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2015/09/10 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 農林水産委員会 第20号
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2015/09/10 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 農林水産委員会 第20号

#1
第189回国会 農林水産委員会 第20号
平成二十七年九月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月八日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     堀井  巌君
     高野光二郎君     馬場 成志君
     野田 国義君     柳田  稔君
 九月九日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     横山 信一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       総務副大臣    二之湯 智君
       農林水産副大臣  あべ 俊子君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房総括審議官   佐藤 速水君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小風  茂君
       農林水産省生産
       局長       今城 健晴君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       農林水産省農村
       振興局長     末松 広行君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      西郷 正道君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     高田 修三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人に係る改革を推進するための農林
 水産省関係法律の整備に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野田国義君、高野光二郎君、阿達雅志君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君、馬場成志君、堀井巌君及び横山信一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房総括審議官佐藤速水君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山田俊男君) 独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
 質問に入ります前に、去る一日未明、対馬沖で漁船五隻が転覆する事故が発生し、懸命の救助捜索活動にもかかわらず、乗組員八名のうち五名の方が亡くなりました。心から御冥福をお祈り申し上げます。
 また、同日、山口県の角島沖でも漁船が転覆し、お一人がいまだ行方不明とのことでございます。
 今回の事故発生時には竜巻が発生していたのではないかということでありますけれども、政府におかれましては、この事故原因の究明と再発防止対策についても御尽力いただきますようよろしくお願いを申し上げまして、質問に入りたいと思います。
 今日は独法改革法案の審議ということでありますけれども、その前に諫早湾干拓開門訴訟について質問いたします。
 今週の七日、小長井・大浦漁業再生請求事件について、一審の長崎地裁に続き、福岡高裁も開門請求を退ける判決を下しました。前回、開門請求を認めた福岡高裁で今度は全く正反対の判断が下されたということになりますけれども、政府は今回の判決をどのように評価されているのか、これは林大臣にお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(林芳正君) 長崎県及び佐賀県の漁業者が諫早湾干拓排水門の開門及び損害賠償を求めた訴訟、長崎一次開門請求訴訟でございますが、九月七日に福岡高裁におきまして開門請求及び損害賠償請求のいずれも棄却する内容の判決が出されました。これは、開門請求及び損害賠償請求を認めるべきではないという国の主張を認めていただいたものと、こういうふうに受け止めております。
 一方、国は開門義務と開門禁止義務の相反する二つの義務を負っており、厳しい立場に置かれておる状況でございます。このため、諫早湾干拓事業をめぐる一連の訴訟について速やかに最高裁判所の統一的な判断を求めていく必要があると考えておりまして、引き続き関連訴訟に適切に対応するとともに、問題の解決に向けて関係者間の接点を探る努力を続けてまいりたいと思っております。
#8
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今回の判決について、私も判決理由も読みましたけれども、漁業補償契約の解釈で少し疑義はありますものの、この最新の高裁判断が開門請求を棄却したことの意味というのは大変非常に大きいと、このように思っております。
 ただ、私はかねてから申し上げておりますように、もう一つの福岡高裁確定判決は、その確定した経緯に納得性がないだけではなくて判決理由自体も無理な論理でありまして、しかも、漁業補償政策に大きな禍根を残すものでありますから、やはりこの問題はどうしても最高裁の判断を得ることによって決着させる必要があると考えております。
 今、林大臣からも最高裁の統一的見解を得るということの必要性をおっしゃっていただきましたので、政府もしっかりこれからも対応していただきますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この福岡高裁確定判決につきましては、もう一つ、国が開門しないことによって制裁金を原告側に支払い続けているという問題がございます。昨年の六月十二日から日一日と積み上がってまいりました制裁金は、本日の支払で二億七千万円を超えます。
 この対策として、現在政府は、確定判決の執行力を排除するための請求異議訴訟を争っているところでありますけれども、その裁判で今回新たな主張を追加されました。それは、開門請求の根拠となっている漁業権は、存続期間の十年を経過し平成二十五年八月末に既に消滅しているというものでありまして、その主張はお手元配付資料にありますように平成元年七月十三日の最高裁判決によって裏付けられております。
 最高裁判決に基づく主張だけに非常にこれは有力な主張だと思いますけれども、この主張が認められれば、制裁金の支払が始まった時点より前に漁業権は既に消滅しているわけでありますから、国が支払う制裁金は全額国庫に返還されることになるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。また、その場合の利息についても併せてお伺いいたします。
#9
○政府参考人(末松広行君) お答えいたします。
 国は、請求異議訴訟において、平成二十二年の福岡高裁確定判決の執行力の排除を求めて争っているところでございます。そのため、裁判の行く末に関して予断を持ったお答えをすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 その上で、一般論としてお答えいたしますと、請求異議訴訟において原告が勝訴し既にされた間接強制決定が取り消された場合、それまでに支払った間接強制金について不当利得として返還請求をすることができる場合があるということは議員御指摘のとおりでございます。
 また、不当利得返還請求において、相手側が悪意の受益者、すなわち自分の受けた利益が法律上の原因なしに得た利益であることを知っていながら利益を受けた者に該当する場合、民法七百四条の規定に基づき、利息を付して返還しなければならないということになっております。なお、この場合には、民法四百四条の規定により法定利息が年五%とされているところでございます。
#10
○古賀友一郎君 ありがとうございました。不当利得で返還されるケースがあるということでありました。
 この制裁金支払に対する税金の無駄遣いという批判は、私はこれは看過できないんだと、このように思っております。今はもう消費税を引き上げてまで社会保障を維持しようというさなかでもございますから、是非これは国民の批判に堪え得るようにしっかりと対応していただきたいと思います。
 今回の福岡高裁判決は、有明海全体どころか諫早湾近傍部ですら干拓事業と漁業被害の因果関係が否定をされたわけでありますけれども、現実問題としてこの有明海での貝類等の漁獲は減っております。その典型はタイラギという貝でございますけれども、昔は年間三万トン以上も捕れていたのに近年はほとんど捕れなくなってしまいました。したがって、この開門問題とは別にしても、諫早湾近傍部を含めた有明海再生の取組は重要な課題と、このように思っております。
 そこで、今日の議題である独法改革法案にも関係するわけでありますが、今回統合の対象となっている水産総合センターではタイラギの養殖技術の開発に取り組んでいるということで、私も有明海のタイラギ復活に大いに期待をしているところでありますが、これまでの成果と今後の取組について伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(佐藤一雄君) 古賀先生の御質問にお答えいたします。
 今、先生から御指摘いただきました水産総合研究センターでございますが、ここにおきまして、水産庁の委託事業、二枚貝人工種苗生産技術開発事業というものによりまして、長崎県、福岡県、佐賀県、そして熊本県の四県の試験研究機関との連携の下に、平成二十六年度からでありますが、有明海で資源減少が著しいタイラギの人工種苗生産技術の開発や、その過程で得られました稚貝による垂下式養殖の試験等に取り組んできているところでございます。
 これまでの成果と今後の課題でございますが、まずこの人工種苗生産技術につきましては、平成二十六年度には約二十八万個体の着底稚貝が生産できたわけでございますが、同じ施設、同じ手法で平成二十七年度に実施した結果、約五千個体の生産となっておりまして、現状では再現性に課題があるというふうに認識しているところでございます。
 また、垂下式養殖試験でございますが、長崎県の小長井地先及び佐賀県の大浦地先の海域で、現在、三百六十個体が平均十一センチ程度まで成長しているわけでございますが、一方で、全く成長せずに死滅した海域もございまして、要因分析が必要となっているところでございます。
 引き続き、安定的な人工種苗生産技術の確立、垂下式養殖に必要な諸条件の究明に取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
#12
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 この再現性について、まだ大きな課題がありそうであります。実際の商用化ということを期待したいところでありますけれども、まだそういった意味ではハードルがありそうでありますが、このタイラギは有明海の象徴とも言える貝でございますので、是非今後ともしっかり取り組んでいただきたいとお願い申し上げたいと思います。
 また、この水産総合センターでは、タイラギ以外にも様々な養殖技術の開発を行っているということでございますが、特にクロマグロの養殖技術、それから、私も昨年の六月の当委員会で取り上げましたニホンウナギについては、シラスウナギからの完全養殖に成功したということで大変注目をいたしております。
 そこで、これらの養殖技術の開発についても、これまでの成果と今後の課題についてお聞かせください。
#13
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今、先生の方からございましたが、クロマグロの養殖の種苗のほとんどは天然資源に依存しておりまして、ウナギ養殖の種苗につきましては、これが全量が天然資源に依存すると、こういうふうな状況になっておりまして、太平洋クロマグロの資源状態の悪化、あるいはシラスウナギの漁獲量の低迷によりまして種苗供給というものが不安定な状況になっておりますため、これら人工種苗の量産化が喫緊の課題となっていると、このように認識しているところでございます。
 まず、クロマグロにつきましては、平成十四年に近畿大学が世界で初めて完全養殖に成功しまして、平成二十六年に水産総合研究センターが陸上水槽の人為的環境の下で、天然の親魚では主に四歳から五歳以上で産卵するわけでございますが、研究センターの方で、三歳魚から成熟、採卵させる等の成果が得られているところでございます。
 課題といたしましては、このふ化した仔魚の生存率、全長が五センチのものでございますが、これが二から六%というような数字になっていまして、やはりこの生存率の向上や幼魚期における優れた飼料開発等が課題となっております関係上、農水省といたしましては、この予算を二十八年度要求に盛り込んだところでございます。
 また、ウナギでございますが、これにつきましては、平成二十二年に水産総合研究センターが世界で初めて完全養殖に成功しておりまして、平成二十五年には同センターが新たに開発した一トン型の大型水槽でシラスウナギの生産に成功しておるといった、このような成果が得られているところでございますが、課題といたしましては、ふ化仔魚の生存率、これは一・五%ということになっておりまして、この向上や低コスト化を図るために、給餌システムの改良あるいは飼育水の効率的な交換、新たな飼料開発等が課題となっておりまして、水産総合研究センターを中心に、産学官の連携により、ここについて取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
#14
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 大変夢がありそうな感じがいたしますけれども、現実問題として見ると、やはり種苗の量産あるいはその生存率といった、いろんなやっぱりまだまだ越えなければいけないハードルがあるようであります。
 ただ、これからはやはり捕る漁業よりも育てる漁業ということで、養殖によって必要な魚を確保していくことが、資源管理の面であるとか、あるいは漁業経営の安定の面からも大変重要なポイントになってくると、このように思っておりますので、是非引き続いて頑張っていただきたいと、このようにお願い申し上げたいと思います。
 次に、新たに四法人を統合することによって発足しようとしております農業・食品産業技術総合研究機構についてでございますけれども、その統合によって基礎的研究と応用研究を一貫して行いまして、生産現場と連携した攻めの農業に資する研究を推進しようということであります。私もそうした戦略的な取組に大変期待をするところでありますが、具体的には、この研究テーマの設定について、生産現場の声をどのように取り込んでいくのか、また、そうして生み出した研究成果を広く生産現場にどうやって普及をさせていくかということがポイントではないかなと、このように思っておりますが、その点についての今後の取組について伺えればと思います。
#15
○政府参考人(西郷正道君) 農水省では、食料・農業・農村基本計画を策定するのと併せまして、研究面につきましても農林水産研究基本計画というものを定めております。この中で、生産現場等が直面する問題を速やかに解決するということを重要な目標としているところでございます。これに即しまして新法人に中長期目標を示すわけでございますけれども、この中で生産現場等が直面する問題解決にきちんと取り組むよう指示をするというふうな方針でおります。
 具体的には、地域にございます農業研究センターなどで研究課題を設定する際に、実際の農業者の方々とかあるいは普及員の意見、こういった方々の現場の声を取り入れるという新たな仕組みといたしまして、地域の先進的な農業経営者などで構成するアドバイザリーボードを新設したりとか、あるいは研究ニーズの把握や課題抽出に取り組むコミュニケーターの配置などを行うことを検討してございます。
 また、普及につきましては、特に産学官の連携などを強化するということで、普及組織や民間企業に技術を円滑に移転し、検証、改良していくという仕組みといたしまして、都道府県の公設試、プロジェクト推進に必要な関係機関との調整を行う研究コーディネーターとか、あるいは食農ビジネスに関する研究を進めるためのマーケティングリサーチや戦略的なプロモーションを含めた連携、普及活動が行えるような食農ビジネス推進センターといったものを新設する方向でございまして、このようなことによりまして、研究成果の現場への円滑な普及に努めてまいりたいと存じております。
#16
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 是非、統合を期して新しい取組をやっていただいて、その統合の成果が実感できるような、現場が実感できるような、そういう新しい法人として頑張っていただきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の本来の課題は独法の改革でございますけれども、先月二十八日には農協の改革法案が成立したわけであります。本会議の討論では、儀間委員から我々与党議員に対しての大変厳しい御指摘も賜ったところでございますけれども、我が国の農業が危機的な状況にある中で、農協もこのままではいけないという認識は恐らく広く共有できているのではないかなと、このように思います。ただ、今回の法改正では、JAグループや農業委員会の組織論ばかりにスポットが当たり過ぎて、農業や農家にとってのより本質的な課題が見えにくくなってしまったことが議論を分かりにくくしてしまったのではないかと、このように感じております。
 その本質的な課題という観点から私が注目いたしましたのは、先月十八日の当委員会参考人質疑で、全国農協青年組織協議会、通称全青協の天笠淳家会長が資料として提出されました「JA全青協ポリシーブック二〇一五」でありました。その冊子では、これからの日本農業を担う若手農家の視点から、何が課題なのか、その課題解決のために農家自身がまず何をすべきか、そして農協が何をすべきか、さらには政府、行政に何をしてもらうかということが、まさに自助、共助、公助の観点から網羅的に列挙をされているわけであります。全青協によりますと、内容的にはこれからブラッシュアップしたい、していかなければならないという話で伺っておりますが、非常に示唆に富む指摘が多いと感じました。
 その中でも私が特に注目したのは、農畜産物の価格形成に関する問題提起の部分でございました。これは配付資料の二ページに抜粋しておりますけれども、概略このように書かれております。大半の農畜産物の市場・販売価格が生産費を下回り、適正な価格となっていない、また、スーパーなどの量販店の力が強く、売値を基に仕入れ値を決められているので販売価格が伸びないということであります。
 私がこれに注目した理由は、もしこれが事実であるとするならば、要するにコスト割れなのに価格を抑えられているというわけでありますから、日本農業衰退の構造的な問題ではなかろうかと思うからであります。我が国の農業が持続可能であるためには、当然ながら労働に見合った所得が得られなければならないということは自明でありますけれども、仮にそうした構造によって農業の魅力が失われて衰退しているとすれば、非常にこれは本質的な問題でございまして、幾らもうかる農業などといってほかの対策を頑張ったとしてもむなしいのではないかと、このように思うところであります。
 実は、こうした指摘はこの全青協だけではございませんで、当委員会の現地視察でも私自身伺ったことがございましたし、これは水産物についても私自身、地元で同様の話を聞くことがございますから、事は一次産業全体の構造的問題ではないかと懸念をいたしております。ただ、そもそも事実として正しいのかどうかということが確認できているわけではございませんし、仮に事実だとしても、その解決は一筋縄ではいかない難しい問題だということも認識はいたしております。
 このポリシーブックでは、解決方策として、生産費に見合った所得補償制度、あるいは生産費に見合った最低取引価格の設定といったことが提案されておりますけれども、それが意味するところは、片や納税者負担であり、片や消費者負担ということでありますから、いずれにしても国民負担につながるわけでございますし、また、これまでの政策の流れとしても、食管制度や減反制度のような政府による価格維持政策から、新しい米政策のように生産者が各自判断する方向に転換してきているという、そういう流れもあるわけであります。しかし、さはさりながら、事はこの農業再生の本質に関わる問題でありますから、私は、この指摘に対して正面から取り組む、少なくとも事実関係について検証してみる必要があるのではないかと、このように思っております。
 さきの農協法案審議の中で、私は、農協の本質がバーゲニングパワーの発揮にあるとするならば、単協中心主義を強調するだけでなく全農をもっと活用すべき旨主張をいたしました。私も売手と買手のパワーバランスが崩れているのではないかという問題意識を持っておりますけれども、そうした根源的な問題については今回の農協法案ではほとんど議論されておりませんし、農水省の事務方の皆さんとやり取りする中でも特に意識されているようには感じられません。
 そこで、ここは林大臣にお伺いしたいのでありますけれども、こうした構造的な問題についてどのように認識をされておられるのか。私は、農協改革がスタートするこの機会を捉えて、政府や農業、農協関係者を始め、流通業者や消費者も含め、この事実関係の確認から問題意識の共有あるいは解決方策の模索について検討するための全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げてもよいと、このように思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか、お聞かせください。
#17
○国務大臣(林芳正君) この農畜産物の価格、これは基本的にはやはり需給を反映して決定されると。先ほど政策の方向にも触れていただきましたが、そういう中でニーズに対応した付加価値の高い農畜産物の生産拡大、これが大変にこの成長産業化に向けて大事だろうと、こう思っております。
 我々が決めましたこのプランにおいても、需要サイドの取組というのを非常に一つの大きな柱にしまして、供給サイドと需要サイドをつなぐバリューチェーンとともに三本柱ということでやってきたわけでございまして、やはりここを更に力を入れていくということが大事であろうと、こういうふうに思っております。
 優れた品種とか生産技術といったサプライサイドは強いわけですが、マーケット・インという考え方でニーズに的確に対応して、品質それからやはりブランド力、こういう強みを持った産地化、これを推進をすることが大事であろうと、こういうふうに思っております。新品種・新技術の開発・保護・普及の方針、これを取りまとめまして、これに沿った産地の取組を支援しております。実需者と連携して、強みのある農畜産物の産地化は着実に進展をしております。二十六年実績で、全国三十九地区にこういうふうに広がってきております。
 また、水産物についても、水産業の成長産業化を目指すために、これ、浜ごとの創意工夫の下で鮮度向上、それから未利用魚を活用した加工品開発、こういう付加価値向上を通じて漁業者の所得向上を目指す浜の活力再生プランの策定、実行、これを推進するということ、それから、やはり資源管理の高度化、水産物輸出拡大、流通促進等に取り組んでいるわけでございます。
 まさに、ニーズに対応した生産供給体制、こういうものの構築が大変大事だと、こういうふうに思っておりまして、それを通じて農畜水産物の高付加価値化、農林産業の成長産業化、こういうものをしっかりと推進していきたいと、こういうふうに考えております。
#18
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 ニーズに対応したということであります。私、売手と買手の力関係が対等であれば、そのニーズを適切に反映して価格も適切な均衡点に達すると、このように思うわけでありますけれども、もちろん一部のブランド力のある農産物についてはそうしたことは可能かも分かりませんが、私がちょっと懸念しているのは、この全青協の中でも出ていますけど、ほとんどの農畜産物がコスト割れだと、一方でそういう販売価格を抑えられている現状があるということ、この点が非常に心配なんです。
 だから、一部のトップランナーはトップランナーとして、それはそれでいいんですけれども、日本農業全体の問題として、この点について、これはやっぱり一度はきちんと考えてみた方がよいのではないかと、このように思っております。
 もちろん、これはかなり広くて深い話だと思うんですね。大変難しい問題で、おとといも徳永委員が物流のコストの問題を指摘されましたけれども、そういう問題も絡んでくると思いますし、米価の問題も喫緊の問題としてあろうかと思います。そういったことで、大変難しいことではあろうと思いますけれども、これは農政の、私、核心部分だと、このように思っておりまして、是非本腰を入れて取り組んでいただきたいなと、このように要望しておきたいと思います。
 次に、もう一つ、今回の農協法の改正経過を通じて私が感じましたことは、農水省とJAグループはもっと風通しを良くする必要があるんじゃないかと、こういうことでございました。
 もとより、両者は共に我が国の農業と農家のために働く組織でありますから、両者の関係がしっくりしないことで困るのは日本の農業と農家なわけであります。もちろん、組織が違えば利害が衝突することもありますけれども、それでも、基本的な信頼関係というものがベースにあればそれも一時的なことで済むわけであります。私は、そうした風通しを良くする、信頼関係をつくっていくという効果的な方策は人事交流だと、このように思っておりまして、まさに同じ釜の飯を食うということによって、確かに地道な取組ではありますけれども、組織全体の信頼関係というものも醸成されていくんじゃないかなと、このように思っております。私自身の役所勤めの経験からもそのように思います。
 そこで、これも人事権者である林大臣にお尋ねしたいんですけれども、今回の農協改革、これは非常にいいきっかけだと思いますので、農水省とJAグループ双方の職員を派遣し合う、そういう人事交流を行ってはどうかと思いますけれども、お考えをお聞かせください。
#19
○国務大臣(林芳正君) この官民の人事交流でございますが、人事交流を通じて官民の相互理解を深める。今委員からも、同じ釜の飯を食うと、こういうふうに言っていただきましたが、こういうことをして双方の組織の活性化、それから人材の育成にもつながっていくと、こういうふうに思っております。
 農林水産省においても、こういう目的に沿って食品産業等々の民間企業等と人事交流を行っておるところでございます。JAグループとは現在人事交流を行っておりませんが、先方から要請があれば対応を検討したいと思っております。
 農協改革を適切に推進していくためには、改革の趣旨、やっぱりJAグループ、それから農業者を始めとする現場の皆さんに正確に理解をしていただくと、これが重要であります。したがって、人事交流をするしないにかかわらず、JAグループや農業者の皆さんとの意見交換、これは積極的に行ってまいりたいと思っております。
#20
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今、林大臣から一つのメッセージが発せられました。これを受けてJAグループも本当に考えてほしいなと思うんです。やっぱり問題意識を共有すること、そこからきちんとやっぱり意識をすり合わせていくということは大変重要だと思いまして、これから農協改革始まっていきますけれども、そういった問題意識をきちんと組織同士が共有していくことは大変重要でございますから、そういった意味も含めて是非これは積極的に取り組んでいただきたいと要望を申し上げたいと思います。
 次に、ややちょっと今度は大風呂敷を広げますけれども、農政の政策体系について伺いたいと思います。
 今日は、独法改革、それから農協改革ということで話を進めてまいりましたけれども、農水省の政策の在り方についても問題提起をしたいと思います。
 私は、農政が産業政策であり、かつ地域政策であることはそのとおりだと思いますけれども、より本質的には安全保障政策であると捉えておりまして、食料有事の際も国民を飢えさせないだけの食料自給力を保持しておかねばならないからこそ、他の産業とは差別化され、二兆円以上もの税金を投入して支えることも許容されるんだと、このように考えております。
 そうした観点から、昨年来、この食料自給力の問題について自分なりにこだわって取り上げてまいりまして、その指標を目標化すべきなどと主張をしてきておりますけれども、今回、問題提起する農政の体系整備という観点からも、この食料自給力目標を中心に据えることによってぶれない体系を構築できるのではないかと考えております。
 もちろん、現行でも農政が体系化されていないと言うつもりはありません。しかし、例えば、食料自給率四五%を目指すという目標はございますけれども、その四五という数字がどういう意味を持つ数字かというと、今が三九パーですから、それよりも高くて、かつ頑張れば手が届きそうなレベルということで、その数字自体に特に戦略性があるとは私は見ておりません。
 また、農地の確保は十年後に四百四十万ヘクタール、あるいは農業労働力の確保は十年後に六十歳代以下で九十万人以上という、それぞれ当面の目標はございますけれども、そもそも、これだけの生産力を保持しておく必要があるという、そういうビジョンはないわけでありますから、農地や労働力をどれだけ確保しなければならないかが分からないわけでございまして、その目標で十分なのかどうかもこれは当然分からないわけであります。また、輸出についても、一兆円という目標はございますけれども、その数字の持つ意味というのもこれははっきりしないわけであります。
 加えて、その目標の関連性についても、これはもう明確ではないところがありますので、これもまた山田太郎委員がかねてから問題提起されております一人十ヘクタール問題のように、農地面積の目標と労働力目標がかみ合っていないのではないかという、こういう指摘も出てくるわけであります。
 こうしたことは水産行政も同様でございまして、水産基本計画では、平成三十四年度の漁業生産量の目標を平成十七年度水準の四百四十九万トンとしておりますけれども、その目標も、これはその前の基本計画策定時の実績値を参考にしているということで、特に戦略性があるものとは見ておりません。
 農水省の政策がどういう着地点を目指して、私、よく北極星という表現を使うんですけれども、どういう北極星を見ながら進んでいっているのかという、それがまさに農政のビジョンでありまして、そこからこの体系というものが形成をされていくのではないかと、このように思っております。
 そのためには、まず究極の目標というものをピン留めする必要がありますけれども、食料自給率というのは平時を含めた現状の自給状況を表しているにすぎない指標でありますから、一概にこれが何%がいいのかという究極の目標値を設定するのは難しいのではないかと思っております。
 その点、食料有事の際も国民を飢えさせないだけの生産力保持というこの食料自給力目標はそうした目標にふさわしいのではないかと思いますし、これだけの生産力を保持するにはこれだけの農地を確保しておく必要があるんだ、その農地を耕作するにはこれだけの農業労働力が要るんだと、もし仮にそれだけの農地と労働力の確保が客観的に困難であるとするならば、それをカバーするために単位当たりの収穫量を何割伸ばす必要があるというような話になってくるんじゃないかと思いますし、さらには、それだけの供給力、生産力を維持するためには、平時において余剰となる分は少なくともこれだけは輸出に回しましょうとか、あるいは飼料用に回しましょうとか、そういうように各種の施策が有機的に関連をして自給力目標を中心に一つの体系としてまとまってくるんじゃないかなと、このように思うわけでありますけれども、そうした私に言わせればより進化した体系といいますか、そういう体系の構築について、林大臣の御見解をお伺いできればと思います。
#21
○国務大臣(林芳正君) まずは、北極星というお話がありましたが、一番大事なことは、基本法にもありますように、食料の安定供給、これを将来にわたって確保していく、これが国家の最も基本的な国民に対する責務であると、こういうふうに考えておりまして、そのために国内農業生産の増大を図って自給率を向上させていくと。さらに、この基本法では、自給に併せて輸入、備蓄でもってやっていくと、こういうことが書いてあるわけでございます。
 これを受けて、三月にも食料・農業・農村基本計画を作りましたけれども、自給率の目標については実現可能性というものも重視をいたしまして、カロリーベースで三十七年度四五%、生産額ベースで七三%、まずはこの実現を図るということを最優先して戦略的にやっていくということにいたしましたが、今委員からもお話がありましたように、カロリーベースということになりますと、例えば花など、こういうものが栽培されている農地、これはいざということになればほかのものにも転用できる、こういうことですから、そういうところが持っている食料の潜在生産能力、こういうものは反映されない、そして我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力という意味では一定の限界があると、ずっとこういう議論があったわけでございます。
 したがって、今回の基本計画で初めて潜在生産能力を評価する食料自給力指標ということを示したところであります。今回初めて作ったということでございまして、例えばこの生産の転換に先ほど言った花をじゃ芋に変えるのにどれぐらい期間が掛かるのかと、こういったことは考えておりませんので、現実とは切り離された一定の前提で潜在的な能力を試算したと、こういうことであります。
 したがって、今後この試算の前提をどうするかということをいろいろ御意見を聞いて、国民的な議論、これをしていかなければいけないと思っておりまして、まずはこういう試算でも示さないと議論が始まらないわけでございますので、この議論をしていって、検討を進める必要があると、こういうふうに考えております。
 食料自給率の向上を図るとともに、食料自給力の維持、これも念頭に置かなければならないと、こういうふうに思っておりまして、そのためのいろんな施策、農地の確保ですとか担い手の育成確保、こういうものを総合的かつ計画的にやっていくという姿勢が大事だと思っております。
#22
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今大臣の答弁を伺っていて、そのイメージしている価値観といいますか、そういうものは共有できているのではないかなと、私も本当に心強く感じました。食料安定供給が国家の最も基本的な責務である、そこから出発していくと、もう基本法もそういうふうに書いてあるわけですから、これはもうその位置付けというのは恐らくは揺るがないんだと、このように思います。
 今大臣おっしゃいましたように、確かに、この食料自給力指標というのはまだ一定の試算だということでありまして、まだまだ始まったばかりということも認識しております。ただ、私は、これは本当に、こういう概念を出していただいたことは我が意を得たりということで大変うれしく思っておりますけれども、確かにまだこの食料・農業・農村基本計画も改定して始まったばかりということで、十年間の目標でございますけれども、今すぐそうしてくれと言っているわけではございませんで、そういう意識を持ってこれから、五年後の基本計画の見直しの時期もやってまいりますから、そこに向けて着々と準備を進めていってほしいなと、このように思っております。
 よく、この農政については猫の目農政とやゆすることがありますけれども、私は、やっぱりこの一本筋がびしっと通っているということが大変重要だなと、このように思っておりまして、そういう意味で、このぶれない体系の整備というのが本当にこれから我が国農政の課題ではないかなと、このように思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、同じ食料自給でありますが、オペレーションに関しての質問でございます。
 この食料自給力は、先ほど大臣もおっしゃいましたように、潜在的な能力でございますので、実際の食料有事の際にその能力をきちんと顕在化させて、国民に食料を提供できるかどうかが課題というわけであります。
 二か月前の当委員会では少し時間が足りなかったので、その続きということで、まず、流通面の問題をお伺いしたいと思います。
 これは、食料有事の際に増産した食料が国外に持ち出されることなくきちんと国内で供給される仕組みになっているかどうかということでありますけれども、国民生活安定緊急措置法によりますと、主務大臣が生産、流通を行う者に対して売渡先を指示をしたり、割当て、配給を行う規定が定められておりまして、違反者にはそれなりの制裁措置は用意はされておりますけれども、輸出自体を規制できるわけではないわけであります。
 一般に輸出は関税法で規制することができまして、そのために許可又は承認がなければ輸出できないように法令で規定しておく必要がありますけれども、現在、この国民生活安定緊急措置法上の指定物資については許可、承認の対象とはなっておりません。
 輸出貿易管理令という政令にこの指定物資を書き込んで、その輸出を経産大臣の承認に係らしめるというこの方策も考えられるのではありますけれども、いずれにしても、この食料有事の際には適切に輸出を管理、規制する必要も出てくると思いますが、そうした場合にどのように対応する、そういう措置があるのか、伺いたいと思います。
#23
○政府参考人(高田修三君) 輸出承認について定めている外国為替及び外国貿易法は、第四十八条三項におきまして、経済産業大臣は、外国貿易及び国民経済の健全な発展などのため、政令で定めるところにより貨物の輸出について承認を受ける義務を課することができると規定しております。具体的には、輸出の承認を要する貨物などを輸出貿易管理令において定めております。
 有事の際に輸出貿易管理令の改正により特定の物資について迅速に輸出承認に係らしめるということにつきましては、国連安保理決議を踏まえたこれまでの対応に倣えば、閣議決定から三日ほどで公布に至っており、迅速に対応できるものと考えております。
 さらに、経産大臣は、特に必要があると認めるときは、同法五十一条に基づきまして、省令におきましても一か月以内の期限を限り貨物の船積みを差し止めることが可能です。
 委員御指摘のいわゆる食料有事の際には、食料政策を所管する農林水産省などと連携しつつ、これらの措置により必要に応じ迅速に対応いたしたいと考えております。
#24
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 一か月間だったら省令で何とかすぐ対応できると、政令の対応でも三日で可能だという話でありました。この問題提起は、私はそういう食料有事の際に備えて、できることは平時からきちんと備えておくことが必要じゃないかなと、こういう意識の下にお尋ねをいたしましたけれども、今政省令はそのようになっていないわけですけれども、実際にそういうことが起こったときにはきちんと対応してくださるということでございますので、実際の事に当たっては迅速に御対応いただきますように是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、これは前回も伺ってやや途中で終わったんですけれども、国民生活安定緊急措置法上の生産業者の範囲について確認をさせていただきたいと思います。
 前回は、この法律第十五条の生産業者がどの範囲の人まで含むかというこういう質問に対しまして、小泉副大臣から、当該物資を現に生産している者のみならず緊急増産の必要性に応じ生産する能力のある者等も含まれるとの御答弁をいただきました。しかし、この等が付くことによって生産業者の範囲が一気に曖昧になってしまうわけでございます。
 現実に、生産業者は省令で定められるということになっておりますので、この法律上の外延がはっきりしないということは、これは役所の一存で様々な人たちに食料増産を義務付けることができるということになるわけでございまして、義務付けられる方からすれば大変な権利の制約となるわけでありますから、この等が具体的にどの範囲の人まで指しているのかということで、私、小泉副大臣にお答えいただけるのかなと思いましたら、今日は議員席の方におられるので、おやっと思っておりますので、是非適切な方に御答弁いただければと思います。
#25
○政府参考人(佐藤速水君) お答えいたします。
 国民生活安定緊急措置法に基づきまして緊急増産を行う際には、議員御指摘のとおり、政府対策本部において事態の深刻度に応じまして緊急増産ですとか生産転換すべき品目を政令で指定いたします。それとともに、主務省令で定める手続に従いまして、都道府県を通じて、物資の生産の事業を行う者、生産業者を特定いたすこととしております。
 議員御指摘の緊急措置法に規定された生産業者についてでございますが、事態の深刻度に応じまして、実際に当該物資を生産している方だけではなくて、その生産するための土地ですとか機械を保有している者といったように生産能力を有していらっしゃる方、さらには、果樹農家のようにその作物を生産したことはないけれども生産することが期待される方、そういう方まで含まれ得ると考えております。
#26
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 期待される人まで含んでいるということでありますから、かなりこれは広い概念だろうと思います。事は食料有事ですから国民の命に関わる話でありますので、その食料を増産してもらう人を省令で柔軟に定められるようにしておくということの必要性というのは私も大変よく理解しておりまして、そのようにすべきだとも思っておりますけれども、これは一方で法的許容性の問題というものも、必要性だけじゃなくて、そっちの面もやっぱり意識しておく必要があるんだろうと、このように思っておりまして、その点についてもしっかり理論武装といいますか吟味をしておいていただきたいと、こういうふうに思っております。
 現実に発動したときに、下手すれば裁判というそういうトラブルにならないようにしておいていただきたいと思うわけですけれども、法的にそれが許容されるんだと、広く範囲を取って、実際にかなり広いところまでこれは省令で書けそうなわけでありまして、具体的には例えばゴルフ場の経営者に芋を植えてくれとか、各家庭で庭を耕してちょっと芋を植えてくださいとか、極端な話、そこまで行ってもいいぐらいな話に読めるわけでありますが、その辺の許容性について御見解を伺いたいと思います。
#27
○政府参考人(佐藤速水君) 実際にこの緊急措置法に基づきまして省令で生産業者を特定する際には、この緊急措置法の目的、すなわち、我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資等の需給の調整等に関する緊急措置を定め、もって国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保すると、こういう緊急措置法の目的に従いまして、その時点での事態の状況を正確、的確に捉えまして、その上で指定された物資の生産の事業を行う者を適切に定めるということにしたいと考えております。そういう意味では、法的には問題ないというふうに考えております。
#28
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 私は、この問題、大変公共の福祉での要請が高い問題であると思いますから、そういった範囲で国民の権利が制限されるのはやっぱりやむを得ないと思うんです。だから、そういった理論武装をきちんと、これは内閣法制局も含めてきちんと整理しておいていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#29
○柳澤光美君 おはようございます。民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。
 今回が二回目で恐らく最後の質問になるかと思います。前回に引き続き、少し私の思いを込めて質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 徳永理事から御下命をいただいて質問に立つことになりましたが、この農林水産省所管の独立行政法人については、本当に知識がなくて、資料を読ませていただいたり、説明を受けましたけれども、正直、複雑過ぎていまだによく分かりません。ピントが外れた質問があるかと思いますが、お許しいただきたいと思います。
 まず最初に、独立行政法人改革の評価についてお伺いしたいと思います。
 独法改革は、行政機能のアウトソーシングや効率を目指し、二〇〇一年に制度がスタートし、その後、農林水産省所管の独立行政法人を含め、多くの統廃合の改革が行われてきました。農林水産省所管では、二〇〇一年十七法人でスタートし、現在、十三法人となっています。
 これまで行われてきた農林水産省所管の独立法人改革について、どのように評価をされているのか、目的は何だったのか、その目的は達成されたのか、何ができて何ができなかったのか、簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
#30
○政府参考人(西郷正道君) 先生御指摘のとおり、独立行政法人制度が始まって以来、累次の統合などが行われてまいりました。
 このうち、研究機構を題材に取って考えてみますと、平成十三年の独立行政法人化のときは、農業研究を行っていた十二の機関を統合いたしました。それから、その後も累次ありまして、最近では十八年に農業工学研究所、それから食品総合研究所、農業者大学校などを統合してきて至っております。
 これまでの統合におきましては、例えば、研究といいますか、畜産部門とか、水稲の育種とか、栽培分野、これが分かれて研究していたのを一緒にして、自給率向上に向けた飼料用の稲の効率的な研究開発を実施いたしますとか、あるいは、地下水位制御と申しまして、農地の中の地下、水がどの程度、水位が制御できるかといったことのシステムをつくりまして、その結果を大豆の安定生産技術に用いるとか、そういった各研究所の壁を越えました総合的なプロジェクト研究などが実施できてきたというふうに思っております。
 ただ一方、統合による組織の拡大によりましてどうかということがあるわけでございますが、間接部門の組織見直しによる研究支援業務の効率化、あるいは内部組織、研究所いろいろございますけれども、の長への権限移譲等による意思決定の迅速化などによりまして、これまで大過なく運営ができてきたというふうに評価しているところでございます。
#31
○柳澤光美君 政府答弁としては、余りできなかったことは答えられないというのは私も理解しておりますが、それにしても農研機構は、二〇〇六年に農業・生物系特定産業技術研究機構、農業工学研究所、食品総合研究所及び農業者大学校が統合され、数多くの内部組織を全国各地に抱えた極めて複雑な組織となっています。それが今回更に複雑かつ大きな組織になってしまうことになります。また、職員数は約三千五百人、理化学研究所と同程度の国内最大規模の国立研究開発法人となる見込みです。
 こうした法人の統合による組織の肥大化、複雑化は、運営や評価、そしてガバナンスなど多くの問題が生じると私は思います。現状でも全く問題がないとは言えない中で、更に統合して本当に大丈夫なのか。
 実は、衆議院の議事録も熟読をさせていただきました。その答弁では、組織や研究分野の横断的な研究推進体制の構築、理事長のリーダーシップと役員の所掌と責任の明確化等、不断の情報共有化により、これまで以上に迅速かつ的確な意思決定を可能とする体制が構築され、効率的、効果的な組織運営ができると答弁をされております。
 本当に自信と確信を持っておられるのか、できましたらちょっと簡単にその根拠を教えていただきたいというふうに思います。
#32
○政府参考人(西郷正道君) 統合による組織の肥大化とか複雑化とか、それからガバナンスによる問題が生じるのではないかというお尋ねでございます。
 先ほども申しましたように、これまでは間接部門の組織の見直し、それから研究支援業務の効率化といったこと、それから、内部組織の長への権限移譲等による意思決定の迅速化によりガバナンスを確保していく等申し上げました。
 今回の統合におきまして、更にその内部統制、あるいはその中の意思決定などをきちんとするために、理事長のリーダーシップがより発揮できる体制の構築ですとか、あるいはコンプライアンスを推進するための担当する理事の設置でございますとか、それから、もちろん理事長を本部長とするコンプライアンス推進本部の設置、それから法人全体で確実にコンプライアンスを推進できる体制といったものもつくることを始めといたしまして対応していきたいと思います。また、監査室といったことの拡充をいたしまして、内部監査を強化していくといったことにつきましても検討しているところでございます。
 今後とも、組織といたしまして、コンプライアンスを始め、きちっといろんなことが遵守できるように取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
#33
○柳澤光美君 これ以上突っ込むつもりはありませんし、みんなで協力してやっていくことが大切だというふうに思いますが、私は、現場での問題点を正確に把握し、一つ一つ解決を積み上げていくことが本当に大事だろうというふうに感じています。
 実は、労働組合の執行部の皆さんからもお話をお伺いしました。不満以上に多くの問題提起や提言をいただきました。現場の問題点や生の声を最も把握しているのが私は労働組合だと、決して私が労働組合の出身だから言うわけではありませんが。
 林大臣も衆議院で、独法の職員は民間労働者と同等に労働関係法規の適用を受け、給与等の労働条件は労使交渉で決定するというふうに述べられております。是非、労働条件だけではなく労使協議を大切にしていただいて、自主性と自律性を発揮できる現場からの改革を進めていただきたいと考えますが、できましたら林大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(林芳正君) まさに委員がおっしゃっていただきましたように、この独法、そういう体制になって、しっかりと労使協議もやっていただくと、こういう前提になっておりますが、その中でというか、それから離れたとしても、まさに今委員がおっしゃるように、職員とそれから役員の間の意思疎通をしっかり図っていただいて、みんなが一体となって運営をしていけるような仕組みというのが非常に大事だと思っておりますので、そういう環境がより充実させられるように我々も意を用いていきたいと、こういうふうに思っております。
#35
○柳澤光美君 ありがとうございます。是非バックアップをしていただければということをお願いしておきたいと思います。
 しかし、あえて言わせていただくと、今までの独法改革というのは、民間出身の私から見ると、バブル崩壊以降、民間企業がしてきた努力に比べればまだまだ甘いと思わざるを得ないと感じています。民主党時代、三割削減案からは後退していますし、ある意味切り込み不足だという思いもしています。業務の質と効率の向上がそう進んでいるとも思えない部分が多々あります。言い方は悪いかもしれませんが、数合わせのための組織いじりではなかったのかというふうにさえ感じる部分があります。
 例えば、この統合の組合せですが、民主党の野田内閣のときには、種苗管理センターと家畜改良センターの統合、そして、農業・食品産業技術総合研究機構、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所及び国際農林水産業研究センターの統合が検討されました。これは、現行の法人分類では、種苗管理センターと家畜改良センターは中期目標管理法人であり、農業・食品産業技術総合研究機構等の四法人は国立研究開発法人に位置付けられています。
 なぜ、独立行政法人通則法では法人分類を整理したにもかかわらず、あえて業務の特性も目標管理期間も異なる法人を統合するのか。そして、種苗管理センターと家畜改良センターをむしろ私は統合した方が自然であると感じます。飼料米など、飼料、いわゆる餌ですね、あるいは堆肥の有機栽培の研究など、いろんなシナジー効果が生まれるのではないかというふうにも感じています。この家畜改良センターと国際農林水産業研究センターを単独で残す必要があるのか、統合により業務の質と効率の向上が図られ、異質であってもシナジー効果が上がるというのであれば、むしろ全て統合した方がいいのではないかというふうにさえ思いますが、御見解をお聞かせください。
#36
○政府参考人(西郷正道君) 御指摘のとおり、平成二十四年の閣議決定では、農業・食品産業技術総合研究機構、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所、それから国際農林水産業研究センターの農業研究四法人を統合し、また一方、種苗管理センターは家畜改良センターと統合するということとされておりました。これは、先生今御指摘のとおり、研究開発型のものは研究開発型へと、それから非研究開発型の業務型のものはそれへというふうな考え方に基づいて整理されたものと考えております。
 しかし、その後の検討を進める中で、まず国際農林水産業研究センターにつきましては、農林水産分野におきます開発途上国との共同研究を実施する我が国唯一の機関、そして長年にわたって国際的に広く認知されているということもございまして、他の法人とも統合せず単独で運営する方が適当であろうという考えと、それから、種苗管理センターにつきましては、家畜改良センターと統合した場合、実は本部が、種苗管理センターはつくばにございまして、家畜改良センターは白河にございますが、そういった点で離れておるとか、あと、各設置場所もかなり離れたところにあるということで、いわゆる間接部門を合理化していくということが望めないと。
 一方で、農業研究法人と種苗管理センターを一緒にするということで、研究成果を種苗の検査技術にダイレクトにすぐ高度化につなげられるようなメリットがあるということから、農業研究法人と種苗管理センターを統合するということとしたものでございます。
#37
○柳澤光美君 もちろん理由があってだというふうには思いますが、民間の合併等するときには、むしろ本部を一か所に集めるということも含めて、どうしたら一番効率が上がるかということが大切になってくるというふうに思います。
 ただ、衆議院の答弁の中で、統合は内閣官房行政改革推進本部で議論され、その議事録をお読みくださいという答弁がありまして、私はそれを読んでいる時間がありませんでした。あるいは、農協法のときも規制改革会議の議論がそのまま下りてくるという、このような傾向を少し変えていかないと、本当に農林水産省の中で主体的に独法改革を、どうしたら一番、私は、この食料・農業・農村基本計画というのはもう本当にすばらしい、もう何回も読ませていただいて、これができれば日本の農業は完全に復活するというふうに思っているわけで、そういう取組を少し強めていっていただければなというふうに、特に現場の状況と意見をどこまでくみ上げるかというふうに思っておりまして、もし大臣の方で一言御所見がございましたらお答えいただければと思います。
#38
○国務大臣(林芳正君) 行政改革を進めますときに、どこまで横串で、いわゆる省庁の縦割りという批判が一方でございますが、これを排して政府全体として進めていくかという観点と、そして今委員がまさにおっしゃっていただきましたように、農水省がやっていかなければいけない施策をしっかり実現していくと。
 このせめぎ合いといいますか、最終的にはどう折り合いを付けるかということが常に課題になるわけでございまして、我々としては、まさに我々の施策をしっかりと進めていくためにこういうことが必要であるということをいろんな検討の過程の中でずっと申し上げながら、内閣官房でまとめるときも、勝手に向こうでまとめるということでなくて、我々にヒアリング等をしていただいて、現場の状況もよく踏まえた上で決めていただいていると、こういうことではないかと、こういうふうに思っておりますので、せっかくの貴重な御意見を今賜ったわけでございますので、今後もそういうことをしっかりと頭に置いて対応してまいりたいと思っております。
#39
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 この農水委員会に御参加の与野党の委員の皆さんは全員が農林水産業が大好きな皆さんだというふうに私は確信をしておりまして、是非みんなで力を合わせて主体的な改革が進んでいければというふうに願っております。
 嫌なことも少し言わせてもらいますが、この統廃合の過程には、二〇〇六年に談合事件が発覚して二〇〇八年に廃止された緑資源機構のように、不祥事等の問題が契機となったケースもあります。過去の独法改革の多くは、その時々における事業、組織の見直しとともに、ガバナンスの強化を主要な目的の一つとして実施されてきました。しかし、残念ながら最近でも不適正な事案が散見されます。
 例えば、二〇一三年十月、農業・食品産業技術総合研究機構に対する関東信越国税局の税務調査が行われ、その後、農業・食品産業技術総合研究機構、農業生物資源研究所、農業環境技術研究所、国際農林水産業研究センター、森林総合研究所、水産総合研究センター及び家畜改良センターにおいて、DNA合成製品の納入において不正な経理処理が行われた事実が判明をしました。七法人は調査を進め、二〇一四年十二月に中間報告を公表しています。この公表内容を聞かせてくれというふうには思いません。こうした不正な事案が発生する原因はどこにあるのか、また、統合される独法においてガバナンス強化が必要と考えますが、具体的にどのように考えているのか、お聞かせいただければと思います。
#40
○政府参考人(西郷正道君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、会計検査院によります平成二十五年度の決算検査報告におきまして、いわゆる預け金等によります研究物品の購入などの不適正な経理処理が農業・食品産業技術総合研究機構及び農業生物資源研究所で確認されたとの指摘を受けたところでございます。また、昨年十二月には、今の二法人を含む、今御指摘のありました当省所管の七つの独立行政法人から、本件と同様の事案について調査した結果、その不適正な経理処理があったという報告を今受けているところでございます。
 それで、その原因でございますけれども、この報告によりますと、取引業者と研究職員が日常的に接触をしていく中で、研究上の便宜を図るといったことが優先される中で、契約、検収部門を通さなくて、要するに、早く試薬を使いたいということで、便宜的に早く買うというようなことがございまして、その直接取引が行われるということになったと。また、DNA合成製品につきましては、従来の物品等を前提とした検収体制では必ずしも十分な対応ができないと。要するに、実験する前に早く発注するものをすごく細かく指定しなきゃいけないので、それが実験に間に合うように持っていくというためには、なかなか会計処理の時間が掛かり過ぎるとできないというふうな事情があったと。それから、根底にございますのは、研究職員の公的研究費や適正な契約手続に対する認識がこれ決定的に不足をしていたといったことが原因であるとされております。
 これらの原因を踏まえまして、取引業者と研究職員の直接取引の禁止の徹底、また、納入業者の検収ですね、物が来たときの検収の徹底、それから職員の意識の啓発、それから内部監査機能の強化といったことの再発防止策に取り組んでいるところでございます。
 これら法人については、事実解明に向けた調査をまだ継続をいたしているところでございますけれども、農水省といたしまして、二度とこのような不適正な経理処理が行われぬよう、統合後も引き続き再発防止策の徹底を厳しく指導してまいりたいと存じているところでございます。
#41
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 実は、農林漁業信用基金の業務に対して、今まで農水省と財務省が共同で検査を実施していたのが、今回新たに金融庁検査を導入して内部ガバナンスの高度化を行うというふうになっております。あえてこの内容は尋ねませんが、このように独法が大きくなる中で、今までのガバナンスとは違った新たな仕組みづくりというのを是非研究をしていただきたいというふうに思っておりますが、できましたら林大臣から一言、御決意をいただければと思います。
#42
○国務大臣(林芳正君) まさに今委員が御指摘いただいたように、この不正な経理というのも出てきたところでございます。
 今、事務局長から答弁いたしましたように、再発防止をしっかりやっていくということはもちろんでございますけれども、せっかくこうやって新しい仕組みをつくるところでございますので、今後、こういうことが起きないようにするためにどういった新しいガバナンスが必要になるのかという意味で、例えば、今お触れいただいたように、農林漁業信用基金については金融庁検査を導入する等々、いろんな工夫をやっぱりしていって、起きたから対応するということではなくて、未然に防止するためにしっかりとやっていくと、こういう姿勢で臨みたいと思っております。
#43
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 実は、今国会で私、行政監視委員会の野党の筆頭理事として、与党の石井みどり筆頭あるいは松村委員長と、この行政監視委員会がスタートをして十年になると、もう一度、決算委員会に次ぐ参議院改革の中で重要なこの委員会の位置付けを強めたいということで、委員会決議だけではなく、参議院の本会議決議を全会一致で通させていただきました。この取組は、私たちもこれからもっともっときちんと強めていかなければいけないというふうに思っております。どうぞよろしくお願いします。
 次に、何よりも大切なちょっと人の問題をもう一度、衆議院の答弁もありますが、確認をさせていただきたいと思います。
 独立行政法人の最大の使命は基礎から応用など研究成果を上げることにあるということであれば、優秀な研究者を確保し育成することが何より重要であって、安易なコスト削減はすべきではないというふうに考えます。林大臣も、研究員や補助スタッフの人員削減、人件費削減は考えていないと明言をされております。大変うれしく思っています。私は、確かにコスト削減はきちんとやっていかなければいけませんが、必要があれば人員増と処遇条件を改善していただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 ただ一方で、統合により、いわゆる理事長を始め役員、あるいは間接部門の、これは民間でもそうですが、合理化がかなり進められるというふうに思います。そんな中で是非お願いしたいのは、理事長を始め役員には農林水産省の出身者あるいは出向者が多いというふうに聞いています。私は決して全てを否定するつもりは全くございません。ただ、独立行政法人のたたき上げ、頑張っていただいた方とか民間からの登用も考えるべきだというふうに思っています。
 これだけ肥大化し複雑化した組織の運営には、少なくとも総務、経理、人事、評価及び作業改善、さらにはガバナンス等を含めて民間から経験のあるプロの人材を登用する必要があるというふうに考えますが、現状どのようになっていて、今後どうされる予定か、お聞かせいただければというふうに思います。
#44
○政府参考人(西郷正道君) 御指摘の役員構成でございますけれども、農林水産省出身者が多いということの御指摘だと存じます。
 現在、いわゆる農林水産省出身者でもいろいろございまして、行政からの出身者は非常に少なくなってございまして、昔は、今独立行政法人になってございますけれども、今のマネジメントをしている方々は、農林省の職員として研究所にお入りになってそのままずっと研究を続けられている方が今研究担当の理事といった形でやっているんですけれども、採用は農林省ということになっているんでございますけれども、そういう点では行政官がいわゆる天下り的に行っているというのは非常に少なくなっているということでございます。
 それから、民間のようにということでございますけれども、例えば監事さんだとか、そういったところにつきましてはもう民間の方に来ていただいているという例も非常に多うございまして、そういった点ではかなりの改善が図られているというふうに存じてございます。
#45
○柳澤光美君 努力をされているというふうには思いますけれども、私自身は更に本当に新しい血を入れるというのが器をつくる以上に改革には必要なことだというふうに思っておりますので、更に検討を進めていただきたいというふうに思います。
 実は、衆議院で林大臣が、政権交代を挟んで取り組んできた組織の再編はこれで一段落であり、集大成だというふうに述べられております。私も、余りにも進めてきて少し一段落しなければ大混乱になるということは十分感じておりますが、ただ、私の思いは、農林水産省所管の独立法人の改革は集大成ではなくてこれからが本番だというふうに考えていただきたいというふうに思っています。
 それは、私、前回の質問で、豊富な資源に恵まれた農林水産業を日本の基幹産業に育てることが日本の自然と国土を守り、地方創生につながる成長戦略の柱だというふうに主張させていただき、林大臣からも前向きな御答弁をいただきました。それには、基礎から応用まで研究分野の充実は最重要課題であり、統合だけではなく、むしろ分割や創設など、目的を明確にした新たな体制づくりが必要になってくると、検討をしなければいけないというふうに感じております。
 農林水産業の六次産業化、輸出拡大、攻めの農林水産政策を進める上で、産官学、そして他省庁との連携強化、場合によっては輸出戦略、販売戦略の検討など、農水省が主体となって新たな独立行政法人改革が私は必要になってくるというふうに考えておりますが、できましたら大臣の御所見をいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(林芳正君) まさにおっしゃるとおりでございまして、衆議院の質疑の中でも、職員が余りころころころころいつも替わっているとなかなか落ち着いて研究できないじゃないかと、こういうお話があったので、これは政権交代挟んで、集大成だと、こういうふうに申し上げましたが、同時に、未来永劫何もしないということではありませんということも申し上げたつもりでございます。まさに、この主務大臣が中長期目標の期間終了時までに組織見直しをやるということは制度として入っておりますので、まさに、今後も組織の見直しを一切行わないということではないということは制度上も担保されているわけでございます。
 まさに今委員が御指摘していただいたように、新しい行政ニーズに対応した研究体制につきまして、例えば、このマーケット・インの発想で、円滑に研究開発を推進させるように、実需者との情報交換の仕組みということで、農研機構の本部の中に、平成二十八年度からでございますが、食農ビジネス推進センター、まだ仮称でございますが、これを新たに設置して、まさに輸出戦略、それから販売戦略、こういったものに対応した研究を行いたいと、こういうふうに思っておりまして、今後もこういう行政ニーズに対応した研究が行われますように、中長期目標によって法人へ指示を行ってまいるとともに、必要が生じれば組織体制も検討していきたいと、こういうふうに思っております。
#47
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 ここからは少し私の思いを述べさせてもらいたいと思うんですが、継続した基礎研究というのも非常に重要だというふうに思います。しかし、新たな戦略に入っていく中で、変化に対応した研究を新たにつくる、あるいは研究テーマの絞り込みとかプライオリティーを付けて優先順位を付けるとかということを、どれも大事だということで全部やるのではなくて、その辺のめり張りが必要になってくるだろうというふうに私は感じています。
 その中で、一つ私が思っているのは、お手元に資料を出させてもらったんですが、実はロボットの開発であります。
 現在、農林水産業における最大の課題は労働力の確保だというふうに考えています。人口減少以上に労働力人口の減少は日本全体の問題で、私の出身の流通サービスなど労働集約型産業では深刻な問題になっています。農林水産業でも、担い手の減少と急激な高齢化、それに加えて人手不足は最大の課題だというふうに私は思っています。
 衆議院でも、外国人の技術実習制度が人手確保として議論になりました。林大臣は、国内の労働力不足を補うための制度ではないが、経営する人だけではなく、労働集約的に作業をする人が必要だというふうに答えられております。
 私も、女性と高齢者に働いていただける労働環境の整備が急務である、魅力ある職場にどうするかというのが大事だと。その中で、現在、六十七歳を超える平均年齢になってきている皆さんも、元気であれば八十でも九十でも働きたい。私は福島の原子力災害の現地対策本部長を務めさせていただいて、現地に入って、農家の皆さんの農業をやる意欲というのはこれはもうすごいことでありまして、その人たちが体力的に厳しくなってくる、それをどうロボットあるいはその作業が軽減化するかというのは、私は大きな柱になってくるというふうに思いますし、これから新たに高齢者や女性に働いていただくためにも、この記事にありますように、農機具の改良、開発やロボット開発が大変重要だというふうに思っております。
 この記事の中には農研機構も水産総合研究センターの名前も出ていて、農水省挙げるということで大変私もうれしく思っておりますが、現状と今後の抱負を是非お聞かせいただきたいと思います。
#48
○大臣政務官(佐藤英道君) 農林水産、食品産業分野におきまして必要な担い手を確保していくためには、柳澤委員御指摘のとおり、より多くの高齢者や女性に働いていただけるよう、農業用ロボット等の開発や実用化を通じて農業を体の負担が少なく楽しい仕事に変えていくことが極めて重要であると考えております。
 このため、傾斜地での歩行と重量物の持ち上げの支援を行う農業用アシストスーツ、圃場の中を無人で走行し、様々な農作業を自動で行うトラクター、田植機及びコンバイン、人力での作業が困難な急斜地での草刈りを自動で行う除草ロボットなどの開発や実証を推進しているところであります。
 今後とも、高齢者や女性等、誰もが取り組みやすい農業の実現に向けた研究開発の推進に努めてまいります。
#49
○柳澤光美君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 私は、実は昭和二十三年の団塊の世代のど真ん中でございまして、昭和二十二年、二十三年、二十四年生まれ、これが団塊の世代で六百万を超えます。この世代がちょうど六十五歳以上になって、ほとんど定年退職をして、みんな心身共に健康で元気で、体力と時間を持て余して、この前同期会もやったんですが、この団塊の世代だけではなくて、その後も年間二百万近く生まれているわけですから、この元気なシニア世代をどう活用していくかというのは、これは日本全体の問題なんですが、農林水産業でも積極的に取り組むべきだというふうに私は思っています。
 この世代というのはふるさとを非常に懐かしく思っているメンバーが多いわけですから、できればふるさとに戻る人がいる。戻るだけではなくて、セカンドハウスでこちらに居住地を持って、今新幹線も何も便利になりましたから、通って農作業に従事をする、あるいは、若者も含めて菜園別荘みたいなものが造れないのか、あるいは、市町村がそのような住宅を提供できないのか、あるいは、交通費の一部をどこかで負担できないのかということも含めて、この皆さんが本当に農業、農林水産業に従事する。これは、実は自然の中で、しかも新たな仲間と触れ合う、そして心身共に健康で、ある程度収入も得られる。私は、これこそが年金、医療、介護の社会保障問題の究極の解決策だというふうに思っています。
 まち・ひと・しごと創生本部の政府関係機関の地方移転というような邪道に惑わされないで、地方再生の王道は農林水産業を基幹産業にすることだということを林大臣には是非主張していただきたいと思いますが、御所見をお伺いできればというふうに思います。
#50
○国務大臣(林芳正君) 思わずそうだと叫びそうになりましたが、まさに元気な高齢者が豊富な知識、経験を生かしていただきまして、農業や地域活動に取り組んでいただくということは、農山漁村の維持、活性化という意味でも大変重要だというふうに思っております。
 我々としても、この水路、農道等の地域の資源を高齢者を含んで地域全体で維持管理をしていただく、農業、農村の多面的機能の発揮を図る活動への支援、こういうものをやっております。また、地域の高齢者の参画を得て、農山漁村の持つ豊かな自然、伝統的な食、こういうのを活用して農山漁村の活性化を図る取組、特産品作り、都市住民参加の体験活動等への支援、こういうものの施策も講じてきておるところでございます。
 余談になりますが、この間、先生のお地元の東御市に行ってまいりまして、今、ワインの特区ということで、若い方もUターンされて、Iターンされてワインセラーなんかも造っておられると。元々どうだったのかなと聞いてみたら、元々桑畑だったそうでございまして、長年ほってあった桑畑が見事にワインのブドウ畑によみがえっている、こういうところを見せていただきまして、そういうところでやはり元気なベビーブーマー世代の皆さんがしっかりとやっているさまを見て、なるほどこれはすばらしいなと、こういうふうに思ったところでございます。
 こういうところに、高齢者の方はいろんな経験がございますので、例えば経営のノウハウ等々、またリーダーシップで人を、若い人を育てると、こういう経験も持っておられますので、こういう経験も生かしていただいて農山漁村の維持、活性化を図ってまいりたいと思っております。
#51
○柳澤光美君 力強い御答弁をいただきまして、本当ありがとうございます。ふるさとにも行っていただいて、私もそこに戻ろうというふうに思っております。
 次に、農林水産業の最大の課題の一つが、先回もお話ししたように、私は輸出拡大にあるというふうに思います。国内で幾ら販売をしようとしても、人口減少の中で高齢化が進むとすれば、本当に国を挙げて世界に売り込む、だから農林水産業の作物を作ってほしいというふうにしていくというのが最大の課題だというふうに思っておりまして、この輸出促進の研究、安全で安心で新鮮な農林水産物を世界に送るための技術、それが経費が掛からないで長期間鮮度が保てる輸送方法の開発といった輸出に関する研究というのも少し集中的にやる時期に来ているのではないかというふうに思いますが、現在どのような取組で今後どうしようと考えておられるか、お答えいただければというふうに思います。
#52
○国務大臣(林芳正君) おっしゃられますように、国内では少子高齢化が進展をし、食市場、これはボリュームという意味では人口も減って縮小してしまうと、こういうことですが、一方、世界の食市場、これは平成三十二年までに平成二十一年の三百四十兆から六百八十兆まで倍増というふうに見込まれておりまして、この世界の食市場の成長、どうやって取り込んで農林水産業の所得につなげていくか、これが大事だと思っております。
 輸出額一兆円という目標を掲げて国別、品目別に輸出戦略を細かく作らせていただきまして、官民一体となって取組を進めておるところでございます。昨年六月に、農林水産省が事務局になりまして、関係省庁、地方公共団体、民間の関係者、皆様集まっていただいて、司令塔としての輸出戦略実行委員会、これをつくりました。この委員会で品目別に輸出拡大方針の策定、また品目別の輸出団体の設立、こういうものを進めていくとともに、テーマ別の部会もつくって、例えばハラルというのがございますので、これを専門的に研究する部会を立ち上げて対応を進めてきたところでございます。
 円安の追い風もございまして、昨年の輸出額は、今までなかなか五千億の壁というのがあったわけですが、これを一昨年五千五百ということで超えて、昨年は六千百十七億と史上最高になりました。今年も直近の数字が出まして、一月から七月までの輸出額、これも対前年同期比二四・八%増の四千百三十六億円と大変好調な伸びでございます。
 今後も、大どころの中国、台湾、香港、こういうところがまだ放射性物質に係る輸入規制残っておりますので、こういう国・地域に対して科学的根拠に基づいて規制緩和の働きかけを行っていく。さらには、インバウンドも伸びておりますので、これの推進と食文化の発信を両輪にFBI戦略を展開して六次産業化商品の海外展開を進め、地方の魅力を生かした輸出の拡大、こういうものをつなげて好循環を実現をしたいと、こういうふうに思っております。
 輸出がインバウンドを呼び、インバウンドが輸出につながる、この好循環をしっかりと広げていくことによって三十二年の一兆円というものを前倒しして実現したいと、こういうふうに思っております。
#53
○柳澤光美君 ありがとうございます。
 最後に、野菜工場についてお伺いしたいと思います。
 私は、二〇一一年の九月から一年一か月、福島の原子力災害現地対策本部長を務めさせていただいて、青森、宮城も、もちろん被災地を回らせていただきました。
 二〇一二年に、避難区域の川内村にヤマト財団からいただいた三億の基金を元に野菜工場を造りました。また、陸前高田市に、経産省の先端技術補助金で、手元に資料をちょっと出させてもらいましたが、グランパファームという企業のドーム型のレタスのハウスを八棟造りまして、起工式にも出席をしました。現在は十一棟になっておりますが。実は、津波で何にもなくなった高台に八棟の光り輝くドームができて、市民があれは何だという話になったときに、野菜が栽培されて出荷をされるということで、戸羽市長を始め多くの皆さんに大変喜んでいただきましたが、正直言いますと、農地転用が大変難しくて、これは市の土地にようやく建てさせてもらった経緯もあります。
 これは、透明なビニール型のドーム、一棟三千万で造ることができます。雪がある程度降っても大丈夫な耐久性を持っていまして、左手にあるようにドームの中は、真ん中に苗を植える、そうすると回転をしながら外に向かって動いてきて、ほぼ一か月で一番外側でレタスが収穫できるようになります。動いたところに苗は常に植えて、連続的に運ばれてくると。これは、サンドイッチのサブウェイに全部販売する、社長にも参加をしていただいたんですが、そういうルートをつくってやったものです。これは、お願いをして、実は南相馬市に農家の方と提携で四棟のこのドームハウスも造らせていただいております。
 私は、この日本の野菜工場の技術というのは、原発が停止をして、私もサウジアラビア、アブダビ、ドバイ、クウェートを原油とLNGの確保で走り回りましたけれども、中東を歩いたり、あるいは議連で去年モンゴルに行かせていただいて、本当に新鮮な野菜を求めている皆さんは世界にたくさんいらっしゃる。とすれば、こういう野菜工場が世界に出ていく、世界の皆さんに感謝をしていただける、そんなこともこれから非常に大事なテーマになってくるんではないかなというふうに思います。
 最後に大臣からその辺の御感想も含めて御所見をお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
#54
○国務大臣(林芳正君) すばらしい例を今御披露いただきましたけれども、野菜工場につきましては、オランダの農業というのも参考にしながら、地域資源によりまして、まさにエネルギー供給から生産、調製、出荷まで一貫して行う次世代施設園芸拠点の整備をやっております。十か所ぐらい全国で今始まっておるところでございます。
 さらに、研究開発におきまして、これまで施設内の温度、湿度、光、こういう環境条件を自動的に制御するシステム、それからイチゴの無人収穫ロボット、こういうものを開発をすると。このイチゴの無人収穫ロボットというのは、なかなかあの難しい作業をよくできるなと、私も現物をそこで見ましたけれども、こういうものが実際に開発できているということでございまして、被災地である宮城県においても、こういった先端技術を活用した実証研究、これを行っておるところでございます。
 今後の研究においては、施設園芸の環境に適した高品質、多収品種の育成、それから、品種の特性に応じました栽培管理技術の開発等々の研究を進めまして、我が国に適した次世代の施設園芸の推進が加速化をされますように努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
#55
○柳澤光美君 終わります。ありがとうございました。
#56
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私からも、今日、本題に入ります前に、水産資源管理に関しまして少しだけお伺いをしておきたいというふうに思っております。
   〔委員長退席、理事野村哲郎君着席〕
 この水産資源の減少をめぐりましては、昨今、国内外、大変議論が活発化をしております。先週、東京では、今年七月に発効いたしました北太平洋漁業資源保存条約に基づくNPFC第一回の会合が開催をされたところでございます。この件については、一昨日、儀間委員の方からも取り上げていただきまして、サンマの資源管理ということについて質疑が行われたわけでございます。
 私も議論をお伺いしていて、林大臣がサンマがお好きであると、そういったところもありまして、私、生まれは海のない長野県で、育ったのは海に面していない東京の目黒でありますけれども、もうサンマはやっぱり目黒に限るということで、小さい頃からサンマは大好きで、この議論をしたら一時間ぐらいずっとやりたいところなんですけれども、既にこれ、儀間委員にやっていただきました。
 今日は、ちょっと時間の関係もありますので、もう一方の会議、先週この東京で行われた会議と時を同じくいたしまして、札幌でも、日米ですとかを中心とした六か国・地域による太平洋マグロの漁獲規制ルールに関する国際会議、これが開かれております。この点について、札幌での会議での成果あるいは今後の取組についてまずお伺いをしたいと思います。
#57
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今先生の方からお話ありましたように、我が国は太平洋クロマグロの最大の漁業国で、かつ消費国として、その管理と持続的利用に大きな責任を有するという立場にあると認識しておりまして、これまでも、このWCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会におきましてリーダーシップを発揮してきたというふうに考えているところでございます。
   〔理事野村哲郎君退席、委員長着席〕
 先生がお尋ねの、先週札幌で開催されましたWCPFC第十一回の北小委員会におきまして幾つかのことが合意されたわけでございますが、一つが、このクロマグロの漁獲対象となる大きさになって資源として追加された魚の量、これを加入量と呼んでおりますが、これが著しく低下した場合に緊急的な措置を講ずるために、その具体的な内容を二〇一六年に決定するといった我が国の提案が会議参加メンバーの間で合意されるとともに、中長期的な管理方策の議論を継続して、来年三月に資源評価を行うことが再確認されたところでございます。
 また、この太平洋全域での効果的な取組を目指しまして、全米熱帯まぐろ類委員会、IATTCと呼んでおりますが、との合同会合を開催するよう北小委員会として働きかけることも合意され、これらは本年十二月開催のWCPFCの年次会合において採択される見込みでございます。科学的な根拠に基づく適切な資源の管理と持続的利用が実現されるよう、今後ともリーダーシップを発揮してまいりたいと、このように考えているところでございます。
#58
○平木大作君 これはもう一昨日の会議でも、いわゆるサンマに関しても、日本がしっかりと議論をリードして具体的な提案を行って国際的な規制の在り方について枠組みをしっかり決めていく、同じように、クロマグロについても、今御説明いただいたとおり、日本から提案をしてこのルールをしっかり作っていく、とても大事な取組を今していただいているというふうに思っております。
 クロマグロは今世界中で関心を集めていますけれども、やっぱりまだ消費のおよそ八割が日本で行われていると言われているとおり、大変日本にとって貴重な資源であります。海を泳いでいるもの全部が日本のものということではないわけですけれども、やっぱり各国と連携しながら、しっかりこの枠組みづくり、是非日本がリードしていただきたい、お願いしたいと思います。
 この資源管理、これは今、クロマグロあるいはサンマに限らず様々な魚種において関心を集めて今議論が行われているわけでありまして、一つちょっと気になっていることがございます。それは、これまで日本というのは、主にいわゆる投入量の規制ですとかあるいは技術的な規制、こういったところを中心にこれまでいわゆる漁業資源の管理を行ってきたわけでありますけれども、一方で、日本に対して、そもそもこの捕る量、産出量規制ですね、これの強化を求める声というのが大変強まっているというふうに感じております。
 例えば、先ほどのサンマに関して申し上げると、日本でもやっているわけですけれども、漁獲可能量、いわゆるTACの制度ですね、これをサンマですとか今日本では七魚種でやっているわけですけれども、もっともっと日本は広げるべきじゃないかという声もあります。あるいは漁船とか漁業者ごとに漁獲量を割り当てていくIQ方式ですとかITQ方式、こういったものを日本ももっとやれという、本格的に導入しろという声もあります。あるいは、水揚げの現場でモニタリングですとか取締りしっかりやるようにという声も上がっている。
 こういう一つ一つ、日本に実はいろいろ向けられている声もあるわけでありまして、こういった声、提言に対して、今、現時点で政府としてどのような検討を行われているのか、どういう方針で臨むのか、お伺いをしたいと思います。
#59
○政府参考人(佐藤一雄君) 今の先生の御質問でございますが、やはり我が国におきましては、沿岸から沖合まで多種多様な漁業種が多くの魚種を利用し合いまして漁業を営んできていると、こういうような状況になっておりまして、やはりこのような実態に応じまして、漁業法に基づきまして、先ほども先生から御指摘ございました投入量規制としての漁業許可制による隻数、トン数あるいは馬力などの規制や、あるいは技術的規制としての網目の制限といった漁具の規制等の資源管理措置を実施してきたところでございます。
 また、我が国におきましては、国連海洋法条約の批准に伴いまして、漁獲量が多く国民生活上重要な七つの魚種につきまして、平成九年から魚種ごとに年間の漁獲量の上限を定める漁獲可能量、いわゆるTAC制度を実施しているところでございます。
 昨年七月でございますが、こうした種々の措置を行ってきているわけでございますが、資源管理のあり方検討会といったものを開催しまして、そこにおきまして、資源管理の一層の高度化を図るべきだといったようなことで提言が取りまとめられたところでございまして、その中で一つとしまして、TAC制度につきましては、いわゆる生物学的許容漁獲量、ABCと呼んでおりますが、これを上回るTACを設定していたスケトウダラ日本海北部系群をTACとABCとを等量とすることによりまして、全てのTAC魚種についてTACとABCとを一致させるほか、対象魚種の追加についても今検討を進めているところでございます。
 また、先ほども出ておりましたが、漁業者ごとに個別に割り当てた漁獲数量を譲渡できるITQといったものにつきましては、やはり漁村社会への影響などから導入は時期尚早というふうに考えているところでございますが、譲渡を認めないIQについては、マサバを対象に昨年十月から試験的に導入し改善効果を今検証するといったような状況になっておりまして、これらを通じまして日本の漁業の実態に即した資源管理の高度化を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
#60
○平木大作君 何か、よくある声というのが、日本だけ何かやっていないとか、あるいは日本だけ独自のやり方をやっているといった指摘がなされてしまうわけであります。今お答えいただいたように、一つ一つの方式についても、捕るべきものは捕る、しっかりと検証を行った上で必要なものだったらやっていくという今スタンスをお話しいただいたんだというふうに思っておりますけれども、この資源管理の話になるとどうしても、いわゆる語感として悪いイメージがないからというところもあると思うんですけれども、必要以上に厳しい規制を課してみるですとか、そういった声というのが結構実は国内においても幅を利かせてしまうというやっぱり問題点があるというふうに思っています。
 また、それこそ漁業先進国ノルウェーに倣えみたいな、ほかの国でやっている方式をとにかく日本に導入したらどうかみたいな声も、これも国内の識者と呼ばれる方も割と言っていたりするという、ちょっとそこに引っ張られるのはどうなのかなということをやっぱり感じるわけでありまして、国境を越えた規制の在り方というのは大変合意が難しいというところであるというふうに思うわけでありますけれども、しっかりとこれ機能する形で、当然、厳しいルールを一律に課しても、どこかの国が守らなければ、もうそれは制度自体が意味をなくしてしまう、あるいは厳し過ぎるということによって、日本の漁業自体が疲弊してしまうという可能性も十分にあるわけでありまして、今御答弁いただいたように、是非、実態に即した規制の在り方というもの、また日本の魚種が多い、また小規模で零細ないわゆる経営が多いという実情をしっかりとこれ世界にも当然理解していただいて、合意形成をこれからもリードしていただきたい、お願いしたいというふうに思います。
 時間の関係でちょっと今日はここまでにさせていただきますが、また今後、引き続き議論させていただけたらというふうに思っております。
 それでは、本日の本題でございます独立行政法人改革についてお伺いをしたいと思います。
 今般の独法改革、改革の方向性について定めております平成二十五年十二月二十四日の閣議決定、いわゆる基本方針の中でこう言っています。数合わせのための組織いじりではなく、真に政策実施機能の強化に資する統廃合のみを実施すると、こううたっているわけであります。この方針に基づいて、今回の独法改革においても、農水省所管の独立行政法人、今十三あるんでしょうか、この十三のうち農研機構を中心とする四法人の統合、それから水産に関する二法人の統合ということが今議論されているわけでございます。
 私も、方針としてはもうこのとおりだなというふうに思いますし、これまでも、この組合せですとかそういったところについては議論されてきているわけでありますけれども、私も、今まで企業ですとか組織の統合に幾つか関わったことがあるんですけれども、本当にこの組織の統合というのは、これ、最初に掲げた成果を得るというのは大変難しいんですね。これはやっぱり同じことをやっている組織に見えても、それこそ、その中での風土ですとかいろいろ人間関係ですとか様々なものがやっぱり対立をして、実際に一緒にやっていくということは本当に大変なわけでありまして、そもそも、今、農水省の傘下において個々の独立行政法人として運営を行われている一つ一つが例えば連携をすることによって今目指しているものというのは達することができないのかなということをやっぱり思うわけでありまして、今回これ、なぜ各法人間の連携ではなくて組織の統合という形を取るのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
#61
○政府参考人(西郷正道君) 今先生御指摘になられましたように、平成二十五年の閣議決定、独立行政法人改革に関する基本的な方針におきまして、当省所管十三法人につきましても、各法人ごとについて講ずべき措置といたしまして、通則法上どの法人分類にすべきかとか、あと各法人の今後の方向性につきまして個別に整理をされたところでございます。
 この中で、組織の見直しということにつきましては、今先生御指摘ありましたし、それから、法人を統合することにより政策実施機能の向上あるいは業務の効率性と質の向上が図られる場合には統合するというふうにされておりまして、当省の場合には御指摘のあったような六法人について措置することとなりました。
 具体的には、基礎から応用まで一貫した効率的な研究の推進、それからブランドの保護基盤の強化ということで農研機構等の三つの農業研究法人と種苗管理センターを統合する、それから、水産業の健全な発展のために研究開発機能と人材育成機能の一体的向上が図られる水産関係二法人を統合するとしたものでございます。
 こうした統合は、ただの連携ということよりも、例えば、非公開の研究情報などを共有して、一つの指揮命令系統で機動的に業務が推進できる、また、現在の法人の枠を超えた研究者の重点配置あるいは教育現場での活用が容易となるといったことによりまして、ただの、何というんですか、法人の連携ということよりは一層大きな効果が上げられていくものというふうに考えております。
#62
○平木大作君 今お答えいただきました、非公開の情報を共有したり、あるいは人を重点的に配置できると、これはいわゆる法人が分かれていたんじゃできないんだというふうな今お答えであったかというふうに思います。こういう形で、今回ある意味、法人の箱を一旦仕切り直す、統合を行うと。
 もう一つちょっと今日お伺いしたいのが、これ本法案の中でやるわけじゃないんですけれども、これまでに取り組まれてきた一連の独法改革において、やはり箱を整えるのと同時に、人をどう生かしていくのかという点がやっぱり大事なんだろうというふうに思っております。
 これについては、昨年、議論を行いました。従来所管する独立行政法人の業務実績評価、これについて、これまでは農林水産大臣が関与する仕組みがなかった。そこで、昨年のこの議論、これ、独法通則法の改正においてこの点を是正しようということになったわけでございます。
 よく言われるPDCAサイクルを回してしっかり強化していくという中において、これはしっかり大臣が目標設定から実績の評価まで一貫して関わっていくということが大事だと、これ本当にそのとおりだなと思うわけでありますけれども、一方で、特に今回対象となっているようないわゆる研究開発ですとかそういったところというのは、大変専門性が高い。目標設定のところはさておき、今度、実際に実績の評価、これ組織として、またあるいは個々人というのはなかなか大臣が入っていくのは難しいと思いますけれども、組織として所期の目標にしっかり達しているのかどうかということを評価するというのは結構大変なことじゃないかなというふうに思っております。
 この点についてどのようにして実効性を確保するのか、これは大臣から是非お願いしたいと思います。
#63
○国務大臣(林芳正君) 今お話をいただきましたように、この通則法で、主務大臣が国立研究開発法人の中長期目標の設定、それから業績評価を行おうとするときは、法人の研究開発業務の専門性に鑑み、あらかじめ研究開発に関する審議会の意見を聴かなければならないと、こういうふうにされておるところでございます。
 研究者や農業の関係者、ジャーナリスト等々を構成員とします国立研究開発法人審議会を設置しましてその意見を聴くと、こういうことを通じながら、国立研究開発法人における第一の目的である研究開発成果の最大化に向けて、適切な目標設定、それからそれに対応した評価の実施に努めなければならないと思っております。
 この中長期目標の設定に当たって、研究者が複数の職場で働くことを容易にするクロスアポイントメント制度とか、それから年俸制、あるいはテニュアトラック、その手前の任期付き等々、いろんな研究業務の特性に応じまして柔軟な報酬、給与制度、こういうものを環境としてしっかりと導入をしていく、こういうことをやって有為な研究者を確保すると、その上で目標と評価のPDCAがきちっと回っていくようにいたしたいと、こういうふうに思っております。
#64
○平木大作君 今、組織をしっかり、箱を、ある意味枠組みですね、法人の枠組みを研究が進みやすいように見直し、そして有為な人材も獲得できるように待遇面でも柔軟な体制に行い、最後はやっぱり評価の部分、これが本当にしっかりできるかどうかというところで、やっぱり中に所属するお一人お一人の力がどれだけ発揮できるかというところに一番通じるところであるというふうに思いますので、今おっしゃったような形の審議会の活用を是非進めていただきまして、やっている方たちがやっぱり頑張った分だけしっかりと成果を認めてもらったなと思えるような運用を是非お願いしたいというふうに思っております。
 最後に、一問だけお伺いします。
 これは、今回の独法改革に合わせて、今、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部が募集を行っております政府関係機関の地方移転において、本法案で統合の対象になっている独立行政法人についても各地から移転の提案というのが寄せられております。中でも、農研機構については既に八つの県から移転要望が寄せられていると。私は、この議論をしているさなかに、こっちに来てくれあっちに来てくれという綱引きが行われるのはどうかなという気もして、ちょっと危惧を持っているわけでありますけれども、まず、ちょっとはっきりさせていただきたいんですが、今般のこの独立行政法人の改革とまち・ひと・しごと創生本部による地方創生施策との関係をまずしっかり明らかにしていただきたい。
 あわせて、統合するという際には、一般には想定されるシナジー効果というのは、いわゆる本部部門ですとか共通部門、いわゆるバックオフィス、こういったところの統合によるコスト削減、こういったところがよく注目をされるわけでありますけれども、統合後の具体的な移転ですとか集約のイメージというのはもうできているのかどうか、これを最後にお伺いしたいと思います。
#65
○政府参考人(西郷正道君) お答えいたします。
 御指摘のように、今回の独立行政法人改革における組織の見直しというのは、二十五年十二月の独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づきまして、真に政策実施機能の強化に資するという面での統廃合の実施をするというものでございます。
 一方、御指摘のまち・ひと・しごと創生本部が主導する政府関係の地方移転というのは、二十六年十二月にまち・ひと・しごと創生総合戦略、あるいは二十七年六月のまち・ひと・しごと創生基本方針と累次閣議決定されてございますけれども、地方への新しい人の流れをつくるという観点から、道府県からの提案を受けて、必要性、効果について検証した上で実施するということとされているところでございます。
 今般閣議決定、御提案いただいている国立研究開発法人の地方移転の検討に当たりましては、まず統合の効果を含めてその機能を確保するということとか、地域の波及効果が期待できるかなどを慎重に検討しながら、まち・ひと・しごと創生本部と緊密に連携しつつ対応したいというふうに考えてございます。
 また、統合後の新法人について、ちゃんと相乗効果が最大発揮できるのかというお問合せでございますけれども、これは今、統合後につきましては関係法人についても事前の検討は少し始めてございますけれども、例えば農業研究法人の統合につきましては、組織や研究分野、横断的な体制を組むといったことでつくば地区での業務の共通化だとか、水産関係の統合では、また研究開発と人材育成の両業務の活発な人事交流といったことを促進すること等によってきちんと対応していくということで効果を上げたいというふうに考えてございます。
#66
○平木大作君 今御答弁いただきましたけれども、やはり今回のこの独法改革の一番の主眼というのは政策実施機能の強化なんだと、そこを最優先にしていただくということを今御答弁いただいたんじゃないかというふうに思っております。
 衆議院における議論においても、いわゆる地方移転については慎重に検討するということが、これ附帯決議にもあったというふうに思っておりますけれども、しっかりこの点踏まえてまた今後の検討を進めていただきたいと思います。
 時間参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
#67
○儀間光男君 維新の党の儀間でございます。
 独立行政法人統合に関して質問をさせていただきますが、まず、これ御承知のとおりですけれど、独立行政法人は、各府省が持つ政策の実施部門、その中から一定の事務事業の分野を切り離して、これを担当する機関に独立の法人格を与えて、業務の質の向上や活性化あるいは効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上を図ることを目的にした制度でありました。国際的な経済状況、環境の変化によって我が国の政策や国民のニーズなどなどあらゆる視点から捉えて統廃合や見直しを図ることはこれは至極当然のことであり、理解をするところであります。
 さて、独立行政法人が三分類された理由、これは政策実務の強化を図り適切なガバナンスを構築しようということを目的としていたにもかかわらず、ここへ来て、その趣旨と提出法案において異なる法人、いわゆる法人分類の統合案となっているのであります。このため、多少違和感、クエスチョンを持つんですね、整合性に。そういうことで、違和感も持ちながら、この法人のガバナンス、これに支障のないようなことをやっていただかなければならないと、そういうふうに思っておるんです。
 ところが、いろいろこれまでのことを言ったって、矢は放たれたというような認識でおりますから、前向いてしか行きませんけれど、先般、この法人の提案理由の説明に、大臣からありました、いわゆる基礎から応用まで一貫した効率的な研究を推進し、研究成果を最大化するとともに、研究成果を利用した種苗管理業務の高度化あるいは効率化を図るとしております。水産関係の統合もほぼ一緒でありますから、これから質問してまいりますけれども、どうぞ時間もそんなにないことから簡潔にお願いしたいと、こう思います。
 まず、統合がされてこれまでよりは研究開発成果が後退したなどということはあってはならない、あるいはそれは後退しない、させないというようなことでの統合の提案だと思うのでありますが、ここで聞きたいのは、この統合、農業関係で機構も含めて四つの法人が統合される。これまでのこの人員、抱えた研究員、補助員あるいは一般職員含めて、それぞれ人員が幾らで、予算が昨年実績で幾らだったのかを聞きたいと同時に、統合されて四つが一つになっていくんですが、いわゆる来年、二十八年度、四月一日にスタートする際のその人員と、研究者、補助者も含めて、一般職員、それから予算のめど、そういうものをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府参考人(西郷正道君) まず、農業関係四独法でございますけれども、人員につきましては、平成二十七年一月一日現在、常勤職員が三千四百二十五人合わせております。うち研究職員が千八百七十四名、技術専門職員が五百八十四名でございまして、統合後も同様とするという考えでございます。
 また、予算につきましては、二十七年度運営費交付金は全部で五百十七億円でございますけれども、平成二十八年度は四・五%増の五百四十億円を概算要求いたしているところでございます。
 今後とも、法人が研究成果を最大限に発揮できるよう人員及び予算の確保に努めてまいりたいと存じます。
#69
○儀間光男君 同じ質問を水産関係にもお願いします。
#70
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 まず、水産総合研究センターと水大の統合でございますが、この独法の人員につきましては、平成二十七年一月一日現在、常勤職員は計で一千百五名となっております。統合後においてもこの職員数というふうに考えているところでございます。
 次に、予算でございますが、平成二十七年度の両法人の運営費交付金につきましては、合計いたしまして百六十八億円でございまして、新法人の平成二十八年度予算では、対前年度二・七%増の百七十二億円を概算要求しているところでございます。
 今後とも、法人運営に支障がないよう人員及び予算の確保に努めてまいりたいと、このように考えているところでございます。
#71
○儀間光男君 非常に大事なことでして、この研究成果を上げるには、私は人、物、金だと思うんですね。研究陣がそろい、補助研究者がおり、一般職員がおって、そして研究機材がそろい、施設がそろい、そのための財政が要るんだと。この三つが整わぬというと、なかなか研究成果を上げることはできないと思いますけど、今聞きますというと、来年度以降もその人員は変わらない、予算も四・四%ですか、二・七%ですか、それぞれ多めに概算要求をしているということで、そのとおりいけばまずまずでありますが、この統合の意味には、行財政の改革の達成とそれから研究成果を落とさない、達成する、難しい、両方の、ある意味では逆の立場の課題があると私、見るんですね。
 そういう意味で、人も変わらない、人を切っちゃ本当はならないんですが、人も変わらない、予算は多くする、行財政改革の面から見ては何が改革されたんでしょうか。何が達成されたとお思いかをお聞かせを願います。
#72
○政府参考人(西郷正道君) まず、先生御指摘のとおりに、統合によって研究機能などが落ちてはなりませんので、それから、ますます行政のニーズに合ったことができなければいけませんので、その機能を落とさないようにすることに今努めているところでございます。
 行財政改革上の問題につきましては、今回の平成二十五年の基本方針におきましても、統合直後は、拙速な、何というんですか、合理化ということは控えて、とにかくまず統合を進めましょうと、そしてその後、安定したときには考えましょうというようなことが記述されてございますが、基本的には、まずは、人と何とかというよりは、例えば物品の調達でございますとかそういった事務の効率化などが今後は図られていくものというふうに考えております。
#73
○儀間光男君 ここはもっと話したいところですが、時間がありませんから進めさせて、次、またの機会でさせていただきたいと思います。
 まず、農業・食品産業技術総合研究機構へ統合されるのでありますが、具体的にこれまでの研究成果として、これ分野が多いですから、時間も関係ありますので、米と果樹に特化してこの成果をお聞かせいただきたいと思います。
#74
○政府参考人(西郷正道君) これまでの機構における研究成果でございますけれども、稲関係につきましては、お米につきましては各県の試験場が自分の県のブランドの米の品種を最終的には育成をされているところでございますけれども、それの基となるような母本でございますとか、病気に強いものを作るとかといったものをたくさん作ってきたところでございます。
 それから、果樹につきましては、御承知のとおりですけれども、最近のでございますと、例えばシャインマスカットでございますとか、マルドリ、マルチドリップで作って水が少なくてもできるミカンでございますとか、そういった体系なども作ってまいりまして、農業生産に貢献をしてきているかと存じます。
#75
○儀間光男君 おっしゃるように、先ほど米と言いましたが、この場合は稲、議事録書いてくださいね、お願いします。稲の話です。
 稲は我が国の得意とするところでありまして、ゲノムの保有率も実に世界でも半分以上を日本が保有するというような非常に先進的な国であって、世界をリードし、主導していく技術を持っていて冠たるものがあるんですが、さらに果樹ですね、これに至っても相当の地位を占めていて、世界でも有数である、上位にランクされるぐらいのきちっとしたものができていて、大変高く評価していいと、こう思います。
 その中にあって、例えば品種の高品質の中で、稲のゲノムの完全解読、これなんかが日本が進んでおって世界の範たるものがあるんですが、この農業生物資源のジーンバンク、これについては私は一位だろうと、こう思ったりしたんですが、資料を見ますというと、日本は二十二万点規模を持っておって、アメリカが五十一万点、中国が三十九万点、インドが三十五万点、ロシア三十二万点、日本二十二万点、五番手に付けるんですが、上位との差があり過ぎますね。それは何が原因しているんでしょうか。まさか研究が遅かった、スタートが遅かったと、そういうことじゃないと思うんですね。何が原因でこういう数になっているか、ちょっと聞かせてください。
#76
○政府参考人(西郷正道君) 御指摘の遺伝資源の保有数でございますけれども、これは各国とも自国の農業のために必要な遺伝資源を確保しているというためにやっているということでございまして、直接品種の遺伝資源の数そのものが育種とか品種育成の能力を必ずしも表しているとは存じません。ただ一方で、今御指摘のように劣っていてはいけませんので、各国のジーンバンクとの連携で、お互い遺伝資源を研究上融通するとか、そういったことも講じましてやってきております。
 我が国はなぜこれだけ今少ないのかということにつきまして歴史的なことを考えますと、元々国土が小さくて、生えている植物の数は多いんですけれども、農作物になるようなものは元々少なかったので、元が少なくて海外から取ってきたものが多いといったことが今の数の表れになっているということでございますけれども、世界第五位と申しますけれども、その活用している遺伝資源の数につきましては遜色がないというふうに考えてございます。
#77
○儀間光男君 なるほど、今おっしゃったのがそのファクターとして理解できなくはないんですね。自国の栽培する農作物をバンクしたということでこの差があると、こうおっしゃる。栽培する品種そのものにこれだけ差があるはずないんですよ。僕は、だから、その背景は必ずしもそれだけじゃないと思うんです。
 ただ、政策的にどこまでどう皆さんが取り組んでいくかというような、政策的な面で人、物、金が準備できていなかったんではないかというような思いがしてわざわざ聞くんですが、潤沢な研究費があったとは言いませんが、これまでの経験から今後も、潤沢とは言わないでも、世界に後れを取らないぐらいの研究費をあるいは研究材料を持ってやっていけるということをお聞かせいただきたいと思います。
#78
○政府参考人(西郷正道君) 御指摘の点、受け止めさせていただきたいと思います。
 それから、最近の一例といたしまして、例えば二十四年度だったか、ちょっとあれですが、補正予算をいただきまして、つくばのジーンバンクにつきましては新しくしてございまして、機能を向上させているところでございますので、この分野につきましてはまずは充実をさせていきたいというふうに考えてございます。
#79
○儀間光男君 それはそれで是非進めていただきたいと思いますが、つまり研究開発というのは、さっき言ったように、人、物、金ですけれど、特に施設や機材が老朽化をしているというようなこと等もあると思うんですね。人、物、金がそろっても機材が老朽化していては、これまた研究成果は上がりませんから、この中でこの施設の改築やあるいは機材の調達やそういう面への取組はどうなっているか、お聞かせいただきたいと思います。
#80
○大臣政務官(佐藤英道君) 委員御指摘のとおり、国立の研究開発法人が優れた研究成果を創出し続けるためには、その基盤となる研究施設を計画的に整備していくことが極めて重要であると考えております。
 現存する研究施設は設置後相当の年数が経過し、更新時期を迎えているものも多いことから、研究の推進に支障がないよう集約化等を進めつつ、優先順位の高いものから計画的に整備をしているところでございます。
 また、研究機材の更新については、運営費交付金を活用して機動的に対応しているところでございますが、統合後も国立研究開発法人が研究成果を最大限に発揮できるよう研究施設や機材の整備に必要な予算の確保にしっかりと努めてまいりたいと思います。
#81
○儀間光男君 ありがとうございます。
 この品種改良、御承知のとおりですが、農林水産関係の研究というのは一朝一夕でなかなか成果出ないんですよね。何年、何十年と掛けて、しかも、研究者が予想したものを追求していたら、全然予想しないのがぽっと出てきて新種を発見というようなこと等が頻繁にあることなんですね。
 だから、一つのものの遺伝子を、新遺伝子を確保する、作る、あるいはゲノムを作る、あるいは種苗を作っていく、そういうことに手間暇が相当掛かることですから、これは林大臣、農林水産省の中でもこの部分は特に強化して先に行かないというと、日本の科学は遅れていくと思うんですよ。その辺、大臣の決意のほどをお伺いさせてください。
#82
○国務大臣(林芳正君) 私も、つくばは大変大事であるという認識も持っておりましたので、就任してしばらくしてから、実は一泊二日で視察に行ってまいりまして、今委員が取り上げていただきましたこの資源のセンターの種子のところも実際に行って見せていただいたところでございます。
 いろんな研究者の方ともお話をしましたが、やっぱりこつこつと同じことをずっとやって、なかなか成果が出るときと出ないときというのは、何か努力をすればすぐ出るというものでもないところがあると、こういうことでございまして、独立行政法人というのは、委員が御指摘いただいたように、なかなか民間ですぐにできないようなところを国、行政としてやると、こういう性格がそもそもあるところでございますので、そういう継続性とかしっかりと基盤的な研究をやっていくと、こういうところの大事さというのをしっかりと我々も理解をして、そしてそういうところがしっかりとできるような環境整備というものをしっかりと推進をしていきたいと思っております。
#83
○儀間光男君 ありがとうございます。頼りにしています。
 海についてちょっと聞きたいんですが、水産大学校について聞きたいんですが、水産大学校の開学は非常に古いですね、七十数年になっている。沿革を見ますというと、昭和十六年四月に韓国の総督府の下でスタートしているんですよね。それから、いろいろな時代の変遷をやってきて、今、今日あるんですが、昨日から資料を得てあるいはいろいろ勉強してみたら、調べてみたら、これ四年制大学なんですね。ちゃんと学士も取れる、大学法で言うきちっとした大学なんですね。修士課程もあって、博士号も取れる大学なんです。
 これが、私の情報不足、勉強不足といえばそこまでですが、普通、大学校というと、あちこちにある、例えば沖縄県立農業大学校とか、二か年の、そういうものに捉えがちだと思うんですね。ですから、そうではなしに、ネーミングという細かい話で恐縮ですが、むしろきちっともっと学校の存在をPRして、大学校という紛らわしい名じゃなしに水産大学ということでやっていった方がいいのではないかと、あるいは人も、受験生ももっともっと集まるのではないかと。カリキュラムも見ましたけれども、すばらしいですよ。こういうものをもっと、国が関与してつくった大学ですから、もう少しやっぱりアピールをしていってほしいと。
 こう思うのと同時に、卒業生の就職の裾野、どの分野でどれぐらい、どの学科の卒業生がどれぐらい行っているか、その辺ちょっと明らかにしていただきたいと思います。
#84
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、先生のお尋ねの卒業生の就職先でございます。平成二十六年度でございますが、いわゆる大学相当の本科、あと研究科、院生の研究科といったもの全部含めての数字ですが、百六十九人の方が卒業しておりまして、そのうちの、就職先でございますが、百四十九名の方、八八%が、水産加工で二十九人、水産流通で五十六人、海洋調査開発で十一名、漁業資機材供給等の関係で三十九名、水産関係団体が四名、公務員が十名などといったように水産関連分野に就職しており、水産業を担う人材育成機関として重要な役割を果たしていると、このように考えているところでございます。
#85
○儀間光男君 委員長の許しがあればあと三十分ぐらいやりたいんですが、許しは取れないようですので、時間となりましたので、また次の機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#86
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず最初に、北海道網走市内のバレイショの生産圃場で、先月、ジャガイモのシロシストセンチュウが国内で初めて確認をされました。北海道のオホーツク管内のJAが自主調査を行っているんですけれども、農水省も調査を行っています。それで、どういう調査を行っているのか、また調査の現況について、ちょっと簡潔に説明をお願いします。
#87
○政府参考人(小風茂君) お答えいたします。
 網走市内の一部の圃場におきましてジャガイモシロシストセンチュウが確認されたことから、適切な蔓延防止対策を講じるために、八月の二十五日から、国が本線虫の発生範囲を特定するための調査を実施しているところでございます。具体的には、本線虫が確認された地域からバレイショの移動経路などを踏まえまして、発生の可能性が高いと考えられます網走市及び近隣の市町において、バレイショの抜取り調査を実施しております。
 国の調査につきましては、八月末には抜取りを終わっており、現在付着していたシストについて、形態学的識別あるいは遺伝子検査、検定による同定作業を行っております。同定作業が終わり次第、調査結果を公表したいというふうに考えております。
#88
○紙智子君 ジャガイモシロシストセンチュウの侵入経路も解明することが非常に急がれるんですが、同時に、この新害虫は土壌消毒でも根絶は難しいと言われておりますから、抵抗性品種を開発するということが必要になると思います。
 実は、今年、つくば市にある種苗管理センターに行って懇談してきました。同センターの業務の一つは、病害虫の蔓延防止のために、病気を持っていない健全なバレイショの原原種を隔離した環境で栽培をし、厳格な病害検査を行いつつ一元的に供給することにあるんだということをお聞きしました。
 ジャガイモの原原種の開発というのは非常に大変なんだなということを改めて勉強したわけですけれども、米などは種を植えるので増殖率が高いようですけれども、バレイショは芋を半分に割って植えるということでは増殖率が非常に低いと、しかも五年輪作を基本にしているということで時間が掛かるということですね。
 抵抗性品種の開発に十年程度掛かるという話を聞いたんですけれども、今回の被害が広がらないことを期待をするわけですけれども、同時にこの抵抗性品種の開発は避けられないんじゃないかと考えますけれども、いかがでしょうか。これ、大臣。
#89
○国務大臣(林芳正君) このジャガイモシロシストセンチュウは、一度感染してしまいますと農薬による防除、これが極めて難しいということでございまして、感染自体を防止することが可能な抵抗性品種、これを用いることが極めて重要な対応方法であると、こういうふうに認識しております。
 このため、海外で育成された品種を含む既存のバレイショ品種において、この線虫への抵抗性の有無の確認を緊急的にまず行うということと、今触れていただきましたが、当省所管の農業・食品産業技術総合研究機構において、本線虫に対する抵抗性品種の育成、これを平成三十二年度を目途に進めているところでありまして、この研究を更に加速化をしていきたいと、こういうふうに思っております。
#90
○紙智子君 是非農家が安心するように、ちょっと時間が掛かるということもあるんですけれども、是非お願いします。
 それから、次に、独立行政法人の運営費交付金についてお聞きします。
 まず、農業・食品産業技術総合研究機構、これは過去に生物系特定産業技術研究推進機構、そして農業工学研究所、そして食品総合研究所、農業者大学校を統合しています。今回新たに農業生物資源研究所、農業環境技術研究所及び種苗管理センターも統合すると。
 そこで、これらの法人等の運営費交付金の合計額と全職員数と、加えて任期付研究員を除く研究員数について、二〇〇一年度、平成十三年分と二〇一四年度、平成二十六年分を説明をしていただきたいと思います。
#91
○政府参考人(西郷正道君) お尋ねの運営費交付金でございますが、今おっしゃいました関係する法人合計で平成十三年度は六百七十三億円、平成二十六年度は五百十三億円ということで、平成十三年度比でいきますと七六%ということになってございます。
 職員数でございますが、関係する法人合計で平成十三年度は四千百五十二人、平成二十六年度は三千四百二十五人で、平成十三年度比八三%ということになってございます。そのうち研究職員数につきまして、任期付職員を除くということでございますので、計算しますと、平成十三年度は二千百四十二人、平成二十六年度は千八百二人ということで、平成十三年度比八四%となってございます。
#92
○紙智子君 ありがとうございます。
 次に、水産総合研究センターは、過去に日本栽培漁業協会、海洋水産資源開発センター、さけ・ます資源管理センターを統合しているわけですけれども、今回、水産大学校も統合すると。
 そこで、これらの法人等の運営費交付金の合計、同じように全職員数、加えて任期付きの研究員を除く研究員数について、二〇〇一年と二〇一四年を説明をしてください。
#93
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、運営費交付金でございますが、関係する法人合計で平成十三年度は百九十八億円でありましたが、平成二十六年度は百六十六億円で、平成十三年度比八四%となっております。
 次に、職員数でございますが、関係する法人合計で平成十三年度は千二百八十五人、平成二十六年度は一千百五人で、平成十三年度比八六%となっております。うち、研究職員数でございますが、任期付職員を除き、平成十三年度は四百七十五人、平成二十六年度は四百八十一人で、平成十三年度比一〇一%と、このようになっているところでございます。
#94
○紙智子君 農業関係法人の運営費交付金等は、今説明あったように、二〇〇一年度、六百七十三億四千七百万円から五百十三億三千万円ということで、二四%減っているわけです。水産関係法人の運営費交付金は、百九十七億九千五百万円から百六十六億二千六百万円ですから、一六%減っています。独立行政法人は、これは農林水産大臣が中期目標で示した効率化目標に基づいて経費を削減しているわけです。削減目標は、業務経費で毎年マイナス一%、一般経費で毎年マイナス三%と。つくばに視察に行ったときに、肥料代などは固定的に掛かるから削れないんだと、したがって、機械の更新、本当はもう替えなきゃいけないんだけど、これは更新を延ばして長く使っているなどで対応しているんだと、でも現場の職員は困っていますということを率直に語られました。
 経費の削減はこれだけにとどまりません。茶原種の生産及び配布業務や農業者大学校を廃止をされると。農業者大学校は、募集が定員に達していないのに経費が五億円も掛かるということで廃止になっているわけですね。
 農業の担い手教育は、これは国も県も民間も挙げてやっぱり取り組むべき課題だというふうに思うんですね。国の大学、農業者大学校を廃止した影響について、これらの検証はされているんでしょうか。
#95
○国務大臣(林芳正君) この農業者大学校につきましては、平成二十二年四月の事業仕分というのがございまして、ここにおきまして事業の廃止という評価を受けまして、平成二十三年度末で教育を終了いたしまして、閉校をいたしたところでございます。
 農林水産省では、平成二十四年度から、農業経営者教育を見直して道府県農業大学校のレベルアップを図ることを基本といたしまして、道府県農業大学校、四十二校ございまして、一学年の定員の合計が二千二百九十名でございますが、この道府県の農業大学校が経営力の強化等につながる新たな教育カリキュラムの導入をされるのの支援を行うとともに、こうした農業大学校と連携しまして、高度な農業経営者教育を行う教育機関、一般社団法人アグリフューチャージャパン等でございますが、こういうところが道府県の農業大学校の学生や指導者向けに開催するセミナーの支援、こういうことを行っているところでございます。
 また、就農に向けて、農業技術や経営ノウハウを習得するために、道府県農業大学校やアグリフューチャージャパンが運営する日本農業経営大学校、これは一学年定員二十名でございますが、ここで学ばれる学生の皆さんや先進農家で研修を受ける就農希望者に対しまして、青年就農給付金により支援をしておるところでございます。
 我々としては、今後とも、こういった農業教育機関と連携しながら、経営力のある農業経営者の育成に努めてまいりたいと思っております。
#96
○紙智子君 今、事業仕分で廃止したというふうに言われたんだけれども、やっぱり復活させるという努力をなさるべきではないかというふうに思うんですね。
 民間の大学校、今いろいろ経営をしてやっているんだという話はあったんだけど、やっぱり民間の大学校は国の農業者大学校よりも学費などの費用は掛かる、だから利用する側は非常に負担が掛かるというふうに聞いています。農業の担い手を育てる必要があるということでいえば、やっぱり私は国がもっと乗り出すべきではないかなというふうに思います。
 そこで、今回、水産大学校が水産総合研究センターに統合されるわけですけれども、農業者大学校と同じように廃止されるんじゃないかという不安もあるんですね。これ、廃止しないということを断言していただけるんでしょうか。
#97
○国務大臣(林芳正君) 平成二十五年の十二月に閣議決定をされました独立行政法人改革等に関する基本的な方針、これに基づきまして、水産に関する研究開発機能と水産に関する人材育成機能の一層の向上を一体的に進めるために、水産大学校と水産総合研究センターを統合すると、こういうふうになっております。
 また、この閣議決定においては、人材育成業務の自立性に配慮した内部ガバナンスを構築するということとして、水産大学校においては、その名称、また立地、これは下関市でございますが、それから施設、これを維持すること、さらに、人材育成業務について質の高い教育が持続可能な形で行われるよう、自己収入の拡大や教育内容の高度化に向けた適切な措置等を講じることと、こういうふうにされておりまして、統合後の新法人においても、研究開発部門の研究成果、施設等も活用しながら、現在、水産大学校が実施している人材育成業務の高度化を図っていくこととしておりまして、現時点で廃止するということは想定をしておらないところでございます。
#98
○紙智子君 水産大学校は教育機関であり、人件費等の固定費の割合が高いと、一律の経費の削減に対応することには限度があるというふうに言っています。政府の方針では、この人材育成業務、それから研究開発業務それぞれの自立性に配慮するというふうに書いておりますけれども、配慮せざるを得ないということであれば、やっぱりそもそも統合する必要はないんじゃないのかなというふうに思います。
 次に、研究者の問題なんですけれども、研究者の人数ですけれども、先ほど、農業関係法人は二〇〇一年の二千百四十九人から千八百二人へと一六%減っているわけですね。水産関係法人は六人だけ増えているんですけれども、農水省からこの間、研究職員の年齢構成の資料をいただきました。二十代の研究職員がどうなっているのかなというふうに見てちょっと驚いたんですけれども、水産総合研究センターは十二名と、センターの研究員に占める割合が、ですから二・三%なんですね。農研機構は四十四名で、この同機構の研究員に占める割合は二・九%だと。生物研、これは僅か一名なんですよね、同じく〇・四%。それから農業環境技術研究所も僅か一名ということで、〇・八%です。
 ちなみに、三十代の人も含めて全体に占める割合を計算してみると、二三・二%ということで、これ、大臣、若い研究者がちょっと少な過ぎるんじゃないかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(林芳正君) 今御指摘いただいたように、二十代の占める割合が、この農業・食品産業技術総合研究機構、例えば約三%ということでございます。これは実は、独法化以前には国家公務員の試験で大卒者を含めて採用を行っていたということでございますが、この独法化以降、即戦力である博士号の取得者、これを重点的に採用してきております。したがって、博士、ストレートで取ったとしても二十代の後半と、こういうことになっていくわけでございますので、これが一つ、二十代の割合が少ないことの一因と考えておるところでございます。
 先ほど来御議論いただいておりますように、質の高い研究成果を生み出すための基盤は何といってもやはり人でございますので、そういう認識の下で、研究者を対象に人材育成プログラム、こういうものを策定して、創造性豊かで挑戦意欲を持った研究者の育成、これは計画的に進めておるところでございますし、これからも、研究成果の最大化を図るためにも若手研究者の育成確保、これに努めてまいりたいと思っております。
#100
○紙智子君 ドクターを採用しているから余り若い人いないという話なんだけれども、いずれにしても、やっぱり若手の人を本当に育てていくという必要があると思います。
 一方、増えているのが任期付研究員なんですね。二〇〇六年度から二〇一四年の九年間に研究職に勤める任期付研究員の割合は、これ、農業環境技術研究所では二倍、水産総合研究センターで二・六倍です。正規の常勤研究職員が任期付研究員に置き換わっているという形になっています。任期付研究員の雇用期間は五年以内です。研究者から出される要望の第一というのは、これは雇用不安の解消なんですね。それから、二十代、三十代が少ない研究組織がこれからどうなっていくのかが見えない、国はもう少し長期的な方向を示すべきだという意見も出されているんです。
 これではやっぱり研究者のモチベーションが上がらないんじゃないかと。こういう不安を解消すべきではないでしょうか。
#101
○国務大臣(林芳正君) この研究分野で活躍する人材の確保については、近年、研究課題が多岐にわたるようになってまいりまして、また高度な専門性が求められる、こういう背景の中で、各法人において中期計画で掲げました、研究職員の採用に当たっては、引き続き任期付雇用等の雇用形態の多様化を図り、中期目標達成に必要な人材を確保すると、こういう考え方の下で必要な人材の確保に努めているところでございます。
 この任期付研究員制度ですが、研究者の流動性を高めて、研究者側から見ますと、多様な研究環境で経験を積んで、いろんなところで人脈、人的ネットワークの構築ができる、また研究者としての視野を広げることができる、こういうメリットがあると、こういうことでございまして、各法人において導入をされております。
 一方、今委員からお話がありましたように、任期付きの身分に不安を覚える研究職員もいるということでございますので、一定の期間経過後に当該期間中の研究実績を審査して高い評価を得た者を終身雇用にするテニュアトラック制度、こういうものを導入するなど、こういう取組も併せて行っているところでございます。
 法人が研究成果を最大限に発揮できますように、今後も優秀な人材の確保に努めてまいりたいと思っております。
#102
○紙智子君 流動化を高めるということもあるというお話なんですけど、現実に出てくる要望の第一位がやっぱり雇用の安定ということなので、そこにやっぱり目を向けていただきたいと思います。
 つくばを訪問したときに、ある独法の理事長さんが、予算が減って人を減らさざるを得ないということは、これやっぱり悩みだということは言われておりました。それが実態だと思います。
 業務の縮小が進んで研究者の中で雇用不安が広がっていると。運営費交付金の削減目標は、業務経費で毎年マイナス一%、一般経費でマイナス、毎年ですね、三%削減と。概算要求でも同様の目標が示されているわけですけれども、この方針をやっぱり見直す時期に来ているんじゃないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
#103
○国務大臣(林芳正君) この業務経費とか一般管理費でございますが、運営交付金で国が交付して賄われておると、こういう状況でございます。
 平成十三年に独立行政法人化が始まりまして、現在に至るまで、農林水産大臣が中期目標で示した効率化目標に基づいて各法人が毎年度業務経費や一般管理費の削減を行い、業務運営の効率化を進めてきたということでございます。
 今後の方向でございますが、二十五年十二月に閣議決定しました独立行政法人改革等に関する基本的な方針、この中で、中期目標において主務大臣が指示する効率化目標については、各法人の事務事業の実態やこれまでの効率化努力等を踏まえて法人ごとに適切な目標を設定すると、こういうふうになりました。したがって、今後の中長期目標については、この閣議決定に沿いまして、今後の法人運営に支障がないように適切に検討してまいりたいと思っております。
#104
○紙智子君 やっぱり独立行政法人の役割の発揮を妨げている現実をしっかり見ていただきたいというふうに思います。
 もう一つ、実は金融庁検査の導入の問題もお聞きしようと思っていたんですけど、ちょっと時間になってしまいました。これは、過度なやっぱり検査が行われると、県の基金協会は信用力を補完することに慎重になって、農林漁業者を支えることが困難になることが懸念されるということがあります。貸付けが厳しくなることがないように、そのことを最後に要望申し上げまして、質問を終わります。
#105
○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。
 今日は独法改革ということであります。
 通則法の関係もありますので、今日は総務副大臣にも来ていただきまして、ありがとうございます。
 さて、独法改革、私もこの委員会でかなり質疑をやらせていただいたことがあるんですが、いろんな機構やセンター等あるんですけれども、やっぱり何といっても農畜産業振興機構、ALICですね、これが今回の独法改革でどう変わっていくのかという辺りも本当は少し見ておきたいと思いまして、ちょっとこのALICさんを中心に、いわゆる埋蔵金と言われるような基金の問題というかお金の問題を少し、質疑、最初にさせていただきたいと思っています。
 まず、独法の通則法の二十九条によれば、主務大臣は、三年以上五年以下の期間において、中期目標管理法人が達成すべき業務運営に関する目標を定めて、これを当該中期目標管理法人に指示するとともに、公表しなければならない、こういうような定めがあります。一方で、このALIC自身は、その機構法の第三条の二で中期目標管理法人だと、こういうことなわけであります。そうなると、この独法自身は、三年から五年以下の期間においていろんな計画を立てていくということが通則法でも定められていると、こういうことになるんだと思っております。
 さて、今回、ALICさんのバランスシート等、いろいろ取り寄せて拝見させていただいたんですが、その中でもちょっと気になりましたのは、有価証券の運用等に関してであります。
 実は、平成二十五年度末では八百億円、平成二十六年度末、つまり今年の三月三十一日締めたものとしては八百四十二億円と、四十二億円も増えてはいるんですが、その大半、九〇%の七百五十五億円は、実は満期保有の有価証券なんですね。満期保有というのは満期まで持つ意思があるものということなんですが、実はこの満期保有の長さが異常なほどでありまして、ゼロ年から五年の満期保有については実はゼロなんでありますが、六年から十年が六百五十二億円、十一年から二十年までが百九十二億円、二十一年以上は三億円ということで、ほぼ全てが六年以上、何と二十年にわたるものもごろごろしているということでありまして、果たしてこれがこの通則法に基づくものからしても合理的なものなんだろうかと、こういうことを疑問に思っているわけであります。
 一方、独立行政法人の通則法の第四十六条の二によりますと、独立行政法人は、不要財産であって、政府からの出資又は支出に関するものについては、遅滞なく、主務大臣の認可を受けて、これを国庫に返納するものとする、こういう定めもありまして、当然これらの、元々通則法で定められている期間以上のいわゆるアセット、しかも、それをいわゆる満期まで保有しておくということは、多分その途中で使う意思がないんではないか、こういうふうに取られるわけでありますから、そうなると返金してもいいんではないかなと、こんなふうに思うわけであります。
 ただ、やっぱりこの独法改革難しいなと思いますのは、その法人や各省庁は、やっぱり自分のところでお金を持っておきたい、何かのときにと、こういうふうに言うわけですね。昨日のレクの方でも農水省さんにこの件を聞くと、緊急の資金需要とか何かがあったときのためというケースが多いと。ただ、総務省さんとしては、事業規模に対して具体的に本来この通則の在り方に鑑みた場合にどれぐらいというものを、期間的には私は三年から五年以下だと思いますが、金額規模というんですかね、その辺りの指標をどのように考えればいいのか。法律にもありますので、今日は、まず総務副大臣から、期間の問題と規模感というんですかね、この辺り、是非お答えいただきたいと思います。
#106
○副大臣(二之湯智君) 一般論と申しますと、独立法人通則法においては、各独立行政法人が業務を確実に実施する上で、必要がなくなった財産については遅滞なく国庫に納付する旨規定しておりますけれども、仮に不要財産が法人内部に発生しているのであれば、この規定に基づき速やかに国庫に納付をしていただく必要があると思います。
 しかしながら、独立行政法人は、各法人ごとに多種多様な事務事業を実施しており、その事務事業の実施の在り方、事務事業の用に供するための適切な財産の保有の在り方等も様々でありますので、このため、それぞれの法人が保有する財産が不要であるか否かについては、それぞれの法人の事務事業の在り方を踏まえて、各法人及び各所管大臣において御判断していただくものと思っております。
 なお、独立行政法人は、法人ごとに多種多様な事務事業を実施しており、その事務事業の用に供するための適切な財産の保有の在り方が適切か否かは、その資産の種類や、どのように利活用されることを想定して取得されたものかなど、個別の事情に照らして個々に判断すべきであると思います。
 このため、総務省において、例えば法人が保有する有価証券の保有期間について一定の年限を設定し、その年限を超えたら不要財産として認定するといった統一的な指針を作成することは困難であると思います。
#107
○山田太郎君 ただ一方で、総務省さんの方は、今回、評価制度委員会というのを四月一日に立ち上げられて、もう一つの独法改革の大きな目玉だと思っています。この委員会は、最終的には総理にもいわゆる独法の在り方に関して具申をすると。私自身としては、通則法から見た場合に、特にALICがということではないんですが、やはり遊休資産又は不要な資産に関してをどれぐらいとするのか、やっぱり基軸がなければこの評価委員会は生きてワークしないと、こういうふうにも思うわけであります。
 そういう観点から見ても、これは今後大事な指針になってくると思いますので、総務副大臣、例えば二十年以上の有価証券、しかも満期保有を目的とする満期のもの、これは果たして遊休資産又は不要でないと言えるのかどうか、御評価はいただけないでしょうか。
#108
○副大臣(二之湯智君) 二十年がどうかという問題でございますけれども、法人の保有する資産については、財務内容の改善の観点から、目標、評価の指針において、保有の必要性、事務事業の目的、内容に照らした資産規模の適切性、そして有効活用の可能性等の観点から目標を策定して、これに基づいて評価をしているところであります。
 委員会は、このような法人の保有資産について所管大臣が的確かつ明確な目標を設定しているか、目標に基づいて厳正に評価を行っているかといった観点から、各府省大臣による目標策定及び評価をチェックし、必要な意見があれば意見を述べるということに評価委員会はなっておるわけであります。
#109
○山田太郎君 そうしたら、林農水大臣の方にもお伺いしたいと思いますが、今の一連のお話であります。
 農水省さんから、この投資有価証券に関して正式にコメントをいただいていまして、これによって運用益を出しているんです、この運用益を使って業務費や一般管理費に充てることによって国からの運営交付金の縮小、削減に努めると、こういうことをお伺いしているんですが、じゃ、その運用益の利回りのパーセンテージはどうかということをお伺いしたら、平成二十六年で一・四七%でございまして、これは財務省が法定で定めている国債の運用利回りの一・八から二をはるかに下回っちゃうわけなんですね。
 こう考えると、このお金は国庫に返して、一円でも国債で日本の借金を返した方がいいということにもなりかねません。なぜならば、実は農水省さんが長期でいわゆる運用していらっしゃるのはほとんど政府保証の公営企業債券だったりするわけでありまして、私が、経営者からすると、この運用の仕方ははっきり言ってしっちゃかめっちゃかなので早く解消した方がいいかなと、こういうふうに思うわけでありますが、経済も非常によく御理解のはずの大臣でありますので、この辺り、まさに独法の在り方として、別にALICを狙っているわけじゃないんですけれども、こういうことを一つ典型的なケースとして、今後、独法改革していただけないものか、こういうふうに思っておりますので、農水大臣、いかがでしょうか。
#110
○国務大臣(林芳正君) 今、ALICを例に挙げられまして御質問をいただきましたが、まず政府出資金でございますが、やはり法人の信用力を担保することも踏まえて、法人が財政的基礎として安定的に保有すべきものであるということで、実は通則法にも、独立行政法人は、業務を確実に実施するために必要な資本金その他の財産的基礎を有しなければならないと、こういうふうになっております。
 また、例えば野菜勘定の事業資金でございますが、生産者補給交付金を交付するために、実は年度をまたがる場合も含めて弾力的な対応になるように保有をしておく必要があると、こういうニーズがあるわけでございまして、先ほど総務副大臣からも、個々に判断されるべきというのは、ここでございますが。
 一方で、この運用でございます。今委員からは、満期保有を目的としてということでありましたが、必ずしも、銘柄は何年何年と書いておりますが、これ、国債市場、御案内のように取引はされておりますので、いつでも売却して現金化ができると、こういうことでございますので、我々も必要なお金が必要になる可能性があるということで弾力的な対応のために持っておりますので、ずっと満期で必ず二十年物を二十年まで持っているということであれば、その目的と反する可能性が出てくるわけでございます。
 したがって、有効かつ安定的な運用を図りながら、事業費に充てる必要が生じた場合には解約して現金化が可能であると、こういうことでやっているわけでございまして、また、御案内のように、この一・八%という利率というのは予算積算上のものでございまして、実際の利回りは委員も御承知のような状況でございますので、一・四というのは必ずしもそれほど低い利回りではないんではないかというふうに考えております。
#111
○山田太郎君 なかなか、これもうちょっと突っ込んでやりたいんですけど、時間がなくなりました。副大臣の方、ここまでで関係は終わりになります。
 先ほど大臣がおっしゃられた途中で解約ということもありましたが、そうすると、また利率も悪くなりますし、目減りもします。手数料も掛かっていますし、もう一つ、であれば、満期保有の目的債券という項目自身がおかしいということにバランスシート上なりますので、しっかり投資債券とかそういう形にしないと誤解を生むのかなというふうにも思っております。
 一旦、副大臣はこれで結構でございます、委員長のお許しがあれば。
#112
○委員長(山田俊男君) 二之湯副大臣、結構でございます。
#113
○山田太郎君 さて、先ほど古賀議員の方からもいろいろ指摘いただきまして、本当にありがとうございました。私もこの委員会の、特に今国会のライフワークのようになってしまいましたけれども、一人十ヘクタールは可能なのかという、こういう議論、それ以上に、ちょっと今日は資料を配らせていただいたんですが、何かそれ以前の問題があるなということは前回の質疑の方でも少しさせていただいたんですけれども、何が言いたいかというと、ちょっと資料を見ていただきたいんですね。
 私は、そうなのかなとも思っていましたし、よく気が付けば驚くべきことだというふうにも思うんですが、実はこの資料は農水省さんに作っていただいた資料でありまして、あるかないかのことを相当調べていただいたんで、そのことについては大変感謝したいと思っておりますが、ただ、残念ながら、見ていただくと、例えば平成二十二年、一番最新のセンサスが平成二十二年のものになるということで、それ自身五年前で古いというのは先日のこの質疑でもやらせていただいたんですけれども、中山間地それから平地の土地利用型、いわゆる土地利用型なのか施設利用型なのか、かつ担い手というところでの数字がバーが入っていて、実は調べられていないと。
 問題は、平成三十七年のまさに今回の基本計画、非常に重要なものだという認識がありますし、まさにこれが古賀委員でいうところの北極星でなければならぬと、こういうことなわけでありますけれども、中山間地と平地がバーになってしまっていて、もう一つ大事なのは、人と農地との関係においたときに、とてもじゃないけど中山間地は大規模にできない。これは、常に大臣がおっしゃる、どちらかというと地域政策に近いものなんではないか。一方で、産業政策を展開しようと思うんであれば、やはり平地の方における今回の農地バンク等を使った、いわゆるある程度の規模化と生産性向上と。
 こうなってくると、どれぐらいの規模のところをどれぐらいの人数でやっていくのかという落とし込みは非常に重要だと思うんですが、なぜか最後の北極星のところだけが描かれておりまして、三百万ヘクタール、三十万人と。しかも、どういう根拠かというのは聞きませんけれども、四百四十万ヘクタールという形に減るんだよと。六十歳以下が百一万人。
 私は、今回、人数がすごく減るということを真摯に農水省さんが検討されたということに関しては、本当にこれは敬意を表したい。これまでの在り方とはちょっと違うところできらっとしているなと思うんですが、ますますこの二等星たる北極星も輝かせて、いわゆる明るく農業を、日本農業を輝かせていただくためには、これはやっぱり埋めてもらいたいというふうに正直思っているんですね。
 ただ、また残念なのは、今回のセンサスについても、どんなことをやっているんですかということで、さんざん取り寄せていただいて、実はこの十二月にまとまるという話で聞きました。そのセンサスがまとまるということで資料を要求しましたら、残念ながら、これが農業政策の調査項目とあるんですが、これをブレークダウンしても、多分これが埋まるようなデータをいわゆる集めていないと。これは先ほど農水省さんにも確認したら、今回の実は二〇一五年に行われたセンサスで十二月以降に出てくるものについても、この表がとても埋まる状況じゃないと言われて、ちょっと愕然としているわけであります。
 私は別に文句が言いたくてやっているわけじゃなくて、まさにその北極星に向かってきちっと猫の目にならないように政策を立てる、そしてこの基本計画が本当に実施可能なものとして実現するために、やはりそのベースのデータというのは整えておく必要があるだろうと、こういうふうに思うわけであります。
 そういう意味で、是非この、もしかしたら、集まったデータ、これから集められるデータにおいて、作り直しと言うと非常に、これ修正と言った方が皆さんにはいいのかもしれませんが、十二月以降にまとめられたものにおいて、やはりバージョンアップをしていただくというのは絶対に必要だというふうに思っています。ただ、センサスの既に上がってくる項目にそれをどう割ったり足したりしても出てこないということはもう明らかになっているわけでありまして、そうなってくると、何とかまた別の方法でデータを集めなければならない、こういうことになるわけであります。
 ただ、私、もう一つ期待していますのは、全国農業会議所がやっている全国農地ナビというのが、九〇%一応カバーしているという話も聞いていますので、これは構築中でありますし、今すごくデータを集めてしっかり作っているということでありますし、今後、農地利用最適化推進委員なんてものも置いたわけですから、しっかりその辺り、地目であったりだとか、特にこの中山間地の問題、それからいわゆる農地バンクによる集中化の問題、こういったことをやっていくのであればその手もあるなと思っておりますので、農水省、全力を挙げて、是非まずこの表を埋めていただいて、なるほどこれぐらい一人当たりできるなといったような辺りをしっかり作っていただきたい。
 ちょっと説明と提案が長くなってしまったんですけれども、是非大臣の方、こういう辺り、建設的な提案をしたつもりでございますので、やるというふうに言っていただけると幸いなんでございますけれども、どうでしょうか。
#114
○国務大臣(林芳正君) 大変詳細にいろいろ資料も集めていただきましての御提案と、こういうことでございますが、前回も事務方から答弁させていただきましたように、センサスはそういう形になっているということでございます。
 見通しを作って四百四十万ヘクタールということをやったわけでございますが、これは近年の農地転用面積、荒廃農地の発生の趨勢を踏まえて、この抑制をどうやってやっていくか、再生をどうやってやっていくかという政策も織り込んでやったわけでございまして、この見通しを作ったと。
 このときに、この農地面積全体について今の趨勢等をやっておりまして、必ずしも平地と中山間地域を分けていない、こういうことでございますので、今修正とおっしゃっていただきましたけれども、これを分けて計算して趨勢を出していく、また、政策の効果も分けてやっていく、こういうデータを、また新たな推計ということが必要になってまいりますので、今の時点でこれをやるということがなかなか難しい状況だなと思っておるところでございます。
 先ほどの前提のところで、この中山間地はもう地域政策なんだ、こういうことでございましたが、必ずしもそうではなくて、例えばこの間、東御市、柳澤先生の御地元ですが、行ってまいったときに、かなりの傾斜があるんですね。そこを、蚕をやっていた桑畑をワインのブドウ畑にして、きちっとこれは業として成り立っている、こういうこともございます。
 また、この間、私の地元に帰りましたときに、棚田を作っておられる方が、実はもうこの斜面、のり面の草刈りが大変なので棚田を畑に変えたいと。そうしますと、その棚田、幾つもあるのが一つの畑になって集約化が図れるんじゃないか、こういうような御意向を持っておられると、こういうことも聞きましたので、やはりもう中山間地は非常に難しいので、最初から地域政策しかないと、こういう決め付けではなくて、全体として何ができるかということは広くしっかりとやっていって、この地域政策とそれから産業政策、車の両輪でやっていくということをしっかりやる。
 そして、先ほど古賀委員の御質問にお答えしたように、北極星は、食料をきちっと国民のために確保する、ここが最終的なやはりやらなければいけないことではないかなと、こういうふうに考えております。
#115
○山田太郎君 時間になりました。もしかしたら、この委員会、これが最後になるかもしれないという話だったんでありますが、まだまだやりたいと思っていますが。
 もう一つ、日中韓の農水大臣級の会合、週末にあると聞いています。何度もしつこいようですけれども、不本意な規制に関しては頑張っていただいて、輸出を増やすといったところを是非やっていただければ幸いだと思っております。
 今日はこれで質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#116
○委員長(山田俊男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#117
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案について反対討論を行います。
 改正案は、農水関係六法人を統合し二法人にするものです。
 反対する第一の理由は、行政改革を断行すると称して、効率化目標を業務経費でマイナス一%、一般経費でマイナス三%と定め、一層の効率化、合理化を迫れば、業務の縮小や研究環境に影響を与え、研究機関として本来の役割が果たせなくなるからです。
 今回統合対象になる独立行政法人の運営費交付金は、農業関係法人で二〇〇一年度から既に二五%削減され、水産関係法人でも約一六%削減されました。農業大学校や茶原種の生産及び配布業務等は廃止され、研究活動のみならず、施設設備の維持管理等が困難になりつつあります。また、職員数は、農業関係法人で二〇〇一年度から一七・五%も減らされ、水産関係法人においても一四%減らされています。また、正規の研究職員は二十代で五十八名、三十代を含めても二三%にすぎず、任期付研究員が増え、正規から任期付研究員への置き換えが進んでいます。研究機関は、気候や自然条件、地域性を重視した研究を行うことで食料自給率の向上や海洋資源の管理等において重要な役割を果たしています。運営費交付金の削減はやめるべきです。
 次に、改正案は、農林漁業信用基金に金融庁検査を導入するものです。反対する第二の理由は、金融庁検査を導入し過度な検査が行われれば、県の基金協会は信用力を補完することに慎重になり、農林漁業者を支えることが困難になりかねないからです。農林漁業信用基金の使命は、農林漁業者が担保や保証人がなくても民間金融機関から融資が受けられるように信用力を補完することにあります。現在、農林水産業という業態を知っている農林水産省並びに財務省が検査を行っていますが、今の検査のやり方を変える必要はありません。
 独立行政法人は、整理統合や一方的な経費削減目標が押し付けられてきました。こうした独立行政法人の役割の発揮を妨げている仕組みを改めて、職員の雇用を保障するよう求めて、反対討論を終わります。
#118
○委員長(山田俊男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(山田俊男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、徳永君から発言を求められておりますので、これを許します。徳永エリ君。
#120
○徳永エリ君 私は、ただいま可決されました独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び維新の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
  農林水産省所管の各独立行政法人は国の施策を実施するための機関としてこれまで各方面で成果をあげてきたが、今後、より一層、法人の有する政策実施機能が十全に発揮され、法人の職員が誇りを持って職務を遂行し、経済成長や国民生活の向上に最大限貢献することが求められている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 農林水産関係の独立行政法人の改革に当たっては、研究所や教育機関の単なる組織統合にとどまらず、官民の役割分担、国と地方自治体の役割分担も踏まえ、我が国としての農林水産関係の研究開発体制及び教育訓練の在り方について再検討し、体系的な政策を打ち立てること。また、今回の改革が組織改編の集大成であることに鑑み、国民生活の向上のための研究や業務が遂行され、研究成果の最大化が図られるよう、安心して働きがいのある職場環境をつくること。
 二 独立行政法人の組織の見直しに当たっては、当該法人職員の雇用の安定に配慮すること。また、独立行政法人の職員の給与等は、自主性及び自律性の発揮という制度本来の趣旨並びに職員に適用される労働関係法制度に基づき、法人の労使交渉における決定に基づき対応すること。
 三 独立行政法人の統合に当たっては、研究員やその補助スタッフの削減を行わないなど、統合後の法人の事務及び事業が確実に遂行されるよう特に予算、人員に配慮すること。また、統合する各法人の事務及び事業の成果並びに国内外における知名度が維持されるよう、各研究所等の成果を踏まえ新たな独立行政法人組織の名称に統合前の名称を使用することについて十分配慮すること。
 四 統合後の法人の組織と業務運営の効率化に関する検討に当たっては、これまでの人件費削減等の効率化目標により、施設の維持及び人材確保が困難となることが懸念されることを踏まえ、農林水産研究基本計画及び中長期目標の達成が図られるよう十分留意すること。特に、独立行政法人統合に伴う新たな効率化目標を検討する場合は、今後の法人運営に支障がないかの観点も十分留意すること。また、各法人の老朽化の著しい施設、研究機材については、国際競争力強化の観点からも早急に対策を講じること。
 五 研究予算の年度を越えた繰越しの運用の自由化、自己収入の増加・経費の節約へのインセンティブ強化等、独立行政法人にふさわしい柔軟な組織運営と事業評価をできるようにすること。
 六 政府全体で対応している東日本大震災や原発事故に係る復旧及び復興対策並びに放射性物質の除染対策等に関する調査、研究、技術支援等に対応する独立行政法人の対策予算については特に配慮し、早期の復旧・復興をめざすこと。
 七 農業・食品産業技術総合研究機構の各研究機関等がつくば市に集積していることに鑑み、今般の組織統合の効果をあげるためにも、まち・ひと・しごと創生本部が進める政府機関の地方移転の検討に当たっては慎重に対応すること。また、統合後の水産研究・教育機構の施設配置についても、その機能の確保・向上、地域への波及効果等を総合的に検討し、慎重に対応すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#121
○委員長(山田俊男君) ただいま徳永君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#122
○委員長(山田俊男君) 全会一致と認めます。よって、徳永君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、林農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林農林水産大臣。
#123
○国務大臣(林芳正君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#124
○委員長(山田俊男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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