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2016/05/11 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第25号
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2016/05/11 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第25号

#1
第190回国会 本会議 第25号
平成二十八年五月十一日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十五号
  平成二十八年五月十一日
   午前十時開議
 第一 投資の相互促進及び相互保護に関する日
  本国とオマーン国との間の協定の締結につい
  て承認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 投資の相互促進及び相互保護に関する日
  本国とイラン・イスラム共和国との間の協定
  の締結について承認を求めるの件(衆議院送
  付)
 第三 株式会社国際協力銀行法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第四 特定国立研究開発法人による研究開発等
  の促進に関する特別措置法案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第五 原子力発電における使用済燃料の再処理
  等のための積立金の積立て及び管理に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、特定商取引に関する法律の一部を改正する
  法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣河野太郎君。
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(河野太郎君) ただいま議題となりました特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 近年、高齢化の進展を始めとした社会経済情勢の変化及び違反事業者の手口の巧妙化、複雑化等により、特定商取引を取り巻く環境は大きく変化しております。特に、一部の悪質事業者が繰り返し消費者被害を発生させる事案が問題となっているとともに、依然として高齢者が深刻な消費者被害に遭う事例も報告されています。
 こうした状況を踏まえて、主務大臣の法執行に関する権限の強化等を図り、特定商取引における取引の公正及び購入者等の利益の保護を図るため、この法律案を提出した次第です。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、悪質事業者への対策を強化するため、主務大臣は、販売業者等に業務の停止を命ずる場合において、当該販売業者等の役員等に対し、停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること等の禁止を命ずることができることとしています。そして、この業務の禁止を命ずる期間については、業務の停止を命ずる期間と同一の期間とすることとしておりますが、業務の停止を命ずることのできる期間の上限をこれまでの一年から二年に引き上げることとしています。
 第二に、所在等が不明な事業者に対して迅速に行政処分を行うことができるようにするため、公示送達に関する規定を設けることとしています。
 第三に、主務大臣は、本法律に違反する行為によって財産的被害を受けた購入者等の利益の保護の観点から、処分事業者に対して必要な指示を行うことができるよう、規定の整備を行うこととしています。
 第四に、電話勧誘販売において通常必要とされる分量を著しく超える量の商品の売買契約の締結について勧誘すること等を指示等の対象とするとともに、購入者等が当該契約の解除等をすることができることとしています。
 また、通信販売においてあらかじめ承諾や請求を得ていない相手へのファクシミリ装置を利用した広告の送信の禁止、従来は訪問販売等の規制の適用対象となっていなかった権利の販売に対する規制の拡大、意思表示の取消し権の行使期間の伸長を行うほか、罰則の法定刑を全般的に引き上げる等の措置を講ずることとしています。
 なお、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
 以上、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。森本真治君。
   〔森本真治君登壇、拍手〕
#7
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治です。
 ただいま議題となりました特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 まずもって、先月発生した熊本地震によりお亡くなりになった方々に対し、哀悼の誠をささげるとともに、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 我々民進党も、引き続き、災害対応においては政府と連携をさせていただき、防災担当大臣でもある河野大臣におかれましては、被災者への支援、被災地の復旧復興に向けて全力で取り組んでいただきますようお願いさせていただきます。
 そこで、本日はまず、震災に便乗した悪質商法への対応についてお伺いします。
 既に熊本県消費生活センターには幾つかの相談も寄せられていると伺っています。災害に便乗し、例えば、壊れた家屋の修理を急ぎ、後で高額な請求をされる、地震速報などのタイトルのメールが届き、クリックすると出会い系サイトにつながる、義援金を集めているなどとうそを言って金銭をだまし取る義援金詐欺等、過去の震災時にも許し難い事案が発生しています。
 被災者を狙ったものに限らず、義援金詐欺などは善意の国民を狙った悪質極まりない犯罪です。消費者庁として、震災に便乗した悪質商法に対し、どのように注意喚起し、対策を取っていられるのか、河野大臣にお伺いします。
 次に、消費者被害の現状について、特に高齢者が被害に遭う事案が増加していることについてお伺いします。
 現在、我が国では、高齢者数の伸び以上に高齢者に関する消費生活相談が増加しており、特に判断能力の低下した認知症等の高齢者に関する相談も増加傾向にあるなど、極めて厳しい状況にあります。特定商取引法についても、社会経済情勢の変化やそれに伴う消費者問題の変質に対応する形で、幾度も改正を行ってまいりました。しかしながら、消費生活相談件数は全体として高い水準にあり、その内容も多岐にわたるなど、一向に収束する様子が見られません。
 今国会の冒頭、安倍総理は施政方針演説において、「高齢者を狙った悪質商法には、規制を強化し、消費者の迅速な救済を図ります。」と述べておられます。安倍内閣の一員である河野大臣には、本法律案に対する質問の前提として、高齢者を狙った悪質商法に関する消費生活相談件数が、ここ数年、依然として高い水準で推移している現状に対してどのような御認識をお持ちなのか、また、それへの対策をどのように考えていくのか、お伺いします。
 消費者被害の防止に伴う経済効果についてお伺いします。
 本法律案の内容は、消費者委員会に設置された専門調査会が取りまとめた報告書の内容を基本的に反映させたものであると承知しています。専門調査会においては、消費者側の委員と事業者側の委員とで熱心な議論が行われたにもかかわらず、意見の一致を見なかったために、本法律案に盛り込まれなかった内容もたくさんあります。そもそも、守るべき利益の対立する消費者と事業者で意見を一致させることは困難であるとの見方もありますが、消費者被害を防止することによって、被害で失われたであろう金額が正当な消費に向かうことは事業者側にとってもメリットになるというべきであり、アベノミクスの向かうべき道ではないでしょうか。
 長期的な視点に立ったとき、消費者の安心、安全に寄り添っていかなければ、最終的な内需の拡大にもつながらないと考えますが、河野大臣の御所見をお伺いします。
 次に、消費者庁等の移転についてお伺いします。
 政府が三月二十二日に公表した政府関係機関移転基本方針によりますと、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターについて、徳島県の提案を受け、八月末までに移転に向けて結論を得ることを目指して、現在、検証が行われていると認識しています。
 消費者庁等の移転に関しては、この間、日弁連や消費者団体等から多くの反対の声が上がっています。危機管理業務や国会対応業務、さらには関係省庁間にまたがる消費者行政の司令塔機能を果たしていくには、消費者庁等を徳島に移転させることは現実的ではないという意見からです。
 政府関係機関移転基本方針は、東京一極集中の是正の観点から、地方から提案のあったものについて国として検証が行われているわけですが、検証の基本的視点でもはっきり示されているように、移転した際、全国を対象とした国の機関としての機能の維持向上が期待できることが絶対条件です。既に三月には消費者庁長官を始めとする職員がお試し移転を行い、一昨日からは国民生活センターが試験的に移転し、業務を開始したと伺っています。
 国民生活センターの試験移転では、全国の自治体職員を対象に研修を行っていると伺いましたが、参加者は圧倒的に徳島県の方と伺っています。研修の参加者について、徳島県とそれ以外の方の人数をお伺いします。徳島県の方ばかりの研修では十分な検証はできないと考えますが、河野大臣の御見解をお伺いします。
 そもそも、河野大臣は、徳島県に移転することにより、消費者庁等の機能が向上していくとの手応えを感じているのか、さらに、基本方針の中にある、移転先以外から理解が得られると思っていらっしゃるのか、明確に御答弁ください。
 次に、本法律案の内容について、まずは違反事業者に対する指示の実効性についてお伺いします。
 本法律案では、悪質事業者への行政規制を強化し、消費者被害の防止、救済を図っていこうとするものですが、一つとして、業務停止命令を受けた悪質事業者に対し、消費者利益を保護するために必要な措置を指示できることとしています。その一例として、消費者庁や都道府県は、不実告知により行政処分があった旨の既存顧客への通知や、返金を求める消費者への適切な対応として計画的な返金等を指示できるとしています。しかし、執行体制が脆弱な地方自治体が多い中で、違反事業者に返金計画を作らせ、消費者への返金を行わせるために監視を続けていくということは難しいように思います。
 そこで、違反事業者に対する指示の実効性を高めていくためには、更なる体制強化が求められます。国と地方自治体の連携強化、自治体担当者の専門性の向上に向けての支援等、制度の実効性をどのように担保していくつもりか、河野大臣の御所見を伺います。
 次に、違反事業者に対する行政処分の効果についてお伺いします。
 近年、業務停止命令を受けた法人の役員などが、処分を受けた後も社名を変えて別の法人を立ち上げることにより、実質的に業務を継続するといった悪質な事案が頻発しております。本法律案では、そのような悪質事業者に対処するため、業務停止を命ぜられた法人の役員等に対して、停止の範囲内の業務について新たに業務を開始することを禁止する内容を盛り込んでおります。
 しかし、この業務停止命令のうち、都道府県のものについては、命令した自治体の区域外では全く効力が及ばないことになっています。これでは問題の根本的な解決には至らないと考えますが、河野大臣の御見解をお伺いします。
 次に、専門調査会で熱心に議論が行われたにもかかわらず、本法律案に盛り込まれなかった課題についてお伺いします。
 まず、インターネット取引の虚偽・誇大広告規制についてお伺いします。
 本法律案では、通信販売のうち、ファクシミリ広告への規制の導入は図られることになりますが、インターネット取引についての広告規制は見送られることになりました。インターネット通販に関する苦情相談件数は、平成二十一年度から平成二十六年度の五年間で約二倍に増加しており、商品、サービス、デジタルコンテンツの全ての分野で増加しています。中でも誇大広告に関する苦情相談件数は増加傾向にあり、専門調査会においても、通信販売に係る虚偽・誇大広告に関する取消し権について、その必要性が主張されましたが、委員間の意見の一致を見ることなく、引き続き検討事項となりました。
 ますます市場規模を拡大していくインターネット通販において、消費者が安心して利用できるよう虚偽・誇大広告に関して消費者の取消し権を認めるべきだと思いますが、河野大臣の御所見をお伺いします。
 次に、事前勧誘拒否制度についてお伺いします。
 平成二十七年に消費者庁が実施した消費者の訪問勧誘・電話勧誘・FAX勧誘に関する意識調査と全国消費者団体連絡会が実施した消費者契約に関する意識調査の両方において、いずれも九六%を超える消費者が訪問販売、電話勧誘販売を必要ない、来てほしくないと回答しています。
 また、特定商取引法は、平成二十年改正で訪問販売における再勧誘の禁止が導入されましたが、こちらも消費者庁の同調査によれば、後日また勧誘を受けた、断っても勧誘を続けられたなど、再勧誘を受けた消費者は、訪問販売、電話勧誘販売それぞれの類型で約四割に上っています。残念ながら、再勧誘の禁止という仕組みでは、販売業者は勧誘を拒否される前に一度消費者と接触することができてしまうため、消費者が幾ら断ろうとしても、販売業者の巧妙なセールストークにより押し切られ、はっきりと断ることができずに不本意な契約を締結してしまうことになりかねず、十分な効果が得られないのではないかと思います。
 河野大臣は、特定商取引法における再勧誘の禁止の効果についてどのような認識をお持ちか、お伺いします。
 そこで、そもそも事前に拒否している消費者に対する勧誘を禁止する制度を導入するべきとの意見もあります。訪問勧誘拒否制度、ドゥー・ノット・ノック制度や電話勧誘を拒絶する意思を登録した消費者に対して事業者からの電話勧誘を禁止するドゥー・ノット・コール制度については、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国やEU諸国においては既に導入し、規制を掛けていると伺っています。消費者庁としては両制度の効果をどのように整理されているのか。我が国においても導入することが可能と考えるか、河野大臣の御所見をお伺いします。
 次に、本法律案の施行期日及び見直し期間についてお伺いします。
 本法律案は、悪質事業者への対応として、行政調査に関する権限の強化や刑事罰の強化、インターネット社会に対応した公示送達制度の導入などを盛り込んでおり、一つ一つの制度がきちんと運用されれば悪質事業者に対して抑止力となり、その効果を期待できるものと考えています。一方、本法律案は、公布の日から起算して一年六か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すると、施行まで大変長い期間を設けております。
 この間に、消費者、事業者双方への周知徹底を図るとともに、悪質事業者にやり得をさせないための監視指導の強化を実施していくべきと考えますが、河野大臣の御所見をお伺いします。あわせて、消費者被害の動向を注視し、被害防止効果が十分ではないようであれば、施行後五年を待たず速やかに見直すべきと考えますが、お伺いします。
 以上、質問してまいりましたが、本法律案が成立した後も腰を落ち着かせてしまうことなく、今回先送りになった論点について速やかに検討を始めていただくことを改めてお願いをし、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(河野太郎君) 森本議員にお答えいたします。
 震災に便乗した悪質商法に対する消費者庁の注意喚起及び対策についてお尋ねがありました。
 平成二十八年熊本地震については、災害に便乗した悪質商法等に関する消費生活相談も寄せられているところです。災害に便乗した悪質商法等による被害を防止するため、これまで消費者庁及び国民生活センターから、過去の災害時における事例も基に、自然災害に便乗した悪質商法、義援金詐欺、不審な電話や訪問に関する情報や注意喚起をウエブサイトで公表するとともに、各種SNSでも発信しています。
 また、これらの消費者トラブルや不審な訪問等に関する消費生活相談については、消費者ホットライン一八八番にて被災地の皆様及び被災地以外の皆様から受け付けているところです。さらに、四月二十八日から国民生活センターにフリーダイヤル熊本地震消費者トラブル一一〇番を設置し、沖縄県を除く九州地方の皆様からの相談を受け付けています。
 今後も、被災地のニーズに応えるため、地元自治体や国民生活センターと連携して消費者問題に係る相談体制の整備や注意喚起等について適切に対応していきたいと考えております。
 高齢者を狙った悪質商法に関する相談に対する認識と対策についてお尋ねがありました。
 高齢者の消費生活相談件数は高い水準にあり、消費者庁としては、高齢者の消費者被害の防止を重要な課題として認識しております。今般御審議いただく特定商取引法の改正案もそのためのものです。本改正案では、高齢者を狙った悪質商法への対応として、業務停止を命ぜられた法人の役員等に対する業務禁止命令の創設、高齢者を中心に苦情相談が増加している電話勧誘販売における過量販売への解除権の導入などの措置を盛り込んだところです。
 そのほか、高齢者への消費者被害の防止のため、平成二十五年九月から警察庁、金融庁と連携して、政府広報を活用した高齢者の消費者トラブル未然防止に関する注意喚起を実施するとともに、どこに住んでいても質の高い相談、救済が受けられるように、地方消費者行政推進交付金等を活用した地方公共団体による相談体制の整備等の支援、お近くの消費生活相談窓口を御案内する消費者ホットラインの一八八への三桁化などの取組を進めてきたところです。
 さらに、高齢者などの消費者被害を未然に防止するため、本年四月一日の改正消費者安全法の施行を契機として、地方公共団体及び地域の関係者が連携した地域の見守りネットワークの構築を支援することとしています。また、悪質事業者に対しては、特定商取引法、消費者安全法等により厳正に対処していきます。
 今後とも、これらの取組を総合的に推進し、高齢者を含めた消費者被害の防止に努めてまいります。
 消費者の安心、安全と内需の拡大についてお尋ねがありました。
 消費者の安全、安心の確保は、消費の拡大、さらには経済の好循環の実現にとって大前提となると考えております。企業収益の改善を雇用の拡大と賃金の上昇につなげ、それを消費の増加、更に企業収益の増加につなげるという経済の好循環を実現していくことが重要であります。そのためにも、消費者の不安を払拭し、消費者の安全、安心を確保するための様々な施策を積極的に推進してまいります。
 独立行政法人国民生活センターが、徳島県において試験的に実施している研修についてお尋ねがありました。
 国民生活センターの研修の試験的実施については、十四回の講座を徳島県において行うこととしております。今月九日から徳島県で実施している研修においては、徳島県内から四十九名、徳島県外から十九名がそれぞれ参加されたと承知しております。
 国民生活センターが徳島県において実施する研修については、徳島県外からの参加者も含めて研修参加者から御意見等をいただくこととしております。徳島県から提案を受けた国民生活センターの地方移転に係る検討に当たっては、研修参加者から寄せられた御意見等も踏まえ、国民生活センターや消費者庁などに期待されている役割を果たせるか検討を進めてまいります。
 消費者庁等の徳島県への移転の提案についてお尋ねがありました。
 消費者庁では、三月に行った徳島県における試行の結果を踏まえて、七月には第二弾として、もう少し規模の大きい長めの試行を実施する予定であり、現在、試行を行う期間や業務等について検討を進めております。また、消費者委員会では、ICTを活用した会議運営の検証等を進めているほか、国民生活センターでは、研修及び商品テストについて徳島県において試験的に業務を実施しているところです。
 全国各地の消費者、消費者行政の関係者の声を踏まえ、引き続き試行とその検証を行いつつ、機能の維持向上が期待できるか、移転先以外を含めた理解が得られるかといった点を含めて、消費者庁に期待されている役割が果たせるかどうかといった観点から検討を進めてまいります。
 本法案を踏まえた特定商取引法に関する都道府県の執行体制の強化についてお尋ねがありました。
 本法案においては、悪質事業者に対する対策を強化するため、消費者利益の保護を図るための指示に関する規定の整備等、執行権限の強化を図っておりますが、改正法を適切に施行するためには、国のみならず、都道府県における執行体制の強化が重要と考えています。
 消費者庁においては、これまでも地方消費者行政推進交付金などにより、特定商取引法の執行を含めた都道府県における消費者行政の体制整備について支援を行ってまいりました。また、特定商取引法の執行体制の強化に関しては、消費者庁による全都道府県向けの研修の実施、都道府県が行う立入検査への経済産業局の立会い等により、執行担当者へのノウハウの伝授等を行ってまいりました。
 都道府県の執行体制の強化及び改正法の実効性の確保を図るため、引き続き、都道府県との緊密な連携の下、地方消費者行政推進交付金による支援を通じた都道府県における消費者行政の体制整備を促進するとともに、都道府県職員による研修の参加等を積極的に働きかけてまいります。
 本法案を踏まえた都道府県が行う特定商取引法に基づく行政処分の効果についてお尋ねがありました。
 現在の特定商取引法においては、都道府県における行政処分は自治事務として行われるものであり、当該都道府県の区域内にのみ処分の効力が及ぶものと整理されております。
 消費者委員会特定商取引法専門調査会では、都道府県の行政リソースの活用等の観点から、都道府県知事による行政処分の効力を当該都道府県の区域を越えて及ぼすことに積極的な意見があった一方、処分のために必要な情報を広域的に収集、分析し、執行する体制を充実させる必要性等を指摘する意見もあり、更に検討を進めることとされたものと承知しています。
 また、昨年十二月に閣議決定された平成二十七年の地方からの提案等に関する対応方針においては、同専門調査会における議論を踏まえ、都道府県知事の行政処分の効力の在り方について検討し、平成二十八年中に結論を得、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされています。
 都道府県による行政処分の効果について、消費者委員会の答申や当該閣議決定を踏まえて、引き続き適切に検討してまいります。
 インターネット通販における虚偽・誇大広告の取消し権についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、インターネット通販を含む通信販売における虚偽・誇大広告に関する取消し権の付与については、消費者委員会特定商取引法専門調査会における議論の結果、全体として意見の一致を見なかったものと承知しています。消費者庁としては、こうした専門調査会の結論も踏まえ、今回の改正法案としているところです。
 今後は、特定商取引法に基づく表示義務の徹底、虚偽・誇大広告に対する厳格な執行、今回導入することとしている公示送達による処分等により、悪質なインターネット通販事業者へ厳格に対応してまいります。
 また、今後の規制の在り方については、法改正後の執行状況やトラブルの推移などを注視しながら、将来必要が生じた場合には対応を検討してまいります。
 事前勧誘拒否制度の導入についてお尋ねがありました。
 各国の制度の実施状況については、消費者庁が確認した範囲では、一定の効果を感じている消費者が存在する一方で、登録した消費者に係る個人情報の扱いなど様々な課題が存在しているものと承知しています。
 昨年、消費者委員会特定商取引法専門調査会において、訪問販売及び電話勧誘販売に係る勧誘規制の見直しについて議論が行われましたが、法改正による勧誘規制の強化及び現行法解釈の見直しの必要性について委員間で共通認識が形成されるには至らなかったため、ドゥー・ノット・ノック制度やドゥー・ノット・コール制度の導入の適否まで十分に議論されるには至らなかったと承知しています。
 同委員会においては、現時点において対策を行うべき点として、法執行の強化、再勧誘の禁止等の法令遵守の徹底や自主規制の強化、その他各種の取組を推進していく点については意見が一致したものと承知しており、まずはこれらの取組を進めていくことが重要と認識しています。
 引き続き、消費者委員会からの答申を十分踏まえつつ、消費者トラブルの状況等を見ながら適切な対応を行ってまいります。
 本法案の施行までの取組及び見直し期間についてお尋ねがありました。
 本法案におきましては、公布から一年六月以内に施行することとしておりますが、施行までの間におきましては、消費者及び事業者等に対する改正法の周知徹底を図るとともに、現行法の厳正な執行に取り組んでまいります。
 本法案は、施行後五年を経過した場合の検討を政府に求めるいわゆる見直し条項を設けておりますが、これは五年を経過しないと見直しを行うことができないという規定ではございません。このため、改正法の施行状況や消費者被害の動向等を見ながら、消費者委員会からの答申を十分に踏まえつつ、見直しを行う必要が生じた場合においては適切な対応を行ってまいります。(拍手)
#9
○議長(山崎正昭君) 理事が協議中でございますので、しばらくお待ちください。
 答弁の補足があります。国務大臣河野太郎君。
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(河野太郎君) 特定商取引法における再勧誘の禁止の効果についてのお答えの補足をさせていただきます。
 平成二十年の特定商取引法改正によって、訪問販売について再勧誘の禁止の規制が導入されました。その効果については、平成二十二年度から二十六年度までの五年間で、再勧誘禁止違反として国及び都道府県で九十四件の処分を行ったところであり、これは全ての処分のうちの約三割に相当します。
 また、消費者委員会特定商取引法専門調査会において消費者庁が示した事業者アンケートの結果によれば、回答した事業者の約八割が再勧誘禁止を遵守する措置を講じているとの結果を出しております。
 したがって、平成二十年改正によって導入された再勧誘の禁止の規制は、改正後の特商法の事件処理及び事業者による自主規制の実施に当たって有効に機能しているものと認識しております。
 引き続き、再勧誘禁止違反に対しては厳正に処分を行ってまいります。(拍手)
#11
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#12
○議長(山崎正昭君) 日程第一 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とオマーン国との間の協定の締結について承認を求めるの件
 日程第二 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とイラン・イスラム共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
  (いずれも衆議院送付)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長佐藤正久君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔佐藤正久君登壇、拍手〕
#13
○佐藤正久君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 オマーン及びイランとの投資協定は、いずれも、投資財産設立後の内国民待遇及び最恵国待遇の原則供与について規定するものであります。
 あわせて、両協定は、公正衡平待遇義務、収用等の措置がとられた場合の補償措置、支払等の自由な移転、投資紛争の解決のための手続等について定めるものであります。
 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、両協定締結の意義、オマーンとの投資協定における国と投資家との紛争解決手続の実効性、イランとの投資協定において特定措置の履行要求の禁止項目が限定された理由、投資受入れ国の食料安全保障の確保等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、討論に入りましたところ、日本共産党の井上委員より両件に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、両件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(山崎正昭君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#15
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#16
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百二十  
  反対              十一  
 よって、両件は承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#17
○議長(山崎正昭君) 日程第三 株式会社国際協力銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長大家敏志君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔大家敏志君登壇、拍手〕
#18
○大家敏志君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、我が国の企業の海外展開をより一層支援するため、株式会社国際協力銀行について、海外インフラ事業向けの貸付け等に係る業務の方法に関する規制の見直しを行うとともに、銀行等からの外国通貨による長期借入れを可能とする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、国際協力銀行に特別業務を創設する意義、海外インフラ事業の資金ニーズに対応した財政上の措置の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大門実紀史委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#19
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百十三  
  反対              十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(山崎正昭君) 日程第四 特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長神本美恵子君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔神本美恵子君登壇、拍手〕
#23
○神本美恵子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、産業構造及び国際的な競争条件の変化、急速な少子高齢化の進展その他の経済社会情勢の変化に対応して、産業競争力を強化するとともに、国民が豊かで安心して暮らすことができる社会を実現するためには我が国の科学技術の水準の著しい向上を図ることが重要であることに鑑み、特定国立研究開発法人による研究開発等を促進するため、政府による基本方針の策定、中長期目標等に関する特例その他の特別の措置等について定めようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、特定国立研究開発法人の研究者等の給与その他の処遇については、優秀な人材の確保並びに若年の研究者等の育成及び活躍の推進に配慮して行うものとすることを追加すること等を内容とする修正が行われております。
 委員会におきましては、対象法人選定の経緯、研究開発に係る財政措置の充実、若手研究者、研究支援者の処遇の改善等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了した後、生活の党と山本太郎となかまたちの山本委員より、国立研究開発法人理化学研究所については、特定国立研究開発法人としないことを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の山下理事より反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成            二百十四  
  反対              十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#27
○議長(山崎正昭君) 日程第五 原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長小見山幸治君。
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   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔小見山幸治君登壇、拍手〕
#28
○小見山幸治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、原子力発電における使用済燃料の再処理等を着実かつ効率的に実施していくため、使用済燃料の再処理等を行う認可法人制度を創設するとともに、認可法人が事業を実施するために必要な資金を、使用済燃料の処分の方法として再処理を選択した実用発電用原子炉設置者が発電時に認可法人に拠出金として納付する制度を創設する等の措置を講じようとするものであります。
 なお、衆議院におきまして、附則の検討規定について、その検討の開始時期を「施行後五年を経過した場合」から「施行後三年を経過した場合」に改める修正が行われております。
 委員会におきましては、核燃料サイクル政策の在り方、プルトニウム需給バランスに対する考え方、使用済燃料の再処理等における認可法人の責任、認可法人と立地自治体との関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して倉林理事、日本を元気にする会・無所属会を代表して松田委員より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#29
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十六  
  賛成              二百  
  反対             二十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#32
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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