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2015/03/31 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 総務委員会 第5号
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2015/03/31 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 総務委員会 第5号

#1
第189回国会 総務委員会 第5号
平成二十七年三月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     野田 国義君     森本 真治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         谷合 正明君
    理 事
                島田 三郎君
                堂故  茂君
                藤川 政人君
                藤末 健三君
                横山 信一君
    委 員
                井原  巧君
                石井 正弘君
                礒崎 陽輔君
                関口 昌一君
                柘植 芳文君
                二之湯 智君
                長谷川 岳君
                山本 順三君
                石上 俊雄君
                江崎  孝君
                難波 奨二君
                野田 国義君
                林 久美子君
                森本 真治君
                片山虎之助君
                寺田 典城君
                吉良よし子君
               渡辺美知太郎君
                又市 征治君
                主濱  了君
   国務大臣
       総務大臣     高市 早苗君
   副大臣
       総務副大臣    西銘恒三郎君
       総務副大臣    二之湯 智君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  あかま二郎君
       総務大臣政務官  長谷川 岳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小野  哲君
   政府参考人
       総務省情報流通
       行政局長     安藤 友裕君
       総務省総合通信
       基盤局電気通信
       事業部長     吉田 眞人君
   参考人
       日本放送協会経
       営委員会委員長  浜田健一郎君
       日本放送協会経
       営委員会委員(
       監査委員)    上田 良一君
       日本放送協会会
       長        籾井 勝人君
       日本放送協会副
       会長       堂元  光君
       日本放送協会専
       務理事      塚田 祐之君
       日本放送協会専
       務理事      吉国 浩二君
       日本放送協会専
       務理事      石田 研一君
       日本放送協会専
       務理事      板野 裕爾君
       日本放送協会理
       事        木田 幸紀君
       日本放送協会理
       事        福井  敬君
       日本放送協会理
       事        森永 公紀君
       日本放送協会理
       事        井上 樹彦君
       日本放送協会理
       事・技師長    浜田 泰人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信
 及び郵政事業等に関する調査
 (自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする
 地方税財政制度の構築及び東日本大震災への対
 応に関する決議の件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を
 求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(谷合正明君) ただいまから総務委員会を開会いたします。
 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案につきましては、去る二十六日、質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#3
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、地方税法改正案並びに地方交付税法改正案に対する反対の討論を行います。
 政府は、前年度水準を一・二兆円超えて一般財源総額を確保したとしています。しかし、交付団体の歳入の伸びは全体で約七千四百億円程度にとどまります。さらに、社会保障費の自然増や、来年度から始まる社会保障の制度改定に伴う一定の支出増もあり、自治体の本来の役割を発揮するのに必要な額が確保されたとは言えません。また、二〇一五年度も財源不足を国、地方の折半ルールによる臨時財政対策債の発行で補おうとしています。昨年を上回る一般財源総額を確保したと言いながら、一方で、自治体には財源不足の解消として起債を強いるやり方には賛成できません。地方交付税の法定率の抜本的引上げこそ必要です。
 次に、地方交付税の性格をゆがめ、政策誘導の道具にしようとしている点です。
 二〇一五年度の地方財政計画では、新しい公立病院改革ガイドラインの策定に伴って、再編・ネットワーク化を伴う整備には病院事業債の元利償還金の四〇%を地方交付税措置する一方、耐震化など、通常の整備には二五%と差を付けます。現在は共に三〇%であり、こうした差は病院の整備を考える自治体に対し、再編・ネットワーク化するよう誘導するものであり、反対です。
 また、公立病院の運営費に係る地方交付税措置の算定基礎を稼働病床数に変更することも看過できません。総務省は、実態に見合ったものに変更と強弁しましたが、病床削減ありき、入院患者の追い出しにつながる医療費削減政策への誘導であり、到底認めることはできません。政府がすべきことは、入院患者の治療や看護に当たる医師や看護師不足の解消や、過酷な勤務実態の改善です。
 地方税法改正案についても一言述べます。
 外形標準課税の拡大は、法人税率引下げに伴う代替財源を確保するために、赤字法人や中小企業に対し負担増を強いるものであり、容認できません。資本金一億円以下の中小企業への適用拡大の検討はきっぱりやめるべきです。
 以上、反対する理由を述べて、討論といたします。
#4
○又市征治君 社民党の又市です。
 私は、社会民主党を代表し、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 まず、景気判断条項の削除と相まって、消費税率一〇%への引上げを二〇一七年四月一日に決め打ちする一方、大企業だけが先行的に恩恵を受ける今回の法人事業税の所得割税率引下げには賛成できません。加えて、税率引下げの代替財源として、今後、中小法人にまで外形標準課税の適用が拡大されることになれば、地域経済に深刻な影響を与え、地方創生に逆行しかねないことが強く懸念されます。
 第二に、返礼品をめぐる競争が激化しているふるさと納税の拡充は、受益と負担の関係をいびつにし、個人住民税の意義を損ねると同時に、他の寄附金制度との均衡を著しく欠くものと言わざるを得ません。
 第三に、今回の地方税法改正では、地方税財源の抜本的な拡充に至っておりません。空き家等対策の推進や軽油引取税の課税免除の特例措置など、我が党が求めてきた内容も盛り込まれてはいますが、以上の理由から、地方税法等の一部改正には反対するものです。
 次に、地方交付税法等改正案についてであります。
 第一に、地方創生事業費一兆円といっても、財源の半分は既存の歳出の振替で、残りの半分も地方の努力によって捻出された財源であり、国が責任を持って新たに計上したものではありません。地方再生に向けた安定した財源措置が求められます。
 第二に、地域の元気創造事業費の配分に行革努力分を盛り込んだこと、地域活性化分や人口減少等特別対策事業費で成果配分をする点に加え、ローカル一万プロジェクトが前提となった特別交付税百億円の配分、国の交付金と組み合わせた交付税算定が増えていることなどは地方交付税法の趣旨から逸脱するものと言わざるを得ません。
 第三に、新規分の臨時財政対策債は減ったとはいえ、臨財債で穴埋めをする不自然な構造が続いています。また、既往債の元利償還金分等は増加傾向にあり、借金の元利償還を借金に頼る傾向に拍車が掛かっています。交付税の法定率見直し自体は一歩前進と評価しますが、地方財政は七年連続で巨額の赤字を計上しており、更なる抜本改正を強く求めるものです。
 最後に、今後、国、地方の財政健全化計画の策定に当たって、地方財政の歳出削減圧力が高まることは必至です。地方創生を言うならば、国から地方への権限と税財源を大胆に移譲し、地方税財政を充実させるべきであることを強く訴え、反対討論といたします。
#5
○委員長(谷合正明君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#6
○委員長(谷合正明君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本案に対する可否を決します。
 本案については、委員長はこれを可決すべきものと決定いたします。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#7
○委員長(谷合正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(谷合正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○委員長(谷合正明君) 次に、行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。
 藤末君から発言を求められておりますので、これを許します。藤末健三君。
#10
○藤末健三君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、無所属クラブ、社会民主党・護憲連合及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派共同提案による自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする地方税財政制度の構築及び東日本大震災への対応に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする地方税財政制度の構築及び東日本大震災への対応に関する決議(案)
  国・地方を通じた厳しい財政状況の下、特に財政力の弱い地方公共団体においては、厳しい財政運営を強いられている状況を踏まえ、政府は、個性豊かで活力に満ちた分権型社会にふさわしい自立的かつ持続的な地方税財政システムを確立し、人口減少の克服、地方創生等の諸課題に取り組むとともに、東日本大震災で被災した地方公共団体が、復旧・復興事業を円滑に実施できるよう、次の諸点について格段の努力をすべきである。
 一、地方公共団体が人口減少の克服、地方創生等の諸課題に取り組んでいく観点から、地域の実情に応じた自主的かつ主体的な取組を長期間にわたって実施していくため、地方創生の取組に要する経費については、長期的視点に立ち、継続的かつ安定的な財源を確保すること。
 二、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、今後も、地方税等と併せ地方公共団体の安定的な財政運営に必要な総額の充実確保を図るとともに、今回の法定率の見直し後も引き続き多額の財源不足の発生が見込まれることを踏まえ、更なる法定率の引上げを始めとした抜本的な見直しについて検討し、特例措置に依存しない持続可能な制度の確立を目指すこと。
 三、地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立するとともに、税源の偏在性が小さく、安定的で充実した財源の確保を可能とする地方税制の構築を図ること。また、地方消費税率引上げの延期が地方の社会保障給付に及ぼす影響に適切に対処するとともに、地方税収の減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、代替の税源の確保等の措置を講ずるほか、税負担軽減措置等の創設や拡充に当たっては、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう、慎重な対処を行うこと。
 四、巨額の借入金に係る元利償還が地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることに鑑み、地方財政の健全化と地域経済の再生に向けた取組を一層推進するとともに、臨時財政対策債を始め、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、万全の財源措置を講ずること。
 五、地方債制度及びその運用については、地方債届出制度の運用状況も踏まえつつ、地方債の発行に関する国の関与の在り方について、地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から必要な検討を行うとともに、財政力の弱い市町村が円滑に資金を調達できるよう、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うなど、円滑な起債と流通、保有の安全性の確保を図ること。
 六、東日本大震災に係る復旧・復興事業の加速化を図るため、引き続き、入札不調への適切な対応策を講ずるなど、被災地方公共団体による復旧・復興事業が円滑に実施されるよう、万全な支援措置を講ずること。また、集中復興期間終了後においても、復興の現状に鑑み適切な措置を講ずるとともに、震災復興特別交付税等の取扱いについて検討を行うに当たっては、復旧・復興事業の実施によって被災地方公共団体の財政運営に支障が生ずることがないよう、確実な財源の確保に万全を期すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#11
○委員長(谷合正明君) ただいまの藤末君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#12
○委員長(谷合正明君) 多数と認めます。よって、本決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、高市総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市総務大臣。
#13
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ─────────────
#14
○委員長(谷合正明君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長安藤友裕君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(谷合正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#16
○委員長(谷合正明君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会会長籾井勝人君外十二名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(谷合正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#18
○委員長(谷合正明君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
#19
○国務大臣(高市早苗君) 日本放送協会の平成二十七年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。
 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。
 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が六千八百三十一億円、事業支出が六千七百六十九億円となっております。
 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出が共に八百六十八億円となっております。
 次に、事業計画につきましては、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実等による海外情報発信の強化、我が国の経済成長の牽引力として期待される4K、8K等の先導的なサービスの推進、大規模災害に備えた公共放送の機能の強靱化、受信料の公平負担の徹底等に取り組むこととなっております。
 総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、その収支予算等の実施に当たっては、協会の経営が国民・視聴者の負担する受信料によって支えられているとの認識の下、業務の効率化、合理化に向けたたゆまぬ改善の努力を行うとともに、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが重要であるとする意見を付しております。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
#20
○委員長(谷合正明君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。籾井日本放送協会会長。
#21
○参考人(籾井勝人君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成二十七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。
 平成二十七年度は、三か年経営計画の初年度として、経営計画に掲げました重点方針に沿った事業運営を着実に遂行してまいります。
 公共放送の原点を堅持し、命と暮らしを守る防災・減災報道に全力で取り組み、判断のよりどころとなる公平公正で正確、迅速な報道に全力を挙げるとともに、視聴者の幅広い期待に応える豊かで質の高い多彩な番組の充実を図ります。
 日本を世界に積極的に発信し、政治、経済、社会、文化など様々な分野で国際社会の日本への理解を促進してまいります。
 そして、インターネットを活用した新たなサービスを創造するとともに、スーパーハイビジョンを戦略的に推進します。
 受信料については、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を一層推進し、支払率の向上を図ってまいります。
 次に、建設計画においては、いかなる災害時にも対応し、安全、安心を守るための放送設備の整備を進めるとともに、安定的な放送サービスを継続するための設備更新等を実施いたします。
 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入六千八百三十一億五千万円、国内放送費などの支出六千七百六十九億二千万円を計上しております。事業収支差金は六十二億三千万円となり、この全額を、老朽化が進む渋谷の放送センターの建て替え等に備えて建設積立資産に繰り入れることとしております。
 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額八百六十八億一千万円を計上し、支出には建設費など八百六十八億一千万円を計上しております。
 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。
 以上、平成二十七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。
 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
#22
○委員長(谷合正明君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#23
○藤川政人君 自由民主党、藤川でございます。
 昨年のNHK予算審議の総務委員会では、私は、放送担当の総務大臣政務官として籾井会長と同じ列に座って、ちょうど消費税切替えの時期に当たる新年度予算の審議ということでいろいろ気ももみながらも、そちらで答弁をさせていただいたことを思い出します。それから一年たった今、今回は与党の筆頭理事として新年度予算の質問を、また成立に向けて汗をかこうとは夢にも思いませんでした。
 昨年の国会では、籾井会長の就任会見時の記者会見の言動を発端とし、多くの厳しい意見が出されたのは皆さんも記憶に新しいところだと思います。結果として、昨年の総務委員会では、NHK予算は全会一致ではなく与党の賛成多数で可決されるという異常事態となったわけであります。
 このような経緯を経て新年度に臨んだにもかかわらず、今年も昨年同様、国会の場で籾井会長が、衆参の総務委員会はもとより、予算委員会などで多くの答弁をされている姿を見聞きするのは残念でもありました。
 昨年は籾井会長出席が二十回を超えたということを私は記憶しておりますが、実際今年は何回国会に御出席をされたか、お聞かせをいただきたいと思います。
#24
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 まず、二〇一五年の内訳は次のとおりでございます。これは一月から今日までということでございます。衆議院予算委員会九回、衆議院総務委員会七回、参議院予算委員会五回、参議院総務委員会三回、合計二十四回でございます。
#25
○藤川政人君 二十四回、答弁数にしたら、総理大臣より多いとは言いませんけれど、数多くの答弁をされたことかと思います。野党の皆さんを始めとする皆さんは、予算審議やそれぞれの審議の必要な時間を籾井会長の質問に使われたわけです。今回、その原因が会長の軽率な言動や誤解を招く答弁にあったとするのであれば、私はまずもって猛省を促しておきたいと思います。
 最近では私的ゴルフの際のハイヤー利用について問題視されているようでありますが、この件についても問題が発生する前になぜ未然に防げなかったのか、会長をサポートする秘書室の対応に問題はなかったのか、そういう思いがするわけでありますが、私は、公共放送の長たる籾井NHK会長は公人であり、いかなるときでも常に連絡が取れる状況、かつ身の安全を確保すべきであると思います。つまり、NHK会長には、いつ何どき不測の事態が発生しても対応できる危機管理、リスクマネジメントが求められております。
 今回のハイヤー問題を受けて、NHKでは業務体制等をどのように見直し、いかに再発防止を努めていくのか。公人とプライバシーもやはり必要であります。そこをやはりNHKとしてしっかり、今回のこの一件をまた一つの教訓として新しい方針を作る必要があるのではないかなと思いますが、この件について御所見を伺いたいと思います。
#26
○参考人(堂元光君) お答えをいたします。
 私は、副会長として会長を補佐するというのが一つの役割でございます。それからもう一点は、秘書室業務を統括するという役割も持っております。そういう立場から申し上げまして、今回のゴルフの件につきましては、公私の区別に疑いを持たれる事態を招いたことにつきまして、心よりまずおわびを申し上げたいというふうに思っておるところでございます。
 御承知のように、今回の件につきましては、監査委員会の報告書というものが出されております。その中では、主に三点を指摘されておるわけでございます。
 まず、前提として、当初の段階で、会長と秘書室サイドの間で、公私の区別を明確にするということで、通常お使いになる公用車、つまり会長専用車ではなくて一般のハイヤーを利用するということを確認したわけでございます。それからもう一点は、プライベートなゴルフでございますので、会長御自身が払うということも明確にされたわけでございます。
 ただし、報告書にありますように、その後の経理処理といいますか、事務手続が確認どおりに全く進んでいなかったということを問われているわけでございます。具体的に申しますと、秘書室の対応がまず一番でございます。ずさんなそしりを免れないという厳しい指摘でございます。それから、私に対しても、事態を把握せず、監督上の問題点を指摘されているわけでございます。さらに、もう一点は、会長御自身に対しても言及がなされておるというふうに認識をしている次第でございます。
 そういうことを踏まえまして、監査委員会報告書の中にも記載されておりますけれども、会長の車の使用の在り方について、再発防止策を検討すべきである、早急に改善策を講じるべきであるというふうに言われているわけでございまして、今回の報告書をしっかりと私どもは受け止めまして、再び同じようなことが起きないように、具体的な再発防止策の検討に入ってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
#27
○藤川政人君 とにかくもう間違い、ミスは許されませんから、しっかりとした体制で取り組んでいただきたいと思います。
 昨年の総務委員会では、NHK籾井会長に対して、今申し上げましたように厳しい意見が出されました。NHKの業務運営に悪影響が出るのではないかという意見も出されておりました。
 しかし、蓋を開けてみますと、NHKの受信契約総数は二月末で年間契約の四十九万件に対して既に一〇七・九%の進捗率、衛星契約も年間計画の六十八万件に対して一一五%の進捗率であり、事業収入も堅調な状況となっております。また、連続テレビ小説では、「花子とアン」、「マッサン」、私は両方ともできる限り見ていました。先週は本当にすばらしい最後を迎えたわけでありますし、大河ドラマもなかなか、下がったとはいいながら「軍師官兵衛」は過去三年間で最も高い視聴率を出しております。これを見る限り、NHKの番組等々については視聴者から一定の支持を得ているというのは言えるかと思います。
 一方で、NHKの予算審査は、御承知のとおり、今年も難航しており、年度末ぎりぎりの今日になってようやく参議院で、この総務委員会にての審議が開催されることになりました。年度内に予算が成立しなかった場合、暫定予算となってしまうわけでありますが、統一地方選挙をすぐ後に迎え、昨年でいえば消費税の切替えというときでありましたが、万が一、暫定予算になってしまった場合、NHKの業務運営にどのような影響が出るのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 また、このように暫定予算について考慮しないといけないような状況にあることをどのように受け止めておみえなのか、併せて伺いたいと思います。
#28
○参考人(籾井勝人君) NHKの平成二十七年度予算が暫定予算となった場合には、放送法の定めにより、暫定予算の期間に応じて経常的な事業の実施や前年度からの継続工事に限定した予算を計上することとなり、新規の事業や新規の設備投資ができなくなります。
 このため、暫定予算になれば、緊急報道への対応や国際放送の強化、地域の生放送番組の字幕放送の実施にも支障を来すことになります。公共放送の使命、責任を十分果たせなくなります。また、新規の設備投資ができないことから、緊急報道のための設備の整備や長時間停電に備えた電源設備の強化等への着手が遅れ、大規模災害時にも安定的な放送を実施することに支障を来すことになります。こういうふうに、大変にいろんな支障が出てくるわけです。
 これもひとえに私の指示がしっかりしていなかったために、いろんな疑惑を招いたことについて、改めておわびを申し上げたいというふうに思うわけでございます。
#29
○藤川政人君 今日の審議、しっかりとした姿勢で挑んでいただきたいとお願いして、終わります。
#30
○山本順三君 自由民主党、山本順三でございます。
 昨日の夜まで、今日のこの審議があるのかどうかも分からないというような状況が続いておりまして、本当に残念に思っておりまして、準備も十分できずにこの場に立っておりますが。ただ、与野党の理事の努力のおかげをもって、今日このような形でNHKの予算が審議されるということを大変私どもも感謝をしております。与えられたたった十分間ですけれども、心を込めて質問をしたいと思います。
 まず、前回のこの委員会で、NHK問題について野党の皆さん方から厳しい指摘がございました。それについてのNHKとのやり取りを聞いておりましたけれども、これ、来年度の予算という非常にNHKにとっては大事な審議をするわけですから、その内容についての議論が、今日この一日、しっかりと対応できるようにしてもらいたいと思うのでありますけれども。
 ただ、野党があのように怒る理由はあるんですよ。これは、籾井会長、やっぱり何だかんだ言ったって、今までの発言を我々与党から聞いておりましても、会長、大丈夫かいと。もう少し冷静に、あるいはNHK全体のことを考えながら、将来こうあるべきだ、そのためには会長としてどういう言わば方向性を目指すべきだというのがもっともっと伝わってこなければならない。それがなかなか感じられないというふうなことであります。
 今、会長のハイヤーチケット、ゴルフのときの、それの議論がございます。先般の委員会でも、国民の多くの方々がこのことについて非常に大きな関心を持っている、そのとおりだろうと思うんです。
 ただ、人間は、完璧な人はいないんですよ、我々も含めてでありますけれども。そうなったときには、もし間違いだったら、それは責任を取らなければならないときがあるかも分からないし、反省もしなければならないこともあるかも分からない。もしも、それが本当に疑惑を招く行為であったとしても、それについて、よく言うじゃないですか、李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れず、そういうふうな考え方で会長はこれからやっていくんだということであるならば、この議論をどこまでやるのかということについては、野党の皆さん方もしっかりと考えてもらいたいと思う。
 というのも、実は、私も地元に帰ってよく言われるんです。予算委員会での政治と金の議論、これ、あなた、いつまでやるんだと。大事な国の予算を議論する姿が見えないじゃないか、こういう声も実は結構多いんです。
 NHKだってそうなんです。籾井会長を責める、責める、責めるのもいいんだけれども、NHKの将来についてどういう議論をやっているんだ、それが見えないよというような、そういうこと……(発言する者あり)静かに聞きなさいよ、静かに聞いてください。
#31
○委員長(谷合正明君) 御静粛にお願いします。
#32
○山本順三君 そういうことをもっと聞きたいよと、国民がですよ。
 そういう議論もたくさんあるということを我々は真摯に受け止めて、その中で具体的に来年度の予算どうなんだという議論をしていかなければ委員会のあるべき姿ではないと私は思って、これから予算について議論したいと思いますが、その前に一点だけ私が思ったのは、NHKのガバナンスが利いているんだろうか。前回の委員会で、会長さんあるいは経営委員長さん、それから監査の代表の方、来ていましたよね。その人たちの対応を見ておりまして、これはNHKの内部崩壊が始まりつつあるんじゃないかとついつい思うような、そういう場面がありましたよ。
 だから、あえて、籾井会長、これから会長として、失われつつあるNHKのガバナンスをどう取り戻すんだという覚悟について、そのお話だけは一回お聞かせいただいてから予算の内容について入っていきたいと思います。
#33
○参考人(籾井勝人君) お答えします。
 今委員おっしゃったように、今回のみならず、やはりNHKには立派な服務に関する準則とか、それから職員就業規則とか、いろんな規則がございますが、実際問題として、こういうことが本当に果たしてきちっと守られているのかということに対する疑問はございます。
 しかしながら、こういう規則があって、これをやはり職員に徹底的に守ってもらうということが私の使命であろうというふうに思っておりますので、今後、こういうふうなことについても職員、役員あるいは幹部職員ともいろいろ議論をして、本当の意味でそういうふうなことが今後起こらないように私としてもしっかり管理をしていきたいというふうに思います。どうぞひとつ見守っていただきたいというふうに思うわけでございます。
#34
○山本順三君 しっかりしてくださいね。もうそれはNHKの今後に、籾井会長、これからあなたに懸かっているんだというぐらいの気迫を持ってやってもらいたいと思う。
 あと三分しかないので、予算の中に入ろうと思ったんですが、一点だけに絞ります。
 国際放送をこれから大いに頑張って新たな展開していこうと、これは後ほど恐らく井原委員の方から話があると思うので、是非頑張ってもらいたいと思うんですが、その国際的な視野と同時に今度は地方に対しての視点を向ける、これがNHKにとっては大きな使命の一つだろうと思うんです。
 今、国では、地方創生、やはり地方が元気にならなければならない、そういうことで与野党一緒になって頑張っている最中です。NHKも地方発の全国放送、これを強化してもらいたい。これは、NHKの皆さん方が思っている以上に大きな効果を地方に波及させる、そういうことがあるんです。
 例えば、私の地元の今治、愛媛県ですけど、今治タオルというのがあります。数年前まで誰も知りませんでした。ところが、地元の経営者が努力をする、そして世界的に有名なアクティブディレクターかな、何かそういう、佐藤可士和さん、その人が一緒になって協力をする、その姿をNHKが取り上げた。そうしたら他局も追随して取り上げる。そうしたらあっという間に今治タオルというのが情報発信して、もちろん物がいいんですけどね、物がいいからいいんだけれども、それを発信する能力なかったら残念ながら今のような形にならない。それは、まずNHKが取り上げたんです。そういう効果を全国津々浦々、至る所で磨いたら光るものがあるんですね。それに対しての対策を講じるためにNHKがより取材力を高めていく、人員も増やしていく。
 実は、聞こうと思ったんだけれども、いわゆる先ほどもお話ありましたけれども、建設積立資金というのをどんどん積み上げていますね。企業努力というかNHKの努力、受信料を一生懸命に集める、そして一方では、予算、より効率的に執行していく、そのことによって二十六年度末の決算では一千億超える資金が積み上がっている。トータルで多分三千四、五百億、新しい放送センター要るんだろうと思うけれども。それを、余ったらそこへ持っていくよというような感覚は少し切り替えてもらいたい。
 そうじゃなくて、例えばこれを運用していくときにどれだけの運用益が出てくるか、八億ぐらい出るとおっしゃっていましたけれども、その運用益なりあるいは余剰の金額を少し回していく。そういう形で、これからNHKが地方再生、地方創生に向けてひとつ頑張ってみようと、そのためには地方局のそういう力というものを発揮できるような体制をつくり上げていこうと、そういう動きがもっともっと我々に感じられるような、そういう対応策を講じることが非常に大事だと思うんですね。そのことについての方策をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#35
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 新しい三か年経営計画では、地域や日本の課題にしっかりと向き合うニュースや番組を積極的に発信していく方針です。また、地域の魅力や価値を積極的に海外にも発信していく方針も打ち出しております。地域発のニュースにつきましては、NHKのネットワークを生かしまして、全国に向けて積極的に発信してまいります。平成二十七年度は、総合テレビの平日夕方にニュースの番組を新設いたしまして、この中でも地域の情報を全国に向けて発信してまいる方針でございます。
#36
○山本順三君 終わります。
#37
○井原巧君 自民党で三人目でありまして、私は二十分いただいていますから、三、四問、質問させていただきたいと思いますけれども、基本的に私はNHKを非常に愛着感じていますし、身びいきな方であるということをまず断っておきたいと思うんですけれども。
 この役に就く前に市長をしていたんですね。一つは、平成十六年に台風災害が僕の町にありました。当時、ちょうど合併した頃でありまして、住民の気持ちが非常に離れていたんですね。それでNHKの松山地方局にお邪魔させていただいて、のど自慢をその被災された場所で開きたいのでということで御無理申し上げて、「NHKのど自慢」をしたらすごく住民が喜んでいただいて、大変NHKに有り難かったなということを本当に記憶にありますし、また、皆さん、先生方は知らないと思いますけれども、NHKの「いないいないばあっ!」という子供の番組ありますけど、そこのワンワンがすごく人気あるんですね。私の町の子育てフェスタとコラボをして、ワンワンを呼んだんですよ。そうしたら、三千人、四千人、無料ですから、来られて、これは今も続いていますけれども、そういうコラボで地域おこし、さっきの今治タオルじゃないですけれども、放送の情報発信だけじゃなくて、そういう地道な取組もこれからもしてほしいと思いますし、それが愛着の一つであります。
 もう一つが、実は私、若い頃、二十代の頃、国会議員の秘書をしていたんですけれども、たまたま付いた先生が、平成三年だったですか、郵政大臣になられてNHKの所管になったんですね。それで、大河ドラマ、当時は真田広之さんが主演したのは「太平記」だったと思うんですけれども、そこを見に行ったり、あるいはNHKの交響楽団を見に行ったり、そういうことでNHKには非常に自分も愛着を感じていました。
 ただ、そのときにこういうことがあったんです、大臣就任中に。ちょうど、NHKの当時の島さんという会長が、衛星放送の打ち上げのときにどこに滞在していたのかというようなときに、虚偽の答弁をされたんですね。それに端を発していろいろ疑惑呼んで、うわさでは女性の問題も出てきたりもしたんです。結果的には辞任になったというときの実は大臣で、私、大臣室にいたのですごく混乱したことを覚えていますし、NHKの信頼が揺らいだ場面を見ておりましたから、今回こういう場で立っていると、すごくその危機感を実は覚えているんです。
 先ほどの放送法の理念というのは、公平公正、不偏不党という話なんですね。前もって私言っておきたいのは、基本的にこの予算というのは全会一致を旨とするというふうに思ってほしいんです。それは、政治的に必ず中立であることをうたっているわけだから、基本的には全員が賛成できることが旨となりますから、この後、今日、多分採決あると思います。その結果、私なんかは与党ですし、またNHKの重要性感じていますから何とか通そうと思っていますけれども、是非会長はそのことを胸にしっかり刻んでいただいて、これからお取組をいただきたいというふうに思っております。
 今、こういう不祥事のことでいろいろ言っているような悠長なときではないと思うんですね。特に、国際化が進んでいるということ、もう一つは、通信と放送が融合していって、この取組に遅れると世界的にも遅れてしまうと。安倍内閣が進めている日本再生の中で、やはりその国際戦略を図っていく上で放送というのは物すごく大きなツールになりますから、その中のリーダーがNHKということでありますから、待ったなしの中で取り組んでいかなきゃならないと、こう思っております。
 そこで、まず一番最初に会長にお話ししておきたいのは、もうこういう不祥事というか本業以外のことで混乱することにやはり終止符を打つべきだと。さっきのガバナンスの話もありますけれども、まずは会長からこれまでの一連の反省の意をしっかり表していただいて、それと、新年度、もうあしたから四月一日ですから、四月一日、新年度に向けてのまず決意をお聞かせいただきたいと思います。
#38
○参考人(籾井勝人君) 私の言動をめぐりまして皆様に御心配や御迷惑をお掛けしていることについては、本当に申し訳なく思っております。深くおわびを申し上げたいと思います。NHK会長という立場を踏まえ、しっかりと真意が伝わるように、誠心誠意丁寧な説明に努めていきたいと思っています。
 ハイヤーの利用につきましても、いろんな疑いを招いてしまいました。誠に申し訳なく思っております。これにつきましては、私自身がまず違う会社を使えば、二つ目に、もう少しきちっと秘書に指示をしていればそういうことはなかったというふうに思っておりますので、この辺は本当に、まあ実務的に、事務的に秘書の手落ちということになっておりますが、やはり根本は私の指示の不徹底というふうに私は認識しております。このようなことが二度とないように、改めてしっかりとやっていきたいと思っています。
 それから、新三か年計画並びに新予算につきましては、私どもは新三か年計画の中でやはりNHKを、二〇二〇年を見据えたビジョンを持ちながらいろんなことをやっていきたいという中の一つが国際放送であり、インターネットの利用であるわけです。今度の予算につきましても、その点に重点を置きながら、当然のことながらバックボーンは放送法でございますから、この放送法の精神をしっかりと守りながら我々は新予算の遂行に当たっていきたいというふうに思っております。
 私も、本当にいろんなことがありましたが、本当に二度とこういうことが起こらないように、ひとつよろしく御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
#39
○井原巧君 是非その決意をしっかりと持って、二年連続、三年連続にならないように頑張っていただきたいと思います。
 去る三月二十二日に、第九十回の放送記念日に私も御案内いただきましたのでお伺いしました。あのNHKホールのパイプオルガンですか、あの幻想的なのには本当に感激いたしましたし、何年ぶりかにお伺いして良かったなというふうな感じをしましたけれども、ただ、天井を見たり入口見ると、確かに老朽化も隠せないところはあるんだろうというふうに思います。
 いろいろマスコミとかでは臆測を呼んでいますけれども、この放送センターの建て替えというのは、大規模災害時の公共放送としては非常に考えなければならない急務のことだろうというふうに思っておりまして、いろいろ新聞とかを見ますと、会長は今年度中に選定をというようなことも最初おっしゃっていたようでありますけれども、選定の現状とか、また当初は一千億ちょっとの事業が今三千億に膨れ上がっているわけでありますけれども、その巨額の建て替えの費用の捻出についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
#40
○参考人(井上樹彦君) お答えいたします。
 新しい放送センターの建て替え場所につきましては、現在、東京渋谷の現有地も含めまして選定作業を続けております。ただ、まだ今のところ場所の決定に至ってはおりません。建て替えには多額の今御指摘のように資金が必要となるために、将来の財政基盤の安定のためにも建設積立資金を可能な限り積み立てて、借入金など外部資金による対応を抑える考えでおります。二十七年度の予算では、事業収支差金の六十二億円を新たに組み入れまして、二十七年度末の建設積立資金は千百四億円となる見込みでございます。
 なお、新センターの建て替え計画が具体的になった時点で、改めて積立ての考え方を示す方針であります。
#41
○井原巧君 しっかり計画を立てて、震災に備えて取り組んでいただきたいと思います。
 同じように震災関係ですけれども、首都直下型の地震とか南海トラフの大地震も想定されるわけでありますけれども、そのときの公共放送としてのNHKの役割というのは非常に大きなものがあって、止まるわけにいかないわけですね。そもそも、大規模災害時にいかに地域にきめ細やかな情報を提供するのかということが、まず今後、どう考えているのかということが一つと。
 二つ目は、これはさっきの話と通じますけれども、もしものときのバックアップセンターですね。同じ場所でそれはしっかりしたのを建てれば一番いいかも分かりませんが、もしものときがありますから、放送センターのバックアップ対策も当然重要というふうに考えておりますけれども、その辺の考え方を少しお伺いしたいと思います。
#42
○参考人(森永公紀君) お答えいたします。
 災害時に一人でも多くの人たちに情報をお届けするため、NHKでは、テレビ、ラジオ、インターネット、データ放送など様々な媒体を使って、各地域の視聴者にきめ細かく情報をお届けしているところでございます。去年八月に広島市で発生いたしました土砂災害では、被災者に向けた生活情報を県域のテレビ、ラジオなどで一か月間放送し続けたほか、データ放送やNHKオンラインでもお伝えをしました。
 また、お尋ねのことですけれども、NHKでは、東日本大震災の経験を生かし、首都直下地震や南海トラフ地震などに備えて機能強化を進めております。
 東京渋谷の放送センターの機能が停止した場合に、放送を継続するため大阪局からニュースを二十四時間、全国に向けて衛星放送により送出できる機能を整備いたしました。さらに、津波が発生した際の浸水に備えて、四国の各放送局などで高台に報道拠点を整備したほか、長時間の停電に備えて、全国の放送局やロボットカメラの電源設備の強化などの設備整備も重点的に実施したところでございます。
#43
○井原巧君 次に、NHKは二〇一五年から五年間のビジョンを先般策定して出されておりまして、三年間の経営計画も発表されているということでありますけれども、それに沿って幾つかお伺いしたいと思います。
 二〇二〇年というと、これは東京オリンピック・パラリンピックの年でありますから、一つには、海外に我が国の映像技術とかあるいは放送技術を情報発信する最大のいい好機だというふうに思っておりまして、今、高性能な画像が魅力のスーパーハイビジョンというんですか、4Kとか8Kとかの取組がされているようでありますけれども、その取組について、とにかく二〇二〇年に合わせるというのがすごく大事なことだと思っていますから、どのような方向性で今取り組んでいるのか、お伺いしたいと思います。
#44
○参考人(浜田泰人君) お答えいたします。
 4K、8Kスーパーハイビジョンの開発、普及につきましては、国のロードマップも踏まえまして、オールジャパンの体制で取り組んでおります。
 NHKでは、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けまして、8Kスーパーハイビジョンのカメラですとか、あるいは中継車などの設備の開発、整備、それから高精細な映像を生かした放送番組の制作ノウハウの蓄積、そしてパブリックビューイングなどの普及に向けた取組を進めております。
 二〇二〇年にはできるだけ多くの視聴者の皆様に臨場感あふれる感動をお届けするとともに、日本を訪れる海外の方、あるいは海外に向けて8Kスーパーハイビジョンを発信し、日本ならではの新しい放送サービスを体感していただきたいと考えております。
#45
○井原巧君 とにかく、日本の再生のためには国際競争力のアップというのがどうしても大事なんですけれども、この放送技術とかあるいは映像技術というのは他国より秀でている分野でありますから、何とかこれ牽引して、オリンピックのときに間に合わせて頑張っていただきたいなというふうに思っております。
 次に、経営計画の柱についてもう一つお伺いしたいんですけれども、先ほど山本順三委員からもお話が出ましたように、来年度の予算というのは非常に国際放送の予算をぐっと増やしていただいておりますが、具体的にどのように取り組んでいくのかをお伺いしたいと思います。
#46
○参考人(籾井勝人君) お答えいたします。
 新しい経営計画では、正確な情報をしっかり世界に届け、日本に対する正しい理解を促進していくことを目的に、英語によるテレビ国際放送を最優先して強化する予定でございます。二十七年度からは北米とアジアを重点地域と位置付け、見たくなる国際放送を目指して強化してまいります。
 具体的には、日本とアジアのニュースを深掘りする四十五分の報道番組を新設いたしました。月曜日から金曜日までの毎日放送いたします。また、日本と世界が直面する課題の解決に向けて世界のオピニオンリーダーが提言を行う大型の討論番組を年十本程度、週末に放送する予定でございます。また、インターネットでは見逃し番組を中心とするVOD、ビデオ・オン・ディマンド・サービスを始める計画で、二十七年度は数番組から十番組程度を考えております。
 二十七年度はこうした取組に力を入れるとともに、重点地域を中心に周知、広報を積極的に展開し、多くの方に見ていただけるように努力をしていきたいと思います。
 同時に、今もスマホ、タブレットで見れるデジタル放送、これを更に周知し、これはもう今世界中で見れますので、この辺を周知しながら、NHKワールドTVを広く世界に広げていきたいというふうに思っております。
#47
○井原巧君 是非この分野の取組、期待していますので、よろしくお願いしたいと思います。
 あと三、四分ですから最後の質問でありますけれども、一番これから重要だと思うのは、さっきの放送と通信の融合だと思うんです。もう明らかにこれは垣根がなくなってきていますから、その対応に遅れることはならないというふうに思っておりまして、今後、インターネットをどのように活用して公共放送の使命を果たしていくのかというのが一つ。
 もう一つは、同時にこの問題というのは、こういう問題が出てきます。それは、受信料の制度ということになってきます。今はテレビを買って、その受像機で料金を取るという制度になっていますけれども、この融合が進むと、インターネットの活用が当然出てくれば、この受信料の体系そのものの公平性の観点からいうと見直しせざるを得ないことになります。今後、その公平の受信料の制度についてもどう取り組んでいかれるか、併せてお伺いしたいと思います。
#48
○参考人(籾井勝人君) 今委員おっしゃるとおり、インターネットの活用というのは、時代の流れの中で我々としても避けて通れない世の中の趨勢であろうというふうに思っております。現実に、欧米ではもう既に、料金体系も含めましていろいろ活用されております。日本の場合は、今度四月から放送法を改正していただいて、これに基づいて、試験放送も含めながらインターネットを活用していきたいというふうに思っております。
 放送と通信の連携サービスなどを充実させるほか、大規模災害時には国民の生命や財産を守る情報の放送とインターネットの同時提供にも取り組んでまいります。また、一定の条件の下でテレビ放送の同時配信も試験的に実施することにしております。
 放送だけでなくインターネットも活用しながら、視聴者、利用者の利便性を高め、多様なニーズや期待に応えるサービスを開発し、提供していく公共的なメディアの役割をしっかりと果たしていきたいというふうに思っておりますし、また、NHKが作りますいろんな番組についても、テレビを持っていない方にも是非そういういい番組を見ていただきたいというふうに思っております。
#49
○井原巧君 受信料のことについても少し触れてください。
#50
○参考人(籾井勝人君) 失礼しました。
 受信料についてはまだ今は検討中で、具体的にこうしますというのはないんですが、やはり一番大事なのは、今テレビで受信料を払っている方々とのやっぱり公平性、これは常に頭に置いて料金を決めなきゃいかぬ問題だろうと思います。
 ヨーロッパではかなりドラスチックな体制で料金体系が決まっておるようでございますが、日本ではやはり日本の状況に合わせた料金の徴収の仕方をするべきだと思っていますが、今、まず局内のスタッフによりチームを作って、料金の体系について研究しているところでございますが、いずれ実行する際には第三者の意見も聞きながらやっていきたいというふうに思っております。
#51
○井原巧君 以上で質問は終わりますけれども、籾井会長が会長に選ばれた一番大きな、経営委員会から選ばれた理由というのは、やっぱり卓越した今までの民間の経営感覚と国際感覚で実は選ばれているわけですよ。つまり、金メダルを取れというふうに選ばれているわけですから、スタートのときちょっと転がってしまいましたけれども、しっかり立ち上がって、我が国日本の金メダルを目指して頑張っていただくように期待を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#52
○藤末健三君 民主党・新緑風会、藤末健三でございます。
 今までのちょっと議論を伺っていますと、私は籾井会長にお聞きしたいのは、一つは、これだけ大きな問題を起こし、そして昨年のNHK予算は、通常、全会一致であるものが全会一致ではなかった。そしてこの予算、また全会一致ではございません、間違いなく。二年も続けて。この公共放送というのは、政治から独立して、公平公正という名の下にみんなが集まり、そして認めていこう、承認していこうということで、当たり前のようにずっと全会一致で承認されたものです。それが二年も連続して全会一致ではなくなるということ、その重みは何か、そしてまた、その原因をつくったのは誰か。御自分ではないでしょうか。
 先ほどの議論を聞いていると、職員に対する、そして協会全体に対するガバナンスをきちんとしますとおっしゃっていますけれど、まず正すべきは会長御自身じゃないかと思っております、私は。その点について御質問申し上げたいと思います。(資料提示)
 NHKの問題、これは過去にいろいろございます。こちらにございますように、平成十六年には芸能番組制作費の不正支出問題がありまして、この問題は非常に大きな問題として、受信料の支払率が七割を切るという状況に陥っています。そのときにNHKは何の対応をしたか。コンプライアンスのために内部の通報窓口を設置したり、あとは改革・新生委員会というものをつくりNHK全体の見直しを行う、そして視聴者第一主義ということを目指し、そして最後に、一年後にはNHKが約束をどれだけ果たしたかという評価委員会までつくって徹底的に議論をしたというのがあります。そしてまた、平成二十年、これはインサイダー取引があったときの問題でありますが、このときは独立した第三者委員会、これは弁護士から成る第三者委員会をつくりまして、徹底的に、その該当する職員だけではなく全職員に対して調査を行い、そしてその調査はきちんと公開されているという状況。そして大相撲、野球、賭博の問題については、報道局内に記者の教育を徹底的に行うという改革チームまでつくって議論しているという、様々な取組をしてNHKは信頼を回復してきているという状況であります。
 しかしながら、今どのような状況になっているかと申しますと、籾井会長は就任されたとき以来、様々な言動の問題を指摘されています。
 ちなみに、こちらにございますのが籾井会長をめぐる主な新聞報道というふうになっています。籾井会長が就任されて以来、これだけの報道が行われ、そして籾井会長は、昨年国会に呼ばれた回数三十五回、そして今年国会に呼ばれた回数二十二回となっています。そして、二月から三月中旬まで五十日間のNHKに寄せられた苦情、何と八千百件、一万件にも近い苦情が寄せられているという状況、これは籾井会長に対する苦情となっています。
 通常であれば、NHKの会長は今日行われますこのNHKの予算の審議のために衆議院、参議院一回ずつ来ていただいているような状況。このような非常に大きな問題がある中で、籾井会長は御自分のお立場をどう考えているか、聞かせていただきたいと思います。お願いします。
#53
○参考人(籾井勝人君) 先ほどから何度も申し上げておりますが、私の言葉が誤解を招いたり不十分だったりしたために問題との指摘を受けていると思います。国会や記者会見の場で丁寧に真意を説明してきておりますが、今後も皆さんに信頼していただけるよう言葉をもっと大切に使いたいと思います。
 私自身は、去年の国会の御議論や委員会の附帯決議などを十分踏まえまして、会長の職務に全力で取り組んでまいりました。これからも会長の職責をよく認識し、一層精進していくことにより、引き続き国民・視聴者の皆様の信頼を築いてまいりたいというふうに思っております。
#54
○藤末健三君 今、会長から、昨年の総務委員会における我々国会で決めた附帯決議の話が出されました。その私たちが作った附帯決議、昨年、一年前に作った附帯決議にはこう書かれています。一番初めに書かれている言葉。日本放送協会は、役員の言動等により、役員は会長のことですね、国民・視聴者から厳しい批判が多数寄せられ、信頼が揺らいでいる現状を重く受け止め、かかる事態の一刻も早い収束と信頼回復に向け一丸となって全力を尽くすことと書かれている。これは、平成二十六年三月三十一日、ぎりぎりに作られたものであります。
 しかしながら、見てください、皆さん、これ。平成二十七年になってどれだけの言動、マスコミに書かれているか。国会に二十二回も三か月で来ていただくような状態を招いているという、それに対する反省が私は全く感じられないと思います。会長としての、NHKの公共放送としての会長の資質というものを私は重く問いたい。
 例えば、イギリスの国営放送、BBCというのがあります。このBBC、二〇〇〇年代の初めに、イラク戦争に関する政府の情報操作という問題が起きました。そのとき、政府からBBCに対して、様々な報道をきちんとするようにというような圧力が掛かった。そのときに、BBCの当時のグレッグ・ダイク会長、自ら職を辞して、報道の自由、報道の中立性、報道の公平性、公正性を守ったという。それが会長の役割じゃないでしょうか。
 これだけNHKの信頼が失われている。これ、是非パネルを見てください、皆さん。例えば、昨年の五月二日、マスコミに書かれたこと。NHK会長、籾井会長は、個々の番組で公平性をということをおっしゃっている。しかしながら、政府の見解は何かというと、個々の番組で公平性じゃなく、全体的に放送をやることによって公平性を保つというのが一般的な見解です。個々の番組じゃない。全体としてという問題。
 そして、今年の二月六日、慰安婦の問題について政府の立場を見て判断するというお話。そして、二月の十八日、村山談話は要らないと言うかもしれないという、政府見解をめぐってそのような発言をする。そして、三月六日には、河野談話、国の方針でないというようなお話をされているということです。
 放送法における公平性、公正性という問題について、組織のトップとしてどのように考えているか、大きな疑問がございます。恐らく、質問申し上げても同じような答弁になると思いますので、もうこれは省かさせていただきます。ただ、この状況をきちんと認識していただきたい。
 そして、我々総務委員会の皆様もこれを是非認識してください。私たち、どれだけの国会できちんと審議をしなきゃいけない時間を籾井会長のために使ったか。本来であれば我々が総務委員会で地方のため、そして情報通信のために議論する時間をどれだけ使ったか思い出してください。予算委員会もそうです。私たちの、国民のためにどれだけきちんと予算をつくらなきゃいけないか、これを議論する時間がどれだけ奪われたことか、そのことを是非、籾井会長は認識いただかなきゃいけない。視聴者のみならず国民に与えた被害、非常に大きいものがあります。
 そして、特に私が問題としたいものは何か。それは、NHK会長のこのハイヤーの利用であります。先ほど、注意不足でしたというお話をいただきましたけれども、この問題、会長が一月二日にハイヤーでゴルフ場に行った。そのハイヤーはNHKが契約している会社であったがゆえに請求はNHKに行き、NHKがお金を払い、そして会長がNHKが受信料で立て替えたお金を払い戻したのは、三月六日に監査委員が指摘され、その翌週、三月九日に支払われたというのがこの事件のてん末であります。
 しかしながら、私が見させていただきましたこの問題、何があるかと申しますと、三月十九日に、NHKの経営委員会が監査委員会をつくり、そしてこの問題を調査した。一週間です、時間は。そしてこの調査報告書、読まさせていただきましたが、この総務委員会でも議論し、書かれていない点が幾つか発見されています。
 例えば、籾井会長が使われたそのハイヤーの代金を秘書室長が知ったのはいつか、この報告書には書かれていない。しかしながら、我々の審議の中で三月六日ということが分かりました。そしてまた、大事なポイントは、ハイヤーの会社から請求がいつあり、そして秘書室長がいつそれを知り得る立場にあったかという非常に大事な問題についても報告書には書かれていない。恐らく一週間で書かれたということもあり得ると思いますけれど、きちんともう一度調査をすることを望みますが、いかがですか。監査委員長、よろしくお願いします。
#55
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 今先生からの御指摘は、報告書がずさんではないかという御指摘だと思いますが、監査委員会は、自ら直接関係部局や秘書室を対象にヒアリング等を行い、複数の対象者からの聴取内容等を総合的に勘案いたしまして、監査委員会報告書記載の事実を確認いたしました。監査委員会といたしましては、関係部局や秘書室を中心としたヒアリング等により事実関係を確認することができたと認識いたしております。
 監査委員会といたしましては、新たな事実が発見されない限り、更なる調査は予定いたしておりません。
#56
○藤末健三君 上田監査委員にお話しさせていただきたいんですけれど、よろしいですか。二つ問題点があるんですよ。
 一つは、きちんと調査がされたかということ。我々がこの委員会で審議する中で幾つも明確になっていない点があったではないですか。委員が明確にお答えいただけなかったじゃないですか。それを是非思い出してください。一週間で付け焼き刃でやったという印象は拭われません。まず一つ。
 そして、もう一つ。最終的な提言がどうなっているか。これは何かというと、簡単に、籾井会長がちゃんと手続をしなきゃいけませんということが書いてある。そして、改めて関係者、秘書室長がコンプライアンスを守ってくれと、そういう表層的なことしか書いていないということ。
 冒頭に申し上げましたけど、過去の様々な問題が起きたときに、例えば、コンプライアンスの内部通報窓口をつくったり、あとは改革・新生委員会をつくり、その結果をきちんとまた評価をする。そして、インサイダーのときには第三者委員会をつくり、弁護士の方が三人参加し、徹底的に関係者以外まで調査を行い、そして大事なことは何か、NHK全体に対する改革を提言しているということです。
 この監査委員会そして経営委員会は、平成十九年の放送法改正行いました。私はそのとき担当しております。権限を相当強化しているんですよ。NHKが公平公正であるために、そしてきちんとした報道であるために、きちっと経営委員会が監査ができるようにしようということを提言しておりますし、またこの国会においては、私たち民主党とそして社民党は共同で、監査委員会がもっと力を持ってきちんと仕事をしていただくような法改正案を出しています。そのことを重く受け止めていただかなければNHKの信頼回復はできません、はっきり申し上げて。いや本当に。職務を果たしているとは思えません、法律を作った側として。我々が想定している。もう一度お聞きします。いかがですか。
#57
○参考人(上田良一君) 前回、江崎委員からも御質問がありました。請求額が確定した日がいつで、それでハイヤー代金を知ったのはいつかということに関してここで説明させていただきます。
 協会においてハイヤー会社から送付される請求書やハイヤー乗車票等を基に、当月末締めで一か月分の支払請求書を作成し、これに基づき翌月末にハイヤー代金総額を一括して支払う取扱いを行っており、本件のハイヤー代金についても本年一月末日締めで二月末までに支払われたこととされております。
 監査委員会としましては、本件タクシー利用が私用目的で行われた以上、秘書室は、確定時期や請求時期にかかわらず、協会のハイヤー代金請求の取扱いを前提として、協会が支払を行う前に、本件ハイヤー代金を確認の上、会長に直接請求させ、また請求がなくとも会長に支払わせるよう万全の対応を行うべきだったと判断いたしています。
 したがいまして、私どもが非常に重要な日時と考えましたのは、二月の二十七日、実際に協会が支払った日だという、こういう認識をいたしておりました。
#58
○藤末健三君 質問に答えていただきたいと思うんですけれども、私が申し上げているのは、報告書に書かれていないいろんな事実があったわけじゃないですか、それで、きちんとやりましたという話は、それは我々が指摘したことに答えているだけですよ、今のお答えは。
 本当にもう、申し上げますけれども、NHKの信頼を回復するだけの覚悟はあられるんですか。(発言する者あり)だったら、監査委員に就任しちゃいけない、そういう答えをするようでは。過去の人たちがどれだけ苦労してNHKの信頼回復をやってきたか見てくださいよ。その覚悟もなくそのような答弁をするというのは、私は至って驚きですよ。少なくとも前向きに回答をいただくという、そのつもりで話をお聞きしています、私は。それだけは覚えておいてください。
 同時に、「クローズアップ現代」の問題があります。国会答弁に、今調査中ということでございますけれども、この「クローズアップ現代」の問題も、きちんと日にちを切って、どのような調査結果を出すかというのを監査委員がきちんと見てくださいね。それが非常に重要な役割であることをもう一回認識いただきたいということをお願いしたいと思っております。この点がはっきりしなければ、私はなかなか前に進むことはできないと思います。
 同時に、NHKのガバナンス委員会ということについて話を移らさせていただきたいと思います。
 昨年、NHKビジネスクリエイトの営業部長が売上高約一億四千万円を水増ししているということ、そして、NHK出版の編集長が千三百五十万円を不正流用したということにつきまして、NHKの関連団体ガバナンス調査会というのが設置され、そして昨年の八月に会長に対して報告書を提出されています。しかしながら、この報告書、ずっとその要旨だけが公開され、内容については開示されていませんでした。
 国会でその開示しない理由を聞きますと、籾井会長は二つのことをおっしゃいます。一つは、この報告書にはプライバシーが含まれるんで、プライバシーを開示できないということ。そして二つ目におっしゃっているのが、私自身、会長自身に対するアドバイスと考えており、公表はする必要がないというふうにおっしゃっています。
 ただ、我々、総務委員会の理事会で、調査報告書の開示を求め、そしてNHKから報告書が開示されています。ただ、この開示された報告書を見ますと、御覧のとおり黒塗りです、ほとんどが。このページは全部黒塗り。これで我々が国民に代わりNHKの予算をきちんと審議できるか。いかがですか、皆さん。委員の皆さんに問いたい、これは。
 そしてまた大事なことは何か。この報告書、幾ら支払ったかは公開されていません。そして、同時に、この報告書を、調査を行った弁護士の方、この弁護士の方はNHKの顧問弁護士ではありません。籾井会長が前勤めておられた会社の顧問弁護士であり、そして、安倍総理の訴訟を担当した弁護士の方になっている。随意契約になっています。入札契約じゃありません。
 我々は、理事会においても、この選定の経緯、そしてこの金額の根拠、幾らだったか明確に開示してくれと何度も何度も迫っていますが、いまだに開示されないという状況でございます。是非内容を開示していただきたいと思いますが、会長、いかがでしょうか。
#59
○参考人(籾井勝人君) まず、報告書につきましてですが、これの概要はホームページで開示しております。そして、何度も、この報告書そのものについてはいろんな人の名前とかがありますので我々としては出さないと、こういうことを言ってきました。しかしながら、やはりそうもいかないということで、そのプライバシーの部分を黒塗りといいますかマスキングをして出させたわけです。お気持ちはよく分かりますけれども、我々としては、それでとにかく提出をさせていただいたということでございます。確かに、本当にたくさん塗ってありますので、なかなか読んで中身を見るということは大変だと思いますけれども。
 それから、小林弁護士の報酬基準につきましては、私どもは社会的に適正だと考えております。今、安倍総理の名前も出てきましたけど、そういうことは一切弁護士の選定には関係ありません。それから、私のお友達ということも言われていますが、お友達というよりは仕事上の関係がちょっとあっただけの話でございます。
 調査に費やした総時間や支払った金額の開示については、もうここしばらく弁護士といろいろやり取りをしております。そういうふうな形で弁護士と調整している最中でございますので、これができましたら、できるだけ速やかに開示をしたいというふうに思っております。
#60
○藤末健三君 きちんと開示をお願いしたいと思いますし、よろしいですか、これ、二〇〇八年にインサイダー取引のときに出された報告書です。全て開示されているんですね。プライバシーに関するところは全部イニシャルに変えている、名前を。そこまでの配慮をしているんですよ。これも同じように、弁護士の方々が三人集まって書かれたもの。それに比べて、いかがですか、これ。全く黒くなっている。これで何が書かれているかという判断はできないと思います。そもそも、情報をきちんと皆様に知らせるという発想がなかったことが非常に問題。
 そして、もう一つ大事なこと。開示いただくと約束していただきましたので、絶対お願いしたいのは総額です。金額がどれだけあったか。そしてこの弁護士の方の選定がどのように行われたか。金額については、マスコミでは、六千万円とか八千万円とか一億円というようなマスコミの書かれたのがあるんですよ。これを放置しちゃいけない。明確に受信料で払われたもの、会長のポケットマネーじゃありませんからね、これは。受信料で支払われたものについて、明確に開示していただきたいと思います。私は、もし開示されない場合には、国会法百四条に基づく国政調査権、我々が委員会で決めれば資料提出が求められます。是非委員の皆様に、この国政調査権限をもってしてもきちんと公開してもらうということを提案させていただきたいと思います。
 そしてまた、経営計画についてお話をさせていただきたいと思います。
 経営計画において私が非常に問題視していますのは、NHKはやはり社会の中のいろんな問題を取り上げて、特に私は、苦しい思いをされている方、そして本当に一生懸命頑張っている方々に光を当てるというのが大きな役割だと思います。そして、実際に私はNHKの方々はされていると思います。
 次期の経営計画におきましては、日本や世界の課題に迫る骨太な番組を強化するということで、実際に決まったのがこの十一月十一日、下の方でございますけれども、少子高齢化、社会保障、いじめということが書いてございますが、この最終案の前の案が十月十四日のものです。ここにございますように、いじめ、そして貧困ということが書かれていた。ただ、この貧困というのは削除されたわけでございますが、この削除された経緯を、会長、是非御説明ください。
#61
○参考人(籾井勝人君) 経営計画の文言については、我々役員一同みんなで、昨年の五月から半年掛けて精査いたしました。番組で何度も取り上げております貧困や格差ということも候補に挙がったんですが、問題を指摘するだけではなくて解決策や行政の取組などを総合的に報道していこうということになって、今回の経営計画では、言葉としては社会保障という言葉を採用したわけでございます。
 貧困とか格差について、NHKの番組を見ていただければ分かりますけれども、NHKほどこの貧困や格差の問題を取り上げている局はないと思います。つい最近もこの貧困の問題も取り上げておりましたし、よく見ていただければ分かると思います。我々は言葉よりも実践ということで、それは社会保障という中に入っておりますから、よく番組を見ていただきたいというふうに思うわけでございます。
#62
○藤末健三君 一般的に言うと、社会保障には年金、医療、介護が含まれます。貧困は、恐らく一般の方々の頭では含まれていてもメーンではない。貧困というものを一番トップに掲げて議論するというのは、経営の意思の示し方だと思うんですよ。いや、現状はそうなっているから大丈夫でしょうと。それでは経営計画の意味ないではないですか。現場の方々がそれぞれ判断して、やっぱり貧困が大事だということで番組を作られる、だからいいですよというふうにおっしゃっているように私には聞こえます。
 私は参議院の全国比例区の人間でございますので、全国いろいろなところに伺わさせていただきます。そして、いろんな方のお話をお聞きする。私は、先日、二十七歳の若い男性とお話ししました。その方は派遣社員なんですね。彼女がいるんだけど、今、給与が正確に言うと二百六十万とおっしゃっていました。だから、結婚していいかどうか分からないと、すごく不安なんですという。やはり多くの方々が、若い方々が非正規社員として安定して暮らせずに、結婚していいかどうかということを悩むような状況。そして、私が実際にお会いしたまた別の二十代前半の男性は、派遣会社に勤められていた方でした。高校を卒業して派遣会社に勤められて、そして工場に派遣され、工場が採算が悪くなるごとに工場を移され、そして三つ目の工場で最後に辞めてくれと言われたというんです。そして、工場を辞めた後、二週間で工場の敷地内にある寮も出ていってくれと言われた。仕事と住むところを同時に失ったというんですね。
 そういう人たちの本当にその貧困の現場というものを会長は聞かれたことありますか。私はないんではないかと思います。いかがですか。
#63
○参考人(籾井勝人君) 実際にそういう貧困にあえいでいる方には私は会ったことはありませんが、自分で本当に貧困を経験しておりますものですから大体想像は付きますが、やはりこの問題は非常に大きな問題でございますから、我々は番組でつい最近も取り上げております。是非その辺を御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。
#64
○藤末健三君 是非、会長、会長はいろんな方にお会いしていただきたいですよ。日本国民の苦しみや悲しみを知った上で、会長がやはりNHKというものをきちんと運営していただくということがなければ、公共放送ですからね、営利企業じゃないんですよ、NHKというのはその点が全然私は理解されていないんじゃないかというのが非常に疑問であります。
 次に、経営の問題につきまして、国際放送の話をさせていただきたいと思います。
 次期経営計画の大きな柱としまして、国際放送の充実ということで日本の情報を海外に発信して日本の理解を増やしていくということがございます。その点につきましては、この憲法の前文、赤く書いてございますが、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」という部分がございます。
 私は、この憲法の前文の部分は非常に好きでございましてよく話をするんですが、よく批判されますのは、藤末さん、あなたは、ここに諸国民の公正と信義を信頼してと書いてあるけれど、北朝鮮を信用するのかと言われるんですね。私はそれに対しては、北朝鮮という国は信用できない、しかしながら、北朝鮮の国民、これは諸国じゃなくて諸国民なんですよ、一人一人の国民の方々は戦争をしたくない、平和を望んでいるということは私は信用できるということを申し上げています。
 この部分につきましては、憲法の平和主義が国際連合とか様々な国際機関により、世界の平和を世界中の人々が、一人一人の国民が信頼を基につくっていこうということでございます。そういう意味では、NHKの公共放送として日本の情報を海外に発信し、世界の方々に私たち日本人を知っていただくことも大事です。同時に、世界の情報を日本人に伝え、お互いに知り、そして信頼し合うという状況を是非つくっていただきたいと思いますが、その点につきまして、会長、いかがでしょうか。
#65
○参考人(籾井勝人君) 全く同感でございます。
 我々は、そういうことで国際放送を充実させて、日本の状況、アジアの状況を世界に英語で発信するということによって、世界の人たちの日本及びアジアの状況をよく理解してもらうということでございます。
 それから、海外のことを我々が日本国民にどう理解してもらうかという問題についてはまだまだですけれども、NHKとしては、各国の放送を日本語に直して、同時通訳を使いながらBSでも放送していることは御存じのとおりでございます。
 したがいまして、今委員がおっしゃいました、そういうふうにお互いに理解し合うということについて、我々NHKとしても一生懸命やっていきたいというふうに思っているわけでございます。
#66
○藤末健三君 ちょっと二つのことを提案申し上げたいと思います。
 一つは、海外からの情報を入れるときに、是非とも、ヨーロッパであれば、アフリカであればBBCなんかと連携をしていただくこと、そしてアメリカであれば例えばCNNと連携すること、そしてアジアはNHKが取材する、そういうふうに補完的なこういう関係をつくっていただきたい。
 実際に、パリでテロがあったときに、私は海外のニュースを見ていました。NHKは、時差の問題はありますけど、十二時間以上遅れていたんですよ、報道が。そして、申し訳ないですけど、報道の内容も海外の番組の方が濃かったです。
 そういうようなことがございますので、やっぱりその場所の現地の放送機関と連携し、例えばアジアではNHKが発信していく、そういう補完関係をつくっていただきたいというのが一つ。
 そして、もう一つ、我が国からの発信については、是非、英語の音声だけじゃなく、テロップを作っていただきたいんですね。それも現地語。例えばBBCにしても、CNN、そしてあえて申し上げれば中国のCCTVという放送がありますけれど、現地語のテロップを流しているんですよ。中国の人がしゃべっている言葉を現地語に翻訳してテロップを流している。それだけの現地化をやって情報を発信していますので、是非それは御検討をいただきたいと思います。
 それと同時に、私は提案がございます。
 特に、日本と韓国の関係が今非常にぎくしゃくしているわけでございますけれど、私は一月にソウルに、韓国の国会議員、日本の国会議員、そしてアメリカの国会議員も集まりまして、三か国の友好をどうするかということを議論させていただきました。
 その中で、韓国の議員と話した話の提案の中に、ジェームス三木氏が脚本を作られた舞台「つばめ」というものを、日本と韓国で共同で番組を作って、そして両国に流してはどうかということが議論されました。この「つばめ」という脚本は二〇〇二年に、日韓国民交流記念作品でございまして、内容としては、江戸時代初期一六〇〇年に、朝鮮から朝鮮通信使として来た儒学者が、そして日本の侍と女性の、そういういろんな人間関係の苦悩が女性の視点で書かれているというものであります。
 是非このような日韓共同の番組を作り、そして日本と韓国に流していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#67
○参考人(籾井勝人君) 日本と世界の国際理解を深めていく番組というのは、これは我々も国際交流の歴史を取り扱うという意味で、ドラマだけではなくていろんなドキュメンタリーなどの様々なジャンルの番組でやってきております。これからも、ドラマも含めて視聴者の国際理解に資する多様な番組を編成していく方針です。現場の番組の提案内容などを見て、具体的に判断していきたいというふうに考えております。
 今委員がおっしゃったように、国際理解を深めるための国際交流の番組というのは私も必要なことであろうというふうに思っております。
#68
○藤末健三君 是非、NHK全体として進めていただきたいと思います。
 ただ、籾井会長、いろんないいことをおっしゃっても、過去の言葉はひっくり返せないですよ、発言された言葉は。例えばこの平成二十六年一月二十六日、慰安婦の問題について発言されたり、あと村山談話についても発言されたり。この談話についても、国の方針じゃないというような発言をされている。このことは是非重く受け止めてください。諸外国からどのように思われているか、会長自身がですよ、それを是非考えていただきたいと思います。
 そしてまた今年は終戦から七十年、そして広島、長崎が被爆七十周年ということになっております。NHKはいろんな戦争関係の番組を報道するということを今進めておられますけれども、是非とも、この前の戦争で我々日本人は三百十万人の同胞の命を失い、そして二発の原子爆弾で三十万人以上の命を失い、そして日本中が焼け野原になった。
 私の父は台湾からの引揚げ民でございます。中二のときに戦争が終わり台湾から引き揚げてきましたが、住む家もなく、そして食べるものもなく、苦労したと思います。父は語らないんですね。思い出したくないと言うんですよ、いろんな苦労を。
 ただ、私が思うのは、今どんどんどんどん戦争の記憶が失われている中で、是非NHKが公共放送として戦争の記憶をとどめ、そしてそれを国内外に伝えていただきたいと思います。
 特に今年は長崎、広島の被爆から七十周年ということでございますし、また同時に、今年の四月末から国連におきまして、核廃絶、核不拡散の大きな五年に一回の国連での会合がございます。私はそれに参加するつもりでございます。
 私が様々な核廃絶の会議で発言するときに、私の母は長崎の原子爆弾の雲を見ていますので、私の母が見た長崎の原子爆弾、これを最後の原子爆弾にしたい、人類に使われる最後の原子爆弾にしたいということをいつも訴えています。そのときに、海外の友達、友人から何を言われるかというと、もっと発言してくれと、日本人は。この核兵器の恐怖、悲惨さ、悲しみ、苦しみ、非人道性を訴えられるのは日本人しかいないと言われているんですよ。是非NHKがやっていただきたいと思います。
 例えば、私は、先日見させていただいたドキュメンタリー映画がございまして、これは「ヒロシマの校庭から届いた絵」というものであります。日米の共同作品。これは何かと申しますと、広島の原爆の悲惨さを知ったアメリカの方々が広島の子供たちに文房具や運動具などを贈りました。そのお礼に広島の子供たちが描いた絵をアメリカに届けたんですが、それが六十三年ぶり、二〇一〇年に、見付かって、そしてそれがまた広島に帰ってきたということをずっと追ったドキュメンタリー番組です。
 まさしく日本とアメリカの友好というもの、そして原爆の悲惨さを伝えるものでございますが、是非こういうものをNHKが国内外に流し、そして唯一の被爆国として我々がどのような思いをし、そしてどのような取組をしたかを発信していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#69
○参考人(籾井勝人君) 日本が唯一の被爆国であるということは紛れもない事実でありまして、それに伴って多くの人が亡くなり、いまだに苦しんでいる人たちもいるわけでございます。そういう意味において、日本は核廃絶に向けてやはり非常に大きな役割を果たしていかなければならないというふうに思っております。今委員がおっしゃったように、長崎が最後だと、これはやはり日本人の誰しもが思うことであり、これを世界の人にも理解してもらいたいというふうに思っております。
 毎年八月六日、九日はNHKにとりましても非常に大事な日でございまして、やはり世界に向けて原爆の悲惨さ、二度と繰り返すまいという、この核兵器について忘れずに発信を続けていかなければならないというふうに思っております。
 それから、終戦七十周年ですが、やはりここにも戦争の悲惨さというものを我々は放送として引き続き風化しないようにやっていきたいというふうに思っております。その辺は我々としても、公共放送といいましょうか、NHKでございますので、しっかりとやっていきたいと思っております。
#70
○藤末健三君 会長、是非過去の発言を猛省してください。慰安婦の問題であり、そして村山談話、河野談話に対する発言はもう二度と起こさない。次はない。本当にもう信頼されませんからね、各国から。
 私は、最後に二つのことを皆さんに申し上げたいと思います。
 一つは、この問題、籾井会長は、先ほど申し上げましたように、八千百件の苦情を受け、そして昨年は三十五回、今年は二十二回も国会に来ていただいているわけですけれど、まだまだこの問題点、明確になっていません。是非、委員長に提案したいんですが、籾井会長を中心とした問題の国会の集中審議を求めたいと思います。
 そして、もう一つございますのは、この提出されたガバナンス調査の報告書、全て黒塗りであるし、また受信料を使っているにもかかわらず、幾らお金使ったか公開されていない。
 この点については、公開されないのであれば、これは委員皆さんに対する提案です。国会法百四条、委員会が採決すれば国政調査権、強制的に資料提出を求めることができますので、徹底的にNHKの問題点を解明することをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。
 ありがとうございました。
#71
○難波奨二君 続きまして、民主党の難波奨二でございます。
 先ほどから各委員の方から御質問ございまして、会長がそれぞれお答えになっておられるわけでございますが、私、去年もこのNHK予算、質問させていただきました。以降、再び三たびといいますか、会長の言動というものが反省のかけらも見られないというのが今の現状でございまして、やっぱり根本的に会長は御認識にずれがあるんですよ。それをまず私はお伺いしたいと思います。基本的な問題でございますが。
 これも御質問、先ほどございましたが、このNHK予算というものがなぜこの国会において、衆参のこの国会において全会一致が望ましいというふうに御自身はお考えになるか、まずその点からお伺いしたいと思います。
#72
○参考人(籾井勝人君) NHKは、視聴者・国民の幅広い信頼の基盤の上に立ってでき上がっております。NHKにとってこの信頼は本当に何物にも代え難い重要なものでございます。そういう意味におきまして、やはり全会一致というのは、いわゆる国民の代表である国会の場において皆さんの御承認を得るということがあまねく国民全体の信頼を得るということになりますので、そういう意味において全会一致は非常に重要なポイントだというふうに思っております。
#73
○難波奨二君 そのとおりなんですね。国会議員というのは、それぞれ多くの国民の皆さんの負託を受けてこの場に参っておるわけでございまして、まさに国民の代表がNHKの予算に対して真摯に議論して、そしてこの成立に向けて努力していくという、この過程が非常に大事なわけですね。
 ところが会長は、これ言われたかどうかという議論はございますけれども、この予算については、与党の賛成があればNHK予算はいいんだというようなことを御発言されたようなお話もお聞きするんですけれども、これは事実ですか。
#74
○参考人(籾井勝人君) そのような発言をした覚えはございません。
#75
○難波奨二君 申し上げておりますように、全会一致というのは非常に大事なことであります。政治的中立ということも非常に重要でございます。
 そして、もう一つ加えますけれども、衆議院でこのNHK予算が可決されれば、参議院もおのずとしてこの可決に向けて進んでいくというふうな御認識はございますか。
#76
○参考人(籾井勝人君) 全くそういうことは考えておりません。参議院でもこういう激しい批判も受けておりますので、その辺も甘んじて受けながら、反省もしながら、是非皆さんの賛成をいただきたいというふうに思っております。
#77
○難波奨二君 ここは大事なところでございますので、この後、この後の姿勢もきちっと私どもは見させていただきますので、是非ともこの点については強く思いを日々持っていただきたいと思います。
 もう一つ大事なところでございますが、会長のやっぱり認識のずれの大きな問題、もう一つでございますけど、これ受信料に対する会長の認識なんですよ、受信料。国民の皆さんがお支払いになられておられる受信料、これは税金ではございません、もう御案内のとおり。これは義務ではございません。しかし、国民の皆さんはNHKの受信料に対して前向きに自発的にお支払をされておられるわけですけれども、その受信料に対するお考えをお聞きしたいと思います。
#78
○参考人(籾井勝人君) 私は、罰則がいいとか強制がいいとか、そういうことは本当は思っていないんです。NHKの今の受信料というのは、これは罰則もありませんから払わなくてもということに今なっているわけですね。ただ一方では、公平の原則、支払の公平性というのはやっぱり必要なわけですよ。
#79
○難波奨二君 質問が違います。
#80
○参考人(籾井勝人君) えっ、そうじゃないんですか。
#81
○難波奨二君 大事なところなんですよ。だから、あなた、ずれがあるというのはそこなんですよ。私の質問、何にも分かっていない。
 受信料、国民の皆さんがお支払いになられる受信料というのは、これは税金じゃないわけですよ。大事な、本当に汗して働いて、そして、いろんな御家庭があるわけでございますけれども、皆さん大変きつい家計の中からNHKの受信料を支払われておられるわけですよ。その受信料に対する思いですよ。このことについて、会長としてはどのようにお受け止めになられておるかということをお聞きしておるんですよ。義務化とか、そういう話ではございません。
#82
○参考人(籾井勝人君) 払っていただいている皆様方には、本当に大変に感謝いたしております。
 現在、七五%支払っていただいております。残りの二五%、やはりこの方たちが払ってくれれば、料金を安くできるということも可能なわけでございます。払っていない人というのは、やっぱりそれは払っていない方でございますから、我々は支払の公平ということを言われておりますから、これは非常に大きなポイントで、我々としても全力で今これを、支払率を引き上げるべく努力しているということでございます。
#83
○難波奨二君 昨日丁寧に事前に通告もしておりまして、恐らく答弁書は事務方の方も関わられておられるんでしょうが、事務方の方もそういう認識でおるなんという話になると、それは大変な話ですよ、はっきり申し上げますけれども。
 受信料をどういう思いを持って視聴者の皆さんがお支払いになられているか。大変な生活、困窮な方でもお支払いになられた方はいらっしゃるわけですよ。そのことの認識が違うから先ほどからずっと出ている話に全部つながっていくんですよ、あなたの行動と発言は。違いますか。もう一度どうぞ。
#84
○参考人(籾井勝人君) 先ほども申しましたけれども、受信料を皆さんからお支払いいただいているわけでございます。我々のNHKというのはその上で成り立っているということでございまして、やはりNHKにとりまして、我々を信頼してお支払いいただいている皆様方のお気持ちというのは何物にも代え難い非常に重要なものだということは、もうそのとおりでございます。私もそのように思います。
#85
○難波奨二君 もう一つ、これは通告しておりませんけれどもお聞きしたいと思いますけれども、一般の会社は誰を見て経営をやっていくことになりますか。一般のこれは株式会社で結構でございますけれども、株式会社というのは誰を見て経営をやっていくというふうに、この間も民間の経営者として御活躍されてきたわけでございますが、会長、どういう御認識でございますか。
#86
○参考人(籾井勝人君) 株主の皆さんと職員でございます。
#87
○難波奨二君 それでは、NHKは、公共放送NHK、そして受信料で支えられているNHK、このNHKは誰に向いて仕事といいますか、あるべきだというふうにお考えですか。
#88
○参考人(籾井勝人君) 視聴者の皆さんです。
#89
○難波奨二君 そのとおりなんですよ。
 ですから、会長、ずっと御発言をされておりますけれども、その言葉というものを私はこれはうそを言っちゃならないし、その言葉というものを大事にしていただきたいと思いますね。この後、もうこのような委員会が開かれないように、重ねて私どもは厳しく会長のこの間のやっぱり行動等については申し上げておきたいというふうに思うし、このNHK予算についてもすんなりは私どもは承服できないということも申し上げておきたいと思います。
 そして、もう一つ付け加えますけれども、先ほど来からもございましたが、NHKの渋谷の放送センターも建て替えの計画があるんですよ。そうでございましょう。建て替えの計画がある。そして、インターネット配信・放送も始めて、受信料の在り方についても御検討なされておるわけですよ、内部で。でも、これは全て国民の皆さんの合意がないと成り立ちませんよ。国民の皆さんがノーと言ったら、新放送センターも新しい受信料の見直しも成功しませんよ。そのためには、会長、あなたのこの後の姿勢がやっぱり問われるわけですよ。
 国民の皆さんにどう合意形成を図っていくのか、御理解をいただくのか、そのお考えについてお聞きいたします。
#90
○参考人(籾井勝人君) 今まで、私の発言とかいろんな行動が皆様に不信感を抱かせたということについて私は本当に申し訳なく思っているんですが、こういう誤解を今後引き起こさないように、自分としても十分注意していきたいと思います。
 新三か年の経営計画は、NHKが激しい経営環境の中で将来にわたって情報の社会的基盤という公共的な役割を果たしていくための計画でございます。放送と通信の連携など、メディア環境の変化を踏まえた受信料制度の在り方の研究や、新放送センターの建設などの重要課題にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 今後も、視聴者の皆様への丁寧な説明を心掛け、前への気持ちで経営を進めていきたいというふうに思っております。
#91
○難波奨二君 経営委員長にお伺いいたします。
 経営委員長、大変御苦労なされておられるというのは私も十分承知しておりますが、私もこの間、経営委員長の行動、御発言を見ておりますと、最近どうも経営委員長は、昔の経営委員長じゃなくて、少しかばい過ぎじゃないかとか、余りにも政治的力学をそんたくされておられるんじゃないかというような私、受け止めをしておりまして、私は、経営委員長たる者は、やはりこれはきちっとNHKの執行を注視して、チェックして、そして適切な指導、提言などを行っていくことが必要なんだと思いますが、経営委員長は度々、籾井会長に対しまして注意なりをなされておりますが、具体的にどのようなときに注意とか申入れを行われたか、ひもといていただきたいと思います。
#92
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会といたしましては、会長に対して注意と申入れを合わせて四回行っております。注意は、昨年一月の就任会見に対するものと昨年二月の経営委員会での発言に対するもので、経営委員長として行いました。また、申入れは、この二回の注意を行ったことに対するもの、そして先般の誤解を招く発言について経営委員会として行いました。
#93
○難波奨二君 もうそろそろ、経営委員長、経営委員長の大きなやはり任務、責務であると思いますけれども、籾井会長がNHKの会長としてふさわしくないというのは、これは多くのやっぱり国民の皆さんもお感じになられておられるところなんですね。
 今日のある新聞報道を見ましても、NHKの籾井会長、プライベートでゴルフに使ったハイヤー代、立て替えていた問題、国会で辞任を求めたりの動きがあるが、この会長は辞任すべきかという問いに、思うが六七%でございますよ、思わないが二五・九%という、こういう一部の新聞報道ではございますが、こういう状況に来ていることは間違いございません。
 昨年も同じ議論をやったわけですよ、この場で。しかし、その反省というものは全くなされてきていないわけでございまして、ここは経営委員長、経営委員長の資格として籾井会長は罷免すべきじゃないですか。いかがですか。
#94
○参考人(浜田健一郎君) そのような御懸念を招いていることは、大変残念なことだというふうに思っております。
 今委員から御指摘いただきました点につきましては、経営委員会が放送法に則し、自律的、総合的に合議によって適切に判断するものと認識をしております。
 今は、会長以下執行部には皆様の御理解を賜るための最大限の努力を行っていただきたいし、また経営委員会としてはそのための監督はしっかり行っていきたいというふうに思っております。
#95
○難波奨二君 経営委員長、もう重ねて申し上げますが、仮の話で恐縮ではございますけれども、この後、また問題が起きた場合、どうされます。仮の話は非常にこれも聞きにくうはございますけれども、やっぱりここはもう一度決意をお聞きしたいと思います。
#96
○参考人(浜田健一郎君) 繰り返しになるかもしれませんけれども、経営委員会は様々な御意見を持つ委員の合議体でございますので、そこの中で議論をしてまいる所存でございます。
#97
○難波奨二君 不満足な答弁でございますが、経営委員長のやはり任務、経営委員会の責務というのは、先ほど来ありますように、いろんな不祥事があって今の経営委員会ができて、監査委員会もできたわけですよね。このことの実行というものがやはりきちっとなされないということになれば、経営委員会の在り方含め、監査委員会の在り方含め、やはりこの国会の中で議論していかなくちゃならぬということになるわけですよ。その辺のところは十分御認識をしておいていただきたいというふうに思います。
 次の質問でございますが、例のハイヤー問題に関しましての監査報告の疑念が今出ておるわけでございますけれども、上田監査委員にお聞きいたします。
 この監査報告を作るに当たりまして、NHK内部の方にヒアリングを行われておられるわけでございますが、総勢何人の方にヒアリングを行われましたですか。
#98
○参考人(上田良一君) 報告書の中にそれぞれの日にちとどういう方々に事情聴取したかというのが書いてありますけれども、全体の人数といたしましては、ちょっと正しい人数を把握していませんので、三月九日から十六日の間に事実関係をそれぞれ確認しておりまして、報告書の中の監査委員会の対応という欄にどういう方々に事情聴取をしたかという詳細を記載いたしておりますけれども、それが事情聴取の内容の詳細です。
#99
○難波奨二君 事務方もいらっしゃると思いますけれども、大体の人数で結構でございます。その数が違うとか、そんなこと私質問するつもりございませんので、おおむねの人数で結構でございます。
#100
○参考人(上田良一君) 全くの概略ですけれども、十名前後になろうかというふうに思います。
#101
○難波奨二君 細かい数字は突っ込まないと言いましたので、全体的に十人の方にお聞きして作られたこの報告書なんですね。分かりました。それは、また後ほど集中議論等もございましょうから、またその議論というのは後に引き継ぎたいと思いますが。
 その次に、じゃ、お伺いしますが、そういたしますと、今秘書室には何人の方がいらっしゃいますか。秘書室の中にはメンバーが何人いらっしゃいますか。
#102
○参考人(籾井勝人君) 職員が九人です。
#103
○難波奨二君 今、九人というお話でございました。
 それでは、上田監査人に引き続きお伺いいたしますけれども、秘書室が九人ということでございますが、その九人のうち何人の方に今回ヒアリングなされましたか。
#104
○参考人(上田良一君) 監査の詳細に関しましては申し上げにくいところではありますけれども、実際に秘書室の中で事情聴取したのは三名です。本件に明らかに絡んでいるという方々を中心に事情聴取を行いました。
#105
○難波奨二君 九人のうち三人ということでございますが、なぜそれでは九人のうち三人に絞ってヒアリングをなされた、その根拠をお聞きしたいと思います。
#106
○参考人(上田良一君) 監査の詳細を述べることに関しましては控えさせていただきたいと思いますが、私どもの判断で、明らかに本件に絡む、ないしは全く本件と関係ない方々もいらっしゃいますので、本件に絡む方々を特定して事情聴取を行ったということです。
#107
○難波奨二君 問題が問題でございますので、監査の姿勢として、やはり会長とそして秘書室の中にいらっしゃったメンバーですよね、会長がどういう御発言をなされて、会長を守るためにもですよ、そうした秘書室にいらっしゃる皆さん全てにヒアリングするという方が一般的なんだろうというふうに思いますけれども、そのことは今日議論してもしようがございませんが。
 重ねて申し上げておきますけれども、やはりこの監査報告というのは極めてずさんであるというふうに認識せざるを得ません。したがって、再度の監査、調査をやっていただくよう御要請申し上げておきたいというふうに思います。
 大臣にお伺いしたいというふうに思いますが、放送法の第七十三条でございます、「協会の収入は、第二十条第一項から第三項までの業務の遂行以外の目的に支出してはならない。」と、こういう条文がございます。そして、二十条の第一項から第三項というのは、次に掲げる放送による国内基幹放送を行うこと、中波放送、超短波放送、テレビジョン放送。そして二項が、テレビジョン放送による国内基幹放送を行うこと、三項が、放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うというのがこの二十条の第一項から三項でございまして、今回、籾井会長は、報告書によりますと、二月の二十七日に協会が立て替えて約五万円のお金をハイヤー業者にお支払いになられておられて、そして、会長は三月の九日に自分のお金で自分からお支払いになられて、十日にハイヤー会社にそのお金というのは協会の方へ戻入をされたと言う方が正しい表現でございましょうけれども、なされております。つまり、十日間はNHKの受信料をもって会長が私的に使用されたハイヤー代というものが支払われておったということになるわけです。
 この放送法第七十三条において、今回の事案というものはどの、先ほど申した二十条の第一項から三項までの条文に該当するのか、大臣のちょっと御認識、御見解をお伺いしたいと思います。
#108
○国務大臣(高市早苗君) 七十三条第一項については、今委員がおっしゃったとおりの条文でございます。
 この放送法そのものがやはり放送事業者の自主自律を基本としておりますから、受信料によって運営されるNHKにつきましては、この監査委員会の監査の実効性を確保するために監査委員に対して権限を与えております。一つは役員の職員の職務の執行に関する事項の報告をこれはいつでも求められるということ、それからもう一つは協会の事務及び財産の状況を調査するということです。
 そうしますと、こういう自律的、自己を律すると書く方の自律ですが、この自律的な仕組みで業務運営の適正性を確保しているという、これが放送法の立て付けですので、今回の事案と放送法第七十三条の関係において、これはもう監査委員会において自律的に判断していただくべきものだと政府としては判断いたします。
 そして、この監査委員会の報告、私も拝見しておりますけれども、これは協会にハイヤー代を最終的に負担させようとしたものではない、最終的に支出させたものとまでは言えないと。それから、会長が私的目的であってもその立場上身柄の安全等を目的としていたことに鑑みれば、業務遂行との関連があるものと考えられ、放送法第七十三条第一項に反して違法であるとは言えないものと判断をしましたと、こう書いてありますので、やはりこの監査委員会の調査報告、それから経営委員会の見解を踏まえて、しっかりと会長そしてNHKにおかれては再発防止に努めていただかざるを得ません。
 ですから、このハイヤーを使用されたその日について、放送法二十条の一項から三項のどれに該当するかという御質問についても、やはりこれは、監査委員会が調査を行った結果、これを尊重するという立場です。あえて申し上げれば、会長というのは、協会を代表し、その業務を総理する立場にあるということでございます。
#109
○難波奨二君 そうしますと、大臣、長々おっしゃいましたけれども、分かりやすく言えば、今回の事案というのは総務省としては可とすると、それは認めると、こういうことでよろしゅうございますか。
#110
○国務大臣(高市早苗君) とにかく再発防止に向けてはしっかり取り組んでいただかなければ、やはりこれは受信料により運営される公共放送の社会的責任の重さというものがありますから、国民・視聴者からいささかたりとも疑念を持たれちゃいかぬと、こう思っております。ですから、このような立替払というんですか、こういうことについても今後はもう再発しないようにしていただきたいというのが希望でございます。さっき申し上げたのは、やはり法律の立て付け上、どうしても監査委員会においてこれは自律的に、自己規律的に判断をしていただかなきゃいけないということでございます。
#111
○難波奨二君 大臣、はっきり言ってくださいよ。好ましくはないぐらいの発言はやっぱり大臣としておっしゃっていただかないと。総務省とNHKの関係ございますけれども、やっぱり監督官庁としてそれぐらいのことは、大臣、発言してくださいよ。選挙の判例でも、最高裁は違憲とか違憲状態とか、こういうことを申すわけでございますので、ちょっと一言付け加えてください。
#112
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど、国民・視聴者から疑念を持たれることのないようということ、それから再発防止に向けてしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げました。
 この間からの議論をここで聞いていて、率直に申し上げて、私自身も何か会長が気の毒になってくるぐらい、秘書室は一体何をしていたんだとか、何でこういうことになったんだと、よく分かりません。まだ、事実を伺っていても、そういう意味では、もう少し会長も秘書室も、それから秘書室を監督してくださる副会長の皆さんにも気を引き締めて働いていただきたいなと、そう率直に感じました。
#113
○難波奨二君 多分、もう認識は大臣と私、大きくは違わないとは思うんですけど、やはり先ほどからもお話ございますが、NHKの今執行部の体質というものがやっぱり大きく揺らいでいますよ、誰がどう見ても。本当にこの執行部でNHKは大丈夫なのかという思いは、多分多くの議員の先生方もお感じになられておられると思うんですね。国民の皆さんもそうでございましょう。是非、大臣、総務大臣としてのNHKに対する権限というのは十分承知しておりますけれども、私は、やはりその所管する総務大臣として、きちっとNHKに対して言うときは言うという、こういうことも念頭に、これから大臣として御活躍をいただきたいということも申し上げておきたいというふうに思います。
 続けて質問をいたしますが、先ほど藤末委員の質問に対しまして、ガバナンス委員会の費用等についてお話ございました。また、調査報告の中身についてもお話がございましたけれども、これもう少しお聞きしたいというふうに思いますけれども、なぜこんなに公開することを否定なされるのか、これをまずちょっと、再度お聞きしたいと思います。
#114
○参考人(籾井勝人君) 相手の同意が得られなかったということが最大の理由でございます。これは、個々の取引でございますので、やはり我々と弁護士との間で結んだ契約でございます。
 そういう意味で、やはりなかなか弁護士の了解が得られなかったということで、引き続き、我々としましては、弁護士と調整中でございますので、その調整ができ次第、できるだけ早く費やした総時間であるとか掛かった金額というものは御報告させていただきたいというふうに思っております。
#115
○難波奨二君 これも、ですから私の冒頭の質問に関わってくるんですけれども、結局NHKというのは一般の会社とは違うんですよ。ここがボタンの掛け違えになっちゃうと、それは結論は大きくずれちゃうんです。会長がこれまでお勤めになられてきた会社とはNHKは違うんですよ。そして、受信料の話もいたしました。自らが企業活動によって利益を上げたお金をどのようにお使いになろうと、それは各企業の御勝手ですよ、それは。だけれども、NHKの場合は違うんです。求められるものも違うんですよ。
 情報公開という流れは、今もう社会一般的にはあるわけでございますよ。臭い物に蓋をするなんというようなことが、これは公共放送、NHKにあっちゃならないんですよ。ましてや、これはまあ個人のことですから余り言いたくはございませんけれども、やっぱりNHKに関わる方というのは常に身を律して公開性も問われているんだという、そういう理念を持って、お考えを持って、基本的な姿勢を持ってNHKに関わる様々な方たちは、これ関連の方、ステークホルダー含めてですよ、ないと駄目なんですよ。
 だから、その弁護士の方の、弁護士の方ですから法律の専門家でございますから、よく御理解した上でいろんなことをおっしゃられておるんだとは思いますが、NHKというのはそういう団体なんだ、組織なんだということを、きちっとこの後、NHKがいろんな企業や団体と契約等なされるときには、私は、一言二言、契約書に入れるとか口頭でなされるというようなことを私は必要だと思いますよ。隠蔽体質を持って、受信料がどんどんどんどん上がっているから俺たちは好きなことをやってもいいなんというような、そんなことあっちゃならぬですよ。
 そこで、会長、お聞きしたいと思いますが、相手の弁護士の方と御調整をなされまして、おおむねのやはり時期は述べていただかないと、公開の時期ですね、おおむねの時期は述べていただかないと、これはやっぱり審議進みませんよ。いつごろをお考えでございますか。
#116
○参考人(籾井勝人君) 先ほども言いましたけれども、やはり相手があることで、我々だけが一方的に公開するわけにはいかないということは御理解いただけると思いますが、引き続き我々は弁護士といろいろ調整をさせていただいております。それで、先ほど言いましたように、可及的速やかに出すと言いました、調整済み次第。でも、これはまあ常識的な範囲で出せるんじゃないかと思いますが、いずれにしろ調整付き次第という言葉以外ないんですけれども。先生をそんなに未来永劫お待たせするとか、そういう失礼なことはいたしませんし、本当に常識的の範囲で御報告できるというふうに思います。
#117
○難波奨二君 そういう会長の誠実な姿勢がないから駄目なんですよ。事の重大さも御認識ないんですよ。私、四十分話してきましたけど、何のためにしゃべったか、ここでまたぶち壊しですよ。そうでございましょう。時期ぐらいは明確に言うべきですよ。どうぞ。
#118
○参考人(籾井勝人君) 今も申しましたように、弁護士と鋭意お話をしております、調整をしておりますので、それが付き次第、我々としては御報告できると思いますと。それ以外、まだいつできるか分からないんです。分からないことを私がここで言うということは非常にちょっとまずいんじゃないかと思いますので、可及的速やかにやりますということで御納得いただけないでしょうか。
 これは、我々は……(発言する者あり)いや、出しますと申し上げているわけですから、これは今までと違うことですから。時間、金額をお出しいたします。
#119
○難波奨二君 可及的速やかといったら、それはもう当然一週間うちの話でございましょうからね。きちっとそのところはやっぱり対応をしていただくということを重ねてお願いをしておきますので。
 それでは次の質問に移ってまいりますが、受信料の見直しも御検討なされておられるというふうにお聞きしておりますが、この後の受信料の検討の在り方、この基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
#120
○参考人(籾井勝人君) 現在検討しておりますのは、インターネットを活用した場合にどういう受信料体系になるかということをやっております。
 そういう意味で、今度の料金改定についてはテレビ放送の同時配信という受信制度との関係での研究でございますので、これがメーンでございます。本当にメディア環境が大きく変わる中で、我々としては主体的に受信料制度の在り方を研究していくようにしております。
 先ほども言ったと思うんですけれども、これについては、独占禁止法の問題であるとか、それとか著作権の問題であるとか本当にいろんな問題が絡んでおりますので、これについては我々としても鋭意専門家の意見も聞きながらやっていくつもりでございます。
#121
○難波奨二君 会長は、受信料のこの問題については義務化についても言及されている部分があるんですけれども、受信料の義務化、こんなことはお考えじゃないですよね、まさか。
#122
○参考人(籾井勝人君) 義務化については、私がちょっとした発言をしたためにいろいろ誤解を招いているんですが、これはなかなかそう簡単にできる問題でもないんです。いろんな人の意見も聞かなきゃいかぬし、いろいろまだ時間が掛かる問題と思っていますし、我々の中でも義務化というものは検討の俎上にものっておりません。
#123
○難波奨二君 受信料の値下げについても一言お聞きしたいと思いますが、受信料値下げのお考えはございませんか。
#124
○参考人(籾井勝人君) NHKは宿命的に余裕がある場合は値下げをしなきゃいかぬというふうに私は思っております。
 ですから、確かに今は好調な収入で来ているんですが、何回も先ほどから話題になっておりますように、センターの建て替え、これが、まだ分からないんですが、取りあえず今の段階では三千四百と置いていろいろな検討をしているわけでございますけれども、そういうときのためにやはり我々としては、そのときにだから値上げするというわけにはいかないものですから、やはり今のうちに、貯金と言ったら変ですが、引き当てをして、いざというときにはそれを使って、それでそのときでも値上げをしないで、それが終わったら、私はいよいよ値下げということも検討の視野に入ってくるというふうに思っております。
 ただ、基本的な物の考え方としては、お金が余るとき、いわゆるキャッシュリッチ、キャッシュが余るときは、これはやはり値下げの方に持っていく、これは基本的な物の考え方です。
#125
○難波奨二君 この間、質問してまいりました。NHK内部に大きなやっぱり問題がある、そして、平成二十七年度予算というのは、私ども民主党は賛成するわけにはとてもいかないということを最後、申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#126
○委員長(谷合正明君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#127
○委員長(谷合正明君) ただいまから総務委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#128
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 質問に入ります前に、やはり私からも、今回のこのNHK予算、年度末ぎりぎりになってこのような形で審議をしなければならない事態になったことに対しまして、やはり国民目線から見てもしっかりと理解できるような言動をしていただきたいですし、また批判を浴びたことは真摯に受け止めて反省をしていただきたいということをまず申し上げて、質問に入りたいと思います。
 先ほど来出ておりますが、やはり国際発信の強化というのが今後求められていくというふうに思っております。次期経営計画におきましても、この点が重点方針の一つに掲げられております。籾井会長の記者会見の中でも、日本には魅力あふれる地域がたくさんあり、豊かな自然や文化、暮らしなどを積極的に世界に発信したいというような、このような発言もございました。これは地方創生という今焦点になっているそういう点からしても歓迎すべきことだと思いますし、こうした点は是非期待をしていきたいというふうに思っております。
 テレビ国際放送に関しましては、これまでにも受信環境の整備が進められてきました。昨年十一月時点では、約百五十の国と地域の二億八千二百万世帯が視聴可能となっているというふうに聞いております。しかし、実際に多くの人に番組を見てもらうには、環境の整備だけではなく、やはり見たいと思う番組が大事でございまして、そういう意味では、視聴意向というか、視聴者の皆さん方の意向をしっかり把握していくということが大事だというふうに思っております。
 そこで、この点に関して、これは今後どのように進めようとしているのか、あわせて、NHKワールドテレビの認知度が非常に低い、これは欧米では一〇%ぐらいしか知られていないという実態があるわけでありますけれども、こうした状況をどう改善していくのか、併せて伺います。
#129
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 NHKでは、NHKワールドTVに対する視聴者のニーズを把握するために、世界各地のモニターに委嘱してニュースや番組について評価を頂戴しております。一般の視聴者からの感想や意見は、国際放送のホームページを通じて投稿していただきまして、番組内容の改善に向けて参考にさせていただいております。
 また、世界の主要都市で、NHKワールドTVを自宅で視聴できる方を対象に認知度などの調査も行っております。最近の結果によりますと、NHKワールドTVの名称を知っている人の割合は、例えば香港で五九%、シンガポールで三五%となっております一方、ワシントンDCでは一二%余り、ニューヨークでは九%となっております。アジアでは一定の成果を上げている一方で、欧米では改善の余地があると考えております。
 認知度の向上のためには、視聴者のニーズを踏まえ、番組を充実させていくことが何よりも重要だと考えております。それとともに、海外での大規模なイベントへの参加、フェイスブックのようなSNSの活用、さらには、外国人の利用客が多い国内空港にモニターや看板を設置するなどしまして、PRする取組も進めているところでございます。
#130
○横山信一君 そうしたことの一つ一つをしっかりと積み上げていくということと、やはり効果をしっかりと確認しながら、常に改善をしていく、PDCAをしっかりと回していくということが大事だというふうに思いますので、そこは是非しっかりとした取組をお願いしたいというふうに思います。
 次の質問ですが、これも先ほど来出ておりますけれども、新放送センターの関係です。
 今の施設、渋谷の放送センター、昭和四十年に建設されたということで、老朽化、狭隘化ということになっておりまして、今建て替えの建設費用の積立てが行われていると。もちろんその原資は受信料になりますので、ですから、この建て替えをしていくということに関しても、やはりしっかりと考えを持って進めていただきたい、また受信料を担っている人たちの理解を得られるように進めていかなくてはいけないというふうに思います。
 新たな施設としては、インターネット関連業務、スーパーハイビジョンに関する施設の整備も見込んでいるということで、先ほど来、三千四百億円程度というふうな話も出ておりますけれども、今東京都ともいろいろ相談しながら進めているんだろうと思いますが、大体その総敷地面積というのはどれぐらいを想定しているのかということをまず伺いたいと思います。
 また、こうした建設計画を進めるに当たっては、今の渋谷の放送センターというのは敷地面積が約八万二千平米ということで、非常に広大な面積がございます。この中には本館のほかにNHKホールなども含まれているわけでありますけれども、これだけ広大であれば、現地建て替えということもできるのではないのかなというふうにも素人的には考えてしまうわけでありますけれども、そうした点はどうなのかと。
 また、老朽化したらすぐ引っ越すみたいなふうに考えないで、そこはやっぱりしっかりと、先ほど申し上げたように、受信料を担っている人たちの理解を得られるように、国民理解が得られるようにしなくてはいけないわけですから、今申し上げた点についてお答えをお願いしたいと思います。
#131
○参考人(井上樹彦君) まず、総敷地面積ですけれども、午前中もお答えしましたけれども、建設用地について現在地での移設も含めてまだ検討を続けておりまして、用地の決定には至っておりません。したがって、総敷地面積はどれぐらいになるかまだ分かっておりません。したがって、一つの敷地内に全ての施設を建設するのか、あるいは一部の施設を別の場所に建設するのかも含めて未定ということになっております。
 将来についてなんですけれども、建て替えの手法について、今回の建て替えだけではなくてその次の将来の建て替えということも十分考慮しながら、場所等、最善の方策を考えていきたいというふうに思っております。
#132
○横山信一君 今の答弁だと、現地建て替えというのはないということでいいんでしょうか。
#133
○参考人(井上樹彦君) 現有地の建て替えも含めて検討しているところでありまして、まだ選択肢は幾つかあります。今、鋭意交渉中あるいは調整中であります。
#134
○横山信一君 分かりました。
 次は、女性の登用について伺いたいと思います。
 内閣府の男女共同参画白書によりますと、各種メディアにおける女性の割合の推移が報告をされております。この白書によりますと、新聞やメディア分野における女性の参画は、提供する情報の内容が偏ることを防止したり、性・暴力表現に関する有効な対策等、メディアが自主的に女性や子供の人権に配慮した表現を行うなどの取組を進めていく上で重要な役割を果たすというふうに記載をされているわけです。
 じゃ、そのメディアにおける全従業員に占める女性の割合というのを平成二十五年と比較した、この白書には出ているんですけれども、どういうふうになっているかといいますと、新聞・通信社等が一五・三%、それから民間放送が二一%、NHKはどうなっているかというと、一四・七%ということで、この三つのメディアの比較の中では一番低い数字になっているわけです。
 あわせて、全管理職に占める女性の割合というのはどうなっているかといいますと、民放が一二・三%であるのに対しまして、NHKは四・七%ということでかなり低い、そういう状況になっているわけです。
 こうした民放各局に比べてNHKの女性登用というのは遅れているというこの現状に対してどういう認識を持っているのか、伺います。これは籾井会長に。
#135
○参考人(籾井勝人君) お答えします。
 御指摘のように、NHKの女性管理職の割合は低うございます。女性登用の重要性というのは十分に我々も認識しております。
 今年一月、女性登用に積極的に取り組むために、女性管理職の割合を二〇二〇年までに現在の二倍、二〇三〇年までに三〇%とする数値目標を定めました。私としては最重要で取り組みたい課題の一つと考えておりますが、この点は三か年計画にも盛り込んでおり、取組を推進していきます。
 ただ、人事というか人の構成でございますので、今急に女性の管理職を増やすとかいうことはなかなか難しいんですけれども、それでも、なおかつ、現在の段階で女性が管理職に早く就けるように、あるいは辞めていく人たちを極力抑えるような制度をつくって、今申しましたような、女性管理職の割合を二〇二〇年までに現在の二倍、三〇年までに三〇%にしたいというふうに考えております。
#136
○横山信一君 今のお答えを聞いておりますと、二〇二〇年までに二倍ですか、それから二〇三〇年までに三〇%という答えなんですが、今やはり政府として、ワーク・ライフ・バランスということで、二〇二〇年までに指導的地位に占める女性の割合を三〇%にしましょうと掛け声を掛けていると。いろいろな反応があるのはよく承知をしておりますが、しかし、国も率先する中で、大臣もそうでございますけれども、多くの指導的な女性が今誕生して活躍をされているわけであります。
 ですから、そういう意味では、二〇三〇年までに三〇%ではなく、二〇二〇年に三〇%にするにはどうしたらいいのかということを考えていただきたいわけでありますが、その点についてはどうですか。
#137
○参考人(籾井勝人君) やはり管理職になるにはある一定の年齢というのも必要でございます。そういう中で、やはり二〇二〇年までに三〇%の管理職比率を達成するのは、現状の女性比率ではなかなかそれが達成できそうにないという認識を持っておりますが、我々としては、できるだけ早く管理職を増やしていくように努力はしていきます。
 そういうことで、今さっき申しましたけれども、人事考査においても、育児や介護のために休職していた人も、今度復職してきた場合には、休職していた例えば二年なら二年の間はあたかも会社の仕事をしていたような人事考査をやって、ほかの同年代の人に比べて遅れないように、こういう施策もやっております。
 いずれにしましても、世の中のワーク・ライフ・バランスを促進していく方策についてはいろんなことを採用していきたいと思っています。本日、我々としましては、センターのすぐ近くに、関連企業も入れましてやっと託児所を開所しました。これは二十四時間預かることもやりますし、いろんな形で方策を講じております。
 今後とも、ますます促進していきたいというふうに思っております。
#138
○横山信一君 しっかり問題意識を持って取り組んでもらいたいんです。民放より遅れているということが、既に認識としては非常に遅れていたと、乏しかったんだということもしっかり踏まえていただきたいですし、また、内閣府が指摘しているように、メディアでは特に重要なんだと、報道する側の心構えとして、女性がしっかり入っているか、女性の視点が入っているかどうかということが重要なんだということが指摘されているわけですので、他の分野よりも遅れてはいけないという思いで取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次の質問になりますが、総務大臣にお聞きをしますけれども、受信料のことについてであります。これは、二月二十四日の大臣の記者会見におきましても、NHKの受信料支払率、これは公平負担の徹底を図る必要があるというようなことが述べられておりますけれども、総務省として、このNHKの受信料制度についてどのような問題意識を持っているのか、伺います。
#139
○国務大臣(高市早苗君) 受信料は、NHKが公共の福祉のために、豊かで、かつ良い放送番組を放送するという公共放送の社会的使命を果たすために必要な財源を広く国民・視聴者全体に公平に御負担いただくための特殊な負担金と位置付けられております。
 今委員が御紹介いただきました記者会見でも申し上げましたけれども、公共放送としてのNHKの業務を支えるためには、受信料の公平負担の徹底というものは大変重要な課題でございます。
 そこで、平成二十七年度予算に付する大臣意見におきましても、「未契約者及び未払者対策を一層徹底し、支払率の向上を図ること。」と言及しております。
 受信料の公平負担の徹底のためには、やはり現行の放送法上の契約義務を見直すということも考えられるんですけれども、これも幅広い議論を行うとともに、国民・視聴者の皆様のコンセンサスが必要だと認識しております。
 また、インターネットの普及に対応した受信料制度の在り方についてなんですが、まずは、昨年六月に成立しました改正放送法に基づいて、NHKにおかれまして国民・視聴者のニーズに応えるインターネット活用業務を実施していただくことを期待しております。その実施状況を踏まえることがまず必要だと考えております。
 この受信料制度の見直しということを検討するに当たっては、やはり、繰り返しになりますが、国民・視聴者の皆様の幅広いコンセンサスが必要だと思いますので、状況をよく見ながら総務省においては必要に応じて検討してまいります。
#140
○横山信一君 NHKにも是非ここは慎重な議論をしていただきたいと思うんですが、あわせて、今インターネットが普及がどんどん進んでいく中で、やはり受信料制度というのは議論しなくてはいけない、そういうときに当たっているというふうに思いますので、ここは慎重に、なおかつ、今大臣が述べたように、国民のコンセンサスが得られるような形に持っていかなくてはいけないというふうに思っております。
 この受信料を含めて、一月の十五日に経営委員会が、NHKの執行部に対して五点にわたって経営委員長見解というのが出されました。これは、次期経営計画の策定議論の中でNHK執行部と経営委員会との意見が一致したという、そのことでこの委員長見解というのが出されたわけでありますけれども、この委員長見解を今後どのように受け止めて改革を進めていくのか、伺います。
#141
○参考人(籾井勝人君) 今委員から御紹介がありましたように、新三か年経営計画につきましては、経営委員長から全会一致でこれを了承したという見解が示されました。同時に、インターネットを活用した放送・サービスの創造や国際放送については、経営委員会と我々の間で改革の方向性が一致したという評価をいただいたと思っております。
 計画はいいけれどもというところで、是非これを実行すべく、私が先頭に立って、引き続き経営委員会とも協力しながら実行に移していきたいというふうに思っております。
#142
○横山信一君 その真摯な態度が重要だというふうに思います。
 ちょっと時間がなくなってきたので質問を飛ばしまして、被災地の支援について伺います。
 NHKが本年一月から二月にかけて実施をいたしました東日本大震災の被災者アンケート、この中で八〇%近くの回答者が震災の風化を感じているというふうに回答しております。その風化を感じる点は何なのかということについての問いに対しては、メディアの取り上げ方というのが二番目に多くなっておりまして、このメディアの取り上げ方という被災者の方たちの受け止め方、これに風化を感じるというその受け止め方に対してNHKはどう取り組んでいくのか、伺います。
#143
○参考人(森永公紀君) お答えいたします。
 先生がおっしゃったように、現地で調査をしたところ、八〇%近くの方が風化を感じていると、それから被災地では時間の経過とともに被災地以外の人たちとの間で意識のずれが広がっていることを懸念する現状がうかがえると、こういうこともありまして、そのようにニュース等でお伝えをいたしました。
 こうした懸念が広がっていく中で、震災から五年目を迎えまして、NHKでは今後も震災報道に力を入れて取り組んでいく所存でございます。
 具体的には、住民の方々に寄り添い復興を支援する立場から、産業の復興、高台移転などの新たな町づくり、避難区域の住民の方々の帰還などにつきましてニュースや番組で分厚く伝えていきます。さらに、新三か年経営計画でも、東日本大震災からの復興を積極的に支援する、このことを掲げておりまして、震災の課題に向き合う番組や復興を支援する番組やキャンペーンなどに取り組むことにしております。
#144
○横山信一君 分かりました。私たち公明党は、風化と風評と闘うということがこの震災復興で大事だということを繰り返し述べておりまして、テレビを見られている方たちから風化を感じるというふうに言わせないような番組作りをお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#145
○片山虎之助君 それでは、順次質問させていただきます。
 日本には主要メディアというのがいっぱいありますけれども、テレビが今一番力がありますよね、新聞やインターネットやラジオもあるけれども。その全ての主要メディアの中で、私が一番国民が信用しているのはNHKだと思う。それは何でかというと、公共放送なんだから、中立公平なんだから、受信料で成り立っているんだから。
 ところが、そのNHKがここのところ残念なことに、去年、籾井さんが会長になられてから最初の記者会見の発言問題がありましたよね。これいろいろ問題が起こった。国会でも相当議論になりました。
 私は、NHKの補佐も良くないと思うんだよ。だけど、一遍や二遍はそういうことはあるわ。しかし、あれから一年でしょう、あれから。それは、籾井会長、何度も国会にお出ましをいただいて、場合によっては罵詈雑言に耐えて、批判を受けてというのは、私は会長は懲りぬ人だなと思っているんですよ。それはやっぱり学習経験を生かさないと。直さないと、言われることを。だから、是非それを、答弁は求めませんけれども、考えてください。
 そこで、今度、NHKは二〇一五年から一七年までの三か年計画を作ったでしょう。二〇二〇年のオリンピックを目指してというのか、そこをゴールにして。そこでNHKを変えるつもりはあるんですか、会長。どうですか、簡潔に。
#146
○参考人(籾井勝人君) 変えるつもりはもちろんあります。それは、一つは放送の仕方、これは今のテレビからネットも含めてということ。それから、放送の内容についても、国際放送をもっと充実して皆さんの御期待に応えるという、これが二大ポイントですけれども、この辺を含めて変えていきたいというふうに思っております。
#147
○片山虎之助君 それで、問題は受信料なんですよ。私は受信料に昔から興味があって、いろいろ聞いてきた。受信料が高い、安い、まけろ、どうしろとね。その受信料が、あなたがあれだけ問題を起こしても増えているんだね。昔は不祥事をやるとだあっと下がるんですよ。それで六〇%台まで行ったんですよ。私は心配して上げろ上げろと、今は七四、五か六ぐらいになったと思いますよ。しかし、あなたの発言問題でいろいろ、わあわあやられる、不祥事。増えているんだね、私はこれはどういうことかと思うんですが。
 受信料について、午前中も話ありましたよ、義務化はおかしいとかなんとかあったけど、大体二十何%は根雪のように払わないのよ。趣味で、主義で払わないのよ。
 こんな不公平なことがありますか。ほかの国民はみんな払っているんだから。その一群の連中が払わないんでね。私は前から何度も義務化をしろと、まあ緩やかにでもいいけれども強制処分をしろと、罰則を強くしろということを言ったんだけど、むしろ嫌がったのはNHKなんですよ。どうでしょうか、変わりましたか、あなた、態度が。籾井さん。
#148
○参考人(籾井勝人君) 義務化の問題は先ほどから言っていますようになかなか難しいんですが、ただ、本当に不公平感というのは明らかにあります。したがいまして、今我々は、手持ちの駒といいましょうか、現状でできる範囲でベストを尽くして、今三か年では八〇%まで持っていこうと。ただ、これは基本的には一〇〇%にしなきゃいかぬ問題ですから、その後のことをどうするかということは今後の課題だというふうに思っております。
#149
○片山虎之助君 理事来られているから。これ、何で妙な発言をするのに上がるの、聴取料が。
#150
○参考人(塚田祐之君) お答えいたします。
 今年度の受信料収入につきましては、今委員御指摘のような、前年度に対して百二十三億円の増収となる過去最高の六千四百六十八億円になる見込みです。支払率は七六%ということになる見込みです。
 これは、平成二十四年十月に実施しました受信料の値下げによる減収をカバーするために、法人委託の拡大、民事手続の実施、公益企業との連携など営業改革を進めてきたということと同時に、全職員挙げて受信料制度の理解促進に取り組んできた成果だというふうに考えております。
#151
○片山虎之助君 八〇にしてくださいよ。それはかつての約束なんだからね。それは八〇ぐらいにしないと。
 そこで、今度の計画の中では、会長、公共放送という言葉もあるんだけど、公共メディアという言葉を使っているのよ。放送じゃないんだね。というのは、放送だけじゃないという皆さんのお考えの表れじゃないかと思うんですが、そういう理解でいいんですか。
#152
○参考人(籾井勝人君) そのとおりでございます。多岐にわたる放送の仕方を我々としては十分酌み取りながらやっていきたいという意味でございます。
#153
○片山虎之助君 それで、今はスマホが爆発的に売れているでしょう。地デジでやることによって、スマホはテレビが見れるんですよ。ところが、スマホの方はお金が取れませんわね。取りませんし取れませんわね。それは受像機だけ取っているんですよ。今度はパソコンだって見れるんだから、テレビが、データによって。それは、私は不公平感残ると思うんですよ。そういうことを含めて、そういうところまで広げて網をかぶせてお金を取りたいから、公共メディアですか。
#154
○参考人(籾井勝人君) おっしゃるとおり、スマホであるとかタブレットというのはなかなか課金しにくいというものですけれども、やはり我々は、公平性ということを考えると、こういうふうなテレビ放送の同時配信というのは新しい受信料制度でやっていかなきゃいけないというふうに思っておりますし、また、我々は技術的には捕捉も可能だというふうに思っております。
 やはりどうしても、公平性を伴いながら、スマホもタブレットも使いながら、放送、NHKのコンテンツを広げていくということを考えております。
#155
○片山虎之助君 ドイツが去年から放送受信料を放送負担金に変えたんですよ。あまねくその情報源を利用できるという状態でみんな同じように負担を分かつべきだと。そういうメディアを育てようということなんです、逆に。みんなが利用できる、利用しなくてもいいんですよ、そういうことが必要だというんで、広げたんだね。税ではないけど、税に近い格好にしたんですよね。これは議論があると思いますよ、あるかもしれぬけれども、一つの在り方ですよ、メディアがどっと変わるんだから。受信環境もどっと変わるんだから。そういうことの中で、いつまでも今の放送受信料ということに私はこだわる必要はないんじゃないかと思うんで、これは、しかし制度の問題だから、会長、簡潔に答えてもらって。総務大臣、いかがですか、今の考えについては。
#156
○参考人(籾井勝人君) 新三か年計画では、放送と通信の連携などメディア環境や放送サービス展開を踏まえまして、受信料の在り方を研究していきたいというふうに思っております。ドイツの状況も、あそこはテレビ持っていようが持っていまいが、みんな国民全員が払うんですね、全世帯が。
 メディア環境がこうして大きく変わる中で、NHKは主体的に受信料制度の在り方を研究していきたいというふうに思っております。
#157
○国務大臣(高市早苗君) 放送法の改正によりまして、このインターネット業務の範囲、実施可能な範囲が拡大したばかりであります。
 そして、大臣認可の実施基準も先般認可したんですが、この実施基準の中では、これまで実施してきました国内ラジオ放送ですとか国際放送の同時配信のほかに、国内テレビ放送の一部について同時配信の試験的な提供を実施することと、業務の費用についても受信料収入の二・五%上限ということで、これはまだスタートラインに立ったところだと思います。
 片山委員おっしゃったように、各国様々ですね。イギリスのように、インターネットを通じてテレビ以外の受信機によって番組を視聴するものについても受信料の支払を義務付けている国もありますし、ドイツは、もう受信機を持っていようが持っていまいが有無を問わず、全ての住居占有者、事業者に対して負担を義務付けている。一方で、インターネットを通じた番組視聴は、我が国と同じように受信料徴収の対象外となっている国もあって、様々なケースがございます。
 まずは、ちょっと、今回の放送法改正に基づくインターネット業務、NHKの実施状況を踏まえながら、これまでの法改正、うまくいかなかった経緯も踏まえながら、国民の皆様の幅広いコンセンサスをつくっていく、この環境づくりが重要だと思っております。
#158
○片山虎之助君 ドイツの人なんというのは理屈を言いそうだがね、理屈を言う。だから、本当は大反対が起こるかと思ったら、起こっていないんだね。かえって公平になったというのと、安くなったと、みんなが払うんだから。だから、こういうことはこれから、私は、ちょっと状況が変わってくるので、是非それは検討をお願いしたいと、こういうふうに思いますよ。
 そこで、今日も何度もいろいろ、ガバナンスの問題なんですけど、今のNHKの体制。ガバナンスの仕組みが悪いのか、おる人が悪いのか、大臣、どうですか。大臣と、それから申し訳ないけど、経営委員長。
#159
○国務大臣(高市早苗君) NHKの経営に関しましては、まずNHKに最高意思決定と監督を行う合議制の経営委員会があり、業務執行を担う会長などの執行部がおられ、そしてまた役員の職務の執行を監査する監査委員会、それぞれ別個の機関として分離して設けて、NHKの適正な運営を確保するということを基本としています。
 この経営委員会については、あの十九年の放送法改正によって、執行部に対する監督権限が強化されています。そしてまた、経営委員については、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命するということになっており、今の経営委員の方々はそのような手続に沿って適切に選任されていると思います。また、NHK会長の任命についても、これは放送法第五十二条の規定でこのような委員の方々が構成する経営委員会の権限とされております。
 会長はNHKを代表する重要な執行機関でございますから、その任命に当たって政府が直接関与するということを避けて、公平に適切な人選を通じてNHKの適切な業務執行を確保しようとするものです。
 監査委員会につきましても、これも平成十九年の放送法改正によって、ガバナンス強化のための措置の一環として設置されたものであります。放送法第四十四条、監査委員会の選定する監査委員に対して、いつでも役職員の職務の執行に関する事項の報告を求め、協会の業務及び財産の状況を調査する権限を与えているということで、経営委員会、会長、監査委員会の明確な役割分担の下に、NHKの運営する仕組みというのは有効に機能するはずになっております。
 多少、この間からハイヤーの問題とか様々なことがございました。しかしながら、一つ一つの問題について、特に今回の問題は監査委員会の調査報告も踏まえて再発防止に取り組んでいただく、皆さんが期待するガバナンスを発揮していただくということが重要だと考えております。
#160
○片山虎之助君 大臣、違うんですよ。有効に機能しとらぬじゃないの。経営委員長は四回、籾井会長に注意したんですよ、四回。それで、規程を見ると、結局、監督権はあるんですよ、経営委員会に。あるけれども、罷免しかできないの、あとは。監督すると書いているんですよ、職務の執行を監督すると書いているんだけれども、実際やれることは恐らく注意ぐらいしかないと思いますよ。注意を直さなかったらどうなるんですか。私はその辺にも不備があると。指示権だとかもう少しいろんな権限を与えることを考えないと、一遍に罷免なんて、そういうわけにいきませんよ、それはいろいろ。私はその辺が今の経営委員会についても、形式的過ぎるんじゃないかと。
 それから、経営委員会は年に何回か地方に行って受信者の意見を聞くようになっているんでしょう。この問題で受信者の意見を聞かれましたか、経営委員長。
#161
○参考人(浜田健一郎君) 視聴者の語る会それから経営委員会に、視聴者の方から様々な声が届いております。そういう意味では、聞いております。
#162
○片山虎之助君 出し惜しみしないで、どういう意見が多いですか。
#163
○参考人(浜田健一郎君) 擁護する意見、非難する意見、様々ございます。
#164
○片山虎之助君 経営委員長、あなたは監督権者なんで、そんな評論家みたいなことを言っちゃいけませんよ。
 どういう意見が強いんですか。何かどこかのメディアの調査によると、替わってもらえという意見が多かったと。私、見ていませんよ、それは知りませんけれども。
 そういう受信者からの意見を聞きながら監督権を行使しないと、私、一般論を言っているんですよ、そうでなきゃ経営委員会の意味がないじゃないですか。何で別建ての経営委員会を総務大臣じゃなくてつくったかというのは、いろんな議論があってそうなったんですから。
#165
○参考人(浜田健一郎君) 視聴者の意見につきましては、先ほど申し上げましたように非難する意見、それから擁護する意見、どちらかというと非難する意見の方が多かったのかなというふうに思っています。
#166
○片山虎之助君 時間がありませんから、次のことをちょっとだけやらせていただきますが。
 籾井会長、ハイヤーを使われたのは会長だって言っているんでしょう、ハイヤーを。
#167
○参考人(籾井勝人君) はい。今回一度だけでございます。
#168
○片山虎之助君 何で今回、あれ、正月か何かでしょう。何で今回ハイヤーなんですか。
#169
○参考人(籾井勝人君) 一月二日でございましたんで、一月二日は電車も初詣客とかで混んでいるだろうということと、それから、お正月で最寄りの駅のタクシー、いつも使っている場所でのタクシーがもしつかまらないとちょっと面倒だなというところで車を手配してくれと頼んだわけです。そのときに公用車じゃなくていわゆるハイヤーを頼んだわけです。
#170
○片山虎之助君 私は、むしろ公人だからハイヤーを使うことは別に悪くないと思うんですよ。ただ、私ならタクシーを使うわね、タクシーを。ずっと安い。その辺がよくこの問題、分からないんですよ。
 それから、秘書室も気を利かせたのか、わざとうっかりしたような格好をしたのか、その辺も皆さんに疑惑を持たれてもしようがない情況証拠がそろっているんですよ。
 そういうことはやめてくださいよ、最初に言ったように。日本で一番権威があると国民が思っている、本当はあるかどうか、まああるんですけれども、そういう信用のあるところがそういうことは余り良くはないわね。しかも、あれでしょう、年初めのゴルフでしょう。
 私は、そういうことはきちっとやるということが公平で、公共放送の長で、国民が信用してNHKの放送をみんな見るんですよ。これだけ今みんな、あれは癖が付いているかもしれない、みんなよく見ていますよね、面白い。面白いけれども。
 話があちこち飛びますけれども、余り民放と張り合っちゃいけませんよ。NHKはやっぱりNHKの役割があるんで、民放と幾ら競争やっても、向こう負けるわ。
 そういう意味では、公共放送としての使命を是非守っていただきたいし、その長ならそれにふさわしい器量と行動と見識を、会長、身に付けなきゃ。それがNHKに受信料を払っている人のみんなの願いですよ。もっと受信料の幅を広げても私個人はいいと思っているんで。
 それから、監査委員長さんおられて何も質問せぬのあれですからね。
 監査委員長さん、あなたのところは委員は三人でしょう、常勤はあなただけで、事務局五人だと聞きますよ。何をどうやるか、五人や八人で何ができるんだろうかと、私、実は思っているんで、きちっと目標決めてちゃんと監査してくださいよ。監査委員会があるからみんな怖がるというような監査委員会でないと。なれ合いじゃ困りますよ、なれ合っているとは思わないけれども。
 是非、もう時間来ましたからやめますけれども、心して頑張ってください。国民がみんな見ていますから、よろしくお願いします。
 終わります。
#171
○寺田典城君 寺田でございます。よろしくお願いします。
 この頃のNHKはどこかおかしいと思うんです。国会答弁でも理由が後付けで不自然になっております。この点について、NHKはどのように考えているか。このまま行っちゃったら、ずっと委員会で聞いてみても、皆さんは、答弁のわなと言うんですか、エンドレスになりますよ、これは。もう限りなくこういうことだけで延々と議論してみたってしようがないんで、しっかりした答弁をしていただきたいと思います。
 お三人の方々、お願いします。浜田経営委員長、それから上田監査委員、それから原因をつくっている籾井会長。以上。
#172
○参考人(浜田健一郎君) 御指摘のような懸念を抱く事態となっていることは、大変残念だというふうに受け止めております。
#173
○寺田典城君 時間がないんです、時間ないから。
#174
○参考人(浜田健一郎君) はい。
 籾井会長には、受信料で成り立つ公共放送NHKのトップである会長の言動には大きな影響力があるということをより深く認識していただきたいというふうに思います。
 一方、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを控えた日本の放送界は今大きな節目であります。経営委員会としても、執行部との適切な緊張関係を保ちつつ、信頼関係をより強固なものとし、共にその職務に当たってまいりたいというふうに思います。
 以上でございます。
#175
○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 放送法におきましては、監査委員として役員の執行を監査するという役割が担わされております。監査委員会といたしましては、これまでも協会において発生いたしました個別事案につきまして、具体的な事案に即して放送法第四十四条に基づく調査を実施し、経営委員会に報告するとともに、全ての調査結果に関しましてNHK監査委員会のホームページで広く公表いたしております。
 監査委員会といたしましては、平成十九年、放送法改正において監査委員会制度が設けられた趣旨に鑑み、その役割を果たしてきたものと認識しておりますし、これからもしっかり役割を果たしていきたいというふうに考えております。
 以上です。
#176
○参考人(籾井勝人君) 委員の皆様からいただく御質問に対しては、我々は事実を確認した上で誠心誠意、丁寧な説明を尽くすように努めております。
 是非御理解をいただきたいんですが、今回のハイヤーの件につきましては、監査委員の報告書もありますけれども、加えて、私自身が、NHKが使っているハイヤーを使わない、それから秘書に対してきちんと指示を出していれば起こらなかったことだというふうに思っております。大変反省しております。
#177
○寺田典城君 浜田委員長は認識しているというだけのことなんですよ。同じことを繰り返しているんですよ。それから、上田委員は、役割は監査委員として果たしてきましたということなんですね。私は、別にハイヤーのことを聞いていないんですけれども、籾井さんは踏み込んでハイヤーのお話をしている。弁解しているだけなんです。全部エンドレスになっちゃいますよ、これでは。だから、その辺をどうお三方が捉えているかと。もっとやっぱりNHKの発展的なことだとか建設的なことだとか、そういう議論をしなきゃならぬですよ。
 あの小林弁護士の件だって、あれでしょう、前経営委員であったし監査委員でもあったでしょう。あの人が、小林さんがそういうところに就くなんという、調査を頼むなんという自体がおかしいことなんですよ。だから、NHKのやっておることなんというのは、この頃どこか常識外れているということは認識してください。
 あえて今、籾井会長からハイヤーの話出ましたんで、なぜハイヤーがおかしいかって、私の感覚からすればですよ、一月二日にハイヤーを利用して、三月九日になって代金を支払いしたと、そういう日にちが出て、言われていますね。私だったら、知事時代よくツケもしてきましたし、すぐ秘書に、どこそこへ行って何のツケをしてきたからすぐ払うようにと、これ一週間以内にけり付けるのは当たり前ですよ、それは。
 だから、それを二月もほったらかしておくという自体が普通の常識から外れているということなんです。何か意図あったと言われてみても、秘書にこう言った、俺は払うから指示したと、それは全然通らないですよ。籾井さん、どう思いますか。
#178
○参考人(籾井勝人君) お答えします。
 ハイヤー代金につきましては、当初から自分で支払う意向を示しており、このことは監査委員会の報告書でも認定されております。その後、三月九日になって代金の請求があり、金額が分かりましたので直ちに金額を支払ったと。この間、私は、直接代金の請求はなかったし、金額も知らなかったということなんですが、そうはいっても、やっぱり状況をきちんと確認する必要があったというふうに思っております。
#179
○寺田典城君 自分から支払った、言われたから直ちに支払ったって。
 いや、一週間、十日のうちに、あれどうなっているのと聞くのが常識なんですよ。だから、籾井さん、NHKの会長は全然常識がないということをこれ、笑うんじゃなくて、あなた。何のために笑うんですか。ちょっと答えてください。
#180
○参考人(籾井勝人君) まあ、常識がないと言われたので、苦笑いをしました。
#181
○寺田典城君 だから、常識がないから二月二日が三月九日まで、言われてようやく払ったということなんです。さもなくば、これを猫ばばでもしようかなと言われたってしようがないですよ、それは。笑ってみてください、どうぞ。今度は笑わないですか。笑えないの。本心なんだから。
 ちょっと聞きます。それから、NHKさんは、問い六の方なんです、純資産は六千百九十億あります。財政的にはゆとりがあります。まだ合理化の余地もあります。
 それで、先ほど籾井会長は久しぶりにいいことを言いました。NHKは、料金、受信料で賄っておるから宿命的に値下げの責任を負っていると言いました。
 値下げの検討する気がありますか。素直に答えてください。
#182
○参考人(籾井勝人君) 先ほども申したと思いますが、NHKの受信料については、基本的に余裕があればやはり値下げをしていくというのが私は宿命的なものだというふうに思っております。
 ただ、現在は、御承知のように、放送センターの建て替えとか8Kに対する投資とかいうことがいろいろありまして、今安くすると今度は放送センターを建て替えるときに値上げをしなきゃいかぬという、こういうシミュレーションもありますので、いま少しお待ちいただいて、放送センターの話が具体的に分かった時点で将来的にどういうふうになるかということが御報告できるかと思います。
#183
○寺田典城君 先ほど純資産は六千百九十億ありますと。ゆとりあるでしょう。こんなゆとりある会社なんかないですよ。二年間料金をもらわなくたって維持できますよ、これは。放送センターを建ててみても、それゆとりがあるから。ゆとりあります。まだ残りますよ。明確に答えてください。
#184
○参考人(籾井勝人君) 今の放送センターは五十年たつわけですけれども、この老朽化した放送センターの建て替えは大規模でありまして、災害時に放送機能を維持するためにも不可欠でございます。現時点では、建設用地の確定や具体的な規模、建設手法などの選定をやっているところでございますけれども、できるだけ具体化を図っていきたいと思います。
 放送センターの建て替えには多額の資金が必要となります。また、スーパーハイビジョンの推進など公共放送の使命を果たす上で取り組むべき課題への対応もあります。将来においては、収支の状況を踏まえて、受信料の値下げについて考えていくことになります。
#185
○寺田典城君 答えがなってないんですよ。これだけの純資産もあって、放送センターなんか、私言っているんですよ、早く、できるだけ早くやったらいかがですかって、着工したらいかがですかって言っているんですよ、何回も。それをのうのうと答えているんですから。これも常識では考えられないですよね。
 じゃ、ちょっと今度飛んでみますか、籾井さん、どう答えるでしょうね。安倍総理の日教組のやじ発言についてNHKはどの程度の時間を割いて報道しましたか。
#186
○参考人(籾井勝人君) 事実をお伝えします。
 御指摘の件については、現場に確認しましたところ、二月二十三日の正午のニュースや午後七時からの「ニュース7」などで伝えているということでございました。
#187
○寺田典城君 この頃のNHKの傾向というのは、すぐその場でぽっと放送して、あとやめちゃうんですね。夜の九時だとかそういう時間はやらないようにしているんですよ、ぽっぽっぽっと。すごく意図的なところあるんですよ。だから、その辺はもう少し良識ある放送をした方がいいと思いますよ。みんなあきれていますから。
 それと、もう一つ聞きたいことあるんですね。まあ、籾井さんとの場合は明日の朝まで聞いても大丈夫なんだけれども。
 安倍政権になってから政府広報予算というのは四十一億から八十三億まで倍増しています。広告収入で成り立っている民放、それから新聞とか民放には公平中立性の限界がやっぱりそういう点ではあるのかなと思ったり、ある面では非常に公平なニュースもしています。受信料の収入により成り立っているNHKはマスコミとしてどうあるべきか、籾井会長のお考えを聞きたいと思います。
#188
○参考人(籾井勝人君) NHKの使命は、視聴者に支えられる受信料制度の下で、放送法の精神にのっとり、事実に基づき、公平公正、不偏不党、何人にも規律されない姿勢を貫いて放送を行うことで健全な民主主義の発達や文化水準の向上に貢献することであると思っております。
 憲法で保障された表現の自由や放送法をしっかりと踏まえて、視聴者・国民の期待に応えてまいりたいというふうに思っております。
#189
○寺田典城君 マスコミはどうあるべきと考えるかという点について、また同じような答弁ですね。
 それと、デジタル化になって、テレビの買換えはほとんど済んでいっていますね。BS放送が受信できる設備、テレビですね。放送法六十四条の一項によって、衛星放送というのは要するに締結しなきゃならない義務があるんです。月額千二百六十円から二千二百三十円と受信料が大幅に値上げになっています。
 そういう放送法によって契約締結しなきゃならないということなんですが、これについて、受動受信から含めて、何というんですか、必要でないという人もいるんですよ。その辺の総務大臣の意見をお聞きしたいんですが。
#190
○国務大臣(高市早苗君) 受信料の制度というのは、この受信機の設置という客観的な事象のみに現在着目しております。ですから、視聴の対価ということではなくて、公共の福祉のために、豊かで、かつ、良い放送番組を放送するという公共放送の社会的使命を果たすために必要な財源を広く国民・視聴者全体に公平に御負担いただくための特殊な負担金と位置付けられております。
 ですから、この衛星放送を放送法第六十四条第一項に定める契約締結義務の仮に対象外とするようなことになりましたら、現在の受信料の性格について、他の有料放送事業者と同じようにNHKの衛星放送の視聴の対価としての性質を生じさせるものになってしまいますので、公共放送としてのNHKの基本的な性格に影響を及ぼす可能性がありますから、これは慎重に検討すべきと考えております。
#191
○寺田典城君 要するに、貧困率が一六%だとかと言いますね。払えない人方は、例えば親類から面倒を見てもらったり、子供たちが面倒を見たりという人方もたくさんいて、それで放送料を払っているところもたくさんあるんですよ。だから、個人に所得がない人だとか、これからの時代はもう少し検討する必要があるんじゃないのかなと思うんですけれども、その辺もう少し、総務大臣、突っ込んだ考えをお聞きしたいんですが、よろしく。
#192
○国務大臣(高市早苗君) 制度の見直しということにつきましては、やはり先ほど申し上げましたように、現在の受信料の性格について、やはりNHKの衛星放送の視聴の対価としての性質を生じさせるものになりますので、これはかなり慎重に検討せざるを得ないと思います。
 ただ、災害などのときにもこの公共放送というのは必要なものでございますから、受動受信問題などにつきましては、総務省からNHKに特例的な対応の可否について検討を要請したんですけれども、なかなかこれも実施が困難という回答が寄せられているのが現状でございます。まだ検討に時間が掛かるものであると思います。
#193
○寺田典城君 私、受動受信については、これで四年幾らやってきました。ある程度検討もするという前の大臣からもお答えはいただいたときもあるんですが、やはり何らかの考えをNHKさんだって真剣に考えるべきときに来ていると思いますよ。その辺をひとつよろしくお願いしたいと思います。
 最後になってきました。NHKの会長は公人であると思うんですよ。公人である以上、地方公共団体の長と同じ、同様に公用車や交際費の使い方も公開が必要であると考えます、私は。この点に関する籾井会長の認識を伺いたいと思いますし、同時に、公用車の利用実績について開示することができないのか、どのような理由で開示できないのか、その辺をお聞きしたいと思います。
#194
○参考人(籾井勝人君) NHKでは、視聴者の皆さんからの受信料を財源とすることに鑑み、情報公開基準を定めて情報の公開に取り組んできております。業務支障、保安支障、個人情報の開示につながるおそれがあるもの等を除き、公開に努めております。例えば、役員の交際費については予算の上限額と決算額を公開しております。また、謝礼品、打合せ、慶弔といった内訳については開示をしたことがあります。
 公用車の利用実績については、情報公開規程に定めるNHKの事業活動に支障を及ぼすおそれがあるもの、NHKの保安に支障を及ぼすおそれがあるものに該当することから、開示できない情報であると考えております。
 可能な限り情報公開に取り組んでいることに御理解をお願いしたいと思います。
#195
○寺田典城君 情報公開規程にのっとり公開していると言うんですが、例えば知事でも市長でもあれですよ、公用車でどこそこへ行って、どこへ行きましたというのは全部開示されますよ。それから、交際費も開示されます。それはNHKも調べに来ますよ、NHKの記者さんが。それ、全部情報開示しますよ、それは。
 だから、別にNHKがそんなに機密なことをやっているわけでもないでしょうから、公金の使い方についてはもう少し開示すべきだと思うんですが、いかがですか。
#196
○参考人(籾井勝人君) 先ほども申しましたように、NHKの情報公開基準というのを定めて公開しております。交際費については、予算の上限額と決算額を公開しております。その他幾つかのアイテムについても開示をしたことがございます。
 ということで、できるものは開示をいたしております。
#197
○寺田典城君 今、政務調査費だったですか、県議会議員の、全部、どこそこで何に行ったとか、全てみんな開示されていますよ。それで問題になって新聞にも出ていますよ。
 いや、だから、NHKはやはり常識的な行動をすべきなんですよ。予算が幾らで決算が幾らなんというのは、そんなの当たり前のことを言っているんですよ、それは。開示じゃないんですよ、それでは。もう一回、どうぞ。
#198
○参考人(籾井勝人君) 先ほどから何度も申しておりますが、やっぱりNHKでは、情報公開基準というのを定めて、これに基づいて情報を公開いたしております。
#199
○寺田典城君 この次は何度も会長という名前付けますから、よろしくお願いします。
 以上でございます。
#200
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 籾井会長が公共放送NHKの会長としてふさわしいか、このことについては昨年この場でさんざん議論をいたしました。私は会長に辞任を求め、経営委員長には罷免を求めました。それに対して会長は、私の個人的な考えを放送に反映させることはございません、すなわち、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない、NHKは放送の自主自律を堅持するといったことであります、私もこうした立場を守って、世界有数の公共放送のトップとしての強い自覚を持ち、日本の公共放送の使命と役割をしっかりと果たしてまいりたいと述べられました。
 経営委員長も、籾井会長は、業務執行に当たっては放送法を遵守すると繰り返し明言し、不偏不党の立場を取っていく旨も表明されております、反省の上に立ち、会長としての職務を執行いただけるものと期待しておりますと述べられました。
 籾井会長はその後も、国会で答弁を求められるたびに、不偏不党、放送法の遵守、これを繰り返されております。しかし、この間の言動などを見ていて、その不偏不党、放送法の遵守という発言には中身が伴っているのかどうか疑問に思うことが多いというのが事実であります。
 そこで、改めて伺いますが、籾井会長の言われる不偏不党とはどういうものなのか、まさか単に、こういう意見もあればああいう意見もある、あるいは政治的、社会的に大きな物議を醸しそうな問題は避けて通るなどと捉えているのではないと思いますけれども、いかがでしょうか。
#201
○参考人(籾井勝人君) 昨年ですよね、それ。昨年の私の発言を今繰り返しいただいてありがとうございます。今もその気持ちは全く変わっておりません。
 不偏不党ということは、まさしく不偏不党でありまして、これ以上説明する必要もないくらい明白な言葉でございますが、不偏不党というのは、我々は、事実に基づき報道し、その事実を報道する。そして、結果としてそれを視聴者の皆様に判断を委ねているということでございます。これが私の考える不偏不党でございます。
#202
○吉良よし子君 事実に基づき報道し、視聴者に判断を委ねるということでした。本当にそう思っていらっしゃるのかと思うわけですけど、改めて伺っていきたいと思うわけです。
 今年はラジオ放送が始まって九十年の節目の年に当たります。この九十年の放送の歴史を見れば、その不偏不党というのがどういう意味なのかというのが明らかになってくると思うわけです。
 改めて伺いますが、この九十年のうち、特に最初の二十年というのは、放送報国の名で、放送が国民を戦争に駆り立てた、そういう時代でございました。九十年のこの節目に当たって、籾井会長は、この国民を戦争に駆り立てた最初の二十年間の放送についてどのように感じていらっしゃいますか。
#203
○参考人(籾井勝人君) おっしゃるとおり、今年は放送開始九十年でございます。最初の二十年というものについてはいろんなことがあったと思いますが、しかし、戦後当時の反省があって放送法が制定された、国民・視聴者に幅広く支えられている現在のNHKがそこでスタートをいたしました。過去の経緯も十分に大切にしてNHKの経営に当たっていきたいし、今後も、これから先の世の中、放送の歴史に対して、我々は前向きに放送を続けていきたいというふうに思っております。
#204
○吉良よし子君 いろいろあったとか当時の反省があってとおっしゃいますけど、じゃ、当時の反省というのはどういう反省なのか、そこがやはり答えられていないのが問題だと思うんですけれども。今NHKは政府の肝煎りもあって国際放送強化を進めていらっしゃいますが、この分野でも政府に屈服していると。その象徴が戦争中の海外放送だったわけです。敵アメリカ自慢のB29は、主要資材の多くは代用品でB24よりも質は悪い、こうした中身の様々なプロパガンダ放送が戦時中、国際放送の名でNHKがなされていたわけですよ、当時の。
 このNHKの戦時海外放送に関わった人たちが、戦後、海外放送の会というものをつくり、「NHK戦時海外放送」という本を一九八二年に出版しました。その前書きで、今、NHKは新しい組織と理念を持って国際放送を実施中である、複雑な国際情勢の中で、日本が諸外国と平和関係を維持、促進する必要がますます強まっているとき、国際放送の責務はいよいよ大となっているが、我々が戦時下において行った海外放送を他山の石として着実な発展を遂げられることを心から希求してやまない、我々は、不幸な時代に生きて心ならずも誤りを犯した、自戒と反省を込めて本書を世に送る次第であると述べております。
 今、NHKで国際放送を拡充しようというとき、こうした戦時中の放送の教訓というのは決して軽んじるべきではないと思いますが、いかがでしょうか。
#205
○参考人(籾井勝人君) 先ほどから申しておりますけれども、我々は、放送については事実に基づいて放送をいたします。そこには我々の思想とかいうものは入らないで、不偏不党ということで視聴者の皆様に判断を委ねるわけでございます。
 B29とか24とかいうのはちょっと僕もよく知らない時代の話でございますけれども、今でも国によっては放送が国営放送的になっているものもございます。それは、我々が望んでいる、あるいは目指している放送ではございません。やはり日本のNHKというのは、世界的にも公平公正ということで信頼を得ております。その価値は我々は是非維持しながら国際放送も続けていきたいと。やはり、そういう我々のNHK国際番組を通じまして、国際間の文化及び経済交流の発展にくみし、ひいては国際親善と人類の福祉に貢献するということを、これは国際番組基準でもうたっておりますので、我々は忠実にこれを実行していくということでございます。
#206
○吉良よし子君 国営放送になることを望んでいないというお話でしたが、改めて確認したいと思います。とりわけ、今年は戦後七十年ですから。
 そういう中で、安倍政権は、安保法制、戦争できる国づくり進めようとしている動きがあり、それに対する国民の不安も高まっているわけです。そこでNHKとしてどういう役割を果たすか、これが本当に重要な問題となってくるわけです。
 改めて伺いますが、戦前と同じようなプロパガンダに走るようなことはない、そういうことでよろしいのでしょうか。
#207
○参考人(籾井勝人君) 全くそのとおりでございます。そんなことは考えてもおりませんので。事実に基づき放送し、視聴者に判断を委ねるということが我々の放送のポリシーでございます。
#208
○吉良よし子君 全くそのようなことはないというお答えでしたので、是非そうしていただきたいと思います。
 実際、NHK自身、これまでも戦争と報道について様々な角度から独自の検証番組を作り、放送されております。そのどれもが貴重な資料と生の声に満たされた充実した放送であり、公共放送NHKならではと国民の信頼も勝ち取ってこられたと思っております。
 その中に、二〇〇四年、NHKハイビジョンとNHKスペシャルで放映された「遺された声」という番組があります。そこでは、戦争当時、満州国で行われた放送が取り上げられました。その当時の放送では、日本の植民地支配下の朝鮮に生まれた朝鮮人で、日本の特攻隊員となった十六歳の青年の声を流しました。それは、今、ここに選ばれて名誉ある特攻隊に召された気持ちでありますというものであり、この放送を受けて、新聞は彼のことを半島の神鷲と大きく報じたそうです。
 しかし、実際には、その方の戦友によりますと、出撃が迫ったある晩、彼はベッドで泣いていたといいます。十六歳の青年が死地に赴くに当たってどのような葛藤があったのか、これを当時のメディアが伝えることはありませんでした。彼だけではありません。国策と一体となった放送を信じて命を失った無数の人々がいらっしゃるわけで、その過酷な現実を当時放送が伝えることはなかったわけです。
 これも踏まえて、NHKスペシャル「遺された声」という番組の中では、無数の人々の運命を変え、日本人だけで三百十万人もの命が奪われた太平洋戦争、その時代、ラジオが人々の苦しみや悲しみを伝えることはありませんでしたというナレーションで締めくくられており、また、この番組を制作した担当者は、私たち放送の担い手は、かつて真実を報道できず、多くの人々を戦場へと導く結果をもたらしたことを改めて認識しなければならないと述べています。
 これこそ、戦前の放送の反省から出発した現在の放送法の不偏不党という言葉に込められた思いだと思います。つまり、放送法における不偏不党とは、放送における表現の自由を確保するためのものであり、その表現の自由の確保を通じて、健全な民主主義の発達に寄与することが目的と定めているのが放送法なんです。
 そこで、改めて伺いますが、この健全な民主主義の発達という利益を享受するのは一体誰でしょうか。
#209
○参考人(籾井勝人君) 国民でございます。
#210
○吉良よし子君 もちろん、その利益を享受するのは視聴者である国民というわけです。
 では、その国民に対する報道の役割とは何なのかということですが、報道機関の報道の役割について、最高裁の判決があります。昭和四十四年十一月、博多駅フィルム事件、過激派が起こしたいわゆる博多駅事件について、警察がテレビ局に対して素材テレビフィルムを提出するように命令したと。そういう事件について、「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の「知る権利」に奉仕するものである。」、こういう判断を最高裁が示しました。
 とりわけ、NHKの場合には受信料で支えられる公共放送なのですから、国民の知る権利への奉仕という責務というのは格段に大きいと思うわけです。籾井会長は、この国民の知る権利への奉仕という報道の役割について、どうお考えですか。
#211
○参考人(籾井勝人君) 我々は放送法にのっとりまして、NHKは事実に基づいて不偏不党、今委員からも御説明がありました不偏不党、公平公正、何人からも規律されないという、これがやはり我々の非常に大事な報道姿勢でございます。こういうことを通じまして国民の知る権利に応えることが期待されているものと理解しております。我々は常に放送法の原点に立ち返って、我々の考えがぶれないように、そういう気持ちで全職員、放送を行っております。
#212
○吉良よし子君 原点に立ち返って放送をしているとおっしゃられました。
 もう一つ、編集権という議論があります。それが報道機関の経営者にあるのか、それとも実際の現場で制作に関わる人若しくは集団にあるのか、これについては歴史的にも様々な論争や争いがありますが、今日ここではこの問題には触れません。
 NHKでは、それは会長にあるという立場を取っていらっしゃいますけれども、いずれにあるとしても、編集権というのは、マスメディアやその管理者、構成者の利益や都合を守るためにあるのではなく、先ほど来申し上げています国民の知る権利に奉仕する表現、報道の自由を守るためにあるというのが原点だと思いますが、この点は会長も同感だと思いますが、いかがでしょう。
#213
○参考人(籾井勝人君) 私は明確に、編集権はNHKの場合は会長にあると思っています。しかしながら、実際には、この編集権というものは分掌により各役員に権限が委譲されておるわけでございます。
 具体的に言いますと、会長は編集権を持っておりますが、差し当たりといいましょうか、現場のその編集について具体的に私が介入することはないわけでございます。今まで一度もありません。今後も、そういうことを引き続きその姿勢でやっていくつもりでおります。
#214
○吉良よし子君 質問に答えていただきたい。編集権、誰にあるかということは私、今回聞いてないんですよ。その編集権の原点は、国民の知る権利に奉仕する表現、報道の自由を守るため、これでよろしいかというお話です。
#215
○参考人(籾井勝人君) おっしゃるとおり、放送法で保障されました番組編集の自由、すなわち何人からも規律されないと、こういう姿勢で放送を行うことによって、国民の知る権利に応えるというのが放送法の原点であろうかというふうに理解しております。
#216
○吉良よし子君 それが原点だというお話がありました。私、そういう立場、先ほど来真実を伝えると、国民の知る権利を保障するとおっしゃっていますが、それの立場に立つときに最も重要なのは、その報道機関と政府との距離感だと思うわけです。よく言われる言葉に、メディアの本来の機能はウオッチドッグ、権力を見張る番犬であってペットになってはならないというものがあります。報道機関が持つべき権力監視の機能を強調した言葉なわけです。
 昨年の四月、毎日新聞に、NHKの問題を考えるときによく比較される、先ほども出ましたが、イギリスBBCの元会長、グレッグ・ダイク氏のインタビュー記事が載りました。この中で、グレッグ・ダイク氏は、公共放送と政府との関係について、公共放送によって重要なのは政治家を監視することだ、党派に関係なく公正公平に全ての政治家を監視すべきだが、特に権力の大きい政府の監視はより大切だ、そのために公共放送は政府から独立していなければならないと述べ、公共放送と国益の関係についても、政府と公共放送では目的が違う、政治家や政府の目的は権力の維持だ、権力を握った政治家は、自分たちが権力に居座ることが国益に合致すると考える、それを踏まえた上で、公共放送は政治家の言うことが真の国益なのかをチェックすべきだ、民主主義社会において公共放送の役割は、権力への協力ではなく監視だと述べておられるわけです。
 私は、この立場はNHKにおいても改めてかみしめる必要があると思うわけです。なぜなら、籾井会長は、今年二月の記者会見の場で、今年ですよ、日本軍慰安婦問題の放送について問われ、正式に政府のスタンスがよく見えない、今放送するのが本当に妥当かを慎重に考えなければとおっしゃったからです。
 政府のスタンスが見えないと何も放送できないというならば、NHKの番組は権力の監視どころか政府広報化してしまうのではないでしょうか。いかがですか。
#217
○参考人(籾井勝人君) まず、二月五日の会見では、戦後七十年の関連番組について質問がありました。その際、私は、戦後七十年ですから、戦争の悲惨さと同時に、日本がこの七十年間、日本の国土を回復しながら国力を増してきた、この日本国民の努力というものもやはり伝える必要があるんじゃないか、伝えてほしいなという希望を申しました。
 そのときに、慰安婦の問題はどうするんだということを聞かれましたので、私は、七十年という節目の中でいつどのような形で取り上げるかどうか、また、歴史的な問題は様々な見方、考え方がある中で、NHKとしてはそれらの動向もよく見極めて検討すべきだという意味で申し上げたわけでございますが、残念ながら、私、これも例によって言葉足りずといいましょうか、本当に皆さんに真意をお伝えすることができなかったのは残念ですが、これが私の本当の発言の真意でございます。
#218
○吉良よし子君 答えになっていないといいますか、いつ、どのように、見方が様々あるから放送できるかどうかも分からないと、そういうことですよね。だから、結局、それでは真実を伝える、そういうことにはならないのではないかと思うわけです。
 私、NHKが今後も報道機関であり続けるつもりであるならば、そのトップである会長というのは、政府の姿勢をそんたくするんじゃなくて、やはり自局のジャーナリストの自主性、それをどこまでも重んじて彼らを守る、その姿勢を表明するべきじゃないかと思うわけです。
 もしも仮に、そういう様々な見解があるからと、そういう中で政府と対立し、例えば予算案を人質に取られることがあろうとも、そうした確固たる立場、報道機関としての立場に立てば、国民、つまり受信料を支払う視聴者がNHKを守り抜いてくれる、そういうものだと思うわけです。NHKには、そうやって政府と対立した場合どちらに義があるのか、これを国民に問う、そういう力もあるわけなんですよ。
 籾井会長の不偏不党、真実の報道、放送法の遵守、今日もおっしゃられていましたけれども、その発言には私、こういう決意が裏打ちされているとはやはり思えないわけなんです。そういう意味からも、籾井会長はNHKの会長として不適格としか言わざるを得ませんし、そのような籾井会長が会長である限り予算を認めるわけにはいきませんし、会長は今すぐ辞めるべきである、このことを強く主張し、質問を終わります。
#219
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。
 今日は籾井会長に厳しい追及が続いております。昨年も、私はどちらかといえば比較的寛容な立場で臨まさせていただきましたが、今回は正直、私も、またかと、こういった感想を持たざるを得ません。残念ながら、会長、公共放送のトップとしての御自覚、これをもっと持っていただきたい、猛省を促したい、そういうことをまず冒頭に申し上げて、私からの質問に入らせていただきます。
 今日は、インターネット活用業務の拡大と放送と通信の融合について質問をしたいと思っておりますが、会長についても適宜指摘をさせていただきたいと思っています。
 平成二十七年度よりインターネットを活用した放送番組の配信が始まります。個々の放送番組のみならず、現在放送されている番組の同時配信も可能になり、これに加えまして、放送番組を民間のインターネット事業者に販売することもできるようになります。インターネットを活用したいわゆる放送コンテンツ市場が一気に拡大をすることになり、私もまさに一大転換点であるなと思っております。
 今後もこうした放送と通信の融合が更に進展していくものと考えられますが、高市大臣の見解を伺いたいと思います。
#220
○国務大臣(高市早苗君) やはり近年のブロードバンド環境の普及、これに伴って、NHKによるインターネットを活用したサービスに対して国民・視聴者のニーズは急速に高まり、また多様化していると思っております。
 昨年六月に成立した改正放送法に基づいて、これまでは放送後の番組だけということだったんですけれども、放送前、放送中の放送番組も提供可能とすることになりました。NHKにおきましては、この改正放送法に基づき、自ら業務の実施基準を定め、大臣認可を経て、四月一日からインターネット活用業務を開始する予定でございます。
 この実施基準なんですが、これ私、認可するに当たりまして、内容として、やっぱりこれまで実施してきた国内ラジオ放送や国際放送の同時配信のほかに、国内テレビ放送の一部について同時配信の試験的な提供を、これを受信料で実施するということ。それから、インターネットの配信事業者からの提供の求めに応じて放送後の放送番組等を有料で提供するということ、一般利用者向けに受信料財源で実施する業務の費用については受信料収入の二・五%を上限とするといったことなどが盛り込まれておりましたので、これを可といたしました。
 総務省としては、この改正放送法と実施基準に基づいて、NHKにおかれましては、国民・視聴者のニーズに応えるインターネット活用業務を実施していただくということを期待しております。
#221
○渡辺美知太郎君 大臣から御答弁いただきまして、先ほど来御指摘があります、NHKがインターネット配信ができるようになると、一方で民放はどうするのかという話がありました。十月から民放キー局もインターネットを活用した広告付き無料配信トライアル、これを開始するようでありまして、NHK、放送業界を考えると非常に大きな影響を及ぼす、特に会長に至っては、やはりその頂点にいらっしゃるわけですから、是非その辺りも自覚をしていただきたいと思っています。
 このNHKインターネット活用業務を開始をするということは、放送コンテンツ市場の競争を阻害するのではないかと先ほど来指摘もありますが、一方、こうした民放キー局の動きと上手に連携をして、競争性が担保された状態で市場を創出していただきたいと、育てていくということも考えられるのですが、籾井会長の見解を伺いたいなと思います。
#222
○参考人(籾井勝人君) 私どもは、このインターネットサービスというのはもう時代の流れで不可避であると、こういう認識でおりました。それに基づきまして、NHKとしては、やはり方向性はこれをやるぞという気持ちでいろんな研究もしてまいりましたし、まだまだでございますけれども、相当進んでまいりました。
   〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕
 一方、私が心配しておりましたのはやはり民放さんの意向でございまして、最初は非常に消極的であると、むしろネガティブであると、こういうふうな反応も聞いておりましたが、今おっしゃったように、十月から在京五社でやられるということで、私自身は、NHKと民放が、やり方はいろいろ違うかもしれませんが、インターネットを利用してやるということで、非常に歩調がそろって、やはり全体としては大きなプラスになるのではないかというふうに期待しております。
#223
○渡辺美知太郎君 籾井会長、そうですね、放送業界、大きな影響を及ぼしていると思われるんですが、民放との関係をもうちょっと具体的にどのように考えておられるか。連携についても、どちらかというと、対等に競争したらそれはNHKの方が大きいわけですから、どうやって上手に連携をするか、その辺り、もしビジョンがあったら是非お答えください。
#224
○参考人(籾井勝人君) 今も申しましたけど、インターネットの活用というのはもう時代の流れであるというふうに思っております。NHKとしては、民間放送と二元体制の下で切磋琢磨して、お互いに公共放送にふさわしいインターネット活用業務を適切に実行していきたいというふうに考えております。
#225
○渡辺美知太郎君 こうした、今、民放キー局の話をさせていただきましたが、民放は民放でやっぱり中央と地方で格差があるわけでありまして、中央の放送コンテンツがこれから全国どこでも見られることができるようになると。これ、裏を返せば、地方局、これが限られた制作費で今まで放送コンテンツを作ってきたわけであって、中央のコンテンツとの競争にこれからさらされていく可能性があると思います。
 地方のテレビ局にとっては大きな危機が訪れるかもしれないということですが、これについて総務省はどのようにお考えであるか、大臣の御見解を教えてください。
#226
○国務大臣(高市早苗君) ローカル局の不安については、私自身も耳にいたしておりました。この放送番組、ネット配信をする、しないということについては、これはもう民放各社の経営判断によるものでございますけれども、在京キー局五局ですね、今年十月から、先ほど委員がおっしゃった広告付き無料配信トライアルというのを行う予定と聞いておりますけれども、これは同時配信ではなくて、放送直後から次の放送までの間に配信してサービスの利用状況を検証するというものと聞いております。一定の配慮をした議論がなされたんだろうと拝察しております。
 それから他方で、民放連におかれまして、やはりローカル局におけるネット配信、この活用を含めた民放のメディア価値向上のための検討も行っていると聞いております。
   〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕
 とにかく、ローカル局は、災害情報はもとより、地域の視聴者ニーズを踏まえた地域密着型の様々な情報発信をする主体として非常に重要な役割を担っていると考えますので、ローカル局の役割が適切に果たされますように、関係者においてしっかり工夫をして取り組んでいただきたいと期待をしております。
#227
○渡辺美知太郎君 総務省としては、例えばローカル局への配慮というか、何か今後多分起こるであろう、そういった下手したら地方のローカル局、この担い手、地方の放送コンテンツの担い手が足りなくなってくるようなことも懸念されるわけでありまして、総務省として何か具体的な支援策といいますか、市場の競争性を担保するための取組などは考えておられるんでしょうか。
#228
○国務大臣(高市早苗君) やはり地方においてコンテンツの制作能力をちゃんと維持する、それから地方発のコンテンツ発信というのをしっかりと確保していくというのは、もう地方創生の観点から極めて重要だと思っておりますので、総務省としましても、地域が保有する多様なコンテンツについて地域内外への流通促進を図るために必要な課題を検証する事業ということで、平成二十六年度補正予算に一・五億円を計上させていただきました。また、二十六年度補正予算におきましては、地方が主体となって地域の魅力を伝える放送コンテンツの海外展開を支援する取組も十六・五億円計上させていただきました。いろいろな形で支援ができると考えております。
#229
○渡辺美知太郎君 大臣がおっしゃったように、地方のテレビ局への放送コンテンツ、これ私も地方創生とやはり関わりがあるなと思っています。良い番組を作れば、その地域にやはり興味、関心を引き付けることにもつながると思っておりますので、やはり地方創生の観点からも、是非、地方局の放送コンテンツ、しっかりと支援していただきたいなと思っています。
 それと、やはりこれから競争が始まってしまう、これは仕方がないんですけど、やはり場合によっては地方局のコンテンツ作成能力を強化するような支援が必要ではないのかなと思っております。放送コンテンツ市場の競争性の担保も必要ではありますが、中央は中央の放送コンテンツで、将来的に例えば地方コンテンツ市場のようなものも創出する、そういった必要性も出てくるのではないかなと思っていますが、地方のテレビ局のコンテンツ制作能力を強化するための支援あるいは助言等、何か総務省の方は考えていらっしゃらないのか、ちょっと大臣に伺いたいと思います。
#230
○政府参考人(安藤友裕君) お答え申し上げます。
 今大臣からも御答弁させていただきましたけれども、インターネットの利用拡大やモバイル端末の急速な普及など、通信・放送をめぐる環境が大きく変化する中で、委員御指摘のように、地方におけるコンテンツの制作能力を維持し、今後も地方からのコンテンツ発信を確保し強化していくということは、地方創生の観点からも、あるいは民放のローカル局のコンテンツ制作市場確保という観点からも極めて重要であるというふうに考えております。
 このような観点から、これも先ほどちょっと大臣から触れさせていただきましたけれども、総務省といたしましても、日本各地が保有する多様なコンテンツについて地域内外への流通促進を図るために必要な課題などを検証する事業を平成二十六年度補正予算に計上したところでございます。また、二十六年度補正予算において、地方が主体となって地域の魅力を海外に伝える放送コンテンツの海外展開を支援する取組も計上したところでございます。
 地域の魅力を伝える放送コンテンツの海外展開は、地域の観光需要の増加でありますとか地域の特産品の販路開拓など地方の経済への波及効果を創出し、このことが地域の放送コンテンツの制作でございますとか海外展開へのニーズの更なる拡大につながるといった好循環、こういったものにつながっていくということも期待されるところでございます。
 総務省といたしましては、こうした取組などを通じて、地域のローカル局のコンテンツ制作能力及び地方発のコンテンツの発信の維持強化を通じたローカルコンテンツ市場の拡大、こういったものにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#231
○渡辺美知太郎君 何かちょっと話が飛躍しているというか、ローカライズ、海外に売り出すといっても、私は地方の魅力を日本全国に広げていくという話をしているんですね。ローカライズの支援をしたからっていきなり海外に売り出すとか、それはちょっと地方創生とは違うのではないのかなと私は思っておりまして、不十分というか、もうちょっと具体的にというか、地方創生につながるようなお考えはないのかなと思うんですけど、簡潔にお願いします。
#232
○政府参考人(安藤友裕君) 国内における流通促進の関係につきましては、これも平成二十六年度の補正予算でございますけれども、まさに地域のローカル局が保有する多様なコンテンツをインターネットなどを通じて、例えばローカル局の場合、一般的には、基本的には県域になっておりますが、外に、全国各地に、例えばふるさとを離れた方々に御提供するといったような取組ですね、こういった、流通促進を図る上で必要な課題を検証するための事業というものを二十六年度予算に計上しているところでございまして、先ほど大臣の答弁もございましたけど、民放連の方でもこういった取組等を含めて民放ローカル局のメディア価値向上に向けた検討を進めておりますけれども、こういったものも相まって、地方創生、それからローカルコンテンツ市場の維持拡大、こういったものにつなげていきたいというふうに考えております。
#233
○渡辺美知太郎君 是非ニーズに合った予算などを組んでいただきたいと思っています。
 以上のように、放送と通信の融合は着実にというか、技術が向上しているわけですから、どんどん発達していくわけでありまして、一方のこの制度的な枠組みはといえば、平成十九年に放送と通信の融合に関して制度の見直しが行われました。放送関連の法制は一本化されたものの、通信関連法案との一本化は見送られました。検討開始当時の資料によりますと、放送と通信に関する法制を情報通信法に一本化することが目指されていたようでありますが、当時はまだ早いということで見送られています。
 放送と通信をめぐる環境の急激な変化を踏まえて、今後、情報通信法をもう一度制度として一本化する、そういった考えはないかを伺いたいと思います。大臣に伺います。
#234
○国務大臣(高市早苗君) もう資料も御覧いただいているようですが、この情報通信法は、平成十八年十二月に、通信・放送の在り方に関する政府与党合意を受けて通信・放送の総合的な法体系の在り方を検討する際に、論点の一つとして挙げられておりました。総務省の通信・放送の総合的な法体系に関する研究会の報告書などで、情報通信法として一本化するといったことも提言されておりました。
 しかし、議論の過程で、通信というのは通信の秘密の保護、放送というのは表現の自由の確保が重要であるということで、通信と放送で互いに規律する対象ですとか確保すべき法益が異なるということのために、通信・放送に関する法制度は一本化されないことに決まってしまったということで、その後、平成二十二年に放送関連四法の統合はありましたけれども、なかなか現時点において通信と放送に関する法制度を情報通信法として一本化するという状況にはないと理解しております。
#235
○渡辺美知太郎君 今大臣がおっしゃったのは、それは建前の話であって、技術の進歩に、スピードにやっぱり制度が追い付いていかなければいけないと私は思っております。この事態を脱していただきたいと思いますし、放送と通信の融合を更に取り組んでいただきたいと思っています。
 最後に、籾井会長に伺います。
 今までの答弁を聞いておりますと、本当に昨年とほとんど変わらないようなことをおっしゃっていまして、高市大臣も、前回いらっしゃらなかったんでちょっと同情的なこともおっしゃっていますが、これ二回目なんですね。我々、与野党を問わず厳しい御指摘があるのは、やっぱり一年前の議論は何だったのかという思いがあると思うんですよ。二度あることは三度あると、そういったこともあるわけでして、それは本当に困ると思っております。
 例えば、ここまで来たら、こういった事態がまた起きた場合に自らペナルティーを科するとか、何か誓いを立てるべきではないかと思うのですが、その辺りの会長の御意思を伺って、私の質問を終えたいと思います。
#236
○参考人(籾井勝人君) 私の言葉が不十分で誤解を招いたことや、プライベートのハイヤーの使用をめぐって疑問を持たれるような事態を招いたことについてはもう本当に申し訳ないと思っております。以後、誓いを立てろということでございますが、私も心して、今後こういうことがないようにやっていきたいというふうに思っております。
#237
○渡辺美知太郎君 ちょっと従来どおりの答弁だったので少し残念ではありますが、来年はこういうことがないようにしていただきたいと思います。
 私の質問は以上で終わります。
#238
○又市征治君 社民党の又市征治です。
 私は、NHKが不偏不党そして公正な公共放送の使命を果たすように日夜奮闘されている関係者の皆さんに心から敬意を表しながら、しかし、今日、朝からもこのことが随分問題になっていますが、今日揺らいでいる国民の信頼をNHKが回復することを願う立場から何点か質問をしたいと思います。
 まず、籾井会長、あなたは昨年二月、私の質問に答えて、就任会見で不慣れなため不適切な発言をした、慰安婦の問題と特定秘密保護法、靖国参拝、番組編集権、国際放送の五項目は全て取り消します、こういうふうに述べて謝罪をされました。その後もあなたの、全理事に日付なしの辞表提出強要、入社式での不穏当な挨拶、従来の慣行を無視した役員人事などが指弾を受けて、さらには欧米のメディアからも批判を受けてケネディ駐日大使が「クローズアップ現代」の出演を拒否するなど、NHKの信頼を会長自らが失墜をさせていると度々国会で取り上げられてきましたし、私も取り上げてまいりました。
 その都度あなたは、今もありましたけれども、不慣れだった、引き続き放送法に基づき会長の業務に邁進し、信頼回復に努めたい、つなげていきたい、こんな答弁を繰り返されてきているわけですが、ところが、最近また、今日も朝から出ておりますけれども、NHK以外の報道機関が会長の様々な問題発言やハイヤー代をめぐる公私混同疑惑を次々報じて、国会でも監査委員会の報告を含めて厳しい批判がされていることは極めて遺憾なことであります。
 そこで、籾井さん、この一年余り様々な指摘を受けた、国会も何十回も出てきた、その指摘を真摯に受け止めて活動されていたならば、NHKの予算と将来について今年は落ち着いて建設的な論議ができたと私は思うんですけれども、残念ながらその期待は裏切られた、こう言わざるを得ません。この現状を改めてどう認識し打開していくつもりなのか、改めてお聞きをします。
 あわせて、浜田経営委員長、現状を本当にどういうふうに認識をして、国民の信頼をどのように回復していくべきだというふうに経営委員会の立場から思っておられるのか、この点をお伺いします。
#239
○参考人(籾井勝人君) 私の言動によりましていろいろと御心配や御迷惑をお掛けしていることについては誠に申し訳なく思っております。
 誤解を招いてしまった言動については、その後、国会や記者会見の場で真意を丁寧に説明しております。
 ハイヤーの私的利用につきましても、事務処理の不注意とはいえ、いろいろな疑いを招いてしまったことは大変申し訳ないと思っております。このようなことが二度と起きないよう、コンプライアンスを徹底するとともに再発防止に努めていきたいと思います。
 今御指摘がありました中で一つだけちょっと訂正させていただきたいのは、ケネディ大使は私どものためにNHKのインタビューを拒否したという事実はございませんので、これは私の方から訂正させていただきたいと思います。
#240
○参考人(浜田健一郎君) 経営委員会に対しましては、国会での御指摘のほか、各地方で開催している視聴者のみなさまと語る会を始めとする様々な場で、視聴者・国民の皆様から直接に様々な声をいただいております。
 経営委員会といたしましては、NHKの在り方に対する多くの視聴者・国民の皆様の御指摘を謙虚に受け止め、執行部とは適切な緊張関係を保ちながら信頼関係をより強固にし、NHKが公共放送の使命を果たすよう努めてまいりたいというふうに思っております。
#241
○又市征治君 先ほどから、何人かからも出ていますが、昨年と何にも変わらない答弁繰り返し、そういう意味でも改善や改革に向かっての熱意や決意が全く伝わってきません。
 では、具体的に聞いてまいります。
 籾井会長は、今年二月五日の定例会見で質問に答えて、従軍慰安婦の問題は正式に政府のスタンスというのがよくまだ見えませんよね、これを取り上げて我々が放送するということが妥当かどうかは慎重に考えなければいけないと思っております、夏にかけてどういう政府の方針が分かるのか、この辺がポイントだろうと思います云々と答えられた。
 また、報道によると、民主党の会議に出て、村山談話は今のところはいいと思います、将来のことは分かりません、当時と政権が替わってですね、その人が村山談話は要らないと言うかもしれないなどと発言をされています。そして、これらの発言の真意を問われて、あなたは、難しい問題なので慎重に検討しなければならないと説明をされたようであります。
 そこで、具体的にお聞きします。
 まず第一に、従軍慰安婦の問題を取り上げることがなぜ難しい問題なのか。
 二つ目に、NHKの現場では慎重に検討しないで番組を作成するなんてことはないと思うけれども、なぜ殊更慎重に検討を強調されるのか、よく意味が分からない。
 三点目に、放送法に基づいて、放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉又は規律されることがないわけですから、政府の見解に関わりなく番組を作成することがまさに放送人、NHKの使命なんだと思うけれども、だからあなたは、昨年、私の問いに、政府が右と言うことを左と言うわけにはいかないと発言したことは取り消しますと答弁をされた。そのこととこの二月五日の答弁、これは一体どういうことになってくるのか。全く去年の答弁というのは、あれはうそだったのか、二月五日の発言を取り消されるのか、これが三点目。
 四点目に、この従軍慰安婦問題を含めて戦後七十年という節目の番組作りにおいて、NHKは政府の見解に左右されることがあるのかどうか。全くあってはならないことだと思うけれども、その点、明確にこの四点お答えいただきたいと思う。
#242
○参考人(籾井勝人君) 二月五日の記者会見では、戦後七十年の関連番組について質問がございました。現場に内容を検討してもらっているというふうに説明しました。戦争の悲惨さと戦争の廃墟からの復興を伝えるものになればいいという期待も述べました。
 その際、さらに、いわゆる従軍慰安婦問題についても取り上げる可能性を聞かれました。私は、個別番組の検討状況を把握しているわけでもないし、自分が干渉しているわけでもございませんが、戦後七十年という節目の中で、いつ、どのような形で取り上げられるかどうか、またいろんな観点から検討する必要があると、慎重に検討していかなきゃならないというのが私の発言の真意でございます。
 戦後七十年の関連番組に限らず番組の制作に当たっては、放送法にのっとり、事実に基づき公平公正、不偏不党、何人にも規律されない姿勢を貫くことには変わりありませんし、私が番組に関与することもございません。
#243
○又市征治君 質問にちゃんと答えてください。事前に通告してあるんだから。
 去年の二月の答弁、少なくとも政府が右と言うことを我々は左と言うわけにはいかないと言ったことは取り消すと言った。片一方で、このことについて、従軍慰安婦の問題について二月五日の発言というのは矛盾しませんか、撤回するんですかと聞いている。そのことについてちゃんときちっとお答えください。
#244
○参考人(籾井勝人君) 矛盾しないと思います。
 私は、一つの考察としてその辺も見る必要があろうと、いろんな角度から我々は検討する必要がありますので、そういう意味で申し上げたわけでございます。
#245
○又市征治君 ますますあなたがその都度よしの答弁をなさっている、しかし一面では、この村山談話の問題も従軍慰安婦の問題も、政府がどう言うか見極めていかなきゃいかぬ、そういうふうに言っていること、それをたまたまいろんな考え方を聞いてみなきゃ分からぬという言い方でやっていることは、まさに去年の答弁が、そういう意味でそのときの何とか場しのぎの答弁だったというふうに思えてなりません。
 さて、NHKはホームページで、公共放送とは国家の統制からも自立して公共の福祉のために行う放送だ、こういうふうに自ら規定をしています。これは、放送法との関係でいえば、放送が健全な民主主義の発達に資するものでなければ公共放送とは言えないということなんだろうと思うんですが、この点のところは、大臣、いかがお考えか、お伺いしたいと思います。
 また、NHK自身がそのような放送を行っているかどうか、自ら公共放送にふさわしい活動ができているか否かの検証はどのように行っているのか、それが客観的なものとなっているというふうに思われるか、この点はNHK側からお聞きします。
#246
○国務大臣(高市早苗君) 放送法に基づいて、NHKも営利を目的とせず、受信料を主たる財源として自主自律で運営される事業体として位置付けられております。
 これはもう民放であれNHKであれ同じなんですが、放送法第一条の目的にあります放送が健全な民主主義の発展に資するようにすること、これは大切な目的でございます。
#247
○参考人(井上樹彦君) NHKは、放送法にのっとりまして国内放送番組基準というのを定めております。この中で、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保するということを明記しております。
 この検証を行うために、NHKでは年に二回、視聴者・国民を対象に十四の観点から調査を行っております。我々、十四指標というふうに呼んでおります。公平・公正、迅速・正確な情報提供、文化の創造・発展、地域社会の発展などがその項目です。こうした多様な観点から視聴者・国民の期待度と実現度を伺い、その差を縮めていくことで自律的な業務運営を行っております。去年七月の直近の調査では、このうちの公平・公正については八割近くの方から実現しているという高い評価を得ております。
 引き続き、こうした目標の実現に努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#248
○又市征治君 それじゃ次に、今日も出ましたが、新たな受信料の問題について伺います。
 籾井会長は、三月五日、衆議院総務委員会で、受信料が義務化されるならば有り難い旨を述べられたと報じられております。ちょっとこれを聞いて私は、公共放送の意義を理解されているのかな、こういう感じがいたしました。
 これはこの委員会の皆さんには言うまでもないことでしょうけれども、受信料は放送受信の対価の形を取っているように見えますけれども、本質は、公共放送がこの社会に果たしている役割、今ほど大臣からも答弁ありましたが、つまり放送が健全な民主主義の発達に資することを国民が一定評価をして、その役割の一翼を国民自身が担う、その決意として受信料を支払っている、こういうものなんだというように私は理解をします。
 この理解、この本質というものを抜きにして、それで受信料云々、上げる下げる、義務化をする云々ということを言うこと自体論外であるし、ましてをや、今、公共放送の信頼を自ら損なっておいて新たな受信料体系を云々するなんていうのはとんでもないことじゃないのかと、私はそんなふうに思えてならない。会長に改めてこの認識を問います。
#249
○参考人(籾井勝人君) 委員御承知のとおり、受信料というのは、税金でも対価でもなくて、NHKを支えていただく特殊な負担金でございます。
 NHKは、視聴者・国民にお支払いいただく受信料で支えられた公共放送だからこそ、公平公正、不偏不党、何人からも規律されないという放送法の理念を実現できるものと認識しております。
 NHKは、受信料をお支払いいただいている視聴者・国民の幅広い信頼の基盤の上に立っております。私どもNHKにとってこの信頼は何物にも代え難い重要なものであるというふうに考えております。
#250
○又市征治君 余り同じことを繰り返さないで、時間稼ぎしないでください。
 次に、海外放送について伺います。
 NHKの海外放送の位置付けについては、既に二十四日、大臣所信の質疑で私はこの場で、総務省が開催したNHK海外情報発信強化に関する検討会の開催要綱の中で、我が国の魅力や、特にその中で、考え方を世界に情報発信することの重要性が一層高まっているという記述であるとか、検討会の中間報告の中では、国家戦略の一環としてこの海外放送というものを最大限活用することが重要であるといった記述というのは放送法に照らして問題だ、こういうふうに指摘をいたしました。したがって、ここでは触れません。
 ただ、NHKは、まさに受信料によって成り立っていると今もありましたけれども、国民がほとんど見る機会がない海外放送を総務省がもっと拡充しろというふうに求め、NHKもそれを受けて随分と力んでいる印象を持たざるを得ないわけでありますが、これは海外放送は海外では広告料、視聴契約料、あるいは政府交付金等々を財源としている国もあるわけで、政府から独立性の保持を前提として海外放送の在り方、担う組織の在り方等々について研究することが必要なんだろうと、こう思うんですが、現状における大臣なり会長の見解を伺っておきます。
#251
○国務大臣(高市早苗君) まず、NHKの国際放送ですが、これは放送法第二十条においてNHKの必須業務として行うことが求められているものであります。
 この国際放送の充実強化に当たりましては、やはり受信料を負担しておられる国内の国民・視聴者の皆さんの理解を得るということがとても大切だと思いますので、私は、NHKの国際放送にしても、それから外国人向けの国際放送ですね、ワールドTVにしても、国内でも当然受信できるように、ちゃんとみんなが見れるように、英語の勉強になったり、日本を訪れてくださる外国人の方が見てくださるように更なる充実が必要だと思っております。
 諸外国における国際放送は、歴史的経緯や財政事情も違いますから一律に比較は困難なんですが、視聴契約料や広告料の組合せだったり、政府交付金を主な財源としているようでございます。
 国際放送は、いずれにしましても、我が国の文化、産業その他の事情を紹介して我が国に対する正しい認識を培い、普及することによって国際親善の増進にも役立ち、また経済交流の発展にも資する、また海外にお住まいの日本人に向けての報道番組の提供、これを行える、そういう役割の重要性と公共性からNHKの必須業務とされているところであります。
#252
○参考人(籾井勝人君) 国際放送について様々な御意見があることはよく承知しておりますが、例えば日本各地の自然、文化、観光資源などを積極的に取り上げて発信していくことは、日本の魅力を海外に知ってもらう国際放送の取組の一つでございます。
 二〇二〇年には二千万人を超えると言われている観光客に対して、来られる前にやはり日本各地の魅力を発信していく、それから例えば各地の放送局で制作されたドラマなり番組を配信していくということによって、当然、日本国民の皆様にも還元できるものというふうに思っております。
#253
○又市征治君 時間がなくなってまいりました。最後の質問にいたします。
 この一年余り、会長自らが公共放送、NHKの信頼を損なう言動を繰り返して、経営委員会からも再三再四注意を受けられてきた。籾井さん自身がいかなる見解を持つかというのはあなた自身の自由ですけれども、その持たれる個人的な見解、見識がNHKの会長職にふさわしくないということがだんだん明らかになってきたわけで、あなた自身も自覚をされているのではないかと、こう思うんです。ここのところのずれが今日の混乱をもたらしている。去年言ったことがまた今年と違ってみたり、その場しのぎで言ったりということになっている。
 予算と執行体制というのは一体のものでありますから、予算に賛成をするということは、NHKにふさわしくない籾井さんを会長として認めることになるわけでありますから、野党が二年連続で予算に賛成できない、こういう異常な事態になっているわけです。
 改めて、会長の出処進退を伺って賛否を決めたいと思いますので、この見解を最後に述べてください。
#254
○参考人(籾井勝人君) 今委員のお言葉を真摯に受け止めまして、今後注意してやっていきたいと思いますし、会長として経営の先頭に立って、国民・視聴者の皆様の御期待に応えてまいりたいというふうに思っております。
#255
○又市征治君 終わります。
    ─────────────
#256
○委員長(谷合正明君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、野田国義君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君が選任されました。
    ─────────────
#257
○主濱了君 生活の主濱了であります。
 早速質問に入ります。
 まず第一に、報道、特に放送の役割及びあるべき姿、こういうことで伺いたいと思います。
 先ほど又市委員からも関連の質問ありましたけれども、端的に伺います。報道、特に放送の役割をどのように考えているか。これは監督官庁である総務省と、それから、当事者といいますか、現にいろいろな報道をされているNHKの経営委員長に伺いたいと思います。
#258
○国務大臣(高市早苗君) 放送というのは不特定多数の者に対して同時に安価に情報提供を行えるという特性があり、災害情報や民主主義の基盤に関する情報を含め、国民生活上不可欠な情報を広く国民に伝達するという大きな公共的役割を担うものであります。
 特に無線の放送につきましては、放送事業者は、有限希少な国民的資源である電波の一定の帯域を排他的かつ独占的に占有しておりますから、電波の適正な利用の観点からも社会的な責務を負うものであります。
 放送事業者におかれましては、放送法が定める放送事業者の自主的な規律に基づき適切に放送番組の編集を行い、今申し上げましたような公共的な役割を果たしていくべきものだと考えます。
#259
○参考人(浜田健一郎君) 放送の目的及びNHKの目的は、放送法第一条、第十五条等に明記されているとおりだと承知をしております。
 放送法で定められた使命を果たすため、NHKの番組は、あくまでも放送法やNHKが定めた番組基準に沿って不偏不党の立場に立ち、公平公正に作られなければならないと考えております。
 また、報道以外にも教育や文化の伝承、地域から全国、ひいては世界への情報発信といった面においても公共放送NHKの果たすべき役割は大きいというふうに考えております。
#260
○主濱了君 ありがとうございます。
 今いろいろ放送の役割、こういうことでお話をいただきましたが、いずれも確かに放送の役割であるというふうに思っております。また今、大臣それから経営委員長からお話が出ませんでしたけれども、私は、政府に対する批判、こういうのもある程度、まあこれは放送というよりも報道の役割の一つではないかなというふうに思っております。
 様々な役割あるわけですけれども、まず基本に置かなければいけないのは私は国民の信頼だと思います。この国民の信頼を失えば、どんなに役割を果たそうとも、あるいはどんなに使命を果たそうとも、国民からは受け入れられないと、このように思います。そして、この結果、どんなにすばらしい番組であっても、どんなに緊急な放送であっても、これは国民には伝わらないと、こういうふうに思うわけであります。国民の信頼を取り戻すために、まずは、もう考える時間は過ぎました、今はしっかりと実行するべきときではないかと、このように思っているところでございます。
 次に進みますが、NHKの経営計画、重点方針の一のAの中に、「公平・公正で、正確・迅速な報道を堅持し、」、以降略しますけれども、という部分があるわけですが、ここでのポイントは、私は公平公正の点であるというふうに思っております。正確、迅速というのは、これは言うまでもないことなわけであります。加えて申し上げると、この公平公正も客観的なものでなければならないと、このように思っております。
 放送法八十二条のNHKの放送番組審議会の、昨年、平成二十六年の一月から今年の一月、平成二十七年の一月まで、この放送番組審議会の議事概要を一通り見させていただきました。放送番組審議会は放送番組の適正を図るために個々の番組を見るわけでありますけれども、それを見させていただいたんですが、議事の概要の内容は、おおむね番組に対して好意的、建設的な意見がほとんどでありました。
 ただ、中には、ニュースについて申し上げますと、例えばオスプレイ配備の件については、オスプレイ配備の事実、そして、その最後にこれに対する反対の意見あるいは集会、そういう場面で終わっている、これいかがなものかと、こういったような意味の発言。あるいは、キャスターや解説委員のコメントは若干疑問である、こういったような発言。さらには、公共放送の在り方について継続して取り組んでほしい、こういうふうな要望。さらには、番組審議会の議事録を開かれたものにしてほしい、いわゆる発言者の名前を公開してくれ、こういったような意見がある一方、自由闊達な意見表明のためには発言者名を公開するのは好ましくない、こういったような意見。あるいは、党派を丸出しにした経営委員、これ信頼が損なわれないか考えないといけない。これは去年の二月でありましたけれども、公平公正に関する議論も見受けられたということでございます。
 で、質問なんですけれども、公共放送の在り方について継続して取り組んでほしい、これは去年の六月の中に含まれておりましたけれども、この公共放送の在り方について継続して取り組んでほしいと。こういう意見に対してどのように対処したか、あるいは取り組んでいるか、これはNHKの担当理事の方にお願いをいたします。
#261
○参考人(板野裕爾君) お答えいたします。
 平成二十六年六月の中央放送番組審議会で、韓国において、大型旅客船沈没事故に関する公共放送KBSの報道をめぐりまして政府から圧力があったなどといたしまして大きな社会問題になっていると伝えられていたことから、公共放送の在り方について継続して取り組んでほしいという御意見がございました。
 NHKは、放送法にのっとって国内番組基準を定めております。この中で、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保することを明記した上で、政治上の諸問題は公正に取り扱う、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなどを規定しております。
 こうした基準にのっとって、正確で公平公正な放送を提供してまいりたいと考えておりますし、引き続き取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#262
○主濱了君 よろしくお願いをしたいと思います。
 私自身も公平公正なNHKであってほしいと思っている一人であります。今後とも、こういったような議事はしっかりと注視してまいりたいなというふうに思っております。
 ここでも申し上げますけれども、公平公正であるかということのベースになるのはやはり国民の信頼である、このことを重々認識していただきたいものだなというふうに、こう思っております。
 次に、総務省の方にお伺いいたしますけれども、総務大臣意見に、特に配意すべきとして、国民各層の中で意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにするなど、放送法の趣旨を十分に踏まえ、正確かつ公正な報道に対する国民・視聴者の負託に的確に応えることと、こういうふうな部分が含まれているんですよ。
 特に放送法に規定されているこの部分を大臣意見に掲げた理由というのは何でしょうか。大臣、お願いいたします。
#263
○国務大臣(高市早苗君) やはり、この委員会でもたくさんの委員の先生方から御指摘がありましたように、最も大切な姿勢であると感じるからでございます。
#264
○主濱了君 実は、この部分について、ちょうど一年ほど前ですけれども、ここにある言葉を用いて、私、大分NHKに対して再三にわたって質問した経緯があります。
 是非ともこのとおりやってもらいたいわけですが、今包括的にお話をされたわけですけれども、はっきり言って、端的に言って籾井会長と、それから一部経営委員の言動を念頭に置いてこれ記載したものなんでしょうか。端的にお答えをいただきます。
#265
○国務大臣(高市早苗君) 先ほど委員も、政府への批判も必要だとおっしゃいました。これは、NHKであれ民放であれ、意見が対立するものについては、できるだけ多くの角度から報道していくというのは当然のことでございます。放送法上のことでございます。
 ですから、特に籾井会長のということではなく、この内容というのは平成二十四年度民主党政権のときの川端大臣も、それから二十五年度、六年度の新藤大臣も同じような形で述べていらっしゃいます。私としてもこれを重視いたしました。
#266
○主濱了君 同じ部分で、実は国民各層という言葉を使っているわけなんですよね。国民の各界、縦割りの各界ということであれば分からないでもないんですが、国民の各層とは何を意味しているんでしょうか。国民に層があるんですか。本当にこれ、ささいな点で申し訳ないんですが、これ公文書ですからね。公文書ですから、お伺いしたいと思います。
#267
○国務大臣(高市早苗君) ある問題に対して国民によって様々な意識があるという趣旨で用いている言葉でございます。これは川端大臣、新藤大臣、私の意見、全部同じように国民各層という言葉を使わせていただいておりますが、層という言葉の意味ですが、これは地位や身分や職業といった意味もありますし、あと意識などによって区分した集団という意味もあるところでございます。
 例えば、国民の幅広い層に支持をされる、ファンの層が厚いですとか、様々使い方があるんですが、意識などによって区分した集団という形の趣旨で用いさせていただきました。
#268
○主濱了君 次の問題に移ります。
 これは片山委員からもお話がありましたけれども、支払率の関係でございます。この支払率の向上は、私は端的にすばらしい、すばらしい努力をしたというふうに思っております。役職員の御努力に敬意を表するものであります。
 端的に、この支払率が向上した、あるいは向上しつつあるわけですよね、この向上している理由は何でしょうか。どのような努力があったのか、これも担当理事さんにお願いいたします。
#269
○参考人(塚田祐之君) お答えいたします。
 受信料の支払率につきましては、平成二十三年度末は七二%でした。この三年間で四ポイント向上させまして、二十六年度末、今年度末には七六%となる見込みです。これは法人委託の拡大、民事手続の実施、公益企業との連携など営業改革を進めるとともに、全職員を挙げて取り組んでまいりました受信料制度の理解促進運動、この結果であるというふうに考えております。
 なお、次の経営計画では八〇%の支払率を、三年後目指して更に向上させたいというふうに思っております。
#270
○主濱了君 全職員一丸となって国民の理解を進めたと、こういうことですけれども、実際に何をやったんですか。私は、前段の方は納得できるんですが、その後段の、何をやって国民の理解を得たのか、そこのところをもうちょっとはっきりおっしゃってください。
#271
○参考人(塚田祐之君) 例えば、具体的に申し上げますと、地域発ドラマ、地域でドラマを作るときに地元の方々と一緒に番組を作るというところで、番組を作りながら視聴者の方に理解をいただくとか、それからあと、イベントなどを地域で実施をして、のど自慢のときに例えば技術の中継車を見てもらうとか、ふだん以上に視聴者の方々にNHKの業務を理解していただいて、受信契約につなげるという理解促進運動を進めてまいりました。
#272
○主濱了君 分かりました。そういうこともやっておられるということは分かりました。私はやはり、この受信料をいただきに上がる、これがやっぱり一番大きいものではなかったのかなというふうに思っているところであります。
 現在の受信料の徴収体制がどうなっているかと、では、そこの点について伺いたいと思うんですが、まず、受信契約対象数、受信料を今いただいている、いただいていない、あるいは、契約している、契約をしていないにもかかわらず、とにかく受信料をいただく対象者数というのは、本来受信契約を結ぶべき対象者、どのくらいあるんでしょうか。そして、その対象者は増加しているのか、横ばいで固定的な状況になっているのか、まずここから伺いたいと思います。
#273
○参考人(塚田祐之君) 受信契約対象数ですけれども、平成二十六年度末で、世帯で四千六百四十三万件、事業所で三百八十万件、合計五千二十三万件と推計しております。この推移ですけれども、二十四年度末が五千四万件、二十五年度末が十一万件増の五千十五万件、二十六年度末が八万件増の五千二十三万件と、以上のように推移しているというふうに推計しております。
#274
○主濱了君 微増といいますか、固定に近いと言ってよろしいんでしょうか。
 こういう中で、受信料徴収のNHK自体、NHK本体の体制と、それから実際にいただいてくる委託、地方で委託をするわけですけれども、その委託の状況についてざっと、一気に伺いたいと思いますが、一つには、NHK自体、NHK本体の徴収体制はどうなっているのか、NHK本体ではどんな仕事をしているんですかというのが第一点です。
 それから、委託の状況はどうなっているか、どのような仕事を委託をしているのかということ。地域スタッフというのが今回の予算の中にのっておりますけれども、地域スタッフが二千六百人から二千百人に減少しているんですよね。この地域スタッフとその徴収の委託件数というのは同じなんでしょうか。結局、収納体制は今後縮小される可能性があるのかどうかということですね。この徴収の実態と徴収体制の方向性を示してもらいたいということ。
 それから、委託先というのは、個人なのか法人なのか、どういう契約内容になっているか。ここまで一気にお伺いをいたしたいと思います。
#275
○参考人(塚田祐之君) 三点のお尋ねだと思います。
 まず一点目ですけれども、NHKの営業職員ですけれども、契約収納業務を委託している地域スタッフや法人委託を管理する業務、民事手続に関する業務、事業所対策に関する業務、受信料の理解を促進する業務を主に担当しております。このため、職員は必要に応じて委託先の指導、育成のために、委託先とともに契約収納業務を行うことや、大規模な事業所や民事手続の対象者の対策を行っています。
 二点目のお尋ねの契約収納体制です。契約収納業務につきましては、基本的には外部に委託しています。委託先は、個人と法人の二種類となっています。委託内容としましては、個人、法人ともに地域を担当し、契約収納業務を行うものとなっています。なお、法人の中には、不動産会社など、地域を担当せず、顧客に対して受信契約に関する手続を行うものもあります。二十七年度予算では、個人である地域スタッフは二千百人、法人については三百六十八地区を計画しています。
 三点目のお尋ねです。平成二十七年度予算では、地域スタッフを五百人削減する一方で、法人委託を拡大する計画というふうにしております。契約収納業務においては、これまでも地域スタッフを削減し、法人委託を拡大することで訪問要員体制を効率的に強化してきておりまして、これにより支払率についても着実に向上させています。
 今後も、委託先であります地域スタッフや法人事業者との協力を図りながら更なる公平負担の徹底と効率的な業務体制の構築を図っていきたいというふうに考えております。
#276
○主濱了君 あと、受信料の法的な性格であるとか様々な点、準備しておりましたけれども、それは後日に譲りたいと思います。
 終わります。
#277
○委員長(谷合正明君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#278
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、NHK二〇一五年度予算に対して反対の討論を行います。
 籾井会長の発言に対する視聴者・国民の批判の声はますます強いものとなっています。
 放送法第一条は、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること等を目的、規定しています。また、放送法におけるNHKの規定は、政府からの独立への配慮をその趣旨としています。
 昨年一月の就任会見での籾井NHK会長の発言は、放送法への不理解が露呈したものであるとともに、日本軍慰安婦問題などの歴史を歪曲する発言は会長としての資質が問われるものでした。これに対して籾井会長は、本委員会でも、こうした一連の発言を取り消す、個人的な見解を放送に反映することはないと繰り返してきました。
 ところが、今年二月、籾井会長は、戦後七十年の節目に慰安婦問題を取り上げるかと問われ、政府のスタンスが見えないので慎重に考えると発言しました。これは個人的な見解を放送に反映しないという昨年の弁明に全く反するものです。さらに、政府のスタンスが見えないと放送できないというのは、NHKの政府からの独立どころか、政府広報機関に成り下がることを宣言したともいうべき決して見過ごせないものです。だからこそ、会長の辞任、罷免を求める視聴者・国民の厳しい声が広がっているのです。
 また、籾井会長のハイヤー私的使用とNHKの代金立替払、及びこれに毅然と対処し得ない監査委員会、経営委員会の責任も重大です。
 こうした下で、NHKの二〇一五年度予算を承認することはできません。
 NHK及び経営委員会には、国民・視聴者の声に真摯に向き合うことを求め、討論を終わります。
#279
○又市征治君 私は、社会民主党を代表し、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件、いわゆるNHKの二〇一五年度収支予算、事業計画及び資金計画の承認に反対の立場から討論を行います。
 二〇一五年度のNHK予算案は、NHKビジョン二〇一五―二〇二〇を踏まえた新しい経営三か年計画に基づく初年度の予算です。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、NHKを取り巻く様々な環境が変化していく中で、NHKのあるべき将来像をいかに描いていくかが大きな課題の一つとなっています。
 そうした中、大幅に強化された国際放送の在り方、公共放送から公共メディアへの転換、NHKの公共的機能の検証、インターネット活用業務の在り方、新たな受信料制度の検討、4K、8K放送と国民負担の在り方など、国民的に論議すべき多くの課題が残されており、また、沖縄を始めとする米軍軍人軍属の受信料未徴収問題や法人委託の拡大と地域スタッフの削減等の問題もあります。本来、こうした予算の中身について真摯に議論することが求められておりました。
 しかるに、審議では、村山談話や従軍慰安婦問題について政府の姿勢をおもんぱかったかのような籾井会長の一連の発言の問題、また籾井会長の私的ゴルフのハイヤー代公私混同疑惑、「クローズアップ現代」のやらせ疑惑、外郭団体への恣意的な調査などが大きな焦点となりました。
 籾井会長が幾ら放送法に基づいて不偏不党、公平公正の立場で頑張ると繰り返しても、視聴者・国民の公共放送に対する信頼をおとしめたことは間違いありません。
 執行体制と予算は密接不可分であり、公共放送の会長としての資質に欠けている籾井会長及びNHK執行部への監督責任を果たし得ているとは言い難い経営委員会、監査委員の下では、ガバナンスの欠如に加え、公共放送への信頼失墜のおそれが拭えないことから、本件を承認することはできません。
 最後に、本来全会一致であるべきNHK予算について二年連続で全会一致が崩れるのは二〇〇五年度、二〇〇六年度以来のことです。この重みを籾井会長を始めとした経営側はしっかりと受け止め、自らの進退を明らかにし、混乱を収拾されんことを重ねて強く求め、反対討論を終わります。
#280
○委員長(谷合正明君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#281
○委員長(谷合正明君) 可否同数と認めます。よって、国会法第五十条後段の規定に基づき、委員長において本件に対する可否を決します。
 本件については、委員長はこれを可と決し、承認すべきものと決定いたします。
 この際、石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
#282
○石上俊雄君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、維新の党、日本共産党、無所属クラブ、社会民主党・護憲連合及び生活の党と山本太郎となかまたちの各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府及び日本放送協会は、協会に対する国民・視聴者の信頼に基づき、公共放送の使命を全うできるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。
 一、協会は、会長の言動等により、国民・視聴者から厳しい批判が多数寄せられ、信頼が揺らいでいる現状を重く受け止め、かかる事態の一刻も早い収束と信頼回復に向け一丸となって全力を尽くすこと。
   また、不祥事の頻発を踏まえ、綱紀を粛正し、コンプライアンスの徹底に努めるとともに、公共放送を担う者としての役職員の職業倫理を高め、組織一体となって信頼確保に取り組むこととし、その取組状況については、広く国民・視聴者に分かりやすく、丁寧に説明すること。
 二、協会の役職員は、公共放送に携わる者として、協会の名誉や信用を損ねるような発言や行動は厳に慎むこと。
 三、経営委員会は、協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対する実効ある監督を行うことなどにより、国民・視聴者の負託に応えること。
   また、会長の選考については、今後とも手続の透明性を一層図りつつ、公共放送の会長としてふさわしい資質・能力を兼ね備えた人物が適切に選考されるよう、選考の手続の在り方について検討すること。
 四、監査委員会は、放送法に定められた調査権限を適切に行使し、役職員に対する監査機能を十分に発揮すること。
   また、経営委員会は、役職員に不適切な行為がある場合には、監査委員会と十分に連携しながら、時宜を失することなく厳格に対処すること。
 五、政府は、協会が放送法に基づき公共の福祉と文化の向上への寄与を目的として設立された公共放送事業体であることを踏まえ、公共放送が自律を保障されるように放送法を運用すること。
   また、経営委員の任命に当たっては、職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、全国、各分野を考慮して幅広く選任するよう努めること。
 六、協会は、我が国の公共放送としての社会的使命を認識し、国民・視聴者の多様な要望に応えるとともに、放送の不偏不党、真実及び自律を確保すること。
   また、放送番組の編集に当たっては、政治的公平、事実を曲げない報道、意見が対立している問題についてできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなど、放送法の原則を遵守すること。
 七、国際放送については、我が国の経済・社会・文化等の動向を正しく伝えることが、これまで以上に重要度を増していることを踏まえ、一層の充実を図ること。特に、協会が行う外国人向け映像国際放送については、我が国の文化・経済活動等に係る情報発信の拡大を図り、番組内容の充実、国内外における国際放送の認知度の向上等に努めること。
 八、協会は、受信料により支えられていることを十分自覚し、国民・視聴者に対するサービスの低下を招かないよう配慮しつつ、業務の確実な実施及び更なる効率化等の取組を適切に行い、収支予算、事業計画及び資金計画の確実な達成に努めること。
   また、政府は、その取組が確実に実施されるよう配意すること。
 九、協会は、公共放送の存在意義と受信料制度に対する国民の理解の促進と信頼感の醸成に努めつつ、公平負担の観点から、受信料支払率の一層の向上に努めること。
   また、受信料制度の在り方については、コスト構造、視聴行動の変化、技術革新の動向等を踏まえ、広く国民の理解が得られるよう検討すること。
 十、協会は、子会社の相次ぐ不祥事等を踏まえ、グループとしてのガバナンスを強化し、子会社等からの適切な還元を図るとともに、重複業務の整理等を推進し、透明性の高い効率的なグループ経営を構築すること。
 十一、現状の放送においては障がい者、高齢者に対し、必ずしも十分な情報が伝達されていないため、デジタル・ディバイドの解消が喫緊の課題であることから、字幕放送、解説放送、手話放送等の一層の充実を図ること。
 十二、地上デジタル放送への完全移行後の暫定的措置の終了に当たっては、確実に周知広報を行うとともに、国民・視聴者からの問合せに対しては適切に対応すること。
 十三、協会は、首都直下地震や南海トラフ地震等に備え、本部やその代替機能を担う大阪局等の放送局の機能や運用・実施体制の強化を図ること。
   また、東日本大震災の復興に資する震災報道と震災の記録の伝承に特に配意すること。
 十四、受信料で運営されている特殊法人である協会は、役職員の給与制度や子会社等の運営の状況、調達に係る取引等について、国民・視聴者に対する説明責任を十分果たすこと。
   その観点から、新放送センターの整備計画は、その具体的内容を速やかに明らかにすること。
 十五、協会は、受信料で実施するインターネット活用業務について、放送法に定められた公共放送としての協会の目的に照らしつつ、市場競争への影響、受信料負担の公平性及び透明性の確保等に十分留意して実施すること。
 十六、協会は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される平成三十二年を見据え、スーパーハイビジョンの実用化に向けた研究開発、普及促進等に積極的に取り組み、公共放送として先導的役割を果たすこと。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#283
○委員長(谷合正明君) ただいま石上君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#284
○委員長(谷合正明君) 全会一致と認めます。よって、石上君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、高市総務大臣及び籾井日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市総務大臣。
#285
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
#286
○委員長(谷合正明君) 籾井日本放送協会会長。
#287
○参考人(籾井勝人君) 日本放送協会の平成二十七年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。
 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹を成すものでございますので、それを十分踏まえて業務執行に万全を期したいと考えております。
 本日はありがとうございました。
#288
○委員長(谷合正明君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#289
○委員長(谷合正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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