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2015/03/16 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 予算委員会 第6号
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2015/03/16 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 予算委員会 第6号

#1
第189回国会 予算委員会 第6号
平成二十七年三月十六日(月曜日)
   午前八時五十六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     中西 祐介君     高橋 克法君
 三月三日
    辞任         補欠選任
     高野光二郎君     森屋  宏君
 三月四日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     高野光二郎君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     江島  潔君
     山下 雄平君     伊達 忠一君
     大久保 勉君     羽田雄一郎君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
    薬師寺みちよ君     中西 健治君
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     田中 直紀君     浜野 喜史君
     辰巳孝太郎君     紙  智子君
     平野 達男君     荒井 広幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                古賀友一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                小川 敏夫君
                那谷屋正義君
                若松 謙維君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                北村 経夫君
                佐藤 正久君
                島村  大君
                伊達 忠一君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                大塚 耕平君
                小西 洋之君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                羽田雄一郎君
                浜野 喜史君
                藤田 幸久君
                水岡 俊一君
                蓮   舫君
                長沢 広明君
                矢倉 克夫君
                横山 信一君
                片山虎之助君
                紙  智子君
                大門実紀史君
                辰巳孝太郎君
                井上 義行君
                山田 太郎君
                松沢 成文君
                中西 健治君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  宮沢 洋一君
       国土交通大臣
       国務大臣     太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   竹下  亘君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山谷えり子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、科学技術政
       策、宇宙政策)
       )        山口 俊一君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  世耕 弘成君
   副大臣
       財務副大臣    宮下 一郎君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       総務省情報流通
       行政局郵政行政
       部長       武田 博之君
       水産庁長官    本川 一善君
       国土交通省航空
       局長       田村明比古君
   参考人
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十七年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び明日は基本的質疑を三百三十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十四分、民主党・新緑風会九十五分、公明党三十二分、維新の党二十四分、日本共産党二十四分、日本を元気にする会・無所属会二十四分、次世代の党十二分、無所属クラブ十二分、社会民主党・護憲連合十二分、新党改革・無所属の会十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#8
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 これより基本的質疑に入ります。羽田雄一郎君。
#9
○羽田雄一郎君 おはようございます。民主党参議院幹事長を務めさせていただいております羽田雄一郎でございます。
 本日は、基本的質疑スタートということでございまして、この予算についてしっかりと議論を深めていきたいと、こういうふうに考えておりますけれども、残念ながら衆議院の予算委員会でも政治と金の問題、この問題を問いたださなければならない、そういう状況になってしまいました。我々としては、しっかりとこの議論を深めて、政治資金規正法、この在り方についても議論を深めていく所存でございます。
 まず最初にお聞きしたいのは、特に政務三役ですね、総理始め大臣、大変大きな権限、権力を与えられているというふうに思っております。そういう中で、閣内でやれることはやっていったらいいんじゃないかというふうに思います。総理また各閣僚は、在任期間中、このときは企業や団体からの献金は受けないと、そして、その後一年とかそういう期間をもって受けないというようなことを早速総理がスタートすべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
#10
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず申し上げておかなければならないことは、安倍内閣におきましては、各閣僚は政治資金について法にのっとり適正に対処していると、このように考えているわけでございます。
 また、大臣規範についてもしっかりと遵守されており、その改正については現在のところ必要ないと、このように考えております。
#11
○羽田雄一郎君 いや、これだけ国民の皆さんから政治と金のことが言われているわけですから、総理がこの場所で、いや、全閣僚しっかりとやると、こういう発言があってもおかしくないんではないかというふうに思います。
 また、下村文科大臣の問題については、政治資金規正法に抵触する可能性もあるという疑念が衆議院の段階でも拭い切れていないというふうに思っておりまして、しっかりと説明責任を果たしていただきたいと思いますし、これからもしっかりと問いたださなければならないと、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
 まず私は、今日最初の問題として、課題としては、地方創生、やはり地方が大変厳しい状況にあると、大きな格差も生まれてきているというふうに思っておりまして、今、少子高齢化、また若者の流出や産業の衰退など、地方は様々な課題を抱えております。日本の再生には地方再生が不可欠だというふうに我々民主党政権のときにも言ってまいりました。震災からの復旧復興、そして福島の再生なくして日本の再生なしと。そして、地方が元気になることによって日本を再生していきたいという思いで三年半の政権のときにもやってまいりましたし、今も民主党はその方向でしっかりとした歩みを続けております。
 まず、パネルを御覧ください。(資料提示)
 我々民主党は、国から地方へ権限だけでなく財源や人もなるべく移していき、地域住民が参加し、自らの判断と責任で地域、町づくりができるようにする、これが民主党の目指す地域主権であり、地域の再生を出発点として日本の再生を図る地域起点であります。このために、豊かな自然環境や再生可能なクリーンエネルギー、安全な食料、歴史文化遺産など、地域の資源を最大限活用し、地方自治体と市民、NPOが協働、連携し、定住自立圏の推進、地域の機能活性化や集落対策などできずなの再生を図る緑の分権改革、これが民主党の目指す地域主権であります。
 民主党の地方分権、地域主権は、日本各地で独自の創意工夫と活力が湧き出す泉、今この絵にも描いてあるように、ボトムアップで湧き出す泉を想像させるようなファウンテン型というふうに我々は呼ばせていただきたいというふうに思います。一方で、安倍政権の地方創生、地方創生でこれで地方の活性化するんだと、ああ、やっと安倍政権の中でも地方の再生、しっかりと取り組んでくれるんだなと。また、大臣までつくっていただいて、これで少し変わるのかなと思ったら、よくよく見てみると、国が上で地方が下、国が地方に押し付ける旧態依然なやり方にしか見えないんですね、読めば読むほど。
 国が総合戦略、まち・ひと・しごと創生総合戦略をまず策定をして、地方がそれを勘案、気にしながら地方版の総合戦略を策定せよとなっております。このやり方では、でき上がる地方版の総合戦略は国の目標をなぞっただけで、地方の自主性、こういうものが発揮できるというふうには思えません。国のお目にかなう金太郎あめ、金太郎あめ的な画一的なものになってしまうんではないでしょうか。
 国がこれをやれあれをやれとメニューを示すやり方はやめて、地方が創意工夫を発揮し、地方の自主性や多様性を尊重すべきと、こういうふうに考えておりますけれども、安倍総理、お願いします。
#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、羽田委員がお話をされた地方を活力ある地域に変えていく上において必要なこと、もう我々は全く同感でございまして、このパネルを見ると、私はこの右側が我が党、安倍政権のパネルだと、こう思ったわけでございますが、地域のことを一番よく知っているのは地域にお住まいの方々であり、そして、地域のことを一番よく考えているのも家族と共に地域に暮らす皆さんなんだろうなと思います。
 ですから、まさに金太郎あめをつくろうとしてきたことを反省に、我々はまさに地域の皆さんに様々なアイデアを出していただく、そして地方版の総合戦略を作っていただいて、国としては予算やあるいは税制や規制改革や人材や情報の提供、そうしたものでしっかりと応援をしていく、地域が主役であって地域の未来を考えている、まさに皆さんに未来をつくっていただいてしっかりとそれが実現できるような、そういう環境を私たちはつくっていきたいと、このように考えております。
#13
○羽田雄一郎君 いや、これはよく、先ほど言ったように、国がマスタープランを作るわけですよね。地方はやはりそれを気にしながらしか地方版の地方創生戦略、これは作れないですよ。
 我々がやってきたのは、一括交付金というものを創設して、地方に本当に使い勝手のいいもの、もちろん完璧ではありませんでした、最初に創設したところですから。これをもっと前向きに見ていただいて、いや、この部分はもうちょっと改善できるんではないかというやり方でやっていただければ、我々も、ああ、安倍内閣になって我々のを進化させていただいたと言えるんですけれども、とてもこの地方創生は、進化させたというよりは後退させて、また国が押し付けるような状況になってしまうんではないかというふうに思います。
 石破大臣は地方創生担当大臣ということで、その当初、地方での講演で、人も出し、お金の支援もすると、だが、やる気も知恵もないところにはごめんなさいだと述べたというふうに言われております。地方創生がうまくいかないところには、これは切り捨ててしまおうという発想にならないのか。地方創生の成功、失敗、これをどうやって見ていくのか。地域格差、これが拡大したときには、その場合のセーフティーネット、こういうことを国でしっかりと考えていらっしゃるのか、お答えください。
#14
○国務大臣(石破茂君) 今総理から答弁がございましたように、全ての市町村において、全ての都道府県において総合戦略をお作りをいただきます。それは、国のメニューに従って同じようになぞってくださいということを申し上げるつもりはございません。その地域地域のことを一番御存じなのはその地域地域の方々でありますから。
 ただ、私、委員の御教示をいただきたいと思うのは、やはり国と地方が同じ目標を持つというのは大事なことだと思っております。地域に仕事をつくらなければならない。仕事をつくることによって雇用と所得というものを生み出し、それによって、お子さんが欲しいな、結婚したいなと、そういうような願望を実現するためにそういう環境を整えるということで、押し付けるつもりはございません。国と地方が同じ目標を共有し、その地域地域独自の総合戦略を作っていただくということはむしろ必要なことだと思っております。
 私の言い方が行き届かなかったのかもしれませんが、私、北海道から沖縄までずっと回らせていただいて、よしやろうというような方々が随分増えてきたと思っております。それは市役所が作るものでしょう、町役場が作るものでしょうということだけではなくて、地域に携わる方々全てが参加をするということ、KPIという目標も設定するということ、PDCAサイクル、つまり企画立案、実行、評価、ここが大事だと思いますが、そして改善、この流れをきちんと回すことだと思っております。
 ですから、その地域地域がみんながやる気になることによって全体が良くなっていくのであって、中には、私はそんなところがあるとも思いませんが、ひょっとしたらシンクタンクに丸投げして誰かが書いてというようなところも、一生懸命真面目にやったところも一緒に扱ったとしたならば、努力したところは一体どうなるのということになるのだろうと思います。
 私は、本当にみんなが啓発し合い、触発し合ってやっていくことによって上がっていくと思いますが、それによって格差が拡大するということがないように、情報面あるいは人的な面、財政的な面で十分な支援をしてまいりたいと思います。
 憲法に保障された国民の権利というものはきちんとセーフティーネットという形で守っていかなければなりません。これによって、今よりも良くない状況になるというような方が生じないように、また御指摘をいただきながら万全を期してまいりたいと存じます。
#15
○羽田雄一郎君 是非、評価そして改善、この改善の部分もしっかりと見ていただきたいというふうに思います。ちゃんと説明していただいて理解をいただきながら作っていただくことが大変重要だというふうに思っておりまして、自民党の議員の皆さんにも是非そのことを理解しておいてもらわないと、実は、地方で自民党の議員の皆さん、皆さんではないですね、一部の方が、与党じゃなきゃ駄目だと、与党にちゃんと回ってこないところには財源は出さないよとか、こういうことを言っていたり。
 じゃ、どうなってしまうんですか。地域によっては我々民主党の議員しかいないところとか、まあまずないかもしれませんけれども。そういう意味では、与党の議員の言うことをしっかり聞かなきゃ駄目だみたいな話をしている人がいる。また、初年度は出すけれども、失敗したところにはもう次から一切出さないというようなことを平気で言っているんですよ、私の前で言うんですから。こんな議員がいること自体がまずいわけで、それはもう、それも地方の市長さんや市民の皆さんがいる前で言うんですよ。
 そういう脅しとか、こういうことが起きること自体が、ちゃんと地方創生ということが自民党の中にも分かっていない人がいるというふうに思います。これでは国民の皆さんも、やはりマスタープランにちゃんと合っていたものじゃないと、我々、努力したけれども報われないんじゃないか、ちゃんと上見ていないと駄目だなと、こういうさっきの絵みたいな形になってしまうので、今の状況だとこの絵とまるっきり同じ状況になります。ですから、違うと思いますので、是非、それをしっかりと違うことを期待して、しっかりと自分の党から直していただきたいと思います。どうぞ。
#16
○国務大臣(石破茂君) 私も顔は怖いですが、このように怖くはないのかもしれませんが。
 済みません、我が党の議員がどこでどのような発言をしているか、私はつまびらかには存じません。仮にそのようなことがあるとすれば、総裁又は幹事長の下、そういうことがないようにしていくのはこれは当然のことだと思っております。
 その地域にどの党の議員さんがおられようと、それはその地域の方々、あるいはその地域のいろんな活力が引き出されるようにということで、政府としてそのようなことを分け隔てをするつもりはございません。その地域の方々の暮らしが良くなる、要は仕事が生まれ、雇用が生まれ、所得が生まれ、お子さんが安心して産み育てられるような環境をつくるということ、それが雇用の八割、経済の七割を占めているいわゆるローカルの経済という部分、地方創生の一番の大事なところだというふうに考えております。
 これはもう民主党の先生方もあるいは我が党の議員も、これは地方創生というのはどういうことなのだと、今までと取組は何が違うのだということをよく理解をしながら、その地域地域において最もふさわしい。ですから、今まで正直申し上げて、それぞれの自治体に全ての情報が行っていたかといえば、そうではない。人、物、金がどこから来て、どこへ出ていくのか、それはどのような人であり、どのような物であり、どのような金でありということもきちんとビッグデータという形でお示しをいたします。人口五万人以下の小さな自治体には人を派遣します。財政的にも支援をいたします。これで万全だと言うつもりはございませんで、この取組自体にもPDCAの評価、そして改善ということが必要だと思っております。
 またお気付きの点がありましたらば、どうぞ御指摘を賜りたいと存じます。
#17
○羽田雄一郎君 是非、地域がせっかく総力を挙げて作った地方創生のプラン、この戦略を後押ししていただきたいと思いますし、やはりチェックも、評価も大切ですけれども、改善をして前に進ませるということが大変重要ですから、切るというようなことがないような、そういう発言をしないように是非していただきたいなというふうに思いますが、総裁としてどうですか。
#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに地域のことは、与野党なしにみんなで慈しんで、そして育てていく必要があるんだろうと思います。ですから、これは例えば民主党の議員の案件だからこれは駄目ということは決して起こらないということはお約束させていただきたいというふうに思います。
#19
○羽田雄一郎君 是非徹底していただきたいというふうに思います。
 先ほどもお話ししたように、民主党政権では一括交付金というものを創設をさせていただきました。地域の自主的な取組を進める一つの手段という形で行わせていただいたわけですけれども、これによって地方自治体の裁量、これが大変大きく拡大をいたしまして、地方からも大きな評価を得てきたところであります。これを使った八割の自治体が評価をしていただいたものでございます。最初、創設したばっかりでしたからもちろん完璧とは言えないわけですけれども、更に使い勝手を良くして透明性を向上させた一括交付金、これを復活するべきだというふうに考えております。
 政府のまち・ひと・しごと創生総合戦略では、地方版総合戦略を中心とする自治体の取組に対する財政的支援について、第三のアプローチというふうに言われておりますけれども、具体的にどんなものなのか。これから地方が一年間掛けて地方版の戦略を作るに当たっても、どういう形での支援が来るのか、一括交付金ではなくて第三のアプローチというのはどういうものなのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
#20
○国務大臣(石破茂君) これ、言葉をどう使うかですが、補助金あるいは民主党さんがお考えをいただいた新型交付金のそれとは異なる第三のアプローチということを考えておるわけでございます。
 私どもとして、民主党さんの行われた試み、委員が御指摘のように何でも完全というものはございません、ただ、その取組というものも参考にさせていただかなければいけないと思っております。地方の方々が自由に使えるお金がなるべくたくさんということはよく承知をいたしております。ただ、かつて竹下登内閣におきましてふるさと創生一億円というのがありました。あのときに竹下総理が、地域の知恵、努力、それがこれで分かるとおっしゃったこと、私はよく記憶をいたしております。あのときにはいろんなものがございました。一番最初の試みですから、そうだったでしょう。
 今度私どもとして考えておりますのは、客観的な指標の設定、いわゆるKPIといいますもの、キー・パフォーマンス・インジケーター、これを設定をする。それはその地域地域独自の設定があって当然構わないと思っております。先ほど来御議論のありますPDCAサイクルというものをきちんと機能をさせるということ、それを組み込みました、いやしくも税金でございますから、何を達成しようとするのか、そこにおいて検証、改善の仕組みがきちんと盛り込まれているのかということをセットにいたしますと、それが新しい新型交付金の概念の中核になるのではないかと思っております。
 これは民主党の取組をよく参考にさせていただきまして、KPI、PDCA、何か横文字だと何が何やらさっぱり分かりませんが、要は目標をきちんと設定してくださいと。企画立案、実行、検証、そして改善、それをきちんと首長さんだけではなくてみんなで動かす仕組みというのをつくってくださいと、それが新しい新型交付金の中核概念だと私は思っております。
#21
○羽田雄一郎君 検証、改善というものが重要だということ、よく分かりました。
 効果を検証して、出生率の向上や都会からの移住や企業の移転など、政府の方針に沿った成果を出していない自治体には配分しない仕組みになっていくのかどうか、このことをお答えください。
#22
○国務大臣(石破茂君) こういう目標を達成しなければ出さないなんぞという狭量なことを、また的外れなことを申し上げるつもりはございません。
 これはまだ途中段階でございますが、先般ある通信社が全国的な世論調査を行いました。例えば、ある県では出生率というものを設定したところは一つしかございませんでした。できれば将来的には設定したいというところが半分ぐらいございました。それはそれぞれによってまちまちなんだと思います。いろんなバリエーションがあるんだろうと思います。
 ですから、国の設定したKPIに対応しなければ駄目だということを申し上げるつもりはございません。ただ、私どもとして、繰り返しになりますが、地方に雇用と所得、安心してお子さんを産み育てられる環境をつくるということと余り懸け離れたお話になりますと、そこはやはりお話合いの余地というのは生じ得るものだと思っております。
 いずれにいたしましても、これでなければ駄目だというようなつもりはございません。
#23
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。
 地方創生、これ成功させなければならないというふうに思います。やはり、我々民主党も地域主権、地方がしっかりと元気になることによって日本の再生を図っていくということをずっと言い続けてまいりましたし、一括交付金制度等、地方が自由裁量で使えるような、こういう交付金も創設をしてまいりました。そういう意味では、これからもしっかりとチェックを、我々も政府のチェックをさせていただき、また地方の皆さんの声を聞きながら今後も議論を深めていきたいというふうに思っております。
 次に、農業のことについてお聞きしたいと思います。
 今、日本の農業は揺れに揺れていると言っても過言ではないというふうに思います。自然災害の多い日本で農業を続けていけるのかと、また、超高齢化が進む中で後継者がいない、TPP交渉が進んでいるようだけれども、情報が少なく、安い農産物が入ってきて競争に勝てるのかどうか、農家の不安は増すばかりでありまして、そして農協と農業委員会の改革、どうしてこれが強い農業をつくって農家の所得を増やすのか全く分からないと、こういうふうに言っている皆さんが多いわけでありまして、安倍政権、自民党農業改革は、農家の声を聞いて、農業自体をどう再生、発展させていくのかという本質的な部分、この議論が欠けているんではないかと、こういうふうに思っております。
 我々民主党は、農業者の恒常的なコスト割れを解消して、営農継続を確かなものとするために農業者戸別所得補償制度を創設をさせていただきました。そして、導入しまして、集落営農の増加や過剰作付面積の減少など、農業の抱えている構造的な課題解決に向けて大きな前進を遂げてきたというふうに思っておりますし、七割を超える農業者から高い評価を受けてきたところであります。しかし、安倍政権は農業者戸別所得補償制度の廃止を打ち出されておりますし、予算はそのことによって半減、そんな中で今、米価は史上最悪の下落となり、米農家からは数多く離農を決断せざるを得ないとの声が聞こえてきているというのが今の現状であります。
 一時的な補助金などで取り繕い、乗り切ろうとしておりますけれども、国民の主食である米がそれで守れるのかと、消費者の皆さんにしっかり米は守ると明言することができるのかどうか、お考えをお聞かせください。
#24
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、農業は、日本は瑞穂の国ですし、農業は国の基であると、このように考えております。しっかりと日本人に食を供給する大切な農業、そして日本の美しい景観を守る、伝統や文化を守っている日本の農業をしっかりと守っていきたいと、このように思っております。
 農業あるいは農業政策というのは大変複雑な政策でありまして、担い手の方々もおられれば、大規模にやっておられる方々もおられると。他方、小規模で、そしてあるいは兼業でやっておられる方々がいる。しかし、農業は助け合いでありますから、そういう皆さんで地域の水を涵養し、そして農業を守っていく、お互いに助け合っていく、この姿勢は極めて重要だろうと思います。ただ同時に、この大切な農業はもう既に平均年齢が六十六歳を超えてしまっていまして、この大切な農業を守るためにも農政の大改革は待ったなしになっている。
 そこで、これからはもっともっと農業の可能性を引き出していく必要があるだろうと、そう考えたときに日本の農業というのは大いなる可能性を秘めている、我々はこう考えたところでございまして、しっかりと農政の改革を行い、そして例えば販路を拡大していく、輸出を増やしていく、そして付加価値を付けていく、六次産業化を進めていく、こうした形で農業農村の所得倍増を目指していきたいと、こんなように思うところでございます。
 そこで、所得補償制度をなぜ廃止してしまったのかという御下問でございますが、農業者の高齢化が進んで担い手への農地の集積、集約が喫緊の課題となっているのは事実でございまして、担い手への農地の集積のペースを遅らせることは適切ではないと、こう考えたところでございまして、一方、旧戸別所得補償制度については、全ての販売農家を対象に交付金を支払うものであったことから担い手への農地の集積のペースを遅らせるという面があったと、こう考えているわけでございます。
 このため、安倍内閣では、旧戸別所得補償制度として実施していた十アール当たり一万五千円の交付金は半減させ、その財源を農地集積バンクなど強い農業に向けた前向きな施策に充て、担い手への農地の集積をしっかりと進めることとしております。
 詳しくは、もし御下問があれば農林水産大臣からお答えさせます。
#25
○羽田雄一郎君 それじゃ、農水大臣。
#26
○国務大臣(林芳正君) 今総理から答弁があったとおりでございますが、今年、来年良ければそれでいいという政策であれば、この主食用の米のみに一万五千円を配るということもあり得るのかもしれませんが、今まさに羽田委員がおっしゃっていただいたように、構造的に持続的に五年、十年先を考えたときにもやっていける、そして、これ考えなければいけませんのは、主食用のお米というのは毎年八万トンずつ需要が減っていくということも考えなければいけないということでございます。
 そういう状況の中で、水田という大切なこの生産装置をフル活用していくためには、水田で主食用米以外のものにもいろいろと転作をしていただいてフル活用していただかなきゃいけないと、こういう総合的な考え方の下に新しい農政を展開していこうと、こういうことでございます。
#27
○羽田雄一郎君 これだけ天候に左右される農業、そしてやはり食料の安全保障ということを考えると、持続的にしっかりと農業を続けていただく、これは大変重要だというふうに考えて、民主党は農業者戸別所得補償制度を創設をしました。まずは米からスタートをしましたけれども、我々はもっと広げていこうという形での農業者戸別所得補償制度のスタートだったということを申し上げておきたいというふうに思います。
 そして、次のパネルを御覧ください。
 農協改革についてでありますけれども、中央会がJAの自由な経営を阻んでいるとの政府の理由に対して、JAの組合長さんの九五%がそうは思わないと回答しております。
 農協が農業の成長をどう阻んでいるのか、農協改革をすればどうして農業者の所得が増えるのか、明確な回答は一度もなかったように思いますけれども、国民の皆さんに分かるように明確に説明をいただきたいと思います。もちろん、我々民主党も農政改革、これは大変重要だというふうに思っておりますが、お答えをいただきたいと思います。
#28
○国務大臣(林芳正君) 先ほど御答弁いたしましたように、農業を成長産業化していくということは大事でございまして、パッケージでやっていこうということにいたしました。六次産業化とか、それから輸出を中心に海外マーケットに、この視野に入れた需要の開拓をしていく。また、生産サイドでも農地集積バンクによる担い手農業者の農地集積と。いわゆる戦後農政の中で食料が足りない時代に、早くおなかいっぱいになるようにたくさん作るという農政から、どうやったら付加価値を高めて高く売れるようになるのかということを考える需要サイド、そのことをやるためにいろんな施策を打ってくると、こういうことでございまして、政策面の見直しと併せて、これをやる主体も変わっていただかなければならないと。
 こういうことから、農業者に最も身近な主体である農協にも変わっていただこうということで、今までやってきたことが間違っていたということではなくて、今後、新しい環境に対応して農協も地域性を十分に発揮していただいて、言わば農協の中での地方分権を進めていこうということでこの改革をやっていこうということにしたところでございます。
#29
○羽田雄一郎君 六次産業化、また輸出、これを増やしていく、これは我々民主党政権のときにも進めてまいりましたし、六次産業化については我々民主党政権のときに大きく進展してきたというふうに思います。
 輸出についても、私の地元ではレタスの海外輸出までしているところでございまして、やはりこれには四十七都道府県、多分、検疫官を置かないとなかなか難しいのかなというふうに思います。検疫官を置けば、取ってすぐ検疫をしてコンテナに詰めて、開けるときにはもうその輸出した国、先の国にあるということで、朝取れと同じ、朝取ったレタスと同じものが海外でも食べられるというような状況まで日本は進歩しておりますが、これを大きく進めていくことというのは大変重要だというふうに私も考えているところでございます。
 次のパネルを御覧ください。
 誕生から高齢期までのライフステージごとを比較をさせていただきました。
 民主党は生活者起点ということで、チルドレンファーストというのは我々民主党の綱領にしっかりと載せさせていただいておりまして、子供たちの未来にしっかりと責任を持っていくんだということで我々はこれまでも歩んでまいりました。安倍政権の場合は大企業の立場というのが大変大きいのかなというふうに常々感じているわけでありますけれども、生活者、我々が起点ということであれば、生活者を軽視しているのではないかと言わざるを得ないような状況だというふうに今の状況を感じているところであります。この誕生から高齢期までのどのライフステージを見ても、民主党との違い、これが際立っていると言わざるを得ません。
 私は保育士の資格を持った国会議員として今国政に携わらせていただいておりまして、やはり子供たちの未来に責任の持てる社会、これを実現するために民主党に参画をさせていただいております。
 民主党は結党以来、先ほど言ったようにチルドレンファーストを掲げ、未来を担う子供たちに投資する、同時に人権をしっかりと守っていくという観点から政策を進めてまいりました。子育ての経済的負担を軽減し、全ての子供たちに教育のチャンスを確保、そして社会全体で子供を育てるということを目指してまいりました。
 このチルドレンファーストの理念の下に、民主党政権では子ども・子育て関係予算を大幅に増額をしてきたところであります。待機児童ゼロに向けて保育所定員を十一万人増加をさせていただきましたし、今も、安倍内閣になってもそこは続けていただいているというふうに思っておりますので、その部分はしっかりと引き継いでいただきたいと思います。
 また、子育て支援制度、新しく創設をして、しっかりとこれも、この四月から実は動き出すんです。やっと動き出しますので、是非これをしっかり後押しをしていただきたいと思いますし、児童手当、この対象を中学生までに拡大をし、給付額、これを大幅に引き上げてまいりました。これによって出生率、これも実は少し上がってきたところであったんですね。そういう意味では、民主党が行ってきた高校無償化も含めて、しっかりと我々はこのチルドレンファーストの理念に基づいて政策を進めてまいりました。
 民主党は、未来を担う子供たちを社会全体で育て、経済的に厳しい保護者も安心して子供を産み育てることができるよう、また経済事情によって左右されずに全ての子供たちに教育のチャンスを確保できることを目指し、具体化をしてきたところであります。
 一方、安倍総理の話を聞くと、岡田代表の本会議質問の答弁で、個人の生活実感において、格差が許容できないほど拡大しているという意識変化は確認されていませんと、格差は拡大していないとの認識のように聞こえるような答弁がございました。政府として、許容できる格差、まずはこの格差についてお聞きをさせていただきたいと思います。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岡田代表との議論において、格差が拡大している、相対的貧困率を指標として挙げられたわけでございます。それは確かに、資料は二〇一二年までしかございませんから、二〇一二年、安倍政権の誕生する前でございますが、二〇一二年までの傾向として、相対的貧困率は上昇していくという傾向にあるわけでございます。その中でも、厚労省の指標と総務省の指標は、それぞれ程度の違いはあるわけでございますが、しかし傾向としてはそういう傾向にある、一方、ジニ係数で見た場合、社会保障による所得再配分機能が実施された後で見るとそれほど変わっていないということでございまして、日本の場合は、給付等による所得の再配分機能がございますし、社会保障制度の再配分機能も割と行われていると、このように考えております。
 そこで、社会で許容されない格差、私は、格差ということについては、格差が固定化してはならない、そして社会的に許容されないような格差が生じてはならないと、このように申し上げているわけでございますが、日本的に見れば、例えばアメリカで発生しているああした格差は恐らく日本的な常識からは許容できないと言ってもいいかもしれないと、私はこのように感じるところでございます。
 そうした中で、特に、固定化させないためにも、これは羽田さんが御指摘された点でございますが、子供たちが自分たちの家庭の経済状況によって進学を諦めなければならない、希望した教育を受けることができないという日本にしてはならないと、そのための対応もしっかりと取っているところでございます。
#31
○羽田雄一郎君 今聞いていてもなかなか分かりにくいんですけれども、安倍政権の中でも子供の貧困対策大綱、こういうものを出されていて、その中で学校を子供の貧困対策プラットホームと位置付けていらっしゃいますけれども、具体的にどういう機能を求めて、貧困対策として学校を通じてどのような対策を考えているのか。子ども貧困対策会議の会長としての総理にお聞きしたいと思います。総理にお聞きしています、会長として。
#32
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちの輝かしい未来が本人の努力以前の家庭の状況によって失われてしまうことがあってはならないと、このように考えております。
 これが基本的な考え方でございまして、このため、学校を子供の貧困対策のプラットホームとして位置付けまして、学校で貧困の子供を支えるスクールソーシャルワーカーの配置を拡充し、全ての地方公共団体における相談体制の整備をしていく。現状千五百人のスクールソーシャルワーカーを五年間で一万人に拡充してまいります。そして、学習が遅れがちな中学生等を対象とした原則無料の学習支援の拡充、これは地域未来塾と呼んでおりますが、現状で七百中学校区で実施をしておりますが、これを五年間で五千中学校区に拡充してまいります。こうした政策を行ってまいりますが、貧困の連鎖を断ち切る施策を総合的に推進していく考えであります。
 さらに、幼児教育の段階的無償化に向けた取組の推進、そして、低所得世帯の高校生等を対象とした奨学給付金の拡充、これは平成二十七年度予算案で五十一億円増加します。大学の無利子奨学金や授業料減免の充実などによって教育費負担の軽減を図っていく考えでございます。
 子供たちが、できないことへの諦めではなくて、できることへの喜びを感じることができる、そうした貧困対策に取り組んでいきたいと思っております。
#33
○羽田雄一郎君 この無償の学習指導というものをまたこれ学校の先生にやらせようということなんでしょうか。ただでさえ今学校の先生たちは子供たちと接する時間が大変少なくなってきているというふうに言われているところであります。
 また、安倍政権の中では、この三十五人学級を四十人学級にしようとか、また、きめ細やかな子供たちに対応するためになるべく三十五人、三十人まで持っていこう、地方ではもう自分たちの独自の財源で三十人学級を実現しているところもございます。今きめ細やかに子供たちに対応していこうという中で、この四十人学級というようなことが志向されていたりすることはどうなのかなというふうに思いますし、この学習指導についても、先生たちの負担がこれでまた大きくなってしまうのではないかというような懸念もございます。そういう意味では、学校の先生たちの配置等もしっかりとしていかなければならないのかなというふうに今感じさせていただいたところでございます。
 今日は時間がありませんのでここで留め置きますけれども、また議論をしっかりとしていかなければならない課題だと、こういうふうに思っております。
 次に、若者の雇用の部分についてお聞きしたいと思います。
 今若者が正社員の仕事に就くのが大変難しい傾向にございます。初めての仕事が非正規の割合、これが昭和六十二年から平成四年では一三・四%にとどまっていましたけれども、だんだんだんだん増えてまいりまして、平成十九年から平成二十四年では三九・八%、四〇%に近くなっております。
 民主党政権では、雇用を安定させるために、有期労働契約が繰り返し更新されて通算五年を超えた場合には、働く人の申込みにより無期労働契約に転換できる制度を導入したところでございます。新卒世代を中心に学校における職業教育、カウンセラーによる進路指導、ハローワークでの職業相談等就労支援、これを更に拡充し、正社員として社会人生活をスタートできるよう目指してまいりました。また、正規、非正規を問わず、労働者の均等待遇を確保するために労働条件の底上げに努めてきたのが民主党政権であります。
 一方、安倍政権は正社員を減らしています。生涯派遣の若者を増やそうとしています。安倍政権は、昨年二度にわたって廃案となった労働者派遣改悪法案、改悪と言わせていただきたいと思いますけれども、また出そうとしている。大企業が派遣労働者を使い続けることができるようにするものであり、派遣労働者と正社員との賃金格差は著しいものがあります。全ての子供たちにチャンスをということで奨学金をもらって一生懸命勉強した人でも、この奨学金を延滞している人を見ると、延滞していない人と比べて派遣社員などの割合が高くなっているのが現状であります。派遣労働者が増えれば、奨学金の返済に苦しむ若者がますます増えることにもつながってしまうというのが今の現状であります。
 労働者派遣法のこの改悪、これは、生涯派遣の若者を増やすだけではなく、派遣労働の待遇と改善策が盛り込まれておりません。ヨーロッパでは正社員、派遣社員の均等待遇が常識になってきておりますけれども、均等待遇ができない言い訳を並べるのではなくて、均等待遇を確保できるように前向きに検討すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、今、派遣法の改正につきまして、言ってみれば非正規を更に増やすんじゃないかと、こういう御懸念を示されたわけでありますけれども、今回、まず第一の前提は、今派遣で働いていらっしゃる方々を見てみると、半分は派遣のままでもいいと思っていらっしゃる。そして、一方でやっぱり正社員になりたいという、先生の御指摘のとおり。その現状をまずやっぱり踏まえておくことが大事であり、そして、正社員になりたいという方々に対しては今回の法改正で正社員化に向けての様々な新たな規制というものを導入をして、そして、そもそも今まで登録制であったところがほぼ四分の三でしたけれども、これを全体許可制にするということでやってまいりました。
 そういうことで、今賃金格差のお話が出ましたが、我々としては、同一労働同一賃金というのはもちろん一つの重要な考え方であり、そのこと自体はよく認識をしているわけでありますけれども、なかなか、ヨーロッパのような職務給のようにすぐになれるか。今、日本は大体職能給と呼ばれている、様々な能力を評価した上で今賃金を決めているわけであります。
 したがって、我々、今回のこの派遣法においても、やはり均衡待遇というものをどこまでも努力して進めていくということをまずやっていくことが待遇改善にとって一番大事なんじゃないかというふうに考えております。
#35
○羽田雄一郎君 時間がなくなってきてしまいましたので、私、選挙制度の担当でもございますので、最後に選挙制度を幾つか聞きたいと思います。
 岡田代表の質問に対して、参議院選挙制度についても早期に議論を進めるよう指示しているというふうに言われましたけれども、どのような報告を受けて、どのように進めるべきだというふうに考えているのか、お答えください。
#36
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 選挙制度改革については、議会政治の根幹に関わる重要な課題であり、各党各会派が真摯に議論を行い、早期に結論を得ることが大切と考えています。
 参議院において行われていた選挙制度協議会での各党各会派における議論がなかなか収れんしない状況について報告を受けた際に、そういう状況であるという報告を受けまして、そういう報告を受けた際、私から党に対し、与党がリーダーシップを発揮をし、早期にしっかり進めるよう指示をしたところでございます。これを受け、党内においても議論を少しでも前に進めるべく意見交換が活発に行われていると、このように承知をしております。
#37
○羽田雄一郎君 既に衆参で二回ずつ違憲状態というのが続いています。来年参議院選挙です。そして、十八歳から投票ができるという議員立法、今回通れば来年の参議院選挙から十八歳から投票ができます。周知期間も必要であります。そういう意味では、今まで我々民主党も、公明党さんも与党の中ではしっかりと案を出しております。
 総理、この格差、一票の格差ですね、一票の格差の是正について、何倍が望ましいとお考えですか。
#38
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、例えば鏡のごとく一票の格差なく反映すると、人口分布、有権者の分布によって反映されるというのをベストとして考える考え方もあるんだろうと思いますが、あるいはまた、同時に地域代表として地域の代表を担保するということも考える必要があると。様々な議論があることから、憲法との関係においては最高裁、司法の場で判断をしていただいているということではないかと思います。
#39
○羽田雄一郎君 自民党さん以外は、公明党さんも含めて、この一票の格差を二倍以内に抑えるべきだというふうにずっと言ってきています。自民党さんだけがその部分はいやもっと許容されるんだと言っていますが、資料の三を見ていただいて、多数意見を見ていただければ分かると思いますけれども、やはり衆議院では二倍ということ、そして参議院もそれに準ずるというようなことがしっかりと書かれております。
 少数意見の中でも、もちろん基本は格差がない方がいいわけですけど、一票の格差がない方がいいわけですけれども、許容されるのは二倍だということがはっきり言われているわけで、やはりこの二倍を目指すというのが常識だと思いますが、いかがでしょうか。
#40
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこはまさに様々な議論があるわけでございまして、参議院が発足した段階では三倍を超えているという状況だったんだろうと、こう思うわけでございます。
 その後、最高裁が求める水準の変遷もあるわけでございますが、その中でまさに今、先ほど申し上げましたように、これは民主主義の根幹を決める事柄でございますので、各党各会派において熱心な真摯な議論が行われることを期待したいと思います。
#41
○羽田雄一郎君 しっかりとリーダーシップを持ってやっていただきたいと思いますし、昨日、日曜討論で溝手会長ともお話をしましたが、やる気があるとは思えません。しっかりと総理がリーダーシップを持って指示をしていただきたいということを訴えまして、私の質疑時間が終わりましたので、小川敏夫議員に替わりたいと思います。
#42
○委員長(岸宏一君) 関連質疑を許します。小川敏夫君。
#43
○小川敏夫君 小川敏夫です。
 総理、国民の生活を安定させることが政治の一番の責任であると思いますが、総理はどうお考えですか。
#44
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、国民の安心を確保していくという意味においては、安定した生活、そして同時に、やはり今日よりもあした、今年よりも来年良くなっていく、生活が豊かになっていく、そのように皆さんが希望が持てる政治を行っていくことも私たちの責任ではないかと思います。
#45
○小川敏夫君 国民の生活が良くなっていくことが責任だというお話でしたが、総理、勤労者の実質賃金が今年の一月までもう十九か月間実質的に下がっているんです。やはり、安倍総理、アベノミクスは破綻して国民の生活を苦しめている、そういう結果が出ているんじゃないですか。
#46
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私ども、一人当たりの賃金の推移、それは実質賃金であれ名目賃金であれ注目をしているわけでございますが、しかし、経済の変化を見据え、経済の状況の変化を見据え、国民の所得がどうなっていくかということを把握する上においては、私たちは国民総所得で見ているわけでございます。
 国民総所得で見ていきますと、確かに昨年、それでも実質においては、昨年消費税が三%上がったわけでございますから、この三%に、上がっていたものには残念ながら追い付いてはいないわけでございますが、しかし、消費税の引上げ分を除けば、昨年の六月以降八か月連続でプラスは続いている。
 つまり、私たちが進めている物価安定目標に向かって物価が上がっていく、これには十分に追い付いていると、このように考えているわけでございますし、そしてまた、今年の四月には消費税三%引き上げた影響が剥落をいたしまして、今年と昨年の比較になってまいりますから、我々はプラスになっていく可能性があると、このように考えております。
#47
○小川敏夫君 総理、今、国民総所得という言葉を使われましたが、これまでの説明では総雇用者所得という言葉を使っておりました。どうなんですか。
#48
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは国民の稼ぎの和でございまして、正しくは総雇用者所得でございまして、国民が、みんなが得た稼ぎの総和で見るべきだと。
 なぜ私たちがこの数値を使うかといえば、景気回復期においては、仕事を始めようという人たちが出てくる。そういう方々はパートである場合が多いわけでございますし、企業側もやはりデフレのマインドがまだまだ染み付いている企業もあるわけでありまして、慎重な雇用姿勢を取る中においてはパートから雇い始めるという中におきましては、パートあるいは短時間、そうなりますと百万円、二百万円と、年収がという方々がおられる。その方々も平均値にするときには加わってまいりますので平均値は逆に下がっていきますが、しかし、実態としては、言わば国民みんなの稼ぎが増えていくということで、総雇用者所得においてはこれは増えていくということになるわけでございます。
#49
○小川敏夫君 総雇用者所得という言葉を最近になって急に総理が使うようになりましたから調べました。この表の二番目です。(資料提示)
 総雇用者所得、前年比、下がっているじゃないですか。総理、あなたは上がっていると言うけど、総雇用者所得の実質前年比は下がっているんですよ。これはどういうことですか。
#50
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは先ほど私申し上げました。
 それは、昨年消費税が三%上がったわけでありますから、実質で見れば総雇用者所得においては下がっている。ですから、先ほど申し上げましたのは、消費税の引上げ分効果を除いたところでは上がっている。除いたところでは、昨年の六月以降八か月連続でプラスが続いているのは事実でございます。
 なお、今、小川委員が御指摘になっている一人当たりの平均賃金については先ほど私が申し上げましたような要素があるわけでありますが、名目賃金は十一か月連続プラスであって、実質賃金は十九か月連続マイナスではありますが、このところマイナス幅は減少してきておりまして、消費税率引上げの影響を除けば、昨年の十二月、そして本年一月の速報値と二か月連続でプラスになっております。(発言する者あり)
#51
○委員長(岸宏一君) 安倍内閣総理大臣。
#52
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、マクロ経済について説明をさせていただいております。その中で、数字を正しく把握をしていくことによって初めて政策が正しいかどうか、どういう政策を打っていくことが求められているかどうかということが分析されるわけであります。
 そこで、私たちは、このいわゆるアベノミクスという政策を進めるに際しまして、物価安定目標を定め、そして三本の矢の政策によってデフレから脱却をしていく。当然、デフレから脱却をしていきますから物価は上がっていくわけであります。物価が上がっていくということは当然のことであります。当面においては、賃金が上昇しない中においては実質賃金は下がっていくということは我々お話をしているわけであります。そして、私たちのアドバイザーの方々のお話では、それが言わば実質、名目だけではなくて実質においても上がっていくというのは二年間掛かるというお話でございました。しかし、私たちは、二年間ではなく、なるべく早い段階で上がっていく物価に追い付くようにしたい、こう申し上げていたわけであります。
 物価が上がっていく要素におきましては、今申し上げました私たちの三本の矢で上がっていくという要素と、昨年、消費税によって上がっていくという要素がございます。そこで、私たちが三本の矢によって進めている政策によって上がっていくその上がり方に賃金が追い付いているかどうかということも極めて重要であります。その点においては、私が先ほど申し上げましたように、総雇用者所得で見れば、もう既に私たちは、昨年の六月以降八か月連続でプラスが続いているのは事実でございまして、これは間違いない事実でございます。
 そこで、これは消費税引上げ分は除いて、これは今までいつも申し上げているとおりであります。消費税引上げ分に追い付いていないからこそ、私たちは今年十月の消費税の引上げを、再引上げを延期をしたわけでございます。皆様の所得は物価安定目標には追い付いていますが、残念ながら消費税の三%分には追い付いていないと、そこで我々は一年半延期をしたわけでございます。そこで、今年の四月になればこの消費税引上げ分が剥落をしますから、そこで消費税を入れ込んだ分においても言わば実質賃金がプラスになっていく可能性があると、こう申し上げているわけであります。
 繰り返しになりますが、総雇用者所得という数値を見るべきであり、そしてその中でも消費税率の引上げ分、済みません、少し……(発言する者あり)
#53
○委員長(岸宏一君) 御静粛に願います。
#54
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今ちゃんと説明をしているんですから、少し静かに聞いていただきたいと思います。
 消費税率の引上げ分を除けば、繰り返しになりますが、昨年の六月以降八か月連続でプラスが続いているということでございます。
#55
○小川敏夫君 私は、国民の生活が豊かになったかどうかを聞いているわけです。国民は消費税を負担しているんです。消費税を負担している国民に対して、消費税を抜けば良くなりましたよと。すなわち、実質賃金はずっと下がり続けている。総理は総雇用者所得なる言葉をいきなり去年辺りから持ち出してきて、上がっている、上がっていると言う。確かに、消費税を除けば上がっているという数字が出るかもしれません。しかし、国民は消費税を負担している。現に払っている。そして、実質総雇用者所得は下がっているじゃないですか。下がっているものを、総理、あなたは、消費税を抜けばなんという言葉を付けて、修飾して上がっているようにごまかしているんですよ、国民を。どうですか。
#56
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは全く間違っています。そういう分析では経済の状況というのはちゃんと理解できないと思いますよ。
 つまり、私がなぜ消費税分の引上げ分と我々が進めている政策による物価の上昇分を分けて考えるか。つまり、私たちが進めている政策によって、二%の物価安定目標、これは毎年毎年二%上がっていくという目標であります。これによってしっかりとデフレから脱却をして、賃金も上がっていく、市場経済が正しく回転をしていくという状況をつくっていきます。デフレから脱却すれば、企業はお金を持っていても、これはどんどん利益を生まない、逆に損になるわけでありますから、しっかりと設備にも投資をする、あるいは人材にも投資をする、そして、それによって消費も増えていくという正しい経済の好循環に入っていくことができるわけでございます。
 しかし、昨年、その中において、言わば最初のワンショットとして三%の引上げがあったわけであります。最初の三%、今年はそれを行わないわけでありますが、最初の三%のこの衝撃というのは、私たちが進めているというのは、物価安定目標というのは毎年毎年上がっていくわけでありますから、これにはしっかりと追い付いていく必要があります。これに追い付いていかないようであれば、私たちの政策は根本から考え直さないといけないということになってくるわけでありますが、しかし、消費税については、言わば一回の消費税にどう耐え得るかどうか。残念ながら、この消費税については、ここには追い付いていないのは事実であります。
 ですから、総雇用者所得において消費税を除いた分でもマイナスかプラスかを見るのは、これ極めて重要なことであります。そこでは、私たちの政策によってプラスになっているのは事実であります。そして、今年の四月においては、三%昨年は上がりましたが、今年は上がらないわけでありますから、消費税効果は剥落をして、今年と昨年を比べるわけでありますから、我々はプラスになっていくという可能性は十分にあると、このように期待をしているところでございます。
#57
○小川敏夫君 総雇用者所得なる言葉を総理が説明して、上がったがと言うけれども、見てくださいよ、この真ん中の表を。自民党の麻生政権時代に大きく下がっている。安倍政権になったら下がっている。民主党政権の方が上がっているじゃないですか。もし総雇用者所得が示すんだったら、民主党政権時代の方が数段勝っていますよ。
#58
○国務大臣(甘利明君) 手順を追って共通認識を持つ必要があるんですよ。
 我々はデフレから脱却をしようとしているんです。これは異論はないと思います。デフレ下では、賃金、実際にもらう賃金が下がっても物価がもっと下がれば実質は増えたという理解になるんです。でも、これは自己満足で、経済が縮んでいきます。物価も上がるけれども、それを超えて賃金が上がっていく、つまり、名目も上がるし実質も上がるということを目指しているんです。そこで、物価を上げる政策を取っています。あわせて、これは三党合意で消費税を上げますから、消費税を上げれば物価はその分もまたプラスになって上がるんです。二重のプラスになって一時的には上がります。それを賃上げでいつ超えていくことができるかということが勝負なんです。
 我々は、まず、名目の賃金を上げてきました。名目の賃金は、全体で名目の賃金は二十二か月連続で上がっています。そして、一人当たりの名目賃金も十一か月連続で上がっているんです。ただ、問題は、それを超えて、物価と消費税の上げた分で消費者物価が上がっていますから、それを差っ引くとマイナスになる。このマイナスが縮んでいるかどうかの傾向なんです。これは縮んでいつつあるんです。縮んでいつつある。そして、次の賃金の引上げでそれをオーバーライドできるかどうか。賃上げを一回じゃオーバーライドできない、二回、三回と続けていってオーバーライドをしていく。
 消費税上げは、総理の説明のようにワンショットですから、次の一年が過ぎるとそこが土台になりますから、もう一回また消費税をカウントしなくても済むのであります。だから、実質賃金が上がっていく。その傾向を今手繰っているということを説明をされているわけであります。一発で名目賃金も実質賃金もどおんと上がればそれはすばらしいことですけれども、なかなかそういう魔法は使えません。ですから、名目は上がっていきます、ダイレクトに上がっていきます。で、賃金は後追いで上がっていきます。それをオーバーライドできるかどうかが勝負でありますから、是非今年の春闘以降を見ていただきたいと思います。
#59
○小川敏夫君 十九か月間も給料が下がっている。そのうちにそのうちにと、もう十九か月間も実質賃金が下がっているんですよ。それでは、まあ、これは客観的数字ですから、総理、総雇用者所得も実質は下がっているんですよ。そういうふうにはっきり説明してください。
 それでは、実質賃金指数、話を変えましょう。これは安倍政権になってからの短期の見方です。非常に、我が国経済の長期の視点で賃金がどうなっているかを見ました。この表の一番上を見てください。これは指数ですが、平成九年、十年頃、この頃をピークにずっとこの雇用者の賃金は下がり続けているんです。
 これは、どうしてこういうふうに勤労者の賃金が下がり続けている現象が生じているんですか。総理は説明できますか。
#60
○国務大臣(塩崎恭久君) この賃金の動向というものについては、既に御党の石橋先生からも前回提示をいただいたところでございますけれども、ここに、多分おっしゃりたいことは、非正規が増えてきたからそうなったんだろうと、こうおっしゃりたいんだろうと思います。
 実際、非正規の賃金の動きというものを例えば九七年から見てみると、実は若干微増しているんですね。むしろ一般の労働者の賃金というものは実はこれ下がっておりまして、賃金自体を見てみると、一般労働者は下がっているけれども非正規の方はむしろ微増しているというのがこの間の動きです。これがまず第一。
 しかしながら、先生、下がっているのはなぜだろうかと。一人当たりの賃金として下がっている理由は、これは先生御指摘のように、非正規が増えているから、このウエートが大きくなっていることが原因であることは先生御指摘のとおりであります。
 じゃ、非正規はどうして増えたのかと。今先生の御指摘ですと、あたかも派遣法で賃金が下がってきたかのように見えるような感じに、この三つあるのが派遣法の法改正をお示しをいただいていますけれども、実は派遣法というのは働いていらっしゃる方のたった二%なんですね。
 したがって、よく考えてみなきゃいけないんですが、実は、我々、よく見てみると、ちょっとこの派遣というのはなかなか古いときには統計がないものですから、最近取れる十年間を見てみました。ここにも、先生、十年間ありますが、随分下がっていますよね。これで見てみると、非正規が増えている原因を見てみると、高齢化で六割強です、六一%。増分のうち六十歳以上の人が増えているのが六一%。そして、女性で見ると二八ですから、合計、高齢者と女性で非正規が九〇%ぐらい増えちゃっているうちのそれだけを占めていると、こういうことなんです。
 高齢者については、これは六十五歳まで希望すれば働けるようになったということが一番大きく効いているわけですけれども、あと問題は女性です。女性は、実は男性の場合には六割ぐらいが、非正規の中の六割ぐらいが男性なんですけれども、女性の場合には、失礼、非正規で働いていらっしゃる方がそのぐらいなんですが、女性の場合にはむしろ非正規というのがやっぱり多いんですね。それは、働き方としてまず選択するのが、先ほど来総理がおっしゃっているように、パートで働き出すというふうなときにやっぱりそういうふうに選ぶ。生活パターンとしてそうやっていると。
 ということになれば、高齢者と女性で九割を占めているこのところで、じゃ、まあ高齢者はともかくとして、女性のところをどう正規化していくのか、あるいは処遇を改善していくのか、そして、残りの一割の若い人たちの正規化と賃金上昇をどうするかということをどうするかという政策課題になるわけであって、我々はそれに対応する形でまた今回派遣法の改正も出しておりますし、ほかのことについても、先ほど言った均衡待遇の問題についても同じように政策課題として取り組んでいこうということで、様々新たなものをやっていますし、キャリアアップ助成金等々も用意をしていると、こういうことであります。
#61
○小川敏夫君 何か取り留めもなく、何言っているか分からないような答弁でしたけど、要するに、賃金が下がっていることはお認めになっている。
 正規・非正規の職員・従業員数の推移を見てみました。この一番の資料の一番下です。これ、百万人単位で表したものですけれども、平成十年から平成二十四年まで、非正規は七百万人ぐらい増えています、正規は四百万人ぐらい減っています。やはり、ただ単に非正規が増えただけじゃなくて、正規雇用が減っている、その反面で非正規が増えているというこの現象、やはり賃金が下がっていることについては、非正規が増えたということが最も大きな原因じゃないですか。
#62
○国務大臣(塩崎恭久君) 正規が増えているかどうかということを見てみると、確かに、さっき申し上げたように正規雇用が減って非正規が増えていることは間違いないところであるわけでありますが、しかし、どういう非正規が増えているのかということは先ほど申し上げたとおりであって、その中身を見ていただきたいということと、最近に至っては非正規から正規に移っている方々が増えてきている。それも、よく見ると、年齢別に先ほど来申し上げたように見ていただきたいんですが、これも何度も総理からも答弁させていただいていますけれども、八四半期連続で、五十五歳以下の人たちは八四半期連続で正規への移行が増えているということでありますので、これからこの流れをやっぱりもっと強くしていくために我々は政策としてどうやっていくのかということを更に考えていくことが大事だというふうに思っております。
#63
○小川敏夫君 大きな流れの話をしているのに、都合のいい八四半期の数字だけ持ち出しても議論になりませんよ。
 それで、この同じ時期、この時期を合わせました。この真ん中の資料は企業の内部留保です。すなわち企業の利益の蓄積です。増えていますね。給料が下がり始めた平成八、九年頃、百五十兆へ行っていない数字。しかし、平成二十五年には三百二十八兆、こんなに企業の利益を蓄えた内部留保が増えているんです。
 給料が下がり続ける一方、企業の利益がどんどん増えて内部留保がたまっている、この現象は、なぜこういう企業の内部留保が膨らむ状況になったんでしょうか。
#64
○国務大臣(甘利明君) バブル崩壊以降、企業にはバランスシートの悪化がありました。企業は、収益を上げるのを、そのバランスシートの改善に向かうという傾向で賃金を抑えぎみに来たんだと思います。その傾向が続いている。でありますから、バランスシートが改善された後もその傾向が続いてきている。
 そこで、安倍内閣では、ここまで内部留保が必要なのかと。内部留保の中には設備投資に回っている金額もあります。三百二十八兆のうち設備投資やMアンドAの長期資金に使われているお金もあります。でありますから、一年以内に処分可能な株式等と現預金合わせて二百一兆円と言われています。それを賃金の改善と下請代金の改善と設備の更新に向かわせたいという思いがありまして、総理の御指示の下に政労使という会議を開いております。
 極めて政権党としては異例なことでありますけれども、この内部留保を経済の好循環に使おうと、それが実は企業にとってもいいことになると、そして労働者にとっても社会にとってもいいことになるということで、共通認識を醸成しているところであります。
#65
○小川敏夫君 全く何言っているか分からないですよ。私は、なぜ内部留保が増えたのかと聞いているのに、増えた内部留保を総理の指示でああしますこうしますなんて、私の質問に答えていない。
 何か企業がバブルの影響で守りに入ったというけど、バブルがはじけてから平成九年、十年頃までは給料上がっているんですよ。上がっているじゃないですか。そして、平成十年ぐらいから下がっているんですよ。
 だから、なぜ下がったのか。じゃ、もう一度、厚労大臣、はっきり答えてください。なぜ、厚労大臣としてはどういうふうに、あるいは政府としてはどういうふうに分析しているんですか。平成九年頃から比べて賃金が一貫して下がり続けているこの傾向はどうして生じているのか。
#66
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、まず、賃金そのものの動きを長いスパンで見てみると、非正規は少し上がっているんです、ずっと、この期間。それに対して、遠くからで見えないかと思います、これそうです。一般のところが実は下がっちゃっているんですね。ですから、経済全体の競争力が落ちていって収益力が落ち、そして先生御指摘の、内部留保がありながら投資を新たにしないということが続いてきたことが、もちろんデフレの下ででありますが、大変重要な問題で、それに対して今アベノミクスは全体として構造的にこれを改革をして直していこう、強くしていこうということを今やっているわけであって、この一般の労働者の皆さん方の賃金が下がってしまっているということをどう上げるのかというのが、今まさに安倍内閣がやろうとしていることだと私は思っています。
 そこで、しかし、そうはいいながら非正規の比率が増えているということは問題でもありますから、それは十分我々も認識をし、しかしそれは、六割は高齢者が増やしている要因になっているということを繰り返し申し上げさせていただきたいんです。
 もう一つは、さっき言った三割ぐらい、三割は女性が増分を担っていると。それを、ですからどう輝くようにするかというところが大事であって、それは、しかし一方で、女性は、さっき申し上げたように、あえて非正規を選ばれる方もかなりおられる。しかし、それを、やっぱり処遇を上げていこうということを、派遣においてもその他の非正規の雇用形態においてもやろうということで、実は賃金の水準からいったら正規雇用の次は派遣ですから、その次に契約、パートですから、そういう順番ですよ。派遣が何かもう一番安いかのように皆さんおっしゃいますけれども、そうじゃないんですよ。正規がもちろん高いけれども、次が派遣で契約、パート、これが統計上出てきている数字でありますので、それぞれをどうやって上げていくかということが……(発言する者あり)
#67
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。静粛に。
#68
○国務大臣(塩崎恭久君) 大事な政策として、我々はそれぞれ、長くなるから言いませんけれども、政策をちゃんと新たに打ち出して今対処しつつあるということでございます。
#69
○小川敏夫君 派遣を拡大するたびに下がっているという傾向はあるわけです、偶然とは言えないと思いますが。例えば派遣労働が出れば正社員だって残業が減るわけですよ、割増し賃金を払うよりも派遣使った方が安いから。やはり派遣労働が僅か二%だと、正規雇用の中の何割だと言っても、その波及効果を考えればやはり賃金全体を下げている大きな要因であると思いますし、現実に統計的には、派遣を開放するたびに賃金は下がり続けているという傾向が出ているわけです。
 この三番目の表を見てください。これはうちで作った表です。二番目の表の企業の利益、これが青字でそのまま移行しています。この赤字は、平成十年の給料がもし下がらなかったらこれだけもらえただろうと、しかし、下がっちゃったから、これだけもらい損ねた逸失賃金、これを累計しました。何だ、勤労者が賃金水準が下がったことによって、言わばもらい損ねた賃金の累計が企業の内部留保のこの利益の蓄積と全く並行しているじゃないですか。すなわち、企業の内部留保、企業がため込んだ利益というのは、勤労者に本来なら正当に払ってもいい賃金を、それを低くしちゃって、勤労者に賃金を切り下げてまさに企業が利益を蓄えている、こういう現象がはっきり生じていると思いますが、総理、いかがですか。
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今示していただいた数値でございますが、平成十年をピークに、これは名目の総雇用者所得が低下傾向にあるというグラフでございますが、内部留保も増えていると。総雇用者所得を使っていただきましたので、これは議論もかみ合うと思うんですが。
 背景には、まず第一に九〇年代末からのデフレがあるということは指摘をしておきたいと思います。そして、御指摘の数字は平成十年と各年との差額を積み上げたものであると考えられますが、これは平成十年のピークの額を超えない限り、減額分が積み上がっていくという数字であるということは申し上げておかなければならないと、このように思います。
 しかし、名目の総雇用者所得におきましては、民主党政権下の平成二十四年がボトムとなって、政権交代後の平成二十五年、平成二十六年と、これは二十二か月連続でプラスになっているわけでございます。
 同時に、この内部留保が積み上がっていくということについても、我々も様々な角度から分析をしてまいりましたが、基本的には、まず状況としては、デフレ経済の中にあっては政府が、現金を持っているという状況が一番いい状況になってしまうわけでございまして、そのお金が投資あるいはまた人材への投資に向かわさせるためには、デフレから脱却をしてお金をちゃんと投資をしなければいけないという環境をつくっていく。その環境をつくり出すことはできたわけでございますが、まだデフレマインドが染み付いている、あるいはバブル崩壊後に貸し剥がしに遭った経験等でどうしてもため込んでいくというマインドがあるのは事実でありまして、そうしたマインドを払拭させるためにも、また積極的に我々も働きかけをして、給料が上がり、景気の好循環を回していく、そのために政労使の会議をスタートしたところでもございます。
#71
○小川敏夫君 我が国は、特に自民党政権時代、雇用の質を下げて、働く人の賃金も下げる、そして経済は停滞している。ドイツの例を見てください。ドイツは、言わば雇用というものをしっかり守り、賃金も安定している、そうした評価の高い国です。そして、現に経済も最も成功して安定しているじゃないですか。雇用をしっかり支えて働く人のこの賃金水準をしっかり守ることが、景気、経済を良くするその根本だとは思いませんか。総理。
#72
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、いわゆるハルツ改革、シュレーダー改革を言っていらっしゃるんだろうと思いますけれども、我々の理解は、当時、一九九〇年代の終わりですけれども、欧州の病人と呼ばれていたドイツの経済、それが今まさに牽引役としてまで復活をしてきた、そのきっかけをつくったのはあのシュレーダーの改革と言われていて、その中でも、いろんな改革をやっていますけれども、金融とかいろんなことをやっていますが、労働市場改革は非常に大きなものだということはよく我々も理解しています。
 しかし、じゃ、何をやったのかと。雇用の保護が元々非常に強いところであったことは間違いないわけですけれども、一方で失業率も非常に高い状況にございまして、それで、一九九〇年代の後半から雇用保険制度の見直し、これはむしろ規制緩和じゃなくて規制改革をやって強化をしていった。つまり、最長三十二か月間であった支給期間を、失業保険の、これを十八か月間に短くすると。それでも、日本は三百三十日がマックスですから、それよりも半年も長いというものになったんですけれども。それから、再就職の促進等、つまり働かなければこういったものを切るとか、失業扶助を切るとか、そういうようなことをやって、むしろ労働市場の柔軟化に向けた改革を行って、むしろみんなが働くようになってドイツは復活をしていったと。それで、一〇%台を上回った失業率は五%にまで今なっておりまして、低下をして半分になっている。雇用情勢が非常に改善をして、経済にも好影響がある。
 しかし一方で、先ほど来内部留保の話がありますけれども、やっぱりコーポレートガバナンスみたいな改革も非常にシュレーダーは力を入れたことです。企業が、そういうことではなく、ちゃんと投資と賃金に回すということをやるようにするということでやって、そういうようなこともかなりやっておりますので、先生、今雇用制度で良くなったとおっしゃいますが、実は保護の度合いはむしろ逆に日本に近づいているような感じになっているというふうに私たちは理解しております。
#73
○小川敏夫君 まあ説明聞いても何を言いたいのか、だから何だという感じがするんですけれどもね。
 例えばそのドイツで私はすばらしいと思うのは、パートタイムというのがある。日本のパートタイムと違って、パートタイムで働く正社員なんです。すなわち、フルタイムじゃなくてパートタイム、自分のワークライフに合わせた、時間を選んだパートタイムで働ける正社員というのが言わば中心になっている。このように、働き方に合わせた、しかしその社員としてしっかり雇用を支える、そうしたことによって雇用をしっかり支えているわけです。
 安倍政権は、派遣労働を更に更に自由にしようとしている。そうじゃなくて、やはり正規雇用で、しっかり安定した雇用、安定した賃金の労働者を更に更に拡大するということが経済の本流じゃないかと思うんですが、安倍総理、いかがですか。
#74
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私たちの働き方の改革は、働き方が多様化をしているという中において、その多様化している中において、制度あるいは法律もそれにしっかりと対応できるようにしていこうということであります。
 そうしていくことによってワーク・ライフ・バランスの実現を図っていきたいと、このように考えておりますし、そして非正規、正規の問題でございますが、非正規、派遣等々についても、言わば自ら望んでいない方々についてはキャリアアップをしていく、そして正規への道がしっかりと確保されていくような、その法改正を目指しております。また、その中で望んでおられない方々においては、派遣の中においてしっかりと立場が守られる、そういう法改正を行っていきたいと、このように思うわけであります。その中において、それぞれが自分の目的を実現できる社会をつくっていきたいと、こう考えているところでございます。
#75
○小川敏夫君 アベノミクスになって、GDPは伸びていません。昨年も少し微減しました。
 GDPの一番大きな要素は消費支出だと思うんですが、この構成はいかがですか。
#76
○国務大臣(甘利明君) 政権交代前の最後のGDPと、現在の、その二年後、直近のGDPで比べますと、実質GDPは七兆円伸びました。名目GDPはたしか十七兆ぐらい伸びていると思います。確実に経済規模は大きくなっております。
 そして、消費が経済に占める比率は六割です。消費をしっかり喚起していくことは大事です。消費税を導入しまして、消費がかなり下押しされました。これが経済のダメージになっております。ですから、そこにピンポイントを合わせた対策を打っているわけであります。
 同時に、街角景況感といいますか、ウオッチャー調査というのが一番実態を反映していると思いますが、ウオッチャー調査の直近のデータでは景況感が非常に改善をしております。それから、先行きについても明るい見通しというのが増えてきております。その期待値にしっかり沿えるように、政策をこれからも打っていきたいと思います。
#77
○小川敏夫君 GDPの中で消費支出が占めるウエートが六割だと。消費支出がなぜ伸びないのか。伸びるわけがないじゃないですか、国民の大多数を占める勤労者の賃金が下がり続けているんですから。消費が伸びなければ、企業は幾ら内部留保があっても需要がないんだから設備投資をしない。まさに、働く人の雇用を不安定化し賃金を下げていることがこの経済を引っ張っている、そういうことになるんじゃないですか。
#78
○国務大臣(甘利明君) 先ほど説明をしましたように、内部留保が賃金に回っていくように取組をしております。そして、先ほども説明をしましたように、全体の名目の賃金は増えてきています。一人当たりの名目も増えてきています。実質がまだ物価をオーバーライドできないわけですけれども、しかし、その差も、マイナスの幅もだんだん小さくなっています。傾向としてはいい傾向に進んでいます。
 ですから、この三月十八日に集中回答期間になります春闘に関して、政労使の会議を通じて政府から、圧力を掛けるわけにはいきませんけれども要請をしておりまして、これは、トヨタが三千七百円前後のベアと言われていたのがどうやら四千円まで上がりそうだと、史上最高のベアになると、いい傾向がどんどん出てきておりますから、将来方向としてはいい方向に向いているというふうに確信をいたしております。
#79
○小川敏夫君 甘利大臣は都合のいいことばかり言いますね。
 先ほど、景況感も上向いていると。でも、この二月十五日に調査した資料、これは二、三日前に公表されたものですけれども、大企業の景況感では、今年の一―三月は一・七ポイントプラス。しかし、中小企業ではマイナス一四・八%ですよ。この中小企業でのマイナス一四・八%の景況感を見て、これで良くなっていると言うんですか。
#80
○国務大臣(甘利明君) 企業業績は過去最高を更新をしています。それが全ての企業に対して均てんをしていないわけです。かなりリーディングインダストリーに掛かっている比率が高いと思います。要は、それをどう好循環を回していくかということであります。今までは、どこを見ても景況感は悪かったんです。リーディングインダストリーでも収益はちっとも上がっていませんでした。それが改善されて史上最高値を更新をしています。売上高利益率というのは、二期連続で統計を取って以来の最高値を更新しているはずであります。それをしっかりとした循環に回していくという要請が大事だと思います。
 それから、設備投資も伸びないとおっしゃっていましたけれども、設備投資も、量産化の設備投資じゃなくて生産性を上げるための設備投資もあるわけです。そういうところに向かうように政労使の会議を通じて、賃金に回していく、あるいは下請代金に回していく、あるいは設備投資に回していく、これが好循環をつくっていくことであるという共通認識は、政労使三者で認識を持ちましてサインをしたわけであります。要は、それをしっかりと実行できるかどうかに懸かっていると思います。
#81
○小川敏夫君 好循環を、好循環に回していくと、安倍政権ができたときからそういう言葉を聞いていますよ。だけど、できていないから聞いているんじゃないですか。
 この資料三を見てください。これは、大手野村総研がアンケート調査した資料です。アベノミクスで景気の上向きを実感しましたか、平成二十六年十二月。全く実感していない三四%、実感していない三二%、実感した、非常に実感したは合わせて一二・六%。これが国民の現実ですよ。どう思いますか。
#82
○国務大臣(甘利明君) 安倍政権ができる前、その調査をしたらどうでしょうか、実感をしたという人なんか多分出てこないと思います。実感をしたという人が少しずつ出てきています。これを拡大していくことが大事なんです。
#83
○小川敏夫君 あのね、民主党政権が良かったかどうかは取りあえずおいておきましょう。じゃ、過去が悪かったから今も悪くていいんですか。過去が悪かったから今の政権も成績が上がらなくていいんですか。こんなひどい状態でいいということですか。はっきり答えろ。大臣に聞いているんですよ。
#84
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、まあまあ、今の……(発言する者あり)
#85
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。
#86
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の大臣の答弁は、我々はどういう傾向をつくり出すことができたか、どういう経済をつくり出すことができたかということを申し上げているわけでございまして、例えば中小・小規模事業者につきましても、二十四年、平成二十四年、私たちが政権を取る前の業況判断においては、DIについてですね、業況判断はマイナスの一四だったものが今はゼロであります。まあゼロではありますがプラス、そのときから比べればプラス一四にもなった、一四ポイント上がったということであります。
 そして、資金繰りの判断DIにおきましても、平成二十四年十二月の短観においては、マイナス五であったものをプラス二に変えたわけでございますから、資金繰りについても、中小企業そして小規模事業者ですよ、プラス七になったと、こういうことでございます。
 そして、今年新卒を迎えた方々の就職内定率は八割を超えております。大卒で六年ぶり、そして高卒では二十一年ぶりの状況をつくり出すことができたわけでございますし、中小・小規模事業者の倒産件数が民主党政権時代よりも二割減っているわけでありまして、二十四年ぶりの低い倒産件数になっているのも事実でございます。
 ですから、その中で徐々にそう感じる人たちが出てきたのは間違いのないわけでありまして、それをだんだんだんだんこれを拡大していきたいと、このように思っているところでございます。
#87
○小川敏夫君 あちこちから都合のいい数字をつまみ食いした説明をしないでください。昨年よりも更にアベノミクスで評価は悪くなったんですよ。
 甘利大臣、質問します。民主党政権時代よりもいいと言いました。じゃ、民主党政権時代の数字を出してください。
#88
○国務大臣(甘利明君) その資料があるかどうかは調査をいたします。
 それで……(発言する者あり)
#89
○委員長(岸宏一君) ちょっと待って。速記止めて。
   〔速記中止〕
#90
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 甘利大臣。
#91
○国務大臣(甘利明君) 正確に聞いていただきたいんですが、我々の政権ができる前にそういう調査を取っていたとしたらそうじゃないでしょうかと申し上げたんです。(発言する者あり)えっ、私はそのときの調査でこういうデータがあったとは申し上げておりません。全ての数字が、あらゆる数字が改善をしてきています。ですから、少なくとも良くなっていると感じている人たちは、それ以前に、それ以前のもっと景気が悪い状態であったわけですから、景気が悪い状態だった、そのときに取ったらそういうこと、こういうことを答えたでしょうかと申し上げたのであります。(発言する者あり)
#92
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#93
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 ただいまの甘利大臣の御発言のことについては、後刻調査の上、理事会で協議いたしますということでございます。
#94
○小川敏夫君 この調査で特徴的なこと、下の段を見てください。大企業ほどいいと思っている人が多い。それから、雇用でいうと正規雇用の人ほどいいと思っている人が多い。まあ非常に少ない中での多いですからね。
 それから、GDPの話がありました。麻生政権の最後のGDP、四百九十四兆円です。民主党政権で五百十四兆円、一・五%増やしました。安倍政権では五百二十二兆円、〇・九%しか増えていません。民主党政権の方が率がいいじゃないですか。どうですか。
#95
○国務大臣(甘利明君) 政権交代前の十―十二月の数字が実質で五百十六・六兆です。そして、二年後の、安倍政権での二年後の数字が五百二十四・六兆であります。なお、名目について言えば、それぞれ四百七十二・二兆が四百八十九・五兆に拡大をいたしております。
#96
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 実質においては、二十四年に比べれば一・五%だったかな、GDPは上がっているわけでございますが、そこで、民主党政権との比較についてでございますが、これは思い出していただきたいと思うんですが、民主党政権の発足前には、リーマン・ショックによって我が国の実質GDPは六%以上、マイナス三十四兆円も落ち込んでいたわけでございまして、そして民主党政権はこの一挙に落ち込んだその水準から四四半期、基本的には鳩山政権でございますが、約六%分戻ったわけでございます。これは麻生政権末期の大規模な経済対策の効果によるものと、これは大体そのように分析をされているわけでございますが、その後の民主党政権はほぼ横ばいであったというわけでございます。
 つまり、ほとんどの民主党政権の……(発言する者あり)
#97
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。
#98
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 民主党政権のこの経済成長は鳩山政権であったということでございます。
 つまり、民主党政権の中で一番成果を、そういう意味においては鳩山政権であったということだと思いますが、これはどういうことなのかということで分析をしたところ、鳩山政権が果たしてそれほどすごい経済政策を打ったかどうかという、いろんな議論がございますよ。その中で、これはやはり麻生政権の中における経済対策が効果を上げたものと、このように我々は考えているところでございます。(発言する者あり)
#99
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。
#100
○小川敏夫君 民主党政権時代は東日本大震災という未曽有のことがありましたので、そのことを考慮しないで言う数字はおかしいですよ。(発言する者あり)
#101
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。静粛に。
#102
○小川敏夫君 次に、アベノミクスの中心であります金融緩和、日銀の国債保有残高、平成二十四年十二月から急激に増えています。金融緩和自体は民主党時代にやりましたので、平成二十四年に二十四兆円、日銀の国債残高が増えている。この程度の健全な金融緩和がいいと思うんですがね。総理は急激に金融緩和をやっている。すなわち、日銀が国債を買入れしているわけです。昨年はバズーカ砲と言いました。
 しかし、日銀が金融機関の国債を買って資金を金融機関に投入する。しかし、資金は、金融機関はその受け取った資金を日銀に当座預金で積んでいるんです。町中に回っていないじゃないですか。数字だけ日銀の国債残高が膨れ上がる、その分だけ当座預金の残高が膨れ上がる。町の中に資金が回らなければ、経済は良くならないじゃないですか。まさに、その結果が出ているから昨年GDPが微減だったんでしょう。まさに、バズーカ砲なんかじゃないですよ、見てくれ物のすかすかの砲ですよ、これは。実体がないじゃないですか。どうですか。
#103
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、そのGDPの見方については、実質でも民主党政権時代よりも八兆円我々は増やしておりますし、名目では十八兆円増えているということは申し上げておきたいと思います。
 その上において、金融緩和においては、これは三本の矢の政策と併せてデフレマインドを払拭する。これは十五年間続いてきたわけですから、十五年間様々なことをやってきましたよ。多くは我々自民党政権でした。しかし、残念ながらデフレから脱却できなかった。そこで、異次元の緩和、異次元の政策を打たない限りこれはできない、我々はこう判断したわけでございます。そこで、この大胆な金融緩和も含めて三本の矢を放った結果、現在は、デフレ脱却とまでは言えませんが、デフレではないという状況をつくり出すことができて、先ほど申し上げましたような数字を申し上げているところでございます。
 そして、今の御指摘の点は、確かに事実ではございますが、民主党政権下において二〇一〇年夏頃までほぼ一貫して減少傾向であった法人向け貸出しが、安倍内閣発足後は、日本銀行によるまさに量的・質的金融緩和の効果もあり、二、三%程度でございますが、プラス基調へと明確に反転したことは、これずっとマイナスが続いていたわけでありますから、マイナスからプラスへ明確に反転したことは申し上げておきたいと、このように思うわけでございます。
 そして、御指摘の点については、二十年近く続いたデフレ不況の下で、企業の投資意欲が萎縮をし、三百兆円を超える内部留保が蓄積されている中において、ある程度長い目で企業の投資需要の高まりを見ていくことが必要でありまして、マイナスからプラスに私たちが変えたのは事実でありますし、これを更に大きくしていきたいと、このように思っているところでございます。
#104
○小川敏夫君 アベノミクスになれば輸出が増える、日本の経済が良くなると。どうですか、アベノミクスになってから。貿易赤字、たまる一方じゃないですか。昨年は十兆円も赤字でした。総理、どうですか。
#105
○国務大臣(甘利明君) 貿易赤字についてであります。
 これは、赤字が拡大したのは、原発が全停止してエネルギー輸入が増えた、エネルギー価格が上がったと。今度、今般はエネルギー価格が大体ピークの半減をいたしております。貿易赤字も改善をしております。
 そして、今までは、貿易の輸出が、Jカーブ効果がなかなか出てきませんでした。ようやく輸出品目によって、価格を円安効果で下げて数量を伸ばすと。つまり、価格ベースで伸びてきましたけど、数量ベースで伸びていなかったと。それを、価格ベースと数量ベースで次第に伸びつつある傾向に直近ではなっております。
#106
○小川敏夫君 原発の再稼働をしていない状況で燃料が増えたからという。じゃ、幾ら増えた、その分による輸入増は幾ら増えたんですか。
#107
○国務大臣(宮沢洋一君) たしか三・七兆と試算していると思います。
#108
○小川敏夫君 その数字は確認しますが、十兆円のうちの三・七兆円ですよ。だから、それ引いたって六・三兆円、貿易赤字じゃないですか。
 アベノミクスでは、アベノミクスになればどんどん輸出が増えると、日本はどんどん輸出が増えて豊かになると安倍総理は言ったじゃないですか。しかし、現実に貿易赤字がどんどん膨らんでいるじゃないですか。
#109
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども傾向を見る必要があると、こういうふうに申し上げたわけでございますが、民主党政権時代のことを余り言うつもりはございませんが、二〇一九年以降、二〇一九年以降……(発言する者あり)
#110
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。静粛に。
#111
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、統計上、二〇一九年以降二〇一二年となると、たまたまこれ民主党政権時代ということにもなるかもしれませんが、二〇〇九年以降、二〇〇九年以降二〇一二年末にかけて為替が大きく円高方向に推移する中において、製造業の生産拠点の海外展開は急激に進行したわけでございます。
 そこで、現在、為替状況が改善されたとはいえ、直ちにすぐそれを撤収して戻ってくるというわけにはいかないというのは事実でございます。
 しかし、その中におきまして、例えば製造業においては明らかに態度を変えているわけでありますから、その中において、東芝は四つの工場をもう閉めた、しかし、それが今度新しく造る工場は日本ということを決めているわけでございますし、キヤノンも半分は日本で造るということを決めました。そして、東レも、ずっとこれ韓国に行っていたのでございますが、日本にだんだん拠点を移していく。
 このように変わってきたわけでございまして、実際に輸出金額は二年連続で増加をしています。これは、減っていたものが増加に転じた。輸出金額は二年連続で増加となっております。輸出数量についても、二〇一四年は四年ぶりに増加に転じています。まさに歯止めが掛かり、緩やかに増加に、反転攻勢に出ていると、こう言ってもいいのではないか。その中において、経常収支は七か月連続の黒字が続いていると、こういうことでございます。
#112
○小川敏夫君 経常収支、黒字だけど黒字幅は減っているんじゃないですか。
 円安によって、国民は輸入物価が上がるということによってどのくらいの負担をしているんですか。総理、試算はないんですか。示してください。
#113
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 質問通告をしていただければ試算をする、あるいはまたそういう資料に当たることができたのでございますが、今、急な御質問でございますから、今にわかにお答えすることはできません。もし資料があれば後ほど提出をさせていただきたいと思います。
#114
○小川敏夫君 前回質問しましたら、そういう統計は取っていないというふうに答えたじゃないですか。
 総輸入金額、ドルベースでは平成二十四年から少し減っている、しかし円ベースにすると十五兆円増えている。すなわち、輸入するもの全体は若干減っているんですよ、ドルベースで。だけど、十五兆円増えているということは単純な計算で十五兆円を国民全体が負担している、こういうことになりませんか。総理。
#115
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この為替については、確かに為替の変動、プラスがありマイナスがあります。円安については、確かに輸入品が上がっていくというのは事実でございます。それは、今小川委員が御指摘になったように、まさに国民の皆様が物価という形で消費という段階において負担をしていくわけでございます。
 しかし同時に、言わば先ほど申し上げましたように、製造業については根っこから雇用の場が失われていくのも事実でございます。それを今回私たちの政策で大きく変えることができたのは事実でございます。
 そして、こうしたことも含めて、三本の矢の政策による総合的な成果として、デフレから脱却をし、そして賃金は名目においては総雇用者所得で先ほど申し上げましたように二十二か月連続で上昇になっている。昨年は過去十五年間で最高の賃上げが実現できたのも事実でございますし、そして有効求人倍率についても一年以上一を超えているわけでございますし、正社員の有効求人倍率、新規有効求人倍率、両方とも統計を取って最高の水準になっているのも事実であろうと、このように思うわけでございますし、また、対内直接投資も、対日投資についても三倍に増えているわけでございます、三倍に増えております。
 そしてまた、海外からやってくる観光客が使うお金も、これも八百万人から五百万人増えたことによって一兆円だったものが三兆円になってきているということでございまして、そういう意味におきましては、旅行収支においては、言わば単月においてはあの大阪万博以来初めて黒字になったのも事実でございます。
 そうしたことも全体的に考えていく必要があるんだろうと、このように思います。
#116
○小川敏夫君 総理は相変わらずあっちこっちから都合のいい数字を抜き出してきて都合良く言っているだけですね。
 私が聞いているのは、アベノミクスの円安によって十五兆円国民の負担が増えたんじゃないですかと。消費税に換算すれば六%分国民が負担しているんですよ。そのことが消費が伸びない大きな原因じゃないですか、そう思いませんか。
#117
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうした言わば物価の上昇に賃金が追い付いているかどうかということを見なければいけないから、先ほど消費税を抜いた分について果たして賃金が追い付いているかということでお話をさせていただいたところでございますが、総雇用者所得でいえば、消費税分を取り除いた分においては昨年の六月から八か月連続でプラスになっているということでございまして、そして、今年はまさに四月から消費税の引上げ分が剥落をしてまいりますから、そこでは実際にプラスに、実質においても消費税を入れ込んだものにおいてもプラスになっていく状況をつくっていきたいと、このように考えております。
#118
○委員長(岸宏一君) ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 じゃ、小川敏夫さん、もう一回質問してください。
#120
○小川敏夫君 私は、終始一貫して非常に単純に聞いているんですよ。それを、総理はあっちこっち訳の分からない都合のいい数字を持ち出してきて、分からないような答弁をするから分からない。
 私が聞いているのは、アベノミクスによる円安によって輸入物価が上がった十五兆円分、その輸入物価が上がって国民が負担している、だから消費が伸びないんじゃないですかと聞いているわけです。
#121
○国務大臣(甘利明君) 円安の影響というのは、輸入は損していますけど輸出は得しているんですね。日本経済全体としては……(発言する者あり)いや、貿易赤字といったって、これ、企業は輸出で、当初、輸出価格を下げないで利潤を取っていたんです。だから内部留保が膨らんでいるんです。だから、日本経済全体としてはプラスマイナスというのがちゃんとあります。そして、内部留保が積み上がっていく分を国民経済に還元していこうという作業を今やっているんです。当然、円安で輸入価格が上がれば、当然国内物価は上がっていくわけであります。(発言する者あり)その負担を、その負担を賃上げできちんと、物価が上がった分を賃上げでオーバーライドしようということを今やっているということをずっと申し上げてきております。
#122
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の小川さんは非常に単純化されて質問しておられます、単純化されてね。それは消費面だけ。(発言する者あり)しかし、分かりやすいかもしれませんが、それは少し単純に過ぎると私は思います。
 それは、つまり、消費するためには収入が必要ですよ。消費するためにはそれを払う収入が必要であって、経済というのは両方を考えなければいけない。為替は両方にこれは効果を与えるわけであります。だから、その両方を見なければ正しいお答えはできませんよというふうにお話をしているわけでありますが、言わば物価面だけ見れば、それは支出が増えるというのは、もうこれはお答えの中で申し上げているとおりでありますが、この支出に見合う果たして収入を得ることができる状況をつくっているかということについては、それはつくっていると。
 つまり、消費税を除いては、それは我々、先ほど申し上げましたように、総雇用者所得で見て六月から八か月連続でプラスになっているのは消費税を除いた分を、そしてこの四月からはその消費税が剥落するから、これは言わば実質においてもプラスになっていきますよというお話をしているわけでございます。
#123
○小川敏夫君 消費者の負担は、じゃ、これでいいんですね。ただ、これだけ国民の負担はあるけど、でも、それを給料で取り返すというのが安倍総理の言い分ですね。だけど、給料は実質的に上がっていないじゃないですか。どうですか。
#124
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、給料は上がっているという意味においては、名目では上がっていますよ。先ほど申し上げましたよね。先ほど申し上げました。給料というのはまさに名目の世界でありますから、そこは給料というのは正確に把握する必要があると思いますよ。名目では上がっていますよ。しかし、それをですね、それを……(発言する者あり)
#125
○委員長(岸宏一君) 静粛に願います。
#126
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 手取り、手取りにおいてはまさに名目でありますから、それは上がっています。しかし、物価との関係におきましては先ほど来御説明をしているとおりでございます。
 私どもは、物価安定目標にはしっかりとそれを追い付くあるいは追い抜く政策を行っており、それは実現をしています。しかし、昨年の消費税三%分の引上げには追い付いていないのは、それは事実であります。それはもうずっと認めてきているお話でございますが、今年の四月にはそれは剥落をしますから、その段階においてはしっかりと四月の賃上げにおいて実質賃金も上がっていく、また実質というのは、平均したものも、あるいは当然、総雇用者所得においてはプラスになっていくようにしていきたいと、こう考えているところでございます。
#127
○小川敏夫君 四月から上がると言うんだったら、その話はまた五月に聞きましょう。
 それで、貿易収支のことを話しますと、安倍総理は繰り返し言います、民主党政権時代に企業が海外に逃げていったと。しかし、企業が海外に生産拠点を移すのは、もう平成に入った、昭和の終わり頃からずっと続いている傾向ですよ。それを民主党が民主党がと言うんだったら、総理、数字で示してください、民主党時代にどれだけ増えたのか、それ以前に比べて。示してください。根拠を示してください。
#128
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海外への投資が民主党政権時代にどれぐらい増えたかということについては、今急な御質問でございますから、それはあらかじめ質問を通告していただければ直ちにお答えすることができるわけでございますが、それについては後ほど資料を出させていただきたいと思います。
#129
○小川敏夫君 総理がおっしゃったから聞いているんですよ。民主党政権時代には何か円高になって、生産拠点がどんどん海外に行ったから、それをアベノミクスが止めたからと言ったじゃないですか。総理が言ったことじゃないですか。
#130
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海外投資比率は、正確な数字は、それでは後ほどお出しをしますが、民主党政権時代、かなり、倍近くそれ以前に比べて増えているのは間違いありません。その後は頭打ちになったということでございます。
#131
○小川敏夫君 ただいま総理が述べた、その調べた数字を本委員会に提出するよう求めます。
#132
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会で協議いたします。
#133
○小川敏夫君 先ほどの野村総研のアンケート調査ですけれども、面白い調査結果があるんです。アベノミクスで景気の上向きを実感している人、一二、三%いた。その人たちに聞いたんです、どういうことで良くなっていると実感したんですかと。一番多いのは、自分自身が実感しているんじゃないんです、各種の報道で景気のいいニュースが流れているから。これがアベノミクスが良くなったと実感している理由なんですよ。
 これは報道姿勢と絡めて大きな問題だと思いますが、総理はどう思いますか。
#134
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、やはりこれは、景気の問題というのは自分のことに引き寄せてこれは基本的に考えるわけでございまして、そういう中においてだんだん良くなっているなという実感はあるんだろうと、これは間違いないことだと思います。中小企業においても約六割の企業が賃金を引き上げているのは事実でございますし、また、例えばいろんな、皆さん、お子さんのおられる御家族におきましても、明らかにこれは就職内定率が良くなっているわけでございまして、高卒では二十五年間で最高の数値になっているのは事実でございますし、有効求人倍率でも二十二年ぶりの高い水準になっているのも事実でございますし、倒産件数においてもそのとおりだろうと思います。先ほど塩崎大臣が答弁をさせていただいた働き盛りですね、五十五歳以下の方々においては、まさに非正規から正規に行く方の人数の方が正規から非正規に行く方よりも増えた。
 先ほど、小川委員は、都合のいい数字を出している、都合のいい時期というのは、直近の八四半期連続、これはまさに我々が政権に復帰した以降の数字を出しているわけでございまして、数字は正直でもあります。そうしたものを実感しておられる方々も当然いらっしゃるんだろうと、このように思います。
#135
○小川敏夫君 各種の報道で景気のいいニュースが流れているから景気がいいと実感したと。
 NHKの籾井会長、そういう報道をしているようなという自覚はありませんか。
#136
○参考人(籾井勝人君) 度々呼ばれまして、私はいつもお答えしております。我々NHKは、放送法に基づき、「不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」と定めております。我々の絶対的な基準でございます。それが放送法でございます。
#137
○小川敏夫君 放送法はそうなっている。あなた自身はどう考えているんですか。
#138
○参考人(籾井勝人君) 私の一番大事な仕事は、放送法を遵守して、公平公正な放送をすることでございます。
#139
○小川敏夫君 放送法第一条二項にその趣旨が書いてあります。もう一度、この放送法第一条二項のこの趣旨、精神をしっかりと国民の前で説明してください。
#140
○参考人(籾井勝人君) 放送法第一条、放送法の目的、第二項、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」。
 以上でございます。(発言する者あり)
#141
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#142
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 籾井参考人。
#143
○参考人(籾井勝人君) 私は、先ほど意義を申し上げたつもりでございます。我々は、放送法を本当に遵守する、それしかないと思っておりますので、放送法の第一条第二項を読ませていただいたわけでございます。
 我々は、常に放送法に回帰しながら、放送法を遵守し、それに忠実に放送を行っております。我々は、本当に放送法以外に何も基準はないと思っております。
#144
○小川敏夫君 だから、放送法第一条二項がどういう目的でこういう法律の規定があるのか、どういうふうにお考えですか。
#145
○参考人(籾井勝人君) 書いてあるとおりであります。それ以上に、これは書いてあるとおりに理解すれば、そのとおりやればいいと、こういうことでございます。(発言する者あり)
#146
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#147
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
 籾井参考人。
#148
○参考人(籾井勝人君) 放送法は、不偏不党や放送の自主自律の立場を守り、憲法で保障された表現の自由を確保することによって放送の健全な発達を図ることなどを目的とする法律と認識いたしております。
#149
○小川敏夫君 会長、今読み上げた資料は総務省の官僚からいただきましたね。総務省からいただいた資料を読みましたね、今。
#150
○参考人(籾井勝人君) そうじゃございません。
#151
○小川敏夫君 じゃ、今総務省の官僚が渡した原稿は何なんですか。
#152
○参考人(籾井勝人君) 済みません、私の手元に来ていないので分かりません。
#153
○委員長(岸宏一君) NHKの職員だったらNHKの職員だと言って。NHKの職員でしょう。それを言いなさい。
#154
○参考人(籾井勝人君) これはNHKの内部資料でございまして、内部のマニュアルみたいなものでございます。その中にNHKの目的というくだりがございまして、それは、それだけです。
#155
○小川敏夫君 じゃ、総務省が資料を渡したかどうかは、事実関係をまた具体的に調査して委員会に報告するよう求めます。
#156
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会で協議……(発言する者あり)理事懇、何、誰、総務大臣答えたいの。いや、いいんじゃないか、これはこれで。理事懇でいいだろう。理事会において協議いたします。
#157
○小川敏夫君 そうすると、会長ね、あなたは就任会見で、政府が右と言うことを左と言うわけにもいかないと、こういうふうに述べた。これは明らかに放送法の精神に反していますね。
#158
○参考人(籾井勝人君) その問題につきましては、昨年の国会で、国会審議の中で正式に取り消しております。
#159
○小川敏夫君 でも、あなた自身がそういう考えだから出たんでしょう。あなた自身がそういうふうに思っていたことを発言したことでしょう。
#160
○参考人(籾井勝人君) そういうことは別としまして、私は国会審議の場でその発言を正式に取り消しております。(発言する者あり)
#161
○委員長(岸宏一君) 籾井参考人。
#162
○参考人(籾井勝人君) 別としてという言葉は、申し訳ございませんが、取り消させていただきます。(発言する者あり)
#163
○委員長(岸宏一君) じゃ、もう一回。じゃ、籾井参考人、別としてということを取り消した上、もう一回答弁してください。
#164
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 御質問いただいた就任会見での私の発言は、国会審議の場で取り消させていただきました。また、国会という公の場で再び私の個人的見解に触れることは不適当だと考えるため、差し控えさせていただきたいと思います。
#165
○小川敏夫君 会長、今大変なことを言いましたね。個人的見解だということですね、あの述べたことは。
 すなわち、あなたは、政府が右と言うことを左と言うわけにもいかないということを、あなた、個人的見解として持っているということですね。今お話ししましたね。
#166
○参考人(籾井勝人君) 申しましたように、それは個人的見解で、それが不適当なので、こういう場でお話しするのは不適当なので、取消しをさせていただきました。
#167
○小川敏夫君 そういう個人的見解を持っていることが不適格ですよ。そういうふうに思いませんか。(発言する者あり)
#168
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に願います。静粛に。
#169
○参考人(籾井勝人君) 私の個人的見解として申し上げましたが、それは不適当だということで正式に取り消しております。
#170
○小川敏夫君 出た言葉を取り消しても、あなた自身が持っていることが問題なんですよ。そう思いませんか。
#171
○参考人(籾井勝人君) 我々の仕事は、NHK国際番組基準というものがございますが、内外のニュースを迅速かつ客観的に報道するとともに、我が国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解並びに我が国の世論の動向を正しく伝えるとしております。我々は、放送法やこういう国際番組基準にのっとって事実をしっかりとお伝えしていくということでございます。こういうものが客観的基準であろうと私は理解しております。(発言する者あり)
#172
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#173
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 籾井参考人、どうぞ。
#174
○参考人(籾井勝人君) ただいま申しましたようなことで放送を行っておりますが、私がどういう考えを持とうが、私は、放送法と、国際放送につきましては国際番組基準にのっとって事実をしっかりとお伝えしていくことでございますから、私の個人的見解を放送に反映させることは絶対ありませんし、やっておりませんし、今後もやりません。
#175
○小川敏夫君 そういう見解を持っている方はふさわしくありませんよ。政府が右と言うことを左と言うわけにもいかないと。言葉を入れ替えますと、総理が景気がいいと言っているんだから悪いとは言えないと、こういうことになるじゃないですか。どうですか。
#176
○参考人(籾井勝人君) 何度も申し上げておりますけれども、私の個人的見解は別として、客観的に報道すると、我が国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解並びに我が国の世論の動向を正しく伝えるということでございます。私の個人的な意見を放送に反映させることはございませんし、今までもやったことはございません。
#177
○小川敏夫君 先ほどの資料ですが、アベノミクスで景気の上向きを実感したか。六七%ぐらいの人が実感していない、実感している人は一三%。これ、街角でインタビューすれば、五人のうち四人は実感していない、五人のうち一人だけが実感しているというんですよ。
 このときの平等な報道というのはどうですか。自然と多い方は多い方、自然に四人と一人ぐらいの、そういう形を表すのが正しい報道じゃないですか。それとも、見解を一人と一人にすることが平等ですか。どちらが平等ですか。
#178
○参考人(籾井勝人君) 我々は、客観的事実に基づきその事実を伝えております。要するに、報道の内容として、そういうふうな数字に基づいてこっちに重きを置くとか置かぬとかいうことはやっておりませんで、これは視聴者の判断に、判断は視聴者にお任せしているということでございます。ただ、そういうふうな調査の結果は、我々は客観的にお伝えを申し上げております。
#179
○小川敏夫君 ですから、こういうアンケートの傾向からすれば、街角でインタビューすれば、アベノミクスで景気良くなっていませんという方が十人中六、七人、良くなったという方が十人中一人。そうした傾向をそのまま報道するのが正しい報道じゃないですかと聞いているわけで、それとも、片方は七人、片方は一人しかいないものを一人一人と並べるのが公平なんですか。どちらですか。
#180
○参考人(籾井勝人君) 何度も申しておりますけれども、我々は、国内番組基準におきまして、政治上の諸問題については公正に取り扱っております。意見が対立している公共の問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにして公平に取り扱うようにというふうに定めて実行しております。(発言する者あり)
#181
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#182
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 籾井参考人。
#183
○参考人(籾井勝人君) おっしゃっていることを理解しないわけではないんですが、やはりその辺は我々の編集に立ち入った話になってきますので、これは我々としては、我々の編集権の中で判断して公平公正に報道をさせていただいていると、そして判断は視聴者の皆様にお任せすると、こういう姿勢でやっております。
#184
○小川敏夫君 安倍総理は、TBSでしたかね、街角でインタビューして、景気はどうですかということについて、何か悪いと言っている人の方が多いから問題じゃないかと、平等に、同じような数で報道しろと、このような趣旨のクレームを付けたんじゃないですか。
#185
○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えする前に、先ほど旅行者の収支において日本に入ってくる方々が消費する旅行者消費支出について一兆円から三兆円と申し上げたんですが、一兆円から二兆円の間違いでございましたので、訂正させていただきます。
 同時に、海外投資比率について数字を、今正確な数字が申し上げることができるので申し上げますと、二〇〇九年の七月―九月期、これが民主党政権に替わる前でございますが、この段階では投資比率が一二・八%でありました。そして、二〇一二年の民主党政権の最後でございますが、十―十二、これは二四・一%でございますので、約倍に増えている、大体私が申し上げたとおりでございます。
 その上で質問に……(発言する者あり)いやいや、今の質問もちょっとお答えさせていただきますが、TBSに出たときに、TBSに出たときは、これは選挙の寸前でございましたので、私どもとしては、言わば景気の状況については冷静な、あるいはマクロ的な分析も大切だろうと、こう考えていたわけでございますが、そこで街角の声について、私どもとしては、これはもう少しいい声があってもいいと思いますよと、こう申し上げたわけでございますが、ただこれは、テレビに出てまさに私が申し上げているわけでございます。私が言ったことに対しましてはキャスターも反論もできますし、それはそういう場であったわけでございます。
 つまり、これは決してそこで圧力を、まさに国民の皆様に放送されている場で圧力を掛けるなんということはまず普通あり得ないわけでございまして、まさにこれは、正しい、公正な、公正公平にやっていただきたいという私の考え方の下に私の考え方を述べたわけでございます。
#186
○小川敏夫君 まず、企業の海外移転ですが、民主党政権になる直近の数字だけを比較しました。民主党政権の直近は、リーマン・ショックで非常に落ち込んでいるときですよ。ですから、その都合のいいところの数字じゃなくて、もっと平成に入ってからずっと長いトレンドで示してください。
 そして、街角でインタビューすれば、当然景気が良くなっていないというふうに答える人が多いんですよ。その自然な姿を報道するのがまさに不偏不党な、公平な報道だと思いますよ。しかし、それを一対一で報道しろ、NHK会長全く同じですね。やっぱり安倍さんのお気に入りだから、安倍さんのお考えが通用するような人をNHK会長に選んだんですか。
#187
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、一対一でなんということは一切申し上げておりません。
 言わば、例えばこの景気回復の実感にもいろんな実感の仕方があるわけであります。もちろん株という方もおられるでしょう。しかし、実際に給料が上がった方々もたくさんおられるのも事実でございますし、仕事が増えた方もいるでしょうし、あるいは就職が良くなった、様々な取上げ方という問題もあるんだろうと、こう思ったわけでございますが、いずれにいたしましても、そこはまさに対等に討論のできる場において私は私の考え方を述べたところでございまして、そうしたことも踏まえまして選挙の結果になったのかなと、こんなように思っているところでございます。
#188
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど委員から御説明があった会長の任免については、これは放送法でございますので、私から答えさせていただきます。
 御承知かと思いますが、日本放送協会の会長の任免権は経営委員にございます、経営委員会にございます。特に、任命のときには十二名の経営委員のうち九名以上が賛成しなきゃなりません。会長が選ばれたのは昨年でございますけれども、当時の経営委員、私の把握している限り、四名は民主党政権の総理のときに任命された経営委員でございますので、仮に四名がもし反対をされた場合には籾井会長は選ばれておりません。全会一致で選ばれております。法に基づいて選任されたということを申し上げます。
 総理のお気に入りだから選ばれたと、そういうことはあり得ませんし、そういう関与をなくすための放送法でございます。様々な団体があって、例えば内閣総理大臣任命という人事もありますよ、団体のトップについて。それでも、日本放送協会については内閣総理大臣任命ではございません。しかも、経営委員というのは国会の先生方の御承認をいただいた上で内閣総理大臣が任命すると。籾井会長が選ばれたときの経営委員のうち四名は、少なくとも民主党政権のときからの任期です。委員長もそうでございます。経営委員長もそうでございます。
#189
○小川敏夫君 手続はそうであっても、そういう人選を推薦するのは政府の意向でしょう。
 そこで、話は変わります。
 NHK会長、あなたは、何か御自分のゴルフ、完全な私用なのに、ハイヤー代をNHKに払わせておったそうですね。どうなんですか。
#190
○参考人(籾井勝人君) 事実だけ御報告します。
 一月二日にプライベートでゴルフに行く予定がございました。去年の暮れに秘書に対して、公用車ではなくハイヤーの配車を依頼して、代金は自分で払うことを伝えておりました。私のところに代金の請求があり、金額が分かった時点で全額を支払いました。これがフルストーリーでございます。
#191
○小川敏夫君 フルストーリーと言う割には欠けていますね。
 まず、いつ請求があって、いつ払ったんですか。それから、その前に、NHKの方に請求が行った事実はあるんですか。NHKが払った事実があるんですか。そういうことも全部述べてフルストーリーと言ってください。
#192
○参考人(籾井勝人君) 私は本当に……(発言する者あり)
#193
○委員長(岸宏一君) 傍聴議員に申し上げます。質疑の妨げになりますから、ちょっと御静粛にお願いします。
#194
○参考人(籾井勝人君) 本当に実務の詳細は承知しておりません。本当にどういうふうな処理がされているということは承知しておりません。
 しかしながら、今のは、やはり車というのは、オーダーして乗って、あとお金を払うという、これだけでございますから、最初に言いましたように完全なプライベートゴルフでしたから、私は、公用車じゃなくてハイヤーを頼んで自分で払いますと、こう申し上げているわけです。そして、後刻請求が来て、直ちに私は全額自分で払いましたと、これだけのことなんですよ。
 あと、いつ請求来てどうだこうだという話もあるかもしれませんが、それが大変に重要な話かどうかは僕は分かりません。質問もされておりませんので、そう申し上げました。
#195
○小川敏夫君 報道によりますと、監査委員会の調査が始まった後にあなたは払ったということですが、その事実はどうですか。
#196
○参考人(籾井勝人君) その監査人、監査委員が調査を始めたとかいうことよりも、こういうものは請求書が来てお支払いするものです。金額も分からないのに払えないんでございます。したがって、金額が分かって請求が来た時点で私は払わせていただきました。それだけです。(発言する者あり)
#197
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#198
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 籾井参考人。
#199
○参考人(籾井勝人君) 時系列に行きますと、私がお支払いしたのは三月九日でございます。これは請求書が来て金額が分かった日に即払いました。それ以前は金額も分かっておりませんでしたし、請求も来ておりませんでした。
 監査委員の調査がいつ始まったかについては、これは私はちょっと答えを控えさせていただきます。監査委員は、ガバナンス上、会長とは全然別の世帯でございますから、私が申し上げる立場にはないんでございます。御理解いただきたいと思います。
#200
○小川敏夫君 重ねて質問しますが、一旦NHKが払ったという事実はないんですか。
#201
○参考人(籾井勝人君) 今監査役が調査中でございます。その結果を見ていただきたいと思います。(発言する者あり)
#202
○委員長(岸宏一君) じゃ、質問を続けてください。
#203
○小川敏夫君 あなたが知っているかどうかを聞いているんです。
#204
○参考人(籾井勝人君) この辺はちょっと御理解いただきたいんですが、やはり監査委員の調査というのは私の口から外には申せません。
 委員御承知のとおり、経営委員と我々は、やはりガバナンス上、分けられているんですよね。そして、なおかつさらに、監査委員は経営委員の中でも更に独立した委員でございます。そういう人が何をやっているかというのは、私は全く知らされておりません。
#205
○小川敏夫君 私が聞いているのは、NHKが払ったことがあるのかどうかと聞いているんです。
#206
○参考人(籾井勝人君) 私は、請求を受けて、その金額をお支払いいたしました。ただ、NHKが立て替えたかどうかという問題は、先ほども言いましたけれども、監査委員が今詳細を調べておりますから、それについては私の口から申し上げることというより、私は存じ上げません。本当に監査委員が何をしているかということは存じ上げないんです。それをよく御理解いただきたいと思いますが、私は、私のところに代金の請求があり、直ちに金額が分かって請求が来た時点、これはほぼ同時でございますが、全額をお支払い申し上げました。(発言する者あり)
#207
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#208
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。
 籾井参考人。
#209
○参考人(籾井勝人君) 私は、実際にそういう事務手続については全く承知しておりません。これはうそでも何でもないんです。同時に、今監査役がやっているということも申し上げましたし、それから私自身、こういうケースは初めてでございますので、後をどうやっているかということも実は存じ上げません。
#210
○小川敏夫君 では、あなたが支払った代金というのは誰にお支払いしたんですか、どなたにお支払いしたんですか。
#211
○参考人(籾井勝人君) 私の事務局であります秘書室に払いました。
#212
○小川敏夫君 だって、あなたが個人で利用したハイヤー代なら、あなた、ハイヤー代、ハイヤー会社があなた個人のところに請求来るんですよ。何でNHKのその職員に払うんですか。
#213
○参考人(籾井勝人君) 私は、総務の方からセキュリティーについてはきつく言われておりまして、今回はプライベートで車を使うということで、会社で日頃使っております会社にこのハイヤーを頼んだということでございます。そういうことで、おっしゃるとおり、委員おっしゃるとおり、本来は私個人に請求が来ていいんですが、そういうふうにNHKで使っておりますハイヤー会社を使ったものですから、そういうことの会社で使っている中の一部として私の分も入っていたわけでございます。そういう意味において……(発言する者あり)いや、そういう意味において秘書室経由、払いました。
#214
○小川敏夫君 ハイヤー会社からNHKに請求に来た中にあなたの個人の分が請求に入っていたって、あなた知っているじゃないですか。何をすっとぼけて今まで答えていたんですか、知らない知らないって。国会をばかにするのもいいかげんにしなさい。
#215
○参考人(籾井勝人君) 私は日頃ハイヤーを使うことはなく、セキュリティーなどのことを考えれば、先ほども言いましたように、いつもNHKで使っておる、安心して使える業者がふさわしいと思いました。したがって、そういうことになったということでございます。
#216
○小川敏夫君 NHK会長が本当に一国民としても恥ずかしいほどお粗末な人だということがよく分かりました。引き続き追及させていただきます。
 文部科学大臣、二月十三日、今年ですが、あなたは大臣室に、全国に、地方にある博友会の幹部を集めて全国博友会幹事会というものを開催しましたね。
#217
○国務大臣(下村博文君) 二月の十三日に文部科学大臣室に表敬に来られました。その時間、十五分ぐらいでありますが、その後、別の会場で懇親会がありました。
#218
○小川敏夫君 これは衆議院の予算委員会で提出された資料ですが、この表紙を入れて八枚の資料、これは大臣側で作成して出席者に配付したものですね。
#219
○国務大臣(下村博文君) 毎年、年に一度、二月の時期に全国の博友会の代表の方々に出席をしていただいて、そこで年間行事を決めていただき、その後、私の方で政治や教育の話をさせていただくというのが毎年恒例でございます。
 今回は、昨年の十二月に、写真週刊誌等で、地方で行っているこれは任意の後援会、博友会でありますが、そこであたかも政治資金を集めて、パーティーとして、そして裏献金のように私のところに出したかのような報道がありましたので、それを整理する意味で、全国の任意の博友会の方々から今後の対処の仕方についての相談がありましたので、何人かの幹部の方々と話し合って私の秘書が取りまとめたものでございまして、本来はそういうことで毎年これは年間スケジュールを決める会議を開いていますが、今回そういう形で整理をする形で、初めて事務所の方で秘書が皆さんの意見を聞いて、まとめて出したものでございます。
#220
○小川敏夫君 ですから、大臣のサイドで作成したということ。
 この七ページですが、年会費納入状況というのがある。各地域の博友会についても年会費納入状況というのがある。ここに記載してあるこの会費の納入はどのような形で納入されているんでしょうか。
#221
○国務大臣(下村博文君) これは、まず年会費と書いてありますが、きちっと届け出ているこれは寄附でございます。
 なぜ寄附かということについて御説明申し上げたいと思うんですが、資料の中に、例えば二〇一四年、東北博友会、この件数が十一件とありますが、ここの会員は三十二名でありまして、そのうち寄附をしていただいたのが十一名という意味であります。同じように、群馬博友会は三百九十名の方の中で寄附をいただいたのが九人ということでありまして、これは会員の一部の人のみが支払っているものでございます。そして、これは振り込み先及び領収書の名義、これは自民党東京十一選挙区支部でございまして、そのような形で領収書も出しております。そして、さらに別途、私も今回の件で承知したわけですが、東北博友会等、別途事務手続上の実費ということで会費を徴収しているというふうに聞いておりまして、これはそういう意味で寄附ということでございます。
 同じように、全国合同博友会パーティーとか清和研パーティー、これは私が所属している派閥グループでありますが、ここに書いてある数字は、いずれもそれぞれの後援会が直接ということでなく、後援会に所属していただいている方々が個々にそれぞれ御協力をしていただいたことでありまして、この年会費納入というのがそれの個々の御協力の寄附の件数、それから、パーティーやあるいは清和研パーティーというのも、同様にそれぞれの会に所属をしている方々が個々に協力していただいたその件数、それから参加者数でございます。
#222
○小川敏夫君 大臣、さらっとおっしゃいましたが、博友会の年会費ですよ、さらっとおっしゃいましたね、寄附で受けていると。地方の博友会の年会費をなぜあなたが代表するこの東京都第十一選挙区のこの支部で寄附として受け取るんですか。
#223
○国務大臣(下村博文君) まず、この博友会と書いてあるそこが東京都の選挙管理委員会に届け出ている政治資金団体でございます。それ以外の会は全部任意団体でありまして、その任意団体の中で、それぞれ個々に寄附を御協力をいただける方に、こういう形で政党支部から、これは全ての方々に対して、私の縁のある地方の方々含めたいろんな今まで接点があった方々に対して政党支部として寄附のお願いをしていただいております。その中で、個々のそれぞれの会の中で私に対して寄附をいただいたというその数でありまして、先ほど申し上げましたように、そういう意味で、具体的なそれぞれの任意博友会の会員については、それぞれの代表者の方々が私の事務所の方に、この方に案内を出してくれということで出しておりまして、そのうちの寄附を御協力いただいた。これは明らかに振り込み先、それから領収書名義、その中でまたきちっとさせていただいているということで、これは明らかでございます。
#224
○小川敏夫君 寄附なら年会費と書かれるわけがないんですよ。
 委員長、時間ですので、あと午後にさせていただきたいと思います。
#225
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#226
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十七年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
    ─────────────
#227
○委員長(岸宏一君) この際、安倍内閣総理大臣から答弁の訂正を求められておりますので、これを許します。安倍内閣総理大臣。
#228
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 午前中の羽田委員に対する答弁の中で、参議院における一票の格差は参議院が発足した段階では三倍を超えているという状況だったんだろうと申し上げましたが、厳密には、発足時点でいえば二・六二倍でありましたが、その後、間もなく三倍を超えた、三・二七倍、すなわち発足当初の頃から三倍程度の格差があったということでございますので、補足させていただきます。
    ─────────────
#229
○委員長(岸宏一君) 羽田雄一郎君の関連質疑を許します。小川敏夫君。
#230
○小川敏夫君 午前中に引き続いて、下村文科大臣に質問いたします。
 産経新聞の三月五日付けの記事なんですが、この取材によると、大阪ですね、近畿博友会の会長さんの話として、会費が年間十二万円、各自が下村氏が代表の政党支部に支払っていると、こういうふうに述べているというのですけれども、この事実関係についてはいかがですか。
#231
○国務大臣(下村博文君) まず、産経新聞の記事については、その大阪の代表の方が、事実に基づかない、正しい記事をきちっと書かなかったということで抗議文を出したというふうに聞いております。
 そして、先ほどの寄附の件で、今のように年会費ではないかというような御質問がありましたので、明確にこれは申し上げたいというふうに思うんですが、寄附であるということについてですね、それについては、今の御指摘の例えば近畿博友会も会員が二十六名おりまして、そのうち寄附をいただいた方が十二名でございます。先ほどから申し上げていますが、この振り込み先それから領収書、この名義は東京第十一選挙区支部でございます。そして、ほとんどのそれぞれの各地方の後援会は別途会費を徴収をしているということでございまして、こういう観点からも、いわゆる委員の言われた年会費というのは、これは寄附だということで申し上げたいと思います。
#232
○小川敏夫君 年会費と寄附が全く相入れないんですがね。
 ちょっとその前に、大阪の代表者のこの取材の発言が間違いだと、抗議しているということですが、どこの部分が間違いなんですか。
#233
○国務大臣(下村博文君) いや、詳細は把握しておりません。ただ、事実に基づかない記事を一方的に書かれたということで抗議文を出したというふうに聞いております。
#234
○小川敏夫君 会費は年間十二万円、政党支部に支払っている。私は調べましたよ、十一支部の収支報告書。そして、大臣の方で作成した資料、近畿博友会、二〇一二年八人、確かに二〇一二年、近畿地方の方八名が十二万円寄附していました。二〇一三年六名、確かに二〇一三年の収支報告書、五人の方、四人が十二万円、一人が二十四万円、すなわち六名分が寄附で入っていました。
 すなわち、会費が年間十二万円、各自が政党支部に支払っているという代表者のこの発言、それから大臣が作成したこの資料、年会費、近畿博友会、二〇一二年八人、二〇一三年六人、二〇一四年はまだ公開されていないんで調べようがありません、全くもって事実に合っているじゃないですか。すなわち、地方の博友会の年会費をあなたは総支部の寄附として受け入れて処理しているんですよ。おかしくありませんか。
#235
○国務大臣(下村博文君) まず、小川委員が今日配付された資料、この中で、年会費納入状況というのがあるじゃないかと、三年間ですね、このことでありますが、これは、このメモは、昨年末に写真週刊誌で地方の博友会が政治資金集めの団体であるとか、事実無根の記事が掲載されたこと、その後も週刊誌の取材などが地方の博友会の幹部たちにあったことから、地方の博友会の現状を一部の幹部からお聞きし、聞いた結果を踏まえて事務所の方で取りまとめたものでございます。
 地方の博友会の方々から事情を聞き取る中で、寄附を御指摘のように年会費と呼んでいる人が多かったことから皆さんに分かりやすい呼称である年会費という用語を使ったようでありますが、しかし、年会費という呼称であってもこれは寄附にほかならないということは先ほど再三御説明しているとおりでありまして、つまり、会員の一部のみが実際は支払っているものであって、この近畿博友会でも六人とか十二人しか会員がいないということは、これはあり得ないことでございます。
 また、振り込み先や領収書の名義は、これは東京十一自民党選挙区支部であるということはもう領収書でも明確にあるわけでございまして、もちろん東京十一選挙区支部から寄附のお願いを地方の方々にしているわけであります。そういう状況から明らかであると思います。
#236
○小川敏夫君 地方の方々の認識が寄附か年会費かという大臣のお話でしたけれども、これ、大臣の方で作成した資料ですよ。大臣が受け取っているものを年会費として記載しているんじゃないですか。大臣側の認識が表れているんじゃないですか。そうじゃないですか。
#237
○国務大臣(下村博文君) それは、先ほど答弁をしたように、これは寄附でございますが、地方の博友会の方たち等、事情をうちの秘書が聞き取る中で、この寄附を年会費と呼んでいる方々が多かったということから皆さんに分かりやすい呼称である年会費という用語を使ったということでありますが、事実関係としては、これはきちっと寄附として処理をされているということは説明申し上げたとおりでございます。
#238
○小川敏夫君 この配付資料の一ページ、全国博友会後援会の御協力内容、下村大臣側から地方の博友会に協力する内容が書いてあるわけですよ。そこに年会費と書いてあるじゃないですか。大臣の側から年会費をお願いしているんでしょう。そのことを如実に示している資料じゃないですか。どうですか。
#239
○国務大臣(下村博文君) 今御指摘の資料は、元々はカラー版でありますが、これは、全国博友会後援会の御協力御案内、このピンクのところが各地で開催される講演会、これは、それぞれの任意博友会に対して年に一回講演会をしていただきたいと、これはそれぞれの博友会に対するお願いであります。下に書いてあるのは、個々の所属している会員に対するお願いです。ですから、年会費と書いてあったり博友会セミナーと書いてあったり、清和政策研究会パーティーとありますが、これは、それぞれの任意の博友会が協力していただいているわけじゃなくて、それぞれの会員が随意に、協力していただける方は協力していただいた。ただ、この中のこの年会費というのは、これは寄附ということでございます。
#240
○小川敏夫君 大臣の話は全く、さらっと言っているけど、全く根本的に矛盾していますよ。
 大臣の管轄とは全く関係ない各地の方が任意につくった団体の年会費、その年会費が何で大臣の政党支部の寄附金になるんですか。しっかりと説明してください。
#241
○国務大臣(下村博文君) 二つ申し上げたいと思うんですが、一つは、それぞれの任意の博友会全ての後援会でないということを私も今回知りましたが、別途に事務経費として年会費を取っている任意の博友会もございます。それ以外についてはこれは寄附でございまして、先ほど申し上げましたように、それぞれの任意の博友会に所属されている方々にも含めて、私の方で今まで縁があった方々、地方の選挙区以外の方々にも年に一度、寄附のお願いというのを自民党十一選挙区支部から出させていただいております。その中で個々の判断で政党支部に寄附をしていただいているということでございますので、何ら矛盾していることを申し上げているということはないと思います。
#242
○小川敏夫君 つまり、全然別の団体の年会費、寄附を全然別の団体の年会費として処理することは全くおかしいと思うんですがね。それを全然おかしくないと言い張っているだけなんです。
 今大臣のお話の中で、任意の団体だから、任意の団体だからって、政治団体はみんな任意ですよ。強制的につくる政治団体なんかないですよ。任意の団体、当たり前じゃないですか。当たり前のことを述べて何か意味があるようなことを言っているけれども、何の意味もないですよ、任意の団体というのは。
 ところで大臣、この博友会に関して、この資料にあるように、まず二月に集まってそれで全体のスケジュールを決めたわけですね。それから、大臣は、全員に対して寄附のお願いの通知をしている。そういう事実があるかないかは分かりませんけれどもね、一応そういうふうにおっしゃっている。つまり、各博友会の会員のリストをしっかりと保有しているわけです。それから、各博友会に払われた年会費を寄附として受けている。
 にもかかわらず、あなたは、地方の博友会は自分は全く関係ない、任意の団体で全くタッチしていないと言うけれども、実態は違うじゃないですか。あなたの博友会のまさに集金機構となるような、そういう下部組織が実態じゃないですか。そうとしか考えられないですよ。どうですか。
#243
○国務大臣(下村博文君) それは事実誤認です。まず、その任意ということについて申し上げたいと思うんですが、この東京にある……(発言する者あり)いや、東京にある博友会は、これは選挙管理委員会へ届け出ている政治資金団体です。ここは博友会として政治資金団体であるということで申し上げているんです。それ以外の地方の博友会は政治資金団体として届けておりません。これは任意の博友会。そういうことで御説明を申し上げております。
 それから、会費が自動的に寄附ではないかという御指摘がありましたが、そうではなくて、先ほど申し上げましたように、実際は会員がもっとたくさんおります。もう一度ちょっと申し上げたいと思うんですが、例えば東北博友会は、実際のいわゆるここに書いてある年会費納入状況ですね、実際これは寄附なわけですけれども、十一件と書いてありますけれども、会員は三十二人います。それから、群馬博友会は三百九十二人の会員のうち寄附をしていただいたのが九人という、そういう意味の数字です。それから、中部博友会は二十九人の会員がいて寄附いただいたのが十一人であります。それから、近畿博友会は先ほど申し上げましたように二十六人の会員のうち十二人が寄附をしていただいた、同じように中四国博友会は三十二人の会員のうち十九人、それから九州沖縄博友会は二十四人のうち十四人が寄附をしていただいたということで、これは会費ということでは全くありません。
 繰り返すようですけれども、そのための寄附をこれは政党支部としていただいたわけですから、それぞれの方々に対して、政党支部としての寄附の領収書等も出させていただいております。これ以外に、それぞれの地方の博友会で会費を徴収されているところもあるということを申し上げているわけであります。
#244
○小川敏夫君 これだけはっきり年会費を寄附として受けている、全くこの政治資金の透明化に反する違法な献金だと思いますがね。しかし、押し問答してもしようがありませんから。
 委員長、今大臣がお話しした各博友会のこの会員の状況、年会費の支払状況、大臣が寄附だと言っているものとは別の年会費の支払状況、こうしたものを資料を提出するように求めます。よろしくお願いいたします。
#245
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において検討いたします。
#246
○小川敏夫君 大臣、任意という言葉は、反対語は強制ですよ。資金管理団体かどうかと。資金管理団体はみんな一つしか持てないんですから。
 じゃ、資金管理団体が一つしか持てないからほかの団体は資金管理団体に登録できない、だから博友会という資金管理団体の下部組織と、そういう位置付けになると、こういう道筋になると思うんですがね。どうですか、大臣。
#247
○国務大臣(下村博文君) 資金管理団体それから政治団体もあると思うんですね。これは届出をすれば認められるわけでございます。
 地方の博友会がなぜ政治団体等に届出をしていなかったのかということについては、これは年に一度私が行くだけの元々会でありまして、昔から私、学習塾をやっておりまして、教育関係の方々が、国会議員になったということもあるから年に一度ぐらいは顔を出せということで、政治の話とか教育の話ということを是非したらどうかというところから接点として始まったことでありまして、元々二十人前後の方々が、つまり全く私の知り合いの方々が集まってやっていただいたというのが経緯でございます。
 ですから、年に一度程度ですし、元々その地方にある博友会が私に対して直接政治資金を出してもらうとか、それから講演料を出してもらうとか、そういう関係ではありませんでしたから、今までは任意という程度でよかったのではないかというような話がありました。
 ただ、今回のようなことが報道されて誤解されるということは申し訳ないということで、先ほど申し上げましたように、二月の十三日に集まっていただいて、地方の博友会の方々からもいろんな意見がありましたから、それを私の方の秘書官が取りまとめて、そして今後の後援会の在り方について検討をしてもらうと、その資料として出させていただいたものであります。
#248
○小川敏夫君 大臣、本当に言葉のごまかしが多いですね。
 年に一回挨拶に行くだけだと。違うでしょう、年に一回お金を集めて講演会を開いているわけでしょう。そのお金を集めて講演会を開く、まさに政治資金パーティーですよ、あるいはそれに類するもの。だからこそ、政治団体あるいはそういう政治活動に伴うお金の資金の流れを透明化しなくちゃいけない、政治団体として収支を報告する義務があるんですよ。まさにそういう資金集めの講演会をやっている、にもかかわらず収支が公開されない、全く不明だ。だから問題視しているんじゃないですか。
#249
○国務大臣(下村博文君) これは政治資金集めパーティーではありません。
 東京では、博友会という会で年に一度政治資金集めパーティーをしていただいていますが、地方において、ホテル等でやっていますが、それはまさに会費、そのパーティーのですね、パーティーの会費として徴収されていますが、それはいわゆる一般的に言う政治資金パーティーのように、来ない人からもパー券を買ってもらうとか、あるいは一人から何枚も買ってもらうとかいうことではなくて、そこから利益が出るということはほとんどないというふうに聞いておりますし、少なくとも、その会から私の方に直接、政治資金として裏でも表でもいただいたということは全くありません。
#250
○小川敏夫君 収支が赤字だったら政治資金パーティーじゃないのか、そんなことはないでしょう。総務大臣、どうですか。
#251
○国務大臣(高市早苗君) 政治資金パーティーでございますが、政治資金規正法第八条の二なんですが、これは、対価を徴収して行われる催物で、対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を、例えば政治活動を含むなどに関して支出されることとされているものをいいます。
 ですから、残った残高を政治活動に対して支出されるもの、これが政治資金パーティーでございます。
#252
○小川敏夫君 だから、下村大臣、そういうことがオープンにならないと分からないから聞いているわけですよ。
 時間が来ましたので、様々な質問、あるいは今日、答弁のためにお越しいただいた方にも質問できませんでしたが、申し訳ありませんが、また機会を改めてしっかりと質問させていただきます。また、下村大臣のこの件は明らかに違法な処理でありますので、引き続き追及をさせていただきます。
#253
○委員長(岸宏一君) 以上で羽田雄一郎君及び小川敏夫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#254
○委員長(岸宏一君) 次に、蓮舫さんの質疑を行います。蓮舫さん。
#255
○蓮舫君 民主党の蓮舫です。
 総理、今日はまず大きな話から議論をさせていただきたい。総理の御認識をまずお伺いをさせていただきたいんですが、今の日本が直面する避けては通れない大きな政治課題は、総理は何だとお考えでしょうか。
#256
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは様々な政治課題があるわけでございますが、一つ大きなものとしましては、まさに少子高齢化が進んでいく中において人口も減少していくということでございます。そうなりますと、支え手である人口が減少していく、現在の社会保障の基盤がこれは揺らぎかねないという大きな課題があるということではないかと思います。
#257
○蓮舫君 人口の減少、まさにそのとおりだと思います。少子高齢化、もうそれ以上に日本は労働生産人口も減る人口減少時代に入りました。このまま出生率が変わらないと、今、年間二十四万人、二〇二〇年、五年後には毎年六十万人、二〇四〇年には百万人の人口が減少します。百万人というと、和歌山県とか香川県一県の人口が二十五年後、近未来です、すぐ将来にその人口が減っていく試算があるんですが、このことに対しての総理の問題認識、どうやって克服していくのか、考えをお知らせください。
#258
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本の総人口は二〇〇八年をピークとして減少傾向が続いているわけであります。また、将来推計によれば、このまま推移すれば、総人口の減少が続くとともに六十五歳以上人口の割合が上昇し、二〇六〇年には六十五歳以上の割合は約四割に達すると推計をされているところでありまして、人口の減少は日本経済の規模の減少を招き、特に地方では地域社会の維持に影響が生じると考えられるわけであります。このため、人口減少への対応は待ったなしの課題であると考えておりまして、結婚しやすく、子育てしやすい環境を実現するための改革、変革を推進していくことが必要であると考えています。
 具体的には、来年度から子ども・子育て支援新制度を予定計画どおり実施をし、待機児童の解消に向けた量の拡充や、保育士の配置や処遇の改善等の質の改善も行っていきます。同時に、男女とも働きながら子育てしやすい社会を目指し、育児休業制度の充実を図るとともに、年次有給休暇の取得促進や長時間労働の抑制等に取り組んでいきます。
 また、ワンストップで継続的に相談できる窓口の整備や医療の確保など、結婚、妊娠、出産、子育てに関する切れ目のない支援を行っていく考えでありまして、日本全体の人口減少に結び付いている東京一極集中を是正をし、若い世代が安心して子育てができる地方の創生を推進していく考えであります。
 意識調査によりますと、現在の出生率に比べて、結婚して可能であれば子供を持ちたいという数値の方がこれは相当大きくなっているわけでありますし、また、できれば東京から地方に移りたいという方も四割いるわけでありますので、そうした自分たちの希望がかなえられる状況をつくっていくことによってこうした傾向を止めていきたいと、このように考えております。
#259
○蓮舫君 ありがとうございます。
 総理がおっしゃるとおり、この人口減少がどれぐらい深刻なのか、ちょっと数値で確認をさせていただきたいんですが、これは甘利大臣でしょうか。現状の出生率が回復しない場合、長期的人口の推移、将来推計はどうなりますか。
#260
○国務大臣(甘利明君) 国立社会保障・人口問題研究所では、五年ごとに公表する日本の将来推計人口におきまして、将来の出生及び死亡、それぞれについて中位、高位、低位の仮定を置いて複数の推計を行っております。
 御質問の中位推計でいいますと、つまり出生が中位、死亡も中位の真ん中の推計でありますけれども、直近の推計、平成二十四年の一月でありますが、総人口につきましては、二〇一〇年に一億二千八百六万人から二〇三〇年に一億一千六百六十二万人、二〇四八年には一億人を割りまして九千九百十三万人、二〇六〇年には八千六百七十四万人まで減少が見込まれるものとなっております。
 これでいいですか、高齢化率も言いますか。いいですか。
#261
○蓮舫君 ありがとうございます。
 こちらを御覧いただきたいんですが、(資料提示)このままの出生率だと、今年生まれた赤ちゃんが三十五歳になるとき、二〇五〇年に国内六割もの地域で今の人口が半分になります。そのうち三分の一は無人になる。つまり、地域が消滅をする。
 様々な要因があります。地方に仕事がない、東京に出てこざるを得ない。今生まれる赤ちゃんの九割のお母さんが二十から三十九歳ですから、この年齢の女性が東京に出てしまうとその地域では子供は増えません。あるいは、東京は元々出生率が低いですから、女性が増えてもそこがまた出生率が生まれないという負の連鎖があります。
 この部分をどういうふうに改善していこうか、これはまさに国家が今直面して向き合わなければいけない問題だと思うんですが、安倍内閣ではこれはどうやって改善していこうと考えておられますか。
#262
○国務大臣(石破茂君) それはいろんな要因が実はあるんだろうと思います。全国にあまたある市町村でそれぞれ原因は違う。それはもう大きな流れは言えますでしょう。地方において所得が高くないという状況、あるいは、求人はあってもかつての公共事業とかあるいは製造業のような高い所得が望めないという状況等々、地方ではそういうことがあるんだろうと思います。結婚したくてもできるような状況がない、あるいはお子さんを産めるような状況にないということがあると存じます。また、東京におきましては、待機児童の数等々、あるいは通勤時間が長い、家が狭い等々、いろんな原因があると思います。
 ただ、それを各市町村別にきちんと分析をして、それぞれにふさわしいような対策というのを考えるというのが重要であると考えております。
#263
○蓮舫君 人口が減少、つまり人口を増やすしかないんですね。これはもちろん強制はできません。御自身の判断で産むという選択の背中を支えてあげる、これをとにかく政府はやるしかないと私は思います。
 甘利大臣、経済財政諮問会議の調査、「選択する未来」委員会が政府に報告しているんですが、このGDP成長率と人口あるいは生産性の関係、どういうふうになるんでしょうか。
#264
○国務大臣(甘利明君) 御指摘の経済成長率の将来推計、これ「選択する未来」委員会の下で開催をされた成長・発展ワーキング・グループにおきまして、今後半世紀程度の長期を展望した場合に、人口動態、生産性の動向の違いが経済成長等に与える影響、これは具体的には、人口につきまして、一億人程度で安定化するケースと減少が続き五十年後に八千五百万人程度まで減少するケースの二つのシナリオを想定をしまして、それぞれについて、改革によって生産性が向上するケースと停滞するケースの二つのシナリオを想定をしております。これら合計四つのシナリオにつきまして経済成長等への影響を示していますけれども、このままで人口急減を放置をして生産性も停滞した状態が続いた場合には、経済成長率は徐々に低下をして二〇四〇年代以降はマイナス成長に陥ると指摘しています。
 これに対して、人口規模を一億人程度まで安定化をさせて生産性を世界トップレベルの水準に引き上げることなどができるとすれば、人口が減少し生産性が停滞した場合に比べて長期的には二%ポイント以上経済成長率を押し上げ、一・五パーから二パー程度の成長を実現することができるということが示されております。
#265
○蓮舫君 午前中、アベノミクスについていろんな議論がありました。私は、国家のために政府の経済政策はうまくいっていただきたいと思います。ただ、今、甘利大臣からも御説明がありましたが、人口の減少というのは、働く人も消費者も減る、税・社会保障負担者も減る。どんなにイノベーションを実現しても、それは経済成長と同時に人口の安定化策を講じないと、経済成長はこれはやはり爆発的に起こり得ないんですね。あるいは、同時に社会保障の不安定性にも直結をいたします。
 政府のまち・ひと・しごと長期ビジョンでは、二〇三〇年から四〇年に出生率を二・〇七まで回復する、そうすると長期的に一億の人口で維持をする。ただ、一億で維持したとしても、労働生産人口はどういうふうに見ていますか。
#266
○国務大臣(甘利明君) 二〇六〇年には、そのままいきますと、現状で労働力人口、これは就業者にプラス失業者を足したものですね、労働力人口、総人口は現状の六千五百七十七万人から二〇六〇年には三千七百九十五万人に減るということになります。
#267
○蓮舫君 資料を御覧いただきたいと思うんですが、真ん中のグラフ、今のままの出生率の場合には激しく労働力人口が減ります。今より千七百八十五万人減。ただ、出生率が政府が推計するように回復した場合には、その労働力人口は千五十五万人減るにとどまる。それでも大した数が減るんですが、この青の横ラインの部分は政府の前提です。三十歳から四十九歳の女性がスウェーデン並み、つまり、その世代の女性九割が働いて、今の六十歳以上の男女全員が五年以上長く働くという前提なんですね。非常にハードルが高いと思うんですが、この実現可能性はどうなんでしょうか。
#268
○国務大臣(甘利明君) 現状を放置するとどういうことになるかというのは申し上げました。それに約一千万人程度足していくには、委員御指摘のとおり、スウェーデン並みに女性の労働社会参加率九割、それから高齢者が今よりも五歳年齢働くという前提が必要になります。
 労働生産性は、これに加えて、世界最高水準の労働生産性を確保した場合に、先ほど申し上げたように、その数値の下で一・五パーから二パーの間ぐらいの成長が確保できると。ですから、かなりハードルが高いことは事実であります。
#269
○蓮舫君 相当ハードルが高いんです。
 冒頭、総理がおっしゃったように、もしカップルが希望する子供の数を得ることができる、あるいは若い人たちが結婚することができるという前提を全てクリアした上で、そしてかなり厳しい条件を課した上で、初めて政府の経済財政諮問会議の推計のかなり安定する一億人で人口が推移するという目標に到達するんです。私たちもこれは理想だと思っています。そして、ここを目指さなければいけないと思っています。
 ただ、二〇〇三年の一・二九ショックと言われる低出生率が一・四一、〇・一ポイントアップするのに十年間掛かっているんです。十年ですよ、〇・一ポイント上がるのに。二〇四〇年に〇・七ポイント上昇するというのは、これは本当に実現可能性があるとお考えでしょうか。
#270
○国務大臣(甘利明君) 諮問会議の下の「選択する未来」委員会と、それから石破大臣の下での試算とでは若干の年数のずれがありますから、それは人口推計で多分五百万人ぐらいのずれに変わってきていると思うんですが、いずれにしても一億人を上回るということであります。
 これは、二〇二〇年までに政策をしっかりメニューを全部並べて実行できるようにして、それから二・〇七に、二〇三〇年に事実として移っていくということが前提になります。この事実として移っていく前提は、現状の中で結婚願望の人がその思いを果たせることができると、そして、結婚したら何人子供を持ちたいかというその思いも、理想的にはこのくらいですと、二・の幾つかだったですけれども、その両方を掛け合わせて、思っている思いを実現できる環境が整えばそうなるということであります。
 でありますから、その結婚したいという人が結婚できるような経済的環境等々を整える、そして、結婚した人が思い描いている子供の数が実現できるような環境整備をすると、それが前提になります。
#271
○蓮舫君 そのとおりだと思います。とにかく、今は結婚もできない環境に置かれている若者もおりますから、その方たちにどうやって出会いと結婚、あるいはそのための収入を確保するか。そして、産むときに仕事か子供か選択しないで済むような、そういう社会をどうやってつくっていくか。あるいは、地方をどうやって創生して、その地方から若者が、カップルが、人が東京に出てこないようにするのか。私たちも提言をしました。とにかく人への投資だと、若者に、女性に、男性に、働き方に、カップルに、多様な価値観の家族像、いろいろな部分を総動員しなければ、本当に未来は暗いものになってしまうと思います。
 そこで、石破大臣に確認をしたいんですが、まち・ひと・しごと創生、この予算はそうした理想を実現するものにでき上がりましたか。
#272
○国務大臣(石破茂君) 可能な限りそこへ近づけたいと思ってまいりました。ただ、そのときに私どもが気を付けましたのは、今までの事業であったとしても、これにKPIというものを設定できているのか、あるいはそこにおいて検証を伴っているのかということもよく配意をしたつもりでございます。
 ですから、今回の二十七年度予算におきまして地方創生関係の予算を計上いたしております。その中で、新規のものもあれば継続のものもございます。継続のものにつきましては、全てKPIというものの設定というものを念頭に精査をしたものでございます。
#273
○蓮舫君 石破大臣、再度確認をさせていただきたいんですが、その上で大臣は国会で何度も、従来の取組の延長線上ではないと、次元の異なる大胆な政策なんだと声を大にしておっしゃっておられますけれども、次元が異なる事業の集合体でしょうか。
#274
○国務大臣(石破茂君) それは、今まで継続してきた事業を二十七年度なので一斉にやめということにはなりませんし、今までやってきたものが全く無意味なものかといえば、そのようなことはございません。国会において御審議をいただき、国会において議決をいただいた予算でございますから、そのようなものであるはずがございません。
 ただ、私どもとして、平成二十六年度予算、補正予算におきまして、昨年の末に成立をいたしました地方創生法に基づく全ての都道府県、全ての市町村に対しまして総合戦略の策定をお願いをいたしました。その状況というものを見ながら、これから先、更により良いものに仕上げていかねばならないと思っております。
#275
○蓮舫君 では、次元の異なる大胆な政策、確認なんですが、基本方針を持って地方創生関連の個別事業を精査されました。全体で七千二百二十五億、相当大きな塊です。その基本方針、五原則あると思いますが、どういうものでしょうか。
#276
○国務大臣(石破茂君) この五原則というのは、それが地方創生に資するものであるかどうかということであります。
 例えば、国からのお金が切れたらばもうそれでおしまいだということであれば、それは地方創生の名に値しないものだと思っております。国からのお金が切れても、もちろんイニシャルコストみたいなものは国が負担をする場合もございましょう、しかしながら、それがその後継続をしていくものなのかどうか、あるいはそれが将来的に続くものなのかどうか、あるいはそれが地方創生に名を借りた、風が吹けばおけ屋がもうかる的なものではなくて、本当に地方創生に資するものであるか等々、五原則というものに基づいてやらせていただいております。
#277
○蓮舫君 五原則というのは、従来の縦割りを排除する、全国一律の、渡していたものを見直しをする、ばらまきを見直す、表面的なものはやめる、モデル事業のような短期的成果を求める事業は見直しする、これ全部賛成をします。
 その結果組まれた地方創生事業なんですが、全て精査をしました。一個ずつの事業、全部を見ました。こちらの表なんですが、その結果、七千二百二十五億のうち八六%が前年度からの継続関連事業。果たしてKPIが全部あるとは私は思いません。
 これは、次元の異なる事業の集合体なんでしょうか。
#278
○国務大臣(石破茂君) それは、蓮舫委員が民主党政権の時代にそういうことに取り組んでこられて、その観点から御覧になったものだと思います。
 私ども、また委員の御教示をいただきながらもう一度精査をしたいと思いますが、この予算を組むに当たりましては、全ての事業についてKPIは設定をいたしました。そして、PDCAというものが動いているかどうかというものもきちんと組み込んでまいりました。ですので、これから先、まだ初年度でございますから、更に改善はしていかねばならないと思っております。
 ただ、これが従来のものと全く同じということであれば、それは、委員会で私が答弁をいたしましたことは、それは偽り、食言ということになりますので、そのような御指摘は受けることのないように執行してまいりたいと存じます。
#279
○蓮舫君 確認なんですけれども、優先枠も設けましたよね。これは、新しい日本のための優先課題推進枠、これこそ前年度の事業というよりも緊急性が高いものを優先して予算を組んだと理解しているんですが、この優先枠はどういう理由で組まれましたでしょうか。
#280
○国務大臣(石破茂君) それは、委員御指摘のように、今までいろいろな課題はありました。少子化にどう取り組むか、あるいは地方の産業の構造をどのように改革をしていくか。すなわち、今までのような、昭和四十年代型、五十年代型のような公共事業あるいは企業誘致、それによって地方の創生というのは、それだけでは極めて難しいと思っております。出生率の改善も、いろんなことが指摘をされましたが、これが、先ほど委員が御指摘になりましたいろんな要因がございます。
 そういうものを解決をするということが優先をしておるのでありまして、従来と同じような考え方には基づいておらないものでございます。
#281
○蓮舫君 信じたいと思います。
 従来の考え方で延長はしていないというんですが、優先枠千八百九十六億円のうち千四百億、七割も前年度と同じ事業です。どこが優先なのか、改めて私は点検をしました。別にこれは、我々が政権にいるときの点検の手法というよりも、自民党さんが元々無駄撲といって河野太郎さんたちがやっていることを私たちは学んだわけですから、その部分で行革の手法はそんなに変わらないんだと思っています。
 農水省にお伺いします。
 これは、優先枠で前年度からの事業がそのまま継続して要求されていますが、新規就農・経営継承総合支援事業、二百億の事業です。これはどういうものでしょうか。
#282
○国務大臣(林芳正君) 現在、基幹的に農業に従事する方が百六十八万人いらっしゃるんですが、六十五歳以上が六割、四十代以下が一割ということで大変アンバランスになっておりますので、やはりこの新規就農を内外から促進をしまして、世代間のバランスの取れた農業構造にしていくことが重要でございます。
 したがって、平成二十四年度から、原則四十五歳未満の方を対象に、就職に向けた研修を受けている就農希望者に対する給付金、それから、経営開始直後の青年就農者に対する給付金の給付、それからさらに、農業法人等に雇用される形での就農に対する支援等を総合的に実施しておりますのが、今御指摘のあった新規就農・経営継承総合支援事業でございます。
#283
○蓮舫君 農業従事者の平均年齢が六十七になりました。やっぱりこれは、若返りをしたい、若い人に農業に入っていただきたい、この政策の必要性は否定をいたしません。ただ、その方法がどうなのか。
 就農する四十五歳未満の青年に、実際に就農する二年前から就農してから五年まで毎年百五十万円を渡す、雇用した農業法人にも研修機会等で毎年百二十万円を渡す。私たちの政権の新仕分のときに、これは渡し切りの給付金でモラルハザードになる、所得に応じた給付金減額、就農の政策効果検証を行うという見直しになりました。
 ただ、この見直しを行う前に我々は下野をして、自民党政権が復権をされた。自民党政権は、ほぼ見直しをしないで同じ事業を継続しました。すると、自民党政権の中で行われた行革で、秋のレビューで再度問題が指摘をされています。どんな指摘されましたか。
#284
○国務大臣(林芳正君) 平成二十五年十一月に行われました行政改革推進会議の秋のレビューでございますが、この新規就農支援に関する事業については、この効果の測定基準を自立経営を実現した新規就農者数、これに見直すということになっております。それから、対象者について新規参入者、それから農業法人の雇用補助に重点化する、所得に応じた補助金額の変動化をする、事業の五年後の終了の明確化、こういう指摘を受けておるところでございます。
#285
○蓮舫君 資料を御覧いただきたいんですが、最大七年間、毎年百五十万円ずつお渡しをする、それで就農を促進するというんですが、今、林大臣が御答弁いただいたように、自民党政権の行革でも我々の仕分のときと同じモラルハザードという指摘、参入のインセンティブにもなっていない、これよりも農業の競争性を高める、さらに五年程度の暫定措置にすべきだと、事業効果への疑問が指摘されています。
 就農目標人数は、これは二十四年から二十五年、三千人も低くなっている。この給付金をもらって就農したけれども既にやめた人の三、四割が、何でやめたかと聞くと、経営の継続困難、つまりお金をもらっても続けられない、生活できない。これ非常に率直な声だと思うんですが、この事業は、林農水大臣、地方創生ですか。
#286
○国務大臣(林芳正君) 先ほど申し上げましたように、このバランスが非常に悪いので新規就農を促進しようということでやっておりますが、農業に就農される方というのは基本的にはいわゆる地方での職ということになりますので、よってもって地方創生には資するものと考えております。
#287
○蓮舫君 石破大臣、この事業は行革の指摘を二年続けて受けて、五年でやめるという事業なんです。しかも、効果が余り出ないとまで外部に指摘をされている、しかも目標は大きく下回っている、お金はモラルハザードになる、インセンティブにならないと言われて、あと二年で終わる事業なんです。これは全国一律の形態だし、あるいは国からの金がなくなったら、二年では継続私は困難だと思います。
 そういう部分で、さっき確認をさせていただいた五原則に当てはまっていないじゃないですか。こういうのが生き残っているのが私は税金の使われ方としてもったいないと思いますが、いかがでしょうか。
#288
○国務大臣(石破茂君) これは、私が農水大臣をしておりましたときもそのような議論がございました。農業というのは、突然やってきてできるようなものではございません。どのような形で技術を習得するかというのは極めて重要で、そしてまた一年だけで農業の技術というのは会得できるということではございません。ですから、あと二年ということをおっしゃいました。二年の間でできるかどうか、それは運用にどれだけ更に農水大臣の下で万全を期すかということだと思っております。モラルハザードということが起きない、お金もらったらそれでおしまいよというようなことであってはならないし、この制度ができます前から、実は新規農業参入をなさった方が続かないという問題は指摘をされておったところでございます。
 ですから、農業に甘い気持ちで入ってはいけないということをもう一度私どもとしてきちんと確認をし、現場でこの事業を受けられる方々にそこをもう一度よくお願いをしなければいかぬところだと思っております。改善点はまた林大臣の下できちんと改善をされ、その事業が本当に地方創生に資するような、そういうような事業として執行されるべきものと考えております。
#289
○蓮舫君 農業こそ、まさにその地域の特性があって、その地域の特性に応じたどういう農業を産業にしていって、そこに若い方に入ってもらえるか。これは国が決めて金をばらまくから続けてくれというものじゃないんです。地域から上がってきて、それをまとめて国がどうするかという形にするんです。その部分では、これから二年で効果を出すと言いますけれども、三年間効果が出ていない、政権内の行革でもこれは見直しだと言われているものが紛れ込んでいるのは、私は非常に残念です。これは一年もしないで見直しを是非していただきたいとお願いをします。
 次に、文科省なんですが、文化庁が今年度予算で実施している地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ、これはどういう事業でしょうか。
#290
○国務大臣(下村博文君) 平成二十六年度限りで終了する地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ事業は、地方公共団体が実施する優れた文化芸術の創造発信事業を支援することにより、地域文化の再生やコミュニティーの再構築などにより地域活性化を推進する事業でございます。
 この事業によりまして、平成二十六年度は、札幌国際芸術祭開催による文化芸術振興及び創造都市推進事業や、いしかわ国際音楽祭開催事業など、地域の活性化につながる事業を行う地方公共団体を支援をいたしました。
#291
○蓮舫君 地域が独自に行う文化を支援するのは大切です。それによって地域コミュニティーが活性化する、それも大事だと思います。
 ところが、これ、省内のいわゆる行政事業レビューで廃止と判断されていますが、どうしてでしょうか。
#292
○国務大臣(下村博文君) これは、新たに二十七年度からバージョンアップすることにいたしました。
 二十七年度新規事業……(発言する者あり)ちょっとお待ちください。
 本事業は、日本再興戦略改訂二〇一四・未来への挑戦や経済財政運営と改革の基本方針二〇一四についてを踏まえて、新たな事業を構築することとし、廃止すべきであるというふうにいたしました。
#293
○蓮舫君 省内の点検では、この事業が地域活性化を推進していくかが課題であると、だから一旦もう廃止をして、そして成長戦略、骨太も含めて、もっとより効果的な事業に変えるべきであると、そういうふうに指摘をされているんですね。
 新たに、じゃ、来年度はどんな事業に生まれ変わりましたか。
#294
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、この文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業については、昨年六月の日本再興戦略や骨太方針を踏まえ、これまでの地域発・文化芸術創造発信イニシアチブを平成二十六年度限りで廃止して、新たな事業として要求いたしました。その内容は、文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業であります。
 具体的には、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会等を見据えた観光振興や訪日外国人旅行者の拡大に資する事業として再構築を行いました。このため、訪日外国人が鑑賞、体験しやすいよう多言語対応などの取組を新たに支援するとともに、文化芸術を観光振興や地域振興等に活用する取組への重点化を図り、審査の観点に訪日外国人への配慮も追加するなど、大幅に見直した上で新たな事業としたものであります。
#295
○蓮舫君 もうちょっと分かりやすく教えてください。廃止された事業と新たに始める事業の違いは何ですか。
#296
○国務大臣(下村博文君) 分かりやすく申し上げれば、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックをターゲットイヤーとして、東京一極集中だけを加速させるのではなく、日本全国を活力ある地方再生の国にしていく。そのために、例えば外国人観光客は二〇二〇年に二千万、それから二〇三〇年には三千万を目標にしておりますが、その受皿は各地方で行われている文化芸術、既存のイベントを含めて、これが大変な財産になると思います。
 そのために文化庁では、例えば今年、二十七年度から日本遺産というのを新たにつくることにいたしました。やっぱり、既存のそういう国宝とか重要文化財、それがその使用者しか分からない、そういうことを生かして地方を活性化させると。そういう意味での、この二〇二〇年に向けた新たな積極的な取組としての位置付けにしたわけでございます。
#297
○蓮舫君 外国人への対応を取り入れて、抜本的に見直したと言います。
 御覧いただきたいと思います。廃止された事業の概要文言が、新しいものは全く一緒です。事業費の二分の一の範囲で補助とする補助要件も同じです。廃止する今年度事業ホームページに来年度募集案内を掲載しています。来年度予算案が成立していないけれども、今年度と同じ業者に来年度応募受付を既に開始させています。募集案内はほぼ同じです。大臣が強調しましたオリンピック・パラリンピックがあるから外国人への対応をすると言うんですけど、その予算を抜本的に見直した、二十六億のうち新たに付け加えた外国人対応は僅か四千万ですよ。
 これ、看板掛け替えの単なるゾンビ事業じゃないですか。
#298
○国務大臣(下村博文君) これはIOCとの協定の中で、本格的にはリオ・オリンピック・パラリンピック二〇一六年が終わった後スタートすることにしておりますが、しかし、もちろんその前からいろんな準備をしていくということでございまして、そのために今年からやるべきものをやるということ、そして、これはまさにオールジャパンで対応していくということで、本格的には再来年から更に加速度を付けたいと思いますが、今年の段階では十分それに対応できるというふうに考えております。
#299
○蓮舫君 石破大臣、感想ありますか。
#300
○国務大臣(石破茂君) 感想を答弁するのも妙な話でございますが、文化庁として本当に地域地域の文化をいかにして発信していくかということには更に力を入れていくものと承知をいたしております。意外と地域地域の文化というものが外国人に知られていない、それをいかにして発信するかというところにポイントを置いているのではないかというふうに考えております。いわゆるゴールデンルート以外の地域にもそういうものがたくさんございますので、まずそれを発信する、そういうものに力点を置いたものではないかという感想を私自身持っておるところでございます。
#301
○蓮舫君 石破大臣、良く解釈するとそうなるんです。
 二十六億の事業で僅か四千万を付けただけで、残りの事業は前年度で廃止と言われた内容とほぼ一緒なんです。ほぼというか、丸々一緒です。さらに、外国人に地域のいい観光スポットを知ってもらいたいと言うんですけれども、観光庁とは連携を取っていないと聞きました。
 つまり、縦割りを排除する、一回こっきりの金じゃないんだ、地域がそれで活性化できるんだ、五原則にきれいに外れていると思いますが、こういうものを見直さないでどこが次元の異なる地方再生になるのか、地方創生になるのか、私はこの問題意識だけは大臣にしっかり分かっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#302
○国務大臣(石破茂君) 今まで多くの事業をやってまいりました。自民党がどうの、民主党がどうのということを申し上げるつもりはございません。そこは、お互いに政権を担っていたわけですから。
 いろんなものを見直してみました。やはり、そういうような縦割りの部分が相当にあった、あるいは連携が取れていない等々ございました。そういうものを見直してまいりましたが、御指摘を受けて、またいろんなものを見直していかねばならないのだろうと思います。
 特に、観光庁との連携というのは、観光庁も、例えば文科省、例えば農水省、あるいは厚労省、国土交通省、まあ国土交通省は観光庁の役所でございますが、いろんなところで連携を図らねばならないと思っております。私ども、そういうような縦割りを排すという観点から、いろんな官庁の事業によくまた目を通しまして、この五原則が貫徹されるように更に努力はさせていただきます。
#303
○蓮舫君 安倍総理にお伺いをしたいんですけれども、私、地方創生をしていくという目的は賛同します。その大きな目的は、やっぱり人口減少を乗り越えていこう、地方を潰さないようにしよう、日本をこのまま維持可能な国家にしていこうということだと思うんですけれども、残念ながら予算を見ていると、前年度来の予算、ある意味、私は霞が関のこれは企画立案機能の限界だと思っているんです。いろんなことをやってみても新しいものが余り出てこない、だから看板を替えちゃおう、中身を少し変えるだけにしよう、大きな転換ができないと限られた財源は私は無駄になると思います。
 そもそも地方創生というのは、国が認定をした上で補助金を渡すとか、国が自治体に総合戦略の策定を義務付けるとか、中央集権でやるんじゃなくて地方から上がってくる、住民の満足度を上げるために地方が考えて、それに国が寄り添っていく形が原則的な私はルールだと思っているんですけれども、改めて今のこの地方創生七千二百二十五億円、予算を見ていると、まだ民主党政権が行った一括交付金で地方の裁量性をおもんぱかった予算の方が地方創生に意味があるんじゃないでしょうか。
#304
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一括交付金についての評価はもうここでは申し上げませんが、私どもは、まさに今、蓮舫委員が御指摘になったように、霞が関発ではなくて地方発の地方創生にしていきたいと考えております。
 もちろん、その中においてしっかりと効果の検証は国として行っていくわけでありますが、それぞれの市町村あるいは都道府県が自分たちのアイデアをどんどん競い合っていくという状況をつくりたいと、こう思っております。直ちにすぐという状況にはまだなっていないかもしれませんが、そういう機運はしかし大きく起こりつつあると、このように思っております。
 その中で、今、予算についていろいろと御指摘をいただきました。そういう観点からも、この五原則にしっかりと、きっちりと合うように我々も厳しく見ていくつもりでございますが、その中で、例えば先ほどの文化庁の予算につきましても新しい視点を入れて、まだ額は四千億ということ、確かにその全体の、四千万、四千万ということでございますが、二十六億に対しての四千万ということであれば、それは確かに、ああ、そうなのかなと、こう思うところもございますが、しかし同時に、言わば新しい視点を入れたことによって全体が化学変化を起こすような、そういうやはり執行にしていただきたいと、このように思っております。
#305
○蓮舫君 恐らく認識が違うのは、総理はやっぱり緩やかに予算を新しいものに移行していこうという御発想なのかもしれませんが、だから私は先ほど来、人口減少の現実を確認をしたんです。近未来の二〇四〇年に日本の半分でやはり人口が減少して無人になる地域が生まれないように、直ちにすぐ私は予算を大きく組み替える転換期に来ていると思うんです。その部分で、地方創生という看板を掲げ、私の尊敬する石破先生が大臣に就かれたわけですから、しっかりと仕事をしていただきたいと私は思っていたんです。
 ただ、例えば今、個別事業を言いましたけれども、個別事業以外を見ているときに、国がやる事業が地方創生枠に入っている。これは排除すべきじゃないですか。
 例えば、国交大臣、これは感想で結構なんですけれども、国交省は物すごくまともな二〇五〇年の日本の将来像をこれは推計して描きました。不都合な真実と向き合った、日本がどうなるかという姿をちゃんと世の中にこれは公表しました。そのときに、人口減少になるから、多様な地域のポテンシャルを最大限生かして成長を生み出す、国土の戦略ビジョンを再構築する、これは国の仕事ですよね。
#306
○国務大臣(太田昭宏君) 全く国の仕事だと思います。
 昨年の七月四日に、国土のグランドデザイン二〇五〇、対流促進型国土の形成に向けてというグランドデザインを発表させていただきました。全総であるとか、あるいは列島改造論であるとか田園都市構想、二十世紀にはいろいろ構想がありましたが、二十一世紀にはなかなか構想が得られなかった。しかし、大変な人口減少、高齢化、そして都市間競争の激化、頻発する災害、そしてICTの大きな加速度的な展開、こういう中でどういう国土を形成するかということを考えて、そこに向けて直進していかなければ無駄な公共事業と言われたりというようなことが私はできるというふうに思ったわけです。
 昨年それを出させていただいて、まさにそれぞれの都市がコンパクトにしなければ生き抜いていけない、コンパクト・プラス・ネットワークという概念と、そしてそれぞれ個性というものを発揮する都市というものをつくっていく。そして、隣接する都市と都市との間に違いが出るという個性ある都市が形成されることによって、物理学で言う対流現象がそこに起きていく。連携革命、そしてまさにそうした連携しながらのネットワークというものをどうつくっていくか、ゾーンでまた考えていかなくてはいけないということで、構造的にこの国土をどうするかということを考え、七月四日に発表させていただいて、地方創生の中にもその構造的な考え方を入れていただいたということでございます。
#307
○蓮舫君 いや、素直で率直な御意見だと思います。国の仕事ですよね。
 石破大臣、これ地方創生枠に入っています。国の仕事を地方創生に入れちゃ駄目じゃないですか。
#308
○国務大臣(石破茂君) それは、国がその役割を担うということによって地方が創生するということでございます。今、太田大臣が答弁されたような内容を実際にこれから先、コンパクト・アンド・ネットワークというようなものを全国で展開をしていかなければなりません。そうでなければ、地域全体の力はどんどん落ちていくわけでございます。
 そのような方針をきちんとして国で示す、そしてまたそれをそれぞれの地域において、それぞれの地域の責任において実行するということになっておりまして、これは国がどうの地方がどうのというお話ではございません。国としてきちんとした方針を明確にし、それに沿った形で地方が実行していく、こういう役割分担だと承知をいたしております。
#309
○蓮舫君 よく見てください。恐らく役割分担できていません。
 そういう意味では、今回の地方創生予算を見ていると、国の仕事がそのまま地方創生に移っていることもあります。あるいは、本来これは優先枠で本当に必要なんだろうか、限られた財源が本当にこんな使われ方していいんだろうか。
 今の国土計画でいうと、優先課題では、日本未来デザインコンテスト、国民からアイデアを募るコンテストで一千万円。これ、何に使われるかといったら、審査員の謝金ですよ、旅費ですよ、会場費ですよ。そんなことにお金を費やすんであれば、まずどれが国の仕事で、どれが地方と連携する仕事で、どれが地方創生なのか、明確にビジョンを分けていかなければ、単なる地方創生予算のかさ上げに使ったんじゃないか、こういう疑念を持ってしまうんですが、それはどうでしょうか。
#310
○国務大臣(石破茂君) これは例えて言えば、もうそれは確かに謝金という面もございましょう、あるいは賞状代かもしれません、何だか私はよく存じませんが。
 それは、例えばコンパクトシティーとか小さな拠点とかいう概念は、これから先よく詰めていかねばならないものだと思っております。言葉としてはかなり普及をしてまいりましたが、その概念とは一体どんなものだろうか、そして、かなり伸び切った感がある地方の都市をこれから先どのようにコンパクトにしていくか、あるいは、過疎地域において小さな拠点的なものと周辺の集落とをどのようにコンパクト・アンド・ネットワークという概念で統合していくか、これは、やはり国として明確な方針の下に、もちろん地域の意見を聞きながらですが、全国展開にしていかねばならぬ。コンパクトシティーの在り方、コンパクトビレッジの考え方が地域地域でばらばらということはあってはならないと思っております。
 ですから、これは国の役割、地方の役割というよりも、両々相まってどうやってやっていくかですが、概念を打ち出すのは私は国の仕事だと思っております。それを打ち出すに当たって、いろんな地域の御意見は聞かねばなりません。そして、こういうものだということが共通の理解ができた段階で、これはもうもちろん法律も必要とするところでございますが、全国に展開をするのは急を要することだと考えております。
#311
○蓮舫君 大臣、確かに国と地方の役割、明確な線引きは難しいかもしれません。ただ、ここは、国がやるのは各省庁がしっかりやっていただいて、そこから手を離して、石破大臣の下で地方創生で特化したいいものはそちらに譲ればいいと思っているんですけれども、やっぱり見ているとそこの線引きが非常に曖昧といいますか、言葉は悪いですけれども、地方創生枠を水増しするために数値を盛り込ませたとしか思えない事業もあるんですね。
 法律で、国と地方にその役割が義務付けられている離島振興、これ地方創生枠に丸々入っています。あるいは総務省なんかも、あと〇・六%でブロードバンドが続く、この〇・六%の工事費用が地方創生枠に潜り込ませています。ラジオが聞こえないとか難聴対策、そういうのも地方創生に入っている。やっぱり、私は、ここの部分は相当厳しく見ていただかないと、限られた財源が地方創生という名前の下で単なる前年度事業の延命策になってしまうということで、非常に懸念をしています。
 総理、私、この機会に、総理がせっかく輝く女性とおっしゃっているのであれば、地方創生と輝く女性というのは私は対だと思っています。地方で女性が輝く。輝くという言い方も私は余り好きじゃないんです。頑張っている人がもっと頑張れるような環境を整える、そのための一つの機運にして、ばらばらに総務省だ、文科省だ、文化庁だ、国交省だ、あるいは経産省だという事業を広く薄く地方創生に入れるんではなくて、やっぱりここは私は、女性とか人口が結果として増えるとか、地域の活性化に特化してこの枠はつくるべきだったと今でも思っていますが、いかがでしょうか。
#312
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、地方創生の中で女性の、私どもが言っている輝く女性の枠をつくれということでございますか。ではなくて、別途女性の活躍という観点から……
#313
○蓮舫君 地方創生の中で。
#314
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方創生の中で。
 もちろん、地方創生の中でこの概念を、言わば予算を確保するという観点からその枠を取っている、地方創生の中でそれを特出しをしているわけではございませんが、地方創生を進めていく上においては、極めて女性の活力、我々は輝く女性の活力と言っているわけでありますが、女性の活力を、女性の言わば力をもっと活用していくことは重要な観点であると思っておりますし、地方は特に女性の皆さんが様々な場で活躍しているのも事実でございます。農業においては実際、農作業もそうですし、また地域や自治会や、そうした地域の活動にも熱心に取り組んでおられるわけでございますし、消防団等での御活躍もあるわけでございます。
 そうした意味における女性の活躍をしっかりと支えていく、あるいはまた、女性の皆さんが大都市に行かなければ仕事の場がないという状況を変えていくことも大変重要な観点であろうと、このように思います。そういう観点も含めて、地方創生においてしっかりと議論を重ね、政策として実施をしていこうということでございます。
#315
○蓮舫君 もったいないと思うんですよ。例えば、この春から、民主党政権で提案をして三党合意で御協力をいただいた子ども・子育て応援プランが始まります。これは、地方で基礎自治体、都道府県が連携して待機児童をなくして、多様な保育を提供する。女性、男性の両立支援を行う。それは同時に、小規模保育を生み出すなど新たな育児分野の商機にもなるんですね。
 つまり、地方で仕事が生まれて、両立支援で地域で働く女性が増える。そうすれば、その人たちは地域を離れなくて済むようになる。だから、この視点で地方創生をやってもらったら、私はもっと違うものができていると思って、非常に残念でなりません。
 その上で、日本再興戦略で女性の更なる活躍促進がうたわれていますが、総理、これは何を行うんでしょうか。
#316
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権においては、職場で、家庭で、あるいは地域社会で、それぞれの場で活躍している全ての女性が、その生き方や自信に誇りを持ち、輝くことのできる社会を実現することを目指しているわけであります。
 そのためにも、二〇二〇年にはあらゆる分野で指導的地位の三割以上が女性となる社会を目指して、女性役員についての情報開示を推進するとともに、育児休業中の職業訓練を行う企業を支援するなど、女性登用に積極的な企業を積極的に応援をしていきます。
 また、企業に女性の採用、登用等の行動計画の策定を義務付ける女性活躍推進法案を今国会に提出しているところでありまして、その早期成立を目指しております。
 さらに、就業継続年数が短いことや非正規での就業が多いことが指導的立場にある女性が少ない要因の一つでもあります。待機児童の解消を始めとする子育てと仕事が両立できる環境の整備、そして非正規雇用から正規雇用への転換などにも取り組んでいく考えであります。
 また、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進などにより、ワーク・ライフ・バランスも推進していく考えでございます。
#317
○蓮舫君 二〇二〇年に指導的地位に就く女性を増やす、三〇%にする、それは結構でしょう。あとは待機児童をなくしていく、それはもう子ども・子育て応援プランで進んでいくと思います。
 ただ、その間の足りなくなる保育士をどうするかというのはこれからだと。足りない間どうするかというと、主婦とかにボランティア等で子育て支援員をしてくださいという、余り女性の今置かれている現状を、例えば非正規から正規にするとか、女性の雇用環境を改善するという視点が欠けていると思うんですね。
 あるいは、シッターとかお手伝いさんに外国人等を雇えるようにする。私、こういう女性応援プランを進めていくと、例えば役員になれる女性、なれない女性、お手伝いを雇える女性、雇えない女性、女性同士の格差が広がってしまうんではないかと思っていますが、そのリスクはどう思われますか。
#318
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもは、言わば最初に申し上げましたように、全ての女性がその能力を生かすことのできる社会をつくっていきたいと考えております。そして、例えば言わば一部上場企業の中で役員数が少ないという状況は事実であり、これも蓮舫委員も認められることだろうと思います。これをまず変えていくことも必要ですし、同時に、ではそういう人たちだけが頑張れる社会をつくっていくのかということではもちろんないわけでございまして、パートやあるいは派遣等の非正規の分野で働いている、また頑張っている女性の方々もたくさんおられるわけでございます。そういう中において均衡待遇を進めていくという点、あるいはまた、そういう方々へのキャリアアップへの支援等についてもしっかりとやっていきたいと、このように思っております。
#319
○蓮舫君 均等待遇を進めることの方が、私は役員に女性を増やすよりも今の日本で最も急がれるものだと思うんです。
 日本では一人親家庭の貧困、子供の貧困が進んでいるという認識を総理はお持ちですか。
#320
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供の貧困ということについて言えば、子供の貧困率が上がってきている、これは二〇一二年までの傾向でございますが、それは、厚労省の統計によれば事実それは上がってきていると、このように考えております。
#321
○蓮舫君 一人親についてはどうでしょうか。
#322
○国務大臣(有村治子君) 共生社会担当の大臣としてお答えをさせていただきます。
 蓮舫委員御指摘のとおり、一人親家庭、なかんずくお母さんは生計の糧を得るための就労と子育てを一人で担わなければならないなど、物理的にも時間的にも経済的にも生活が不安定な方が多いのが現状でございます。
 ここの具体的な就労に関しては厚労が責任を持っておやりになられる話ですが、私どもの男女共同参画の基本計画についても、今、第四次を今年中に出したいと考えておりますが、一人親家庭の親子が安心できる環境の整備、また配偶者の暴力被害者に対する支援、また性犯罪被害者に対しても明確に書き込み、ここの部分に、加速することによって全ての女性ということを抱合したいと考えております。
#323
○蓮舫君 済みません、聞いていませんでした、その質問の答えは。
 私が伺っているのは、総理の認識が、やっぱり現実を見てもらいたいということなんです。今、女性の働く人は増えています。でも、同時に増えているのが非正規等低所得なんです。右肩上がりで増えている。あるいは、一人親でいうと母子家庭。母子家庭の就労率は日本は実はOECDの中で一番高いんです、仕事がある。でも、OECDで一番最悪なのは収入なんです。仕事はあるけれども収入が低い、母子家庭のその現実は私はやっぱり無視して進めることはできないと思うんです。
 何よりも、この部分の女性、この環境に置かれている女性を何とか底上げする、それを輝く女性というのであれば最優先に行っていただきたいと思いますが、総理のお考えはいかがですか。
#324
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、先ほど申し上げましたが、だんだん労働市場がきつくなってきているのは事実でございまして、有効求人倍率もそうですし、失業率もそうであります。その中において、だんだん人手不足の状況がつくられていく中において、言わばある程度の待遇を確保しなければ人材が採れないという状況をつくっていくことも大変大切であろうと思います。
 その中において、今委員がおっしゃられたように、一人親家庭においての貧困率が高いという状況については、私どももしっかりとそれは注視していかなければいけないと、こう思っております。
 その中におきまして、自立支援等、そういう方々が何か新しいキャリアを持っていく、例えば介護士になったり看護師になったり、そういうための、取得のための支援等、これは麻生政権以来続けてきているものでございますが、こうした支援等もしっかりと行っていく、あるいはお子さんがたくさんいらっしゃる家庭への支援等もしっかりと行っていきたいと、このように思っております。
#325
○蓮舫君 総理は、国民は格差を許容していると言います、我慢できると。ただ、増える一人親家庭は私はとても許容していないと思います。
 両親がそろっている家よりも一人親の子供の貧困率は五倍に増えます。親の学歴が中卒だと子供の貧困率は本当に高くなります。子供を私立小学校に通わせている年収一千二百万円以上の世帯では、塾、習い事に掛ける子一人の費用が年七十、公立小学校ですら年五十万。豊かな家庭の子の世帯が一人の子供に掛ける塾とか習い事費用が、母子家庭、三分の一とか五分の一なんですよ。生まれる家庭によって子供がスタートラインが大きく違ってきてしまう。だから、ここを何とか、まずここから手を付けなければいけないと思いますが、いかがですか。
#326
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一人親家庭のお子さんがそういう家庭的な事情のために進学について自分の希望する進学を諦めなければならないという状況はつくってはならないと、こう思っております、きめ細かな支援が必要であると。
 このため、市町村等を中心に、子育てや日常生活に関する相談支援や児童扶養手当の支給や仕事の紹介などを行ってきたわけでありますが、二十七年度には、一人親家庭の親がより良い条件で就職できるよう学び直しの支援、先ほども申し上げましたが、一人親家庭の子供に対する学習支援を行うボランティア派遣の充実を図る。そして四月からは、生活保護に至る前の段階にある生活困窮者に対し相談や就労など包括的な支援をワンストップで行うといった施策を新たに実施することにしております。
#327
○蓮舫君 確かに、先ほど総理は、学校をプラットホームにして、子供たちに学習支援とか、そこで悩みを分かるようにと言います。
 大きな騒ぎになった川崎の中一の少年が殺害された事件ですが、あの子は学校に行っていませんでした。不登校です。しかも、母子家庭で兄弟がいっぱいいる。親は朝から晩までいない。誰にも相談できない。こういう子供たちに手が届く政策に、もっと手厚くしていかないと、どんどんどんどんそこが崩れてきているのが今の日本の現状なんです。
 その上で、今総理もおっしゃった親の学び直し、文科省が行うとしている成長分野等における中核的専門人材等の戦略的推進、これどういう事業でしょうか。
#328
○国務大臣(下村博文君) 御指摘の成長分野における中核的専門人材育成等の戦略的推進事業は、ITや看護、保育、観光など今後成長が見込まれる分野におきまして、専修学校や大学等が企業や業界団体と連携して、中核的な役割を担う専門人材を養成するための標準的な教育プログラム等を開発、実証する事業でございます。
#329
○蓮舫君 育児、子育てをしている女性の学び直しを支援するというんですが、これは直接人を支援するのではなくて、一年掛けて学習プログラムを作るものなんですね。つまり、即効性、即時性はない、一年後に成果物がようやく出てくる。それは学び直しのために今急ぐことの事業なのかどうなのか、私は疑問なんです。
 厚労省は母親の学び直し、父親の学び直しのための予算を提案していますが、どういうものですか。
#330
○国務大臣(塩崎恭久君) 二十七年度に、様々な事情により高校を卒業されていない一人親の家庭の親が高等学校卒業程度認定試験、これに合格するための講座を受講するというときに、この費用の最大六割、最初二割、合格したら四割、合計六割を支給する事業を新たに実施をすることとしているわけでございまして、そういうものを通じて自立を支援してまいりたいというふうに考えております。
#331
○蓮舫君 とてもいい事業だと思います。
 先ほど総理がおっしゃいました看護師あるいは介護士になりたい人を支援していく。でも、中卒だとなれないんですよ。だから、中卒の人に高卒程度の能力を取ってもらいたいというのを厚労省は直接支援する。二・三億円しかない、この事業。でも、さっき文科大臣がおっしゃったのは、一年掛けてプログラムを作る、即効性がないものに十六億。ならば、この十六億を即効性のあるものにしっかり寄せて、今学び直しをしたいとする中卒の方たちを支援することが結果として子供の貧困対策にもなるんじゃないですか。
#332
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、先ほど私がお答えさせていただいた資格を取るためには高卒の資格を取る必要がございます。その意味におきましては、先ほど言わば厚労大臣から答弁させていただきましたが、平成二十七年度からの、様々な事情により高等学校を卒業されていない一人親家庭の親が高等学校卒業程度認定試験に合格するための講座を受講する場合に、その費用の最大六割を支給する事業を新たに、支給することとしているところでございます。
 こうした、言わばしっかりと自分のキャリアを高めていきたい、あるいは学んでいきたいという方々を国として支援をしていくことは、まさに子供たちの将来、貧困が固定化することのないようにしていく、そういう意義があると、こう考えております。
#333
○蓮舫君 総理の真摯な御答弁、ありがとうございます。ただ、言っていることと今審議をしている二十七年度予算案は乖離があります。やっぱり私は、ここは広く薄く省庁がそれぞれ分配するのではなくて、輝く女性というのであれば、しっかりその女性支援の予算に寄せていく、重点的にしていく、このことが非常に大事だと思っています。
 輝く女性は別に役員に増やすということじゃないんですよ。働いている人はもうこれ以上頑張れない。ただ、望むのは、できれば非正規より正規、将来が見える仕事、自分と同じような思いを子供にさせたくない。ここをどうやって支えるかが本当の意味での私は女性支援策になるんだと思っています。この部分の意識が残念ながら違うと、同じ財源を使っても政策効果は違うものになると思って、私はここはもう一年間、引き続きこれを追いかけていきたいと思います。
 その上で、政府が本気で少子化対策に向き合っているのか。平成二十四年六月十五日、三党合意確認書における子ども・子育て記述、八月十日、参議院の子ども・子育て関連三法案附帯決議十五、これ、厚労大臣でしょうか、何て書いてありますか。
#334
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話のございました三党合意とそれから附帯決議でございますが、まず、三党合意におきましては、量、質の充実を図るため、今回の消費税率の引上げによる財源を含めて一兆円程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するというふうに書いてございます。
 それから、附帯決議につきまして、同じように、消費税引上げによる財源〇・七兆を含め一兆円程度の確保に努めるというふうに書いてございます。
#335
○蓮舫君 これは三党合意であり、法律にしっかり書き込んであります。つまり、消費税増税以外で政府が〇・三兆、三千億を確保をするとなっています。ちなみに、この〇・三兆は、厚生労働大臣、何に使うんでしょうか、質の確保ということは。
#336
○国務大臣(塩崎恭久君) 〇・七兆円程度以外の〇・三兆円でございますけれども、これにつきましては、子ども・子育て支援の量的拡充と質の向上の所要額について昨年三月に内閣府の子ども・子育て会議で整理をいたしまして、この中で一兆円程度の財源を確保できた場合の質の向上項目について、一歳児の職員配置の改善、これは六対一から五対一。それから、四歳、五歳児の職員配置の改善、これは三十対一から二十五対一、それから保育士等の更なる処遇改善で、これはプラス三%からプラス五%、こんなものが含まれているところでございます。
#337
○蓮舫君 非常に大事な予算なんですね。
 つまり、子供の命を預かっているけれども、残念ながら給料が余り高くない保育園、幼稚園、認定こども園の職員の給与を上げていこう、あるいは一人が見る子供の数を少なくして手厚く見ていこう、あるいは、これは日本再興戦略の中でも小一の壁を打破するとして放課後児童クラブを拡充と言うんですが、その予算もこの〇・三兆の中であって、まだ手当てをされていないんです。
 やっぱりここは、法律にあるように、速やかに確保の道筋を示すとともに、各年度の予算編成において財源確保に最大限努力するとあるんですが、これ、総理、どこに努力しましたか。
#338
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の充実を図るための財源確保が重要な課題であり、一兆円超えの財源が必要との認識は変わるものではございません。
 今後も、本制度に基づいて子育て支援の質、量の更なる充実を図るため、消費税分以外も含め、財源確保にしっかりと対応していく考えであります。
#339
○蓮舫君 いや、今審議している二十七年度予算案で〇・三兆が確保できなかった、どんな努力をして確保ができなかったんですか。
#340
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、二%の消費税引上げをこの十月からやるということを一年半延ばしました。そういう中で、この七千億ベースの子育ての充実を本当にできるのかということを大変皆様方御心配されたと思います。
 そこを、安倍総理としては、お約束したところは、〇・七兆ベースをまず、今回二%の引上げは十月からやらないけれども、やるということで、これは待機児童の先ほどお話をいただきました質の拡充、待機児童解消等、必要な量の拡充と、それから、今の申し上げた一〇%への引上げを前提に実施を予定していた七千億ベースの質の向上策の全てを実施するというために必要となる予算を今回確保して、これで五千百二十七億円を二十七年度予算で優先的に確保したということで、安倍内閣としては、少子化対策、子ども・子育てについては優先的に行うということでこの予算を確保したところでございます。
#341
○蓮舫君 消費税増税を先送りしたのは政権の判断です。その部分の足りなくなった財源を確保するのは当たり前じゃないですか。私が伺っているのは、消費税によらない残りの〇・三兆はどうやって確保する努力をしたんですか。
#342
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先ほどのその〇・三兆については今後の課題ということでありますけれども、この〇・三兆の財源についても、これは二十八年度以降の予算編成過程以降で最大限のこれは努力をしていかなければなりませんし、我々としては、優先順位として、先ほど申し上げたように、来年度予算でも少子化対策は最優先ということで予算を確保させていただいたところでありますから、引き続きこの問題については優先的に扱っていきたいというふうに考えているところでございます。
#343
○蓮舫君 優先的に確保したくても確保できなかったら、それは先送りというんです。やっぱり今、この少子化に向き合う、子供が少ない、でも、産みたいけど産めないと判断している人を支えるために、三党合意をして、法律で毎年度の予算で確保しようと書き込んだものが、それが確保できていないというのは、私は政府の本気度が問われると思います。二十八年度まで先送りしないでも私は財源はあったと思います、安倍内閣になってから。
 麻生財務大臣、平成二十四年度補正で組まれた十一事業の基金、四千百二十八億円、これは二十四年度末に使われましたか。
#344
○国務大臣(麻生太郎君) 二十四年度の補正予算で公益法人につくられた基金というのは、今言われたように四十基金で九千二億円計上をいたしております。これらの基金全体の中で、二十四年度における基金からの支出額は一千二百四十億円となっております。
 したがいまして、各基金において前年度末の基金残高の当年度中の収入を加えた額を財源として支出することになるために、補正予算に計上された分の執行率を直接ちょっと算出することは困難なんですが、基金からの支出額一千二百四十億を分子として、二十三年度末の基金残高三千五百三十八億円に二十四年度中の基金の収入九千八百八十五億円を加えた額を分母として執行率を算出すれば約九・二%という数字になると、パーセントでいうとそういうことになります。
#345
○蓮舫君 二十四年度補正は、緊急経済対策として早期に必要、財政法で言う緊要性ですよね、二十四年度末までに必要だと。ところが、実際使われたのは九%、残りの九〇%は繰り越している。これは補正の意味がなかったんじゃないですか。
#346
○国務大臣(麻生太郎君) こういう執行状況で使えないものというのは、基本的には切れ目のない経済対策を実行するための大型の補正予算というものとしてあのときは編成をいたしておりますので、したがいまして、このための基金につきましても、二十五年度末までに実施又は開始されるものに限って予算に計上をさせていただいております。
 したがって、基金の執行状況を見る場合は、例えば既に交付先が全額決まっているものとか、また不確実な事故に備えるため一定の残高を保持する必要がありますが、基金の支出のみに着目するというと、いろいろ、それぞれの基金について、基金の性質なども踏まえながら判断していく必要があろうかとは存じますけれども、余剰資金が仮に認められているのであれば国庫納付を求めることは、これは当然なんだと思っておりますので、PDCAサイクルの下で基金の適正化というものは不断にやっていかないかぬというのは当然のことだと存じます。
#347
○蓮舫君 基金の支出に注目することはないとおっしゃったんですが、実はそこの支出に注目をしないと、本当に需要のある事業だったのか、需要のある財政支出だったのかと。余れば返せばいいかということではなくて、出すときにやっぱりそれは見なければいけない。一般の会計だったら、それは使われた、使われないというのは分かるんですけれども、基金の場合には財政法の下の補助金適正化法なんです。
 つまり、補助金として支出をしたら一〇〇%使ったことになるから、たまり金なのか、使われないのか、あるいは無駄に使われちゃっているのか分からないから、やっぱりここは明確にした方が私はいいと思いますが、いかがですか。
#348
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のように、間違いなく我々財務省側からいきますと、その基金を要請してきておられる、いわゆる官庁のその基金に出すところまでが我々であって、それから先、その金がどのような形で使われたかというのは、その所管官庁できちんとしていただかないかぬのであって、それまで全部こっちがやるということになりますと、それはちょっと。
 したがいまして、決算のときに、それが戻ってきたり余っていたりする場合はおかしいじゃないですかと、去年あれだけ言ったのにということを申し上げる立場にいるのが我々でありますので、その与えられた基金をきちんとやるのは、各府省できちんと対応をしていただくということになろうかと存じます。
#349
○蓮舫君 いや、そんな人ごとみたいに言わないでくださいよ。
 確かに基金の管理するのは所管省庁かもしれませんけれども、その基金が補正で組まれて、年度内、しかもぎりぎりで組まれて、その年度に使われない。しかも、基金というのは繰越しができる事業ですから、それが本当に需要があるかというのを精査をしないと。なぜかというと、補正で基金を年度末に組んだら一般会計で手当てをしないで済むから、一般会計総額を低く抑えることができる。財政規律的にも非常に問題があるんです。その部分ではいかがですか。
#350
○国務大臣(麻生太郎君) これは、財政法上、第二十九条の補正の事由というところで出ているところだろうと思いますが、その緊要性、急いでいるという、緊要性は補正予算を編成するに当たって、作成するということになります。したがいまして、一般的には、経済対策でいいますと、予算編成後の経済情勢の変化を踏まえるとか、緊急に需要を追加するなどによって景気を刺激しようとするものということになろうかと存じます。
 今言われました二十四年度の補正予算に盛り込まれた基金造成のための支出も、平成二十五年一月十一日に決定された経済対策の一環として、まずは景気の底割れを回避、民間資金を喚起し、持続的成長を生み出すために、二十四年度内あるいは年度初めに直ちに基金からの支出の必要性が生じた場合に、最大限応えるようにするだけの財源を見積もって所要額を手当てするということになろうと存じます。
 したがって、こうした基金造成のための支出というのは、財政法第二十九条の補正の事由というものを、簡単に言えば、予算編成後の事情の変更に基づく緊要性ということを満たすものであったというふうに考えてしかるべきものだと考えております。
#351
○蓮舫君 やっぱり難しいと思いますよ、二十九条で基金を見ていくというのは。やっぱり、基金が適正に使われているかどうか、改めて、法律に定義付けられていませんから、補助金適正化法の強化なのか、あるいは基金適正化法案を新しく作るのか、私たちも提案したいと思いますが、是非考えていただきたいと思います。
#352
○国務大臣(麻生太郎君) 法案を提出されるというわけですね。法案を提出される。
#353
○蓮舫君 検討します。
#354
○国務大臣(麻生太郎君) 財務省として既にこれは、基金の執行管理のための枠組みというのは整えられていると思っておりますので、新たな法律を制定する必要性は薄いとは思っております。むしろ、毎年度のPDCAサイクルの中で不断に見直していくことの方が事情に合っているし、重要なのかなという感じはしますけど。
#355
○蓮舫君 じゃ、毎年度のPDCAが動いているか。経産省、三つの基金です。平成二十四年度補正で新しくつくられた円高関連の設備投資促進基金、省エネ関連の設備投資の促進基金、認定支援機関による経営改善計画策定補助金の基金、この三つのそれぞれの額と中身を教えてください。
#356
○国務大臣(宮沢洋一君) 三つの基金につきまして、まず、円高・エネルギー制約対策のための設備投資等投資促進基金は二千億の予算額でございます。
 中身もですか。
#357
○蓮舫君 簡単で結構です。
#358
○国務大臣(宮沢洋一君) はい。ちょっと待ってくださいね。
 最新の生産設備などの導入費用の補助であります。それから、次世代自動車充電インフラ整備の促進事業は、電気自動車とかプラグインハイブリッド自動車の充電インフラの購入費、工事費の補助であります。認定支援機関による経営改善計画策定支援につきましては、これはちょうど金融円滑化法が切れるということで、認定支援機関が行う経営改善計画の策定支援などの補助でありまして、最初のものが約二千億円、次の次世代自動車充電インフラ促進事業が一千五億円、そして認定支援機関による経営改善計画策定支援補助金は四百五億円でございます。
#359
○蓮舫君 二千億、千億、四百五億で、相当なボリュームで新規基金をつくりました。
 じゃ、二十四年度末の執行率、二十五年度末の執行率を教えてください。
#360
○国務大臣(宮沢洋一君) まず、円高・エネルギー関係につきましては、二十四年度末の執行率、いわゆる支払ベースは〇%、二十五年度末は一%、そして今年度末が、まあ九九%といいますか、九二%、見方によって違いますけれども、執行率の見込みでございます。
 次世代自動車充電インフラにつきましては、二十四年度末が〇%、二十五年度末が二%、そして二十六年度末が一一%の見込みでございます。
 認定支援機関による経営改善計画策定支援補助金につきましては、二十四年度末が〇%、二十五年度末が二%、平成二十六年度末の見込みが一四%であります。
#361
○蓮舫君 三つの基金、それぞれ表にしました。
 二千億の基金組んだ、これ緊急経済対策ですよ。二十四年度中に必要だったというものが結局執行率は〇、いわんや二十五年度もほぼ〇。その真ん中、省エネ対策、緊急経済対策の需要は二十四年度末〇、次の、約二。下は〇、二・三。ほとんど需要がない。
 麻生大臣、最近、PDCA毎年見ていく、少なくとも二十四年度補正は二十四、二十五をカバーする、カバーしていないじゃないですか。
#362
○国務大臣(麻生太郎君) 確かに、この事業とも二十四年度の補正予算編成時において期待したような事業が進捗せず、ゆえに思ったような経済効果が発揮できなかったであろうことはもう甚だ残念だと存じます。
 ただし、二十四年度の補正予算編成当時に、次世代自動車充電インフラ整備促進事業につきましては、省エネに向けた設備投資を喚起して、イノベーションの創出、経済の活性化を図る、また、認定支援機関による経営改善計画策定支援補助金につきましては、金融円滑化法の期限到来を受けて中小企業の経営改善に万全を期すといった足下の課題を克服する上でこれらの事業は十分に有効であったと認められたため、所要額を予算計上したものであります。
 もっとも、それぞれに関して、電気自動車の普及とそれに伴う充電器の整備というものは、これは鶏か卵の関係で、相互に十分に進まなかった、また関係者の間で制度の周知が十分に進まなかったといった想定外の事情が生じたために、見込んでいた事業の進捗度に遠く及ばなかったということを判断しております。
 もとより、査定は厳しく行わなければなりませんが、想定外の事情が起きたということもまたよくある話だとは存じますが、大事なことは、問題の所在を把握し、要因を分析し、現状を踏まえて見直すことであると考えておりますので、今後とも経産省においては不断の改善の努力を続けていかなきゃならぬということだと存じます。
#363
○蓮舫君 その認識はもう一度どこかで改めていただきたいと思います。
 二十四、二十五で需要がなくて、しかも、二十六年度を見てください。これ、去年の予算編成のときに、これまでの基金でじゃぶじゃぶにばらまいて、たまっているものは取り戻すと財務省の方針が示されたらどうなったかと。一番上の円高・エネルギー対策、いきなり使い込まれちゃっているんですよ。しかも、もう時は円安です。事情が変わって使い込まれちゃっているんです。財務大臣が言うように、事情が変わって使われないなら分かりますよ。下の二つは、使い込もうとしても、そもそも需要がなくて使われなかった。結果として一千百八十億を返納するというんですけれども、だったら、最初からしっかりこれを精査をして、三千四百億を補正なんかに組まなくて少子化対策の〇・三兆に与えた方が、よっぽど国の本気度が問われるんじゃないですか。
 総理、いかがでしょうか。
#364
○国務大臣(麻生太郎君) これはそのときの情勢判断によるんだと思いますけれども、少なくとも、経済産業省として、私どもとして、自動車等々の新しい事業というもののいわゆる発展というものは極めて国家の将来を左右する重大な問題だと思っておりますので、それが実行せられるという想定の下にやらせていただきました。
 できないんだったらというのは、できないと最初から分かっていたらなかなかそんなことはせぬわけで、私どもとしては、今言われましたように、子供のあれも大事、この自動車の方も大事、両方きちんと対応していかねばならぬ、今後の課題として受け止めておかねばならぬことだと存じます。
#365
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、財務省における査定、そしてまた各省庁においてPDCAをしっかりと回していくことが大事であると、このように思います。
 その上で、〇・三兆との関係について言えば、〇・三兆については毎年毎年これは御承知のように必要となる額でございますので、安定的な財源も確保する必要があるのかと思います。いずれにせよ、基金については我々も問題意識を持ってしっかりとチェックをしていかなければならないと、このように思っております。
#366
○蓮舫君 そのとおりです。安定財源は当然なんですけれども、毎年度努力をしなきゃいけない。
 ちなみに、安倍内閣になってから組まれた二回の補正予算で、基金で埋蔵金にたまったものを行革として今回、国に国庫納付させました。それも三千億あります。この三千億を少子化対策に充てるならまだしも、それは来年度予算の財源に紛れ込ませました。私は、こういうところに政府の本気が問われるんだと思います。
 いいですよ、公共事業を増やそうと防衛予算を増やそうと、あるいはそれは時の政権の判断かもしれない。ただ、少なくとも三党合意で約束をして、この国が向かわなければいけない少子化対策という大きな課題に向き合うときに、最低限の約束ぐらいは実行してもらえる、私は、安倍内閣の女性政策、少子化対策政策、本気度がほとんどない、そういう予算案だと改めて思わざるを得ません。
 時間です。終わります。ありがとうございました。
#367
○委員長(岸宏一君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#368
○委員長(岸宏一君) 次に、伊達忠一君の質疑を行います。伊達忠一君。
#369
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一でございます。
 まず、総理、国連防災会議、御苦労さまでございました。会議の合間合間に各首脳とも会議をやられるということでございまして、心から敬意を表したいと思っております。
 一方で、その時期に、五十年来の念願がかなったという北陸の新幹線の開通が一昨日行われました。これを見て私は本当にもう感動したんですが、北陸の人だけではなくて、東京だ大阪だ、もうすごい、北海道からも二人行かれて、切符を取れたので行って見てきたと、いろいろな観光地を見てきたという話を聞きました。
 これだけすごいことなんだなということを感じまして、是非、この効果も経済的に私はすごいものがあると、こう思いますし、旅行の予約も五倍だと、こう言っておられますので、これが北海道、来年函館まで開通でございますが、札幌まで開通したらどんなにみんな喜ぶだろうと思うと、経済効果も物すごい大きいなと、こう思うと、一日も早くひとつ北海道の新幹線を太田大臣にもお願いしたいと、こう思う次第でございます。
 いよいよ待ちに待ったこの予算、今日から参議院で審議が始まったわけでございますが、これだけしかし参議院の皆さん方が私は待っていたときは余りなかったんじゃないかなと、こう思っております。というのも、これはもう与党だとか野党だとか問わず、国民の皆さん方も、一日も早くとにかく参議院で審議をして一日も早くこの予算を上げてほしい、こういう願いだったろうと、こう思うんですが、これは何かというと、いわゆる私は景気回復だと、こう思っております。
 御存じのように、総理もよく言われるように、都市部は確かにもう景気が回復してございます。先般、私も名古屋に行ってきたんですが、一泊で行きました。晩にタクシーに三回乗って、朝二回乗ったんですが、必ず私が聞くことは、その地域の経済状況を聞くんですが、そのときに運転手さん、晩と朝で合わせて五人ですが、どうですか、名古屋と言ったら、五人とも景気はいいですね、良くなりましたね、こう言っておられました。僕は、すごいことだな、さすがやっぱりトヨタの町だなと、こう思ったんですが。しかし、皆さん方思っているのは、蓮舫さんは東京の方ですからあれなんですけど、まあ地方の方が多いでしょう。
 ですから、これが、待っていたということは、地方がやっと今景気が回復しつつあるんです。この間も新聞に出ておりました。北海道もやっと、飛行機の後輪だということをよく言われますが、もう良くなるのは一番遅い、だけど悪くなるのは一番早いんだということをよく言われますが、タクシーもかつては生活保護よりも悪いよと、こういってよく文句を言われましたが、最近は少し良くなったね、それからデパートの売上げも少し良くなってきました。求人数も、この間新聞に出ておりましたが、六十か月連続だと、こう言っております。これをやっぱり止めてはならない、これを早くやろうや、少しでも、一日でも早くやろうということが恐らくここにいる皆さん方の私は願いだろうと、こう思っております。
 そんなことから、是非一日も早く、我々は良識の府と言われるわけですから、是非上げていきたいと、こう思うんですが、しかし、今日も時間がちょっと押しております。できるだけ、通告はしておりますが、はしょってやっていきたいと、こう思いますので、よろしくお願いをしたいと思いますのと、場合によっては辛口になるかもしれません。これは、私は野党ではございませんので、与党なのですが、だからこそという場面もあるかもしれませんが、よろしくひとつ御理解をいただきたいと、こう思っております。
 今年、戦後七十年という一つの節目であります。戦後の焼け野原から、そして荒廃した瓦れきの山、日本は世界の最貧国であり、全ての国民が自信を失ったという時期だったと、こう思います。しかし、戦後十年目、自由民主党が誕生した一九五五年頃には、街頭のテレビの前では、いわゆる当時は力道山のプロレスを見て人だかりだったということをよく聞きますが、翌年の経済白書はもはや戦後ではないというようなことを書いています。我が国のGDP、その当時は八兆円台しかありませんでしたが、その後、高度成長やバブル経済を経て、戦後五十年を迎えた一九九五年には五百兆円となりました。今でも、中国には抜かれましたが、世界三位の経済大国です。
 もう一つ誇れることは、我が国がさきの大戦の反省を踏まえ、平和国家としての歩みを着実に進めてきたことです。このことは国際社会に大変高く評価をされております。しかし、先日、アメリカのシャーマン国務次官の発言が話題となりました。歴史問題が日中韓三か国の協力を妨げているというような発言がございまして、かつての敵を中傷して国民の歓心を買うというのは簡単だが、それは進歩ではなく停滞を招くんだということですと述べられました。これが韓国内でも日本の肩を持つ発言だと反発を招いたそうですが、この発言は三か国全てに向けられたものと考えるべきでしょう。近隣国との関係はいまだ難しい問題はたくさんありますが、批判してばかりいては、未来に向けて協力し合うことが私は目的をしっかりと果たすことだと、こう思っております。
 そういうことから、総理におかれましては、戦後七十年の我が国の歩みと近隣の関係を踏まえて、これからの関係をどう構築していこうとするのかお聞きをしたいと、こう思っております。
#370
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本は、さきの大戦の反省の中に、戦後ひたすら平和国家としての歩みを進めてきたところでございます。その中において、アジア地域の安定、発展のために最大限の努力も行ってまいりました。そのことは、アジアの地域においても多くの国々が評価をしていただいているところではないかと思います。その中で、中国、韓国との関係を改善をしていきたいと、こう考えています。
 中国とは、北京での日中首脳会談で戦略的互恵関係の原則を確認し、関係改善に向けて大きな一歩を踏み出したと思います。今後、様々なレベルで対話を深めながら、大局的な観点から安定的な友好関係を発展させ、国際社会の期待に応えていく考えでございます。また、韓国との関係におきましても、日韓国交正常化の五十周年を今年迎えるわけでございますが、関係改善に向けて話合いを積み重ねてきているところでございます。確かに、これは隣国ゆえに日韓間には難しい問題があります。だからこそ、前提条件を付けずに首脳レベルでも率直に話し合うべきではないかと、こう考えております。
 日本においては、私の対話のドアは常にオープンでございます。近く日中韓の外相会議が韓国で開催される予定であります。この会合を通じて日中韓の協力を促進し、中国、韓国との関係改善を図っていく考えでございます。
#371
○伊達忠一君 是非ひとつしっかり取り組んでいただきたいと、こう思っております。
 安倍総理は、施政方針演説で戦後以来の大改革を掲げられました。この七十年で我が国が置かれた立場は大きく変わりました。世界の主要国として国力にふさわしい指導的役割を果たすことが求められています。特に、東南アジアを始めアジア太平洋の国々、我が国に大きな期待をしております。安倍総理の掲げる積極的平和主義はまさにその期待に応えようとするものだと、こう思います。
 そして、更なる国際的な責任を果たすためにも憲法の改正を行うべき時期ではないかと思うんですが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#372
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党は立党以来、憲法改正を主張しているわけでございますし、既に谷垣当時の総裁の下、憲法改正草案を発表しております。現行憲法については、日本が占領されていた時代に占領軍の影響下でその原案が作成されたものであるということ、そして、環境保全や犯罪被害者への配慮など新しい人権に関する規定を加えるなど時代の変化に的確に対応する必要があること、そして、私たち自身の手で憲法を作っていく精神こそが新しい時代を切り開いていくことにつながっていく。この観点から、国民主権、基本的人権、平和主義という基本的な考え方を維持しつつ、ことは当然でございますが、必要な改正は行うべきものと、このように考えております。
#373
○伊達忠一君 是非ひとつこれを契機に進めていただきたいと、こう思っております。
 次に、ちょっと先ほど申し上げたんですが、景気についてお聞きしたいと、こう思うんですが。
 世論調査では、アベノミクスによる、先ほどもこれはちょっとあったかもしれませんが、景気回復について一月のNHKの世論調査では、景気回復の実感を全国に届けることについて期待できないとした人が五八%でした。日本経済新聞の二月の調査でも、景気回復を実感しないとする人が八一%おりました。しかし一方で、昨年十月から十二月のGDPは消費税の引上げ後初めてプラスとなり、株価は先週辺りは一万九千円ということですから、大変な高値になりましたし、求人倍率も改善をされまして、倒産件数も減ってまいります。
 そういういろんなことはもうしっかりと皆さん分かってはいるんですが、しかし、調査をやると数字の上ではどうもこういう結果が出るということでございまして、この数字との乖離の問題と、それから、であれば、そういう人たちにはどういうことを今後やっていったら理解をされるのかということを総理にお聞きしたいと、こう思っております。
#374
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもは、この十五年間続いてきたデフレから脱却をして、そして経済を力強く成長させ、国民生活を豊かにしていこうという大きな目標を掲げました。そして、十五年も続いてきたデフレから脱却することはそう簡単なことではございません。だからこそ、次元の違う政策、三本の矢の政策でもってそれに挑んだのでございます。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 そして、果たして成果は出ているのか出ていないかということでございますが、企業は最高の収益を上げている。そして、今日も新聞等に出ておりましたが、トヨタ自動車は三千円のベアになるかもしれないというような記事が出ておりました。(発言する者あり)あっ、四千円でした。つまり、三千円というのは今までの常識だったんですが、四千円ということになろうとしている。昨年も、過去十五年で最高の賃上げが実現されました。中小企業・小規模事業者においても約六割が給与を上げているという状況はつくり出すことができたわけでございます。
 ただ、まだまだなかなか実感できないという方がたくさんおられるのは事実でございますが、そうしたしっかりと企業が収益を上げている、それが賃金という形になって国民所得が増えていく、それが消費が増え、また更に企業の収益が上がっていくというこの景気の好循環を回していくことによって、この景気回復の暖かい風を全国津々浦々、多くの方々に送り届けることができるだろうと、このように思っております。
 雇用においても、この委員会を通じてお話をさせていただきました。雇用も賃金も間違いなく良くなっているのは事実でございます。そしてまた、GDPにつきましても、この二年間で実質で八兆円、名目では十八兆円プラスになったわけでございます。税収というのはまさに名目で上がるわけでございますから、政権を奪還して、私たちは十二兆円税収を増やしています。その結果、プライマリーバランスの赤字についても、我々が政権取ったときには約二十五兆円あったものが半減しそう、半減するという方向まで来ているわけでございます。
 我々も、しっかりとこの景気回復の波を全国津々浦々にお届けすることによって、更に私たちのこの経済成長を確かなものとしていきたい、皆さんに実感を感じていただきたいと思います。
#375
○伊達忠一君 おっしゃるとおりなんですよ。そういう面では、先ほど申し上げたんですが、地方にもそういうアベノミクス、肌で感じるようになってきたんですが、この調査結果の八一なんというのはちょっと僕はどうなのかな、ひどいなという感じがするんですが、是非、そんな調査にこだわらず、しっかりと地方にまでこの景気対策をしっかりやっていただきたいと、こう思っております。
 それから、それに関連してなんですが、総理は二月の二日に参議院の本委員会で、上からたらたら垂らしていくのではなく、全体をしっかり底上げしていくのが私たちの政策だと、こう述べられました。いわゆるトリクルダウンということなんですが、先に上を豊かにして、そしてそれが下に波及をしていくという政策でないことを示しているわけでございますが、しかしながら、総理の経済ブレーンと言われるエール大学の浜田教授は、四月一日の日本経済新聞の「経済教室」で、金融拡張は円安を招き、輸出企業が潤う、輸出も日本経済を下支えする、株式市場は活況になり、株式投資家の消費を促進する、それが庶民の生産や労働市場に下がってくる、こうした過程を踏まえると、アベノミクスはどちらかというとトリクルダウンだということをこれは掲載してございます。
 アベノミクスが、上を先に豊かにするというこのトリクルダウンの政策が、やっぱり勘違いというか、思われているということがこういうさっきの言った調査結果に表れているんじゃないのかなと、こう思うんですが、もしかそうでないとすれば、この際しっかりとこれを説明をしておいていただければと、こう思います。
#376
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 浜田先生は安倍政権の重要な経済ブレーンの一人でもございますし、現在も様々なアドバイスをいただいております。特に大胆な金融緩和については、まさに浜田先生の御意見をその主体としたものでもあるわけでございます。
 そこで、浜田さんはまさにマクロ経済学者、特に金融の分野の専門家としてのお考えを述べられているわけでございます。その中においてトリクルダウンという言葉を使われたということでございますが、そもそも、例えば浜田先生は、この二年間はなかなか言わば賃金が上がっていくという状況は難しいんではないかということもおっしゃっていたわけでありますが、我々は政治的にそれはそこまで待つわけにはいかないから、その前に政労使の会議を始めて我々はまさに賃金を引き上げていく、その前に前倒しして引き上げていくという政策を打っているわけでございまして、ここがいわゆるトリクルダウン理論とは違うものでございまして、言わば我々の取っている政策というものは、しっかりと底上げを図っていく、国民の皆さんの収益が増えていく、私たちが進めている政策によってなるべく早く皆さんの収入が増えていく、そしてそれは地方にも展開をしていく、そのための政労使の会議であり、地方創生であるわけでございます。
 事実、最低賃金はこの二年間、高い水準で最低賃金を引き上げているわけでございます。そういう意味におきましては、しっかりと底上げをなしながら景気の好循環を回していきたいと、こう思っているところでございまして、言わばグローバル企業から果実が徐々に均てんされるという、何となくこの、よく結婚式で上にシャンペンを掛ける、上がいっぱいになったから余りが落ちていくという、ああいうイメージをしていただいては全く困るわけでございまして、全体のグラスがぐうっとこういうふうにいっぱいになるということが求められているんではないかなと、このように思います。
#377
○伊達忠一君 そういういわゆる下からの底上げしていく政策なんだということをある程度、今日はテレビも入っていますから国民の皆さん方もお分かりをいただいたのかなと、こう思うんですが、しっかりとやっぱりこれ、トリクルダウンじゃないんだということの政策をしっかりこれからも打ち出していただきたいと、こう思っております。
 次に、麻生大臣にお聞きをしたいんですが、会社法と税法についてなんですが、いわゆる会社法では、役員報酬だとか役員賞与というのは、これは職務執行上の対価として支給され、どちらも会社の費用として扱われているんですが、会計基準でも役員報酬と役員賞与は共に費用として処理されているということになっています。
 しかし、平成十四年の商法改正でこれまでの仕組みが抜本的に改められた結果、このような結果になったわけですが、法人税は平成十八年度の税制改正で、事前に税務署に届け出れば、役員賞与、これは認められるということ、これは届出制、事前届出制と言うんですかね。だけど、決算上利益が出た場合には株主総会に了承を得て、いろんなこの仕組み、きめ細かく決められる方法はあるんですが、一定割合を給与と、こうしていくのが利益連動給与というようなことなんですが、会社法では認められても税法上は認められないということなんですけど、これはやっぱり、一体、ならないものなんですかね、どうなんですか。
#378
○国務大臣(麻生太郎君) これはもうよく御存じのとおりなんですが、役員への給与、報酬とか賞与とかにつきましては、これは会計ルールで、御指摘のように、まさに費用として扱うものとされております。他方、税法上は基本的には同様に取り扱うこととしておりますが、役員に支払いますいわゆる賞与の金額と支払時期を自由に設定して損金算入するということを仮に認めたとしますと、これは会社の利益を操作するということが可能になるということです、簡単に言えば。
 したがいまして、損金の算入にするには一定の制限を設けているわけですが、例えば御指摘のように、事前に税務署に届け出た金額を所定の時期に払うと、いわゆる事前確定届出給与というんで、これは賞与の一種なんですが、これであれば利益操作のおそれがないことから損金算入というのは可能ということになっております。これは税法上でも可能です。
 先生のお尋ねの、仮に想定以上の利益が稼いだという場合は、事前に届け出た金額を上回る分を賞与に乗っけるということにした場合は、これは柔軟に損金算入することを認めることはできないかというお話なんだと思うんですが、例えば業績の改善、良くなったということを受けて翌年度の賞与、翌年度ですよ、翌年度の賞与として届け出る金額を増やすといった方法は、これは可能です。こっちは可能。
 また、当期の利益に応じて賞与の支給水準というものを柔軟に変更したいというようなお考えの企業があれば、それはあらかじめ定めたルールというのがありまして、確定した利益の一定割合を支払う賞与、これは利益連動給与と言うんですが、つきましても、これは現行制度上損金算入を認めております。これを知らない人が物すごく多いですけど、これ認めております。
 こうした制度も用いていただいてはどうかということで、御地元で多分この種の話が出てきているということは、景気が良くなっているんですな、きっと。景気が良くなっていなきゃこんな心配、信用されませんから。
 このように、利益操作を防止するという趣旨を守る中で、できる限り柔軟な仕組みというものに関しましては是非御理解をいただければと存じます。
#379
○伊達忠一君 いや、これ、利益連動給与というのはよく分かるんですが、これは有価証券だとか何かの方に届け出なきゃならない、ちょっと面倒くささもあって、なかなかこれは採用しているところは少ないと思うんですが。こういう時期ですから、例えば届出制度でもいいんですよ、例えば事前に税務署に届ける。予算、どこの会社も組むんですが、予算がこんだけ上がって利益率がこんだけに達したらこんだけ上げますよ、社長は何ぼですよ、常務は何ぼですよと、こう言うんですが、それを頑張って頑張ってそれ以上出たという場合には、これは次の年にそれを総会であれしてやってもいいんですけど、一年後にそういうことが約束されるよりも、そのときにああよく頑張ったなと言ってもらえる方がいいわけですよ。
 ですから、例えばこれはどれだけやるかというのを自由にさせてしまうともちろん利益操作というようなことになっちゃうんですが、例えば何十%とか、それの一〇%とかまでは認めるとかとすると、やっぱりよく総理も大臣も言っているんですが、会社に今内部留保はすごいんだと、こう言っているでしょう。ですから、こういうことがそれ以上出せないということになると、出してもこれは税金を払えばいいんですけど、例えば、その経費内でやるとすれば、その中で例えばやるとすれば、内部留保も少しずつ少なくなっていくわけです。そうすると、思い掛けないものをもらうということは、当てにしていなかったものをもらうということは、やっぱり何か買おうかなと思ったけど、ふだんはやめようと思っていたやつが、あっ、これは当てにしていなかったやつが出たんだから、これで買おうやというようなことで消費にも伸びていくし、内部留保も少しずつ少なくなって景気も回復していくという、これはすごく私はいい好循環、総理が言っている好循環だろうと思うんです。これを何か少しでも認める方法というのはないものなんですか、大臣。
#380
○国務大臣(麻生太郎君) お気持ちはよう分かりますし、そういった話は、景気が回復してきて企業の内容が良くなってきた会社の中には本当によくある話ではありますけれども、これの一番の問題点は、いわゆる利益が隠される可能性が出てきますので、特に大会社ならともかく、もう中小の企業だと、それをちょっと簡単に操作ができるということは明らかに利益操作ということになりまして、これは税の公平上問題になるということだと存じますので、できれば今ある制度を有効に御活用いただいた方がより公平だと存じますし、来年もいいというようなことの保証がないし、今欲しいという気持ちは分からぬじゃありませんけれども、今のようなことを御理解いただければと存じます。
#381
○伊達忠一君 いや、分かります。今の時代ではそんな、何というか、悪いことをして利益操作するということは、会社というのは余り少ないんだろうと思うんですが、できれば将来的にもひとつ考えておいてもらえればなと、こう思いますのでよろしくお願いをしたいと、こう思います。
 それで、次に、地方創生のことでちょっと石破大臣にお聞きしたいと、こう思うんですが、これは、本当に私がびっくりしたのは、とにかく首長さんだけではなくて、地域の人というのが本当に期待をしているんだなということを実は感じました。
 というのは、実は先般、八日の日、我が党の六十周年の党大会をやったんですが、そのときに最後に女性部長さんに決意を言わせるんですが、今回、南からやってきたんですが、かなりの方が地方創生、地方創生と、女性部長ですよ、こう言っておられる。特に大臣のところの鳥取県の牧田智子さんなんかは、地方創生から、鳥取からと、あっ、聞いていましたか、これすごいものだ、あっ、大臣もおられましたよね。これだけみんなが関心を持っている、期待をしているということなんですね。是非、それだけにやっぱり私は成果を上げて実行してあげたいと、こう思うんですが。
 昨年は、東京圏と言われるいわゆる東京、神奈川、埼玉、千葉、この転入超過が十万九千人でした。高度成長のときには東京圏と言われるいわゆる東京、大阪、名古屋、この三大都市圏で人口が流入しましたが、今や転入超過はもう東京だけということでございまして、まさしく一極集中ということでしょうね。
 それで、実は、今までの政権も必ず一極集中に歯止めを掛けるというようなことをやってきましたが、なかなか成果が上がらなかったというのは事実ですよね。これはどういうところにあったと思われますか。
#382
○国務大臣(石破茂君) それは、なぜそういうことが起こっているのかということを、地域ごとに原因は実は違っていたのではないかと思います。
   〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
 確かに、地方に仕事がない、東京には仕事がある、地方には仕事があるが、かつての公共事業や製造業のように安定した高い所得のものがないというのは定性的に言える話なんですが、例えば札幌を見ますと、男女比を見たときに、札幌は男性は出ていくんだけれども、女性は残っている。札幌の男女比というのは、かなり女性の方が多いんだと思っております。あるいは、秋田県が何で全国で一番人口の減少率が高いんだろうか。あるいは、絶対数でいえば何で北海道が一番多いんだろうか、二番目はなぜ静岡なんだろうかというと、それぞれの原因があるはずでありまして、何でこのようなことが起こっているのかということを全ての都道府県、全ての市町村できちんと分析をして、その原因を変えていかなければならない、除去していかなければならない、そういうことだと思っております。
 ですから、ざっくり言ってしまえば地方に仕事がないからだと、こういうお話になるのですが、そのほかにもいろんな原因があろうと思っておりまして、さればこそ今度の私どもの取組で、全ての都道府県、全ての市町村に総合戦略を立ててください、KPIを設定してくださいとお願いしているのは、その地域のことはその地域でなきゃ分からぬという、非常にある意味当たり前の話ですが、謙虚さというものがある意味少し欠けていたのかもしれない、上から目線という言葉なのかもしれません。地域の一番御存じの方々にその原因を教えていただき、国としてはそれを取り除くために全力を挙げていくということだと考えております。
#383
○伊達忠一君 是非、今までの成果が上がらなかったことを踏まえて、今回はとにかく上からトップダウンじゃないんだ、下から意見を吐かせるんだというようなことを、こう言っておられます。まさしく、そうでないとやっぱりその地域の特殊性というのは私は出てこないだろうと、こう思うんですが、いかに地方を聞くという、この政策の推進が問われるかということは今回の地方創生の私は課題だろうと、こう思っております。国が細かい補助金だとか交付金だとか、そういうものに余り口を出さないで、ある程度自由に選択をさせるということが私は必要だろうと、こう思うんですが。
 私の地元でも、今般の補正予算で措置された地方創生先行型の緊急支援交付金の活用について、これは当初、要綱には必要最小限と、こう書いてあるんですが、保育所の屋外遊具の備品の購入なんかに少子化対策としてこの事業を行うということで実は相談に行ったんですが、これは五〇%以下にしなさいと、こういうことを言われた、そして、これ再考してくれというようなことを言われたと、こういうことなんですが、これはやっぱり、もう少し国がいい悪いを、そういうことを決めるんじゃなくて、これはもう少し親切に乗ってあげて、もしかそれが五〇%であれだったら、例えばほかの制度もたくさんあるわけですよね。
 そういう、こういうのを使ったらどうだ、こういうのを使ったらどうだということで、非常に、事務的じゃなくて、もう少し、どうして成果を上げる、私はこれは最後だと思いますし、この成果が上がらなかったら、やはり安倍政権にも私は大きなやっぱり打撃になるんだろうと、こう思っています。それだけに、やっぱり役所の方たちにしっかりと親切に私はやってほしい、こう思っています。
#384
○国務大臣(石破茂君) これは、この制度を仕組みますときに、全国知事会、あるいは市長会、あるいは町村会の方々とも随分といろんなお話をいたしました。その中で御指摘をいただいたのは、その使途についてはできるだけソフト中心にしてもらいたいと、こういう御要望を頂戴をいたしておりました。したがいまして、施設整備もの、いわゆるハード系というものをできたら半分以下にしてくださいねというお願いをいたしましたが、どうもそれが形式に過ぎるというような御指摘もあろうかと思っております。
 したがいまして、この交付金以外でも補助金等々でそういうような御要望を満たすことはできますが、私ども、この地方創生というのは、委員御指摘のとおり、地方の使う方々にとって親切でないと意味がないわけですよね。これがやりたかったんだ、これを待っていたんだということについて親切でなければ駄目でありまして、道徳の標語めいて恐縮でありますが、親切、正直、丁寧な地方創生ということで心掛けてまいりますので、また不行き届きな点がありましたら御指摘ください。
#385
○伊達忠一君 まさしく、先ほど申し上げたんですが、できるだけやっぱりそれを、成果を上げるように私はやってあげるべきだと、こう思うんですが、この安倍総理の今回の我々の成長戦略の中にも、これは五ページにも、地方の積極的な取組を支援する自由度の高い新しい交付金によって、地域の創意工夫を頑張る自治体にやるんだということを言っているわけですよね。ですから、やっぱり木で鼻をかんだような、出し直してこいというようなことではなくて、もう少しやっぱり相談に乗ってやるべきだろうと、私はこう思うんですが、よろしく御指導のほどお願いをしたいと、こう思っております。
 次に、地方創生、地方からのこの意見が実際にある中で、具体的にどうやって各地の声を吸い上げる、そういうようなことをこれからも国の政策として、きちっとやっぱり反映をさせていくべきだろうと、こう思うんですが、この辺についてちょっと一言。
#386
○国務大臣(石破茂君) それは午前の答弁でも申し上げましたが、できるだけ自由に使えるお金がたくさんあった方がいいと、そういうことだと思っております。国は、外交であり、安全保障であり、通貨政策でありという、そういう国でなければできないことということに徹するのが本来あるべき姿だと思っております。
 ただ、地域地域においていろんな問題がございますので、私は、国と地方というのが共通の目的を持つというのは大事なことだと思うんですね。人口減にどう対応するか、少子化にどう対応するか、この高齢化にどう対応するか等々、共通の目的を持つ、しかしその手法は地域地域によってそれぞれのバリエーションがあるんだろうと思っております。
 ですので、今、地域地域において本当に総合戦略というものを作っていただいております。それが出てまいります。それを見ながら、国が査定をするということではなくて、地域地域に合った政策に応じて自由に使えるお金をできるだけたくさんというのが新しくつくる交付金の設計思想だと、このように考えております。
#387
○伊達忠一君 是非、先ほども申し上げたんですが、町村長だけではなくて、大変地方の方も期待をしておりますので、是非お願いをしたいと、こう思っております。
 では、総理にお聞きするんですが、総理がこのトップセールスをやられて、就任以来、我が国のこの農林水産物を一級品にするんだということを言ってまいりました。この成果があって、大変もう大きな私は成果を上げていると、こう思っておるんです。
 日本のこの農産品というのは非常に品質面で安全で、品質が良くてということなんですが、これは三十二年ということを目標にしておるわけですが、これですと総理、まだ前倒しして、とにかく積極的にこれをもう少し、中国なんかも乳製品なんかも物すごくもう是非と、こう言っているんですが、なかなか門戸が開けていないというような、放射能の風評被害みたいなものでしょう。それと、半分何かどうもその取組がちょっと薄い。向こうが受け入れないのか、そういう要旨が、放射能のあれを、安全基準に達しているんだという要旨がどうも理解をしてくれないということなんですが、これはもう少し積極的に私はもう取り組んでいく。これはもう中国でいろいろなことをやっている人たち、例えばイオンの店をやっている、そういう店長なんかにもよく言われているんですが、是非ひとつ前倒しで積極的にこれ更に進めていくように、ひとつ一言お願いします。
#388
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに日本の農産物というのは大変な可能性を秘めていると、このように思います。昨日も、防災世界会議のレセプション、おとといですね、行いまして、そこでは東北産の食材を使った食事を、すばらしい日本の和食を提供させていただきました。その中で多くが、まだ幾つかの国からは輸入規制に遭っているわけでございますが、その輸入規制がいかに科学的根拠がないものかということを皆さん自ら体験していただいたと、このように思います。
 北海道の優れた乳製品、これはまさに競争力はあるんだろう、特に中国においてはですね、特に競争力が高いと、このように思います。その中でまだ門戸が開かれていないところに対しましては、政府として積極的に門戸を開く努力をしていきたいと思います。
 我々、輸出を増やすべく、この二年間、三六%輸出は増えました。過去最高、六千億円を超えたわけでありますから、しっかりとこの目標を前倒しするぐらいの勢いを持って農林水産物の輸出増加を目指して頑張っていきたいと、このように思っております。
#389
○伊達忠一君 いや、これはすごい成果を上げておりますし、是非前倒しして、中国などの要望の強いところにどんどんどんどん門戸をもっと開いていただきたいと、こう思っております。
 それから、ちょっと酪農について林大臣にお聞きしたいんですが、私の実家も、じいさん、ばあさん、やっておったんですが、実は、朝起きて、牛の世話からもう搾乳から、そして今度は日中は牧草を植えて刈って肥料にしてと大変なんですが、これを最近はいわゆる分業化して、もう牧草なんかは業者に任せて植えてもらって刈ってもらうというようなことをやっているわけでございます。その分、結局暇ができる、時間が取れるわけですね。そうすると、それを今度、頭数を増やして飼育にも回せるということで、非常に厳しい農家の収入ですが、そういうことをこれからも是非ひとつ進めていただきたい。このクラスター、産業クラスターというのを非常にあれしているわけでございますが。
 あわせて、酪農だけではなくて、これは農業だとか畑作に、米だとか畑作にもこれは活用できないものなんだろうかと。そうすると、自分たちで大きな投資を、機械を買ったり設備をしたりとしなくてもいいということになるわけなんですが、今後この進め方をひとつお聞きをしたいと、こう思っています。
#390
○国務大臣(林芳正君) 伊達先生のお地元は、大変にこの農業、中でも畜産、酪農が盛んなところでございまして、よく御存じのとおり、このコントラクター、またヘルパー等を活用していろんな取組をやっていただいておりますが、さらに今御指摘のあった畜産クラスターというものもしっかりと今回充実させていこうと、そのための予算も確保してきたところでございます。まさに今御指摘があったように、水田農業や畑作農業についても、この畜産、酪農と同様に、規模拡大を推進して生産コストの低減を図って収益性の向上を図っていく、これは大変大事であると、こういうふうに思っております。
 例えば、田んぼでは畦畔の除草とか水の管理等の作業をする、畑作では収穫等の作業のとき大変手がたくさん掛かりますから、こういうところがどうしても規模拡大の阻害要因になっていると、こういうことでございますので、水田農業、畑作農業も畜産、酪農を倣って、こうした作業の分業化又はアウトソーシング、こういうことを推進することは大変有効だと考えておるところでございます。
 今年の三月から実は農業者の皆さんとの意見交換等を始めまして、現場の御要望、課題を把握しながら、水田農業や畑作農業におきましてもこの分業化、外部化の推進方策について検討を始めようと、こういうふうになったところでございます。
#391
○伊達忠一君 是非これ進めていただいて、できるだけやっぱり農家の皆さんの朝早くから掛かっているこの時間を割いていただきたいと、こう思っております。
 ちょっと水産もあるんですが、水産は後から江島先生にやっていただくことにいたしまして、ちょっと無届けの施設に、塩崎大臣にお願いしたいと、こう思うんですが。
 実は、最近急激に増えてまいりまして、今問題になっているんですが、全国でこのグループハウスを含めたいわゆる下宿屋的なところがどんどんどんどん増えて、そこの横に訪問介護事業所を併設をして、そこからヘルパーを出向させてきているというようなことなんですが、これは届出をさせる義務が私はあると思うんですが、いかがですか。
#392
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、このところ未届けの有料老人ホームというのが目立っておりますが、これにつきましては、老人福祉法の第二十九条の第一項の規定に基づいてこれは必要な措置として設けられている制度でございまして、設置に当たっては都道府県知事等への届出が必要ということになっておりまして、これについて未届けのものが存在をしているということがございます。
#393
○伊達忠一君 これは指導すべきであって、義務化だと思うんですよね。ですから罰則があるわけですよ。届出がなかったら三十万円ですか、罰則ということに実はなっているようなんですが。それをしないで、むしろその無届けのところにあっせんをしているというのが最近結構あるんです。これはもう泥棒に物を一緒になって運んでやって手伝っているようなこれはものじゃないかなと、こう思うんですがね、これはやっぱり。
 そして、最近何だかその基準を下げたこれをつくりたいというようなこと……(発言する者あり)はい、オーケーです。ですから、これはやっぱりもう少し厳しくやって、かつてみたいな事故が起きて八人も亡くなったなんていう、火事で、ということになると、これ、誰が責任、どこが負うのか分からなくなるので、これは是非ひとつきちっと指導していただきたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#394
○国務大臣(塩崎恭久君) 老人福祉法を平成十七年に改正をいたしまして、十人未満の施設でも有料老人ホームとするようにやってまいりました。
 今先生御指摘のように、これは都道府県が監督をすることになっておりまして、平成二十五年の十月時点で全国における九百十一件の未届けの有料老人ホームが確認されておりまして、有料老人ホームの届出状況の定期的な調査、それから都道府県等に対する関係機関と連携した届出の促進の取組、そして都道府県等による指導の目安となるガイドラインの見直しなどに取り組んでおりまして、今後とも、届出促進と関係法令を守るために、都道府県と連携して対応してまいりたいと思います。
#395
○伊達忠一君 時間ですので終わらさせていただきますが、メール便についても是非やりたいと、こう思ったんですが、次回にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#396
○委員長(岸宏一君) 以上で伊達忠一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#397
○委員長(岸宏一君) 次に、猪口邦子さんの質疑を行います。猪口邦子さん。
#398
○猪口邦子君 ありがとうございます。自由民主党の猪口邦子でございます。
 本日は、この予算委員会において質問する機会をいただきまして、理事の先生方に感謝申し上げます。
 本日の私の質問の中心は、日本の対外発信についてでございます。
 本年は戦後七十年という節目でありますので、様々な対外発信の機会がある年となります。また、この瞬間も、今、被災地仙台では第三回国連防災世界会議が進みつつありまして、天皇皇后両陛下の御臨席の下、安倍総理はまさにこの週末、開会式に出席され、ハイレベルの二つの会合で非常にすばらしい演説、ブリリアントな対外発信をしてくださいました。しかも、その一つは女性の活躍に集中した、そのような内容の演説でございました。また、山谷大臣は、防災大臣として、議長として、世界からの首脳や閣僚、政府代表や国際機関の皆様が集まる議場で采配を振るわれたのであります。四年前、世界各地から救済の手が差し伸べられましたこの被災地において、今週、日本は防災の国連会議の議長国となっているんです。本当に大きな成果を期待したいと思います。
 私は、ちょうど一年ほど前ですけれども、この予算委員会で安倍総理に、防災・減災を世界レベルで主流化しなければなりませんと訴えたことがあります。日本は実に、一九九四年のこの第一回の会議から、二〇〇五年の神戸での会議、そして今回のこの国連会議と、国連のプロセスの中でこの防災の世界大会の会議を担ってきました。自然災害が多い日本ですから、その脆弱性を乗り越えていくその努力、そしてその知見を世界と分かち合おうという意欲に私は世界は共感してくれていると思います。日本のODAもちょうど六十周年ですけれども、その中に防災の経験がたくさん生かされています。
 そこでまず、対外発信を強化していくという一環ですけれども、総理に国連防災会議で活躍してくださいました感想を伺いますと同時に、防災大臣にも議長としての感想を伺い、また今後、防災の主流化に向けてどういう段取り、とりわけこの会議の次回はいつどこで行うべきなのかというようなことについても伺いたく思います。では、総理、お願いします。
#399
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の国連防災会議は、第三回目の国連防災世界会議になるわけでありますが、参加した国は最も多い国々が今回参加をしていただきました。
 まさに我々は、阪神・淡路大震災を経験し、そして東日本大震災を経験した。こうした経験を防災に生かしていく、あるいはまた復興をどのように進めてきたか、こうした知見を世界と共有したいと、こう考えたところでございます。
 今回、被災地である仙台市で開催をされまして、週末の二日間、私も出席をいたしまして、全体会議への出席に加えて、二十人近い首脳らと会談を行いました。これら会談では防災会議の成功に向けた協力を要請するとともに、二国間関係の強化について有意義な意見交換を行うことができたと思っております。
 全体会合では、総理就任以来被災地に足を運んできた経験から、被災者に寄り添うきめ細やかな復興を実現することが重要であるとの考えの下、今般の会議では、我が国の貢献策として仙台防災イニシアティブを発表いたしました。このイニシアティブの中で、単に災害前の状態に戻るのではなく、災害前よりも災害に強い社会をつくるとのより良い復興の理念、長期的視点に立って防災のための投資を行うこと、そして防災に係る対応を効果的に進めるため、中央政府と多様な主体が連携することの重要性を訴え、今後四年間で計四十億ドルの支援を行い、四万人の人材を育成することを表明し、高い評価を得ることができたと思います。
 また、先ほど御紹介もいただきましたが、女性のリーダーシップをテーマとするハイレベルパートナーシップ対話にも出席をし、災害に強い社会の構築には災害による被害を受けやすい女性の力を活用することが不可欠であると、こう訴えたところでございます。
 今次会議の成果文書については十八日の最終日の採択を目指し、現在交渉中でございます。今次会議において、災害に強い社会の構築に貢献する文書がまとめ上げられ、さらには本年秋の国連総会で、あらゆる開発政策に防災を最重要課題に位置付けていくという、猪口議員の従来からの御主張でございます防災の主流化を一層促進していく決議が採択されるように関係各国に働きかけていきたいと思います。
#400
○国務大臣(山谷えり子君) 猪口委員の長年の取組に敬意を表します。
 第三回国連世界防災会議でございますけれども、国連加盟国百九十三か国のうち百八十六か国が参加してくださいまして、また、約二十か国の首脳、また百名超える閣僚、そしてまた国際機関、認証NGO等五千人、また、関連の事業も含めますと延べ四万人の参加がございまして、過去、日本の国際会議としては最大級だというふうに思っております。
 今現在も、各国の首脳、閣僚、代表らがステートメント、代表発言をしてくださっているんですが、世界の異常気象や、また被害の大規模化、局地化、また人口の都市の過密化などで、これ防災の主流化をしていかなければならないという強い問題意識の共有をしているところであります。
 今総理からもお話がございましたように、三つの視点が大きく共感、共有をされているなというふうに感じていますけれども、一つは防災の主流化、開発とか暮らしなどに防災という視点を、事前防災、被害の最小化という視点を入れていくことによって、それはコストではなくてむしろ投資なんだという考え方、それからもう一つはビルド・バック・ベター、より良い復興、災害に遭う前よりももっと良く復興するんだという考え方、また、多様な主体、国、行政、地方だけではなくて、NGO、市民、研究者、特に産業界ですね、そうした皆さんの力によって被害の最小化、そして復旧復興のスピードアップ化を図ろうというようなことで文書の取りまとめ、そしてまた最後、政治宣言、私、議長も務めておりますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 日本は様々な災害に遭いやすいという環境にある。そして、様々な教訓、テクノロジー、ハード、ソフトの組合せ、防災の主流化ということを発信してまいりました。具体的に、これからこの防災の主流化で日本は国際貢献を果たしていくんだと、そして具体的な世界のみんなを幸せにする行動につながるような会にしていきたいと、そうなっていると、今現在と、考えております。
 また、たくさんの被災地の視察とか、文化、自然、食を楽しんでいただくことも企画しておりますので、被災地の振興にもつながると考えております。
#401
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 山谷防災大臣の情熱とイニシアティブ、そして議長としての采配に感謝申し上げます。
 まだ交渉中ですので、例えば兵庫の行動目標というのがありまして、これの後継指針をこの会議で編み出すことができるかどうか大きな焦点となると思いますが、また、今後のこの国連会議のプロセスの管理ですね、どういうふうに今後発展させていくのか、そういうことも、なかなか今現在議長として活躍されていますので大臣にお答えいただきにくいかと思いますけれども、私の希望を述べておきたいと思います。
 主流化するにはやはり継続しなければならない、国連のプロセスというのが一番効果的であると。国連のプロセスを新たに今後のために立ち上げるには、国連総会の決議が必要である。
 この秋の国連総会にて、まず今回のこの第三回の国連防災世界大会の成果を歓迎する、ウエルカムする、そういうパラの入った、そして今後はこういうふうに構築していくという、そのような国連総会の決議を日本はほかのスポンサーも募って提出して全会一致で採択してもらいたいと願っておりますので、一案と思いますので考えていただければと思いますし、既にそのような取組、岸田大臣とともにやってくださっているかもしれません。
 そしてまた、今総理がおっしゃったんですけれども、今後、国連の中で、例えばミレニアム開発目標の中には防災の考え方はなかなかインディケーターとかインデックスとしては入っていませんでしたが、今後、ポストMDG、いわゆる国連におけます今後の開発インデックスといいますか、目標を決定していくのがこの九月の恐らく総理のサミットになるんだと思いますが、その中に是非この防災の考え方がきちっと入るようになることが大事であろうと。これは、総理に私お願いしたいと思います。
 そのためにも、今後九月までのハイレベルのいろいろな文書、例えば先進国首脳会談、そういうところでは文書とかコミュニケ、共同コミュニケとかいろいろ出ますけれども、その中にワンパラグラフでも、今回の第三回国連防災世界大会の成果は非常に優れたものであり、関係国はその提言の実施に向けて全力で努力するんだみたいな文章が入りますと、九月のその部分がやりやすくなるのではないかと思いますので、主流化というのはいろんな努力の総合によってなされますので、総理にお願いしておきたいと思いますが、もし一言お答えいただければ有り難いと思います。
#402
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変貴重な御意見をいただいたと思います。
 この防災の主流化をより確かなものとするために、そうした形で残していくことも含めてしっかりと対応していきたいと、このように思っております。
#403
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 では次に、さらに一般的な今年の対外発信の課題について伺います。
 戦後七十年の今年、世界が日本に注目する年であります。日本はこの七十年で世界三位の経済規模の平和国家へと発展しました。先進国として世界二位です。近代四百年の世界の歴史の中で、資源を持たない国がそういうふうな成果を遂げたことは日本だけですので、世界は注目していると思いますし、申し上げましたとおり、ODA六十年の実績、そのような歩みを進めてきたわけです。
 ところが、なかなか世界に理解されない面もありますので、今年は世界における日本のイメージの大幅改善を目指す必要があると思っているところであります。
 実際に、政府は戦略的な対外発信として、予算におきましても補正合わせまして五百億円増の予算を組んでくれていまして、ジャパン・ハウスの創設とか、在外公館の発信力の強化とか、各国への世論の働きかけ、これを強化する計画を持っていらっしゃいます。
 私はいずれも非常に有効だと思うんですけれども、他方で、現代社会において、どの国でも対外発信の主役は首脳そのものです。安倍総理こそ日本の対外発信の最強の選手であります。そして、まして今、アベノミクスの経済的成功が非常に、特にヨーロッパ方面でも高く評価されているので、世界は今総理の言葉や演説に注目していると思うんです。ですから、日本の認識、世界におけます日本認識をより良いものにしていく、そのような認識形成者として、総理は今後どういう方法、場面で、今年この対外発信をやっていく予定でいらっしゃるか、お考えをお伺いします。
#404
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 対外発信は極めて重要であります。日本はこの七十年間、今年は特に終戦から七十年の節目の年でありまして、ひたすら平和国家としての道を歩み、自由で民主的な国をつくり、そして基本的人権を尊び、法の支配をしっかりと大切にする国をつくってきたわけであります。地域の平和と安定にも大きな貢献をしてきた、この日本の今までの姿をしっかりと発信をしていく、さらに、これから日本は、経済においても日本がきっちりと成長していくことによって世界経済にも大きく貢献していくんだ、そして新たな国際協調主義の下の積極的平和主義についても発信をしていきたいと、こう思っています。
 政府としては本年度補正予算及び来年度の政府予算においても対応してまいりますが、私自身も、今年の秋の国連総会もございます。そしてまた、ただこれ、国会等の日程がございますから今つまびらかには申し上げることがございませんが、様々な国際会議がございます。そうした場に出席することがかなえば、しっかりと発信をしていきたいと思っております。
 また、私だけではなくて、民主国家においては議会同士の関係も大変大切だろうと思っております。先般も、猪口議員、そして堀井議員、滝波議員、三人の先生方に米国に出張していただきまして、多くの上院議員、下院議員、あるいはカリフォルニア州の州議会上院議員等との会話を進めていただいたわけでございます。そういう日本の総合力を生かしながら日本の価値をより世界において高めていきたいと、このように思っております。
#405
○猪口邦子君 ありがとうございました。
 対外発信というのは連続的なプロセスだろうと感じております、一回でということではなくて連続的なもので。今年はまさにそういうことが可能なのではないかなと感じております。
 まず、直近では、四月にアジア・アフリカ、バンドン会議ですね、AA会議、これの、これは一九五五年でしたけれども、六十周年の記念行事があると聞いておりまして、インドネシアで、総理にも招待が来ていまして、出席予定であったらいいなと感じております。十年前の会議に小泉総理が出席されています。また、春のどこかではアメリカへの公式訪問が予定されているとも伺っております。そして、九月のこの国連創設の首脳会談、会議というのもあります。いずれも日本の未来志向のイメージ、そして七十年にわたる勤勉な努力、こういうことを発信する重要な舞台ではないかと感じております。
 私にとってせっかくの機会ですので、ここで七十年の日本の歩み、努力というものはどういうものなのかと、国民の代表の一人としてここで少し述べてみたいと思います。部分的ですけれども、述べさせていただきます。
 第一に、資源が乏しいにもかかわらず、勤勉な国民性と自由貿易の恩恵を受けて、先進国として世界二位の経済規模へと発展したということです。非常に重いことだと思います。
 終戦の年に生まれた人は今年七十歳。その人が十五歳で働きに出たとしたら、一九六〇年、その年は日本がついに高度成長の扉を開いた年です。日本の高度成長を支えたのは、実に戦中戦後、非常に貧しい、貧乏な子供時代を生きた世代の猛烈な未来志向、そしてこの国を思う気持ちではなかったかと思います。資源がない中、こういうふうに発展した国民の苦労、これを私は世界に伝えてもらいたいと思います。やればできるから、ほかの国も参考にしてもらえたらと思います。
 それから第二に、日本の平和主義への明確な転換、この立場を冷戦期も含めて七十年保持した国民的な意思と政策的な賢明さです。
 その中で、日本はODAをやはり外交の重要なツールとして意識し、人道支援国家への自画像も確立していきました。ODA六十年の道のりは、我々が貧しい時代も含めて、日本の納税者、これの国際協力は大事だという一貫した支持があってのことです。非常にそういう高潔な事実をやはり世界に伝えてほしいと思うんです。
 それから第三に、そのODAなんですけれども、六十年ですので振り返ってみますと三つの特徴があって、一つは人づくり、技術移転など含めて、二つ目にインフラ整備、そして人間の安全保障。この三つを考えると、これは我が国の国づくりそのものを反映していると思います。資源ないので人づくりや教育重視、そして自立した経済成長にはやはりインフラが大事であろう、そして全ての国民の安心、安全、これを世界では人間の安全保障という言葉で語ります。
 こういうふうに非常に誠実なODAをやってきたということも伝えてほしいし、あと四番目には、軍縮・不拡散の旗手であり続けたことです。大量破壊兵器の不拡散は戦後世界の安全保障の基盤でありまして、今年はNPTの運用検討会議の年でもありますけれども、日本は非核兵器国として核兵器国にはない説得力をもってこの不拡散体制というものを維持できたと思います。そもそも、テロとの闘いの基本は非合法の武器の不拡散を徹底することで、ほとんど全てのテロ組織は小型武器などによって大きくなり、そしてまたそのテロ行為そのものもそういうものでなされます。ですから、通常兵器も大量破壊兵器も含めて不拡散の旗手であり続けたこと、これもやはり世界で分かってもらいたいと思います。
 そして、最後に、日本は、だから資源ない中、経済成長頑張った、そういうときにはどこかで無理が出てくるんです。例えば、女性の登用、子ども・子育ての支援など、今、安倍総理の下で猛烈な回復運転をやっていただいているんですけれども、一定の時期こういうことを後回しにして頑張らなければならなかった時代もある、そういういろんなことを伝えてほしいと思います。こういうことを伝えながら、日本に対する批判や負のイメージ、あるいはいわれなき誤解、こういうことも自然と収まっていくと私は確信します。
 では、まず大事なのがこの訪米のときですけれども、事前の外交調整、あるいはアメリカにおけます対日世論がどういうものであるか、こういうこともよく見ながら、共感をしていただける、共感を取り付けやすいような、そのような演説を各方面で予定していただきたいと思いますけれども、そのような未来志向、そして国際貢献をこれからやっていく、平和国家としての歩みがずっとあったということ、こういうことを例えば首脳会談の後にできれば出していただきたい、共同文書といいますか、ジョイントコミュニケみたいなのがあるとすればそういうところに反映していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#406
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、米国より公式訪問の招待がございました。強固な日米同盟を、言わば日米双方に対して、また世界に対してアピールする極めて重要な機会だと、こう思っております。その際、様々な機会を通してしっかりと日本のメッセージを発出をしていきたいと、このように思います。
 戦後、日本は、米国と和解をし、強固な同盟国となり、平和国家として地域や世界の繁栄と平和に大きく貢献をしてきたと思います。今後も、国際協調主義に基づく積極的平和主義の下に、地域や世界の繁栄と平和に一層積極的に貢献をしていく考えでありますが、これから私たちはそうした考え方の下に米国としっかり連携を深めながらアジア太平洋地域や世界の平和に今まで以上に貢献をしていくということを、私たちの考え方を、そして世界をより良い場所にしていく、こうした決意をしっかりと発信していくことのできる訪米としていきたいと、このように思っております。
#407
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 言うまでもなく、アメリカは唯一の日本にとっての安全保障同盟国ですから、まずはそこが大変大事と思います。
 そして、先ほども述べましたバンドン会議の六十周年でのところでございますけれども、ここは先ほど伝えましたODAの考え方であるとか、日本の未来志向への決意であるとか、実直な七十年の歩みであるとか、伝える良いチャンスではないかと思いますが、ここについてはいかがですか。
#408
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国のODAは昨年六十周年を迎えたわけでございますが、今年、終戦から七十年でございます。言わば、戦争が終わって十年になるかならないかで我々はODAをスタートした、まだまだ貧しい時代から、私たちはアジア地域の発展のために私たちもその責任を果たしていこうという決意を実際示してきたわけであります。
 四月の下旬にインドネシアにおいてアジア・アフリカ会議が開催されます。六十周年を記念する首脳会議が開催されるわけでございます。この地域の百以上の首脳が招待をされ、世界の平和と繁栄に向けて協力の在り方について議論されると承知をしております。諸般の事情が許せば、この首脳会議に出席する機会が得られれば、会議において、これまで我が国は平和国家として発展途上国への開発協力、そして民主化支援等を通じて地域や世界の平和と発展に大きな貢献を果たしてきたこと、そして、国際協調主義に基づく積極的平和主義の下、我が国は地域や世界の平和と繁栄に一層積極的に貢献をしていく、こうした考え方を発信していきたいと、このように思っております。
#409
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 このODAのこと、また今度は開発協力大綱という形でまとめつつあるということ、それから、軍縮・不拡散については外務大臣、岸田大臣が非常にイニシアティブも取ってきてくださっています。こういうことの発信について、外務大臣のお考えもここで伺えればと存じます。
#410
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国としましては、この戦後七十年に当たりまして軍縮・不拡散というテーマについても重視をし、しっかりと発信をしていかなければならない立場にあると思います。唯一の戦争被爆国として、この軍縮・不拡散の世論をリードする道義的責任が我が国にあると感じています。
 そして、この年に、四月には五年に一度のNPT運用検討会議があります。また、八月には広島で国連軍縮会議が予定をされています。そして、それ以外にも、長崎を始め各地で重要な国際会議が予定をされています。是非、我が国としましては、NPDIの枠組みで蓄積した十七の基本文書を今世の中に発出していますが、これを基本としながら、現実的、実践的な取組をしっかり発信していかなければならない、このように感じています。
 先ほどのODAを始め、我が国の今日までの歩みについてしっかりと発信するとともに、未来についての貢献をしっかりと発出していきたいと考えています。
#411
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 いろいろな国際会議での発信の機会が今年はあるということをお伝えしたんですけれども、国連総会での今後期待される演説ですが、思い出しますに、二〇一三年の国連総会での総理の演説、やはり女性の後押しをしなければならないということを強く打ち出して、大きな感動を呼びました。そして、昨年の九月の総理の国連総会演説、本当にレジェンダリーといいますか、歴史的な、重要な、女性のためにいろいろな扉を開いていくという演説をしてくださり、総理は、その演説が終わった後、多くの国連機関の女性の政策を推進する方たちに取り巻かれて、それでありがとうという言葉をもらった。そういうことは国連の議場ではめったにないことなので、リブランディングといいますか、新たな日本イメージの推進という感じがしますので、女性は多くの苦労をしながら一生懸命努力していますので、今後の国連での演説の中でも是非そういう発信を続けていただきたいと思います。
 そこで、先ほどアメリカのことを伺いましたが、日本にとって重要な同盟国であり、アメリカにおけます対日感情をどういうふうにより良いものにしていくことができるか考えておりましたところ、ふと気が付いたちょっとデータがあるんですが、ちょっとパネルをお願いします。(資料提示)
 これは、よく姉妹都市という考えがありますが、姉妹都市よりより広い広域自治体間の交流が日米でどのぐらいあるかということでございまして、アメリカの州と日本の県との間での姉妹交流関係があるのはどのぐらいかということを見てみました。
 つまり、市ですとちょっと範囲が狭いかもしれない。例えば高校生が、じゃ初めて外国に何か行くときに、そのところに行ってみたいと思うようなときに、ちょっと範囲が狭いかもしれませんが、州と県の交流であればかなり実質的なものとなるだろうと。ところが、アメリカ五十州のうち日本の県と提携していますのは二十一州で、古くは兵庫県の一九六〇年代のことがあり、最近では愛媛県のがありますけれども、いろいろ見ますと、それぞれの先生の県のことを見ていただきますと、なかなかないということが、そうなのではないかと思います。
 そこで、政府と政府、先ほど総理は議員と議員、超党派での交流もいろいろあります。それから有識者、研究者対研究者、そういうのもあるでしょう。メディア対メディアもあるでしょう。ところが、人と人、ピープル・ツー・ピープルといいますか、そういう枠として、今後、是非総務省におかれても、日本の都道府県がアメリカのやはり州とこういう広域自治体間交流が進むことができるよう、予算等の面で後押ししていただいてはどうかなと思うんです。
 もちろん、いろいろな考えでそれぞれの人はそれぞれの留学をするだろうし、交流をするでしょうけど、何の機会もなかったら、まずは自分の県庁に行ってこういうところを調べてということがよくあることだと思いますので、お願いしたいと思います。総務大臣にお願いしたいと思います。
#412
○国務大臣(高市早苗君) 都道府県を始めとする自治体レベルでの国際交流というのは、日米間において最も多様かつ長きにわたって展開されています。
 委員がもう既に資料でお示しくださったとおり、二十四の都道府県が二十一の米国の州との間に姉妹都市連携を行っているんですけれども、そういう広域の連携というのも非常に価値があると思いますが、他方、市町村まで加えますと、今、姉妹自治体の提携数が四百四十にも上っております。その中には、半世紀以上にわたって交流を続けている例も数多く存在します。
 このほかに、JETプログラムで、近年、全参加者数の半数以上がアメリカの青年でございまして、大体二千四百人規模でございます。現在は、小中学校、高校などで英語指導をやっていただいたり、それから自治体の国際交流業務にも貢献していただいておりまして、総務省としては、これも地方交付税により財政支援を行っております。
 しっかりと各都道府県、市町村がアメリカと地域レベルで交流できるように支援をしてまいりたいと思っております。
#413
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 前向きの御答弁をいただいたんですけれども、基本的な交流の枠組みを強化して、やはりアメリカにおけます対日感情、広範に、構造的に、長期的に改善していく、こういう取組、これは今一つの事例を出しましたけれども、様々なほかにも方法が考えられると思いますので、工夫していく必要があると感じておりますので、総理にも、どうぞよろしくお願いいたします。
 もう一つ、国際会議関係でESDというのがあります。これは、持続的な開発のための教育に関するユネスコ世界会議、これは昨年の十一月に名古屋そして岡山で大成功に終了したものでありますので、これを、このような持続的な開発のための教育、エデュケーション・フォー・サステーナブル・ディベロップメント、こういうことを、先ほどもお伝えしたミレニアム開発目標の後継指標となりますSDG、これが九月に決定されますけれども、その中に入るべきであると考えております。特に、サブターゲットに今含むような交渉もされていると聞いておりますが、じゃ、これ外務大臣にお願いしてよろしいでしょうか、あるいは文科大臣か、是非このESDの成果を今後の国連プロセスの中に位置付けるということをお願いしたいと思います。
#414
○国務大臣(岸田文雄君) ポスト二〇一五年開発アジェンダの目指す貧困撲滅、さらには持続可能な開発、こうした課題を実現するためには、こうした課題に対する理解がどうしても必要になります。そして、その理解の手段となりますこのESDという取組、これはまず基本的にポスト二〇一五年開発アジェンダに貢献するものであると認識をしています。
 そして、昨年十二月、国連総会において、ESDの十年の後継プログラムを提唱する決議が採択されています。また、昨年七月に国連の作業部会が採択した持続可能な開発目標に関する報告書、この報告書には、我が国の主張により、このESDに関するターゲットが含まれています。この報告書は、現在行われているポスト二〇一五年開発アジェンダの交渉の基礎になっていると認識をしています。
 是非、我が国として、ポスト二〇一五年開発アジェンダにESDが盛り込まれるよう、引き続き努力をしてまいりたいと考えています。
#415
○猪口邦子君 国内の方で少子化対策ですが、子ども・子育て支援新制度、四月一日から発足となります。消費税の税率のアップをしないにもかかわらず、ここはきちっとやっていただけるということを感謝申し上げます。
 いろいろな公定価格の決定をしてきた中で、たとえ一〇%の消費税率であってもあと四千億の予算が足らないということになりそうですので、麻生大臣に、この子ども・子育て新制度、フルに実施するに必要な財源の確保をお願いいたします。
#416
○国務大臣(麻生太郎君) この御指摘の子育て支援に係る財源につきましては、これは二〇一四年の六月の骨太方針においても、財源の確保について着実に進め、消費税分以外も適切に対応していくとされておりますので、この方針に沿ってよく検討してまいりたいと考えております。
#417
○猪口邦子君 最後に、少子化対策としても非常に重要なのは、給付型の奨学金の公的制度の樹立であります。大学用にも是非これを樹立していただき、学業を経済的理由で断念する子供ゼロ社会、これを待機児童ゼロの次にはつくっていく必要があると考えますので、よろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
#418
○委員長(岸宏一君) 以上で猪口邦子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#419
○委員長(岸宏一君) 次に、三原じゅん子さんの質疑を行います。三原じゅん子さん。
#420
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。
 本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。
 今年の三月十一日であの東日本大震災から四年がたちました。改めて犠牲者の方々の御冥福をお祈りしたいと思います。そして、復興に向けて力を尽くしておられる全ての皆様に、ひたむきな努力に感謝を申し上げたいと思います。
 東日本大震災は千年に一度の大地震だと言われておりますが、今から千百四十六年前に東北地方を襲ったのが貞観地震であります。その被害の大きさに心を痛めた清和天皇は、陸奥の国震災賑恤の詔を仰せになります。大震災により罪のない国民を苦しめた自らの不徳を悔い、その上で、死者のお弔いに手を尽くす、生存者には金品を与える、これを賑恤と言うのだそうですが、その上、税金を減免するなど事細かに心を砕いて、困った人に対してそれぞれの事情に即した手厚い支援を差し伸べるようお言葉を下されたということであります。
 天変地異に際して自らの不徳を省みるというお心に私は素直に驚きました。さらに、国民のことを第一にお思い、常に共にあろうとなされる天皇のお心、これはその後の時代にもしっかりと今も受け継がれているのだと思いました。そして、天変地異に対して謙虚に畏怖し、そして復興を祈り、将来の希望を見出そうとする歴代の天皇陛下のお心、これを思いますと、今回は自然災害に加えて原発事故も起きており、自然に対してはもちろんでありますが、科学技術の発展、こういったものについてもおごることなく畏れと祈りというものを忘れずにこれからの復興に努めていきたいと、改めて心に誓ったところでございます。
 さて、前回の質疑で、税のゆがみは国家のゆがみと申し上げて、具体的にはJALの法人税免税問題やグローバル企業による租税回避問題についての問題を提起させていただいた際、欧米の法律に書いてないのだから何をしてもよいという価値観の対極にあるものとして、私たち日本人の倫理観、おてんとうさまがいつも私たちを見ておられる、だから悪いことはできない、つまり天の理、宇宙の理に反してはいけない、そういうものがあると申し上げました。
 今回も主に税制に関するお話をさせていただきたいと思います。まず、与党と安倍政権の実行力の成果について総括をさせていただきたいと思います。
 まず、日本航空の法人税免税問題です。
 JALは、民主党政権下で破綻し、税金で救済され、再建後は二千億円にも上る莫大な営業利益を上げながら、一部の試算では九年間で約四千億円もの法人税が免除される状況が続き、競合他社の経営を圧迫しています。
 このJALの法人税をめぐる問題は、私ども自民党が野党のときから一貫して指摘をしてきたものであります。そして、西田昌司議員を始めとする諸先輩議員の多大な御尽力によりまして、この欠損金の繰越控除制度について、再上場を果たした更生会社を特例措置の対象外とする措置が二十七年度与党税制改正大綱に盛り込まれたわけであります。
 そこで、麻生大臣、本件について、この与党の税制改正大綱の内容を踏まえて、政府としてどのような措置を講じる予定なのか、教えてください。
#421
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十七年度の税制改正において、これは課税ベースを拡大しつつ税率というものを引き下げるという考え方の下で、法人税改革を行う中の一つとして欠損金繰越控除につきましても、資本金一億円を超えておりますいわゆる大法人の控除限度を所得の八〇%から五〇%まで引き下げるということにする一方、再建中の法人とそれから新設の法人については、再建プロセスへの影響また新設であること等々考えて、計画の認可決定から七年間は所得の全額、一〇〇%まで控除を認める特例を導入をいたしております。それが八〇と五〇とに対して一〇〇ということです。
 他方、この特例の対象となった法人がその後取引所、取引所というのは証券取引所への再上場ということに至った場合は、再建がかなりの程度進んだということを意味するものだと考えられますので、もはや再建プロセスに配慮する必要は乏しいと思われます。したがいまして、以後の事業年度は特例の対象とせず、通常どおりの控除制限、簡単に言えば平成二十九年以降は五〇%を適用するということにしたものであります。
#422
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 では、それによって幾らの税収増となるのか、これも教えていただきたいと思います。
#423
○政府参考人(田村明比古君) 法人税制に係る個別企業の適用関係については、本来、税務当局が判断することになりますので、国交省としてはお答えする立場にないんですけれども、一方で、仮に関連法案が成立し、平成二十七年度税制改正大綱に盛り込まれた繰越欠損金制度の改正案が日本航空に適用された場合の影響については試算したものがございます。これによれば、追加的に同社に課税される法人税等の額について一定の仮定条件を置いた上で試算すると、来年度以降四年間で合計五百から六百億円程度になるものと考えられます。
#424
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 私たちが調べさせていただいたところ、あるアナリストの方によれば、大体、今おっしゃっていただいたように、JALは向こう四年間で五百億円から六百億円ほどの法人税を納めることになるのではないかとのことでございました。
 そして、国交省にお願いしておきたいのは、監督官庁として引き続き、この公的支援を受けたJALによって航空業界の競争環境がゆがめられることのないようにしっかりと監視をしていただきたいと思います。
 そして、前回もう一つ提起させていただいたのが、グローバル企業による租税回避問題であります。具体的には、アマゾン等の多国籍企業が我が国のインフラを利用して商売をしながらも我が国に法人税を納めていなかった、この点、また、インターネットを通じて電子書籍の販売あるいは音楽配信を行う場合、消費税が取れなかった点、これを指摘させていただきました。そして、これらを放置すれば、税のゆがみは国家のゆがみ、そのしわ寄せは最終的には個人など弱者にのしかかってくる、これはグローバル企業栄えて国滅ぶ事態になると、このように訴えさせていただきました。このうち後者については、やはり二十七年度税制改正大綱において、国外のサーバーからコンテンツをダウンロードした場合も消費税の課税対象とすることとされました。
 さて、これも大臣にお伺いしたいんですが、こちらにつきましても与党税制改正大綱の内容を踏まえて政府では具体的にどのような措置を講じる予定なのか、また、これによって税収が幾らぐらい増えるのかということも併せて教えていただきたいと思います。
#425
○国務大臣(麻生太郎君) ほぼ一年前の昨年の三月の十九日、調べてみますと、予算委員会で三原先生からこの問題についての御質問があっております。
 現行の消費税制におきましては、電子書籍、音楽、広告の配信等の電子商取引につきましては、消費税の課税対象であるか否かはサービスの提供者の所在地に着目をしていわゆる判断をするということにいたしております。そのため、サービスの提供者が国内事業者である場合には消費税は課税される、例えば書籍であれば紀伊国屋は課税されると。傍ら、サービスの提供者が国外の事業者である場合、アマゾンなんかはそうでしょうけど、その場合には消費税が課税されない。つまり、同じ取引であってもサービス提供者によって課税関係が異なって、国内外の事業者間の競争条件にゆがみが生じている。
 現在国会で御審議をいただいております税制改正法案、先週十三日に衆議院を通過しておりますが、こうした国内外の業者間の競争条件の不均衡を是正するという観点から、消費税の課税対象となるか否かをサービスの提供を受ける人、受ける側の所在地に着目をして判断をすることということにして、国内外の事業者が国境を越えて行う電子商取引につきましては消費税を課するということにいたしております。
 これでどれくらいのものになるかということにつきましては、ちょっとまだ正確なものができ上がっておりませんので、もう少々時間をいただければと存じます。
#426
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 実はこの二つの問題、大臣おっしゃっていただいたように、一年前この予算委員会で私質問させていただいた後、産業界を始め本当に各方面の、多方面の方々から大きな反響がありました。とある財界の方は、三原さんの言っているのは正論だけど、これは一筋縄ではいかない難しい問題なんだよというような、大半の方がそのような御指摘をしてくださいました。しかしながら、それが僅かこの一年間で法改正が実現したというのは、これはまさに与党と安倍政権の実行力のたまものではないかと、私はそのように考えているところでございます。こういった成果を改めて今日は国民の皆様方に御報告をさせていただきたいと思っております。
 さて、今回は、その租税回避の根本問題についてお話をさせていただきたいと思います。
 企業による租税回避行為の代表的なものといたしまして、コーポレートインバージョンというものがあることは皆様方承知のことと思います。企業が合併によってその本社をより税率の低い国に移して税の支払を軽減するという、こういった行為であります。これに関しては、欧米諸国、我が国でももう既に防止措置がとられてきておりますが、しかし、さらに、別の税制の抜け穴をつく形で、例えば日本企業とアメリカ企業が合併して、そして第三国であるオランダなど、より税率が低い国に親会社を設立して税金の支払を減らすといったコンビネーションインバージョン、こういうなるものが登場をしてきたわけであります。
 そもそも、一般的な認識として、我が国には意図的にこういった租税回避をするような企業は私は余りないのではないかなと思っていました。しかし、グローバル化の影響というのもあったのかもしれませんが、海外投資家の持ち株比率というのが、九〇年には四%だったものが一三年には三〇・二%にまで増えております。それ自体は歓迎すべきことなんだと思いますが、その外国人の株主の皆様方からの利益の最大化、こういったものを求める圧力というものも強まるなどして、我が国の企業の振る舞いというのでしょうか、こういったことも少しずつ変化をしてきているのではないかなと、このように思えてなりません。
 さて、そして、その租税回避問題は、もはや伝統的な企業対課税当局、こういう単純な図式ではなくなってきております。投資銀行、弁護士、公認会計士、税理士など、いわゆる租税回避を、戦略を立案して、もはや生易しい節税レベルというのではない、もうはるかに超える、商品としてそれをグローバル企業に売るプロモーターと税務当局との知恵比べという状況にあるのではないかと思っております。
 昨年十一月、タックスヘイブンの一つと言われるルクセンブルクの税務当局が三百以上のグローバル企業と取り交わした課税に関する非公開の合意文書の存在というのが国際ジャーナリスト集団によって明らかにされました。国境を越える出資や融資にルクセンブルクの企業を介在させて税額を抑える仕組みというのが白日の下にさらされたわけです。これは全部で二万八千ページにも及ぶという文書でございます。これが何と大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース、PwCが作成したものとされて、その多くに税務当局の担当者の印が押されていました。つまり、プロモーターであるPwCと顧客であるグローバル企業、そしてルクセンブルクの税務当局、この三つが密約を交わして、ぐるになって租税回避を行っていたという、これ大変ショッキングな内容でございました。
 麻生大臣、こうしたタックスヘイブンとグローバルな会計事務所の動きについて、我が国にも提携する税理士法人があるようでありますけれども、これは氷山の一角なのではないかなと思えてなりません。所管の財務大臣としてどのようにお考えでいらっしゃるでしょうか。
 そしてまた、こうしたプロモーターの動きについて、OECDやG20、こういう場で何か対抗措置のようなものが検討されているのかどうか、こういうことについてもお伺いをしたいと思います。
#427
○国務大臣(麻生太郎君) このプライスウォーターハウスクーパースというのは、これは結構でかい公認会計事務所が、簡単なことを言えばルクセンブルクという国と組んで自国の税収増を図った、傍ら企業は税の支払を抑えるためにということなんだと思いますが、国際的な会計事務所ということとしては、この非公開の合意文書を取り上げていたという話は、これは報道でもう御存じのとおりなんですが、これは他国におけます課税の話ですので直接私がこれに言及するということはちょっと控えさせていただきますが、一般論としても、これは適正、公平な課税というものが損なわれるということは望ましくない、当然のことです。
 その上で、仮に日本の税理士法人が課税上問題のある租税回避スキームに関与するなど税理士業務について問題があると認められた場合には、国税当局としては当然のこととして、税理士、日本のですよ、日本の税理士法に基づく調査等を実施するなどして実態を確認し、必要な指導を行うという必要があろうと思っております。
 その上、プロモーターの話が出ていましたが、近年この批判が高まっております多国籍企業の、脱税じゃないね、節税と言わぬとおかしいでしょうね、これ脱税とは言い切れぬから、節税対策による税負担の軽減については各国で協調して、一国で対応できませんから、協調するため、現在OECDの租税委員会というのは、今、御存じかと思いますが、議長というのはこれはOECDの中で選挙で選ばれるんですが、これは日本の国際局長の浅川というのがこれの今議長をしているんですが、税源浸食と利益移転で、通称ベース・エロージョン・プロフィット・シフティング、訳してBEPSという言葉がやたら使われるようになってきましたけれども、BEPSプロジェクトの取組というのが始まっております。
 これは一昨年の五月、私の方からこの話を取り上げて発言をしておりますけれども、こういった話の下にこのBEPSが正式にスタートをしてこんなに早く答えが出てくるようになったのは、やっぱり各国の中央銀行総裁の責任ではないと、各国の財務大臣の手抜きだというように言われてもしようがないじゃないかという日本からの提案を受けて、これ、租税委員会がたまたま日本人だったのでこれならと思いましたものですから、やらせていただいて、税務当局による租税回避スキームの早期把握、租税回避スキームの利用による牽制などを目的として、プロモーターに対して租税回避チームの税務当局への報告を義務付ける制度の在り方について今議論を行わせております。
 こうした取組を含めて、BEPSプロジェクトにおいて、今年の十二月に向けて取組をまとめる議論が行われておりまして、今、議長国としては議論をしっかり主導してまいりたいと、そのように考えております。
#428
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 大臣おっしゃるとおり、正直者、いわゆるきちっと納税をしている方たちが不公平というようなものを感じないような取組というものを、やはり全世界中でしっかりと行っていかなければならないなというふうに感じるところでございますので、是非、OECDの中あるいはG20の中でもしっかりと議論をしていただきたいと心からお願いを申し上げたいと思います。
 このグローバル企業による租税回避は、欧米でももう問題視はされ始めております。
 昨年の七月、アメリカではオバマ大統領も、国境を越えた合併を通じてアメリカでの課税を逃れようとするアメリカ企業に対して、自社利益を温存するためにアメリカ国籍を放棄する企業版脱走兵だと強く非難をいたしました。つまり、アメリカ政府に納税をしないで、しかしながら、都合のいいときだけアメリカ企業みたいな顔をするということはいかがなものかといったような批判をし、新たな経済的愛国心というものをしっかり持つように訴えたと、このように言われております。
 一方、カリブ海に浮かぶケイマン諸島なども、これは代表的な租税回避の地であります。いわゆるタックスヘイブンの発祥と言われます。
 イギリスでは、昨年の六月に、何とエリザベス女王陛下が議会演説、いわゆるクイーンズスピーチ二〇一四の中で租税回避に取り組む法改正に言及をして話題を呼びました。その内容は、租税回避者からは有罪確定前であっても罰金を取り立ててもよい。つまり、疑わしきは罰せずではなくて、疑わしきは罰せよということで、大変前のめりなものになっているのかなと思っております。
 昨年三月の予算委員会で、私は税のゆがみは国家のゆがみだということを申し上げてまいりましたけれども、この問題はもう、先ほど大臣がおっしゃられたように、一国にとどまらずに全世界の大問題になっている、こう思えてなりません。もはや税のゆがみが世界のゆがみにつながり、大きなきしみとなって生じてしまっているのではないかと思っておりますが、総理、この件に関していかがお考えでしょうか。
#429
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに企業においてしっかりと社会的存在としての意義、意味をかみしめていただきまして、払うべき税金はちゃんと負担をしていただきたいと、こう思うところでございます。
 これは法人税ではございませんが、かつて松下幸之助氏が、当時は高い累進課税であった、所得税がですね、いつも長者番付で一位になっていた、多額の納税をしていただいたわけでございますが、よく松下さんはずっとちゃんと日本で払い続けていますねと言ったら、それが私の愛国心のあかしだと、こうおっしゃったと。愛国心のあかしであるとおっしゃったそうでございますが、しかし、なかなか、先ほど三原じゅん子議員が御指摘になられたように、株主は、今や日本の企業の多くが国際化している中において、外国人の株主が多い中においては、グローバルスタンダードの中においてしっかりと利益を図っていかなければいけないという側面もございますから、これは各国と協調しながらしっかりと納税の正義が貫かれるように、そうした仕組みをつくっていくべき国際的に努力をしていきたいと、このように思います。
#430
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 私は、そもそもこの租税回避問題というのは、その背景にあるグローバル資本主義の光と影の影の部分にもう私たちは目を背け続けるのはできないのではないかと、そこまで来ているのではないかと思えてなりません。
 そこで、今日、皆様方に御紹介したいのが、日本が建国以来大切にしてきた価値観、八紘一宇であります。八紘一宇というのは、初代神武天皇が即位の折に、天の下覆いて家となさむとおっしゃったことに由来する言葉です。
 今日、皆様方のお手元には資料を配付させていただいておりますが、改めて御紹介をさせていただきたいと思います。これ、昭和十三年に書かれた「建國」という書物でございます。
 八紘一宇とは、世界が一家族のようにむつみ合うこと。一宇、すなわち一家の秩序は一番強い家長が弱い家族を搾取するのではない。一番強い者が弱い者のために働いてやる制度が家である。これは国際秩序の根本原理をお示しになったものであろうか。現在までの国際秩序は弱肉強食である。強い国が弱い国を搾取する。力によって無理を通す。強い国はびこって弱い民族を虐げている。世界中で一番強い国が、弱い国、弱い民族のために働いてやる制度ができたとき、初めて世界は平和になるということでございます。
 これは戦前に書かれたものでありますけれども、この八紘一宇という根本原理の中に現在のグローバル資本主義の中で日本がどう立ち振る舞うべきかというのが示されているのだと私は思えてならないんです。
 麻生大臣、この考えに対していかがお考えになられますでしょうか。
#431
○国務大臣(麻生太郎君) もうここで戦前生まれの方というのは二人ぐらいですかね、ほかにおられないと思いますけれども。これは、今でも宮崎県に行かれると八紘一宇の塔というのは建っております。宮崎県の人いない。八紘一宇の塔あるだろう。知ってるかどうか知らないけど。ねえ、福島さんでも知っている、宮崎県に関係ないけど。八紘一宇っていうのはそういうものだったんですよ。
 日本中から各県の石を集めまして、その石を全部積み上げて八紘一宇の塔というのが宮崎県に建っていると思いますが、これは戦前の中で出た歌の中でもいろいろ、「往け八紘を宇となし」とかいろいろ歌もありますけれども、そういったものの中にあって、メーンストリームの考え方の一つなんだと私はそう思いますけれども、私どもはやっぱり、何でしょうね、世界なら世界の中で、千五百年以上も前から少なくとも国として今の日本という国の同じ場所に同じ言語をしゃべって、万世一系天皇陛下というような国というのはほかにありませんから、日本以外でこれらができているのは十世紀以後にできましたデンマークぐらいがその次ぐらいで、五世紀から少なくとも日本書紀という外交文書を持ち、古事記という和文の文書を持ってきちんとしている国ってそうないんで、そこに綿々と流れているのは多分こういったような考え方であろうということでこの清水さんという方が書かれたんだと思いますけれども、こういった考え方をお持ちの方が三原先生みたいな世代におられるのにちょっと正直驚いたのが実感です。
#432
○三原じゅん子君 これは、現在ではBEPSと呼ばれる行動計画が何とか税の抜け道を防ごうという検討がなされているということも存じ上げておりますけれども、ここからが問題なんですが、ある国が抜け駆けをすることによって、今大臣おっしゃったとおりなんです、せっかくの国際協調を台なしにしてしまう。つまり、九十九の国がせっかく足並みをそろえて同じ税率にしたとしても、たった一つの国が抜け駆けをして税率を低くしてしまえば、またそこが税の抜け道になってしまう、こういった懸念が述べられております。この期に及んで単に法人税をもっと徴収したいというような各国政府の都合に基づくスタンスからもう一歩踏み出して、つまり、何のためにこうした租税回避を防止するかという理念に該当する部分を強化する、こういったことが必要なのではないかと思っております。
 総理、ここで私は八紘一宇の理念というものが大事ではないかと思います。税のゆがみは国家のゆがみどころか世界のゆがみにつながっております。この八紘一宇の理念の下に世界が一つの家族のようにむつみ合い助け合えるように、そんな経済及び税の仕組みを運用していくことを確認する崇高な政治的合意文書のようなものを安倍総理こそがイニシアチブを取って世界中に提案していくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#433
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こうした言わば租税回避ができるのは本当に多国籍企業であり、巨大な企業であって、こういう仕組みをそういう企業のみが活用できるわけでございます。まさに日本の中でこつこつ頑張っている企業はそういう仕組みをとても活用することができないわけでございまして、そういう意味において正直者がばかを見てはならないわけでございますし、しっかりとそれを進めていく国とそうでない国に大きな差が出てはならないわけでございますので、このBEPSプロジェクトの取組がOECD租税委員会において進められているわけでありますが、本年中の取りまとめに向けて日本政府としてもしっかりとリーダーシップを発揮をしていきたいと、このように考えております。
#434
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 次に問題にしたいのが、この熾烈極めるグローバル資本主義の現場で起きている驚愕すべき事態についてです。
 あえて企業戦士と呼ばせていただきますが、このグローバル競争の中で戦う日本の企業戦士五十一名が現在アメリカの刑務所に数珠つなぎにされております。具体的に申し上げると、我が国の自動車部品メーカー、これがアメリカの反トラスト法、この法律の下でカルテルを行ったというアメリカの司法省の摘発で三十社五十一名に上る日本人社員が起訴又は収監されているんです。今はやりのコンプライアンス、いわゆる国内外の法令をしっかり守っていくということ、この重要性は私もしっかり理解しておりますけれども、この摘発対象の九割が日本企業だと聞くと、これはなぜこんなことになっているのかと不思議でなりません。
 まず、監督官庁である経産省に事実関係を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#435
○国務大臣(宮沢洋一君) 二〇一一年以降、アメリカにおきまして反トラスト法の関係で三十社が罰金を受けておりまして、合計五十二名、うち日本人が五十一名起訴又は収監されております。
 それで、この件につきましては、各社それぞれいろいろ事情がございますが、あえて一般的に申し上げますと、近年やはりアメリカ、これも欧州もそうですけれども、いわゆる競争法、日本でいえば独禁法の執行を強化する方向にある中で、我が国企業がこれに対応した十分なコンプライアンス体制を構築できていなかったという面があるということもまた事実であります。
 経産省といたしましては、これ、二〇一〇年一月、しばらく前でありますけれども、競争法が強化されてきているということもありまして、対応の要点や企業のコンプライアンス体制整備を行う際に参考となり得る取組や先進的事例を体系的に整理した報告書を取りまとめ、周知を図ってまいりましたけれども、まだ足りないということで、この報告書をリバイズして新しい直近の事例を踏まえた報告書を今策定中でございまして、四月以降に公表して徹底してまいりたいと思っておりますし、また一方、二〇一一年から急増しておりますので、昨年十月、ジェトロが日本企業向けのセミナーを行って、具体事例に基づいて今後の対応についてアドバイスを行いました。
 ジェトロを通じた情報提供、相談対応など、日本企業のニーズに応じたきめ細かな支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。
#436
○三原じゅん子君 もちろん閉鎖的な談合によって暴利を貪るようなことは私も断じて許されないと思いますけれども、一方で共存共栄のための知恵というのも、一概に拳を振り上げることが本当に正しいのかなというふうに思えてなりません。
 総理、アウエーで戦っているこうした企業戦士たち、ある意味国益をも背負って頑張っているわけですけれども、この点についていかがお考えでしょうか。
#437
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がお話しになられたように、もちろん海外で活躍する企業がその当該国の法令を遵守するのは当然のことではありますが、しかし、現地当局の捜査や裁判に直面した場合、言語の問題や商習慣の違いなどから大変厳しい状況に置かれることもございます。
 そこで頑張っている皆さんが、言わば一生懸命何とかその地域のためにもなるように活動をしている、まさに日本のビジネスの最前線で戦っている皆さんが地域のためにもなるということも考えている場合であったとしても、商習慣の違いということもあるんだろうと、こう思いますが、これまでも在外公館において関連情報の提供や領事面会等も通じて必要な支援を行ってきているところでございますが、今後、海外における日本企業の摘発が相次いだことを受けまして、産業界に対して注意喚起を行うとともに、対応の要点などを周知をしてきたところでございます。
 政府としては、こうした支援も含め、引き続き海外において日本企業が存分に活躍できるよう、在外公館及び関係省庁で緊密に連携をして取り組んでいく考えでございます。
#438
○三原じゅん子君 八紘一宇という家族主義、これは世界に誇るべき日本のお国柄だと私は思っております。この精神を柱として、経済外交に限らず、我が国の外交、国際貢献、こういったもの、総理には力強く今後とも進めていただけますことを最後にお願いして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#439
○委員長(岸宏一君) 以上で三原じゅん子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#440
○委員長(岸宏一君) 次に、江島潔君の質疑を行います。江島潔君。
#441
○江島潔君 自由民主党の江島潔です。
 時間の制約がありますので、ちょっと順番を変えて質問をさせていただこうと思います。最初に水産業関連から質問をさせていただこうというふうに思います。
 今日はたまたま参議院の議員食堂の方で鯨のカレーというものが提供されまして、これは今日から一週間ほど議員食堂の方で七百八十円で提供されているようでございますけれども、いろいろな取組でこの鯨食の普及というものに取り組んでいるところでございますけれども、なかなか今現在は、日本人の魚離れというのも大きな問題になっておりますし、そもそもがこの水産業というものに対してなかなか将来性が見えないというのが私の感じる現在の日本の水産業に対する現状ではないかという気がしております。
 しかるに、一方で日本は、技術力を取っても様々な分野において世界の最先端を行く国でありますし、これは大変に誇りとしているところでありまして、水産業に関しても、必ずもう一度世界の最先端を行く水産業というものは確立できると私は信じているところでありますが、是非、総理の方からこの日本の水産のビジョンについてお話をいただければと思います。
#442
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 水産業においても成長産業化を実現していくことが極めて重要だろうと思います。一次産業としての水産業に関わっている方々はだんだん減少してきている、高齢化も進んでいる、これは農業と同じなんだろうと思います。ですから、漁業者の所得向上を図り、浜の活力を取り戻していくことが重要であろうと思います。
 例えば、山口県におきましても、田布施町では、新規就業者がベテランの漁師さんと組んで、これまで利用されていなかった魚を一夜干しや冷凍フライなどに加工して販売する例や、あるいは萩市において、マイナーな魚種、これは瀬戸内海で捕れる小さなお魚等だと思いますが、魚種を有名シェフの協力を得て高級イタリアンの食材として販売する例もございます。また、江島委員が市長時代にも取り組んでこられたことでございますが、市場関係者が共同で、この下関において米国、これはニューヨークや東南アジアに高級食材としてフグ、山口県ではフクと申しますが、フクの輸出を推進する例などがございます。
 こうした例が全国にたくさんあるわけでございますが、こうした取組を始め、漁業者の元気が出る取組が全国に広がり、水産日本の復活ができるよう、水産業の持続的発展のための資源管理、そして収益性の高い持続的な漁業、養殖業の展開、六次産業化による付加価値の向上と消費の拡大、また加工施設のHACCP認定の加速化による輸出の促進などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#443
○江島潔君 ありがとうございました。
 この日本の水産業の将来性が出てくるか出てこないかというのは、やはり若者が新規参入をこの分野にしたいなと思ってもらえるかどうかというのが一つの私は目安になるのではないかと思います。
 よく例として、この水産業の近代化に成功したノルウェーの水産業というものが語られているわけでありますけれども、ノルウェーでは、もちろん日本と魚種も違いますし方法も違うんですけれども、そういうことをさておいて、今、現実には若者がたくさんノルウェーでは水産業に参入をしている、あるいは非常に将来性の高い産業として捉えられているという事実がありまして、これは私どもからすると非常に羨ましいなと、海に囲まれている日本でもそうありたいなと願っているところであります。
 是非、具体的な、日本における若者が参加できるような水産業の具体化案について大臣の方からお聞かせいただけますでしょうか。
#444
○国務大臣(林芳正君) 江島委員は大変御専門でございますので御存じだと思いますが、ノルウェーは生産の九割以上を実は輸出をしておるというような構造になっておりまして、国際競争力を向上させるということで、約二十年前から漁船の数を削減をして、残った経営体の競争力を維持するための政策ということで、残ったものは収益は上がっているんですが、結果として漁業従事者が大きく減っているというところもあるので、一概にノルウェーのとおりに日本になかなかすぐに持ってこれないというところも御案内のとおりであります。
 我が国は全国の浜ごとに、これも御案内のとおりですが、浜の活力再生プランというものをそれぞれの浜に合った形で作っていただいて、そして漁業の所得向上を目指していこうと。水産日本の復活というふうに銘打っております。これは、農業や林業と違って元々水産は大国だったということで、いい漁場があったり魚食文化が根付いているといった元々の強みがあるわけでございますので、こういう強みを生かしながら、それぞれの浜に合った再生プランというのをしっかりと作っていこうということにしております。
 また、先ほど総理からも御答弁がありましたように、資源管理の推進をするですとか、それから漁船漁業の体質の強化をする、それから何といっても省コスト型の生産体系へ移行していく。売る方でも輸出の促進、こういうことをしっかりと総合的に取り組んでいって、なるほど、若い人が十年、二十年先を見て、ここで一発もうけてやろうと、こういうふうに思ってもらえるような構造改革というのをしっかりと進めていきたいと思っておるところでございます。
#445
○江島潔君 先ほど参議院の議員食堂で鯨のカレーのお話をちょっとさせていただいたんですが、出てきた鯨は正直言いましてちょっと小ぶりだなという気がいたしまして、聞くと、やはりかなり今鯨肉はお高いんだそうでございます。それを、やはり今この調査捕鯨が中断をしておりますので、品物がない上に非常に品薄で値段が高くなっているとのことでございました。
 この調査捕鯨でありますが、現在は日新丸という船が、元々はトロール船だったものを改造してずっと長らく使っているところでございます。これは、去年だったですか、おととしだったですかね、少しリニューアルをしてまた少し延命策をしたというふうには聞いているんですが、元々もう相当老朽化している船でありますし、私の記憶の限りでは、かつて洋上で火災を起こして残念ながら従業員の方も亡くなったというようなこともございました。
 この日新丸の調査母船がもし何らかのトラブルで動かなくなると、これは日本の捕鯨そのものがもうここでジ・エンドになってしまう。大変に私は危機感を持ってこの日新丸の更新問題を捉えているところでありますけれども、この船そのものの老朽化問題に関しまして、私はもう早急に新造船建造に向けて取り組まなければいけないと思っております。水産庁長官のお考えを聞かせていただければと思います。
#446
○政府参考人(本川一善君) 調査母船の日新丸につきましては、御指摘のとおり、二十四年と二十五年に大規模改修を行いまして、腐食が進んだ燃料タンクの修繕でありますとか船体外側の傷んだ鉄板の取替え、さらには経年劣化したスクリューやシャフト軸の交換などを行ったところであります。これによりまして、造船会社からは、改修後十年程度は鯨類捕獲調査に使用できるという報告を受けているところでございます。
#447
○江島潔君 ありがとうございました。
 課題は多い日新丸のことと思いますが、時間になりましたので、私の質問はこれで本日は終わらせていただきます。
#448
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。
 次回は明十七日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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