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2015/06/09 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 経済産業委員会 第15号
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2015/06/09 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 経済産業委員会 第15号

#1
第189回国会 経済産業委員会 第15号
平成二十七年六月九日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月五日
    辞任         補欠選任
     石田 昌宏君     高野光二郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 沙織君
    理 事
                磯崎 仁彦君
                滝波 宏文君
                宮本 周司君
                加藤 敏幸君
                倉林 明子君
    委 員
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                高野光二郎君
                松村 祥史君
                渡邉 美樹君
                小林 正夫君
                直嶋 正行君
                安井美沙子君
               佐々木さやか君
                浜田 昌良君
                東   徹君
                松田 公太君
                中野 正志君
                荒井 広幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        奥井 俊二君
   参考人
       電気事業連合会
       会長       八木  誠君
       全国電力関連産
       業労働組合総連
       合会長      岸本  薫君
       一般社団法人日
       本ガス協会会長
       一般社団法人日
       本熱供給事業協
       会会長      尾崎  裕君
       全国ガス労働組
       合連合会中央執
       行委員長     辻  英人君
       東京工業大学特
       命教授・名誉教
       授        柏木 孝夫君
       公益社団法人日
       本消費生活アド
       バイザー・コン
       サルタント・相
       談員協会常任顧
       問        杉本まさ子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○電気事業法等の一部を改正する等の法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(吉川沙織君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、石田昌宏君が委員を辞任され、その補欠として高野光二郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川沙織君) 電気事業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、六名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、電気事業連合会会長八木誠君、全国電力関連産業労働組合総連合会長岸本薫君、一般社団法人日本ガス協会会長・一般社団法人日本熱供給事業協会会長尾崎裕君、全国ガス労働組合連合会中央執行委員長辻英人君、東京工業大学特命教授・名誉教授柏木孝夫君及び公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問杉本まさ子君でございます。
 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、議事の進め方について申し上げます。
 まず、八木参考人、岸本参考人、尾崎参考人、辻参考人、柏木参考人、杉本参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず八木参考人にお願いいたします。八木誠参考人。
#4
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 電気事業連合会の八木でございます。
 本日は、このような機会を賜り、誠にありがとうございます。先生方におかれましては、平素、私ども電力会社の事業運営に関しまして多大な御理解、御協力を賜っておりますことに、この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。
 まず初めに、本年三月で東日本大震災から四年が経過いたしましたが、福島第一原子力発電所の事故により、今なお多くの皆様に多大なる御迷惑と御心配、御負担をお掛けしておりますことを、同じ電気事業に携わる者として、改めておわびを申し上げます。
 福島の復興につきましては、国の方針の下、一歩一歩取組が進められているところでございますが、私どもといたしましても、更なる復興の進展を切に願うとともに、業界全体でできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
 それでは、今回御審議されています電気事業法等の改正案につきまして、私どもの考えを申し上げたいと思います。
 電力システム改革につきましては、三段階に分けて進められることとなっていますが、本年四月には、その第一段階である電力広域的運営推進機関が発足し、その運用が開始されたところでございます。
 本機関は、広域的な電力運用や需給逼迫時の対応、さらには送配電業務における公平性や透明性を高めていく上で中心的な役割を担うことが期待されており、今後、電力システム改革が進展していく中で、一層その役割が重要になるものと考えております。
 私どもは、これまで本機関の発足準備に積極的に協力してまいりましたが、今後は会員会社として、安定供給の確保や中立性の向上といった改革の目的を達成できるよう、円滑な業務運営に貢献してまいりたいと考えております。また、電力システム改革の第二段階に当たる来年の小売全面自由化につきましても、お客様に真の利益となる改革となるよう、詳細制度設計に引き続き協力してまいる所存であります。
 その上で、今回の改正法案は、電力システム改革の第三段階として、送配電部門の一層の中立化を図るため、私ども一般電気事業者の送配電部門を法的分離するとともに、小売料金の経過措置の解除、つまり料金規制の撤廃を主たる内容とするものであると理解しております。
 さらに、本改正法案は、電気事業のみならず、総合的なエネルギー市場の創設を目指し、ガス事業における小売全面自由化、導管事業の中立性確保及び電力・ガス市場の監視を行う行政組織の新設等を規定するという、エネルギー事業の枠組みを大きく変革するものであると理解しております。
 本改革によって、電力市場、ガス市場等への全面的な参入が可能となり、エネルギー市場全体における競争が活性化していくことは、お客様にとってより最適なエネルギーを選択する機会が広がり、望ましいものと考えております。
 ただし、小売全面自由化以降、私ども一般電気事業には小売料金規制が課せられることになっており、制度変更に伴う需要家保護策の一環としての暫定的な措置と理解しておりますが、これらの措置は私どもにとって非対称とも言える規制であります。
 今回の法改正には、この料金規制の撤廃に係る規定が盛り込まれておりますが、中立公平な競争環境の確保を狙いとする本改革の趣旨に鑑み、諸情勢を総合勘案した上で早期にこれらの措置を撤廃していただくようお願いしたいと思います。
 こうした電力システム改革の実施に当たり、実務を担う事業者としましては、お客様の真の利益につながる改革とするためには、いまだに課題や懸念が残されていると考えております。
 具体的には、安定供給の仕組み、ルールの整備、電力需給の改善及び原子力事業環境の整備という三つの課題について、その課題解消の実現度合いを検証し、必要な措置を講じつつ進めていく必要があると考えております。
 まず、課題の一点目である安定供給の仕組み、ルールの整備について申し上げます。
 今回の電事法改正法案は、一般電気事業者の送配電部門を法的に分離する、つまり別会社化することを義務付けるものであります。私どもは、これまで、発送電一貫体制の下で、高品質な電気を安定的にお届けするよう全力で取り組んでまいりました。このため、今回の発送電分離によって安定供給が損なわれることのないよう、分離を補完する仕組みやルールを慎重に整備することが大変重要であると考えております。
 具体的には、電気の周波数を調整するための仕組みを確実に機能させることで電気の品質を低下させないことや、平常時はもとより、非常時に発電側と送電側が協調するためのルールを策定することが必要であります。
 さらに、小売全面自由化により競争が進展し、送配電部門の法的分離が実施される中で、将来にわたっての供給力や調整力、予備力といった機能を担う電源が確実に確保されるような具体的な方策等について検討を行った上で、実効性の確認を行っていくことが必要と考えております。
 加えて、再生可能エネルギーの導入が現在急速に進んでおり、今後更に拡大することが見込まれる中、供給力確保や需給運用の点で送配電機能の一層の強化が求められているところであります。
 こうした点を踏まえ、改革に当たり、安定供給の仕組みがしっかりと構築されるよう私ども事業者も引き続き協力してまいりますので、詳細制度設計を着実に進めていただけますようお願いいたします。
 二点目は、電力需給状況の改善についてであります。
 電力システム改革を実効的なものとするためには、電力の安定供給が確保され、需給状況が安定していることが大前提であると考えております。しかしながら、東日本大震災以降、電力の供給力に余力がなく、夏と冬の電力需給がピークとなる時期につきましては、毎期、政府において需給見通しを検証するという状態が続いております。
 これまでのところ、各社における最大限の供給力の積み増し努力と多くの皆様からの節電の御協力によりまして、何とか安定供給を維持することができている状況にありますが、この夏につきましても、とりわけ西日本地域では厳しい需給状況が想定されているところであります。
 供給力のベースである原子力プラントの再稼働につきましては、現在、十一社二十四基のプラントが新規制基準に対する適合性審査の過程にあり、このうち九州電力の川内一、二号機が使用前検査を残すのみとなるなど、少しずつ前進しておりますが、いずれも再稼働には至っておらず、大変厳しい状況が続いております。
 また、こうした事態により、東日本大震災以降、火力燃料費等が大幅に増加した結果、電力各社の収支は非常に厳しい状況が続いております。そのうち電力七社が電気料金の値上げを実施し、さらには北海道電力及び関西電力では二度目となる値上げを実施するという非常に心苦しい状況であり、お客様には大変な御負担をお願いしております。
 今般の電力システム改革は、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を図り、電力の安定供給の確保及び電気料金の最大限の抑制を目指すものと理解しております。
 私どもとしましては、安全の確保を大前提として、できる限り早く原子力プラントを再稼働し、その結果、電力需給の安定が確保されるよう引き続き最大限の努力を続けてまいる所存であります。国におかれましても、全面自由化及び法的分離の実施に当たり、それに適した需給状況にあるか慎重に見極めていただきたいと考えております。
 三点目は、原子力事業環境の整備についてであります。
 原子力発電は、他の電源と比べて三つのEの観点から優れた特性を有しており、昨年四月に閣議決定された国のエネルギー基本計画でも、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置付けられました。一方で、巨額の投資を要し、建設から運転期間中はもとより、運転終了後も、廃炉や使用済燃料の処理処分に至るまで、安全性を確保しつつ長期にわたる事業を確実に遂行しなければならないという特殊性を有しております。
 これまで私どもは、国の原子力推進政策の下、総括原価方式等の諸制度によって長期安定的に事業に対する一定の予見性が得られることで、こうした特殊性を有する原子力発電の活用を図ってまいりました。
 しかしながら、原子力依存度を可能な限り低減させるという政策の方向性が示されるとともに、小売全面自由化や発送電分離といった電力システム改革が進められ、今後、原子力発電の事業予見性が大きく低下することとなります。
 こうした環境変化の中にあっても、国として重要な電源と位置付けられた原子力発電を私ども民間の事業者が担っていくためには、引き続き、予見性を持って長期の事業を計画し、実行できる環境整備は不可欠だと考えております。この点、昨年末に政府の原子力小委員会がまとめられた中間整理においても同様の考えが示されているところであります。
 国におかれましても、是非とも民間事業者が長期にわたり原子力事業を担うことができるよう、新たな国策民営の在り方を検討していただき、小売全面自由化の実施に先駆けて制度の方向性を示していただきたいと考えております。
 例えば、これまで原子力事業者が一体となって支えてきたバックエンド事業等の原子燃料サイクルの推進に当たっては、競争が進展していく中でも長期にわたる処理処分のプロセスに支障を来さないよう、新たな官民の役割分担に基づく仕組みの構築などが必要と考えております。
 また、先頃、原子力委員会において検討が開始された原子力損害賠償制度につきましても、事業者の予見性を確保するという観点から、事業者負担の在り方等について適切な見直しが必要であると考えております。
 政府におかれましては、こうした原子力事業環境の整備に向け、一日も早く検討の場を立ち上げ、検討に着手していただきますようお願いしたいと思います。
 以上、改革を進める上での三つの課題について述べさせていただきました。
 低廉で安定した電力供給は、我が国の国民生活、産業活動の基盤となるものであり、電力システム改革は決して失敗が許されるものではありません。この電力システム改革が真に国民の皆様の利益につながる改革となるため、私どもとしましても、これらの課題や懸念を払拭できるよう最大限の取組を行ってまいります。
 その上で、国におかれましては、改革の各断面におきまして、取組の成果や課題解消の実現度合いをしっかり確認、検証いただき、その結果に応じて必要な措置を確実に講じていただくことをお願いしたいと考えております。その際、技術的課題や需給状況、事業環境に問題が生じている場合には、スケジュールありきではなく、実施時期の見直しも含め柔軟に改革を進めていただきますようお願い申し上げます。
 最後になりますが、今回の法改正により、電気事業のみならずガス事業のシステム改革についても、今後、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった観点から、大きく進展することが期待されます。
 私ども事業者といたしましても、電力、ガスといったエネルギー種別の垣根を越えた総合エネルギー事業へと進化し、我が国エネルギー事業全体の競争力強化と発展をリードするという強い気概を持って事業に取り組んでまいりますので、今後の詳細制度設計について、是非整合性の取れた形で進めていただくようお願いしたいと思います。
 こうした私どもの考えも含め、十分な御審議を賜りますようよろしくお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#5
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、岸本参考人にお願いいたします。岸本薫参考人。
#6
○参考人(岸本薫君) ありがとうございます。
 電力総連の岸本でございます。
 本日は、働く者の立場からこうした御意見を述べさせていただく機会を賜りました。ありがとうございます。
 私ども電力総連は、発電から送配電、設備や部材、部品の製造、建設から保守メンテナンス、保安、お客様サービスに至るまで、電力関連産業に携わる労働者で組織をいたします労働組合でありまして、加盟組合数は約二百三十組合で構成されています。
 さて、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故から四年三か月が経過をいたしました。この間、電力関連産業の現場第一線におきましては、綱渡りが続く電力需給の下での安定供給の確保、電気料金値上げに伴うお客様対応や人件費を含めたコスト削減の徹底、原子力施設の新規制基準への対応や福島第一原子力発電所の廃止措置、近年相次いでおります大規模災害における復旧作業など、多くの課題に対しまして全職場各部門が一丸となって懸命の努力を重ねてまいったところであります。
 他方では、各職場におきましては、なかなか出口の見えない閉塞感の中で、モチベーションの低下、将来の不安の広がり、若手人材の流出などによります現場力の低下など、働く者の使命感だけをよりどころとしてしまっている現状に労働組合として強い危機感を抱いているということも偽らざる事実であります。
 本日は、こうした現場実態も踏まえた上で、一昨年の第一弾、昨年の第二弾に続く、第三弾の電気事業法改正案を始めとするエネルギーシステム改革法案の審議や、今後の課題の解決に向けまして、お手元にお配りをした資料に沿って、働く者の立場から大きく二点につきまして意見を申し上げます。
 まず一点目は、資料の一枚目でありますが、電力システム改革を進めるに当たっては、労働者の権利の保障や雇用の安定、安定供給に不可欠な現場力の維持、継承が図られるような検討をお願いしたいということであります。
 このうち、今般の法案の柱であります発送配電分離に伴い講じられる従業員の人事管理規制につきましては、過度な行為規制によって、働く者の職業選択の自由や安定供給の確保に不可欠な人材の確保、育成に支障が生じないよう、是非とも御留意をお願いをいたします。
 人事管理規制を始めとする行為規制の詳細につきましては、今般新たに設置をされます電力・ガス取引監視等委員会において議論されることになろうかというふうに思いますが、その際は、先ほど申し述べました留意点を踏まえた検討をお願いをしたいというふうに思いますし、規制対象の当事者であります労働者の意見にも耳を傾けていただきますようなそうした進め方を是非お願いをしておきたいというふうに思います。
 なお、これまでの発送配電垂直一貫体制から発送配電分離という、これまでにない強い中立性確保措置が講じられる中で、経営に係る意思決定は行わず、経営者の指揮監督や指示、命令に基づき業務を行う存在にすぎない従業員に対する人事管理規制は、法案で規定される兼職の禁止で十分であるというふうに考えます。
 既に本委員会でも議論があったと伺っておりますが、今般の法案に係る制度検討を進めてこられました経済産業省の審議会におきましては、従業員に対する人事管理規制として、兼職の禁止に加えて異動、再就職の禁止も検討されていました。
 これに対しまして私ども労働組合は、憲法で保障される職業選択の自由を制約しかねず、また安定供給に不可欠な人材の育成にも支障が生じかねないとの観点から意見提出をさせていただきましたが、残念ながら、異動、再就職も規制をするという審議会の結論が変わることはございませんでした。
 ところが、審議会の結論を踏まえた法案策定の過程におきましては、内閣法制局から、私どもが意見提出をいたしました趣旨と同様に職業選択の自由との整合性の観点から懸念が示され、閣議決定直前に法案条文から削除されたということは本委員会でも明らかになったところであります。
 なお、残念ながら、経済産業省は、内閣法制局が懸念を示されました異動、再就職の禁止につきまして、法律に基づく罰則付きの規定とはしないものの、法律上の明文化規定がないまま、行政指導などによりまして事後的かつ実質的に規制をしていくことを検討していると聞き及んでいるところであります。
 恐らく、都市ガス大手三社さんの導管分離に際しましても同様の事後規制が検討されていくものと推測をいたしますが、同じ競争中立性の確保といった点で、情報通信におけるNTTさん、あるいは郵政事業におきましても、また電力改革を先行して進めておられるEU諸国におきましても、異動、再就職規定は要請されていないと承知をしています。
 私どもとしましては、それが罰則付きであろうがなかろうが、明確な法律上の根拠なくこうした規制が講じられることは、法治主義にも沿わないというふうに思いますし、職業選択の自由との整合性などの観点で余りに過剰な規制ではないかと考えておりますことを御理解いただきたいというふうに思います。
 次に、今後の改革プロセスにおける労使自治、スト規制法の在り方について申し上げます。
 この度の改革は我が国電気事業の歴史上かつてない大きな変革でありますが、私ども労働組合としては、国の政策変更によって、今日までの電力の安定供給を支えてまいりました労働者の雇用の安定、現場力に支障が生じるようなことは何としても避けなければなりません。そのためにも、当該労使間で今後の事業体制の変更や企業の再編などに際しまして、丁寧な交渉、協議などを通じ、全ての職場とそこで働く労働者の合意形成を図っていくことができますよう、今後数年間の改革プロセスにおきまして、憲法や労働基準法、労働組合法に基づく労使自治と団体交渉を保障いただきますようお願い申し上げます。
 次に、一昨年の第一弾改正以来、本委員会でも真摯な議論をいただきましたスト規制法の在り方につきましては、昨年の本委員会で採択をいただきました附帯決議を踏まえ、厚生労働省の審議会で検討が進められてまいったところであります。申すまでもなく、私ども電気事業で働く者には、ガスや情報通信、運輸、郵便など、他の公益事業で働く方々とともに労働関係調整法における公益事業規制が課せられておりますが、これに加えて、私どもの労働組合に加盟をする一般電気事業者、いわゆる電力会社で働く労働者と日本原電、電源開発で働く労働者だけがスト規制法の規制対象となっています。したがいまして、新規参入者である新電力さんで働く皆さん、今回、同様にシステム改革が進められるガス事業やNTTさんなど情報通信事業などで働く方々には、このような規制が存在しないわけであります。
 また、私ども電力労働者は紛れもない民間労働者でありまして、公務員の皆さんのような雇用保障も人事院勧告制度のような代償措置もございません。国民の日常生活に不可欠な公共財を扱うという意味で同じ公益事業に働く民間労働者のうち、なぜ私ども電力労働者だけに限定をし、諸外国でも例を見ないような規制が課せられているのか、強い問題意識を持ちながら、厚生労働省の審議会におきましても、憲法に定める生存的基本権である労働基本権はひとしく私どもに保障いただきたいと、同法の廃止を訴えてまいったところであります。
 しかしながら、同審議会では、電力需給が逼迫をし供給不安が残っている、システム改革の進展と影響が不透明であるといった、ある意味、憲法上の権利との関わりとは直接的に関係しないような理由から、現時点では同法は存続やむなしと結論付けがなされたことは大変残念であります。なお、審議会報告書では、スト規制法の在り方については、システム改革の進展の状況とその影響を十分に検証した上で今後再検討すべきとされています。
 一方、今回の法案では、附則第七十四条におきまして、今後の段階的な改革の実施に際して、厚生労働省がスト規制法の存続理由として懸念を示されておりました電力需給の状況、改革の進展状況などが検証されることになっているわけであります。
 この検証規定の趣旨は、今後の各段階の改革を進めるに当たりまして、電力需給の状況、改革の進展状況をしっかりと検証、確認をし、課題があるならこれをしっかりと克服をした上で実施をするというふうに理解をいたしておりますし、そのような検証、確認がなされた上で、例えば二〇二〇年から発送配電分離が実施をされるとするならば、それはその時点で厚生労働省がスト規制法の存在理由とした課題が解決をされるということを意味するものであると考えます。
 つきましては、法案附則の検証規定に基づく検証に併せ、少なくとも発送電分離の実施までにスト規制法の在り方につきましても再検討をいただき、私ども電力労働者の労働基本権の回復に向けた結論を導いていただきますようお願いを申し上げます。
 大きくもう一点は、二項目でございます。
 先ほども申し上げましたとおり、我が国電気事業の歴史上かつてない大きな変革を伴う今般の改革は、決して後戻りが許されないものであります。その一方で、るるお手元に記載をいたしてございますが、原子力発電所の長期停止に伴う電力需給の逼迫と電気料金の値上げの二重リスクをいかに解消していくか、大規模災害への対応を含めて、これまで発送配電一貫体制の下で実施をしてまいりました各部門の協調連携を発送配電分離以降どのように維持をしていこうとするのか、原子力をめぐる課題が山積をする中で、今後の競争環境において安全確保を大前提にこうした課題解決を担う現場力をどのようにして守っていくのかなど、一昨年の第一弾改正法のプログラム規定あるいは第一弾、第二弾改正時の附帯決議などで提起をされました多くの課題が未解決、あるいは現在検討中、これから検討するといった位置付けにあると受け止めています。
 電力の安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、お客様の選択肢や事業機会の拡大という今般の改革の目的の実現に向けた大前提として、是非ともこうした課題を確実に克服をしながらステップ・バイ・ステップで進めていただきたいということをこの場で強くお願いを申し上げたいというふうに思います。
 最後になりますが、私ども働く者といたしましても、今般の改革は真に中長期的な国益やお客様利益にかなうものとなるよう願うものでありますし、国民の皆様の御期待をしっかりと受け止めまして、改革後の新たな環境の下で変化をばねとし、気概を持ってチャレンジをしていく所存であります。申し上げるまでもなく、いついかなるときも電力の安定供給は決して無機質なシステムではなくて、二十四時間三百六十五日、現場第一線で働く人の営みによって成り立っています。
 本日は貴重な時間を頂戴をいたしまして、今般の法案の審議や今後の諸制度の検討に当たり、是非とも対応いただきたい課題につきまして御意見を申し上げました。これまで長年電力の安定供給に携わってまいりました現場第一線で働く者の総意といたしまして、これから課題に対するしっかりとした対応がなされないままに改革が進められたり、あるいは改革の矛盾やゆがみが働く者にしわ寄せされることは決してあってはならないと考えておりますことを最後に申し上げまして、私からの意見といたします。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、尾崎参考人にお願いいたします。尾崎裕参考人。
#8
○参考人(尾崎裕君) ありがとうございます。
 日本熱供給事業協会及び日本ガス協会の尾崎でございます。
 本日は、説明の機会をいただき、誠にありがとうございます。また、平素より私どもの事業運営について御協力、御理解を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 本日は、熱供給及びガスのシステム改革について、お手元の資料に基づき、意見を述べさせていただきます。
 まずは、三ページを御覧ください。
 熱供給事業について御説明をいたします。
 熱供給事業とは、一か所で水を加熱又は冷却し、温水、冷水、蒸気として導管を通じて複数の建物に供給する事業であります。まとめて製造、供給するため、省エネ、省スペース等のメリットがございます。
 次に、四ページを御覧ください。
 熱供給事業は全国各地で行われており、現在、七十六社、百三十七地区でございます。地区別では、関東、近畿、中部、特に東京、大阪、名古屋等の需要密度の高い地区に集積しています。供給面積は国土の〇・〇一%、事業者規模は平均で資本金八億円、従業員十七名と小さく、周辺エリア一帯に供給するというよりは、地点型のビジネスであると言えます。
 事業主体としては、ガス、電力などのエネルギー事業者や不動産会社、鉄道会社、自治体などが参画しています。原燃料の多くは都市ガス、電力ですが、清掃工場の廃熱や河川水、コージェネ廃熱など、未利用エネルギーも一三%程度活用されています。
 次の五ページは、熱供給導入の効用について記載しております。
 個別熱源システムと比較して、約一〇%の省エネや省CO2に貢献いたします。未利用エネルギーを活用できれば、その効果は倍増します。また、お客様先の熱源機が不要なために、省スペースや景観の向上にも寄与いたします。さらに、地域防災への貢献が可能なサイトもございます。
 次に、六ページを御覧ください。
 六ページでは、改正法案に対する意見を述べさせていただきます。
 まず、今回の法改正については賛同いたします。また、事業者としては引き続き安定的なサービス提供に努めていく所存でございます。加えて、多様なサービスの提供を通じて、一層の顧客サービス向上を目指してまいる所存でございます。
 一方、更なる熱供給事業の推進政策の追加的な措置、例えば各地の都市開発における熱供給を推奨する制度などを期待しております。
 このような事業者の努力と推進政策等の御支援により、熱供給事業の更なる発展を通じて、省エネ、省CO2やレジリエンスに配慮した町づくりへの貢献など、社会的要請にもしっかりと応えてまいりたいと存じます。
 熱供給事業については以上でございます。
 続いて、都市ガス事業について述べさせていただきます。
 一ページ飛ばして、八ページを御覧ください。
 まずは、都市ガス事業の概要から説明いたします。法案審議に当たり、都市ガス固有の状況を御理解いただきたいと思いますので、他のエネルギーとも比較しながら説明をさせていただきます。
 まず、都市ガス事業とは、導管によりガスを供給する事業であります。したがって、需要が多く、導管の利用効率が高い都市部から普及が進んでいます。地図の着色部分が都市ガスの供給区域ですが、その面積は国土の六%弱にすぎません。お客様件数は二千九百万件です。ボンベでガスを供給するLPガスよりやや多く、電力の半分程度でございます。また、電力会社は十社ですが、都市ガスは全国で二百七社存在します。全国のガス販売量の四分の三を大手四社が占めており、ほとんどのガス事業者は中小規模の事業者です。
 続いて、九ページを御覧ください。
 左の図は、主な都市ガス導管の整備状況を示しています。
 ガス事業は、原料の大半を海外のLNGに依存しています。したがって、ガス導管は、海岸部のLNG受入れ基地を起点に、需要拡大に応じて延伸されてきました。日本の場合、大都市と大都市の間は需要密度が低く、かつ導管コストも高額となるため、必ずしも導管整備が進んでいません。都市間を結ぶ導管網を充実させるには、導管整備とガス需要の拡大を一体的に進めることが不可欠です。
 十ページを御覧ください。
 ここでは、都市ガスの利用拡大の歴史を説明させていただきます。
 百四十年前、横浜のガス灯から始まったガス事業は、電気や石油、LPガスとの激しい競争の中で、照明から厨房、給湯、暖房へと、また、家庭用から商業用、工業用へと用途を拡大してきました。特に一九七〇年代以降は、天然ガスへの転換とともに、ガス事業者が主体となって機器の開発や需要の開拓を進めてまいりました。ボイラーや空調、天然ガス自動車、コージェネレーション等へ用途が広がり、工業用を中心に販売量も大幅に増加しました。
 次に、十一ページを御覧ください。
 このページは、都市ガスのエネルギーとしての特徴を記載しております。
 主原料である天然ガスは、安定供給と安全性、経済効率性、環境適合性の全てに優れ、いわゆる3EプラスSをバランスよく実現できるエネルギーと考えております。
 十二ページを御覧ください。
 ここでは、私どもが二〇一一年に公表しました二〇三〇年ビジョンを記載しております。
 電気、熱、輸送など、天然ガスはまだまだ普及の可能性があり、3EプラスSの実現に大いに寄与できるものと考えています。特にコージェネレーションは、発電と廃熱利用を同時に行うため、省エネルギー性が高く、電力需給安定やCO2の削減等に大いに貢献できると考えています。
 十三ページを御覧ください。
 ここからは、競争状況について御説明をいたします。
 ガス事業は、電力に先駆け、二十年前から段階的に自由化を行ってまいりました。現在では、年間使用量十万立方メートル以上、販売量ベースで六割のお客様が自由化されています。
 引き続き、十四ページを御覧ください。
 このグラフは、都市ガス市場における新規参入の状況を示しております。青色が都市ガスの新規参入シェアですが、現在一二%に達しています。新規参入者のうち特に電力会社などは、LNGや基地を保有しているためガス事業への参入が比較的容易で、強力なライバルであります。
 次いで、十五ページを御覧ください。
 ここでは、都市ガスの保安制度を説明します。
 日本では、ガス事業者がお客様資産であるガス管や消費機器まで保安責任を担っており、欧米よりも高い保安水準を保っています。現在は、お客様設備の保安を担う小売部門と、ガス導管や緊急時の保安を担う導管部門が一体となって保安に当たっております。全面自由化後も保安水準を維持するには、小売事業者と導管事業者の密接な連携が重要です。日頃から情報連携、共同訓練などを通じ、切れ目のない保安体制を維持することが望ましいと考えております。
 次いで、十六ページを御覧ください。
 災害時においては、両者の一体的な連携が特に重要であります。地震は休日、夜間に発生することも多く、必ずしもルールどおりに災害体制が構築できるとは限りません。現在、地震発生時は、小売、導管、スタッフなどが本来の仕事とは関わらず、経験と知識を生かして臨機応変に対応しています。このとき、導管部門の経験ある社員が特に力を発揮します。法的分離により人事異動や兼職に制限が掛かると経験者の適切な配置が難しくなりますので、十分配慮いただきたいと思います。
 次に、十七ページを御覧ください。
 このページは、総合エネルギー企業の取組について記載しております。
 ガス事業者は、従来の都市ガス供給に加え、エネルギーマネジメントやエネルギー融通、制御を行うスマートコミュニティーなど、熱と電力の最適なソリューションへと事業フィールドを拡大しています。全面自由化後は、更に電力事業への参入や生活サービス等を通じて地域に根差した総合エネルギー企業へと進化してまいります。
 次のページからは、法案についての私どもの考え方を記載しております。
 十八ページを御覧ください。
 まず、小売全面自由化については積極的に対応してまいりたいと考えます。また、先ほどの総合エネルギー企業の取組も加速してまいります。
 次に、導管部門の法的分離については、調達、導管投資、災害対応等の点で懸念がありますが、今後は、懸念の解消に向け、円滑な事業運営に支障を来さない行為規制の検討や検証規定と責務規定を確実に実施していただきたいと思います。さらに、改革の重要な目的である天然ガス利用拡大については、各事業者が利用拡大に取り組む仕組みや需要と一体での導管整備について議論を進める必要があると考えます。
 十九ページを御覧ください。
 最後に、こうした点を踏まえ、私どもの課題認識を述べさせていただきます。
 最も重要と考えているのは、天然ガスの利用拡大であります。天然ガスは、先ほども述べたとおり、3EプラスSをバランスよく実現できるエネルギーであり、目下のエネルギー制約を克服する最も有力な選択肢と考えます。天然ガスの利用拡大のためにコージェネレーションや燃料電池、産業用等の普及拡大が重要であることは、エネルギー基本計画や先日の長期エネルギー需給見通しにも記載されたところです。
 これまで我が国のガス事業は、需要が導管の建設を促し、技術が需要開拓を促進するというサイクルの下で発展してきました。今後、小売事業者と導管事業者に分かれ、それぞれが部分最適を追求したとしても、天然ガスの利用拡大を支えるサイクルの維持、すなわち全体最適が重要であり、そのための方策が必要だと考えます。
 二十ページを御覧ください。
 このページは、法的分離についての意見です。
 一つ目は、行為規制についてであります。ガス事業では、災害対応や供給オペレーションや導管投資等において、導管部門と小売、製造部門が密接に連携しています。特に保安については、両部門が一体となって高い水準を維持してまいりました。行為規制の検討に当たっては、公平な競争を阻害しないことを前提に、安定供給や事業運営の効率を損なわないよう最大限配慮していただきたいと思います。
 二つ目は、検証規定についてです。ガス市場は現在でも新規参入が一二%まで進んでいますが、新規参入が一層進展した場合、保安に対する懸念が残るような場合、こういう場合は、あらゆる可能性を排除せず必要な措置を講じていただきたいと考えます。
 二十一ページを御覧ください。
 このページは、全面自由化に向けた準備についてです。
 小売全面自由化は、公布から二年六か月以内に施行するとされています。この期間に制度の詳細を詰め、その後、情報システム対応も行わなければなりません。制度設計については、ガスは電気に比べ二年遅れてのスタートとなります。法案成立後は、一体的な改革の実現に向け、まずは早急に制度設計に取り組んでまいりたいと思います。一方、ガスの場合、保安制度についても十分かつ慎重な検討が求められます。拙速な対応となり、お客様に御迷惑をお掛けしないよう、情報システム対応を含めた十分な準備期間の確保についても御配慮いただくよう、お願いいたします。
 最後になりますが、私ども既存ガス事業者は、今回の法改正で都市ガス事業がどのように変化しようとも、安定供給、保安の確保に全力で取り組んでまいります。
 私からの説明は以上です。どうもありがとうございました。
#9
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、辻参考人にお願いいたします。辻英人参考人。
#10
○参考人(辻英人君) ありがとうございます。全国ガスの辻でございます。
 本日は、ガス関連産業で働く者の声を聞いていただく機会を設けていただき、御礼申し上げます。
 お手元の資料を用いながら意見を述べさせていただきます。
 一ページには、今回のガスシステム改革に対する私どもとしての全体的な受け止めを記載しております。
 まず、ガスシステム改革全般については、お客様、社会の総合的な利益増大という改革の最終的な目的に真にかなうものであれば、働く者として精いっぱい対応してまいります。改革の目的に真にかなうかどうかという点が極めて重要であり、常に目的に立ち返ることが大切であると認識をしております。
 次に、小売全面自由化については、お客様サービスの一層の向上や保安レベルの維持向上に向けて、働く者として前向きに対応してまいります。様々なプレーヤーが切磋琢磨する市場環境の中で、私たち自身がお客様から選択いただけるために努力してまいる所存であります。
 導管部門の法的分離につきましては、働く者として幾つかの懸念を抱いており、適切な行為規制などについて十分な検討が必要と考えます。加えて、今後、検証規定、責務規定を確実に実施していただくことで働く者の懸念を払拭していただく必要があると考えております。
 二ページ、三ページには、今後の課題認識を大きく四点挙げております。
 一つ目は、働く者の雇用の安定、現場力の維持、継承についてです。
 システム改革の成否の鍵を握るのは最終的には人材であると認識しております。そうした観点から、ガス関連産業に働く者の雇用の安定や人材の確保、育成、関連技術、技能の継承といった視点を十分考慮していただきたいと考えます。
 加えて、改革の過程においては、労使自治の原則を尊重するとともに、労働者の声、現場実態を十分踏まえていただきたいと考えております。
 二つ目は、産業特性を踏まえた制度設計についてであります。
 保安の重要性が高い、中小事業者が多い、導管網が整備途上にある、家庭用も含め既に競合が厳しいといったガス産業の特性を十分踏まえて制度設計を行っていただきたいと考えます。
 特に、保安の重要性という点では、小売全面自由化以降においても保安、災害時対応のレベルが低下することのないよう、新規参入者も含めた全ての関係者が協働して各々の役割、責任を果たすための詳細な制度設計を行っていただきたいと考えます。
 加えて、中小事業者が多いという点では、中小ガス事業者は地域密着型企業として各地域の生活や経済を支えている重要な担い手であることも念頭に置いた制度設計を行っていただきたいと考えます。
 三つ目は、Sプラス3Eのバランスについてです。
 システム改革の最終的な目的は、お客様、社会の総合的な利益増大にあると認識しております。料金の最大限の抑制は大切な視点ではありますが、安全性や供給安定性、環境適合性も含めたSプラス3Eの視点をバランスよく踏まえた制度設計を行っていただきたいと考えます。
 加えて、システム改革の目的の一つである天然ガスの利用拡大につながる各種施策を講じていただきたいと考えております。
 四つ目は、法的分離に伴う懸念事項の払拭についてです。
 今回の法律案には法的分離の前後で検証を行う規定が盛り込まれておりますが、様々な観点から十分な検証を行っていただき、その上で、あらゆる可能性を排除することなく必要な措置を講じていただきたいと考えます。また、政府の責務規定として示されている内容についても、必要な施策を確実に行っていただきたいと考えます。
 行為規制については、保安、災害時対応への影響にも配慮し、人事などの面において過度な行為規制とならないようにしていただきたいと考えております。
 四ページ以降は、今申し上げた課題認識を補足する資料として添付をしております。
 まず、四ページにつきましては、先ほど触れたガス産業の特性を電気事業との違いという観点からまとめております。詳細はお読み取りをいただければ幸いであります。
 五ページになりますけれども、ここは法定上の保安責任範囲について、欧州のガス事業や日本の電気事業との比較を示しております。
 日本では、ガス事業者が建物内も含めた全てのガス管の保安責任を負っております。このほか、ガス機器の使用時の危険性をお客様に周知する義務や、建物内に設置された湯沸器等の一部の機器について調査や点検を行う義務を負っております。このように、日本のガス事業においては、保安面での関わり方が他に比べてより広く深いという点が大きな特徴であります。
 六ページは、お客様、社会からの期待という切り口から整理したSプラス3Eの視点であります。
 お客様、社会からの御期待には、エネルギーを安全に使いたい、いつでも安定的に供給してほしい、より安価で多様なサービスを受けたい、あるいは環境性を重視したいという様々な御期待があるものと認識をしております。
 私どもガス関連産業に働く者は、こうした御期待に応えるべく、記載のとおり、これまでに様々な取組を行ってきております。今後もそうしたお客様からの御期待にしっかりとお応えをしていくという観点で見た場合、特に導管部門の法的分離については現場で働く者として大きく三つの懸念があります。
 七ページを御覧ください。
 一つ目の懸念は、保安、災害時対応への影響であります。これが最も大きな懸念になります。
 今回の法律案では、災害時などに全てのガス事業者が連携協力する旨の努力義務規定が盛り込まれていますが、法的分離後においても、特に災害時対応における連携の仕組みが十分機能するために、これからの詳細検討が大切であると認識をしております。
 今後の詳細検討に当たり、現場から寄せられている声を紹介をさせていただきます。まず、大規模災害時には、複数の部門で必要なスキル、経験を身に付けてきた人材の確保が重要となることから、法的分離後も導管部門と他部門との人事交流が可能となる制度設計としていただきたいということ。また、非常時に組織の垣根を越えて柔軟かつ機動的な人員配置ができるよう、指揮命令系統が混乱しないよう、導管部門と小売部門が十分連携できる環境を整備していただきたいということ。加えて、仕組みではカバーし切れない現場の一体感や働く者の気持ちの連携、現場の肌感覚といった面をこれからも大切にしていただきたいということであります。
 こうした声の背景には、次のような働く者の意識が根底にあると捉えております。例えば、いずれ別々の採用、育成を経ていくことになれば、共通の価値観や高い保安マインドの醸成、さらには現場の勘といった暗黙知の継承が本当にできるのか、常日頃から顔が見える、人物を知っていることによる円滑なコミュニケーションや情報共有を今後も保っていけるのか、相互の業務内容を知る機会がなくなれば業務の隙間をカバーしにくくなるのではないか、こういった意識であります。
 二つ目の懸念は、導管網整備への影響です。ガス管がなければお客様にガスをお届けすることはできませんし、お客様を獲得できる見込みがなければ導管投資の判断は難しくなってしまいます。法的分離後も導管網の整備に向けて投資意欲が湧くような仕組みを整備していただく必要があると考えます。
 三つ目の懸念は、企業体力への影響です。働く者としても前向きにチャレンジしていこうとしている天然ガスの利用拡大や総合エネルギー企業化の道が遠ざかってしまうことがないよう、企業体力への影響も含め、十分な検証を行っていただきたいと考えます。多様な背景や持ち味を持った事業者が総合エネルギー企業として切磋琢磨することが、エネルギー市場の活性化や健全性の確保の観点からも重要であると認識をしております。
 以上が法的分離に関して働く者として抱いている懸念事項であります。
 八ページには、大規模な地震が発生した際の現行の部門間の連携状況を示しております。
 地震が発生しますと、出社基準に従い、社員が自動的に出社する決まりになっており、出社したメンバーで緊急組織を編成します。また、初動対応において必要なスキル、経験を身に付けた要員を一人でも多く確保することが重要なため、導管部門以外からも応援をもらうことになります。初動体制の中で赤字で示しております被害情報の収集や電話受付、あるいはガス漏れの位置を確認するといった業務には、小売部門と導管部門の社員が交ざった混成部隊が編成され、現場での作業に当たるケースがあります。
 これまでの経験から言えることは、二次災害の防止や早期の復旧には迅速かつ的確な初動対応が極めて重要だということであります。初動対応に当たるのは基本的には自社の社員であるため、法的分離に当たっても十分配慮が必要になると思っております。実際に、東日本大震災の際には、小売・スタッフ部隊も含め全社を挙げて緊急電話受付を行ったことで、導管部隊がガス漏れ対応等の現場作業に専念でき二次災害を防止できたケースや、小売部門に従事している者の中からスキル、経験を有する社員を臨時で集めて現場作業に当たり、復旧を早期化できたケースもありました。
 資料の説明は以上であります。
 今日段階では改革の骨格が示されたにすぎず、詳細はこれからという内容が多くあります。国会での御審議に加え、省令等の詳細において十分な御検討を行っていただくようお願い申し上げます。また、懸念点が解消されないまま改革を進めては、かえってお客様、国民の皆様に御迷惑をお掛けすることにもなりかねないと感じております。真に実効性ある検証を行っていただくよう、改めてお願いを申し上げます。
 最後になりますが、私たちガス関連産業で働く者の中には長年培ってきたDNAがあると思っております。それは、いかなるときもお客様の安心、安全を守るという強い使命感と、いざというときに仲間を助け合うという一体感であります。今回の法律改正によってエネルギー市場がどのように変わろうとも、そうしたDNAをしっかり継承していけるよう努力してまいります。
 以上、私からの意見とさせていただきます。ありがとうございました。
#11
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、柏木参考人にお願いいたします。柏木孝夫参考人。
#12
○参考人(柏木孝夫君) 東京工業大学に勤務しております柏木でございます。専門はエネルギーシステム並びに技術開発と、エネルギー一般の技術開発を専門としております。特に電力のシステム改革あるいはガスのシステム改革、両方に絡んでおりまして、そういう意味でニュートラルな立場から発言を申し上げたいと、こう思います。
 先生方はもう御存じだと思いますけれども、エネルギーには一次エネルギーと二次エネルギーがあると。一次エネルギーというのは、石炭、石油、天然ガス、原子力、太陽光、風力なんかは太陽光に属するわけですけれども、こういう一次エネルギー源と。それから、それを変換して何らかの形で使いやすい形にしていく二次エネルギー、これはやっぱり電力が一番二次エネルギーの筆頭になるでしょうね、使いやすいですから。それから、水素なんかもそうですよ。水素というのは、これは単体では存在しないわけですから、酸化した水という形で広く地球に、民に公平に与えられているわけですから、これからの水素社会というのはそういう意味では非常に重要になるということになります。ですから、どうやって水素を持ってくるかと、こういう話になりますね。
 熱というのがあるわけですよ。今のエネルギーミックスやっているときに、あれよく御覧になりますと分かりますけれども、電気は二六%、電力量でね、七五%は熱なんです。今のこの法律というのはどちらかというと全部をトータルしていますから、そういう意味では極めて重要な法案と。
 こういう一次エネルギー、二次エネルギー、熱用に最終エネルギーという、こういう分け方をした上で法律体系をぐっと俯瞰的に眺めてみますと、明らかにこれをパラレルに捉えていた今までのこの法体系。例えば、電気事業法、一次エネルギーのガス事業法、最終エネルギーの熱供給事業法。これパラレルに捉えているというのは、何らかどこかでやっぱりゆがみができてくる。
 ですから、特にアメリカなんかはガス・アンド・ワイヤーと言いますよね、あるいはガス・アンド・パワー。ガス会社と電力会社が一体化して、合理的な需給構造を構築していくということになりますと、どうしてもこれパラレルからシリアル、シリーズというかシリアルというか、一次エネルギー、二次エネルギー、最終エネルギー、こういうものを一体化して捉える法律体系に変えていくということは私は非常に重要だと思っておりまして、そう考えますと、一体化してこの法案を出してきたということは極めて意義深いと、こういうふうに思うわけです。
 そうなりますと、どうしてもインフラというのが重要になってきて、インフラは、今までガスはガスで、電力は送配電でやってきたわけですよね。ところが、これからやっぱり一体型になる可能性がありますね、ガス・アンド・ワイヤー・アンド・ファイバーと。それに今、さらに、技術開発を考え合わせれば、あくまでもファイバーまで、もうこれだけインターネットが発達しているわけですから、パイプラインのところにワイヤーが引けて、そこにファイバーも引けると。これスマートグリッドそのものですよね。
 こういう統合型インフラになったときに、このインフラの扱い方をどう考えていくのかというのが今度のこの法律の要の一つだと私は思っているわけですよ。ですから、そう考えますと、こういうインフラの中立性をどう担保するのか、どう担保すれば我が国の国益が増大し、かついろんな業種がそこに参入しやすくなって、そして日本全体が発展するかと、極めて重要な課題を抱えているわけです。
 じゃ、どういう課題があるのかと。今までそういうことを考えてきたわけですけれども、私は、ネットワークの中立性ということに関して、この意見書にも、意見書というか、今まで発言した内容が書いてありますから、それを覆すわけにいきません、自分の主義は主義ですのでね。慎重にやはりやるべきだということを言っています。
 それは、中立性の担保のためには、例えば会計分離があると。会計分離をしっかりやって、それでも駄目なら今度は法的分離だと、分社化すると。分社化すればいろんな経費はそこに入ってきませんから、比較的託送料も透明化するし、ある意味では公平性担保の一つの有力な手段であることは間違いないと。もう少し強烈になれば、御存じのように所有権分離と。ただ、所有権分離の場合には、大体国営のものを民営化する、プライバティゼーションですね、民営化するときに自由化するわけですから、そういうときにはやはり所有権分離はあり得ますと。
 電力なんて、一九五一年に、日本が発展するためにまず一体化してやれとアメリカからの指令が掛かり、で、所有権を与えて、民間がしっかりやるんだということでやってきたわけですから。それで五十年たって、さあその所有権を分離しろなんてこれはおかしな話で、ですから、そういう意味では、まあいっても、やはり分社化して、法的分離をすることがニュートラル性を担保するには一つの有力な手段であることは間違いないということです。今度の法案はそれが出ているというふうに理解しているわけですね。
 私、個人的には、電力の場合には、これはBツーBからBツーCまでありますよね。ですから、全面自由化の法律が去年通り、そして家庭部門に例えばエネファームだとか太陽光、太陽光は今固定価格買取りで買っていますけれども、こういうものが入ってくれば、それはディマンドリスポンスを掛けて需要を減らせば、で、発電システムを最大限に持ってくれば電力がたくさん出てくるわけですから、家庭からも電力は売ることができる。キャッシュの流れがディマンドサイドにできてくるということは、これ極めて日本の合理的なエネルギーシステムを構築する上では重要なことだと私は思っていまして、自由化というのはだからそのぐらい大きなインパクトがあることなんだと、こう私は思うわけです。
 そうなりますと、電力は、BツーBそれからBツーC、新規参入者がたくさん出てきますので、ある意味では、今、八木会長がおっしゃったように、法的な分離をするのであれば、きちっと検証した上で、新規参入者が自由にちゃんとアクセスできるように、そして日本の発展につながっているということをきちっと検証した上でこういう方向の法律を作っていくということに関しては、私もおおむね賛成をしているわけですよ。
 一方、ガスに関しては、ガスはどちらかというとガスパイプラインを、家庭からガスが出るかというと、そう簡単には出ないだろうと私は思っていまして、出せるとすればバイオガスで発酵させて、フェルメンテーションといいますね、発酵させたガスをメタンガスに、自分の中に入れてやるといったって、それは大変なことですから。まあ普通は、ガスパイプラインを分社化するということになりますと、電力はガスたくさん使っていますから、電力がそのパイプラインを借りてガスを売りに出る、あるいは石油会社がガスを輸入して売りに出ていくと。あるいは、商社が電力会社の基地を借りて、そしてガス会社のパイプラインを、託送料を払って、そしてそれを借りて出していく。
 だから、非常にBツーBが多いわけで、そういう意味では、決して分社化することが新規参入者を増やし、日本の合理的なシステムを、保安の問題とかいろんなことを考えたときには、まず会計分離をしっかりして透明性を保って、きちっと検証した上で、それでも駄目なら法的分離をやるべきだということを一貫して言ってきたわけですよ。ですから、そういう意味では一応慎重論にはなるわけです。
 そうなりますと、やはりそういうことをずっと踏まえて今度の政府がきちっとこういう形で、電力、ガスも一体化して、同じような形でパイプラインのニュートラル性をこの法的分離という形で年数を限って、これまでによく検証した上で、いろんな可能性を排除しない形でこの法律をお出しになったということに関しては、私は異論はないですよ。異論はないです。ただ、慎重にやはり考えていく必要があるんだろうと、こう言っているわけですね。
 ですから、もしこの法律が通るということになりますと、私としては、今までの経緯からして幾つかのやはり注文があるということになります。注文と言ったら大変失礼な言い方かもしれない、自分の私見があると。
 今、ちょっと七つ、今日、朝起きて一生懸命考えてきました。七つほど書いてありまして、一つ目が、ガスシフトということが今度のエネルギー基本計画に書いてありますから、そのガスシフトがちゃんと行われるように、すなわち、ガスシフトが行われるということは、広い地域でいろんなガスの需要家が、例えば電気に変換するとか、あるいはほかの、水素を取り出すとか、こういうふうなことができるように、やはりガスシフトが、法的分離をしたときに、きちっとガスの新規導管が伸びて、きちっとできるようなインセンティブを与えるようなことも併せてポリシーミックスでやっていかないとうまくいかないんじゃないかと、私はそう思うわけですね。
 今、ガスパイプラインが日本の国内でカバーしている面積は五%ですから。電力は大体オールジャパン、全部網羅されている。たった五%しかカバーされていないわけですから。それを例えば、先週まで私、ドイツへ視察行ってまいりまして、ドイツで今、パワー・ツー・ガスというのが導入を、ドイツの場合には原子力をやめた後、再生可能エネルギーだと言っているわけですね。
 再生可能エネルギーは北部に多いですから、北部に風力はがんがん回っていますよ。それで、電線は細いですから、それで全部それを南の旧西ドイツの中に運ぼうということになると、これまた電線一本引き、二本引きというと、国民負担が、それじゃなくたって固定価格買取りのサーチャージでかなりの額を支払っているにもかかわらず、また更に系統強化かということになりますと、そう簡単じゃありませんから、それじゃ、今までの既存の系統の連系線ですね、送配電システム、送電線ですよ、送電線を使えるだけ使って、ふらふらしている風力の残りは、水を電気分解使って水素と酸素に分けると。酸素はどこかに、病院に売るもよし、いろんな売り方があります。水素は、パイプラインは充実していますから、EUの中でパイプラインは網羅されていますから、そういう意味では、そのパイプラインの中に水素を混入して南の方に運んできてタービンを回すと。そうすると、水素の分だけはパワーアップして、かつCO2が出ない。よって、低炭素型のエネルギーシステムがこのパワー・ツー・ガスという手法を使うことによって成立してくる。
 これ一つの、再生可能エネルギーを進めるということであれば、そういうことまで考えた上でやっていかないと、ただ再生可能エネルギー何でもいいからやれと言ったって、全く間違い。こんな非常に不安定性があるものがばんばん入ってきたら、太陽光だって昼間はあるけど夜はないわけですから。そういう意味では、そこら辺のことを全て頭に入れた上で、全体を見渡した中で最適な法律はどうあるかということをやっぱり考えていただくことが非常に重要だと、こう思っています。それがガスシフトを進めるためのインセンティブ付与。
 それから二番目が、電力自由化というのはもう既に通っていますから、電力の自由化をすると大体電源不足になりますね。今までは総括原価方式でちゃんと建てて、その代わり電力会社は大変な努力をして安定供給をして、それで日本はここまで発展してきたわけですよね。ですから、それは私は全く否めない事実だと思っていますが、これ、自由化ということになると市場原理でいきますから。例えば東京電力管内で一年間八千七百六十時間の八十八時間しか動かない電源が全体の七・五%あるんですよ、全体の。八十八時間って一%しか。だから、盆暮れの三、四日しか走らない車が百台のうち七、八台持っている運送業だったら潰れますね、普通は。
 電力の今まではもう需要ありきでやってきましたから、これに対してはもう文句はないんです、私は。だけど、これからはその延長線上にエネルギーシステムがあるという保証は全くありません。いかにコンパクト・アンド・ネットワークを図っていくかということがこれからのエネルギービジョンを実現する、先進的に世界をリードしていくためには工業国家としては必要不可欠なんじゃないでしょうか。
 そういうふうに考えますと、今言ったように、電力自由化になりますと市場原理で電源を建てるわけですから、そう簡単には電源はありません。電力不足になります。そうなると、分散型電源のコジェネレーション、熱電併給ですね。ですから、熱需要のあるところに電源立地をしてくる。こういうコジェネが、ある効率の悪い大規模集中型の代わりに分散型がディマンドサイドに下りてくるわけですよ。ディマンドサイドでインターネットと一体化してスマートグリッドのような形になってきめ細かな制御が行われると、そこにコジェネと再生可能エネルギーがうまく機能して、最大限国民負担を少なく、再生可能エネルギーを最大限取り込むことも可能になると、こういうふうに私は思っているんです。
 そういう意味では、そのコジェネレーションに対するインセンティブ。今度の基本計画の中では、コジェネは、画期的だと思いますね、コジェネレーションに関してきちっとした記述がなされました。さんざん手を挙げて言いましたからね、あの審議会の中で。千百九十億キロワットアワー、今パイは大体一兆ちょっとですから、一兆キロワットアワーちょっと多いですから、そのちょっとです、それが、その中の一二%弱がコジェネからの電力、熱を使い切るコジェネからの電力で、二〇三〇年度にそれを目標達成したいということまで書かれたということは画期的なことだと。私は一五%は行くと思っていますけれども、BCPの観点が今入っていませんから、そういう意味ではそう。そういうコジェネレーションなんかも、まず天然ガス主導、ガス主導で動くことになります。だから、電力会社もこれからはコジェネをやるようになると私は思っております。そういう分散型に対するインセンティブ、これがきちっと与えられるということが重要。
 それから、そうなりますと、この三つ目の熱供給事業法、これ、この中で、許可から登録制という格好になりましたよね。これ、私は非常に、もっと気楽に熱供給、熱だけではそれほど爆発するとかということはありませんから、熱供給に関しては気楽に熱供給ができるような形で規制緩和を行うと。ですから、熱の部分が七割も占めているわけですから、そういう意味ではこの熱供給事業法も今のコジェネと一体化した形で規制改革を行っていただく、その制度設計をきちっと行っていただくということが重要になる。
 四つ目が、そうなりますと、熱導管を誰が引くかと。なかなか熱導管高いですから、熱導管を私は、一つの箱物行政というか公益性のある事業から、エネルギー関連の公益性のある事業、これの中に、熱導管そして自営線とファイバー、ですから、熱導管アンド・ワイヤー・アンド・ファイバーという形で一体型のエネルギーインフラ、こういうものをやはり新しい形の公共事業として捉えるということも私は必要になってくるんじゃないかと、こう思うわけです。
#13
○委員長(吉川沙織君) 柏木参考人、恐れ入ります、陳述時間過ぎておりますので、簡潔におまとめ願います。
#14
○参考人(柏木孝夫君) ああ、そうですか。どうも大学だとつい長くして、申し訳ありません。もうすぐ、あと一分で。
 あと三つあるんですけれども、これの……
#15
○委員長(吉川沙織君) それは質疑の中でお願いいたします。
#16
○参考人(柏木孝夫君) 分かりました。
 私、十五分までと思って、今十二分と来ているんですけれども、前の人が少し早く終わっていたからそれをもらおうと思って。
 それで、五つ目は、そういう意味でスマートコミュニティーを需要地でいかにつくっていくかということが大事で、六つ目は何かというと、もう既にこれをシュタットベルケという形で自治体が主導してこういう動きが走り出しているということを私は申し上げたい。これは総務省と経済産業省が一体化してやっている。最終的には、こういうことをやるということは、ある意味ではローカルアベノミクスの成功につながっていって、地域が発展して日本の国力増強になると。
 以上です。
#17
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 次に、杉本参考人にお願いいたします。杉本まさ子参考人。
#18
○参考人(杉本まさ子君) 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の杉本と申します。
 本日は、電気事業法等の改正法案の審議で、消費者の意見を申し上げる機会をいただいたことに感謝申し上げます。
 主にガス自由化に関する家庭用ガス料金の消費者保護について発言いたします。
 なお、今回の法律改正に含まれる電気の議論は、私と同じ団体の辰巳常任顧問が参加しております。私は制度の経緯に詳しくありませんので、御質問には家庭の電気消費者の感想程度となります。御容赦ください。
 電気は、国民の意識調査も行い、昨年に家庭用自由化の法改正をしましたが、ガスは、電気の一年半遅れの審議開始で、多くの内容が急ぎ足で議論された感があります。
 電力の自由化は、東日本大震災による電力不足や、値上げに際して地域独占への不信感もあり、小売の選択肢拡大には家庭消費者からの期待が大きかった点はガスの自由化と背景が違うと思います。
 審議会での事業者ヒアリングが終了した四月に、経産省有識者会議でガス料金規制撤廃大筋了承と全国紙に報道されました。それに対して、主婦連合会の学習会では、電気と違い消費者の誰がガス自由化を望んだのか、消費者の知らない改革だ、自由化で保安は大丈夫か、料金が下がるのかと紛糾しました。同様の意見は、ガス保安審議会でも、複数の消費者委員からも噴出しました。
 また、消費者活動をしている方たちへの緊急アンケートでも、七割がガス自由化を知りませんでしたし、八割以上が料金規制や供給義務など消費者保護の維持を希望しておりました。
 家庭における電気とガスの受け止めは違い、ガスは安全で安定的な安い料金のための選択肢の拡大だと思います。お手元の資料の二ページ、「参考」に家庭用における電気とガスの違いを整理してありますので、御覧ください。
 私は、資料末尾にもありますように、各消費者団体の強力な御支援、御協力をいただき、また、緊急内部アンケート結果を踏まえてガス審議会に臨みました。
 それでは、お手元の資料三ページから、ガスシステム改革に関する意見を申し上げます。
 三ページです。
 生活に必需のガスと家庭消費者保護。
 全国五千万世帯の暖房は灯油やエアコンが多いのですが、都市ガス約三千万、LPガス約二千万世帯の台所やお風呂ではガスが利用されております。いずれのガスも、他エネルギーに転換しにくく、日常生活に必要不可欠なライフラインです。
 そのガスは、一般ガス二百社、簡易ガス約千社、またLPガス二万社が供給しています。大手ガス会社が大都市圏で供給する約二千万世帯と同様に、ほかの一般、簡易ガスやLPガスが供給される残り三千万世帯も消費者利益を得るべきです。
 海外では、自由化当初、料金メニューが多いなど苦情も多発しました。今回の法律では、悪質な小売事業者による被害防止のため、書面交付義務など消費者保護策や、電力・ガス取引監視等委員会による監視制度があり、非常に安心しております。
 他方、書面交付義務があり自由化しているLPガスでは、料金など不透明な取引に数千件も相談があります。我慢できずに相談する件数は氷山の一角で、潜在的な不信は大きいと思います。二十九日の本会議で、総理や大臣の御発言に、エネルギーの一体改革で縦割り市場の垣根を越えて消費者メリットを享受できる、電力・ガス取引監視等委員会では自由化後の消費者利益保護に万全を図るとありました。そのとおりに消費者が安心してLPガスも選択できるよう、縦割り行政ではなく、LPガス販売もその委員会で監視して、自由化による不利益な実態を撲滅する制度にしていただきたいと思います。
 五ページです。
 地方の家庭消費者は、一般ガス会社を選択できるか。
 ガスは、電気や水道と同じく、配管や器具の設備負担をして安くて安全で継続した供給を望んできましたので、公益事業として料金や保安規制があります。それにより、低所得者や高齢者など生活弱者も含めた家庭消費者全体が、安心して一般や簡易ガスを利用してきた背景も大切です。
 台所や風呂のガス消費量は、世帯の収入ではなく人数により異なります。生活保護、年金生活など生活弱者も年々増加しており、自由化に伴う料金値上げは打撃となり、本末転倒です。
 ガス自由化は、一般ガス会社同士の活発な競争が起こり、その結果、多数の家庭消費者に安くて安全にガスが継続的に供給されるのであれば賛成です。しかし、電気は風力など地方でも発電され、送電線は全国につながります。大半が輸入のガスは、輸入者も限られ、全国に輸送導管もつながらず、大口の新規参入件数は全国でも僅か二%のみです。特に輸送導管から孤立した地方一般ガスには、新規事業者は参入のしようがないと思います。
 また、約五十の地方卸先一般ガス事業者の約三百万世帯につながる国産天然ガス導管の託送料金には認可制による事前査定もなく、更に卸先ガス事業者圏内は託送料金が累積加算されます。その地域では少量かつ利益の少ない多くの家庭まで戸別にLPガス会社などの新規参入が進出すると思えません。その意味で、小売自由化で新たに二千四百万軒を超える一般家庭が都市ガスの供給事業者を自由に選択できるようになるとのガス審議会報告は、絵に描いた餅のような気がいたします。
 七ページを御覧ください。
 自由化に関する地方家庭消費者の不安は。
 ガス審議会では、あるガス会社が、料金はある程度シークレット部分が自由化のだいご味で、それを明確にしたら自由化ではない、消費者が納得しなければほかに行くのが自由化という発言をしました。それを聞きまして、自由化とは、消費者が事業者を選択できる一方、事業者にも値上げや公開情報、消費者自体を取捨選択する自由があるもろ刃の剣だと再認識させられました。
 地方で一般ガスへの新規参入がないまま自由化すると、LPガス販売と同様に、既存の一般ガス会社の独壇場となります。料金コストなど情報公開もせず、他燃料との競争が激しい大口の値下げコストを交渉力のない生活弱者や少量使用世帯に転嫁した値上げや、それに難色を示すと供給拒否をするなど、家庭消費者に不利益が生じる懸念があります。簡易ガスでも戸建て世帯は同じLPガスの事業者変更は比較的容易ですが、アパートでは戸別に転換が困難なため一般ガス世帯と同じような課題があります。
 LPガス自由料金は、削減し難い硬直的な小売費用のために料金規制のある一般ガスの約二倍です。今年二月の北海道新聞でも社会問題として一面に大きく報道されました。地方の家庭や飲食店、中小企業の一般ガスや簡易ガスの料金が自由化で値上げされれば、アベノミクスの地方創生に大きく逆行すると思います。
 十一ページです。
 一般ガスの競争がなくてもガス料金は下がるのか。
 海外は、自由化後も家庭用ガス料金が上昇し、欧州ではガス自由化の効果を検証しているとの大和総研のレポートがあります。複雑な自由料金で、透明性も低下しているようです。海外でも小売競争による原料費高騰や公租公課を除いた小売費用が低減したデータを示されれば、消費者の納得感もあると思います。しかし、自由化した結果、それらが情報公開されないので、規制料金の残る国のほとんどの消費者は、自由料金ではなく規制料金を選択していると思います。日本でも、原料等による値上げが抑制されたとの抽象的な説明だけで、固定的な小売費用が低減した客観的データが情報公開されなければ、家庭用消費者はメリットを実感できません。
 そもそも自由化の目的は、都市ガス同士の競争活性化を通じ、ガス事業者の選択肢拡大と低廉な料金の実現であったはずです。電力同様に供給者変更の費用が不要なことも大前提です。それを、都市ガス同士の競争の可能性が低い従来のガス事業者も他燃料との競争があり料金規制は不要と決め付けて、他燃料転換の負担を前提として、都市ガス間競争のない事業者にも料金規制の廃止対象を拡大したことは、消費者目線とは言えず、到底納得できません。
 例えば、賃貸やマンション五階の世帯は、配管等の造作で家主の了解を取ることも、また戸別でベランダにLPガスや電気温水器の設置やそのための電源引込みは困難です。新築時と違い、持家戸建てでも他燃料設備への変更に負担を感じ、また継続的に一般ガスを利用せざるを得ない大半の既存住宅に住む家庭消費者の利益を考えるべきだと思います。
 十三ページに移ります。
 自由化に伴う家庭消費者の今後の不安は。
 昨年も、ガス器具関連では四百件以上の事故と三十人以上の死傷者との報告があります。家庭消費者は保安知識が乏しく、ガス漏れや器具の誤使用着火、無臭の一酸化炭素中毒など、ガス事故対応は料金低下よりも最優先です。
 自由化後は、家屋に立ち入る器具点検は小売事業者や委託会社となります。しかし、点検能力が低いと、リコール器具の一斉巡回点検不備、マンションや飲食店等の一酸化炭素中毒は広範囲の死傷事故になり、また高齢者への点検詐欺も予想されることから、点検員はLPガスと同様に国家資格にすべきです。
 ガスは一般商品と違い、品質が同一で給湯などに代替性もないために、安全を前提での消費者の期待は、低廉な継続料金を選択できることです。最大の不安は歯止めのない料金値上げですが、今回、経過措置として海外の多くと同様に規制料金が残り、それより安い料金設定も自由に可能となり、安心しました。
 しかし、今後の最大の懸念は、経過措置の対象及び解除となる既存の一般ガス事業者の選定基準となる競争状態に関する指標の実質的な骨抜きです。例えば、競争状態の指標は、都市ガスの利用率七五%以下との意見もあります。そうなると、家庭消費者が百万件の西部ガスも含めた九割のガス事業者の料金規制は一斉に廃止されることになり、七五%が独占率の基準とは全く容認できません。
 十四ページに移ります。
 料金規制経過措置の撤廃基準は骨抜きにならないか。
 台所などでは一般ガスの競争力も大きく、家庭消費者件数も順調に増加している導管卸ガス事業者も多数あります。また、同じガス事業者でも地方により供給区域内の市街地と郊外では独占力も違うことから、特に一般ガスの新規参入がない地方ガス事業者に対する他燃料との競合基準による経過措置の対象範囲は、電力料金のような事業者エリア全体ではなく、市区町村単位でのガス利用率や新築ベースの都市ガス採用率など、きめ細かく厳格な基準とすべきだと思います。
 既存一般ガス事業者に関する独占率の基準策定は、消費者団体とともに公正取引委員会や消費者庁も参加した委員会で決めると事務局からも御明言いただいています。その上で、経過措置の撤廃後も電力・ガス取引監視等委員会で競争状態を監視して、再び基準未達となった場合は速やかに経過措置に戻すことを国会附帯決議していただくよう強くお願いする次第です。
 最後に、熱事業は都市ガスに比べ約三万世帯と少ない家庭消費者ながら、集合住宅給湯の必需性や熱料金への受け止めを十分に踏まえた安心できる改革案だと評価いたします。
 以上です。ありがとうございました。
#19
○委員長(吉川沙織君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。様々御協力いただき、ありがとうございます。
 それでは、これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#20
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志でございます。
 本日は、参考人の皆様、本当に様々な角度からの貴重な御意見をお聞かせいただきまして、誠にありがとうございます。
 私は民間企業におりましたので、こういう六月ということになると、やはり株主総会のシーズンということで、経営者の方がこういう問題について株主総会でどういうふうにお答えになるんだろうか、これもう非常に気になるわけでございます。そういう中で、特にこの電力、ガス会社の経営、これが苦しくなると、結果的に必ず電気料金、ガス料金が上がってくる。そういうことで、電力会社さん、ガス会社さんの経営の安定、これが今回のシステム改革においてもしっかり守られていくんだろうか、こういうところに私非常に関心があるものですから、本日は八木参考人、尾崎参考人に幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 では、まず、八木参考人に質問をさせていただきたいんですけれども、こういう原子力という問題を考えたときに、今までは国策民営で来た、ところがこれから法的分離ということになってくると、やはりこの国策という部分と民間企業という部分、これが明らかにぶつかってくるんではないか。そういう中で、やはり民間企業として本当にこういう原子力事業、リスクが取れるんだろうか、こういう指摘、多分株主の皆さんからも厳しい質問が出されてくると思うんです。
 それに対して、今日、最初のお話の中で、原子力事業環境の整備ということが御指摘をされておりましたが、これはやはり民間企業として取れるリスクにするためにこういう事業環境を整備する必要がある、こういうふうに理解をしたわけですが、そういうことでよろしいんでしょうか。
#21
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。電気事業連合会の八木でございます。
 先生おっしゃった、まさにそのとおりだと私も理解しております。私ども、この原子力発電ということに関しましては、いわゆる安定供給、環境保全、経済性、三つに優れるということで、今般も重要なベースロード電源として活用するという国のエネルギー政策がはっきりいたしておりますので、これまでも私どもは国のエネルギー政策の下に民間として自主性、創造性を発揮して原子力を推進してきたというスタンスでありますが、今後とも私どもとしてはそのスタンスを堅持したい、そういうことによって民間事業者として国のエネルギー政策に貢献したいという、そういう思いでございます。
 しかしながら、先生おっしゃるように、原子力を取り巻く環境というのは、例えば原子力依存度を限りなく低減させるというような方向性、あるいは今般の電力システム改革の中での競争関係ということになりますと、やはり私どもとしては、その事業の予見性が立つということが非常に大事であります。したがいまして、この原子力の事業の予見性が立つということが、我々民間事業としてこれをやっていくのに非常に大事だと思っております。
 そういう意味では、特別に、原子力というのは事業の特殊性として超長期にわたる事業の特徴を持っていますし、非常に費用も相当が掛かるということで、我々が、民間が原子力を担っていく上でこの予見性を持って長期の事業を計画し、国のエネルギー政策に貢献するためには、原子力の事業環境の整備を是非ともお願いしたいと、そういう考え方でございます。
 以上でございます。
#22
○阿達雅志君 ただいま原子力事業の予見性のお話がございましたが、この原子力事業の予見性を考えたときに、今のように原子力発電所の再稼働がなかなか進まない状態が現実にはあるわけです。
 そういう中で、実際には各電力会社さん、火力発電所を、老朽化した火力発電所を相当無理をしながら稼働させて、何とかこの需給環境厳しい中で対応されているというのが実態ではないかと思うんですが、ただ、やはり、こういう老朽火力というのも、いつまでも放っておくわけにはいかない、どこかの時点で新設する、更新するということも必要でしょうし、また、海外からの石炭、ガス、こういった調達を考えたときも、こういう資源、基本的には長期契約ということになると、その更新期にはどういう判断をするか、こういうことが迫られているんじゃないかと思うんですね。そういう、今のこういう需給環境の中で、やはりこの新規設備投資あるいは燃料調達契約、これをやっていくというのはもう時間的にも相当余裕がなくなってきているんではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#23
○参考人(八木誠君) 私どもの使命というのは、できるだけ低廉で安定した電力を供給すると、これは基本的使命でございます。そのための電源構成を、各社で最適な電源構成を行っているわけですが、御指摘のように、全て原子力で賄うわけではありません。当然のことながら、原子力発電設備、火力発電設備等々、水力、こういうのがございます。したがって、原子力だけの再稼働、これは是非、我々としては、安全が確認されて再稼働を一日も早くすることによって事業の経営立て直しというのには大きく影響すると思っていますが、当然のことながら、火力発電という供給力として重要な設備、こうしたものを先行きにわたってできるだけ効率的な設備に置き換えていくといいますか、そういう中で、新規投資あるいは極端に言ったら燃料調達においてもいろんな多様性を発揮して、できるだけ安く、またリスクの少ない燃料を調達すると、こうしたことは、これはもう我々にとっての責務であるというふうに思っております。
 そういうことを是非我々としては取り組んでいきたいと思っておりますが、御指摘のように、今後、発電事業全体における、こういった事業の予見性が非常に立つという意味での、先ほどのやっぱり原子力の環境整備というのは一番大きな要素であります。したがいまして、そういうことを確保していただけると、今先生おっしゃるような火力発電全体についても我々のそういう新規投資あるいは燃料の効率化というのは進めていきやすくなる環境にあると思っていますが、我々としては、そういう環境整備がないとできないということではなく、環境整備と並行してできるだけそういう努力をして、低廉な電気の供給、安定した供給に努めていきたいと、そういうふうな形で取り組んでいきたいと思っております。
 以上でございます。
#24
○阿達雅志君 今まで電力会社さんというのは、将来法的分離した場合の発電部門というのを考えたときに、今までは供給責任、公共料金の安定性ということで、電力源についてはいろんな形でポートフォリオを組んでおられた。水力、火力、火力も石炭、石油、ガス、それから原子力、それから再生エネルギー、こういうポートフォリオを組んでおられたわけですけれども、これ、先ほど柏木参考人のお話の中にも少しあったかと思うんですけれども、ただ、これは、今まではこういう総括原価方式でやっていたから、こういう供給責任を果たすためにポートフォリオを組むんだと、これは一つ理由が付いたと思うんですけれども、それを今後、法的分離ということで経営を分けるんだということになったときに、今までのようなこういうポートフォリオを組んでいくというのは果たして説明が付くんだろうか、企業の経営ということを考えたときには、こういう電気料金の自由化が進む中で、やはりポートフォリオでないというような考え方も当然出てくるんではないか、こういう指摘をもし株主さんからされた場合にどういう形でお答えになるんだろうなということで、是非御意見をお聞かせください。
#25
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 私ども、これまで電源のポートフォリオということに関しましては、もうこれは基本的にはやはりSプラス3Eという、この基本的な観点で、やはりバランスの取れた供給体制を組むということで取り組んでまいりました。
 今般も国のやはりエネルギーミックスが、今回は全体的にはバランスの取れた構成案が出たと思っていまして、私どもとしては、やはり先ほど申し上げました、我々電気事業におけるメーンプレーヤーとしては、国のエネルギー政策を踏まえて、それを民間が着実に実施していくと、そういう立場であると思っています。
 したがいまして、このエネルギーミックスをやっぱり我々自身が、各社が努力して、できるだけそのミックスの形を実現していく努力をすると、そういうことで、ポートフォリオも各社がそういう努力をするというのが、やっぱり基本的スタンスは変わらないと思っています。
 ただ、具体的には、そういいながら、じゃ、それを今のような市場原理とか市場メカニズムに全て任せてしまうとなかなか難しい面もありますので、やはりそこには我が国としてのエネルギーミックスをきちっと実現し、それを我々民間がやっていくためのいろんな政策的な措置、例えば先ほどの原子力の環境整備もありますが、例えば再エネ導入においてもバランスの取れた例えば再エネ導入策を取るとか、やはり国の政策とマッチをさせていただきながら我々民間として最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#26
○阿達雅志君 どうも、八木参考人、ありがとうございます。我々も是非、この予見性をちゃんと持った改革ができるような、そのための議論を進めてまいりたいと思います。
 次に、尾崎参考人に質問をさせていただきたいと思います。
 今回のガスシステム改革でも導管延伸の問題というのが繰り返し議論になっているわけでございますが、そういう中で、今現在考えた場合に、ガス会社さんはどういう情報に基づいてどういう基準で導管延伸というものを経営判断をされているのか、まずそれをお聞きした上で、じゃ、法的分離をした後は導管会社の経営者というのも同じような判断をしていくんだろうか、その辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
#27
○参考人(尾崎裕君) ありがとうございます。
 現在どういう考え方でやっているかと申しますと、既に需要があるところ、すなわちほかのエネルギーを使っていらっしゃるお客様があるところ、又は、いろんな、工業団地を建設するとか商業施設を造るとか、団地が開発されるということで、今後新たにエネルギーを使われるというそういう見込みがある地域、地点があると、こういうところに対して我々がパイプを引くことによってガスの需要がどれぐらい付くか、結果としてガスが流れてどれぐらいの収益性、逆に言えば投資の正当性があるかということを考えて今は導管を新設しているところであります。
#28
○阿達雅志君 そうしますと、これ、法的分離の後は、今までのような形で需要というのを拾ってくるというのは、導管会社さん自体ではできないわけですね。そこは、小売あるいは基地との関係で、どのような形でそういう情報を得てそして判断をされていくことになるんでしょうか。
#29
○参考人(尾崎裕君) 法的分離もそうですが、多分、自由化のときに同じような議論がある程度起こるというふうに思います。
 すなわち、導管を引くということは導管会社がやるわけですから、導管事業者がやるわけですから、その引くということを決めるに当たっては、やはりどれぐらい導管が使われるかという確度というのが非常に大切だというふうに思います。それを自ら導管会社が需要の起こりそうなところを見定めて計画するのか、それとも、いわゆる販売会社がこういうところに需要があるからパイプを延ばしてくれという形でやるのかというのは、これは多分、今後、制度設計の中でどちら側がより経済的に正当性があるかということと、それからいわゆる公平性という観点からもどちらがいいのかということを議論されていくべき、そういう課題だというふうに思います。
 ただ、現在のように導管と小売が一緒になっていますと、そこら辺の、どういうんですかね、導管引いたらきちっと使ってくれるという、社内だったら物すごく確度の高い信頼関係がありますけれども、これがどんどん会社間の距離が離れていくと、本当にそうだろうかというところを確認し、又は、そうでなかったらどうするんだというようなことも考えながら事業運営をしていかなきゃいけないという点では、若干不安定になるというか、経営者としては決意が鈍るという、そういう形になるというふうに考えています。
#30
○阿達雅志君 今のお話で、やはりこれ、法的分離をした場合には、実際のところどうしても導管延伸についての投資判断が厳しくなってしまう、これはあり得るのかなというふうに思うんですが、そうすると、やはり逆に、天然ガスの需要というのをやはり日本全体でどんどん伸ばしていく、そういう方向性が見えていないとこういう導管延伸というのが非常に進めにくくなるのではないか、こういうふうに思うんですけれども、この天然ガスの需要拡大、これはどのようにすれば更に進むとお考えでしょうか。また、それについて政府としてやはりこういうことを是非進めてほしい、そういう御要望もあれば併せてお聞かせいただけますでしょうか。
#31
○参考人(尾崎裕君) 我々の経験からしまして、需要を伸ばすというためには、やはり新たな、より効率的で、しかも利用、応用範囲の広い、そういう天然ガスの使い方、これを自ら開発して、そして今まで使っていらっしゃらないお客様に御提供するということが大切だというふうに思います。
 そういう点では、今まで、先ほど説明しましたように、需要があって、そして技術開発で更に需要を大きくして、そしてパイプを入れて、そしてさらに、それを元にまた需要を増やしていくという、そういうサイクルをこれからも、自由化、それから法的分離ということが起こった後もどうやって維持していくかということが必要だというふうに考えています。
 その仕組み、当然、そういうことを、研究開発とか事業開発をやるためにはコストという問題が出てきますから、そういうコストを誰がどういうふうに負担していくかということも、これもやはり今後の課題だというふうに思っております。
 また同時に、新たな需要がどこにどういうふうに発生するかという少し長期をにらんだ、そういう計画というようなものがあれば、特にエネルギーの多消費のそういう設備、例えば典型的なのは発電所なんかがそうだと思いますけれども、分散型を含めてそういう発電所がどこに立地していくかということもある程度事前に分かっていれば、我々としてはインフラ整備がやりやすくなるというふうに考えているところであります。
 以上です。
#32
○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
 やはりこれ、イノベーションを進める、特にそこにどういう形でインセンティブを与えていくのか、これがないと、やはり、これは電力さんも同じだと思うんですが、電力会社さん、ガス会社さんが省エネ技術をどんどん進めて、自分のところの製品をなるべく使われないようにするサービスをどんどん進めるという、そういう機器をどんどん作るというのはなかなかこれ何かのインセンティブがないと難しいことではないかと思いますので、そういうインセンティブについては是非我々もこれから考えていきたいと思っているところでございます。
 もう時間もありませんのでちょっと最後の質問とさせていただきたいと思うんですが、今日のお話でもありました、法的分離に向けてシステムを変えるのに時間が掛かる。これは先日、直嶋委員の方から、システムを変えるに当たって今いろんなところでこういうシステムエンジニアが不足をしている、そのためになかなか変えたいと思っても人が集められない、そういうことでなかなか時間が掛かるんだと、こういう議論が実はあったんですけれども。
 今日もお話の中でシステムを変えるのに時間が掛かる可能性があるという御指摘がありましたけれども、具体的にどのようなシステム変更、何をどういうふうに変えるということでこのシステム変更が必要になるのか、そこをちょっと御説明いただけますでしょうか。
#33
○参考人(尾崎裕君) 私がやっていますというか関わっています大阪ガスの場合、約七百万のお客様がいらっしゃいまして、そのお客様に料金を請求するとしますと、今は一括で全て請求しているところなんですが、今後、まず自由化が始まりますと、いわゆる導管部分の費用といいますかそれの料金と、それからガスの部分の料金を別々に算定して分けなきゃいけないというふうになります。しかも、分けた料金のうち、ガスの方は自分で供給している部分とそれから新規参入者の供給している部分と分けて、そちらの方は新規参入者に連絡して、そしてそこで回収してもらうのか、ここもまだ制度が設計できていませんけれども、逆に回収を代行するのか。で、こちらは全てまとめて御請求するというような形になります。
 それが全部スイッチされるということもありますし、スイッチされたら一々またそれが元へ戻せるという、そういうシステム設計をしていかなきゃいけませんし、我々にとっては膨大な数ですけれども、お客様は一人一人が正しい料金が来ているということを確認していただかなきゃいけないという点で、これはシステムの設計。それから、実際にそれをテストして、そして全く問題なく動いている、しかも、例外処理もいろいろ、例えば途中で切り替えたとか、途中で料金が変わったというようなときの処理もちゃんとできているという、そういうことをしなきゃいけないという点で、かなりの手数の掛かるシステムの変更になるというふうに考えております。多分電力さんも一緒だというふうに思います。
#34
○委員長(吉川沙織君) 時間です。
#35
○阿達雅志君 どうもありがとうございました。
 終わります。
#36
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。
 それぞれの参考人から大変貴重な御意見を聞かせていただきました。今後の審査に生かしていきたいと思います。
 まず、尾崎参考人にお伺いをいたします。作業安全の確保と保安の確保についてお尋ねいたします。
 現在は、特に災害対応において、組織横断的な対応だとか、あるいは柔軟で機動的な人員配置によって迅速な初期体制が取られてきた、このように私思います。そういう中で、今後、導管分離ということになった場合に、保安とか災害時の対応のレベルが低下してはいけないと思います。そういう意味で、関係者が協働してその役割、責任を果たすために詳細な制度設計が必要になってくるんじゃないか、このように私考えますけれども、この制度設計を今後どのように進めていったらいいのか、また、あるいは環境面でどのような整備が必要なのか、この辺についてお聞きをいたします。
#37
○参考人(尾崎裕君) まさに先生のおっしゃるとおりだというふうに思います。どういうふうなシステムになろうとも、制度改革が起ころうとも、やはりお客様、そして社会の安全、これを維持するということは我々エネルギー事業者の一番大切な責務の一つだというふうに思っているところです。
 それで、事故とか災害のとき、やはり災害に対応して、例えば安全にシステムを止めて修理するというところと、しかし全てが止まるわけではございませんので、今あるシステムをきちっと運用して、それでお客様に安定してエネルギーを供給し続けるという、そういう機能があると思います。そのときに、この二つのところを大きな人的なプールの中から二つに分けるのと、導管は導管、営業は営業、例えばシステムはシステムと、こういうふうに細かく分けていってやるのとでは、やはりその自由度といいますか、人の活用の度合いというのがかなり変わってくると。
 しかも、それぞれの専門家をそれぞれのところに配置するためには、やはりそこら辺の人の異動の、人の活用の柔軟性というのは、どういうふうに会社が分かれてもそれを乗り越えてできるような、そういう仕組みが必要だと思いますし、それはまさに我々の場合も、大きな災害が起こりますとガス会社を超えて応援をするわけですけれども、そういうときにも全く同じように、外へ出す人と残る人、それが、残る人も適正配置であるし、外へ出る人も非常にそういう災害対応に役に立つ人が派遣できるという、そういう点では大きな人のプールの中でやらせていただいた方がより良い対応ができるというふうに考えています。
#38
○小林正夫君 次に、八木参考人にお尋ねいたします。
 電力の安定供給というのは、もう国民生活にとって不可欠なものでありますし、産業活動についてもこれまた不可欠なものです。ただ、現在、原子力発電が止まっている関係で、今九〇%以上の電気は火力の皆さんが頑張って電気をつくってくれているということになっています。そこの火力発電について少しお伺いをいたします。
 再生可能エネルギーの導入、またこれからも拡大されていくわけなんですが、再生可能エネルギー発電でつくった電気を送るということになり、その電気量が多くなると、火力の発電している、要は発電量を調整しなきゃいけないと。本来ならば、火力発電も定格で発電するのが一番効率いいと思うんですが、再エネの電気を受け入れるために出力を低下させなきゃいけない、こういうような発電が今後もされていくんじゃないかと思うんですけれども、低出力で火力発電を運転するときの課題は何なんでしょうか、教えてください。
#39
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 先生御指摘のように、太陽光とか風力発電というのは気象条件によって変動いたしますので、出力が出ているときは当然のことながら供給力を、電気を賄っていますので火力を下げておいて、太陽に陰りが出ると足らなくなるので火力で持ち上げると。
 つまり、そういうことで、火力電源というのは非常に変動に対応できる電源でもありますし、逆に言うと、変動に対応する電源としての役割がこれからどんどん出てくるということになります。
 そういたしますと、調整電源として、先生がおっしゃったように、普通の電源というのは定格の出力で運転するところが最も効率的な運転になっているはずでございますので、それをわざわざ低出力で運転しているということにおきますと、これはやっぱり発電効率が低下いたします。それから、場合によっては、発電機を停止したり、あるいは起動回数とかそういうことが増加するおそれがありますので、ある意味では費用的な問題、つまり発電効率が低下することによって燃料費の増とか、それから起動回数に伴う手間暇が掛かる、場合によってはそういう起動回数を多くすることによって設備のいわゆるトラブルリスクも増えてくるんじゃないかというふうに思っております。
 そういったことで、こういった費用については、これは発電コスト検証ワーキングの中である一定の条件を置いて試算が行われているというふうに私も承知しております。
 したがって、こういうコストというのが、太陽光そのものを入れることによる賦課金のみならず、こうした系統安定のために掛かってくる余分な費用、これをどう負担していただくかと、言わば負担の在り方という問題が出てきますので、今進めていただいている賦課金プラスこういう系統安定化費用の負担の在り方についても、今後是非いろいろ検討を進めていただきたいなというふうに思っております。
 以上でございます。
#40
○小林正夫君 杉本参考人にお伺いします。
 先ほどガスの事業に対してるる説明を受けまして勉強になりました。ちょっと視点変わるんですけれども、電力の再生可能エネルギーの太陽光の受入れと、多分、今賦課金で、電気料金に賦課金として料金が上乗せされているんだと思うんですけれども、このことに対して消費者の皆さんはどのように考えているんでしょうか。
 要は、太陽光の拡大とそれに伴って電気料金が賦課金として上がっていく、こういう実態があるわけなんですけれども、このことについて何か御所見があればお伺いしたいと思います。
#41
○参考人(杉本まさ子君) 賦課金は今いろいろな負担になってはいますけれども、やはり自然エネルギー、再生エネルギーを使っていくためには多少の負担は仕方がないんではないかというふうに思っています。
#42
○小林正夫君 ありがとうございました。
 八木参考人にもう一点お伺いいたします。
 第二弾の電力システム改革で、来年の四月を目途に小売の全面自由化がスタートするということが、法律的にはそのように確認されました。それで、現在、送配電分離をするかしないか、こういう法案が今提出されまして、まだ決定ではありませんけれども、この内容でいくと二〇二〇年の四月一日に送配電が分離されるということになります。
 両方とも大事なことは、システム改革を進めるに当たっていろんな課題がきちんと整備されて解決されて例えば小売全面自由化を迎えるとか、二〇二〇年の四月一日から送配電分離をスタートするとか、そこには幾つかの私、課題があるんだと思いますね。
 そういう意味で、来年の小売全面自由化についてどういう課題があるのか、それと、二〇二〇年四月一日の送配電分離をするに当たってどういう課題を解決していかなきゃいけないのか、この辺についてどのようにお考えになっているか、お聞きをいたします。
#43
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 今般の電力システム改革というのは、やっぱり真に国民の皆様の利益につながると、こういうことであるべきだと私ども思っております。
 そういう意味で、まず最初に第三段階の発送電分離について、先ほどの私の冒頭陳述でも三つの課題ということを申し上げさせていただきました。安定供給の仕組み、ルールの整備と、電力需給状況の改善、それから原子力事業環境の整備。これは是非、第三段階の発送電分離を実施する場合には、ここをきちっとその対策が取れているかどうか確実に検証していただきたいなと。万が一そこで不都合な問題があるならば、柔軟な改革を進めていただきたいというのがまず一点でございます。
 来年の小売の全面自由化となると、もう余り時間がないわけでございますが、この第二段階の小売の全面自由化においても先ほどの三つの問題というのはあるわけですが、具体的には、例えば原子力の事業環境整備というのは来年の自由化までにというのは多分時間的にも無理だと思いますが、私どもとしては、新たな国策民営の在り方を御検討いただきたいと申し上げていますので、例えばそういった制度の方向性みたいなのが来年の自由化までに出されていれば、実際の制度そのものができるのは第三段階のときでもいいと思いますが、まあ何か方向性が見えているのがいいかなと思っています。
 それから、電力の需給の改善というのは、これは非常に難しいところでありまして、実際、我々は原子力プラントの再稼働に全力を尽くしておりまして、これが需給改善に大きな影響を与えると思っていますが、じゃ具体的に何台動いたらいいかというのはなかなか難しい問題でございます。
 したがいまして、この辺のところは、今後政府と私ども、いろいろとお話をさせていただきながら、実際、再稼働の、いわゆるどういいますか、状況というのがどういう状況になっているのかとか、あるいはこうしたことでお客様に悪い影響がないのかどうかと、そういったことを慎重に多面的に検証して、是非その状況を判断するという場をつくっていただいて、全員で、この状況なら、需給の改善としてはこの程度なら当面、進行の途中ですけれども、これぐらいならいいだろうという、そういう判断が是非できるようにしていただきたいなと思っております。
#44
○小林正夫君 辻参考人にお聞きいたします。
 安全は全てに優先する、私も長年インフラの仕事をやってきましたけれども、もうこれは大基本だと思います。
 それで、導管分離することによって、今までは一貫体制の中でやってきたものが、仕事が別会社でやってもらうということだとかいろんな形ができちゃうわけなんですが、そことの連携を、先ほど尾崎参考人もおっしゃいましたけれども、大変必要だという、こういう認識だと思います。
 働いている人から見ると、この作業安全確保のために今回の導管分離に当たって政府に何をやっておいてもらいたいのか、どういうことをきちんと環境整備しておいてもらいたいのか、そういう点があればちょっとお聞きをいたします。
#45
○参考人(辻英人君) ありがとうございます。
 今先生御指摘のとおり、作業安全というのはやはりお客様の安全を守る大前提だというふうに思っております。
 先ほど来申し上げているとおり、特に法的分離後の連携、あるいはその以前の、小売全面自由化における新規参入の方との連携の枠組みというのは、まだ詳細はこれからということでございますので、その中身を見てみないと一体どういうことが起きるのかということも我々は実は余りまだ分かりません。
 したがって、そういった制度設計において、本当にこういう場合はどうなんだというようなところも含めてしっかり現場の声も聞いていただいて、これならいけるというような自信が持てるような制度設計を是非していただきたいなというふうに思っております。
#46
○小林正夫君 岸本参考人にもお聞きしますけれども、やはり電力も送配電分離になって、送配電部門が別会社になります。したがって、今までの一貫体制と違って、今度は発電事業の人とか小売事業の人と緊密に連携を取っていかないと、実際に送電設備を触って工事やる人たちから見ると非常に安全作業について不安が出てくると、このように思いますけれども、この作業安全確保のためにどのような対策が労働組合としては必要と思っているのか、その点についてお聞きをいたします。
#47
○参考人(岸本薫君) 御質問ありがとうございます。岸本でございます。
 今ございましたように、中立性を確保していくということで組織をセパレートしていくわけでございますので、そのことによって生じる、いわゆる結果する不効率性であったり、あるいは連携不足によって、作業安全、設備安全に結果として影響が出て、そのことで安定供給に支障が生じるような改革は私はあってはならないというふうに思っています。
 例えば、点検で設備を止めるあるいは設備を生かすといいますか通電をするという、そういうケースがありますが、送電と発電とのやり取り、今日的に言いますと、それは給電指令所を介して運営をされているわけでありますが、ある意味そういう運営も、大きくは運営自身は変わらないのではなかろうかというふうに思っていますが、いずれにいたしましても、新規の発電事業者がたくさん参入される可能性があるわけでございますので、そういう場合の通常の運営ルールをきちっとお互いが共有化しておく必要がある。
 特に、とりわけ大災害がこの頃頻発しているわけでありますから、大災害のときにおいては、通常のルールにより得ない中で、それぞれの事業者、送電側それから発電側も含めてでありますけれども、全ての、日本全国の電力産業に従事をする方々が安全を確保しながらきちっと設備を早期に復旧をしていく、そのためには、これもこれからだというふうに私は思っていますけれども、現場においては、今分社化していくということについての不安はありますが、現場レベルにおいては、これからその設計に基づいた運営についての今後説明とかそういう連携が始まってまいるというふうに思っておりますので、そういう過程において、現場で、これではやっぱり危険じゃないかと、設備がパンクしてしまうよというような声があるとするならば、是非働く現場の仲間の意見をそういう詳細設計制度の中でも当て込みを、是非反映いただけるような、そういう要望をお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
#48
○小林正夫君 今、ガスと電力の組合の委員長の立場から、やはり分離された後、関係する事業者との連携協調をどうしていくのか、この仕組みをしっかりつくっていけと、こういうことだと私は受け止めましたので、今後の審議の中でそういう点についても扱っていきたい、このように思います。
 もう一点、岸本参考人にお聞きしますけれども、スト規制法について組合の考え方が先ほど示されました。私もいろいろ組合活動も経験してきましたけれども、来年の四月から小売が全面自由化になってきますので、今までの電力の労使交渉とは様変わりしてくるかなと、こんなような感じがいたします。それぞれの地域で小売をやってきたのが全面自由化になりますから、競争というこういう時代に電力も入ってくるので、私は労使交渉にも相当何か変化が及ぼしてくるかなと、こんなような感じがいたします。
 そこで、電力労働者に憲法二十八条で保障されている労働基本権が平等に与えられていないと、なおかつ、電気事業には労働関係調整法上の公益事業規制も課せられている。そういう中で、スト規制法の撤廃がまだ今日できていないし、今回の労働政策審議会の中でも当面は存続するという、こういう結論が出てしまったということなんですが、この辺について組合員はどのように受け止めているんでしょうか、お聞きをいたします。
#49
○参考人(岸本薫君) この課題は、昭和二十年代後半からの私ども電力労働者に関わる大変大きなテーマとして、職場とも連携を密にしながら対応してきた、そういう経過にあります。
 その一方では、今、原子力の稼働の問題であったり改革の問題であったり、様々な課題が惹起をいたしていますので、そういう中での一つの大きなテーマとして存在をしていることは事実でございますが、今先生御指摘ありましたように、これから大競争の中で一層の効率化が始まっていく、コストあるいは品質の競争強化のために従業員も対応していかなければならない、場合によっては不効率な火力発電所あるいは設備を止めていかなければならない。そのときに、いわゆる自分たちの雇用はどうなるんだと、そのこととの関連の中で、このスト規制法の取扱いについては電力の現場の皆さん方は非常に関心を持っている、持ちながらこの国会の状況の審議を見ているということだというふうに私受け止めています。
#50
○小林正夫君 これで質問を終わります。ありがとうございました。
#51
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。よろしくお願いいたします。
 参考人の皆様には、今日は大変貴重な御意見を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。
 今回の法改正、国民の生活にも、また我が国の経済社会にも直接的な大きな変化となります重要な法案でございます。今後とも各参考人の皆様それぞれのお立場から御協力をいただければなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、私からは、ガスの保安につきまして、尾崎参考人、そして辻参考人にもお聞きしたいと思っております。
 今日も既に御意見の中にございましたけれども、今後、法的分離ということになった場合に、この保安につきまして、責任が導管事業者とまた小売と分けられるといいますか、責任の分担がなされると思います。消費者の皆さんが使う消費機器につきましては小売事業者の方で調査をしたりとか危険の周知を行う、また、実際にガス漏れが起きた、そうしたときの緊急保安というのは一般ガス導管事業者が行っていただくということで、その間の一層の連携、これからもしっかりと確保していただきたいなと思うわけでございます。
 この点につきまして、様々懸念の御意見もいただきました。実際に何かあったときに、これまで一体的にやってきていただいて、働く者の一体感ですとか、また肌感覚というものも非常に重要ではないかというお声もございまして、なるほど、そうだなというふうに思うところもございます。
 ただ、これまでも、例えばガス会社を超えて、いざというときには人材をやり取りしていただきましたりとか、それから、大きな都市ガス事業者では、ほかの部署、また協力企業、ほかのガス事業者の緊急保安業務従業者に対しても幅広く教育訓練を行ってきていただくと、こういったこともしていただいているということで、こうしたことを法的分離という形になった場合にも続けていただいて、一体性といいますか、連携を確保していただいていくということが可能なのかどうか。人事異動や兼職が禁止されるという場合になると、なかなか適切な人材の確保ができないんじゃないかという御懸念がございましたので、こうしたこれまでの取組について、今後法的分離となった場合に、これだけでは足りないのか、こうしていった方がいいとか、具体的なことがございましたら、それぞれのお立場から教えていただきたいと思います。
#52
○参考人(尾崎裕君) 御質問ありがとうございます。
 日本のガス事業の一番の特徴として、やはりガス供給者がお客様の器具、お客様の設備でありますいわゆる内管という建物の中にあるガスパイプ、それから、その先につながっていますガス器具、これは全てではありませんけれども、それに対しても一応保安の責任を負っているという、そういうことが先ほどの図にもありましたように欧米と違うところでありまして、結果として、事故率でいいますと、約一桁、十分の一ぐらい欧米よりも少ないという統計が出ているところです。
 今やっていますガス事業者としましては、これは是非維持したい、維持しなきゃいけないというふうに思っていまして、そういうために、今後想定されます自由化並びに法的分離のときも、そういう企業間又はいわゆる部門間の壁を乗り越えてお互いに一緒に働けるそういう環境をつくる、それから情報の交換を円滑にしていくという、そういうことが必要だというふうに思います。
 そのためには、多分そういう複数の部門又は会社のガバナンスをどうするかというのは今後の制度の設計の中で考えていかなきゃいけない。それは、平常時、常に日常的に点検するときにどういう役割分担をするのか、それから、何か起こったときにどういう役割分担をするのかということを取決めしなきゃいけないと。
 それからさらに、緊急時、この緊急時には一応導管事業者が出動するということになりますけれども、その後どうするんだということも決めなきゃいけないと。だから、ガバナンスを決めていかなきゃいけない。
 それから、そういう体制を取ることによって当然コストが掛かるわけですけれども、そのコスト負担もどういうふうに切り分けていくのかということも決めていかなきゃいけないというふうに思います。
 今は一つの会社が全て見ていますので、そういうところはもちろん全てまとめてどうだという評価をしているんですけれども、今後切り分けていくと、やはりガバナンスとコストというのをきちっと機能する形で、しかも抜け漏れがないような、そういう形で制度をつくっていかなきゃいけないというふうに思います。それは、我々としてもしっかりと考えてやっていきたいというふうに思っています。
 以上です。
#53
○参考人(辻英人君) ありがとうございます。
 先ほどの説明と少し繰り返しになるところもあるかもしれませんが、やはり、まず様々な部門で複数のいろんな経験を積むことがいざというときの対応力に直結するということで、まずは人事等の面において過度な行為規制にはならないようにしていただきたいということが一つございます。
 加えて、先ほどの説明にもさせていただいたとおり、特に大規模災害の例を取りますと、初動対応をいかに迅速にやるかというのが鍵になります。初動対応というのは、非常にいろんな人間を瞬時に集めなきゃいけませんけれども、そのときの出動基準だとか、そういったものも一体どうなるのか、それから誰の指揮命令系統の中で動くのかというようなことも多分これから詰めなきゃいけないというふうに思いますので、いろいろ定期的な訓練だとかこれからしていくというふうには思いますけれども、そういったものも含めて、十分制度設計に反映していただきたいというふうに思います。
 それから、我々の感覚としては、やはり緊急の現場ですと、なかなかこういう仕組みをつくっておけば全てうまくいくということはやっぱりないというふうに思います。やはりその現場現場で臨機応変に対応してきたというのが過去の歴史でありまして、そういった中では、長年培ってきた保安マインドとか、いろいろ困っている部署があればそれを助け合うだとか、そういったものはやはり同じ会社であればこそ今まではできてきたということだと思います。仮に分離がされる場合にも、そういったものをいかに担保していくかというのは非常に大きな課題だというふうに思っております。
 以上でございます。
#54
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 何か災害などがあった場合に、法的分離となった場合にどのように保安の点で連携をしていくかということは、電気の場合にも同じようなことが言えるかと思います。
 電力の場合には、一般送配電事業者が需要家の方のおうちにあるメーターですとかブレーカーというものも保有をして維持、運用を実施するというところでガスとは少し違うところもありますけれども、何かあったときに発電側と送電側の連携、非常に重要でございますし、また今後、小売自由化でいろんな小売業者が参入してくるとなりますと、お客様といいますか需要家の方が、消費者の方が直接連絡をよく取るのは小売事業者さんですので、そことの連携ということも重要になってくるかと思います。
 そうした点につきまして、八木参考人と岸本参考人に、それぞれのお立場からお伺いしたいと思います。
#55
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 この災害時の電力復旧といいますか、これは非常に重要でありまして、この法的分離が実施されてもこれをきちっとやるということが大事であります。またそして、これから多くの新規事業者も参入してくる中でこれを確実にやるということが大事であると、御指摘のとおりだと思います。
 一つは、まずルール化という面で、緊急時、災害時の対応という面で、実は今、電力広域的運営推進機関というのが設置されておりまして、一応ここに全ての電気事業者が会員として加入すると。そうした中で、この会員というのは、他の会員等と連携して、電力設備の被害が出たときとか、それから停電の復旧、あるいは需給状況が悪化したり逼迫したりと、こうしたことを改善するときに協力しなければならないと一応ルール付けがされています。したがって、一応会員としてはこのルールに基づいて行動するという約束がまずあります。
 しかし、大事なことは、災害時に本当にこのルールにのっとって各事業者が実効的な行動ができるかと、ここがポイントだと思っています。
 したがって、こういうことをするためには日頃からのいわゆる備えというのが非常に大事でありまして、例えば災害対応をするときにいろんな資機材をやっぱり融通するというようなことも必要でありますので、そうした設備の保有状況を確実に各事業者が情報提供し、確認しておいて、いざというときに慌てないようにするとか、あるいは訓練を行うことによって、非常時のいわゆる復旧訓練を例えば我々の一般電気事業者と新たに参入する事業者とかが一緒になってその対応能力を高めると、これを常日頃からやっておく必要があるんじゃないかと思っています。
 したがって、逆に言うと、こうしたことが確実に機能するかということをきちっと確認しておかないと、実際の発送電分離をしてしまったときに、法的分離してしまったときに安定供給が阻害されることになりますので、我々としてはそういった努力を是非ともしっかりとこれからやっていきますが、そうしたことをしっかりとやはり国としても検証をしていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#56
○参考人(岸本薫君) 岸本です。御質問ありがとうございます。
 通常、今の一貫体制の中の運営で少し分かりやすく申し上げますと、発電の上流があって、送配電の中流があって、お客様に接する配電であったり営業、下流という言い方はふさわしくありませんが、今一体運営でやっていますので、火力の職場の者が営業所の常にお客様と接する関係にありますので、間接的にお客様の気持ちが分かったり、お客様の言いたいことが発電所の仲間にも分かると、こういう関係の中で運営ができている。
 そのことがこれからセパレートしていくわけでありますので、時間がたつにつれて、発電部門は発電部門のことだけ、あるいは送電の部門は送電部門のことだけということにならないように、先ほどお話が出てございますように、広域運用機関などの場におけるそういう連携強化であったりということを通じながら、一般電気事業者、さらにはこれからたくさんの事業者が出ていらっしゃると思いますので、面的に全体の事業者全てにおいて意思統一を図っていく、そのことが結果として災害の対応にもプラスに作用するんではなかろうかというふうに思います。
 以上です。
#57
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 次に、八木参考人と尾崎参考人にお聞きしたいと思います。
 自由化が進みまして、これからいろいろな料金プランですとかメニューが増えてくるのではないかと思います。そこが一つの今回の改革の狙いでもあるわけですけれども、ほかのサービスとのセット割ですとか、契約内容が複雑化していきますと、需要家にとっては少し分かりにくい、また選択が難しいと、こういう心配もございます。
 高齢化社会の中でお年寄りの方も多くなってまいりますし、情報が不足する需要家に不利にならないように適切な運用が重要だなというふうに思っているんですけれども、こうした消費者、需要家に対するサービスの提供の仕方というところについてはどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#58
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 御指摘のように、自由化というのはお客様がいろいろと自由に選択できるということでございますので、我々事業者側からすると、料金プランを多様化して、そこに我々民間事業者として創意工夫を凝らすと、こういう行動に多分出ていくと思いますし、ある意味では、それはお客様の選択肢が拡大するということはお客様にとっても有意義なことになるというふうに思っています。
 ただし、一方で、先生御指摘のように、これは欧米の自由化の先行国では逆に膨大な料金メニューがあることによってお客様が混乱しているという、そういう事例もあるというふうに伺っておりますので、御指摘のように、お客様にとっての分かりやすさ、ここがやっぱり大事じゃないかと思っています。
 ですから、我々としては料金プランを作るときにはお客様のどういうニーズがあるかということを、そういうことをしっかりと見付けるといいますか、確認しながら、そしてお客様にとって利便性のあるものでないといけない、そしてやっぱり分かりやすさと、こういうことを念頭に置きながら料金プランは検討していかないといけないと思っています。逆に言うと、そういうプランを作っていくことがある意味ではお客様から選ばれる事業者にもなるというふうにも思っております。
 したがいまして、そういうプランの設定についてはそういう考え方を取りたいと思いますし、逆にまた、料金プランをしっかりとお客様に説明をしていくという、そういう中でのお客様への御説明方法、例えばツールも含めて、そうしたことの工夫を凝らして、やっぱり丁寧な説明を心掛けていかなければならないかなと。我々としては、やっぱりこれからの競争の中では私たちの電気をお使いいただきたい、そういうお客様に私たちを選んでいただきたいと、そう思いますので、御指摘のような観点を十分念頭に置きながら、今後検討してまいりたいと思っております。
#59
○参考人(尾崎裕君) 御指摘ありがとうございます。
 これからどういうふうな料金メニューを作っていくかということは、エネルギー供給者の非常に大きな課題だというふうに思います。ただ、エネルギーの場合、特に家庭用の場合に限っていいますと、かなり生活に密着しているといいますか、生活パターンに応じてエネルギーが使われているというふうに考えています。
 したがって、過去のエネルギーの利用パターンというのを見て、そしてそれがどういうふうな料金メニューにすればお客様にとって魅力的な、経済的な、使いやすいそういうメニューにできるかというのは、十分データを集めていけば設計できるというふうに思いますので、決して、どういうんですか、やみくもにいろんなメニューを作って非常に選択を難しくするというアプローチじゃなくて、例えば過去一年、過去三年、季節別にこういう使い方をされているというのであれば、そうしたらこういうメニューを御提供すれば喜ばれるんじゃないかというようなことが我々としては提供できるというふうに思います。
 ほかのものと違って、やはり電気もガスも、多分生活が大幅に変わらない限り、又は家族構成が大きく変わらない限り、結構ある程度の一定のパターンで使われるというふうに思いますので、そういう点では、いろいろなことを調べて、それぞれのお客様にふさわしいメニューというのを作っていきたいというふうに思います。
 以上です。
#60
○佐々木さやか君 時間が少しありますので、最後に杉本参考人に、消費者側の視点から、今の話題について、料金プランが増えていくであろうと思われますけれども、お話の中では、書面交付義務もあるし、また取引監視等委員会による監視制度もあって安心ができますというふうに評価をしていただいていますけれども、もし課題に思っていらっしゃるところですとか心配なところがあれば教えていただきたいと思います。
#61
○参考人(杉本まさ子君) 先ほども電力会社、ガス会社からの参考人からお話がありましたように、メニューの多様化ということはいいようなふうにも見えますけれども、例えば通信と電気とガスとかと一緒になったりすると料金の中身も見えなくなるとか、それから選ぶのにはどうしたらいいかというのはすごく消費者としては迷うところだと思うんですね。
 ですから、そこら辺を分かりやすくということと、それから契約時には書面交付ということになっていますけれども、事業者が守らなければそれも何にもならないわけでして、ちゃんとした説明、その家庭に合うようなメニューを紹介して、それでちゃんとした正確な説明が必要だというふうに思っています。
 やはり、交渉力というのは消費者によっても差がありますから、いろんなことを聞いていって自分に合ったものを選ぶといったこともありますけれども、高齢者ですとかは勧められるがままに料金設定を選んでしまって、後から困っても解約がなかなかできないというような状況では困るので、相談できるような場所も考えていただきたいというふうに思っています。
#62
○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございます。
#63
○東徹君 維新の党の東徹でございます。
 本日は、六人の参考人の方にお越しいただきましてありがとうございます。皆さんにお聞きしたいところでありますが、時間の関係で偏ってしまいますが、お許しいただきたいと思います。
 まず、私も、今回の法改正でありますけれども、電力市場の基盤インフラであります送配電ネットワーク、これを発電、小売から分離していって、そして誰もが公平にアクセスできるようにしていく、そして競争的でダイナミックなエネルギー市場をつくり上げていく、そして低廉で安定した電力供給、これを実現していくということで、この方針には賛成をしております。
 大事なことは、安定供給も非常に大事だと思うんですが、もう一つは、料金を最大限抑制していくということで、消費者利益の向上、これを目指していくということも、非常にこれも大きな観点だというふうに思っております。
 ただ、そんな中で、これからの地球温暖化ガス、こういったことにもやっぱり配慮していかないといけない、そしてまた、エネルギーミックスとの関係、こういったことにもやはり大きく関係してくるというような中で、一点、まず八木参考人からお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、今回のエネルギーミックスにおける原子力発電、これが二〇から二二%ということが、二〇三〇年に、示されておりますけれども、まず、この数字についてどのように思われるのか、御感想をお聞きしたいと思います。
#64
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 今回のエネルギーミックスは、まず全体として、特定の電源とか燃料源に過度に依存しない非常にバランスの取れた電源構成の案が示されたというふうに思っております。そういう意味で、原子力、それぞれの比率が非常にバランスの取れた感じだというふうに私は理解しております。
 具体的に二〇から二二という数字の妥当性について特にちょっとコメントは差し控えさせていただきますが、今般、ある意味では、原子力のそういう一定規模を確保するという、規模が明示されたということは、私は大変意義があるというふうに思っております。
 これはどういうことかといいますと、原子力というのはエネルギー基本計画の中でベースロード電源として活用していくということがうたわれているわけでありまして、これを活用していくに当たっては、やはり安全の確保をきちっとするということ、そのためにはやっぱり技術、人材がきちっと維持されていくと、こういうことが大事であると思っています。
 そういった観点からも、やはり原子力というのが将来にわたって一定規模を確保されているということは、そういう技術、人材基盤の確保、安全の確保にもつながるということになってきますので、私としては、この確保すべき一定の規模が明示されたということが大変意義のあるというふうに理解をいたしております。
 以上でございます。
#65
○東徹君 続けてお聞きしたいんですが、そうなってきた場合に、今は原発が動いていない状況なわけですけれども、これは原発が二〇から二二%、こう動き出す中で、ダイナミックなイノベーションというのが本当に起こるのかなというふうにも思っておるんですが、この点についてはどのようにお考えになられますか。
#66
○参考人(八木誠君) イノベーションというのが、別にミックスの世界でイノベーションということよりも、むしろ私は先生の御質問を御理解するとすれば、今回の電力システム改革というのによって、これは電力だけではなくガスや事業、こういったものを、制度改革を一体的に進めて総合エネルギー市場をつくり上げていくと、こういう改革になっておりますので、こういう世界において、やっぱりエネルギー間の垣根を越えて、我々がお客様に電気だけじゃなくガスも含めてベストなエネルギーを提供していくと、そういうメニューを御提供したり、あるいはスマートメーターを活用して多様なサービスを展開していく中にそういうイノベーションが働くのではないかと思っておりまして、電源という意味におきましてはこのエネルギーミックスを着実に実現していくということが大事でありますけれども、イノベーションという意味では、この自由化という絡みの中でそういったところに我々は取り組んでいきたいなと思っております。
#67
○東徹君 原発についてでありますけれども、これは一旦事故が発生すると、これは広範囲に回復不可能な甚大な被害が想定もされるわけでありまして、その中で非常に大きな問題は、使用済核燃料の最終処分方法、これがなかなかやっぱり確立しないという現状があるわけですけれども、そんな中で原発に頼るというのはいかがなものなのかなというふうに思うんですが、その点についてはどのようにお考えになられますか。
#68
○参考人(八木誠君) まず、原子力発電というのは、私ども、理解といたしまして、これ国もエネルギー基本計画の中で定められておりますが、やはり三つのEという面において大変重要な役割をする電源であるということ。しかも、エネルギー供給計画のこの電力供給の中で、いわゆる重要なベースロード電源として活用すると。そして、今般のエネルギーミックスの中で、バランスの取れた電源構成の中で原子力の一定規模の比率が示されたと。こうした国の基本的な方策が示されましたので、私どもといたしましては、こうした国の基本的な原子力政策に基づき、民間事業者としてこうしたことをやっぱりきちっとやってまいりたいと思っております。
 そうした中で、御指摘のように最終処分を含めたいろいろ課題があるのも当然でございますが、これも、最終処分につきましても、今般、国の方が基本的な方針を出していただき、国が前面に立って取組を進めていく中で、私ども、これは廃棄物を発生する事業者の立場として、これは我々の基本的な責務を果たすということが大事であると思っておりますので、国、それからNUMOという団体、それと我々事業者がそれぞれの役割をきっちり果たして、原子力発電及びこうしたサイクル事業が確実に推進できるような役割を果たしてまいりたいというふうに思っております。
#69
○東徹君 役割というのは、もう少し具体的に御説明していただければ有り難いんですが。
#70
○参考人(八木誠君) まず、原子力発電のフロント側につきましては、私どもとしては、やはり当面、今現在プラントの再稼働に取り組んでおりますが、この原子力発電所の安全対策を、これ新規制基準にとらわれず、安全に終わりはないという覚悟で今後とも自主的、継続的に安全対策をしっかりとやることによって、安全が確認された原子力プラントを再稼働させて、安全運転をして、いわゆる三つのEという面に貢献していくと、こういうことが一つでございます。
 それから、バックエンドにおきましては、特に最終処分の問題につきましては、私どもは、国の基本的な、前面に立って、今回方針が示されましたが、私どもはどちらかというと地元に根付いてこれまでもいろいろと地域の皆様との間の共生活動あるいは原子力の理解活動を進めてまいりましたので、我々事業者は地域に根差した活動をやってまいっておりますので、そうした理解活動、今般の国の方針を受けて、我々として、最終処分の理解活動、更に積極的に取り組んでいくことによって全体として処分場の御理解が進むような役割を果たしたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#71
○東徹君 これはちょっと関西電力の話になるんですが、平成二十五年五月から僅か二年の間に二度の大幅な電気料金値上げを実施するということになっておるんですけれども、私はこれ、需要家に対して説明は不十分だというふうに思っております。そういった電気料金を上げていくための説明責任とか、そしてまた、需要家にこうやって会社の経営のコストを削減していっているんですよというような説明責任、こういったことをしっかりと果たしていくべきだというふうに思っておるんですが、そういったいろんな情報に対する開示、こういったことについてどのようにお考えでしょうか。
#72
○参考人(八木誠君) 関西電力の社長という立場でお答えを申し上げたいと思いますが。
 まず、この度、二度目の料金の値上げによって、国民の生活それから産業活動に多大なる御負担をお掛けすることになったことは大変申し訳なく思っておりまして、おわびを申し上げたいと思います。
 今般の料金の値上げは、御案内のとおり、原子力プラントが停止していることによる火力燃料費の費用が増加することに対して、私どもとしては、最大限の経営効率化を行った上でもなおかつまだ厳しいということで、やはり電力の安全、安定供給という責務を果たす上で断腸の思いで料金の値上げをお願いしたところでございます。
 先生御指摘のように、今回の料金の認可に当たりましては、需要家の皆様始め企業の皆様から大変厳しいお言葉をいただきまして、都度、私どもとしては、お客様に御訪問したりあるいはいろんな説明会等々で、誠心誠意、その料金の値上げに至った背景、それから料金の内容、それから今般、お客様のいささかでも御負担を軽減させていただくために、軽減措置ということで、夏場の料金を少し軽減させていただく措置なども、これは当然のことながら更なる私どもの経営効率化を深掘りした原資をそれに充当させていただいたわけですが、こうした説明の努力を積み重ねてきたつもりでございます。
 しかし、先生の御指摘が、まだそういう御指摘があることも承知しております。引き続き、全社員が、お客様に御理解を賜れるように、しっかりと説明に努めてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#73
○東徹君 過度に原子力発電に依存してきた、そういう経営の見通しの甘さがあったのではないのかなというふうに思うんですけれども、そんな中で、私として、今後料金を最大限抑制していく、消費者利益の向上を是非とも目指していっていただきたいと思っておるんですが。
 ただ、そんな中で、再生エネルギーの大規模導入とか天然ガスの火力発電所の新増設、そして私、石油火力発電については、これはコストが高いわけですよね、発電のコストが。そして、CO2の排出でいうと、これはガスよりも高いわけでありまして、これは、石油火力発電というのは将来的に、将来的にというか、早急にできるだけゼロに近づけていくべきというふうに考えておるんですが、その点についていかがでしょうか。
#74
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 電力の安定供給をする上での電源構成の在り方ということにつきましては、まずは今般、国の方におかれまして二〇三〇年のエネルギーミックスの姿がお示しなされました。基本的には、我々事業者としては、このミックスを実現していくためにそれぞれの各社が最適な電源構成を形成しながらSプラス3Eに貢献していくと、基本スタンスであると思っております。
 そうした中で、先生御指摘のように、まず、やはり特定の例えば燃料源、特定の電源に過度に依存しないということが、我が国の、日本のエネルギーのいわゆる自給率が少ないという特殊性から見ますと、そういうリスクという面ではやっぱりバランスよく構成するということが基本的には必要であるというふうに思っております。したがって、全く石油火力をゼロにしていくということについては、全体のバランスを考えながらだと思いますが、先生が御指摘のように、ただ、その中でいかにいわゆるエネルギーミックスを達成しながら経済性の高い電源構成にしていくかと、こういうことだと思います。
 そういう意味では、少し、石油の非常に経済性の悪いものを経済性のいい燃料転換をしていく方向性については、これはもう私は否定するものではございませんが、全体として、最適な電源構成の下でお客様にとっていかに電気料金が安くなる、そういう構成をやっぱり意識しながら、一方で環境問題、それからセキュリティーと、このバランスを組みながら今後検討していかなければならないのかなというふうに思っているところでございます。
#75
○東徹君 ありがとうございます。
 では、続きまして尾崎参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。
 私は、ガスにつきましては、これは電気より熱効率に関してはいいというふうに思っていまして、これも大事なエネルギー源だというふうに思っておるんですけれども、これから仮に原子力発電所が再稼働していく中で、エネルギーミックスでいうと二〇三〇年、二〇から二二%と、こうなっていく中で、恐らく電気事業者さんも、今でも結構販売されているとは思うんですが、オール電化、こういったこともかなり進めていくんだろうなというふうに思っているわけですけれども、そんな中で、ガスの将来性というのがどうなのかなというふうに思っておりまして、特にガスの導管、新しくこれが本当に延びていくのかなというふうに思ったりはしているんですが、その点についてはいかがなんでしょうか。
#76
○参考人(尾崎裕君) ありがとうございます。
 いわゆる家庭用を含めて最終マーケットでの電力エネルギーとの競争というのは今までもずっとやってきましたし、これからも同じようなことが起こるというふうに思います。ただ、今までと違うのは、多分、今まではガスはガス会社、電気は電力会社が売っていましたが、今度はガスも電力会社、電気もガス会社という形で、そういう複雑な競争関係にあるという点では少し今までとの競合の度合いが変わってくる可能性はあるというふうに思っています。
 そういう中で、ガス会社としては、やはりガスを更に使っていただくために、またエネルギーの基本計画の中でも、ガスを伸ばしていこう、ガスシフトをしていこうというようなことを書かれておりますので、それに応じたインフラの整備、それからガスの用途開発というのはこれからもやっていきたいというふうに思います。また、今回のシステム改革でも、そういうことが継続できるようなそういう改革にしていっていただきたいというふうに考えているところです。
 まだまだ都市ガスといいますか天然ガスをお使いいただけるけれども、一つはインフラがない、一つは適当な設備がない、そして一つはやはりまだまだ競争力を改善しなきゃいけないというようなことで使っていただけていない、そういうお客様もたくさんいらっしゃいますので、それはそれぞれが、我々も一生懸命その効率的な供給、それからインフラを更に整備することということを重点的に考えて、将来的にはさらに、インフラを伸ばすだけではなくて、いわゆるスマートコミュニティーというような形で、今あるお客様のシステムも変えていきながら、新たな効率的なエネルギー利用と天然ガスの利用拡大というのをやっていきたいというふうに思います。
#77
○東徹君 ありがとうございます。
 今日、尾崎参考人の方からいただいた資料の十二ページに、天然ガスの普及ポテンシャルというところがあるんですが、二〇三〇年に向けた取組というところで、コージェネレーションが今の四百八十二万キロワットから六倍の三千万キロワット、家庭用燃料電池、今は四万台から百三十倍の五百三十万台というふうなことになっているんですけれども、これは今の現状の制度でもってこれだけ達成できますよというふうに思ってよろしいんでしょうか。
#78
○参考人(尾崎裕君) 今のこのままでできるかというと、若干難しいかなと、チャレンジが幾つもあるなというふうに思います。
 例えば、今おっしゃいました家庭用の燃料電池四万台というふうになっていますが、現在はもう十二、三万台まで行っているというふうに思います。これは政府の方でも一応ロードマップをつくっていただいて、そして二〇三〇年には五百三十万台普及するんだというような形でいろいろな補助といいますか、援助、支援をいただいているということですので、こういうことについては更に技術開発を進めて、コストダウンをして達成したいというふうに思っております。
 コージェネレーションにつきましても、先ほど柏木先生の方からもおっしゃいましたけれども、いわゆる分散型のエネルギーをもっともっと活用できるようなそういう制度、例えば電力をもっと融通できるようなそういう制度ができれば、そういう支援をいただければ、決して達成は不可能ではないというふうに考えています。
#79
○東徹君 尾崎参考人、最後にお聞きしたいんですが、今までもお話の中にあったかと思うんですが、ガスでは保安制度についても十分かつ慎重な検討が求められるというふうにこの二十一ページには書かれているんですけれども、もう少しこの辺の慎重な検討、保安制度について、特に大規模災害のときにおいては一体どうなのかというところをちょっと御説明いただければと思っております。
#80
○委員長(吉川沙織君) 恐れ入りますが、時間ですので端的に願います。
#81
○参考人(尾崎裕君) 先ほど言いましたように、本当に誰がどういう役割をやるかということを、しかも連携をきちっと取れているかということ、そのための情報交換、それから、やはりそういうことをやろうと思うとコストが掛かる部分があるけれども、そのコストをきちっと回収できるようなシステムになるか、すなわち、安かろう悪かろうというシステムにならないようにしなきゃいけないというふうに思っています。
#82
○東徹君 ありがとうございました。
#83
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 今日は参考人の皆さん、ありがとうございます。
 今もお話がありましたけれども、ガスについて私の方から杉本参考人と辻参考人にお伺いしたいと思うんです。
 私たちも委員会として視察に東京ガスに行かせていただきまして、保安体制の状況を見せていただいて、ああ、すごい規模で投資をして安全の確保に努力されているというところを目の当たりにもさせていただいたんですね。ガスはやっぱり安心して安全に使えるというこの安心感が本当に大事だと思うんですね。
 その上で、先ほど辻参考人のお話を聞いていても、導管部門の分離について非常に懸念が示されたというふうに思うんですね、保安を確保していくという上で。お話を伺って、伺えば伺うほど、まだこの保安体制どうしていくのかということは、まさにこれから検討することになっていて、固まっているものは何もないという状況にあるということもよく分かりました。
 とりわけお聞きしたいなと思うのは、大規模災害への対応ということで、一朝一夕にこの保安体制ができたものじゃないということを改めて視察の中で感じもしたんですけれども、どういうふうにこの保安体制、いざ大規模災害というときに対応できるような仕組みにつくられてきたのか。要は、一体となっていく、肌感覚ということもおっしゃったんだけど、現実にそれを実現するために、訓練等も含めて日常的な取組もあったろうと、積み重ねがあったろうと思うので、そこら辺、辻参考人についてはお聞きしたいなと。
 そういう努力のところを教えていただきたいと思うのと、杉本参考人には、家庭用需要家からこの保安について御意見を改めてお聞きしたいと思います。
#84
○参考人(辻英人君) ありがとうございます。
 先生御指摘のとおり、本当に安全第一というのは、特にガスの場合はそのとおりだというふうに思います。
 我々、例えば私の経験からいいますと、ガス事業に、会社に入社したその瞬間から、新人のときから、やはりガスは安全が第一ということで、それに関わる基礎的な訓練は受けてまいっております。それから、若いうちは特に現場に出まして、いろいろお客様の御要望なりニーズを保安面のサイドからもお聞きしながら、やり取りをすることでまたその経験値が上がってくる。さらには、これはまあ人によって違いますけれども、幾つかの部門をまたがったローテーションを組むことによって、いろんな角度からまた改めてお客様の安全を守るという切り口の要素を積み重ねてくるということ。それから、会社としては、当然定期的に防災訓練等も積み上げておりますので、おっしゃるとおり、一朝一夕にはいかない、長年の積み重ねでここまで来ているというふうに認識をしております。
#85
○参考人(杉本まさ子君) 私たち消費者に、需要家にとりましては、料金よりも何よりも安全が第一の希望です。
 それで、これを今まで導管事業者が家の中まで全部点検をして、一気に全部情報も持っていたわけですけれども、これが会社が分離してしまうと、先ほど辻参考人の方からも、働く者同士の一体感や気持ちの連携が重要という御発言もありましたけれども、例えば、今まで一緒に暮らしていた家族が、子供が成長して別に住んでしまった、コミュニケーションがなくなると、だんだん意思の疎通、うまくいかなくなるということもありますので、やはり電気と違って、広範囲の道路や敷地でのガス漏れによる二次被害が心配されますので、元のガス会社から分割した導管等工事事業者で、想定外が多い大震災の混乱時にうまく提携、機能するか、不安に感じています。でも、これは今後のガス小委員会の議論の方にお任せいたします。
#86
○倉林明子君 杉本参考人に続いて質問させていただきたいと思います。
 安全第一ということなんですけれども、消費者にとっては料金の問題も非常に大きいウエートを占めるかと思います。そういう観点から、届出制については駄目だということで明確な意思表示もされていたかと思うんですけれども、その理由について紹介していただければと思います。
#87
○参考人(杉本まさ子君) ちょっと昔のことで、済みません。
#88
○倉林明子君 昔のことになりましたか。
 料金についての御意見で結構です。
#89
○参考人(杉本まさ子君) 済みません、先に発言してしまって。
 料金は、やはり安くて安定的な供給というのがガスのもう一つの条件だと思っていますので、安い方がいいわけです。先ほどFITの負担金が高くてもいいというふうに申し上げましたけれども、やはりそれは消費者に納得のいく説明があってこそ支払に納得ができるんだと思うんです。ですから、ガスの方でも、やはり料金がどうして上がるのかということをちゃんと説明をしていただかないと納得ができないというふうに思っています。
#90
○倉林明子君 消費者の立場から、続きで杉本参考人、お願いしたいんですけれども、既にガスでいいますと自由化されているLPガスのところで詳細な資料も付けて御説明いただいたんですけれども、非常に相談件数等も多くて、今もいろんな問題あるんだということだったと思うんです。
 時間も短かったので、その部分、追加的に、資料の説明も含めてしていただければと思います。
#91
○参考人(杉本まさ子君) LPガスはもう既に自由化されていまして、この自由化が皆さんの納得いくようなことで行われていればそれがお手本に、今回の都市ガスの自由化にもお手本になったと思うんですけれども、とても先ほどの資料にありますように苦情も多いですし、何千件という、二千何百件という苦情があります。
 それで、いろいろな形の販売方法があって、例えば、委員会の中でも紹介されていたように、アパートなんかの建設時に、全部のところにエアコンを付けるからそのガス事業者からということで勧誘しているとか、それは、でも、それだけではなくて、後に支払うのは消費者なんですね、料金が高くなってくるわけですから、それを払うのは消費者なので、そういう売り方もあったりとかということで苦情が多発しているというふうに思います。
#92
○倉林明子君 ありがとうございます。
 八木参考人に伺いたいと思います。
 今回の意見陳述の中でも述べられておりましたところと、今回の電事法の改正の中でも指摘させていただいていたところでもあるんですが、原子力発電の事業環境整備ということが繰り返し指摘されておるわけで、私、この具体的な中身をはっきりさせていく必要があるんじゃないかというふうに思っているわけです。
 昨日でしたか、朝日新聞にも、核燃料サイクルについての八木参考人の発言が載っていたかと思うんですけれど、様々なことが挙げられているんだけれども、具体的にどこまで整備される必要があるというふうにお考えなのか、できるだけ具体的に御説明をお願いします。
#93
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 原子力発電の環境整備というのは、基本的には、まずスタンスとして、これは国の政策の下に民間がこれまでどおり長期の事業の予見性を持ってこの事業を遂行していきたいと、そのための環境整備をお願いしたいと、こういう趣旨でございます。
 大きく申し上げると二点あるかなと思っております。
 一点目は、いわゆるサイクル事業全体に対して、これは、サイクル事業というのは非常に超長期にわたる、また費用も相当掛かる、なおかつこれは十社の共同体制でやっている共同事業でございますが、こうした事業というのがいろんな今環境変化が起こっております。いわゆるシステム改革もございますし、原子力依存度を下げていくと、こうした環境の中で、今後とも我々が事業の予見性を持っていくに当たっては、やはりここの、国のいわゆる関与強化といいますか、言ってみれば、国と事業者との役割分担の在り方、新たな国策民営の在り方、これをお願いしたいというふうに思っております。
 これは、ある意味では、日本原燃がいわゆる再処理事業等々を中心でやって電力十社が支えているわけでございますが、例えば日本原燃が費用を確実に回収しながら投資ができるような環境、あるいは、そうした事業をやるに当たってこれからもいろいろ規制強化あるいは規制の変更等々も出てくる可能性あります。そうしたときに、そうした費用が、確実に回収できるというのはおかしいけれども、事業者側にとって一時の負担にならないように、事業が継続的にできるような費用の回収方法、例えばこういうようなことがあります。
 それからもう一点は、原子力損害賠償制度の関連でございます。
 この原子力損害賠償制度につきましては、御指摘のように、今世界でも余り例のない、事業者に対して無限の無過失の責任が掛かっている状態でございますが、私どもといたしましては、その部分について、例えば有限責任化という概念、あるいは免責事項を明確化するというような概念、あるいは、今電力十社が一般負担金という形で、相互扶助の形で原子力損害賠償の費用を出させていただいていますが、これについて今後の負担の在り方ですね、例えば事業者が廃炉をするとか、事業者が原子力を撤退していくとなるとその負担の考え方は他に負担が押し寄せていきますので、こうしたことについてやはりきちっと負担をどうするかという、そういう中において、例えば国と事業者との負担のバランスとか、そういったことについて御検討いただけないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。
#94
○倉林明子君 今おっしゃった部分だけでも、額が確定できないような部分も含めて入っておったかと思うんですね。
 総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会に八木参考人も参加されて、その中でもこの事業環境整備について挙げられて説明されているくだり読ませていただきました。三つ目に挙げられていたのが、巨額の投資回収の見通しが立つ措置ということで、参考人の発言記録を読ませていただいた中には書き込まれておりました。
 現状では、こうした原発に掛かるコスト負担、相当になるということから、投資回収の見通し、このままでは立たないというお考えなのかどうか、いかがですか。
#95
○参考人(八木誠君) 私申し上げましたのは、原子力事業の事業の特殊性として、フロントからバックエンドも含めまして非常に長期にわたる事業であり、その間における投資というのは非常に多大な投資が要るということ。こうした費用を民間事業者が確実に、適正に、失礼、表現を変えます、適正に回収していけるような制度ということで、実はこれまでは総括原価制度という制度があったわけでございますが、今回の電力システム改革の中でそうした制度がなくなって事業環境が非常に不透明な状況になっています。そういう中で、民間事業者として、あくまでもやはりこの原子力事業及び原子燃料サイクル事業、これを進めていきたいという強い気概を持っております。
 ただ、そういう事業を進めるに当たって、長期の事業の予見性を立てるということが是非とも必要であると。そういう意味では、原子力の事業の特殊性を考えた上でいろいろな環境整備をお願いしたいと、こういう考え方でございます。
#96
○倉林明子君 改めて説明するまでもないとは思いますが、我々、原発はゼロに即時判断すべきだという立場ではあるんですが、事故の危険性と事故が及ぼす被害というものの甚大さを考えるだけでなくて、コスト面からもやっぱり検証していく必要があるし、今後とも予見性が立たないような中身があるんだということを今日改めて教えていただきましたので、議論の参考にさせていただきたいと思います。
 今日は終わります。
#97
○松田公太君 日本を元気にする会・無所属会の松田公太でございます。本日はどうもありがとうございます。
 本日、八木会長は、原発を何とか再稼働させたいんだという並々ならぬ思いを何度も語られたというふうに思います。そこで、私の方から、原発を中心に八木会長に御質問させていただきたいというふうに思っているわけですけれども、まずお聞きしたいのが電気料金の値上げですね。これは先ほども質問がありましたけれども、これは一度ならず二度あったわけです。関電さんだけではなくて北海道電力さんもあったわけですけれども、これが本当に避けられなかったのかなということなんですね。
 関電は、二〇一一年から巨額の赤字が続いているわけです。二〇一一年には三千二十億円、二〇一二年三千九百二十五億円、二〇一三年千二百二十九億円、ちょっとずつ減ってきてはおりますけれども、二〇一四年は千百三十億円という状況なんです。しかし、この赤字に至った経費の中には原発再稼働のための多額の資金も含まれているというわけなんですね。
 そこで、八木会長にお聞きしたいんですけれども、これまでに原発再稼働のために使った費用というのは果たして累計でどのくらいになるんでしょうかということなんです。
 こんな質問はこういう今日のような趣旨ではないんじゃないかというふうに思われるかもしれませんけれども、なぜこういう具体的な質問をするかといいますと、これは五月十七日の、私、東京新聞、これを拝見しておりまして、そこに一覧表があって、九電力のうちの八電力会社が今年四月段階での追加安全対策費、これが幾らだったかというのが載っていたんですね。
 ところが、関電さんのものだけなかったんですよ。これも先ほど維新の党さんからも話ありましたけれども、開示という部分において、八木会長も、開示は重要なんだ、積極的にやらなくちゃいけないんだというお話をされていたわけですから、なぜ関電さんだけがこの数字を公表していないのか、これおかしいんじゃないかなというふうに思いましたので、今日は聞かせていただきました。お答えいただければと思います。
#98
○参考人(八木誠君) 私、その五月十七日のちょっと新聞記事は十分把握しておりませんが、少なくとも電力会社全体で約二兆を超える安全対策費が取りあえず各社の集計で出ているというのが公になっております。
 それから、関西電力におきましては、以前、二〇一二年に、当社の安全対策費として大体二千八百五十億円程度という見積りも出しております。現時点では、これは二〇一一年から二〇一四年度末までの累計で約千八百三十六億円という数字も公表いたしております。
 したがいまして、先ほどのその新聞の記事の中で、どこから出たということはちょっと承知しておりませんが、当社としては、一応、現時点での設備総額等の実績等につきましては公表させていただいております。
#99
○松田公太君 二〇一三と一二で千八百三十六億円ということでよろしいんですか。
#100
○参考人(八木誠君) 二〇一一年から二〇一四年度末までの累計で約千八百三十六億円でございます。
#101
○松田公太君 分かりました。
 関電は、今七基の原発の申請をしているということだと思うんですね。他社も、各社それぞれあると思うんですけれども、大体平均しますと一基約一千億円なのかなと、こういうふうに思っております、この追加の安全費用というものが。それに対して、今のお答えですと、取りあえず一一年から一四年でありますけれども、二千億円以内ということは、少し少ないのかなという印象もあるんですけれども。
 例えば、最終、二〇一三年度の話ですけれども、たしか三百億円ぐらい、この追加安全対策費用というものが上乗せされたと思うんです、経費の中に。私は、これがあったら黒字になったんじゃないかとまでは言うつもりはありませんけれども、こういったものも実際は含まれて赤字の幅が大きくなっている。そして、それをベースに住民の皆さんに再値上げというものを要求されるというのは少しおかしいのかなというふうに思っているんですね。
 例えば、その掛かった費用というものは既に一度電気料金によって回収されているわけですよね。総括原価方式という中で今やっているわけですから。そして、それをもう一度、それが理由に赤字幅がちょっと膨らんでしまったと。それを理由にしているわけじゃないんでしょうけれども、それも含めて赤字が続いているのでということで更に値上げをするというのは、私ちょっとこれは住民の、また使用者、また需要家の方からの感情として理解できないんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#102
○参考人(八木誠君) まず、今般の電気料金の二度目の値上げ、大変御迷惑をお掛けしていることを改めておわびを申し上げたいと思いますが、これは、原子力プラントが停止していることによって、代替の安定供給するための火力発電所をたき増ししております。休止火力も立ち上げておりますし、そうした火力の燃料費の負担が著しく増加したことに伴うもので、当社としての最大限の経営効率化をした上でもなおかつお願いせざるを得なかったということであります。
 安全対策に関して、これ実は安全対策に係る設備投資というのは、基本的にはバランスシート上では、その安全対策費用というのは、資産上、資本費に入っておりますけれども、電気料金という意味でいきますと、これは実は設備が竣工した後に減価償却としてのその耐用年数に応じて費用認識をしていくことになっております。
 したがいまして、今般の電気料金の値上げにその額そのものが利いているわけではございませんで、直接的な要因、間接的には全てのいろんな要因の中の一つというふうには理解しておりますが、直接的な要因はむしろ燃料費の負担増ということでお願いをしているところでございます。
 以上でございます。
#103
○松田公太君 長期かもしれませんが、その減価償却の中に含まれているということには変わりないと思うんですね。
 そして、質問をまた変えさせていただきたいと思うんですが、四月十四日に福井地裁から関電の高浜原発三、四号機の運転差止めの仮処分決定、これが出されたわけですね。関西電力さんはこの処分を不服としまして、執行停止申立てや決定の取消しを求めている、また保全異議など積極的な訴訟戦略を展開している状況だと思います。
 そこでお尋ねしたいんですけれども、このような訴訟のために使われている弁護士費用などの経費、これはどこから出ているんでしょうか。
#104
○参考人(八木誠君) 御指摘の大飯発電所の今福井地裁での仮処分の継続訴訟と、それから高浜につきましては仮処分の決定が出た後の保全異議の申立ての訴訟を行っておりますが、これは具体的にこの件名としてそうした費用を織り込んでいるわけではございませんで、こうした訴訟費用一般につきましては、過去の実績等に基づいて、委託費の中に過去の実績から見て一定額というものを今入れていると、そういう中に計上しているということでございます。
#105
○松田公太君 委託費ということであっても、勘定、名目上はその委託費という中なんでしょうが、経費から出ているということで、つまり電気料金の中から出ているということにこれは間違いないと思うんですね。
 関電としては、私はこの電気料金、いただいた電気料金ですよ、そこからまたお金を使って弁護士費用とかに充てるのであれば、やはり国民の意思を最大限尊重する必要があるんじゃないかなというふうに思うわけですよ。
 例えば、今年三月に学者とか民間機関が行った世論調査では、原発再稼働に反対の方というのは七〇・八%以上いたと。また、様々な新聞の世論調査、テレビの世論調査を見ても、大体再稼働に反対している人たちというのは五二%から五四%ぐらいあるということですので、やはり国民の大半の意思というのは再稼働に反対しているということじゃないかなというふうに思うんですね。
 ところが、関電さんは、電気料金を集めて、それで国民の皆さん、関電管内の皆さんが反対している、ある意味、原発の再稼働に対しての訴訟を戦略的に行うためにどんどんそこから費用を出しているということですから、私これおかしいんじゃないかなというふうに思ってしまうんですけれども、これについては八木会長、いかが思われますでしょうか。
#106
○参考人(八木誠君) 電気料金全体につきましては、今申し上げましたように、御指摘のとおり、委託費も含めて電気料金の中に計上されているのはそうでございますけれども、当社としては、まず全体として今回の料金の値上げに当たりましても、委託費も含め、全ての経費も含め、最大限の経営効率化を織り込んだ上でのお願いをしているという大前提でございます。
 そうした中で、原子力についての御指摘でございますが、これは当社といたしましては、やはり原子力というのは非常に三つのEに優れる大切な電源であるということで当社として基本的にはこうした再稼働に全力を尽くしておりますし、また、これは株主総会におきましても株主の皆様からも当社の経営戦略として御承認いただいているということもございますので、こういうことを含めさせていただいております。
 御指摘のように、そうしたことによって電気料金の値上げに影響しているということについて、その電気料金の値上げについての御理解を賜る活動ということについては、今我々最大限努力いたしておりますが、そうした先生の御意見も踏まえまして、引き続き、今料金の値上げをさせていただいておりますけれども、フォロー活動もいろいろやらせていただいております。そういった企業の皆様、御家庭の皆様含めて御意見を賜りながら御理解を賜りたいと思いますし、何はともあれ、私どもは一日も早い安全性が確認されたプラントの再稼働に全力を尽くしておりまして、その際には料金の値上げをさせていただきたいというふうに思っております。
 以上でございます。(発言する者あり)済みません、値上げじゃない、値下げをしたいと。失礼しました。間違いでございます。
#107
○松田公太君 株主総会の話もありましたが、私も実は拝見しておりましたけれども、ある意味数の力で、実際は原発再稼働はやめてもらいたいという意見も相当あったと記憶しております。以前は橋下市長なんかも出ていってそういった発言もありましたし、私はやはりちょっとおかしい、今の電気料金を使ってまた訴訟するというのはおかしいなというふうに思ってしまうんですね。
 また、引き続きこの高浜原発の裁判についての話なんですが、この差止めの本訴があって、そこで棄却されたということを例えば想定しちゃうんですけれども、仮にですよ。仮処分の申立人に対して、その場合、再稼働の遅れで生じた損害の賠償を請求するようなことは私はちょっとあってはならないんじゃないかなというふうに思っているんですね。そのような損害賠償請求は私はやっぱりするべきじゃないというふうに思っておりますので、それについて八木会長は今の段階でどう思われているかというのを教えていただければと思います。
#108
○参考人(八木誠君) 私どもといたしましては、今保全異議の申立てを福井地裁にさせていただいておりまして、高浜発電所の安全性に対してしっかりと御説明をしてまいりたいと思っています。判決の中には事実を誤認されていることが幾つかございますので、そうしたことをしっかりとまず御説明して訴訟対応していきたいと思っております。万が一、御指摘のようなことにならないように、私どもとしては最大限高浜発電所の安全性を主張、立証し、判決を覆していただくように努力してまいりたいと思っております。
#109
○松田公太君 ありがとうございます。
 それでは、原子力損害賠償マニュアルについて、これも八木会長に電事連の会長でありますのでお聞きしたいというふうに思うんですけれども、原子力損害賠償につきましてですけれども、これは一九九九年に茨城県の東海村のジェー・シー・オーの臨界事故を受けて文科省が制定しました原子力損害賠償制度の運用マニュアルというものがありますね。これ、各社に賠償の手引などとして作成を求められているというものだと思います。
 しかし、現状を見ますと、大手の九電力会社を含む原発保有者十二事業者のうち、まだ六社が未整備のままだという状況です。原発を再稼働したいということで各電力会社さん、事業者さんが進めているわけですけれども、その際やはりこの賠償の手引というものが必要不可欠であろうと思っております。
 電事連の会長として、少なくとも大手のまず九電力会社、ここに関しては再稼働前のマニュアル整備をするように私は指導していただきたいなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#110
○参考人(八木誠君) 先生御指摘のように、平成二十一年に文科省から原子力損害賠償制度に係る指針が出されておりまして、それを受けて各社において原子力事故が起きたときの損害賠償の手続の体制、手順、これは原子力損害賠償事務取扱要綱という形で定めておる会社がございます。また、御指摘のように定めていない会社もまだあるのも事実でございます。
 これは、私どもとしては、賠償を迅速かつ公平に行う観点からこういった賠償対応に、発生時の対応に万全を期すために定めているところでございますが、先生御指摘のように、各電力において、定めていないところにおきましては御指摘のように再稼働までにはこれは絶対定めるべきだと私も思っております。そうした方向で推進をしてまいりたいと思っております。
#111
○松田公太君 前向きなお答えありがとうございます。
 その中で、ちょっと意地悪な質問で恐縮なんですけれども、関電さんは賠償マニュアル、これ策定されておりますけれども、これは二〇一〇年の十一月のものなんですよね。これちょっとアウト・オブ・デートだと思いますので、その後、事故が起こりましたので、是非そういったものも御自身も、関電さんも改定していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#112
○参考人(八木誠君) 先生御指摘のように、関西電力におきましては二〇一〇年の十一月に定めておりまして、まだそういう意味では、この福島の事故を踏まえたその後の改善という意味では余地があるというふうに私も理解しております。先生御指摘のように、再稼働までの間には、そうした福島の状況を加味しながら、新しい状態といいますか、最新の状態にリバイスできるように努力したいと思います。
#113
○松田公太君 よろしくお願いいたします。
 もう大分時間がたちますので、これを最後の質問とさせていただきたいんですが、原子力損害賠償支援機構についての質問でございます。
 現在、福島第一原発に関する東京電力の損害賠償は原賠機構からの資金を元に弁済されているわけですね。しかしながら、最終的な賠償費用というのは原子力事業者からの一般負担金と特別負担金によって負担されています。まあその先を見ると、最終的には国民の負担じゃないかという議論もあるわけですけれども。
 ただ、関西電力さんは、去年は、またその前も赤字をこれだけ出されている中で、三百十五億円もの負担金を捻出されているわけですね。一方、その事故を起こした東京電力さんは黒字を維持していると。ちょっと私、逆転してしまっているんじゃないかなというふうにも思うわけですが、八木会長は、この原子力損害賠償支援機構、この仕組みについてどのように思われるでしょうか。
#114
○参考人(八木誠君) 現在の原子力損害賠償の支援機構で定められております一般負担金制度につきましては、これは電事連といたしましてもこの制度が設立されたときに電力各社合意の上で賛同したものでございまして、それぞれの会社が応分のいわゆる負担をすると、こういう考え方に基づいております。
 したがいまして、現時点はその方向でお支払をさせていただいているところでございますが、将来的に見ますと、この一般負担の在り方につきましては、これはユニットの台数とかそういうことにもよって変わってきておりますので、例えば廃炉をしていくとか万が一事業者が撤退するということになると負担の割合が大きく変わってまいります。
 そういう意味では、この一般負担の在り方について今後どうしていくかということについては、是非、こういう事業者負担の妥当性、あるいは将来どういうふうにこれが予見性があるのかも含めて見直しを行っていただきたいというふうに思っております。
#115
○松田公太君 ありがとうございました。
#116
○中野正志君 次世代の党の中野正志と申します。
 ここに並んでおります四者はいわゆる第三極会派と、こう言われるんでありますけれども、昨日までは仲よく参議院の選挙制度改革、今朝の新聞に載っておりますけれども、四者で一致してほかの会派に対して貴重な提案はいたしました。
 しかし、事原発政策に関する限りは、私の方は安倍内閣の原発政策に賛成でございまして、とりわけエネルギーミックスにつきましては賛成をいたしておりますから、前二者、それからこれからお話しされる新党改革さんとは意見は異にしておりますので、あえて申し上げながら質問をさせていただきたいと思います。
 まず、八木参考人でありますけれども、やっぱり私たちも八木参考人と同じように、電気の安定供給、これはもう最大限に大事なことだと、今回のシステム改革によって安定供給が損なわれるようなことがあってはならないと考えておりますけれども、やっぱり電力会社の送配電部門を別会社化することによって安定供給上どういったことが懸念されるのか、それをちょっと細かくお聞かせいただけませんか。
 私、党の仕事で一時中座をいたしましたので、あるいはこれからもダブる質問があったときにはお許しをいただきたいと存じます。まずはそのことをお願いいたします。
#117
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 電力の安定供給というのは、この発送電分離をした場合に私どもとしてはこの分離を補完する仕組み、ルールを整備していただきたいというふうに申し上げておりますが、具体的なことを申し上げますと、大きく三点のポイントがあるというふうに思っております。
 一点目は、まずは災害時の迅速な復旧をきちっと行えるかどうかということでございます。
 これは御指摘のように、台風等災害あるいは大規模事故時、これは発電部門それから送配電部門あるいは小売部門も含めて、これが連携することによって早期復旧ということを行っておりますが、これから法的分離されますと、安定供給の責務というのはネットワーク、いわゆる送電部門に発生するわけですが、発電部門はどちらかというと安定供給を優先するというよりも利益優先になりがちになります。したがいまして、そうしたことでは全体としての復旧がうまくいきませんので、つまり災害時のやっぱり発電側と送電側、小売も含めたこの連携をきちっと取れるかどうかというのが一点でございます。
 二点目は、日々の瞬時瞬時の電力のバランスをきちっと取れるかというところでございます。
 これは、具体的には周波数というところに電力の品質として表れています。周波数が狂いますと製品にむらができたりしますので、この周波数を一定範囲に収めるということが大事であります。この一定範囲に収めるというのは、これも中央給電指令所といういわゆる送電部門が日々の需要に合わせて発電部門をコントロールしております。したがって、これも発電側と送電側とがしっかり調整して、毎日のこの二十四時間の電気の需要に合わせた形で発電をしていただく必要があります。このバランスの問題。
 三点目は、少し中長期的な問題でございます。
 ネットワーク部門が中長期的な供給力とか予備力がきちっと確保できるかという問題でございます。ネットワーク部門が安定供給の責務を負いますが、将来にわたって、しかし、ネットワーク部門は発電を持っておりませんので、将来の需要に対して発電設備を自分たちが造るわけにはいきません。したがって、発電側に造ってもらう必要がありますが、発電側は先ほどの利益を優先しますので、そういう投資にインセンティブが働かないと発電投資をいたしません。したがって、そういった将来的な需要に対してきちっと供給力を確保できる、これも発電側といわゆる送電側の連携といいますか、大きく言うとこの三つを是非ともきちっと問題が解消できる仕組みづくりをお願いしたいというふうに思っております。
#118
○中野正志君 このペーパーに解決すべき課題の三、原子力事業環境の整備ということについても触れられております。さっき原子力事業の予見性という見解ございましたけれども、具体的に言うと特にどういった検討が必要なんでしょうか。これも細かく聞かせていただけますか。
#119
○参考人(八木誠君) 原子力事業環境整備ということで大きく申し上げますと、二点あるかというふうに思っております。
 一つは、原子燃料サイクル事業における国の関与強化によってより安定したスキームに見直していく、つまり、ある意味では新たな官民役割分担をお願いしたいということであります。
 これは、先ほど来から申し上げておりますが、国の原子力サイクル政策の下に民間が長期の事業の予見性を持って遂行していくに当たって、いろいろな環境変化が起こっております。そうした中でこういう事業がきちっとできるためには、ある一定程度国の関与強化による安定したスキームに見直すということにしていただきたいということでございます。
 もう一点は、原子力損害賠償制度の件でございます。
 これは、先ほど申し上げましたように、諸外国でも余り例のない無過失無限の責任が原子力事業者に課せられておりますので、国際的にも大変厳しいということでございますので、こうした制度について、官民の新たな役割分担、例えば事業者賠償の有限責任化、あるいは免責条項の明確化、それから先ほど御質問のございました一般負担金において相互扶助の在り方になっておりますが、これにつきましても、例えば国と事業者の負担の在り方、あるいは事業者が負担することの妥当性、あるいは予見性を高めるという観点からの環境整備をお願いしたいというふうに思っております。
#120
○中野正志君 今回の法案では、第三弾、ガスシステム改革や熱供給システム改革に関する内容も当然盛り込まれております。これによって、これまでの電気だガスだ熱供給、縦割りになっていた事業の垣根がなくなりますね。新たなエネルギー産業、いろいろな形で創出をされていくと思うんでありますけれども、電力業界として、端的に言えばどのように受け止めていらっしゃいますか。
#121
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 今回の法案というのは、これは電力だけでなく、ガス、熱事業などの制度改革を一体的に進める、そうしたことによって総合的なエネルギー市場をつくり上げ、お客様のエネルギー選択の自由度の拡大あるいは利益の向上を図ると、これが目的であるというふうに理解しております。
 したがいまして、私ども電気事業者といたしましては、エネルギー間の垣根を越えて、我々電気だけでなく、ガスも含めた形でお客様にベストなエネルギーを提供できる、いわゆる総合エネルギー企業に進化してまいりたいというふうに考えております。そういうことによってお客様のお役に立ちたいと思っておりますし、ある意味では我が国のエネルギー事業全体の競争力強化、発展をリードしていきたいという気概で取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#122
○中野正志君 あとは、系統安定化資金の問題もさっき出されましたけれども、オープンにしていろいろ国民的な議論をいただく方がいいと私は率直にそう思っておりますので、遠慮なく。
 続いて、尾崎参考人にお伺いをいたします。
 今、ガスの供給区域、先ほど来お話がありましたように国土の六%弱だと、全国でパイプライン整備が進んでいないとのお話もありました。
 そういう中で、天然ガスの利用拡大のためには、需要開拓、技術開発、導管整備のサイクルを維持していくことが重要と指摘をされましたけれども、政府のいろいろな措置、今回の法律案の概要、尾崎参考人の指摘するこのサイクルの一部なのだと理解しておりますけれども、我が国のパイプライン整備を一層進めていくという観点から、政府に対して具体的にどのような措置、どのような取組を期待をいたしておられるのか、業界としての考えをお聞かせいただいておきたいと思います。
#123
○参考人(尾崎裕君) ありがとうございます。
 都市ガス事業者としましては、自らのネットワーク並びにその近傍については、それは自らの事業計画の中で、いわゆるにじみ出しというふうに言っていますけれども、徐々にパイプラインを造っていこうというような形で考えているところであります。
 ただ、それだけではなかなか遠くまで届かないという点では、やはり、いろいろと自らのネットワークの外にある、しかも天然ガスを使っていただけそうな需要、お客様に対してどういうふうにやっていくかというのが一番大きな課題だというふうに思います。
 そういうところに対しましてはやはり一定量の需要というのを確保する、そのためには、もちろん事業者として、ガスの利用しやすいようなそういう設備を開発してやっていくということも必要ですし、逆に大規模な需要をこれからこういうところにつくるんだというような、いわゆる公的なロードマップというようなことがあればいいというふうに思いますし、さらには、そういうことで、分散型の例えば電源を広げていったときに、その電源から出てくる電気、熱が本当に有効に活用される、融通されて活用されるというような、そういう仕組みもつくっていただきたいというのが我々のお願いでございます。
#124
○中野正志君 柏木参考人にお伺いをいたします。
 天然ガスを利用したコージェネレーションなどの分散型電源が、やっぱり省エネ性のみならず、我々宮城県、大変大震災で苦労いたしましたけれども、災害時のエネルギー供給確保、大変いい形になると思いますね。また、あと熱供給と一体となったエネルギーの地産地消、これはやっぱり地域活性化に大変結び付きやすい。高い潜在力を有していると、コージェネレーション、私たちもそのような認識ではありますけれども、二〇三〇年には現在の二倍以上とするという高い見通しを実は立てておりますけれども、こうしたコージェネレーションの普及拡大、天然ガスの利用拡大に資するためにはどのような政策をぼおんと必要とお考えいただいておりますか、お示しを。
#125
○参考人(柏木孝夫君) まず、例えば分散型で、オンサイトで熱需要のあるところに電源立地すると。今は技術開発がすごく進んでいまして、七千キロワットぐらいのガスエンジンですと発電効率が約五〇%に行くと。すると、熱を使うだけ、普通の大規模電源とほとんど変わりがなくなっているということもありますし、そういう意味では、地産地消でエネルギーを使うということはそれだけ遠くから電力を運ばないで済む、ということは既存の系統に空きができる、そうすると、その間にある例えば自然エネルギーもまた更に取り込むことができるようになると、こういうことになるわけですね。
 ですから、地産地消というシステム自体のメリットというのはそこら辺にもあるわけで、ただ、それを普及させるということになりますと、先ほど申し上げたように、何かゲノムみたいな投入するものが必要になると思っていまして、私はそれが熱導管じゃないかと。あるごみ焼却炉と例えば市庁舎だとかそういうところを熱導管で結んでやる、そうすると、ごみの熱が、廃熱がそこの中に流れ込み、かつコジェネの熱も流れ込む、そうすると自然エネルギー系もそこの中に取り込めると。ある意味では、そういうことをやれば、事業者は、ガスパイプラインは事業者が自分の経営の中で長く延ばすことができるようになってくると。これが、やはり静脈系と動脈系ということで一つの大きなインセンティブになるんじゃないかと。
 あとは、やはりガス代がやっぱり下がらないと、なかなか。ほかとの競合がありませんで。今度の電力の自由化ということは、余剰電力が、コジェネからの余剰電力がそれなりの価格、料金で売ったり買ったりできるというところが非常にいいポイントになっていくんだろうと、こういうふうに思っています。
#126
○中野正志君 ありがとうございました。
 杉本参考人に最後、恐縮ですが、今回、電気とガスのセット販売とかいろいろ、従来の枠にとらわれない、消費者にとってもいろいろな選択の幅がある、そういうことで、家庭あるいは言ってみれば消費者の立場から、どういう料金体系とかどういうサービスの提案、期待されていますか、それちょっとお聞かせくださいますか。
#127
○参考人(杉本まさ子君) 今まで当たり前のようにガスとか電気とかを使ってきましたので、考えて使っていなかったんですね。
 それで、これからいろいろなものを選ぶとなると、やはり消費者も勉強をしなければ選べないと思うんですけれども、選べるような、選びやすいメニューを設定していただくことと、それから料金の精算でも、全部、セット販売だといって一括の請求だとかというのではなくて、中身が見えるような請求にしていただきたいということと、それから電源構成を明らかにしていただいて、消費者が電気を選べるというようなふうにしていただきたいと思います。やはり電気の自由化に賛成した人たちは電気を選べるということで賛成したという人も多いと思います。それは、やっぱり原発を少なくしていきたいという御意見の方がそういう自然エネルギーを使っていくためにということだったので、その電源構成は是非とも明らかにしていただきたいというふうに思っています。
#128
○中野正志君 ありがとうございます。
 事業者への期待の言葉もございましたから、消費者の、最後の話は別として、前段の方は是非事業者の関係の皆様も重く受け止められてください。
 時間です。以上で終わります。
#129
○荒井広幸君 荒井と申します。
 長時間ありがとうございました。私で最後ですので、どうぞ少し気楽にお願いしたいと思いますが。中野先生が何か重いことを言ったので、そう難しい話ではないので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。御指導いただきたいと思います。
 まず、辻参考人にお尋ねするんですけれども、ちょっと職種が違うかもしれませんが、LPガス、このLPガスがやっぱり不透明であると、価格帯がですね。北海道なんかは、もう都市ガスに比べたら二倍も高いんじゃないかと言われているわけですね。どのように適正価格というんでしょうか、見えるようにしていったらいいか、価格をですね、何か工夫などというものはお持ちでしょうか。
#130
○参考人(辻英人君) 実は、私ども全国ガスの傘下にはLP事業をなりわいとしている組合も一部参画をしております。先生御指摘のとおり、LP業界全体としてその適正価格のありようというのが課題になっているというふうには思っておりますが、それはしっかりやっている事業者さんもあるということをまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、これから都市ガス領域も含めてどういった料金メニューをお客様に提示するのかというのは、ある意味、お客様に選択をいただけるために、同様に料金の仕組みなりをしっかり開示をしていただくということが大事になってくるというふうに思いますけれども、そのちょっと具体的なところは、正直申し上げて、今のところ私自身の考え方については整理をしておりません。
#131
○荒井広幸君 どうもありがとうございました。
 柏木参考人は、ホームページで公開したらどうだというような御意見等々、いろいろ出していただいているんですが、杉本参考人の先ほどのお話で、我々、家を建てますときにローンを組みます。私も組んでいるんですけれども、あれ、団体信用生命保険に入らせられているんですよね、強制的に。死んだら生命保険で払えますと。しかし、いわゆるローンが引かれるときには、どの部分が建物で、そしてどの部分が生命保険代かということは全く公開されていないんですね。
 ですから、先ほどの中野先生との最後のところのお話聞いていて、やっぱりいろいろ課題があるなというふうなことを改めて思いました。やっぱり、どのように、組合せも、これはどれぐらいの負担になっているのかと。電源構成だけでなくて、恐らくこれからは、通信料金もそれから水道料金も、場合によってはNHK料金とか、そうしたものが、通信、放送あるいは水道、各般に家庭のビッグバンが起きるんじゃないかと、このように私は何となく想定するので、やっぱりきちんと中身は分かるようにしていただくというのが一番重要なのかなというようなことを先ほどの杉本参考人の話も聞いて思っておった次第です。また、辻参考人の話も聞いてそう思っておるわけです。
 続きまして、電力労連の岸本さんにお話聞きたいんですけれども、先ほどの異動、再就職のところはすごく重要なところだと私も思うんです。改めて、このところ、お話聞かせていただけますでしょうか、解説的に。
#132
○参考人(岸本薫君) 御質問ありがとうございます。
 冒頭の意見陳述でも少し申し上げましたが、私どもといたしましては、公正な競争のための中立性確保の必要性、このことにつきましては否定はいたしていません。ただ、労働者の憲法上の権利との比較においては、やっぱり圧倒的に憲法の方が重いものがあるということでありますので、その点、十分留意をいただいた上での対応をまずお願いをしたいということでございます。
 憲法上の職業選択の自由に抵触をしたり、あるいはこれからの従業員のキャリア形成、さらには職業を進めていく上での能力開発などに影響を生じぬように対応していく必要がある。
 兼職の禁止については、私はその禁止をされることについては妥当であるというふうに思ってございますし、先生ありましたように、異動、再就職の禁止につきましては、冒頭申し上げましたけれども、EU指令に基づくヨーロッパの事例、さらには他の国内における公共事業の状況を見ましても、従業員に対する規制は掛かっていないということも踏まえた上で、御留意を賜りたいということを少しお願いをさせていただきました。
#133
○荒井広幸君 ありがとうございました。
 八木参考人にお尋ねするんですけれども、今年の夏も数値目標を設けないで節電協力要請ということになったと思うんです。川内原発を含めまして、これが稼働しなくても中部電力や中国電力からいわゆる融通、電力融通を行えば、電力需給の逼迫が予想される関西地域内、関西電力管区というんでしょうかね、九州電力管区内でもいわゆる予備率の三%は八月でも維持できる見通しだからそういうことになっているんだろうと思います。
 四月に発足した電力広域的運営推進機関でございますね、これがハード、ソフトの体制をきっちり構築してうまくいくようになりますと、電力融通をきちんと指示を出しまして、それで適時適切に行われる。また、周波数を変える設備を、これも投資していくわけですね、これを支援していく。そうすると、電事連といいますか、そのうちの九電力というんでしょうか、原発をお持ちのそれぞれの原発会社がそれぞれに再稼働するという必要はなくなるのではないかと、このようにざくっと思うんですね。
 少なくとも、現在二十四基でございますけれども、再稼働の動きは、それぞれ単体でやっぱり黒字化にしていかなくちゃいけないから、どうしても自分のところを申請しちゃうんです。しかし、融通、それからこの周波数をきちんと設備変換できるようになれば、こんな二十四も再稼働を申請する必要はないだろうと、こういうふうに思うんですが、御見解をお尋ねします。
#134
○参考人(八木誠君) ありがとうございます。
 電力系統の安定性、いわゆる安定供給を確保するという観点から考える必要があるかというふうに思っております。すなわち、確かに電力の広域的運営機関ができることによって、例えば再生可能エネルギー等々が受入れ可能なように各社の連系線の強化とか、できるだけ受け入れるために会社間の電気を流すという、これはある意味ではそういう機能を持たせていく必要がありますが、一方で、会社間の連系線というのは緊急時の場合のいわゆる電気を融通するパイプでもありますので、したがって、ある程度そこは、やっぱり全部使ってしまうと緊急時なりに活用できません。
 逆に、一般的に電気というのは、たくさん流しておきますと、何かそこで事故が起こったときには、この電気が流れている量が多いほど広範囲な停電が起こります。したがって、電力の安定供給というのは、各社間の連系線にたくさん電気を流せばいいというものではなく、ある程度電気が流れる体制をつくっておきながら、できるだけ各社の間で需要と供給のバランスを取っていくというのが私は基本的には安定供給をしていく上での基本的な考え方にあるんじゃないかと思っています。
 そういう考え方も加味しながら、それと、国の出されたエネルギーミックスをいかに我々事業者として達成していくか、そういったことと両方相まって全体の原子力の再稼働というのを考えていくべきではないかということでございますので、必ずしも電力の融通をするということだけで判断するんじゃなくて、全体的な判断が必要ではないかというふうに思っております。
#135
○荒井広幸君 ありがとうございました。
 柏木参考人にお尋ねしたいと思います。
 せんだっても先生の前の委員会などの発言を参考にさせていただいたんです。七月のいわゆるFITの見直しを含めて、私はダブル発電に着目されている先生の御意見というもの、大変参考になっていますし、同感なんです。
 このダブル発電といいますか、今いろいろと八木参考人からもございましたけど、だんだんプロシューマ型に私はなってくるだろうというふうに思います。地産地消、そうすればロスもないわけですね、送電ロスもないですし。先ほどのように、先生がおっしゃるように三段階ですね、第一段階、第二段階、最後は熱まで行く。これ全部をトータルに、簡単に言えば魚をもう丁寧に骨までしゃぶるということだと思うんですね、食べるとしたら。
 そういう考え方でいくと、私は、やはりそのダブル発電というものをもう少し認めてやって、少し、何といったらいいんでしょうかね、水素電池であるエネファーム、それからダブル発電ですね、コージェネを家庭で進めていく、そういうところにインセンティブを少し置いた方がいわゆる系統の電力に頼らなくて済むという時代が早く来ると思うんですよ。そう私はしたいというふうに思っているんで、その鍵はどうやら家庭でのコージェネだろう、そして企業もコージェネだろうと思うんですね。そうすれば、極端に言えば、バックアップは必要ですけど、ベースロードもある程度は必要ですが、それはもう別なものに置き換えられると、こういうことだろうというふうに思っているんで。
 先生にお尋ねしたいのは、例えば太陽光発電の普及とともにエネファーム等のコジェネ的なものと分散型電源の拡大、こういう点で、どのようにしていったら普及するのか。普及策のアイデアを、今の時期だからこういう仕掛けをしろと、こういったものがありましたら御指導いただきたいと思うんです。
#136
○参考人(柏木孝夫君) ダブル発電は、普通は太陽光と中にエネファームという形で燃料電池で、燃料電池の場合には貯湯槽を持っていますから、お湯をためておきますので、太陽電池がふらふらしたときに、逆位相で、例えば太陽電池が、曇ったときにエネファームで電気を上げてやるということは可能なわけですね。お湯はためておけますから。そういう意味では、需要に対してかなりその需要を満足するような供給をこの需要地の中でやれることができると。
 これで大事なことは、やっぱりデジタル革命をしなきゃいけないということなんですね。それはスマートメーターが入り、HEMSが入り、ホームエネルギーマネジメントシステムが入って、そこに頭脳が入っていますから。もうHEMSなんというのは、これから普通の携帯のアプリぐらいで月に百円ぐらい払えばデジタルテレビの中にぽんと入るぐらいの、こんな感じになると思っていまして、それが全体をうまくコントロールしてやる。
 そうすると、家の中で、例えばそこに車が、やはり蓄電システムが入ってくるとか、いろんな意味でこの一つの、スマートハウスと言っていますけれども、家の中で電力、自家発のやり取りができるようになって、エアコンがそれで例えば動かせると。そうすると、ピークが出ない家が外部の電源に余りよらないで自分の家の中だけでうまく電力のコントロールができる、マネジメントができるようにするということは、ある意味じゃ大規模集中型の電源一辺倒だった、今は九五%ぐらいが大規模集中型ですから、それが徐々に減ってきて、その一部がこの分散型電源としてディマンドサイドに入ってくると。
 この適切なバランスが取れたときに最も低炭素型で、大規模集中型の電力もいい電力しか残らなくて、分散型も熱電併給ができて、自然エネルギーが取り込めると。だから、そこら辺が一つの日本の答えだと。
 それが集まったものが、ある意味ではスマートコミュニティーと我々は呼んでいまして、だから、キャッシュの流れができるということ、自由化するということはキャッシュの流れができますから、そのスマートコミュニティーもリアリティーを帯びてくるということになってくるんだと思います。
#137
○荒井広幸君 太陽光だけでは変電量、これを緩和できませんから、いろんなときに平均して発電しているということは、これは重要なことだと思うんですね。そういう意味でも技術開発がどんどん進んでいるわけです。
 一方で、今はお父さん役を犬までやるような通信の時代でございますから、大変な時代になってきたわけです。そうすると、最後にこれは尾崎参考人にもお尋ねしたいんですが、いわゆる総合エネルギー企業として進化していくんだと、同じように八木参考人もそうおっしゃっているわけですね。ですから、ある意味においては、これからはもうビジネスモデルの勝負になってくるわけだと思うんです。そういう中に、まあ今手のうちを明かしたらいけないというようなことかもしれませんけれども、果たして、杉本参考人からもありましたが、我々も選べるようになっていくということなんですね。それぞれが選べるって、これは魅力的だと思うんです。
 そういう意味では、どんな総合エネルギー企業になっていこうとしているのか、少し簡単に尾崎参考人にお聞かせいただきたいと思います。
#138
○参考人(尾崎裕君) 結構難しい御質問だと思いますが、やはりお客様に選んでいただける、そういうエネルギー供給者になるということだと思いますので、それは要するにお客様が何を望んでいらっしゃるか。
 例えば、先ほどおっしゃったように全てのサービスをアイテマイズというか項目全部出して、それでお客様に透明性を高くサービス、エネルギーを提供するという、そういうのがお望みだったらそういうことができるような、そういうシステムをきちっと御提供すると。それから、例えばダブル発電だとかそういうことをやって、できるだけ自立型でやりたいという、そういうふうに考えているお客様にはそういうふうなサービス、それから設備を提供するということで、お客様一人一人の御要望にお応えできるような、そういうメニューをどれだけたくさん提供できるか。
 しかも、そのメニューをたくさん提供することによって供給側が非常にコスト高になるということでは、これはまた使っていただけませんので、そこはいわゆるITとかそういう情報システムを駆使することによって、今まではマスでしか見ていなかった一人一人の家庭のお客様を、一人一人がそれぞれ顔が見える、そういう形でサービスを提供していくということが望まれているんではないかなというふうに思います。言うのは簡単ですけれども、実際にこれをやっていこうと思いますと結構、試行錯誤を含めて、少し時間が掛かるんではないかなというふうに思います。
 単品で本当に一つの商品、サービスだけをとことん追求するということもあるかも分かりませんけれども、やはり総合エネルギー企業、事業ということになると、いかにその組合せによって一人一人のお客様に満足いただけるようなそういうプロダクツを提供していくと。これは、電力会社さんもガス会社さんも、ほかのガス会社も全て競争の中でやっていくということになるというふうに思っています。
#139
○荒井広幸君 どうもありがとうございました。
 最後に、八木参考人に同じように。いつまでも原発に頼っているビジネスモデルなのか、それとも、今言いましたように通信事業も含めて、もう相乗りですし自給自足型に変わりますし、嗜好に応じてみんなが買うということになったときに果たして価格だけの勝負でもできるかどうか。そういう意味で、どういう今後、ビジネスモデルというんでしょうか、総合エネルギー産業になっていくのか、特に、いつまで原発に頼るのか、その辺もちょっと聞いてみたいところでございます。
#140
○参考人(八木誠君) 総合エネルギー事業というふうに進化していくためには、基本的な考え方としては、いわゆる商品を幾つかそろえて、極端に言えばお客様のお役に立つ、お客様のエネルギーについては全て私どもにお任せくださいという形での、いわゆるエネルギーを全て一手引受けするようなモデルになっていくと思うんですが、ただし、その中でお客様に選んでいただくためには、やっぱり安価な低廉ないわゆる料金というのはお客様の一番の選択肢の大きな要因だと思います。当然そういうメニューの多様化というのもあると思いますが、したがいまして、私ども事業者がいろいろと総合エネルギー事業をやっていくに当たっては、やはりその本来となる電気料金の低廉さという、ここの価格競争力を実現していくというのは大きなポイントだと思っています。
 この価格競争力を高めていくといいますか、電気料金を下げていくというためにとっては、やはり原子力というのを、これは大変大きな要素であると思っていますので、これはいつまでというよりも、よりいろんな電源構成を、国のエネルギー政策を踏まえながら、各電力において、いかに価格競争力の高い電源構成にしてお客様のサービスにしていくかと、そういう意味では、原子力は私は大変重要な電源だというふうに思っておりますので、基本的には引き続き事業者として推進していきたいという考えでございます。
#141
○荒井広幸君 ありがとうございました。
 杉本参考人に一つ用意していたんですが、時間になりましたので、失礼させていただきます。
 どうも皆様ありがとうございました。
#142
○参考人(八木誠君) 済みません、よろしいでしょうか、委員長。
#143
○委員長(吉川沙織君) 補足答弁ですか。八木参考人、どうぞ、端的に。
#144
○参考人(八木誠君) よろしゅうございますか。済みません。
 先ほどの松田先生の御質問に対して、私の回答がちょっと曖昧な回答でございましたので、修正をさせていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか。ありがとうございます。
 先ほど松田先生からの御質問の中で、損害賠償、債権者に対して損害賠償はしないようにしてもらいたいというお話をいただきました。
 私、その回答の節に、前段の流れから、そういうことがないように頑張りたいというちょっと御説明をしたんですが、実はこの趣旨は、私のその前段の説明で、訴訟に負けることがないように頑張りたいという意味で、そういうことがないというのは負けることがないように頑張りたいという趣旨で御説明させていただきましたので、まずそこを修正させていただいた上で、その上で、この損害賠償につきましては、まだ現時点で未定でございます。今後、検討課題とさせていただきたいという回答に修正させていただければ有り難く思いますが。
#145
○委員長(吉川沙織君) そのように取り計らいます。
 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様には、本当に長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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