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2015/05/19 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第12号
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2015/05/19 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第12号

#1
第189回国会 厚生労働委員会 第12号
平成二十七年五月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     柘植 芳文君
     羽田雄一郎君     足立 信也君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     柘植 芳文君     井原  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                井原  巧君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                柘植 芳文君
               三原じゅん子君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  大家 敏志君
       厚生労働大臣政
       務官       橋本  岳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       消費者庁審議官  岡田 憲和君
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       厚生労働省健康
       局長       新村 和哉君
       厚生労働省医薬
       食品局長     神田 裕二君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三宅  智君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○持続可能な医療保険制度を構築するための国民
 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、武見敬三君及び羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として柘植芳文君及び足立信也君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長唐澤剛君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○足立信也君 皆さん、おはようございます。民主党の足立信也です。お久しぶりでございます。
 この法案名の持続可能な医療保険制度、私は、このままでは持続可能とはとても思えないんです。甘いと、そういうふうに思っています。それは、本来、保険という、リスクの分散である保険と税の持つ再分配機能、これが峻別できていないからだと。それでは少子高齢社会では私は持続可能性は非常に厳しいと思っています。多分、両方併せ持つ以上、どのように変更していっても、各保険者は費用負担に不満がずっと残ります。さらに、財政審から五年間で一兆五千億円、医療費を中心に削減せよという話が出てきています。多分、この後、保険者も被保険者も、医療提供者も医療を受ける側も、みんな不満が募っていくと思います。恐らく大変な状態になっていくと私は思っています。
 そこで、まず、後期高齢者医療への支援金に全面総報酬割、これを導入することについて質問したいと思います。
 総理は、保険者間の支え合いの強化というふうに本会議で答弁されました。三分の一総報酬割を導入した我々のとき、五年前、我々は保険者間の助け合いという表現をしました。当時の自民党、公明党の反発は物すごかったです。どちらの政党も総報酬割導入を取りやめる修正案を衆参共に提出しました。衆議院の趣旨説明は加藤勝信官房副長官、そして古屋範子公明党副代表、反対討論は菅原一秀財務副大臣です。参議院では、趣旨説明は丸川珠代委員長、山本博司公明党参議院副幹事長、反対討論は石井準一自民党副幹事長です。
 代表的な発言を取り上げますと、菅原さんは、これはピンはね法案だと言いました。彼は今財務副大臣です。第一次安倍政権の厚生労働大臣政務官です。財務省は今どう思っているか、非常に興味があるところです。南野前参議院議員は、三分の一総報酬割を認めれば際限なき財政調整につながると。恐らく今回のことを言っているような気がしますし、もっと言うと、保険者間の助け合い以上に保険料を使った財政調整というふうになるのかもしれません。丸川委員長は、企業の成長力を奪うと、こう言っています。
 今回、総報酬割を全面的に導入すべき理由、自民党、公明党を代表してという言い方は失礼かもしれませんが、大臣、副大臣にそれぞれお聞きしたいと思います。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、全面総報酬割を導入する理由は何かというお尋ねでございますが、後期高齢者支援金の全面総報酬割は、負担能力が低い被用者保険者の負担が相対的に重くなっていることから、負担の按分方法をより負担能力に応じた負担に改めて、被用者保険者間の支え合いを強化するために行うものだというふうに考えております。
#8
○副大臣(山本香苗君) 公明党を代表してお答えする立場にはございませんが、今大臣から御答弁がありましたとおり、我が党におきましても、同じ理由で導入をするということになったと承知しております。
#9
○足立信也君 当時皆さんが、これはまず総報酬割導入をやめるべきだとおっしゃった理由は、本来国庫負担であるべきところを肩代わりさせているんじゃないかと。当時は我々は二つあったんです。後期高齢者医療制度を廃止することと、それから協会けんぽの国庫負担を一六・四に上げないともたないということでやったわけですが、今回、国保への国の肩代わりそのものじゃないですか。当時反対の理由の第一に挙げてきたことを今回更に広げようとしていることは間違いないわけで、これ、税金を保険料で千七百億円肩代わりという批判も健保連から出ています。当然だと思いますね、整合性を保つためには。
 ということは、今までは肩代わりはいけないと、今まで、五年前言ってきたけれども、これは保険者間での支え合いのためにやるべきであるというふうに考え方が変わったんですか。それとも、やっぱりこれはやるべきではないけれども仕方ない、そして是認しようという、どっちなんでしょう。それぞれにお聞きしたいと思います。
#10
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十二年の後期高齢者支援金について、三分の一総報酬割を初めて導入するという法案が出されたときは、今お話があったとおり、自民党が野党でございました。民主党が与党で御提案をされたわけでありますけれども、この平成二十二年改正時に自民党が法案に反対をした背景としては様々ございましたけれども、三分の一総報酬割を延長した平成二十五年の国会で、当時の、私の前任であります田村大臣が答弁をしておりますけれども、政権交代後の民主党は国の特別会計まで含めてやりくりすれば十七兆円近くの財源が出てくると御主張されておって、そういうことであれば、総報酬割を導入しなくても、そもそも協会けんぽに対する国庫補助率をもっと引き上げれば足りると考えて反対したと田村前大臣は御答弁をしているわけであります。
 なお、今回の改正において、全面総報酬割により生じる財源を国保の財源強化に充てることとしているわけでありますが、これは広い意味で国民皆保険を守るためのものでございまして、これはやはり助け合いということで、国民皆保険を守るために是非御理解をいただこうということで、今回、このようなことでやらさせていただこうということになったわけでございます。
#11
○副大臣(山本香苗君) 重ねて申し上げますが、今大臣から御答弁のあったとおり、与党としての審議もこの形でさせていただいておりますので、同じ理由となります。
#12
○足立信也君 五年前の衆参の総報酬割に関する議事録を僕、全部読みました。田村さんは、直接的にはこれはいけないと言っているのではないです。優先順位が違うんじゃないかという言い方なんです。名前は出しませんけど、ほかの議員は全員総報酬割がいけないと言っているんです。そこが大きな違いで、民主党だったら財源が出てくるはずだろうと、それを使えと、今、田村さんの答弁、大臣の答弁で言いましたね。じゃ、今回は、もう財源はないから保険料を使えというふうに言っているということですか。自公政権では財源出せないよ、保険料を使っていこう、そういうことですか。
#13
○政府参考人(唐澤剛君) ちょっと事実関係だけ申し上げますが、総報酬割につきましては三分の一導入されまして、そのとき私も保険局におりましたけれども、協会けんぽがリーマン・ショックで非常に厳しい状況にございました。国庫補助率は一三%に引き下げられたままということで、これはもう一一%近い保険料になってしまう、これではとても健保組合との違いということを納得していただくことはできないだろうということで、何とか一六%に戻して、しかも厳しい国費の制約などがございましたので、健保組合とそれから国費というものを事実上同額くらいずつ支援するということで上げさせていただいたわけでございます。
 今日も国保の支援についてどういう形でその基盤を強化するかということがございますけれども、一つは、一体改革の中で千七百億円の低所得者支援をしていただいた、他方で、残る同じくらいの規模を入れる必要があるのではないかということで、これは被用者保険の財政調整の結果を国保に使うのはいかがかという強い反対がございましたけれども、国民会議の中に盛り込まれて今日の改正に至っているというふうに理解をしております。消費税以上の国費を出していくのはなかなか難しいというのが実情でございます。
#14
○足立信也君 政務三役が誰も答えられないから唐澤さんが答えざるを得ないのはよく分かります。
 一緒につくってきた人間ですから、そのことはもう十分分かっています。要するに、財源がないから保険料でやっていこうという形になっているわけですね。さっき、際限なき財政支援という話をしましたが、これから財政審の言うように削減していくと、じゃ、次々に保険料負担でやっていこうという話に恐らくなっていきますよ。もたないと思いますよ。現役世代は大変なことだと思いますね。
 ということで、じゃ、どうすればいいかということを僕は言いたくて今日この導入部分に今使っているわけです。ただ、申し上げたいのは、同じように総報酬割にやっぱり頼らざるを得ない、今の制度である以上ですね。ということは、五年前は批判のための批判であったということですよ。
 じゃ、事実をお聞きしたいんですが、健康保険組合ですね、健保連、それから協会けんぽのこの法改正による支援金負担の増減、どれだけ増えてどれだけ減る、できれば、じゃ、今準備金としてはどれだけあるのかと、この点をお聞きしたいと思います。
#15
○政府参考人(唐澤剛君) まず、全面総報酬割の導入に伴います支援金負担の増減でございますけれども、協会けんぽでは約二千四百億円の減となります。健保組合では一千五百億円の増というふうに見込んでいるところでございます。これは今年度の予算ベースでございます。それから、健保組合は、今総額で申しましたけれども、所得水準の低い組合も約三割ございますので、七割のところは増えますけれども、三割は減という形になってまいります。
 それから、準備金の残高でございますけれども、平成二十五年度の決算ベースでございますが、協会けんぽは六千九百二十一億円という金額になっております。それから、健保組合は、これは合計でございますけれども、一兆七千七百二十一億円という金額になっているところでございます。
#16
○足立信也君 その準備金の残高等もやっぱり今回の全面総報酬割という大きな根拠だろうと思います。
 資料一を御覧ください。
 先ほど来申し上げていますが、医療保険制度は私はもう空洞化していると思います。その空洞化という理由は、よく言われる未加入あるいは未納付のこと、そしてもう一つは、先ほどからずっと申し上げている再分配機能、この二つが混在しているからだと思っています。
 この資料の一番右側にほかの保険制度への移転というのが、そのパーセンテージが書かれております。協会けんぽは四三・五%が他制度に使われている、組合健保は四四・二%、国保は二〇%、こういうふうになっている。ほぼ、本来リスクの分散である保険機能の部分と再分配の機能がもう半々なんですよ、こういう事態になっている。
 それから、未納、未加入については、公共事業労務費調査二〇一二年によりますと、建設事業者全体の一一%が健康保険に未加入である、労働者の四割がいずれの保険にも未加入であるということです。
 再分配については、総報酬割を導入するということは、社会保険料のところの税の性格を一層高めるわけですね、収入に応じた負担というふうになっていくわけで、税金をこの保険料で一千七百億円肩代わりという批判につながっているわけです。
 私たちは、経済的弱者である高齢者を年齢で区切って現役からの拠出を求める、だから保険の当事者間にあつれきを生じているんだということを考えて、そして、先ほどセットでと言いましたが、我々は、二段階の後期高齢者医療制度の廃止と総報酬割をセットでやって被用者保険を一元化しようとしたわけです。
 そもそも、他の保険制度に事業主が負担をするというのは、私はおかしいと思いますよ。自分の被雇用者が入っている保険制度以外の制度に事業主が負担をする、これは非常におかしな話だと思います。もう次の段階の、私個人の考えですけど、次のステップの話をしています。
 そこで、再分配機能のために総報酬割を入れるのは、先ほど言いましたように、税としての性格をより強めているわけです。本来の保険であるリスクの分散というものとは違うわけですよ。これ、分離して国民の皆さんに負担してもらうという考え方を取らないと、私は持続可能性は非常に低いと思っていますが、この考え方についていかがでしょう。
#17
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の足立先生の御主張は、拠出金ではなくて税で正面からやるべきじゃないかという御指摘かなというふうに思いますが、現行の後期高齢者医療制度は、いわゆる社会連帯の精神に基づいて高齢者の医療費を社会全体で支える観点から、公費を半分、そして現役世代からの支援金で約四割の負担を行う仕組みということで提案をして実行されているわけでありまして、これについて、民主党の皆さん方から廃止ということを提案をされてきていることはよく存じ上げているわけでありますが。
 この御指摘については、仮にこの支援金約四割を公費に改めるとすると、約六・二兆円に上る公費財源を必要としてくるわけでありまして、じゃ、この財源をどこから捻出をするのかという問題にたちまち直面をするということがまず第一点。それから二番目に、保険料については、安心して就労できる基盤を整備するという観点から事業主も負担をしているわけでございまして、支援金の原資としてもこの保険料が充てられているというものでございます。
 いずれにしても、高齢者医療の負担の在り方については、その財源について我々も随分いろんな議論をしていろんな方式を考えたわけでありますけれども、公費、それから現役世代からの支援金、そして高齢者の保険料、加えて高齢者の自己負担と、これしかない、限られた中で。今後、今回の改革による現役世代の負担の状況なども見ながら更なる見直しが必要かどうかということを見極めてまいりたいというふうに思うところでございまして、今のような理由で、私どもとしては、今回、新たな助け合いの仕組みということで御提案を申し上げているということでございます。
#18
○足立信也君 税の財源がどうこうという話に矮小化されてしまうのではなくて、保険料の約半分が再分配に使われているという事態がこれでいいんですかということなんですよ。税金にするということになると課税ベースの話もありますし、じゃ、事業主と雇われている方々が本当に一対一で保険料で負担して、それを再分配に使っていいのかと、そういう根本的な仕組みの話なんですよ。
 だから、そういう財源がどうこうじゃなくて、私は、税金化すべきとなったら課税ベースをどこまで広げるか等々出てくると思いますよ。これから議論すべきだと。案としてもそれなりに持ってはいますけど、今日はまだ言う段階ではないと思うので言いませんが、本来のリスクの分かち合いですね、リスクをお互いに分散し合うということの保険、これに本来、医療保険制度というのはやっぱり集中すべきであって、それを再分配機能を持たせるんだ、保険料から出していくんだ、その保険料の仕組みには、被用者の場合は雇われている方と雇用主が一対一だからと。それはこじつけみたいなもので、本来、ほかの制度の再分配に事業主が負担するということは僕はおかしいと思っていますよ。
 そこで、この議論は衆議院でも一度答弁し直しみたいな形になったと思うんですが、総理もそして塩崎大臣も、予防、これは西村議員が予防のことを相当本会議で重要なんだということを申し上げましたけれども、あるいは健康づくり、この取組は保険者機能の発揮だというふうにおっしゃっています。
 大臣、正確に、保険者機能とは何ぞやということを答えていただきたいと思います。
#19
○国務大臣(塩崎恭久君) 最近、保険者機能という言葉が頻繁に使われるようになっておりますけれども、これは特に法令上の定義というのは定まったものはないんだろうというふうに思いますが、一般的に、保険者が果たすべき役割、機能を指して保険者機能と、こう言っているんだろうと思います。
 海外では、英語圏ではペイヤーというのが保険者ということの訳語、どっちが訳語かは別にして、ペイヤーという言葉がよく使われるわけでありますけれども、具体的に保険者としてやるべきこと、役割、機能というのは、大体次の六つぐらいあるのかなというふうに考えておりまして、まず第一に誰が被保険者なのかということを定める資格の管理、それから二番目には保険料の設定と徴収、それから三番目に保険給付、そして四番目に審査、支払と、これがペイヤーたる本質だろうと思いますが、それから五番目に保健事業等を通じた被保険者の健康管理、さらに六番目に医療の質あるいは効率性の向上のための医療提供側への働きかけ、この六つの役割、機能を主に適切に発揮するということが保険者機能を発揮するということになるのかなというふうに考えておりまして、レセプトとかあるいは特定健診などの電子データ化が急速に進んでいることなどを踏まえて、これらを活用した被保険者の予防、健康づくり、先ほどお話をいただきましたが、それから医療計画の策定への参画などの医療提供体制側への働きかけといった役割、機能を強めていく必要があるのかというふうに考えているところでございます。
#20
○足立信也君 細かく御説明いただきました。全然否定はしません。
 究極的には、被保険者の健康づくりに貢献して、できるだけ医療や介護を受けずに済むように、そしてそのことによって保険料は下げていきたい、でも、本当に医療や介護が必要な人にはきっちり届くように、リスクの分散ですね、これが私は機能だと思います。ということは、予防や健康づくりに取り組んで医療を余り受けずに、介護もそうですが、受けずに済めば保険料は下げられる、これは本当の機能を発揮しているところだと思うんです。
 ところが今回、協会けんぽの法定準備金を超過する準備金残高がある場合、更に積み上げるときは、その積み上げる分の一六・四%を翌年度の国庫補助から減額するという仕組みになっているわけです。積み上がる分というのは今現在の保険料率、国庫補助率を基礎に計算するんですが、実際積み上がるその翌年度になると国庫補助の部分は削減すると。
 このことが今の保険者機能、究極の保険者機能の話とは矛盾していませんかということです。保険者機能を発揮して準備金を積み上げて、現在の料率で積み上げ額を推測して、しかし、頑張ってできるだけ受診しないようにやってきたけれども、国庫補助が減額されたら、これ、保険料を引き下げていこうというインセンティブが保険者に働かなくなるんじゃないですか。私はそう思いますけれども、いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、協会けんぽの国庫補助率の安定化を行うに際して特例的な減額措置というものを設けているわけでありますけれども、それについての御指摘だと思います。
 今回の改正では、まず第一に、協会けんぽの国庫補助率を当分の間一六・四%として、期限の定めをなくして安定化をさせるということで、まず第一にこれを措置するわけでありますが、目下、経済財政状況等を踏まえて、法定準備金を超えて準備金が積み上がる場合には、今申し上げた国庫補助の一部を減額するという仕組みを講じているわけでありますが、この国庫補助が減額されるというのは、法定準備金を超えて準備金が積み上がる場合にまず第一に限られるということ、かつ削減される部分は、この積み上がる分のうち国費が寄与したと考えられる一六・四%の部分のみに限定をされるということで、つまり、それは税金でもって積み上がった部分について一部返していただこうというのが今回の特例的な減額措置ということでございまして、今、保険者機能の発揮の御指摘が足立先生からございましたけれども、この保険者機能そのものの発揮、あるいは保険料引下げのインセンティブがなくなるのではないかという御指摘がございましたけれども、少なくとも国費が寄与したと考えられる部分についての限定的な減額措置でございますので、今先生が御懸念のようなことにはならないのではないかと私どもは考えているところでございます。
#22
○足立信也君 皆さんそれは納得しないと思いますよ。積み上げられる、つまり、予定していたよりも受診機会を少なくできて、健康を維持できて、これは良かったと、積み上げようと来年計画したら、その分で国費が貢献した部分は削りますよと、それは保険者をばかにしているような話じゃないですかね。
 逆の捉え方をすると、準備金の国庫負担が欲しければ、保険者機能として準備金に回る部分をもっと予防に使えと言っているのかなと、逆に捉えるとですよ。準備金に回すくらいだったら保健事業であるとか予防にどんどん使ってくれよと、それならまだ少しは分からないでもないですけれども、国庫が寄与した部分はもらいますよと、保険者に対して、何とも言えない答弁なので何とも言いませんが、逆に捉えると、これ、負担を減らしてほしくなかったら本当にもっと使えと言っているんだと捉えますね、私は。
 それは非常におかしな考えだと思いますけれども、何かお答えありますかね、その点について。もう一度繰り返しになれば、もうしようがないです。ですが、やはり保険者としてのインセンティブというのは、できるだけ健康を維持して保険料は下げていきたいんですよ。そこをやっぱり抑えるような動きはいけないと私は思います。この点についてはどうでしょう。答えられなかったらいいですが。
#23
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論的には先ほど御説明申し上げたとおりでありまして、まず第一に、先ほど財源の話を申し上げましたけれども、全体として財政が大変厳しい中にあって、どうその中でいい方向に、健康づくりと予防とを中心に医療を制度としてきっちり国民のために機能させていくかという、そういうことでありまして、先生御指摘のように、保険者として協会けんぽが予防や重症化予防あるいは健康づくりのために自ら努力をするということは極めて大事で、そういう意味では、それを奨励するという考え方自体は私もそのとおりだろうというふうに思いますし、ただ、その財源を何でやるのかという問題については、いろいろな制約がある中で、今回こういう形で、法定の準備金を超える部分について、税で積み上がった部分についてはやはり一部返していただかないといけないんじゃないだろうかという考え方を今回取っているわけで、協会けんぽそのものが保険者機能を発揮するためにいろいろな予防措置、広島の支部では糖尿病の人工透析に至るリスクを管理するプログラムをやっておられますけれども、そういうことは是非やってもらいたいというふうに思っているわけでありますけれども、そういう意味で、国家財政の中で何をどう配分するかというときに、そこのところは自賄いで頑張れる範囲内で頑張っていただけないかということを申し上げたいというところなんでございます。
#24
○足立信也君 大臣のお考えとしては分かります。
 唐澤局長、法定準備金って、先ほど協会けんぽは六千数百億準備金があるという答弁がありました。法定準備金は約一か月分ですか、六千、準備金としてこれは十分なんでしょうか。
#25
○政府参考人(唐澤剛君) 準備金をどのくらい持っているのが適切かというのはなかなか難しいんでございますけれども、歴史的な経緯で申しますと、過去は、バブルの頃ということに限らず、そのちょっと前まではもう少し積立金の規模は大きなものを求めていたということはございます。
 ただ、全体的に現在のような経済情勢になってきてからは、健保組合につきましても準備金の水準というのは前より引き下げておりますので、もちろん準備金は多いにこしたことはないんですけれども、余り現実的でないものをお願いをしてしまいますと保険料を引き上げることになってしまいますので、今の一か月というのがぎりぎり最低の水準ではないかというふうに私どもは考えております。
#26
○足立信也君 健保連が一兆七千億という話が先ほどありました。何倍になるんですかね、三倍近いですね。やっぱり最低限ですね、この協会けんぽの法定準備金というのは。本当に最低限だと思います。それはそれとして、考え方が割と違いが明白になっているのではないかと私は思っています。
 次は、先進医療と患者申出療養に行きたいんですけれども、その前に、今、八十六ですか、特定機能病院、ある中で、群馬大学と東京女子医大の指定が五月中にも取り消されるというふうに聞いています。群馬大の事案は、この中の一部は先進医療として行ったものも当然あります。
 群馬大の特定機能病院の承認取消し、これ、特定機能病院の承認要件というのは相当いっぱいあります。これも私も見ました。その中で、これ、指定ということは、承認要件を満たしたと判断されている。これを取り消すということは、その中の要件がどこが欠けたと、足りないということがないと、明確じゃないと、次に再指定を望む場合に、じゃ、何を改善すればいいのかということが明確にならないと思うんですね。指定というのはそういうものだと私は思いますので、この群馬大の特定機能病院の承認取消し、これは承認要件のどこに反していたのかということをお答え願いたいと思います。
#27
○副大臣(山本香苗君) 事実関係でございますので私の方から答弁させていただきますが、今、足立委員から御質問がございました、どこの要件に反したのかということでございますけれども、医療法の第二十九条第四項第四号等におきまして、特定機能病院の管理者が医療安全管理体制の確保等につきまして医療法及び関連法令の規定に違反した場合等につきましては、厚生労働大臣は社会保障審議会の意見を聞いてその承認を取り消すことができる旨規定をされております。
 今のお尋ねにありました群馬大学医学部附属病院につきましては、社会保障審議会医療分科会におきましてその承認の取扱いを審議してきたところでございますけれども、先月の三十日に取消しが相当であるとの意見書が取りまとめられたものでございます。
 具体的には、特定機能病院の管理者が確保するとされている医療安全管理体制につきまして、まず、死亡症例検討会などにおける原因分析や管理者への報告を実施できていなかった、死亡事案が発生した際の院内報告制度が機能しておらず、また速やかな原因分析や改善策の立案及び職員への周知が行われていなかった、死亡事案が連続していたにもかかわらず、関係部門からの報告や意見が出ておらず、医療安全管理部門による組織横断的な対応が行われていなかった、事故調査報告書の作成過程に問題があり、また、そのような報告書を厚生労働省及び医療分科会に提出したことなどが指摘をされております。
 こうしたことを踏まえまして、厚生労働省といたしましては、現在、所要の手続を行っているところでございますが、要件の承認の取消しはどこかというのは今申し上げたところにございます。
#28
○足立信也君 はい、分かりました。ということは、これをクリアしていけば再指定もあるんだろうということになっていくんだろうと思います。
 橋本政務官、医療法改正に伴う医療事故調査制度、省令もそれから通知も出そろって、あとは十月一日の施行を待つばかり。この制度は、医療安全の確保のためであって、責任追及のためではないということが徹底されている。政務官も相当御尽力されて、敬意を表したいと思います。
 そこで、今、山本副大臣がおっしゃったことは、検討会の実施や院内の報告制度、そして周知、これはそれぞれ病院内の話なんですね。今回、今申し上げた医療事故調査制度というのは、院内事故調査会の働きが極めて大きい、それが肝なんです。で、今の特定機能病院承認が取消しされるであろうという肝は院内の調査なんです。ただし、今回の医療事故調査制度というものは予期せぬ死亡ということに限られてくることの中で、この群馬大学、これを例に取ると、当然やっているべきことをやっていなかった、院内で。そのこととこの医療事故調査制度で今回新しくつくられること、微妙に違いますよね、予期せぬということについて。
 これ、いきなりの指名で大変申し訳ないんですけれども、今、山本副大臣がおっしゃったことは従来からやっていなければいけなかったことだと、この点について、今回の医療事故調査制度、そのまま混同されては困ると私は思っている。だからあえて申し上げたいんです。当然のことながらやっていなければいけなかったことであるということをまず確認したいのと、そのことから、私は、群馬大も報告書をやり直すとか、これはある意味、今回のつくり上げてこられた医療事故調査制度、事実認定、そして安全の確保ということとはちょっと違う報告書になっている。ここにも反省しなきゃいけない部分がありますよ。参考にしなきゃいけない部分がある。
 ということで、今、群馬大の例ばかり取り上げて申し訳ないけれども、本来やらなければいけなかったことであるということを政務官の口からそこをはっきりさせていただきたいと思うんです。いかがでしょうか。
#29
○大臣政務官(橋本岳君) 今、足立委員から御質問をいただきましたように、若しくはあるいは山本副大臣から答弁申し上げましたように、今回、群馬大学で問題になっておりますのは、これは医療法の第十六条の三というところで、特定機能病院の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、次に掲げる事項を行わなければならない。その七で、その他厚生労働省令で定める事項というのがありまして、それに基づいて医療法施行規則の方で、第九条の二十三で、ここで定める事項は次のとおりとするということで、医療に係る安全管理を行う部門を設置することという項目があって、そこのところがきちんと設置をされ、形上、設置をしていたとしても十分機能していなかったということで、設置をしているに当たらないということで今回の処分になったというふうに理解をしております。
 それはそれとして、昨年の総確法の方で決まった医療事故調査の制度につきましては、この間、検討会が済んで、省令、通知等を発出をさせていただいたところでありますけれども、それはそれで、予期せぬ死亡、そして医療に起因する、又は起因すると思われる死亡というものがそろったときには、医療事故の院内の事故調査を、届出等を行って必要な手続に入るというようなことになっております。
 それはそれとしてきちんとやっていただかなければいけないということで、今回の群馬大学で特定機能病院取消しになった理由というものは、新しい事故調査制度のものとはまた別にやっていかなければいけないということで、委員御指摘のとおりでございます。
#30
○足立信也君 今回の政務官担当の医療事故調査制度というのは、本来医療者側がやらなければいけないことをはっきりさせたというところが非常に大きくて、これは医療者側も覚悟を持って臨まないと駄目なことなんですね。そこが一番大きい。そこが肝なんですね。今回のは、それのベースになる部分ができていなかった。だから、これを徹底させること、本当に医療者側が自覚と責任を持ってしっかり日本中でやっていくんだということをもう一回これを機に徹底していかないと、新しい制度はうまくワークしない、そのように思いますので、是非頑張ってもらいたいと、そういうふうに思います。
 そこで、今の二大学も含め、そしてさらに千葉県がんセンターを加えて三病院で、先進医療の新たな患者の受入れを停止するよう求めることを五月七日に決められたと、厚生労働省、そういうことです。それはちょっと理由をはっきりさせてほしいんですが、先ほどの特定機能病院のように、先進医療会議で先進医療をやるにふさわしい医療機関ではないという、要件を何か欠いたのでしょうか、それとも別の理由なんでしょうか、新しく受け入れないという三病院で。これをお聞きしたいと思います。
#31
○国務大臣(塩崎恭久君) 五月七日に先進医療会議が開かれました。それで、今般、群馬大学の医学部附属病院、それから東京女子医大の病院、それから千葉県のがんセンター、この三つの病院で医療安全上の問題等が発生していることを踏まえて、五月七日の先進医療会議において、これらの医療機関における先進医療の取扱いについて議論をいたしたところでございます。
 この結果、三病院に対して、実施している全ての先進医療について実施状況等の自主点検と、それから新規患者に対する治療の停止を要請することとされたものでございまして、今後、医療機関からの自主点検結果、これが報告として出てくるわけでありますけれども、これを踏まえて、新規患者に対する治療再開の可否等について先進医療会議において審議を行うということとしているところでございます。
#32
○足立信也君 全ての先進医療について自主点検のため、これ必要なことだと思います。であるならば、先進医療については全て義務化した方がいいかもしれませんね、自主点検というものも、というような気も私はします。
 そこで、総理大臣もそれから塩崎大臣も、先進医療を身近でというふうに患者申出療養のキャッチフレーズとして用いられております、先進医療を身近でと。この患者申出療養という新たなタイプのものを始めた場合に、どのような治療法がここに増えていくか、あるいは行政としてどういう治療法の部分をここに入れて増やしていきたいと、そういうふうに考えられているのか、その点をお聞きしたいと思います。
#33
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、患者申出療養というものを新たなカテゴリーとして法律に定めようということで御提案を申し上げているわけでありますけれども、この患者申出療養については、例えば、現在行われている先進医療を身近な医療機関で実施するもの、つまり、例えば東京大学とか東京医科歯科大学とか、東京の病院でしかやっていないというようなものを北海道でも九州でも、あるいは四国でも、身近な医療機関で実施することができるというものがまず第一。
 それから、現在行われている先進医療の適格基準対象外の患者に対する治療。これは例えば年齢制限があるような先進医療がございますけれども、例えば幅を持たせて二十歳から六十歳までというときに、じゃ、六十一歳とか五歳とか、そういう方に適用できないかというような治療法でございます。
 それから三番目は、先進医療ではないけれども、国内の未承認の医薬品等の使用について患者からの申出というものが行われることがあり得るという、こういった今三つのジャンルを申し上げましたけれども、このような申出に対応できる仕組みを創設することによって、まさに大変難しい困難な病気と闘う患者の皆さん方が常日頃からこれまで思っていた、何とか治療したい、治りたいというそのお気持ちにしっかりと応えるための制度として、今回、患者申出療養というものを考えているということでございます。
#34
○足立信也君 資料の二を御覧いただきたいと思います。
 これが今、我が国の保険外併用療養費制度です。御案内のように、選定療養と評価療養。評価療養の中に、これ再生医療等製品についてはごく最近入ってきました。簡単に言いますと、全体で、先進医療か治験か保険収載前か保険適用外か、この四つなんですね、類型からいくと。
 今三つ大臣の方から、身近で先進医療と、先進医療の内容を対象外もと、それから未承認という話がありましたが、ちょっと唐澤局長、済みませんが、かなり先進医療というものに重点を置いた答弁だったんですが、私は、身近でということになると、やっぱり未承認薬とか適応外の使用、ここが圧倒的に増えるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう、予想として。
#35
○政府参考人(唐澤剛君) これは先進医療で実施しているものもございますけれども、私どもも、先ほど大臣ももう少しお話をされるとそのお話に触れていただいたと思いますけれども、特に抗がん剤などの未承認、適応外ということを御希望される方が増えるのではないかと思います。それで、現実的には、現在の先進医療というのは、やはり特に大都市の大学病院などを中心に行われているというのが実態でございまして、がん対策基本法をお作りいただきまして、全国にがんの拠点病院がございますけれども、まだなかなか広まっていないというような実情もございます。
 先生御指摘のように、適応外あるいは未承認の医薬品に対する御希望というのは非常に多いのではないかと考えております。
#36
○足立信也君 私もそう思います。
 そこで、先ほどの資料なんですけど、この外に、選定療養と評価療養のもう一個類型として患者申出療養というのがあると。その中身は、評価療養のところの、大臣は先進医療というところを強調されるんですが、一番多いのは恐らく保険収載前や適応外使用のこの下の方だろうと、私はそう思いますよ。そうすると、一体どこが違うんだということになってくるわけですね。御案内のように、先進医療のAとBというのがありますけれども、Bの方が未承認やあるいは適応外のものを使った高度な先進技術ですよね。でも、多いのは恐らくこの下の方の類型であろうと、保険収載前、適応外使用。
 そうすると、患者申出療養というもう一つ柱が立つとおっしゃるんですが、これ、違いがよく分からないし、具体的にどこが違うんでしょうか。
#37
○政府参考人(唐澤剛君) 先生の資料で御指摘いただいていますように、選定療養の方は、これはアメニティーでございますので、評価療養の方は主にここにございますような先進医療、あるいは治験、あるいは治験終了後の医薬品の承認申請の間の段階、それから承認申請から保険適用までの間の段階と、こういう形でこれまでの取組で順次埋めてきていただいたんでございますけれども、今回の患者申出療養は、医療の範囲としては評価療養とある部分重なるものがあると思っております。ただし、一つには患者の申出を起点とするということで、これ、現在の評価療養というのはやはり医療機関、研究者の視点からというのが非常に強うございますので、患者さんの御希望ということをまず第一にするというのが一点目の違いでございます。
 それから、審査の早さということで申しますと、当然、国が安全性、有効性を迅速に確認するということが重要なんでございますけれども、これは、患者申出療養につきましては、原則六週間くらいのうちに有効性、安全性を確認して使用につなげていくと。これは、先進医療の方は、現在、先進医療そのものにも少し問題がありまして、事務手続をもう少し早くしていくということが必要なんですが、現実としては書類のやり取りなどで六か月程度掛かっているというような実情がございます。こういうところを早くしていく。これは、先ほど先生からお話がございましたように、未承認、適応外の医薬品の使用というようなものを御希望される場合はかなり早くお使いになりたいという御希望がございますので、これを早くしたいということでございます。
 それから三つ目は、先ほどもお話しいたしましたけれども、非常に先進医療の場合はやはり大都市の大きな大学病院というようなところが中心で行われておられますけれども、例えば、先ほどお話し申しましたように、がんの場合であればがん診療連携拠点病院、これは全国で四百程度ございますけれども、こうしたところでも実施できるようなことを目指していきたいということで、この三点につきまして先進医療とは異なったものにしてまいりたいと考えているところでございます。
#38
○足立信也君 あくまでも先進医療というふうにおっしゃっていますが、多いのは、先ほどから何度も言っていますように、この下の部分じゃないかと、保険収載前、間を埋めると言いましたが、適応外。そうすると、新たな先進医療の一形態というよりも新たな評価療養の一形態じゃないんですか。あくまでも先進医療にこだわるんでしょうか、そういうことなんです。その違いが患者起点だけという意味なんでしょうか。
#39
○政府参考人(唐澤剛君) これは、正確に申しますと評価療養の一形態ということでございます。
#40
○足立信也君 そうだと思います。評価療養の一形態、あくまでも患者が起点であるということだと私はすんなり落ちます。
 そこで、総理は保険収載に向けたロードマップの作成を医療機関に求めるというふうに答弁されたんです、本会議で。僕はよく分からない、意味が分からないんですが、保険収載のロードマップを医療機関が作る、これは極めて異質な感じが私はするんですが、当然保険局、医薬局、関わってくる話なんだけれども、ロードマップを医療機関が作る、これの意味はどういう意味なんでしょうか。
#41
○政府参考人(唐澤剛君) もちろん保険収載自体をどういう枠組みの中で制度の中に取り入れていくか、あるいは診療報酬の中に、あるいは薬価基準の中にどこに位置付けるかと、財源をどうするのかというようなことにつきましては、これは当然、国の判断でございますので、厚生労働省がしなければいけないことでございますが、ここでお願いしたいと考えておりますロードマップにつきましては、研究で実施をしているものを例えば治験にどういうふうにつなげていくのか、どのくらいの症例を集めて、どのくらいの基研で治験につなげていって、どこまで詳しく書けるか分かりませんけれども、いつ頃薬事承認を目指したいというような事柄をロードマップとして作成をしていただきたいということでございます。
 それぞれの研究レベルの考え方として、そういうものを国の方にお示しをしていただきたい、そういうことをお願いしたいと考えております。
#42
○足立信也君 当然、最初の、こうなればいいなみたいな形だろうと思うんですが、じゃ、今そこで医療機関が書くということになっているわけですが、それは指定はまだですけれども、臨床研究中核病院なんでしょうか。それとも、特定機能病院や身近な医療機関もこれに関わっていくわけですけれども、書くのはどこなんでしょうか。
#43
○政府参考人(唐澤剛君) ロードマップを作成をするのは臨床研究中核病院というふうに考えております。
#44
○足立信也君 これは意見書の段階で既にロードマップを作るということだろうと思います。
 しかし、先ほど言いましたように、こうなればいいなという感じで書くんですが、そこは国、行政の関与で、医薬局、保険局の関与で変わるわけですね。症例数足りないぞと、これは大丈夫か、当然、修正が入っていくわけですね。
 そのところは関与されると言いましたが、そこの関与の仕方、これはどういう、定期的に報告をさせて、そのロードマップにどこが外れている、どこが修正を加えるべきだと、そういうことを定期的に医薬局あるいは保険局がされるんですか。
#45
○政府参考人(唐澤剛君) もちろん詳細なことはこれからでございますけれども、一年の定期報告のほかにどんな関与をしていくべきかということであろうと思います。
 それで、先生御指摘いただきましたように、もちろん保険局の保険収載の観点、これは実施箇所数なども、かなり症例数、関係してまいりますし、それから臨床研究という観点からは医政局の研究開発の視点というものも関係してくると思います。
 それからさらに、本格的に保険導入を目指すということであれば、例えば医薬品や医療機器の場合はPMDAの視点なども関係してまいりますので、そういうところからどういう、アドバイスをもらう方法、あるいは関与の仕方がいいのかということにつきましては、今後十分関係者の皆さんからも御意見をいただいて、そして詰めてまいりたいと考えております。
#46
○足立信也君 もう時間なのでまとめに入りますけれども、相当残っているので、次回もあるかと思いますが、今、一年の定期報告だと。当然、その進め方について行政側も意見を言う、そして修正していく、新たなロードマップがそこでまたできるでしょう。それがどうして短期間でできるという話になるんでしょうか。一年に一回の定期報告、更にそこに修正が加わっていく、ゴールがまた変わっていく、それをごく短期間でやるという根拠がどこにあるのでしょう。
 僕は、危険なのは、行政の方が関わっていかないんじゃないかという感じがするんです。今の話を聞いているだけでも、これは三年は掛かるなとすぐ思いますよ。当たり前、皆さんそう思っているでしょう、今の話。一年の定期報告から、基にですから。それがどうして短期間でできるんだと。できるんだったら、それこそロードマップを示してもらいたいですよ、是非、それが可能であれば。
 それから、これ次回の質問に回したいですが、総理は、かかりつけ医が相談に応じて支援を行うともおっしゃっているんですが、じゃ、かかりつけ医って何なんだと。意見書を出すのは臨床中核病院、やるのはがん診療拠点病院や特定機能病院、そして身近な医療機関。かかりつけ医ってどこに入るんだと。実施する人じゃないですよ、かかりつけ医が相談に乗ると言いながら、実施する人は違うんですよ。全部説明しなきゃ納得しないですよ、患者さんって。物すごく不安になると思うし、責任のなすりつけ合いになりますよ。
 このことは次回の質問でやりたいと思いますが、今日は以上で終わります。
#47
○牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し質問させていただきたいと思います。
 今回の法案というのは、国民健康保険にとどまらず、非常に広く医療保険、ひいては医療費全般に大きな影響を及ぼす、国民にとっては非常に重要な内容が数多く含まれています。今回の法案の言わば基となっております社会保障制度改革プログラム法案でもそうでしたけれども、なぜここまで多種多様な内容を一つの審議の中に詰め込むのか、私はさっぱり分かりません。
 内容が広範過ぎて、一つ一つの論点について十分な審議が行いづらくなるのは当然だと思うんですけれども、実際、衆議院の審議も、参考人の質疑を除くと委員会審議は僅か三日間だけで終わったわけですね。これでは到底国民のための熟議が尽くされたとは言い難いと思うんです。参議院における質問では十分な熟議が行われることを希望したいと思います。
 また、衆議院では、詳細はこれから検討するという答弁が繰り返し多発したということを聞いておりますけれども、お聞きしている内容は、法律審議に必要な内容なんですね。充実した審議のためにも、そのような答弁はなるべく避けていただきたいと、あらかじめお願い申し上げます。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 平成二十五年に自公政権が提出した社会保障制度改革プログラム法案には、高齢者医療制度とまた年金制度の抜本改革が盛り込まれなかったため、民主党は同法案に反対いたしました。そのプログラム法案に基づいて提出された本法案も、高齢者医療制度の抜本改革が盛り込まれておらず、取れるところから取るというだけのつじつま合わせの見直しだと思います。そもそも、後期高齢者医療制度を現役世代の医療保険とは別建ての制度にしたことが保険者間や世代間の対立を助長していると思うんですけれども、ここで大臣にお伺いしたいと思います。
 今後、少子高齢化の進行によって高齢者の比率が高まる一方で、支える側の現役世代が減少していく中で、保険料収入と公費だけでは到底自立し得ない高齢者医療制度が本当に持続していけるのかどうか。この法案も持続可能とうたっていますけれども、本当の意味で持続可能と確信していらっしゃるんですか。大臣、お答えください。
#48
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど足立先生からもいろいろ御指摘をいただきまして、高齢者医療というものをこれからどうするんだということは、もうかなり前から私ども自民党の中でも議論を重ねてまいりました。
 後期高齢者医療制度にたどり着くまでにいろいろな案があったことはもう先生御存じのとおりだと思いますけれども、例えば、制度間でのリスク構造調整を行う案、つまり突き抜け方式、それから、その突き抜け方式に近いものですが、突き抜け方式そのもの、あるいは一定年齢以上の独立保険方式、これが提案もされました。それから、完全な一元化というのも全体を提案をされ、それぞれメリット、デメリット、いろいろなことを議論する中でたどり着いたのが今の後期高齢者医療制度で、これは平成二十年に施行に至ったわけでありまして、私どもとしては、考え方はいろいろあると思います、あると思いますが、実行可能なものとしてどう仕組むかということはとても大事なことであって、ですから、引き続き、いろいろな御意見があることはよく分かっておりますので、是非、お考えはお考えとして、制度化したものとしてお出しをいただくと大変勉強になるんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども。
 私どもとしては、先ほどいろいろ御批判はありましたけれども、持続可能な医療保険制度を構築するために今何をやるべきかということで様々なことを提案を今回させていただいているわけでございまして、それぞれ非常にリンクをしたものとしてお出しをさせていただいたわけでありまして、ここに既に前提とされているのは、例えば医療の、各都道府県がつくるビジョンを基に供給体制を組み直すとか、地域包括ケアシステムをつくるとか、そういうもう既に決まってスタートしているものもあるわけで、そういうものを前提に、これを持続可能なものとするために何が必要かというときに、今回御提案を申し上げているものをやらなければならないと、こういうことだと思います。
#49
○牧山ひろえ君 大臣、いろいろな過程があったというふうにおっしゃっていますけれども、その過程の中でも野党時代に御発言された内容とはリンクしていないですし、また、根幹に構造的な問題を抱えたまま、例えばどこまで現役世代の負担が増加するか全く不透明な状況なのに、そうおっしゃるのは非常に残念です。
 安全保障法制を平和法制と最近勝手に呼び始めたというふうに気が付いていますけれども、同じような不誠実な言葉遊びの印象を受けます、持続可能とおっしゃるのは。本当に持続可能にしていかなくてはいけないのに、そうではないということが、それは難しいということを恐らく分かっていながらもそういうことを進めるというのは、非常に私は残念だと思います。
 当局は、国保改革において財政運営責任を都道府県に移行しようとしております。持続可能な健康保険という視点から、運営を広域化する基本的な方向性に私は異議はないんですけれども、ただ、市町村は、都道府県から割り当てられた納付金額を不足なく納めるために、納付金額より多めに保険料を徴収することが想定されます。そうした場合に保険料の上昇につながるのではないかと心配しております。
 国保の都道府県移管によって保険料が上がる市町村がこれによって多く出るのではないかと思うんですね。国保の保険料の変化の見通しをお伺いしたいと思います。
#50
○大臣政務官(橋本岳君) 今回の国保改革では、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うこととしておりまして、国保の財政基盤の大幅な強化を図ることとしておりますので、保険料の伸びの抑制等の負担軽減が図られるものと、まず全体として考えております。
 その上で、例えば市町村ごとにどうなのだということも御議論あるべきかと思いますけれども、市町村ごとの保険料水準の見込みについては、今申し上げた財政支援策の詳細については、今後、地方と協議の上、決定するということになっておりますので、現時点で各自治体への具体的な配分額の見込みを立てることができないということ、あるいは都道府県が市町村ごとに定める納付金の額につきましても、市町村ごとの医療費水準、所得水準に応じて定めることとなっておりますけれども、その詳細については、今後、都道府県と市町村が協議の上、決定していくこととなることなどから、お示しすることは困難であるというのが現状でございますし、また同時に、最終的に保険料水準、個々の市町村の保険料を決めるのは市町村でございますから、市町村のガバナンスも当然その中では働くのであろうと、このように考えるところでございます。
 いずれにいたしましても、国といたしましては、被用者の保険料の保険料水準が急激に変化することのないよう必要な配慮を行ってまいりたいと、このように考えております。
#51
○牧山ひろえ君 その答弁では、私が心配したことが更に心配の種になってしまいます。
 国保の都道府県移管に伴う保険料の引上げは患者の負担に更なる追い打ちを掛けることになりますので、しっかりとした見通しと、それに伴う対策をお願いしたいと思います。
 さて、今回の改革では、持続可能な制度を構築するために、被用者保険者に係る後期高齢者支援金について全面総報酬割を段階的に導入する方針となっております。
 後期高齢者支援金の存在を前提とする限り、費用負担の方式について、加入者人数の頭割りである加入者割、これから全面総報酬割に移行すること、また、それにより生み出された財源を国保の財政支援に活用する、こうした考え方自体は必ずしも否定しませんけれども、ただし、国保の効率化の改革が十分になされていない現時点で行うことは、負担が増える被用者保険の被保険者の理解が得られないと思うんですね。ですので、制度の信頼を損なうおそれがあると思います。持続可能な医療制度、そしてそれを支える健康保険制度を維持するためには、費用負担についての各保険者の理解と納得が何より重要だと考えております。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
 後期高齢者支援についての今回の改革の方向性が被用者保険サイドにきちんと理解と納得を本当に得られているとお感じでしょうか、大臣。──大臣、お願いします。
#52
○大臣政務官(橋本岳君) 済みません、御指名をいただきましたので、答弁をさせていただきます。
 今御指摘をいただきましたように、当然ながら、被用者保険の皆様方にも御理解と納得をいただくべきであるという御指摘はそのとおりだというふうに思っておりますし、それに向けて、例えば平成二十九年度から、約七百億円の追加的な財源によりまして被用者保険者の負担軽減を図ることとしておりますことなど、しっかりと御説明をして御理解をいただけるように努力をしてまいりたいと思っております。
#53
○牧山ひろえ君 私は大臣に聞いているのであって、それと、今答弁されたことは全然答えになっていませんので、被用者保険サイドの理解と納得を得られているかどうかと大臣にお伺いしているので、大臣、お願いします。
#54
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、被用者保険側の納得が必要だということは、今、橋本政務官から答えたとおり、大変大事なことでありまして、当然のことながら、今回この全面総報酬割というのはそれなりに負担がそれぞれ増えるところがございますから、そこに至る過程で様々な議論を重ねてまいったわけでございまして、私どもとしては、被用者側の皆さん方に御理解をいただけるという前提で今回このような法律を出しているわけでございまして、そのような努力を更に続けていかなきゃいけないこともまた事実ではありますけれども、それは保険側の納得をいただけるという前提でございます。
#55
○牧山ひろえ君 大臣、あくまでもそれは大臣側の一方的な思いであって、相手が理解と納得をしているかということは別問題だと思います。
 私たちもこの件について各保険者にヒアリングを行いました。本来国費で対応すべきものを保険料で肩代わりするものという批判が実際には根強くあるように感じました。現段階では、被用者保険など保険者の納得は全く実際には得られていないんですね。大臣は、努力とか、先ほどからずっと検討とかおっしゃっていますけれども、全然通じていないんですね、それは。
 さきの社会保障制度改革プログラム法案では、高齢者医療制度の抜本的改革が先送りされました。抜本改革の先送りは今も続いております。特に、今回負担が増える保険者の不安は、この後期高齢者支援金の負担が一体どこまで重くなるか分からないという点にあると思うんです。せめて、現役世代の拠出金負担に上限を設けるですとか、または負担構造改革を実施して各保険者の不安を少しでも払拭すべきと考えますが、また、もう一つ提案ですけれども、例えば前期高齢者医療費への公費の追加投入、こういったことも考えられると思うんですね。こういったことも被用者保険の納得を得る有力な手段だと思います。こうしたことが実際にはできるにもかかわらず、本法案ではこの求めには応じず、政府答弁でも消極的な姿勢に終始しています。
 では、被用者保険側に対する納得の有効な材料となるであろう今お話しした拠出金の負担の上限設定ですとか、もう一つの前期高齢者医療費への公費追加投入、こういったことをなぜ行わないんでしょうか。理由を御説明いただきたいと思います。
#56
○大臣政務官(橋本岳君) 今御指摘をいただきました拠出金負担の上限設定についてですとか前期高齢者医療費への公費追加投入などにつきましてでございますけれども、こうしたことにつきましては当然ながら財源が要るということで、公費、現役世代からの支援金、高齢者の保険料自己負担というものの中で運営していっていただかなければなりません。そのバランスを欠くことになってしまうのではないかなというようなことを考えるわけであります。
 平成二十九年度において、全ての健康保険組合の義務的支出に占める拠出金負担の割合を五〇%以下に例えばしようとすると、総額で約六百四十億円が必要となると推計されております。先ほど私の方から、約七百億円の追加的な負担軽減を行う支援を行うということを申し上げましたけれども、それでカバーできるのだというふうにも考えておりますので、今御提案をしているようなことになっているということでございます。
#57
○牧山ひろえ君 それは一方的な提案にすぎないと思います。
 今回の法案は、元々被用者保険側の納得が得づらい内容になっているんですね。だからこそ、理解と納得が保険制度の基礎であることを十分御認識の上で、現役世代の拠出金負担に上限を設けるなど、負担構造改革を実施しなければならないと考えております。
 さて、先ほど申しましたように、被用者保険から生み出された財源の多くを国保に投入するに当たって、被用者保険側からは納得が得られていないままの状態にありますけれども、政府は今後、今回の内容について、被用者保険側から理解を得るための何らかの機会を設けるお考えはおありでしょうか。大臣、お答えいただければと思います。
#58
○国務大臣(塩崎恭久君) 今年の二月に被用者保険関係五団体から意見書が出ていることは私もよく理解をしておるところでございまして、ここに名を連ねていらっしゃるような方々とは、全てではございませんけれども、意見交換をこれまでもする機会もございましたが、改めてこういう方々に御理解をいただくように努力をしていかなければならないというふうに思っております。
#59
○牧山ひろえ君 今回の改革に含まれている患者申出療養でもそうなんですけれども、現在の政府のスタンスというのは、自己の方針に異議がありそうな団体や関係者の声を聞く姿勢に乏しい印象を受けます。国民の声に真摯に耳を傾けることを要望したいと思います。ですから、そういったヒアリングの中で批判的な声があったら、真摯に聞いていただきたいと思います。
 さて、国保については、一般会計からの法定外繰入れが多額に上っているほか、保険料収納率も約九割にとどまっております。被用者保険関係五団体からも、これら国保固有の問題の改善を優先すべきと指摘されています。改善すべき点が放置されたまま国保に追加的に公費を投入すると、モラルハザードが起きてしまうと思うんですね。
 なぜ、今回の法案において、まずは自助努力による国保固有の問題の改善をしないのか、すなわち、より効率的な医療提供の体制をつくるための抜本的な改革案を提示されていないんでしょうか。
#60
○大臣政務官(橋本岳君) まず枠組みとして、今回の国保改革によりまして、地域医療構想の策定などの主体である都道府県を国保の財政運営の責任主体とすることによりまして、都道府県が医療保険と医療提供体制の両面を見ながら地域の医療の充実を図り、効率的かつ質の高い医療を提供できるように取り組んでいただきたいと、このような枠組みとして先ほどの国保の問題についても取り組んでいただきたいという面があるということは申し上げたいと思います。
 そしてさらに、もう少し具体的な、例えば収納率等の課題もあろうかということは私たちも承知をしておりますが、今回の国保改革におきましては、保険者努力支援制度を創設いたしまして、予防、健康づくりを始めとする医療費適正化や収納率対策等に積極的に取り組む自治体への財政支援を行うことということにしておりまして、そうしたことを通じて保険者機能が実施をされる仕組みとしておりますので、先ほど御指摘をいただきました国保が持っている様々な課題についても前進をさせていきたいというふうに思っております。
#61
○牧山ひろえ君 今おっしゃったものでは到底不十分だと思います。そして実効性のある対策とは思えません。
 例えば、まず、先ほど申し述べました、現在九割前後である国保保険料の徴収の強化をするとか、あるいはクロヨンと呼ばれる異なる所得間の所得捕捉の格差、こういった対策ですとか、保険料資産割部分の賦課対象となる固定資産を、現在は保険加入市町村に限られていますけれども、これをもうちょっと対象を拡大していくとか、制限を外して対象を拡大するですとか、調べればこういったことはいろいろできるなと思ったんですね。ですから、これらについて本腰を入れて取り組むおつもりが本当にあるのかどうか、大臣、私見で構いませんので、大臣にお答えいただければと思います。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回は、これ保険者は誰なんだとよく質問を受けるわけでありますけれども、都道府県が市町村とともに国民健康保険を行うというふうになっていまして、都道府県の役割として、御案内のように、納付金を決めていく際に、市町村ごとに納付金の額を決定するわけでありますけれども、その際に、医療費の水準とか所得水準とか考える際に、今の御指摘のような所得の把握であるとかあるいは市外の資産も考慮した資産割とか、いろいろ考慮すべきところをやっぱりこれは都道府県と市町村が一緒になってやらなければいけないことでもございます。
 もちろん、大前提として国保の運営方針を都道府県がつくる、その中で、今申し上げたように、納付金を決め、そして標準保険料率を算定をして、あと市町村が決めますけれども、その間に様々な議論が行われて、先生御指摘のように、正すべきところを正していかない市町村レベルの運用というのはやっぱり正されていかなければ、医療費の削減や、あるいは保険料率をどう抑えるかということにも関わってきますので、そういうことをやっぱりこれから都道府県と市町村がしっかり議論してもらって決めていただくということが、そのプロセスの中で今お話のあったような改革のメニューというのは当然議論されなければならないことだというふうに思います。
#63
○牧山ひろえ君 本気で本腰を入れようというおつもりがあるんでしたら、私が例えば今例を挙げたようなものは実際にやるというお考えをお示しになったらいかがでしょうか。議論するというふうにおっしゃっていますけれども、私が今申し上げた例というのは実際に効果があると思いますので、これをベースとしてやっていったらどうでしょうか。やるという方向性を今決めたらいかがでしょうか。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、国民健康保険の協議会というのを設けられて、その中に被用者保険者も参画をしていただいて、そういう方々の意見も含めて議論をしていただくということになると思いますが、今、抜本的な改革として、収納率の向上とか、あるいは正確な所得捕捉、市外の資産も考慮した資産別、医療費の適正化、それぞれ入れ込んだらどうだということでありますが、私は、方向としてはこういう考え方は大事な方向だと思いますので、是非こういう協議会の中で大いに議論し、また、都道府県と市町村の間での、保険料率を決めるのはもちろん市町村ではありますけれども、納付額を決めるのは都道府県のサイドであります。もちろん、相手のことを全く無視してやるわけにはいきませんけれども、でもやっぱりそこは、今先生がおっしゃったようなことも含めて実行することを前提にやっぱり決めていかなければならないことに私はなると思いますので、先生のおっしゃるような項目というのは是非考慮に入れてもらえればよろしいかなというふうに思います。
#65
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 このような取組によって国保の体質を改善することが求められています。これらを十分にせずに外部からお金を入れても、結局体質は変わらず、問題は改善しないと思うんですね。このような中で、現在の医療費の伸びを前提に被用者保険に更なる負担を求めるのは問題がありますので、是非今大臣がおっしゃったとおりのことを提案してください。
 そして、ちょっと話題を変えますが、国民健康保険、いわゆる国保は国民皆保険の最後のとりでと言われています。しかしながら、構造的な問題を抱えています。元々は自営業の方々、あるいは農林水産業者を中心とした保険だったはずなんですけれども、現在では中身が大きく変わっております。現在は、無職の方とか、あるいは低賃金の非正規労働者、パートの方とかアルバイトの方々、そういった方々の保険となっております。無職の人が多い保険は非常に成り立たせることが当然難しく、抜本的な見直しが必要だと思います。
 今回の国保改革は、都道府県への移管によって、例えば全国最大四・五倍にもなった保険料格差などの地域間格差を縮小する一定の効果はあるとは思います。ですが、このような構造上の問題の解決策にはなっていないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(塩崎恭久君) この国民健康保険は、今まで各市町村レベルでやって、毎年一回東京に出てこられて、私たち国会議員も、先生方も同じだったと思いますが、これを県単位で一元化してくれということで、それは何かというと、やはり一般会計からの繰入れをやらないと、高齢化している、あるいは今先生御指摘のように無職の方が増えて高齢化している、そして一方で医療費が掛かる、これではうまく回らないので、一般会計から投入をせざるを得なかったと、こういう問題で、悲鳴のような声を毎年我々聞いてきたわけであります。
 今回、それが、言ってみれば三千四百億円の追加的な財政支援を行うと、これ一人当たり大体一万円ぐらいの補助をすることになるわけでありますが、こういうような形と、様々な今申し上げたような都道府県レベルにすることによる前に、都道府県と市町村がどれだけの議論を重ねてこれをスムーズに運営させていって、将来的にはやっぱり市町村の皆さん方が期待をしていたような一本化をしていけるのかということも視野に入れながらこれからやっていかなきゃいけないというふうに思いますので、私どもとしては、今回、市町村とも議論をずっと重ねてきて、その上で今回のスキームを固めたわけでありますので、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うことで国保の財政基盤の強化を図ると。そして保険料の伸びの抑制などの負担軽減にもつなげて保険料を納めやすい環境を整えていく中で、これが最後のとりでというふうに言っていただきましたけれども、国民健康保険がちゃんと回っていけるようにしていきたいという思いを持って、今回のかなり大きな額の財政支援でありますけれども、これに踏み切ることにしたと、こういうことでございます。
#67
○牧山ひろえ君 私が思うには、非正規雇用を増大させてきた当局の政策が国保の構造問題を深刻化させている一因ではないかと思うんですね。
 少し本論から外れますけれども、それにもかかわらず、現在の安倍内閣が労働法制の改悪によって悪い意味での規制改革を進めようとしているのは極めて大きな問題だと思います。いかがでしょうか。
#68
○国務大臣(塩崎恭久君) それはまた別途、労働関係二法を議論するときにゆっくり御議論いただきたいと思いますけれども、今の国民健康保険が非常に厳しい状況になってきたことの最大の要因はやはり高齢化に伴うものだというふうに思っています。
 やはり年齢構成がほかの被用者保険に比べれば圧倒的に年齢が高いという中で、医療のかかるリスクも高いという中で出てきたので、非正規雇用が増えたからということを今御指摘になりましたが、この十年間で非正規雇用が増えてきた九割は、六割は高齢者の増分なんですね。高齢者が非正規化している。これはつまり再雇用がなされているということにもほぼ匹敵する話であって、もう一方の大きな要素は、女性が約三割占めている、この増分の中の。ということで、これについては、働き方として、子育てをしながら働くためには、フルタイムの正規にすぐにはなれないという方々が働き出す際に、非正規雇用でパートとかあるいは契約とかということになって働き出されることが多いんだろうと思います。
 最近は特に、経済が上昇局面にはやはり非正規が先に増えるということが出てまいりますので、今そのようなことが起きているので、非正規が増えて、自民党の規制改革によってということは必ずしも国民健康保険の在り方とは直接に関係することではなく、むしろ高齢化が進展していることと、国民健康保険が、運営がこれまで厳しかったということがリンクを直接しているというふうに私は思っております。
#69
○牧山ひろえ君 いろいろな要因があったにしても、非正規雇用を増大させているという問題は関係なくはないと思いますので、是非そのことも念頭に入れていただきたいと思います。
 今回の総報酬割導入で最も重い負担を負うことになる健康保険組合において、高齢者医療への拠出金負担が義務的経費に占める割合は既に四八%に達しているんですね。今後の高齢化を考えますと、いずれ近いうちに五割を超える、そういったことが見込まれております。
 このように、保険者が自らコントロールできない拠出金の割合が増えますと、保険者として様々な効率化の努力を行ったとしても、その効果が見えづらくなると思うんですね。被用者保険の保険者が医療費や加入者の健康について取り組んできた努力を十分尊重しないと、最も重要な保険者機能が損なわれていくと思うんです。大事なのは、被用者保険の財政持続可能性が確保されて初めて国保や後期高齢者制度の持続可能性が確保されると思うんです。
 しかしながら、このままですと、今回の改革によって負担が増えて立ち行かなくなる健保組合が出てくるんではないでしょうか。その辺りをどのように想定されているんでしょうか。つまり、健保組合も厳しいけれど今回の負担増には耐えられると想定しているのか、または耐えられないと思っているけれど国保よりは厳しいのでやむを得ないと判断しているのか、そのどちらでしょうか。
#70
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、全面総報酬割の導入によって立ち行かなくなる健康保険組合が出てくるんではないかということの御質問があったわけでありますけれども、今回の改革で全面総報酬割が実施される平成二十九年度から、約七百億円の追加財源によって拠出金負担の重い健康保険組合への負担軽減を充実をし、約百億円を充てる措置を制度化をするということが第一の対策でございまして、第二は、前期高齢者納付金の負担の重い健康保険組合への軽減措置に約六百億円を投入をして追加的に支援をしていくということとしておりまして、これらを通じて、拠出金負担が重く、運営状況が厳しい健保組合を中心に負担の軽減を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#71
○牧山ひろえ君 今回の改正前の二〇一四年度においても、大企業の単独健保や中堅企業などの健保が業界単位で組織する健康保険組合連合会、健保連の八割が既に赤字となっているんですね。全体では、七年連続の赤字に実際には落ち込んでいるわけです。解散に追い込まれる組合も実際に出てきているのは事実です。
 その状況を正面から見据えることなく、取れるところから取って済ませようとするのは、私は無責任だと思います。そもそも、健康保険は社会保険の一つであり、社会保険料は本来、負担と受益の対応関係によって税と大きく差別化されます。しかしながら、制度的に見ますと、負担と給付の均衡関係は大きく崩れております。しかも、その不均衡は年々拡大しています。
 特に被用者保険におきましては、給付を伴わない高齢者医療への拠出金負担の影響が大きいんですね。今後、少子高齢化が進み、さらに後期高齢者支援金の総報酬割の導入などによって被用者保険の拠出金負担は更に上昇していきます。この状況ですと、何のために健康保険組合をつくっているのか分からなくなります。解散や協会けんぽへの移行が進むおそれもあります。
 医療保険制度を持続可能なものにするには、現役世代の拠出金負担の軽減が必要だと思います。財務省は、四月二十七日の財政審財政制度分科会におきまして、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入にとどまらず、前期高齢者納付金の総報酬割への移行を提案しております。前期高齢者につきましては、現在、前期高齢者の加入率が全国平均に届かない保険者、すなわち被用者保険から、全国平均を超える保険者、すなわち国保に対して財政調整を行うこととされています。提言では、これを後期高齢者と同様に、総報酬に応じた負担としようとするものです。
 ここで質問ですが、この財務省の提案に対し、厚労省はどのように考えておられるのでしょうか。これから検討するとか言わないでください。現段階の認識でも構いませんので、しっかり御答弁いただければと思います。
#72
○大臣政務官(橋本岳君) 委員から御指摘をいただきました前期高齢者納付金の総報酬割への移行につきまして、財政制度審議会で今後時間を掛けて検討するべき課題として論点の一つになっておることというふうに承知をしております。
 これにつきまして、今、現段階での私どもの考え方といたしましてですけれども、前期高齢者の加入率に応じて負担調整を行うという前期財政調整の仕組みと総報酬割という考え方が整合的なのかどうかということ、あるいはその主な負担者である健保組合など被用者保険の納得を得られるかどうかといった観点で、十分に議論、検討を行っていかなければならないものだというふうに考えております。
#73
○牧山ひろえ君 もしこれが実施されれば、総報酬割が高い保険者は更に負担が大きくなりまして、高齢者医療への拠出金負担が多くを占めてしまうような状態に陥ると想定されます。これ以上の現役世代の負担につきましては、極めて慎重に取り組むべきではないかと考えております。
 総報酬割の導入によって縮減される支援金、約二千四百億円、このうち、おっしゃるとおり、約七百億円は負担が重くなる被用者保険者への支援に用いるものとされています。具体的には、平成二十九年度には、まず約百億円を後期高齢者支援金や前期高齢者支援金などの拠出金負担の軽減に用いるものとされて、約六百億円を前期高齢者納付金負担の軽減に拠出するものとされております。
 このうち、前者の百億円の方は、拠出金負担の軽減は枠組みを法律に規定し制定化を行うとされていますので、構造的に支出が確保されている状況なんですけれども、後者の方の六百億円、これに関しましては、負担軽減の方が裁量的経費とされているため、将来的に拠出が継続される保証がないんですね。このような懸念を払拭するため、制度化された部分への拠出割合を増やすなり、何らかの措置をとるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#74
○大臣政務官(橋本岳君) 今委員からお話をいただきましたように合計七百億円で、高齢者の増加等に対応する観点から、拠出金負担の重い保険者への負担軽減を拡充するのは百億円というものを制度化するということと、前期高齢者納付金の負担の重い保険者への軽減措置に六百億円の追加支援を行うということになっておりまして、これにおいて、当面は高齢者医療への拠出金負担の伸びの抑制に資するものというふうに考えておりまして、現時点におきましては制度化された経費の割合を増やすことは考えておりません。
 なお、これらの負担軽減措置については、被用者保険者の状況等を見ながら必要な負担軽減を行えるよう、今後とも財源確保に向けた努力はしっかりしてまいりたいと、このように考えております。
#75
○牧山ひろえ君 繰り返しになりますけれども、保険制度の維持のためには現役世代の十分な納得、また理解が必要だと思うんですね。現役世代に過度に依存する制度を構造的に見直さなければならないと思うんです。そのためには、今後、高齢者負担構造の改革を始めとして、医療保険制度全体の更なる改革が必要だと思います。このことを指摘させていただきたいと思います。
 次に、入院時の食事代の見直しについて質問させていただきたいと思います。
 今回提案されている入院時食事療養費の見直しは、現行では一食二百六十円の患者自己負担を一食四百六十円まで段階的に引き上げようとするものですけれども、一食当たりは二百円の増加でありますけれども、一日三食として仮に一か月間入院したとします。この場合、計算すると、一万八千円余りの患者負担の純増となるんですね。これは決して軽い負担ではないと思います。
 ここで質問ですが、まず、今回の見直しによってどの程度の人数が負担増となると見込んでおられるんでしょうか。また、財政影響額、すなわち公費がどの程度減少するのか、これについても御説明いただければと思います。
#76
○大臣政務官(橋本岳君) 今回の見直しにより影響を受ける方は、入院される一般所得の方になります。平成二十三年のデータを基に機械的に試算をいたしますと、約七十万人、これは一日当たりということになりますけれども、約七十万人の方が影響するというふうに推計をしております。
 それから、財政への影響につきましてですけれども、これも機械的に試算をいたしますと、一食二百六十円を百円引き上げて三百六十円とした場合は、保険給付費ベースで約六百億円の減でありまして、うち公費では約二百五十億円の減となります。更に百円引き上げて一食四百六十円とした場合は、保険給付費ベースで約一千二百億円の減でありまして、うち公費では約五百億円の減というふうに推計をしております。
#77
○牧山ひろえ君 政府案では、低所得者や難病また小児慢性特定疾病患者につきましては負担額は据え置かれることとされておりますけれども、ただし、指定難病に指定されない方々、そういった方々が長期で入院される場合はかなり負担が重くなると思うんですけれども、こうした方々には更なる配慮が必要と考えますが、何らかの措置はお考えになっていらっしゃるんでしょうか、大臣。
#78
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の入院時の食事代の見直しは、指定難病の患者の方については、本年一月から入院時の食事代が原則として一部自己負担となった影響を踏まえて、負担額を据え置くこととしたわけでございますけれども、今回の見直しは、高齢化の進展に伴って、地域包括ケアシステムを構築する際に、入院と在宅療養の公平性を図るという考え方が基本になっているわけであります。
 したがって、入院と在宅療養のバランスということを考えた制度として今回提案をさせていただいているわけでありますが、一方で、負担能力に配慮をして低所得の方の負担は据え置くとともに、一般所得の方についても、急激な負担増とならないように、平成二十八年度と平成三十年度に百円ずつ段階的に引き上げるということで配慮しているわけでございますので、基本的には負担能力というところで、今回低所得の方の負担は据え置くということを配慮をしているということでございます。
#79
○牧山ひろえ君 少しずつ、百円ずつというのが実際に配慮に値するかどうかはちょっと疑問に思います。
 今回の見直しは在宅療養との負担の公平性を図るためと今大臣おっしゃっていましたけれども、その一方で、生活や療養という面が強く出る高齢者の入院と、治療の一環として食事を取る側面が強い若年者の入院とでは異なるという観点から、入院時の食事代に関しましては高齢者の入院と現役世代の入院とを分けて考える、そして現役世代の入院については負担を再検討してもよいのではないかという、そういった御意見がたくさんありますけれども、こうした考え方に対する厚労省の見解をお願いしたいと思います、大臣。
#80
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返し申し上げるわけでありますけれども、今回の見直しは、入院と在宅療養のバランスを取るということを、負担能力を考慮しながらこの考え方を広げていくということだというふうに思っております。入院時の食事は年齢にこれ必ずしも関わりがあるわけでもないわけでありまして、それぞれの患者の皆さん方の病状に応じた療養上の栄養管理というのが必要であって、それに基づく食事の提供というものがなされなければならないわけであります。
 今、若年者に限って負担の考えを変えてみたらどうかということでありますけれども、私どもとしては、やはり先ほど申し上げた負担能力に応じた負担というのが基本的な考え方でございますので、若年者に限って負担の考えが変わるということは、負担の公平の観点からこれは必ずしも適当ではないんではないかというふうに思うわけであって、なお、先ほど申し上げたように、見直しの今回の対象は一般所得の方に限っているわけでございますので、低所得の方は据え置くなどの配慮をしっかりしているということでございます。
#81
○牧山ひろえ君 私は若年者に限ってという言葉は一言も言っておりません。若年者の入院の食事に関しましては再検討してもよいのではないかという指摘が出ているというふうに申し上げたので、若年者に限ってという言葉は一言も言っていませんので、お願いいたします。
 入院時の食事は治療の一環という側面がありますので、一律ではなく、きめ細やかな対応が必要と考えますので、また、現役世代への配慮というのは世代間対立を緩和するためには忘れてはならない視点だと思うんですね。忘れてはならないということを言いたいわけです。
 今度は、紹介状なしの大病院受診時の定額負担の導入についてお伺いしたいと思います。
 限りある医療資源を効率的に活用する、そして医療機関の間の適切な役割分担を図るため、紹介状のない患者が大病院を受診した場合に一定の定額自己負担を求めることがあるのは、一般的にはやむを得ないと私は考えています。現在でも、二百床以上の病院のうち約四割の病院で紹介状がない初診について特別の料金を徴収しており、外来の役割分担を図っている現状もあります。ただし、このように外来受診について特別の料金を設定している病院では、患者に負担を納得してもらうための説明にかなりの労力を割かれているとお伺いしております。
 今回の改正によって定額負担を導入するに当たっては、医療現場に過度な負担を掛けないように国が国民に丁寧に説明して理解を得ることが重要だと考えますが、それについての御意見を伺いたいと思います。
#82
○大臣政務官(橋本岳君) 今回の措置は、かかりつけ医と大病院に係る外来の機能分化を更に進めるとともに、勤務医の負担軽減を図るための一つの方策として、紹介状なしで大病院を受診する方に一定の負担をお願いするものでございます。
 先ほどお話がありましたように、今四割の病院でというようなお話がございましたけれども、今回の措置によりまして、一定の大病院につきましては、紹介状なく受診される方に定額負担を求めることが義務化をされ、国が一定のルールをお示しをするということになりますので、医療機関における患者の方への説明の負担については、むしろ一定になりますので、軽減をされるという面もあるのではないかと思います。
 ただ、いずれにいたしましても、国民の皆様方からの御理解を得られるような努力というのはもちろん必要なのでございまして、国におきましても、様々な関係の団体などとも御協力をいただきながら、趣旨を含めて丁寧な御説明をしっかり行ってまいりたいと考えております。
#83
○牧山ひろえ君 救急などの場合には定額負担を求めないこととされていますけれども、具体的には法律制定後に検討されることになっています。夜間など大病院以外に受診できない場合、定額負担を避けるために低所得者が受診をためらうことがないように、定額負担を求めないケースをしっかり定める必要があると思います。
 大臣も既に、定額負担が例外なしの一律ではなく、定額負担を求めることは適当ではないケースがあることは答弁でお認めになっておられますが、定額負担を求めない例外ケースの詳細はともかく、大枠は法律審議でこそ示すべきだと思います。
 私も二人の子供の子育て中なんですけれども、特に患者が新生児ですとか子供だった場合、症状から緊急性が判断しづらい、また、放置すれば重篤な後遺症が出る可能性があるという特殊例、例えば新生児が高熱を出して脳性麻痺になったケースですとか、ソファーなど低いところから子供とか新生児が落ちて頭を打ったケース、もしかしたら何でもないかもしれないけど、もしかしたら診てもらわないと重大なことになりかねない、そういったことも考慮していただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。
#84
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先生御指摘のように、この制度をもし仮に入れるとしたら何を外すかという際の考え方は、なぜこれを導入するのかというところをはっきりしておいた方がいいと思うんですね。
 これは、今回の措置というのは、かかりつけ医と大病院に係る外来の機能分化というのがまず第一。二番目はやはり勤務医の負担軽減と。その結果として、受診される方々の時間が十分取れて、いい医療が提供されるというようなことがあるための一つの方策として、今回、紹介状の必要性というものが大病院については必要なんだということをルールとして決めようじゃないかということなんですね。
 そうなると、これを適用するのは適当ではないというケースはやっぱり幾つかあると思うので、一つはやはり救急の場合。救急車で救急搬送されるなどの救急患者の場合はそうだろうと思います。それから今、先生、子供さんの場合、小児科の場合ですね。こういう場合には、動きが速い、病気の動きが速いようなもの、それから産科とか、そういうようなことで、診療科、診療所が他にその病院以外にその地域にないというような場合が想定されると思うんです。大病院が、言ってみればそれらの小児科も、産婦人科も実質的に地域医療としての診療の拠点になっているというような場合には、やはりそこは考えなければいけないというふうに思うわけでございまして、こういったケースを、今申し上げた、なぜ導入するのかということを踏まえた上で、例外とすべきケースというものを考えていかなきゃいけないと思いますので、今のようなケースを更に詰めるために、関係者の御意見はこの後また更に詰めていきたいと思っております。考え方は、今申し上げたような考え方でおるところでございます。
#85
○牧山ひろえ君 是非、例外などしっかりとお決めになっていただいて、国民に分かりやすく説明していただければと思います。
 終わります。
#86
○委員長(丸川珠代君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#87
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、柘植芳文君が委員を辞任され、その補欠として井原巧君が選任されました。
    ─────────────
#88
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬食品局食品安全部長三宅智君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#90
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。午前中に引き続きまして、大臣、また皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、この持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法案、非常に今の日本の社会を考えたとき、そして国民皆保険制度を堅持しながら国民の健康、長寿を守るという意味では、やはり必要なことがあるとは十分に理解をしています。
 私自身も、本会議でも、先週、総理にも財務大臣にもお尋ねをいたしましたが、当然ですが、医療費の適正化をしていくことは当たり前だとしても、それと同時に診療報酬のプラス改定をしていかなければ、過去を振り返ったとき、社会保障費を毎年二千二百億円ずつカットしていった結果、何が起こったかということも御説明させていただきまして、財務大臣に、大切ですよね、診療報酬、まさかマイナス改定ではないですよねとお尋ねをしたんです。
 そうしましたら、財務大臣からは、いろんな過去の問題、それに加えて、医療資源の配置、配分のゆがみなどを含め、その要因は複合的なものであったと考えておりますとお答えいただいたんですが、これ、地域医療の崩壊につながったと取っていいのかどうか、財務省としてはどういう見解をお持ちなのか、今日は財務政務官にお尋ねしたいと思います。
#92
○大臣政務官(大家敏志君) 西村議員に質問いただきまして初めて財務省として答弁の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 今御指摘ありました社会保障費の伸びを毎年度一定額抑制するという小泉政権下における方針、これにつきましては、社会保障費が増大をするという中で、何とかこの持続可能性を確保するという意味で、制度を合理化していくというための何とかしようという試みであったというふうにまずは認識をしております。
 こうした中、社会保障費の抑制方法については、今言う一定切るという抑制方法については様々な議論があるということは承知をしていますし、また、地域医療について過去に幾つも指摘された問題がありますけれども、それに対する要因であるとはなかなか言い切れないというふうに思っていまして、繰り返しになりますが、医療資源の配置若しくは配分のゆがみなども含めて、この要因については複合的であるというふうに答えさせていただきたいと思います。
#93
○西村まさみ君 今も政務官お答えになりました、様々複合的な問題で医療資源の配置、配分のゆがみと。その二つの言葉が分からないんですが、厚生労働大臣、是非、もしお分かりでしたら、医療資源の配置、配分のゆがみなどという、その配分のゆがみとか医療資源の配置ってどんなものか、もし御存じでしたら教えていただきたいと思います。
#94
○政府参考人(唐澤剛君) いろいろな医療資源がございますが、一番は病床であろうと思います。日本の各都道府県とか大都市とか地方でかなり病院の病床の数が違うということが一番大きな医療資源の違いではないかと思っております。
#95
○西村まさみ君 何だかよく分からない、やっぱりよく分からないんですが、でも、それは過去のこととして、そういう経過がありました。小児科とか産科とか救急外来とか、本当に医師不足を招いたり、若しくは地域崩壊につながるような様々なことがありました。
 ですから、今回そういったことがないようにしていかなければならないと思いますし、民主党政権下では、医療崩壊、地域医療の崩壊を食い止めるために二度の診療報酬プラス改定をしたんです。それと同時に、医療費の適正化というものを図って現在に至っているところでしたが、残念ながら、本会議でも申し上げましたように、昨年の診療報酬改定というものは、消費税の増税分を除けばプラスマイナスがマイナスだったと。そういったことがあると、来年が診療報酬改定です。そのときに、今回様々新聞報道や財務省の様々な委員会、審議会で議論がされているといいますが、最初からマイナスありきでそこから財源を持ってくるということが決してないようにお願いをしたいということ。
 そして、例えば、麻生大臣、五月の十二日に救急車を一部有料化するべきではないかのような御発言をされたと聞いています。これは、平成二十六年の救急・救助の現況、平成二十五年ではいわゆる軽症、軽症というのはこの定義では、程度が入院加療を必要としないものが四九・九%、約半数いる。その中で、年間二兆円の消防関係予算を減らす目的で、六月中にまとめる政府の財政健全化計画の中に盛り込みたいがための提案ではないかと思ってしまうんですが。
 後ほど軽症、重症ということに関しては改めてお尋ねをしますが、必ずしも、麻生大臣が、酔っ払ってひっくり返った際に救急車なんていうことで、酔っ払いのタクシーは自分で拾うのは当たり前ですよと言ったりなさっているんですが、これ、その場その場で患者さんである国民がどの程度で救急車を呼んだらというか、その線引きって非常に難しい。だから、簡単に、軽症であるという定義が明確でないうちに、救急車を呼んで入院の必要性がなければこれは有料化ですよという安易な発想にならないように是非お願いしたいと思うんですが、その辺は政務官はどうお考えでしょうか。
#96
○大臣政務官(大家敏志君) お答えいたします。
 財政審において御審議をいただいた内容については、あくまでも地方行政サービスの一例として救急出動の一部有料化ということを御審議いただいたものであるということであります。先生もおっしゃいましたけれども、まず、この救急出動が十年間で二割増えている、今後も過去の経緯から見て増加が予想されると。一方で、搬送者のうちのほぼ五割、四九%は軽症であるという報告がなされました。
 この議論の重要なポイントは、この現状を放置すれば、真に救急を要する方への対応が遅れるのではないかと、今後の救急に影響が出るのではないかという点でありました。一方、平成十八年の消防庁の報告書において、対策を講じても十分でない場合には有料化についても検討するというふうに消防庁の報告書に書かれています。これらを踏まえて、諸外国の例も参考に、例えば軽症の場合は有料化にすべきではないか、それを検討すべきではないかという議論をお願いしたようなところであります。
 このように、救急出動の一部有料化は消防庁においてもかねてからの検討課題とされているところでありますので、引き続き関係省庁と議論を深めてまいりたいというふうに思っています。
#97
○西村まさみ君 今政務官おっしゃってくださったように、本当にここ過去十年振り返ってみても、非常に出動要請が高くなっていて、そのうち半分がいわゆる軽症、この場合の定義は先ほど言いましたように入院の必要がない。
 ただ、やっぱり増えていくには、高齢の独居世帯というものが増えているということ、高齢の御夫婦だけでお過ごしになっている方が増えているということを考えると、個人個人の判断でこのときに救急車を呼んだらいいかということは、相談ダイヤルとかがあっても、どうしても今は一一〇とか一一九番というものが日本人の頭の中にあるとするならば、なかなかそこまで行かないと。
 本来、これが有料化、有料化ということだけが先に行ってしまうと、本当に医療の必要とする方が救急車を呼ぶということをためらうようなことになってはいけないと私は思っています。
 また、なぜこのことをしつこく政務官にお尋ねするかというと、御承知のように、大家政務官は長年にわたってこの参議院厚生労働委員会で御一緒してまいりました。こういった、しわ寄せという言葉が正しいか分かりませんが、様々な弊害を受けるのは、やはりこれは社会的弱者と言われている高齢者の皆さんだったり、また障害をお持ちの方だったり、難病に苦しんでいる方だったり、そういった方のところに行くわけです。
 大家政務官は、この委員会でも先天性ミオパチーの問題をずっと取り組んでいらしたりとか、大変厚生労働についてもお詳しい政務官だからこそ、もし財務省の省内でこういった議論があったときは、その一面とは違う一面から、ここを財政的にカットしてはいけないんだということを是非とも声高々にお願いしたいということで、今日、大家政務官の心意気をお尋ねしたいと思います。
#98
○大臣政務官(大家敏志君) 随分と詳しく御説明していただいてありがとうございました。
 先生御指摘のような点、十分考えなければならないと思っています。でありますから、効率化という観点だけではなく、幅広い観点から議論を深めてまいりたいというふうに思っております。
#99
○西村まさみ君 何となく多分全員が、あのいつもの勢いが感じられず物足りないなとは思いますが、あくまでも財務省という中で、財源が必要とする、なかなか財源を生み出すことができにくい厚生労働関係の部門の中にいらした大家政務官にとりまして、こういうことがありました、財務省の中でこういう見解がもし出てきたときには、その中でしっかりと、御自身の意見というよりかは国民の側に立った意見を言っていただくことを心からお願いをいたしまして、もし委員長がお許しいただけましたら、政務官の御退室、結構だと思います。
#100
○委員長(丸川珠代君) 大家政務官、御退席ください。
#101
○西村まさみ君 それでは、この法律について、まず私は、今日はいろいろお尋ねしたいことがあるんですが、二点に限って御質問したいと思います。
 一つは、先ほど牧山委員からもありました、紹介状なしでの患者さんの負担を求める、そのことについてです。
 私も本会議でお尋ねをしました。塩崎大臣もお答えを頂戴しました。まず、外来の機能分化を進めるということは、これは当然ですが賛成をいたします。そのために今回の、大病院を受診した場合の定額負担を義務化すると。今までは二百床以上の病床を持つ病院に限って任意で初診料、再診料と、いわゆる患者さんの自己負担を求めてきたものを、今度は大病院として、その代わり義務化するということになります。この大病院の定義とは何でしょうか。
#102
○政府参考人(唐澤剛君) 私ども、これまで御議論が出ておりますのは、一つは特定機能病院ということで大学病院でございます。それからもう一つは地域医療支援病院で、これはかかりつけの先生を、開業していたり中小の病院の先生をバックアップするという意味で紹介を受けたり逆紹介をしたりするわけでございますが、その中でも五百床以上くらいの大きな規模のところ、こういうようなところがまずは当面対象としていくべきではないかと考えているところでございます。これは御意見あると思いますけれども、私ども現在はそのような考え方をしております。
#103
○西村まさみ君 今、いわゆる全病院数というのは八千五百六十五医療機関、そうしたうち、今局長おっしゃった五百床以上に限定すると大体四百五十件、五%ぐらいの病院をいわゆる紹介状を持たずに受診すると、それは初診料プラスアルファというお金が掛かる。その上限というものはまだはっきりしていないけれども、大体五千円から一万円ぐらいの目安ということで間違いないと認識をしているんですが、そのときに、今まで、平成八年から、先ほど言いました二百床以上の医療機関に対しての任意であっても患者さんの負担を求めるのは平成八年からしています。約二十年。
 この間、二十年間で、外来の機能分化を進めるという、いわゆる把握をしての今回の取組なのかどうか、把握をしているのかしていないのか、イエスかノーでお尋ねしたいと思います。
#104
○政府参考人(唐澤剛君) 選定療養で現在でも差額を取っていただけるわけでございますけれども、その金額については把握をしております。
 ただ、紹介患者の率、これは別の方の統計でございますが、こちらで見ますと、かなり紹介状というものも一般の皆さんに定着をしてきて、そして、前は紹介状を書いていただくときは先生に気兼ねする方もいたんですが、今はもうそういうこともなくなってきまして定着をしてきましたけれども、特定機能病院でなお約六割の方が紹介状がない、それから地域医療支援病院でも七割の方が紹介状がないというのが現在の状況でございます。
#105
○西村まさみ君 では、把握をしてきたということの結果が今回の五百床以上ということにつながったということで理解をいたします。
 例えば、その中で今回の、先ほどちょっと言いました、五千円から一万円という金額の目安、今現在大体どのくらいかというと、全国平均は二千円ちょっとぐらい、大臣の愛媛県は千七百六十円ぐらい、例えば東京は三千三百円ぐらい、大変恐れ入ります、大体の感じですが、そのくらいなんです。それを五千円から一万円にするという目安を決めたのは、二十五年度の厚生労働科学特別研究事業の病院外来受診時の一定定額自己負担制度導入に関する調査を基にしたと考えるんですが、これ、いわゆるウエブ調査なんですね。二千六百五十六件ある二百床以上の病院でこの負担導入を任意で行っているところが大体千百九十一件、そこに対するウエブ調査で千八百四十九件。ヒアリング調査は、そのうち十三の医療機関でしている。
 このサンプル数で、患者さん、いわゆる国民に義務化をする、負担の金額を決めるということは果たして正しいかどうか。正しいとお思いか、正しくなかったとお思いか、お尋ねしたいと思います。
#106
○政府参考人(唐澤剛君) この厚生科学研究の調査、短い期間で実施をして、費用も限られておりましたので、先生御指摘のように、非常に限られたサンプル数になっております。したがって、この調査だけで金額を決めることは適当でないと思っておりまして、これまで審議会の中でも五千円とか一万円とかいうふうに出ておりますけれども、それが実際、どのくらいの世の中の患者さんの皆さんの御支持がいただけるものか、あるいは、実際の現場の医療機関の先生方の御意見がどうかというようなことも踏まえる必要があると思っているところでございます。
 現実に、現在、選定療養を取っております初診の施設では、最高が八千四百円、最低は百五円というような金額でございまして、かなりばらつきがございまして、平均二千円ちょっとというような状況でございますので、この金額についてはこれから更によく御議論をいただく必要があるというふうに思っております。
#107
○西村まさみ君 今局長おっしゃいました、よく御議論いただく、これから検討する、努力する、中医協の御議論を踏まえてというお言葉があるので、それについても後ほどお尋ねしますが、御議論いただく、御議論いただくといっても、この法律自体、制定してから考えますということも多いし、それはこれから御議論いただいてすることは大事ですが、国民の皆さんに負担を求めるからには、きちっと議論した上で、検討した上で本来であれば法律というものは出すべきだと私は思いますので、その辺のところも踏まえてこれからの御答弁をよろしくお願いしたいと思います。
 次に、先ほど牧山委員も言っていらっしゃいましたが、これ、紹介状を必要とする場合、本当に身近に大病院しかない場合とか無医村だったりとか、前にもお尋ねしました、そういった場合、どういうところで線引きというか区切りというか、判断をして、この場合は紹介状はなくてもいいですよ、こういう方の場合は紹介状がなければプラスアルファの負担を頂戴しますよということになるのか、その辺の明確な線引きがあるのかないのか、教えてください。
#108
○政府参考人(唐澤剛君) 例外的に負担を求めないケースにつきましては、まず、度々御議論がございますけれども、救急のケース、それから、近隣に病院以外のその診療科がない、産科などが考えられると思いますけれども、場合によったらほかの診療科、例えば眼科がないというようなことをおっしゃっていられる病院もございます。その辺、そういうようなところを考慮していく必要があるというふうに考えているところでございます。
#109
○西村まさみ君 じゃ、具体的にお尋ねします。
 今おっしゃったのは、非常にある意味分かりやすい、広い意味で分かりやすいんですが、例えば、緊急を要する、先ほどちょっと、一番最初の御質問でもお尋ねしました、救急車に乗ってくるイコール緊急を要するとか救急でもないということが、約半数の搬送患者さんが実は軽症だったということもありました。救急車に乗ってくる方の線引きはどこでするんですか。
#110
○政府参考人(唐澤剛君) これは、救急車につきましては、ちょっと私どもどういう取扱いをするか、よく検討させていただきたいと思います。と申しますのは、救急車に乗ってきた方から定額負担を取るというのは、ちょっと保険医療の中での枠組みなのかどうかということでございます。つまり、先ほどお話ございましたように、そもそも救急車についての有料制をするのかしないのかというふうな問題になるので、ちょっと救急車に乗ったときは、我々は、その方は基本的には救急で呼ばれたんだろうというふうに受け止めさせていただくというのが基本でございます。
 その上で、救急車の問題はちょっとおきまして、一般の夜間の救急外来に例えば来られるというようなことがございますね、そういう救急の場合でございますが。この場合が救急に該当するのかしないのかということは、最終的には保険医療機関の判断、したがって、主治医、診察していただいた医師の判断になるんではないかというふうに私どもは考えております。というのは、病状についての判断をほかにできる方はおりませんので、最終的には医師であったり歯科医師の先生であったりということになるのではないかというふうに考えておりますが、この辺ももちろん御議論いただくことであろうと思います。
#111
○西村まさみ君 これは先ほどの救急車の有料化の議論にもつながると思うんですが、やはりその辺のところをしっかりしておかないと、救急車をどこから有料化するのか、軽症、重症の判断はどこでするのかということは非常に大きな問題になると思いますから、これは厚生労働省の中でしっかりとお考えいただいて、進めていかなければいけないことだと思います。
 大臣にちょっと具体的にお尋ねするんです。大臣の感覚でお答えいただいて結構ですが、例えば、救急車で来るけれども軽症な方もいるとすると、歩いてきても、近いとかそういうことでなく歩いてきても、例えば、自分は専門的にこういう病気があるからここは有名だからとか、ここの先生がすばらしいと聞いているからといって、重症な患者さんというのもいると思うんですが、その軽症、重症の区別というのは疾患で分けた方がいいのか、そのときの病気の症状で分けた方がいいのかと。大臣、もしお考えがありましたらお尋ねしたいと思います。
#112
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論的には、さっき申し上げたように、何のために今回の制度を導入するかということを牧山先生にも御説明申し上げましたけれども、やはり、一つはさっきの外来の機能分化ということで、かかりつけ医と大病院の割り振りどうするんだと。そこにはやはり勤務医の方々の言ってみれば負担が余りにもひどい、それが本来大病院で診ていただかなきゃいけない人たちに十分な医療が行かない、これをどう解決するかというためにツールとして定額負担を導入しようと、こういうことなんですね。したがって、これをまず押さえるということ。
 もう一つは、例えば救急と今先生おっしゃいましたが、我々がやっぱり考えなきゃいけないのは、病気の意味で本当に救急である人であるということを我々は注目をすべきであって、そうなると、それを何で測るのかというのは、これはなかなかいろいろ技術的に私はあると思うんですね。
 ですから、そういうところはやっぱり御専門の方にいろいろ議論していただこうというふうに思っているので、何でもかんでも先へ送ろうと言っているわけではないのであって、やっぱり本来医学的に救急とみなすべき患者さんについては、何に乗ってこようと、歩いてこようと何しようと、それはやっぱり大病院でないとできないというふうに解すべき方なのかなというふうに思いますので、やっぱりそれは医学的なニーズからして考えるのが普通だろうと思いますが、これも含めてしっかりと議論してもらいたいということだと思います。
#113
○西村まさみ君 大臣、ありがとうございます。
 もう一点、どうしても考慮していただきたいのは、例えば、見た状態、いわゆる先生が最初に診断をする前の状態であって、一見健康そうに見えても難治性の疾患を持っている患者さんていて、なかなか確定診断ができないからいろんな病院を行く場合もあるわけですね。そのとき、一々一々、セカンドオピニオンじゃなくても、いろんな病院で診断をしていただくために、病院に行くときに紹介状をもらうといってもなかなか困難な場合もありますから、ありとあらゆることを想定していただいて、この場合の紹介状の、国民に、大きな専門的な医療技術を持った病院、五百床以上というと大概そうですが、そういったところを受診していただくときに御負担を求めるわけですから、ありとあらゆることを想定をしていただきまして是非とも検討していただきたいと思いますので、その辺は心からお願いをしたいと思います。
 次に、これは紹介状というんです、今まで二百床以上でもありました。この紹介状の書式というもの、若しくは規定とか記載しなければいけない事項とかの形式といったもの、決まり事といったものがあるかどうか、厚生労働省にお尋ねします。
#114
○政府参考人(唐澤剛君) 紹介状については、こういう様式でなければいけないということは特にございません。
 ただ、これは本当の一般的な意味での紹介状の場合もございますし、それから紹介の場合、逆紹介の場合でも、例えば脳卒中のように連携パスがかなりでき上がってきて、紹介状に記載していただくような項目も、かなり地域というか県内で統一しているようなところもございますし、がんについても東京都内などは連携パスの様式もできてきておりますので、国で一律というようなことは考えておりませんけれども、既にでき上がっているところもございますので、そうした実情も踏まえて対応してまいりたいと考えているところでございます。
#115
○西村まさみ君 これも昨日厚生労働省の方から御説明を受けたときに、よくあるということの事例ではないけれども、名刺、医療機関なり医師の、歯科医師の名刺に患者さんのお名前を書いて、よろしくお願いしますということでも現実的には紹介状とみなされるというわけですが、やはりここから、今まで任意であっても、義務化をしていくに当たっては、最低限何かを書くべきことというものは国が方向性を示すべきだと思います。
 今までのやり方が定着しているから、あとは、例えば今おっしゃったような高度な意味での定着だったらいいんですが、もう少しきちっと書いて紹介状をお持ちいただくというようなことはするべきだと思いますので、その辺については厚生労働省としていかがお考えでしょうか。
#116
○政府参考人(唐澤剛君) やはり紹介状を書いていただくということにつきましては、患者さんの基礎的な疾患の状態であるとかあるいは既往歴とか、基本的な情報があると思いますので、それはどういうものを少なくともお伝えいただくようにということは御議論させていただきたいというふうに考えております。
#117
○西村まさみ君 是非御議論いただきたいと思います。
 もう一点、今、国はかかりつけ薬局というものを推奨し、できるだけ例えば身近なところで、何科何科と一般の診療科はいろいろ行ったとしても、薬局が一つであれば薬の重複を防ぐことができるとか、やっぱり残薬の問題とか様々な取組をされています。この紹介状でも、地域でかかりつけ薬剤師というものが明確になってきた場合に、薬剤師からの紹介状でも受け入れるということは可能と考えてよろしいですか。
#118
○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘のように、かかりつけ薬局の役割は非常に重要であろうと思います。特に医薬分業が始まりました頃には抗生物質を非常にたくさん出しておりまして、薬漬けの是正というところにかなり力点がございましたが、今日では薬剤費も適正化されてまいりまして、文字どおり、地域の複数の医療機関の薬剤というものを総合的にマネジメントしてきちんと患者さんを支援していくということをしていただきたいと思います。
 ただ、私ども、今回の大病院の外来におきましては、かかりつけの薬局からの紹介ということは想定をしていないというところでございます。
#119
○西村まさみ君 賛否両論いろいろあるかと思うんですが、私は、やはりこれからの時代、薬剤師さんからの紹介状もあってしかるべきじゃないかと思いますから、御議論を是非お願いをしたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、患者申出療養についてお尋ねします。
 まず、前提に、我が国の医療保険制度の基本的な考え方というものは、必要な医療については基本的に保険診療で行われるべきであるという考え方と、もう一方では、保険適用となるのは、治療の有効性、安全性が確認された医療であるというのがあります。そして患者にとって、今回のこれに書いてあるんですが、患者にとって医療サービスは、高度に専門的な内容を含むものであり、かつ、患者の生命、健康に直接関わることから、患者の判断に委ねるには限界があるというのがまず冒頭に書いてありました。
 それを踏まえてお尋ねしますが、総理にも本会議でお尋ねしました。同様ですが、塩崎大臣にもお尋ねしたいと思います。この患者申出療養は混合診療への道を開くものではないと解釈してよろしいですね。
#120
○国務大臣(塩崎恭久君) これは総理も本会議場で明確に申し上げたと思いますが、混合診療の解禁では決してないということでございます。
#121
○西村まさみ君 私は、そのときにもう少し具体的に、この法案のどこにこれから保険収載をしますよとか、例えば混合診療ではないんですよということが書かれているか読み取れないということも申し上げました。
 そこで、もう一方、違う角度からお尋ねします。
 今、少し申し上げましたが、将来的には保険収載を目指すという言葉はよく使われます。将来的に保険収載を目指すということについて、おっしゃることは十分理解をしましたが、保険収載をするまでに要する期間だとかロードマップだとか、そういったことはおっしゃいますが、期間だとか方法とか道筋というものについての御質問に対するお答えというのはいまだないように感じるんですが、もしその道筋とかある程度想定していることが今の現時点であるようでしたら教えていただきたいと思います。
#122
○政府参考人(唐澤剛君) まず、恐縮なんですが、午前中の足立先生への答弁、ちょっと不十分なところがございましたので、おわびして訂正させていただきます。
 患者申出療養は、内容としては先進医療ですとか、あるいは未承認、適応外の医薬品の使用ということで、抗がん剤など想定されますが、これは評価療養とかなり重なるんですが、制度としては、評価療養とは別の保険外併用療法の新類型として制度に位置付けさせていただきます。
 その上で、保険収載のロードマップというものを、今回の患者申出療養には記載を臨床研究中核病院の方でお願いをしたいと考えておりますが、私どもが考えておりますのは、例えば臨床研究として実施してスタートをいたしましてこれまでやってきて、そして先進医療で、今度患者申出療養ということでこの療養を新たに始めて、どのくらいの期間で、例えば症例としてどのくらい集めるのか。例えば五十例くらいとかですね。さらに、それを治験の段階、これは薬事未承認のケースでございますけれども、治験としてどのくらいの期間で実施をしていくかというデザインを作成して提出をしていただきたいと思っております。
 もちろん、これはかなり簡単なことではございません。これまでも先進医療で実施をしてきたもので、一定の割合、三割程度のものは保険に入ってきておりますけれども、全てがすぐに保険に入ってくるわけではありません。これは費用の問題もあったり対象者の方もありますけれども。ただ、こういうようなことを記載をして、そして提出をしていただいて、私どもも支援をしながら保険収載を目指していただきたいと考えているところでございます。
#123
○西村まさみ君 何だかさっぱり分かりません。それじゃ保険収載になるのかならないのか分かりませんし、保険収載を目指すからこそ、医療団体、例えば医師会や歯科医師会も含めまして、この患者申出療養制度というものをある程度理解を示したと思います。
 ところが、この保険収載というものが、今の答弁じゃいつなのかと。将来という言葉を辞書で引いてみると、これからやってくるとき、先、普通、未来より現時点にちょっと近いときみたいな、そんなのなんです。そんな曖昧な表現で、将来目指す、しかも目指すですから、将来するでもなければ。これじゃ、やはり保険収載にならなければ多くの国民の皆様にその治療というものをお勧めすることが、受けることができなくなるということで、大変その辺のところはもっともっとしっかりやらなければ全くもって話にならないということは申し上げておきたいと思います。
 それでは、対象疾患は何を想定していらっしゃいますか。
#124
○政府参考人(唐澤剛君) 対象疾患は、個別の疾患に限定するということは考えておりませんので、これはもちろんコモンディジーズのような多い症例のものはあると思いますけれども、特に限定はしないことを考えております。
 それから、保険導入のお話、今ございましたけれども、例えば現在の先進医療Aということで実施をしておりますものもそちらの方にも入ってきておりますので、対象疾患は特に限定をすることは考えておりません。
#125
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 対象疾患は限定していないと。ですから、様々、今までではなかなか受けることができなかった国内未承認で海外で承認されている薬を使うとか医療技術を使うということで、高度の医療技術を用いた療養であってという、高度の医療技術を用いた療養とはどんなものですか。
#126
○政府参考人(唐澤剛君) 高度自体には別に測定をするような単位はないわけでございますけれども、これは通常の、日常行われている保険診療を更に超えて、大学病院や、あるいは国でいえばナショナルセンターのようなところで研究されているようなレベルの医療ということではないかと受け止めております。
#127
○西村まさみ君 何かその辺もやはり曖昧なんですよね、定義が。高度の医療技術、術者の技術なのか、大学病院だったら高度の医療技術なのか、何かそういうところ、非常にこの辺も不明瞭だと考えるんですが、大臣、どうお思いですか、今のお答え。対象疾患は特にこういう病気と限定していない、高度の医療技術というものは大学病院などでしたものというと、場所なのか、医療従事者の医療技術なのか、非常にこれ分かりにくいんだと思うんですが、大臣はどういうふうに認識されていますか。
#128
○国務大臣(塩崎恭久君) これは先ほどお答えを申し上げましたけれども、幾つかのジャンルがあると思うんですけど、身近な医療機関という話のときに、東京の特定病院でないと受けられない医療を地方でも受けられるようにというようなケースも十分あり得るので、疾患については、ですから、そういう意味ではそれはあらゆる可能性があり得るわけで、先進医療の中でですね、ということが一つあると思います。
 それから、これも足立先生のときに御説明しましたけれども、一定の年齢制限などがある、対象になっているもののちょっと外側の方がどうしてもというようなときに、その対象外というときもやっぱり疾患では切られないということだろうというふうに思います。
 それと、先進医療として実施されていないまだ未承認の、国内ではですね、抗がん剤が典型例としてずっと説明に使われてまいりましたけれども、こういう場合もあって、この場合には、疾患といっても、がんでもいろんながんがあり得るわけであります。その他、いわゆる日本版コンパッショネートユースに対応できないケースというのもあるというふうに考えておりますので、ですから、なかなか疾患別に何が対象かということではやっぱり切れないのかなというふうに思います。
#129
○西村まさみ君 東京で受けられる医療が地方で受けられるようなことが高度な医療技術とは私は思いませんが、ただ、やはり幅をいわゆる特定しないということであれば、ありとあらゆる病で苦しんでいて、今までの治療方針がなかなか立たなかったことに対する申出療養制度ということであれば、それはそれですばらしいものとなると思うんですが、今特定な疾患はしていませんとおっしゃりつつ、大臣は例えばがんとかとおっしゃったと思います。
 私もこれ、推測の域ではありますが、まず先週の視察では、国立がん研究センターに行ってまいりました。そして、大臣の衆議院厚生労働委員会の答弁でも、今おっしゃったように、患者申出療養で一番出てくるのはやはり抗がん剤の使用についてとか、例えば抗がん剤の適応外使用の場合だというお答えがあったり、例えば今おっしゃった現在の評価療養でカバーできていない対象年齢外の患者さんであったり、病期の進んだ患者さん、ステージが進んだ患者さんというふうに書かれておりますから、私もがんを想定するとしてお尋ねをしたいんですが、今言いました、先週この参議院厚生労働委員会のメンバーで国立がん研究センターを視察に行ったときにいただいた資料で、本日お配りしました。皆様お持ちだと思いますが、改めてお配りしました。
 最初のページ、これはもう既に保険収載されている薬であって、今回分かりやすく、いわゆる保険収載が全くされていない場合、そして今回のように患者申出療養、一部保険で適用となる場合、そしてこれが完全に保険収載になった場合の金額というものが出ています。全くもって自由診療でやらなければならない場合は、薬剤費その他の医療費等を含めて百五十万七千七百五十円、それが一部、いわゆる混合診療とは言いません、患者申出療養制度等が制度化されてなった場合は百四十三万六百五十八円というふうになっています。
 その差というものは僅かだと思うんです。この患者申出療養制度がきちっと制度化されたからといって、多くの病に苦しむ人を助ける一つの手法ということには、もちろん選択肢が一つ増えることということは大変大きな意義があると思いますが、これでは駄目なんだと思うんです。
 先ほどから申し上げているように、保険収載をして、今まで百四十三万円、百五十万円だったものが、保険収載されれば九万四千二十八円にまで患者の負担が少なくなるわけですね。だからこそ、ここまで持っていくことを確実に目指さなければいけないのに、将来、いつの日か分からない将来に保険収載を目指すと言ってみたり、じゃ、患者さんにとって、これが保険収載されなければ、経済的に余裕がある方はこの薬を使うことができたとしても、なかなか病で悩んでいる方、苦しんでいる皆さんに、お助けする手だてにはならないということ。
 そこで、もう一つ違った論点からお尋ねすると、例えば百五十何がしか掛かっていた自由診療が保険収載されることによって約九万五千円ぐらいになった。その差額というのは、全く無料になるわけじゃなくて、当然ですが、誰かが負担するわけです。保険者が負担するわけです。これだけのお一人に掛かった一回の費用というものが、保険者が理解をするとは私は到底思えないんですが、それでもやはりこういった薬を保険収載を目指すという気持ちは大変有り難いと思いつつ、本当に保険収載する気持ちがあるのかなと思ってしまうんですが、保険収載をして多くの命を助ける選択肢が増えるという理解で間違いないか、確認させてください。
#130
○政府参考人(唐澤剛君) これは、日本の保険制度というのは、地域医療とともにイノベーションを適切に導入していくということができなければ日本の保険制度にはならないというふうに私は思っております。
 したがって、もちろん、高額な薬がたくさん出てまいりますので、今、中医協などで御議論をいただいております費用対効果の話などはこれはやっていかなければなりませんけれども、確実に、最近も非常に高額な薬剤が出てまいりましたけれども、その治療効果が非常に顕著であるということであれば、これはやはり保険に導入していくということが基本であろうというふうに考えているところでございます。
#131
○西村まさみ君 何かちょっとしっくりしないんですが、そこまで行くことが必ずしなければ国民の皆様に還元することができないということは、よくまたこれも御議論をいただきたいと思っています。
 それでは、申出についてお尋ねします。
 これ、あくまでも患者の申出とおっしゃいます。例えばがんを想定している、そして年齢が対象外、いわゆる高齢の方なのかもしれませんし、病期が進んでいる、いわゆる末期に近づいていらっしゃる患者さんなのかもしれません。その患者さんからの申出というのは、どの時点で申出をするのか。
 例えば、もういろんな薬を使ってきたけれども、承認薬ではなかなか助けることができないと判断されたときに初めてここで患者の方から申出をするのか。若しくは、こういう病気になる前に、万が一自分がこういうことになり得る可能性があるといったときに、家族と相談して自分たちからかかりつけ医に申出をするのか、その時期は大体明確にされているのか。例えばそれを、先ほどちょっと言いました、本人がしなければいけないのか、御家族でもいいのか。文書でするのか、口頭でするのか。患者申出といって題名にまで付いている申出ですから、どの程度まで決まっているか、教えてください。
#132
○政府参考人(唐澤剛君) まず、申出は文書でしていただく、もちろんよく相談をしていただいた上ででございますけれども、文書できちんとしていただくということでございます。その際には、患者さんが十分説明を私は受けましたということを署名と押印をしていただく必要があると思っておりますけれども、文書でしていただきます。
 それから、時期をいつにするかということでございますけれども、これは、かつての、二十年ぐらい前のある先進的な治療の試みでは、それこそ本当に最後に、あらゆる治療法がなくなった患者さんに対して実施をするというようなケースがございましたけれども、ただ、これはなかなか効き目が難しいというような実情がございました。
 こちらの患者申出療養では、時期をいつというようなことを決めるつもりはございません。もちろん、必要性がない方に申し出ていただくと困りますので、必要だという方でございますけれども、そういう方について申出をしていただくということを想定をしております。
#133
○西村まさみ君 それにつきましても、難しい、海外で承認されていて日本で未承認の薬を考えるとか、患者さんにとっては大変な労力を必要とするので、そこのところのある程度の指標も厚生労働省として国としてしっかり出すべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと、私からの要望というかお願いとすると、これ、医療機関側には相当な事務負担が掛かります。プロトコルを作るところから、そして先ほどのロードマップに関しても医療機関がします。当然ですが、その中で働く皆さんの時間外に労働をするということは想定されるわけです。これを診療報酬で手当てするのか、どこで手当てするのかということは、今後のそれこそ御議論いただくことなんでしょうけれども、必ずそこまで配慮しなければ、ただでさえ医療従事者の時間外労働というものに対する評価というものは非常にないというか、その対価をもらうことがなかなかできにくい業態の一つでありますので、是非そこの配慮をお願いしたいということ。
 そしてもう一つは、やはりこの患者申出療養が導入されると、医薬品を海外で販売している製薬会社とか、患者が自己負担で海外から市販品を輸入してもらって処方を受けることになるから、日本でわざわざ企業が治験を行って日本が承認を取得するメリットがなくなってしまうというようなことになれば当然本末転倒な話ですから、そういったところに対する評価。製薬会社だけが大きな利益を受けて、国民はなかなか保険収載にならないものをいつまでも期待していなければならないというようなことにならないようなお願いと、そして、何よりもやはり、これからこれを患者さんから受けてかかりつけ医が様々なことをしていく中では、医師、医療従事者に対するしっかりとした育成というものも必要だと思います。
 この間行った視察先の先生からもいただきました。今、日本専門医機構で制度が詰められている専門医の体制というのは、がん領域の専門医の育成に関心が向かっておらず、内科専門医取得後のサブスペシャリティーの専門医に日本臨床腫瘍学会がやっているがん薬物療法専門医を含めるという方向性が見えていないんです。これまさに、見えてこなきゃいけないところに見えていないということは大きな問題であると思いますし、医師の育成ということも含めて、そして患者さんにきちっと、国民にきちっと周知するという方法も含めて、いろんなことを中医協で議論しなければなりません。
 私が今まで聞いたこと、歯科の分野だけでもなくて、ありとあらゆることをこれから検討する、中医協で御議論いただくと言っている場合ではないと思うので、ある程度急いでやらなければいけないことはしっかりと国が方向性をお示しいただくことを最後にお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#134
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 まず、国保組合への国庫補助の見直しについて伺います。
 今回の法案では、国民健康保険組合への国庫補助を負担能力に応じた負担とする観点から、二〇一六年度から五年間掛けて段階的に見直し、また所得水準に応じて一三から三二%の定率補助に見直すこととされています。この見直しは積立金にも影響を及ぼすことが予想されますが、組合財政の安定のため、そして加入者の急激な負担増を回避するためにも、積立金の積み増しについて何らかの激変緩和の措置を検討すべきではないでしょうか。
#135
○政府参考人(唐澤剛君) 国保組合につきましては、医療費の変動やあるいは解散をする場合などに備えまして、一定の準備金、特別積立金というものを確保していただいているところでございます。
 ただ、今回の国庫補助率が見直される対象になる組合の中には、こうした準備金や特別積立金の必要額もそれに伴って増加をしてしまうというふうな事情のところが出てくるというところが見込まれておりますので、この準備金の今の規模も、例えば健保組合と見てどうなのかというふうな御意見もございます、少し大きくなっておりますので。こういうような点につきまして、組合の皆様の御意見も伺いながら、適切な対応を検討させていただきたいと考えております。
#136
○川田龍平君 次に、患者申出療養制度について伺います。
 医師と患者の間の情報の非対称性があることは、大臣も総理もこれはお認めいただいているところですが、本来、医師や製薬会社が主導すべき研究を患者が希望したと責任転嫁することをいかに防ぐのか、疑問です。
 一つの実例として、抗リウマチ薬のトファシチニブ、製品名がゼルヤンツという、この市販後全例調査において六例の死亡が確認され、その全てが日本リウマチ学会の定めた使用ガイドラインに適合しない投与が行われていたことが分かりました。千四百七例のうち、投与対象などガイドラインに適合していなかったのは三百六十八例、二六%、非適合にもかかわらず投与した理由として、何と一割に当たる三十七例で患者の処方意向が大きいことが挙げられているのです。
 このゼルヤンツの薬価は、一錠が二千五百三十九円、一日二錠飲みますので一日に五千七十八円、一か月で十五万二千三百四十円と、三割負担で一か月に四万五千七百二円も掛かります。患者の希望があるからという理由を付けて高額なリウマチ薬を不適切に処方しているこの実態について、厚労省はどのように考えていますでしょうか。
#137
○政府参考人(神田裕二君) 御指摘のトファシチニブにつきましては、新規作用機序のリウマチ治療薬ということで平成二十五年三月に承認されたものでございます。免疫抑制作用を示す特徴があることから重篤な感染症等が懸念されるため、既存治療で効果不十分な関節リウマチを効能として投与することとされております。
 このため、承認に当たりまして、製造販売業者に対しまして、重篤な感染症や悪性腫瘍の発現状況を既存のリウマチ薬と比較検討することを目的として、製造販売後に全例を対象とした調査を行うことを求めているところでございます。製造販売業者におきましては、定期的にこれを集計いたしまして、適正使用情報として取りまとめて医療機関に提供しているところでございます。その中で、副作用状況のほかに、メトトレキサートを三か月以上継続して投与してもコントロール不良の関節リウマチ患者を対象とするというリウマチ学会が作成しました使用ガイドラインへの適合、非適合の状況を取りまとめて、その非適合例というものも示しているところでございます。
 これを見ますと、メトトレキサートが使用できない理由としては副作用等が掲げられておって、合理的なものとなっていると思われますけれども、一方で、この薬を使用した理由については、他剤無効などのほかに、御指摘の患者の処方意向が大きいということが記載されているところでございます。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
 この調査では、この薬を使用した主な理由だけが記載されているというふうに考えられますが、患者の病状ですとか副作用の発現状況など複合的な状況というのが必ずしも明確ではございませんので、患者の処方意向が、医学的判断を曲げてまで患者の言うとおりに処方しているとまでは考えられませんので、一概にこれが不適切とまでは断定できないというふうに考えております。
 ただ、製造販売業者は、この適正使用状況の中でもガイドラインに不適合な事例では重篤な副作用の発現が多くなっていることについて、医療機関に対して注意喚起を行っているところでございます。
 厚生労働省としては、最終的にこの調査結果が取りまとめられた段階で安全性の評価を行って、必要に応じて適切な安全対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#138
○川田龍平君 このような医療現場の実態に即せば、本来、医師や製薬会社が主導すべき研究を患者が希望したということで責任転嫁をして、患者申出療養として実施することが起こり得ると考えますが、医政局、いかがでしょうか。
#139
○政府参考人(二川一男君) 患者申出療養のお尋ねかと思いますが、これにつきましては今回の法案で盛り込まれているところでございまして、こういった点、患者の意向はもちろん大事なことでございますけれども、医師の方におきましても十分な説明をしながら行っていく必要があるものというふうに考えているところでございます。
#140
○川田龍平君 患者からの申出であることを示す書類の中に、臨床研究中核病院がエビデンスを用いて患者に対して十分説明し、患者が有効性、安全性について理解、納得した上で申出しているものであることの確認を含むとなっていますが、このプロセスに製薬会社から不適切な関与がないことを担保するためにどのような仕組みを考えているのでしょうか。
#141
○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘のように、患者さんが治療内容を納得、理解をして申出を行っていただくということが必要でございますので、申請に当たりましては、まず患者さんからの申出によることを明らかにする書類といたしまして、例えば、まず患者さんの署名入りの申請書、それから患者さんと臨床研究中核病院の面談の記録、さらにインフォームド・コンセントの書類などを添付していただくというようなことを考えておりまして、御指摘のような不正な働きかけというようなことが生じないように防止策を考えてまいりたいと考えております。
#142
○川田龍平君 現在、厚労省が作成中の、仮称ですけれども、医薬品等を用いた臨床研究に係る被験者の保護及び医薬品等の広告の適正化に関する法律案においては、製薬企業から医療機関への資金提供のうち、共同研究費や委託研究費のみの開示を義務化する方向との報道がありましたが、医師個人への講師謝金や原稿料、コンサルタント料も既に日本製薬工業協会が自主的に開示しており、これらについても情報開示を義務化すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(二川一男君) 現在、臨床研究の制度につきましての法制化の検討を進めているところでございますけれども、昨年十二月にまとめられました臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書におきましては、製薬企業等が提供する資金等の開示につきまして業界が自主的に取組を進めているところであるが、行政は製薬企業等の取組状況も踏まえ、法的措置も視野に対応を検討すべきとされているところでございます。
 こういった報告書も踏まえまして、現在、資金提供の情報の開示の範囲も含め、これは様々な御意見があるところでございますので、被験者の保護と臨床研究の適正な実施の確保の観点から、透明性の確保につきまして、引き続き与党とも相談しながら、法的措置の在り方を含めて検討を進めていきたいと考えているところでございます。
#144
○川田龍平君 これは、アメリカではサンシャイン法という法律が既に施行されているのはよく知られているところですが、フランスでも二〇一二年の八月から医薬品行政改革法というフランス版サンシャイン法も施行されたと聞いています。
 その施行状況についてはどのように把握されているでしょうか。
#145
○政府参考人(二川一男君) 御指摘のフランスの医薬品行政改革法でございますけれども、これは医薬品、医療機器、化粧品等の製造販売を行う企業に対しまして、医師等への資金提供について開示を求めるものと、こうなっておるものと承知しております。現時点におきましては、二〇一二年から二〇一四年分までが開示されているというふうに承知をしてございます。
 開示内容でございますが、まず、寄附、金銭、旅費、飲食、物品提供といった利益提供につきましては、十ユーロ以上のものについてその金額と氏名等を開示するとなっております。また、業務委託、すなわち対価性のあるものということでございますが、そういうものにつきましては、日時、目的、議題、業務内容といった契約内容のみを開示をし、金額は法律の対象外になっているというふうに承知をしているところでございます。
#146
○川田龍平君 そうした諸外国の事例も把握しつつ、是非日本も国際的に遜色のない法制化をお願いしたいと思います。
 次に、患者申出療養と臨床研究の関係について伺います。
 先進医療Bは、臨床研究を保険診療との組合せで行う枠組みと理解していますが、患者申出療養も先進医療B同様、全て指針に基づく臨床研究と理解してよろしいでしょうか。
#147
○国務大臣(塩崎恭久君) 患者申出療養では、実施計画の作成等を医療機関に求めることとしておりまして、基本的に臨床研究として実施をされるものでございます。
#148
○川田龍平君 三月二十六日の厚労委員会でも、塩崎大臣も、また先日の参議院本会議での安倍総理も、患者申出療養は保険収載に向け実施計画の作成等を求めることとしていますと答弁されていますが、患者申出療養には臨床研究計画、このプロトコルの策定を義務付けるのでしょうか。
#149
○政府参考人(唐澤剛君) 患者申出療養では、保険収載に向け実施計画の作成等を医療機関に求めることとしております。実施計画には、臨床研究計画、いわゆるプロトコルも含まれているものでございます。
#150
○川田龍平君 義務付けるということですね。
 それで、国立がん研究センターを視察した際に、先進医療評価室長の藤原康弘先生は、患者の申出があってからでは間に合わないので、事前にプロトコルを準備しておかねば間に合わないと言っていましたが、患者より先に、医者の方が先に動いている、結局実態はそういうことになるということでよろしいでしょうか。通告なしです。
#151
○政府参考人(唐澤剛君) 私どもが想定をしておりますのは、医者の方が先に計画を作って、研究を患者申出という形でやっていただくのは適正でないと思っております。
 ただ、先ほど来も御議論ございますけれども、患者さんは、じゃ、例えば現在の未承認の抗がん剤、何があるかということは知らないという方がかなりおられますので、そういう情報につきましては、大学であるとかあるいはナショナルセンターのようなところできちんと整理をして御利用いただけるような形を工夫すべきではないかというふうに考えております。
#152
○川田龍平君 私はよく分かりませんでしたけれども、もう一度確認ですが、患者申出療養は臨床研究として実施され、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針の対象となり、また、現在、厚労省が作成中の臨床研究法案の対象ともなるということでよろしいですか。
#153
○政府参考人(二川一男君) 現在、臨床研究の法制化につきまして検討を行っているところでございます。
 これにつきましては、臨床研究として実施するものにつきましては、現在、指針によって手続とかモニタリングとか、そういったようなことが指針で示しておるわけでございますけれども、そういった今まで指針で行っているプロセスを法定化をするというふうなことを基本に検討を進めているところでございまして、臨床研究として行うものにつきましては、法律の定める手続にのっとって行っていただくということを想定して検討しているところでございます。
#154
○川田龍平君 この患者申出療養も入るということでよろしいですね。
 金沢大学附属病院で先進医療Bとして行われていた骨軟部腫瘍へのカフェイン併用化学療法は、倫理審査をしていなかったことや、臨床試験の基準に該当しない患者にも投与をしていたことが発覚して、死亡事故による書類送検まで行われ、結局、先進医療Bから削除されました。この療法が、今後、患者申出療養として復活する可能性はあるのでしょうか。
#155
○政府参考人(唐澤剛君) 先生御指摘の化学療法に伴うカフェイン併用療法につきましては、悪性骨腫瘍等の患者さんに対しまして先進医療として実施された際に、御指摘のように、適格基準を満たさない患者についても行われたということで、不適切な点がございました。そういう観点から、平成二十六年十月に先進医療から削除されております。
 将来、患者申出療養として実施が認められる可能性があるかどうかということについては、現時点でこれは一概に言えませんけれども、しかし、前回の研究計画というものが削除ということに至っておりますので、そういう経過というものを十分踏まえて考えていく必要がございますし、当然、一定の安全性、有効性が確認できなければ、これは実施できないというふうに考えているところでございます。
#156
○川田龍平君 この金沢大学のカフェイン併用化学療法は、規格基準外の患者、例えば悪性骨軟部腫瘍に対して未治療であることが被験者の基準ですが、治療中の患者に実施したり、また、実施計画に関する症例登録期間を終了した後に受け入れた患者を症例登録していないなど、実施計画の枠からはみ出る逸脱した患者の方が正規の計画上の症例登録をした患者よりも多くなっていたことが問題となりました。
 この患者申出療養において適格基準外にも実施するならば、その都度プロトコルを変更せざるを得ず、ずさんなものとなり、検証に耐え得る研究データとはならないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#157
○政府参考人(唐澤剛君) この患者申出療養の実施に当たって、臨床研究計画、プロトコルを策定する際に、現在の先進医療よりも広く対象者を設定することや、あるいは、必要がある際には臨床研究計画を、これを変更するということなどが考えられるわけでございます。その際に、この計画に基づく適格基準外の患者を個別に対応をするというような場合には、これは国においてきちんと専門家による慎重な審査を行うことが必要ではないかと考えておりまして、その場合は、期間を限定することなく、きちんと審査をする必要があると考えているところでございます。
 こうした取扱いは非常に限定的なものではございますけれども、臨床研究計画に基づく研究データを適切に得ながら、患者申出療養を実施できるように検討してまいりたいと考えております。
#158
○川田龍平君 先進医療として実施計画策定に至らない医療もその対象とするのであれば、患者申出療養は明らかにヘルシンキ宣言や薬機法のGCP省令、そして人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に反するものになると思いますが、いかがでしょうか。
#159
○政府参考人(唐澤剛君) 基本的には、患者申出療養では保険収載に向けて実施計画の作成を医療機関に求めることとしております。したがって、ヘルシンキ宣言、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針に沿った対応になるものと考えているところでございます。
 ただ、必ずしも実施計画に沿っていないケースも生じる場合もございますので、その場合につきましては、患者申出療養に関する会議におきまして、倫理性も含めて個別に慎重に検討していただきたいと考えております。
#160
○川田龍平君 今回のこの患者申出療養は、実施計画を義務付け、臨床研究として実施すると言いつつも、先進医療に該当しない治療も含まれるというのでは、これまでの研究の概念を広げるということなのでしょうか。
#161
○政府参考人(唐澤剛君) 患者申出療養には、先進医療の実施計画、適格基準があるわけでございますけれども、その対象外の患者に対する治療、あるいは、海外で承認されておりますけれども国内で未承認の医薬品の使用など、先進医療として実施されていない治療も含まれてくると考えております。
 これらにつきましては、これまでの研究の概念を広げるということではございませんけれども、必ずしも実施計画に沿っていないケースもあり得ると、そういうケースもあり得ると考えておりますので、その場合には個別にきちんと検討してまいりたいと考えております。
#162
○川田龍平君 これは、臨床研究を国際水準で行っていこうとする方向性と反して、安全性や有効性が未確立な医療、実験段階の医療に保険財源を流用することとなって、また、研究と保険診療の線引きを曖昧にして、この国の臨床研究の国際的信頼の回復を遠のかせるばかりか、世界に誇るこの国の医療制度を内部から崩壊させることにつながってしまうんではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来、議論が進んでおりますけれども、今回の患者申出療養は、先ほどお答えしたとおり、基本的に臨床研究として実施されるものだということを押さえながら、国においてその治療法の安全性、有効性を確認するということがまず第一点。そしてもう一つは、これも何度も申し上げておりますけれども、保険収載に向けて医療機関に実施計画の作成などを求めて、義務付けて、計画どおり進んでいない場合には患者申出療養から外すといった条件の下に保険診療との併用を認めようということでございます。
 今後も、適切な形で保険診療と保険外診療を組み合わせる仕組みを講じることで、世界に誇る我が国の国民皆保険、これを堅持をしていくということを維持しながら、安全性、有効性等の確認を経た上で、必要かつ適切な医療について保険適用をしてまいりたいというふうに考えております。
#164
○川田龍平君 それでは次に移りますが、前回に続き、群馬大病院の腹腔鏡下肝切除術事故についても、研究と医療の境界に関連して更に伺います。
 事故調査報告書によれば、「実施症例をまとめて学会報告や論文発表をしており、臨床試験としての認識のもとにIRBに申請すべきであった。」とのことなので、私は、一連の手術は臨床研究の倫理指針違反とみなすべきと考えました。
 そして、その考えの下に、三月二十六日の当委員会でただしたところ、二川医政局長は、再生医療と違い、生命倫理上の一律な問題、欧米においてもいわゆる手術手技に関する研究につきましては法規制の対象とはしていない、保険適用外の医療を一律に法規制の下に置くかどうかということについては、医療現場の萎縮を招くおそれも考慮しながら慎重に検討すべきと答弁されました。
 先日の本会議でも、総理は、この事案について、研究目的として実施されたものとは確認されていないと答弁しましたが、つまり、厚労省が今回の手術が臨床研究には当たらないとの判断をしていると理解してよろしいでしょうか。
#165
○政府参考人(二川一男君) 現在、臨床研究に関する倫理指針を踏まえて研究を実施していただくと、こういったことになっておるわけでございますけれども、ここでいいます臨床研究は、疾病の治療方法の改善を目的として計画的に実施されるものと、こういった定義になっておるわけでございます。
 御指摘の件につきましては、群馬大学病院の事後検証の結果におきましては、研究計画書の作成や、研究として実施する旨の患者に対するインフォームド・コンセントの実施が確認されていないといったこと等から、倫理指針の対象となる臨床研究を目的として行われたものではないと、こういったことを御答弁申し上げたということでございます。
#166
○川田龍平君 再生医療に一律の生命倫理上の問題があり、手術手技については一律に生命倫理上の問題がないと考えているのであれば、それはおかしな考え方で、やっぱり、患者にとってのリスクが高いあるいは実験性が著しい未確立の手術手技ほど生命倫理上の問題があると考えますが、いかがでしょうか。
#167
○政府参考人(二川一男君) 先日御答弁申し上げさせていただいた内容は、再生医療につきましては、遺伝子操作を伴うなど生命倫理上の問題があるため、実施計画の届出等の手続を定めた法規制の対象としていると、こういうことでございます。一方、保険適用外の医療であって臨床研究に該当しない医療は、必ずしも生命倫理上の一律の問題があるわけではないので、一律に法規制の下に置くことは慎重に検討すべきであると、このようにお答えしたものでございます。
 御指摘の点につきましては、これまで高難度の新規医療技術の導入に当たって、臨床研究として実施すべきかどうかといったルールが定められてこなかったといった点があるのかというふうに考えるところでございまして、今後、どのように高難度の医療技術を導入していくべきかということにつきまして整理をしていく必要があるものというふうに考えているところでございます。
#168
○川田龍平君 加えて、欧米には手術手技に関する研究は法規制の対象としていないという御発言も認識の誤りかと思いますので、訂正いただきたいと思います。
 一定の条件を定めて手術手技も法規制の対象としている国が多数あることを御存じでしょうか。
#169
○政府参考人(二川一男君) 欧米におきます臨床研究についての法規制の状況につきましてですけれども、まず米国につきましては、未承認、適応外の医薬品、医療機器を用いた臨床研究、それから医薬品、医療機器の広告に用いられることを目的とした臨床研究、これが法規制の対象になっているものというふうに承知をしているものでございます。
 一方、欧州におきましては、EU指令におきましては、医薬品、医療機器を用いた臨床研究について加盟各国に対し法規制を行うことを義務付けているといったことで、EU全体としては、医薬品、医療機器を用いた臨床研究が法規制の対象で、それを用いない手術手技に対する法規制はEU全体としては行っていないものと、こういうふうに承知をしておるわけでございます。
 ただ、フランスにおきましては、手術手技に関する臨床研究におきましても、被験者保護の観点から、臨床研究としてのインフォームド・コンセントの義務といったものが、法規制を独自に行っている国もあるというふうに承知をしているところでございます。
#170
○川田龍平君 ヨーロッパの複数の国、それから米国、韓国、台湾、インドなどでは、一定の条件を定めて手術手技も研究として法規制の対象としているのではないでしょうか。一度御確認ください。この意味でも、ディオバン事件にのみ場当たり的に対応して設けられたこの臨床研究法制化の検討会報告書というのは、諸外国の法令状況の認識を欠くものであると申し上げたいと思います。
 群大の調査報告書自体は大変に不十分なものでありますが、その調査報告書の中で、「臨床試験としての認識のもとにIRBに申請すべきであった。」とあることは見逃せない事実です。厚労省がどのような判断を下そうとしても、臨床研究機関である群大自身の判断が尊重されるべきではないでしょうか。
 つまり、当時適用されていた臨床研究に関する倫理指針に基づく臨床研究機関の判断として、臨床審査委員会の承認を経て実施すべきであったとされた以上、重大な指針違反であり、臨床研究機関の長は、同指針第二の三の責務の(九)として掲げられた厚生労働大臣等への報告に基づき、予期しない重篤な有害事象及び不具合等の発生として報告をすべきであり、厚生労働省は、責務の(十一)、厚生労働大臣等の調査への協力に基づく調査も行うべきであると考えますが、いかがでしょうか。それとも、臨床研究機関自身が倫理審査なしに実施した未確立の医療技術によって患者が多数死亡した事実を踏まえ、指針違反であると判断しても、研究開発振興課は調査の必要がないと判断しているのでしょうか。いかがでしょうか。
#171
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の臨床研究に関する倫理指針の対象となる臨床研究は、疾病の治療方法の改善などを目的として計画的に実施をされなければいけない、そういうものだと思います。そういうものを指すんだろうと思います。
 今回の事案については、群馬大学病院が事後検証の結果、臨床研究として実施すべきであったと判断したものでございますけれども、本事例の実施時点で研究計画書の作成などが確認をされておらず、臨床研究の目的で実施されたとは確認をされていないのでございます。
 これまでは高難度の新規医療技術の導入に当たって臨床研究として実施すべきなどのルールが定められていなかったことから、今後、どのように高難度の医療技術を導入すべきか等について整理をしていく必要があると考えているところでございます。
#172
○川田龍平君 いずれにしても、この群大病院での手術は臨床研究でないとするのであれば、患者申出療養として実施することは不可能ということでよろしいでしょうか。
#173
○政府参考人(唐澤剛君) 患者申出療養につきましては、先ほども申しましたけれども、個別の医療分野を限定するものではございませんけれども、ただ、今般の群馬大学の病院の事案は臨床研究には当たっておりませんので、対象とならないというふうに考えております。
#174
○川田龍平君 本会議質問において、私は、医療費抑制の決定打は予防だということを申し上げたところですが、疾病予防、健康づくりの柱は食生活であり、いわゆる健康食品は今や国民の食生活に一定の位置を占めております。その健康食品には、かねてより特定保健用食品、特保という制度がありますが、実はこの制度に私は様々な問題があると考えていますが、今回、更に新たな機能性表示食品制度が始まるに当たり、以下質問をいたします。
 内臓脂肪を減らすのを助けますとか、血糖値の上昇を穏やかにすることが報告されていますなど、体にどのように良いかを国の審査なしに企業の自己責任で表示できるようにする機能性表示食品の届出がこの四月にスタートいたしました。第二次安倍内閣による日本再興戦略の一環として米国の制度をまねて導入されたものですが、消費者庁は受理した健康食品を二十一品目公表していて、表示の科学的根拠も同庁のホームページで公開をされています。六月半ばにも発売が開始されますが、制度設計の段階から懸念されていた安全性の確保が問題になっています。
 消費者庁が四月十五日に受理した株式会社リコムのサプリメント、蹴脂粒は、エノキタケ抽出物を配合しており、体脂肪を減少させる働きがあります、体脂肪が気になる方、肥満ぎみの方に適しています旨の機能性表示がなされることになっていますが、しかし、実は同社は同じ抽出物を入れた飲料、蹴脂茶を特定保健用食品、特保にも申請しており、許可を求める表示は、本品は、体脂肪を減少させる働きのあるエノキタケ抽出物を配合しており、体脂肪が気になる方や肥満ぎみの方に適していますと、全く同じ内容でした。
 ところが、食品安全委員会はこの食品の安全性を審査した結果、五月十二日付けで安全性が確認できないとの評価書を取りまとめたのですが、この結果、この蹴脂茶の特保は認められない可能性が強まっていますが、他方で、サプリメント形状の蹴脂粒は機能性表示食品として六月から販売されることになっているんです。
 我が党の清水貴之議員も、安全性の確認とか根拠が不十分な商品が市場に出回るのではないかとの質問を昨年の十一月に消費者特別委員会で行っていますが、その際の答弁は、科学的根拠に疑義が生じた食品については食品表示法の規定に基づいて必要な取締りを行っていくとのことでしたが、この蹴脂粒の発売が予定される六月までに届出の撤回を求めるとか表示を認めない、あるいは販売中止を求めるということを早急に検討すべきではないでしょうか。
 また、板東消費者庁長官は四月二十八日の記者会見で、機能性表示食品としての必要な要件が満たされないということになれば一定の行政処分の対象になると発言していますが、一体どの法律のどの条文でどういう行政処分ができるという考え方なのか、明確な答弁をお願いいたします。
#175
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 本制度は、届出後の事後チェック制度をしっかり機能させることが前提となっておりまして、消費者庁は、開示資料を端緒として寄せられる疑義情報も活用いたしまして、届出情報の公表後に安全性や機能性に関する科学的根拠等について食品表示法に基づき事後監視を行うということにしておるわけでございます。
 具体的には、一般論で申し上げますと、消費者庁におきましては、機能性表示食品に係る疑義情報の内容を確認の上、必要に応じまして事業者に確認をした上で、仮に科学的根拠に基づかないものであることが明らかになった場合には、当該食品は機能性表示食品としての要件を満たしていないこととなるため、事業者に対して撤回届の提出を求めることとなるという手続でございます。
 その上で、撤回届の提出をせず、当該食品を機能性表示食品として販売しようとする場合には、必要に応じ、食品表示法第六条第一項の規定に基づく指示や同条第五項の規定に基づく指示に従わない場合の命令等の行政措置を行うこととなるということでございまして、こうした取組によりまして、科学的根拠に基づかない表示がなされた食品の流通を防ぐべく、制度を運用してまいりたいというふうに考えております。
#176
○川田龍平君 今回はたまたま特保にも二重申請していたために判明した問題であって、同社が機能性表示食品としての届出だけを選択していれば、受理後六十日を経過した六月には販売できたということでよろしいでしょうか。
#177
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 蹴脂茶につきましては許可の審査の途上であり、個別商品の取扱いへの言及は差し控えますけれども、本制度上、ある食品が機能性表示食品として届け出られた場合、ガイドラインに従って適切に作成された安全性、有効性等の資料を形式的に確認した上で受理し、届出後六十日を経過することにより当該食品は販売可能となるということでございます。
 また、消費者庁では、届出後に当該情報を公表することによりまして、提供される疑義情報等を基に事後的なチェックを有効に機能させる仕組みというふうにいたしておるわけでございます。
 こうした届出後の事後チェック制度をしっかり機能させることによりまして、科学的根拠に基づかない表示がされた食品の流通を防ぐことになるように制度を運用してまいりたいというふうに考えております。
#178
○川田龍平君 この機能性表示食品制度は、食品の機能性を分かりやすく表示した商品の選択肢を増やして、消費者が商品の正しい情報を得て選択できるようにする制度として創設をされました。その際、安全性の確保が前提とされているものの、どのように確保されるかについては消費者が商品の販売前に確認できるとするにとどまっています。
 しかし、今回の蹴脂粒でいえば、消費者は、届出内容を見たとしても、食品安全委員会が指摘しているような問題を知ることはできないということになります。この点、機能性表示食品の制度には欠陥があるのではないでしょうか。
#179
○政府参考人(岡田憲和君) 機能性表示食品の届出資料につきましては、一般消費者にも理解しやすいものとする観点から、一般消費者向けの安全性及び機能性に関する概要情報も含めまして消費者庁のウエブサイトにおいて公表しているところであります。
 届出情報の公表後に合理的な疑義情報が消費者庁に寄せられた場合には、消費者庁におきまして必要に応じ調査を行い、その上で、科学的根拠等に基づかないものであることが明らかになった場合には、当該機能性を表示した食品の流通を防ぐべく措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#180
○川田龍平君 ホームページにリンクを張るなどやっぱりしてほしいと思うんですけれども、今回の順番とは逆に、同じ成分の食品が特保の方で安全性に問題があると食品安全委員会で結論が出ていた場合であっても、機能性表示食品としての届出があれば受理せざるを得ない制度ということでしょうか。
#181
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 機能性表示食品と特定保健用食品とでは安全性の評価方法が必ずしも同じではございませんけれども、同じ関与成分について審査、評価している場合におきまして、一般論として申し上げれば、食品安全委員会で明確な評価がなされた場合、その当該評価結果が機能性表示食品としての安全性に係る科学的根拠の内容の評価でも参考とすべき科学的知見となり得るというふうに考えております。その上で、安全性に関する根拠情報が届出資料として整っていると言えるのかどうか、そういったことを確認するというふうになるかというふうに考えております。
#182
○川田龍平君 ということは、機能性表示食品は特保とは異なり、安全性が確保される制度とは言えないのではないかと考えますが、これ通告していないけど、いかがですか。
#183
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたとおり、機能性表示食品制度は届出後の事後チェック制度をしっかり機能させることが前提となっておりまして、届出情報を公開することによりまして、その情報を基に寄せられました情報でしかるべく消費者庁において必要な調査を行う、そういう仕組みの中で安全性あるいは機能性の科学的根拠についての担保をしていくということになろうかというふうに思っております。
#184
○川田龍平君 この機能性表示食品の制度は、また、科学的根拠を表示した製品が選択されることで科学的根拠のない健康食品が市場から淘汰されることも期待されていました。
 ところが、今回の事案は、安全性が疑わしい健康食品が機能性表示食品に参入できることを露呈したと私は思います。このまま拙速に制度がスタートしても、国民の信頼を勝ち得るとは到底思えませんが、この制度開始というのを一旦凍結して抜本的見直しを行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#185
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 本制度におきましては、届出後の事後チェック制度をしっかり機能させることが前提となっておりまして、具体的には、食品表示法の枠組みの中で、事業者は安全性や機能性に関する科学的根拠について商品販売の六十日前までに消費者庁に届出を行う、それからまた、消費者庁は、開示資料を端緒として寄せられます疑義情報も活用して、届出情報の公表後に安全性や機能性に関する科学的根拠等について食品表示法に基づく事後監視を行う、それからまた、事業者が健康被害情報の収集体制を整備するといった取組を実施するということにしているわけでございまして、こうした取組によりまして、科学的根拠に基づかない表示がなされた食品の流通を防ぎ、消費者の自主的かつ合理的な商品選択に資する制度となるように制度運用をしてまいりたいというふうに考えております。
#186
○川田龍平君 時間が迫っていますので、二つまとめて質問しますけれども、五月九日には日弁連も意見書を提出して、安全性に関する国の監督機能を確保するため、届出制ではなく登録制として、国による登録取消しを可能とするような法制化をすべきだなどとしています。また、私も同様に、それまで制度の運用を見合わせるべきと考えています。制度を維持するのであれば、登録制に見直し検討されませんでしょうか。
 この制度の参考として、米国でも根拠不明確な商品が出回って、その結果、健康被害や死亡事例もあると聞いています。制度を開始した一九九四年直後は確かに一五%近い市場成長率を記録したようですが、虚偽表示や品質問題が相次ぎ、急激に落ち込んだということです。もう二十年も昔の話なんですけれども、総理は知らないのではないでしょうか。
 米国は、医薬品にも適用されている適正製造規範、GMPの遵守を企業に義務付けていますが、この米国制度の唯一の長所を日本は取り入れていません。制度を維持するのであれば、このことも検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#187
○政府参考人(岡田憲和君) 登録制度について御指摘がございましたけれども、登録制度の意味が事前に実質的な審査を行うような仕組みということでございますれば、本制度の趣旨にそぐわず、適当ではないと考えておりますけれども、事後のチェック制度につきましてはしっかり機能させてまいりたいと考えております。
 それからまた、いわゆるGMPの義務化についての御指摘かと思います。
 機能性表示食品の生産、製造管理等につきましては、これを届出事項の一つといたしまして、具体的な取組内容を記載することとしております。その際、HACCPやGMP等の品質管理につきましては、企業等が自主的かつ積極的に取り組むべきものとして位置付けているところでございます。
 御指摘の義務化につきましては、GMPを取得していなくともその事業者の品質管理に不備があることを意味するものではないこと、それからまた、現状、GMPは民間団体の策定、運用する基準でございまして、その取組を国が義務化することは制度上困難であるということから適当でないと考えておるわけでございますけれども、食品関連事業者が届出をすることによりまして、消費者にとっては食品の選択に資する情報として活用できるものというふうに考えておるわけでございます。
#188
○川田龍平君 最後に厚生省に聞きたいんですけれども、GMPについては、医薬品は義務化されていますが、食品は、倫理審査の基準と一緒で、業界の自主規制のみで、法制化が遅れています。これもう六〇年代ぐらいの話なんですけれども、業界の自主規制のみでやっているということで、日本健康食品規格協会によると、最近では中国や韓国でも法律で義務付けされているそうです。現在、台湾で日本からの食品の輸入がストップしているところですが、日本の食品の安全性を疑われる事態は輸出戦略にも影響が出ます。
 医薬品と製造工程が似ているサプリメントの安全性や品質について、二〇〇五年の健康食品GMPガイドラインを業界のより先進的な取組も踏まえつつ法制化すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#189
○政府参考人(三宅智君) 健康食品はあくまでも食品でございまして、例えば医薬品のような強い成分を一定の濃度で含有したものではございません。このため、あくまで食品衛生法において管理運営基準を遵守し、これに基づき安全な食品が提供されるよう事業者に義務付けられております。GMPにつきましては自主的な取組となっております。
 さらに、食品衛生管理運営基準につきましては、昨年五月に通知を改正し、従来の衛生管理に加えてHACCPを選択できるように条例を改正するよう都道府県等に要請したところでございまして、食品製造の工程管理を重視した見直しを行っているところでございます。
 引き続き、食品衛生法に基づき安全な食品が提供されるよう、必要な監視指導に努めてまいりたいと思います。
#190
○川田龍平君 終わります。
#191
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 本法案には、一九六一年の国民皆保険制度以来の大改革が含まれておりますので、大臣にまず基本的な認識を伺いたいと思います。
 国民健康保険制度になぜ国庫負担が導入されているのか。これ、一九三八年の戦前の国保法の第一条では相扶共済の精神と書いてあるんですね。それが、一九五八年の全面改正で社会保障及び国民保健の向上に寄与するとされているわけです。
 つまり、この制度というのは、単なる相互扶助ではなくて社会保障であり、そのために国が財政責任を果たすという趣旨だと私は考えるんですが、大臣の基本的な認識はどうでしょうか。
#192
○国務大臣(塩崎恭久君) 国民健康保険は、他の医療保険制度に加入しない方を受け入れておりまして、国民皆保険を支える基盤として重要な役割を果たしているわけでございます。
 こうした国民健康保険の役割を踏まえ、国保の安定的な運営に関して、市町村の責任のみに委ねるということではなくて、国としての責務を果たすため、一定の国庫負担を制度化をしているわけでございます。
 また、国保は年齢構成が高いと先ほど来何度かお話をしましたが、ことなどによって、医療費水準が高く、また低所得者が多く加入をするなど様々な構造的な問題を抱えていることから、こうした課題に対応し、財政支援等を講じるとともに、その拡充等を図ってきているところでございます。
#193
○小池晃君 今、国保をめぐっては、負担能力をはるかに超える保険料の問題が指摘をされております。滞納が三百六十万世帯、保険証を取り上げられた世帯が百四十万世帯という実態があるわけです。
 どれだけの保険料負担になっているか主要都市で調べてみると、所得二百五十万円、自営業、四人家族、四十代の夫婦、子供二人、これで札幌市では四十七万四千三百円、東京都足立区では四十二万六千円、新潟市では四十五万二百円、大阪市は四十七万四千三百円、福岡市では四十九万四千七百円。
 例えば、大阪市で同様の世帯の生活保護基準は三百三十一万円です。だから、生活保護基準をはるかに下回るような、四人家族で所得二百五十万という世帯が、これは七割、五割、二割の法定減額の対象にもなれずに、年間四十万から五十万の負担が求められるというのが今の実態なんですよ。
 大臣、今の国保料水準は高過ぎるという認識はございますか。今の滞納の高止まり、あるいは保険証の取上げ、差押え、この根源にはやっぱり保険料が高過ぎるという問題があるのではないか。改革というのであれば、これを抜本的に引き下げるという改革が私は必要だと思います。今の高過ぎるという認識をお伺いしたい。
#194
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、国民健康保険には低所得者の方々が多く加入をしているなど構造的な問題があるわけでありまして、そういったことから相対的に保険料水準が高くなっており、これまでも低所得者の保険料軽減措置等を講じてまいったわけでございます。
 今回の改革においても、毎年約三千四百億円の追加的な財政支援を行うということで、国保の財政基盤の強化を図るとともに、保険料の伸びの抑制などの負担軽減につなげて保険料を納めやすい環境を整えてまいりたいと、このように考えております。
#195
○小池晃君 果たして今回の三千四百億円でそういう解決になるのかということを今日は議論したいんですよ。
 続けて実態をお聞きしたいんですが、生活保護基準をぎりぎり上回っている低所得世帯が、国保料を払うことによって生活保護基準以下に落ち込むという実態があります。
 我が党の高知市議団が市議会での質問に対して、高知市の当局が示した数字ですけれども、夫が三十歳、給与収入二百万、妻が二十八歳、給与収入六十万、子供が十歳、この三人家族で、収入認定額は二百五万二千七百二十円、国保料は二割減額で二十一万二千六百九十円。これ、国保料を差し引かれると百八十四万三十円になる。この家族が生活保護を受けた場合の保護費は百九十九万百九十円です。
 厚労省、介護保険には、保険料を賦課されて生活保護基準以下になった場合は保険料を免除するという境界層措置というのがございます。国保には何でそういう仕組みがないんでしょうか。国保にもやはり介護保険と同様に境界層措置を設けるべきではないでしょうか。
#196
○政府参考人(唐澤剛君) 国保におきましては、介護保険は先生御指摘のように境界層措置ということで、保険料を払ってしまうと生活保護の水準に該当してしまうということがあるんですが、医療保険制度の方ではそうした措置はこれまで設けていないところでございます。
 具体的には、国保が一番問題になるわけでございますけれども、国保におきましては応益保険料を軽減する仕組みを設けているのと、それからもう一つは、自治体の判断で収入の減少などの特別の理由がある方に対する保険料を申請により減免することを可能とする仕組みにより、保険料負担に配慮をしているところでございます。
 この保険料の減免でございますけれども、各市町村が実情に応じて実施をしているという性格のものでございますので、国として一律に基準を定めているわけではございませんけれども、生活保護は受けていないけれども生活保護基準に該当する世帯に対する保険料の減免を行っている市町村が、平成二十六年四月現在で六百八十五市町村あるというふうに把握をしているところでございます。
#197
○小池晃君 いや、私の質問は、国の責任を聞いているんですよ。介護保険制度にはあるのに何で国保にはないんですかと聞いているんですよ。
 これは、かつて高齢者からの介護保険料の天引きが問題になって裁判がありまして、大阪高裁の判決では、介護保険の場合は、賦課によって生活保護基準以下に陥る世帯をつくらないように境界層措置が設計されているから生存権の侵害には当たらないという判決なんですね。ということでは、逆に言えば、この判決に照らせば、国保は生存権侵害に当たるということになるじゃないですか。
 これ見直すべきですよ、こういったことは。介護でやっているのに何で国保でできないのか、もう一回明確に答えてほしい。これ見直すべきです。どうですか。
#198
○政府参考人(唐澤剛君) 医療保険制度の趣旨といたしまして、生活保護制度の趣旨といたしましても、他の施策、医療保険を活用して生活保護にならないのであれば、それはならないように施策を推進をしていくというのが基本的な考え方であろうと思います。
 この境界層措置をするかどうかにつきましては、大臣ともよく御相談をしながら検討させていただきたいと思います。
#199
○小池晃君 今の考え方でいったら、医療保険だってやっぱりそれはやるべきでしょう。
 大臣、どうですか。これはやっぱり考えるべきだと私は思いますよ。どうですか。
#200
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護保険はまだ導入されて間もないわけでありますが、こういう制度があるということで、医療に比べれば短いわけですね、歴史が。それで、それぞれそういう歴史を持っておりますので、今先生の御指摘の点については、引き続きこれは検討していくということだろうと思います。
#201
○小池晃君 介護保険から何年たったと思っているんですか。もう二〇〇〇年から十年以上たっているわけですよ。見直すべきですよ、やっぱりこれは。いいものはちゃんと入れたらいいじゃないですか。介護でやっているんだから医療でやる、何の矛盾もないでしょう。もっと前向きに答えてください。
#202
○国務大臣(塩崎恭久君) これは自治体も負担を一部するわけでございますので、自治体とも相談をしてまいりたいというふうに思います。
#203
○小池晃君 こういうのはちゃんとやるべきなんです、直ちに。是非検討して、すぐにこれ解決してほしいと私は思う。これ、裁判になったら負けますよ、介護保険ではそういう判決なんだから。大臣、これはちゃんとやるべきだと思います。
 結局、国保は国保料を取られることで保護基準以下に陥る世帯が生み出され、しかも、その世帯が滞納したら制裁を科す、こういう仕組みになっているわけですから、まさに生存権を脅かすという、そういう実態になっているということをきちっと認識すべきだと私は思います。
 それからもう一つ、国保の保険料の矛盾で私、指摘したいのは、子供の問題なんですよ。政府、厚労省は、今回の三千四百億円の一部で子供の被保険者が多い自治体を支援するというんですけれども、じゃ、そのお金を使って例えば、唐澤さん、その財源で子供の均等割を半額にするとか、あるいは子供の均等割はもう免除するということはできるんでしょうか。
#204
○政府参考人(唐澤剛君) 私どもは、先生御指摘の子供の均等割をどうしていくかということについては、今回の改革の中でも、地方自治体とも随分御議論をさせていただきました、少子高齢化ということがありますので。ただ、現時点では、直接子供さんの例えば均等割を大幅に減免してしまうというところまで御意見がまとまっていないというのが実情でございます。
 ただ、先生が御指摘のように、私どもは、今回の三十年度以降の本格的な国民健康保険の都道府県が参加をした制度の下では、子供さんの多い自治体に対する財政支援の拡充ということを実施をしていただきたいと考えているところでございます。それをどういうふうに使うかということは、制度として子供さんの均等割を検討するところまでまいりませんけれども、保険料の軽減や伸びの抑制など、幅広い意味で負担軽減に生かしていただきたいと考えております。
#205
○小池晃君 ごまかしていたけど、これ、できないわけでしょう。だって、法定されているわけだから。応能割と応益割の負担割合、法定されているから変えられないんでしょう。どうですか。
#206
○政府参考人(唐澤剛君) 負担自体は法定をされておりますので、それは法律の改正が必要になると考えております。
#207
○小池晃君 大臣、応益割、特に均等割が子供の数が増えていくほど増えていくという、これは私、問題だと思いますよ。例えば、東京二十三区の国保料でいうと、子供が一人だと均等割は四万三千二百円、二人だと八万六千四百円、三人になると十二万九千六百円、子供が増えるほど保険料上がっていくわけですよ。
 これ、子育てに対する逆行じゃないですか。人頭税ですよ。これ、制度の見直し必要じゃないですか。大臣、この点でも検討を求めます。いかがですか。
#208
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来お話が出ているように、子供がいる世帯も、基本的にはその世帯の所得等のほかに子供を含めた被保険者数に応じて一定の負担をいただくことに今なっているわけでありまして、それで、所得の低い世帯については子供も含む被保険者数に応じて保険料を軽減する措置を設けているということで、平成二十六年度にはこの軽減措置の対象を拡大したわけですね。
 また、今回の改革において、子供の多い自治体に着目した先ほどの話の財政支援の拡充は、これはこれでやるわけでありますし、その中で何ができるかという話を今先生おっしゃっていたと思いますが、実際の保険料の伸びの抑制などが図れるものと考えますけど、子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入については地方からの提案が行われておりまして、この二月に地方三団体と私も議論の場を持ちました。
 厚生労働省との間での合意の中で、これ、議論の取りまとめということになっておりますが、こうした提案についても、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響などを考慮しながら、引き続き検討しようということになっているところでございまして、国保は、先生も冒頭おっしゃったように、言ってみれば日本の皆保険制度の一番根っこの部分でありますので、今申し上げたように、この問題も含めて幾つか課題は残っておりますので、検討してまいりたいというふうに思います。
#209
○小池晃君 検討、検討、検討、検討って、さっきからもう検討ばっかりなんですよ。大改革と言うんだったら、こういう現場で本当に問題になっていることに答えを出すと。私、むちゃなことを言っているつもりないですよ、これは。
 それで、子供の数、低所得だから軽減すると言うけど、所得と関係ないじゃないですか、子育て支援は。やっぱり本当にこれは逆行だと私は思うし、きちっとこういったことに手だてを打つのが私は改革だということを重ねて申し上げたいと思います。
 実際、三千四百億円入れて、これで保険料はどうなるのかということをお聞きしたいんですけど、少なくない市町村が今回既に千七百億円投入されています。これを、一般会計繰入れの縮小を今後の備えに充てて保険料の引下げを見送っております。先ほど冒頭に紹介した札幌市、新潟市、大阪市は国保料据置きになっていますし、東京二十三区は値上げということになっている。一旦国費を投入しても、それを機に一般会計繰入れを解消する、そうなれば国保料の引下げにはならないわけですね。
 やっぱり、三千四百億円の国費投入しても、子供に対して、あるいは生活保護世帯ぎりぎり、こういったところに対する手だてをつくらなければ、私は矛盾がますます拡大するばかりだというふうに思うんです。しかも、今後、高齢化、医療技術の進歩などで医療給付費は増大する。
 資料一枚目にお示ししておりますが、厚労省は今後の推計をしておりますが、国保の医療給付費と一人当たり保険料について、二〇一二年と二〇二五年でそれぞれ幾らになると推計されていますか、お答えください。
#210
○政府参考人(唐澤剛君) これは、平成二十四年三月に推計をいたしました社会保障に係る費用の将来推計の改定についてという改革シナリオの数字でございますが、市町村国保の医療費、二〇一二年度で十一兆六千億円、それから二〇二五年で十四・七兆円というふうに推計をしているところでございます。
 保険料につきましては、これは二〇一二年の賃金ベースということでございますが、価格ということでございますが、二〇一二年で九万一千円、二〇二五年で十一万二千円と推計しているところでございます。
#211
○小池晃君 今回の国費投入で現行の一般会計繰入れ分補填しても、このままでは将来保険料の値上げはもう必ず迫られてくるという実態があるわけですね。
 大臣、先ほど、相対的にとおっしゃいながら、高いことは認めました。しかも、今まで私、指摘したように、生活保護基準以下あるいは基準ぎりぎりの世帯、あるいはお子さんの多い世帯などの負担が本当に重い。こうした事態をやっぱり抜本的に解決するためには、定率国庫負担の引上げが避けて通れない。これはやっぱり決断すべきだというふうに考えるんですが、大臣、いかがですか。
#212
○国務大臣(塩崎恭久君) 国民健康保険というのは、高齢の加入者が多いことは先ほど来申し上げているとおり、そしてまた所得水準が低いという、言ってみれば保険集団として大変厳しい財政状況にあるわけですね。そういうことから、保険給付費に対する五割の公費負担を行うとともに、低所得者が多い自治体への財政支援を行うなど、これまでもいろいろな財政支援をやってきたわけでございます。
 今回の改革では、先ほど申し上げたように、一人当たり大体一万円、合計で三千四百億円の毎年の追加的な財政支援を行うということなど、財政基盤を大幅に強化をすることになっていることは申し上げたとおりであって、その際、単に定率の国庫負担を増額するのではなくて、医療費適正化に取り組む自治体や低所得者の多い自治体などに対して、地域の実情を踏まえて効果的、効率的な財政支援を行うということで、これによって国民皆保険を支える国保の安定化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#213
○小池晃君 いや、単に定率負担を引き上げるだけって、引き上げた上で重点化しているんだったらこんなこと言いませんよ。引き上げていないじゃないですか、定率負担は。
 定率負担の問題で、これを言うと二言目には保険給付費の五〇%をやっていますと言うんだけど、これは一九八〇年代の前半までは総医療費の四五%ですから、給付費の約六〇%、国庫負担だったわけですよ。それを一九八四年の国保法改定で給付費の五割に引き下げて、その後いろんな状況の中で、それを元に戻そうとしなかったから今こういう事態になってきているわけですよ。ずっと五割じゃないんですよ、かつては六割だったんです、給付費に対して。
 実態はそれでどうなっているかというと、二枚目の資料を見ていただきたいんですが、加入者一人当たりの保険料負担率を比較をすると、市町村国保は九・九%に対して、協会けんぽは七・六%です。それから、組合健保は、一人当たりの平均所得が国保の二倍以上なのに五・三%と、保険料負担率は約半分になっているわけですね。
 しかも、先ほど議論ありましたけど、三枚目に示したように、国保の加入者というのはかつては自営業、農業だったのが、だんだん被用者の比率が増えてきていて、非正規雇用労働者です、多くは。被用者保険化しつつあるわけですよ。
 今回の改革に当たって、全国知事会からは、高過ぎる国保料をせめて協会けんぽ並みにということで、それに相当する一兆円の財政投入をという、そういう要望を出されました。大臣、この保険料の負担率の格差を見れば、常日頃から大臣は負担の公平、負担の公平、負担の公平と言うじゃないですか。これ、公平じゃないでしょう、どう考えたって、協会けんぽに比べて。組合健保に比べても。やっぱり、せめて協会けんぽ並みの負担にというのは、私はこれは余りにも当然だと思います。大臣、当然の要求だと思いませんか。
 一兆円の国費投入ができれば何ができるかというと、被保険者一人当たりで三万円です。四人家族で十二万円、保険料の軽減ができます。現在、先ほどからも問題になっている均等割の問題ですね。これは大体、被保険者一人当たり二万円から三万円ですから、全国知事会が要求している一兆円を投入すれば、頭割りで課される応益割を大幅に減らすあるいはなくす、そういったことだって見えてくるわけですね。
 大臣、国保の構造問題を解決するには、こうした抜本的な解決、全国知事会が要求しているような協会けんぽ並みの保険料にするために一兆円の財政投入をやっぱり決断すべきだったんじゃないですか。これ、やろうじゃないですか。どうですか。
#214
○国務大臣(塩崎恭久君) その前に、先ほど国庫負担割合のところでお話がありましたけれども、今、定率国庫負担と調整交付金を合わせると五割となっていて、これを超えると果たして本当に社会保険制度としていいのかという問題があるということをさっき言わなきゃいけなかったので、それをちょっと、そういう議論があるということを付け加えておきたいと思います。
 今、協会けんぽ並みというお話でありましたが、国保と協会けんぽというのは、稼得形態とかあるいは所得捕捉の状況にやっぱりかなり違いがあるわけで、被用者保険には事業主負担もございます。
 国保と被用者保険の保険料負担を、単純にこれを比較するというのはなかなか難しいわけであって、一方で、今回の改革では、国保が厳しい財政状況にあることに鑑みて、先ほどの三千四百億円の追加的な財政支援というものを行うことにしているわけであって、保険料の伸びの抑制などの負担軽減にこれをどうきちっとつなげていくかということが大事かというふうに当面思うわけであって、これによって皆保険制度を支える重要な基盤である国保の安定化を図らなければならないというふうに思っているところでございます。
#215
○小池晃君 かつて定率六割負担していたと言ったじゃないですか。だからそれに戻したらどうなんですかというふうに言っているんですよ。それが保険制度に合わないなんて言うけど、かつてそうやっていた。
 しかも、じゃ、何で消費税増税したんですか。それで一兆円入れるって、何でできないんですか。法人税の減税、一兆六千億円減税するんでしょう。そういったことをやめて、一兆円を投入することで応益割の問題あるいは低所得者の保険料の逆進性の問題は解決する、それこそ改革なんじゃないですか。そういったことをやらずにただ都道府県化したって、何の問題解決にもならないと。
 しかも、この都道府県化が何をもたらすのかということでいうと、先ほど私、答弁でちょっと気になっていることがあるんですけど、何か今度のやり方で保険料が一本化する、市町村のも一本化するかのような、将来的に、そういう答弁ありませんでしたか、ちょっと速記録精査してないんですが。あれ違いますよね。
#216
○大臣政務官(橋本岳君) 今、小池先生から御質問のあった点ですけれども、午前中の質疑の中で、牧山委員の質疑の中で大臣の答弁が、一本化という言葉を使った答弁がございました。
 これにつきましては、今回の国保改革においては、都道府県が市町村とともに国保運営を行っていくこととなったが、市町村は更なる国保の役割を都道府県に担っていただくことを期待しており、そうした見直しについても将来的な検討課題であることを申し上げたものでございまして、保険料の話ということではないというふうに、私たちも議事録確認をして、そのように認識をして大臣は答弁をされたと思っております。
#217
○小池晃君 いや、私は、保険料は平準化とは聞いていたけれども、一本化とは聞いていなかったので、さっき聞いていたら一本化に聞こえました。まあちょっと、これやってもしようがないので、議事録精査して、もう一回これはやります。
 その上で、標準保険料率を参照するということで、これは平準化という方向。実態、これ、大阪府で先取り的にかなりやられているわけです。大阪府は、あるべき保険料、国保行政について府が市町村を指導すると。例えば、不適正とみなす一般会計繰入れにはマイナス十点、収納率が落ちた場合もマイナス十点、医療費抑制が進んだ場合はプラス二十点と、採点表を作って、その得点によって調整交付金に傾斜を付けるということをやっているんですね。財政共同安定化事業に市町村が負担する拠出金も、これは自治体間の不均衡をならすということで、医療費実績に重きを置いた賦課から被保険者数、所得状況に応じた賦課に変更されています。
 その結果、大阪で何が起こっているかというと、一般会計繰り入れて保険料の高騰を抑えてきた自治体、医療費を低く抑えてきた自治体が国保料の引上げを余儀なくされています。高槻、摂津、吹田、交野市などが大幅な拠出超過になっている。一方で、低所得者が多くて医療費が高い大阪市に交付金が集中をする、こういうことになっている。自治体の担当者は、医療環境が変わっていない、市の給付金は増えていないのに保険料は上がるのは住民に説明できないという悲鳴を上げています。しかも、平準化と言うけれども、大阪市の国保料が下がるわけでもない、周囲の国保料が上がり続けるだけという状況なんですね。結局、一般会計繰入れ、国保行政に対する都道府県の指導監督、各市町村の所得や被保険者数に応じた負担の分担、保険料平準化、これ、この法案を先取りするようなことが大阪ではやられているんですね。
 局長、この法案が通ると、大阪府のような事態はこれ全国で起こっていく、むしろこれはモデルみたいなものだというふうに考えているんですか。どうなんでしょうか。
#218
○政府参考人(唐澤剛君) 今先生の御指摘のような、例えば、納付金の算定に関するルールあるいは交付金の交付方法というふうなところが都道府県が大きく関与をしてくるわけでございますけれども、国民健康保険について申しますと、これまでの長い間、都道府県が関与が少ない、余り関与をしていただけないということの方が多かったわけでございますので、大阪のような関与の仕方というのはある種例外だと思いますが。
 ただ、具体的に、私ども申し上げておりますように、納付金につきましては医療費の水準と所得の水準をベースにしてこれを決める。それから交付金につきましても、どういう要素を勘案するかということについては国で基本的にガイドラインを示していきたいというふうに考えております。もちろん、地方との協議の上でございますので、その上で、各都道府県と市町村の御協議の上でどういうふうにするかというところは現場で御判断いただく余地というのは当然残ってしまうわけですけれども、基本的な考え方は私どもも協議をした上で国のガイドラインとして示してまいりたいと考えております。
#219
○小池晃君 これ例外だと言ったけど、大阪は私はそうじゃないと思いますよ。やっぱりこういう事態が全国に広がっていくということになると、ますます矛盾が広がるんじゃないかと大変懸念するわけです。
 今度の法案の仕組みというのは、これ、医療費適正化計画を強化するということがあるわけですね。国保運営方針を都道府県が作る、それが医療費適正化計画と整合性が取れたものでなければならないというふうになっている。適正化計画による医療費抑制、地域医療構想による病床削減、国保運営方針による財政管理、全てが都道府県に行くわけですよ。国保の給付費抑制一体に推進するということになるんじゃないだろうか。
 大臣は削減ありきではないというふうに繰り返すんだけれども、安倍政権全体で見ると、例えば四月十七日の経済財政諮問会議では、有識者議員が、市町村国保への交付金を最も効率的な保険者群の医療費を基準にして交付するということを主張しています。それから四月二十八日の財政審では、財務省が都道府県の独自の診療報酬の設定、すなわち医療費削減努力の遅れた地域については診療報酬を下げるなどの措置をとるということも言っているわけですよ。
 こういった全体の発言、今出されているこの法案もそうだし、医療・介護総合法もそうです。こういったもの全体として見れば、やっぱり都道府県を司令塔にして強力な給付費削減を推進する、これが今度のやり方の目的じゃないですか。(発言する者あり)そのとおりだという声が自民党からも上がっているわけで、大臣、そのとおりじゃないですか。もう自民党も言っているんだから間違いないと思うんですが、どうですか。
#220
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話があった点については、恐らく、言ってみれば総額管理みたいなことを言っているのではないかということを先生、示唆をされているのではないかなというふうに思うわけでありますけれども、今回の改革は、何度も申し上げますけれども、都道府県が市町村とともにというふうに法律に書いてありますが、言わば都道府県が医療供給体制と医療保険の両面を見ながら効率的かつ質の高い医療の提供を確保するということを目指すものであって、具体的には、都道府県が策定をいたします医療適正化計画において、将来のあるべき医療提供の姿である地域医療構想を踏まえた医療費の目標を定め、保険者努力支援制度の創設などによって保険者の予防と健康づくりの取組を支援するということであって、このように、医療機能の分化、連携の推進とかあるいは予防、健康づくりの推進とかを通じて医療費の伸びの適正化を図ることを目指すものであって、医療費の総額を今先生がおっしゃったような管理をしていくとか一律に抑えるとか、そういうことを導入するというような指摘は当たらないというふうに考えております。
#221
○小池晃君 キャップ制でないというふうにおっしゃるのであれば、大臣の基本的な考え方を聞きたいんですけれども、私はそんなものを日本の医療制度に導入することは許されないと思いますが、今後の方向性として医療費の総額管理、いわゆるキャップ制、大臣は容認されるんですか。
#222
○国務大臣(塩崎恭久君) それは我々としては考えていないということであります。
#223
○小池晃君 考えていないと言うけれども、ここまで来たら次はキャップ制ですよ、もう。そういう仕組みがほとんどでき上がっているのが今度の法案ですよ。私は、これは非常に重大な中身だというふうに申し上げたいと思います。
 それから、協会けんぽのことも聞きます。
 協会けんぽの国庫補助、一六・四%に戻されていますが、法案は一三%を本則に格上げする一方で、一六・四%を当分の間の附則扱いにする。これは国庫補助を再び一三%に削減する布石じゃありませんか。
#224
○国務大臣(塩崎恭久君) 協会けんぽの国庫補助率につきましては、現行では本則に一六・四%から二〇%までの範囲内で政令で定める割合と規定をされています。実際には、附則において、当分の間、一三%と規定をされておりまして、平成四年度以降、この附則が実質的な効力を持ってきたということであります。
 今回、約二十年間、平成四年度から二十一年度までに国庫補助率が一三%とされた経緯を踏まえて、本則においては一三%から二〇%までの範囲内と規定することとするけれども、実質的な国庫補助の効力を持つ附則規定については、当分の間、一六・四%と規定をすることで協会の国庫補助率を安定化させるものであって、現時点において一三%にすることは考えておりません。
#225
○小池晃君 一六・四%を今後やるというんだったら、一三%という附則を撤廃して、本則だけに戻せばいいだけなんですよ。何で一三%にする余地を残すんですかと私は聞いているんですね。
 協会けんぽは、先ほどの資料を見ても、大変やっぱり所得少ないわけです。組合健保よりも六十万、共済組合より百万円所得少ない。協会けんぽの加入者一人当たりの年間所得は、二〇〇〇年から二〇一二年にかけて十八万円も減っています。加入者の所得実態を考えれば、一三%に国庫負担を引き下げる、こんなことはもう選択肢とはなり得ないと私は思いますが、大臣、いかがですか。
#226
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、一三%にするようなことは考えておりません。
#227
○小池晃君 考えていないんだったら何で法律に入れるんだと私は言っているんですよ。こういうものを本則にすれば、これは将来やるんだろうなと思うのは当然じゃないですか。これはおかしいでしょうと言っているんです。
 その上で、法案は、一般保険料率の上限を引き上げるということもある。実質賃金の大幅低下で中小零細企業は本当に大変なわけです。全国健康保険協会の各支部からも、賃金低下で生活が大変だ、保険料率はせめて一〇%にと、国庫補助率は本則の上限の二〇%にこそ引き上げるべきだと、こういう声が出ていますよ。
 今、政府が協会けんぽに対してやるべきことは、保険料引上げの伸び代を広げるというんじゃなくて、国庫補助を増額して負担軽減に全力を挙げること。ところが、安倍政権は、二〇一五年度予算で協会けんぽの国庫補助を四百六十億円削減し、そして今度の法案で国庫補助を一三%に引き下げることにお墨付きを与えて、高齢者医療支援金への総報酬制導入で更に国庫補助を浮かせる。これは、協会けんぽに対する国の責任がどんどん後退するようなことをやっているじゃないですか。これでいいんですか。
 私は、今の中小企業の労働者、経営の実態を考えれば、こういう路線は転換すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
#228
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返し申し上げますけど、一三%ということは考えておりませんで、一六・四%ということで、この国庫補助率、二十六年度までの期限を区切って一六・四としていたわけですけど、今回は期限の定めをなくして補助率を安定化を図るということでございまして、協会けんぽの財政状況はなお厳しい状況であるけれども、リーマン・ショック直後に比べると大分改善をしてきたわけでございまして、現時点において国庫補助率を引き上げるような状況にはないのかなというふうに認識をしております。
 一方で、協会けんぽの財政状況については、ここ一、二年は改善傾向にございまして、中長期的に見れば、高齢者医療への拠出金の増加等が見込まれるなど決して楽観視できるものではないわけでございまして、そういう意味で、引き続き注視をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#229
○小池晃君 何か、協会けんぽの財政が良くなったと自分たちの手柄みたいに言わないでくださいよ。これは、この準備金がなぜ増えたのかといえば、リーマン・ショックの後で本当に苦しい中で保険料率引き上げて、中小企業の従業員、経営者が負担の努力をしてきた、健康づくりもやってきた、その結果、準備金が増えたんですよ。それを理由にして国庫補助を減らす。国が中小・小規模企業の努力を召し上げるということになりますよ、これは。そういうことですよ、これ結局。こんなことが許されると思うんですか、大臣。
#230
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、何度も申し上げているように、一六・四で期限の定めをなくして補助率を安定化するというのが今回の趣旨でございます。
#231
○小池晃君 私は国庫補助の削減のことを言ったんです、さっき前段で聞いた。こういうことをやっていいんですかと。今度もそういう削減の仕組み、入っているわけじゃないですか。こんなことをやったら、一生懸命財政を良くしていこうと努力した思いを国がかっさらっていくということでしょう、これ。そういう仕組みですよ、これ、はっきり言って。そんなことが許されるのかと私は言っているんです。
 大臣、さっきから言うけど、じゃ、一三%にはしないんですね、絶対。明確に答えてください。
#232
○国務大臣(塩崎恭久君) 申し上げたとおり、一三%にすることは考えていないということでございます。
#233
○小池晃君 この答弁はしっかり覚えておきたいというふうに思います。
 日本商工会議所、日本商工会連合会、全国中小企業団体中央会、日本労働組合総連合会、全国健康保険協会、連名の要望書で、協会けんぽの財政構造は医療費等の支出の伸び率が賃金の伸び率を上回る赤字構造となっていて、構造的な赤字は依然として解決していないと、こう言っていますよ。
 結局、今度の法案は、私、いろいろと前段議論した国保の問題にしてもこの協会けんぽの問題にしても、本当にやるべき国の責任が全く果たされていないというふうに思いますよ。結局、保険者間に全部押し付けて、それで矛盾はこのままだったら先送りですよ、全部。国保なんかはこれからもっともっと深刻な事態になりますよ。
 こういったことを放置して、私は、改革の名に値するようなものでは全くないというふうに思いますし、国保について言うと、逆に都道府県化によって非常に重大な医療費削減の強力なシステムができ上がっていくということになっていく、これは本当に危険だと、日本の医療の将来を危うくするというふうに思います。
 そういう点でいうと、今日はちょっとこの問題だけで、用意していた負担増の問題まで行きませんでしたけれども、これはやっぱり、この法案は重大な中身を含んでいるし、様々な部分もあるし、これからの審議の中で徹底的にやっぱり議論していく必要があるというふうに思いますので、委員長にもしっかり徹底審議を求めていきたいというふうに思います。
 終わります。
#234
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 医療保険制度を持続可能なものにするため、こうした目的で政府から法案が出されたわけでありますけれども、様々な内容が盛り込まれていますけれども、今日は、私は、まず国保について各論の、確認も含めて伺いたいと思います。その後、最後に大臣に、医療保険制度を持続可能なものとするためのやや全体的な質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、国保組合について伺いたいと思います。
 局長に伺いたいと思うんですけれども、国保組合、これできたのが国民皆保険制度ができる前の戦前、昭和十三年ということです。このとき同時に任意加入の市町村国保もできているわけでありますけれども、なぜ特別組合としてこうして国保組合というものが特定業種従事者のみ除外されて設立が認められたんでしょうか。その経緯を教えていただけますでしょうか。そしてまた、こうして昭和十三年にできた国保組合でありますけれども、今も存続しているわけでありますが、国保組合というものを存続させる利点、メリットというものをお答えいただけますでしょうか。
#235
○政府参考人(唐澤剛君) 先生から御指摘いただきましたように、国保組合につきましては、昭和三十六年の国民皆保険より前に自主的に組織をしていただいておりました。その中に市町村の組合もございましたし、それから同種同業の国保組合というものもあったわけでございますけれども、そういう組合は皆保険の前から、言わば、国に言われたからということではなくて、自分たちから進んで同種同業の皆さんが集まってお金を出し合いまして、保険集団として自分たちの健康と医療を守るという取組をしてきていただいているところでございます。
 具体的には、この国保組合につきましては、やはり大半の方はずっと、一生そこの組合に御参加いただいているという方が多いわけでございまして、保険料の収納率などもほぼ一〇〇%というところが実は多いわけでございます。また、自分たちの仲間の皆さんの健康や予防の増進、こういうことにも大変取り組んでいただいているところでございまして、こういう保険者としての機能を発揮した運営を今後ともしていただきたいと考えているところでございます。
#236
○行田邦子君 同業同種の方たちが国保組合をつくって、そして今に至っているわけでありますけれども、昭和十三年にできて、そして戦後、これは国民皆保険制度ができた後ではありますけれども、昭和四十五年には建設国保が設立されました。ここでぐっと組合数が増えて、昭和四十六年には百九十四の組合になりました。そして今では組合数は百六十四と、そして被保険者数は三百二万人という規模になっています。
 一方で、各国保の財政力を見ますと非常にばらつきがありまして、平均所得でいいますと、医師国保、これが一番高いんですが、七百十六万円と、市町村民税の課税標準額でありますけれども、一番低いのは建設国保で七十九万円と、非常に財政力にばらつきがあります。こうした中で様々な議論がありまして、今回の改正案の中には、三二%であった定率補助を、これを一三%から三二%に見直すということになっています。
 そして、厚生労働省からの説明ですと、百五十万円以上の組合に対しては所得水準に応じ段階的に定率補助を引き下げていき、二百四十万円以上の組合については一三%とする一方、建設国保など所得水準が百五十万円未満の組合には三二%という現行水準の定率補助を維持するという説明を受けているんですけれども、これは改正法案の国民健康保険法七十三条を見ますと、そういったことははっきり書いてありません。一三%から三二%の枠の中で組合の財政力を勘案して政令で定めるとしか明記をされていません。
 そこで厚生労働大臣に伺いたいと思いますが、百五十万円未満の平均所得の国保組合について、少なくとも平成三十二年度まで三二%補助、つまり現行どおりの補助率を約束していただけるんでしょうか。
#237
○国務大臣(塩崎恭久君) 被保険者の平均所得が百五十万円未満の国保組合についてのお尋ねでございますけれども、法案成立後制定をいたします政令においては定率補助を三二%と定めることとしておりまして、現行の補助水準を引き下げる考えはございません。
#238
○行田邦子君 法律にはそこまでは明記していませんけれども、平成三十二年度まではしっかりと現行水準を百五十万円未満の所得水準の国保組合には維持するということを御答弁をいただきました。
 次に、調整補助金について伺いたいと思います。
 普通調整補助金は、これは国保組合の財政力に応じた補助となっていまして、特別調整補助金の方は国保組合の保険者機能強化の取組等に応じた補助というふうになっているわけでありますけれども、これが制度が改正して定率補助が変わるなど、制度が改正されてもこれまでどおりの方針で額を算定するんでしょうか。
 といいますのは、私が懸念しておりますのは、一三%に定率補助が段階的にでも引き下げられる国保組合が出てくると、そうすると、調整補助金がこうした定率補助が下げられてしまった国保組合に優先的に補填的に使われるんではないかという懸念であります。いかがでしょうか。
#239
○副大臣(山本香苗君) 国保組合に対する調整補助金を算定する過程におきまして定率補助を差し引くこととしているために、定率分の国庫補助率が引き下がる国保組合の中には、従来より調整補助金が増額となる組合が生じることは事実でございます。これは、ただ一律のルールに従って算定しただけのことでありまして、計算上そうなるといったことであって、委員が御指摘の優先的に補填するといったものではありません。
 今回の見直しにおきましては、調整補助金の予算枠を現行の医療給付費等の一五%から一五・四%へと引き上げることとしておりますので、御懸念の所得水準の低い国保組合の補助が減少することはないと考えております。
#240
○行田邦子君 所得水準の低い国保組合にとっては、三二%の定率補助だけではなくて、調整補助金によって何とか国保組合を運営しているという状況もしっかりと加味していただきたいというふうに思っております。
 そして、今回の一三%に定率補助を引き下げられる国保組合なんですけれども、所得水準が高いとはいっても、大変にこれは厳しい財政状況に追い込まれるのではないかと思っております。
 かつて事業仕分のときには、平均所得が高い国保組合には定率補助はゼロでもいいのではないかといった意見も出されたようでありますけれども、さすがにこれをやると赤字に転落してしまう組合が非常に増える、八割以上に増えるというような試算もあって、様々なシミュレーションの中で一三%ということに落ち着いたんだろうと推測しておりますけれども、それにしても非常に厳しい改正だというふうに理解をしております。
 そこで政府の方針を伺いたいんですけれども、局長に伺いたいと思います。
 これだけ厳しい定率補助の引下げというのを行うということは、これは国保組合を今後も存続させたいと本当に考えていらっしゃるのか、それとも市町村国保に移行してもらいたいのでしょうか。政府の方針を伺いたいと思います。
#241
○政府参考人(唐澤剛君) 御指摘のように、今回の改革で見直しの対象となる国保組合につきましては、その補助率がかなり下がるところもあるわけでございますけれども、保険料水準が急激に上昇することのないように、平成二十八年度から五年間掛けまして段階的に移行をしていただくというような激変緩和措置を講じてまいりたいと考えております。
 私どもは、先ほど申しましたように、同種同業の保険集団といたしまして、自分たちでお金を出し合いまして加入者の皆様の健康の保持増進に御尽力をいただいておりますので、自主的な運営に基づく保険者の機能というものを大事にしてまいりたいと考えているところでございます。
#242
○行田邦子君 国保組合というのは歴史もあって、そして今の御答弁でもありましたけれども、保険料の収納率がほぼ一〇〇%、九九・九%と非常に高いわけであります。これからも国保組合が保険者機能をしっかりと発揮をしていただけるように、今回のこの改正になりましたけれども、定率補助についてもどの国保組合にしっかりと定率補助を維持すべきなのか、そして本当に定率補助を下げてしまって大丈夫なのかといったことも見ていただきたいというふうに思っております。
 それでは、市町村国保、国保の安定化について伺いたいと思っております。
 市町村国保を、今回の改正案では、平成三十年度から都道府県が財政運営の責任主体となるということでありますけれども、これまでも市町村国保の財政基盤の強化といったことはいろいろな議論がなされてきたわけであります。
 そして、その中で、平成十八年度には、一件当たり三十万円以上の医療費については、都道府県内全ての市町村が拠出をしたものを財源として費用負担を安定化するという保険財政共同安定化事業というものができました。そしてさらには、平成二十七年度、まさに今年度、四月からですけれども、この保険財政共同安定化事業が恒久化をされまして、そしてさらに、対象医療費を全ての医療費に拡大するという都道府県化を促進をさせたわけであります。
 そこで局長に伺いたいんですけれども、この保険財政共同安定化事業を強化をさせて実質的な広域化にするという選択肢を選ばずに、なぜあえて今回は都道府県が財政運営の責任主体となるという、このようなスキームに変更しようとするんでしょうか。その理由をお聞かせいただけますでしょうか。
#243
○政府参考人(唐澤剛君) ただいま御指摘いただきましたように、保険財政共同安定化事業を導入をいたしましたのは、特に小規模な市町村の医療費の急増による破綻を防ぎたいということでございます。特に三十万円以上というふうにしましたのは、入院の増加でございますとかあるいは透析の患者さんが急増するというふうなことに対して備えるということでございますが、この事業を導入をいたしまして、平成二十七年度からは全ての医療費に拡大をいたしました。
 この共同事業の拡大と、都道府県が財政責任を持つということに対しての違いでございますけれども、一つは、財政上の手当て、つまり、必要な財源を確保して給付に必要な財源を調達をするという責任でございますけれども、これは、保険財政共同安定化事業ではやっぱり最終的には市町村に残ってしまっているわけでございます。今回は財政運営の責任を都道府県に移してまいりますので、予期せぬ給付の増ということが生じた場合も都道府県がその必要な費用というものを調達をする。そして、そのために今回の改革では、平成二十九年度から財政安定化基金というものを新たに創設をいたしまして、こうした場合の資金の調達ができるようにしていこうという点が非常に大きな違いでございます。
 それからもう一つは、保険料の平準化という問題がございまして、共同安定化事業では納付の仕方についての、つまり納付金の設け方につきましてはいろいろな検討の余地がございますけれども、それぞれの市町村の保険料の決め方、標準的な保険料の決め方のような事柄につきましては、なかなか現在の共同事業では、これはそういうことを平準化していくということは難しい面がございますので、やはり今回のような制度の改正をしていただきまして、都道府県と市町村が国民健康保険の運営に一緒に取り組んでいただけるような枠組みが必要ではないかと考えているところでございます。
#244
○行田邦子君 捉えようによっては、保険財政の責任を都道府県に押し付けたとはあえて言いませんけれども、そのような見方もできるのかなと思っています。そしてまた、後でまた伺いたいと思いますけれども、保険料の平準化なんですけれども、確かにこの保険財政共同安定化事業という事業だけではなかなかできないとは思いますが、一方で、今回の都道府県化で、じゃ、本当に保険料が平準化されるのかというと、私は疑問を感じております。ちょっとまたこの点は後で質問したいと思っております。
 次に、保険者が誰なのか、こういった質問がよく来るという御答弁も先ほど大臣からありましたけれども、保険者が誰なのかについて改めて伺いたいと思うんですけれども、私が伺いたいのは、保険証の保険者名称がどうなるのかということです。例えば、私の場合はさいたま市の国保に加入していますので、私の保険証には保険者さいたま市と書いてあるんですね。それを見れば、私の保険の保険者はさいたま市なんだというふうに分かるんですが、これがどういう保険者名称になるんでしょうか。
#245
○政府参考人(唐澤剛君) 保険者の問題は、都道府県が市町村とともにというのが法律の表現でございますので、そのとおりの意味なのでございますけれども、やはり都道府県というものが最初に出てまいりますし、表現も都道府県は市町村とともにでございますので、都道府県というところに大きな力点が置かれているというふうに私どもは考えております。
 保険証につきましても、資格管理の事務は、実務上はこれは市町村でやっていただかないとできませんので、身近なところでということでお願いをするわけでございますけれども、資格管理の実務は市町村でお願いをしますが、保険証の名称については都道府県名を記入していただく。したがって、埼玉県という形で記入をしていただくということを、私どもではそういう方向で考えているところでございます。
#246
○行田邦子君 そうしますと、被保険者からすると、同一県内にいる場合は同じ保険に加入しているという意識になるわけでありますよね。そうすると、これは副大臣に伺いたいと思うんですけれども、被保険者からすれば都道府県国保という意識になると思うんですね。埼玉県なら埼玉県国保に私は入っていますよという意識になるはずなんです。
 ところが、例えば同じ県内で市町村、引っ越しをした場合ですけれども、県内で引っ越しをしたことによって、同じ県国保に入っているのに保険料が急に高くなったりとか、あるいは保険サービスが違ったりとか、今まで受けられていた保険サービスが受けられなかったりとか、あるいは事務手続が違うということが起きると思うんですが、被保険者にとってはこれはおかしいんじゃないかと感じるはずですが、この点どのように説明されますでしょうか。
#247
○副大臣(山本香苗君) 今回の改革後におきましては、市町村が地域住民と身近な関係の中で、引き続き保険料の徴収や保健事業等、地域におけるきめ細かい事業に取り組んでいくこととさせていただいておりますけれども、都道府県は、市町村が担う事務の標準化等を進めるために、域内の統一的な国保の運営方針といったものを定めさせていただくこととなっております。
 この国保の運営方針につきましては、例えば市町村における保険給付の適切な実施につきまして、そうしたことを定めることとしておりまして、このような取組を都道府県が市町村の意見を聞きながら定めて、市町村が統一的な運営方針に従って取組を進めることによりまして、市町村が担う事務の標準化等を進めてまいりたいと考えております。
 また、今回の改革におきましては、各市町村が都道府県に納付する納付金につきましては、市町村ごとの保険者機能が積極的に発揮されるよう、市町村ごとの医療費水準を反映するとともに、市町村ごとの被保険者の負担能力の差を是正するという観点から、市町村ごとの所得水準も反映することとさせていただいております。
 また同時に、今回の改革では、将来的な保険料負担の平準化を進めるという観点から、都道府県は各市町村が納付金を納めるために必要となる市町村ごとの標準保険料率を示すとともに、市町村は都道府県の示す標準保険料率を参考にそれぞれの保険料率を定めることとしております。
 回りくどい言い方になっておりますけれども、とにかく都道府県が市町村ごとの標準保険料率を示すことによりまして標準的な住民負担の見える化が図られて、将来的な保険料の負担の平準化に資するものと考えております。
#248
○行田邦子君 平成三十年度からこの新しい制度になるということだとすると、すぐには保険料は平準化されませんし、その時点でやはり同一県内の異なる市町村ごとに保険料は異なっているはずです。今の御答弁でそういうことだと思いますし、また保健サービスも事務手続もしかりだと思います。
 いざ都道府県化された、財政の責任主体が都道府県になった、名称が都道府県国保になった、そのときに、やはり相当被保険者の皆さん、国民の皆さんも混乱するのではないかなというふうに思っておりまして、そこをどのように説明するのかをお聞きしたいんです。
#249
○政府参考人(唐澤剛君) 保険者として誰にいろいろなことを申し述べていけばよいのかというようなことが一番加入者の皆さんには関心事でございますのと、もう一つは、先生から御指摘いただきました保険料の水準でございます。
 それで、保険料の水準につきましては、標準保険料率ということで県で示すわけですけれども、元々は納付金の設計によって決まってまいりますので、納付金につきましては医療費の水準と所得の水準で決まるという形にさせていただきたいと考えております。医療費の水準は年齢を補正後、したがって、高齢者が多くても若い人と同じ年齢構成だと、標準的な年齢構成だという前提で計算をして納付金を納めていただくという形で納付金を設計させていただきたいと思います。したがって、この納付金の金額だけ見ますと、例えばある県内で同じ所得の方がいれば、同じ保険料になるはずでございます。
 ただし、違う要素になりますのは、医療費と所得水準が同じであれば同じなんですが、一つは収納率と、それから一番大きな要素は、一般会計からの繰入れというような形が保険料の水準に反映してまいりますので、そういうことをきちんと理解をしていただくということを、私どもも、分かりにくい面がございますので、実施までの間に丁寧に早めに始めていきたいというふうに考えております。
 いずれにしても、新制度になりますと、県内の全ての市町村の保険料を確認することができます。所得水準とか医療費の水準とか、そういうものを確認することができますので、そういう意味での見える化ということが始まりまして、御議論をいただく契機になるのではないかと考えております。
#250
○行田邦子君 保険者の名称が都道府県になるのであれば、こうした問合せというのは都道府県に来ると思うんですよね、一体どういうことなんですかと。そこで説明責任が負わされるのは都道府県ということですので、これは制度が始まる前にしっかりと早めに都道府県に対して理解を得ていただく、また説明をする必要が厚生労働省としてもあるというふうに思っております。
 そしてさらに、ちょっとどういうことが起きるかなんですけれども、例えば高額療養費制度について伺いたいんですけれども、これがどうなるのかなんですね。
 この高額療養費制度というのは、これは高額の療養の場合に自己負担が一定金額を超えると、超えた分だけ高額療養費ですよということで国が負担をしてくれるという国民皆保険制度として優れた制度だと思うんですけれども、この高額療養費制度は、一年間で三回以上受けた場合、だから四回目からは自己負担額が下がるという仕組みになっています。これ、結構下がる、半分ぐらいになる場合もあります。こういう仕組みなんですけれども、これが同一都道府県内の市町村に移転した場合に、これがリセットされてしまうのか、それとも移管できるのか、それはどうなんでしょうか。
#251
○政府参考人(唐澤剛君) 高額療養費は我が国の皆保険を守る非常に大事な制度でございますが、御指摘のように、三回続けて、例えば三月入院して、四月目からは非常に自己負担の水準が半減近く下がるという仕組みでございます。
 ただ、これは保険者単位で現在運営をしておりますので、保険者が変わりますとその回数の数え方がリセットされてしまうと。どうしても資格管理や給付の管理をしているところが保険者単位ということでございますので、そういう問題があるわけでございますが、今回は都道府県が全体の保険の中心的な役割になってまいりますので、この改革後は、高額療養費の多数回該当に係る該当回数というものを被保険者の方が同じ都道府県内に転居した場合には引き継ぐこととする、リセットされないで引き継ぐこととするということで被保険者の負担を軽減するというふうにしてまいりたいと考えております。
 これは、今年の厚生労働省と地方三団体の協議会におきましてもこうした方向について確認がされているところでございます。
#252
○行田邦子君 高額療養費制度以外にも、ほかにもこういった点はどうなるんだろうかといった疑問が都道府県または市町村にたくさんあろうかと思いますので、そこら辺は制度が実施される前に早め早めに明らかにしていただきたいというふうに思います。
 今回、三千四百億円の公費拡充ということを大々的にうたっているわけでありますけれども、公費なわけであって、これ国費ではないんですよね。三千四百億円のうち、実は国費というのは二千三百五十億円で、残りの八百五十億円は都道府県、市町村の負担ということであります。なぜかというと、これは保険者支援制度一千七百億円も拡充すると。この支援制度は、元々は半分が自治体負担ですから、ですから一千七百億円のうち半分は実は都道府県と自治体が負担する、つまり自治体の負担がこのことによって八百五十億円増えてしまうということです。
 そこで伺いたいんですけれども、こうした財政措置はされるんでしょうか。
#253
○政府参考人(唐澤剛君) 先生御指摘のように、三千四百億円のうちの千七百億円は保険者支援制度でございます。これは二十七年度から既に始まっているわけでございますが、このうち国の負担の割合は二分の一で、残りが都道府県と市町村がそれぞれ四分の一ずつということで、国と地方が折半するという形で財源の手当てをしているわけでございます。
 したがって、八百五十億円が自治体の負担と、都道府県の負担ということになるわけでございますが、この地方負担分につきましては、今年度、二十七年度の地方財政計画において所要額がきちんと歳出に計上されております。この点につきましては地方財政当局もきちんとしていただく方向で手当てをしていただいておりますので、この点については将来に向けてもきちんとした手当てがされる、地方財政措置が講じられるというふうに理解をしております。
#254
○行田邦子君 三千四百億円の公費拡充ということで、一見すると、これは国が三千四百億円追加で出すんだというふうに思いますが、その八百五十億円は自治体だということ。そして、これは今日質問はしませんけれども、そのうちの一千七百億円は、これは元々、後期高齢者支援金を全面報酬割にすることによって協会けんぽに出していた二千四百億が浮くから、その分、一部、一千七百億円こっちに持ってくるというだけでありますので、実はそんなにこの制度改正によって国費の追加負担というのは増えていないと。けれども、一方で、健保組合の負担が一千五百億円も増えてしまうというようなことになっているということ、私はこれはいかがなものかなと、今日は質問はしませんけれども、申し上げておきたいと思っております。
 こうして、自治体の負担というのは何も法定外の繰入れ分だけではありません。資料一を見ますといろいろとあります。現行制度でもいろいろと都道府県、市町村が負担をしています。
 例えば財政安定化支援事業、これは地財措置ですけれども、市町村の一般会計から市町村国保に繰り入れる財政措置、これ一千億円です、平成二十七年度の予算案ベースで。それから高額医療費共同事業ですけれども、これは国も出しますけれども、半分が市町村国保から出して、残りは国とそして都道府県が四分の一ずつ負担するということになっています。また、下の方の保険料軽減制度ですけれども、低所得者の保険料軽減分を公費で支援するんですが、これは元々、都道府県と市町村で賄われています。
 これだけざっと計算しても、法定外一般会計繰入れ以外にもざっと七千億円ぐらい現状の制度でも実は県、市町村が負担しているということなんですが、私は、三千四百億円の公費拡充だけではこれ賄い切れないというふうに思っていまして、更に今後自治体の負担増というのは増えるんではないかと思いますが、ここはどうされるんでしょうか。大臣に伺いたいと思います。
#255
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御指摘の国保の財政運営について、今回の改革におけます公費拡充のほかに、既に実施している高額医療費共同事業など、制度上、地方自治体にも御負担をいただいているというものがあるわけでございまして、これらに係る地方負担については、各措置の状況に応じて必要な地方財政措置が行われる、そういうものだということでございます。
 今後も高齢化の進展に伴って医療費の伸びが見込まれるわけでありまして、国保の事業運営については不断の取組が必要であって、医療費の適正化等の取組については、今回も、予防あるいは重症化予防等々、健康づくりも含めて取組を推奨していく、バックアップしていくということをやるわけでありまして、こういった取組を更に進めていくなど、しっかりとした対応を取っていかなければならないというふうに思っております。
#256
○行田邦子君 三千四百億円公費を拡充しますといっても、実際に国費からの追加というのは僅かであります。八百五十億円と僅かでありますし、一方で、今回は財政の責任を都道府県にお願いしますといって押し付けて、そして、これでもうだから大丈夫だということでは決してないというふうに私は思っております。
 この国保なんですけれども、これまでも解決しなければいけないテーマとしてずっと言われてきましたのが、地域ごとに保険料格差が非常に大きいということです。一番大きいのは東京都内の千代田区と三宅村の二・九倍ということですけれども、これだけ同じ都道府県の中で保険料の格差がある、差があるということが、これが今の現状でありますけれども、これはやはり解決しなければいけないというふうに思っています。
 実際に、社会保障制度改革国民会議の報告書でも、これは何とかしなければいけないテーマであるというふうに言われているわけでありますけれども、この流れを受けて、今回、国保が都道府県化するということでありますが、ただ、この法改正の内容を見ますと、本当にこれで保険料の平準化がなされるんだろうかと、私は難しいというふうに思っております。
 都道府県がそれぞれの市町村の標準保険料率というのを決めていきます。そして、最終的に決めるのは市町村でありますけれども、その保険料を課す方式、所得割、均等割の二方式であったり、所得割、均等割、平等割の三方式であったり、それも同じ都道府県内で方式が異なることが想定されます。
 こういう制度のままでは、保険料の平準化というのは私はできないと思いますけれども、この保険料の平準化、どのようにされるつもりでしょうか。大臣に伺います。
#257
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険料の平準化についてのお尋ねでございますが、今回の改革では、都道府県は、各市町村が都道府県に納付する納付金について、市町村ごとの医療費水準とかあるいは所得水準とかをしっかり反映をして設定することとしているわけでありまして、同時に、今回の改革では、標準的な保険料負担の見える化というものを図るとともに、将来的な保険料負担の平準化を進める観点から、都道府県は各市町村が納付金を納付するため必要となる市町村ごとの標準保険料率を示すということがまずあるわけでありまして、そして、市町村は都道府県の示す標準保険料率を参考にそれぞれの保険料率を定めるということになっています。
 これらによって、被保険者が負担をいたします実際の保険料の水準については、今回の改革後、一定の時間を掛けながら保険料水準の平準化が進むものと考えているわけでございまして、市町村の皆さん方は、ちなみに、今回の改革に併せて都道府県内の保険料率を一本に設定することについては、市町村によって医療サービスの偏在があることなどから問題があるということで、全国町村会が反対の立場を取られているわけでございます。
 おっしゃるように、この平準化が進むのには一定のやはり時間が掛かるというのは御指摘のとおりだと思います。
#258
○行田邦子君 先ほど私の、保険財政共同安定化事業をなぜ維持しなかったのかという質問に対して、一つは、広域化して、それで財政の責任主体を明確にするべきだということと、あと保険料の平準化ということを局長が御答弁されましたけれども、私は、この制度ですと、保険料の平準化というのは将来的にも難しいというふうに思っていまして、そうしますと、じゃ、今回なぜ都道府県に財政の責任主体を預けたかというと、これは国保保険財政の責任を都道府県にもうお任せして何とかうまくやってもらおうという、責任を押し付けたようにどうも思えてならないわけであります。
 もう一問、質問させていただきます。
 今回、国保事業納付金制度ということになるわけでありますけれども、これを導入するためにはやはりシステムの構築が必要であります。これは、都道府県だけじゃなくて、データを都道府県に渡さなければいけない市町村の方も必要となります。相当な費用が掛かると思いますけれども、このシステム構築に掛かる費用は誰が負担するんでしょうか。
#259
○政府参考人(唐澤剛君) システム構築、非常に重要でございます。特に社会保障改革ではいつもシステム構築の費用が問題になりますけれども、今回の国保改革に伴いまして様々なシステムの開発や改修が必要となります。厚生労働省といたしましては、地方からの御要望も踏まえまして、国が主導して標準的なシステムを構築していきたいというふうに考えているところでございます。
 もちろん、全額を国が出せるかどうかということにつきましては、いろいろ財政当局やあるいは地財措置との関係がございますけれども、この費用につきましては国がきちんと役割を果たしていくことが必要であると考えておりまして、全国で共通に使っていただけるような標準的なシステムを構築していきたいと考えているところでございます。今年度はまだ初年度でございますので、大きな金額を計上しておりませんけれども、二十七年度予算におきましても準備のための経費として一億八千万円の計上をしているところでございます。
 さらに、具体的なシステムの内容というのはこれからになりますので、国の財政当局やあるいは自治体、これは国と地方の政務レベルでの協議の場がございますので、そうした場でもこのシステムの問題について十分御議論をいただいて、予算編成過程で検討してまいりたいと考えているところでございます。
#260
○行田邦子君 是非お願いします。
 最後に大臣に伺いたいと思います。
 今回、国保の財政運営の責任主体を都道府県とする改正、そしてまた、今日は余り質問できませんでしたけれども、後期高齢者支援金の全面総報酬割の導入と、確かに大きな改正となっているのは事実でありますけれども、私は、これは大きな改正ではあるけれども、抜本的な改革ではなくて、あくまでも大掛かりな対症療法にすぎないというふうに思っております。
 そこで大臣に伺いたいんですが、この度の制度改正で、国保、そして後期高齢者医療制度、つまりは、現行制度での国民皆保険制度をどのぐらいの期間もたせるつもりなんでしょうか。
#261
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改革において、国保の財政運営の責任主体を都道府県にするとともに、財政状況の厳しい国保への財政支援を行うこととしておりまして、国保の基盤強化を行って安定的な運営を図ってまいりたいと考えております。財政支援が十分じゃないじゃないかという先生からの御指摘もございましたけれども、私どもとしては、そのようなことで安定的な運営を図りたいというふうに思っております。
 また、後期高齢者医療制度をより安定的に運営をしていくために、後期高齢者支援金について、負担能力に応じた負担として全面総報酬割を導入することとしたわけでございまして、このように、国保や後期高齢者医療制度を始めとする医療保険制度の安定化、負担の公平化、そしてまた医療費の適正化の推進など、給付と負担の均衡が取れた制度となるように改革に取り組んでいくことで将来にわたって国民皆保険を堅持してまいりたいと思いますし、持続可能にするためには、今申し上げたような点について改善をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
#262
○行田邦子君 何年もたせるつもりかとはっきりお答えいただけなかった、まあ、お答えしにくいとは思いますけれども、わけでありますけれども、私は、全ての団塊の世代が後期高齢者になる、つまり二〇二五年、十年後まで本当にこのままでもつんだろうかというふうに危惧をしておりまして、今から十年後にこのままの制度で一人当たり医療費が変わらないままだと、一体、特に後期高齢者の医療給付費を誰がどのように、国民が、そして国、自治体、そしてそれぞれの保険者がどれだけ負担しなければいけないのかというシミュレーションを是非作っていただいて、これがないということですので作っていただいて、国民にもお示しをして、そして国民的な議論をし、また国民にも理解をしていただくべきだというふうに思っております。
 質問ではなくて、最後、意見表明とさせていただいて、時間が来ましたので、終わらせていただきます。
#263
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 本日は、患者申出療養について集中的に質問させていただこうと思います。
 前回の医療・介護総合法案の中でも、なぜかちょっと特異な医療事故調査制度というものがぽっこりと入り込んでしまったのと同じように、今回も国民保険の改正の中で、どうもまた異質な患者申出療養というものが入り込んでいるように、私、ちょっと違和感を感じてなりません。こういうときにはやはり徹底的な審議が必要かと思っております。
 まず、我が国、保険というものは大変有り難いもので、北海道から沖縄まで、保険証さえ持っていれば、同じような質の医療がどこでも受けられる、こんな有り難い保険証というものはございません。しかし、その保険というものが使えない保険外併用療法というのの中で保険診療との併用が認められているのは、現在、評価療養とそして選定療養の二つでございます。
 この評価療養というものは、最終的に保険導入のために評価を行うもので、現在七種類であることは、先ほどの足立委員の資料からも皆様方も御理解いただけるかと思います。その中の先進医療というものは、この五月一日時点で百七種類が行われております。いまだ保険診療として認められていない先進的医療技術について、安全性、有効性を個別に確認したものは保険診療と保険外診療との併用を認め、将来的な保険導入に向けて評価を行うということも、私、今回様々な資料から確認をさせていただいたところでございます。
 また、この先進医療というものは、最先端の医療、適応外の医薬品の使用などの先進的な医療技術について、安全性、有効性を個別に確認した上で、先進医療制度の枠組みの中で保険診療との併用を認めていただいておりますけれども、これは一定のルールの中で患者のニーズに対応したものだということも厚生労働省よりも説明がなされております。
 今回、患者申出療養制度というものがこの法案の中に盛り込まれている。しかし、今まで、私が読み上げさせていただいたように、様々な施策が既に厚労省で行われている。この評価療養制度で一体何が不足していたために今回新たな制度が導入されたんでしょうか。御説明いただきたいと思います。
#264
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、現行の評価療養制度で何が足りなかったのかという御質問でありますけれども、今回提案をさせていただいております患者申出療養は、先進的な医療について将来的な保険収載を目指すという点では確かに現行の評価療養とは同様でございますけれども、これは先ほど来局長の方からも答弁申し上げましたけれども、まず第一に、患者の申出を起点とするというところで、医療機関が起点である評価療養とは違うということで、別なニーズからスタートをするものだということ。
 それから、国が安全性、有効性を迅速に確認をしつつ、言ってみれば将来的に保険収載を目指すということでございまして、国が安全性、有効性を迅速に確認をする、その迅速の度合いにおいて、前例がある場合と前例のない場合によって違いますけれども、六か月掛かっているものが原則六週間、前例がない場合ですね、前例がある場合でも、一か月程度掛かっていたものを原則二週間でこの患者申出療養の場合にはやるということの、その迅速性が異なるということ。
 それから、これは先ほど来も申し上げておりますけれども、地方でも身近な医療機関で受けられるということで、評価療養の場合には医療の内容によって実施医療機関の範囲に差があるということ、それに対して患者申出療養は、何度も申し上げておりますけれども、抗がん剤の場合には全国四百か所程度あるがん診療連携拠点病院で行えるということでございまして、これでいくと、大体、各都道府県で五、六か所は医療機関が対象となって、身近さが大分違うと、こういうことではないかというふうに思うわけでございます。それが今までの評価療養とは違うということで、こうした仕組みをつくることが、困難な病気と闘う患者の思いを満たすために役立つのではないのかということでございます。
#265
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今、三点確認をさせていただきました。患者が起点になっているということと、迅速性に違いがあるということ、そして身近な医療機関で先進医療が受けられるという、この三点が今まで制度設計がなされていた評価療養制度とは違ったところだというところでよろしゅうございましたでしょうか、大臣。
 それが確認できましたら次に移らせていただきたいんですけれども、では、なぜこの患者申出療養制度をつくらなければならなかったか、その必然性についても御検討いただいているかと思います、もちろんそれがなければ制度設計するわけがございませんので。それについて御説明いただけますでしょうか。
#266
○政府参考人(唐澤剛君) やはり一番私どもが御指摘をいただいておりますのは、現行の評価療養で実施をしております先進医療というものはなかなか普及しないということでございます。
 保険導入につきましては、これはかなり努力をして、実施例が少なくても導入してまいりましたけれども、なかなか普及をしていないということが一番大きなこの新たな制度を実施をする必要性ではないかというふうに考えているところでございます。
 現実には、やはり大都市の医療機関で実施しているところが多いというのが実情ではないかと思います。
#267
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、局長に伺います。ニーズ調査はなさっていらっしゃいますか。
#268
○政府参考人(唐澤剛君) ニーズ調査までは実施をしておりませんけれども、例えば、先日、先生方に御覧をいただきました、がんセンターなどで、例えば未承認、適応外の抗がん剤、想定されるようなものはどのくらいあるのかというようなことを御検討いただいて、それを十分に国民の皆さんに知っていただくというような努力をしていく必要があるというふうに考えております。
#269
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、患者を起点としてとおっしゃっても、本当にニーズがあるかどうかということはまだ調査もなされていないということがはっきりいたしました。
 先ほども迅速性ということについて大臣からも御答弁いただいたところでございますけれども、今日、私、資料を準備をさせていただきました。今回の患者申出療養制度というものは、今までなされていなかった治療法については原則六週間で判断が出るということでございます。しかし、同じような制度が幾つかございます。
 この資料の二で見ていただきましたら、最先端医療迅速評価制度、いわゆるハイウエーと言われているものでございます。これは、今まで様々な会議を通って審査が行われる、現行の先進医療ではおおむね六か月から七か月掛かっていたものを、先進医療会議で対象技術を選定した上で実施医療機関群を設定した。それを医療機関が、その中から抽出して申請を行い、そして外部評価の機関というものですね、専門評価体制の皆様方に評価をいただいた上で、おおむね三か月を目指してしっかりとした医療技術として皆様方に受けていただけるように臨床に出していこうといったものです。このような手続を踏んでも三か月という時間が掛かっております。
 じゃ、次に、また同じような制度が国家戦略特区でも計画がなされております。資料三を御覧ください。
 国家戦略特区の場合には、右側にございますように、臨床研究中核病院と同等の世界トップクラスの国際医療拠点が事前に十分手厚い相談を受けた上、申請を行い、その申請の中で先進技術審査部会というものと先進医療会議、これは合同で開催されてもおおむね三か月で申請が下りる。
 ハイウエーがあったり、さらにもっと迅速化させようと思って会議を合同させても三か月は掛かるものが、なぜ今回、この患者申出療養制度では、申請が来てから有効性、安全性を審査されるまで六週間という、スピーディーにできるのか、いささか私、疑問に思うところです。
 今までの様々な施策の中でもできなかったことがいきなりここでかなり短縮して出てくる、これはなぜなのか、その理由を教えていただけますでしょうか。
#270
○政府参考人(唐澤剛君) これは、先生の御指摘は大変大事な点でございますが、私どもは二つの点が重要であると思っております。
 この患者申出療養については、もちろん技術の範囲を限定するわけではございませんので、どういう医療だけとか、どういう診療科だけみたいなことは全くないのでございますけれども、この患者申出療養の創設のときに大変御議論がありましたのは、例えば非常に重い病気にかかっていらっしゃって、しかもそのステージがかなり進んだ段階の方がいて、そういう方たちが早く利用できるようにすべきではないかという御指摘を大変いただいておりました。そういう観点から、先ほどのがん診療連携拠点病院などで迅速に利用できるようなことを考えていく必要があるんだろうというふうに思っております。
 それからもう一つは、短縮の具体的な内容でございますけれども、先進医療の場合では、事務局と申請者の間のやり取りで、書類の不備でありますとか返戻ですとか、そういうことで四か月くらい掛かっておりまして、かなりここで時間を取られております。ここのところを臨床研究中核病院であればもう少し短縮することができるということで、全体として、先ほどの早期に利用したい重い患者さんの要請に応えるということで、原則として六週間以内にその審査をしようというふうにしているわけでございます。
 もちろん、先ほどの先生の御指摘でいただきました国家戦略特区でございますとか、あるいは先進医療ハイウエーというのは、どういう技術が出てくるのかちょっとまだ分かりませんけれども、そういうものと比べてこちらの方では、例えば未承認の薬剤などにつきまして、抗がん剤などにつきまして早く要望に応えられるように努力をしてまいりたい、臨床研究病院に相当御協力をいただいて、早く利用できるようにしたいと、そういう考え方でございます。
#271
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私もがん診療医でございましたので、そういう人道的な使用の仕方というものも一つ重要であることは分かっております。しかし、今般、様々な制度の流れというものが複雑に絡み合っているということは、どうか厚労省の方も御認識いただきたいと思います。
 まず、先進医療A、Bがございます。先ほどもお示ししましたように、資料二、これはいわゆるハイウエーと言われているように、抗がん剤であったり再生医療、医療機器等の創設も新たな仕組みがそこの中に組み込まれております。さらに、国家戦略特区では、今度はまた別のパスウエーが準備をされている。幾つできたらいいのか。もっともっと、何かこういうものを効率的に運用できるような仕組みというものでなるべく早く安全性が高いものを患者様方に届ける仕組みが生まれていかないものだろうかと、私、これ思って見ておりますんですけれども、是非、どうしてこの多様なルートが生まれたのかについても一度御説明をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#272
○副大臣(山本香苗君) 御指摘いただきましたとおり、多様なルートがもう既にあるという状況でありますが、今日お示しいただきました資料にまさしく、見ればよく分かることなんですが、先ほど大臣から御答弁がありましたとおり、患者の、国内で未承認の医薬品を安全性、有効性を確認して迅速に使用したいという、そういった思いに応えるために、患者の申出を起点とするというところは、この多様なルートの中では違った新しいものになりますので、今回、そういう意味でもう一つルートをつくらせていただいたわけですけれども、御指摘のとおり、こういった多様なルートが患者の皆様方にも分かりやすいものでなくてはならないと思いますし、効果的な運用をしていくための工夫というものもしてまいりたいと考えております。
#273
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、だんだんだんだんメーンストリームから枝葉が分かれてしまって、本当はメーンストリームを固めなければならないところが、無駄な時間、無駄な財政、そして無駄な様々な仕組みができ上がってしまう。これは一番本末転倒の結果に終わってしまうとも思いますが、いかにこれ効率化させるのかということも一つ、様々な仕組みを、共同の会議体を持つ、若しくはベースとして同じような情報を共有していく等々のことが考えられますけれども、いかがでしょうか。局長、お答えください。
#274
○政府参考人(唐澤剛君) その点は先生のおっしゃるとおりだと思います。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 先進医療ハイウエーも、これは三か月ということで縮めるということなんですが、元々、現行の先進医療の六か月というのはちょっと長過ぎるところがありまして、こういうところは私どもの責任もあると思いますが、書類の記入の方法だとか、慣れていないところもございますので、そういうところにきちんと支援をしていくということが必要だと思っております。先進医療の方も三か月ということで、六か月では遅過ぎると、イノベーションの振興にならないという観点からこんなようなハイウエーというような仕組みが設けられております。
 それから、特区の方は、これは全く違うまた視点で、ある種の地域の振興というような観点から出てまいりますので、そこで実施をしていただく医療機関が臨床研究中核病院と同じくらいの能力を持っているという前提なので、ちょっとそんなにたくさんあるということは実は想定できないんですけれども、そういう観点から出てきております。
 ただ、先生御指摘のように、ここで議論される技術の内容などにつきましてはかなり共通のものということが実際はあると思いますので、そこで得られた知見あるいは運営上のノウハウなどにつきましては全体の制度の運営に生かしてまいりたい。特に患者申出療養と私どもの主な柱でございます評価療養につきまして、その知見を生かしていくということは重要なことだと考えております。
#275
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 今様々御説明いただきました中にも、臨床研究中核病院というものが拠点になってくる、大切なこれは存在になってくるだろうということが分かっていただけるかと思います。この資料の一に書かれておりますように、臨床研究中核病院又は患者申出療養の窓口機能を有する特定機能病院に患者が申し出るというところから始まっていくというようなパスウエーが書かれております。
 この臨床研究中核病院、がんセンターでもヒアリングを行わせていただいた際に、申請が終わりましたよというまだまだ段階で、どこも選定をされていない、これからだということでございます。ですので、まずはこの臨床研究中核病院の役割がどんなものであるのか、従来行われてまいりました臨床研究中核病院整備事業との違いについても教えていただけますでしょうか。
#276
○副大臣(山本香苗君) 今、薬師寺先生が御指摘いただきましたとおり、本年四月に施行されました医療法上の臨床研究中核病院におきましては、国際水準の臨床研究や医師主導治験において中核的な役割を担う拠点となるものでございまして、当該役割に求められる施設、人員等の基準を実際に満たしている病院を厚生労働大臣がこれから承認をするというものでございます。一方で、従来の臨床研究中核病院整備事業につきましては、国際水準の臨床研究や医師主導治験において中核的な役割を担う拠点を五年計画で整備するものを目指して、これは予算事業において支援してきたものでございます。
 要するに、従来の臨床研究中核病院整備事業におきましては、ある臨床研究の中核的な役割を担う拠点を目指して整備を進めてきたものというものでありますけれども、この四月からの医療法上の臨床研究中核病院というのは、現に臨床研究の中核的な役割を担う拠点の基準を満たしているものと、こういった違いとなっております。
#277
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、今まで様々な取組をなさったところということはしっかりと尊重して臨床研究中核病院も選定をしていただきたいと思うのですが、実際にこの中核病院という認定を指定を受けたということになりましたら、診療報酬、研究費、様々な優遇措置というものがあるのかなということも心配いたしておりますが、いかがでしょうか。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
#278
○副大臣(山本香苗君) メリットはあるのかということでございますが、医療法上では、臨床研究中核病院でないものは、これに臨床研究中核病院又はこれに紛らわしい名称を称してはならないという形となっておりまして、臨床研究中核病院の承認を受けることによりまして、これは名称独占という形になります。
 これによりまして、国際水準の臨床研究等の中心的役割を担う病院として一般にこれはしっかり認知をされることになるわけでありますが、被験者が集まってくる、また優れた研究者等の人材が集まる、他の施設からの相談や研究の依頼が集まるなどの効果が期待されるほかにも、平成二十七年度予算事業におきまして助成対象となることが見込まれております。これは未承認医薬品等臨床研究安全性確保支援事業という形でございますが、こういった形で予算上のメリットもございます。
#279
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、局長にお尋ねをしてみたいと思います。
 今回の患者申出療養が実施された場合に、臨床研究中核病院、特定病院、様々な役割を担わなければならないんですけれども、どのくらいの負担があると想定していらっしゃるんでしょうか。
#280
○政府参考人(唐澤剛君) 私どもは、臨床研究中核病院には、かなりの作業というと恐縮ですが、お願いをしなければならないと考えておりまして、具体的には二つございます。
 一つは、初めての患者申出療養のケースでございますけれども、患者さんと十分御相談をいただきまして、その受付をして御相談をいただいて、そして次に臨床研究のプロトコルを作っていただく、そしてさらに保険収載のロードマップも作っていただく、こういうようなことで国に提出をしていただくという役割が第一でございます。
 それから第二には、前例のある、例えば自分のところで実施をしていただいた療養につきまして他の医療機関が実施をしたいというときにつきましては、その医療機関の実施体制を臨床研究中核病院の方で審査をしていただきまして、二例目以降が円滑に実施できるようにしていくという、二つの役割をお願いをするわけでございます。
 私ども、臨床研究中核病院は、これは当初は、今はちょっとまだ法律上のものはありませんけれども、予算事業では当初十五ということで非常に絞った数で指定をされておりまして、元々は国際的な研究水準に匹敵するほどの研究を集中的に実施をしていただく医療機関であるというふうに思っているところでございます。
 したがって、ある程度、日本全体の先進的な医療の牽引者という、リーダーとなるという役割は果たしていただかなければいけないというふうに思っておりますけれども、臨床研究中核病院について一定程度の負担が生じることは事実だということで私どもも受け止めているところでございます。
#281
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ではお尋ねをさせていただきますけれども、そのように大変負担が掛かり、国際的な競争にも打ち勝てるような、そんな審査をしていただける有り難い病院に何らかの支援措置というものを考えていらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。
#282
○政府参考人(唐澤剛君) これは、今申しましたように、一つは、世界に向かって先進的な研究を進めていただきたい。国内に向かっては、医療分野の一つのリーダーとなって、他の医療機関につきましてもそのサポートをしていただきたいということが臨床研究中核病院にお願いをしたい大きな柱でございますが、今申しました臨床研究中核病院でいろいろな御負担をお願いするものについて、どのようなサポートを国がしていくべきか、ちょっとまだ現在の段階では申し上げられませんけれども、患者申出療養の実施状況等も見ながら、今後これは十分検討させていただきたいというふうに考えております。
#283
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほどの副大臣の答弁からも、大きなメリットはないんですよね。特定機能病院であれば診療報酬上プラスアルファがありますけれども、そんなものをまだまだ考えられている状況ではなく、まあ少し研究費が取りやすいかなといったようなところぐらいしかないというのが、私、聞いていて現状だということです。大きな負担を掛けて、先日もがんセンターに行って、一番何が困ると思われますかと質問いたしましたら、どうやって人件費を出していったらいいんだろうと、本当に大きく頭を悩ませていらっしゃいました。
 先ほども局長御説明いただきましたように、身近な医療機関についても、前例を取り扱った臨床研究中核病院というものは審査もしなければならない、今までにやったこともないようなことを更にプラスアルファするわけですよね。ですから、しっかりとした手当てを考えていただかなければ、ただ名称独占だろうということだけで済む話ではないんですね。
 今後、臨床研究中核病院がどういう存在になるのかというような要件、資料四に書かせていただきました。今後のことも含めまして更に見直しも必要になってくるかと思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
#284
○副大臣(山本香苗君) 承認要件の見直しが必要じゃないかというお問合せでございますけれども、患者申出療養における臨床研究中核病院の役割のうち、患者の申出を受けて保険収載に向けた実施計画の作成等を行う、先ほどの局長の答弁にありましたけれども、前例がある医療について身近な医療機関の実施体制を審査すること、こういったことにつきましては、国際水準の臨床研究の実施に習熟している臨床研究中核病院であれば当然のことながら対応可能な業務であると考えております。
 また、患者からの申出や相談に対応するといった大事な役割につきましても、医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会におきまして、真摯な取組が求められることとして掲げられているところでございます。
 今後の研究環境の変化等に応じまして、今すぐにというわけにはいきませんけれども、適宜、この承認要件の在り方につきましては議論を進めてまいりたいと考えております。
#285
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 いわゆる不断の見直しというものも進めていただきたいんですけれども、この臨床研究中核病院、全国にどのくらい必要だというふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。局長、御答弁ください。
#286
○政府参考人(唐澤剛君) 臨床研究中核病院でございますか。
 これはちょっと、最終的に決定するのは医政局の方で決定をしますので、ちょっと私の所管外でございますが、予算では臨床研究中核病院は十五程度──患者申出療養の方ですか。
#287
○薬師寺みちよ君 じゃ、もう一点。
 その患者申出療養制度を実施する病院というものは全国で何病院必要だというふうに考えていらっしゃいますか。
#288
○政府参考人(唐澤剛君) もちろん、これしか駄目ということではございませんけど、私どもが今想定をしておりますのは、一つは、臨床研究中核病院は当然といたしまして、特定機能病院が八十余りございます。それから、抗がん剤の関係で申しますと、がん診療連携拠点病院が四百余りありまして、この中にはほとんどの特定機能病院がダブって含まれておりますので、およそ抗がん剤ということで考えれば四百程度、一県でいいますと五、六か所ぐらい、小さな県でですね。ブロックごとの中核病院のようなところが該当していくのではないかと思いますが、そういうところが対象の医療機関になるのではないかと想定をしております。
#289
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは、大臣、私からのお願いでございますけれども、臨床研究中核病院というものが、先ほど副大臣からも御説明いただきました予算事業の中で四国と北陸に現在ございません。ということは、やはり全国的にもしっかりとした拠点をこれから持っていく必要があるのではないかと思います。
 その臨床研究中核病院というものが、これからある一定の要件を満たしたらもちろん申請をして認定ということだと思いますけれども、どのように配置をしていくのかということも大変これは重要な問題であると思います。四国にはないよということでしたり、九州は手薄だよとか北海道には一つしかないよというのではなく、やはりより幅広くこういった世界的にも通用するような研究ができる病院が必要だということになれば、ある一定の病院に対して選択と集中、しっかりと予算を付け、そして人的にもカバーしていかなければ、資料四にございますように、人的要因の中でも、臨床研究コーディネーターやデータマネジャー、生物統計家若しくは薬事承認審査機関の経験者という方々を確保していくのは至難の業だというふうに、この人数、言われております。
 ですから、分散をするよりも集中してこのような拠点というものを今後準備をお願いしたいということを、私から、済みません、質問ではなく、お願いとさせていただきたいと思います。
 では次に、その臨床研究中核病院とタッグを組みながら臨床試験を行う特定機能病院のことについてもお伺いをしてみたいと思います。
 患者申出療養制度では共同研究を実施するという役割を担っておりますけれども、臨床研究中核病院と特定機能病院の役割分担はどのようになっていらっしゃいますでしょうか。どのように設計されていますでしょうか。お願いします。
#290
○副大臣(山本香苗君) 役割分担につきまして、まず、患者申出療養における臨床研究中核病院の役割というのは、先ほど来より御説明ありましたように、患者の申出を新たに受けて保険収載に向けた実施計画の策定等を行うこと、その上で患者申出療養を実施すると。前例がある医療につきましては身近な医療機関での実施体制を審査するという形になっておりますけれども。
 特定機能病院の方の役割は何かというと、窓口機能を有する場合には患者の申出を受けて共同研究の実施を臨床研究中核病院に提案できる。ただ、これは実施計画とかの策定はしませんと。協力医療機関としては患者申出療養を実施することができるという形の役割分担となっております。
#291
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこで、これもお願いをしたいんですけれども、全てが全て窓口で右から左へと流してしまうだけであったら、臨床研究中核病院というものがもうパンクしてしまう可能性もあります。ですから、ある程度その機能性を持たせた窓口機能というものも私はこの特定機能病院に必要かと思います。
 現在、特定機能病院の要件といたしまして、資料五に挙げさせていただいております。
 この中には、もちろん、このときにいわゆる患者申出療養制度があったわけではないので、そのような機能を有することということは要件には入っておりませんけれども、様々これから起こってくる事象に対しまして、それこそ不断の見直しをしていただきたいと思っています。
 問い合わせましたら、たまたまこの特定機能病院につきましては、医療安全の面での要件の見直しも現在行われている途中だということでございます。ですから、これだけではなく、政府として患者申出療養での役割を担える要件について再検討なさってはいかがかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#292
○政府参考人(唐澤剛君) この特定機能病院の要件は、現在、不祥事に関連をいたしまして今御検討をいただいておりますけれども、先生の御指摘のように、今後、この患者申出療養につきまして、特定機能病院もかなり大きな役割を果たしていただくことになるのではないかと思います。
 特に、臨床研究中核病院に全部そのまま、詰めないまま持ち込まれても困りますので、それはやはり各都道府県の段階では、特定機能病院、大学病院の段階で、例えば専門のこういう先進医療に関する患者さんの相談部署というようなものをきちんと設けていただくというようなことは必要ではないかと思っております。これまではどうしても研究サイドからのアプローチということでやってまいりましたので、そういうものを設けていただくということは考えていないわけでございますけれども、私どもは、今回の患者申出療養につきましては、臨床研究中核病院は当然としましても、特定機能病院につきましても、患者さんの御相談や申出を受け付ける専門の部署というものを明確に設けていただきたいということをお願いをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 そういう観点も、今後、特定機能病院の在り方につきまして、私どもの方からも医政局の方に対しまして御意見を申し上げていけたらというふうに考えているところでございます。
#293
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 次から次へと新たな役割というものが担っていただかなければならないような病院につきましては、先ほども申しましたけれども、手厚い支援というものも同時にお願いをしたいと思います。
 時間もございませんので、少し次回につながる質問を最後に何問かさせていただきたいと思っております。
 この患者申出療養制度、様々今議論をさせていただいた中で、患者が起点だということしか違いがどうも私からしてみると見受けられないなというふうに思います。現行の評価療養の運用ではなぜできなかったんでしょうか。その点、大臣、お答えいただけますでしょうか。
#294
○国務大臣(塩崎恭久君) なぜ運用でできないのかという御質問でございました。
 今回の患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるというために、患者の申出を起点として、安全性、有効性を迅速に確認しつつ、地方でも身近な医療機関で受けられるようにするという点で現行の評価療養とは、先ほど御説明申し上げたように、趣旨が異なるということから今般の新たな創設をするものでありまして、先ほどなぜ六週間でできるんだという御疑問も呈されていたわけでありますけれども、大きく分けると、やはり運用でできない部分というのは、患者の申出が起点だということ、そして迅速性、さらには特定の一部病院でしかできないものが地方の身近なところでもできるようになるということについては、これはいずれも運用ではできないのではないかということだと思います。
#295
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 現行法の中にそれぞれそれをやってはならないというようなことは一切書き込まれておりません。ですから、現行法でやろうと思えばできたものが、突然のようにこのような形で法律に書き込まれるようなことになってしまった。それも事前にほとんど調査はしていない。かつ、役割分担にしても、まだまだこれから、調整であったり、かつ財政的な支援もままならぬまま制度が先走りしているようにしかちょっと私には思えないんですね。もちろん、患者が申し出てその医療機関が起点となってやってもいい話ですし、どういう医療提供体制の中で先進医療を行っていくかということ、未承認薬を使っていくかというようなことについては、その部分も運用で上手にやっていけるんではないんでしょうか。
 これから様々また議論をさせていただきたいと思っておりますけれども、様々な制度というものを、先ほど私も提示をさせていただいたように、ハイウエーがあり、また特区でも何か新しいような制度があり、様々なことをしっかりと議論していただくのももちろんこれは重要なことですけれども、一番患者様方が望まれていることというのは、一日も早く安全なお薬を保険収載していただけること、ここが手薄になってしまっては全く意味がないと思います。評価療養というものを迅速に審査することに更に力を傾けるべきではないのかと思いますけれども、大臣、御答弁いただけますでしょうか。
#296
○国務大臣(塩崎恭久君) 今二つおっしゃったと思うんですね。
 一つは、法的に今でもできるじゃないかということでありますけど、裏返すと、例えばこの申出を臨床研究中核病院の作成した書類を添付するとか、あるいは申出が行われた場合に、国において速やかに検討を加えて、必要があると認める場合は患者申出療養として定めるとか、あるいは国としては申出を行った者に検討結果を通知するとか、そういうようなことを今回は法定をした、安定性を持たせた、法的にですね、制度として確立をしようということで、患者申出でもできるという御理解かも分かりませんが、私どもは、やはりこれを法的にもきちっと安定的に実行できるようにするために法律にした方がいいだろうということがまず第一点であります。
 第二点の、迅速性の問題もあって、現行の評価療養では、申請した医療機関に対する安全性、有効性の指摘や書類の不備などの形式的な誤りなどの指摘が少なからずあって、国における審査に時間を要しているケースが間々あるというふうに承知をしていまして、これは先ほど来、局長からも御指摘申し上げましたが、そういうことがあること。そしてまた、今後、書類の不備が起こりにくいような記載要領の見直しを行うことによって、申請から医療の実施までの期間を短縮できるように努めなければならないと思っているわけでありまして、こういったようなことを考えて、今回、こういうような提案をさせていただいているということでございます。
#297
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 また次回に向けて、今御答弁いただいたような内容を精査をいたしまして、準備をさせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#298
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日も国民健康保険のそもそもについてという質問が同僚委員からありました。私もそこから話をしていきたいと思います。
 国民健康保険に対して毎年約三千四百億円、国保の保険料総額約三兆円の一割超の財政支援を行うと。被保険者一人当たり約一万円に相当する規模です。赤字補填のための一般会計からの法定外繰入れの解消に向かうことが期待されております。しかし、現在の全国の市町村による一般会計法定外繰入れは三千九百億円で、それよりも少ないというものであります。加入者の年齢構成が高く医療費水準が高い、低所得の加入者が多いなどの構造的な問題が根本的に解消されるわけではありません。
 国保の財政基盤の強化を言うのであれば、国庫負担を元に戻し、更なる財政支援の拡充をすべきであると考えますが、いかがでしょうか。
#299
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども国庫負担の引上げが必要ではないかという小池先生からの御指摘がございました。
 国保は、先ほども申し上げましたけれども、高齢の加入者がまず多い、そして所得水準が相対的に低いということで、リスクが高いという厳しい財政状況にもあるということから、保険給付費に対する五割の公費負担を行うとともに、低所得者が多い自治体への財政支援を行うなど、これまでも累次の財政支援策を講じてまいったわけでございます。
 今回の改革では、毎年、今先生からもお話がありましたけれども、三千四百億円の追加的な財政支援を行うなど、財政基盤を大幅に強化することとしておりまして、その際には、単に定率の国庫負担を増額するのではなくて、医療費適正化に取り組む自治体とか低所得者の多い自治体などに対して、地域の実情を踏まえて効果的、効率的な財政支援を行うということとしておりまして、これによって、国民皆保険を支える最後のとりでというお言葉を使われる方もおられますけれども、国民健康保険の安定化を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
#300
○福島みずほ君 私は、日本が誇るべきは憲法九条と国民皆保険と思っているんですが、国民皆保険、とりわけ国保をきちっとやるんだというのは、日本がやるべきことだと思っているんですね。
 もう御存じ、国の負担の割合、元々は七割を超える国庫負担、一九八四年を境に下がる。一九八四年、給付費等が五〇%、二〇〇六年が四三%、二〇一二年が四一%、どんどん下がっているわけですね。財政が厳しいことは分かりますが、どこか、財政をぶうぶう増やすというわけではなく、中身の、やっぱり質を良くすることは必要だと思いますが、国保の国の負担の割合がどんどん下がっているということは、これは見直すべきだということを強く求めていきます。
 地方から見直しが求められている子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入、乳幼児医療費助成制度などの地方単独事業に関する国庫負担調整措置の見直し、国庫負担の減額調整についても法案は全く応えておりません。先ほど、適正化を頑張る自治体は応援すると大臣はおっしゃいましたけれども、私自身は、むしろ、例えば乳幼児医療費助成制度で頑張っている自治体を応援するとか、医療で頑張っているところを応援するようにすべきだと思いますが、法案はこの視点がありません。いかがでしょうか。
#301
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生が御指摘になられた幾つかの項目、例えば子供に係る均等割保険料の問題とか、あるいは子供の医療費を助成した際にペナルティーじゃないかという指摘もあったりする措置がございますが、そういうことにつきましては、厚労省と関係自治体との協議の中でも御指摘をいただいて、結果として今回法律に入れ込むような結論が出たわけではございませんでしたけれども、問題の所在についてはお互いにそれは認識をし合って、今後引き続き検討するということになっているわけでございまして、決して、先ほど小池先生にも申し上げましたけれども、その問題を考えていないわけではございませんで、引き続き検討課題として残って、結論が今回は出ていないというのが状態でございまして、今御指摘のように、全く無視しているわけではないわけであります。
#302
○福島みずほ君 大臣からは全く無視しているわけではないと。それから、地方から見直しが求められている子供に係る均等割保険料の軽減措置の導入、乳幼児医療費助成制度、自治体によっては中学校まで医療費無料とか、小学校まで無料とか、本当に頑張っている自治体も結構ありますけれども、これから検討していきたいということなので、是非それはよろしくお願いします。
 保険料滞納世帯は、先ほどもありましたが、三百六十万を超える。うち短期証や資格証の交付は百四十万世帯、国保料が高過ぎて支払うことができず必要な医療を受けることができない国民の問題についても、これは全く応えておりません。いかがでしょうか。
#303
○政府参考人(唐澤剛君) これは、保険料の収納は各市町村で御努力いただいているわけでございますけれども、私どもとしては二つ大きな視点がございます。
 一つは、やはり医療費が伸びていく中で保険料が上がっていくということが大きな滞納の一つの要因でございますので、その点につきましては今回三千四百億円の追加財政措置を講じて保険料の上昇というものを抑制をしていきたいということを考えております。
 それからもう一点につきましては、これは既に昨年度前から実施をしておりますけれども、保険料の軽減対象基準の世帯の拡大ということを実施をしておりまして、消費税財源の活用をしてでございますけれども、そうした軽減基準の拡大によりまして軽減対象となる世帯を増やしていくということによりまして、滞納世帯が少なくなるようにしていきたい。滞納対策は滞納対策として丁寧な相談をお願いしたいというふうに考えております。
#304
○福島みずほ君 これは大問題で、誰も健康保険証が欲しくない人などいないと思うんですね。でも、それはやっぱり全額払うかそうでないかというのがありますから、健康保険証が要らない、健康保険に入りたくない人などいないと思います。しかし、やっぱり今非正規雇用など増えている中で、負担が非常に大きいわけですね。
 だから、これは厚生労働委員会で言うべきことではないかもしれませんが、オスプレイ、ハワイで墜落事故があって死傷者が出ましたが、一機八十六億円と思っていたら今二百億円、十七機も買う、三千億円ぐらい予算が掛かるというのを聞くと、やはり国保のてこ入れのためにしっかり予算を確保してここはやっていただきたいというふうに思います。これは厚生労働省へのある意味エールですので、それはちょっと頑張って、大砲よりバターで、オスプレイより国保でしょうという形で、是非頑張ってください。
 国保の都道府県化ということで、運営の在り方の見直しがあります。
 都道府県が財政運営を始めとした国保事業の運営の中心的役割を担う、市町村が保険料徴収、保健事業等を行う、この二つの関係なんですが、市町村が保険料率を決定するのは現行も法案も変わりません。都道府県が新たに定める保険料の標準的な算定方法により、何が一体変わるんでしょうか。
#305
○政府参考人(唐澤剛君) 一つは、今もう共同事業が実施されておりますけれども、先生の御指摘のように、基本的に保険料は各市町村が決める。誰かが決めるわけではございません。ただし、今回は都道府県が財政運営の責任者になりますので、各市町村の納付金を決めるのは都道府県、その納付金は年齢補正後の医療費の水準と所得水準によって決まります。したがって、そういうものを参照していただきながら、各市町村の自治体の議会で御議論をいただいて最終的な保険料率を決めていくということになると思います。
 この効果につきましては、一つは、運営費の納付金の決め方が年齢補正後の医療費の水準とそれから所得水準ということで、言わばリスクを構造的に調整をして納付金の水準を決めるという方式を取っておりますので、県内全体の保険料が平準化の方向に向かっていくだろうということが一点。それからもう一点は、これも様々御議論をいただいておりますけれども、県内の全ての市町村の標準保険料率と医療費の水準と所得の水準というものが全体的に見えるようになるということで、これもそれぞれの自治体でそれぞれの国民健康保険の運営の在り方について御議論をいただく契機になるのではないかと考えております。
#306
○福島みずほ君 この平準化なんですが、一人当たり国民保険料、年間の現状は、都道府県を比較した場合、最高が神奈川県の九万四千円で、最低が沖縄の五万四千円。市町村を比較した場合、最高が北海道猿払村の十五万円で、最低は被災地のゼロ円と、これはやむなしというか当然のことだと思いますが、非常にばらつきがあるわけですね。これの平準化というものが一体どういう形で行われるのかと。ちょっと平準化の方で先に質問します、済みません。
 広域化により保険財政の安定化が期待される一方、財政状況の悪い市町村が集まり都道府県化しても、財政支援は一時しのぎであり、財政状況は好転しないという懸念があります。高い、納付率が悪い、財政状況は好転しないのではないか。
 都道府県は医療計画、地域医療構想の策定主体であり、今後、都道府県の主導により保険料の引上げ、厳しい保険料の収納対策が推進されかねないという強い懸念があります。また、病床削減、入院の短縮化など数値目標先にありきの再編成は、病院追い出し、病院のたらい回しなどにつながり、患者難民が急増するということに関してはいかがお考えでしょうか。
#307
○政府参考人(唐澤剛君) 幾つか御質問いただきましたけれども、一つは、赤字のところが全体に集まっても赤字じゃないかという御指摘はかなりございましたけれども、ただ、私どもは、やはり財政というのは大数の法則ということがございまして、大きな規模になれば安定をするということは間違いないと思っております。もちろん構造的に厳しい要因は抱えているわけでございますけれども、変動に対処をするという意味では、やはり都道府県単位で財政をつくるというのはかなり財政基盤の強化ということにつながると思います。
 特に、これから少子高齢化が進んでまいりますと、消滅するおそれのある自治体などというふうに懸念をされておりますけれども、小規模な町村で本当に国民健康保険の運営を続けられるのかというような問題も出てまいりますので、こういう点については都道府県が関与をいたしまして、そして運営方針を県全体に対して示していく、市町村に対して協議をしながら決めていくという点では、やっぱり国民健康保険の足腰、基盤を強化をするということにつながると思っております。
 それから、保険料につきましては、これは最終的には収納努力につきましては各市町村でお願いをしなければなりません。ただ、都道府県が参加をすることによりまして、例えば自治体の中でも取り組んでいただいておりますけれども、収納対策に対する研修会を県主催で開催をしたり、なかなか市町村の職員は法律的な実務に通じていないところもございます。非常に詳しい方もいらっしゃいますけど、なかなかそうした面に習熟、経験がないという方もいらっしゃいますので、研修等を一緒に開催をするというようなことは考えられると思いますけれども、収納対策そのものは、これは最終的には現在の制度では市町村が取り組んでいただきたい。
 それから、医療費につきましては、やはりこれまで都道府県は、病床を中心とする医療計画でございますとか、あるいは医師確保、看護師確保というような面で、供給・提供体制の面で役割を果たしていただいていたわけでございますけれども、今後は医療保険の、特に国民健康保険の関係を併せて担っていただきまして、さらに、予防面も含めた対策を講じていただくということで、総合的な医療の政策の責任者としてその役割を発揮していただきたいというふうに考えているところでございます。
#308
○福島みずほ君 都道府県内の保険料は、統一の算定方式を用いて保険料水準を平準化することは望ましいと思います。しかし、現在、市町村間で医療費水準や所得水準がかなり異なっています。保険料水準にも差があり、都道府県内で一律の算定方式とすると、市町村によっては保険料負担が大きく増加するおそれがあるところが出ます。これについてはいかがでしょうか。
#309
○政府参考人(唐澤剛君) これは先生御指摘のとおりでございまして、一つには、将来的には保険料の平準化をしていくことが望ましいと私ども考えております。
 ただ、現実に、県内で二倍ぐらいの格差というのは現にございまして、大体町村の方が保険料の水準低いというところが多いんですけれども、そういうところが単に平準化しただけでいきなり保険料水準が上がってしまうということについては、これはなかなか御理解が得られない面がございます。町村会からもそうした御指摘をいただいております。そういう点につきましては、現在の水準から経過的に移行をしていくというようなことも考えられるという御指摘もございまして、そうした面につきましては、そうした措置を皆さんが合意をして、都道府県と市町村の中で十分御議論をいただいて合意をして、そうした措置がとれるような国の枠組みにしていきたいというように考えております。
#310
○福島みずほ君 市町村は、国保事業費納付金などに見合う保険料を賦課徴収しますが、都道府県が設定する保険料の予定収納率よりも高い収納率を達成すれば標準保険料率よりも低い保険料を設定できると。逆に達成できなければ、原則として市町村が不足分を補填することになります。これでは都道府県が財政運営の責任を負うということにならないのではないですか。
#311
○政府参考人(唐澤剛君) 今度の改革で、もちろん、全部の県内の保険料率を統一できたり、あるいは収納も全部都道府県に移してしまうという議論もないわけではございませんが、現実には、都道府県がなかなか保険料の徴収ができないというのが今の実情でございます。これは、都道府県民税につきましても市町村民税と一括して徴収していただいているというような実情もございますので。
 したがいまして、収納の努力というのは市町村を中心にお願いをしていくというのが私どもの考えている制度でございますけれども、ただ、徴収率が元々高いところは結構でございますが、難しいところが、当初想定していた水準よりも収納率がかなり下がってしまったという場合につきましては、これは財政安定化基金の対象として貸付けをしたり、あるいは交付をするかどうかにつきましては、これは要件を精査をして御議論すべきだと。災害などの場合に限るべきだというような御意見もいただいておりますけれども、そうした対策も活用しながら全体の運営の安定に努めてまいりたいと考えております。
#312
○福島みずほ君 都道府県が市町村に交付金を交付するに当たっての基準というのはどういうものになるんでしょうか。
#313
○政府参考人(唐澤剛君) これは二つございます。
 まず、医療費そのものにつきましては、市町村が支払に必要な費用というものを全額都道府県が交付をするということがございます。それからもう一つは、平成三十年度から予定をしております保険者努力支援制度というようなことで、予防対策に御努力をいただいたり、あるいは後発医薬品の使用の促進を図っていただいたようなところにつきましては、これは厚めの交付をしていくというようなことが考えられると思いますけれども、都道府県の交付というのは主にその二点というものになると思っております。
#314
○福島みずほ君 国と県と市町村との関係で、今、県と市町村は、国がお決めになることだからというか、どうなるのか見ている状況ですよね。この交付金の配り方、県からの市町村への配り方、あるいは自分のところの保険料が一体どうなるのか、平準化というけど、どうなるのか、本当にみんな心配をしたりしているところです。ですから、これは政令で決めるということですが、交付金の中身について、是非また議論をさせてください。
 都道府県主導による保険料引上げ、保険料の厳しい収納対策などが進むおそれがあるのではないかというのは先ほど御質問しました。市町村が担う事務の標準化、効率化は具体的にどのように行うんでしょうか。また、市町村事務の広域化とは具体的にどのようなものなんでしょうか。
#315
○政府参考人(唐澤剛君) 私ども一番考えておりますのは、例えばシステム関係の事務のようなものでございますけれども、特に小さい町村におきましてはなかなかこの対応ができないということで、これは、国が中心になって共同開発をして、更に都道府県で共同のシステム的な対応というようなものを考えていただきたいと考えております。
 それから、収納対策につきましても、先ほど研修をするということがありましたけれども、収納事務そのものについてもよく分からないという町村の方もいらっしゃいます、これは経験がどうしても必要でございますので。そういう点につきましては、県が主導になりまして必要な知識を得られるような体制を取っていただきたいというふうに考えているところでございます。
 特にシステム面につきましては、今は国保につきましては共同のシステムをもちろん開発しているんですけれども、ほかの、住民基本台帳とつながっているシステムのところが多いので、やっぱり市町村ごとにそれぞれかなり違って、全体としてコストを上げている面がございます。こういう面について何かもう少しコストを下げて対応できないかということは、非常に私どもの重要な課題だと受け止めております。
#316
○福島みずほ君 市町村が行った保険給付の点検、事後調整は具体的にどのように行うんでしょうか。
#317
○政府参考人(唐澤剛君) 一つは、今回、都道府県が給付の責任者、保険財政の責任者になってまいりますので、都道府県についても医療費の点検と適正化努力というものをしていただくということを考えております。通常は、これは国保連合会で審査をしまして、そしてまた市町村で個別の点検をしていただいておりますけれども、さらに都道府県全体としても点検の努力をお願いできればと思います。
 具体的にどういうやり方をするかは、国と地方の協議会でお考えいただきたいと思いますけれども、例えば地域ごとにかなり病気の構造が違っているようなところもございますので、どういうところで支出が大きくなっているのかというような点でも違うところがございますので、そういう面から重点的な検討をしていただくということも考えられるのではないかと思います。
 それから、ちょっとこれとは違うんですけれども、ある大きな病院での請求が不適正だったような事案につきましては、今は各市町村ごとに返還請求をしなければいけないということでかなり大変なんですが、それは市町村を全部束ねて県が一本にして請求するというようなことを、これを是非、県にやっていただきたいというふうに思っております。
#318
○福島みずほ君 協会けんぽへの国庫補助率についてお聞きをします。
 協会けんぽへの国庫補助率を当分の間一六・四%で維持するとしていますが、当分の間とはおおむねいつまででしょうか。
#319
○政府参考人(唐澤剛君) 当分の間というのは、期限を定めておりませんので、定めるまでの間は、もし法律を改正しなければずっとという意味であるというふうに理解をしております。
#320
○福島みずほ君 協会けんぽはこの委員会でもずっと議論してきましたが、中小企業の従業員が多いなどの理由により財政基盤が脆弱なところが多いにもかかわらず、本則の下限を一六・四%から一三%へ引き下げるのは問題があるのではないでしょうか。
#321
○政府参考人(唐澤剛君) この点について、委員会で何度も御審議で御指摘をいただいておりますけれども、こちらの法律の本則の方につきましては、一六・四%から二〇%というのを、一三%から二〇%の間ということで本則はなっているんですけれども、先ほど申しましたように、附則で当分の間一六・四%と定めているわけでございます。
 これは、先ほどから大臣からも御答弁をいただいておりますけれども、私どもは、国庫補助率を一三%に引き下げることは考えていないというのが私どもの立場でございます。
#322
○福島みずほ君 協会けんぽが今後、保険料率を引き上げる場合は、他の健保組合の医療費や保険料率の動向を踏まえて国庫補助率について検討し、必要があれば措置を講ずるとしていますが、具体的にどのような措置を講ずるのでしょうか。
#323
○政府参考人(唐澤剛君) 措置の内容につきましては、この法律の検討条項には具体的に書いてございませんけれども、これは、私どもとしては、協会けんぽの国庫負担の状況が非常に厳しくなった場合というふうに受け止めておりますので、その場合は必要な財政上の措置ができるのかどうかと、これは財政当局とは意見が違うかもしれませんけれども、協会けんぽの全体的な財政的な安定のためにどのような措置を講ずるべきかという観点から検討をしていただきたいというふうに考えております。
#324
○福島みずほ君 国保組合についてお聞きをいたします。
 国庫補助が五年間掛けて三二%から一三%に減額されることに伴い、激変への対応に悩む国保組合があります。例えば、弁護士国保の場合、加入者の負担増は年額九千五百円、五年間で四万七千五百円となります。
 大臣の御子息も弁護士でいらっしゃいますが、これ、所得が高い人はいいんですが、所得が低い人も、特に若い人など今格差が広がって大変です。所得の低い加入者にとっては大変な負担増となります。激変緩和措置として、国民健康保険法施行令十九条の特別積立金規定、補助金控除額の十二分の二や、同二十条の準備金規定、百分の十などについて、一時的減額や猶予期間を設けるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#325
○国務大臣(塩崎恭久君) 私の方にメンションがあったのでお答えいたしますが、国保組合については、医療費の変動とかあるいは解散に備えるために、一定の準備金を持っていることは今お話があったとおりでございますけれども、今回の見直しによって国庫補助率が幅を持って今度設定をされるわけでありますが、この組合について、特に見直される組合については、こうした準備金の必要額も一定程度増加することが見込まれるために、こうした準備金などに関する対応については、各組合の方の御意見を伺いながら今後検討してまいりたいというふうに思います。
#326
○福島みずほ君 それから、被保険者の所得水準の低い国保組合にとっても、高齢加入者の増加や医療費増加による負担増を軽減するということも必要な場合もあると思います。是非そのような考慮もお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#327
○国務大臣(塩崎恭久君) 今後の検討次第ではありますけれども、仮に今、国保組合として保有すべき準備金などがこの水準を緩和することが可能になる場合には、所得水準の低い今御指摘の国保組合にとっても当面の財政負担の軽減につながるものと考えられますので、引き続き検討してまいりたいと思います。
#328
○福島みずほ君 ヘルスケアポイントについてお聞きをします。
 ヘルスケアポイントや保険料への支援というのは、一定インセンティブはあると思うんですね。例えば、保険証を使わなかったら一万円払いますとか三千円払います、五千円払いますとか、何かポイントがあるというのは一面インセンティブが働くとは思うんですが、だったらもう絶対保険証使わないぞ、一万円もらうまでは頑張るぞと、こうなると、逆に、目先のポイントに釣られて、低所得の被保険者など必要な受診を抑制しかねず、これは問題ではないかというふうに思っているんですね。
 やっぱり、軽い、軽いというか、重篤にならないときにやっぱり病院に行くことも必要ですし、病院に行かないということだけが美徳ではないので、我慢することは大変良くないと思っています。でも、人間の心理は、頑張ればヘルスケアポイントがもらえる、五千円だ、一万円だと思うと我慢するんじゃないかと、これはちょっと問題が生ずるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#329
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも何のためにヘルスケアポイントなどを新たに考えていくかということを考えると、これは言うまでもなく、予防とか重症化予防とか健康づくりとかいう、こういったことについてのインセンティブを与えようということでございますので、それに反するようなことをやるんだったら本末転倒ということになるわけであります。
 インセンティブを提供する際に、医療機関の受診の有無を要件にするということになりますと受診抑制につながってしまうんではないかという懸念は当然出てくるわけであって、こうした懸念も踏まえた上で、今後、個人の予防、健康づくりの動機付けに有効かどうかという観点から、国が策定するガイドラインの中で考え方を整理をしてお示しをしていきたいというふうに思っております。
#330
○福島みずほ君 誰も病気になりたいわけではないし、それから病院に行かなくて済むのなら行かなくて済むようにしたいし、健康保険証を使わないで済むんだったら持っていても使いたくないと。
 でも、ヘルスケアポイントがあると、ちょっと具合が悪かったり風邪を引いたりいろいろしても、我慢しようと、ポイントがもらえるためにと、こうなるんじゃないか。やはりデメリットが生じてしまうんではないか、またこれが本末転倒になるのではないかと思い、この点についてはかなり懸念を有するというか、ガイドラインを作る際に配慮が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
#331
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおりで、今申し上げたように、本末転倒にならないように、ガイドラインの中ではしっかりと考え方を整理をした上であるべき方向について示していきたいと、このように考えております。
#332
○福島みずほ君 よろしくお願いします。
 ただ、庶民はやっぱり目の前の一万円の方がいいななんて思うこともあるかもしれませんので、このヘルスケアポイントについては是非、ガイドラインを注目していきますが、よろしく検討をお願いします。
 紹介状なしの大病院受診時の定額負担についてお聞きをいたします。
 これはこの委員会でもよく議論になっていますが、二百床以上の病院での現行の特別料金徴収においては、初診料に関して百五円から八千四百円まで、再診料に関して二百十円から五千二百五十円まで、病院ごとの裁量でかなりの幅があります。この度の定額負担、五千円から一万円が定額となっているのはなぜなんでしょうか。
#333
○政府参考人(唐澤剛君) これは先ほど来、大臣からも何度も御答弁をいただいておりますけれども、外来機能分化をしていただくという措置の一環という位置付けでございます。したがって、これは財政的な効果を期待しているものではございませんで、我が国がフリーアクセスということでどの病院でも自由に受診をできるようになっておりますので、大きな病院と、それからかかりつけの先生や中小病院との機能分化をしていただくということが基本でございます。
 ただ、現実には、先生御指摘いただいたように、かなり負担額が差がございまして、八千四百円はかなり高い方だと思いますけど、初診では平均すれば二千円くらい、再診では千円くらいということなんですが、これも地域によって、都会と地方ではかなり違っていると思います。
 そういうことで、私どもは、全国一律の標準的な金額を示すこととしたいということで考えておりまして、それをベースにしまして各県やあるいは病院でお考えをいただくということが基本ではないかと思います。そういうような金額の設定を、標準的な金額、最低額なのかどうかはちょっとあれですが、標準的な金額というようなものをお示しできるように、この金額を詰めていきたいというふうに考えているところでございます。
#334
○福島みずほ君 この委員会でも先日議論がありましたが、近くに専門科を持つ医療機関がない、初診で大病院を受診せざるを得ない、あるいは救急車で運ばれるなどの場合に定額負担をさせるんでしょうか。
#335
○政府参考人(唐澤剛君) 救急の場合については、これはもうこの負担を求めないということであろうと考えております。
 それから、御指摘いただきましたように、診療科によっては大きな病院にしかない、その地域に。日本はいろいろな地域がございますので、大きな病院だけがそこにたくさんの診療科を持ってあって、周りにほかの医療機関が少ないという地域がございます。そういうようなところでは、特に産科などの診療科などは診療所も非常に少なくなっておりますので、こういうような診療科を受診する場合にはこの定額負担を求めないというようなケースが想定をされます。
 こうしたケースにつきましては、更に関係者の御意見をよく聞いてまいりたいと考えております。
#336
○福島みずほ君 五千円、一万円がどういう意味を持つのか。私は、弁護士のときに、お金って人によって価値がこんなにも違うのかというのをいつも思っていました。六千万円をはした金と言い切れる人がいるかと思えば、一万円や十万円を本当に払えない、十万円も大金と思う人もいる。もう本当に、はした金と言える人と、物すごく大金と思う人と、百万円、十万円、一万円でも人によって全くその価値が違うんですよね。
 ですから、この五千円、一万円も、人によってはというか、多くの人にとってはやっぱり大金、高い。一番初めに大学病院に行くときに、五千円、一万円、高いとやっぱり思うと思うんですよね。五千円あったらカップラーメンが何個買えるかじゃないですけれども、高いと思う人もこれはやっぱりいらっしゃると思います。
 ですから、何が言いたいかというと、経済的強者でなければ自由に選ぶ権利がなくなってしまうというのは、これは問題ではないか。五千円、一万円と簡単に言うけれども、これは貧乏人を排除することにならないか、貧乏というか、経済的に困っている人をまさに排除することにならないか。いかがでしょうか。
#337
○政府参考人(唐澤剛君) これは紹介状を持ってきていただければもう必要ありませんので、これ、なかなか地域によって難しい面もございますけれども、やはりふだんからかかりつけの、ある種のコモンディジーズといいますか、一般的な病気については診ていただく先生を持っていただくということが重要ではないかと思います。
 もちろん、この措置だけで外来の機能分化ができるわけではございませんので、地域医療ビジョンの中での御議論なんかも必要だと思いますし、そういうものと併せて実施をさせていただきたいと思いまして、決して、何といいますか、本当に近くにその病院しかなくて、倒れてしまってそこに行くしかないときに受診抑制になるようなことでは困りますので、そういう面はよく配慮をしていきたいと考えております。
#338
○福島みずほ君 紹介状は、書いてなかなかいただけないお医者さんもいらっしゃいますし、私もあるとき紹介状を書いてくださいと言ったら、まだとても若いときですが、一瞬何かちょっと嫌な、どうしてこの病院じゃないの、どうして紹介状なのというような、表情が顔に表れるというかですね。ですから、一般の人にとってお医者さんってやっぱり、少し機嫌を害さずにお話をしなくてはいけないみたいな、そういう感じもしますし、紹介状を書いてくれと言えなかったり、なかなかストレートに書いてもらえない。
 つまり、紹介状一通五千円という感じじゃないですか、一万円。そうしたら、紹介状があれば五千円、一万円払わなくていいけれど、紹介状がないとそれを払わなくちゃいけない。何か紹介状が金券に見えるわけじゃないんですけれど、やっぱりこれ、ある意味物が言える人とかお金のある人でないと大学病院に行けないということになっちゃうんじゃないか。いかがでしょうか。
#339
○政府参考人(唐澤剛君) 確かに、今から私が厚生労働省に入りました三十年くらい前は、いつも自分の診ている先生にほかの医療機関で診ていただきたいと言うと大変良い顔をされないというようなことがあったように思いますが、今ではもう紹介状は完全に定着をしておりまして保険制度の中にも入っておりますので、紹介状を書いてくれということで嫌な顔をする先生はもういないというふうに私は思います。
 そういう点では、大きな病院に行く場合はそんな障害になるというようなことはないようにちゃんと運営してまいりたいと考えております。
#340
○福島みずほ君 この委員会でも、委員の皆さんたちも、そうかなという顔をされていらっしゃる方がいらっしゃいます。
 私が言いたかったのは、病院のある程度の機能分担は仕方ないとしても、お金がない人や紹介状がない人は大学病院に行けないという状況になると、やはりそこで差別が生まれるという、選択の自由が奪われるんじゃないか、侵害されるんじゃないかというふうに思い、この制度については問題があると思っております。
 以上で質問を終わります。ありがとうございます。
#341
○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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