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2015/04/01 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 予算委員会 第15号
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2015/04/01 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 予算委員会 第15号

#1
第189回国会 予算委員会 第15号
平成二十七年四月一日(水曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     仁比 聡平君     小池  晃君
     荒井 広幸君     平野 達男君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     北村 経夫君     福岡 資麿君
     高橋 克法君     末松 信介君
     大久保 勉君     藤本 祐司君
     田中 直紀君     森本 真治君
     長沢 広明君     新妻 秀規君
     儀間 光男君     寺田 典城君
    薬師寺みちよ君    渡辺美知太郎君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     末松 信介君     高橋 克法君
     小西 洋之君     安井美沙子君
     藤本 祐司君     大久保 勉君
     山田 太郎君   アントニオ猪木君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  宏一君
    理 事
                石井 準一君
                岡田  広君
                古賀友一郎君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                小川 敏夫君
                那谷屋正義君
                若松 謙維君
                小野 次郎君
    委 員
                石田 昌宏君
                猪口 邦子君
                大野 泰正君
                太田 房江君
                佐藤 正久君
                島村  大君
                末松 信介君
                高野光二郎君
                高橋 克法君
                堂故  茂君
                二之湯武史君
                福岡 資麿君
                三木  亨君
               三原じゅん子君
                三宅 伸吾君
                山下 雄平君
                大久保 勉君
                大塚 耕平君
                小西 洋之君
                田城  郁君
                藤田 幸久君
                藤本 祐司君
                水岡 俊一君
                森本 真治君
                安井美沙子君
                蓮   舫君
                新妻 秀規君
                矢倉 克夫君
                横山 信一君
                寺田 典城君
                小池  晃君
                大門実紀史君
              アントニオ猪木君
                井上 義行君
                山田 太郎君
                和田 政宗君
               渡辺美知太郎君
                福島みずほ君
                平野 達男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣     高市 早苗君
       法務大臣     上川 陽子君
       外務大臣     岸田 文雄君
       文部科学大臣
       国務大臣     下村 博文君
       厚生労働大臣   塩崎 恭久君
       農林水産大臣   林  芳正君
       国土交通大臣
       国務大臣     太田 昭宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     望月 義夫君
       防衛大臣
       国務大臣     中谷  元君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    甘利  明君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、少子化対策
       、男女共同参画
       ))       有村 治子君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(国家戦
       略特別区域))  石破  茂君
   副大臣
       法務副大臣    葉梨 康弘君
       外務副大臣    城内  実君
       財務副大臣    宮下 一郎君
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
   大臣政務官
       復興大臣政務官  小泉進次郎君
   事務局側
       議事部長     岡村 隆司君
       常任委員会専門
       員        小野 亮治君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       小澤  仁君
       内閣官房202
       0年オリンピッ
       ク・パラリンピ
       ック東京大会推
       進室室長代理   久保 公人君
       内閣府大臣官房
       審議官      井野 靖久君
       復興庁統括官   吉田 光市君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  原田 淳志君
       総務省総合通信
       基盤局長     吉良 裕臣君
       法務省入国管理
       局長       井上  宏君
       外務大臣官房審
       議官       鈴木  哲君
       文部科学省高等
       教育局長     吉田 大輔君
       国土交通省政策
       統括官      松脇 達朗君
       観光庁長官    久保 成人君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    鎌形 浩史君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       北島 智子君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  櫻田 道夫君
   参考人
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十七年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十七年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、地方創生・社会保障等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十三分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党七十九分、民主党・新緑風会百九分、公明党三十七分、維新の党三十六分、日本共産党三十六分、日本を元気にする会・無所属会三十六分、次世代の党二十分、無所属クラブ二十分、社会民主党・護憲連合二十分、新党改革・無所属の会二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#5
○委員長(岸宏一君) 平成二十七年度一般会計予算、平成二十七年度特別会計予算、平成二十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、地方創生・社会保障等に関する集中審議を行います。
 これより質疑を行います。末松信介君。
#6
○末松信介君 おはようございます。自由民主党の末松信介でございます。
 まず、社会保障と地方創生をテーマに政府に質問をいたします。
 今日はエープリルフールです。うそをついても許される日でありますけれども、総理はそのような方でないことは私はよく知っておりますので、安心して質問をいたします。
 二〇二〇年、東京オリンピックが開催されることが決定をいたしました。改めて、安倍総理を始め関係の皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
 前回、我が国でオリンピックが開催されましたのは一九六四年、昭和三十九年、五十一年前でございます。総理は小学校四年生、私は小学校三年生でした。麻生大臣は大学生であったと思います。
 しっかり記憶に残っている場面がございます。マラソンでエチオピアのアベベ選手が優勝しました。そして、陸上競技場で円谷幸吉さんが第二位で入ってきたんですけれども、結局、イギリスのヒートリー選手に追い抜かれて三位になりました。それでも堂々の第三位、銅メダルであったと思います。日本女子バレーがソビエトとの決勝戦で、最後、相手のオーバーネットで優勝を決めた瞬間とか、それと、初めて柔道が正式種目になったんですけれども、柔道無差別級で神永選手があの大男のアントン・ヘーシンクに押さえ込みで敗れるという、あの瞬間を忘れることができません。しっかりと今記憶に残っているわけであります。
 振り返って、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックですが、これもまた、今の子供や若者たちにとって、将来、思い起こしても、思い返しても本当に良かったと、心に残るものにしてほしいと思うわけです。地方創生の大きな起爆剤、地方再生の大きな核の一つとしてお考えをいただきたいわけです。
 自治体も今、合宿所の誘致であるとか、あるいは競技場への名のりとか、外国人観光客の集客のためのPRをしております。一部の都市では、ミニ博覧会を行おうという計画もあります。私どもの兵庫県でも、二〇二一年、一年後ですけれども、関西マスターズゲームという中高年オリンピックが開かれるわけなんですけれども、これと併せて今PR活動をいたしているところであります。
 五十年前のオリンピックというのは、あの総理がお好きな「三丁目の夕日」のように躍動感があったと思うんですね、名神高速道路もできて新幹線も登場したということで。ですから、これを是非、日本人の心に残る地方創生の大きな目玉として位置付けていただきたいと思いますが、総理のお考えをお伺いいたします。
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、東京のみならず、日本全体の祭典として、日本が活力を取り戻す弾みとしていきたいと思っています。
 政府としては、全国の自治体とオリンピック参加国との交流を図るホストシティ・タウン構想を推進をしていきます。
 また、日本各地の豊かな地域資源を積極的に活用して、事前キャンプの誘致や、あるいはスポーツ・文化イベントを開催するなど、大会の効果が全国、日本全体に波及するよう取り組んでいきたいと思います。その上においては、各地域が地域の良さを生かしていきたい、あるいは、おもてなしの心をどのように示していこうかと、そういうことも各地域の皆さんに考えていただき、いい案をどんどん出していただきたいと思っています。
 また、東日本大震災の被災地については、復興五輪として、大会が復興の後押しとなり、見事に復興を成し遂げた姿を世界に向けて発信をしていきたいと思います。
 東京大会の開催まで残りはあと僅か五年であります。全国津々浦々にまで大会の効果を実感できるように、地方公共団体の声も十分に伺いながら、引き続きオールジャパンでしっかりと準備に取り組んでいきたいと思います。
#8
○末松信介君 どうもありがとうございます。
 東京だけのものではなくて、日本全国のこと、とりわけ地方にとって大きな喜びとなるもの、活性化していく大きな起爆剤にしていただきたいと思います。
 さて、その当時、五十一年前ですけれども、我が国の人口というのは九千七百万人でございました。国家予算は三兆円、GDPは三十兆円です。五十年間でGDPは十六倍、国家予算は三十倍強となりました。驚くべき伸びであります。しかし、もっと驚かなければならないのは、社会保障費が七十倍になったということでございます。当時のGDPをもう超えております。現在三十一・五兆円です。百歳以上のお年寄りの方々が、昭和三十八年百五十三人が翌年昭和三十九年には百九十一人になっておりまして、昨年の九月では五万八千八百二十人となりました。三百八倍となったわけであります。
 我が国をめぐる一番の問題は社会保障費の増大でありまして、我が国の存亡の危機と言っても差し支えない大きな課題であると認識をいたしております。やはり、社会保障制度を確立をしなければならないと。後ほど福岡議員も質問されます。やはり、長生きして良かったと実感できる日本、社会を築かなければならないと思います。
 そこで、まず最初に、年々増大をします医療費の関係から、さきの三月の十二日の規制改革会議で、公開ディスカッションでテーマとして取り上げられました、今世間で話題となっております医薬分業につきまして最初にお伺いしたいと思います。
 医療機関が患者に直接薬を交付せず、患者さんに医療機関の外にある調剤薬局で薬を受け取ってもらう仕組みを医薬分業と申します。平成二十五年版の厚生労働白書にはこう書いています。医薬分業の利点として、薬の効果、副作用、用法などについて、薬剤師が処方した医師、歯科医師と連携して患者に説明、つまり服薬指導であります、することにより、患者の薬に対する理解が深まり、調剤された薬を用法どおり服用することが期待でき、薬物療法の有効性、安全性が向上すると記載されているわけであります。
 医薬分業は、まさに厚生労働省が進めてきた国是であります。二〇一三年現在で六七%まで拡大をいたしております、分業率です。一九九五年度には一兆三千億円程度でありました調剤医療費が、現在約七兆円まで膨れ上がっているわけです。
 また、病院で院内処方してもらう場合と病院の外の薬局で院外処方してもらう場合との価格比較で、規制改革会議の委員の翁百合さんがインターネット上で提示した例が話題になっております。内服薬を七日分処方、お薬手帳を使用した場合、一つの計算例として掲げられた図は下記のとおりでございます。(資料提示)これでございますが、同じ処方で、院内処方では七百二十円、院外処方では千八百五十円。この資料の反響は大変大きくて、コストの割には院外処方のメリットが感じられない、差額がこれだけあることは驚きです等のコメントが多数寄せられたわけであります。
 こうした世論の流れを受けまして、規制改革会議では公開ディスカッション等で議論が開始され、院外処方として薬局で受け取る方が患者の負担が大きくなるが、負担の増加に見合うサービスの向上とか分業の効果などは実感できないという厳しい意見が出されたところでございます。
 この問題は、医師会と薬剤師会との間で意見が割れております。賛否両論、大きな議論となっているわけでありますけれども、医薬分業論につきまして、改めてその必要性をどのように認識をされまして、そして見直すならばどういう見直しを行っていくのかということを、できましたら総理から御答弁をいただけたらと思います。よろしくお願いします。
#9
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 医療の分業は、薬局の薬剤師が薬の重複や飲み合わせなど、医師の処方内容をチェックした上で患者への服薬指導を行うことを通じて医療の質を高めていくという取組であります。また、薬局における後発医薬品への切替えなどを通じて医療保険財政の効率化に寄与することも期待されています。
 一方で、医療機関の近隣にいわゆる門前薬局が乱立するなど、薬の一元的、継続的な管理といった医薬分業本来のメリットが感じられにくいとの指摘があるのも事実でございます。
 今後、薬局が地域の方にとって薬や健康について気軽に相談できるかかりつけ薬局となり、患者が服用する薬を一元的に管理したり薬剤師が在宅医療の中で積極的な役割を果たしていくよう、環境整備を行っていく考えでございます。
#10
○末松信介君 私がなぜこの質問を申し上げたかと申しますと、翁氏のこのディスカッションに際して行われましたアンケートでは、医薬分業の下に進められている院外処方のメリットは感じられないという意見が実は八割を占めたそうでございます。
 しかし、薬剤師さんにも言い分がございます。私の大変親しい知り合いの薬剤師がおります。よく意見交換をするわけなんです。ちょうどその方は医薬分業が始まった頃に大学を卒業しました。最初は病院に勤めました。その後、調剤薬局で勤めました。その後、親族の経営する医院で勤務をしたわけでございます。
 患者さんに安心して納得のいく服薬指導ができたのはどこかと言ったら、カルテを見ながら調剤し投薬していた医院での業務であったと言うんです。それはどうしてかといいますと、同じ薬であっても、医師によって、主作用を目的として処方されたものなのか、副作用を目的として処方されたものなのか、処方箋を見ただけでは分からないというわけです。やはりカルテを見ながら検査結果であったり血圧の結果から判断して、丁寧なコミュニケーションを図りながら服薬指導をしていくということがこれ理想であるという話でございました。十分な情報がない中での服薬指導というのは難しい点がたくさん出てくるようであります。医師と薬剤師とのスムーズな情報の共有を確立する手だてがあるかどうか、その対策をお聞きをしたいわけです。
 それと、二〇一〇年の末からであります、香川大学病院と香川県内の三十一の薬局との間で電子処方箋の実証実験がスタートをいたしました。検査値や病名など医師のカルテの一部も閲覧、参照することが可能でございます。医師へのフィードバックもできる体制でございます。
 しかし、現時点ではこの処方箋は、e―文書法、英語のeですけれども、e―文書法厚生労働省令によりまして電子化は認められておりません。個人情報の保護、当然のことであろうかと思うんです。しかし、現時点でこの点についてどういった検討がなされているのか、併せてお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#11
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、医師とそれから薬剤師が患者情報を共有しながら適切な医療を提供するということは極めて重要でございまして、去年の日本再興戦略改訂二〇一四でも、今年度、今日から始まる今年度、これまでに電子処方箋の導入を図るべく検討を進めるというのは、まさに先生の御指摘のことを踏まえてのことだと私は思っております。
 この電子処方箋の実現については、処方箋の重複使用とか、それから情報漏えいの防止、あるいは患者による薬局の自由な選択の確保といった点に留意をする必要が当然ありますけれども、電子処方箋を活用する中で、先生今御指摘になった薬局と医療機関との間で電子的に処方、調剤情報の共有が進めば、患者の状況に応じた、基づいた的確な服薬指導というのが可能になるというふうに期待をしておりまして、こういった取組が進むように環境整備に厚生労働省としても努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#12
○末松信介君 御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 今の状況というのは、もう大臣もよく御存じだと思うんですが、自分のかかった病院、医院と同じ数だけの調剤薬局に実はかかります。当然ですね。処方箋もらったら、前の薬局に行ったりすることが多いわけですから。いろんな病院に行ったら、科目ごとに違いますから、かかりつけの薬局が増えるわけなんですね。
 それを、自分の住まいを拠点とした地域での薬局で、自分の、今言った、かかった複数の医療機関の病院の投薬を一元化してもらうということが私はいいことだと思うんです、大事だと思うんです。そのことによって、薬の重複とかあるいは禁忌の飲み合わせというのを、これ防ぐことができるはずなんです。
 調剤報酬とか薬価差益など医療機関や薬局の経済的要因で進んだ分業というのは、政府の方針転換によってこれはもうすぐに後退して衰退してしまいます。ですから、私はやはり、医師は患者に薬の飲み方やいろんな注意事項を説明します。しかし、理解されないまま患者さんが診療室を出てしまった場合には、最後のとりでになるのはやはりこれ薬剤師さんですよ。だから私は、薬剤師さんの役割というのは大きいと言っているんです。
 しかも、これからの薬剤師というのは外に出る薬剤師を目指していかなきゃならないと。独り暮らしのお年寄りの方が増えてきました。処方箋をもらいに行って、そして帰って薬を届けてやって、そして服薬指導してやるという、私はこれからの薬剤師というのはそういう意味で形態が大きく変わっていくんだろうと思うんです。まあ、門前薬局よりも私はある面でこれは本来の、多分薬剤師の方々もそれを目指しているわけじゃないと思うんですけれども、地域のかかりつけ薬局を目指すというのが筋だと思うんですけれども、大臣の最終のお考え、重ねての質問になるかもしれませんが、御答弁いただけたらと思います。
#13
○国務大臣(塩崎恭久君) 何にしても、企画をしたことがなかなかうまくいかなくなったときはやっぱり原点に立ち返れということで、今先生が御指摘になったような諸点がまさにこの医薬分業の原点、目指さなきゃいけないところだったと思うわけで、例えば飲み合わせの問題を回避する、あるいは重複服用をしないとか、そういうようなこと、そして、今お話がありましたように、やっぱり個人個人の体の状況に応じた適切な服用というのを薬についてやるということが大事であって、そういう意味では、今先生が御指摘になった薬局とそれから医師、あるいは薬剤師と医師との間の情報共有と指導の言ってみれば一貫性を保つということがとても大事になってくるというふうに思っています。
 そういうことでございますので、私としては、これから地域包括ケアシステムを構築していく中にあって、地域で暮らす方々にどういう指導ができるのかということであれば、薬剤師さんにもきちっとそういうところに出向いていってもらってやっていただくことが大事で、先生のおっしゃるとおりだと思いますし、病院にあってもベッドサイドにもう既に薬剤師さんは行くことになっていますが、そういうような形で、チームでもって一人一人の健康とそして地域の暮らしを守っていくことは大変大事だと思いますので、先生の御指摘のとおり、今そのようなことで、厚生労働省としても、原点に立ち返った医薬分業のあるべき姿をもう一回整理し直してやっていこうということで頑張っていきたいというふうに思っております。
#14
○末松信介君 大臣のお言葉、しっかり受け止めまして、その対応を期待いたしたいと存じます。
 次に、医療費と同時に重要なのは介護保険給付費の問題でございます。これについてお尋ねをしたいと思うんです。
 介護保険制度が導入されましたのが二〇〇〇年であります。二〇〇〇年当時、介護給付費は三・二兆円でした。現在これ約十兆円、今給付費が掛かっていると思います。二〇二五年問題がよく言われますけれども、このときには二十一兆円介護給付費が必要になるであろうということが予測されているわけです。
 それで、これはもう大変な問題でありますから、政府も自治体も利用者の方も、また事業者も懸命な調整をしなければならないわけなんですけれども、私、この介護保険制度発足以来、改正に改正を重ねてきたんですけれども、気が付きますとサービスのメニューとか単価を細かく示しましたサービスコードというのがもう異常に増えているわけなんですね。創設時に比べると十倍以上に膨れ上がっております。今や二万項目に達すると言われているわけです。その結果、介護保険制度の中身が複雑になり過ぎて全体像が把握できにくいという、そういうような意見もございます。
 例えば、加算項目の一つにこういうものがあります。介護福祉士の有資格者は何割以上配置すれば何%加算すると。人員や施設の面積等の基準がリンクされた加算項目が存在しているわけなんです。二〇一二年で改定されましたコードの一覧表は何と四百十四ページにも上ると言われております。利用者にとっても大変なんですね。例えば、ホームヘルプの活動について、前回の介護保険制度改正によりまして、ここまでは三十分単位で切られていたわけなんですけれども、身体介護は二十分以上三十分未満、生活援助は二十分以上四十分未満といった具合に細かく細かく設定が実はされたわけであります。
 加算を評価は大いにできると思うんですけれども、加算の要件が複雑になりますと、これ事業者も大変困ってしまうことも事実であります。第一、サービスコードで悩むのは利用者でございます。
 そこで、このサービス体制加算に係る加算項目で問題になってくるのは、一つは、介護福祉士をそれだけの比率を取ろうとしましても、これ、田舎の方に行きましても有資格者がいないわけなんですね。だから、地方と都市部との地域間格差、加算項目を増やせば増やすほどこれは出てくるという、そういう課題もあろうかと思うんです。
 もう少しこの加算項目、これは事業者にとっても有り難いことなんですけれども、サービスコードというのを少し単純化して、簡素化して分かりやすいものにする、重要なものについてきっちり点数を付けていくという、こういう方向に変えてはどうかと思うんですけれども、御意見をいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(塩崎恭久君) 介護保険制度については、累次にわたって改定を行って、改正を、改良を施してまいったわけでございますけれども、今御指摘のように、多様なニーズにきめ細かく対応するということは誰しもが望むことなので、どちらかというとそちらの方向で、例えばこれ、平成十八年の改正のときには、小規模多機能型居住介護などの地域密着型サービスということで、今出てきている言葉はみんな多分ポジティブに評価をされる言葉だと思います。その一方で、今回の改定でも、中重度の要介護者に重点化をしよう、あるいは認知症に対しても重点化をしようというようなことで、こういうことで今先生御指摘の新たな加算ができているわけであります。
 しかし、一方で、御案内のように、今御指摘のように、事務負担も増し、そして、なかなか地域によってはそれが実現しづらいところがあるにもかかわらずそういうことになっているというような、更にまた配慮しなければいけない項目も出てきているということで、実は社会保障審議会の介護給付費分科会においても、この事務負担や煩雑さについての問題点の指摘も先生から今ございましたとおりありまして、報酬体系の簡素化ということについても検討を行うように指摘もされているところでございます。
 したがって、先生からの御指摘のように、利用者のニーズに応えながら、しかし可能な限り取りやすい加算であり、あるいはまた事務的にも簡素化をできて余計な事務負担が掛からないようにするというような、こういった意見にも十分耳を傾けて改善を重ねてまいりたいというふうに思います。
#16
○末松信介君 大臣、そのように進めていただきたいと思うんです。
 日常生活継続支援加算なんかは六四・九五%、これは使っておられますけれども、使用してはいない加算、〇%というのは、小規模拠点集合型施設加算とか認知症行動・心理症状緊急対応加算、これは二十六年四月〇%なんですよ。もう少し整理をしていただきたいと、そのことを強く思います。一覧表はここに出ております。
 次に、この会計制度の見直しについて御質問をさせていただきます。
 今回の介護報酬の引下げの出発点は、昨年十月に開かれました財務省の財政制度審議会財政制度分科会で、主な介護関係サービスの利益率について、特別養護老人ホームが八・七%、訪問介護が七・四%、通所介護が一〇・六%などという数字が示されたところから来ております。しかし、この数値の基となりました介護事業経営実態調査につきましては、そもそも一か月分のキャッシュのサイクルから利益率を推定したものでありまして、年間を通じた本当の損益実態を示してはおりません。
 更に言えば、社会福祉法人の内部留保につきましても、一施設当たりの内部留保の額は平均約三億円だと言われたんですけれども、全体では二兆円だと言われたんですけれども、この数字自体は、実は社会福祉法人会計独自の処理によります国庫補助金等特別積立金取崩し額、余りこの言葉は聞き慣れない言葉なんですけれども、これによるものなんです。要するに、施設を建設するに際して、国から補助金をもらいます、市からも補助金をもらったりしますけれども、独自の会計処理によって毎期の利益として計上され、内部留保として蓄積され続けているだけなんです。実際にキャッシュとしては残っていないと。補助金もらって建物を建てて、もうこれは資産になっているわけなんですけれども、その補助金が利益として残ってしまっておるというだけのことなんですよね。それはキャッシュじゃないわけなんですね。
 このキャッシュの部分というのは、将来の施設の修繕に用いられるべき積立金の性格を持っております。一般企業では資本に組み入れられてしまうようなものまで含まれてしまっております。いわゆる企業の内部留保とは全く次元の異なるものでございます。今後のことを考えますと、しっかり社会福祉法人の会計制度の見直しについて考えていかなければならないわけなんです。
 山口那津男公明党代表も、二月十八日の参議院本会議でこのことを厳しく御指摘をいたしました。厚生労働大臣の見解を伺います。
#17
○国務大臣(塩崎恭久君) 社会福祉法人につきましては、いわゆるこの内部留保に関する問題が昨年からずっと議論をされてまいりまして、指摘をされてきているわけでありますけれども、こういう問題がなぜ出てきたのかというと、内部留保について確立した定義が今までなかった、そして、余裕財産の明確化とか、あるいはその原因の解明というのが十分行われないままにここまで来て、いろいろな問題点を指摘をされてきたということがまずあると思います。
 そのため、今回、今国会に社会福祉法人改革についての法律を出させていただくことになっておりますが、そこにおいては、余裕財産を明確化する観点から、いわゆる内部留保の額から社会福祉法人が現在の事業を継続するために必要な財産額というのを控除をし、なお再投下可能な財産額がある場合には計画的に社会福祉事業等の拡充を実施するということを義務付けることによって、地域社会に貢献する法人の在り方をこれまで以上に徹底をしていくということとしているところでございます。
 こうした制度改革によりまして、社会福祉法人が国民に対し自ら説明責任を果たせる仕組みを構築をしていかなければならないというふうに考えておりまして、今回お出しをいたします社会福祉法人改革に関する法律についてしっかりと御審議を賜れれば有り難いなというふうに思っているところでございます。
#18
○末松信介君 自民党の厚労部会あるいは介護委員会でもいろいろと議論がされました。間違った前提、間違った資料によって議論をしていったんだったら大変心配なことでありますので、是非大臣、よくその辺を御認識をいただきたいと思っています。自民党もそれを認識をしています。大変激しい議論が行われたことをお伝えしたいと思います。
 それと、特別養護老人ホーム、措置制度の時代に造られた建物と介護保険制度が入ってから建てられた建物とでは補助金も違います。場合によっては、市によっては用地取得費まで利子の補給をした例もございます。それと、内部留保と言われましても、実際災害なんかがあって一時閉鎖をしなきゃならないといったときにもこれ当然人件費掛かってまいりますので、介護報酬入ってきませんから、こういったイベントリスクも考えなきゃならないという、ありとあらゆる点から是非お考えをいただきたいということ、このことをお願いしたいと思います。
 時間が大分迫ってまいりました。次の質問に移ります。
 言葉は良くありませんけれども、死に場所難民についてお聞きをしたいと思います。
 二〇一二年の年間死亡者数は約百二十五万人であります。死亡者は、病院・診療所が七八・六%です。自宅が一二・八%となっております。そして、内閣府が行った意識調査によりますと、最期を迎えたい場所の希望が一番多いのは、自宅が五四・六%です。病院・診療所が最期の場所として望まれる方は僅かに二七・七%であります。実態と三倍近い乖離があることが明らかになりました。
 各国と比較しますと、日本では病院で亡くなる方が突出して多いことが分かります。欧米諸国では、病院で亡くなられる方は四〇%前後であります。自宅が二五%前後。アメリカでも、病院が五六%、自宅と施設がそれぞれ二〇%程度と言われております。日本の病院死、医療機関での死亡というのは、八〇%というのは、これは大きな、この実態との大きな格差があるわけなんです。
 また、かつて厚労省が使用していた資料によりますと、二〇三〇年時点で医療機関の病床数に大きな変化がなく、自宅でのみとりを一・五倍にします。それと、介護施設のキャパシティーを二倍にしたとします。その他の死亡というのが四十七万人に上るとされているんです。これ、石田昌宏先生の介護小委員会でも議論されましたですね、死に場所難民の問題。介護施設において今後約九万人が亡くなる、医療機関で亡くなる方が八十九万人、自宅において約二十万人ということは、四十七万人、それ以外、その他になっているんですけど、これ、四十七万人は一体どこで亡くなったらいいのかということが分からないんです。
 これ、言葉は本当に冷たい言葉ですけれども、死に場所難民、みとり難民と言われているんですけれども、当然、有料老人ホームを考えているとかサービス付き高齢者住宅なんかを考えていると思うんですけれども、厚労省の考え方をお聞きをしたいと思います。
#19
○国務大臣(塩崎恭久君) 昭和二十年代は、亡くなる場所というのが自宅というのが八割を優に超えておりました。今はそれが一三%ぐらいになってきているわけでありまして、本当に随分形が変わったということは先生今御指摘のとおりであります。
 国民が可能な限り住み慣れた生活の場において必要な医療・介護サービスを受けながら、みとりに対応した在宅医療とかあるいは地域包括ケアを推進するということが重要だというふうに我々は考えておりまして、厚生労働省としては、まず、医療計画作成指針というのがありますが、都道府県が作りますけれども、これに基づいて都道府県が策定する医療計画にみとりも含めた在宅医療の提供体制に係る事項を盛り込んでいただく、それから、診療報酬においても、在宅医療におけるみとりについて重点的に点数の評価をするということを行うなどの取組をこれまで進めてまいりました。
 さらに、今回の介護報酬改定でも、特別養護老人ホームでのみとりの質を高めるために、先ほどいろいろ人材配置の問題で地域間格差の話がありましたけれども、医療職と介護職が連携をして御本人や御家族へのみとり介護の情報提供とかあるいは相談に丁寧に応対をしていかなければならないということで、その丁寧に実施した場合におけるみとり介護加算というのを充実をしたところでございます。
 これらの取組を通じて、医療と介護が連携しながら、最期までできる限り自然な形で穏やかに暮らせる包括的な体系というものを構築をしなければならないなということで、これからまた更に努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#20
○末松信介君 よろしく対応方お願いします。
 大変時間が迫ってまいりました。元の質問に戻ります。処遇改善加算の課題につきまして質問をいたします。
 今回、厳しい介護報酬の削減が行われます。マイナス二・二七です。しかしながら、大変努力をいただいたものとは思います。十分配慮をいただいたものと私は思っています。この介護職の方の処遇改善加算一万二千円、プラス一・六五%になるんですけれども、実はこれ介護職の方だけでして、看護師さんとか、あるいはケアマネジャーさんとか、相談員さんとか栄養士さんとか調理師さんとか事務職員の方には全く回らないわけなんです。でも、介護の施設というのは介護職の方だけで成り立つわけじゃないんですよね。
 しかも、現場ではこういうことが多いんです。介護職の方だけに一万二千円を渡そうとした場合でも、その職場でチームリーダーのような方がおられて、結局、自分だけもらうわけにはいかないと、そのことをリーダーの方に伝えて、リーダーの方は、施設長さんや理事長さんに、やっぱり何とかみんな平等にできないでしょうかという話をすると。結局、一万二千円を一人にあげたとしましても、介護職の方にあげたとしても、全体の人件費を引き上げてしまうという、そういうことを招いてしまうんです。
 ですから、私は、介護職の方だけに加算をするということについてはもう一度再検討してはどうかなということを、このことを考えるんですけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(塩崎恭久君) この点につきましては随所で御指摘を賜っているところでございますが、ヘルパーなどの介護職員をなぜ優先的にこういう扱いをするのかということでありますけれども、それはやはり、離職率が高くて求人してもなかなか人材が確保できないということで、かなり御不満というか御懸念をいただいてきているということ、それから、賃金は、相対的に見ますと、やはり看護師さんやケアマネさんと比べますと相対的にやっぱり低いといった状況がまだ続いている。例えば、これ調査をいたしたところでは、やはり例えば看護師さんと介護職員との間には九万円ぐらいの差があったりするということでございました。
 もちろん、先生御指摘のように、介護の職員だけで成り立っているわけではないので、今回の改定におきましても、二十四年度改定で創設いたしましたこの介護職員処遇改善加算の仕組みを維持をしながら拡充をしたところでありまして、まずは介護職員を加算の対象とするという取扱いにいたしたところでございまして、今回の改定では、効率化を各サービスについて行うということでございますが、改定後においても全体として必要な収支差は残るようにサービスの報酬を設定をしているというふうな姿勢で我々はやってきているところでございまして、他の職種の方々の処遇に対しても、事業運営全体の見直しを図りながら、できる限り維持改善を図っていただきたいなというようなことで、先ほど来のいろいろな加算とかいろいろなことで事業全体を支えていただくように配慮をしているつもりでございますけれども、なおよく注意をしてフォローアップをしてまいりたいというふうに思います。
#22
○末松信介君 この前、自民党本部に栃木県看護連盟の方が来られましたけれども、民間の介護福祉施設で働いておられる看護師さんは介護職の方とほとんど給料が変わらないという、そういう御指摘もございました。今の大臣のお話、私なりに理解はしておりますけれども、検討を重ねていただきたいと思います。
 最後に、早口で質問をさせていただきます、時間が参ります。技能実習のことについて。
 二〇二五年に二百五十万人規模の介護従事者を確保するに当たり、国内人材確保の対策はもとより、あらゆる手段と可能性を排除しない姿勢が必要であると。外国人の技能実習生の受入れについても、これ一つの重要な選択肢になろうかと思うんです。
 今般の介護の職種追加に当たりまして、一年で帰国しなければならない技能実習生一号から三年間滞在が許される同二号に移行するためには、技能検定に関する公的評価システムが必要とされています。介護領域につきましては、元々技能検定の仕組みがないために、これまで導入ができなかったと伺っております。
 対人サービスであるこの重要性から、民間任せにしないで国としてリーダーシップを取るべきと考えますが、適正な公的評価機関の設置について大臣の見解を伺って、質問を終えたいと思います。
#23
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御指摘のありました公的評価システムの要となります試験実施機関、これにつきましては、制度上、営利を目的としないことや安定的に業務遂行ができる体制を整えていることなどが求められておりまして、介護分野については、対人サービスという更に特性を踏まえた丁寧な検討が必要だというふうに考えているところでございます。
 このため、厚労省としても、設置をいたしました検討会のまとめにおいては、適切な評価システムの構築について、実習生の技能評価の際、サービス利用者とのコミュニケーション能力や人間の尊厳について理解ができるかどうかというチェック、この必要性、それから実習開始後の各年ごとに到達すべき技能のレベルや試験実施機関の適格性等について基本的な考え方をお示しをいただいております。
 この検討会のまとめを踏まえて、今後、具体的な制度設計等を進めるに当たっては、介護サービス事業等に任せることなく、先生御指摘のように、厚労省としても、介護サービス事業者等と十分に連携しながらしっかりと検討を進めてまいりたいと思います。
#24
○末松信介君 時間が若干オーバーしました。石破大臣、質問ができませんで大変御無礼をいたしました。ありがとうございました。
 終わります。
#25
○委員長(岸宏一君) 以上で末松信介君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#26
○委員長(岸宏一君) 次に、福岡資麿君の質疑を行います。福岡資麿君。
#27
○福岡資麿君 おはようございます。自由民主党の福岡資麿でございます。
 末松委員に引き続きまして、社会保障を中心に今日は質問をさせていただきたいと思います。
 まず、総理に伺います。
 二〇二〇年までの財政健全化目標といたしまして、政府としては、債務残高の対GDP比の削減であったりプライマリーバランスの黒字化、こういった目標を掲げられているわけでございます。やはり後世に過大な負の遺産をツケ回さないという観点というのは非常に大事なことだというふうに思っておりまして、総理の財政健全化に向けた決意をまずお伺いしたいと思います。
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の財政が大変厳しい状況にある中、今まさに委員がおっしゃったように、将来世代に負担の先送りをさせてはならないわけでございまして、先送りが続く状況は改善しなければならないと、このように思っています。
 このため、安倍内閣としては、経済再生と財政健全化の両立を目指しているところでありまして、二〇二〇年度の財政健全化目標はしっかりと堅持をし、その目標達成に向けて、デフレから脱却をし、経済再生により税収を増やしていく。そして、無駄削減など徹底した行財政改革もしっかりとやっていく。歳出歳入両面にわたり取り組むことが必要でありまして、社会保障についても効率化、合理化や重点化を進めていきます。
 本年夏までに達成目標に向けた具体的な計画を策定していく考えであります。
#29
○福岡資麿君 まず総理から今力強いお言葉をいただきました。
 安倍政権になってから、ずっと税収は増えてきているわけでございます。リーマン・ショック後は一時、予算的に三十七兆円だった税収も、今年度の予算では五十四兆円を見込むということで、これは社会保障を考えた上でも極めて大切なことだというふうに思っています。ただ一方で、総理もおっしゃられましたように、内閣府の試算を見ましても、当然、経済成長は大切なことですが、併せて歳出の削減ということもやっていかなければプライマリーバランスの黒字化というものの達成が容易ではないというようなことも示されているわけでございます。
 その際に、今年度予算でいうと、基礎的財政収支の四三%を社会保障費が占めるというような状況でございますから、社会保障費に全く手を付けないというわけにはいかないというような状況だろうというふうに思います。しかしながら、一方で、高齢化の進展等に伴いまして、自然増という形でこの社会保障費というのは増えていく分野でもあるわけでございます。
 そういった側面からお聞きしますが、社会保障費というのは、一つの側面に世代間の支え合いということがございます。例えば有権者の投票行動ということを考えましても、各世代間にバランスが取れていれば各世代間の意識が満遍なく反映されるということになるでしょうけれども、今、人口減少によりましてそのバランスが変わってきているということでございます。
 資料一を御覧いただきたいと思います。(資料提示)これは、資料の左側は衆議院選挙における有権者の構成比がどう変わってきているか、そして右側が、その中で投票率も加味した上で、その投票者の構成比がどういうふうになってきているかというのを示したグラフでございます。
 ちょうど棒グラフでいうと真ん中のところの二〇一四年というのが、昨年行われました衆議院の総選挙のときのグラフということになるわけでございますが、下のところの青い部分が二十代、三十代、そして真ん中のところの赤い部分が四十代、五十代、そして緑色の部分が六十代以上ということでお示しをしているところでございますが、例えば、昨年行われました一四年の総選挙で、投票率も加味したその右側の方を見ていただくと、六十代以降の方がもう既に半分近くを占めているというようなことでございます。
 この二〇四〇年の予測というのは、人口の推計に今の年齢別の投票率を掛け合わせたものでございますが、今後の人口推計からしても御高齢者の御意向というのが更により強く反映されるようになっていくというようなことが推測されるわけでございます。
 社会保障の充実を求める御高齢者の声というのは当然のことでございますけれども、やはり我々、選挙で選ばれる者としましては、将来世代にも配慮したバランスのいい社会保障の在り方というのを改革をしていかなければいけないというふうに思っています。その上に当たっては、やはり総理自身の強いリーダーシップであったり、また、社会保障の仕組みというものをもっと広く理解していただくための取組というのも必要になってくるのではないかというふうに考えておりますが、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障の基本的な考え方としては、安心して暮らしを営むことができる社会を守っていくということなんだろうと思います。
 その中で、年金や高齢者医療をしっかりと維持をしていく、これは今の段階の高齢者に対する社会保障ということだけではなくて、人間誰しも年を取っていくわけでありますから、今の若い皆さんにとっても、将来年を取ったときに安心して生活できますねという仕組みを維持をしていくことも大切であります。同時に、子育て世代を支援をしていくということも、それは言わば支え手をしっかりと守っていくということにおいても大切なんだろうと、こう思います。
 世界に冠たる国民皆保険、皆年金を始めとする社会保障制度をしっかりと次の世代に引き渡していく私たちには責任があると思います。このため、将来にわたって安心できる年金制度の確立、そして医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らしを継続できる仕組み、地域包括ケアシステムでありますが、の構築をしていく、また、待機児童解消加速化プランの推進を始めとする子ども・子育て支援の充実といった課題についても着実な前進に取り組んでいきます。
 同時に、給付と負担のバランスの取れた持続可能な制度としていくためには不断の改革が必要になってきます。その際には、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年を展望しつつ、全ての世代が相互に支え合う仕組みとしていくことが重要と考えています。社会保障制度改革推進会議で議論をしていただいているところでございまして、保険料や税を負担し社会保障制度を支え守っていくのは、これは全ての国民でありまして、改革の推進に当たっては国民の皆様の理解をいただくことは欠かせないと思います。そのためにも、給付には必ず負担が伴います、この負担をいかに公平に分かち合っていくかという議論を深めていく必要があると考えています。
 国民一人一人の視点に立って、改革の内容、意義について十分説明をしていくとともに、将来を担う若者に制度の意義を理解していただくため社会保障教育を推進をしていくなど、幅広く国民的理解が深まるよう努力をしていく考えであります。
#31
○福岡資麿君 今総理からは、幅広い世代に対して目を向けていくということ、社会保障の教育を推進していくということ、大変力強い言葉をいただきました。是非、子育て世代も大事ですが、将来、まだ今有権者ではない、将来を担う子供たちのことも配慮した、バランスの取れた社会保障制度改革というのを行っていただきたいというふうに思っております。
 その上で、先ほど末松委員も今回の介護報酬改定について御質問をされておりました。これは、持続可能な社会保障制度をつくっていく上において、やはり今回のこの介護報酬のマイナス改定、大変いろいろ話題を呼んでおりますが、利用者の方々の御負担を考えた上でも、やはり効率化が図れる部分は効率化を図っていくということは大切なことだというふうに思っています。
 しかしながら、一方で、過度な適正化によって一人一人が本当に受けるサービスが大きく低下して生活に大きく支障が出るようなことがあってはいけないわけでございますので、改めまして塩崎大臣に、今回のこの介護報酬改定について、考え方についてお伺いをしたいと思います。
#32
○国務大臣(塩崎恭久君) 釈迦に説法でありますけれども、保険制度というのは、保険料とそして税と自己負担と、この三つだけで成り立っているのがこの保険制度でございまして、我々、少子高齢化がどんどん進む中で介護保険制度をより持続可能なものとするということをいつも考えていかなきゃいけないというふうに思っております。保険料や利用者負担ができる限り過重とならないように配慮しながら、その上で、より利用者のニーズに応じたサービスの提供というものを推進をしていくということを同時にやっぱりやっていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
 このため、今回の改定におきましては、特に、例えば、認知症高齢者や中重度の要介護者を多く受け入れるなどの努力をしている事業者への配慮を行う一方で、全体としては、改定後も事業者の安定的な経営に必要な収支差というものは確保していくという考え方でもって設定したつもりでございます。また、この結果、介護保険料の上昇を可能な限り抑えて、介護サービスの利用者負担、これをできる限り軽減するなど、国民の負担軽減ということについても資するものとなっておりまして、介護保険制度を将来の世代に、先ほど総理からも答弁申し上げたように、しっかりと引き継ぐということにもつながると考えているところでございます。
#33
○福岡資麿君 今、厚生労働大臣から配慮という言葉をいただきました。しっかり取り組んでいただきたいと思いますが、それに関連して、資料二を御覧いただきたいと思います。
 これは、介護報酬改定のベースとされました平成二十六年経営実態調査における特別養護老人ホームの収支差率の分布でございます。先ほど末松委員からも御紹介ありましたけれども、全体としては収支差率八・七%というようなことになっていますが、このグラフの分布を見ていただいても、これ改定前の段階で既にもう四分の一が赤字というような状況になっておりますから、今回のマイナス改定によって、体力のあるところはいいんですが、そうでない場合の事業に大きな影響を与える可能性があるということでございます。
 ただでさえ今受皿が不足する中で、担い手が大幅に減少しないような部分ということについては、先ほど厚労大臣も配慮という言葉を使われましたが、しっかりと注視をしていただければというふうに思っています。
 この表を見ても、私、非常に不思議に思ったわけでありますが、介護報酬というのは公定価格で収入が決まるわけでございますし、中でも人件費の割合が高くて、その人員の配置についても取決めがなされている中で、収支差率でいっても、もうマイナス三〇%、マイナス四〇%、マイナス五〇%というのがこれぐらいあるのに対して、一方で、三五%、四五%、五〇%、これだけ利益を出しているところもかなりあるということで、どうして決められた中でそんなに幅が出るのかなというところについては、本当に実態を表しているのかなというようなことも思うわけでございます。
 また、資料三を御覧いただければというふうに思いますが、これ、収支差率ということはサービスごとに出されていまして、例えば一つの法人が複数のサービスを提供している場合に、その人員の案分とかが分かりづらいというようなことがあったり、また回答率も、この回答率も載せさせていただいていますが、低いところでいうと一八・一%というような回答もございます。回答率も大変ばらつきがあります。また、先ほどもお話ありましたように、三月の一か月間のデータに基づいて出されているというようなこともございまして、どこまでその実態を正確に把握しているのかというようなことについての声があるということでございます。
 これ、改定のベースとなっている数字でございますから、やはりそういう意味でいうと、これが本当に実態に合っているのかどうか、調査の在り方についてもっと検討を進めるべきではないかと思うんですが、厚生労働大臣のお考えをお聞かせください。
#34
○国務大臣(塩崎恭久君) この経営実態調査がベースになって改定が行われたということでございますが、それは確かにこれをよく見てやっていることは事実ですけれども、これだけで判断をしているわけでももちろんなくて、様々な指標を見ながらやっているということだと思います。しかし、今御指摘のように、いろいろな問題点が指摘されていることも十分分かっておりますし、また、先ほど末松先生からお話がありましたように、措置時代に、古い時代にできてもう償却も全部済んでいるというようなところと、言ってみれば貸家でやっているような、賃料を払わなきゃいけないようなところが今どうなるかというと、なかなかその格差が大きいわけで、だからこそこういうようなことになっているんだろうというふうに思います。
 したがって、この経営実態調査につきましては、小規模な事業者にも配慮をして、実は回答率も余り良くないところもありますから、記入の手間を軽減してできる限り答えてもらう、今まで答えていなかったところに対してですね、それから、事業所規模や区分ごとの調査票の回収状況に応じて全国平均値をより精緻に出すというようなこと、そういった調査の精度を高めるための取組も行っておりまして、調査結果は一定の信頼性が今でもあるとは思っておりますが、今後ともしかしこういった調査が介護報酬改定の検討においてより有効に活用される調査となるように、例えば調査期間、今は一か月でありますけれども、これをどうするか。あるいは、報酬改定の審議の過程でいただいた様々な提案がありました。さっきの、もう償却が済んでいる、済んでいない、こういう問題もありますので、そういった御意見を踏まえて、次期改定に向けて調査の在り方をしっかり検討してまいりたいというふうに思います。
#35
○福岡資麿君 今大臣から心強いお言葉をいただきました。しっかり次に向けて、どういう調査の在り方がいいのか、今おっしゃられたことも含めてしっかりと検討を進めていただきたいと存じます。
 続きまして、先ほどの特別養護老人ホームであったり、また子供の将来を担う保育であったり、こういったところは社会福祉法人が主にそこの担い手としてあるということでございます。今、社会福祉法人については、現行制度におきましても、残余財産の帰属先というのが極めて限定されていたり、所轄庁の強い管理下にあるということで公益性が高いというような法人類型でございますが、やはり社会情勢が変わってきているというようなことがあったり、例えばNPOとか株式会社とかが参入してきて様々な供給主体が多様化しているというようなこともありまして、その公益性を担保するガバナンスの強化とか透明性の確保というのが求められているということでございます。
 党の社会福祉法人改革プロジェクトチームにおきまして、その取りまとめも私させていただいたわけでございますが、そのときの議論でもありましたけれども、社会福祉法人と一言で申し上げましても、例えば高齢者福祉をやられていたり、障害者福祉をやられていたり、保育であったり、児童養護であったり、本当に様々な提供の幅があるわけでございますし、また、設立の時期であったり、地域であったり、その事業の規模であったり、そういったものによって極めていろいろな経営状態にばらつきがあるという状況であろうというふうに思っております。
 保育なんというのは、やはり一つの法人で一つの施設を運営しているというようなケースも大変多いわけでございまして、今回このガバナンスの強化というのはある程度流れとしてそういう方向に行かざるを得ないんでしょうけれども、やはり小規模法人からすると、そういったものの小さな法人にも配慮すべきだというような声が多いことも事実でございます。
 こういったことも踏まえて、今後のガバナンスの強化についてどう取り組んでいかれるのか、厚生労働大臣にお伺いします。
#36
○国務大臣(塩崎恭久君) 福岡議員には、自民党の社会福祉法人改革プロジェクトチームの座長として、先ほど、一月の二十八日に社会福祉法人改革に関する提言も取りまとめをいただいているわけでありまして、深く感謝を申し上げたいと思います。
 この社会福祉法人は、それぞれ高い公益性の下で、また非営利性の下で、それぞれの地域で使命を果たしていただいているわけでありまして、極めて大事な存在であることはもう先生御指摘のとおりであります。同時に、これは課税をされないという、他の法人とは全く違う扱いであることも原点にやっぱりあるというふうに思いまして、そこのところを踏まえた上での今回の議論であったかなというふうに思います。
 今般、今申し上げたような観点から、改革につきまして、経営組織のガバナンスを強化するため、理事会、評議会の位置付けを整理をして権限を明確化する、それから、運営の透明性を確保するために、財務や事業に関する書類の閲覧、公表の対象を拡大をするといったことなどを内容といたします社会福祉法人制度改革を行うこととしているわけでありまして、社会福祉法人の事業規模は今お話しのように様々であって、評議員等の確保が難しい地域も地域差があるんではないかなというふうに思っておりまして、そういう懸念も踏まえた上で、制度改革を行うに当たってはきめ細かく配慮をしていかなければならないというふうに思います。
 こういう点から、今般の社会福祉法人改革では、小規模の法人については、評議員会の設置が義務付けられている平成二十九年度から三年間、評議員の定数を七人以上から四人以上とする経過措置を講ずる、それから、会計監査人の設置の義務化につきましても、監査の受入れに係る事務体制や監査費用の負担能力を考慮して一定規模以上の法人とするということを考えておりまして、またさらに、評議員にふさわしい人材の確保については、地域において支援する仕組みというものを検討するなど、法人の規模や地域の特性に配慮をした取組というものを講じてまいりたいと考えているところでございます。
#37
○福岡資麿君 いろいろ不安を持つ方もいらっしゃいますから、今おっしゃったようにきめ細やかな対応をお願いをしたいと思います。
 三月の二十日の日に少子化対策大綱が発表をされました。結婚、妊娠、出産、子育て、この各段階に応じてきめ細やかなサービスを提供していくという姿勢をより明確にされたということは評価をさせていただきたいというふうに思います。
 安心して子供を産むという観点からお伺いをさせていただきますが、今、医学部の定員増加等によって分娩を行うような産科医の数自体は底を打って、増えてきているような状況でございます。ただ、偏在に伴いまして、地方の分娩施設の減少というのが顕著になってきています。
 実際に、神奈川県では、平成十六年に百七十四あった分娩施設が平成二十四年には百二十二施設と減少をしてきておりますし、私の地元の佐賀県でも、平成十六年に三十八あった分娩施設が平成二十七年には二十二施設と減少をしてきているということでございます。
 現在でも、複数の自治体を超えて長い時間を掛けて移動して、その移動のときの不自由さや、いざというときの不安を抱えていらっしゃる妊婦の方々というのがたくさんいらっしゃる一方で、分娩施設が減少することによって、一つの医療機関に集中することで医療機関の負担が増大して、分娩を取りやめるような機関も後を絶たないような状況にあるということでございます。このままずっと減少が続くと、本当に分娩が安心してできない地域が出現しまして、分娩難民というような言葉もあるというようなことでございまして、安心して子供を産む環境というのがなかなか維持できないのではないかというようなことでございます。
 少子化対策大綱では、産科医の確保ということについては盛り込まれておるわけでございますが、やはり安心して妊娠し出産できるためには、産科医の確保も大事ですが、地域における分娩施設の減少を食い止めていく、こういったことも必要だというふうに思っておりますが、見解をお聞かせいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から御指摘がありましたように、分娩取扱施設数というのは減少をしております。地域における産科の医療提供体制の整備はますますもって急務だということは、今先生御指摘のとおりだと思います。
 一方で、分娩取扱いのお医者さんの数、これは実は増加傾向でございまして、増えてはいるんです。しかし、一部の県においては逆に減少をしているというところもございまして、分娩取扱医師数の確保に都道府県間の格差が見受けられるというところであって、厚労省としては、産婦人科などの特定の診療科等の勤務を条件とした地域枠を活用した医学部入学定員の増加等の支援をこれまでも行ってきているところでございます。また、分娩件数に応じた医師への手当の支給や、院内助産所、助産師外来の開設を推進するための財政支援も基金などを使って行ってきているところでございます。
 さらに、離島とか山間部、中山間部、こういったところなどの分娩施設を取り扱う医療機関の集約化というのが困難なへき地がございますが、分娩可能な産科医療機関を確保する観点から、隣接する他の産科医療機関まで離れているような医療施設に対して、設備の整備あるいは運営費に係る補助事業を実施をしているということでございます。
 こうした取組を通じて、地域において、先生御指摘の、御懸念のような、安心して子供を産み育てることができる体制というものを充実をしなければならないと、こう考えております。
#39
○福岡資麿君 今おっしゃられましたように、山間とかへき地だけではなくて、空白地帯というのはたくさんあるわけでございます。そういうところをなくす努力もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、障害年金についてお話をさせていただきます。
 先頃報道もございましたが、障害年金の支給を受ける条件といたしまして、民間においては初診日の証明が必要であるということに対しまして、国家公務員と一部の地方公務員においては本人の申告のみで足りるという官民格差が報じられておりました。
 民間と公務員でこのように扱いに差があるというのは大変不公平であるという指摘があるわけでございますが、まず、この官民格差というのはなくなるということでよろしいのでしょうか。
#40
○国務大臣(塩崎恭久君) 障害年金につきまして、国民年金、厚生年金と共済年金で受給要件や初診日を確認する方法が異なる取扱いとなっているのは先生今御指摘があったとおりでございまして、こうした違いは、国民年金、厚生年金においては転職等により加入する制度が変わる可能性が一定程度あることを前提に考えてきたのに対して、共済年金の場合には同一制度に長期間継続をして加入することを前提としてきたことも一因ではなかったかなというふうに考えているところでございます。
 本年十月に施行されます被用者年金の一元化によって、共済年金についても初診日時点での保険料納付が必要となり、制度的な差異はなくなりますけれども、運用面についても国民年金、厚生年金の取扱いに基本的に合わせるということとしておりまして、統一的な対応となるように取り組んでまいりたいというふうに思います。
#41
○福岡資麿君 今大臣がおっしゃられましたように、昔と今は時代背景が違いますから、もう公務員の方もずっと公務員のままというような時代ではなくなってきています。そういう意味においては、しっかりとその条件を合わせるということをされたということは評価すべきだというふうに思いますが、ある意味、今回官民の格差をなくしたということは、今までの民間の厳しい方に官の方も合わせたというようなことでございます。
 障害年金の支給に至るまでの道のりというのはそれぞれ違っているわけでありますが、現在、例えば医療機関においてカルテの保存期間というのは五年間でございますから、例えば、長期の通院の後に支給要件に至られた方が初診日を明らかにするというのは極めて難しい状況にあるわけでございます。
 そういった意味で、障害年金というのは、本来は年金制度に加入中の病気やけがで障害に至った場合の措置でありますから、大臣がおっしゃるように、確認をしていくということは大切なことでありますが、でも、本来受給できる方がもらえないということをなくしていくための取組というのもしっかり進めていかなければならないというふうに思っておりまして、その点について、厚生労働大臣にお伺いします。
#42
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国の年金制度は、言うまでもなくこの社会保険方式を取っておって、障害年金についても保険事故となる傷病の発生時点において支給要件を満たしていることが必要であるわけでありまして、したがって、初診日がいつであったかという判断は、これは適正に行わなければならないということをまず押さえなきゃいけないと思います。
 そのため、障害年金を請求するに当たっては、初診日を明らかにすることができる書類として、原則として医師による証明というのを求めているわけでありますが、また、初診日において受診した医療機関における証明が得られない場合には、何らかの方法で客観的に初診日が確認できるように、申請される方の状況に応じて幅広い資料を参照を今もしておるところでございまして、例えば健康保険の給付記録、あるいは事業所の健康診断の記録、あるいは発行日や診療科等が確認できる診察券などを参照しながら見ているわけでございます。
 今後、この要件を満たしている方が初診日が確認できないという理由で年金をもらえない、こんなことが極力ないように、全国の過去の事例から初診日を確認するために用いた資料を確認、整理することとしておりますが、御指摘のようなことを踏まえながら考え方も整理して、不便が起きないようにしっかりと対応してまいりたいというふうに思います。
#43
○福岡資麿君 今幅広い資料を参照していただいている、今もそれをやっていただいていますが、更にその取組について検討していくというようなお言葉をいただきました。
 いずれにしても、その参照の幅を広げていただくということは大切なことですが、先ほども申しましたように、やはり長期の通院の後に支給要件に至られた方というのは今のこの参照の資料だけではなかなかカバーできない部分があるわけでございます。そういった部分でいうと、ある程度その周りの方々の証言とかも含めて蓋然性が高いというようなことが証明をされた場合に、やはりそういった方々が年金をもらえないということがないような取組について是非とも検討を進めていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
 続きまして、資料の四を御覧いただきたいと思います。障害者の芸術文化についてお伺いをいたします。
 一昨年の五月に総理官邸で開催されました安倍総理と障害者の集いにおきましては、障害のある方が創作する優れた芸術作品が多数展示されました。この催しが一つのきっかけとなりまして、国内や海外で開催される展覧会への出展が広がるなど、障害のある人の芸術文化の振興が大きな一歩を踏み出したということが言えるのではないかと思います。
 同年の十月には、文部科学省におきまして、「心がカタチをもつとき」というふうに題したアールブリュット展が開催をされました。展覧会の開催に合わせまして、下村文部科学大臣の大臣室には、美術のオリンピックとも言われるベネチア・ビエンナーレ国際美術展に出展された滋賀県の澤田真一さんの作品、これは陶芸作品、陶芸オブジェみたいなもので、資料五にお示しをしておりますが、大臣室にも展示をしていただいておりますし、文化庁長官室にも別の作品を展示していただき、様々な方々に御紹介をいただいたわけであります。現在、障害のある方が創作する優れた作品、とりわけアールブリュットと呼ばれるこれらの作品は、国内外から高い評価と注目を集めています。
 そこで、下村文部科学大臣にお伺いいたしますが、展覧会を開催いただくなど大臣には大変御理解をお示しをいただいておりますが、障害のある方が作成する、とりわけアールブリュットと呼ばれる作品を文部科学省ではどのように評価し、我が国の誇れる芸術の一つとしてどのように発信していくべきかとお考えかということについてお伺いをいたします。
#44
○国務大臣(下村博文君) ありがとうございます。文部科学省でこの作品展を展示したということも資料の中に添えていただいたことを感謝申し上げます。
 障害の有無にかかわらず、全ての人が文化芸術に親しみ、優れた才能を生かして活躍することができる社会を築いていくことは重要なことであるというふうに思います。
 御指摘のアールブリュットを始めとして、障害のある方々の芸術作品の中から、既存の価値観にとらわれない芸術性から国内外で高い評価を受ける芸術作品も数多く出ておりまして、これまでの芸術の評価軸に影響を与え、芸術の範囲に広がりや深まりをもたらしまして、芸術文化の発展に寄与を更にしていくのではないかと考えております。
 文科省では、平成二十五年に厚労省と共同で障害者の芸術作品の支援を推進するための懇談会を開催し、障害のある方々の優れた芸術作品の展示機会の確保等について提言を取りまとめていただくとともに、我が国の優れた現代美術作品として海外への発信を支援しているところでございます。
 福島の特別支援学校に行ったときも、高校生の卒業作品、これは御指摘のようなアールブリュットの分野でありますが、すばらしい部分がたくさんありましたが、そこでもう埋もれてしまっているんですね。その子供たちに、卒業した後もこういう芸術環境を整えたら芸術分野で食っていけるんじゃないかというような子供たちが残念ながら軽作業に行かざるを得ないという状況がある中、しっかりと今後とも厚労省と連携して障害のある方々の芸術活動の支援について取り組むことによって、花開いていくような環境づくりをしてまいりたいと思います。
#45
○福岡資麿君 今文部科学大臣にもおっしゃっていただきました。また、先ほど障害のある方の芸術文化振興は一歩を踏み出したということを申しましたが、やはり更にその取組を進めていくためには、活動や発表の場というものをしっかり確保するなどして裾野を広げていくという取組、また、その中から見出された優れた才能を伸ばす取組のこの両面が必要だというふうに思っております。
 先ほど大臣もおっしゃいましたように、やはりそれが芸術文化作品として認知をされれば、そこの芸術作品として高い値で取引もされて、そういった方々の所得にもつながるというようなことにもつながるわけでございますから、そういった部分で、文部科学省、厚生労働省がしっかり連携をしていただいて、積極的に政策を推進していただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。
 最後に、総理にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 二〇二〇年は東京オリンピック・パラリンピックの開催年でございます。今、超党派で立ち上がりまして、衛藤晟一先生が会長をされていますが、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けた障害者の芸術文化振興議員連盟というものがございます。そこにおいてもこれらの取組について積極的に支援をしていきたいというふうに考えております。
 日本のアールブリュット作品が世界で評価されてきたこの背景については、制作を支えたりまた作品を守ってきた、そういった家族であったり、また福祉や医療の支援者などの存在があります。また、作品の魅力とともに、こういった背景に触れた外国の方々の中には、日本人ならではの思いやりというものに触れて称賛をされるということでございます。ほかにも、障害者の方々がやられる音楽であったりダンスであったり和太鼓であったり、こういった伝統芸能など様々な芸術文化において同様の評価が広まっているとも聞いておるところでございます。
 こういうことを見聞きしますと、障害のある方たちが発信の担い手となる芸術文化を通じて共生社会の在り方を世界に示すことにつながるのではないかというふうに考えておりまして、二〇二〇年というのはまさにそれを世界に打ち出していく格好の機会だというふうに思いますが、総理の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#46
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京五輪は、オリンピックであるとともにパラリンピックでもあります。ですから、日本が、障害があるなしにかかわらず全ての方々がその才能、能力を生かすことができる社会である、そういう国なんだということを世界に示していきたいと思います。
 そこで、先ほど御指摘をいただきましたアールブリュットを始め、障害者の方々の芸術作品はその高い芸術性が国内あるいは国外で高く評価されています。しかし、高く評価されていると同時に、埋もれている才能もたくさんあるのも事実なんだろうと思います。
 一昨年、御紹介をいただきましたが、芸術活動など様々な分野で活躍する障害者の方々を官邸にお招きをいたしまして、芸術作品を拝見をさせていただきました。私も本当に驚きました。今までこういう分野でこんなにすごい才能があるということを私は知らなかったのでございますが、まさに心が揺さぶられるような作品がたくさん出されておりました。
 二〇二〇年にはまさにオリンピック・パラリンピック東京大会が開催されるわけでありますが、大会に向けて実施される様々な文化プログラムは、障害者の方々にとって文化芸術活動の面で大きな活躍の場となると、このように思います。まさに彼らがその才能を示す、発信する大切な機会になっていくと思います。
 政府としては、障害者の方々の芸術活動を支援をしていくとともに、その優れた芸術作品が様々な場で発信され、多くの方々が作品のすばらしさに触れられるよう、今後ともしっかりと取り組んでいきたいと思います。
#47
○福岡資麿君 共生社会の在り方を提示する絶好の機会だというふうに思います。先ほどおっしゃられましたように、埋もれているものがそういった機会で世界に発信されていくことをお願いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#48
○委員長(岸宏一君) 以上で福岡資麿君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#49
○委員長(岸宏一君) 次に、藤本祐司君の質疑を行います。藤本祐司君。
#50
○藤本祐司君 民主党・新緑風会の藤本でございます。
 今日は、地方創生と社会保障に関する集中審議ということで、この後控えている森本議員が社会保障中心にやるので、私は地方創生を中心にやらせていただきたいと思います。
 まず、パネル一なんですが、(資料提示)これは一番目の人口の推移なんですけれども、これ、総理に改めてお聞きしたいと思いますが、このグラフ見て分かるとおり、人口のやはり減少が著しいということであります。何も策を講じなければ二〇五〇年には一億人を切ると。ただ、高齢者の数は二〇五〇年になっても今よりも数としてはまだ多い。ただ一方で、六十四歳以下の人口というのは軒並み減っていって、三五%も減少して、二十歳から六十四歳、四千六百四十三万人へと減少していくということが、これがまあ実態なんだろうと思います。
 この人口減少については、総理も自らの著であります「新しい国へ 美しい国へ完全版」で述べていらっしゃるとおり、経済の分野では、経済の分野とお断りになっていますが、労働人口が減ることによって生産力が落ち、同時に、消費需要が減って経済規模が縮小することが心配されると。そこで、人口が減っても生産力が落ちない方法を模索しなければならないということで、女性あるいは高齢者の能力を生かす、あるいは労働生産性を上げるんだということを挙げていらっしゃるわけなんですが、その辺のちょっと意図というのを教えていただきたいんですね。
 というのは、むしろ、女性、高齢者の能力を活用するとか、労働生産性が向上すれば人口減少はさほど怖くないというような意味があるのか、あるいは、一億人というのが二〇六〇年で一応設定されていますので、そのぐらいまではいいけれども、それ以上いってしまうと大変なことになるんだと、地方も日本全体も。そういう、どの辺りに意図があるのかという、ちょっとその辺の解釈について教えてください。
#51
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御紹介をしていただいたとおり、人口が減少していくということは、生産人口が減っていく、あるいは消費人口が減っていくということでございますから、経済の規模の縮小につながっていくわけでございます。
 そこで、今申し上げましたような、女性の活力、あるいは高齢者の方々が経験や知識を生かしていただく、あるいは高度の外国人人材を活用していく、そしてまた全体の生産性を上げていくということで補っていくし、またあるいは、経済連携を進めていくことによってアジアの人口、世界の人口は増えていくわけでありますから、世界のそうした成長、消費をしていく力を取り入れていこうということであります。
 それは、言わば様々な政策を動員をしていく、あるいは、産みたいという方々、将来お子さんを持ちたいという方々の希望をかなえる形で、一億人は維持をしたとしても人口減少は進んでいく中において、こうした観点から政策を進めていく必要があるだろうということでありますが、しかし同時に、一番最初の前提として私が述べているとおり、人口の減少ということについては、経済においてはあらゆる面でマイナスに作用していくわけでございますし、また社会保障を持続可能なものとして維持をしていく上においても、これは明らかにマイナスでございますから、そこにおいては、今私たちが進めている政策として、希望をかなえていく、お子さんを持ちたいという方々が持てるような環境をつくっていくということを、その政策を進めていく。そして、地方に移りたい、地方の出生率は高いわけでございますから、そういう希望もかなえていくことによって一億人は維持をしていきたいと、このように考えているところでございます。
#52
○藤本祐司君 恐らく、この人口減少、かなり深刻だという、その点については皆さん多分共有化はできているんだろうというふうに思いますが、本日は地方創生ということで、しきりに、地方創生の中で観光が非常に有力な分野であるということは、安倍総理を始め、菅官房長官、甘利大臣や石破大臣等々、皆さんがおっしゃることなんだろうと思います。
 石破大臣にちょっとお聞きしたいというか、半ば決意みたいなところが入ってくるんだろうと思いますが、漠然として考えると、観光というのは、地方振興、地域活性化、地方創生には役立つものだということは何となくはこれ多分皆さん共通する理解なんだろうと思います。
 今日はせっかくテレビ中継がありますので、これ、観光というのがどうして地域振興に、どれだけ影響をするものなのかということを全国の皆さんがやっぱり理解をしてもらう必要があるんだと思うんですね。
 とかく観光というと、観光関連事業者、旅館であるとかホテルであるとか交通事業者だとか、そういったところの問題だというふうに取られがちなんですが、実際にはそうじゃなくて、もっともっと幅広い、国民生活あるいはそこに住んでいる方々に対してプラスの効果があるんだよということがやはり浸透していかないと、国民全員でそういう盛り上がりというのはなくなる可能性もあるものですから、ちょっとそういう意味も含めて、観光が地方創生とどういう関係、地域活性化にどう役立っていくのかということを少し石破大臣の口からお答えいただきたいと思います。
#53
○国務大臣(石破茂君) しばらく人口減少というのは止まらないと思っております。出生率が上がったとしても、そのお子さん方が子供を産んでいただくまで二十年ぐらいは掛かりますので、しばらく人口は減るというのは所与のものだと思っております。そうしますと、定住人口は減るのだ、しかしながら、そうであれば交流人口を増やしていかねばならぬということだと思います。
 一人の人が、赤ちゃんからお年寄りまでですが、一年間に消費するお金というのは大体百二十四万円としたものであるということですが、これが百人減っちゃいますと、一億二千四百万という金がその地域からは消えていくということになります。そうすると、交流ということによってその経済活動を喚起しなければならぬというお話に相なります。
 そうしますと、この百二十四万円というお金を考えてみたときに、外国人の旅行者の方がお一人当たりお使いいただくお金が十三万七千円ということですから、そうしますと、外国人の旅行者の方が十人来られるとその分が補えるということになります。
 日本人の場合には、宿泊なさる旅行者の方がお一人様当たりお使いになるのが四万八千円ということですから、そうしますと、国内宿泊旅行者の方ですと二十六人、それを来ていただくことによってそこの部分の消費が上がるという、経済的に言えばそういうお話なんだと思っております。
 あわせまして、先般も答弁申し上げましたが、例えばJR九州のやっている、ななつ星という物すごい列車がございますが、そのことによって地域の魅力というものが発見される、そのことによって大勢の方がおいでいただけるということがございます。
 私どもの鳥取県で今日から、鳥取県で待っとるけんという、何か分かったような分からないような話ですが、要はプレミアム付きの旅行券というものを売ったらば五分で全部売り切れたというお話でございます。
 ですから、行ってみようという方々大勢おられるわけで、それに対してどのようなものを提供するかということも極めて重要だと考えております。
#54
○藤本祐司君 今、人口減少の観点からそういう地方創生というお話があったんだろうと思いますが、私も一九八九年から十五年弱なんですが、シンクタンクで観光振興とか地域振興とかをやっていたんですが、それは必ずしも人口減少が起こるから何とか、地方を何とかしなければいけないという、そういう発想というよりは、むしろ地方には非常に豊かな伝統があり、芸能があり、文化があり、歴史があり、自然があり、人がいて、食が非常に豊かだと。
 それを、当時は東京一極集中、今もそうなんですが、それが非常に強かった時期で、やはり地方にそんなにいいものがある、価値が高いものがあるにもかかわらず、それがうまく生かされていないじゃないかと。それを生かすことによって日本全体が豊かになっていくということ、それをやっぱりしていかないといけないし、人も旅行することによって、やっぱりいろんな交流も生まれ、知恵も付き、知識も増えてということが、だから地方振興というのは観光でやっていくことが重要だという、私はそういう意味合いで実はシンクタンクでやっていたんですね。
 だから、それに今回人口減少というのが加わったわけなんですが、伝統文化の主役は私は地方にあるというふうに思っています。石破大臣と私は十日違いの、多分ほとんど同じ年なんですが、ほとんどというか十日違いだけなんですが、その地方に根付いてきた本質的価値というのがあって、その価値をいかに再生産していくのかというのが今回の地域活性化の鍵なんではないかなというふうに思っておりますので、ちょっと今日はその観光についてお聞きしたい。
 まず、観光というと、今、石破大臣もおっしゃったとおり、外国人が日本に来るということと日本人が観光するという、大きく二つあると思うんですが、昨今の話題でいくと訪日外客が非常に増えているという、これが話題になっています。
 これは、お手元の資料で二ページ目になるのかな、訪日外国人数の推移と主な出来事というのがちょっと書いてありますが、ざっと見ると、二〇一二年には八百三十六万人、一三年に一千三十六万人、そして昨年が一千三百四十一万人と記録を更新してきているんですが、ここで安倍総理にお聞きしたいんですが、この訪日外客が二〇一三年から三百万人昨年伸びているんです。この主な要因というのは何だというふうにお考えになりますでしょうか。
#55
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 訪日外国人旅行者数はこの二年間で五百万人増加をいたしまして、昨年は過去最高の一千三百万人を超えました。また、外国人観光客による旅行消費額も、一兆円だったものが二兆円となりました。
 この要因は、近年、まず為替が円安方向に動いたことに加えまして、成長の著しいアジア諸国などにおける訪日プロモーションがあると思います。また、東南アジアを始めとする国々におけるビザ緩和、これも大きかったと思います。例えば中国へのビザ緩和につきましては、麻生政権でスタートいたしまして、そして民主党政権でそれを、藤本委員にも国交の大臣政務官として御尽力をいただいたと思いますが、それを更にパワーアップしていただいたということもあるんだろうと、このように思います。そしてまた、消費税免税制度の拡充などの取組も効果があったものと考えております。
 このうち、為替における影響も当然あるわけでありますが、様々な努力が成果を上げていると、こう思うわけでございますが、今後とも、そうした要因分析もしっかりと行いながら、更に多くの外国人観光客が日本を訪れてもらいたいと思いますが、その際、先ほど委員もおっしゃっておられましたが、今までのルートだけではなくて、さらに、地方に行ってたくさんの地方の魅力を知っていただくように、行っていただくためにはその魅力を知っていただくように、これから地方へ行っていただくためのプロモーションにも力を入れていきたいと思っております。
#56
○藤本祐司君 為替の問題とプロモーション、あとビザのお話が出ましたが、ビザ緩和については、だんだんここ安倍内閣になってから発言が変わってきていまして、最初は、一千三百四十一万人、あるいはその前の年が随分増えたときには、ビザの要件緩和は非常に効果があったということでありましたが、初めて今日、民主党政権でもそれを続いたということを言っていただきまして良かったなと半分思うんですが、これ事実関係をもうちょっと詰めたいと思うんですが。
 観光庁長官、太田大臣でもよろしいんですが、ちょっと数字のことなんで長官でよろしいかと思いますが、二〇一三年と比較して二〇一四年に三百万人全体で伸びているんですが、どこの国・地域からどのぐらい伸びているのか。これ全部言い出すと切りがありませんので、重立ったところ三つぐらいで結構なんですが、どこの国・地域から何人ぐらい来ているかというのをちょっと教えてください。
#57
○政府参考人(久保成人君) お答えいたします。
 全体の数字は、今お話に出ましたように、昨年、二〇一四年は、前年比二九%増の千三百四十一万人でございますが、国・地域別に見ていきますと、台湾が最も多く二百八十三万人、次いで韓国の二百七十六万人、そして中国の二百四十一万人、次いで香港、アメリカでございますが、特に中国においては前年比八三%増と最も顕著な伸びとなっております。
 また、一昨年七月にビザ免除措置を実施いたしましたタイ、マレーシアでありますが、タイが六十六万人で、前年比……(発言する者あり)はい、六十六万人、マレーシアが二十五万人となっております。
#58
○藤本祐司君 時間がないので聞かれたことだけ答えていただきたいと思うんですが。
 中国が百九万人、これが圧倒的に多いところだと思います。その次が、台湾が六十二万人ほど、韓国が三十万人ほどが上がって、合わせて二百一万人がこれ増加をしています。全体で三百五万人の増加ですので、この三国だけで三分の二なんですね。
 これだけ増えているということなんですが、そのビザ要件の緩和について、安倍内閣において、この中国、台湾、韓国についてはどういうような要件緩和をされたんでしょうか。これ、外務省、お願いします。
#59
○副大臣(城内実君) ビザの要件緩和、免除についてお答えいたします。
 二〇〇五年に開始しました、韓国、台湾等、九か国・地域におきましてビザ免除を実施いたしました。また、数次ビザの導入につきましては、インド、インドネシア、フィリピン、ベトナム以外にも、カンボジア、ラオス、ミャンマー等を含む十一か国において実施したところであります。
#60
○藤本祐司君 質問聞いてくれましたか。中国、いわゆるメーンランド・チャイナと台湾と韓国についてどうでしたかと聞いているんです。
#61
○副大臣(城内実君) 済みません。失礼しました。
 中国に対しましては、二〇〇〇年に団体観光ビザを開始して以降、漸進的にビザ緩和を行ってきております。また、二〇〇九年からは個人観光客へのビザ発給の開始、経済力等の発給要件の緩和、沖縄・東北三県数次ビザの導入等……(発言する者あり)
#62
○委員長(岸宏一君) 質問をもう一回。藤本祐司君。
#63
○藤本祐司君 質問をもう一回しますけど、二〇一三年から三百万人伸びましたよと。いいですか。三百万人伸びましたよというのは二〇一三年から一四年の話。それに対して安倍内閣では、中国と台湾と韓国についてビザ緩和をどうしたんですかというのを聞いているんです。昔の話とかは要らないんです。ほかの国のことは要らないんで、この三つについてどうですかというのを聞いているんです。
#64
○政府参考人(鈴木哲君) お答えいたします。
 韓国につきましては、既に二〇〇五年からビザ免除を行ってきております。台湾につきましても、二〇〇五年三月からビザ免除を行っております。中国につきましては、累次、ビザ発給要件の緩和を行っておりまして、最近では、商用目的、文化人、知識人、数次ビザの要件緩和等を実施してきております。
#65
○藤本祐司君 そんな難しいことを私聞いているつもりないんですけど、今言った二〇〇五年とかの話をして、今の文化人、知識人というのは、これ二〇一五年一月からのことです。二〇一五年というのは今年でしょう、そんな話を僕聞いているんじゃなくて、一千万人から一千三百万人に増えたということを言っていて、そのところの中国と台湾、韓国は何をしたんですかということを聞いているんで、もうちょっと時間がないので聞きませんが、この国については特段やっていないんです、この一年間は、あるいは二年間は、やっていないです。
 ただ、民主党政権でどうやったのかというのを先ほど安倍総理も言ってくださいましたんで、ちょっと答えさせると時間が掛かっちゃうんで私が答えますが、外務省の資料を一回私出してもらったんですが、我々がやったことがぽんと抜けていまして、後から指摘したら昨日持ってきまして、それでいいのかいなと思いながらも、二〇一〇年の五月に、我々、ビザ緩和として中国の経済要件をぐっと引き下げたんです。これは、今までは十分な経済力を有する者という、これ考えると、超お金持ち、大富豪しか来れないという状況だったんですね。
 で、麻生大臣が総理大臣のときに団体観光から個人観光に緩和してくださったんですが、その後、懸案事項がいろいろあったものを、民主党政権になって、当時、岡田外務大臣、前原国土交通大臣だったんですが、そのときにそれをやって、一定の職業の地位及び経済力を有する者、これ具体的に何かというと、普通にクレジットカードが発行できるような方々ぐらいまで広げた、領事館を三つだったのを七つに広げたとか、そういうことでぐっと実は伸びているんです。
 その後、先ほど答弁がありましたとおり、沖縄の数次ビザであるとかあるいは東北三県の数次ビザであるとか、そうやって、中国に関しては基本的には麻生政権の最後のところから我々がハードルを越えてやったというのが実態だというふうに私は思いますけど、それで間違いがないかだけちょっとお聞きします。
#66
○副大臣(城内実君) 藤本委員のおっしゃったとおりでございます。
#67
○藤本祐司君 是非、御理解をいただきたいのは、ビザ、非常に有効だというふうに、発給要件は、思いますし、実は我々のときも、タイ、マレーシア、インドネシアについても民主党政権でやっています。ですから、よく安倍総理なり菅官房長官なりが発言すると、全て安倍内閣でやったかのように誤解されてしまうということと、あと、国会議員の方もよくよく中身を知らずにその話をする方がいらっしゃるものですから、せめてそこのところは理解をしてもらいたいなというふうに思いまして、今日はちょっとそのお話をしました。
 実際に非常に、麻生内閣の後、ハードルが物すごい高い、いろんな事件、事故がありました。警察は、失踪者が増えるんじゃないかとか犯罪が増えるんじゃないかとか、あるいはビザ発給領事館を広げるとなると、その事務が外務省として非常に増えてしまうんじゃないかとか、あるいは法務省は、入国管理が人手が非常にたくさんになってしまうのでそれは困るとかということがあったんですが、これは政治主導という形でやらせていただいたということ、それだけは申し上げておきたいなと思います。
 それともう一つ、為替。為替の問題があるんだろうと思います。先ほど、為替で円安に動いたから非常に最近増えたと。それも多分事実なんだろうと思いますが、裏を返せば、円高になると訪日外客というのは増加しないと解釈してよろしいんでしょうか、安倍総理、先ほどの。
#68
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、例えば八十円から百二十円に動けば、事実上、旅行する上においては五割安ということになったのと同じでありますから、その局面において、このスピードが速かったということもあり、局面において言わば日本に旅行しようという気持ちが高まるきっかけにはなったんだろうと思います。
 しかし、そこで同時に、日本にやってきたら良かったなということをよく知っていただくことによって、今後、為替の変動によっても言わば日本の魅力が減少することのないようにしていきたいと、このように思います。
 これがどれぐらい影響しているかということを把握をすることは困難ではございますが、しかし同時に、今後、今委員がおっしゃったように、では円が高い方向に振れていく、当然そこでは価格が高くなるわけでありますが、でも価格に見合うものがあるなというふうに思っていただけるように努力をしていきたいと、このように思います。
#69
○藤本祐司君 円安になれば、当然向こうから来ようという、そういうインセンティブが高まるということは、それはそのとおりだろうというふうに思いますので、外客誘致という側面から見れば円安というのはプラスの効果があるんだろうと思います。
 ちょっと、ただ、このパネルを見ていただいて、そっち側からいくと右下の方に、訪日外国人数の中で、中国は実は円高になったときも、二〇一〇年というのはプラスに伸びているんですね。だから、それは我々が仮に普通に海外旅行をしようとするときも、為替のことだけではなくて、今総理がおっしゃったように、この国に今行かないとというのがもしあれば、それは行ってもらえる。
 ただ、旅行というのは、東日本大震災のとき、お分かりのとおりぐっと下がりました。あるいはリーマン・ショックのときもぐっと下がるという、いわゆる外部要因で下がったり上がったりするということがよくあるんですね。それは、別に今年行かなくても、まあオリンピックみたいな、オリンピック見たいというんだったら別ですけれども、オリンピックのときって、実を言うとオリンピックを見たいと思わない人は逆にそういうときは来ないので、むしろ観光客が減るということも起こり得る、高くて混んでいるから来ないという、それは普通に考えれば分かると思うんですが。
 ですから、必ずしも為替だけでは当然動かないし、いろんな要素の中であるんですが、実際に円が高かったときに上がっているというところもありますので、一つの要素として、要因の一つとしては十分考えられるのかなというふうには思います。
 それで、先ほどのビザの緩和のところとちょっと関連してくるんですが、中国がそれだけ伸びていますよと。来てくださる方が百四十から二百四十万に増えましたので、この間の春節のテレビ映像なんかを見ていると、何か物すごく中国の方が来ているかのように思われますが、現実的には、二百四十万で今のところ、昨年のところは止まってはいるんです。
 当時、ビザ緩和をするときに、やっぱり日本側からするとインバウンドですけど、中国側からするとアウトバウンドということになるんですが、中国でアウトバウンド営業ができる旅行会社というのがたしか今は一社しか日本の場合はないんだと思いますが、太田大臣、それ、いつぐらいの話としてそれが設置されたんでしょうか。
#70
○国務大臣(太田昭宏君) 中国におきましては、外資系旅行会社が法令に基づきまして国務院の決定があれば中国国民の出国旅行業務を取り扱うことができると。現在、日中合弁の交通公社新紀元国際旅行社、JTBのものです。これで世界で四社が許可を受けているという状況にございます。
 JTBの新紀元は、二〇一一年五月に許可を受けまして、同年七月から出国旅行業務の取扱いを開始をしています。同社は北京周辺を中心に業務を執り行っておりまして、相当な部分が日本向け出国旅行業務となっていると、このように承知をしています。
#71
○藤本祐司君 ありがとうございます。
 それまでは日本の旅行会社は中国でも要するに国内営業しかできていなかったんですね。中国人を中国の中で例えば旅行するのに取扱いはできたんですが、日本へ送客するというのは二〇一一年の五月、これも相当苦労しました。これはビザ緩和でさっき言いましたように要件をぐっと下げて、経済的な要件を下げたということは、超大富豪しか来れなかったものが普通に海外旅行できるような人にまで層を広げたという、我々のビザ緩和の取組、これがつながって、半分それもあったということも含めて、旅行会社がアジアで一社、アメリカで一社、ヨーロッパで一社、計三社が中国でアウトバウンド営業ができるようにしたのも二〇一一年のことですので、自慢ばっかりで大変申し訳ないですが事実ですので、これも当時の交渉過程の中でやったということで御理解をいただきたいと思います。
 さて、この訪日外客と地方創生との関係なんです。先ほど、百二十四万円お使いになるという、外国人の観光客は、ということでありますが、外国人の方が地方にまで足を伸ばしていただかないと、やはり地方活性化に訪日外客を有効に生かすことができないんだろうというふうに思っておりますが、訪日外客が増加をするということイコール地域活性化ということには多分ならないんだろうなというふうに思いますが、その辺についてのお考えが安倍総理にあれば、教えていただきたいと思います。
#72
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の経済の成長と地方創生の実現のためには、観光は大変重要な分野だと考えております。こうした観点から、日本を訪れる外国人観光客に各地方の個性あふれる観光資源を満喫をしていただくため、地方自治体と協力をしつつ地方の見どころを結ぶ広域の周遊ルートを確立をしていく、いわゆるゴールデンルート以外にも幾つかの選択肢をしっかりと提供していくことが大切だろうと思います。世界各地で行われる旅行博等のイベントの機会などを通じて、そうした日本全国各地の魅力を積極的に世界に発信をしていきたいと思っています。
 また、地方空港も含めて海外から到着した訪日客が円滑で快適に入国できるよう、CIQの予算、定員の充実を図り必要な体制を整備していきたいと思っています。まだまだ地方空港においてはそうした体制が十分ではないわけでございまして、二〇二〇年に向けてしっかりと体制を整えていきたい、こうした政策を政府一丸となって強力に推進をしていきたいと思います。
#73
○藤本祐司君 普通に考えれば、海外旅行をするときにある国を訪れると、最初に、初めて行くときは大体そこの主要都市とか重立った大都市に行って、リピートする、リピーターになっていくことによって、あるいは長く滞在することによって地方へと動いていくということになってくると思いますので、いかにリピーターを増やしていくかというのが一つの鍵なんだろうと思うんですが。
 今、総理から、CIQの話、地方空港の活用の話が出ました。成田空港と羽田空港、首都圏の空港があるわけですが、我々が二〇一〇年にオープンスカイということでやって、いわゆる今までの成田空港は国際、羽田空港は国内という仕分を、その垣根をぐっと低くして羽田にも国際便を飛ばせるようなことをやって、それが今、成田空港と羽田空港に集中している部分があるんですが、太田大臣、これかなり容量がいっぱいになってきているというふうに私は認識しているんですね。これは滑走路もいっぱいだし、ターミナルも混雑しているし、まさに東京上空の空域も大変混雑していて、この空域を広げる、あるいはもう、いわゆる住居地域、住まわれている人たちが大勢いるところにまで、騒音何とか勘弁してくださいみたいな形で許していかないと、今の状態のままだと恐らく二千万人が限界だろうと。政府は、二千万人というのがあって、その先に三千万人というのをもくろんでいるようですが、恐らく二千万人が限界なので、そういう意味では地方空港をいかに活用していくかということだと思います。
 今、CIQの話がありましたので、それぞれ、CIQというと具体的に分からないかもしれませんが、Cはカスタム、税関、Iがいわゆる出入国管理、イミグレーションですね、Qは検疫です、クアランティンというんですかね、これでCIQなんで、それぞれの省庁が関係していることだと思います。
 今、CIQの機能のない港湾あるいは空港でも、クルーズ船が増えたりとか地方空港にチャーター便が来るといったときにどういう対応をされているのか。これは、主には税関ですから本当は財務省なんですが、特に通告をしておりませんが、税関なり、あるいは出入国管理だと法務省の管轄だと思います。それと、あとは検疫だと、動植物は農水省、人の、この間エボラ出血熱とかいろいろありましたから、そこについては厚生労働省。これは各省庁が関連してくるので、現状、今の対応と今後の対応をどう考えていらっしゃるのかということをちょっと教えてください。
#74
○国務大臣(麻生太郎君) CIQでいくとCからの内容なのでカスタムの方から、御質問の通告がありませんでしたけれども。
 二十七年一月で四十五人増員、純増です。そして、二十七年度の本予算で五十五人、合計百人。三桁の増員は関西空港ができたときに三桁の増員やったとき以来、三桁の純増をやったことは過去に例がないと思っております。
 そのほかに、今、いわゆる薬やら何やらも全部関係してきますので、ディテクションという検査する機械を、今の機械で例えば粉が付いた、それはまんじゅうの粉か麻薬の粉かといったらぱっと見ただけでは分からないんですが、その機械に当てると取ってぱっとすぐできるというようなものを、今何台ありましたか、今度二十何台になっていると思いますが、そういったものを増やして、いわゆるこういったテロとか、そういったものを含めて対策をやらぬと、増えるだけでは治安が悪くなって、結果的に観光も駄目になるということになりかねぬと思っております。
#75
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど委員の方から御質問がありました四大空港以外の空港あるいは海港を利用した観光客の皆さんに対して、地方創生の観点からそれを増やすということでございましたけれども、確かに地方空港の中で比率が少しではありますが高まっているというのも事実でございまして、入国管理におきましては、長くお待たせをしないで気持ちよく入っていただいて、またリピートをしていただくことができるようなおもてなしをしていきたいということもございまして、円滑な、しかも迅速な出入国手続ということで取り組んでいるところでございます。
 二十六年の七月に、入国審査の待ち時間が長期化しているということがございまして、一部空港でございますが、大体待ち時間につきましてはおおむね二十分を目安に頑張ってみようということで取組を進めているところでございまして、緊急的に入国審査官三十人の増配置を行っているところでございます。
 さらに、二千万人の高みということで二〇二〇年までということを想定しますと、現在の約八百人から一千百人まで増員をする必要があるということでございまして、そのためには、計画的、段階的な整備が必要であるということもございまして、二十七年度の予算案につきましては二百二人の増員を盛り込ませていただいているところでございます。
 体制強化を図るとともに、入国審査官の例えば機動的な応援派遣というような形で対応していくということも併せて対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#76
○国務大臣(塩崎恭久君) 検疫でございますけれども、エボラ出血熱の流行で、国内には存在しない、常在しない感染症などの侵入を防止するためにいかに大事かということが分かったと思いますが、一方で、国際便の発着便数や旅客数が多い空港には検疫官が常駐をしています。
 一方、それ以外の空港は、業務の効率的な実施の観点から、最寄りの検疫所の検疫官が空港に赴いて検疫業務を実施していまして、今、国際定期便が就航しておる空港は全国で三十あります。そのうちの検疫官が常駐しているのが十九、残りの十一が出張で対応していて、私の松山なんかは、海の方にいて、そして定期便が空港に来るときはそこから来るという格好で、地域間で動いているという格好になっています。昨年、エボラのことがございましたので、平成二十六年度に検疫官の緊急増員ということで三十名、これを地方空港を中心に配置をいたしました。
 引き続き、外国人旅客の増大とか地方空港の活用等に適切に対応できるように、関係省庁と連携しながら、引き続き地方についても必要な検疫体制を確保していきたいと思います。
#77
○国務大臣(林芳正君) CIQの最後の動植物検疫でございますが、地方空港における動植物検疫は、今厚労大臣からも御答弁があったことと似ておりますが、国際便の発着便数、旅客数の多い空港には輸出入の検査担当官が常駐、それ以外の空港については、この発着に応じて当該の担当官が出張ということで対応して動植物検疫を行っております。
 今委員からお話があったように、観光立国を推進する、それから外国人観光客が増加してくるということになりますと、海外からの家畜の伝染性の疾病、それから植物の病害虫の侵入リスク、こういうものが高まると考えられますので、検疫体制の整備がこれらに対応するために必要だと思っております。二十五年度に家畜防疫官が三百七十六名でございましたが、これを三百九十四名に二十六年にしまして、二十七年度は三百九十九名に増員する、それから植物の方も、八百七十三から八百八十九、そして今年は八百九十、増員をしておるところでございまして、こういうことで検疫体制の強化を図っていきたいと考えております。
#78
○藤本祐司君 かなりそれぞれで増員することになるんだろう、今の話を聞いていくと増員増員という話になるんだろうと思いますし、それ必要なことなのかもしれないんですが、これ公務員の定数管理というところがどうしても引っかかってくるんだろうと思いますが、これについて、観光立国だからということだけで単純にそれを認めるのか、あるいはそれ全体をもっと見直して、定員は純増のないような形にするのか、その辺の考え方は、これは有村大臣でしょうか、教えてください。
#79
○国務大臣(有村治子君) 藤本委員の御指摘、大事なことだと認識をしております。
 訪日される外国人旅行者の増加に対応して、税関、入国管理、検疫、CIQの体制強化を図っていくこと、またそれによって国内の安全や安心を維持していくことは内閣の重要施策を推進するものであると思っておりますけれども、これらの部門については重点的に増員を確保しつつ、同時に、政府全体としては、御指摘のように、国家公務員の定員の純減を確保しております。
 今後も、これらの部門については、効率的な実施体制ということを図りつつ、必要な体制の事実上の強化ということをしていかなければなりませんけれども、政府全体としては、厳しい財政状況の中で国家公務員の純減のトレンドは堅持していきたい、厳しく増員の抑制を図っていくという姿勢で臨ませていただきます。
#80
○藤本祐司君 太田大臣に最後にちょっとお聞きしたいんですが、この空港の関係で、やはり地方空港をもっと活性化してうまく使えるようにしようということと同時に、羽田、成田、これ先ほども私、問題点を言いました。それについてどういう今取組をされようとしているのか、あるいはされているのか、お答えください。
#81
○国務大臣(太田昭宏君) 成田、羽田については、藤本先生御指摘のように、かなりぎりぎりのところに来ていると。二〇二〇年二千万ということについては、現在の体制で発着枠を平成二十六年度に七十五万回を達成しまして、更なるこの機能の強化ということについて各自治体にも応援をいただかなくてはならないので、御理解いただくように、そこを努力をしています。
 関空、中部といった国際拠点空港においては、かなり、航空需要ということからいきますと、LCCということが発達しているということが一つの増員できているという要因でありますので、このLCCターミナルの整備等を行って、航空会社が就航しやすいようにということをやっています。
 それから、地方空港につきましては、今後、LCCを始めとする航空需要の増加が見込まれるということでありますので、施設の機能強化、あるいはCIQ体制というお話がありましたし、WiFi環境等、非常にこれ大事な問題で、そこの強化、そして、着いたときにバスが北海道等でもなかなかないというようなこともあって、連携を取るというようなことも含めて、とにかく地方空港に多くの外国人旅行客が来れるように、また来ていただくように、体制を十分できるようにということで努力をしているところでございます。
#82
○藤本祐司君 そのほか、パイロットの二〇三〇年問題なんかもありますので、これ具体的に言うとパイロット不足に陥るということなんですが、この間のジャーマンウィングスの例なんかもありますので、このパイロット養成って物すごく、質の高いパイロットをどう養成していくかという、これも実は国際観光に大きな問題だとして投げかけられているので、それも含めて訪日外客については考えていただきたいと思います。
 ただ、人口が減ってくるという、これはもう前提なんですが、今のいわゆる観光消費というのはどうなっているかというと、全体で二十二兆円から二十三兆円ぐらい、これ国内外全部合わせてですが、大体横ばいで推移しているんですね。
 これまでは、じゃ、訪日外客、これだけ増えましたよといっても、実は二十二兆円のうちの二十一兆円弱ぐらいはこれ国内消費なんですよ。つまり、外国人が来たから消費が上がったということではなくて、むしろ国内の人たちが、日本人が日本の国内を旅行するという、これをいかに活性化するかというのが実は大きなポイントで、見ていただくと分かるように、二十二兆円の内訳は、日本人の国内旅行消費額が二十・八兆円ぐらい、訪日外国人の旅行消費額は一兆二千万、昨年でこれで二兆円になりましたけど。ここまで、そうすると、一億人に二〇六〇年とどめるよという話をした場合に、単純に計算すると、今の二十兆円が大体十六兆から十六・五兆円ぐらいに日本人の国内旅行が減るんです。だから、これで二兆、三兆埋め合わせしても、せいぜい現状維持できるかできないかというのが問題なんですよ。だから、先ほど消費単価、一人当たりの消費単価の話はありましたが、パイとして圧倒的に多いのは、日本人がどう旅行してもらうかということの方が圧倒的に多い。
 ところが、日本再興戦略とかいろんな発言とかテレビのニュースとかを見ると、訪日外客のことばっかりなんですね。本当に多いんですよね。だから、そうなると、訪日外客だけやれば地方は元気になるのか、日本は元気になると勘違いするようなことが非常に多いので、ここはあえて、やはり日本人をどうやったら観光旅行に行ってもらえるのか。
 これ、実は観光消費額は、安倍内閣になっても、国内の観光消費、日本人の国内消費額は、消費税導入の直前だけぐっと上がったんですが、あとずっと前年対比で落ちているんです。マイナスなんですよ。だから、消費額は減るわ、パイは減るわ。それでも訪日外客はせいぜい二千万、二千五百万。といっても、その人たちが地方に三割行ったって六百万とか七百万で、ある意味、全体のパイからするとたかが知れている話なんです。だから、日本人をどうやって国内旅行をしてもらうのかというのが非常に地方振興、地域振興には欠かせないことなんです。
 そうすると、日本人が旅行するには何が必要かというと、それはいろんな情報が必要でしょう。あるいは興味、関心を持ってもらうことも必要でしょう。さっき言ったビザとか、そういう法律的な問題も必要でしょう。体力、健康というのも必要なんだと思います。やはり高齢者は健康寿命が長くなると言われておりますので、元気なうちは旅行に出かけましょうと、ちょっと体がなかなか動かないなといったら今度は介護だとか医療だとかに自分のお金を投資する、お金を使うということになるので、元気なうちに動いてもらいましょうということに、観光の視点からするとそうなってくるんだろうと思います。
 そこで、若年層、この人たちにどう動いてもらうのかというのが、どんどん人口が減っていく中で、高齢者は数変わらないので今のままでも現状維持になるんだと思いますが、更に健康寿命が延びるので今よりも増えるんだと思いますが、減っていくのはやっぱり若年層なんです。だから、働いている人がいかに旅行できる環境にしていくかという意味では、やっぱり時間、休暇、ここのところにメスを入れないと、なかなかそれは広がっていかないんだろうと思います。
 塩崎大臣にお聞きしたいんですが、今の日本の有給休暇の消化率は何%ぐらいなんでしょうか。
#83
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国の年次有給休暇の取得率というのは、直近で、平成二十五年でございますけれども、四八・八%で、前年より一・七ポイント上昇はしていますけれども、引き続き五割を下回っているという低水準でございます。
#84
○藤本祐司君 平成五年をピークにずっと下がって、ずっと五〇%以下だというのが現状なんだろうと思いますけれども、恐らく、大企業はある程度取れる、でも、中小企業はゼロというところもいっぱい出てくるんだと思います。そこを何とかしていかないと、多分パイは広がっていかないだろうなと。
 ヨーロッパはどういう状況なんでしょうか。
#85
○国務大臣(塩崎恭久君) これ、実は諸外国では、年次有給休暇の取得率について、日本のような公的な統計というのがまずございませんで、詳細な数値は把握ができないという状況でございます。
 例えばヨーロッパ諸国では、年次有給休暇は基本的には使用者によって付与時期が決定されておりまして、それからバカンスといった慣習もあるものですから、年次有給休暇は一〇〇%取るものというのが常識みたいなことで、公式統計を取ること自体の意味がないという感じがいたします。
#86
○藤本祐司君 そうなんですね。ヨーロッパは統計ありません。一〇〇%が当たり前で、当たり前の一〇〇%を毎年毎年時間と労力掛けて取る人はどこにもいないので一〇〇%。一〇〇%といっても、日数としては二十五日とか三十日ということで、日本と比べると、日数とすると三倍、四倍ということになっているんだと思います。その辺のやっぱり柔軟性を持って休暇改革に取り組んでいただかないと、なかなかパイは広がっていかないだろうというふうに思います。
 これ、必ず言われるのが労働生産性の問題であるとか、むしろ休暇を、祝日が日本は十六日と非常に多いので、祝日があるおかげで有給休暇を取らなくても済むようになっている。逆に言うと、有給休暇を取らないので祝日を増やしてきたということももしかしたら言えるのかもしれないんですが、トータルでいうとそれほど実はアメリカなんかとは変わらないんですが、ただ、日本の場合は時間外で働くいわゆる長時間労働がやっぱり問題になっています。
 これ、よくよく調べると、厚生労働省の統計で見るのと総務省の統計で見るのと、週当たり六、七時間ぐらい差が出るんですね。これ、厚生労働省の資料というのは賃金を払った労働時間で見ているので、サービス残業は入ってこないとか管理者の時間は入ってこないとか、そういう問題があるので、そこのところは結局、週休二日制を入れても労働時間の総労働時間はほとんど変わっていないというのが今の日本の現状なんだと思います。
 ですから、そこを、ふだんからへとへとになると、土日幾ら休みでも土日はもう家でいたいよみたいなところがあるので、これは休暇の問題と同時に時間外のことをやっぱり考えておかないといけない。今回、ホワイトカラーエグゼンプションとかいろいろ出てきていますが、これかなりの研究、分析が進んでいて、やはりある程度の規模の大きいところに関してはある程度の効果はあるけれども、そうじゃないところは完全に長時間にシフトしていくということになりますので、そこのところは慎重に、今は、今日はこの話ではないので、慎重にやはり考えていかないといけないということはちょっと申し上げておきたいと思います。
 残り三分で、実は休暇改革についていろいろ質問をしようと思っていたんですが、ちょっと時間がないので、最後の一問、済みません、下村大臣にお聞きしたいと思うんですが、今日は、観光のことについて聞いて、いわゆる大学教育であるとか、そういうこともちょっと本当はお聞きしたかったんですが、ちょっと時間がないので一点だけお聞きしたいんですが、博友会の件です。
 これは、これまで小川敏夫委員を始めとして衆参の議員が質問をしていることではあるんですが、博友会は地方で講演会という形式でパーティーを開催しているというふうに認識しています。
 例えば、ちょっと古いんですが、平成十九年に大阪で、これ、中国四国博友会ですか、中四国博友会が会費一万七千円で開催をしています。最近では、五月二十四日、昨年、広島でやはり中四国博友会が会費一万五千円、昨年の九月二十七日は仙台で東北博友会が一万円で講演会、懇親会を開催をしています。
 大臣、任意団体とおっしゃっていますが、明らかに博友会は下村博文議員を応援する人々の組織、団体であるということから考えれば、当然、政治資金の支出、パーティーの支出を明らかにしておく必要性があるんだろうと思います。
 ただ、その中で大臣は、小川委員の質問の中で、パーティーから利益が上がるということはほとんどないというふうに答弁をされているんですが、普通に考えて不思議だなと。一万七千円だとか一万五千円でやっている、そしてそれが資金集めパーティーではない、しかも任意団体の収支がもうからないというふうに思っているって、そこ、任意団体、自分と関係ないのに何でそんなことが分かっているのか。普通は自分のことだったら分かるけれども、人のこと、そこまで分からないんじゃないのかなと。分かっているということであれば、当然、形を変えた下村大臣自身の政治団体だからその収支のことが分かっているんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#87
○委員長(岸宏一君) 下村文部科学大臣、簡潔な御答弁をお願いします。
#88
○国務大臣(下村博文君) 地方の博友会、年に一度、私が行ったときに会合を開いていただいております。その中で今御指摘のようなことがありましたけれども、いわゆる一般的に政治家が行うような資金集めパーティーではなくて、つまり、来ない人にもパー券を買っていただくとか、一人の方に何枚も買っていただくとかいう形ではございません。ですから、地方の博友会が私に政治献金とか、それから講演料等、いただいているわけではございません。
 ただ、今回、そういうふうないろんな問題が指摘されましたから、二月十三日の全国の代表者の方々の集まりの中で、今後、届け出ている東京の博友会の下部組織のような形で届け出るような方向でまとまりつつあると。実際は、それぞれの地方の博友会がどう判断されるかはそれぞれの判断になりますが、そういう方向にしていただければと私も思っております。
#89
○藤本祐司君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、今日はビザの要件緩和というのが民主党のやったことだということを国会議員の皆さん方にも分かっていただけたんではないかなと思って、終わります。
 ありがとうございました。
#90
○委員長(岸宏一君) 以上で藤本祐司君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#91
○委員長(岸宏一君) 次に、森本真治君の質疑を行います。森本真治君。
#92
○森本真治君 大変お疲れさまでございます。民主党・新緑風会、広島県選出の森本真治でございます。予算委員会、初めての質問でございます。質問の機会をいただいたことに感謝を申し上げ、質問をさせていただきます。
 先に、先ほど藤本委員が下村大臣の件、ちょっと触れられましたので、最初にちょっとこのことだけさせてください。
 これまでも下村大臣、博友会のことについて何度も説明をされていると思います。昨日も文教委員会、ずっと聞かせていただきました。よく理解できないんです、私がですね。
 それで、ちょっとまず教えてください。全国各地の博友会、これは下村大臣を推薦し、支持する団体ですか。
#93
○国務大臣(下村博文君) 博友会というのは、東京にこれは政治団体として届け出ている団体がございます。それ以外、全国に六か所、博友会というのがございます。これは任意の団体でございまして、その規約とか会則とか、それから人事については、私も私の事務所も直接タッチしているわけではございません。ただ、実態として、年に一度、私の教育とか政治についての話を聞かせてほしいと、昔からの長い間のお付き合いの方々、教育関係者、塾、そういう方々のお集まりでございまして、年に一回、そういうところに私が行ってお話をさせていただいていると、そういう会でございます。
#94
○森本真治君 下村大臣を支持する団体ですか。
#95
○国務大臣(下村博文君) 年に一回、私の話を、教育とかそれから政治についての話を聞きたいと、あるいはしてくれということでありますから、そのようにも私も感じております。
#96
○森本真治君 今の答弁は、支持する団体というふうに理解しているというふうに受け取らさせていただきました。
 それで、今日、配付資料を出していないんですが、近畿博友会のリーフレットですね、これにもしっかりと規約として、本会は、下村博文氏の政治活動を支援することを目的とするというふうに書いてあります。まさにこれは政治団体の要件ですね。
 下村大臣は、そこに集まる皆さんはしっかりと下村大臣を応援するために、純粋に下村大臣を支えたいというふうにして会に集われているという認識はありますか。
#97
○国務大臣(下村博文君) その近畿の博友会の規約、会則については先週の衆議院の文部科学委員会で私も初めて知りました。これは無責任ということじゃなくて、先ほど申し上げたように、規約、会則とか人事については地方の博友会がそれぞれやっていただいているわけでございます。
 実際、規約どおり実態的にはいっていない。最初はそういう思いを持っていただいていたんでしょうけれども、事実上は、先ほど申し上げましたように、年に一度、私が地方に行って、そこでお話をさせていただく、そういう接点だけでございます。
#98
○森本真治君 繰り返しになりますけれども、少なくとも近畿博友会の会員の皆さんは純粋に大臣をお支えしようと会を結成された。しかし、法律上、政治団体としての届出の義務があったんだけれども、この法律を十分御存じなくて刑事告発までされてしまったということは、大変不幸なことになってしまったのではないかというふうに思います。
 大臣はこれまで何年も政治家を務められていらっしゃいますので、例えばスポーツ選手や芸能人を応援する団体と政治家を応援する団体というのは訳が違いますから、政治家を応援する団体は政治資金規正法の対象になる団体ということを、その善意の皆さんが御存じなくても、下村大臣はしっかりとそれを説明する義務があったと思いますが、どう思われますか。
#99
○国務大臣(下村博文君) 地方の博友会の皆さんがそういう思いを持っていただいているということは大変有り難いことでございますが、ただ、実態的に、先ほど申し上げましたように、年に一度私がお邪魔してお話をさせていただいているということでありまして、実態的にはそういう政治団体として届け出るような状況で今までなかったということだと思います。
 ただ、今まで実際全く偽装献金とか迂回献金とかないにもかかわらず、そういうことが報道されたり、あるいは、今もそうですが、そもそも、これも刑事告訴に値するような内容ではないと思っておりますが、そういうことがありましたから、これはきちっと公明正大にやっているということを明らかにするためにも、今後、東京の博友会の下部組織として位置付けようというようなことを皆さんが話し合っていただいておりますし、そういう方向に進めていただければというふうに私も思っております。
#100
○森本真治君 年に一回、講演会に呼ばれていく程度というようなことはずっと説明されました。しかし、やはり会員の方からすれば、年に一回だろうが、来てもらおうが、来てもらわなくても、やはり下村大臣をしっかり支えているんだ、後援会のメンバーなんだという自負がやはりそれぞれの皆さんにはあるんじゃないかと思うんですよ。
 そういう中で、そういう皆さんの思いにきちんと応えていらっしゃる答弁なのかどうか、御説明なのかどうかということが私には到底なかなか理解ができないところがあるんです。
 このことについては引き続き同僚の皆さんも問われると思いますので、私も文教委員会ですから、いろいろまた議論をさせていただければというふうに思っております。
 それでは続きまして、安倍総理、アベノミクス順調ですか。
#101
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よく聞いていただきました。やっと私の発言の機会が回ってまいりましたが、日本はこの十五年間、長く続いたデフレの中で、賃金も上がらず、税収も減少していたわけでありますし、社会保障制度などの基盤への不安が国民を覆っていたのは、これは事実だろうと思います。だからこそ、我々は政権を奪還できたんだろうと、こう思うのでありますが、三本の矢の政策によって、デフレではないという状況をつくることはできたと思っております。
 有効求人倍率は二十年ぶりの高水準でありますし、昨年の賃上げは平均二%以上のアップと過去十五年で最高となりましたし、今年の四月の賃上げもこれは順調に昨年を上回る勢いで行くのではないかと期待をしています。また、新卒予定者の内定率は、大卒で七年ぶり、高卒で二十二年ぶりに高水準となっています。企業の倒産件数は二十四年ぶりの低水準でありますし、そして企業の経常利益は過去最高水準になっています。実質GDPは八兆円増加、名目GDPは十七兆円増加など、確実に経済の好循環は生まれ始めていると、こう思っております。
 一方、昨年の四月の消費税率八%への引上げの影響も含めまして、物価の上昇に家計の所得が追い付いていないということもありまして、景気の回復の実感が地方に暮らす方々や中小・小規模事業者の方々に届いていないということも事実であると認識をしています。ただ、先日公表されましたGDP速報では、三四半期ぶりに実質GDPが前期比プラス成長となるなど、景気回復の兆し、こうした動きを確かなものとしていきたいと、こう思っております。
 また、昨年の総選挙の後、直ちに政労使会議を開催をいたしまして、経済界には賃上げに向けた最大限の努力や下請企業の価格転嫁等の取組に合意をしていただきました。連合の公表によれば、本年の賃上げ率は、中小も含め昨年の水準を更に上回る勢いであると認識をしております。また、下請企業の価格転嫁や支援、協力についても取引条件の改善の動きが出始めていると承知をしています。
 また、二十七年度地方財政計画における地方税収は前年度に比べて二・五兆円増を見込んでおりまして、特に法人二税については、最も伸び率が大きい島根県を始め、全国で三十三道府県が当初予算において二桁の増の収入を見込んでおります。また、委員も恐らく関心のおありの広島県における税収見込みにおきましては、これ地方税、うち法人二税は二四・五%増えているということでございます。
 こうした景気回復をしっかりと更に拡大をしていきたいと、こう思っているところでございます。
#102
○森本真治君 様々な指標を御紹介をしていただきました。
 これまでもいろいろと説明もされていると思いますけれども、マクロの話というか、全体としてこういうふうに今なっているんですよという話はこれまでよくされていらっしゃると思うんですけれども、それでは、これちょっと甘利大臣の方にお答えいただくことになるのかと思いますが、例えばこれ、じゃ具体的な業種とか産業、アベノミクスの恩恵を受けているとか成長している分野、どの業種なり分野が今伸びているのかということも説明ください。
#103
○国務大臣(甘利明君) 雇用が創出されている分野で申し上げますと、総務省の労働力調査がございます。これによりますと、安倍政権発足後に、業種別でいいますと、医療であるとか、あるいは福祉業、あるいは情報通信産業で就業者数が伸びております。職種別ということで見ますと、介護を含むサービス業従事者などで伸びているところであります。
#104
○森本真治君 アベノミクスで経済成長を目指して、先ほど雇用のお話をされましたけれども、成長産業で雇用が拡大をされて受皿が拡大して、そして失業なき労働移動ですね、よく総理も言われておりました、失業なき労働移動を進めていくということがアベノミクスの狙いだというふうに思います。総理も冒頭言われたように、有効求人倍率、実際に上がっているんだということで、その辺りが進んでいるんだというふうに言われました。直近でこれが一・一五にまた上がったというふうに思います。
 それで、ちょっとパネルの方を御覧いただきたいと思います。(資料提示)
 特に有効求人倍率が高いこれ職業でございます。先ほど甘利大臣も言われたように、医療、福祉関係、介護とかとありますけれども、これは職業別ですから、保安の職業、建設業とかですね。これ介護はちょっと色を変えているのは後ほど詳しくやりますので、介護。で、サービス、飲食とか販売とかですね。で、運送業とかですね。こういう辺りが非常に有効求人倍率が高いということです。これを本当に成果として喜んでいいのかどうかということを今日は問題提起させていただきます。
 実際に倍率が高くなっても、そこで働く人がいなければやはりこれは経済の循環ということが起きないわけでございまして、逆にこれがマイナスの影響に、このまま高い有効求人倍率が続くとマイナスの影響ということも懸念をされるのではないかと思います。まさにこれは人手不足問題ということで特に今深刻化している問題ではないかというふうにも思うんですが、この問題が経済成長の今後のやはり足かせになるとも思うんですけれども、このリスクについて、甘利大臣、御見解をお伺いします。
#105
○国務大臣(甘利明君) 有効求人倍率自身が上がることは悪いことじゃないと思います。そこにたくさんの人を欲しいと。これは、有効求人倍率が上がれば、人手不足になれば給料を上げていく押し上げ要因になっていきますから、待遇改善にはつながっていくと思います。
 ただ、物理的人員が不足しますと、その業、サービスにとって適切な事業が実行できないということになります。人手不足が経済に与える影響でいいますと、もちろん、本来そこに人が充当されれば伸びるであろう経済プラス要因が取れなくなるということにもなってくるというふうに思っております。
 その対策についてはまだ御質問ではない……(発言する者あり)そうですか、じゃ。
#106
○森本真治君 先に言われましたけれども、安倍政権になって、上下ありますけれども、基本的には上がり続けている。今後は、これやはりある程度適切な有効求人倍率というのもあろうかと思うんですね。しっかりと、これはやっぱり倍率が下がっていくということも非常に重要になってくると思うんですけれども、しっかりとだから要は雇用を確保、これらの業種がしていかなければならないというふうに思うんですけれども、そういう面でのやはり人材確保の支援でありますとか、雇用環境をしっかりとつくっていくという部分ですね。特にサービスの関係でいえば、やはり非正規の方が非常に今でもそこを担っているというような状況の中で人手不足も深刻になっているという状況があります。
 甘利大臣でも結構ですが、厚労大臣でも結構ですが、今後、その辺りはしっかりとその対策を取っていかなければならないと思いますけれども、その御認識をお伺いします。
#107
○国務大臣(塩崎恭久君) 労働移動をやっぱり促進するということは、政府としても応援をしていかなければならないことだと思っておりますけれども、今御指摘のように、介護とか看護とか保育とか、あるいは建設とかそういった部門では有効求人倍率が高くなっているわけで、労働需給がタイトになっているということは、プラス、マイナス、両方やっぱりあると思うんですね。
 人材の確保がしかし喫緊の課題だということはそのとおりだと思うので、私どもとしては、この積極的な労働移動を促進するということのために総合的な取組を進めておりまして、例えば、魅力ある職場づくりのための雇用管理改善の促進とか、あるいは潜在有資格者の掘り起こしを始めとした、これは保育とか看護師さんとかですね、そういうところで求人と求職のマッチングの強化を仕組みとしても強化をしていくと。それから、必要な能力を身に付けるための人材育成、能力開発の強化などを行っています。
 特に、私ども、先ほど来話が出ていますけれども、介護では二〇二五年に向けて約二百五十万人規模の介護人材が、広い意味で、確保するために必要な対策を総合的、計画的に進めることとしていまして、二十七年度の予算は、もう御案内のように、地域医療介護総合確保基金というのが、介護についても今年度、二十七年度から新たに九十億円を確保して、地域の実情に応じた都道府県の取組をバックアップしていくということ、それから介護報酬では、先ほど来もお話が出ておりますけれども、介護職員一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を行うというようなことを幅広くやっているところでございます。
#108
○森本真治君 るる人材確保策ということで御説明をされましたけれども、本当に強力にそれを進めて人手不足の解消を目指そうとされているのかと、どうも思えないような今回の介護報酬改定のマイナスということもございますので、この問題についてお話をさせていただければと思いますが、今日は地方創生もということで石破大臣もいらっしゃるので、せっかくなので一問だけ、石破大臣の方に。
 地方再生には、当然これ地域経済の活性化ということが不可欠でございます。特に介護分野、これは地域の成長産業、さらには雇用の受皿として成長していく可能性の高い分野だというふうに思います。地方創生を進める上でも、この介護分野の成長を積極的に進めるべきだと思いますけれども、地方創生の観点からも是非御答弁いただきたいと思います。
#109
○国務大臣(石破茂君) 一九七〇年ぐらいだと思いますが、地方と呼ばれるところが押しなべて活性化だった時代がありました。それは、主に公共事業とあとは企業誘致によるものだったと思います。これからもその必要性が減殺するとは思いませんが、かつてと同じモデルは極めて難しいと。そうすると、かつてそういうものに勤めておられた方々は、医療、介護にシフトしておられるというのが多いんだろうと思っております。
 団塊の世代の方々が七十五歳以上になられる二〇二五年、そのときになりますと介護の人材というのは今の一・五倍必要になる。数字の上からはそうなのですが、そこにおいてきちんとした雇用、きちんとした所得というものが確保をされるということが重要であって、求人はあるけれどもそこにミスマッチが起こっているという状況をどうするかということが現下の喫緊の課題だと認識をいたしております。
#110
○森本真治君 この介護分野というのは、直接の介護事業所だけではなくて、それに関連する産業、例えば取引先なんかもありますし、非常にこの経済波及効果は今後高い、特に需要が高いわけでございますから、そういう面ではやはりこれは地域の経済の中核として雇用や経済に貢献し得るものだというふうにも私は捉えておるところでございます。
 まさに今日四月一日、新年度スタートをいたしました。皆さん希望に満ちあふれて、新たな社会に出られる方もいらっしゃると思います。しかし、介護事業者、さらにはそこで働く皆さん、もちろん介護を利用される皆さん、不安いっぱいの中でこの新年度を迎えていらっしゃいます。介護の切下げが始まる、介護崩壊がこれから進んでいくのではないかという不安の声が多く上がっています。
 これからますます介護のニーズが高まる、そのような状況の中で、総理、なぜ介護報酬、今回大幅カットしたんでしょうか。
#111
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 介護給付費は毎年五%程度伸びております。介護保険制度の持続可能性を確保するためにも、制度の重点化、効率化が必要であります。
 今回の介護サービス料金改定では、例えば、特別養護老人ホームの収支差が九%程度といった経営実態を踏まえまして、適正化を行うものであります。この結果等によって、高齢者の保険料が今後三年間で一五%程度上昇すると見込まれていたものを一〇%程度まで、つまり五%抑制することができたわけでございます。低所得者の保険料は現行とおおむね同水準に維持できると見込んでおります。さらに、介護サービスの利用者負担を平均で二%程度軽減できると、こう思っています。
 サービスごとの報酬について、基本部分は、全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差が残るようにしつつ適正化を行う一方、最重要の課題である介護職員の確保を図るため、他の報酬とは別枠で、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算を設ける、そして、中程度の要介護者等を受け入れる場合に加算をしたり、あるいはまた、小規模な地域密着型サービスに手厚い報酬を設定するなどきめ細かく配慮することにより、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬が支払われ、一律の引上げとはならないようにしています。
 また、報道によりますと、これは昨日の日経新聞によりますと、大手ではありますが賃上げが相次いでいるという報道がございます。十二社全て賃上げを行っている。そして、この一万二千円以上、一万二千円を超えて賃上げをするところも出てきておりますし、また、介護福祉士の賃上げのみならず周辺スタッフの賃上げも行っている事業所も出てきているわけでございますので、こうした動きが広がっている。
 こういう意味におきまして、大手においては私たちの狙いどおりしっかりと介護スタッフの給与は上がっている。一万二千円以上上がっているところもありますし、周辺のスタッフが上がっている。(発言する者あり)これは事実を私今申し上げているわけでございまして、聞いていただきたいと、こう思うわけでございます。
 そして、給付と負担のバランスの取れた持続可能な社会保障制度としていくためには、このように効率化、適正化を行いながら、必要なニーズに応えていくことが必要であると、このように考えております。
#112
○森本真治君 ちょっと処遇改善については後ほどまた議論もさせていただきますけれども、今の御答弁では、財政の持続性という観点で効率化、適正化というお話がございました。
 ちょっとこれ分かりづらいので、端的に聞きます。効率化、適正化というのはサービスをカットするということでいいんですね。
#113
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずお話をしておかなければいけないことは、言わば介護というのは、これはまさに税金と保険料と、そして御本人の負担で成り立っているわけでございます。そこで、当然、介護報酬を上げていけば、これはまた今言ったそれぞれの方々で保険料あるいは本人の負担も上がっていくということにもなるわけでございますから、そこのところを当然考えていく必要はあるんだろうと思います。そこで改定をしていく。
 そこで、我々は、サービスをカットするということではなくて、言わば効率化を図っていくという中において、先ほど申し上げましたように、事業者の中におきまして言わば収支差が九%程度といった経営実態があるので、そこで適正化を行っていく。言わば、収支差においてある程度圧縮していかざるを得ないということでございます。これはサービスをカットしていくということではないということでございます。
#114
○森本真治君 保険料とかとのバランスというお話がありました。ただ、私はやはりそこで議論が止まってしまうと、私はやはりこれは思考停止だというふうに思います。
 実際に、サービスの体制が今の状況で十分なのか、さらに働く人材も十分なのかというような中で、実際に消費税一〇%は先送りになりましたけれども、八%に引き上げたときは、これは多くの国民の皆さんは社会保障サービスが維持をされるということで、社会保障に使われるということでこの消費税の引上げということを受け入れられていらっしゃるんだと思うんです。
 公費負担割合などについても、まさにこういう状況だから、真剣にこれはやはり政治の力として、本当に、今の現状の中でどうするかということではなくて、私は議論をしていくということも非常に大事ではないかというふうに思います。
 それで、先ほど大手のお話もありましたけれども、これは厚労大臣、一万二千円月額加算ということです。これは給料が一万二千円確実に上がるんですか。
#115
○国務大臣(塩崎恭久君) この加算制度そのものは、二十四年度のこれは民主党政権下での改定を基につくられた加算制度でございます。
 それで、今回の基本的なスタンスは、何度も申し上げますけれども、一人当たり月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算をつくるとともに、全体としてやはり収支差は必要な分は残るようにという配慮をしながら基本サービス費の適正化というのを図っているというのが今回の大きな仕組みでございます。
 しかし、確実にという今お話がございましたけれども、加算の運用の見直しをやはり行って、合理的な理由がないにもかかわらず賃金水準全体を引き下げたりするようなことはやっぱりあり得ないわけでありますし、具体的には計画をまず出してもらうわけですけれども、それから実績を個々事後的に出してもらう。これに記載する項目を今まで以上にきめ細かくして、賞与等を含めた賃金改善の額を正確に把握をするということがまず第一。
 それから二番目に、経営悪化等によってやむを得ず賃金水準を低下せざるを得ないという場合も間々あるわけでありまして、その取扱いについては適切に労使の合意を得るなど適切な運営がなされているかを確認をする、それを新たに届出をするということを今回から導入をしてしっかりと確認をしていくことによって、処遇改善がしっかり行われるように運用をしてまいりたいと思っておるところでございます。
#116
○森本真治君 今現場の皆さんとお話をしていると、非常に混乱が起きています。職員の方は、このまさに今日から一万二千円給料が上がっていくというふうに思っていらっしゃいます。だけど、やっぱり経営者の皆さんと話をしていたら、実態はそうではない。ちなみに、定期昇給は処遇改善に入りますか。
#117
○国務大臣(塩崎恭久君) 入ります。
#118
○森本真治君 平成二十年度でしたかね、この処遇改善の制度が始まってきた。多くのそこの事業者というのは定期昇給によってこの処遇改善費を充てているんです。実際に今、大手というか、春闘、ベースアップがどんどんと図られていますね。処遇改善というのは、他の産業と今月額で大体十万円ぐらいの差があるという中で、しっかりとその差を縮めていくというのが処遇改善じゃないですか。今、民間企業も上がっていく、ただ通常の定期昇給しかない。やはりベースアップがしっかりと図られることが処遇改善だと思うんですが、大臣のお考えをお聞きします。
#119
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回私どもがやろうとしている姿勢も、民主党政権時代の介護保険のときも同じやり方でございまして、定期昇給も含めた処遇改善というものを考えるということであり、特に今回は、今申し上げたように賞与も含めて全体をしっかりと見ていくということをこれから、今度は特に注意をしていこうということを考えているところでございます。
#120
○森本真治君 民主党政権がどうだということの答弁がありましたけれども、現状の状況を見てくださいよ、現状を。それに対して課題があるのであれば、しっかりとした新たな対策というのを取らなければいけないじゃないですか。
 これまでは、確かにこれまでの処遇改善で定期昇給を多くのところはしているかもしれないけれども、一向に他の業種と比べて賃金格差が埋まらない状況に対してどのような対策を取るかということが非常に重要だと思います。
 まさに、そこについては、やはり本当に今回の報酬改定というのは全体としてはマイナスになっているわけですから、それは事業者の収入が減るわけですからね。そういう中で、処遇改善という言葉を使って、何か一万二千円という言葉を使うことが非常に大きな今混乱も起きているという状況については、しっかりとまた問題認識を持っていただかなければならないというふうに思います。
 じゃ、残りは午後に回させていただきます。ありがとうございます。
#121
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#122
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成二十七年度総予算三案を一括して議題とし、地方創生・社会保障等に関する集中審議を行います。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。森本真治君。
#123
○森本真治君 民主党・新緑風会の森本真治でございます。
 午前中に続きまして、介護報酬のカットの問題について引き続きお伺いをさせていただきたいと思います。
 パネルをお願いをさせていただきます。午前中にも与党の委員の方からも問題提起というか、懸念が示されました。私が用意させていただいたのは全国老人福祉施設協議会の調査での収支差率分ですね。午前中、厚労省さんの調査の数字がありましたけれども、ほぼ同じ内容だというふうに思っていただいて結構です。現在でも三割弱の施設が収支差率が赤字、また全老施協さんの方に伺いますと、今度の報酬カットによって五割の施設が赤字に転落をしていくというような懸念も今挙がっているところでございます。
 厚労大臣、この状況で今後更に深刻な介護崩壊が始まっていくと思いますが、御認識をお伺いします。
#124
○国務大臣(塩崎恭久君) 事業者の各サービスの収支、今回改定をする際に、地域のサービス需要とか、あるいは利用定員に対する充足率に応じて収入が異なっている、あるいは人員配置の状況に応じて支出が異なるなど、一つ一つの事業者によってやはりそれぞれ経営の差があると思うんですね。
 一方で、介護報酬については、介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるということになっておりまして、介護サービス事業者の経営実態等を考慮して改定を行っているわけでありまして、何度も申し上げておりますけれども、今回やっぱり変わり行くニーズの中で、中重度に重点化をしていく、あるいは認知症をやはり重点化して、加算をつくるなりの手厚い報酬を支払われるようにしているわけでございますが、一方で、全体として事業者の経営に必要な収支差が残るようにということで配慮をしてきているわけでございます。
 今回の改定の内容について、あらゆる機会を通じて丁寧に説明するとともに、やはり大事なことは、これから、今日からスタートでありますから、この介護サービスの運営状況がどうなるのかということもしっかりフォローアップをしながら、私どもとしても注視をしていかなければいけないというふうに思っております。
#125
○森本真治君 フォローアップ、影響調査をされるということですので、本当にこれは速やかに実態について把握をされて、場合によっては、平均がどうこうとかという話じゃないですよ、五割の施設が、もしこれサービスを提供する事業者自体がもうなくなってしまったら介護サービスそのもの自体がなくなってしまうという、こういう状況が懸念をされるわけでございます。実態調査をされて、もし深刻な場合は速やかに、次期報酬改定の前にも報酬の見直しをするべきだと思いますが、大臣の御見識をお伺いします。
#126
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生、先ほどその数字、データについても、全国老人福祉施設協議会、老施協の方からの提供であるというお話もございましたけれども、その老施協も今回の改定を受けて、もちろん一〇〇%御納得をいただいているわけではないということはよく分かっておりますけれども、そんな中であっても、やっぱり自ら、ここにちょっと配った紙を見てみますと、プライドを持って限界まで耐え、サービスを絶対に低下させないと、頑張ろうという決意を示してもいただいておりますので、やはり私どもが今回御用意をさせていただいた加算などもフルに活用していただいた上で頑張っていただいて、私どもとしてもやはり、これから地域包括ケアシステムを全国できっちり構築していこうというときに、大事な介護保険制度でありますから、それの行く末についてはよく注意をしてまいりたいというふうに思います。
#127
○森本真治君 この四月、まさにこの新年度から、介護報酬カットと併せて介護サービスのカットが様々なところで行われます。特別養護老人ホームへの入所は要介護三以上の人しかもう申し込むことさえもできなくなるということ、一、二の方はこれから在宅ということになりますね。在宅サービスの充実が必要です。
 しかし、今回の改定、在宅サービスについても中重度のケアを重点化しようとしています。既にデイサービスの利用は、これは例えば要支援切りの問題とかもありますが、もう既に再来年を見越して要支援の方はもう受け入れないというようなことを検討しているところも実際にもう起きています。さらに、さっき言ったように、デイサービスについても中重度化ということは、要介護一、二の方はまさにこれ利用もできなくなっていくというような懸念もあります。
 一体、要支援や要介護一、二の方はどうすればいいんですか。
#128
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、デイサービスのお話がございましたけれども、今後増加が見込まれる認知症の方とか先ほどから申し上げている中重度の要介護者についても、やっぱり、一つは住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるようにということで、今回の改定においても、特に在宅を中心に認知症高齢者などを多く受け入れる事業者の取組を評価していこうということになっています。
 デイサービスにつきましては、認知症の方や要介護度三以上の方を一定割合以上受け入れ、それに見合う人員を配置した事業所について認知症加算とかあるいは中重度ケア体制加算を新設する一方で、在宅生活の継続に向けて個別に機能訓練を行う場合には、軽度者の方も含めて報酬上の評価を引き上げたところでございまして、このような見直しによって、軽度の方から中重度の方まで要介護度に応じた適切なサービスが提供されると考えておりまして、各事業者にはそれぞれの利用者のニーズに応じたサービスを提供していただきたいというふうに考えております。
#129
○森本真治君 資料の七で付けさせていただいております、まさに今年度から三年間を掛けて要支援切り、要支援の方へのサービス、これが自治体の方が行うことになります。しかも、これはボランティアやNPOにやってもらうということです。
 三年掛けて全ての自治体が移行しなければなりませんけれども、今年度は七%の自治体ですね。最終年度に六七%。これ、いろいろ話を伺ってみますと、準備というよりももう様子見ですよ、自治体の皆さん。そもそも、どうやってボランティアやNPOの体制確保していればいいのか、そのことでも頭を悩ませているというような実態が、これ現実として今自治体の方は困惑をしている状況がございます。
 ちょっともう時間がありませんので答弁も求めませんが、先ほどの軽度の方、要介護一、二の方も含めて、自治体へのフォロー、施設の収支差の問題もありますけれども、これは本当にきめ細やかにフォローアップをしていただく、フォローアップするということでございますが、しっかりとこれは注視をさせていただきたいと思います。
 残念ながら、安倍政権、今社会保障においては本当に自助の流れが加速をしています。あさってから県会議員、政令市の選挙も始まります。このような国においての社会保障の切下げの中で、自治体がまさに住民の暮らしを守る最後のとりでとしてその責任を担っていかなければなりません。我々民主党の仲間がしっかりとそれぞれの自治体で責任を果たしていくという決意を持って今臨ませていただくということも、国民の皆様にもお伝えをさせていただきたいと思います。
 それでは、外務大臣にもお出ましいただきまして、ありがとうございます。
 残りの時間で、核兵器のない世界の実現、今年は被爆七十周年ということで、その節目の年に、まさに今月の二十七日からNPT運用検討会議がスタートいたします。核兵器のない世界を目指す上でも会議での成果が求められます。
 安倍総理、ちょうど今月末からアメリカを訪問されるというふうに伺っておりますが、NPT運用会議にも出席されますか。
#130
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年は被爆七十年でありまして、五年に一度のNPT運用検討会議が四月下旬から五月にかけてニューヨークで開催をされる予定であります。我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器のない世界に向けた国際社会の取組を主導していく決意であります。
 各国より外相が出席する予定でございますので、諸般の事情が許せば、広島出身の大臣でございます岸田外務大臣を派遣したいと考えております。
#131
○森本真治君 岸田大臣の出席を検討されるということで、総理自らがまさにこのNPTの場で積極的平和主義に基づいた核兵器のない世界を目指す、その決意というものを主張されるのも、これは大きな意味があると思いますが。
 ただ、同じ広島出身の岸田大臣が今検討されているということでございますので、岸田大臣も、参議院の外交演説ですね、冒頭の、NPT運用会議での議論を主導し、取組を前進させるという決意も述べられていらっしゃいます。今般の運用検討会議に臨むに当たっての基本方針、また目標、どのような成果が実現すれば成功と言えると考えているのか、お伺いします。
#132
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、今年は被爆七十年であり、五年に一度のNPT運用検討会議が開催される年でもあります。是非、唯一の戦争被爆国として、我が国はこの核軍縮そして不拡散の議論をリードしていかなければなりません。
 そして、その際に最も重視しなければいけない考え方は、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器国と非核兵器国、これが協力しなければ結果を出すことができない、こうした観点から、是非双方の協力を促す取組をしていかなければならない、このように考えております。
 そして、我が国は、この五年間、NPDIという非核兵器国の枠組みの議論の中でこの議論をリードしてきました。そして、NPDIとしましては、この五年間で十八本の基本文書を既に国連に提出をしています。そして、先日、この十八本を取りまとめた基本文書を更に追加で提出する、こういったことを行っているわけですが、その中にあって、核兵器国の透明性を高めるということ、あるいは、核軍縮会議につきましても、米ロだけではなくしてマルチの会議に拡大させるべきであるということ、それから、核兵器の非人道性という議論を通じて核兵器国と非核兵器国を結び付ける、こういった議論を進めるべきであるということ、さらには、世界の政治リーダーに被爆地を訪問してもらう、こういった取組を進めるべきである、こういった考え方を明らかにしています。
 こうした基本文書をベースにしてコンセンサスを築き上げて、是非、NPT運用検討会議の成果文書に盛り込み、成果を上げていきたいと考えています。
#133
○森本真治君 ありがとうございます。
 今外務大臣からお話がありましたNPDIですね、軍縮・不拡散イニシアチブ、これは、日本、またオーストラリア、カナダ、ドイツなど十二か国が参加をして、言われたように、核兵器国と非核兵器国のまさに接着剤としてその役割を果たしていこうということを重きを置いていらっしゃいます。
 これは、実は我が党の岡田克也代表が外務大臣時代に提唱して民主党政権時代にスタートした、そして今の政権もしっかりとこのNPDIを引き継いでいただいていることについては評価をさせていただきたいと思います。
 それと、実はこれ、今、特に広島、長崎の方で少し議論になっていることがあるんです。先ほど、外務大臣、NPDIとして文書を出したということで、その内容も、少しまとめたものをこちらにも書かせていただきましたけれども、その一方で、今回、オーストラリアが核兵器禁止を呼びかける文書への賛同を各国に呼びかけて、広島……(発言する者あり)オーストリアですね、失礼しました、広島市長、長崎市長も外務大臣に是非賛同してほしいということで要請が先日あったと思います。オーストリアの文書、どこが問題ですか。
#134
○国務大臣(岸田文雄君) 今年のNPT運用検討会議に向けては、成功に向けて様々な努力が行われています。そして、この議論の中には様々な国々、そして様々なグループが参画をしています。そして、その一つとして、オーストリアが御指摘の文書を国連に提出されている、こうした努力に対しては敬意を表し申し上げたいと思います。
 ただ、それ以外の国々もいろんな文書を国連に対して提出をし、これからも様々な努力が続きます。その中にあって、その一つ一つの文書について我が国として賛同するしない、そういった賛否は、一つ一つを明らかにしておりません。
 我が国は、あくまでも先ほど申し上げましたNPDIの枠組みで作り上げてきた様々な基本文書、この基本文書を基にしてNPT運用検討会議においてコンセンサスを得ていかなければならない、そしてこのコンセンサスの基礎を我が国の提出した基本文書にするべきである、こういった取組を行っています。是非、我が国の提出したこの五年間の成果である文書をベースにしてこの議論を成功させていきたいと考えています。
#135
○森本真治君 ありがとうございます。
 オーストリアの文書に賛否を明らかにしていないという答弁でございました。
 資料一、これは新聞の報道でございますけれども、オーストリアの文書では核兵器を禁止、廃絶する条約の必要性を訴える点が少しネックになっているというような記事でございます。今答弁でそこは特に言われていませんでしたけれども、ただ、この核兵器のない世界に向けて歩むという意味においては、方向性は決して間違ってないと思います、オーストリアの文書もですね。
 むしろ、我が国は、それこそNPDI各国と歩調を合わせて、この核兵器の非人道性を認めて、核兵器の使用を禁止する立場をやはり明確にするべきではないかというふうに思うんですけれども、これは総理の方に──大臣にしますか、お願いします。
#136
○国務大臣(岸田文雄君) 核軍縮・不拡散の議論の中で、核兵器の非人道性に対する認識、そしてこれに関する議論、これは大変重要な議論だと思っています。
 ですから、我が国も今日まで、NPDIの議論の中にあっても、また我が国独自の主張の中にあっても、核兵器の非人道性を核兵器国と非核兵器国を結び付ける触媒として活用し議論をリードするべきだということで、この議論を重視しています。こうした議論を通じて、是非、核兵器国と非核兵器国が協力することによって具体的な結果に結び付けていきたいと考えています。その結果を出すことによって、この大きな目標、核兵器のない世界に向けて前進を図っていきたいと考えています。
#137
○森本真治君 核兵器のこの非人道性に関する議論ということを加速させるという目標はあろうかと思います。そういう面では、やはり広島、長崎の惨劇というものを各国の指導者、特に核保有国指導者にはこれからも積極的に強力に伝えていく必要があります。
 大臣はNPT運用会議に出席をされると思いますが、更に広島、長崎の惨劇を発信していく必要があると思いますけれども、岸田大臣の御見解をお伺いします。
#138
○国務大臣(岸田文雄君) 核軍縮そして不拡散の議論をリードするに当たって、被爆の実相を多くの方々に知っていただくことの重要性は言うまでもありません。ですから、先ほどの我が国が提出した基本文書の中にも、世界の政治リーダーに被爆地を訪れて被爆の実相に触れてもらいたい、こういった思いを盛り込んでいます。
 そして、こうした被爆の実相を伝えるということにつきましては、世代と国境を超えて引き続き努力をしていかなければなりません。被爆者の高齢化が進む中にあって、従来、非核特使という制度がありましたが、私が外務大臣になりましてからユース非核特使制度という新しい制度を創設させていただきました。若い世代にも力になってもらおう、こういった趣旨であります。また、国連軍縮フェローシップの受入れ、あるいは被爆証言の多言語化の取組、こうした取組を通じまして、国際社会に核兵器の使用の惨禍を訴えてきたところですが、是非、NPT運用検討会議におきましても様々なサイドイベントが予定されています、こうした活動を可能な限り支援する形で被爆の実相を伝えていく動きを後押ししていきたいと考えます。
#139
○森本真治君 是非、世界の指導者に被爆の実相というものを是非分かっていただくという部分においての広島、長崎の訪問というようなことも、今後、NPDI、また我が国独自としてしっかりとその取組をしていただきたいと思います。
 御案内のように、ロシアでは大統領が核兵器の即応態勢に入らせる用意があったというような発言をされたり、デンマーク駐在のロシア大使においても、デンマークに対して、NATOが進めるミサイル防衛計画に参加すれば核ミサイルの標的になるというような挑発もされているわけでございます。全くもってこれは看過できない発言、挑発であるというわけでございまして、是非、日本政府としても欧米各国やNPDI参加国としっかりと対応をしていただきたいというふうにも思いますし、最後、時間になりましたので、総理に、そのことも踏まえて、是非、来年にはG8サミットもあるということで、アメリカさらにはロシアの大統領、しっかりと広島訪問を実現する、その取組を政府としても行っていただきたいと思いますけれども、最後にお考えをお伺いしたいと思います。
#140
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としては、世界中の政治指導者が広島そして長崎を訪問し、先ほど外務大臣からも述べたように、まさに原子爆弾を実際に使用する、その被爆の実相について自ら知っていただきたいと、このように思うわけでありまして、被爆の悲惨さに直接触れることが核兵器のない世界に向けた思いを促進することにつながると考えております。こうした訪問は、核軍縮・不拡散の機運を高めていく上で有意義であると考えております。
#141
○森本真治君 時間が参りました。しっかりとNPT運用検討会議についても注視をさせていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#142
○委員長(岸宏一君) 以上で森本真治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#143
○委員長(岸宏一君) 次に、新妻秀規君の質疑を行います。新妻秀規君。
#144
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。
 人が生きる地方創生。地方創生は我が党にとっても最重要の課題の一つです。
 党の青年委員会では、昨年の春から初夏にかけて全国で五十回を超す青年市民相談会を実施し、八百名以上の青年から現場の声を聞きました。その声を青年世代のための政策集、青年政策アクションプランとしてまとめ、昨年の八月、政府に提出をいたしました。その政策三本柱の一つに地域で活躍する若者をサポートと掲げ、地方創生に活躍する青年を応援をしております。
 まず、地域おこし協力隊についてお伺いをいたします。これは、まさに青年の力が地方創生の力となる事業であり、さきのアクションプランでも推進を訴えております。
 先月八日の地域おこし協力隊全国サミット、私もサテライト会場で参加をいたしました。メーン会場は本当にいっぱいで入れませんでした。本当に大変な盛況でございました。高市大臣は、開会の御挨拶で、平成二十八年度末、つまり来年度の末までに隊員三千名を目指す思いを述べられました。頑張って何とか三千名できたら、もっと多くの方々が地域の方々と汗を流して、日本中どこに行っても安心して安全に暮らせて、子供が質の高い教育を受けられて、働く場所がある、そんな地方が全国各地にできていけば日本は変わると思いませんか、そりゃ変わりますよ、大臣、こうおっしゃいました。私も全く同感です。地域おこし協力隊で日本は変わると思います。
 私自身、昨年の夏に山梨県の北杜市、そして韮崎市に視察に参りまして、農業に汗を流す隊員の姿に心から頼もしさを覚えました。大臣の挨拶で、特に、日本中どこに行っても、そして全国各地にというところが大切だと思います。しかし、この点では課題もあると思います。
 お手元の資料一を御覧ください。@とAの二枚ございます。これは、つい先月二十日に総務省から発表された、隊員が活躍をしている自治体の一覧です。一枚目の表の上にありますように、隊員数は千五百十一名、実施自治体数は四百四十四。前の年と比べますと、隊員数は一・五倍、自治体数は一・四倍と順調に増えています。
 二枚めくっていただいて、パネルにもいたしました資料の二を御覧ください。(資料提示)これは、地域おこし協力隊の受入れ率を都道府県別に示したものです。先ほどの総務省の資料に基づいて、我が事務所で作りました。青が一番進んでいる県、そして緑、オレンジと低くなっていきまして、赤が一番遅れている都府県です。地域おこし協力隊は、全ての自治体で申請できるわけではございません。特別交付税の対象となっている自治体だけが申請できます。ここで色分けをした受入れ率は、それぞれの都道府県において地域おこし協力隊を受け入れた市町村の数を、交付税の対象となっている協力隊を申請できる市町村の数で割り算して求めました。
 この地図から、地域おこし協力隊の受入れ率、かなりばらつきが都道府県によってあることが分かると思います。例えば、被災三県を御覧ください。赤くなっています。岩手県は一八%、宮城県は一一%、福島県は一九%で、全国平均の三二%を下回っております。それでは、離れ島、離島はどうでしょうか。この前の全国のサミットでは、離島で活躍される隊員のはつらつとした姿がとても印象的でした。ただ、隊員の受入れ率を調べてみますと離島の自治体では二六%でありまして、全国平均の三二%には届いていない状況でございます。
 さきに触れました青年政策アクションプランでは、地域おこし協力隊の実施自治体数を千にするという目標を立てました。対象となり得る自治体の数、千三百八十二、このおよそ七割をカバーするという目標です。昨年の十月、我が党の佐々木さやか議員からも実施自治体数を千目指してほしいと要望をさせていただきました。このとき、高市大臣が答弁されたとおり隊員三千名を目指す中で、もちろん実施自治体数も増えてまいります。しかし、一部の自治体に隊員が集中してしまっては、日本中どこに行っても全国各地にという大臣の思いが実らなくなってしまいます。
 自治体の資料一に戻りますと、二枚目の丸を付けたところ、これは島根県の美郷町、隊員は二十六名、一枚目の丸、新潟県十日町市は二十一名、このように二十名以上隊員が派遣されているところもあり、また十名以上は星印を付けたとおり、全部で十七市町村あります。一方で、協力隊を申請できる自治体のうち六八%がこのリストにそもそも載っていません。つまり、せっかくのこの制度、今も活用できていないという状況です。
 ここで、パネルにもいたしました資料三を御覧ください。隊員数と実施自治体数がどのように伸びてきたのかを見てみますと、御覧のとおり、隊員数の伸びに比べて、この実施自治体数が伸びは緩やかになっていることが分かると思います。
 ここで高市大臣に伺います。
 地域おこし協力隊の活用が進んでいない地域への推進、そして実施自治体数を増やす取組について御所見をお願いいたします。
#145
○国務大臣(高市早苗君) 新妻委員には、地域おこし協力隊への強力な応援をいただき、本当にありがとうございます。
 地域おこし協力隊は、都市部にお住まいの方々などが過疎地等に定住をして、移住をして、地場産品の開発や農林水産業への従事など、そういう地域協力活動を行うものでございます。本当に今、隊員の約八割が二十代から三十代の若い方々で、約四割は女性の方々で、しかも任期終了後にその地にとどまって就農、就業などしてくださっている、定住してくださる方が約六割と非常に成果が見えてきております。
 受入れ自治体数は先ほど委員が御紹介くださいましたが、平成二十五年度が三百十八だったのが二十六年度に四百四十四自治体へと増え、隊員数も、二十五年度は九百七十八名でしたが二十六年度に千五百十一名となり、自治体数、隊員数共に増加はいたしております。
 御指摘の被災地における活動なんですが、この被災者の方々の見守りやケア、それから地域おこし活動の支援など復興に伴う地域協力活動は、現在、復興支援員の方々が平成二十六年度は二十一自治体で四百五十二名活躍してくださっております。
 この地域おこし協力隊制度、まだ御利用いただいていない自治体もあることから、まずは、この間来てくださいました全国サミット、それから制度説明会の開催などによりまして制度の周知徹底をいたします。それから、これまでも実施しているんですが、初任者研修ですとか受入れ自治体向けの研修、これを更に充実をしてまいります。それから、隊員の方の受入れ体制とかサポート体制を構築するためのモデル事業を実施いたします。それから、任期を終了された後の方が地域にそのまま定住、定着をするという場合に、地域と連携した隊員の方々の起業それから就業、これを支援するモデル事業を実施いたします。これらに必要な経費を平成二十七年度予算案において〇・九億円計上しているところでございます。
 隊員数を平成二十八年度に三千人にすることを目指せというのは安倍総理からの御指示でございます。全力で取り組んでまいりますので、これからもよろしくお願いいたします。
#146
○新妻秀規君 では、今大臣のお言葉のとおり、引き続き力強い推進をお願いをいたします。
 続きまして、隊員の任期終了後の派遣地域への定着についてお尋ねをいたします。
 任期は長くて三年、任期が終わった後定着する隊員の割合は六割であり、この定着率をいかにして上げていくかが課題です。
 今、地方創生は国を挙げての課題となりました。地域を活性化させるための事業は、経産省始め各府省庁、そして昨年発足したまち・ひと・しごと創生本部に、創業支援、地域人材育成、商店街活性化など様々あります。受入れ自治体がこうした国の事業を活用し、任期を終えた後の隊員が定着できるよう、国の事業についての情報提供や助言など是非総務省に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#147
○国務大臣(高市早苗君) 総務省におきましては、先ほど少し触れましたが、隊員の地域への定住、定着を促進するために、設備費などの初期費用ですとか法人登記に要する経費など、起業することに要する経費を平成二十六年度から新たに財政支援することといたしました。
 御指摘のとおり、やはり各府省において実施しておられる就農支援ですとか、それから起業、それから創業支援事業などの中にも、この地域おこし協力隊員がその地域に定住するために活用できる施策もとても多くあると思います。ですから、まち・ひと・しごと創生本部や各府省と連携をしながら、隊員の皆さんが活用できる各府省の施策について、研修ですとか制度説明会などの折にしっかりと隊員の皆さん、それから受入れ自治体に対して情報提供を行ってまいります。
#148
○新妻秀規君 では、きめ細やかな対応を是非ともよろしくお願いを申し上げます。
 次に、安倍総理に伺います。
 総理は昨年の六月、島根を視察されまして、地域のために活躍する地域おこし協力隊の隊員を御覧になって、これこそ地方創生にとって最もすばらしい人材だと感銘を受けられたと伺っております。全国で地域のために奮闘する隊員の皆様へ激励のお言葉と、また、この地域おこし協力隊事業拡大への総理の御所見をお願いをいたします。
#149
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年六月に島根県を訪問した際、地域おこし協力隊の皆さんとお目にかかる機会をいただきました。協力隊の皆さんは、皆さん志を持って、そして明確な目的を持って、かつ夢を持っている、そしてその実現をする場を与えてもらったことに本当に喜びを感じている皆さんなんですね。そして、もう自ら、誰から指示されるわけではなくて、自分が自分の人生において何か成し遂げたいという思いでそれぞれの場に行っておられる。お話を伺っていて、こちらも何となく胸が熱くなる思いがいたしました。
 地方創生の実現のためには、その担い手となる地域の人材が何よりも重要であります。島根県の海士町では、首都圏から移住した協力隊員が、若い協力隊員ですが、魅力ある学校づくりに取り組むことにより高校の生徒数も増え、人口増にもつながっていると。彼女はもう誰もが入りたいと思う会社に勤めていたわけでありますが、自分のまさに志を生かすためにこの協力隊に入って、まさに水を得た魚のごとく大きな成果を上げていただいていると思います。また、川本町では、企業での勤務経験のある協力隊員が町の特産品であるエゴマの六次産業化に取り組んでいました。
 地域おこし協力隊は、二十六年度は全国四百四十四の自治体で二十五年度比一・五倍以上の千五百人を超える方々が活躍をしています。任期終了後も約六割が同じ地域に定住をしている。約六割が定住するということは、皆さんそこに行って自分たちの仕事を自分自身満足をしながら、しかしもっともっと地域のために結果を残していきたいと、そういう思いが強いんだろうと思いますし、また、地域で生活をして、その地域のためになる仕事、地域の人々のためになる仕事をするということは、それだけ私は生きがいがあるんだろうと、こんなように思います。
 全国津々浦々で地域おこし協力隊の取組が推進されていくように、制度の周知や隊員同士の交流の促進、隊員の定着の支援などに積極的に取り組んで、その活躍を更に支援をしていきたいと思います。
#150
○新妻秀規君 力強い応援のお言葉、ありがとうございます。
 それでは次に、アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区についてお伺いをいたします。
 中部は物づくりの地域、自動車と並びまして中部の地域経済を引っ張っているのが航空宇宙産業です。YS11以来、約半世紀ぶりの国産民間旅客機MRJ、三菱リージョナルジェット、初飛行を五月末に予定をしておりまして、二〇一一年から始まったこのアジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区の大きな成果は目前です。
 この特区制度は、ボーイング社のアメリカ・シアトルやエアバス社のフランス・トゥールーズのように、この中部の地域をアジアでナンバーワンの航空宇宙産業の拠点にすることを目指していると承知をしております。
 お手元の資料四を御覧ください。ここに示すように、この制度ができたときには愛知、岐阜の二県十地区からのスタートでした。
 もう一枚めくっていただいて、資料五を御覧ください。ここに示しますように、今や愛知、岐阜、三重、静岡、長野の五県二百十一企業、七十一自治体の合計二百八十二団体へと大きく広がりました。自治体と産業界に聞き取りを行ったところ、皆様、これは大変に良い制度だとおっしゃっていました。
 しかし、課題もございます。こんな声がありました。この特区制度はいつまで続くのか、見通しが欲しい。ボーイング747ジャンボジェットの後を継ぐボーイング777Xの生産が始まろうとしている、これもMRJ、またボーイング787に加えて支援の対象にしてほしい。どちらも大切なお声だと思います。
 特区制度がいつまで続くのかという懸念に対して、この特区をつくった大本の法律を手繰りますと、それは二〇一一年八月に施行されました総合特別区域法です。そこには、政府は、この法律の施行後五年以内にこの法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるとあります。
 お手元の資料六を御覧ください。
 これは去年の十二月に内閣府が発表した総合特別区域の平成二十五年度での評価結果です。この航空宇宙特区の総合評価は全国の七つの特区の中でも最も高いA評価、その前の年、二十四年度から二年連続です。先ほど紹介しましたように、自治体、産業界からも大変に評判が良い制度です。それであれば、是非、制度を発展させる方向で継続すべきだと考えます。
 777Xも特区で支援する対象に加えてほしいという要望については、産業界から詳しく話を聞きました。すると、こうおっしゃいました。777Xは機体の二一%が日本製、機体の構造ですね、787は三五%なので、それに比べると日本のメーカーが分担している割合は低いように見える、しかし、777Xでは国内で作られた部品をたくさん使っているので、国内の経済に良い影響をもたらすと期待ができる、さらに、777Xは、787と違って軽くて強い新しい材料はそれほど使われていない昔ながらの飛行機であるかもしれないけれども、部品を作るときにロボットをたくさん使っており、物づくりの分野では新しい挑戦をしている、この点を是非考えてほしいとのことでした。なるほどと思いました。
 また、お手元の資料七を御覧ください。
 これは、内閣府地方創生推進室の資料ですが、表の一番右の列、中ほどに枠囲みで示しますように、専門家の意見として、「機種については、今後、多様化することも検討する必要があるのではないか。」と提言をされています。
 ここで、石破大臣にお伺いします。
 自治体、産業界、そして専門家の声を踏まえ、この特区制度が支援する機種を増やすことを前向きに検討し、その上でこの制度を是非とも継続し、航空宇宙産業で中部の地方創生を進めていただきたいと思います。御所見をお願い申し上げます。
#151
○国務大臣(石破茂君) 愛知県におきますこの制度につきましては、今委員から御指摘のあったとおりです。最も高い評価を受けているというのもそのとおりでございます。
 この総合特区制度につきましては、日本再興戦略、平成二十五年六月十四日に閣議決定したものでありますが、そこで、この制度は今後とも継続して着実に進めていくと、このように書いてあるところでございます。引き続き、各区域の取組を適切に評価しつつ意欲的な取組は支援してまいりますし、今後、法附則第二条の規定を踏まえまして、状況について検討を行い必要な措置を講ずるということであります。
 これはもう国会議員の中で一番飛行機にお詳しい、787の開発にも携われた委員に私が答弁するのも妙な話でございますが、767で国産比率が一五%でございました。777で二一、委員が開発に携わられました787で三五、ここでまた二一に下がると、これは一体どういうことなのだろうか。主翼を今まで787は造っていたんですが、この777Xは造らないと、これは一体どういうことなのであろうか。いろんな事情があることだろうと思います。
 比率が下がったからすぐどうのこうのと言うつもりはございませんが、それによってこの777Xというものが世界でどれだけのシェアが取れるのか、そのことによって、ロボット等々によってコスト削減をした日本の技術というものが更に広がっていくのかどうか、それが議論のポイントであろうと思います。
 いずれにしても、一番御存じの委員の御教導を今後ともお願いを申し上げます。
#152
○新妻秀規君 是非とも前向きに検討いただけたらと思います。
 次に、愛知県の地方創生特区についてお伺いをしようと思います。
 先月十九日に、この地方創生特区第一弾が発表となりました。秋田県仙北市、そして宮城県仙台市、愛知県、この三地域が指定をされました。愛知県からの提案は、パネルにもいたしました資料八に示すように、物づくり、農業の産業強靱化特区です。このパネルの左の絵のように、産業人材を育成し、近未来を開く技術の開発を目指し、自動で走る車、無人で飛ばすロボット、そしてリハビリ遠隔医療の実証実験を行います。そして、右の絵のように、農業の所得向上、そして成長分野への転換を図ります。
 まず、石破大臣より、産業人材育成、そして農業の所得向上と成長分野への転換について、愛知県への御期待をお願い申し上げます。
#153
○国務大臣(石破茂君) 委員御指摘のように、三月十九日の第十三回国家戦略特区諮問会議におきまして、愛知県を国家戦略特区における地方創生特区として位置付けたところでございます。
 今おっしゃいますように、自動走行、あるいは自動飛行、あるいはロボット等々、今、日本が抱えております諸課題を解決するために必要不可欠なものだと承知をいたしております。
 自動飛行によって、例えば農業でいえば、どこにイノシシがいるんですかね、どこに猿がいるんですかねというのをきちんと把握をしなければその適正な捕獲というのもできないであろう。あるいは、自動走行によって、これから高齢者の方が増えていくわけで、そういう方々が安心して車に乗れる、そういうような技術もつくっていかねばならぬであろう。あるいは、自動配達のようなものでいわゆる買物難民みたいな方々にきちんと必要なものをお届けするということも可能であり、あるいは介護等々でいかにして高いレベルの介護を提供するかということ。その点におきまして愛知県が先駆的な役割を果たして、地方創生、そして国家の将来に寄与していただくことを強く期待しておるところでございます。
#154
○新妻秀規君 力強い応援のお言葉をいただきました。
 次に、近未来を開く技術の実証について伺います。
 パネルにしました資料九にそのプロジェクトの中身を示します。今回の愛知県の地方創生特区の取組です。一つ目が、この左側にありますリハビリ遠隔医療・ロボット実証プロジェクト。そして二つ目、右上ですね、無人飛行ロボット実証プロジェクト。三つ目、この右の下です、自動走行実証プロジェクト。この三つです。
 リハビリのプロジェクトを見てみましょう。この左の上の絵なんですけれども、病院と患者の家を情報通信で結びます。患者は、ロボットのお手本に従ってリハビリ体操を行います。医師は、患者の脈拍や血圧などを確認しながら診察や指導を行う、こういうシステムを開発します。
 この左の下の絵、これは、リハビリ患者とその方をサポートする医療従事者のイメージです。医療現場では人材不足が深刻化しております。この問題の解決を目指し、リハビリを支援するロボットを開発をいたします。
 そして、右上、無人飛行ロボットのプロジェクトでは、無人飛行ロボットが物を運んだり測量したり、また先ほど大臣がおっしゃったようにイノシシ探したり、また火災の消火をしたりできるかどうかを試します。
 そして最後に、右下、自動走行のプロジェクトでは、無人で走る車でタクシーのような旅客サービス、また無人配送サービスを提供できるかどうかを試します。
 ここでもう一度石破大臣に伺います。この三つの近未来を開く技術の実証、これがどのように地方の創生に役立つと期待をされているのか、御所見をお願いいたします。
#155
○国務大臣(石破茂君) 先ほどの答弁と重複したら大変恐縮でございます。
 まさしく今、日本が抱えている課題というのは、今委員が御指摘のような、そういう事業を実際に実行することで相当程度解決をするのではないかと思っております。今朝以来の議論にありますとおり、日本の高齢化というのは特に地方と言われるところで大変に急速に進行していると。そういうところの方々がこういうような技術の実証というのを本当に待ちかねておられるのだろうし、それができることによって地方の人口の減少に歯止めが掛かる。あるいは、高齢者の方々あるいは生活に不便を感じておられる方々、こんなところにはもう住めないなと思っておられる方々が、そういう技術が開発されその地域に導入されることによってそういうような不便が解消されるということだと思っております。
 地方が衰退していくいろんな要因を解決するためにこういうものを実現するというのは必要不可欠なことだと承知をしておりまして、国として可能な限りの支援を行いたいと考えております。
#156
○新妻秀規君 ありがとうございます。
 最後に、総理から、この愛知県の地方創生特区への御期待をお願い申し上げます。
#157
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この今委員から御説明があった夢のプロジェクトも、実証実験をしなければ、実行というか、実際にそれを運用することはできない、実践することはできないわけでありまして、極めてこの実証実験というのは大切なことなんだろうと思います。
 愛知県からは、近未来技術実証特区として、自動走行、無人飛行、リハビリ遠隔医療といった日本社会のフロンティアを切り開く実証プロジェクトを提案をしていただいています。さらに、物づくり産業人材育成を目指した公設民営学校の解禁や大胆な農地集約に向けた農業委員会の見直しなどの意欲的な提案をいただいていると思います。
 こうした大胆な規制改革を断行することによって、愛知県が、物づくり、農業の産業強靱化特区として東京圏や関西圏との競争においても地方創生の拠点となるまさに最先端を行くということを期待をしているところでございます。
#158
○新妻秀規君 今総理から、最先端、また日本社会のフロンティアを切り開く、こうしたお言葉もいただきました。私も地元としっかり連携を取ってこの地方創生、この取組を後押しをしていきたいと思っております。
 次に、観光についてお伺いをしようと思います。
 今、観光は地方創生の大きな力です。国としても、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて外国人観光客二千万人の達成を目指していると承知をしております。
 まず、ホストシティ・タウン構想の推進についてお尋ねをいたします。
 ホストシティ・タウン構想とは、二〇二〇年東京大会に向けて全国の自治体と参加国・地域の相互交流を深めることを目的とし、ホストシティーやタウンになりたいという市町村と相手国・地域を選んでつないで、スポーツ、文化、観光などの分野でイベントを展開し、また、東京大会では地域による応援そして選手との交流を深める活動を行う、こういう構想と承知をしてございます。下村大臣も、観光立国の実現のため、この構想を応援すると先週の参議院文教科学委員会での所信挨拶でも述べられました。ホストシティ・タウン構想の推進は地方創生の大きな力になると期待ができると考えます。
 推進のためには課題もございます。昨年の秋、内閣官房二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会推進室は、全国の都道府県そして市町村を対象にアンケートを行いました。こんなような設問があります。自治体としてホストシティ・タウンの取組を実施する意向はあるか。この設問に対し、あると答えたのは僅か七%でした。
 ホストシティ・タウン構想に前向きな愛知県豊橋市に聞き取りを行いました。国からの情報が少ないことに懸念の声が寄せられました。豊橋市はもとより、待ちの姿勢を排して、関連する部署で定期的に集まって、キャンプ地、観光、国際文化交流について課題の検討を進めています。さらに、東京大会を地方創生の起爆剤にしようと意気込む全国七十の首長の連合に参加をして自治体同士の連携を強化していくとのことです。
 他方、もちろん国の役割も重大です。さきのアンケートには、ホストシティ・タウンの取組を実施するに当たり必要なことは何かという自由記述の設問がございます。これに対して次のような回答が示されています。ホストシティ・タウン取組の事例を紹介してほしい、相手国・地域の情報について教えてほしい、外国語表記や人材確保、育成、受入れのノウハウ習得といった受入れ態勢の整備について教えてほしい、人的、財政的な支援をしてほしい、これはまさに豊橋市から伺った要望そのものです。
 こうした声を受け止めて、国はホストシティ・タウン構想の実現に向けどのように取り組んでいかれるのか、下村オリンピック・パラリンピック担当大臣の御所見をお願いを申し上げます。
#159
○国務大臣(下村博文君) 御指摘のように、ホストシティ・タウン構想は、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会を契機に大会の参加国・地域と全国の自治体との相互交流を一層活発に行うことによって、我が国の地域活性化や観光振興等、さらには被災地の復興も含めた日本全体の発展につながるものとして考えているものであります。
 昨年七月に、私が議長となって、関係府省庁の局長級を集めた連絡会議を設置いたしました。昨年九月には、全国の自治体からのアンケートを実施をすることによりまして、今御指摘がありましたが、約三割の自治体から、取組の実施意向あり又は検討中との回答をいただきました。その後、担当者が自治体を訪問し、意向と要望の把握に努めているところでもございます。
 今後、政府としては、御指摘がありましたが、一つは先進事例の作成、公表する、また二つ目に、この構想と関わりの深い観光、国際交流、教育、スポーツ分野等の関係者を集めたブロック説明会の開催、さらに自治体の首長による取組との連携等の取組、これを一層加速してまいりたいと思います。
 この構想は、二〇一六年、来年、リオ大会が終わる来年の秋以降本格稼働することとしております。より多くの自治体に参加していただいて魅力的な構想となるように、取組の充実をしっかり図ってまいりたいと思います。
#160
○新妻秀規君 今大臣がおっしゃったような着実な推進を是非ともお願いをいたします。
 次に、予定していた観光の質問をちょっと飛ばしまして、被災地の心の復興について伺おうと思います。
 被災地の心の復興、これは被災地の地方創生の前提条件だと思っております。大震災四年となる本年、我が党では、人間の復興、心の復興に焦点を当てまして、被災三県で独自の意識調査を実施いたしました。パネルにもいたしました資料の十一に結果を示します。
 この左の列、三番、「住まい」の@に示すように、仮設入居者の三割が孤独を感じる。その下、Aに示すように、生きがいを感じられない人、仮設で三四%もいらっしゃいます。そして、その下、Bに示すように、二割の方が移動に不安を感じるようになっています。
 そして、福島については、この右の列の中ほど、「福島の今」に示しますように、福島を理由に差別を受けた経験がある人が六人に一人もいらっしゃいます。このグレーの四角の中にあるとおり、いわきナンバーの車を駐車させてもらえなかった、福島出身を理由にアパートを借りることができなかった、県外で放射能がうつるなどと暴言を吐かれた、このような事例が報告をされてございます。
 また、その下、Aに示しますように、子育てで悩んでいらっしゃることの上位が、福島ではまず第一に体力の低下、次に放射能、これはほかの二県と明らかに違います。そして、B、その下に示しますように、震災転職者の五一・五%が現在の仕事に不満を持ち、これは被災三県合計よりも一二%も高い、こういう結果が出ております。
 人間の復興、心の復興は道半ばでございます。
 このように、今でも厳しい環境にある被災地の方々へ是非総理から励ましのお言葉をいただきたいと思います。
#161
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 復興の加速化は安倍政権の最重要課題の一つであります。東日本大震災の発災から四年が経過をし、特に地震・津波被災地域では復興の道筋が見えつつあります。
 この春までに災害公営住宅一万戸が完成見込みであります。また、水産加工施設の八割で業務を再開しました。震災前の約七割の農地が復旧、住まいの再建やなりわいの再生が着実に進んでいます。また、原子力災害被災地域でも復旧が進み、帰還に向けた動きがやっと見えてきました。
 このように、一歩ずつではありますが、復興は確実に新たなステージに移りつつあると言ってもいいと思います。しかしながら、依然として全国で約二十三万人の方々が避難生活を余儀なくされており、復興は道半ばであります。
 御党が本年二月に実施をされた、今御紹介をいただいた調査において、仮設住宅にお住まいの方々のうち約三割が孤立を感じるとお答えになったこと、復興に女性の視点を反映させることが求められていること、そして、福島では体力低下などが子育ての不安となっていることなどの実態が幅広く把握されております。改めて、被災者の方々の心身のケアに力を入れていく必要があると考えています。
 政府としても、私の指示に基づきまして、本年一月に策定した被災者支援総合対策に沿って、相談員や復興支援員による見守り活動、そして災害公営住宅移転後のコミュニティー形成の支援など、心の復興に一層力を入れていくとともに、住宅再建の加速化や、産業、なりわいの再生にも、御党の調査結果を踏まえつつ、女性の視点も反映させつつ、引き続きしっかりと取り組んでいく決意でございます。
 大きな不安を抱えながらも懸命に今を生きている被災者の方々、しっかりと私たちは寄り添いながら、自立を支援し、一人一人が希望に満ちた将来を描くことができるような支援をしっかりと行っていく決意でございます。
#162
○新妻秀規君 力強い応援、ありがとうございます。
 被災地を始め、全国の地方創生に向け、党を挙げ、そして党の青年委員会を挙げて推進をしていくことを誓い、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#163
○委員長(岸宏一君) 以上で新妻秀規君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#164
○委員長(岸宏一君) 次に、寺田典城君の質疑を行います。寺田典城君。
#165
○寺田典城君 維新の党の寺田典城でございます。よろしくお願いします。
 三月二十五日ですが、安倍総理不在の本会議場で、質問の冒頭に次のように申し述べました。率直に言って、今の安倍政権はどこかおかしいのではないでしょうか。我が国は、第二次世界大戦後七十年、専守防衛の国であります。しかし、安倍政権では、憲法改正の議論もせず、いつの間にか自衛の名の下に戦争ができる国にしようとしています。エネルギー政策でいえば、原発問題があります。世界最高水準の安全基準と言いながら原発を再稼働させようとしています。ところが、使用済核燃料の処分の在り方について法的な議論もなされていません。また、財政健全化は成長戦略だけでは達成できません。歳出の削減も必要であります。そして、日銀は国債を買い続けた結果、円安、株高にはなりましたが、国民の格差はますます拡大しています。国債が大暴落した場合、どうなるでしょうか。不安になります。
 これが三月の二十五日、私、冒頭に述べさせていただいた文言でございます。
 それで、総理、お聞きしたいと思いますが、安保法制についてです。
 聞くところによると、僅か一か月強の会期延長で、我が国を戦争できる国に変えるつもりがありますか。この件に関して総理の認識をお伺いしたいと思います。よろしく。
#166
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が使われた戦争ができる国というのは何を意味しているのか、よく私には理解をしかねるのでございますが、今般の安全保障法制の整備の目的はただ一つでありまして、国民の命と暮らしを守るためであります。今委員がおっしゃったような、戦争のできる国に変えるという主張は、これは典型的なレッテル貼りではないかと思います。安全保障法制について議論する場合は、しっかりと現状を分析をしながら、冷静な議論が必要ではないのかなと思います。
 かつて、これは恐らく委員が二十代前後の頃だったと思いますが、安保条約を改定する際にも、戦争が、巻き込まれるといったレッテル貼りが盛んに行われていたのは事実であります。しかし、それが全く間違っていたことは既に歴史が証明をしているんだろうと、このように思います。
 我々は、今後も、こうしたレッテル貼りは決してせずに、またレッテル貼りには負けずに、やるべきことはしっかりと冷静に前に進めていきたいと、このように考えているところでございます。
#167
○寺田典城君 レッテル貼りとか、そういうアジテーター的じゃないんです。心配しているんですよ。
 自衛隊法を改正するとか、周辺事態法もどうするかとか、日本の国はどちらかというと正当防衛だけで考えてきた、それで専守防衛で来た国でございます。それを拡大解釈しようとしているのはありありなんで、そういう点では、憲法改正でも準備して、何年か掛けてやるべきだと思うんです。その辺、どう思うんでしょうか。
#168
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、大変漠然とした質問でございましたが、まさに我々はしっかりと議論を行いながら、昨年七月の閣議決定、憲法の解釈変更も含めた、言わばグレーゾーンから集団的自衛権の容認、一部容認も含めた切れ目のない対応を可能にするための閣議決定を行ったところでございます。
 その上において、この閣議決定を行う際にも、相当の時間を掛けて我々は議論をしてきているのは事実でございます。そしてまた、その上において、我々はしっかりとこの閣議決定に基づいて与党で協議をいたしまして、基本的な方向、方針を決めまして、この方針に従って法整備をまず進めていくための法案作成に今入っているところでございます。法案作成が終われば提出をするわけでございまして、その際にはしっかりと国会において議論をしていただきたいと、このように考えているところでございます。
#169
○寺田典城君 やっぱり心配なのは、去年の特定秘密保護法なんかも、あのとおり強行に臨時国会で進めております。小泉内閣の時代は、有事立法は、あの当時は私は地方自治体で知事やっておったんですけれども、二年ぐらい掛けてそれは議論しております。
 ですから、集団的自衛権だとか閣議決定だとか、そういうふうな話の中で、そんなに慌てて今やる必要あるのか、じっくり時間掛けて進めるべきじゃないのかなと。内容的には、私ら地方出からいうと国民保護法だって結局は関わってくるわけですから、非常に大きな課題抱えているわけなんで、その辺は、総理、じっくりと時間掛けてやっていただきたいと、そう思います。
 それでは、次に移りますけれども、使用済核燃料の処分の在り方について議論もせずに原発を再稼働するということを考えているようなんですが、その辺の、総理はどのように御認識されているか、お答えください。
#170
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に、我が国は相当量の使用済核燃料を保有をしています。原発の再稼働の有無にかかわらず、高レベル放射性廃棄物の最終処分場が必要であることから我々は逃げるわけにはいかない、まずこの現実に我々向き合う必要はあるだろうと思います。その上において、最終処分場をしっかりと確保していくことこそが政治の責任であると考えています。
 最終処分場の選定は、国民や地域の御理解をいただきながら、一歩ずつ進めていくことが不可欠であると認識をしています。これまでのやり方を見直し、科学的根拠に基づき、国から適地を提示するなど、国が前面に立って取組を進めていく考えであります。
 この観点から、現在、最終処分法に基づく基本方針の見直しを進めています。改定案のパブリックコメントの結果を精査しているところでございまして、原発の再稼働については、原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発について、地元の理解を得ながら進めていく考えでございます。
#171
○寺田典城君 最終処分場は科学的な根拠にもよるというような話も出ているんですが、一度、フランスのラアーグだとか、六ケ所村のモデルケースになったところなんですが、それからオンカロですか、地下埋設四百メーターぐらい、私は一二年の一月、そこを見てきましたけれども、一度行ってみるといかに大変なことであるかということを、総理、認識できると思うんですよ。ですから、海外によくお出かけになりますから、その辺を一度体験すると考え方変わってくると思いますよ。
 十万年も保管しなきゃならないと。十万年というと、御存じのとおり、私たちの先祖は五万年とか六万年先ですね。それから、氷河期だって五万年に一回とか来るとなっていますから、いかに最終処分は困難なことであるかと。これを一度訪問していくと、私は、小泉元総理みたいに考え方変わってくると思うんですが、行ってみる気ないですか。
#172
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは様々な考え方があると思うのでございますが、いずれにせよ、先ほど申し上げましたように、既に我が国には使用済核燃料は存在をするわけでございまして、最終処分場を政治の責任において決定をしていかなければいけないということについては、これは逃れることができない中において、世界各国の技術も含めて、我々は更に技術の革新を行っていきたいと思うところでございます。
#173
○寺田典城君 使用済核燃料というのは、日本の国の中、調べてみると世界で三番目に多い、一万六千トンぐらいあると。二十五万トンの中の一万六千トンだそうなんですが、今そこまでもうたまっているのに、強い議論もせずに再稼働だとかというのは少し私は軽薄過ぎるんじゃないかなと、そう思います。
 次に移らせていただきます。
 もう一つは、経済成長だけで財政健全化を達成するには、私は無理があると思うんですよ。歳出削減に取り組まなければならないと思うんです。総理の御認識をお伺いしたいと思います。
#174
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず明確に申し上げておきたいことは、経済成長だけで財政が再建できるとは、安倍政権において誰も言っておりませんし、自民党もそういう議論は誰もしていないわけでございます。
 私どもが申し上げていることは、デフレから脱却をして経済を成長させなければ財政健全化はできないということであります。十分条件ではないのでございますが、経済成長は絶対的に必要条件であると、そしてまた、デフレ脱却は必要条件であるということは申し上げておきたいと思います。
 そして、この中で、この十五年間、デフレ脱却できなかったんですから、今まで。しかし、私たちはまさに今デフレではないという状況をつくるところまでやってまいりました。そして、実際にプライマリーバランスにおきましても、私たちが政権交代をする前はプライマリーバランスの赤字が二十五兆円あったものを、この二年間で約半分にすることができたのでございます。そのことははっきりと申し上げておきたいと思いますし、税収も十二・二兆円、これは増えたのでございます。そして、国債の発行の減額においても……(発言する者あり)済みません、皆さん、ちょっと静かにしていただきたいと思いますが、私が今説明をしているんですから。静かに議論をしようじゃありませんか、皆さん。我々は国債の発行額を四・四兆円減額をすることもできたのであります。なぜかといえば、これはもちろん消費税三%の増税もございますが、デフレから脱却をして、そして経済を成長させたからでございます。
 同時に、しっかりと無駄な経費を削減をしていくことは当然のことであろうと、このように思うわけでございまして、我々は歳出の改革もしっかりと行っていきたいと、このように思うわけでございます。
 デフレから脱却をし、経済再生により税収を増やすのみならず、無駄削減など徹底した行財政改革もしっかりとやっていくなど、歳出歳入の両面にわたって取り組んでいく考えでございますし、また、社会保障につきましてもずっと今日の委員会でも議論がなされていましたが、この社会保障についても我々は切り込んでいるのでありまして、効率化、合理化や重点化を進めていくわけでございます。
 繰り返しになりますが、デフレから脱却をし、経済を成長させていくことによってしっかりと税収増を図っていく、同時に無駄をなくしていく、歳出の改革も行っていくことによって我々は財政再建を達成していきたいと、このように考えているところでございます。
#175
○寺田典城君 誠に総理の度量というのはどうなのか。私、前の政権のことを比較してしゃべっているのを本当に情けなく思いますよ。十五年間デフレだったということも事実でしょうが、これ、民主党政権三年間やっただけですよ。みんな原因つくってきたのは、このとおりのあれは自民党政権がなっていることも事実なので、それは謙虚に反省していかなきゃならないと思うんですよ。
 ですから、金を足せば、経済成長プラスお金を出せば、機動的な財政出動やれば何とかなるという、そういう時代じゃないと思うんですよ。もう一千兆円も超えるような借金があって、プライマリーバランスは二〇年まで取ります、この一五年には三・三%になりましたとか、それから経済も成長した、株も上がりましたとか、そういうことをよく言っているんですが、根本は何も経済の大きい意味で変わっていないということも事実だと思うんですよ。
 それで、私、国の議員になって初めて体感したことは何かというと、国会も責任あるんですよ、これ、財政健全化というのは絶対的に責任あると思います。ところが、国会議員というのは予算を要求するのが仕事だと思っているような感じです。これはやっぱり与党も野党も考え方変えていかなきゃならないし、聞くと、財政健全化は内閣の責任だとよく言われるんですが、私は、今手を付けなければこの国は財政的に破綻してしまうと思うんです。
 地方だって六割はお金使っているんですから、私、知事時代、ちょうど麻生さんが知事会長で私が副会長で、いつもバッティングばかりしておったですけれども、私は、国には提案すべきだという話をして、闘う知事会で梶原さんなんかと一緒にやった記憶があるんですが、要するに、総理は、積極的に平和主義とかという話だったら、積極的に財政健全主義とか、そこ辺りを打ち出して、やっぱり今手を付けなきゃならぬと思いますよ。その辺の意気込み、どうなんですか。
#176
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 寺田さんも私の発言をよく聞いていただきたいんですが、私は民主党のミの字も言っていないわけでございまして、安倍政権のこの道のりについてお話をさせていただいているわけであります。そして、自民党政権時代も含めて十五年間ということは、今まで何回も述べてきているとおりであります。
 そこで、まさに安倍政権になって大胆な金融緩和を含めた三本の矢の政策、異次元の政策は安倍政権になって初めてやったわけでありますから、それまでの道のりとの違いについてお話をさせていただかなければなかなか理解をいただけないと思って、我々はファクトで、私はファクトで説明をさせていただいたとおりであります。そこはまさに寺田委員の感覚と、我々というか、多くの国民の皆さんもそこは違うんではないかという認識を持っておられると思いますよ。
 何といっても、経済が大きく変わったのは事実であります。雇用と賃金、これが大きな要素であります。株価というのも、私も再三そのことについては申し上げているわけではございませんが、マクロ経済を見ていく上においても、株価というのは重要なこれは指標にもなっているのは、これはもう紛れもない事実なんだろうと、こう思うわけでございます。
 そういう意味におきましても、雇用においても、これは先ほども説明をさせていただきましたが、有効求人倍率は明らかに良くなっているわけでありまして、一年以上にわたって職を探す人の数よりもまさに人を求める仕事の数の方が多くなっているのは事実でございますし、昨年の賃上げは過去十五年間で最高になっているわけでございます。そしてまた、就職内定率においても、大卒においても高卒においても良くなっている、高卒は二十二年ぶりのこれは高い内定率になっているのは紛れもない事実でありまして、まずこういう事実をちゃんと認めていかなければ議論というのはできないんだろうと、こう思うわけでございます。
 その中におきまして、まさに税収が増えているというのは事実、これもファクトであります。税収が増えなければ、税収が増えていかなければ、財政の削減だけに頼ってしまったのでは、これはデフレを進行させるという大きな危惧もあるわけであります。まさに経済というのはしっかりと成長させつつ、そして無駄をなくしていく、私たちはこのアプローチしかないという思いの中で政策を進め、そして二〇一五年にPBのGDP比、一〇年比について半減するという目標、この目標を立てたときにはこれなかなか難しいだろうと、こう言われていたわけでございますが、まさにこの目標を我々は達成することができたわけでございます。着実に歩みを進めているということははっきりと申し上げておかなければならないと、こう思うところでございます。
#177
○寺田典城君 いや、とうとうと自分のことをおっしゃられたんで、いつもお聞きしていることなんで、別に前がどうとかこうとかと言ったつもりはないんですがね。
 ただ、安倍総理の言動というのは、これは、日本を代表する人ですから、こんなことは言いたくないんだ。あえて言いますけど、あのISILの問題のとき、例えば、エジプト、イスラエル、二億ドルの人道支援をすると普通に言えばいいのに、ISILと闘うと付け加えられたことによってああいうことも起きたんじゃないかと。だから、言葉の使い方をもう少し、イスラエルの国旗の前で話をするとか、やはりどこか、私は特別に何かとんがっているようなところがあるんじゃないかなと思うんです。その辺なんですが。
#178
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 特別にとんがっているところはないということは申し上げておきたいと思いますよ。
 また、ISILについても、今まで何回も申し上げてきているんですが、カイロの演説について、まさにISILと闘っている穏健派のイスラム諸国を我々も応援をしていく、彼らは一人じゃないんだということを証明していくことが大切なんです。
 その中で、ISILの主張をそんたくをしながら、彼らに寄り添うかのごとくの姿勢を示すことは、まさに彼らに屈する、テロに屈することで私はあろうと、こういうことははっきりと申し上げておきたいと思うわけでありますが、我々の支援が非軍事的なものであることは、ISILが作ったビデオにおいて非軍事支援を行うということがけしからぬということを言ったわけでございますから、彼らは明確に実は理解をしているわけでございます。
 英語においてもアラビア語においても、彼らの映し出した映像の中にそう文字がはっきりと書かれているわけでございますから、彼らが間違ったわけではないということも申し上げておきたいと思いますし、私がとんがっているということは、私の同僚議員もそういうことを余り言う人はいないんではないかと思うわけでございますので、重ねて申し上げておきたいと思います。
#179
○寺田典城君 やっぱり心配なのは、カイロ発言、イスラエル発言でもそうなんですが、集団的自衛権だって、今の安保法制の改正だって、そういうふうな形で、特定秘密保護法案だってそうなんです、そういう走り方をしちゃうんじゃないのかなというのが心配なんです。その辺は、総理、気を付けていただきたいと思うんですよ。そういうことをひとつ申し述べさせていただきたいと思います。
 それでは、次に移ります。
 日銀が今年の国債保有残高が二百七十一兆円ですね。もし長期金利が急上昇した場合、日銀の健全性に問題は生じないか、また物価目標を達成した時点で国債の買入れをやめることができるのか、以上二点について、日本銀行総裁の認識をお伺いしたいと思います。
#180
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するために量的・質的金融緩和を推進し、その下で国債の買入れを行っているわけであります。国債の買入れは、当然、日本銀行の財務に影響を与えることになりますが、日本銀行の責務である物価の安定のために必要な政策であります。したがいまして、財務の健全性に留意しつつ、必要な政策として行っているということでございます。
 なお、日本銀行では、国債の評価方法についていわゆる償却原価法を採用しておりますために、長期金利が上昇したとしても、決算上、評価損失が計上されることはありません。
 また、日本銀行が行っている量的・質的金融緩和及びその下での国債買入れは、あくまでも二%の物価安定の目標の実現という金融政策上の目的で実施しているものでございます。具体的には、量的・質的金融緩和は二%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続するということでありまして、漫然とこれを継続するということではございません。
#181
○寺田典城君 今、総裁の建前をお聞きしました。本音は大変だと思います。総裁、心と体には気を付けて、何というか、理性的にしっかりとやってください。私は心配しています。そういうことです。安倍さんの言いなりにはならないようにひとつ、総理の、よろしくお願いしたいと思います。まあそんなところです。
 それでは、地方創生に、石破大臣、よろしくお願いします。これから、私も地方創生委員になっていますので、ひとつ、長々とお付き合いするでしょうから。
 私は、地方でもグローバル対応ができない企業は生き残りが厳しくなっているんですよ。したがって、グローバルな人材を育てていく必要があると思うんです。そういう人材が定着すればローカルも生き残れるという、そういうことですね。
 そのために、自前でその人材育成することが難しい中小企業、零細も含めて、そういう方々に留学やインターンの派遣、ASEANならASEANでもいいし、それからインドでもどこでもいいですよ、関連あるところ。一年間でも金魚鉢に入ったような形で派遣してやれば、相手のことも理解できるし、異文化も理解できるし、ニーズが何であるかというのもあるんで、そういう点が今、地方創生では一番人材育成が必要じゃないでしょうか。
#182
○国務大臣(石破茂君) それは委員御指摘のとおりであります。ただ、グローバル経済とローカル経済という分け方は、それはまた委員も御認識のとおりあるわけで、いわゆる誰でも名前を知っている製造業、世界を相手にして商売をしている製造業というのをグローバル経済というと。それ以外の、勤めている人の八割、経済の七割を占めるローカル企業というかローカル経済というか、それはグローバルとは違う対処の仕方があるということは前提としてございます。
 その上で、御指摘のように、地方においてもグローバルな人材を育成する。秋田にある大学も、これは海外に学ぶと同時に海外からの留学生を受け入れるという制度がございます。また、今でもJICAでありますとか中小企業基盤整備機構等々、そういうような地方における中小企業等の人材支援をやっておりますが、これは更に拡大というのが必要だというふうには認識をいたしております。これは、関係省庁ともよく連携を取りながら適切な方法を模索し、実行したいと存じます。
#183
○寺田典城君 やはり日本というのは物を持ち過ぎていると思うんですよ。ですから、私は、レス・イズ・モアという、少ないことはより豊かだということで、それで地方債を発行させるようなことも提言したりして地方自治法を変えてもらったんですが。
 要するに、これは安倍総理も考えていただきたい、国全体が物を持ち過ぎていると。だから、行政コストだってどう落とせばいいのか、法律だってどう除却すればいい、権限はどう移譲するかですね。地方創生の中で、これからプラスをしていくというような形じゃなくて、何を削って、そうしたらイノベーションを起こせるかという形ですよ。
 私は、三期十二年自民党と闘ってきた知事ですから、何というか、よく自民党の先生方は財政健全化せい、それから予算はこれどうなんだと。だから、よく削られる。おかげさんで、文句言われたからいい仕事できたと思うんです。国際教養大学なんて出発点十二億でできて、今まで全部で掛かったお金何ぼかというと、七十億ぐらいですよ、要するに施設がですね。だから、金でないということをひとつよく理解していただきたいなと思います。
 それで、本題ももっと大きい問題で、要するに社会保障の問題なんですね。このとおりです。(資料提示)社会保障費が今、二〇一五年は百十九兆円となっていますし、借金が千三十六兆円、高齢化率が二六・八%と、こういう社会ですね。人生九十年にもなっているんです。だから、健康な人づくり、それから介護人材の育成、これ、これから対応していかなきゃならぬ一番大事なことだと思うので、厚生労働省としてはどのように取り組んでいくのか、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#184
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、二点あったかと思います。
 介護予防と、それから介護人材の育成でありますが、まず介護予防の推進に当たりましては、住民全体の言ってみれば通いの場を充実をさせて、人々とのつながりを通じて参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりというものを推進をしなければならないんではないかということで、既に幾つかの市町村では要介護認定率の伸びを抑えるような好事例も出てきております。そういうような動きを我々としても支援をして、介護予防をすることによって介護に本格的にお世話にならなくていいような健康状態を保っていくということを大事にしたいと思っております。
 厚生労働省としては、こうした全国展開をする観点から、都道府県と連携しながら市町村を支援すると。リハビリテーション専門職などの参画をやはり得ないといけないということも言えるので、要介護状態になっても生きがいや役割を持って生活できる地域の実現を目指さなければならないというふうに思っております。
 一方で、介護人材でありますが、先ほどもちょっと議論が出ましたが、二〇二五年、つまり団塊の世代が七十五に全て達するというそのときには約二百五十万人の規模で介護人材が確保しないといけないということでございますので、そこに向けて総合的、計画的に進めるということで、平成二十七年度も地域医療介護総合確保基金で、去年は医療だけでありましたが、今回は医療と介護と。介護につきましては、九十億について、これは地域の実情に応じた都道府県の取組を支援するために介護人材のために御用意をしたと。それから、介護の報酬の方で改定を……(発言する者あり)はい。これは月額一万二千円相当の処遇改善ということが中心でございます。
#185
○寺田典城君 話飛びますけれども、厚生労働省は十月からだったですか、夜十時以降は仕事しないということになっていますね。十月からですか。(発言する者あり)もう始まっていますか、十時以降仕事しない。
 健康な人づくりという形からいくと……(発言する者あり)委員長、よろしいですか。
#186
○委員長(岸宏一君) どうぞ。
#187
○寺田典城君 十時でやめるということを今実行されていますか。短く答えてください。
#188
○国務大臣(塩崎恭久君) 不規則発言がありましたが、国会の質問で帰れない人を除いては基本的にできているんじゃないかというふうに思っております。
#189
○寺田典城君 国会の仕事を除いてはというと、国会が一番多い、健康な人づくりというんですけど、それでなくても残っている人いると思うんですよ。
 私も八時で仕事をやめるというのは県庁時代やったことはあるんですが、私は夜回りました、仕事やめるようにということで。大臣、回る気ありますか。
#190
○国務大臣(塩崎恭久君) まだ回っておりませんが、回ってみてもいいなというふうには考えてきておりました。
#191
○寺田典城君 大臣、その回るということをエープリルフールにしないでください。必ず回ってみてください。
 確かに、もう物すごく、何ていうんですか、やっぱりこれからの高齢化時代というのは、それこそ健康で生きるということについていかに大事であるかということが、これが私はキーワードじゃないかなと思うんです。それと、高齢化率三五%ぐらいになった地域には介護人材とか看護人材だとか、医師もいないですよ、よそから連れてこなければ。大変なんですよ。だから、二〇二五年、こうですよなんというんで、やっぱり人材育成のほかに海外にだって目を付けなきゃならぬ時期に来ているんじゃないかなと思うんですね。その辺、どう思いますか。
#192
○国務大臣(塩崎恭久君) これからは地域において地域包括ケアシステムというのを構築しようということを、これも多分先生も御賛同いただけるんじゃないかと思いますが、したがって、同時に、我々は医療についても供給体制の見直しを、特に県にビジョンを作ってもらって、今年度から三年間だったと思いますが、掛けてビジョンを作ってもらって、どういう医療の供給体制をしていけば今先生がおっしゃるような二〇二五年に向けてこの医療、介護、両方併せて体制として組めるかということを県が責任を持ってやっていただこうということで、もちろんその基は厚生労働省でガイドラインを作ってしっかりとやっていくということでございますけれども、そういう中でそれぞれの地域の特性に応じた体制を、医療、介護を併せて考えていかなきゃいけないということになるんだろうというふうに思いますので、都道府県の役割はますますもって、国民健康保険の財政運営も三十年度から完全に県にお願いをするということでございますので、大変重要な役割を担っていただくことになると思います。
#193
○寺田典城君 最後、あと時間がないんで、石破大臣にも後で委員会でゆっくりお聞きしたいと思います。サラリーマンの定年が六十五歳だとして、平均余命が二十年もあるんですよ。それをどうやって地方創生に生かせるかということもお聞きしたいと思いますので、ひとつよろしく。
 もう時間になりましたので、高齢化時代というのは高齢者のエネルギーを活用しなきゃやっていかれない社会ですから、そういうところも含めて、何というんですか、一兆円をばらまくんじゃなくて、成長できるような形というんですか、そういうことを考えていただきたいと思います。
 私の質問、これで終わります。どうもありがとうございました。
#194
○委員長(岸宏一君) 以上で寺田典城君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#195
○委員長(岸宏一君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
#196
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 昨年四月一日に消費税が八%に増税をされ、今日でちょうど一年であります。社会保障のための消費税増税ということでした。総理、この一年で社会保障、どこがどう良くなったのか、ポイントに絞って説明してください。
#197
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡していくためにこそこの消費税の引上げを行ったわけでございまして、その増収分は全額、社会保障の充実、安定化に充てられています。
 平成二十六年度予算では、国民健康保険等における低所得者の保険料軽減の拡充、そして高額療養費制度の自己負担限度額の引下げ、そして難病対策の充実などの施策を実施をしています。平成二十七年度予算では、さらに、本日からの子ども・子育て支援新制度の予定どおりの施行、そして地域包括ケアシステムの構築に向けた更なる取組や認知症施策の推進、また介護保険における低所得者の保険料軽減の拡充、そして国民健康保険の財政基盤の強化などの施策を実施することとしています。
 今後、平成二十九年四月の消費税率一〇%への引上げの際には、低年金生活者への福祉的給付や年金の受給資格期間の短縮、そして低所得者の介護保険料の一層の軽減などを行い、社会保障の更なる充実を図っていく考えでございます。
#198
○小池晃君 今の説明で、八%になって社会保障が良くなったと実感できる人はほとんどいないと思うんですね。
 結局、全額使った、全額使ったと言うけど、これまやかしなわけで、実際には、八%引上げによる増収八・二兆円のうち、社会保障の充実に充てられたのは、これ一六%ですよ。そのほかは今まで別の財源だったものを消費税に置き換えただけですから、社会保障の中身、良くなったわけじゃないんです。
 第二に、充実どころか、社会保障の負担増、給付減が続いているわけです。
 一月に、総理を本部長とする社会保障制度改革本部が医療保険制度改革骨子をまとめました。その中に後期高齢者の保険料軽減特例の見直しがあります。これ、どういうものか。
 後期高齢者医療制度では、政令本則に定められた軽減に加えて九割、八・五割などの特例軽減やっています。これをどれだけの人が受けているかというと、後期高齢者医療制度の加入者数千五百七十四万人のうち八百六十五万人ですよ。これ、いかに後期高齢者医療制度の加入者が低年金、低所得の人が多いかということを示している。
 大臣に聞きますが、この特例措置、何でやってきたのか。それで、今打ち切っていいという理由は何ですか。端的に説明してください。
#199
○国務大臣(塩崎恭久君) この後期高齢者医療の保険料軽減特例につきましては、所得などに応じまして、本則による保険料の軽減に加えて、平成二十年度の制度施行当初から、制度の円滑な施行を図るために、特例的な更なる軽減措置を毎年度予算措置によって講じてきたものでございます。
 この後期高齢者医療の保険料軽減特例については、特例を開始して七年が経過をしたわけでありますが、この軽減特例のために毎年約八百億円の国費が充てられ、累積でこれまで、先ほどの申し上げた平成二十年度からの累積でいきますと六千三百億円の財源を、国費を投じてきたものでございます。
 また、後期高齢者医療制度に加入する前に被用者保険の被扶養者だった方は、所得水準が高くても軽減特例の対象になっているというようなこともございました。
 さらに、後期高齢者の保険料軽減は最大九割であって、国保では最大七割でありますから、それと比べても不公平が大きいなどから見直しが求められて、本年一月十三日の、先ほどの本部で見直しの、これは平成二十九年度から原則的に本則に戻すという見直しの大きな方向性を決定したものであって、急激な負担増となる方については……(発言する者あり)決まったことを申し上げているので、聞いてください。きめ細かな激変緩和措置を講じて、その具体的な内容については今後検討し結論を得ることとしておりまして、丁寧に検討してまいりたいと思っているところでございます。
#200
○小池晃君 質問に端的に答えてください。
 七年間で七十五歳以上の高齢者の生活実態は改善したんですか。良くなっていないですよ。社会保障の負担増、消費税増税、アベノミクスで物価上昇、みんな大変なわけです。
 これ、簡単に言うけど、どれほどの値上がりかというと、今九割減額適用受けている人は、これは基礎年金の満額以下の人ですから、年金は四万、五万の人です。そういう人は三倍になります、保険料が。それから、八・五割減額の適用は、基礎年金の上に僅かな二階部分乗っている、まあ大体七、八万ぐらいの年金です。これは二倍になります。さらに、健康保険の扶養家族、これは年収百八十万以下の方ですから、何も高額というわけじゃないですよ。この方たちは後期高齢者医療制度始まる前までは保険料の負担なかったわけで、その保険料が五倍から十倍になる。
 具体的に実態調べてみました。(資料提示)
 埼玉県在住の七十七歳の男性、Aさん。独り暮らしで、年金は五十九万四千円、月額四万九千五百円です。今の保険料、年額四千二百四十円ですが、特例軽減が廃止されると一万二千七百二十円となります。それから、大阪府の七十六歳、Bさん。これは娘さんの扶養家族で、年金は月六万四千四百円、現在の保険料五千二百六十円ですが、二万六千三百円と、五倍になります。それから、福岡県の八十三歳、Cさん。息子さんの扶養家族で、年金月六万四千四百円、現在の保険料五千六百五十円が五万六千五百円、十倍であります。
 これ、全国こういう比率で上がっていくわけですね。数字は県によって違いますが、もう倍率は全く全国同じです。まさに低年金者を狙い撃ちにした大負担増じゃないですか。
 総理、年金削減、物価上昇に苦しむ後期高齢者、高齢者の方々にこんな負担増を浴びせれば、私は、高齢者の貧困、一層加速することになると思いますが、総理にはそういう認識はありませんか。
#201
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、先生パネルで御指摘をいただきました。皆さんもそれを御覧になっていただいたわけでありますけれども、まず第一に、これ、例えば一番上のAさん、四千二百四十円と書いてございますけど、これは年額でございまして、月額にいたしますと三百五十三円になるということであり、次は四百三十八円、それから四百七十一円ということで、月額で見ますと随分イメージが少し変わってくるんじゃないかなというふうに思います。
 そこで、先ほどの、負担になり過ぎるじゃないかというお話でございますけれども、先ほどいろいろ御異論を言われましたけれども、さっき申し上げたように、この本部で一月十三日に決めた際に、この二十九年度から原則的に本則に戻す、この見直しの大きな方向性を決定したところでございます。その中では、急激な負担増となる方についてはきめ細かな激変緩和措置を講ずるということとし、その具体的な内容については、どのような方が急激な負担増となるかなどを踏まえて丁寧にこれから議論するということを申し上げているのであって、ですけど、今のようなレベル感において国民の皆さん方にも正しく認識してもらうために、今のは年額であって月額ではないということを申し上げます。
#202
○小池晃君 丁寧にと言うけど、最終的にこういう数字になることは否定できないでしょう。結局、幾ら段階を設けてもこうするわけですよ。
 この特例軽減を継続してほしいというのは、例えば宮城県、愛知県などの後期高齢者医療広域連合議会も意見書を採択していますよ。これは党派を超えた声ですよ。
 もう一つ、入院食事代の負担増について、私聞きたいと思います。
 一般病床、精神病床、六十五歳未満の療養病床の入院患者が負担している食費、一食二百六十円を四百六十円まで引き上げると。入院時の食事というのは治療の一環です。それなのに、医療保険の療養の給付から外し、今度は更に負担を引き上げようということであります。
 日本栄養士会の小松龍史会長は、栄養管理は全身の状態を整え治療効果を向上させる、入院期間の短縮にもつながり、政府が目指す入院医療費の削減にも役立っている、まさに入院中の食事は医療の一環だと負担引上げに反対しておられます。
 一食四百六十円にするということは、三十日間入院すると、これは四万一千四百円ですから、今の二万三千四百円から一万八千円の値上げですね。しかも、これは高額療養費制度の対象になりません。丸ごと掛かってまいります。長期入院となりやすいがん患者あるいは難病患者などからは悲鳴が上がっています。大臣、これ、なぜこんなことをするんですか。
#203
○国務大臣(塩崎恭久君) 入院時の食事代につきましては、現在、食材費相当額の一食二百六十円というのを御負担をいただいているわけでございます。一方で、在宅でも療養される方がおられるわけでありますけれども、そういう方々は食材費のほかに調理に掛かるコストも負担をお願いをしているわけであります。
 現在、現行の仕組みでいきますと、療養病床に入院されている六十五歳以上の高齢者の皆様方には食材費相当額に加えて今の調理費相当、これも既に一食四百六十円を御負担をいただいているわけでございまして、介護保険においても既に一食四百六十円を御負担をいただいております。
 こうした中で、今後の高齢化の進展を踏まえて、地域包括ケアシステムの構築に向けて入院医療と在宅医療との公平性を図るという観点から、在宅でも御負担をいただいている調理費相当額を御負担いただこうということで、一食二百六十円の負担額を段階的に引き上げて、平成三十年度から一食四百六十円とさせていただきたいと考えているわけであります。ただし、低所得者や難病患者、小児慢性特定疾病の患者の皆様方については負担額を据え置くということにしておりまして、配慮が必要な方に対しては適切な配慮を行うことにしております。
#204
○小池晃君 さっきから平成二十九年、三十年といって、要するに参議院選挙終わってから全部これやろうというような計画になっているわけですね。
 今、説明あったけれども、結局今の説明でいうと、高齢者は既に一食四百六十円払っているから、だから公平のために今度は現役世代、四百六十円にするという話ですよ。後期高齢者の保険料については、高齢者と若年世代の負担の公平だといって、これを高齢者の負担を上げるというわけでしょう。食費の方は、高齢者の方が負担が大きいからといって、今度若年者を上げるというわけでしょう。とにかく、何でもかんでも公平公平といって、高い方に負担を合わせるというだけの話じゃないですか。これ本当に、私、御都合主義だと思いますよ、こういうのは。
 しかも、国民負担増というのはこれにとどまらないわけです。紹介状なしの大病院の受診には五千円から一万円の定額負担、これを義務付ける。そして七十歳から七十四歳の医療費窓口負担も引き上げる。国保料、国保税の更なる引上げにつながる市町村国保の都道府県化などなどやろうとしているわけですね。
 そうした中で、高齢者の所得保障である年金はじゃ、どうでしょうか。安倍政権はこの間、特例水準の解消という名目で、二〇一三年十月に一%削減をし、二〇一四年四月に〇・七%削減、二度にわたる年金削減やりました。これまでのこの二回の特例水準の解消というやり方、これは本当に生活に打撃になっているという声が出ているわけです。高齢世帯から所得と購買力を奪うものだったと思います。なぜ、こういうことをやったんでしょうか。
#205
○国務大臣(塩崎恭久君) 本来、年金は物価か賃金か、かつては両方の、どちらかでやって、今はどちらか低い方でやるということで合わせて、保険料を現役世代に過度な負担が行かないようにということでやってまいりました。
 したがって、デフレになった場合に物価が下がれば年金額も下げるというのがスライドとしてあるべき姿であるわけでありますけれども、それをやってこなかったというのを解消してきたわけでありまして、この四月からまたそれを最後の解消をするということになるわけでございます。
#206
○小池晃君 要するに、物価が下がったから、かつて下がったときに下げなかったから、それを元に戻すんだと。
 よく政府の方が、もらい過ぎていると、年金を、物価水準から見てというふうに言うんだけれども、ちょっと確認しますが、二〇〇〇年度に物価スライドを凍結する前年の物価と二〇一四年度の前年物価、これ比較すると、物価は何%下落していますか、同じ時期に年金改定率何%マイナスになっていますか、お答えください。数字だけでいいです。
#207
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の二〇〇〇年度から二〇一四年度までの全国消費者物価指数の対前年比変動率の各年の公表値を機械的に足し上げるとマイナス三・五%となります。また、二〇〇〇年度から二〇一四年度までは特例水準による年金給付でありますけれども、この間の年金額の各年の改定率を機械的に足し上げるとマイナスの三・九%となります。
#208
○小池晃君 要するに、物価よりも年金の方が下がっちゃったわけですよ。
 結局これ、グラフ見ていただくと分かるように、この間の年金の引下げによって、要するに物価に追い付こうということで下げてまいりました。しかし、この最後の、昨年の四月の時点ですね、二〇一四年と書いてあるところですが、そこで逆転しているわけです。もらい過ぎどころか、既に削り過ぎなんです。
 何でそうなっているかというと、物価スライドというと物価だけに合わせるように聞こえるんだけれども、実は物価よりも賃金が下がったらば賃金に合わせて更に引き下げるという仕組みなわけですね。だから、既に物価よりも下がってしまっているわけです。ところが、安倍政権は、今年度もまたこれがもっとやらなきゃいけないということで年金を引き下げ、後でも議論しますが、さらに今年から初めてマクロ経済スライドを発動して更なる引下げをやると。
 ちょっと数字が続くのでゆっくり説明したいと思うんですが、実は今年度の年金改定率の指標となる消費者物価はプラス二・七%です。これ、消費税の増税、アベノミクスで物価が上がっていますから、二・七。年金改定が物価スライドだけだとすれば、年金も二・七%引き上げなければいけないはずなんです。ところが、先ほど述べたように、物価と賃金を比べると、賃金追い付いていないんです。二・三%しか賃金上がっていないから、まずこの二・三というのが適用されて、これだけで物価よりも〇・四%下がるんです。
 つまり、これ全部合わせるとどういうことになるかというと、元々昨年度の段階で年金は物価水準よりも〇・四%低かったんです。そこに今年の改定でも物価よりも賃金の方が低いためにマイナス〇・四%が加わるわけです。そしてもう一回、過去の特例水準の解消分で〇・五%が下がるんです。そして、今年初めてマクロ経済スライドが適用されてマイナス〇・九%になる。まさにトリプルパンチなんですね。このグラフ見ていただくと、もう今年の物価と年金の乖離はすさまじいですよ。二・二%も物価よりも低い水準になる。
 大臣、私の今の説明、間違いないですね。
#209
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の説明は正しいと思います。
#210
○小池晃君 こういうことになるわけですね。
 具体的に、これを年金額に合わせるとどういうことになるかというと、総理、ちょっと聞いてくださいね。基礎年金満額受給の方であれば、今月分から六万六千四百円に二千円増額となるべきところが、こういったことをやるわけで、六万五千八円、六百円ちょっとしか上がらないんですよ。それから、夫婦二人で合わせて月二十万円の年金の御夫婦で、本来だったら月六千二百円のアップとなるところなんですが、これ千八百円しか上がらないわけです。
 総理、消費税増税ですよ。物価も上がっていますよ。このように年金を目減りさせて、高齢者の生活水準維持できるというふうにお考えでしょうか。賃上げを賃上げをと一方で言いながら年金の切下げをやって、どうしてデフレ脱却ができるんですか、説明していただきたい。
 総理。もういいです、もう何度も一緒、答弁したから。総理。
#211
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、年金につきましては、これはまさに給付と負担のバランスでありますから、負担をしていただかなければこれは給付も確保できないという中において、十六年に改正を行い、そしてその際、マクロ経済スライドの考え方を導入したのでございます。それは、将来世代の負担を過重にすることを避けつつ、制度を持続可能なものとするため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整するマクロ経済スライドの仕組みを導入をしました。
 これによって、賃金、物価の上昇率ほどに年金額は上昇しないことになりますが、現役世代と高齢世代のバランスを確保し、将来にわたって老後の所得保障としての役割を果たし続けるために必要な措置であります。これは、まさに平成十六年にこのことについてさんざん議論した結果、こういう設計を入れたわけでございます。
 マクロ経済スライドについては、〇・九%以上になって初めてこれはマクロ経済スライドが、〇・九%を引いていくわけでありますから、言わばインフレ状況をつくって初めてこれは当然マクロ経済スライドが導入されるわけでございますが、それは、導入というのは、そういう経済状況ができたことによって言わばマクロ経済スライドがこれは発動されることになったわけでございまして、それは、そういう仕組みを平成十六年につくったということでございます。
 高齢者の生活の維持という面では、昨年行った財政検証において、経済の再生と労働市場への参加が進めば、現行の年金制度の下で将来的に所得代替率、これは現役世代の平均所得水準に対するモデル的な新規受給者の年金水準の比率でありますが、五〇%を確保できることが確認されたわけでございます。
 安倍政権では、企業収益の拡大を賃金の上昇につなげ、そして経済の好循環を継続させていくことを目指しており、デフレ脱却を確かなものとして、賃金上昇を含む経済の再生に取り組んでまいりたいと考えております。
 そして、昨年、消費税を三%引き上げた際には、年金受給者の方々には、簡易な給付措置として、この三%上がった支出の増加に見合う給付を行ったということはもう皆様御承知のとおりでございます。
 なお、低年金の方については、社会保障・税一体改革の中で、医療や介護の保険料負担軽減や、低所得で低年金の高齢者に対する福祉的な給付金など、社会保障全体を通じて低所得者対策の強化を図ることとしております。
#212
○小池晃君 もう何かいろいろいろいろおっしゃったけど、一つ一つちょっと言いますが、低年金者給付というけど、上乗せは年金保険料を十年納めて月千二百円ですよ、二十年納めて月二千五百円ですよ。スズメの涙ですよ、これは。それから、現役世代の五〇%を保障したというのはもうやめた方がいいです、そのでたらめは。はっきり言って、これはでたらめです。だってこれモデルは、四十年間夫はサラリーマン、妻は専業主婦という本当にあり得ないモデルですよ。それでようやく五〇%が最初は保障される。しかし、年金もらい始めたらどんどん下がっていくわけです。単身者なんて最初から五〇%を切っているわけです。だから、もうこういう説明はやめていただきたい。
 それから、先ほどから現役世代、現役世代、公平だと、経済のためだと言うんだけれども、しかし、年金切り下げて年金世代の購買力を奪えば内需は冷え込んで、景気悪化の悪循環になりますよ。それから、年金が物価水準すら保障されないということになれば、現役世代はどうか。これは、財布のひもが締まりますよ。消費は落ち込みますよ。ますます景気悪くなりますよ。
 だから、結局、こんなことやっていたら、私は、もうダブルパンチで年金財政だって悪くなる。年金財政の基本というのは保険料収入なんですから、現役世代の。そこが、景気が悪くなるようなことをどんどんやったら、ますます年金財政だって悪くなるでしょうと。私は、年金財政の中での帳尻だけ合わせても、そんなことばっかりやっていたら、暮らしも景気もどんどん縮小していくと。そんな国にしていいんですかということが、私、真剣に考えなければいけないんではないかと思う。
 だから、年金の削減で日本経済にどんな打撃が加わるか。二・二%抑制するということは、これは一兆円以上の年金給付が減るということになるわけです。特に、地方では、これは県民所得のかなり大きな部分を占めているわけですが、これは、年金給付額がその県における民間消費の二割を超えている県名、どのくらいありますか、挙げてください。
#213
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚労省の厚生年金保険・国民年金事業年報とか内閣府の県民経済計算に基づいて計算をいたしますと、平成二十三年度において二〇%を超える都道府県は、島根県、山口県、佐賀県、奈良県、鳥取県、愛媛県、岐阜県の七県でございます。
#214
○小池晃君 大臣の愛媛県もそうなんですよ。地域の民間消費の二割は年金占めているわけですよ。それ削ることは私、地方経済にとって大きな打撃になるんだと思うんです。
 しかも、マクロ経済スライドによる年金給付の抑制がいよいよ今年から行われる。これ今年で終わりでないわけで、基礎年金でいえば少なくとも二〇四〇年代まで抑制が続きます。
 計算してみました。政府は再来年四月に消費税一〇%増税を強行すると言っているわけですが、それによって起こる物価上昇分だけを想定して今後の物価と年金水準を推計すると、こういうグラフになります。物価は消費税の影響だけで今後だんだん上がって、一・九%上がってまいります。これ、消費税の増税の影響だけを計算しました。年金には最大で一・一%のマクロ経済スライド掛かるので、ずっと据え置かれたままになるわけです。その結果、二〇一九年度、年金水準と物価上昇の乖離は四・一%。繰り返しますが、これは消費税の増税分だけを見込んでいますから、これは物価が更に上がればこの乖離はますます広がっていく。
 こういうことをやっておいて、何が百年安心なんですか。もう本当に年金世代の不安はどんどん増していく。年金で暮らしていけない日本になってしまう。これでいいんですか。
#215
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の問題点は、基本的な大枠は総理から答弁したとおりでありますが、今お示しをいただいたこの数字は、考え方はそのとおりかも分かりませんけれども、まあ、このようになるかどうかはまた別問題でして、ただ、大事なことは、先ほど現役世代の保険料支払と受取の年金受給額の話だけをおっしゃいましたが、何度ももうこれ総理から申し上げたように、やはりこれは、将来もらう方々も含めて、それこそ五十年、百年の先まで考えた上でどうなのかということを考えなきゃいけない。
 それが実は、先ほどどんどん年金に対する信頼を失うぞと、こういうお話でありましたが、やはり先をちゃんと見据えるという意味でマクロ経済スライドのこの法案を通して、さきの民主党政権もこれを、かつては否定していましたけれども、政権時にはこれをやっぱり、いや、踏襲すべきということになったわけでありまして、やはり将来世代の受取も考えた上で今の世代の年金保険料支払とそれから受取の年金額とをそれぞれ少しずつ我慢をする形でやっていく。
 しかし、そうは言っても、その所得代替率は五〇%、先生は否定されますけれども、五〇%ということでつくって、なおかつ、もしそれが均衡しないということになったときにはまた必要な見直しをすることになっていますが、しかし、少なくとも、去年の財政検証をやってみても、日本経済が再生をし、女性や高齢者の労働市場への参加が進めば所得代替率五〇%を確保できるということが確認をされているわけでありますから、大事なことは、経済政策とセットであって、例えば年金額だけで全ての生活を守るというようなことでやっているわけではないので、やはりこれは、年金制度そのものを支えるためには、デフレ脱却を図りながら賃金を上げ、そして経済の再生も上げて、労働参加も上げていく中で、同時に少子化あるいは子育て対策をすることが実はこの制度そのものを守るんだということであることも言わなきゃいけないというふうに思います。
#216
○小池晃君 ちょっと、中身ないのに答弁ばかり長いのやめてくださいよ、もう。私が言ったことに全く反論できていないですよ。だって、五〇%を維持するって、そうなっていないと言ったのに全く反論できていないんだから。もうそういったことはやめてください、そういうことを言うのは。
 それで、将来世代、将来世代と繰り返すけれども、マクロ経済スライドというのは将来になればなるほど効いてくるんですよ。私なんかの世代でいうと、もう一千万円ぐらい生涯年金受取減る、そういう仕組みつくったじゃないですか。だから、通した、通したと言うけど、あれ強行採決でやったんですよ。今まで実施できなかったものを、いよいよ今年、今月から発動するというわけであります。
 しかも、マクロ経済スライドというのは高額な年金だけに掛かるわけではありません。これは基礎年金にも掛かるわけで、これが今後三十年以上抑制されることになれば、政府の社会保障審議会でも、基礎年金の水準低下が大き過ぎて年金としての機能が失われるという、そういう声だって出ているじゃないですか。そういったことに耳を貸さずに、とにかくもう、あなたの方が年金のこと、年金財政の帳尻合わせしか考えていないですよ。日本経済全体のことを考えれば、こんな年金削減やったら経済は壊れるんだと私は申し上げているんです。
 しかも、今月から介護保険料も上がります。
 財務省の試算によると、現在全国平均で月約五千円の六十五歳以上の介護保険料、月五千五百五十円に上がります。実際には、月六千円を超えるところが続出します。政令市、県庁所在地、東京二十三区の三割に当たる二十一自治体で、例えば大阪市、京都市、新潟市などで月六千円を突破する。年金天引きで徴収される介護保険料が上がれば、手取り年金更に減ります。消費税増税、アベノミクスによる物価高騰、年金削減、介護保険料の値上げ、さらに医療や介護の自己負担増、三重苦、四重苦、人によっては五重苦、六重苦ということになる。
 昨年六月の骨太の方針二〇一四では、医療、介護を中心に社会保障給付について、いわゆる自然増も含め聖域なく見直し、徹底的に効率化、適正化していくとしました。
 総理、この基本方針の下で作られたのが今年の予算ですが、社会保障予算の削減項目を並べてみると、合計で三千九百億円になります。今日の質疑で与党議員も危惧を表明した介護報酬の引下げ、介護利用料の二割負担導入、医療では協会けんぽの国庫補助引下げ、七十歳、七十一歳の窓口負担二倍化、年金の削減、そして生活扶助基準の引下げや冬季加算、住宅扶助の見直し。
 総理、社会保障のための消費税増税だと言いながら、増税した翌年にこれだけの社会保障予算の削減、国民が納得すると思いますか。総理にお答えいただきたい。もういいです、厚生労働大臣いいです。
#217
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、まさに年金というのは法律にのっとってしっかりと制度設計の上において給付と負担のバランスを取っていかなければならないわけでありまして、まさに平成十六年の改正の際に、給付と負担のバランスを取るという中において、マクロ経済スライド、これは生産人口と平均寿命等々の要素を入れて、言わば給付と負担のバランスを取り、そして将来世代と今もらっている世代との不公平をなくしていくという観点から導入をしたわけでございまして、それはしっかりと実行していくことこそがこれは年金の安定性に私はつながっていくと思うわけでございます。
 確かに、小池委員が言われたように、年金の給付を増やしていくことによって消費を増やしていく、そういう考え方はございますが、しかし、年金の給付については、これはやはり年金のしっかりと設計の上において給付と負担のバランスを取っていくという考え方が必要であって、経済の要請において給付をこれは恣意的に調整すべきではないかと、こう思うわけでございます。
 いずれにせよ、そういう意味において、必要なことを我々は行っているということは申し上げておかなければならないと。と同時に、消費税を三%引き上げたことによって、充実分については一番最初の冒頭の御説明でお話をさせていただいたとおりで、しっかりと拡充にも取り組んでいきたいと、こう考えているところでございます。
#218
○小池晃君 質問に全く答えてない。私が示した来年度の社会保障予算の削減、これが納得できるかというのに全く答えられないんですよ。
 やっぱり、消費税を増税しておいて、これだけの社会保障の削減をどおんと盛り込む、こんなことが国民の納得が得られるわけがないわけですよ。やっぱり、財源、財源というふうによくこの社会保障の問題で言うけど、私は根本的に財源の考え方は間違っていると思う。
 やっぱり、これ見てください、不公平があるわけですよ。所得税、これ所得階層別の税負担率、これ見てください。所得税というのは累進課税ですから、本当は所得が多くなればどんどん負担率高くなるはずのものが、これ一定の水準を超えるとどんどん下がっていく、これが今の実態ですよ。
 それからもう一つ、法人税。これも税率が大企業になればなるほど下がっていく。これなぜかというと、結局、ほとんど大企業しか使えないような様々な減税措置があるから、だからこれ下がっていくわけですね。
 ここを正す改革をやれば、私は、負担と給付、負担と給付と言うけれども、みんなが負担しているわけじゃないんですよ。負担してない人がいるんですよ。ここにしっかり負担を求めれば、負担と給付を立て直して安定した社会保障をつくれるんだと。
 例えば、トヨタ自動車一社だけで研究開発減税は千二百億円の減税がやられているんですよ、千二百億円、一社だけで。介護報酬削減による国庫負担の削減額、これ千百三十億円ですよ。だから、介護報酬削減によって浮く国庫負担と同額の減税がトヨタ一社にやられているんですね。
 私は、これはちょっと政治の方向が違うんじゃないだろうかというふうに思うんです。やっぱり、こういったところをしっかり見直してきちんと負担をしてもらえば、私は安定した社会保障をつくっていくことはできると。逆に、こういう社会保障をどんどんどんどん貧しくするような改悪をやり、一方で消費税を増税し、そして法人税は減税する、こんなことをやっていたら、もうますます日本の社会というのは壊れていってしまう、政治の方向は間違っていると私は思います。
 法人税の減税は賃上げのためだというふうに、まあ聞いたら多分延々と言うと思うのでもう聞きませんけど、法人税の減税は賃上げのためだというふうにおっしゃるんでしょう。ただ、例えばトヨタでいえば、純利益は一兆円、内部留保は九兆円あります。しかし、今年の賃上げはボーナスも含めて五十億円。結局、内部留保の二千分の一しか賃上げには回ってないんですよ。これが実態ですから、大規模な、十分な体力のある大企業には減税をして、こういった形で社会保障は削減をし、社会保障のためだと言って消費税の増税を庶民に押し付ける、こういうやり方は許されないというふうに思います。
 私ども日本共産党は、この社会保障の財源、消費税ではない別の道でつくっていこうではないかという提案をしています。税というのは負担能力に応じて負担をするのが大原則ですから、やはり所得税、法人税、きっちり累進課税の構造でやっていく、不公平を正していく、それで財源をつくる。あわせて、一人一人の所得が増やすような、そういう経済改革をやって財源をつくっていく。この道しかないというせりふはこういうときに使うせりふだというふうに申し上げて、質問を終わります。
#219
○委員長(岸宏一君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#220
○委員長(岸宏一君) 次に、アントニオ猪木君の質疑を行います。アントニオ猪木君。
#221
○アントニオ猪木君 危なく元気ですかと言いそうになりました。でも、これを言わないと私はどうしても自分自身が元気出ないんですが、まあここのルールに従って。
 それで、ちょうど春もやってきました、桜も。寅さんが幾ら呼んでも、勝手にさくらはやってきたと、お兄ちゃんと、知らないかな、寅さんの。
 そういうわけで、今日はちょっと未確認飛行物体ということを、この間、メキシコ大使館の仲間と食事をしていたら、ちょうどポポカテペトルという火山に葉巻型のUFOが入っていく写真を見まして、いろいろ話を聞くと、大変あちらでも話題になり、また世界的にも話題になったんですが。本当はその写真を持ってくればよかったんですが、なかなか著作権の問題があったりとかということで。
 私も、十四歳のときにブラジルに移民をしたときに、ちょうどコーヒー園で働いた後、夕方空を眺めていたら、地平線から光ったものが来てすっとまた反対側の地平線に消えていったという、そんなことがありまして。
 また、二〇〇二年のときですかね、アマゾンジャングルを守ろうという環境イベントなんですが、そこでマナウスという町から五十キロぐらい奥へ入ったアリアウホテルというのがありまして、そこの宴会場を大きく拡張しまして格闘イベントをやったんですが、そのときの興行を手伝ってくれた人間が、知事の関係だったんですが、農場をやっているのでその農場を見てくれと。アマゾン道路をずっと走っていきましたところ、彼がいきなり車を止めたので。で、いきなり、君はUFOを信じるかと言うから、いや俺は信じるよと言ったら、実はということで、二、三十メートル先を指を指して、あそこに宇宙人らしきものが横切っていったんだよ、この話は誰にしてもみんな信じてもらえないのでみんなにしないんだけどということだったんですが。
 まあ、これは見た人しか言えませんが、いろんな、宇宙人にチップを入れられたという人もいるし、私の知り合いの中にもそういう方がおられますが。本当に、何でしょうね、これから先のものですから、全く、見た人は見たと言えるでしょうし。
 そういう中で、皆さん本当に、また猪木がとんでもない話をするんじゃないかと思われているかもしれませんが、今挙げたそういうような未確認飛行物体という、まあいろんなところ、日本でもそういう話題もありましたが。先日もちょうど衛星チャンネルを見ていると、まあこの番組が非常に多いんですね、この手の、衛星の。
 さすがに宇宙人はいるのかいないのか、それも私には分かりませんが、考え方を変えれば、何かが領空侵犯をしているということになります。そんな中で、いわゆるUFOについて宇宙探査の何か情報がいろいろあるのかないのか、ロシアとかあるいはイギリス、フランス、アメリカも一部その情報を公開しましたが、その辺の、今までにスクランブルを掛けたことがあるのか、またその辺の研究をされているのか、お聞きしたいと思います。
#222
○国務大臣(中谷元君) 航空自衛隊では、我が国領域上空に侵入のおそれのある正体不明の航跡を探知した場合には、必要に応じて戦闘機を緊急発進させ、目視による確認をすることとしており、鳥等の航空機以外の物体を発見することはあるものの、御指摘の地球外から飛来したと思われる未確認飛行物体を発見した事例については承知をしておりません。
#223
○アントニオ猪木君 次に、前回もちょっと質問をさせてもらいましたマララさんの来日ということで、彼女も今多分受験中だと思うんですが、いろんな方に今お話をして根回しをお願いしています。
 そして先日、アメリカのミシェル大統領夫人が来日され、途上国の女子教育支援についてという講演をされましたが、私もマララさんに会いに一月に行ってまいりましたが、お二人とも途上国の子供たちの教育ということには大変同じ願いと熱心に運動をされていると思います。
 世界にはまだまだ男尊女卑が残っていて、女性や子供の立場が弱い地域もたくさんあります。といっても私も戦中派なんで、どちらかというと男尊女卑のあれがあるかなと一生懸命反省をしていますが。私も、日本から向けて、総理の言う女性が輝く社会、実現することを願っております。
 そこで、マララさん、そしてまた、我が国に来ていただくこともそうですが、それぞれの国の事情が違うということもありますので、その辺をどのように総理は御理解されているか。
#224
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員がお話をされましたマララさんは、女性が教育を受ける権利についてずっと強く主張されまして、そうした主張を続けると命を奪うぞという、そうした脅かしにも屈せずにその必要性を訴え続けた。まさにその意味で、勇気とその意志に多くの人たちが感動したんだろうと、感銘を受けたんだろうと思います。
 教育は、まさにその国に住む人、世界の人々にとって未来を形作っていくものであります。同時に、他者や異文化に対する理解を育み、平和を支える礎ともなると思います。我が国も積極的平和主義の下、教育分野を重視をしておりまして、全ての子供たちに質の高い教育をという考えを柱の一つとして様々な支援を行ってきています。こうした考えはマララさんの訴えと通じるものがあるのではないかと、このように思います。我々も、今申し上げた考え方にのっとってしっかりと教育の支援を行っていきたいと思います。
 マララさんは、ノーベル平和賞を受賞して以来、世界中を大変忙しく飛び回っておられますが、そう遠くない将来に日本を訪問され、教育の重要性について話をしていただければいいなと、このように思っております。
#225
○アントニオ猪木君 次に、NHK教育放送についてお伺いをしたいと思いますが。
 かつて、私はプロレスラーでした。プロレスのリングというのはベビーフェースとヒールがありまして、その悪役というかヒールが個性が強ければ強いほど興行は盛り上がるということで、ファンも熱くなりますけど、籾井会長が答弁に立つと、民放の放送のニュース番組の視聴率が上がるということを聞いております。まあ、その辺はどうかは分かりませんけれども。ある意味では、世の中全体がヒールが少なくなってしまったので、籾井会長の質問に対してはまた別ですが、とにかくそういうような個性化というものは大変今、日本にとって大事ではないかと思います。
 NHK教育放送に、本題のお尋ねをしますが、世界で教育を受けられないへき地に住む子供たち、テレビを使ってまた放送を届けることができないのかと昔から考えておりますが、確かに教育ということは簡単に言えますが、本当、私などもブラジルあるいはいろんな世界中を回ったときに、実際に教育というだけじゃなくて、そこの環境に行けないような子供たちが世界中にたくさんいるわけですね。
 そこで、私もNHKの放送番組見ています。今になって勉強しなきゃいけないのかなと思いながら、大変意義のある番組があるなと思って見ておりますが。その辺のこれからの技術ですが、NHKが衛星放送、今世界に飛んでいますが、その辺の、例えば行かなくてもそこで、これからテレビはもう十分どこにでも普及できますので、そのテレビを見ながらそういう教育を受けたいと思う人が教育を受けられると。そういう意味で、そういう言語をいろいろ使った衛星放送をこれから発信していくような考え方はどうでしょうか。
#226
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 今委員がおっしゃったように、世界のへき地といいましょうか、そういう未開のところの子供たちに我々のNHKの教育テレビが届いて、みんなに役に立ってもらえば大変いいと、有り難いというふうに私どもも思っております。そういう中で、NHKは教育番組がODAの無償提供や番組販売などを通じまして途上国の子供たちに届くように取組を続けております。
 さらに、平成二十五年度はODAを活用させていただいて、南米のエクアドル、アフリカのボツワナとブルキナファソに対しましても、中学生の理科であるとか宇宙デジタル図鑑など、NHKの教育、教養番組が千三百九十四本提供されました。これらは現地の放送局の協力で現地の言葉で放送されております。このほか、Eテレの人気番組「大科学実験」がブルネイ、ミャンマー、イランで放送されるなど、NHKの科学分野の教育コンテンツは人気があるわけでございます。
 半世紀余りの歴史、NHK教育テレビは五十六年になりますけれども、そういうものを持っておりますNHK教育放送としましても、今後も途上国の放送局に番組を提供したり、制作ノウハウを伝えるなど、各地の子供たちにより良い教育コンテンツが届くように努力してまいりたいというふうに思っております。
#227
○アントニオ猪木君 NHKの予算が有効に使われることを願っております。
 次に、今日は何の日でしょうか。四月一日なんです。ということで、エープリルフールですね。今日は総理をびっくりさせようかなと思って考えてきましたが、地域創生と関係しますが、阿東牛って御存じですか。ええ。安倍総理の地元の山口県に、阿東牛という高い評価を受けている和牛がいるんです。飼育されているのも、今御存じだとうなずいていただきましたが、何度か側近の方からも送っていただきました。食したところ大変おいしくて、また送ってくださいと言ってもその後は来ませんけど。
 いろんな地域を回りまして、私なんかが有り難いことにしゃべった一言が新聞やテレビに載るとそこが活性化するという、いろんな私が行ったお店が繁盛したとかということをよく聞きます。今、本当にその阿東牛も減少の一途をたどっていた。ここのところは増産がなされているようで、大変喜ばしいと思います。
 まず、今後の食料自給率、食料安全保障、地域の特産、地域創生につながる戦略をお聞かせ願いたいと思いますが、今、日本の自給率は、もう既に何回か皆さん表に出されてお話があったと思いますが、本当にこれからは一番、確かに人の紛争もあります、同時に食料の分捕り合戦という日本の生きていくための基本、そういう意味では日本の本当に輸入とかいろんなものが偏ったり、その辺のことを含めて是非お聞かせください。
#228
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 阿東牛が出ましたので私から答弁させていただきたいと思いますが、阿東牛は山口市の阿東地区で育成される和牛でございまして、大変数が少ないわけでございますが、地元の皆さんの工夫で、開発努力で、販売する長門峡の道の駅では消費者の評価は非常に高いと伺っております。私はいただいたことはございませんが、自分のお金で買って食べたことがございますが、大変おいしいということは申し上げておきたいと思います。
 地方を元気にしていくためには、そうした地域の特産品の販売強化などを通じて地方経済の中核を成す農業の振興を図っていく必要があります。また、食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国民に対する国家の最も基本的な責務であると思います。国内農業生産の拡大を図り、食料自給率と食料自給力を共に向上させていくことが重要であると考えています。
 このため、安倍内閣では、農業の成長産業化が図られるよう、農地集積バンクの創設、輸出、六次産業化の推進など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてきたところであります。さらに、今般、農協、農業委員会、農業生産法人の三つの改革を一体的に行いまして、意欲ある担い手と地域農協が力を合わせ、創意工夫を発揮して農業者の所得向上に全力投球できるようにすることとしています。
 阿東牛のケースもそうであります。また、葉山牛というのもございますが、葉山牛は炊いた御飯を食べさせていくことによって大変これはジューシーな肉ができるということでありまして、もうあっという間に売り切れるというものだそうでございますが、昨日閣議決定をいたしました新しい食料・農業・農村基本計画においては、こうした農政改革を進めていくことによって、十年後の食料自給率を、カロリーベースでは現状三九%から四五%に、金額ベースでは現状六五%から七三%に引き上げる目標を設定をしているところであります。
 さらに、食料安全保障の議論を深める観点から、国内の農地を最大限活用した場合にどこまで供給できるかを表す食料自給力指標、これが大変大切だと思うわけでありまして、農地をたくさん造っても、そこで例えば花を作っていたり、あるいは野菜を作っていたんであれば、ほとんどカロリーベースではゼロに近くなるわけでありますが、だからといってそこをいざというときに活用できないわけではないわけでございます。当然、どういうものを作っていくかということは市場の、あるいは消費者のニーズによるものであります。そういうこともやはり考え合わせていく必要もあるんだろうと、こう考え、真の意味での食料安全保障という観点からもこの食料自給力指標というのは大変重要だと思っております。
 いずれにいたしましても、農政改革を進め、消費者ニーズに応えた強い農業をつくり上げていけば、農業の可能性は広がり、農業、農村全体の所得も増えていくものと考えております。
#229
○アントニオ猪木君 総理が牛に詳しいとはびっくりしました。
 私も、かつてブラジルで農場をやって、サトウキビから牛の餌とか、また沖縄でも牧場をやっておりました。そんなことで畜産ということに大変興味もあり、まあ畜産だけではありません、今総理が言われた食料事情ということにも。
 そこで、次に、大変いつも不思議に思っているんですが、議場で飲料水についてという。誰も皆さん言わないのかもしれませんが、かつてプロレスの稽古のときに、もう汗を絞って絞って、そしてそれでも水を取らせてもらえないと、先輩たちに。最近では、でもその辺が変わってきて、マラソンの放送を見ていても五キロ置きに水を補給し、その補給の仕方によって最後体力がもつかもたないかという、解説者が言っていますけれどもね。本当に、本会議場であの長い時間座っているのも大変ですよ、狭い箱の中で。そう思いませんかね。でも、これもここのルールですからね。
 ただし、なかなか決まったルールを変えていくというのは大変なことだと思いますが、この人間の体が六〇から七〇、もう御存じだと思います、水でできていますし、そういう中で我々が適当に水を補給していくというのも大事だと思います。
 そんな中で、知恵を絞って、本会議場の、なかなかざわついてもまずいし、かといって外もどうなのか分かりませんが、とにかく水飲むところがないんですね。今、水道水は飲めませんからね。昔だったらトイレへ行って水飲みました。その辺のことについて意見をお聞かせいただければと思います。
#230
○参事(岡村隆司君) お答えいたします。
 従来、参議院の本会議場では演壇等に限って水差しを用意しております。
 いずれにいたしましても、本会議場内の取扱いでございますので、議院運営委員会理事会等の場で御協議いただく問題であるかと存じます。
#231
○アントニオ猪木君 次に、尊厳死と安楽死ということで質問をさせていただきますが。
 五木寛之さんが書いた「うらやましい死にかた」という本、ただ、私は、逆に羨ましい生き方の方がいいかなと思っておりますが。私も、祖父がブラジルに行くときに、パナマ運河を越えて、青いバナナを食べたのがもとで三日後に亡くなりました。でも、その前に我々をみんな呼び付けて、この運河の投資をしていたら俺は世界一の金持ちになったかなと、そんな話を目を輝かせながら我々に聞かせてくれたんですが、その三日後に、戦後初めての水葬だったそうです。
 そんな人との別れが随分私にはあるんです。師匠の力道山、そしてもう一つは、最初の娘がハワイに住んでいて、そこからモンタナというところにおじいちゃんがいて、母方の、そのおじいちゃんに最後に、がんで、お別れをしに行くということで、別れをして、それでポートランドという空港からハワイに向かう。それで、飛び立った瞬間に急変して、飛行機がサンフランシスコの空港に緊急着陸をした。そのときにはもう息を引き取っていた。
 私はそのとき同行していなかったんですが、そのような、本当に、人の別れというか生き方というか、さっき高齢化の社会、いろんな話が出ていますが、なかなかタブーとして触れちゃいけない部分。でも、その辺をしっかり正面から受け止めて、我々は、これからいい人生、そしてこれから超高齢化になっていく、そういう中で本当に真剣にそれは捉えたらいいんではないかと思います。
 また、我が国において、尊厳死にする、終末期医療について、これも言葉が大変難しいんですけど、現状はどのようになっていますか、お聞かせください。
#232
○国務大臣(塩崎恭久君) 尊厳死の問題でございます。
 一般的に、過剰な医療を避けて、尊厳を持って自然な死を迎えさせることというふうに言われているわけでありますけれども、何が過剰な医療なのかは一人一人の国民の生命観とか倫理観に関連する大きな問題で、幅広くこれは国民の間で議論をされなければならない問題ではないかなというふうに考えられます。
 こうした観点から、現在、超党派の国会議員によります終末期医療に係る法案の提出を含めた議論、意思表示があれば終末期の延命治療を開始しない又は中止をすることについて免責をされるといった問題などが議論をなされているものと私どもは承知をしておりまして、なお、人生の最終段階における医療については、患者、家族に十分に情報が提供された上で患者が医療従事者と話合いを行って、患者本人の意思決定を基本としてこの医療は行われることが重要であるというふうに考えておりまして、厚生労働省としては、超党派の今申し上げた国会議員の間での議論、それから国民の間での議論を踏まえつつ、人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
#233
○アントニオ猪木君 次に、参議院予算についてお聞きしたいと思いますが。
 我が国の予算については、国会で予算関連法案を通過させなければなりません。これは、執行と法律が別々だからと書いてありましたが、我が国では多数説、予算が政府を拘束するのみで一般国民を直接拘束しないこと、予算の効力は一会計年度に限られていること、内容的に計算のみを扱っていることなどの理由のほか、提出権が内閣に属すること、憲法七十三条五号、八十六条、衆議院に先議権があること、衆議院の再議決制が認められていないこと、憲法六十条一項と二項など理由を挙げて、予算を法律と異なる特殊な法形式であると解しています。実際には、明治憲法時代から予算と法律とは別々のものとして扱われており、そのため、予算と法律の不一致の問題を生じる。
 例えば、イギリスでは予算と関連法案が一体なので、すぐに執行できるとなっています。もちろん、一長一短はあると思いますが、何事にもスムーズに執行するためには一度考えてみる必要があるんではないかと思います。民間企業で例えて言えば、予算を立てなければ会社として成長、発展もないと思いますが、国民にとって最も直接的な影響のある予算なので早期に提出すべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
#234
○国務大臣(麻生太郎君) これは猪木先生おっしゃるように、予算といわゆる法律案というのは、憲法上、これは全く別個の議決形式ということになっております。間違いなくそうなっておりますので、その関連法案であります税法等々というものにあってはこれは別々に議決される、これはもうルールでそうなっております。
 傍ら、イギリスの方は、予算と関連法案が一体化されているために、成立後すぐ予算が執行できるということにできているんですが、例外もありますよ。過去五年間で見ますと、このところイギリスの場合は七月の半ば頃でき上がるんですが、五年ぐらい前には、あれは民主党内閣、五年ぐらい前だったと思いますが、あの頃は、たしか七月に予算は通りましたけれども関連法案は十二月ぐらいになったと思いますので、あのときはちょっとずれていると思いますが、それ以外はほとんど同日に上がるということになっております。
 それで、これはルールでそうなっておりますので、我々としてはどちらがいいということは申し上げるわけではありませんけれども、予算を執行する政府の立場の方からすると、それは、予算と関連法案ができるのはなるべく短い時期というのが、我々としては整合的な内容を持って成立するということの方が望ましいというのは、これは確かです。しかし、これは国会審議の在り方とかいわゆる憲法に関わることでもありますので、ちょっと簡単に答えが出せる話ではないということなんだろうと思っております。
 ただ、今般の予算におきましても、さきの衆議院選挙で十二月の十四日終了ということになりますが、直ちに対策に取りかかって十二月の十七日にはでき上がっておりますし、平成二十六年度の補正予算は一月の九日に概算を決定して、一月の十四日に二十七年度の予算も概算を行うなど、早期の予算編成と国会提出というのをなるべく早くするようにずっと努めてきたところでもありますので、そういった意味では、今回の二十七年度の予算に関しましても、今御審議をいただいている最中ですけれども、速やかに成立をするということがこれは経済とか景気とかいうものに与える影響は極めて大きいと思っておりますので、速やかな成立を期待をしておるところであります。
#235
○アントニオ猪木君 ちょっと時間が迫ってきましたので、ちょっとこの北朝鮮問題は次回に回しまして、キューバ外交。
 先日、キューバの副議長も来られて、私がキューバと関わりがあったのが、一九八九年に議員に当選してすぐにキューバに行きました。いろいろ各大臣とお会いしたり、最後にそれでカストロ議長とお会いする機会ができまして、いろんなざっくばらんな話をさせてもらった中で、パラオでもらった島にイノキ島という名前が付きまして、そのアイデアをキューバのカストロさんに出して、とにかく経済を発展させるならば、観光はすばらしい国だし、いろんな資源、海洋資源もあるし、そういう中でアイデアを出したところ、カストロさんが、じゃ、島は幾つでもあるからどれか選びなさいと言うので、選んだ島が、十八キロぐらいありますけれども、二十八キロかな、その島が、友人猪木の島という名前を付けてくれまして、その周りには何と七十五隻の沈没船が沈んでいるんですね。それで、その昔、バチスタ政権の時代に、前にそこに引き揚げた財宝を隠したという伝説があって、国会議員になってなけりゃそのサルベージ、それを今頃やっているときなんですけれども。
 まあ非常に今アメリカがやっと国交を始めるという段階に入ってきました。かつての、あの大統領の申し送りで、カストロ議長が生きている限りはアメリカは外交関係は結ばないというのがあったそうですが、その辺が今キューバとして、多分あの辺の小さな、この前、総理はトリニダード行かれて、その辺の中南米の諸国に中国の資本やいろんな力が入っている、その辺を見据えた上で、アメリカもいよいよ腰を上げなきゃいけないのかなという感じだと思うんですが。
 それについて、いずれ宝の話はまたさせていただきますが、アメリカとキューバの国交回復に向けた兆しが見えてきたということについて日本はどのように見られていますか。
#236
○国務大臣(岸田文雄君) 米国とキューバの外交関係再構築に向けた協議に関しましては、二〇一四年十二月十七日、ラウル・カストロ・キューバ国家評議会議長、そしてオバマ米大統領、それぞれ議論の開始を発表いたしました。そして、これまで三度高官協議が行われたと承知をしています。
 そして、米国政府は、この協議の開始に当たって、米国による長年のキューバを孤立させようという政策が、民主的で繁栄し安定したキューバの出現を促進させることができず、同じことを続けて異なる結果を得ることはできない、こういった説明をしていると承知をしております。
 そして、我が国の立場ですが、我が国としましては、両国の関係改善を通じた地域の一層の安定に資する動き、これを歓迎しております。引き続き動きを注視していきたいと考えます。
#237
○アントニオ猪木君 次に、スポーツ省新設についてお伺いしたいと思いますが、かつてロシアの、これも八九年、ロシアが鉄のカーテンという時代でしたが、あのときにロシアの選手をスカウトしてプロにデビューさせたり、あるいは世界チャンピオンになった、若しくは御存じかもしれませんが、勇利アルバチャコフとか、それからナザロフという二人、これも二人とも世界チャンピオンになりましたが、そのほかにチョチョシビリとか世界的に有名な選手がいますが。
 私が前に国会議員をやっていたときに、安倍、お父様の晋太郎さんにかわいがってもらって、スポーツ省の設置という話をしたときに、猪木さん、そのことはとにかく言い続けなさいと言われたのを非常に強く記憶しているんですが、その後政治から離れていましたからあれですが、そのいよいよスポーツ省も動き出し、聞くところによりますと、いつですかね、十月ぐらいに発足ということを聞いておりますが、その辺について、是非、早くスポーツ省ができて、まだまだいろんな質問はしたいんですが、取りあえず形ができて、そこからまたいろんな方向に動いていけばいいかなと思いますが、それについて御意見をお聞きします。
#238
○国務大臣(下村博文君) スポーツ庁の設置につきましては、平成二十三年に議員立法によりまして全会一致で成立したスポーツ基本法、そして昨年六月のスポーツ議員連盟プロジェクトチームからの提案等も踏まえまして、文科省の外局として新たにスポーツ庁を設置するための法案を今国会に提出させていただきました。法案が成立させていただければ、御指摘のように十月、設置をする予定でございます。
 このスポーツ庁は、スポーツに関する基本的な政策の企画立案や各省の施策を調整する権限を有することとなっておりまして、スポーツ庁の設置によって、スポーツを通じた健康増進や地域活性化、あるいは国際的地位の向上など、スポーツの役割を一層高めていくための体制構築することが可能となってくると思います。
 特に、近年、我が国の医療費総額が年間で約四十兆円にも上っているところでございまして、運動で抑制できる医療費が全体の約七・七%もあるという調査結果もあります。
 このように、スポーツは医療費を抑制できる可能性も秘めております。スポーツを通じた健康増進の取組を進めることによりまして、健康寿命が平均寿命に限りなく近づくような社会の構築も目指してまいりたいと思います。
#239
○アントニオ猪木君 最後に、総理が言われる、この道しかない。この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし、踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる、迷わず行けよということで、今日はありがとうございました。
#240
○委員長(岸宏一君) 以上でアントニオ猪木君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#241
○委員長(岸宏一君) 次に、和田政宗君の質疑を行います。和田政宗君。
#242
○和田政宗君 次世代の党の和田政宗です。
 まず、社会保障の質問に入る前に、先日、村山談話に関する質問主意書に対して答弁書が返ってきましたので、それについて聞きます。
 私の質問主意書は、戦後五十年の村山総理大臣談話について、談話の中で述べられている植民地支配、侵略について、我が国が行ったどのような行為を指すものなのか、そして定義は何かと聞いたものですが、これに対し、閣議決定を経て出てきた答弁書はちょっと驚くものでした。
 こちらのパネルを御覧ください。(資料提示)答弁書の内容を記しています。
 答弁書で植民地支配と侵略についてどう答えているかといいますと、植民地支配及び侵略の定義については様々な議論があり、お答えすることが困難であるというものです。すなわち、定義できない文言を村山総理談話で使っているということになります。
 私は総理大臣談話の中に定義できない文言を使っているのは問題ではないかと思いますが、国の見解を聞きます。
#243
○国務大臣(岸田文雄君) 本年三月二十日に閣議決定しました御指摘の答弁書におきましては、植民地支配や侵略といった言葉の定義について様々な議論があることから、我が国が過去に行ったどのような行為が植民地支配や侵略に当たるのか、また当たらないのかについて明確な答弁を行うことが困難であることから、そのような趣旨のお答えをした次第であります。
 他方で、この定義について様々な議論があり、お答えしにくい文言であっても、その趣旨は十分に理解され得るものであることから、問題であるという御指摘は当たらないのではないかと考えております。
#244
○和田政宗君 では、総理大臣談話以外の広く外部に向けて発出する政府の公文書に定義できない文言を使うことはできるんでしょうか。
#245
○国務大臣(岸田文雄君) これは一般的な御質問になりますので、外務省だけで包括的にお答えするのは困難ではありますが、いずれにせよ、政府が作成する公文書におきましては、一般的な意味でその趣旨を理解し得る文言が使われているものと認識をしております。
#246
○和田政宗君 定義できない文言が使えるか使えないかについて明確なお答えがなかったですけれども、これ、例えば定義できない文言を公文書で使っている場合に、外国からその言葉の定義は何ですかと聞かれて、いやいや、それは実は定義できないんですけれども使いました、趣旨を御理解くださいというのは、これ対外的信用をなくしてしまうと思うんですけれども、それでも定義できない文言も使えるということなんでしょうか。
#247
○国務大臣(岸田文雄君) 例えば、先ほどの答弁書の例で申し上げるならば、定義について様々な議論があり、お答えしにくいわけですが、その趣旨は十分に理解し得る、そういったことからそのような文言を使っているわけであります。
 このように、一般的な意味で趣旨を理解し得る文言が政府が作成する公文書において使われる、これはあり得ると認識をしております。
#248
○和田政宗君 では確認ですが、定義できない文言を使って総理大臣談話を出すことが可能だということですね。
#249
○国務大臣(岸田文雄君) 例えばこの村山談話の作成当時も、政府として何らかの定義を行ったとは認識をしておりませんが、先ほども述べたとおり、当時において、また現在においても、これらのこの文言の趣旨は十分に理解され得たものであったと考えております。
 ちなみに、あの村山談話で申し上げますならば、平成七年十月十二日の衆議院予算委員会の議事録を見ますと、村山総理御自身が、この侵略という言葉の解釈にもいろいろなやはり意見がありますから、それほど固定してこれが侵略だといった定義はないんではないかというふうに私は思っておるわけですという答弁をされておられる記録が残っております。
#250
○和田政宗君 定義できない文言でその趣旨を理解してくれということなんだけれども、じゃ、侵略と植民地支配については何なのかと問われたら定義できないということで、これ堂々巡りになってしまうんですけれども。
 これは、村山総理以前も一部、侵略、植民地支配という文言を使った総理もおりますが、総理大臣談話など外部に広く発出されるものにはそれまでそうした文言は盛り込まれておりませんで、明らかに、村山総理は戦後五十年の談話に盛り込むことで政府見解として飛躍した文言を既成事実化しようという意図が見られるというふうに思います。
 こちらのパネルを御覧ください。これは、「そうじゃのう…」という村山元総理の本からの抜粋なんですが、インタビュアーが辻元清美氏で、村山談話についてこうしたやり取りがあります。敬称略でいきます。
 「辻元 大体あれは満足のいくものですか。」、「村山 まあまあ、あのときの情勢からすればぎりぎりじゃないか。「侵略的行為」と「侵略行為」。もっと「侵略戦争」とするかというような議論はあったわな。中国なんかでもだいぶ評価してくれたしね。だから、今、橋本さんが中国へ行って何かあっても、「あの談話を踏襲する」と言えばそれですむわけじゃけんね。」、「辻元 私たちも政府・自民党に迫っていくときに、「あの談話を踏襲しているんですよね」と質問を必ず予算委員会でもするんですよ。そうしたら、向こうは「はい、そうです」と。」、「村山 否定せんわな。」、「辻元 言わざるを得ないので。」、「村山 そうじゃ、そうじゃ。」、「辻元 一回やっておくと効果は大きい。」、「村山 それはそうじゃ。一貫してそれを否定できんことになるから。」。
 このやり取りを見ても、一人の総理の意思によって歴史的事実を飛び越えることができてしまい、それが既成事実化されてしまうというのが分かります。こうして、学者の中でも議論がある侵略、植民地支配という文言が総理談話に盛り込まれてしまったわけです。
 私は、日本軍の戦闘に巻き込まれて命を失ったアジアの方々がいることは承知をしており、本当に申し訳ないという思いは私も持っております。そして、他民族に統治されたことを快く思わない方々がいるということも認識をしております。しかし、侵略、植民地支配という文言については、歴史的事実から飛躍し過ぎているというふうに思います。
 安倍総理に聞きます。
 総理は、我が国が日露戦争から昭和二十年の終戦までの間に侵略、植民地支配を行ったという考えを取るんでしょうか。
#251
○国務大臣(岸田文雄君) まず基本的には、この歴史の問題については、政治家は謙虚でなければなりません。そして、歴史家や専門家に任せるべきであるとも考えます。その上で申し上げるならば、安倍内閣として、侵略あるいは植民地支配、こうしたことを否定したことは一度もないということであります。
#252
○和田政宗君 否定したことはないということは、植民地支配そして侵略ということについて肯定するということでしょうか。
#253
○国務大臣(岸田文雄君) 安倍内閣としての姿勢は今申し上げたとおりであります。基本的に歴史家や専門家に任せるべきでありますが、内閣として侵略や植民地支配を否定したことは一度もございません。
#254
○和田政宗君 文言の定義も含めて侵略だとか植民地支配というのは、その用語についていろいろな論があるわけで、私はこれ取れないというふうに思うんですね。
 村山談話の曖昧さもここまで明らかになったわけですから、新たな戦後七十年談話には、定義できない侵略、植民地支配という文言は盛り込めないというふうに私は思います。七十年談話には盛り込まないということで確認したいですが、総理は盛り込まないという考えでよろしいでしょうか。
#255
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは外務大臣からもお答えをいたしましたが、歴史の問題については、政治家は謙虚でなければならず、歴史家や専門家に任せるべきであると、このように考えています。そして、七十年談話についてでありますが、新たな談話の内容については、さきの大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために更にどのような貢献を果たしていくべきか、次の八十年、九十年、百年に向けて日本はどのような国になることを目指すのかといった点について、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えであります。
 先般、二十一世紀構想懇談会を立ち上げましたが、自由闊達な議論をいただくために、歴史や政治に造詣の深い学者、言論界、ビジネス界など、幅広い分野の様々な世代の方々に委員に就任をしていただいています。
 まずは、この二十一世紀構想懇談会において、二十一世紀の世界の在り方、その中で日本が果たすべき役割等について大いに議論をしていただきたいと、こう考えているところでございますが、盛んに、現在、どういう言葉を入れるかどうかということについて議論がなされているわけでございますが、まさに七十年を迎えて安倍内閣として談話を新たに発出するわけでございますから、まさに今申し上げた観点から新たに談話を発出をしたいと、このように考えております。
#256
○和田政宗君 文言についての村山談話の不自然さについては指摘をさせていただきましたので、総理おっしゃられたように、これからどういうふうな文言にしていくかということになるんだというふうに思います。しっかりとした総理談話が出ることを期待しております。
 次に、給付型の奨学金について聞きます。
 私は、日本人大学生に対する給付型の奨学金がないのは問題で、早急に制度を創設すべきだというふうに考えております。
 まずお聞きするのは外国人留学生に対する制度ですが、国費外国人留学生が四年間で日本の大学を卒業したときに、授業料の免除分を給付と捉えた場合、奨学金と合わせ、総額幾ら分の給付になるでしょうか。簡潔にお答えください。
#257
○政府参考人(吉田大輔君) お答えいたします。
 国費外国人留学生が学部四年間の支援を受けた場合、入学金、授業料四年分、毎月の奨学金四年分の総額は約八百万円となります。
#258
○和田政宗君 この奨学金の年間予算は百八十七億円ということですけれども、こうした外国人留学生への手厚い給付の一方で、現在国の制度では、日本人大学生に対する給付型奨学金がないわけです。
 日本人の大学生は、社会に出るときに二百万も三百万も借り受けた奨学金という名の借金を背負っているわけです。日本人大学生が給付型奨学金を受けられないのは、これ不公平だというふうに思います。給付型奨学金制度を創設すべきだと思いますが、文部大臣の考えはいかがでしょうか。
#259
○国務大臣(下村博文君) 元々この外国人留学生への支給については、昭和二十九年、六十年前から、国内の教育研究の質の向上、それから人材育成を通じた国際貢献、また我が国の産業発展や国際競争力の向上を図り国際的なプレゼンスを向上させ、我が国の国益に資することにつながるという国家戦略としての国費外国人留学生制度の外国人留学生奨学金給付を行い始めたというところがございます。これピークのときは一万人を超えておりましたが、今は八千三百人でございます。
 一方、日本人の海外に留学する支援についても、これも初め、これは平成二十三年のときからが急に数が多くなっていますが、今年度、平成二十七年度は二万二千二百七十人に対して給付をすると。ただ、金額が違いますので、予算規模は、百八十億に対してその半分以下でございますが、できるだけそれ以外にも「トビタテ!留学JAPAN」等を昨年から始めて、これは今年は千人規模ですが、日本人に対してもそのような留学する学生に対する給付をしていきたいと思います。
 国内の給付型奨学金をしろというお話でございますが、昨年から高校生は始めました。大学生は、今残念ながら有利子奨学金の学生の数が余りにも多いと。まず、これを無利子奨学金にしようということをしながら、そしてその後、これからは所得連動型返還奨学金制度にし、それから給付型奨学金も是非着手をしてまいりたいと思います。
#260
○和田政宗君 前向きな御答弁であったというふうに思います。是非お願いをしたいというふうに思います。
 次に、被災地の巨大防潮堤問題について聞きます。
 私は、巨大防潮堤について見直すべきだとこれまでにも述べてきました。これから建設されようとしているのは宮城県が事業主体となっているものが多くなっていますが、余りに巨大なものですので見直すべきだと、ソフトとハードをうまく組み合わせるべきというふうに述べているわけです。そうしましたところ、何と宮城県が主催する式典に私は呼ばれないという事態になりました。ほかの国会議員は呼ばれているのに私だけ呼ばれない。これまでに最低二回あったというふうに確認できているんですが、県の担当部署の課長に確認したところ、呼ぶか呼ばないかを決めたというのは知事だということなんですね。
 以前、予算委員会で初めてこの防潮堤の質問をした後にも知事から私の携帯に電話がありまして、内容については控えさせていただきますけれども、もう圧力とも取れるものでした。私は国会議員ですので、別にこうしたことがあってもどうってことはないんですけれども、知事や県による有形無形のプレッシャーにより住民が意見を言いにくくなっているという事実があります。これは沿岸の各地を歩いてお話を聞いていただければ分かるというふうに思いますし、三月十一日に放送されたテレビ東京のワールドビジネスサテライトで気仙沼の小泉地区について取り上げておりましたが、やむなく防潮堤計画を受け入れた住民が、気持ちで要らないと思っていてもいろいろあるんです、集団移転も控えており、県知事とけんかして得があるのかとインタビューに答えています。
 すなわち、防潮堤については住民と自治体が話し合って決めるべきことと総理も国交大臣もおっしゃっておりますけれども、現地では県知事や県の顔色をうかがってびくびくしながら発言できない住民もいるわけです。
 今日は、そういう宮城県の強引に突き進むという姿勢の中、県と国の調整ミスにより防潮堤の建設費用に一億円近くの追加負担が生じた事例を質問します。
 こちらのパネルにもあります気仙沼市の野々下海岸ですけれども、ここは国が造る防潮堤と宮城県が造る防潮堤が混在しています。国が造った防潮堤は、このように三角形なんですね。ここに宮城県が後から造る防潮堤を横にくっつけるわけですけれども、宮城県が造る防潮堤は実は台形で形が違うということで、国の防潮堤をわざわざ台形にするために八千二百万円の追加工事が必要になりました。
 宮城県が後から台形にすると言ってきたということですけれども、これ事前にしっかりと調整をできていれば防げたというふうに思うんですが、なぜこんなことが起きたんでしょうか。
#261
○国務大臣(林芳正君) 東日本大震災で被災した、今写真を見せていただいております野々下海岸ですが、着工前から林野庁と宮城県で高さ、構造等については十分に調整を行った上で、事業はそれぞれの担当部分について行うものの、同じ海岸線に沿って同一の構造によって防潮堤を復旧して、事業完了後は一体的に接続させる計画ということで、平成二十四年の十一月二十七日ですが、林野庁、宮城県合同で地元説明を行っておりました。
 このうち、林野庁実施の防潮堤については、地元の早期復旧への強い要望を踏まえて、また用地取得も要しないということがありましたので、県に先行して、当時の技術水準を基に平成二十五年二月から本体工事に着工して、同年十二月に本体が完成しました。
 一方、宮城県側ですが、林野庁が工事に着手した後の平成二十五年十一月に、宮城県の方で東日本大震災を契機として、防潮堤の耐震基準、これをより強化する見直しを行われたということでございまして、新たな設計基準で平成二十六年九月に着工したということでございまして、その結果、林野庁の方が今お示しいただいた直立型、それから宮城県が台形型ということで施工することになりましたが、この間においても林野庁、宮城県の間では具体的な調整を行っておりまして、事業完了後に連続した一連の構造物となるように、林野庁の方の直立型を県の構造、すなわち台形に合わせるということで、今般そのための必要な工事を行うことになったということでございます。
#262
○和田政宗君 これは、県の基準変更の基になっておりますのが、いずれもこの場所の国の防潮堤が着工する前に明らかになっていた国の指針ですとか通知ですとかガイドラインなどのはずなんですけれども、であれば、県がどのような施策を防潮堤について取るのか、しっかり聞いて調整して、初めから国の防潮堤も台形で造ればよかったんじゃないかというふうに感じますけれども、これ、追加費用、血税が八千二百万円更に投入されるわけですけれども、これ、追加費用が必要になったのは国の責任なんでしょうか、県の責任なんでしょうか。
#263
○国務大臣(林芳正君) この設計基準そのものは県が独自で作成するものであるということでございますので、その変更に当たっては、林野庁への相談はなかったということでございます。基準の見直し後、沖ノ田海岸について見直した基準に基づいて台形型で施工することとしたという連絡が二十五年の十一月中旬にあったということでございます。
 この連絡を受けて、県の基準の見直しと設計変更は地震に対する強度を増強しようというものであることから、その変更はやむを得ないだろうということで林野庁の方で判断をしたということでございます。
 その上で、林野庁の防潮堤についても同じ構造に変更していただけないかという依頼を受けたということでございますので、一連の構造物でありますので、設計を合わせるということが妥当だとこちらの方で判断をしたと、こういう経緯でございます。
#264
○和田政宗君 時間が来ておりますので一言だけですけれども、これ、ミスが生じて追加工事ということになりましたら、今の予算がもっと膨大になっていくような形になりますので、これはしっかりと調整していただきたいということと、この巨大な防潮堤事業というのは私は見直すべきだというふうに思いますので、改めて要望をしたいというふうに思います。
 終わります。
#265
○委員長(岸宏一君) 以上で和田政宗君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#266
○委員長(岸宏一君) 次に、渡辺美知太郎君の質疑を行います。渡辺美知太郎君。
#267
○渡辺美知太郎君 無所属クラブの渡辺美知太郎です。
 今日は、地方創生について議論が活発になされています。地域の自主性を尊重し、中央ではなく地方が主役ということであれば喜ばしいことと思います。
 一方で、地域によっては国から負担をお願いされているところもあります。今日のニュースにもなっておりますが、普天間基地の問題、福島の中間貯蔵施設、そして私が度々取り上げております福島第一原発事故により生じた放射性指定廃棄物最終処分場もその一つです。この最終処分場問題、遅々として進みません。進まないのは、地域の実情、意向を十分に酌み取れていないからだと私は申し上げてまいりました。放射性指定廃棄物最終処分場は、選定された地域に大きな影響を及ぼします。
 そこで、総理に、地方創生の観点も含めて、この処分場問題、なかなか進展しませんが、今後どのように取り組んでいくおつもりか、伺いたいと思います。
#268
○内閣総理大臣(安倍晋三君) また今後、詳細な質問については望月大臣からお答えをさせていただきたいと思いますが、指定廃棄物については、宮城県や栃木県など関係五県のそれぞれで全ての市町村長及び知事が集まる会議を開催し、候補地の選定プロセスなどについて地域ごとの事情を踏まえて丁寧に議論を積み重ねてまいりました。特に、宮城県や栃木県については、これまでも環境副大臣や政務官が関係自治体を訪問して説明を行うなど、国として丁寧な説明を行う努力を続けているところでございますが、今後とも、地方の声に真摯に耳を傾け、指定廃棄物の処理が進むよう努力をしていきたいと思っております。
#269
○国務大臣(望月義夫君) 指定廃棄物の関係でございますので、私の方からも答弁をさせていただきたいと思いますが、指定廃棄物の処理施設の設置につきましては、これは関係各県で市町村長会議を開催、市町村長会議というのはもうまさにそこの地域の代表者の皆さんでございますが、そこで丁寧にお話合いをさせていただいておるわけでございますが、詳細調査の候補地の選定プロセス、まずどこにするかというその決めよう、そのプロセスをまず決めていただいて、そして詳細調査の地元の候補地の選定プロセスが決まったところで、地元の声を聞きながら、このことについて丁寧に議論を重ねてまずきました。
 それから、このうち宮城県及び栃木県についてでありますけれども、この市町村長会議、代表者の皆さんにお集まりいただいて練りに練っていただいたところで選定手法を確定いたしました、これでやりましょうと。これは全ての市町村長の皆さんがお集まりいただいてこれを決めていただきました。
 それから、選定作業を行った結果、宮城県においては平成二十六年一月、あるいは栃木県においては平成二十六年七月にそれぞれ詳細調査を行う候補地を公表したところであります。これ、やはり県によって若干考え方が違いますので、宮城県においては栗原市深山嶽、大和町下原、加美町田代岳ですね。それからまた、栃木県は一か所を皆さんで決めようという形の中で、これは詳細調査をもちろんする場所でございますが、これは決定じゃございません、ここは塩谷町寺島入というところでございます。
 それで、これまで詳細調査を行う候補地の市や町からの御質問に真摯にお答えをしてくると。それからまた小里副大臣、我々のところのですね、福山政務官、何度かこの関係する自治体を訪問させていただいて説明を行う、そしてまた丁寧な説明を行う努力をこれしてまいりました。
 また、指定廃棄物の処理でございますけれども、詳細調査を行う候補地が所在する市や町の課題だけではなくて、これはもうまさに県全体の問題なんです。この町の問題とすぐ捉えるようでございますけれども、これは様々な、県の中にたくさんいろんなところに置いてありますから、これ県全体の課題であるということ、これ忘れていただきたくなくて、宮城県及び栃木県において県民向けの説明を近日中に、これ全体の説明会を行う予定でございます。
 今後も、先生、多分このことで、地元で聞きなさいということでございますので、真摯に耳を傾けて指定廃棄物の処理に努めてまいりたい、このように思います。
#270
○渡辺美知太郎君 しっかりと地元の意向を反映していただきたいと思っています。
 では、こちらのパネルを御覧ください。(資料提示)
 私は、これまでも最終処分場の候補地選定方法には不備があるということを指摘してまいりました。詳細調査候補地に選ばれた地域には明らかに処分場にはふさわしくない問題が存在しています。自衛隊の演習場がある、過去に大規模な土砂崩落事故が発生している、すぐ近くに環境省がかつて選んだ名水百選の水源地があるなど、これまでも質疑で取り上げさせていただきました。
 そして今回は、この選定方法、詳細調査候補地選定そのものの根幹に関わる問題が発生しています。最終処分場の詳細調査候補地選定の際に使用したデータそのものに一部欠落があったことが公表されました。なお、環境大臣が市町村長会議の話をされていましたが、市町村長会議にも使われていた資料にデータが欠落がありました。
 簡単に説明をしますと、処分場の選定の基礎的データとして、まずGISデータと呼ばれる、これは地理情報をデータ化したものを使います。図面ではなく、コンピューターの中に地理や地形情報がデータ化されたものです。過去に地すべりがあったとか近くに自然公園はないか、そういった条件をコンピューターに入力すれば容易に該当する地域が選定されるという非常に便利な方法ではあります。ところが今回は、そもそも判断材料として使ったGISデータそのものに欠落があったということです。
 例えば、自然公園特別地域は候補地選定の際に環境保護の観点から除外をされるのですが、環境省が選定の際に使用した国土交通省の国土数値情報には、栃木県に尾瀬国立公園の存在そのものが入っていませんでした。ちなみに、環境省のホームページには、尾瀬国立公園というのは群馬、福島、新潟、栃木の四県にまたがっているとちゃんと書かれています。環境省が適切な判断材料を用いたかという問題になってきます。
 次のパネルを御覧ください。
 これは、環境省が選定の判断材料に使用した、国土交通省が出している国土数値情報ダウンロードホームページの約款の抜粋です。この国土数値情報というのは広く一般にも公開はされていますが、使用に当たっては、このようにホームページに免責事項が付されています。
 この国土数値情報の精度について国土交通省に問い合わせたところ、都道府県で測定されたデータをそのままGISに載せており、そのデータの中身の精度については確認していない、処分場のような重大な問題の判定の想定はしていないということでした。
 これについて相違はないでしょうか、国交省に伺います。簡潔にお願いします。
#271
○政府参考人(松脇達朗君) お答えします。
 お尋ねの国土数値情報につきましては、国土交通省が収集した地理情報を数値化しまして、国土数値情報ということでまず内部的な使用をしておりますけれども、地理空間情報の活用推進の観点から、外部の方にもできるだけ積極的に活用していただくために国土数値情報ダウンロードサービスとして公開しているものでございます。
 この国土数値情報の基になるデータでございますが、国土交通省以外の団体が作成し、国土交通省が提供あるいは修正を含むものを受けたものも含まれておりまして、したがって、このダウンロードサービスの利用約款には全て最新のデータがそろっているわけではないこと、あるいは誤りがある可能性もあることを記載し、また、このデータをどう利用するかにつきましては、すなわち利用方法につきましては、利用者の判断と責任において行っていただくということにしております。
#272
○渡辺美知太郎君 そういうことで、判断材料そのものにそもそも間違いはなかったのかという話になります。環境省は除染や福島の中間貯蔵施設なども手掛けているため人手が足りないと、そこでこのような簡便的な方法を取ったのでしょうが、入口からして問題があったということです。
 やはりこのようなGISデータを用いたポイント制による詳細調査候補地選定方法には無理があるのではないでしょうか。選定方法そのものを見直すべきではないでしょうか。環境大臣に伺いますが、簡潔にお願いします。
#273
○国務大臣(望月義夫君) まずは、先生御指摘の今回のデータの欠落の件、これは関係者に混乱を与えかねない状況が生じたことを深くおわびを申し上げたいと思います。
 選定作業に当たっては、原図などの元データを用いてこれは目視でそれぞれ突き合わせることよりも、これらのデータをデジタル化をしたものを用いた方が、これはもう本当に膨大なデータでこれ調べていきますので、迅速に分析できると考えております。このため、市町村長会議における議論を経て確定した選定手法においては、基本的には全てGISデータというデジタルデータを用いるということにしたわけでございます。
 その意味では、GISデータを用いること自体の問題ではなくて、GISデータについて原典となるデータと突合するなどの、合わせるということですかね、確認を十分に行わなかったことがこれ問題であったと考えております。
 いずれにいたしましても、今後同じようなことを決して繰り返さないようチェック体制を強化して再発防止に努めていきたいと、このように思います。
#274
○渡辺美知太郎君 おっしゃるとおり、突合などをしていれば欠落に気付いたということもあると思っておりますが、やはり私は、中間貯蔵もして除染もやって、それでさらに五か所、最終処分、しかも、その五か所にとっては最終処分場ですから、これは重大な影響を及ぼす問題です。
 実は、GISデータ、原発の立地審査などにも使われます。原発の場合は実際に現地調査をして確認をします。これに対して、最終処分場の場合は、まずGISデータを用いた方法で詳細調査候補地を選定して、そこから詳細調査に入ります。そして、これまでの答弁で、環境省の見解では詳細調査候補地を最終的な候補地として選定できるものと毎回おっしゃっていますが、今回のようにGISデータに一部欠落があったと。
 そのGISデータを使うということに関して、詳細調査候補地が実質的な最終処分場になるという姿勢は変わりはないのでしょうか。
#275
○国務大臣(望月義夫君) この栃木県、特にお話をさせていただきますと、これは栃木県においてはGISデータについて既に原典となるデータの照合を行いまして、今回のデータの欠落以外については全て正しいデータを用いていたことを、これは確認をさせていただきました。
 それからまた、全て正しいデータに基づいて、今までやって出した業者だけではなくて、もう一度ほかの業者により選定作業を改めて行ったところであります。結果的には選定結果に影響がなかったということで、我々もそれは良かったなと、そういうことでございますが、少なくとも結果は、選定結果に影響はありませんでした。
 このため、特に栃木県においては選定作業をやり直すという必要はないと、このように考えております。
#276
○渡辺美知太郎君 栃木県の有識者会議ではまだ検証を進めている事項がありますが、その御認識はございますでしょうか。
#277
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。
 御指摘の栃木県の検証作業でございますけれども、栃木県におかれまして有識者から成る委員会をつくっておられます。そこで、私どもの選定プロセスについて、選定作業について、市町村長会議で確定したルールどおりに行われているかどうかということの検証をやっていただいておりまして、それがまだ継続しているということでございます。
#278
○渡辺美知太郎君 市町村長会議の話が出ていますが、そもそも、市町村長会議でも一部欠落したデータが用いられたと公表されていますが、そうなると、市町村長会議の有効性も場合によっては疑わしくはならないでしょうか。
#279
○政府参考人(鎌形浩史君) 先ほど大臣からお答え申し上げましたとおり、栃木県のデータにつきましては、全て原データと照合して、あるいはクロスチェックを行ったということでございますので、この結果については正しいものと考えてございます。
#280
○渡辺美知太郎君 随分自信があるなと思ってはいますが、まだまだ検証作業を続けていることでしょうから、しっかりと検証をしていただきたいと思います。
 今日は予算委員会ですので、放射性指定廃棄物最終処分場の振興対策の予算についても伺います。
 これは昨年も聞いたんですが、この放射性指定廃棄物最終処分場の問題、地域に重大な影響を及ぼします。にかかわらず、振興対策費は五県で合わせて五十億しか計上されていません。五県で五十億、つまり一県で十億。実は平成二十六年度も同じ金額で、当時は、なぜそんな金額なのかと問いただしたところ、ぱっと見積もったということで、五十億で何を造るんですかと聞いたところ、この五十億で道路を造るとか公民館を造るといった地元への影響を余り考えていないような答弁をいただきましたが、平成二十七年度も同じ考えなのか、どう考えてこの金額をそのまま計上したのか、経緯を伺いたいと思います。
#281
○国務大臣(望月義夫君) これまで五県で開催している市町村長会議等の場において、国に対して、指定廃棄物の処理施設を設置する場合の、これはそういうことになりますので、地域振興及び風評被害対策を示すべきとの意見を皆さんの方から多数いただいております。そういった地元の意見にやはり真摯に対応する必要があると。
 平成二十六年度予算において、指定廃棄物の処理施設を設置する場合の周辺地域振興等のための事業を支援する予算として、五県で五十億円を計上させていただきました。この予算につきましては、平成二十七年度予算においても同額を計上させていただいたところでございます。これは、五十億と数字で今ございますけれども、あくまで予算の枠ということでございます。
 これは、具体的な執行に当たりましては、処理施設を設置することになる地元自治体と相談、まだ地元自治体がしっかりとどこになるかということは確定はしておりませんし、そういう皆さんと話をする前に何をどういうふうにするかというところまで行きません。しかし、必ずやはりこの予算枠は取って皆さんにお応えしなくてはいけないということで、五十億を計上させていただきました。
 これはもう地元自治体と相談させていただき、地元の要望にやはり何としてもきめ細かく対応させていただきたいと、このように思っております。
#282
○渡辺美知太郎君 どうも特に考えられていなかったような答弁でもあります。
 私は、この最終処分場の問題はやはり片手落ちのように思えてなりません。GISに頼った手法で実質的に最終処分場まで決めてしまうと。先ほどもありましたが、ダブルチェックをすれば、突合すれば防げたようなことも起きている。それもしないと。
 それはやはり、除染や中間貯蔵施設もやっていた上で五県で各県処分もしなきゃいけないと。それでは最終処分の方もおざなりになってしまうと。何度も申し上げておりますが、本来であれば、福島第一原発事故によって生じた放射性廃棄物は復興とこれはセットで考えるべきだと私は思っています。
 今日は最後に、小泉進次郎政務官にもお越しいただいています。五県の最終処分のみならず、福島の中間貯蔵施設を含めて放射性廃棄物、今のやり方は、これは未来に取り返しの付かないことをしているのではないかなと私は危機感を抱いております。
 小泉政務官は、復興担当として福島の復興にも御尽力されていることと思います。しかし、この福島第一原発事故により生じた放射性廃棄物の問題は、どこかに押し付けるという発想が前提にあるような気がいたします。福島の中間貯蔵施設は、三十年後にどこに処分をするか全く決まっていない、それにもかかわらず決まってしまいました。これは私は未来への押し付けだと思っています。指定廃棄物の五県各県処分は安易な方法で、地方への押し付けだと思っています。
 私は三十年後何をしているか、皆目見当も付きませんが、三十年後も小泉政務官は活躍をされていると思っております。同じ三十代の政治家として、この放射性廃棄物の問題、未来に取り返しが付かないことをしているんじゃないか、御意見をお聞かせいただいて、私の質問を終えたいと思います。
#283
○大臣政務官(小泉進次郎君) 今、度々委員の方から未来というお言葉がありましたが、この福島県の中間貯蔵の受入れに関しては、二月の二十五日に、内堀知事、そして大熊町の渡辺町長、そして双葉町の伊澤町長、まさに大変重い決断でしたけれども、皆さん福島の未来を考えた上での大変重い決断だったと思います。
 その未来を考えた上での重い決断にしっかりと応えるべく、政府としては一丸となって、これからの整備、そして搬入、運搬、しっかりと取り組んでいくことが私はその決断に沿う政府としての取組だと思っていますので、これからもしっかりと復興に向けて全力で取り組んでいきたいと考えております。
#284
○渡辺美知太郎君 時間になりましたが、福島の中間貯蔵の経緯は私もよく分かっています。しかし、未来を考えたときに、当時は最善の方法を取ったのか、これをしっかりと考えてもらいたいと思っております。
 私の質問を終わります。ありがとうございました。
#285
○委員長(岸宏一君) 以上で渡辺美知太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#286
○委員長(岸宏一君) 次に、福島みずほさんの質疑を行います。福島みずほさん。
#287
○福島みずほ君 昨日、渋谷区で同性パートナー条例が成立をしました。大きな前進です。社民党にはLGBTグループ、セクシュアルマイノリティーグループがあります。私たちは同性婚を認めるべきだと考えています。
 総理、同性婚法あるいは同性パートナー法について、どうお考えでしょうか。
#288
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 突然の質問でございますが、渋谷区において条例が成立をしたことは承知をしております。
 これは家族の在り方にも関する問題でございますが、憲法との関係におきまして、言わば結婚については両性の同意ということになっていると、このように承知をしております。慎重に議論をしていくべき課題ではないかと思っております。
#289
○福島みずほ君 憲法二十四条は両性の合意のみで、合意のみというところに特徴があるのであって、学説の中にもありますが、同性婚を憲法が禁止しているとは私は思っておりません。また、LGBTの人たちの人権保障、これは世界の趨勢ですし、しっかりやるべきだと考えておりますし、社民党はそういう立場で頑張っていきたいと思っております。
 四月から社会保障の負担増がたくさん発生します。(資料提示)とりわけ高齢者にとって厳しい春です。介護が、四月から六十五歳以上の介護保険料が平均月五千円超に。要支援者向けの訪問・通所介護が市町村事業に変更。介護報酬が二・二七%引下げ。特別養護老人ホームの新規入所が要介護原則として三以上。八月は、一定所得がある人、独り暮らしで年金収入で二百八十万以上の人は利用者負担が何と一割から二割になります。住民税課税世帯の特養老人ホーム相部屋利用の部屋代が全額自己負担に変更、負担は月約一万四千円まで上がる見通しです。年金は、年金額の抑制開始が始まります。マクロ経済スライドマイナス〇・九%。九月は、厚生年金の保険料率がアップします。貧困対策、生活保護の住宅扶助の削減。生活保護の冬季加算の削減。非常にオンパレードです。
 総理、街頭演説などをやっておりますと、高齢の女性から、私は年金だけで暮らしている、でも、借家住まいで家賃を払わなくちゃいけなくてとっても苦しい、福島さん、年金どうか下げないでくださいという声を本当によく聞きます。総理、高齢者への生活圧迫になるということなどをどうお考えでしょうか。
#290
○委員長(岸宏一君) 厚生労働大臣。
#291
○福島みずほ君 総理。厚生労働大臣、いつもやっているから結構です。
#292
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お配りをいただいた資料の中に載っておりますが、この二十七年度予算、これ予算委員会でございますから、予算委員会は、多くの、消費税を引き上げたことも含めて充実策を随分やっているということも同時に言っていただければ有り難いなというふうに思っておりまして、今回のこの国民皆保険や皆年金、これは高齢者のためでもあるわけでありまして、しっかりと次世代に引き継がなきゃいけないということで、国民健康保険等の低所得者への保険料の軽減などは二十六年度からもう既にやっておりますし、難病対策も同じでありますけれども、二十七年度も、先ほど総理からも申し上げましたけれども、地域包括ケアあるいは認知症、こういった高齢者向け、そして高額療養費制度の自己負担限度額も引下げに二百億円を使っていますし、難病対策もそうであります。
 それから、国民健康保険も、一般の国民の皆様方にとっては大事なものでありますけど、保険料の軽減対象となる低所得者の数に応じた国保への財政支援に一千億など、充実措置をとっているわけでございまして、今回、全体で一・三六兆円の社会保障の充実と言っていますが、国費で見れば六千八百億円のプラスになっているわけでありまして、その中で多くのものが高齢者にも裨益をすることに相なっておるわけでございますので、今御指摘の点については、これまでに既に法律で通って決まっているもの、あるいはそれの考え方に沿って大臣告示などで行うものなどが入っているわけでございますので、全体として見れば、消費税を引き上げたというのはやはり社会保障を充実をするというためにやっているわけでございますので、全体として御覧をいただいて、御判断をいただきたいというふうに思うところでございます。
#293
○福島みずほ君 質問にちっとも答えていないですよ。こういう負担増をどう考えるかということに全く答えておりません。
 社会保障の自然増は、昨年の概算要求段階では約八千三百億円だったものが、本予算では約四千百億円に減額をされています。つまり、圧縮されて、四千百億円の減額なんですね。小泉構造改革のときに、二千二百億円ずつ毎年五年間減らしたために、医療など、本当に破壊をされました。また同じことをやるのか、高齢者へのこの負担増、高齢者だけではありませんが、まさに問題です。
 次に、格差と貧困の拡大について質問します。
 これは、この予算委員会での大沢公述人のもので、月別実質賃金指数の推移、これがどんどん下がっております。安倍内閣になってとりわけ下がっております。次、正規の雇用者数と非正規の比率。二〇一三年以来、正社員が減る中で非正規比率が急上昇しております。そして次、所得トップ一〇%の所得シェア。日本の所得格差、日本はブルーですが、日本の所得格差は小さくなく、拡大してきた。つまり、所得トップ一〇%の所得シェアが本当にどんどんどんどん増えている、富裕層がたくさん持っているということですね。それから次、相対的貧困率と一人当たり実質GDP成長率、アメリカがあって日本がありますが、日本もアメリカも貧困率が高くて成長が低い。
 総理、格差と貧困が拡大していることはお認めになられますか。
#294
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 格差の拡大、相対的貧困率についての議論はずっと行われてきたところでございます。
 ジニ係数で見た場合、日本の場合は社会保障による、言わば給付による平準化が行われているわけでございます。そうした結果は、このジニ係数による言わば数値、指標についてはずっと横ばいになっていると、このように認識をしております。
#295
○福島みずほ君 いや、質問に答えていないですよ。ジニ係数は横ばいですが、どんどんどんどんやっぱり悪くなっていますね。それから、さっきのデータはどうでしょうか。実質的賃金が下がって、非正規雇用が増え、正社員が減り、そして一〇%の人の資産が、持っているものが増え、それから相対的貧困率は少しずつ上がっていますね。
 総理、格差が拡大し、貧困が増えている、そのことはお認めになられますか。いや、総理、ちょっと総理とやらせてください。
#296
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 相対的貧困率は、長期的な傾向としては確かにおおむね緩やかに上昇しているものと認識をしております。
 また、雇用分野につきましては、雇用については言わば、もう再々答弁をさせていただいておりますように、雇用をめぐる状況は良くなっているわけでございまして、有効求人倍率も二十一年ぶりの高い水準になっておりますし、就職内定率についても大卒、高卒それぞれ大変良くなっているわけでございます。
 そういう中におきまして、総雇用者所得におきましては、もちろん名目ではこれはずっとプラスが続いているわけでございます。また、実質で見ましても、消費税が上がった分を除けばこれはプラスに転じてきているのも事実でございます。働く人の数は百万人近く増えてきているわけでございます。そして、今月からはまさに昨年の消費税率引上げの三%分が剥落をしますから、実質で見ても間違いなく私は賃金は上がっていくと、こう考えているところでございます。
#297
○福島みずほ君 総理は相対的貧困率はどんどん上がっていることをお認めになられました。また、働いている人は増えたり求人倍率は増えているが、非正規雇用は増え、実質賃金、どんどん下がっているじゃないですか。どんどん下がっているじゃないですか。だったら、これは格差が拡大し、そして貧困が増えているんですよ。都合のいいデータばかり言うのはもういいかげんやめてください。鉄面皮ですよ。実際、格差が拡大し、貧困は増えていますよ。データが、それがはっきり示しているじゃないですか。
 総理、格差拡大と貧困が日本の社会の重要な問題の一つである、これはお認めになられますか。
#298
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、先ほど相対的貧困率についてどんどん上がっているとは申し上げておりません。長期的な傾向としてはおおむね緩やかに上昇しているものと認識をしているところでございます。
 そして今、現在、我々の経済政策において経済が良くなり始めているのは事実でございます。こういう局面においては、まさに仕事を始めようという方々、あるいは雇用を増やしていこうという企業は、だんだん短期間のパート等から人を採り始める、また、そういう非正規から仕事を始める人が多いわけでございますので、そうした人たちの収入と、これはまず、平均すれば当然実質においても名目においても下がっているように見えるわけでございます。
 だからこそ、こういう局面においては全ての人たちの稼ぎ全体で見る、総雇用者所得で見ることが実態を反映していくことにもなっていくんだろうと、こう思っているわけでございますが、今年の賃上げについても、昨年が言わば過去十五年間で最高の賃上げとなったのでありますが、今年は更にそれを上回っていくことが予想されているわけでございまして、これは正規社員だけではないわけでございます。トヨタにおいて非正規の方々についても月六千円これはアップしていこうということになっているわけでございますし、そして、コマツも言わば非正規の方々の最低賃金を千円にしていこうということ、こうした動きが出てきているわけでございます。
 我々の政策をしっかりと進めていくことによって、中小企業あるいは小規模事業者の下で働いている方々の給与も収入も増えていくように努力をしていきたいと、政策を前に進めていきたいと思っております。
#299
○福島みずほ君 いや、違うんですよ。総所得が余り変わらないとしても、実質賃金が下がり続ける。今総理おっしゃったじゃないですか。非正規雇用が増えて、その人たちの賃金が低いために全体としての実質賃金が下がっているとお認めになられたじゃないですか。これが現実ですよ。今の政策を続けたらますますひどくなる。
 安倍内閣の政策の問題点。
 格差拡大と貧困は、日本の社会の極めて大きな問題の一つです。何をやるべきか。不平等社会の是正こそやるべきで、消費税は上げるべきではありません。でも、安倍内閣は法人税を下げ、消費税を上げている。二〇一四年四月八%、二〇一七年四月は経過が悪化しても一〇%にすると言っています。
 正社員化の道を開くべき。これだけ非正規雇用が増えたんです。にもかかわらず、労働者派遣法の改悪法が今国会に出ています。生涯派遣で働かせることができるものです。
 長時間労働の規制はすべきです。でも、ホワイトカラーエグゼンプションが、これは四月三日閣議決定されるやに聞いておりますが、これは労働時間規制を一切なくしてしまうもの、二十四時間働かせても労基法違反にはなりません。長時間労働を規制すべきなのに、なぜか。私も子育てをしてきましたが、パパもママも二十四時間働くということでは、これは子育てはできません。ですから、ホワイトカラーエグゼンプションは過労死促進法案であり、子育て妨害法案であり、家庭不仲法案ですよ。
 そして、なぜ賃金が上がらないか。正社員の道を開くべきだし、それから残業代不払こそ問題。賃金を上げるべきです。でも、今準備されている法案、ホワイトカラーエグゼンプションや裁量労働制の拡大では、もうこれはホワイトカラーエグゼンプション、千七十五万と今言われていますが、でもこれは省令で下げることが可能です。こういう人たち、これ労働時間規制がないので残業代も深夜労働手当も何もありません。裁量労働の拡大をすれば深夜手当も払わなくていいんです。そうしたら、これは残業不払合法化法案だと思います。
 安倍内閣がやろうとしていることは本来やるべきことと真逆のことだと思いますが、いかがですか。総理、いかがですか。
 いや、塩崎さん長いからいいです。総理、お願いします。結構です。いや、総理とやらせてください。塩崎さん、結構です。(発言する者あり)いや、だって安倍内閣のことですから。時間がないんです。全体像の話ですよ。
#300
○委員長(岸宏一君) じゃ、塩崎さんが答えてから総理。簡単にやってください。
#301
○国務大臣(塩崎恭久君) 事実と異なることもございますので、若干説明させていただけたらと思います。
 まず第一に、今日お配りになった二〇一三年以降の非正規が増えている、急増ということでございますけれども、調べましたところ、高齢者が三九%、そして女性が四一%で、両方で八割が高齢者と女性によって増えているということで、この十年間と同じ動きでございますし、それから、六十五まで働きたいということであれば働けるようになったということもあって高齢者が非常に増えているわけで、それは当然のことながら、なかなか正規で六十歳以上は難しいということでございます。
 それから、一つ、先ほど先生おっしゃった中で不正確なことは、いわゆる裁量労働制は、労働時間規制は全て適用になっています。深夜割増しも払わないというふうにおっしゃいましたけれども、そんなことはございません。
 それから、派遣についても何度も申し上げておりますけれども、今回は正社員になりたい方には雇用安定措置も初めて義務化をいたしますし、教育訓練、キャリアコンサルティングの体制のない派遣元は許可もされませんし、それから、それに合わないことをやったら必ず指導が行くということになりますから、正社員になりたい方は正社員になりやすいような規制を今回入れているということをお忘れのないようにお願いをしたいと思います。
#302
○福島みずほ君 いや、いいです、次の質問しますから。
 委員長、いいえ、結構です、次の質問させてください。
#303
○委員長(岸宏一君) 結構。
#304
○福島みずほ君 はい、結構です。
 これは、確かに裁量労働制の場合は深夜手当はあります。しかし、派遣の改悪に関していえば、これは正社員化への道を法律上認めたものではありません。ホワイトカラーエグゼンプションは二十四時間、労働規制を撤廃します。これでは長時間労働の規制と真逆ですし、また残業代不払が、ホワイトカラーエグゼンプションでは一切起きないということになりますから賃金の抑制策になります。今、格差是正と貧困変えるべきなのに、それとは真逆の方向を取っているこの政策は明確に間違っています。
 次に、安倍内閣は、五月十五日、十四本から十八本以上の戦争法案を出すと言われています。集団的自衛権の行使や、それから後方支援という名の下に戦場の隣で武器弾薬を提供する、このことを認めようとしています。
 詩を紹介させてください。
 「明日戦争がはじまる」、宮尾節子。
 「まいにち 満員電車に乗って 人を人とも 思わなくなった インターネットの 掲示板のカキコミで 心を心とも 思わなくなった 虐待死や 自殺のひんぱつに 命を命と 思わなくなった じゅんび は ばっちりだ 戦争を戦争と 思わなくなるために いよいよ 明日戦争がはじまる」。
 誰が戦争に行かされるのか。日本で大学生の五二%が奨学金をもらっています。三百万、五百万、八百万、一千万借金があるという大学生や大学院生に私はたくさん会ってきました。文部科学省の有識者会議では、メンバーの一人である同友会の人は、奨学金の返済に苦しむ人たちについて、防衛省で一年とか二年とかインターンシップをさせたらどうかと発言もしました。誰が戦争に行かされるのか。奨学金を払えない、仕事がない、資格を取りたい、大学に行きたい、そんな若者が行かされるのではないでしょうか。若者の過酷な労働条件の延長線上に本物の戦場がある、そのことが出てくると思います。
 格差拡大、貧困と戦争はつながっていると思いますが、総理、いかがですか。
#305
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど労働法制について福島さんがべたべた貼ったレッテルを見事に塩崎大臣がぱっと剥がしたと思いますよ。
 今も、我々が今進めている安保法制について、戦争法案というのは我々もこれは甘受できないですよ。そういう名前を付けて、レッテルを貼って、議論を矮小化していくということは断じて我々も甘受できないと、こんなように考えているわけでありまして、真面目に福島さんも議論をしていただきたいなと、これは本当にそう思うわけでございます。
 我々が進めている安保法制は、まさに日本人の命と、そして平和な暮らしを守るために何をすべきか、こういう責任感の中から、しっかりと法整備をしていきたいと、こういうものでございます。
#306
○福島みずほ君 問いに答えていないですよ。格差拡大、貧困と戦争がつながるかと質問しました。
 戦争法案、これは集団的自衛権の行使を認め、後方支援という名の下にまさに武器弾薬を提供するわけですから、戦争ができることになる、そういうふうに思います。これを戦争法案、戦争ができるようになる法案ですから、そのとおりです。
 私の質問は、格差拡大、貧困と、質問したかったのは戦争がつながっているのではないかということです。イラク戦争でアメリカの国会議員の子供は一人しか行っていないと言われています。まさに格差拡大と貧困は変えるべきですし、戦争する国にさせてはなりません。
 今、日本国憲法下の下にそれをやろうとする安倍内閣は退陣すべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
#307
○委員長(岸宏一君) 先ほどの福島みずほさんの御発言中、不適切と認められるような言辞があったように思われますので、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
#308
○福島みずほ君 終わります。
#309
○委員長(岸宏一君) 以上で福島みずほさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#310
○委員長(岸宏一君) 次に、平野達男君の質疑を行います。平野達男君。
#311
○平野達男君 平野達男でございます。本日もクローザーを務めさせていただきます。
 今日、地方創生に関連しまして、中山間地域の農業ということを切り口にして何点かお尋ねをしたいと思います。
 林農林水産大臣には初めて質問をさせていただきますけれども、中山間地域の農業を誰が支えておられるのか、どういう方々が支えておるのか、そして今、これからそういう方々がどういう状況になっていくか、御認識を冒頭ちょっとお伺いしたいと思います。
#312
○国務大臣(林芳正君) 中山間地域の農業でございますが、我が国の農地の四〇%、農業産出額の三五%を占めておりまして、食料の安定供給の機能、国土保全、水源の涵養という多面的機能の発揮の面でも大変重要な位置付けであるわけでございます。
 ただ、今委員からも御指摘があったかもしれませんが、中山間地域の農業、地勢等の地理的条件で生産条件が不利であるということと、それから高齢化や人口減少がほかの地域に先駆けて進行しているということで、大変に厳しい状況に置かれておると、こういうふうに認識しております。
 一方で、様々な農業者の皆さん始めとして農業者以外のコミュニティーの皆様、それから地域の外からの人材の参画も得ながら、地域全体でコミュニティー機能を維持しながら特性を生かしてやっておられる例もあるわけでございまして、こういう例をしっかりと応援をしていかなければならないと思っております。
 具体的に少し申し上げますと、これはもう釈迦に説法、いいですか、それでは、そこまでにしておきます。
#313
○平野達男君 どういう方々がというときのやっぱり考えなくちゃならないのは、やっぱり六十五歳以上の高齢者の方々、農業就業人口との比率で見ても、基幹的農業従事者との比率で見ても、六割以上が六十五歳ということになります。
 そして、そういう状況の中で、お手元に一枚資料、ちょっと用意させていただきました。これは各年産米の相対取引価格の推移でありまして、過去八年間の卸売業者の相対取引価格の推移を示してあります。一番下が、これは二十六年産米の価格ということでありまして、一目瞭然でありますけれども、最も低い価格で推移して、まだその低価格が更新中であるという状況です。卸売価格でありますから、一万二千円ということになります。一万二千円ですが、ここから農協の手数料が引かれます。農協の手数料は二千円とか二千五百円とか三千円とか、いろいろ説はあるんですけれども、辛めに取って三千円ということになりますと、農家に渡るお金は九千円ということになります。
 米の生産費の調査を見ますと、これはいろんな定義があるんですが、全額算入生産費というもので見ますと、これは一万五千円ということになります。一万五千円が本来のあるべき価格ということなんですけれども、農家の平均手取りは九千円まで下がっているということです。これは、全額算入生産費ではなくてもっと別な、フローとして見た場合には生産資材費と労働費ということになりまして、生産資材費は平成二十五年産米の場合には物財費は九千円です。それから労働費は四千円、つまり九千円しかお金もらえませんから、物財費で全部飛んでしまうという、そういう構図です。労賃はもう全く出ないんです。実は、こういう状況は最近始まった状況ではなくて、中山間地域では、これはあくまでも一万二千円は平場の地域の米の値段も勘案しての一万二千円ですから、中山間地域の米の価格はもっと低い可能性があるんです。
 こういう状況の中で高齢者の方々が何で米作りやってきたか、それは昔から米作りをやってきたからですよ。それから、農家の方々は自分の労賃が何ぼなんということは考えませんから、よっぽどのことがないと、農業をやってきたから農業経営をやろうというふうにやろうとすると思います。ところが、この一万二千円という水準は、さすがにこれは大変な状況だと思いますよ。
 農業者戸別所得補償制度、これ半額になりまして、これやめることになりました。総理は農業者戸別所得補償制度の廃止の理由として、あの制度は農地の流動化の妨げになるというお答えをされております。今でもその認識は変わらないと思いますけれども、これは政府の認識だと思いますね。いや、いいです、まだちょっとしばらく続けさせてください。
 そういう中で、今のこの状況の中で、農業者はどんどんどんどんこれやめたくなってくるのではないかというふうに思いますし、そうでなくても人口減少社会にもう入っていますから、もう農業者の就業する者がいなくなってくるんですね。
 こういう状況の中で、私は、六十五歳以上の方々、六十歳でも六十五歳でも何でもいいですよ、今の農村地域に行ったら、この方は農業を支えるだけじゃなくて地域を支えています。それから、私は体が続く限り本当は、米作りやるなら米作りやりたい、畑作をやりたいんなら畑作をやりたいと思っている方もたくさんいます。だけど、今のこの状況の中で、ナラシの対策も、あれは認定農業者の対象になりますし、そういった高齢者のやり手のやる気というものをそぐような形になってしまうんですね。
 ここに対して、林大臣は今どのように認識持たれますか。
#314
○国務大臣(林芳正君) まず、米のコストでございますが、中山間地は先ほど地勢的に不利だと、こういうふうに申し上げましたが、一方で規模を拡大していきますとだんだん単価が下がっていくと、こういうところもありますので、しっかり集積をやっていく必要が全体的にはあるということでございます。中山間地においては生産条件が不利でございますので、これを補正しますために中山間地域等の直接支払、それから今回、農地・水支払を統合しまして共同活動する多面的機能支払と、こういうものを入れてきたわけでございます。
 したがって、一方で米政策としては、主食用の米だけにその規模にかかわらず戸別所得補償という形ではなくて、水田をフル活用していただくということでなるべく需要のある作物にシフト可能な仕組みにしていくということと同時に、今申し上げた多面的機能支払等々で、言わば耕作をしていらっしゃらない方にとっても、今まさに委員がおっしゃっていただいたように、地域にとどまっていただいて、集積した場合の若い営農者をバックアップすると、草刈りや水路の泥上げ等をやっていただくということに対してもしっかりと多面的機能に着目してお支払いしていこうと、こういうことでバックアップをしていかなきゃいけないと思っております。
#315
○平野達男君 中山間地域直接支払とかという制度はもう前からある制度でありますから、今起こっている事実だけ見ますと、米価がこれだけの市場、今までにない価格まで下がっているということですね。
 それから、農地の流動化ということについて一言付言させていただきますと、かつての構造政策というのは、もう御案内のとおり、出し手対策でした。出し手対策というのはどういうことかといいますと、農地の貸し手をとにかく探し出すということで、踏み切り料とかなんとかということでいろんな政策をやりました。
 ところが、今、人口減少社会に入っています。それで、農家の基幹的農業従事者の六割はもう六十五歳以上です。だから、特に中山間地域はもう歩いてみて分かると思いますけれども、後継者がいない農家が多いです。それでも何とかやろうとしている。でも、これだけの水準になりますと、さすがにやる気なくなると思います。
 今、実は、先ほど言いましたように、農地の需給関係からいって、農地の構造政策の関係からいけば、先ほど言いましたように、かつては出し手対策、農地を貸してください貸してくださいと言ったんです。今はそうでなくても農家の離農者が増えていきますから、農業就業人口も減っていきますから、むしろ受け手対策で、出し手が多過ぎちゃって困るというような多分状況になりかねないんです。私は、これは人口減少社会という中で今現に起こっていることだと思います。
 実際に岩手県の中では、集落丸ごと農地、これやる人いなくなりましたから誰か受け手いませんかといって、そういうところで相談を持ちかけているところもあります。そこはたまたま農業生産法人があるからそれを受けましょうということになりましたけれども、農業生産法人も大変なんですよ。余り受けますと、あるところのところまでは受けられますが、あるところのところから更に受けようと思ったら、機械が更に一台必要になります。オペレーターが一人必要になります。そういう状況の中で、簡単に規模拡大は進められない。
 それはそれとしてこっちに置きますが、私が言いたいのは、地方創生あるいは地域再生、いいんですけれども、やりたいと思っている人に対しては、やっぱりあなたは担い手ですよとやる政策が今一番必要ではないかというふうに思います。実は私は、この話は、平成十九年に農業者戸別所得補償法案を作って衆参で議論をしているときにずっと申し上げたことです。
 これから人口減少社会に入っていきます、農家は高齢化は進んでいきます、いずれ、十年も十五年も農家を続けられません、この方々は農地の出し手として出てきますから、これからはむしろその出し手を余り出ないようにしてやっていくことが一番大事ではないか、それから意欲を持っている人にやってもらうことが大事ではないか、それが、地域コミュニティーの維持というのにも大事だし、これからの人口減少社会、人口が減っていく中での農村地域の中での維持のために必要なのではないかということで、平成十九年の当時の農業者戸別所得補償制度というのは元々導入したんです。だから、あれをやれば農地の流動化にブレーキが掛かるというふうに言われますけれども、むしろブレーキを掛けるという意味もあったかもしれません。
 そういうことがあったとしても、あったとしてもですよ、農業者の就業人口は減っていきます。これは、中山間地域の中では、日本の人口減少というのは二〇〇五年若しくは二〇〇七年から始まっていますが、中山間地域ではもっと前から始まっています。これはもう不可避なんです。
 これから、団塊の世代と言われた方々がもう六十五歳になりまして、あと十年、十五年したらやっぱり農業も続けられなくなります。がたっと減っていきます。今その人たちが地域を支えているんであれば、その人たちが地域の担い手だというような位置付けでやることこそが私は今の段階では地方創生の一つの要になってしかるべきではないかと思いますが、石破大臣、御意見があれば。じゃ、林大臣、どうぞ。
#316
○国務大臣(林芳正君) まず、ちょっと私の方から。
 農地中間管理機構の法案の審議をしましたときに、これは衆議院の方でございましたが、今先生がおっしゃっていただいたのとは若干ニュアンスの異なる解説がございまして、静かな構造改革なんだというような御説明もございました。定額の一万五千円を支給することによって、やはり拡大した方が有利ということになるということで、これは一万五千円という根っこのお金を払いながらそちらに誘導することなんだという御説明があったものですから、今の先生のお話はむしろそういうやめていく人にブレーキを掛けるという意味があったんだということで、新しく、ああ、そういう側面もあるのかなと思って拝聴させていただいたわけでございますが。
 一方で、今我々が質問を受けておりますのは、中間管理機構をつくったけれども出し手が出てこないじゃないかと。実際に出し手の方の集積協力金ということで予算を計上しておりましたけれども、なかなかこれが思ったように消化されていないというふうに、かえってこの質問を受けているような状況でございまして。今、借り手の方は予想以上にたくさんおられて、全く出し手が足らないと、足下そういう状況でございますので。中長期的には、先生おっしゃるように、平均年齢六十六歳ということもございますので、出し手も出てくるだろうと、こういうふうには考えておりますけれども、今の段階では、潜在的におられるであろう出し手をどうやって実際に出し手として発掘していくか、これを集約してどうやってたくさんいらっしゃる借りたいという方の希望とマッチングしていくか、これを一生懸命やらなきゃいけないという状況にあることだけちょっと申し上げておきたいと思います。
#317
○国務大臣(石破茂君) 委員の御所論はよく分かりました。ただ、要はその農業者の年齢構造をどう見るかということだと思います。
 かつて昭和一桁だったと思いますが、今はそれもう少し後ろに来ているんだろうと思いますが、そこが一番層が多いわけで、そういう方が続けていただくのはそれ自体悪いとは言いませんが、そういう方々がこの世からいつの日かリタイアされるときに、そこを担う人たちが誰もいなくなっちゃうということをどう考えるかということだと思います。多様な担い手というものを早くつくっていかなければならないし、その場合に、やはり農地を出していただくということは重要な意味を持っていると私は考えております。
#318
○平野達男君 ちょっと誤解のないように申し上げておきますけれども、ブレーキを掛ける面もあるということを申し上げたので、ブレーキを掛けることを目的にしてやったんではないと。むしろ、当時、議事録を見ていただければ分かると思いますけれども、そういう今やりたいという人は支えておいて、あと十年、十五年しますと農村がもう物すごい勢いで変わっていくから、その状況を見据えた構造政策、構造計画を作って流動化計画なり何かを作ろうというのが趣旨だったんですが、後段の部分が、予算をやることだけ先行してしまいましたから、欠落してしまったんですね。だから、この部分はちょっと東日本大震災等々があってごちゃごちゃしちゃった面もあったんですけれども、そういう趣旨だったということです。
 それで、もう一点だけ申し上げたいと思いますけれども、あと、これから生産調整はやっぱり強化せざるを得ないんだろうと思います、当面は。米価がこれだけの水準ですから。その代わりに餌米を作るとかということになると思いますが、今地域の中で非常に不安視しているのは、例えば八万円という制度がいつまで続くんだろうかという見通しができない。つまり、また農政がころころ変わるんじゃないかという不安感がありますね。ですから、これは予算単年度主義という壁があってなかなか難しいんですけれども、この農村地域が変化する中で、自分が、地域がこれからの将来の営農計画、農業計画を立てるときに何を前提とすればいいかという方針は、できるだけスパンを長く取ってやってくださった方が、これは地域にとっては非常に有り難いと思います。
 それからもう一つは、今日は農地の中間管理機構については、実は私、いろいろ議論はあるんですが、私は、やっぱりやめたいと思っている方は非常に潜在的に私は歩いていて多いと思っています。これだけの価格が低下しますと、本当にやめるかもしれません。
 こういう状況の中で、繰り返しになりますけれども、米価をぼんと今、かつてみたいに上げるなんていうのはできないと思いますが、地域の担い手というのは誰かといったら、今の繰り返しになりますけれども、やっぱり高齢者の方々なんですよね。そういった方々の意欲をやっぱりそがないような政策というのは是非大事にしてもらいたいと思います。
 総理は施政方針演説の中で、「誰にでもチャンスがある、そしてみんなが夢に向かって進んでいける、そうした社会を、皆さん、共につくり上げようではありませんか。」とおっしゃっています。ここ、前段は多分子供と若い人なんですが、ここにも中山間地域の農村を考えますと高齢者もやっぱり入って、あなた方が当面は担い手ですよと、この地域の中の要するに支える方ですよというようなことをやっぱり是非発していただきたいと思います。
 そこは石破大臣の地方創生担当大臣としての大きな役割ではないかと思いますけれども、総理と石破大臣の御見解をちょっと伺っておきたいと思います。
#319
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員が言われたように、確かにずっと農業に人生を懸けてきた方々、こういう方々の技術や経験や知識を私たちも生かしていきたいと思っておりますし、あるいはまた、今まで地元以外の場所で仕事をしてきて、そしてリタイアして、あとは先祖代々の田んぼや畑を自分は守っていきたいという方々の気持ちも大切なんだろうと思います。
 しかし同時に、やっぱり農業に自分のこれからの人生を託したい、情熱を持ってやっていきたいという若い方々も当然大切にしていく、まさにこのバランスも大切なんだろうと、こう思っています。決して、今までずっと農業をやってきた方々をおろそかにするという気持ちは全くありませんし、そういう、農村というのはまさに、農業は助け合いにもなりますから、この日本的な助け合いがうまくいくようにしていきたいと思いますが、しかし、絶対的に不足している若い担い手については積極的にこういう皆さんを育成もしていきたいと、こう考えているところでございます。
 被災地において新たに果物を、果樹について参入した、これITの起業家でありますが、しかし、彼はそれを始めるに当たって、社長さんはずっと農業をやってきた割と高齢の方を社長さんに据えながら、自分のノウハウを生かしながら大変うまくやっておられると思います。株式会社としてやっておられるんですが、こういう言わば経験を積んだ人の知恵や技術を大切にしながら、また、あるいは消費者のニーズをつかむ、販路を拡大する、あるいは輸出にも挑んでいくという若い人たちの情熱とうまくここで合体していくことが農村の将来にもつながっていくのではないかと思います。
#320
○国務大臣(石破茂君) 高齢者の方々、やっぱり農業は経験の産業でございますので、そういう方々の知恵、経験というのは最大限生かされるべきだと思っています。ただ、それが農地を所有していなければいけないかというと、必ずしもそうではないだろう。
 そしてまた、農業に参入します場合には、二反であろうが三反であろうが大体七百万ぐらいの初期投資が要るわけでありまして、そうであれば、農業もやっていただく、あるいは農村も守っていただく、しかし、それは賃料を得るとかそういう形で所得を得るという形も可能でございまして、やっぱり所有というものはかなり、それとは切り離して、コストダウンというのを図るということも農村の維持のためには必要なことだと考えております。
#321
○平野達男君 いずれ農村は今までにない急激な変化を迎えているということで、その中で誰が地域を今の現時点で支えているかということについてしっかりと見ていただいて政策をやっていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#322
○委員長(岸宏一君) 以上で平野達男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて地方創生・社会保障等に関する集中審議は終了いたしました。
 次回は明二日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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