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2015/07/24 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 議院運営委員会 第36号
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2015/07/24 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 議院運営委員会 第36号

#1
第189回国会 議院運営委員会 第36号
平成二十七年七月二十四日(金曜日)
   午前九時四十四分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中川 雅治君
    理 事
                野上浩太郎君
                牧野たかお君
                渡辺 猛之君
                小見山幸治君
                前川 清成君
                山本 博司君
                室井 邦彦君
                仁比 聡平君
    委 員
                大沼みずほ君
                岡田 直樹君
                上月 良祐君
                酒井 庸行君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                宮本 周司君
                森屋  宏君
                石上 俊雄君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                浜野 喜史君
                森本 真治君
                河野 義博君
                新妻 秀規君
   委員以外の議員
       議員       山口 和之君
       議員       和田 政宗君
        ─────
       議長       山崎 正昭君
       副議長      輿石  東君
        ─────
   事務局側
       事務総長     中村  剛君
       事務次長     郷原  悟君
       議事部長     岡村 隆司君
       委員部長     秋谷 薫司君
       記録部長     松本 智和君
       警務部長     鈴木 千明君
       庶務部長     星   明君
       管理部長     笹嶋  正君
       国際部長     側嶋 秀展君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○特別委員会に関する件
○法律案の委員会審査省略要求の取扱いに関する
 件
○本日の本会議の議事に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(中川雅治君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、特別委員会に関する件を議題といたします。
 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会の設置についてお諮りいたします。
 本件につき御意見のある方は御発言願います。
#3
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となった我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会の設置に反対の討論を行います。
 安倍内閣による集団的自衛権行使容認など、昨年七月一日の閣議決定と安保関連法案はそれ自体が戦後最悪の憲法破壊であり、戦争法案にほかならないことは既に満天下に明らかです。戦争放棄をうたう憲法九条の下、どうして日本を海外で武力を行使する国に変えられるというのか、防衛協力指針、ガイドライン改定の政府合意だけでどうして日米安保条約を平時から戦時まで切れ目ない地球規模の本格的軍事同盟へと一変できるというのか。立憲主義と国民主権の根本が問われている中で、衆議院における審議を強引に打ち切って強行採決した安倍政権の暴挙に、私は満身の怒りを込めて断固抗議するものであります。
 連日国会を包囲する国民のデモは、衆議院特別委員会強行の夜、十万人を超え、先週末、日本中で安倍政治を許さないのプラカードが一斉に掲げられました。学者、知識人、文化人、歴代法制局長官や与党OBからも反対の声は日を追うごとに広がり続け、世論調査で内閣支持率は急落し、不支持率が過半数を超えました。今、日本中で噴き上がる世論の怒りは、安倍政権と与党の暴挙に突き付けられた主権者国民の直接的不信任であり、これから参議院で何が何でも強行しようとするなら、それは怒りの火に油を注ぐだけであることを総理も与党諸君も知るべきであります。
 憲法違反の戦争法案は直ちに撤回、廃案にすべきものであり、特別委員会の設置には反対です。まして、参議院が重ねて強行採決を行うなど絶対に許されるものではなく、世論に包囲されて参議院が審議を続けているのに、衆議院がみなし否決、再議決に及ぶなどはあり得ない憲法破壊にほかならないことを申し添え、反対討論といたします。
#4
○委員長(中川雅治君) 他に御発言ございませんか。──他に御発言がなければ、本件につき採決を行います。
 本件につきましては、お手元の資料のとおり特別委員会を設置することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ─────────────
#6
○委員長(中川雅治君) 次に、法律案の委員会審査省略要求の取扱いに関する件を議題といたします。
 事務総長の報告を求めます。
#7
○事務総長(中村剛君) 昨二十三日、溝手顕正君外九名から公職選挙法の一部を改正する法律案(参第一一号)が、羽田雄一郎君外五名から公職選挙法の一部を改正する法律案(参第一二号)がそれぞれ提出されました。
 両法律案には、発議者全員から委員会の審査を省略されたい旨の要求書が付されております。
 この要求につきまして御審議をお願いいたします。
#8
○委員長(中川雅治君) 本件につきまして御意見のある方は御発言願います。
#9
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、参議院選挙制度二法案の委員会審査の省略に断固反対の意見を述べます。
 選挙権は国民の参政権の根幹を成す基本的権利であり、選挙制度は議会制民主主義の根幹であって、その改革に当たっては、何より主権者国民に開かれた議論が不可欠です。憲法四十七条は、「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。」としていますが、ここに言う法律は憲法十四条、十五条、四十三条、四十四条を始め憲法の要求にのっとって定められなければならず、およそ選挙制度を変えようとする法案であるならば、それが憲法の要求に沿うのか、理念や内容、問題点、執行に当たっての必要な措置などについて国会における必要かつ十分な審議が尽くされなければならないのは当然です。それは会派間協議で代替できるものではなく、まして、現在の多数会派が合意さえすればよいというものではありません。
 しかも、今回の選挙制度改革は、二〇〇九年九月の最高裁判決が、最大較差が五倍前後に達している参議院選挙区定数配分規定について、投票価値の平等の観点から、選挙制度の仕組み自体の見直しを提起したことを契機として、国会、とりわけ参議院の国民に対する責任が問われてきた大問題です。
 五年間の各党協議で合意に至らず、二法案はいずれも、選挙制度検討会が五月末に打ち切られた後、昨日提案され、その具体的内容は検討会や協議の場で一度も協議されていないものであって、国会における十分な審議がいよいよ重要と言うべきです。国会における十分な審議なしに国民はその具体的内容を知ることができないのであり、周知期間を理由として委員会質疑を省略するのは本末転倒です。過去に委員会審査の省略が認められてきたのは全会一致のごく限られた議案だけであり、国民の基本的権利に関わり、賛否が深刻に対立する法案の委員会審査省略は前代未聞です。
 両案には、二倍を超える一票の較差が許されるのか、合区と一部合区後の選挙区はどのような理念に基づくのか、近い将来人口変動により新たな合区が必要となることをどう考えるのか、合区対象県の選挙の執行、例えば届出先や届出順の判定、開票の在り方はどうなるのかなど、選挙制度の根幹に関わる重大な論点があり、その立法者意思と合理性の有無は、本会議における質疑に加え、委員会での一問一答の質疑、参考人質疑や公聴会、とりわけ合区対象とされる県の有権者から十分な意見を聞いて審議を尽くしてこそ明らかになるものです。そうした審議を今尽くすことなしに、改定後の選挙が裁判所の憲法判断を受けることになったなら、到底司法審査に堪えられないのではないでしょうか。
 以上から、委員会審査省略の要求は否決し、十分な審議のために両案を政治倫理・選挙制度特別委員会に付託するのが我々議院運営委員会の責任であることを強く申し述べ、反対討論といたします。
#10
○委員長(中川雅治君) 他に御発言ございませんか。──他に御発言がなければ、これより採決を行います。
 両法律案の委員会審査を省略することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(中川雅治君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいま委員会審査を省略することに決定いたしました両法律案につき、本日の本会議において、自由民主党、民主党・新緑風会、維新の党及び日本共産党各々一人十分、日本を元気にする会・無所属会及び次世代の党各々一人五分の質疑を順次行うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#13
○委員長(中川雅治君) 次に、本日の本会議の議事に関する件を議題といたします。
 事務総長の説明を求めます。
#14
○事務総長(中村剛君) 御説明申し上げます。
 本日の議事は、最初に、特別委員会設置の件でございます。我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会の設置について起立採決をもってお諮りいたします。設置することに決しますと、議長は、議席に配付いたしました氏名表のとおり特別委員を指名されます。
 次に、日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(溝手顕正君外九名発議)及び日程第二 公職選挙法の一部を改正する法律案(羽田雄一郎君外五名発議)でございます。まず、両案の委員会審査を省略し、一括して議題とすることを起立採決をもってお諮りいたします。両案を議題とすることに決しますと、発議者片山虎之助君、発議者羽田雄一郎君から順次趣旨説明があり、これに対し、末松信介君、足立信也君、室井邦彦君、井上哲士君、井上義行君、浜田和幸君の順に質疑を行います。次いで、日程第一について高市総務大臣から国会法第五十七条の三の規定により内閣の意見を聴取いたします。次いで、郡司彰君、石井正弘君、仁比聡平君各々十分の討論の後、両案を採決いたします。採決は、最初に日程第一について行います。日程第一が否決の場合には、次に日程第二を採決いたします。日程第一が可決の場合には、議長は、日程第二は議決を要しないものとなった旨宣告されます。
 なお、本日の議案の採決は、いずれも押しボタン式投票をもって行います。
 以上をもちまして本日の議事を終了いたします。その所要時間は約二時間十五分の見込みでございます。なお、議場における要求に基づき記名投票をもって採決が行われる場合、その所要時間は、投票が一回の場合は約二時間三十分、二回の場合は約二時間四十五分の見込みでございます。
 以上です。
#15
○委員長(中川雅治君) ただいまの事務総長説明のとおり本日の本会議の議事を進めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(中川雅治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、予鈴は午前十時、本鈴は午前十時五分でございます。
 暫時休憩いたします。
   午前九時五十四分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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