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2015/06/04 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 外交防衛委員会 第19号
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2015/06/04 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 外交防衛委員会 第19号

#1
第189回国会 外交防衛委員会 第19号
平成二十七年六月四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月三日
    辞任         補欠選任
     井原  巧君     末松 信介君
     中泉 松司君     小坂 憲次君
     羽田雄一郎君     福山 哲郎君
     藤田 幸久君     前田 武志君
     杉  久武君     山本 博司君
 六月四日
    辞任         補欠選任
     山本 博司君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山さつき君
    理 事
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                三木  亨君
                大野 元裕君
                荒木 清寛君
    委 員
                宇都 隆史君
                小坂 憲次君
                末松 信介君
                豊田 俊郎君
                松山 政司君
                北澤 俊美君
                小西 洋之君
                福山 哲郎君
                前田 武志君
                石川 博崇君
                山本 博司君
                小野 次郎君
                井上 哲士君
              アントニオ猪木君
                浜田 和幸君
   国務大臣
       外務大臣     岸田 文雄君
       防衛大臣     中谷  元君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       前田  哲君
       内閣官房内閣審
       議官       山本 条太君
       内閣官房内閣審
       議官       土本 英樹君
       内閣官房内閣審
       議官       藤山 雄治君
       内閣官房内閣審
       議官       大庭 誠司君
       内閣官房内閣審
       議官       槌道 明宏君
       警察庁警備局外
       事情報部長    瀧澤 裕昭君
       外務大臣官房長  上月 豊久君
       外務大臣官房審
       議官       山上 信吾君
       外務省中東アフ
       リカ局長     上村  司君
       外務省領事局長  三好 真理君
       外務省国際情報
       統括官      岡   浩君
       防衛大臣官房審
       議官       武田 博史君
       防衛省防衛政策
       局長       黒江 哲郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (シリアにおける邦人殺害テロ事件等に関する
 件)
    ─────────────
#2
○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、羽田雄一郎君、藤田幸久君、中泉松司君、井原巧君及び杉久武君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君、前田武志君、小坂憲次君、末松信介君及び山本博司君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(片山さつき君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官前田哲君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(片山さつき君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(片山さつき君) 外交、防衛等に関する調査のうち、シリアにおける邦人殺害テロ事件等に関する件を議題といたします。
 まず、政府から報告を聴取いたします。岸田外務大臣。
#6
○国務大臣(岸田文雄君) シリアにおける邦人殺害テロ事件について御報告いたします。
 まず、本事件について、湯川遥菜氏及び後藤健二氏が殺害されたことについては、痛恨の極みであり、改めてお二人に哀悼の意を表するとともに、御遺族に心からお悔やみを申し上げます。
 政府としては、昨年八月、湯川遥菜氏が行方不明になった事案について、また同年十一月、後藤健二氏が行方不明になった事案について、ヨルダンに設置された現地対策本部、外務省の対策室、官邸の情報連絡室、警察庁の連絡室において関係省庁が連携して対応しました。
 いずれの案件についても、人質拘束事案である可能性が否定できないと考えたことから、事案の性質上保秘に留意するとともに、静かな形で、関係国と緊密に連携しつつ、邦人の保護を最優先に対応しました。
 また、お二人の御家族に対しては、緊密に連絡を取り、その御意向を最大限尊重して支援を行いました。
 一月二十日、総理の中東諸国歴訪中にISILによるものと見られる動画がネット上に掲載された時点で、政府としては、本件がISILによる犯行である可能性が高いと判断し、以降、関係閣僚会議等を累次にわたり開催するとともに、現地対策本部に中山外務副大臣を派遣し、また、外務省緊急対策本部、官邸対策室、警察庁対策本部等が密接に連携して対応しました。
 政府としては、生命第一の立場で、関係国と緊密に連携し、お二人を解放するために何が最も効果的な方法かとの観点から、あらゆるルート、チャンネルを活用し、最大限努力しました。
 このような努力にもかかわらず、結果としてお二人の命を救うことができなかったことは誠に残念です。
 今回の事件に際しての政府の対応につきましては、杉田内閣官房副長官を委員長とする邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会において、有識者にも検証に必要な情報を提供し、専門的かつ第三者的な観点から様々な御意見をいただき、検証を行いました。
 有識者からは、今回の事件は救出が極めて困難なケースであり、政府の判断や措置に救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは言えないとの全般的評価が示されております。
 他方、有識者との議論においては、政府の情報収集・集約・分析能力の一層の強化、危険なテロリストが支配する地域への邦人の渡航の抑制等の指摘もされました。
 また、外務省においては、中根外務大臣政務官を座長として、在外邦人の安全対策強化に係る検討チームを立ち上げました。同チームは、検証委員会の問題意識や提起された課題をも踏まえ、有識者の意見も伺った上で、情報の収集と発信を表裏一体で拡充することを含め、在外邦人の安全確保のために取るべき施策等について、五月二十六日、提言をまとめました。
 外務省としては、検証委員会検証報告書、外務省の検討チームの提言、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部決定などを踏まえ、在外邦人の安全確保及び国際的なテロ対策の取組に万全を期していきたいと考えております。
 委員長を始め理事及び委員各位の御理解と御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
#7
○委員長(片山さつき君) 以上で報告の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○大野元裕君 おはようございます。民主党・新緑風会の大野元裕でございます。
 まず、冒頭、邦人殺害テロ事件の報告書が出されまして、改めて残虐非道なISの手法には怒りがふつふつと込み上げる次第でございます。被害に遭われたお二人、そしてその御家族には、お見舞いとお悔やみを申し上げたいと思っております。
 まず、その上で、外務大臣に最初に冒頭お伺いをしたいと思っております。
 既に委員会で取り上げさせていただきましたけれども、私、シリアから退避をした我が方の大使館の武官ポストにつきましては、もう以前、この委員会で取り上げたと思いますけれども、防衛大臣であった小野寺先生とそれから岸田大臣に対して、そのポストがレバノンの方に行っている、これは、もうゴラン高原の自衛隊が撤退した後は、是非重要なポストであるヨルダンに移すべきだというお願いを内々させていただきました。その後、外務省からヨルダンとレバノンを兼轄をさせるという報告を私のところにいただいたにもかかわらず、事件が明らかになった後、私もそこでびっくりしたんですけれども、兼轄にはなっていなかった、ヨルダンには武官がいなかったと、こういうていたらくでございました。これを内々やらせていただいたんですが、その後、こういう状況なのでということで、私、委員会で改めて大臣にお願いを申し上げましたところ、五月の一日付けで在レバノン大使館の駐在武官がヨルダンに兼轄発令になったという報道がございました。
 いろいろとございましたが、大臣には御努力をいただいて、結果としてはお約束を果たしていただき、そしてこれから、中東における情勢の把握や、あるいは、今後も起きてはなりませんけれども、邦人の生命を守るための一歩が築かれたという観点からは御礼を申し上げたいと思っております。
 外交や人の命は、私、与党も野党もないと思っています。その意味では、是非とも提言はさせてこれからもいただきますので、是々非々で受け止めていただきたいし、中東の不安定性というのは是非真剣にお互いに考えるべきだと思いますが、そこについて御所見があれば、まず冒頭お伺いしたいと思っております。
#9
○国務大臣(岸田文雄君) 防衛駐在官につきましては、各国の軍、国防当局や他国の駐在武官から軍同士の関係でしか入手し得ない種々の情報を入手することができ、防衛駐在官の派遣は邦人保護に必要な情報収集体制を強化する上でも有効であると考えております。そして、レバノンあるいはヨルダンにおける防衛駐在官のありようにつきましては、大野委員からも様々な御提言、アドバイスをいただいてきたところであります。
 こうした駐在武官につきまして、この五月一日付けで在レバノン大使館の駐在武官が在ヨルダン大使館に併任発令となったこと、これは情報収集能力の向上に資するものであると考えております。
 是非、引き続きまして、この防衛駐在官の機能強化を含め、政府全体の情報収集能力の向上に努めていかなければならないと考えます。
#10
○大野元裕君 是非よろしくお願いいたします。
 その上で、今日の本題でございます検証委員会の報告書について議論をさせていただきたいんですけれども、今日はこの委員会に副長官にお越しをいただきまして、本当にありがとうございます。
 ところが、その一方で、残念ながら、私の方から文句を言わなければならないところでございます。と申しますのも、この検証委員会の報告書につきましては、五月二十一日付けでございます。
 当委員会では、この邦人殺害事件あるいは中東における情勢につきましても関心が高く、当委員会でも、幾度となく委員の先生が検証についても取り上げられたり、あるいは集中的な質疑も行われたところでございます。しっかりと検証していただくということもお願いをしてまいりました。それにもかかわらず、我々理事や委員が本報告書について知らされたのは、五月二十一日のこの報告書が出て、マスコミ報道を通じてでございました。内閣官房から本来は、事前にこういった報告書が出るといったことだけでも結構ですし、あるいは直後に、すぐに国会への報告、理事等にも知らせていただくべきだったと私は思っておりますけれども、こういったことが行われずに我々がマスコミから聞いたというのは極めて遺憾でございます。
 このような形になった背景を是非、まず副長官にお伺いしたいと思っています。
#11
○内閣官房副長官(世耕弘成君) 今回の検証では、シリアにおける邦人殺害テロ事件の政府対応について検証を行って、国際テロ事案に関する在留邦人保護等の在り方について検討を行ってきたところであります。
 この検証内容には、相手国との関係や個人のプライバシーといった対外的に公表できない事項が多く含まれておりまして、全体の報告書の内容が確定するまで検証関係者以外には残念ながら内容をお知らせすることができなかったということであります。
 この検証報告書については、今御指摘のとおり、五月二十一日の邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会と有識者との合同会合で、ここで初めて最終的な取りまとめが確定をしたわけであります。私もその段階で初めてこの報告書を読んでいるわけでありますが、その後速やかに公表をさせていただいて、そして各方面への説明等を行ってきたところであります。大野委員等を始めこの委員会で検証の在り方について問題意識を示されていた先生方にもできるだけ速やかに説明に回っているというふうに聞いております。
#12
○大野元裕君 ところが、我々が知ったのはマスコミを通じてという話をしました。確定するまですぐに我々に知らせていただければ私は良かったと思いますけれども、マスコミを通じて、今回の対応に問題はなかった、あるいは適切であった、こういった文言を我々新聞で見て正直びっくりしました。検証というものはやはりしっかりとしていただく必要がある、あるいは保秘の必要がある、これはよく分かります。しかしながら、行政の監視を行う国会でございますし、なおかつ国民の関心も高い事項であります。決して私はそれで足りるというものではないと思っています。
 特に、本委員会では、重要法案として今国会で位置付けられております防衛省設置法の審議がまさにその日に開始をされました。理事会におきましても、この検証委員会の報告書については知らないままにこの日の日程が設定され、防衛省設置法の審議が二十一日から始まったんです。事前にもし日にちだけでも仮に分かっていれば、本報告書の審議の優先順位等を我々委員の中で議論をさせていただいて、適切な日程取りが設定できたと思っています。
 普通であれば、本来であれば、この法案の審議を了してから、あるいは検証報告を終わってから重要審議をしっかりと行うというのが我々の求められる仕事だと思いますけれども、その審議を途中で中断をして、今日、報告書について議論せざるを得なくなったと、この責任は私政府にあると思いますよ。それは、しっかりと我々、両方議論しなきゃいけないんです。そのときに、日にちだけでもいい、別に確定するまで中身について知らせろとは申していません。
 政府は、そこは重く受け止めるべきだと思いますけれども、そういった国会に対して与えた影響についてのもし御判断、釈明があれば、副長官から賜りたいと思います。
#13
○内閣官房副長官(世耕弘成君) これ五月二十一日にまとまったわけですけれども、この五月二十一日にまとまるということ自体、事前に分かっていなかったわけであります。もしかしたらまだ継続であと何回かやらなければいけないという判断もあり得たわけであります。
 ただ、五月二十一日に最終的に有識者の先生方もこれでいいよと、そして、ここに集まっていた関係省庁の各検証委員もこの内容でいいということが五月二十一日その日に初めてはっきりしたものですから、残念ながら事前に日程をお知らせするということはできなかったわけであります。
 だから、五月二十一日、この報告書がまとまった段階でできるだけ早く各関係者の皆さんにお伝えする努力というのは今後とも続けてまいりたいというふうに思います。
#14
○大野元裕君 我々の責任と国民の関心事はしっかりと受け止めていただくとともに、中身についてはそこで分からなかったということならこれ以上問いませんが、ただ、こんなマッチポンプ的な自画自賛の作文ですから、正直こんなもの、いつまでまとまるかというのは私は疑問が多いと思っていますが、ただ、中身についてこれからしっかり審議させていただくので、そこについては重く受け止めていただき、官邸にお持ち帰りをいただくということをお願いをさせていただきたいと思います。
 委員長、副長官におかれましては御退席いただいて結構でございます。
#15
○委員長(片山さつき君) 世耕内閣官房副長官は御退席いただいて結構でございます。
#16
○大野元裕君 外務大臣、防衛大臣、そして内閣官房にお伺いをさせていただきますが、今話がありましたとおり、これらの検証につきましてはしっかりと当委員会でやらなければならないということで、今日、その中身について議論をさせていただきたいと思っています。
 さて、外務大臣、お伺いをいたします。
 有識者等による検証委員会というのはよくあったり、あるいは第三者の委員会等もございます。今回は有識者等による検証委員会とは言えない、各省庁の代表が論点を提起し、問題提起をし、各省庁の代表が議論をし、そこに有識者に加わっていただく、あるいはコメントを求め、そのコメントを、最終的には、それがコメントを書かれるのではなくて、コメントも官僚によって取りまとめられたものが提示される形式でまとめられたんです。
 大臣、ちょっとお伺いを是非したいんですけれども、これは検証と呼ぶに値するようなものだと、外務大臣、お考えになりますか。
#17
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の検証において、大変難しく、工夫を要すると思われる点は、先ほど世耕副長官の答弁の中にも一部ありましたが、今回の案件が邦人殺害テロ事件でありました。邦人の安全に関わる問題、あるいは諸外国との関係、あるいはプライバシー、そして今後の我が国の邦人安全確保の対応にも関わる問題など、対外的に公表できない事項がいっぱい含まれている。今回のこの事案の検証においては、この点にどう対応するのか、これが大変重要なポイントであったと受け止めています。
 こうした対外的に公表できない事項が大変多くある案件についてどう検証するかということから、有識者の方々に守秘義務の掛かる非常勤の国家公務員として発令をさせていただき、そしてその上で、対外的に公表しないとされる情報もしっかりと提供し、見ていただく、こういったまず工夫が行われました。そして、そうした有識者の方々と関係省庁との間において双方向の議論を積み重ねてきたというのが今回の検証のありようであったと思います。
 そうして、こうした双方向の議論ということで、報告書自体を見ましても、それぞれの項目ごとに、報告書の中に、有識者との議論における指摘と課題という形で指摘を全て挟み込んでおります。こうした、関係省庁と公に公表できない情報をしっかり見ていただいた有識者の方々との双方向の議論を報告書の中においても形として表したわけであります。
 今回の事案が、先ほど申し上げましたように、様々な理由から対外的に公表できない事項も大変多いという特性を持っている。こういった点において、最大限公平性、中立性を保つためにはどのような検証を行うべきなのか、そうした工夫の結果が今回の検証報告であると認識をしております。
#18
○大野元裕君 外務大臣、私、保秘の措置を講じることは大事だと申し上げました。守秘義務のそういった工夫というものは当然あったでしょう。
 ただ、私が申し上げたのは、役所が論点を示して、それについて議論をする、役所主導の会議が行われる、有識者のコメントをそのまま出すのではなくて、有識者のコメントも全て取りまとめて、結語も役所が書く。これ、世間ではマッチポンプというんではないんでしょうかね。検証というものは客観性と公平性をしっかりと担保した上で将来につなげるためのものであって、別に私、自虐的に、我々悪かったです、済みませんと、そんなことを言えなんて言っているんじゃないんです。検証の手法がおかしいんじゃないんですかというふうに問うているんですが、もう一度お答えください。
#19
○国務大臣(岸田文雄君) 検証の手法として、今回大変工夫を要する事案であったということをまず申し上げた次第であります。
 そして、この有識者の方々には、対外的に公表できない事項等につきましてもしっかり見ていただいた上で御議論に参加をいただきました。取り組むべき課題の提示も含めて幅広く闊達な御意見をいただいたと承知をしておりますし、こうした有識者の方々の意見はこの報告書の中にもこれはしっかりと反映されているものと認識をしております。
#20
○大野元裕君 もう一度言います。
 論点を役所が作り、議論を役所が主導し、そして最後の結語も役所が書く。確かに、有識者の方々の意見は、都合よくかどうかは私には分かりません、全部見ていませんから、全体を知るわけではないので、それを取り入れたところについても役所の作文で、作文というか、役所が書いた文章でございます。これではなかなか中立性というふうに考えにくいのではないかというふうに申し上げているんです。
 三・一一のときに、東日本大震災の後も、正直、民主党政権でございましたけれども、政府にとって必ずしも都合の良くない話も含めて痛いところまで書かれた。それは、でも、将来に対してやはりしっかりと安心を担保するためだったんだと私は考えております。その意味では、中立性や客観性あるいは問題提起の適切さが大事になると思いますけれども。
 それでは、外務大臣、ちょっと質問の仕方変えますけれども、この中立性や客観性あるいは問題提起が適切だったかどうか、論点ですね、論点出しが適切だったのかどうか。これはどうやって担保されたんですか。
#21
○国務大臣(岸田文雄君) 今回のこの検証に至る過程につきましては、我が外務省としましても、主要省庁の一つとして参加をさせていただきました。
 この検証報告書をまとめるに至るまでの議論ですが、先ほど申し上げました、対外的に公表できない事項も多い中にあって、有識者の方々にしっかりまず情報に接していただいた上で、これ自由闊達な御議論をいただきました。
 役所が振り付けたという御指摘ありますが、この検証結果をまとめるまでの過程につきましては、有識者の方々に様々な情報を見ていただいた上で、これ、課題、項目につきましても自由闊達な御意見をいただき、そして、その上で議論を整理して報告書にまとめたと承知をしております。決して、省庁側が一方的に課題、項目を決めた、振り付けた、こういった議論ではなかったと私は認識をしております。
#22
○大野元裕君 済みません、確認します。
 ということは、論点は有識者が出したんですね。今そういったことを認識していないとおっしゃっていましたけれども、役所が論点出したんですよね。有識者が出したんですか。ちょっとそこだけ確認させてください。
#23
○国務大臣(岸田文雄君) 今申し上げましたのは、有識者の方々に自由闊達に御議論をいただいたということであります。
 そして、議論の整理として項目を出したという、項目を挙げたという、この議論の整理という部分におきましては、省庁側がそのしっかりと役割を果たした、このように考えております。
#24
○大野元裕君 有識者が自由に議論するのは当然ですよ、有識者なんですから、それは当然の話です。そうじゃない委員会がもしあるんだったら教えてほしい。まさかそんなものがもしあるとしたらびっくりですよ。そんなものは、わざわざ、大臣、おっしゃるような話じゃない。自由に議論するのは当然じゃないですか、有識者が。じゃ、呼ばなきゃいいんですよ、そうじゃなければ。私は当然の話をされているだけだと思っています。
 だとすれば、じゃ、これ堂々巡りになりますので、論点はきちんとしているのか、客観性は担保されているのか、そういったことについて少し具体的に議論をさせていただきたいと思っていますが、これ、外務大臣にお伺いするべきなんでしょうか、有識者の方々のバランスというものは適切であったとお考えでしょうか。
#25
○国務大臣(岸田文雄君) 有識者の選定自体は外務省が行ったものではありませんが、結果として、五名の有識者の方々、政府経験者、あるいはイスラム情勢の研究者、あるいは企業のリスクマネジメント部門の経験者、そして国際協力NGO関係者等、幅広く専門的な背景あるいは経験を有する方々が含まれていると承知をしております。バランスが取れた構成になっているのではないかと私は考えます。
#26
○大野元裕君 それでは、内閣官房にお伺いいたしますけれども、有識者のうち、新聞を読んだりディベートに参加できるアラビア語能力を有しているのは何人でしょうか。
#27
○政府参考人(大庭誠司君) 今回の検証におきましては、専門的かつ第三者的な観点から御意見をいただくため、中東地域や危機管理等について専門的知見を有する有識者の方々に委員をお願いしたところでございます。
 その上で、御質問のアラビア語についてでございますけれども、有識者御本人の御意向もあり、個人の特定を含め詳細を御説明することは差し控えますが、御本人によりますと、有識者の中にはアラビア語の読み書きや議論は可能な方がいるとのことでございます。
#28
○大野元裕君 それはアラビア語読めなきゃ困りますよね、アラブの話しているんですから。
 実は私、御本人にも昨日電話して、ここで聞くけどいいですねと聞いていますから、何人ですか、教えてください。
#29
○政府参考人(大庭誠司君) 人数を明らかにした場合、関係する諸情報から個人が特定されるおそれがあり、また有識者御本人の意向もあり、個人の特定を含め詳細を説明することは差し控えたいと思います。
#30
○大野元裕君 言えない程度の人数というふうに理解をさせていただきます。御本人の特定をもちろん避けるのは私も同感です。
 じゃ、もう一つお伺いします。
 有識者のうち、今回、事件の舞台となったのはシリアあるいはヨルダンですよね。シリア、ヨルダンの専門知識が必要だと思いますが、シリア若しくはヨルダンに住んだことがある人は何人ですか。
#31
○政府参考人(大庭誠司君) 有識者御本人の御意向もありまして、詳細を御説明することは避けますが、御本人によりますと、有識者の中には出張や調査で両国を複数回訪れているという方、あるいはヨルダンに、現地の一般家庭に数週間寄宿したことがある方がいるとのことでございます。
#32
○大野元裕君 そのとおり、住んだことないんです、誰も。ちなみに私、両方とも、両方合わせて五年間住んでいますけれども。
 要するに、バランスなんです。これ、私、ほとんどの有識者の方、実は知っています、存じ上げています。優秀な方であることも知っています。そこはそのとおりなんです。しかし、バランスが取れた、地域の情勢というものをきちんと知っているという方も含まれなければならない。そして、そのバランスというものはしっかりと検討されなければならないということで、これ、まさか政府は政府寄りだから選んだとか、そんなことを私は思いたくないですけれども、やはりその辺りのバランスというものはしっかりと取っていただくことが結果として全体を担保する、客観性や中立性を担保するということにつながるんではないかということで、是非そこについてはお伺いをしたかったということなんです。個人の特定はしません。
 もう一つお伺いします。
 この報告書では、これは外務大臣でしょうか、現地の大使館にイスラムの専門家がいたと書いてありますけれども、どんな専門家がいたんでしょうか、教えてください。
#33
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 今、大野先生御指摘の箇所は、一月二十日以前の現地対策本部の体制についてだと理解しております。
 当時、在シリア大使館及び在ヨルダン大使館、総計で十九名おりますが、そのうちアラビア語を専門とする職員、国家公務員の外交官という意味では三名でありまして、その中には、現地の中東地域、アラブ地域、複数公館に勤務をして経験の豊富な者が二人含まれております。
#34
○大野元裕君 上村局長、私も名前を挙げて言うことは、その方、できますけれども、イスラムの専門家なんですね、もう一度聞きますよ。
#35
○政府参考人(上村司君) イスラムを含めて勉強させております。
#36
○大野元裕君 要するに、役所の皆さん方は、一般論で言うと、いや、もちろんその中東で一生懸命仕事をされているし、私、尊敬する方です、その方は。ただ、イスラムの専門家なんですかね。ちょっとこれ、書き方として見るとミスリーディングじゃないですかね。イスラムの専門家がそこにいたというと、あたかも例えばイスラムの研究者だとか大家だとか、そこで指揮執ったような、まあ指揮とは言いませんけれども、アドバイスを与えたとか、そんなふうに見えませんか。
 確かに、アラビア語をなさった、あるいは外務省のお金で研修をしっかりとなさった、長い間勤務された経験がある、これについてはもうそのとおりで、私はその方を尊敬しています。そういう意味では、その方をおとしめるんじゃなくて、ただ、この書き方はミスリーディングになりませんかというお伺いを是非したいんですけれども、局長、いかがですか。
#37
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 確かに、学術的な専門家という意味での大野先生のような御指摘ということでありますと、違うと思います。
 ただ、我々が育成しておりますアラブの専門家というものは、当然、イスラムの知識、それから現地の風習、あるいはイスラム教徒との付き合い、これで知見を蓄積をしているものでございます。今申し上げましたとおり、この三名の国家公務員、外交官として勤務していたアラビア語専門の職員の中に二人、極めてそういう面では経験と知見を蓄積しているものがあるということを申し上げたいと思います。
#38
○大野元裕君 おっしゃるとおりです。知見については私も同意をいたします。ただ、一般論として、こういった報告書にイスラムの専門家と書くことはミスリーディングだと言っているだけなんです、私は。
 大臣、いかがですか、今お話聞いていて。私は、もちろん全体を知ることはできません。保秘も、秘密条項も入っていますので、全部は分かりません。ただ、こうやって見ていても、まずバランスの問題、それから、イスラムの専門家がいた、これ読んでしまうと、いや、そうかと、一般の方はそういうふうに感心するんだと思いますけれども、若干これ留保が付くような状況ではないかと思うんです。
 もちろん、今申し上げたとおり、そのアラビア語の方が、外務省の方が能力がないとか言っているんじゃないんですよ、すばらしい方なんですよ。あるいは、専門家の、有識者の方もすばらしい方なんですよ。ただ、バランスの問題、実際にあそこに住んでいたような人たちが入っていないとか、あるいは、この今の、イスラム専門家と書かれてしまっていますからね、書いていなければ別ですよ、アラビア語をしゃべる職員がしっかり頑張ったと。それはもうそのとおりなんです。
 ただ、これ、どうしてもミスリーディングになってしまう。役所のその作文がいっぱいほかにもあるんじゃないかというふうに疑わせてしまうような気がするんですけれども、いかがですか、外務大臣。
#39
○国務大臣(岸田文雄君) 今のやり取りを聞いておりまして、確かに有識者という方々、どういう方々が適切なのかとか、あるいは専門家という言葉を使った場合にどういった内容の方々がこの場合の専門家という言葉に当たるのか、こういった議論は確かにあると思います。
 ただ、これは、それぞれ能力を持ち、そして経験をお持ちの方々であります。その内容や、それから経験の深さ等においては様々なものがあるのかもしれませんが、ここでいう専門家あるいは有識者、こういった言葉の使い方として、これは丁寧に注釈を付けることも考えられるのかもしれませんが、こうした報告書の中に使う言葉として不適切だとまでは言えないのではないかと思いながら聞いてはおりました。
#40
○大野元裕君 それはひどい答弁ですね。
 私、中身問うていません。すばらしい方なんです。有識者もそれぞれ個々の方は私、すばらしい人だと思っています。勤務された方も、よくあそこにいてくれたと思うぐらい優秀な方がいてくれたと思っています。
 ただ、役所が論点を用意して、先ほど申し上げました、役所が議論して、役所が取りまとめた、そこで客観性や中立性を担保するのが恐らく専門家という言葉だったり有識者の方じゃないかと思うんです。そこにはやはりきちんと細心の注意をして、こういうふうに客観性が担保されています、これだから中立性が保持できるんです、国民の皆さん、これから万が一のことが起こっても、我々はこれを糧として改善をして、こういうふうにするんですということを出すためのこの文書に作文がちりばめられていて、おかしいんじゃないかと留保を国民に付けられるようでは、あるいは国会でいちゃもんを付けられるようではいけないですよということを私は申し上げているだけなんです。
 専門家と書いてある方がひどいとか、そんなこと決して言っていません。そこは、是非大臣に、もう一度こういった検証をされるときは考えていただかなければならないと思っています。
 また進めると優しいと言われるんですが、少し進めさせていただこうと思っています。
 論点ですけれども、防衛大臣、覚えておられると思いますけれども、かつて、これは予算委員会でしたか、この委員会でしたか、議論をさせていただきましたが、シリアあるいはヨルダンに、この場合はヨルダンですね、もうシリアはいないですから、ヨルダンに現地対策本部が置かれていました。そのヨルダンに対して出張をした自衛官及び防衛省関係者、あるいは近隣の在外公館からヨルダンに出張をした防衛駐在官、この事件の際に何人おられたでしょうか。
#41
○政府参考人(黒江哲郎君) お尋ねの本件に関しまして出張を行った者ということでございますけれども、これにつきましては、ヨルダンの現地対策本部に対する要員派遣、あるいはその近隣の公館に派遣されております駐在官のヨルダンへの派遣、これは両者とも行っておりません。
#42
○大野元裕君 そのとおり、ゼロでございます。
 なぜこれをもう一度取り上げたかというと、この報告書に関係各国の防衛当局からの情報収集を指示したと書いてあるんです。関係各国、いろんな関係各国ありますよね。ヨルダンは、多分一番関係が深い国でございます。関係各国にヨルダンが含まれないということで防衛大臣、よろしいんですか。
#43
○国務大臣(中谷元君) 防衛省は、その当時はヨルダンに駐在武官がおりませんでしたので、ヨルダンの部分が抜かっていたということでございます。
#44
○大野元裕君 防衛駐在官がいなかったことは一番最初の外務大臣との議論でも明らかで、これは結果論ですから、防衛駐在官がいなかったことは、私、提言した上に、それが外務省から言われたにもかかわらず実現していなかったことは残念ですが、それは結果論ですから、そこは問いません。
 だとすれば、自衛官やあるいは防衛省関係者や、近隣の国にも防衛駐在官はいますから、そこから派遣すりゃいいじゃないですか。この議論の後に防衛駐在官をいろんなところに張り付けようという話がありますけど、それ以前の問題として、本当に重要だと思うんだったら、防衛駐在官を張り付ける前に行かせればいいじゃないですか。それはおかしいんじゃないかということを改めて指摘しますが、実はそれ以上の問題があります。
 あのとき議論したのもそうなんですが、我が国の情報収集ルート、これ機微な問題です。ヨルダンから聞かせていただこうとしても、全部開けっ広げでなかなか教えてくれるということも、彼らはヨルダン人の命も懸かっている以上、それは当然なかなか難しいことだと思っています。そういう中で、ヨルダンでは軍のパイロットがISにより拘束をされました。
 大臣、以前御議論をさせていただいたときに、ミリミリ、つまり軍と軍の関係というのはまた特別なものがあって、そこでの情報収集とか意見交換、これはまた特別なんだという、これはもう御同意いただいたのでそこは聞きませんが、その話しましたですよね。
 ヨルダンのような国では、軍のパイロットが殺されようとしている、そうすると、感情的になった軍に対して、当然の話ながら、王宮やあるいは政府あるいはGID、こういったところが適切に情報提供しないことが後で分かったとすれば国家の一大事になりかねないような国なんです。そうだとすれば、軍に対して適宜情報を与えていたんじゃないか、これは想像に難くない話です。
 そういった意味で、軍とのルートを維持するための要員は、私は、特にヨルダンのパイロットが拘束されて以降は、いわゆるその軍とのルートを確保するために、自衛隊員、防衛省、そういった人たちの派遣が必要だったと思うし、しかも、これも指摘しましたけど、今、在ヨルダンの大使は櫻井大使で、防衛省で知見を積まれた立派な方でございますので、そういった知見というものも多分あったんじゃないかなと私は思うんです。
 これらはどの辺りに、これらの論点、実は既に議論しましたが、内閣官房、どの辺りにこれは報告書反映されているんでしょうか、この論点は。
#45
○政府参考人(大庭誠司君) 先ほどもお話がありましたとおり、防衛省からの要員派遣はヨルダンの現地対策本部にはされておりません。また、近隣のところからヨルダンへの派遣はされておりませんが、ヨルダン政府との関係では、現地対策本部を通じて、治安・情報機関を含め、最大限の協力をいただいておりまして、その旨は記載しております。
 ただ、このような政府の対応につきましては、有識者から、政府の情報収集について一定の評価はするものの、情報収集・分析能力の一層の強化について御指摘をいただいたところでございます。
#46
○大野元裕君 そんなこと聞いていません。
 私、長々と説明したじゃないですか、軍と軍の関係がって。しかも、そのパイロットが捕らわれて以降はという話はしたでしょう。そこはどこに反映されているんだと聞いているんです。全体についての情報収集ができたというのはよく読みましたよ。私だって文字読めば分かりますよ。
 もう一度答えてください。どこに反映されていますか、この論点は。
#47
○政府参考人(大庭誠司君) それぞれの機関ごとに情報収集の仕方について良かったかどうかということについて議論はされておるところでございます。ただ、個別の交渉内容につきましては、対外国との関係等もありまして、この報告書の中には記載しておりません。
#48
○大野元裕君 記載していないのに、何で派遣しなかったことが言えるんですか、今この国会の場で。さっき言いましたよ、誰も派遣されていないって。言いましたよ。
 ここに書いてあるのは、防衛省として関係各国の防衛当局からの情報収集を指示した、情報はきちんとうまくヨルダンからも取れていたと書いてありますよね。
 論点として何で上がっていないんだと。しかも、これはこれまで国会でも取り上げられているし、その時点で答弁はあるんですよ。秘密じゃないんですよ。何でこの論点が議論されなかったかと聞きたいんだけれども、まずは、だからその前提としてどこに書いてあるんだと聞いているんです。
#49
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の点がどこに報告書の中に反映されているのか、これは、済みません、事務方からもう一度確認をさせて、答弁させていただきたいと思いますが、こうしたミリタリーの世界において、この手の情報共有という部分において、軍と軍との関係は大変重要であるという点、これはもう大野委員御指摘のとおりであります。しかし、現実は、当時御指摘になられたような状況でありました。
 しかし、我が国政府としまして、ヨルダン政府との関係においては、情報面において最大限協力をいただいたと受け止めています。といいますのは、今回のケースにおきましては、ヨルダン政府との関係、安倍総理から直接ヨルダン国王に様々な協力の要請をさせていただきました。このトップ同士の会談だけでもたしか三度ほど行われていたと思います。ヨルダン国の中にあって、国王に対して直接安倍総理から要請を行い、そして国王から協力の約束をいただいた、その指示に基づいてヨルダン政府としてしっかり情報提供をしていただいていたと受け止めております。
 結果としまして、ヨルダン政府からの情報提供、最大限御協力をいただいたと我が国としては受け止めているところであります。
#50
○大野元裕君 私、内閣官房に聞いておりましたが、外務大臣から手が挙がったので是非すばらしい答弁をいただけるものだと思いましたが、残念ながら、私の問いに答えていただいておりません。
 アブドッラー国王を始めとするヨルダンの王室の方々は大変日本に対して好意的であり、今回も御協力を賜ったことは私も心から感謝をする次第でございますが、しかし、外務大臣とも思えないのは、情報ルートというのは複数持ってしっかり裏を取っていくということが必要であります。一元的にどこかに頼ってしまうというのは当然危険な話であることは、外務大臣、よくお分かりのことだと思います。
 ミリタリー・ミリタリーのルートは、私が指摘するまでもなく、既に防衛大臣が、予算委員会だったと思いますけれども、御同意というか、私に教えていただきました、そのとおりだそうでございます。そうすると、このルートというのは使わなかったこと、これはもう既に取り上げられているし、論点としては大事だと私は思うから、この論点がなぜ入っていないんだ。この論点が入っていないにもかかわらず、国会で議論されたこの論点が入っていないにもかかわらず、防衛省は関係諸国、しかもヨルダン除く関係諸国の軍から情報収集をしたというふうに書いてある。これじゃ論点にすら上がっていない。そして、議論がされたにもかかわらず、防衛省として、これ取り上げなかったんでしょうか。議論は取り上げられず、都合のよく、いや、情報収集しました、すばらしかったですねと。これで本当に検証と言えるのかということを私は問いたいんですよ、問いたいんです。
 防衛大臣、お伺いしますけれども、防衛省からもこれ検証委員会に参加されておられますよね。もう既にこの議論しましたけれども、私が今した指摘は、実は以前この委員会でも指摘いたしました。都合が悪いので防衛省はこれは取り上げなかったんでしょうか。だから議論されなかった、だからこれ反映されていないということなんでしょうか。是非ちょっと教えていただきたいんですが。
#51
○政府参考人(黒江哲郎君) この検証委員会につきましては、防衛省からも当然、職員を派遣をいたしまして、必要な情報交換といいますか、事情についての説明等は行っておるところでございます。
 他方、先ほど来御指摘の、関係各国における国防情報機関というものについての中にヨルダンが入っていなかったということにつきましては、これは先ほど外務大臣等からもございましたけれども、その当時において、我々として、ヨルダンにきちんとした形で駐在官が派遣されていなかったと。
 これは、ミリタリー・ツー・ミリタリーの情報の重要性ということとともに、そうした信頼関係というものがなかなか一朝一夕にできるわけではないといったことがございまして、その時点におきまして急遽駐在官を派遣するということをしなかったわけでございますけれども、そういったところについては御説明した上で、最終的な記述になっておるということだと思っております。
#52
○大野元裕君 じゃ、論点としては取り上げられたということですね。ちょっと確認します。
#53
○政府参考人(黒江哲郎君) この点を含んで、当然のことながら、我々の駐在官に対する情報収集の指示等とそれに対するフィードバックといったものは検証委員会でも議論されたというふうに私は認識をいたしております。
#54
○大野元裕君 ちょっと待ってください。一朝一夕にルートができないので出張させても仕方がないということですね、それは。そういうことですね。ミリタリー・ミリタリーの特性というのは分かるけれども、なかなかそれではできないから、最も関係の深いヨルダンには送らなかった。
 ちなみに、警察庁はTRT等を送っています。あるいは、外務省もアラビア語等の知見を持った方、これは当然、アラビア語をしゃべれるというのはプラスになりますから、そういった方を、一朝一夕にはなかなかできないけれども、送っていますよね。
 防衛省だけは送らないということに私は聞こえるし、しかも、冒頭申し上げましたが、私はその前から、事件が起きる前から、ヨルダンに武官を置くべきだという話を実はしているんですよね。そこは改めて問いませんけれども、これらの議論がもしなされたのであれば、ここに書くべきじゃないんですか。しかも、これ、議論としてその前にもあるわけですから、国民に疑念を持たれない、あるいは、仮にそこで問題があったとしても、私、結論として問題があったなかったという話をしているんじゃないんです。論点として取り上げすらしない。議論がもしされたのであれば、書いてもいない。書かずに、関係諸国の軍機関と情報収集したと。それじゃ話違うんじゃないんですか、突っ込まれれば、それでは。
 防衛大臣、済みません、これは質問していませんけれども、今、一連の流れ、話聞かれていて、これ論点として取り上げもしないで、しかもいいことばっかり書いてあるようなことで、これ本当にいいんですか。防衛大臣、是非お伺いしたいんですけれども、これ将来にわたって大事なものだし、人の命懸かっているものじゃないんですか。教えてください。
#55
○国務大臣(中谷元君) 今回、御指摘のように、ヨルダンには防衛駐在官も派遣はされておりませんでした。
 会議におきましては、ヨルダン政府との関係におきましては、現地対策本部を通じて、治安・情報機関を含めて最大限の協力をいただいており、その旨は報告書の二ページ、二十二ページにも記載しているところでございますが、有識者からは、政府の情報収集についての一定の評価はするものの、情報収集・分析能力の一層の強化について御指摘をいただいたところでございます。
#56
○大野元裕君 防衛大臣、違うんじゃないんですかね。防衛大臣、前回取り上げたときに、そのような御指摘はきちんと承った上で、これから検討しますとおっしゃっているんですよ、大臣。その言葉、うそですか。そうおっしゃっているんですよ。だから聞いているんです、私。そのまま放置しただけですか。これ、ここで議論して、それが確かに、検討して、いやいや、あれが正しかったんだと、これはありだと思います。あるいは、そうじゃなかったんだ、これ、こうやって改善するんだ、ありだと思います。でも、論点としてすら取り上げられていないで、いいことばっかり結論として書いてある。有識者から御指摘があった。でも、その論点を選んだのは役所じゃないですか。その論点、議論していないでしょう、有識者と。
 それで、もちろん議論していれば別ですよ。論点選んだのが役所で、それは議論もさせないで、そして、指摘したことは、大臣は以前きちんと検討して対処しますとおっしゃっているのに、それすらしないで、いいことばっかり書いてある。これはマッチポンプの作文という以外の何物でもないじゃないですか。しかも、客観性が担保されないような制度、これでは私は若干、若干どころか全く納得ができないし、もう一度、第三者の検討委員会でもやったらいかがでしょうか。内閣官房、どうですか。
#57
○政府参考人(大庭誠司君) 先ほどの情報収集・分析について、個別の論点ではないんですけれども、全般的な分析は十分であったかという観点につきましては、政府としては、今まで情報収集・分析機能の強化に努めてきたところであるが、今後とも、事案発生の未然防止や情勢把握に資する情報収集・分析能力の強化を進めていく必要があるという形で総論としては述べているところでございます。
#58
○大野元裕君 都合の良い解釈やそれぞれの政府の対応に対するその釈明については物すごく長い文章を作っておいて、そして、これらの既に国会等でも取り上げられた論点については、論点として出すこともせずに議論をせず、そして二行で終えてしまう。私は、これは責任のある検証ではないと思います。
 大変残念ではありますけれども、この話ばかりに関わっていられないので、もう少し進めさせていただきたいと思います。
 外務大臣に是非お伺いをさせていただきたいと思います。
 この報告書によれば、殺害をされました湯川氏、後藤氏の渡航目的についての論点がありました。この渡航目的については、今後に生かすためにも引き続き究明をするべきである、つまり分からなかったという結論であります。
 後藤氏の渡航に際しては、外務省が数度にわたり聴取をし、渡航の取りやめの説得をしたというふうに書かれていますけれども、外務大臣、ちょっと疑問だったんですが、何度も渡航取りやめの説得を行ったときに渡航の目的を聞かなかったんですか。教えてください。
#59
○国務大臣(岸田文雄君) まず、外務省としましては、二〇一一年四月から、シリア全域について、渡航情報の中で最も厳しい渡航延期を含む退避勧告を発出しています。これは、いかなる邦人に対しても目的のいかんを問わず渡航しないように勧告している、こういった次第であります。
 そして、御指摘のように、後藤さんに対しましては、九月下旬、十月上旬に電話で、そして十月中旬には面会で、計三回にわたって外務省担当部局から危険な地域に渡航しないよう注意喚起を行いました。目的のいかんを問わずシリアに渡航しないよう働きかけたものでありますが、その時点において後藤さんがシリアに再度渡航する意向が明確ではなかったこともあり、最終的にシリアへの渡航を思いとどまらせることができなかった、こういったことであったと報告を受けております。
 渡航目的との関係で申し上げますならば、以上のやり取りがございました。
#60
○大野元裕君 目的を問わず渡航を禁止しているというか、渡航を自粛するよう求めてきた、これはまさに字義どおりだと思います。
 しかし、これ、私もかつて上村局長にもお世話になって外務省におりましたので、その当時にも、やはり相手ときちんとコミュニケーションをキャッチボールしながら何とか思いとどまらせる、危険性というものを知らせるという作業は多分してくるんだと思うんですね。
 そうすると、全く渡航目的等について触れずに、三回も会っていてですよ、しかも面会もしていて、そこで渡航取りやめの説得を行うというのはなかなか難しいんだと思いますけれども、今日は三好局長にも来ていただいているので、ちょっとよろしければ教えていただきたいんですが、やはり領事局としては丁寧にそこは対応されているんだと私は思いますけれども、渡航目的も全く聞かずに取りやめの説得というのはされるんでしょうか、一般に。
#61
○政府参考人(三好真理君) お答え申し上げます。
 危険地域に立ち入る邦人の方につきましては誠意を尽くして説得に努めるわけでございますが、後藤さんの場合は、シリアに行くということはおっしゃらなかったものですから、最後まで、渡航目的云々に行く前に、危険なところへ行かないでくださいということで実は終わっておりまして、その点が非常に悔やまれるところでございます。
#62
○大野元裕君 新しいきちんとした情報をありがとうございます。正直、そこについては、そういうことであれば、納得はしませんけれども、そういうことですねということは分かりました。
 もう一つ、湯川氏、後藤氏については、目的もそうなんですけれども、本当に最後の最後の時点まで、我々がマスコミで知る直前ぐらいまでISに拘束されたのかどうか等が分からなかったので、拘束された可能性もある行方不明邦人として扱ってきたという記述が延々と続いています。
 しかしながら、最初の湯川さんが拘束された後の映像等でも、様々な専門家等の指摘もありました。もちろん、そこで断定するわけにはいかなかったかもしれません。ただ、その後、昨年九月の時点で、湯川氏の裁判の立会い及び通訳のために、シリアをジャーナリストの方とそれから学者の方が訪問をされているんです。それはもう外務大臣はよく御存じだと思います。その時点での情報を外務省及び警察庁は聴取していなかったんでしょうか。既に湯川氏拘束の一報はありましたね、その時点で。それが断定できるかどうかは別ですよ。
 さらに、そこで一報はあった。そして、こういった情報があった後もなお、湯川氏及び後藤氏が拘束された可能性がある行方不明者として一般論として扱ってしまったことはどうしてなのでしょうか。私は、可能性というか蓋然性は相当その時点で高まった、あるいはそこで情報を聞けたと思うんですけれども、外務大臣、そこについて御確認をさせてください。
#63
○国務大臣(岸田文雄君) まず、湯川さんにつきましては、八月十六日にもたらされた情報により、外務省が、何者かに拘束された可能性のある行方不明事案であると認知をいたしました。そして、その後、今御指摘がありました学者の方とジャーナリストの方の動きがありました。
 政府としましてはその情報には接しておりましたが、湯川さんがISILによって拘束されていた可能性は否定できず、その疑いが持たれていたものの、今年の一月二十日以前においては確定的な情報に接していなかったということでありました。今御指摘がありました学者の方あるいはジャーナリストの方のシリアの渡航に当たっても、湯川さんと直接接触することはなかった、このように承知をしております。
 そして、その後、後藤さんについても、十二月三日、御家族へのメールについて御家族から連絡を受け、後藤さんが何者かに拘束された可能性が高いことを認知いたしましたが、警察庁において同メールを分析いたしましたが、具体的に犯行主体がISILであるという確証を得ることはできなかった次第であります。
 更に言うと、十二月十九日に、犯行グループから後藤さんの奥様へのメールによって、後藤さんが確かに拘束されているとの心証を持つに至りましたが、しかしながら、それでも一月二十日以前において具体的に犯行主体がISILであるとの確定的な情報には接していなかった、このように振り返っております。
#64
○大野元裕君 ありがとうございます。次の質問のところまでお答えをいただきました。
 済みません、一点、ただ抜けているんですが、九月の時点でジャーナリストと学者の方が行かれた、その後の情報を外務省、警察庁は聴取はしていなかったんですか、したんですか。そこはちょっと教えてください。
#65
○国務大臣(岸田文雄君) 聴取とおっしゃるのは、御指摘の学者の方、ジャーナリストの方に対して外務省として直接話を聞いたかということであるならば、そういった聴取は行ってはおりません。
#66
○大野元裕君 八月の十六日時点で行方不明になったのではないかという話がありました。しかも、拘束した相手はISではないかという話が実は当時から言われていました。そういう疑わせるような情況の証拠も私はあったと思っています。
 そんな中、しかしながら、まだまだ分からない、行方不明者として取り扱っていた。ただ、九月にこれらの方が行った。そこで、私は外務省としてはやはり聴取するべきではなかったかと思うんですが、そこはいかがですか、外務大臣。
#67
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の情報も含めて様々な情報が飛び交っておりました。その中で、外務省として、この接した情報についてどう対応するのか、最大限効果的な対応を検討した次第であります。
 結果として、御指摘の学者の方、ジャーナリストの方とは直接聴取、接触は行わなかった、こうしたことであったと報告を受けております。
#68
○大野元裕君 それは、済みません、ジャーナリストの方あるいは学者の方が外務省と接触するのは嫌だというふうに向こうが拒否したということなんでしょうか。
#69
○国務大臣(岸田文雄君) 詳細については詳しく聞いてはおりませんが、外務省としましても、この学者の方、ジャーナリストの方に対して接触を試みたということはなかったと承知をしております。
#70
○大野元裕君 そうなんですね。ジャーナリストの方は私に直接、外務省と言っていたかな、日本政府に対して情報提供すると言っているのに連絡来ないと言っていましたから、そのとおりだと私は思います。
 これ、私、その後の方で、この学者の方についても、この報告書で、この学者の方のオファー等は適切ではないというのは分かりました、そこは書いてあるので、そこについては議論しません。ただ、そのまだ前の段階です、九月の段階。彼らがシリアに国境を越えて行った後については、やはりそこは私は話は聞いておくべきだったんではないかと個人的には思っています。
 その上でお伺いしますが、この検証報告書、開きますと、すぐに人命第一と書いてあるんです。外務大臣、どの辺りが人命第一と読めるのか教えてください。
#71
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の箇所については、政府として、このお二人の安全のために何が最も効果的な方法なのかとの観点から、関係各国と緊密に連携しつつ、部族長、宗教指導者等あらゆるルート、チャンネルを活用して最大限努力をしたということであり、このお二人の安全のために何が最も効果的なのか、こういった観点から最大限努力をした、こういった点を捉えて、人命第一の立場に立って取り組んだという表現につながっていると認識をしております。
#72
○大野元裕君 だとすると、十二月の三日でしたかね、お亡くなりになられた後藤氏の御家族へのメールに対するアドバイス、あるいはメールに対して返信をするような例えば示唆だとかそういったことについては、なぜ我が国政府はこれを行わなかったんでしょうか、教えていただきたいと思います。
#73
○国務大臣(岸田文雄君) この後藤さんの奥様に対する対応につきましては、犯行グループから接触が奥様宛てにあったことを把握した後、外務省は警察庁とも連携しながらチームを立ち上げました。
 事案の性質上、秘密の保全に留意しつつ、本件に対応される御家族の気持ちに最大限寄り添うとの方針の下に、後藤さんの奥様に対しましてもできる限りの支援を行った次第であります。そうした方針の下に後藤さんの奥様と接しさせていただいて、全力を尽くした次第であります。
#74
○大野元裕君 全力は尽くしたけれども、犯行グループとおっしゃいましたが、そこに対するメールをこういった形で出せとか、そこからコンタクトを試みるといったことはやらなかったということだと、この報告書ではそうなっていますけれども、それはなぜだか教えていただきたいと思います。
#75
○国務大臣(岸田文雄君) そうした具体的な対応については、後藤さんの奥様あるいは御家族の心に、お気持ちに最大限寄り添うという方針の下で臨み、その結果であったと認識をいたします。
#76
○大野元裕君 ということは、人命第一ではないんですか。御家族のお気持ちが最優先と今おっしゃいました。人命第一、第一より最優先があるということなんでしょうか。これ、ちょっとよく私分かりにくいんですが、なぜかというと、メールが来た、それが犯行グループだと先ほど断定されましたけれども、それだとすれば、その犯行グループに対して例えばそこを通じてコンタクトをするとか、そういったことは一つあり得たのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(岸田文雄君) 後藤さんの奥様、また御家族の皆様方にとりましても、後藤さんの安全、あるいは後藤さんの命が最優先であるということについては全く変わりはないと思います。そうした御家族のお気持ちに寄り添うべく最大限努力をいたしました。具体的な対応はそうした方針の結果であると認識をいたします。
#78
○大野元裕君 ということは、御家族がメールでコンタクトをしてほしくなかった、外務省や警察庁には関与してほしくなかったということですね。
#79
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、外務省そして警察庁がチームを立ち上げて、今申し上げました方針で臨んでまいりました。政府としましては、過去の類似の人質事件の経験等も踏まえて必要な説明、助言を行うなど、後藤さんの奥様に対する支援を行った次第であります。具体的な対応はその結果であると認識をいたします。
#80
○大野元裕君 要するに、これまでの知見に従えば、そのメールを通じてコンタクトはしない方がいいというアドバイスを政府はされたということですね。
#81
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、チームを立ち上げ、御家族のお気持ちに寄り添うべく最大限努力をいたしました。その方針で最大限努力をいたしましたが、具体的な対応についてそれ以上申し上げることは、御家族のお立場等もございますので、控えなければならないと考えます。
#82
○大野元裕君 もう一度戻ります。
 八月の時点で行方不明になり、ISに拘束されたのではないかというような様々な情報があった。しかし、断定はできていなかった。当然、人命第一で考えるならば、誰が拘束をして、どのような形で対応していくのかという、そういった方針を定めていく、あるいは、警察の方々などは特に人質事件の知見はお持ちでしょうから、その相手によって当然アドバイスも変わってくるんだと思うんですね。
 そういったことが行われる中で、九月にシリアに行かれていたルートからは、こちらからは話をするように求めなかった。政府としては聞いてもいない。そして、メールが来たけれども、それについては、私は、済みません、詳細はお答えいただいていないので分かりませんけれども、結論からいえば、そのメールを使って何らかの形でコンタクトをするようなことにもならなかった。で、十二月の十九日になってメール、そして翌月ですか、映像が出てきて、ああ、これはISだということになった。
 これ、済みません、何か月もの間放置しておく方が御家族にとってはつらいことになるんだろうと私は思いますし、そこについては、まず相手をきちんと確認するとかという手段はあり得たのではないか。ということは、検証の中にもう一度、この九月の専門家の方等についても検証するべきではないかと思うし、その専門家の方から、後からでもいいですから話聞くべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#83
○国務大臣(岸田文雄君) 検証の在り方についてはそうした様々な御指摘があるのかもしれませんが、いずれにしましても、政府としましては、今御指摘があった時期についても、これは何もしていなかったわけではありません。こうした何者かに拘束された可能性がある行方不明事案であるという認知をした後、外務省あるいは警察庁、様々な関係者を出張させるなど情報収集に努めてきたわけであります。こうした様々な情報収集を行う中にあって、具体的な一つ一つの対応を決定したということであります。
 いずれにしましても、こうした情報収集をし、そして実態を解明する上で何が最も効果的なのか、そうした観点から努力をした次第であります。
#84
○大野元裕君 大臣、私、それやらなかったことがいいとか悪いとか言っているんじゃないんです。これらも取り上げて論点として本当は書くべきだと思うんですよ。
 例えば、この九月に行かれた方々から聴取をしなかったことが良かったか悪かったか、これは別に私、臆測でいいとか悪いとか言うつもりはありません。ただ、論点としては当然あったんだろうと思います。人命優先、人命第一とおっしゃるのであれば、そのためにはこういう方法もあったんじゃないかということを例えば論点として取り上げることが、メールの例えばコンタクトについてもあったんだろうと思います。これらの論点を書き込んでいくこと、そして検証していくことが検証の私は目的だと思うんですよ。別に外務省の対応が悪かったとか努力していなかったなんて一言も言っていません。やっていたことはよく知っています。
 ただ、そこは論点ですから、として取り上げて、そして有識者にわざわざ入っていただくんですから、御議論いただくということが必要じゃないかということを一貫して最初から言っているんです、私。だからこそ今指摘させていただいたんですが。
 済みません、若干時間がなくなってきたので、少し話飛ばさせていただきますが、大臣、エルサレムでのスピーチの話を以前もちょっと話をしたことがあります。
 改めてお伺いしますけれども、有識者からもイスラエルの国旗が映っていたことが不用意ではないか等の指摘もあったとされているが、その一方で、イスラエルとの関係のみを殊更に問題視することはふさわしくないとの指摘もあったと、こう書いてあります。
 大臣は、これらの指摘を受けて、広報上の配慮として、あるいはアラブ、イスラムの国民感情という観点から見て、総理のスピーチが行われたときにイスラエル国旗がたなびいていたことは、今も適切だとお考えですか。
#85
○国務大臣(岸田文雄君) 今回の検証報告を見ますと、御指摘の点について、不用意ではなかったかという指摘もあった一方で、これらは不適切であったとは言えないが、こうした事案の対応時における対外発信においては、政府による説明や発信が及ぼし得る様々な影響等を考慮した上で内容や時期を検討する必要がある、こうした記述があると承知をしております。
 そして、このイスラエルの国旗等の扱いにつきましては、まずは内外記者会見を実施する際の通常の慣行に従ったものであります。我が国がアラブ諸国あるいはイスラエル、こうした双方とバランスの取れた良好な関係を維持しており、こうした我が国の立場、これは国際社会にも広く理解をされています。
 是非、今後とも、こうした今の御指摘等も踏まえながら、細心の配慮を払いながら対外発信には対応していきたいと考えます。
#86
○大野元裕君 そういう話じゃないんです。日本がアラブ側とイスラエル側としっかりと両方とも付き合っている、これは国際的に理解を得ている、これはもうそのとおりです。おっしゃるとおりです。
 私は、こういう状況、つまり人質が、特に独り善がりのロジックを振り回すような、そういうとんでもない組織に捕らわれているようなときに、アラブの大衆の感情を少しでも味方に付けなければならない、こういう配慮というものが必要ですよねと言っているんです。
 そして、特に、これ論点に全く出てこないんですが、例えば、あのイスラエル、エルサレムでの内外記者会見については、あれは四十五分間、たしか遅らされたんですよね。その間ずっと多分会場に、現地の国民感情を知っていることが期待される広報担当官とかが私はいたと思いますし、会見場の状況というのは分かったと思うんですよ。あるいは、ここに、通例上、相手の国旗はあるものだって書いてありますけれども、しかし、例えばバイのこととか中東和平のことはそこで話しても、部屋出てからぶら下がりでISの話とか人質の話をするとか、そういった工夫というのは大いにあり得るはずですよ。それが人命第一というんじゃないんでしょうか。
 これらの論点がここに含まれていないということは、そもそも、結論が適切かどうかじゃないですよ、大臣、間違えないでくださいね、それらが論点に含まれていないということは、本当にこれ適切な議論がなされたというふうに外務大臣、お考えですか。
#87
○国務大臣(岸田文雄君) まず、このISILによる邦人殺害予告動画の確認後、イスラエル訪問中の安倍総理自身の言葉で、広く日本国民及び国際社会に対し日本の立場を最も効果的かつ迅速に伝える観点から、予定されていた内外記者会見は最適の場である、こうした判断が行われたものであると認識をいたします。
 そして、報告書の中で、その内外記者会見を含む対外発信の在り方について、この検証報告書を取りまとめる際の有識者の議論において取り上げられた、これはこのように承知をしております。そして、有識者からは、動画公開直後の会見で総理がテロに屈しない姿勢を明らかにし、その後も一貫して同様の姿勢を示したこと、これは日本という国の立ち位置を世界に示す上で重要である、こういった指摘はされております。
 いずれにしましても、こうした指摘も踏まえて、対外発信については引き続き細心の配慮を払いながら対応していきたいと考えております。
#88
○大野元裕君 大臣、それはサブスタンスとロジスティックスのすり替えです。私が言ったのは、論点として、そういった広報上の配慮が、例えば会見場を出てからできるとか、そういったことまできめ細かくやっていかないと、人の命が懸かっているんだから、我々ができることというのは、確かにいきなり行って取り返しに行くようなことはできない、これは分かります。だけれども、それを我々は細心の注意でやるべきじゃないかということを論点として議論をするべきじゃないかということを申し上げているんです。
 なぜならば、これは事態、重要なんです。そして、今も多分オンゴーイングなんです。なぜかといえば、ISにせよアルカーイダにせよ、我が国の国民を標的にするというふうにひどい脅し方をしています。これはまだ多分続いているんだと思うんですね。そういう中で、検証というものは客観性が必要である。論点というものはきめ細かく出していって、将来につながらなければならない。それは、決してマッチポンプの作文であってはいけないし、論点を都合のいいところだけ出してきて、そして客観性が担保できるかどうか分からないような有識者の方々を連れてきて、バランスの問題ですよ、そして、その上で、結論もある意味都合のいいものが出てきてしまうというのでは、決して私は好ましい、検証としてですよ、政府の対応が好ましいかじゃないですよ、検証の仕方として決して私はいいものではないと思うし、現実の問題として、この検証報告書の後、前後に外務省等から出ている報告書を見ると、改善するべき点はたくさんあると書いてあるんです。それは、具体的にここの関係が、検証報告がこうだから改善するとは書いてありませんけれども、しかし、まだまだ改善するべき点があるのであれば、何が悪かったかということをきちんとその事実として捉える努力が必要であるということを是非私は指摘させていただきたいと思っています。
 今日は七十五分あったので、時間たっぷりだと思ったんですが、十問以上余らせておりますが、一問だけ防衛大臣にお伺いしたいと思います。
 これ我が国の邦人の安全ということを考えたときに、いわゆるPKOの新しく出ている法案の中でもこれが取り上げられていて、それはいわゆる駆け付け警護が関係があるんだと思っています。一点だけ確認させていただきたいんですが、防衛大臣、PKO部隊によるいわゆる駆け付け警護を行う自衛隊の任務については、いわゆるPKFの本体業務、これを行う部隊が駆け付け警護を行うという規定が適用されていないんですね。ほかのところは適用されているんですが。
 これ、PKF本体業務を行う部隊は、駆け付け警護は新しい法案ではできないというふうに考えてよろしいんでしょうか、あるいは違う法的な根拠でなされるということなんでしょうか。是非教えていただきたいと思います。
#89
○国務大臣(中谷元君) いわゆるPKF本体業務、これを行う場合には、国連PKOの実行上、警護の任務まで求められることが通常でございます。このため、法改正後にいわゆるPKF本体業務を行うために自衛隊の部隊を派遣する場合には、いわゆる安全確保業務を併せて付与し、警護を行えるようにすることが通例になると考えます。
 このような法律の運用を前提とするため、いわゆるPKF本体業務を行うために派遣される自衛隊の部隊は、いわゆる駆け付け警護としてではなくて、いわゆる安全確保業務の一環として警護を行うことが可能となります。
#90
○大野元裕君 分かりました。そこはまた今後も議論させていただきたいと思います。
 今日はシリアにおける邦人殺害事件について質問をさせていただきましたが、論点も都合のいい形で出て、そして役所が取りまとめを行うための客観的な措置もなされていない、そして議論についても都合のいいところだけなされているという意味からいえば、私はこの検証報告は再度行うにふさわしいものであるというふうに述べさせていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#91
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気な挨拶ができればみんなお知り合いというわけには今回いきませんでしたけど、シリアの問題です。今回、この報告書を先ほどいただきまして、何を質問したらいいのかという、一生懸命あれしましたが。
 まず冒頭にお聞きしたいのは、今回のシリアにおける邦人殺害テロ事件に関する検証報告書ということで、今この時期、そして検証報告を出した意義と目的ということを詳しく教えていただければと思います。
#92
○政府参考人(大庭誠司君) 検証委員会では、在アルジェリア邦人に対するテロ事件を受けた施策を踏まえまして、今回の事件につきまして政府として適切な対応ができていたか、さらには、国際テロ事案に関する在留邦人保護等の在り方につきまして実務的な観点からずっと検討を行ってきたところでございます。
 具体的には、二月十日の第一回会合以降、有識者との合同会合を含み五回の検証委員会会合を開催し、また、五名の有識者の方からの個別のヒアリングも行い、五月二十一日の最終の合同会合に係るまで検討、調整が行われ、検証報告書の取りまとめができたところでございますので、この度公表したという形になっております。
#93
○アントニオ猪木君 いつも体験と経験の話で恐縮ですが、一九九二年に自衛隊のUNTACが地雷撤去の活動ということでカンボジア入りしましたが、その前に、私がクメールルージュの、コンタクトができまして、ポル・ポトさんと会うという話で実際にシェムリアップまで入っていったことがありますが、まあそれは実現しませんでしたが。
 ちょうど、話が変わりますが、一九七三年ですかね、ベトナム戦争の影響ということで内戦が激化して、そのときにカンボジアへ入国した一ノ瀬泰造さんという報道カメラマンがいました。クメールルージュの支配下にあり危険地帯とされているアンコールワットへ潜入、それで消息を絶ったわけですが、彼が友人に宛てた、地雷を踏んだらさようならという手紙を残したそうですが、自分に何があっても覚悟しているよというメッセージをその友人に伝えたんではないかと思います。
 今回の後藤さん、報道カメラマンという、一ノ瀬さんと同じような状況にあったと思います。連日ニュースで報道されていましたが、海外の私の友人たちも、その報道の在り方というんでしょうか、連日、テレビをつけると、横並びで同じような場面、同じようなコメントが流れていましたが。
 いろいろ私も昔スキャンダルが山ほどありましたから、テレビ局の在り方というのか、局がどっちが過激にあるいは衝撃的なニュースかということで、視聴率の取り合いということで、私もそのときの犠牲になりましたけれども、今回の報道も、見ていると本当に連日同じような、テレビ局それぞれが視聴者にインパクトがあるような番組作りということで。
 今回の犯行グループの非道な行為は、これは全く絶対に許すわけにはいきませんが、ただ、後藤さんは、今回は自分の責任でもってイスラム国地域へ行くというビデオまで残して行かれました。本当に私は、男として、カメラマン使命というか報道魂というか、そういうものを自分の人生に懸けて危険な地帯へ入ったんであろうと私は臆測します。
 また、過剰な報道は、ある意味、先ほどもお話が出ていましたが、敵側がこちら側の情報を全部分かってしまう、そのために向こうが打ってきた手というふうな、先ほど岸田大臣、テロ事件の報告がありましたが、本当に、一つここの中に、いずれの案件についても、人質拘束事件である可能性が否定できないと考えたことから、性質上保秘に留意するとともに、静かな形で、関係国と緊密に連携しつつ、邦人の保護を最優先にすると。
 その辺の外務省の対応とか、あるいは国として、ただし、先ほども何回かお話に出ていたとおり、情報能力というのに欠けていたんではないかと思いますが、その点、最近の報道の在り方について、防衛大臣とまた外務大臣の御意見をお聞かせください。
#94
○国務大臣(岸田文雄君) 報道についての考え方ですが、本件におきましては、事案の進行中も含め様々な報道がなされました。
 個別の報道について政府として何か評価することは適切ではないと思いますが、一般論として申し上げるならば、進行中の拘束事案について関係各方面の動向等が報じられていることは、情報が犯罪者側に利用されることとなり、問題解決に向けた努力に多大な影響を与え、結果として被害者の人命を脅かすおそれがあるとともに、被害者御家族及び関係者の多大な御心配を惹起することにもつながりかねない、こうした認識に立っております。
 こうした観点から、湯川氏の事案について対応中であった昨年九月十七日、外務省として、報道機関及び関係団体に対して、取材及び報道に際しての特段の配慮と協力を要請した次第です。
 この点につきましては、今回の検証委員会の検証報告書の中にも、有識者との議論における指摘及び課題として、ヨルダンの現地対策本部においては、多くの報道関係者に取り囲まれての活動となったが、有識者からは、人質の命が懸かっている事案についての報道については、国内の人質拘束事案と同じような慎重さも必要と考えられるのではないかとの指摘がなされた、こうした指摘も踏まえ、今後、類似の事案が発生した際の現地対策本部と報道対応の在り方について検討していく必要がある、こうした記述が盛り込まれているところであります。
#95
○アントニオ猪木君 ちょっと話が違いますが、一九七六年、何回かもうお話ししましたが、モハメド・アリとの戦いのおかげで私の名前も世界に売れたんですが、その後、議員になって、議員外交もいろいろな要人ともお会いする機会ができました。
 そして、その二年後ですが、アフリカのウガンダという、当時、イディ・アミンという大統領が、昔アフリカのボクシングのチャンピオンで、その試合を猪木ともう一回やらせようというプロモーターが出てきまして、レフェリーはアリがやるという話がかなり具体的に進みまして。
 一つには、ウガンダのそのときの状況を言いますと、もう本当に国が破綻する寸前で、当時の放映料でいうと、本当に何十億、百億という、そういう単位の放映料が上がるみたいな部分で、イディ・アミンがやってもいいよというような話が来まして、私もそのときに本当に考えましたけれども、リングに上がる以上こちらも譲歩するわけにいかないし、相手が大統領だからって負けるわけにもいかないし、かといって相手をぶっ飛ばしたら、今言ったような、本当に三十万とも四十万とも言われる人たちを虐殺したという、人食い大統領という異名も取っていましたが、この大統領とどうしようかなとちょっと考えたことがありますが、実際実現がしなくて良かったんですけれども。本当に、そのようなアフリカに、特にアフリカというか、今回の事件もアフリカあるいは中東で起きておりますが。
 もう一つは、この前、映画で、「ブラッド・ダイヤモンド」というんですかね、レオナルド・ディカプリオかな、非常に賞を取った映画ですけれども、紛争のためにダイヤをということで、紛争の資金のために彼らを、みんなの意思を無視して、ある意味で労働力として、あるいはそれに従わなければ手首を切ってしまうというような非常に残酷なあれがありました。これもキンバリー条約というのがその後できましたけれども、本当にそういうダイヤは市場で絶対出回らないという多分条約だったと思いますが。その中でRUFというゲリラの組織が村々を、その映画の中で出てまいりますが、本当に、何でしょうかね、今この事件で後藤さんあるいは湯川さんの命も大変、さっきも言ったとおりですが、世界全体として見てこのような悲しい事件が山ほどあるわけですね。
 私は日本人ですから、いろんな事件が毎日起きます、今回の中国の船の話もそうだし、人命というのはどういうふうに捉えるかと。一人の命は、当然外国だからと、私の感覚でいえば、日本も外国の人たちも、特に私もブラジル移民をしたのでブラジルの事件が起きると気になりますが、そういう意味で世界規模でのやっぱり人命という感覚で捉えていかないと。
 先ほど議論の中にもありましたが、日本人は身勝手な自分たちのことばかりしか考えていないから、例えば事件がある、飛行機事故があると、必ず日本人はその中にいたのかいないのかという報道が真っ先に出されます。これは当然、日本の人たちにそれを報道するのは義務だと思いますが、その辺がちょっと私の感覚として今回の事件が、さっきも言ったように、テレビの取上げ方というのがちょっと違和感を感じたんで先ほど質問をさせてもらいました。
 ちょうど今回のISILのリーダーがバグダディという名前なんで、昔、イラクの湾岸危機のときに行ったときに、ある人からちょっと指示をもらいまして、向こうに行ったら、ジュネード・バグダディという八百年前の格闘家がいまして、非常にこの人は、相手方の事情を知ってしまったために、片八百長というか、自分が負けて、もらうべき賞金を全部与えたという八百年前の本当に美談なんですが、そういう話で、今回の、ジュネード・バグダディという、同じ名前なんで、非常に私には気になっていた名前です。
 そこで、特にそのようなアフリカ諸国の話、あるいは世界的に見て、日本から、あるいは特にその辺の、今後危険を、例えば、ないことが一番ですが、そういうようなことが、可能性があるような国というのがもしあれば教えてください。
#96
○政府参考人(三好真理君) お答え申し上げます。
 外務省では、海外に渡航あるいは滞在に当たって特に注意が必要な国、地域の現地情勢や安全対策の目安を四つのカテゴリーに分けております。一番下が「十分注意してください。」でございまして、その次が「渡航の是非を検討してください。」、さらに「渡航の延期をお勧めします。」、そして「退避を勧告します。」ということで四つに分けておりますが、現在、この一番危険度が高いと考えられる退避勧告を世界二十五か国に出しております。
 うち、全土にこの退避勧告が出ている国が、アフガニスタン、イエメン、シリア、ソマリア、中央アフリカ、リビア、イラクでございます。なかんずく現在は、シリア、イラクのISIL活動地域及びその周辺においては、今なお激しい戦闘が続いているだけでなく、ISILが日本人をテロの標的とするということを表明しているなど極めて危険な場所であると認識しておりまして、こういうところへは邦人の方に行っていただきたくないと思っております。
#97
○アントニオ猪木君 行かないことが一番いいんですけど、そう言われると私、この性格はすぐ行ってしまいたくなる、やばいところがあるんですけど。
 ちょうど先日、今月ですね、今月の二日にパリで開催された対ISIL連合会議というのがありましたが、その会議の内容というんでしょうかね、あるいはどのような連合を組んでの対処をしようとして考えているのか、お聞かせください。
#98
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。
 六月二日の会議についてのお尋ねがございました。
 これは、パリにてフランスが主催した会議でありまして、ISIL対策、特に軍事的貢献等を実施している連合の少数の国、そして機関を集めた会合であったということでございます。フランス外務省の発表によりますと、この会合は、フランスの外務大臣ファビウスさん、それからイラクの首相のアバーディーさん、そしてアメリカの国務長官ケリーさんの共催で開催をされまして、二十四の国、国際機関が参加をしております。
 内容でございますけれども、一つはイラク及びシリア情勢、二つ目が連合による軍事作戦、それから三つ目がISILから解放された地域の安定化など、こういった問題について議論が行われまして、会合の後、連合メンバーの結束とISILに対抗するコミットメントを確認する共同議長声明が発出されております。
#99
○アントニオ猪木君 うちの秘書が気が利かないものですから、既にお答えまで全部用意してきてくれたんで。そのようなことで、この会議が有意義な会議であればいいと思っております。
 まだ時間がちょっとありますが、質問を終わります。ありがとうございました。
#100
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 ISILによる人質事件への政府の対応について我が党の小池晃議員が、二月三日の予算委員会で、人命第一の立場で冷静に検証しようと質問をいたしました。総理のエジプトでの演説で非軍事の人道支援と説明していなかったことを指摘して、二人の日本人が前の年から拘束されていることを政府が知りながら、演説で危機が及ぶ認識がなかったのかと首相をただした。そうしますと、総理は、そういう質問をすること自体についてテロに屈することになると、こういう旨の答弁がありまして、当時大きな問題になったわけですね。
 その後、検証委員会がつくられまして、この総理のスピーチの表現が適当であったかどうかも検証の対象になって報告書が出されました。政府として冷静な検証が必要だと、こういう認識に立ったということでよろしいわけですね。
#101
○政府参考人(大庭誠司君) テロ対策につきましては不断の見直しが必要と認識しておりまして、今回の事件に対する対応につきましても検証を行ったものでありまして、その旨は総理も国会で答弁されているところであります。
#102
○井上哲士君 しかしながら、二月三日の時点で先ほどのような総理の答弁があって、これは当時マスコミでも随分大きな問題になったんですね。
 外務大臣、お聞きしますけれども、こういう検証をやるに至ったということは、総理のあの答弁は適切でなかったと、こういう認識でよろしいですか。
#103
○国務大臣(岸田文雄君) 検証を行うことの意味につきましては、ただいま答弁があったとおりであります。我が国としましては、邦人の安全のために最大限努力をし続けなければなりません。こうしたテロ事案につきましても、しっかりと検証をし、不断の見直しを行っていく、こういった姿勢は大事である、そういった観点からこの検証が行われたものだと認識をしております。
#104
○井上哲士君 いや、当時、それとは違うような答弁を総理が行われていたことについてどうお考えかとお聞きしているんです。
#105
○国務大臣(岸田文雄君) それと違うというのは、今回の検証報告の中の内容と違う発言を総理がしていた、そういった御指摘でしょうか。
#106
○井上哲士君 要するに、検証する立場で国会で質問をする、そういう質問をすること自体に対して、それはテロに屈することになると、こういう答弁があったわけですよ。このことについてお聞きしているんです。
#107
○政府参考人(大庭誠司君) 御指摘の総理の御答弁は、先ほどお話ありました二月三日の参議院予算委員会の小池議員に対する答弁かと思いますけれども、総理によるそのスピーチに関する議論の中で、ISILに対する批判をしてはならないといった印象を与えるような指摘はテロリストに屈することになるのではないかというような認識を示されたものであると考えております。
#108
○井上哲士君 だから言っているんですよ。ISILに対する批判をした上で質問をしたのに、それを批判をしてはならないようだと勝手に言って、そういうもの自身がテロに屈することになるという答弁を総理がしたから私は申し上げているので、外務大臣、もう一回お願いします。
#109
○国務大臣(岸田文雄君) 総理の発言、ちょっと私もいま一度確認してみなければならないかもしれませんが、要は、趣旨は、テロに屈するような印象を与えてはならないというところが趣旨であったと受け止めています。そういった趣旨での発言であると認識をいたします。
#110
○井上哲士君 政府に対して冷静な検証を求めようと思えば、特にテロに屈することになるということで封じ込めようとするような総理の姿勢、ほかでも様々見れるわけでありますが、そのことを改めて厳しく指摘をしておきたいと思うんですね。
 その上で、検証委員会がつくられましたけれども、先ほど来ありましたように、事件対応を主導した政府の当事者ばかりで、途中から有識者との合同会議も行われましたけれども、身内の検証というべきものになっております。
 なぜ第三者的な検証委員会を立ち上げなかったのかということ、先ほど外務大臣からるる答弁がありました。決して納得のいけるものではありませんが、一方で、有識者からは様々な指摘があったことが別枠にしてこの報告書には盛り込まれております。先ほどの総理のスピーチについても、日本側の意図とは異なるが、ISILにより脅迫の口実にされたという指摘とか、今後、人質を救出できる可能性があるような場合には、このように注目を集める対外的発信には十分に注意する必要があると、こういう指摘が報告書にも載っております。
 ところが、私驚いたのは、先ほどの外務大臣の冒頭の報告でこういう指摘については全く触れもしていないんですね。そんなことで、こういう指摘を受け止める気があるんですか。いかがですか。
#111
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の報告書の部分につきましても、その冒頭に、「今回は必ずしもあてはまらないとしても、」、こういった記述もあります。検証報告書としては、対外発信に十分に注意する必要がある、こうした一般論を指摘されたものであると思っております。
 いずれにしましても、総理のスピーチを始めとする関係省庁及び官邸が協力して作ったこのスピーチの原案につきましては、様々な観点を総合的に踏まえてしっかりと発信をしていくべきものであると考えます。
#112
○井上哲士君 ISILにより脅迫の口実とされたとの指摘がきちっとされているわけであります。その上で、先ほど大臣が言われたようなことも書かれているわけですね。果たして本当にきちっと受け止められているのかと思います。
 テロは、いかなる理由であれ、許されません。同時に、差別や貧困、戦争における殺りくなどが怒りと絶望を生んでテロの温床になって、テロ組織に若者が参加をしていく、こういうことが繰り返されてきました。
 これに対して、この間のアメリカの対テロ戦争中心の対応がどのような結果をもたらしたのかと。私は、この人質事件の対応にとどまらず、広く検証をする必要があると思います。
 日本政府はイラク戦争を支持したわけでありますが、この戦争が逆にテロを広げたと広く指摘をされておりますが、この点は政府としては現状をどう認識をされているでしょうか。
#113
○国務大臣(岸田文雄君) イラク戦争について御指摘をいただきました。
 フセイン政権下のイラクは、十二年間にわたり、累次の安保理決議を違反し続け、そして国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後まで国際社会の真摯な努力に応えようとしませんでした。イラクに対する武力行使は、国際平和と安全を回復するという目的のために、累次の関連する安保理決議に従って行われたものであると認識をしています。
 そして、テロとの関係で申し上げるならば、現在ISILとして活動をしている過激派組織、これ、二〇〇四年頃からアルカイーダ系組織としてイラクでのテロ活動を開始し、駐留米軍あるいはイラク政府及び治安部隊を標的とするテロ活動を行ってまいりました。ISILが影響力を強めた背景には、イラクの旧サダム・フセイン政権関係者を含むスンニ派の社会的不満、あるいはシリアでの政治的混乱、こうした様々な複合的な要因があると認識をしているところであります。
#114
○井上哲士君 今様々な複合的な要因とされたことが、結局、アメリカのイラク戦争によって起きたわけですね。
 それに加えて、アメリカのブラウン大の研究者グループによりますと、イラク戦争での民間人の犠牲者は十三万四千人と推計をされておりますし、これに兵士やジャーナリスト、人道支援活動家を加えれば十七万六千人から十八万九千人になると言われております。
 新しい貧困と憎しみをつくり出して、そしてイラクでの混乱や宗派対立、さらにアメリカの占領当局が旧フセイン体制時代の軍を解体したことについて不満を持つ旧軍の関係者がイスラム国に協力したことも勢力拡大の要因となっていると指摘をされておりまして、私は、戦争ではテロはなくせないということをまさにイラクの事態は示していると思います。
 日本は、歴史的な経緯、そしてキリスト教圏でもないということから中東地域において大変信頼が高いと。私も、参議院の派遣で二〇〇二年に参りまして、そのことを本当に実感をいたしました。欧米諸国にない独自の役割が本来果たせるわけでありますが、日本がこの間、アフガン戦争やイラク戦争を支持をしてきた、これが一体何をもたらしたのかと。
 二〇〇四年にイラクで武装勢力に拘束された高遠菜穂子さん、イラクに関わり始めた当初はアジアの友と見られて大歓迎を受けた、戦争をしない国、軍隊を持たない国と思われていたことが大きかったと、それが〇三年のイラク派兵で大きく日本のイメージが変わったと述べておられます。その中で拘束をされたわけでありますが、それでも、高遠さんが拘束されたときの犯行グループの解放時の声明は、日本政府に対して、日本国民の意思を代表しておらず、ブッシュとブレアという二人の犯罪者の代理人になっているのが真実だと言った上で、我々が信頼し、勇気ある英雄的なイスラム教聖職者団体が今日の夕方、日本人人質の釈放を求めた、我々は独自の情報源から、三人が占領軍には協力しておらず、イラク市民を助けていることを確認した、そして家族の苦しみに配慮し、日本人の姿勢についても尊重することにしたと、こう言って解放をいたしました。
 ところが、今回のISの声明は、日本は進んで十字軍に参加したと述べた上で、殺害後の声明では、おまえの国民を場所を問わずに殺りくすると、こういうことまで書きました。
 もちろん、このISがこれまでの武装勢力と比べても極めて残虐でありますし、様々なこうかつな広報を行っていることは見なくちゃいけません。しかし、同時に、一定の人々が今なおこの武装集団に参加することが続いていることを見ますと、やはり背景にある中東におけるこの日本に対する人々の見方が、この間のアメリカに付き従ったことに対して変わっているということを私は見る必要があると思いますが、この点の認識はどうでしょうか。
#115
○国務大臣(岸田文雄君) まず、テロの背景には、格差、貧困など様々な要素が存在いたします。そして、このISILが影響力を強めた背景にも、先ほど申し上げましたスンニ派の社会的不満、あるいはシリアでの政治的混乱といった複合的な要因があると認識をいたします。御指摘のこのイラクに対する武力の行使がこのような要因を直接つくり出したとは言えないと認識をしています。
 そして、我が国の中東各国との関係でありますが、御指摘のように、歴史的に友好関係を築いてきました。これまでも、人材開発支援、技術協力等を通じた若者の失業対策、格差是正に向けた取組、難民、避難民に対する人道支援など、活力に満ち、安定した中東を取り戻すための非軍事分野において貢献をしてきました。そしてこのことが高く評価されているわけですが、この取組は一貫しており、そして今後も変わることはないと考えております。
 そして、ISILから日本の対応が誤解を招いたのではないかということでありますが、カイロで総理が行ったスピーチに関しましても、ISILが一月二十日に公開した動画で、我が国の支援を非軍事的支援であると表示をしております。スピーチの表現が誤解を招いたということはないと考えております。この点は、今回の検証報告書の中においても有識者にも御指摘をいただいていると受け止めております。
#116
○井上哲士君 私はスピーチのことを言っているんじゃないんです。中東の皆さんの国民的な日本に対する思いが変わってきているんじゃないかと、この間の日本の行動によってということを言っているわけですね。
 それで、私はやっぱり、イラクや世界で活動しているNGOの皆さんから、この間の日本のこうしたイラク、アフガン戦争支持、支援が先ほど述べられたような様々な人道的な活動にどういうイメージの変化をもたらしているかということを聞く必要があると思うんですね。
 防衛大臣にお聞きしますが、その中で現在、安保関連法案が提出をされております。自衛隊が海外での活動を大幅に広げることになる。
 これに対して様々な国際NGOから声が上がっております。朝日の五月十六日付け、AARJapan難民を助ける会の長有紀枝理事長のコメントでありますが、中立な存在と認識されていた自衛隊が米国や同盟国を後方支援すれば紛争当事者と同一視されると、私たちは距離を置いて活動せざるを得ず、紛争地域での支援が難しくなると。
 様々な同様の声がNGOから出されておりますが、政府のこういう法制が海外のNGOの活動を困難にして危険を増すことになるという、この現場からの声をどう受け止めていらっしゃるでしょうか。
#117
○国務大臣(中谷元君) 私もよくNGO団体の方々と話す機会がありますが、御指摘のような声があるということは承知をしております。
 しかし、一方で、各国は軍とNGOが協力しながら、安全確保しながらやってきているところもあると。そして、国連ともよく協議をして実施をしていますし、また、いざというときに近くに自国の軍、組織がいてくれれば安全だと言われる方もございます。それぞれのNGO等の考え方、活動の特性がございますので、そういったところに配慮しながら必要な連携を図ってまいりたいと思っております。
 今回の法案の目的というのは、国際社会の平和と安全のために実施する他国軍隊への後方支援、また国際的な平和協力活動の充実についても、もはや一国のみでは自国の平和を守ることはできないという現実を踏まえて、我が国としても世界の平和と安全に積極的な役割を果たしていく必要との判断から法整備を行うものでございまして、この法制における自衛隊の活動も、それぞれが厳格な要件の下で行われ、国際的な正当性の確保にも十分配慮をしながら、また我が国が主体的判断を行った上で参画するものでございますので、他国の戦争に巻き込まれることもございません。
 今後、法の整備によりまして、世界の平和と安全に我が国がより積極的に貢献できるように、安心して活動できるように取り組んでまいりたいと思います。
#118
○井上哲士君 聞いていないことまで答えてほしくないんですが。
 各国の例出されましたけど、日本の自衛隊は厳格に区別をする、そもそも海外でのそういう自衛隊の活動ができないという、一緒にできないということの中で、だからこそ信頼を得てきたということをたくさんのNGOが言われているわけです。
 この間の衆議院の特別委員会の答弁では、自衛隊がいることによって危険が増すというケースもありますと明確に中谷大臣、認められました。ところが、危険が増すケースがあるというようなことは、これまでどこでも語られてこなかったんですね。閣議決定後の会見でも、自衛隊の海外活動の拡大、駆け付け警護などでNGOを助けに行けるということなどを安倍さんは強調しました。しかし、その一方で危険が増すケースがある、一体どこで説明したんですか。この間、はっきり大臣は答弁をされました。これ、国民に対して虚偽、今まで説明してきたんじゃないんですか。いかがですか。
#119
○国務大臣(中谷元君) NGOの皆様方の御意見、そういう御意見でございますので、確かにNGOから見てそういう点はあろうかと思います。
 しかしながら、私たちにおきましては、何のために活動しているかというと、その地域の平和と安定のために、目指しているわけでありますし、実際、派遣する隊員等につきましてはリスクや危険を極力避けて運用しながら活動するわけでございます。
 お話をいたしましたように、近くにNGOの方が活動されている際には、よく調整をしながら、そういった活動に御迷惑掛けることがないように調整、配慮をしながらやっていくというのは当然のことだと思います。
#120
○井上哲士君 明確に危険が増すケースがあると、NGOがそう言っているんじゃなくて、ケースがあるという答弁を大臣はされたわけであります。
 現場からは様々な声が上がっております。国際ボランティアセンターのスーダン地域代表の今井さん、毎日でこう言われておりまして、日本は平和国家として蓄積された信用がある、それが海外でのNGOの活動の支えだ、自衛隊がいずれかの勢力に加担をすると、現地の人々の反感や敵意を生んで、それが危険につながるおそれがある、そして、外交で紛争を仲介し、教育や医療などの支援を地道に続けることが海外の日本人を守る最も効果的な手段だと、こういうふうに強調をされております。
 私は、これに反するような法整備はやめるべきであると、最後そのことを強調しまして、質問を終わります。
#121
○委員長(片山さつき君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#122
○委員長(片山さつき君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、山本博司君が委員を辞任され、その補欠として石川博崇君が選任されました。
    ─────────────
#123
○委員長(片山さつき君) 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査のうち、シリアにおける邦人殺害テロ事件等に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#124
○小野次郎君 維新の党の小野次郎です。
 予定された質問を始める前に、中谷大臣に一言申し上げます。
 おとといの質疑、私とのやり取り、念のため、昨日議事録、未定稿を取り寄せて秘書と二人でよく読みましたけれども、やっぱり大臣は何回も意味不明なことをお答えになっている。その結果として、三回もこの委員会を止めているんですね。そのことについて謝罪なり反省の言葉をいただきたいと思います。
#125
○国務大臣(中谷元君) 私、昨日の小野議員の御質問に対しまして、(発言する者あり)一昨日の小野議員に対しまして、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態というのは、ということでございまして、これはあくまでも当時の周辺事態法の例であるということを申し述べておりまして、この間……(発言する者あり)
#126
○委員長(片山さつき君) まだ発言中なので。
#127
○国務大臣(中谷元君) そのことにつきまして非常に分かりにくい表現となっておりましたので、今後、分かりやすい表現に努めてまいりたいと思っております。
#128
○小野次郎君 安保法制担当大臣が、議事録に、で、お尋ねの質問は何でしたかと、そんな答弁されているんですよ。これ、恥ずかしいと思いませんか、大臣として。だから、そういうことについて謝罪なり反省の言葉を一言と言っているので、中身のことを聞いているわけじゃないじゃないですか。もう一遍お願いしますよ。
#129
○国務大臣(中谷元君) 今後は分かりやすい答弁に努めてまいります。
#130
○小野次郎君 それでは質問に入りますが、集団的自衛権の行使容認によって我が国がISILなどの国際テロリズムからのターゲットにされることに対する抑止力が向上するという効果が期待できるのか、端的に御認識をお伺いしたいと思います。
#131
○国務大臣(中谷元君) 一般に、テロリストに対しては、国家に対応する場合と比べて相対的に抑止力が効きにくいと言われており、集団的自衛権の行使を容認することが国際テロ対策を直接強化するための主たる方策であると考えているわけではありません。他方、今般の平和安全法制の整備は、グレーゾーンから集団的自衛権に関するものまで、我が国が切れ目のない対応能力を向上するとともに、米国や域内外のパートナーと連携を強化し、国際社会の平和と安定のために積極的に貢献することを目指すものでございます。
 こうした体制を築き、対外的に明確なメッセージを発し、テロに対して国際社会が協力して対処することはテロのリスクを下げることになると考えております。また、国際テロが武力攻撃の一環として行われることもあり得まして、そのような場合には、抑止力を向上することにより、紛争は未然に防止をされ、テロのリスクを下げることになると考えております。
#132
○小野次郎君 今日は、主なテーマがこのISILによるテロリズムについての総括というかまとめだったと思うんですが、私は端的に聞いているんです。このISILなどの国際テロリズムからのターゲットになる可能性というか、それが抑止されるのかと、集団的自衛権の行使容認というふうに踏み切ったことによって抑止力が向上するのかどうかと、そういう効果が期待できるのかということを端的にお伺いしているので、端的に御認識をお話しいただきたいと思います。
#133
○国務大臣(中谷元君) 集団的自衛権の行使を容認することが国際テロ対策を直接強化するための主たる方策であるとは考えておりませんが、我が国がグレーゾーンから集団的自衛権に関するものまで切れ目のない対応能力を向上するということが、体制を築くということが、テロに対して国際社会が協力して対処するということは、対外的に明確なメッセージを発し、テロのリスクを下げることになるのではないかと考えております。
#134
○小野次郎君 他国軍隊の後方支援についてお伺いしますが、他国軍隊の後方支援に関して、安倍総理は、我が国はISIL空爆などへの後方支援を行うことは全く考えていないと先月二十八日に言明しました。ところが、中谷防衛大臣の方は一度は、ISIL空爆の後方支援は法律的には可能になると答弁されました。しかし、翌日になると、当委員会で、政策判断としては避難民支援など軍事的貢献でない形で可能な限り支援していくとの実質的に異なる内容の答弁を行っておられます。
 我々は今、既存の法令の運用方針を論じているわけではありません。新しく法律を作るときに、その法律案の審議を行っているわけですから、この点について法律論から総理大臣であっても防衛大臣であっても共有している統一見解を示していただきたいと思います。
 ISIL空爆などへの後方支援を行うことはあるんですか、ないんですか。
#135
○国務大臣(中谷元君) これまで総理や私からも繰り返し述べているとおり、我が国は今後もISILに対する軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えはなく、ISILへの空爆等への後方支援を行うことは全く考えておりません。これは今回の法案が成立した後であっても同様でございます。我が国は、今後とも難民、避難民に対する食糧・人道支援など我が国ならではの人道支援を拡充し、非軍事分野において国際社会における我が国の責任を毅然と果たしていく考えでございます。
 その上で、あえて法律上の要件について申し上げるなら、ある事態に際し、国際平和支援法に基づき我が国が後方支援を行うかは、要件となる国連決議の存在のみならず、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があると認めるなど他の要件を満たす必要がございます。これが法律の要件について申し上げている次第でございます。(発言する者あり)
#136
○委員長(片山さつき君) 小野先生、もう一度その点を再質問お願いします。
#137
○小野次郎君 政策論と法理論とを大臣と総理が交互に言うから、今我々は新しい法律案の審議しているんだから、法理論でいったらそれはあり得るんですかと聞いているんですよ。
#138
○国務大臣(中谷元君) 法律上の要件について申し上げるならば、ある事態に際し、国際平和支援法に基づき我が国が後方支援を行うかは、要件となる国連決議の存在のみならず、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があると認めるなど他の要件を共に満たす必要があります。
 いずれにせよ、我が国は今後もISILに対する軍事的作戦を行う有志連合に参加する考えはなく、ISILへの空爆等への後方支援を行うことは全く考えておりません。これは今回の法案が成立した後であっても同様でございます。(発言する者あり)
#139
○委員長(片山さつき君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#140
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
#141
○国務大臣(中谷元君) ある事態に際し、国際平和支援法に基づき我が国が後方支援を行うかは、要件となる国連決議があるか否かのみで決まるわけではございません。
 その上で、純粋に国際平和支援法に規定する国連決議の要件との関係で申し上げるならば、安保理決議第二一七〇号及び二一九九号には、ISILを国際の平和及び安全に対する脅威であると認識する旨の言及があり、かつ、加盟国に対しISILに対する措置をとることを求めていることから、これらの安保理決議は同法三条一項一号ロに規定する決議に該当し得ると考えられます。
 他方、国際平和支援法の下で我が国が対応措置を実施するためには、要件となる国連決議の存在のみならず、国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関し、その脅威に対して国際社会が国連憲章の目的に従い共同して対処していること、国連決議の存在を前提に、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があることを認められることの要件を共に満たす必要があるため、現時点でこれらの要件を満たしているかは判断しておらず、また、その判断を行う必要があるとも考えておりません。
 いずれにせよ、我が国は、難民、避難民支援や周辺国に対する人道支援など軍事的貢献でない形で可能な限りの支援、協力を行っていく考えでありまして、軍事的な有志連合等による空爆等に対する後方支援を行うことは考えていないことはこれまで申し上げたとおりで、やはり、これは今回の法案が成立した後でも同様でございます。(発言する者あり)
#142
○委員長(片山さつき君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#143
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
#144
○国務大臣(中谷元君) もう一度申し上げさせていただきます。
 国際平和支援法の下で我が国が対応措置を実施するためには、要件となる国連決議の存在のみならず、国際社会の平和及び安全を脅かす事態に関し、その脅威に対して国際社会が国連憲章の目的に従い共同して対処していること、国連決議の存在を前提に、我が国が国際社会の一員としてこれに主体的かつ積極的に寄与する必要があると認められることの要件を共に満たす必要がございます。これらの要件を満たせば、法的理論としては、これに適用されることはあり得るということでございます。
#145
○小野次郎君 大臣、今日、二度ぐらい、国際平和支援で人道支援を行うみたいなことをおっしゃいましたけど、今度の法律ではたしか人道支援は落としたんじゃないんですか。
#146
○政府参考人(土本英樹君) 私の方からお答えさせていただきます。
 国際平和支援法におきまして具体的な対応措置として規定している活動としましては、協力支援活動及び捜索救助活動等で、先生御指摘のとおり、人道支援活動は規定してございません。
#147
○小野次郎君 そうすると、おとといから今日にかけて三回ぐらい、あなたは人道支援をやるんだと言っていますけど、人道支援はこの国際平和支援ではできないんですよ。大臣、条文読んできてくださいよ。
#148
○国務大臣(中谷元君) 国際平和支援法に基づいて人道支援を行うと言っていないつもりでございます。
#149
○小野次郎君 その点は、じゃ、議事録をもう一遍見ますけど、あなたは何度も国際平和支援でと言っていますよ。人道支援を中心にやっていくんだということをお答えになっているので、後になって変えるんだったら、すっきり変えた方がいいと思いますよ、そういう意味で言っていないとかというのは。三回ぐらい言っていますからね、今日。(発言する者あり)
 じゃ、委員長、止めて議事録見ますか、これ。言っていますよ、国際平和支援でということを。ではなくてとは言っていませんよ。(発言する者あり)
 じゃ、議事録精査。
#150
○委員長(片山さつき君) 本件につきましては、小野委員からの御希望ですので、その議事録、適宜精査ということも考えさせていただきます。
#151
○小野次郎君 次に、ISILは世界中で日本人をテロの標的としていますけれども、我が国の国民がISILの組織的なテロ攻撃を受けた場合には、ISILに対して我が国が個別的若しくは集団的自衛権によって武力行使を行うことは法理論上はあり得るのでしょうか。
#152
○国務大臣(中谷元君) 国連憲章上、我が国が個別的自衛権を行使できるのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られます。
 ここに言う我が国に対する武力攻撃とは、基本的には、我が国の領土、領海、領空に対する組織的、計画的な武力の行使を言うと解しております。
 具体的にどのような場合が我が国に対する組織的、計画的な武力の行使に該当するかにつきましては、個別の状況に応じて判断すべきものであり、あらかじめ定型的、類型的にお答えすることは困難です。
 その上で、一般的に、在外邦人がテロ攻撃を受けたことをもって直ちに我が国に対する武力攻撃が発生したとは言えないと考えられるため、その場合、我が国として武力の行使を行うことはできないと考えられます。
 いずれにせよ、我が国による武力の行使が認められるのは新三要件を満たす場合に限られます。
#153
○小野次郎君 自国民に対する攻撃について、自衛権の行使の対象になるという学説というか説があることは大臣も御存じですね。日本はそれを取っていないということなんでしょうか。
#154
○国務大臣(中谷元君) 学説におきまして、そのような見方があるということは承知しております。
#155
○小野次郎君 存立危機の方にも、国民の生命が点々々ですね、が根底から覆されるという表現があるんですが、この国民の生命というのは何人規模以上の生命が懸かる場合を想定しているんでしょうか。一人でもなるんでしょうか。それとも、一人じゃならぬよと、そんな少人数の話は別ですと、日本国民一億二千万の命が懸かる場合ですということなんですか。どっちなんですかね。
#156
○国務大臣(中谷元君) 個別の状況において判断いたしますので、人数で言えるものではございません。
#157
○小野次郎君 それでは、この存立危機事態の成立要件として、経済的打撃以外にどのような分野のダメージがあり得るのか。今、命の話をしてもそういうお答えしかいただけないんですけど、書いてはあるけど、じゃ、経済的な打撃以外にどんな分野の損失なのか打撃なのかがあり得るのか、是非例を挙げてお話しいただきたいと思います。
#158
○政府参考人(槌道明宏君) 申し訳ございません。
 具体的に例を挙げてというのはなかなか難しい問いだというふうに思います。いずれにしても、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生して、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態というものを種々の要素から総合的に判断するということになろうかと思います。
#159
○小野次郎君 不思議ですよね。だって、この前、中谷さん自らが、石油だけじゃありません、原子力燃料、ウラニウム、プルトニウム、冷蔵庫が空になる場合までおっしゃっているのに、なぜ命の話をしたら、命については規模はお答えできない。じゃ、命以外に、経済的打撃以外にどんなものがあるんですかと言ったら、それはお答えできませんと言うんじゃ、何も答えていないのと同じじゃないですか、それじゃ。
#160
○政府参考人(槌道明宏君) 先般来お答えしているとおりでございますけれども、これは国民生活に死活的な影響を生じるかどうかという問題でございますので、単なる経済的影響にとどまらず、国民の生死に関わるような深刻、重大な影響があるということを前提としているところでございます。
#161
○小野次郎君 そこが政府側の答弁と野党各党が聞いているところと食い違っているのは、経済的影響だけではないというふうに政府はお答えになりますけど、我々も、もちろん単なる経済的影響だけを聞いているんじゃない、それが死活問題に至らなきゃいけないという程度の問題については我々も了解しているんだけれども、非軍事の影響だけでしょうと言っているわけですよ。
 だから、そこ質問しているんです。それを経済的打撃と我々は言っているんですよ。それ以外にあるんですか。
#162
○政府参考人(槌道明宏君) 政府側が累次お答えしております例えばホルムズ海峡のような例につきましても、これは我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃があって、これによって引き起こされる事態ということでございます。そういう意味におきまして、軍事と全く関係のない事態ということではございません。
#163
○小野次郎君 質問を続けますけれども、それでは、存立危機事態は、その要件を満たす場合の中に我が国に対する直接の武力攻撃を受けるおそれのある事態も含まれ得るという理解でよろしいですか。
#164
○国務大臣(中谷元君) そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態が存立危機事態に該当する場合もありますが、該当しない場合もございます。
#165
○小野次郎君 前回聞いた、最初の質問に戻るんですが、そうだとすると、この我が国に対する直接の武力攻撃のおそれ、我々の目から見ると最も大事な要素だと思うんですが、その要件がこの存立危機事態の要件としては明記されていない理由はなぜなんでしょうか。
#166
○国務大臣(中谷元君) 御指摘の、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれがある事態は、あくまでも我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態の例示でございまして、重要影響事態の要件ではございません。
 そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態につきましては、他国に対する武力攻撃が発生している場合もあれば、発生していない場合もあり得ます。反対に、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態でない場合が存立危機事態となる場合もあります。その意味で、これを存立危機事態の要件とすることはできないということでございます。
#167
○小野次郎君 重要影響事態に関して安倍総理は、中東やインド洋でも深刻な武力衝突が起きた場合などには後方支援のため自衛隊の派遣があり得ると答弁されています。
 中東、インド洋方面で、ここから問いですけれども、一つの事態について、一方で存立危機事態に当たれば集団的自衛権行使で機雷掃海を行いながら、同時に重要影響事態において規定されている後方支援メニューによってそれ以外の協力も並行して行う、そういうことも理論上はあり得るのか、御認識をお伺いしたいと思います。
#168
○委員長(片山さつき君) 時間が過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
#169
○国務大臣(中谷元君) 重要影響事態と存立事態につきましては、それぞれ別個の法律の判断に基づくものでございます。ある事態が重要影響事態又は存立危機事態に該当するか否かは、事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的かつ合理的に判断することになります。例えば、発生した状況が直ちに存立危機事態と認定される場合がある一方で、重要影響事態から事態が推移して存立危機事態に至る場合もあれば、両事態が併存する場合もあり得ます。いずれにせよ、より重大かつ深刻な事態である存立危機事態を認定した場合には、当該事態への対処が優先して行われることになります。
 重要影響事態と存立事態が併存する場合において自衛隊がどのように活動するかにつきましては、個別具体的な状況により法律の案件に従い判断されるので一概に申し上げられませんが、一般論として申し上げれば、存立危機事態として対処できるのは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃の全てではなく、そのうち、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるものの、すなわち存立危機武力攻撃に限られます。
 他方、我が国として、外国の軍隊等に対して同時に後方支援活動等を行うことは排除されません。
#170
○委員長(片山さつき君) 小野次郎君、質問時間は終了しておりますが。
#171
○小野次郎君 いや、委員長、大事なこと言っていますよ、大臣は。
 一つの事態で武力行使と後方支援並行実施すれば、これこそ、政府自身が武力行使の一体化の問題はこれは憲法違反になるということを認識していると言っているのに、武力行使との一体化そのものじゃありませんか。だって、一つの事態で、片っ方で武力行使しながら片っ方で後方支援しているというのは武力行使の一体化そのものなので、憲法違反を自らやると政府は言っているんですよ。それでいいんですか。
#172
○委員長(片山さつき君) 小野次郎君、もう今の時間、質問は終了しておりますので。時間がもう三分オーバーしておりますので。
#173
○小野次郎君 じゃ、答えなきゃいいんですよ、それ認めているんだから。
#174
○委員長(片山さつき君) いや、もうお答えの必要は……
#175
○小野次郎君 認めないなら答えてくださいよ。憲法違反やりますと言っているんだから、答えなきゃおかしいでしょう、そんなものは。
#176
○委員長(片山さつき君) もう切りがないので、ここでひとつ切りたいと思います。
#177
○小野次郎君 切りがないのは大臣の答弁ですよ。委員長、冗談じゃありませんよ。切りがないのは大臣じゃないですか、いつまでも、やめろと言っても続けているんだから。(発言する者あり)
#178
○委員長(片山さつき君) 御静粛に。
#179
○小野次郎君 質問の大半取っていますからね、大臣が。聞いたことに答えていないんだから。
#180
○委員長(片山さつき君) いや、まあ、でも、もうお時間ですので。ここはここで終了ということで議事させていただきたいと思います。
#181
○小野次郎君 納得しませんが、終わります。済みません。
#182
○浜田和幸君 次世代の党の浜田和幸です。
 本日は、岸田外務大臣、今回のシリアでの邦人殺害テロに関する検証の報告ということを聞かせていただきました。こういうことが二度と起こってほしくないと皆思うんですけれども、現実には、テロの脅威というのはますます増大しているんじゃないかと思っています。
 この最後のところでも、外務省としての取組、在外邦人の安全確保及び国際的なテロ対策の取組に万全を期していきたいということを結論として述べておられますが、日本人だけがテロの犠牲になっているわけではありませんよね。元々、なぜ今話題になっているISILあるいはその他もろもろのテロ組織がこれだけ世界を震撼、奈落の底に落とし込もうとしているのか、どこにこのテロの原因が潜んでいるのか、そういうこともしっかり分析、検証した上でテロの根本的な原因を取り除くということが、邦人を含め世界の人々が安心して暮らせるという環境になると思うんですけれども、大臣がおっしゃった国際的なテロ対策の取組に万全を期すという中には、こういったISILを含む様々な国際テロ組織、それがなぜこのように力を持つように至ったのか、その原因をしっかり分析して、その対策も講じる、それが必要だと思うんですけれども、大臣の基本的なまず考えをお聞かせいただきたいと思います。
#183
○国務大臣(岸田文雄君) ISILを含むテロ組織が今日のような状況になるその背景につきましては、本当に様々な要素が存在すると思います。
 例えば、このISILにつきましても、二〇〇四年頃からアルカーイダ系の組織としてイラクでテロ活動を開始し、駐留米軍、イラク政府及び治安部隊を標的とするテロ活動を行ってきました。そして、その後、イスラム国の樹立を一方的に宣言をした。
 こういった経過をたどっていますが、テロの背景には格差、貧困があると言われていますが、このISILの影響力を強めてきた背景にも、イラクの旧サダム・フセイン政府関係者を含むスンニ派の社会的不満、あるいはシリアでの政治的混乱、こういった複合的な要素があると認識をしておりますし、こうした中でISILが、スンニ派住民の支持を集めつつ、シリアで戦闘経験を積んだ戦闘員や制圧した油田を通じて得た潤沢な資金を活用してきた。こうしたことが、シリアとイラクにまたがる領域に支配地域を拡大してきた、こういったことにつながっているとも認識をしております。
 このように、様々な要因が今日の状況を生み出していると認識をしています。
#184
○浜田和幸君 特にシリアの場合ですと、アサド政権が極めて非人道的な政策、これを行っていることに対して、やはりアサド政権を、政権交代というか、もっと国民の平和な暮らしを追求できるような形で変えていこうとするアメリカ始め欧米の強い意識があって、アサド政権を転覆させるためには、アサド政権に反旗というか、敵対している過激な宗教団体、宗教組織、そういうところに対する資金の提供ですとか武器の供与ですとか、そういうことが火に油を注ぐことになったのではないかと。
 アメリカの国防総省の様々な報告書を見ても、アメリカがISISを、それを支援するということが逆にISISの力を強くしてしまった、これはアメリカの戦略の過ちではなかったかという内部的な指摘もあるんですけれども、そういうことについてのアメリカが行ってきた政策が必ずしも、世界のこういうテロ対策にとっては問題解決になるよりかは、かえって悪化させているという側面もあるのではないかという指摘がアメリカの国内からもあるんですけれども。
 ちょうど六月二日、例のパリでのISISに対する連合の会議もありましたよね。みんなアメリカが主導してやっているわけですけれども、しかし、そのアメリカ一辺倒のテロに対する考え方、やはりここは一歩、日本とすれば独自の考え方というものも必要ではないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#185
○国務大臣(岸田文雄君) ISILあるいはテロ組織の背景には様々な要因が存在する、複合的な要因があるということを先ほど申し上げました。そして、その要因の代表的なものについては先ほど申し上げたとおりであります。ただ、それ以上詳細に、特に他国の対応について私の方から確定的に評価を申し上げることは控えなければならないと考えます。
 いずれにしましても、テロとの闘い、これは国際社会全体にとって大きな課題であり、我が国としても国際社会の一員としてしっかりと責任を果たしていかなければなりません。我が国の立場において、そして我が国が最も得意とする分野において、こうした課題についてしっかりと対応していきたいと考えております。
#186
○浜田和幸君 もちろん、長期的に、テロの温床、貧困の問題があったり、様々なことに日本が協力することはとても大事だと思います。
 しかし、目の前で日本人や世界の普通の人たちが誘拐されたりテロの犠牲になっている、こういう状況を鑑みますと、やはり、例えば遠く中東のところまで行かなくてももっと近場のところ、ASEANでももう来年からは経済統合が始まりますよね。日本の企業がどんどん進出する、また日本の観光客もどんどんASEAN各国を訪問します。そういった近場のASEANの国々の中でも、多くのそういったテロの活動がこれから活性化するというか、過激化に行く可能性だってあるわけですよね。国際的なテロ対策の取組ということは、必ずしもシリアだとかそれからISILだけに限らず、近隣のアジアの近場でも様々なテロ対策ということが必要になってくると思うんですね。
 そういった意味で、外務省として、このアジア近隣諸国の間のテロの活動についてどのような情報収集をされていて、また日本が企業進出する際に、外務省は日本企業の支援策ということを今全面的に打ち出していますよね。日本企業に対するそういうテロ情報、あるいは万が一、かつてありましたよね、日本の商社員の方が誘拐されたとか、そういうことに対する対策、これは今回のシリアのことだけに限らず、もっと広い意味でテロ対策が必要と思うんですけれども、アジアに対するテロ情報、そういうことの収集また共有、今どういう具合な取組をされているのか、お聞かせください。
#187
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省にとりまして、海外における邦人の安全確保、これはもう最も大切な課題の一つであります。その際に、御指摘のように、情報を収集し、そして邦人に対して適切に情報を提供する、こうした取組が基本となります。アジアの地域のみならず、外務省としましては、在外公館を拠点としながら様々な情報収集・分析に当たっているところであります。
 そして、アジアを中心として今後日本の企業あるいは邦人の進出がより一層進んでいくことを想定いたしますときに、そういった地域におきましては、特に進出した企業あるいは邦人に対する情報提供が重要になってまいります。ショートメッセージシステムの一斉発信方式など、この度外務省に設けました検討チームにおきましても具体的な取組をまとめ、そして実施に移しているところであります。こうした具体的な取組も、アジアのような日本企業あるいは邦人の進出の可能性の高い地域におきましてより優先的に進めていかなければならない課題だと認識をいたします。
#188
○浜田和幸君 日本の国内にいても、海外のテロ組織からの様々な情報が送り込まれていますよね。例えば、ISILはインスパイアという情報サイトを運営しています。これは日本にいても簡単に読むことができる。その中で、やっぱり一番驚くべきことは、ママの台所で爆弾を作ろうと。要するに、ごくごく普通の家庭の台所にあるような素材を使って爆弾を作って、自爆テロ、それを勧めているというような情報が世界中に拡散されているんですね。そういうものを見て、日本の若者たち、日本の社会で不満や不平を抱いている人たちが、おおっ、一丁やってやろうじゃないかというような勧誘に駆られる可能性だって否定できないと思います。ドローンじゃなくたって、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに対して何らかの悪意を持って、それを言ってみれば妨害しようというような動きだって当然あり得ると思うんですね。
 私が大臣に聞きたいのは、そういう世界的なテロ組織が、別に日本だけじゃないけれども、そういった様々な具体的な、テロを可能にするような、個人的ジハードを可能にするような情報をどんどんどんどん広めている、そういうことに対して、我が国としてそういうものに対する注意を喚起する、あるいは、そういう危険な情報やサイトはアクセスできないようにするとか、何らかの手段を講じる必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょう。
#189
○国務大臣(岸田文雄君) 最近のISILを始めとするテロ組織の活動の中で特に特徴的でありますのが、今委員のおっしゃいましたような情報提供、様々な情報発信、この部分ではないかと存じます。かなり高度な技術を駆使しながら、高度な情報を世界各国に向けて発信をしている。この辺りが特に特徴的なところではないかと思います。
 そして、こうした情報に対してどう対応するかというのは、関係各国にとりましても共通の大きな課題であると認識をしております。具体的には様々な取組が行われております。情報そのものに対する対応ももちろん考えられるのかもしれませんが、そうした情報を得た若者たちの動き等を考えて様々な海外渡航に対する対応を考えるとか、様々なお金、資金の動きに対して様々な水際対策を行うとか、様々なことが想定され実施に移されていると考えます。そうした問題意識は我が国もしっかり共有をしているところであります。
 具体的には、引き続き、こうした情報の在り方等をしっかり検証しながら対応を検討し続けていきたいと考えます。
#190
○浜田和幸君 ママの台所で爆弾を作るだけではなくて、特に若い女性なんかをターゲットにした、いわゆる女性テロリストの勧誘ということも、実は世界的にこのISILが活動を展開しているんですよね。最近も、ナイジェリアで二百人の女子学生たちが集団で誘拐されましたよね。ああいう事件も、売春婦に仕立て上げるだけではなくて、女性テロリストとして仕上げるためのそういう戦略だったという指摘もあるぐらいでありまして、日本の国内においても様々な、そういう外からの危険な情報、危険な勧誘ということが日常的に行われています。
 また、実は日本の国内にも危険なテロ組織、集団というのは現に存在しているわけですよね。例えば、二十年前の地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教、依然として麻原彰晃死刑囚の奪還を目指して、二〇〇〇年には大規模な連続爆破事件を起こそうとしてロシアから武器を大量に持ち込む、そういう動きもありました。昨年ですら、このアレフがそういう勧誘のためと称して若い全くオウムのことなんか知らない人たちを、聖地巡礼、言ってみれば新しいスタイルのリクルートをやっている。彼らがそういったISILなんかが持っている危険な情報を活用すれば、この日本の国内でだって、いつ何どき大きなテロに結び付く可能性があると思うんですね。
 そういうことを考えますと、海外のテロ情報の収集、確かに必要でしょう。でも、日本の国内における、そういった危険な情報がしっかり遮断されるような、あるいは、そういう危険な動きに対してはしっかりと情報収集をして未然にテロ活動を封じ込めるということが欠かせないと思うんですけれども、特に日本の国内の組織が海外から支援を受けてそういうことを考えているという過去の事例があるわけですから、そういうことについて、外務省としての取組、現状どうなっているのか、もしお考え、状況が御説明いただけるんであれば、是非お聞かせいただきたいと思います。
#191
○政府参考人(藤山雄治君) 政府として、テロ対策を取りまとめる立場からお答え申し上げたいと思いますけれども。
 今回のシリアにおける事件を受けまして、事件の直後から、政府の部内におきましては、そもそも、既存のテロ対策についての検証あるいは今後の強化策の検討ということを行ってまいりました。加えて、さきに出ました検証結果、あるいはその中で有識者から指摘された事項、こういったものも踏まえまして、官房長官がその本部長ですけれども、国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部というものが政府にございます、ここで、五月の二十九日に「邦人殺害テロ事件等を受けたテロ対策の強化について」というものを取りまとめました。
 こういった決定も踏まえまして、御指摘のとおりの情報収集ですとか分析の強化、あるいは水際における取締りの強化、あるいは重要施設の警戒警備の強化といったような様々な対策を今後一層更に強力に推進していくということにしております。
#192
○浜田和幸君 こういうテロ対策というのは、これはもう必ずしも一つの省庁だけで完結できるわけではありません。今、中谷防衛大臣も、国の安全を守るという観点ではこのテロ対策ということは欠かせない使命だと思うんですけれども、やはり横断した情報の共有と国際的な情報の共有ということが必要だと思うんですよね。そういう点で、もう余り時間ないので、外務省がそういう情報収集をやる、また防衛省としてのこういう国際的なテロ対策ということについてはどういう取組をこれからされようとしているのか。
 いろいろと議論がありましたけれども、言ってみれば、海外のそういう邦人を守るために場合によっては出かけていく必要も当然出てくると思うんですけれども、そういう状況が起こらないようにするというのが最善の、戦わずして勝つということだと思うんです。日常的にどうやって、そういうテロ組織が日本に入ってこないようにするための防衛省としての基本的な考え、是非お聞かせいただきたいと思います。
#193
○国務大臣(中谷元君) 御指摘いただいたように、まずは情報収集だと思います。ヒューミントを始めとして、また通信傍受や、また警戒監視など、あらゆる手段で情報入手をいたしまして、そのような兆候の発見や、また動向などを常に監視をしながら、安全を確保するために情報収集に努めてまいりたいと思っております。
#194
○浜田和幸君 是非、恐らく国内でも海外でも、様々なテロ組織に対して内部通報者ですとかいわゆるスパイ網ですよね、サダム・フセインのときにも、カーブボールというアメリカのスパイが様々な大量殺りく兵器の存在を内部から情報を提供して、それに基づいて、言ってみればフセイン空爆が始まった。しかし、実際にはそうじゃなかった。
 ですから、内部通報の在り方、スパイの使い方についてもいろいろと工夫をしていただかないととんでもないことになりかねないと思いますので、是非、中谷防衛大臣には岸田外務大臣と協力していただいて、日本の安全のために、世界の安全のために今後も一層御活躍いただきたいということを念じて、質問を終わります。
#195
○委員長(片山さつき君) この際、三好外務省領事局長から答弁の訂正を求められておりますので、これを許します。三好外務省領事局長。
#196
○政府参考人(三好真理君) 午前中のアントニオ猪木委員の質疑への答弁中、一部誤りがございましたので、訂正いたします。
 答弁中、全土に対して「退避を勧告します。渡航は延期してください。」を発出している国として、アフガニスタン、イエメン、シリア、ソマリア、中央アフリカ、リビア、イラクと発言いたしましたが、そのうちイラクは全土ではなく、一部に対して退避勧告を発出しております。
 以上、おわびとともに訂正させていただきます。
#197
○委員長(片山さつき君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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