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2015/08/04 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第23号
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2015/08/04 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第23号

#1
第189回国会 厚生労働委員会 第23号
平成二十七年八月四日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三十一日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     石橋 通宏君
 八月三日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     藤川 政人君
 八月四日
    辞任         補欠選任
     藤川 政人君     酒井 庸行君
     小池  晃君     吉良よし子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                木村 義雄君
                酒井 庸行君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                藤川 政人君
               三原じゅん子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                吉良よし子君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  姉崎  猛君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       土屋 喜久君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省政策
       統括官      石井 淳子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、相原久美子君及び石井みどり君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君及び藤川政人君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○島村大君 自由民主党の島村大でございます。
 本日は、少し時間が短いため、少し駆け足で御質問させていただきたいと思います。
 今現在、日本の派遣労働者は約百二十六万人の方々がいらっしゃると言われております。ですから、大臣始め皆様方に、この派遣労働者の百二十六万人の方始め国民の方々に是非とも今日もより一層分かりやすく御説明をいただければと思っております。
 さて、先月、厚労省が七月三十一日に発表しました資料によりますと、現在の雇用情勢は一部厳しさがまだ見られるものの、着実に改善が進んでいるという資料が出されました。また、アベノミクス等々で景気が上向き、正社員の採用に積極的な企業も増えていると聞いております。
 今回のこの法案、個人に合った働き方を選択する環境が整うためにこの改正案を出させていただいたと、そういうことで、派遣で働きたい方は待遇の改善を図り、正社員として働きたい方はその道を開かせていただくというものだと私は認識しております。ですから、やはり正社員を希望する方々は非正規ループから断ち切るきっかけになる法案だと私は思っていますので、是非ともそこを大臣から、大切なキーワードを含めてお話ししていただきたいと思います。
 まずはこの改正案の意義に関しまして、本当に何回も皆様方御質問していますけど、是非ともこれは何回も、国民の方々に理解していただかなくちゃいけないと思いますので、是非ともそこは大臣、よろしくお願いします。派遣の働き方に対しての労働者のニーズは現在どうなっているのか、また、今回の改正案は労働者が自身のライフスタイルに合わせて希望する働き方を実現できるものではないかと思われていますが、改めて大臣から御説明をいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、島村先生から御指摘ありましたように、今大体、派遣で働いていらっしゃる方々は百二十六万人でありますが、ピークには百九十八万人ぐらいおられたわけであります。
 今御指摘のとおり、派遣で働くことをあえて選択をされるという方々が、むしろ派遣よりは正社員でいきたいという方々とほぼ同数ぐらいいるというふうに認識をしているわけでありまして、その方々がなぜ派遣を選ぶことがあるのかということでありますけれども、やはりこれは働く方々のお一人お一人のニーズというものに焦点を当てて考えてみると、それぞれ年齢やあるいは持っていらっしゃる職業的な能力やあるいは家庭の与えられた条件とか、いろんな条件があると思うわけであって、今先生が御指摘になったように、ライフステージに合った働き方としての派遣労働というのがあるんだろうというふうに思います。企業で働くと、なかなか自分の強みを生かしてもらえないとかいろんな考え方があり得るというふうに思うわけで、結局、希望する職種とかあるいは勤務地とかあるいは勤務の時間の在り方とか、こういった条件を満たす企業を選びやすいということが一つ言えるかなというふうに思いますし、全体として見ると、やはりワーク・ライフ・バランスがそれぞれの方々違うわけでありますけれども、それにそれぞれ合った形のものを選ぶことが可能ではないかというメリットを感じているのではないかというふうに思っているわけであります。
 一方で、派遣という働き方については、正社員に比べると雇用が安定をしない、あるいはキャリア形成が図られにくい、職業能力アップを図るチャンスが限られているといったような課題がありますので、今回の改正案では、派遣をあえて積極的に選択している方々については待遇の改善、その裏打ちするものはやはり職業能力がその人の評価につながるわけでありますので、キャリアアップを図る手だてを組み込むということを新たに義務付けるということにしましたし、それから正社員を希望する方に、派遣で取りあえず働いておられても、そこから正社員への道が開けるようにこれは様々な義務化を図る手だてを講じておりますけれども、基本はやはり能力アップということが大事であって、これは共通して、派遣を選ぶ方そして正社員を望む方いずれにとっても、やっぱり今回導入をいたしますキャリア形成支援制度というものがとても大事だというふうに思うわけであります。
 政府としては、派遣で働く方の待遇改善そして正社員化を進めることによって、労働者自身のライフスタイルに合わせて希望する働き方ができる制度を実現してまいりたいというふうに考えております。
#8
○島村大君 大臣、本当に丁寧にありがとうございます。
 今大臣からお話がありましたように、派遣で労働していただいている方々は、派遣のままでいい方と正社員希望の方が半々いらっしゃるということで、やはりそこは、全員正社員希望じゃなく、派遣のままでいいという方ももちろんいらっしゃいます。ただ、やはり派遣で働く方は待遇の改善をより一層希望なさっていると思いますし、正社員化を希望している方はより一層正社員になれるように今回の改正法案ができていると言われています。
 次に、正社員化の促進のためにどういうふうな政府は正社員化の後押しをしていくか、これを教えていただきたいと思います。
#9
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方から、派遣労働者の正社員化に向けての対応ということでございました。
 全般的な考え方については今ほど大臣の方から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、正社員を希望する方にその道を開いていくというために、今回の改正法案では、まず派遣元に対してということでは、いわゆる雇用安定措置の中でございますけれども、派遣期間の満了時に正社員になったりというようなことを、直接雇用の依頼という形で、選択肢の一つとしてそういった措置を講ずるということを義務付けているということがございます。
 それからもう一つは、先ほど大臣からもありましたけれども、キャリアアップが大事ということで、今回、正社員の道を開くことにもつながるということで、キャリアアップのための計画的な教育訓練ということを派遣元の方に義務付けるということも新たな措置として対応しておるというところでございます。
 一方で、派遣先に対してということでございますけれども、こちらの方は、派遣で働く方に対して正社員募集をする際には情報提供をしてもらわなきゃいけないということを新たに義務付けるというようなことを今回の改正法案では盛り込んだというところでございます。
 このほかの予算措置事業ではございますけれども、派遣先の方が派遣労働者を正社員として雇用する場合の支援ということをするためにキャリアアップ助成金という制度がございますけれども、この助成金について、二十七年度につきましては助成額を一人当たり六十万円から八十万円に拡充するというような形で更に活用を進めるというふうな対応を図ってまいりたいということで考えております。
#10
○島村大君 ありがとうございます。
 今詳しい御説明がありました。ただ、現実的にいろんな企業さんに聞きますと、例えば、派遣社員の方々で、この方は優秀で頑張っているので、やはりこの方を正社員にしようという企業さんもたくさんいると聞いております。ただ、派遣社員が何人もいる企業ですと、その方々から数名正社員にして残りの方々はしないよとか、そうしますと現場が混乱するとか、やはりいろんな現場の状況もあると聞いております。ですから、今回のこの話とは少し違うかもしれないんですけれども、やはり現場の声をより一層聞いていただいて、今後そういうことを改正に入れていただきたいと思っております。
 時間がないので、次に行かせていただきます。
 二十六業務について御質問させていただきます。
 とりわけ、この二十六業務で従事、現在している方々が、やはり世間でよく言われています四十代とか五十代とか、私も残念ながらその四十代、五十代に入ってしまうんですけど、四十代、五十代の方々は、どうしても若い方と違ってだんだん派遣先が見付からなくなるんではないかとか、そういうことが言われています。
 これに関しまして、政府は、必要な指導監督ですか、我々医療機関も指導とか監督と言われますとしっかりとそれに関しては敏感になるんですけど、この派遣に関しましてもしっかりと指導監督をしていると言われていますけど、その辺についてお答えをお願いいたします。
#11
○大臣政務官(高階恵美子君) 比較的年齢を重ねていった方々の雇用の安定ということだと思いますが、派遣で働く方の雇用を保護すること、とても大切だと考えております。そして、今回の雇用安定措置、これをいかにして履行を確保していくかということについて私どもも工夫をしてまいりたいと考えておるところであります。
 派遣法に基づく派遣先の指針あるいは派遣元指針、それぞれ定められておりますけれども、例えば、今お尋ねの年齢やらそういうことに関しては、労働者を特定することを目的とする行為の禁止、これを派遣先の指針の中に定めてございまして、派遣に先立って面接することや、派遣先に対して当該労働者に係る履歴書を送付させることのほか、若年者に限ることとする等、派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないことを定めてございますとともに、また派遣元に対しましても、それらを目的とする行為に協力することを禁止することを定めてございます。
 こうしたことがしっかりと履行されるように、実は平成十六年から指導監督等の業務を行う需給調整指導官を配置して、これ順次増員してまいっているところでございますが、スタート地点で二百二十二名だったこの調整官、今年も増員を図りまして、やっと五百名を超える人員を配置するに至っております。今年度で五百十一名、全国の労働局に配置するということになってまいっておりますので、こうした指導官の徹底した、法律違反等がないような指導、そして相談に乗る体制を更に強化するなど、しっかりとした指導監督体制が確保できるように、厳しい行財政改革を踏まえつつも、最大限の努力を続けてまいりたいと考えてございます。
#12
○島村大君 ありがとうございます。
 派遣元が届出制から許可制にするとか、いろいろとそういうふうに指導官がいらっしゃるということなので、是非とも、この指導官がいらっしゃるということを世間にやはりこれはPRしていただいて、しっかりと、派遣で働いている方々も、こういうシステムがあるとか、困ったときには全国の労働局に窓口があるとか、そこをPRしていただければと思います。
 時間になりましたので、最後に、やはり真面目に働いてせっかくスキルアップ、実力を付けていただいた働いている方々が、やはり正規になりたい方は正規になれるように、また、派遣でこういうライフバランスが、自分の生活に合った仕事ができるようにできる、この二つをしっかり国は進めていただきたいと思いますので、また状況が変わり、三年、五年たちましたら、また多分その実態に合ったように変えていくと思いますので、是非ともそこは続けていただきたいと思います。
 時間になりましたので、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
#13
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 さて、今回の労働者派遣法の改正案につきまして、塩崎大臣は、本会議や当委員会でのこの法案の趣旨説明でこうおっしゃっているんですね。「労働者派遣事業の質の向上を図り、派遣労働者の正社員化を含むキャリア形成を支援する等の仕組みを設ける」、こうおっしゃったわけなんですけれども、ここで坂口部長にお伺いいたしますが、正社員の定義は法律で決められているんでしょうか。
#14
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの正社員という言葉についての定義ということでございますけれども、労働関係法令上、正社員という言葉を定義したというものは存在はいたしません。
 ただ、今、提案理由説明、趣旨説明の大臣の言葉も御引用いただきましたけれども、一般的には、この正社員という言葉につきましては、いわゆる労働契約の期間については期間の定めがない、それから所定労働時間についてはフルタイム、それから直接雇用というものを正社員と呼んでおって、先ほどのような趣旨説明等で申しております派遣労働者の正社員化を含むキャリア形成云々という形で正社員化について御説明している際については、直接雇用等の今申し上げた一般的な正社員というものを指しているということでございます。
#15
○白眞勲君 私は本当に不思議なのは、法律の定義がないにもかかわらず、正社員、正社員とずっとおっしゃっているわけなんですね。よく分からないんですけど、今も十五分間の島村さんの御質問、御答弁の際にも、私ずっと数えていたんです、ここで。十回以上数えていたんだけど、もう十回以上になると私も数えるのが嫌になっちゃったので数えないぐらい正社員という言葉を使っていらっしゃいます。しかし、実は、正社員という言葉の法律上の定義はなくて、今も坂口さんおっしゃいましたように、一般的にはこうですよということでやっているということなんですけれども。
 じゃ、ちょっとお聞きしたいんですけれども、一般的な我々の認識する正社員というのは何を意味しているかというのは今おっしゃった。じゃ、それと今お答えのあった、一般的には、労働契約期間の定めがないとか所定労働時間、あと直接雇用、こういったものとの違いは何なんですか。我々の一般的な認識との違いはどこにあるんでしょうか。
#16
○政府参考人(坂口卓君) 先生の一般的な意識と先ほど私どもで一般的にはと言った部分についての違いはないんだろうと思っておるんですけれども、いわゆる法律上、正社員という言葉をなかなか設けられないのは、いろいろ各企業等では正社員という言葉のニュアンスということについては若干呼称めいて使われているというような実態が相当多く出ているということもありますので、そういったものを法律でがしっと定めるというのはなかなか難しいということもあり、これまでも労働関係法令上、正社員という定義を設けているというものはないということでありますけれども、いわゆる一般的なということでいくと、今日も私ども答弁しておるような、あるいは今委員の方からもあった一般的なという意味でいくと、やはり先ほど御答弁したように、期間の定めがない、フルタイム、それで直接雇用という趣旨であるということについては私どもとしては違いがないということで考えております。
#17
○白眞勲君 今部長は、各企業によって正社員の言葉のニュアンスが若干違う場合があるとおっしゃった。そこ重要なんですよ。つまり、正社員の定義がきちっと定まっていないから、ニュアンスの違いがあるならば、正社員自体が本当にその企業によってニュアンスの考え方が違う以上は、一般的にはその三つの条件が定まったとしても、それは意味がなくなるんではないんでしょうか。私はそういうふうに思っているんですね。
 もう一回お答えください。言葉のニュアンスというもので、ここで法文の審議をしているんです、我々は。言葉のニュアンスが違うものを、ざくっと、ばっくりと、漠然とそういうことをやられたら、それは議論にならなくなるんですね。もう一度その辺りについて御答弁願いたいと思います。
#18
○政府参考人(坂口卓君) 繰り返しになるわけでありますけれども、やはり企業によっては、例えば直接雇用ではないような、言わば派遣の形態を取っている場合でも、技術者の派遣の会社さん等であれば、処遇、待遇についてもやはり直接雇用の方と同じような形で雇用されておると。そういった場合に、例えば自社としては正社員というようなことを既に使われて定着しているというようなこともありますので、そういった現状等々を鑑みる中で、法令上で正社員というのを今改めてこういう形で定義するということについては、実態も混乱するということも含めて、私どもとしたら、今も存在しないし、今改めて定義するというのはなかなか難しいのではないかと。
 ただ、いわゆる施策としていろいろ推進していく中での正社員ということについては、先ほど来申しておるような内容ということについては、我々としたら、はっきり明確にさせていただきながら、その推進ということはしっかり図ってまいりたいということでございます。
#19
○白眞勲君 今ちょっと私も驚いたんですけれども、派遣の待遇をしながらも正社員と言っている人もいるんですよと言ったわけですね。それじゃ意味ないじゃないですか、正社員化をどうするか。
 いや、もちろん、それは正社員という言葉がこうだああだということを、今答弁でははっきり言ったのかもしれないけれども、法文上書いていないというのが私はおかしいのではないのだろうかというふうに思うんですね。
 今、混乱を招くともおっしゃいましたよね。正社員ということを定義すると、逆に混乱を招くからやらないんだと。だったら、そういう言葉を何で使うんですか。正社員という言葉を使うことによって、混乱を招くような言葉をたった十五分間の間に十回以上答弁で使っているというのは、私はおかしいと思いますよ。そういうふうに思いませんか、それは。
 やっぱり正社員化ということをきちっと定義する、正社員というのを法律上定義するというのが必要だと思いますけれども、どうなんでしょうか。
#20
○政府参考人(坂口卓君) 何度も繰り返しのようになって恐縮でございますけれども、正社員という定義そのものについては、やはり法令上は、今の呼称の実態でありますとか、いろいろ昨今多様な正社員というような形で私どもも推進をしておるようなものもございます、いわゆる短時間の正社員であったり、あるいは職務限定であったり、地域限定というような正社員というような概念もありまして、そういった意味も含めて、法令上の言葉で整理をするにはなかなか無理があると。
 ただ、先生からはいろいろ御指摘は受けておりますけれども、いろいろ今回派遣という働き方について、派遣という働き方を積極的に選んでおられる、あるいは正社員になりたい方という意味での正社員というのは、派遣と相対峙するものとして直接雇用ということでありますので、そういう意味での政策のターゲットとしてはぶれがないように、先ほど申し上げたような三つの要素を含めた方を正社員ということで、しっかり政策としてはターゲットを絞ってやっていきたいということでございます。
#21
○白眞勲君 いや、今の答弁、矛盾していませんか。今、多様な正社員があって、短時間でも正社員と呼ぶ場合も、政府としてはそういうのも正社員と呼びますと言いながら、一番最初に言ったのは、所定労働時間がフルタイム、直接雇用、労働契約の期間が定めがないということと、今自身でも御答弁に私はそごが出てきていると思うんですね。
 そういう中で、何で法律上の定義もない言葉を用いて、今まで総理を始めとして厚生労働大臣、政府の官僚、当委員会の先週の質疑、今日の質疑、当たり前のように正社員、正社員とみんな発言しているではないですか。
 私、厚生労働委員会で今回初めてなんですけれども、驚きました。正社員の定義がないって、厚生労働省って、これ労働の一般のことをつかさどる政府の部署じゃありませんか。その一番基本なのは、正社員は何なのかという言葉の定義から始めないと、私は先に進めないと思いますよ。私は驚いたんですよ。普通の人はびっくりですよ。厚生労働省で正社員の定義が定まっていませんなんて、法律上の定義がないなんて、さっぱり分からないですね、今、話を聞いていても。
 だから、今最初に坂口さんがおっしゃったように、三つの条件があるけれどもと言ったけれども、逆に政府の方でも多様な正社員を今やっていますなんて言っているんだったら、何の正社員だかさっぱり分からないじゃないですか。今まで我々がやっている議論って一体何だったんだろうかというふうに私は不思議に思うんですけれども、その辺はどうでしょうか、坂口さん。
#22
○政府参考人(坂口卓君) 今申し上げました短時間正社員等々のというのは、いわゆる、さっき申し上げた一般的な典型的な正社員に、一歩手前と申しますか、その正社員を含めて働き方の多様化が進んでいく中で、そういった概念を設けて、より非正規から正規の社員に二極化をどう縮めていくかという意味で、そういう働き方ということも現実的には現場でも行われているし、そういった働き方を推奨する中で、その二極化ということを解消していくという流れの中で使われている用語ということなものですから、そういったものが使われているということ自身が実際施策との関係で弊害があるということでは私どもは考えてはおらないところであります。
 ただ、何度も繰り返しになりますけれども、やはり実態がそういういろんな形で使われている中で、法律で正社員という形を定めていくということについてはやはり実態との関係でもなかなかそぐわないので、法令上定めるということについてはなかなか現段階では無理があるということで私どもとしては考えているということでございます。
#23
○白眞勲君 今の話をずっと聞いていると、正社員というものを一般的に言ったって、今の話ですと、正社員の一歩手前も正社員でございますとか、それは話としておかしいですよ。今そうおっしゃったじゃないですか、正社員の一歩手前も正社員って、どういう意味なんですか。もう一回それを答えてください。正社員の一歩手前って何ですか。
#24
○政府参考人(坂口卓君) 一歩手前というのはちょっと語弊のある言い方だったかと思いますけれども、いわゆる先ほど申し上げた一般的な正社員はフルタイムというところですけれども、いわゆるパートタイマーの形だけれども、徐々に正社員に向けて処遇を改善していくという中では、短時間という形式は取っているけれども、期間の定めがないとか、そういう正社員の形式を取るような形で、先ほど申し上げた非正規と正規という二つにはっきり分かれている状況を、徐々に、二極化という形で分かれている状況を多様な働き方によって縮めていこうという意味で申し上げたので、一歩手前というのはちょっとやや安易な、安直な言葉で申し訳なかったかもしれませんけれども、そういう多様な働き方が進んでいるという中でそういう呼称ということも使われているということの御趣旨を申し上げたところでございます。
#25
○白眞勲君 いや、私は趣旨を聞いているんじゃないんですよ。
 正社員の一歩手前というのは、これ正社員じゃないんですよ、普通は。そうですよね。だから、語弊があるとか、あと弊害があるという言い方をされていましたよね、あるいは実態とそぐわないという言い方をされていました、今さっきの答弁で。でも正社員だと。でも、私が申し上げているのは、今ここで議論しているのは非常に重要なことなんです、これは。つまり、そういう中での派遣労働者。
 もう一回聞きますよ。
 正社員には法律上の定義がない、これはもう分かりました。しかしながら、派遣労働者の定義はありますよね、これ。これはこの法律の二条に書いてあるわけですよ。当然、趣旨説明などでは正社員を言葉として用いるならば、それをきちっとやはり法律上書かなければおかしいわけですよ。片方は法律上の定義がなくて、何か正社員の一歩手前も正社員かもしれませんみたいなことを言っている。分からないですよ、それじゃ。片方はある、派遣労働者という言葉はあるわけですよ、法律上の法文上に。そうしたらば議論にならないんです、これ。正社員、正社員と言うならば、まず厚生労働省として正社員だという定義を確立させてからこの法案を出し直すべきだ、私はそういうふうに思いますが、どうでしょうか。
 これは、じゃ、大臣、どうでしょうか。今までの議論を聞いていて、どう思われますか。
#26
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど部長の方から三つの要件申し上げましたけれども、ハローワークで求人をする際のいわゆる正社員というときは、先ほど申し上げた雇用形態として三つの、直接雇用、雇用期間に定めがない、フルタイムと、それから、社内の他の雇用形態の労働者に比べて高い責任を負いながら業務に従事する、正社員はこの四つの要件を満たしているというふうにハローワークではやっていると私は聞いているわけでありまして、理解をしているわけでありまして、今先生御指摘の点もごもっともな御指摘だと思いますが、ただ、実態的にこの雇用形態がいろいろな形になっているのは、恐らく、例えば個々人の働く人から見れば、どれだけの責任を持たされて働いているのかというのが、正社員というか、正規、非正規の大きな違いである場合も多いわけですね。
 最近出てきている、いわゆる時間で、地域限定の正社員もそうですけれども、短時間の多様な正社員と最近言っていますが、多様なパターンを持って、もちろん社会保険は付くとか、そういうようなことを含めて、しかし、フルタイムではないけれども責任は持っていただいている働き方をその社内では正社員と呼んでいるということもあって、したがって、法律で定めるべきじゃないかという御指摘は、一つ考え方としてはあり得ると思いますけれども、やはり法律で定めると、それ以外が正社員ではなくなってしまうということになってしまうのはいかがなものかというふうに思いますので、私どもとしては、そこのところは、さっき申し上げた要件をもっていわゆる正社員というものを考えているのだということであって、そこの現実の幅はいろいろあり得るということを許容するということでいく方がいいのではないのかというふうに思っているところでございます。
#27
○白眞勲君 大臣、だんだん何か、正社員がどんどん広がっていくんですよ、答弁されていると。
 今また始まったのは、責任感の大きさの違いだとおっしゃったり、それから、今、多様な正社員という言葉をおっしゃいました。ですから、答弁を、私ずっとこれしていると、だんだんだんだんこれが広がっていくような感じがしてしようがないんです。また、ハローワークでの正社員というのはこういう定義でございますと。だったらちゃんと、逆に法律に、今大臣もごもっともというお話をしていただきましたけれども、私はもっともだと思いますよ、これ。当たり前じゃないですか。
 自民党の議員がテレビでも正社員になれるんですよみたいなことをおっしゃっているんですよ。ところが、その正社員という考え方が何だか訳分からないわけですよ、今の政府の御答弁では。どんどんどんどん広がってきて、何でもありじゃないですか。だから、それ以外にもなんて今おっしゃいましたよね。現実の幅を許容しているんだということになったら、これ、正社員が何だかふわっとしたもので、さっぱり分からない。
 派遣労働はがちっと決まっている、正社員はふわっとしています、でも、その中に実は派遣も入っていますみたいなことは坂口さんもおっしゃった、今。それでいて、一歩手前でございますとか。だけれども、その前には、一番最初には、この定義というのはこの四つの条件が入っていることが我々の正社員でございますとはっきり答弁したけれども、今の答弁とのそごがあるんじゃないんでしょうか。このそごについて、坂口さんはどう思いますか。
#28
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど大臣からも御答弁させていただきましたけれども、私どもとしては、そごという意味では捉えていませんで、冒頭申し上げたように、いわゆる一番一般的に正社員というイメージで捉まえるものとすると、期間の定めがない、直接雇用、フルタイムということですけれども、いわゆる正規雇用という流れの中でいろんな、処遇の改善も含めて、より非正規から正社員に向けてという動きの中ではいろんな働き方が出てくると今大臣が申したとおりで、そういう中で、そういう働き方をどういう言葉を使ってどう定義付けるか、表すかという中で、短時間正社員とか地域限定の正社員とか職務限定の正社員というようなことを先ほど来申し上げているということで、ですから、そういう意味では、典型的な、一番一般的なということで申し上げた、正社員そのものではないんですけれども、より非正規からいくと多様な働き方ということでの二極化を狭めていくという形で使っているということですので、それ自体が私どもとして矛盾をしているということでは考えていないということでございます。
#29
○白眞勲君 私、先ほど御定義申し上げましたけれども、また一つ言葉が出てきましたね、地域限定正社員という言葉ですよ。言えば言うほど出てくるんですよ、私が聞けば聞くほど。
 正直、限定していいんですよ、正社員というのは。今言った三つの条件が正社員だ、それを法律に書けばいいじゃないですか。そうすればすかっとするんです、これは。正社員自体がふわふわふわふわしているのに、それはこの法律として、あるいは趣旨説明で言う正社員が何だか訳分からない。答弁ではっきりと三つの条件がありますよということを言ったって、法文を我々は審議しているんですから、我々の認識はこうでございますなんと言ったってこれは意味がないんですよ。
 もう一回聞きます。
 では、この正社員という、直接雇用の正社員との、その今のふわっとした正社員と、どこの法文にこのふわっとした正社員が書いてあるんですか。このふわっとした正社員はどうするんですか。まあ、ふわっとしたというのは私が言った言葉だから、もう一回言うと、地域限定正社員だとか短時間の正社員だとか現実の幅の距離がある正社員、そういう言葉というのはこの法文のどこに書いてあるんですか。
#30
○政府参考人(坂口卓君) 今申し上げました多様な正社員というのは、施策を広げていく中で、先ほど来申し上げているような多様な働き方ということを、正規、非正規の二極化を解消していくという流れの中でいろんなそういう現実の取組を進めていく、あるいはそういったものを支援していくということでありますので、この派遣法等の法律で掲げているというものではありません。
 ただ、現実には、助成制度とかというようなもので助成金の対象とするというような意味で、そういったカテゴライズを設けようという動きはしておりますけれども、全体とすると、施策としての二極化の解消を進めていこうという流れの中で出てきておる、多様な働き方を進めるという一環で使っているという用語でございます。
#31
○白眞勲君 そうすると、今御答弁になった一般的にはという三つの条件、この三つの条件から今度は多様な正社員をこれから考えていくんですということになったら、この三つの条件から外れるということでもいいということですよね、今の御答弁は。そうでしょう。
 正社員というのは、今言った三つの条件が正社員だと我々は思っていますよ、我々は思っている。でも、今の政府の考え方というのは、多様な正社員にしていきたいんだと、地域限定だとか短時間だとか、何かもう本当にいろいろな言葉が今じゃんじゃん出てきているんだけれども、そういった正社員も含めて正社員にしていくんですということになったらば、今の答弁矛盾していませんか、これ。どうなんですか、それ。ちょっとちゃんと答えてください、それ。全然さっぱり分からない。
#32
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど来申し上げていますように、一般的ないわゆる正社員というのが先ほど冒頭申し上げたものであることについては、これは私どもとしてはぶれがないわけであります。
 ただ、先ほど来申し上げているように、非正規と正規という、正社員でなかったらもう非正規労働者しかないということでいってしまうと、なかなか非正規労働者の方の処遇の改善ということになっていかないので、その間の概念というような働き方、これは現実的に、これは我々がどう進めていくという以前に、もう企業のいろんなお取組の中でも、さっき申し上げたようなパートタイムの、フルタイムじゃないけれども期間が定めのない直接雇用であったりというような働き方が現実にあるものですから、それをどう呼称として呼んでやっていくかということで、その一つの呼び方として短時間正社員という呼び方をしているので、それが正社員との関係で、じゃ、完全に正社員の中の概念なのかそうじゃないのかというのは議論の整理の過程の中での話なので、いわゆる正社員として典型的なというのは先ほど来申し上げている三つの概念ではありますけれども、十把一からげにこれかこれかという世界では現実にもうないものですから、そういう意味で、まさしく正社員という言葉の概念というのもなかなか法令上定義するというのが難しいということも含めて申し上げたということが、冒頭からの御答弁をさせていただいている内容でございます。
#33
○白眞勲君 ですから、我々は今法案を審査しているんです。そういう中での御答弁と質問との間での正社員と派遣労働者というのは、ある意味二極化の中でしゃべっているのではないのかなと思うんですけれども、今の部長さんの話ですと、そうじゃないんだと、いわゆる過渡期のやつがあるんだと。過渡期も正社員なんですということになったら、我々が聞いている正社員というのはどこの部分の正社員だかさっぱり分からなくなるんです、これは。議論の前提が私は崩れていくのではないかなと思うんです。お分かりになりますか、私の言っていることが。何か、半分うなずいているような半分横を向いているような感じなんだけど。
 だから、そこの部分をしっかりと煮詰めなければ駄目ですよ。要は、正社員とはこうなんです、正社員とはこうですと、それに向かって我々はこういう働き方もありますねというんだったら話はすとんと落ちるんですよ。でも、それは、正社員はこうなんだから、正社員以外だから、それはどういう名前を付けるかは分かりませんけれども、正社員というのは、我々の認識の正社員は今言った三つの条件ですよ。それを何で書かないんですか。それを書けばいい話じゃありませんか。何で書かないのか、その理由を教えてください。もう一回。
#34
○政府参考人(坂口卓君) そこは、何度も恐縮でございますけれども、先ほど来大臣も私もずっと答弁させていただいている中での、今回いろいろな正社員化という向きでの正社員ということは、いわゆる先ほど来申し上げている三つの正社員と、これは先生とも一致していると思うんですけれども、それを書けないということについては、先ほど来申し上げているような形で、正社員というのが現実に、あるいはそういう二極化を防ぐための形として正社員という言葉がいろんな意味合いでも使われているという中で、あえて今、労働関係法令上、正社員という言葉を法令上定義するということについては、混乱も招くし、現実との関係でも違いが出てしまうということで申し上げているということで、施策として、あるいは我々として正社員化を目指すという意味では、先ほど来申し上げている期間が定めのないフルタイムでの直接雇用ということについては、これは特に矛盾はしていないし、分かりやすいという形で私どもとしては考えているということでございます。
#35
○白眞勲君 混乱しちゃいましたよ、私。
 今、いろいろな正社員化を目指すと言っているわけですよ。いろいろな正社員化を目指すと政府は考えているんですよ。いや、私は違うと思いますよ、これ。正社員は正社員なんですよ。いろいろな正社員というのはないんですよ、これは。せめて三つの条件は含めてくださいねが正社員じゃありませんか。いろいろな正社員というのは、これはごまかしじゃありませんか。私、そう思いますよ。ちんぷんかんぷんですよ、そんな正社員。私はそういうふうに思いますよ。
 これ、もう一回言いますよ。
 派遣労働者というのは法文に書いてある、正社員というのは書いてない、それでいて正社員化を目指す何とかですといったら、何のことか分からない。今それをはっきり聞いてみたら、三つの条件だとは言われながらも、実は我々政府としてはいろいろな正社員化を目指しているんですと。つまり、この三つの条件にはとらわれていないんですということを片や今おっしゃっているんですよ、坂口さん。言っていること分かりますよね。
 三つの条件ですよと言いながらも、実は、我々の目指しているのはこっちでございます、それはいろいろな正社員化を目指すものだと今おっしゃったじゃありませんか。これは全く矛盾していませんか。
#36
○政府参考人(坂口卓君) ちょっと私の言い方が、先ほどどう言ったかというのが今定かじゃないですけど、多様な正社員化と私が言ったかなというのがちょっとはっきりしなくて、私は、多様な働き方として短時間正社員とか地域限定の正社員というのが、二極化の流れの中で解消するために、多様な働き方として、より正社員、完全に三要素だけで成っている正社員というところに近づくとか、近いものとしての多様な働き方としてそういう働き方がありますということで言っておるわけで、その過程の中では、二極化を防ぐ中でそういった短時間正社員も含めた多様な働き方ということが今も出ているし、我々とすると、二極化を防ぐためには、そういう働き方ということについては、よりいわゆる正社員、一般的な正社員に近づくものですから、そういった働き方については我々としても推奨しているということで申し上げているということであります。
#37
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#38
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#39
○政府参考人(坂口卓君) 私の方の答弁が紛れがあって申し訳ございませんでした。
 明確にまとめて申しますと、私どもとして目指す正社員化ということについては、労働契約の期間の定めはない、所定労働時間がフルタイム、そして直接雇用であるものを目指すということで、正社員化ということで私どもとしては考えているということでございます。
#40
○白眞勲君 だから、それをこっちが正社員、何ですかというと、ああいうのもこういうのもとどんどんどんどん膨らむと、さっぱり分からないんですよ。
 総理は、これは津田弥太郎理事の本会議での質問で、この正社員についてこうおっしゃっていますね。「労働関係法令上、正社員という確立した定義はありませんが、」、今まさに坂口さんが答弁されたとおり、「一般的には、労働契約の期間の定めがない、所定労働時間がフルタイムである、直接雇用であるといった状況にある方を正社員と呼んでいます。」といってはっきりと言っているんですけれども、「今回の改正案では、こうした意味での正社員を希望する方について、」と、つまり正社員の定義は、こういうことの三要件の正社員を希望する方についてと逆に総理ははっきり言っているわけですよ。その道が開けるようにするため、派遣元の責任をというふうに云々ということになっているんだけれども。ということは、こうした意味での正社員ということは、ほかの意味での正社員もあるんだなということなんですよ。そういうことですよね、こうした意味での正社員を希望するということは。
 その、ほかの意味での正社員というのが、今、坂口さんがおっしゃった、何だかいろいろ膨らんじゃった正社員のことを意味しているということでよろしゅうございますか。
#41
○政府参考人(坂口卓君) そういう意味では、先ほど申し上げたように、期間の定めはない、フルタイム、直接雇用という部分をそうした意味ではということで申し上げた答弁かと思いますので、それ以外の要素が含まれていると、先ほど申し上げたような内容のところがあるけれども、今回、私どもとして正社員化という形で目指すということについては、繰り返しになりますけれども、期間の定めがない、フルタイム、直接雇用という意味での正社員化を目指すということでございます。
#42
○白眞勲君 でも、やっぱり法律上定義がないものをこうやって正社員、正社員って、私は本当にびっくりしたんですね。だって、厚生労働省というのは、労働をやっている労働関係の役所ですよね。ところが、正社員の定義がございませんでしたというのは、私は本当に腰が抜けるぐらいびっくりしたんですよ。やっぱりありもしない文言ですよ、この正社員という言葉は、法律上は。それを使って説明しているというのは、私はおかしいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 そういう中で、百歩譲って、この法案の雇用安定措置の部分のどこに、じゃ正社員ということが書いてあるんでしょうか。
#43
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今回の改正法案の三十条で雇用安定措置についての選択的な取組について定めておるというところでございます。この中では、私ども、派遣先に対して労働契約の申込みをすることを求めるという選択肢を掲げておりますけれども、この中では、まさしく派遣先が直接雇用するという中で、いわゆる正社員として雇用する場合もあるし、有期で雇用する場合は正社員ではないんですけれども、そういった中で、この一号の直接雇用の依頼の中には、直接雇用としての正社員化を進めるという選択肢もあり得るという趣旨で申し上げているということでございます。
#44
○白眞勲君 そうすると、この四つの項目、今三十条の一の話をされましたけれども、派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、派遣元との無期雇用、その他、安定した雇用の継続を図るために必要な措置というこの四つの項目の中に正社員に該当する項目は一だよねと。つまり直接雇用だと。しかし、これが、はっきりと一番がそれのみとは言えないですね、今おっしゃいましたように。つまり、短期間労働者も含まれるということを今おっしゃいましたよね、直接雇用の中には。それでよろしゅうございますね。
#45
○政府参考人(坂口卓君) 一点、まず、選択肢の中でそれのみということであれば、厳密に申し上げますと、三号で派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように派遣会社において雇用機会を提供するということで、派遣会社で無期雇用をする場合に、派遣会社の派遣労働者じゃない形態での正社員ということが形態としてはあり得るわけでございますけれども、それはちょっと付け足しで申し上げさせていただきますが、一号の今の点についてはまさに委員がおっしゃったとおりで、一号の直接雇用の申込義務の措置後の形態としては、正社員には限らない、いわゆる有期雇用であったりというような正社員以外の形態も認め得るということでございます。
#46
○白眞勲君 坂口さん、余り付け足しは言わない方がいいと思いますよ。派遣元で正社員化なんていうふうなことを、一体何言っているんだになりますから。
 それよりも、今おっしゃいました、直接雇用というのは別に正社員だけではないという御答弁だったと思うんですけれども、そうすると、つまりこの三十条で、派遣先が、じゃ、いつ首にするか分からないけど、頼まれて、派遣元から、お願いしますよ、この方を是非正社員にとかなんとかと頼むわけですね。そのときに、では、この人、いつ首にするか分からないけど、取りあえず最低賃金に近い時給八百円で雇いましょうとしたら、これで十分努力したということになるわけですね。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
#47
○政府参考人(坂口卓君) その派遣先がどういった形で雇われるかということはあるわけでございますけれども、実際に派遣労働者の方が直接雇用されるということについて御希望されるかということもありますので、今おっしゃったようなケースであれば、なかなか派遣先がそういう形で、そもそも派遣労働者がどういう形で今まで働かれておられたかということはありますけれども、そういったケースから考えると、そういう形での派遣労働者が承諾されるということもなかなか考え難いかと思いますし、派遣先の方でそういった形での労働条件を提示されるということ自身を考えると、そういう形での依頼を受けるというケースということがなかなか本来の形ではないのかなということでは考えます。
#48
○白眞勲君 坂口さん、何度も私は申し上げているんですけど、ここは法文をチェックというか、審議するところです。なかなか考えられないのかなと思いますみたいな答弁はやめていただきたいんですよ。
 私は、法律上、派遣先の企業が努力義務として課せられているこの直接雇用について、もう一回言いますよ、派遣先が、じゃ、そう言われているんだったら、最低賃金に近い時給八百円で雇いましょうとしても、これは十分努力したことになるんですねと、法律上はクリアですねということなんです。クリアかクリアじゃないか、それをお聞きいたしたいんですけど。
#49
○政府参考人(坂口卓君) 努力義務であったり、二項の義務の掛かる主体は派遣会社、派遣元の方でございますので、その点でいくと、派遣元の方が派遣先に対して直接雇用の依頼をするということ自体で義務なり努力義務を果たしたかどうかということになるということでございます。
#50
○白眞勲君 じゃ、整理しますけれども、派遣元がこういう形で連絡を取って、向こうからそういう答えが出たら、もうそれでクリアだということだということでよろしゅうございますね。もう一度、確認です。
#51
○政府参考人(坂口卓君) この一号については、法文の形とすると、労働契約の申込みをすることを求めることということでございますので、直接雇用の依頼をするということでございますけれども、先ほどは曖昧な形で申し上げて申し訳なかったんですけれども、この一号については、単に直接雇用の依頼をしたというだけであると、派遣労働者の方が実際に派遣先に直接雇用されない限りは、実際に雇用の継続が満たされたということに義務付けの場合はならないので、その場合は、先ほどおっしゃったように、派遣労働者の労働条件から余りに懸け離れた状態であれば、派遣労働者の方がそこに直接雇用されますということでおっしゃらなかったら、結果的には、求めただけで、派遣労働者の方の雇用の安定が図られないので、そういった意味では、雇用安定措置を講じたということにはならないという趣旨で申し上げたということでございます。
#52
○白眞勲君 いや、だから、趣旨に合わないんじゃなくて、もっと言えば、今日で派遣期間が終了しましたと、じゃ、翌日は時給八百円で一時間だけ来てくださいと、これでおしまいになっちゃう、そういうことはあり得るんでしょうか。それで第一項目クリアということになる、納得いくいかないは別にせよ。納得いかないでしょう、そんなことは。でも、納得いかなくても、一応それで努力義務は果たしたということになるんでしょうか。その辺はどうなんでしょうか。
#53
○政府参考人(坂口卓君) 努力義務とする形とすると、形式的には果たしたということになりますけれども、先ほど申し上げたとおり、そういう形で一日しか雇われないということについて派遣労働者の方が、はい、それで頼みますと、二号とかほかの選択肢がある中で派遣労働者の方が安い給料で一日しか雇われないということで、はい、分かりましたという形に、なってしまうんだったらそういう形だと思いますけれども、現実にはなかなかそうはならないので、一号は単に申込みをしたという形だけでは義務を果たしたということにはならないという趣旨を申し上げていると。
#54
○白眞勲君 いや、その辺が非常に微妙なんだと私は思うんですね。
 ですから、要は、もう一回整理しますと、一番最初の私の質問からしても、正社員化を図るといっても、実際問題、どこにもこの法文の中には正社員化どころか正社員のいわゆる三要件が含まれるようなものがしっかりと組み込まれているような法文にはなっていないということがはっきりしたわけですよ、これで。でたらめですよ、これ。私はそういうふうに思いますよ。どこが正社員になれる法律なんでしょうか。
 それを、じゃ、大臣、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。どこがこれで正社員なんですか。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど来御議論をお聞きをして、法律で正社員という定義はないということを繰り返し申し上げてきておりますから、本来、いわゆる正社員というような表現をしておいた方が正確なのかなというふうに思ったのが第一点であります。もう一つは、やはり経済実態がどんどんどんどん進んでいる中でいろんな働き方があって、それを言ってみれば経済実態の方が正社員と呼んでいるということがあるということがまず第一点あるというふうに思います。
 この法律の中でその正社員をどう担保しているんだという御質問だというふうに思いますが、我々は、さっき申し上げた三つの要件を主に満たすことを目指すということを、政策目的として正社員化を図るという際に使っているわけでありまして、そのために、今回の派遣の方がどういう形で正社員になれるのかということを含んだ、いわゆる雇用安定措置などを設けているわけであって、この雇用安定措置の中で、派遣で働く方の意向を考慮した上で、いわゆる正社員を希望している方について、これはさっき申し上げた一から四まで選択肢があるわけですけれども、その際の、やはり自らの力を付けていくことがいわゆる正社員になる可能性が高まるということにおいて今回のいわゆるキャリアアップの制度などを設けているわけでございまして、それがなければそもそも許可をしないという形になりますので、派遣でのステップアップでいくのではなくて、やっぱり正社員になると。いわゆる正社員を希望する方については、力を付けた上で直接雇用の依頼をするということが一つの前進になるんだということだというふうに思います。
 ですから、さっき申し上げたように、もちろん直接雇用が全ていわゆる正社員かといったら、それは違うケースもあり得るわけですけれども、それは間接雇用が派遣の特徴ですから、そこから一歩脱して、前進をして直接雇用に向かう道もありますよということで、それで納得をされるかどうかということで、経済実態を見ながら御本人が今度判断して、直接雇用だけれどもこれでは納得いかないという、先ほど出たようなケースの場合ですね。あるいは、いわゆる直接契約ということであれば、非正規ですから、それだったらまだ今の方がいいということを考えて別な派遣を望まれるかも分からないということで、あと三つ残った選択肢を派遣元は義務を果たさなきゃいけないということになっているというふうに理解をしていただければというふうに思います。
#56
○白眞勲君 今、大臣ずっと御答弁されているんですけど、何か余り自信なさそうにしゃべっているような感じがしてね。
 ただ、私、今すごくいいこと言ってくれたのは、やっぱり正社員というものをちゃんと法律で定義すべきであるということを今大臣がおっしゃってくれたような気がしたんですけれども、もう一回、そこどうですか。そこは、検討しますでもいいですから、これはやっぱりちゃんとはっきりした方がいいと思いますよ。
#57
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回御提起申し上げている法案は、労働者派遣事業の在り方と派遣労働者の保護が中心であって、それはいわゆる正社員ということではなくて、限定的に、派遣労働者というのが、直接雇用が原則だとすれば、それは例外としての間接雇用を定めているわけですから、それと同時に、いわゆる労働者供給事業も禁止をされている中にあって例外としての派遣事業を定めているわけでありますので、こちらを定義することが派遣労働者の保護を図ることになるということであって、正社員というものを明確に法律で目指すというような定義付けをするようなことをやるというならばいざ知らず、私どもは、いわゆる通常の労働者という言葉が大体正社員という言葉で労働関係法令の中では使われている言葉でありますが、それはしかし定義はいろいろあるから、通常の労働者ということになっているんだというふうに思います。
#58
○白眞勲君 何だか言っていることがちんぷんかんぷんなんですよ。
 それで、これまた議論を、これから議事録きちっと精査して、もう一回きちっとやりたいと思っていますけれども。
 ちょっとここでマージン率についてお聞きいたします。
 私は、マージン率と言われてもぴんとこなくて、要するにピンはねだなと思っているんですけれども、この状況で、一つ、もう時間が限られているので、これだけちょっと聞きたいなと思っているのは、労働者の教育訓練費、これが無償、有給でやるということを、高階さん御答弁されていますけれども、それ、派遣会社が教育訓練費を無償、有給でやるというんだけれども、原資はどこにあるんですか。坂口部長、お答えください。
#59
○政府参考人(坂口卓君) 派遣会社の原資という意味では、それは派遣料金ということになるんだと思います、収入は派遣料金かと思いますので。
#60
○白眞勲君 ということは、結局マージンですよ。マージンから教育訓練費を取っているわけじゃないですか。ということは、無償じゃないじゃないですか、全然これ。だってそうでしょう。要は、教育訓練費を無償でやっていますなんて言ったって、結局それは本人が働いた分のマージンから取っているんだから、無償でも何でもないですよ。薄く取ればいい話なんですよ、そこ。そういうふうにはなりませんか、お答えください。おかしくないですか、これ。無償というのは変な言い方ですよ、これ。
#61
○政府参考人(坂口卓君) 私どもが申し上げている、政務官が答弁した無償というのは、派遣労働者の方から費用を徴収しないという趣旨で言った無償ということでございます。
#62
○白眞勲君 いや、だから、どっちが取ろうと関係ないんですよ。
 要は、派遣の労働者の方が働いているときにマージンは派遣会社に入るわけだから、派遣会社はその働いた方のマージンから取る、教育訓練費やっているんだから、全然無償じゃないんですよ、これ。
 要は、働いた方のやっぱり有償になっているんですよ。矛盾しているんですよ、これ。どう説明するんですか、これ。言っていること分かりますか。自民党の皆さん、何かちんぷんかんぷんな顔をしているんだけど、要はそうでしょう。
 だから、例えば教育訓練費の中から、今までは三〇%が、五〇%という例もあるみたいだけれども、五〇%の中から五一%にしてと、本人に知らせていないんですよ。本人知らないんですよ、何%取られているか、ほとんどの人は知らないわけ。だから、何%か分からない。分からないで、ちょっとだけ上げておけば、それは要は、本当だったら本人が入るお金が教育訓練費で使われている形になるから、言っていること分かりますよね、それ。これおかしいじゃないですか。無償でも何でもないですよ、これ。
#63
○政府参考人(坂口卓君) それは、本来、さっき申し上げた無償というのは、派遣労働者の方にインカムとして入る賃金から、派遣労働者の方に入って、そこからまた経費を取るということはしないという趣旨で申し上げたわけです。
 それで、今先生がおっしゃっているのは、派遣労働者に入るはずの賃金の中から先に教育訓練費を派遣会社の方が差っ引くというか天引くというようなことをやっているとするとそういう趣旨なんだろうと思うんですけど、そういう趣旨ではなくて、あくまで派遣労働者の方の労働の対価としての賃金というのは一旦派遣労働者の方に賃金として支払われますので、そこからまた教育訓練費というのを派遣会社が経費として支払えということで経費を求めるということはしないという趣旨での無償ということを申し上げているところでございます。
#64
○白眞勲君 それをどうやって証明できるんですか。
 つまり、これマージン率が決定していれば、法律で例えば定められています、何%というふうに定められていれば、今までのマージン率と、私はピンはね率と言っているんですけれども、そのピンはね率から、今までのところから取るというのは分かるんですよ。だけど、これが上下しているんですよ、みんな、パーセンテージが。だから、それをどう立証できるのかという、立証責任はどこにあるのかということを私は聞いているんですよ。言っていること分かりますよね。それについても全くもって疑問だらけ。
 私は、この法案は、一度国民に謝罪して、もう一回やり直してちゃんと作り直すべき、正社員の定義ぐらいちゃんと書いてからもう一回出し直してください。
 以上で終わります。
#65
○委員長(丸川珠代君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時七分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#66
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として酒井庸行君が選任されました。
    ─────────────
#67
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#68
○牧山ひろえ君 派遣法の改正案について質問させていただきます。
 派遣労働には、派遣先の会社が派遣元の会社と契約を打ち切ることで事実上の解雇がしやすいということ、それから、業務内容が同じなのに賃金格差があり、長くは働き続けられないという不安定さが特徴だと思います。したがいまして、派遣の制度設計においては極めて慎重に対処しなければならないと思います。
 とりわけ、今回の改正法案には、派遣労働者が三年で解雇されるか、職場を転々として一生派遣になる可能性を広げてしまうという大きな問題を含んでいると思います。以上の認識を前提に、これから質問させていただければと思います。
 資料の一枚目にありますとおり、政府は、四類型から成る雇用安定措置を派遣元事業主に義務付けることで派遣労働者の雇用の継続が図られることになり、義務違反に対しては派遣事業の許可取消しも含めた指導監督を行うと説明されております。
 安倍総理はこの制度を、正社員になったり別の会社などで働き続けることができるようにする措置と繰り返しおっしゃっているんですね。政府が改正案の要として位置付けているという仕組みであると考えます。ですが、雇用安定措置には本当に政府が強調するほどの雇用の安定を図る実効性があるのか、これについて議論させていただければと思います。
 雇用安定措置の四類型の一つ、派遣先への直接雇用の依頼に期待が持てないことはもう既に衆議院の議論の中で明らかになっております。派遣元は依頼するだけでよく、派遣先は依頼を受けるも断るも全くの自由なんですね。改正案によって、人を入れ替えれば派遣労働者を使い続けることができるようになる中で、派遣先企業が直接雇用を受け入れるのは一体どのような場合だというんでしょうか。
 逆に、派遣元企業にとって、派遣労働者でビジネスが成り立っているわけですね。ですから、その事業の原資を果たして無償で積極的に手放すということがあり得るんだろうかということも疑問に思います。仮に、その派遣労働者の方がとても優秀な方だとすれば、より大きな、しかも継続的な利益をその方を派遣し続けることによって生むでしょうから、なおさらその方を手放さないと思うんですね。派遣元としては、直接雇用の依頼は形だけやっておいて、ほかの派遣先を紹介することを選択するのではないかと思うんです。
 以上を踏まえて、厚生労働省が想定している、派遣先への依頼によって派遣労働者の直接雇用につながる現実的なケースを説明していただきたいと思います。
#69
○副大臣(山本香苗君) 派遣先がいかなる場合に派遣で働く方を直接雇用するかにつきましては、一概にお答えすることは困難でありますけれども、一般論といたしまして申し上げれば、新たに働く方を雇う場合に、一定期間同じ職場に従事した方で派遣で働く方につきましては、その能力等を派遣先の企業が詳細に把握しているため、派遣先にとっては採用に関する不安材料が少ないと考えられます。
 そうした中で、例えば、派遣で働く方の技術、能力が高い場合や、その業務に習熟なさっている場合、そのほかにも、職場で良好な人間関係を築いていた場合などに直接雇用する場合があるのではないかと考えております。
#70
○牧山ひろえ君 今の御答弁ですと、直接雇用が増加するというふうな現実性は感じないんですね。現に衆議院の議論でも、派遣先への調査で一・七%しか派遣労働者を正社員に採用されたケースがないという指摘もございました。
 更に問題なのは、派遣元が派遣先に対して直接雇用を依頼さえすればよいという内容となっている点です。現行法には第四十条の四それから第四十条の五という、派遣先に対して直接雇用を義務付けた規定がございます。改正案ではこれらを削除しようとしております。
 これらの労働契約の申込みをしなければならないという現在の制度はかなり有効な雇用安定措置だと考えるんですが、雇用の安定を重視するという現政権は、ではなぜ雇用の安定につながる可能性が高い規定を捨てて、そしてより不確かな規定にするんでしょうか。理由をお示しいただきたいと思います、大臣。
#71
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいたのは、法第四十条の四というのとそれから四十条の五の規定を廃止してしまうのはなぜかという御質問だったと思います。
 これらは、例えばAさんが働いていて、そのままAさんを受け入れたいというふうに派遣先が思った際には、Aさんに雇用申込みが必要だということで労働契約申込義務というのがあったというのがまず四十条の四だと思います。四十条の五は、Aさんの後任を雇用して係の増員をしたいときにはAさんに雇用申込みが必要だというのが四十条の五でございまして、これが労働契約申込義務が発生するということで、これは二十六業務で、先ほどの四十条の四の場合には二十六業務以外でございます。
 これを廃止して、今回なぜそれでいいのかということでございますけれども、私どもとしては、全業務が期間制限の対象になるという中で、今回、十月一日から労働契約申込みみなし制度が始まるわけでございますので、仮に派遣先の意思に関わらなくても、そのままAさんをもし使うということになれば、それはもう申込みをしたものとみなされるということになるわけでございますので、結果としては同じ効果があるということではないかというふうに私たちは思っているので、廃止しても何ら直接雇用への影響は特に出てくるわけではなく、同じようにもし使いたいということであれば、そのような形で労働契約申込義務が今回の労働契約申込みみなし制度によって発生をするということでいくというふうに思っているところでございます。
#72
○牧山ひろえ君 全く私は逆だと思います。同じようなシチュエーションではないから問題にしているわけです。
 単純な話なんですけど、改正によって派遣先に対して派遣労働者の直接雇用を義務付ける規定が存在しなくなったとすると、派遣労働者の雇用の安定にとって不利な改正ですよね。現行法でも期間制限のない専門二十六業務について直接雇用の義務付け規定を定めているんですから、法政策上、直接雇用の義務付け規定を改めて設定することだって法理論上不可能ではないはずなんですね。それをしなかったということは、雇用の安定化に資する条文を削除したいということと同じことになるわけです。つまり、雇用の安定化に資する条文を削除することが政府・与党の意思だと私は読み取れると思います。
 配付資料、二枚目なんですけれども、御覧ください。改正前後の比較を図でお示ししています。
 ちょっとここの部分とここの部分を見ていただきたいんですけれども、派遣可能期間に制限のない業務については、現行制度では、三年を超える派遣について同一部署で新たに労働者を雇い入れようとするときは直接雇用の義務があるとされています。その一方で、改正案では、一年を超えた場合、募集について派遣労働者に周知さえすればいいと改変されているんです。
 直接雇用義務が何と募集のお知らせに変更になってしまっているわけですね。これが後退じゃなくて何というものなんでしょうか。
 四類型の二つ目の項目であります新たな派遣就業機会の提供についてお伺いしたいと思います。
 改正案の方では、新たな派遣先について、その条件が、派遣労働者の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限るとしています。この条件が合理的の具体的な対象は何なんでしょうか。例えば、仕事の内容は当然条件の対象に含まれると思いますけれども、勤務時間ですとか報酬などの処遇や労働条件なども対象となるんでしょうか。
#73
○副大臣(山本香苗君) 雇用安定措置として行う新たな派遣先の提供につきましては、その条件が、派遣で働く方の能力、経験等に照らしまして合理的なものでなければならない、今御指摘いただいたとおりでございます。
 その条件につきましては、業務の内容のほか、賃金等の処遇や就業場所等を含むものと解しております。
#74
○牧山ひろえ君 では、その判断基準はどのようなものなんでしょうか。例えば、通勤時間が片道二時間を超える場合などは合理的な条件に当たるんでしょうか。また、以前と類似の負担と難易度の業務で報酬が二割下がる業務の場合は合理的な条件に当たるんでしょうか。これらに関する具体的な基準をお示しいただければと思います。
#75
○副大臣(山本香苗君) 新たな派遣先の提供につきましては、どのようなものでも認められるという類いのものではございません。対象となる派遣労働者の能力や、また、それ以前の就業状況等に照らして合理的なものでなければならないとしております。
 そうした中で、合理的でないものの例といたしまして、例えば、居住地を変えなければ就労できないようなもの、また、通勤時間が著しく長くなるような派遣先を提示する、現在の派遣先と比べまして賃金が大幅に低下する派遣先を提供される、もう一つは、例えば無資格の派遣労働者に対して有資格者しか業務に当たれないような派遣先を提供されるような場合などが考えられると思っております。
 厚生労働省といたしましては、個別具体的な事情を踏まえまして適切に指導監督等を行うことを通じて、雇用安定措置の実効性の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
#76
○牧山ひろえ君 私の質問に全然答えていないです。具体的な基準をお示しくださいと申しました。著しく長くなるですとか大幅とか、そういう言葉ではなくて、私は具体的に聞いています。
 例えば報酬が二割下がる場合はどうなのかと、同じ難易度だった場合、同じ仕事の業務の内容だった場合。あるいは、片道が二時間を超える場合は合理的な条件に当たるのかどうか。居住地を変えなくたって、例えば沖縄から北海道だって飛行機で行こうと思えば行けます。ですから、そういう曖昧なことではなくて、具体的な基準を示していただきたいと思います。
#77
○副大臣(山本香苗君) 今おっしゃったような具体的な派遣先の提供が合理的かどうかということにつきましては、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験等に照らして個別具体的に判断されるものでございます。ですから、二時間とか二割とか、そういった具体的な数値で示せるものではございません。
#78
○牧山ひろえ君 全然答えていません。何か今、能力とか個別具体的なとかおっしゃっていましたけれども、例えば単純な勤務時間ですとか報酬というのは計算できるものだと思います。ですから、具体的に答えてください。
#79
○副大臣(山本香苗君) 大変申し訳ございませんが、繰り返しになりますけれども、それは個別具体に判断されるものでございますので、今申し上げた事例等を踏まえまして個別具体的に判断をさせていただきたいと考えております。
#80
○牧山ひろえ君 じゃ、どうやって分かるんですか、それが合理的かどうかというのは。
#81
○副大臣(山本香苗君) 派遣労働者の経験また能力によりましてそれぞれ変わってまいりますので、一概に一律に数値を出してという基準ではございません。
#82
○牧山ひろえ君 全然答えていないです。能力に照らしてとかそういうことではなくて、単純な通勤時間とか、同じ仕事だった場合、職種だった場合の報酬が二割下がる、それは合理的だと言えるでしょうか、言えないでしょうか。ちゃんと答えてください。
#83
○副大臣(山本香苗君) 数字でお示しすることはできませんが、最終的にその措置が合理的か否かというものは、各都道府県の労働局におきまして調査の上で個別に判断させていただくこととなっております。適切な、合理的な判断、合理的な条件かどうか、認められるか認められないかというところをしっかりと厳正に判断してまいりたいと考えております。
#84
○牧山ひろえ君 そういう御答弁ですと、全国の労働局で混乱が起きると思います。あるところでは一・五時間では大丈夫、二・五時間では大丈夫じゃない、いろんな判断によってあちこちで混乱が起きると思います。それでよろしいんでしょうか。
#85
○副大臣(山本香苗君) できる限り都道府県労働局におきましてその判断に差がないような形を取ってまいりたいと思いますが、一概に数字で二割だとか三割だとか、そういったものを基準としてお示しすることはできません。
#86
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#87
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#88
○副大臣(山本香苗君) 先ほども申し上げましたけれども、都道府県労働局におきまして判断にばらつきがないようにするために何らかの目安というものを定めてまいりたいと思いますが、また、労働局の職員には研修等を行うことによりまして的確に判断が行われるようにする予定でございますけれども、難しい判断を要する場合には本省ともきちんと協議をする、そういう体制を取らせていただきたいと考えております。
#89
○牧山ひろえ君 具体的な基準をお示しください。今のだと不十分です、今の答弁ですと。
#90
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の件につきましては、雇用安定措置を定めている第三十条で、「その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る。」というふうに法律には書いてございまして、事前的にこの省令で考え方を全国で使われる物差しとしてお示しをした上で、それぞれがその考え方に照らして合理的かどうかということを労働局でちゃんと判断しているかどうかということがこれははっきりしてくるということでございますので、何を基準にするのかということについては、ここにございますように、厚生労働省令で定める事項をこの法律成立の後に定めるということになってくるわけで、あとはいろいろ地方で賃金の水準も、まあ年齢等々いろいろありますから、それに応じて決めてくると、合理的に考えるということになるんだというふうに我々は考えているところでございます。
#91
○牧山ひろえ君 合理的な基準を聞いているんですね、合理的な条件を。例えば通勤時間なんかはすごく単純なお話ですので、そういったことも基準があるはずなので、お答えいただければと思います。
#92
○副大臣(山本香苗君) ですので、そういったところの数字的なものはお示しできませんが、何らかの目安というものを今後示してまいりたいと考えております。
#93
○牧山ひろえ君 今のような御答弁ですと、ほとんどの場合、自己判断なわけですね。だとすると、先ほどお伺いした合理的か否かの判断基準をなおさらしっかり事前に固めておかなければならないと思います。そうでないと、不合理な条件を押し付けることになりますから。
 次に行きます。
 派遣元が合理的な条件であると考えて紹介した派遣先について、派遣労働者本人は条件が合わないと考えて断った場合、例えば今の派遣先で働き続けたいと考えている、あるいは勤務地が本人の希望と合わないなど、その紹介をもって派遣元としては義務を果たしたということになって、当該派遣労働者の雇用の継続を図る必要がなくなるんではないでしょうか。大臣、お答えください。
#94
○国務大臣(塩崎恭久君) 雇用安定措置として行う新たな派遣先の提供につきましては、その条件が派遣で働く方の能力、経験等に照らして、今お話が出た、合理的なものでなければならないということでありますけれども、このため、例えば、先ほどもお話が出ましたけれども、転居をしないと勤められないような派遣先を提供されるとか、それから賃金も、今もらっている賃金と比べてみるとこれは大幅に劣化するというような派遣先が提供されるというようなことは、当然、先ほど来お話が出ているように、派遣元の提供した新しい派遣先が合理的ではなかった場合については、義務の履行を果たしたこととはならないというふうに思うわけでございます。
 他方で、派遣元が合理的な条件の派遣先を提供した場合であって、派遣で働く方が御自身お断りになった場合、これは派遣元の義務は履行はされたということと考えられるというふうに思うところでございます。
#95
○牧山ひろえ君 派遣労働者が積極的に働きたいというモチベーションが湧きづらい微妙な派遣先を紹介して、例えば居住地を変えなくても二時間ぐらい掛かるところとか、バスを降りてから寒い中をずっと一時間ぐらい歩かなきゃいけないとか、それをもって義務履行完了とする危険性があるんではないかと心配するわけです。
 では、すぐに紹介先が見付からない場合、派遣先が見付かるまでの間の賃金保障はどうなるんでしょうか、大臣。
#96
○国務大臣(塩崎恭久君) すぐに派遣先が見付からない場合の賃金の保障の問題についてお尋ねをいただきましたけれども、次の就業までの間に雇用就業のない期間が一定期間生じてしまうような場合には、雇用安定措置の義務を果たしたとは言えないというふうに考えるのがまず第一点でございます。
 他の方法によって雇用を維持して、雇用安定措置の義務を果たしていただかなければいけない。仮に一が、派遣先への直接雇用が駄目ならば、先ほどの新しい派遣先の提供でありますけれども、あと二つ残っているわけでありますから、他の方法によって雇用を維持して、雇用安定措置の義務を果たしていくということが必要になるわけであります。
 ですから、無期雇用あるいは雇用を維持したまま教育訓練をするなどが考えられて、当然その間は賃金を払わなければいけないということになるわけでございます。
#97
○牧山ひろえ君 紹介先が見付からない場合、賃金を保障するということは今伺いましたけれども、これ、やっぱり労働者の方々にも周知しなくてはいけないし、そういう権利があるということ、それから派遣元にもしっかりとそのお話は周知徹底しなくてはいけないと思います。
 続きまして、派遣元での無期雇用についてお伺いしたいと思います。
 四類型の三つ目の項目であります派遣元での無期雇用についてお伺いしたいと思います。これは、派遣元で派遣労働者ではない正社員として無期雇用することだと承知しております。
 それでは、派遣元の人材派遣会社には派遣労働者以外にどのような職種の社員がいるのかといえば、ほとんどは営業の方なんではないかと思うんですね。今まで派遣労働者として例えばオフィス内の事務をやっていたような方に、派遣先の開拓など営業をやらせるということになるんでしょうか。すなわち、派遣元での無期雇用であれば、職種や条件は派遣労働者の能力とか経験、そのほかに照らして合理的なものに限らなくてもいいということになるんでしょうか。
#98
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の派遣元での無期雇用というのがどうあるべきかというお話でございました。
 この雇用安定措置の趣旨を踏まえると、派遣元での無期雇用の労働条件がどのようなものでもいいというわけにはいかないわけでありまして、例えば派遣で働いていた方の従来の労働条件、賃金など労働時間なども勘案して決定されることが適当であるわけでありますけれども、具体的には、派遣元における正社員等の無期雇用労働者に適用される賃金規定などをよく踏まえて決定されることが一般的ではないかというふうに思っておりますので、そういうふうな形で他の無期雇用労働者に適用される賃金なども踏まえた上で決定をされるということに着目をしてまいらなければならないというふうに思っております。
#99
○牧山ひろえ君 そういった内容は法律にきちんと書き込まなくてはいけないと思います。
 雇用安定措置にも、現行法の第三十条ですね、これにも派遣元での無期雇用の規定があります。同規定に基づいて、派遣元で無期雇用された労働者は何%いて、どのような職種に就いているのか、現在の状況を御教示いただきたいと思います。
#100
○副大臣(山本香苗君) 派遣元で無期雇用された労働者が何人いてというお問合せでございますけれども、総数というのは把握してはいないんですが、今年の五月に緊急的に都道府県労働局を通じまして、現行法の第三十条各号の実施状況につきましてアンケート調査を実施をさせていただきました。その調査対象百七十九派遣元事業所のうちで、派遣労働者以外の無期雇用の労働者として雇用したと回答いたしましたのは二十五事業所でございまして、百四十一名でございました。なお、この百四十一名がどのような職種に就いているかというところまでは、申し訳ございませんが、把握しておりません。
#101
○牧山ひろえ君 今御答弁にもありましたとおり、一応の調査はされているようですけれども、調査対象となった派遣労働者の母数も不明ですし、どのような職種に無期転換されているのかも分からないということです。
 新しい制度を試みる前に、まずは現行の制度がどの程度機能しているのか、それから現行の制度がちゃんと機能しているかどうか検証するのは当然ではないかと思うんですね。不十分にしかそれをせずに、拙速にこの改正を実施しようとしているのは担当省庁として怠慢ではないかと思うんです。
 人材派遣会社が自力で派遣労働者の雇用の継続という結果を達成できるのはこの派遣元での無期雇用だけなんですね。雇用安定措置として、そのほかの措置、三つの項目がうまくいかない場合、人材派遣会社は経営努力によってその派遣労働者を派遣元で無期雇用しなければ雇用安定措置の義務違反となるのか、お伺いいたします、大臣。
#102
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、雇用安定措置の四つの措置のいずれかの措置を講じることを派遣元に今回新たに法的に義務付けることとしているわけであって、現行法では、派遣元は派遣期間終了後の雇用継続を図る義務が今までなかったと、それを今回、派遣労働の雇用が不安定な原因であるという認識の下に、改めて新たに法的に義務付けるということをするわけでございます。
 これらの措置のうちでどの措置を講ずるかにつきましては、派遣会社が派遣で働く方の希望なども勘案しつつ選択されるべきものであるわけでありますけれども、新しい派遣先の提供は、元々これは派遣会社の本来の業務であります。それから、その他の措置も新たな派遣先が提供されるまでの有給の教育訓練等の複数の措置が考えられることなどからいたしますと、無期雇用しか選択肢がないというケースは余り想定できないというふうに考えておりますが、派遣会社の経営努力によって派遣で働く方の派遣元での無期雇用を推進することは、雇用の安定の観点からは望ましいことだというふうに考えております。
 この無期雇用で何をするのかというのは、先ほど先生からお話がございましたように、様々あろうかと思いますけれども、無期雇用の推進ということは一定程度の意味があるし、また、四番目のその他の安定した雇用の継続を図るための措置の中には紹介予定派遣とか教育訓練等々がございますけれども、それは、しっかりと取ることによって雇用に結び付ける努力を派遣元に課すという新たな義務として意味があるのではないかというふうに考えております。
#103
○牧山ひろえ君 派遣元での無期雇用も義務としていない、この項目が安定化措置に入っていても、雇用安定のセーフティーネットとしてはほとんど機能しないに等しいと思うんですね、この数字を見ても。とても雇用の安心材料にはなり得ないと思うんです。
 そもそも、雇用安定措置を義務付けると言いつつも、派遣労働者の雇用の継続という結果について全くコミットしていない点が問題だと思います。
 実際に、前回、七月三十日の福島みずほ議員の正社員化への道を確認した質問に対して、大臣はこうおっしゃっています。経営判断なので、政府が保障する筋合いはないと答弁されているんですね。一方で、大臣はこういうこともおっしゃっていました。義務の場合には結果が出るまで義務としなければならないというふうにも答弁されています。
 この結果とは、何をもって結果とするんでしょうか。すなわち、結局、改正法案が定める雇用安定措置とは、派遣契約が終わった派遣労働者の雇用の継続という結果まで約束されるものなのでしょうか。人材派遣会社の側から見れば、どこまでやれば義務を果たしたことになり、派遣事業の許可の取消しも含めた指導監督も受けずに済むことになるんでしょうか。
 当然、基準がなければ、指導監督もそもそも行えないはずだと思います。端的に御説明いただければと思います、大臣。
#104
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、現在のこの派遣法の下では、派遣元に派遣期間の終了後の雇用の継続ということに関して、それを図らなきゃいけないという義務はなかったわけであります。それを、先ほど申し上げたように、初めてこれを新たな法的な義務として、第三十条で義務付けをするということになっておりまして、やはりこれは当然義務でございますので、雇用継続という結果が何らかの形で生まれなければならないという義務を負うわけでございますので、この義務は派遣元にしっかり守っていただかなければならないし、また、どういう雇用安定措置をやったのかということについても、事業報告で毎年これは提出をしてもらうということになっておりますし、私どももそれはしっかりと、インターネットなどによって情報提供すべきことを、この報告についてですね、指針で規定をしてまいりたいと思っておりまして、こういうような形で公開をする中で、それぞれ派遣元が責任を持って、期間が来たときの雇用継続が図られる義務を果たしているかどうかということをできる限りこれは公にしていくということであり、また、間違いなくこれは事業報告で当局には提出をしてもらうということをやっていこうというふうに思っているところでございます。
#105
○牧山ひろえ君 インターネットで周知するだけでは、とても効果が生まれるとは思いません。厚労省がおっしゃる厳しい指導監督には、その前提として、明確で分かりやすい基準が必要だと思います。
 この雇用安定措置に関し、派遣元の義務規定への違反に対しては、許可の取消しも含め、厳しく指導するとされています。このペナルティーについて、一度の義務違反で許可の取消し対象になるということでしょうか。それとも、二回繰り返せば取消し対象になるということでしょうか。具体的な基準をお示しいただければと思います。
#106
○国務大臣(塩崎恭久君) 一回で取消しということはないにせよ、それを繰り返してやるような場合には考えていかなければならないというふうに思うところでございます。
#107
○牧山ひろえ君 その繰り返しの意味を教えていただきたいんです。二回でしょうか、三回でしょうか。
#108
○政府参考人(坂口卓君) その点については、やはり雇用安定措置の義務を守らなかった、規模であったり人数とかですね、そういった態様に応じて、違反の回数がどうかということも含めて、総合的に判断して厳しく指導をしていくということになろうかと思っております。
#109
○牧山ひろえ君 総合的な判断ですとか、さっきも合理的な基準とか、いろいろ、何というんですか、広く取っておいて、何にも基準がないというのは、もう中身すかすかということと同じだと思いますが、いかがでしょうか、大臣。
#110
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生の御指摘は、お気持ちは分かりますけれども、また逆に考えてみると、二回とか三回とかいうことを事前的に示すということは、二回、三回までは大丈夫だなというメッセージにも逆になってしまうわけでありますので、そこのところは、どの程度悪質かというのは、それはいろいろな行政において執行する際には判断をしているわけでございますので、今話があったように、やはり全体としての悪質度というか、そういうことを考えた上で、影響度も含めて考えて判断をするというのが普通だろうと思いますし、事業者にしてみれば、それはどこからそうなるのかというのが分かっていたらそこまではやってしまうということもあり得るということも考えた上で、総合的に判断をすべきだというふうに思っているところでございます。
#111
○牧山ひろえ君 要するに、基準がないということですね。
#112
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、義務の違反ですから、それは物差しがないわけではなくて、先ほど申し上げたように、一回とか二回とかいう単純な数字だけでお示しをするということは、むしろ逆にいろいろな弊害が出てくるおそれがあると考えるのが、行政を実際にやる際にはどなたでも考えることだろうと思うんですね。
 したがって、どの程度働く人に影響を与えるのか、あるいは経済に悪影響を与えるのか、そういうことを総合判断するというのはごく当然のことではないかなというふうに思うところでございます。
#113
○牧山ひろえ君 要するに、基準がないということは非常によく分かりました。
 今回の修正案ですと、派遣先の同一組織単位での継続就業期間が三年見込みの労働者に対しては、法案第三十条に定める雇用安定措置を講じなければならないとされています。いわゆる義務規定ですね。また、派遣期間が三年に満たない場合でも、一年以上派遣されるか、あるいは派遣元での通算雇用期間が一年以上であれば、雇用安定措置努力義務、いわゆる努力規定として派遣元に課されることになります。
 所轄官庁であります厚労省のトップとして、この努力規定が単なる作文に終わってしまわないように、その履行を推奨する意気込みのコメントをいただけますでしょうか。大臣、よろしくお願いします。
#114
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘いただいたように、今回は三年見込みの派遣先での就業が見込まれる場合には義務ということでありますが、それ未満の場合には、一年以上であれば努力義務ということでございまして、都道府県労働局においてこれは派遣元に指導監督をするわけでございますけれども、その際に、雇用安定措置に係る努力義務の履行状況をしっかりと確認をしていくということをやっていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
 さらに、派遣元に対しては、同じ職場に一年以上派遣した労働者は派遣期間の区分ごとに何人なのかとか、あるいは派遣期間の区分ごとに雇用安定措置を講じた人数と講じた措置ごとの人数については、先ほど申し上げたように、毎年事業報告で提出を求めていくということにして、漏れなく、何を安定措置で努力義務としてやっているのかということをしっかり提出をさせていこうというふうに思っているわけで、その報告の結果を基に、派遣元に対して指導監督を必要に応じてしっかりとやっていかなければならないということを通じて、この努力義務の履行確保を図るというふうにやっていきたいというふうに思います。
#115
○牧山ひろえ君 大臣がおっしゃるとおりにするのであれば、まず基準から決めていただければと思います。
 石橋議員の前回の質問からも明らかなように、今回の改正法案が成立した場合、派遣元や派遣先は、同一組織への派遣期間について三年見込みの義務規定の適用にならないように調整すると思います。
 この義務規定の対象となるのは、非常にですから少数にとどまる可能性が高いと思うんですね。ですので、なおさら、ほとんどのケースが当てはまるこの努力規定は非常に重要なんです。にもかかわらず、そのような今までの曖昧なコメントは非常に不安が残ります。
 では、この努力義務がどの程度履行されているのか、どのように確認される御予定なんでしょうか。また、この努力義務に違反したときは何らかのペナルティーを科されるなど、何らかの実効性担保の手段は講じられるんでしょうか。また、どの段階で努力義務違反とされるんでしょうか。この三つについて、それぞれ明確に、具体的にお答えいただければと思います。
#116
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、努力義務が守られなかった場合の御質問かと思いますが、この雇用安定措置の実効性を担保するためには、雇用安定措置の実施状況について、先ほどお話し申し上げたように、全ての派遣事業者に対して、事業報告で、さっき申し上げた、同じ職場に一年以上派遣した労働者は派遣期間区分ごとに何人なのかとか、あるいは派遣期間区分ごとに雇用安定措置を講じた人数、あるいは講じた措置ごとの人数、これらについて毎年事業報告で提出を求めていこうと思っておりまして、その結果に基づいて先ほど申し上げたように指導を行うということにしています。
 この報告によって、雇用安定措置の努力義務が課せられているにもかかわらず措置を実施していない場合、お尋ねの件でありますけれども、その場合は、その理由を聴取をするなどによって派遣元の措置の履行を促していかなければならないというふうに思っております。
 また、派遣元の事業主は、この事業報告での報告内容についてインターネットなどによって情報提供することが望ましい旨の指針に規定をすることとしておりまして、雇用安定措置にしっかりと取り組む派遣元が言ってみれば派遣会社としても選ばれるという、そういう状況をつくっていきたいというふうに思っております。
 それから、どの段階で努力義務違反とされるのかという御質問がございました。
 これにつきましては、都道府県の労働局において派遣元に指導監督をする際には、雇用安定措置に係る努力義務の履行状況について具体的に確認をするということをやらなければならないと思っております。
 努力義務とは目標実現のために努力する義務でありますから、努力義務を課された者の主観というものが、改めてこの主観も含めて判断をするものであるために、何をもって努力義務違反とするかの判断基準を事前的に細かく定めるということはなかなか難しいというふうに考えているところでございます。
 ただし、雇用安定措置の努力義務が課せられているにもかかわらず措置を実施していない場合については、その理由を聴取するなどして、これは当然履行を促していかなければならないというふうに思っているところでございます。
#117
○牧山ひろえ君 大臣、今、何人の方々が努力義務に違反したか、人数を把握すると言いながらも、どういうものが努力義務に違反するかというのは非常に分かりづらいというふうに一方でおっしゃっていたり、非常に曖昧なものだなとつくづく思いました。
 今回の法案について、非正規化の進行を食い止める切り札として御説明されている雇用安定措置、この大半のケースを占めると思われる努力規定の実効性確保がこの有様では、果たして本当に雇用安定措置と言えるのかどうか、大変疑問に思います。今までの指摘も踏まえましても、今回の雇用安定措置と称した新制度は、私は名前を変えるべきだと思います。正確には雇用不安定措置と呼べるべきものだと思います。
 続きまして、期間制限について質問をさせていただきます。
 今回の改正によって、配付資料三枚目にも記されておりますとおり、業務単位の期間制限から、事業所単位での期間制限と個人単位の期間制限へ移行するとされています。この期間制限につきましては、これまでの議論によって、既に業務単位の期間制限を廃止することに伴う弊害が明らかになっています。
 弊害の第一は、業務単位の期間制限を廃止することによって、同一の業務について、派遣先は人を替えさえすれば永続的に派遣労働者を使い続けることができるようになるという点にあります。
 これまでは、長年、三年間派遣労働者を使った場合、その後もその業務が継続するのであれば派遣労働者以外に任せることしかできませんでした。そこに、当該業務にこれまで従事していた派遣労働者が直接雇用される機会が存在していたわけです。今回削除しようとしておられます派遣先に対して直接雇用を義務付けている現行法第四十条の五にもこのことが見て取れます。
 しかしながら、今回の改正案では、同一業務について、人を入れ替えればずっと派遣に任せることが可能となります。すなわち、このような派遣労働者の直接雇用の機会を奪う改正であると考えますが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#118
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどの四十条の五項の二十六業務に関する件、あるいは四十条の四の二十六業務以外の件につきましては、先ほど申し上げましたように、労働契約申込みみなし制度が十月一日からスタートするということで、実効性においては直接雇用の可能性というのは変わらないんではないかということを考えているところでございます。
 今回の期間制限の問題につきましては、これまでは常用代替防止という観点で、同一業務について原則一年、最長三年ということで運営をされてきたわけですけれども、これも実は係を替えれば意見聴取をせずとも派遣の継続が行われるという形になっていました。
 今回、事業所単位の原則三年に加えて、個人単位の期間制限の上限三年というものを設けることにしたわけでございますけれども、これは前から申し上げているように、元々臨時的、一時的な働き方という派遣の働き方の特性というものを踏まえた上で、個々人がやはり働かれるときに三年ごとに御自身のキャリアについて考えるということのきっかけになるような形での個人単位の期間制限を設けたわけでございまして、キャリアを見詰め直すという機会、そして派遣労働への固定化と、一生派遣とよく言われていましたけれども、御批判を受けていましたけれども、それを防止をするということが大事だということでございまして、導入をするわけでございます。
 派遣で働き続けることを希望する方にとっては、派遣元が実施をする計画的な教育訓練などとも相まって、三年という節目節目でキャリアを見詰め直してキャリアアップの契機としていただくことによって処遇の改善に結び付くというメリットもあるというふうに考えているところでございます。
#119
○牧山ひろえ君 今キャリアを見詰め直すというお言葉をいただきましたけれども、なぜ派遣社員だけが強制的に自分のキャリアを見詰め直さなければならないんでしょうか。
#120
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、もうずっとこれは申し上げているように、元々この派遣労働は、間接雇用という、本来直接雇用が常態というか、そういう中での例外的な扱いで行われる。残念ながら、キャリアアップを図る手だてが一般の方々に比べると乏しかったり、それから、先ほど来出ているいわゆる正社員になる機会に乏しいとか、そういうことを考えて、常々これまで御批判があったのは派遣労働への固定化ということだったというふうに思います。したがって、働き方として選ばれる方にとってはこれは固定化ではないかも分かりませんが、むしろ不本意で働いていらっしゃる方々にとっては、やはり節目で考える、ステップアップするためには何をするのかということを考える機会として三年の節目を設けるということも有益ではないのかということで、これを導入をするということになっているわけであります。
 なお、派遣元での無期雇用の場合には対象外、あるいは六十歳以上の方にもこれについては対象外とするというふうにしているわけでございます。
#121
○牧山ひろえ君 今回の改正案は、派遣労働は臨時的、一時的な働き方とする日本の労働制度の根幹を実質的に脅かすような根本的な内容が含まれていると思います。すなわち、派遣労働を固定した雇用形態とし、企業が派遣労働者を一層使いやすくするものだと思います。したがって、全体として労働者保護の後退を招くおそれが非常に強いと言えます。
 その意味で、この修正案に強く反対を申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
    ─────────────
#122
○委員長(丸川珠代君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として吉良よし子君が選任されました。
    ─────────────
#123
○長沢広明君 私の方からも、前回の引き続きでございますが、前回ちょっと触れなかった雇用安定措置について確認をさせてもらいたいというふうに思います。様々今まで、今日はこの議論が続いておりますけれども、改めてこの雇用安定措置を導入する意義を確認しておきたいと思います。
 雇用安定措置は、今回、派遣契約が終了する、この終了した後の派遣労働者について、その雇用を継続するための措置を派遣元に新たに義務付けるということで、それは非常に派遣労働者の方々の注目も大きい制度でございます。
 雇用安定措置として派遣労働者の雇用継続を図る派遣元の責務、これを創設するということの意義、そして、これは、現行法との今比較の話も議論もありました。現状に対するどういう問題意識からこの制度を導入するのか、制度によってどういう期待があるのか、これについてもう少し分かりやすく、詳しく説明を願いたいと思います。
#124
○副大臣(山本香苗君) 今御指摘いただきました現行制度におきましては、派遣労働が直接雇用に比べ雇用の安定やキャリア形成が図られにくい面がございまして、今回の改正案におきましてこの弊害を防止する必要がございます。
 また、期間制限が派遣契約の終了につながり、それが派遣元との労働契約の終了にもつながりやすいといった今御指摘もございましたけれども、期間制限が雇用を不安定にする要因となり得る点につきましては、現行制度ではほとんど対応策というものが講じられておりません。このために、個人単位の期間制限の上限に達する派遣で働く方が引き続き就業することを希望する場合におきましては、派遣先への直接雇用の依頼等の措置を講ずることを派遣元に新たに義務付けることによりまして、派遣で働く方の雇用の安定を図ることとしております。
 さらに、派遣で働く方に対する計画的な教育訓練の実施、希望する方に対するキャリアコンサルティングの実施といったキャリアアップ措置についても派遣元に今回新たに義務付けることとしておりまして、こうした措置によりまして、派遣で働く方の一層の雇用の安定と保護等を図って、そして正社員を希望なさる方にはその道を開いてまいりたい、そういう考え方で創設させていただいたところでございます。
#125
○長沢広明君 いわゆる期間制限というものに対応して派遣元に雇用安定の責務を与えるということが今回のこの法案の一つのポイントですけれども、これまでもちょっと議論が出ていたのでもう一回確認したいんですが、派遣先への直接雇用の依頼というのが、依頼するだけじゃ駄目じゃないか、それで効果があるのか、依頼するだけで雇用の安定につながらないんじゃないかと、こういう指摘がありますけれども、それに対するお答えを改めてもらいたいと思います。
#126
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今委員の方から御指摘あった雇用安定措置の中の直接雇用の依頼ということでありますけれども、これは一定の方に、派遣先の側からしてみると、派遣先との間で一定の関係性も構築されているし、派遣先で一定の就業をされているので必要な業務遂行能力を有しているということで、直接雇用に切り替えていただく可能性、あるいは切り替えやすいということでありますが、まさに今委員から御指摘ありましたが、この雇用安定措置のいわゆる三十条の一項一号で選択的なものとして掲げております直接雇用の依頼は、単に依頼するだけでは駄目で、派遣先での直接雇用に至らなかった場合にはこの雇用安定措置の他の雇用安定措置、先ほど来出ているような新たな派遣先の就業機会の提供であったり、派遣元での無期雇用というような形での更なる他の雇用安定措置を講じなければならないということにしておりますので、単に依頼するだけでよいということにはならないということでございます。
 こういった形の派遣先の取組を支援するためにも、前回も御紹介した直接雇用、正社員として派遣先が直接雇用する場合のキャリアアップ助成金というような制度も生かしながら、こういった形での取組ということを進めていきたいということで考えております。
#127
○長沢広明君 ただ依頼しただけではなくて、依頼して、やはり駄目でしたで終わらないで、更にその次は、今度新たな派遣先を用意するとか、できなければ次のこと、またできなければ次のことと、そういうつながりが、段階があるので、決して依頼するだけで済むと、そういう問題ではないという整理だというふうに思います。
 その新たな派遣先を提供するというのは、これ元々、派遣会社にとっては派遣先を提供するのが本来業務ではないかと。これを、実際新しい派遣先をちゃんと用意をして派遣先につなげていかなければ派遣元としてもビジネスが発生しないわけですね。その意味では本来業務ではないかという指摘もあります。これを、今回、派遣元の義務あるいは努力規定として新たな派遣先の提供を新たに定めるということ、これによって、有期雇用を反復更新していることが多い派遣労働者の雇用の継続を図ろうという点では意味があると思います。
 じゃ、派遣契約が終了したときに新たな派遣先を提供するという派遣元の責任というのは、現行法と改正後とでどう実際には変わるんですかと、元々本来業務じゃありませんかと、それはどう違いますかということに説明をしてもらいたいと思います。
#128
○政府参考人(坂口卓君) 今御質問ありましたように、そもそも派遣労働者を派遣会社が派遣先に派遣するということは、確かに派遣会社のビジネスとしての業務ということではあるんですけれども、今委員の方からお尋ねありましたとおり、派遣契約が終了してしまったというときに、じゃ、派遣会社に新たな派遣先を見付けなければいけない、雇用をちゃんと継続をしなければいけないという義務が現行法であるかというと、現行法はそういうことはないということでございます。
 派遣会社がそういった新たな派遣先の提供を行わないということになりますと、これは雇い止めというような形で派遣で働く方の雇用が途切れてしまうということで、一部、判例等でもそういったところに対してのなかなか派遣元、先の責任ということが問われていないというような事例もあったということでございますが、今回は、まさに今委員御指摘ありましたように、この雇用安定措置ということを設けるということで、派遣会社の方に新たな派遣先の提供を義務付ける、言ってみると、派遣元の雇用責任をしっかり強化するということを今回の改正で行うという趣旨で今回措置を設けるということでございます。
#129
○長沢広明君 いわゆる期間制限が個人単位ということとも関わってきますけれども、派遣会社としては、あるAさんが期間が終わりました、そのAさんに更に仕事を紹介すれば一つのビジネスになりますが、面倒な場合はBさんの方でもう一回更にビジネス、Cさんの方でビジネスとしてしまえば派遣会社としては済んでしまう。だけれども、このAさんが派遣期間が終わったときには、そのAさんに対して次の新たな派遣先を紹介するということをこの法律できちんと定めたと、こういう意味では、労働者の保護という意味では大きな意義があるのではないかというふうに思います。
 この雇用安定措置の実効性をどう確保するかということも、これまでも議論にずっとなってきた点でございます。派遣元がしっかりとこの雇用安定措置の義務を履行しているのか、または対応が形骸化していないか、これを行政としてもしっかりチェックをしていかなければならないと思います。
 改めて、この雇用安定措置について、派遣元による義務の履行、これ行政としてどう確認していくのか、お伺いしたいと思います。
#130
○政府参考人(坂口卓君) この雇用安定措置を派遣会社が義務の履行をしているかということにつきましては、その端緒としては、派遣労働者、派遣で働く方からの申告ということもありますけれども、通例、私ども、都道府県労働局が定期監督指導に当たるという中で確認をしていくということでございます。
 ただ、その流れの中で、しっかりそういった事業所をキャッチしていくということが必要になってきますので、そこは、先ほど大臣の方からも御答弁させていただきましたけれども、事業報告の中でこの雇用安定措置の実施状況の報告を求めるということを予定しております。
 先ほど大臣からもありましたように、同じ職場で一年以上派遣した労働者について、派遣期間区分ごとの人数等々について事業報告を求めるということを予定しておりますので、そういった報告内容を踏まえて、定期指導等の対象を選定するというような形も含めて指導監督をしっかりやっていくということで履行確保に努めてまいりたいと思っております。
#131
○長沢広明君 最後に、これ、今日も議論になっています三十条二項の義務規定、これを例えば三年直前で切ってしまうとか、こういう形で義務規定逃れを繰り返し行う。繰り返しが何回かという議論もありましたけれども、大事なことは、この法律が雇用の安定を図るという立法趣旨があると。この立法趣旨に反した派遣元事業者に対する対応ということが非常に大事な点だと思います。
 義務違反として、これはもう明らかに雇用の安定を図るという立法趣旨に反しているという場合、当然、この法律の中にも業務改善命令の手続とかありますが、業務改善命令あるいは許可の取消しというのも規定等はありますけれども、直ちに許可の取消しが難しいというようなことがあったとしても、例えば、許可基準に盛り込んで、そういう事業者については次回のいわゆる更新はしない、許可の更新しない、こういう手も考えられるというふうに思うんですが、この点いかがお考えになりますか。
#132
○国務大臣(塩崎恭久君) 雇用安定措置の義務違反につきましては行政指導を行うこととしていることは先ほど来申し上げているとおりでありますが、この指導に従わない事業主に対して許可の取消し等の厳正な措置を行うということにしているわけでありますが、一方で、義務逃れのために故意に、今御指摘のように、三年直前で派遣就業を終了させるといったことを繰り返すような事業者に対しては厳正な指導監督を行うこととしているわけでありますけれども、義務違反でない以上、その時点において許可の取消しまでを行うということは困難かも分からないというふうに考えるわけであります。
 しかしながら、許可基準に盛り込んで、更新しないという、今、長沢先生から御提案をいただいた点が出てまいりましたけれども、こういうことを受けて、私どもとしては、これらについては是非検討をしてまいりたいというふうに思うところでございます。次回の更新はしないという今の御提案について検討をしてまいりたいというふうに思います。
#133
○長沢広明君 私の提案でございますので、もしこれは検討できるのであれば検討して、やはりこの実効性を高めるということに努力をしていただきたいというふうに思います。
 終わります。ありがとうございました。
#134
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。順番を変えていただいたことに感謝をいたします。
 まず、非正規労働者の権利実現全国会議が、派遣労働者、元派遣労働者を含む六百七十六名を対象に労働者派遣法改正に関する緊急アンケートを行いました。極めて切実な声が寄せられております。
 これは読んだかどうかという質問通告をしていませんが、これ、厚生労働省あるいは大臣、政務三役、このアンケート結果というのは御覧になられましたでしょうか。
#135
○国務大臣(塩崎恭久君) 拝見しておりません。
#136
○福島みずほ君 是非これは読んでいただきたい。派遣労働者の生の声が本当に出ていまして、派遣法の改正法案を議論するに当たって、今法案のどこに派遣労働者当事者が問題だと思っているか分かりますので、お届けしますので、是非読んでいただきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 例えばどういう声があるかを聞いてください。
 現在の改正法案の内容では、派遣社員の雇用の安定ではなく、アリ地獄のようです。三年ごとに滑り落ちる。三年後に仕事が変われば、職場が違うなどの適当な理由が見付けられて、やっと少し上がった時給がまた下げられてしまいます。四十代女性、財務処理、ヘルプデスク、一年半働いている。
 次、三十代男性、一般職、看護師、数か月。なぜ無期雇用の道を塞ぐようなことをするのか。有期雇用のせいでどれだけの労働者が使い捨てにされているのか。学識経験者だけで決めず、派遣労働者の声を聞く検討会などの声を反映させるような仕組みをつくり、セーフティーネットをしっかりした上で政策をつくっていただきたい。
 二十代女性、受付、二年。派遣会社をもうけさせるための法改悪としか思えない。政府は、法律で非正規労働者を一時的なものと定義しているにもかかわらず、今回の改悪によって、一度派遣で働いた人は一生派遣でたらい回しされるという仕組みをつくろうとしている。年齢的に正社員としての転職が厳しくなる三十代以降の女性や五十代以上の男女のことを何も考えていない。一体誰にとってメリットのある改正なのか。よくよく考えてみると、派遣人口を減らしたくない派遣会社と、貧富の差を拡大させて数値的には景気回復したように見せかけたい政府以外には何のメリットもなく、ましてや派遣労働者にとってデメリットしかない。
 もっともっと読み上げたいんですが、という様々な、本当に切実な声があります。
 これは、私も全部読んで、大体三つぐらいあるのかなと。労働者のためにこの法案はならない。あるいは待遇悪化、不安定になる。あるいは、今も御紹介しましたが、若年定年制、女性や、それから五十代以降、もしかしたら四十代以降の男女かもしれませんが、年齢的に厳しくなって、一生派遣というよりも若年定年制になってしまうというものです。私も、間接的ですが、受付嬢という、嬢という意味はどういう意味か分かるかと、つまり、年齢が少し上がればもう派遣として雇わぬぞというのを派遣先から言われたという話を聞いたことがあります。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
 若年定年制の裁判はたくさんあって、まさに様々なところで、バスガイドさんや客室乗務員やフリーアナウンサーの人や、もちろん事務職や、いろんなところで、銀行員、若年定年制はおかしいという裁判でみんな勝ってきております。しかし実際は、派遣のこの制度が若年定年制を導入するものになってしまうんじゃないか。
 ちょっと長くなりましたが、今法案のどこに派遣労働者当事者の声が反映されているのか。今のこの法案を歓迎する派遣労働者がいるんでしょうか。
#137
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、様々な意見があるなというお話で、私も自分自身で、大臣になってからも聞きましたが、それまでももちろん、私の地元も含めて、人材派遣会社をやっている方、そしてまたそこで働いている方、あるいは親しい会社で派遣で来られている人たちの意見は随分聞いたこともございます。
 今、派遣労働者のためになっているのかという御疑問をいただいたと思いますが、働く人たちの御意見というのは、当然、労政審、それから労政審の前に有識者会議も、検討会もやりましたが、そこで働く方からのヒアリングももちろん行ってきております。実態調査も実施をしています。
 そして、労政審で御議論いただいた際の労働者代表という中にナショナルセンターなどの代表がおられますけれども、そういう中に、当然のことながら、派遣の方々の御意見を代表されるという形で御意見を頂戴をして、それらが最終的には有識者会議の検討会の報告書とか、あるいは労政審の建議とかになって、それを基に法律を作ってまいったということでございまして、具体的には、自分が持っているスキルはこれからも通用するのかどうか不安だといった派遣労働者本人の声につきましては、今回の改正案では、派遣元にキャリアアップ措置を義務付ける、あるいは無期雇用の労働者派遣であれば、労使が協調してより良い働き方を模索できるのではないかということを言う方もおられたわけでありますけれども、今回の改正案において無期雇用の派遣労働者を期間制限の対象外とするということで無期化のインセンティブを図るというようなこともやってきているわけでございますので、私どもとしては、それなりに現場の声を生かした法案ではないのかというふうに思っているところでございます。
#138
○福島みずほ君 ナショナルセンターの三つ、連合、全労連、全労協、いずれも大反対をしています。労働者から歓迎されない労働法制というのはあり得ないというふうに思います。
 専門二十六業種の派遣労働者の間で雇い止め、派遣の打切りが行われていることについてどうお考えでしょうか。例えば、私も直接当事者からお話を聞きました。これまで働く期間に制限がなかった通訳など、専門二十六業務の派遣労働者に雇用不安が広がっています。
 改正案は、専門二十六業務を廃止し、受入れ期限を一律最長三年にする内容です。法案成立前の今、三年後の雇い止めを言い渡されたと訴える二十六業務の派遣労働者が相次いでいます。
 例えば、貿易関連の会社で事務機器操作の専門業務を十五年続けてきた五十六歳の女性、五月下旬に派遣先の社長に、次はないと三年後の雇い止めを通告された。女性は、十五年間働いてきたのに、言われたときは体中の力が抜けたと話しております。また、十七年間関東の同じ派遣先で設計、開発の専門業務をしてきた五十代の男性、派遣先から正社員にするのは年齢的に難しいと言われ、派遣会社からは我が社での無期雇用は無理と言われた。男性は、三年後に失職するのは間違いない、五十代で新たな雇用を一から探せというのか、法改正を考え直してほしいという。
 もっともっとあるんですが、この派遣の打切りについてどう把握し、対応をどうされるんでしょうか。
#139
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、二十六業務についてお触れをいただきましたけれども、実は、この二十六業務は長い間勤めておられる方が多いというイメージをお持ちでございますけれども、まず派遣契約で見ても、例えば、先ほどお話があったかも分かりません、ソフトウエア開発とか、人が一番多いのは事務用機器操作でありますけれども、事務用機器操作で三年を超える派遣契約でお勤めになっていらっしゃる方は、これ平成二十四年の派遣労働者実態調査によりますと、三三・七%なんですね。あとかなり短いという方々が多いということと、一方で、今のは派遣契約ですけれども、雇用契約の期間で見ますと、二十六業務の場合、三十日以内、三十日から三か月以内、三か月超から六か月以内と、これを見ますと、それぞれ六%、三〇%、一八%、ですから合計で五四%。この方々が半年以内の雇用契約の反復でずっと来ているので、ずっと安定的に長くお勤めになっているというイメージは少し実態とは違うということをまず申し上げておかなければならないというふうに思います。
 今回の見直しによりまして、これまで期間制限の対象外であったいわゆる二十六業務に従事する派遣で働く方の中には、新たに期間制限の対象となることに伴って派遣の打切りが行われるのではないかという御指摘があることは聞いているところでございます。
 そのため、期間制限の対象となる方につきましては、派遣会社に対して、雇用継続を図るために雇用安定措置を実施する責務を課すということとしておりまして、併せて労働者派遣事業を全て許可制とするということは何度も申し上げてまいりました。そのことによってその履行を強力に確保することとしております。
 したがって、法改正によって三年後に一律に雇い止めにされるということはないのではないかというふうに思うわけであります。
 また、民主党政権時に制定をされました改正労働契約法第十八条の無期転換ルールというのが、五年たった場合には無期転換になるという、これが平成二十五年の四月から施行になっておりますけれども、長年同一の派遣会社に雇用されている方については、先ほどの、短くても、ずっと延長してきて五年たった方については、個人単位の期間制限の上限が来るより前に無期転換申込権を取得するために、そのような方は無期雇用に転換ができるものと考えているわけで、そうしますと期間制限はなくなるということになるわけであります。
 さらに、厚生労働省において、いわゆる二十六業務のうちで派遣労働者の多い上位五業務、これは事務用機器、ソフトウエア開発、テレマーケティング、それから機械設計、それから研究開発、これで実は二十六業務のうちの働く方々の七七%、これを占めるんですけれども、この派遣会社にヒアリングをしてみました。そうしたところ、個人単位の期間制限への対応として、派遣会社としては派遣労働者の無期雇用化を検討しているというところがほとんどであったということもお伝えを申し上げたいと思います。
 厚労省としては、キャリアアップ助成金の活用などもあって、派遣労働者の派遣先での正社員化や派遣元での無期雇用化を後押ししてまいりたいし、また、特にいわゆる二十六業務に従事しており離職の心配をされている方々には、改正法案の施行に合わせて全国の労働局に専用の相談窓口を設置して御相談に応じてまいりたいというふうに思っております。
#140
○福島みずほ君 五年たったら有期が無期になるという制度の前に派遣切りが行われていると。もう更新しませんよと実際言われている人たちが大量にいらっしゃるわけですよね。専門二十六業務についてのホットラインの中でも三百九十九名の方からいろんな切実な声があります。
 今、大臣はるるおっしゃったけれども、一切役に立っていないんですよ。だって、現に、あなたはもう仕事がありません、首ですと言われているわけですから、ちっとも対応できていない。これはどうなんでしょうか。
#141
○国務大臣(塩崎恭久君) まだそもそも法律が成立もしておりませんし、施行になっておりませんので、確たることは申し上げられませんけれども、法の趣旨に反するようなことはやはりきっちり指導をしていかなければならないというふうに考えております。
#142
○福島みずほ君 この改正法案が議論されているまさにそのただ中で、二十六業種について制度が変わりますから、それを口実に、もうあなたは次ありませんよというふうに企業が先取りして辞めさせる、とりわけ年齢が高い人はもう辞めさせるというふうになっていて、さっきの雇用安定措置ならぬ雇用不安定措置で対応もないということが明らかになっているわけです。
 だとすれば、逆に今のこの法律改正案が極めて悪く作用している、二十六業種の人たちにとって極めて悪く作用していることも確かであり、厚労省がこれに対して対応していないというのも問題ですし、私は、そもそも今回の法律改悪がやっぱり現場に非常に悪い影響を与えているというふうに思います。厚労省がこれらに関して具体的に今そして今後どうされるのか、しっかり言っていきたいというふうに思っています。
 それで、無期雇用について質問をいたします。
 この改正案は、派遣元との無期雇用であれば期間制限なしで派遣を認めていると。これは雇用が安定するというイメージを持っているかもしれませんが、実はそうではないということで質問したいと思います。
 派遣会社との契約が無期契約であっても、派遣先が派遣会社との契約を打ち切ることは防げないというふうに思います。派遣先が派遣会社との契約を打ち切ることを防ぐ方法はあるのでしょうか。リーマン・ショックのときにも、派遣先は需給調整のために簡単に雇用を打ち切りました。この需給調整のために派遣を利用しているのだからということもありますが、これは契約を打ち切ることを防ぐ方法はあるのでしょうか。
#143
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、無期雇用は本当に安定するのかという御質問でございました。
 今回の法律案では、無期雇用の派遣労働者につきましては、有期雇用に比べて雇用の安定が図られていること、それから、派遣会社に対して長期的な観点に立ったキャリア形成支援を義務付けること、それから、派遣を希望する方の八割の方が、大体、派遣のままで常用的に働くことを希望されているということなどから、派遣労働の弊害が相対的に少ないとの考え方の下で、労働政策審議会の建議において期間制限の対象外とされたところでございます。
 さらに、派遣会社に無期雇用される派遣で働く方を派遣先との派遣契約の終了のみをもって解雇しないようにすることを、今回、派遣元の許可基準と指針に定めることとしておりまして、今回の改正によって無期雇用で派遣で働く方の更なる雇用の安定が図られるものと考えております。
 また、解雇の問題あるいは潜在的な解雇の問題について今御指摘をいただきました。
 これに関する一般的なルールについて申し上げると、労働契約法第十六条、ここに法定化をされております解雇権濫用法理、これは無期雇用で派遣で働く方とそれから正社員のいずれにも平等に適用されるということになるわけでございまして、解雇の効力の有無、これにつきましては、様々な事情を考慮して、当然のことながら個別に司法判断をされるということになるべきものだというふうに思っておりまして、一概に無期雇用の派遣労働者の方が不安定であるということは言えないのではないかというふうに考えておるところでございます。
#144
○福島みずほ君 無期雇用のことを聞いたのは、その無期雇用、つまり一生派遣のままなんですよ。どんなに頑張っても頑張っても頑張っても、優秀でも、どんなに正社員と伍して働いても、一生派遣のままということなんです。しかも、それが不安定なんじゃないかという質問を実はしているわけです。つまり、リーマン・ショックのときもそうでしたけれども、派遣先が派遣会社との契約を打ち切ることを防ぐ方法はあるのか。
 今、大臣は建議のことをおっしゃいました。二〇一四年一月二十九日労政審建議。派遣元事業主は、無期雇用の派遣労働者を派遣契約の終了のみをもって解雇してはならないことを指針に規定すること、また、派遣契約の終了のみをもって解雇しないようにすることなどですが、これってきちっと法律の中に書いてあるんでしょうか。
#145
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、派遣契約の終了のみをもって解雇しないようにすることは、法律ではなくて、この法律の下で指針に定めることとしてございまして、法律ができた後に指針として明定をしたいというふうに考えております。
#146
○福島みずほ君 指針ではなくて、きちっと法律でやるべきだというふうに思います。
 派遣労働者の実質的な雇用の安定は図られるのか。派遣先と派遣会社との契約が解消されても、生活を維持していく水準で賃金が払われるんでしょうか。打ち切られたときの休業手当六〇%だけになるんじゃないですか。どうですか。
#147
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#148
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#149
○国務大臣(塩崎恭久君) 質問通告を受けていなかったものですから、失礼しました。
 基本的には無期でございますので、これは賃金の支払をきちっとしてもらわなければいけないというのがまず大原則で、労働契約にそのように書いてあるはずでございます。
 それと、どうしてもそれでも休業になるという場合には、当然、これは休業手当を払わなければいけないということになりますので、労働基準法の第二十六条に、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中の当該労働者に平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならないということになるというふうに思います。
#150
○福島みずほ君 つまり、休業手当でいくということは、派遣先が派遣元との契約を例えば解消するとか、その人間を首にした場合に、元々派遣元で無期雇用であったとしても、たかだか休業手当六〇%しか支払われないということですよね。そうだとすると、その人は生計を維持していくことができるんでしょうか。
#151
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも、派遣元が仕事を提供するという義務は当然あるわけでありますから、いきなり休業手当ということではないんだろうと思います。しかし、結果としてそうなった場合には、休業手当六〇%以上というのは保障されているということだと思います。
#152
○福島みずほ君 先ほど同僚委員からもありましたが、派遣元が新しい派遣先を紹介するといっても、一般的に、派遣労働者の希望がかなう仕事が紹介されるという保証はありません。元々の契約で業務内容が特定されていなければ、たとえ賃金が同じであっても、事務職の人に肉体作業の仕事、就労場所が非常に遠方になるということを紹介しても、これで派遣元としては仕事を紹介したことになるということになるんじゃないですか。
#153
○国務大臣(塩崎恭久君) それは、先ほど御答弁申し上げたように、山本副大臣も御答弁申し上げましたが、三十条の一項の二で、特定有期雇用派遣労働者の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限るということでありますので、合理的じゃないものを提供している限りは合理的なものを提供してもらわなければいけないということだと思います。
#154
○福島みずほ君 その合理的の判断が本当にどうなのかということもあるんですね。
 それから、派遣労働者が選ぶことができない仕事を紹介された場合、派遣労働者がその仕事を拒否した場合、派遣労働者の単なる就労拒否になってしまって休業補償も打ち切られてしまうと。六割の休業補償を払いたくないと考えた派遣会社は、本人が希望しないであろう仕事を形だけ紹介をして休業補償の支払を拒否、事実上派遣労働者を追い払うことができるのではないでしょうか。どうですか。
#155
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#156
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#157
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の問題は、派遣法の範囲を超えて労働契約法の問題になるのではないかというふうに思います。それは、不利益変更を強要される場合にどうするかという問題なので、それは一般的な労働契約法上の意見の相違があった場合の対応ということが行われるということだというふうに理解しております。
#158
○福島みずほ君 確かに労働契約法の問題ですが、派遣はこういうことが常に付きまとうということなんですよ。
 実際、登録されているけれどもなかなか仕事を紹介してもらえなかったり、あるいは、セクハラやパワハラやいろんなことでクレームを付けたりいろいろするともう仕事が回ってこないというのは割と常識なんですよ。クレーマーと言われて、正当な権利を行使しても、それはもう仕事が回ってこないとか。
 だから、無期雇用だから安定だではなく、一生派遣のままで、そしてどこか本人が選べないような、例えば事務職なのに物すごい肉体労働とか遠方とか、紹介しましたという形だけで、休業補償だって打ち切らせてしまう、本当に不安定な働き方なんだということを理解していただきたいですし、今後も、無期雇用であれば安定しているということは絶対言えないわけです。
 最後に、大臣はさっき三年ごとに、私の前回の質問にもそうなんですが、三年置きに自分のキャリアを見詰め直すのにいいというふうにおっしゃいました。でも、派遣の人たちの声を聞いてください。自分の三年後がどうか分からない。いつ更新拒絶されるか分からない。いつ打切りに遭うか分からない。これらは、自分のキャリアを見詰め直すどころか、どんどんどんどん落ちていくというか、どんどんどんどん不安定になっていく、不安を抱える労働であると。
 それを更に不安定化させるこの改悪法は問題だということを申し上げ、質問を終わります。
#159
○川田龍平君 川田龍平です。
 前回の質疑の際、現在の労働者派遣法における常用代替の防止と、臨時的、一時的な働き方の原則の関係について明確な答弁は得られませんでした。結局、一九九九年のネガティブリスト化の際に、常用代替が生じないように、自由化業務に係る派遣を臨時的、一時的なものとして位置付けることとしたように、臨時的、一時的な働き方の原則というのは常用代替の防止を達成するための手段であると理解しましたが、よろしいですね。
 他方、今回の改正案では、臨時的、一時的な働き方というのは、労政審の建議を踏まえて、派遣先における派遣労働の利用、そして派遣労働という働き方の両方について、臨時的、一時的なものを原則とすると、大臣は前回、行田委員に対して答弁されており、特に後者の面では、現在の常用代替の防止を達成するための手段以外の意味を持たせようとしているとも考えられます。
 そこで、以下伺います。
 派遣労働を臨時的、一時的なものと位置付けているEU、具体的には、フランス及びドイツではどのような理由で派遣労働を臨時的、一時的なものとしているのでしょうか。
#160
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今お尋ねのフランス、ドイツのケースでございますけれども、まずフランスの方でございますが、フランスにおいては、労働契約について、そもそもの原則は期間の定めのない契約を原則としているということがございますので、その意味では、派遣労働等の有期労働契約というものについては、労働契約の原則に対しての例外というものと位置付けられているということがございます。そういったことから、この派遣の制度の中では派遣の利用の事由ということを限定した上で、それで利用の事由に限定した派遣期間を定めているという形で臨時的、一時的なものという扱いを担保しているということかと思います。
 それからドイツでございますが、ドイツは制度について紆余曲折があったわけでございますけれども、最近の動きでいきますと、二〇〇八年にEU指令というのがEU諸国の中では発令されまして、ドイツについては、このEU指令の二〇〇八年を受けて、それで法律に労働者派遣というものについては一時的なものとするという旨を規定したということでその動きを担保しているということと承知しております。
#161
○川田龍平君 今回のこの改正では、労政審の建議を踏まえ、派遣労働が臨時的、一時的なものであるという原則を条文に明記することとしていましたが、仮に常用代替の防止という原則の考え方が派遣法から除かれたとしても、この派遣労働が臨時的、一時的なものという考え方は残ると考えますかどうか、厚労省の見解を伺います。
#162
○政府参考人(坂口卓君) 今の点につきましては、先ほども川田委員の方から冒頭ございました、前回も御質問の中でも御答弁しましたけれども、常用代替の防止の考え方ということは制定以来の考え方で、それで十一年の改正を経、そして今回の改正前後においてもその考え方には変わりはないということでございますので、私どもとしては、まずその考え方の中でしっかりやっていきたいということでございます。
 一方で、今回については、これも従前も申し上げましたけれども、先ほど来、いわゆる常用代替との関係で出ている臨時的、一時的な働き方という意味での派遣労働の派遣先における利用という部分のみならず、今回は、先ほど来出てきていますけれども、個人単位の期間制限という考え方との裏腹の考え方で、派遣労働を臨時的、一時的な働き方として位置付けるという意味でのこの臨時的、一時的なものという考え方はいずれにしても新たな考え方ですし、常用代替との関係を抜きにしてもしっかり残るということでございます。
#163
○川田龍平君 次に、二〇一三年の十月に規制改革会議が出した労働者派遣制度に関する規制改革会議の意見によれば、非正規労働者が全体の四割近くなった現在、労働者派遣法だけが常用代替防止を通じて従来の日本的な雇用慣行の維持を法の基本原則とすることに固執するのは妥当ではない、また、諸外国では、我が国のように正社員の保護を目的とする規制はまれであり、派遣労働の規制根拠をEUのように実態にそぐわない派遣の利用や低処遇、不安定雇用の防止という派遣労働の濫用防止に転換すべきである、派遣労働の濫用防止は、派遣先の正規雇用労働者との均衡処遇の推進によって実効性を確保すべきであり、派遣労働者に不合理な格差が生じないよう、我が国の実情に即し、処遇全般に目配りした幅広い均衡を図るべきであるといった指摘がなされています。
 このように、常用代替の防止から派遣労働の濫用防止へ、派遣先の正規雇用労働者との均衡処遇の推進によりその実効性を確保するという規制改革会議の意見に対する大臣の見解を伺います。
#164
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、規制改革会議の考えについての御指摘がございましたが、労働者派遣法は、制定以来、正規雇用の方が派遣で働く方に代替してはならないという先ほど来出ております常用代替防止を原則として、今回の改正法案でも同じように、さっき申し上げたように、考え方を引き続き維持をしていくということでございます。
 一方で、派遣労働者について、派遣先の正規雇用労働者との均衡待遇を推進していくことも重要であると認識をしておりまして、そのため、今回の改正案においても均衡待遇の確保を強化していくということにしているわけでございます。
#165
○川田龍平君 もっと具体的に答弁いただきたいと思いますが、非正規労働者が全体の四割近くなった現在、労働者派遣法だけが常用代替防止を通じて従来の日本的な雇用慣行の維持を法の基本原則とすることに固執するのは妥当ではないとの指摘について、この指摘のみについて、厚労省はどのような見解でしょうか。部長、いかがでしょうか。
#166
○政府参考人(坂口卓君) 今御引用された部分、規制改革会議の中で常用代替防止の部分でございますけれども、規制改革会議が言っているように、確かに、非正規労働者の労働者全体の割合というのは四割近くになったという現状は確かではございますけれども、これも前回も大臣等からも御答弁させていただいているとおり、派遣労働というのは、いわゆる間接雇用という一形態で、雇用と使用が分離しているという形態なので、私どもとしたら、その形態を防ぐために、先ほども申し上げましたとおり、派遣法の制定以来、常用代替防止を原則としているということでございます。
 ですから、規制改革会議ではこういう意見ではございましたけれども、私どもとしましては、常用代替防止を原則として、それで今回の見直しの案についても、労政審の建議にもそれが盛り込まれ、今回も期間制限等の考え方でもこの原則は維持して盛り込ませていただいているということでございます。
#167
○川田龍平君 それでは次に、諸外国では、我が国のように正社員の保護を目的とする規制はまれであり、派遣労働の規制根拠をEUのように実態にそぐわない派遣の利用や低処遇、不安定雇用の防止という派遣労働の濫用防止に転換すべきであるというこの指摘については、厚労省はどのような見解でしょうか。
#168
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、先ほど冒頭も大臣御答弁させていただいたように、常用代替防止から派遣労働の濫用防止という、そういう流れの側面を別にしますと、今申し上げたとおり、私どもとすると、常用代替の防止を原則とするということは維持しつつということでございますけれども、派遣労働者の保護という観点が大事ということについては、その意味では一致をしているということでありますが、常用代替防止という原則を維持しながら、今回の改正案ではいろいろ、先ほども御議論ありましたけれども、雇用安定措置であったりキャリアアップ措置というようなことも含めて、派遣労働者の保護ということも併せて図っていこうということを今回考えておるということでございます。
#169
○川田龍平君 先ほどEUの話をしましたけれども、EU諸国においてこの派遣労働の濫用防止が法理とはなっていないということでしょうか。
#170
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども申し上げたとおり、濫用防止という捉まえ方かどうかというのはございますけれども、先ほどフランスについては例外的な位置付けということで申し上げたとおり、いわゆる利用事由について、一時的な業務の増加であったり病気休暇の職員の代替要員というような臨時的な位置付けというような形で、そういう事由での位置付けをしているというのがフランスということでございます。
#171
○川田龍平君 それでは、この派遣労働の濫用防止というのは、派遣先の正規雇用労働者との均衡処遇の推進によって実効を確保すべきであり、派遣労働者に不合理な格差が生じないよう、我が国の実情に即し、処遇全般に目配りした幅広い均衡を図るべきであるというこの指摘についても厚労省の見解をお聞かせください。
#172
○政府参考人(坂口卓君) 規制会議の意見の中で均衡処遇を推進するということ、この確保についての重要性ということについては、これは私どもとしてもそのとおりだと思っております。
 そういう意味では、派遣労働者として働く方とその派遣先での労働者の方について、両者の均衡の処遇の推進を図っていくということについては重要な観点だということについては考えておりますので、今回の改正案でも、派遣先についての一定の賃金水準の情報提供でありますとか、一定の教育訓練あるいは福利厚生の配慮義務というようなものを設けるというような形での強化でありますとか、あるいは派遣元についても、一定の均衡の配慮に当たって考慮した事項についての働く方に対しての説明義務というようなものを課すということで強化をしているということで、この点については、私どもとしても、均衡処遇の推進ということについてはしっかり取り組んでまいりたいということで考えてございます。
#173
○川田龍平君 次に、期間制限について伺います。
 現行制度では、二十六業務には期間制限が掛からず、そのほかの業務には最長三年の期間制限が掛かっています。今回の改正案では、分かりやすい制度とするためにこれを廃止し、派遣先事業所単位及び個人単位で最長三年の期間制限を設けるとされています。それぞれの期間制限が最長三年とされている理由を御説明ください。
#174
○政府参考人(坂口卓君) 今の最長三年ということについての考え方ですけれども、これは今回の建議の労政審の議論に先立って、有識者の方々で研究会、検討会を行っていただいた中で御議論がされたということもございます。
 具体的には、まず事業所単位の三年ということについては、これはお分かりのとおり、現在の業務単位の期間制限というものについて、現行制度が一年を延ばすことができるのが最長三年という考え方での制度ということがありますので、そういった検討会の中でも、やはり現行制度からの円滑な移行というようなことから、最長期間を維持するということが適当であるというような考え方が示されていたということがございます。
 一方で、個人単位の期間制限という方の最長の三年ということでございますけれども、これにつきましては、一定の業務に習熟するに当たってはやはり一定の期間が必要なので、短期間で派遣を認めないということになりますと、キャリア形成にマイナスの影響があるのではないかというような御議論でありましたり、あるいは一定の調査の中で、正社員の方については、人事異動等での部署を異動する周期が大体二年から五年を超えないというところでの割合というのが、異動する方が四割程度を占めているというようなデータもあるということ。
 それから、一方で、今回は業務単位の期間制限と併せて二つ立てにするということもありますので、そういった事業所単位の期間制限と個人単位の期間制限を併存させるということでございますので、派遣先の事業所単位の期間制限が、先ほど申したような形で、現行制度との連続性ということもあり三年とするというようなことも考慮して、個人単位の期間制限についても最長三年とすることがよろしいのではないかというような御意見があったということも踏まえながら、最終的に御議論をしていただいて、労政審でも御議論していただいて、今回のような案で示させていただいておるということでございます。
#175
○川田龍平君 厚労省が実施した二〇一二年の派遣労働者実態調査においては、正社員として働きたい者が四三・二%、派遣労働者として働きたい者が四三・一%とのことで、拮抗しているとのことでした。これに対して、厚労省がインターネットによるアンケート調査として二〇一三年三月に実施した派遣労働者実態調査では、六〇・七%が正社員として働きたいとの結果が出ています。
 この二つの異なる調査結果について、この違いをどのように分析していますでしょうか。
#176
○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘の、今後働きたいという希望についての調査、二種類、まさに今御紹介いただいた内容のとおりでありますけれども、従前も申し上げましたとおり、私どもとしましては、正社員として働きたいと答えた割合が四三・二%、派遣労働者として働きたいと答えた割合が四三・一%といいますこの派遣労働者実態調査というのは、これはいわゆる政府統計ということで信頼性も高い統計だろうということと、あとサンプル数も大きいということで、私どもとすると、こちらの調査の方を実際の使わせていただいているデータということで御答弁申し上げているところでございますけれども。
 今ありましたこの違いということをどう分析するかというのはなかなか難しいわけでありますけれども、一方のインターネット調査、アンケート調査というのは、サンプル数が四千ということでありますけれども、いわゆる四千という時点まで上がってくると、その時点で一定の、達したら調査対象を終了するというような形で調査を行うという形で調査を行ったというものでありますので、その流れの中でいくと、実際はほかの項目で、例えば派遣元、派遣先への不満とか要望というようなことをアンケートでもお答えされているという方の割合が多いということもございますので、インターネットによるアンケート調査の対象には、現状に不満を抱く方からの回答ということが最初の段階で手を挙げて入ってこられたということが多いのではないかというような見方もできるのではないかと思いますけど、ちょっと私どもとすると、実際の違いというのを詳細に見るというのはなかなか難しいかなということで考えております。
#177
○川田龍平君 厚労省の答弁を聞いていると、本当に都合のいいというか、異なる解釈が成り立つ複数の調査結果をうまく使い分けて、都合のよい数字だけを調査結果として提示しているように感じてしまうのは私だけではないと、意見が出ています。
 いずれにしても、正社員になることを希望する派遣労働者もいれば、派遣として働き続けたいと考える派遣労働者もいますが、本人の意向を鑑みることなく、有期雇用の派遣労働者に対し、一律で期間制限を設けることについての見解を伺いたいと思います。
#178
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては先ほども大臣の方からも御答弁ございましたけれども、やはり有期雇用で働く方については、雇用の安定あるいはキャリアアップの観点から課題が大きいということがございます。
 無期雇用の方に比べてやはりそういったことが大きいということでありますので、そういった意味では、先日、前回以来、委員の方からも御指摘をされているいわゆる正社員からの派遣への置き換えである常用代替ということが起こりやすいということもございますし、一方で、やはり有期の雇用派遣ということでありますので、派遣就労に固定化してしまうということもあるということがございますので、そういったことから、やはり期間制限の対象という形に今回して、全体として雇用の安定を図る臨時的、一時的なものを原則とするという考え方で、常用代替の面の事業所単位ということと、固定化防止の意味での個人単位の期間制限ということを設けるということにしたということでございます。
#179
○川田龍平君 無期雇用派遣労働者について伺います。
 無期雇用の派遣労働者は期間制限の対象外とされています。無期雇用派遣労働者は有期の場合よりも雇用が安定していると政府は答弁していますが、無期雇用派遣労働者の六五%は将来の雇用に不安を抱いているという調査があります。二〇一一年のJILPTの労働政策研究・研修機構の調査です。
 この点について、無期雇用派遣労働者が不安を抱いている理由に対する認識も含めて、大臣はいかがお考えでしょうか。
#180
○国務大臣(塩崎恭久君) 無期雇用派遣の御質問がございましたけれども、御指摘の今の調査では、派遣で働く方に対して、将来的に見て自分の仕事に不安があるかを尋ねたところ、先ほど数字を挙げていただきましたけれども、期間の定めのない常用型の派遣社員の約六五%が不安ありとする回答でございました。
 そして、登録型派遣社員などと比較をいたしますと、不安ありとする割合は相対的に低い。これ登録型派遣の社員の方は、この数字でいきますと七三・四%。六五・二%が期間の定めのない常用型派遣社員でございますけれども、ということで、そこと比較をいたしますと、不安ありとする割合は低いわけでありますが、雇用不安を感じるとの回答の背景には、調査が行われた平成二十二年の二月当時、有効求人倍率が〇・五倍を下回る厳しい雇用失業情勢であったことも影響しているのかなというふうに考えております。
 しかし、平成二十四年の労働者派遣法改正において、派遣先の都合によって派遣契約を解除する場合は、派遣先に対しまして新たな就業機会の確保や休業手当等の支払に要する費用の負担等の措置を講ずることを義務付けておりまして、無期雇用の派遣で働く方が派遣契約の中途解除に伴って雇用を失うおそれは少なくなっているものと考えております。
 さらに、今般の労政審の建議におきましては、派遣先との派遣契約の終了のみをもって無期雇用の派遣労働者を解雇しないようにすることを許可基準に記載をするということとされておりまして、今回の改正によって、無期雇用で働く方の更なる雇用の安定を図っていかなければならないというふうに思います。
#181
○川田龍平君 時間ですので、もう一度伺いたいんですけれども、無期雇用派遣労働者が不安を抱いている理由について、もう一度説明いただけないでしょうか。
#182
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#183
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#184
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども申し上げましたけれども、無期ですから雇用契約は無期なんですね。しかし派遣契約は別物でありまして、それが、さっき申し上げたように、二十六業務であっても、例えば三年を超えるというのはせいぜい二割、三割で、さらに期間の定めがない派遣契約というのは本当に一割を切るぐらいしかないということでありますから、三年より先を見通せるような派遣契約というのは余りなくて、むしろ一年以下というのが四割とか、そんなふうになっていますので、派遣契約の先行きがどうなるのかということについてはやはり不安がおありになるんじゃないかと思いますが、さっき言ったように、有期契約よりははるかに少ないという不安さだと思います。
#185
○川田龍平君 この無期雇用派遣労働者についても、不安はやっぱり六五%と高いというわけであります。やはり、派遣労働者が抱いているこの不安に対して、今回の法改正によってこれが果たして本当に不安がなくなるのかというと、そうではないと私は思っておりますので、この無期雇用派遣労働者の問題についても引き続きまた次回質問させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#186
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 本日は、この場所で、日本の雇用制度の根幹を揺るがすと考えられる派遣法改正案について質問をいたします。
 まず、派遣法の現行制度について改めて確認しておきたいと思います。
 現行の労働者派遣制度の原則は、本来職業安定法によって禁止されている労働者供給事業、派遣労働はあくまで例外的に、常用代替を起こさない範囲の臨時的、一時的なものとして認めるということで始まったものであり、実態は別にして、その原則というのは今も続いているはずであります。
 今年二月二十日、衆議院の予算委員会で我が党の志位和夫委員長も、派遣制度の大原則として、派遣は臨時的、一時的業務に限る、常用雇用の代替、正社員を派遣に置き換えることはしてはならないという点が挙げられると質問しましたが、それに総理はどう答えたか。厚労省、お答えください。
#187
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今御指摘の答弁、二月二十日の衆議院の予算委員会における志位委員の御質問かと承知しておりますが、その際の安倍総理の答弁でございますが、今お尋ねありましたように、現行の派遣法ということについてということで、現行の労働者派遣法でございますけれども、「労働者派遣制度においては、派遣される労働者の保護を図るとともに、労働者全体の雇用の安定を図ることが重要な課題となります。このため、現行の労働者派遣法では、派遣先において正社員から派遣労働者への置きかえ、常用代替が生じることのないよう、派遣労働の受け入れを臨時的、一時的なものに限ることを原則として、専門的業務、いわゆる二十六業務を除き、原則一年、最長三年という期間制限を設けているということでございます。」ということで答弁をしております。
#188
○吉良よし子君 派遣先において正社員から派遣労働者への置き換え、常用代替が生じることのないようという答弁だったということであり、これは私、非常に大事な答弁だと思うわけです。要するに、派遣先で常用代替が起きないように、臨時的、一時的に限っている、これが目的であると、それが原則であるということなわけです。
 それで、それを遵守する責任が派遣先に課されているということも確認しておかなければならないと思いますし、その原則を貫く担保として何があるかというと、派遣の期間制限が設けられているということだと思うわけです。
 この考えというのは、先ほど除かれるとされた二十六業務の場合でも、現行法においても貫かれています。これについて、平成十二年に労働省職業安定局民間需給調整事業室が監修した労働者派遣法実務解説がどう説明しているか、御答弁ください。
#189
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘いただいた書物でございますけれども、そこの中では、一つの派遣契約の契約期間に係る制限の趣旨としてということでありますが、派遣先に常用雇用される労働者の派遣労働者による代替を防止することにあることから、長期間引き続き同一の業務に継続して派遣労働者を従事させるような場合は本来は直接雇用にすることが望ましいというものということで、一つの派遣契約の契約期間に係る制限の趣旨ということについて記述しているということでございます。
#190
○吉良よし子君 派遣期間制限の趣旨は、派遣先に常用雇用される労働者の派遣労働者による代替を止める、防止するということにあるということと同時に、二十六業務であったとしても、長期間同一業務を行う場合は、本来は直接雇用が望ましいと言っている、それが現行法だということであります。
 また、期間制限については、先ほどもありましたとおり、現行法では、派遣期間は原則一年、最長三年まで延長できるとしていますが、その期間を超えて派遣を受け入れようとする場合には、三か月間のクーリングオフ期間を置かねばなりません。
 その理由について、当時の渡邊職安局長は、業務単位の期間制限なので三年を過ぎたら派遣労働は使えなくなる、その業務を継続するためには直接雇用しなさいという仕組み、クーリングオフ期間を三か月としたのは、派遣労働者がいなくなったままで業務を続けることは不可能だろう、だからそこで直接雇用に転じることを期待してのものだという答弁があったということでした。
 ここからも、やはり期間制限というのは派遣先での常用代替を防止する、その期間を過ぎても労働者を引き続きその業務で働かせようという場合には、直接雇用の原則に戻るということが期待された措置だということは明らかだと思うわけです。
 この期間制限措置というのは、じゃ、実際に法の目的を達成しているのかという疑問が湧いてくるわけですが、二〇一二年十二月に厚労省が派遣先に対して行った労働者派遣の実態に関するアンケート調査では、期間制限に達したときの派遣先の対応はどうなっているか、そういう調査結果があります。割合の高いものから上位五つ、その内容と割合を述べていただけますか。
#191
○政府参考人(坂口卓君) 今委員御指摘の、期間制限に達した際の派遣先の対応という調査でございます。
 これは、平成二十四年の十二月に私どもの方で労働者派遣の実態に関するアンケート調査ということで行ったものでございますが、内容的には、今委員の方からも御指摘ありましたように、派遣先に対しての事業所調査ということでございます。それと、あと、これから申し上げますが、回答は複数回答を可という形で回答がなされているというものでございます。
 その上で、今御指摘ありました対応の内容と割合でございますけれども、一番多いものから申し上げますが、まずは、事業所で直接雇用したというものが五三・五%でございます。それから続いて、派遣を終了し事業所の従業員で対応したというものが一九・六%。続いて、そのまま継続して派遣を受け入れたというものが一三・五%。続いて、派遣を終了し外部に委託した、請負等ということでございますが、こちらの方が七・六%。それから、最後五番目でございますが、部署を異動させ、異動先の部署で派遣受入れを継続したというのが七・三%ということで、上位五つはこういう状況になっております。
#192
○吉良よし子君 派遣をそのまま受け入れたなんていうところもあるのはちょっとびっくりなんですけれども、それでも、派遣労働者を直接雇用に移行させたという事業所が五三・五%、このアンケート調査でも半分以上あるわけです。その直接雇用された派遣労働者がそのまま正規社員にまで至るかどうかという問題も残されてはいるものの、そうはいっても、この期間制限措置が、これは常用代替の防止にも、また派遣労働者の直接雇用への道を開くことにも一定の効果を発揮していたということを明瞭に示しているものだと思うわけです。
 ところが、本法案では、常用代替防止という労働者派遣制度の根幹をないがしろにしようとしているのではないか、こういう疑問が本委員会でも出されているわけです。それに対して、坂口部長は労政審において、派遣労働を臨時的、一時的に、その利用も臨時的、一時的にという原則は確認されていると述べておられました。
 確かに、昨年、平成二十六年、第百八十七回臨時国会において廃案となった法案の提案理由の説明には、派遣労働を臨時的、一時的な働き方と位置付けることを原則とするとともに、その利用についても、臨時的、一時的なものに限ることを原則とするとの考え方の下に提出すると書かれておりました。
 ところが、今回審議しているこの法案の提案理由の説明では、派遣労働という言葉が派遣就業に置き換えられたと同時に、その利用について、臨時的、一時的なものにするというところの文章は完全に削除されて、一つだけ、派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とするという文言のみになってしまっている。
 なぜ、利用を臨時的、一時的なものに限る、その利用という言葉をわざわざ削除したのでしょうか。つまり、これは常用代替の防止というこれまでの大原則、派遣先に対する大原則をひっくり返そうというのが本法案の本当の狙いではないかと思うわけですが、大臣、これはいかがでしょうか。
#193
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正案におきましては、常用代替の防止を図る観点から、派遣労働の利用は臨時的、一時的なものとすることを原則として、派遣先に対して事業所単位の期間制限を課して、過半数労働組合等からの意見を聴取しなければ三年を超えて有期雇用の派遣で働く方を受け入れることができないものとしているわけでございまして、この臨時的、一時的という原則については、今回の改正案を今通常国会に提出する際に条文上も明らかにしたところでございまして、これは二十五条に明記をされているところでございます。
#194
○吉良よし子君 条文の中身を聞いているわけじゃないんですね。提案理由説明のところなんですよ。そこに、派遣労働の利用についても臨時的、一時的なものに限ると前は書かれていたのに、今回は書かれていない。
 もし、条文でもあるから必要なんだというんだったら削除する必要はなかったわけであって、元どおりにしておけばいいわけなのに、わざわざそれをその法案の最もコアな部分からなくしているというのはどういうことかと伺っているんです。お答えください。
#195
○国務大臣(塩崎恭久君) ここの二十五条での、派遣就業は臨時的かつ一時的なものであるということを原則とするとの考え方を考慮すると書いたのは、この派遣就業は、提案理由もございますが、派遣就業は同じことが書いてあるわけで、ここには今の利用と働き方との両方を兼ねて申し上げているということでございまして、この派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とするとの考え方の下でということを申し上げているわけでございます。
#196
○吉良よし子君 全く納得ができないわけですよね。わざわざ何で利用という言葉をのけたのかということを伺っているわけです。
 先ほど政府の規制改革会議のお話もありました。その中では、労働者派遣法の規制の根拠である常用代替防止は正社員の保護を目的としており、派遣労働者の保護とは必ずしも相入れないと。だから、これまでどおりの手法で政策目的を追求するには限界があるから、常用代替防止のために派遣労働を臨時的、一時的に限定するという規制体系、手法を抜本的に見直せと述べて、在り方を検討するように求めており、その答申の基となった雇用ワーキング・グループの座長を務めた鶴光太郎慶応大学教授も、常用代替防止というところがもう既に意味を失っているとまであけすけに述べていらっしゃるわけですよ。
 でも、先ほどから確認してきたように、派遣先での常用代替防止のために派遣を臨時的、一時的に限るというのがこの派遣制度の大原則のはずなわけです。なのに、それを意味が失っているというのは、つまり、派遣労働者は一生派遣のままでいい、派遣先は派遣労働者を使いたい放題だと、それを認めるということになるわけじゃないかと。だから提案理由説明にも、その利用のところがすっぽり抜けちゃったのじゃないかと、厚労省も同じような考えに立っていると言えるのではないですかと伺っているんですが、いかがですか。
#197
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど来申し上げているように、常用代替防止を派遣労働については大事な柱としているということは何も変わっていないわけで、先ほど労働者派遣法の実務解説のところにもありましたけれども、今回、雇用安定措置の中でも、派遣先での直接雇用というのが、依頼の先に、第一番目に出てきていますけれども、本来、派遣の働き方で、その派遣先で働いていらっしゃる方の仕事を奪うということはあってはならないという考え方は何も変わっていないというふうに思っているところでございます。
#198
○吉良よし子君 奪うんじゃないんですね。派遣労働者が正社員の仕事を奪っているわけじゃなくて、派遣先が本来自分のところで直接雇用して働かせるべき労働者を、派遣という形で雇用責任を放棄して使用していると、そういうことを防止するのが常用代替防止という意味合いのはずなわけですよ。だから、派遣先の利用を制限するべきだと書いていたはずなんですね。それを何でなくすのかということを伺っているんですけれども。
#199
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#200
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#201
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど御答弁申し上げましたけれども、この提案理由もそれからこの条文も、派遣就業は臨時的かつ一時的なものということ、これが原則だということを申し上げている際には、その利用とそれから働き方と両方を含めて派遣就業ということを申し上げて、これはもう繰り返し答弁でも言ってきたことでもございますので、そこのところは御理解を賜りたいというふうに思います。
#202
○吉良よし子君 いや、納得できないです。
 何で派遣就業というところに利用と労働を一緒にしちゃうのかと。元々は分けて書いていたわけですよ。何でのけたのか、もう一度お答えください。あっ、済みません、分けていないのか、就業とまとめちゃったのか、利用をのけたのか、お答えください。
#203
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#204
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#205
○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、昨年は第二十五条に今書かれている「派遣就業は臨時的かつ一時的なものであることを原則とする」ということは入っていなかったので、今回修正して入れたわけでございまして、今申し上げたように、この就業には働き方と利用と両方を込めて申し上げているわけで、その中身については申し上げてきたとおりであって、常用代替防止という原則も全く変わっているわけではないということを申し上げているわけであります。
 したがって、この提案理由も同じように申し上げているわけで、この法律でもって明確に書き込んだということでありますので、私どもとしてこの言い方にしているということでございます。
#206
○吉良よし子君 全くその利用という言葉をのけたというところが私は納得できないわけですけれども、法律の中にそういうものを残したということで、例えば派遣期間制限のお話を先ほどされていましたけれども、この期間制限についてもやはり問題があると思うわけです。派遣先についての制限というものがほとんどなくなってきていると。先日の委員会でも、更新を繰り返せば何十年も派遣を使い続けられる仕組みになっていることが明らかになったわけです。
 今日もこの委員会でも何度か問題になっているわけですけれども、四十条の二では、無期雇用の派遣労働者、派遣元で無期雇用となっている労働者はそもそも期間制限の対象から外されてしまっていると。だから、労働組合からの意見聴取などの手続も不要のまま、派遣先は派遣労働者を使い続けられる、常用代替することができるようになってしまっているということが大問題だと思うわけですけれども、改めて伺います。
 なぜこの無期雇用派遣労働者は期間制限から外してしまったんでしょうか。
#207
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#208
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#209
○国務大臣(塩崎恭久君) 無期雇用についての期間制限の対象外とする理由ということでございますけれども、今回の改正案では、労政審の建議において、派遣労働の利用というのは、先ほど来繰り返し出ていますが、臨時的、一時的を原則として、常用代替防止の原則は引き続き維持をするということで、建議においても明示をされているわけであります。一方で、無期雇用の派遣労働者は、有期雇用の方に比べて雇用の安定やキャリア形成の観点から問題が少ないということから、労働市場全体として、より安定的な雇用を増やしていくという観点から、労政審の建議を踏まえて、この原則の位置付けの例外として期間制限の対象外というふうにしたところでございます。
#210
○吉良よし子君 だから、私が伺っているのは、その常用代替防止を無意味にするものになっちゃうんじゃないかと、派遣先の問題として伺っているわけですね。幾ら派遣元の雇用形態が無期だからといって、派遣先での利用、派遣労働の利用を制限するものにはなっていないじゃないかと、そこが問題なんじゃないかというわけです。
 重要なのは、やっぱり派遣先で行われる業務が継続的、恒常的なものであれば、派遣先が雇用に責任を持つ直接雇用の労働者によってその業務は担われるべきだと。それが原則のはずなんです。派遣労働というのは例外なわけですよ。それが何で、派遣元で無期雇用だからといって例外に、除外されてしまうのかと。無期雇用の契約か有期雇用の契約か、派遣元のじゃなくて、派遣先での常用代替防止がどうやって担保されているのか、お伺いします。
#211
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働者派遣法において、派遣先の正社員と、それから雇用の安定やキャリア形成の観点から問題がある派遣で働く方との代替が生じないようにと、労働者派遣を臨時的、一時的なものに限るということを原則にするのはそこに理由があるわけでございまして、無期雇用の派遣で働く方について、有期雇用の派遣で働く方と比べて雇用の安定やキャリア形成の観点から問題が少ないことから、労働市場全体として、より安定的な雇用を増やしていく観点でこの原則の例外というふうにしたわけでございまして、今回の改正は、正社員を無期雇用派遣に移行しようとするものではもちろんなくて、正社員を希望する方には正社員の道を開いて、派遣を引き続き希望する方には有期から無期への移行を含めた待遇の改善を図ろうとするものであって、正社員から無期雇用の派遣で働く方への代替を進めることを意図しているわけでは決してないわけでございます。
#212
○吉良よし子君 そういうことを聞いているわけじゃないんです。派遣元で無期かどうかということは聞いていない、安定しているかどうかじゃないんですよ。やっぱり派遣先が派遣労働を利用し放題になってしまうということが問題だと、それを防止することが派遣制度の原則じゃないかということを伺っているわけです。
 現在、無期雇用の派遣労働者というのは約二割なんです。現行法では、先ほども確認したとおり、二十六業務でも、本来であれば、長期にわたれば直接雇用が期待されると言われているわけですよ。ところが、この法律が成立したら、少なくともその二割の部分で期間制限の措置がなくなって、派遣先の派遣利用の制限も利かなくなるわけです。つまり、派遣先は、恒常的、継続的な業務も無期雇用派遣労働者にどんどん労働者を置き換えていくことができる、それの制約がなくなるというわけです。
 とすれば、極端な話ですけど、社長以外はとか、管理職以外は全て無期雇用の派遣社員を利用することで、自分の会社や工場で働く労働者に一切の雇用の責任も行わないで労働者を使用して会社や工場を経営することだってできてしまう、そういう話になってしまうのじゃないかということなんです。そういう企業もこの法案では現れ得るということになるんじゃないかということなんですよ。絶対にそんなこと起きないということは断言できるんでしょうか。
#213
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもとしては、常用代替防止というのは原則であるということは何も変わっていないわけで、この法律にも明定しているように、臨時的、一時的な働き方でもあり、利用の仕方でもあるということを申し上げているわけであって、この常用代替に関して、今、無期雇用の場合にはそれが言ってみれば空洞化してしまうじゃないかと、こういう御指摘をいただいたわけでありますけれども、これはあくまでも例外的なものであって、我々としては、常用代替の防止のために、一時的、臨時的な働き方として期間制限を設けながら派遣というものを位置付けていくということでございます。
#214
○吉良よし子君 あくまで例外とおっしゃいましたけど、現在でも二割いるわけですよ。これからどんどん増える可能性だってあると。それを、そうやって派遣先がどんどん無期雇用の派遣労働者を使いたいからといって派遣元に依頼して、派遣元ではどんどん無期雇用に変わっていくと。そうすると、もう意見聴取もなく派遣労働者はどんどん使い続けられる、一生派遣労働というのが本当に増えるということは明白になってくるんじゃないでしょうか。それをどうやって規制するのかということを伺っているんですけれども。(発言する者あり)
#215
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#216
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#217
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、吉良先生から問題点の指摘をいただいておるわけでありますけれども、私どもとして、何度も御説明申し上げているように、この法律改正を通してやらなきゃいけないことは、一つは、この期間制限もそうですけれども、常用代替防止を図るということであり、それから個人の固定化で一生派遣になるということについても、これも避けなければならないという、そして利用については、臨時的、一時的にしていただかなきゃならないということで、一方で、二十六業務に関しても数々御指摘をいただいているのは、これに期間制限を設けると、ずっと働ける人が働けなくなるじゃないかということを御指摘をたくさん今までいただいてまいりました。
 そこに現れているように、私どもとしては、原則として常用代替防止ということでは、間接雇用というのは例外だということで位置付けるとともに、しかし、派遣労働者についても保護を図らなければならないというニーズもあって、その両方を考えながら今回の改正を提案をさせていただいているわけでありまして、そこのところを、労働市場全体を考えたときの在り方というものを考えた結果としてこういう形で御提案を申し上げているということでございます。
#218
○吉良よし子君 御答弁になっていないと思うんですけど、派遣労働者の保護だというんだったら、保護するのは当然なんですよ。でも、派遣労働者のままでいいということにはならないですし、常用代替防止とか、一生派遣も避けるとか、利用についても制限するというけど、利用だって提案説明から抜けているわけですよ。それじゃ駄目なわけです。
 使用する側は、労働者を雇用すれば、その人生に責任を負うべきなんです。労働者は使いたいだけ使って、あとは知らない、雇用責任は果たせませんなんということは企業の社会的責任の放棄としか言いようがないですし、許されませんし、本法案は、そういう労働者派遣制度の根幹である、派遣先における派遣労働の利用を臨時的、一時的に限って常用代替を防止する大原則を空洞化させる、根本からひっくり返すものであり、廃案にするべきだ、このことを強く申し上げまして、質問を終わります。
#219
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いします。
 私は、今日は、前回に続きまして過半数代表について伺いたいというふうに思っております。この過半数代表ですけれども、これは労働者派遣法の根幹を成す派遣労働の期間制限に関わる重要な部分でありますので、引き続き今日も伺いたいというふうに思っております。
 まず最初に、大臣に伺いたいと思います。
 前回の七月三十日の津田弥太郎議員への答弁の確認なんですけれども、前回、七月三十日の津田弥太郎議員の質問ですが、事業所単位の期間制限についての質問のくだりのところで、臨時的、一時的という言葉が意味する、社会通念上最も長くてどのくらいの期間なのかという質問に対して、大臣は三年というふうに答えました。
 一時的、臨時的な期間は三年という認識でよろしいでしょうか。
#220
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正案におきましては、派遣先に対して、同じ事業所における継続的な有期雇用の派遣で働く方の受入れは三年までという事業所単位の期間制限を課すことといたしました。あわせて、三年を超えて受け入れようとする場合には、過半数労働組合からの意見聴取を義務付けて、その延長後の受入れは改めてまた三年間ということで期間制限を課すこととしたところでございまして、以上から、今回の改正案における臨時的、一時的という言葉の意味としては三年までを想定しているということでございます。
#221
○行田邦子君 臨時的、一時的な期間というのは三年までという御答弁をはっきりといただきました。
 そうしますと、派遣労働の期間上限というのは、これはあくまでも三年ということであって、そして三年を超える派遣労働の受入れをする場合は、これは例外的に認められる、あくまでも例外であるという認識になると思いますが、よろしいでしょうか。
#222
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正案における内容は、派遣先は、事業所単位の期間制限である三年を超えて有期雇用の派遣で働く方を受け入れようとする場合には、常用代替防止の観点から過半数労働組合等から意見を聴取しなければならないこととしているわけでありますが、有期雇用の派遣の受入れは法律上三年までとした上で、一定の手続を経なければ延長ができないという手続面からすると、三年を超える派遣の受入れは、その意味では例外的と呼んで差し支えないというふうに考えております。
#223
○行田邦子君 例外的ではなくて例外だというふうに思っておりますけれども。
 そこで、例外として三年を超える派遣労働の受入れを認める、例外的に認められるための意見聴取のルールについて、前回に続いて伺いたいと思っております。
 お手元にお配りをしている資料一は、これは現行法における過半数労働組合等への意見聴取に関する要領でありますけれども、ここにいろいろと書いてはありますけれども、ただ、これをよく見ますと、意見聴取の方法、どのようにしたらよいのかといったことが具体的には示されていないというふうに私は感じております。例えば、過半数組合等に書面により通知をすることと書いてあるわけでありますけれども、ただ、そこにはあくまでも役務の提供を受けようとする業務や期間を書くことと、そういった非常に具体性に欠ける要領になっているというふうに感じております。
 現行法においては私はこれでもよいのかなとも思ってはいるわけでありますけれども、ただ、今回政府が示しているこの新しいルールというのは、これは、個別の派遣労働者を一年からそれを最長三年に延ばすというだけではなくて、事業所単位で、その事業所にいる全ての派遣労働者に対してそれを、受入れを三年を超えて延長してもよいかということを意見聴取をするわけでありますので、この意見聴取というのは非常に現行法以上に重要になってくる、意味を成すものだというふうに思っております。
 ですので、政府が示している改正法の中におきましては、意見聴取のルールというのはもっと私、労使にとって分かりやすい明確なものかつ厳格なものにすべきだというふうに考えておりますけれども、いかがでしょうか。
#224
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、意見聴取の手続についての御指摘、御疑問をいただいたわけでありますが、今回の改正法案では、事業所単位で三年という期間制限を設けた上で、三年を超えて派遣で働く方を受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるということで、反対意見があったときには対応方針等の説明を新たに法的に義務付けるとしているわけでありますけれども、この説明の中には延長の理由も当然含まれなければならないというふうに思っています。
 それから、使用者側が開示をすべき情報の範囲の明確化など、手続において具体性に欠けているんじゃないかという御指摘をいただきましたが、これについては、まず開示すべき情報の範囲の明確化につきましては、意見聴取に際して参考となるデータの提供を指針に今後規定をすることとしておりまして、具体的には、事業所の派遣労働者の受入れの開始以来、これは延長した場合は延長したときからですが、の有期雇用派遣労働者の数、あるいは派遣先が無期雇用する労働者の数の推移などの提供を予定をしております。
 それから、個々の事案ごとに派遣の受入れ事由を説明すること。それから、三年の例えば期間制限を超えて派遣労働を受け入れる場合の合理的な理由の説明につきまして、新たに法的に義務付ける対応方針等の説明の中に含まれるものでございます。
 一方で、労働者側の意見表明の方法とか、それから賛成、反対の意見を述べる際の理由の説明につきましては、労働者側の意見表明の具体的な手続につきましては、労使自治の観点から、一義的には労使で話し合って決めていただくべきものだというふうに考えているわけであります。
 いずれにしても、意見聴取という手続につきましては、基本は労使自治の観点から、現場の労使で実態に即した対応をしていただくことが重要だというふうに思っておりまして、法令においては実質的な労使間の話合いができるような最低限の仕組みを定めるということとして、より具体的なルールにつきましては各現場において決めていただくべきものではないかというふうに考えておるところでございます。
#225
○行田邦子君 よく労使自治に委ねるという、労使間の自治というものは重要であるということを説明を受けるわけでありますけれども、私は、ここで行われる意見聴取というのは、これは期間制限という非常に労働者派遣の法律にとって重要な根幹を成すものであって、その規制を解除できるわけであります。本来は認められない期間延長ということを、意見聴取をすることによって認められるという非常に重要な部分でありますので、であるからこそ、労使にとって分かりやすい、明確な、そしてまた厳格なルールづくりをし直すべきだというふうに思っております。
 そこで、今、現行法における要領や指針や、また規則というのを見ていますと、意見聴取の方法だけではなくて、過半数代表者の選出についても非常に明確ではないというふうに思っております。
 そこで政府参考人に伺いたいと思いますけれども、過半数代表者、これは労働者の過半数を代表する者の選出なんですけれども、この過半数代表者の人数について、これは何人というふうに定められているんでしょうか、ルールとして設けられているんでしょうか。それからまた、過半数代表者を選出するその主体は誰なんでしょうか。また、使用者側の関与の制限はどのようになっているんでしょうか。
#226
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 過半数代表者の選出の在り方については、現行法令でも、あるいは、今回またこの過半代表者にも意見聴取の対象となっていただくという場面が出てくるということで、労働政策審議会の建議においても一定の考え方が示されております。その中では、過半代表者は管理監督者以外の者であり、投票、挙手などの民主的方法により選出された者であることが適当であるということとされておるということでございますので、選出の主体、あるいは使用者側の関与という意味で申せば、選出の主体ということは労働者であるということが必要でございますし、使用者が指名するというような関与は認められないということでございます。
 一方で、人数という点については特段の定めということはございませんので、これらの手続にのっとりまして、当然一名以上の過半数代表者という方が選出されるということをお願いするということになります。
#227
○行田邦子君 これは通告をしていないのでお答えできればなんですけれども、実際ですけれども、実態として過半数代表者は何名であることが多いんでしょうか。
#228
○政府参考人(坂口卓君) 現状の過半代表者の数ということについては、私どもとしては把握はしておりません。
#229
○行田邦子君 私が聞いているところによりますと、一名であるということが多いのではないかというふうに聞いております。ただ、定かではありません。
 これ、たった一名の代表者がその事業所の全ての、あらゆる雇用形態で働いている方の代表になるということは非常に責任が重いと思います。この過半数代表者が何人であるべきかといったことのルールというのも私は設けるべきだというふうに考えておりますし、また、選出するときの主体、これは使用者側であってはならないと思いますけれども、そのときの使用者の関与についても、その制限についても、やはり私は指針などのルールでしっかりと定めるべきだと思っております。
 といいますのは、この法律が仮に施行されたらば、施行後初めて起こる労働契約が、それが三年経過するまでの間に、三年を経過しようとするまでのときに、使用者側が三年を超えて期間を延長して引き続き派遣労働を使いたいというときに、こういった意見聴取をしなければいけなくなるわけです。こうした事情というのは、経営側の事情というのは、これは労働者側、特に労働組合がない場合というのは分からないと思いますので、いつ意見聴取をしなければいけなくなるのかというのは、これは恐らく使用者側から提起されるものだと思います。
 そうなると、特に小さい事業所においては、使用者側から提起され、また、使用者側が早く過半数代表者を選びなさいよといったことになるかと思いますので、どうしてもきちんとしたルールを設けなければ、使用者側が主導的になって過半数代表者を選ぶことになってしまうと思いますので、是非厳格なルールを設けるべきであるということを提案をしておきたいと思っております。
 それで、前回の質問のときにも申し上げましたけれども、じゃ、実際にこの過半数代表者、過半数労働組合がない事業所において過半数代表者がどのように選ばれているかなんですが、資料二をお付けいたしました。前回も申し上げましたけれども、このJILPTのアンケート調査によりますと、二八・二%が会社側が指名したというふうになっています。そして、一一・二%が社員会、懇親会などの代表者が自動的に過半数代表者になったと。
 これはいずれにしてもルール違反だというふうに思っていますけれども、この結果を見て、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#230
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、一名以上の過半数代表者が選出されることが必要だといいながら、その選出の主体は労働者でなければならないはずですし、それから使用者が指名することは認められないというのが本来の姿でありますので、今改めてこのアンケートを見て、意見聴取を行う際の過半数代表者の選出に当たっては、投票、挙手などの民主的な方法でやることになっているわけでありますけれども、会社が指名したというのが二八・二、それから自動的に社員会、親睦会などの代表者がなってしまったのが、過半数代表者になったというのが一一・二%いるということでありまして、これはもう明らかに不適切な選出方法だというふうに私も思っているわけであります。
 過半数代表者が適切に選出をされていない場合は、意見聴取を行っていないものと同視し得るような重大な手続違反について、十月一日より施行される労働契約申込みみなし制度の適用となるものだというふうに思うわけで、こうした旨を含めて正しく意見聴取手続が行われるよう周知に努めてまいらなきゃいけないと思っておりまして、指導徹底を図ってまいりたいと思っております。
 先ほど先生が、この選び方あるいは基本的な選出の仕方ですけれども、そこについてやはり哲学をしっかりせよという話がありましたが、私も同感でありますので、何ができるのかを考えてみたいというふうに思います。
#231
○行田邦子君 周知徹底ということももちろん大切ではありますけれども、その前に、是非厚生労働省にお願いしたいことは、この過半数代表者といった制度、これが実態としてどのようになっているのかお調べになることを御提案をしたいというふうに思っております。
 先ほどの御答弁でも、過半数代表者の人数がどうなのかといったこと、厚生労働省としては把握をしていないということでありましたし、またそれから、実際に、じゃ、過半数労働組合等がない事業所の割合がどうなのかといった調査もしていないということであります。余りにも、過半数代表者の制度、これ重要性が増してきているわけでありますけれども、にもかかわらず、厚生労働省としては実態を把握できていないというのは、私は非常に問題があるというふうに思っております。是非実態調査を行っていただきたいというふうに思っております。
 それで、今も申し上げましたけれども、また前回も質問させていただきましたけれども、政府参考人に伺いたいと思います。
 過半数労働組合がない事業所の割合なんですけれども、前回私の質問に対しまして、調べていないということでありました。その代わりにいただいた答弁として、労働組合のある事業所が三六・九%ということでしたけれども、何かほかに過半数労働組合のない事業所の割合を推測できるようなすべはないのでしょうか。
#232
○政府参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。
 前回、委員御指摘のとおり、労働組合のある事業所の割合ということで、常用労働者が三十人以上の民営事業所を対象にいたしました平成二十六年の労使コミュニケーション調査の結果ということで、平成二十六年六月三十日現在で三六・九%ということで答弁をさせていただきました。
 一方、労働組合を対象としている労働組合活動等に関する実態調査というのがございまして、この調査は、民営事業所における労働組合員数が三十人以上の労働組合を対象として調査を実施しておりまして、その調査対象の労働組合のうち組織率が五〇%以上というところの組合の割合が、平成二十五年六月三十日現在で八二・八%というふうになっております。
 この二つの調査、それぞれ調査時点もそれから調査対象も異なりますし、また、組織率が五〇%以上というふうになっておりますので過半数ということにはなっていないんですけれども、それなので、委員御指摘の正確な推計というのは困難なんですけれども、お尋ねの割合に近い数字ということであれば、労働組合がある事業所の割合に組織率五〇%以上の組合の割合を乗ずるということで粗い試算をすると三〇・六%ということですので、約三〇%程度というふうに推計されるのかなというふうに考えております。
#233
○行田邦子君 推計としては、約七割の事業所において過半数労働組合がないということであります。
 法律上におきましても「過半数労働組合等」というふうになっているわけでありますけれども、その「等」の中に含まれるものが七割ということで、逆転してしまっているというわけであります。そうであるならばなおさらのこと、私は、過半数代表の制度の見直しということをしっかりとやるべきであるというふうに思っております。
 それで、前回の質問のときに、私の最後の質問のときにお答えいただいたんですけれども、過半数代表者が適切でない方法で選ばれて、そして意見聴取をした場合なんですけれども、これは意見聴取は無効とみなされる可能性もあると、その場合は労働契約申込みみなし制度の適用もあり得るという答弁でありました。
 私は、この答弁を聞きまして、厚生労働省の意気込みというか、しっかりやるぞという意気込みは感じるものではありますけれども、この労働契約申込みみなし制度というのは、これは、派遣先、企業側にとっては非常に重たいものだと思っております。人事計画だけではなくて、企業の経営にも重要な影響を与えるものだというふうに思っております。
 こうした、派遣先にとっては非常に、あえて言うならば厳しい措置を強いる、一方で、今までの答弁を聞いていますと、過半数代表者制についての実態を把握していない、また、何か問題がある、また現状に即していないといったことを感じていながらも曖昧なルールしか示さない、また改善措置をとらないということはおかしいのではないかと思っております。
 派遣先に厳しい措置を求めるのであれば、厚生労働省としては、まずこの過半数代表者というそのルールを厳格なものにすべきであるということを申し上げておきたいと思いますが、大臣、何か御所見ありますでしょうか。
#234
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、先ほど御指摘をいただきましたように、現状の把握が十分できていないじゃないかという御指摘はそのとおりだと思いますので、是非これは現状把握をする方向で検討をしたいというふうに思います。
 なおかつ、先ほど来、労使自治という言葉も出ておりますけれども、やはり民主的に選ばれなければならないというこの制度でございますので、過半数組合、そしてまた代表者の選ばれ方についてのルールについても、それが実際に実行されるように私どもとしても指導をしていかなければならないなと。それについてどういうふうにしていくことが一番民主的な意見集約が、働く人たちのですね、できるのかということを考えていきたいというふうに思っております。
 いずれにしても、意見聴取というプロセスを経ないといけないわけでありますので、先ほど申し上げたように、ルール違反については労働契約申込みみなし制度の適用もあり得べしということでもちろんございますが、しかし、そういうことは果たして働く側、そういう形で採用される方も本当にハッピーかどうかということも考えなければいけないことでもございますので、そういう意味で、今私どもが想定をしている仕組みが本来の機能を果たすように条件整備をしていかなければならないんではないかというふうに思っております。
#235
○行田邦子君 しっかりやっていただかないと、この法が施行されたらば現場が本当に混乱するということを申し上げておきたいと思います。
 この過半数代表なんですけれども、今審議をしています労働者派遣法以外に一体どういう法令におきまして登場してくるのかというものの一覧を付けさせていただきました。資料三なんですけれども、これは独法のJILPTが出典となっていますけれども、非常に多岐にわたっているということ、私、これを見て驚きました。
 個別的労働関係法の労働時間とか休暇・休業とか賃金・退職手当、こうしたものだけではなく、厚生労働省が所管していない法律におきましても、例えば企業の組織再編とか、あるいは会社の倒産とか、確定給付金の企業年金、こうしたもの、それから、法令上には明示的には規定されていないものでも、例えば特許法とか、それからパートタイム労働法とか、実に様々な法令の中で過半数代表というものが登場してくるわけであります。
 様々な法令の下、過半数代表の活用場面が増えて、私は、今後もその場面が増え、また役割の重要性が増してくるのではないかと思っています。また、それとともに、働き方が多様化して、そしてまた政府においても多様な働き方を推進するという立場を取られていますし、私自身もそれは賛成なんですけれども、労働者の画一性が低下する中におきまして、私は、是非この過半数代表者制度の再整備ということを、これは労働者派遣法という枠組みを超えて全体の労働法制の中で見直していただくことを御提案を申し上げまして、時間となりましたので、御答弁は結構です、御意見を申し上げさせていただきまして、質問を終わります。
 ありがとうございます。
#236
○薬師寺みちよ君 薬師寺みちよでございます。今日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 前回は、私自身、第一回目ということで総論から入らせていただきましたけれども、今日は少し各論に踏み込みまして質問させていただきたいと思います。
 先ほどから吉良委員も問題にしておりました、いわゆる趣旨説明のこの文章の中で、今日の私が質問したい内容ということが書かれておりますので、読み上げさせていただきたいと思います。
 派遣労働が雇用と使用の分離した形態であることに伴う弊害を防止する必要があるというふうに、これは大臣もしっかりと説明をしていただきました。その上で、派遣労働者のより一層の雇用の安定、保護等を図ることとし、この法律案を提出いたしましたということです。本当に派遣労働者の保護というものがしっかり図られているのか、既にもう現状崩れているじゃないかということを説明をしたいと思います。
 今、百二十万人の派遣労働者の皆様方がいらっしゃいます。その皆様方が安全、安心で働ける環境でなければ、今回このような制度改正をしたって全く意味がないんですね。私も産業医として派遣元、派遣先、様々な企業でこの現状を見てまいりました。劣悪でございます。派遣労働者というものを使い捨てのような形で使っている派遣先もあれば、派遣元が十分に健康管理もできないような、そういう現状というものを一体厚労省としてどのように把握をしていらっしゃるのか、まず、大臣、健康管理につきまして御意見をいただけますでしょうか。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
#237
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣労働者の健康管理についてお尋ねをいただきました。
 派遣元、派遣先におきまして適切に実施をされることがこれは極めて大事なことだと考えておりまして、根拠法は労働安全衛生法ということになるわけでありますけれども、そこにおいて、派遣労働者が実際に行う作業の内容とか職場の環境に応じた健康管理、これは派遣先が担うと、そして、作業の内容や職場の環境などに直接関連しない一般的な健康管理につきましては派遣元が担うと、こういう考え方に基づいて、派遣元、派遣先、それぞれの役割に応じた義務が課されているわけでございます。
 なお、一般健康診断の状況としては、派遣労働者のうち健康診断を受診した方の割合は、平成二十五年時点で約八割となっておりまして、今後とも、派遣労働者の健康管理の徹底のために監督指導等を徹底してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
#238
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ということは、大臣、今、派遣労働者の健康管理って、まだまだ不十分だというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
#239
○国務大臣(塩崎恭久君) まだまだ十分とは言えないというのが基本認識でございます。
#240
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこは私と共通認識というところで、じゃ、この健康管理の状況についてどのような方法で厚生労働省は把握をなさっていらっしゃるのか、済みません、部長、教えていただけますでしょうか。
#241
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 まず、全般的な派遣労働者の健康の状況、健康管理状況につきましては、今大臣からお答え申し上げました一般健康診断の受診率などにつきまして、例えば平成二十五年に実施をした労働安全衛生調査などの政府の統計によりましてその実態を把握をしているところでございます。
 また、個々の事業場での状況につきましては、これは労働基準監督署が行う監督指導の際に確認を行っていると、こういう状況でございます。
#242
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 健康診断のその数値が高ければ本当にいいのかということについて副大臣にお答えいただきたいんですけれども、じゃ、健康管理において、派遣元、派遣先、どのように役割分担を担っているのかという現状を教えていただけますでしょうか。
#243
○副大臣(山本香苗君) 先ほども大臣からの答弁にございましたが、労働安全衛生法に基づく健康管理につきましては、派遣労働者に関しましては、派遣元と派遣先と適切に区分した上で責任を負わせております。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
 具体的には、派遣労働者が実際に行う作業の内容や職場の環境に応じた健康管理は派遣先、そして、作業の内容や職場の環境などに直接関連しない一般的な健康管理については派遣元という考え方に基づきまして、派遣元、派遣先、それぞれの役割に応じた義務を課しているところでございます。
#244
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方に資料一を御用意させていただきました。
 先ほどから御説明いただいていますように、労働基準法等の特例ということになっているんです。特例なんです。本来であれば、派遣元、派遣先というわけではなく事業主が責任を持って行わなければならないものが、派遣元と派遣先と分断されたような形で責任を持たされている。だからこそ、そこに大きな穴が空いてしまって、その連携がうまくいかなかった場合には、多くの皆様方が使い捨てのような状況、健康を害したとしてもそこで何も保護されることがない、これが今の現状だということを少しお話しするためにも、次に衛生部長の方にお伺いしたいんですけど、この役割分担であれば、定期健診の実施責任は派遣元、特殊健康診断の実施責任は派遣先という整理でいいのかどうか、教えてください。
#245
○政府参考人(土屋喜久君) 御指摘のとおりでございまして、一般健康診断、定期の健康診断の実施につきましては、これは先ほど大臣、副大臣からもお答え申し上げましたような、作業の内容や職場の環境などに直接関係しない一般的な健康管理ということで派遣元の事業者に義務を課しておりまして、一方、特殊健康診断につきましては、これは派遣労働者が実際に行う作業の内容や職場の環境に応じた健康管理ということで派遣先事業者に義務を課しているところでございます。
#246
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 一般健康診断というのは大変大きく労働環境に左右されるという、これは常識でございます。
 まず、昭和四十七年に、職場における労働者の安全と健康を確保すること、そして快適な職場環境づくりを促進することということを目的として、労働安全衛生法等労働安全の規則が定められたはずなんです。ということは、そこに書き込まれている定期健康診断というものも快適な職場の環境づくりを促進するということが目的とされているわけですよね。
 しかし、定期健康診断というのは派遣元が行う。実際に働いているのは派遣先なんです。過重労働を強いられたときに様々な数値が悪くなったり、若しくは過重労働の中でもしリスクが高いなと思われるような数値があったときにも、今、なかなか、雇用関係の中で一つの企業が管理しているわけではない、二つの企業が管理しておりますので、そこの調整がうまくいっていないと連絡も密にはできない。
 私も実際に派遣元で産業医として雇用されていたことがありますけれども、そうした場合に、どんなに派遣元で指導をしても、それが派遣先の労働環境に反映をされていかないんですね。なぜかというと、派遣元、派遣先とあれば、派遣元というもののお客様の先が派遣先ですよね。そんなに強く言葉として言えないんです。こういう社員がこのように今状態が悪いからこういう働き方にさせてくれないかなど注文を付けることさえもできないんですよ。上下関係がそこには発生をしている。
 既にこういう中で労働者を守るということが、一体、この区分、責任分担で十分なものなのかどうなのか、私としてはもう少し考え直すべきではないかと思いますけれども、副大臣の御意見いただけますでしょうか。
#247
○副大臣(山本香苗君) 今御指摘いただきましたとおり、一般健康診断というのは派遣元において、健康診断とその結果に基づく事後的な措置の実施まで責任を課しているわけでございます。
 一方で、御指摘のとおり、この結果に基づいて派元が講じる措置の中には、結局、派先においてやっていただかなくちゃいけない措置がある。例えば残業をもうちょっと制限しなさいとか、派先においてやってもらわなくちゃいけないことがあるわけで、おっしゃるとおりであるんですけれども、健康診断結果が生かされるようにするため、派元と派先で十分積極的に連携を取っていただかなくてはいけないと考えております。
 具体的には、派遣労働者の方の意向も踏まえながら、当然、知らない間にやるというわけにはいきません、意向を踏まえながら、派元の産業医等から出された就業上の措置に関する意見を派先に伝達をいたしまして、環境改善等の措置の検討を依頼する等の取組を促進できるように、派遣元と派遣先との双方に対して、積極的に指導、啓発というものを努めてまいりたいと思っております。
 御指摘は重々深く受け止めさせていただきたいと思います。
#248
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかりと、健康に関することというものは派遣先にも責任があるんだということを周知徹底をしていただきたいと思います。
 これはまた次々回でも取り上げさせていただきたいと思いますけれども、IT業界におきましても大変大きく過重労働の問題など、もうこれは厚労省の方でも指導済みかと思いますけれども、派遣元が行うこと、派遣先が行うことということと協力をしながら、しっかりとお互いに労働者の健康を守るということ、これから様々なガイドライン等も出していただきまして、好事例集なども是非御提示をいただきたいと思います。
 ですから、派遣というものがなくなるわけではなく、派遣労働者という皆様方が安全に安心に仕事ができるような労働環境の改善というものがこれから先考えられなければ、どんなに改正を行ったとしても、結局切り捨てられるような方々というものは絶えないということをここで私は申し上げさせていただきたいと思います。
 それから次に、特殊健診のことについても取り上げさせていただきたいと思います。
 特殊健診というもの、健康診断について、実施、管理をどのように行っているのか、これは派遣先が行うものでございますよね。ですから、私、一番心配なのが、実はちょっと特殊健診の健康診断も実際に私、行っていたんですけれども、数か月で職場を転々とするような登録型の派遣の方も特殊健診の対象者となってくるはずなんですね。
 その実施、管理というものはどのように行われているんでしょうか。部長、教えてください。
#249
○政府参考人(土屋喜久君) 御指摘の特殊健康診断につきましては、今お話がありましたように、派遣先の事業者が有害な業務に常時従事する労働者に対しまして、雇入れの際と、それからその業務への配置転換の際、それからその後、定期的に特殊健診を行わなければならないという義務を課しているところでございます。登録型の派遣労働者につきましては、派遣時に雇用契約を締結するということになりますので、数か月単位で派遣先が変わるような場合には、その都度、派遣先で雇入れ時の特殊健診を実施をしていただく必要があるということでございます。
 また、雇入れ後の定期的に行う特殊健診の頻度は、有害業務の種類によって異なる点はございますけれども、多くの場合は六か月ごとでございますので、派遣期間が六か月を超えるような場合には、定期的な特殊健診を派遣先において実施をしていただくという必要も生じます。
#250
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 だからこそ心配なんですけれども、その定期的というところに当たらなかった方々が、自分が特殊健診を受けたんだという自覚がなく、単なる健康診断の一環として並んで受けてしまったということがあったら、これは後々、何も記録が自分で探しようがなかったり、障害が出てきたときに大変な御苦労になってしまうんではないかというふうにちょっと問題提起をさせていただきたいと思います。
 派遣就業というものが臨時的かつ一時的なものであるからこそ、特殊健診の結果というものについて、派遣労働者本人が管理をするという方法を私は考えるべきではないかと思っております。大臣、このことにつきまして御意見ございませんでしょうか。
#251
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、派遣労働者御本人が特殊健診について結果をしっかり管理するべきじゃないかというお話がありましたけれども、この特殊健康診断結果というのは、事業主から当然本人に通知しなければならないことにはなっているわけでありまして、過去の健康診断結果を本人が管理することは可能だというふうに思います。
 また、派遣先の事業者は健康診断結果の写しを派遣元事業者に送付をして、派遣元はこれを保存しないといけないということになっておりまして、派遣先が変更になった場合においても、派遣元の事業者が派遣労働者の特殊健康診断結果が管理をされる仕組みということになっているわけでございます。
 今後とも、こうした仕組みに基づいて、派遣労働者の健康診断結果が管理がきちっとされるように、派遣先事業者及び派遣元事業者への指導などを行って徹底を図ってまいらなければならないというふうに思っているところでございます。
#252
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そこで、私、いろいろ調べまして、ちょっといい制度というものを見付けました。健康管理手帳制度というものがございます。がんその他の重要な健康障害を発生させるおそれがある業務に従事したことがあり、一定の要件が該当する者が離職の際、離職後に都道府県労働局長に申請して、審査を経た上で健康管理手帳というものが交付されて、そこから自分で管理をするということになるわけですね。
 ということは、特殊健診を受けた方については、全労働者にそういうものを交付をした上で、個人でどういう時期にどういう検査を受けてどういう危険性が将来あるのかということをしっかりと自己管理できるような仕組みというものも今後考えるべきではないのかなと私は思っておりますが、大臣、何か御意見いただけますでしょうか。
#253
○政府参考人(土屋喜久君) 今御紹介のあった健康管理手帳の仕組みでございますが、今お話があったとおりで、離職後に健康管理が必要な方々、長期的なそういう健康管理が必要な方々に国の費用で健康診断を受けていただく、その前提として健康管理手帳を発給をすると、こんな形になってございます。
 その意味では、長期的な健康管理が必要で、離職後も必要だという方にはその制度で対応させていただいていますが、特殊健診そのものについては、先ほど大臣から御答弁申し上げた形でやっていくという形ではないかというふうに思っております。
#254
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 それに問題があるからこそ問題提起をしているわけで、一社にしか派遣元に登録していないのではなく、多くの派遣元にも登録しておりますよね。そうすると、いろんな会社にも、派遣先にも行き、いろんな派遣元でも仕事をしということになると、自分がいつどこでどのようなものを暴露し、そしてそれを継続して受けなきゃいけないかということをやっぱり自己管理できていくような仕組みをつくっていかない限り、それがいつ、誰が、どこで受けたのかということを調べるのも、これ大変な話になってまいります。
 ですから、もちろん本人にもその結果を交付するということ、それは重々承知をしておりますけれども、しかしそういった手帳などを利用しながら、私どもだってお薬手帳を持っているわけですよね、いつどこで何を飲んだかというものが分かるような。そういう見える化をしていこうという仕組みの中で、やっぱりこれ退職後、離職後にはこういうものを交付するけれども、その前には自分でもらったその紙を大事に取っておいてねというぐらいしかないんだったら心もとないなと思うんですが、いかがでしょうか。
#255
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、お薬手帳も一人で十冊持っていたりする人がいるわけで、どうしたらいいのかというと、やっぱり一元化し、継続的に把握をしていくということが大事で、ただ、じゃ、今お薬手帳に薬の名前いっぱい書いてあって、本人で全部自分で管理できるかというと、多分それは何が書いてあるかよく分からないということがほとんどだろうと思うんです。
 したがって、これは先ほど申し上げたような形で、派遣先も派遣元もちゃんと持ち、本人も持つけれども、それが意味のある持ち方をしないといけないということではないかなというふうに思うので、やはりこれは、多分、情報管理がなかなか難しいといえども、この服薬管理にしても、お薬手帳はやっぱり電子的にも管理して、どこに行ってもちゃんと分かるようにしておくというのをリアルタイムで分かるようにしておかない限りは、将来的には意味がなかなか成さない。特に地方に行った場合にうまくいかないとか、そういうことだろうと思うので。
 例えば、具合が悪くなったときに、特殊健診のデータを持って先生のところに行って見ていただければ先生も分かるわけですけど、それを持っていないで行けば分からない、そうすると誤った治療をしてしまうということもあるので、それについては問題提起は大変大事なことなので、それを受けてどういうふうにすることが一番本人にとってもまた職場にとっても、それは派遣先、派遣元、両方にとっていいのかということを考えてまいりたいというふうに思います。
#256
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 派遣労働というものが一時的そして臨時的だからこそ、そうやって様々な、本当は特例として設けられている制度ですから、先ほども言ったように、制度と制度のはざまにおっこちてしまうような方々が多く私は今まで見てきたという経験から、だったら、そういうおっこちないように、しっかりと我々が受皿をつくるというような考えで、是非政府は、厚労省は働きかけを続けていただければと思っておりますので、どういう制度ができるのか、私も楽しみにいたしております。
 今日は、特殊健康診断のことであと何問か質問したいので、急ぎたいと思います。
 この特殊健康診断、じん肺健診の実施率、派遣労働者においてどのくらいなのかというものを教えていただけますでしょうか。
#257
○政府参考人(土屋喜久君) 今御指摘のありました特殊健診あるいはじん肺健診につきましては、派遣労働者などの雇用形態別の実施率については統計調査を行っておらず、把握をしていないところでございます。
#258
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、全労働者に対しては、特殊健診、じん肺健診に関する統計というものは、実施率、取っていらっしゃいますでしょうか。
#259
○政府参考人(土屋喜久君) 全労働者に対しましては、特殊健診の実施率として、平成十八年、ちょっと古いデータになるのですが、平成十八年度に行った調査で確認をしているものがございまして、じん肺健康診断九四・七%、有機溶剤の業務七二・一%、それから特定化学物質を製造し又は取り扱う業務については六五・一%という結果になってございます。
#260
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 私は、派遣労働者の皆様方に対して適切にこのような特殊健診というものが行われているかどうか調べましたら、全労働者に対しても実施率が実は十八年から行われていないということが分かりました。
 しなければならない対象者に対してやっているのかという、どうして調査が行えないんでしょう。これはしっかりと厚労省として把握すべきではないですか。いかがでしょう。
#261
○政府参考人(土屋喜久君) 今御紹介申し上げました統計調査は、安全衛生調査ということで、毎年テーマを変えながら調査を実施をしておりまして、そのサイクルの中で、特殊健診の実施率については平成十八年以降調査を行った機会がないと、こういうことでございまして、今後、テーマの設定状況の中で、また次の調査をきちんと検討してまいりたいというふうに考えております。
#262
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 資料二、資料三に付けておりますけれども、特殊健康診断については平成十八年実施率が、これは六五、七〇、六五、七四、大変悪いですよね。悪いにもかかわらずこのまま放置をしてしまったということになってしまったら、これ何のためにこのようなことを行わなければならないのか。これ、数値が悪いんだったら毎年行いながら指導していくというのが本来の姿ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#263
○政府参考人(土屋喜久君) 御指摘のように、確かに今日資料でお示しをいただいておりますように、実施率、決して高い数字ではない状況でございます。そういった中で、化学物質については、特に平成二十四年に胆管がんの事案があった。それをきっかけにいたしまして、化学物質を取り扱っている事業所を重点的に監督指導するということを今順次進めているところでございます。
 その中で、特殊健診を含めた法令に基づく義務的な措置の徹底も図っているところでございますので、こういったことを通じて今実施率を高める努力、指導をしておるところでございます。
 いずれにしても、しばらく調査をしていない事項でございますので、今後の統計調査を組む中でまたきちんと調査をしてまいりたいと思っております。
#264
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大臣、するというふうに明言していただけませんでしょうか。よろしくお願いいたします。
#265
○国務大臣(塩崎恭久君) 今ちょっと説明を聞いていたんですけれども、政府統計というのはいろんなものがあって、事業主側が非常に負担になるという話をしていましたが、事健康の問題でありますから、これは基本中の基本なので、是非可及的速やかにやれる機会を捉えてやっていかなきゃいけないというふうに私も思うところでございますので、政府統計として順番がどうなっているのかということも含めてよく調べてみたいと思いますけれども、やはり健康が最も大事だということで、ストレステストも始まることでもございますから、やるように指示をしたいというふうに思います。
#266
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 終わります。
#267
○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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