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2015/09/03 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第32号
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2015/09/03 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 厚生労働委員会 第32号

#1
第189回国会 厚生労働委員会 第32号
平成二十七年九月三日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月一日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     白  眞勲君
 九月二日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     豊田 俊郎君
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 九月三日
    辞任         補欠選任
     豊田 俊郎君     古賀友一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸川 珠代君
    理 事
                大沼みずほ君
                羽生田 俊君
                福岡 資麿君
                津田弥太郎君
                長沢 広明君
    委 員
                赤石 清美君
                石井みどり君
                木村 義雄君
                古賀友一郎君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝沢  求君
                豊田 俊郎君
               三原じゅん子君
                石橋 通宏君
                西村まさみ君
                羽田雄一郎君
                白  眞勲君
                牧山ひろえ君
                山本 香苗君
                川田 龍平君
                小池  晃君
                行田 邦子君
               薬師寺みちよ君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
   副大臣
       厚生労働副大臣  山本 香苗君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小林  仁君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       谷脇 康彦君
       警察庁長官官房
       審議官      斉藤  実君
       総務大臣官房審
       議官       猿渡 知之君
       総務省自治行政
       局公務員部長   北崎 秀一君
       厚生労働大臣官
       房情報政策・政
       策評価審議官   安藤 英作君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        樽見 英樹君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  姉崎  猛君
       厚生労働省健康
       局長       新村 和哉君
       厚生労働省職業
       安定局長     生田 正之君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  坂口  卓君
       厚生労働省保険
       局長       唐澤  剛君
   参考人
       日本年金機構理
       事長       水島藤一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労
 働者の保護等に関する法律等の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (年金情報の流出問題に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、難波奨二君、辰巳孝太郎君及び井原巧君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君、小池晃君及び豊田俊郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局派遣・有期労働対策部長坂口卓君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(丸川珠代君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○羽生田俊君 おはようございます。自由民主党の羽生田俊でございます。
 総理には、本日、この厚生労働委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。
 現在、この厚労委員会で議論されております労働者派遣法の改正案につきまして、お伺いをさせていただきます。
 私は、この改正案の最大の注目すべきことは、労働者派遣事業者を全て許可制にするということであるというふうに思っております。派遣事業の質の向上はもとより、良質な派遣会社を育成することで派遣労働者の希望がかなえられる環境を整備することができるというふうに理解をしているところであります。
 この委員会でも、議論の中で、派遣労働者の処遇、待遇などが問題として取り上げられました。しかし、その問題の根源は、悪質な派遣事業者の問題であることが多いと思っております。今回の改正で全ての派遣事業者を許可制とすることで、かなりの改善が期待できると考えております。改正された派遣法にのっとり、派遣労働者のことを第一に考えないような派遣事業者は再許可が受けられないということになるであろうと考えておるところであります。
 私は、この法律改正は派遣労働者のための改正であると認識しておりますけれども、本日は、総理から、この法律改正がどのような趣旨で誰のための改正であるか、改めて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣としては、働きたいと希望する全ての方々が活躍をする場を見出せるよう、柔軟で多様な働き方が可能となる世界を目指しておりまして、今回の改正案はその実現に向けた重要な取組と考えております。
 改正案では、派遣元に対し、派遣期間が満了した場合の雇用安定措置や計画的な教育訓練を新たに義務付けるなど、正社員を希望する方にその道が開かれるようにするとともに、自らの働き方として派遣を積極的に選択する方には賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど、待遇の改善を図ることとしています。
 また、労働者派遣事業については、現在の一部届出制を全て許可制とすることにより、御指摘のように、良質な派遣会社を育成するとともに、必要な措置を講じない派遣元に対しては厳正な指導等を行い、義務の履行をしっかりと確保してまいります。
 現行制度のままでは期間制限の対象となる方は六割にすぎず、四割が対象外であります。派遣期間が満了した場合、正社員になったり別の会社等で働き続けることができるようにする措置や、教育訓練を受ける機会もありません。
 正社員への移行を一歩でも前進させるため、これまでなかった仕組みを設け、働く方それぞれの選択がしっかり実現できる環境を整備してまいります。
#8
○羽生田俊君 どうもありがとうございます。
 この労働者派遣法の概要の中で、厚生労働大臣は、労働者派遣法の運用に当たり、派遣就業が臨時的、一時的なものであることを原則とするという考え方によって労働者派遣法の位置付けを明確化するとしてありますけれども、正社員を希望する多くの派遣労働者が早く正社員になれますように、この法律の運用をお願いする次第であります。
 以上、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#9
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。
 今、羽生田議員から、今回の改正は派遣労働者の保護、総理も同じような意味合いの趣旨を申されました。しからば、私は、八月十一日の本委員会におきまして、派遣先から派遣元に支払う費用についていわゆる物件費という勘定科目が使われていることが多い、このことがまさに派遣労働者を物扱いしている、こういう表れであるということを指摘をさせていただきました。
 総理も、先ほどの羽生田議員からの答弁でおっしゃった派遣労働者の保護ということが口先ではないというふうに言うならば、直ちに政府として経済界に見直しを要請すべきではないかと考えますが、いかがでしょう。
#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 八月十一日、本委員会において、派遣先から派遣元に支払う対価、派遣料金でありますが、について、会計処理上、例えば物件費といった名称で分類されることがあるのは問題ではないかとの御指摘があり、厚生労働大臣から、厚生労働政策の観点に立って何ができるか検討する旨を答弁したと承知をしております。
 企業会計の慣行等においては、役務の提供の対価の会計処理に当たっては、取引の実態や金額の重要性等に鑑み、各社において適切な名称で分類することとされています。その中で、派遣料金を独立して分類する場合には、例えば人材派遣費など適切な名称を使用し、労働者の派遣を受けてその人材を活用しているという実態を適切に反映するよう、厚生労働大臣から経済団体に要請させたいと考えております。
#11
○津田弥太郎君 そういう答弁だとするならば、早急にその要請を行っていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
 それでは、今回の法改正に関するお尋ねをしたいと思います。
 資料配付をいたしております。日経新聞です。おとといの朝刊でございます。今回の法改正に対して派遣社員の七割近くが反対という衝撃的な記事が掲載をされました。これまで法案の早期成立を求め、言わば政府の応援団であった日経新聞でさえこうした記事を書かざるを得なかった。なぜか。それは、本委員会における審議の過程で次々と法案の欠陥が浮き彫りになり、政府のうたい文句が偽りであったことが国民の間に広く伝わったということだと私は思っております。加えて、新たな施行日が九月三十日ということが明らかになり、このままでは、仮に法案が成立したとしても、周知期間不足などから大混乱が起こることが確実になったことであります。いずれにしても、将来的に法案の旗振り役として日経新聞に批判が集中してはたまらないという日経新聞自身の保身も入っているわけであります。
 そこで、総理、端的かつ明確に御自身の認識をお答えいただきたいと思います。一体、派遣労働者は今回の法案の成立を待ち望んでいるとお思いですか。いかがでしょう。
#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正案は、正社員を希望する方にはその道を開き、派遣を選択する方には待遇の改善を図るためのものであります。
 改正案の検討過程においては、労働政策審議会に先立つ検討会において派遣で働く方からヒアリングを行ったほか、派遣労働者の実態調査を行うなど、派遣で働く方の声を伺いながら実態を踏まえて検討を行ってきたところであります。
 改正案の要綱は、公労使三者で構成される労働政策審議会で審議されており、そこには派遣で働く方を構成員に含む労働組合の代表が参加した上で、「おおむね妥当と認める。」との答申をいただいたものと承知をしております。
 なお、改正案の考え方について、国会への提出前と後に二回、計四人の方に厚生労働大臣が直接ヒアリングを行い、このうち二人の方から法案の目指す方向性に賛同する旨のコメントがあったと聞いております。
#13
○津田弥太郎君 私は、労政審がどうだったかということを聞いているんじゃないんです。総理自身が、例えばこの日経新聞の、七割近くが反対、派遣社員の、こういう記事が出ている中で、本当に今回の法案の成立を派遣労働者が待ち望んでいるかどうか、総理はどう思っていらっしゃるのかということを聞いているんです。
#14
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この日経新聞の記事は承知をしておりますが、この派遣法の改正に当たりましては、我々もしっかりと派遣で働く方々の意識等を調査した上において、最初に申し上げましたように、正社員を希望する方にはその道を開いて、また、派遣で頑張っていこうという方にはその待遇の改善を図るものであるという、この趣旨についての説明もしっかりと行ってきたところでございまして、今後更に御理解が広がるように努力を重ねていくところでありますし、また、実際に法案を成立をしていただきまして、施行する段階においては更に理解が広がっていくものと確信をいたしております。
#15
○津田弥太郎君 それでは、聞き方を変えましょう。
 私は、七月八日の参議院の本会議で、総理に対して、今回の派遣法改正案について派遣労働者に直接話を聞いたかという質問をしました。先ほども御答弁なさったように、厚生労働大臣が話を聞いている、私は聞いていないという話でございました。
 あれから二か月が経過をしたわけであります。当然に派遣労働者に対して直接話を聞く場を総理は設けたのではないかというふうに思うわけでありますが、今回の法改正に関して一体何人の派遣労働者に話を聞き、そのうちの何人が賛成をしてくれたのでしょうか。事実関係のみお答えいただきたいと思います。
#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事実関係のみお答えをさせていただきますと、私自身は派遣労働者の方から意見を伺っておりません。それは、先般も答弁をさせていただきましたように、労働大臣がこの法案の担当大臣として責任を持って直接ヒアリングを行い、四人の方から意見を伺い、そしてそのうち二人の方が賛成をされたと、このように伺っております。
 先ほど日経新聞の調査結果を例として挙げておられますが、御指摘の調査結果では、反対の理由として、派遣社員の根本的な地位向上にはならないと思う、人が替われば同じ業務を派遣社員に任せ続けられ、派遣社員が固定化する、二十六業務の人が契約更新されない可能性があるが上位に挙げられているものと承知をしております。
 これに対し、今回の改正案は、派遣元に対し、派遣期間が満了した場合の雇用安定措置や計画的な教育訓練を義務付けるなど、正社員を希望する方にその道が開けるようにするとともに、派遣を積極的に選択している方については、賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど待遇の改善を図るものでありまして、また、派遣が続くのではないかという点については、事業所ごとに受入れ期間を三年までとした上、延長する場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けることとしております。また、二十六業務で働く方については、雇用が途切れないよう派遣元に雇用安定化措置を義務付けることとしておりまして、こうした政府の改正案における具体的な仕組みや効果について御理解いただけるように、更に政府として取り組んでいかなければならないと、このように考えております。
#17
○津田弥太郎君 総理、見苦しいよ。ずらずらとそんなことを言ったって、七割の派遣社員が反対しているという事実なんです。総理がそんな細かいことを細々言ったってしようがない。大勢の中でどう見るかということが大事なことなんですよ。この重要広範議案である労働者派遣法の改正案に対して、当事者の意見を総理は一回も聞いていない、このことが大変重要な事実であったというふうに指摘をしておきたいと思います。
 先ほどから、政府は一貫して本法案は派遣労働者を保護するものだというふうに主張されているわけであります。だったら、当事者である派遣労働者から、法案を一日も早く成立させてほしい、そうした声が私たち野党のところにも届いてもおかしくないというふうに思うわけでありますが、私の事務所には派遣労働者からのファクスは廃案を求めるものばかりですよ。しかも、八月一日には、派遣労働者の皆さんがフォーラムを結成して本法案への反対をアピールしているわけであります。とりわけ、本法案に対する批判の声は、従来の業務単位の期間制限が廃止をされ、今後は派遣先企業が恒常的に派遣労働者を活用することができるという点に集中しているわけです。
 この点、私も本会議において、社長以外の全員が派遣社員という企業が生まれかねないという指摘をしたわけであります。安倍総理の答弁はどうだったか。あなたは、そのような企業が生じない根拠として、四十条の二の一連のスキーム、すなわち過半数組合等への意見聴取を答弁されたわけであります。
 総理、あなたに報告が上がっているかどうかは分かりませんが、本委員会では、過半数組合等への意見聴取の実効性が極めて不十分である、このことを塩崎大臣自らが認めているわけであります。つまり、総理の本会議における私に対する答弁は、根拠のない虚偽答弁であったわけであります。
 もう一度お尋ねをいたします。社長以外の全員が派遣社員という企業があり得ないとするならば、その根拠となる条文をお示しください。
#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正案では、派遣先の事業所単位で受入れ期間の上限を三年とした上、延長する場合には現場の実態をよく知る過半数組合等からの意見聴取を義務付け、正社員から派遣労働者への置き換えを防ぐこととしており、そのための規定を法第四十条の二に設けております。
 また、同条において、意見聴取の実効性を確保するため、派遣先に対し、反対意見があったときは事前に対応方針を説明することや意見聴取の記録を周知する義務を新たに課し、労使間で実質的な話合いができる仕組みをつくることとしています。
 現場を重視する我が国の労使関係を踏まえれば、派遣先が労働者側の意見を無視して一方的に受入れ期間を延長することは想定しにくいと考えます。常用代替防止を図る観点からは問題ないものと考えています。
 改正案は、社長以外の全員が派遣社員という企業を生じさせるようなものではないと、このように考えております。
#19
○津田弥太郎君 総理、その議論はもうとっくに当委員会では終わった話なんです。それでも問題があるということで、現在審議が続いているわけです。
 この非正規の中でも派遣は特別なんですよ。短時間労働や一週間の所定労働日数を少なくしたいということ、これについては、ワーク・ライフ・バランスの観点から純粋に労働者自身が希望することはあり得るでしょう。あるいは、有期契約についても、ある時期まで働けないという理由で同様の選択があるかもしれません。
 しかし、労働者自身が直接雇用ではなくてあえて雇用と使用が分離した間接雇用という働き方を純粋に希望するということは、およそ考えられないんです。間接雇用には、中間搾取や強制労働という労働者供給に伴う問題点とは別に、これまでの議論において派遣労働ゆえの重大な問題点が明らかになったわけであります。
 総理、この均等待遇の実現というのがすごく派遣の場合には難しい、あるいは労働組合による団体交渉、これも大変難しい、直接雇用の場合と比べて本当に厳しい。間接雇用である派遣の労働者は大変これらの点で不十分な点がある、これは認めますね。
#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同一労働に対して同じ賃金が支払われるという仕組みについては、一つの重要な考え方と認識をしております。これについては、中高齢期に多くの支出が必要となる生活実態に適合した賃金体系、経営環境の変化に対応した柔軟な配置転換など、労使双方にメリットのある我が国の雇用慣行の特徴を維持できるかといった意見もあります。また、派遣で働く方については、派遣先のどの労働者と比較するかといった課題や、同じ派遣元から異なる派遣先で働く派遣労働者の間でどのように待遇のバランスを取るかといった課題もあります。
 このため、今回の改正案においては、賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど、派遣で働く方の待遇改善を図るとともに、均等・均衡待遇の確保の在り方について調査研究に取り組み、有識者の意見も聞きながら検討を進めることとしております。
 労働組合による団体交渉については、派遣労働者の団体交渉の相手方は原則として労働契約の当事者である派遣元となります。ただし、派遣先において、基本的な労働条件等について雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な支配力を持つ場合には団体交渉の相手方となることを認める裁判例等があると承知をしております。
 派遣先が団体交渉の応諾義務を負う場合があることについては、関係者に十分に認知されるよう、代表的な裁判例等について分かりやすく整理を行うとともに、派遣先が苦情処理を行うに際しこれらに留意することを指針に規定し、これらを周知してまいりたいと考えております。
#21
○津田弥太郎君 いずれにしても、大変不十分なんです。
 私は、我が国が派遣会社が栄える国になってほしくない、必要最小限の存在であってほしいというふうに考えます。派遣社員を自分の会社の社員と同じように使い勝手を良くすることは決してあってはならないことです。使い勝手を良くしたいなら直接雇用しろというふうに私は言いたい。
 改めて、今回の派遣法改悪案に強く反対をして、私の質問を終わります。
#22
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏でございます。
 津田委員に続きまして安倍総理に質疑をさせていただきたいと思いますが、今の安倍総理の津田委員との質疑、やり取りを見ても、安倍総理がこの法案を全く理解していないんだなということを見事に露呈していただいたと思います。官僚原稿を棒読みされるだけ。既にこの委員会で全部、法案のその安倍総理がメリットと言われたことは破綻しています。その前提で津田委員が質問をされたにもかかわらず、官僚原稿を棒読みして、つまり全く中身を理解されずにここにおいでになるということが見事に現れたなと、大変残念な思いがいたします。
 私も、法案の問題、これまで明らかになったことに基づいて、安倍総理、見解求めさせていただきます。
 まず、今、津田委員も触れられましたけど、今回の最大の問題は期間制限の問題です。業務単位から事業所単位に期間制限が移る、これによってもう実質的に歯止めが利きません。これは塩崎さんもここで言われているんです、企業が経営判断でもう幾らでも好きなように派遣労働者を使うことができると。安倍総理、それが今回の法案の目指すところ、それはお認めになりますね。
#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行制度では、派遣先での受入れについて、専門的な二十六業務を除き最長三年という期間制限を設けておりますが、専門性が時代とともに変化する、対象業務に該当するかどうか分かりにくいといった課題があります。
 このため、改正案では、現行の期間制限を廃止し、全ての業務を対象として、派遣労働者ごとの個人単位で同じ職場への派遣は三年を上限とし延長できない、派遣先の事業所単位で受入れ期間の上限を三年とした上で、延長をする場合には現場の実態をよく知る過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるといった二つの期間制限を設けることとしております。
 現行に比べますと、派遣先では、これまで業務を変えれば制限なく長期間の派遣受入れが可能であったが、改正後は三年ごとに受入れが制限される、期間制限の対象となる労働者は六割から八割に拡大するなど、全体として労働者の保護等を図る観点から、規制を強化する内容となっています。
 このように、派遣就業は原則臨時的、一時的なものに限ることとしており、期間制限の事実上の撤廃や常用代替防止原則の崩壊という指摘は当たらないわけであります。
#24
○石橋通宏君 とすると、安倍総理、労働者が駄目だと言ったら駄目なんですね。そういう法律になっているということでよろしいですね。
#25
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何をもって駄目だということをおっしゃっているのかは今の質問ではすぐには理解ができないわけでございますが、いずれにいたしましても、これは派遣の期間制限を廃止をして全ての業務を対象としたわけでありまして、先ほど申し上げましたように、同じ職場への派遣は三年を上限として延長はできないというわけであります。
 そして、派遣先の事業所単位で受入れ期間の上限を三年とした上において、延長する場合には、現場の実態をよく知る過半数労働組合等から意見聴取を義務付けるといった二つの期間制限を設けることとしているわけでございまして、答弁をしたとおりでございます。
#26
○石橋通宏君 総理、全くお答えになっていないし、分からないなら分からないと言ってください、正直に。
 意見聴取というのはどういう意味ですか。労働組合が意見聴取の上で反対したら反対ということで、反対できるんですね。期間制限の延長はできないんですね、そういう制度なんですね。
#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 組合からそういう意見が出れば、そうした意見についてこれは対応を検討するということになるわけでございます。そして、今までの労働慣行からいえば、言わば、しっかりと生産性を維持をしながら現場の環境を良好な環境の中にもたせることによって業務も順調に進んでいくわけでありまして、今までの労働慣行からいえば、しっかりとそうした過半数組合の意見を聴くということをこの法律で定めていることは大変大きな意味があると、このように考えております。
#28
○石橋通宏君 もう今の総理の答弁を聞かれた派遣労働者の方々、労働者の方々、今、大笑いをされているか、衝撃を受けて悲しみに浸っているか、どっちかだと思います。総理がいかに現場の実態を全く御存じないか。
 もし総理が言われたことが事実なら、こんな法律要らないんです、全てがうまくいくんです。そのことを理解されていない安倍総理、全く、先ほどの津田委員とのやり取りで、七割近くの方々が反対されている、こういう方々の方がよっぽどこの法案がとんでもない法案だというのを理解されているというふうに思います。
 総理、資料でお配りをしている資料の三を御覧いただけないでしょうか。
 資料の三、これ、今回一例として出させていただきました。総理、恐らく御覧になったことがないと思いますが、派遣事業者がどうやって、彼ら、広告宣伝を打っているのか。安い、便利だ、これが派遣業界の宣伝なんですね。これでいくと、三割も四割も、六万円から十四万円もコスト削減ができます、お任せください、好きなときにいつでも好きな人材を派遣します、これが派遣業界の宣伝なんです。
 総理、これが今の実態だという御理解で、私たちは、本来あるべきは、この右側の図だと思っています。本来は、三割、四割、正社員を雇うより本当はコストが高い、しかし、それでもスキルの高いすばらしい労働者を派遣する、だから、私たちの派遣労働者を是非使ってください、それなら我々は理解するわけです。
 この法案が目指すのは、安倍総理、どっちですか。約束してください、コストが安い、便利だ、だから安いから使ってくれ、そういうことを固定化するのか、むしろこの右側の図、三割、四割、正社員を雇うよりは高い、でも、すばらしい労働者だから使ってくれ、この法案はそれを目指すのか、安倍総理、どっちですか。
#29
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、一般に、派遣という働き方では、賃金水準はパートなど他の非正規雇用よりも高いものの、正社員に比べれば低い傾向にそれはあります。また、雇用の安定やキャリア形成が図られにくいという面もありますが、このため、今回の改正案では、派遣元の責任を強化をし、派遣期間が満了した場合、正社員になったり別の会社等で働き続けることができるようにする措置や、計画的な教育訓練を新たに義務付けるなど、派遣就労への固定化を防ぐ措置を強化することとしております。また、派遣で働く方のうち、正社員を希望する方と派遣を希望する方はほぼ同じ割合でいるわけでありまして、まさに自らの働き方として派遣を積極的に選択している方については、賃金、教育訓練及び福利厚生の面で派遣先の責任を強化するなど待遇の改善を図ることとしております。
 したがって、今言われたような質問の設定自体がちょっと私も疑問を感じるところでございますが、今申し上げましたように、派遣という働き方を希望する方にはしっかりとした待遇改善を図っていくということであります。そして、正社員を希望する方にはその道が開かれていくということでありまして、先ほどの質問にもまた戻るわけでありますが、現場を重視する我が国の労使関係を考えれば、派遣先が……
#30
○石橋通宏君 関係ないよ、それ。
#31
○内閣総理大臣(安倍晋三君) だから、先ほどの質問にちょっと付け加えて申し上げますと、労働者の意見を無視して一方的に受入れ期間を延長することは想定しにくいと、こう考えてもいるわけでございます。
#32
○石橋通宏君 総理、全く答えていないでしょう。
 私は、この資料に基づいて、これ、どちらを目指すんですか、どちらを実現するんですか。全く答えないということは、総理、やっぱり今この派遣業界の方々が言われている、安い、コスト削減だ。これ、人材派遣料で既にコスト削減、ここからマージン率差っ引くわけです、派遣元事業者は。労働者に幾ら渡るのか。それで何が処遇改善ですか。処遇改善を本気でやるなら、この右側のように、正社員より安いなんて宣伝させちゃ駄目なんです。そんなことをやらせたら、絶対に処遇改善なんかできないわけです。
 総理、それを何にも言えないということは、この法案が全くそれを実現する意思も法的な根拠もないということをまさにお認めになったんだという、それはそれでよろしいですね。総理、この右側を実現することは絶対ない。それだけ答えてください。この図に基づいて、これは絶対に実現されないということですね。
#33
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この広告をそもそもこの法案の前提として議論するという考え方自体、私は間違っていると思います。そもそもこういう広告をするような言わば派遣業界ではなくて、そういう業界を変えるために今回は許可制にしていくわけでございまして、それは大きな違いであるということも申し上げておきたいと、こう思うわけであります。
 そして、先ほど申し上げましたように、今までなかったことをやるんですから、この派遣元に対して計画的な教育訓練や希望者へのキャリアコンサルティングを新たに法的に義務付けているわけであります。まさにそれが私はお答えであると、このように考えております。
#34
○石橋通宏君 総理、今大変重要な御答弁をいただきました。これ、許可制にすることによって、このような広告を打つ、虚偽広告を打つような派遣元事業者は許可しないんだ、認めないんだ、そういうことを宣言いただいたんだと思います。
 総理、今ほとんどの派遣元事業者の広告、恐らく総理見たことないんでしょうね、全然。ほとんどがこうやって正社員よりも圧倒的に安いんですと広告打っているんです。こういう広告を打つ事業者は許可されないということを宣言された。それでよろしいですね。その確認です。
#35
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はそこまで言っているわけではございません。言わば、しかし許可制にするということによって、よりこれはやはり派遣元に対して責任感を持たせるということにつながっていくことは間違いないわけであります。
 今までの仕組みのままであれば、石橋さんおっしゃるように、それはもう全く変わらないということになるわけでありますが、それを今回は許可制にすることによって、我々は運用の中においてより実効あるものにしていきたいと、このように考えているわけでございます。
#36
○石橋通宏君 総理、答弁すり替えられましたけれども、もうこういう広告はふさわしくないんだ、許可制にすることによってこういう広告はさせないんだと。これは、虚偽広告とか誇大広告とかそういうものを禁止するというのはこの日本にはあるわけですね。そういうものに適合させていく、だから許可の基準の中にこういうことも含んでいくんだ。それを総理が自ら宣言をされたんだというふうに思います。これは非常に重要な答弁をいただきました。
 その上で、正社員化を繰り返して言われています。総理、もうこの場で、正社員化なんてこの条文のどこにも書いていないんだということは、これは塩崎厚生労働大臣が認めているんです。総理、正社員化なんてどこにも書いていないです。これを実現するかどうかもどこにも書いていない。
 しかも、塩崎厚生労働大臣は我々の質問に対して、雇用安定化措置も教育訓練も処遇の改善も結局は企業が経営判断することですというふうに正々堂々と言われた。条文の義務穴だらけで何の義務もありませんねと言われたら、いや、最終的には企業の経営判断ですからねというふうにお認めになっているんです。
 総理、正社員化と言っていたのはうそでした、ごめんなさい、是非謝ってください。
#37
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の法律については、新たな義務として、先ほど申し上げましたようなキャリアをつくっていく上において必要な様々な教育訓練を行っていくということを義務付けたわけであります。
 そして、それはまさに正社員化につながっていくわけでありますから、今まで正社員を望んでいてもそのための教育訓練を受けることができなかったわけでありますから、キャリア形成がそもそもできない、それを義務付けられていなかったわけであります。そして、初めてそのことを義務付けることによって、正社員という道が開かれていくわけであります。
 もちろん、正社員として雇うかどうかということは、それは経営者が、これは採用と同じでありますから、これは経営者が判断をしていくわけでございますが、そうした経営者が判断していく上において、しっかりとプラスとなるキャリア形成を行うことがこの法案が成立をすることによって可能となっていくということではないかと思います。
#38
○石橋通宏君 もうすり替えのオンパレードですが。
 総理は、恐らく第三十条の二の条文をお読みになっていないからそういうふうに言われるんでしょうね。どこにも正社員化を目指す教育訓練義務なんて書いてありません。三十条の雇用安定化措置にも、どこにも正社員化、一言も書いてありません。しかも、直接雇用の申込みも、これはやらなくたっていいんです、別に。この一をやる義務なんかどこにも書いていないんです。総理、御存じですかね。全く御存じなく今のような答弁をされている。だから、私は、総理、申し訳ないけれども、総理、全くこの法案を御存じないままに恐らく答弁書で言わされて、正社員化、やあ雇用の安定化、やあ処遇の改善、言わされてきたんだろうなと。
 だから、今もうこの委員会で明らかになったわけですから、だとすれば、総理、この法案の欠陥をもうここでしっかりとお認めになって、この法案を廃案にして、もう一回一から出直すべきだと思いますが、総理、いかがですか。
#39
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はそのようには考えておりませんし、この委員会を通じて、政府側としても、まさに正社員を望む方についてはキャリア形成について今回しっかりと教育の場が与えられると、言わば正社員化への道が切り開かれていくものであり、そしてまた、派遣で頑張るという方々に対しては処遇改善につながっていくものであるということについてはもうるる塩崎大臣が答弁したとおりでございまして、このことをしっかりと国民の皆様にも、また派遣で頑張っておられる方々にも御理解をいただくように努力を重ねていきたいと考えております。
#40
○石橋通宏君 安倍総理、今、塩崎大臣が答弁されたとおりというので、結局は経営判断だということでお認めになったんでしょうね。そういうことですね。
 安倍総理、今回質疑をやらせていただいて、総理全くこの法案の中身、欠陥、御存じないということが暴露されてしまいました。それが御理解いただけないままにそういうことを言い続けている、これは労働者に対する、とりわけ派遣労働者の皆さんに対する大いなる背信行為です。
 私たちは、この法案によって、実質的に派遣労働の固定化、一生、生涯派遣で不安定、低賃金、これを大いに拡大してしまう、そういう法案だと思っています。労働者の犠牲の上にこの国の成長なんかないんです。派遣労働者の犠牲の上に企業の成長なんかあるわけないじゃないですか。
 そのことを強く申し上げ、こんな欠陥法案、労働者を犠牲にする法案、断固許せない、廃案だと申し上げて、質問を終わります。
#41
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。
 総理、今日は、本委員会にお越しをいただきまして、ありがとうございます。これまでこの委員会も、この労働者派遣法について濃密な議論を続けてまいりました。それを踏まえて、私の方からも総理の御所見を何点かお伺いしたいと思います。
 今回の改正案は、派遣契約の終了時に派遣労働者の雇用の継続を図る義務、いわゆる雇用安定措置、あるいは派遣労働者に対するキャリアアップ支援、こういうことを派遣元事業主に義務付けると、こういったことを含めて、派遣労働者の方々の雇用の安定、キャリア形成の機会の付与を図るということが大きな目的、そして柱になっております。
 派遣労働は、ワーク・ライフ・バランスという面で、例えば仕事の内容、曜日、時間と、こういうようなことについても、労働者の側のニーズをかなえやすい働き方であるというふうな面があります。その一方で、例えば非正規雇用、派遣労働を含む非正規雇用の方が育児休業を取りにくいといった、こういった課題もあるということを議論の中で私の方からも指摘をさせていただいてまいりました。自ら望んで派遣という働き方を選択する人のために、こうした課題を解消しながら、派遣労働者の処遇を改善していく必要性があると思います。例えば、賃金等の均等・均衡待遇の推進も重要な課題です。
 派遣労働者が働きやすくなるよう、また安心して派遣という働き方を選択できるような環境整備、大変重要な角度だと思っておりますので、派遣労働者の処遇を改善していく必要性について、総理の御所見をお伺いします。
#42
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 派遣労働者の処遇の改善、これは極めて重要なポイントであろうと思います。一般に、派遣という働き方では、賃金水準はパートなど他の非正規雇用よりも高いものの、正社員に比べれば低い傾向にあるわけでありまして、待遇の改善を図っていくことが重要と考えます。
 このため、今回の改正案では、派遣先に対し、教育訓練や福利厚生施設を利用させることや、自社の賃金水準に関する情報を派遣元に提供するといった新たな義務を課することとしております。また、派遣元には、均衡待遇を確保するために考慮した内容を本人に説明することや、計画的な教育訓練を新たに義務付けることとしています。
 こうした取組を通じて、派遣で働く方々の待遇改善をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
#43
○長沢広明君 そうした改正案に含まれる雇用安定措置、キャリアアップ支援という措置は、いずれもこれから新しく始める施策ですので、この委員会での議論の中でもその実効性を確保するよう私も求めてまいりました。
 そこで、もしこの改正案が成立、施行された際、派遣労働者のための措置、これが着実に実施されるよう、改正法の各規定を政府として責任を持って着実に運用していくということについての総理の御決意をお伺いして、私の質問を終わります。
#44
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正案では、派遣期間が満了した場合の雇用安定措置や計画的な教育訓練を新たに派遣元に義務付けることとしております。これらが確実に履行されるよう、労働者派遣事業について、現在の一部届出制を全て許可制とし、必要な措置を講じない派遣元には厳正な指導等を行うこととしております。
 このような仕組みを一つ一つ着実に実施することにより、あらゆる人が生きがいを持って活躍する場を見出すことができる社会をつくっていきたいと、このように思っております。
#45
○長沢広明君 終わります。
#46
○川田龍平君 川田龍平です。
 総理、体調は大丈夫でしょうか。大変、同じ難病患者として体調を心配しております。しっかり質問させていただきますので、答弁よろしくお願いします。
 総理、今回の法改正については、派遣労働者を増やす意図はないと塩崎大臣は明確に答弁されていますが、総理も今回の法案で派遣労働者の割合は増えないと考えているということでよろしいですね。
#47
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、今回の改正案の前提として、これまでも答弁しているとおり、派遣労働者を増やすべきだとは全く考えておりません。
 働き方が多様化する中で派遣という雇用形態を選択する方があり、育児などで仕事から離れていた方が職場復帰のステップとしてまず派遣という形で仕事をスタートする場合もあります。派遣労働者の数は、景気や雇用情勢、労働者の意向など様々な要因を受ける、影響を受けるものでありまして、一概にこのようになると断定することはこれは難しいわけでありますが、正社員を希望する方にはその道が開かれるようにしなければならないと考えております。
 このため、今回の改正案では、派遣元に対して、派遣期間が満了した場合、正社員になったり、別の会社等で働き続けることができるようにする措置や計画的な教育訓練を新たに義務付けるなど、派遣就労への固定化を防ぐ措置を強化することとしております。こうした取組によって、働く方の希望に応じた働き方が実現できる環境を整備していく考えでございます。
#48
○川田龍平君 これは増やすべきではないとお考えだということです。
 専門二十六業務の個人単位の期間制限による雇い止めの懸念について伺います。
 このうち、添乗員と放送番組等演出は、いずれも派遣法制定直後の一九八六年に法制化され、既に三十年余りたっていますが、高度に専門的な知識、技術を持っていて、独自の労働市場を形成しているから期間制限が不要と政府が判断したということで、三十年も確立した労働形態です。
 総理、このことについて、責任が政府にあるということでお認めいただけますか。
#49
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この二十六業務の見直しの考え方についてでありますが、現行制度であれば、派遣先での受入れについて、専門的な二十六業務を除き最長三年という期間制限を設けておりますが、専門性が時代とともに変化する、対象業務に該当するかどうか分かりにくいといった課題があります。また、専門二十六業務については、これまで期間制限の対象外でありましたが、実際には八割以上が有期の雇用契約であり、雇用契約が終われば雇い止めの可能性がある上、キャリア形成の機会も乏しいという状況があります。
 このため、改正案では、現行の期間制限を廃止をし、全ての業務を対象とし、派遣労働者ごとの個人単位で同じ職場への派遣は三年を上限とし延長できない、派遣先の事業所単位で受入れ期間の上限を三年とした上で、延長する場合には現場の実態をよく知る過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるといった二つの期間制限を設けることとしております。
#50
○川田龍平君 添乗員ですとか通訳ですとかそういった仕事は、三十年間これは社会の中で定着してきた仕事です。これも一律に、併せて、いきなり一時的だ、臨時的だということで切り捨てるのは、これは無責任ではないかと聞いているんですけれども、総理、これ全部一律になくすということは無責任じゃないですか。
#51
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正案では、同じ職場で漫然と派遣業務が長期間続けられるのではなく、キャリアを見直す機会となるよう、派遣労働者ごとの個人単位で同じ職場への派遣は三年までとする期間制限の対象として、雇用が途切れないよう、派遣元に対し、派遣期間が満了した場合、正社員になったり、別の会社等で働き続けることができるようにする雇用安定措置を新たに義務付けることとしています。
 これによって、不安定な派遣就労に固定化するのではなく、雇用を維持しつつ、キャリア形成を図ることとしており、切捨てという指摘は当たらないと考えております。
#52
○川田龍平君 じゃ、ちょっと大臣に聞きますけれども、この二十六業務全てが臨時的、一時的な働き方と言い切れませんよね。これ、個人事業主化すれば、請負となって直接指示を受けられないですし、短期契約社員化するならば、面接など採用手続がお互いに面倒になることも考えられます。
 放送番組等演出、またこの添乗員というのも、どの国でも社会に必要な仕事だと思いますが、例えばヨーロッパではどういう雇用形態になっているのか、調査していただくということでよろしいですか。
#53
○国務大臣(塩崎恭久君) 放送番組などの演出とか添乗員などにつきまして、ヨーロッパでどのような雇用形態になっているかは現状ではまだ把握はし切れていないわけでありますが、例えばフランスにおきましては、労働契約は期間の定めのない契約を原則としておりまして、派遣労働等有期労働契約は労働契約の例外的なものとして位置付けられているということで、利用事由を限定した上で利用事由に応じた派遣期間を定めているものと私どもは理解をしているわけであります。
 また、ヨーロッパでは、業務の専門性に着目をして派遣期間に制限を設けている国は見られないために、委員御指摘の放送番組等演出や添乗員などに限定をしてヨーロッパでの労働者派遣制度の調査を直ちに実施するという予定はございません。
 いわゆる二十六業務の中で、放送番組等の演出は常時雇用される派遣労働者が多いわけでありまして、添乗業務においては常時雇用される派遣労働者以外が多いという違いがございますけれども、いずれにしても、キャリアアップ措置や雇用安定措置等によって派遣労働で働く方の雇用の安定を図ることが重要ではないかというふうに考えております。
#54
○川田龍平君 これ、百歩譲って、譲ってですよ、二十六業務に期間制限を導入することとして、私は、この二十六業務の全てとは言わないまでも、附属的業務が分かりにくいといった課題がない一部の特別な業務に関しては、今回の法改正以前の派遣契約で働いている方については個人単位の期間制限の対象外とするよう法案を修正すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#55
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、今のこの二十六業務についての考え方についてはもう繰り返し申し上げてきたわけでございまして、そういうことで、例えばこの二十六業務の中で特に多いところの業務を持っていらっしゃるところに聞いてみて、どのようにこれからされるのかということを聞いてみて、一番多くやっぱり答えてきたのは、無期雇用にしていただいて派遣を続けるということで、その方々との関係を、そういう形の労働力を活用していきたいということを私どもは聞いているところでございます。
#56
○川田龍平君 やっぱり、これはしっかり法案修正すべき内容だと思いますが、そこはしっかり修正をしていただきたいと思います。
 二十六業務で働く派遣労働者の数が、二〇〇九年から二〇一〇年の一年間に九十万人から七十五万人へ激減しています。この原因、大臣はどのように分析していますか。
#57
○国務大臣(塩崎恭久君) この減少の理由は、二〇〇八年の秋にリーマン・ショックがあったわけであります。この影響がもちろん考えられまして、いわゆる二十六業務で働く方を含めた多くの非正規で働く方々が雇い止めに遭ったわけでございまして、また、二〇一〇年の二月に実施を、これ民主党政権のときでありますけれども、専門二十六業務派遣適正化プランというのがあって、これも影響しているとの指摘があると理解をしております。
 しかし、これ、いずれにせよ、派遣で働く方の数は景気や雇用失業情勢のほか、多様な働き方を希望する労働者の、働く方々の意向など様々な要因によって影響を受けるものでございますので、一概に何が一つの原因かということで決め込むことはなかなか難しいというふうに思っております。
#58
○川田龍平君 この十五万人の二十六業務だった方々は、その後どうなったんでしょうか。これ失業してしまったのか、また非正規でも正規でも直接雇用になったのか、それぞれの割合はどの程度だと把握していますでしょうか。
#59
○政府参考人(坂口卓君) 今御質問ございました、この御指摘の十五万人であった方のその後の状況ということでございますが、この十五万人の方々全てにつきまして、その後の動向ということを把握しているわけではございません。
 したがって、そういった意味での正確な数値を申し上げることは困難でございますが、先ほどの中でもありました、一つの目安としましては、二十二年の三月から四月にいわゆる専門二十六業務の派遣適正化プランということを行っております。集中的に指導監督等を行っておりましたが、そういった指導監督の結果、是正指導されました事業主におきまして、派遣労働者のその後の状況の確認を確認したという状況についてはございますので、御参考までに申し上げますと、派遣先へ直接雇用された割合が二一・二%、適正な派遣、請負等による雇用継続というのが七三・四%などということで、その後も雇用が維持された方が九七・六%ということとなっておりまして、逆に離職、失業された方というのは二・四%であったという結果は調査結果としてあるということでございます。
#60
○川田龍平君 大臣、そうしますと、これ通告していませんけれども、専門二十六業務の派遣適正化プランというのは良かったというふうに大臣判断しているということでしょうか。
#61
○国務大臣(塩崎恭久君) いろいろな形態があって、必ずしも好ましくないケースがあったという意味においては、適正化という意味ではそれはそれなりに意味はあったのではないかというふうに考えております。
#62
○川田龍平君 では、意味があったというのであれば、これはやっぱりちゃんと分析評価をしないと、こういった問題を変えるに当たって、特に法改正するに当たって、そういったことをやっぱりちゃんと効果を検証しておくべきだと思います。政策の実績はどうだったのかということを把握しないうちに別の仕組みに切り替えるというのは、これは朝令暮改ということになりますので、行き当たりばったりで、先ほども意見ありましたけれども、当事者の意見を聞いてやっぱり十分に練られた法案とは私はこれは到底思えていません。労働現場の実態を丁寧に把握しないままに、経営者側の意向だけを聞いてこの法改正に突き進んだのではないかと思います。
 部長答弁を聞いていても、今までこの厚生労働委員会で発言してきた答弁、ずっと一貫して聞いていても、労働官僚としての誇りはどこに行ってしまったのかということをやっぱり感じざるを得ません。全くこの派遣業者の方に魂を売り渡してしまったのではないかということを感じております。
 この適正化プランという政策評価を行うなど、しっかりPDCAサイクルを意識した取組を行って、労政審での議論に資する政策評価を労働行政は日頃から行うべきではないかと考えますが、これ、総理、是非、そう思いますが、どう思いますか、決意をお述べください。
#63
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚生労働行政は、国民の生活や健康に直接関わるものであり、その実施状況について常に自己点検を行い、不断の見直しを行っていくことが重要であると考えています。
 このため、政策目標を明確にした上で、有識者の意見を伺いながら、目標に沿った効果が得られているかを検証し、これを政策に反映させる政策評価等の取組を行っているものと承知をしています。
 また、労働分野においては、一般的に、現行制度の実態把握を行い、それらに基づき、公労使の三者で構成される労働政策審議会において審議を行った上で、必要な制度見直しを行っているところであります。
 引き続き、このような取組を適切に実施をし、委員が御指摘をされたようなPDCAサイクルをしっかりと回すことによって、国民への説明責任を果たしながら、効果的、効率的な行政を推進していきたいと考えております。
#64
○川田龍平君 大臣、時間がありませんので、端的に均衡か均等かだけ答えていただきたいと思いますが、大臣、派遣先において派遣労働者だけに忌引休暇がないケース、これは均衡か均等か、それだけちょっと答えてください。
#65
○国務大臣(塩崎恭久君) これは均衡の問題だと思います。
#66
○川田龍平君 これ、均等にやっぱり与えるべきだと思います。これからの派遣労働を考えるときに、均衡だけではなく均等待遇の実現が絶対に必要だと思います。私、今回の審議を通じて痛感しております。その担保がされないままの今回の労働者派遣法の改正であるということには、大変これは許されるべきではないと思っていますが、派遣労働者には忌引さえないという参考人の発言がありました。私は、この発言、大変重いと思っております。
 これ、総理にも是非聞いていただきたいんですが、正社員であれば、御親族が亡くなった情報が社内に流されますが、何年勤務しても会社のメンバーとして認めてもらえない派遣労働者にはそれもありません、派遣労働者も人間です、家族がいます、それは正社員と変わりません、しかし、忌引がないということは、人間扱いされていないことだと思います、派遣労働者のみならず、その家族も物扱いなのです。この発言を私は大変重く受け止めております。
 この労働者の声を、これを大臣聞いてどう思いますか。それを是非、一言だけ答弁いただけますか。
#67
○委員長(丸川珠代君) 申合せの時間を過ぎておりますので、おまとめください。
#68
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 忌引休暇は、企業が働く方に付与することが法律上義務付けられているわけではありませんが、一般企業における福利厚生の一環として実施されているものでありまして、派遣先においては忌引休暇が実施されている場合であっても、そこに派遣される方については派遣元が忌引休暇の有無を定めることから、同じ職場で違いが起こることがあり得るわけでありまして、本人や親族の心情を考えると胸が痛むところであります。
 ただ、現行の労働者派遣法では、派遣元において福利厚生について派遣で働く方と派遣先の労働者の待遇の均衡に配慮すべきこととしております。この観点から、派遣元では均衡の取れた範囲で派遣で働く方にも忌引休暇を認めることが望ましいと考えています。
 今回の改正案では、これに加えて、賃金、教育訓練及び福利厚生の面で派遣先の責任を強化するなど、派遣労働者と派遣先の労働者との均衡待遇を進めることとしておりまして、派遣で働く方の待遇の改善のため、現行法も含めて改正案の趣旨について周知徹底を図っていく考えであります。
#69
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 総理は、本会議でも今日も、この法案は正社員への道を開く、派遣労働者の待遇の改善を図ると何度もおっしゃるんですけど、しかし、だったら派遣労働者はみんな歓迎しているはずなんです。ところが、先ほど配られた日経新聞の調査、私も配りましたけれども、派遣社員の六八%が法案に反対しているわけですね。反対理由の一位は、派遣社員の根本的な地位向上にはならない、二位は、人が替われば会社は同じ業務を派遣社員に任せ続けられ、派遣が固定化する、三位は、二十六業務の人が契約更新されない可能性がある。
 総理は、先ほどそれに対する反論をあれこれおっしゃったけれども、それはさんざん政府がこの間言ってきたんです。でも、そういう説明を受けてもなお当事者の皆さんはそれを納得していないわけですよ。それをどう受け止めていらっしゃいますか。先ほど、理解が広がるようにしたいというふうにおっしゃった。ということは、現時点では理解がされていないという認識なんですね。お答えいただきたい。総理。
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日経新聞のこの調査結果についても先ほども紹介がございましたが、その中で、その反対理由について今三つおっしゃったわけでありまして、根本的な地位の向上にならない、あるいは派遣社員に任せ続けられ、派遣社員が固定化するというのと二十六業務の問題でありますが、これに対しては、今回の改正案において、派遣元に対し派遣期間が満了した場合の雇用安定措置や計画的な教育訓練を義務付けるなど正社員を希望する方にその道が開けるようにするとともに、派遣を積極的に選択している方については賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど待遇の改善を図るものでございます。派遣が続くのではないかという点については、事業所ごとに受入れ期間を三年までとした上、延長する場合には過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けることとしているわけでありまして、また、二十六業務で働く方については、雇用が途切れないよう派遣元に雇用安定化措置を義務付けることとしております。
 こうした説明をしっかりと御説明をしていくことによって理解されていくものと承知をしているわけでございますし、実際に法律が実施される中においてこうしたことが実現されていくわけでありますから、そうしたことが実現されていく中において改正前と改正後を比べていただいて、理解は進んでいくものと思っております。
#71
○小池晃君 でたらめですよ。そんな時間稼ぎやめてくださいよ。
 この法案は、昨年の通常国会、臨時国会、そして今度の通常国会、会期末までやって、施行日の九月一日過ぎて議論しているんですよ。ずっと議論していても、今おっしゃったことが全く理解されていないわけじゃないですか。これは、国民の理解の問題じゃないんです。みんな理解しているんです。法案が悪いからこういう反対の声が当事者の中でも広がっているんじゃないですか。それを受け止めないで、でたらめなことを言っちゃいけないですよ。
 大体、この法案が派遣労働者を保護する法案でないということを最も端的に示しているのが、政府と与党が、十月一日のみなし雇用制度の施行の一日でも前でもいいからこれは成立させようとしていることですよ。
 総理は、本会議でこうお答えになった、みなし雇用について。みなし雇用、適用されなくなるのではないかという質問に対して、本年十月からの施行が予定されています、これは、期間制限違反等を防止する観点から設けられた仕組みであり、この法案成立後も、改正後の期間制限に違反する場合には当然適用されるものです、したがって、みなし制度が発動されないとの御指摘は当たりませんと、こうおっしゃっている。
 しかし、本法案施行後に結ばれる派遣契約では、業務単位の期間制限がなくなるわけですから、これは期間制限違反によるみなし雇用はそもそも発動されなくなるし、しかも厚労省は、この施行前に結ばれた派遣契約についても期間制限違反のみなしは適用されないと言い出したわけですよ。
 総理の本会議の答弁は完全にほごになっているんじゃないですか。総理、答えてください。
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十四年の法改正により設けられた労働契約申込みみなし制度は、派遣受入れ期間の制限に反するなど違法な派遣の受入れがある場合に、派遣先がその派遣労働者に直接雇用を申し込んだものとみなす仕組みであり、本年十月からの施行が予定されております。
 他方、現行制度では、いわゆる専門二十六業務について派遣受入れ期間の対象から除外をしておりますが、専門性が時代とともに変化する、対象業務に該当するかどうか分かりにくいといった課題があります。このため、改正案では現行の期間制限を廃止し、全ての業務に適用される分かりやすい仕組みを設けることしております。
 仮に、この改正が行われず、現行のまま十月に至る場合には、派遣先において意図せず違法派遣を受け入れた状態となって、みなし制度が適用されてしまう可能性があり、また、これを回避するため、派遣の受入れを事前に停止し、雇い止め等が生じる可能性もあると考えています。このような混乱を避け、円滑に実施するため、期間制限を分かりやすく見直した上で施行する必要があると考えています。
 今回の改正案では、平成二十四年の法改正により設けられたみなし制度について、期間制限違反に適用するという仕組みを変更しておらず、また、予定どおり十月一日から施行することとしております。みなし制度が適用されなくなるとの指摘は当たらないものと考えております。
#73
○小池晃君 全く私の言ったことに答えていないじゃないですか。期間制限の考え方変えるわけだから。
 総理、今はっきり、やはりみなしが発動されたら困るんだと、直雇用されたらまずいんだということをおっしゃったのと同じですよ、今のは。これ、とんでもない話ですよ。自民党も賛成してつくった制度ですよ。違法派遣は直雇用にしよう、労働者を守ろうとつくった制度が発動される、それの一体どこが悪いんですか、お答えいただきたい。おかしいですよ。私、こんなことをやったらば、直接雇用される機会はどんどん減っていきますよ。
 先ほども議論あったけれども、直接雇用にするんだとおっしゃったけれども、依頼ですよ、依頼するだけなんですよ。断ったらこれで終わりなんですよ。依頼しなくたっていいんですよ。ほかの措置だっていいんですよ。総理、今度の制度でいけば、直接雇用される機会はどんどんどんどん失われる、これは間違いないじゃないですか。総理が今認めたこと、それも含めて、そうなるんじゃないですか。そのことについてお答えいただきたい。そんな制度をつくっていいんですか。
 総理に聞いているんです、いいですよ、総理に聞いている。
#74
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の十月一日から施行になります労働契約申込みみなし制度の対象となる違法行為については、もう先生にこの間申し上げたように、期間制限のみならず、禁止業務派遣とか無許可派遣とか、それからこの間も議論になりました偽装請負も対象になるわけでありますので、決して労働者の保護につながらないというようなことではないわけで、これはこのとおり施行するということでございますので、そのとおり我々は施行していくということでございます。
 それから、直接雇用の機会が減るじゃないかということをおっしゃいましたけれども、これについても、もちろんみなしが施行されることによって結果として直接雇用が進むという結果はあり得るわけでございますけれども、一つ大事なことは、私どもがこのみなしをどう考えているかというと、やはり違法行為を防ぐということが大事な目標であって、むしろ、違法行為の下に今度みなしで直接雇用をするということよりも、先ほど来総理から申し上げているように、雇用安定措置とかあるいはキャリアアップ措置とか、こういうもので正攻法でやっぱり正社員になっていくということをやっていくことがまた大事なことでもあるということを申し上げたいというふうに思います。
#75
○小池晃君 今の答弁は、違法行為を合法化する法案だということを認めたということですよ。
 結局、キャリアアップすれば正社員になる、キャリアアップの問題じゃないんですよ。幾ら能力が高くても正社員になれないんですよ。それが今の派遣社員の実態じゃないですか。それを、法律的に民事上の措置として効力を発するみなし制度というのを、与党も、当時野党か、自民党や公明党も賛成してつくったんじゃないですか。それをなきものにする。私は、これほどあからさまに理不尽で、これほどあからさまに企業サイドに寄った、そんな労働法制を今まで見たことがないですよ。総理が本当に正社員にしたい、派遣労働者の待遇の改善を図りたいというのであれば、これ、廃案にしてきっぱり出直すしかないということを私は改めて申し上げたいと思うんです。
 大体、今の日本経済の状況を総理はどう考えているのか。九月一日に財務省から昨年度の法人企業統計が公表されました。資本金十億円以上の大企業の経常利益、当期純利益は過去最高を更新しています。総理は政労使会議で賃上げの努力を求めたというけれども、社員一人当たりの給与額は大企業でも一%しか増えていないんです。一方で、株主への配当は過去最高、配当金の増加は一・五兆円、内部留保は二百九十九・五兆円。非常にゆがんでいるわけですよ。
 総理、一人当たりの給与が伸びない最大の要因が非正規雇用の拡大であることを認めますか。低賃金の非正規雇用、派遣や有期雇用を正社員、期間の定めのない直接雇用に転換して働く人の所得を増やす、そういう転換が今決定的に重要だ、そういう認識は総理にありますか。お答えいただきたい。
#76
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一人当たりの平均賃金については、名目賃金は政労使会議などの取組によって二%を超える賃上げを実施しているわけであります。昨年もそうでした。十六年ぶり、十七年ぶりの高い比率の賃上げであります。そして増加傾向にあります。また、実質賃金におきましても、四月、五月とゼロ近傍まで改善をしてきております。
 確かに、六月には名目、実質共にマイナスとなりましたが、これは本年一月に行った調査対象事業所の入替えもありまして、相対的にボーナスの支給額が大きい三十人以上の事業所において六月に支給した事業所の割合が昨年に比べて四ポイント以上も低かったものによるものと考えております。このように分析をしております。
 基本給を示す所定内給与は、四か月連続のプラスであります。パートで働く方を除いた一般労働者で見ると十四か月連続のプラスでありまして、また、パートで働く方々の時給は、安倍政権になって最低賃金の大幅引上げを二年連続で行ってきたことや労働需給が引き締まりつつあることもあり、ここ二十二年間で最高水準であります。
 このように、現在、賃金は基調として緩やかに増加しているものと考えているわけでございまして、雇用の状況も良くなっているわけでございますが、それとともに、しっかりと実質賃金にも反映されるように我々もこの現在の経済の好循環を回していきたいと、こう思っておりますが。
 そして、御質問があった一人当たりの賃金についてでございますが、それにつきましては、六十五歳以上の方々の就業が増えているという状況もあるわけでございますし、また、景気回復局面においてはパートの方の比率がある程度、パートの方の絶対数がまず増えてくるということでございます。
 その中で、現在、非正規から正規への移動もしっかりと起こり始めているわけでございまして、正規で働きたいという方にとって正規で働くことができる状況をつくっていく、経済状況もつくっていかなければいけませんが、キャリアアップ等で支援していくことも重要であろうと、このように考えております。
#77
○小池晃君 細かいことをくどくどくどくど言って、大きな話全然しない。私が言ったことに答えていないじゃないですか。政治の意思として、非正規から正規へ転換すると、そういう意思があるのかということを全く答えていないじゃないですか。日本経済も日本社会も壊す、これがアベノミクスですよ。
 それだけじゃない。ロイターの八月の調査で、日本の資本金十億円以上の企業、この調査では、安保法案の今国会の成立に六二%の企業が反対をしているわけです。理由は、国民の理解が不十分、手続、進め方が強引だ、外交関係が困難になり、海外取引等の経済にも波及すると思われる。
 総理、大企業の経営者からもこんな声が上がっている。これ、どう受け止めていますか。
#78
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平和安全法制につきましては、国民の理解が進んでいくように、国会審議等も通じまして更に努力を進めていきたいと、このように考えております。
#79
○小池晃君 大企業の理解だって得られていない、国民全体反対している。アベノミクスも派遣法も戦争法案も、全て廃案にするべきだということを申し上げて、質問を終わります。
#80
○行田邦子君 行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 労働者の雇用は、私は、指揮監督する使用者が雇用主となる直接雇用が基本であると考えています。そしてまた、この委員会の審議の中におきましても、厚生労働省としても、直接雇用が原則で、そして間接雇用は例外であるという労働政策上の考えを示しています。
 そこで、まず総理に伺いますけれども、総理の、直接雇用が原則である御認識についてと、そしてまた、間接雇用である派遣労働の問題点について御認識を伺いたいと思います。
#81
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 労働契約上の雇用主と業務の指揮命令を行う者が異なるいわゆる間接雇用については、中間搾取や強制労働が行われやすい、雇用主責任が不明確になりがち、受入先において正社員からの代替が生じやすい等の問題があると言われています。
 このため、職業安定法で間接雇用を原則禁止するとともに、例外として、雇用者派遣法において、派遣元と派遣先の責任を明確化する、派遣先において正社員から派遣労働者への置き換えの防止を図る等の措置を講じることにより、問題が生じない形で多様な働き方の推進を図ってきました。こうしたことを踏まえ、直接雇用を希望している方には、そのような働き方を実現していくことが基本であると考えております。
 今回の改正案においても、直接雇用を希望している方にはその道が開かれるように、派遣元には派遣先への直接雇用の依頼を含む雇用安定措置の義務を、派遣先には直接雇用の依頼があった場合の雇入れ努力義務を、それぞれ新たに課すこととしています。
 これらの仕組みを通じ、働く方それぞれの選択がしっかり実現できるような環境を整備してまいりたいと思います。
#82
○行田邦子君 総理、直接雇用が原則なわけでありますよね。私もその点は同感であります。
 けれども、私は、必ずしも派遣労働という働き方を否定するものではありません。現に、派遣労働がいいといって働いている方も少なからずいらっしゃるわけでありますし、そしてまた、企業側にとっても、臨時的に発生した業務に対して労働力を確保するなど、確かにメリットはあるというふうに思っております。
 ただ、この派遣労働、間接雇用である、様々な問題ある派遣労働というものが際限なく広がってしまうと、労働者全体の雇用が不安定化して、そしてまた、ひいては日本経済に負の影響を与える、だからこそ派遣労働というのは特別な規制が必要なんだということであります。
 そして、その規制の一つとして、派遣労働は臨時的、一時的なものであるという考え方があるわけでありますけれども、今回の改正法案の中でも事業所単位の期間制限というものが設けられています。
 この事業所単位の期間制限、三年を超えて派遣を受け入れる場合には過半数労働組合等の意見聴取をするということになっていますけれども、それでは、事業所において過半数労働組合がある、こういった事業所はどのぐらいあるのかというと、大体三割ぐらいしかないと。残りの七割の事業所は何と過半数労働組合がないということです。
 過半数労働組合がないとどうするかというと、過半数代表者を選ばなければいけないんですが、総理のお手元にもお配りをしている資料一なんですけれども、じゃ、実際に実態として過半数代表者がどのように選ばれているかというと、会社側が指名したのが二八%、そして社員会、親睦会などの代表者が自動的に過半数代表者になった、これが一一%ということで、四割が不適切な選ばれ方をしていると、これが労使の現場、働く現場の実態であるわけであります。
 労使自治がなかなか機能しづらいこの実態を踏まえれば、私は、過半数代表者等の意見を聴きさえすれば期間制限の規制を解除できるというのでは全く歯止めにならないというふうに考えています。しっかりとした歯止めとして労使委員会を設置し、そこでの合意を条件とするなど、こうした歯止めを設けるべきだと思っていますが、総理の御所見を伺います。
#83
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正案では、派遣先の事業所単位で派遣受入れ期間の上限を三年とした上、これを延長する場合には現場の実態をよく知る過半数組合等からの意見聴取を義務付けることとしています。
 この意見聴取の実効性を確保するため、派遣先に対し、反対意見が表明された場合には、事前に対応方針を説明することや意見聴取の記録を周知する義務を新たに課し、労使間で実質的な話合いが行われる仕組みとしております。
 現場を重視する我が国の労使関係を踏まえれば、派遣先が労働者側の意見を無視して一方的に受入れ期間を延長することは想定しにくく、派遣労働の受入れが恒常的なものとなり常態化するということとはならないと思うわけであります。
 労働政策審議会では、労使の合意を要する委員会など新たな集団的な労働関係の枠組みについても御議論をいただいておりましたが、派遣の分野に限って導入することには労使双方から慎重な御意見をいただいているものと承知をしております。
#84
○行田邦子君 私は、今説明したように、労使自治が残念ながら機能しづらい、機能していないような事業所も多くあるという中で、本当に意見聴取だけで、これで歯止めになるのかという疑問を感じているわけでありますし、また先ほど総理が、反対意見があった場合には対応方針を説明して、そして労使自治の中で反対意見があればそれはきちんと聞くものと期待しているという楽観的な答弁でありましたけれども、私は、そのようには残念ながらならない、だからこそ法律制度でしっかりと歯止めを掛けるべきであるというふうに思っております。
 そして、事業所単位の期間制限は上限三年ですけれども、規制解除のハードルは非常に今回の法改正では低くしています。事業主が望めば恒常的に派遣労働を受け入れることが事実できるわけであります。一方で、労働者個人単位の期間制限、三年なんですけれども、この組合せというのは何かというと、これは、派遣労働はずっと受け入れたい、けれども同じ派遣労働者にずっといてもらうよりかは三年程度で替わってもらって新陳代謝を図りたいという、こういった企業側のニーズをそのまま受け入れたものだと私は理解をしています。
 今回の法改正見ますと、余りにも私は企業側の要望を受け入れ過ぎていて、労働法制としてはバランスを欠いているというふうに感じていますが、いかがでしょうか。
#85
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行制度では、派遣先での受入れについて、専門的な二十六業務を除き最長三年という期間制限を設けておりますが、専門性が時代とともに変化をする、対象業務に該当するかどうか分かりにくいといった課題があります。
 このため、改正案では、現行の期間制限を廃止をし、全ての業務を対象として、派遣労働者ごとの個人単位で同じ職場への派遣は三年を上限とし延長できない、派遣先の事業所単位で受入れ期間の上限を三年とした上で、延長する場合には現場の実態をよく知る過半数労働組合等からの意見聴取を義務付けるといった二つの期間制限を設けることとしております。
 現行に比べますと、派遣先では、これまで業務を変えれば制限なく長期間の派遣受入れが可能であったが、改正後は三年ごとに受入れが制限される、期間制限の対象となる労働者は六割から八割に拡大するなど、全体として労働者の保護等を図る観点から規制を強化する内容となっていると思います。
 さらに、改正案では、派遣元に対し、派遣期間が満了した場合の雇用安定措置や計画的な教育訓練を義務付けるなど正社員を希望する方にその道が開けるようにするとともに、派遣を積極的に選択している方については賃金等の面で派遣先の責任を強化するなど待遇の改善を図ることとしているわけでありまして、決して労働法制としてバランスを欠いているということはないと思います。
#86
○行田邦子君 私は、バランスを欠いていると思っています。政府においては、日本の経済を成長させるために様々な改革をしたり、また予算措置をしたり、政策を打って頑張りますと、そして一方で、企業に対しては、雇用を守ってください、できる限り直接雇用にしてください、また正社員にしてくださいということをしっかりとやはり強い態度でお願いするべきではないかというふうに思っています。労働法制としては、私は今回の改正法案、バランスを欠いているというふうに思っております。
 ちょっと質問を変えまして、同一労働同一賃金について伺いたいと思っています。
 雇用形態にかかわらず職務に応じた賃金決定、同じ仕事には同じ賃金をということ、実は私も、例えば二年前の予算委員会でも総理に御見解を伺いましたし、また厚生労働委員会でも何度か、前の大臣にも、また塩崎大臣にも御見解を伺ってきました。
 この二年間での厚生労働大臣の答弁を見ていますと、少しずつ少しずつではありますけれども、前向きな答弁になっているというふうに思っています。これは、雇用の環境の変化だけではなくて、女性の労働力の活用が日本経済の重要なテーマとなっていることも影響しているのではないかと感じていますけれども、改めて同一労働同一賃金実現に向けての総理の御見解を伺いたいと思います。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が少し触れていただいた女性の力を生かしていくことは、生産年齢人口が減少する中で労働力人口を維持し、我が国の持続的な経済成長を支えていくことにもつながるものでありまして、多様で柔軟な働き方が可能となる社会を構築するとともに、その待遇の改善を図っていくことが重要と考えております。
 同一労働に対し同一賃金が支払われるという仕組みについては、働く方の職務を明確にし、その困難度等に応じて賃金を決定するものであり、女性の力を生かす多様で柔軟な働き方を推進する上でも一つの重要な考え方と認識をしております。これについては、中高齢期に多くの支出が必要となる生活実態に適合した賃金体系、経営環境の変化に対応した柔軟な配置転換など、労使双方にメリットのある我が国の雇用慣行の特徴を維持できるかといった意見もあります。このように、賃金体系を含む雇用管理の在り方の根本的な見直しは労使双方に大きな変化をもたらす問題もありまして、労使において十分な議論を行っていただくことが重要であると思います。
 政府としても、諸外国の制度や運用には不明な点が多いことから、均等・均衡待遇の確保の在り方について調査研究に取り組むとともに、有識者の意見も聞きながら検討を進めていきたいと思います。
#88
○行田邦子君 同一労働同一賃金については、これは労使だけに任せていてはなかなか話が進まないというふうに思っていますので、私は、賃金決定は基本的には労使間で決めるものではありますけれども、同一労働同一賃金の実現に向けては政府が一歩、二歩と乗り出していくべきだというふうに思っております。
 最後、総理に伺いたいと思うんですが、非正規労働者の中でも地方公共団体で働く非正規公務員、臨時・非常勤職員について伺いたいと思います。
 その数、今六十万人を超えています。四年前は五十万人でした。四年間で十万人も増えていると。地方公務員の約二割が非正規という実態となっています。ところが、この非正規公務員の均等・均衡待遇というのは、地方公務員法上明文化されていません。そしてまた、非正規公務員の待遇についてはルールと実態が余りにも乖離してしまっています。例えば、ある首長さんが言っていましたけれども、自分の役所では、予算をつくる部署で欠かせない優秀な女性がいるんだよと、ところが、その女性というのは一般職の非常勤職員と、こういった話は珍しくないわけであります。
 地方公共団体で働く非正規公務員の七四%が女性であります。彼女たちが公務の現場において意欲を持って、そして能力を発揮してもらえるように勤務条件等の改善をすべきと考えますが、いかがでしょうか。
#89
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行政ニーズが多様化、高度化する中、地方公共団体の臨時・非常勤職員については働く場がこれまで以上に拡大しており、御活躍をいただいているところであります。政府としては、これまでも、これらの職員の勤務条件等について、地方公務員法等における制度の趣旨、勤務の内容に応じて確保いただけるよう地方公共団体に対し周知徹底を図り、検討を要請してきたところであります。
 御指摘のとおり、これらの職員の四分の三が女性となっており、全ての女性の活躍を推進する観点からも、さらに必要な助言、働きかけを徹底してまいりたいと考えております。
#90
○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。
#91
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 この派遣法、審議すれば審議するほど、まだまだ疑問が解決できていないという現実でしたり、机上の空論である、絵に描いた餅というような言葉がこの法案に当てはまるのではないかという危惧が、私、深まっているところでございます。
 そこで、まず質問を大臣にさせていただきたいと思います。
 派遣労働ということは、間接雇用というその労働形態というものは共通しているんですけれども、今までの様々な議論でございましたように、一般の事務と言われている特殊技能を有しない方々から、例えばプログラマーでこの分野はこの人しかできないんだよというような高度技能を持ったような専門職の方々、そして、望んで派遣を選択なさっている方から、仕方なく、採用がないから派遣で働いてしまっているという方、若しくは、もう派遣という身分から抜け出せないでいる方、様々な方がこの間接雇用という中、この派遣法という一つの法律の中で縛りを掛けられているわけです。
 しかし、これだけ多くのニーズがあったり働き方がある中で、一つの法律で本当に足りるのかということも、私、疑問でございます。様々な方のニーズを全て満たすということは、これは大変難しいことです。
 今回の改正の中で、では、どういった働き方をしていらっしゃる方、どういう職種の方々をターゲットとして、それが改善できるような法改正となっているのか、まずは御意見をいただけますでしょうか。
#92
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生御指摘のとおり、派遣で働く方の中には、専門的な業務に従事をしておられる方もおられますし、必ずしも専門性がそう高くない方もおられるわけでございまして、多様な業務に従事をしている方が多いということは今御指摘のとおりでございます。また、働く方の派遣に対するニーズについても、これもまた大変幅があって、正社員を希望しながらもやむを得ず派遣に従事をしている方もおれば、派遣という働き方を積極的に、今の人生のステージではこれが一番いいという方も中にはおられるということを私もいろんな方々と会ってみて分かっているわけであります。
 今回の法改正につきましては、私どもとしては、派遣で働く方の希望が実現するような環境が整備されることが重要であるということを基本にしながら、派遣元にキャリアアップのための計画的な教育訓練を初めて義務付けるということ、それから、現在約四分の三が届出制になっているわけでございますけれども、この派遣事業を全て許可制として、業界の健全化、あるいは、今回新たに派遣先、派遣元に義務付けをする項目がたくさんあって、それによって働く方々を守るということに徹しようということでございますけれども、その義務の履行の確保をするためにも、全て許可制というのが意味を持つというふうに思っておりまして、そういった手だてを盛り込んでおって、全ての派遣で働く方々がその恩恵が受けられるようにしているところでございます。
#93
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、先ほどから出ておりますように、派遣社員の七割近くがこの法案に反対ということは、そのニーズが本当につかみ切れているのかという疑問が私、生じております。
 ですから、例えば、今回はこういう働き方でこういうことをしていらっしゃる方々に対して一番適切な法改正であるというふうに説明をしていただいた方がまださっぱりするんですね。誰もがもやもやしている、でも、これではいけない。
 だからこそ、私は信じたいんですけれども、例えば、これはまだまだ先が長いかもしれないけれども、こういう労働というものが日本で一番適切なんだという道半ばの中の一つの改正であって、どういうところを目指していくんだというビジョンをしっかりと厚労省、政府は描いていらっしゃると考えております。
 厚労省のアンケートで六割が派遣という働き方を選択しているということを何度も、大臣、今までの議論でもおっしゃってきました。しかし、私、注目をいたしておりますのは、勤務時間やその場所、仕事内容が選択できる、私生活との両立が図れるという項目が上位に来ております。ということは、これ、私も何度も何度も女性の働き方でも総理とも議論をさせていただきましたけれども、やはり今の正社員では望めないことだからこそ、消極的に派遣という労働を選択せざるを得ない現状というものがあるんだと思います。
 ですから、どういう過程の中でどういうふうにロードマップを描き、これから正社員化を目指していくための様々な法案を準備していますということをここで総理がおっしゃっていただけましたら、多くの方々が安心なさると思います。そういうロードマップをお持ちでいらっしゃいますでしょうか、お願いをいたします。
#94
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま薬師寺委員から御紹介がございましたが、派遣という働き方を選んだ理由について、好きな勤務地、勤務期間、勤務時間を選べる、働きたい仕事内容を選べる、私生活との両立を図れるといった理由が上位に来ております。これは、労働者派遣制度が一定程度働く人の多様なニーズに応えているものと見ることができるわけであります。
 同時に、政府としては、ワーク・ライフ・バランスを確保しながら、誰もが希望に応じた働き方を選択し、安心して意欲や能力を発揮できる雇用制度の実現を目指しているわけであります。言わば、派遣でなければ実現できないのかということではなく、まさにワーク・ライフ・バランスに注目をしながら、多様で柔軟な働き方、正社員としても、そうしたこともしっかりと視野に入れなければならないと考えています。
 今回の派遣法改正案のほかにも、働き過ぎを是正するとともに、多様で柔軟な働き方を進める労働基準法の改正、そしてまた、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の制定などの取組も進めているわけであります。また、正社員を始めとした長時間残業に関する監督指導を徹底するとともに、多様な正社員の普及に向けて企業の助成等を行っているところであります。
 安倍内閣としては、今後とも、働く方のそれぞれの選択がしっかりと実現できるよう、ニーズに対応できる仕組みをつくっていくよう環境の整備に努めていく考えでございます。
#95
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 総理の頭の中ではある程度地図が描けているんだと思いますけれども、私どもには全くそれが伝わってまいりません。
 女性の活躍という意味におきましても、M字カーブ、これが解消できないのは、やはり正社員であるからこそ長時間労働が強いられてしまう、その長時間労働をしなければ女性もそこに生き残っていけないんだという、こういうことももう以前から問題として指摘をされていると思います。
 ですから、消極的な働き方として派遣が選択される、だからこそ私どもは、この派遣という働き方の大きな問題点を女性の労働ともしっかりと組み合わせ、そしてダイバーシティーとも組み合わせて議論をしていくべきだったんですが、ただ一つしか今回その改正法案、出てきませんでした。だからこそ、これだけ多くの方々も御心配になっているわけです。
 その政府が歩むべき道というものをこれからも総理はしっかりと忘れずに、その次に続く労働法制、私どもは期待をいたしておりますし、それに値するものを法案として閣法提出をお願いしたいと思っております。
 では次に、調整弁として使用するという労働者の在り方について、大臣にお伺いをさせていただきます。
 リーマン・ショックの際には、大量の雇い止めが行われて、失業者が多く生まれて、派遣村というものもできました。今回の派遣者保護というものを目的としているこの法案で、本当に派遣労働者の皆様方に対して十分なセーフティーネットを準備できているんでしょうか、御意見をいただきたいと思います。
#96
○国務大臣(塩崎恭久君) リーマン・ショックの際、我々野党で、その後政権交代があって、平成二十四年の法改正が派遣法についてございました。これは、リーマン・ショック時に派遣契約の解除に伴う雇い止めがたくさん出てきたということを踏まえての改正だったというふうに思いますが、その際、派遣元そして派遣先に対して、労働者派遣契約の中途解除に当たって、新たな就業機会の確保や、それから休業手当などの費用負担に関する措置などが講ぜられるということを義務付けたということであったと思います。
 このように、派遣契約の中途解除の際には前回の改正時に一定の対応を行ったところでございますけれども、労働者派遣の終了時点における雇い止めとなりやすい点については十分な対応ができていなかったというふうに思っております。
 今回の改正では、派遣元の雇用責任を格段に強化をする、直接雇用をしているのは、これ、派遣元でありますから、その雇用責任を強化することとして、個人単位の期間制限に達することが雇用に影響をしないように雇用安定措置を義務付けるということをするほか、期間制限に達する前であっても一年以上の就業見込みの場合等については雇用安定措置の努力義務を課すということにしておりまして、この点については細かなケース分けにした議論も行われたわけであります。キャリアアップ措置と相まって、働く方のより一層の雇用の安定を図ることとしたところでございます。
#97
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、先ほどから何度も申しておりますように、まだまだ派遣で働いていらっしゃる皆様方の不安というのは解消できていないんですね。特に女性で、一人親家庭のようなところで派遣で生計を立てていらっしゃるような方の参考の意見も私ども実際にこちらの場で聞いてまいりました。大変不安定な雇用、それに対して本当に精神が病んでしまうほど自分は悩んでいるというような御意見もいただきました。しっかりと、労働者を保護する、派遣労働者を保護するという目的なんであれば、もう少し強くセーフティーネットというものを準備をしていただくべきではなかったのかということを私は再度申し上げさせていただきたいと思います。
 そして、不安ということに関しましては、私、何度も何度も大臣とやり取りをさせていただきましたけれども、労働安全衛生という面においても間接雇用の弊害といったような問題がこれからもまだまだ問題山積だということで提言をさせていただいたところでございますけれども、何度私が質疑をさせていただいた中でも、ガイドライン作ります、指導を行います、そこで終わってしまうんですね。それではまだまだ弱い。本当に本気でやる気があって労働者保護に値するような今回の法改正をするのであれば、しっかりと、違反をした会社、そして劣悪な環境を提供している会社については派遣元、派遣先を問わず名前を公表していくべきだというふうに私は考えますけれども、厚労省としてしっかりそういう姿勢を今回こそ打ち出していただけますでしょうか。
#98
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働者派遣法の違反行為に対しましては、派遣元事業主及び派遣先が改善に向けた取組を行っていただくことが極めて重要であることは言うまでもないわけで、処分ありきではございませんが、原則として、まずは行政指導を行って違法状態の改善を求めるということが原則でございます。ただし、これら是正指導を行ったにもかかわらず違法状態が是正されないという場合には、当然これ派遣元事業主に対しては、行政処分として改善命令、事業停止命令、許可の取消し又は事業廃止命令を行うこととしておりまして、これら処分の結果については当然これは公表をすることになります。
 一方、派遣先事業主につきましては、期間制限違反については必要な措置を行うことを勧告をし、この勧告に従わない場合には公表するということになっていることは条文に明記をされているわけであります。
 今回の改正法案におきましても、派遣元に対しては雇用安定措置やキャリアアップ措置等が新たに義務付けられるとともに、派遣先に対しても新たな期間制限の適用が行われることから、今後とも指導監督を厳正に行って、必要な場合は当然行政処分による公表、それから派遣先事業主の名前などの公表を行ってまいりたいと思いますし、そのベースとして今回全てを許可制にするということをやっているわけでございますので、そういうものが相まって働く方々の健康も守れればというふうに思います。
#99
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 派遣元についてはある程度健全化をされるということが期待されるかと思いますけれども、派遣先についてはなかなかその実態がつかめない、だからこそ今までも余り公表はされていないということを私は認識いたしております。
 しかし、しっかりと、ここ、さじ加減なんですね、厚労省の。それをどの辺りで判断をしていくのか、その壁を高くするのか低くするのか、それは大臣次第だと私は思っておりますので、そこは壁を低くして、しっかりとこれから派遣労働の皆様方を守るという決意を持って私は先ほどのお言葉いただいたという認識をいたしておりますので、これをもちまして質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#100
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 総理に、民意をどう聞き、現場の声をどう聞き、どう民意を理解するかということについて、まず冒頭お聞きをいたします。
 たくさんのホットラインやそれからアンケート結果が出ております。派遣労働者は今回の改正を歓迎をしておりません。まず第一に、衆参、とりわけ参議院で二十六業種で働いてきた人が派遣切り、雇い止めに遭うという切実な現場の声がありました。その声をどう聞かれますか。二点目、八月三十日、国会包囲網で戦争法案、大きな声が出ました。この二点の声について総理はどう受け止められるか、お聞かせください。
#101
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず一般に、この派遣という働き方につきましては、派遣期間が終了すればそのまま職を失うこともあるなど雇用の安定が図られにくい面があるわけであります。そこで、このため、派遣元に対し、派遣期間が満了した場合に正社員になったり別の会社等で派遣を続けることができるようにする雇用安定措置を新たに義務付けることとしております。これによって、派遣で働く方が派遣期間の終了後も継続して就業することを希望する場合は、雇用が途切れることなく就業の機会が確保されることとなります。
 こうした派遣元の義務が確実に履行されるよう、一部届出制となっている労働者派遣事業を全て許可制とした上で、雇用安定措置の実施状況について派遣元から毎年事業報告の提出を求めるとともに、必要な措置を講じない派遣元に対しては都道府県労働局が厳正な指導監督を行い、悪質な場合には許可取消しを行うこととしております。これらにより、義務の履行を確保し、派遣で働く方の雇用の安定化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
 そしてまた、三十日の抗議集会等につきましてでございますが、我々も国民の一つの声として真摯に受け止めていきたいと思うわけでございますが、今回の平和安全法制につきましては、国民の命と平和な暮らしを守るために必要不可欠なものであり、しっかりとまた国民の皆様に丁寧に説明を重ねていきたいと、このように考えております。
#102
○福島みずほ君 反対が強いのは、法案そのものに根本的に問題があるからです。
 そして、私は雇用安定措置について次聞こうと思いましたが、私が聞きたかったのは、総理が現場の声をどう受け止めているかです。衆議院、参議院、それぞれ派遣労働者当事者が切実な訴えをしましたけれども、それすらやっぱり聞いていないということじゃないですか。それは、本当に現場の人たちが歓迎していないということを受け止めているかと思います。
 今、雇用安定措置についての答弁をしていただきましたが、改めてお聞きします。今日も繰り返し、正社員を希望する者にその道を開きと総理はおっしゃっています。でも、これ、うそですよ。これ、でたらめじゃないですか。私は弁護士なので、権利として法律に書いていなければ裁判でこれ使えないんですよ。
 ペーパー、これは厚生労働省が作ったものですが、どれも駄目です。派遣先への直接雇用の依頼、それができなければ、新たな就業機会の提供、三、派遣元での無期雇用、四、その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置、教育訓練等となっています。まず、派遣先への直接雇用の依頼をして駄目だったときは、二から四までのいずれかを講ずる、こんなの役に立たないじゃないですか。だって、直接雇用の依頼は単なるお願いですよ。二と三と四でどこに正社員の道が保障されているんですか。ないじゃないですか。ないものをあるかのように言うのは虚偽じゃないですか。いかがですか、総理。
 ちょっと、やめてくださいよ。総理の集中審議の意味がありません。
#103
○国務大臣(塩崎恭久君) 委員長の御指名でございますので、まず私から答弁をさせていただきたいと思いますけれども、今回、雇用安定措置というのは、初めて派遣労働者の雇用継続を図る派遣元の責務を設けたわけであります。今回の法改正は、もちろん派遣先に対する義務付けもたくさんございますけれども、どちらかというと、先ほど申し上げたように、派遣元の派遣事業者に対して数々のものを義務付けるということで働く人たちの雇用の安定を図るということを手だてとして新たに義務付けしているものがたくさんあるわけであって、そのうちの中心がこの雇用安定措置でございます。
 先ほどお話がありましたように、直接雇用の依頼というものを派遣先へ行うということを、選択肢の一つとしてあるわけでありますが、仮にこれがうまくいかないというときには、今先生がお話しいただいたように、新たな派遣先の提供、あるいは派遣元での無期雇用、その他安定した雇用の継続を図るための措置と、この三つを、三年目のときには義務として掛かってくるわけでありますし、これは新たに法的に義務付けるわけでありますし、いずれにしてもこれらの手だてを義務として行う、そしてその手前であれば、一年以上三年未満であれば努力義務としてこれを初めて課すということを申し上げて、これは、ですから石橋先生からのお尋ねで、どの時点で努力義務が発生をし、どこで義務が発生するのかという問題については細かくこの委員会で御説明もしてまいったところでございまして、それが意味がないということをおっしゃられるのは、いささかそれは当たっていないというふうに思うところでございます。
#104
○福島みずほ君 いいかげんにしてください。
 何の質問をしているかというと、総理が、正社員を希望する者にその道を開きと、道が開かれているって答弁するからですよ。これ、うそじゃないですか。だって、今の塩崎大臣の答弁でも、どこに正社員の道が権利として保障されるんですか。だから、一言もそういうものはないですよ。この厚生労働委員会を通じて、正社員の道が権利として、結果として実現できるものについての説明はないですよ。だから私たちは怒っているし、派遣労働者は納得しないんですよ。そういう条文がないにもかかわらず、あたかもできるかのように、正社員を希望する者にその道を開きというのは、これはうそですよ。でたらめですよ。こんな答弁、許すことはできません。
 次に、九月一日が施行日でした。今日は、もう九月三日、施行日をとっくに過ぎています。施行日を過ぎて、この欠陥法案、論議するなんて本当にひどいと思います。あり得ないですよ。まだ施行日を変えるという修正案も、私たちは一切何も聞いておりません。この四十一、政省令で、政省令で、この……(発言する者あり)いや、修正案は出ておりません。修正案が出ておりませんので、九月一日施行のこの法案は意味がないものになっているんですよ、意味がないものですよ。
 この政省令、四十一個あります。総理にお聞きします。九月三十日施行日と修正、変えるというような議論が漏れ伝え聞いておりますけれども、政省令、これ四十一個作って、九月三十日、間に合うんですか。こんな拙速で、こんな大事なことを労政審で決めることが果たしてできるんですか。周知ができるんですか。いかがですか。
#105
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正案では、派遣で働く方について正社員への道が開けるようにするとともに、待遇の改善を図るものであります。これらを早期に実現するためにできる限り早期に施行することが必要と考えています。
 与党からは、既に政府案の施行日である九月一日を過ぎているといった状況を踏まえ、施行日を九月三十日とする方向で提案がなされていると承知をしております。政府としては、引き続き速やかな御審議をお願いをしたいと思います。
#106
○福島みずほ君 九月三十日まで、労政審開いて、四十一の政省令作れないでしょう。もし作ったとしたら、そんなの拙速のでたらめですよ。あり得ない。
 なぜ十月一日を越えさせないか。みなし雇用規定の民事効を発生させないためだけじゃないですか。これはおかしいですよ。労働者が期待したみなし雇用制度を適用させないことに厚労省が、この内閣が必死で抵抗するのは見苦しいですよ。どっち向いて政治やっているのかというふうに思います。
 総理、先ほど待遇改善とおっしゃいましたが、同一価値労働同一賃金について、均等・均衡待遇についてお聞きをします。
 この委員会で何度も質問してきましたが、派遣労働者、交通費をもらっている人は半分しかおりません。交通費は、じゃ、派遣先で支給されていれば交通費は支給されるのかという質問に、厚生労働省の答弁は、派遣先と比較するものではありません、派遣元の労働者がもらっているかどうかです。賃金はどうですか、いや、それは派遣先ではなくて派遣元ですと言って、どんなに一生ある派遣先で働いても、派遣先の労働者との待遇の是正は行われないんですよ。
 このどこに、さっき総理が言った正社員への道を開き、待遇改善するということがあるんですか。交通費の支給すらこの委員会で保障されないんですよ。どうなんですか。
#107
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同一労働に対して同一賃金が支払われるという仕組みは、働く方の職務を明確にし、その困難度等に応じて賃金を決定するものであり、一つの重要な考え方と認識をしております。
 これについては、中高齢期に多くの支出が必要となる生活実態に適合した賃金体系、経営環境の変化に対応した柔軟な配置転換など、労使双方にメリットのある我が国の雇用慣行の特徴を維持できるかといった意見もあるわけでありまして、このように賃金体系を含む雇用管理の在り方の根本的な見直しにつきましては、労使双方に大きな変化をもたらす問題であり、労使において十分な議論を行っていただくことが重要であると思います。
 政府としては、諸外国の制度や運用には不明な点が多いことから、均等・均衡待遇の確保の在り方について調査研究に取り組むとともに、有識者の意見も聞きながら検討を進めていきたいと考えております。
#108
○福島みずほ君 労使の調整に任せるんだったら、こんな法案必要ないじゃないですか。そして、そんなことに任せて可能であれば、なぜ派遣労働者の労働条件はこれほど悪いんですか。その担保も一切ない。交通費の支給だって、これで保てますよ、支給しますよなんという答弁、出てこないんですよ。こんな状況で待遇改善なんてどうして言えるんですか。法律の中にその仕組みがないことは極めて問題です。
 総理、この派遣法の改正法案は労働法制を規制強化するものですか、規制緩和するものとお考えですか。
#109
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この派遣法の改正は、先ほど来申し上げておりますように、正社員を希望する方にはその道が開かれ、そして派遣で頑張る方につきましては待遇が改善される、そのための法制であるということでございます。
#110
○福島みずほ君 いや、答えていないですよ。規制強化か規制緩和か、いずれとお考えですか。
#111
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 規制ということについて言えば、現行法に比べれば、それは幾つかの義務を課していくわけでございますし、届出制からまた許可制にも変えていくということでありますから、規制については強化されていくということではないかと思います。
#112
○福島みずほ君 これ、規制緩和ですよね。
 一九八六年、労働者派遣法施行時に繰り返された、専門業種の拡大は行わない。十三が十四になって、二十六になって、ついに今回、全部撤廃されるんですよ。専門職なんという概念なくして全部撤廃するんですよ。みなし雇用規定制度も適用しないように頑張っているじゃないですか。これは規制緩和ですよ。
 そして、こういう法案、規制緩和で派遣労働者から歓迎されない法案、むしろ一生、生涯派遣で働かせる。正社員を希望する者にその道を開き、待遇を改善するという総理の答弁、今日も繰り返されましたが、何の説得力もなく、何の条文の根拠もなく、これはうそだ、でたらめだということが明らかになったと思います。
 施行日をとっくに過ぎました。政省令四十一個作らなければなりません。できないですよ。九月三十日までやって十月一日越えをさせないという、動機において不純であり、立て付けにおいて無理である、こんなあほなことはやめた方がいい、そう思っております。
 この法案は廃案しかないということを申し上げ、そして、この期に及んで正社員への道を開きという答弁をしないでほしいということを申し上げ、私の質問を終わります。
#113
○委員長(丸川珠代君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 午後三時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後三時開会
#114
○委員長(丸川珠代君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として古賀友一郎君が選任されました。
    ─────────────
#115
○委員長(丸川珠代君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房年金管理審議官樽見英樹君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#117
○委員長(丸川珠代君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本年金機構理事長水島藤一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#118
○委員長(丸川珠代君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#119
○委員長(丸川珠代君) 社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、年金情報の流出問題に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#120
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。本日二回目の質疑をさせていただきます。
 冒頭、本来であるならば、この審議は、厚生労働省が設置をした検証委員会の甲斐中委員長に出ていただかなきゃならないケースでありますが、どうしても出席していただけないということであります。
 また次の機会があると思いますので、次の機会は必ず甲斐中委員長に出席をしていただくよう、冒頭、委員長に要請をしておきたいと思います。どうでしょう。
#121
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#122
○津田弥太郎君 それでは、先月の二十一日に検証委員会の検証報告書が公表され、その前日には機構自身の調査結果報告も求められているわけであります。これらを踏まえて、冒頭、水島理事長にお尋ねをしたいと思います。
 今回の百二十五万件もの情報流出は、防ぐことができない言わば天災だったのか、それとも、対応いかんによっては発生そのものを防ぐことが可能、若しくは被害の拡大は防げていたという意味で人災だったのでしょうか。水島理事長の簡潔な認識を伺いたいと思います。
#123
○参考人(水島藤一郎君) 今回の不正アクセスによる情報流出事案に関しまして、国民の皆様方、多大なる御心配、御不安をお掛けいたしましたことについて、誠に申し訳なく、重ねて心よりおわびを申し上げます。
 今回、情報流出を防げなかった原因といたしましては、まず、国民の大切な年金に関する個人情報をお預かりしているにもかかわらず、情報セキュリティーに対する意識が欠如をしており、個人情報を外部の攻撃から防ぐための対策のルール化、体系化ができておらず、組織として対応ができていなかったこと、また、インターネット接続環境下にある共有ファイルサーバーに個人情報が置かれ、パスワード設定などの運用ルールも有名無実化していたこと、加えて、厚生労働省との情報共有もきちんとできていなかったことなど、多くの問題があったと率直に認めなければならないというふうに考えております。
 また、その根底には、組織としての一体感の不足、実態を踏まえたルールの設定の努力の不足、ルールの遵守を確認する仕組みの欠如、ルール不在の緊急事態における幹部のリーダーシップの欠如、あるいは厚生労働省との問題を共有する意識の不足といった従来から指摘されてまいりました諸問題があると認識をいたしております。
 これらの積年の問題を解消、解決するため、幅広い層の職員から意見を聞くなど、職員の総力を挙げてガバナンスと組織風土の抜本的な改革に取り組んでまいる所存でございます。
#124
○津田弥太郎君 長々と述べられましたけど、全て人災だということを申し述べられたわけであります。
 この日本年金機構のセキュリティー体制がもう不十分というよりも全くお粗末だと、とともに、厚労省との意思疎通が全くできていなかった。組織のトップとしての水島理事長の責任は極めて大きなものがあるというふうに思います。
 また、水島理事長自身が、本委員会において、セキュリティー上の観点、警察の捜査に支障が出るなどとして再三にわたり答弁拒否を行ったわけであります。挙げ句の果てには、虚偽答弁まで行って本委員会が流会になったことは記憶に新しいところであります。
 そうした中で、前回、八月二十五日の集中審議を聞いていて、私は耳を疑った発言が幾つかございました。尊敬する自民党の島村議員の発言。理事長先頭になって、やはり国民の方々に信頼回復を是非とも理事長が進めていただきたいと思っている。次に、水島理事長の発言。当面、日本年金機構再生本部を立ち上げることになりますが、この仕事に全力を尽くすことが私の責務であるというふうに思っております。さらに、塩崎大臣も、理事長は自らリーダーシップを取ってやるということでありますから、これはこれでやってもらおうと思っています。冗談じゃないですよ。到底こんな話は信じることができない。
 さらに、今回の検証委員会報告で、これ多くの方が指摘をされている記述があるわけです。日本年金機構の意識改革について、これだけの情報を流出して国民に多大の心配を掛けていながら、検証委員会の調査を受けるに際し、その後改まったとはいえ、一部の者が重要な資料を出し渋り、黒塗りをするなどの態度は論外である。
 大臣、本当に水島理事長の続投を認めるの。私は、この人には資格はない。断定できますよ。あり得ないというふうに考えているんですが、大臣、いかがでしょう。
#125
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、この甲斐中検証委員会の最後のところに「終わりに」というのがございまして、今回の機構に対する標的型攻撃はまれに見る組織的かつ執拗な攻撃であったが、これに対する機構と厚労省の備えは極めて脆弱であり、結果として大規模な情報流出をもたらし国民の信頼を失墜した。
 これがまさに今回の事案の私どもが肝に銘じなければいけないことだというふうに思っているわけでございまして、検証委員会は厚労省のことについて余り書いていないじゃないかというふうにおっしゃる方も中にはおられますけれども、十分私たちはこういった形で非を指摘をされているし、また何よりも大事なのは、国民の信頼というものを私たちは公的年金制度に関してしっかりと維持をしなければいけないわけでありますので、そういう意味で、私どもの、機構のみならず厚生労働省も責任が重かつ大だというふうに思っているところでございます。
 今、機構の理事長の在り方につきましてお話がございました。これは、まず第一に、機構もそして私ども厚労省も、この検証を改めて見直しながら、自らのやるべきこと、そしてそれが基づくのは、やっぱり根本的な原因は何だったんだというところの分析から来るわけでございまして、その結果として、私どもとしてはやっぱりいつかきちっとしたけじめを付けなければならないというふうに繰り返しこれまでも申し上げてきたわけでございまして、そういう中で、私どもは今後どのような道を取るべきなのかということを考えなきゃいけないと思いますので、今はしっかりとこの報告書などの内容をきちっと受け止めて、けじめの付け方を考えるということだと思います。
#126
○津田弥太郎君 大臣、そんな中途半端なことを言っていると、新国立競技場とか公式エンブレムと同じことになりますよ。こんな決断はさっとやらなきゃ駄目ですよ。
 前回、川田議員が引用したように、日本年金機構の職員意識調査によると、機構の組織体質はむしろ年々悪化している、そういう調査が上がっているじゃないですか。これ全て水島理事長の責任ですよ。当然ながら、今回のこの重大な問題を起こした責任は、これは当然解雇に値する、私は当然のことだと思いますよ。新国立競技場のようにならないように忠告をしておきたいと思います。
 機構による不祥事の発生、これ、これからも私は目に見えていると思います。最大の再発防止策はトップの理事長の交代、そのことによって引き締めていくしかないと思います。
 さて、前回の集中審議の際、本年六月末時点の国民年金保険料の納付率について、樽見審議官は、五五・八%、対前年同期比でプラス〇・七%、おかげさまで幸いなことといいますか、今回の事案による納付率の影響は出ていない、まあ、浮いたかちょうちん、そんなことを言っている。
 じゃ、聞きます。
 実際に、今回の事案で情報が流出した約百一万人の方について、納付率はどのように変化しましたか。
#127
○政府参考人(樽見英樹君) 先日、八月二十五日のこの委員会の御答弁で、今引用いただきましたような答弁を私がしたところでございます。これは、国民年金保険料の全納付対象者の納付率ということでお示ししたものでございます。
 百一万人についてはどうかというお尋ねでございますが、この百二十五万件、情報流出の対象百一万人でございますが、この百一万人は、まず被保険者が四十八万六千人、受給者が五十二万九千人ということになっています。ですので、被保険者四十八万六千人の中で一号被保険者の方を抜き出しまして、そういう方の納付対象月数、納付月数というものを集計するということが必要になってくるわけでございます。
 また、その第一号被保険者の中では、保険料免除になっていらっしゃる方もいます。それから、免除も全額免除、一部免除というのがあって、これは対象者ごとに変わってきますので、大変恐縮でございますが、システム的な対応がなかなか難しいという状況がございまして、今時点でこの百一万人の中の国民年金一号被保険者の方の納付率ということについては、数字をお示しすることがなかなか難しいという状況でございます。
 いずれにしても、私どもとしては、二次被害の防止に万全を期す、それから、今回のこういうことがないように再発防止、徹底するということで、年金制度への信頼回復ということに全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
#128
○津田弥太郎君 昨日、私はこのことを通告しました。出ないということは大変問題であります。これは、委員長において取り計らっていただきたいと思います。
#129
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#130
○津田弥太郎君 関連してお尋ねをしたいと思います。
 私の中では、検証委員会のミッションは今回の事案の全容解明、少なくとも事案の一定の解明が含まれているというふうに思っておりました。しかし、前回の集中審議で甲斐中委員長から、検証委員会は、原因究明と再発防止、この二つのみであるというふうにお答えになりました。
 私は、大変驚いたわけであります。事実関係の解明を抜きにした原因究明や再発防止などあり得ない、そのように私自身は考えているわけで、大変厚生労働省はガードを固くしているな。そうすると、全容解明というのは一体どこで行うのかということになるわけです。
 私は、当然、もう残されたところはこの本院を始めとする立法府が厳しくチェックを行っていかなければならないというふうに考えております。共有サーバーに何が保存されていたということさえ三か月間明らかになっていないわけです。
 大臣、今後の国会におけるチェック活動に厚労省は積極的に協力していただけますね。どうでしょう。
#131
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、検証委員会の、言ってみれば使命をお触れをいただいて、委嘱事項の中に全容解明が入っていないじゃないかというお話でございました。
 それについては、もうこの検証委員会に対する委嘱状というのがございまして、そこに明確に、原因の究明を行うとともに効果的な再発防止策について検討し、報告すると書いてありまして、私どもとしては、この検証委員会の報告書のみならず、NISCからも出てまいりました報告がございます。機構の自らの検証の結果もございまして、この事案の全容はほぼ明らかになったのではないかと思っておりますが、(発言する者あり)今回の事案がどう起きたのか等々について大体見えたということでありまして、もちろん、共有サーバーの問題は、これはもうお約束をしているとおり、私ども厚労省も協力しながら、機構においてできる限り早くこの中身についての整理を付けて中身を示してもらわなきゃいかぬというふうに考えているわけで、特に、私どもも実は共有ファイルサーバーの中身については全容がよく分からないので、何度も私どもも催促しておりますけれども、今、個人情報を含むと考えられるファイルを機械的に選別する作業を約七割のファイルについて終わったと聞いていますけれども、現在、こうした選別の結果、個人情報が含まれている可能性があるファイルを職員が個別に開いて個人情報の有無を確認する作業を行っておりまして、この七割についてもなお作業が進んでいるということを聞いているわけでありまして、この七割についての作業は、今国会の会期中に作業を急ぎ、その時点での状況を国会に明らかにするように機構に対して指示をしているところでございます。
#132
○津田弥太郎君 るる述べられましたけれども、もう立法府しかないんですよ、解明するところは。だから、しっかり協力をしていただきたいというふうに思います。
 今回のこの問題の最大の要因は、日本年金機構、ここの言ってみれば甘えの構造ですよ。幾ら失敗をしても組織の存続が疑われることはない、安泰である。親方日の丸そのものですよ。危機感がない。民間の企業であれば、当然大きな失敗をすればコンペティターに仕事を奪われるんです。しかし、機構はそういうことがないから、結局甘えの構造が続いてしまっている。私は、このままでいくと、機構に大切な公的年金を任せていいのか、むしろ歳入庁をつくるべきだと。これ、あと自民党、公明党さんが賛成すれば、もうこれ通っちゃうんですよ。厚労省としての危機感ないのかと私は聞きたいと思います。
 そこで、話は変わりますけれども、再発防止策でNISCにお聞きをしたいと思います。
 今回の各省の情報セキュリティ委員会、最高情報セキュリティ責任者、これまでも、特に厚労省の場合は蒲原官房長、全くのど素人、何にも知らない。こういう状況の中で、しっかり講習を行わないとまた同じことが起きてしまう。これ当然のことなんです。
 つまり、これは一定の研修が必要ではありますけれども、そういうポストに就かれたときにちゃんと研修を行う。あるいは官房長付きの職員、これもしっかり教育を行わないと、言ってみれば、こういった事例が起きた場合に対処ができなくなってしまうというふうに思うわけですが、これらの問題についてしっかりした特別な講習を行うべきではないかと考えますが、いかがでしょう。
#133
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、異動などによりまして新たな職務を行うタイミングでセキュリティーに関する教育を行うということは極めて重要だというふうに考えております。
 現状におきましては、CISOの連絡会議において、最高情報セキュリティ責任者に対して定期的にサイバー攻撃の実演等の研修を実施しているほか、CSIRT要員などを対象とした研修や勉強会を開催しているところではございますけれども、今回の事案を踏まえまして、研修あるいは訓練の一層の強化が必要だと認識しております。
 新しいサイバーセキュリティ戦略会議におきましても、幹部を含む職員全体のサイバーセキュリティーに関する素養の向上を確実なものとするよう取り組む旨を掲げているところでございまして、サイバーセキュリティー対策に係る教育訓練の更なる充実に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#134
○津田弥太郎君 次に、例の共栄データ事件についてお聞きをしたいと思います。
 今回のこの事件は、機構が委託先としてこの共栄データセンターを使っていて起きた事件であります。つまり、実際に委託先を毎年変えているんだけど、労働者は同じ人が働いているということだったわけであります。当然、そこで働く労働者は、有給休暇や雇用保険やベースアップや退職金など極めて不利な状況にあるわけであります。
 労働者の犠牲の上に年金の業務が成り立つというのは、これはあってはならないことだと私は思うわけですが、この機構の業務に係る労働者の働き方について、大臣、これ見直しを指示していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#135
○国務大臣(塩崎恭久君) 一般的に、働く方々の条件がどうなのかということについて厚生労働省としては当然責任を持って見ていかなきゃいけないというふうに考えておりますし、そういう意味では、今先生がおっしゃったこの年金機構での労働の実態については、私どもとしても常にウオッチをしていかなきゃいけないというふうに考えているわけでございます。
 今お取り上げをいただきました共栄データセンターにつきましては、年金業務という公的な大事な業務において賃金の未払ということが起きたと、こういうのは本当に極めて遺憾なことでありますけれども、この日本年金機構は、私どもにとって閣議決定というのがあるわけでございまして、日本年金機構の当面の業務運営に関する基本計画、これ平成二十年の七月に閣議決定が行われておりまして、これに基づいて業務の効率化、コスト削減の見地から業務の外部委託を今日まで進めてきているわけでございまして、今回、この共栄データセンターに委託をしていた封入、封緘等の業務については、その閣議決定においては基本的に外部委託すべき業務とされているわけでございます。
 したがって、この委託業者の労働法制の遵守は、委託先を選定する際の当然の前提でありまして、外部委託の是非とは別の問題と考えておりますけれども、今後とも、この機構において委託業者の選定、管理、これは労働法制の遵守状況含めてでございますが、これがきちっと適正になされるように指導をきっちりとやっていかなきゃいけないというふうに思います。
#136
○津田弥太郎君 本当に、こんな問題が起きているというのは、厚生労働省ですから労働も管理しているわけで、日本年金機構でこんなことが起きているなんというのはとんでもない恥ずかしいことです。しっかり対応していただきたいと思います。
 最後に、先ほども大臣はけじめのお話をされました。これまで答弁の中で、検証委員会の報告を踏まえて自らけじめを付けるという答弁をされているわけでございます。検証委員会の報告が出ました。大臣自身のけじめはいつ付けるのか、最後にお聞きして、私の質問を終わります。
#137
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げましたように、この検証委員会、繰り返し私も読ませていただいていますけれども、本質的な厚生労働省を含めた問題点が書かれているわけでありまして、その内容をしっかりと精査をして、私自身のけじめの付け方については、これは厚生労働省、そしてまた機構併せてきちっとしたけじめを付けなければいけないと思っておりますので、適切な時期に明らかにしてまいりたいというふうに思っております。
#138
○津田弥太郎君 終わります。
#139
○石橋通宏君 民主党・新緑風会の石橋通宏です。
 私も、午前中に続きまして質疑をさせていただきます。
 最初の共栄データの話は、今、津田委員から取り上げていただきましたので、時間もありませんのでこれは飛ばさせていただいて、早速、情報漏えい問題についてお聞きをいたしたいと思います。
 前回の集中審議のときに大切な資料要求をさせていただきました。今まで情報隠蔽をされていて、今回初めて検証報告で明らかになった四月二十二日の事案、それ以降に遮断をしたいわゆる不正外部サーバー、CアンドCサーバーですね、このURLのリスト、詳細な経過、資料要求をさせていただきました。これは共産党の小池委員も併せてされました。
 ゼロ回答です。提供できないと。しかも、これまで七月以降、私が理事会協議で資料要求をさせていただいた全ての事項についてゼロ回答です。出せないと。
 塩崎大臣、先ほど津田委員とのやり取りで、もうこれ国会、我々のこの委員会で原因究明するしかないんです。それで、協力をいただかなきゃいけない。でも、この場に資料を、必要な資料を出していただけない。これ、塩崎大臣、とんでもない問題だと思いませんか、機構の情報隠蔽。これは大臣のイニシアチブで、私たちが要求していた資料について再度出すように指示をしていただきたいんですが、塩崎大臣、いかがでしょうか。
#140
○国務大臣(塩崎恭久君) 四月二十二日の事案に関連して資料要求をされて、それがゼロ回答だったと、こういうお話を今いただいたわけでございますが、これは、ゼロといってもクロノロジーはかなり早い時期にお出しをしたと思うわけでございまして、その他のいろいろな個別のことについては、もちろん出せるものと出せないものがあるんだろうというふうに思いますので、でき得る限りの情報は開示をしていきたいと思いますけれども、セキュリティー上の観点などの配慮などのある場合についてはなかなか難しいということではないかというふうに思います。
#141
○石橋通宏君 大臣、協力する気はないという宣言ですか。これは大変なことですよ、大臣。
 これ、私が問題だと言っているのは、機構は全面的に差し控えたいと、開示一切。何が出せなくて何が出せるかも一切説明もなしに、開示できないと。こんなとんでもない話ないと言っているわけです。大臣の責任において、ちゃんと、何が出せるで何が出せない、それを、もうどうしても出せないものは我々に相談してください。それは、我々納得すればそれは納得しますよ。でも、何が出せて何が出せないのかも分からずに全面的に開示できないというのは駄目なので、大臣の責任において、それをきちんと機構に指示をして、この委員会の審議のために情報を出すように、改めて大臣、約束してください。
#142
○国務大臣(塩崎恭久君) 分かって言っておられるんだろうと思いますが、先ほど私は、できる限りの協力をしたいと思いますと申し上げた上で、セキュリティー上の観点などで出せないものがあるんだろうと思いますというふうに申し上げたので、そもそも、今、先生、何の紙を見ていらっしゃるか私はちょっと分からないんです。(発言する者あり)いや、分からなければよくないです、それはお答えをすることができませんから、どれについて全面的に出していないと言われても、ちょっと……
#143
○石橋通宏君 いや、全部、全面的に出していないんですよ。
#144
○国務大臣(塩崎恭久君) いや、全部と言われてもそれは分かりません。正確にこういうもの、こういうもの、こういうもの、こういうものの要求を出したけれども何も答えてくれないと言ってくれれば、私も、中を考えた上でお答えをしますから。(発言する者あり)
#145
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕 
#146
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#147
○石橋通宏君 これ、全部一つ一つやると時間がなくなっちゃうし、これ、理事会協議事項で出していただいた資料ですよ、大臣。それを大臣、全く関心もなく、見てもいなく、何が協議されているかも分からない、そんな無責任な話あるんですか。こんなの全く意味ないですよ。
 一つ例を挙げさせていただきます。
 日本年金機構システムにおける監視体制における契約ベースの具体的内容、これ、かねてから私が取り上げて問題になっているんです。どういう情報系LANシステムについて監視、セキュリティー対策を機構が行ってきたのか。
 これ、理事長、過去の答弁で、機構はLANシステムについても監視体制をきちんと講じていましたと。早い段階の報告で、今回の五月八日の事案があってからその監視システムを強化しましたというふうに答弁をされたわけです。されましたね。
 ところが、今回の検証委員会の報告の十ページ、ここで機構LANシステムについては「監視が常時行われていたわけではなく、」と書いてあるんです。完全にそごを来しているんです。大臣、これ読みましたか、御存じなんですか。
 こういうことを我々が検証しなければいけないから情報提供を求めていたのに、一切出せません。大臣、こんなので検証できるんですか。だから出してくれと言っているんですよ、大臣。
 今の話を聞いて、これまでの水島理事長の答弁、これ、虚偽ですから、検証委員会はそうじゃないという認識をここに出されている、だから我々としてここで検証しなきゃいけないから情報提供を求めます。大臣、これは、じゃ、約束していただけますね。大臣。
#148
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、これが理事懇、理事会で配られたものとして拝見をしておりますが、日本年金機構のシステムにおける監視体制に関する契約ベースの具体的な内容、石橋委員からの御要求ということでありますが、ここにはセキュリティー上の観点から指示は差し控えさせていただきたいと、こう書いてあります。
 これは、機構の判断でセキュリティー上の観点からこれは出せないということだと思いますので、そこのところについてどうなのかということについては、私どもももう一回調べても結構でございますが、これはしかし、機構が一義的に判断をされることではないかというふうに思います。
#149
○石橋通宏君 大臣、恐るべき答弁ですね。
 大臣は責任取らない、機構が判断することだ。厚生労働省としての監督責任も、今回の事案に対する原因究明の責任も一切取らずに、これ、ひょっとしたら水島理事長が虚偽答弁を過去されていたかもしれない、だから私はこうやって要求しているわけです。それに対して大臣は、一切責任取らない、機構が判断することだ、(発言する者あり)今、だってそういう答弁されたじゃないですか、違うんですか。指示を出してください、機構に対してきちんと。
#150
○国務大臣(塩崎恭久君) よく聞いていただきたいと思いますが、一義的に機構がまず判断することだと申し上げたと思います。
 したがって、その判断についてもう少し詳しく聞いて、どのような対応があり得るのかということが今の判断以外にあるならば私も考えたいと思いますので、検討させてもらいたいというふうに思います。
#151
○石橋通宏君 それでは、是非、考えるということなので、これ理事会で是非協議をいただいて、対応いただきたいと思います。
#152
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#153
○石橋通宏君 それでは、大臣に、続いて、先ほど申し上げたように、四月二十二日以降の外部の不審なサーバーへのアクセス、これがどのような経過をたどってきたのかということも原因究明にとっては非常に重要なことなんです。これは外部サーバーの例えば細かいIPアドレスがどうだったとか、どこの国のどこに存在するサーバーですか、出せないものは出せないでいいんです。
 我々が関心あるのは、それに対してどのようにNISC、厚生労働省、そして機構が対応したのか、どのタイミングでどういう指示が飛んで、どこのどういうレベルでドメイン、サブドメイン、遮断がされたのか、それがまさに機構若しくは厚生労働省の今回の事案を引き起こしてしまった原因究明に非常に重要だから、重要だから要請しているわけです。それを、差し控えます、いや、報告に書いてあることで、それで見てください、これ以上のものは隠しますと、これじゃ全然究明にならないわけですよ、大臣。
 じゃ、一つお聞きしますが、前回NISCから、二十三、外部のCアンドCサーバーがあったという答弁ありました。大臣は、これについての遮断の経過、全て報告を受けて理解されているんですね。(発言する者あり)
#154
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#155
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#156
○国務大臣(塩崎恭久君) NISCの報告に大きなチャートで出ているものという意味においては、三十一台のうちの不審な通信を発しているものということではないんですか。(発言する者あり)
#157
○石橋通宏君 いや、答えていないですよ。答えていないですよ。大臣、それは、分かりませんなら分かりませんとおっしゃってください。
#158
○国務大臣(塩崎恭久君) 二十三台のパソコンの話ということなんですか。
#159
○委員長(丸川珠代君) 水島理事長。
#160
○国務大臣(塩崎恭久君) まだしゃべっているんですけど。
#161
○委員長(丸川珠代君) しゃべりますか、まだ。では、塩崎大臣、お願いします。
#162
○国務大臣(塩崎恭久君) 二十三か所の通信先ということでございましょうか。
#163
○石橋通宏君 大臣、このリストをお持ちになったんでしょう。先ほど来言っている、四月二十二日、URLのリスト、いわゆる外部のCアンドCサーバー二十三台あると。前回集中審議のとき、大臣もおられた、聞いておられるなら報告も聞いておられるんでしょう。二十三台のCアンドCサーバーがありました、そのURLの遮断を行いました。その資料を我々は求めているんです、どういうふうに厚生労働省が対応したのか。大臣は、その経過を含めてきちんと報告を受けて検証されているんですねという質問をしているんです。(発言する者あり)
#164
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#165
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#166
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど、NISCの御報告の中にある三十一台のパソコンの通信先とか出ているこの細かいのがありますが、このことであるならば聞いておりますということを申し上げようと思ったんですが、石橋先生はこれじゃないとおっしゃるから、それだとよく意味が分からないので、御質問を願いたいと思います。
#167
○石橋通宏君 最初から、意味が分からない、私は報告を受けたかどうかも分からないし、何をおっしゃっているかよく分かりませんというふうに言っていただければいいんです。
 いや、僕は、NISCのその資料なんか全然指していませんよ、今。今僕が言ったことも分からないわけでしょう。大臣お分かりにならないわけです。
 つまり、ちゃんと報告も受けていないし、今回の検証に当たって、その中身も分からずにこの全容解明はほぼできたと思います、とんでもない話です、大臣。機構、これ関係ないんです、四月二十二日の話も含めてですから、関係ないんです。
 これ、じゃ、厚生労働省として誰が把握をしているんですか、全てを。この四月二十二日以降の外部二十三のCアンドCサーバー、これについて、どの経緯で、どういうタイミングで、どのように遮断があって、それが厚生労働省統合ネットワーク、さらには日本年金機構、それぞれにおいて、ウエブだけではなくてメールも含めて全て、具体的にどのように遮断が行われたのか、どういうタイミングで、それを誰が把握をされているんですか。
#168
○政府参考人(安藤英作君) お答えいたします。
 先生がおっしゃられている全てというのがどこまで指すのか分かりませんけれども、この二十三台の不審通信に係るCアンドCサーバーのURL、これをどうやって突き止め、またどうやってそれを遮断し、またその時間がどうで、またその精度がどうであったかということを明らかにすることは、私ども厚生労働省、それから私どもにサポートしていただいておりますNISC、それから年金機構のまさしくセキュリティー上の検知能力、対処能力を明らかにするということになりますので、それにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
#169
○石橋通宏君 ちゃんと質問に答えてください。そんなこと聞いていないですよ。
 厚生労働省の中で誰がそれを全容把握をしているんですかと、全て、四月二十二日から含めて、そのことを聞いているんです。今ここでつまびらかに全部出せと言っていないでしょう、一言もそんなことは。
#170
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。
 一応、私どもの方では、二十三か所について、いつブロックしたかということについては承知をしておりますし、もちろんこれに関する情報等につきましては検証委員会にも提供させていただいているものと理解しております。その上で報告がなされたものと考えてございます。
#171
○石橋通宏君 全容を把握していて、検証委員会にも出しているということですね。でも、それは大臣にはお見せしていないと。
 最高セキュリティ責任者、官房長には説明しているんですね。
#172
○政府参考人(安藤英作君) おっしゃるとおりでございます。
#173
○石橋通宏君 報告はしているんですね。それは、でも大臣には上げていなかったんですね。大臣には上げていなかったんですね。
#174
○政府参考人(安藤英作君) 官房長に御報告をしておりますし、大臣には、少し中途半端な形ではございましたが、必要な情報は入れているものと考えております。
#175
○石橋通宏君 中途半端な報告って何ですか。
 大臣、中途半端に報告を受けたんですね、大臣。全くさっき御理解いただけなかったような感じで言われましたが、中途半端に報告を受けたんだと、大臣、お認めになるんですね、大臣、中途半端に。どういう中途半端か分かりませんが、報告を受けているじゃないですか、大臣。何で分からないんですか、大臣。
#176
○国務大臣(塩崎恭久君) この機構が、三十一台の分も実は同じURLもあることは検証報告などに書いてありまして、私どもは……
#177
○石橋通宏君 何で三十一台にこだわるんですか。三十一台のこと全然聞いていないですよ。
#178
○国務大臣(塩崎恭久君) いやいや、こういう、この資料であるとか他の資料で説明を受けております。
#179
○石橋通宏君 ちょっと違いますよ、今。大臣、僕、三十一台の話、今全然していないですよ、その資料にこだわられるけど。
 今は、URL、二十三台の外部CアンドCサーバーへの不正アクセスがあって、その遮断を、統合ネットワーク、年金機構、ウエブだけじゃなくてメールも含めて全部と、それを報告したと言っているじゃないですか、中途半端だけど。どんな中途半端か知らないけど。これについて報告を受けたんですね、じゃ、さっきのとぼけたのは間違い、うそですねという話をしているわけです。
 報告受けたんですね、さっきのとぼけたのはうそだったんですね。
#180
○国務大臣(塩崎恭久君) とぼけたというのはどういう意味でしょうか。(発言する者あり)
#181
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#182
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#183
○政府参考人(安藤英作君) 申し訳ございませんでした。お答え申し上げます。
 大臣には御説明申し上げております。(発言する者あり)中途半端という不適切な言葉を使って申し訳ございませんでした。説明した側から見たら、非常に理解の難しい下手な説明をしたという意味でございます。申し訳ございませんでした。
#184
○国務大臣(塩崎恭久君) この三十一台にこだわるので、先生、何言っているんだという話になっちゃったんですが、ここに接続先というのがございます。この紙も使いながら、もちろん他の資料もということをさっき申し上げたとおりで、通信先が二十三か所であったということを説明は私は受けておりますということを申し上げたんです。
#185
○石橋通宏君 もし全容をちゃんと検証委員会にも出しているのであれば、大臣、これ、是非この委員会にも出してください。取捨選択は検討していただいて結構です。どうしても明らかにできないものは黒塗りにしていただいて結構ですから、リストを出せるものがちゃんとあるかどうか、それも含めて検討をして、委員会に出してください。
 委員長、これ取り計らいお願いします。
#186
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#187
○石橋通宏君 もう一つ、これ、もっといろいろ聞きたかった、時間がなくなっちゃいましたが、これは水島理事長にお伺いします。
 前回、まだ調査中ですと、ファイル共有サーバーに保存されていたファイル、これ、我が党の白さんの質問に対して、まだ調査中ですと。私が聞いたところ、結局七割という、七割はまだ調査中です。ところが、先ほど大臣も答弁されましたけれども、昨日になって、いや、この七割というのは、全部のファイルの調査が終わったわけではなくて機械的な選別作業が七割で、その選別作業が終わった七割についてもまだ精査をしているんですと。
 水島さん、虚偽答弁じゃないですか、前回七割のファイルの調査が終わりましたというのは。うそだったんですね。結局、今どれだけの個人情報が含まれたファイルのチェックが終わったんですか。七割じゃなかったんでしょう。全体の何割が終わったんですか。
 前回、虚偽答弁についてここで改めて修正していただいて、じゃ、実際どれぐらいの調査が終わったのか、改めて言ってください。
#188
○参考人(水島藤一郎君) ちょっと、前回の御答弁をもう一度チェックをしたいと思いますが、今の状況についてお答えをいたします。
 共有ファイルサーバーには、機構のマニュアル、各種研修資料、会議資料等、個人情報が入っていないファイルが多数含まれておりますが、ファイル総数としては一億六千万ファイルでございます。この一億六千万ファイルについて、検索ソフトを用いて個人情報を含むと考えられるファイルを機械的に選別する作業を七割について終了したということでございます。
 それで、その七割について幅広に調べて抽出しておりますので、今個別に職員がそのファイルを開けて、この結果について、これについては会期末までに……(発言する者あり)あっ、現在ですか。
#189
○石橋通宏君 はい。
#190
○参考人(水島藤一郎君) 済みません、申し訳ございません、現在の数字については今持っておりませんが、いずれにしても九月中にはきちんと御報告申し上げられるような状態をつくるべく今努力をいたしております。
#191
○石橋通宏君 理事長、愕然としますよ、その答弁。前回七割と言われた。いや、違いました、実はこういう状況でした。でも、全体、じゃ、今何割終わっているんですか。分かりません、今国会中にはやります。でも、今国会中にやると先ほど言われたのは、その機械的なファイルの選別作業が終わった七割のところを今国会中に終わりますという表現でしょう。じゃ、全体の、一〇〇%はいつか、何のお約束もしていないじゃないですか。
 今、一体全体一〇〇%のうちの何割が終わったのか、それは四割、五割かもしれない。大臣、全然調査は終わっていないじゃないですか。全然調査が終わっていないときに、何で事実上の最終検証報告、そんなことあり得ないですよ。この状況を考えれば、全くまだ全体像の精査も終わっていないし、原因究明もできていないし、とんでもなく中途半端だし、これ今後もやっぱりしっかりと審議続けていかなければいけないと、大臣、そのことをこれは約束してください。これは全容解明までとことんやるということを約束していただくということで質問を終わりにしますが、大臣、最後に答弁をお願いします。
#192
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、機構の報告書にも、それからNISCの報告書にも、また検証委員会の報告書にも書いてございますけれども、フォレンジック調査などの調査結果を見れば、百二十五万件以外の年金個人情報の流出は恐らくないだろうということが書かれているわけでございます。そのように書いてございます、報告書に。
 その上で、残った共有サーバーの問題については、先生御指摘のように、またここで繰り返し答弁しているように、私も答弁してまいりました。これは、年金個人情報があればまた直ちにそれは明らかにしますということを申し上げてきたわけでありますから、当然これは、今一億六千万ファイルですか、ということであれば、これを一つ一つ検証をしてもらわなければいけないというふうに思いますから、調査は当然続いていくものだというふうに私も思うところでございます。
 ただ、この共有ファイルサーバーに、今改めて一億六千万ファイルという数は聞いたこともないような数で、皆さんのパソコンにもそんな数のものがファイルで入っているわけがないので、これは長年のこういう蓄積でこういうことになってしまったことで、これが我々もまた改めて反省をしなきゃいけないことですけれども、これはしかし機構ができる前からの、ずっと社会保険庁時代からこういうものが蓄えられてしまうような体質であったということを私たちは改めて認識をし直して、機構に年金の大事な支払の業務をやってもらう車の両輪としてどういう組織であるべきかということをしっかり考えていかなきゃならないというふうに改めて思うところでございます。
#193
○石橋通宏君 終わります。
#194
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 まさにこの年金問題、年金集中の問題は、やはり検証委員会の甲斐中委員長にもしっかり出席していただいて、引き続きまたこの年金問題についてやらなければいけないということをまず冒頭申し上げてから質問に入らせていただきます。
 四月二十二日の厚労省へのサイバー攻撃に関して伺います。
 五月に行われた一連の年金機構への攻撃との共通点について伺います。不審な通信先のドメインが共通だったとのことですが、標的型メールの送信元IPアドレスやサーバーなど、ほかに共通点を確認していますでしょうか。
#195
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。
 共通点につきましては、今先生の方から御指摘がございました不審な通信先のドメイン名が基本的に同じであったということ、また、この裏返しということになりますが、使われておりますマルウエアによって生じます事象が一定のアクセス先に通信を試みようとする点、こういった点で共通をしていたというふうに理解しておりますが、それ以外の点につきましては特段共通するものはなかったと考えてございます。
#196
○川田龍平君 これは、NISCとしても特にこういった共通点というのは確認していないということでよろしいでしょうか。
#197
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 今厚労省の方から御答弁ございましたように、接続先のドメインについて、四月二十二日に検知したものとサブドメインのみが異なるものが五月八日に検知したものに含まれております。また、どちらも同じタイプのマルウエアによるものであるというふうに認識しております。
#198
○川田龍平君 この受け取った標的型メールは一通だけでしょうか。四月に厚労省全体が受け取った標的型メールは、組織的な攻撃がうかがえるような多数だったのでしょうか。安藤審議官。
#199
○政府参考人(安藤英作君) メール自体は複数だったということでございます。そのうち二通につきましては、受信し開封をしたということでございます。
#200
○川田龍平君 多数ということでしょうか。二通だったということでしょうか。
#201
○政府参考人(安藤英作君) 多数ではございません。複数でございました。
#202
○川田龍平君 これ、二通ということですか、それとももっと多いんですか。だから、何通あったんですか。
#203
○政府参考人(安藤英作君) 受信できなかったものが幾つかございましたが、受信できたものは二通でございます。
#204
○川田龍平君 いや、開いたのではなく、届いたものがですよ、何通かと。
#205
○政府参考人(安藤英作君) 受信できたものは二通でございます。
#206
○川田龍平君 ちょっとそれ納得いかないんですけれども、次行きますが、ちょっと後でまたこれ引き続き検証していただきたいと思いますが。
 これ、四月二十二日以外に、今年に入ってからNISCは厚労省に何件の不審な通信の通知を行っていますか。NISCの方です。
#207
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 NISCにおきましては、不審な通信を検知をした場合に、各省庁に対してインシデントの可能性ありという場合に通知をしているわけでございますけれども、今ちょっと手元に資料がございませんが、私の記憶では今年度におきまして五件であったと記憶しております。
#208
○川田龍平君 その五件、それらについては通信先ドメインなど共通点はありましたでしょうか。
#209
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 ちょっと今手元に資料がございませんので、改めて私どもの方で調査をしてみたいと思います。
#210
○川田龍平君 安藤審議官、いかがでしょうか。
#211
○政府参考人(安藤英作君) 今年度、NISCから通報があった件でございますが、御指摘の既にされております四月二十二日と五月八日の同じドメイン名という以外にはなかったと考えてございます。
#212
○川田龍平君 NISCは五件と言っているんですけれども、厚労省は二件しかないということですか。
#213
○政府参考人(安藤英作君) 他は同じドメインではございませんでした。
#214
○川田龍平君 そのほか共通点はございませんでしたか。
#215
○政府参考人(安藤英作君) 特に私どもの方では共通点は感知しておりません。
#216
○川田龍平君 結局、四月二十二日までの対応が既に不十分だった、国民の大事な個人情報を預かる役所として全くサイバーセキュリティーに対する備えが不十分だったということがこれまでのずっと審議でも明らかになっているわけですが、このような厚労省の不作為、お粗末な対応について大臣の責任は極めて重いと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#217
○国務大臣(塩崎恭久君) 情報政策担当参事官室と統計情報部の担当者レベルでしか五月八日にはこの四月二十二日の事案とドメインが共通しているという事実を認識できなかったわけでございまして、この際には、サブドメインのみならず、ドメイン単位での遮断をその担当者レベルで判断をして行っておりますけれども、その後展開される事態の予兆という捉え方ができなかったということでありまして、これは厚労省としても、そもそもその担当者レベルでその上に上がらないという基本的なミスをしているわけでございまして、そういう意味で、この八日の時点で、この一連の対応によって機構からの不審な通信が止まったということで、そこでまた一区切り付いたというまた安心感を持ってしまった、このことも問題でありまして、これらは検証委員会にも明確に書かれているとおりでございまして、厚生労働省としてもちろん、結果として個人情報が大量流出するように、さっき津田先生のときにも申し上げましたが、備えは機構においても厚労省においても大変問題があって、極めて脆弱だったということでございますので、その責任は、もう繰り返し申し上げているとおり、私どもにもあるということは間違いないということでございます。
#218
○川田龍平君 これ、何度も予兆という言葉を言うんですけれども、予兆じゃなくて、もう既に厚労省に四月二十二日の時点で攻撃が来た時点から始まっていたと思うんですけれども、これどうして予兆予兆と言うんですかね。
 これ、機構の問題だけじゃなくて厚労省全体の問題だということを認識しているのかどうか、大臣、もう一度伺いたいと思いますが。
#219
○国務大臣(塩崎恭久君) 予兆という言葉は、これは甲斐中委員長がお使いになったのでそれを引用しているということでございまして、ただ、それが完全に機構に来たもの、マルウエアの結果として感染をする原因になったもの全てではなかったということでありますけれども、また、検証委員会でも、この四月二十二日にドメイン単位で遮断をしておけば五月八日の一部は守れたんじゃないかということが明確に書いてあるわけでございますので、もちろん、ですから、四月二十二日と五月八日以降のことが全く関連がないということではないことは、これはもう検証委員会の報告でも明らかなところでございます。
#220
○川田龍平君 それでは、次の質問に行きますけれども、七月十四日にハローワークシステムの職員端末一台がマルウエアに感染していた問題について伺います。
 個人情報のこれ流出はありましたでしょうか。
#221
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 ハローワークシステムにつきましては、本年七月十四日に不審な通信を確認いたしまして、七月十五日に職員端末の一台がマルウエア感染をしていたことが判明をいたしました。
 七月十七日に、端末のマルウエア感染と、その時点で個人情報の流出は確認されていないことにつきまして公表させていただきましたけれども、その後、感染した端末につきまして詳細な調査を行いました結果、個人情報の流出ですとか、あるいはその可能性をうかがわせるような形跡は確認をされませんでした。
 なお、この事案のほかには、そもそもマルウエア感染が確認されたことはなくて、これまでハローワークシステムからの個人情報の流出自体は確認をされておりません。
#222
○川田龍平君 これは、感染した端末上には個人情報はあったのでしょうか。また、フォレンジック調査はいつからいつまで行ったのでしょうか。
#223
○政府参考人(生田正之君) 個人情報が入っていたかどうかの点につきましては、まず職業紹介に使う、業務に使用する情報が入っておりましたけれども、その詳細を申し上げますと、どの部門にどのような情報が入っていたかということにつきまして推認させることもあって攻撃者を利するおそれもございますため、恐縮でございますけれども、お答えできません。
 それから、フォレンジック調査、委員御指摘のようにフォレンジック調査をさせていただきました。これにつきましては、マルウエア感染が判明いたしました後、調査をいたしまして、最終的に結果が分かりましたのが七月三十一日でございまして、そこまでの調査でございます。
#224
○川田龍平君 これはいつから行ったんですか。
#225
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。
 七月十四日に不審な通信が判明したわけですけれども、最初に記者発表した段階から並行してフォレンジック調査の依頼をしておりまして、七月十四日から調査を開始をいたしております。
#226
○川田龍平君 これ、調査、二週間でできたということですね。
 この監視機能の有無について伺いますが、NISCはハローワークシステムを常時監視していますでしょうか。
#227
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 NISCにおきます監視の対象については基本的には明らかにしておりませんが、NISCにおきましては、GSOCセンサーを各府省の情報システムのインターネットとの接続口に設置をし、不正な通信等を監視しております。もう少し具体的に申し上げますと、厚生省の統合ネットワークからインターネットの出口の部分についてNISCが監視をしているということは申し上げられるかと思います。
#228
○川田龍平君 それでは、厚労省の方は、ハローワークシステムにはSOCというものはないのでしょうか。
#229
○政府参考人(安藤英作君) 厚労省の統合ネットワークの方にSOCがございます。そこで不審な通信等の監視を行っているところでございます。
#230
○川田龍平君 このハローワークシステムにはSOCはないのでしょうか。
#231
○政府参考人(生田正之君) SOCが備わっているかどうかにつきましては、攻撃者を利するおそれがあるために、今の段階ではお答えできません。恐縮でございます。
#232
○川田龍平君 このことについては、七月の二日から私が理事会に資料提出を求めてきましたが、ところが、昨日の段階で、厚労省からサイバー攻撃側に情報を悪用されるおそれがあるから回答できないと連絡を受けました。国会答弁をこれ悪用するようなハッカーなんているわけないじゃないですか。こんな間抜けなハッカーがいるわけないですよ。だったら、なぜ七月十七日に中途半端な公表したんでしょうか。しかも、その後の対応が年金機構と比べても極めて不透明でよく分からない。
 確認ですけれども、ハローワークシステムがマルウエアに感染したのはこれが初めてなんですね。
#233
○政府参考人(生田正之君) マルウエア感染が確認されたのは本当に初めてでございます。
#234
○川田龍平君 これ、大臣、再発防止策についてどのような取組を行うつもりでしょうか。
#235
○国務大臣(塩崎恭久君) 不審な通信を確認した七月十四日から、ハローワークシステムの職員端末についてはインターネット及び外部メールからの遮断を既に実施をしております。今後も当然これは継続をしていくということにしておるわけでございます。
 また、個人情報を扱う場合のパスワードの設定など、個人情報の適正な取扱いについては、従前よりハローワークシステムを使用する全職員に指示はもちろんしておったわけでございますけれども、改めて今般の事案を受けてその徹底を指示をし、これは七月の二十四日にメールでもって全員に指示をしたというところでございます。
 今後とも、標的型メール攻撃に関する効果的な訓練の実施、これは先ほど来出ておりますけれども、幹部から一般の職員に至るまで、日々高度化するサイバー攻撃に対処できるように、技術面での情報セキュリティー対策についても万全を図らなければならないと思っておるところでございます。
#236
○川田龍平君 この問題は、年金機構と全く同じで、フォレンジック調査で痕跡が見付からなくても情報流出の可能性は完全には否定できないんです。ハローワークシステムに対する早急なサイバーセキュリティー対策を求めます。
 続いて、医療保険者、介護保険者のサイバーセキュリティーについて伺います。一か月半も前の七月十四日に私がこの対応状況を尋ねたところ、七月二十二日に取りまとめるとのことでした。医療や介護の個人情報の流出は国民にとって極めて深刻な問題です。
 取りまとめが遅れている現状について、どうなっているのか御説明ください。
#237
○政府参考人(唐澤剛君) 要点のみお話しさせていただきます。
 物理的な基幹システムとインターネットの切断等につきまして、先生御指摘のように、六月十七日に要請をして、そしてその後対応状況の調査をお願いをいたしました。これは、七月の下旬に締切りをお願いをして回答をお願いをしましたが、六千六百九十九の団体が医療、介護でございます。この団体から、八月三十一日現在で六千六百七十五団体の回答をいただいておりますが、この中に、その記入内容を文書で御記入をいただいたり、あるいはまだ未提出の団体もございますので、こうした督促や集計、精査等を現在行っているところでございます。
 この集計、精査が完了次第、適切な形で公表させていただきたいと考えております。
#238
○川田龍平君 これがまだ終わっていない段階でマイナンバー法の改正案が可決、成立してしまったことは大変残念です。国民の情報流出、医療情報の流出がとても心配です。
 もう時間ですのでまとめますが、これらの保険者のサイバーセキュリティーについて厚労省は一体どこまで責任を持つつもりなのか。やっぱり取りまとめの結果次第では、これしっかりNISCに協力を依頼することも検討すべきと考えますが、大臣に答弁いただけませんけれども、是非これ、しっかりNISCにも協力依頼をするように大臣に申し上げて、終わります。お願いします。
 ありがとうございました。
#239
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 私も、今日理事会に示されました、年金機構、厚労省からの資料要求に対する回答、石橋委員と同様に、全く納得、あれはできません。
 特に、今日、今お配りしているものでいうと、これは朝日新聞の記事ですが、マスメディアで報道されているにもかかわらず、これはいまだに明らかになっていない情報なんですね。ここにあるような流出情報のファイル名、例えば、和歌山事務センターが使った届出書などの受付管理簿ツールとか、沖縄事務センターが使った国民年金の届出書などの受付管理簿などという情報、さらに、流出した情報が、沖縄と和歌山の両事務センター、東京の記録突合センターの三か所で使われたものだったこと等々。
 警察庁にお聞きをまずします。
 警察庁は、これらの情報について捜査上明らかにしないように年金機構に要請されていますか。
#240
○政府参考人(斉藤実君) お答えをいたします。
 被害関係者において把握されている事項の中には、具体的な犯行の状況を示すものなどを公表することでその後の捜査に支障を生じさせるおそれがあるものも含まれておりますことから、その範囲で必要な協力をお願いをしているところでありますが、お尋ねの流出したファイルが所在をしていた事務所について公表を控えていただきたいといった具体的な要請を警察から行ったことはございません。
#241
○小池晃君 重大ですよ、これ。
 水島さん、前回のこの委員会であなたは何と答えたか。この三拠点の名前については、捜査上の問題もあるというふうに承っております、だから公表できませんと言ったんですよ。虚偽答弁じゃないですか。虚偽答弁ですよ、これは。
#242
○参考人(水島藤一郎君) 八月二十五日に小池先生の御質問に対しまして、ファイルの所在に関しましては、捜査上の問題もあるというふうに承っておりまして、公表いたしておりませんとお答えしたところでございます。
 これは、ファイルの所在に関しまして、セキュリティー上の問題に加えまして捜査上の問題もあるという認識を示したものでございますが、委員の御指摘も踏まえまして警察に改めて確認をいたしましたところ、ファイル名は捜査上の問題はあるけれども、ファイルの場所は、捜査の観点からは事務所名など一定の範囲では回答して差し支えないということでございました。
 一方、機構といたしましては、ファイルの存在場所を開示した場合、ファイルサーバーと感染した端末の場所がひも付けされる可能性があり、アクセス権限の設定など機構のシステム構成の一部が推定される懸念もございますのでセキュリティー上の問題があるというふうに考えてございまして、やはり報道内容の真偽も含めましてお答えは差し控えさせていただいているものでございます。(発言する者あり)
#243
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#244
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#245
○参考人(水島藤一郎君) 前回、捜査上の問題があるというふうに承っておりましたというふうに申し上げました。これに関しましては、私といたしましては、捜査上の問題があるというふうに認識をしていたというふうに申し上げるべきでございましたが、承っているというふうに申し上げたことについては不適切だったというふうに考えております。
 このような誤解を招く表現を使いましたことにつきまして、おわびを申し上げます。
#246
○小池晃君 誤解の余地ないですよ、これ。だって、捜査上の問題があるというふうに承っておりまして、公表いたしましておりませんと言っていたんです。
 こういうことで情報を隠蔽してきたんですよ。セキュリティー上の問題、捜査上の問題、もうそういうこと通用しないですよ。大体、セキュリティー上とかというけれども、新聞に堂々と出ている情報じゃないですか。こういったことすらいまだに認めようとしない。
 委員長に。日本年金機構は、依然としてこれ公表しないんです。流出した情報は何だったのか、そのファイル名とその内容について、それから、流出した情報ファイルはどこで使われていたものだったのか、改めてこれは断固出していただきたい。いかがでしょうか。
#247
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#248
○小池晃君 引き続き、先ほどから問題になっている四月二十二日に行われた攻撃のことをちょっと私も今までの議論を踏まえて聞きたいんですが、前回の甲斐中委員長は私の質問に対して、これはそれ以後の年金機構に対する攻撃と同一の攻撃者であると考えると言っています。
 大臣、先ほどちょっと曖昧だったんだけど、これは前兆ではなくて、甲斐中委員長だって同一の攻撃者だと言っているわけだから、これは第一撃だったという認識を当然持っていなければいけないと思いますが、大臣、そういう認識ですね。イエスかノーかで答えてください。
#249
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然、そのドメインが同じだったということは、前触れであったということは間違いないわけでありますけど、それを四月二十二日の攻撃は一つの予兆でありというふうに甲斐中委員長は記者会見で述べられているので私はそう申し上げているので、何も関係ないかのようなことは、もちろん、それは検証委員会の報告を否定するような話ですから、ここに明確に、四月二十二日にドメイン単位で止めておけば、一部の五月八日のメールについては、不正アクセスについては防げたんじゃないかということが明確に書いてございますので、これはもう最初に来たということは間違いないわけであります。
#250
○小池晃君 そういうことです。最初に来たと、第一撃だというんですよ。だから、第一撃だと素直に認めればいいんですよ。だから、これ重大なんですよ。
 その重大な第一撃に対する対応について、さっき聞き捨てならない話があったんですね。中途半端に大臣に報告をした。何ですか、これは。これ、大体、いつ報告したんですか。四月二十二日にあって、四月二十三日に報告を官房長にはしたと私聞いていた。その後、五月八日まで、五月八日の段階でドメイン単位でブロックをした。じゃ、安藤さん、中途半端に報告したのは、一体いつの時点で大臣に中途半端に報告したんですか。
#251
○政府参考人(安藤英作君) 八月の二十日にNISCの調査研究が、調査が発表され、それから二十一日に検証委員会の報告が出ておりますが、その後でございます。
#252
○小池晃君 これは、でたらめですよ。だって、それで何で中途半端な報告。もう中途半端じゃない報告が出た後で、何で中途半端に報告するんですか。
 おかしい、おかしい。納得できません。これは、きちんと説明してもらわなければこれ進めない。
#253
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#254
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#255
○政府参考人(安藤英作君) 不十分な御説明を申し上げまして、大変申し訳ございませんでした。
 大臣に対する説明でございますが、この不審通信に係るCアンドCサーバーのURL、二十三につきまして大臣に御説明申し上げましたのは検証委員会の報告の後でございました。
 また、検証委員会に対するこのCアンドCサーバーのURLに関します検知等々の話につきましては、それにつきましては、ログの解析なりあるいはフォレンジック調査なりの結果につきまして、当然、検証委員会の方に提供されているものと考えてございますし、私どもにございます四月二十二日の件にも関わります資料類につきましては検証委員会の方に御提出をさせていただきまして、そういったものも踏まえまして御報告がなされたものと考えてございます。
#256
○小池晃君 何だかよく分からないんですけどね。
 中途半端に報告したということは、報告書が出てから中途半端に報告するっておかしいと思うんですね。やっぱりこの問題が出た途中のどこかの段階で、これは報告なり何らかの話をしたんじゃないですか。だから中途半端にと、そういう話になったんじゃないの。
 これ、私、だから、第一撃だから重要だと思うんですよ。事前に官房長までは行っていたと。ところが、官房長は全然それをこの予兆だとも捉えずに、これだけ大問題になっているのに議論しなかったというのもおかしいと思うけれども、この何らかの情報が大臣まで行っていたとすれば、これは重大ですよ。まあ違うと言っているから、もうちょっとこれはきちっと解明しなきゃいけない問題だと思うので、これは次回以降またやりたいと思いますが。
 それから、結果を報告してきた問題で、私、もう一点納得できないこと、あの例の流出していないと言って実は流出していた二千四百四十九人の対応。私は、これは当委員会で、管理職だけで秘密裏にテレビのニュースで報道されるまではもう隠蔽してやったのではないかという問題をやったんですけど、これについても何ら答えがございません。
 それで、今日の理事会で示された文書によると、まずは責任ある立場の管理者に対し個別に対応するよう電話により指示をしたというわけですよ。文書を出したのは、私が委員会で示した、今日お配りしている二枚目の指示文書ですね、それが出るまで指示文書を出していないというんですね。しかしですよ、水島さん、二千四百四十九人個別訪問するのに文書なしでできるんですか。電話で指示をしてそれでやらせる、私は、これはちょっと信じられないと思いますよ。
 それで、何だか、その次のページに資料で入れておきましたけれども、ちょっと訳の分からないこういう中身で指示をしたから、これでやったと。私は、これでは全く納得できない。指示文書なしに二千四百四十九人の個別訪問を行わせる、そんな芸当が日本年金機構にはできるんですか。私は、指示文書があったという証言も得ております、ブロック別の所長会議が開かれたとも聞いています。そういったことも否定するんですか。
#257
○参考人(水島藤一郎君) その点に関しまして、御質問の通告の内容をちょっと私間違えておりまして、白を黒と言ったという十四名についての御質問だというふうに承っておりましたので、同じ問題、基本的に同じやり方をしていると思いますが、いずれにいたしましても、個別に電話で指示をして、二千四百四十九名の方に御説明をするということをしてきたというふうに聞いておりまして、私は、具体的な指示文書は、この今お示ししております指示文書であるというふうに聞いております。
#258
○小池晃君 訳分からないこと言わないでください。
 今朝、年金機構の人来て、何か誤解していたから、それは違うと、白を黒じゃなくて、二千四百四十九人のことだとちゃんと説明してありますよ。ちょっと、そんなとぼけたことを言わないでくださいよ。だから、実際、二千四百四十九人個別訪問しろというのを、指示文書も出さずに電話で指示をしてやりましたと、あり得ないでしょうと言っているんですよ。
#259
○参考人(水島藤一郎君) 担当部からはその旨報告を受けておりますので、そのような形で指示をしていたというふうに承知をいたしております。
#260
○小池晃君 いや、今、意味不明。そのような形で指示しておりますってどういうこと。
#261
○参考人(水島藤一郎君) 担当部からですね、そのような形で指示をしていたという報告を受けております。(発言する者あり)
 ここで、七月三日に指示依頼文書を出しておりますが、それ以外の指示依頼の文書は出しておりません。
#262
○小池晃君 七月三日というのは個別訪問終わった日なんですよ。だから、説明になっていないんですよ。
 六月中旬に明らかになって、六月の二十七日から個別訪問したんでしょう。そのときに、何の指示文書もなしに二千四百四十九件個別訪問ができるんですかと聞いているんです。
#263
○参考人(水島藤一郎君) どういう形で電話で指示したかということについては、具体的に私聞いておりませんのでここでお答えできませんが、いずれにいたしましても、それぞれのブロックに対して個別に指示を、電話で個別に指示をして、最終的に指示依頼文書を出したのは七月三日だということでございます。
#264
○小池晃君 もう全然これ駄目ですよ。だって、七月三日というのは個別訪問終わった日なんですから。
 二千四百四十九件を個別訪問する、しかも事情もちゃんと説明しなきゃいけないんだから、何か電話でやってくださいといって行けるような話じゃないですよ。どういう経過で流出していない人が流出したというふうになったのか、ちゃんと説明して納得を得ない限り、こんな仕事ができるわけないわけですよ。それが、何の指示文書もなしにやられた。こんな説明が通用するわけがないですよ。もう時間だからもう聞かないけど。
 これは、全くこれでは納得できません。これはもう引き続き議論しなきゃ駄目だというふうに思います。(発言する者あり)
 じゃ、ちょっと、今のことはちゃんとこれ解明してください。委員会に……(発言する者あり)
#265
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#266
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#267
○小池晃君 委員長、二千四百四十九件の個別訪問を指示した文書、あるはずです。七月三日付けの指示文書以外のものを必ず提出させるようにお取り計らいをお願いします。
#268
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#269
○行田邦子君 行田邦子です。
 これまで年金情報流出問題の審議、ずっと続けてきていますけれども、先ほど来の質疑を聞いていまして、答弁が本当に正しいんだろうか、不都合な事実を隠しているんじゃないか、何か知られたくないことを隠しているんじゃないかということを毎回疑いながら質問をしなければいけないというのは非常につらい状況でありますし、これでは原因究明、それから再発防止の審議になりません。このことを苦言を呈しておきたいというふうに思っております。
 私は、この年金情報流出問題、何が原因だったのか、その大きな一つとして、日本年金機構を監督する立場にある厚生労働省の情報セキュリティーの組織、そして体制に問題があったのではないかと、このような視点で今日は質問させていただきたいと思います。
 まず、内閣官房に伺いたいと思います。
 最高情報セキュリティ責任者、CISOなんですが、この役割とそれから選任基準についてお答えいただけますでしょうか。
#270
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 政府統一基準におきまして、各府省庁に最高情報セキュリティ責任者、いわゆるCISOを設置することとしております。その役割といたしましては、情報セキュリティー対策を推進するための組織、体制の整備、セキュリティーポリシー等の決定、見直し、あるいはインシデントに対処するために必要な指示などの当該府省庁における情報セキュリティーに関する事務を統括することを求めているところでございます。
 また、府省庁対策基準策定のためのガイドラインにおきまして、CISOは、各府省庁における情報セキュリティー対策の推進の責任者であり、府省庁全体の情報セキュリティー対策を推進するため、組織を俯瞰し、資源配分の方針決定を適切に行うなどリーダーシップを発揮できる者を充てることが求められる旨、規定をしているところでございます。
#271
○行田邦子君 政府統一基準では、このようなことでありますけれども。
 そこで、大臣に伺いたいと思います。厚生労働省においては、CISOは官房長になっていますけれども、官房長をCISOに選任する理由をお答えいただけますでしょうか。
#272
○国務大臣(塩崎恭久君) 基本的には、官房長でいいのか悪いのかを含めて、今見直しをしておりますが、なぜ今まで選んでいたのかということを、これはもうかねてから選ばれておりまして、私が来る前からそうなっておりましたが、これは、サイバーセキュリティーに関して、緊急時の対処は危機管理の性質を帯びたもので、省が持っている資源をフル動員しないといけないということであり、また配分もしないといけないということで、場合によってはまたシステムの停止の判断を迫られるということであります。こうした判断は、組織全体を横断的に管理するということが可能な立場である者が行うべきではないかということを考えて、厚労省においてはCISOを官房長ということで選任してきたのがこれまでのやり方でございました。
#273
○行田邦子君 平成十二年にCISOが設置されてからずっと官房長が充て職という形になってきたということでありますけれども、これ、通告していませんけど、大臣は、じゃ、官房長がCISOとして適任かというふうにお考えでしょうか。
#274
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたように、それの是非を含めて今検討中でございます。
#275
○行田邦子君 それでは、CISOの任命責任者は誰なんでしょうか。
#276
○国務大臣(塩崎恭久君) このCISOは、私、大臣が任命するものではなくて、情報セキュリティ委員会が策定をする厚生労働省情報セキュリティーポリシーにおいて大臣官房長というふうにされているものでございます。
#277
○行田邦子君 大臣が任命責任者ではなくて、厚生労働省の中にある情報セキュリティ委員会において決めるということであるということでありますけど、この情報セキュリティ委員会のトップは誰なんでしょうか。
#278
○政府参考人(安藤英作君) 官房長でございます。
#279
○行田邦子君 何かおかしくないですか。
 官房長がトップの情報セキュリティ委員会でCISOを誰にするかを決める、そして官房長がなると。じゃ、一体、このCISOが官房長であることが本当に適任なのかどうかということを誰が判断して、誰が責任を持つんでしょうか。
#280
○政府参考人(安藤英作君) セキュリティーポリシーを決めておりますセキュリティ委員会として大臣官房長を選任されている。その実質的な理由につきましては、先ほど大臣から御説明したとおりでございまして、資源配分の観点、それから適切な判断を即時にこなせるという観点から選ばれているものと考えてございます。
#281
○行田邦子君 情報セキュリティ委員会というのは、これは厚生労働省の中にあって、外部の機関ではなくて、内部の行政事務などを行う部局の代表者などからメンバーが構成される全くの内部の委員会であります。ここでCISOを誰にするかを決めるということ、そしてそのCISOが適任かどうかということを誰が責任を取るのか曖昧だというのは、これは組織として私はおかしいというふうに思っております。
 そして、CISOの任命責任者ははっきりと大臣でないにしても、やはり今回このような事件が起きて、そしてCISOが官房長であり続けたということ、この責任というのは、私、大臣にあると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#282
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう繰り返し、今回のことについて、先ほども申し上げたように、検証委員会でも言われているように、機構も厚労省も備えは極めて脆弱だったと、そのうちの一つが今御指摘になったことであって、先ほど私が、官房長がCISOの立場にあることの是非を含めて見直しているというのは、これは全てを見直すということを私は申し上げているので、これはセキュリティーポリシーにそう書いてあって、ずっと来たということでありますが、それにしても、今先生が御指摘になったとおり、奇異なことは随所にあって、また考え方自体もいろいろと脆弱だと言われるだけのことがあるということを言っているので、ですから、私は、甲斐中委員会の報告書は極めて辛辣な報告をいただいたなということを重く考えているところでございます。
#283
○行田邦子君 この委員会の審議でも、官房長が、官房長には大変申し訳ありませんけれども、CISOとして適任ではないと、その能力とか知識とか経験といったことにおいて必ずしも適任ではなかったということを私は明らかになっているというふうに思っております。
 ただ、これ、ほかの組織においても、CISOに官房長を充てるというところはほかにもあるわけであります。そうした場合に、官房長というのは必ずしも情報セキュリティーの専門的な知識や経験があるわけではありません。むしろ、そうでない場合が多いというふうに思うんですけれども、そのCISOに不足している情報セキュリティーに対する知識やまた経験や能力といったものを補うのがCISOアドバイザーだというふうに思っていますけれども。
 このCISOアドバイザーなんですが、内閣官房から派遣されている五人のCIO補佐官のうちの一人がこの任に当たっています。CIO補佐官は非常勤というふうに聞いていますけれども、その勤務実態をお答えいただけますでしょうか。
#284
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。
 今先生からお話がございましたとおり、内閣官房から派遣されている五人のCIO補佐官のうちの一名をCISOアドバイザーとして選任してございます。週に三日程度の勤務でございまして、一日約八時間勤務をしていただいておりますが、随分長時間にわたって残業等をしていただくこともございます。
#285
○行田邦子君 CIO補佐官は非常勤で、そして、週に三日程度の勤務と、CISOアドバイザーに選任される方も週に三日であったということであります。
 私は、このCISOアドバイザーになっている方自身がどうということではなくて、その方の能力がどうということではなくて、私は、CISOアドバイザーというのは非常に大切な役割を持っていますし、特に今回のような情報セキュリティーインシデントへの対処の支援も行わなければいけないわけでありますので、非常勤、週三日勤務という人をCISOアドバイザーに充てるというのは、これは私は問題があるというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#286
○国務大臣(塩崎恭久君) ちょっと一点だけ。他のCISOは、役所はどういう人がなっているかというと、蒲原さんの名誉のためにも言うと、官房長になっているところは、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文科省、厚労省、農水省、経産省、環境省、こういうふうにたくさんあるので、どういうふうになるかは、私は、まだこれ検討し直そうというふうに申し上げているわけで、それがどういうふうになるかは、それは分からない。
 しかし、そのときにやっぱり大事になってくるのが、今御指摘いただいているアドバイザーでございまして、CISOのアドバイザーにつきましては、現在は内閣官房の一元的な採用管理の下で非常勤として配置をされているCIO補佐官をCISOアドバイザーに充てているわけでございますが、今後は、検証委員会の報告書等を踏まえて、高度な専門知識や経験を備えた外部人材を常勤職員として採用するようにしたいというふうに考えておるところでございます。
#287
○行田邦子君 これ、CISOアドバイザーはやはり常勤であるべきだったと、今更ながらのことでありますけれども、思うわけであります。
 そして、CSIRTの責任者なんですけれども、これは、厚生労働省の場合は、官房長、CISOになっています。官房長がCISOとCSIRT責任者を兼務していますが、このようにした理由をお聞かせいただけますでしょうか。
#288
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚労省では、通常時における情報セキュリティー対策の最高責任者、CISOである官房長をインシデント時においても最高責任者として位置付けてきているわけです。これを補佐して実務的な総括を行う者として、情報政策担当参事官を置いているわけでありますけれども、今回の甲斐中検証委員会報告書では、CSIRTも技術力を持った実用的なものに改めることなどは着実に実施すべきと、こう指摘をされておりまして、私どもとしても、これ、CSIRTの即応性それから専門性、これを高める観点から、CSIRTの責任者を見直して、日常的に情報セキュリティーや情報政策を担当している者の中から選んでいこうということを今検討しているところでございます。
#289
○行田邦子君 CSIRTの構成員が課室長以上だった、実働要員がいなかったという指摘が報告書でもありましたけれども、このCSIRTの構成員を決定するのはどなたなんでしょうか。
#290
○政府参考人(安藤英作君) CSIRTの構成員を決定をいたしますのは、セキュリティーポリシーにおきまして構成員の規定をしておりますので、情報セキュリティ委員会ということになってまいります。
 検証委員会の報告にもございますとおり、CSIRTに実働要員が選任されていなかったということをまた大変な問題だというふうに御指摘をいただきまして、今後、即応性、専門性を高めるために、また、実際に事案の対処や関係者の連絡に従事できるという観点から、補佐、係長クラスの職員を充てるとともに、外部の専門家を加えることを検討したいと考えてございます。
#291
○行田邦子君 CSIRTの構成要員を決めるのは情報セキュリティ委員会である、そのトップはCISO、官房長であるということは、今回様々な不備が指摘されているCSIRTの体制を整えるべき責任者は官房長、CISOだったということでしょうか。
#292
○政府参考人(安藤英作君) 形式上はそういう形になると存じます。
#293
○行田邦子君 ちょっと、まだたくさん質問したいこともありますけれども、私は、今回の問題が起きたのは、日本年金機構にももちろん責任がありますけれども、厚生労働省の情報セキュリティーの体制、そして組織の整備といったことに不備があった、これはもう大臣もお認めになっていると思います。そしてまた、さらにはその組織や体制を決めるその責任が誰なのか、誰が判断するのかということにも私は非常に曖昧さがあるということに問題があるということを指摘をさせていただきまして、時間となりましたので終わります。
 ありがとうございます。
#294
○薬師寺みちよ君 薬師寺みちよでございます。
 まず、私、今日は主に日本年金機構の制裁審査委員会のことについて取り上げさせていただきたいと思います。
 報告書によれば、理事長を始めとした役員及び関係者の責任については、本調査結果や、厚生労働大臣の下に設置された日本年金機構における不正アクセスによる情報流出検証委員会の検証結果というものを踏まえて、当機構内に設置されている制裁審査委員会の審査を経て厳正に対処することとすると書いてございます。
 質問する前に、何点か、理事長、確認をさせてください。
 まず、この制裁審査委員会の中で、今回、理事長を始めとした役員及び関係者の責任についてということになっておりますけれども、この制裁の内容を、私、規程の中で確認をさせていただきましたら、注意から解雇までと様々な内容がございますが、これについて、この審査をされる対象に理事長を始めとした役員というのがしっかり入っているという認識でよろしゅうございますでしょうか。
#295
○参考人(水島藤一郎君) はい、入っております。
#296
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、御検討いただきたいことがございます。
 じゃ、この委員のメンバーは誰なのかということを、私、この中でも確認をさせていただきました。「委員長は、副理事長をもって充てる。」、委員長は副理事長ですよね。かつ、「委員は、理事長が指名し、」ということになっております。委員の一人は外部の有識者も充てるということになっておりますが、これで本当に理事長、そして役員の皆様方というものの正常な判断、もちろん正常にこれは私は制裁を加えていただくような内容になってほしいとは思っておりますけれども、そんなことができるのかどうなのかということ、理事長のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
#297
○参考人(水島藤一郎君) ちょっと正確に御報告を、御説明を申し上げたいと思いますが、役員の制裁の場合、それから職員の制裁の場合、それから私の制裁の場合と、この三つのケースがございます。私の制裁は理事会で行われます。それから、役員の制裁でございますが、役員の制裁は役員制裁審査委員会というのがございまして、ここで行われます。これは、監事二名、非常勤理事四名、それから外部委員一名で構成されておりまして、委員長は互選でございます。それから、職員の制裁でございますが、職員の制裁に関しましては今御指摘がございましたとおりでございまして、副理事長が委員長でございまして、そのほかは外部委員が一名、その他は内部委員でございますが、基本的には、この制裁委員会、職員の制裁委員会も極めて厳正に行われておるというふうに考えておりまして、ここは監事もオブザーバーで入っているかどうか、ちょっと確認を要しますが、かなり公正かつ厳正な議論が行われているというふうに認識をいたしております。
#298
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、私が読みましたのはこの調査結果の報告書なんですね。理事長もその中に入っているような表現になっておりますが、じゃ、この調査報告書が間違っていたということになるんでしょうか。
#299
○委員長(丸川珠代君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#300
○委員長(丸川珠代君) 速記を起こしてください。
#301
○参考人(水島藤一郎君) 正確な表現ではなかったということだと思います。これは、正確に申し上げると、今申し上げたように三つの制裁の委員会を並べて、私、理事長の場合はこういうステップ、それから役員の場合はこういうステップ、それから職員の場合はこういうステップということで個別に書くべきでございましたが、制裁審査委員会としてまとめて書いてしまったという点について、やや不正確だったということについてはそのとおりでございます。
#302
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 これが不正確であれば、私の今日の質問というのは本当に前提が崩れてしまいます。これは、理事長を始めとした役員、関係者の責任について制裁審査委員会の審議を経て厳正に対処するというふうに書かれております。ということは、全てがそこで判断がなされるというふうに私は受け取りましたけれども、それが違うという御答弁でよろしゅうございますんですね。
#303
○参考人(水島藤一郎君) 要するに、制裁委員会の、役員制裁委員会それから職員制裁委員会、そこにおいて審査を行った後に、私についてだけは理事会で制裁を最終的に決定するということでございまして、それが正確でございます。
#304
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、正確にこの文書をもう一度直していただきたいと思います。でないと、これは全てが制裁審査委員会、だから、「理事長をはじめとした」というふうに書いてございますので、理事長も全てそこで審査されるというふうに受け取られて私は仕方がないのではないのかな、この書きぶりではと思っておりますので、これを直していただけますでしょうか。理事長、お願いをいたします。
#305
○参考人(水島藤一郎君) 制裁審査委員会が役員の制裁の審査委員会と職員の制裁の制裁審査委員会がございますが、この二つをまとめて制裁審査委員会というふうに書いてしまったところに正確性を欠いた面があると……(発言する者あり)御質問は、申し訳ございません、訂正しろという……(発言する者あり)済みません。
 済みません、もう一度……
#306
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もう一度、私、読ませていただきます。この三十五ページに、「理事長をはじめとした役員及び関係者の責任については、」「制裁審査委員会の審議を経て、厳正に対処する」ということは、理事長もここで審査を受けるものだというふうに受け止められますよね。ですから、違うのであれば違うとして、はっきりこれを訂正した文書を出していただけますかということです。
#307
○参考人(水島藤一郎君) 前段でおっしゃったことが正しいステップでございまして、制裁委員会の議を経て、私も制裁委員会の議を経て、最終的に私だけは理事会で決定するということでございます。
#308
○国務大臣(塩崎恭久君) 分かりにくいと思うので、正確を期した分かりやすい文章にして理事会にお届けしたいというふうに思います。
#309
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 もうこれだけでもかなり時間を経てしまったんですけれども。
 私も、やっぱり今回問題にしたいのは、一体誰がどのような責任を取るのかということです。この日本年金機構の職員制裁規程の中で減給というものが規定されておりますけれども、同委員会、しっかりと減給も含めて今回検討をしていただけるのかどうなのか、理事長、御意見いただけますでしょうか。
#310
○参考人(水島藤一郎君) この審査は規程に基づいて行いますので、もちろん、減給も含めて検討を行うということに、審査を行うということになります。
#311
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先日いただきました報告書の中でも、今まで既に六億円という、そしてこれから新たに四億円、計十億という国民の財産が使われるということになってしまいます。年金記録の問題のとき、社保庁の職員に対して長官が給与の自主返納も求めております。十億円に相当するぐらいの額というものを減給、自主返納で賄わないと、これ、国民の理解が得られないのではないのかなと私は考えております。国民は何も悪くはありません。しかし、政府に言われるがままお金を払っていたら、いつの間にか何かが起こってしまって、また自分たちの財産が十億円減ってしまった。全くこれ、私、国民一人一人、理解を得てくださいという方が無理だと考えております。
 職員に対して給与の自主返納等を求める意思は、理事長、ございますでしょうか。
#312
○参考人(水島藤一郎君) まず、今回の不正アクセスによる個人情報の流出事案を重く受け止めまして、六月期に支払われる予定でございました役員賞与は、現在、その支払を全額留保をいたしております。約千八百万円でございます。
 これから、私を始めとした役員及び関係者の責任につきましては、調査報告書あるいは検証委員会の報告書、検証報告書を踏まえまして厳正に対処をしていくということになると思います。また、現在支払を保留しております役員の賞与の取扱いについても、これを踏まえまして適切に対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、職員の給与カットに関しましては、労働協約の締結、就業規則の変更、又は職員から個別同意を取る方法等があるというふうに認識をしておりますが、給与のカットを行うことは重要な労働条件の不利益変更になりますので、慎重に検討する必要があるというふうに考えております。
 なお、今般の不正アクセス事案への対応に要しました費用につきましては、厚生労働省とも協議の上、機構の今年度予算の事業の見直しや経費の節減等の努力を最大限行ってまいる所存でございます。
#313
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今日、資料をお配りをいたしております。
 これは、平成十九年度から二十五年度まで、年金記録問題対策に掛かった費用の推移でございます。これを見ましても、平成十九年から二十五年まで合計で四千億円以上というものが既に掛かってしまっている。こうやって不祥事が起こるたびに税金で尻拭いをしてしまうと、いつまでたっても緊張感も出てこない。これ、普通の会社だったら潰れておりますが、先ほどもございましたが、潰れないからこそ甘えが出てきてしまう。
 しっかり、今回の報告書が出た限りにおいては、大臣にも監督責任者として給与の自主返納、若しくは厚生労働省に対してもやはりある程度自主返納というものを求めていく必要があるのではないかと思いますが、大臣、御意見をいただけますでしょうか。
#314
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもの責任についてはもう繰り返し申し上げておりますのでこれ以上は繰り返しませんが、いずれにいたしましても、私自身は厚生労働省の最高責任者でありますから、そのけじめは付けなければいけないというふうに思っていますし、職員においても同様であり、それは機構の職員と同じように監督責任がやはり職員にもございましたので、それから、情報関係でこれだけの脆弱さを示した結果として、先ほど検証委員会にも書かれているように、国民からの年金に対する信頼を失ったことの重みを考えて、法律や規定にのっとって適切な対処をしていかなければいけないというふうに思っております。
#315
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その適切な対応という中で一点、大臣、教えていただきたいんですけれども、先日の島村委員の質問に対しての答弁で、厚労省と機構の間の関係について再定義というものも必要なんじゃないかというふうにおっしゃっていらっしゃったかと私は記憶をいたしております。
 ということは、この年金機構が特殊法人という外部の組織であったように、これからまたその形態を変えるというようなことも含めて検討していらっしゃるのかどうなのか、その辺り、御意見をいただけますでしょうか。
#316
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論的に、組織を、これは法律でできた組織でございますから、それを変えるということを申し上げているわけではなくて、むしろ、例えば機構LANのことについては、ポテンヒットのように、結局誰が監督をするのかよく分からないままに、年金局のこれは明らかに監督責任はあるわけですけれども、担当もよく分からないということで、これはあるまじきことということで検証委員会にも言われているわけですから、これは、こういう形で特殊法人にしたがゆえにすっぽ抜けが至る所にできているということがないのか。
 そうすると、監督の在り方ということをもう一回考え直すべきじゃないかということを私は考えていて、そうなれば、当然、機構の組織も考えてもらわなきゃいけませんし、私どもの厚労省の組織自体も考えていかなければいけないし、どういう人事政策でいくのかということも考えなければいけないというのがこの両方の組織の間の関係、いろいろありますから、そういうことで、自らの資産である基幹システムだけを見ているような形で人が行っていたりとかいうようないびつな形の監督ではなく、もっときちっとした監督でありながら、もちろんこの機構というものをつくったときの当初の期待をしていた機能はやっぱり改めて発揮してもらうということのために、じゃ、何をするんだと。
 今それが十分発揮されているとはとても思えませんから、そういうことを含めて、厚労省と機構は、まさに公的年金制度の制度をつくるけれども、それと全く同じだけの価値のある大事なことである支払というところに着実、確実なものをやっていただくための、私たち二者の関係はどうあるべきかということを考えたいと、こういうことです。
#317
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 肝腎なことがなかなか解明されていないので、改めて水島理事長にお聞きをいたします。
 八月二十五日のこの厚生労働委員会で、百二十五万件以外の個人情報がこの中に入っていること、それから四情報以外があることに関しましては否定をいたしませんと答弁をされていらっしゃいます。
 四情報以外に何があるんでしょうか。
#318
○参考人(水島藤一郎君) 百二十五万件に関しまして……
#319
○福島みずほ君 四情報以外に何かを答えてくだされば結構です。
#320
○参考人(水島藤一郎君) それは、現在調査を行っているところでございますので、その中で御報告を申し上げるということになると思います。
#321
○福島みずほ君 違うでしょう。四情報以外に何が入っているのかと聞いているわけで、調査しなくても分かるでしょう。
#322
○参考人(水島藤一郎君) 従来から申し上げておりますことは、四情報以外があることは否定をいたしませんというふうに申し上げてきているわけでございまして、調査をした上できちんと御報告をしたいというふうに考えております。
#323
○福島みずほ君 もうずっとこの委員会で議論していて、すぐ、もう、調査すれば五分ぐらいで分かるようなことじゃないですか。
 四情報以外に何があるんですか。
#324
○参考人(水島藤一郎君) これに関しまして御答弁申し上げておりますのは、例えば国民年金のいわゆる納付率を引き上げる際に、そのようなデータを共有ファイルサーバーの中で使うというようなことはあると。その中で、例えば納付状況のようなものについてはあるということについて、口座振替あるいはクレジットカードの納付の状況、口座振替の状況とかクレジットカードの納付の状況とか、こういうものについてはあるというふうに御答弁申し上げております。
#325
○福島みずほ君 そうしたら、その四情報以外に具体的に何があるか、答弁していただいていますが、書面で理事会に提出をしてください。
 それらが流出していないというのは確証がありますか。流出しているというのはありますか。流出していないという証拠はありますか。
#326
○参考人(水島藤一郎君) 度々御答弁申し上げておりますが、現在、百二十五万件、そして四情報以外の流出は、お客様の個人情報の流出は確認されておりませんというふうに申し上げております。
#327
○福島みずほ君 私の質問は、四情報以外が流出したということがあるかどうかということです。今、四情報の中身について御答弁していただきましたので、それを詳細に言っていただくことと、四情報以外の情報が流出しているかどうかについて文書で提出してください。理事会で諮ってください。
#328
○委員長(丸川珠代君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をさせていただきます。
#329
○福島みずほ君 クレジットの状況やいろんなことが四情報以外に入っていて、もしそのことが流出していたら大変なことになるじゃないですか。だから、それは大問題ですよ。そのこともきちっと真摯にちゃんとこの委員会で明らかにすると。やってください。
 それで、資料を今日お配りしておりますが、今回の年金情報流出事件に当たり、政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準や、府省庁対策基準策定のためのガイドラインというのをお配りしております。
 四十一ページ目の「遵守事項」とありますが、情報セキュリティーインシデントに備えた事前準備、報告手順、対処手順、緊急連絡網、あるいは訓練の内容及び体制、府省庁外の者から報告を受ける、これの遵守事項は守られたのでしょうか。
#330
○参考人(水島藤一郎君) 当機構は、NISCがお示しになっていらっしゃいます政府統一基準やガイドラインについては直接適用されてまいりませんでした。しかしながら、今御指摘のCSIRTは、被害の拡大防止等を図るための応急措置の実施に係る指示又は勧告を行うことと定められているということは承知をいたしております。
 この点に関しまして、機構には、既に御説明申し上げておりますが、CSIRTは設置してまいりませんでした。そういう意味で、NISCの調査報告書、検証委員会の報告書いずれも、私どもの調査報告書においても、体制が不十分であったと指摘されているところでございます。
 今回、機構の対応といたしましては、五月二十二日、二十三日にセグメント単位で遮断をし、二十九日にインターネット遮断を、全遮断をウエブ閲覧についてはいたしました。この判断については遅過ぎたというふうに反省をいたしております。
 また、標的型攻撃に対して、情報セキュリティーポリシーの定めが抜線のみでございまして、インシデント対処手順書も定めていなかった、対処ルールの不備が今回の情報流出の要因の一つになったと考えております。この点も反省すべきだというふうに考えております。
#331
○福島みずほ君 私の質問は、機構に対してではなく厚労省についてです。この遵守事項は厚労省に掛かっていると思いますが、厚労省はこのことを遵守したのでしょうか。
#332
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。
 この五月八日からの年金機構の事案に関しましては、御案内のとおり、情参室におきましては担当の係の者で情報が止まっておりまして、CSIRTの要員でございます課室長以上あるいは官房長に情報が上がっていなかったということで、CSIRTは機能しなかったということでございます。
#333
○福島みずほ君 確認ですが、報告手続を整備し、事前準備の、今私が聞いたのは四十一ページ目の遵守事項ですが、あらかじめこういうものをきちっと作って、厚労省内でやる、その事前準備、事前手続の遵守事項はなかったということでよろしいですね。
#334
○政府参考人(安藤英作君) 今お話のございましたような手順に関しましては、事前に規定されているところでございます。
#335
○福島みずほ君 では、なぜそれが遵守されなかったんですか。
#336
○政府参考人(安藤英作君) 先ほども申し上げましたとおり、情参室におきましては担当の係の者から上に情報が上がってこなかったというようなことでございまして、この手続にのっとった対応が取れなかったということでございます。
#337
○福島みずほ君 その責任はどこにありますか。
#338
○政府参考人(安藤英作君) 検証委員会の報告にもございますとおり、厚労省全体としてサイバーセキュリティーに関します危機意識が不足だったというようなことが指摘されているところでございまして、反省すべき点だと考えてございます。
#339
○福島みずほ君 先日、NISCの方で遮断についてのマニュアルがあるというふうな答弁だったんですが、このマニュアルの中での遮断のマニュアルというのは、四十四ページ、上から黒丸の2.2.4(2)(c)ということでよろしいんでしょうか。(発言する者あり)
#340
○委員長(丸川珠代君) 引き続き御発言ください。
#341
○福島みずほ君 はい。
 いつ遮断するかというのが極めて重要だというのがそれぞれの報告書を読んでつくづく思いました。先日、NISCが遮断用マニュアルがあるというふうにおっしゃったので、その遮断用マニュアルというのは、配付資料の四十四ページ、遵守事項2.2.4(2)(c)ということでよろしいでしょうか。
#342
○政府参考人(谷脇康彦君) 大変失礼いたしました。
 御指摘のとおりでございます。
#343
○福島みずほ君 しかし、これで遮断のマニュアルになるんでしょうか。つまり、今回、機構が遮断するのが極めて遅れたというのが大問題なんですが、これで遮断の手続について徹底することができるでしょうか。どうでしょうか。
#344
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 各府省におきまして、情報システムをインターネットから遮断するかどうかということは、各省庁の業務、事業の継続性と密接に絡んでくるところでございます。したがいまして、各省庁におきましてそれぞれの事情を勘案して決定をしていただく必要がございます。
 ただ、この規定で十分かという点につきましては、引き続きこの統一基準あるいはそれに基づくガイドラインの見直しを継続的に行っていく必要があるだろうというふうに考えているところでございます。
#345
○福島みずほ君 これでは、いつ遮断したらいいのか、マニュアルとして、停止又は隔離についてはというふうにしか載っていないので、これでは十分なマニュアルではないと思います。
 マイナンバーについてなんですが、マイナンバーについて、この統一基準、このガイドラインが適用になるということでよろしいですね。その場合、やっぱりマイナンバーの遮断についてもこのマニュアルでは不十分ではないか。いかがですか。
#346
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 マイナンバー制度につきましても、当然、政府機関、中央省庁につきましては、この政府統一基準に基づくセキュリティーポリシーにのっとって進めていくことになるわけでございます。また、マイナンバー制度につきましては、地方自治体も関係してくるわけでございます。
 総務省におきましては、統一基準に基づいて、地方公共団体に対して情報セキュリティーガイドラインを示しているところでございますけれども、こうしたものの中身につきましても継続的に精査をしていく必要があるだろうというふうに考えてございます。
#347
○福島みずほ君 そのマイナンバーなんですが、自治体のセキュリティー対策は極めて脆弱ではないでしょうか。
 八月二十七日の参議院内閣委員会の質疑で、山口沖縄・北方担当大臣は、サイバー攻撃への対応策が不十分な地方自治体も制度の運用に加えるのかという質問に対し、できていない自治体は制度に入れないと答弁をしております。
 でも、できていない自治体がほとんどなんじゃないですか。
#348
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。
 自治体における情報セキュリティー対策につきましては、先ほど谷脇審議官の方からお話がありましたように、政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準などを踏まえまして、この三月にガイドラインを改定いたしまして、その際に標的型攻撃等の対策も加えたということであります。
 御案内のとおり、今般の日本年金機構における事案というのは大きな警鐘になったということで、八月十二日に自治体情報セキュリティ対策検討チームが中間報告というものを出したわけでございます。それに基づきまして、現在、インシデント発生時におけるNISCまでの連絡ルートの強化、緊急時対応計画の見直し、訓練の徹底等とともに、セキュリティー専門人材のノウハウを自治体の対策に生かすための仕組みとして、自治体情報セキュリティ支援プラットフォームの整備等を進めるとともに、インターネットのリスクへの対応ということで、安全性の確認、システム全体の強靱性の向上ということを図っておるわけでございます。
 先般の御議論の中では、マイナンバーの施行までに安全性の確認に徹底を努めたいということで、今、鋭意進めておるということでございます。
#349
○福島みずほ君 いや、私がお聞きしたのは、できていない自治体は制度に入れないということでよろしいんですね。
#350
○政府参考人(猿渡知之君) マイナンバー制度の運用等々については、当方としてお答えする立場にございませんけれども、我々としましては、先ほど申し上げましたとおり、組織体制の再検討、職員の訓練等の徹底、インシデント即応体制の整備と併せて、インターネットのリスクへの対応というものを徹底して、自治体の皆さんと一緒に進めていく、それに精いっぱい努めてまいるということでございます。
#351
○福島みずほ君 NISCが幾ら統一基準やガイドラインを作っても、実際はそういう手続を作っていても、今回のこの年金情報流出の本当に教訓は、実際事件が起きたときにそれが全然作動しなかったということにあります。
 ですから、幾らそういう基準を作り、いや、この統一基準が政府の省庁間で適用ありますといっても、でも実際、マイナンバーのときも、それが遮断やいろんなことが的確に行われるのか。それから、自治体の情報が入りますので、それは脆弱なところもたくさんあって、実はそこから漏れていくというふうに私は思っております。
 マイナンバーのところの医療情報なんですが、特定健診とそれから予防接種履歴がリンクをされますが、特定健康診査は、これは、問診票、標準的な質問票などたくさんありますが、要するに例えばどんな薬を飲んでいるかとか、貧血かとか、たばこを吸っているかとか、お酒を飲んでいる量とか、どんな薬を飲んでいるか、そういう問診票とかありますが、これも全部リンクするということでよろしいですね。
#352
○政府参考人(唐澤剛君) 簡潔にお答えいたします。
 私ども、特定健診の情報につきましては、今、実際の受渡しの手順等や様式等を定めておりませんので、今年度中にこの手順については定めたいと思っております。
 ただ、他方で、現在、特定個人情報の管理はそれぞれの保険者ごとの被保険者番号で管理をしておりますので、うまくつながらないということがございますので、基本的には、私どもはこの問診票に載っておりますことをベースにして引継ぎをさせていただきたいと思っております。ただし、文書で記入したようなものをどうするかというようなことについては検討させていただきたいと考えております。
#353
○福島みずほ君 こういう項目がマイナンバーとリンクをしていくということは極めて危険で、実際はその人の、様々な薬を飲んでいるとか、生活習慣も含めたものが全部マイナンバーにリンクするんですよね。だとすると、今回の年金情報漏れの教訓は、本当にきちっと考えないと大変なことになると思っています。
 まだまだ質問したいこともあったんですが、今回、若干、年金情報についてはマイナンバー使う時期を延期をしました。でも、延期どころで済むのかというふうに私は思っておりますし、根本的に問題があると。それから、医療情報、こんな薬を飲んでいるとか、心臓病だとか、腎不全があるとか、問診票にも細かいことを聞いていますよね。こういうものがマイナンバーとリンクをして、それが万が一漏れたら、あるいは製薬会社や生命保険会社にこれが流れないという保証はないわけで、極めて問題だと思います。
 質問を終わります。
#354
○委員長(丸川珠代君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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