技場の整備を着実に進めてまいります。
 次に、スポーツ振興くじの運営についてのお尋ねであります。
 スポーツ振興くじの売上げは、平成二十五年度一千八十一億円、平成二十六年度一千百八億円、平成二十七年度一千八十四億円と、安定的に推移しております。
 今後、民間コンサルの協力を得ながら、新商品の開発や販売チャンネルの拡充などによりスポーツ振興くじの売上げ拡大に努めるとともに、事業計画についてスポーツ審議会の意見をいただくなど、運営の客観性、透明性を図ってまいります。今後とも、検証委員会の指摘を教訓としつつ、運営の改善に努めてまいります。
 次に、totoの売上げの維持拡大のための戦略についてのお尋ねであります。
 JSCにおいては、広告宣伝費等の運営費の削減を図る一方で、効率的な広告宣伝を行うとともに、本年四月から新たに百円BIGを販売するなど、新商品の開発や販売方法の工夫を通じて売上げの拡大に取り組んでおります。
 また、これまでJSCにおいてtotoの売上げがスポーツ振興に貢献している旨を広報してまいりましたが、今後、更に、私や鈴木大地スポーツ庁長官も様々な機会を活用してPRに努めてまいります。
 次に、国庫納付金についてのお尋ねであります。
 議員御指摘の国庫納付金に関する規定は、スポーツ振興くじ制度の創設時に設けられており、その趣旨は、スポーツ振興投票制度に広く国民の理解と協力を得るために、その収益を国民生活に直結した重要な施策に利用するものと解されております。そのため、国庫納付金の使い道は、スポーツの振興を始めとする公益の増進を目的とする事業に充てることとされております。
 将来的な国庫納付金の在り方については、スポーツ振興投票制度に関する国民の理解などを踏まえながら、文部科学省において中長期的に検討を要する課題と認識しております。
 次に、totoに野球などを導入することについてのお尋ねであります。
 スポーツ振興くじについては、超党派のスポーツ議員連盟において、一、国内で幅広い人気がある、二、集団スポーツで天候に左右されない、三、主催者等により公正な試合の実施が担保されていることなどを要件として検討が行われ、Jリーグを対象に創設されたものであります。
 くじの対象競技の拡大については、スポーツ議員連盟においてこれらの要件の下で検討すべき事項とされており、文部科学省として、今後の議論を注視してまいります。
 次に、スポーツ振興くじによる不正の抑止力についてであります。
 議員お尋ねの、国民の安全、安心を確保することとスポーツにおける不正を防止することを同一に並べて比較し議論することは必ずしも適当ではありません。あらゆるスポーツにおいて不正の防止は大前提であり、文部科学省としては、引き続き、スポーツ界におけるコンプライアンスの徹底、ドーピングの防止、暴力の根絶など、スポーツインテグリティーの確保に努めてまいります。
 次に、文化プログラムのお尋ねであります。
 文部科学省においては、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、リオ大会直後から全国津々浦々で文化プログラムを展開し、魅力ある日本文化を世界に発信するとともに、地域の文化芸術資源を掘り起こし、地方創生、地域活性化につなげるチャンスにしたいと考えております。
 そのため、文化庁に文化プログラム推進室を設置し、組織委員会や関係省庁等との協働により、社会総掛かりで全国的にオリンピック・パラリンピックムーブメントを普及すべく、文化プログラムの推進に取り組むこととしております。
 最後に、障害者アスリートに対する支援についてお尋ねがありました。
 障害者アスリートの競技力強化については、オリンピックと同様、大会遠征や強化合宿の実施、専任コーチの設置等に係る支援の充実、オリンピック競技、パラリンピック競技が共同利用するナショナルトレーニングセンターの拡充に向けた取組などを進めてまいります。
 また、自治体に対し、障害者スポーツが普及するための環境の整備に関する支援を行うことなどにより、障害者スポーツの普及を図ってまいります。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(菅義偉君) 集団的自衛権の行使とテロのリスクについてのお尋ねがありました。
 限定的な集団的自衛権の行使容認を含む平和安全法制の目的は、あくまでも国民の命と平和な暮らしを守り、国際社会の平和と安全にこれまで以上に貢献することであります。その内容も、国際法上、完全に合法で、かつ正当性のあるものであり、憲法の制約の下に諸外国と比べて極めて抑制的なものであります。
 このように、限定的な集団的自衛権行使容認等を含めた平和安全法制の整備は、テロの危険を高めるといった性格のものではなく、平和安全法制の整備によってテロの脅威が増したり、これが理由でテロの対策費が増大したりするといった御指摘は全く当たりません。
 いずれにしろ、今後とも、官邸を司令塔として国際テロ情報の収集、集約を行うとともに、水際対策、重要施設、ソフトターゲットの警戒警備を一層強化するなど、政府の総力を挙げてテロの未然防止に向けた諸施策を強力に進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣遠藤利明君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(遠藤利明君) 大島議員にお答えいたします。
 国民の信頼回復のための方策と東京大会に向けた政府の決意についてのお尋ねでありますが、新国立競技場やエンブレムなどをめぐって国民の皆さんから厳しい意見をいただいたことについては真摯に受け止め、昨年十一月閣議決定をしましたいわゆるオリパラ基本方針に掲げている、明確なガバナンスの確立に向けた関係機関との連携、オープンなプロセスによる意思決定、関連施策の点検などについてしっかり取り組んでまいります。
 二〇二〇年東京大会については、世界中の多くの人々が夢と希望を分かち合い、歴史に残る大会になるとともに、復興五輪として、被災地が復興を成し遂げた姿を世界へ向けて発信できるようにしなければなりません。このため、オリパラ基本方針に基づき、私が東京オリンピック・パラリンピック競技大会を担当する大臣として、関係大臣等としっかり連携しながらリーダーシップを発揮し、大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進を加速させて取り組んでまいります。(拍手)
#15
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
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#16
○議長(山崎正昭君) 日程第一 社会保障に関する日本国とフィリピン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長佐藤正久君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔佐藤正久君登壇、拍手〕
#17
○佐藤正久君 ただいま議題となりました日・フィリピン社会保障協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、我が国とフィリピンとの間で、人的交流に伴って生ずる年金制度への二重加入等の問題を解決するため、年金制度の適用の調整を行うこと、加入期間の通算により年金受給権を確立すること等を定めるものであります。
 委員会におきましては、両国の年金加入期間通算による我が国年金制度への影響、本協定締結の意義と今後の社会保障協定締結の見通し、外国の年金の受給申請のための支援体制等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#18
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十三  
  賛成           二百二十三  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#21
○議長(山崎正昭君) 日程第二 ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長磯崎仁彦君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔磯崎仁彦君登壇、拍手〕
#22
○磯崎仁彦君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近におけるポリ塩化ビフェニル廃棄物、いわゆるPCB廃棄物の処理の状況を踏まえ、PCB廃棄物が早期に確実かつ適正に処理されるよう、高濃度PCB廃棄物を保管する事業者によるその処分及び高濃度PCB使用製品を所有する事業者によるその廃棄を一定期間内に行うことを義務付ける等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、PCB廃棄物の処理が遅れた理由、PCB廃棄物の保管及びPCB使用製品の使用の実態、PCB廃棄物の処分の行政代執行に要した費用の負担の在り方、地元と約束した期限までの確実な処理完了に向けた取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#23
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十二  
  賛成           二百二十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#26
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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