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2015/07/30 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第22号
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2015/07/30 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第22号

#1
第189回国会 厚生労働委員会 第22号
平成二十七年七月三十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月十五日
    辞任         補欠選任
     足立 信也君     白  眞勲君
     難波 奨二君     石橋 通宏君
    渡辺美知太郎君    薬師寺みちよ君
 七月二十九日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     浜野 喜史君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     相原久美子君
     浜野 喜史君     白  眞勲君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
               三原じゅん子君
                相原久美子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                浜野 喜史君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  姉崎  猛君
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   宮川  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    鈴木 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、渡辺美知太郎君、難波奨二君及び足立信也君が委員を辞任され、その補欠として薬師寺みちよ君、石橋通宏君及び浜野喜史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 いよいよ、呪われたこの派遣法改正案の本委員会における実質審議が本日からスタートすることになりました。この法案につきまして、私たち民主党は、我が国の雇用現場を崩壊させる危険性を認識をしており、衆議院においては様々な問題点を指摘をしてまいりました。今月の八日には、私自身も本会議で質問させていただきました。残念ながら、政府から納得のいく答弁はございませんでした。誠に遺憾であります。いずれにしましても、本法案については、参議院らしさも出しながら、本日以降、慎重かつ充実した審議を行う必要がある、そのように考えているところでございます。
 さて、振り返ってみますと、本法案が衆議院本会議で可決をされ、参議院で受理したのが六月十九日でございます。本日が七月三十日、それから既に一か月半近くが経過をしているわけであります。
 法案の九月一日施行を死守したいという思いから、政府・与党は六十日ルールを使うかもしれない、そのような声も聞こえてまいります。確かに、八月十七日の二十四時、すなわち事実上八月十八日以降に衆議院でみなし否決を行うことは制度上可能であります。しかし、そもそも本法案の実質審議がここまで遅れた原因、これは、九十五日間もの会期の大幅延長であり、本法案の衆議院における強行採決、また同様に安全保障関連法案の強行採決でありますし、さらには年金情報流出問題の発生と日本年金機構の水島理事長の虚偽答弁、加えて本委員会における自民党議員の議運理事会決定違反であります。
 塩崎大臣は参議院議員も経験をされているわけですが、参議院無用論につながりかねない六十日ルールの発動など本法案に関してはあり得ないというふうに断言していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、労働者派遣法改正法案につきまして御審議を今日から実質的に始めていただくということで、委員会におきまして、大変有り難く思っております。
 本委員会におきましてしっかりと議論していくことが大事だというふうに思っておりまして、政府としては、早期の成立をしっかりした審議の後にお願いを申し上げたいというふうに考えているところでございます。
#8
○津田弥太郎君 しっかりした審議が前提でございます。
 それでは、法案に対する質問を行います。
 先ほど申し上げましたように、現在、厚生労働行政をめぐっては、年金情報流出問題を始めとして大変重要な問題が現在進行形で発生をしております。そのような中で、なぜ、派遣法改正案の成立を急がなければならない理由、この九月一日施行問題を除いて一体何があるんだろう。我々は法案に反対ですから、そういうことからそう思うのかもしれないんですけれども、仮に百歩譲って法案に賛成の立場としても、なぜ派遣法の改正にそんなに緊急性があるのか、ここが疑問であります。
 ちなみに、大変議論になった厚生労働省が作成したいわゆる一〇・一ペーパー、これ、このような記載がございました。労働者派遣法が改正されずに今年の十月一日を迎えた場合、労働契約申込みみなし制度が施行されるため、二十六業務に該当するかどうかをめぐり訴訟が乱発する、その結果予想される問題として、十月一日を前に派遣先が、全体の四二%を占める二十六業務の派遣の受入れをやめる可能性があり、大量の派遣労働者が失業する、こういうペーパーを作ったわけでありますが、これは塩崎大臣が謝罪をされて、これは間違っているというふうにおっしゃったわけでありまして、この件は既に今回の派遣法を改正をしなければいけない理由ではなくなったというふうに認識をしているわけであります。
 だとするならば、それでもなおかつ派遣法の改正案の成立を急がれる理由というのがそれ以外に何があるのか。もし最大にそれ以外にあるものがあるとすれば、一つ、大臣、あるとすれば何でしょう。
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正法案を早期に成立していただきたい最大の理由というのは、今回の改正案が、派遣で働く方々について正社員への道が開かれるようにするとともに待遇の改善というものを図るということであって、これらの早期実現のために、法案に定める施行期日のとおりに施行することが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
#10
○津田弥太郎君 大臣のその最大の理由は後ほど議論していきたいと思うんですが。
 私は、派遣法改正を急ぐという必要は全くないと。もしあるとするならば、九月一日という現時点での施行日にターゲットを定めて、一部のあしき派遣会社がビジネスチャンスの拡大に血道を上げている、その後押しをするかしないか、これが最大の理由ではないかというふうに思うわけであります。
 この法案は、与野党で合意をして重要広範議案に指定したわけでありますから、じっくり時間を掛けた審議を行わなければならないわけであります。
 そこで、私は、今年の三月に、大臣所信で塩崎大臣にこのようにお尋ねしました。大臣は記者会見で、今回の派遣法は言ってみれば抜本的な規制強化であるというふうに発言をされましたが、本当にそう考えているのですかと私が尋ねたところ、大臣は、今回の改正法案は全体として派遣で働く方の保護の観点から必要な規制の強化を図るものであるというふうに答弁をされて、本法案が規制強化であるという姿勢を変えませんでした。世間では、誰も今回の法案を規制強化などと考えている人はおりません。
 また、皆様にお配りしている読売新聞の記事、マーカーがありますけれども、これを見ていただいてもお分かりのように、安倍内閣が岩盤規制の改革に位置付ける派遣法改正案というふうに書いてあるわけでございます。大臣が抜本的な規制強化であると明言された本法案は、安倍内閣の下では岩盤規制の改革に位置付けられているという。これ、非常に分かりにくい。一体どっちなんだと。
 安倍総理は、昨年九月二十九日の本院の本会議で次のように発言しました。「この二年間で、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていく。」。この二年間の今、真っ最中であります。打ち抜いていく岩盤規制の内容が規制強化って、どうしても理解できないわけであります。
 大臣、本法案が規制緩和である、これはやはりちゃんと認めた方がいいんじゃないでしょうか。
#11
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、私の三月の答弁を御引用いただいたわけでございますが、基本的には私は、この規制を強化というか、派遣での働く方々の立場と権利を守るという側面が極めて強いと私は今でも思っているわけであって、今回の改正案では、労働者派遣事業について、現在約四分の三が届出制でありますけれども、これを全て許可制にするということで業界の健全化と義務の履行の確保を図るということを目的としておる規制であるわけであります。
 その上で、雇用安定措置とかあるいはキャリアアップ措置を新たに義務付けるといった派遣会社の雇用責任を義務付けによって強化をするということを図っているわけでありまして、派遣で働く方々の保護の観点から必要な規制の強化を図っているところでございます。
 一方で、労働者派遣の期間制限につきましては、現行の期間制限はいわゆる二十六業務に該当するかどうかが分かりにくいとの指摘がある中で、今回の改正は期間制限の在り方を分かりやすいものに見直すということとしておりまして、それによって安心して派遣を受け入れることが可能となるために派遣が活用される側面があるということも考えられるところでございます。
#12
○津田弥太郎君 一番最後のところは、これまさに規制緩和なんですよ。派遣会社とか派遣先はいいかもしれないけど、派遣労働者はどうなるかという点で見れば、これは大変な規制緩和。ここが非常に大きなウエートを占めていると私たちは見ているわけです。
 安倍総理は、この岩盤規制について、ドリルで穴を空ける、すごい表現でおっしゃっているわけであります。労働法制についてドリルで穴を空けるというのは何をしたいのか、こういうふうに見ていきますと、例えば、解雇の金銭解決ということになれば気に入らない労働者の解雇を容易にするためになるわけだし、残業代ゼロ法案は労働者をより安くより長く働かせたい、当然そうなるわけです。そして、今回の派遣法でいえば、正社員を少なくして派遣社員に置き換えたい、これが言ってみれば率直な、ドリルで穴を空けるこの空け方、空けた結果をこういうふうにしたいというふうに見るのが普通の見方になるわけであります。
 私たちはこれまで一貫して、この派遣法改正案は大幅な規制緩和である、その結果正社員が減って派遣労働者は増えていくということを昨年からずっと言い続けてまいりました。しかし、政府は一貫してこの点については口を閉ざし、私の本会議の質問に対しても安倍総理は逃げの答弁に終始をしたわけであります。
 もう一回、今日は大臣にお聞きをしたいと思います。ちょっと聞き方を変えます。
 派遣社員と正社員の単純な人数の増減ではなくて、もし本法案が成立したならば、我が国の企業における総業務量の中で派遣労働者の担う割合は増加するんじゃないんですかという私の質問に大臣はどう答えます。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正によってキャリアアップ措置というのが導入を改めてされるわけでありまして、派遣で働く方の能力が高まるということが結果として起きてくるわけであります。企業が即戦力を求めて派遣を利用するという側面は想定をされるのかなというふうに考えられるわけであります。
 一方で、今回の改正では、派遣会社に対しまして、派遣先への直接雇用の依頼を含む雇用安定措置の義務付け、そして派遣先に対して正社員募集情報の提供の義務付け、こういったことも盛り込まれているわけでございまして、派遣から直接雇用への移行ということも想定をされるわけでございます。
 いずれにいたしましても、企業における働く方々の雇用形態の構成ということについては、事業の今後の見通しなどを考慮した上で経営判断が行われるわけでございまして、それによって決まってくるものでございます。
 我が国の企業における今先生御指摘の総業務量、この中でどうなるのかということでございましたが、派遣で働く方の担う割合がどうなるかは、やはりこれは一概にお答えすることはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
#14
○津田弥太郎君 一貫してそういう答弁をされるわけですよね。
 確かに、規制強化の内容が本法案にあることは、先ほど大臣が冒頭おっしゃったようにあると思います。しかし、唯一実質的な効果をもたらす規制強化というのは、全ての派遣会社の許可制、さっき大臣もおっしゃいました、ここは恐らく規制強化だろうと思うんです。これによって一部の極めて悪質な派遣会社は淘汰をされるかもしれません。
 派遣労働者は、しかし、他の派遣会社にシフトするだけですよね。その悪質な派遣会社で働いていた派遣労働者が正規雇用されるわけじゃないんですよ。ほかの派遣会社に行くだけなんです。問題はだから全然変わらない。派遣労働者の担う割合の減少につながる法改正にはこれはならないわけです。
 一方で、現行法の下では、各企業においてコアとなる業務を派遣労働者に任せることができるのは専門二十六業務だけだったんです。だから、悪質な派遣先は、それ以外の一般業務についても二十六業務に偽装することを繰り返していたんです。これが大変大きな問題だった。
 しかし、本法案が成立すれば、今後はその必要性がなくなるわけです。間違いなく相当数の企業において、これまで直接雇用の労働者に委ねていた多くの業務が派遣労働者に委ねられることになるでしょうし、スタッフサービスもそれを狙って今営業活動をやっているわけです。
 各企業の人事労務の担当者にこの本法案の内容を説明した上で、今まで直接雇用の労働者に任せていた業務を派遣労働者に任せようと思いますかという質問を是非していただきたいんです。大臣、これ非常に重要なポイントになるところなので、是非そういう調査をしていただけませんか。
#15
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#16
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#17
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、この法律を出してくるに当たって、労政審を含めて様々な意向確認もしながら法律を作ってきた、建議の下で作ってきたということでございますが、今後どのような使われ方を成立後するのかということについては、当然これは節目節目で私たちはそれを検証するというのは当然やっていかなければいけないことでございますので、そういう意味では、先生今お話しのように、事前的にどうなるのかということはともかく、少なくとも法律が施行されるときにどのように使われていくのかということは、節目節目でやはり調べていって、いろいろな問題が起きないかどうか、これは今回、前回よりも修正を加えた中にも、労働市場の在り方、雇用慣行の在り方などを絶えず見続けていくということを入れているわけでございまして、そういう意味では、やはり労働市場でどういう変化が起きるのか、雇用慣行にどういう変化が起きるのかということについては、絶えず見ていかなければいけないというふうに考えております。
#18
○津田弥太郎君 あやふやながらもそういう必要性については認めていただきました。
 ここで、大臣、やっぱり衆議院と違って参議院ではもうちょっと本音の議論を私はした方がいいと思うんです。
 私は、これまで労政審の重要性というのを繰り返し指摘をしてきました。職場のルールは、立法府が無理やりに決めても、実際に個々の現場で守れなければ意味がないわけです。そこで、当事者である労使の代表が議論に参画をし、お互いに譲り合い納得をした上でルールメーキングを行うという点で労政審には大きな意味があるわけであります。
 また、そのことによって、ワークルールが時の政権の思惑だけで決められることを防止をする、混乱を招くような急激な変化ではなくて、職場に対応した漸新的な改革が実現をすることになるわけであります。まあ、その点、我が民主党の与党時代、少し急ぎ過ぎたという側面はあるかもしれません。
 そしてまた、その一方、反動で、これでは会社がもたないという使用者の声が安倍政権の元に届いているのかもしれません。特に、今回、法案の主要な内容が、二年前の七月に、業界団体である日本人材派遣協会と日本生産技能労務協会が連名で当時の田村厚生労働大臣に提出した要望書に沿う内容で今回改正が提案されているということから見れば、私はそういう経過だったということになるだろうと思うんです。
 与党の皆さんも、支持団体の声にやっぱり耳を傾けなければいけないし、厚生労働省の旧労働部局も、数少ない天下り先、こういうことでもある。当然、この法案を規制強化なんといってこそくな説明をするんではなくて、素直にそうした事情をお認めになって、その上で、規制緩和に伴う問題点はどこにあるのか、あるいは、その場合の労働者保護はどのように行うか、この議論を行うのが当厚生労働委員会の大きな任務ではないのかなと私は思うわけです。そういう本音の議論をしなきゃいけない。改めて、建前だけで今答弁をしている厚労省の姿勢に猛省を促したいというふうに私は思います。
 議論を進めますが、今回の法案で私が最大の問題と考えているのは、この臨時的、一時的という派遣法の大原則が根底から覆されるという点であります。このことは代表質問でも指摘をさせていただきました。
 昨年一月二十九日に出された労政審の建議においても、派遣労働の利用を臨時的、一時的なものに限ることを原則とするとの文言が盛り込まれました。この文言は、派遣労働が現実に臨時的、一時的なものとして利用されるという結果までも担保をするものなのか、それとも、派遣労働法のスキームにおいて、派遣労働の利用が臨時的、一時的なものとなる可能性があればよいというものになるのか、これ、非常に大きく違う点になるわけでありますが、大臣、いかがでしょう。
#19
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、第二十五条で、臨時的かつ一時的なものであるという、派遣就業につきまして書き込んでいるわけでありますけれども、今回の改正案におきましては、派遣先に対して、同じ事業所における継続的な有期雇用の派遣で働く方の受入れは三年までという事業所単位の期間制限を課すことといたしまして、三年を超えて受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取が義務付けられるということになったわけでございます。この事業所単位の期間制限は、過半数労働組合等の意見を聴いて延長することは可能でございますけれども、その延長後の受入れは改めて三年間の期間制限が課せられるというものであるわけであります。
 このように、三年ごとに現場をよく知る労使により常用代替の観点から問題がないかどうかということが判断される仕組みとなっておって、これによって臨時的、一時的なものとなっていると考えているところでございます。
#20
○津田弥太郎君 今回の法案は、業務単位の期間制限を廃止することで、専門性もなく特別な雇用管理も必要としないあらゆる一般業務について、事実上企業は派遣労働者を使い続けることが可能となったんですよ。
 大臣いろいろおっしゃったんだけれど、この臨時的、一時的という公労使の合意は完全に空文になっているんです、今回の改正で。私が本会議で指摘したように、極端な話でいえば、社長以外の全員が派遣社員という企業が生まれかねないんです。私の質問に対して総理は、今回の法案の第四十条の、今も大臣がおっしゃいましたけど、過半数組合等からの意見聴取の義務付けと反対意見があった際の対応方針の説明、さらに意見聴取の記録を周知する義務付けを歯止めとして示されたわけであります。これでは、多くの場合において実際に派遣労働が臨時的、一時的な利用となることを担保するには、これは無理なんです。
 大臣、お聞きしますが、臨時的、一時的というこの言葉が意味する意味、社会通念上最も長くてどのぐらいの期間でしょう。
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど先生にお答えを申し上げたとおり、今回の改正案におきましては、派遣先に対して同じ事業所における継続的な有期雇用の派遣で働く方の受入れは三年ということで事業所単位の期間制限を課すということとした上で、三年を超えて受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるということ、その延長後の受入れは改めて三年間の期間制限が課せられると、こういうことでございまして、今回の改正案におきます臨時的、一時的という言葉の意味としては、やはりこれは三年を想定をしているということでございます。
#22
○津田弥太郎君 それでは確認します。同一の事業所において、上限三年の派遣労働者の受入れを九回延長して都合三十年間に達することは、制度上ですよ、制度上あり得ないのですか、これは。イエスかノーでお答えください。
#23
○国務大臣(塩崎恭久君) 現場をよく知る日本の労使の間で実質的な話合いというものが行われる仕組みによって、派遣期間の延長についてそれぞれが判断をしていくということになるんだろうというふうに思うわけで、先ほどの私どものお答えのとおり、やはり基本はこれ三年ごとに労使によって常用代替の観点から問題がないかということを判断をしていく、そういう意味で臨時的、一時的なものとなっていると考えるべきだというふうに私どもは思っているところでございます。
#24
○津田弥太郎君 さっき本音で話しましょうと言ったじゃないですか。制度上はあり得るんですよ。今大臣がおっしゃったように、いろいろ歯止めは掛けています。しかし、制度上はあり得るんですよ、三十年間。これは認めてください。
#25
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございましたように、この仕組み自体が意見聴取をするということで次の三年ということが決まってくるわけでありますから、先生おっしゃるように、制度の上からはそういう話合いの下で続いていくということはあり得るということでありますけれども、しかし、そこで配慮されるべきことは、やっぱり労使の実質的な話合いというものが、どのようにきちっと労使自治が行われるかということが大事だというふうに思うわけでございます。
#26
○津田弥太郎君 歯止めを掛けていると強くおっしゃるんだけど、制度上は三十年間でも四十年間でもあり得るわけです。歯止めがないんです。
 この点、昨年、臨時国会の衆議院の厚生労働委員会の審議において大臣が誤った答弁を行って、本当は誤っていない答弁であったらよかったなと私は思うんだけど、あのとき大臣は、労働組合が反対すれば駄目だとおっしゃったわけですよね。そういうふうになっていないんですよ、現実は。そこが大きな問題になるわけであります。
 実際問題として、各企業は過半数組合等の意見をどれだけ取り入れるのかということで私はお尋ねしたいと思うんです。
 労働法の世界では、過半数組合等からの意見聴取といえば就業規則の変更が思い浮かぶわけでありますが、過半数組合の賛成を得ずに就業規則の変更が行われた例、過去三年間の平均でおよそ何%でしょうか。また、過半数組合の賛成を得ずに就業規則の変更を過去三年間に行った事業所がそれ以前の直近の就業規則変更の際にも過半数組合等の賛成を得ていなかった例は何件ありますか。
 高階政務官、いかがですか。
#27
○大臣政務官(高階恵美子君) 就業規則の作成を行う場合あるいは変更を行う場合にはその届出をいただくことになっておりまして、その届出件数については、労基署の方で書類が添付されてございますので、総数をここで報告させていただくことができます。
 まずはそれをお話ししたいと思いますが、平成二十四年の総件数は四十四万六千六百八十五件、二十五年が五十九万六百七十五件、そして二十六年が五十一万七百五件となっておりまして、この三年間の総計で百五十四万八千六十五件となってございます。
 ただ、過半数組合等の賛否ということになりますと、実はこの添付書類の中でその賛否を判別するというふうなことにはなってございませんものですから、お尋ねの数値につきましては、直ちに何%とこの場で御説明申し上げることが困難でございます。
 就業規則の届出内容を個別に当たっていく必要がございますために、現時点では、ただいま申し上げましたとおり、詳細お答え、難しい状況でありますが、今後、調査の方法も含めまして内部で検討させていただきたいと思います。
#28
○津田弥太郎君 この問題は、大臣が言うところの歯止めが掛かるかどうかということを判断するに当たって大変重要な件です。この件がはっきり内容が分からなければ、この法案の採決を行うなんということはあり得ません。私は、この法律の審議に三回ぐらい質問に立つ予定ですので、私の次の質問までに、今私が聞いたことについての結論を出していただきたいと思います。
 委員長、よろしくお願いします。
#29
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#30
○津田弥太郎君 本来、良好な労使関係を構築をしている経営者であるならば、過半数組合等が反対をした場合は、派遣労働者の受入れの延長を断念するんですよ。しかし、私が質問したのは、過半数組合等が反対したのに、それを押し切って派遣期間の延長をしようとする悪徳事業主の問題なんです。この悪徳経営者に対して、延長した場合の対応方針の説明を義務付けたところで、過半数組合等は反対しましたが経営の必要性から延長を行いましたという説明があるだけで、歯止めにならないんです。過半数組合等からの意見聴取の記録を周知する義務を課したところで、この悪徳経営者は確信犯ですから、当然痛くもかゆくもないわけです。
 私は、経営者に一定の裁量を与えることについて必ずしも否定はしない。しかし、派遣労働者の受入れ期間の上限に達した際、過半数組合等が反対したにもかかわらず受入れを延長した場合、更にその先の再延長については過半数組合等の賛成を条件とする、せめてそうした形で労使のバランスを取ることが私は不可欠であるというふうに考えるわけであります。大臣、いかがですか。
#31
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回お出しをしております改正法案においては、過半数労働組合等からの意見聴取に際しまして、派遣先に対して、意見聴取の参考となりますデータの提供というものを、これは指針で示すことでございますが、それから意見聴取の記録の周知というもの、これは省令でございます、それから反対意見があったときの対応方針等の説明というものも義務付けて、これは法律で定めるわけでありますけれども、これらを新たに課して、この労使の間の双方向の流れ、今まで一方的でございましたけれども、実質的な労使間の話合いができるような仕組みを構築することとしているわけでございまして、受入れ期間の延長を行った事業所が再度の延長を行おうとする場合にあっても同様の手続が義務付けられているところであって、現場を重視する我が国の労使関係を踏まえれば、過去の経過等を含め、労使間で十分慎重な検討が行われるものだというふうに考えているところでございます。
#32
○津田弥太郎君 いや、だから、それは良好な労使関係の場合は私はそうだと思います。否定しません。だけど、良好じゃない、非常に悪質な経営者が今、最近ブラック、ブラックって、たくさんあるわけです。そこでは今のようなことが通用しないんですよ。そこが問題なんです。この再延長の際の過半数組合の同意要件、これは非常に重要な意味を持つ、意味深ですから、しっかり踏まえてください。意味深ですから。
 労政審の議論を聞いていると、しばしば使用者委員は、国が一律の規制をするんではなくて、現場の労使自治に任せてほしいという主張をなさるんです。だから、派遣の再延長の際にも、経営者がしっかり汗をかいて、現場の労働者を説得をして理解を得ればよい、経営者が日頃そういうことをおっしゃるわけですから、現場でちゃんと話し合って了解を取ればいいわけです。
 だから、大臣、経営者の皆さんがそういうふうに言っているわけだから、これは私の主張をお認めになっても全然問題は起きないんではないのかな、そして、ブラック、悪徳経営者は排除されるわけですから、私は当然いいことだと思うわけであります。
 仮に悪質な使用者がいたとして、明らかに過半数代表でないと認定される者、具体的には管理監督者や民主的な選出手続を経ていない者などになるわけでありますが、こうした者から意見聴取をした場合の扱いはどうなるのか。私は、当然に意見聴取を行っていないものと同視することになるというふうに思うんですが、高階政務官、間違いありませんね。
#33
○大臣政務官(高階恵美子君) まず、派遣先が過半数労働組合等の意見を聴取せずに同一の事業所において三年を超えて継続して派遣労働者を受け入れた場合、これは一定の手続違反を除きまして、労働契約申込みみなし制度の適用となるという仕組みでございますが、一方で、この労働契約申込みみなし制度の適用の対象外となる手続違反の範囲については、今後、労政審での議論を経て省令で定めることとなってございます。
 お尋ねの過半数代表者が適切に選出されていないといった場合等は、意見聴取を行っていないものと同視し得るような重大な手続違反に相当する場合も考えられるかと存じますが、こういった場合については労働契約申込みみなし制度の適用の対象になるものと考えてございます。
#34
○津田弥太郎君 分かりました。今回のこの法案成立を求める人たちの主張を伺っておりますと、多少誤解があるので指摘をしっかりしておきたいと思うんです。
 例えば、常用代替の防止ということの意味であります。元々、これは正社員が派遣に置き換わることを防ぐという意味で使われ、臨時的、一時的という派遣法の大原則とも結び付くものでありました。しかし一方で、衆議院における審議の際、公明党の質問者が発言したように、常用代替の防止というのは正社員の保護が目的であり、派遣労働者の保護ではない、そのような誤解を生じかねません。
 公明党議員の発言は、規制改革会議の主張でもあるわけでありますが、私が常用代替の防止と発言する際は、それ以上の大きな意味があります。つまり、現在の正社員を守るかどうかということを超えて、ある会社で労働者を一人必要とする業務がコアの業務として発生したならば、そこについては派遣労働者を一人増やすのではなく正社員を一人増やしてほしい、そういう意味を込めているんです。むしろ、現在の正社員を守るかどうか、これは解雇権の濫用法理がしっかり機能しているかどうかという問題になる別の問題なんです。
 派遣労働者の組織化が近年まで遅れていた、そのために労働組合は正社員を守るための組織だと誤解されているとするならば、労働組合側にも一定の責任があるものと考えます。そこはそことして、新規の労働者を雇う際に、非正規の労働者を雇うのか、正社員を雇うのかという問題は、これは極めて大きな問題になるわけです。
 先日の本会議でも、安倍総理も、労働契約の期間の定めがない、所定労働時間がフルタイムである、直接雇用である、そうした状況にある正社員に派遣社員が移ることができるようにしていくとの答弁を安倍総理は行ったわけであります。企業内でコアのものとして発生する一般業務まで派遣労働者に委ねていくことを認めるならば、総理の答弁に逆行するわけです。
 大臣、コアとなる業務に新規に人を必要とする場合は、正社員を増やすべきだというふうに思いませんか。
#35
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働者派遣法というのは制定以来、いわゆる常用代替防止というのがその基本的な考え方でございました。
 今回の改正法案でも、派遣は臨時的、一時的なものということを原則とすることを維持をするわけでありまして、それは第二十五条に明定をしているところでございます。その中で、一般的には企業の中核的な判断を担う業務、今先生おっしゃったコア業務、これについてはその企業の中で、やはり様々な経験を積んで、そして幅広い判断ができる、そういう正社員を配置するということが多いんだろうというふうに思うわけでございます。しかし一方で、個々の企業において、例えば一時的に専門的な技術や知識が必要とされる業務については、派遣で働く方が果たす役割も多いかも分からないということも考え得るわけでございます。
 そういうことで、先ほど申し上げたように、最終的にはやはり各企業が経営判断をして、どういう人材をどこに充てるのかということをお決めになるわけでございますが、今おっしゃったように、一般的にはそうでありますけれども、最終的には経営判断に委ねられるというふうに考えるべきかなというふうに思います。
#36
○津田弥太郎君 正社員と派遣社員、そのどちらに行政として誘導をしていくべきか。それは企業の判断に任せるということじゃないですよ。やっぱりこれは、正社員をなるべくしっかり採用してくださいよという方向に言うのは当然じゃないですか。厚生労働大臣なんだから、そこはしっかり間違えないでいただきたい。
 先日の本会議で、私が尊敬する羽生田先生が自民党を代表して質問を行いまして、このように述べられました。厚労省が派遣労働者を対象に行った調査では、正社員として働きたいという人は四割、今のままの働き方でよいという人も四割、両方の意見が拮抗している、派遣で働きたいという声が相当数ある以上、派遣労働は柔軟な働き方の一形態として将来にわたって認めるべきものだと考えますと。羽生田先生が引用した厚労省の調査、これうそではありません。ただし、この調査にどれだけの重きを置くかによって議論は分かれていくだろうと思うんです。
 坂口部長、この調査においてどのように派遣労働者の回答を集めたのか、具体的に説明してください。
#37
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今、津田委員の方から御指摘ございました調査でございますけれども、直近、平成二十四年の派遣労働者実態調査でございますけれども、この調査において、派遣労働者に対する調査でございますが、どういう形で調査を行ったかということにつきましては、無作為に抽出した調査対象事業所に就業している派遣労働者の中から、一定の割合の派遣労働者を選定して調査票を配付していただくように当該事業所に文書を依頼して行ったというものでございます。
 なお、派遣労働者の選定の方法につきましては、回答者に偏りが出ることを防ぐために、依頼文書において、例えばくじやさいころ等を用いて無作為に抽出するというような方法例というものを提示して、偏りがないようにという形でお願いをして、広報しているというものでございます。
#38
○津田弥太郎君 今説明がありましたように、この調査は派遣会社がそれぞれ二人の派遣労働者を選んで、会社が選んで調査票を渡しているわけです。常識で考えれば、派遣労働そのものを否定したり、あるいは会社の悪口を書いてしまいかねない人に調査票を渡すというのは考えられない。ほとんどの派遣会社は都合の良い派遣労働者を選んで調査票を渡すんです。この調査結果はやはりバイアスが掛かっているというふうに見ざるを得ないわけです。
 むしろ、そのような調査票の配付方法を採用しながらも、派遣社員でなく正社員で働きたいと答えた派遣労働者が派遣労働者として働きたいと答えた派遣労働者よりも多かった、このことの重み、これが重要なんです。
 一方、坂口さん、厚労省はインターネットを利用して派遣労働者から直接に今後の希望する働き方を調査をしています。その調査結果では、正社員として働きたいと今までの働き方でよいは、それぞれ何%になっていますか。
#39
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 まず、今御質問の私どもで行ったインターネットを利用しての調査ということでございますが、この調査は平成二十五年の三月に取りまとめた調査でございますけれども、端的に数字をお答え申し上げますと、正社員として働きたいという方は六〇・七%、今のままの働き方がよいという方は一九・三%ということでございました。
 ちょっと一点、補足させていただきます。
 先ほどちょっと私の説明の仕方が曖昧だったので津田先生に誤解を生じさせてしまったのかもしれません、申し訳ございませんけれども、先ほど私が、派遣労働者の実態調査につきましては無作為に抽出した調査対象事業所に就業している派遣労働者の中からということで申し上げたとおり、調査の配付をしたのは派遣先事業所ということでございます。ただ、派遣先事業所というものを通じてやったということについては先ほど御指摘のあったとおりでございます。
#40
○津田弥太郎君 私は、今のままの働き方がよいと答える派遣労働者は、二つの理由が混在していると考えるんです。一つは、純粋に今のままの派遣の働き方に満足している人であり、もう一つは、今の派遣としての働き方に満足しているわけではないけれども、さりとて正社員になってしまうと長時間の残業や休日出勤を拒めなくなる、だったら派遣の方がまだましだ、そういうふうに考える人も多分いるだろうと思うんです。
 ですから、正社員の労働条件を悪化させれば派遣を希望する労働者の割合が高まる、そういう関係にもなり得るのかなと。私は、消極的に派遣労働を希望する人について、派遣法をどうするこうするという問題ではなくて、むしろ正社員の働き方を変えていくこと、過労死につながるような長時間労働を規制していくこと、それこそが先決だというふうに考えるわけであります。残業代ゼロ法案は今国会諦めたようでございますので、ずっと諦めていただきたいと思います。
 今回のこの派遣法改正案をめぐって、労政審の需給制度部会で最も重要となる議論開始段階の議論において、オブザーバー参加した二人の派遣会社の経営者が発言の何と八割を占めたということが当初から問題になりました。
 私は、安倍政権において、労働者の立場で考えた働き方ではなくて経営者の立場で考えた働かせ方に極端にウエートが置かれ過ぎている、そのことに私は懸念を持っているわけであります。歴代の自民党政権は、小泉政権は別にして、もうちょっとバランスが取れていた、この働き方と働かせ方、このバランスを取っていたと私は思うんです。
 大臣に根本的な認識を伺いたいと思うんです。
 この当厚生労働委員会においては、この働き方と働かせ方、そのどちらに重きを置いた議論を行うべきでしょう。
#41
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、今回の改正法案をお願いをしておりますけれども、派遣労働というのは臨時的、一時的な働き方であるということを原則としているということでございまして、個人単位の期間制限を今回設ける、派遣で働く方々の派遣労働への固定化防止を図るというほか、派遣で働く方へのより一層の雇用の安定と保護を図るため、派遣会社に雇用安定措置やキャリアアップ措置等を義務付けたわけでございまして、冒頭の御質問にもありましたけれども、今回の改正案は派遣で働く方の保護に着目をした観点が中心となっているわけでありまして、今、津田議員御指摘のとおり、働き方という観点を踏まえて議論を行うことが適切だというふうに思います。
#42
○津田弥太郎君 この働かせ方の議論をしたいなら、ここの二階の経済産業委員会でやればいいんですよ。当厚生労働委員会は働き方、今大臣もおっしゃっていただきました、そこを議論するのが当厚生労働委員会の任務です。
 私は、派遣という働き方を全否定しているわけではありません。もちろん派遣法そのものを廃止しようと言っているわけでもありません。しかし、間接労働、これは雇用と使用の分離があるわけです。どうしても労働者保護の観点で問題が生じやすいわけです。直接雇用との決定的な違いなんです。だからこそ、その利用については抑止的に考えていかないといけないということなんです。
 大臣に確認をしたいと思うんです。労働者派遣制度というのは、本改正案においても臨時的、一時的な必要性に基づく労働力需給制度と位置付けているのか、それとも多様な働き方に対応するための新たな選択肢として積極的に拡大していくべきものと位置付けているのか。これ、今後の議論に非常に大きく影響していく内容ですので、大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。
#43
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働者派遣制度というのは、何度も申し上げておりますけれども、従来から常用代替防止、これが基本的な考え方でございまして、それを担保するための臨時的、一時的な労働力のマッチングシステムということで位置付けてきたというふうに思っております。
 今回の審議をお願いをしている改正案においても、派遣先における派遣労働の利用と派遣労働という働き方の両方について臨時的、一時的なものを原則とするということとしておるわけでございまして、なお、政府としては柔軟で多様な働き方の実現が重要だと考えておるわけでございますけれども、今回の労働者派遣制度の見直しというのはそれに資するものと考えてはおりますけれども、派遣労働を積極的に拡大していくべきだとは考えていないところでございます。
#44
○津田弥太郎君 今日は本法案の審議の初日であります。これから長い審議が、充実した審議が行われると思いますし、私もあと最低三回以上は質問の機会があると思いますので、次回以降、更に具体的な質問をしたいと思います。
 ありがとうございました。
#45
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。
 津田委員に続きまして、派遣法審議をさせていただきたいと思います。津田委員からは何点か重要な御指摘もあり、大臣から重要な御答弁もいただいておりますので、それも若干引用させていただきながら進めさせていただきたいと思います。
 まず最初に、ちょうど津田委員の最後のところで、派遣という働き方、間接雇用であるがための問題ということについて言及がありましたので、是非その点から始めさせていただきたいと思いますが、大臣、先ほど津田委員も、安倍総理の答弁、引用されました。本来あるべきは無期の直接雇用、フルタイムであるべきだという雇用の原則について安倍総理も言及をされている。塩崎大臣も覚えておいでだと思いますが、昨年の臨時国会、同じく津田委員の雇用の原則は何であるべきかという質問に対して、大臣御自身もしっかりと、やっぱりあるべきは直接雇用、そして期間の定めのない、やはりそのような働き方、実現していくことは基本であるという答弁をされております。このことは御確認をいただけるんだと思いますが。
 では、大臣、派遣という働き方、これはまさにそうではない働き方です。間接雇用です。しかも、フルタイムではない働き方が多数を占めていると。つまり、派遣という働き方、大臣先ほどちょっと答弁いただきましたけれども、改めて、本来目指すべき、本来あるべき雇用、それとは違う働き方であるからこそ、やっぱり本来目指すべき働き方に向けて我々はそれを追求していくべきであって、派遣というのはやっぱりこれは追求すべきでない。先ほどの繰り返しになるかもしれませんが、もう一度そこのところを大臣、確認をお願いします。
#46
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から原則論、大事な基本的な観点を御指摘をいただきました。
 労働者派遣制度は、職業安定法で原則禁止をされておりますいわゆる労働者供給、前も議論したことがございましたが、このうちで供給元と働く方との間に雇用関係があるものを切り出して事業の適正な運営と派遣で働く方の保護などのために制度化をしたものということで、労働者供給を原則禁止をしている中での例外的な扱いという位置付けではないかというふうに思うわけでございます。
 労働市場において、先ほど来議論が出ております臨時的、一時的業務や専門的な業務と働く方のマッチングを促進するというのが労働者派遣制度かというふうに思うわけでございまして、原則的な考え方は今申し上げたとおりかというふうに思います。
#47
○石橋通宏君 では、大臣、派遣という、そのまさに間接であるということから生じる様々な課題、問題があると思います。改善されるべき問題、派遣の現場。
 今日、大臣、盛んに労働者の保護、権利を守るというふうにもおっしゃった。つまりは、今、派遣という働き方、保護が弱い、若しくは権利が守られていない、その状況を大臣も御認識をされているんだと思いますが、では、本来あるべき正社員の雇用と派遣の今申し上げたような雇用、これ、派遣の現場で一体どのような問題がある、改善すべき問題があるという、大臣、御認識ですか。
#48
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働契約上のいわゆる雇用主が派遣元になるわけでありますが、ここと、それから業務の指揮命令を行う派遣先が異なる先ほど来出ております間接雇用が、やはり中間搾取とかあるいは強制労働とかが行われやすい、あるいは、雇用主責任が不明確になりやすく、雇用の安定とか、これはもう何度も言っておりますけれども、キャリア形成が図られにくいといったこと、あるいは、受入先において正社員からの代替というのが生じやすいといった問題などがあると言われているわけでありまして、そういう意味で、この職業安定法において、間接雇用である労働者供給を事業として行うことを原則禁止をしているという、さっき申し上げたことでありますけれども、それに対して、労働者派遣については、この労働者派遣法において許可を受け又は現在であれば届出を行った場合のみに労働者派遣事業を認める、あるいは、派遣元と派遣先の責任を明確化して派遣労働者の雇用の安定を図る、派遣先において正社員から派遣労働者への置き換え、いわゆる常用代替、先ほど来何度も出ておりますけれども、こういう防止を図るとか、そういう仕組みを設けることで、今先生お尋ねの様々な問題が生じないように、多様な働き方の推進を図るために手だてを打ってきているということだというふうに思います。
#49
○石橋通宏君 大臣、私、まず派遣という働き方にどのような改善すべき課題があるのか。繰り返します。先ほど大臣、労働者の保護のための今回改正案なんだ、権利を守るための改正案なんだと繰り返し言われたでしょう。ということは、今現在、派遣という働き方がそうではない問題を抱えているということを大臣認められているわけでしょう。だったら、何が改善すべき問題なのかをきちんと整理をしてくださいという質問をしているわけです。その先のことはこの後聞きますから、先に行って答えないでください。
 資料をお配りをしております。資料の二を御覧ください。
 私たちも、この間、昨年来ずっと継続して、派遣の当事者の方々からもう何度にわたってヒアリングをさせていただいております。加えて、労働組合の皆さんやら関係団体の皆さんからもいろんな御意見をいただいて、まさに今、派遣という働き方、労働者の側に立つ、大臣先ほど働き方が合った、労働者の側に立つのだと答弁されていますね。労働者の側に立ったときに一体どういう問題があるのかということを、主な項目をこれまでのヒアリングの経過を踏まえて整理をさせていただきました。
 大臣、ここに記載の大きな課題、雇用の不安定さ、処遇格差、会社というメンバーシップからの排除、身分的な差別やハラスメント、キャリア形成が困難だ、先ほどちょっと触れていただきました、何年何年頑張っても昇進も昇級も昇格もないというこのキャリア形成の困難さ、そして、労働基本権が行使できない。
 大臣、権利のことをおっしゃっていただきましたね。声を上げたくても上げられない、上げようとしたら首を切られる、干される、この問題も大変深刻です。使用者責任の曖昧さ。そして、安くて便利で従順だという、これが経営者にとっての、先ほど津田委員からも悪徳経営者という言葉がございました。我々が心配しているのはそこなんです。こういう問題があると。
 大臣、この認識は共有されているんでしょうか。
#50
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生お配りの七項目にわたっての問題、構造的な問題ということではございますが、基本的には先ほど私が申し上げた問題、特に間接雇用に伴って起きるだろうという問題が当てはまることであって、それをより具体的にお書きをいただいて、これはもう雇用が不安定であるとか、あるいはキャリア形成が難しいというようなことは何度も申し上げてきたことであって、基本的にはこういう問題が起こり得るということを私たちは認識をしなければいけませんし、加えて、賃金も非正規全体の中では派遣というのは比較的高いというふうに思いますけれども、正規職員との、いわゆる正社員の賃金と比べますと、やはりかなり見劣りがするということを私たちは踏まえていかなければいけないというふうに思います。
#51
○石橋通宏君 ちゃんとこれ認識をされているということで、しっかり答弁をいただければそれでいいんですけれども。
 大臣、今我々がこれから長い長い参議院厚労委員会での質疑、これを通じて、果たして、ではこういう問題が本当に今回の法案で改善、解消、解決されるのかということを我々は徹底的に追及していきます。津田委員がおっしゃられたとおり、我々はそうではないと思っている、残念ながら。だから、これをしっかりと追及をさせていただきたいと思います。
 もし、これらの問題が解決、改善、解消されることなく、津田委員が言われたとおり、今回、実質的に期間制限が撤廃をされてしまう、先ほど大臣認められました、三十年、四十年、制度的には可能なんだ、一生派遣、生涯派遣に道を開いてしまうんです。こういう問題が改善されずに一生派遣が道を開かれてしまう、これはとんでもない話です。だから、我々は、この期間制限の撤廃の問題とこういう構造的な問題について徹底的に追及をしていきたいと思います。
 その上で、一つ大臣、今賃金の話をされたので、資料の四を御覧ください。
 大臣、これを言及されたんだと思います。大臣、よく非正規の中では派遣はましなんですみたいなことを言われますけれども、違うでしょう。我々が比較するべきは、まさに本来あるべき正社員の雇用と派遣という働き方の実態がどうなっているのか、これを比較していただかなきゃいかぬわけです。
 大臣、この図を見ていただくと、派遣という働き方の一つの大きな問題が見て取れるんだと思います。何年頑張っていただいても、年齢、経験を重ねていただいて、派遣で十年、二十年、三十年頑張っていただいてもフラットなんです。昇進、昇級、昇格がない、賃金に反映されていかない。そういうことから、どんどんどんどん正社員と差が出てくるわけです。
 大臣、一つお伺いします。今回の改悪法案がもし成立をすれば、派遣労働者のこの賃金カーブ、正社員と同じ賃金カーブを描いていく、年齢、経験を重ねていけば同じように賃金が上昇していって、昇進、昇級、昇格もあって、そして将来設計もきちんとできる、そういう形になることを保障するということでよろしいですか、大臣。
#52
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣で働く方の賃金につきましては、今資料をお配りをいただいておりますけれども、外部の労働市場における賃金を反映して待遇が決定されることが多いことに加えて、正社員と比べてキャリア形成が図られにくいという先ほど申し上げたようなことから、賃金カーブがここにあるようにフラットで上昇しづらいという傾向があることは御指摘のとおりでありますし、私どももその問題については認識をしているところでございます。
 こうした現状を踏まえて、今回の改正案では、派遣で働く方の均衡待遇及び、特にやはり賃金は働く方の能力、キャリアアップが大きく影響してくるわけでありますし、それを、キャリアアップを推進する観点から、教育訓練等に関する派遣会社の責任というものを強化をして、賃金を含む待遇改善を図らなければならないということを申し上げているわけで、そういう意味では今回、数々義務化をする新しいキャリア形成支援制度などを含めて、こういった今御指摘の問題が解決をしやすいようにしていくための条件を私ども今回の法律で入れ込んでいるというふうに思っているところでございます。
#53
○石橋通宏君 大臣、もう一回端的に答えてください。この賃金カーブが、じゃ、ずっと上がっていくんですね。年齢、経験を重ねていけば、ちゃんと今回の措置によって昇進、昇級、昇格もある。つまり、それに伴って処遇も改善されて、この正社員と同じように賃金カーブを描いていく。それが今回の法案で政府が目指しているところで、それを保障するためにこれをやるんだ、それでよろしいですね。イエスかノーで答えてください。
#54
○国務大臣(塩崎恭久君) 経済は生き物でもございますし、その保障ということを政府がするような類いのことではないと思いますが、制度として私たちが今回新たに御提案を申し上げているのは、こういったフラットな賃金体系、あるいは必ずしも年齢でどうかということよりも、やっぱりその方の能力というか、キャリアの能力がやっぱり問われるわけでありますので、できる限り能力を蓄積していくことによって、結果として、今、年齢でこれフラットだということを言っていただいていますけれども、こういうことを改善される方向に行くためのインフラを今回の法律で整えているというふうに私は思っているところでございます。
#55
○石橋通宏君 今の答弁だと、全くそんなことは政府としては保障しないし、それは結果的には民間の経済状況に任せるから、そうなればいいねという程度にしか聞こえない。先ほどの津田委員に対する、これは労働者のためなんだ、働き方のためなんだ、労働者の権利なんだ、全然違うじゃないですか。だから、我々は、やっぱり何の意味もないなというふうに言わざるを得ないということは申し上げておきたいと思います。
 その上で、ちょっと順番、通告と変えて、これ本当に今回の改悪案の中身でこういった処遇の改善、格差の改革がなされるのかどうか。政府が一番目玉だと言われておりますが、雇用安定化措置第三十条関連についてちょっと先にやらせていただきたいと思います。
 これもお手元の資料で、資料の五、これが今回政府が目玉だと言っておられる第三十条の中身を分かりやすく、法案の条文見ても何かよく分からないと皆さん思われますので、分かりやすく厚労省と相談をしながら作らせていただいたのが資料の五の資料です。対象者、義務か否か、措置の内容について区分けをしてお示しをさせていただいております。
 大臣、昔は今回の派遣法で正社員化を図るんだ、正社員化を図るんだと一生懸命言われていたはずなんですけれども、最近余り正社員化を図るんだと言わなくなっちゃいました。直接雇用、直接雇用と言って、正社員化と言わなくなっちゃった。これ、答弁変えたんですかね。つまり、やっぱり正社員化とどこにも書いていないという我々の指摘、そのとおりだと思われて、もう正社員化と言うのをやめておこう、あくまで直接雇用だということで答弁変えられて、今あくまでこれは直接雇用を目指すんですか、それともやっぱり正社員化を図るんだということを相変わらず旗印は掲げておられるんですか。
#56
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、正社員とはどういうものなのかということについていろいろ御議論がこれまでもあったかと思うわけでありまして、我々はもちろん、派遣の方で正社員ということを言っている先がありますけれども、それはあり得ないというようなことも申し上げてきているわけで、今私たちが言っているこの雇用安定措置の中での例えば派遣先への直接雇用の依頼ということは、これは正社員化を含む直接雇用であって、直接雇用は正社員という我々が言っているような定義ではない、もう少し幅広い、直接に雇用しているということだけの場合もあり得るわけですけれども、少なくとも、私どもは、この直接雇用の依頼というものは雇用安定措置の中でまずやはり大事にされなければいけないというふうに思っているところでございます。
#57
○石橋通宏君 ストレートにお答えいただいていませんが、要は、直接雇用、あくまで直接雇用なので、非正規のいわゆる、通常、さっきお認めをいただいたフルタイムの無期の直接雇用でなくても構わない、パートでも有期の契約でも何でも直雇用であればいいということをお認めになったんだと思います。だから、最近、正社員と言われないんだろうなというふうに思います。そういうことです。
 その上で、資料の六に、私もこの三十条が一体本当に効果があるんだろうかということを悩みながらいろいろ精査をさせていただいて、今日ちょっと私が作った資料をお示しをしておりますが、大臣、第三十条のこの雇用安定化措置、これ、発動されるのはいつの時点ですか。いつからこの三十条の義務、まあ義務でも努力義務でもいいですが、この三十条の安定化措置が発動されるのはいつの時点ですか。
#58
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、今お配りもいただいておりますけれども、三十条の二項に書いてあるように、三年の雇用見込みが出るというときでございます。
#59
○石橋通宏君 それは三十条の二項の話ですね。三十条の二項だけじゃなく、三十条全体として、これ、努力義務もあるわけでしょう。大臣、三十条の二項だけじゃない、三年見込みだろうが一年以上三年見込みだろうが、三十条そのものが今回目玉なんですよね。この目玉である三十条、努力義務も含めて、一体いつの時点で派遣元はその対応する義務が生じるんですか。
#60
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、資料をお配りをいただいておりますが、この資料の五にのっとって申し上げれば、基本的には、一年以上三年未満の就業見込みが発生した段階で努力義務が発生をするというふうに理解をしているところでございます。
#63
○石橋通宏君 そうすると、一年未満見込みの方にも努力義務は規定がありますね、二から四で。それはどうなるんですか、それは発生しないの。三十条の発生というのは、基本的に全ての、これ一年見込みでも、一定の条件を満たす人には適用対象になるんじゃないんですか、大臣。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、今お配りの資料に書いていただいておりますけれども、派遣元との通算雇用期間が一年以上の派遣の方に限っては、一年未満でも雇用が見通せれば努力義務が発生するということであろうかと思います。
#65
○石橋通宏君 ということは、大臣、大臣聞いていますか。よろしいですか、続けさせていただいて。整理が必要なら止めますよ。言ってください。大丈夫ですか。
 委員長、ちょっと。
#66
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#68
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、一年未満でも通算雇用期間が派遣元で一年以上を見込めると申し上げましたが、これは実績であって、派遣元との通算雇用期間が一年以上の者に限って、今申し上げたように、一年未満の就業見込みが出たところで努力規定が発生をするということでございます。
#69
○石橋通宏君 ということは、ちょっと今せっかくそこを触れていただいたので、この一年未満見込み、派遣元との通算雇用期間が一年以上の人について、この対象になる人については、一年未満だからいかなる恐らく派遣契約も対象になるんでしょう、そういう人は次の派遣契約が結ばれた瞬間からこの雇用安定措置の適用義務が始まるということでよろしいですね。そこを確認しておいてください。
#70
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#71
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#72
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、派遣元との通算の雇用期間というのが一年以上の場合は、契約がスタートした時点で努力義務が発生するということでございます。
#73
○石橋通宏君 大変大事な答弁をいただきました。つまり、派遣元との雇用契約がどういう契約であれ、通算雇用期間が一年以上という、そういう状況になっている派遣労働者については、次の派遣契約があった瞬間からこの努力義務が生じる、発生するという、これ非常に重要な答弁だと思います。
 坂口部長で結構です。通算雇用期間の計算、これ基本的な計算の方法を教えてください。これはさすがにクーリングオフ期間とかそういうのはなしで、登録型だろうが、今でいうと有期の常用だろうが、これまで派遣元と通算して雇用期間が一年以上にわたる人は全て対象になるという理解でよろしいですね。
#74
○政府参考人(坂口卓君) 御指摘のとおり、同じ派遣会社で雇用されていた期間を通算するということでございます。
#75
○石橋通宏君 ということは、今のを整理させていただくと、同じ派遣元と、それが登録型だろうが常用型だろうがいかなる雇用契約だろうが、一年以上通算して、クーリングオフ期間もなし、間空いても関係ない、とにかく通算して一年以上という方については、この努力義務、努力規定の対象に即時になるという答弁でしたので、これは大変重要な答弁です。例えば、一年未満ですから、それが数日の雇用だろうが数か月の雇用だろうが関係ないということですね。一年未満の派遣契約、契約でいったら即この対象になるということを答弁いただきましたので、これは大変重要なところだと思いますので、そこはいい答弁をいただいたというふうに思います。
 それでは、この義務が完了するのはいつの時点ですか、大臣。
#76
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#78
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、義務の場合には、当然、就職が、例えば直接雇用が決まるとか、そういうふうなところで終わるわけでありますけれども、努力義務の場合には、この派遣契約、雇用契約が終わるまで努力義務は続くというふうに思います。
#79
○石橋通宏君 大臣、今確認しますが、雇用契約で見るわけですね。派遣契約ではなくて雇用契約で見るので、雇用契約の終了時点で義務が云々なんですか。それとも、これ義務が果たされたかどうかというのは、この措置の内容についてきちんと派遣元が対応したかどうか、その結果、成果、努力の結果を見るんじゃないんですか。そうじゃなくて、でも雇用契約が終了したら、それで、はい、さようならで終わりなんですね。そういうことですね。
#80
○国務大臣(塩崎恭久君) 失礼しました。派遣契約でやって、継続就業期間の問題でございます。
#81
○石橋通宏君 派遣契約が終わったら義務は終わるの。大臣、そういう答弁ですか。派遣契約が終わるまでにやるんだけれども、派遣契約が終わるまでに何の成果が上がらなくても、派遣契約が終わった時点で、ああ残念でした、義務は終わりましたということになるという今答弁ですか。
#82
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#83
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#84
○国務大臣(塩崎恭久君) この三年見込みで義務の場合には、結果が出るまで義務として履行しなければいけないわけでありますが、努力義務の場合には、これは派遣契約が終わるまででございます。
#85
○石橋通宏君 整理をすると、三十条の第二項二の義務規定に適用する場合は、結果が出るまでという答弁でした。ということは、派遣契約が終わっても、雇用契約が終わっても、義務を果たすまでは逃がさないと、義務は逃れられないということでよろしいですね。
#86
○国務大臣(塩崎恭久君) この義務は残るということでございます。
#87
○石橋通宏君 これも大事な答弁をいただきました。義務規定に適用する、三十条の第二項に適用になる場合には、その義務を果たすまでは絶対に逃さないと。義務が果たされなかったら、それは恐らく許可要件取消しの事由にもなるんだろうというふうに思いますので、これも大事な答弁でしたが。
 そうでない、三十条の第二項の適用にならない努力規定の方々については、大臣、派遣の契約が終わった瞬間にもうそれを果たさなくていいということでいいんですか。雇用契約が仮に残っていても、派遣契約が終わったらもう努力は終わり、それとも、雇用契約が継続している間はそれは義務を果たさなきゃいけない、どちらですか。
#88
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#89
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#90
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣契約が終わったらこの努力義務も終わりだということを先ほど申し上げたわけでありますが、基本的にそういうことでございます。
#91
○石橋通宏君 これ大事な答弁ですね。派遣契約が終わったら、雇用契約が残っていてもこの三十条の安定化措置の対象からは外れるわけですね。派遣元は、雇用契約が残っているにもかかわらずもういいわけですか。つまり、雇用契約があるから、安定化措置は別にどうでもいいから、それは何もしなくてもいいということ。つまり、次の派遣の先をもう見付けなくてもいい、派遣契約が終わった瞬間にその義務は逃れられる、そういう整理なんですね、この三十条の努力義務というのは。
#92
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣元との雇用契約が残っている間は、当然雇用は履行しなければいけないわけでありますが、先ほど申し上げたように、派遣の契約が、このいわゆる努力義務の雇用安定措置については派遣契約の終わりまでということでございます。
#93
○石橋通宏君 これ、大丈夫ですか、大臣。雇用契約が残っていても、これ、じゃ、賃金はフルで支払われているという前提なんですね。ということは、これは、派遣元との契約は、無期のフルタイムの雇用で、それは今度対象にならないですものね、この三十条にね。とすると、給料の扱いとかどうなるんでしょうね。次の派遣先への就業機会の提供もなく、これ、何の義務ももう課されないままで塩漬けされていても、派遣元には何の義務ももう課されない、その瞬間に終わりでよろしいという、そんな程度の第三十条なんですか、大臣。本当にいいんですね、それで。
#94
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#95
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#96
○国務大臣(塩崎恭久君) 正確性に欠いたところがあったので、もう一回繰り返し申し上げたいと思いますが。
 いわゆる今お配りをいただいております資料五の、一年以上三年未満見込みと、その下の一年未満見込みがありますけれども、先ほど申し上げたように、一年未満見込みの場合には、派遣元との通算雇用期間が一年以上に限った場合のケースでのジャンルであるわけでありますけれども、ここにつきましては努力義務は残るということで、ただし、いわゆる派遣先への直接雇用の依頼というものは除いて、あと、新たな派遣先の提供あるいは派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るための措置、これの努力義務は引き続き残るということでございまして、その上の一年以上三年未満見込みの場合には、継続就業期間で見ますので、派遣期間が終わるまでの努力義務というふうに分かれるということでございます。
#97
○石橋通宏君 ちょっとこれ、続けていても先に進まないので、是非ここのところは改めてちょっと整理をして出していただきたい。
 これ、委員長、是非お取り計らいをお願いしたいと思います。
#98
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#99
○石橋通宏君 それでは、今ちょっと努力義務じゃなくて義務規定のところですね、三年見込み、第三十条の第二項の適用対象が一体誰なのかということについて是非確認をしたいんです。
 これ、三年見込みの場合には、第三十条第二項で義務になるということですね。これは盛んに政府宣伝されているわけです、義務にしましたと。
 だから、じゃ、これ、どれだけの適用があるのか、どういった場合に適用になるのかということが大変重要な問題なんですが、この第三十条の第二項に適用する派遣労働者というのは誰ですか。どういう契約をお持ちの場合にこの第二項が発動されるんですか。ちょっと、これは部長でいいです。
#100
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 これにつきましては、派遣契約と雇用契約が三年ということが見込まれるということでございますので、この資料の六の絵でいいますと、真ん中のBさんは雇用契約も三年、派遣契約も三年ということですので、典型的なケースかと思いますけれども、逆に、上のAさんの場合は、例えば雇用契約は三年を超えているということですけれども、同一の組織単位での継続派遣契約が三年見込まれる場合ということですので、派遣契約は更新されながらも三年が見込まれるようなケースということになれば、そこで見込まれるということでございます。
 それから、例えばCさんのケースであれば、これは恐らく、ちょっと先生の絵の中でいくと、これは派遣契約は三年で、それで雇用契約は一年未満で更新を継続して重ねていくということかと思いますけれども、これであると、三年の雇用契約が見込まれるというのは二年を経過した二回目の更新をした時点ということで、それが雇用契約が、これちょっと一年未満ということですので、これだと三年まで行かないんですけれども、例えばこれが一年の雇用契約ということであれば三年に到達することが見込まれるというケースということでございます。
#101
○石橋通宏君 ということは、これはあくまで雇用契約で見るということですか。仮に、最初から派遣契約は三年間、つまり、これは三年のもう派遣契約で三年見込まれるわけです。ところが、雇用契約の方は一年ごとの更新であったと。その場合には、二年たって三年目の更新がなされない限りはこの三十条二項の適用にはならない、派遣契約は三年なのに二年たたないと対象にならないという整理ですね。
#102
○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘のとおり、派遣契約が三年だとしても、冒頭の段階で雇用契約が二年ということであれば、同じ同一の組織単位での個人単位の期間制限が掛かるその課での三年ということが見込まれるということにはならないということですので、そこの時点では掛かっていないということでございます。
#103
○石橋通宏君 そうすると、この派遣Cさんの場合でいくと、一年超えた段階で第三十条の対象にはなると。二年を超えて三年目の契約をしたときに二項のが発生する、義務規定になると、そういう整理ですか。
#104
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど申し上げました、この例は一年未満と書いてあるので、ちょっとこれが一年契約という形でさせていただきますと、この二年経過の時点で二回目の更新を一年の契約でやるということになると、三年に到達する見込みがあるということですので、この方についても義務が掛かってくるということで、義務対象となるということでございます。
#105
○石橋通宏君 なので、三年に達することが見込まれる派遣契約、雇用契約が結ばれたときには三十条第二項の対象になるんでしょう。その前は、第三十条の対象になるわけでしょう。努力規定の対象としてはずっと続いているわけでしょう。超えたときに義務になるけれども、その前から何もしなくてもいいわけではなくて、一年ごとなり一年未満の派遣契約が繰り返され、雇用契約が繰り返されているときは第三十条の対象になるから、派遣元は何もしなくてもいいわけじゃないですよということを確認しているんです。
#106
○政府参考人(坂口卓君) 申し訳ございませんでした。今御指摘のとおり、一年から三年未満の方については努力義務が掛かるということですので、今先生御指摘のとおり、二年の前の段階では三十条の一項の努力義務が掛かるということでございます。
#107
○石橋通宏君 ここも大事なところなんですね。
 皆さん、先ほどの資料の五でいくと、結構な方は派遣元と既に通算雇用期間が一年以上になっているはずですので、そうすると、そういう方の場合は、もうとにかく派遣契約が結ばれた段階で努力規定二から四はもう対象になるわけです。それで、一年を超えていくと、努力規定の一から四の対象になるわけです。その上で、二年を超えて三年見込みになった瞬間に義務規定になるわけです。つまり、段階的に上がっていくということなんです。最後に三年見込みになったときだけ義務を果たせばいいということではないということは、これ是非明確にしていただきたいんですね、派遣元に対して。そうでなかったら、これ、意味ないですよ。そこのところは、是非、さっき委員長にお願いした整理のところできちんと明確にしていただきたいと思います。
 その上で、では、この三十条の第二項の義務規定の対象になる三年見込みの派遣労働者、これは全体の何%ぐらいですか。
#108
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、今回の改正でいわゆる二十六業務に該当するか否かで上限が異なる現行の期間制限を廃止して、新たな個人単位の三年という期間制限を今回新たに設けるということになっておりますので、現在の段階でこの雇用安定措置の対象者数というものを厳密に予想するということは困難でございます。
 ただ、これは衆議院の際にも審議の中で大臣からも御答弁させていただきましたけれども、あくまで、その意味では、今申し上げたとおり予想は困難ということですので、ずばりという形のものはなかなかないんですけれども、既存のデータで一つの参考となるというもので申し上げると、現在、同一の業務で継続して働く期間が三年を超える方という方がどれだけおられるかということについては調査の状況が分かりますので、それで見ると約二五%という方がそういった三年を超えて同一の業務で継続して働いておられる方ということがあるということでございます。
#109
○石橋通宏君 衆議院の質疑、我が党の岡本委員に対する塩崎大臣の答弁、約二五%という数字、私も確認をさせていただきました。
 ちょっと信じられない。同一の業務で三年見込みの方二五%もいるというのが、母数が何なのかよく分かりませんが、ちょっと私、見たことないんです、今回、このデータを。
 これも是非、資料提供をお願いしたいと思いますが、委員長、お願いします。
#110
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
#111
○石橋通宏君 それはまた次の質疑のときに確認をさせていただきたいと思います。
 それで、今、先ほど言ったように、この資料の五でいくと、段階的に進んでいく、最後に三年見込みになると、第三十条二項で義務規定になるわけです。我々が非常に心配しておりますのは、これ、義務規定逃れが起こるだろうなというのを強く心配をしています。つまり、三年見込みの義務が発生する前に変えてしまえということが恐らく出てくるのではないかなと思います。
 例えば、半年ごと、一年ごとの派遣契約で、先ほど坂口部長、確認いただきましたね、三年に達する見込みになった瞬間に義務規定になるということは、その前の段階で派遣契約変えてしまえばいいわけです。派遣先の課を変える、つまり同一業務ではなくなってしまうのでゼロクリアになってしまうんでしょうか。大臣です。
#112
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#113
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#114
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、課を変えたらというお話でございましたが、おっしゃるとおりでございますが、努力義務はこれは残るわけでございまして、ただし、その派遣元との通算雇用期間が一年以上のものはそのように努力義務は残るということでございます。
#115
○石橋通宏君 いや、だから、努力義務は残っております。努力義務は既に掛かっているんです。努力義務は既に掛かっているので、義務規定になる前に、努力規定のときに、最後の更新三年に達しないようにしてしまえばそれでゼロになっちゃうんですねということを確認しているんです。課を変えたり契約そのものを一旦打ち切ったりすれば、これ義務規定逃れはできちゃうんですねと、そのことをお話をしているんです。
#116
○国務大臣(塩崎恭久君) それはおっしゃるとおりでございます。
#117
○石橋通宏君 それは立法趣旨からしてどうなんでしょうか。大臣、それを許しますか。
#118
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#120
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、これも何度か答弁をしてまいりましたけれども、義務を避けるために今おっしゃるような手だてを取って三年に、派遣期間を短くするということをするところが出てこないかという御懸念をいただきましたが、これに関しては、当然、業務上の必要性等がなくて三年の直前で終了する派遣期間を設定するというようなことは、雇用安定措置の趣旨を、そもそもこれを導入する目的があるわけですけれども、これはまさに雇用安定を図るということであって、この趣旨に反するような脱法的な運用であって、義務違反と同視をできるというふうに考えるわけでありますので、このようなことは避けなければならないということを指針の中に書いていこうというふうに私ども考えているところでございます。そのように明確にして、そのようなことが起きないようにしていくということをしっかりと確保、担保していきたいというふうに思っております。
#121
○石橋通宏君 立法趣旨からすると違う、これはあってはならないという、大臣、答弁をいただいたんだと思いますが、指針の中に書く。私が聞いているのは、これはやっぱりそういうことを、じゃ、脱法行為繰り返す派遣元事業者、これについてはもう許可事由の取消しなんだ、対象にするんだ、そこまでの強い決意を持たないと、大臣、先ほどの津田委員に対する答弁と全く違うことになっちゃいますよ。
 だから、ここのところは、そういう脱法行為、違法行為、これ目玉なんでしょう、今回。義務規定でしょう。雇用を安定化させるんでしょう。労働者のため、労働者の権利の保護なんでしょう。だったら、そういう脱法行為を繰り返すような、そういう派遣元事業者は許可取り消すと、大臣、宣言してください。
#122
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#123
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#124
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、免許剥奪ができるかどうかということは極めて大事なことなので、今ちょっと確認をしておったところでございますが。
 まず第一に、この雇用安定措置のことにつきましては、講じた措置などについて毎年これ事業報告を提出させるということをやります。今のように、言ってみれば、雇用安定を図るという制度の趣旨に全く逆行するようなことをやっている場合についてはこれは厳しく指導をするわけで、それだけをもって直ちに免許を、許可を剥奪するということにはならないまでも、私どもとしてはこれをしっかりと指導していかなければならないというふうに考えているところでございます。
#125
○石橋通宏君 大臣、指導はするけれども、政府が目玉だと言われているこの三十条の第二項義務規定、これに私は繰り返し違反しているような事業者と申し上げました。繰り返し違反しているような事業者、これ、許可取消し事由に当たらないんですか。
#126
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#127
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#128
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、義務の場合と努力義務の場合とは扱いは少し違うというふうに思います。義務違反の場合には、おっしゃるように、これは許可の取消しの対象となるわけでございますが、努力義務の場合には厳しく指導をしていくという範疇に入るというふうに思います。
#129
○石橋通宏君 大臣、今私がお伺いしているのは、まさにその義務規定、その義務規定逃れを繰り返しやっているような、そういう派遣元事業者、これに対して許可取消し事由にならないということを、大臣、宣言されたわけですね。そうしたら、次から次へとやりますよ、派遣元事業者。大臣、今宣言しちゃったんでしょう。それ、脱法行為を繰り返しても、それは指導はするけれども、許可の取消しはそれではやりませんということを宣言しちゃったんですか。本当にそうなんですか。
 そうしたら、今回、これまた大臣、目玉として何回も言われている、許可にしますから大丈夫です、労働者の保護をしますって言っているのに、全然違うじゃないですか、そんなこと。本当にそれ、やらないんですね。宣言したんですね。大丈夫ですね。派遣元事業者、今喜んでいますよ。いいんですね。
#130
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生も分かっておられておっしゃっているんだろうと思いますけれども、この努力義務と義務とはそれは明らかに、先生、今日お配りをいただいた資料でもそうですけれども、扱いは異なるわけであって、当然義務として定めていることを守らないということは、これは許可を取り消す事由にもちろんなるわけでありますけれども、努力義務の場合には直ちにそのまますぐにということでは私はないと思っております。したがって、それは当然、厳しい指導をしなければいけないというふうに思っているところでございます。
#131
○石橋通宏君 すったもんだしている間に時間が来てしまいましたので、甚だ不十分ですが、これで終わらなければいけませんが、今大臣、最後のところでとんでもない答弁されたので、これは本当、大変なことですよ。だから、我々は心配して、これ断固廃案と言っているわけですが、今のような答弁されるのであれば、大臣、労働者のため、何だ何だって言ったのは全然違うじゃないですか。やっぱり、派遣元事業者のための今回の改正であるということを断ぜざるを得ないということを申し上げて、これはもう徹底的にやっぱりこれからもう審議尽くしていかないと駄目だし、到底これでは納得できないということを最後にもう一度申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#132
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。順番を入れ替えていただいたことに感謝をいたします。
 まず、お聞きをいたします。ホワイトカラーエグゼンプション、いわゆるプロフェッショナル法案、今国会成立断念ということでよろしいですか。
#133
○国務大臣(塩崎恭久君) 政府は、この労働基準法の改正を提出をして、是非御審議の上に成立をお願いをしたいというふうに考えておりまして、後の扱いについては国会がお決めになるというふうに理解をしております。
#134
○福島みずほ君 もう時間的にも全く無理だと思います。厚労省は、もうこの法案、何度も上程できなかったり、もう断固出さない、廃案目指して是非私たちも努力したいと思いますが、今国会成立断念ということを早くおっしゃっていただき、国会もそれに応じていきたいと思います。
 次に、派遣法に関しては、派遣切りがあり、派遣村があり、労働者派遣法の改正をしなければという中でずっと動いてきて、今回の改悪法は本当に実は大ショックです。これはもう廃案にするしかないと思っています。
 施行のことなんですが、十月一日問題があり、九月一日施行というふうに言われておりますけれども、九月一日施行できないでしょう。どうされるんですか。
#135
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、私ども、法律を出して御審議をお願いをしているわけで、その施行日は九月一日というふうになっているわけでありますので、この委員会を含めて、早急な御審議をお願いをしたいというふうに思います。
#136
○福島みずほ君 しかし、今国会もう本当にタイトで、派遣法の議論をきちっとしていけば、政省令を作る、労政審にかける時間もないですよね。九月一日施行なんて全く無理じゃないですか。
#137
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもは法律を提案をさせていただいて、御審議をお願いをしている立場でございますので、御審議をお願いを急ぎいたしたいというふうに思っているところでございます。
#138
○福島みずほ君 報道では、厚生労働省は九月一日施行を諦め、修正するという報道がされていますが、これは、じゃ、間違いなんですかね。
#139
○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げておりますけれども、今回の法律は、当然のことながら、派遣で働く方はその処遇を改善をし、そして、いわゆる正社員を目指す方はできる限りそうなれるように、道が開かれるようにということでお願いをしているわけでありまして、早期の成立が大事だということは先ほど津田先生の御質問にもお答えを申し上げたところでございまして、報道については私どもは直接関与をしているわけでもございませんので、国会は国会がお決めになるというふうに理解をしておるところでございます。
#140
○福島みずほ君 違法派遣の直接雇用みなし規定は四十一・九か月、施行までに三年半を準備期間ということで持ちました。今回、もし九月施行ということであれば、ほとんど、私たちは廃案を目指しますが、全く時間がないんですね。この差って一体何でしょうか。
 結局、やはりこの違法派遣の直接雇用みなし制度を期待している人もいるんですよ。十月一日、きちっとこれを施行させて、この法案の施行日、私たちは廃案の立場ですが、せめて一年後とか二年後とか、やるべきじゃないですか。
#141
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の十月一日から施行になるという労働契約申込みみなし制度、これは平成二十四年の改正で、本年の十月から、期間制限などの一定の違法行為に該当した時点で派遣先が労働契約を申し込んだということをみなす制度として施行を予定をしているわけでございます。
 今回のこの派遣の改正法案によって、期間制限の仕組みが、現在の業務単位から、個人単位の期間制限とそれから事業所単位の期間制限に二本立てで変更されるということになるわけでありますけれども、これらの期間制限に違反した場合にこの労働契約申込みみなし制度が適用されることになるということでございますので、この点については、私どもとしては、今御提起を申し上げて、御審議を今日から委員会でしていただいている派遣法の改正を、御審議をいただいて成立をさせていただいた上でこの十月一日を迎えたいというふうに思っておるところでございます。
#142
○福島みずほ君 十月一日問題、でも、これは、無理な施行日を設定してみなし規定の発動を阻止しようとするのは、直接派遣先への正社員化の促進を阻むものではないかと思います。
 実際上、政省令を作る時間もありますので施行日が全く間に合わないと思いますし、その前にこの法案は廃案にすべきですが、この設定そのものが、十月一日より前に施行を何としてもしたいという厚生労働省の意図は、正社員化への道を阻むもので邪道だということを申し上げます。
 次に、正社員化への道と常用代替防止についてお聞きをいたします。
 総理は、今回の改正案は、派遣就労への固定化を防ぎ、正社員を希望する派遣労働者についてその道が開けるようにするものであるとおっしゃっています。どこにそんなものがありますか。条文どこですか。
#143
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、正社員への道を開く措置は法案のどこに書いてあるんだという御質問だというふうに思います。
 派遣で働く方が正社員になる道を開くためには、先ほども御答弁申し上げましたように、やはり職業能力を高めるということが大事であり、それと正社員としての就業機会をどう提供していくか、その提供がしっかりとなされるということが大事だというふうに思います。
 このため、今回の改正法案におきましては、この法律の第三十条の二項においてキャリアアップ措置を派遣元に義務付けるということを定めるとともに、先ほど来議論になっております第三十条におきます雇用安定措置の一環として派遣先への直接雇用の依頼の責務を派遣元に課すといったこと、さらには四十条の五項によって、正社員募集情報の提供義務、これを派遣先に課すということなどの規定が盛り込まれているわけでございまして、そういった手だてが併せこの正社員への道を開く措置となることを我々は考えているところでございます。
#144
○福島みずほ君 どこにも正社員化への道を法律上保障していないですよ。派遣元でのキャリアアッププランがどうして正社員化への道になるんですか。どういう教育をしたら正社員になれるんですか。現状だって、二十六業種の人たち、スキルが高くて頑張って仕事をしてきていても、正社員になれていないじゃないですか。どこにもないんですよ、そんな条文は。どこにもないですよ。
 派遣先への労働契約申込みの依頼であって、相手方が聞く必要はない。正社員とも限らない。この三十条の問題はそうですし、三十条の二項だって、キャリアアッププラン、どこに正社員への道があるんですか。ないじゃないですか。
#145
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も申し上げているように、最終的にどういう雇用形態を取って働く方々を会社で雇うかということは、最終的にはこれは経営判断をされるわけでありまして、私企業に対してどういう雇用形態かということを政府が保障するという筋合いのものではないのではないか。
 我々は、できる限りの条件を整えて、経営判断がそのような方向に行くということで政策誘導をしていこうということをやっているわけでございまして、このキャリアアップの問題についても、今回許可制とする中で、このキャリア形成支援制度がなければ許可は与えられないということになっておりますし、この有給、無償の教育訓練についても同じように定めているわけでございますので、そういうことで働く人たちの能力を上げて正社員として雇用が行われることの可能性を高めるということに、私どもは法律でその責任を果たしていこうというふうに考えているところでございます。
#146
○福島みずほ君 企業の経営判断だということだったら、先ほども意見がありましたが、厚労省要らないですよ。それは経済産業省でやってもらえばいい話であって、経営判断でやるんだったら要らないですよ。
 しかも、今の答弁、ひどいですよ。総理が答弁で、これは正社員化の、正社員を希望する派遣労働者について、その道が開けるようにするものですと言っているんですよ。正社員を希望する派遣労働者は正社員になれるって、どこに条文が書いてあるんですか。
#147
○国務大臣(塩崎恭久君) そこで、私が先ほど申し上げたとおり、この三十条の二項においてキャリアアップ措置を派遣元に義務付けると。今まではこういうものはなかったわけでありまして、派遣元が自ら雇っている派遣で働く方々に少しでも力を付けていただくことが正社員になる道を開くということになるということを申し上げているわけでございますし、それから、雇用安定措置は、これも同じように派遣元に対して努力をさせる、そして義務を果たさす、そういう仕組みを新たに入れているわけでございまして、元々、この現行法では、派遣元は派遣期間終了後の雇用継続を図る責務すらなかったということでありまして、こういうことが派遣労働者の雇用が不安定な要因の一つになっていたわけでありますので、私どもとしては、今回、働く方々の権利を守るということにおいても、こういった手だてを申し上げている、提案を申し上げているところでございます。
#148
○福島みずほ君 正社員化への道は条文上ないんですよ。権利としても保障されていない。だったら、正社員を希望する派遣労働者について、その道が開けるようにするものですというのは虚偽答弁じゃないですか。
 キャリアアップなんてどんなにやったって、だって二十六業種の人たちは即戦力なんですから、物すごくやっぱりキャリアはあるんですよ。能力も高いんですよ。でも、ずっと派遣のままで賃金が上がらない。どんなに派遣元でキャリアアップ付いても、その問題と正社員化への道は別物ですよ。逆に派遣元は、自分のところの虎の子の労働力は出さないですよ。
 正社員化への道を権利として保障していないのに、正社員化への道が保障されるというのはまさにお花畑ですよ。そんなことは起きないんですよ。法律に書いていないことは起きないんですよ。だから、そういう答弁もやめてくださいよ。どこにもないんですよ、そんなの。
 そして、常用代替防止との関係でもこのことは問題になります。今までは、例えば現行制度の業務単位の期間制限は、一旦派遣労働者を強制的にゼロにするという措置によって派遣労働者による常用代替を防止して、直接雇用化を進めるという立法意思が込められていました。労働者派遣法は、常用代替防止、これがもう要じゃないですか。一番重要な部分です。決して常用代替になってはいけないということで、一旦、三年たったら駄目よということで、だから、そこでゼロになるから正社員化しましょうということもあったわけです。
 しかし、今度の改正法は、人を入れ替えれば、あるいは課を変えさえすれば幾らでも雇い続けることができるんであれば、これ常用代替防止に明確に反しますよね。
#149
○委員長(丸川珠代君) どなたに御質問になりますか。
#150
○福島みずほ君 大臣。
#151
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、今回は業務単位のいわゆる規制から、今度事業所単位とそして個人単位ということでありますが、個人単位については固定化防止ということで、いわゆる一生派遣みたいな形にならないように、節目節目で自分の働き方ということは考え得るような、そういうことを考えてやっているわけでありますが。
 常用代替、今御指摘がございました。これについても、先ほども申し上げたように、今回は事業所単位の期間制限として原則三年ということで、それを延長する場合には過半数労働組合などへの意見聴取が必要であって、ここについては先ほど来議論がなされてきたところでありまして、私どもとしては、あくまでも三年の期間ということが単位で、仮にそれが延長されたとしても、それは三年という期間で労使の話合いが行われた中で決められることだというふうに思っているわけでありますので、必ずここで期間制限はそれなりの効果を持つというふうに思っていますし、それは労使の自治の下でこれが運営をされるべきというふうに思っているところでございます。
#152
○福島みずほ君 いや、違うんですよ。三年置きって、今自分をチェックする、働き方をチェックするとおっしゃいましたが、私がAという銀行のBという支店で人事課で派遣で働いている、三年たって総務課、三年たって人事課、総務と人事、課さえ変えれば私は一生派遣のままなわけです。しかも、若年定年制、女性は派遣が多いですから、四十過ぎればもういいよという感じで言われるかもしれない。生涯派遣になるわけですね。
 もう一つ、労働組合の意見聴取についてはまた日を改めてきちっとやりたいですが、意見を聴取するだけであるということが問題である。何の拘束力もない。というか、まず第一の問題点は、私が派遣労働者であれば、派遣先の労働組合が私にどこまで、私の労働組合ではないわけですから、どこまでやってくれるか分からない。二番目、労働組合の意見聴取は聴取だけであって、別にそれに一切拘束をされない。それは就業規則の意見聴取と全く一緒です。そして三点目、私が働いている先の労働組合は、やっぱり、じゃ働かせようと思って、例えばもう要らないという場合もあるし、派遣労働者として受け入れましょうとなれば、というか、これは個人単位でなくて人を入れ替える場合の労働組合の意見聴取ですが、どこにも正社員化への道ないじゃないですか。どこにもないですよ。どこに、私が、例えば派遣労働者が正社員になる道があるんですか。
 今までは少なくとも三年たったらだけれども、これからは課さえ変えれば、人単位であれば、幾らでも派遣で働かせることができる。三十年も四十年も一生派遣のままですよ。そして、人さえ入れ替えればその事業所で派遣を雇えるわけですから、派遣労働者として雇い入れ続けますよ。どこにも正社員への道はないんですよ。これ、常用代替防止というのがなくなってしまう。
 例えば、企業は、もう面倒くさい、派遣の方がいいから、しかも安上がりですから、即戦力ですから、派遣として雇い続けて、正社員が減るでしょう。どうですか。
#153
○国務大臣(塩崎恭久君) 意見聴取について今御意見を頂戴をいたしまして、今回の改正法案では、正社員から派遣社員への置き換えが生じることのないよう、つまり、先ほど来先生が御指摘になっている常用代替というのが起きないようにするというために期間制限を事業所単位で設け、そしてまた、意見聴取を過半数労働組合等から聴くということを義務付けたわけでありますし、そして、反対意見があったときは、これまでは一方通行の話でありましたけれども、対応方針等の説明を新たに法的に義務付けるということをさせていただいているわけでございます。
 現場を重視する、もう何度も申し上げておりますけれども、我が国の労使関係の中で、派遣先が労働者側の意見を尊重するということが当然期待をされているわけでありますし、今申し上げたように、今回は派遣先に対しても意見聴取の参考となるデータの提供、それから意見聴取の記録の周知とか、それから反対意見があったときの対応方針の説明などを新たに課すということで、これまでのいわゆる一方的な意見聴取であった部分が残っていたわけでありますけれども、それを双方向のコミュニケーションが取れるようにするということで、実質的な労使関係の間で話合いができるという仕組みをこの法律の中に入れ込んでいるわけでございます。
 そういうことで、実際に正社員が増えるか減るのかという御質問でもございましたが、それについては様々な要因があって、言ってみれば、一つの方向でこうだということを言うことは事前的にはなかなか難しいというふうに考えております。
#154
○福島みずほ君 正社員が増えるかどうか分からないんであれば、この総理の正社員化するものであるというのは間違っているじゃないですか。正社員を希望する派遣労働者についてその道が開けるようにするというこの法律の趣旨は、今大臣は正社員が増えるかどうか分からないとおっしゃったわけで、全然総理の答弁と矛盾していますよ。この法案が正社員化を増やすものであるとは言わないわけでしょう、大臣は。だったら何の役にも立たない。むしろ私たちは、正社員が減る、むしろ派遣労働者が固定化する、常用代替防止の派遣法の根幹が壊れるというふうに思っているわけです。
 大臣、法案に沿って話をしたいと思います。
 労働組合が、この事業所で派遣を雇うことはできないということの意見を出したとします、コミュニケーション、相互作用で。しかし、会社は、いや、派遣を雇い続けたいと思ったら、派遣社員を雇うことはできますね。
#155
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、この雇用安定措置というのは新たに義務付けた派遣元への責務であるわけであります。したがって、いかなる派遣元であろうともその手続を踏んで雇用安定を図らなければいけないということでありまして、その手続をきちっと踏まなければならないということが大事であって、それで結果としてどう判断するかは、最終的には、先ほど来申し上げているように、労使の対話の中で、特に今回はデータを提供しなければいけないとか、あるいは記録を周知をすることによってどういう意見聴取が行われたかということなどを社内でも周知をすると、あるいは、反対意見があったときに、会社がどういうふうに対応するのかということも説明をしなければいけないということを説明を義務付けているわけでありますので、そういう中で手続を踏んだ場合であって、なおかつどういう結果になるのかということは、それは手続を踏むということをしっかりやっていただいた上に出てくることでありますので、それ自体がどうこうということにはなかなか判断できないというふうに思うわけであって、大事なことは、この手続をきちっと踏んだ上で会社が判断をする。それも、一方的な意見聴取というかつての制度ではなくて、お互いのコミュニケーションができ得る限り図れるような手だてを今回新たに仕組んだ上で、その中で判断をされることだというふうに思っております。
#156
○福島みずほ君 会社が判断をされることだ、手続を踏んだ上で、会社が、いや、これはもう組合の意見を聞かない、あるいは正社員にはしない、あるいは派遣として雇い続ける、派遣労働者を雇い続けるという選択することができるわけじゃないですか。だから、この三十条は何の役にも立たないんですよ。何の役にも立たないですよ。正社員化の道なんて全く法律上保障されていない。法律が権利として保障しているかどうかがポイントですよ。
 今の大臣の答弁で、それは会社が最終的に御判断されることですだったら、会社がノーと言えば、正社員にしません、派遣労働者を雇い続けます、オーケーじゃないですか。どこにも正社員化の道はないですよ。これ、全く会社にフリーハンドなんですよ。だから、この派遣法は駄目なんだというふうに思います。
 現状、二十六業種の中で派遣切り、もうあなたは雇いませんというようなことが起きているんですね。こういうことに関してどういう手だてを取るのかということも問題で、今後また質問していきたいというふうに思います。
 終わります。
#157
○委員長(丸川珠代君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ─────・─────
   午後一時十五分開会
#158
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、石橋通宏君及び浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として相原久美子君及び白眞勲君が選任されました。
    ─────────────
#159
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#160
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。
 労働者派遣法改正案の前に一問だけ、ちょっと別途の質問を行わせていただきます。
 先般、報道等ありましたことなんですが、厚生労働省、来年四月を目途に訪問診療専門の診療所について検討が行われていると。中医協でも議論が始まり、八月から本格化するということでありますが、これは、我が国は今高齢化が進展しており、私のような人間が後期高齢者になるときにはもう約十七万床が不足をすると言われている。そうすると、結局、在宅を強化せざるを得ない、充実させざるを得ないということでのこの検討だろうと思いますが。
 これ、医療経済学的な観点だけでは非常に問題があろうかと思いますが、慢性期の患者さんの入院費は平均で約五十三万円、在宅であると保険給付と自己負担を入れて約三十二万円、医療費の総額で見ると四割安くなるんだというような、そういう観点からのことであろうかと思いますが、ただし、この規制緩和をするだけでは決して増えるわけではありませんので、来年の診療報酬改定でどれだけ報酬上の評価をインセンティブにできるのかということもあろうかと思いますが、ただ、訪問診療専門の診療所を解禁するに当たっては様々な課題が出てくるんだろうと思います。
 もとより、外来応需というこの体制に穴が空くわけでありますし、そして様々な設置義務ございますので、これから相当議論をしていかなくてはいけないと思っていますが、一点、私がお聞かせをいただきたいのは、この訪問診療専門の診療所というのには医科の診療所だけでなく歯科の診療所も含まれるのかどうか、これをお教えいただきたいと思います。
#161
○政府参考人(唐澤剛君) ただいま先生から御指摘いただきました在宅医療を専門に行う医療機関の取扱いについて、これは中医協で議論をしていただいております。この往診、訪問診療といった在宅医療を専門に行う医療機関の取扱いについて中医協で検討いたしますけれども、この中には歯科医療機関も含まれております。
 御指摘のように、今後、在宅医療、在宅歯科医療というものを伸ばしていかなければいけないというのは先生の御指摘のとおりでございまして、近年一〇%台まで増加はしてきておりますけれども、なかなか今後の高齢化を考えれば更に伸ばしていくような支援措置が必要ではないかというような御指摘をいただいているわけでございます。
 これは実は、今年の二月と三月に中医協においても御議論をいただきましたけれども、様々な御意見がいただいております。例えば、やはり本当はかかりつけ医の先生で外来もやり、そして往診や訪問診療もやり、そして全体として患者さんを診ていただくのがこれは一番望ましいんじゃないかという御意見がありますが、他方では、現実には、そうはいっても、外来をやりながら二十四時間の対応を一緒にしていくというのはなかなか全ての診療所では難しいので、やはり訪問診療にはいろんな形態があってもいいのではないかというような御意見もいただいております。
 こういうような両様の御意見を、中医協におきましては、この在宅医療全体がどのような姿が望ましいかということから検討していくべきだという御指摘をいただいておりまして、次期診療報酬改定に向けて重要な課題として検討してまいりたいと考えているところでございます。
#162
○石井みどり君 歯科の診療所も含むということであれば、現状でもかかりつけ歯科医としてずっと患者さんを診てきて、そしてその患者さんが高齢によってもう通院ができない、そういうところに対しては、訪問診療されている方、今一〇%というお話がありましたが、熱心にされている方いらっしゃいます。なぜ一〇%か。それは、かねてから西村委員も何度も御指摘されておられることですが、個別指導の問題がございます。
 どうしても訪問診療をしますと、診療報酬の平均点数高くなる、そうすると集団指導から個別指導に当たってしまう。二度とあんな思いしたくないから、皆さん抑制してしまうんですね。これは本当に医療側にとっても患者さんにとっても大変不幸なことであります。もちろん、個別指導の選定基準として、情報提供であるとかそういうものは、あるいは警察あるいは検察からの情報とか、それから医療法上の問題があるとか、そういうものは当然当たってもいいと思うんですが、本当に必要があって提供した医療の結果である点数でこれが指導に当たるということは大変問題がある。
 そして、それに対して、それは平成十九年、経済財政改革の基本方針二〇〇七年の中で、保険医療機関の個別指導数を毎年八千か所を目指す、これ全く根拠のない数字がいまだに生きている。大変このことは医療側にとっても、そして患者さんにとっても決して望ましいことではなく、むしろ不幸なことだと思っておりますが。
 この訪問診療に関しては、また別途違う機会でるる御質問をしてまいりたいと思いますが、歯科も入るということであれば、決して今おっしゃったような一〇%の数字が二〇%、三〇%に行かないということを御指摘をしたいと思います。まさに政策矛盾であります。
#163
○政府参考人(唐澤剛君) この個別指導の問題、これは高点数の医療機関の中から選定をするという形で今は実施をしているわけでございますけれども、医科と比べまして、医科は様々な診療科ごとに区分をして実施をしておりますけれども、歯科の場合は一つの診療科全体として歯科として選定をするということで、在宅医療機関などは比較的点数が高くなってしまいますので、いつも当たってしまうというような問題を御指摘をいただいているところでございます。
 これは私ども大きな課題として受け止めておりまして、やはり全体としてどういう対象を個別指導の対象として選んでいくのがよいのか。それから、恣意的に行政の方で選ぶことは問題でございますので、客観的な指標として、ただ、今、点数に代わるようなものとしてどんなものが考えられるのかということにつきましては、私どもも重要な課題として検討してまいりたいと考えております。
#164
○石井みどり君 先ほど来申し上げたように、西村委員の御質問に対しても、大臣も、そして局長も、検討していると答弁を繰り返されるんですね。何年検討されれば本当にいい結果が出てくるのか、是非御期待を申し上げたいと思います。
 それでは、本来の労働者派遣法改正案について御質問をしたいと思います。
 先ほど申し上げました、六月三十日に経済財政運営と改革の基本方針二〇一五、いわゆる骨太の方針でありますが、そして日本再興戦略改訂二〇一五などが閣議決定をされております。骨太の方針二〇一五では、今後の課題として潜在的な成長力の強化が挙げられています。さらに、その中で、働きたい人が働きたい環境を整えることで、女性、若者、高齢者等の労働参加率を高めていくということが記載をされています。
 現在、労働者の約四割が非正規の労働者の方々であります。これまでの法律では、派遣で働く人たちのためという視点が欠けていたという意見もございます。今回の法案は、業務から人へという視点が入ったと、そして派遣労働者を守るための初めての法律であるという意見もございます。
 先ほど津田委員が初めに示された数値でありますが、データでありますが、厚生労働省の平成二十四年派遣労働者実態調査においては、派遣労働者の希望する働き方として、派遣労働者として働きたいというのが四三・一%、派遣社員ではなく正社員として働きたいというのが四三・二%となっておりまして、両者が拮抗しております。
 そして、まさに世界に冠たる長寿国家である我が国では、高齢化の問題は非常に大きな問題で、むしろ、これから二〇二五年にかけて、働く人も高齢化しますが、その高齢化した方、労働者の方々が更にその親を見ているという、非常に介護の問題が大きな課題になろうかと思います。介護離職、私も本委員会で御質問をしましたが、介護しながらでも働ける、育児をしながらでも働けるということが、やはり多様な働き方が提供されるべきであろうと思っております。
 そして、これまでの派遣労働者としての働き方あるいはその仕組みを否定的に捉えるのではなく、多様化する労働者の働き方を受け入れるという柔軟な雇用環境をつくるための法案であるというふうに認識をしております。
 国がやるべきことは、非正規雇用と正規雇用の間に立ち塞がる険し過ぎる壁を低くする、壊す、穴を空けることであるかと思います。であるならば、雇用を流動化させ、必要な場所に必要な人材を送り込むことができるのではないかというふうに思っております。
 この労働者派遣法改正案に関しまして、本法案の理念あるいは目的と意義といったところをお示しをいただきたいと思います。
#165
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の労働者派遣法の改正につきまして理念をということでございますが、先ほど石井先生の方からお話がございましたように、ライフステージの中で、子育てもあれば、それから一人で働いているとき、そしてまた家族となって、結婚し、子育てもし、さらには介護のことも考慮に入れなきゃいけない、いろいろなパターンが出てきているわけでありまして、今回改正をお願いをしている派遣につきましては、全雇用者の大体二・三%、それから非正規が約四割、三七%ぐらいですけれども、派遣というのは二・三%でございまして、その十倍ぐらいパートがございます。
 そういうような位置付けの中で、やはりこの働き方というものが一つの選択肢として定着はしてきているけれども、午前中の議論でもございましたけれども、やはり十分この立場が守られていないケースも間々あるということで、もちろん、今先生からもお話がありましたように、派遣の方が働き方として選択肢として選びたいという方と、いやいや、そうじゃない、やはりフルタイムで正社員として働きたいという方もおられるという、その両方の働く方々のお立場を強めるということを考えながら今回の改正を御提案を申し上げているわけで、正規の正社員として働きたいという希望をされる方には、先ほど来議論がありましたけれども、その道が開かれるように、可能性が高まるように、そしてまた、こういった派遣の形態で働きたいと思っていながら、今お話があった、待遇が正社員などと比べるとまだまだ不十分という方々には、やっぱりその待遇の改善も可能性が高まるというように様々今手だてを御提案を申し上げているわけで、特に全てを許可制にするという中で、きちっとした派遣元の指導をできる体制にしながら、今申し上げたような働く方々にとってプラスになることをしっかりと守っていただくと。もちろん、派遣先についても同様に様々な義務を課していくということで、働き方の一つとして選択することに不利さが出ないような、そういうようなことを考えての改正ということだと思います。
#166
○石井みどり君 派遣労働者の方々は、大きく二つに分かれるんだろうと思います。自ら望んで派遣で働く、本意派遣労働者と言ってもいいかと思いますが、それと、不本意ながら仕方なく派遣で働いているという不本意派遣労働者という、そういう二者の存在が考えられると思いますが、前者を積極型派遣労働者、そして後者を消極型派遣労働者というふうに言い換えるのであるならば、それぞれを念頭に、それぞれに見合った施策を取ることが重要であろうかというふうに思っておりますが、このような分け方を仮にするとすれば、それぞれの労働者の方々に対して今回どのような方策を講じておられるのでしょうか。
#167
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、積極型、消極型という分類をされた上でお尋ねがございましたが、確かに、派遣で働く方の中には、自らのニーズに合わせて積極的に派遣労働を選ばれる方、あるいは逆に、正社員を希望していながら消極的な理由で派遣という方がおられるということもそのとおりだと思います。
 今回の改正案は、積極的に派遣で働く方については、派遣先の働く方との均衡待遇を推進するなどによって待遇の改善を図っていく。一方で、正社員を希望しながら消極的な理由によって派遣で働く方については、今回の改正案で派遣元に対する雇用安定措置や計画的な教育訓練の義務付けということを行うということ、それから、キャリアアップ助成金のように、今回の法律改正とは両々相まっての政策として、助成金を活用して派遣労働者の派遣先での正社員化を図っていくというようなことで、正社員への道が開かれるようにということを狙っているわけでございます。
 なお、こうした仕組みを通じて、働く方それぞれの選択がしっかり実現できるような環境を整えていかなければならないというふうに思います。
#168
○石井みどり君 今御説明があったように、本法案によって、積極型の派遣労働者の方々に対しては無期雇用、そして消極型派遣労働者の方々に対しては直接雇用というような道が開けるということでありますが、今回のこの法の目的としては、やはり更なる雇用の安定化を目指しているんだというふうに理解をしておりますが、派遣元と派遣先そして派遣労働者の三者の関係を踏まえた仕組みとして直接雇用について法案に明記されたということは、これは評価をしていいのではないかというふうに思っております。
 この直接雇用を本当に正規社員という、正社員に持っていくためには実効性があるのかというような御指摘もあるところでありますが、実効性あるものにするために国としてはどのような具体的な措置をお考えでしょうか。
#169
○大臣政務官(高階恵美子君) 派遣期間が一定期間に達する有期派遣労働者について、派遣元に対して初めて派遣労働者の雇用継続を図る義務を課すこととしたといったものでございますので、派遣元には派遣先への直接雇用を依頼することとしておりますし、派遣先では、これを講じられた派遣先の場合は雇入れ努力義務が生じる、これは現行法でも規定されているところではございますが、さらに正社員の募集情報提供の義務を課すなどをしております。
 さらに、これを支援していくために、派遣先が正社員として直接雇用した場合の助成を行うキャリアアップ助成金というのがございますが、これを拡充させていただいたところでございまして、一人当たり六十万円を今年度は八十万円へ、全体で二百二十一億を措置させていただいているところであります。
 そして、直接雇用に至らない場合には、午前中にも紹介させていただきましたような、新たな就業機会の提供、あるいは派遣元での無期雇用、あるいはその他の雇用安定化措置を講ずるといったような構造にさせていただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、希望する方の直接雇用を着実に進めていけるよう私どもも工夫をしてまいりたいと思います。
#170
○石井みどり君 消極型といいますか、そういう派遣労働者の方々にとって、直接雇用というのは、決して必ずしも正社員というわけではありませんが、まず第一歩というか、半歩といいますか、であって、まさに安定した正規雇用化というものを本人は望んでおられるわけでありますので、半歩前へというところかというふうには思いますが。
 本法案の中に、派遣労働者の正規雇用化への道筋という、その仕組みを、今御説明いただいた中にもありますが、そういう仕組みが今回盛り込まれております。例えば、個人単位の期間制限とすることで、派遣労働者個人に着目した制度となっております。従来と違うところかというふうに思います。
 そして、派遣労働者は、三年間同じ派遣先で経験を積んで、そして派遣先との相性が見定められる、そして派遣先も、時間を掛けて個々の派遣労働者の方々の自社社員としての適性を判断をすることになる。そのことによって、派遣労働者と派遣先のマッチングがうまくいくことによって、正規社員につながる。まさに本法案で新設される雇用安定措置の効果も相まって、派遣労働者の方々が最も望んでおられる派遣先での正規雇用化につながる可能性があるのではないかというふうに考えております。
 この派遣元の派遣会社に求められているのは、マッチング機能だけでなく、例えば派遣会社が派遣労働者の身元を保証する機能、あるいは派遣先に派遣労働者の待遇について交渉する労働組合の代替的な機能なども必要ではないかというふうに思います。
 今後求められる派遣元、派遣会社の役割について、国としてはどのようにお考えか、また今後どのようなお取組を取られるのか、お聞きしたいと思います。
#171
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今委員の方からも御指摘ございましたように、今回この改正法案で派遣事業についての派遣会社のマッチング機能ということの強化ということにもなっておるわけでございますけれども、それにも加えまして、今回やはり派遣労働者の雇用の不安定であったり、あるいは教育訓練、キャリアアップの機会が少ないというようなこともございますので、そういった問題に対しての解決という道筋のために、先ほどもお話に出ましたけれども、派遣会社の方に雇用安定措置ということを新たに義務付けますとか、あるいはキャリアアップ措置という形で計画的な教育訓練、あるいは希望者の方にはキャリアコンサルティングというようなものも義務付けるということにしております。
 こういった取組を通じまして、今後そういう派遣会社あるいはこの派遣の業界というのが、先ほど委員の方からも、派遣会社が今度は派遣先といろいろな交渉をするというようなことも含めてかと思いますけれども、派遣労働者の雇用の安定であったり処遇の改善であったりというようなことも含め、あるいは先ほど申し上げたキャリアアップというようなことを通じて、人材の育成というようなことにもしっかり派遣会社、業界ということが取り組んでいただくということが期待されますし、私ども政府としましても、こういった制度というものがしっかり義務履行されるということをしっかり担保することによって、こういった業界あるいは派遣会社がそういった役割を果たせるようにしっかり取り組んでまいりたいと思います。
#172
○石井みどり君 これまで期間制限がなかったいわゆる二十六業務の派遣労働者の方も、付随的な業務は一日当たり又は一週間当たりの就業時間数の一割以下しか行うことができないという制限がございました。このことは、派遣労働者の方々が派遣先で自らの能力を最大限発揮しながら働くことを抑制されてしまう面があったというふうに思います。しかし、今後は、派遣労働者の方も、同じ課の範囲内ではあるが、幅を持った業務を担うことができるようになると思っております。このことは、派遣労働者としてだけでなく正社員としての素質があるかどうかも判断しやすくなるのではないかと思います。
 業務単位の期間制限の廃止が、いわゆる二十六業務の派遣労働者の方々の働き方に及ぼす影響についてどのようにお考えでしょうか。
#173
○政府参考人(坂口卓君) 今委員からも御指摘のありましたとおり、今回業務単位の期間制限につきましては、従前の二十四年の法改正の際にも附帯決議でもうたわれましたように非常に分かりにくいということ、その一端が、先ほど委員の方から御紹介がありました、いろいろ付随的な業務との端境で非常になかなか労働者の方から見ても働きにくいというようなことがあったんだろうと思っております。
 そういった関係から、今回は業務単位の期間制限を廃止するということになったわけでございますけれども、今委員の方から御指摘ございましたように、いわゆるこの専門二十六業務ということで働かれる方につきましても、実は専門的なお仕事でいらっしゃるということではあるんですけれども、実態は、やはりいわゆる専門二十六業務で働く方についても、有期の雇用契約を反復更新されて同じ職場で就業継続を続けておられる方というのが全体の約八六・七%というような形でございまして、やはりこういういわゆる専門二十六業務で働いておられる方につきましても、雇用の安定やキャリア形成ということが十分に図られているということは言い難いという状況になっております。
 そういったこともございまして、今回業務単位の期間制限を廃止するということで、いわゆる専門二十六業務の派遣で働く方につきましても、まさに今委員御指摘ありましたような新たな期間制限、個人単位の期間制限ということも含めての対象としてしっかりとキャリアを見詰め直す契機としていただく、あるいは、派遣会社の方でもそういったことを予定してしっかり派遣労働者の育成を考えていただくというようなことをしっかり考えていただくというようなことを私どもとしてはしていきたいということで考えております。
#174
○石井みどり君 そして、一方で、無期雇用派遣については、生涯派遣で働けというのかと、まあ生涯派遣法案というフレーズで御批判もあったかと思いますが、しかし、先ほど少し御紹介した骨太の方針二〇一五に、働きたい人が働きたい環境を整えるというふうに示されているように、個々人の働き方はあくまで自ら望んで選択するものであろうというふうに思っております。また、先ほど述べましたように、本法案の目的は雇用の安定化を図るものであり、個々人の選択をより幅広くさせるものであると考えています。
 積極型の派遣労働者の方々にとって望ましいのは、まさに派遣労働を否定するのではなく、多様な働き方の一つであると認められた上で派遣労働が抱える問題点を改善してほしいということであろうかと思います。
 個人の選択肢の一つとして無期雇用派遣を選択した場合、今回この法律としてどのような後押しができるのか、お教えください。
#175
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方からも御指摘ございましたとおり、無期雇用派遣についてでございますが、これもまさに今委員の方から、積極的に派遣という働き方を選ばれているというような働き方の面からもいってということでございますが、無期雇用化派遣ということにつきましては、いわゆる雇い止めというようなものがないということもあって、雇用の安定あるいはキャリアアップの観点でも問題が少ないということでございます。
 ただ、今委員の方からもありましたように、無期雇用派遣ということで、どちらかというと派遣労働者としてポジティブに派遣を希望される方ということの中でも、実は八〇・四%の方が、派遣を希望するけれども派遣のままで常用的に働くことを希望しているということで、安定的な常用的な働き方ということを希望されている方が多いということがございます。
 そういったこともありますので、先ほど申し上げました、今回の業務単位の期間制限ということを廃止して、事業所単位と個人単位という新たな期間制限を設けたわけでございますけれども、今申し上げましたような無期雇用派遣の特徴ということも鑑みて、今回の改正案では無期雇用派遣については期間制限の例外ということとすることで、言わば有期の雇用派遣から無期の雇用派遣へというようなインセンティブということが高まるということとしておるところでございます。
 また、国としてという御指摘もございましたけれども、先ほど政務官の方からもありましたように、現在私どもキャリアアップ助成金という助成金を設定しておりますけれども、その中でも、有期雇用の派遣で働く方を無期雇用の派遣にしたというような場合も含めて助成金の対象としておりますので、これらを通じて派遣で働く方の一層の雇用の安定ということを図ってまいりたいと考えております。
#176
○石井みどり君 先ほど生涯派遣法案という批判のフレーズがあるというふうに申し上げましたが、同じように本法案への批判として使われていますのが、三年首切り法案という批判もございます。これは相反する批判でありますが、まさに派遣元、派遣会社は、雇用の安定措置をとらなければなりません。これを最大限好意に解釈すれば、派遣労働者の方が三年ごとに必ず働き方を考える機会が与えられるというふうにも取れるわけであります。
 今キャリアアップ助成金の話も出ましたが、本法案の重要な柱の一つとして、派遣労働者の雇用安定とキャリアアップがございます。自ら三年ごとに働き方を見直していくためには、労働者本人がキャリアアップを目指すと同時に、やはり外からも、外部からの支援も必要であろうかと思いますが、本法案では派遣労働者のキャリアアップについて具体的にどのような方策を考えておられるのでしょうか。先ほどの御説明で、労働保険を財源とするキャリアアップ助成金というようなお話も出ましたが、その辺をお聞かせをください。
#177
○大臣政務官(高階恵美子君) 今回の改正案におきましては、キャリアアップ措置として、派遣元に、派遣で働く方のキャリアパスを踏まえた段階的、体系的な教育訓練の実施、そして、派遣で働く方の希望に応じたキャリアコンサルティングの実施を新たに法的に義務付けることとしてございます。また、これらの措置の実効性の確保を図るために、事業の許可あるいは更新の要件にキャリア形成支援制度を有することを追加するとともに、教育訓練等の実施状況について事業報告を求めております。これらの義務を履行しない派遣元事業主に対しましては、都道府県労働局におきまして厳正に指導監督を行うこととしております。
 労働者派遣事業に係る法違反の是正措置の流れというのも大まかに図示されているものがございますけれども、法違反がある場合には指導、助言を行い、なおかつ悪質な場合には改善命令、事業停止命令、そして許可取消し等の措置を講じる、あるいはこれを公表していくといったような形で、それぞれ派遣元にはそのような形、そして派遣先には勧告、公表の措置というふうな形で、一人一人の働き手が守られて働く、職業能力の開発がされ、キャリア形成がされていくような実効性のあるキャリア形成の支援制度になっていくように私どもも工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
#178
○石井みどり君 先ほど来御紹介しております日本再興戦略改訂二〇一五では、生産性を高めるための鍵は何といっても投資である、将来の発展に向けた設備、技術、人材への投資であるというふうにされております。さらに、人口減少社会を迎える我が国においては、労働生産性の向上により稼ぐ力を高めていくことが必要であり、個人が持てる能力をまさにプロとして最大限に発揮していくことが求められております。
 そのための方策として、未来を支える人材力強化、雇用・教育施策パッケージ、セルフ・キャリアドック、まあこれ仮称でありますが、の整備が挙げられていますが、この施策の内容及び意義をお教えください。
#179
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。
 日本再興戦略改訂二〇一五におきましては、人口減少社会にあって経済社会の変革に柔軟に対応するためには、一人一人の主体的な学びを省庁横断的かつ重点的に支援することを通じ、高付加価値人材の養成、生産性向上、ひいては日本経済の成長へとつなげるということが重要である、こういう考え方から三つの柱を設けまして、働く方々の気付きの機会の確保、企業の取組支援、それから教育機関改革、この三つを柱として厚生労働省と文部科学省でまとめた未来を支える人材力強化パッケージを基に、キャリアアップの取組支援などの人材育成に係る各種施策を盛り込んでいるところでございます。
 その中で、セルフ・キャリアドック、これは仮称でございますが、この制度につきましては、年齢ですとかあるいは就業年数、役職等に応じて、そういうような節目節目に定期的にキャリアコンサルティングを受けていただく機会を設ける、働き手のスキルやキャリア形成における課題の認識、キャリアプランの作成、見直し等に対する支援を受ける機会を提供する、こういうような仕組みをつくっていこうというものがセルフ・キャリアドックでございます。これによりまして、定期的に自身の職務能力を見直し、今後どのようにキャリアを歩むべきかを確認した上で、身に付けるべき知識ですとか能力、スキルを確認する機会として位置付けておりまして、これによりまして、働き手が自らのキャリアについて主体的に考える習慣を身に付ける環境整備を目指すものでございます。
 厚生労働省といたしましては、文部科学省を始め関係省庁と連携しながら、未来を支える人材力の強化に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
#180
○石井みどり君 二〇一二年十二月に実施されました厚生労働省職業安定局需給調整事業課の労働者派遣の実態に関するアンケート調査では、派遣先が派遣労働者に教育訓練等を行う理由、これ派遣先の調査でありますが、多い順に、独自の仕事の進め方等を習得してもらう必要があるため、これが二七・六%。派遣労働者にもスキルアップしてもらうことが事業所のパフォーマンス向上につながるため、これが二二・八%となっております。派遣労働者のスキル向上のために行っている取組、これ派遣先調査でありますが、としては、多い順に、派遣先事業所でのOJT、これが六七・三%、派遣先事業所の従業員と合同でのオフJT、これが三〇・二%となっております。また、仕事に必要な能力やスキルの獲得方法、これは派遣労働者の方々への調査でありますが、これを見ますと、多い順に、派遣先でのOJT、これが四〇・三%、派遣就労を始める以前の職場での経験が三二・八%となっております。
 これらの数値から分かることは、派遣労働者の方々にとっての能力向上の要因は、やはり就労の中での実践だというふうに考えられます。派遣労働者のスキル向上のための取組は、就業中に実施するOJTが圧倒的に多いと思いますが、企業を後押しするためにOJTに関し具体的にどのような方策を考えておられますか。そしてまた、派遣先でのオフJTの機会を増やすために国としてはどのような方策をお考えか、お教えください。
#181
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今回、先ほど来御答弁等でも申し上げているとおり、派遣会社、派遣元の方に派遣労働者のキャリアアップについての取組ということを義務付けるということにしたわけでございますが、まさに今委員の方からるるデータの方を御紹介いただきましたけれども、この派遣労働者のキャリアアップということを行っていくためには、やはり派遣先の協力ということが不可欠であるかと考えております。
 そういったことから、今回の改正案の中におきましても、派遣先に対して一定の配慮義務ということを課すということとしております。具体的には、派遣先の労働者に業務の遂行に密接した教育訓練を行うという場合には、派遣先の方でもあるいは今もありましたOJTであったりオフJT、いずれかの形で実施する場合も含めて、同種の業務に従事している派遣労働者にも派遣先の方で実施をしていただきたいという配慮義務を課すということとしております。
 こういったことも含めて、やはり派遣会社の方でもキャリアアップをいろいろ取り組む上で、派遣先の協力を得ながら、どういった形でうまくやっているかというような取組事例等についてもまとめて周知することなどで、派遣元の方で派遣先の協力を得ながら、キャリアアップということがうまくつながっていくような方策ということができるように支援をしてまいりたいと思っております。
#182
○石井みどり君 今、派遣元でのキャリアアップも重要であるというふうに思っております、そういう御説明はありましたが、先ほど来申し上げていますように、派遣労働者の方が就労する、就業する中でキャリアアップがなされ、そして、そのことによって更に就業の場が増えるということが好循環ということにつながるんであろうというふうに思います。
 この派遣労働者の方がキャリアアップを行う、この好循環を生むためには、実践の場としての最初の就業機会、このことがやはり必要不可欠であろうと思います。この就業機会自体を増やすために、国としての方策をお教えください。
#183
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方からありましたように、全体の派遣労働者のキャリアアップ等々にもつながるような好循環をしていくというためには、やはり全体として、日本全体のパッケージとしての成長ということがまずもって不可欠なんだろうと思います。
 そういった中で、安倍内閣の成長戦略の中でも、一人一人の方がそれぞれのライフスタイルあるいは希望に応じて柔軟で多様な働き方が可能となるということを目指して、その一環としての流れの中で、労働者派遣制度の見直しということも実現に向けた重要な取組として頑張っておるというところでございます。
 まさに、委員の方からもありましたように、全体としての成長戦略の一環としての景気・雇用対策ということを進めていくという中で、経済活動にも派遣事業の見直しということも確実に行い好影響を与えるということができるのかと思っておりまして、まさに委員が今、派遣労働者の就業、キャリアアップ、更なる次の就業の場ということにつながるように、最初の就業の機会の増加ということも含めて、しっかりとして政府全体で取り組んでまいりたいと思っております。
#184
○石井みどり君 もう時間が来ましたので、少し質問を割愛させていただきますが、ヨーロッパでは人材派遣は、人々を就労に導くことで労働市場の分断化を緩和しているという、そういう評価もございます。
 今、引きこもりだとか、あるいはアルバイトを繰り返すとか、いろいろなことできちんとした就労につながらない、そういう方もたくさんいらっしゃいます。あるいは、子供を育てている、あるいは介護しているということで、いわゆるメンバーシップ型の社員になれない、今はそういう働き方ができないという方々もいらっしゃいます。
 そういう意味で、まさに人材派遣ということを前向きに捉えて、今回の法案がそれに有効であることを期待をして、質問を終わらせていただきます。
#185
○滝沢求君 自由民主党の滝沢求でございます。石井委員に引き続き、質疑をさせていただきます。
 安倍政権発足以来、我が国の経済は復活の兆しを見え始めております。まさに、中小そして小規模事業者の倒産件数も減少しておりますし、そして新卒者の就職率、そしてさらには有効求人倍率も高い水準となっております。そして、賃上げも実現しているのであります。この経済の好循環をしっかりと維持そして継続させていこうという流れが出始めております。
 この流れの中で、まさに今、労働市場で人材へのニーズが高まっている今をおいて、働く方のキャリアアップ、待遇改善のチャンスはございません。今回の派遣法の改正も、この雇用失業情勢の改善と相まって派遣労働者の正社員化を支援するものであると私は考えております。
 そこで、大臣に伺います。
 今回の改正案は、派遣制度を労使双方にとってより良い制度とする中で、良質な派遣会社を育成し、派遣労働者の希望をかなえる環境を整備していく、そのような法案であると私は理解しております。そこで、改めてこの法案の趣旨を大臣から説明を願いたいと思います。
#186
○国務大臣(塩崎恭久君) ありがとうございます。
 今、滝沢先生から御指摘をいただいたように、今回、労使にとってもより良い制度となるように、そしてまた、今まで四分の三が届出制であったがゆえに、質の均一性、あるいは質のいいということについてのこれまでの条件確保というものがいかがだっただろうかということもあり、さらには、先ほども申し上げましたように、ライフステージによって、あるいはそれぞれ自分の人生の中でどういう働き方がいいのかということが変わってくるわけでありまして、そのときそのときのやはり働き方として働く方が選べるような、そういう可能性の一つとして、今回、この労働者派遣法の改正を通じて、働く方々が安心して選べるような、そういう選択肢を強固なものにしていくということを考えながら、この改正法案を御提案を申し上げているということでございます。
 正社員を希望される方は、当然正社員への道が開かれるようにすること、そしてまた、今は派遣の方が自分の働き方としては合っているんだという方にとっては、処遇が改善をされて、正規雇用の、正社員の方との賃金のギャップが少なくなるようにということも考えた上で、今回キャリアアップの支援、あるいは雇用の安定を図って次へのステップにつながるような形にしようということで、今回、特に全てを許可制にする中で、質の向上と働く人たちの立場を守るために派遣元、派遣先に義務付けを多くしていくということで、その実現を図ってまいるということでございます。
 引き続き御審議を賜って、より良い制度となるようによろしくお願いをいたしたいと思います。
#187
○滝沢求君 ただいま大臣から、正社員を希望する方にはその道を開いていくんだと、そのように道筋を付けるという話でございます。このことは非常に重要でございます。
 今回の改正案は、働く方が企業にとって魅力的な人材となるよう、その能力を高めることで、あわせて、正社員として雇用されるきっかけを増やすことを通じて派遣で働く方の正社員化を進めることとしており、このような考え方の下、様々な取組が盛り込められております。例えば、初めて派遣元に計画的な教育訓練を義務付け、派遣元がキャリアアップの責務を有することを明らかにしたことなどは大変大きな意義があると思います。今までにない制度を創設するわけでありますから、不十分という指摘もあるかもしれませんが、私は一歩前進であると考えております。
 この職業訓練の確保については、平成二十四年に派遣法を改正したときに、自公民共同提出の附帯決議でも、派遣労働者の職業能力の開発を図るため、派遣元事業主は派遣労働者に対して教育訓練の機会を確保し、労働者派遣業界が派遣労働者の雇用の安定等に必要な職業能力開発に取り組む恒久的な仕組みを検討することとうたわれており、まさにこれを具体化したのがキャリアアップ措置であり、この必要性については反対する方はいないのではないかと私は考えております。
 そこで、計画的な教育訓練の実施の在り方、実施の内容についてどのようなものを念頭、考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
#188
○大臣政務官(高階恵美子君) この改正案におきまして、派遣元事業主が実施する教育訓練については、有給、無償で実施することとしております。その内容ですが、派遣で働く方のキャリアアップに資する内容であることが必要と考えております。具体的には、教育訓練計画におきまして提供される訓練が求められる能力や役割等を勘案して段階的かつ体系的に整理されていること、そして計画に基づき教育訓練が着実に提供されていることが必要であると考えております。
 いずれにしても、この教育訓練計画については、許可、更新の際に行政においてチェックをさせていただくということのほか、実施について毎年行政に報告を求めるという仕組みになってございますので、その実効性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
#189
○滝沢求君 今回の改正案について最も大きな議論を呼んでいるのが期間制限の見直しであります。先ほども石井委員の方からも質疑がございました。まさに、この期間制限については分かりにくいといった課題もあって、今回の改正案では、事業者あるいは派遣労働者個人という誰にとっても分かりやすい基準を設定した上で、三年という期間制限を設けることとしております。分かりやすいルールというのは、制度を利用する派遣先、そして派遣元はもちろん、働く方にとっても望ましいことではございます。こうした問題意識は平成二十四年の改正時に自公民三党で共有されており、三党共同提出の附帯決議でもうたわれているところでございます。与野党の垣根を越えて異論のないところではないかと、私はそう考えているのであります。
 そこで、政府に伺いますが、期間制限の例外となる派遣労働者の割合は、改正前と改正後ではどのように変わるのでしょうか。そしてまた、改正案で期間制限の上限を除外している理由についても伺いたいと思います。
#190
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの、まず、期間制限の上限を外れる派遣労働者の状況の変化ということでございます。まず、今回の改正前という状況につきましては、この期間制限の上限から外れているのはいわゆる専門二十六業務に従事する方ということになっておりますので、その方々は派遣労働者全体に占める割合では約四割ということになっております。
 今回は、期間制限全体の見直しをする中で、主に無期雇用派遣労働者の方等をこの期間制限の上限から外すということになっておりまして、その割合につきましては派遣労働者全体の約二割ということで、約四割から約二割に減少するということになるという状況でございます。
 それから、もう一点お尋ねの、改正案での期間制限の上限を除外している理由の関係でございます。これにつきましては、今般の改正法案の土台となります労働政策審議会の建議におきまして、先ほど申し上げました無期雇用派遣労働者と六十歳以上の高齢者の方について期間制限の対象外とすることが適当とされたところでございます。
 このうち、無期雇用派遣労働者につきましては、有期雇用の方に比べまして雇用の安定が図られている、あるいは長期的な教育訓練も受けやすいという傾向にあるということで、派遣労働という働き方に見られる弊害が少ないということで対象外とされたということでございます。
 それから、もう一点の六十歳以上の高齢者の方につきましては、これはお分かりのとおり、やはりこの年齢層の方につきましては雇用機会の確保というのが難しく、また、その確保を図るということが一層重要ということで、選択の幅を広げるという観点から対象外としたものでございます。
#191
○滝沢求君 二十六業務以外の業務に従事する方は、現行制度では期間制限の上限が課せられております。しかし、この期間制限によって派遣労働者は一生派遣になることなく、望む道に進むことができているのでしょうか。大切な視点だと思います。先ほど派遣労働者のキャリアアップに向けた支援については答弁をいただきましたが、この期間制限についても派遣労働者のキャリアアップにつながる制度でなければならないと私は考えております。
 そこで、政府に伺います。派遣労働者個人から見た場合、今回の改正案は派遣労働者が一生派遣にならないよう規制を強化するものであり、派遣労働者がキャリアアップできるよう多様な経験を積めるような制度であると、私はそう理解しておりますが、改めて政府に説明を願います。
#192
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたとおり、今回、期間制限の見直しの中で、派遣労働への固定化を防ぐために、有期雇用の派遣で働く方につきましては、個人単位の期間制限、いわゆる同じ職場での派遣というものは三年を上限とするという期間制限を設けるということにしております。まさにそういった面で申しますと、派遣で働く個人の方から見た場合、一定の規制の強化という側面が委員の御指摘のとおりあるんだろうと思っております。
 こういった期間制限を通じまして、派遣で働く方につきましては三年ごとに節目節目で御自身のキャリアの見詰め直しということをしていただく。それから、先ほど答弁もありました、あるいは委員の方の御指摘もありますように、今回、派遣会社の方に計画的な教育訓練ということを新たに法的に義務付けるということとしておりますので、そういったことと相まって派遣で働く方のキャリアアップに資するという制度になっているということで私どもとしては考えておるところでございます。
#193
○滝沢求君 では次に、派遣先の観点から伺いたいと思います。
 先ほど確認しましたとおり、期間制限の例外となっている派遣労働者数は二十六業務を廃止することにより減少するわけですが、二十六業務以外の業務に従事する方の受入れについては、現行では同じ業務に就いて三年を超えて受け入れられないのに対し、改正後は人を交代すれば受入れが可能になるとして批判されているのであります。この点がまさに生涯派遣法案であるとか正社員ゼロ法案であると言われている点なのでありますが、改正前後をもっと詳しく見ていく必要があるのではないでしょうか。
 改正案では、単に人を交代すれば三年を超えて派遣労働者を受入れ可能となっているのか、政府参考人に伺いたいと思います。
#194
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、今回、個人単位の期間制限を設けるとともに、一定の事業所単位の期間制限を課しているということでございますけれども、今お尋ねの、単に人を交代すれば三年を超えて受入れ可能なのかという点につきましては、午前中も大臣の方からも御答弁させていただきましたが、この三年という期間制限をまず事業所単位で設けているということが一点、それから、三年を超えて働く方を受け入れようとする場合には、過半数労働組合等からの意見聴取ということを新たに義務付けるということとしておるということでございます。
 また、この意見聴取につきましては、いわゆる労使の実質的な話合いができるように、双方向のやり取りができるようにということで、反対意見が表明された場合には対応方針等を説明する、あるいは意見聴取の記録を周知するというようなことにつきましても今回新たに義務付けるということとしておりまして、単に人を交代すれば三年を超えて受け入れることができるということにはなっていないということでございます。
#195
○滝沢求君 続けます。
 次に、衆議院の議論の中で、期間制限の見直しについて、現行の業務単位の期間制限の方が正社員になる機会が高いという議論がございました。私は、この法案全体のパッケージで捉えたときに、能力を高めるきっかけを増やすという取組を盛り込んだ今回の改正案の方が、正社員を希望する方にとってより正社員への道が開けることと考えているのでありますが、改めて説明を願いたいと思います。
#196
○大臣政務官(高階恵美子君) 今回の改正案におきましては、派遣で働く方の希望に応じたキャリアアップを図ることができる環境を整備するために、派遣元に対して計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングを初めて義務付けております。また、派遣先に対しましては、業務遂行に必要な教育訓練を行うための配慮義務を設けるなど、責任を強化することとしております。
 また、正社員を希望する方については、その道が開かれるようにするため、派遣元に対し、派遣期間の満了時に正社員になったり、あるいは別の会社等で働き続けられるようにする雇用安定措置を義務付けるとともに、派遣先に対して派遣労働者への正社員募集に関する情報提供を義務付けることとしております。
 このように、これまでなかった仕組みを設けることによりまして、希望する方の正社員化に向けた着実な取組を進めてまいりたいと思います。
#197
○滝沢求君 現在、二十六業務に従事する方の八割の方は有期雇用契約を反復更新しております。派遣元にとっては、期間制限もなく、雇用契約の満期時には雇い止めもすることができる、最も使い勝手の良い状態になってしまっているのではないでしょうか。このような不安定な雇用の下で派遣就業に固定化されかねないような状態は放置ならないのであります。
 改めて、今回の改正案が派遣切り法案でないということをしっかりと説明願いたいと思います。
#198
○大臣政務官(高階恵美子君) 労働者の雇用を安定させていく、そこの御指摘いただいているところがまさしく重要な点だと考えております。
 今回の改正案によりまして、いわゆる二十六業務に該当するか否かに関わりなく、派遣元で有期雇用される方については期間の制限の対象となってまいります。
 その期間制限が派遣で働く方の雇用の機会に悪影響を与えないよう、個人単位の期間制限の上限に達する方々に対しましては、派遣元が、派遣期間の満了時に正社員になったり別の会社等で働き続けられるようにする、こうした雇用安定措置、あるいは計画的な教育訓練等の雇用安定措置を実施することを新たに義務付けることとしているところでございます。
 この雇用安定措置の履行確保を通じて、派遣で働く方の雇用の安定を図っていくこととしておりまして、派遣切り法案という指摘は当たらないと考えております。
 なお、政府といたしましては、いわゆる二十六業務に従事しており、離職の心配をされている方々に対しましては、全国の労働局に専用の相談窓口を設置させていただきまして、個別にこれらの方々の相談に乗ることとしております。あらゆる不安の声に丁寧に対応してまいりたいと考えております。
#199
○滝沢求君 ただいま派遣元に新たに雇用安定措置を義務付けるという旨の答弁がございました。
 この雇用安定措置がしっかりと実施され、派遣先での直接雇用や新たな派遣先の確保、提供など、きちんとつなげていくことが重要だと考えております。
 この改正案において雇用安定措置は適切に履行されているのかどうか、また、行政としてこの雇用安定措置の実施状況を把握する考えがあるかどうか、そのことを伺いたいと思います。
#200
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたように、今回の改正案では、初めて派遣労働者の雇用の継続を図るための派遣会社、派遣元の責務ということを創設しております。具体的には、それが雇用安定措置ということでございまして、一定の期間に達する有期の雇用派遣労働者に対しまして、いわゆる派遣先への直接雇用の依頼でありますとか新たな派遣先の提供、あるいは派遣元での無期雇用などの雇用安定のための措置ということを講じていただくということを義務付けたということでございます。
 その履行の確保に当たりましては、やはり今回、派遣事業を全て許可制ということで、これまで四分の三が届出制となっておったところでございますけれども、許可制にするということを背景にしまして、雇用安定措置を講じない派遣会社、派遣元に対しまして都道府県の労働局でしっかりと厳正な指導監督を行って、義務の履行を確保してまいりたいと考えております。
 また、お尋ねの雇用安定措置の実施状況の把握ということでございますが、厳正な指導監督をやっていくというためにも、やはり履行状況の把握ということを行っていくということが必要かと考えておりまして、事業報告というものを取っておりますけれども、その報告事項とすることについて検討してまいりたいと考えております。
#201
○滝沢求君 ありがとうございます。
 現実に、制度が変わることで不安に感じられる国民の方も多いと思います、いらっしゃると思います。政府としては、やはりこういう声にはしっかりと丁寧に対応することが求められてくると、私はそう考えております。
 そこで伺いますが、この二十六業務に従事し、離職を心配されている方々に対してどのように対応していくのか、政府の考えを伺いたいと思います。
#202
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねの点につきましては、まさにいわゆる二十六業務に従事される方につきましても、今回、無期雇用でない形、いわゆる派遣元での有期雇用の方ということについては期間制限の対象となるということでございまして、一定の期間制限がやってくるわけでございますが、その点については、先ほど御答弁しました雇用安定措置ということがしっかり義務付けられておりますので、しっかりと派遣会社の方に雇用継続を図るという義務を果たしていただくということがまず第一で、その履行をしっかりしていくということがまず私どもとしては重要な取組かと思っております。
 加えまして、今委員の方から不安を感じている方への対応ということの御指摘がございました。
 その点につきましては、確かに、そういった御心配をされている方ということがいらっしゃる向きにはやはり親身な対応ということが必要であると考えております。この点につきましては、先ほど高階政務官の方からも御答弁させていただきました。政府としまして、こういった方々を対象にした相談窓口ということを全国の都道府県労働局に設置をして、これらの方々の御相談に乗って、不安の解消ということに丁寧に対応してまいりたいということで考えております。
#203
○滝沢求君 是非とも丁寧に対応していただきたいと、そう思います。お願いいたします。
 次に、無許可派遣への対応について伺いたいと思います。
 現在、無許可で労働者派遣を行う事業者に対して有効な対応策はございません。もちろん、労働局が無許可派遣を見付けた場合には行政指導をすることになっておりますが、許可事業者ではないために行政処分等を行うことができないわけであります。このような業者は、労働局から指導を受けると、法人格を変えてまた新たな無許可派遣を行うことが考えられます。
 一律許可制にする今回の法改正の意義を確かなものにするためにも、私は、この無許可派遣については、例えば法人名を公表するなどの対応策を検討すべきだと、そう考えておりますが、政府としてどのような対策を考えているのか、政府に伺います。
#204
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から、無許可派遣事業者に対しての対応策の検討についての強い御指摘がございました。
 実は、この点につきましては、今回の改正案の議論を公労使の方々で行っていただきました労働政策審議会の中でも御議論がございました。その中でも、やはり委員がまさに御指摘されたように、無許可派遣を行う事業主に対しましては根っこの行政処分を行う許可というものがないということで、行政処分そのものができないということでなかなか対応が十分ではないのではないかということの御議論があり、具体的には、労働政策審議会の建議の中におきましても、無許可事業者に対する指導監督についてということで、無許可で労働者派遣事業を行う者に対する行政上の措置というものを強化するということが適当であるということとされております。
 まさに、本日、委員の御指摘もございました労政審の方でもそういった御意見もございます。私どもとしましては、派遣で働く方あるいは派遣先が適切に派遣会社、派遣元を選択できるようにということで、無許可派遣を行った法人名の公表などの措置について検討してまいりたいと考えております。
#205
○滝沢求君 ただいま答弁で、法人名の公表といった、そういう措置も検討するというお話でございます。是非ともよろしくお願いをいたします。
 そして、さらに、許可事業主に対する指導監督の強化も非常に重要だと思います。労働者派遣事業については、その処分件数も増加傾向にあり、政府として業界の健全化に取り組んでいることは理解いたします。
 一方で、この処分について甘いのではないかと、そういった意見も労使双方から出ております。もちろん、比例原則、平等原則はございます。突然処分を重くするわけにはいきませんが、今回の法改正をより実効的なものにするため、処分をより厳しいものにすることも検討すべきじゃないかと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
#206
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 この点につきましては、私どももやはり派遣業者の健全化ということ、それはひいては当然派遣労働者の方の保護ということにつながるということで、私どもとしましても、厳しい中ではございますけれども、現場の指導体制の強化等も図りながら、今委員御指摘ございましたように、悪質な事業者等に対する行政処分ということも適時適切に行って、その件数も増加傾向にあるということでございます。
 ただ、その中身、内容ということにつきましても、今委員御指摘のように、繰り返しの法令違反というようなことも行っているというような業者ということも見られるということもございますので、この業界の健全化、そして業務の適正な履行の確保という観点から、今委員の方から処分をより厳しいものにという御指摘ございましたが、実効的な行政処分の在り方ということについての見直しということも今後の検討課題と、こういうことでしてまいりたいと思っております。
#207
○滝沢求君 あと通告でもう一点ございましたが、これは石井委員の先ほどの質疑とかぶりましたので割愛をさせていただきます。
 政治の大きな使命は、やはり国民の生命と財産を守ることだと思います。このためには、やはり労働法制を始めとする今回の制度の改正を通して働く方の希望をしっかりとかなえる環境づくり、これを進めることが必要であり、加えて、今の景気回復を通して雇用を拡大し、働く環境を改善していく状況を生み出していく、このことが私は必要ではないかと考えております。今の歩みを止めては私はいけないと思っております。更に前へ、引き続きアベノミクスを断行して、経済の好循環を確かなものにしていくことが私は必要だと考えております。
 一方で、今回の改正案を始め一部の政策については批判の声や不安の声もございます。この国会の場で、委員会の場で、与野党しっかりと審議を行い、国民の皆様方の不安を解消するよう、払拭するよう、これから議論を深めていこうではありませんか。是非とも政府の皆様方におかれては、今まで以上に丁寧な説明を是非とも願いたいと思います。
 よろしくお願いして、終わります。ありがとうございました。
#208
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 ようやくこの派遣法が委員会での審議に入ることができました。呪われた派遣法というふうに冒頭言われましたけれども、ここへ至るまでに修正の話もあったりして、与野党それぞれいろいろな苦労をして今日審議に入ったというふうに思います。
 私も、あと何回か質問させていただく時間あると思いますので、今日は審議の前提となることも含め、総論的なことについて確認をしながら質問させてもらいたいというふうに思います。
 一くくりに派遣労働者と言っても非常に様々な働き方があると。この労働者派遣法の改正で、様々な意見、立ち位置によって見え方もまた違ってくるという、これはある種やっぱり派遣労働者の世界が非常に多様であるという、その多様性にも原因があるのかなというふうに思います。
 正社員としての就職先が見付からないで不本意ながら派遣で働いている人、また、子育てが一段落して多様な働き方として派遣を選択されている方もあると。あるいは、エンジニア派遣というようなことで見られるように、雇用形態こそ派遣でありますけれども、その賃金については、派遣料金とは独立した、一般の正社員と同様の賃金表が整備されているというパターンもあると。新卒で採用された後、派遣元で計画的な教育訓練を受けてスキルを高めながら定年まで勤務するというような方も、派遣という一くくりの中には様々なパターンがあるというふうに思います。労働者派遣法は、こういう多様な派遣労働者の働き方についてどう規制を行い、派遣労働者を保護しようとするかという法律であるため、非常に複雑なものとなってきたという経緯もあります。
 確かに、派遣労働者は間接雇用であるということで雇用が不安定であったり、キャリアアップの機会に恵まれなかったりと、こういう問題点もあり、しかしながら、派遣労働者の多様性ということを抜きにして派遣の負の側面ばかりが強調されると、またそれによっていたずらに不安があおられてしまうという人も中にはいるわけでございます。
 派遣労働者のために大切なことは、やはり自らの働き方として派遣を積極的に選択している派遣労働者に対しては待遇を確保し、正社員を希望する派遣労働者に対しては正社員化への道を開くような様々なアイテムを、道具を用意する、キャリアアップ支援というのはその一つであると、こういう方向性については与野党も重なり合う部分はあるのではないかというふうに思っております。現行制度並びに改正案の内容について、真摯に議論を深めて国民に分かりやすく説明をしていく、こういう機会にしていきたいと思います。
 ここで、冒頭、これまでも何度も大臣述べられていることでありますが、改めて、こうした派遣労働者の多様性ということを踏まえて、本法改正案の目的、趣旨について改めて御説明いただきたいと思います。
#209
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、長沢先生から御指摘をいただきましたように、非常に多様な働く側のニーズがある一方で、経済も非常に多様化をしてきて、それらに全て対応するような形の働き方の一つとしてこの派遣労働というものが今日まで定着をしてきた面があるわけでありまして、元々これは、いわゆる労働者供給という原則禁止の働き方、あるいは労働者の供給、労働力の供給という、その中で、供給元と働く方との間に雇用関係があるものを切り出して、事業の適正な運営と派遣で働く方の保護などのために法制化をしてきたわけでありますが、先ほど申し上げたように、非正規雇用というのが雇用者全体の約三七%、その中で派遣というのは二・三%、雇用者全体のですね、という約百二十万人の方々がここで働いていらっしゃる。
 しかし、今先生御指摘のように、いろんなワーク・ライフ・バランスを考えていらっしゃる方々がおられる中で、派遣を積極的に選んでいる方、あるいは先ほどお話あったように不本意で消極的に選んでいらっしゃる方々、それぞれにとってのニーズを満たしながら、働く方々の権利を守り、そして次へのステップがより図られるようにということで、これまでにない全て許可制という中で派遣会社の質も高め、そのことによって働く方々の働き方の質も高まっていくようにということで改正案を提案をさせていただいているわけでございます。
 これまでの派遣法と比べて、例えば派遣元が派遣期間終了後の雇用継続を図るということに関しての責務が明定をされていなかった、あるいは、それぞれの働く力を強くするというキャリアアップ等々についても義務化もされていなかったということなどを含めて、先ほど申し上げたような観点から今回の改正法案を提案をさせていただいているということでございますので、今回の改正によって全ての方々が生きがいを持って安心して働くことができるような社会により近づくようにいたしたいというふうに思うところでございます。
#210
○長沢広明君 そういう多様性という中で、まず、大きく正規、非正規という分け方からちょっと入っていきたいと思うんですけれども、いわゆる非正規雇用労働者全般という問題です。
 少子高齢化が進み、企業活動のグローバル化等、社会経済情勢も変化してきていると。当然、雇用の現場というのも大きな変化をしてきていると。特に、グローバル競争に対応した企業活動の多様化、働く時間というのも二十四時間の働き方の中でどう位置付けるかということも変わってきていますし、労働生産性の向上、こういうこともその見方によって変わってきていますし、長期的な人口減少社会という中でいえば、社会の元々持っている潜在的な力をどこから引き出すかという角度も大事な角度になってきています。
 若者、女性、高齢者も障害者も、それぞれが働くことによって社会に参加し、そして社会の一員として力が発揮できるような、そういう社会にするためには、雇用の機会を提供する、これ非常に大事なことになってくると。こういう全員参加型社会を目指すということは、我が国の成長にとっては非常に大事なことであり、そこにどういう手を打つかということは私たちの政治の役割でもあると思います。
 そのためには、従来のいわゆる終身雇用ということを前提とした日本型雇用システムではなかなか対応が難しくなっている、多様な働き方を制度としてしっかり位置付けるということが必要だというふうに思います。そういう多様な働き方を考える際に課題となるのが、非正規、正規という、特に非正規雇用の在り方になるわけです。労働市場が正社員中心の労働市場と非正規雇用労働者中心の労働市場に二分化してしまうと、いわゆる格差が固定化する、貧困等様々な弊害がそこに生じてくる。そうではなく、ある意味、人生の各ステージにおいて、それに見合った働き方が可能になっていくような、そういう制度設計というものも必要だというニーズが社会的に生まれてきているというのも現実であります。
 改正案の各論の議論に入る前に、こういう非正規雇用労働者の全般に関して、どういう環境にあるかという認識をきちんと確認しておきたいと思うんです。
 前提として、数字をまず簡単に挙げてもらいます。雇用者数における非正規雇用労働者の割合はどう推移してきているか、非正規雇用における、その中にもいろいろ、パートタイム、派遣労働など雇用形態別の内訳についてはどういうふうに見えるのか、できるだけ分かりやすく簡潔に報告してもらいたいと思います。
#211
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今お尋ねの非正規雇用労働者数全体の動き、数字でございます。まず、二〇〇四年、平成十六年には千五百六十四万人おられたわけでございますけれども、それが二〇一四年、平成二十六年には千九百六十二万人に増加しております。割合で申しますと、役員を除く雇用者に占める非正規雇用労働者の割合は、三一・四%から、先ほど大臣の方からも申し上げましたとおり、三七・四%ということで高まっているということでございます。
 内訳でございますけれども、二〇一四年の非正規雇用労働者の中での内訳ということになりますが、パートの方が九百四十三万人、約四八・一%ということで一番多うございまして、次いでアルバイトの方が四百四万人、二〇・六%、契約社員の方が二百九十二万人で一四・九%、派遣社員の方が百十九万人で六・一%、嘱託の方が同じく百十九万人、六・一%となっております。
 一点付言させていただきますと、先ほどここ十年間の非正規雇用労働者の状況ということで動きを申し上げましたけど、この十年で見ますと、その増加の要因については、高齢化に伴う高齢者層での継続雇用によるものと、あと主婦層を中心としての女性の職場進出によるパートの増加というものによることによって増加分の約九割を占めるという状況になっているという動きがございます。
#212
○長沢広明君 非正規労働の中には、派遣労働だけではなくて、パート、アルバイト、契約社員と、様々な形態があるわけであります。一部に非正規雇用労働イコール派遣労働というふうに誤解されている方も世間的にはいるわけなんですが、総務省の労働力調査でいうと、先ほどもちょっと大臣の発言の中にもありましたが、雇用者全体の派遣労働者は二・三%、そして非正規雇用労働者の中で占める割合は派遣労働者は六・一%程度と、これ二〇一四年の数字でございます。
 派遣労働者の総数だけ見ると、非正規雇用全体の問題とこれはまた全然ちょっとそういう意味ではボリュームが違うということが一つ、非正規雇用を考える上でミスリードしないための視点の一つではないかとは思います。ただ、他の非正規雇用と比較して派遣労働という雇用形態が非常に特有な点、それは間接雇用であるというところが非常に特有になるということでございます。
 そこで、まず非正規雇用労働者の賃金の状況について伺います。午前中、石橋委員が、労働者の賃金カーブという年齢階級別の数字を出していただいていますので、これを見ると分かるんですけれども、一応伺います。
 非正規労働は、非正規雇用はもう全体としては低賃金が課題だと言われていますが、正社員、派遣労働、契約社員、パート労働、それぞれ賃金水準を見るとどういう言い方ができるか説明してください。
#213
○政府参考人(坂口卓君) データを申し上げます。
 お尋ねの賃金の状況でございますが、まず平成二十四年の賃金構造基本統計調査によりますと、一時間当たりの賃金でございますが、正社員の方は千九百二十一円であるのに対しまして、契約社員の方は千百九十八円、パートの方は千二十六円となっております。また、派遣労働者の方につきましては、平成二十四年の派遣労働者実態調査によりますけれども、こちらの方は派遣労働者の方は千三百五十一円となっておるところでございます。
#214
○長沢広明君 こういうふうにいって、雇用形態別の時給で比較すると、派遣労働者は非正規労働の中でも比較的賃金が高いという数字になっちゃうわけですね。ただ、これは、派遣労働の中には高い専門性を持って働いている派遣の方がいらっしゃる、そういう意味でも派遣労働者の中も多様であると、こういうことであります。
 また、比較的時給が高いということと雇用が安定しているかということは、これは全くそれもまた別の問題ということになりますので、働き方に課題を抱えているということは同様なわけであります。対応策を考えるに当たって、同じ非正規という雇用の中であっても、いわゆる家計を補助するために主婦がパートタイムで働くという働き方と、主たる生計維持者が非正規雇用で就労する場合では、当然、施策の角度も全く変わってくるのは当たり前だと思います。
 そこで、非正規雇用の課題と利点を改めて確認しておきたいと思いますが、非正規雇用の課題として、昨今、ワーキングプアの存在とか非正規雇用労働問題がクローズアップされております。こういう中で、多様な非正規雇用労働者の実態について今ここまでずっとお話ししてきましたが、非正規雇用者労働の実態の中で何が課題と考えて政府は捉えているか、端的にこれも説明してもらいたいと思います。
#215
○政府参考人(坂口卓君) ポイントをお答え申し上げます。
 非正規労働、非正規雇用という働き方につきましては、やはり正規雇用の方と比べて雇用調整の対象等にも景気後退局面でなりやすいという意味での雇用が不安定であるということが一点ございます。また、先ほども比較がございましたけれども、低賃金であって年齢や勤続年数等による賃金上昇も少ないという点がございます。また、社内における教育訓練等の能力開発の機会ということについても正社員等の方に比べるとやはり不足しているという点があろうかということで認識しております。
#216
○長沢広明君 かつて、パートというような非正規雇用が雇用の調整弁として問題になっていた時代もあります。今は、でも、この非正規雇用全体が単純に雇用の調整弁と言えるほどボリュームは小さくないという問題があります。
 そこで、じゃ、非正規雇用の利点とは何なのかと。派遣とかパートという非正規雇用労働者を雇う側の企業のニーズは何か、そして、非正規雇用という就労を働き方として積極的に選択する働く側のニーズは何か、この点についてどういう認識を持っているか、確認させてもらいたいと思います。
#217
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの非正規雇用の利点の面からでございますけれども、まず、今ございました一点目の方、企業側の観点、ニーズから見たという場合につきましては、やはり企業側のニーズからは、特定の時期における繁閑への対応ということであったり、一定の労務コストの縮減というようなことのためであったりということがございますし、また、即戦力あるいは能力のある人材を迅速に確保、あるいは専門的業務への対応というようなことをこの非正規雇用労働者を雇うという主な理由ということで企業側としては挙げられているということで承知をしております。
 一方で、今度は働く方の側のニーズということになりますけれども、こちらの方は、非正規雇用を選択する理由としましては、やはり御自身の都合の良い時間に働きたいということ、それから家計の補助、学費を得たいというようなこと、それから、一点目と若干似通いますけれども、家事、育児、介護等と両立しやすいというようなことを理由に挙げられているということが多いということで承知をしております。
#218
○長沢広明君 例えば、正社員というふうな世界は、これまでも言われてきている新卒で一括採用、終身雇用、そういう意味では雇用の安定、待遇確保という面ではメリットは大きいけれども、例えば残業、転勤というような形では使用者の権限が大きい、こういう正社員中心の労働市場があると。
 そういう中で、例えば職業生活の途中で育児や介護、何らかの理由で労働市場から中途退出せざるを得なかったとか、あるいは残業、転勤ありのフルタイムでの働き方が事実上困難な方とか、そういう方が労働市場に参加することを困難としているという面が正社員中心の労働市場にはあると。
 一方、非正規雇用労働者を単純に制限すると全ての問題が解決するわけではないと。例えば、労働者派遣について言えば、派遣という雇用形態を選択する労働者のニーズと、派遣労働者を使う企業側のニーズをマッチングさせて、そこにさらに間接雇用という特徴に由来する不安定な雇用形態の問題がそこに横たわる、これをどう改善するか、こういう角度が求められているというふうに思います。
 ちょっと一問飛ばします。
 こういう状況を受けて、こういう現状で、いわゆる非正規雇用問題について、まず一つは、非正規雇用労働者のうち望まずに非正規で働いている方々への対応というのが一つ。それからもう一つは、雇用が不安定で賃金が低い、能力開発機会が乏しい、セーフティーネットが不十分といった非正規雇用の課題を踏まえた対応、こういうこと等を含めて、雇い入れる企業側のニーズと併せて取り組むということが非常に角度として重要になってくるという整理が少しできてくるわけですね。
 希望せずに非正規労働者として就労している方々について、希望する働き方への転換、又は賃金を始めとした待遇の改善、これをどう図っていくかという非正規雇用労働者に対する取組、これについて説明をしてください。
#219
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたとおり、この非正規労働者の方については、まず正規雇用の仕事がないということから非正規雇用に就いておられて正社員を希望する方というグループがあって、そういう方々については正社員化の促進ということにしっかり取り組んでいくということが大事かと思っております。また一方で、積極的に非正規雇用を選ばれている、先ほど申し上げたような理由ということもあって選ばれているという方々につきましても、やはり非正規雇用の特性に応じた課題ということがありますので、その課題の解決ということをしていかなければならないということかと思っております。
 派遣労働については、今回もいろいろな法案の中身であるわけでございますけれども、非正規雇用全般といたしましても、私ども厚生労働省としまして、現在、正社員実現加速プロジェクトということを推進しておりまして、その中で、例えば若者のフリーターの問題等につきましては、わかものハローワーク等においての担当者制によるきめ細かな支援ということを行いましたり、あるいは先ほどありましたような正社員化というような方向での転換を進める、あるいはキャリアアップの処遇改善というようなことにも資するような取組を人材育成等々、事業主が取り組まれるという場合の支援というために、例えばキャリアアップ助成金というようなものを支給したり、あるいは正規雇用、常用雇用というようなことにつながるようにということでトライアル雇用奨励金というようなものの活用の促進というようなことも図るという取組をしておりまして、こういう取組を通じて正社員を希望される方、あるいは非正規を積極的に選ばれている中でどう処遇改善をしていくかという方々への対応ということに取り組んでいるというところでございます。
#220
○長沢広明君 今ちょっと話の中に出てきましたキャリアアップ助成金ですけれども、これ去年の八月に我が党の青年委員会が各地域で膝詰めの青年との対話をやっていく中で、若い人たちの中から自分たちのキャリアアップというか、そのためのチャンス、機会というものをもっと広げてもらいたいと、キャリアアップ助成金の拡充ということを我が党の青年政策のアクションプランの中に提言をしたところでありますので、そういう非正規雇用労働者に対する全体の取組、これしっかり力を入れてもらいたいと思いますが、ちょっと関連して、そのキャリアアップ助成金の目的、利用実績が平成二十七年度についてはどういう拡充内容になっているか、ちょっと確認をさせてください。
#221
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねのキャリアアップ助成金でございます。先ほども少し触れさせていただきましたけれども、この助成金は有期契約の労働者の方、パートタイムの労働者の方、派遣労働者の対応というようなことで、そういった方々のキャリアアップを促進するために正規の雇用転換の取組であったり、あるいはそういった人材育成の取組であったり、あるいは賃金テーブルの改善等の処遇改善などの取組を実施された事業主の取組を支援するための助成制度でございます。
 まず、利用実績でございますけれども、平成二十六年度における実績でございますけれども、この助成金につきましては、支給の前提としてキャリアアップ計画、お取組の計画を提出していただきますが、その認定件数が約三万四千件に上っております。実際、正規雇用転換等につなげられた人数でございますけれども、約七千七百人ということになってございます。
 もう一点お尋ねの、二十七年度の拡充の内容でございますけれども、まずもってその正規転換の関係ということについて特に申し上げますと、一つには、事業主の方が派遣労働者の方を正社員として直接雇用された場合の助成額を全体として今一人当たり六十万円だったものを八十万円へ増額ということにいたしております。
 また、先ほど委員の方からまさに非正規雇用の問題点としてもありました正規、非正規の二極化ということを解消するという観点から、一定の勤務地あるいは職務の限定の正社員制度というようなものも一つのステップということでございますので、そういった制度を新たに導入された企業に対する助成ということも創設したところでございまして、全体として予算額として約二百二十億円に増額した上で今年度取り組もうということで予定をしておるというところでございます。
#222
○長沢広明君 正社員、直接雇用になった場合の拡充とか、それから正社員といってもちょっと幅を少し持たせた、そういう制度をつくったところへの拡充とか、ある意味では二極化を防ぐための手は打たれているということですので、そういうことを踏まえた労働市場に対する対応、しっかり今後も進めてもらいたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 ここから改正案の各論に入りたいと思います。まず、特定労働者派遣事業の廃止の問題です。
 今回は、改正案で特定労働者派遣事業を廃止するということになっておりますし、特定労働者派遣事業は常時雇用する派遣労働者のみの労働者派遣を行う事業ということで、雇用が比較的安定しているということのために届出により行うことができるというふうになっていると承知をしておりますが、今回の改正でこの特定労働者派遣事業をなぜ廃止するのか、また特定労働者派遣事業は現在廃止するに至るどのような問題を抱えているのか、説明をしてもらいたいと思います。
#223
○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘ございました特定労働者派遣事業の扱いということでございます。現在も全体の派遣事業者の中で特定労働者派遣事業で事業を実施されているのが七六%ということで、約六万弱の事業所が届出制で行われているということでございますが、この事業者の方々皆ということでは当然ないわけでございますが、労働政策審議会で今回の見直しを御議論されている中においても、やはり特定労働者派遣事業につきましては、今委員御指摘があったように、本来は常時雇用する労働者のみを派遣する事業形態ということであるはずなんですけれども、実態的には有期雇用の方が多く含まれているというような実態があるということ。それから、今申し上げましたように、特定労働者派遣事業というのは届出制で行えるということでございますが、許可要件を満たせないというために、言わば特定労働者派遣事業を装っているというような事業者も少なくないというような問題点もあるということで、今回この改正案の中では、労政審の建議の中でも、全体の労働者派遣事業の質の向上、健全化ということを図るために、一般、特定の二つの区分を廃止しまして、全て許可制ということにするということにしたというところでございます。
#224
○長沢広明君 今ありましたとおり、特定労働者派遣事業といっても、実はその中身がそのとおりになっていないという実態的な問題があるということですが、派遣労働者の数で比較しますと、一般派遣事業に雇用される派遣労働者が百万人弱、特定労働者派遣事業で派遣されている労働者が三十万人弱です。したがって、特定労働者派遣事業の方が一般労働者派遣事業よりも人数的には三分の一以下であるにもかかわらず、近年の行政処分の件数を見ると、特定労働者派遣事業が一般労働者派遣事業を行政処分の件数では上回っているわけですね。そこは数字の上でそういう課題が現れているということだと思いますが。
 このことを踏まえると、事業の質の向上を図る、それからいわゆる派遣労働者を保護するためということを考えれば、特定労働者派遣事業を廃止して許可制に一本化するということは、これは必要なことではないかというふうに思います。
 一方で、必要なことであるけれども、特定労働者派遣事業者に雇用される三十万人弱の方々がいる、実際ここにいると。その派遣労働の方がこれで一気に職を失ってしまうというようなことがあってはならないというふうに思いますので、特定労働者派遣事業者に雇用される派遣労働者の雇用をしっかり安定させるということのためにも、ここは何らかの激変緩和の措置が必要だというふうに思います。
 きめ細かな対応をして、この部分にいらっしゃる派遣労働の方の職を守るということが大事だと思いますので、現時点でこの点についてどういう対策考えているか、あれば述べてもらいたいと思います。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
#225
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方からも御指摘がございました。特定労働者派遣事業につきましては、先ほど申し上げましたような観点から、今回区分をなくして許可制に一本化するということでございますが、先ほど申し上げましたように、全ての特定派遣事業者がああいった問題を抱えているということでもないということもございますし、まさに委員御指摘のとおり、現に雇用されている労働者の方がいるということも非常に大事な点でございます。
 そういった観点から、やはり特定労働者派遣事業を今行っている方が、いわゆる適正にしっかり許可制に移っていただくということは非常に有用でありますので、今般の改正法案の中では施行日から三年間は経過措置ということで、常時雇用される労働者のみを派遣する労働者派遣事業を許可を受けなくても引き続き事業を行うということができるような経過措置をこの法案の中にも盛り込んでおるというところでございます。
 また、許可を受けるに当たりましては、一定の現在財政的な基礎となる資産というものを有していただくということが許可要件、許可基準ということになっておりますけれども、特にやはり小規模の方々への配慮ということから、そういった資産要件の軽減ということについても考えておるところでございます。
 それから、さらに、先ほど申し上げましたような経過措置を三年設けているといいましても、やはり小規模な事業者等々も多くおられるということでございますので、いろいろお悩みやら御相談ということもあろうかと思いますので、予算事業として、この特定労働者派遣事業を営んでおられる中小事業主の方々に向けてのいろいろ相談あるいはセミナーというようなことを行う中で、移行に向けての情報提供というようなことを行うということを行ってまいりたいと考えておりまして、そういった点での円滑な移行等も含めての支援ということをしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#226
○長沢広明君 今申し上げましたとおり、特定労働者派遣事業が廃止されるとはいえ、そこで三十万人弱の派遣労働者の方々がいる。その方々に対する、守る措置はきちんと手を打っていただきたいということを改めて申し上げさせていただいて、次に移りたいと思います。
 キャリアアップ措置のことについて伺います。
 実は、キャリアアップ措置をきちんとこの改正案の中に位置付けたということは、私たち公明党からしても非常に高く評価したいというふうに思っています。
 派遣労働者にとって自分の職業能力を形成する機会が乏しい、こういう問題点についてきちんと対応すべきであるということで、今回、派遣元の事業主にキャリアアップ措置を義務付けることにしたと。この派遣会社等による派遣労働者のキャリアアップ措置の法制化というのは、先ほども申し上げたとおり、我が党の青年委員会から提案していたことでもあり、派遣労働者の方がキャリアアップを図ることができる環境を整備するということは大変重要で、これは意義深い改正だと思います。そこで、この意義深い改正をきちんと実効あるものにしていく努力をこれからお願いしたいというふうに思うんです。
 キャリアアップ支援というのは二種類、二方向と言った方がいいですかね、二方向あると思います。一つは、派遣労働者がスキルアップをすることで、あるいは雇用の機会を得ることで、正社員などの希望する働き方に移っていくためのキャリアアップ支援ということ。もう一つは、派遣労働者として働き続けることを希望する、派遣労働者を続けているけれども、スキルを磨くことによって評価が上がり、待遇が良くなっていって、より高度な派遣就労につながるという方向性と。こういうことが、ちゃんと方向をきちんと定めたスキルアップ、キャリアアップということが必要だというふうに思いますが、今回の改正案により措置されるキャリアアップ措置の内容について、まず分かりやすく説明してください。
#227
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありましたキャリアアップ措置でございます。狙いは、まさに今委員の方から御指摘があった点そのものでございまして、派遣労働者に対してのキャリアアップを図る環境ということを派遣会社を中心にしっかり図っていただこうというものでございます。
 具体的には、今回の改正案におきましては、派遣会社、派遣元事業主に対しまして、派遣期間等を通じて計画的な教育訓練、それから、派遣労働者の求めに応じまして、希望される方についてはキャリアコンサルティングの実施ということをしっかりと実施していただくべく、新たに義務付けるということとしております。
 それから、また、派遣先におきましても、こういった派遣会社の取組がうまく回りますようにということで、派遣労働者のどういった職務能力の状況ということを派遣会社の方が把握しながらでないと、まさに委員が今御指摘あったような、正社員に向けてであったり、あるいはより熟度を高めるというような、能力を高めるというようなキャリアアップのメニューということをどう組んでいくかということができないわけでありますので、派遣先においても、派遣会社においてキャリアアップ措置が適切に講じられるように、派遣労働者の職務遂行の状況でありましたり、あるいは職務遂行の向上の度合いというものに対しての情報ということを派遣会社の方に提供するという努力義務ということを設けるということにしております。
 その上で、やはりその派遣で働く方のどういったキャリアアップに資するかということについて、審議会等でも御議論の上、しっかりとしたキャリアアップの支援のための仕組みということを形作ってまいりたいと思っております。
#228
○長沢広明君 今あったとおり、法成立後に労政審で議論するというのが、このキャリアアップ措置の詳細ですね、詳細をこの後議論するということになっていますので。
 ただ、申し上げておきたいのは、例えばキャリアアップと一言で言っても、もう少しやっぱり具体的なイメージを描けるようにしないと、実際現場で働いている派遣労働の方、当然キャリアアップ措置を実行しなければならない派遣元の事業主含めて、派遣を受けている派遣先の方にとっても、その中でキャリアアップを派遣先で仕事をしてもらいながらどういうふうにするのかという様々な具体的な問題生じてまいります。
 登録型派遣で働く人に対するキャリアアップ措置と無期雇用派遣で働く方に対するキャリアアップ措置、それぞれ派遣労働の形態に合わせたものも必要ではないかというふうに思いますが、もうちょっと、登録型派遣とか無期雇用派遣とか、それぞれの場合の具体的な内容、イメージというのを描けるような説明は現段階でできるものなのでしょうか。できるのであれば、してもらいたいと思います。
#229
○政府参考人(坂口卓君) キャリアアップ措置につきましては、今委員も御指摘ありましたように、当然、具体的には個々の派遣会社で、その派遣会社の業務でありましたりとか、あるいは派遣で働く方の今の能力がどういった状況か等々に応じて、それぞれの派遣会社でまさに計画的なキャリアアップに資するような教育訓練の計画ということを策定していただいて実施していただくということになるわけでございます。
 具体的には、入職時であったり、節目節目の教育訓練ということをやっていただくということになろうかと思いますけれども、今、登録型あるいは無期雇用派遣のそれぞれの場合ということでお尋ねがございました。
 今申し上げましたとおり、いろいろ派遣会社等々、状況によって違うかと思いますので、あくまで例示としてということでお聞きいただければと思いますけれども、例えば登録型の方ということになりますと、有期の派遣で働く方になってまいりますので、比較的に短期にステップアップが可能な訓練というようなことの実施のメニューということを御用意していただくということが必要かと思いますので、例えば経理の助手というような形で派遣されるということであれば、その間に並行して経理に関する基礎的な知識を一通り習得するような研修というものをしっかり御用意していただくというようなことが必要かと思いますし、他方で、もう一点御指摘があった無期雇用派遣というようなケースということになりますと、まさに長期的なキャリア形成ということを派遣会社の方でもやはり視野に入れて、どういったメニューが必要かということを考えて計画を立てていただくということが必要になってこようかと思っております。
 ということですので、これも例えばということでございますけれども、エンジニアの方というようなことになれば、より最新の技術を引き続き身に付けていただくような研修であったり、あるいはステップアップをしていただくための例えばグループリーダーになることを見据えた研修というようなことを、やはり長期的なキャリア形成を視野に入れた形での計画的な教育訓練というようなことを御用意いただくというようなことが求められるということで考えております。
#230
○長沢広明君 なかなかちょっと、少しイメージができるようになりました。短期とそれから長期ということで考えると、こういうような研修の例えば方向性というものも考えられる、考え得るということで、少し見えましたが、もうちょっと具体的な、もう少しイメージできるようなふうにしてもらいたいなというふうに思います。
 このキャリアアップ措置は、私たちも非常に注目をしておりまして、これはもうきちんと進めていけば、正規、非正規の格差の拡大とか、非正規の固定化を防止するという意味で大きな意味がある、そういう措置だと思います。
 この措置を派遣元事業主に義務付けるに当たっては、行政としてその実施状況をしっかり把握してもらいたいと。これは本会議での質問のときにも私の方から指摘をさせてもらいましたが、キャリアアップ措置の実効性を確保することが必要だと。厚生労働省として、どのようにその実施状況を把握していくか。きちんと把握して、キャリアアップ措置をこの法案の中に入れた、これは非常に大きな柱ですので、これはしっかり実効性を持っていくために対応してもらいたいと思います。その点についてはどういうふうに考えているか、お願いします。
#231
○政府参考人(坂口卓君) キャリアアップ措置の実効性確保、実施状況の把握ということにつきましては、まさに委員御指摘のとおりであろうかと思っております。
 ということで、私どもとしましても、派遣会社におきます実施状況をしっかりと把握するということが重要であるということで認識をしておりますので、これは、この法律で規定しますキャリアアップ措置の実施状況というものにつきましては、毎年、行政への事業報告ということでしっかりと求めるということを予定をしております。
 また、そのほかにも、当然、都道府県労働局等で定期的な指導監督等もやっておりますので、そういった中で、厳正にチェックをして指導を行うということで実効性を確保してまいりたいと思っております。
#232
○長沢広明君 この法案がもし成立をして施行された場合、このキャリアアップ措置をきちんと把握することも大事ですが、それの効果をどう評価するか、検証するということも大事だというふうに思いますので、効果に対する分析、検証、こういうことも視野に入れておいて進めてもらいたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 均衡待遇についてお伺いをします。
 キャリアアップとともに、派遣先の労働者と派遣労働者の均衡待遇の確保というのも重要な課題であります。均衡待遇の確保については、前回の平成二十四年改正の際、この規定が設けられたというふうに承知をしております。今回の改正でも均衡待遇の確保のための取組を強化しているというふうに言えると思いますが、具体的にどういう規定だか、説明をしてください。
#233
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今回の改正におきまして、平成二十四年で盛り込んだ均衡待遇の確保のための取組について更に強化しておりますけれども、具体的には、派遣先と派遣元の派遣会社の方と二手でそれぞれの強化ということを図ってございます。
 まず一点目、派遣先でございますけれども、派遣先につきましては、二十四年改正の中では、派遣で働く方の派遣先の状況に応じて派遣会社の方で均衡に配慮した賃金決定を配慮するようにという義務が入りましたけれども、そういった配慮義務を適切に実施していただくためにも、やはり派遣先の方の状況、情報ということが分かっていなければならないということで、今般、派遣先についても、派遣先労働者の賃金等の情報を派遣元、派遣会社の方に提供するという配慮義務を新たに設けております。
 また、教育訓練につきましても、派先の労働者と密接に関連するような場合についての実施についての配慮義務、それから、福利厚生施設の利用につきましても、特に給食施設、休憩室、更衣室につきましての利用の機会の提供ということについての配慮義務の規定を設ける。具体的には省令で定めるわけでございますけれども、そういった点の福利厚生施設の利用機会の提供ということについての配慮をしてもらおうということで考えてございます。
 それから、もう一点、派遣会社、派遣元の方でございますけれども、こちらの方につきましては、そういった派遣会社、派遣元の方に二十四年改正法で盛り込んだ取組をしっかり履行していただく、さらには派遣労働者の方にも納得していただくということもございますので、派遣で働く方の求めに応じまして、派遣先の労働者の賃金水準の情報等、均衡待遇の確保のために派遣会社の方でどういった考慮をしたかという事項について派遣労働者の方に説明をしなければならないという義務を課すということと新たにしておるということで、こういった新たに盛り込んだ義務ということで、しっかり均衡待遇の確保という取組を行ってまいりたいということで考えております。
#234
○長沢広明君 均衡待遇と均等待遇、この議論というのがございます。同一労働同一賃金原則を我が国でも導入すべしと、この議論、私たちも十分理解できる議論ではございます。
 例えばEUを見ると、EU諸国の派遣労働者に関する均等待遇制度ということについても、EU指針の原則はあるけれども、各国が実際に運用するに当たっては例外が認められているとか、実際は様々な凸凹というか種々雑多という、まだらになっているわけでございます。
 そういうことも考えると、拙速に事を運ぶのではなく、まず諸外国の制度も含めて調査研究を行い、それを基に我が国の雇用制度、世界の中でもちょっと特殊な雇用慣行というものもあるこの我が国にとって、その中でどう実効性ある仕組みとして同一労働同一賃金原則を組み込んでいけるのかどうか。
 そういう意味では、本当に派遣労働者の方のためになるようにしっかりやっていかなければいけないと思いますし、均等・均衡待遇の確保に係る今の話のあった取組もしっかり強化をして、派遣労働者の暮らしを守っていくということが大事だというふうに思います。
 改正案では、附則の中に、均等・均衡待遇の確保の在り方を検討するための調査研究を行うことというのが定められました。諸外国の制度の研究などを行って我が国の雇用制度の中で実効性ある仕組みを導入することについての厚生労働省の見解、意気込みを伺いたいと思います。
#235
○政府参考人(坂口卓君) 御指摘の均等・均衡処遇の確保の問題につきましては、私どもとしましては、まずもっては先ほど御紹介したような、今回改正案に均衡待遇に向けた取組ということの強化を行うこと等盛り込んでおりますので、その取組をしっかり履行確保をしてまいりたいということが一点でございますが、まさに委員から今御指摘ございましたように、今般、改正法案の附則の二条の三項の方に均等な待遇及び均衡の取れた待遇の確保の在り方について検討するために調査研究等を行うという附則の規定を盛り込んでおります。
 というところで、やはりこの規定を踏まえまして、私どもとしましては、派遣で働く方の更なる処遇の改善のために、先ほどもまさにこれも議員の方から御指摘ありましたけれども、なかなか私どもも、諸外国の状況といっても、制度的なものも若干拝見している部分はあるんですけど、じゃ具体的にどういう運用をされているか、あるいは制度の詳細というようなところについてなかなかしっかりつかめていないというようなところがございますので、そういった諸外国の実態等々も調査研究をした上で、そういう材料を集めていろいろ広範な御議論をいただいて、しっかり我が国の雇用制度の中でどういう仕組みが、取組ができるかということを検討してまいりたいということで考えております。
#236
○長沢広明君 今日は、かなり総論、大きい、正規、非正規というところから問題を整理させてもらいました。各論においては、期間制限の見直しとか雇用安定措置とか、まだまだ課題を整理したいと思っている問題もありますので、また後日議論させてもらいたいと思いますが、今日の最後に、この改正案、ここまでちょっと総論的に触れてきましたけれども、派遣労働者の方々のための改正の内容としての柱というものが幾つか中に入っていると。派遣事業を全て許可制にする、あるいは派遣労働者に対するキャリアアップ措置を新たに義務付ける、あるいは派遣労働者の待遇確保策を更に強化していくと、こういうようなことは、今置かれている派遣労働者の方々の環境を改善することに向けた改正案であるというふうに思っております。
 ただ、様々な意見もあり、この内容について国民の皆様にも理解してもらう必要がありますし、派遣労働者の方々に対してもまた御説明を更にしていく必要があるというふうに思いますが、こうした規定を政府として責任を持って運用していくことで、今回の法改正によって派遣労働者の方々の働き方の改善に、状況の改善につなげていくということについての政府の決意を最後お聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#237
○副大臣(山本香苗君) 長沢議員御指摘のとおり、今回の法改正の案におきましては、派遣元に対しまして、例えば雇用安定措置の義務化であったり、計画的な教育訓練等の義務化ということも初めて今回つくらせていただくわけでありまして、先ほども坂口部長の方から答弁させていただきましたとおり、派遣を希望する方の待遇を一層改善するためにも様々な内容が盛り込まれているわけであります。
 そして、これらの義務等をしっかりと履行しない場合におきましては、都道府県労働局において厳正な指導等を行わせていただきたいと思っておりますし、また、派遣元事業主に対しては、労働者派遣事業を全て許可制とすることを通じまして、その履行をしっかりと確保しながら、働く方それぞれの選択がしっかりと実現できるような環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
 そして、この内容について、事業主に対する説明会、リーフレットの作成等を行うのはもう当然のことでありますけれども、関係団体の方々の御協力もいただきながらその周知に万全を期していきたいと考えておりまして、厚労省を挙げてこの派遣労働者の方の働き方の改善につなげていけるように頑張ってまいりたいと思います。
#238
○長沢広明君 終わります。
#239
○川田龍平君 よろしくお願いします。
 法案審議の前に、精神医療について短く伺います。
 通院医療を通じ自立生活と就労を目指すことは、本人にとってはもちろん、国家財政上も労働政策上も望ましいことです。しかし、先週、東京都内の福祉事務所に、ある精神科クリニックから相談員が派遣され、自分のクリニックに誘導し、生活保護費もクリニックが管理しているという驚くべき実態が精神障害者の囲い込みだとして報道されました。
 生活保護費がそっくり現金書留でクリニックに送られていたとのことですが、住居が分かっているのに通院先に送ること、許されるのでしょうか。金銭管理ができていない精神科通院の受給者に対して、通院先にその管理を丸投げするのではなく、福祉事務所は市民後見人制度など権利擁護の仕組みにつなげる努力をするべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#240
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。
 生活保護におきます保護金品でございますけれども、これは、受給権を有する御本人に確実に渡る、交付するということが言うまでもなく原則でございます。したがいまして、保護の実施機関が受給者に保護金品を給付するに当たりましては、確実に交付できるように銀行口座への振り込み、これを原則といたしております。ただし、口座をお持ちでない方など、これにより難い場合がございますので、そういった場合には本人宛ての現金書留あるいは窓口払いによる交付も認めているという状況でございます。
 こうした中で、御指摘のように、現金書留の場合に、これ住所が分かっております場合にはやはり確実に本人に交付することが必要でございますので、本人の金銭管理能力などの状況も考慮する必要はございますけれども、原則としては居住地に送付されるべきものだというふうに考えております。
 今回の事案、まだ報道段階でございますけれども、いずれにいたしましても、東京都を通じまして状況を適切に把握をして、また適切な指導が行われるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#241
○川田龍平君 大臣、いかがでしょうか。
#242
○国務大臣(塩崎恭久君) 生活保護の受給者が計画的な金銭の消費ができない場合、福祉事務所がこの生活保護受給者の自立の助長の観点から家計管理を助言、指導する立場にあるということはそのとおりだと思いますが、生活保護法では生計の状況を適切に把握することを受給者の責務として規定をしているわけでありますから、福祉事務所が必要に応じてレシート等の保存とか家計簿の作成を求めるとともに、自立支援のプログラムによって本人同意の下で金銭管理の支援を行う取組を自治体において実施することとしているわけであります。
 今回の事案においては、本人に必ずしも生活保護の支給が行われていないというか届いていないということもあるかのようなふうに報道されているわけであります。それで、一方で、生活保護の受給者が施設等との契約に基づいて交付を受けた保護費の管理を施設等に委託することはあり得るわけではありますけれども、今申し上げたように、今般の事案で指摘されているような形で、本人の了解のない中で一方的な金銭管理が行われているという不適切なものがあるのではないかということが指摘をされるわけでありまして、今回の事案を踏まえて、福祉事務所において適切な対応が図られなければならないと思いますので、そのようにしてまいりたいと考えておりますが、その中で、今後どういうふうな形でこの生活保護の金銭が、自ら消費できない方々にきちっと生活保護費が受給されるようにするかということについての仕組みなどを考えていかなきゃいけないと思いますし、最近は成年後見人とかあるいは社会福祉協議会などの支援が適切になされるべきという考え方ももちろんあるわけでございますので、事案をよく見て考えていきたいと思います。
#243
○川田龍平君 本人宛てであっても、通院先に送るというのは極めて不適切ですので、大田区などには厚労省からも技術的助言をすべきと考えます。
 また、市民後見人制度は周知が進んでいません。今回問題が指摘された大田区、港区、江戸川区は、人材養成の補助事業を実施していないなど、自治体の取組にもかなり偏りがあります。厚労省はもっとリーダーシップを発揮すべきです。
 生活保護の窓口に精神保健福祉士を業務委託している自治体は全国にどのくらいありますでしょうか。
#244
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘のありましたいわゆる健康管理の支援事業の業務委託でございますけれども、この中で精神保健福祉士の配置を要件としている自治体でございますが、港区、大田区、江戸川区という報道されました三区以外で十三の市と区があるというふうに承知をいたしております。
#245
○川田龍平君 事前にいただいた資料では、東京都で九区三市、北海道と富山県で一市、福岡県で二市だそうです。これらの自治体でもいわゆる囲い込みが起きていないか、全国的な実態把握を進めていただきたいと思います。
 さらに、問題となっている医療法人の理事長は、有限会社をつくって取引を行い、派遣労働者を関連業務に派遣しているとの話もあり、調査をしているところです。その結果次第では今後の派遣法案の審議にも関わってくる可能性があります。
 非営利であるべき医療法人の巨額の収益構造、また、派遣業登録をしている有限会社との関係について実態をしっかり調べていただきたいと思いますので、大臣、よろしくお願いいたします。是非調べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#246
○国務大臣(塩崎恭久君) よく調べてまいりたいと思います。
#247
○川田龍平君 ありがとうございます。
 それでは、派遣法の質疑に入りますが、二〇一二年三月、労働者派遣法の前回改正の際に、私は、派遣労働者の方々の同一労働同一賃金を実現し、派遣労働者が正社員と同等に評価される社会をつくるべきであり、また、賃金だけではなく派遣労働者の健康管理面でも十分な保護が図られるべきと主張いたしました。
 あれから三年余りがたった現在、派遣労働者の方々の待遇が十分改善され、一時的、臨時的な働き方として正社員への移行が進んだとは到底思えません。十分な能力、意欲を持っており、派遣先の正社員と同じ仕事をしていながらも、派遣労働者であるということだけに起因して低い待遇に置かれている派遣労働者や、セクハラ、パワハラの被害に遭っても、間接雇用であり、雇用が不安定な立場に置かれているために声を上げられない派遣労働者が存在しているのが現実だと思います。
 今回の派遣法改正案には、衆議院で井坂議員が表明したとおり、三つの大きな問題があると私も認識しています。
 一つ目は、専門性の低い低賃金の派遣は規制緩和される一方で、比較的高いスキルで比較的高い賃金が得られている専門二十六業務は規制強化で働きにくくなる問題。二つ目には、企業はずっと派遣を使い続けられるようになるのに、派遣労働者本人は必ず三年ごとの派遣契約を切られ、行き先を探さなければならない問題。三つ目は、臨時的、一時的な働き方と条文に明記しながら、企業は取っ替え引っ替えずっと派遣労働者を同じ職務で使い続けられる問題です。
 一方、衆議院において、維新の党を中心として、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律案、いわゆる同一労働同一賃金法案を提出し、与党との修正協議の結果、賛成多数で可決され、参議院に送付されています。衆議院における表現の修正については完全に納得できる内容ではありませんが、それでもなお、法案の成立には意義があると考えます。
 この同一労働同一賃金法案についての質疑は後日に回すとして、今日はまず労働者派遣制度の原則について質問いたします。
 労働者派遣法は、一九八五年の制定以降、社会経済情勢、産業構造の変化等に対応して累次の改正を重ねてきました。制定当初は、常用代替のおそれの少ない一部の専門業務等に限って労働者派遣を認めることとしていましたが、一九九九年の改正では、労働者派遣事業を臨時的、一時的な労働力需給対策と位置付け、専門業務以外の業務についても労働者派遣を原則自由化しました。いわゆるネガティブリスト化です。なお、この改正には、共産党以外の全ての政党が賛成したと承知しています。
 その後、派遣労働者保護の重要性に鑑み、その保護や待遇改善の観点から、民主党政権の二〇一二年に改正が行われました。このような累次の改正に伴って、労働者派遣制度の根本原則の意味は変化してきており、場合によっては時代に合っていないものがあるのではないかとも考えています。
 そこで、審議初日である今日は、この労働者派遣制度の大原則について、政府の考え方を改めてお尋ねします。
 まず、労働者派遣制度の原則とされている常用代替の防止、臨時的、一時的な働き方について、それぞれの具体的な意味を、経緯を含めて御説明ください。
#248
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねございました常用代替の防止、あるいは臨時的、一時的なものとしての位置付けということでございます。
 まず、委員からも御紹介もございましたけれども、この常用代替の防止ということにつきましては、派遣労働者の方が派遣先の常用雇用の労働者に代替してはならないという、その考え方ということで、基本的な考え方でございます。今御紹介いただきましたとおり、この考え方については、昭和六十年の制定時以来、私どもとしてはその考え方を取っているということでございます。
 それから、一方で、臨時的、一時的な位置付けということにつきましては、これも今委員からも御紹介ございましたけれども、平成十一年に適用対象業務をいわゆるネガティブリスト化ということにしたということで、その際に、いわゆる二十六業務以外の業務に係る労働者派遣につきまして臨時的、一時的な労働力の需給システムとして位置付けるということで、一定の期間制限を設けるということで、この臨時的、一時的な位置付けということにしたということでございます。
#249
○川田龍平君 では、次に、当初からの常用代替の防止と、後に導入された臨時的、一時的な働き方というこの二つの原則は、現時点でどのような関係にあるのかについて御説明ください。
#250
○政府参考人(坂口卓君) 関係ということで、なかなか難しゅうございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、常用代替につきましては制定時からこの考え方ということで、その際には一定のポジティブリストであったときということでございますので、派遣可能な業務ということを政令で定めて、業務の専門性であったり雇用管理の特殊性等を考慮して定めていたということがございます。
 一方で、今ございましたとおり、臨時的、一時的なという位置付けにつきましては、先ほど申し上げました平成十一年のこの対象業務の原則自由化、ネガティブリスト化という中で、新たに認められた業務につきまして常用代替が生じないように、それらの業務に係る派遣を臨時的、一時的なものとして位置付けるということで、一定の期間制限を設けるということで、これについては業務単位の期間制限ということで現行法まで維持されているということでございます。
#251
○川田龍平君 この常用代替の防止が上位で、臨時的、一時的な働き方が下位という関係にあるんでしょうか。あるいは、常用代替の防止が最終的な目的で、臨時的、一時的な働き方が手段の関係にあるんでしょうか。それとも、お互いが矛盾していたり両立しないケースはありはしないでしょうか。
#252
○政府参考人(坂口卓君) 今、制定時以来ついての状況を申し上げましたけれども、上位、下位の概念というような形で整理されているものではございませんけれども、ただ、先ほども申し上げましたように、常用代替の防止ということにつきましては、臨時的、一時的という考え方だけでなくても、元々の専門的な業務に限るという考え方の中でも取られていた考え方ということでありますが、臨時的、一時的な位置付けということにつきましては、いわゆる専門的な業務でないところにこの派遣ということを使えるようにするという中で、常用代替の考え方をどう維持するかということで、そういった臨時的、一時的な位置付けということを生み出してきたということでございます。
#253
○川田龍平君 今回の改正案による期間制限の見直しによって、二つの原則について考え方が変更されることになるのかどうか、確認したいと思います。とりわけ、無期雇用の派遣労働者について、一切の派遣期間制限がなくなる点については、常用代替の防止、そして臨時的、一時的な働き方の原則から大きく外れる内容であると考えますが、いかがでしょうか。
#254
○政府参考人(坂口卓君) まず、一点目のお尋ねでございますけれども、今回の改正法案につきましても、この改正の土台となる労働政策審議会の建議の中で、派遣労働の利用について臨時的、一時的ということを原則として、常用代替の防止の原則についても引き続き維持するということにしております。私どもの考え方につきましても、答弁等でも御答弁させていただいているとおり、この考え方については引き続き維持をしているというところでございます。
 一方で、二点目のお尋ねでございますが、無期雇用派遣労働者についての扱いということでございます。
 この点につきましては、無期雇用の派遣労働者の方については、雇い止め等がないということで有期雇用の方に比べて雇用の安定が図られている、あるいは長期的な教育訓練も受けやすいという傾向にあるということで、派遣労働という働き方に見られる弊害が少ないということで考えられるということで、これにつきましても、労働政策審議会の建議にも基づきまして、この原則の位置付けの例外として期間制限の対象外とすることとしたということでございます。
#255
○川田龍平君 新卒を企業が正社員として一括して直接雇用するという、いわゆる日本型の雇用慣行について、大臣はどのような見解をお持ちでしょうか。今後ともこれを維持すべきと考えていますでしょうか。
#256
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の新卒一括採用、この雇用慣行というのは企業の取組として確立をされてきたものだというふうに思います。新規採用に当たってのルールも含めて、学校と企業がお互いの立場を踏まえて双方の合意によって取り決めることが重要であると思っております。
 若者については、長期的な観点から、安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させるということが大事であることを踏まえると、新卒一括雇用の雇用慣行というのは一定の意義があるのではないかというふうに考えております。
 一方で、新卒一括採用の雇用慣行については、新卒時に就職できなかった場合、それから一旦離職をした場合には新卒者に比べて応募できる企業が少なくなってなかなか苦労するという、そんな面もあることから、政府としましては、新卒時の円滑な就職をしっかりと支援をすると同時に、離職をした場合には早期に再就職を支援できるようにすることにも取り組んでいるところでございます。
#257
○川田龍平君 一方で、今回の改正案の目的として正社員化の推進が挙げられていますが、派遣労働者が正社員化することは常用代替の防止の観点からはどう評価されるんでしょうか。労働市場全体から見た場合、派遣労働者から正社員という道が標準的になった場合、新卒を企業が正社員として一括して直接雇用するという、いわゆる日本型の雇用慣行が崩れることになるんではないでしょうか、いかがでしょうか。
#258
○政府参考人(坂口卓君) 今のお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたとおり、この派遣法の中で制定以来考えております常用代替の防止というのは、派遣先の正社員の方が派遣労働者に置き換わるということを防ぐということを原則としておりますので、派遣労働者の方が派遣先として直接雇用、正社員として採用されるということ自体については、派遣先の正社員の方が一対一で置き換わるということではないので、この常用代替防止の原則との関係で問題が生じるということではないわけでございますから、私どもとしましては、今回の見直し等によって正社員化ということについては推進をしていきたいということで考えております。
 もう一点、新卒一括採用との関わりでの御質問でございますが、まず、御指摘の新卒一括採用の問題については、今大臣がまさしく御答弁させていただいたとおり、私どもとしても、一定の意義があって、政府としてもやはり新卒者の正社員就職ということについてしっかり支援をしていくということが重要だということで認識しております。
 ただ、一方で、新卒の一括採用により入職できなかったという方はやはりおられるわけで、従前、川田先生にも、若者雇用促進法案の御議論もいただいたときにも問題になりましたとおり、やはり新卒時に就職できなくて既卒になったけれどもどうやって就職するかとか、あとフリーターになったけれどもどうするかというような形で、新卒一括採用で入職できなかった方への入職の契機ということをどう得ていくかということもやはり重要で、その一つの方策としては、派遣ということが、働きたい仕事をいろいろ見付ける、あるいは職に就きやすいという取っかかりというようなことになるという可能性ということもあると考えております。
 ただ、全体としましては、いずれにしましても、新卒一括採用ということについて、先ほど大臣から御答弁をしたとおりでございます中で、今回の見直し自体がその雇用慣行ということを崩すということには考えていないですけれども、全体としては、若者の雇用対策ということはしっかり私どもとしても取り組んでまいりたいということで考えております。
#259
○川田龍平君 常用代替の防止は正社員の保護を目的としており、派遣労働者保護と相入れないという指摘もあります。
 登録型派遣の派遣契約終了に伴う雇い止めの効果が争われた二〇〇九年のいよぎんスタッフサービス事件の最高裁判決では、常用代替防止という派遣の趣旨に照らし、労働者の雇用継続の期待は合理性を有さず、保護すべきものとは言えないと判示されました。このことについて、二〇一三年八月の厚生労働省の今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書(在り方研究会報告書)では、常用代替防止という派遣法の趣旨と派遣労働者の保護が両立しない場合があることが明らかになったと評しています。
 この指摘に対する大臣の見解を伺います。
#260
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきましたいよぎんスタッフサービス事件の最高裁判決におきまして、派遣法が、まず派遣労働者の雇用の安定だけではなくて常用代替防止を立法目的としている、そして、派遣期間の制限規定を置くことなどしてこの二つの目的の調和を図っているということから、派遣労働者の雇用継続に対する期待は合理性を有さず、保護すべきものとは言えないという判決が示されたわけでございます。
 これは、現行法によります常用代替防止と派遣労働者の保護、これが必ずしも両立しない場合があるということを示しているわけで、御指摘の厚生労働省の研究会の報告書はこの旨を指摘したものであり、このような課題があるということはしっかりと認識をしておかなければならないというふうに思っております。
#261
○川田龍平君 それでは、今回の改正案は、この上記の研究会報告書で指摘された問題を解決する内容になっているんでしょうか。
#262
○政府参考人(坂口卓君) 今大臣からも御答弁させていただいたとおり、この研究会の報告の中で、今の現行法では常用代替防止と労働者の保護ということが必ずしも両立しない場合ということがあるということが指摘されているということでございます。
 こういった中で、今回の改正案では、そういう課題にも対応すべきということで、先ほど委員の方からるる御質問ありました常用代替防止の原則ということは維持した上で、それでこの派遣労働者の保護をどう図っていくかという観点から、派遣会社、派遣元の方に対して雇用安定措置ということを義務付けるということをするなど、派遣で働く方の雇用の安定、保護ということも含めて、常用代替防止等二つの目的の調和が図られるべく、しっかり対応するというような内容で私どもとしては盛り込み、先ほどの指摘の内容等についても解決できる内容になっているということで考えておるところでございます。
#263
○川田龍平君 是非、この派遣法の審議については引き続きしっかりやっていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#264
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 法案に入る前に、最低賃金について一問、大臣に聞きます。
 昨日、中央最低賃金審議会が、今年の目安を十八円としました。審議会では、二十二日までの協議で、労働側は今年の賃上げ分と物価上昇分とで五十円を求め、使用者側は十円程度を主張し、公益委員の意見を入れて論議をしようというふうにしていた。ところが、翌二十三日に内閣府が、最低賃金十円から二十円引き上げられた場合の総雇用者所得の試算というのを出しまして、その水準で環境整備を指示したということで、公労使の協議、もう事実上、上限は二十円という形になってしまったと聞いています。このままでは、物価上昇分の二十四円すら上回らない、実質マイナス改定になると労働者から怒りの声が上がっています。都市部と地方との二割以上の格差も更に広がる。
 政府は、大幅な賃金引上げと、この間何度も何度も、私も予算委員会で総理と何度もこの問題やってきた。しかし、今回の目安は、これは現状を打開するものになっていないと言わざるを得ません。
 大臣、中小企業に対する支援とセットで、やはり大幅な最賃引上げに向けて徹底したイニシアチブを発揮すべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#265
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございましたように、今日、中央最低賃金審議会において、今年度の引上げ額の目安につきまして、全国加重平均で昨年を二円上回る十八円という答申をいただいたわけでございます。
 今後、目安を参考として、地方最低賃金審議会で御議論いただいて各都道府県の最低賃金を決定していくこととなるわけでございますけれども、今日示された目安どおりに決定されれば、最低賃金が時給のみで示されるようになった平成十四年度以降で最高額でございまして、三年間で約五十円の引上げ、つまり十五円、十六円、今回の十八円ということになるわけでございます。さらに、BからDのランクの道府県の目安額も平成十四年度以降最高額でございまして、都市部と地方との格差にも配慮したものとなっているというふうに思っております。
 いずれにしても、今先生からお話がございましたように、中小企業の生産性を向上させるということ、このことが不可欠であって、日本の経済全体にとってももちろん大事なことでありますけれども、最低賃金を上げるというためにも生産性の向上を図るということが大事でありますので、政府としても、中小企業の生産性向上を実現するような支援をしっかりと行うとともに、最低賃金の引上げにも取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#266
○小池晃君 生産性向上とか支払能力とか言っているから進まないんですよ。これで胸張ってもらったら困る。
 例えば、アメリカ・ニューヨーク州のファストフード最低賃金、これは段階的だけど、時給十五ドル、千八百六十円まで引き上げるというわけです。こういうインパクトが、アベノミクスだと胸張るんだったら、そのぐらいのことをやったらどうですか、ほかはろくなことをやらないんだから。やっぱり日本経済を立て直すインパクトのある提案をしないと駄目だと私は思いますよ。これで満足するような答弁しているようじゃ駄目です。やっぱりきちっと物を言って、これは大幅な引上げをやっていくべきだと。
 それで、中小企業が生産性を向上じゃない、直接支援をするんですよ、それとセットでやるんですよ。欧米はみんなそれをやっているわけだから。やっぱりそのことをちゃんと位置付けてやるべきだと申し上げたいと思います。
 派遣法ですが、もうこれはこれから延々と議論することになると思いますので、今日は私は、ちょっと中身というより入口のところの話になるかと思うんですが、やりたいと思うんです。
 今回の法案は、省令で定めるというのが大変多いんですね。このこと自体、大変私は問題だと思うけれども、しかし、ちょっと部長に聞きますが、実際に省令で定めるものというのは指針の改定含めて全体で幾つあるんでしょうか、数字だけ言ってください。
#267
○政府参考人(坂口卓君) 全体、今回の法律案に関してでございますけど、今も委員の方からもございましたけれども、省令、指針の改正事項につきましては、私ども、現在の審議の段階で予定しておるということでございますので、確定数ということには当然ならないわけでございますけれども、現行法の条文の中で申し上げますと、厚生労働省令で定めるとしている箇所が二十六か所ございます。それから、あとそのほかにも、今指針のお話出ましたけれども、労政審の建議の中で示されている事項の中で、先ほどの二十六か所に該当しない省令で定める事項が六項目、それから指針において定めるということとされているものが九項目でございますので、合わせて四十一項目ということがあるということでございます。
 ただ、建議の中でもありますように、一定の方向については建議の中で示されているというものも多々あるということでございます。
#268
○小池晃君 四十一か所もあるというのは、私は問題だと思うんですよ。やっぱり法律事項にすべきだと思いますが、これは当然、労政審に諮らなきゃいかぬ。
 今日、資料の二枚目に、雇用関係の重要広範議案とされてきたもの、最近の例、出してもらいましたけれども、これは法案成立から施行までの期間の一覧です。これ十八日という、第百五十三国会の、これは補正予算に伴って失業給付期間の緊急延長ですから、これは例外だと思うんですが、それを除けば三百五日、六百五十九日、百八十一日、百五十九日、こういう期間を掛けているわけですね。
 大臣、私は、本法案は廃案とすべき法案だというふうに一貫して言っておりますが、これはどう考えたって九月一日の施行なんて無理じゃないですか。どうなんですか。
#269
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正案は、ずっと今日も議論してまいったように、派遣で働く方に正社員への道が開けるようにする、あるいは待遇の改善を図る、そういったことであり、また、労働契約申込みみなし制度を十月一日から円滑に施行するためにも早期の成立が望ましいと考えているわけで、御指摘のように、省令等については法案の成立後に労政審において審議を行っていただくということが必要であるわけでございますので、日程的に厳しくなってきているということは承知をしているわけでありますが、改正案に定める施行日のとおり施行できるように、引き続き国会での速やかな御審議を政府としてはお願いをしていきたいというふうに思っております。
#270
○小池晃君 厳しいなんというものじゃないと思いますけどね、もう事実上不可能だと思うけど。
 でも、今おっしゃった十月一日、直接雇用申込みみなし制度が始まる前に円滑にそれを施行するためだと。この問題を議論したい。
 私は、四月の当委員会で、いわゆる一〇・一ペーパー、取り上げました。これは、経済界の意向でみなし雇用制度が施行される前に法律変えようということじゃないかと。実際、日本経団連も人材派遣協会もみなし制度廃止を求めています。
 そもそも、直接雇用申込みみなし制度導入の目的は何だったのか。派遣村以来の労働者の規制強化を求める闘い、リーマン・ショック後の大量の派遣切り、いとも簡単に解雇される、その仕組みに対して社会的批判が集中して、違法派遣を何とかやめさせようということで、派遣労働者保護の観点でこれは導入されたわけですよ。
 みなし制度は、当時野党だった自民党も賛成しましたよね。大臣、自民党の政治家として、当時、自民党はなぜこれに賛成したのか、説明してください。
#271
○国務大臣(塩崎恭久君) 当時の自民党が賛成した理由については、厚生労働大臣としてお答えをする立場にはないというふうに考えております。
 厚生労働大臣としては、労働契約申込みみなし制度を十月一日から円滑に施行することが重要だということでございます。
#272
○小池晃君 いや、だって自民党の政治家なんだから、それは答えてもらわなきゃ。政治家が大臣やっているのは何のためですか。ちゃんと答えてくださいよ。
#273
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたのは、今、私は厚生労働大臣でございますので、自民党の立場として説明をするという立場にはないということを申し上げたわけでございまして、当時の自民党が賛成した理由を考えてみると、平成二十二年に改正案が提出された後、与野党の意見が対立をして度々継続審議となる中で、改正案全体について一致を見出すべく、公明党、民主党と協議を行って、自民党も修正合意をした上で成立をされたものだというふうに考えているところでございます。
#274
○小池晃君 事実経過だけで、何で賛成したのか。何で賛成したのかと聞いているんです。理由を聞いているんです。ちゃんと答えてください。
#275
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#276
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#277
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、先ほど先生ももうおっしゃったとおり、これは働く人を守るためでございます。
#278
○小池晃君 働く人を守るための制度が、施行前に何でやめちゃうんですか、骨抜きにするんですか。おかしいですよ。矛盾しているじゃないですか。私、今の発言聞いて本当にびっくりしますね。
 じゃ、何でそれが、だって大臣は、九月一日に施行する理由は、それが始まる前に、円滑にやるためにだと言ったじゃないですか。だったら、円滑にみなし雇用制度をスタートさせればいいじゃないですか。おかしいですよ。全く筋が通らない。結局、これ、全くやっぱり筋通らない話だからこういうふうに説明もできないんだと私は思いますよ。
 やっぱりこれ、混乱する混乱するというけれども、結局誰にとっての混乱かというのを考えてみると、これ、みなし雇用が施行されれば、労働者守るためにやったんだというふうに大臣おっしゃった、そのとおりですよ。やっぱり、偽装請負あるいは対象外派遣などとともに、派遣期間制限を超えた場合にみなし雇用の権利が発生するわけでしょう。だから労働者は守られるわけですよ。だから導入した。しかし、専門二十六業務の考え方がなくなってしまえば、これは専門業務偽装、告発しても違法でなくなって、みなし雇用にはつながらない。つまり、違法を合法にすることで、せっかく自民党も賛成して労働者守るためにとつくったものを、これを結局、労働者のその権利が奪われてしまう、そして企業は違法を問われなくなる。これほど身勝手なことないじゃないですか。今までの自民党がやったことに完全に矛盾しているやり方じゃないですか。いかがですか。
#279
○国務大臣(塩崎恭久君) 決して矛盾するということではないというふうに考えておりまして、善意無過失の場合を除いて、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたものとみなすというのがこの労働契約申込みみなし制度でありますので、それを実現するということでございます。
#280
○小池晃君 二十六業務という考え方廃止したら、結局、期間制限違反、これでみなし雇用にならなくなっちゃうじゃないですか。そんなことが許されるのかと言っているんですよ。
#281
○国務大臣(塩崎恭久君) 二十四年の法改正の際に、派遣先で派遣受入れ期間の期限を上回るなど違法な派遣の受入れがある場合に、その派遣で働く方に直接雇用の契約を申し込んだとみなす制度が設けられたということでありますが、他方で、現在、現行制度では、いわゆる二十六業務について派遣受入れ期間の制限対象から除外しているけれども、対象業務に該当するかどうか分かりにくいという、そういう御指摘があったわけで、その課題があるために、改正案では現行の期間制限を廃止をして、全ての業務に適用される分かりやすい仕組みを設けるということを繰り返し申し上げてきたわけでございまして、これは平成二十四年改正の際に自公民の三党による附帯決議がございまして、期間制限を分かりやすいものとすることで派遣先の懸念を解消し、労働契約申込みみなし制度を円滑に施行できる環境を整備していくための見直しを行うものであって、みなし規定の発動を実質的に骨抜きにして違法派遣を合法化するものとの今御指摘がございましたが、それは当たらないというふうに思っております。
#282
○小池晃君 いや、今の説明は当たらないと思いますよ。
 この附帯決議、私どもはこれは加わっていませんけれども、ちょっと確認するけど、部長、附帯決議の中に二十六業務廃止と書いてありますか。
#283
○政府参考人(坂口卓君) 附帯決議の中は、いわゆる専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度について、派遣労働者や派遣元、派遣先企業に分かりやすい制度となるよう、速やかに見直しの検討を開始することとされているところでございます。
#284
○小池晃君 だから、廃止なんて書いていないんですよ。分かりやすくするということになっているんですよ。分かりやすくするということは廃止と違いますよ。
 大臣、これは、分かりやすくということは、廃止じゃなくて、誰が見ても専門職だと、もう分かりやすいものに限定するということが私は一番の筋だと思う。これで廃止なんて、本当に牽強付会ですよ。これ筋通らないんじゃないですか。大臣、いかがですか。
#285
○政府参考人(坂口卓君) 今の点につきましては、委員御指摘のとおり、附帯決議そのもので廃止するとか撤廃するということが書かれているわけでは当然ないわけでございますけれども、それを受けての労働政策審議会の建議において、二十六業務という区分は分かりにくいなどの様々な課題があることから撤廃し、二十六業務か否かに関わりなく適用される共通ルールを設けるということが適当とされたということで、私どもとしましては、そういった建議も踏まえて、今般、制度の見直しということを御提案をしているということでございます。
#286
○小池晃君 労政審の中で、労側はもちろん使用者だって二十六業務廃止求めないと言っているんですよ。結局、公益委員の意見でこれは廃止ということになっていった。大体、公益委員の意見というのは、起案しているのは需給調整課じゃないですか。厚労省の自作自演なんですよ、これ。これが真相なんですね。
 しかも、私、混乱するから混乱するからというのは、まさに天に唾する議論だというふうに思うんです。みなし制度の周知徹底を理由に、実施は三年先送りになりました。私どもはそのときに反対しました。これはすぐやるべきだと言いました。しかし、先送りされた。その先送りの理由は周知徹底だと言った。三年あれば、徹底した指導監督で制度導入の趣旨を徹底して、その間に二十六業種をかたる偽装なんというのは根絶できたはずなんですよ。
 しかし、自公政権になってからそんなキャンペーンやりましたか。やっていないじゃないですか。訴訟が起こると危機感あおっているけれども、訴訟が起こるような違法状態があるならば、これは問題になるのは労働行政の怠慢ですよ。天に唾するということに、大臣、なるじゃないですか。こんな議論は私は成り立たない、筋が通らないというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。
#287
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど答弁申し上げたように、やはり平成二十四年の改正の際に、先ほど読み上げもしましたが、二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが大きく変わるという、この制度をどう分かりやすくするかという考え方から今回の政府としての提案を申し上げているわけであって、確かにこれ、二十六業務を見ますと、それぞれ、はっきりしているものももちろんありますけれども、必ずしもそうでもないというものがあるわけでありますので、今回こうした形で整理をして御提案を申し上げているということでございます。
#288
○小池晃君 だから、言っているとおりなんですよ。それを厳格にすればよかったんですよ。それを廃止しちゃった。これ、入口の問題だけで絶対容認できないと私は思っています、この法案、今のやり取りで。
 しかも、何でこういうことが起こるかというと、やっぱり人材派遣業界と厚生労働省の癒着があるわけですよ。日本人材派遣協会の専務理事のポストは、これは二〇一二年まで連続五代、厚労省キャリア官僚のOBの天下りでした。派遣業界、一貫して職安業務の民間委託を働きかけてきています。
 今日、資料でお配りしているのを、ちょっと表を見ていただきたいんですが、これ、過去六年間において厚生労働省が人材派遣業に委託した各年度ごとの事業数と金額であります。百億円もの事業が人材派遣業に委託されているわけですね。
 パソナの南部靖之社長が、若者・女性活躍推進フォーラム会合というところで国の就職支援事業の見直しということを提起して、自治体や民間へのアウトソーシング実施すべきだといって、次々パソナは受注している。
 こういう中で、私びっくりするのは、随意契約が物すごく増えている。厚労省、全体の一般競争入札と随意契約の件数というのはほぼ横ばいです。ほとんど変わっていないです。ところが、人材派遣業の委託は、二%から始まったのが七七%ですよ、四%から七七%。もう本当に異常なまでに随意契約が急増している。
 私、こういう実態を見ると、大臣、これ、人材派遣業界と厚生労働省の癒着がないというふうに胸張って言えますか。いかがですか、大臣。
#289
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、随意契約の点につきまして資料とともに御指摘をいただきましたが、厚生労働省が実施をしている事業につきましては一般競争入札による契約を原則としているわけでありまして、数値化された評価基準の設定が難しいなどの場合は随意契約の形式を取っているわけであります。
 しかし、随意契約ではあっても、御指摘の派遣会社との契約は全て企画書等の提出を求めて、その内容を審査をし、競争性を担保する、いわゆる企画競争という形によって行っているわけでございまして、また、直近において派遣事業者等が受託をした随意契約の件数は増えているものの、随意契約の妥当性については、厚生労働省に設置をいたしました外部有識者が半数以上を占めております公共調達委員会、ここで審査をしておりまして、透明性を確保をしているということでございます。
 今後とも、今御指摘をいただくような批判が当たらないように、競争性及び透明性が担保される形で調達を行っていかなければならないというふうに思っております。
#290
○小池晃君 企画書あるなんて当たり前ですよ、口約束でやっていたら大変な問題じゃないですか。これ、どう見たって異様ですよ、この随意契約の増え方。私、これで癒着がないなんて言えるはずがない。大臣もそういう疑問を抱かれないように、やっぱりどう見たって抱かれますよ、これ。
 極め付けがやっぱり今度の法案なんです。法案について審議する需給制度部会に、いわゆる異例なオブザーバー参加を派遣会社の役員にさせた。法案の検討段階から利害関係者参加させるなんて前代未聞、言語道断ですよ、これ。役員がオブザーバーになったランスタッド、ここは製造業派遣企業等でつくる生産技能労務協会の中心企業の一つです。その労務協会の政治団体、政治連盟新労働研究会からは、与党議員など、そして田村前大臣にも政治献金行っていた。そして、その労政審を経た法案の柱は、もう派遣業界の要求が丸ごとそっくりそのまま盛り込まれるような法案が出てきている。業界の要求がことごとく盛り込まれているわけですよ。
 大臣、厚労大臣が政治献金を受けた、前厚労大臣ですが、受けた利害関係組織を労政審に異例な形で参加をさせ、要望がそのまま法案に盛り込まれる、そしてこういう受注の実態がある。これで出されたのが今回の法案ですよ。もう派遣元、派遣先含めて、派遣業界の派遣業界による派遣業界のための労働者派遣法の改悪だと言われても仕方がないじゃないですか、この経過を見れば。
 私、こんなことが国民の納得得られるとはとても思えませんけれども、大臣、これにどう弁明されますか。
#291
○国務大臣(塩崎恭久君) あくまでも法律は、公労使で成り立っております労政審で建議をいただいた上で、それに従って法案を起案をしているわけでございますので、今御指摘のようなことは当たらないというふうに思っております。
#292
○政府参考人(坂口卓君) 一旦、事実経過でございますので簡単に申し上げますが、建議に至る労政審の需給部会の中でオブザーバー参加というのは、審議会の部会の中の冒頭で委員各位で御議論されて、労働側だけではなくて使用者側からも同じ数のオブザーバーが参加されているということについてはちょっと付言させていただきたいと思います。
#293
○小池晃君 オブザーバー入れたのは過去一回しかないんですよ、これ以外は。それもやっぱり派遣法ですよ。そのほかの労政審でオブザーバーなんか入れたことないんですよ。そういうでたらめなこと言っちゃ駄目だと。
 私、どう考えたってこの経過全体を見れば、この法案は本当に労働者のための法案だなどということは到底通用しない、廃案しかないというふうに思います。
 終わります。
#294
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いします。
 労働者派遣法の審議、委員会で今日から始まりました。私、労働者派遣ということに否定的ではないんですけれども、ただ、労働者の雇用については、指揮監督する使用者が雇用主であるという、直接雇用というのが基本であるべきだというふうに考えています。それは、労働者全体の雇用の安定、また労働環境といったことの視点から、やはり間接雇用ではなくて直接雇用というのが雇用の基本であるべきだというふうに私は考えております。そしてまた、そうした中で、間接雇用である労働者派遣というのは、これは例外的に認められるべきものであるというふうに思っております。
 そこで、政府参考人に伺いたいと思いますけれども、厚労省として間接雇用の問題点についてどのように認識をされていますでしょうか。
#295
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のようないわゆる間接雇用、これは雇用契約上の使用者と業務の指揮命令を行う方が異なるという形態かということかと思いますけれども、こういった形態につきましては、一般論として、直接雇用と比べまして、私どもも、やはり中間搾取や強制労働が行われやすい、あるいは雇用主責任が不明確になりがちである、あるいは受入先の正社員の代替となりやすいというような問題があるのではないかということで認識をしております。
#296
○行田邦子君 今、間接雇用の弊害について厚労省の認識伺いましたけれども、こうした間接雇用の弊害というものを低減させるために、大臣に伺いたいと思いますが、労働者派遣法ではどのような歯止めや規制の考え方を取っているのでしょうか。
#297
○国務大臣(塩崎恭久君) 現行の労働者派遣法を前提のお尋ねだと思いますが、今部長から申し上げたように、間接雇用というのは、やはり中間搾取とか強制労働とか、そういった様々な弊害があり得るということで、職安法において労働者供給事業を原則禁止するということとなっているわけであって、この労働者派遣法は言わばその例外ということで、派遣で働く方の保護と雇用の安定を図って労働力需給の迅速かつ的確な結合を図るという考え方の下で、労働者供給事業から分離をして特例扱いで法律立てをしているということでございますが、この許可、届出を行った事業主にのみ労働者派遣事業を行うことを認めるということがまず第一点、そして第二番目には派遣元と派遣先の責任を明確化する、そして三番目に常用代替防止ということを図るということ、こういったことなどの仕組みを設けて、間接雇用による弊害を防止をするための措置を講じているというところでございます。
#298
○行田邦子君 今大臣の御答弁でもありましたが、労働者派遣法での歯止めや規制の考え方の一つとして常用代替防止といったものが言われておりますが、この常用代替防止という考え方にのっとりまして、派遣就業は臨時的、一時的なものであることを原則とするとの考え方といった条文が改正法案の二十五条に新たに盛り込まれたわけであります。
 そこで、大臣に伺いたいんですけれども、派遣就業は臨時的、一時的なものであることが原則という、この「もの」というふうな言葉になっているんですが、この解釈なんですが、臨時的、一時的な業務に限定して派遣労働が利用されるという意味なのか、それとも労働者にとって臨時的、一時的な働き方という意味なのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#299
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、第二十五条の派遣が臨時的、一時的なものであるという原則につきましてお尋ねがありましたが、労働政策審議会の建議では、派遣労働を臨時的、一時的な働き方と位置付けることを原則とするとともに、派遣労働の利用を臨時的、一時的なものに限ることを原則とするということが適当というふうにされております。
 したがって、今回の労働者派遣法改正案は、この建議の考え方を踏まえて、業務ではなく派遣先における派遣労働の利用、そして派遣労働という働き方の両方について臨時的、一時的なものを原則とするということとしているところでございます。
#300
○行田邦子君 臨時的、一時的な業務に対してということと同時に、臨時的、一時的な働き方ということ、両方の解釈ということで今大臣から御答弁をいただいたと思いますが、ただ、私の認識ですと、これまでは常用代替防止という観点から、派遣就業は臨時的、一時的だというときには、その意味というのは、あくまでも臨時的、一時的な業務に対するものという説明がなされてきたと思っていますけれども、臨時的、一時的な働き方という説明はなされてこなかったというふうに私は認識をしています。
 そこで、また改めて大臣に伺いたいんですが、この派遣就業は臨時的、一時的な働き方ということを強調する理由をお聞かせいただけますでしょうか。
#301
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣労働は雇用と使用が分離をした形態であるということから、雇用の安定やキャリアアップの観点で課題があるというふうに思います。
 このことから、今回の見直しでは、これまでの派遣労働の利用を臨時的、一時的なものとすることを原則とするとの考え方に加えて、派遣で働く方が派遣労働に固定化することを防止する観点から、新たに派遣労働は臨時的、一時的な働き方を原則とすると整理をいたしたところでございます。この考え方の下で、新たに個人単位の期間制限を設けるとともに、派遣で働く方へのキャリアアップ措置あるいはキャリアアップ助成金の活用などを通じて、派遣で働く方のキャリアアップを支援することが重要であるというふうに考えているところでございます。
#302
○行田邦子君 固定化防止ということのために、派遣就業は臨時的、一時的な業務に対して行われるということに加えて、この度、派遣就業というものは臨時的、一時的な働き方だという考え方を加えたわけでありますけれども、私は、そのことによって、今大臣の御答弁にもありましたけれども、今回の改正法案では個人単位の期間制限ということが設けられたりしているわけであります。よく説明を聞きますと、人に着目をして個人単位の期間制限を設けるということでありますけれども、私は、これ非常に余計なおせっかいといいますか、余計な期間制限の規制だというふうに考えています。
 そして、こうした個人単位での期間制限というものを設けている一方で、雇用安定措置として、こうした一つの組織単位で三年しか働けない派遣労働者に対して、雇用の安定措置ということでなされる一つとして、新たな派遣就業機会の提供をするということであります。
 そうすると、これは、派遣は臨時的、一時的な働き方だと言っている原則にも私は反するというふうに思っておりまして、この点につきまして、雇用安定措置につきまして、また個人単位の期間制限につきましては、また機会を改めて質問させていただきたいと思っておりますけれども、今日は、臨時的、一時的な業務に対しての派遣ということの臨時的、一時的原則と、それから、この改正法案で新たに設けられました派遣先事業所単位の期間制限について伺いたいと思っております。
 改正法案の四十条の二に記されているわけでありますけれども、この事業所単位の期間制限、今日も午前中からずっと議論がありましたけれども、私は、この期間制限の方法ですと、臨時的、一時的業務でなくとも派遣労働の利用がしやすくなるというふうに理解をしております。これは明らかに臨時的、一時的原則とは相入れないものだと思いますが、大臣はいかがでしょうか。
#303
○国務大臣(塩崎恭久君) 今朝ほどからこの点については大分議論があったところでございますけれども、今回の改正案では、常用代替防止の観点から、原則全ての業務について事業所単位で三年の期間制限、これを設けた上で、三年を超えて派遣で働く方を受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けて、反対意見があったときは対応方針等の説明を新たに法的に義務付けるということにしたわけでございます。この事業所単位の期間制限は、過半数労働組合等の意見を聴いて延長することは可能であるわけでありますけれども、その延長後の受入れも改めて三年の期間制限が課せられるという形になっているわけでございます。
 このように、三年ごとに現場をよく知る労使によって常用代替の観点から問題がないかどうかということが判断をされる仕組みとなっておりまして、これによって臨時的、一時的なものと言えるというふうに考えているところでございます。
#304
○行田邦子君 いや、私は全くこれは歯止めとしては不十分だと思っております。今大臣からも御答弁がありましたように、過半数労働組合等の意見を聴取すればいいということです。そして、そこで意見を聴取したときに、反対意見、異議があったときには、新たな派遣の期間が始まる前に何らかの説明をすればいいということであります。これでは私は全く歯止めとして不十分であるというふうに思っておりますけれども、改めて、大臣、いかがでしょうか。
#305
○国務大臣(塩崎恭久君) これについても今朝ほどから御答弁申し上げてまいりましたけれども、今回の改正法案では、正社員から派遣社員への置き換えが生ずることがないように、事業所単位で三年という期間制限を設けた上で、三年を超えて派遣で働く方を受け入れようとする場合には過半数労働組合から意見聴取を義務付けて、反対意見があったときは対応方針等の説明を新たに法的に義務付けるということにしているわけでございます。
 これは、何度も申し上げておりますけれども、労使の話合いという、言わば労使の自治というものが各企業に存在をしているはずでございますので、現場を重視をする我が国の労使関係を踏まえて、派遣先が労働者側の意見を尊重するということが期待をされて歯止め効果があるというふうに考えているわけでございます。
 現行法における意見聴取は、どちらかというと一方通行的なもので、過半数労働組合等からの意見を聴くということだけであったわけでありますけれども、今回の見直しは、今朝ほど来申し上げているように、派遣先に対して幾つか義務を課しているわけで、意見聴取の参考となるデータの提供、あるいは意見聴取の記録の周知、会社の中でしっかりと周知をしていく、それから反対意見があったときの対応方針等の説明もするということなどを新たに義務として課しておりまして、このことが今までのどちらかというと一方通行になりがちであった意見を聴くプロセスというものを双方向の流れに変えるということで、実質的な労使間の話合いが行われるような仕組みを構築するということとしておりまして、現実を踏まえてこのような仕組みというものを考えているということでございます。
#306
○行田邦子君 現行法においての過半数労働組合等への意見聴取に関する規定というのを今見ているんですけれども、これは期間制限のある派遣労働について一年の期間を最長三年に延長するときの過半数労働組合等の意見聴取についての施行規則なんですが、ここには、過半数労働組合等から反対意見が出た場合は、その当該意見を勘案して労働者派遣の役務の提供を受けようとする期間について再検討を加えること等により、過半数組合等の意見を十分に尊重するよう努めることというふうに、現行法における施行規則ではなっています。
 ところが、今回の改正法案では逆に、意見聴取をすればいい、そしてまた、そこで異議が出た場合には説明をすればいいというだけになってしまっているので、私は後退してしまっているのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#307
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 全体として今回の改正案の意見聴取の仕組みにつきましては、先ほど大臣が御答弁させていただきましたように、双方向の流れをつくるということで、これまで義務付けでなかった意見聴取の記録の周知であったり、今も委員の御指摘ありましたけれども、反対意見があったときの対応方針等の説明というのも、これまでは義務付けていなかったものについて今回仕組みとして設けて双方向の流れをつくるということで、非常に強化をしたということでございますが、先ほど委員の方から御指摘があった、一定の意見があった場合について過半数組合等の意見を十分尊重するように努めるということは、現行での派遣先が講ずべき措置に関する指針というところに規定がなされておるものでございます。
 今回、双方向の流れを非常に強化したわけでございますけれども、先ほども大臣申し上げましたように、全体としては派遣先が労働者側の意見を尊重するということもこの仕組みの中では期待されておるわけでございますので、改正後もこういったことについて派遣先指針に同様の規定を置くということについては、審議会に諮った上でということになりますけれども、私どもとしても検討してまいりたいと思っております。
#308
○行田邦子君 済みません、規則ではなく指針に書かれているということでありましたけれども、私は、それでも意見聴取ではやはり不十分だというふうに思っています。これは、過半数労働組合等からの意見聴取をするだけではなくて、合意を条件とすべきであると考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#309
○国務大臣(塩崎恭久君) 今朝ほども津田先生からこのような御意見が出たところでございますが、今回の改正案は、何度も申し上げますけれども、常用代替が起きないようにするということで、反対意見があったときには対応方針等の説明を新たに法的に義務付けるということで、さっき申し上げたようなデータの提供とかそれから説明義務とか周知義務とか、そういうものを課しているわけでございます。
 現場を重視する我が国の労使関係を踏まえれば、先ほど先生から指針についてのお触れがございましたけれども、過半数組合等の意見を十分に尊重するように努めると、こういうことがあって初めて労使自治が行われるわけでございまして、そういう意味で、派遣先が労働者側の意見を尊重するということが期待をされているわけで、歯止め効果があるというふうに判断をしているわけでございます。
 合意要件について今お話がございました。これにつきましては、合意要件を課すべきとの御指摘についてでございますけれども、派遣労働者の受入れについては、現場をよく知る今申し上げたような労使の話合いに委ねることが適当であって、合意要件を法律で課すということで労使の関係をむしろ逆に縛るというようなことは不適当ではないのかなというふうに考えているところでございます。
#310
○行田邦子君 過半数労働組合等から異議があっても聞くだけということでは全くの歯止めにならないというふうに考えていますし、これを何度も繰り返すことができてしまうわけであります。そうすると、今回あえて二十五条に運用上の配慮として派遣就業は臨時的、一時的なものだという規定をしたにもかかわらず、逆にこの二十五条との整合性が全く取れなくなってしまっているのではないかというふうに指摘をしておきたいと思います。
 そこで、質問を続けたいと思うんですけれども、過半数労働組合についてなんですが、この過半数労働組合が組織されている事業所数、またその割合についてお聞かせいただけますでしょうか。
#311
○政府参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。
 厚生労働省におきましては、事業所を対象に過半数労働組合の有無を把握している調査は実施をしておりません。ただ、労働組合の有無を把握をしている調査というのを実施しておりまして、規模三十人以上の民営事業所を対象にしました平成二十六年労使コミュニケーション調査によりますと、労働組合がある事業所の割合は平成二十六年六月三十日現在で三六・九%というふうになっております。
#312
○行田邦子君 これは、私、労働組合の有無ではなくて、過半数労働組合がある事業所がどのぐらいあるのか、その割合がどのぐらいになっているのか、これ、しっかり厚労省としても調べた方がいいと思います。今大体、労働組合の組織率が一八%を切るような状況と言われているわけでありますので、そこからしても、過半数労働組合が存在する事業所というのは、私は、先ほどおっしゃられた三六・九%よりかは当然少ないというふうに思いますし、また恐らく一〇%台、過半数労働組合がある事業所というのはあっても二割を切る、一割台なのではないかというふうにここからも推測できるわけでありますけれども、これは是非しっかりと調べていただきたいと思っております。
 非常に今、残念ながら過半数労働組合が組織されている事業所というのは減っているというふうに私は認識をしているんですけれども、そうなりますと、過半数労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者を選出することになっています。この選出基準について伺いたいと思います。
#313
○政府参考人(坂口卓君) 今委員お尋ねのように、過半数組合が組織されていない場合につきましては、今般の改正法案の中でも、労働者の過半数を代表する方を選任していただいて、その方に対しての意見聴取手続ということになるということでございます。
 これにつきましては、現行法も同様でございますけれども、今般の改正に当たりましても、労働政策審議会の建議におきまして、過半数代表者は、管理監督者以外の者とし、投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者とすることが適当であるということとされておりまして、私どもとしては、そういった内容について必要な手続を定めたいということで考えております。
#314
○行田邦子君 現行法においての規定でも投票や挙手等民主的な手続ということになっているわけでありますけれども、ところが、実態は随分違っているのではないかというふうに思います。
 私の今手元にありますのは、これ独法の労働政策研究・研修機構が行ったアンケート調査なんですけれども、これは三六協定を行うに当たっての過半数代表者の選出方法について聞いたものであります。ここで一番多いのが、過半数代表者の選出として会社側が指名した、これが二八%、そしてまた、社員会、親睦会などの代表者が自動的に過半数代表者になった、これが一一%と、これはあくまでもアンケート結果ではありますけれども、こういった結果になっているわけであります。私は、これが本当だとすると、規則やまた指針で記されていることが守られていない、つまり過半数代表者の選出方法が不適切な場合が非常に多いのではないかと思っております。
 こうした場合、伺いたいと思うんですけれども、不適切な、適切でない選出方法によってなされた過半数代表者への意見聴取というのは、私はこれ無効だと思います。その場合、労働契約申込みみなし制度が適用されることもあり得るのでしょうか。
#315
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘のあったアンケート調査ということでございますけれども、過半数代表者の選出ということが適正に行われていないということかと思います。私どもの派遣法に基づく制度においてもそういった仕組みということが必要になってくるわけでございますので、そういった点については重く受け止めて、私どもも過半数代表者の選出ということが適正に行われるように今後も努めてまいりたいと思っております。
 お尋ねの点でございますけれども、このような形で過半数代表者の選出が適切に行われなかったというケースにつきましては、労働契約申込みみなし制度の適用という問題でございますが、今後、労政審の議論を経て省令で定めるということにはなりますけれども、労働契約申込みみなし制度の適用の対象外となる手続の範囲ということを定めることにはなっておるんですけれども、今委員の方からも御指摘のあったように、過半数代表者が適切に選出されていないというようなケースということは、意見聴取手続の中では相当重要な点かと思っておりますので、意見聴取を行っていないものと同視し得るような、こういった重大な手続違反については、過半数代表が適切に選出されていないというようなケース、この労働契約みなし制度の適用の対象にはなるということで私どもとしては考えたいと考えております。
#316
○行田邦子君 労働契約申込みみなし制度の適用があり得るという御答弁でしたけれども、是非、過半数労働組合等の意見聴取、そしてまた過半数代表者の選出方法というのを、これ、もっと厳格なものにしていただきたいということをまずはお願いを申し上げまして、今日の質疑を終わります。
#317
○薬師寺みちよ君 薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。
 私、産業医として様々な現場を見てまいりました。その中で、私なりの派遣労働者の皆様方の働き方の問題点というものも捉えておりますけれども、今日は第一回目ということで、総論から入らせていただきたいと思っております。
 今日、資料一、資料二を準備をさせていただいております。私、この議論の中で今日一番同感をいたしましたのが小池先生の議論です。専門職にとって派遣というものの働き方、悪くないと思っております。私の周りにも専門職で派遣で働いている者が何名もおりますけれども、プロジェクトベースで自分のスキルを生かす、その存在価値が示せるということでモチベーションが上がっている人間もたくさんおります。そんな中で、今回、専門職、いわゆる二十六業務打ち消されてしまったということが、一つ、私、疑問でなりません。
 そこで、歴史をたどって質問をさせていただきたいと思います。そもそも、この労働者派遣法が制定される前というのは、職業安定法第四十四条で規定いたします労働者供給事業の一形態に該当するとして禁止がなされておりました。歴史的に見ましても、中間搾取が横行いたしまして、労働者を酷使し、そして使い捨てにしていたという苦い経験から、しっかりとした法案が必要だということで、昭和六十年、これまでの間の様々な経済産業構造の変化、価値観の多様化に伴う考え方を入れ込み、改正を重ねながらここまで来たということ、その歴史の中で、最初、十三業務に限って例外的に認められましたですよね。
 そこで、副大臣、教えていただきたいのですけれども、なぜ最初この派遣業務を専門職のみに定めて解禁をしたのかということ、その理由、背景を教えてください。
#318
○副大臣(山本香苗君) 薬師寺委員が今御指摘いただきましたとおり、労働者派遣制度というのは、労働者の保護と雇用の安定を図りつつ、働くことを希望する方と労働力を希望する事業者との迅速かつ的確な結合を図るためのマッチングシステムの一つとして、労働者供給事業から分離する形で法制化されたものであります。
 今御質問のありました、制定時、何でこの十三業務だけという話でございますけれども、業務の専門性、また雇用管理の特殊性といったことを加味しながら、派遣労働というのは派遣先が雇用主責任を負わずに労働力を利用できて、派遣先の常用労働者との代替が進むおそれがあるということを踏まえて、今申し上げた二類型の十三業務というものだけを外させていただいたところでございます。
#319
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この十三業務なんですけれども、次から次へと幅が広がっていくということになってまいりました。派遣業務は、平成十一年、一九九九年の改正では、それまで派遣を行ってもいいとされるいわゆるポジティブリストというものからネガティブリストへと変わってまいります。原則自由化をされたと言ってもよろしいかと思います。この先にも、二〇〇三年には製造業務への派遣が解禁される。
 派遣の労働の対象というものは無制限に広がっていく。その理由は何だったんでしょうか、教えてください。
#320
○副大臣(山本香苗君) 今御指摘のありました平成十一年改正のときのことでございますけれども、この自由化した理由は何だったのかということでございますが、労政審の建議におきまして、多様な形態での就労に係る労働者のニーズへの対応等、労働力需給両面からのニーズ、また、労働者派遣事業についての新たな国際基準を示すILO第百八十一号第二条の趣旨等を踏まえると、労働者派遣により派遣労働者に従事させることが適当でない業務以外は適用対象業務とすること、いわゆるネガティブリスト化という方式を採用することが適当という労政審の建議が出まして、これを踏まえて自由化させていただいたところでございます。
#321
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、今回、派遣の期間の制限の在り方につきまして、いわゆる二十六業務についても、業務を基礎とした期間制限の区分を撤廃しまして、派遣労働の事業所単位そして個人単位の期間制限のみ他の自由化業務に統合がなされております。
 先ほども議論がございました。附帯決議においても、これは廃止しろというような文言はどこにも見当たりません。見直しをすべきだ、分かりやすくすべきだという議論だったと思うんですね。
 今回、この専門業務のみ別建てで行っていた期間制限のルールというものを撤廃した理由を教えてください。
#322
○副大臣(山本香苗君) 先ほど来のような議論になっているところでございますけれども、派遣先の業務単位で区分する現行の期間制限について、労政審の建議におきましては、先ほども御紹介ありましたけれども、二十六業務という区分は分かりにくい等の様々な課題があることから撤廃し、二十六業務か否かに関わりなく適用される共通ルールを設けることが適当とされたところでございます。
 今回のこの改正案につきましては、今御紹介いただきました国会の附帯決議等々も踏まえまして、現行の仕組みを廃止して、業務にかかわらず適用される共通の期間制限を設けた、働く人に着眼した分かりやすい制度にすることとしたものでございます。
#323
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 三年間の派遣期間に制限をされてしまった専門二十六業務の皆様方、既に報道にもございますように、次はもう更新はないよということで大変困っていらっしゃる。先ほど高階先生も御答弁いただきましたように、相談窓口を特別に設ける、それだけで本当に問題の解決になるんでしょうか。専門職種としてプロジェクトベースで関わりながら、自分のスキルアップに対しても職場職場を移っていくこと自体が効果的だというような職種もあると私は考えております。
 このような改正の議論の中で、どうも本当に労使のニーズというものを調査し、それを勘案した上で今回の法改正に至っているか、私、いささか疑問なんですけれども、その点、副大臣、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
#324
○副大臣(山本香苗君) 今回の改正に当たりましては、先ほども、公労使で構成される労政審で議論をしていただいたわけですけれども、労政審で議論していただくその前に、検討会におきまして十六回にわたりまして派遣で働く方々や派遣元、派遣先からのヒアリングを行わせていただきました。また、午前中にも議論がございましたけれども、派遣労働者や派遣元、派遣先の実態を把握するための調査等々を行わせていただきまして、派遣で働く方や派遣元、派遣先のニーズの把握というものに努めてきたところではございます。
 このヒアリングや調査を行った結果、派遣で働く方のうち、先ほどの石井議員の議論にもありましたけれども、積極的に派遣を選ぶという方もいらっしゃれば、いや、消極的に、正社員に本当はなりたいんだという派遣の方は両方存在するということがありまして、こうした両方に踏まえた対応策が求められているということを私たちとしては認識をしているところであります。
 そのために、今回の改正案においては、正社員で働くことを希望する方については、雇用安定措置の義務化等々によりまして正社員への道が開けるようにすると。また、派遣を積極的に選択している方につきましては、派遣先の労働者との均衡待遇を推進するなどをしまして待遇の改善を図っていくというような内容のものを盛り込ませていただいたところであります。
#325
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 教えていただきたいんですけれども、そのヒアリングの中で二十六業務の撤廃をしろという意見が多かったからこそ労政審でそのような意見を取りまとめなさったんでしょうか。そこの中身の議論というものを少し教えていただけますか。
#326
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 今副大臣から申し上げたヒアリングは、労政審の検討の過程の中でということではありませんで、最近、衆議院の審議も踏まえまして、いろいろ二十六業務で従事されている方についてそういった御不安をお持ちの方がおられるということもありましたので、二十六業務、専門的な職種の中で非常にウエートが高い業種、業務の関係を扱っている派遣会社等にもヒアリングをしたということで、その過程の中では無期雇用等にするというような派遣会社の検討状況ということが多かった、あるいは派遣先でも一部には直接雇用ということも考えるというようなヒアリングで御回答を得ているということでございます。
 もう一点は、先ほど副大臣からの御答弁での今後の働き方の希望ということにつきましては、これは労政審の議論の中でも御提示をしたということでございますけれども、これにつきましては派遣労働者実態調査ということで、今後の働き方の希望ということを聞いた中で、今後の働き方として正社員として働きたいという方が四三・二%、派遣労働者として働きたいという方が四三・一%あったということでございます。
 失礼しました。(発言する者あり)
#327
○理事(羽生田俊君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#328
○理事(羽生田俊君) 速記を起こしてください。
#329
○政府参考人(坂口卓君) ちょっと申し訳ございません、私の方の聞き取りが悪くて申し訳ございませんでした。
 先ほど副大臣が御答弁申し上げたものは、二十六業務の撤廃についてということではなくて、いろいろな派遣の働き方の中でこういうお話があったということでございまして、労政審の中でその二十六業務の撤廃についてということについて確たる御意見をヒアリングで承ったということはないということでございます。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
#330
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほども申しましたけれども、そのニーズをやっぱり調査をして、しっかりと法改正につなげていただかないと、当事者の声がこれに反映をされていないということになってしまうんじゃないんでしょうか。
 私もちょっと今それを聞いて驚きましたけれども、質問でも投げているように、やっぱり歴史的な変化というものもそうですし、様々なニーズの調査も私はこの法案の中に既に織り込まれているものだというふうに考えておりました。
 ところで、二問ちょっと飛ばさせていただきまして、大臣に質問させていただきたいと思うんですけれども、常用代替が起こらないような専門職の在り方というもの、それ以外としっかり分けて考えるべきなのではないのかなと私は考えております。例えば、通訳であったりソフトウエア開発などの専門職は、キャリア形成の面でも余りこの派遣という形態、問題がないというふうに私はヒアリングで受けました。
 個々の労働者の働き方を尊重するということになると、多様な働き方を選択する専門職に期間制限なしの派遣を認めてもいいと。職種に応じた規制というものを考えていかなければ、十把一からげに派遣だからということで同じような労働形態に縛り付けるというのもひとつ、これ得策ではないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#331
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#332
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#333
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生は二十六業務にこだわりをお持ちで、なぜ廃止をしなきゃいけないのかということで御疑問をいただいているわけでございますが、様々な考え方があったかと思います、ここに至るまでに。先ほど、労政審で意見が出ていないというふうに言っておりますが、また厚労省案として建議を受けて法案を出した後にも様々な意見を私どもは聞いているところでございまして、そういう中で、方向性を探りながら今日の提案に至っているわけでございます。
 現行のこの二十六業務を含む派遣法では、派遣先での受入れについて、専門的な業務などのいわゆる二十六業務を除いて最長三年という期間制限を設けておるわけで、いわゆる二十六業務の専門性が時代によって変化をするという、それがあの附帯決議の分かりづらいというようなことになっていたりするわけで、対象業務に該当するかどうかがそのことによって分かりにくいという、そういう課題が指摘をされていた。
 そういうことを受けて、どの業務であってもその業務に該当するか否かが曖昧な領域が存在をしておって、業務単位の仕組みを維持するままでは、どれだけ周知に取り組んだとしてもこうした課題を完全に解決することはできないというふうに考えて、その上で、今申し上げたような、附帯決議を踏まえた上でこの期間制限を見直して、業務による期間制限の区分を見直して、全ての業務に適用される個人単位と事業所単位の二つの期間制限に見直すことにしたということであります。
 無期雇用派遣労働者の場合と、それから六十歳以上の方々は、この期間制限の対象を外すということにもなっていることも申し添えておきたいというふうに思うところでございます。
#334
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も、最初、山本副大臣の方に尋ねさせていただきました。最初、なぜ専門職だけに限って派遣を解禁をしたのか。その説明からしましても、やっぱり常用代替というよりも、その時期時期で必要な方をしっかりと雇用できるような、新たな制度として受け入れたんだというふうに私は解釈いたしております。
 ですから、その面から考えると、専門職の皆様方、常用代替ではないような専門職の皆様方にとって、テンポラルな雇用でしっかりと企業側もいい人材を手に入れることができる、かつ労働者サイドとしても、そのときに、必要なときにタイムリーに自分の職が手に入れられる。
 じゃ、そこを仲介するのが派遣元だというふうに考えていくのであれば、ちょっとこれは一般の、言い方は悪いかもしれませんけれども、誰にでもできるような業務と、やっぱりある程度スキルを持って、若しくはその資格を持ってできる仕事というものをしっかり分けてこの派遣法の中でも論じていかなければ、これは多くの皆様方が、今回、派遣の多様性についても今まで議論をしてくださったところだと思いますけれども、そういう様々なニーズが混在しているからこそ、ここは慎重に歩んでいかなければならないところではないかと私は考えております。それが二十六業務の撤廃というかなり乱暴なことで今回これを落ち着かせようと思ってしまうと、ちょっとその現場の皆様方のニーズにはマッチをしていない。
 是非、今からでも遅くはないです、その専門職の皆様方、働いていらっしゃるような派遣労働者の皆様方からもヒアリングを行っていただきまして、本当にこれを今撤廃した方がいいのかどうなのかということは、再認識、私はお願いをしていきたいと思っております。
 時間もございませんので次にまた進んで、これは次回に持ち越していきたいと思っておりますけれども。
 私、このような労働市場の在り方というものについてもいささか疑問を持っております。いわゆる派遣労働者の皆様方がなぜこれだけ不安定なものなのかということを考えますと、いつまでたってもトカゲの尻尾切りに利用されてしまうということが言われております。ですから、先ほど長沢先生もおっしゃったように、正規社員の雇用を守るための緩衝材の役割ということも今まで言われておりましたが、果たして今後もそのような役割でいいのかということです。
 今、この不況の中で、幾ら正社員といえども首が危ない、しかし、様々な判例によって、正社員を守るためにも、まず先にそういう非正規の皆様方、若しくは派遣労働者の皆様方というのを、解雇を求めるような判例にも反映をされているということにもなっております。
 いわゆる派遣の皆様方を守るためにも、正社員の雇用を守るために派遣というものを雇用し、派遣などの非正規社員で需給調整をするというものは、この今の世の中、少子高齢化を考えても不平等だと思うんですけれども、そこ、大臣、どのような御意見をお持ちでいらっしゃいますでしょうか。
#335
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、労働市場における需給調整機能ということについてお触れをいただいたわけでありますが、ハローワークとかあるいは民間の職業紹介事業など様々な機関がございまして、その需給調整機能というのを果たしているんだろうというふうに思います。
 労働者派遣事業というのはそれらの一つで、先ほど長沢議員のときに数字が出てまいりましたけれども、全雇用者の二・三%というのが派遣労働者で、今大体半分半分ぐらいの感じで、自ら選んで派遣で働いていらっしゃる、むしろ自らのライフステージの中で選んでいらっしゃる、あるいは残り半分の方はむしろ派遣ではないことを期待をされておられるという、そういう現実ではなかろうかというふうに思います。
 正規雇用労働者についても非正規雇用労働者についても、様々な需給調整機能によってマッチングがされて仕事を得ているというふうに思っておりまして、非正規雇用労働者だけで需給調整が行われるというのは、今先生から御指摘があったように、それはちょっと違うだろうなというふうに思うわけで、派遣などの非正規労働者で需給調整をするのは、非正規雇用で需給調整をするというのは不公平だという指摘は当たらないのかなというふうに思います。
#336
○薬師寺みちよ君 ちょっと私も今の大臣の最後のところ、理解できなかったんですけれども。
 まず、ちょっと私の意見を述べさせていただければ、弱い立場であるという派遣労働者の皆様方を守るために、やっぱり正社員という身分だけを保障するのではなく、多様な働き方の社員の皆様方を平等に中立的に、今後、中立的な労働法というものも確立して、リスクをいかに分散をさせていくのかというような考え方も必要になってくるかと思いますが、大臣のお考えをもう一度いただけますでしょうか。
#337
○国務大臣(塩崎恭久君) 今ちょっと申し上げたのは、非正規だけで需給調整をするということは、必ずしもそういう現実ではなくて、いろんな形の需給調整機能があるということを申し上げたかったということでございます。
 今、ちょっと先生、最後の疑問点についてもう一回御質問いただけますか。
#338
○薬師寺みちよ君 ですから、質問としては同じなんですけれども、やはり正社員だけを保護して、正社員でない方々で需給調整をしていく、ですから不況のときには首を切られてしまうというようなやり方ではなく、リスクを分散した上で多様な働き方の社員を平等に取り扱っていく、中立的に取り扱っていく。例えばの話、不況のときには正規、非正規共に労働時間を短縮して所得を保障していくような、そういうリスクの分散というような考え方で労働というものを今後考えていかなければならないんじゃないんですかという問いです。
 ですから、正社員を守り、非正規の皆様方、特に派遣で働いている皆様方が真っ先に首を切られてしまうというような労働の在り方では、今後少子高齢化、大切な人材を生かしていくという意味においても、変えていくような、ちょっと意気込みを聞かせていただきたかったんですけれども、お願いいたします。
#339
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生おっしゃったのは、基本的に私も同じ考え方で、いろんなライフステージの中で働き方のニーズは皆さん変わってくるわけでありますから、そういう中で、正規の場合も非正規の場合もいずれもあり得るわけなので、それが不本意で働いている形態かどうかということが大変大事で、できる限りこれは不本意でない形で、自らのニーズに合った働き方を選べるという多様な働き方が大事ではないかというふうに思っているので、そういう形で労働市場全体の中での労働ニーズと、需要とがうまくマッチをして、できる限り自らが希望する働き方の中で、その労働の、何というか、成果も実現をしていくということが、達成できることが大事なんだろうなというふうに思います。
#340
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私、ちょっと今日用意していた質問の半分も終われなくなってしまったんですけれども、しかし、今私もいろいろ議論をさせていただいて、まず最後に一問だけ大臣にお答えいただきたいんですけれども、一体大臣として、派遣労働というものをこの経済社会の中でどのような役割を担うべきと考えていらっしゃるのか、短くで結構でございます。一問だけお答えいただけますでしょうか。
#341
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来ずっと申し上げているように、自分の希望する時間とか場所とかを選び、自らの専門知識も生かしながら働くということが大変働く側にとって最も大事であって、一方で企業側も、専門的な知識とか技術とか経験とかいろんな形で業務に対応できる人材を探している、そしてそれもスピーディーに的確にタイミングを逸することなく企業としてもその実現を図っていきたいという、そういうニーズをうまく合う中で働く形態の一つが派遣ではないのかなというふうに思うわけで、申し上げたように、やはり働く本人が納得がいかないままで行われるということができる限りないようにしていくということを配慮しながら、この制度を仕込んでいくということが大事なのではないかというふうに思っているところでございます。
#342
○薬師寺みちよ君 以上で終わります。ありがとうございました。
#343
○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#344
○委員長(丸川珠代君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りをいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案につき、現地において意見を聴取するため、委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#345
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#346
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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