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2015/05/22 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 本会議 第20号
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2015/05/22 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 本会議 第20号

#1
第189回国会 本会議 第20号
平成二十七年五月二十二日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十号
  平成二十七年五月二十二日
   午前十時開議
 第一 水銀に関する水俣条約の締結について承
  認を求めるの件(衆議院送付)
 第二 農林水産省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、個人情報の保護に関する法律及び行政手続
  における特定の個人を識別するための番号の
  利用等に関する法律の一部を改正する法律案
  (趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、食品安全委員会委員、国家公安委員会委員、預金保険機構理事、公害等調整委員会委員、日本銀行政策委員会審議委員、労働保険審査会委員、中央社会保険医療協議会公益委員、運輸審議会委員及び原子力規制委員会委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、食品安全委員会委員に佐藤洋君、石井克枝君、堀口逸子君及び村田容常君を、公害等調整委員会委員に山崎勉君及び野中智子君を、労働保険審査会委員に渡邉英寿君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#4
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#5
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#6
○議長(山崎正昭君) 次に、食品安全委員会委員に吉田緑君を、預金保険機構理事に井上美昭君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#7
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#8
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百二十九  
  反対               六  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#9
○議長(山崎正昭君) 次に、食品安全委員会委員に山添康君を、日本銀行政策委員会審議委員に布野幸利君を、運輸審議会委員に松田英三君を、原子力規制委員会委員に更田豊志君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#10
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#11
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成            二百十九  
  反対              十七  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#12
○議長(山崎正昭君) 次に、国家公安委員会委員に北島信一君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#13
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#14
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            百五十九  
  反対             七十六  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#15
○議長(山崎正昭君) 次に、預金保険機構理事に小幡浩之君を、中央社会保険医療協議会公益委員に荒井耕君及び野口晴子君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#16
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#17
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百三十四  
  反対               二  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#18
○議長(山崎正昭君) 次に、原子力規制委員会委員に伴信彦君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成            百五十五  
  反対             八十二  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(山崎正昭君) この際、日程に追加して、
 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国務大臣山口俊一君。
   〔国務大臣山口俊一君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(山口俊一君) 個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 個人情報の保護を図りつつ、近年の飛躍的な情報通信技術の進展に対応したパーソナルデータ及び個人番号の適正かつ効果的な活用を積極的に推進をすることにより、活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するために、個人情報の範囲を明確にするとともに、個人情報を加工することにより安全な形で利活用できるようにする匿名加工情報の取扱いについての規律を定め、これら個人情報等の取扱いに関し監督を行う個人情報保護委員会を設置をするほか、預金等に係る債権の額の把握に関する事務を個人番号利用事務に追加する等、個人情報等に係る制度について所要の改正を行う必要があります。
 次に、法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、個人情報の範囲を明確にするため、特定の個人の身体の一部の特徴を変換をした符号、個人に発行される書類に記載をされた符号等のうち政令で定めるものが含まれるものを個人情報に位置付けることとしております。
 第二に、本人に対する不当な差別又は偏見が生じないように人種、信条、社会的身分、病歴等が含まれる個人情報の取扱いについての規定を整備をすることにしております。
 第三に、安心、安全なパーソナルデータの利活用を推進をするため、特定の個人を識別をすることができないように個人情報を加工し、かつ、その個人情報を復元できないようにしたものを匿名加工情報と定義をし、その加工方法を定めるとともに、その取扱いについての規定を整備をすることとしております。
 第四に、近年深刻化している個人情報漏えい事案への対応として、個人情報の第三者提供を受ける際に取得経緯等の確認及び記録の作成等を義務付けるとともに、不正な利益を図る目的により個人情報データベース等の提供をした際の罰則を整備をすることにしております。
 第五に、個人情報の適正な取扱いを確保すべく、その取扱いを行う事業者等を一元的に監視、監督する体制を整備をするために、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律を根拠とする特定個人情報保護委員会を改組して個人情報保護委員会を設置をすることとし、その組織や所掌事務等についての規定を整備をすることにいたしております。
 第六に、企業活動のグローバル化に伴う個人情報の適正かつ円滑な流通を確保するため、外国にある第三者に個人データを提供する場合についての規定を整備をするとともに、外国事業者等が、国内にある者に対する物品又は役務の提供に関連して取得をした個人情報を外国において取り扱う場合についての規定を整備をすることにいたしております。
 第七に、個人番号の利活用を推進をするため、預金保険機構における預金等に係る債権額の把握に関する事務や健康保険組合が行う特定健康診査に関する事務等における個人番号の利用など、個人番号の利用範囲を拡充するとともに、地方公共団体が個人番号を独自に利用する場合における情報提供ネットワークシステムを利用した情報連携等について所要の規定を整備をすることにいたしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うことにいたしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。上野通子君。
   〔上野通子君登壇、拍手〕
#25
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。
 私は、自由民主党、公明党を代表しまして、ただいま議題となりました個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について、山口大臣に質問いたします。
 本法案は個人情報保護法とマイナンバー法の改正から成り立っていますが、どちらも利活用の促進と個人情報の保護をいかに両立するかという点が主題となっています。経済の活性化や行政サービスの効率化のためには、個人情報を適切に使えるような仕組みが必要です。他方、個人情報を勝手に利用されたり、悪用されたりする事態は防がなければなりません。
 この二つを両立するためには、まず個人情報の定義が明確でなければなりません。個人情報に当たるか否かが明確でないグレーゾーンが多ければ、個人情報を使う側にとっても、守る側にとっても不安が広がってしまい、萎縮効果や過剰反応が生じかねません。また、技術の進歩とともに、何が個人情報に当たるのかも常に見直していく必要があります。
 そのため、本法案では、個人情報をより詳細に定義するとともに、個人識別符号について該当するものを政令で定めることになっています。法律よりも政令の方がより具体的に、かつ臨機応変に書けますから、政令で定めるのは適切な措置だと考えます。ただし、政府においては、できるだけ実態に即した、万人に分かりやすい言葉で定義を書いていただきたいと思います。個人情報の定義の明確化について、政府としての考え方を伺います。
 さらに、個人情報の定義を明確にすることに加えて、それを事業者や国民に広く周知することも重要です。特に私は、教師としての経験から、学校での取組が大切だと考えます。学校における情報モラル教育を充実し、その一環として、未成年の段階から個人情報保護について理解を深めるべきだと考えます。そのことが国民全体の情報リテラシーの底上げにつながるからです。
 そこで、政府として、個人情報保護についての理解を深めるために、青少年の段階からどのような啓発活動が重要と考えておられるのか、お伺いします。
 次に、個人情報の利用方法に問題があった場合の苦情や相談の処理について伺います。
 本法案では、個人を特定できないようにしたビッグデータの利用や、個人情報の利用目的の変更について、利用促進という観点からの改正が行われます。これによって新たな産業の創出などの効果が期待できるわけですが、一方、新たなビジネスにはトラブルも付き物です。
 利活用の拡大に伴って消費者からの苦情や相談が増えることも十分に予想されますが、苦情や相談の処理について今後どのように体制を強化していくのか、お尋ねします。
 最後に、法案のもう一つの柱であるマイナンバーについて伺います。
 いよいよ今年十月から、住民票を持つ全ての人を対象にして個人番号の通知が始まります。これは子供も対象となりますが、まだ判断能力が十分でない子供が不用意に自分の番号を他人に知らせてしまうことがないよう細心の注意が必要です。
 本法案では、医療や金融分野でのマイナンバーの利用拡大が行われます。今後、利用範囲の更なる拡大も検討されます。利用範囲の拡大に伴い、未成年の個人番号を保護する対策の重要性も増してくると考えますが、政府の取組をお尋ねします。
 さて、今年の十月以降、個人番号が身近な存在になるに従って、我々の日常生活の中で個人情報の保護について判断が迫られる場面が増えてきます。政府としても是非十分な対策を講じていただくことをお願いいたしまして、私からの質問とさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣山口俊一君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(山口俊一君) 上野通子議員にお答えをいたします。
 個人情報の定義の明確化に関する政府の考え方についてのお尋ねがございました。
 今回の法案は、情報通信技術の進展を踏まえ、パーソナルデータの利活用を促進をする観点から、新たに個人識別符号という類型を定めまして、事業者等が萎縮をしないように法律の保護対象を明確化をするというふうなことにいたしております。この個人識別符号を具体的に政令で定めるに当たりましても、社会実態等もしっかり踏まえて、その規定ぶりも含めてできる限り明確になるように努めてまいります。
 青少年に対する個人情報保護に関する啓発活動についてお尋ねがございました。
 ICTが国民の生活等にとっても不可欠な社会基盤となっている中、政府としても国民全体の情報リテラシーの向上が重要と認識をしております。
 特に、青少年に関しては、自分の個人情報がどのように事業者に利用されているのか、また、自分の個人情報を守るためにどのような手段があるのかといった点につきまして、具体的な事例も示しながら丁寧に啓発をしていくことが重要と認識をいたしております。
 個人情報に関する苦情、相談の処理体制についてのお尋ねがございました。
 今回の法案によりまして新たに設置をする個人情報保護委員会におきましては、国民からの個人情報に関する苦情、相談を円滑に処理できますように、人員等を含め体制を強化をするとともに、認定個人情報保護団体あるいは国民生活センターなどと連携協力を図ることによって苦情処理に万全を期してまいりたいと考えております。
 未成年の個人番号を保護するための政府の取組についてお尋ねがございました。
 本年十月から未成年を含む全住民へのマイナンバーの通知が始まり、来年一月から社会保障、税、災害対策の各分野の行政事務でマイナンバーの利用が開始をされることから、未成年者につきましても、制度の周知、広報が大変重要と考えております。
 政府としても、今後、きめ細やかな広報を推進をしていくに当たりまして、未成年者を念頭に分かりやすい広報資料を作成をし、SNSなど若者向けのメディアを活用した広報を行うとともに、今後、各学校などにおいても制度についての周知が行われるように働きかけるなど、未成年者への効果的な広報を実施をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(山崎正昭君) 大久保勉君。
   〔大久保勉君登壇、拍手〕
#28
○大久保勉君 民主党・新緑風会の大久保勉です。
 ただいま議題となりました個人情報保護法案及びマイナンバー法改正法案について、会派を代表して質問させていただきます。
 二〇一一年二月に、ダボス会議で有名な世界経済フォーラムは、パーソナルデータ・新たな資産の誕生というレポートの中で、パーソナルデータは新しい石油である、二十一世紀の価値ある資源であると表明しました。
 今回の個人情報保護法の改正は十年ぶりの大改正です。この間、世界はコンピューター時代からパーソナルデータなどのビッグデータ時代に変わろうとしています。同法が個人情報の保護と利活用のために十分な対策を盛り込んだ内容になっているのか、またパーソナルデータをめぐる世界的な競争の中で日本政府の対応は十分であるかという観点で、以下質問します。
 安倍内閣は、二〇一三年六月十四日に、世界最先端IT国家創造宣言を閣議決定しました。その中心的な役割を担う山口IT担当大臣の職務に関して質問します。
 山口大臣の担当分野は幾つあるのでしょうか。ちなみに、内閣府ホームページ英語版に記載されている山口大臣の担当職務は七つあります。沖縄及び北方担当、消費者及び食品安全担当と続く中、IT政策は五番目に記載されております。世界最先端を宣言する国のIT担当大臣の職務がその程度の優先度であれば、世界中に間違ったメッセージを与えます。本当にIT分野で世界最先端を目指すならIT専任大臣を設けるべきと考えますが、菅官房長官に御所見を伺います。
 今回の個人情報保護法案は、ベネッセ事件で名簿屋による個人情報の漏えい問題が明らかになり、その対策が盛り込まれております。個人情報の定義を明確化して一層の個人情報保護を図る必要がある一方、ビッグデータなど匿名加工したデータの利活用を促進するという二つの相反する要素に対して、いかに折り合いを付けていくかが最大のポイントです。
 第三者機関である個人情報保護委員会を設置して、利害の調整を図ろうという試みは評価できますが、個人情報保護委員会の組織や機能の詳細は政省令に譲るという点は不安が残ります。また、国の各分野の主務大臣権限を個人情報保護委員会に集約して、一元的に個人情報の保護と利活用を図るとされています。極めて強い権限が個人情報保護委員会に付与されている以上、適切な説明責任が課されるべきです。同委員会の決定事項のみならず、その決定に至った同委員会の議事録は速やかに公開されるのか、山口担当大臣に質問します。
 あわせて、委員長や専門委員の強い権限とバランスを取るためには、利害関係者との接触、利益相反行為に対して強い行為規制を掛けるべきと考えますが、御所見をお尋ねします。
 次に、パーソナルデータの越境移転に関して質問します。
 EUでは、域内の個人情報の移転を許可する国の基準として、独立性の強い情報保護機関の設置等、十分な個人情報保護制度が確立していることが条件です。そのため、EU進出の日系企業は、子会社の顧客情報、従業員情報を日本で一元管理することができず、現在、競争上不利な状態にあります。そこで、今回の改正法で、EUの十分性認定基準を取得するために今後どのような手続とどのくらいの時間が掛かるか、山口担当大臣に質問します。
 次の課題として、日本人の個人情報をEUと同様に日本政府がしっかり守っていくべきという観点から質問します。
 今回の法案では、パーソナルデータの越境移転に関し、企業間の契約並びにグループ企業の規則等で十分な保護が担保されておれば外国事業者への移転を認めるという仕組みを導入しています。外国事業者との契約が、日本法かEU等の十分な個人情報保護制度を持つ国の法律を準拠法としない限り個人情報保護の強制ができません。この点に関する政府の認識を山口担当大臣に質問します。
 匿名加工情報に関する質問をします。
 個人情報から特定の個人を識別することができる記述を削除し、当該個人情報を復元することができないよう加工すれば第三者への提供が可能となっております。個人を識別できなくても、特定の会社構成員、政党構成員、団体構成員等の匿名加工情報を第三者が知ると、当該会社、政党、団体は大きな損害を被るおそれがあります。特定の法人、団体の匿名加工情報の第三者提供は事前の承諾がある場合を除いて禁止できるか、山口担当大臣に質問します。
 マイナンバー制度導入のロードマップと実施上の問題に関して質問します。
 ロードマップでは、二〇一七年七月よりマイナポータルの地方自治体との連携が開始します。全国の地方自治体を巻き込む一大ITプロジェクトです。予定どおり全国の地方自治体で同時に開始することができるか、また、そのため政府はどのような対策を行っているのか、高市総務大臣に質問します。
 マイナポータルで個人はインターネットを通じて簡単に公的個人認証が可能になる一方、悪意を持った第三者が侵入してくるリスクもあります。情報連携に多くの地方自治体も参加しますので、サイバーセキュリティーの点で脆弱性があると指摘もあります。政府のマイナポータル全体のサイバーセキュリティーに関して、今後の対策と必要予算、人員に対して山口担当大臣に質問します。
 インターネット等のサイバー空間での個人情報保護に関して質問します。
 近年、日本国内でもインターネット検索、電子商取引、SNS等の利用が進み、私たちのパーソナルデータが知らず知らずに蓄積されています。
 二〇一〇年十月、当時グーグル社のCEOであったエリック・シュミット氏は、米国の経済誌のインタビューの中で、我々はあなたがどこにいるか知っている、どこにいたかも知っている、あなたが考えていることもおおよそ把握していると語りました。また、米国シリコンバレーの格言には、あなたがそれにお金を払わないなら、あなたはもはや顧客ではなく、あなたが商品として売られるだけだというものがあります。
 インターネット検索、電子商取引、SNS等は、一握りの米国巨大IT企業が独占しており、全世界のパーソナルデータがそれらの米国企業に集積されつつあります。個人情報保護やEU域内のIT企業の育成の立場から、EUはこのことに強い危機感を持ち、その結果、前述の十分性認定取得基準や忘れられる権利の裁判、グーグル社に対する独占禁止法の適用とつながっております。このようなEUの危機意識を日本国政府も共有すべきと考えますが、菅官房長官に御所見をお尋ねします。
 さらに、忘れられる権利確立のために民法等関係法令を将来改正すべきと考えますが、上川法務大臣の御所見をお尋ねします。
 また、EU同様に、インターネット検索等、日本における独占禁止法適用の可能性とその要件に関して杉本公正取引委員長にお尋ねします。
 安倍首相は、本年三月二十七日、参議院予算委員会で、政府のインターネット検索利用に関して、検索ワードやアクセス先等を大量に収集し分析することにより、政府組織の傾向が推定される可能性があることが指摘されていることは承知しており、情報の適正管理の在り方について不断の見直しを行うことは極めて重要であると答弁されました。後日、質問主意書で明らかになったことは、インターネット検索の利用について、閲覧履歴データの削除等、いわゆるクッキーに対する取扱規則は作成しておらず、またインターネット検索利用に対する取扱ガイドラインも作成していないことです。
 予算委員会での安倍総理や菅官房長官の懸念表明にもかかわらず、これらの点に対して何ら対策を打てていないのは政府の怠慢ではないのでしょうか。早急に関係者に具体的な対策を練るように指示すべきと考えますが、菅官房長官の御所見をお尋ねします。
 今年の税制改正で、電子書籍や音楽ダウンロード等、インターネット配信に関する消費税に関して、国内事業者と海外事業者の不公平が是正されることとなりました。具体的には、国内外判定基準を変更し、海外事業者の日本国内居住者のインターネット配信に消費税を課税することとなりました。昨年秋に、私ども民主党並びに野党各党が共同して議員立法を参議院に提出したことで、政府に対応を迫った一面もあります。
 税法上の国内外判定基準の見直しと同様に、インターネット検索、電子商取引、SNS等に関する日本国内利用者のパーソナルデータ取得に関して、グーグルや他のIT企業の利用規約の準拠法を日本法と定めるように強制することが可能であるか、山口担当大臣に質問します。
 もしこのことが可能でないとするならば、どのような立派な個人情報保護法制を作ったとしても、インターネット等サイバー空間では絵に描いた餅にすぎないと指摘しておきます。
 最後に、政府の対応に苦言を申し上げたい件があります。
 四月二十二日、ドローンが官邸屋上のヘリポートに落下していることが明らかになりました。今、政府・与党は、ドローン運航規則等法的対策を取るべく、ドローンに対するまさに泥縄の対策を行っております。
 私は、この事件の一か月以上前の三月九日にドローンに関する質問主意書を提出しました。ドローンを使った航空撮影、警備及び配達等、商業利用を検討する動きもあり、航空法、道路交通法、民法、個人情報保護法及び電波法等、既存の法体系との調整を速やかに行う必要が生じていることを指摘して、三項目の質問を行いました。
 それに対する安倍総理の答弁は、いわゆる小型無人機の日本国内での販売及び利用規模について、全体としては把握していないと他人事のような回答で、また、米国連邦航空局が平成二十七年二月十五日に小型無人機に関する規則案を公表したことについては承知しているが、政府としては、いわゆる小型無人機に関する法整備及び規制については、ロボット新戦略において、運用実態の把握を進め、公的な機関が関与するルールの必要性や関係法令等も含め、検討を進めていくと、世界最先端IT国家の対応とは思えないほど具体性に欠くものでした。
 ドローンの急速な技術革新や利用規模等への不十分な認識と法的対策の遅れが今回の事件を誘発したという認識が政府にあるのか、菅官房長官に質問します。
 今回の事件に関して、あつものに懲りてなますを吹く方式の過剰規制となり、日本の技術革新を止めることにならないように政府・与党に警告して、私の代表質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣山口俊一君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(山口俊一君) まず、私の方から大久保議員にお答えをさせていただきます。
 個人情報保護委員会の議事録の公開についてお尋ねがございました。
 委員会の運営規程につきましては、個人情報保護委員会の設置後に定めることとしておりまして、議事録の取扱いにつきましても、運営規程の作成段階におきまして、海外のデータ保護機関等における取扱いも参考としながら検討することといたしております。
 個人情報保護委員会の委員長や専門委員による利害関係者との接触や利益相反行為に対する行為規制についてお尋ねがございました。
 今回の法案におきましては、他のいわゆる三条委員会と同様に、委員長について、利害関係者を含むいかなる主体からも独立をしてその職権を行使をするとして、営利目的の業務に従事すること等を禁止をすることにいたしております。
 また、委員長及び専門委員について、秘密保持義務及び当該義務違反への罰則を設けているところでありまして、委員長や専門委員による利害関係者との接触や利益相反行為に対する行為規制につきましては、十分に整備をされているものと認識をいたしております。
 EUの十分性認定の手続と取得に必要な時間についてのお尋ねがございました。
 EUの十分性認定の基準につきましては、明確に示されたものはありませんが、これまで公表されている資料等から、基準となるものと推測をされる独立した第三者機関の設置など、主要な項目につきましては今回の法案において対応いたしております。
 認定を取得をするに当たりましては、今回の法案の施行後に、我が国として欧州委員会にその旨を公式に要請をする必要がありますが、今後も欧州側との情報交換に努めてまいりたいと思います。
 なお、今回の法案により、実際にEUの十分性認定の基準を満たしているか、取得までどの程度の時間を要するかにつきましては、今後の欧州委員会との十分性認定取得に向けた取組の中で明らかになっていくものと考えております。
 外国にある第三者への個人データの提供に関する契約について、日本法等を準拠法としない限り個人情報の保護を強制できないのではないかというふうなお尋ねがございました。
 今回の法案では、提出先の外国事業者との契約におきまして、提出先の外国事業者が我が国の個人情報保護法に基づくものと同等の措置を講ずる体制を整備をしている場合に、国内と同様に個人データを提供することを認めておりまして、どの国の法律を準拠法にするかにかかわらず、当該外国事業者における個人情報の保護は確保されるものと考えております。
 特定の法人、団体の匿名加工情報の第三者提供は、事前の承認がある場合を除いて禁止できるのかというふうなお尋ねがございました。
 個人情報保護法は、個人の権利利益を保護することを目的とするものでありまして、匿名加工情報の取扱いにつきましても、その目的を達成をする範囲で事業者に義務を課すものといたしております。したがいまして、その個人が所属をする法人等の権利利益を保護することまで求めるものではなくて、第三者提供に当たって法人等からの事前の承諾を事業者に義務付けをすることはできないというふうに考えております。
 マイナポータル全体のサイバーセキュリティー対策及び必要な予算、人員に関してお尋ねがございました。
 マイナポータルの構築、運用に当たりましては、サイバーセキュリティーの確保が極めて重要な課題と考えておりまして、内閣サイバーセキュリティセンターの作成をしました情報セキュリティに関する政府統一基準に沿いまして、必要なファイアウオールを設けるなどの対応を行うことにいたしております。
 また、内閣サイバーセキュリティセンターと政府内のマイナポータルの設計、開発を担当する部署やマイナポータルに接続をする各機関が連携をして、マイナポータル全体において万全のサイバーセキュリティー対策が講じられますように、引き続き必要な予算と人員の確保に努めてまいりたいと考えております。
 インターネットを通じた各種サービスの利用規約の準拠法に関するお尋ねもございました。
 一般に、契約の準拠法につきましては、国際的にも、当事者自治の観点から、当事者間の合意に基づいてどの国の法律を準拠法とするかを定めることができるというふうにされております。インターネットを通じた各種サービスを利用する際の利用規約につきまして、当事者間の合意によらず、法律等において準拠法をあらかじめ日本法と定めるように強制をすることは大変困難であろうと考えております。
 他方、今回の法律におきましては、日本国内の利用者の個人情報を取得をする外国の事業者に対して、我が国の個人情報保護法の適用を可能とする規定を設けておりますことから、外国におきまして不適切な個人情報の取扱いがされた場合に、個人情報保護委員会が是正を求めて指導等を行うことが可能になるというふうに考えております。
 私の方からは以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(菅義偉君) IT政策担当大臣の専任化についてのお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、情報通信技術の進展に伴い、政府におけるIT政策の重要性が高まっていることは認識をいたしております。
 一方、IT政策と関連が高い科学技術政策や宇宙政策、さらには個人情報保護の観点から、消費者行政を一体的に担当することで政策の効果が高まるものと承知をしております。
 IT政策担当大臣の任命については、任命権者たる内閣総理大臣が、IT政策の重要性を勘案しながら、内閣全体のバランスを考慮し、山口大臣にIT政策を分担させることとしたものであります。
 EUの危機意識を共有すべきであるとのお尋ねがありました。
 我が国の経済活動等のグローバル化が進展する中で、個人情報保護の在り方については、近年の米国のIT企業をめぐるEUの様々な動向も参考としながら、グローバルなレベルで対応すべき課題であると認識しております。
 このような観点から、今回の法案におきましても、日本国内の利用者の個人情報を取得する外国事業者に対し、我が国の個人情報保護法の適用を可能とする規定等を設けることといたしております。
 政府におけるインターネット検索サービスの利用の在り方についてお尋ねがありました。
 インターネット検索サービス等を利用する場合、サービスを扱う会社は、いわゆるクッキーに限らず、利用者端末から様々な情報を収集し、特定、追跡することが技術的に可能であると認識しております。
 政府としては、情報の適正管理の観点から、これらのサービスを利用する際に要機密情報を取り扱うことを禁止しているほかに、必要に応じ、検索を行った職員や所属部署等が特定されないための技術的な対策を講じることといたしております。また、このような対策を徹底するために、杉田官房副長官を議長として、各府省庁の官房長クラスを構成員とするサイバーセキュリティ対策推進会議において注意喚起を行っています。
 今後とも、多角的な観点からの検討を継続的にしていくことが必要であるというふうに考えています。
 ドローンへの対策の遅れについてお尋ねがありました。
 総理大臣官邸は国家の行政機関の中枢であることから、これまでもあらゆる事態を想定し警備に当たってきたところでありますけれども、今回、結果としてこのような事案が発生したことについては重く受け止めております。
 いわゆるドローンを始めとする小型無人機対策については、政府として、本年二月の十日に日本経済再生本部で決定されたロボット新戦略に基づいて、運用実態の把握を進め、公的な機関が関与するルールの必要性や関係法令等も含め検討を進めてきたところであります。
 そうした中で今回の事案が発生しました。直ちに関係府省庁の連絡会議を開催をし、首相官邸を始めとする重要施設の警備体制の抜本的な強化、さらには国民の生活の安全、安心を確保するための運用ルールや法規制の整備に関する当面の取組方針を取りまとめたところであります。また、与党が進めております議員立法に加え、政府としても、関係者との調整を経た上で、今国会に必要な法案を提出すべく準備を進めております。
 今後とも、政府・与党一体となってスピード感を持って取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(高市早苗君) 大久保議員から、マイナポータルと地方自治体との連携についてお尋ねがございました。
 マイナポータルと地方自治体との連携は、平成二十九年七月から開始される国と地方自治体等との間での住民の個人情報に係る情報連携の開始に合わせてスタートするもので、現在、内閣官房でシステム開発を行っております。住民へのお知らせサービスなど、地方自治体との連携によるマイナポータルを活用したサービスは、住民お一人お一人にマイナンバー制度の利便性を実感していただく上で極めて重要なものと認識をいたしております。
 総務省は、情報連携の開始に向けて、地方自治体がシステム整備等を行うに当たっての必要な情報提供や財政的支援などに取り組んでおります。
 平成二十九年七月からの情報連携と併せて、マイナポータルを活用したサービスが全国で同時に開始できるよう、内閣官房と協力しながら、今後も地方自治体に対し適時適切な情報提供など必要な取組を進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣上川陽子君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(上川陽子君) 大久保勉議員にお答え申し上げます。
 いわゆる忘れられる権利の法整備の必要性についてお尋ねがありました。
 忘れられる権利は新しい概念であり、その意味するところは論者によって異なると思いますが、欧州においては、時間の経過等により不必要となった個人情報に関し、削除や利用の停止を求める権利として法制化について議論がされているものと承知をしております。そのような権利は、民法を始めとする我が国の現行法令に直接規定されているものではありませんが、名誉毀損やプライバシー侵害に該当する個人情報について、人格権に基づいた削除請求が認められる場合があるものと認識をしております。
 忘れられる権利について特別な法整備が必要か否かは、欧州を始めとする国際的な議論の動向を見守りつつ考えていくべきものと認識をしております。(拍手)
   〔政府特別補佐人杉本和行君登壇〕
#33
○政府特別補佐人(杉本和行君) インターネット検索等における巨大IT企業に対する独占禁止法適用の可能性と、その要件についてのお尋ねがございました。
 インターネット検索等における巨大IT企業が他の事業者の事業活動を排除するなど、市場における公正かつ自由な競争を制限する行為を行っていないかどうか、公正取引委員会として注視しているところでございます。
 公正取引委員会は、このような市場における競争を制限、阻害する行為が行われている場合には、独占禁止法に基づき厳正に対処してまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#34
○議長(山崎正昭君) 辰巳孝太郎君。
   〔辰巳孝太郎君登壇、拍手〕
#35
○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 初めに、共通番号法の関係について伺います。
 法案は、政府が国民に付番する共通番号の利用範囲を、預貯金口座、特定健康診査、予防接種の履歴、特定優良賃貸住宅の管理等にも広げるものです。預貯金口座への共通番号の付番は、政府が国民の資産を効率的に把握することができるようになるものです。重大なプライバシー侵害であり、絶対に認められません。
 先月二十七日に開かれた財政制度等審議会では、新たな財政健全化計画の策定に向けた社会保障費削減計画の議論が始まっています。財務省が示した案には、二〇一八年以降、全制度を通じ、マイナンバーを活用しつつ、所得だけでなく、高齢者を中心に預貯金等の金融資産も勘案して、負担能力に応じた負担を求めるとあります。個人の預貯金を狙って国の借金を減らしていこうというのでしょうか。財務大臣に伺います。
 このほかにも、高齢者を優遇している制度を速やかに見直し、マイナンバーも活用し、高額療養費の自己負担限度額を引き上げる、金融資産を勘案し、後期高齢者の窓口負担を三割に引き上げる、介護保険の利用者負担を二割に引き上げる、そして、その対象は夫婦で二千万円以上の貯蓄を有する世帯などと例示されています。共通番号で高齢者の金融資産を調べ、夫婦で二千万円の預貯金があったら、お金持ちだといって医療、介護の負担を引き上げる。これが預貯金口座に付番する本当の狙いなのではないですか。財務大臣に答弁を求めます。
 次に、特定健康診査への共通番号の利用拡大について伺います。
 いわゆるメタボ健診の検査項目には、身長、体重などの情報だけでなく、服薬歴、血液検査による糖質検査、血糖検査、肝機能検査、さらに医師の判断により行われる心電図、眼底検査、貧血検査の情報が含まれています。個人のプライバシーに関わる機微な情報です。医療情報そのものではないですか。厚労大臣に伺います。
 二年前に共通番号法案が提案され審議された際は、政府も、健診情報が機微情報であることを重視して、共通番号制度の利用範囲には入れませんでした。機微な医療情報が含まれる特定健診は共通番号と連携させるべきではありません。厚労大臣に答弁を求めます。
 更に問題なのは、圧倒的な国民がこの共通番号制度を知らないということです。
 内閣府が今年一月に行った世論調査では、共通番号制度について、内容まで知っていたと答えた人は二八・三%にすぎず、言葉は聞いたことがある四三%、知らなかったは二八・六%で、七割以上が内容について知らないと回答しています。
 共通番号は広く民間で利用されることが前提となっており、例えば、全国約四百二十一万もの事業所の従業員とその扶養家族は個人番号を勤め先に伝えることが求められます。事業者の方でも、集めた個人番号の情報漏えいなどがないよう管理しながら、税金申告や社会保険の手続に共通番号の記載が求められます。
 政府は、情報漏えいや不正利用を防止するために様々な規制や安全対策を施したとしていましたが、そうした対策を実効あるものにするためには、関係する全ての人が制度の内容やルールを正しく理解して、必要な取扱いをしてもらわなければなりません。しかし、実態は、多くの国民が制度自体知らないという状況です。このような下で共通番号制度をスタートさせるならば、情報漏えいや不正利用が横行することになりかねません。山口大臣、お答えください。
 甘利大臣、政府が予定している今年十月からの共通番号の通知は中止すべきです。そして、共通番号制度は廃止することを求めます。
 次に、個人情報保護法の関係について山口大臣に伺います。
 法案は、第一条の目的規定に、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであるとの文言を追加しています。しかし、改定案でも、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することが第一の目的であることは変わりません。衆議院での審議では、個人情報の利活用と保護のバランスとの発言が聞かれますが、個人情報の有用性とその保護は対等な立場で比較考量するものではないと考えます。大臣のお考えを伺います。
 昨年十二月の法案骨子案では、保護すべき個人情報の例示として携帯電話番号や情報端末番号が挙げられていました。ところが、携帯電話番号は保護すべき例示から外していただきたいとする経団連からの意見書が出され、法案段階では携帯電話番号は外されています。個人情報の保護よりも産業界の利益が優先されているのではないですか。答弁を求めます。
 匿名加工情報の規制について、これでは全く不十分、個人の権利利益が保護されないと、法案検討に参加してきた識者からも批判の声が上がっています。匿名加工情報を第三者へ提供するときは、提供先も含めて個人情報保護委員会への届出を義務付けなければ、匿名化が不十分な情報リストを監視できないとしています。山口大臣、見直すべきではありませんか。
 いわゆる名簿屋対策について伺います。
 今回、個人情報を第三者へ提供する際の記録保管義務やデータベース提供罪の新設など、一定の名簿屋対策が講じられました。しかし、特殊詐欺や悪徳商法などの犯罪で使われている名簿の大本を断つにはまだまだ不十分との指摘があります。国として調査を行い、名簿屋業者の実態をしっかりと把握し、更なる名簿屋の規制を検討していくことを求めます。
 今回、個人情報保護委員会の権限が強化されたものの、その権限は民間分野に限られており、公的分野の個人情報保護については総務省の所管のままとなっています。本案の附則十二条五項には、個人情報保護委員会への集約の検討とあります。衆議院の参考人からも、公的部門こそ監視が必要、第三者委員会が本来果たすべき役割だとの意見陳述が行われました。直ちに行うべきだと思いますが、見解を求めます。
 以上、幾ら規制や不正利用対策といっても、マイナンバー制度そのものがプライバシーと個人の権利を危険にさらす制度であり、このような法案は廃案にすべきだと述べて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(麻生太郎君) 財政制度等審議会において、マイナンバーも活用した社会保障の負担を求めるべきと議論をされている趣旨についてのお尋ねがあっております。
 医療や介護などの社会保障制度を維持していくためには、負担能力に応じた公平な負担を求めることが必要と私どもは考えております。
 御指摘の四月二十七日の財政制度審議会では、こうした観点から、医療・介護分野において、高齢者に対して利用者負担を求める際、マイナンバーも活用しつつ、所得のみならず預貯金等の金融資産も勘案して負担能力を判断する仕組みとする必要があるのではないかと議論がされたものであります。
 マイナンバーの預貯金口座に付番する目的についてのお尋ねもあっております。
 預貯金口座への付番につきましては、社会保障制度の所得・資産要件を適正に執行する観点や、適正、公平な税務執行という観点から、現行法で認められております社会保障の資力調査や税務調査の実効性を高めるために行うものであると承知をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣山口俊一君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(山口俊一君) 辰巳議員にお答えをいたします。
 マイナンバー制度をスタートをさせることについてのお尋ねがございました。
 マイナンバー制度は、法令に基づきまして、本年十月から番号の通知、そして来年一月から社会保障、税、災害対策の各分野の行政事務での利用が開始をされることから、情報漏えいや不正利用が横行することのないように、マイナンバーの適切な取扱いなどを含め、制度の一層の周知、広報につきまして政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
 個人情報保護法の改正に関しまして、個人情報の有用性と保護を対等な立場で比較考量するものではないのではないかというふうなお尋ねがございました。
 今回の法案における目的規定の改正というのは、既に現行法に規定をされております個人情報の有用性の具体例として、新たな産業の創出等を明示をすることにいたしたものでありまして、個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護するというふうな現行法の趣旨を変更するものではなく、引き続き、個人情報の取扱いにつきましては、その保護を前提にしつつ、利活用の促進を図ってまいりたいと考えております。
 昨年十二月の法案骨子で個人識別符号として例示をされました携帯電話番号が対象から外れたのは、個人情報の保護よりも産業界の利益を優先をしておるのではないかというふうなお尋ねがございました。
 そもそも携帯電話番号が個人識別符号に該当するかどうかにつきましては、様々な契約形態あるいは運用形態があることから、現時点におきましては一概に該当するとは言えないと判断をして、今後、政令の制定に当たりまして該当性を明確化していくというふうなことにしております。
 したがいまして、今後、政令の策定に向け、引き続き、消費者の方々あるいは産業界の方々の御意見もお伺いをしながら、携帯電話番号の個人識別符号への該当性につきまして最終的に判断をしてまいります。
 匿名加工情報を第三者に提供する際に、個人情報保護委員会への届出を義務付けすべきではないかとのお尋ねがございました。
 今回の法案におきまして新たに類型化をします匿名加工情報は、個人情報を加工して特定の個人を識別をすることができないようにしたものでありまして、個人情報そのものよりも個人の権利利益の侵害のおそれが低いものであります。
 このような情報の性質も勘案をして、事業者による公表のみで、委員会は、匿名加工情報の取扱いに疑義が生じた場合も十分対応することが可能であるというふうなことから、過度な規制とならないように、届出までは求めないというふうなことにしたものであります。
 名簿事業者の実態把握と名簿事業者に対する規制の検討についてお尋ねがございました。
 今回の法案におきまして、名簿事業者への対応も意識をして、個人情報のトレーサビリティーを確保するための第三者提供に係る記録の作成義務等を新たに導入することといたしております。
 お尋ねの名簿事業者の実態調査の実施や更なる規制の必要性につきましては、今回の措置の実施における効果等も踏まえた上で、今後、政府部内におきまして、関係省庁とも相談をしながら検討してまいりたいと思います。
 公的分野の個人情報保護につきましても、個人情報保護委員会が監督を行うべきではないかとのお尋ねがございました。
 行政機関等が保有する個人情報の取扱いに関する規制の在り方につきましては、行政機関等における匿名加工情報の取扱いに対する指導、助言等を統一的かつ横断的に個人情報保護委員会に行わせることを含め、現在、総務省において検討が行われているところというふうに承知をいたしております。
 以上です。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(塩崎恭久君) 辰巳孝太郎議員にお答えを申し上げます。
 特定健診情報へのマイナンバー利用拡大についてのお尋ねがございました。
 今回の改正は、生涯を通じた予防、健康づくりを推進するため、個人が転職や結婚等により医療保険者を異動した場合に、本人の同意を前提に、特定健診情報が円滑に引き継がれるようにするためのものでございます。
 既にマイナンバー法に位置付けられている医療保険者について利用拡大を行うものであること、特定健診情報をマイナンバー法に位置付けることにより、一般の個人情報よりも厳しい規制が掛かることなどを踏まえ、関係者の理解を得た上で進めるものであり、適切なものと考えます。(拍手)
   〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(甘利明君) 番号の通知を中止し、制度を廃止するべきではないかとのお尋ねがありました。
 御要望には沿いかねます。
 マイナンバー制度は、より公平公正な社会保障制度や税制の基盤として、また情報化社会のインフラとして導入するものでありまして、国民の利便性の向上や行政の効率化に資するものであります。
 政府といたしましては、こうした観点から、関連法案を第百八十三回国会に提出をし、国会での御審議を経て可決、成立したものでありまして、その施行に向けて準備を進めてまいります。(拍手)
#40
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#41
○議長(山崎正昭君) 日程第一 水銀に関する水俣条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長片山さつき君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔片山さつき君登壇、拍手〕
#42
○片山さつき君 ただいま議題となりました水銀に関する水俣条約につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この条約は、平成二十五年十月に熊本で開催された外交会議において採択されたものであり、水銀及び水銀化合物の人為的な排出及び放出から人の健康及び環境を保護することを目的として、水銀の規制等について定めるものであります。
 委員会におきましては、本条約成立の意義と早期発効に向けた我が国の働きかけ、本条約による水銀規制の内容と規制強化のための今後の取組、途上国支援など水銀対策強化のための我が国の協力等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#43
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#44
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#45
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十八  
  賛成           二百三十八  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#46
○議長(山崎正昭君) 日程第二 農林水産省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長山田俊男君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔山田俊男君登壇、拍手〕
#47
○山田俊男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、農林水産業の成長産業化に向けて、地域における創意工夫を生かした取組を支援するため、農林水産省の地方支分部局の組織再編を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、地方の拠点の管轄区域広域化に伴う懸念、新設する地方参事官の業務と人事の在り方、輸出促進の取組体制等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して紙智子理事より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#48
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#49
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#50
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十七  
  賛成           二百二十二  
  反対              十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#51
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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