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2015/06/10 第189回国会 参議院 参議院会議録情報 第189回国会 本会議 第25号
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2015/06/10 第189回国会 参議院

参議院会議録情報 第189回国会 本会議 第25号

#1
第189回国会 本会議 第25号
平成二十七年六月十日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二十五号
  平成二十七年六月十日
   午前十時開議
 第一 防衛省設置法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、道路運送車両法及び自動車検査独立行政法
  人法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 道路運送車両法及び自動車検査独立行政法人法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(山崎正昭君) 御異議ないと認めます。国土交通大臣太田昭宏君。
   〔国務大臣太田昭宏君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(太田昭宏君) 道路運送車両法及び自動車検査独立行政法人法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の自動車保有台数は、今日、八千万台を超え、自動車は国民各層に普及し、まさに国民生活に欠くことのできないものとなっております。また、自動車産業は、製造業の国内総生産の約二割を占める基幹産業であります。このため、自動車を取り巻く様々な状況の変化を踏まえつつ、自動車産業の国際競争力や自動車の安全の確保、国民や地域の多様なニーズへの対応に取り組むことが不可欠であります。あわせて、閣議決定を踏まえた独立行政法人改革を的確に進めることが必要であります。
 このような趣旨から、この度この法律案を提案することとした次第です。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、自動車の基準などに関する国際協定の改正に対応し、自動車の車両単位での基準適合性を各国間で相互に承認するための制度を創設することとしております。
 第二に、東京五輪特別仕様ナンバープレートなどの図柄入りナンバープレートを導入するため、自動車の所有者からの申請により、ナンバープレートの交換を可能とする制度を創設することとしております。
 第三に、昨今のリコール事案を踏まえ、より迅速かつ確実なリコールを行うため、リコールの実施に必要な報告徴収や立入検査の対象に装置メーカーを追加することとしております。
 第四に、自動車関係の独立行政法人に係る改革を推進するため、自動車検査独立行政法人と独立行政法人交通安全環境研究所を統合することとしております。
 そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(山崎正昭君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。金子洋一君。
   〔金子洋一君登壇、拍手〕
#7
○金子洋一君 民主党・新緑風会の金子洋一でございます。
 会派を代表して質問いたします。
 本題の道路運送車両法改正案に入る前に、漏れた年金の問題について質問いたします。
 日本年金機構がサイバー攻撃を受けて約百二十五万件の個人情報が流出したとのことですが、今後更に被害が拡大する可能性があるのでしょうか。また、情報が漏れた共有サーバーには、流出した百二十五万件以外の年金情報は存在していたのでしょうか。もしほかのデータがあったとすれば、これも漏れた可能性が考えられます。共に厚労大臣の御答弁を求めます。
 また、厚労大臣がこの件の第一報を受けたのが五月二十八日であるのにもかかわらず、国民に公表したのは六月一日で、この間四日のタイムラグがございました。事態の全容把握は大事ですが、これでは、厚労省は情報を隠蔽し、国民の年金を危険な状況にさらし続けたと指摘をされても仕方がありません。厚労省は、一刻も早く情報流出の事実だけでも公表して注意を促すべきだったのではないでしょうか。厚労大臣の答弁を求めます。
 重要なことは、国民の年金を守ること、確実に年金をお支払いすることです。厚労大臣は、漏れた情報が悪用されて年金をだまし取られた場合についても補償しないとしておられます。今回の年金情報の漏えいについて、国民の側には一切の過失がないにもかかわらず、年金がだまし取られた場合には補償しない、これでは国民は安心して老後を暮らすことはできません。今後どのような被害が生じても補償しないということに変わりはないのか、厚労大臣の明確な御答弁を求めます。
 さて、本題に入ります。
 道路運送車両法改正案について質問いたします。
 自動車は生活や経済活動に欠かせないものであり、また、自動車産業は、我が国でも製造業の出荷額の約二割を占めるとともに、下請、孫請と非常に裾野の広い我が国の大変重要な産業であります。
 本法律案は、自動車の安全に加え、自動車産業の国際競争力の確保、車検制度などに関わる独立行政法人改革の推進を図るものですが、これらについて質問いたします。
 今回の法律案で、図柄入りナンバープレートの導入に関して自動車のナンバープレート交換制度が創設をされます。これは我が国初のものであり、第一弾として、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの特別仕様の図柄が予定をされております。また、地方版の図柄の導入も検討されていると聞いております。
 こうした取組は高く評価したいと思いますが、この図柄入りナンバープレートの導入の意義や効果はどのようなものでしょうか。国交大臣にお尋ねいたします。
 また、車両単位の相互承認制度の創設についてですが、新たな制度の創設は、国連の車両等の型式認定相互承認協定、いわゆる一九五八年協定の改正に対応するものであり、従来は装置単位で相互承認を行っていたものを、約四十の装置について一括して相互承認を行うことが可能となります。輸出の際の審査手続が簡素化される効果があると聞いております。
 この一九五八年協定には、我が国や欧州各国を中心に五十一か国と一地域が加盟しておりますが、米国や中国、インドなどは加盟しておりません。今後、一九五八年協定未加盟国において自動車の販売、保有台数が爆発的に増加することが見込まれます。自動車産業がグローバル化する中で、輸出の簡素化を図る措置は自動車産業の国際競争力の観点から大変重要であり、これら未加盟国に対し協定への加盟を促す必要があると考えます。
 また、我が国の自動車産業は、自動ブレーキ、自動走行技術や、燃料電池自動車、低燃費技術等、自動車に係る最先端の安全環境技術を有していると認識しております。これら技術や制度について国際標準化を進めていく必要があると考えます。
 こうした状況を踏まえ、車両単位の相互承認制度の創設等を通じて、今後どのように我が国自動車産業の国際競争力の強化を図るのか、国交大臣にお考えを伺いたいと思います。
 次に、自動車検査独立行政法人と独立行政法人交通安全環境研究所の統合について伺います。
 今般の統合は平成二十五年十二月の閣議決定に基づくものですが、この閣議決定では、真に政策実施機能の強化に資する統廃合のみを実施すべきであるとしております。
 自動車検査独立行政法人は、車検の際に基準適合性審査を行う法人であります。一方、交通安全環境研究所は、自動車の安全環境基準の策定に必要な調査研究、型式指定の際の衝突試験を始めとする基準適合性審査、リコールの技術的な検証を行う法人です。
 自動走行や燃料電池自動車といった、新技術を採用した自動車を安心して利用するため、その環境を整備するとともに、これら技術の国際標準化を図ることが我が国自動車産業の国際競争力強化の観点からも大変重要となります。
 この国際標準化活動においては、交通安全環境研究所が、その専門性、経験を生かし、国連の会議体においても議長職を務めていると聞いております。統合法人の名称は自動車技術総合機構とされていますが、これまで述べた自動車技術を取り巻く環境を踏まえて、今回の独法統合によって具体的にどのように政策実施機能が強化されるのか、国交大臣に伺いたいと思います。
 次に、車検制度を中心に伺います。
 まず、今回の改正で、貨物自動車を中古で購入した場合に受ける新規検査を民間整備工場で受けられるようになることは高く評価したいと思います。
 さて、その民間整備工場では人手不足が進んでおります。日本自動車整備振興会連合会による平成二十六年度版自動車整備白書によれば、調査対象の四七・九%、約五割にも及ぶ整備事業場で自動車整備士が不足しております。そして、一〇・九%、約一割の事業場が既に運営に支障を来しているという調査結果が出ております。さらに、求人活動結果については、整備士を採用できなかったとする割合は、ディーラーが八・九%である一方、専業、兼業の事業場では三九・六%、約四割となっています。整備業界は従業員十名以下の企業が約八割を占め、大規模な採用活動が困難であり、また待遇面も違うため、このようにディーラー以外の整備場は特に人手不足に苦しんでおります。
 また、団塊の世代がこれから第一線を大勢退いていく中で若者が必要になるのですが、自動車整備学校入学者はこの十年で一万人余りから六千人程度とほぼ半減してしまいました。
 外国人の活用は難しいと思いますし、女性整備士の確保などの方策は考えられると思いますが、こうした厳しい環境の中で今後どのようにして自動車整備士を確保するのか、国交大臣のお考えを伺います。
 さて、自動車の点検整備は、道路運送車両法に規定されている自動車ユーザーの義務として位置付けられております。一九九五年の改正で、いわゆるユーザー車検が認められました。しかし、ユーザー車検扱いの大部分を占める代行事業者は認証整備事業者ではなく、分解整備を伴う定期点検整備を行うことは認められておりません。ユーザー自身が点検整備を実施しているとしても、必要な設備機器や整備技術を有しておらず、必ずしも適切な整備だとは考えにくいのであります。点検整備の実施者をユーザーであるとした記録簿が多いということでありますが、ユーザー自身が点検整備を実施しているのでは実はなく、実際には車検代行業者が偽って作成していることも考えられます。
 点検整備実施の指導を実効あるものとするためには、定期点検整備記録簿の真偽を含めた内容確認を厳格に行い、偽造作成等の不正が発覚した場合には厳正に取り締まるべきではないでしょうか。国交大臣のお考えを伺います。
 また、車検代行業者が未認証事業者でありながら認証事業者であるかのように装った場合には、ユーザーを欺き、安全、安心を損ないかねないことになるため、認証事業の疑似行為があった場合には取締りの対象とすべきではないでしょうか。国交大臣に所見を伺います。
 また、車検の際には、ユーザーの負担で自動車重量税の納付、自動車税の納税証明、さらに自賠責保険の加入等が求められております。ところが、整備事業者は、車検の依頼を受けたときに車検時に必要となるこれらの業務をユーザーに代わって行っており、大きな負担となっております。特に重量税については、多額の納税の立替払がキャッシュフローにおける大きな負担ともなっております。
 これらの業務に対し国から整備事業者への手数料等の見返りはありません。国交大臣に伺いますが、今後も自動車関係諸税を車検時に徴収し続けるのであれば、整備事業者の実質的な負担に対し何らかの補填措置を講ずるべきではないでしょうか。
 最後に、リコールへの対応について伺います。
 本法律案により統合される交通安全環境研究所では、国によるリコールの勧告や変更の指示、その判断根拠となる技術的なデータ等を提供するリコール技術検証業務を行っております。今般の統合により、この機能を決して損なってはなりません。
 自動車の複雑化、高度化や、装置、部品の共通化の進展により、今後もリコール対象台数が増加していくことが予想されます。この法改正や独法統合により、リコール対策強化について今後の取組はどうされるのか、国交大臣に伺いたいと思います。
 以上、我が国を代表する産業である自動車産業とその関連業界の発展を確かなものにするために、私ども民主党、今後とも活動することをお約束申し上げまして、質問の結びとさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣太田昭宏君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(太田昭宏君) 金子洋一議員の御質問にお答えいたします。
 まず、図柄入りナンバープレートの導入についてお尋ねがございました。
 ナンバープレートにつきましては、これまで図柄を入れることは認められておらず、車両のナンバーのみを記載するものでございました。平成十八年からは御当地ナンバーを導入し、地方から大変好評であり、地域の活性化や一体感があるということで評価をいただいているところであります。
 今般、国土交通省としては、ナンバープレートの多角的な活用の取組を更に前進させ、図柄入りナンバープレートの導入を図ることとしています。
 具体的には、第一弾として、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のエンブレムを施した東京五輪特別仕様ナンバープレートを実施することとしています。東京五輪特別仕様ナンバープレートは、大会に向けた国民的機運の醸成や意識の高揚に資すると認識をしております。
 また、これに続く施策として、地方版図柄入りナンバープレートについても実施することとしております。地方版図柄入りナンバープレートは、各地域より導入に関心が示されており、地域振興、観光振興や地域の連携強化、一体感醸成などの効果があると認識をしています。
 次に、我が国自動車産業の国際競争力強化についてお尋ねがございました。
 我が国においては、現在、国内生産される自動車の半数に当たる年間約五百万台が輸出されており、輸出面での国際競争力を確保することが特に重要と認識をしております。
 まず、今回の車両単位の相互承認制度の創設により、協定の加盟国への輸出審査手続が大幅に簡素化されます。また、自動車産業の国際競争力強化には、我が国制度、技術の国際標準化、相手国でのデファクトスタンダード獲得も重要であります。このため、国連の会議において日本が自動運転技術の国際基準の検討部会の議長を務めるなど、革新的技術の国際標準獲得の推進に取り組んでおります。これらの取組を通じ、我が国自動車産業の国際競争力の強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、独法統合による政策実施機能の強化についてお尋ねがございました。
 今回統合する二つの法人は、いずれも自動車の安全、安心を確保する業務を担っております。具体的には、交通安全環境研究所は、自動車の基準策定に必要な調査研究、新車の型式指定の審査やリコールに関する技術的な検証を行っております。また、自動車検査独立行政法人は、使用過程車の車検の審査を行っております。
 このように、両法人は親和性があるために、今回の統合によって、国際標準獲得のための研究体制の整備、車検の不具合情報を活用した迅速なリコールの実施、研究部門の知見を活用した革新的技術に対応する検査手法の開発等の連携強化を図ってまいります。これにより、自動車の安全、安心のための体制強化が図られるものと考えております。
 次に、自動車整備の人材確保についてお尋ねがございました。
 議員御指摘のとおり、業界団体の調査では、約半数の整備工場が整備士が不足していると答えており、整備士の人材確保は喫緊の課題であると認識をしております。
 このため、自動車関係団体から成る推進協議会と協力して、高校訪問などによる整備士のPRや、ポスター等による女性を含めた若者の整備士に対するイメージの向上に取り組んでおります。
 地域の車社会を支える自動車整備体制を維持するため、整備の技能人材の確保に引き続き全力で取り組んでまいります。
 次に、自動車の点検整備記録簿の不正についてお尋ねがございました。
 自動車の点検整備記録簿は、自動車の安全な運行に不可欠な点検整備の実施内容を記録する重要な書面であります。議員御指摘のとおり、車検代行業者による記録簿の偽造作成は、定期点検整備の実施状況を偽り、その適正な実施を阻害する等、悪質な問題であると考えます。
 昨年度、国交省として実態調査を行いましたが、その中で、車検代行業者による記録簿の不正な作成が確認をされました。国交省としては、このような代行業者への立入調査によって、不正行為の厳正な取締りを実施しております。またさらに、効果的な防止策についても検討してまいります。
 次に、自動車分解整備事業の認証を受けていない事業者の対策についてお尋ねがございました。
 道路運送車両法では、自動車の安全を確保するため、自動車の分解整備事業は、設備や要員に関する国の基準に適合した認証整備工場において行うことを義務付けております。認証を受けていない車検代行業者による分解整備は、自動車の安全に重大な支障が生ずるおそれがあります。
 昨年度、国土交通省が行った実態調査において、多くのユーザーが車検代行業者を認証整備工場と誤認し、車検の際に分解整備を伴う点検整備を依頼している事実が判明をしております。このため、国土交通省としては、未認証行為を行った代行業者に対し立入調査を行うとともに、警察に通報するなど厳正に対応してまいります。
 次に、重量税等の立替払の負担についてお尋ねがございました。
 道路運送車両法や自動車重量税法等に基づき、車検に併せて、国は、自動車重量税、自動車税の納付、自賠責保険への加入等を確認をしております。この際、ユーザーが依頼した整備事業者にこれらの費用を預け、支払を代行してもらうことが通例となっております。これは民間の商慣行で行われているものであり、基本的にはユーザーと整備事業者との間で対応すべき問題と考えます。
 一方で、整備事業者から立替払を負担とする声があることも承知をしているところです。このため、ユーザーに重量税等をあらかじめ用意いただくよう、ポスターやホームページ等で周知する等の取組を行っております。こうした取組を通じて、整備事業者の負担の軽減に努めてまいります。
 次に、リコール対策強化についてお尋ねがございました。
 自動車のリコール制度は、自動車の不具合による交通事故の未然防止又は拡大防止を図るものであり、自動車ユーザーの安全、安心を確保するための重要な制度であります。
 近年の自動車の装置の共通化、モジュール化の進展等を踏まえ、本法案においては、リコールに関する国の報告徴収、立入検査の対象に装置メーカーを追加する措置を講ずることとしております。これによりまして、装置メーカーが有する技術的な情報を自動車メーカーを経由することなく直接入手することが可能となり、リコールの迅速な実施が図られるものと認識をしています。
 また、今回設置される自動車技術総合機構におきまして、検査部門とリコール技術検証部が連携することで膨大な検査データの分析による自動車の不具合の早期発見が可能となり、リコール対応の迅速化が図られます。
 今後、この制度改正により強化されるリコール対策にしっかりと取り組み、自動車の安全確保に万全を期してまいります。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(塩崎恭久君) 金子洋一議員にお答え申し上げます。
 流出いたしました年金情報の件数についてのお尋ねがございました。
 百二十五万件は、五月二十八日木曜日の警察からの情報により、現時点において確認できたものでございます。更なる流出が生じることがないよう、安全性が確認されるまでの間、機構のパソコンのインターネットからの遮断を継続するとともに、個人情報を扱うパソコンは将来にわたってインターネットに接続しない等の対応を検討することとしております。
 情報が流出いたしました共有サーバーについてのお尋ねがありました。
 共有サーバーに保存されている情報については、現在、日本年金機構において調査分析を進めているところであり、その内容をできる限り早急に明らかにするよう指示しております。
 公表までのタイムラグについてのお尋ねがございました。
 日本年金機構から今回の情報流出の一報を聞いたのは五月二十八日木曜日夕刻であり、概要を聞いたのは五月二十九日金曜日の昼であります。その後、流出した情報の具体的内容と件数などを確認をし、問合せ対応等の準備を行い、現段階での整理及び準備ができたところで公表したものであり、公表したタイミングについては適切な対応であったと考えています。
 情報流出の被害への補償についてのお尋ねがございました。
 いわゆる成り済まし被害の防止など、今回の不正アクセス事案による影響を最小のものとすることが重要であります。
 このため、情報流出の対象である方については、個別に文書でお知らせをお送りするとともに、年金事務所の窓口で本人確認の徹底を図ることとしております。また、日本年金機構をかたった詐欺のおそれなどについて、政府広報を始め、他省庁とも協力しつつ、国民の皆様への周知、広報に取り組んでまいります。
 今回の情報流出の対象である方への年金の支払は、正しい年金記録に基づき確実に行ってまいります。被害が確認されていない現時点では補償までは考えていませんが、仮に具体的な被害が発生した場合には、個々の事例に応じ、法律の専門家等の意見も聞いていきたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#10
○議長(山崎正昭君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#11
○議長(山崎正昭君) 日程第一 防衛省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長片山さつき君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔片山さつき君登壇、拍手〕
#12
○片山さつき君 ただいま議題となりました法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、防衛省の所掌事務をより効果的かつ効率的に遂行し得る体制を整備するため、防衛装備庁の新設、技術研究本部及び装備施設本部の廃止、内部部局の所掌事務に関する規定の整備、自衛官定数の変更、航空自衛隊の航空総隊の改編等の措置を講ずるものであります。
 委員会におきましては、中谷防衛大臣に対し質疑を行うとともに、四名の参考人から意見を聴取したほか、本法律案により防衛装備庁に統合される防衛省技術研究本部への視察を行いました。
 委員会における質疑の主な内容は、官房長及び局長と幕僚長との関係を定めた防衛省設置法第十二条改正の趣旨と文民統制との関係、防衛装備庁新設によるコスト削減の効果と国際的な防衛装備・技術協力の取組、防衛装備庁と防衛産業との関係性と監査・監督体制の強化策、自衛隊の部隊運用業務を統合幕僚監部に一元化することの妥当性、航空自衛隊那覇基地への第九航空団新編の理由等でありますが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の井上委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(山崎正昭君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小西洋之君。
   〔小西洋之君登壇、拍手〕
#14
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました防衛省設置法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 本法案については、これが防衛省改革の一環として、統合運用機能の強化や防衛装備品の調達の効率化など、その一部改革の必要性などについては、民主党としても政権与党時代に真摯な検討を行ってきたところであり、一定の理解をいたします。
 しかし、本法案には、我が国の平和主義や、これまでの外交防衛の在り方を根底から覆す深刻かつ重大な問題が存在します。
 その一つは、防衛省設置法第十二条の改正について、これが、我が国のシビリアンコントロールの一翼を成すと理解されてきた防衛省内部の事務官と自衛官の関係、すなわち、いわゆる文官優位制、文官統制の法的な意味とその運用の実態を大きく変えるものになるのではないかという問題であります。
 すなわち、近代以降の我が国における国政上の最大の過ちであり、それを永久に阻止するための規定である憲法第六十六条第二項の文民条項についての昭和四十年の政府答弁にあるように、国政が武断政治に陥ることのないようにその危険を排除するというシビリアンコントロールの根本趣旨が、防衛省内部においてこの改正法によって法的かつ運用面において損なわれ、それによって武断政治の萌芽とその増殖を許す危険を解き放つものではないかという問題でございます。
 私は、自衛官が事務官に対し劣後する存在であるなどと主張しているのでは決してありません。しかし、唯一かつ最大最強の実力組織を担う自衛官が、我が国の歴史的教訓を踏まえ、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意しとある憲法前文の平和主義の法理にも照らして、どこの国よりも適切かつ強固なシビリアンコントロールに服していただくのは至極当然のことであります。そして、自衛隊における徹底したシビリアンコントロールを確保していかなければならないことは、昨今の政治情勢などに鑑みても明らかであります。
 すなわち、二〇〇八年の田母神航空幕僚長の専守防衛を否定する発言などの事案、一部元幕僚幹部における歴代政府の憲法解釈と相矛盾するような憲法見解の表明など、自衛官自らの在り方が厳しく問われなければならない状況があることは否定できないのであります。
 また、さきの衆院憲法審査会における自民党の推薦の参考人であった長谷部教授の見解表明にあるように、違憲の解釈変更や違憲の安保法制について、安倍内閣の閣僚は誰一人として安倍総理に苦言を呈せないのであります。こうした状況では、防衛省内部のシビリアンコントロールは防衛大臣だけで問題ないとする中谷大臣の答弁は、主権者国民も我々立法府も到底是認することはできないものであります。
 さらには、安保法制が強行された暁には、どこでも、誰とでも、何でもできる、まさに、切れ目もないが、歯止めもなく、止めどもない自衛隊の軍事力の行使が解禁されることになります。制服組の自衛官の役割は、これまでの正しい意味での専守防衛における任務から、次元を超えて拡大し深化することになります。
 そうした中で、シビリアンコントロールの法理とその運用の実務を壊す危険を解き放つことは、武断政治の危険を徹底的に排除するという憲法の条項と平和主義の法理に照らし、誠にゆゆしき事態であります。
 本法における第二の深刻、重大な問題は、昨年四月の、ずる抜けの武器輸出を解禁する防衛装備移転三原則が、防衛装備庁の設置により、まさに国策として強力に推進される体制が整うことであります。
 当然のことながら、武器輸出三原則は憲法の平和主義の精神にのっとったものであるとの昭和五十六年の政府答弁にもあるように、武器輸出の問題は、憲法前文に定める、全世界の国民の平和的生存権の保有の確認等をうたった、我が国の平和主義との厳然たる憲法問題であるとされてきました。
 しかし、絶対に許されざることに、防衛装備移転三原則を起草した国家安全保障局は、内閣法制局に対しこうした憲法の平和主義の関係について何ら審査を受けず、内閣法制局も何ら内閣法制局設置法に基づく意見事務を行使していないことが委員会の質疑で明らかになったところです。
 まさに、昨年の六月三十日に、七・一閣議決定の最終案文のみを国家安全保障局が内閣法制局に提出し、翌日七月一日の午前中に電話で内閣法制局より、憲法問題を含め意見なしとした解釈改憲と同様の、我が国の法の支配をじゅうりんする暴挙が繰り広げられていたことが明らかになったわけであります。
 こうした憲法違反の防衛装備移転の閣議決定やそれに基づく本法案が直ちに撤回されなければならないことは、我が国が法治国家であり、我が参議院が立法府であるならば至極当然のことであります。
 最後に、この度の防衛省設置法等の改正は、現在、安倍政権が推し進める違憲立法である安保法制の動きと広くその精神を共通するものであります。すなわち、七・一閣議決定にも昨年四月の防衛装備移転三原則にも、積極的平和主義という文言はちりばめられていても、憲法前文の平和主義という文言は一つも入っておりません。七・一閣議決定や安保法制策定に至る与党協議の政府提出資料の中にも、平和主義についての法理としての文言はただの一言も存在しないことを政府は認めております。
 民主党は、本年四月二十八日の党見解において、日本国憲法の基本的理念である平和主義を貫くとするとともに、集団的自衛権行使の新三要件は便宜的、意図的であり、立憲主義に反した解釈変更であるとして、七・一閣議決定が違憲無効であると明確に断じています。
 そして、その根拠として、解釈改憲の安倍総理の手口というべき、いわゆる昭和四十七年政府見解の恣意的な読替えが、同政府見解にある外国の武力攻撃という文言について、これが当然に我が国に対する外国の武力攻撃としか読めないはずのものを、同盟国などに対する外国の武力攻撃と勝手に読み替えるなどにより、七・一閣議決定に言う基本的な論理を導き出したものであると断じています。
 すなわち、昭和四十七年政府見解には、その作成当時から、限定的な集団的自衛権の行使が法理として含まれていたという安倍内閣の驚愕すべき主張は、その政府見解を作成した当時の吉國内閣法制局長官が、その作成の契機となった僅か三週間前の国会審議において、他国の防衛までをやるということは、憲法九条をいかに読んでも読み切れないと答弁し、かつ、昭和四十七年政府見解及び新三要件にある、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという文言を戦後議会の歴史で初めてそのときに使用し、それを、他国への侵略が生じているだけでは、日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されることはあり得ず、したがって、いかなる自衛の措置も行うことはできないと、まさに集団的自衛権の行使を全否定する根拠として用いていることなどからも、完膚なきまでに否定されるのであります。
 すなわち、昭和四十七年政府見解において限定的な集団的自衛権なるものは影も形も存在しないのであり、七・一閣議決定の基本的な論理は違憲無効の捏造された論理であることは明らかなのであります。
 加えて、我が参議院が昭和二十九年に可決した、自衛隊の海外出動たる集団的自衛権の行使は許さない旨の本会議決議の趣旨説明において、憲法九条の、自衛とは我が国が不当に侵略された場合に行う正当防衛行為であるとされ、かつ、将来において憲法の明文が拡張解釈される危険を一掃するとされていることからも、昭和四十七年当時の政府見解に限定的な集団的自衛権行使が含まれているという安倍内閣の主張は、我々立法府を否定する違憲無効の暴論であることは明々白々であります。
 結びに、我が民主党は、安倍内閣の解釈改憲及び安保法制の暴挙を断固阻止することを国民の皆様にお誓い申し上げ、こうした一連の暴挙に依拠する本法案に対する反対討論とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
#15
○議長(山崎正昭君) 井上哲士君。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
#16
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 私は、会派を代表して、防衛省設置法等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 本法案は、防衛省・自衛隊の装備取得関連部門を集約、統合し、防衛省の外局として防衛装備庁を新設するものです。
 安倍政権の下で、今年度の防衛予算は過去最高の額となりました。さらに、歴代の内閣が維持するとしてきた武器輸出三原則等を撤廃して、武器輸出を原則禁止から推進へと百八十度転換する防衛装備移転三原則を決定し、武器の輸出を推進する道に公然と踏み出しました。
 その上で、防衛省は、軍需産業の育成強化を図る防衛生産・技術基盤戦略を策定し、日米新ガイドラインには日米間の防衛装備・技術協力が盛り込まれ、安全保障及び防衛協力の基盤として発展、強化させると強調されました。
 その下で、この間、米国へのPAC2ミサイル部品の輸出、F35戦闘機の製造への参画、英国との新たな空対空ミサイルの実現可能性に係る共同研究の開始、オーストラリアの次期潜水艦共同開発、生産国選定手続への参加など、武器の輸出、国際共同開発への参画が加速しています。本法案で新設される防衛装備庁は、軍需産業の要求に応えて、官民がまさに一体となってこれらを一層推進するものであります。
 防衛装備庁は、今年度から防衛省が発足させた競争的資金、安全保障技術研究推進制度を進めることになります。今後、広く大学や研究機関から技術提案を募り、防衛装備に適用可能な基礎研究に資金を提供するとしています。
 憲法九条の精神は、戦後の学問研究の分野にも生かされてきました。一九四九年に創設された日本学術会議は、第一回総会で、軍事研究に積極的に協力したことへの反省を込めた決議を上げて出発いたしました。一九五〇年、六七年の総会でも、戦争目的のための科学研究を行わない声明を出しています。
 今、国立大学では、一般運営費交付金が削減をされ、経常研究費不足に悩む状況です。その下で、防衛省の資金であっても背に腹は代えられないと応募してくれば、それを突破口に徐々に軍事研究に大学を取り込むことを狙ったものであり、決して認められません。
 衆参での参考人質疑を通じて、このような組織づくりが急速な軍事化を招き、軍産複合体を生み、軍需産業による国の政策への介入をもたらすことの危険性について、日本や米国の歴史に照らして杞憂ではないとする厳しい警告がありました。大変重い指摘であります。
 このような組織改編を行うことが憲法九条の平和主義を真っ向から踏みにじることであることは明白です。強く中止を求めます。
 さらに、本法案による官房長、局長と幕僚長との関係規定の見直しは、防衛省内で文官を自衛官よりも上位に置いてきたいわゆる文官統制を廃止して、両者を同等に位置付けることにより、自衛官による大臣補佐をより迅速に行うことを可能とするものです。
 政府は、一九九〇年代以降、自衛隊を海外に派遣し、米国に対する支援活動を積み重ねてきました。本法案の自衛官による大臣への補佐の迅速化は、内局の運用企画局を廃止し、自衛隊の運用を統合幕僚監部に一元化することと相まって、米軍との共同軍事作戦を直接担う自衛隊の意向をより迅速かつ直接的に反映させる仕組みをつくることで、アメリカの戦争に直ちに協力できる機構をつくるものです。
 世界のどこでも、いつでも、アメリカが起こす戦争に自衛隊が支援、参加するための日米新ガイドラインや安保関連法制と一体の体制づくりであり、断じて容認できません。
 審議の中で、二〇〇六年に航空自衛隊が作成した航空自衛隊のドクトリン等に関する調査研究が問題になりました。この文書は、これまでは政治が決定する任務や役割を受けて対応するといった受動的姿勢であったが、今後は、場合によっては、現在の任務、役割、法的な枠組みを超えて空自が主体的に議論し、将来の憲法改正、集団的自衛権の解釈変更に対応する上で航空防衛力の運用に関わる基本的な考えを開発し、明確にすることが必要であるとしています。
 その上で、この文書は、これからは国家意思決定者に対して、統合幕僚長を通じての軍事的専門家としての助言を積極的に行うと述べています。本法案の自衛官による補佐の迅速化は、このような検討すら行っている自衛官の発言力をより強化するものであり、シビリアンコントロールをも危うくするものであります。
 憲法も現行法の枠組みも無視をした検討が組織的かつ周到に行われている恐るべき実態を示すものであり、断じて容認できません。徹底解明を求めるものであります。
 また、本法案は、航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機部隊を二個飛行隊化し、第九航空団を新設するとしていますが、こうした軍事対応の強化は、日中関係の緊張を高めるものであり、容認できません。日中双方がこうした軍事対応の強化を厳に戒め、冷静な話合いによる問題解決の立場に徹するべきであります。
 そもそも、防衛省の組織改編は、二〇一三年の防衛省改革の方向性に基づくとされるものであり、その前提には、二〇〇八年の防衛省改革会議報告書にもあったように、防衛調達をめぐる事務次官の供応、収賄など数々の不祥事が発生し、国民の厳しい批判の中でその再発防止が課題とされたことがありました。
 その後も、航空自衛隊による官製談合事件、軍需企業による防衛装備品の水増し請求事件、陸上自衛隊の多用途ヘリコプター開発の企業選定に係る事件が続発しています。なぜそうなるのか。審議を通じて明らかになったのは、昨年、防衛調達上位十社に対する防衛省・自衛隊からの天下りは六十四人に上り、不祥事で天下りを中止したその年の翌年には一気に増えるなど、事実上、天下り枠が固定している実態です。
 防衛省・自衛隊と軍需産業の天下りを通じた癒着構造が問題の本質であり、ここにこそメスを入れるべきです。にもかかわらず、防衛省は、調達をめぐる不祥事の抜本的な改革については別検討などと除外して、本法案を提出いたしました。本来なすべきことは一切骨抜きにした上で、ひたすら憲法九条の平和主義を踏みにじる施策のための組織改編に血道を上げることは、国民を欺くものであり、到底認められるものではありません。
 防衛調達上位十社から自民党に対する企業献金は、野党時代の二〇一二年の八千百十万円から、与党復帰後の二〇一三年には一億五千七十万円と、ほぼ倍加していることも明らかになりました。安倍政権は、財界の要求に応え、武器輸出推進への転換や防衛予算の増額など次々と進めており、企業献金の倍加は、国民にはその見返りにしか見えないものです。このようなていたらくでは、天下り受入れの見返りに発注する官製談合を行う防衛省・自衛隊の体質を正すことなどできないことを厳しく指摘するものであります。
 以上、本法案は断固廃案にすべきことを主張し、反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。
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#18
○議長(山崎正昭君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(山崎正昭君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            百五十四  
  反対             七十七  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#21
○議長(山崎正昭君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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