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2016/05/17 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第27号
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2016/05/17 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第27号

#1
第190回国会 本会議 第27号
平成二十八年五月十七日(火曜日)
   午後五時三十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十七号
    ─────────────
  平成二十八年五月十七日
   午後四時三十分 本会議
    ─────────────
 第一 平成二十八年度一般会計補正予算(第1
  号)
 第二 平成二十八年度特別会計補正予算(特第
  1号)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 平成二十八年度一般会計補正予算(第1号)
 日程第二 平成二十八年度特別会計補正予算(特第1号)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長岸宏一君。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔岸宏一君登壇、拍手〕
#4
○岸宏一君 ただいま議題となりました平成二十八年度補正予算二案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算二案は、去る五月十三日に国会に提出され、同日、財務大臣から趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付の後、本日、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
 質疑は、熊本地震の深刻な被害の復旧と力強い復興に向けた政府の取組、被災者の住宅対策、罹災証明書発行の迅速化、中小企業、農業、観光業等の産業復興策及び雇用対策、復旧復興費用の財源の在り方、アベノミクスの効果と経済動向、タックスヘイブンをめぐる諸問題など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論、採決の結果、平成二十八年度補正予算二案は全会一致をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(山崎正昭君) 両案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。藤本祐司君。
   〔藤本祐司君登壇、拍手〕
#6
○藤本祐司君 民進党の藤本祐司です。
 私は、民進党・新緑風会を代表して、平成二十八年度補正予算に関して、賛成の討論をいたします。
 討論に入る前に、熊本地震の犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族に対しましてお悔やみを申し上げます。また、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 熊本地震発生から一か月がたちました。復旧復興にはいまだめどが立たず、今もなお約一万人の方々が避難所生活を強いられています。また、地震への不安から車の中で寝泊まりをされている方々が大勢いらっしゃると聞きます。この住まいの問題は、住宅という物理的な問題に加え、将来に向けた資金面を含め、精神的にももはや限界という声が被災者から届いています。政府には、一分一秒でも早く、住まいの問題に対する展望と具体的施策、心のケアの問題に全力で取り組んでもらいたいと思います。
 地域の産業振興面の課題に農業、製造業、観光業などが挙げられます。この場では、観光業について述べます。
 実は、観光業には少し厄介な特性があります。ホテルや旅館、鉄道やバスをちょっと思い浮かべていただきたいと思います。今日売れなかった部屋あるいは座席はあしたは売ることができないんです。例えば、ここにグラス、コップがあります。このグラスは今日売れなくても、あした二つ売れば今日の分を取り返せます。しかし、ホテルや旅館の部屋は、今日宿泊してもらえなければ、その部屋を明日二組のお客様に同時に売ることはできません。地震でキャンセルが発生したら、そのキャンセル分は明日以降に取り返すことができないんです。
 また、観光客はある意味勝手なもので、行っても楽しめないことが分かっている場所にはなかなか行ってくれません。仮に観光を楽しみのための旅行とするならば、人は楽しめない場所を好んでは選択しません。その場所のほかに選択肢となる観光地がたくさんあるため、わざわざ急いで今その場所に行かなくても、地震が落ち着いてから行けばいいやと考えるからです。
 つまり、阿蘇に行ってくれとか熊本に遊びに行ってくれと幾らPRしても、余震が実際に続いているときは、残念ながら、さほどの効果は上がらないかもしれません。ただ、今回は、九州の全域に対するキャンセルが相次いだという事実を考えると、風評被害を抑えることには宣伝、PRは一定の効果はあると思います。
 では、被災した観光地に効果的な支援策はないのか。それがあります。地震の翌日、熊本を支援しようと東京銀座の熊本館に多くの人が集まったことを考えてみてください。つまり、余震が収まれば、是非、熊本や大分を訪問しようと思う人が例年以上に増える可能性があるんです。そのときのために備えをしておく必要があります。せっかく地震が収まって観光客が戻ってきても、十分なサービスを提供できないと、結局は観光地の評価を下げてしまうおそれがあり、将来的に打撃を受けてしまいます。
 では、今やっておかなければならないことは何か。それは、従業員の雇用を守ることです。もっとも、現時点ではお客様が来ないので、営業収入は上がらず、従業員を解雇せざるを得ない状況に追い込まれる可能性があります。そこで出番となるのが雇用調整助成金です。雇用調整助成金を拡大するなど、雇用対策を進めていただきたいと思います。
 観光は人手の商売です。多くの産業が関わる裾野が広い産業です。地方の雇用の場として有力な手段です。女性の活躍の場でもあります。こうした観点からも、雇用を維持するためのあらゆる手段を講じていただきたいと思います。
 また、余震が続き、断層や地盤のずれを拡大し、崩落の危険性が高まっている地域があると聞きます。間もなく梅雨を迎える中で、更にその危険性が高まっていくことが容易に予測できます。いつ頃までにどの程度危険性が高まっていくのか、どの範囲まで崩落の危険性が広がるかなどについて、専門家の英知を結集して調査を進めることも重要です。
 余震が続いている今回の地震の特徴を考慮すると、この補正予算の後に第二次補正予算が必要となる可能性も考えておかなければならないでしょう。となれば、平成二十七年度補正予算や平成二十八年度予算等の未執行分の歳出項目を見直す勇気と決断が必要です。
 朝令暮改という言葉があります。この言葉は一般的には良くない言葉だと言われますが、私は必ずしもそうではないと思っています。なぜならば、状況が大きく変わったのであれば、また、じっくり考えた結果、朝言ったことを夜になって改めた方が適当であるケースもたくさんあるからです。予算についても同様です。先送りできる予算、一旦凍結しても問題とならない予算を見直すことは可能なんです。堂々と朝令暮改していただきたいと思います。
 かつて、民主党政権では、東日本大震災対策の財源を捻出する際、子ども手当や高速道路の無料化の社会実験などの政策を圧縮しました。また、一般家庭であれば、例えば思い掛けずに入院して医療費が掛かったら、買おうとしていたものを後回しにしたり我慢したりして、お金の使い道を変えることは普通のことです。今回は、熊本地震という甚大な被害を及ぼした自然災害が起きたのですから、その復旧や復興を最優先して、不要不急の予算を見直すことは当たり前のことだと思います。
 政府は、参議院議員選挙前に、低年金高齢者一千百万人に対して一人三万円ずつ配るとしていました。それに対して、そんなことより熊本地震の対応に回してほしいよとおっしゃっていた高齢者もいらっしゃいます。本予算の一%を見直すだけで一兆円程度の予算を捻出することができるんです。変化に応じた柔軟な発想と姿勢で、前向きな見直しを検討してもらいたいと思います。
 さて、皆さんは、民主政治の基本は何だとお考えになりますでしょうか。私は、参加と公開と納得ではないかと考えます。
 まず、国民の参加です。補正予算は、約七千八百億円のうち九割の七千億円が予備費です。そのため、何に使うか分からず、この額が多いのか少ないのか適当なのか、正直言って私にはよく分かりません。一方で、中身が決まっていないということは、住民の方々が参加して予算の使い道を決定する余地が大きいということでもあります。私たちは、予算の使い道を政府に白紙委任したわけではありません。この際、積極的に住民の方々の意見を取り入れてください。政府の都合や思い込みやお仕着せではなく、被災地の方々の本音を反映した住民参加の予算にしてもらいたいと思います。
 公開についてですが、予算の使い道が決まり次第、順次明らかにして、早急に予算の全体像と詳細を国民に示すべきです。全体像と詳細が不明だと、チェック機能が働かない上、国民の知る権利も侵害されてしまいます。
 そして、震災対応とはいえ、国民の税金を活用する以上は、国民が納得できるような説明が必要となります。政府にとって都合の良い説明だけを繰り返し、不都合な真実を隠すことだけは勘弁してください。納得性の向上は、政治への国民からの信頼につながり、そして国民の政治参加へとつながります。
 参加、公開、納得、これら三つの要素が機能し好循環が生まれれば、政治の質は高まっていくと私は考えます。このことを常に念頭に置いて、国民から信頼される政治を前へと進めてください。どうぞ皆さん、よろしくお願いします。期待しています。
 ありがとうございました。(拍手)
#7
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
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#8
○議長(山崎正昭君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#9
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#10
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百三十六  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#11
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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