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2015/08/06 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 内閣委員会 第19号
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2015/08/06 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 内閣委員会 第19号

#1
第189回国会 内閣委員会 第19号
平成二十七年八月六日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月四日
    辞任         補欠選任
     林 久美子君     蓮   舫君
 八月五日
    辞任         補欠選任
     岡田 直樹君     山下 雄平君
     高野光二郎君     世耕 弘成君
     蓮   舫君     金子 洋一君
     田村 智子君     山下 芳生君
 八月六日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     北村 経夫君
     松下 新平君     石井 正弘君
     山下 芳生君     田村 智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         大島九州男君
    理 事
                上野 通子君
                上月 良祐君
                藤本 祐司君
    委 員
                石井 準一君
                石井 正弘君
                岡田  広君
                岸  宏一君
                北村 経夫君
                山東 昭子君
                松下 新平君
                山崎  力君
                山下 雄平君
                相原久美子君
                金子 洋一君
                芝  博一君
                若松 謙維君
                田村 智子君
                井上 義行君
                江口 克彦君
                山本 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   参考人
       株式会社ニッセ
       イ基礎研究所生
       活研究部主任研
       究員       松浦 民恵君
       三菱UFJリサ
       ーチ&コンサル
       ティング株式会
       社女性活躍推進
       ・ダイバーシテ
       ィマネジメント
       戦略室室長    矢島 洋子君
       東京法律事務所
       弁護士      今野 久子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○女性の職業生活における活躍の推進に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(大島九州男君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、林久美子君、岡田直樹君及び高野光二郎君が委員を辞任され、その補欠として金子洋一君、山下雄平君及び北村経夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(大島九州男君) 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。
 本日御出席いただいております参考人の方々を御紹介いたします。
 株式会社ニッセイ基礎研究所生活研究部主任研究員松浦民恵君でございます。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社女性活躍推進・ダイバーシティマネジメント戦略室室長矢島洋子君でございます。
 東京法律事務所弁護士今野久子君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様には忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、松浦参考人、矢島参考人、今野参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手していただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人の御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず、松浦参考人にお願いいたします。松浦参考人。
#4
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 皆さん、こんにちは。本日はこのような貴重な機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 男女雇用機会均等法で男女別の雇用管理が規制されてからほぼほぼもう三十年になるかと思いますが、このタイミングでこの女性活躍推進法案というものが審議されているということに対して、私自身とても感慨深いものを持っております。といいますのも、私が最初に社会人になったのが一九八九年でございまして、その際、ちょうど世の中的には均等法とバブルの申し子とかやゆをされておりました女性総合職としてまず社会に出ました。その後三十年間、あるときは女性総合職、女性社員の当事者として、あるときは人事の実務家として、現在は人事管理の研究者として、この三十年間、企業の女性活躍推進政策というものを見守ってまいりました。
 本日は、人事管理の研究者として、企業がこの三十年間どのような女性活躍推進政策を繰り広げてきたかということを分析、特に先進的取組を分析した結果を御紹介したいと思います。
 早速ですが、お手元に配付いただいた資料のスライドの二を御覧いただきたいと思います。
 こちらでざっとこの三十年間の、もう釈迦に説法だと思うんですけれども、法制度の変遷をざっと振り返らせていただきますと、先ほど申し上げましたこの一九八五年公布されました男女雇用機会均等法、そして一九九一年に公布されました育児休業法、これ、いずれも大変逆風の中での船出だったということです。企業は大反対でした。女性がそもそもそういう働き方を望んでいないとか、現実にそぐわない法律であるとか、そういった反対意見があふれ出る中での、厳しい環境の中での船出だったと思います。
 一方で、二〇〇〇年代になって少し潮目が変わります。二〇〇〇年代に潮目が変わったというのは何かといいますと、一九八九年にちょうど一・五七ショック、合計特殊出生率が一・五七になったということで非常に大きな話題になりました。その後も全く歯止めが掛からず、二〇〇五年には一・二六まで落ちております。そこが今底なんですけれども、二〇〇〇年代に入って、法制度を御覧いただきますと、育児・介護休業法が三回改正されております。象徴的なのが二〇〇三年に公布されております次世代育成支援対策推進法でございますが、これはまさに、子供を産み、育てやすい環境整備というものが法律の目的になっているわけです。
 ですので、この二〇〇〇年代の法制度の整備の背景には少子化というものがあり、その少子化に対しては企業も困るわけです。労働力人口が減りますし、物を買ってくれる消費者がいなくなる、少なくなるということで市場が細るわけなので、それに対しては、少子化対策という意味での法制度の整備に対しては、この一九八〇年代の法整備に比べて企業は若干親和的だったというふうなことが言えるのではないかと思います。
 そして、直近の二〇一〇年代ですね。ここで、男女雇用機会均等法が要は女性差別を禁止するものというものが重要な役割であり、育児休業法というのが女性の福祉を向上させるものというのが非常に重要な役割であった一方で、次世代育成支援対策推進法というのは、先ほど申し上げましたように、少子化対策というのが非常に重要なものであったと。女性活躍というのは、女性差別禁止というのを更に踏み込んで、女性の活躍を推進しようという更に踏み込んだ法律だと思います。そのような流れで今まで法制度が整備されてきたのかなというふうに思っております。
 次のスライドの三でございますが、実は、第二次安倍政権で成長戦略の中で女性活躍推進が重要な柱として位置付けられる少し前辺りから、企業の中で女性活躍推進が再びホットイシューになっておりました。さらに、政権が女性活躍推進を後押しするという姿勢を明確に打ち出す中で、多くの企業で今女性活躍推進が検討されています。しかしながら、その上で非常に重要なことは、これまで三十年何やってきたんだということですね。三十年やってきたことの反省だとか振り返りあってこそ今後どうしていくかということが検討できると思います。
 そこで、私がやりましたのが、労政時報という雑誌がございまして、その雑誌に掲載された、雑誌に掲載されるので基本的には先進事例なんですけれども、先進的事例を分析いたしました。時代については、まさに男女雇用機会均等法が施行された後の一九八六年から一九九九年を第一の時代、二〇〇〇年代を第二の時代、二〇一〇年代を第三の時代といたしまして、この時代それぞれについて先進事例の特徴を分析しております。
 分析の視点としては、女性活躍推進政策には大きく両立支援政策と均等推進政策があります。要は、仕事と育児とを両立しながら働けるように支援する、もう一つは、男性と同等に育成、登用していくと、その二つの視点があります。その二つの視点から企業の女性活躍推進政策について見てみたいと思います。
 時間の関係もございますので、特徴のまとめだけを御説明させていただきます。それがスライドの四でございます。
 これを御覧いただきますと、この第一の時代、一九八六年から一九九九年というのは、まさに、先ほど申し上げましたように、逆風の中で船出した法律への対応のために渋々企業が女性活躍推進をスタートしたというような時代だったというふうに思っております。ですので、均等推進の中で何が起こったかというと、もう男女別の雇用管理というものが特にがっつりと根付いていた大企業においては、コース別雇用管理制度の導入というのが普及しました。要は、女性総合職に限って男性と同等の雇用管理をやればいいんでしょうというような取組が進んだわけです。
 一方で、両立支援についても、育児休業法は施行されましたが、最低限の法律整備というものをした企業が非常に多かったわけです。箱はできても結局取れなかったら何の意味もございませんし、取れたとしてもその後続けられないと思ったら取得せずに辞めてしまいます。結果としてどういうことが起こったかというと、均等法の施行と同時にコース別雇用管理で採用された女性総合職というのは、かなりの割合、初期キャリアの中で退職してしまいます。
 ここで、その定着のための支援が非常に重要だという示唆があったわけですけれども、残念ながら、このときはその法律のために渋々対応した企業が多かったということもあって、一九九〇年代の後半は、この雑誌の中で先進的な女性活躍推進の事例というのはほとんど消えます。というのは、関心がなくなったということです。やっぱりそうでしょう、言ったでしょうと。だから女性はこんな働き方は望んでいないんだよ、結局やっても無駄だったでしょうというような多分雰囲気が一九九〇年代の後半に出てきたのではないかというふうに私は分析をしております。
 一方で、第二の時代というのは全く別のところから来ます。先ほどから申し上げましたように、その第二の時代には少子化対策というものが前面に打ち出されました。ここでどういうことが起こったかというと、両立支援の方で企業が大きく前進を見せました。要は、少子化は企業も困る、それは困るので、両立支援制度の利用環境の整備をこの時代大きく進めました。
 ですから、例えば育児短時間勤務を小学校就学前あるいは小学校三年生までとかに延ばしたり、育児休業を非常に取りやすくする、復帰をできて、育児休業も取りやすくするみたいなことを一生懸命やった時代です、特に先進的な企業はですね。今はもうやっていない企業もあるんですけど、先進的な企業はそういうことをやっていました。
 一方で、この時代、均等推進という観点からの政策は非常に少ないです。事例を見ても、女性の育成、登用ですとか、そういった事例がほとんど出てまいりません。もう両立支援一辺倒だったわけですね。
 その結果何が起こったかというと、充実した両立支援制度を利用しやすくなりました。それでハッピーだったなという話にはならなくて、ふっと気付いてみると、それを利用しているのはやっぱり女性ばっかりで、それを長く利用すると。例えば、小学校三年生までの短時間勤務をぎりぎりまで利用しました。二人目の子供が生まれました。そうすると、十年以上短時間勤務していますねというような事例が実際に出てきたわけです。そのような中で、結局、女性だけが制度を利用することで女性だけがキャリアの遅れを増長するということになってしまったという面が否めません。
 そういう中で出てきたのが、やはり定着も大事だけど活躍も大事だよねと。ですので、両立支援と均等推進の方が、両輪がちゃんと回らなければうまく進まないよねという示唆が出てきたわけです。二〇一〇年代に入って、そういった両輪を連動させようというような動きがようやく見られてきたというふうに私は見ております。
 それで、まとめですが、次のスライドの五です。
 男女雇用機会均等法が施行されてから三十年になる現在も女性活躍推進の成果が十分に上がっていないのはなぜなのかということですが、少なくとも、これまで振り返ってきた中で申し上げますと、企業における女性活躍推進は、第一の時代であれば法対応、第二の時代であれば少子化ということで、それぞれの時代背景を色濃く反映した結果、何というんですか、非常に厳しい言い方をあえてすれば、場当たり的な対応をしてきたんじゃないかということです。ですので、課題発見と改善の連続的な取組がなされてこなかった。
 女性活躍推進、こんなに長いことやっているのに成果が上がってないのはどういうことだということをおっしゃる方はいらっしゃるんですけど、正直なところ、この両立支援と均等推進の両輪を効果的に連動させようというような取組は第三の時代ぐらいからようやく始まった、先進企業の中でもようやく始まったばかりの取組だというふうに思っております。
 もう一つ、これまでの振り返りから得られる示唆としては、女性活躍推進法案等についても、要は、第一の時代のように、法対応だからということで、法律だからということで渋々嫌々やってしまうと、同じように、やはりうまくいかなかったら、もう法律が無理やりこういうことをやったからねということになりかねない。
 そういう意味では、私は、次のスライド、六ページでございますが、企業の主体的かつ粘り強い取組というのが不可欠だと思っております。やはり、自分事として女性活躍推進を捉え、それを、長い時間それなりに掛かりますので、粘り強く推進していただくということが不可欠だと思っております。
 その推進していく上でキーワードになりますのが、やはり男性は仕事、女性は家庭という男女役割分業を前提とした企業での働き方、これは女性だけの働き方ではなく男性の働き方です、まさに、そして、社会システムの変革ということが、もうこれは一貫してこれまでの三十年間女性活躍推進を阻害してきた要因だと思っております。これを変革していくこと。
 もう一つは、人事管理上でもやはり阻害要因がございます。評価システムですとか育成・昇進システムですとかという辺りが、評価システムであれば時間に引っ張られた評価になっている、あるいは育成・昇進システムが非常に画一的なものになっているということが女性の活躍を阻害しているのではないかと思っております。
 最後は、女性の育成でございます。管理職の九割は男性です。ですので、男性の管理職が女性を育成するということになります。そのときに、ジェンダーバイアスというものがやっぱり発生します。女性には怒れないとか、女性にはついつい甘やかしちゃう、取扱いが分からないので放置してしまうと、そういうことをやっていると育ちません。
 そういったことも含めて、管理職の育成も含めて、今後やっていくべきことはまだまだあるのかなというふうに思っております。
 済みません、以上です。ありがとうございました。
#5
○委員長(大島九州男君) 松浦参考人、ありがとうございました。
 次に、矢島参考人にお願いいたします。矢島参考人。
#6
○参考人(矢島洋子君) 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島と申します。よろしくお願いいたします。
 私も、実は、たまたま松浦様と同じく、一九八九年、平成元年から社会人として仕事をしております。若い頃は高齢化対策、介護問題に取り組んでおりまして、その後、少子化対策、保育関連の問題ですとか、そしてその後、女性活躍やワーク・ライフ・バランスに関する調査研究ですとか、それから、近年では民間企業の皆様の御相談を受けてコンサルティングのお仕事もさせていただいております。
 私は、実は一般職で当社入りまして、一般職として働く中で、その後総合職に転換したり、また、家族都合で一度離職してまた同じ会社に再就職をしたりといったことをしながらこういった仕事を続けさせていただくことになりました。
 ですので、私たちの年代ですと、やはり同級生の中には仕事を辞めてしまった女性、非常に多くいます。優秀な女性たちがたくさん辞めてしまっている。その中でこうやって仕事を続けさせていただいてキャリアをつくってこれたというのは、やはり会社が柔軟な働き方を認めてくれたということも非常に大きいですし、また、クライアントである、私の場合中央官庁の皆様がクライアントであったわけですけれども、そういったクライアントの皆さんも御理解して、認めて、受け入れてくださったということが非常に大きいと思っております。ですので、社会全体でそうした柔軟な働き方、またライフステージに応じた様々なニーズに応えるという体制がつくられることを切に願っております。
 では、私のお話ですけれども、皆様にお配りさせていただきました本日のテーマというところの中に、まず最初に日本企業における女性活躍推進の歩みというのを書かせていただきましたが、こちらは、今、松浦様から非常にすばらしい御発表ありまして、私としても認識としてほとんど同じように考えておりますので、私としては、近年の課題のところからお話をスタートさせていただければと思っております。
 五ページに、女性活躍推進における課題としてまとめさせていただいております。課題として大きく分けて三つ設定しております。まず一つ目が、両立から活躍へ。両立支援制度を利用している人たち、今、松浦様のお話にもありました短時間勤務制度等を利用する人たちの能力発揮やキャリア形成の問題。それから、採用、配置、登用など様々な局面で人材育成のパイプラインが本当にできているんだろうかという問題。そして最後に、女性たちの夫や上司に当たる男性たちのワーク・ライフ・バランスの問題。この辺りについてお話しさせていただきます。
 私どもが行いました近年の調査のデータを用いて少し御案内させていただきたいんですが、七ページ御覧いただきますと、こちら平成二十三年度の状況と書いてあります。今から約三年ほど前の調査結果でございます。この調査は厚生労働省の委託を受けて当社で実施したものですが、結婚、出産を機に離職する正社員女性の人数について企業に尋ねました。
 そうすると、五年前に比べてかなり減った、やや減ったと回答する企業が、大企業、千一人以上の企業では五割を超えているような状況です。中小企業では変わらないという回答が多くて、そうすると、中小企業は遅れているのかというイメージを持たれるかもしれませんが、実は元々平均的には中小企業の方が就業継続する女性、正社員の女性割合高いんですね。ですので、こういった結婚、出産時の女性の離職の問題というのはどちらかというと大企業で深刻で、そういった状況が近年急速に変わってきているということを示しております。
 その次の八ページに参りまして、では、こうした離職防止に何が役に立ったんだろうかということを申し上げますと、大企業で一番多いのがやはり短時間勤務制度を利用できるようになったこと、次いで、育児休業が取りやすくなったことです。中小企業の場合はそれが逆になっております。いずれにしろ、この育児休業とそして短時間勤務を使って就業継続するという形が大分出てきた、広がってきたということがあります。
 九ページ目を見ていただきますと、そういった制度利用で就業継続可能になったのはいいんですけれども、では、そういう制度をフルに利用した場合、法定の子が一歳まで、あるいは短時間勤務は子が三歳までを使った場合に中長期的なキャリアへの影響はどうなるんだろうかということを企業に聞きますと、約半数ぐらいは影響するであるとか、あるいはどちらとも言えない、分からないというような形で、就業継続進めてきたのはいいんだけれども、それを利用した女性たちのキャリア形成についてははっきり取組が行われていなかったり、まだ考えていない企業がかなりあるということが分かります。
 こういう状況の中、これは三年前のデータなんですけれども、やはり短時間勤務で働く女性たち、どんどん職場の中で増えてまいりました。そうした中、職場の中では、どのように制度利用者に仕事を与えたらいいのか、評価したらいいのか、管理職の皆さん戸惑っているような状況もあります。
 実際の制度利用者の方は、出産前と全く同じ仕事を与えられ、お給料は下がっているわけですけれども限られた時間の中で自分の努力で一生懸命それを回している方、それと、一方で、今まで営業職だったんだけれども、営業職から外れて事務職とか営業のサポートに回る、それが本人の希望、本人の意思とは関係なく行われる場合もあるというようなところで、最近話題になっておりますマタハラという問題も、妊娠時の問題だけではなくて、こういった出産後の時間制約がある人の仕事についてもかなりいろいろな問題が出てきているというようなことであります。
 ですので、そういう中で、先ほどの松浦様のお話にもありましたように、企業の人事担当や経営者の中でも、こういった時間制約があって制度を利用する人たちについてどうしたらいいんだろうかということはかなり問題視されるようになる。その中で、嫌な言葉ですけれども、ぶら下がりであるとか、制度に甘えているんじゃないだろうかというような声も聞こえてくるようになったわけです。
 一番最近の状況で、また現在どういう状態になっているかというのをお知らせしますと、十ページに平成二十七年度の状況というデータを御紹介しております。こちらは今年の四月から六月、つい最近ですね、実施した調査です。
 これで見ますと、結婚、出産で離職する女性はほとんどいないと回答する企業が全体で四七・六%、約半数に上っております。やはり百人以下の中小企業の方が多いんですけれども、中小企業の場合はばらつきが多くて、ほとんど辞めないという一方で、ほとんど離職するやどちらとも言えないという企業も若干大企業よりも多いような状況です。大企業でも、三百一人以上でも、四三・八%はほとんど離職する人はいないというような状況になっているということが言えます。
 その次の十一ページを御覧いただきますと、中でも三百一人以上の大企業では、育児休業を取得した正社員女性のうち、ほとんどが短時間勤務を利用すると答えた企業が五割弱に上ります。ですので、育児休業を取ったらほとんどが短時間勤務を利用して働いているという状況なわけです。
 ですので、そういう中で、この短時間勤務の人たちがいかにうまく活躍できるかということは深刻な問題なんですけれども、その次の十二ページにありますように、短時間勤務制度利用者に対する目標設定や評価、こういったものの方針を示していないという企業が全体で五〇・三%に上ります。大企業の場合はさすがに四割ぐらいの企業が勤務時間短縮分に応じた目標設定といった取組をしているんですが、実態、様々な企業の皆さんから御相談を受けますと、一応方針は作ったけれども現場に周知徹底されていない、管理職がまだ理解できていないというような状況が多く、こちらの問題が深刻になっています。
 そういった中で、十三ページにありますように、じゃ、そういった管理職の皆さんの職場の運営を企業が支援できているんだろうかというと、実は、このピンクで囲っておりますような職場運営の支援というのはまだほとんどなされていません。管理職に対するマネジメント研修などは六・五%しか実施されていない状況です。ですので、こういった取組が今後ますます必要になってくる中で、取組の必要性すらまだ感じていない企業も多いので、取組を進めていただくよう後押ししていただくことが重要かと思います。
 これらの背景に、なぜ進まないのかという背景に、十四ページにありますように、育休から復帰した正社員の能力開発やキャリア形成支援を重視しているという企業が二八・一%しかいないといったような状況があります。
 次のテーマ、採用、配置、登用で人材育成のパイプラインができているかということなんですが、十六ページにお示ししたのは先ほどと同じ四月から六月に行った調査で、女性管理職割合というのを見ているんですが、全体として低いのは皆さん御承知だと思うんですが、実は百人以下では全く女性の管理職がいない、〇%という企業が五五・七%に上ります。大企業、三百一人以上の企業でも二四・三%はまだ全く女性の管理職がいないという状況です。そして、いずれの規模でも三割未満という企業が八割超ということになっております。ですので、二〇二〇年までに三割という目標はありますけれども、かなり遠い状況ということです。
 では、十七ページ見ていただきますと、こういった管理職が少ない状況というのがあって、企業の皆さんからの御相談では管理職を短期的に増やしたいということがあるんですが、もちろん、いきなり管理職だけ増やすことはできないわけなんですね。こちらの図に書かれております女性活躍推進の構造図の中で、採用、管理職女性比率、平均勤続年数、労働時間などは今示されている今回の法案の企業の状況把握の必須四項目というふうに設定されています。これらの四項目、非常に重要な項目だと思います。それに加えて、こういった項目の背景にある幾つか大事な要素というのもあるかと思います。
 例えば、採用というのも、もちろん三割しっかり採れているのか、あるいはコース別に見たらどうなのか、技術職は採れているのかという問題もありますし、その後、新任配置で男性と同じように女性が企業の中で様々な分野にきちんと配置されているんだろうかという問題もあります。それから、研修についても、階層別の研修というのは一通り全員に行われているけれども、選抜型研修のようなものをやると実質的には女性が推薦されてこないというような状況がある。あるいは、異動、転勤というのも、少しずつ様々な配慮がされた結果、女性が実際は異動を男性に比べるとかなりしていないというような状況がある。それから、評価についても、平均的に見れば男女でそれほど変わらないんですけれども、一番高いランクのところで見るとほとんど女性がいないというような企業さんもございます。こうしたものは、評価における差別の問題なのか、あるいは高い評価を得られるような仕事のチャンスが女性に与えられていないのかというような両方の問題が含まれていると思います。
 そういったものは、横に書いてあります職場のマネジメントという問題で、上司が適切に仕事を男性、女性関わりなく与えて育てているのかといった辺りと関係してくるわけです。
 こういったものがきちんとできて、そして、定着の方で見ましても、三年目の定着等も課題でして、この辺りは、近年、出産時の就業継続が世の中ではかなり可能になったらしいという状況を女子学生の皆さんなども把握しておりますし、新人の皆さんも把握している中で、当社では、もう就業継続難しいんではないかと思うと早い段階で見切りを付けてしまうというようなことも起こってきています。あるいは、女子学生の中では、一般職では就業継続できるけれども総合職では無理らしいと思うと、じゃ一般職を選ぼうかというような動きも出てきています。
 ですので、早い段階でのこうした定着や採用の問題も、実は出産時の定着であるとかその後の活躍というところと非常に結び付いた中で問題が起こってきています。ですので、これらは非常に全体に関連をしておりまして、一部だけの見直しでどうにかなるというものではないということをお伝えしたいと思います。
 最後の課題として、男性のワーク・ライフ・バランスの問題ですが、これも皆さん最近はいろいろなところで耳にされて御承知かと思いますけれども、例えば家庭内の役割分担で見て、保育園の送り迎えの分担というデータを十九ページに示しておりますけれども、正社員男性、女性で見たときに、送り迎えとも女性のみがしている割合というのが非常に高くなっております。また、正社員の男性で送り迎えとも配偶者がしている男性というのは、やはり労働時間が五十時間以上で増えるといったような傾向も見られます。
 そして、二十ページにありますように、父親の労働時間や家事、育児時間というのは相互に関連しておりまして、やはり当然のことながら、家事時間、育児時間は労働時間が長くなれば短い方が非常に多くなってくるという状況がございますので、こういった状況の中で男性の働き方にきちんと見直しを掛けていただくということがとても重要です。
 二十一ページ御覧いただきますと、二十一ページにございますように、こちらはちょっと複雑なグラフで恐縮ですが、横軸にライフステージを取ったときに、ライフステージに応じて働き方を変化させたいと考えている人がどれぐらいいるかということを見ております。男性も女性もライフステージに応じてある程度働き方を変えたいというふうに考えているんですね。これが今は女性ではある程度実現してきたんですが、男性ではできない状況がある。この辺りの問題をどうするかということが課題です。
 その次の二十二ページには、夫という立場から今度は上司に目を向けていただいたときに、女性が管理職を目指さない理由として、管理職は一般の社員よりもプライベートとの両立が困難とのイメージがありまして、女性が両立が難しいので管理職を目指さないといったような状況があります。ですので、男性が中心となっている管理職の働き方を見直すことが非常に重要です。
 最後に、済みません、お時間になってしまっていますが、二十三ページに女性活躍推進法に対する期待と懸念ということを書かさせていただきました。
 期待といたしましては、今あります両立支援、両立が進んできた状況から企業の取組を活躍支援というところに進化させていただく、後押ししていただくという意味で非常な期待が持たれます。
 それから、計画を策定するにおいて、個々の企業における女性活躍の状況把握をしていただくということになっております。このことがとても重要ではないかと考えております。これまでの取組の検証をしていただいて、どの段階に課題があるのか、そして、女性管理職が増えないのは女性の意識の問題ではなく組織の構造的な問題であるということをきちんと認識して取り組んでいただくことが大事かと思います。
 また、公表においては、企業戦略と女性の就労選択のマッチングということで、今までは施策の実施状況や導入状況が注目されていたんですが、結果として実際に活躍できているのか、どのような形で、例えば、一部の部門だけで女性が活躍する企業なのか、男性と同じように様々な部門で活躍できているのか、こういったことが見えることが非常に重要かと考えております。
 懸念といたしましては、二十五ページですが、短期的にやはり管理職を増やすことだけが目標とされないということが非常に重要かと思います。
 企業によって現在の取組課題、ステージが異なります。まだ就業継続に課題を持っていらっしゃる企業もたくさんあります。それから、働き方改革や子育てしながら活躍できる職場づくりがまだ不十分な中で管理職を短期的に増やそうとしますと、従来型の男性型キャリアに女性を無理やり当てはめるというようなことが起こりまして、そうなりますと、せっかく進めてきたダイバーシティー経営の方針が見失われますし、せっかく多様な人材を活用しようとしているところが従来型の男性と同じような思考、考え方、働き方をする女性の管理職を増やすことになってしまいます。こういったことの見直し、多様な人材と多様な働き方、多様なキャリア形成が重要になってきます。
 また、企業の取組のターゲットが女性のみとされないということで、女性活躍支援がテーマなんですけれども、その担い手は経営者、管理職、そして男性であるわけです。そういった方々をターゲットとした取組が重要であるということです。
 済みません、最後に二十七ページをお開きいただきまして、あと二点ですけれども。
 今後、認定基準等議論されるかと思います。法案では設定されないかもしれませんが、今後認定基準が設定されていく中で、その基準が余り低くなり過ぎないようにということをお願いしたいと思っております。ほとんどの日本企業に女性活躍課題は今あり、活躍できない構造的要因があります。低い基準で認定されてしまうことでこういった構造的要因の見直しに手が着かないおそれがあります。こちらを是非お願いしたいということがあります。
 そして、周知についてですが、施行までの期間が非常に短い状況になっております。そのため、先ほど松浦様からもお話ありましたが、形式的な対応を選択する企業が増えるおそれがありますので、法律の意義、目的をしっかりと浸透していただくためにも、周知に力を入れていただくことを期待しております。
 以上です。ありがとうございました。
#7
○委員長(大島九州男君) 矢島参考人、ありがとうございました。
 次に、今野参考人にお願いいたします。今野参考人。
#8
○参考人(今野久子君) 今野です。こういう機会を与えてくださいまして、ありがとうございます。
 弁護士になってから三十七年間、労働問題、特に女性労働問題を担当してきました。弁護士としては、均等法制定以前から関わっております。事件としては、民間で初めて昇格請求を認めた社会保険診療報酬支払基金事件、それから世帯主条項による間接性差別を問題にした三陽物産事件、日産自動車家族手当事件、それから日本で初めて女性の昇格請求権を認めた芝信用金庫事件、それから非正規労働者の賃金差別を争った丸子警報器事件など、幾つか重大な事件を労働者側代理人として担当してまいりました。そういう経験を通じて、均等法の制定や改正、パート法の制定などにも意見を述べてまいりました。
 私は、女性の労働権を人権として確立したいと、一日八時間、週四十時間働けば男女が共に人間らしい生活ができる社会を目標にして、それを理想として仕事をしてまいりました。こういうような立場から、一弁護士として今回の活躍推進法案について意見を述べたいと思います。できれば現場からの生の声もお伝えしたいと思っております。
 働く女性の現状についてはいろいろな統計資料が今も御紹介いただけたと思うんですけど、女性たちからは、目いっぱい働いているよと、非正規で低賃金で働いている母子世帯のお母さんや登録型派遣で短期派遣を繰り返している三十代、四十代の女性労働者からは、これ以上どうやって活躍するというのという声が聞こえてきます。
 今年は、女性差別撤廃条約を批准し男女雇用均等法を制定してから三十年になります。女性差別撤廃条約は、女性に対して、奪い得ない権利としての労働権の確立、これを基本的人権として保障するということを目指しております。それを受けて均等法も制定されました。均等法自体が、当初の女性に対する差別を禁止する規定から、今は男女共に性別を理由とする差別を禁止する規定に変わっています。
 それから、省略いたしますけど、均等法の改正、労基法の改正、それから育児休業法の制定、改正を通じまして、法整備は一定進んでまいりました。法整備が進んできたにもかかわらず、女性が出産後約六割離職するという、この数字は三十年間変わっておりません。私は、法整備が進んだのにこの数字が変わらないというところに深刻な問題があるのではないかというふうに思っております。妊娠、出産して働き続けることがそれだけ困難だということであります。法律の整備が進んできたにもかかわらずこういう実態があるということは、実効性が確保されていないのではないかと、そこが問題ではないかと思います。
 女性の活躍ということを言っておりますけれども、確かに女性労働者はこの三十年間増えました。八五年の均等法制定時は一千万人を超えたところでしたけれども、二〇一四年には二千四百三十六万人まで増加しています。ただし、圧倒的に増えているのは派遣、パート、有期、契約、嘱託社員等、名称は様々ですけれども、非正規労働者です。八五年四百七十万人から二〇一四年で千三百三十二万人と増えています。割合にして三二・一%から五六・七%、今や働く女性の約六割が非正規労働者という状態になっております。他方、正社員は増えているか。約二十九万人程度だと思いましたけれども、微増です。ほとんど横ばいという、こういう状態にあります。
 私は、事件を通じていろんな女性たちと付き合ってきておりますけれども、実によく働き、会社にも貢献しているというふうに私は見ています。ところが、その働きに見合った賃金だとか昇格が行われていない。私が担当した事件の当事者たちに共通するのは、やっぱり差別を是正して人間としての尊厳を取り戻したい、人間の尊厳が守られる職場にしたいという思いが共通しておりました。その思いを受けて私は一緒に事件も担当し、裁判で頑張ってきたという状況です。
 納得のいかない男女賃金格差というのは女性の働く意欲をそぎます。ところが、男女賃金格差の解消は遅々として進んでおりません。男女正規労働者間の賃金格差は、男性を一〇〇とすると女性は七四・八。パート女性労働者、短時間労働者と法的には言いますけれども、この水準は、一時間当たり平均所定内給与で見ても、男性一般正規を一〇〇とするならば五〇・四という数字です、男性は五五・七ですけれども。結局、この非正規の女性たちは、女性であるということと、雇用形態が違う非正規だということで、二重の差別を受けているのが実態です。
 非正規労働者は、低賃金であるだけじゃなくて、非常に身分が不安定です。こういうような不安定で低賃金の労働者が働く女性の約六割を占めるということは、何につながっていくかといったら、女性の貧困化につながっています。民間給与所得者を対象とする調査では、女性の四三・七%が年収二百万円以下で働いている。これは、それの大半が非正規で働いているという状況です。
 時間がございませんので細かいことは省きますけれども、このような働き方というのは、結局、女性の老後の無年金だとか低水準の年金ということにつながっています。よく言われるんですけれども、かつて昇格差別、賃金差別を裁判で闘った原告たちから、年金を受け取るようになって在職中の賃金格差が一生影響するものだということを身をもって分かった、もっと早く差別を是正してもらえれば自分の年金はもっと高かったのに、本当に悔しい、男女賃金格差の影響は墓場まで続くんですねということをよく女性労働者から言われます。
 私は、この推進法の法案の目的について、女性の職業生活における活躍を迅速、重点的に推進するということが言われておりますけれども、是非考えていただきたいのは、働いても貧困にあえいでいる女性を視野に入れて、その底上げを図るような施策を考えていただきたい、そこなしには、一部の女性の活躍を推進する、一部の女性の問題となると。少子高齢化によって人口減少社会に入っていっておりますけれども、この労働力が不足する、それを補うものとして、女性を労働力としてしかみなさない法案という形にはならないように、そういう批判が女性たちから起こらないようにしていただきたいというのが希望です。
 この法律については、男女共同参画社会基本法に基づいているというふうに言われていますけれども、基本法では、男女の個人の尊厳、性別により差別を受けないこと、人権の尊重などが基本になっています。そういう点で、全ての女性が輝く社会をつくるということであれば、こういう底辺にいる女性たちも含めて女性たちが活躍できるような、そういう法案にしていただきたいということが希望です。
 さあ、それでは、時間がございませんので、法案の問題点と具体的なことについて少し意見を述べさせていただきます。
 今回、事業主が行動計画を策定するに当たって、女性の活躍の状況を把握する、そして改善すべき事情について分析するということが言われております。この企業などに義務付けられている項目については、政省令に委ねられるということになっていますけれども、必須事項と任意事項という形で分けられていますが、私は、是非、この分析に当たっては、改善すべき事情はどういうものなのかという、そこのところはきちっと把握できるような分析が必要ではないかと思います。
 女性の活躍の実態を正確に把握するのであれば、例えばコース別人事管理制度を取っているところでは総合職、一般職別に採用した労働者に占める女性労働者の割合、それから正規、非正規を両方使っている場合にはやはり正規労働者と非正規労働者の男性と女性の割合などというふうに、きちんと雇用形態別の集計などもするべきではないかというふうに考えています。
 といいますのは、女性の指導的地位にある者を増やすには母集団を増やすことが不可欠です。ところが、女性採用なしという、男性のみ採用という企業が全体の四割を占めているという統計もございます。また、コース別人事制度を取っている会社では、総合職の採用者に占める女性の割合は約一割にしかすぎないという統計結果も出ております。そういう実態を考えますと、全体を平均してしまうと問題の所在が見えない、実効性のある改善策が考えられないということになりますので、是非そこのところをきちんと実態把握の項目として不可欠なものとして入れていただきたいというのが意見です。
 それから、計画を労働者に周知させるだけではなくて、やはり実態についての情報も労使で共有するということが重要ではないかと思います。そうでなければ、労使で働きやすい職場をつくっていくということの協議が進みません。そういうことについて、是非、実態把握については男女格差、男女での違いの見える化が必要であるということを意見として述べさせていただきます。
 それからもう一つ、賃金については私は実態把握のために絶対必要だというふうに考えております。衆議院での附帯決議の中で、男女の賃金の差異とか男女間の賃金格差なども任意事項に加えるということが検討されるべきだということが附帯決議に付けられました。賃金については任意項目ではなく必須項目に入れるべきと考えますが、この点、是非御検討をお願いいたします。
 最後に、女性の活躍を阻んでいるもの、その大きな原因の中に長時間労働というのがございます。これを解消しなければ真のワーク・ライフ・バランスは確立できないと考えております。
 よく言うんですけど、女性労働者から、一日八時間で週四十時間で保育所が完備されていたら私は正社員として立派に働けますというふうに女性たちが言います。この点について、先ほど述べました第一子出産後に離職している女性たち、職場を離れた理由についてもいろいろな調査がございます。非自発的な理由で職場を辞めているという方が自発的理由で辞めた女性よりも上回っております。結局、男性は、管理職でも一般職でも、子供がいても労働時間に変化はなくて、家事はほとんどしていないというのが実際の男性の働き方です。そういう点で、是非、長時間労働の解消を進めていくことが必要かと思います。
 それで、法律面で一言だけ言わせていただきますが、日本は一九九五年にILO百五十六号条約を批准しております。このILO百五十六号条約では、家族的責任を果たすために必要な特別措置とともに、もう一つ、労働者の労働条件というのを全般的に改善することが家族的責任と職業上の責任とを両立させるために不可欠であるということが言われております。私たち、よく二つの目的と二つの措置という言い方をしているんですけれども、この点について、是非、長時間労働の解消ということを課題として検討いただきたいと思います。
 といいますのは、正規雇用の男性の約一七%、女性の約八%が週六十時間以上働いているという、日本はやっぱり長時間大国なんですね、長時間労働大国だと。そういう点で、じゃ、これを規制する法律がどうかといった場合に、実は労基法上の労働時間規制については非常に緩いものです。一日八時間、週四十時間というのが、法定労働時間の定めがありますけれども、三六協定があれば時間外、休日、深夜労働が認められ、しかも、厚労大臣が定める限度基準というのは非常に緩やかで、法的強制力はありません。また、特別条項付き協定という例外的な協定も認められていて、そういう意味では非常に強制力が弱い。私は、やはり一日当たり、一週当たりの労働時間の上限も含めて労働時間についての法的規制を厳しくするという必要があるかと思います。
 最後に、片方でこういう女性の活躍推進法案の審議が進んでおりますけれども、もう一方の方で、女性の非正規労働者を拡大するであろう労働者派遣法の改正問題、それから労働基準法の労働時間規制をなくす高度プロフェッショナル制度の導入などが検討されております。女性が活躍するにはこれは逆方向ではないかなというふうに思っていて、私自身はこの規制緩和の提案については反対です。女性が本当に活躍する基盤をつくっていく方向を考えるのであれば、やはり法体系全体の中で女性の労働権の確立に向けて実効性があるような法律をいかに作っていくかという、同じ方向を目指すということが検討されるべきではないかということを述べまして、私の陳述を終わります。
 以上です。
#9
○委員長(大島九州男君) 今野参考人、ありがとうございました。
 以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 委員が参考人に対する質疑を行う際は、御起立の上、御発言ください。
 参考人の方々におかれましては、御答弁の際、着席のままで結構でございます。
 それでは、質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は、三名の参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございます。
 改めて質問をさせていただく前に、皆様方の御意見の中で、法整備は進んでいるがいまだに女性の離職率も高いのが現状であるということ、また両立支援から活躍の支援への充実をしていくべきであるということ、また非正規労働者の差別化、これをなくしていくということ、このようなことを聞き、大変重要だと思っていますが。
 私から皆さんにお聞きしたい御意見は、ちょっと切り口が違いまして、現在、働く女性が都市部に集中している、移動しているということがございます。それに伴って、特に東京圏に一極集中しているんですが、地方に女性の働き口が大変少なくなってきています。それの理由としては、子育てしやすい環境もまだまだ不十分であること、また地方には大企業等がないので就職口が非常に厳しいということもありますが、地方創生事業が今年元年として地方にとって大事な年になっていますので、是非とも地方への、新しい女性としての活躍できる人の流れができることを私たちは望んでおりますが。
 そこで、地方で女性が働ける場をつくるには、まず行政、そして企業は何をすべきと思いますか。また、どのような就業の場があれば女性が地方へと住む流れがつくれると思いますか。また、最後に、もし御自身が都市か地方かで仕事を選ぶとしたら何が一番選択の決め手となりますか、御意見いただければと思います。御三人によろしくお願いいたします。
#11
○委員長(大島九州男君) それでは、まず最初、松浦参考人からよろしいですか。
#12
○参考人(松浦民恵君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 まず、地方での女性の就業ということですが、御指摘のとおり、実は地方というのは子育てをしやすい、子育てしながら働きやすいという側面も十分にございます。むしろ、何というんですか、二世帯、三世帯の家族も多いので、都会のように核家族が多いところに比べると就業しやすい、就業継続しやすいという面もございます。
 その一方で、御指摘のとおり、東京に女性就業者が集中してしまうということがあるわけですが、いろいろな面からということで、私は企業の人事管理の専門家なのでその側面からお答えしたいと思いますが、恐らく、特に大企業の採用政策というのが非常に重要なポイントになってくると思います。結局、大企業は東京で大量に人を採用するんですよね。ですので、地方の学生も全部東京本社で採用をされるわけですよね。その後に転勤という形で各地方に散らばっていくわけですが、それが本当に効率的なやり方なのかどうかということはこれからまだ議論の余地があるんじゃないかなというふうに思っております。要は、地方での採用、地方での配置のような働き方が今後検討されていく必要は出てくるんじゃないかなというのが一つ、最初の御質問に対するお答えです。
 二つ目の御質問として、自身が都市か地方を選択するときにどういう視点で選択するかという御質問だったかと思いますが、もちろん保育園が一つ重要なポイントです。働こうと思うと、預かってくださるところがなければ働けないので、保育園ですね。中でも、保育園に限らずですが、病児保育の問題というのが非常にやはり働く女性にとって重要な深刻な問題になっておりますので、その病児保育に対する体制が整っているかどうかということは社会的なシステムとしては非常に重視しております。もう一つは、一緒にそうやって悩みながら、助け合いながら働けるようなママ友ネットワークというんですか、そういうネットワークが形成できるような地域かどうかということも私は非常に重視すると思います。
 以上です。
#13
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 一つ、地方の問題で申し上げますと、今、松浦様がおっしゃられたように、地方の方が子育てしやすい環境があるというのは確かなんですけれども、その地方で子育てを支えてきた条件というのは実は年々環境は悪化していると。つまり、親を頼りにしているというような状況は、今は親の世代も働き続けるようになってきている、また子育てについての意識も変わってきているという中で、実は当てにできなくなってきている。この辺りが、本来子育てしやすい地域で更に女性の就業が上がっていかない背景の一つになっているかと思います。
 ですので、これまで子育てしやすいと言われていた地方のこれまでの条件を前提にするのではなくて、都市に近いような形での子育て支援というのも今後更に必要になってくるのではないかと考えています。それは保育もそうですし、今まで親が担っていたものというのは、単に預かるということだけではなくて、保育についてのやはり精神的な支えであるとか、それからいろいろな相談ができるということもありますので、そういった関わりというのは地方においても今後は必要になるのではないかと思われます。
 もちろん、地方において仕事があることというのがとても重要ですけれども、なかなか企業誘致なども進まない状況がございます。ですので、一つには、やはり女性の起業ということにますます今後力を入れていただく、地方での起業に力を入れていただくというのも大事だと思います。
 また、大企業の問題、今も御指摘ありましたけれども、転勤という問題がある中で、今は都市部に本社がある企業で子供がいる女性は転勤をしないという対応をしていますけれども、むしろ地方に行った方が子育ても仕事もしやすいんだというような環境をつくれれば、子供が小さな時期は地方で過ごすというような仕方もあると思います。
 また、地方で保育や教育や介護、看護といった人に関わるサービス、こういったものは必須ですので、こういった立場の仕事というのは女性が多いということもございますので、こういった仕事の質や処遇、社会的な地位の向上、こういったことも課題ではないかと思います。
 私については、千葉で生まれ育っておりまして東京で仕事をしているというようなことで、今まで余り考えたことがなかったんですけれども、また、その千葉で、東京に住まずに千葉にいるまま、ちょっと通勤時間は長いんですけれども通っているという選択をしているのは、やはり親と近居しているというような条件がございます。ですので、やはり、先ほどおっしゃられましたように、保育環境というのは非常に重要な要素ではないかというふうに考えております。
 以上です。
#14
○参考人(今野久子君) 抜本的な政策ということについては提言はできません。
 ただ、私も地方出身で、やはり東京で就職の機会をという形で東京に出てきて仕事をしているという状況ですけれども、地方ではやはり仕事がないという、そういう状況の中で、なかなか地方で就職ができないという状況があります。
 しかし、希望としては地方で、自分が生まれ育ったところで仕事を続けたいという希望は強く持っているというのが実態だと思います。昔のようにただ都会に憧れてという、そういうような状況ではありません。それですし、地域社会が大事にされてきたという経過もございますので、そういう点で、やはり仕事づくりをどうしていくのか、働く場をつくるのにどうしていくのかという点でいうと、やはり公務の仕事の在り方、それについてもう少し工夫とか何かがあってしかるべきではないかなというふうには考えております。
 以上です。
#15
○上野通子君 御三人、ありがとうございます。参考になりました。
 もう一つ御意見伺いたいんですが、先ほど矢島様の方から、二〇二〇年までに女性管理職三〇%にはちょっと厳しい感じで、絶対にこれ達成は難しいというお話もありましたが、私も、急にはまず無理だと思っておりますが、管理職に対して女性がその女性のイメージづくりというものをしていかなくては意識も改革しないというのは同じ思いでございます。
 そして、女性にとって、できればその能力が生かされて、管理職になるチャンスがあればそのチャンスを生かして是非とも管理職になってほしいという思いも女性の一人としてはあるんですが、なぜか、先ほど資料にもありましたように、なかなかプライベートとの両立ができないので引いてしまうという方も多いと思います。そのほかの理由としても、何か管理職のイメージがちょっと私には良くないとか、責任が重過ぎるとか、勤務時間が長いとか、休みが取りづらいとか、家族に反対されるとか、いろいろあると思うんですが、そのようなイメージを払拭して、輝く女性を一人でも増やしてもらうためにも、是非とも今の管理職にあるまず男性の意識を改革していただいて、その男性から女性を引き上げていただくようなことになれば一番いいと思うんですが。
 今の日本の様々な職場において、女性がその能力を最大限に生かして管理職になりたいと思っている人がいるとすれば、それなのにもうなかなかなれないという、男性と女性の管理職になりたいけどなれないというこの温度差というものは本当にあるのかどうか、現実には、あるのかどうかということをちょっとお伺いしたいのと、もしそういう温度差がかなりあるとしたら、その一番の原因は、最大の原因は何なのかということ、さらには、今回の法案でそのチャンスを生かして管理職を目指す一人でも多くの女性を支援したいということも含まれていますが、この法案だけではなかなかそれは難しいんじゃないか、ほかに何かこういうものをプラスアルファして考えればそれは可能かもしれないという御意見がありましたら、それも併せてお聞きしたいと思います。
#16
○委員長(大島九州男君) 一人。
#17
○上野通子君 できれば三人。
#18
○委員長(大島九州男君) それでは、今度は今野参考人からお願いいたします。
#19
○参考人(今野久子君) 私が担当してきました女性昇格差別とか賃金差別の当事者というのは、自ら昇格をしたい、そして力を発揮したいということを求めて裁判にまで訴えている女性たちです。訴訟を進めていくためには、仕事の実態というのを把握して立証していかなければなりません。そういう中で、幾つか女性の管理職になるための障害というか、逆に言うと改善点が見えてまいっております。
 まず、女性たちは、例えば私が担当したコース別人事が問題になっている事案だとか、それから課長職の資格を求めた事案などでは、例えば、よく言われるんですけれども、女性は管理職として部下統率力だとか指導性だとか、そういうものについて欠けるのではないかというふうに言われています。ところが、実際には女性は部下を与えられていないという。そういう、現実に部下がいて、そしてそれをどう育成していくかということをきちんと自ら考え、自らそれについて取り組むという、そういうことが行われていないわけですね。つまり、女性はそういう能力が欠けるんだというふうに決め付けてしまって、課題を与えていない、そういうことがございました。
 それでいながら部下統率力の評価をされて昇格ができない。部下がいないのにどうやって部下を育成しているかしていないかということについて評価されるのかということで、私は尋問の中で鋭く質問をしたり何かしてまいりましたけれども、そういう点でいうと、まず研修だとか育成とかにおいてきちんと昇格をさせていくように、女性をそういう課題に対してきちんと携わらせるということが重要ではないかなというふうに思っています。
 ただ、問題なのは、その研修だとか教育とかが時間外だとか休日だとかに行われた場合に、やはり家族的責任を事実上担っている人たちがその時間がなかなか取れないという問題があります。そこのところで、やっぱり男性の働き方を、そこを改善して、女性育成体制が取れるような環境を整備していくことが必要ではないかなというふうに思っております。
 事件を通じての経験ですけれども、そういうことについては改善の、何というんでしょう、ポイントがあるのではないかなと思っています。
#20
○参考人(矢島洋子君) 私どもの調査でも、管理職になっていない男性と女性で比べますと、やはり女性の方が管理職を目指すという意識は低いのは確かです。でも、やはりその背景にあるのが、それまでに、今お話ありましたように、仕事が適切に与えられていないとか、あるいは上司からの期待を掛けられていない。その上司がなぜ期待を掛けないのか、仕事を与えないのかという背景の中には、これまで妊娠、出産で辞める女性が多かったということから、自分の部下はどうか分からないけれども、でも辞めてしまう確率が男性よりは高いのではないかという、いわゆる統計的差別ということが働いているというのも大きいんだと思います。
 これまではそういう辞めてしまうので育てても仕方ないんじゃないかという認識があった中で、今辞めなくなったという状況があって、その中で、育てていただきたいんですが、さらに、今の問題でいいますと、やはり短時間勤務制度を利用することで管理職になる候補から外されてしまう、そこでやはり育てる対象から外されてしまうといった問題が最近の状況では起こってきています。
 ですので、こういったような上司から部下を育成するということにおいて、男性、女性かかわりなく、それから時間制約のある短時間勤務制度等の利用者であってもきちんと育てて成長させていくということをまず上司の皆さんに取り組んでいただくことが必須かと思います。
 女性たちが管理職になりたくないと思う中に、やはり管理職として必要な要件が、私どもの調査で男性よりも女性の方がいろいろな要件が必要だというふうに高いハードルを設定しがちというのがあります。それは、やはり実際に自分の周りに女性の管理職がいないことなどからも生じていると思います。ですので、多くのロールモデルを見せてそういったハードルを下げていくことと、実際に少しずつでもリーダーシップや管理職に近い仕事を経験させて自信を付けさせるということがとても重要かと思います。
 また、ただ管理職を、じゃ、今後ほかの取組等で管理職率の上昇を後押しするのかということですけれども、やはり、先ほど言いましたように、私は管理職だけに余り注目が集まるのもいかがなものかというふうに思っています。男性でも今は管理職にならない人が、言わばなれないというか、管理職ポストが減っているという状況の中で、皆がそれを目指すことよりも、しっかりと能力発揮をして様々なキャリアを積めるということが重要ではないかと考えております。
 以上です。
#21
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 そうですね、管理職に女性がなりたがらないというお話はよく聞くんですけれども、非常に、そうだろうなというのは言い方があれなんですけど、要はフェアな競争条件になっていないということが一番大きな理由だと思います。女性の場合は、家に帰ってやることが山のようにあるわけですよね。でも、一方で男性は、二十四時間フルタイムで管理職としての仕事に邁進できるという、そういう競争条件の違いがありますので、それを考えると、なりたくないと思うのも当然なのかなというふうに思います。
 ただ、そういう状況を改善していかなくてはいけないわけですが、改善していくといっても、にわかにこの状態が激変するというのは考えにくいですので、結局、輝く女性というのは、言い方を変えれば、ちょっと無理をしてくれる女性ということになると思います。仕事を頑張って家でも頑張るみたいな、一般的な人よりも無理をしなくちゃいけない女性なんですよね。
 何でそうやって無理をしようと思ってくれるかというと、初期キャリアの段階で仕事が面白いというふうに、もっと責任ある仕事をやりたいと思えるとか、いい上司に巡り合うとか、やっぱりそういう経験が非常に重要で、先ほど矢島参考人もおっしゃいましたけれども、自信を付けるとか、そういう初期キャリアの教育というのは非常にポイントになってくるのではないかと思います。
 以上です。
#22
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 今日は、参考人の先生方三人、どうもありがとうございます。お忙しいところ来ていただきまして、ありがとうございます。
 質問は実は準備をしてきたんですが、今日の意見陳述を聞きながらいろいろ考えて、いろんな逆に質問が思い浮かんだものですから、ちょっとそこからお聞きしたいと思っておるんですが。
 基本的に、お三方の共通することとして、女性活躍だというふうに言っていても、結局、男性を含めた働き方であるとか、それぞれの企業の企業構造であるとか意識の問題とか、そういったこと全てが関係してきて、それらがある程度解決していく、進めていかないと、なかなか女性活躍のところまでは行き渡らないのではないかというような、そういう考え方があるんだろうと思います。
 先ほど松浦参考人が、女性はフルタイムで働いても家に帰るといっぱい山ほどやることがあるけれども男性はないという、それ自体がやっぱり意識を変えていくことにつながっていくのかなと。男性も実は家に帰ると山ほどあるんだよということになって、男性も女性も同じだよという話に多分なっていかないと、本来でいう男女共同参画というんですか、女性の活躍に多分つながっていかないのではないかなというふうには感じているところなんですが。
 それで、それぞれにちょっとお聞きしたいというふうに思っておりますが、まず松浦参考人で、ちょっと我々の方の資料をいただいたところで、「女性活躍推進と経済成長」という、これ社内論文になるんでしょうか、の中であったわけなんですが、これ政府の方でもよく言っていますが、女性の活躍というのが経済成長あるいは豊かな社会、活力ある社会に役立つんだというふうに言っていますが、これ具体的に、女性が活躍をするということ、あるいはどういう働き方をすればいいのか、あるいは正社員を増やすことで豊かな社会、活力ある社会ができるのか。今の矢島参考人のお話を聞くと、管理職を増やせばいいというものではないだろうというような話もあるんですが、むしろ女性がどのように働くことが企業の利益を上げ、あるいは地域の活力を上げ、経済成長に役立っていくというふうにお考えなのかというのが第一点です。
 もう一つは、人事の関係で最初入社されて、その人事の研究者としてということで冒頭の御挨拶の中であったんですけれども、私も実は一九八六年、七年というのはアメリカに行っていました。これは留学なんですが、当時、日本は機会均等法は八五年からで、その直後だったんですが、アメリカのいわゆる履歴書には男性、女性の性別を書く欄はありません。年齢を書く欄もありません。出生地を書く欄もありません。これは、要するに同一労働同一賃金というか、その発想で、男性、女性、関係ないじゃないか、仕事ができるできないは。年齢も関係ないじゃないのか、出生地も関係ないじゃないか、あるいは家族構成も全く関係ないという、そういう発想でいっているんですが。
 そこまで一足飛びになかなか難しいかもしれないんですが、そういうような動きになれば、採用の段階から、男性、女性の区別というか差別というか、その辺りもなくなっていくんではないかなというふうに思うんですが、人事あるいは採用という点からもちょっとその辺りの御意見いただきたいと思います。
#23
○参考人(松浦民恵君) まず、最初の御質問ですね。実は、「女性活躍推進と経済成長」というコラムのようなものなんですけど、あれを書いたのは、そもそものきっかけは、女性活躍推進政策を進めてきた企業の中で、本当に女性活躍推進したら経済成長するのみたいな抵抗勢力からの否定的な言葉というのがやっぱり出てきていて、逆に言うと、例えば女性活躍推進して企業業績が上がらなかったら、短期的にですよ、短期的に上がらなかったら、やっぱり上がっていないじゃないというような反対材料にされるというような危惧を抱いて実は書いた論文なんです。ですので、女性活躍推進というのがにわかに経済成長につながるとか企業の業績につながるということについては、私は慎重な見方、そんなことはないと思っています。むしろ過渡期においては逆の作用が起こることもあり得ると思っています。それにしても、あえて女性活躍推進が経済成長というか今後の将来において必要だということを論じたコラムでございます。
 その中で申し上げておりますのが、結局、日本のビジネスモデルというのが、国際的に見たら、特にアジアの国々に比べると日本はもう明らかに高賃金国なんですね。ですので、安いものをたくさん作って市場で売るというところで競争力を持とうと思っても、もう基本的には無理なんです。そうすると、新しいものを開発するとか付加価値を上げるとか、そういった先端的な市場でビジネスをやっていくということが競争力の源になる。そうなると、結局、そういう新しい価値を生み出すとか新しい商品開発ということになると、いろんな人が、多様な人材が変革マインドを持ってそれに参加していくということが非常に重要な人材マネジメントのポイントになってくるわけです。そういう中で、私は、女性、女性に限らず多様な人材なんですけれども、女性がそういう企画の中に参加をして新しい価値観を吹き込んで商品開発やサービスの改善に携わっていくということは、行く行くは、長期的にはやっぱり経済成長においても非常に重要なポイントになるというふうに考えております。
 二つ目の御質問は、結構難しい、今の日本の現状で考えたときに、性別も年齢も何も書かないというのがなかなかやっぱり難しいかなという気は、現実、一足飛びには難しいかなという気はいたします。
 やはり今特に、何というんですか、マッチングというところで、家庭責任があるかどうかとか、どういった就業ニーズを持っているかという辺りがある程度すり合わせができた方がいいと思うんですよね。そこで、やっぱり性別情報がないということが、もちろん面接したら分かるとは思うんですけれども、ないということが結構マッチングにおいては非効率になってしまう懸念もあるのかなとは思っております。
 ただ、そういったことでもって、要は、女性だからこういう仕事だとか、男性だからこういう配置とかということは、私、何というんですか、先入観で決めるのは物すごくやっぱり良くないというふうに思っておりますので、行く行くはそういった世界になるということも十分に検討されるべきなのかなという気はいたします。
 ありがとうございました。
#24
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 やはり、男性が長時間働いてへろへろになって家に帰って、洗濯しろとか炊事やれというのはなかなか難しいという社会が今までであって、そこのところを、やはり時短を進めるとか有休を取れるようにしていくということがむしろ家事に参加するという、そういうところになっていくんだろうと思いますので、これはやはり男性、女性関係なく、そういう対応を企業側がしていかなきゃいけないのかなというふうには思ってはおるんですが。
 矢島参考人にお聞きしたいんですが、先ほど非常に興味深い、女性が管理職を目指さない理由というこのアンケートを見せていただいたんですが、平成二十四年度にも労働政策研究・研修機構が実施した男女正社員のキャリアと両立支援に関する調査結果というのも見ると、やはり女性の昇進希望というのは男性に比べて弱いというふうに出ていたかというふうに思います。
 とかく、官僚の方々が作られた法律であり、それを審議する国会議員も見ると、やはり上昇志向が高い人が作った法律なんで、どうしてもこういう上の方のを何とかせいみたいな話になっていってしまっているのかなというふうには思うんですが、やはりなぜ女性の方が管理職を目指さないのかという中の一つに、ある方が、これは衆議院の内閣委員会の参考人の方だったと思いますが、今の管理職を見ていてこういう管理職にはなりたくないなというのがあったというふうに言われています。
 こういうのはなかなか数字では表れてこないので、実際にはこの数字と生の本音との間に非常にギャップがあるんだろうというふうに思っておりまして、この法案の中も、女性あるいは労働者の意見を聴取して企業経営、マネジメントに反映していくという視点はそれほど強くないなというふうに思っているので、その点についてどうお考えになるのかというのをお聞きしたいのと、もう一点。
 ばらしてしまいますが、私は矢島さんと同じ会社におりまして、元同僚ということなんで、そのときの企業の状況というのが分かっております。さっき矢島参考人も企業の理解が非常にあったのでというような話がありましたが、実際、現実として、女性が男性と全く同じように昇進をして仕事をしていく中で、昔は、雇用機会均等法の前は、女性は例えば男性と一緒に出張なんか二人で行くわけにはいかないとか、夜の接待を女性にやらせるわけにはいかないとか、そんなような理由で管理職向いていないよみたいな議論というのが実は八〇年代前半には多くあったと私も認識をしているんですが、現実に仕事をしていく中で、そういう何かハードルですね、やっぱり、仕事の中身とかというんじゃなくて、ビジネスを、企業活動をしていく上で何らかのハードルが、こういうところが実は、余り最近言われないけど、女性が管理職になっていく、あるいは仕事をばりばりやっていくのに障害なんだということがもしあったら教えていただきたいと思います。
#25
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 最初の方の御質問で、管理職が魅力的でないというようなことなんですけど、先ほど御紹介いたしました二十二ページの女性が管理職を目指さない理由で、赤枠で囲ったのは女性の方が回答割合の高い回答で、家庭、プライベートとの両立が難しいためというのが女性の方が回答が多いとお示ししましたが、その横、左側にある管理職の仕事内容に興味ややりがいを感じないという回答は実は男性の方が高くなっています。ですので、実は男女を問わず、今若い人は管理職になりたいという意識が低くなっているというのはどこの企業様でも悩んでいるところでございます。
 その中で、管理職の仕事で、内容もそうなんですが、やはり今労働時間という問題が非常に問題になっていて、一般社員については残業削減の取組を進めている企業が非常に多うございます。一般社員の残業削減をする中で、そのカバーなりしわ寄せというのが更に管理職にかぶさってきているという中で管理職の働き方は更に厳しくなっていますので、管理職というのは基本的には時間把握されない存在ですけれども、あえて管理職についても労働時間の把握をということを設定している企業も出てきました。
 ですので、今回の法案で把握する労働時間についても、今後労働時間の状況をどのように把握するかということが課題になりますけれども、可能な限り管理職も含めて労働時間の問題を把握、分析されて、管理職も含めた働き方ということに着目していただくのが非常に重要かと思います。
 また、職場マネジメントの問題につきましては、本当に様々な場面に及んでいます。先ほど言いましたように、活躍する上で、研修だとか評価だとか、そういったところにどういったチャンスが女性に与えられるかというところで様々に関わってきますので、その中の管理職というのは役割は大きいと思うんですが、そういった課題が、状況把握、今後任意項目も設定されると思いますが、そういった中で把握されることが重要かと思っております。
 後者の目に見えないハードルという意味で申し上げますと、以前に比べますとやはり接待というような場面も大分減ってきたという業界が多うございます。私どもの業界でも、以前は官庁の皆様ともお付き合いさせていただくこともございました。でも、今は全くそういったことなくなりまして、女性が接待するということも、ハードルはなくなりましたし、製薬会社のMRさんなんかも、病院の先生たちとの付き合いの仕方が大分変わってきた中で、女性のMRが活躍するチャンスが出てきたということがございます。
 ただ、今でも、例えば商社などで赴任をするとき、あるいは長期の出張をするときに、危険地に行かせるということがなかなか女性は難しいんだということもございますが、これも実は上司によって判断がかなり分かれる。ここは危ない、ここは大丈夫だという判断が上司に任せておくと大分分かれてしまって、それでどんどん行けない地域が増えてしまっている可能性があります。ですので、こういうことも企業の方で手当てして、本当に女性が行くのは危ない地域、実は男性が行っても危ないのかもしれませんし、ですので、そういうことをきちんと吟味していただくことが重要かというふうに思っております。
 以上です。
#26
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 それでは、今野参考人にお聞きしたいと思いますが、先ほどもう既に意見陳述の中でお述べになっていると思うんですが、今、労働法制の改正ということで労働者派遣法の改正が参議院の方へ回ってきているんですが、一方で、考え方が、これやっぱり非正規が固定化するんではないかとか、あるいは解雇しやすい労働協約などが出るんではないかというようなことで、非常に多くの人が懸念を持っているというのは一方であります。
 ただ、一方で、一定の女性は大企業で昇格していく、その代わり望まない労働条件なんかも認めて、受け入れていかなければならないという女性がいて、結果として女性労働の二極化を招いてしまう、これは経済的な面だけではなくて、二極化を招いてしまうんではないかという懸念もあるんではないかなというふうに思いますが、果たしてこの女性の働くことの意思を重んじた形で働く権利を保障することが女性労働の二極化というものになっていきはしないかという、そういう懸念があるんですが、その件について教えていただければと思います。
#27
○参考人(今野久子君) 女性労働者が二極化するのではないかという懸念は私も抱いております。といいますのは、先ほども申し上げましたけれども、男性と女性、家族的責任のある男性と女性が平等に働いていく、それからもう一つは、家族的責任のある労働者とそれから家族的責任が薄いというか、そういう労働者とが平等に働いていくときに、やはり誰と基準を合わせて働くかということが大きい問題であって、だから、家族的責任の条約である百五十六号条約というのは、単に家族的責任が多い人のための特別の措置を決めるだけでは駄目だ、一般労働者の労働条件が良くならなければ本当の平等というのは確立しないという、そういう考え方になっているわけですね。
 ところが、実態は、先ほど申し上げましたけれども、長時間労働が正社員だったら当たり前というような今企業風土がございます。そういう中で、女性が昇格していくためには男性の労働に合わせて働くことによって初めて平等が保障されるんだという形になっていくならば、それに合わせることができる一部女性と、それからあとはそれができないわと。
 先ほどもありましたけれども、今、一旦離職しますと、再就職のときにはほとんど非正規労働者です。正社員として再就職するということはかなり難しい問題です。そうしますと、片方で非正規化が進んでいくという実態になっています。
 労働者派遣法につきましては、中身は簡単に述べたいと思いますけれども、今度は業種を問わず三年ごとに派遣労働者を入れ替えていけばずっと派遣労働者を永続的に使うことができるという、そういう内容になっております。私も幾つか派遣労働事件についてやってまいりましたけれども、現実には、例えばですけど、OA機器の操作だとかファイリングだとかという、専門業務だからという形で派遣労働者が正社員に置き換えられていって、実際に正社員は減らされてきております。
 そういう中で、派遣労働者の平均年収というのは二百万円を切り始めているんですね、今。そこの層が一番多いという状態になっております。そうであれば、今このままの状態であれば、女性労働者はそういう意味で二極化に進んでいくのではないかというふうに思っています。
 先ほども申し上げましたけれども、年収二百万円以下の女性が四割を超えているというのは、これは何といったらいいんでしょう、社会の基盤が崩壊しかねないような大問題だというふうに私は思っておりまして、そういう点でいうと、やはり男性の働き方、そういうものを変えていく、この際だから逆にやっぱりそれを変えていくという方向で、時間は掛かると思いますけれども、それの第一歩を踏み出さなければいけないというふうに思っております。
 以上です。
#28
○藤本祐司君 終わります。
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#29
○委員長(大島九州男君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、松下新平君が委員を辞任され、その補欠として石井正弘君が選任されました。
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#30
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。大変に今日は御苦労さまでございます。
 最初に、松浦参考人と矢島参考人にお聞きしたいんですが、女性活躍と実は企業価値の関係をちょっと聞きたかったんですが、先ほど松浦参考人は、あんまりいい結果が出ていないとか、そんなお話があったんですが、そうであれば、ちょっと御両人、ある意味では、保険会社でもありますし、金融機関、銀行でもありますので、それぞれのお立場から、いわゆるまさに女性の活躍がはっきりしていて、それがやっぱり企業価値にも、何というんですか、つながっていると、そういった先進事例若しくは先進業界があればちょっと御紹介いただきたいと思います。
#31
○委員長(大島九州男君) それでは、最初に今回は矢島参考人からお願いいたします。
#32
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 個々の企業で申しますと、女性の活躍を進めて業績もアップしている企業はございます。その中で、ただ、女性の活躍を推進することが企業の業績アップを進めるのかという、因果関係があるのかというと、それはいかがなものかということがあるのではないかというふうに考えられます。
 それは、日本全体で考えますと、マクロで考えますと、いろいろな業界で、今産業構造の中で国際的な競争力が厳しい業界はたくさんあるわけですね。しかも、過去二十年の間に、そういったような業界の中で厳しい状況がずっと続いてきたわけです。そういったことを前提に考えると、実際にマクロに分析したときに、女性活躍が進んでいる企業の方が企業業績がいいというような数値が出たとしても、本当にそれが後押ししたんだろうかと。それよりも、新しいマーケットに即した業態の転換等を積極的に進められた企業が、新しい時代の変化に対応した企業が新しいマーケット、顧客を獲得したということで業績が良くなっているということの動きの方が実際は強いのではないかというふうに私は考えております。
 ただ、その中で、今後企業を存続、発展させていくというような経営者の皆さんにとってはやはり人材の確保というのが大きなテーマになりますので、その人材をいかに確保するのか、良質な人材を確保するのかといった場合、先ほど松浦参考人もありましたように、多様な人材を確保する、そして生かしていくということがやはり重要なテーマになってくるというのは間違いないというふうに考えております。
 もう一つ、その多様な人材を生かすということだけではなくて、今まで活躍できていなかった女性を活躍させる、そのための仕組みを見直すという過程の中で、日本の企業が持っていた様々な問題を見直す良いきっかけになるのではないかというふうに考えております。
 例えば、評価は時間ではなくて成果で評価するというような考え方は、本来、女性の活躍だけで出ているものではなくて、企業が取り組むべき課題として挙がっております。でも、これはなかなか進みません。また、だらだら働くのではなくめり張りを付けて働こうとか、あるいはキャリア形成についても、やはり管理職だけではなくて複線的な方向で適材適所で活用していこうというようなことも、実は女性の活躍という視点だけではなくて、企業の人事制度の潮流として本来あるものですよね。ただ、これがなかなか進まないと。これが、今女性が活躍できていない、育てられないという問題を見直したときに、そういった問題に直面し、これを動かす契機になるのではないかというふうに私は考えております。そういう中でダイバーシティー経営が進むことが今後企業の発展につながるというふうに考えております。
 以上です。
#33
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 女性の活躍推進が必要だというお話、先ほど申し上げたとおりでございますが、それが企業価値につながっていく先進事例とか研究については、専門家の立場から申し上げますと、なかなか議論が収れんしていないというのが正直なお答えです。何というんですか、同じタイミングで女性活躍推進が進んでいる企業が企業業績が非常にいいというような結果はたくさん出ております。しかしながら、それが鶏が先か卵が先かという話で、企業業績がいいから女性活躍推進ができるんじゃないかという議論はいつも必ず出てくるんですね。
 そうすると、結局、パネルデータといって、同じ企業をずっと、何といいますか、追跡していくというデータで女性活躍推進が本当にその後の企業業績の向上に寄与したかという、そういう分析をしなくちゃいけないんですが、それはやっぱり非常にお金が掛かる膨大な調査になりますので、限られています。そういった調査を基にした研究でも、やはり女性活躍推進が企業業績に結び付いたという結果が出ているものと必ずしもそうでないものというのが両方今あるという状況ですので、そこははっきりとしたことが申し上げられないんですが。
 ただ、御高承のとおり、企業価値というのはいろいろなものが合わさって現れるものです。ですので、例えば女性活躍推進をしている企業は働き方改革もやっていたり、あるいは経営者が物すごく風通しのいい職場をつくっていたり、いろんなことを同時にやっているんですよね。ですので、そういった企業はやっぱり企業業績がそれなりに上がっているんだと思います。女性を雇えば、あるいは女性を管理職に登用すれば業績が上がるということでは、それだけで業績が上がるということではないんだと思います。
 以上です。
#34
○若松謙維君 分かりました。なかなか難しいということですね。
 その上で、もう一度この女性活躍法案の目的等ですか、確認しますと、いずれにしても、男女の人権の尊重とか少子高齢化とか、また国民の需要の多様化とかいろいろあるわけですけれども、まず、問題認識をちょっとMカーブのところですか、に集中して、三百二万人ですか、の働きたいけど働かないという方々をどう、何というんですか、その方々の希望にマッチしていく企業なり社会のシステムに変えていくかと、こういった観点から質問いたしますが、済みません、今野参考人にはちょっと後でまとめてどっと質問させていただきますので、松浦参考人と矢島参考人に、そのMカーブの、先ほどの三百万のところですか、どういうふうにしたら改善していくのかという、その肝的なところをちょっと教えていただきたいんですけど。
#35
○委員長(大島九州男君) それでは、松浦参考人、お願いします。
#36
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 M字カーブというのは、最初、八〇年代、九〇年代の改善というのは、未婚女性の就業率の上昇というのがM字カーブの改善に役立っていた。要は、子育てをしながら働く女性というところについては当初はほとんど効果がなかったという研究がある程度認識されています。その後、二〇〇〇年代に両立支援制度を随分頑張って利用環境整備も含めてやった結果、要は、先ほど矢島参考人の方からもお話がありましたが、短時間勤務制度の利用者等も増えまして、若干、子育てをしながら働く女性の就業率というのもM字カーブの引上げに寄与してきたというのが今までの流れだと思います。
 M字カーブの底上げという意味では、まさに、何というんですか、単発的な育児休業だけを充実すればいいとか、短時間勤務制度だけを充実すればいいという話ではなくて、育児期というある意味大変な時期を乗り越えてこの会社で働き続けられるという見通しを持つということが一番重要だと思っています。そういう意味では、やはり、育児休業がどれだけ充実していても長時間労働の会社であれば子供を育てながら働き続けるというのは到底無理だろうなと思ってしまうわけなので、働き方改革というのはやっぱり非常に根っこになる、肝になる部分だと思います。
 もう一つ、M字カーブの引上げという意味では、私は非正規労働者の方々の両立支援というのはやっぱりまだまだ立ち遅れていると思います。育児休業ですとか育児短時間というのがかなり二〇〇〇年代に充実したのは、やはり正社員中心なんですね。ですので、第一子の出産後の継続就業率というのを見ても、正規と非正規で比べると、非正規というのは正規より半分以下なんですね。正規でも低いんですけど、それの更に半分以下が非正規の継続就業率です。そういうことを考えますと、非正社員の両立支援というのがやっぱりこれからもっと充実していくべき課題として残っているのかなというふうに考えております。
 以上です。
#37
○参考人(矢島洋子君) 私が先ほど御説明した資料の二十一ページを御覧いただきたいんですけれども、二十一ページに女性のライフステージに応じた働き方の希望というグラフがございます。こちらも一見M字なんですが、M字の底は非常に浅いんですね。浅くて、子供が三歳以下のときちょっと働きたくないという方はある程度いるんですが、これも、育児休業を一歳まで取れて三歳まで短時間が取れるようになれば、ここは大分更に減ってくる可能性はあるわけなんですね。
 実際に子供を持ったときの働き方の希望として、フルタイムだけれども時間の融通が利いたり、短時間だったり、家でできる仕事、こういったことが元々女性たちが希望していた子育て期の働き方で、実際に今法律などでこういった働き方の選択肢が出てきて、徐々に就業継続できるようになってきたということです。これ、実際のところはごっそりまだこの働かないという白いところが増えてしまっていて、そこが今のM字につながっていますので、この希望に合った形で働き方の選択が出てくると大分改善すると思います。
 ただ、その効果は今正社員の方に限定されているというのは両参考人が御指摘されたとおりで、やはりこういった選択肢が出てきたことで正社員の働き方が改善して就業継続が増えてきた、その効果を非正社員の増加という問題が相殺してしまっているということが非常に大きな問題ではないかというふうに考えております。
 以上です。
#38
○若松謙維君 本当にこの問題は難しいですね。質問するのもなかなか難しいんですけれども。
 今度は、いわゆる男女間の賃金格差という観点から、これ是非、今野参考人から御三方に聞きたいんですけれども、これもいわゆる大きな問題だと思います。やはり、相対的に見ても女性の賃金が結局、自分は頑張っているつもりだけど評価が低い、であれば家庭に戻っちゃおうと、こういう意識って強いと思うんですね。ですから、いわゆる同一条件同一賃金ですか、これは努力していかなければいけない。
 一方、今野参考人の論文、インタビューですか、やり取りの中で、特に最低賃金ですか、その話もありましたが、今回十八円上げたということで、私どもは与党ですからアベノミクス効果と言っているんですが、確かに世界と比較するとまだ安いというところも含めて、やっぱり賃金格差なり同一条件同一賃金、これは進めていかなくちゃいけないと思うんですが、とはいいながら、企業というか経営者側からするとリスクがある話なので、これもなかなか、少なくともOECDの真ん中レベルまで早く行かなくてはいけないと思っているんですけど、そこをどういうふうに持っていったら行くのかなというのを御三方にお聞きいたします。
#39
○委員長(大島九州男君) 若松委員の質問時間が五十二分までなので、皆さん二分以内で御回答を。
 では、今野参考人、お願いいたします。
#40
○参考人(今野久子君) では、法律面から。
 日本の法律では、同一価値労働同一賃金の原則というのが女性差別撤廃条約だとかILO百号条約だとか社会権規約に書かれていて、その条約を批准しているにもかかわらず、日本の法律では実定法に明記されておりません。その結果、例えばですけど、私が担当しました丸子警報器事件でも、全く正社員と同じ仕事をしているのに、それを是正しろという法的根拠を主張することが非常に実定法からいうのが難しいという状況にあります。
 元々、労基法制定の段階ではこれが最初の法案では書かれていたんですけど、審議の過程で削除されたという経緯がございます。そういう点で、もう法律の上で同一価値労働同一賃金の原則をきちっと明記するときを迎えているのではないかなというふうに思います。
 ただ、問題は、その場合に、どういうふうにその賃金を見ていくのか、労働を見ていくのかということで一つだけ指摘したいんですけど、客観的な職務の内容だとか求められる能力だとか、その仕事に必要なものは何なのかということでの評価ということについて進めていく必要があるのではないかなと思います。日本ではどうしても、転勤に応じられるかとか、属人的なことが入りがちなんですけれども、そうではなくて、この仕事には転勤が必要な仕事なのかどうかとかというふうに客観的な基準で評価をしていくという、それの取組について始める時期ではないかなというふうに思います。
 時間がないので、これだけにします。
#41
○参考人(矢島洋子君) いろいろな視点があると思いますが、私は、短時間勤務、正社員の短時間勤務の観点から申し上げたいと思います。
 私、短時間勤務のマネジメントに非常にこだわりを持っておりますが、この短時間勤務のマネジメントを進めていくと、同じ職場で正社員の女性と非正社員の女性が実は同じような仕事をしている、その中で、正社員の女性が短時間勤務になることで職場の不公平感が非常に強調されるといったような問題が出てきております。これを人事の方などは短時間勤務制度の問題というふうにおっしゃるんですが、そうではなく、そもそも正社員と非正社員が同じような仕事をしていたことに問題があることが明らかになるわけですね。それと同じように、一般職と総合職がもうほとんど同じというような仕事をしている場合も、この短時間勤務を総合職の方が取ることで改めてその違いに着目せざるを得ない状況になります。
 その点、こういった短時間勤務のマネジメント、仕事の与え方、評価、こういったものを突き詰めていくと、一定程度この問題に対しても進展があるのではないかというふうに考えております。
 以上です。
#42
○参考人(松浦民恵君) 私も手短にお答えさせていただきます。
 今のお話の中にも出てきましたけれど、やはり、賃金格差の問題は、その職務内容の見える化と、あと、その活用の幅だとか柔軟性の見える化ですね、それとセットだと思います。
 企業の言い分としては、多分、見かけ上同じ仕事をしていたとしても、実際配置転換できることについて、その活用面での柔軟性があるからそれだけ高い給料を払うという言い分がよく聞かれるんですけれども、一つ一つ潰していったときに、もう仕事の責任だとかというのが全く一緒で、その活用の柔軟性だけでこんなに大きな差を果たして付ける必要があるのかみたいな、一つ一つの差の内訳ですね、それを明らかにしていく、見える化していくということが私も最初のまずやるべきことなのかなというふうに考えております。
 以上です。
#43
○若松謙維君 ありがとうございました。
#44
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。今日はありがとうございました。
 お一人ずつに一問ずつということでお聞きをしたいというふうに思います。
 まず、今野参考人にお願いをします。
 意見陳述の中で、やはり職場における女性の活躍を妨げる要因を取り除くという一体性のある政策あるいは法律が必要なんだということで、派遣労働法の改定案についても言及をされておられました。まさに同時並行で派遣労働法についても今、国会審議が行われているところです。この法案に照らして、この派遣労働者の問題でお聞きをしたいんですね。
 派遣労働者については、男女間の就業年数の差異であるとか、あるいは管理職比率であるとか、こういうのは派遣元企業において実態を把握し、それを分析する、女性の活躍についても雇用主である派遣元企業が行動計画を作るというふうに言っているんですが、私は非常にここに疑問を持っています。そんな行動計画やら実態把握が果たして可能なんだろうかということも考えなければいけないというふうに思っているんですね。
 それで、この派遣労働者をどういうところで女性の活躍というこの行動計画で位置付けるのか、あるいは実態把握をしていくのか。私は派遣先でやるべきだというふうに思うんですけれども、その他、育児休業法であるとか均等法とも照らして、少し今野参考人に、派遣労働者、この法案でどうするのかということについてお聞きをしたいというふうに思います。
#45
○参考人(今野久子君) 今のこの法案の状況からいけば、事業主は派遣労働者については派遣元です。そうしますと、実際に働いているのは派遣先なわけですけれども、先ほど私は、事業場の中で実態把握をするときに、正規と非正規を分けてというか、それについて、男女の割合だとか何かも調査というか実態把握をすべきだということを申し上げましたが、その非正規の中にも、私は、派遣労働者をどれくらい使っているのか、それから、更に言えば、派遣労働者については正社員化という問題がございますので、正社員化がどれだけ進んでいるのかというのもやはり把握すべき事項の中に入れるべきではないかというふうに思っています。
 それから、育児休業の取得とか何かの問題が起こってくると思うんですけど、それについても、例えば自分のところで働いていた女性労働者が育児休業をどれほど取っているのかというふうなこともやはり把握していく必要があるのではないかというふうに思っています。やはり、今、日本の派遣労働について言うと、派遣先の労働者との均等待遇の原則、ルールというのが、これが規定されていないという問題があるわけで、そういう点でいうと、この派遣労働者の女性は、派遣労働者は非常に、特に登録型は雇用が不安定で、いろんな、育児休業とかそういうものに関してもなかなか取得できないという問題があるわけですね。そういう点からいって、やはり派遣元だけではなくて派遣先もこの実態を把握すべきではないかというふうに思っています。
 以上です。
#46
○田村智子君 ありがとうございます。
 もう一問、今野参考人にお聞きをしたいんですけれども、労働時間の問題で、長時間労働の是正が必要だということでかなり突っ込んでお話をいただきました。私も、三十代、四十代の男性の時間外勤務というのは非常に時間長いんですね。世代の中でも最も子育て世代と言われるところの世代が大変に残業時間が長いと。こういう問題を男女問わず解決をしていかなければ、これは、両立支援といったときに、女性の両立支援というだけじゃなくて、男性にとって仕事と家庭の両立をやっぱり支援しなきゃいけない、男性も家庭生活を送る権利がある、育児をする権利があると、それが妨げられているんじゃないかというふうにも思うわけです。こうした長時間労働の問題が非常に家庭全体に与える影響としては、過労死という問題まで起きていると。
 今野参考人、過労死案件も扱ってこられたというふうにお聞きをしていますので、やはりこの過労死という問題が、亡くなられた方だけでなく、女性の活躍とも照らしてもやっぱり大きな影響を与えるというふうに思いますが、その点、具体の事例もありましたら含めて御紹介いただければと思います。
#47
○参考人(今野久子君) この三十七年間で私は、出産したときには、子供が生まれたときには父親がもういなかったという過労死事件を三件やっております。そのいずれもが、やはりかなり成果を求められて長時間労働に追われているという、こういう状況です。
 亡くなってから、仕事上どういう生活をしていたか、どういう働き方をしていたかということを私どもは調査をして労災認定などを受けることになるわけですけれども、そういう中で、やはり実際に長時間労働ですと家族的責任は果たせません。果たしたくても果たせません。そういうことからいうと、やはり家族的責任を、これは男性に対する差別でもあるかなというふうに思うんですけれども、男性も女性もやはり生活時間というものは確保して、生活時間をどうし、それから生活と仕事の両立を図るというのが、ある意味ではそういうことができる働き方というのが必要ではないかなというふうに思っています。
 それを、働かせているのは企業の側ですから、仕事を与えているのは企業の側ですから、そういう点で、働いている人に対して、労働時間を短くできるかどうかというのは労働者の責任だよというわけにはいかないと思うんですね。そういう点で、やはり職場における労働時間規制、それから、逆に言うと、過労死だとか大事な人材を失うということは企業にとっても痛手です。そういう点から考える。
 それから、メンタルの問題が起こってきたりなんかしています。私ども、よく労使の代理人で一致できるのは、やっぱりこれメンタルの問題で大事な労働者が働けなくなっているという問題は絶対改善していかなければいけないということがよく言われます。そこは意見が一致します。そういう点でいえば、やはり労働時間規制に関しては法的な規制というのをもう掛けていかなければならないというふうに思っております。
#48
○田村智子君 国が作る基本方針の中にやっぱり労働時間の問題どうするのかということは、これはもうお三方の参考人の方からも提起された問題だというふうに受け止めています。
 次に、矢島参考人、お願いしたいと思うんですが、私、横文字に弱くて、ダイバーシティーって何だろうなと調べてから来たんですけど、多様な立場にある多様な方が多様な働き方ができるようにと、これ、なかなか確かに今後考えていく働き方の在り方として一つ私たちも検討していかなければならないことだなというふうに思っているんですけれども、その点で、御自身も経験をされているコース別雇用管理の問題なんです。
 私は、これは非常にある意味硬直した、多様な人生やら多様な働き方というのをコースということに当てはめてしまうようなやり方ではないんだろうかなというふうに思うんですね。採用時から、つまり自分が働き始めるときからそこそこ働いて出世はしなくていいよという一般職を選ぶ、そうじゃなくて、ばりばり働いて家庭は犠牲にしちゃってもいいよと、これ最初から選ばせてなんというのは非常に矛盾が大きいんじゃないかというふうに思うんですね。コース別雇用管理そのものもやはり検討が必要じゃないかというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
#49
○委員長(大島九州男君) 委員の皆さんに御協力をお願いしたいんですが、私語を慎んでいただくようによろしく御協力をお願いいたします。
#50
○参考人(矢島洋子君) 御質問ありがとうございます。
 おっしゃるとおりだと思います。コース別については、もちろん制度を設けている中で、その後転換が可能であることというのも非常に重要な要素ではありますけれども、そもそも入口のところで本当に分ける必要があるのかということは私も疑問に思っておりますし、それは企業にとっても大きなチャンスを逃すことであると思います。
 実際に入社した後、一般職であっても、様々なその会社の仕事に適した仕事、あるいは、今までですと総合職の人しかやっていない仕事だけれどもすごく、一般職で入ってもチャンスが、向いているというようなことも往々にしてあるわけですよね。そういうことの可能性を全部あらかじめ潰してしまうということがあると思いますので、できればやはりそれは企業にとっても一括で採用して適材適所ということがいいのではないかと思いますし、その中で、今、ライフステージに応じて働き方が実際に一般職であろうが総合職であろうが変えられるということができてくれば、ある程度企業の側の行動も変わってくるのではないかと思います。
 一方で、今、地域限定正社員というようなものも出てきておりますが、これも、地域限定ということで、転勤をしないというような要件だけが異なるというようなことも言われていますけれども、しかし、実質的にやはりその中でキャリア形成の見方が異なってくれば与えられる仕事についてもやはり差が付いてきてしまう可能性もありますので、こういったことも、本当に転勤はあらかじめできるできないという可能性だけで分けていいのか、そんなことが本当にできるのか、今は男性でも介護の問題などで転勤を免除される方も非常に多うございますので、あらかじめその見込みで分けることが本当に妥当なのかどうか、こういったことも検討される必要があるかと思っております。
 以上です。
#51
○田村智子君 ありがとうございます。
 松浦参考人にお願いをしたいんですけれども、均等支援と両立支援の両輪が必要なんだ、両方やっていくことが必要なんだという問題提起、なるほどなと思いながら聞いていたんですけれども、先ほども少し非正規の問題が出てきたんですけど、やっぱりその両方から言わばこぼれ落ちているような存在として非正規雇用の問題があるんじゃないだろうかということを大変危惧をしています。
 元々、とりわけ有期雇用ということでお話をしたいというふうに思うんですけど、契約期間が定まっていて半年ごとで繰り返しているような方は、当然、将来管理職になるというような出世という意味での均等支援からはもう初めから除外の対象というふうになっているようにも思いますし、じゃ、両立支援というふうにいったときに、残念ながら、実態として、妊娠が分かれば、そのことを報告すれば、次の契約で満了でそこまでよというようなことをやられても、それは別に差別でやったわけじゃないんだ、妊娠したからが理由じゃないんだ、あなたがやっていた仕事が既に必要がなくなったから、それであなたは契約満了で辞めていただくんですよというふうに強弁をされてしまえば、それが合理的な理由なのかどうかというのはなかなか検証が難しいというか、事実上はもう裁判やるしかないような事態に実態ではなっているというふうに思うんですね。
 そうすると、この二つの両立支援と均等支援、これ二つやっていくんだというときに、やはり、女性の六割が非正規という実態の中で、この非正規の方々にはこの二つの支援というのをやっていく仕組みをどうやっていったらいいんだろうか、ここの点は少なくとも変える必要があるんじゃないだろうかというようなことありましたら是非お聞かせいただきたいと思います。
#52
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 非正規社員の両立支援のことについては、私は、二〇一三年の四月に労働契約法の無期転換というのが御存じのように施行されて、何というんですか、実際は無期のような働き方をしているにもかかわらず有期、有期、有期でずっと更新をし続けて、いつでも要は雇い止めできるような体裁を取っているというような、有期契約の悪用みたいなところはある程度そこのところで是正されていくのかなというふうに思っています。
 ですので、五年たてば、有期でも通算五年たてば本人が希望すれば無期転換にできるというところでは、ある程度、有期労働者の保護、その前に雇い止めされちゃうんじゃないかと懸念されている点もあるんですけど、保護という意味では一つ規制ができたのかなというふうに思っております。
 両立支援ということに関して言うと、今の育児・介護休業法の中で、期間雇用者も一年以上雇用されていれば育児・介護休業の適用がなされるんですけれども、難しいのは、その後の一年間の雇用見込みというのが要件に入っていることなんですね。あれがかなりやっぱり非正社員の両立支援のネックになっているので、今後その点については検討の余地があるのではないかなというふうに思います。
 均等推進施策について言いますと、何というんですか、もう本当に一年、二年の有期であれば別ですけれども、有期でも何年かやっぱりその企業にいらしてコア的な仕事にある程度携わっている方については、私は必ずしも管理職登用とかということと無関係ではないと思っているんですね。
 たしか今野参考人の御意見の中にもあったと思うんですけど、母集団を増やすということは非常に重要なんです。女性の管理職を単につくるといっても、いきなり管理職がぽっと湧いて出るわけではないので、裾野をいかに広げ、その中から引き上げる仕組みというのをいかにつくっていくかということが非常に重要なので、御指摘のとおり、今の女性労働者というのは正社員でも一般職的な働き方をしている人が非常に多く、なおかつその六割は非正規だということを考えますと、そこに母集団を広げていかないと私は管理職登用というのは難しいと思っておりますので、それは一体で進んでいくというふうに期待はしております。
 以上です。
#53
○田村智子君 最後、じゃ、もう少し時間がありますので、お一言ずつなんですけれども、これは、法案の中で、国は女性の活躍に向けての基本方針を持つということになるわけですけれども、これだけは国の基本方針の中で欠かすことはできないだろうということについて、この項目については欠かすことはできないだろうということについて考えておられることを、一言ずつで申し訳ないんですがお願いして、順番は委員長にお任せします。
#54
○委員長(大島九州男君) それでは、一人一分以内でお願いします。矢島参考人。
#55
○参考人(矢島洋子君) 済みません、すごく難しくて。ただ、私の中では、本当に、管理職というよりも、今の日本企業のこれまでの取組の段階からいえば、育児休業から復帰して時間制約がありながら働く女性たちのマネジメントという課題に是非企業が取り組むような形でこの法案が活用されることを期待しています。
 以上です。
#56
○参考人(今野久子君) 真の意味でのワーク・アンド・ライフ・バランスですね、それの確立が必要ではないかなというふうに思っています。そのためには、やはり長時間労働の解消というのはもう本当に最重要課題ではないかということです。
#57
○参考人(松浦民恵君) 一言、盛り込む言葉が思い付かないんですけど、私がもう切にお願いしたいのは、女性活躍というのは、政策の面でも、企業の何か取組の面でもブーム的な取り上げ方をされることが非常に多いんですよね。今回初めて本気性、初めてと言うと失礼なんで初めてということはないんですけど、成長戦略の中で女性活躍推進ということを柱として位置付けていただき、本気性を持って取り組んでいただくということについて、それはいいことだと思うんですが、切にお願いしたいのは言い続けていただきたいということ、一時的なものではなくて、大事なんだということをメッセージとして伝え続けていただきたいということをお願いしたいと思います。
 以上です。
#58
○田村智子君 ありがとうございました。
#59
○井上義行君 日本を元気にする会の井上義行でございます。
 私は、この今の時代、男性だからあるいは女性だからという、その職種を分けること自体が古いんじゃないかというふうに思っているんです。というのは、よく経理というと女性というイメージがあったり、あるいは細かい仕事というと女性だったり、だけど、女性だって大ざっぱな人もいますし、あるいは逆に男性でも細かい人がいます。だから、本来では、性格を見抜いて、例えばこの人は非常にいい発想をしているから企画部門にした方がいいだとか、あるいは、この人は非常に気が付く、細かいところまでやるからこういう仕事がいいというふうに人事管理を私はするべきだというふうに思っています。
 ですから、管理職で、女性で三割にするんだというのは私はちょっと違うのかなというふうに思っているんです。例えば男性でも、先ほど、管理職になりたがらない人がいたと。それは今の時代をすごく象徴していると思っていて、人とのコミュニケーションができない人が非常に多くなった。だから、管理職になって、もちろん、先ほど接待とかいろんなことがありましたが、人間関係が非常に難しくて、人を使いこなすとか人を管理するということが非常に苦手という人が増えてきているんじゃないかというふうに思っているんです。
 そこで、三人の参考人の人に聞きたいんですが、私は、女性だからあるいは男性だからという人事の配置をするとかいうこと自体はちょっともう時代遅れなんじゃないかというふうに思っていますし、あるいは管理職も、そういう割合じゃなくて、やはり管理職にすごく適している人は女性だろうが男性だろうが管理職の方に行くとか、あるいは非常に不向きな人はもっと戦力的に現場でその人を生かす人事の管理の仕方があってもいいんじゃないかというふうに思っておるんですが、三人の参考人の意見を聞きたいと思いますが、松浦さん、お願いいたします。
#60
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 何というんですか、男女で能力の違いだとか意欲の違いだとか、そういうのはないだろう、別に男女に関係ないだろうという御意見については全く賛同します。だからこそ、女性と男性というのは人口でほぼ半々なわけですけれども、半々にもかかわらず、管理職という母集団で見たときに、女性が一割にとどまっているということはなぜなんだろうというふうに思うわけです。
 そうすると、結局、これまでの御議論でも出てきましたように、女性だけにとって不利な条件というのがあるのではないかと。その不利な条件が、例えば家庭での役割分担の違いですとか、あるいは働き方ですとか、いろいろあるわけなんで、あと成長機会の効率的な配分ですね、そういったものもあるわけですが、そういったものを取り除き、性差にかかわらず、能力、意欲のある人は登用していく、あるいは配置していくという取組が必要なんだと思います。
 以上です。
#61
○参考人(矢島洋子君) 今、松浦参考人もおっしゃったんですけれども、私も、男女でそもそも能力差というものがあるわけでもなく、本来でしたらもっと女性が管理職率高くてもいいのではないかというふうに考えておりまして、その中で、実際にそうなっていないので、なのであえて目標を女性について立てているというふうに認識しております。
 その中で、先ほど言いましたように、じゃ、なぜ女性が管理職少ないのかということを見ていったときに、様々な日本の企業が抱えている問題点が浮かび上がってくるということがこの取組を女性活躍ということで進めることの意義ではないかなというふうに考えております。
 以上です。
#62
○参考人(今野久子君) 私も、男女で能力に差があるとは思いません。
 いかに女性たちは、昇格していきたいという希望よりも、自分がきちんと自分の能力を生かして役立っているという、そこのところにやっぱりこだわりというか、そこが要求だと思うんですね。そういう点でいうと、何か数だけ追うというのはいかがなものかなという感じがいたしまして、ただ問題は、じゃ、その能力を伸ばしていく上司だとか会社の体制がきちんとできているのかという、そこのところはどうやって改革していくかというのは非常に難しい問題かなと思います。
 以上です。
#63
○井上義行君 まさに本当にその人の能力に応じて配置をした上で、その配置を検討するという言い方が当てはまるのかもしれませんけれども、その上で、家庭の事情に応じて、子育て、それは男性とか女性とか関係なく、子育ての時期であるとかあるいは介護、こうした家庭の環境を考えながら最終的にポストを付けていくという人事管理が私は必要じゃないかというふうに、私はその時代がもうとっくに来ているというふうに思っているんですが、どうも何か時代がまだ遅いのかなというふうに思っております。
 そこで、私は、よく男性が女性化しているという、よく言われることがあるんですが、女性が非常に収入も多くなって、一方で、サボる男性という言い方はちょっとおかしいかもしれませんが、今までこの収入がなきゃ子供を食べさせていけないなというふうに思っていて一生懸命働こうとした、ところが、結婚をして女性の収入が入ってきて今までよりも倍になってしまった、そのために、ああ、俺、そんなに働かなくてもいいのかなという形で、かえって抑制している男性が何か僕は増えているような気がしているんですけれども、そういう例というか、そういう男性がいるということ自体、何か把握されていることあるいは覚えていることというのがもしあればお伺いをしたいんですが、参考人の方、誰かいらっしゃいますでしょうか。
#64
○参考人(矢島洋子君) 済みません、今のお話の中で、サボるという言葉は私適切ではないと思っておりまして、ダブルインカムになることで男性の側も一人で稼得責任を負わなくて済むという中で、ワーク・ライフ・バランス、男性自身も仕事以外の時間を家庭にあるいはそれ以外の生活に使おうという行動が現れるのは非常に好ましいことではないかなと思います。
 ただ、おっしゃるように、その中で、本当に時間を短く働くということがいわゆる怠けているとかサボるというふうに見られがちな風潮がやっぱり日本の企業の中にもまだまだ残っておりまして、残業しないイコール意欲がないというふうに見られることが非常に課題になっていますので、やはりその限られた時間の中で密度濃くしっかり成果を出すということが、男性にも女性にも同じ目線で企業から期待を掛けられ、そのことによって男性たちも安心して子育てにも邁進できるというのが望ましいかなというふうに考えております。
 以上です。
#65
○井上義行君 それで、私は、理想とする家族像としてずっと三世代ということを言っているんですね。私も地方で三世代で暮らしているんですが、役割分担が非常にうまく機能をするということがあります。
 企業で働く女性の話が、今いろいろ聞いていて、日本の中で僕は日本独自のいろんな家族像というのがあると思うんですが、皆さんが思っている理想の家族像というのはどういう家族像なのかを参考人の方々それぞれお伺いしたいと思いますが、松浦参考人からお願いいたします。
#66
○参考人(松浦民恵君) 多分理想の家族像というのは多様であってよいと思っておりますので、私の理想の家族像が全ての理想の家族像とは思いませんが、あえて私の理想の家族像を申し上げさせていただきますと、夫が早く帰ってきて育児と家事に私とイーブンで参画していただくというのが私の理想の家族像でございます。
 以上です。
#67
○参考人(矢島洋子君) 私も本当に家族像というのは多様であると思いますし、私が、ダイバーシティー、なぜこういった調査研究をしているかというと、やっぱり様々な人の、生きづらさを感じる人をできるだけなくしたいという気持ちが、思いがあります。ですので、理想の家族像というイメージにとらわれてそうでない選択をした方々が生きづらくなる社会というのをやはりつくらないということが非常に重要ではないかなと思っております。
 また、三世代については、いいところがたくさんございます。ただ、先ほど言いましたように、地方でも三世代は減ってきておりますので、そういう中で三世代にということを余り強調すると、またそこで社会的なサポートを受けづらい環境にもなってきてしまいます。
 欧米先進国では、三世代同居というのは子育てしやすい環境に結び付いていません。むしろ独立してできるだけ早い時期に家族形成をすることが少子化対策にとってもプラスです。けれど、日本の場合は、この三世代同居というのが少子化にも女性の活躍にも非常に結び付いてしまっている。ここがネックで、それをいかに社会で補っていくか、サポートしていくかということも課題ではないかなというふうに感じております。
#68
○参考人(今野久子君) 私は、理想の家族像というのをこれだというふうに言うことはできません。望むべきは、どういう家族をつくっていくのか、どういう家族生活をしていくのかということを自由に話し合って自分たちでつくっていくことができる、そういうことが重要ではないかなというふうに思っています。
 そういう点で、逆に言うと、本当に自由な選択をしていくためには自由に物を考えられて選択の幅がきちっとあるということが重要なので、そういう意味で、理想の家族像はこうですという言い方は私はあえてしません。
#69
○井上義行君 そこが私も今の根幹というか、考え方の違いなのかもしれませんが、どこを一番大事に考えるかということだと思うんです。
 私は家族というものが第一にありますから、やはり家族ということにすごくこだわるんです。その上で、食べていかなきゃいけないですから働かなきゃいけない、そういうことを考えて、社会に対してあるいは企業に対して、非常に家族を重んじる、そういう人事配置とか、あるいは個人の特徴を考えながら、先ほども言った介護であるとか子育てとか、そういうことを配置してやってほしいという考え方なんですね。今、どうしても働くというところに主眼があって、家族というのは二の次というふうにどうしても私は感じてしまうところがすごくあるものですから、そこが、考え方がそれは違うというのもそれはもちろんあるんですけれども、そこを全く無視して企業の働き方を考えていくというのは、何かどこか限界が来るんではないかというふうに考えております。
 そして、これは先ほども話があったとおり、優秀な女性は海外に行って活躍もしてほしいですし、あるいはいろんなところで転勤という問題にぶつかるというふうに思うんですけれども、私も実際はそういうところを経験をしていないんですが、家族と転勤というのは、男性でもいろいろ転勤をすることによって家族とのコミュニケーションがなくなったために家庭が壊れてしまう場合もあります。女性が転勤をする、あるいは海外に赴任をするとかいう例でうまくいっている例がもしあればちょっとお聞かせ願いたいと思うんですが、松浦参考人から、是非お伺いしたいと思います。
#70
○委員長(大島九州男君) 三人聞くんですか。
#71
○井上義行君 ええ、三人。
#72
○委員長(大島九州男君) じゃ、済みません、一分以内でお願いいたします。
#73
○参考人(松浦民恵君) 企業の転勤政策については、これほどまでに頻繁な転勤がそもそも必要なのか、その転勤というのが本当にキャリア形成に結び付いているのかということについてもう一度やっぱり見直す必要があるのではないかと思っております。
 海外赴任も、特にグローバル人材の育成については非常に重要です。ですので、女性が海外赴任の道を閉ざされてしまうとやはりキャリア形成の遅れにつながってしまうので、例えば子供を連れていくというようなことが実際出てきております。そういう中で、海外の方が、何というんですか、むしろ育てやすいというところもございまして、うまくいっているケースもございます。
 以上です。
#74
○参考人(矢島洋子君) 済みません、私、今の松浦参考人と全く意見が御一緒ですので、御一緒ですとだけ申し上げます。
 以上です。
#75
○参考人(今野久子君) 私が担当してきた事件の中でも、転勤が実質上昇格の要件であったり昇進の要件であったりという事例が結構ございました。そのときに、果たしてこの仕事に転勤は必ず必要なことなのか、結果的には転勤に応じられない女性が昇格、昇進できない、ある意味では間接差別につながっているわけですね。そういう点でいうと見直す必要があるのではないかなというふうに思っています。逆に、転勤しないがために顧客から信頼を得ている例というのを裁判で幾つか挙げて、それで転勤が果たして必要要件なんですかということを企業の側に考えていただきたいということがありました。
 以上です。
#76
○井上義行君 私も、今、転勤という現実のことをやはり皆さんから聞いて、ああ、なるほどなというふうに思いましたが、これ男性も同じですよね。ただ、そうなると、海外の人の現地の採用ということが増えて、グローバル化の中で、だんだん日本の中で、経営者というのかな、例えばアメリカとかあるいはヨーロッパあるいはアフリカでその支社というものが現地採用でなっていく、その分日本のポストが減っていくということになるというふうに思いますけれども、やはりこうした転勤のことも含めて女性の活躍あるいは男性の人事配置ということが必要だということがよく分かりました。次回、女性の活躍についての質疑に生かしていきたいというふうに思っております。
 ありがとうございました。
#77
○江口克彦君 次世代の党の江口克彦でございます。
 今ずっと先生方、御質問いただきまして、もうほとんど出尽くしているんじゃないかというふうに、お答えされるのも大変だなというふうに思うんですけど、言われた以上は何か質問しないといけない、こういうことでございます。(発言する者あり)それで、短くやれということでしょうけど、まあそれはそれでいいんでしょうけど。
 私は経営者を三十四年間ずっとやっていましたので、ここからちょっとお聞きしたいんですけど、私も男性と女性というのは全く同じに扱ってきました、実際に。同じ仕事に対して同じ賃金を支払うというようなことをもう三十年ぐらい前からきっちり私自身はやってきましたので。優秀な男性もいれば優秀な女性もいるし、それから愚かな男性もいれば愚かな女性もいるわけですよ。これはもう人生様々、職場様々ですからね。
 そこで、困るというか、男性と女性とというか、チーム組ませて困るのがセクハラなんですね。これが、一人の女性でも全然対応というか反応の仕方が違うわけですよ。
 私の経験でいえば、アメリカから帰ってきた帰国子女、男性ですけど、この子を採用したんですけど、海外ではハグというのはすぐやりますよね、ハグを。(発言する者あり)御存じなかった。こうハグしますよね。そうすると、何とも言わない女性というか、むしろ返す女性と、それをセクハラだと言う女性もいるんですね。ところが、男性からハグされたら誰に対してもセクハラだといって文句言う女性ならばいいんですけど、ハグされて、人によって、その相手によってセクハラだとかセクハラじゃないとか言ってくるんですよ。あなた、どこが基準なのと言うんですけど、自分が好みに思っているらしい男性からハグされた記憶はないと言うんですよ。嫌なというか、どうも気が合わないというか、そういう男性からやられると、ハグされるとセクハラだとか。それから、もっとひどいのは、握手をするだけでセクハラだとか。私は、それぐらいはいいんじゃないのというふうに言ってはまた立場上はなんですから、そんなものかなと思ったんですけど。今日の女性の服装を褒めたら、それでセクハラなんですよ、言うんですよ。
 これは、私は、非常に女性というのは、女性社員というのは、管理職になっても付き合いにくいではなくて扱いにくいところがやっぱり女性はあるなというふうに思うということですよ。
 先ほどちょっと冒頭に申し上げましたけど、私は、男性も女性も全く同じに扱う、トイレも更衣室も接待も全く同じにすべきだというようなことは言いませんよ、もちろん。
 今日、皆さん方、見識のあるお三方おいでいただいたわけでありますから、そこで、女性としてひとつ職場で配慮してほしいこと、何を考えてほしいか、女性の立場として。幾ら男性、女性が同じだといったって、違えてほしいわけでしょう。同じでいいんですか、トイレも一緒でいいんですか、更衣室も同じでいいですかという、接待もそういう夜も遅くまで徹夜徹夜というようなことでもいいですかというようなことになってくるわけで、それは好まないわけです、女性は。何を配慮してほしいと皆さん方は思われますか。全員に、よろしくお願いします。
#78
○委員長(大島九州男君) 今野参考人からお願いできますか、今回。
#79
○参考人(今野久子君) 基本はやはり、その人が嫌だと思うことについてはしないことというのが原則だというふうに思います。
 今のお話の中には幾つかグレーゾーンの問題があるかなと思うんですけれども、でも、グレーゾーンのことについても、それに当たる行為をしないということがやっぱり労働者の働く環境を整えることに役に立つのではないかというふうに思います。
#80
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 先ほどのセクハラのお話でいいますと、私、二つ課題があるかなと思うんですね。
 一つは受け止め方の問題。女性の側に確かにいろいろな差はあります。受け止める側の問題です。しかし、一回やったときに、その男性の側も、この人は嫌がっているなということを感じ取る、そういう察知する能力に欠けているんではないかというふうに思うんですね。やはり、それを察知してすぐにやめれば訴えられることはないわけなんですね。それが非常に重要なのと、それから、もし握手ぐらいのことで本当に嫌がられたとしたら、それはセクハラではなくて、その前にその両者の間の人間関係に何らかの問題が生じているわけなんですね。それが日頃の、上司と部下の間であれば何か仕事の中でトラブルの芽になるようなものがあるのかもしれません。ですから、やはりそういうことに目を向けることがとても重要なんではないかというふうに思っています。
 ですので、特に女性だからということは私はないと思うんですね。トイレとか労働時間の場合も、それは男性でも女性でも同じように嫌だと思いますので、それは違いまして、働いていく中で、先ほどから問題になっております長時間労働とか、やはりそういうのは働き方の問題であって、働き方の問題と能力とかそれから適性みたいな問題というのはどちらも活躍していく上で重要なんですけど、これまで余りにも働き方ばかりで、まず働き方ができないとそこでシャットアウトということが女性の活躍の機会を奪っておりましたので、働き方とそれから適性、能力と全部合わせて男性も女性も見ていただくということが必要かなというふうに思っております。
 以上です。
#81
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 私が職場で配慮してほしいことって実は余りないんですけど、何というんですか、決め付けないで、どうしたいと聞いてほしいです。ですから、例えば接待は女性だから無理だよねと最初から決め付けないで、私、好きなので、そういうのは大丈夫なので、聞いてほしいというのはあります。
 以上です。
#82
○江口克彦君 そうすると、ハグするときも尋ねたらいいんですか。
#83
○参考人(松浦民恵君) 是非、する前に。
#84
○江口克彦君 それはともかくとして、家事と仕事ということが今ずっとテーマになっていますけど、家事と仕事の上下関係というのはあるんでしょうか。
#85
○委員長(大島九州男君) お三人ですか。
#86
○江口克彦君 三人の方。
#87
○委員長(大島九州男君) それでは、矢島参考人からお願いいたします。
#88
○参考人(矢島洋子君) 済みません、今の問題について、家事と……
#89
○江口克彦君 仕事の方がやっぱり大事で、家事は低く見ておられるのか、家事と仕事を同じように見ておられるのか、ウエートとして。
 というのは、働く、働く、働く、働く、働くことが大事だと。家に入る家事というのは、それは男も手伝ってほしいというようなお話をずっとされておられるので、女性の立場として、働く女性の立場として、家事というのは仕事よりもつまらぬ仕事と、家事なんてというふうに見ておられるのかどうか、それを教えていただきたい。
#90
○参考人(矢島洋子君) 全くそうではありません。
 あと、今までの話でも話していたのは、やはり長時間労働とか仕事ばかりという生活を男性も女性もやめて、もっと家庭とか子供との時間とか、そういったものに振り向ける生活をしようということが大事だということで申し上げてきたつもりです。家事というのも、あと子育てというのも非常に重要な役割ですし、それは女性たちが、今まで女性のみが担ってきていたので、そこで男性にも担っていただければということを考えております。
 以上です。
#91
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 家事も仕事も大事だと思っております。ただ、家事を幾ら頑張っても褒めてくれないんですよね。それは、もう少しやっぱり家事に対するリスペクトというんですか、そういうのはもう少ししていただきたいなとは思いますが、家事も仕事も大事です。
#92
○参考人(今野久子君) 一日二十四時間しかないというのは平等なんですね。そういう中で、家事と仕事という、それは私は両方追求したい。それから、家事という言葉でくくられていますけれども、もっと言えば、仕事とほかの生活時間、市民としてどういう生活をするか、家庭でどういう生活するか、社会にどう関わっていくか、自分で勉強する時間だとか物を考える時間、そういう時間が欲しい、そういう意味で、仕事も生活時間も大事にした暮らしをしたい。
 どっちが上でどっちが下かということでいえば、両方とも大事ということです。
#93
○江口克彦君 松浦参考人に、褒めてもらいたいというのは、多分御主人から褒めてもらいたいということであるならば、御主人に言っておいてください。
 それから、最後に、法律で決めたら女性が活躍できるようになるのかどうかということ、そうでないとすれば何が必要なのかということに尽きると思うんですね。私は、ほかの法律でもそうですけれども、法律で決めたら事が成るということはもうあらゆる法律であり得ないと思っているんですよね。要するに、今度のこの法律でも、この法律が通ったら女性が活躍できるから、女性が、二〇二〇・三〇が達成できる、管理職が増えてというようなことはないんですよ。
 それは、言ってみれば意識革新の問題なんですよ。要するに、経営者の意識革新、それから男性の意識革新、そして女性も意識革新しなきゃいけないんですよね、というふうに私は思っているんですよね。
 しかし、法律だけでは駄目だというふうに私は思っているんですけれども、私はそういうふうに思っているんですけれども、皆さん方は、法律以外に何が必要なのか、お教えいただきたいと思います。
#94
○委員長(大島九州男君) それでは、松浦参考人から二分弱でどうぞ。
#95
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、法律だけではうまくいかないというのはおっしゃるとおりだと思います。まさに、特に管理職ですね、職場の中の管理職の意識改革というのが非常に重要なポイントになってくると思います。お話の中に出てまいりましたが、女性自身の意識改革、キャリア教育というのも非常に重要だと思っております。
 以上です。
#96
○参考人(矢島洋子君) 私も、法律作っただけではなかなか実効性がないと思いますので、今回の法律は、やはり企業の行動を行動計画という形で促すということに大きなポイントがあるかと思います。しかも、次世代法との少し違いとして、今回の計画では、ただ目標を書けばいいのではなくて、きちんと企業の実態をデータで分析して、実態を把握して、課題を出して計画を作ってくださいと言っている、そこのところに私は非常に大きな期待を持っていますので、この状況把握が形だけではなくて実際に実効性のあるものとして企業の方に取り組んでいただけるような周知が必要かと思っております。
 以上です。
#97
○参考人(今野久子君) 先生のおっしゃるとおり、法律だけでは、枠組みができたとしても、それを運用したり適用したりするのは国であり地方公共団体であり事業主です。そういう点で、計画を立てるだけでは、先ほども申し上げましたけれども、やはり実態把握をして、どこに問題があって、どうやって克服していって、どこまで進んだのかという、そういう意味では、私は、この法律が通った後、実際に、女性の活躍とか何か言っておりますけれども、必ずどこまで進んでどこに問題があったのかということを検証するような手続だとか、そういうことがなされなければいけないのではないかなというふうに思っています。
#98
○江口克彦君 松浦参考人、また矢島参考人には、会社にお帰りになったら、是非上司の人に、あるいはまた企業全体、男性の部下、仲間の人たちに、意識を変えろと、意識革新の運動を起こされることを是非お願いして、私の質問を終わります。
#99
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎と申します。
 先生方の御貴重なお話を伺いました。ありがとうございます。
 この法律を作るというときに、作るというときというよりも、今年の二月十二日ですか、施政方針演説、安倍総理大臣がこの法律に対してこういうことをおっしゃっているんですよね。
 「私は、女性の力を強く信じます。家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会をつくり上げてまいります。」と、すばらしいお言葉ですよね。まだ続くんです。「女性活躍推進法案」、この法案のことですよね、「再び提出し、早期の成立を目指します。国、地方、企業などが一体となって、女性が活躍しやすい環境を整える。社会全体の意識改革を進めてまいります。」。
 すばらしいじゃないですかと思うんですけれども、この法案、でき上がったのを見ると、残念ながら、一部の女性のみにしかフォーカスされていないじゃないか、随分違うな、言っていることとでき上がったものがというふうにショックを受けた一人であります、私。女性の活躍を大々的にうたっていた割には随分と物足りない法案になっちゃっているなと言わざるを得ないと。女性の活躍、女性が輝く、言葉だけ躍ったところで、活躍しようにも活躍しようがない、輝きたくても輝けない、実際にはその手段も環境もない、苦しい立場に追い込まれてぎりぎりの精神的状態、経済的状況の女性、我が国にはたくさんいらっしゃると思うんです。その中でも光が当たりづらいDV被害者と絡めて皆さんにお聞きしたいと思います。
 現在、DVの被害者というのが右肩上がりにどんどん増えているんだと。相談件数も年々増加しております。しかし、救済、支援を受けることができる方というのはほとんど増えていないんですね。横ばいなんです。施設が増えていない、一時保護などの、そういう救済というものが全然増えていないんですね、被害者の急増に比べてみたら。
 DVによる被害により精神的、肉体的に疲弊し、働きたくても働けない、そんな方々に光を当てて、精神的な安定を取り戻していただき、心身共に健康で社会復帰してもらえるような救済、支援をしっかりとしていく、それこそ女性の職業生活における活躍の推進と言えると思うんです。現在のように、被害者の精神的、肉体的安定へのサポートから目をそらす、ごまかしてしまえば、膨らむのは社会保障費だと思うんですよ。その原資は税金だと。
 先生方は、この救済であったりとか、そういう部分に関してどう思われるでしょうか、今の話の流れで。お聞かせ願えますか。お一人お一人聞きたいです。よろしくお願いします。
#100
○委員長(大島九州男君) それでは、今野参考人からよろしくお願いいたします。
#101
○参考人(今野久子君) 今御指摘のとおり、DV被害者というのは、働こうと思っても働けない状態に追い込まれたり、あるいは今度は逆に、DVを受けて、外で働けというふうに言われて、かなり劣悪な労働条件の中で働いたりとか、働き方についていろんな影響を受けています。
 そういう点でいうと、一番最初に申し上げたかと思うんですけれども、女性の活躍とか輝くとかという言葉が使われていますけれども、大事なことは、それぞれの女性の人権や何かが保障されてこそ初めて女性は輝くことができるのであって、輝く、それから活躍という、その中身が何なのかということが問われているのではないかというふうに思います。
 そういう点でいうと、やはりDV被害者の救済、それから、働いて経済的に自立していけるようにしていくためには、そのための相談体制の整備だとか、実際に人だとか、相談窓口だとか、救済のための施設だとか、いろんなことについて、きちんとした予算を組むことも含めて体制を整えていくことが必要ではないかと思うんですね。そういう点でいうと、女性が活躍するような状況をつくっていくためには、きちんとした予算措置だとか、そういうものも十分に充てていただかなければなかなか実効性が発揮できないのではないかというふうに思っております。
#102
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 女性が強くなったというようなことをよく言われるんですが、現実のいろいろな場面を見ると、DVの問題もそうですし、育児のときにも、そこのおむつ取ってという一言が夫に言えない女性というのはやっぱりまだまだ実際いると思うんですよね。そういう中で、女性が自分の、何というんですか、意思でいろいろな決断をしていけるようになるためには、私はやっぱり経済力が非常に重要だと思っていて、その経済力を女性が付けていく上で、やはり企業の中でそれなりにキャリア形成をしてポジションを上げていくということも非常に重要だと思っています。
 ただ、そういうふうな企業の中でキャリア形成してポジションを上げていく上では、まずDVというその現状から脱却しなくてはいけないので、そこをいかにして脱却するかという支援についてはやはり必要だと思います。
 以上です。
#103
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 私も、DVとか、それから一人親家庭の問題といったことがやはり女性たちにとっても非常に今深刻な問題だというふうに思っておりますし、あと、若年でお子さんを持たれた女性たちも非常に増えていて、そういった中での職業生活というのも大きな課題だと思います。
 その中で一つ考えなければいけないのは、相談体制とか、それからサポートというところで、今、様々なNPOなども活躍しておりますけれども、やはり公的にもっともっと支援が必要なのではないかというのは日頃思っているところです。
 ただ、この法案で今進めようとしていることではそういった視点がやはりないんですけれども、今進めようとしていることの中にも、長期的に見ると、やはり女性が子供を持っても、例えば一人親でも働き続けやすい環境ができる、あるいは企業の中で子供を持った人が働きやすい環境ができれば、今働いていない女性たちも再就職として入っていく余地が今までよりは増えるというようなことがあります。
 そういったようなことで、実際、今、企業では再雇用とか再就職を受け付ける動きが活発になってきています。ですので、そういうところでの関わりも、えんきょくになりますけれども、期待するところではあります。
 以上です。
#104
○山本太郎君 ありがとうございます。
 そうなんですよね。今一番望むところは、この法案に、この法案の中身にというか、しっかりとしたサポート、例えば再就職というところまで行けない人たちもたくさんいるんだと、そこの底上げといいますか、そこに対するサポートを手厚くしていただければ、今この法律の中に盛り込まれている再就職への後押しというものももっと加速していくんじゃないかなというふうに思うんですね。
 八月四日の内閣委員会、本委員会ですね、答弁におきまして、女性活躍担当の有村大臣がはっきりと、この法案は女性の職業生活における活躍のための法案であるのでDVは本法案の範疇にないということを言われて、非常にびっくりした状況だったんですね。安倍総理の方から、女性の力を強く信じると、家庭で、地域社会で、職場で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方に自信と誇りを持ち、輝くことができる社会をつくり上げてまいりますという本法案の、何といいますか、アピールがあったわけですから、そのずれというものに非常にびっくりしたんですけれども。
 そもそも、男女間の性差別、これが男女間の賃金の格差、雇用条件の格差などに結び付いているんじゃないかなと考えます。男女間の差別は人権問題ですよね。国連からも、日本は何度も何度も女性差別撤廃条約批准国としての責任を果たせとの勧告を受けてきたと。DVの問題も、職業上の男女間の賃金格差も、雇用条件の格差も、全て根っこは同じじゃないか、女性差別という人権問題につながっていくんじゃないかと。この根本である人権問題を少しも触れずに、改善しないままこの法案を取り扱っていっていいのかなというふうに思ってしまうんです。
 先生方にお聞きしたいんですけれども、女性差別をないがしろにしたまま、本当に女性の職業生活における活躍というのは実現していくと思われますか。
#105
○委員長(大島九州男君) それでは、矢島参考人からお願いいたします。
#106
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 女性差別という問題、実質に女性が働いていく上での差別というものの背景を少しいろいろと精査する必要があるのかなと思います。
 単純にやはり女性に対する人権的な差別意識というのがまだ根強く残っている部分もあるかもしれませんが、かなりの部分で、やはりそれは、子育てをしながら働くことで制約を受けるということがこれまでの企業の組織の中では扱いづらいといいますか、受け入れ難いものであったということが一つは大きな私は女性差別の背景にあると思っておりますので、この法案では、その働き方というところ、ライフステージに応じた働き方ができるというところについて更に強力な後押しをしていただくことを期待しておりますが、もちろんそれ以外の要素というのも残るかと思います。
 以上です。
#107
○参考人(今野久子君) 女性差別撤廃条約を批准してから三十年になりますけれども、やはりこの基本的な理念とか考え方に戻って考えるべきではないかなというふうに思っています。固定的性別役割分担の変更というものなしには男女平等は実現できない、それから、出産における女性の役割が差別の理由になってはいけないというようなことが条約にうたわれております。
 そういう点で、女性が活躍していくというときに、やはり性別による差別、これを受けないということが人権として確立していく、それがなければ、先ほど申し上げましたけれども、性別で差別を受けている人たち、もちろん賃金が低いとか何かという問題ございますけれども、やっぱり人間として尊厳を侵されたときというのは、人は、働くとか、あと生活していくとかということについて本当に意欲を失ってしまうという、そういうことがあるかと思います。そういう点でいうと、性差別の是正というのはやっぱり女性が活躍していくための基盤をつくっていく大事な要素であるというふうに思っております。
#108
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 男女雇用機会均等法が公布されてもうほぼ三十年という中で、あからさまな差別というのは法規制の影響もあって減ってきているとは思うんです。ただ、何というんですか、冒頭のプレゼンテーションで少し申し上げましたけれども、やはりまだまだ職場というのは男性社会ですので、男性の管理職が女性の部下と男性の部下で異なる取扱いをするケースというのはやはりあるんですね。それが女性の成長機会というのを制約しているという面もあると思っておりますので、そこについては、今後、この法案も一つの後押しになると思います。是正していく必要はあるのかなというふうに考えております。
 以上です。
#109
○山本太郎君 ありがとうございます。
 家庭生活における男女の平等感、職業生活と家庭生活の両立というのであれば何が必要かなと思うときに、これに関してはしっかりとした教育が必要なんじゃないかなと思うんですよ。
 自分自身のことを考えてみると、今四十歳なんですけれども、学校時代にそういう教育を受けた覚えがほとんどないんですよね。家庭の中でもそういう、詳しくといいますか、もちろん人間は平等だ的な話はあったんですけれども、何かこういう、細かくジェンダー意識というものを自分の中に持てるような教育というのをほとんど受けることができなかったという部分があると思うんですね。だから、今この仕事に自分が就いていなかったら、恐らくそれさえも、問題なのかどうなのかということさえも分からないまま、ぼんやりとその先の人生を進んでいたんじゃないかなというふうに思うんです。
 DV問題も職業上の格差も、しっかりとした男女均等に関する教育を国がしてこなかったというのはすごく原因の一つになっていると私自身は思うわけです。
 企業に女性の採用比率や管理職のパーセンテージを義務付けたりするような表面的な取り繕いだけで問題が解決するとはとても思えないと。女性の活躍を推進するためには活躍できる土壌を整備する必要がある、それは子供への教育ではないかと思うんですよね。男女均等教育であったり啓蒙活動であったりとかという教育が必要なんじゃないかと思いますけれども、先生方、いかがお考えでしょうか。
#110
○委員長(大島九州男君) 今野参考人からお願いします。二分弱でどうぞ。
#111
○参考人(今野久子君) 固定的性別役割分担とか何かも含めて、やはり人の意識というのは時間を掛けて変えていく必要があるし、それから、基本的にどうあるべきかということに関して、きちんとやっぱりモデルが目の前にあって、そういう中で意識というのは変わっていくのではないかなというふうに思います。
 そういう意味では、ジェンダー教育も含めて、小さいときからそういう教育というのがきちんとなされるような体制というのは重要ではないかなというふうに思います。
#112
○参考人(矢島洋子君) ありがとうございます。
 やはり子供たちの意識というのはとても重要だと思うんですが、そういったものが学校教育だけではなくて社会の中で、親を見ているというのも非常にありますし、それからテレビCMとかドラマとかを見ていても、やはり無意識の制作者たちの固定的な観点によってそういった固定的役割分担意識を助長するような表現もたくさんまだ残っております。ですので、そういった視点も非常に大事かと思うんですね。
 ただ一方で、もう一つ考えなければいけないと思うのは、私どもが中高生対象に十二年前と昨年と調査をしたんですけれども、子供を持つこと、結婚すること、働くことについての前向きな意識の程度がどのぐらいあるかというのを見たときに、男子学生も女子学生も全部に前向きな子と全部に後ろ向きな子がいるんですね。だから、子供たちのレベルでは、私は女だから家庭だけ持って仕事はしないとか、そういう意識というのは実はそんなに強くはないんですね。だけれども、社会に出ようとした途端に、あなたは女性だから子育てするんだったら仕事はしちゃ駄目よとか、男性だから家庭をそんなに大事にするのはおかしいとか言われるというのが、そこで非常に大きなギャップを子供たちは感じるのではないかというふうに思うんです。
 ですから、その辺りの、子供たちが教育を受けてくる環境、男女平等なある程度意識が育ってくる環境と社会に出たときのギャップというのを埋めていくことも非常に重要だと思いますし、最近は、ちょっと話は外れますけれども、仕事にも結婚や子供を持つことにも全部にネガティブな層がこの十二年間で非常に増えているんですね。そのことがまた更に大きなこれからの少子化の対策の問題でもあるかというふうに考えております。
 以上です。
#113
○参考人(松浦民恵君) ありがとうございます。
 やはり教育とか小さい頃に親御さんがどういう意識を持っておられたかというのは、その後の就業継続意識ですとか、そういうことに影響しているんですよね。ですので、小さい頃からの教育というのは大事だと思うんですけど、教育というのは何をするかというのが、周囲にそういう共働きで一緒に働いている人がいるとか、やっぱり周囲に何らかのロールモデルが増えていくということが多分子供たちの教育という観点からも重要なのではないかというふうに思います。
 以上です。
#114
○山本太郎君 ありがとうございます。
 そうですね、子供たちへの教育というのも重要だけれども、大人たちへの教育というのも非常に大事だと。一番最初に接する社会が家庭であるから、親を見てという部分があるので、やはり大人への啓蒙というものも非常に大切だということが分かりました。ありがとうございます。
 八月四日の内閣委員会、先日の本委員会で、DV被害者を保護する婦人相談所とそこで働く婦人相談員について質問いたしました。今現在、総合的にDV被害者サポートしている婦人相談所の婦人相談員なんですけれども、基本、法律上、非正規雇用なんですね。DVで苦しむ人たちに新しい人生を切り開くお手伝いをする人たちが、当事者若しくはそれと同等ぐらいに本当に生活が苦しい状態であると。サポートしなきゃいけない人たちが、自分たちも本当はサポートが必要だというような状況にあるにもかかわらず、その気持ちだけで被害者たちをサポートしているというような状況だと。非正規で低賃金というような状況で、気持ちだけでやっていただいているというような状況が非常にあるんですね。これ、そういう相談員だけじゃなくて、例えば個人情報のだだ漏れで話題になりました日本年金機構とかも五割以上が非正規雇用だと。この官製ワーキングプアに苦しむほとんどが、多くが女性が含まれていると。
 やはりこういう法案でもそういうところに光を当ててほしいなという気持ちは僕自身の中にあるんですけど、皆さんはいかがでしょうか。一言ずつ。済みません、時間ないのに。
#115
○委員長(大島九州男君) 一言ずつ、一言で。松浦参考人から。
#116
○参考人(松浦民恵君) 先ほど申し上げましたように、管理職登用というのは管理職候補だけで切り出してできるものではないので、ある程度一体的に影響してくるとは思っております。
 以上です。
#117
○参考人(矢島洋子君) やはり非常に重要な問題だと思っております。それで、一方で、指定管理者制度など公的な施設のコスト削減というようなことと結び付いている部分もございますので、こういうことと併せて検討していただくことが重要かというふうに考えております。
#118
○参考人(今野久子君) 官公職場にも基幹的業務をやっている非正規労働者がすごく増えています。その人たちがやはり安定して経済的にも自立できるような生活をしていく中で、仕事をきちんと果たしていくことができるのではないかというふうに思います。
 厚労省のお膝元でも、労働基準監督署の窓口で相談に応じている非正規職員はたくさんいます、そういう意味では。そういう意味での官公労働者の非正規労働者、これの条件をどう整備していくか、労働条件を良くしていくか、これは重要な問題です。
#119
○山本太郎君 終わります。
#120
○委員長(大島九州男君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々と委員の皆様に一言御礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり御出席を賜り、委員の皆様にはスムースな委員会運営に御協力をいただきましたことと、参考人の皆様方には貴重な御意見を賜りましたことに心から感謝を申し上げ、内閣委員会委員長といたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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