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2015/08/20 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第27号
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2015/08/20 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第27号

#1
第189回国会 厚生労働委員会 第27号
平成二十七年八月二十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月十九日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 八月二十日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     森本 真治君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
               三原じゅん子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                森本 真治君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                辰巳孝太郎君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働省医政
       局長       二川 一男君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       土屋 喜久君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
   参考人
       東洋大学法学部
       教授       鎌田 耕一君
       一般社団法人日
       本経済団体連合
       会労働政策本部
       長        高橋 弘行君
       日本労働組合総
       連合会副事務局
       長        安永 貴夫君
       全国コミュニテ
       ィ・ユニオン連
       合会事務局長   関口 達矢君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、辰巳孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席をいただいております参考人は、東洋大学法学部教授鎌田耕一君、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長高橋弘行君、日本労働組合総連合会副事務局長安永貴夫君及び全国コミュニティ・ユニオン連合会事務局長関口達矢君でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案審査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べをいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず鎌田参考人にお願いをいたします。鎌田参考人。
#4
○参考人(鎌田耕一君) ありがとうございます。
 東洋大学の鎌田と申します。よろしくお願いいたします。
 細かな内容に入る前に、検討に当たって基本的な観点について私の方からお話ししたいと思います。
 私は、労働者派遣制度の法政策を考える場合、三つの観点から見る必要があると思っております。
 一つ目は、労働市場における労働者派遣事業の意義についてであります。労働者派遣事業は我が国の労働市場においてどのような役割を果たしているのか、検討する必要があります。
 二つ目は、我が国の雇用制度における派遣労働の位置付けであります。派遣先における派遣労働者の受入れは、その企業の労働者にとって常用職場を削減するという面があります。そうしたことから、伝統的な雇用制度との調和が課題となります。派遣法は、制定当初から常用雇用代替防止を基本原則としてまいりました。
 第三は、派遣労働者の保護の観点です。派遣労働は間接雇用ですから、派遣労働者の処遇は派遣先、派遣元の労働者派遣契約に制約されます。こうした構図を踏まえた上で、どのように派遣労働者の処遇や雇用の安定を図るかが問われるわけであります。
 いずれも労働者派遣制度の基本問題であり、労働者派遣法はこれら課題を解決する仕組みと申してよいでしょう。
 ところが、この三つの問題を解決しようとする場合、相互に対立する側面があり、複雑なルールが派遣法の歴史の中で導入をされてまいりました。また、近年では裁判例において、派遣労働者の雇い止めについて、雇い止め法理の適用に慎重な判決が続いております。こうしたことが派遣法を、現状を取り巻く環境と申します。
 改正案について、冒頭、簡単にその意義を述べたいと思います。
 今回の改正法案は、今申しましたような複雑なルールを分かりやすいシンプルなルールに置き換えていること、派遣労働者の雇用安定措置を導入していること、そして派遣労働者のキャリアアップを促進する措置を義務付けているという点で評価したいと思っております。
 以下で、個々の論点につきまして意見を述べたいと思います。
 まず、労働者派遣事業の意義についてでございます。
 労働者派遣制度が職業仲介、マッチングに一定の役割を果たしているということについては、大方の意見が一致しているところではないかと思います。職安法四十四条が労働者供給事業を禁止している中で一九八五年に労働者派遣制度が法的に容認された理由は、この労働力の需給調整機能を評価したからだと思います。また、ILO百八十一号条約が一九九七年に労働者派遣事業が果たしている役割を肯定的に評価し、諸外国が労働者派遣事業を法的に受け入れた理由はそこにあったと思います。
 では、労働者派遣事業にどのような意義があるのでしょうか。それは、一九九九年の派遣法改正により派遣事業の対象業務が原則自由化したことを踏まえますと、臨時的、一時的な労働需要とこれを希望する労働者を仲介する機能を評価したと申せましょう。
 しかし、労働者派遣事業の役割はこれにとどまりません。そもそも派遣制度を法的に容認する理由の一つは、派遣元の雇用責任を明確にする点にありました。ところが、派遣法の立法者は労働者派遣事業を一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業に分け、特定は常用労働者だけを派遣するということで、届出制という緩やかな規制にとどめました。これは、後から考えると、適切な選択ではなかったのではないかと思います。なぜなら、常用労働者といっても、そこには有期契約労働者が多く含まれ、派遣元の雇用責任を十分果たすものではなかったからであります。
 今度の改正案が特定労働者派遣事業を廃止し、全ての労働者派遣事業を許可制の下に置いたことは、派遣元事業主の雇用責任、その信頼性を高めるという意味で非常に大きな前進ではないかと思っております。
 次に、常用代替防止等について話を移したいと思います。
 常用代替防止は派遣法制定当初からの基本政策でありますが、これをめぐっては、廃止すべしとする意見と維持すべきという意見が対立してまいりました。今回の改正案は、常用代替防止の政策を維持する立場に立つものだと思います。私も、現状においては常用代替防止を維持すべきだと考えております。その理由は、新卒一括採用、定年までの雇用保障、勤続年数に応じた昇給、企業内教育訓練、柔軟な職種の転換といった雇用慣行は依然として我が国の雇用制度の中核を成していて、就業形態が多様化する中でもこれを損なうような仕組みは取るべきではないと思っておるからであります。
 問題は、常用代替防止をどのように実現していくかであります。
 現行法は、これについては業務の専門性に着目した規制方式を取っています。まず、いわゆる専門二十六業務の派遣には派遣期間制限はありません。これを常用代替防止の例外としております。他方で、二十六業務以外、非二十六業務について派遣先の業務単位での期間制限をしています。御存じのように、この専門二十六業務と非二十六業務の区分に基づく規制が実務では混乱をもたらしております。その過程の中で、平成二十四年の国会の附帯決議において、より分かりやすいルールをという指摘がされたところであります。
 改正案は、専門二十六業務の区分を廃止し、全ての派遣に受入れ期間制限を設けました。私は、改正案のこの立場を評価したいと思います。その理由は、まず、専門的業務と申しましても、技術革新、職務内容の変化が目まぐるしい現代において、何が専門的業務なのか判断が難しいこと、仮に個々の専門業務を指定しても、その範囲を確定することが困難だということにあります。
 こうした問題がある中で、専門二十六業務には期間制限がなく、非二十六業務では三年を上限とするというドラスティックな効果の上での差を設けていますので、大きな混乱をもたらすのもある意味では当然と申せましょう。
 次に、派遣期間制限の話に移ります。
 現行法は、派遣先の業務単位で最大三年に限定しております。しかし、業務単位といっても、明確な業務区分がない我が国ではその境界は曖昧です。業務単位の期間制限ですと、一人の派遣労働者が二年間派遣就業すると、次の派遣労働者は一年しか働けないということになります。派遣労働者の視点でいえば、それだけ雇用機会が制限されるということになります。
 改正案は、個人単位と派遣先事業所単位の二つの期間制限を導入しました。個人単位の期間制限を設けますと、先ほどのような問題は起こりません。一定の雇用期間を保障するということができるからであります。
 ただ、三年を上限とするのですから、もっと働きたい人にとっては不満が出てくるところであります。そこで、改正案は、雇用安定措置として派遣元に幾つかの措置を義務付けることといたしました。これは、現在の裁判例の動向を見ますと、派遣労働者保護にとって重要な前進と言うことができます。
 次に、個人単位で期間制限を置きますと、個人を替えれば恒常的に派遣受入れができることになるのではないか、それでは常用代替防止の原則から見て問題がある。そこで、改正案は、派遣先事業所単位で三年上限の期間制限を導入しております。ただ、このように上限は設けていますが、過半数組合又は過半数代表者の意見を聴取した場合、更に派遣期間を延長することができることになります。
 さて、このような期間制限に関する改正案をどのように評価するかであります。
 私は、業務ではなく事業所単位での派遣受入れ期間を設けたこと、そして、期間延長について反対意見を述べたときは対応方針について説明する義務を派遣先に課しているなど、労使のコミュニケーションを生かすような制度を導入した点で評価できると思っております。
 これに対しては、事業所単位の期間制限については、意見聴取では歯止めにならないという指摘がございます。そうした懸念も分からないではありませんが、派遣先が意見聴取を行わずに期間を延長した場合、これは期間制限違反となり、派遣先による労働契約申込みみなし制度が適用となりますので、意見聴取はかなり重たい手続であるというふうに理解しております。ですから、企業は相当に慎重な対応を迫られることになるのではないかと思っております。
 さて、最後に、派遣労働者の処遇の問題であります。
 まず、処遇改善を考える場合、派遣労働者の特殊性を考慮しなければなりません。派遣労働者の処遇を決定するのは派遣元事業主でありますが、それは派遣先、派遣元の労働者派遣契約によって影響を受けます。そして、派遣先、派遣元の関係は民事契約関係であり、最低賃金、解雇規制等の労働法令の適用はありません。こうした仕組みの中で派遣労働者の処遇を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。
 現行法は、派遣先の社員との均衡を考慮して待遇を決定すべきだとしています。これに対して、均等待遇原則の導入を求める意見があります。私は均等待遇原則を否定するものではありません。しかし、ヨーロッパのような職種別労働市場であれば均等待遇を図る上で一定の社会的インフラがあると申せますが、日本は内部労働市場が発達し、職能給中心であります。これを直ちに導入することは困難があるというのも事実でございます。そう考えますと、現状では、均衡配慮というやり方をより実効的にしていくことが大事ではないかと考えております。
 そのために、改正案は派遣先に幾つかの配慮義務を課しております。また、派遣元がどのように均衡配慮したのか派遣労働者に対して説明しなければならないという規定を置いています。これによって、派遣労働者個人が均衡の有無についてチェックすることができるようになっております。
 さらに、改正案は派遣元に対してキャリアアップ措置を義務付けています。派遣労働者はキャリアアップが難しい面があります。これまでは派遣元企業各自の自主的な判断に委ねられていたところでございますが、改正案は派遣元事業主にキャリアアップ措置や段階的、体系的な教育訓練を義務付けております。私は、派遣労働者の能力に見合った職業生活の確保をする上で、改正案のこうした措置は大きな意義を持つものと期待をしております。
 以上、簡単ではございますが、派遣元事業主の信頼性の確保、分かりやすいルールの導入、そして派遣労働者の雇用の安定化とキャリアアップの点で大きく前進しているということで、私は改正案を評価したいと思っております。
 以上であります。
#5
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、高橋参考人にお願いをいたします。高橋参考人。
#6
○参考人(高橋弘行君) 本日は、改正法案に対する考え方を述べさせていただく機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
 本日は、改正法案をめぐって様々に指摘されている事柄のうち五つの点につきまして、私の個人的な考え方を述べてまいりたいと存じます。
 一点目は、改正法案の成立によりまして、企業は正社員を減らす結果、派遣労働者が急増するのではないかという指摘についてでございます。こうした指摘の背景には、派遣という働き方を望ましいものではなく規制を強化すべきであるという考え方があるように感じております。
 御承知のとおり、我が国は労働力人口が減少し続けております。その中で、様々な制約を抱えた労働者などが増えておりまして、労働者の価値観も一様ではなくなっています。労働市場におきまして多様な働き方の選択肢を増やしていく必要がございまして、派遣という働き方を利用しにくいものとすることは望ましいものではありません。
 重要なことは、優良な派遣事業者のみが事業を行う基盤を整備するために、派遣業界の健全化を進め、派遣労働者の保護を高めることであると考えています。その点、改正法案では、届出だけで事業を営める特定労働者派遣事業を廃止し、全て許可制とします。これは、今回の改正において最も評価すべきであると考えております。
 その上で申しますと、そもそも雇用は経済の派生需要でありますので、景気変動によって雇用量は増減いたします。また、働く労働者の意向によっても大きな影響を受けます。したがって、経済情勢など様々な要因を切り離して、法改正のみに基づく派遣労働者数の増減を正確に予想することは困難です。
 参考までに、これまでの我が国の派遣労働者数の推移を見ると、最も多かった二〇〇八年当時で見ても雇用者全体の三%弱にとどまっており、非正規雇用労働者に限っても八%弱にすぎませんでした。労働市場全体で見れば、元々派遣労働者数自体が少ないですから、労働者数の数字だけを見ていけば将来的に増加率が高まることがあり得るかもしれませんが、派遣労働者数が大幅に増加し非正規雇用労働者数の過半を占めるといった事態は生じないと考えております。なぜならば、自社の正社員と、臨時的、一時的な需給変動への対応として活用するケースが多い派遣労働者では、企業として期待する役割や成果がおのずと異なるからです。
 改正法案では、派遣労働者全体の八割を占める有期雇用派遣労働者について、個人単位の三年の期間制限が課されてまいります。人件費を単なるコストと考えて、正社員の代わりに派遣労働者による常用代替を追求すると仮定した場合でも、三年ごとに人が交代することになりますから、ノウハウの継承などもスムーズに行われにくくなります。そのような限界があるにもかかわらず、派遣労働者の方に自社の基幹的な業務をどんどんと任せていきますと、企業競争力の維持強化が困難なだけでなく、日常的な業務運営にも支障が生じかねません。現在は人手不足で労働市場が逼迫していますので、急な労働力の確保のために派遣労働を活用する企業が増えるかもしれません。しかし、自社の従業員と派遣労働者との入替えを積極的に行うことは企業の持続的発展にはつながりませんし、企業経営の観点から現実的ではありません。
 第二に、事業所単位の期間制限につきまして、過半数労働組合等からの意見聴取だけでは常用代替の歯止めにならないという指摘について申し上げます。
 日本企業の強みの一つは、良好な労使関係の構築に向けて個別企業労使が互いに努力し続けている点であります。そうした努力の継続によって築かれた信頼関係が、経営環境の変化に対して柔軟かつスピーディーな対応を可能とする競争力の源泉であるというふうに考えています。
 改正法案では、事業所単位の期間制限への対応として、派遣労働者の受入れについて過半数労組等からの意見聴取を義務付けています。これは、我が国で重視されております労使自治の原則を最大限尊重し、労使慣行の実態を踏まえた制度と言えます。
 現在は、自由化業務に従事する派遣労働者について一年から三年までの延長の際に意見聴取が行われていますけれども、対象を有期雇用派遣労働者全員に拡大いたしまして、企業労使の話合いを促す仕組みとしていますので、企業側としては現行制度以上に様々な対応が求められてまいります。この仕組みの導入によりまして、派遣労働者の活用を中心に、自社の人事管理などについて労使で話合いを重ねる機会が増えてくると考えられます。そのような場が定着することで労使の信頼関係が更に深まり、企業の競争力強化につながることを願っております。
 第三に、過半数労組等から反対意見が出された場合に、改正法案の仕組みでは歯止めにならないという指摘について申し上げたいと存じます。
 先ほども申し上げましたとおり、企業経営におきましては良好な労使関係の構築が何より重要です。労務管理の観点から申し上げますと、改正法案が成立した場合に、日頃から様々なレベルでの労使の話合いの場などを通じまして、派遣労働者の活用を含めた自社の人事労務管理につきまして労働組合等の理解を得ていくことが基本になっていくというふうに考えております。
 個別企業における労使関係の状況にもよりますので一般論として申し上げるのは難しい点もございますけれども、良好な労使関係が構築されている企業の場合、数度の話合いを重ねても、常用代替の観点からこれ以上の有期雇用派遣労働者の受入れはすべきでないと過半数労組等から強い意見が出された際に、特段の事情が存在する場合を除けば、反対意見を押し切ってまで有期雇用派遣労働者を受け入れ続けようとするところはほとんどないというふうに考えております。あくまで、現場のことは現場に任せるということが大変大切ではないかと考えている次第でございます。
 第四に、専門二十六業務で長く働いている派遣労働者の雇用が失われるという指摘について申し上げます。
 改正法案が成立すれば、いわゆる二十六業務は廃止され、有期雇用派遣労働者の場合、同一の事業所の同じ課で継続して働けるのは三年までとなります。このため、改正法案では、改正法の施行日前に締結した労働者派遣契約につきましては、それが終了するまで旧法が適用されるという経過措置を設けていますので、直ちに雇用が失われるということは少ないと思います。
 また、改正法案は、派遣元に対しまして、雇用安定措置の実施に加えまして、キャリアアップを希望する派遣労働者を支援するための計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングの実施を義務付けています。その結果、ステップアップを希望する派遣労働者が様々なチャレンジを行うことが可能となってまいります。
 同じ派遣先に長く派遣されている派遣労働者は、派遣先だけでなく、派遣元からも評判が高いと思います。現在は労働市場が逼迫しておりますので、双方のニーズがマッチすれば、派遣先で直接雇用されるか、派遣元で無期雇用されるケースが十分期待できると考えております。
 二十六業務の廃止をめぐる問題につきましては、何より平成二十二年に行われました専門二十六業務派遣適正化プランが大きな影を落としました。適正化プランの下で、制度自体は何ら変更していないにもかかわらず、二十六業務に関する行政解釈が突然大きく変更されました。
 例えば、有名な事件でございますけれども、派遣労働者の方が一緒に働く派遣先の従業員の電話を取っただけで専門業務とは認められず自由化業務とみなされるといった極端な行政指導がなされたことによりまして、企業現場では大変な混乱が見られました。こうした突然の行政解釈変更は、制度を不安定にしただけでなく、行政に対する不信も高めました。
 そもそも、専門性自体が時代につれて変化する中にあって、各地の労働局が業務の専門性に着目して二十六業務に該当するかどうかを判断することには無理があります。実際は、自由化業務を行っているかどうかをチェックして判断するのが実態と言えると思います。このような仕組みは大変分かりにくいものであり、法を遵守する側から、問題が大きく維持不可能と言わざるを得ません。
 第五に、派遣元が講じる雇用安定措置のうち、派遣先への直接雇用の依頼について申し上げます。
 これについては、派遣元から依頼があっても直接雇用する派遣先は少ないのではないかとの指摘があります。
 派遣先企業としましては、意欲と能力の高い方であれば採用したいと考えるのが自然であります。二〇一三年十月十日の労働政策審議会に提出されました厚生労働省の資料によりますと、現行制度におきましても、派遣期間制限の抵触日が到来した対応として、五割以上の派遣先が直接雇用をしています。したがいまして、雇用安定措置を通じたマッチングが成立することは十分期待できると思います。
 他方で、派遣労働者の方が必ずしも派遣されている先で就業したいと希望されるわけではありません。引き続き派遣労働者として就業したいと希望される方もおられますし、中小企業などの場合ですと、是非うちで働いてほしいと申し入れても、派遣労働者の方から遠慮したいと断られるケースも多いと聞いております。
 もちろん、派遣労働者が派遣先での直接雇用を希望した場合に、必ずその希望が実現するわけではありません。派遣労働者と派遣先の間で雇用契約が成立するかどうかは、派遣先と派遣労働者の双方のニーズが合致するかどうかで決まるからです。ただし、派遣元が派遣先に直接雇用の依頼をしたとしても、断られるだけであって意味がないとするのはいささか偏った見方ではないかと感じております。
 最後になりましたが、参考人関連資料にございますとおり、経団連は、七月十四日に、日本商工会議所、経済同友会との連名で、「労働者派遣法改正案の早期成立を求める」という要望書を出させていただきました。経済三団体の一員として、現行制度の改善に資する改正法案の早期成立を是非お願いしたいと存じます。
 簡単ではございますが、今回の改正法案への指摘に対する考え方を中心に申し上げました。
 御清聴、誠にありがとうございました。
#7
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、安永参考人にお願いをいたします。安永参考人。
#8
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 日本労働組合総連合会、連合の副事務局長をさせていただいております安永でございます。
 本日は、このような機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。
 私は、加盟組合員約六百八十二万人はもとより、全ての働く人たちの雇用と暮らしを守る取組を日々行っております立場から発言をさせていただきたいと存じます。
 まずは、基本的な見解を申し上げます。
 本法案は、労働者派遣制度の二つの世界標準であります臨時的、一時的業務に限ること及び均等待遇の両方を満たしておりません。したがって、派遣労働者の低処遇を放置したまま常態的間接雇用法制を実質的に導入するものであります。このことは、企業にとって安くて使い勝手の良い派遣労働を一層拡大させようというものであり、我が国の雇用の在り方に重大な悪影響を与えることから、反対であることをまずは申し上げます。
 衆議院の審議におきましても、雇用安定措置について実効性が全くないこと、また、現在、専門二十六業務に従事している派遣労働者が既に雇用打切りを予告されていることなどの実態が明らかにされております。
 雇用労働者のうち非正規労働者が四割近くになってしまっている実態の中で、これ以上、低賃金、不安定雇用の労働者を増やすことはGDPの約六割を占める個人消費の低迷につながり、経済の好循環にもブレーキとなることは明確であります。今取られるべきは、一人でも多くの労働者を安定した雇用に誘導する政策であるということを申し上げて、資料を使って具体的内容について述べたいと思います。
 それでは、私が提出しております資料の右下の番号に沿って御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、スライド一以降の労働者派遣の現状と問題点について申し上げます。スライド二を御覧ください。
 釈迦に説法の点も多くございますが、話の流れもございますので御容赦をお願いしたいと思います。
 労働者派遣は、元々、労働者供給事業を禁止しております職業安定法四十四条の例外として認められたものです。戦後長らく禁止されていたことの例外なのです。その考え方の下、一九八五年の制定時には、専門知識等を必要とする十三業務に限定されておりました。その後、一貫して規制緩和の流れで法改正が行われ、一九九九年には対象業務を五つの業務を除き全て自由化するという抜本的改正が行われ、二〇〇三年には製造業務も解禁されています。まさに、小さく産んで大きく育てられてきてしまったわけでございます。
 スライド三です。今申し上げた規制緩和によって労働者派遣が拡大しましたが、二〇〇八年、リーマン・ショックの影響などで、いわゆる派遣切りが派遣労働者を直撃しました。日比谷公園に年越し派遣村ができました。僅か六年半前の話です。このような社会状況の中で、二〇一二年に初めて派遣労働者の保護の方向にかじを切った法改正が行われました。
 この背景には、二〇〇八年の自民党、公明党による与党新雇用対策に関するプロジェクトチームが取りまとめた提言がベースにあり、その後の民主党政権下で自民党、公明党との修正協議を経て実を結んだものでございます。
 スライド四のとおり、前回の改正により、派遣労働者の雇用安定と処遇改善に向けた取組が一定の前進を果たしております。
 スライド五です。左の逆三角形が派遣です。派遣という働き方は、雇用責任、使用者責任が曖昧になり、派遣労働者の保護に問題が起きやすい実態がございます。労働者の権利も行使しづらく、私どもへ、生活費を賄う収入を得られない、せめて通勤費を支給してほしい、派遣というだけで社会に認めてもらえないといった切実な声が多く寄せられております。
 スライド六です。リーマン・ショックのときの状況を見てみましても、雇用が不安定であることは明確でございます。派遣先との派遣契約が中途解約された場合では、派遣元での雇用が継続したのは僅か一〇・九%しかなく、離職が八三・四%、うち解雇が八六・二%にも上ったのでございます。
 しかも、スライド七で明らかなとおり、派遣元で無期雇用であっても解雇されております。合理的な理由と社会的相当性が必要とされる解雇事由に該当しない違法な解雇が横行しました。雇用が不安定であることと、そういう処遇が低いということは、無期雇用であろうが有期雇用であろうが関係がないというのが実態でございます。
 スライド八に問題点をまとめてみましたので後に御覧いただければと思いますが、雇用の不安定、低い処遇を中心に多くの問題点がございます。以下、個別に申し上げます。
 スライド九は、処遇の低さを示しています。一番上の正社員は年齢や経験とともに処遇が上がっていくいわゆる賃金カーブを描いていますが、派遣労働者はカーブを描かず低空飛行、一直線になっております。しかも、ボーナスはおろか、通勤費さえもほとんど支給されていません。
 スライド十は派遣労働者の賃金の分布でございますが、七五%が年収三百万円以下であるとともに、無期雇用だろうが有期だろうが水準は変わらないことが分かります。
 スライド十一は、派遣料金と賃金の関係を示しております。Mとしておりますのは、派遣料金と派遣労働者の賃金とのギャップ、マージン率でございます。派遣労働者の賃金は、外部労働市場における派遣料金に大きく影響を受けます。特定労働者派遣、いわゆる常用雇用でも、平成十六年と十九年を比較すると、派遣料金も賃金も二割程度減少しております。しかしながら、マージン比率は一定の割合で取り続けております。
 スライド十二はアンケートの結果で、派遣労働を選んだ理由を聞いておりますが、四割近くが正社員として働きたかったが職が見付からなかったためとしており、最初から不本意という状況でございます。
 スライド十三は、同じアンケートでの今後の働き方についての質問ですが、派遣労働者の六割以上が正社員として働きたいと答えております。Aの方は事業所経由で調査したもので、したがって、バイアスが掛かっていると疑われる調査結果ですが、それとて四割以上でございます。
 スライド十四以降に連合の考え方を示しました。
 スライド十五で、派遣労働は臨時的、一時的な労働力需給調整であるとの位置付けを堅持して、実態として常用代替を防止すべきです。そのためにも、専門業務は今日的な内容に絞り込んだ上で、業務区分による期間制限を維持すべきです。また、同時に、均等処遇の実現、実効あるキャリアアップ措置などの派遣労働者の保護を図る派遣法とすべきでございます。派遣労働者を保護することは、低賃金のまま派遣を続けられるようにすることではありません。
 スライド十六及び十七で詳細を記述しておりますので、後に御覧いただければ幸いでございますが、臨時的、一時的であることは、それから均等待遇であることは、EUを始め韓国、中国でも法で定められており、言わば世界標準でございます。経営者の皆さんからよくイコールフッティングを言われますが、こういうときは余り言われないのが不思議でございます。
 スライド十八では、均等処遇をイメージ図で示しております。EU型と韓国型の説明もしておりますが、本来、労働力の需給調整のメリットを享受することが目的であるとすれば、それに伴うコストは派遣先が負うべきであり、均等待遇一〇〇にマージンを例えば三〇を上乗せすることにより、必然的に、派遣を活用すれば直接雇用よりも高く付く、一三〇になって当然だという考えになります。労働者派遣法の制定はそういうイメージで議論をされてできたはずですし、実際にEUなどはそのようになっております。それでも派遣先にとっては労働力の需給調整のメリットはあるはずでございます。
 十九スライドでは、実効あるキャリアアップ措置をまとめております。また、派遣先の団体交渉応諾義務の明確化でございますとか、派遣先労働組合等がしっかり関与できる仕組みの構築を求めております。
 二十スライドからは、これまでの問題点を踏まえた上で、今回の改正法案についての評価です。
 まず、派遣は臨時的、一時的な働き方という原則が骨抜きになっております。文言では考慮するとしながらも、従来設けられておりました最長三年の期間制限を撤廃しております。雇用安定措置は実効性が全くありません。特にAの新たな就業機会の提供は、労働市場での需給調整機能を担っている派遣会社なら当然の本来業務でございます。処遇改善策も、配慮義務では全く実効がありません。均衡を考慮したことを労働者に説明するだけでは私が妻に言い訳するのと同様でございまして、しかも均等でなく均衡です。バランスを取ることも配慮義務でしかありません。この条文から、どうしたら労働者の処遇改善につながるのでしょうか。
 二十二スライドは、期間制限が撤廃されることを説明した図でございます。これについては省略をさせていただきます。
 二十三スライドは、問題点の続きです。登録派遣のままで、キャリアアップ措置も派遣元、派遣先共本気でやるかどうか疑問です。正社員化の促進も、教育訓練の内容が大きく後退していることや、直接雇用申込義務が削除されており、促進するという根拠がありません。
 立法のプロセスにも問題がございました。労政審の論議に使用者側のオブザーバーとして出席をされた直接の利害関係者である派遣業界団体の方が使用者側意見の五割以上発言されるという異例な事態でございました。派遣業界団体が当時の厚生労働大臣に要請して出席がかなったと聞いております。
 それから、今回の閣法提出に当たって、自公の政調会長合意に基づく修正内容については労政審の論議を経ていないことも問題でございます。また、過去の改正が施行日から最低でも五か月ありましたが、今回は、業務区分を廃止するという派遣法制定以来の大改正にもかかわらず、施行日まであと十日しかありません。新聞情報では修正案の記述もございますが、それとて僅か一か月でございます。
 二十四スライドは、十月一日施行される労働契約申込みみなし制度でございますが、時間の関係で説明は省きたいと思います。
 以上、本法案の問題点について申し上げました。
 最後に、本法案は、臨時的、一時的及び均等待遇の両方を満たしておらず、生涯派遣で低賃金の労働者を増やし、経済成長、少子化、社会保障などなどに悪影響をもたらすものであることを御指摘申し上げ、再度反対の意を表し、連合としての意見といたします。
 ありがとうございました。
#9
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 次に、関口参考人にお願いをいたします。関口参考人。
#10
○参考人(関口達矢君) よろしくお願いいたします。全国コミュニティ・ユニオン連合会、通称全国ユニオンの事務局長をしております関口と申します。
 本日は、このような発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私からは、今回の法案の反対という立場の下に、私どもの労働組合、ユニオンに寄せられている相談事例、あるいはNPO法人の派遣労働ネットワークが行った調査などを基に、現在派遣労働者が置かれている現状についてお話をさせていただきたいと思います。
 私の方で用意させていただきました資料、一枚表紙をめくっていただきたいと思います。
 これは、派遣労働者の労働契約期間と通算の就労期間について尋ねたものです。就労期間が一年未満という派遣労働者は二七%。その一方で、ほとんどが一年以上就労しています。三年以上という長期の勤続者も三割近くいます。しかし、その一方で、現在の労働契約期間を見ると、三か月から六か月未満というのが三〇%で最も多くなっています。実際に必要な期間よりも契約期間を短くする、いわゆる細切れ雇用が多くなっているということが分かると思います。
 なぜ、仕事が長期間なのに契約期間は細切れ化するのか。これについては、更に一枚めくっていただきたいと思います。
 派遣労働ネットワークの調査では、派遣で働いていて今後も契約が継続すると思っていたにもかかわらず、突然雇い止めをされたという経験がある派遣労働者が三一%というデータになっておりまして、その原因は派遣先にあると回答した回答が、こちらにあるとおり、七六%になっています。
 この数字を見たときに、私は、以前、全国ユニオンに加盟する派遣ユニオンで交渉に参加した派遣先の担当者の言葉が思い浮かびました。この担当者は、その交渉の場で、なぜ派遣労働者を増やすのですかという質問に対して、派遣はいつでも切れるから増やすんだということをおっしゃったと言います。これは多くの派遣先の企業の本音であるというふうに解釈せざるを得ません。
 その他のユニオンにも多くの相談が寄せられております。二ページめくっていただいて、相談事例、こちらは、私、日常的に仕事をしております東京ユニオンに寄せられた最近の相談事例を御紹介させていただきました。
 @からDまでは雇い止め、解雇の事例になります。解雇通告を忘れていたというような事例もあるほか、あるいはセクシュアルハラスメントやいわゆるマタニティーハラスメントに該当するような事例もあります。生理休暇、有給休暇など、法律で保障されているはずの権利を行使したことをきっかけにして仕事を失っているというようなケースも多数あります。まさに物扱いをされている現状が浮かび上がってくると思います。
 さらに、労働者派遣法が強く疑われる事例もあります。この中のHですね、これは事前面接が行われた事例です。
 こちら、一ページめくっていただいて、本来であれば事前面接は法律で、派遣法で禁止されているはずなのですが、非常に多くの場合でこの事前面接が行われている実態にあります。
 さらに、こちら、事例の中のCのように、紹介予定派遣の悪用というんですかね、脱法的に使っているというようなケースも相談の中にはありました。
 しかも、事例のI、Jで見られるように、いわゆるワーキングプアであり、さらに、こちら資料戻っていただいて、時給平均はダウンというような形で表題を付けさせていただいておりますが、平均時給は、私どもの派遣労働ネットワーク、NPO法人の派遣労働ネットワークの調査ではダウンをし続けているというような状況になっております。
 もう少し詳細に事例を御紹介させていただきたいと思います。最後のページを御覧ください。
 これは、ある四十代の派遣労働者がある集会の場で発言したときの内容の抜粋になります。正社員であったときに比べ賃金は下がり、交通費、ボーナス、退職金も支給されません。契約書では専門の二十六業務のOA機器操作とされていましたが、実際の業務は、確かにコンピューターは操作しますが、いわゆる専らコピペと言われるような作業と読み合わせの校正という形で、全く専門性はありませんでした。派遣先は、言わばこのような形で専門性を装うことで、原則一年、最長三年を超えて長期間にわたって派遣労働者を使用し続け、七年後に都合が悪くなった途端に職場から排除するということを行ったわけです。
 実は、この間に、この七年間の間に適正化プランが実施されておりますが、この適正化プランを言わばごまかすために、仕事は全く変わっていないにもかかわらず、契約書などはその適正化プランに対応するような形で書き換えるというような、極めて脱法的、違法性の高いことをやっている、そのような相談の事例も私どものところには多く寄せられているところです。
 ちなみに、この派遣労働者は東京ユニオンに加盟しまして、派遣先に対して団体交渉の申入れをしました。しかし、派遣先は、直接の雇主でないということを理由に、私ども労働組合が求めた団体交渉を拒否しました。残念ながら、多くの場合、派遣労働者を雇い入れることも排除することも派遣先が決めているにもかかわらず、派遣先に対する団体交渉権は極めて限定的にしか認められない傾向にあります。
 このような現在の派遣制度は、多くの問題点と矛盾を抱えています。改正が必要であるということに異論はありません。しかし、今回提出されている改正案は、現状の問題点に応えていないだけでなく、むしろ問題点を助長し、増幅し、矛盾を拡大するものだというふうに言わざるを得ません。そもそも改正案では、常用代替を防止すると言いつつ、制度を分かりやすくするということで有期と無期で扱いを分けていますが、いずれも派遣先は期間の定めなく派遣労働者を受け入れることができる、使用することができるということで共通しています。
 このように、期間の定めなく派遣労働者を受け入れることができることと、臨時、一時的ではなく、期間の定めもなく派遣労働者を受け入れることができること、常用代替を防止すること、この二つは相入れずに矛盾するものです。正社員から派遣労働者への置き換えがより促進されていく、その置き換えることに対する制限が全くなくなっていく、必然的に正社員がどんどん派遣労働者に置き換わっていってしまうということが懸念されます。
 また、改正案では、濫用の歯止めとして三年ごとに派遣先の過半数労働組合又は過半数労働者の意見を聴くとしています。しかし、いつの時点でどのように意見を聴くのか、聴いた意見の結果、派遣労働者を始めとしてどのようにその職場の中で開示されていくのか、そういったことに対する不明な点が多く、非常に実効性に疑問が残ると言わざるを得ません。
 一部では、労働契約法の五年を超えたときの無期転換権が発生するということをもって結果的に無期になるじゃないか、派遣元であるけれども、結果的に派遣労働者は無期になるんだから雇用の安定はするんじゃないかというような意見も聞かれるところではありますが、私ども全国ユニオンが厚生労働省と意見交換を行ったときに、この労働契約期間の無期転換権が発生するということを理由にして雇い止めを行った場合、それは労働契約法に違反するんだということの趣旨を明確にしてほしい、通達なりで明確にしてほしいということをこの意見交換会のときに厚生労働省に申入れをしたのですが、厚生労働省の担当者はできないというふうに回答しています。これは、無期転換権が発生すると面倒なので三年で雇い止めにしますと現在の派遣労働者が言われたとしても、それは違法にはならないと厚生労働省が言っているに等しいものです。これでは雇用の安定にはなりません。
 また、改正案では、派遣期間終了時の派遣労働者の雇用安定措置として、派遣先への直接雇用の依頼、あるいは新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用などを挙げています。しかし、派遣先への依頼ということでは極めて弱く、私どもの相談の中では、派遣先が派遣労働者を直接雇用したいということで申入れをしたら高額な紹介手数料を取られて、結局その派遣先に雇用されるという話自体がなくなってしまったというような事例も相談の中では寄せられています。
 さらには、こちら参考資料の中にもありましたが、派遣労働者を正社員にするという制度があるという派遣先は一三・〇%、さらに、実際に派遣労働者を正社員にしたというのは一・三%しかありません。
 ちなみに、先ほど紹介しました三か月の契約を更新し続けて七年間働き続けて雇い止めになった派遣労働者に対しても、派遣先は新たな就業の機会を確保しております。紹介はしました。しかし、紹介されたのは倉庫内でのピッキングですとかこん包などのいわゆる力仕事がメーンになるような仕事でした。彼女は事務で三か月の契約を更新して七年間働いていたにもかかわらず、このような仕事を紹介しているわけです。
 今回の改正案では、このような言わば適性やキャリアを無視した派遣先の提供についてどう判断されるかということが全く分からず、歯止めになりません。
 また、改正案では派遣元での無期雇用も挙げています。しかし、先ほど来の資料でも御紹介されております、参考資料の中の三百二十四ページから三百二十五ページでも紹介されておりましたが、リーマン・ショック後の稼働者数は特定派遣労働者でも多く減少しており、派遣元での雇用の無期化はそのまま雇用の安定につながるという保障は全くないと言わざるを得ません。参考の資料の三百五十二ページ以降でも御紹介をされておりますが、七割の派遣労働者が雇用の不安を抱えていて、また、三百五十四ページの中では、八割以上の派遣労働者が正社員で働くことを希望しております。にもかかわらず、皆さん派遣で働いている。これは言わば多様な働き方ではなくて、多様な働かせ方になっているとしか考えられません。
 残念ながら、今回の改正案は、こうした派遣労働者の声に応えていないだけではなくて、現在の様々な問題点を放置し、さらには増幅し、増加させていく、新たな問題を更に生み出す可能性すらあるというふうに考えています。さらに、派遣労働者の排除を決めたはずの派遣先に対して、本来憲法で保障されているはずの団体交渉権すら極めて制限されている、この状況については全く放置されたままです。
 残念ながら、今回の改正案は、派遣労働者を無視して、派遣元と派遣先のためだけに改正しよう、変えようとしているとしか考えられません。真の意味での派遣労働者のための改正を実現していただくことを切にお願いしまして、私のお話は終了させていただきます。
 どうもありがとうございます。
#11
○委員長(丸川珠代君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○羽生田俊君 自由民主党の羽生田でございます。
 今日は、四名の参考人の方々、天候も悪い中、この委員会に来ていただきまして、大変ありがとうございました。
 それぞれの立場からいろいろな意見を聞かせていただいて、大変参考になったというふうに思っております。
 まず初めに、いわゆる労働派遣法のポイントというのは、派遣元があって、派遣先があって、そこに派遣労働者というものがどういう位置付けになるかということが一番の問題であろうというふうに思うわけですけれども、今回の改正について、今いろいろなお話も既に出ましたけれども、改めてこの三者の関係から今回の改正案について一言ずつ御意見をいただければというふうに思いますので、鎌田先生からお願いをいたします。
#13
○参考人(鎌田耕一君) 今委員御指摘のとおり、労働者派遣制度というのは、派遣元、派遣先、派遣労働者の三者の関係から成り立っておるということで、大変そういう意味では特徴的な雇用関係と申せると思います。その中で、この三者をそのまま三者関係として法的に取り扱うわけではなくて、派遣元と派遣労働者の労働契約、そして派遣先と派遣元の労働者派遣契約という二つの契約関係で構成をしております。
 そこに、派遣労働者の保護という観点から申しますと、幾つかの問題が出てくるわけであります。なぜかと申しますと、労働者派遣契約は民事契約でありますので直接には労働法の適用はないという中で、ところが、これが労働契約関係にも影響を与えるということでございます。こういった制度の特徴を踏まえながら、どう派遣労働者の雇用の安定を図って、そして処遇を改善していくかということで、様々な工夫をしているわけでございます。
 今回、キャリアアップの措置を強化をするということで、本来、キャリアアップというのは個々の事業主の判断とそれから労働者の希望に沿ってやるものでありますけれども、そうしたところを非正規の中で、特に派遣については難しい問題があるということで非常に様々な法的な義務を課しているということから、一定の前進があるのではないかというふうに思っております。
 以上です。
#14
○参考人(高橋弘行君) この三者の関係を包含する労働者派遣法につきましては大変分かりにくい複雑な法体系となっておりまして、元、先、派遣労働者にとりましても非常に分かりにくい制度となっております。
 今回の改正法案は、専らこの分かりにくい複雑な制度を分かりやすい制度へ変換する、改正するという観点から形作られたと考えておりますので、三者双方にとりまして利益の多い内容となっているというふうに考えております。
 以上でございます。
#15
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 派遣という働き方は、先ほどの説明でも申し上げましたが、雇用者と使用者が違うということで、雇用責任と使用者責任が曖昧になりがちでございます。しかも、実際に働いている人と雇用している人、それから使用している人の関係が希薄になりやすい。派遣先で、名前で呼ばれるのではなくて派遣さんと言われているような実態も派遣労働者の皆さんから訴えられているところでございます。
 したがって、私どもとしては、これは例外的な働き方、臨時的、一時的な働き方であるということにすべきだというふうに思っておりますし、一方で、そういう機能を持っておりますので、全ての派遣ということを否定しておるわけではございません。ただし、それらについては均等原則でやるべきだというふうに思っております。
 以上です。
#16
○参考人(関口達矢君) 言わば派遣元にとって派遣先というのはお客様であります。非常に立場的に派遣先の方が強くなっている。様々な無理無体が言われたとしても、派遣元はそれに対して言わばノーとすごく言いにくい状況になっている。その中で、そういった矛盾を派遣労働者に全て押し付けられているというような実態もあるというふうに思っております。
 派遣先に対する規制をもっと強化していかない限り、この三者の関係というのはこのような形で極めてゆがんだ状況の中で放置されていくというふうに考えざるを得ないというふうに思っております。
#17
○羽生田俊君 ありがとうございました。
 今回の改正というものが、十分ではないけれども前進が見られるというようなことも今のお話の中にもございましたけれども、最後に関口参考人からは、派遣元に対して派遣先はお客さんであるということからいろいろ問題が起きるというようなお話もありましたけれども。
 一つ高橋参考人にお聞きしたいんですけれども、マージンのことについて、これがどのようになっているのか。先ほどマージンのお話がちょっとありましたけれども、いわゆる派遣先からマージンを全然、別に上乗せした形で払うということであれば労働者に対してのマージンの問題がないというふうに思うんですけれども、現実はそうでないというふうに思うんですが、このマージンというものがどういうふうになっているのか、その辺のマージン率に関する説明責任、こういったものをどのように果たしていくべきなのかという点について少しお話しいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。
#18
○参考人(高橋弘行君) 御質問ありがとうございます。
 まず最初に申し上げたいことは、マージンという言葉について一部誤解が見られるのではないかというふうに考えております。ともすると、マージンというとピンはねされたものというような誤解がありまして、すなわち派遣会社の利益だと、契約料金から派遣労働者に対する賃金を引いたものは全て丸々派遣会社の利益であるというような誤解があるように感じております。
 マージンの中には、これから改正法案で強化されてまいりますキャリアアップ措置に対する費用も含めまして、あるいは福利厚生費用、あるいは派遣労働者の育休代替者のための必要な経費など、様々な経費なども含まれたものであります。そうしたものでございますので、丸々派遣会社の利益ということではないというふうに思います。ちょっと正確な数字は失念いたしましたけれども、日本人材派遣協会の加盟会社の統計では、いわゆるマージンの中に占める派遣会社の純粋な利益部分というのは非常に些少なものであったというふうに記憶しているところでございます。
 また、今回の改正法案が成立した場合は、派遣会社といたしましては、計画的な教育訓練の実施、様々なキャリアアップに資する制度などを許可要件としてまいりますので、様々な費用が今後発生してまいります。そうした費用も含めまして、派遣契約料金の中でそうした必要な経費も賄っていくということでございますので、是非その辺り、企業規模とか派遣会社の規模とか、雇用される派遣労働者によってマージンは異なり得るものでありますので、一概にこのようなものであるというふうな説明は非常に難しゅうございますけれども、是非その辺り御理解いただければと思います。
 以上でございます。
#19
○羽生田俊君 ありがとうございました。
 二十四年の法律改正でもその割合というものを公表しなければいけないというふうになっていると思うんですけれども、その辺がどのくらい実行されているかどうかというところもあると思いますので、その辺は十分、いわゆる派遣労働者の方々にやっぱり周知をしていかなければいけないというふうに思っているところでございます。
 時間が来ましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#20
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 本日は、四人の参考人の皆様、御多忙の中、国会にお越しいただきまして、ありがとうございました。
 早速、連合の安永参考人にお尋ねをさせていただきます。
 これまで本委員会の議論におきまして最も大きな論点が、職場への派遣労働者の受入れに関して労働組合の関与が意見聴取のみにとどまっているということ、これでは実効性がないのではないか、先ほど皆さんも御指摘をされましたが、これが大きな論点でございます。連合というまさに労働組合の当事者の立場として、この点に関する見解をまずお聞かせいただきたいと思います。
#21
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 私どもは、常用代替防止という観点から臨時的、一時的だということを御主張させていただいておりますし、いずれ直接雇用にするための契機というか、そういうチャンスが制度の中に必要だというふうに考えております。したがって、派遣先の労働組合の役割、責任というのは重たいというふうに思っております。
 ただ、この手続として、組合が何度反対しても受入れを止めることができないということは非常に悔しいといいますか、残念な内容であるというふうに思います。ドイツでは、受け入れる前に、事業所委員会の労働者側の反対によって派遣労働の受入れを拒否できます。労政審においても私どもはドイツ方式を主張いたしましたが、中小企業ではハードルが高いとか経営権の制約になるとかいって全く取り入れていただけませんでした。
 派遣が臨時的、一時的であるという考えであれば、せめて、例えば意見聴取で二回にわたり続けて反対すれば受入れを止めるなどの仕組みを入れるべきだ、そのように思っておりますし、それから、残念ながら私どもも努力の足りないところもありまして、組織率が低いというところでありますと過半数代表者の三割は事業主が指名をしている、それから一割強が社員会、親睦会の代表者というような状況でございますし、そのようなことを考えても、単なる意見聴取ということでは私どもは足りないというふうに思っております。
#22
○津田弥太郎君 大変重要な指摘をいただきました。私はこの点が今法案の最大の欠陥だというふうに考えております。
 続けて安永参考人にお尋ねをします。
 今回の改正案において政府が最大の目玉としてPRをしているのが、全ての派遣会社を許可制にするということでございます。連合は、登録制の廃止について、率直にどういう見解をお持ちでしょうか。
#23
○参考人(安永貴夫君) 許可制については賛成でございます。
 そもそも届出制の特定事業の方は、資産要件がないといったことに併せて、雇用管理経験三年以上とか派遣元責任者講習を三年以内に受講するとかいう派遣元責任者についての要件が掛かっていません。そのため、派遣法でありますとか労働法全般の枠組みがよく分かっていらっしゃらない経営者が参入する可能性が高いということでございまして、行政処分件数を見ても、改善命令件数が一般に比べて四倍というふうになっている状況もございます。したがって、許可制への全面移行は、事業者の適格性を厳しく考えていくという趣旨と理解をしておりまして、賛成でございます。経過措置などを付けて特定労働者派遣事業が全てそのまま許可制業者になれるようなことなどはあってはならないというふうに思っております。
 また、事業規模を問わず資産要件を一律とすべきでございますし、労働者派遣事業の初回の許可の有効期限を現行の三年から短縮して、例えば一年として、その後の更新に当たっても労政審でしっかりと審議をして厳格な審査を行っていくべきだというふうに考えております。
 以上でございます。
#24
○津田弥太郎君 適切な指摘、ありがとうございました。
 もう一問、安永参考人にお尋ねをいたします。
 平成二十四年、私どもが政権のときの改正の目玉でありました労働契約申込みみなし制度が本年十月一日に施行されようとしているわけでございます。この制度は労働者保護に極めて大きな意味合いを持つものでありますが、連合としてどのような点に留意をすべきとお考えでしょうか。
#25
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 私がお示しをしました、説明をしませんでしたが、二十四スライド、最終ページがございます。ここに心配な点について書かせていただいております。
 この制度は、違法派遣であった労働者の雇用安定を図る制度として、今先生御指摘のとおり、労働者保護を強化する重要な制度でございます。ただ、この制度には、違法派遣が行われていてみなし制度が適用される状態にあることを本人が知らないという可能性が出てまいります。それを本人以外の同僚がそのことを訴えて、それで勝ったとしても、労働契約期間が終了してしまう可能性がある、知らないまま終了してしまう可能性があるという問題があります。したがって、派遣労働者に対して同制度の適用となることを通知する義務を派遣先に負わせなければこれが実効あるものにはならないんではないか、そのように思っておりますし、それから、現在の派遣元との契約の属性が継承されなければ意味がないというふうに思います。派遣先との労働契約が成立しても、短期間で雇い止めにされたのでは元も子もないということになりますので、派遣元で契約していた属性が継承される仕組みにしなければならないというふうに思っております。
 以上です。
#26
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 次に、関口参考人にお尋ねをしたいと思います。
 私は参議院の本会議で安倍総理に対して、今回の派遣法改正案について派遣労働者に直接話を聞いたかということを彼に質問しました。総理の答弁は、四人の方から厚生労働大臣がヒアリングを行い、そのうち二人から賛同のコメントを得たというものでございました。四人に聞いて二人が賛成したということですから、政府としては派遣労働者の五割は今回の政府案に賛成しているのだということを暗に示しているのだというふうに思うわけであります。
 関口参考人は、派遣労働で働く当事者に寄り添い、日々支援を行っておられるわけですが、派遣労働者の五割が法案に賛成しているという安倍総理の答弁に対し、そのような実感を日々の活動の中でお持ちかどうか、お聞きをします。
#27
○参考人(関口達矢君) 全くそのようには思えません。ある意味何も、つつがなく派遣労働者、派遣として働いている人も中にはいると思います。しかし、派遣労働者の保護ということについては、現状の制度、改正案も残念ながらそういう内容になっておりますが、非常に脆弱な制度ですので、何か事があったときに全く自分が保護されていない状況なんだということを改めて皆さん知るわけですね。とか、いろいろな今回のような改正の内容が出てきたときに初めてそういうのを知って非常に愕然とするというような状況になっているのではないかというふうに思っております。
#28
○津田弥太郎君 ありがとうございました。
 高橋参考人、ちょっと嫌なことを聞きます。
 労働者派遣法の生みの親といえば信州大学の高梨名誉教授でございます。高梨教授が二〇〇九年一月のインタビューでこのように申されています。労働側との財界側の窓口であった日経連が経団連に統合されて日本経団連になって駄目になる、日経連には労働問題をやっていたプロパーの方がいたんですが、統合でそういう人は日本経団連に残りませんでしたから、財界に労働問題の理解者がいなくなってしまったんですと、こういう発言を高梨名誉教授はされているわけであります。
 経団連御出身の高橋参考人としては耳が痛いわけでありますが、率直にその生みの親の高梨先生の指摘をどのように受け止めておられるか、お聞きをしたいと思います。
#29
○参考人(高橋弘行君) 御質問ありがとうございます。
 その高梨先生の御指摘は正しくありません。私は今労働政策本部の本部長をさせていただいておりますけれども、私の部下は一名を除いて全て旧日経連の出身でございまして、ほかにも旧日経連の職員は多数まだ残っておりますので、その指摘は全く当たっておりません。
 以上でございます。
#30
○津田弥太郎君 終わります。
#31
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 参考人の皆様方、今日は大変に貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 私の方からも、今回の法改正の焦点の一つになっている期間制限の見直しについてお伺いしたいというふうに思います。
 先日、名古屋で行いました地方公聴会がございまして、その場では、派遣先企業と派遣元事業主それぞれの公述人から、この期間制限の見直しについて、期間制限を見直しすることによって業務付与時の制約が解消される、派遣労働者それから派遣先企業双方のメリットになる、こういう話がございました。改めてこの点についての御意見を鎌田参考人と高橋参考人にお伺いをしたいと思います。
 私たち公明党も、この期間制限の見直しについては雇用安定措置とセットということが非常に重要だというふうに思っておりますが、両参考人とも、労政審のメンバーとして報告書を取りまとめられたお立場、さらに、高橋参考人におかれましては派遣労働を利用する使用者側のお立場ということで、今回の期間制限の見直しによるメリット、その意義ということについて、先ほど意見陳述の中でも述べられておりましたけれども、改めて御意見をお聞かせいただきたいと思います。
 では、鎌田参考人からよろしくお願いいたします。
#32
○参考人(鎌田耕一君) 御質問ありがとうございます。
 期間制限につきましては、今委員御指摘のとおり、今回大きく変わったところでございます。
 従来、御存じのように特定の業務、業務を比較的狭い範囲で限定しておりますが、そこでの期間制限ではなくて、期間制限を置いた上で労使のコミュニケーションを生かしたような形で受入れを考えていこうというふうに考えた一つの理由としましては、今御指摘のように、各企業におきまして、外部労働力の受入れ、そしてその効率的な外部労働力の活用ということが一概にはなかなか決められないなということがありまして、そうしたことから、現場で働いている労使の方たちの意見を踏まえながら期間制限というものを柔軟に捉えていったらどうなのかというようなことが一つ大きな課題として考えておりました。そうしたことから、この期間制限につきましても、今言いましたような労使コミュニケーションということを重視するような方策といたしたというふうに理解をしております。
 以上です。
#33
○参考人(高橋弘行君) ありがとうございます。
 御承知のとおり、現行制度は業務に基づく期間制限となっておりますので、例えば二十六業務に基づきまして受入れを行う場合、どこまでの業務を派遣労働者の方にやっていただいたらよいのかというのを、絶えず受入先の企業は悩ましいところでございます。それが果たして二十六業務に該当し得る業務なのか、あるいは付随的業務がどこまでが付随的業務なのか、あるいは付随的業務の一割規制といっても、その労働時間の本当に一割なのかどうかと、非常にいつも悩みながら活用させていただいておるわけでございます。非常に分かりにくい制度でございます。
 それを今回、手続は大変煩雑な制度になりますけれども、誰もが分かりやすい制度に改正されてまいりますから、派遣先企業といたしましても派遣労働者の方にもっと様々なお仕事をお願いしていくことが可能となります。そういたしますと、やはりチームで仕事をする日本企業にとりまして、派遣労働者にとりましてもキャリアアップにつながっていくメリットが生じていくのではないかと思いますし、派遣先企業にとりましてもそれは好ましいことではないかと考えております。
 以上でございます。
#34
○長沢広明君 ありがとうございます。
 先ほど羽生田委員からも御指摘のありました派遣労働者の賃金と派遣契約の料金、この関係について先ほど高橋参考人、御意見が述べられたわけですけれども、私の方からは鎌田参考人にお伺いしたいと思います。
 参考人は労政審で部会長をされて、今回、この改正案の前提となる報告書を取りまとめられたわけで、その御尽力には感謝をいたしますが、鎌田参考人は、派遣労働者の待遇と契約の料金との関係について、著書の中で、派遣労働者の待遇、特に賃金はどうしても派遣料金の制約を受ける、そのためにそこに何らかの工夫が必要ではないかと、このように指摘をされております。この点が今回の報告書の中で、派遣元、派遣先間で派遣料金を決定するに当たって、派遣労働者の賃金水準などを考慮すべきということを指針に定めることが適当であると、このように提言して、触れられている、この辺に少し関係しているのかなというふうに思料しております。
 派遣労働者の賃金も含めた待遇を確保するために、派遣料金の決定について行政としてどういう関与をしたらいいのか、あるいはどういうことができるか、あるいはすべきであるのか、この点について御知見をお聞かせいただきたいと思います。
#35
○参考人(鎌田耕一君) 今先生御指摘のとおりでございまして、やはり派遣労働者の賃金を決定するのは派遣元事業主でありますが、やはり派遣料金は大きな影響を受けております。
 したがいまして、この派遣料金、派遣先と派遣元との間の契約関係に何らかの形で指導をする必要があるのではないかというのが第一感でございますが、ただ、いかんせん、民事契約でありますので、そうしたところをどのように法的に考えていけばいいのか、実はこの辺のところが、私としては、義務化というようなかなり強いシステムというのがなかなか難しい、いろいろ考えてはおったんですけれども、やはり何といっても、民事契約の中に強いルールを導入するということになると、まさにその民事契約のルールから説明しなきゃいけないということから、なかなかいい知恵がなかったというところでありますが、行政による指導という形で、今先生がおっしゃったような様々な考慮すべき事項を指導という形で進めていければいいというふうに思っております。
#36
○長沢広明君 高橋参考人にもう一点お伺いしたいと思います。
 今回の派遣労働者のキャリアアップということがこの改正案の中の一つの大きなポイントにもなっております。キャリアアップ自体は、一義的には雇用主である派遣元事業主において措置されるべきものであると。この改正案でも、その観点からは計画的な教育訓練、こういうことを派遣元事業主に義務付けるというふうにしております。ただ、実際に働いている人の労働現場を見れば、働いている人の立場で見れば、働いている人の職業能力の向上を図るには、やはり職場での実務経験とか、実際の働いている就業先である派遣先企業での協力、これが派遣労働者のキャリアアップのためには無視できない大事な要素だというふうに思っております。
 その意味で、派遣先企業の側として、派遣労働者のキャリアアップのために派遣先企業としてどういう役割を果たせるのか、この辺についてのお考えがあればお伺いしておきたいと思います。
#37
○参考人(高橋弘行君) ありがとうございます。
 二点御指摘申し上げたいと思います。
 一点目は、現行制度では役務に基づく契約でございますので、あるAさんという方が二年働いた後に、自由化業務の場合ですけれども、Bさんが来た場合、残り一年間しか働き続けることはできません。ところが、今回の改正法案では個人単位で三年間受け入れ続けることができますので、やはりOJTの観点からは、より長く受け入れ続けさせていただいた方がその派遣労働者にとっては職務遂行能力が高まるというメリットがございます。
 二点目は、先生御指摘のとおり、キャリアアップに関しましては派遣元にも計画的な教育訓練を義務付けておりますけれども、他方で、派遣先にも、業務に関連した教育訓練を自社の従業員に対して行う場合は派遣労働者にも行うということが規定されてございますので、そうした観点からも派遣労働者にとっては好ましい改正内容ではないかというふうに考えてございます。
 以上でございます。
#38
○長沢広明君 ありがとうございました。終わります。
#39
○川田龍平君 まず、参考人の方、大変お忙しい中、貴重な御意見をありがとうございました。
 それでは質問に入らせていただきますが、今年の二月の「中央労働時報」で鎌田教授の論文、講演を元にした論文が、論文というか講演録が載っているんですけれども、その中で、最後に、派遣労働者の処遇について、私としては均等待遇を含めて更にいろいろな仕組みを考えるべきだと思います、また、ドイツのような最低賃金も一つの選択肢として考えていく必要があると思っていますということで、派遣労働について、処遇改善、特に均等待遇も含めて最低賃金というものを定めていく必要があるということをおっしゃっているので、そのことについていかがお考えかということでお願いします。
#40
○参考人(鎌田耕一君) お忙しいところ論文に目を通していただき、ありがとうございます。御指摘のとおり、派遣労働者の処遇についてどのような工夫があるんだろうかということでございます。
 ちょっと長くなるかもしれませんけれども、その前段の話から入りますが、派遣労働者の処遇の改善といった場合に、大きく二つの今御意見があります。一つは均等待遇と均衡処遇であります。もう一つ何があるかといいますと、例えば、今御指摘のように、ドイツではいわゆる派遣最賃という制度を導入をしております。
 この二つを比較してみますと、均等待遇については、先ほど私、冒頭陳述で申しましたように、ヨーロッパのような職務給を中心にし、かつ、職務について産業別協約で一定の水準が構築されるような社会においてはある程度有効に機能するわけですが、日本は御存じのとおり職能給が中心ということで、なかなかそれをうまく実現する手だてというのに苦慮しているところだと思います。
 そこで、何が問題かといいますと、先ほど来話題になっておりますように、派遣料金によって派遣賃金が制約されるわけでありますが、派遣最賃という考え方を持ちますと、結局、派遣料金の下支えというのは確定されることになります。そうしたことから、間接的ではありますけれども、派遣労働者の賃金の、最低部分でいいとは申しませんが、そういったものがある程度確定できると。かつ、現在の地域最賃はパートの方を中心にして決まっておりますが、派遣労働者の賃金平均で見ますとそれよりも上回ったところでございますので、向上につながるのではないかというふうに思ったところであります。
 ただ、最賃という考え方をそのように広げて考えることが可能かどうか、法律論としては大変難しい、まだまだ私の思い付きにすぎないところでありますので、今後しっかりと自分なりに研究していきたいというふうに思っております。
 以上です。
#41
○川田龍平君 関口参考人に。
 今の最低賃金の基準を決めるということについて、先ほどの資料の中でも製造業務の派遣の賃金というのは非常に低いということで、特に派遣労働者の賃金が今決して高いということではないということなんですが、そういった最低賃金を決めることについて、どのように思っておりますでしょうか。
#42
○参考人(関口達矢君) 御質問ありがとうございます。
 流行に作用する面も確かにあるだろうとは思います。ただ、いずれにしろ均等処遇がやはり原則だというふうにも考えておりますので、最低賃金、どのような形で設定されるのかというところで、場合によっては、その最低賃金より高い人たちはそこの最低賃金にまで引き下げられてしまうようなケースもあり得るのではないかというふうな印象も持ちます。やはり均等待遇、これが原則ではないかというふうに考えます。
#43
○川田龍平君 ありがとうございます。
 高橋参考人に、常用代替防止という基本的考え方を残す場合に、派遣労働者の保護の観点から修正を図るべきだということを、これ経団連の方で出している文書の中にあるんですけれども、日本経済団体連合会が二〇一三年の七月二十四日に今後の労働者派遣制度のあり方についてという文書の中で、仮に常用代替防止という考え方の基本は残すとした場合でも、派遣労働者の保護の観点から修正を図るべきことが求められているということを述べられていて、常用代替防止というものが基本的になくなっていくのではないかと。
 この基本的な派遣法の考え方が、この基本がなくなっていった場合に、残すということで厚労省は考えているという場合であれば、派遣労働者の保護の観点からどういうような修正を図るべきと経団連として考えているのかということをお聞きしたいんですけれども。
#44
○参考人(高橋弘行君) 御質問ありがとうございます。
 今先生が御指摘されました経団連のペーパーというのは、まだ二〇一三年の労働政策審議会の議論が始まる前に経団連がまとめた資料でございまして、全くゼロの観点から望ましい派遣法制の在り方についてまとめたものでございます。当時いろんな議論がございまして、なぜ派遣労働の部分だけ常用代替防止というものがあるのかということも含めまして問題意識を持っていたことに基づいてまとめられたものでございます。
 そういう観点から申しますと、今は、その後、労働政策審議会の方で明確な考え方の議論の下で今の改正法案がまとまっておりますので、この考え方自体は大分古い考え方といいましょうか、になっておりますので、現時点におきましては、経団連といたしましては改正法案の考え方にのっとってまずは改正するべきだというふうに考えてございます。
 以上です。
#45
○川田龍平君 それでは、安永参考人にお願いします。
 専門二十六業務の派遣労働者が今、雇用打切りのリスクにさらされていると。特に、既にもう雇用を打ち切るという話もあったりして、今まで働くことができていた専門二十六業務の人がこの新たな法改正によって働き続けることができなくなるという可能性について、それについてどのようにお考えでしょうか。
#46
○参考人(安永貴夫君) この法案の目的について、塩崎大臣は、派遣で働く方の一層の雇用の安定、保護を図り、正社員を希望する方にはその道を開いていくものというふうに説明をされておりますが、先生御指摘のとおり、既に私どもにも相談が来ておりますし、NHKなどでも報道がされているとおり、専門二十六業務の人たちのその三年ごとの契約、三年ごとに契約が打ち切られるということになるわけで、もう三年後は、あなた、契約しませんよと言い渡されているケースが多くございます。
 大臣の説明とは大きく矛盾するところだというふうに思っておりますし、そもそも専門二十六業務については、派遣期間が無制限とされたときに、二十六業務に働く人たちは高度に専門的な知識、技術を持っていて、独自の労働市場を形成しているから、強い保護の下に置かずとも自らの力で市場を渡り合っていけるというような説明であったわけでございまして、それが、そういう議論の中でなぜ今回の法改正でそういう目に遭わないといけないのかということを考えておるところでございまして、私どもは、業務区分による派遣期間制限は残すべきだというふうに主張しておりましたので、私たちの議論の中では何の矛盾もないというふうに思っております。
#47
○川田龍平君 安永参考人に聞きたいことがたくさんあったんですけれども、ちょっと時間の関係でもう最後にしますが、不本意ながら派遣労働者になってしまっているという人がたくさん、まあ四〇%以上いると。さらに、派遣から正社員への道、今の話にあったようにこれが開かれていくと、日本型一括採用、新規採用というのがなくなっていくのではないかという懸念。
 それから、今回の法改正の問題点について、特に立法のプロセスに問題があったと。特に、条文修正が行われたときに、閣法として提出するに当たっても労政審の議論を経なかったということであるとか、それからこの法案が仮に成立したとしても、今朝の新聞にも載っていましたけれども、九月一日施行でとても準備が間に合わないのではないかということもありますが、そういった手続についてどのようにお考えかということでお話お願いします。
#48
○参考人(安永貴夫君) まず、雇用という形の問題ですけれども、多様な働き方を求める人が一方でいる、これも事実だと思いますが、多様な働き方を求めるといって、だからといってそれは非正規であることでなくてもいいのではないかというふうに思っています。
 今、世の中ではダイバーシティーというような形で各企業がダイバーシティー推進室などもつくられて様々な取組をされておりますが、私の資料の十二スライドを御覧ください。正社員として働きたいが職が見付からなかったの次が、好きな勤務地、勤務期間、勤務時間を選べる、働きたい仕事を選べるということでありまして、だからといって派遣でなくてもいいでしょうと。正社員であっても、ダイバーシティーという考え方で、ライフサイクルに合わせて一時期、子育てのために転勤ができない、時間外労働ができない、フルタイムができない、パートタイムしかできない、それから職種を限定したい、そういうことがあっても本人の希望に沿って行ったり来たりするようなことがやっぱりダイバーシティーの根幹だというふうに思っていますので、人で、もう入口でこの人は非正規、この人は派遣のままというのではなくて、その人のライフサイクルに合わせたそういうバランスを取っていくということが日本全体で議論が必要ではないかというふうに思っております。
 それから、手続の問題でございますが……
#49
○委員長(丸川珠代君) 大変恐縮でございますが、時間が来ておりますので簡潔にお願いいたします。
#50
○参考人(安永貴夫君) はい。
 言われたとおり、手続についても、先ほども申し上げたとおり、非常に問題が多いということですので、今後の労政審の議論の中ではそういったことにならないようにきちんとやっていただきたいと思います。
 以上です。
#51
○川田龍平君 ありがとうございました。
#52
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 四人の参考人の皆さん、ありがとうございます。
 安永参考人にまずお伺いしたいんですが、先ほどの津田理事からもあった過半数労働組合の意見聴取問題なんですけれども、経営側の方は、組合が反対しているのに押し切るということはほとんどないからこれは歯止めになるんだということなんですが、こういうことが成り立つのかということを労働組合の立場で言っていただければと思うんですが。
#53
○参考人(安永貴夫君) 労働組合と一口で言いますけれども、連合の中でもかなり労使紛争を抱えているようなところもありますし、経営側が全く労働組合を相手にしてくれないようなところも多くございます。恐らく、経団連の立場でいうとそういうところはないということだと思いますが、それとて様々な課題を抱えているところがある中で労使が意見対立しているところは当然ありますので、そういったことで常用代替防止の立場から反対することはあるというふうに思っております。
#54
○小池晃君 実態としてはこれは成り立たない、歯止めとしては成り立たないんではないかというふうに私は思います。おっしゃるとおりではないかなと思うんです。
 関口参考人にお伺いしたいんですが、今日お配りいただいた時給がダウンしているというグラフ、これ私も委員会の質疑で使わせていただいたんです。これ見ると本当に賃金の低下が著しいなと。一方で、厚労省の資料を見ると余り変わっていないんですね。ただ、厚労省の資料というのは事業者側を通じた調査で、このユニオンの方の調査はこれは労働者に対する調査だと思うので、私はこの方がより実態をリアルに反映しているのではないかなと思うんですが、その点、御説明いただけますでしょうか。
#55
○参考人(関口達矢君) 御質問ありがとうございます。
 まさに今、小池先生がおっしゃったとおりだと思います。こちらは労働者調査ですので実際に手にしている時給を調査したもので、厚生労働省は事業報告などを基にした事業所調査なので、そこでの差というのは当然あり得るだろうなと思います。
#56
○小池晃君 鎌田参考人にお伺いしたいと思います。
 専門二十六業務の廃止問題なんですが、これは労政審では労使双方とも廃止を主張していない。しかし、結論としては廃止が今回提案されております。専門業務、分かりにくいということであれば、これは廃止ということではなくて、真に専門的業務に限定する道もあったんではないかなというふうに思うんですね。
 公益委員としては、こういう道を提案することはお考えにならなかったんでしょうか。
#57
○参考人(鎌田耕一君) 私が労働政策、需給部会の委員ということで御質問かと思いますが、私、細部についてはちょっと記憶が定かでないところもあるんですけれども、二十六業務を含めた業務限定の仕組みをどう取り扱うかということにつきましては、確かに当初は労働側の方は反対を終始されていたと思います。使用者側の御意見は、当初ははっきりした御意見ではなかったのでありますけれども、途中からこの業務限定の仕組みをなくす、区分をなくすという方向で使用者側の意見としてはまとまっていったのではないかというふうに思っております。途中で、これもはっきり、記憶としては定かではないんですが、二つの案を作ってほしいという、これは使用者側からの御依頼で二つの案を提示をしてもらいたいということで、一つは研究会報告を踏まえたような案、もう一つは、今先生がおっしゃったような、現状の業務を維持したような形での案ということで御依頼があって、それに沿った形で案を出して議論をしたという経緯であったというふうに記憶をしております。
 以上です。
#58
○小池晃君 私は、ちょっと労政審の記録見てもそういう印象は受けないんですが。経団連の方も、これは二十六業務については廃止に懸念を表明した経過も今後の労働者派遣制度のあり方についてという文書の中ではあったし、そういう経過ではなかったんではないかなというふうに思うんですが。
 安永参考人に、今の経過も含めて御意見いただければと思うのと、あと、先ほどちょっと手続の問題で、最後時間なくなってしまったので、私もちょっと異常なんじゃないかなと、この労政審の運営は。オブザーバーというのを大体参加させることは、かつて、これはやっぱり派遣法のときにも一回あったみたいですけど、極めて例外的だったし、それから今度の与党修正も、これ結局、閣法なのに労政審でやっていない。
 それから、今後の問題でいうと、これ省令事項が二十六項目、それ以外も含めて四十一項目もあるというんですが、九月一日なんてこれはあり得ないと思うし、一か月延期みたいな話もありますけど、私はそれだってまともな労政審の政令の審議が保障されないのではないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。
#59
○参考人(安永貴夫君) まず、二十六業務の論議経過ですけれども、私どもとしても、当初は使用者側の委員からも二十六業務の見直しについても論点とすべきだということが言われていましたし、途中でも、二十六業務全て撤廃というのは短絡的であって、慎重な議論が必要という意見も使用者側から出されていたというふうに認識をしております。私どもも、具体的に議論、時間を掛けて、安く買いたたかれるような業務は無期限にすべきではないというようなことで、現場の実態を十分踏まえた議論をもっと煮詰めるべきであったというふうに思っております。
 それから、手続の問題については全く同感でございます。業界団体のホームページを見ますと、大臣に要請に行かれて、労政審に出席したい旨の要請がされたところが写真付きで出ておりまして、私も確認をしましたし、終始経営側の皆さんの発言の中でもオブザーバーの方が先ほど申しましたようにほとんどしゃべっておられるというような状況もありました。
 それから、政令についても重要な中身、仮に通るとすれば重要な中身がたくさんございますので、その辺は議論も時間を掛けないといけないし、やはり何といっても周知期間が必要ではないか、これだけの大改革ですので、きちんと経営側の皆さんにも労働者にも周知をする、その時間が必要だというふうに思っております。
 以上です。
#60
○小池晃君 私も全く同感で、そういう点でいうと、もうこの国会でこれを通すなどということはやっぱりやってはいけないのではないかなと、やはり一旦これは廃案にして、もう一度考え直すということが必要なのではないかというふうに思っています。
 最後、みなし雇用の問題、一言、関口参考人に。
 十月一日から施行される、これに対する期待感というのはやはり派遣労働者の中にはあるのではないかなと思うんですが、そこはいかがでしょうか。
#61
○参考人(関口達矢君) 御質問ありがとうございます。
 まさに御指摘のとおり、今回、ちょっとこちらへ持ってこなかったんですけれども、非常に派遣労働者の中で強いというか、高い期待を持っています。やはり皆さん安定した雇用で働きたいという希望を持っていますから、このみなし雇用、何とかこれを使って、安定した雇用が得られるのであればそういう形で働き続けたいというような希望を持っている派遣労働者というのは極めて多くいるというふうに考えています。
#62
○小池晃君 終わりますけれども、その点でも、やはり十月一日のみなしの前に施行しなければいけないなどということはやるべきではないということを申し上げたいと思います。
 終わります。
#63
○行田邦子君 日本を元気にする会・無所属会の行田邦子です。
 今日は、四人の参考人の皆様には貴重な御意見賜りまして、ありがとうございました。
 まず初めに、鎌田参考人と安永参考人に伺いたいと思います。
 この度の改正法案では、事業所単位の派遣の期間を延長する場合には過半数労働組合等の意見聴取をするということになっています。この過半数労働組合等なんですけれども、過半数労働組合のある事業所というのは今大体三割ぐらい、残りの七割というのは過半数労働組合はないと。そうなるとどうなるかというと、過半数代表者を選出することになるかと思いますが、JILPTの調査では、この過半数代表者の選出の仕方というのが、二八%が使用者が決めた、一一%が社員会とかあるいは親睦会の代表者が自動的になったというのが実態だという結果になっています。
 そこで伺いたいんですけれども、この過半数代表者の選出の方法について、今後、この労働者派遣法だけではなくて様々な分野で登場してくると思いますので、この過半数代表者の選出の方法についての何か検討する必要があるのではないかと私は思いますが、お二人の御意見を伺いたいと思います。
#64
○参考人(鎌田耕一君) 御質問ありがとうございます。
 過半数代表者の件でございます。現在、過半数代表者の選出につきましては、投票、挙手などの民主的な手続により過半数代表者を選出するということが一応要請をされているところでございます。ただ、今委員御指摘のとおり、使用者から指名をされたなどの、果たして過半数代表者としての適格性があるのだろうかということが問題になるケースもあろうかと思います。
 そういう観点から、今後、仮に法律が成立した後、この過半数代表者の選出等については、また、今私が申しましたような、民主的な手続により選出されて過半数代表者としての適格性を有しているかどうかという観点につきましても労政審で議論になるのではないかというふうに私としては予想しているところでございます。
 以上です。
#65
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 先生御指摘のとおり、この過半数代表者というのは、この問題だけではなく、三六協定などを含めて多くの課題について労働者を代表して責任を持って経営者との間で協定するという強い権限と責任があるわけでございますが、残念ながら、今、鎌田参考人も言われましたように、非常にずさんな決め方をされているというふうに認識しておるところでございまして、これをきちんと民主的に決めていく、集団的労使関係をいかにそれぞれの職場に構築をさせるかといった観点での見直しが必要だというふうに思っておりますし、あわせて、私たちも努力をしながら、労働組合を一つでも増やすように頑張ってまいりたいというふうに思います。
 あわせてですが、私たちは今回の件では、その前に行われた研究会からの報告も含めて、ドイツの事業所委員会の設置などについても議論がされているわけで、それらも参考にしながら更に強固にしていくべきだというふうに思っております。
#66
○行田邦子君 ありがとうございます。
 高橋参考人に伺いたいと思います。
 労働者派遣というのは、これは労働力の需給調整機能が評価されて今日に至っているわけでありますけれども、経営者の立場でお聞きしたいと思うんですけれども、この労働者派遣の良い点というのを改めて伺いたいと思うんですが、御指摘いただければと思います。
#67
○参考人(高橋弘行君) 一点だけ申し上げたいと思いますけれども、とりわけ採用においては、非常に知名度に勝る企業と異なって、知名度が落ちる企業でございますとか、あるいは中小企業等が代表されると思いますけれども、そうしたところの企業におきましては、迅速に人手が欲しいといったときに人手が採用しやすいというメリットが労働者派遣制度にはあるというふうには思っております。
 以上です。
#68
○行田邦子君 ありがとうございます。
 関口参考人に伺いたいと思います。
 専門二十六業務が分かりにくいという指摘がこれまでなされてきたわけであります。今回の改正法案でも見直しをし、業務区分という考え方をやめるというふうになったわけでありますけれども、元々この専門二十六業務というのは常用代替を防止するということで、専門二十六業務であれば常用代替にはならないだろうということでこのような仕組みになってきたわけでありますけれども、私は、この今の専門二十六業務、確かに分かりにくい部分もあるなとは思ってはいるんですが、関口参考人は、この点を解消するためにはどのようにしたらよいのか、どのようにお考えでしょうか。
#69
○参考人(関口達矢君) 御質問ありがとうございます。
 確かに、今先生御指摘のとおり、今の現状の二十六業務というのは、現在の労働市場の中の業務の中で適正かといえば、そこには大きなクエスチョンマークは付けざるを得ないと思います。であるならば、この二十六業務をもっと専門性の高い業務に見直していく、場合によっては絞り込んでいく、そうしなければ、その労働者は労働市場の中で、言わば均等な形で企業とやり取りをして自らの労働条件を決めていくということができないわけでありますから、これを業務区分をなくしてしまうというのはまさに本末転倒であるというふうにしか考えられないというふうに思っております。
#70
○行田邦子君 鎌田参考人に伺いたいと思います。
 個人単位での期間制限が三年ということに改正法案ではなっていますけれども、そして、その個人単位の期間制限三年まで派遣をされた方については雇用安定措置として、その一つとして新たな派遣先を提供するということは派遣元に義務付けられているわけでありますが、このことと、派遣就業は臨時的、一時的な働き方とすること、この考え方が矛盾するのではないかという意見もありますが、その点どのように説明されますでしょうか。
#71
○参考人(鎌田耕一君) 矛盾するという意見、実はよく私も理解されていないので、ちょっととんちんかんな答えになるかとは思いますけれども、確かに臨時的、一時的な働き方ということでは、法政策上はそのような位置付けで仕組みをつくってはおりますけれども、個々の労働者の観点から申しますと、そこで働くという意欲や希望ということは当然あるわけです。それをどう実現をしていくのかということが一つの課題ではないかというふうに思っております。
 今委員御指摘の雇用安定措置で、特に派遣元事業主に雇用安定措置、他の就業先を紹介をするということを法的義務として課したということでございますが、これについては、先ほど来、事業者として当然の事業活動の一環ではないかということの御指摘もございました。労政審の前の研究会の段階ですけれども、やっぱり事業者からもこういったような義務というのは必要ない、自分たちはそういう業務をやるからだという御指摘だったんですが、しかしながら、やはり派遣労働者の立場に立てば、それを事業者の任意に委ねるのではなくて、法的義務としてしっかりと位置付けることが大切ではないかというふうに考えた次第であります。
 以上です。
#72
○行田邦子君 高橋参考人と安永参考人に伺いたいと思います。
 リーマン・ショックの際には真っ先に雇用の調整弁としていわゆる非正規労働者が職を失ったという状況がありますけれども、このようなことが再び起きてほしくないとは思いますけれども、仮にこのような状況に再びなった場合に雇用をどう維持すべきか、また努力すべきか、簡潔に一言ずつお願いいたします。
#73
○参考人(高橋弘行君) ありがとうございます。
 まず、リーマン・ショックの後に、平成二十四年に労働者派遣法の改正がなされまして、必要な対応が取られているというふうに考えております。その上で、企業は人こそが競争力の源泉でございますので、限りなく雇用の維持に努めていくと、これが基本だというふうに思っております。
 以上です。
#74
○参考人(安永貴夫君) 今回、全ての派遣業が許可制になるというところでございますから、多少のそういう経営上の取扱いが少なくなったとしても、自分のところで雇用が維持できる、そういったところでしか許可しないということが必要なのではないかというふうに思っておりまして、そこら辺が、小さい事業所だからといってそういうハードルを低くしてしまうと、小さいところは解雇せざるを得ないということになってしまうのではないか、そのように思っておるわけです。
#75
○行田邦子君 ありがとうございました。
#76
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 本当に今日は様々な御意見いただきまして、ありがとうございます。
 まず、鎌田参考人と高橋参考人に伺わせていただきたいと思います。
 需給制度の部会におきまして委員だったということも併せまして、私自身、この派遣法を議論するに当たりまして何かかなり迷いが生じております。派遣法というのは、そもそも派遣労働者の皆様方の労働環境を整備して保護する、そのための法律だと思うんですが、多くの派遣労働者の皆様方から反対の御意見をいただいているんですね。
 派遣労働者と一言で言いましても、もう物のように使い捨てにされている労働者から、何千万円プレーヤーとして望んで派遣を選んでいらっしゃる方から、もう仕方なく派遣で働いていらっしゃる方、いろんな職種にも及んでいるということで、十把一からげで本当に派遣労働のこの法律の中で全ての皆様方が本当にメリットを受けることができるんだろうかということを大変疑問に思っております。
 なので、ちょっとお二人にお伺いをしてみたいんですけれども、一体今回のこの法改正によってどの部類のと言ったら変ですけれども、どのような派遣労働で働いていらっしゃる方、そしてどのような形で派遣労働を選択していらっしゃる方にとってメリットがあるんでしょうか。その辺り、少し教えていただけますでしょうか。
#77
○参考人(鎌田耕一君) 今、派遣労働者の方、様々な反対意見があるということでございます。私も様々な研究会で派遣労働者の方の御意見などをお聞きします。もちろん、正社員になりたくて派遣そのものに対してネガティブな評価の方もいらっしゃいますが、今委員御指摘のとおり、やっぱり派遣としての働き方を積極的に選択をされている方もいて、そこはいろいろだなというふうに思っております。
 今度の改正法の中で、派遣を早い段階で、初期の段階で、若者の段階で派遣を選んだ方にとっては、キャリアアップ措置、それからキャリアコンサルティングというものが義務付けられることになりますから、若年の段階で自分の職業生活、今後のどういうふうにキャリアをつくっていくのか、どういう職業生活を送っていくのかということについてしっかりとした相談、それからアドバイスが受けられるということになろうかと思います。そういう意味では、非常に若い方たちで派遣で働いている方たちにとっては有意義な面があるんではないかというふうに思っております。
#78
○参考人(高橋弘行君) まず、この問題を考えますときに、派遣労働として満足して派遣労働者として働いているのか不満足なまま働いていらっしゃるのかということについては様々なアンケート調査等がありますけれども、やはり議論の際には国の調査であるところの労働力調査、こちらの方で今不本意かどうかが全体としてチェックできます。
 その数字を見させていただきますと、派遣労働者だけに限定いたしますと、六割は自ら希望されていらっしゃる、四割は不本意なまま従事されていらっしゃる。これは、非正規雇用全体で見ますと八割が自ら希望されていらっしゃって二割が不本意という、数字で見ますと倍の不本意比率だということだと思いますが、これは、一つの要因は、派遣労働というのは非常にマッチングがすぐに迅速になされますので、取りあえず派遣労働でつないでという方が多いということが一つの理由として考えられます。
 その上で、今回の法改正はキャリアアップということに非常に注力をいたして、派遣元の方に計画的な教育訓練等を義務付けていきますので、派遣労働を一つのステップアップとして次のキャリアにつなげていくということが現行制度に比べて格段に改善するというふうに感じております。
 以上でございます。
#79
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 では次に、安永参考人にお伺いをしてみたいと思います。
 先ほど川田委員からの質問もございましたけれども、私もその連合の十二ページの資料を基に質問していきたいんですけれども、一番高いのが三八・八%、正社員として働きたかったが職が見付からなかった。しかし、私はその次の三つに大変重要な意味があると思っているんですね。好きな勤務地、勤務期間、勤務時間を選べるからということでしたり、仕事の内容でしたり、プライベートとの両立が図れる、これ大変重要なことだと思っているんですね。
 逆に、これは正社員として得られないということの裏返しなんではないかということ、もしそのような様々な正社員というような働き方を準備することによって派遣労働を選択する人が減るんではないのかというようなこと、そして、昨日もちょっと参考人の皆様方からヒアリングをしたところ、長時間労働というこの正社員のそもそもの在り方自体が日本の労働として世界から見てもおかしいというふうに指摘されていますということ、御意見いただいたところでございます。この辺りについて何か御意見いただけますでしょうか。
#80
○参考人(安永貴夫君) 先生御指摘のとおりだと思います。女性の雇用率がM字カーブになってしまっているというところは、やはりそれは女性だけの問題ではなくて、私の自戒の念も込めて、男性の働き方の問題、長時間労働の問題が、正社員イコールそういう働き方をしないと付いていけないというようなことにつながってしまっている。したがって、残念ながら、本当は正社員として働きたいけれども、正社員の中にそういう働き方が、子供産んだときに、親の介護のときにそういう働き方がないためにこの二番目、三番目ということで消極的に選んでしまっているのではないかというふうに思っていますので、今、全体的な動きは人手不足ということもあってそれぞれの企業がダイバーシティーの取組を強化されておりますが、そのダイバーシティーの取組などがこういった問題となぜマッチングしてこないのか、そこが私は、もっとそこをマッチングさせていくべきだというふうに思っております。
 以上です。
#81
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 それに追加してもう一問お伺いしたいんですけれども、では、もしそういった労働環境というものが整備されていくのであれば、派遣労働というものはどうあるべきだというふうに安永参考人はお考えになっていらっしゃいますでしょうか。お願いいたします。
#82
○参考人(安永貴夫君) 先ほど説明のときも申し上げましたけれども、全ての派遣労働を否定しているわけではなくて、例えば産休を取られている方の代替でありますとか、そういった意味では、臨時的、一時的な業務という意味では派遣というものを全て否定しているわけではございませんで、そういったこともあるでしょうし、高度な専門業務があって、ただ、それは長期間その会社では使うことはないというようなことであれば、そういったことを、いろんな会社を渡り歩いてといいますか、言葉は悪いかもしれませんが、そういう技術を生かす、専門的なスキルを生かすという面ではあるのかもしれないというふうに思っております。
#83
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 それでは、関口参考人、お伺いをさせていただきたいと思います。
 今回、派遣元が許可制ということになります。今までその派遣元、劣悪な環境で労働をさせられてしまったというような派遣労働者の皆様方の御意見も様々聞いてまいりました。その中で、今回、許可制に当たり条件を提示することになると思うんですね。様々なトラブルを処理なさった経験から、どういうことを条件とすれば劣悪な派遣元というものが淘汰されてくるのか、アイデアをいただけますでしょうか。
#84
○参考人(関口達矢君) 御質問ありがとうございます。
 やはり、資本ですとかそういったところは非常に大きなポイントになるであろうというふうには思っております。先ほど安永参考人も御説明ありましたけれども、小さいからということで免罪してしまえば、いざ派遣先がなくなったときに雇用を継続することができなくなってしまう。それであれば、言わば許可制にした意味がほとんどなくなってしまうというふうにも思いますので、やはりそういうところはきちんと整備をしていただく必要はあると思います。
#85
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 時間ですので、終わります。
#86
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 今日は四人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
 まず初めに、安永参考人にお聞きをいたします。
 ペーパーの二十一ページ目の労働者派遣法改正法案の問題点と書いてあるのは、そのとおりだと思います。私も、派遣法案の最大の問題点の一つが正社員になる権利が条文のどこにもないということで、生涯派遣のまま押し込められて、それをディーセントワークの仕組みというふうには言えないんじゃないかと思っております。
 この雇用安定措置に実効性がないということなど、もう少し詳しく話していただけますでしょうか。
#87
○参考人(安永貴夫君) ありがとうございます。
 雇用安定措置について申し上げたいと思います。先ほども説明しましたように、全く実効性に欠けるというふうに思っています。
 例えば派遣先への直接雇用の依頼というのは、派遣先と派遣元との力関係、先ほどお客様ということもありましたけれども、それを考えればやはり実現可能性は極めて低いんではないかというふうに思っております。また、単に依頼するだけでよいということになりますので、いつどのような形で依頼をしたのかという、その義務を果たした証明という面でも全く実効性はないのではないかというふうに思います。
 それから、派遣元での無期雇用ですけれども、登録型という不安定なことが中心でやっている事務派遣で、果たしてそのビジネスモデルが確立しているところで本当に無期派遣になるんだろうか。そのことを派遣元が選択する可能性、かなり低いのではないかというふうに思っておりますし、これも、リーマン・ショックのところで説明しましたように、無期だからといって雇用が安定しているわけではないということでございます。
 それから、新たな就労機会の提供でございますが、先ほど高橋参考人から反論もありましたが、次の派遣先を探すということは需給調整をするという派遣元の本来業務でございますし、それが、本人がそこで働くことが可能なところかどうかというところも、本当に、ただ、ここ行ってみないかということだけで済まされてしまう、質の劣る雇用機会が提供されたとしても義務を履行したことになってしまうということがあるというふうに思っています。
 さらに、派遣先に対する直接雇用の申込義務規定が削除されたというところも大きな問題でありまして、大きく後退してしまうというふうに思っております。
#88
○福島みずほ君 関口参考人に二点お聞きをいたします。
 一つ目は、例えば団体交渉を求めたときの派遣先の対応などのことはどのようなものであるのか、問題点について御教示ください。
 もう一つは、派遣元の無期雇用についてです。休業手当六割といっても、実際は四割、五割ぐらいしか給料がもらえないとすれば極めて不安定ではないか。
 この二点について御意見をお聞かせください。
#89
○参考人(関口達矢君) 御質問ありがとうございます。
 団体交渉については、まず、派遣先である、直接の雇用主でないということで派遣先が入口のところで拒否してくるというケースがほとんどであります。これは中央労働委員会で出されましたショーワ事件というのがあるんですけれども、ここで派遣先の団体交渉応諾義務を極めて限定的に判断してしまった。これをまさに言わば派遣先は、金科玉条というんですかね、そういう形で持ち出して、派遣先であるから事実上使用者でないということで全く応じてこない、まさに門前払いをしてくるというような現状にあるというのが現状であります。
 もう一つが派遣元の無期雇用の点なんですけれども、まさに福島先生御指摘のとおり、休業手当を仮に払ったとしても、この休業手当というのは、実は直近の三か月働いて支払われた賃金を暦日で割る、さらに、実際に支払われるのは労働日数に応じて支払われるわけですから、法律上、労働基準法上は六割という規定になっていますが、実際に手にできるのは五割、場合によっては四割ぐらいに少なくなってしまうというような、計算上そういうことが発生してしまう。このような状況の中で、休業手当が払われているのであるから雇用が安定するのではないかというのは非常に乱暴な意見ではないかというふうにも思います。
#90
○福島みずほ君 高橋参考人にお聞きをいたします。
 現状で交通費が支払われている派遣労働者って半分ぐらいしかありません。均衡や、あるいは労働者の立場からすれば、交通費はどんなことがあっても支払われるべきだというふうに思っているんですが、経団連として、例えば交通費は全額支給せよみたいなのを業界にばあっと言ってもらうとか、そういうことはいかがでしょうかね。
#91
○参考人(高橋弘行君) 御質問ありがとうございます。
 派遣契約は民民の契約でございますので、経団連といたしましてああせいこうせいというふうに申し上げることは難しいかと存じます。
#92
○福島みずほ君 民民の契約で労働者、派遣で働く人たちがこれだけ無権利というか、ひどい状況にあるということですよね。
 それで、安永参考人にお聞きをいたします。
 十月一日問題というペーパーが厚労省から出たんですが、働いている派遣の人から話を聞いて、もう当たり前ですが、三年前に決まったことを今更十・一問題といって問題視するのはおかしい、権利としてきちっとこのみなし雇用規定でやるべきだというので、今日のペーパーも、通知すべきだというのはおっしゃるとおりだと思います。
 九月一日施行はもう完璧に無理ですが、九月三十日だって冗談じゃないと。そもそも法案に問題があるという私は立場ですが、政省令を作るのだってきちっと議論しなければならない。この九月三十日施行ということを連合はどうお考えでしょうか。
#93
○参考人(安永貴夫君) 先ほども申し上げましたとおり、過去の改正のときには最低でも五か月あったと。その空けているというのは、特に派遣という働き方の、いろんな会社で働くという特徴もあって、その人たちにきちんと伝えることが本当にこの期間でできるのかということをまず考えておかなければならないというふうに思っておりますし、それから、審議の時間も僅か一か月ないというような状況でございまして、私たちも大会を前にして非常に繁忙な時期でございまして、果たしてそういう日程がきちんと全体的に調整できるのかという問題などもあるというふうに思っております。
 いずれにしましても、もし改正されるのであれば、十分な周知期間など、議論する期間などを取っていただきたい、そのように思っております。
#94
○福島みずほ君 安永参考人にお聞きをします。
 今日のお話で非常に示唆的だったのは、均等待遇というのであればマージン率を上乗せで一三〇%払うべきだという、この十八ページ目のペーパーはとてもそのとおりだと実は思いましたし、十七ページ目の、均等待遇原則違反があった場合には派遣元に対する行政処分を行うべきというのはそのとおりだと思います。この二点について、簡単にちょっと説明していただけますでしょうか。
#95
○参考人(安永貴夫君) まず、均等待遇の方ですが、ヨーロッパ、それから韓国、中国などでもとられている措置でございまして、需給調整というメリットがあるわけですから、そこはコストがその分掛かるということを負担するというのは当たり前ではないかというふうに思っております。
 それから、十七ページのところですね。厳しい対応をすべきだというふうに思っております。
#96
○福島みずほ君 時間ですので、本当にどうもありがとうございました。
#97
○委員長(丸川珠代君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#98
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君及び羽田雄一郎君が委員を辞任され、その補欠として辰巳孝太郎君及び森本真治君が選任されました。
    ─────────────
#99
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#101
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。午前中の参考人質疑に続きまして、質問させていただきます。
 大変熱い議論になりますので、済みません、上着を脱がさせていただきました。よかったら大臣も脱いでいただいて結構でございます。
 私が今日までの議論を通じて感じたことをまず申し上げたいというふうに思います。
 厚生労働省が今回の法案によって実現するのだと主張するバラ色の派遣労働の未来と、当事者である派遣元、派遣先の意識とが相当程度隔たっているという、これが率直な印象です。恐らく与党の方でも半分くらいはそのぐらいにお感じになっているんじゃないのかなと思うわけであります。
 例えば、派遣元は従来から派遣労働者の雇用主であったわけですね。今回の法案では、新たに雇用安定措置や計画的な教育訓練の義務付けを行う、派遣労働者に対する派遣元の責任を更に強化するのだというふうになっているわけです。
 ところが、名古屋の地方公聴会、まさに派遣元の代表としてお話を伺ったテンプスタッフ・ピープルの専務さん、名前は言いません、のお話を聞きますと、残念ながらそういう意識が極めて希薄なんです。一例を挙げれば、派遣労働者に対して今後どのような教育訓練を行おうとしているのかということについても、法案の施行日がもう間近、カウントダウンになっているにもかかわらず、具体的なお考えを何にも示さなかった。本当にそれでいいのかよと、与党の皆さんが物すごく心配して聞いておられたわけであります。
 これは一社だけの問題ではないんです。本日は、資料として読売新聞の記事をお配り申し上げております。ここには、労働政策審議会にオブザーバーとして参加をし、まさに本法案の陰の立て役者と言われている人材派遣会社ビッグアビリティの大原社長のインタビュー、マーカーで印を付けさせていただきました。読みます。
 派遣労働なら、勤務時間や場所などの希望を派遣会社に登録すれば、派遣会社が適した仕事を紹介し、時給引上げなどの交渉もしてくれる。パートなど他の非正規労働者は、こうした代理人のようなサービスは受けられない。
 これ、この言葉を聞いて皆さんどういうふうにお感じになるかという問題なんです。ここ大変大事なところです。日本人材派遣協会理事、業界の主導者であるこの大原さんでさえ、自分のところの社員の話ですよ、派遣労働者は、自分のところの社員の話を、時給の引上げを行う当事者は自分ですよ、大原さん自身だよ、それが、交渉をしてくれる。自覚全くない。代理人のようなサービス、これ行っているということなわけであります。介護の世界でケア付き高齢者住宅というのがあるわけでありますが、派遣元にとっては派遣労働者とは実態としてはケア付き職業紹介、職業紹介料を取るだけ、責任は取らない。これが、この派遣業界の重鎮の発言なんですよ。これが実態。
 こういう大原社長の発言も踏まえて、派遣元の現在の意識に私は問題が非常にあると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#103
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生からの御指摘をお聞きをいたしておりまして、やはり直接雇用ではない間接雇用であるがゆえの様々な問題が内在をしていると。それを、ですから、解消に向けて努力をせにゃいかぬということかなということをまず感じたところでございます。
 今回の改正案は、もう御案内のように、派遣元、派遣先、両方に新たな義務を課しているわけであって、まず今回、全てを許可制にするということが、今先生御指摘になったような意識を変える、このことのきっかけに私どもとしてはしたいと思っているわけでございまして、その中で、派遣元に対しては、雇用安定措置あるいは計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングの新たな義務付けがございます。それで、派遣で働く方の雇用の安定化、キャリアアップ等の実現に向けての派遣元の雇用主としての責任の強化を図らなければいけないのであって、今お読みをいただいた読売新聞の、時給引上げなどの交渉もしてくれるというのは、まさに自分が時給額決めるわけでありますから、むしろこれは派遣料をどう取ってくるかという話であって、勘違いを少し表現においてされているかなということは私も感じたところであります。
 改正案では、労働者派遣事業の適正な運営の確保、あるいは派遣で働く方の保護等を図るための事業主団体の責務も今回初めて規定をしたわけでございますので、こうした団体の皆様方にもしっかりと責務を負っていただくということにしたいと考えているわけであります。派遣元あるいは関係団体の方々にはこうした責任をしっかりと受け止めて事業の運営に当たっていただいて、これから一〇〇%許可制という中で質の高い派遣労働の制度を確立をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#104
○津田弥太郎君 大臣も問題だという認識を持っていたということですから、まあ、もっと強い問題意識を持ってほしいと思いますが。
 一方で、今度は派遣先です。
 地方公聴会で公述人として参加をしたトヨタ自動車の伊藤人材開発部長の話、要約しますと、これまでは派遣労働者には社内会議などに参加してもらうことが難しかったが、今回の法案によって完全に正社員と同じ仕事をしてもらうことができるようになる、これによって職場の一体感の醸成につながるので法案を成立していただきたいという話でありました。
 これ、この発言、私は非常に違和感を感じる。職場の一体感を強めたいなら派遣労働者を直接雇用すればいいんですよ。結局、正社員よりも安上がりな費用で正社員と同じ働きを期待するのが我が国のトップ企業の姿だということが分かっちゃった。情けない。
 私は、今回の法改正が行われれば、間違いなく派遣先企業というものは派遣労働者を恒常的に使い続けるであろうというふうに考えているんです。その意味で、午前中の参考人質疑でも取り上げましたが、派遣労働者の受入れに関し過半数組合等に意見聴取をするだけでは実効性のある歯止めにはならない。延長、再延長と二回続けて過半数組合が反対した場合の歯止め、これを大臣に私は前回も強く求めたところであります。
 高階政務官にお聞きしたいんですが、この点について、就業規則の変更の際の過半数組合からの意見聴取の実態、配付資料でお配りを申し上げておりますが、簡潔にお述べください。
#105
○大臣政務官(高階恵美子君) 先生から御質問いただいておりました全国の労基署におきますそれぞれの届出状況について、精査をさせていただきました。
 お手元にお配りいただいている資料に書いてある状況でございますが、意見書十九万四千八十九件について一枚一枚確認をさせていただきましたところ、過半数労働組合等の賛成を得ずに就業規則の変更届を届け出た事業所の件数、これは二千六十九件でございました。春と秋それぞれ五百八十五件、一千四百八十四件という状況でございましたものですから、割合としてはおよそ一・一%ということになるかと思います。
 そしてさらに、この事業所は、その直前の就業届の変更においてどうだったかという質問もいただいておりました。これにつきましては、五百八十五のうち二百二十三件、そして一千四百八十四件のうち五百八十件という具合で、トータル二千六十九件のうち八百三件について直前の就業規則変更届においても類似の状況であったということが確認されております。
#106
○津田弥太郎君 この調査は、記録の保存期間が五年ということで、直前の就業規則届が見付からなかったというケースが一五%弱あるという報告を私は事務局から聞いておりまして、この資料の一番下の二千六十九件のうち八百三件、三八・八%というのは、この分母の二千六十九件が数が減りますので、実際には四五%弱になるわけです。
 この調査結果で明らかになったことは何か。一つは、我が国の労使関係は全体としては良好な関係を維持しておる、労働組合等の反対を押し切って就業規則の変更を行う企業は例外的であるということはあるでしょう。しかし、二つ目は、一方で、労働組合等の反対を押し切って就業規則の変更を行うような企業の半数近くは、連続して労働組合等の反対を押し切って就業規則の変更をしているということなのであります。
 労働組合にとっては、派遣労働者の受入れについては就業規則の変更以上に反対の声を上げづらいこともあって、私が指摘した問題の重要性というのは私はますます高まっているだろうというふうに思うんです。
 これ、大臣、改めて、二度続けて過半数組合等が反対したときは派遣労働者の受入れを停止すべきではないでしょうか。いかがですか。
#107
○国務大臣(塩崎恭久君) 委員の御依頼で今、高階政務官から御説明申し上げました調査によって、過半数労働組合などの賛成を得ずに二度にわたって就業規則届を届け出た事業所の割合が一定程度存在するということが、今御説明をいただいたところでございます。
 一方で、今回の改正案では、過半数労働組合等からの意見聴取に際して、派遣先に対し反対意見があったときの対応方針等の説明を新たに課すということなど、双方向の流れをでき得る限りつくって実質的な労使の間の話合いをやっていただくということで仕組みを構築をしているわけでございます。これによって、労使でより一層慎重な検討が行われるものと期待をしているところではございますけれども、意見聴取そのものに係る調査結果を重く受け止め、再度の延長時の、その際の対応については何らかの方策が考えられないか、前回部長からも答弁を申し上げたところでございますけれども、今後しっかりと、先生の御指摘を受けて検討をしてまいりたいというふうに思うところでございます。
#108
○津田弥太郎君 しっかりお願いしたいと思います。
 次に、午前中も議論のありました派遣先の団体交渉の応諾義務の明確化についてお聞きします。
 私は、朝日放送事件の最高裁判決、あるいは派遣先の労組法上の使用者性を認定した代表的な裁判例、あるいは中央労働委員会の命令、これらについて整理を行って、派遣先事業主であっても一定の場合には団体交渉応諾義務が生じるという点を厚生労働省は指針等に明確に示すとともに、労使に広く周知徹底すべきというふうに考えるわけですが、高階政務官、そうした取組を行っていただけますでしょうか。
#109
○大臣政務官(高階恵美子君) 労使間のトラブルを防止する観点から、派遣先にも労組法上の使用者性が認められる場合があることを周知することは重要と考えてございます。
 労政審の建議におきましても、「国は、派遣先の使用者性に関する代表的な裁判例及び中労委命令について、整理を行った上で周知することが適当」とされておりますし、「また、派遣先が苦情処理を行うに際しては、派遣先の使用者性に関する代表的な裁判例や中労委命令に留意することを指針に規定することが適当」としております。
 御指摘を踏まえまして、本法案が成立いたしました暁には、これらの裁判例等について整理を行いまして、その内容についてパンフレット等で周知するとともに、派遣先が派遣労働者から寄せられた苦情の処理を行うに際しては、これらの裁判例に留意をするということを派遣先指針に規定をしてまいりたいと考えてございます。
#110
○津田弥太郎君 具体的な項目でいいますと、例えば派遣労働者に関する労働時間管理、労働時間、あるいはハラスメント防止等の職場環境保全及び安全衛生の確保、さらには福利厚生、こういうことについては専ら派遣先事業主の支配、決定下にありますから、当然、団交応諾義務の対象であると思います。また、派遣先事業主が負う安全配慮義務、これについても同様でありますし、労働契約申込みみなし制度により派遣先事業主が申込みをしたものとみなされる労働契約に係る労働条件、これについても当然に団交応諾義務の対象というふうに考えるわけであります。
 坂口部長は、間接労働である特殊性に鑑みて、どのような項目について派遣元の組合と派遣先との団体交渉が意味を持つものと考えておられるでしょうか。
#111
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 団体交渉につきましては、労働条件の維持改善を目的として行われるというものでございますので、労働条件を決定している派遣元が応諾義務を負うということが原則であろうと考えております。
 ただ、一方で、先ほど委員の方からも御引用、御紹介いただきましたけれども、派遣先につきましても、労働者の基本的な労働条件などに対して雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を有している場合などにつきましては団交応諾義務を負うとした裁判例や命令があるということでございます。
 具体的にどのような場合に団交応諾義務を負うかということにつきましては、個々の事案に即して裁判所や労働委員会において判断されるというものかと承知しておりますけれども、こうした裁判例あるいは命令の趣旨に照らせば、御指摘今ありましたような派遣労働者の労働時間管理などの派遣法上の派遣先が義務を負う基本的な労働条件などにつきましては、団交応諾義務が生じ得るものということで考えたいと思っております。
#112
○津田弥太郎君 これ、前回の派遣法の改正時のときの附則にこう書いてあるんですよ。「派遣先の責任の在り方等派遣労働者の保護を図る観点から特に必要と認められる事項について、速やかに検討を行うものとする。」というふうに附則に書かれていました、前回の改正のとき。ところが、その柱となるべき派遣先事業主の団体交渉応諾義務の議論が労政審ではほとんど行われていなかったんです。
 私は、この団交応諾義務の法制化に向けて、この義務の要件等について結論を出すべく、労組法の在り方も視野に入れた検討を早急に行うべきだというふうに考えますが、大臣の御見解を伺います。
#113
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣先の事業主に対する団体交渉応諾義務、この点につきましては、持ち株会社や投資ファンドなどの他のケースも含めて、労働契約の当事者以外の事業主全体の課題として検討すべきものではないかというふうに認識をしているところでございます。
 派遣先の使用者性に関する代表的な裁判例、先ほど来出ておりますけれども、これらにつきましては、今後リーフレット等によって周知徹底を行ってまいりますけれども、その他も含めた労働契約の当事者以外の事業主の使用者性や団体交渉応諾義務の在り方につきましては、労働組合法の在り方も視野に入れつつ裁判例等を注視して研究をしてまいりたいというふうに思います。
#114
○津田弥太郎君 このことは本当にマストな課題でございますので、そういう受け止め方で、研究というよりも、もう具体的に是非早急に取り組んでいただきたい。
 しかし、この検討には一定の時間が掛かることも事実だろうと思います。現在進行形で発生している派遣労働者のトラブル、これを解決していくためには、少なくとも派遣先におけるセクハラあるいはパワハラ、これはもう今そこにある危機であります。これは迅速に対応しなければいけないということで、こういう事項については派遣先が処理すべき苦情の内容であるということを派遣先指針に例示をして周知徹底を図ることが不可欠というふうに考えますが、高階政務官、いかがでしょう。
#115
○大臣政務官(高階恵美子君) おっしゃるとおり、今働いている派遣の労働者の方々を守る、保護するという観点、非常に重要な観点だと考えております。
 このため、労政審の建議も踏まえまして、派遣先指針におきまして、派遣先が適切かつ迅速な処置を図るべき苦情の内容として、今先生御指摘いただきましたような派遣先におけるセクハラ、パワハラ、こういった事柄を例示させていただくこと、そしてさらにこれらを周知徹底をしていくこと、努めてまいりたいと思います。
#116
○津田弥太郎君 しっかりお願いします。
 次に、労働契約申込みみなし制度についてお聞きをしたいと思います。
 私は、前回の質疑において、この制度が真に意味を持つためには、派遣先から派遣労働者への通知義務、これが不可欠ということを申し上げさせていただきました。この点、午前中の参考人質疑でも連合の安永参考人から同様の指摘が行われたところでありまして、改めて条文修正を求めたいというふうに思います。
 その上で、仮にそうした通知義務が条文に明記をされ、一定程度みなし雇用が実効性を持ったとしても、そこで認められるのは当初の労働契約の期間のみということになるわけであります。まあ数か月でしょう、一般的には。
 しかし、そもそもこの制度は派遣先へのペナルティーという観点で創設されたものでありまして、直接雇用の契約期間が満了してしまった場合、それで派遣労働者への対応が終わりということになれば、制度の趣旨は没却しかねません。派遣労働者の保護という観点でも問題が生じるだろうと思うわけであります。
 私は、このみなし制度によって派遣先が派遣労働者を直接雇用した場合においては、当初の契約期間が満了した後も当該派遣労働者が引き続き派遣先での直接雇用の継続を希望する場合には、派遣先はそうした希望に応えることが望ましい、優しい言い方ですよ、望ましい、こういう指針を書き込む必要があるというふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょう。
#117
○国務大臣(塩崎恭久君) 有期雇用の派遣で働く方につきましては、労働契約申込みみなし制度が適用された場合でも、今御指摘がございましたけれども、派遣先に有期雇用されることになるために、その契約終了後の継続が必ずしも保障されていないということは先生御指摘のとおりでございまして、その上で一般論として申し上げると、派遣で働く方の雇用の安定の観点からは、派遣で働く方の希望に応じて契約が更新されるなどの雇用の継続というのが図られることが望ましいわけでございます。
 一方で、労働契約の締結というのは契約自由の原則を尊重して行われるべきものでございますので、指針で派遣先の責務とすることはなかなか難しいわけではございますけれども、いずれにしても、望ましい結論になるように、先生御指摘のとおり様々な問題がございますので、当事者間で話し合っていただきたいというふうに考えているところでございます。
#118
○津田弥太郎君 私は、努力義務と言っているんじゃないんですよ。それよりももうちょっと弱い、望ましいということを言っているので、せめて望ましいぐらいは書いていただくように是非進めていただくことをお願いしておきたいと思います。
 もう一問、派遣先に着目した質問をします。
 本法案の目玉でもある雇用安定措置、この措置において、派遣労働者が派遣先への直接雇用を望んだとした場合、法律上の義務や努力義務はあくまでも派遣元に対して派遣先に依頼することが求められるのみであります。これはもう何回も何回も皆さん、ここはいかがかということで聞いてきた点です。
 つまり、派遣先は、派遣元から派遣労働者の直接雇用を依頼されたとしても、これに応えなければならない何らの法律上の規定も存在しない、これが現実であります。極端な話をすれば、どれだけ多くの派遣元からどれだけ多くの派遣労働者を受け入れていたとしても、一人たりとも直接雇用に結び付かない可能性がある。これでは雇用安定措置は有名無実になりかねないわけであります。
 これを解消するためには、直接雇用の依頼を受けた件数に対して派遣先が直接雇用した人数が著しく少ない場合については、直接雇用化の推進のために、少なくとも企業名の公表ぐらいは行えというのが私の考えでございますが、大臣、いかがでしょう。
#119
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣で働く方が直接雇用を希望されて、派遣元が派遣先に対して雇用安定措置として直接雇用の依頼を行った場合は、これができる限り実現することが当然これは望ましいわけであります。
 そのためには、派遣先の協力も重要であるために、今回の改正案におきまして、派遣先に対して一定の場合に派遣で働く方を雇い入れる努力義務というのを課しているわけでございますとともに、予算措置として、正社員として雇用する場合の、繰り返し申し上げてまいりましたけれども、キャリアアップ助成金、この活用などを進めることとしておりまして、これらの取組を通じて派遣で働く方の直接雇用化を推進をしてまいりたいと考えております。
 なお、直接雇用の依頼を受けた派遣先が派遣で働く方を雇用しなければならない義務はこれはないわけでございますが、派遣先の、今お話がございました、数が少ないというようなことで企業の名前を出したらどうだ、公表したらどうだというお話がございましたが、派遣先の企業名の公表まではなかなか難しいかなというふうに考えておりますが、まずはこれらの直接雇用に向けた措置を講ずることによって、これを実効あるものとするよう努力をすることで対応させていただきたいというふうに思います。
#120
○津田弥太郎君 前回か前々回、大沼みずほさん、外務省の派遣の話をされましたけれども、外務省はそういう雇っている派遣労働者を直接雇用したという事例は余りないという話でありましたから、当然外務省は公表されるわけですね。
 そういうのが本当大事なことで、やっぱりちょっと考えなきゃいかぬぞという話になることは、やっぱり影響あることだと思うんで、そのことも含めて、企業名の公表を検討しているということを言うだけでも効果があると思いますので、是非、どこかで大臣、そういうことを言っていただきたいと思います。
 これまでの質疑を通して私が感じたことを少し申し上げたいと思います。
 厚生労働省は、筋の悪い派遣元に対して許可の取消しを行うことに私は極めて消極的だなというのが、この間の審議をずっと通じて感じていることであります。このあしき派遣元に対して厚労省がどのような対応をするかということになると、今まで出た話では、許可期間の満了を迎えた後に、あくまで次回の更新を行わない、これで対応するのだということがこれまでの委員会の質疑で明らかになったわけであります。
 これは、はっきり言うと厚生労働省は弱腰。これ、そんなんじゃ駄目ですよ。厚生労働省というのは、やっぱりこういうあしき経営者に対しては厳しく対応するのが厚生労働省の仕事なんですよ。そこが大事だということを強く主張しておきたいと思うんですが、そうした対応では、極めて問題の多い派遣元も最長三年間は存在し続けるんですよ。結局、問題がいっぱい起きてから取り消すわけですから、その問題の発生を阻止できないわけですよ。
 ですから、ここに歯止めを掛けるにはどうしたらいいかということになると、初回の許可を受けた事業者というのは、やはりどうしても事業者としての適格性が不明確。書類審査とかそういうことにどうしてもなっちゃうわけでありますから、本当にまともな派遣元かどうかというのを見抜けるかどうかというと、これはなかなか難しいところがあるわけでございます。
 午前中の参考人質疑でもありましたが、安永参考人が指摘をしておりましたけれども、最初の許可についてはその期間を短縮して、事業の適格性を見定めた上で二回目以降の更新からしかるべき期間にするというような、最初はやっぱり厳しめにして、本当に大丈夫だったら後はほかと同じようにしていくというような、そんなやり方がいいのではないかと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#121
○国務大臣(塩崎恭久君) 初回の許可の問題等につきまして今御指摘をいただきましたけれども、御指摘のとおり、初回の許可を受けた事業主につきましては、許可時点で事業実績がまずないということから、適格性に課題があるのではないかとの指摘は審議会の委員からもこれまで出されてまいったところでございます。
 このため、労政審の建議におきまして、最初の許可更新の際に、「当該更新を受けようとする派遣元事業主が許可基準を満たしていることを当審議会に報告することが適当である。」というふうにされているところでございまして、厚生労働省としては、この建議を踏まえて、初回の更新の際には行政のみでチェックするのではなくて、審議会のチェックを掛けることによって審査を厳しくすることとしているわけでありますが、その上で更に改善すべき点があれば当然これは適切に対応しなければならないというふうに思いますし、先生、厚労省はもっと厳しくというお話でありましたが、今回、四分の三が届出であったものを今度は一〇〇%許可制とするからには、それだけ責任を更に、許可を受ける側としてはしっかりと見て指導していかなければならないというふうに感じているところで、先生の御指摘をしかと受けてまいりたいというふうに思います。
#122
○津田弥太郎君 私の質問はこれで終わらせていただきますけれども、本当に厚生労働省は労働者を守る立場でこういう場合はしっかり仕事をしてもらいたいと思います。
 この審議は、今週はもちろん、来週、再来週ずっと続きますので、しっかり議論を進めていただきたいと思います。
 終わります。
#123
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。
 津田委員以上に熱く質問しますので、上着なしでやらせていただきますので、大臣、もしよかったら上着を取っていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 早速質問に入らせていただきますが、先に、済みません、私の通告ではありませんが、今、津田委員が質問したところに若干関連して、一点だけ確認をさせていただきますので、答えていただければ。
 津田委員が、派遣先への直接雇用の依頼について質問をされました。派遣先にはこれ義務がないのでということでやり取りがあったわけです。七月三十日の本委員会の自民党の石井みどり先生の質問に対して、高階政務官がこれと同じ質問に対して答弁をされています。そのときに、派遣元には派遣先への直接雇用を依頼することとしておりますし、派遣先では、これを講じられた派遣先の場合は雇入れ努力義務が生じるという答弁をされておりますが、これはどの条文を言及されているのか、ちょっと教えてください。
#124
○政府参考人(坂口卓君) その点は、先ほども大臣の方から津田先生の御答弁の中で、一定の場合にという形で申し上げたかと思いますけれども、条文でいきますと、四十条の四の、同一の組織単位において継続して一年以上受け入れている派遣で働く方の後任を雇おうとする場合について、その方を雇い入れる努力義務というのを課すという条文を四十条の四のところに入れておるというところを指しているものでございます。
#125
○石橋通宏君 この三十日の答弁、今の御説明で分かりますが、三十日の答弁はちょっとミスリーディングだと思いますので、これはもう少し正確に答弁をいただきますように指摘をしておきたいと思います。
 その上で質問に入りますが、まず今日は、事業所単位の期間制限について、第四十条の二関連についてまず質問をさせていただきます。
 既にるる質疑がありまして、私どもとしては、今回の最悪の改正、改悪は、この期間制限の事実上の撤廃であると。つまり、三年たって意見聴取だけをしても全く実効性がないということを常々指摘をさせていただいておりますが、それ以上にこの四十条の二については法律上の欠陥があるのではないかということで、幾つかやり取りをさせていただきたいと思います。
 まず、この事業所単位の期間制限三年、これ、開始のタイミング、時期というのはいつ、法律上ではいつになるんでしょうか。坂口さんで結構です。
#126
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今回の改正法案で新たに設けるこの事業所単位の期間制限につきましては、始期は、施行日以降初めて労働者派遣の役務の提供を受けた時点でございます。
#127
○石橋通宏君 最初に受け入れるときに過半数労働組合からの意見聴取をしないのはなぜですか。
#128
○政府参考人(坂口卓君) 今回、この事業所単位の期間制限を設けましたのは、前回以来、趣旨についても御答弁申し上げておるとおり、常用代替防止を図るためということでございます。
 そもそも、入口の段階でございますと、専門的な知識でありますとか技術等を必要とする人材を迅速的確に確保するなどの観点から、派遣労働を臨時的、一時的に、常用代替の防止を図るということも念頭に置きながら受け入れるということでございますので、常用代替の問題がないということでございますので、受入れ開始時におきましては過半数組合からの意見聴取ということを義務付ける必要はないということで整理をしておるということでございます。
#129
○石橋通宏君 大臣、今の答弁おかしくないですか。常用代替防止ですね。しかし、今回は全ての派遣労働者について同一の期間制限が設けられるわけですね。今までは専門業種とそうでないところに分けられていた。今回はそれが撤廃されるわけです。つまり、常用代替の危険性はむしろ高まるわけで、受入れをするかどうかというときに、まず最初に過半数労働組合若しくは従業員から、じゃ、うちの企業で常用代替の心配がないから受け入れるかどうか、これ、先ほど大臣が答弁されたまさに労使の営みを大事にするんだということであれば、最初の段階でそれを求めなきゃおかしいじゃないですか。大臣、なぜ求めないんですか。
#130
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、坂口部長の方からも申し上げましたけれども、事業所単位の期間制限につきましては、引き続いて今までの業務単位の制限と同じように常用代替の防止を図るためだということでございますが、専門的な知識、技術、経験を必要とする人材を迅速的確に雇用するなどの観点から、派遣労働を臨時的、一時的に利用する限りにおいては常用代替の問題がないという認識から、受入れ開始時に過半数労働組合等への意見聴取を義務付ける必要はないということを考えているところでございます。
#131
○石橋通宏君 大臣、答弁されて、御自身で矛盾お分かりになりますね。だって、受け入れるのは専門的な限りじゃないですね。あらゆる業種について派遣を受け入れることが可能になるんですよね。
 じゃ、専門的なものだけなんですか。この法が施行されて、最初にスタートする、その時点で専門的なものに限るわけですか。今大臣そういう答弁をされましたね。専門的なものに限らないでしょう。一般の労働者も含めて、これからは三年になるわけです。だったら、常用代替と言われるのであれば、その時点でまず最初に過半数労働組合等との協議、若しくは労使の営みと言われるのなら、それを求めるのが筋じゃないですか、大臣。
 その点と、なぜそれが問題かというと、大臣、もう一つ、じゃお伺いしますが、三年たったときに過半数労働組合が受け入れてはいけないと言ったとしましょう。経営側が、余りないと思いますが、それを尊重されたとしましょう。じゃ、受け入れないという判断をしたとしましょう。そのときにはどうなりますか。その企業はそれ以降一切の派遣労働者を受け入れてはいけないということになるんだと思いますが、大臣、それでよろしいですね。簡潔に。受け入れないという、三年を延長しないという判断をしたときには、一切の派遣労働者を一定期間受け入れられないということでよろしいですね。
#132
○副大臣(山本香苗君) 事実関係なので私の方から。
 今委員の方からおっしゃいましたけれども、延長しない決定をした場合には、基本的には派遣の受入れはできません。
 ただ、現行法におきましても、いわゆるクーリング期間を経た後は、受入れ停止後の派遣先の事情の変化等の理由で新たに派遣で働く方を受け入れることを可能としておりまして、改正後におきましても現行と同様の取扱いとするということを考えております。
#133
○石橋通宏君 大臣、クーリング期間はどれぐらいを念頭に置かれていますか。
#134
○国務大臣(塩崎恭久君) 三か月を考えております。
#135
○石橋通宏君 これはたしかまだ労政審で検討するということのはずだったようですが、大臣、今三か月と明言をされてしまいましたので、労政審での審議を無視して三か月ということなのかどうか。ちょっと、若干、今大臣、そごが、問題生じると思いますが、現行は三か月ということだと思いますけど。
 現行は三か月で、今後また労政審でそれを議論されるんだと思いますが、そうすると大臣、今回の法案は、先ほど言ったように、受入れ開始のときにこれ労働組合等からの意見聴取を求めていないわけです。要件になっていないんですね。
 例えば、三年たって期間延長しないという判断をした。クーリング期間を置きます。労働組合がそのときに、いや、常用代替の面で問題があるから受け入れない方がいいと、それを尊重して経営側が判断して延長しなかった。でも、三か月たった後、今度はまた経営側の判断だけで、労働組合から意見聴取をせずに派遣の受入れが可能になっちゃうんです。そういうことでよろしいですね。とすれば、これは重大な深刻な欠陥がありませんか。
#136
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、あくまでもこの派遣労働は、もう何度も繰り返して申し上げてまいりましたけれども、臨時的、一時的な働き方ということで受け入れるというときにこの派遣というものを使うということになるわけでありまして、今副大臣から答弁申し上げたように、おおむね三か月を今考えてはおりますけれども、このクーリング期間を経た後は、もう一回、言ってみればどういう臨時的、一時的な働き方の方を派遣で受け入れるのかということが新たに考えられるんだろうというふうに思いますので、そこでまたもう一回、経営者としてそこのところは判断するというふうに理解をしております。(発言する者あり)
#137
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#138
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#139
○石橋通宏君 それでは、大臣、先ほどの質問に対して明確な答弁をお願いします。
#140
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、石橋先生の御趣旨は、私の理解するところによれば、クーリングオフ仮に三か月とした場合に、一回意見聴取で駄目だというお考えを組合側から頂戴をして、その派遣先が、じゃ、やめましょうということになった後、三か月間でまた何事もなかったようにやるのはおかしいじゃないかと、こういうふうに理解をさせていただきました。
 クーリング期間というのは、先ほども申し上げたとおりで、これから労政審で当然議論をすることでありますから、三か月を考えていると言っているのは、私たちの今考えているだけの話でありますけれども、問題は、今のように悪用されて繰り返し同じことを実質的にやるような形で、新たな一時的、臨時的な働き方だけれども、また同じようなことをやろうとするというようなことで悪用されるような、そういうことを避けることは何をすればいいのかということは、しっかりと議論を労政審でやっていただければなというふうに思いますので、先生が今お考えをいただいているような御懸念が起きないような手だてをどういうふうにしたらいいのかということについて考えてまいりたいというふうに思います。
#141
○石橋通宏君 大臣、今、最後のところとその手前のところと随分違うんですね。労政審で考えてくださいねというところと、最後のところは考えてみたいと思いますと。明らかに、これ、どうなんですか、立法趣旨として。これ、閣法ですよね。立法趣旨として、今申し上げたような脱法行為、つまり、労使関係を避けて労働組合の意見聴取もせずにこれ開始ができる。しかも、一旦中止をしても、また新たに経営判断で開始ができる。若しくは、三年たたない前に一旦派遣の受入れを止めてしまえば、三年たたないわけですから、一切の意見聴取は必要なくなっちゃうわけです。全部経営判断でできちゃうんですよ、これ。だから問題だというふうに申し上げているわけです。
 これ、何らかの対策を講じる、検討するということだけはしっかり答弁ください。
#142
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたのは、労政審でこのクーリング期間もどうするかを議論していただき、そして今御指摘をいただきましたので、そのクーリング期間で悪用して結局同じことを繰り返していくということがないようにする手だても一緒にどういうふうなことがあり得るのかを考えていただこうということを申し上げているわけであります。
#143
○石橋通宏君 大臣、これクーリングだけの問題じゃないですからね。大臣繰り返し、労使関係で、常用代替防止で、そこはしっかりと労使で話し合ってと、ずっと答弁されているじゃないですか。だったら、何で最初の受入れの段階でも労使の営みを尊重しないのか。じゃ、三年たつ前に、一年、二年で常用代替防止が損なわれるような事態が起こったときに何でそれを求めないのか。いろんなことが言えるわけですよ。だから、この法律には欠陥がある、それを防ぐちゃんと手だてをしてくださいというふうに申し上げているわけです。今、大臣、やるというふうに答弁されたと理解をしますので、これはしっかりとやってください。
 その上でもう一つ、資料の二を御覧いただきたい。ちょっと済みません、私が作った図で申し訳ありませんが、ある架空の事業所Aです。
 これ、いかに大臣、事業所単位の三年期間制限というのに問題があるのか。事実上、労働組合若しくは従業員代表もこれ拒否できないのではないかということを大臣の御意見を伺いたいと思うんですが、先ほど申し上げましたように、三年たったときに期間を延長しないという判断をしたら、その一定期間は一切の派遣労働者の受入れができなくなるわけです。これ、大臣、そのとおりですね。一切の派遣労働者の受入れができなくなっちゃうわけです。
 そうすると、例えばこの企業の場合に、通訳さん、翻訳さんが必要だ、SEのエンジニアのスペシャリストも必要だ、いろんなところで専門的な知識、専門的なスキルを持った方の助けが必要なわけです。これがまさに先ほど来、津田委員の質問にもありました、我々もこういう場合には派遣の方の非常にスキルを発揮していただけるんだと思うんです。でも、これすら受け入れられなくなっちゃうんですね、期間制限延長しなかったら。
 とすると、これを経営側から労働組合が言われたときに、労働組合が果たしてノーと言えるでしょうか。例えば、そうなってしまうと、この真ん中の営業部の部分に書いてありますが、これは本来業務で正社員が育休を取得したい、だから一時的に派遣の方の応援を頼みたい、でも延長しなかったので受入れができないわけです。とすると、本当に必要な場合にも派遣労働者の受入れができなくなっちゃうんですね。
 大臣、こんなことを想定をされているわけですか。事実上これによって、労働組合だって従業員だって、いや、これを言われたら、さすがにそれは違うよなと、ノーと言えないんじゃないでしょうか。大臣、どう思われますか。
#144
○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、この意見聴取を含んだ事業所単位の期間制限というのは、派遣の受入れを法律で一律に制限するということではなくて、現場をよく知る労使の判断に委ねようというのが元々の考え方であるわけでありまして、それを前提に組み立てているということをまず申し上げなければならないというふうに思います。
 さらに、今回の改正案では、実質的な労使間の話合いをやはりこれは今まで以上にやっていただかなければならないということで、過半数労働組合等からの意見聴取に際しては、派遣先に対して意見聴取の参考となるデータの提供とか、あるいは意見聴取の記録の周知とか、反対意見があったときの対応方針等の説明を新たに義務付けるということにしておりまして、現場の実態や様々な可能性等を勘案しながら労使間において現実的に慎重な検討が行われるということを我々は考えているわけでありまして、なお、労使間の話合いを通じて、例えば業務ごとに延長の可否を判断すること等も可能であるほか、仮に事業所として派遣可能期間の延長を行わないとの決定をした後に派遣の受入れが必要になった場合、そういうことは当然あり得るわけでありますから、先生が先ほど来御指摘になっておられますけれども。
 しかし、そういう際には、例えば有期の直接雇用によって必要な人員を確保することができる、それから、例えば育児休業取得者の代替要員としての派遣労働者など期間制限の対象外とされている派遣労働者を受け入れることも可能であるわけでありまして、これは、ですから、企業が労使の話合いの中でどういう選択肢があり得るのかということは、派遣だけではなくて様々なことを考えながら、派遣でいく場合も、今のように代替要員の場合にはもちろんあるわけでありますし、様々な組合せがあり得るし、だからこそ、先ほど申し上げたように、現場でお互い知り抜いた労使の関係で話合いをしながら労使自治の中で決めていくということが一番大事なことだということを申し上げているわけであります。
#145
○石橋通宏君 大臣がもし疑問を持たずに答弁されているとすれば、中身全く御理解しておられないのではないかなと思わざるを得ませんが、もう繰り返し言いませんが、この四十条の二、事業所単位の期間制限に今回してしまった、これが最大の問題であるというのは今のやり取りを聞いていただいても皆さんよくお分かりになったと思うんです。
 そもそも、三年たって意見聴取だけで延長できる、これはもう大問題です。しかも、派遣を受入れ開始する際に意見聴取は全く求められていないということも問題であるし、一旦ノーと言ってしまったら全ての派遣労働者の受入れができなくなっちゃう、法律上。ということは、これは労働者側も非常にノーと言うことには難しい判断を迫られるということも含めて、今回の業務単位から事業所単位に期間制限がなってしまった。これによって我々は、やっぱり常用代替が根源的に進んでしまうということを指摘せざるを得ないということを申し上げ、しっかりとした、これは先ほど大臣答弁いただきましたので、対応はいただくということだけ重ねて申し上げておきたいと思います。
 次に、個人単位の期間制限について、一点確認をさせていただきたいと思います。三十五条の三関連ですね。
 先ほどの、大臣、資料の一をもう一回御覧いただいて、上の事業所A、三年の延長を繰り返した場合です。派遣労働者Aさんの場合ですね。課を変えれば、今回、三年たっても同じ企業で雇い続けられるわけですね。派遣労働者Aさんの場合、人事課三年いて、総務課に移って三年いて、また人事課に戻って三年繰り返すという、こういうパターンがあり得るのだというふうに思いますが、この場合、Aさんのキャリアアップ、Aさんの処遇改善、これはどうなるんでしょうね。今回の法案に基づいて、Aさんは、この六年間、七年間、八年間の間にしっかりとお給料が上がって、ランクも上がって、そして将来に希望を持って働いていただける安定的な雇用になるんでしょうか。
#146
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、Aさんの場合のキャリアアップというのはどうなんだと、こういう御質問でございました。
 個人単位の今回初めて三年間の期間制限というのを導入するわけでありますが、派遣で働く方が、もうこれは何度も申し上げておりますけれども、節目節目で自分のキャリアを見詰め直すということとともに、職場が変わって様々な業務、役割を経験する、今だったら人事課から総務課行くというようなことを経験することでいろんなものを身に付けていくということでキャリアアップの契機になり得るわけで、これは一般のいわゆる正社員の皆さん方も、いろんなところを経験しながらキャリアアップをしていくというのは全く同じことだというふうに考えております。
 今回の改正案では、派遣で働く方のキャリアアップに向けた義務を新たに創設をするということ、それからキャリア形成支援制度を有することを事業の許可要件に追加をして労働者派遣事業を全て許可制にすることとしておりまして、これらのキャリアアップの仕組みが確実に処遇改善に結び付くように、これらの規定の履行を着実に図っていかなければならないと考えているわけでありまして、何よりもやっぱり大事なのは、能力を付けていただくことで評価を上げていくことが結果として処遇の改善につながると。これはもう正社員でもそうじゃなくても全く同じことが通じて言えるのではないかというふうに思います。
#147
○石橋通宏君 じゃ、大臣、今の答弁に基づいて、Aさんがこういうケースになった場合に、これ毎年毎年若しくは三年ごとにきちんと処遇改善して、給料が正社員のように、ああいうふうに賃金カーブを描いていかなかったら、派遣元の許可要件、これ取消し基準に当たるということでよろしいですね。
#148
○国務大臣(塩崎恭久君) それは処遇は、もう先生分かっておっしゃっているんだろうと思いますけれども、これは派遣元が最終的には決めるわけでありますので、そこのところがどういうふうになるかというのは、結果として今申し上げたようなことが起こる蓋然性が高くなるように条件整備をするという意味で義務を今回はたくさん増やして、許可制にもしていくということでございます。
#149
○石橋通宏君 今の大臣の答弁で、いかにこれまで安倍総理なり塩崎大臣が言われていた、今回の法案は派遣の労働者の方々のための法案で、これによって正社員化が進んで、キャリアアップが進んで、処遇改善が進んで。全部うそじゃないですか、大臣。
 今のような答弁で、結局は派遣元がそれは判断する話ですねという判断にしてしまったら、これAさんの場合はずっとこれで、生涯ずっと派遣の繰り返された、でも、一切、結局派遣元は処遇改善に結び付けなくても法律上オーケーということを今答弁で認められたことになるじゃないですか。これじゃ全く意味ないでしょう。
 大臣、だから、もうそういうことであれば、今回の法案、やっぱり全く意味のない、派遣元事業者が派遣労働者を食い物にするための法案だというふうに言わざるを得ないと思いますので、今の答弁は本当に問題のある答弁だということを指摘しておきたいと思いますが。まあ、これが正体ですね、今回の派遣法案の。
 前回に続いて、雇用安定化措置、第三十条の絡みについて質問したいと思います。
 ちょっと時間がなくなってきたので幾つか飛ばしながらやりたいと思いますが、前回ちょっと理事会で協議、整理をしていただいて、資料の三と資料の四をお付けしております。とりわけ資料の四は、前回の整理事項に基づいて、今回の雇用安定化措置がいつ発動されていつ消滅するのかということについて皆さんにも分かりやすくお示しをしておりますので。
 これ、坂口部長で結構です。これ、Aさん、Bさん、Cさん、義務の発動、努力規定の発動、これはこういうことでよろしいですね。
#150
○政府参考人(坂口卓君) 今拝見しますが、派遣労働者Aさんにつきましては、派遣契約も三年、労働契約も三年ということでございますので、その時点で三年の見込みが見込まれるということで、当初の段階で義務の発動が見込まれるということでございます。
 それから、一旦これは……
#151
○石橋通宏君 いいんですね。
#152
○政府参考人(坂口卓君) そうです、はい。
 それから……
#153
○石橋通宏君 いや、もういいです。
#154
○政府参考人(坂口卓君) よろしいですか。
 それから、Bさんにつきましても、これは一年から三年未満ということでございますけれども、これは労働契約一年ということでございますので、これは労働契約の方の一年で見込みが見込まれるということですので、その都度努力義務が発動されるということでございます。
 それから、Cさんにつきましては、これは理事会のところにも提出させていただいた六か月更新のパターンかと思いますけれども、これも最初の六か月の段階ではまだ一年が見込まれませんけれども、一回目の更新の時点で一年が見込まれるということで、その時点で努力義務が発動するということで、このとおりかと承知します。
#155
○石橋通宏君 Aさん、Bさん、Cさん、このとおりだということですので、これは徹底的に周知をしていただかなければいけないと思いますが、あとDさんの場合も、これ前回の質疑で確認をさせていただきましたので、ほとんどの派遣の方々というのはDさんのパターンだと思うんですね。
 今日午前中の参考人質疑でもございました。派遣の期間が、労働契約期間がどんどんどんどん短縮されていると。細切れになっているわけですよね。なので、細切れの派遣でそれを繰り返していると。だから、最初、一年たつまではこれ発動されませんけれども、一年以上になった段階で努力規定は発動される。それ以降は、どれだけ短期間、一年未満であっても努力規定は発動されますので、その都度ごとに発動される。坂口部長、これはこのとおりでよろしいですか。それだけ答えてください。
#156
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御説明あったとおり、Dさんはいわゆる派遣元に通算一年ということでございますので、今委員が御指摘になったとおり、この二か月、一か月をずっと足していくとこの三か月の時点で通算一年となるということですので、このとおりということでございます。
#157
○石橋通宏君 そのとおりだけ言ってくださいね、坂口部長。
 それで、今日確認をさせていただきたいのは、ちょっと前回積み残したんですけれども、例えばBさんとEさんの場合、三十条の第二項が適用になっています、義務規定ですね。これ、義務規定を果たすまで効力は継続するというのが、前回大臣、答弁いただきました。絶対に義務を果たすまで逃さないと。ただ問題は、これ労働契約が切れても、その義務が果たされなかったと。いや、労働契約が終わっても義務を果たすまではこれ継続させるというのが前回の答弁だったと思いますが、これ問題は、労働契約が切れてしまうと派遣労働者は収入の糧がなくなるわけですね。収入がなくなっちゃう、でも義務は残っちゃう、でも収入はない、待っていられない、いつ一体義務が果たされるのか。この場合にどうなるのかということですが、この場合は、大臣、三十条の第一項の第四号が適用されるので、雇用の継続、つまり有給で雇用の継続は進められた上で、一、二、三のどれかが果たされるまで義務が継続すると、そういう整理でよろしいですね、大臣。
#158
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#159
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#160
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもがいただいていたその事前通告の質問とちょっと必ずしも合っていないかも分からないので今確認をしておりましたが、今の御質問は、確認させていただくと、このBさんのケースで、既に義務が発生をしていたけれども次の働き口、働き方が決まる前に労働契約が切れた、その場合にどうなるんだという御質問という理解でよろしいでしょうか。
 そうだとすれば、この義務は既に発生をしていますので、労働契約を結び直して、いわゆる教育訓練とかそういう期間を、次の雇用が決まるまでの雇用契約を結んだ上で、例えば新たな派遣先の提供義務を果たす、あるいは派遣元での無期雇用を果たすといったことをやっていただくということになろうかと思います。
#161
○石橋通宏君 つまり、私の質問がそのとおりだということで肯定をいただければよかったんだと思いますが、それは大臣、今答弁いただいたので、是非そういうふうにしてくださいね。義務一旦発生したら、それはもう義務を果たすまで絶対に逃がしませんよと、派遣元は。だから、その前に雇用契約が終わっても、雇用契約を継続して、ちゃんと有給で、給料を払いながら、教育訓練などを施しながら、次の一、二、三いずれかをちゃんと対応するまでこの義務は逃しませんよという、そういう趣旨だということを今確認をいただいたんだと思います。
 これ、今のは義務規定の場合ですが、当然、努力規定の場合も同じことになるわけです。これはあくまで努力ですが、しかし、法的な効果という意味では、努力をしていただくという意味では同じだと思いますので、それはこういう扱いだということは、これは是非確認をしていただきたいと思います。
 その上でもう一つ、今度はEさん、Fさんのケースを確認していただきたいと思いますが。
 これ、前回、私の質問のときにもう繰り返し大臣に大丈夫ですかと聞いて、大臣は、要はこの安定化措置の義務にしても努力にしても、派遣契約で見るんです、雇用契約ではなくてあくまで派遣契約で見るんですというふうにおっしゃった。例えば、途中で派遣契約が切れた場合、派遣契約で見ると言ってしまうと、派遣契約が切れた時点で安定化措置の義務が消滅してしまうということになってしまうんですね。雇用契約は残っているにもかかわらず、派遣契約の終了をもって三十条の安定化措置が切れると言ってしまったら、その時点で法律上、三十条の義務は逃れられちゃうんです。本当にそれでいいんでしょうか。それは問題ありじゃないですか。
 やっぱり雇用契約の存続期間中は三十条の安定化措置の義務を果たすべきだというふうに大臣すべきだと思いますが、これ、どうなんでしょう。そうすべきだと大臣は思いませんか。(発言する者あり)
#162
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#163
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#164
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、派遣契約、これ継続就業期間で三年見込みとか、そういうことで図っているということで今お話があって、一年未満の場合の打切りを派遣契約においてなされた場合の話をいただいたと思います。
 この通算雇用期間が一年未満であったとしても、派遣契約終了後に労働契約が継続をしている場合は、派遣元には雇用主としての責任がございますので、派遣元がこの責任をしっかりと果たすことが重要だというふうに考えております。したがって、労働契約上の雇用主としての責務に加えて新たな努力義務を課すことは必要とは考えておらないところでございます。
#165
○石橋通宏君 ちょっと大臣、よく分かりませんが、これは派遣契約が、これ今例として挙げているのは途中で打ち切られた場合です。しかし、途中で打ち切られなくても、中には派遣契約よりも労働契約の方が長いケースの方もおられるんですね。そういう場合に、派遣契約の終了をもって三十条の安定化措置は終わりですと言うということは、一応雇用は継続しているんだからというふうになるかもしれませんが、じゃ、その後は、三十条の法的な効果としての雇用安定化措置の義務は課さないということになってしまうと、派遣元は好きにやりたい放題、別にやらなくてもいいし、やってもいいということになってしまいます。
 だから、もし今回の法律、三十条が目玉だと、これが大事なんだというのであれば、派遣元に対して派遣契約の終了ないしは労働契約の終了、より長い方の、最後までちゃんと義務を課すんだというふうにすべきだというふうに私は申し上げているので、大臣、そのことをもう一回整理して検討していただけないでしょうか。
#166
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#167
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#168
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、私どもから提案をしている制度のままではなかなか難しいような感じがいたしますが、今複雑なケースなので、少し整理をして、先生の方にまた御相談を申し上げて、どうするかを考えてみたいというふうに思います。
#169
○石橋通宏君 それでは、相談をいただけると。
 委員長、これはちょっと整理をして、理事会で検討をいただきたいと思います。
#170
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#171
○石橋通宏君 もう一つ、このEさん、Fさんの関係で、今派遣の、これいわゆる派遣切りのケースですね。今回は、例えば無期の派遣契約を持っておられる方については、その派遣契約の終了をもって労働契約の終了をしてはいけないということを、これは許可義務に、許可の方に書き込むとかいうことを検討されています。
 じゃ、有期の場合どうなんですか。有期は、じゃ途中の派遣切りはオーケーなんですか。今回こういうケースで、三年の派遣契約がそもそもありました、しかし、それが二年なり一年なり途中で切られてしまいましたと。この場合は、特に何の措置もされないんですか、今回の法案で。今回の法案の中でやっぱりこれは許さないと、こういうことを繰り返す派遣元事業者は、派遣先については、駄目だということを、何らかの指導をされるんでしょうか。
#172
○政府参考人(坂口卓君) 今おっしゃられた派遣契約を途中で打ち切るようなケースというのは、これはリーマン・ショックの際にもいろいろ問題になりましたので、これは前回の平成二十四年の法改正のときに、派遣法の二十九条の二という条文で、そういったケースにつきましては、派遣先の都合による派遣契約の解除の場合につきましては、二十九条の二で派遣先に対して、派遣労働者に新たな就業機会を確保する、あるいは派遣元での休業手当の支払に必要な費用を負担するというようなことの義務を設定していただいておりますので、そういった対応について、派遣先、元についての指導をしっかりしていくということになると思います。
#173
○石橋通宏君 指導をしっかりするということですが、具体的にどういう措置をされるのか。それが法律事項でないとすると、先ほどの省令なりなんなりできちんと書き込んでいただいて、それを許可要件、許可条件若しくは更新の際の条件にする、そういったきちんとした対応をしていただかないと、これは有期の場合でも当然派遣切りということが起こるわけです。雇用安定が第一だと言われるのであれば、この有期の方の派遣切りに対してもきちんと実効性ある対応をしていただくということだと思いますので、これもきちんと対応をお願いしておきたいと思います。
 その上で、もう何点か、資料の三に戻っていただいて、先ほど言いましたように、今回の三十条で誰がどういう対象になるのかと、実はとても複雑なんですね。労働者の方が、じゃ私は今どういう状態にあって、どの雇用安定化措置の対象になるのかと、非常に分かりにくいと思うんです。これどうやって、労働者の方がきちんと分かる、派遣元も派遣労働者との間できちんとそれが、今どの三十条の対象になってというのが分かるようになるんでしょうか。これ労働契約にきちんと、じゃ、この労働契約の期間中はこの安定化措置が対象ですよということを書き込むということがベストだと思いますが、それでよろしいですね。
#174
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣で働く側のサイドとしては、なかなかどのようなステータスに自分があるのかということがよく分からぬということを今お話をいただいたわけでありますが、この雇用安定措置につきましては、制度の周知をしっかりと派遣で働く方に対してしなければならないというのは先生今御指摘のとおりで、大変複雑な組合せが派遣契約と労働契約によって、その長さによって大分バリエーションがあるということでございますので、そのとおりでありますので、そういう周知はやらなければならないと考えております。
 仮に法案が成立した場合には、厚生労働省としてのリーフレットあるいはホームページなどで周知を図りますが、今の雇用安定措置に関する事項を労働契約の中に明記をさせることを義務付けるということは、事実上、労働者の権利として創設をすることと変わらないということになりますので、労使でここはしっかりと議論していただいて検討をすべきではないかというふうに思っております。
 また、今回の改正に当たっては、派遣会社に対して雇用安定措置の対象となる方に派遣期間の終了後も引き続き就業することを希望するか否かを確認するよう省令で規定をすることを予定をしております。そのタイミングで措置対象者であることがしっかりと伝わるというふうに考えているところでございます。
#175
○石橋通宏君 大臣、答弁ちょっと矛盾していますね。労働者の権利としてと言われた。権利としてであれば、だからちゃんとした権利は保護されるように書き込まなきゃ駄目なんですよ。労使の議論でといって、労使が議論して合意したことを文書に残すんです。それは当たり前ですよね。だから、その文書の残し方は、それは労働契約に書き込んで、ちゃんとそれが合意をされた、今私はどういうステータスにあるのか、派遣元についても、この派遣労働者についてはこの雇用安定化義務が課されているということをきちんと双方で確認をする、それを労働契約に書き込むということが、今大臣が言われた、労働者の権利をしっかり守って労使の議論をしっかり尊重するということが証明されるじゃないですか。
 だから、大臣、これはやっぱりやっていかなきゃいけないと思いますが、大臣、もう一度これやってください。
#176
○国務大臣(塩崎恭久君) 雇用安定措置につきましては、派遣労働者が派遣会社に履行を求めることができるとする民事的効力を規定する定めではございませんので、先ほど申し上げた、労働者の権利というのはそういうふうになるんだということを申し上げましたが、そこは今度は使用者側がどういうふうに位置付けるかということがあるので、そこはしっかりと労使の間で御議論を賜れれば有り難いということを申し上げているわけであります。
#177
○石橋通宏君 なので、大臣、結局矛盾しているわけですよ。一方で労働者の権利だ、労働者の保護だと外面良く言われるけれども、法律上は実効性が何の担保もされていないじゃないですか。結局は派遣元の判断だ、経営判断だと言われるのと同じだったら、全く意味がないじゃないですか。だから、言っていることと法案の中身が違う、とんでもない法案だということを我々は申し上げているし、今大臣もいみじくもそれを証明されてしまったというふうに思います。
 例えば、この雇用安定措置、どの安定措置を優先したいんだと、これは労働者からきちんと意見を聴取するというのは、これは義務付けるわけですね。
#178
○国務大臣(塩崎恭久君) どの措置を希望するかということを派遣で働く方から聞くべきじゃないかと、こういうことでございますが、雇用安定措置の趣旨は、個人単位の期間制限が派遣で働く方の雇用の機会に悪影響を与えないようにしようというものでございますが、雇用安定措置を円滑に講ずるためには、今先生から御指摘もありましたが、派遣で働く方の希望を参考にすることが望ましいわけでありまして、一般に派遣元は、派遣就業の希望を聴取する際にどの措置を望むかという意向を併せて聴取することになると考えております。
 行政といたしましては、雇用安定措置が円滑に講じられるように、派遣で働く方の希望を聴取することが望ましいことについて、これも周知をしていかなければならないというふうに考えております。
#179
○石橋通宏君 ここは大事なところです。労働者の希望をちゃんと聞いた上で、つまり、まさに派遣元とそれから派遣労働者、当事者の方でしっかりと話し合っていただく。これは、今回キャリアアップ措置も義務付けているわけです。そういういろんな対話を通じて、いかなる雇用安定化措置を派遣労働者の方が望まれるのか、その希望をきちんと尊重させるということを派遣元にちゃんと指導するという答弁だったと思いますので、これは是非それしっかりやっていただきたいと思います。
 さて、最後、三十条の関係で、大臣、この雇用安定化措置、大臣は、本当に効果がある、実効性があると、いや実効性があるものに絶対にするんだという決意でおられるか、端的にお答えください。
#180
○国務大臣(塩崎恭久君) 石橋先生、これ今回、雇用安定措置は、現行法で派遣元は派遣期間終了後の雇用継続を図る義務、責務がなかったがゆえに様々な混乱もあって御苦労される方もたくさんおられた、そういう意味において、今回これを義務にするということにおいて、派遣で働く方の雇用継続を図るということについては前進をさせていくということの中心的な手だての一つだということを私たちは考えているところでございますので、これはしっかりと実効性あるものにしていかなければならないというふうに思っております。
#181
○石橋通宏君 随分トーンが弱いような気がしますけれども。
 大臣、よく御理解をされていると思いますので確認しますが、もしこの雇用安定化措置が本当に実効性があるもの、大臣が言われているような、僕らはそう思わないけれども、大臣はこれ実効性あると、そして実効性あるものにするんだという決意でおられると思います。
 これ、もし本当にこの雇用安定化措置が実効性があって、雇用の継続、安定が図られると、当然、労働契約法十八条との関係が出てくるんです。これ、必ず五年に達する契約、反復更新があれば、その時点で労契法十八条の適用になります。つまり、この雇用安定化措置が効果が本当にあって雇用継続が図られれば、イコール労働契約法十八条の適用対象の派遣労働者の方が今後多く出てきていただけると、我々は歓迎したいと思います。
 大臣、そういう理解でおられるということでよろしいですね。つまり、今後は労契法十八条対象の派遣労働者がどんどんどんどん出てきていただく。で、労働者の側の判断で無期転換権を行使していただければ、どんどんどんどん多くの派遣労働者が、大臣が言われる、より安定的な無期の契約になっていただける。だから、それは絶対に派遣元に対して十八条逃れは許さない決意だということでよろしいですね。
#182
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、労働契約法第十八条の点についてお触れをいただいたわけでありますが、短期間の反復更新を繰り返すことで五年、十年と同じ派遣先で働き続けてきた有期の雇用の派遣で働く方々については、労働契約法十八条に基づいて、通算五年を超えた段階で希望に応じて当該労働契約終了後に派遣元で無期労働契約に転換できるということになるわけでございます。
 こうした派遣で働く方につきましては、無期転換のルールが適用される前に意図的に雇い止めを行うようなケースとか、あるいはクーリングを行うケースは、これは法の趣旨から望ましくないというふうに、この労働契約法第十八条の法の精神に反するということでありますので、この点はしっかりと法の趣旨を周知をし、悪質な派遣会社に対しては指導していくことで無期転換を図れればなというふうに私どもも期待をしているところでございます。
#183
○石橋通宏君 これは重要な答弁だと思います、大臣。十八条逃れは絶対に許さないんだということで、そういう脱法的な行為をする、これ大臣、二重に脱法行為ですからね。そもそもの労契法十八条の趣旨からも脱法しますね。そもそも労契法の十八条は今大臣言われたとおりです。かつ、今回の法案の三十条の雇用安定化措置にも脱法行為になるわけで、つまり、間を空けないと、これ逃れられなくなっちゃうわけですから。派遣法の場合は三か月以上ですけれども、労契法の場合は三年以上になったら六か月以上ですから、つまり、より長い期間クーリングオフを置かないと労契法十八条逃れというのはできないわけで、つまり、労契法十八条逃れ若しくは派遣法三十条逃れ、これをやるということは二重の意味で脱法行為ですから、今大臣、絶対にそんなことは許さないんだ、派遣元にという決意をいただきましたので、これは是非そういう趣旨で実効性ある対応を図っていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 それでは、残りの時間が十分になりましたので、順番をちょっと入れ替えまして、台帳について、あと事業報告についてを先にやらせていただきたいと思います。
 今、幾つか重要な確認もいただきましたけれども、この間も本委員会での議論で、資料の六を御覧ください。
 じゃ、今回の法案で、繰り返します、我々はほとんど効果がないと思っておりますが、政府は非常に効果があると言われている様々な義務、これは教育の義務だったり雇用安定化措置だったり、派遣先には情報提供義務だったり、様々な義務を課したと。では、果たして本当に派遣元なり派遣先がその義務を果たしたのか、実効性ある誠実な対応をしたのか、これをきちんと個々の労働者ごとに記録をしていただいて、誰でも客観的に事後証明ができる、チェックができる、監査ができるという体制を取っておかなければいけないわけです。
 その上で、資料六に、第三十七条、派遣元の管理台帳、四十二条、派遣先の管理台帳、それから第二十三条に基づく事業報告。これ、厚生労働省にも確認をして、今回の法案で何を具体的に盛り込むのかということについて列挙しております。まだ足らないものがあったら追加をしていただければと思いますけれども。
 ここに、大臣、例えば派遣元であれば、雇用安定化措置、これは既にこれまでの答弁で入れるという答弁をいただいたと思いますが、改めて確認ですが、キャリアアップも含めて、つまり個々の労働者が、先ほどのケースで、三年たってもう一回更新されました、また三年たって更新されました、じゃ、賃金、キャリアアップがどうなったのか、そういうことをきちんと台帳に残して、本当にこの法案の効果があったのか証明をいただかなければいけないと思いますが、それを派遣台帳にしっかりと書き込ませるという理解でよろしいですね。
#184
○副大臣(山本香苗君) 資料で示していただきましたけれども、改正法案で新たに義務付けられます措置のうち特に重要なものにつきましては、例えば今挙げていただきましたけれども、キャリアアップ措置につきましては派遣元管理台帳及び事業報告にしっかり記載をしていただくと。雇用安定措置につきましても、事業報告の記載事項とすることでしっかりとした履行を確保してまいりたいと考えております。
#185
○石橋通宏君 雇用安定化措置、それからキャリアアップ等々をきちんと含めるという答弁だったというふうに思います。
 それ以外にも、派遣元、別に今回改正でなく今の現行法と変わらないものもありますが、大臣、今回の法案が本当に派遣労働者のためだ、保護の強化なんだというふうに言われるのであれば、例えば今、雇用安定化措置だけではなくて、三十条の三、均衡待遇、均衡考慮の配慮、三十条の四、福祉の増進、三十一条の二の第二項、待遇に関する事項の説明義務、こういう派遣労働者の待遇に関わるものもきちんと台帳に書き込ませるべきではないでしょうか。これ検討していただけないですか。
#186
○副大臣(山本香苗君) 記載すべきだということなんですが、まず、その他いろいろ今挙げていただきました措置につきましては、事業所に対する立入検査の際に実施状況等を把握する等の方法によりまして履行を確保してまいりたいと思っております。
 御趣旨はよく認識させていただきましたので、よく検討させていただきたいと思います。
#187
○石橋通宏君 チェック入るためには、何か記録がなければチェックできないわけです。口頭だけで、やりましたか、やりましたという話じゃないんですね。だから、台帳に個々の労働者ごとにきちんと本当に何をやったのかということを書き込ませるということが大事だというふうに思います。今、やる、検討すると言っていただきましたので、そこは是非台帳に書き込むということで検討いただきたいと思いますが。
 一方で、派遣先、これは派遣先ははっきりしないわけです。これ、余り教育訓練云々しか出ていませんが、これは四十条の第二項の教育訓練のことだと思いますけれども、それ以外にも、第三項、福利厚生施設、第四項、適切な就業環境、診療所、第五項、賃金水準、募集情報の提供、第六項、情報提供義務、こういったことが配慮ですけれども、もし意味があると言われるのであれば、派遣先にも何をやったかというのを管理台帳に書かせるべきだと思いますが、こういったことは今回全然出てきておりませんけれども、これは大臣、派遣先にもきちんと派遣先責任を果たさせるために台帳に個々の労働者ごとに書き込ませる、それ、よろしいですか。
#188
○副大臣(山本香苗君) 済みません、今派遣先の方のお話もありましたけれども、これも含めて一緒にどういう形でできるか、よく検討させていただきたいと考えております。
#189
○石橋通宏君 大臣、一言。必要性は共有いただけますね。何かきちんとした台帳なりで記録を残しておかなかったら、後日チェックできないですね。だから、その必要性は大臣も確認いただけますね。
#190
○国務大臣(塩崎恭久君) 様々な今回新たな義務を課しているわけでありますから、それがちゃんと実効性のあるものとなるためには、今先生がおっしゃったようなことを含めて、何が一番ふさわしいのかということを実効性を持たすために考えてまいりたいというふうに思います。
#191
○石橋通宏君 大臣も必要性は共有をいただいたんだと思いますので、必ず実効性ある対応を、これは管理台帳に記載するということでやっていただきたいと思います。
 その上で、大臣、私、改めて法案を見直して、一つ、この三十七条、四十二条の関係で最大の問題だなと思うことが分かったんですが、これ、保存義務が三年なんですね、台帳の保存義務が三年なんです。これ、今回、現行法も三年なんです。改正法案でも二項は変わっていないんです、変更されていないんです。これ、大臣、とんでもない法律上の問題じゃないですか。
 今回、繰り返しますが、教育訓練、雇用安定化措置、キャリアアップ、派遣労働者のため、そう言っておられて、しかし、台帳の保存義務は三年のままです。これは、派遣の今回上限を、今までは原則一年で最長三年でやっていた、だから三年というのは理解できなくもないんです。今回は、三年にして、しかも更新可能にして、それで三年だけですか。これ、三年して廃棄してもいいということになっちゃったら、それまでの記録なくなっちゃうじゃないですか。どうやって個々の派遣労働者の方の教育訓練、スキルアップ、待遇の改善、これを確認できるんですか。とんでもない問題だと思いませんか。
#192
○副大臣(山本香苗君) 今、台帳の保存期間につきまして三年という話でございますけれども、派遣就業の期間のみならず、派遣就業が終わった後でも派遣就業中の状況を確認するようにするということは大事なことでございますので、賃金台帳等の他の労働関係法令上の保存期間との均衡も考えて三年としているわけでありますが、労働者派遣の終了の日から三年としておりますので、しっかりとした就業中の状況を確認できるようにしてまいりたいと考えております。
#193
○石橋通宏君 今、最後言われたのは、派遣契約の終了から三年というふうに答弁されましたか。それ、条文に書いてあるんですね。
#194
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#195
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#196
○副大臣(山本香苗君) 失礼いたしました。
 施行規則の第三十二条のところに、労働者派遣の終了の日とするという形で、期間の計算についての起算点を置かせていただいております。
#197
○石橋通宏君 労働契約が存続する限りは、つまり、繰り返し更新されるという場合には、ずっと派遣台帳、これは続けなきゃいけないということですね。それでよろしいんですね。
#198
○副大臣(山本香苗君) 済みません、派遣契約と雇用契約がありますが、派遣契約が終わったという段階からということです。
#199
○石橋通宏君 ごめんなさい、ちょっと整理してください。
 これ、派遣元管理台帳と派遣先管理台帳、今二つのことを言っていますね。両方あるんですよ。今のお話はどっちの話ですか。
#200
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#201
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#202
○副大臣(山本香苗君) 派遣元管理台帳におきましても派遣先管理台帳におきましても同様に、労働者派遣の終了の日という形から三年ということになっております。
 先ほど、派遣で繰り返していっていた場合、その間はどうなるのかと。その間もきちんと保存、その間も含めてという形になります。
#203
○石橋通宏君 派遣先の場合は何となく分からないでもないですが、派遣元の場合は、これは派遣契約の終了をもって三年ということにして本当にいいんでしょうか。雇用契約は継続する、でも派遣契約は一旦終了する、でもその三年の保存義務は派遣のあれで見るわけですか。ちょっと、何となく腑に落ちません。
 これも、ちょっと、できればもう一度整理をして、それぞれについてきちんと出していただきたいと思いますが、委員長、お取り計らいよろしくお願いします。
#204
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#205
○石橋通宏君 残念ながら、もうこれで時間がまた来てしまいましたので、これで終わりにしたいと思いますが、まだまだ、今日、本当は、需給調整官、先ほど来、一〇〇%の許可制の問題は本当に大丈夫なのかという問題や、前回議論になりました産休、育休の取得と派遣契約、労働契約との関係についてもちょっと掘り下げて議論したかったのですが、まだずっと続くようでありますので、まだ何度か立たせていただけると思いますので、次に残すことにして、以上で終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#206
○川田龍平君 これ、冒頭、派遣法と関係がないんですけれども、どうしてもちょっと今言っておかなければいけないことがありますので、質問をさせていただきます。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
 先般の医療制度改革法案の審議において、私が、患者申出療養の制度設計に当たっては難病やがん患者団体の声を聞くように、当委員会を始め、本会議でも予算委員会でも塩崎大臣と総理に繰り返し主張してまいりました。そのたびごとに、法案が成立したらしっかりと患者団体の声を聞きますとの答弁をいただいてきましたが、ところが、今月末にも行われると聞いている中医協の場で、患者団体のヒアリングが行われずに意見書を配付するのみとの情報がありました。大臣、事実でしょうか。
#207
○国務大臣(塩崎恭久君) 日にちは私も正確には記憶しておりませんけれども、今月開催をする際に意見書をお配りをするということは事実でございますが、この患者申出療養については、御案内のように、二十八年の四月の施行に向けて、詳細な制度設計に関する議論を中医協で進めていただいております。
 これまでも関係者の御意見を伺いながら検討を進めてきたところでありまして、九月をめどに制度の詳細について取りまとめができればということで予定をしているわけでございまして、中医協における患者団体のヒアリングという御提案を先生から繰り返し頂戴をしておりますけれども、患者団体からの御意見につきましては、一つは、法案審議中には意見交換会を実施をし、法案成立後も要望書をいただき、意見交換会も実施をするなど様々な形で伺ってきておりまして、これまでお聞きした患者団体からの御意見について、その内容を中医協に提出をして議論するということにしているわけでございます。
 しかし、引き続いて、患者申出療養の施行に向けてどのように患者団体の皆様方から御意見を伺っていくか、検討を深めてまいりたいというふうに思っております。
#208
○川田龍平君 いや、これまでのということではなくて、これ成立後に意見をしっかり聞くと。特に、意見書の配付も、これ患者団体の側から厚労省にお願いしたそうですけれども、そんなことで患者の声を聞いたことになるのでしょうか。
 がん患者の全国組織というのも新たにできています。中医協の場でやっぱりしっかりと患者の声に耳を傾ける機会を持つように、大臣、これ指示していただけないでしょうか。
#209
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、この患者申出療養というのは初めて行う制度でありますから、特にそれを必要とされている、利用しようというふうに考えていらっしゃる方がどのような形でお使いになりたいのかとか、そういうことを聞くのは大変大事なことだと私も思いますので、今申し上げたように、今後、患者団体からどのような意見を伺っていくのかということを検討すると申し上げましたが、そこはしっかりとお聞きをするパイプをつくってまいりたいというふうに思います。
#210
○川田龍平君 これは、中医協で是非そういう場をつくっていただくということで、指示していただくということでよろしいでしょうか。
#211
○国務大臣(塩崎恭久君) そういう方向で何ができるのか、事務方に検討させたいと思います。
#212
○川田龍平君 それでは、法案の質問に入ります。
 まず、前回に引き続き、個人単位の期間制限について伺います。
 平成二十四年の労働者派遣事業実態に関するアンケート調査によれば、二十六業務以外で五・三%の派遣労働者が無期雇用だったとの説明を事前に受けました。この専門二十六業務以外で無期雇用とはどのような属性の派遣労働者なのでしょうか。現行法では派遣契約期間が最長三年に限られているにもかかわらず、無期雇用されている派遣労働者が存在していることになりますが、その実態とはどのようなものでしょうか。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
#213
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありましたとおり、いわゆる二十六業務以外の業務に従事する派遣労働者のうち、派遣元に無期雇用されている割合は五・三%ということでございます。
 どのようなということでございますけれども、いわゆるこの二十六業務以外の業務のうち、こうした無期雇用派遣労働者の割合が多いという業務といたしましては、病院事務等の医療関連業務が一番多うございまして一四・二%、あと、物の製造の関係が六・六%、それからあとイベント、キャンペーンの関連業務でありましたり、倉庫、搬送関連業務というようなものが割合が多いという業務として挙げられます。
 それから、どのような実態か、派遣契約期間は最長三年だけれどもという御趣旨でございますけれども、おっしゃるとおり、いわゆる二十六業務以外の業務につきましては、派遣契約期間は最長三年ということに限られているわけでございますけれども、これは御承知のとおり、派遣労働者が派遣元と無期の雇用契約を結んだ上で派遣先を変えていくということは可能でございますので、そういった形でこういった結果が出ているということで受け止めております。
#214
○川田龍平君 実は、実態が把握されていないのではないかというふうに思っていたんですが、前回、八月十一日の私の質問に対して塩崎大臣が、三年以上の派遣契約というのは、業種にもよりますけれども、例えば一番多い事務用機器操作などでは三六%ぐらい、あとは三年以下、半分ぐらいが一年以下ということにもなっていると答弁されました。これは、更新等を含めた契約期間を通算した派遣期間と理解してよいでしょうか。また、派遣労働者全体の通算派遣契約期間の実態について、三年超と一年以下、それぞれの割合をお示ししていただきたいと思います。
#215
○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘いただきました大臣の答弁で御紹介いただいたものでございますけれども、この内容につきましては、今委員の方から御指摘されましたとおり、派遣先の事業所における更新等も含む各派遣契約の通算期間ということでお答えをさせていただいたものでございます。
 それから、派遣労働者全体の三年超と一年以下の割合という御指示でございますけれども、派遣労働者全体の派遣先における派遣契約の通算期間につきましては、三年を超える者が二三・二%、それから一年以下の者が四五・二%ということになっております。
#216
○川田龍平君 それでは、このような通算派遣期間が三年を超える派遣労働者と一年以下などの短い派遣労働者について、それぞれの派遣労働者がどの程度の割合で派遣就業の継続を希望しているのか、又は正社員になることを希望しているかについて、調査結果がありますでしょうか。
#217
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 派遣で働いてきた通算期間別の今後の働き方の希望につきましては、平成二十四年に厚労省で実施しました派遣労働者実態調査がございまして、そちらによれば、派遣労働者として働きたいと回答された方の割合と、派遣社員でなく正社員として働きたいと回答された割合ということが取れるということでございます。
 ちょっと細かくなりますけれども、幾つか統計的な刻みがありますので、その刻みで重立ったところを申し上げますと、まず、六か月未満では派遣労働者希望の方が三九・一%で、正社員希望が四二・七%、それから、六か月以上一年未満では派遣労働者希望が四二・六%で、正社員希望が四四・七%ということで、議員御指摘の一年以下などの短い派遣労働者ということでいけば、今の二つの区分でいくと正社員希望の方の割合が高いということになっております。
 それから、もう一つ議員の方から、三年を超えるということでございましたので、そこら辺を申し上げますと、三年以上五年未満でございますと、派遣労働者を希望されている方が三七・五%、正社員希望が四四・〇%ということで、この刻みではまだ正社員希望の方が高いということになっておりますが、さらに五年以上から十年未満の方につきましては派遣労働者の希望が四六・五%、正社員希望が四三・八%、それから十年以上では派遣労働者希望が四七・九%で、正社員希望が四〇・八%ということで、五年以上になりますと派遣労働者希望の方が高くなるという結果になっております。
#218
○川田龍平君 この結果を聞きますと、やっぱり派遣期間が五年を超えるような労働者によって、ようやく本人も派遣就業が安定的に継続することを望んでいるケースがあるということだということですけれども、そうなると、派遣労働への固定化を防ぐために導入するはずの個人単位の期間制限は、実質的に安定して働いている二割ちょっとの一部の派遣労働者に対して、三年の期間制限を設けて強制的に今の派遣先での就業継続をできないこととして、一方で、八割近くの通算派遣期間が三年に満たない大多数の派遣労働者に対しては、派遣期間を三年へ延長させるという効果があり、結果的に派遣労働への固定化をむしろ助長する内容となっているのではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#219
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の改正で個人単位の期間制限を設けることによって、実質的に安定して働いていらっしゃる一部の方々、これは無期雇用で約六%、通算派遣期間で三年超の方、これが一七・二%。これについて、現在無期で働く方約六%については、今回の期間制限の見直しの対象外でまずあるということ、また、現在三年超の有期で働く方々、一七・二%ですが、これについては今回の改正によって新設した雇用安定措置の義務の対象となるというふうに考えられますことから、就業の継続が困難となるとの御指摘は必ずしも当たらないというふうに思います。
 また、今回の期間制限の見直しによって、現在の通算派遣期間が一年以下の方、これが四五・二%おられますが、は同一の職場で最長三年まで働くことが可能となるわけでありますけれども、そもそも現行制度は、業務単位、つまり係を変えれば働き続けることができる仕組みとなっており、また、キャリアアップの仕組みもないというものでございます。
 一方で、今回の改正において、派遣就労への固定化防止の観点から、新たにキャリアアップ措置を盛り込むこととしておりまして、派遣労働への固定化を助長するとの御指摘は当たらないのではないかというふうに考えているところでございます。
#220
○川田龍平君 私は、改正案はここの点でも矛盾があると思います。結局、派遣労働者の働き方が多種多様である中で、今回の改正案提出に当たっての実態の調査や把握というのが不十分であり、圧倒的に不足していると考えます。
 そのため、専門性が高い派遣労働者や安定した派遣就業を継続して望んでいる方のニーズから懸け離れた改正内容となってしまっているのではないかと考えますが、大臣の見解を伺います。
#221
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、今回の改正の意味合いについてお話がございましたけれども、改正に当たりましては、改正に先立つ検討会で、派遣で働く方や派遣元、派遣先からヒアリングを行ったほか、公労使の労政審で議論をしていただきました。それから、派遣労働者や派遣元、派遣先の実態を把握するための調査などによって、派遣で働く方や派遣元、派遣先のニーズの把握に努めてまいったところでございます。
 これらによって、派遣で働く方のうち、正社員として働くことを希望される方と臨時的、一時的な働き方として派遣を積極的にあえて選んでいらっしゃる方が大体同程度いるということを私ども繰り返し申し上げてまいりましたが、これらを踏まえた対応策が求められているというふうに認識をしているわけであります。
 このため、今回の改正案では、正社員で働くことを希望する方については当然正社員への道が開けるように、派遣を選ばれる方については雇用の安定と保護、そして処遇の改善ということを図るようにしてまいるということでございます。
#222
○川田龍平君 時間の関係もありますので次回に回しますが、専門二十六業務の中でも、添乗員やツアコン、それからテレビ番組の制作業務について厚労省は全く調査していませんし、実態も把握しておりません。このままこの法案を通すということなどは到底許されることではないと改めて申し上げて、次に雇用安定措置について伺います。
 例えば、地方の小さな人材派遣会社などでは、派遣先を多く抱えているわけでもなく、自社の派遣労働者数や社員数も決して多いわけではないというところもあろうかと思います。そのような派遣元では、雇用安定措置を講じようとしても、結果として、新たな派遣先の提供や派遣元での無期雇用を行うことが難しい場合もあるのではないかと思います。
 雇用安定措置の義務というのは、派遣労働者の雇用が継続されるという結果につながらなければ義務違反となるのでしょうか。それとも、自社の体力を踏まえて真摯に一定の行動をすれば免責されるというものなのでしょうか。
#223
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありましたけれども、今回の改正法案、この雇用安定措置につきましては、個人単位の期間制限の上限に達するという派遣労働者の方がまさに雇用が不安定な状況にならないようにということで、雇用安定措置として、派遣先への直接雇用の依頼あるいは新たな派遣先の提供などのいずれかの措置を講ずるということを求めるということでございます。まさにこれは、先ほども大臣の方からも答弁ありましたように、派遣労働者の雇用の継続を図るという意味で、今回やはり派遣労働者の保護のためには非常に重要だということで私どもとしては考えております。
 ということでございますので、確かに派遣会社、派遣元の方にはいろいろな御負担はあろうかと思いますけれども、派遣労働者の雇用の継続を図るということの重要性に鑑みますと、やはり原則として、この措置の実施により就業の継続がされなければ義務を果たしたことにはならないということで私どもとしては考えておるというところでございます。
 また、今ほど申し上げましたように、こういった新たに設けた趣旨というのが、不安定な有期雇用の派遣労働者についての雇用の継続をしっかり図っていただく、それで派遣元事業主については雇用主であるということで雇用責任を果たしていただくということでございますので、基本的には自社の体力ということで、免責ということについても私どもとしてはなかなか難しい、予定していないということでございます。
#224
○川田龍平君 それでは、この雇用安定措置に派遣労働者の年齢の上限はあるのでしょうか。
#225
○政府参考人(坂口卓君) 今も申し上げましたとおり、この雇用安定措置につきましては、先ほども話に出ておりました個人単位の期間制限の上限の三年に達する見込みのある派遣で働く方についての引き続き継続就業の場合について雇用の継続、雇用の安定を図るということで、今回新たに派遣会社、派遣元の方に義務付けるというものでございます。
 ということで、そもそも個人単位の期間制限ということに立ち返ってみますと、今回の改正法案でも、個人単位の期間制限につきましては、無期雇用で働く方以外にも六十歳以上の方については個人単位の期間制限の対象外としておるということでございますので、今回の改正案で個人単位の期間制限が掛からない六十歳以上の方につきましては雇用安定措置の義務の対象とはしないということでございます。
#226
○川田龍平君 この改正案のどこを読んでも六十歳以上は雇用安定措置が不要とはっきりとは書いていないと思うんですが、法案のどこをどう読めばそう理解できるんでしょうか。
#227
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、今回、雇用安定措置は三十条の一項、二項に規定をするわけでございますけれども、そちらの方でこの雇用安定措置の対象となる方を定めるということになっておりまして、いわゆる特定有期雇用派遣労働者というものを定義付けるということになっておりますが、その中で、これについて具体的な内容について厚生労働省令に定めるものという形にしております。そこのところで、先ほど石橋先生等の御質問に出ていたような形の、同一の組織単位で継続して一年以上の期間、当該労働者派遣に、労働に従事する見込みがあるものということでの省令で定めるものということになっておりまして、そこの中で六十歳以上の方については対象外とするということを今後省令で定めてまいりたいということで考えておるところでございます。
#228
○川田龍平君 とすると、現実的な義務とするためにも省令などで明示するということでよろしいですね。今、省令で六十歳以上は対象ではないということを明記するということですね。
#229
○政府参考人(坂口卓君) 御指摘のとおり、省令で明らかにさせていただきたいと思っております。
#230
○川田龍平君 先ほどから質問に出ておりました派遣元の管理台帳についても伺います。
 派遣法第三十七条において派遣元管理台帳の作成を義務付けている趣旨は何でしょうか。また、この主な記載事項について簡潔に御説明ください。
#231
○政府参考人(坂口卓君) 派遣法の三十七条で作成が義務付けられています派遣元管理台帳でございますけれども、これにつきましては、派遣事業の適正な就業の確保ということのために、派遣会社、派遣元事業主が派遣労働者の就業の状況を把握できるようにしておくということが一点、それから、私ども行政においてそういった状況について随時把握できるようにしておくことが必要ということで、この派遣元管理台帳の作成を義務付けているというものでございます。
 主な記載事項につきましてですが、一部挙げさせていただきますと、派遣労働者の氏名、派遣先の名称、所在地、あるいは労働者派遣の期間、就業日、従事する業務の種類などということになっております。
#232
○川田龍平君 今回の改正案では、教育訓練を行った日時及び内容というのを派遣元の管理台帳の記載事項として追加することとしていますが、雇用安定措置として講じた内容については派遣元管理台帳の記載事項としていません。
 私は、この雇用安定措置の仕組みがしっかりと機能することが改正案の要となっているように思うんですが、この点、先ほど石橋委員からもありましたし、それから八月十一日の当委員会でも津田理事の方から、雇用安定措置に関し個々の派遣労働者ごとに講じた日時、内容及び結果について派遣元管理台帳に記載すべきという提案をされました。これに対して大臣は、履行の確保に有益であると考えており、検討してまいりたいと答弁をしましたが、派遣元による雇用安定措置の実施状況を行政がしっかり確認をして適切な指導などを行っていく、その履行を確保するためにも、雇用安定措置として講じた内容について派遣元管理台帳にこれを記載させるべきであると考えますが、先日の大臣の答弁は、これは行うという意味で捉えてよいのでしょうか。
#233
○国務大臣(塩崎恭久君) 雇用安定措置の義務の履行というのがしっかりと行われることが大変重要だというふうに我々は考えておりまして、その問題意識は先生とも共有をしているというふうに思っております。
 雇用安定措置の実施状況を派遣元の管理台帳に記載をするということについては、手続規定の整備による派遣元の意識向上、そして都道府県労働局によります実効性のある指導の実施などの観点から履行の確保に有益であると考えておりまして、対応についてはしっかりと検討してまいりたいと思いますし、先ほど来お話がございましたように、やはりこれが実効性のあるものとして活用されるように、中身については更に検討をしていきたいというふうに思います。
#234
○川田龍平君 是非これ、大臣、お約束いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。検討ではなく、是非やると言っていただきたいと思いますが。
#235
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、実効性のあるようにしていくための手だてを考えて実行をする、それは当然やるために考えるわけであります。
#236
○川田龍平君 やるということでよろしいでしょうか。
 では、その次に行きます。その次は、じゃ、均等・均衡待遇についても伺います。
 非正規雇用の問題点は、非正規であるということに起因して正規よりも賃金が低いなど低待遇であること、雇用が不安定な立場に置かれて解雇や雇い止めを受けやすいことであると考えています。この低待遇の問題でいえば、パートや契約社員については、パートタイム労働法、また労働契約法によってそれぞれの均等・均衡待遇確保の法律上の措置がなされていますが、派遣労働者については、均衡待遇の配慮義務、三十条の二があるのみで、非正規雇用の中でも一段下の状況にあるわけです。
 今回の改正案においても、派遣労働者への説明義務という手続規定を追加するのみです。期間制限の在り方など派遣労働者の働き方について抜本的な変更を加えようとするのに対して、この派遣労働者の待遇確保のための改正内容はバランスを欠くと言わざるを得ません。同一労働同一賃金の原則の導入を目指すこととセットでなければ、低待遇で雇用が不安定な派遣労働者を生むという批判を免れないと考えます。
 そこで、大臣にお尋ねしますが、厚労省としては、雇用の流動性を高めることは望ましいと考えているのでしょうか。
#237
○国務大臣(塩崎恭久君) 政府といたしましては、働く方の自発的な意思に基づく労働移動というものを支持、支援していこうということでございまして、それを、例えば成熟産業から成長産業へと円滑に人材が移動し、大事なことは失業なき労働移動ということが実現することが基本だというふうに考えておりますし、御本人が希望しないような失業とか転職を余儀なくされることのないように配慮をしながら、労働移動を円滑化するために何が必要かということを考え、それに取り組んでまいりたいというふうに考えますし、これまでそのようにやってきたところでございます。
 さらに、働く方々が自ら希望する働き方とかあるいは転職を実現することもこれまた重要であって、引き続きハローワークにおけるマッチング機能の強化も図っていかなければならないというふうに思っております。
#238
○川田龍平君 これは、つまり厚労省としては流動性を高めようとしているのではなくて、雇用の流動化が進む社会にあって、いかに労働者の保護をするかということに一生懸命取り組んでいるということでよろしいでしょうか。
#239
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども申し上げたように、成熟産業から成長産業へというのは、言ってみれば付加価値がより高いところに行く、つまり、陳腐化して対外競争力もなくなって高いお給料は出せないというようなところから出せるところに産業が変わり、そこに人も動くということを、自らの意思で選んで移動できるということをバックアップしていこうということを申し上げているところでございます。
#240
○川田龍平君 次に、厚労省として、同一労働同一賃金の原則を我が国が導入するに当たって障壁があると考えているのであれば、具体的にお示し願いたいと思います。
#241
○政府参考人(坂口卓君) 同一労働同一賃金の考え方については重要な考え方であるということで私ども考えているということで、一昨日の議員立法の御議論のときにも、いろいろ委員会の中でも御議論があったと承知しております。
 我が国におきましては、川田委員も従前御指摘されているように、いわゆる新卒の一括採用というような形での新規学卒者を職務や勤務地を限定せずに採用すると。その後、定年制の下に、比較的長期の勤続を前提にいろいろな職務を経験する、あるいは配置転換、出向というようなことも行いながら人材育成を行うというようなこと。あるいは、いわゆる職能給でございますね、能力や経験年数などの様々な要素を考慮して処遇を決定するというようなことが我が国の実態ということかと承知しております。
 ですから、そういったことから考えますと、同一労働同一賃金の観点から、いわゆる職務を明確にした形での賃金を決定するというような職務給の導入ということになりますと、今申し上げたような我が国の雇用慣行との関係でいくと、柔軟な配置転換を行っていくことでありましたり、あるいは長期勤続を前提にした人材育成ということでありましたり、あるいは中高年期に多くの支出が必要となるというような労働者の生活実態に合わせた賃金の体系というようなことについていろいろな課題があるのではないかということで、そういった面での障壁ということがあろうかと思いますので、私どもとすると、労使でよく十分議論を行っていただくということが必要かと考えております。
#242
○川田龍平君 通告もしておりますし、まだまだ質問はありますので、まだまだこれからも委員会は続くということですので、引き続き、質疑は次回に回すとして、是非しっかり議論してまいりたいと思いますので、またよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#243
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 今日は、常用代替防止原則と直接雇用原則について、どうしても私、腑に落ちないことがありますので、確認をしていきたいと思うんですね。
 まず、常用代替防止の位置付けやその意味するところを改めて問いたいと思います。
 政府は、常用代替の防止原則は本改定案でも変わらないということを繰り返し答弁しております。確認しますけれども、常用代替の防止原則とは何を示すんですか。
#244
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣先と労働者の間に雇用関係がない派遣労働につきましては、派遣先において正社員から派遣労働者への置き換えを防ぐことが課題とされてまいりました。今回の労働者派遣法改正案におきましても、このような常用代替防止という考え方を維持することとしているわけでございます。
 具体的には、同じ事業所における継続的な派遣労働者の受入れについては三年という期間制限を課し、三年を超えて派遣労働者を受け入れようとする場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付け、さらに、過半数組合等が反対意見を表明をされた場合には派遣先と対応方針等を説明する義務を課すことで常用代替防止を図るための手続の実効性を担保することとしているところでございます。
#245
○辰巳孝太郎君 派遣先の正社員との置き換えを防ぐということが常用代替防止の原則だということだったと思うんですね。
 日本の派遣事業の歴史は業務規制から始まっております。つまり、制定当時は派遣労働の対象が専門業務に限定をされておりましたから、そもそも派遣先、その業務を担う人材がいないわけですから、常用代替というのは、これはなかなか起こらないということであります。
 ところが、このポジティブリストからいわゆる原則自由化、ネガティブリストになりますと、専門業務だけではなくて一般業務に派遣が可能になったと。だから、ここで臨時的、一時的な需給調整ということで期間制限を設けた、原則一年ということで常用代替が起こらないようにしたという、こういう歴史があるわけですね。
 私、確認したいと思うんですけれども、このことから、専門業務にしろ、また期間制限、臨時的、一時的、そして直接雇用の申入れ義務にせよ、常用代替の防止原則というのは、つまり、今いる常用雇用者を派遣労働者で置き換えることを防止するという意味だけではなくて、臨時的、一時的業務ではないもの、つまり恒常的業務には派遣労働者ではなくて直接雇用で担うべきだという、こういう概念でよろしいですね。
#246
○国務大臣(塩崎恭久君) 常用代替防止の原則は、あくまでも派遣先の、今先生からもお話ありましたが、いわゆる正社員、常用労働者と派遣労働者の代替を生じないようにするという原則であって、派遣先にある恒常的な業務について派遣労働ではなく直接雇用が担うべきということまでを意味するものではないというふうに思います。
 例えば、従来パートタイム労働者が担っていた業務や専門性が高い業務につきましては、派遣で働く方が担うこととなった場合、その業務が恒常的なものであっても常用代替が生じていると評価されるものではないなど、常用代替が生じているかという判断は個々の業務の態様に応じて判断をされるべきものと考えているところでございます。
#247
○辰巳孝太郎君 それでは確認しますけれども、派遣先で直接雇用されている非正規雇用は、有期雇用ですね、こういう方々は、派遣労働者に代替されてもこれは認めるということでしょうか。
#248
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、常用代替には当たらないということで私どもとしては考えております。
#249
○辰巳孝太郎君 これは大問題ですよ。これは大問題です。
 まず、直接雇用の原則に私は反すると思いますね。直接雇用から間接雇用への代替は容認するということですね。これ、大臣、どうですか。
#250
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども大臣の方から述べさせていただきましたとおり、常用代替防止の原則というのは、あくまで派遣先の常用労働者、いわゆる正社員と派遣労働者の代替を生じないということで、私ども、制定以来、そういった原則を基にこの派遣労働法の中身ということについて運用をしてきたということでございますので、先ほど申し上げたとおりということでございます。
#251
○辰巳孝太郎君 私、冒頭に腑に落ちないと言ったのはこのことなんですよ。
 実は、政府は、本法案に関しては正社員との代替ということを非常に強調されるんですね。しかし、九九年とか二〇〇三年とか、これまでの審議の議事録を見直しますと、正社員との代替ということは言っていないんですよ。常用雇用との代替ということを言っているんですよ。
 今、はっきり答弁されたように、派遣先で働いている有期雇用の方々、これ直接雇用ですね、こういう方々が派遣労働者に置き換わることは、これは常用代替の防止原則の範疇には当たらないと、こういう話を認めたわけですね。
 私、これは大問題だと思いますね。これ、もちろん直接雇用であっても有期雇用者の方というのは不安定な雇用の場合はありますよ。だけど、その場合でも、例えば改正労働契約法によって、先ほどありましたとおり、五年を超える繰り返しの契約が更新されたときは、これ、労働者が申し込むことによって無期の労働契約、直接雇用に転換することによって雇用の安定を図るという、こういう措置を講じることになったわけですよ。つまり、直接雇用原則の中で安定した雇用の措置の流れをつくってきたんですよ。これが労働行政なんですよ。
 今の政府の答弁でいいますと、例えば派遣労働者が現行法で三年働いたと、申込義務規定がこれ掛かってきますね。非正規ではあるけれども派遣先に直接雇用されたと、しかし、また一旦戻されて、間接雇用である派遣労働者として働くことは問題ないということですね。これどうですか。大臣。
#252
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#253
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#254
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、パートなどの、私が答弁いたしましたけれども、従来パート労働者が担っていた業務や専門性が高い業務について派遣で働く方が担うこととなった場合の話を今申し上げましたけれども、私どもが言っている常用代替防止というのは、基本的にはこれは常用雇用の代替ということを言ってきているわけでありまして、いわゆる正社員と派遣労働者の代替を生じないようにということで、派遣労働についてはこういうことだということを期間制限で導入をしてきたわけでございます。
 それは、どういう雇用を選ぶかというのは、当然これは派遣先が選ばれることでありまして、派遣法の中でいわゆる常用雇用の代替はいけないけれどもパートはいいとかいうような話を申し上げているわけでは決してないわけでございます。
#255
○辰巳孝太郎君 それでは、聞きますね。
 厚労省は、雇用は直接雇用が原則ということを私は認めないのかということを改めて確認したいと思うんですね。
 まず、労働者供給事業は禁止されており、派遣は例外的に認めているにすぎません。なぜ間接雇用が禁止をされているのか、述べていただけますか。
#256
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働契約上の雇用主、いわゆる派遣元と、業務の指揮命令を行う者、これ派遣先でありますが、この二つが異なって、いわゆる間接雇用というのにつきましては、これも何度か申し上げてきているように、中間搾取とか強制労働が行われやすい形態である、あるいは雇用主責任が不明確になって雇用の安定やキャリア形成が図られにくい、あるいは受入先において正社員からの代替が生じやすいといった様々な問題があると言われているわけでありまして、このため、職業安定法において間接雇用でございます労働者供給を事業として行うことを原則禁止をするとともに、その例外として労働者派遣につきましては、労働者派遣法において幾つかの条件を課し、つまり許可を受け又は届出を行った場合のみ労働者派遣事業を認める、あるいは派遣元と派遣先の責任を明確化して、派遣労働者の雇用の安定を図る。さらには、派遣先におきまして、正社員から派遣労働者への置き換え、いわゆる常用代替の防止を図るなどの仕組みを設けることでこうした問題への対応策を講じて、その適切な運営を図ってきたところでございます。
#257
○辰巳孝太郎君 間接雇用がなぜ禁止されているのかということだけを端的に述べていただきたかったんですけれども、つまりそれらが、中間搾取、強制労働が行われやすい、雇用主責任が不明確、これらが間接雇用の問題点なんですよ。これ、戦前は人貸し業と言われて、だから厳格に禁止をしたんですね。だから、あくまで直接雇用というのが大原則なんですよ。極めて例外的な働き方として派遣を認めようと、これが労働行政の基本にならないと駄目なんですよ。
 当然、労働政策上、直接雇用の原則というのを確認していいですね、大臣。
#258
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、労働法制という法律を取り上げる場合には、いわゆる直接雇用が原則と明文化した規定は存在をしているわけではないわけであります。
 直接雇用をしかし希望される方には、そのような働き方を実現していくことが基本であるということも同時に考えているわけであって、今お話がございましたが、申し上げたように、直接雇用という形が基本であるということは変わらないというふうに思っております。
#259
○辰巳孝太郎君 大臣、もう一度。直接雇用は原則ですね。
#260
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、法律で定められて直接雇用が原則だというのは存在をしておりませんけれども、考え方としては、直接雇用が原則であるという考え方を私たちも持っているということであります。
#261
○辰巳孝太郎君 だったら大問題じゃないですか。
 派遣先で直接雇用されている、有期である、非正規である。そういう方々は、派遣社員に置き換わってもいいということでしょう、おっしゃっているのは。だけれども、一方で、直接雇用は原則だというんですよ。これで何で常用代替の防止原則は機能するというんですか。おかしいでしょう。矛盾しているんじゃないですか。
#262
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#263
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#264
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先ほど直接雇用は原則だということを申し上げました。そして、基本だということを申し上げました。もう一つは、常用代替防止のために、例外的に間接雇用である派遣法を法律でもって導入をしてきたということも申し上げました。
 先ほど来先生が御指摘になっていらっしゃるのは、常用代替、つまり常用雇用されている方を代替することが防止をされなければならないということで、派遣法において期間制限をこれまで業務単位でやってきて、今回は事業所単位にするわけでありますが、これをやるのは常用代替ということで、これは常用雇用を代替することを防ぐということでやってきているわけであって、その際に、直接雇用のパートをなぜ代替していいのかということを端的に言えば先生御指摘になっているんだろうというふうに思います。
 これは、派遣法と、いわゆる直接雇用のパートとを代替していいとか悪いとかいうそういう話ではなくて、例外の派遣の労働者を派遣先で働くことが、常用雇用のいわゆる正社員を代替しないということをしっかりとやっていくということを守りながらやるということを言っているわけであって、その直接雇用のパートを代替することはおかしいじゃないかというのは、これは原則はもちろん、ですから直接雇用だということはそのとおりでありますけれども、特にそれは法律では定められていないということも同時に申し上げたところであって、そこのところは、例外の間接雇用の派遣を送り込むということについては、法律で定めた例外的な扱いとして送り込むということになっているんだと思います。
#265
○辰巳孝太郎君 いや、全く答弁になっていないと思います。
 大臣は、原則は直接雇用ということを認めながら、例外的働き方である間接雇用への移動はいいと言っているんですよ。おかしいじゃないですか。何の答弁にもなっていません。(発言する者あり)
#266
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#267
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#268
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生も今申し上げたように、直接雇用は原則だということを言っているわけで、法律で定められた禁止行為ではないわけ、ここで例外的に派遣が認められているように、ということでありますので、そこのところは問題はないのではないかというふうに考えているところでございます。
#269
○辰巳孝太郎君 労働政策上、直接雇用が大原則ということは大臣も認められるわけですよ。
 ところが、原則ということは認められるわけでしょう、派遣就業というのは例外的だと認めるわけですよ。これは、派遣労働法、中心的な問題なんですね、常用代替の防止ということでいえば。
 直接雇用と間接雇用がどちらがいいのかといえば、間接雇用には様々な問題がある。中間搾取、強制労働起こりやすい、雇用主責任が不明確だという様々な問題があるからこそ、労働契約法第六条では、労働者は使用者の指揮命令で労働し、使用者はその対価として賃金を払うということであったり、労働基準法の第六条、ここには中間搾取の排除が定められておって、職業安定法四十四条では、これは労働者供給事業を禁止するということになっているわけですよ。直接雇用が大原則だということになっているわけですよ。
 ところが、常用代替の防止が大事だ、大事だ、大事だといいながら、常用代替してはいけないというのはあくまで正社員だけであって、それはパートだって不安定な人はいますよ、だけれども、間接雇用の様々な問題を考えたら、これは直接雇用で雇われる方がまだいいじゃないかと。それが先ほどの労働契約法、五年の短期の繰り返しだったら、これは直接雇用されようじゃないかと。
 そして、今法案だってそうですよ。今法案でも、雇用安定措置として、派遣元は、これ四つの雇用安定措置とるんでしょう、その一番最初に何があるんですか。派遣先への直接雇用の依頼があるんでしょう。直接雇用の方がいいということが大前提になっているんですよ。ところが、そうじゃない、常用代替はそこ入らないというわけですから、そうだったら、これ労働行政の大転換だと言わなければいけないと思いますけど、大臣、どうですか。
#270
○政府参考人(坂口卓君) 特に何も大転換ということではなくて、先ほど来申し上げていますように、常用代替防止の原則というのは派遣法制定以来ずっと一貫して私どもとしてはそれが大事だということでやっていると。
 それで、今回についても、常用代替防止の原則ということを守りつつ、派遣先での臨時的、一時的な働き方ということも念頭に置きながら、派遣先労働者の正社員との置き換えがないようにということで、事業所単位の期間制限を設けるということでございますので、私どもとしては政策の大転換を行っているというほどではないということでございます。
#271
○辰巳孝太郎君 それでは、坂口部長に聞きますね。
 先ほど、大臣の方も直接雇用が原則ということを述べましたけれども、同じ考えでよろしいですね。
#272
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、労働法令上、何が原則ということを定めておるわけではありませんけれども、私どもとして、政策的に直接的な雇用ということが基本であるということで考えております。
 ただ、先ほども大臣も、パートとの関係、御答弁させていただいたように、いわゆる従前議論になっている正社員との関係の対比でいう非正規と申しますか、その中には、パートであったり契約社員であったり派遣といういろんな働き方があって、それぞれパートであってもいろいろな問題があるということで雇用管理の改善等も行っておるということでありますので、優劣ということではなくて、直接か間接かということであれば直接ということが基本ということではありますけれどもということで申し上げているということでございます。
#273
○辰巳孝太郎君 端的に、直接雇用が原則ですね、労働政策上の。端的にお答えください。
#274
○政府参考人(坂口卓君) 端的には、先ほど大臣も申し上げたとおり、政策的には直接雇用を基本原則ということで考えておるということでございます。
#275
○辰巳孝太郎君 だったら大問題ですよ、やっぱり、今回の常用代替の防止でいえば。直接雇用が原則だと認めましたけれども、お二人とも。だけど、常用代替防止、防止だといいながら、派遣法の根幹のこの部分では認めるということですよ、非正規雇用の有期雇用に関しては。大問題だと思いますよ。根幹に関わることだと私は思います。
 これについては、政府、それでいいんですね、統一見解で。直接雇用が原則だということでいいんですね。もうはっきり答弁されましたから、そういうことだと思います。
 こういう派遣法はもう審議もする必要も私はないと思いますけれども、即刻廃案を求めたいと思いますけれども、まだまだ問題がありますから、追及をしたいと思います。
 この常用代替の防止原則ですけれども、単に今いる常用雇用者との代替だけを問題にしているわけではありません。二〇〇二年、大脇雅子委員の質問主意書の回答の中で、政府は、この専門二十六業務に対する期間制限の位置付けについて、「派遣先における常用雇用の機会が不当に狭められることを防止する観点から、」ということで述べておりますけれども、この考えは今も継承されている、二十六業務以外でも継承されているということでよろしいですね。
#276
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども述べましたとおり、常用代替防止の原則は、派遣先の常用雇用労働者、いわゆる正社員と派遣労働者の代替を生じないようにするという原則であるわけであります。
 これは、必ずしも現に今派遣先で働く常用労働者の雇用機会の保護のみを意味するものではなくて、派遣先の常用雇用労働者の雇用の機会が不当に狭められることを防ぐことも意味するものであって、したがって、事業所において仕事内容の変動などがないにもかかわらず派遣労働者の受入れが増加をし、それに伴って派遣先の常用労働者の数が減少するような場合につきましては、常用代替ともなり得るわけであります。
 今回の改正案におきましては、事業所単位の期間制限を設け、事業所における派遣労働の受入れが常用代替かどうかについて過半数組合等からの意見聴取という労使の実質的な協議のプロセスの中で判断をするということにしておりまして、現場をよく知る労使によって適切な判断がなされていくものと考えているところでございます。
#277
○辰巳孝太郎君 大事な答弁だと思うんですね。
 つまり、常用雇用者が派遣社員によって、例えば正社員が辞めさせられて、そこに派遣社員が入っていくということを常用代替ということを言うのだけではなくて、これから新たにされるであろう常用雇用が派遣労働者によって雇用を阻害されることを防止するということもこの常用代替の防止には入っているということであります。三年を超えて労働者派遣が行われた場合は将来の常用雇用を減らすことになる、だから業務単位での期間制限を現行法では課すんだと、こういうことですね。
 ところが、今改定案では、同一業務での期間制限はなくしてしまうわけですね。個人制限と事業所単位の規制といいますけれども、恒常的業務に派遣労働者を充てることが可能になったわけであります。
 大臣、常用雇用の機会は狭まることは明らかじゃないですか。
#278
○国務大臣(塩崎恭久君) 常用代替防止の原則については今繰り返し申し上げてまいりましたけれども、必ずしも現に今派遣先で働く常用雇用労働者の雇用機会の保護のみを意味するものではないと。先ほど申し上げたように、派遣先の常用労働者の雇用機会、これを不当に狭めてはならないということも入っているということは申し上げたとおりでありまして、今回の改正案においては、事業所単位の期間制限を設けて、事業所における派遣労働の受入れが常用代替かどうかということにつきましては、過半数組合等からの意見聴取という労使の実質的な協議のプロセスの中で判断をする、労使自治という中で判断をすることにしておって、現場をよく知る労使の話合いによって適切な判断がなされるものというふうに考えているわけであります。
 さらに、今回の改正では、今の労使の話合いをより実効あるものにならしめるために、過半数労働組合等からの意見聴取に際しては、これまでにはなかった、事業所内の派遣労働者数の推移等の資料の提供、あるいは意見聴取の記録の周知、反対意見があったときの対応方針等の説明など、新たな義務付けを加えておりまして、労使間でより実質的な話合いが行われる仕組みをつくることによって、これまで以上の現場の実態を踏まえた適切な判断が行われるものと考えているところでございます。
#279
○辰巳孝太郎君 納得できませんね。
 常用的な仕事で派遣を使うことが可能になったわけですから、大臣おっしゃるとおり、常用代替の原則、これは、今いる正社員を置き換えるだけじゃなくて、これから雇われるであろう常用雇用者の機会を不当に奪うと、これも含まれるということであれば、これ常用機会の幅は狭まることは明らかじゃないですか。今では臨時的、一時的だからということで、これ三年たったら受けることはできなくなるんですよ。これ歯止めが掛かっているわけですよ。ところが、今回の法改正では全くそれが掛からないと。
 先ほど組合の話がありましたけれども、そうしたら、組合の意見聴取がなければ、これは常用雇用の機会は狭められることになるということでよろしいですか。
#280
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど別の委員のときに議論になっておりましたし、あるいは今大臣からも今回の事業所単位の期間制限でのプロセスとして過半数組合からの意見聴取ということで申し上げましたとおり、当初の期間制限の三年ということを更に延長するという中ではこの組合からの意見聴取ということが重要な手続、プロセスということで、その点を踏まえなければ常用代替ということに、常用代替ということを防止するために期間制限を設け、それで、その延長をする際には意見聴取という手続を踏むということでございますので、その点については重要なプロセスということでございます。
#281
○辰巳孝太郎君 大臣、常用代替が起こっていたとしても、組合等が認めれば免罪するということですね。
#282
○政府参考人(坂口卓君) それは、今回の期間制限について、その三年の期間制限を更に延長するという際に、どういった常用代替が起こっているかどうかということを事業所の現場の労使でしっかり判断をしていただこうということでございますので、その現場の労使のお話合いの中でそういった判断が適正になされるということかと考えています。
#283
○辰巳孝太郎君 いや、これ私、本当に大問題だと思います。
 恒常的業務に派遣利用が可能でしょう。本来であれば常用雇用者が担うべき仕事を派遣社員が従事できることになると。先ほど組合の話がありましたけれども、会社が正社員の人員補強はしないということであれば、これ、労働組合は、派遣労働者を切られると仕事が回らなくなるわけですから、受入れ拒否はできないし、しないんですよ。常用代替というのが起こっていても、これは派遣受け入れるしかないんです。常用代替の観点から判断すると私はどうして言えるのかというふうに思います。
 こういう労働者派遣法は廃案にすべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
#284
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いします。
 私は、今日はまず初めに、派遣労働者も含む全ての雇用される労働者のセーフティーネット、最後のとりでと言ってもいいかと思うんですけれども、雇用保険について伺いたいと思います。
 労政審の雇用保険部会において雇用保険制度の議論が始まったということでお聞きをしております。第一回目ということで八月四日に行われたということでありますけれども、この度のこの雇用保険部会での議論のテーマ、いろいろありますけれども、基本手当の水準がどうなのかとか、六十五歳以上の者への対応はどうなのか、またさらには、財政運営というテーマにおきまして、積立金残高の現状とそして保険料率について、これを引き下げるべきかどうかといった検討もこれから行われるというふうに承知をしております。
 そこで、まず大臣の御所見を伺いたいと思うんですけれども、現状の積立金の残高、これ失業等給付の積立金の残高は平成二十六年度末ですと、直近ですと六兆円を超すという過去最高の残高になっているわけであります。この積立金残高の状況とそして保険料率のバランスについて大臣の御所見を伺いたいと思います。
#285
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、労働保険特会のことにつきましてお尋ねをいただいたわけでありますけれども、この特会の失業等給付の積立金は、不況期に当然備えて好況期にしっかりと積み上げるということが原則であるわけでありまして、一定程度の積立金は当然必要なものだろうというふうに思っております。
 ただ、この積立金は、今数字を言っていただきましたけれども、これ平成二十五年度の決算がまだ出ているだけで、二十六年度の決算はまだ定まっていないということで、約六兆円ということになっておりますけれども、平成九年度にかつて四兆円ほどあった積立金が平成十四年度には一気に四千億円にまで減少したことがあったということは何度もこの国会でも御説明を申し上げてきたわけでありますので、何をもって課題なのかということはなかなか言いづらいなという感じがいたすわけであります。経済情勢との兼ね合い等々、総合的な判断をしていくべきかというふうに思います。
 いずれにしても、社会保険料率や積立金の水準は、今申し上げたとおり、経済雇用情勢あるいは平成二十六年度の決算を出たところでどう考えるのか、それから昨年の雇用保険法の改正の影響、つまり他に支出をする助成金がございますので、それらの影響がどうなるのかといったことを踏まえた上で議論をお願いをしようということで、八月四日から労政審保険部会、これが始まっておりまして、しっかり議論していただいて、これから料率も積立金もどう考えていくのかということをしっかり議論していただきたいというふうに思っております。
#286
○行田邦子君 平成二十六年度の決算、積立金の残高の状況がもう間もなく出るかと思いますけれども、それを見た上でまた労政審でしっかりと議論していただきたいと思いますが、恐らく六兆円、今の平成二十五年度末の積立金残高のレベルを超えるのではないかという予測も厚労省の中で立てられていると思います。こういう状況も踏まえて判断していただきたいと思いますけれども、私は、たしか四月にこの委員会でも質問させていただき、指摘をいたしましたけれども、やはりこの六兆円を超える残高のレベル、水準は、これは過剰だと私は思っております。
 過剰な積立金の残高があるということは、これ失業等給付が減っているというある意味いい状況ではあるんですけれども、積立金残高がこれだけあるのであれば、やはり保険料の水準というのもこれは引き下げるということを前向きに検討すべきであるというふうに思っております。もちろん、今弾力条項の最下限まで来ていますので、これを更に下げるとなると法改正が必要ではありますけれども、過去には千分の八ということでありましたので、それも踏まえて検討をしていただきたいと思います。
 そして、また、保険料率の引下げということの検討だけではなくて、この際、雇用保険部会で雇用保険制度全体の議論がされているわけですので、失業者が新しい仕事を見付けやすくするための給付の在り方、そして水準についても今で十分なのかどうかといったことも議論していただきたいと思っております。
 そして、この雇用保険部会におきましては、もう一つのテーマとして、マルチジョブホルダーへの対応というのが議論されるということで聞いております。
 そこで、マルチジョブホルダーの現状についてお手元に資料をお配りをしておりますけれども、マルチジョブホルダーというのは複数の仕事を持っているということでありますが、それでは、本業も副業も雇用者であるマルチジョブホルダーがどのぐらいいるのかということなんですが、調査によりますと百五万人と、結構いるわけであります。そのうち、本業がいわゆる非正規、パート、アルバイト、派遣社員、契約社員といった方が五十七万六千四百人ということで、本業が派遣社員のマルチジョブホルダーは三万四千六百人と、結構いるわけであります。
 そこで、雇用保険についていろいろと議論をするときに毎回議題になって、なかなか解決できていない問題だと思うんですが、このマルチジョブホルダーの雇用保険適用についてなんですけれども、現行の制度運用では、主たる賃金を受ける一の雇用関係についてのみ被保険者となるとされています。
 まず、政府参考人に伺いたいと思うんですけれども、その根拠となる法律の条文についてお聞かせいただけますでしょうか。
#287
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 雇用保険の被保険者につきましては、雇用保険法の第四条におきまして、適用事業に雇用される労働者であって、六条各号に掲げる者以外のものと規定されております。
   〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕
 次に、雇用保険の適用除外となる者につきましては、求職活動期間中の労働者の生活及び雇用の安定を図る雇用保険制度の趣旨を踏まえまして、自らの労働によって賃金を得て生計を立てている労働者であるか否かという観点から雇用保険法の第六条に規定がございまして、まず一つが、一週間の所定労働時間が二十時間未満である者、それからもう一つが、同一の事業主の適用事業に継続して三十一日以上雇用されることが見込まれない者などが適用除外になってございます。
 これ以外の者が適用の対象になるということですけれども、その上で雇用保険法の七条という条文がございまして、その中で、事業者は、労働者を被保険者として雇用した場合にハローワークに届け出るということとされております。この一の事業者がマルチジョブホルダーの労働時間をまとめて届出をするというふうな仕組みに現在なってございません。
 こうした規定から、労働者につきまして、生計を立てるに必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となって、個々の適用事業における労働時間が二十時間未満であるが合計すれば二十時間を超えるような人につきましては被保険者とならないという解釈をいたしております。
#288
○行田邦子君 雇用保険法の幾つかの条文、七条などの条文を併せて解釈することによって今のような運用になっているということであります。そのことによって例えばどういう問題が起きるのかなんですけれども、二つ主にあると思います。
 一つは、本業が例えば週十五時間の労働である、そして副業は週十時間の労働であると。そうすると、合わせると週二十五時間の労働をその方はしていると。ただ、どちらも週二十時間に満たないということで、雇用保険の適用除外になってしまうと。この方が失業しても失業等給付は受けられないという問題が生じるわけであります。これが一つです。
 あともう一つは、本業が週二十時間であったとする。そうすると、この方は雇用保険の適用になります。ただ、副業で例えば週五時間働いていて、本業がこれが失業した場合なんですけれども、副業が生きている場合、継続されている場合は完全失業にならないということで、失業等の給付がされないというような問題があるというふうに理解をしているわけでありますけれども、この点をどうにか解消できないのかなと思っています。
 お配りした資料の下の部分なんですけれども、マルチジョブホルダー、どういう方なのか、所得がどういう方なのかというのを見てみますと、マルチジョブホルダーの本業の所得が百万円以下の人が二八%、そして百万円台、百万から百九十九万円台の方が二四・九%と。本業だけでは生活ができない、生計を営めないから副業を持っているという方が非常に多いと。
 こういう方たちが職を失ってしまった場合にこそ、私は失業等給付が受けられるようにするべきではないかと思うんですが、このマルチジョブホルダーの雇用保険適用について、どうにかこの問題を解消できないかと考えますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#289
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました複数の雇用関係を持つ労働者、いわゆるマルチジョブホルダーの方につきまして、複数の雇用関係に係る労働時間を通算して適用する場合には、事業主が雇用する労働者について他の事業主の下での労働時間を把握することはなかなか難しいということ、それから、仮に適用するとしても、一部の職のみ失業した場合にも給付を行うべきかなど、何をもって失業とこうした場合には判断をするのかということがなかなか難しいといった問題がこれまで指摘をされてまいったところでございます。
   〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕
 こうした問題はございますけれども、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用につきましては、平成二十五年十二月の労働政策審議会雇用保険部会の報告においても、中長期的観点から議論していくべきだということが書かれておりまして、今月より議論を開始をいたしました先ほどの労政審の雇用保険部会において、しっかりと引き続き議論を行うということにしているところでございます。
#290
○行田邦子君 労政審での議論を見守っていきたいと思いますけれども、なかなかこの問題、解決できない問題として残ってしまっています。難しい部分、いろいろあろうかと思いますけれども、是非、今回のこの雇用保険部会の議論において公労使の知恵を絞っていただいて、そして一歩でも前進できるようにしていただきたいというふうに思っております。
 さて、労働者派遣法に戻ります。
 まず、前回に引き続きまして、無期雇用派遣労働について少し質問させていただきたいと思います。
 無期雇用派遣労働の位置付け、厚労省がどのように位置付けているのかについて確認をさせていただきたいと思うんですけれども、無期雇用派遣労働者は、これは派遣先からすれば当然派遣労働者であります。ただ、特に最近の傾向として見られるのが、派遣元からすると正社員というような言い方をする会社もあります。これはなぜかというと、その派遣元からすれば、我々は無期に、そして直接雇っていてということから、うちの正社員だという言い方をするんだろうと思います。
 今回の改正法案が成立すれば、無期雇用派遣労働者が今よりも、今大体一七%と言われていますから、それよりも増えるという見方もあるわけでありますけれども、厚労省としては無期雇用派遣労働者は正規雇用者にジャンル分けをするのか、そして、その理由もお聞かせいただけますでしょうか。
#291
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ありましたように、いわゆる無期雇用派遣労働者を多く雇っておられるというか、全てそういう無期雇用派遣労働者の派遣会社ということは、いわゆる技術者の派遣の会社等であって、そういった派遣会社におかれては無期雇用派遣労働者のことを会社の中で正社員ということで呼称されているということは、私どもも承知をしておるというところでございます。
 ただ、私どもとしては、従前もこの委員会でも御議論ありましたとおり、一般的には期間の定めがないフルタイムで直接雇用ということを正社員、正規雇用ということで私どもとしては呼ぶということで承知をしておるということで申し上げたかと思っておりますが、そういった意味では、無期雇用派遣労働者というのは、あくまで派遣労働者、直接雇用ではないということでございますので、そういった意味では非正規雇用ということになるということになります。
#292
○行田邦子君 無期雇用派遣労働者は、派遣元に直接雇用されている、無期雇用されているけれども、派遣先に派遣されて労働する労働者であるから、これは間接雇用であって、そして非正規雇用者であるということを確認をさせていただきました。
 そこで、通告はしていないんですけれども、先ほどの辰巳委員への質問に対してなんですが、直接雇用が原則であるということ、もうこれはっきりと大臣はおっしゃったと思うんですけれども、これまで私が厚労省から、雇用の原則は直接雇用ですねという確認をしたところ、そうとは考えていないということを何遍も説明を受けていたわけであります。
 そこで、ちょっともう一度、部長に伺いたいと思います。
 直接雇用が原則でよろしいんですよね。
#293
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども大臣も御答弁の中で触れられたとおり、法律、労働関係法令等で直接雇用を原則ということで定めておるものはないということでございます。
 ただ、私ども、雇用政策、労働政策の中で、先ほど大臣が御答弁されましたように、いわゆる直接雇用ということを基本として施策を考えているという趣旨で大臣の方からも御答弁をし、私からも御答弁をしたということでございます。
#294
○行田邦子君 それなら、直接雇用が原則であるという方針であれば、この労働者派遣法の見方も随分と変わってくるわけであります。以後は、直接雇用が原則という厚労省の考え方にのっとって、その視点で私も質問させていただきたいというふうに思っております。
 大臣に伺いたいんですけれども、雇用の安定化の方向性について大臣がどのように捉えているのかを伺いたいんですけれども。
 質問の五なんですが、大臣は、有期派遣労働から無期雇用派遣労働へと転換を期待しているのか。これは間接雇用から間接雇用でありますけれども、これを期待しているのか。それとも、間接雇用である派遣労働は雇用の例外である、直接雇用が原則ですから、間接雇用である派遣労働は無期雇用派遣労働であってもこれは雇用の例外でありますから、派遣労働から直接雇用への転換を促したいと、それが雇用の安定と捉えているのか。それとも、いわゆる正規雇用、無期フルタイム直接雇用を増やしていきたいのか。大臣が考える雇用の安定化の方向性についてお聞かせいただけますでしょうか。
#295
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚生労働省としての政策という意味で申し上げれば、働く方の希望を踏まえつつ、やっぱり御本人の選択というのが大事で、その上で雇用の安定化を図ることが重要だというふうに考えるべきかというふうに思うわけで、様々な今働き方、あるいは様々な企業サイドの雇用の形もあるのかなというふうに思います。
 このために、いわゆる正社員を希望する派遣で働く方については、もう何度も申し上げているように、いわゆる正社員への道が開かれるようにする、そして、自らの働き方として派遣を選ぶ方はその待遇の改善を図るというのが今回の法改正の大原則ということを申し上げてきているわけでございます。
 さらに、無期雇用の派遣で働く方は、有期雇用のように雇い止めの対象とならず、一般に有期雇用に比べて雇用が安定していることから、派遣で安定的に働くことを希望する方については無期化を推進していきたいと考えているわけでございまして、これはそれぞれどのような形の働き方をライフステージの中で選ばれたいのかという、個々人の働く方の御希望がどこにあるのかということにも関わってくる問題かなというふうに思っているわけでございます。
#296
○行田邦子君 済みません、ちょっと、いま一つぴりっとしない感じがするんですけれども。
 直接雇用が原則ということであれば、派遣労働から直接雇用へと促すということになると思います。それが雇用のまずは安定化の一歩だと思いますし、そしてさらには正規雇用を増やしていくということを目指すということを言っていただきたかったなというふうに思っているわけであります。
 そして、その雇用の安定化、雇用の安定措置が改正法案に盛り込まれていて、今日もいろいろと議論がありました。多少重複するかもしれませんが、私なりの視点で質問させていただきたいと思います。
 まず、一年以上三年未満、同一の組織単位の業務に継続従事する見込みの労働者についてなんですけれども、これは、派遣元にとっては雇用安定措置は努力義務となっています。努めなければならないというふうに三十条第一項に書かれているわけでありますけれども、この努力義務、努めなければならないという文言はいろいろな法律に書かれている文言ではありますけれども、事この法律案について確認をさせていただきたいんですけれども、努力義務、努めなければならないというのは何を指すのか。意思があればよいのか、それとも何らかの行為をしなければいけないのかということです。
 特に、私が気になるのは、整理をしておきたいと思っていますのは、例えば均衡待遇の条文のところでは、努力義務、努めなければならないとなっていたものを配慮に格上げしたという説明も受けています。じゃ、努めなければならないという努力義務は、派遣元が雇用安定措置としてとらなければいけない努力義務というのは配慮よりか一段低いものなのかどうか。どういう整理をなされているのか、お答えいただけますでしょうか。
#297
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 今委員お尋ねございました雇用安定措置、三十条、改正法について規定されており、今御指摘あったように、第一項につきましては、一年以上三年未満の同一組織単位の業務に継続従事の方については努力義務ということにしておるというところでございますが、法令上こういった努力義務ということにさせていただいているということでございますので、この点につきましては、目標の実現に向けた姿勢を期するということでございますので、具体的な取組の実施あるいは目標の達成というところまでを求めるというものではないわけでございますが、ただ、行政としましては、雇用安定措置の趣旨を踏まえまして、この努力義務の対象となる場合であっても、派遣元にはしっかり法の趣旨を御説明し、雇用の継続をするための措置ということを促してまいりたいと考えております。
#298
○行田邦子君 済みません。はっきりと通告はしていないんですけれども、ちょっとここは確認させていただきたいんですが、例えば均衡待遇の確保のところでは、これまで派遣先に課せられていたものが努力義務、情報提供等の努力義務、これが配慮義務に格上げしましたよという説明を受けています。つまり、努力よりか配慮の方が上ですということなんですけれども、そうしますと、配慮よりか低いのが努力義務であるというのをもう少し具体的に、努力というのは、その意思を示せばいいのか、何らかのアクションを起こさなければいけないのか、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。
#299
○政府参考人(坂口卓君) 均衡処遇のところでいろいろ出てきておる努力義務、配慮義務ということにつきましての配慮義務ということにつきましては、今議員御指摘のような何らかのアクションが必要という意味で、今回、強化という意味で配慮義務ということにさせていただいたということでございます。
 先ほど申し上げましたように、雇用安定措置につきましては、まず二項でしっかりと義務という厳しい措置を設けた上で、一定の一年以上三年未満の方については努力義務という形で制度を設けているということでございまして、これにつきましては先ほど御答弁させていただいたようなとおりということでございます。
#300
○行田邦子君 もう少し、どのようなことをすれば努力したとなるのかということをお答えいただきたいんですけれども、こういうことをしようと思っていると意思を示せばいいのか、それとも何らかのアクションを起こさなければ努力したことにならないのか、どの程度なんでしょうか。
#301
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、三十条の一項につきましては努力義務ということでございますので、そういった意味では、具体的な取組の実施あるいは目標の達成ということまでは求めるものではございませんということではございますが、しっかりとこの法の趣旨ということもございますので、いろいろな形での努力義務が課せられるというようなことについて、対応をしっかりやっていただくというようなことについて履行を促していきたいということでございます。
#302
○行田邦子君 ちょっと後で私も議事録見てみますけれども、具体的な取組の実施までは求めていないということで今御答弁をされたと思いますけれども。
 そうすると、アクションを起こさなくても努力したことになる、派遣元は、こういうことをやろうと思っています、こういう気持ちはありますという気持ちがあるだけで努力義務を果たしたことになるんでしょうか。
#303
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども申し上げましたとおり、配慮義務ということにつきましては実際に具体的に取り組むということが求められるということでございますけれども、努力義務ということについてはそこまでの具体的なアクションということは求めないということでございます。
 ただ、従前から努力義務についてのいろいろな取組を求めるということで、今回、実効性を担保するために、その実施状況につきましては努力義務の観点も含めて毎年事業報告でしっかり提出を求めて、措置の対象となる労働者がどういった人数なのか、措置を講じた状況あるいは講じた措置ごとの人数というようなものを結果として報告をしていただくということで、その結果に基づいて指導はしてまいりたいということで考えております。
#304
○行田邦子君 具体的な取組の実施をしなくても努力になってしまうというのであれば、行政指導もできないと思うんですよね。これ、三年未満の派遣労働者に対しては、全く雇用安定措置、機能を果たさない、機能しないというふうに、全く不十分であるということを今の答弁で感じました。
 次に、質問を続けたいと思うんですけれども、とるべき雇用安定措置の一つ、一番目の派遣先への直接雇用の依頼についてなんですけれども、先ほどからの質問の中で管理台帳に残すべきだというような意見もあり、また、大臣からは、検討する、つまり、やるというような答弁もいただいたわけでありますけれども、ちょっと私は違う視点で質問させていただきたいんですけれども、これは派遣労働者にとって自分が三年間でもうその派遣労働を続けられなくなってしまうということで、その後の雇用安定措置でその派遣先に直接に雇用してもらうかどうか、非常に重要なことだと思います。
 そこで、派遣元は労働契約の申込みをすることになるんですけれども、これを書面に残す必要があるのかどうか、口頭でもよいのか、また、その申込みに対して派遣先からの書面か何らかのはっきりとした回答をもらうことが求められるのか、いかがでしょうか。
#305
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、直接雇用申込みということを派遣先にするに当たってということでございますが、これは派遣先にそういった直接雇用の依頼という希望が確実に伝わるということが大事ということでございますが、その申込みに係る義務について書面で事実を残すということまでは規定しているということではございません。
 ただ、従前より申し上げているとおり、この雇用安定措置の選択肢が幾つかございますけれども、直接雇用の依頼につきましては、派遣先での雇用に至らないという場合になりますと、それだけでは義務を果たしたことにはならないということで、それ以外の新たな派遣先の提供でありましたり、あるいは派遣元での無期雇用等々の義務を果たしていただかなければいけないということでございますので、派遣元とすれば、実際上、直接雇用の申込みについての派遣先からの回答なくしては、それが成就したかということが確認できないので、それは当然派遣元としては確認をする必要があるということと考えております。
#306
○行田邦子君 これでは、派遣労働者にとっても問題があると思いますし、私、派遣元もこれじゃ困ってしまうと思うんですよね。厳しい場合は、これ許可の取消しという指導になってしまうわけですから、行政処分になるわけですから、やはりきちんと証拠を残しておかなければいけないと思うわけです、派遣元にとっても。
 ここはしっかりルールを設けるべきでありますし、私は、これは口頭とかあるいは電話じゃなくて書面で残すということをきちんとルール化するべきだと、これは派遣元にとってもそれが必要であるということを指摘をしておきたいと思います。
 それで、最後の質問なんですけれども、派遣先への直接雇用の依頼なんですけれども、私は、派遣会社にとって優秀な人材ほど手元に置いておきたいと考えますから、派遣先への直接雇用申込みを進んで積極的に行うモチベーションは低いと思いますが、いかがでしょうか。
#307
○政府参考人(坂口卓君) これにつきましては、やはり派遣先で直接雇用をされるということについて、そういった状況、どれだけ当該派遣会社の派遣労働者が直接雇用を派遣先にされたかというような実績ということも派遣労働者の方が派遣会社を選ぶという一つの判断基準にもなるかと考えられますので、そういった意味では、派遣会社にとってみても、雇用安定措置等を通じて直接雇用の実績を積むということは派遣元についてもメリットということになるということで考えております。
#308
○行田邦子君 ちょっとよく分からない答弁でしたけれども、終わります。
#309
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。皆様、大変お疲れだと思いますけれども、もうしばらくお付き合いをいただきたいと思っております。
 私もいわゆる労働安全衛生をやっておりますので、今日はその労働安全についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。
 一般労働者、派遣労働者、労災件数が違うんじゃないか、発生率が違うんじゃないかということを心配いたしておりますが、部長、その数値について教えてください。
#310
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 平成二十六年におきます全産業の休業四日以上の労働災害の死傷者数でございますが、これは全労働者で十一万九千五百三十五人でございますけれども、派遣労働者は三千六百九人となっております。
 これについて、労働者千人当たりの労働災害の発生率で見ますと、全労働者では二・三、派遣労働者では三・〇ということになってございます。
#311
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、派遣労働者の労働災害率が高いというのはなぜなのか、政務官、教えていただけますでしょうか。
#312
○大臣政務官(高階恵美子君) 一般的には、派遣労働者の労災発生率が高い要因として、業務の経験年数が比較的短いことが影響していると考えられております。
 先ほど二・三、三・〇という話がありましたけれども、一年間に発生する死傷者数、この千人率を見てまいりますと、経験年数の三年未満、三年以上の区分で整理をしてまいりますと、やはり全産業で見ても経験年数の短い方のところで比較的この率が高くなるということが明らかでございまして、恐らく派遣労働の分野においても類似の傾向があるということが考えられております。
#313
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほど津田先生から、大変高尚な派遣労働というものを考えて、なかなか現場が分かっていないというような声もございましたけど、私もやっぱりそう思うんですね。派遣労働者がなぜこうやって労働安全に対して被害者となる率が高いかというと、派遣労働者という方々を危険な部署に労働させる、けがをすればまたすり替えられるというような、こういうローテーションが行われているような劣悪な環境の事業所もあるということが一つの原因ではないかということを私も産業衛生の中で感じております。
 どのようにその分析をしているのかというと、先ほど高階政務官もおっしゃったように、数字だけを見て物事を話してしまえば、そのように私も納得せざるを得ないんですけど、やはり現場を知っている者としては、やはりその現場をもうちょっと見て、もう少し分析をすべきではないかというふうに考えております。
 派遣労働者の労災防止の策というものを指をくわえて見ているわけにもまいりませんので、しっかり今までも講じられてきたかと思います。そこで、まず、部長の方にもう一度お尋ねをしてみたいと思うんですけれども、製造業における労働災害というもの、大変多いと思うんですけれども、それについて数値を教えていただけますでしょうか。
#314
○政府参考人(土屋喜久君) 製造業で見ますと、休業四日以上の労働災害の死傷者数、全労働者で二万七千四百五十二人、派遣労働者が千九百八十五人、これは平成二十六年の数字でございます。
 これについて、先ほどと同じように労働者千人当たりの労働災害の発生率で見ますと、全労働者では二・九、派遣労働者では五・五でございます。
#315
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この二・九と五・五の違いです。製造業における派遣労働者の労災発生率というものが高い。どのような策を今まで講じてこられたのか、まず政務官、教えていただけますでしょうか。
#316
○大臣政務官(高階恵美子君) 私どもは、派遣労働者の労働安全衛生の確保のために、派遣元には労務管理に関する事項、そして派遣先には現場での危険、健康障害防止措置に関する事項について、それぞれ適切に区分した上で法律上の義務を負わせておりまして、それに対する罰則も掛けております。
 また、派遣労働者の労働条件と安全衛生を確保するために派遣元、派遣先の事業者が実施すべき重点事項を示しておりまして、これに合わせて、特に製造業における具体的な安全衛生管理の方法などをまとめました安全衛生管理マニュアル、冊子になってございますが、これを作成、公表させていただいておりまして、派遣労働者の安全確保について周知、指導を行ってまいりました。
 また、この三月でございますが、派遣労働者に対する安全衛生教育の徹底と質の確保を図るため、新たに派遣労働者の安全衛生教育の実施の徹底に重点を置いたリーフレット、これはぺら紙でありますが、しかし、これを有効に活用していただきまして、現場でなるべく個別にこういったものを使っていただき、製造業の派遣先、そして派遣元の関係団体に周知させていただいて、これらの活用を進めさせていただいておるところです。
#317
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 土屋部長、もう一点お伺いしたいんですけれども、先ほど近々の数字を、今、千人当たり二・九、そして五・五というものを教えていただきましたけれども、年次的に見て、この数値というものは変わりがあるんでしょうか。様々な策を打ってきたらしっかりと労働災害が減少してきたというような歴史なんでしょうか。済みません、ちょっと通告はいたしておりませんけれども、教えていただけますでしょうか。
#318
○政府参考人(土屋喜久君) 災害の発生率という意味で見ますと、全労働者では、ちょっと今手元にある数字では平成二十一年からの比較でございますが、二十一年から二十六年にわたりまして二・二から二・三の中で数字が動いているという状況でございます。
 一方、派遣労働者の方は、平成二十一年が二・七、その後各年ごとに二・九、三・一、三・五、二・七、三・〇というふうに上下をしているという状況でございます。
#319
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 製造業の方でもその乖離というものがなかなか埋まっていかない、結局、いつもいつも派遣業の皆様方の労災が多いような状況というものが続いているというのを私は確認をいたしております。
 じゃ、この対策の効果というものを、上がっているというふうに厚労省は判断していらっしゃるのか、政務官、教えていただけますでしょうか。
#320
○大臣政務官(高階恵美子君) 成果という点で申しますと、なかなか一概にお答えすることが難しいかと存じます。
 これまで、安全衛生管理マニュアルの作成、公表、あるいは先ほど申し上げましたリーフレットの作成、配付など順次取り組んでまいっているところではございますが、いずれにしても、派遣労働者の安全、そして健康を確保していくための取組というのは引き続き実施していく必要があると感じております。
 派遣元の事業者等に対する集団指導、あるいは個々の派遣先事業場に対する指導、こういったものの取組を通じまして現場の派遣労働者の労働災害防止にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#321
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も資料をお配りいたしておりますので、資料一を御覧いただきたいと思います。
 平成二十五年度の労働安全衛生調査の結果、これ見ていただきましても、非正規労働者に対する安全衛生教育は五二・九%しか行われていない、派遣労働者は五四・八%、大変低い数値、大変申し訳ございません、ちょっと数字が違いますね、五四・八%と低い状況で推移をいたしております。
 労働安全衛生法五十九条では、これ、教育を行わなければならないとなっているのに、何でこのような数字なんでしょうか。こういう数値を放っておいた、放置しておいたということ自体が既に問題ではないのか。
 大臣、お願いいたします。派遣労働者の方が予防策を更に手厚くしなきゃいけないんですよね。しかし、手厚くするどころか安全衛生教育さえも一般の労働者からも遅れている、こういう状況の数字だと思うんですけれども、今後どのように改善すべきなのか、教えていただけますでしょうか。
#322
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいて、全労働者で六四・七、派遣労働者で五四・八という安全衛生教育の実施状況でございまして、この差は一体何だと、こういう御指摘を、今、薬師寺先生からいただきました。
 事業者が非正規労働者に対する安全衛生教育を実施していない要因としては、やはり雇入れ時教育の実施義務がある等、安全衛生教育の実施に対する理解が必ずしも十分ではないということが考えられるのではないかということが一つあろうかと思います。
 安全衛生教育を実施していない理由で、先ほどからお話が出ていますけれども、非正規労働者が危険な作業に従事していないが約四割ございますが、危険な作業に従事していなくとも雇入れ時教育は実施義務があるわけでありますので、そこのところも考えなければいけないと思います。このため、労働者への雇入れ時教育の実施義務などその必要性に係る事業者への周知そして指導を図って、安全衛生教育が適切に実施されるようにしっかりと厚労省としても取り組まなければならないというふうに思います。
 特に、派遣労働者につきましては、先ほど来出ておりますけれども、安全衛生教育の実施の必要性についての周知を図るためにリーフレットを配っていくとか、あるいは派遣労働者を含む未熟練労働者への安全衛生教育の実施方法等を分かりやすく示した教育マニュアルを新たに作成、周知することによって安全衛生教育の実施を徹底、支援していくこととしているわけでありますが、何よりもやはり雇入れ時の教育などにつきまして十分なことができていないということを認めないといけないんじゃないかなというふうに思います。
#323
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これ、一〇〇が当たり前の数字ですよね。これは法律で義務付けられておりますので、周知徹底をお願いをしたいと思います。
 そこで、土屋部長にもう一度お伺いしたいんですけれども、製造業におきまして非正規の方、派遣労働者の方、安全衛生教育はどのぐらいの割合でなされているのかという調査はなさっていらっしゃいますでしょうか。
#324
○政府参考人(土屋喜久君) 平成二十五年に実施をいたしました労働安全衛生調査で調査をしております。
 先ほど先生から資料で御提示のあった調査の結果、これは労働者に聞いた労働者調査でございますが、今これから申し上げる数字は事業所に聞いたデータということになりますけれども、非正規労働者に対しての安全衛生教育を実施をしている事業所の割合が、全産業、全体では五二・九%で、このうち製造業では五六・五%というふうになってございます。
#325
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 一〇〇%ではないということで、しっかりと周知徹底をするとともに、お願いをしたいのは、この安全衛生教育はキャリアアップの講習ではないということです。しっかりそこは分けて教育をお願いしたいと思っております。
 資料二を御覧いただきたいと思います。
 これは、労基監督署による定期監督の実施状況です。定期監督をするからには、ある程度問題があるところに入るのは分かります。違反事業所数が九万ある中で、安全基準に係る労働安全衛生の違反というのが二万五千。本当に、派遣労働にかかわらず、労働に係った安全衛生というものの意識の薄さというものを、こういうものが見ても手に取るように分かるのではないでしょうか。一番立場が弱い派遣の皆様方が更に劣悪な状況に置かれているということは容易に想像が付くかと思います。
 では次に、まずこうやって労災が起こってしまう、けがをする、じゃ、そのけがをしたときに大変、私ども、私もそうでございますが、本当に頼りにしていたのが労災の保険ですね。その労災の保険に加入をしていない派遣事業者の数について、坂口部長、把握していらっしゃいますでしょうか。
#326
○政府参考人(坂口卓君) 労災保険の加入状況、派遣事業所についてということでございますけど、この加入状況の数自体については把握はしてございません。
 ただ、労働者派遣事業の許可の申請時には当然労働保険の加入状況ということをしっかり確認するということとしておりまして、未加入の場合には、適用要件を満たす派遣労働者の適正な加入ということをしっかり行っていただくということを許可の条件といたしまして、伏せて違反したときには、許可の取消し等も含めた厳しい対応ということをしっかり図っていくということとしております。
#327
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も調べていてびっくりいたしました。資料三を御覧ください。
 これは、やはり派遣労働者だけの問題ではございません。労働保険未手続の事業所見込み数は、二十六年度で十三万件です。こういう多い数字を厚労省はこのままにしていいわけがないというふうに私は思っていらっしゃるかと思います。全てのやっぱり労働者の健康を守る、労災からしっかりと立ち直ってもらうための手当てをするということに関して、このような事業所があること自体が本当は許されないのではないか、もっともっと目配りをしながら、事業所の皆様方、派遣労働者の皆様方だけではなく、このような労働保険未手続のような事業所、指導をしていただきたいと私は考えております。
 実は、なぜこれを調べたかというと、労災隠しです。労災隠しというのが派遣労働で多発しているというようなことを私も耳にしたからです。まず、けがをする。けがをして、労災保険を使いたいんだけどということで手続をしようと思ったら、いや、うちは実はそれに入っていないからね、このぐらい包んで許してねというような実態があるということでございます。この労災隠しの実態について、高階政務官から、どのように認識をしていらっしゃるのか、まずは御説明をいただきたいと思います。
#328
○大臣政務官(高階恵美子君) 御指摘のいわゆる労災隠しについてですが、事業者が労災事故の発生を隠すために、提出義務のある労働者死傷病報告、これを故意に提出しない、又は虚偽の内容を記載して提出すること、これを私どもも把握をしていかなければいけないということで、定期指導の機会などを捉まえさせていただきまして、各都道府県において、この労働者死傷病報告の適正な提出について指導を実施してまいっております。
 先ほど、先生の資料にもございますが、平成二十六年で十二万九千八百八十一件、例えばこういう機会の中で適正な提出について指導をしているわけですけれども、この中で、労災隠し事案としておよそ百二十八件を送検させていただいておりまして、こういった悪質なもの、労災隠しに関しては厳しく対応をしているところでございます。
#329
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 この労災が多く発生する現場というもの、法令違反が甚だしいところ、もっと厳しく指導に入っていただきたいんです。何度も私申しますように、やっぱり派遣先で派遣労働者の皆様方が、間接雇用がために起こってきている様々な弊害というもの、これも一つあると思います。ですから、これからどのような指導をしていくのか、そして、その許可の条件等々を考えるに当たりましても、このような安全衛生というものをしっかり視野に置いて行動していただきたいと考えております。
 それで、私、今回のこの安全衛生の三回にわたりましてシリーズ化してやってまいりましたけれども、余りに厚生労働省の職員の方々が現場を知らないということに唖然といたしております。なぜですかと聞くと、やっぱり数値が上がってくる、もちろんこれ数値は大事なんですけれども、実際に派遣労働などを体験したか、もっと現場に行って見てみたかということを尋ねましたら、全くそのような現場に行ったこともないよという方々も多かったんです。
 ですから、先ほど津田先生もおっしゃいましたように、高尚な理念を掲げてそれを法制化したとしても、現場が追い付いていないこのギャップというものを肌感覚でしっかり感じてもらって、しっかりそこを埋める作業をしてもらわなきゃいけないんですが、大臣、職員研修などをしっかりと現場で行ってもらうような新しいアイデア、どうでしょう、取り入れていただくわけにはまいりませんでしょうか。
#330
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論的には、やはり現場を知るということが行政の基本だろうというふうに思いますし、我々政治家もやはり現場に行くということが大事だということは、これまでも自ら努めてまいったところでありまして、今のような点について、厚生労働省の労働安全衛生などを含めてこの現場をしっかりと見て、生の声を聞いて、自分で確かめて、そしてそれを行政の執行に生かすということは大変大事だというふうに思っております。
 特に、担当部局で、今、労政審などにおいても現場感覚を持った労使委員になるべく入ってもらうというようなことをやったり、それから派遣労働の現場を始め企業訪問を数多く行うというようなことで意見交換の場を様々持っているわけでございますけれども、なお現場の状況を職員が熟知するように、しっかりと対応するように私からも督促をしたいというふうに思います。
#331
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先日の名古屋の公聴会でもそうでした。訴訟を起こして初めて注目をされる。毎回毎回、後ろにも座っていらっしゃるような傍聴人の皆様方、訴訟を起こされたような方々もいらっしゃいます。そうしないとこういうことというのがなかなか世に出てこないんです。でも、もし職員の方々が肌感覚で、こんな危険なことがあるかもしれない、若しくは、もっともっとこれから厚労省として先取りして注意していかなきゃいけないかもしれないという情報がそこで現場で察知できれば、そういう方々が生まれずに済むんです。しっかりとこれからの厚生労働省の職員研修の在り方というものも私は見直すべきだと思います。
 私は、産業医としていろんな現場でこの産業保健というものに関わってきて、今回の派遣法というものの在り方、派遣の皆様方、労働者の皆様方を保護する、守るということでこれはなされている制度なんですけれども、そもそも論として全く労働安全衛生というものが成り立っていないだろうというような立ち位置で質問をさせていただきました。
 もうお聞きになっていただいたら分かるように、これだけいろいろな問題が山積をいたしております。一つ一つ丁寧にやはり対応していただきたいですし、現場の声に耳を傾けていただきたいですし、現場の方の声をもっと拾っていただきたいと私は願っておりますので、是非、様々な機会におきまして、まだまだこれ、派遣法の審議は続きますので、労働者の皆様方の声を聞く機会というものを設けていただきたいと思っております。
 少し時間を余らせましたのは、済みません、ちょっと訳がございます。今日は派遣法の審議だというのが分かっておりますけれども、一問どうしても、私、質問しなければならないことがあって、二川医政局長にもいらしていただきました。実は、新たな専門医に関する仕組みでございます。
 日本専門医機構で二〇一七年四月から専門医研修プログラムが開始をされる予定であります。研修を行う施設、指導医の基準などの設定の仕方によっては、大病院へと医師が引き揚げてしまうという不安が一人や二人、二人や三人ではないぐらいの医師、地域住民の皆様方から私の元へ届いております。
 私どもには苦い経験があるはずです。臨床研修の必修化です。あのときにどれだけ地域の医療が崩壊をし、そして今現状でも補充されていないのか。一回崩れてしまったものはなかなか元には戻りません。ですから、今回、専門医の修練に当たって、それはドクターの様々なスキルアップという問題で、我々の、医師の責任です。しかし、これは国民の皆様方とは全く関係がないところで制度が始まってしまいます。国民の皆様方に大きな被害を与える前に、一度これについて質問をさせていただきたいと思っております。
 専門医機構は、もちろんプロフェッショナルオートノミーを尊重するという意味で独立性を担保する、これはもっともなことだと私は思いますが、やはりこういう臨床研修の必修化の際に起こったようなことが既に地域医療で危惧をされているのであれば、厚労省の方から何かしらアクションを起こしてほしい、しっかりと専門医機構と連携し、コンセンサスを取って、地域医療を絶対崩壊しないぞ、引き揚げることもないぞというようなことを周知徹底をしていただきたいんですけれども、まず、大臣、お言葉をいただけますでしょうか。
#332
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘いただきましたように、臨床研修が始まったとき、それから七対一の配置基準が導入されたときなどについて、地域でかなり医療資源が大都会に集まったり大病院に集まったりということで、影響を大きく受けたということを私どもも振り返って反省を込めて感じているところでございます。
 新たな専門医の養成を行うということで、これはこれで大変重要なことであるわけでありますけれども、御指摘のとおり、地域医療に十分配慮をして体制を構築することが重要だということは御指摘のとおりだと思います。
 今、日本専門医機構は、厚生労働省と連携をして専門医養成の基本となる指針を定めて、研修は大病院だけではなくて地域の病院と協力して行うなど、地域医療にも配慮した養成を行うということとしているわけでございます。
 今後、この指針などに基づいて各病院が研修プログラムを策定することになるため、厚生労働省としても、今先生が御懸念になったような地域医療に好ましくない影響が出ないような、そういった地域医療に配慮した研修体制となるように、日本専門医機構としっかり連携をして取り組んでまいりたいというふうに思います。
#333
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 二川医政局長にもいらしていただいていますので、一問質問させてください、一問になるかどうかは分かりませんが。
 先日、ちょっと厚労省の方にお伺いしました。地域医療の崩壊だということで、かなり今地域の病院、そして住民の皆様方が心配をなさって、不安を抱えながらいろんなところに声を上げていらっしゃる、この声が届いていますかと言ったら、個別には相談がありますがというぐらいなんですね。本当に分かっていらっしゃいますでしょうか。どのように今後周知徹底をなさっていくんでしょうか、具体的に教えてください。
#334
○政府参考人(二川一男君) 現在、改正医療法に基づきまして、各地域におきまして、地域医療構想の策定ということを進めていただいているところでございます。
 各地域におきまして、これまでのような病床規制を主目的とする医療計画ではなくて、各地域でその医療ニーズを満たせるような病院、診療所の連携体制、病院におきましてもその各タイプごとの必要な病院を確保していくと、こういったことを進めているところでございまして、各地域の実情に応じた体制を組んでいただくということが大変重要になってきているところだというふうに考えておりまして、今までのように広く面で捉えて医療計画を立てていくということではなくて、それぞれの疾患ごとにどのくらいの需要があるかということを捉えながら進めていくという体制をつくっていこうというところでございます。
 そういったところにおきまして、医師不足とか看護師不足とか、こういったことにつきましても十分目配りをしながら進めなければならないということでございまして、医療法におきましても地域医療支援センターといったものを位置付けたところでございまして、そういったところで各地域ごとの医師不足の状況とか、そういったところを見ながら、必要な医師を派遣していく体制、こういったものをつくっていただくことを各県を通じてお願いをしているところでございます。
#335
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今の答弁だと、引き揚げるというものが前提で医師不足というものを考えていらっしゃるんでしょうか。そうではないわけですよね。しっかりとそこを、どのような方々にどのように報告をし、その告知をしていくか、これとても大切です。
 私も相談されたのが、ある病院の病院長さんでした。大学病院から、来年から引き揚げるからといって連絡があったんだけどどうしよう、これが現実なんですよ。特に、公立病院では一年ぐらい前から議会に予算も通さなきゃいけない、その人員の確保、増員も削減も通さなきゃいけないと、前倒しでどんどん今話が進んでいます。全く厚労省の構想と現場と、またやっぱりこれも乖離があるんですね。それについてもう一度御答弁いただけますでしょうか。
#336
○政府参考人(二川一男君) 各地域における医療ニーズを、地域医療構想を策定をする県を中心にして、いろんな医療関係者それから住民、いろんな関係者が入った形の地域医療構想策定会議をしていく、またそれから、地域医療調整会議といって、各地域ごとに、この病院はどういったことを担うのか、この診療所はどういったことを担うのかというのを個別に議論をしていく、その中で、どういった医師が足りないのかとかいったことが、問題点が出てくるものと思います。
 そういった部分をどうやってきちっと確保していくのかということをつくるのが地域医療構想でございますので、そういった体制につきましては、これまで以上に各地域ごとにそういったことを把握しながら進めていくということが今回の地域医療構想の役目でございますので、十分私どもも、いろいろな御意見は聞かせていただきながら、都道府県の方にもいろいろなきめ細かい目配りをしていただけるようにお願いをしてまいりたいというふうに考えております。
#337
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これは時間がございませんのでお願いにとどめますけれども、結局、内科であれば三百床以上の大病院で研修を行うというような情報が先走りをしているわけですよ。だから、そういう大病院がどんどんどんどん派遣に出している医師をもちろん元に戻さなきゃいけないと思って、今必死にそこを交渉が始まっているんですね。これでは臨床研修の必修化のときと同じ現象じゃないですか。
 じゃ、短くお願いいたします。
#338
○政府参考人(二川一男君) 専門医のことがそういった引き金にならないように、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、大病院だけで研修をするのではなくて、大病院と中小の病院、地域のいろんな病院、診療所が組み合わさって専門医の資格を取る、そういったプログラムを作る、こういった前提で専門医機構の方は今基準を作ろうとしているところでございますので、そういったことにつきまして十分周知徹底を図っていただく必要があると思っておりますし、そういった予算につきましても、今年度、二十七年度も用意をしておりますし、今後も二十九年度の施行に向けましてそういった周知体制、十分取ってまいりたいというふうに考えております。
#339
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず冒頭に、衆議院の厚生労働委員会の中で廣瀬明美、元派遣労働者の、今日も傍聴していらっしゃいますが、参考人としてこのようなことを述べています。この法案が通ってしまうと専門業務派遣で働く約四十万人が三年後には雇用を奪われてしまうのではないか、既に派遣労働者たちが雇い止めを言い渡され、不安で眠れないと議員や日本労働弁護団などへ相談に押し寄せている、そんな声を実際聞いているという旨発言をしたわけですが、私自身もその声をたくさん聞いています。
 この二十六業種の人たちが実際陥っているこの問題点について、厚労省はどう把握し、どうされる予定でしょうか。
#340
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の見直しによりまして、これまで期間制限の対象外であったいわゆる二十六業務に従事をする派遣で働いていらっしゃる方々の中には、今御指摘がございましたけれども、新たに期間制限の対象になることに伴って派遣の打切りということが行われるとの御指摘がなされていることは我々も聞いているところでございます。また、委員会でも様々御質問を頂戴をしてまいったところでございます。
 そのため、期間制限の対象となる方々につきましては、派遣会社に対して雇用継続を図るために雇用安定措置を実施する責務を課すということとしておりまして、あわせて、労働者派遣事業を全て許可制とすること、そしてその履行を強力に確保することとしているわけであります。
 したがって、法改正によってこういった手だてがしっかりと有効に機能するということで、私どもとしては三年後に一律に雇い止めにされることはないのではないかと思っておりますが、また、これは民主党政権時代に制定をされました改正労働契約法の第十八条、今日も大分議論が出ましたけれども、無期転換ルール、五年たった場合ですね、が平成二十五年四月から施行となっておりまして、長年同一の派遣会社に雇用されている方々につきましては、個人単位の期間制限の上限が来るより前に無期転換申込権を取得をされるために、そのような方は無期雇用に転換をできるものと考えているところでございます。
 さらに、私どもも数々御指摘をいただいたのを受けて、厚生労働省において、いわゆる二十六業務のうち派遣労働者の人数が多い上位五業務、これは事務用機器操作、ソフトウエア開発、テレマーケティング、機械設計、研究開発、これで七七%の、働いていらっしゃる方の、派遣の方々の二十六業務の中の方々、占めているわけでございますけれども、こういったところの派遣会社にヒアリングを実施をいたしました。そのヒアリングの結果を踏まえてみますと、個人単位の期間制限への対応として、派遣会社としては派遣労働者の無期雇用化ということを検討しているところが数多くあったということを私どもはその調査で知ったところでございます。
 さらに、厚生労働省としては、キャリアアップ助成金の活用などによって派遣労働者の派遣先での正社員化や、派遣元での無期雇用化を後押ししてまいりたいと思っております。
 また、特にいわゆる二十六業務に従事しており離職の心配をされる方々に対しては、改正法案の施行に合わせて全国の労働局に専用の相談窓口を設置をいたしまして、御相談に応じてまいりたいというふうに思っているところでございます。
 いずれにしても、二十六業務の関係については様々の御心配をいただいておりますので、そういうことが現実のものにならないように、しっかり対応してまいりたいというふうに思います。
#341
○福島みずほ君 現に被害が起きているんですよ。雇い止めが起きているために、現に起きていると。これは取りも直さずこの法案の、改正案の結果だというふうに思っています。ですから、問題が起きたらホットラインでやるという話ではなく、現に今雇い止めが起きている。無期雇用転換だって、五年前に雇い止めをすればそれは効果がないわけですし、現にそれが今起きているということです。これは、そもそも二十六業種という専門職に限って常用代替防止という口実でやってきたのに、それを今回撤廃するというところに根本的に問題があると思います。
 ところで、今回の法案は、平成二十七年九月一日が施行日と法案上はなっておりますが、これはどうされるつもりでしょうか。たくさんの課題があり、私はこの派遣法改正法案は廃案にすべきだと思っておりますが、少なくとも施行日九月一日、もうほとんど日にちがありません。これはあり得ないですね。
#342
○国務大臣(塩崎恭久君) 日程的に大変厳しくなってきていることは承知をしているわけでありますが、私どもとしては政府案を提案をした立場としては、引き続いて国会での速やかな御審議をお願いをしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#343
○福島みずほ君 だって日程的に無理じゃないですか。
#344
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもは、閣法として閣議決定した上で法律を国会に提出をいたしたわけでございまして、そこからの扱いにつきましては国会での御審議と、そして国会での御議論の上で決まってくるのではないかというふうに思いますので、今お話があったように日程的に大変厳しくなっているということは御指摘のとおりだというふうに思っておるわけでありますので、何とぞ速やかな御審議をお願いしたいと思います。
#345
○福島みずほ君 たくさん課題があって、まだ成立していない、私は廃案にすべきだと思いますが、九月一日施行、無理じゃないですか。そもそも、政省令など議論する余地がないですよね。もうこれ、廃案して出直したらどうですか、まあ出直さなくてもいいですが、廃案にしたらどうですか。
#346
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、引き続いて国会で速やかな御審議をお願いをするということを、お願いをひたすら申し上げなければならないということだと思います。
#347
○福島みずほ君 いや、無理ですよ。法案そのものが無理ですが、九月一日施行なんて無理ですよ。おまけに政省令を作る時間など一切ないじゃないですか。
 ところで、十月一日施行予定の労働契約申込みみなし制度の意義について教えてください。
#348
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねの労働契約申込みみなし制度は、これは平成二十四年改正で設けられたものでございますけれども、内容的には、派遣先が違法な派遣としての派遣を受け入れた場合等について、その違法状態が発生した時点については、派遣先が派遣労働者に対して派遣元事業主における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす制度ということでございます。これは、やはり違法な派遣ということの防止ということと、それに対しての労働者の雇用の安定ということを図る意味でのペナルティーと雇用の保護ということを趣旨としているというところでございます。
#349
○福島みずほ君 この十月一日施行予定のみなし雇用制度は、やっぱり大変意味があると思います。違法行為があった場合にこれが直接雇用にしてしまうというもので、極めて大事なもので、多くの派遣労働者は待ち望んでいます。
 これ、しっかり施行するんですよね。
#350
○政府参考人(坂口卓君) これは、今申し上げたとおり、平成二十四年の法改正でもう既に盛り込まれた内容でございますので、私どもとしてはそれをしっかり施行してまいりたいと考えております。
#351
○福島みずほ君 しっかり施行していくということは、それ、前にはこの労働者派遣法の改正法案、成立しないという趣旨でよろしいですね。
 みなし雇用制度は意味があるんですよ。待ち望まれていたんですよ。三年間も施行を延ばしたんですよ。にもかかわらず、今回の派遣法の改正法案は、あっという間に、もう八月の二十日ですが、九月一日施行なんてやっているわけじゃないですか。悪いことはすぐさま実行し、労働者にとって意味があることはずっと先延ばしして、しかも十月一日の厚生労働省のペーパーは何でしょうか。みなし雇用制度を適用させないために何とかその前に成立をと悪あがきをしたのがこのペーパーじゃないですか。どうですか。
 今、部長おっしゃいましたが、十月一日、みなし雇用制度は施行される。よろしいですね。
#352
○政府参考人(坂口卓君) 今お尋ねの点につきましては、これは既に法律で定まっておるという内容でございますので、私どもとすると、その法律に定まった規定にのっとって施行をしっかりしていくということでございます。
#353
○福島みずほ君 ということは、九月三十日前にこの労働者派遣法の改正法案が施行されることはしないというタイムスケジュールでよろしいですね。
#354
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、冒頭、大臣の方からも申し上げたとおり、今回、この改正派遣法を私どもとしましては期間制限の見直し等も含めまして御提案を申し上げているということでございます。
 その点につきましては、日程的に非常に厳しくなっているということについては、先ほど大臣が御答弁させていただいたとおり、私どもも承知はしておりますけれども、私どもとしますと、現在御提案させていただいている法案としては、九月一日ということでの施行ということで御提案をしているということでございます。
#355
○福島みずほ君 九月一日は物理的に無理だと思いますが、私がお聞きしたいのは、みなし雇用制度十月一日施行、これはどんなことがあっても実現してもらいたいんですよ。これは、この国会が法案を作り、雇用みなし制度に意味がある、違法なところに対してきちっと直接雇用制度を設けるんだということでこの法案は国会で成立したんですよ。それを、わざと施行させないために、その前に今回の派遣法の改正法案の施行をさせるって、邪道中の邪道じゃないですか。
 国会がようやく成立させて、労働者が待っていることを実現させないために九月三十日施行なんという邪道は取らないということでよろしいですね。
#356
○政府参考人(坂口卓君) まずもって、最後の点につきましては、先ほども大臣から御答弁申し上げたとおり、私どもとすると、今御提案を申し上げる立場でございますので、この法案についての御審議を速やかにお願いをしたいという立場でございます。
 それから、みなし制度につきましては、これにつきましては、先ほど御答弁を申し上げさせていただいたとおり、二十四年改正で盛り込まれたということでございますので、今回の改正法の内容での修正ということは提案をしておるわけでございますけれども、二十四年の改正で盛り込まれたこのみなし制度ということ自体を、私どもとしては、これ自身については、今回の法案でも別にこれを廃止するというようなことを盛り込んでいるわけではございませんので、それについては、このみなし制度については、しっかり十月一日ということでの施行ということを考えてまいりたいということでございます。
#357
○福島みずほ君 今の答弁だと、厚生労働省がかつて出した十月一日問題というのは撤回されるということでよろしいですね。
#358
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる一〇・一ペーパーについては、たくさん議論を重ねさせていただいてまいっておるわけでございますけれども、昨年冬頃、この法案の施行日の説明を行う際に、議員の方から個別に御質問があった場合に補足資料として作ったということで、職安局の担当課が作っていたということでございまして、厚労省としての正式な見解を示した文書ではないということは繰り返し申し上げてまいりました。
 ただ、この資料につきましては、極めて不適切、そしてまた誤解を生じるような表現が含まれていることから、これを撤回するとともに、資料の精査に欠けていた点などにつきまして、資料の作成の最終責任者である職業安定局長などに対して私の方から厳重に注意をしてまいったところでございます。
 資料の精査が十分でなかったことなどについて大変御迷惑をお掛けしたと認識をしておりまして、厚生労働省全体の責任者としておわびを申し上げ、また本件を重く受け止めて、資料の作成、管理等が的確に行われるように改めて全省的に指示徹底を行って、今後の正しきを得ていくようにということを伝えたところでございます。
 本件の反省を踏まえて、委員会での説明等においてはより丁寧な対応に努めてきたところでございますけれども、今後とも適切に対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#359
○福島みずほ君 専門業務派遣の女性が怒りという手記がありまして、今日も傍聴していただいているんですが、厚生労働省の一〇・一ペーパーを見たとき、これは私のことを言っているのだと思いました、専門業務偽装による期間制限違反の場合、派遣先は裁判を通じ派遣労働者と雇用関係にあるとみなされる、一〇・一ペーパーは訴訟が乱発すると、労働者の権利主張を敵視する説明を行っていたということなんですね。
 今日、今大臣がおっしゃったとおり、もしそうであれば、やはり私は、今回の派遣法の改正法案は、先ほど同僚議員が質問したとおり、常用代替防止という点で極めて問題があり、生涯派遣するもので根本的に問題があると思っています。そして、重要なことは、少なくとも九月三十日前に絶対に施行しないようにということをとりわけお願いしたいと。十月一日、三年間待たされたわけですから、雇用みなし制度が飛んでしまうようなことを起こさないでほしい。よろしいでしょうか。
#360
○国務大臣(塩崎恭久君) もうこれは繰り返しになりますけれども、私どもは閣議決定をした本法案をお出しをして御審議を願っているわけでありますので、大変厳しい日程の中ではございますけれども、速やかに御審議を賜れればというふうに思います。
#361
○福島みずほ君 この法案は九月一日施行となっていて、物理的に無理だと思うんですね。廃案しかないということを改めて申し上げたいと思います。
 次に、均衡待遇についてお聞きをいたします。
 三十条の三で均衡を考慮した待遇の確保で、賃金水準について書いてあります。今日、ちょっとこれは質問通告していなくて申し訳ないんですが、午前中参考人質疑があって、連合の副事務局長が、同一価値労働同一賃金というか、派遣労働者と派遣先労働者の間で不合理に労働条件を相違させることを禁止する均等待遇の問題に関して、例えばマージン率が三〇だとすると、派遣先が一〇〇だとすると、その派遣労働者も一〇〇、つまりマージン率が三〇だとすると一三〇払うように、要するに同じ働き方をしているのであれば労働者は一〇〇、一〇〇もらえるように、これが均等待遇だという説明をされたんですね。
 私もそうだと思います。専門職であること、それから雇用の調整弁に使われかねないことなどを考えれば、一〇〇、一〇〇であるべきですよね。マージン率があれば一二〇、一三〇支払われるべきで、派遣労働者はそれだけ処遇されるべきだ、こういう基本的な考え方でよろしいでしょうか。
#362
○政府参考人(坂口卓君) 今おっしゃった点の部分、元、先で一〇〇、一〇〇というところが難しいということでございまして、この点につきましては、日本の場合、職能給という仕組みの中で全体の賃金体系ができ上がっている。加えて、派遣労働という意味では最終的な賃金、雇用主責任を持っている派遣元とその派遣先という部分で、同種の労働者の賃金をどうやって比較するかという部分でも難しい面があるということで、なかなか私どもとすると、いわゆるイコールフッティングでの問題に対応ということが難しいということで、これは二十四年の法改正以降を含めて少しずつ均衡の対応ということを強化してきているということでございまして、私どもとすると、そういった点が一気に進まないということも含めて認識しながら、今回法案を御提案をさせていただいているということでございます。
#363
○福島みずほ君 そんなことを考えて法案を提出して今の答えだったら、全然駄目じゃないですか。全く駄目ですよ。一番重要な賃金の点について、派遣先と派遣された労働者の間での均等、均衡を言わなかったら、これ意味がないと思いますよ。一〇〇、一〇〇じゃないと駄目じゃないですか。少なくとも一〇〇に近くなかったら駄目じゃないですか。意味ないですよ。どうですか。
#364
○政府参考人(坂口卓君) その点は、先ほども申し上げたとおり、できるだけバランスの取れた均衡の処遇ということを私どもとしては推進していくということで、その意味で、派遣先の配慮義務ということも強化し、派遣元についても一定の説明義務を新たに設けるというようなことで、この均衡の処遇ということが更に強化されるようにしていくということでございます。
 ただ、加えて、いろいろ議法の御議論でもございました、それから私どもも今回附則の中でも規定として設けたように、さらに均等も含めた処遇の改善について、諸外国の実情も含めてどういったことができるかということについてはしっかり研究もし、取り組んでまいりたいということでございます。
#365
○福島みずほ君 研究して同一価値労働同一賃金を確立してから法案出し直すべきじゃないですか。これから研究するんだったら駄目ですよ。だって、今日だってその賃金の均衡待遇だって言わないじゃないですか。バランスの取れたといって、派遣労働者は給料安いんですよ。今、研究をこれからやりますと言うんだったら、研究してから派遣労働者の改正法案出してくださいよ。
 ディーセントワークとは何かという先ほどの議論、直接雇用が原則だ。確かに間接雇用はたくさん問題があります。でも、少なくとも均等待遇を実現するんだったら、まだ百歩譲って分かる。しかし、一番重要な賃金について、それの均衡だって保障していない。それはできません、さっきの答弁そうですよね。だったら、この法案、出し直してください。どうですか。
#366
○政府参考人(坂口卓君) 今の点につきましては、先ほども答弁いたしましたけれども、労働政策審議会においても、やはりこの均等という部分についてはなかなか難しい中で、均衡の処遇ということをしっかり強化をしていくということで建議もいただいたということでございます。
 私どもとしましては、今回も均衡の処遇に向けての強化、これは派遣元、先、しっかり強化策を法案の中にも盛り込まさせていただいておるところでございますので、そういった意味で派遣労働者の処遇の改善ということをしっかり取り組んでまいりたいと思います。
#367
○福島みずほ君 福利厚生については、若干、厚生労働省令でやるという条文ありますよね。でも、賃金について、先ほどの回答だったら納得できないですよ。九〇%だったらいいんですか。一〇〇%ですか、八〇%ですか。同じ仕事をやっていて、派遣先と派遣された労働者の賃金格差はどこまでだったらバランスが取れていると厚労省は考えているんですか。
#368
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、平成二十四年に盛り込まれた派遣元の賃金決定、賃金水準についても一定の派遣先の同種の業務に従事する雇用労働者との水準を考慮しながら賃金決定をするということを配慮義務として設けているということでございますので、先ほども申し上げたとおり、それをイコールにということではなくて、ということまではなかなか難しいという中で、派遣先の労働者の賃金水準ということを、どういう形で派遣労働者との関係を比べるかという難しさもありますけれども、そこの部分をしっかり考慮していただいて決定をしていただくということでございますので、具体的な水準ということを私どもとしてお示しをするというところではございません。
#369
○福島みずほ君 具体的な水準を示すことができないというのはやっぱり駄目ですよ。少なくともパートタイマーと正社員の間では不合理な差別をなくすとかあるわけじゃないですか。でも、今回、派遣先の労働者とそれから派遣労働者の間で、賃金について言う立場じゃないと言うんだったら、低賃金の使い捨て労働を一生やることになるんですよ。そんなことを言っていてこの法案出しているわけだから、使い捨て労働は変わらないですよ。
 次に、四十条の三項、改正法案の四十条五項に、派遣元事業主の求めに応じて賃金水準に関する情報を派遣先は出すという条文が新たにあります。今までも似たような条文があるんですが、今まで派遣元が派遣先に対して賃金の水準に関する情報を出してくれと言って、出されたケースというのはあるんですか。把握していらっしゃいますか。
#370
○政府参考人(坂口卓君) 御指摘は、今回の四十条の五項ということについて、現行の状況でという御質問かと思いますので、現在の四十条の三項ということで、御指摘のように、現在も派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の情報ということについて必要な協力をするように努めなければという規定があるという御指摘かと思っておりますけれども、私どもも現場の労働局の方で指導監督の中で、この履行状況等については個々の事案については確認し、必要な指導等も行っておりますが、その具体的な回数等、統計的なデータについては把握はしておりません。
#371
○福島みずほ君 質問の前提で聞いて、現状の四十条三項で、じゃ、派遣元が派遣先に対して賃金水準について求めることができるとなって、どれだけ求めたかというのは、やっぱり数値としては出てこないんですね。
 実際、均等待遇ということをどこまでやろうとしているか。それから、派遣元が派遣先に対して、あなたのところの給料の水準を教えてくれということもなかなか、実際はお客様ですから難しいと。それから、派遣元が仮にそういう情報を提供してもらったとしても、じゃ、それが労働者に伝わるのかという問題があります。マージン率のことについても、平均値のマージン率だけで、個々的にはないわけじゃないですか。
 でも、今日、議論の中でも明らかになったとおり、派遣先の労働者と派遣される労働者の間の同一価値労働同一賃金、少なくとも均等か均衡かは別にして、賃金については言う立場にないということであれば、これからそういうことについて研究するということであれば、それができてから、あなたたちの給料は決して下がりませんよ、同一価値労働同一賃金実現しますよということができて初めて、今回の生涯派遣の派遣法改正ではないのでしょうか。
 それで、今日午前中、連合の副事務局長が、均等待遇原則違反があった場合には派遣元に対する行政処分も行うべきということをおっしゃって、私もそれはそのとおりだと思います。ただ、交通費が払われていない派遣労働者が半分いるわけですが、交通費を払っていないという場合には派遣元に対して行政処分を行うべきだと思いますが、これはどうでしょうか。
 この間もこれは議論しましたが、私は、賃金は均等待遇で一〇〇、一〇〇、でも、マージン率があるから一三〇払え、それから交通費に関してはこれはきちっと払われるべきで、そのことも保障しない派遣法の改正法案はあり得ないと思っていますが、いかがでしょうか。
#372
○政府参考人(坂口卓君) せんだっても、これは前回も議員の方に御答弁申し上げたとおりでございまして、現在、派遣法に一定の交通費を支給するようにということの規定はないということでございます。
 ただ、その際にも申し上げましたけれども、労働契約法の二十条で、有期契約ということをもってして、特段の事情がない限りということで、不合理な差別ということについては、この通勤手当の問題も、その考え方には問題になってくる部分も出てくるということでありますので、その規定自身は司法の問題ということでありますので、民事的に扱われるということではございますけれども、私どもとしましても、そういった労働契約法二十条の点については、建議にもうたわれているように、しっかり周知をしていきたいということで考えております。
#373
○福島みずほ君 じゃ、確認しますが、厚生労働省は、交通費を払わないことは労働契約法二十条の不合理な差別に当たると考えているということでよろしいですね。
#374
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども申し上げましたけれども、この労働契約法の二十条そのものは民事的な効力のある規定でございますので、実際的には、最終的に司法の判断ということになろうかと思っております。という内容だと思っております。
 ただ、私どもとしましては、そういった二十条との考え方ということを考慮しますれば、働き方の実態その他の事情を考慮して特段の理由がないという中で派遣労働者に対して通勤手当の支給について相違を設けるということについては不合理と認められるものであってはならないということで考えます。
#375
○福島みずほ君 前回よりも答弁が進歩したのでよかったと思っています。
 派遣先が交通費を支給している、正社員。しかし、派遣労働者には交通費が支給されないことは労働契約法二十条の不合理な差別に当たり得るというふうにおっしゃったわけですね。そうだとすると、別に今回の派遣法改正法案を見るまでもなく、現在交通費が五〇%払われていない、これについて行政指導されるということでよろしいですね。
#376
○政府参考人(坂口卓君) 先ほども申し上げたとおり、まずもってはこの労働契約法二十条ということでございますので、その規定そのものについては民事的な効力のある規定ということでございますので、当事者間で規定について御相談していただくということでございます。
 ただ、私どもとしまして、派遣業者の方に、労働契約法二十条ということについてはそういった問題があるんだということについてしっかり理解をしていただくということが重要かと思っておりますので、その趣旨についてしっかり指針に盛り込んで関係者にも周知をしたいということでございます。
#377
○福島みずほ君 時間が来ておりますが、交通費や様々な点で、とりわけ賃金について同一価値労働同一賃金あるいは均衡すらこれから検討しますという状況で、この法案は出し直すべきですし、九月一日施行なんということは、この法案は廃案にすべきですし、それから九月一日施行は物理的に無理ということもあり、労働者派遣法改正法案、廃案にすべきということを申し上げ、質問を終わります。
#378
○委員長(丸川珠代君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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