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2015/08/27 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第30号
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2015/08/27 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第30号

#1
第189回国会 厚生労働委員会 第30号
平成二十七年八月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二十六日
    辞任         補欠選任
     羽田雄一郎君     森本 真治君
     白  眞勲君     安井美沙子君
     河野 義博君     山本 香苗君
 八月二十七日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     長峯  誠君
     安井美沙子君     前田 武志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                武見 敬三君
                長峯  誠君
               三原じゅん子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                前田 武志君
                牧山ひろえ君
                森本 真治君
                安井美沙子君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       厚生労働省労働
       基準局長     岡崎 淳一君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       安藤よし子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、白眞勲君、羽田雄一郎君及び河野義博君が委員を辞任され、その補欠として安井美沙子君、森本真治君及び山本香苗君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○赤石清美君 皆さん、おはようございます。自民党の赤石清美でございます。
 今回の労働者派遣法の改正案については、度重なる審議の中で様々な論点について議論がなされてきました。さらに、昨日は参考人の意見陳述もあり、かなり幅広い意見を伺うことができました。
 労働者派遣法は、これまで議論されてきたように、まずは労働者の保護という視点で議論することが重要でありますが、同時に、もう一方で、当事者である派遣先企業にとっても利用しやすい制度であるかといった点の視点も大切だと思います。私自身は、経営者として長く務めてまいりまして、派遣労働者を多数受け入れたことがあります。この経営者としての経験を生かしまして、経営者サイドの視点も踏まえた質問をさせていただきたいと、このように思っております。
 改正案の立案に当たっては、関係者の声を聞くことが重要であります。そこで、私の方でも独自に派遣先企業の経営者の方々に今回の改正案についてヒアリングを行いました。人事担当役員から寄せられた声のポイントは二点ありました。一点目は、いわゆる二十六業務による期間制限の撤廃によって派遣先企業のニーズに合った幅広い業務を担当してもらえるようになるということ、二点目は、派遣元での教育訓練の実施が義務付けられることで派遣労働者のスキルアップが期待できることということでありました。
 いわゆる二十六業務については、対象とされる業務しか担当してもらえませんが、実際の職場のニーズは、昨日、中山参考人の意見にもありましたように、対象とされる業務のみならず、それに付随する業務やその他様々幅広く、現行制度ではこうした現場のニーズにきめ細かに応えられない状況がありました。今回の改正法により新たな期間制限の仕組みが導入され、派遣労働者の方が派遣先企業のニーズに合った幅広い業務が行うことができるようになると思います。これは、派遣先企業にとってメリットでありますし、派遣労働者にとっても業務経験の幅を広げることができると考えます。
 新たに義務付けられる派遣元での教育訓練の実施も相まって、改正法によって派遣労働者のスキルアップが期待され、その結果として直接雇用の可能性が増えてくるといったメリットが派遣労働者にもあるとの受け止めが派遣先企業でなされていることをヒアリングの中で直接聞いております。
 このように、改正法案は、いわゆる二十六業務の撤廃によって、派遣先企業のニーズに柔軟に対応できるようになるといったメリットや、派遣労働者のスキルアップを促進するといったメリットがあるとの声が派遣先企業から寄せられております。
 このような意見について、まず大臣の所感をお願いしたいと思います。
#7
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、赤石先生から御指摘がございましたとおり、今回の改正法案では、いわゆる二十六業務が撤廃をされることによりまして、派遣で働く方が対応できる職域が広がる、これがまずありまして、派遣先の企業のニーズにも柔軟に対応することができるようになるという、今先生御指摘のとおりでございます。
 それとともに、派遣で働く方にとっても能力発揮の機会が広がり、なおかつ、今回義務化をしておりますけれども、派遣労働を通じたキャリアアップを促進するということにつながるわけでありまして、この派遣先企業及び派遣で働く方双方にとってメリットがあるということが大変大事な今回の改正であろうかと思います。
 改正法案の速やかな審議を通じまして、経済の好循環の実現と働く方の雇用の安定や所得環境の改善に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#8
○赤石清美君 どうもありがとうございました。この法案が通った後の政省令も含めてしっかりと対応していただきたい、このように思います。
 次に、派遣法の改正の経緯と二十六業務の変遷について伺いたいと思います。
 派遣法は、昭和六十年に制定されてから既に三十年の歴史があります。その間に、度重なる改正を経て、現在の形となっております。現状の課題、これから目指すべき方向性を探るためには、派遣法がたどってきた歴史から学ぶ視点が大事だと考えます。
 今回の改正の大きな論点の一つに期間制限の問題がありますが、これは、いわゆる二十六業務は分かりにくい等の課題に対応するため新たな仕組みを導入しようとするものであり、改正案の意義を判断するためには歴史的な経緯を踏まえる必要があります。
 そこで、政府に伺いますが、委員の皆様には資料を配付してありますので、御参考にお願いいたします。そもそも派遣法はどのような理由で創設されたのか、対象業務は十三業務からどのようなニーズを受けて二十六業務に増えていったのかを含め、これまでの派遣法改正の概要について、政府参考人に説明をお願いしたいと思います。
#9
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員の方から、派遣法の制定から今次までの数次の改正の概要ということでございましたので、ポイントを中心に御説明申し上げたいと思います。
 まず、今委員の方からもございましたように、派遣法につきましては昭和六十年に制定をされました。その制定の理由と申しますか背景でございますけれども、労使双方のニーズからこういった制度を法制化したということでございます。
 まず、労働者側のニーズとしましては、労働者の働く方についてもいろいろな自らの働く日時であったり場所とか、そういったところは柔軟に働きたい、あるいは専門的な知識等を生かして就業したいというようなことを希望される労働者のニーズがあったということ、一方で、企業側についても、そういった企業内における専門的な知識、技術というようなものを必要とする業務に対応できる人材を迅速かつ的確に確保したいという双方のニーズから、こういった労働者派遣制度というものを一定の規制を置いた中で制定したということでございます。
 そういった中では、今委員の方からの資料の方にも法施行時十三業務ということで、ソフトウエア開発等の、施行に当たっての業務ということがございましたけれども、施行直後にも、やはり一定のニーズがあるということで、機械設計等の三業務を追加して十六業務ということで動き出したということでございます。その後につきましても、やはり経済構造、産業構造の変化でありましたり、あるいは働く方側のいろいろな多様化であったり、多様な働き方に対するニーズというものに対応しての改正を行ってきたということでございます。
 まずは、平成八年に、その直前、少し前の、いろいろな雇用不安ということを足掛かりにした経済の低迷であったり、あるいは派遣事業に対してのニーズが高まってきたということがございまして、この業務についても、やはりそういったニーズに応えるべく、そこにありますような研究開発でありましたり、OAインストラクションなどの業務を追加して、いわゆる二十六業務というような形になってきたということがございます。あわせまして、平成八年には、いろいろ無許可の派遣元からの派遣受入れに対しての一定の規制、あるいは派遣先の取締り規定というようなものを強化したということがございます。
 その後、平成十一年に次の改正を行っておりまして、こちらの方も、やはり雇用情勢を背景として、いろいろ求人倍率等も低下している中で雇用創出を図るということで、今まで二十六業務というものを中心に行ってきた派遣制度につきまして適用対象業務を原則自由化するということで、一定の建設業務等の禁止業務を置いた上で、原則は自由化ということをしつつ、このいわゆる二十六業務以外の業務については派遣受入れ期間ということを設定しまして、一年間の制限ということを設けたということがございます。
 それから、平成十五年にも次の改正を行っておりまして、この当時も失業率が非常に、当時の過去最悪というようなことを記録している中ということでございましたので、いろいろ、雇用創出であったり、あるいはグローバルな面での製造業の競争力の向上ということも図る必要があるということを背景にしまして、物の製造業務への労働者派遣ということを行えるようにするということ、それから派遣受入れ期間につきましても、いわゆる二十六業務以外の業務についての受入れ期間を最大三年までに延長するということ、あるいは申込義務、派遣先の派遣労働者への雇用申込義務ということを設定したという改正を行っております。
 それから、一番直近の平成二十四年でございますけれども、こちらの方は、リーマン・ショック等でのいろいろ、派遣労働者の雇用調整というようなものへの対応ということで、いろんな形での派遣労働者の生活の安定を図るための改正を行ったということがございまして、幾つかございますけれども、重立ったところでは、いわゆる日雇派遣の原則禁止でありましたり、あるいは離職した労働者を離職後一年以内に派遣労働者として受け入れることの禁止でありましたり、それから、今回も強化しておりますけれども、派遣元、派遣先双方での、派遣労働者と派遣先労働者との均衡の取れた処遇の措置を講じていこうというようなこと、あるいは労働契約申込みみなし制度を新たに設けるというような改正があったということが経過でございます。
#10
○赤石清美君 今るる説明がありましたけれども、私が見た感じでは、この見直しのときに、業務の元々の見直しをしっかりしていなかったのではないか、同じ名前がずっと続いて、時代の変化とともに技術の変化もしているわけでありまして、そういう視点がちょっと足らなかったのではないかなという印象を持っていますので、今後、この業務の内容についてはもう少し行政としても精査をする必要があるんだろうと思います。
 あっという間に時間がなくなってしまいまして戸惑っておるんですが、実はもう一点、この制度の改正の経緯について、今政府から説明を伺いましたけれども、この種々の改正が行われた三十年間というのは、我が国にとってサービス経済の進展や社会の少子高齢化、働く方のニーズの多様化が進んだ時期でもありました。この派遣労働の実態についても、こうした社会変化や制度改正を受け変わってきたと思いますので、いま一度、この派遣労働者数、男女比、年齢構成の推移、これらについて十分検討をして、今後の政省令の発効については十分考えていただきたいというふうに思います。
 残り三十秒ですが、私、おとといですか、年金のいろんな集中審議を聞いていて、実は私は年金をもらっている世代で、こういう年金手帳、皆さん見たことはないかもしれませんけれども、これが私の年金手帳で、これは三号保険で、それで私、実はあの事件を受けて、私の年金大丈夫かと思って、実は確認をしました。しっかりと確認されておりましたので安心しましたけれども、やはりあれは与野党を超えてやっぱりしっかりと年金については私は対応していただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#11
○森本真治君 おはようございます。民主党・新緑風会の森本真治でございます。
 法案の審議が続いておりますけれども、私も二度目の質問をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 改めてこれまでの議論も確認もさせていただきました。答弁、確認もさせていただきましたけれども、大臣、本当に今回の法案、派遣労働者を守ることができるのか、本当にこれ不安がまだまだ払拭ができていないと私は言わざるを得ないと思います。
 今日は、三十分の時間でございますので、是非大臣、本当に今回大変多くの皆さん、本日の議論も注目している方が多いと思いますので、明瞭な答弁をお願いして、質問をさせていただきたいと思います。
 それで、まず再確認でございますが、本法案、派遣労働は不安定な働き方であるという認識はあるけれども、本法案では、派遣労働という働き方を多様な働き方の一つとして肯定をして、派遣で働くことを後押しをされるんですか。
   〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕
#12
○国務大臣(塩崎恭久君) これも繰り返し御答弁申し上げてまいりましたけれども、派遣という働き方につきましては、ワーク・ライフ・バランス等の観点から、積極的に派遣を選択をされている方がおられる一方で、雇用と使用が分離した形態であるということによって、直接雇用の労働者に比べますと、やはり雇用の安定性あるいはキャリア形成という観点から見ると図られにくいといった面があるというふうに私どもも認識をしているわけでありまして、このために、今回改正法案によって、正社員を希望する派遣で働く方については正社員への道が開かれるように数々の義務化を含めて手だてを講ずる、そしてまた、自らの働き方として派遣をあえて積極的に選択されている方も、私どものアンケート調査でも半分ぐらいは、これはちょうど半々ぐらいでおられるという認識をしているわけでありますけれども、その待遇の改善はやはり図らなければならないということで、雇用安定措置、それから雇用の無期化を通じた雇用の安定化というものを図っていくことが重要ではないかというふうに考えているわけでございます。
#13
○森本真治君 派遣という働き方を選ばれる方がいるんだから、たとえ不安定であろうとも、それについてはある意味推奨するというか肯定をしていくと。これ、いろんな考え方があろうと思いますが、私は、まずそこの時点からちょっと理解が、なかなか私の中ではぴんとこないというところがあるんです。
   〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕
 例えば、今大臣も言われたように、その一方で、正社員を目指される方については正社員への道を開くというふうに言われています。ベクトルの方向が違うものを、まさに二兎を同時に私は追おうとされているというふうに思えて、本当にそういうことができるのかということがなかなか皆さんが納得できないところでもないかというふうに思います。
 それで、この正社員への道を開くということでございますけれども、これは派遣先で正社員になってもらうということを目指すということでいいんですか。
#14
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生いみじくもおっしゃられたように、世の中にはいろんな働く方々の人生のステージによって働き方のニーズというのがあるということで、私どもとしては、やはり大学出て、あるいは学校出てすぐに勤めてそのまま正社員でずっといくということ以外に、結婚とかいろんなことがあって、いろいろな場面がそれぞれ人生の中であるときに、そのときに合ったニーズで働けるというようなことがより可能になるようなことをいつも考えていかなきゃいけないというふうに思っているわけであります。
 今回の改正案では、派遣先で正社員になるということそれ自体は大変重要であるわけでありますけれども、それのみを想定をして正社員化と言っているわけではございませんで、今先生御指摘がいろいろございましたけれども、派遣で働く方が就労経験を生かして働き続けられる中で、派遣先で正社員化も選択肢に当然これはまず第一に入ってくる場合が多いんだろうというふうに思うわけでありますけれども、正社員を希望する派遣で働く方については、いろんな形での正社員ということが派遣先のみならずあり得るというふうに思っておりますので、広い意味で正社員への道が開かれるようにすることが重要ではないかというふうに思っております。
 それがために、今回の改正案で、法第三十条によります雇用安定措置の一環として、派遣先への直接雇用の依頼の責務を派遣元に課すということ、それから法第四十条の五によりまして正社員募集情報の提供義務を派遣先に課すということ、あるいはキャリアアップ助成金を活用する、今回、今年度からまた額も増やしているわけでありますけれども、派遣先における正社員化というものも推し進めてまいりたいということで、派遣先のみならず、あらゆる意味で正社員になる可能性というものが高まるように今回の法案で御提起を幾つか申し上げているということだと思います。
#15
○森本真治君 働く方の意思というものが、希望というものがもちろん最優先、優先をされなければいけないというふうに思うんですけれども、ただ、例えば派遣で働く方が今後正社員化を目指すというときには、やはりその仕事に慣れ親しんだそこの派遣先で、そこで経験を積んだ部分においてしっかりと正社員になれるということは、最終的にはそれぞれの働く皆さんの意思があるけれども、政策としてはやはりそれが一番方向性として持っていくということでは私は望ましいのではないかというふうにも思うんですね。
 雇用安定措置ということで今少しお話もありましたけれども、それで、一番として、先ほどもあった派遣先への直接雇用の依頼という部分についてもそういう思いがあって、やはりそのまま働いた場所で引き続き直接雇用ということが最優先にされるべきではないかという意味もあるのではないかというふうにも思うんですが、そのことについてはどのように御見解ありますか。
#16
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方からもありましたが、今回新たに義務付けを派遣会社の方に雇用安定措置という形でしております。
 この雇用安定措置につきましては、派遣労働者の雇用の継続を図るためということで派遣会社に新たに義務付けるわけでございますけれども、選択肢としまして、派遣先への直接雇用の依頼、新たな派遣先の提供、派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るための措置ということで、雇用安定措置を講じていただくということでございますが、このような措置を講じていただくためには、今委員の方からもるるお話ありましたけれども、やはり派遣労働者の方、派遣で働く方の意向を考慮した上でやっていくということが非常に望まれるんだろうと思っております。
 先ほども大臣の方からも答弁ありましたけれども、正社員を希望されている方ということについては、やはり派遣先への直接雇用の依頼を優先するということがありましょうし、派遣でのステップアップを希望されているというようなケースについては、派遣で働く方のキャリアパスも考慮しながら、新たな派遣先の提供ということをうまくそのニーズに合致したような形で行っていくということが望ましいと思っておりますので、法制的に優先という形にはなっておりませんけれども、いろいろそういった派遣で働く方の意向を考慮しながら、そういった対応ということが望まれるということで私どもとしても考えております。
#17
○森本真治君 労政審の建議においても、この雇用安定措置について言ったときには、まずはこの一番の派遣先への直接雇用の依頼を講じる、直接雇用に至らなかった場合に二番、三番、四番ということで講じていくというような建議もあるわけでございますし、現行法の派遣先の雇用契約申込義務という部分との整合性からいっても、やはりこれは大原則として派遣先の直接雇用ということですね、これ、もちろん依頼だけではいけませんけれども、しっかり安定措置の中ではやはりそこを目指すんだということをもっと私は明確にするということがまずは大事なのだというふうに思うんです。それがやはり本来の姿ではないかというふうに思います。
 もちろん、繰り返しになりますけれども、それぞれ働く皆さんの選択ということはありますけれども、法の趣旨からいったときには、やはり直接雇用という中で、これはこれまでどおり引き続き同じ職場で働くことができるということをやはり明確にもっとアピールをしていただきたいと思いますけれども、ちょっと繰り返しの質問になるかもしれませんが、改めてそのことについて是非明確にしていただきたいと思いますが、御見解をお伺いします。
#18
○政府参考人(坂口卓君) 今、建議の方も御引用していただいたんですけれども、建議の方も、直接雇用の依頼を講じた場合に、これは派遣先の事情がありますので、直接雇用に至らなかった場合については派遣労働者の雇用の継続が図られないということでありますので、他の措置を必ず講じてもらって派遣労働者の雇用の継続ということをしっかり図ってもらいたいという趣旨での建議をいただいたところでございますけれども、先ほども御答弁し、また委員からの御指摘もありましたように、やはり御本人の意見ということを重々踏まえるということが必要ということで考えます。
 そういった中では、先ほども大臣も答弁しましたけれども、正社員希望の方というのは多々おられるわけでありますので、私どもとしましても、そういった希望されている方については直接雇用の依頼ということを反映すべく、そういった希望をどううまく反映するかということをしっかり捉まえながら、この直接雇用の依頼ということの重要性ということをしっかり受け止めてまいりたいと思います。
#19
○森本真治君 もちろん、働く人の立場ということを考慮するという言い方だと思うんですけれども、それはどのような例えば原則があろうとも、働く方というのはそれで判断ができるんです。要は、派遣元であったり派遣先に対してやはり強力な縛りを掛けるということが働く皆さんの保護にもつながるということにもなるわけですよ。
 ですから、これはやっぱり派遣の皆さんのための法律だという観点でいったときには、やはり明確にそこはメッセージとして、この法案の中で、法律の中で示すべきだということを重ねて私はお伺いをさせていただきたいと思います。
 答弁変わることはないと思いますのでちょっと次に行きたいと思いますけれども、この雇用安定措置でございますけれども、これまで説明を受ける中でも、派遣元ということについていろいろな雇用安定措置があるわけですけれども、しっかりと派遣先に対してもこれは努力をしてもらわなければならないということについてはこの委員会でもいろいろと委員の方からの指摘もあったというふうに思います。昨日の参考人からも、やはりこれは派遣先の責任という部分についての指摘もあったのではないかと、声が上がったというふうにも思います。
 それで、派遣先が臨時的、一時的な雇用であるという派遣労働の方をまさに利用されるという言い方がいいのか分かりませんけれども、される責任として、やはりこの雇用安定化措置についても当然ながら徹底をしていただきたいということでございます。
 それで、今日ちょっと資料の方を一枚だけお配りをさせていただきましたけれども、これ、今回、本当に正社員への道を開くんだというふうに言われておりますけれども、実際にこれ、正社員にする実績ということで、これまでも指摘もあったかもしれませんけれども、派遣労働者を正社員に採用したことがあるというのはこれまで一・七%だということですね。よく岩盤、岩盤ということを言われていますけれども、まさに今この岩盤にドリルで穴をこじ開けていかなければならない一番大きなところは、この正社員の道の前に立ち塞がる大きな岩盤をドリルでこじ開けていくこと、これがやはり今一番求められていることではないかというふうに思います。
 それで、そもそも、じゃ、これで正社員にしてください、してくださいということを依頼なんかをしても、これちょっと赤丸でしておりますけれども、正社員に採用する制度ということ自体が派遣先の中で僅か一三%しかないという現状があるわけですね。
 これ、派遣先の責務として、まずはこの正社員に採用する制度というものをしっかりと構築していかなければならない、そのような雇用制度というものをしっかりつくっていく必要があろうかと思います。そのことについての御所見をお伺いします。
#20
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生からお配りをいただきました派遣労働者を正社員にする制度という資料を引用していただいて御質問いただいたわけでありますけれども、今回の改正案は、派遣労働を臨時的、一時的な働き方とする考えの下で、個人単位の期間制限を設けることによって派遣で働く方に節目節目でキャリアを見詰め直していただこう、そして、派遣元のキャリアアップ措置とか雇用安定化措置と相まって、でき得る限り正社員化を希望される方には推進をしていこうということであるわけでありますが、正社員化につきましては、派遣先の役割は極めて重要であって、やっぱり一番、何年間か一緒に仕事をしていろいろなことを分かっていただいている、そういう先であるわけでありまして、派遣先に対する正社員登用制度の義務付けそのものではございませんけれども、正社員募集情報の提供義務を課して正社員への募集機会を提供するほか、キャリアアップ助成金の先ほど来申し上げている活用というものなどによって派遣先での正社員化を推進をしてまいりたいというふうに思うわけであります。
 今日お配りをいただいたこの数字で、まだ、正社員に採用したことがあるというところが総数で見ると一・七とか、制度があるところでそうでありますけれども、制度がないところでも一・三とかですね。しかし、派遣労働者が就業しているというところではもう少し高いわけでありますけれども、まだまだ低いわけでありますから、私どもとしては、何よりも一人一人の力を付けていただくということが大事なので、キャリアアップ制度を用意をし、それも義務化をして許可基準の中にも入れるということでございまして、そういうような中で、更に雇用安定化措置等々導入することによって正社員化が希望される方には推進が更にされるようにということで今回法案を提出させていただいているわけでございます。
#21
○森本真治君 今の御答弁聞いて、本当に厚労省として、正社員の道を開いていくということがただ言葉だけなのか、実態が伴っているかということの本気度についてどれだけの人が思うのかどうかですよ。それは、いろいろ募集情報の開示とかというようなことを言われて、ただ、そもそもその、じゃ、募集をどうつくっていくかということですよ。そういう部分についてもしっかりとこれはやっぱり制度としてやるということを、そこまできちんと訴えることができれば、それなりの不安というものというか、厚労省がやろうとしていることというのが本気なんだなということは伝わってくると思いますが、私は、今の説明では、到底多くの皆さん、本気度ということは伝わらないというふうにも思いますね。
 それで、これは例えばの話ですけれども、例えば障害者の雇用率とか、これは法定でありますね、ちゃんと政府として。今回、安倍政権、女性の管理職の目標とか、きちんと目標立てているじゃないですか。例えば、じゃ、このような部分で、今本当に、これだけ大きな課題として、派遣労働で働く皆さんのやっぱり処遇の問題とか格差の問題ですよ、そういうことがある中でいえば、しっかりとこれについても目標値を立てて、これちょっと今本当に御提案で思い付きなのであれなんですが、例えば派遣労働者の方が全体の中でもうここまでしか行けないんだとか、そこまでしっかりとやるべきじゃないんですか。これ、大臣どうでしょうかね、もう一度、しっかりそこまで決意見せてください。
#22
○国務大臣(塩崎恭久君) 考え方自体は、先生おっしゃったとおり、女性にしても障害者の雇用にしても大事でもありますし、また、私どもは、やはり正社員化を進めるべきだということで補助金制度などを設けているわけでありますから、方向としては正社員を増やしていってもらいたいと。
 ただ、希望される方は、派遣でもあるいは他の様々な働き方でいくということももちろん御用意申し上げるわけでありますけれども、大事なことは、やはりそちらの方向に行くような手だてをどれだけ有効なものとして持つかということなので、私どもは、もちろん、女性がどのくらい管理職にいるべきかとか、そういうことは大きな方向として申し上げておりますけれども、一つ一つそれを許可基準として設けるというような数値目標を考えているわけではないということでございます。
#23
○森本真治君 全く響かないと思いますよ、本当に。
 それでは、これ前回の質疑でもちょっと触れさせてもらったんですけれども、今回の改正待望論は経済界からばかり上がっているという理由ですよ。これは、本当にコスト削減であったり賃金の節約といったこと、また、これ、今日配付資料では出していませんけれども、日本生産労務協会の理事さんのインタビューの記事をちょっと私見たんですね。
 派遣料金が例えば安過ぎて契約が結べないというようなことを派遣先に対して物を言うと、もう契約が減ってしまう。しかも、それを次にまた拾ってくる業者というのが次から次にいるわけですよ。ということは、派遣元の方が幾ら努力しても、派遣先の方がそのような姿勢である限りはなかなか本当に派遣で働く皆さんを守るということが難しい。これは派遣元の方も、派遣先にもっと人を使っているという自負をちゃんと持ってもらわなければいけないんだというようなことも、これは派遣元側の方も問題提起としても言われているというようなことがあります。
 しっかりとやはりそこの意識改革というか、もやる必要もありますけれども、そもそもまずそこの体質という部分ですよ。人を物やお金と例えば同列に扱うような経営者のそういう意識とかということについては、大臣、どのように本当に率直に思われますか。
#24
○国務大臣(塩崎恭久君) 派遣をなぜ受け入れるのかという企業の、派遣先の理由というのはいろいろあろうかというふうに思うわけであって、臨時的、一時的ということもあって、即戦力というか即能力として活躍してくださる方に来ていただきたいとか、あるいは、自分の会社に必ずしも専門的な人がいないので専門的な分野ですぐに活躍していただけると、そういうような理由が派遣の方に期待をされるということが多いのではないかというふうに思うわけでありまして、もちろんコストの面で、今先生が御懸念のような、コストだけで考えるというようなことをしている事業所ももちろん一部にはあるんだろうと思いますけれども、私どもは、むしろ企業がニーズとして期待をする力、能力を持っている方を一時的に来てもらいたいということが本来の姿ではないのかなというふうに思っているわけでございます。
 今回、先ほど申し上げているように、そういった形で、より良い待遇で派遣でも働けるということ、そしてまた正社員化をする際にも、最終的には、これは新卒採用のときもそうですけれども、やっぱりその会社のニーズに合って、そして会社が期待する力を持っていらっしゃるかどうかということを見て、新人でも、またこういうような場合でも、そしてまた正社員として雇うというときでも、一番大事な判断基準はそこだろうというふうに思いますので、そういう意味で計画的な教育訓練等のキャリアアップ措置とか、それから、もちろん派遣元が派遣先に働きかけるということで、働く人たちだけではなくて派遣元も応援をするということで雇用が安定するように、あるいは正社員化をより進めるといったこと、それから賃金水準についても情報提供を、今回配慮義務を設けるわけでありますが、あるいは教育訓練、福利厚生、こういったものについても、これは待遇を上げるということで配慮義務を新たに派遣先にも課すということで、働く方々の言ってみれば保護を図っていくということを、企業の論理だけではなくて、派遣先の、ということを数々今回導入をするわけでございまして、そのようなことが相まって、先ほど来申し上げている雇用の形態として正社員化を、正社員となりたい方は当然その道がより開かれるように、あるいは派遣の方には、派遣を選ぶ方にはその待遇が良くなるようにということをやっているわけであります。
#25
○森本真治君 長々と御答弁いただきましたけれども、本当に派遣労働者の皆様をしっかりと守っていくんだという、いろいろとこちらがその懸念について御提案もしても、派遣先の皆さんへのこととかも含めて、打っても響かないですね。大変私は残念だというふうに言わざるを得ません。
 ちょっと時間があと五分しかないんで、均衡待遇の話も少し用意しているんで、是非聞かせていただきたいと思います。
 これ、ちょっと資料で、またこれもないんですけれども、厚労省が取ったアンケートですけれども、派遣労働者の派遣元への要望で一番多いのは賃金制度の改善、これが半数を超えているというデータが、厚労省さん御案内だと思います。
 これまでも現行法で均衡待遇ということの義務ということがありましたけれども、本当に法の趣旨に基づいて確実にこれまで進んできたのかというようなことがあります。
 地方公聴会が八月六日にあったときに、これ、石橋委員が派遣会社の方に、この法案で処遇改善が図られるんですかといって聞いたところ、公述人は、もう既に職務に見合った賃金を払っているんですというようなことをお話しされているというのがあったんですね。
 つまり、これ、例えば均衡待遇ということをどうやって判断していくのかということですよ。これについてちょっとまずお伺いしたいと思います。
#26
○政府参考人(坂口卓君) 今御質問があった派遣元での賃金を派遣先労働者との均衡を配慮しながらどう決定していくかということでございます。
 この点につきましては、平成二十四年の改正法で、派遣元については派遣労働者の均衡処遇の一環として派遣先労働者との均衡を配慮した賃金の決定ということを配慮義務として設けたということでございます。
 この点につきましては、今も議員の方からございましたとおり、いろいろ、なかなか難しい面もあるということも、特に今議員の方からあったように、どういった形で派遣先の労働者、どういった方と比べてその賃金の水準を配慮していくのかというような点について、やはり二十四年改正後もなかなか難しいというような状況もあったということもございましたので、今回、労政審でも御議論がされて、やはり今議員と同じような視点で、もっと進めなきゃいけないだろうということの御議論がありました。
 そういったところで、今回、やはりそういったネックになっているというのは、今もお話がありましたけれども、派遣先の協力ということが必要だろうということで、今回、派遣先に対してもそういった賃金水準に関する情報提供ということを派遣元の方に提供するという配慮義務を新たに設定するということを行おうということで今盛り込ませていただいておりますし、また、やはりなかなか、そういった点を派遣元がよりしっかり進めていくというためには、あるいは派遣労働者の方本人にもそういった派遣元の取組ということがしっかり行われているのかどうかということが分からないのではないかということもございますので、そういった形で、派遣労働者御本人がそういった具体的な配慮がどういったことが行われているかということをしっかり知っていただくような手だても必要だろうということで、今回派遣会社、派遣元の方に、派遣労働者の方の求めに応じてそういった配慮した内容の説明義務ということを新たに設けるということにしております。
 いろいろ議員の方からも御指摘のとおり、なかなか進んでいない部分がございますけれども、そういった点をしっかり盛り込んで、しっかり進めてまいりたいと思っております。
#27
○森本真治君 ちょっと時間が来ましたので、最後にまとめて質問を聞いて、終わりたいと思いますけれども。
 今回の法改正で、じゃ、本当に均衡待遇が進むのかといったときに、そのように説明を受けた派遣労働者、これ著しく均衡でない、欠けているという判断をしたときに、派遣労働者はそれに対して取る手段というのがあるのかということ。
 それと、先ほどの正社員の制度化もなんですけれども、やはり派遣元の方に、このキャリアアップ措置もしっかりアピールされていますけれども、それと連動してしっかりと処遇改善がつながるという部分においていえば、伺っているところによると、例えば派遣元で賃金テーブルなどもしっかりできているのかというようなところもあります。だから、まずはそこについてもしっかりと派遣元には課していくということですね。そのところもしっかりと担保を取っていくということが必要だと思いますので、最後にその二点聞いて、質問を終わりたいと思います。
#28
○政府参考人(坂口卓君) まず、一点目の均衡処遇の観点での派遣労働者の対応ということでございますけれども、今回新たにという部分も含めまして、派遣先、元に対していろいろ配慮義務ということを付加するという形にしております。当然、派遣労働者の方の方から、そういった対応が派遣先、元から見られない、著しくそういった対応が見られないということであれば、当然、都道府県労働局の方に御相談あるいは申告をしていただくということをもってして、都道府県労働局の方でそういった事業所等に対しては必要な監督指導を行って、しっかり配慮義務を果たすようにというようなことでの履行を求めていくという対応を取るということになってまいります。
 それから、あと、キャリアアップ措置とともに賃金テーブルの整備ということでございました。
 御指摘のとおり、そういった派遣元での賃金テーブルを整備するということは派遣で働く方の待遇の改善ということにつながりますので、私どもとしても、一部そういった対応をされているというようなところ、いろいろキャリアアップ助成金の活用とかということもございますので、いろいろ取組事例の収集をしたり、あるいはそういった賃金テーブルを整備するというような場合の助成金の活用というようなことについて、しっかり派遣元の積極的な取組ということを今議員の御指摘があったように促してまいりたいと思っております。
#29
○森本真治君 ありがとうございました。
#30
○牧山ひろえ君 民主党・新緑風会の牧山ひろえです。
 八月四日に引き続きまして、派遣法の改正案について質問させていただければと思います。
 日本では、民主党政権下の二〇一二年度改正で、違法派遣の場合の労働契約申込みみなし規定が創設されました。御承知のとおり、今年の十月一日より施行されることになっております。施行に伴って大量の派遣労働者が失業するなどと決め付けた一〇・一問題、いわゆる一〇・一問題を避けることが、当局が今回の派遣法改正の施行を急ぐ理由だとも言われております。そのような絡みで、今回の派遣法改正と密接に関連するこのみなし制度について御質問できればと思います。
 厚労省は、労働契約申込みみなし制度につきまして、七月十日に職業安定局長発の通達を出しておられます。まず、これに関して御質問をさせていただきたいと思います。
 労働者派遣法は、二〇一二年改正によって法目的が明記されました。それは、派遣労働者の保護などを図り、もって派遣労働者の雇用の安定その他福祉の増進に資することが目的ということなんですね。ですので、労働契約申込みみなし制度が派遣労働者を保護すること、このことが目的であることは当然と考えますが、通達にはそのことが実は明記されていないんですね。
 そこで、確認させていただきたいんですけれども、労働契約申込みみなし制度は、派遣労働者の保護と雇用の安定を図る目的であるということでよろしいでしょうか。
#31
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、労働契約申込みみなし制度についてのお尋ねがございましたけれども、違法派遣の是正に当たりましては、派遣労働者の雇用が失われないようにしつつ違法派遣を是正することによって派遣労働者の保護を図るという必要があるということでございまして、また、違法派遣を受け入れた派遣先にも一定の責任があると考えられることから、そのような派遣先に対して派遣労働者の保護にもつながる形で一定のペナルティーを科すことによって、労働者派遣法による規制の実効性を確保する必要があるというふうに考えているところでございます。
 このため、今お触れをいただきました平成二十四年の労働者派遣法改正によって、派遣先が禁止業務への派遣受入れ等の違法派遣を受け入れた場合、このときには、派遣先から当該違法派遣に係る派遣労働者に対しまして、その時点の労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす旨の規定が設けられたというところでございます。
#32
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 だとすると、この通達で示している行政解釈は、派遣労働者の保護と雇用の安定を図る目的で解釈されるべきであるということで、この理解でよろしいでしょうか。
#33
○国務大臣(塩崎恭久君) そのような解釈で結構かと思います。
#34
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 みなし制度が労働者派遣法の一部である以上、みなし制度も派遣労働者の保護と雇用の安定を図る目的、これを運用や解釈の基礎とすべきと考えます。
 労働契約申込みみなし制度の対象となる違法行為の四つ目の類型として、いわゆる偽装請負等が挙げられています。この類型の主観的要件として、偽装請負等の目的が必要とされています。この偽装請負等の目的、この有無について、通達は、免れる目的を要件として明記した立法趣旨に鑑み、派遣先が指導命令等を行い偽装請負等の状態となったことのみをもって偽装請負等の目的と推定するものではないとしているんですね。また、実際に請負契約を締結し、そして、請負事業主が雇用する労働者に対し、労働者派遣と同じように指揮命令を行ったとしても、労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的にはならないとしているんですね。
 ですが、派遣先は、偽装請負状態に該当することを認識した場合には、労働者派遣法を適用しなければならないことを認識すべきだと思うんです。知っていて適切な対応を取らなかったということは、目的ないし狙いを持っていたとみなされてもやむを得ないと思うんです。
 つまり、偽装請負状態に該当すると認識した上で、派遣先が請負の名目で契約を締結したりあるいは継続したりする場合には、免れる目的がある、こう解釈するべきと思うんですが、そういう理解でよろしいでしょうか。
#35
○副大臣(山本香苗君) 今御指摘いただきましたいわゆる偽装請負等の場合におきましては、十月一日より施行されます法第四十条の六におきまして、労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、派遣契約に定めるべき事項を定めずに労働者派遣の役務の提供を受けた場合に労働契約を申し込んだものとみなされることとなるが、先ほど御指摘いただきましたように、条文上、労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的を有することが要件となっております。
 この労働契約申込みみなし制度につきましては、御承知のとおり、民事的な効力を有する規定でございますので、その効力が争われる場合については、個別具体的な司法判断されるものではありますけれども、円滑な施行を図るために七月十日の日に行政解釈というものを示させていただいたわけであります。
 この中におきまして、請負契約等を締結した時点では、派遣先等に偽装請負等の目的がなくても、その後、派遣先等が受けている役務の提供がいわゆる偽装請負等に該当するとの認識が派遣先等に生じた場合におきましては、いわゆる偽装請負等に該当すると認識した日の翌就業日以降、初めて指揮命令を行う等により、改めて偽装請負等の状態となったと認められる時点で、偽装請負等の目的で労働契約の申込みをしたものとみなされるものであるという解釈を示していることでございますので、しっかりとこの旨を労働契約申込みみなし制度の周知の中で努めてまいりたいと考えております。
#36
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 是非、派遣労働者の保護と雇用の安定を図る目的でなされるべきこの法の趣旨を根本に据えて運用を行っていただきたいと思います。
 通達では、みなし制度の適用によって成立した労働契約の雇止めに関し、その効力が争われた場合、当該効力の有無については、労働契約法第十九条に基づき、個別具体的に司法判断されるべきとされています。本件につきまして、個別具体的には司法判断に委ねられる、このことについては異論はないんです。
 ですが、問題は、労働契約申込みみなし制度の適用によって派遣先との労働契約が成立した場合、対象となった有期労働契約の更新につきまして、合理的期待の有無、これを派遣先との雇用契約関係のみで判断するか、又は元の契約関係に付随する属性も含んで判断するか、これが課題だと思います。
 この点につきまして、私は、単に初回の有期労働契約として見るのではなくて、過去の派遣の更新などの実情をしっかり踏まえて雇用継続の合理的期待の有無が判断されるべきであると考えております。派遣先との労働契約が成立しても、更新の合理的期待がないとされれば雇い止めされてしまうことになりかねないんですね。ですので、先ほど御確認いただいた本改正の目的でもあります派遣労働者の保護と雇用の安定、これに反する結果をもたらすことになると思うんです。そのようなことがあってはならないと思います。
 ですので、労働契約申込みみなし制度の適用によって成立した労働契約の雇い止めについては、過去の派遣契約の更新歴などもしっかりと考慮して、そして合理的期待の有無を判断すべきだと考えておりますが、このような理解でよろしいでしょうか。
#37
○副大臣(山本香苗君) この労働契約申込みみなし制度により、みなされる労働契約、直接雇用契約の申込みの内容というものは、違法派遣のあった時点における派遣元と派遣で働く方の労働契約の内容と同一の労働条件となっております。
 今、労働契約期間については、派遣元での契約期間が申込みの内容となりますけれども、有期契約の場合については、労働基準法及び関係省令の規定上、更新の基準を明示することとされておりまして、更新の基準が労働条件となっている場合には当該更新の基準についても申込みの内容となりますので、例えば自動更新とすることが合意されているような場合につきましては、不更新が契約違反として無効となる場合もあり得ると解されておりますので、この旨もしっかり周知してまいりたいと考えております。
#38
○牧山ひろえ君 派遣先との労働契約が成立しても、派遣元との契約の属性が継承されなければ雇い止めされてしまうことになりかねないと思うんですね。これでは、この制度の適用によってかえって派遣労働者の雇用の安定を損なうことになる、そして、この制度の趣旨に反すると思うんですね。やはり、この制度の適用によって派遣先との労働契約が成立した場合、その後の有期契約の更新につきましては、実質無期や合理的期待等の派遣元との契約の属性の実情、これをきちんと踏まえて判断されるべきだと思います。
 この申込みみなし制度におきましては、派遣先や派遣元から労働者に対して、労働契約の申込みを行っているという通知をする義務が法律上ないとのことなんですね。ですが、派遣労働者が承諾の意思表示を行うためには、そもそも派遣先から労働契約の申込みを受けているということをその派遣労働者自身が実際に認識していること、当然ですが、これが大前提だと思うんです。
 そこで、制度の実効性を確保するために、派遣先は労働契約の申込みを行っている旨を派遣労働者に対して通知することが望ましい、こういったことぐらいは、私は、内容の指針を厚労省として示すべきかと思います。
 先般の委員会での津田委員の質問に対して、議論して検討する、こういった答弁がなされているんですね。制度の実効性を確保するためにもう少し私は踏み込んだ御答弁を期待していたんですが、もし前向きな御答弁が難しいんでしたら、違法状態に置かれている派遣労働者が、では一体どうやって自分に対して労働契約申込みがなされていることを知ることができるんでしょうか。実際には、ほとんどの方が知らないと思うんです。ですから、そういった思いがあるのでしたら、やはりお知らせをする、このことぐらいは指針に入れていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#39
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、津田先生からも御指摘を繰り返しいただいておるわけでございまして、この問題についての先生方の御認識については十分理解をしているわけでございまして、労働契約申込みみなし制度の対象となっているかどうかを御本人が分かっていなければ意味がないじゃないかと、こういう問題意識かというふうに思っております。
 これは、労働契約申込みみなし制度につきましては、一定の違法な派遣の受入れがある場合に、派遣先が派遣で働く方に直接雇用の契約を申し込んだものとみなす制度であるわけでありまして、この労働契約申込みみなし制度の円滑な施行が行われるということ、それから派遣で働く方の権利を違法な働き方から守るという観点からは、派遣で働く方が制度を御理解をいただく、そしてその上で実際に活用していただくことが重要であるわけでありますけれども、問題は、なかなか本人は分からないじゃないかというふうに今おっしゃっておられたわけでありますし、津田先生からもそのように承っております。
 これは、大体、まず制度を理解をしていただくためにどういうことをやったらいいのか、そしてまた、どういう場合に対象となるかということを派遣で働く方に御認識をいただくかということについて問題提起をいただいておりまして、今検討しているわけでありますけれども、何が有効な手だてとしてあり得る手だてなのかということについてしっかりと検討してまいりたいということを申し上げているわけで、当然のことながら、私どもも検討していきますけれども、法律ができた暁には労政審でもしっかりと議論していただきたいと思いますが、目下、今、私どものレベルでも、どういうことがあり得るのかということを検討しているところでございます。
#40
○牧山ひろえ君 どういうことがあり得るかという大臣の御答弁ですけれども、もう通知するしかないと思います。やっぱり丁寧にお知らせしてあげる、それがもう検討しなくても分かると思いますので、是非指針に入れていただきたいと思います。もし通知することが義務とされないようですと、本制度が適用される状態にあることを派遣労働者が知らないまま労働契約期間が終了してしまう可能性があります。せっかく派遣労働者保護に資する制度であっても、派遣労働者本人の認識がなければ使いようがないと思います。是非、指針に明記することを御検討いただきたいと思います。
 労働契約申込みみなし制度の第三類型として、法第四十条の二第一項の規定、いわゆる期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けることが新たに規定されております。この期間制限違反には、過半数労働組合等からの意見聴取手続を行わずに期間延長を行ったケースも含むとのことで、事前の御説明をいただいております。この過半数労働組合、労組などからの意見聴取が適正に行われていない場合、事実上意見聴取が行われていないものとみなされ、労働契約申込みみなし制度の対象となると考えておりますが、いかがでしょうか。
 具体的には、意見を聴取した過半数代表者が民主的な方法で選ばれていなかった場合、あるいは派遣先が意見聴取や対応方針などの説明の記録を故意に破棄した場合、また意見聴取に当たり的確な意見表明が可能となるような資料が派遣先から提供されなかった場合、こういったことを想定しております。いかがでしょうか。
#41
○副大臣(山本香苗君) 派遣先におきまして、過半数労働組合等の意見聴取をすることなく、事業所単位の期間制限を超えて労働者派遣の受入れをしていた場合は労働契約申込みみなし制度の対象になる、御承知のとおりでございますが、この過半数労働組合がない等の理由で過半数代表者を選出して意見聴取をした場合であっても、例えば管理監督者を代表者とした場合や、また御指摘の民主的な手続によらずに派遣先が指名する者等を代表者とした場合につきましては、これは意見聴取が行われていない、それと同視し得るものだと考えられますので、期間制限を超えて労働者派遣の受入れを継続した場合には、この労働契約申込みみなし制度の対象となります。
 その他のケース、おっしゃっていただいたケースなんですが、そこは聴取が行われていないとまでは評価ができませんので、行政指導の対象として指導等を行ってまいりたいと考えております。
#42
○牧山ひろえ君 是非フェアな方向で御検討いただければと思います。
 今回の改正法案は、派遣労働者の雇用安定や処遇改善につながらないと思います。そして、低処遇を放置したまま、世界に例のないような間接雇用法制を実質的に導入しようとしています。結果として、我が国の雇用の在り方を大きく劣化させてしまうと言えます。
 引き続き、この改正案に反対し続けることを強く申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
#43
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋です。
 前回、前々回に続きまして質疑をさせていただきますが、まず、大臣、最初に、前回の宿題事項が二点ほどありますので、その宿題事項からスタートさせていただきたいと思います。
 前回、お手元に今資料で配付をさせていただいております資料一、大変重要な大臣からも確認答弁をいただきまして、派遣労働者Bさんのようなケースで雇用安定化の義務規定が発動された場合、第三十条の第二項、その場合に、労働契約なり派遣契約が終了するまでに義務が果たされなかった場合、その場合では、第三十条第一項第四号、これは雇用を継続して、労働契約を継続して、教育訓練などの措置を講じながら、ちゃんと義務を果たすんだというふうに述べていただきましたので、ここは大変重要だったと思います。
 その上で、かねてから私が繰り返し大臣に質問して、大丈夫かと言っていた、じゃ、努力義務規定のときに一体どの時点でこの努力義務規定から解放されるのか、派遣元がということについて、大臣、繰り返し、それは派遣契約の終了で見るんですという答弁でした。
 それは違うということで今回修正答弁をいただけると聞いておりますので、大臣、よろしくお願いします。
#44
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただきました努力義務の消滅時点についての答弁について、正確性を欠いた部分が若干あったために当日の審議において改めて御説明をさせていただいたわけでありますが、改めて申し上げれば、雇用安定措置の努力義務は、派遣元との通算雇用期間が一年以上であれば、派遣契約の終了があったとしても労働契約が存続するか、労働契約が終了したとしても登録中であれば残るものでございます。
#45
○石橋通宏君 これは、大変重要な修正をしていただいたんだと思います。確認ですね。
 労働者の、派遣の方々の中には、派遣契約が終わっても労働契約が残っておられるケース、そして今大臣、登録型のことにも言っていただきました、登録していただいているケース、いろんなケースがあり得るわけです。ですから、幾ら努力義務とはいえ、これは法的な義務が発生しているわけですから、それについてはきちんと派遣元に対して義務を果たしていただくということで、そういうことだということで、大臣、修正をいただきましたので、ここはしっかりとやっていただきたいと思います。
 つまり、大臣、派遣労働者Dさんのケースですね。Dさんのケース、細切れで、でも途中で派遣元と一年以上雇用が発生しているので、それ以降は派遣期間、契約期間にかかわらず努力義務が発生するんだということで、これはもう既に確認をいただいております。
 今の大臣の答弁からいくと、これは派遣契約があって労働契約があったときだけではなくて、登録をされているのであれば登録期間中も、これ、義務は、当然努力義務ではあるけれども、努力義務は発生し続けるんだと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#46
○国務大臣(塩崎恭久君) そういう理解で結構だと思います。
#47
○石橋通宏君 これも大変重要な御答弁だったと思います。これを是非、実効性ある形で担保いただきたいと思いますので、これ、また後ほどお聞きをしたいと思います。
 その上で、このEさんとFさんのケースもこれ、今回確認をいただきました。
 労働契約がそもそも見込みが三年だった、つまり義務規定が発生をしていた。しかし、派遣が途中で打切りになっちゃった。打切りになっちゃったら三年見込みじゃなくなるから義務規定が消滅するという、そういう今回御説明をいただきました。これ、大臣、いかがなものかと思うわけです。派遣契約がそもそも三年見込みで義務が発生していたのに、派遣先の都合で途中で打切りになっちゃったら義務が消滅しちゃう、これおかしくないですかね、大臣。
 さらに、派遣労働者Fさんのケースであれば、これ、努力義務が発生していた。しかし、一年たたずに十一か月で打切りになっちゃった。そうしたら、努力義務まで消滅しちゃって、一切の義務がなくなっちゃう。
 これ、派遣労働者の雇用の安定のためにこの三十条を設けてくれた。派遣元に対して義務を課す。とすれば、まさにこういうケースにこそ派遣元にしっかりと義務を果たしてもらわなきゃいけないんじゃないでしょうか。派遣先の都合で勝手に契約切られちゃったときに派遣元の義務を解放しちゃったら、今回の措置の意味がないじゃないですか。これ、大臣、これで本当にいいんですか、大臣、お答えください。
#48
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#49
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#50
○国務大臣(塩崎恭久君) 事前通告をいただいていなかったものですから、大変時間が掛かって申し訳なかったと思いますが。
 そもそも、先生今おっしゃったように、労働契約が三年というケースで二年で派遣契約が終わっちゃった場合、このときに、雇用安定措置が義務でスタートしているのにここで終わっちゃうじゃないかと、こういう話だと思います。
 それ自体はそのとおりでございますが、そもそも雇用安定措置自体が今回の新たに義務で、三年見込みの際の義務ということで制度設計をしているわけで、三年たったところでどういうことを派遣元が今までのない措置として派遣労働者の雇用継続を図るためにやるのかということを定めたものであって、そういう意味ではこの権利が、義務ということで発生したものが切れるということはそのとおりだと思います。
 ただ、今、このEさんのケースは、労働契約が続いておりますから、労働契約の下において雇用をしている派遣元がどういう義務を果たしていくのかということが使用者として問われてくるという理解かというふうに思います。
#51
○石橋通宏君 大臣、ちょっと認識が違うんじゃないでしょうかね。
 だから、今回の目玉なんですよね、大臣、繰り返し言うけれども、第三十条の雇用安定化措置というのは。大臣、三年たったらというけど、第三十条の一項の適用は、もう一年以上の雇用契約見込みがあれば、これは努力義務は発生するわけです。その時点から発生するというのは何回も言われているじゃないですか。
 だから、今回、このEさんやFさんの場合は、途中で派遣の打切りになる、打切りになったら義務規定だったのが努力になっちゃう、若しくは努力規定だったのが消滅しちゃう。これで、それでいいですよと言っちゃったら、派遣元に三十条の効果としての義務が失われちゃうじゃないですか。それでいいんですかという質問をしているのに、大臣、それでいいですという説明なんですね。
 つまり、三十条なんて所詮その程度の意味しかないんだということでいいんですね。(発言する者あり)
#52
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#53
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#54
○国務大臣(塩崎恭久君) 二年でこの派遣契約が打ち切られた場合には、義務規定でスタートしたものが義務がなくなるということはそのとおりだということを申し上げているわけで、それが今おっしゃったように努力義務に変わってしまうということでありますが、同時に、先ほど申し上げたように、その労働契約は続いているわけでありますから、労働契約を結んでいる派遣元がどのようにしていくのかということで、この雇用安定措置も、努力義務という形には切り替わったとしても、努力義務は果たしていかなければならないということで、なおかつ、それは労働契約の下においてのそういう義務でもある、努力義務でもあるということでございます。
#55
○石橋通宏君 それはもう、大臣、これでいいというふうに認められちゃった、そういうことになりますね。つまり、これ本当に派遣契約途中打切りの促進になっちゃいますよ。義務規定逃れるために途中で打ち切っちゃえば解放されるというふうになっちゃったら、これ、もう。
 で、大臣、前回の質問のときに私聞きましたね。今回は、例えば派遣元と無期の場合は、派遣先との派遣契約の中途での打切りをもって労働契約、無期契約を切ってはいけないというふうになっている。でも、有期の場合には、それは今回課していませんね。有期契約の場合は、派遣契約二年で打切りになっちゃったら、多くの派遣労働者は労働契約も打切りになっちゃうんですよ。それ、今回は絶対やらせないという措置なんですか。今大臣言われた、いや、派遣契約が切られても労働契約が残っていますから、大臣、今言われましたね。
 ということは、有期の場合で派遣が途中で打ち切られても、派遣元に絶対に雇用は途中で打ち切ってはいけないという、それも義務としてしっかりと課すということで、今そういう答弁をされたという理解でよろしいですね。(発言する者あり)
#56
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#57
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#58
○国務大臣(塩崎恭久君) せっかくこの雇用安定措置というものを導入しながら、今のような形で二年で切られた派遣契約の場合には意味がないじゃないかと、こういうお話でございました。
 先ほど申し上げたように、労働契約が続いているということでありますけれども、その前に、派遣法でも、派遣先の都合によります派遣契約の解除の場合には、派遣先にも派遣労働者に新たな就業機会を確保する等の必要な措置を講ずる義務が二十九条の二で生じてまいることから、派遣労働者の雇用は一つはこれで安定が図られる手だてが打たれるわけでありまして、もう一つは労働契約法の第十七条にありますやむを得ない事情がない限りは解雇できないという、この定めもございますので、そういう意味で、労働契約がまだ続いているということにおいては、雇用安定措置での努力義務と、それから今の派遣先の義務と、さらには労働契約法に基づく解雇をしてはならないという定めとあって、派遣で働く方の雇用は、そういう意味で、雇用安定としての手だては今回新たにこれで加わっているということでございます。
#59
○石橋通宏君 とすると、繰り返しますが、大臣はこういう場合に、三十条が消滅してしまう、Eさんの場合であれば義務から努力に変わってしまう、Fさんの場合は努力が消滅してしまう、これでもう構わないということを今認められたということです。
 その上で、大臣、では、今回こういうケースのように有期契約の方が途中で派遣切りに遭った、その場合に、今大臣、大丈夫だというふうに言われました。とすると、今回、無期雇用契約の方の場合で、派遣契約の終了をもって雇用契約を終了してはならないということを今回書き込むということにしていただいています。これは有期の場合も、派遣切りの場合に労働契約を切ってはいけない、併せて書き込んでいただけるということでよろしいですね。
#60
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生から御指摘をいただきまして、検討したいと思います。
#61
○石橋通宏君 これは大事なところですので、是非具体的にどうされるのか、次回の委員会までに整理をして回答いただきたいと思いますが、委員長、よろしくお願いします。
#62
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#63
○石橋通宏君 本当は、この点、もう何点か確認したいんですが、時間が経過をしていきますので、宿題事項の次のところに移りたいと思います。
 派遣元・派遣先管理台帳の保存期間について前回理事会協議で整理をいただきまして、回答をいただきました。驚きました。
 大臣、ちょっと一つお伺いしたいんですが、この事実は御存じだったんでしょうか。派遣元台帳、派遣先台帳、台帳の保存、台帳の管理というのは、これ派遣契約ごとに行われるものであるということについては、大臣、これまで、昨年の臨時国会以降ずっと担当されているので、これ御存じだったんでしょうか。
#64
○国務大臣(塩崎恭久君) こういう形で派遣ごとに契約があるということは、もちろん契約ごとにこの台帳があることは知っておりました。
#65
○石橋通宏君 御存じであって今回の法案を提出されているということなのであれば、私は大問題だと思いますが。
 資料の三に、今回、厚労省から整理をして御説明をいただいた台帳の保存の在り方、保存期間について整理をしております。私がびっくりするのは、今までだったら百歩譲って理解はできるんです。今までであれば、基本的に一般派遣の場合は一年の期間制限で、労使で合意があった場合には最長三年ということになっていましたので、まあ理解ができなくもないなと思うわけです。
 しかし、今回は、大幅に、事実上期間制限は撤廃された、繰り返し繰り返し派遣で、生涯派遣も可能になる。もう既にこの委員会の質疑でも、先般、前々回、津田委員が質問に立って、もう二十年でも三十年でも同じ派遣先で、課だけ変えて繰り返しでいくんだと、大臣、これは認められた。それだけの大きな改正なのに、この保存期間、管理台帳の保存の在り方については全く現行法と変わっていないということになっているわけです。
 つまり、大臣、問題意識、これお持ちなんでしょうか。派遣契約ごとに管理台帳が作られる。そして、それが、派遣契約が終わったら、その瞬間から三年間しか保存義務が課されないということであると、これ例えば派遣労働者Aさんの場合、同じ派遣元でずっと継続して労働契約があるわけです、頑張って働いておられるわけです。しかし、派遣先は三年たって変わった、一年で変わった、二年で変わる。とすると、台帳が変わっちゃうわけですね。台帳が変わっちゃうから、最初の派遣契約が終わって三年間しか保存義務がないので、その後ずっと継続されているのに、元々の台帳は三年たったら保存義務なくなっちゃいますから、派遣元は廃棄しても何の法的な責任問われなくなっちゃうわけです。
 大臣、とすると、今回の雇用安定化措置、キャリアアップ、派遣労働者の方々のキャリアアップもやるんだ、継続してという、全然違うじゃないですか、大臣。これについて、大臣、どういう見解か、是非明確に答弁ください。
#66
○国務大臣(塩崎恭久君) この管理台帳につきましては、派遣元管理台帳、そして派遣先の管理台帳について、派遣労働者の適正な雇用管理を行うというために派遣労働者の就業の状況を把握できるようにしておく必要があるということ、それからその状況を行政においても随時把握できるようにしておく必要があるということから、派遣会社、そして派遣先に対して一定の事項を記載した上で保存をしてくださいという義務を課しているわけでありますが、この保存期間の三年ということについての問題点、指摘がございますが、両方の台帳につきましては、保存義務に違反した場合には罰則の対象となることからも、いたずらに長期の保存義務を課すことは必ずしも適当ではなく、賃金台帳等の他の労働関係法令上の保存期間との均衡を考慮をして労働者派遣の終了の日から三年間保存としているわけでありますが。
 一方で、今回の改正では、無期の雇用派遣労働者に対して長期的な観点からの教育訓練の実施を義務付けるなど、派遣会社の雇用主としての責任、この雇用主としての責任を強化をしていることに伴って、派遣会社において派遣労働者に関する情報をこれまでよりもより長期間保存をし、雇用管理に役立てることが望ましいということが起こり得るわけでありますし、そういうようなことを考えてみると、その旨を派遣元指針に規定をして、私どもとしてはそれを広めて周知をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#67
○石橋通宏君 大臣、これは欠陥法案でしょう。現行法と、これ大幅に、大臣、三十条も、三十条の二も、三十条の三、派遣で働きたいと望んでいる人のために今回やるんでしょう、大臣。僕らは全然派遣労働者のためにならない法案だと反対しているけれども、大臣たちは、これ派遣労働者の方々の雇用の安定化、キャリアアップ、将来、これのためにやると、そういう法案だと言っているにもかかわらず、現行法と、まさにこの派遣元に課す派遣元としての責任、それを法律の中で全然規定をしていない。指針で書く、でも法律の義務じゃない。三年たって廃棄したって問われない。
 これ、全然おかしいじゃないですか、大臣。その程度の、大臣、認識なんですか。欠陥法案だと思いませんか。大臣。
#68
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、この保存期間というのは、先ほど申し上げたように、他の法令、関係法令などとの均衡を考慮して三年保存としているわけでありますけれども、派遣元管理台帳、そしてまた派遣先の管理台帳は、個々の派遣契約に基づく労働者派遣についてその就業状況を把握するためのものでございます。そういうことから、雇用契約とリンクをさせることは法の趣旨と必ずしも合っていないというか異なっておりまして、対応することはなかなか難しいのではないかと考えております。
 なお、雇用主としての責任というのは、他の雇用形態の労働者と同様にこれは果たさなければならないものであって、人事記録等において自主的に適切な管理を行っていただきたいと考えておりますし、これは、いわゆる正社員の皆さん方のことについてもこの人事記録などはしっかりと記録をされているというふうに理解をしているところでございます。
#69
○石橋通宏君 大臣、今とんでもないこと言われましたね。結局、自主的にやってくれ、そういうことですか、大臣。全部これまでの答弁、うそじゃないですか、派遣労働者のために。
 じゃ、何のために三十条の義務を課したんですか。何のために三十条の第二の義務課したんですか、今回。繰り返し大臣は言われているでしょう、派遣労働者のための法案ですと。だから、義務課したんでしょう。義務を課さないと雇用安定化が図られないから、義務を課さないと教育訓練がやられないから、義務を課さないとキャリアアップがやられないから、今回この法案作ったんでしょう、大臣は、曲がりなりにも。
 であれば、これまでも、じゃ雇用安定化措置についてちゃんと派遣元の管理台帳に書きましょうねと、大臣、それ、やると答弁しているじゃないですか。であれば、派遣元がしっかりと、ずっと継続的に頑張っていただいている派遣労働者の方、どれだけ三十条の義務を果たしたのか、何をやったのか、どれだけ三十条の二の教育訓練の義務を果たしたのか、何をやったのか、どういうキャリアアップがあったのか、これを継続的にやらなかったら全然意味がないじゃないですか、大臣。
 認めるわけですね、今回、全くうそでしたと。派遣労働者のためじゃなくて、やっぱり派遣元の事業者の都合によって何でも自主的にできるような法案でした、それ認めるわけですね。
#70
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#71
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#72
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、この管理台帳をなぜ作るのかということは先ほども申し上げたとおりであって、この就業の状況をそれぞれ派遣元、派遣先で管理をして把握ができるようにする、そして行政も随時把握ができるようにするということでやっているわけであって、この保存義務に違反した場合には罰則の対象になるということでございますし、先ほど来申し上げているように、他の労働関係法令上の保存期間との均衡も考えた上で三年保存としているわけでありますけれども、その上で、先ほど申し上げたように、無期の派遣労働者に対しての教育訓練の問題を義務付けるということもあるので、それはそれぞれ派遣元の指針に定めて、より長い期間保存をして雇用管理に役立ててもらいたいということを考えているところであるわけでございます。
#73
○石橋通宏君 本当に衝撃を受けました。大臣、これもう今回の法案は本当に、派遣の労働者の方々と言っているけれども、全く、大臣、政府にはその意思がないんだ、この法案は全く欠陥法案だということを今大臣お認めになったということだと思います。
 派遣元、派遣元といっても、結局法的な義務が課されなかったら、結局義務果たさなくても、どうやって縛り掛けるんですか。どうやって、じゃ許可取消し事由にするんですか。どうやって、これ派遣元を指導するんですか。派遣先もそうですよ。さっきも言ったとおり、今回は課を変えれば同じ企業でずっと何十年もできちゃうんですよ。でも、派遣先も、今回の説明は、課を変われば台帳が変わるわけです。課を変わって、台帳が変わる。じゃ、三年前まで働いていた課でどういう業務をやってきたか。でも、三年たったら派遣先はその台帳を捨てちゃっても構わないわけです。何の指導もできないわけです。二十年頑張っていただいた、でも三年前以前の台帳はなくなっても派遣先は何の責任も問われないんです。大臣、これもいいんですね、これで。
#74
○国務大臣(塩崎恭久君) ここは、どこまで細かくやるかということであって、我々として最も大事なのは、派遣で働く方が権利が守られて、保護されながら働けるということが大事であって、今回は、例えばこの事業報告というものもできればインターネットでそれぞれ会社が公開すべしということを考えておりますけれども、そういうようなこともやって、キャリアアップ措置にしても雇用安定措置にしてもやるということ、それから、この派遣元の管理台帳、そしてまた派遣先の管理台帳についても同様に、私どもが今考えている法律に基づいた運用でもってやっていくことによって雇用管理に役立てるということを申し上げているわけであって、そこで更なる運用の在り方については指針で示していこうということを申し上げているわけであって、そこのところで長期間の保存ということが望ましいということで指針に私どもは定めていこうと思っておりますけれども、そこはどこまでのことを法律に書き、どこまでのことを指針に書くかということについての考え方かなというふうに思うわけでございます。
#75
○石橋通宏君 これ、大臣、全然駄目だと思いますよ。
 これ、法的に義務を課した、じゃ、それをどう担保させるのか。でも、法的な義務で、これ派遣元管理台帳、これしかないじゃないですか。どうやって需給官が現場入ったときに証拠書類を出させるんですか。台帳しかないわけですよ。じゃ、その台帳で三年しか義務課してなかったら、何が長期のキャリアアップですか。何が長期の雇用安定化措置ですか。何が派遣先の責任です。関係ないじゃないですか、三年しかなかったら。
 もう今回は派遣元事業者の都合のための法案だと今まさに認められた、そう言わざるを得ないと思います。こんなとんでもない法案、もう審議する気にならなくなってしまいますが、これ、是非、今のところ、指針で対応する云々かんぬん言われていますが、これ非常に重要なところなので、これも是非もう一回整理をして提出をいただきたいと思います。
 委員長、よろしくお願いします。
#76
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#77
○石橋通宏君 その上で、次に行きたい。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、附則の関係を幾つか聞きたいと思っておりましたけれども、ちょっと附則の関係も、三条、六条の経過措置はちょっと飛ばして、附則の九条に絞ってちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
 大臣、附則の九条の立法趣旨について簡潔に御説明いただけますでしょうか。
#78
○政府参考人(坂口卓君) 附則九条につきましては、これは四十条の二と四十条の三につきましての経過措置ということでございます。これにつきましては、施行日以降に締結される労働者派遣契約に基づいての労働者派遣についてそれぞれ適用するということを規定しているというものでございます。
 趣旨は、今申し上げたとおり、施行日以降のものを対象として、改正法案の施行の際に現に行われている労働者派遣については改正前の期間制限を適用するということを定めたものでございます。
#79
○石橋通宏君 つまり、これは、先ほど来話をしておりますように、制度としての安定性、そして派遣労働者の保護、雇用の安定性も含めて、これを念頭に、今回、期間制限が、先ほど申しましたように大幅に、我々としてはほぼ撤廃されるに等しい大改悪だと思っておりますが、こういう大改悪を進めるけれども、すぐに影響を及ぼすといろんなことで問題なので、施行日以降にのみ対応させるということでやるんだということで、これは労働者の保護のためのものであるということでよろしいですね。坂口部長で結構です。
#80
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘があったとおり、この経過措置については、労働者の保護の観点を含め、法的安定性を図る観点から、今申し上げたような経過措置にしているということでございます。
#81
○石橋通宏君 大事な御答弁だったと思います。
 附則第九条の立法趣旨ですね。派遣労働者の方々の安定性、保護、制度としての安定性も含めて、今回、期間制限、大幅撤廃されるんだけれども、これはあくまで施行日以降に締結をされた契約からしか適用されず、施行日以前に締結をされた派遣契約については、これ、「なお従前の例による。」と。
 これ、ちょっと、坂口部長で結構です、「なお従前の例による。」と、これはまあ簡単に言えば、現行法令が期間制限について適用されるということだということでよろしいですね。確認だけです。
#82
○政府参考人(坂口卓君) 今委員御指摘のとおり、現行法令、そのときに効力を有しておる法令について適用するということでございます。
#83
○石橋通宏君 今、現行で効力を有しているというふうにおっしゃった。それはどういう意味ですか。
#84
○政府参考人(坂口卓君) その時点で施行されているという趣旨でございます。
#85
○石橋通宏君 ちょっと分かりませんね。
 「なお従前の例による。」というのは、現行法令の下で決まっていることという意味ですね、法的に。施行日以降、これはもし法案が成立すれば、施行日がやってきて、施行日以降にこの新しい法案に基づくもの、契約、これは施行日以降ですね。だから、「なお従前の例による。」というのは、これはあくまで現在の派遣法で決まっていること、それに基づいて期間制限は運用されるんですよと。これはちゃんとそうしていただかないと、先ほど言ったことがうそになりますよ、派遣労働者のためのと言っていて。
#86
○政府参考人(坂口卓君) 申し訳ございません。紛らわしい答弁でございました。
 現行法が適用されるということでございます。
#87
○石橋通宏君 いや、それはそうだと思いますので。
 とすると、大臣、是非確認をいただきたいと思いますが、今大臣御理解いただきましたね。附則第九条の立法趣旨、そして「従前の例による。」というこの文言の意味。施行日以前に締結をされた派遣契約については、現行法で既に決められているもの、それに基づいて期間制限というのは運用されるんだということで御理解をいただけたと思いますので。
 としますと、現行法の下で締結をされた派遣契約、これが仮に施行日をまたいだとしても、それが効力ある限りは現行法の下でやられるわけですので、それが十月一日の労働契約申込みみなし制度の施行日を超えた暁には、これは当然、現在の契約の下で、現行法の下でやっておられる労働者の方々については、もし期間制限に関する違法派遣が発覚した場合には、この申込みみなし制度の適用になるから、当然ながらみなしを適用していただけるということでよろしいですね。これは確認です。
#88
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#89
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#90
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、施行日前からの契約がこの十月一日を超えたときに、違法があった場合にどうなるのかということだと思いますが、これにつきましては、改正案の施行日よりも前に結ばれた派遣契約に基づく労働者派遣については、現行法の期間制限が適用されるというのが今の経過措置でございますが、現行法の期間制限違反については、現行法の第四十条の四というのがございますが、これに基づいて労働契約の申込義務の規定等の適用によって引き続き保護がされるというふうに私どもは理解をしているところでございます。
#91
○石橋通宏君 いや、済みません、繰り返しますが、十月一日を超えた場合に、期間制限違反、つまり四十条の六の第三号ですね、これが発覚をした暁には、現行法の下で、現行法の期間制限の下で、専門二十六業務等々で、これも現行法の下で契約をされた方には現行法の下での期間制限がそのまま持っていかれるわけですから、幾ら施行日を越えても。ということは、期間制限違反が発覚した暁には申込みみなし制度の対象になるということでよろしいですね。
#92
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、現行法で四十条の四に、今回これで廃止をされるわけでありますけれども、三年の上限に達した際に受け入れている派遣で働く方を上限を超えて引き続き同じ例えば係で受け入れようとするような場合は、その方への労働契約申込義務というのが派遣先に発生をするというのがこの四十条の四でございまして、そういうことが発生をしてこの方は守られるということでございます。
#93
○石橋通宏君 四十条の四の適用もそのとおりだと思います。今回、これ廃止されておりますが、現行法の四十条の四、この四十条の四を満たす場合には、当然四十条の二とセットでこれは現行法が適用されるということだと思います。
 私の質問は、違法派遣が発覚をしたときに、十月一日から施行されるわけです、現行法の下で。この間猶予期間がありましたけれども、いよいよ、今日も質疑がありました、十月一日から施行、これは現行法体系の下で決まっているわけです。つまり、これをまたいで違法派遣が、期間制限の違法が発覚した、その暁には、この規定、申込みみなし制度は適用されるんですね、これは当然だと思いますが、確認をさせていただいているわけです。(発言する者あり)
#94
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#95
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#96
○国務大臣(塩崎恭久君) 少し整理をしなければいけなかったわけで、申し訳ないと思いますが、期間制限違反については、今の法第四十条の四で労働契約申込義務が発生をしますけれども、今先生から御指摘、御質問いただいた違法派遣については、今回のこのみなし制度が発動されるということでございます。
#97
○石橋通宏君 発動されるということでいいんですね。
 ということは、よろしいですね、これは非常に重要な答弁で、今多くの現在派遣労働で頑張っていただいている、特に二十六専門業務でこの十月一日のみなしを待ち望んでおられた方々、そういう方々は今大臣の答弁を聞いて大変喜んでおられると思いますが、それでよろしいですね、大臣。
#98
○国務大臣(塩崎恭久君) 今ちょっと、ばくっと違法派遣という、先生……(発言する者あり)いや、先生が違法派遣とおっしゃったものですから違法派遣と言ってしまいましたが、より限定的に申し上げれば、禁止業務派遣、それから無許可派遣、いわゆる偽装請負などについては、これは十月一日からの労働契約申込みみなし制度が施行された後は対象となるということで、違法行為については今申し上げたことでございます。
#99
○石橋通宏君 大臣、ちょっと変えましたか。第四十条の六、一、二、三、四があるわけですね。今、一、二だけ言いましたか。これ、何で区分けするんですか。
 今、私が特に聞いているのは、第四十条の六の第三ですよ。業務単位の派遣受入れ期間制限、これが、このくだんの問題の、期間制限の違法状態が、十月一日、これ越えて、そういう違法派遣を引き続き受け入れている派遣先については、これみなし制度だから、ちゃんとこれは義務が課されるわけですよ。
 これも、先ほどの答弁では、適用しますと言いましたね。今の答弁では、わざとこれ抜きませんでしたか。大臣は、それはおかしいですね。第四十条の六、丸ごと違法派遣、第一号も第二号も第三号も全部適用になるということでいいですね。もう一回ちゃんと答弁してください。
#100
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、期間制限について、違反については、現行法の四十条の四、これが適用になって労働契約申込義務が掛かるわけでありまして、これは事業所単位の期間制限違反あるいは個人単位の期間制限違反、これについては四十条の四で掛かるということでございます、義務が発生するということでございます。
 それに、この十月一日からの労働契約申込みみなし制度が施行された場合の対象となる違法行為というのは、今のこの期間制限違反二つに加えて、禁止業務派遣、それから無許可派遣、それからいわゆる偽装請負による派遣を受け入れることの五類型となるわけでございますので、今申し上げたように、二つの法律がカバーをするという格好になるわけでございます。
#101
○石橋通宏君 大臣、なぜ第四十条の六の第三号は抜かして言うんですか、今。第四十条の四が適用になるというのは、さっきも、私も、それは分かっています。第四十条の六だって、これ丸ごといかないと「従前の例による。」という規定に反するでしょう。
 どこに第四十条の六の第三は抜くと書いてあるんですか。書いてないでしょう。従前の規定によるというのは、第四十条の六丸ごと全ての制限を含めて適用になるということでしょう。何でこれ、第四十条の六の三だけ外すんですか。そんなこと、どこに書いてあるんですか、大臣。
#102
○政府参考人(坂口卓君) ちょっといろいろ議論が錯綜しているので、ちょっと私の方からも補充的に説明したいと思います。(発言する者あり)
 いや、先生の方から、冒頭、附則九条を発端に言われておりましたので、大臣の方も今回の改正法案との関係がちょっと議論として未整理になっているのかなと思いますので、ちょっと私の方から御答弁させていただきます。
 今まさに委員御指摘になった点、四十条の六については、現在は四類型ということでありますので、禁止業務派遣、無許可派遣、それからいわゆる今の業務単位を基礎とする期間制限違反といわゆる偽装請負ということになります。
 ただ、今回私ども、今回のこの改正法で御提案して、この期間制限の規定につきましては、仕組みを変えて、今回、業務単位の期間制限から今度は事業所単位の期間制限と個人単位の期間制限の仕組みに変えるということにしておりますので、十月一日に今回の改正法が成立した上で施行される十月一日からのみなし制度ということになりますと、先ほど大臣が五類型と申しましたけれども、今申し上げたような形になるということでございます。
 その上で、先ほど来先生がおっしゃっているのは、現行法の中の期間制限の仕組み、事業所単位の期間制限の仕組みでどうなるのかという御議論をされていたんだと私は今聞いておりましたけれども、そういう形になると、先ほど大臣が四十条の四とかと申しましたのは、現行の期間制限が経過的に経過措置として適用になりますので、期間制限の仕組みとすると、そういう仕組み、それから四十条の四ということが適用されるということですが、みなし制度につきましては、これは改正法が成立することによって仕組みが変わりますので、これは経過期間中の派遣、先ほど申し上げた期間制限の経過期間中の派遣については労働契約みなし制度の適用はないということでございます。
#103
○石橋通宏君 大臣、答えてください。どこに、「従前の例による。」というののどこに、第四十条の六だけ適用は除外ですとどこに書いてあるんですか。どこにも書いてないじゃないですか。さっき坂口部長答弁したでしょう、現行の規定、現行で既に決まっている法体系の下でやるんですと。新たに施行日以降に契約した派遣は、それは、今、坂口さん聞いてもいないのにつらつら言われたけれども、それに基づいてやるけれども、それ以前の部分については現行決まっている法律に基づいてやるんですと、期間制限は。だったら、第四十条の六も十月一日を越えればこれ適用になるわけです。
 だから、今生きている派遣契約については、現行法、「従前の例による。」、それは四十条の六も含めて適用するというのは当たり前じゃないですか。どこに書いてあるんですか。大臣。
#104
○政府参考人(坂口卓君) これにつきましては、先ほども「なお従前の例による。」のところでも申し上げましたけれども、現行法の規定が適用されるということでございます。それで、先ほど申し上げましたように、施行日においてはまだそのみなし制度というのは施行されていないということになりますので、労働契約みなし制度については施行日以降の規定の内容が新しくなっているので、経過期間中のものについては適用はされないということでございます。
#105
○石橋通宏君 これ、大臣、おかしいですよ。従前、つまり今生きている法、既に決まっている、これはもう三年半も前に決まっている法律なんです。これを十月一日から施行するというのは、「従前の例による。」、つまり今の法体系で決まっていることなんです。だから、十月一日からこれ運用始まるんですよ。これは決まっていることが施行が猶予されていただけの話で、「従前の例による。」の中にこれが入っていなかったらおかしい。そんな法律の解釈がどこにあるんですか。従前の例、附則の第九条に、どこにそんなことが書いてあるんですか。大臣、答えてください。(発言する者あり)
#106
○政府参考人(坂口卓君) 御指名がございましたので。
 「なお従前の例による。」という規定でございますので、まさに現に効力を有する条文の現行法規ということが適用になるということでございますので、これは、「なお従前の例による。」という部分の解釈からして当然に帰結される解釈でございます。(発言する者あり)
#107
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、今御答弁申し上げたように、「なお従前の例による。」という中にそういうことが入っているという理解でございます。
#108
○石橋通宏君 今、そういうことが入っているという理解で大臣は理解されているということ。つまり、これ繰り返しますけど、これはもう既に決まっていることなんです。坂口さん、さっきは現在決まっている派遣法法体系の下でというふうに言われた。つまり、これは既に決まっていることなんです、法律として。施行が猶予されてきただけの話で、これは従前の例なんです。どこに、その従前の例で現在効力を発していないものは除外する、どこに書いてあるんですか、そんなことは。どこにも書いてない。もしそうだとすれば、こんな欠陥法案駄目ですよ。誰も理解できないじゃないですか。
 大臣、欠陥法案であって、これは絶対駄目だということで大臣認められますね。
#109
○政府参考人(坂口卓君) 先ほど、今委員の方から私の答弁引用されましたが、私は先ほども委員からの御指摘もありましたので、現行法令が適用されるということで、それは現に、現行法令ということでございますので、この「なお従前の例による。」というのも、現に効力を有する条文という趣旨で申し上げたということでございます。
 先ほど大臣の方からも、「なお従前の例による。」が含まれるというのは、私の答弁を含めてそういうことを答弁されたということでございます。
#110
○石橋通宏君 いや、これ、絶対に法律の解釈としておかしいと思いますよ。
 この法律によって、附則の第九条、まさに先ほど来言われた法律の安定性、派遣労働者の方々、現在頑張って仕事をされている方々の権利保護のため、雇用の安定のため、言ったでしょう、坂口部長、そのために附則の第九条を設けている。つまり、混乱を避けなければいけない、今頑張って派遣でやられている方、もう予期しているわけです、派遣元だって、派遣先だって、派遣労働者の当事者の方だって。そのための附則の第九条であって、どこのどこに、この第四十条の六のこれだけ除外すると書いていないじゃないですか。
 これは欠陥法案であって、もしそんなことならば、このままでは絶対にこれ認められないというふうに思います。大臣、答弁してください。(発言する者あり)
#111
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#112
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#113
○国務大臣(塩崎恭久君) 「なお従前の例による。」ということの解釈で今御議論を頂戴をしているわけでありますけれども、これはやはり現に効力を有する条文、つまり現行法が対象になるものでありますので、改正案の施行日において未施行である労働契約申込みみなし制度は対象とならないということをさっき部長の方から申し上げたわけでありまして、今いろいろ議論が錯綜しておりますので、これを少し紙で整理をしてお出しをして、先生の御理解を賜れればというふうに思います。
#114
○石橋通宏君 全く理解できません、こんないいかげんな法律。むしろ混乱を招く。しかし、勝手に法解釈を変えて、そして都合のいいようにやってしまう。こんな欠陥法案、絶対に駄目だということを申し上げておきたいと思いますが、今大臣、これ整理をして提出をすると言いますので、これみんなが納得をするようにちゃんと整理をして、委員会に出していただきたいと思います。
 委員長のお取り計らいをお願いして、質問を終わりたいと思います。
#115
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#116
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、木村義雄君及び安井美沙子君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君及び前田武志君が選任されました。
    ─────────────
#117
○委員長(丸川珠代君) 休憩前に引き続き、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#118
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 派遣法の改正案についてもう何度も質問させていただいてまいりましたが、今日は均衡待遇を中心に質問をさせていただきたいと思います。
 賃金を始めとする処遇の改善の問題ですけれども、もちろん働く人の最も関心が高いのが賃金でございますし、均衡待遇ということにつきましては、七月三十日の質疑、また八月十八日の議員立法に関する質疑の中でもいろいろと質問させていただきました。
 派遣労働の大きな課題として、いわゆる正社員と比較して派遣労働者の場合は賃金の面でまず格差があるということで、今回の改正案ではこの賃金格差の課題にはどう取り組んでいるのか、改めて整理して説明をいただきたいと思います。
#119
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十四年の改正におきまして派遣で働く方の待遇改善に係る措置が盛り込まれたわけでございますけれども、派遣元事業主が均衡待遇を進める上で、派遣先の更なる協力、これが不可欠であること、さらには、具体的にどのような配慮が行われているかについて派遣で働く方本人が知る手段が担保されていない、こういったことが課題として指摘をされておりまして、このため、今回の改正案では、派遣先につきましては、賃金水準に関する情報提供などを配慮義務として導入するとともに、派遣元につきましては、派遣で働く方の求めに応じて均衡待遇確保の際に配慮した内容の説明義務をそれぞれ新たに設けて、均衡待遇の強化に取り組んでいるところでございます。
#120
○長沢広明君 派遣元が派遣労働者に払う賃金の原資は、これは派遣料金であるわけですから、派遣元が派遣労働者に支払う賃金が十分なレベルになるためには、この派遣料金もある程度の水準になければならないということになります。政府の説明どおりであれば、今回の改正案では均衡待遇に向けた取組を強化しているけれども、原資がなければ派遣元も均衡を考慮しての賃金を決定することができないわけであります。
 このため、派遣元が派遣先の労働者と均衡を考慮した賃金を支払うためには、派遣契約の締結時にこのことが可能になるような派遣料金を決定する仕方とか、そういう基本的な物の考え方が必要だと思いますので、この派遣契約の締結時に派遣先の労働者と派遣労働者の均衡を考慮した賃金が決定できるような、そういうふうに取り組んでいくということを政府として促すべきではないかというふうに思いますが、この点についての考えをお願いします。
#121
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御指摘ございましたように、派遣元が派遣先の労働者と均衡を考慮して賃金を支払うというためには、派遣契約の締結時に派遣料金が適切に決定されているということが必要であると考えます。
 この点につきましては、今回の改正法案の基となる労働政策審議会の建議の中でも触れられておりますが、やはり派遣先には、派遣契約の締結の際に、派遣契約の料金の決定に当たりましては、就業の実態や労働市場の状況などを勘案し、派遣労働者の賃金の水準が派遣先の同種の業務に従事する労働者の賃金水準と均衡が図られたものになるように努めることを、これは派遣先の指針に定めるということとしております。
 こういった内容を私どもとしましても派遣先にしっかり周知することによって、しっかり待遇の改善に資するように努めていきたいと思います。
#122
○長沢広明君 今回の改正案では、派遣元が派遣労働者に対して計画的な教育訓練ということを義務付けているわけで、また派遣先でもこの教育訓練に対する配慮義務というものを設けております。
 それで、例えば、このとおりいけば派遣労働者のスキルがアップしていくと、スキルがアップしていけば、その派遣労働者に対してはより高い、それに見合った技術や能力を必要とされるような業務に従事するように流れとしては本来なるわけなんですね。
 そうなった場合には、当然、スキルアップして、また高い能力、高い技術が要求する業務に従事するようになれば、さらにそれに見合った、賃金が上がらなければ意味がないわけです。派遣料金が上がらずに労働者の賃金が上がらないということであれば、このスキルアップするということの法の趣旨は必ずしも達成されないということになってしまいます。もし派遣料金が上がった場合は、これが適切に労働者の賃金に、上がるというふうに反映されることが必要になるわけです。
 この委員会や衆議院での議論でも、いわゆるマージン率ということについて何度か取り上げられてまいりました。派遣料金が上がった場合に、マージンの額のみ上がって派遣労働者の賃金が上がらないということでは全く意味がないわけで、そこで、派遣契約の更新時においても、派遣労働者のスキルが向上し、より高い技術が要求される業務に従事させる場合は、派遣料金も引き上げ、それが賃金の上昇につながるということが大変大事だというふうに思いますが、政府としてはこのことにどう取り組むつもりでいらっしゃいますか。
#123
○政府参考人(坂口卓君) 先ほどは派遣契約の締結の際についての対応について御答弁させていただきましたが、今委員から御質問ありましたように、派遣契約の更新時においてもしっかりとした取組ということが求められるということで私どもとしても考えております。
 ですので、やはり派遣先に対して、その更新時に対してもしっかり取組をしていただくために、その点につきましては、こちらの方は併せて派遣先の指針の方に、派遣契約を更新する際に、就業の実態や労働市場の状況に加えて、従事する業務の内容や要求する技術の水準の変化、これはキャリアアップ等で水準が上がったりということを勘案してということでございますけれども、そういった水準の変化を勘案して派遣料金を決定するように努めるということを、派遣契約を更新する際にもそういった努力を促すということを派遣先指針に定めてまいりたいと考えておりまして、そういった点をしっかり派遣先の方にも周知をしてまいりたいと思います。
#124
○長沢広明君 それで、派遣料金が引き上げられたときには派遣労働者の賃金の引上げにちゃんと反映するようにと、これが必要なんですけど、この点はもう一度重ねてお聞きします。
#125
○政府参考人(坂口卓君) 今御指摘ありましたように、派遣労働者の賃金の原資は、一番冒頭委員から御指摘ありましたが、まずその原資が派遣料金ということになりますので、この賃金の改善にとってはこの派遣料金の引上げということが一番大事ということになってまいります。
 こちらの方は、当然、派遣料金、あるいは、それから賃金、最終的に賃金の引上げということは派遣会社、派遣元の方が行いますので、こちらの方につきましては派遣元に対しての取組を促す必要があるということで、この点につきましては派遣元が、派遣料金が引き上げられた際にできる限り派遣労働者の賃金の引上げに反映するように努めるということを、こちらの方は派遣元指針という方に定めて、しっかりとその派遣元指針に周知をすることにより、そういった取組を促してまいりたいと思います。
#126
○長沢広明君 要求だけしておきますけど、ここの部分は現実にどういうふうになっていくか現場の状況というものを的確に把握をして、ちゃんと派遣料金の引上げが賃金の上昇につながっていっているかどうかということをよくウオッチして、そこはしっかり見ていくことが必要だと思いますので、その辺、念頭に置いていただきたいというふうに思います。
 派遣労働者の待遇の改善を図るという意味で、やっぱりこの派遣料金というものが大変決定的に大きいわけで、その際、派遣元が派遣料金の交渉に当たるというこの場面が非常に大事な場面になります。派遣労働者の賃金を原資とした派遣料金の交渉は、派遣元が派遣労働者の待遇を改善するということは念頭に置いた上で、派遣元がきちんと派遣料金の交渉に当たるということが大事なので、この派遣元の派遣料金の交渉に対して政府としてはどのような方向を与えていく考えでいるか、それを確認させてもらいたいと思います。
#127
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましても委員御指摘のとおりでございまして、派遣労働者の賃金は、先ほども申し上げましたように、派遣料金が原資であるというのが通常でありますので、その派遣料金を決定するというのに当たるこの派遣元と派遣先の交渉というのがもう何よりも待遇改善にとっては重要ということで考えております。
 そういったことから、派遣元にやはりそういった取組ということについての努力ということを促していくということが重要でございますので、この点につきましても、労政審の建議も踏まえつつ、私どもとしましては、派遣元は、今冒頭申し上げたように、派遣料金に係る派遣元の派遣先との交渉ということが派遣契約に係る派遣労働者の待遇改善にとって重要だということをしっかりと踏まえた上で、派遣先との交渉に当たるように努めることということを、先ほど申し上げた、派遣料金を引き上げられた際の賃金の引上げへの反映ということに努めるということと併せまして、派遣元指針に定めることによって、しっかりその取組ということを促してまいりたいと思います。
#128
○長沢広明君 昨日の参考人の質疑のときにも派遣労働者の方に伺ったんですが、いわゆる育児休業の問題です。
 派遣労働者を含む非正規労働者の方の多くが女性でありまして、女性の活躍ということを後押しするためにも、やはり派遣労働者を含む非正規労働者についても、子育てをしながら働き続けられる、安心して働けるという環境を整備するということは大変重要な課題であります。
 先日の委員会でも私、質問しましたが、妊娠前にパート、派遣として働いていた女性で、育児休業を利用することにより第一子出産前後で就業を継続している割合、これは僅か四・〇%です。正規職員の場合は四三%です。つまり、十分の一です。非正規で働いている女性の多くはいわゆる育児休業を活用できないという環境にある。これでは安心して働き続けることはできませんし、本来の派遣労働というもののメリットというものが全く生かせないわけです。
 昨日の参考人の質疑の中でも、大変周りにそういう人が現実にたくさんいる、育児休業を取ろうとしたら、まず解雇されてしまうと、こういう問題が現実的には起きてくるということがあります。
 有期契約の労働者が育児休業を取得するという要件のうちに、申出の時点で、子が一歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれることと。子供が一歳になったときに引き続き雇用されることが見込まれることという要件があり、これを労働者の側がそれをきちんと証明しなきゃいけないと。これは無理ですね、事実上。こういう要件があるうちは無理です。将来の雇用継続の見込みを労働者や事業主が判断すること自体が難しいと、こういうことがあって、これが要件になっているというのはなかなか厳しいというふうに思います。
 非正規労働者が育児休業を取得できるように、その状況を改善するために厚生労働省がここにしっかりと焦点を当てて取り組んでもらいたいというふうに思いますので、厚労省の見解をお聞きしたいと思います。
#129
○副大臣(山本香苗君) 今様々課題を挙げていただきましたけれども、我々としてもそのような課題があると認識をしております。
 そのために、有期契約労働者の育児休業の取得促進につきましては、先般御質問をいただいたときにも御紹介いただきましたけれども、今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会において検討がなされたところでございます。その中で、御指摘の有期契約労働者の育児休業の取得要件の一部であります将来の雇用継続の見込みの判断、これは労働者の側だけではなくて事業主も共に困難であるといった指摘がこの検討会の中で出されました。
 その結果、報告書の中では、雇用の継続を前提とした上で、紛争防止等の観点から適用範囲が明確となるよう取得要件の見直しを検討すべき等の記述が盛り込まれた報告書が取りまとめられたところでございまして、これが今、労政審に報告をされたところであります。
 ですので、今後、この点を含めて、育児・介護休業法の見直しに向けましてしっかりと議論を進めていただきたいと我々としては考えておりますので、またしっかりフォローをしていただければと思っております。
#130
○長沢広明君 取得要件を見直して、非正規労働の女性も含め、育児休業が取れる、子育てが安心してできる環境をつくるために、私たちも知恵を出したいと思いますし、政府の側も全力で取り組んでもらいたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#131
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 前回の冒頭、大臣にお願いをさせていただきました中医協における患者申出療養についての患者団体のヒアリングについて、前向きに検討していただけているそうで、大臣にまず感謝を申し上げます。
 では、法案の審議に入ります。
 まず、前回に引き続き、均等・均衡待遇について何点か伺います。
 前回、私が、厚労省として、同一労働同一賃金の原則を我が国が導入するに当たって、障壁があると考えているのであれば具体的にお示し願いたいと尋ねたところ、坂口部長からは、同一労働同一賃金の考え方については重要な考え方であると考えていると答弁する一方で、我が国の雇用慣行との関係でいくと、柔軟な配置転換を行っていくことや、あるいは長期勤続を前提にした人材育成ということ、あるいは中高年期に多くの支出が必要となるというようなこと、労働者の生活実態に合わせた賃金の体系というようなことについていろいろな課題があるのではないか、そういった面での障壁というのがあろうかと思いますとの答弁でした。
 一方、八月二十日の参考人質疑において東洋大学法学部の鎌田耕一教授は、派遣労働者の処遇について、ドイツのような派遣労働の最低賃金の導入も一つの選択肢として考えていく必要があるとおっしゃっていました。この考えについて、厚労省の見解を伺いたいと思います。
 鎌田先生は、日本のように職能給が中心であると均等待遇を実現する手だてに苦慮するということで、そこに派遣最賃という考え方を導入すれば派遣料金の下支えというのは確定される、そうしたことから、間接的ではありますけれども、派遣労働者の賃金がある程度確定できる、現在の地域最賃はパートの方を中心に決まっているが、派遣労働者の賃金平均で見ればそれよりも上回っているので、向上につながるのではないかと述べられました。
 厚労省は、このことについての現時点での見解をお聞かせください。
#132
○政府参考人(岡崎淳一君) まず、ドイツの制度でございますが、ドイツは元々は全産業を通じての最賃がない、そういう中で派遣業について産業別の最賃があったということであります。ただ、ドイツも今年から全産業を通じた最賃制度ができているということであります。
 ドイツにおけるその額は、全国の産業一律のものと、それから、これまで派遣に適用されていた、まあ今後も高い部分については適用があるわけでありますが、それはそんなに実は額は違わないという状況になっております。
 そういう中で、我が国でありますが、御承知のように、地域別の最賃は全ての産業に適用になりますので、派遣労働者にも適用になると。一方で、我が国におきましては、一定の事業でありますとかあるいは職業について、労使のイニシアチブによりまして特定最賃を定めるという制度はございます。したがいまして、関係の派遣業法の企業でありますとかあるいは労働者の方からそういったような申出があれば、これは審議会の中で議論して特定最賃を定めるという可能性はあるということでありますが、その辺につきましては関係労使の意向といいますか、そういったものの仕組みの中で、最賃法の中で考えていくべきものというふうに考えております。
#133
○川田龍平君 是非検討していただきたいと思います。
 一方で、全国コミュニティ・ユニオン連合会の関口達矢事務局長が参考人質疑においては、派遣労働の最低賃金の基準を決めるということについて、最低賃金がどのような形で設定されるのか、場合によっては、その最低賃金より高い人たちはそこの最低賃金にまで引き下げられてしまうようなケースもあり得るのではないか、やはり均等待遇、これが原則ではないかと述べられたことにも留意したいと思います。
 さて、今回の改正案では、現行の第三十条の二に基づいて均衡を考慮した待遇の確保のために配慮した内容について、派遣労働者に求めに応じて説明する義務を派遣元事業主に追加することとしています。改正案の第三十一条の二第二項です。
 例えば、通勤手当が支給されていない派遣労働者がこの第三十一条の二第二項に基づいて不支給の理由について派遣元に説明を求めた場合、派遣元事業主はどのような説明を行わなければならないと考えているのでしょうか。
#134
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御質問ありました三十一条の二の二項でございますが、今回、この均衡待遇の確保ということを推進するために、派遣労働者の納得性の向上ということを図るために、こういった派遣労働者の求めにも応じての配慮した内容の説明を派遣会社に義務付けるということにしたものでございます。
 今御質問ありましたこの通勤手当、交通費等についての不支給のケースということでございます。ちょっといろんなそれぞれの状況でのケースということがあるのであろうと思いますけれども、例えばということで申し上げると、一番端的なのは派先で交通費が支払われていないためということになるわけでありますけれども、そういうことでなければ、例えば交通費が支給されているのが派先では遠方の方だけに限られているから、あなたと申しますか、この派遣労働者さんは近郊から通勤されているから支払わないというようなことですよというようなケースであったり、あるいは、派遣先で支給はされているんですけれども、あなたの基本給の中にも一部は交通費の負担ということも予定はしておるんですよというようなことを御説明したりというようなことで、ちょっとそこはそれぞれの派遣会社の事情でということにはなろうかと思いますけれども、派遣労働者の納得が得られるような説明ということに努めて、配慮をしていただきたいということかと思います。
#135
○川田龍平君 それは納得できないと思うんですね。
 その説明された理由に対して、じゃ、納得できない場合、この派遣労働者は、現行法の第三十条の二、均衡待遇の配慮義務規定ないしその他の規定に基づいて通勤手当や交通費の支給を請求することができるのでしょうか。
#136
○政府参考人(坂口卓君) この点につきましては、委員も御承知のとおりかと思いますけれども、今回この三十条の二あるいは他の規定ということで、派遣労働者の待遇の改善ということでの配慮義務等の均衡待遇の措置ということは、二十四年改正あるいは今回の改正も含めて強化をしておりますけれども、ただやはり、労働者派遣法そのものに通勤手当の支給という規定が直接的に置かれているということではございませんので、その点につきましては、やはり派遣で働く方が直接的には派遣法に基づいて通勤手当を請求するということはなかなか難しいということで考えております。
#137
○川田龍平君 先ほど長沢委員からも育児休業の話も出ていましたけれども、大臣、昨日の参考人質疑において宇山洋美参考人は、派遣労働者には交通費どころか忌引もないことを指摘されていました。
 宇山さんが言っていたのは、交通費が支給されないことも経済的痛手ですが、忌引がないことにも派遣労働者としての悲しさを感じます、正社員であれば御親族が亡くなった情報が社内に流されますが、何年勤務しても会社のメンバーとして認めてもらえない派遣労働者にはそれもありません、派遣労働者も人間です、家族がいます、それは正社員と変わりません、しかし、忌引がないということは人間扱いされていないことだと思います、派遣労働者のみならず、その家族も物扱いなのです。
 私は、この発言を聞いて本当に胸に突き刺さりました。やっぱり派遣労働者というだけで会社の中でそういう待遇の差別を受けているわけですね。是非これ、大臣、せめて忌引くらいは取れるようにならないでしょうか。すべきと考えますが、これ、大臣、いかがお考えでしょうか。
#138
○政府参考人(坂口卓君) ちょっと突然の御通告なので、私からも御答弁させていただきたいと思いますが。
 忌引ということについて、いろいろ配慮をということについては委員のお気持ちも分かるところでございますけれども、通常の労働者、派遣労働者じゃないケースについてもいろんな企業の実態があるのであろうと思っております。
 今回、この派遣労働者の均衡処遇の強化ということで、福利厚生の関係でいろいろ給食施設とかそういった点については強化はしたわけでありますけれども、やはり一定の配慮義務にするということについては、相当、労使双方の御理解の下での建議で議論があったということでございます。
 ただ、福利厚生全般につきましては、やはり派遣会社の方に、その派遣先の実情に応じて派遣労働者が派先の労働者の待遇ということでの福利厚生にできるだけ均衡になるように努めるという努力義務がございますので、そういった点での派遣会社での取組ということを促していくということは、私どもとしても、一つの例としてはそういうもの、忌引の問題についても取り上げてまいりたいと思っています。
#139
○川田龍平君 大臣、いかがですか。感想、一言お願いします。
#140
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、川田先生から御指摘をいただいた忌引の問題なども、考えてみれば本当に基本的な、人間としての当然の必要なことでありますから、そういうことが均衡という中に入ってこないというのは会社の経営としてもいかがなものかなと私は思うところでございまして、まさにこれから均衡、均等、議員立法もございますし、これをどういうふうに定義をするのか、一つ一つ取り上げていくとあれもこれもというふうなことになりますから、一定程度のやっぱり考えを定めていくということが、哲学を定めていくということが大事でもありましょうし、最低限のことというのもあろうかなという気持ちはいたしますので、この均衡・均等待遇の中身について是非これから、議員立法も含めて私ども調査研究をすることになっていますけれども、それらをしっかりやって、派遣であろうと、あるいは他の非正規であろうと、できる限り同じ扱いが受けられるようにすべきではないかというふうに思います。
#141
○川田龍平君 是非これ、しっかり取り扱っていただきたいと思います。
 本当に、結局のところ、この第三十条の二というのは配慮義務にとどまっていることや、特に賃金に関して考慮要素が余りに多く定めていることなどから、実際の紛争解決に寄与する規定ではなく、労働者、派遣労働者の待遇を確保するための規定としては全く不十分ではないでしょうか。改正案を受けても、説明内容に不満があっても、結局待遇改善を請求することができないのであれば、意味がないのではないでしょうか。坂口部長、いかがでしょうか。
#142
○政府参考人(坂口卓君) 今委員から御指摘ございました三十条の二につきましては、現行の制度としまして、派遣元事業主に対して、一定の派遣先での同種の業務に従事する賃金水準との均衡を考慮しながら、しっかりと派遣労働者の方の賃金を決定していただくように配慮ということを求めておるわけでございます。
 今委員の方からは、配慮義務にとどまっている、あるいはいろんな勘案する考慮要素が多過ぎるではないかという御指摘でございました。ただ、これは前回、冒頭御引用された答弁等との関係でも触れさせていただいたかと思いますけれども、日本の賃金体系と申しますのは、やはり単純な職務給ということを導入しているということが少ないわけでございますので、やはり派遣先労働者の賃金の水準との比較考量ということになりますと、いろいろ、成果であったり意欲であったりいろんなことも含めて、いろんなやはり考慮をしながら勘案して賃金ということが決定されているということがございますので、そういった点を考えると、こういう考慮要素も踏まえながらのこういった規定ということをやはり置かざるを得ないのかなということで私どもとしては思っております。
 ただ、先ほども大臣の方からは議員立法のお話もありましたけれども、私どもとしましても、この派遣労働という特殊性に鑑みながら、どういった形でこの環境を整備していくかということについてはいろんな形で検討もしてまいりたいと思いますし、今回も強化をしている部分も含めて、しっかりとその整備ということについては取り組んでまいりたいと考えております。
#143
○川田龍平君 この改正案の附則では、政府は、均等・均衡待遇の確保の在り方について検討するため、調査研究その他の必要な措置を講ずるとしています。改正法附則の第二条第三項です。
 具体的に、これ、どのような検討方法で、どのようなスケジュール感で進め、最終的な着地点はどこにあるのか、これは決意も含めて御説明を、大臣、お願いいたします。
#144
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいた検討、附則に入っているわけでありますけれども、これにつきましては、今、独立行政法人労働政策研究・研修機構、ここで、特にEUなどにおける均等・均衡待遇に関する制度運営の状況等について調査研究を取り組んでいるところでございます。
 この結果を是非来年の三月までには取りまとめてお示しをしてまいりたいというふうに考えておりまして、その後、調査研究の結果を参考にしながら、我が国における派遣労働者の待遇の在り方について、有識者等の意見も十分聞きながらこれを検討して、しっかりとしたものにできればと思っておるところでございます。
#145
○川田龍平君 是非、これは三月までにまとめるということですので、もうぶっちゃけこの改正案、九月一日施行は難しいわけですから、この結果が出てからでいいじゃないですか、施行するのも。本当にそう思います。
 正社員化の促進についても伺いますが、改正案では、希望する派遣労働者の正社員化を進めると説明していますが、ここで言う正社員とは、いわゆる三要件を満たした正社員のみと理解してよろしいでしょうか。
#146
○政府参考人(坂口卓君) お答えいたします。
 この点につきましては、この委員会でも何度も大臣も含めて御答弁させていただいておりますけれども、この改正法案に係る国会審議ということについての正社員化ということにつきましては、委員御指摘の三条件ということを指しているということで正社員ということでございます。
#147
○川田龍平君 厚労省は、また、派遣労働者の四割が正社員を希望しているとよく言いますけれども、私はもっと多いはずだと考えております。そのことは先日もお示しした別の調査結果にもあったわけですが、いずれにしても、派遣労働者の正社員願望は三要件を満たした正社員のことだろうと厚労省は推測をしているのでしょうか。
#148
○政府参考人(坂口卓君) 今委員の方から御引用されたのは、平成二十四年に行いました派遣労働者実態調査ということで、正社員として働きたいという方が四三・二%であったということでございます。
 これは、統計調査でございますので申し上げますと、この調査においての正社員ということにつきましては、いわゆる正社員、正社員として雇用されている者ということがこの調査で使われている定義ということになっております。
 ですから、回答する方のイメージが先ほどの三条件に合致するかどうかというのは、その点だけでは定かではありませんけれども、ただ、一般的に正社員というイメージの中でということを考えると、おのずとそういうイメージで御回答をされているのではないかということで私どもとしては考えております。
 ただ、いずれにしましても、先ほど申し上げたとおり、私どもとしては、三条件を目指す正社員化ということを先ほども答弁等でも引用しているということで申し上げているとおり、しっかりとそういった雇用の安定を求める、正社員化を求めるという方についての対応ということをしっかり取り組んでまいりたいと思います。
#149
○川田龍平君 といいますと、その前提で伺いますが、三要件を満たした正社員化という前提で伺いますが、改正案の中にある派遣労働者の正社員化、それにつながる措置を具体的に列挙してください。
#150
○政府参考人(坂口卓君) これにつきましては、全体として、今回、派遣で働く方が正社員になりたいという方については、正社員になれる道を開いていくということをこの改正法案の中に盛り込んでいるということで申し上げているとおりでございまして、そのためには、職業能力を高めていただくとか正社員としての就業機会ということの提供ということがそういったものにつながる重要な措置かなということで考えておるということでございます。
 その関係で申し上げれば、今回の改正法案では、まず三十条の二のキャリアアップ措置ということを派遣元に義務付けて、正社員になれる道にもつながるということでのこういった取組をお願いするということ。それから、順序が逆になりましたけれども、法の三十条での雇用安定措置ということの一環としましても、午前中も御質問ありましたが、派遣先への直接雇用の依頼ということを義務の一つとして、選択肢の一つとして派遣会社、派遣元の方に課しているということがございます。それから、法の四十条の五におきましては、これは正社員募集の情報の提供という義務を派遣先に課しているということで、今回、私どもとしましては、そういった規定が派遣労働者の正社員化につながる、正社員になれる道を開くための対応措置ということで考えております。
#151
○川田龍平君 これは先ほども質疑ありましたけれども、キャリアアップということをしっかりやっていくについても、先ほどの台帳の問題もありました。本当に本当にこれがやられるのかどうかというのは、はっきり言って、これではとてもできないのではないかと思いますけれども。
 大臣は、五月十五日の衆議院厚生労働委員会において、五十五歳以下の方々の中では、正規から非正規になるよりも、非正規から正規になる人の方が多くなっていると答弁をされています。
 では、そのうちの派遣労働者が正社員になった人数は何人でしょうか。逆に、正社員が派遣労働者になった人数は何人でしょうか。
#152
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今委員が御引用された五月の大臣の答弁でございますけれども、全体としましては、正規雇用の状況ということで、働き盛りの五十五歳未満でいきますと、二〇一三年から十四半期の連続で、非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているというところでございます。
 一方で、過去三年間に離職された五十五歳未満の派遣労働者の方で見ますれば、二〇一三年には派遣から正規ということに移った方が八万人、それから正規から派遣に移られた方が九万人ということでございます。それから、二〇一四年でございますけれども、こちらの方は若干動向は逆転しておるんですが、派遣から正規に変わられた方が十万人、正規から派遣に変わられた方が九万人ということになっております。
#153
○川田龍平君 これ、把握していないということも聞いていましたけれども。
 厚労省は、この改正案による派遣労働者の正社員化について、正社員化する人数は経済動向等に左右されるので、数値目標というものは定めないといった趣旨の答弁もこれまで繰り返しています。
 しかし、この数値目標を定めないにしても、少なくとも実績の変化は確認していくべきと考えますが、どのような方法で改正前と後における派遣労働者の正社員化の人数の実績を把握していくおつもりなんでしょうか。大臣、これいかがでしょうか。
#154
○国務大臣(塩崎恭久君) この正社員化ということを私どもも繰り返し申し上げてきたわけでございますが、その数値、数につきましては、先ほどからお話が出ておりますし、また部長からもお話を申し上げておりますけれども、労働力調査の結果などを活用していくとともに、その他の統計調査などを必要に応じ実施をしていって適切に把握をしなければならないというふうに思っております。これだけ正社員化ということを言ってきているわけでありますから、そのデータをしっかり持つということは、先生御指摘のとおり大変大事なことだと思っております。
 また、今回の改正案の成立後は、雇用安定措置の実施状況として、派遣先への直接雇用の依頼とか、あるいは派遣元での無期雇用化の実績等についても毎年事業報告で提出を求めるということにしておりまして、これによって直接雇用に結び付いた人数を把握していくことも可能になるというふうに考えているところでございます。
#155
○川田龍平君 これ、是非、政策評価のためにも、改正前の、前段階での数値をしっかり把握しておくべきということを考えております。
 そしてまた、先ほどもお話ししましたけれども、施行日について、もう今日、八月二十七日です。九月一日から施行するというのはどう考えても無理だと思うんですが、全くこれまでこの施行日について何も言われていないという状況で、本当にこれ法律通っていないところで、できないと思うんですけど、大臣、いかがですか、これ。
#156
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も御答弁申し上げておりますように、私どもは、この春に提出をさせていただいて御審議を願っている立場でございますので、でき得る限り、大変タイトな日程になってきていることは十分御指摘のとおり分かっているわけでありますけれども、これを御審議をいただいて、国会でお諮りをいただきたいというふうに考えているところでございます。
#157
○川田龍平君 これ、大臣、成立してからどれぐらい施行まで掛かると思っています、労政審とかいろいろ考えて。もろもろ考えると、どれぐらいが妥当だと思います。
#158
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、労政審での御議論も賜らなきゃいけませんし、その議論を踏まえた上で政省令あるいは指針などを御用意をしないといけないわけでありますので、でき得る限り早期に成立をして、その作業に正式に掛かれるようにお願いをいたす次第でございます。
#159
○川田龍平君 この法案はもう無理だと思いますので、ただしかし、次回もしっかり質問もまだありますが、でも、議論もいろいろしたいですけれども、何かこれでまだやるというのはちょっと無理な気もします。正直、もう本当にこれで廃案にするべきだと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#160
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 私も、附則九条一項後段の「なお従前の例による。」、これは先ほど石橋議員も取り上げられましたけれども、このことを聞きたいと思います。
 この労働者派遣法は、派遣法の大原則を壊してしまう大改悪だと思っておりますが、しかし、今までの労働法制でも、さすがにその法案の施行日以前の契約についてはそれまでの法令が適用されるというのが常識的にこれはやられてきたし、この九条の「なお従前の例による。」ということに、そのとおりにやるとすれば、これは当然、先ほども部長も言ったように現行法令が適用されると。それは法的安定性のため、労働者保護のためとおっしゃったわけで、私は、それは当然だと思うんですね。
 ところが、十月一日以降になれば適用されるであろうみなし雇用、禁止業務の受入れや無許可、無届けの派遣元からの受入れは、これはみなし雇用の制度の対象となるが、期間制限違反は適用にならないんだという驚くべき答弁があったわけですね。施行日が来ていないものは従前の例にならない。
 部長、この法案のどこを見て、どこに、この従前の例に施行日が来ていないものは含まれないと読めるんですか。どこにもそんなこと書いてないでしょう。どうやって読むんですか。
#161
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、先ほども午前中御答弁申し上げましたように、この第九条の一項、二項等で期間制限についての経過措置が設けられていると。
 それで、特に今御質問の点は九条の一項であろうかと思いますけれども、新法四十条の二の規定は、施行日以降に締結される労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣について適用し、施行日前に締結された労働者派遣契約に基づき行われる労働者派遣については、なお従前の例によるということでございますので、先ほども申し上げているとおり、四十条の二の規定でありましたり、先ほど大臣が御答弁しましたようなそれに付随する四十条の四というような規定につきましては、まさしくこの「なお従前の例による。」という規定により適用がされるということでございますが、労働契約申込みみなし制度というものにつきましては、まだこの法律、現在は、先ほど答弁ありましたけど、九月一日の施行で御提案しておりますけれども、その九月一日の時点ではこの労働契約みなし制度というのは施行がされていないということでございますので、なお従前によるという規定の対象にはならないということで申し上げているということでございます。
#162
○小池晃君 だから、私が聞いているのは、何でそれが入らないと言えるんですか。そんなことは書いてないでしょう。従前の例というのは施行日が来ていないものは入らないなんて一言も書いてないですよ。施行日が来ていないものを除くと書いてあるんだったら別ですよ。そんなことは書いてないじゃないですか。
 大体、今までの法律、既存の法律の中で、「従前の例による。」という中には施行日が来ていない条項を除くなどとした先例がありますか。お答えいただきたい。
#163
○政府参考人(坂口卓君) その点につきましては、御通告もいただいておりましたので調べましたけれども、厚生労働省設置日である十三年一月六日以降に施行された労働関係の法律のうちで、「なお従前の例による。」という文言が用いられている法律であって、従前の例に関連した、そもそも未施行規定を置いているものが存在しないということでございます。
#164
○小池晃君 だから、先例はないわけですよ。勝手な解釈なんですよ、これは。こんなことが許されるのかと。
 附則第九条には、繰り返すけれども、「従前の例による。」とあるだけで未施行の条項を含むなんて書いてないわけですから、これは、大臣、勝手にそんな解釈していいんですか。これだと法的安定性どころか、法律をめぐって二つの全く異なる解釈が生じることになりますよ。──いや、ちょっと、もう部長はいいから。大臣、これ法案の根幹に関わる問題だから大臣じゃないと駄目だ。
 大臣、どう説明するんですか。これで法的安定性が保たれるんですか。部長はいいです、大臣、答えてください。大臣にお答えいただきたい。大臣、答えてください。──大臣ですよ。駄目ですよ、大臣、答えてくださいよ。(発言する者あり)
#165
○政府参考人(坂口卓君) 先ほどの答弁、中途半端でございましたので申し上げますが、先ほど調べたように、そういう例は存在しないということでございますが、結果的に申しますと、それは未施行の法律が含まれるものとしたものも、含まれたものも存在しないということでございますが、先ほど私が申し上げたように、みなし制度の規定というのは平成二十四年の改正法の条文で、まだ十月一日を迎えていないということですから、まだそれは条文として効力は有していないということであります。
 ですから、「なお従前の例による。」という規定は、現に効力を有する条文が対象となる、これは当然の解釈として、それは法令の解釈として当然そういったものでございますので、ですから、未施行であるみなし制度に係る規定ということについては、今回の附則の九条の「なお従前の例による。」という対象には含まれないということで、これはもう「なお従前の例による。」と書いてある以上、もうそういうことだということで、当然の帰結ということでございます。
#166
○国務大臣(塩崎恭久君) これは私も、この「なお従前の例による。」ということの解釈について、特に、皆さん方も内閣法制局の解釈とよく言いますが、そこでの解釈はどうだったのかということを先ほどの石橋先生からの御質問の後にも確認をしましたけれども、今部長から答弁をしているように、現に効力を有する条文が対象となるものでございますので、改正法案の施行日において未施行である労働契約申込みみなし制度は対象とならないということで、従前の、今、現行法の法律が対象になるということになるわけでございまして、そういうことで、私どもも内閣法制局の解釈としてそのようだと、そのように読むんだということを確認をしているところでございます。
#167
○小池晃君 法律が効力を発揮していないというのは、私、おかしいと思いますよ。だって、この法律が、今回の、今議論しているものが成立しなければ、これはみなし雇用、発生するわけだし。
 だから、既に結ばれた雇用契約を結んだ人は、これは当然、そのことを期待して結んだはずですよ。そういう意味では、法の効力は、これ三年先送りしたからこうなっているけれども、もう既に制定されているわけですから、この法律の効力は発生しているわけですよ。
 現行法で労働者派遣契約を締結した派遣先、派遣元、派遣労働者は、大臣、聞いてくださいよ、これは、この四十条六の一項三号の期間制限違反の場合の労働契約申込義務があるということを期待して、それを想定して、労働契約を結んでいるはずじゃないですか。そうでないとすれば、これは大変なことになりますよ。という意味では、この法律は既に効力を発揮しているんですよ。実施されていないだけなんですよ。今のは全く通用しない詭弁だと。
 こんな形で、じゃ、大臣、ここで、この意思と期待に反するということになることは間違いないんじゃないですか、効力は云々と言うけれども。この既に労働契約を結んだ派遣元、派遣先あるいは派遣労働者の意思と期待に反することをやろうとしている。これは間違いないじゃないですか。どうですか。
#168
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおりでありまして、今回の特にみなし制度の対象となる期間制限の違反につきましては、今回の改正で業務単位から事業所単位に規定ぶりを修正をしているというところもございまして、従来の業務単位の期間制限違反はみなし制度の対象とならないことは条文上も明らかであるわけで、先ほど申し上げたとおり、この期間制限については改正案附則第九条によって経過措置を設けることと今回したわけでございまして、それによって、なお従前によるということで、現に効力を有する条文が対象となるものであるから、改正案の施行日において未施行ではございます労働契約申込みみなし制度は対象とならないという解釈になるわけで、これは内閣法制局でも確認をしているところでございます。
#169
○小池晃君 私が言ったことに答えていないじゃないですか。
 要するに、既に結ばれた労働契約を結んだときには、みなし雇用制度が発動すると想定して、それを期待して結んでいるでしょうと。そのことは認めませんか。そうでしょう。だって、それを想定しないで結んでいたら、その労働契約は無効になりますよ、法違反の労働契約ですよ。どうですか。
#170
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#171
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#172
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど石橋先生のときにも申し上げましたが、今回の、先生のお尋ねもございました違法行為の対象は何だということでございましたが、これは先ほど申し上げたとおり、禁止業務派遣であり無許可派遣であり、そして二つの事業所単位と個人単位の期間制限違反、そしていわゆる偽装請負、これが十月一日からの労働契約申込みみなし制度が施行された場合の対象となる違反行為になるわけですね。
 ですから、これらに関して今回の法律で「なお従前の例による。」ということで、先生、今、期待権が裏切られるじゃないかと、こういうことだと思うんですが、その分は、先ほど御答弁申し上げたように、この中で……
#173
○小池晃君 駄目。違う。そんなこと言っていない。
#174
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、まだ答えているんですから、ちょっと待ってくださいよ。
 その期間制限については、この現行の法第四十条の四というので、これは労働契約申込義務というのが発生をすると。その他については、それは対象になるということでございますので、期待権を裏切るということは実効的にないということで答弁をしてきたところでございまして、この点について御理解を賜れればというふうに思います。
#175
○小池晃君 全然駄目です。全く違う条文じゃないですか。
 私が言っているのは、労働契約を結んだときにこの四十条の六の一項の三号のこの条文があったわけで、これを含めた労働契約を結んでいるでしょう、そのことについて、そのことを想定した労働契約ですねと。イエスかノーかで答えてください。私の言っていることをはぐらかさないでください。イエスかノーか。そのことを含めた労働契約を結んだんでしょうと。イエスかノーかで答えてください。
#176
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#177
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#178
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返して大変恐縮でございますけれども、私どもは、今先生がおっしゃった労働契約申込みみなし制度があるということを前提にしてこの施行日前に結ばれた派遣契約の当事者の期待を裏切ってはいけないという先生のお考え、その点はよく理解をしているところでございまして、それに関して、先ほど来申し上げているのは、これは考え方が違うという意味においてはもちろんいろいろ異論があって結構なんでございますけれども、申し上げたように、この労働契約申込みみなし制度が施行された場合の対象となる違法行為については、何度も繰り返しますけれども、五つあって、この五つのうちの期間制限違反に関しては現行法の四十条の四で適用されるので、期待権を守るという意味においては実効的に変わらないのではないのかということを御提案を申し上げているわけでございます。
#179
○小池晃君 期待権が発生していることを認めましたよ、期待して結んだことを認めましたよ。
 ということは、この四十条の六の一項三号は、施行はされていないけど法律としての効力を発揮しているということじゃないですか。それを含めないというのはおかしいじゃないですか。矛盾している。
#180
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、四十条の六の三とおっしゃいましたね。
#181
○小池晃君 三号です。
#182
○国務大臣(塩崎恭久君) 三号ですね。
 これについては、期間制限でありますけれども、これは今まだ法律は施行されてございませんので、これは発効していないということだと思います。(発言する者あり)
#183
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔午後一時五十六分速記中止〕
   〔午後二時四十九分速記開始〕
#184
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   午後二時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#185
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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