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2015/05/26 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 財政金融委員会 第13号
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2015/05/26 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 財政金融委員会 第13号

#1
第189回国会 財政金融委員会 第13号
平成二十七年五月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     宮沢 洋一君     森屋  宏君
     平野 達男君     荒井 広幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         古川 俊治君
    理 事
                愛知 治郎君
                若林 健太君
                大久保 勉君
                西田 実仁君
                藤巻 健史君
    委 員
                石田 昌宏君
                大家 敏志君
                伊達 忠一君
                塚田 一郎君
                長峯  誠君
                西田 昌司君
                森 まさこ君
                森屋  宏君
                山本 一太君
                礒崎 哲史君
                尾立 源幸君
                大塚 耕平君
                風間 直樹君
                前川 清成君
                竹谷とし子君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
                中西 健治君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   赤澤 亮正君
       財務副大臣    菅原 一秀君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        越智 隆雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 伸一君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局長       池田 唯一君
       金融庁総務企画
       局総括審議官   三井 秀範君
       金融庁監督局長  森  信親君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      大森 泰人君
       経済産業大臣官
       房審議官     松永  明君
   参考人
       日本取引所自主
       規制法人理事長  佐藤 隆文君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○金融商品取引法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(古川俊治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、宮沢洋一君及び平野達男君が委員を辞任され、その補欠として森屋宏君及び荒井広幸君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(古川俊治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として金融庁総務企画局長池田唯一君外四名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(古川俊治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本取引所自主規制法人理事長佐藤隆文君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(古川俊治君) 金融商品取引法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○若林健太君 自由民主党の若林健太でございます。ちょっと今日は声がかすれていて、風邪じゃないんですけれども、おみこし担ぎ過ぎまして、お聞き苦しいことはおわびを申し上げたいというふうに思います。
 平成十九年度、金融商品取引法が制定された際に、今回改正の対象となっておりますプロ向けファンドに関して届出制が採用されて、簡素な行為規制とされたというふうに理解しています。
 まず、当時の判断として、どうしてこうした規制となったのかということを政府から御説明をいただきたいと思います。
#9
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 組合型の集団投資スキーム、いわゆるファンドにつきましては、御指摘のとおり、平成十九年に金融商品取引法が制定されました際に、新たにファンドに関する包括的な定義規定を設けて有価証券に指定をし、その自己募集や財産の自己運用を金融商品取引業と位置付けて、原則は登録制とし、各種行為規制を適用することとしたところであります。
 ただ、その際、新たにこうした規制を導入するに当たりまして、金融イノベーションを阻害するような規制とならないように配意するということから、基本的にプロ投資家を対象とするファンドを取り扱う業者につきましては届出制によるものとされまして、適用される行為規制も簡素なものとされたということでございます。
#10
○若林健太君 プロ向けファンドについては簡素な行為規制にしたということでありますが、結果として、この届出を簡易なものにしたというところに付け込んで、問題あるファンドが形骸的に組成をされて、必ずしも金融知識が十分でない一般の投資家を勧誘して、そして投資家被害が発生をしているわけであります。
 被害の実態に対して当局はどのように対処してきたか、お伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(森信親君) プロ向けファンドをめぐる被害については、例えば、設立が比較的容易な投資事業有限責任組合を適格機関投資家として、少額のみの出資を行わせた上で、その他の出資は個人等に対して詐欺的な勧誘を行い、集めるとか、出資金が契約とは異なる投資、ファンドと無関係の会社経費、私費、他の顧客への配当、償還等に流用されるといった問題が確認されているところでございます。
 プロ向けファンドの届出者につきましては、このような法令違反行為やファンド資産の流用等の投資家保護上の問題が認められた場合は、法令違反行為等を直ちに取りやめるよう警告書を発出し、投資家への注意喚起の観点から、届出者の氏名、所在地、代表者の氏名、違反行為等を金融庁及び各財務局のウエブサイトで公表するとともに、警察当局等の関係機関への情報提供を行っております。
 平成二十七年三月末時点におけるプロ向けファンドの届出者は三千百二十三業者でございますが、このうち、警告書を発出した届出者は六十七業者となっております。
#12
○若林健太君 警告書を発出するなど対処はしてきたということでありますが、なかなかこの被害がとどまらない、少なくならないと、こういう状況で今回の改正に至るということだと思いますが、プロ向けファンドの制度の見直しに関して、証券取引等監視委員会や消費者委員会また日弁連などから提言が寄せられていると承知しています。
 一方、ベンチャーキャピタルなど成長マネーを重視して、販売が可能な投資家の範囲を過度に限定をすることなく、新たなファンドの組成に対しても配慮してほしいとの意見も出されたわけでありまして、その辺の調整が今回の改正につながっているというふうに思います。
 今回の改正に当たって、どのような観点から行うことにしたのか、法改正の理念について大臣からお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(麻生太郎君) このプロ向けファンドというものをめぐります問題というのは、善意の第三者に限らず悪意の第三者もいっぱいおるわけですから、そういったことも考えていろいろやらねばならぬということにもなろうかとは思いますけれども、基本的にこの制度の在り方につきましては、何といっても経済を成長に向かわせるためには成長資金というのが必要なのであって、その成長資金というものが円滑に供給されるという観点がまず一つ。
 もう一つは、同時に、今までデフレ等々によって、投資というものをむしろ避けて、金利がほとんど付かないにもかかわらず預貯金に金が回っているというか寝ているというか、そういった状況にある預金、貯金というものを投資に振り向けるという観点というものの側に立った場合、その人たちがだまされるという点、いわゆる投資者を保護するという観点と、両者についてどうやってバランスを取るかというところが一番の観点だったというように思っております。
 このため、昨年の秋以降、金融審議会におきまして、関係者の意見というものをかなり幅広くいろいろ聴取をさせていただき、審議も行い、その結果、本年一月に報告が取りまとめられたものであります。その報告では、ファンドへの信頼というものを確保、言わば、だまされるというような、危ないとかいうイメージではなくて、いわゆる信頼というものを確保して、成長資金を円滑に市場へ供給していくためにも、プロ向けファンドの制度については法律改正を含めた総合的な対応を行っていくということが必要だと提言されております。
 このような金融審議会の報告を踏まえまして、今回の法案を提出させていただいたということであります。
#14
○若林健太君 金融資本市場の在り方を考えていくときに、今大臣がお話しをいただいたように、成長資金の供給ということと投資家保護というこの二つの観点、これが決して相反するものではなくて、制度化に当たっては、両者の要請を満たすよう、それを実現するのが必要だと、こんなふうに思います。
 具体的に、今回の改正に当たってどのような措置を講じることとしたのか、その説明をいただければと思います。
#15
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、成長資金の円滑な供給と投資者の保護というのは、これ簡単に言えば車の両輪であって、別に相反するものではないという、御指摘のとおりだと思いますが、これに当たっては、これ両者の要請を満たすように配慮するというところが一番の要点だろうと思っております。
 今般のプロ向けファンドの制度の見直しに当たりましては、こうした観点に立って、プロ向けファンドにつきましては届出制を維持すると、これがいわゆる投資者保護の一つの方ですけれども、また、いわゆる円滑に、許可ではなくて届出制にするというのが供給するファンド側の立場であって、傍ら、投資者保護の方でいきますと、届出者に対しまして欠格事由を導入する、大丈夫かというような欠格事由を導入すると。それから、適合性の原則というものを入れてリスクなどの説明をする、こういう点はいいですけど、こういう点は問題ありますよと、いろんな、何ですか、いいところと悪いところと、メリット、デメリットをきちんと説明する義務の導入、また、業務の改善・停止・廃止命令の導入等々の罰則の強化、これがいわゆる投資者保護の反対側の方に対する規制であって、こういったものを総合的にやらせていただくということで、今、金融審議会に対する答えとさせていただいているのがこの主たる内容ですよと、はしょり過ぎていますけれども、大体申し上げたらそういうことです。
#16
○若林健太君 ありがとうございます。
 金融商品取引法というのは、今回のこの改正でもありますように、投資者保護と、一方、金融資本市場の育成ということの二つの観点、これを車の両輪として扱う法律だと、こう理解をさせていただいており、今回の改正は、その意味でも実態としてこのプロ向けファンドについて様々な問題があるところを当てて改正をする、こういうことだと思います。
 前回の金融商品取引法の改正では、新規上場会社について上場コストを免除する、市場を育成をするという観点の方から、公認会計士による内部統制報告書監査を上場後三年間免除するというようなことが改正内容として入れられました。
 一方、この後、大久保先生からも御指摘あると思いますけれども、最近、新規上場会社について、業績の見直しなどいろいろな問題が実は多発をしていて社会問題化してきていると、こういうことがあります。
 こういった問題、どういうことに由来しているのか、十分な分析をした上で、引受証券会社だとか監査法人など関係者の協力を要請することはもちろん、制度として点検する必要があると思いますけれども、金融庁としてどんな対応をされているか、お伺いしたいと思います。
#17
○政府参考人(池田唯一君) 最近の新規公開に関しましては、その件数が増加するなど活性化しております一方で、御指摘のとおり、株主、投資者の信頼を損ないかねない事例が散見されているところでございます。
 こうした中で、日本取引所グループでは、最近の事例を踏まえて、新規公開の質的な向上を図るべく、経営者の不適正な取引に係る上場審査の強化ですとか、上場時に公表される業績予想について、その前提条件や根拠について開示の充実を図るといったことや、上場時期の集中緩和に向けた取組等の対応を講じているところであります。
 金融庁としましては、取引所を始めとする市場関係者において、このような対応が主体的に進められることにより新規公開の質的な向上が図られていくことが重要と考えておりまして、まずはこうした市場関係者の対応の状況を注視してまいりたいと考えております。
 なお、冒頭に御指摘がございました新規公開企業に対する内部統制報告書監査の取扱い、一定期間、内部統制報告書監査を受けないことを選択できる制度の導入につきましては、この五月二十九日からこの改正法については施行されるということになっております。
 その運用に当たりましては、例えば内部統制報告書監査の免除を選択している新規公開企業が、例えば財務諸表監査で限定意見となったような場合には、その免除を継続することがないよう慫慂することなどによりまして、新規公開企業の財務報告の信頼性が十分確保されていくよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#18
○若林健太君 前回の改正は施行がこれからだから、今回のIPO、株式等についての様々な疑念、問題については関係ないと、こういう御答弁で、もちろん直接は関係ないということだと思いますが、しかし、投資家保護とのバランスということについて言えば、上場コストを削減するという名の下に、ある意味では緩和したということになるわけで、そういったことの影響も是非今後よく見ていく必要があると、そのことは御指摘を申し上げたいというふうに思います。
 私の持ち時間、そろそろ終わりでございますので、以上、御質問をさせていただきました。ありがとうございました。
#19
○大久保勉君 民主党の大久保勉です。
 まず、私の前の若林理事の質問で、プロ向けファンドに関してよく内容が分かりました。
 実は、金商法というのは毎年改正があって、今年も法律改正だったんですが、私よく分からないのは、ある部分に関しては府令の改正にとどめる、ある場合は法律の改正と。この改正に関しては、本当に法律の改正が必要であったのか、本当だったら府令でよかったのに、今年は金商法の法案が出ない、だから無理やり取って付けたんじゃないかというような懸念もあります。特に、元々は内閣府令で処理しようと思っていましたら、ある一ベンチャーファンドの関係者が陳情に来て内容を変えた、だから法律改正だと。こういった経緯に関して御説明をお願いしたいと思います。
#20
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 プロ向けファンドに関しましては、投資者被害が増加しているという現状の下、昨年四月に消費者委員会等から投資者の要件を厳格化すべきであるという意見が出されたところであります。そして、こうしたことを踏まえまして、出資者の範囲を一定の範囲のものに限定する、元々金融商品取引法ではこの具体的な出資者の範囲は政令あるいは内閣府令に委任がされておりましたところから、こうした出資者の範囲を限定するための内閣府令の改正案を昨年五月にパブリックコメントに付させていただいたところであります。
 このパブリックコメント案に対しましては、一方では、投資者保護の観点からプロ向けファンドの個人への販売は禁止すべきであるというような意見が出された一方、ベンチャーキャピタルの関係者等からは、販売が可能な投資家の範囲が私どもの案では狭過ぎて新たなファンドの組成が困難になりかねないとの意見をいただいたところでございます。
 このような状況を踏まえまして、昨年秋以降、金融審議会においてプロ向けファンド制度の在り方について審議を深めさせていただいたところでございますが、この金融審議会の報告におきましては、成長資金の円滑を確保しつつ投資者保護を確保していくためには、出資者の範囲の見直しのみによる対応では適切な対応が行えなく、そうしたことに加えて、プロ向けファンドを悪用する者などに対して適切な行政対応等を取ることができるなどの法律改正も含めた総合的な対応を行っていくことが必要という提言をいただいたところでございまして、こうした経緯を踏まえまして、最終的には法律改正も併せた措置が必要と判断させていただいたところでございます。
#21
○大久保勉君 ポイントは、どういう事例が府令で大丈夫で、どういう事例が法律改正か、この辺りがまだ曖昧な部分があります。その辺りはしっかりと基準を今後とも明確にしてほしいと思っています。
 今回の改正は、証券市場全体から考えましたらある程度は重要でありますが、ただ、もっと重要な事例があるからもっと先にここで議論すべき点があるんじゃないかという観点からこれから質問したいと思います。
 まず、今年は日本郵政で、来年はJR九州等の大型のIPOが計画しております。こういったIPO、新規上場に関しましては、特に復興予算に関する日本郵政の問題等も重要でありまして、絶対に成功させないといけないということで、どうやったら新規上場市場を活性化していくかというのは極めて重要だと思います。
 それで、まず政府参考人に質問したいんですが、今回の日本郵政とJR九州、上場の時期はいつぐらいか、また政府として注意すべき点がありましたら答えてもらいたいと思います。
#22
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 日本郵政グループ三社につきましては、本年度半ば以降、売出し、上場することを目指す旨、公表をされているというふうに承知をしております。また、JR九州につきましては、国土交通省のJR九州完全民営化プロジェクトチームの取りまとめにおきまして、JR九州の上場は平成二十八年度を目指すことが適当であるとされていると承知をしております。
 証券取引所への上場につきましては、証券取引所におきまして、有価証券上場規程等に基づいて審査、そして上場承認の是非の判断が行われるところでございまして、金融庁としては適切な審査等が行われることを期待しているところでございます。
#23
○大久保勉君 今、日経平均が二万円を超えて、非常に株が上がっています。一九八〇年代のバブルの発生時を非常にほうふつするような状況でありまして、当時はNTT株の新規上場というのもありました。今回、日本郵政の上場、しっかりとした上場市場をつくっていかないといけないと、こういう観点から質問したいと思うんです。
 まず、新規上場市場に関して、どういうふうなパフォーマンスになっているかということで質問したいと思います。
 直近の三年間で、全体の新規上場、IPO銘柄に関して、IPO時と半年後を比較して株価が上昇した銘柄の数、下落した銘柄の数を教えてください。
#24
○政府参考人(池田唯一君) 東京証券取引所に確認させていただきましたところ、二〇一二年四月から二〇一五年三月までの三年間に新規公開をしました銘柄が百九十一銘柄ございますが、このうち、IPO時と半年後を比較しまして、株価が上昇した銘柄は百五十三銘柄、株価が下落した銘柄が三十八銘柄であるというふうに承知をしております。
#25
○大久保勉君 資料一を御覧ください。金融庁経由で東京証券取引所から提示してもらった資料なんですが、全体で百九十一社、そのうち八〇%は半年後、株が上昇しているということです。ですから、恐らく日本郵政とか若しくはJR九州も、新規上場時に買った株式、上がる可能性が過去の事例から考えたら高いと。こういうことで、相変わらずIPO市場に関しては非常に人気があるといったことも言えるかなと思っています。
 しかし、最近、変わった事例が出てきております。例えば、下の方で、うち下方修正、実は上場して半年以内に業績を下方修正した銘柄が全体で一〇%あります。そのうち、株価が下落したところが八社あるということで、この辺りが最近増えてきているということで今回の質問をしたいと思います。
 資料の二を御覧ください。これは前回紹介した表なんですが、東証の方に作ってもらいましたが、過去三年間の業績の下方修正銘柄、二十銘柄、そのリストです。
 特に注意してもらいたいのは、上場時の時価に対して直近の四半期下がった銘柄、これがB割るところのA、パーセントになっていますが、例えば四九・八%というものがあります。これはgumiという会社です。十九番は五三・四%、フルッタフルッタ。その上は、OATアグリオというのが五一・五%。十五番、ジャパンディスプレイ、六九・一%になっていると。ここのところ、どうも業績が下方修正されて、株価も下がっているところがあると。たまたまなのか、それとも構造的な問題なのかということで質問したいと思います。
 まずは、今日は佐藤理事長に来てもらいました。実はもうこの委員会でも非常におなじみの金融庁長官でありまして、実は麻生大臣も、最近の金融庁は非常に良くなったと、前は金融処分庁だったのが最近はしっかりと、いわゆる産業としての金融を応援していると。こういった方向性を打ち立てたのが私は佐藤長官だと思います。これまでの処分行政から、しっかりと金融機関と協調し、対話をし、そして、いわゆる日本の金融市場を発展させていると。そういう方が今度は東証の自主規制機関の理事長ということで、引き続きリーダーシップを発揮してもらいたいという観点で今日はお呼びしまして意見交換をしたいと思います。非常に重大な役割がありますから、是非今日は真剣に議論したいと思います。
 まず、東証の方で、証券業協会と公認会計士協会に宛てました新規公開の品質向上に向けたお願いというのがございます。この背景を説明をお願いします。
#26
○参考人(佐藤隆文君) 日頃より取引所の業務につきまして深い御理解と多大な御支援を賜っておりまして、改めて御礼申し上げます。
 御質問にお答えする前に、一言申し上げさせていただきます。
 今般、新規公開会社におきまして、経営者による不適切な取引であるとか、あるいは投資家の不信感を惹起するような上場直後の大幅な業績予想修正といった問題が相次いだところでございまして、上場審査に関わった者といたしまして、このような事態を大変残念に思っておりますし、また重く受け止めているところであります。
 新規上場企業が幅広い投資家の投資対象となるためにふさわしい会社であるか、つまりパブリックカンパニーとしてふさわしいかという適格性を私ども審査しておるわけでございますけれども、上場審査及び関連業務について、私どもの業務遂行について改善の余地がなかったか、あるいはこれまでの対応で不十分な点はなかったかという点を検証を行いまして、三月の時点で、これまでに把握された問題点について所要の改善策に着手させていただいたというところでございます。
 市場の透明性と公正性、これは我が国資本市場の持続的発展と繁栄のために不可欠の大前提であると思っております。その維持向上を担う役割を担っております日本取引所自主規制法人といたしましては、改めて気持ちを引き締めて任務に当たっていきたいというふうに思っております。ちょっと長くなって恐縮でございました。
 御質問へのお答えでございますけれども、三月三十一日付けで私どもから、東証の清田社長と私の連名で日本証券業協会及び日本公認会計士協会に対してお手紙を出させていただきました。
 そのまず前提となる問題認識でございますけれども、これは今申し上げたとおりでございまして、経営者による不適切な取引とか、あるいは上場直後の大幅な業績予想の下方修正といったことが相次いだということでございまして、こういった状況を放置しておけば市場の信頼性が損なわれかねないという問題意識を強く抱いたところでございまして、これを受けまして、取引所としての対応でございますけれども、まず、日本取引所自主規制法人及び東京証券取引所といたしまして、一つは経営者の関与する取引について審査を厳格化する、そしてもう一つは、業績予想に係る前提条件や根拠、これを適切に開示するよう新規公開会社に対して強く要請すると、この二つの対応を柱に対策を取りまとめて、三月末から実施をしているというところでございます。
 それで、具体的な書簡の目的でございますけれども、これは、今申し上げましたような私どもの問題意識、それから取引所として取っている施策につきまして、証券市場のゲートキーパーとしての重要な役割を担っておられる主幹事証券会社及び監査法人の皆さんと共有したい、共有していくということ、それともう一つは、それぞれのお立場から、監査法人あるいは主幹事証券会社におきまして取引所の施策に御協力をお願いする、あるいは御支援をお願いすると、こういうことを目的として出させていただいたものでございます。さらに、そのために、両協会からそれぞれの会員に対しまして周知をしていただき、呼びかけていただくということを加えて要請いたしております。
 両協会での取組につきましては、両協会はそれぞれが自主規制機関でもございますので、自主規制機関としての独自の取組を御検討いただくようお願いもいたしておりまして、それぞれの協会で検討を進めていただいているというふうに承知いたしております。
 ありがとうございました。
#27
○大久保勉君 ありがとうございます。
 もう少し具体的な事例に関して質問したいんですが、実は、東証のこの書簡の発表を受けまして、すぐに日経新聞社説がこの問題を取り上げました。その後は東洋経済社の方が、「続出するお粗末IPO、問題の本質はどこに 「上場ゴール銘柄」はgumiだけではない」といった記事もありますし、その後は週刊ダイヤモンドの方で、東証一部上場後、僅か二か月半で下方修正したgumiなど新興企業が東京証券取引所のげきりんに触れた、その怒りの矛先は主幹事を務める野村証券にまで及んでいると。この辺りの方がもう少し、より本質が分かるのかなと思います。
 今日は資料の方を準備しましたが、資料三といいますのが、東証が日本証券業協会、その次に公認会計士協会に宛てた書簡です。
 一番最後のページを御覧ください。こちらは金融ファクシミリ新聞というもので、かなり専門的な新聞になっていまして、今回の本質、様々な論点を提起しておりますので、これを使って質問したいと思います。
 例えば、金融ファクシミリ新聞、三月三十一日には、「「新手の詐欺」との声も」ということで、いわゆるIPO詐欺といったことが言われています。こういったことに対して是非大臣の方に質問したいと思いますが、十二月に上場したgumiが業績見通しを黒字から赤字へと下方修正、そしてリストラを発表しました。このような事例は過去にあるのか。そして、ちまたではIPO詐欺という批判もあります。やはり、IPO市場にとって信頼性というのは極めて重要ですから、大臣のお言葉をいただきたいと思います。
#28
○国務大臣(麻生太郎君) これは、大久保先生、まず、御存じのように、前提として、個別の案件につきまして、私どもの立場でこのような場所でコメントすることはまず差し控えさせていただくということであります。
 その上で、次に、どのような事例を御指摘の事例と同様の事例とするか、ちょっとお答えは結構難しいところなんですが、東京証券取引所によれば、最近三年間の新規公開案件のうち、上場時の業績予想から半年以内に黒字から赤字に下方修正しているものは、今言われました御指摘の案件以外に二件あると聞いております。
 したがいまして、一般論で申し上げれば、業績予想の修正につきましては様々な要因も考えられるところでありますが、その原因、要因について十分な説明等が行われないということは、これは投資家のいわゆる新規公開への信頼、投資をするに当たっての信頼を失いかねないということでありまして、適切ではないと、基本的にそう考えております。
#29
○大久保勉君 個別の問題は、銘柄は扱わないということなんですが、一般論としましては、黒字予想だったのが二か月か三か月して赤字になったということは相当大きいことだと思いますし、こういったものが頻発しましたら、何をもって上場審査がなされているのか、若しくは上場予想がなされているのかと、こういった問題もあります。
 また、もう一つ、ジャパンディスプレイという会社があります。ここは東証の一部上場。上場する場合にいろんな上場の仕方がありますが、マザーズで上場して、それから二部、一部に行くといったケースもあります。これだったらいいんですが、しょっぱなから一部になると。非常に一部上場というのは権威がある、それなりにしっかりとした会社でないといけないと。
 ところが、今回の、先ほどのgumi及びジャパンディスプレイは一部に上場していて、また時価総額がほかの案件に比べて非常に大きいと。例えば、ジャパンディスプレイは五千四百億の新規上場時価になっています。これは政府のお金が入っています。ここをしっかりやっておかないと、場合によっては日本郵政であったり若しくはJR九州のIPOにも影響します。ですから、そこはしっかりと国としても襟を正して厳密にやってほしいということなんです。
 ここで、ジャパンディスプレイに関して、是非これも麻生大臣に確認したいんですが、ジャパンディスプレイは上場して半年以内に業績下方修正で、収益が半減しています。もう少し詳しく見ますと、二〇一四年三月十九日に上場したら、僅か一か月半で下方修正と。さらには、数度にわたって下方修正をしているということです。こういったことでしたら、本当に上場させてよかったのかと、こういった疑義もあると思います。
 これは、一般論として、こういった事例に対して大臣としてどう思われるのか。一部上場である、大型案件である、国が関与していた案件である、こういった観点でお願いします。
#30
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますけれども、個別の案件についてのコメントということについては差し控えさせていただきますというのを、まず最初に重ねて申し上げておきます。
 繰り返しになりますけれども、一般論で申し上げれば、業績予想の下方修正というものは、これは様々な要因が考えられるとは思いますけれども、その要因について、先ほども申し上げましたように、十分な説明が行われていないということにつきましては、これは投資家の、新規公開というものに対して、これは大丈夫かいなという、非常に信頼を失いかねないということで甚だ不適切と考えております。
 今般、同様の問題意識だと存じますが、日本取引所グループにおいて、上場時に公表される業績予想につきましては、前提条件やその根拠というものの適切な開示を要請するなどの措置が講じられたものだと承知をいたしております。
#31
○大久保勉君 投資家の立場から考えたら、買った途端に業績の下方修正と、非常に不満が大きいと思います。
 そこで、金融庁に質問したいんですが、金融庁は金融サービス利用者相談室というのがありますが、そこに様々なIPOに関する相談案件があると思います。例えば、先ほど出てきましたジャパンディスプレイ、OATアグリオ、フルッタフルッタ、gumiに対する相談件数を教えてください。
#32
○政府参考人(三井秀範君) 御指摘いただきました四社の上場日以降の相談受付件数でございます。
 株式会社gumiについては八件、株式会社ジャパンディスプレイについては二十八件、OATアグリオ株式会社については一件、株式会社フルッタフルッタについては一件となってございます。
#33
○大久保勉君 これだけ、特に二十八件ジャパンディスプレイに、そして、八件gumiに相談が来ているということですから、こういった相談に関しては何か金融庁として対処すべきと考えているか、麻生大臣に対して質問します。
#34
○国務大臣(麻生太郎君) これは、金融庁といたしましては、設けられております相談室に寄せられた相談というものをよく分析をさせていただく、必要に応じて関係者と情報を共有するということだと存じますが、行政として対応が必要なものにつきましては、これらの情報を活用させていただくということになると存じます。
#35
○大久保勉君 それでは、証券等取引委員会、独立機関ということで大森事務局長に来てもらっておりますが、監視委員会としては、こういったいわゆる相談事例といいますのは何らかの参考になるんですか。
#36
○政府参考人(大森泰人君) 金融庁の金融サービス利用者相談室に寄せられた情報のうち、金商法違反に関係するものについては、私ども証券取引等監視委員会としても遅滞なく共有しまして、業務の参考として活用しているところでございます。
#37
○大久保勉君 例えば、業績の下方修正の前に内部情報を持った経営者が株を売った場合は、これはどういう事例に当たりますか。金融庁に質問します。
#38
○政府参考人(池田唯一君) 一般論としてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、仮に、重要事実に該当いたします業績予想の下方修正の情報を職務等に関し知った上場会社の役員等が、当該情報が公表される前に当該上場会社株式の売買を行ったというような場合には、インサイダー取引規制に違反するということが考えられようかと思います。インサイダー取引規制違反に該当することとなった場合には、罰則あるいは課徴金賦課の対象となるということでございます。
#39
○大久保勉君 今回どうして質問しているかといいましたら、IPOゴールという言葉がありますが、経営者にとってはとにかくIPO、新規上場したらもうそれで逃げ切ったと、あとはもう全く関心がない、こういう状況があったら投資家は誰も信用しないよと。さらに、IPOのときには業績はげたを履かせて非常に高めに出す、そうしたら、二、三か月して下方修正をする、場合によってはその間に持ち株を売ってしまうと。こういうことがもし行われていましたら非常に不公平でありますから、この辺りは厳に慎まないといけませんし、そういうことをさせないと。金融庁、証券等監視委員会、さらには東証として大きな責任があると思います。
 今回、資料の三の中で、東証及び日本取引所自主規制法人があえてこういった書簡を出したことに関しては評価しますが、しかし、この書簡を出したから仕事が終わったというふうには、私は東証とか自主規制法人は考えるべきじゃないと思います。つまり、あなたたちの仕事でしょう、それを人に押し付けるのはおかしいと。
 これを見ましたら、申し上げますと、大変残念なことに、最近、新規公開会社の経営者による不適切な取引など、新規公開に関する株主、投資者の信頼を損ないかねない事例が散見されますと、こういう事例があります。
 そこで、佐藤理事長の方に質問しますが、例えば、一ページ、その下に、新規公開会社の経営者による不適切な取引への対応、並びに次のページ、上場直後の業績予想の大幅な修正への対応、こういったのは、過去にそういった事例があったと判断したから佐藤理事長の方で書簡を出したんですよね。どういう事例があったんですか。こういった書簡を出すに当たった事例はあったのか、あったとしたらどの会社か。
#40
○参考人(佐藤隆文君) まず、新規公開会社の経営者による不適切な取引につきましては、経営者による会社資産の私的流用、これはアイセイ薬局というケース。個別名詞は通常出しませんけれども、この会社につきましては私どもで特設注意市場銘柄に指定しておりまして、そのときに公表しておりますので引用させていただきますけれども、そういうケースであるとか、あるいは、回収可能性の低い取引の経営者の独断での実施、これはエナリスという会社でございますけれども、あるいは、経営者が関与した架空の売上げ計上といったケースがございまして、パブリックカンパニーの経営者としてのコンプライアンス意識の欠如というものが著しかったということでございます。こういったケースがございました。
 また、上場間もなくの時期に大幅な業績の下方修正をしたケースにつきましては、業績予想が外れるというのは様々な要因がございますけれども、やはりトータルとして考えたときに、その業績予想を立てる際の見積りの仕方が十分に慎重でなかった、あるいは十分に合理的な根拠に基づいていなかったというような可能性があると思いますし、また何よりも重要なことは、業績予想を立てる際の根拠となった事実あるいはデータ等につきまして、投資家が納得していただけるような十分な開示が必ずしもなされていなかったと、こういうケースもあるということで、この辺が問題であろうかというふうに思っております。
#41
○大久保勉君 よく分かりました。
 例えば、東証一部及び二部の上場審査基準というのがあります。これは東証若しくは日本取引所自主規制法人が自ら作ったものです。どういうふうな上場基準になっているかといいますと、今後において安定的に利益を計上することができる見込みがあることと。つまり、東証自らが自分たちの判断で上場させる基準を作り、そして審査をしています。ということは、証券会社とか若しくは公認会計士協会にお願いするんじゃなくて、自らの判断でやるべきだと思うんです。
 そこで、下方修正をした、例えばジャパンディスプレイとかgumi、固有名詞等を言えなかったら、的なことを発表したところに対して、東証自らが問題なしということで上場審査を通したわけでしょう。そこに対する反省はないんですか。
#42
○参考人(佐藤隆文君) 先ほども申し上げましたように、私ども上場審査に関わった者といたしまして、御指摘の点、重く受け止めているところでございますし、また、私どもの業務自身に不十分な点はなかったかという点を振り返ったわけでございますけれども。
 御指摘いただきましたように、例えば、典型的には東証一部、二部あるいはジャスダックなどの場合には、審査基準の一つとして、今後において安定的に利益を計上することができる合理的な見込みがあることと、この点のチェック項目がございまして、これが、マザーズの場合ですと、成長のための事業計画とそれを実行するための事業基盤があることと、こういったふうにちょっと変わっていますけれども、こういった審査基準がございます。
 こういった基準に基づきまして、上場審査のプロセスの中では、当該申請企業が属している業界、産業の動向であるとか市場規模の盛衰、あるいはグローバルな視点でのライバル企業の評価と分析、また、これらを踏まえたマーケティングというのが十分な深度で行われていたのかどうか、あるいは楽観的とも思われる前提条件に基づいて業績予想を策定していたのではないかと、こういった可能性があるというふうに思っております。
 こういった点につきまして、上場審査では、業績予想が十分合理的な前提条件に基づいて策定されているかという点につきまして、私どもができる範囲で可能な限りの確認を行いまして、その時点では上場を拒むほどの明確かつ強い不安材料というのは認められませんでしたので、上場をお認めしたということでございます。
 私ども、常日頃考えておりますけれども、業績予想というのは、精度の高い業績予想を立てるには相当高いエクスパティーズが求められるものだろうというふうに思っておりますし、また、個別企業で対応するにはちょっと限界があるような大きな情勢の変化、特にグローバル市場での大きな変化といったこともございますので、結果として当初の予想から一定の乖離が生ずるというのはある程度やむを得ない面もあるかというふうに思っておりますが、業績予想を合理的な根拠に基づいて職業的な慎重さを持って十分に保守的な積み上げを行ったかどうか、その根拠をかつ丁寧に開示しているかどうか、この点が重要であると思っておりまして、こういった認識の下に先ほど御紹介させていただきました私どもの対応をまとめたということでございます。
#43
○大久保勉君 非常にいい話を聞きました。
 実は、一番最初に佐藤さんの話をしましたのは、金融行政に関して、いわゆる処分行政から金融機関と協調して対話をしながら金融行政を良くしていこうと、こういう決断をされました。
 今、東証等にも必要なことは、非常に難しい部分があります。問題がある事例があって、じゃ、上場基準を極めて厳しくして、もう上場できないという状況にしてしまったら、これは証券市場がなくなってしまいます。ある程度は緩めないといけないんだけれども、そこにはやはりプロといいますか、本当に専門家の知見が必要で、そのバランスを取っていくことが必要ですから、まさに佐藤さんが金融庁の長官としてやったことを是非東証で行ってもらいたいと思うんです。そのためには、上場審査の質が重要、できるのかということです。特に、最近はIT業界、ゲーム業界、非常に予想が難しい業界の上場が増えています。そこに審査できる人が本当にいるかということなんです。この辺りはいろいろ工夫しないといけないかなと思っています。
 上場審査の担当者が三十五人ということで、なかなか大変だなと。場合によっては、外部の人を活用するとか、若しくは公認会計士を活用すると、こういったことも必要でありますが、この点に関しては何か御所見がありますか。
#44
○参考人(佐藤隆文君) 御指摘いただきましたように、各業界それぞれ様々な複雑な審査着眼点というのがあろうかと思います。御紹介いただきましたディスプレーの業界あるいはゲームの業界、それぞれについて審査を行うに当たりましては、一定の専門性が求められるということであろうかと思います。他方で、審査をする立場でございますので、余りにその業界に近過ぎるというのもいかがかという観点を持っておりまして、程よい距離感を持って審査をしていく。
 ただし、その際に専門性をしっかりと発揮していくことが必要でございます。私ども三十五名という比較的小規模な世帯でやっておりますけれども、銘柄の審査を行いますときには、典型的には、通常の銘柄ですと一つの銘柄について三名のチームをつくりまして、そのチームで審査を行うということにしております。課長クラス、そしてその補佐クラス、それから担当者というような組合せですけれども、三名のチームでやっておりますが、そのうち一人はほぼ必ず似たような類似のケースを担当した経験があるとか、そういったことでやっておりまして、あるいは中での様々な会議で知識を共有するということもやっております。こういったことで工夫いたしまして、専門性を発揮しながら対応していくということでございます。あと、もちろん我が社、我が社と申しましょうか、JPXもそれから自主規制法人も、外部の公認会計士の方々、弁護士の先生方等々に出向していただいておりまして、これらの方々のエクスパティーズも一緒に活用しながらやっているということでございます。
 全体として上場審査の質を高めていかなくてはいけないというふうに思っておりまして、御指摘ありがとうございました。
#45
○大久保勉君 時間がありませんので、最後の質問に参りたいと思います。
 資料の四の一番最後のパラグラフに、市場関係者の意見によれば、引受証券は引き受けて何ぼ、東証はそれを厳格に審査し、上場企業の品質を保って何ぼという役割分担と収益構造の違いを勘案する必要があるということで、今回は証券取引所が証券会社並びに公認会計士に対してしっかりしろと言うこともいいんだけれども、まずは自分たちがしっかりすべきであるといったことを言っています。
 これは、もう最後は、質問時間がありませんから、佐藤さんに、是非そのことを肝に銘じて、東証の体質を変えてほしいと思います。一般的には、お役所よりもお役所的な東証をしっかりとこういった市場の番人として機能させてほしいということを申し上げまして、私の質問を終わります。
#46
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 今回の改正法案によりまして、これが全面施行した後には、これまで被害を訴える人のほとんどがいわゆるプロ向けファンドの販売の対象から外れるということになろうかと思います。しかし、この規制が強化される前に、つまり全面施行になる前に悪質ファンドが荒稼ぎをするという懸念もございますので、その点からまずお聞きしたいと思います。
 この法案の中には様々な経過措置が設けられております。ここで具体的に年内に施行される規制はどういう規制なのか、また、業規制あるいは行為規制そのものが全面施行されるのはいつからなのか、これをまずお聞きしたいと思います。
#47
○政府参考人(池田唯一君) まず、今回の法律の施行の時期でございますけれども、法律案では、公布の日から起算して一年を超えない範囲において政令で定める日から施行するとされております。
 法の施行のタイミングにつきましては、施行に必要な政令、内閣府令の整備や、あるいは新たに規制を受けることとなる関係者における対応ということも必要となりますから、具体的な日程を現時点で申し上げることは困難な面がございますけれども、投資者被害が発生している実態を踏まえて、できるだけ早期に施行できるように取り組んでまいりたいと考えております。
 また、併せてお尋ねがありました今回の法改正の適用、それから経過措置につきましてでございますが、これにつきましては、まず、適合性の原則あるいは説明義務等の行為規制につきましては、法施行後直ちに適用されるということでございます。
 次に、法施行時点において現にプロ向けファンドを行っているものにつきましては、施行日前に勧誘を開始した権利に係る運用につきましては引き続き行うことができるということが法の附則第二条に規定されておりますが、新たな勧誘については改正後の要件を満たすものでなければ行うことができないこととされております。
 さらに、法施行時点において現にプロ向けファンドが行っているものにつきまして、今回の法改正では届出事項の拡充等が行われておりますので、これらにつきましては六か月以内に届出事項の追加提出を行わなければならないといったことが法附則第三条に定められているところでございます。
#48
○西田実仁君 この附則に罰則に関する経過措置というのも設けられておりますが、これについてちょっと御説明いただけますか。
#49
○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#50
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
#51
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 罰則に関する経過措置につきましては、「この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。」とされているところでございます。
#52
○西田実仁君 冒頭申し上げましたように、この改正法の全面施行前にどうしても荒稼ぎをするような悪質ファンドがいる可能性が、出ないとも限らないということでありまして、現行法の運用も含めまして対応できることはなるべくして、被害者を出さないようにしなきゃいけないわけでありますが、どういう対策を金融庁としてお考えか、お聞きしたいと思います。
#53
○国務大臣(麻生太郎君) 規制を強化する前に荒稼ぎするような手合いに対してどのような対応をするかという御質問なんだと思います。
 プロ向けファンドの届出につきましては、法令違反者が認められた場合は、これは現行法の枠組みの中でいわゆる警告書を出すとか、公表するとか、また裁判所への禁止又は停止命令の申立て等、こういったようなことを厳正かつ迅速に対応してまいりたいと思っております。
 いずれにしても、投資家の被害が出てきているということを考えると、これは一刻も早い、この本法案に盛り込んでおりますいわゆる総合的な対応というものを講じていくことが必要であると考えております。
#54
○西田実仁君 次に、不適切なファンドを届出の段階でどう排除するのかということについてお聞きしたいと思います。
   〔委員長退席、理事若林健太君着席〕
 今回は、届出制は変えずに、登録制にすることはないわけでありますが、この特例業務の届出におきまして、何をどう審査するのか、届出書の客観性の担保をどう図るのか、また審査体制はどう充実されるのかについてお聞きしたいと思います。
#55
○政府参考人(森信親君) 今般の改正法案では、これまでの投資者被害を踏まえまして、届出事項及び添付書類を拡充するとともに、届出者について欠格事由を導入することなどとしております。
 金融庁としましては、この拡充される届出事項や欠格事由について、添付書類の内容などを踏まえまして、ヒアリング等を通じて厳格な確認を行うなど、より一層適切な審査に努めてまいりたいと考えております。
 また、執行の体制面につきましても、ただいまは限られた人員の中で、投資家保護のため、効果的、効率的な監督に努めているところでございますが、今般の改正内容を踏まえ、必要な定員の要求を行うなど、体制の整備強化を図ってまいる所存でございます。
#56
○西田実仁君 続いて、プロ向けファンドの出資者の範囲見直しについてお聞きしたいと思います。
 特例業務届出者によるプロ向けファンドの販売が認められる投資家に該当することの確認はどのように取るのか。例えば、今回の改正では、富裕層個人、すなわち、それは投資性金融資産は一億円以上保有するというめどが示されておりますけれども、これをどう保有しているかどうか判断するのか、また、ファンド運用者の親会社、子会社等の役職員等というのが認められておりますけれども、この等の中に何が入り、またそれをどう見分けるのかということについてお聞きしたいと思います。
#57
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 まず、お尋ねの投資性金融資産を一億円以上保有する個人というものをどのように確認していくかという点でございます。
 個人が保有します投資性金融資産の金額の確認方法につきましては、例えば、現在金融商品取引法の既存の制度として存在しております特定投資家制度等の下では、取引の状況その他の事情から合理的に判断するということとされておりまして、この点については、従来から、金融商品取引業者が適合性原則を遵守するために顧客の財産の状況等を顧客の申告や預かり資産等により把握し、これに基づいて投資性金融資産の保有状況を判断するということが行われているところでございます。
   〔理事若林健太君退席、委員長着席〕
 プロ向けファンドの販売時におけます顧客の資産状況の確認方法については、健全に営業しているプロ向けファンドの実務にも支障が生じないよう配慮していく必要があるものと考えられますけれども、販売が認められる投資家に該当するか否かの確認が確実に行われることとなるような手当てについて検討をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
 お尋ねの役職員等の中には、例えば会社の役員、従業員、コンサルタントなどとして会社の設立等の業務に従事している者を想定しておりますし、また、上場会社等の役員、元役員等につきましては、ファンドの業務執行組合員、あるいは元業務執行組合員といった者を想定しているところでございます。
#58
○西田実仁君 この等の中には、親族等も入るのでしょうか。
#59
○委員長(古川俊治君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#60
○委員長(古川俊治君) 速記を起こしてください。
#61
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 お尋ねは上場会社等の役員等の部分かと思いますが、ここについて親族を入れるということは想定しておりません。
#62
○西田実仁君 ベンチャーファンドにつきましては、通常のプロ向けファンドと、さらにその販売の対象、出資者の範囲を広げるということのお話が今一部ございましたが、なぜこのベンチャーファンドにのみそのような出資者の範囲を広げることを認めるのか。また、ベンチャーファンドとは何かという定義についてどのようにお考えなのか、大臣にお聞きしたいと思います。
#63
○国務大臣(麻生太郎君) このベンチャーファンドは、いわゆるベンチャー企業というものへの資本供給というものを行い、経営に参画する等々、今後の日本の経済成長にとりましては、このベンチャーファンドの力によってベンチャー企業の育成というものが重要な役割を果たすものだと思っておりまして、私どもとしてはその必要があると考えております。
 ベンチャーファンドの役割に加えて、いわゆるアメリカにおけます制度、例のドッド・フランク法のことですけれども、これを踏まえまして、ベンチャーファンドにつきましては、いわゆるガバナンスの確保とか公認会計士による会計検査等々の実施、また一定の体制が整備されているということを前提に出資者の範囲というものを広げることにさせていただいております。
 ベンチャーファンドの定義という御質問でしたが、金融審議会における報告書を踏まえ、今後、政令また内閣府令において具体的な定義を定めていくこととしておりますが、非上場企業への出資が例えば八割以上であるとか、また原則としてレバレッジがないこととか、また原則として途中償還がないこととか、ベンチャーファンドとしての投資戦略を取っていることを明確に説明していることなどを考えておりますが、基本的には米国のドッド・フランク法にほぼ似たような例として引かれておるものだと考えております。
#64
○西田実仁君 もう時間でありますので、飛ばしまして、最後お聞きしたいと思いますが、日本証券業協会では、高齢顧客に対する勧誘、販売に関する自主規制等の制定ということが、一昨年でしょうか、定められてございます。それぞれの会社が、高齢者とは何かとか、あるいはその際の取引をどうすべきかというようなことの社内規則を定めている、そのガイドラインを業界として規定しているということであります。
 こうした高齢顧客との金融商品取引全般について、こうした業界による自主規制というのも大事なんでしょうけれども、国として、こういう高齢顧客との金融商品取引をどう健全に保っていくのか。今回の法律の附則第十四条には、検討というのを五年後に加えるようになっておりますけれども、そうしたことも踏まえて、最後、大臣にお聞きしたいと思います。
#65
○国務大臣(麻生太郎君) 高齢顧客とのいわゆる金融商品の取引につきましては、平成二十五年の十二月に日本証券業協会が、投資経験や健康状態などを踏まえて慎重な投資勧誘を行うことというガイドラインというものを決めております。もう御存じのとおりでありますが。
 金融庁におきましても、銀行、保険会社、証券会社などに対して、それぞれの監督指針において高齢者顧客に対する適切な勧誘、販売体制というものを確保することを求めておるところであります。
 引き続き、金融機関等々が高齢顧客への適切な勧誘、販売形態の確保を行うように促してまいりたいと考えております。
#66
○政府参考人(池田唯一君) 申し訳ございません、先ほどお尋ねの親族の関係ですが、ベンチャーキャピタルに関します上場等のところは先ほどお答え申し上げたとおりですが、仮にお尋ねが適格機関投資家特例業務の届出者と密接な関連を有する者というものの関連で、その届出者の親会社等の関係の親族というものを含むかというお尋ねでありますと、そこについては三親等以内の親族を含めるということを検討させていただいているところでございます。
#67
○西田実仁君 終わります。
#68
○藤巻健史君 維新の党の藤巻です。
 質問をたくさん用意したんですが、きっと終わらないと思いますので、終わらない部分は次回以降にさせていただこうと思っております。
 麻生大臣がしばしばおっしゃいますし、今日、大久保委員からも最初に発言がございましたけれども、金融庁が金融処分庁から金融応援庁、支援庁に変わりつつあるということ、これは私も非常にいい傾向だと思うんですが、この法案に関しては多少なりともちょっと逆流するような法案だと思いますので、その辺についてちょっとお聞きしたいんですが。
 プロのみに販売しているファンドがあるのかどうかということ、そして、プロのみ、例えばファンド・オブ・ファンズなんかのみに販売しているファンドに関しては、国の関与、消費者保護なんていうのは余計なおせっかいなわけですから、プロのみにしか販売しないファンドという新しいカテゴリーをつくって、政府は余り関与しない、今のように関与しないということを残すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#69
○政府参考人(池田唯一君) 御指摘のとおり、いわゆるプロ向けファンドの中にはプロ向けのみに販売しているファンドというものも存在しているものと承知をしております。
 そして、今回のプロ向けファンドに係る制度の見直しにおきましては、登録制に例えば仮に変更した場合には登録審査に時間が掛かるなどの指摘も踏まえまして、基本的に届出制を維持させていただくとともに、今回の見直しでは届出制の下でも行為規制について一定の強化を提案させていただいているわけでございますけれども、その際にも、契約前書面の交付義務ですとか適合性原則など、特定投資者との間の取引に適用させることが必ずしも適当でないというものについては適用を除外するという形にさせていただいているところでございまして、今回の見直しは、プロ間で健全に運営されているファンドの実務に支障を生じさせないように配慮しつつ、ファンドの出資者等に応じて規制の柔軟化を図るものとさせていただいていると考えております。
#70
○藤巻健史君 今お聞きしても、やっぱりプロ向けはもうほとんど何にも規制なし、プロのみの販売はなしということで今後お考えいただければと思います。
 時間がないので、ちょっと二番目の質問については感想のみで、質問じゃなくて、三番目に移りたいんですが。
 二番目、先ほど若林委員の質問に対して大臣の方から、リスクマネーの導入と消費者保護のバランスを考えなくてはいけない、これはまさにもっともなんですが、日本の場合、ともするとどうしても消費者保護が金科玉条になってしまって、自己責任の部分を軽視して何が何でも国が守るという方向に行きがちなんで、特に金融に関してはやっぱりもうちょっと自己責任の部分を強調すべきだと私は思っています。
 一例が緑のオーナー制度なんですけれども、これは、できた当時は金商法の関係、管轄外だったと思うんですが、よく、損したから訴訟が起きていると聞きます。ですけれども、木材が市況商品で、もうかることがあれば損することがあるなんていうのは当たり前の話であって、それを損したから訴訟を起こすという日本人のカルチャーがまだまだ未熟であるなと。もうかれば自分のもの、損したら損害賠償なんて、そんなことあり得るわけなくて、もしそういうことを認めるのであるならば、元々最初に、損した場合は訴訟ができますよ、ですけど、もうかったら全部返してくださいというぐらいの文言を入れておかなくちゃいけないわけで、その辺をもうちょっと金融庁としても是非国民向けに自己責任の部分を指導していただきたいなと、指導と言うといけないかもしれないですね、何というか、教育していただきたいなというふうに思います。これは、ちょっと時間がないので感想だけにとどめておきます。
 三番目の質問なんですが、三菱東京UFJが、昨年度でしたか、一兆円純利益超したということ、これは極めてうれしいニュースであるし望ましいニュースだと思うんですが、そうはいいながら、私が勤めていたJPモルガン、私が勤めていた頃は純利益三兆、四兆、五兆は当たり前の話であって、昨年も三兆六千億の利益を上げているわけですね。ゴールドマン・サックスも一兆五千億ですか、HSBCはやっぱり二兆円近くの利益を上げていますし、一時上場廃止になりそうで、もう倒産するんじゃないかと思われていたシティバンクも昨年は一兆八千億もうかっているわけですよ。
 これだけの利益、日本の銀行、メガと比べても、利益、何でこんな差があるかというと、一つの大きな理由というのは私はデリバティブの問題だと思うんですね。
 私は日本の銀行と米銀両方いましたので分かっていますけれども、大体日本は長短分離政策のせいでスワップ取引が五年間遅れたんです。その間にどんどんどんどん欧米銀行はスワップビジネスをやりまして、日本の銀行がスタートする前に、JPモルガンの会長であるウェザストンが、五年前には存在していなかったビジネスで、これ今思い出したのでちょっと数字ははっきりしていないんですけれども、七割ぐらいを稼いでいると言ったわけですよ、要するにスワップビジネスで。日本の銀行が全くやっていない段階で、モルガンの利益の七割はスワップだったんですね。
 ということで、規制によって金融業が、極めて日本にとって重要な金融業が遅れてしまうということがあるかと思うんですが、デリバティブ市場に対して、大臣、これ重要だと思っていらっしゃるのか、それとも今後とも進めていこうと思っているのか、それともデリバティブというのはヘッジファンドにつながっていて何か悪者のようなイメージを持っていらっしゃるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。
#71
○国務大臣(麻生太郎君) 私のイメージを聞いておられるんですか。金融庁の話ですか。どちらですか。
#72
○藤巻健史君 両方お聞かせください。
#73
○国務大臣(麻生太郎君) 日本の金融市場というものがその機能を十分に発揮していく、今後とも発揮していくためには、株式とか債券等現物市場に加えて、デリバティブといったようなものが整備されているということが重要な要素の一つになるものだと、私どももそう思っております。
 デリバティブ市場は、御存じのように取引所のデリバティブと店頭のデリバティブと二つあるのはもう御存じのとおりだと思いますが、日本の取引所のデリバティブというものは必ずしも世界において主要な地位を占めているわけではない、これははっきりしておると思っておりますが、デリバティブにつきましては、これは日本の取引所グループのデリバティブの取引高は世界の取引所で十五位ぐらいになっておるんだと今思っておりますので、そういった意味では、店頭デリバティブにつきましては、リーマン・ショックの後、金融危機再発の防止からG20において国際的な金融改革、金融規制の改革に対してこれはいろいろ議論がされたところです。
 日本におきましても、他国に遅れることなく所要の対応を店頭デリバティブにおいては進めてきたところだと思いますが、いずれにいたしましても、金融庁として、引き続きデリバティブ市場に係ります制度の整備というものを適切に行っていかないと金融資本市場の強化を図っていくことになりかねる、ここが一番大事なところの一つだと思っていますが、個人的にどうかということをこういう場で答えることはありませんので、質問しても意味がないと思います。
#74
○藤巻健史君 デリバティブに関しては、私は極めて重要だと思っていますし、それは金融業にとっても重要ですし、それから個人にとっても重要だと思っているんですね。
 特に私が実際感じていることというのは、オプションの売り、要するに金融機関の売り、個人の買いについては、これかなり金融機関でも個人に売ることに関して抵抗感がありそうなんですね、要するに金融庁に怒られるんじゃないかという。しかし、オプションの買いというのはまさに保険の買いと同じで、プレミアム以上の損はないわけですから、個人にとっては極めて有効なツールだと思うのに、全く日本では発達していないし、売ろうともしていない。
 この現状を変える気はあるかどうか、金融庁の担当者の方、お聞かせいただきたいんですが。
#75
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣の方からも御答弁ございましたように、我が国の金融資本市場がその機能を十分に発揮していくためには、デリバティブ取引の役割というものも大きいというふうに認識をしております。
 個人の分野、例えばオプションということでございますけれども、御案内のとおり、個別株のオプションについても我が国では平成九年に取引が取引所で開始をされましたが、総じて現物に比べて取引が低調であり、諸外国では非常に取引が多い国もあると承知をしておりますが、我が国では総じて低調であるというのは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、その要因としましては、投資家のニーズですとか金融リテラシーの問題等様々な要因が指摘されているものとも承知をしております。いずれにしましても、金融資本市場において、投資家の取引ニーズに的確に対応して適切な取引手段が適用されていくように、そうした制度の整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#76
○藤巻健史君 時間がなくなったので、残りの質問は次回に回したいと思いますが、今、個別株のオプション取引が他国に比べて低調だとおっしゃっていましたけれども、アメリカに比べて極めて低調ですから、その辺はもうちょっと考えていただいて、デリバティブをどうやって、まさに金融応援庁、金融支援庁という役割をもうちょっと是非進めていっていただきたいという要望をして、終わりにしたいと思います。
 ありがとうございました。
#77
○大門実紀史君 大門です。
 今回の金商法改正案は賛成でございます。
 改正のきっかけになったのは、お年寄りへのファンドの被害、勧誘問題なんですけれども、ただ、ほかの金融被害でも高齢者が餌食にされるケースが増えております。だまされるのは決して超大金持ちのお年寄りではありませんで、そういう方々はちゃんとアドバイザーが付いていますし、周りのガードも固いわけですよね。
 事例からしますと、だまされるのは、狙われているのは普通のお年寄りが多いわけでありまして、退職金を元に老後の生活資金で一千万とか二千万とか持っておられて、年金と貯金を取り崩しながら生活をしておられると。しかし、自分があと何歳まで生きるかとなると、それで足りるのかという不安を持っておられる。ローンの終わった不動産を持っておられる。大体こういう層が狙われてきて、一旦狙われますと資産を根こそぎ取られるというケースが増えてきているわけです。
 実は、こういう高齢者を食い物にしてきたのは悪徳詐欺業者だけではありませんで、れっきとした金融機関や証券会社もお年寄りをターゲットにしてきたわけであります。
 幾つも紹介できませんけれども、いっぱいあるんですけれども、例えば裁判になっている例で申し上げますと、大阪の池田泉州銀行、これが八十一歳の女性にノックイン投信、投資信託、これ、ノックイン投信というのはもうリスクの高いので有名でありまして、あらかじめ下限を決めておいて、日経平均がそれを上回っていれば利回りはありますけれども、一回でも下限より下がったら元本割れするというようなリスクの高いやつですけれども、こんなものを何で八十歳とか八十歳以上のおばあちゃんにどうやって説明して販売したのかというふうに思いますけれども、大抵はもう、あんたが言うなら任せるよと、あんたが言うなら正しいんじゃないかと信じてやるわけでありまして、そんなことでこのノックイン投信被害なんかが広がっております。
 もう一つ言いますと、静銀ですね、静岡銀行の子会社でありますティーエム証券ってありますけれども、これも年金生活の高齢者に今申し上げたノックイン型投信、これも東京地裁で損害賠償命令、負けております。
 中央三井信託は、難聴の高齢女性にこれは普通の投資信託を販売して、大阪地裁で、説明義務違反、適合性原則違反ということで賠償命令ですね。中央三井信託というのはたちが悪くて、ノックイン投信でも裁判に持ち込まれて賠償命令を受けております。
 こういう大銀行まで、こういうところまで、れっきとしたこういう金融機関までお年寄りを食い物にして裁判で負けていると。これは氷山の一角でありまして、裁判にまで行かない例がいっぱいあるわけですよね。泣き寝入りされている方もたくさんいるのではないかと思います。
 先ほどありましたけれども、悪質詐欺業者というのはどんなときでもやりますから、それはちょっと今日はおいておいて、こういう金融機関の場合は、証券会社の場合は、先ほどもありましたけれど、業界で自主規制といいますか、高齢者に対するガイドラインとか作ってはきたんですけれど、それでもこういうことが証券会社や金融機関で後を絶たない、むしろ増えていると。これはどういうところに原因があるというふうに金融庁は考えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
#78
○政府参考人(森信親君) 議員御指摘のとおり、例えば、金融機関としては、高齢者に対する販売に適していないような割とハイリスクの商品を、特に投資信託を売って、それを割と短期で回転して手数料を稼ぐと、そういうようなビジネスモデルがこれまで多かったものと思います。
 そして、そういう中で、個人金融資産を見ますと、やはり高齢者の保有比率が高いものでございますから、勢い、そういった形での高齢者の被害が増えてきたんだと思いまして、我々としても、これはシリアスな問題と受け止めまして、いろいろな対策を取ってきておるところでございます。
#79
○大門実紀史君 私、高齢者のいろんな被害ありますよね。例えば、振り込め詐欺というのは、最初は自己責任といいますか、御本人が注意してくださいという世界だったんですよね。それが余りにも被害が増えて増えて、それで、今や金融機関がもうおじいちゃん、おばあちゃんを窓口で羽交い締めにしてでも振り込みさせない、ここまでやらないと防げないと、こうなっているわけですね。この金融被害のお年寄りの問題も、やっぱりバージョンアップして考えないと被害がなくならないんじゃないかと思っているんですね。
 ガイドラインとか、業界のを見ましたけれど、結局、適合性の原則とかいろんなものをちゃんとチェックしなさいということなんですよね。先ほど申し上げたように、幾ら説明しても分からない世界ですよ、この金融なんて。それは、もう販売員が優しいお兄ちゃんだったからとか、例えば孫を一年に一遍は旅行に連れていけますよと、そういうお金ができますよということに、ついそれを信じてサインしてしまうと。中身が分かってリスクが分かってという方じゃないんですよね、ほとんどは。ですから、幾らそういうチェック項目を設けてもお年寄りの被害はなくならないということを、よく今この時点で理解する必要があるのかなと思います。
 それで、今のお年寄りは大変過酷な状況にありまして、年金不安があって、金銭的不安があって、低金利ですから、あと、訳分からない貯蓄から投資へとあおられていますし、なおかつ、核家族化していますから独居老人が増えている、優しい言葉に引き込まれる、ちょっとしたことでほろりとしてしまうと、もういいや、任せてしまおうと、こうなると。こういういろんな状況を全部把握した上で、この金融被害も考えないといけないんではないかと思います。
 ところが、全然そういうことに追い付いていないのが、お配りいたしましたけれど、平成二十年だからこんなものかなと思いますけれど、これは業者向けのQアンドAでありまして、つまり何が書いてあるかというと、金商法が最初に制定された関係のことがありまして、業者向けに、お年寄りには注意しなきゃいけないけれども、萎縮することはないと、簡単に言うと。萎縮しないで、ルールにのっとってやっていいんだというようなことのQアンドA、これしかないんですよね。
 先ほどもありましたけれど、金融庁もそろそろ今の段階でお年寄りの被害はどうなっているのかと、こういう、何というか、ポジティブな対応じゃなくて、もうそもそもお年寄りというのは危ないんだ、売ることそのものがと、ネガティブに置いて、その上で厳格なルール、条件でそれを購入したいという人には購入してもらうというような、ちょっと発想の転換を、振り込め詐欺じゃないですけど、もうそろそろ発想の転換をしないと被害はなくならないんじゃないかと、高齢者被害防止も次のステージにといいますか、行く必要があるんじゃないかなと思うんですよね。
 ですから、これは問題提起として受け止めてほしいんですけれども、やっぱり高齢者条項みたいなことを、今までと違って、何かをクリアすればいいんじゃなくて、そもそもネガティブに捉えて、その上で、もちろん市場経済ですから買いたい人には買ってもらっていいんですけれど、そういうふうに捉えないと高齢者被害はなくならないと思うんですけれど、時間がないので、最後に私の問題提起だけですので、麻生大臣に一言いただければと思います。
#80
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、大門先生、やっぱり人間、欲がありますので、これなかなかちょっと金利も全然付かないというような今の預貯金の状況の中で、個人金融資産一千六百九十兆、現預金が八百八十兆か八百九十兆、現預金、そのうち六十五歳以上の持っておられる方、七〇%ということになりますと、そこにじっとしている預金、貯金というものがある程度動くということを考えるようにしないと、先ほどの、これから新しく出てくる企業に対する資金の供給等々の点がなかなか難しいという面をちょっと忘れちゃいかぬところが一つあるんですが、これやっぱりでかい金がそこに寝ているという状況がちょっとでも動けばということに、どうしてもそこが高齢者ということになっていくんだと思いますが、ただこれは、ある程度気持ちは分からぬことはありませんけれども、基本的に、明らかにこれはどう考えてもちょっとという方に売るのは、それはやっぱり道義的に問題なんだと。
 私は、基本的にそこのところがどこかおかしくなっちゃうから問題なんだと思っていますので、我々といたしましては、今後とも高齢化社会は間違いなく進展していくことははっきりしておりますので、そういった中で、いわゆる顧客の立場、高齢者の立場に立って丁寧にフォローアップしていくということは、これは極めて人間としてというか道徳上大事なところであって、商売やる人に、株屋さんに倫理観を求める方が間違っていると、この間ある人に言われたことがあるんですけれども、そうばっかりも言えぬのじゃないか、いい人もいるんじゃないのとその人に言ったら、その方はだまされたことがあるものですからもう全く駄目だったので、一度そうなっちゃうともう二度とそういうことをやらないということになっていますので、持っている金はそのまま寝ているという形になりますので、私どもとしては、やっぱりこういったものは自主規制機関とも連携をして、適切な勧誘とか販売等々というものを今後とも確保していくように促してまいりたいと考えております。
#81
○大門実紀史君 終わります。
#82
○中山恭子君 次世代の党、中山恭子でございます。
 少し間接的な質問になりますが、今、五十一か国・地域の金融当局の方で、二〇一七年をめどに、監査法人を監督する新たな国際機関をつくると聞いております。金融庁は、各国の監査法人監督当局で構成される監査監督機関国際フォーラムの事務局を東京に誘致する方針であるとのことでございますけれども、どのような形で進めようとしていらっしゃるのか、また、本部誘致の意義についてお話しいただけたらと思います。
#83
○国務大臣(麻生太郎君) 通称IFIARでイフィアールともよく呼ぶんですけど、インターナショナル・フォーラム・オブ・インディペンデント・オーディット、Rは何でしたっけね、レギュレーターかな、何かだと思うんですが、それを略してIFIARとみんなこの業界では呼ぶんですけれども、御指摘のとおり、金融庁及び公認会計士・監査審査会としては、監査監督機関国際フォーラム、今のIFIARのことですが、設立を検討しております、今でもあるんですけど、事務局がはっきりしておりませんので、事務局をきちんと恒久的なものを立てるということの動きがありますので、それを是非東京にやってもらいたいということで、今、東京国際金融センターとしての地位確立の上でもプラス、そう考えて、関係機関と連携して積極的に取り組んだ方がいいということで、今そういった対応をさせていただいておるところまでです。
#84
○中山恭子君 確かに、金融市場、金融サービス業の競争力を高めていくためには、やはり国際的な金融規制の作成というものに当たって、日本としての立場を強く主張していくことというのは非常に重要であると考えております。
 また、今現在、日本にある国際機関の本部と言っていいんでしょうか、これは国連大学が東京にございます。それから、国際熱帯木材機関が横浜、それからアジア生産性機構が東京にあるというだけで、三機関だけでございます。まだまだ足りていないというように考えておりまして、是非とも実現していただきたいと思いますけれども、来年春には決定されるということでございまして、この監査監督機関国際フォーラムの事務局誘致に向けてどのような取組をなさろうとしているのか、お知らせいただきたいと思います。
#85
○国務大臣(麻生太郎君) 日本以外にも立候補している国があります。何か国出ているかも知っておりますけれども、これ約束として言わないということになっておりますので申し上げられないんですが。
 少なくとも日本としては、どこの国が立候補しているかは我々立候補している側は知っておりますので、そういった国、立候補している以外の国々で、まあこことここは残るだろうなというのは分かりますので、その他以外の国は一回目で降りて、これ何回も、一発でばっと決まらない場合は何回もやることになりますので、そういうことになった場合は、ちゃんと次は日本に入れてねと、まあよく国際機関をこういったやり取りでやるのと同じようなことで、各国との間に、いろいろ証券業界も監査法人業界もいろいろ業界でそれぞれしておられますし、私らとしてもそれを支援してまいりたいと考えております。
#86
○中山恭子君 是非、日本全体で誘致活動をしていただいて、御成功をお祈りしています。
 また、ちょっと話題が変わりますけれども、金融庁では女性職員が非常に活躍していると聞いております。金融庁では、平成二十五年度に、総合職の新規採用者のうち半数が女性になったということでございました。女性職員の採用、登用に積極的に取り組んでいると伺っておりまして、新聞や雑誌でも金融庁の女性官僚たちが非常に明るく活躍している様子が報道されておりまして、うれしい限りでございます。
 そういった意味で、金融庁では女性職員の登用や仕事と家庭生活の両立に向けて特別の取組をしていらっしゃるのでしょうか、その辺りの動きをお知らせいただけたらと思います。
#87
○副大臣(赤澤亮正君) 金融関係事項と併せて女性活躍も担当している私からお答えをさせていただきたいと思います。
 今、中山委員からいろいろと御評価をいただきまして、本当にありがとうございます。
 安倍内閣で女性活躍は非常に重要であると位置付けて、政府を挙げて取組を進めているところでございまして、金融庁におきましても、人物本位の選考を基本としながら、政府の方針に従い、意欲ある有為な女性の採用に積極的に取り組んでおります。その結果、御指摘のありました平成二十五年、併せて二十六年度も五〇%女性採用ということになっておりますが、三年間の総合職新規採用において、毎年その約半数女性ということで、本当に頑張っているところでございます。
 金融庁の独自採用は平成十一年から開始しております。最年長で入庁十六年目になりますけれども、近年、課長・室長相当職以上への登用を進めるとともに、将来の管理職の担い手として主要課の総括補佐などへの登用も進めているところでございます。
 今後とも、本年一月に金融庁で策定をいたしました取組計画に基づいて、組織を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
#88
○中山恭子君 きっと、金融庁の中で女性が活躍していくということは、日本全体にとっても、ある意味では非常に良い結果をもたらしてくれるのではないかと期待しているところでございます。
 また、あの金融庁のビルには保育所が設置されているというふうに伺っておりまして、金融庁だけでなく他の官庁とともに、女性が働く環境のための手助けを是非進めていただきたいと思っております。
 時間が余りありませんので、金融庁のある場所についての問題だけではなくて、女性が活躍するためには、私は三世代住宅をしっかりと造っていくということが非常に大事であろうかと思っております。三世代住宅がありますと、三世代で、子供が生まれたときにそのおじいちゃま、おばあちゃまが近くにいるということで、女性が外に働きに出られるということもありますし、また、その後、孫が大きくなってきて年寄りの方が弱ってきたときには、看護するにも非常に便利な形が整ってくるのではないかと思っております。
 安心して子育てと介護ができる社会をつくるためには、三世代住宅を非常に力を入れた形で進めていく必要があろうかと思っております。また、東京では三世代住宅を個別のを造るというのは非常に難しいことだと思いますが、例えば公共のアパート、公共の住宅などで空いている場所は確保した形で老人、子供が生まれたときに親たちがそこに移れるような場所を確保しておくというようなことも一つのアイデアであると思いますが、こういった形の三世代住宅を進めることについてどのようにお考えか、お話しいただけたらと思います。
#89
○国務大臣(麻生太郎君) 中山先生の世代なら、サザエさん、御記憶かと思いますけれども、三世代同居の極みです。しかも、あれは女房の自宅にフグ田マスオさんが住んでいるのであって、あれは磯野波平さんの家ですから。御記憶かと思います。最近読まれないでしょうけれども、今でも努力して読み続けるとこういう記憶が残るんですけれども。したがって、あの人は奥さんの実家に住んでおるわけですね。したがって、嫁としゅうとの問題はあそこではないわけです。これは、長谷川町子の実家がそうだったから、あれはそのまま描いておるだけで、取材費ほぼゼロだそうですけれども。
 こういったことが最も私はうまくいくだろうと思いますよ、私自身も。しかし、問題としては、三世代同居を条件とするというようなものになってくると、これがちょっとなかなか難しいところでありまして、今でも住宅ローンの減税とかフラット35とかいろんなものがあるのは御存じのとおりですが、それを三世代同居を前提とするというものではないということは御存じのとおりです。
 問題は、三世代同居の広い、まあ広いって、大した広さじゃないんでしょうけれども、広いものに対して特別手当を逆にするということになると、これは国としての総トータルコストは下がると、私も中山先生とほぼ同じことを考えますが、しかし問題は、特別に手厚く支援をするということに対しての是非がいろいろ意見が出てくるところだと思いますし、同居をしたくてもできない世帯があるとか、いろんな御意見が出てくるところだろうと思っておりますので、なかなかこれは慎重に、これはもう十年ぐらい前から私も言い始めたところなんですけれども、なかなか普及しにくいところはそういったところだと思っております。
#90
○中山恭子君 ありがとうございました。
#91
○中西健治君 無所属クラブの中西健治です。
 今回の法改正ですけれども、大臣がおっしゃっていた成長資金の供給と投資者保護のバランスを取るという意味で、出資者の範囲の限定等がなされているというのは評価し得るというふうに私は思っておりますが、一点、これはもう一歩踏み込んだらどうかな、どうだったのかなということについてお伺いしたいんですが、それは、相手方の同意を得ずになされるいわゆる不招請勧誘と言われるものであります。今回のこのプロ向けファンドについても、不招請勧誘の規制というのが施されておりません。
 これまでの被害の例を見ますと、投資経験のない地方在住の高齢者を中心に数百人が被害を受けたですとか、少なくとも約九百人から約百億円近くを集めたですとか、こうした被害が今回の法改正の出発点になっているということだろうというふうに思います。
 四十九人までという上限の要件などを無視してこの九百人ですから、これはやはり不招請勧誘を行った結果としてこういう被害が出ているということなんじゃないかと思うんですが、今回不招請勧誘の規制を行わなかったというのはどうしてなのか、これをお聞きしたいと思います。
#92
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の法改正におきまして、いわゆるプロ向けファンドの販売、勧誘につきましても、いわゆる適合性の原則というものを適用させていただくということにしております。すなわち、その販売とかまた勧誘に当たりましては、顧客の知識とか経験とか、また投資の目的などを考えて適切な勧誘が求められるということになります。
 一方、今御指摘のありました不招請勧誘の禁止というものは、これは金融商品取扱いという意味において、取引法上、業務の有様、態様などからして適合性の原則を守るということがおよそ期待されないといったような限定的な場合のみ設けられてきた、設定されてきているところであります。
 そうした中で、プロ向けファンドに関しましても、適合性の原則を超えて直ちに不招請勧誘を禁止するということにつきましては、これはちょっとファンドの円滑な組成に及ぼす影響とか、これまでのいわゆる行為の規制についての考え方との整合性の観点からいきますと、もうちょっと慎重にやらぬといかぬかなというような感じがしておりますので、検討課題の一つだとは存じます。
#93
○中西健治君 これ金融庁の方にお伺いしたいんですけれども、プロ向けファンド、アマは四十九人までという縛りがあるということだと思いますけれども、この四十九人の縛りというのは、販売先の数の縛りなのか、それとも投資勧誘先の数の縛りなのか、これを教えていただきたいと思います。
#94
○政府参考人(池田唯一君) 販売先の規制です。
#95
○中西健治君 販売先の数の縛りということは、勧誘先は幾ら広がってもいいということでしょうか。
#96
○政府参考人(池田唯一君) 通常、ファンドについては、一般には、出資される方がそれぞれにファンドの運営方針等を協議されながら最終的に出資をするという形で、そういう意味では販売先ということで確定してくるということなので、その販売先ということで人数を抑えていると。よって、そういう制度になっているということと理解しております。
#97
○中西健治君 プロ向けファンドは販売先の人数しか縛りがないということだということのようでありますけれども、一般に私募で取り扱うもの、私募の債券ですとか、こうしたものというのは、これは人数の縛りというのは、この私募の場合にはどういう形で掛かっているんでしょうか。
#98
○政府参考人(池田唯一君) お尋ねは、いわゆる有価証券などの少人数私募の場合だと思いますが、そうした場合は、あらかじめ組成された有価証券の、これは勧誘者の数で把握しているということだと思います。
#99
○中西健治君 ですので、通常、通常というか、私募といった場合には四十九人の縛りがあるわけですけれども、その四十九人というのは勧誘先の数なんですね。これについて、このプロ向けファンドについては勧誘先には上限がなくて、そして販売先だけ四十九という縛りでやっているということは、勧誘先についてはいろんなところに声を掛けることを許してしまっているということがある、これは許してしまっているということになっていますけれども、これがやはり被害を広げている大きな原因になっているんじゃないかと思うんです。
 大臣が先ほど検討課題だというふうに言っていただきましたけど、これはやはり検討していただかなきゃいけないことなんじゃないかと思うんです。四十九で縛るのか、それとも不招請勧誘で経営に規制を行っていくのか、こうしたことをしていかなきゃいけないだろうというふうに思います。
 この不招請勧誘の規制をしたからといって、直ちにその販売がうまくいかなくなるわけではないということは、私、今日一つ資料をお持ちしましたけれども、FX取引、外国為替証拠金取引について、不招請勧誘の禁止というのを平成十七年七月に政府は行いました。そして、不招請勧誘禁止を行ったところ、苦情件数、相談件数というのは激減しました。もう十分の一に減ったということでありますけれども、右側の口座数、青い線の口座数というのは順調に伸びてきているということであります。
 ですので、こうした規制を行ったとしても、伸びる商品、業者の自助努力次第で、そしてニーズがある商品に関しては伸びるものは伸びるということなんじゃないかと思うんです。そして、不招請勧誘を取り締まって、そして伸びなくなっちゃうものは元からニーズがないというようなものなんじゃないかというふうに思うんです。ですので、私はこれはやはり規制を及ぼしていくべきなんじゃないかというふうに思います。
 そこで、今回縛らなかった、こうした不招請勧誘の規制をしなかったというのは、一億円以上の投資性金融資産を持っている人に限ったからだということも理由としてあるんじゃないかと思いますが、金融資産を持っているからといって金融知識があるということにはならないということだと思います。今回のように、この数年間株価が上がってきていると資産そのものは評価が上がっているということにもなりかねませんので、やはり投資判断能力というものをしっかりとチェックしていくということが必要ということになりますけれども、いま一度、こうしたFXの例なども見た上で、大臣、今後の検討課題とおっしゃられましたけれども、どのように投資者保護を行っていくべきかということについて所見をお伺いできればと思います。
#100
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のあっておるところですけれども、プロ向けファンドに関しましては、これは投資家被害を適切に防止していくという必要性がある一方で、ファンドの円滑な組成というか、つくりに支障が生じないということをするために不招請勧誘を禁止することはちょっと慎重な対応が必要だと考えておるんですが。
 なお、投資家被害が発生している現状を踏まえて、今般は投資家の素人である一般個人には勧誘できませんよということにしておりますほか、適合性の原則を始め行為規制というものを課しておりますし、さらに、行政処分を導入して罰則を強化する等々総合的な対策を講じておりますので、投資家被害の抑止を図ることとはしておるんですけれども、いずれにしても、こういったものは急激にいろいろ、先ほどの大門さんの話じゃありませんけれども、振り込め詐欺なんていうような話が急激にあれまで行く背景というのをちょっと真剣に考えないかぬところであって、これは高齢化にも関係しますし、個人金融資産の最大の現預金というものの六〇%以上、七〇%近くが高齢者に集中しているという現状はやっぱり背景としては考えますし、その高齢者が更に高齢化していくことを考えれば被害は出やすくなるということも考えておかねばならぬ、いろんなことを考えねばならぬことだと思っておりますので、今後の検討課題とさせていただきたいと存じます。
#101
○中西健治君 申し上げたとおりでございますので、これはこれで前進だと思いますけれども、ここの不招請勧誘の部分も含めてしっかりと検討していただきたいと思います。
 質問を終わります。
#102
○荒井広幸君 荒井でございます。
 大臣に今日は御意見を伺おうと思いましたが、今日のやり取りを参考にしていただいて、そして対応していただきたいという気持ちで、事務方に専ら質問させていただきます。
 今ほども中西さんと大臣のお話がありましたけれども、ではちょっと具体的に経済産業省にも聞きたいと思うんですね。個々のベンチャー向けファンド、個々ですよ、個々のベンチャー向けファンドが成長資金の供給にどの程度寄与しているのか。ファンドの投資先や運用実績などを把握しているかどうか。経済産業省。
#103
○政府参考人(松永明君) お答え申し上げます。
 ベンチャーファンドによる成長資金の供給を把握するためには、一般社団法人ベンチャーエンタープライズセンターがベンチャーキャピタルの投資動向調査、こちらを行っておりまして、これに基づきましてベンチャーファンドの投資動向を把握しているところでございます。
 加えまして、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会、こちらはベンチャーキャピタルが集まっております協会でございますけれども、こちらとの連携を通じましてベンチャーファンドの組成状況ですとか投資の動向、さらには投資先の支援状況、こういったところの把握に努めているところでございます。
#104
○荒井広幸君 金融庁の発表では、個々じゃなくて、全体は金融庁も言っているんですね。
 プロ向けファンドの制度を用いたベンチャー向けファンドは、ファンド数ベースで全体の二五%、運用財産額ベースで五%と、こういうことを金融庁言っていますね。大体これでいいんだと思うんですね。
 問題は、個々のベンチャー向けファンド、プロ向けファンドがどういうふうな、悪貨が良貨を駆逐してもならないわけなんですよ。しかし、先ほど来からあるように、やはりいわゆる投資家を保護していくということをきっちりしないと、信用がなければ、圧倒的に、貯蓄から投資というのは、私は日本人の性格というのはなかなか向かないんだと思います。そういう意味で、投資環境を今整備するということで法改正をしていただいていると思うんです。
 そこで、更に経済産業省に聞きますが、では、このような形で成長資金として使われているということになれば、今後、ベンチャー向けのファンドというのはますます活発になっていくのか、この辺の見通し、特に今度の法規制を掛けた場合、どのような影響が起きると思うのか、見通しを示してください。
#105
○政府参考人(松永明君) お答え申し上げます。
 今回の改正案の内容につきましては、金融審議会におきまして、ベンチャーキャピタルの関係者、これも参加した上で、投資家保護の一方で、観点、他方でベンチャーキャピタル等による成長資金供給、これを阻害しないようにするという観点から活発な議論が行われて取りまとめられたものだと、このように認識をしております。
 例えば、投資家保護を図るために、プロ向けファンドについては様々な規制、罰則の強化、こういった等の措置を講じることとなっておりますが、その一方で、上場会社の役員、新規事業の立ち上げ経験がある個人の出資、こういったプロの投資家の個人の出資も可能とするなど、ベンチャーファンドの円滑な資金調達に配慮した内容となっているのではないかと思っております。
 したがいまして、今回の改正案によりまして、投資家保護の強化が図られる一方、適正な運用を行ってきたベンチャーファンド、こちらが投資の成長資金の供給についての影響を受ける、こういったことは余りないのではないかと思っておりまして、ベンチャーキャピタル業界が健全に発展するということにつながるのではないかと思います。
 その他、別途講じております他のベンチャー支援措置とも相まちまして、ベンチャー投資、これが着実に増えていくものと期待しておるところでございます。
#106
○荒井広幸君 期待は分かりました。
 では、もう一度おさらいをさせていただきたいと思うんです。
 これは二番の@になってまいりますが、十八年当時、要するに成長資金と投資家保護という、そのバランスを見なくちゃならないということで、最初から非常に頭の痛い問題でした。
 十八年当時の議事録を私も読ませていただきますと、参議院のこの財金で、十八年当時、中川雅治、自民党の委員からは、一般投資家を対象とするファンドなのかプロ向けのファンドなのか、その辺りの区別をはっきりさせることはできるのか、そしてその実態を当局ははっきりと把握できるのか、そうでなければ、これはプロ向けだとして規制を免れるということができてしまうわけでありますと、もうある意味で予見しているわけですね。
 同時に、当時の新聞も調べますと、日経新聞等々もそうした指摘をしているんです。規制を例外的に認めたことによって抜け穴ができてくる、これをどうするんだと。例外は規制が尻抜けになる危険性も潜んでいるということで、そのとおりになったんですね。
 国民生活センターの三年間、ここ三年間では十倍の、特に高齢者で、先ほど来からの高齢者の皆さんに対する説明、高齢者側の方の能力というか、そういう用心深さも必要なわけでございますが、こういったものになってきたと。
 改めておさらいしないと同じことを繰り返すと思うんです。どうして当時、このような例外をつくる形になったのか、おさらいさせてください。
#107
○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 プロ向けファンドにつきましては、御指摘のように、金融商品取引法制定に伴い新たに規制が掛けられることになりましたけれども、この際、基本的に、プロ投資家を対象とするベンチャーキャピタルなどのファンドにおきましても、当該ファンドと関係の深い一般投資家に当たる方も出資している、そうした実態があるということを踏まえまして、そうした者が少人数にとどまる場合にはプロ向けファンドとして簡素な規制をすることとされたものであります。
 また、一般的な投資家の範囲につきましても、プロ向けファンドの中にはそれぞれが様々なファンド出資者がある中で、一定の画一的な基準を定めた場合にはファンド実務に大きな影響を与えるおそれがあるというようなことも踏まえまして、これまでのような規制の形になったということを理解しております。
#108
○荒井広幸君 改めて、難しい問題でした。
 そこで、最近は二割が、プロ向けファンド業者、届出ですね、何らかの問題があるとして金融庁が問題業者リストに掲載したのは最近二割あるんです。しかし、十八年に法が改正されて、二十二年の段階でも三・五%から四%がその掲載対象になっているんです。そして、二十三年二月には大変社会問題となった。ですから、そういったところをつかまえながら、私はもっと機敏にやはり投資家保護のために動くべきであったというふうに思うんです。
 その信頼がきちんとあれば、また投資というのが向いてくるんだろうというふうに思いますので、私は、どっちを有利不利にするというんではなくて、信頼をつくるためのその環境整備をするということには、ちゅうちょなく、大臣、対応していただきたいと思います。
 以上で終わります。
#109
○委員長(古川俊治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 金融商品取引法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#110
○委員長(古川俊治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大久保君から発言を求められておりますので、これを許します。大久保勉君。
#111
○大久保勉君 私は、ただいま可決されました金融商品取引法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、次世代の党、無所属クラブ及び新党改革・無所属の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    金融商品取引法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 実体経済を支えつつ、成長産業として経済をリードするという我が国金融業が果たすべき役割を踏まえ、金融機能の安定、市場の公正、利用者の保護等に万全を期すとともに、我が国金融資本市場の国際的な魅力を高め、アジアのメインマーケットたる市場を実現するための取組を推進すること。
 一 本法による制度の運用に当たっては、いわゆるプロ向けファンドをめぐる投資者被害を抑止するため、一般の個人に被害が生じないよう販売可能な投資者の範囲を適切に限定するとともに、引き続き投資者に対する注意喚起や理解啓発に努めるなど、投資者保護に万全を期すこと。
   また、ファンドがリスクマネー供給に果たす役割の重要性に鑑み、ファンドに対する投資者の信頼を確保しつつ、創業・起業期や新興期等の段階にある企業に対して円滑かつ適切な成長資金の供給が行われるよう配意すること。
 一 証券・金融と商品を一体として取り扱う総合取引所の創設が、我が国市場の国際競争力の強化及び利用者利便の向上を図るために重要な取組であることに鑑み、総合取引所についての規制・監督を一元化する金融商品取引法の趣旨を踏まえ、その早期実現に向けて取引所等の関係者に対し更なる検討を促すなど、金融庁、農林水産省及び経済産業省が連携して対応を強化すること。
 一 証券市場の健全な発展及び新規公開の品質向上に資するため、引受審査を行う証券会社において利益相反が生じないよう留意するとともに、証券取引所における上場審査を強化するなど、投資家の信頼確保を図ること。その際、新規上場の促進にも配慮しつつ、成長企業への円滑な資金供給に向けた更なる環境整備に努めること。
 一 近時におけるプロ向けファンドをめぐる多数の法令違反行為などの実態も踏まえ、実効性のある投資者・利用者保護を図る観点から、金融商品取引業者等に対する検査及び監督を強化すること。また、海外の業者や海外での運用等についても法執行の充実を図ること。
   その際、地域の金融商品取引業者等の検査及び監督を主に担当する財務局も含め、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保、高度な専門的知識を要する職務に従事する職員の処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#112
○委員長(古川俊治君) ただいま大久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#113
○委員長(古川俊治君) 多数と認めます。よって、大久保君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、麻生内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。麻生内閣府特命担当大臣。
#114
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえつつ配意してまいりたく存じます。
#115
○委員長(古川俊治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(古川俊治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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