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2015/06/19 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第5号
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2015/06/19 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第5号

#1
第189回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第5号
平成二十七年六月十九日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     長沢 広明君     石川 博崇君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     津田弥太郎君     柳澤 光美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                高橋 克法君
                中西 祐介君
                松山 政司君
                西村まさみ君
                安井美沙子君
                杉  久武君
    委 員
                赤石 清美君
                石井 準一君
                大家 敏志君
                大沼みずほ君
                木村 義雄君
                島村  大君
                伊達 忠一君
                藤川 政人君
                丸川 珠代君
                水落 敏栄君
                石橋 通宏君
                小川 敏夫君
                長浜 博行君
                藤末 健三君
                柳澤 光美君
                石川 博崇君
                小野 次郎君
                辰巳孝太郎君
                山田 太郎君
                中野 正志君
                又市 征治君
                谷  亮子君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府開発援助等に関する調査
 (開発協力大綱の下での我が国政府開発援助等
 の在り方に関する決議の件)
    ─────────────
#2
○委員長(山本順三君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、長沢広明君及び津田弥太郎君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君及び柳澤光美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本順三君) 政府開発援助等に関する調査を議題といたします。
 この際、便宜私から、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、日本を元気にする会・無所属会、次世代の党、社会民主党・護憲連合、生活の党と山本太郎となかまたち及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による開発協力大綱の下での我が国政府開発援助等の在り方に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    開発協力大綱の下での我が国政府開発援助等の在り方に関する決議(案)
  昭和二十九年十月、我が国はコロンボ・プランへの加盟を閣議決定し、政府開発援助(ODA)を開始して以来、これまで六十年の歴史を積み重ねてきた。この間、戦後復興と高度経済成長を成し遂げ、世界の主要国となった我が国は、国際的に期待される役割を踏まえつつ、その歴史的経験もいかした特色あるODAの実施を通じて多様化する途上国の開発課題の解決に取り組むことにより、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保に取り組んできた。ODAの役割や予算額の増大に伴い、ODA政策の理念や原則を明確化すべきとの議論が国会等において高まり、平成四年に初めてのODA大綱が閣議決定され、平成十五年にはその改定が行われた。これらの取組により、人間の安全保障の視点、軍事的用途及び国際紛争助長への使用回避、途上国の自助努力と自立支援といった我が国ODA政策の骨格が形作られてきた。
  そのような中、冷戦終結後の国際情勢の変化、グローバル化の一層の進展などに伴い、開発課題が多様化、複雑化、広範化するとともに、開発協力においてODA以外の資金や活動の役割が増大するなど、ODAを取り巻く環境が大きく変化している。このような状況の下、ODAのみならず、様々な力を結集して開発課題に適切に対処するため、政府は本年二月十日、ODA大綱を改め、開発協力大綱を新たに閣議決定した。
  政府は、我が国ODA六十年の歴史から得た経験と知見及び教訓を真摯に受け止め、これまでに築き上げられてきた評価と信頼を更に高めていく中で、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献していくとの開発協力大綱に定められた目的を達成していくため、特に次に掲げる事項について、適切な措置を講ずるべきである。
 一、日本国憲法前文にある「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」との基本精神の下、一人ひとりの幸福と尊厳ある生存を確保しようとする「人間の安全保障」の理念は、我が国が国際社会に広く訴えていくべき価値観である。多様化する開発協力の実施に当たっては、「人間の安全保障」が全ての開発協力の根本にある指導理念であることに留意しつつ、特に、子供や女性、少数民族など脆弱な立場に置かれやすい人々の保護と能力強化に焦点を当てるほか、それらの人々のニーズを反映していくため、開発への参加促進を支援する取組を強化するとともに、基本的人権の保障がなされるように適切に対応すべきである。
 二、ODAの実施に当たっては、開発の最も基本的な課題である絶対的貧困の撲滅、教育、保健・衛生など、ミレニアム開発目標(MDGs)に掲げられた分野に対する支援を引き続き重視していくべきである。あわせて、途上国が自立的発展を達成する上で、経済成長が鍵となることから、MDGsへの支援と相補う車の両輪として、インフラ整備など我が国の強みをいかした経済成長支援を行っていくべきである。なお、経済成長のための支援を実施するに際しては、格差の拡大、社会の不安定化、環境破壊などをもたらすことがないよう、「人間の安全保障」の理念を踏まえた、包摂性、持続可能性、強靱性を備えた「質の高い成長」を実現するため、相手国の発展段階や地域事情等に応じた丁寧な案件形成を行うべきである。
 三、二〇一五年以降の国際開発目標をめぐっては、持続可能な開発に向けて、防災の主流化やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現、気候変動への対応など、我が国の知見や経験を効果的に活用しうる分野についての理解が広がるように、議論を主導するための取組を強化すべきである。同時に、民間企業も含め、多様な主体と連携しつつ、それらの分野における協力を推進するとともに、技術の活用や制度の運用などについて、相手国に適切に伝達できる人材の育成・確保についても取組を強化すべきである。
 四、開発課題の多様化、複雑化、広範化に伴い、ODAをその中核とする開発協力の役割が拡大する中で、政府は、閣議決定した「国家安全保障戦略」や「日本再興戦略」において、ODAを戦略的に活用することを打ち出している。そのような方針に対し、我が国ODAと国益との関係の在り方や国際社会における受け止め方など、様々な観点から懸念が示されていることに応えていくため、開発協力大綱の下で行われる我が国ODAの目的について、国内外において一層丁寧な説明を行い、正確な理解が促進されるよう、在外公館等の活動も含め、取組を強化すべきである。
 五、非軍事目的の開発協力は、平和国家である我が国の国際貢献の在り方を体現するものとして、国際社会において高く評価されている我が国のブランドであり、軍事的用途及び国際紛争助長への使用回避原則はその要となるものである。開発協力の実施に当たっては、軍事目的への転用が決して行われることのないよう、また、我が国の中立性や信頼が損なわれたり、疑念を持たれたりすることがないよう、同原則の運用に際して、相手国との慎重な事前協議のほか、モニタリングや情報公開の徹底を図るなど、確実な措置を講ずるべきである。
 六、膨大な開発需要に適切に対処していくためには、ODAを始めとする公的な資金・活動に加え、多様な主体といかに連携していくかが重要な課題となっている。そのような中で、民間企業とODAとの連携に当たっては、民間企業の活動の本質が営利活動であることを踏まえつつ、持続可能性、良質な雇用の創出、途上国の自立的発展への貢献などの観点から、真に開発に資する案件を支援するため、国際協力機構(JICA)の審査体制を充実するとともに、支援がどのような効果を生んだのかについて、十分な情報公開がなされるよう一層努めていくべきである。
 七、NGO/市民社会組織(CSO)は、開発協力の一翼を担う主要な主体の一つである。その草の根レベルでのきめ細かな活動は、一人ひとりに焦点を当てる「人間の安全保障」を実現する意味でも、特筆すべき存在であり、また、開発に関する政策を国際社会において主流化する上でも、NGO等の持つネットワークやノウハウは大きな力となる。我が国の開発協力においてこれらの強みをいかしていくため、日本NGO連携無償資金協力やNGO・外務省定期協議会など、既存の連携スキームを資金と政策形成の両面において更に充実・強化していくべきである。また、本年発足五十周年を迎える青年海外協力隊事業を始めとするJICAボランティア事業の積極的活用を含め、開発協力の担い手の裾野を拡大すべきである。
 八、開発協力大綱の決定により、開発協力の地平が広がる一方、厳しい財政状況の中、明年のG7伊勢志摩サミットの開催も見据え、対国民総所得(GNI)比でODAの支出額を〇・七%とするとの国際公約を念頭に置き、その早期達成に向けて、新たな資金調達メカニズムの開発を含め、実施・財政基盤の強化を図るべきである。そのためには、ODAについて、相手国への裨益効果はもとより、我が国外交や国民の利益に対する貢献も含め、より精緻なPDCAサイクルを実施すべきである。その上で、外務省所管以外の事業も含め、分かりやすい情報公開を行い、国民への説明責任を果たすための取組を強化すべきである。また、「選択と集中」を進めることにより、効率的、効果的なODAを実施し、その戦略性と実効性を高めていくべきである。
   右決議する。
 以上でございます。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、岸田外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。岸田外務大臣。
#5
○国務大臣(岸田文雄君) 開発協力大綱の下での我が国政府開発援助等の在り方に関する決議を可決いただきまして、誠にありがとうございました。
 外務省としては、ただいまの決議の御趣旨と本委員会での御議論を踏まえつつ、開発協力大綱の下、戦略的かつ効果的、効率的な開発協力を推進し、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保により一層積極的に貢献していく所存です。
#6
○委員長(山本順三君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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