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2016/05/18 第190回国会 参議院 参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第28号
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2016/05/18 第190回国会 参議院

参議院会議録情報 第190回国会 本会議 第28号

#1
第190回国会 本会議 第28号
平成二十八年五月十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十八号
    ─────────────
  平成二十八年五月十八日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 電気事業者による再生可能エネルギー電
  気の調達に関する特別措置法等の一部を改正
  する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国際経済・外交に関する調査の報告
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 本案について提出者の趣旨説明を求めます。経済産業大臣林幹雄君。
   〔国務大臣林幹雄君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(林幹雄君) 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できるエネルギーであることから、その最大限の導入を進めていくことが必要です。
 平成二十四年七月に開始された固定価格買取り制度の下で、再生可能エネルギーの導入は着実に進展しておりますが、昨年七月に策定した長期エネルギー需給見通しの実現に向けて、今後ともその適切な運用を図っていくことが必要です。
 固定価格買取り制度については、太陽光発電の急速な導入が進む中、国民負担増大の懸念や電力系統への受入れ制約の発生といった課題が顕在化しております。また、固定価格買取り制度の認定を受けながら稼働していない未稼働案件が大量に発生するといった問題も生じております。
 本法律案は、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向け、これら現行制度の課題に対応するために必要な措置を講ずるものであります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法の改正に関するものであります。
 第一に、未稼働案件の防止や適切な事業運営を確保するために、再生可能エネルギー発電事業者が固定価格買取り制度の適用を受けるに当たり、経済産業大臣がその事業の実施の確実性や適切性を確認し、事業計画を認定する新たな制度を創設します。加えて、この制度を実効的なものとするため、経済産業大臣が改善命令等を行えるようにいたします。
 また、現行制度の下で既に発電を開始している案件や系統への接続について一般送配電事業者の同意を得ている案件について、新たな制度による認定を受けたものとみなす等の経過措置を講じます。
 第二に、新たな調達価格の決定方法を導入します。具体的には、現行制度においては経済産業大臣が算定する調達価格について、固定価格買取り制度の賦課金の負担を軽減する上で有効である場合には、入札を実施し、その結果により定めることを可能とします。また、開発期間に長期を要する電源などについては、事業の予見可能性の確保の観点から、あらかじめ複数年にわたる調達価格を定めることを可能とします。
 第三に、再生可能エネルギーの更なる導入を可能とするため、再生可能エネルギー電気の調達義務者を小売電気事業者から一般送配電事業者に変更する等の措置を講じます。また、これに併せて、一般送配電事業者が調達した再生可能エネルギー電気について、卸電力取引市場において売買取引を行うことや、あらかじめ経済産業大臣に届け出た約款に基づき小売電気事業者に対して供給すること等を義務付けます。
 第四に、電気を大量に消費する事業者に係る再生可能エネルギー電気の賦課金を減免する制度について、我が国の国際競争力を強化するという制度趣旨を明確化するとともに、この制度の対象となる事業者の省エネルギーに向けた取組を確認することができるように制度を見直します。
 加えて、再生可能エネルギー電気の調達義務者を一般送配電事業者等に変更することに伴い、電気事業法などの関係法律について所要の改正を行います。
 以上が、本法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。滝波宏文君。
   〔滝波宏文君登壇、拍手〕
#6
○滝波宏文君 自由民主党の滝波宏文です。
 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりましたいわゆるFIT法改正案につきまして、林経産大臣に質問いたします。
 エネルギー政策で確保せねばならないのは、3EプラスS、すなわちエネルギー安全保障、経済効率性、環境負荷低減、そして安全性でありますが、単独でこれらを全て満たす電源はなく、再生可能エネルギー、火力、原子力など、バランスの取れた電源構成が重要であります。
 このエネルギーの特性を十分に踏まえ、政府は昨年七月にエネルギーミックスを策定いたしましたが、再生可能エネルギーの割合は二〇三〇年時点で二二%から二四%の目標とされております。しかし、現在の割合は一二%でありますので、目標に向かって再生可能エネルギーを更に普及していかねばなりません。
 この点、四年前に固定価格買取り制度、すなわちFIT制度が開始されてから、我が国でも特に太陽光発電の導入が急激に進んできました。以前は珍しかった大規模なソーラーパネルの並ぶ光景、これは今では各地で見られるものです。
 一方で、太陽光発電が余りに急速に増えたことに伴って問題も生じております。例えば、買取り価格が高いうちに枠だけ確保し実際には事業を開始しないという、いわゆる未稼働案件が大量に発生している状態であります。その数は現時点で実に約六十二万件に上ると言われております。
 また、国民負担の問題もあります。再生可能エネルギーの導入が進んだ結果、FIT制度により家庭や事業者が払う賦課金の額が増加し、当初は標準家庭で月額六十六円だったものが、今では六百七十五円と十倍余りの額となっております。このまま賦課金が上がり続ければ、家庭の負担が更に増すばかりでなく、我が国経済への悪影響も懸念され、放置できない問題となっております。
 さらに、再生可能エネルギーの導入が太陽光発電に偏っており、その他の木質バイオマスなどの普及が遅れていることも問題です。再生可能エネルギーの中でも、一つの電源に偏らないベストミックスというものを考えなければなりません。
 本法案はこうした現状に対する政府としての対応策を形にしたものだと考えますが、本法案の意義と期待される効果につきまして、林大臣から御説明をお願いいたします。
 私は、エネルギー政策に力を入れるとともに、福井県山林協会の会長も務めさせていただいております。先進国有数の、しかし、戦後放置されている我が国の森林資源を活用する新たな動きとしても、木質バイオマス発電に注目をしております。木質バイオマスは、森林の利用と再生を繰り返すことによって大気中のCO2濃度に影響を与えないいわゆるカーボンニュートラルな性質を持っています。
 昨年秋にエネルギー関係を中心に訪欧した際、林業先進国であるフィンランドにて二・四万キロワットのセルヴェンパー発電所、オーストリアにても二万キロワットのシメリング発電所と、いずれも欧州最大級の木質バイオマス発電所を視察いたしました。両国では木質バイオマスの電源割合が、それぞれ二〇%弱、一〇%弱と非常に大きく、再生可能エネルギーの中でどちらの国でも水力に続く第二位でありまして、再生可能エネルギーといえば水力か木質バイオマス、こういった状況であります。
 我が国も、両国と同様に世界に誇る森林資源を有しております。地方創生の観点からも木質バイオマスの活用を更に後押しすべきではないかと考えておりますが、木質バイオマスの利用の更なる拡大及び将来像について、政府の見解を林大臣にお伺いします。
 最後に、原子力発電について伺います。
 私の地元である福井県は、御案内のとおり、原子力発電所が全国で最も多く立地する地域です。三・一一以降、原子力の抱えるリスクというものを県民はこれまで以上に意識せざるを得ない状況です。
 一方で、資源のない島国で、経済大国であり環境責任国という我が国の条件に鑑みると、原子力を含むエネルギーミックスが現実的で責任ある政策として必要でしょう。そこで、政府は、昨年七月策定のエネルギーミックスにおいて、原子力の比率の目標を二〇%から二二%とし、原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた発電所はこれを再稼働する方針を示しております。
 であれば、原子力発電所の立地自治体地域が負ってきているリスクについて、特に都会のエネルギー消費地の側が、そして中央が、もっと意識をし、感謝すべきだと考えております。大量の電力を要する都会の快適な生活を、そして国の存立を維持するために、立地自治体地域がリスクを負って安定、安価な電力を供給してきているのです。国、消費地と供給地との間には感謝と信頼の関係が成り立たねばなりません。
 政府としても、こうした関係に今まで以上に配慮すべきだと考えます。原子力に関する国、消費地と立地自治体地域との信頼関係の構築についてどのようにお考えか、林大臣の御見解を伺って、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣林幹雄君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(林幹雄君) 滝波議員から三つの質問がありました。
 まず、本法律案の意義と期待される効果についてお尋ねがありました。
 制度導入以降、再生可能エネルギーの導入量が倍増するなど、FIT法は大きな成果を上げていると認識しております。他方、太陽光発電の急速な導入により、国民負担増大の懸念や、認定を受けながら稼働しない未稼働案件が大量に発生するなどの課題が生じています。
 こうした課題に対応するため、本法律案では、新たな認定制度を創設し、未稼働案件の防止を図るとともに、コストの引下げに向けた入札制の導入や、太陽光以外の電源の導入拡大に向けた数年先の買取り価格まであらかじめ提示できる仕組みの導入などの措置を盛り込んでおりまして、これにより、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を実現してまいります。
 木質バイオマス発電の更なる導入拡大及び将来像についてお尋ねがありました。
 地域に存在する木材等を有効活用するバイオマス発電は、安定的な発電が可能であり、地域活性化にも資する重要な電源です。エネルギーミックスでも二〇三〇年度に三・七%から四・六%に拡大することを見込んでおりまして、その実現に向け、FIT制度においては、本改正により数年先の買取り価格をあらかじめ決定する仕組みとする等、支援策の拡充を図るとともに、自家消費向け設備への予算支援も講じてまいります。
 また、地域の林業と一体となって安定的な燃料供給と利用が円滑に行われ、地域にバイオマス発電が定着していくことが重要です。そのため、農林水産省とも連携してモデル実証事業等を進めてまいります。
 国、消費地と原発立地地域の信頼関係の構築についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、国と原発立地地域との間で感謝と信頼に満ちた良好な関係が構築されることはもとより、電力の消費地と供給地との間でも同様の関係が構築されることは大変重要であります。このため、全都道府県で原子力・エネルギー政策に関するシンポジウムや説明会を開催するなど、国民理解の促進活動を積極的に展開しているところでございます。
 理解活動に終わりはありません。今後とも、電力の消費地を含めた国民の皆様に対し、原子力に対する信頼や原発立地地域への理解が十分に得られるよう、しっかりと取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(山崎正昭君) 柳澤光美君。
   〔柳澤光美君登壇、拍手〕
#9
○柳澤光美君 民進党・新緑風会の柳澤光美でございます。
 ただいま議題となりました再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆるFIT法改正案につきまして、会派を代表して経済産業大臣に質問させていただきます。
 二〇一一年三月十一日、あの東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きて五年二か月が過ぎました。私は、半年後の九月に発足した野田内閣で経済産業大臣政務官、その後、副大臣を仰せ付かると同時に福島原子力災害現地対策本部長を兼務し、一年一か月、復興の先頭に立たさせていただきました。まず最初に、そのときの経緯と経験と思いを述べさせていただきたいと思います。
 当時は、県庁の五階の会議室をぶち抜いて現地対策本部があり、本省からの百名を超える支援部隊に、警察、自衛隊、海上保安庁、後から消防本部、そして福島第一原発の復旧に当たる東京電力の皆さんも指揮下に入り、百五十名を超える部隊を仕切ることになりました。まず、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じることが大切と考え、避難区域はもちろん、近隣の市町村を回り、仮設住宅を訪ね、福島第一原発にも何回も入りました。本当に胸が痛いというよりは胸が張り裂ける思いでした。
 今まで信じてきた価値観、社会の在り方自体を問い直さなければならない。需要に応じて大規模発電所から送電されるシステムに慣れ、冬は暖房を効かせて半袖で生ビールを飲む。夏はクーラーを強め、弱冷房車が出現し、職場ではブランケットを掛けなければ冷え性になる。その結果、自分で体温調節ができなくなり、熱中症が急増する。こんな不自然な生活をやめなければならない。
 特に、核分裂により大きなエネルギーを得る一方で、自然界にはない放射性物質をつくり出す原発は、最も不自然なことです。国のエネルギー政策は抜本的に見直さなければならないと心の底から思いました。そして、二〇三〇年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入するという方針が打ち出されました。まず、この民主党政権下での方針に対する政府としての御見解をお聞かせください。
 二〇三〇年代に原発稼働をゼロにするためには、再生可能エネルギーの最大限の導入を目指しました。その核心的政策を担っていたのが、私も副大臣として関わったこのFIT法です。当時、諸外国に比較して買取り単価が高過ぎるという声もありましたが、太陽光発電の導入を一気に進めていくために高めの設定をすることにしました。その結果、FIT法導入後に運転開始した太陽光発電設備は四・五倍になりました。この点は大いに評価すべきだと考えますが、政府の認識をお聞かせください。
 しかし、一方で、FIT法の成果と同時に課題も見えてきました。その問題の一つは、FIT制度で買取りの認定を受けたのに発電事業を開始しない、いわゆる未稼働問題です。二〇一二年度で五・九万件、二〇一三年度を合わせると三十四万件が未稼働だといいます。高い買取り価格での認定を維持しつつ、太陽光パネルの価格の値下がりを待っている事業者が多いと聞きます。こうした未稼働案件に対しては厳しい対応を求めるとともに、今後このようなことを発生させないことが重要です。具体的な対応と対策をお聞かせください。
 太陽光発電については、もう一つ大きな問題があります。私の地元長野県においても、森林伐採による景観の変化や水害への懸念から、地域住民から設置に反対する動きが出ています。中には、法律に違反して森林を伐採している事業者もあるといいます。また、いいかげんな取付工事を行った太陽光パネルが、台風の突風で飛び散った事例もあります。
 再生可能エネルギーの導入を進めることは大事ですが、地域住民に迷惑を掛けないようにすることが大前提です。これから設置する事業者はもちろんですが、現在既に稼働しているものについても、地域住民の皆様に迷惑を掛け、トラブルを起こしている案件が多いといいます。大至急、全国一斉点検を行うべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
 そして、最大の問題は、再生可能エネルギーの導入が太陽光発電に偏り、太陽光以外の電源の導入がほとんど進んでいないことです。太陽光発電は、設備で百二十万件、累積導入量は二千五百万キロワット、全体の九六%にも上ります。一方で、地熱発電は二十件、〇・九万キロワット、風力発電は九十一件、四十三・一万キロワット、中小水力発電は百六十五件、十四・三万キロワット、バイオマス発電は百三十七件、四十七・五万キロワットです。
 今後は、各電源をバランスよく導入する必要があると考えます。我が国は、太陽光、風力はもちろん、バイオマス、中小水力、地熱、波力、潮力など自然エネルギーの宝庫です。あらゆる再生可能エネルギーの導入に取り組むべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
 私は、世界第三位のポテンシャルを持っている、またベース電源となり得る地熱発電に強い思い入れがあります。二〇一一年十二月に福島の柳津西山地熱発電所を視察し、福島で開催された地熱資源開発に関するシンポジウムで基調講演を行い、地熱発電が持っている大いなる可能性について強く訴えさせていただきました。
 地熱発電の問題点は、開発エリアが国立公園と重なることです。環境省に働きかけて国立・国定公園内の開発要件を緩和しましたが、全て解除されたわけではありません。また、井戸を掘る費用や環境アセスメントなど開発期間が長期に及ぶ問題もあります。事業者に多くの課題を乗り越えてしっかり頑張ってもらうためには、政府による強力なバックアップが必要だと考えます。地熱の導入に向け、これまでの取組と今後の対応についてお聞かせください。
 地熱だけではなく、我が国の豊かな水資源を活用した中小規模の水力発電、国土の七割を占める森林からの未利用間伐材による木質バイオマス発電には大きな可能性があります。
 中小水力発電は、河川や農業用水路など、落差があるところであれば発電が可能です。その水利用手続が導入拡大の大きな課題になっており、手続を簡略化するなど更なる制度の見直しが必要だと考えます。また、制度見直しに加えて、研究開発や実証事業など予算の支援も重要だと考えますが、御所見をお聞かせください。
 バイオマス発電は、山間地域の森林資源を有効に活用することが可能であり、国土を守り、地方創生にもつながります。
 昨年の十一月、北海道下川町を視察しました。豊かな森林資源を活用し、発電よりも熱利用による持続可能な循環型森林経営を中心とする地域づくりを行っています。バイオマスは、発電以上に熱利用を推進すべきだと考えます。ドイツでは、熱と電気の両方を供給する熱電併給を重視し、買取り価格を発電だけより高く設定し、最終的には熱電併給でなければFITでは買い取らないことにしました。参考にすべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
 風力発電がなかなか普及しないことも大きな問題です。
 政府の二〇三〇年のエネルギーミックスでは、風力が電源構成の一・七%程度と低く抑えられています。世界の潮流は風力を基幹的なエネルギーとして捉えており、欧州各国は太陽光よりもはるかに高い割合の風力を導入しています。私は、いわき市の沖合に復興のシンボルとして浮体式洋上風力発電の設置を進めました。風力発電の更なる導入を推進すべきであり、二〇三〇年の風力発電の導入目標も抜本的に見直すべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。
 私の地元長野県は、一村一エネルギーの方針を打ち出し、地産地消から地消地産へ、つまり地域で消費するもの、特にエネルギーを地域でつくろうと呼びかけています。私は、再生可能エネルギーは持続可能な地域を構築するための取組でもあると考えます。そのためには、地域の資源を活用し、地域が主導して行い、その利益を地域に還元することが重要です。地域優先、小規模優先の考え方を大切にし、それに基づいた買取り価格を設定すべきだと考えますが、御所見をお聞かせください。
 波や潮流による海洋発電、藻類を燃料とするバイオマス発電など、新たな再生可能エネルギー技術の開発も進めるべきだと考えますが、御見解をお聞かせください。
 今回の改正は、問題点ばかり強調され、コスト効率や効率的な取引など効率優先の姿勢ばかりが目立ちます。直すべきは直し、その上で再生可能エネルギーの更なる導入を図ることが大切だと考えます。
 再生可能エネルギー比率は、フランスでは二〇三〇年までに四〇%、ドイツは二〇三五年に五五%から六〇%、二〇五〇年には八〇%以上に、デンマークは二〇五〇年に一〇〇%を目指しています。どこよりも再生可能エネルギーに恵まれている日本の目標が二二%から二四%では余りにも低過ぎると思いますが、政府としての御見解をお聞かせください。
 最後に、現地対策本部長を務める中で感じた私の思いを述べさせていただきたいと思います。
 それは、現場力です。警察、自衛隊、海上保安庁、消防本部そして役場の職員の皆さんは、全力で復旧復興に当たってくださいました。そして、福島第一原発の事故現場では、発災から、協力会社も含め、毎日平均三千名を超える皆さんが、目に見えない放射線が飛び交う中で、防御服と防毒マスクを身にまとい、命懸けで復旧復興に当たってくださいました。特に東京電力の皆さんは、最も危険な場所を受け持ち、言い訳や泣き言や愚痴を言わずに献身的な御尽力をいただきました。この場をお借りし、心から敬意を表するとともに、感謝を申し上げたいと思います。
 今も戦いを続けている現場力こそ、日本の財産だと考えます。林大臣も避難区域や福島第一原発には何回も足を運ばれていると思いますが、この現場力に対しての率直な評価と感想をお伺いし、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣林幹雄君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(林幹雄君) 柳澤議員から十三の質問がございました。
 まず、二〇三〇年代に原発稼働ゼロという民主党政権下での方針に対する政府の見解についてお尋ねがありました。
 安倍政権においては、それまでのエネルギー政策をゼロベースで見直すこととし、平成二十六年四月にエネルギー基本計画を閣議決定しました。この計画に基づき、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入、火力の高効率化等により原発依存度は可能な限り低減させてまいります。
 しかし、他方で、安定供給の確保、電力コストの引下げ、CO2排出の抑制の三点を実現しようとすれば、原発依存度をゼロにすることはできず、やはり一定程度の原発は稼働させなければ責任あるエネルギー政策を実行できないというふうに考えております。
 FIT法による太陽光の導入拡大への評価についてお尋ねがありました。また、未稼働案件への対応についてもお尋ねがありました。
 制度導入以降、御指摘のように、太陽光がそれまでの四・五倍も導入が進むなど、FIT法は大きな成果を上げていると認識しております。他方、国民負担増大の懸念が生じるとともに、認定を受けながら稼働しない未稼働案件が大量に発生するという問題も生じております。
 この未稼働問題に対応するため、本法律案において、事業の実施可能性を確認した上で認定を行う新たな認定制度を創設するとともに、既存の認定案件についても、改めて新制度での認定の取得を求めることで未稼働案件の防止を図ることとしております。
 地域でのトラブル防止のため、全国各地の太陽光発電に対する一斉点検の必要性についてお尋ねがありました。
 経済産業省では、これまで台風被害のあった地域や長期間発電を停止している設備を対象として実態調査を行ってきました。今後、さらに全国の自治体からも情報提供を求め、地域でのトラブル防止に向け、太陽光発電設備の安全性の確保等に関する必要な情報の収集、調査に努めてまいります。
 再生可能エネルギーのバランスの取れた導入についてお尋ねがありました。
 FIT制度の開始後、太陽光発電は急速に導入が拡大する一方、風力、地熱などリードタイムの長い電源は十分に導入が進んでおりません。このため、本法律案において、数年先の買取り価格まであらかじめ提示できる仕組みを導入するとともに、環境アセスメントの迅速化などの規制緩和や低コスト化に向けた研究開発などを進め、再生可能エネルギーのバランスの取れた導入拡大に取り組んでまいります。
 地熱発電の推進についてお尋ねがありました。
 経済産業省としては、地熱資源量を把握するための掘削調査に対する支援を始め、開発段階に応じた様々な支援により地熱発電の導入を積極的に推進してまいりました。今年度からは、開発リスクの高い大規模開発を推進するため、掘削調査への補助率の引上げや、地元理解の促進のため、自治体への地熱開発の専門家の派遣や自治体間での好事例の共有などを進めてまいります。
 中小水力発電の導入促進についてお尋ねがありました。
 安定した出力を維持することが可能な中小水力発電は、今後の開発可能な地点が数多く残されており、積極的に開発に取り組むべき電源です。改正後のFIT法を通じた支援とともに、許認可手続の迅速化などの制度見直しや、河川の管理者が個別に所有している情報を一元化して広く提供する仕組みづくり、水車の技術開発や実証事業の実施など、各種支援策を講じてまいります。
 FIT制度におけるバイオマス発電での熱利用についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの導入に当たっては、電気のみならず、地域において熱利用を含めて進めることが重要だと認識しております。再生可能エネルギー熱利用設備の導入支援や熱を地域内で活用する取組の支援を行っています。他方、ドイツ等と比較すると、我が国では熱需要が少なく、地域内の熱供給網が未整備であるなど、社会状況の違いに留意することが必要でありまして、ドイツ同様の制度を導入することについては慎重であるべきと考えます。
 二〇三〇年度の風力の導入目標についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの導入比率については、風況等の自然条件など、我が国の実情に合わせた検討が必要です。エネルギーミックスでは、風力について足下から四倍もの導入拡大を見込んでおり、まずはこの水準の達成に向け、環境アセスメントの迅速化や買取り価格の決定方式の見直しなど、導入促進に向けた施策をしっかりと進めることが重要だと考えます。
 地域優先、小規模優先の買取り価格の設定についてお尋ねがありました。
 地域に存在する再生可能エネルギー資源を地域の特性に合わせて効果的な形で活用することは、地域活性化とエネルギー自給の観点から重要です。他方、FIT制度は、全ての電気の需要家の負担の下で我が国全体で成り立っており、可能な限り国民負担を抑制しつつ、導入拡大を進めることが必要です。このため、御指摘のような地域優先、小規模優先での買取り価格の設定を行うことについては慎重であるべきと考えます。
 新たな再生可能エネルギー技術の開発についてお尋ねがありました。
 波力や潮流などを活用した海洋エネルギー発電や藻類を活用したバイオマス燃料を含め、新たな再生可能エネルギー技術の開発を進めることは重要と考えています。コストや安定供給の面での課題を克服することを目指し、技術開発や実証事業を進めてまいります。
 二〇三〇年度の再生可能エネルギーの導入比率についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの導入比率については、風況等の自然条件や送配電ネットワークの状況など、我が国の実情に合わせた検討が必要であり、一概に数値だけで諸外国と比較することは適当ではありません。我が国のエネルギーミックスで示した二二%から二四%という水準は、導入拡大の余地が大きくない水力の八%を除けば、足下の四%から四倍も導入拡大するという極めて野心的なものであり、決して低い水準ではないと考えております。
 福島第一原発における現場力についてのお尋ねがありました。
 私自身、先月、二回目となる福島第一原発の視察を行い、凍土壁の凍結状況や作業員の労働環境が大幅に改善した状況などをじかに確認し、廃炉・汚染水対策が着実に進捗していることを実感しました。こうした進捗は、厳しい環境の中で高い志を持ち続けた大勢の作業員の方々の献身的な働きを通じた現場力のたまものです。このような作業員の皆様に敬意を表し、先月、顕著な功績を上げられたチームを対象として感謝状を授与しました。引き続き、労働環境の改善などを通じて現場力の維持向上に努め、国も前面に立って廃炉・汚染水対策に取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(山崎正昭君) 倉林明子君。
   〔倉林明子君登壇、拍手〕
#12
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律案について、以下、経済産業大臣に質問します。
 二〇一二年七月にスタートした再生可能エネルギー固定価格買取り制度、いわゆるFIT制度は、電力会社に再エネ電気の全量を固定価格で買い取ることを義務付けるもので、再エネ導入促進策として一定の効果を上げてきました。
 今回の法改正の契機となったのが、二〇一四年四月に改定されたエネルギー基本計画です。この中で、再エネは重要な低炭素の国産エネルギー源と位置付けられ、二〇一三年から三年程度、導入を最大限加速していき、その後も積極的に推進していくとされました。FIT制度で導入が一・二五倍化したとはいえ、我が国の再エネ比率は水力を除くと僅か三・二%にすぎず、OECD諸国の中で最低ランクです。スペイン二六%、ドイツ二三%など、再エネ普及が進む欧州各国と比較すると、その遅れは歴然としています。この現状を踏まえれば、再エネ導入のスピードは更に加速させるべきだと考えますが、大臣の見解をお聞きします。
 再エネの導入を最大限加速していくとうたった僅か五か月後、二〇一四年九月に、九州電力が突然系統容量の不足を口実に再エネ事業者との新たな系統接続の保留を発表し、これに北海道、東北、四国、沖縄電力が続き、混乱は全国に広がりました。
 そもそも再エネ電気を全量かつ固定価格で買い取るのがFIT制度の大原則です。現行法第五条で送電網を維持運営する電力会社に対し再エネ電源の接続が義務付けられている下で、電力会社の一方的な接続保留など認められるものではありません。
 ところが、経産省は、各電力会社が算定した再エネの接続可能量を超える場合、これまで三十日以内に限っていた出力抑制の範囲を事実上無制限、無補償にするという省令改正を行いました。創設された指定電気事業者制度は十電力のうち七電力が指定を受けるというもので、法の原則を骨抜きにするものだと批判の声が上がったのは当然です。この省令改正が再エネ導入の大きなブレーキになったことは明らかではありませんか。大臣の認識をお聞きします。
 接続可能量の算定方法も問題です。指定を受けた電力会社のうち原発を保有する六電力では、東日本大震災前、過去三十年平均の設備利用率で原発の稼働を見込み、その分再エネの受入れ量を抑制しています。稼働を前提としている原発は何基で、算定上の平均稼働率は何%か、見込んでいる発電電力量はどれだけか、あわせて、各社の東日本大震災後五年間の原発稼働率はどうか、明確にお答えください。
 東京電力福島第一原発事故は、原発に対する国民の意識を一変させました。原発事故などなかったかのように、震災前の平均稼働率を用いて原発の発電量を算定するなど、とんでもありません。動いていない原発の稼働分を空押さえする仕組みを改め、地域間連系線を活用した全国的な電力融通を行えば、すぐにでも再エネの買取り量を増やせるのではありませんか。
 再エネの導入を促進するために、それまでのRPS制度からFIT制度に転換して四年、今述べたように、再エネ最優先の接続義務はいまだ果たされておりません。この現状を放置したまま接続義務を定めた五条を削除することは、再エネ導入の促進どころか、抑制をもたらすものです。電気事業法のアクセス義務で代替できるものではなく、削除すべきではありません。大臣の答弁を求めます。
 接続義務とともに重要なのが接続拡張義務です。現行法制定時の審議の際、北海道電力が買取り量に上限を設けていた風力発電の接続量をどう拡大するのか、電力会社に接続義務をどう果たさせるかが重要な論点となりました。その当時の資源エネルギー庁長官は、法律の趣旨に鑑みると、当然系統の可能量を増やさなければいけないし、それは可能だと答弁しています。その後、再エネ電気を全量受け入れるために必要な系統の増強、拡張は図られたとお考えでしょうか。
 本法案では、系統の増強対策は不十分なまま、事業者の認定を系統に接続契約した後に行うとしています。これまでも、再エネ事業者にとって、系統に接続するための工事費と工事期間が見通せないことが参入の障害となってきました。
 日本の送配電設備は十電力が独占し、その接続に当たっては既に接続している発電所の利用が優先されています。新規参入者に求められる系統増強の工事費は、九州電力管内で最大で一キロワット当たり二十三・九万円、系統対策の工期も最大で百三十二か月と長期化している事例も確認されています。改正により更に電力会社の優位性が高まり、小規模で資金力の乏しい事業者ほど認定が受けにくくなることは明らかです。
 一方、欧州では再エネの優先接続、優先給電がルールとされています。ドイツでは、さらに送電系統の運用者に対し系統増強義務を課しています。我が国のように系統の容量不足を理由にした接続拒否はできません。
 大臣、FIT制度があるけれども使えない、この現状を打開するために系統増強を義務付けるべきではありませんか。再エネよりも原発を重要なベースロード電源として優先する運用ルールの見直しを強く求めるものです。
 また、新たに導入する入札制度は、一定量の導入を低価格の落札者から順番に調達するもので、全量固定価格の買取りを原則とするFIT制度の本質を変質させかねません。しかも、入札の対象となる発電設備の規模は条文上明らかにされていません。無限定な入札制度の導入は、地域密着型、中小規模の再エネ事業者の参入を阻害する危険があるのではありませんか。大臣の答弁を求めます。
 昨年十二月のCOP21ではパリ協定が採択され、平均気温上昇を産業革命前から二度未満に抑え、さらに一・五度未満に抑制するために努力すること、また、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする長期目標に向けて対策を強化することを世界のほぼ全ての国が約束しました。世界第五位の排出大国である日本は、脱炭素化のための長期的な道筋を描き、実践していかなければなりません。そのためには、再エネの一層の飛躍的な拡大が不可欠です。
 政府は、二〇三〇年までに温室効果ガスを二六%、九〇年比では一八%削減すること、二〇五〇年には八〇%削減するとの目標を掲げています。長期目標の実現を展望した場合、いかに早く再エネ中心のエネルギー政策に転換できるかが鍵を握ります。
 日本共産党は、二〇三〇年の再エネ比率四〇%を目指すことを提案しています。原発最優先、化石燃料に偏重する時代錯誤のエネルギー政策を直ちに転換し、原発ゼロの決断と一体に再エネの飛躍的な普及を図る。この道こそ、地域経済の振興、雇用創出、エネルギー自給率向上につながるものであり、真に持続可能な未来を切り開くものであると主張して、質問といたします。(拍手)
   〔国務大臣林幹雄君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(林幹雄君) 倉林議員から八つの質問がありました。
 まず、再生可能エネルギーの導入加速化についてお尋ねがありました。
 再生可能エネルギーの最大限の導入拡大を図ることは政府の基本方針です。ただし、その導入水準については、我が国の実情に合わせた検討が必要であり、一概に数値だけで諸外国と比較することは適当ではありません。
 我が国のエネルギーミックスで示した二〇三〇年度時点で再生可能エネルギーを二二%から二四%導入するという水準は、導入拡大の余地が大きくない水力の八%を除けば、足下の四%から四倍も導入拡大するという極めて野心的なものです。この水準の実現に向け、FIT制度の適切な見直しとともに、研究開発や規制改革などの施策を総動員し、しっかりと取り組んでまいります。
 指定電気事業者制度が再エネ導入のブレーキになったのではないかとのお尋ねがありました。
 停電を起こさないためには、発電量が需要量を上回る場合に出力制御が必要です。我が国では従来から再生可能エネルギーについて出力制御を年間三十日以内とするとのルールを設けてきました。
 一方で、再生可能エネルギーの導入が進み、このルールでは受入れが困難になった地域に対し、指定電気事業者制度を設けました。これは、三十日を超えた出力制御を受け入れていただくことと引換えに再生可能エネルギーの更なる導入を可能とすることとしたものです。この制度は、再生可能エネルギーの最大限の導入を図るためのものでありまして、これを抑制するものではありません。
 接続可能量、すなわち三十日等出力制御枠の算定と原発との関係についてお尋ねがありました。
 三十日等出力制御枠は、御指摘の六つのエリアで各社から提示された二十五基の原発に関し、震災前の過去三十年の平均稼働率を用いて算出しています。これらのエリアの平均稼働率は六九・八%から八四・八%の間です。また、発電電力量は年間千百七十四億キロワットアワーとなります。さらに、六つのエリアの震災後五年間の平均稼働率は、北海道エリアは一二・六%、東北エリア及び北陸エリアは〇%、中国エリアは一〇・五%、四国エリアは七・五%、九州エリアは一〇・四%です。
 動いていない原発の稼働分を見込む仕組みを改め、連系線を活用した電力の融通を行えば買取り量が増やせるのではないかとのお尋ねがありました。
 FIT制度は長期間にわたり電気の買取りを保証する仕組みであることから、各電力会社は原子力を含めた各電源の長期的な稼働の傾向として、震災前三十年間の稼働率の平均値を用いて、接続可能量、すなわち三十日等出力制御枠を算定しています。なお、その算定に当たっては、連系線を利用した電力融通を行うことも勘案して算定しています。
 FIT法第五条の削除についてお尋ねがありました。
 今回の法改正による新たな認定制度の創設に伴い、電力系統への接続協議が認定前に行われることに変更されます。このため、認定後の接続協議について定めた同条の規定は法技術的に不要となり、削除することとしたものです。
 他方、同条で定めている接続義務については、電気事業法第十七条において同様の内容を定めています。このため、再生可能エネルギーの系統接続については現状と何ら変わらない仕組みが確保されています。
 再生可能エネルギーの受入れに向けた系統の増強、拡張についてお尋ねがありました。
 例えば、地域内の送電網の整備については、複数の事業者が工事費を共同負担して系統の増強を行うためのルールを昨年四月に電力広域的運営推進機関において整備したところです。現在、九つのエリアにおいて入札の準備が進められています。また、広域機関では広域系統長期方針を策定中であり、今後この方針に基づき増強を進めることとしています。こうした取組を通じて系統の強化が着実に進捗するよう取り組んでまいります。
 電力会社への系統の増強の義務付けと系統接続のルールについてお尋ねがありました。
 仮に、系統の増強を義務付けた場合、増強工事費用の高い場所に発電設備が設置され、結果として社会全体としてのコストが増大し、その費用を国民で負担することになる可能性があることから、適切ではないと考えます。
 系統接続のルールに関しては、再エネや火力、原子力等の電源の種別によらず、先着優先で系統の容量を確保できることになっており、特定の電源を優遇し、再エネ導入を抑制しようとするものではありません。
 入札制度についてお尋ねがありました。
 今般導入する入札制度は、再生可能エネルギーの早期の自立化に向けて、買取り価格の設定を競争を通じて低減させることを促すための制度です。
 具体的な運用については、地域密着型、中小規模の多様な事業者が参入できなくなるという懸念も踏まえ、大規模な太陽光発電を入札制度の対象とすることを想定しています。さらに、多様な発電事業者が入札に参加できるよう、入札制度に関する情報を分かりやすく発信するなど、きめ細かく対応してまいります。(拍手)
#14
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#15
○議長(山崎正昭君) この際、国際経済・外交に関する調査会長から、国際経済・外交に関する調査の報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国際経済・外交に関する調査会長柳田稔君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
#17
○柳田稔君 国際経済・外交に関する調査会における調査報告について御報告申し上げます。
 本調査会は、国際経済・外交に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、第百八十九回国会の平成二十七年一月二十六日に設置され、調査を開始いたしました。
 本調査会は、調査テーマを「国際平和と持続可能な国際経済の実現に向けた我が国外交の役割」と決定し、六つの調査項目について政府からの説明聴取、二十名の参考人からの意見聴取と質疑を行ったほか、報告書の決定に先立ち、委員間の意見交換も行いました。
 これらの調査に基づき、今般、「我が国が立脚すべき基本的な考え方」及び「我が国がとるべき方策」の両部分から成る合計十五項目の提言を含む報告書を取りまとめ、去る五月十一日に議長に提出いたしました。
 以下、提言部分を中心に報告書の主な内容を御報告いたします。
 まず、「我が国が立脚すべき基本的な考え方」では、国際平和と持続可能な国際経済を実現する上での外交の重要性を確認するとともに、我が国の平和と繁栄確保のため、米国のほか、中国、韓国との間で官民の重層的な信頼関係を構築する努力が必要であるとしております。
 また、国連外交につきましては、我が国の常任理事国入りを含む安全保障理事会の改革等を実現し、日本国憲法の理念と両立した国連活動への参加を通じて、我が国外交の目的達成や国連の正統性の強化に貢献することが重要であるとしております。
 経済外交につきましては、国際経済環境の変化を踏まえ、国内外において経済活動を公正かつ適切に行うためのルールが必要であるとの認識の下で、国際社会の包摂的な繁栄と我が国の国益の増進に資する取組が重要であるとしております。
 そのほか、開発協力や地球規模課題への取組に当たっての人間の安全保障の視点、官民連携推進の重要性や我が国の知見や経験を発信する必要性について指摘しております。
 次に、「我が国がとるべき方策」のうち、国際テロ対策については、国際的な取組の枠組みが法執行や開発協力なども含む総合的、包括的な対策となるよう、我が国が具体的取組を主導すべきとしております。
 また、核軍縮については、核兵器のない世界の実現に向け、唯一の戦争被爆国である我が国は、核兵器国と非核兵器国との橋渡しの役割を果たし、核兵器の非人道性に対する認識の共有の下、核軍縮を実質的に進めるための法的措置も含めた柔軟かつ合意可能なアプローチの提案に主導的役割を果たすべきとしております。
 また、経済連携及びTPPについては、世界規模での公正な多角的貿易体制の確立と包摂性を備えた世界全体の繁栄のため、WTO体制の維持強化に貢献するとともに、TPPについては、経済効果や国民生活に対する影響等について様々な見方や評価があることから、可能な限りの情報公開と丁寧な説明、国会審議を通じた十分な説明責任、国民の懸念等を払拭するための必要な措置等を求めております。
 さらに、世界のエネルギー問題については、持続可能な開発目標や気候変動対策に関するパリ協定など、国際社会の中長期的な取組との整合性や福島第一原発事故の教訓も踏まえて、望ましいエネルギーの在り方の検討と技術革新を求めております。
 そのほか、世界の資源問題に関して、資源の安定確保のためのEPAなどを活用した資源国との関係強化、世界の人口問題に関して、少子高齢化対策の先駆けとなる社会モデルの構築、食料問題に関して、海外での生産力向上支援や国内での自給率向上対策の必要性などをそれぞれ指摘するとともに、気候変動問題及び感染症問題につきましても必要な措置について提言を行っております。
 以上が報告書に盛り込まれました提言の主な内容であります。
 報告を終えるに当たり、これら提言が具体的な施策に反映され、我が国が国際平和と持続可能な国際経済の実現において、主導的な役割を果たしていくことを切に希望するものであります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
#18
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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